JP2020069017A - 遊技機 - Google Patents

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俊成 西村
Toshinari Nishimura
俊成 西村
彰 熊木
Akira Kumaki
彰 熊木
原田 紀彦
Norihiko Harada
紀彦 原田
嘉之 川添
Yoshiyuki Kawazoe
嘉之 川添
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Abstract

【課題】 視覚的に遊技性を向上可能な遊技機を提供する。【解決手段】 変形可能に構成される図柄フィルム620は、所定の条件が成立した場合に、図柄列に含まれる装飾図柄であって遊技者が視認可能な領域に位置する装飾図柄のうち少なくとも一部の装飾図柄の見た目が、特別図柄の変動表示の終了後に特別遊技状態が発生する確率が異なる複数種類の演出の中から選択された1の演出に対応する見た目となるよう変形される。よって、特別遊技状態の発生を装飾図柄の見た目から遊技者に期待させることができるので、抽選によって特別遊技状態が発生可能となる遊技の遊技性を向上させることができる。【選択図】 図24

Description

本発明は、弾球遊技機に代表される遊技機に関する。
パチンコ機などの遊技機においては、典型的に、図柄や様々な演出画像を表示可能な表示部が設けられており、当該表示部を用いて視覚的な演出を行うことで遊技性の向上が図られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−074175号公報
しかしながら、表示部を備える遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、視覚的に遊技性を向上可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、上記の課題を解決するために、
変形可能に構成されて複数の図柄を含む図柄列を変動表示可能な表示部と、
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段と、
前記始動条件が成立した場合に、前記表示部にて、前記図柄列を変動表示した後、前記抽選手段による抽選結果に対応する前記図柄が停止図柄となるよう当該図柄列の変動表示を終了する変動実行手段と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合、前記変動実行手段による変動表示の終了後に、通常遊技状態より有利な遊技状態である特別遊技状態を発生させる遊技制御手段と、
前記変動実行手段による変動表示の終了後に前記特別遊技状態が発生する確率が異なる複数種類の演出であって前記表示部を変形させる変形回数又は変形量の少なくとも一方が異なる複数種類の演出の中から1の演出を選択する演出選択手段と、
所定の条件が成立した場合に、前記演出選択手段により選択された演出に対応する見た目となるよう前記表示部を変形させる変形手段と、を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、視覚的に遊技性を向上可能な遊技機を提供することができる。
遊技機の一例としてのパチンコ機の正面側斜視図 パチンコ機を開放状態で示す斜視図 パチンコ機を他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機を更に他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機の正面図 パチンコ機の前ブロックを取り外した状態を示す正面図 遊技盤の正面図 パチンコ機の背面側斜視図 パチンコ機の背面図 パチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 主制御メイン処理の一例を示すフローチャート 主制御割込み処理の一例を示すフローチャート 装飾図柄表示装置の正面側斜視図 装飾図柄表示装置の正面側斜視図 装飾図柄表示装置の左から見た側面図 表示ユニット内を通過する図柄フィルムの経路の形状を説明するための模式図 表示ユニットの正面側から視認される図柄フィルムの一例を示す模式的な正面図 第3実施形態を説明するための模式図 リールが図17(A)に対応する状態にある装飾図柄表示装置の正面側斜視図 リールが図17(B)に対応する状態にある装飾図柄表示装置の正面側斜視図 リールが図17(C)に対応する状態にある装飾図柄表示装置の正面側斜視図 (A)は、第4実施形態の上側発光装置の斜視図、(B)および(C)は、各リールの移動によって形成された空間内に配置された上側発光装置による装飾図柄の表示を説明するための模式図 表示ユニット内を通過する図柄フィルムの経路と、各経路において表示ユニットの正面側から視認される図柄フィルムの一例を示す模式図 表示ユニット内を通過する図柄フィルムの経路と、各経路において表示ユニットの正面側から視認される図柄フィルムの一例を示す模式図
本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としてのパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1〜図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1〜図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としても良い。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としても良い。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A〜150Cには、回転操作が可能な回動片151A〜151Cが設けられている。回動片151A〜151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A〜151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A〜151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられれば良く、一定位置で回転のみする構成としても良いし、一定方向に移動する構成としても良いし、移動と回転との組合せにより動作する構成としても良い。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A〜151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側、又は中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性(透光性)の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性(透光性)の後方板223(図3参照)とを備えている。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。貯留部231には、パチンコ機100の内部から貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して貯留部231から貯留部241に流入する。
貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留部241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271〜275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271〜275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271〜275が設置されている。
枠発光装置271〜275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271〜275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等を投入して、それらの金額に対応する数値が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。これら操作装置261〜263により、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触する入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271〜275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域に到達し、遊技領域内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域は、概ね、外レール402と内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。なお、遊技領域に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて発射ソレノイド334の駆動制御が変化して発射力が調整される。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結しても良く、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしても良い。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容された状態にして遊技盤400の背面側に取り付けられている。
ここで、遊技盤400において、遊技領域に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された第1特別図柄に係る始動装置(具体的には、上始動入賞装置431)と、上始動入賞装置431に対して下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、下始動入賞装置432)と、下始動入賞装置432に対して下側に配置された大入賞装置434と、中央構造体420の左右両側に配置された普通図柄に係る始動装置436A,436Bと、下始動入賞装置432の左右両側に配置された一般入賞装置439A,439Bとを備えている。
また、遊技盤400には、上記した上始動入賞装置431等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、上始動入賞装置431に進入した遊技球を検出する上始動入賞スイッチ(上始動入賞スイッチ441)、下始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する下始動入賞スイッチ442、大入賞装置434に進入した遊技球を検出する大入賞スイッチ444、始動装置436A,436Bに進入した遊技球を各々検出する始動スイッチ446A,446B、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400に設置されている。
また、遊技盤400には、不正防止のために各種センサが設けられており(図10参照)、パチンコ機100に発生した異常を検出可能とされている。例えば、磁気センサ491、振動センサ492、電波センサ493等が遊技盤400に設置されている。
中央構造体420及び始動装置436A,436Bにおける遊技球の各入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域に放出される。各入賞装置、具体的には、上始動入賞装置431、下始動入賞装置432、大入賞装置434、及び一般入賞装置439A,439Bの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。
なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されても良いし、2以上の入賞装置が一体化された装置によって入賞装置が構成されても良い。例えば、本実施形態においては、上始動入賞装置431と下始動入賞装置432とが別々の入賞装置である構成としたが、上始動入賞装置431と下始動入賞装置432とが一体化された入賞装置である構成であってもよい。また、上始動入賞装置431や下始動入賞装置432等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入賞口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域に再び放出される入球口としても良い。
第1特別図柄に係る上始動入賞装置431、並びに、一般入賞装置439A及び一般入賞装置439Bの各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る下始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る始動装置のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄に係る始動装置(例えば、上始動入賞装置431)、一般入賞装置439A,439Bのいずれか又は複数に設けても良い。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成しても良いし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成しても良い。
第2特別図柄に係る下始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる進入規制機構452と、進入規制機構452を駆動する進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。進入規制機構452は、進入規制ソレノイド462によって駆動される2つの可動片を備えており、進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、2つの可動片が進入口(入賞口)を狭窄する(又は閉鎖する)配置をとることによって遊技球は下始動入賞装置432に進入できないが、進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、2つの可動片がそれらの先端部の間隔が拡大するような配置をとることによって遊技球は下始動入賞装置432に進入できるようになる。
進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436A,436Bへ進入した遊技球が始動スイッチ446A,446Bで検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
大入賞装置434には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する進入規制機構454と、進入規制機構454の姿勢を変化させる進入規制ソレノイド464(図10参照)とが設けられている。
進入規制機構454は、大入賞装置434の前面側に配置されて進入規制ソレノイド464によって駆動される板状の可動片を備えており、進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合には、当該可動片が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は大入賞装置434に進入できないが、進入規制機構454が進入許容姿勢である場合には、当該可動片が下辺を軸として前方に押し倒されて進入口を開放することによって遊技球は大入賞装置434に進入できるようになる。
なお、進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入賞口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであれば良い。また、進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としても良い。
大入賞装置434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る上始動入賞装置431へ進入した遊技球が上始動入賞スイッチ441で検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る下始動入賞装置432へ進入した遊技球が下始動入賞スイッチ442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、予め定めた時間の経過後に進入規制ソレノイド464が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ進入規制機構454が進入許容姿勢をとる。
なお、本実施形態のパチンコ機100においては、上述したように、大当りの抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)において当選した場合、予め定めた時間の経過により大入賞装置434が作動を開始する構成としたが、当該構成に代えて、又は、当該構成に加えて、大入賞装置434が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置(以下、当該装置を「役連作動装置」とも称す)を遊技領域内に設け、大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置の遊技球の通過を条件として、大入賞装置434が作動を開始する構成としてもよい。役連作動装置の遊技球の通過を大入賞装置434の作動条件とする構成においては、遊技者は、大当りに当選した場合に自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることが可能となる。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471〜473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476〜478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、上始動入賞装置431に進入した遊技球が上始動入賞スイッチ441(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、下始動入賞装置432に進入した遊技球が下始動入賞スイッチ442(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動装置436A又は始動装置436Bに進入した遊技球が始動スイッチ446A又は始動スイッチ446Bによって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置600が設けられている。詳細は後述するが、装飾図柄表示装置600は、フィルム状の基体を輪状にした図柄フィルム620(図13参照)を用いて装飾図柄を表示する装置である。装飾図柄表示装置600は、中央構造体420の開口内に配置される表示ユニット610を備えており、表示ユニット610において、図柄フィルム620に描かれた装飾図柄を視認可能に表示する。
装飾図柄表示装置600による装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。なお、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と装飾図柄の変動表示及び確定表示とは、必ずしも完全に一致するタイミングで変動開始したり、確定表示として停止表示をしたりする必要はなく、各タイミングに僅かな時間差を設けつつ略同じタイミングで変動を開始し、略同じタイミングで確定表示が行われる設定としても良い。
また、遊技盤400は、装飾図柄表示装置600に対して上側に設けられた上側発光装置495と、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)とを備えている。上側発光装置495及び盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、選定された大当り種別に対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。具体的に、選定された大当り種別が所定の確変大当りである場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態(以下において「時短状態」とも称す)であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「時短遊技状態」とも称す)へ移行する。一方、選定された大当り種別が所定の時短大当りである場合には、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行する。なお、大当り種別の選定確率は、例えば、確変大当りが35%、時短大当りが65%に設定されている。
時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、50回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。また、確変遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、100回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としても良いし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成しても良いし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としても良いし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としても良い。
なお、大入賞装置434のような大入賞装置が、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、大入賞装置に進入した遊技球を当該大入賞装置の内部通路としての非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイドとを備え、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合に、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる構成としてもよい。例えば、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には確変遊技状態へ移行し、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合(すなわち、非特定通路へ侵入した場合)には時短遊技状態へ移行する構成としてもよい。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る上始動入賞装置431に進入した遊技球が上始動入賞スイッチ441A(図10参照)によって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、第2特別図柄に係る全ての単位遊技の終了後に開始される。すなわち、今回の始動入賞の後に第2特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される。なお、必ずしも第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成とする必要はなく、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位遊技優位制御が実行される構成であっても良いし、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であっても良い。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、進入規制機構454が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、6ラウンドと16ラウンド)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類毎に大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。装飾図柄の変動パターンには、大別して、第1特別図柄または第2特別図柄に係る停止図柄(大当り図柄またはハズレ図柄)に対応する装飾図柄が確定表示される前にリーチ表示がなされる変動パターン(以下において「リーチ変動パターン」とも称す)と、第1特別図柄に係る停止図柄がハズレ図柄である場合に対応する装飾図柄が確定表示される前にリーチ表示がなされない変動パターンとがある。
なお、「リーチ表示」とは、第1特別図柄または第2特別図柄に係る単位遊技における装飾図柄の変動表示が開始された後、装飾図柄表示装置600における左右の図柄列に先に確定表示した装飾図柄の組み合わせに相当する一部の組合せが大当りとなるための条件を満たしており、中央の図柄列にて変動表示が継続する残りの装飾図柄が確定表示された際の表示結果(すなわち、停止図柄)の次第によって大当りとなる可能性があることを遊技者に示唆する表示である。
リーチ表示には、比較的短い変動表示時間(例えば、略25秒〜略30秒)のリーチ表示であるノーマルリーチと、ノーマルリーチより長い変動表示時間(例えば、略60秒〜略180秒)のリーチ表示であるスーパーリーチとが含まれる。なお、リーチ表示の種別は、ノーマルリーチとスーパーリーチとの2種類であることに限らず、スーパーリーチより長い変動表示時間のリーチ表示であるスペシャルリーチなどを含む3種類以上であってもよい。
リーチ変動パターンは、ノーマルリーチおよびスーパーリーチといったリーチ表示の種別ごとに設けられている。なお、ノーマルリーチは、1種類のみが設定されていてもよいし、変動表示時間の異なる複数種類が設定されていてもよい。ノーマルリーチが複数種類設定されている場合、リーチ変動パターンは、各種類のノーマルリーチ毎に設けられている。同様に、スーパーリーチもまた、1種類のみが設定されていてもよいし、変動表示時間の異なる複数種類が設定されていてもよい。スーパーリーチが複数種類設定されている場合、リーチ変動パターンは、各種類のスーパーリーチ毎に設けられている。
第1特別図柄の変動表示時間が決定され、装飾図柄の変動パターンが選択された後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置600における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、大入賞装置434の進入規制機構454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。進入規制機構454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、進入規制機構454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、進入規制機構454が進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
進入規制機構454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る下始動入賞装置432に進入した遊技球が下始動入賞スイッチ442によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436A又は始動装置436Bに進入した遊技球が始動スイッチ446A又は始動スイッチ446Bによって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、下始動入賞装置432の進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、下始動入賞装置432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、下始動入賞装置432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略4.8秒)に亘って間欠的に(例えば、3回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10個)の遊技球が下始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における下始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく下始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が下始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく下始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略4.8秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選することによる時短遊技状態又は確変遊技状態への移行を目指して遊技する。そして、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。
図7に示すように、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域の中央部に中央構造体420が設けられているので、主に中央構造体420の左側から遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側から遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。なお、本実施形態のパチンコ機100においては、左打ち遊技手法または右打ち遊技手法のいずれによっても、上始動入賞装置431、下始動入賞装置432、大入賞装置434、及び始動装置436A,436Bに遊技球を進入させることが可能に構成されるので、遊技者は、どの遊技状態であるかにかかわらず、左打ち遊技手法または右打ち遊技手法のうち自身の好みに応じた遊技手法によって遊技を行うことができる。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する球誘導部としての誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球が1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れを検出するための球切れ検出部539が設けられている。球切れ検出部539には、貯留球スイッチ591(図10参照)が内蔵され、貯留球スイッチ591によって、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照)と、払出計数スイッチ592(図10参照)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。放出された遊技球の球通路の通過は、払出計数スイッチ592に検出され、これにより、払出制御装置560(払出制御基板930)が遊技球の払い出し数を計数する。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を含んでいる。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、これら電力は、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。
電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報を初期化する。なお、初期化スイッチ907は、必ずしも信号中継部903を介して主制御基板920に信号を出力する構成とする必要はなく、例えば、初期化スイッチ907を主制御基板920に直接搭載する等して基板ケース371内に初期化スイッチ907が収容される構成としても良く、これにより信号が伝送される区間を狙った不正な信号入力を抑止することができる。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力し、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させる。また、主制御基板920は、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力し、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させる。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識する。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。
払出制御基板930は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920及び中継装置950とは双方向の情報入出力通信が可能に接続され、開閉検出スイッチ108,109、貯留球スイッチ591、及び、払出計数スイッチ592とは、一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、払出モータ542とは、一方向のみの情報出力通信のみが可能に接続されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態において一定の期間にわたって内部データを維持可能とするバックアップ機能を有する構成としても良いし、主制御基板920のRAMとは異なり、停電状態において内部データを維持しない構成としても良い。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920とは一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、入力操作装置260とは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置600の駆動モータ631,681等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001〜乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAMの一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAMの保存情報を消去するか否かが判定される。ここで、保存情報とは、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な情報であって、停電前に遊技の進行に応じて更新されていたRAMの一部の領域に対応し、実行中の単位遊技に関するカウンタの値や、始動入賞によって格納されたカウンタの値等が例示される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAMの保存情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰する。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行される。
立上時の状況に応じたRAMの初期設定(判定処理S1004〜初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止される。その後に、パチンコ機100の遊技の進行制御や各種センサの監視等といった実質的な制御に係る停電監視処理S1202〜外部情報出力処理S1221が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208〜外部情報出力処理S1221は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1222が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAMの一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は、遊技の進行や各種センサの監視等といった実質的な制御を行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAMの状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行される。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としては各カウンタに固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、各カウンタの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
なお、特別図柄及び普通図柄に係る各当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ並びに各変動種別カウンタは、必ずしも上記構成とする必要はなく、上記カウンタの少なくとも一部を他の構成としても良く、例えば、初期値カウンタを利用しないで一定の初期値から更新する構成としても良いし、プログラムを利用しないで乱数生成用ICにより構成して必要に応じて値を参照する構成としても良い。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、遊技進行を停止させるための各処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、発射ソレノイド334、進入規制ソレノイド462、進入規制ソレノイド464等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。
スイッチ読込処理S1209においては、上始動入賞スイッチ441A、中始動入賞スイッチ441B、下始動入賞スイッチ442、大入賞スイッチ444、始動スイッチ446A,446B、及び、一般入賞スイッチ449A,449Bの各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAMの一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAMの所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、下始動入賞装置432、大入賞装置434の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による下大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による下始動入賞装置432、大入賞装置434の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、下始動入賞装置432、上大入賞装置434への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、上始動入賞スイッチ441(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、中始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。また、下始動入賞スイッチ442(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出される毎に1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定される毎に1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行する毎に(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、第1特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄の変動表示および確定表示を装飾図柄表示装置600に表示させるための各情報が選択される。例えば、第1特別図柄に係る単位遊技において装飾図柄表示装置600にて実行する装飾図柄の変動表示の変動パターンが、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて選択される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄の変動表示および確定表示を装飾図柄表示装置600に表示させるための各情報が選択される。例えば、第2特別図柄に係る単位遊技において装飾図柄表示装置600にて実行する装飾図柄の変動表示の変動パターンが、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて選択される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に下始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力される。
また、表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217において選択された、装飾図柄の変動表示および確定表示を装飾図柄表示装置600に表示させるための各情報に対応する各種コマンドが設定される。例えば、特別図柄関連処理S1217において選択された変動パターンに対応する変動パターンコマンドが設定される。設定されたコマンドは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において副制御基板940に出力される。副制御基板940は、主制御基板920から受信したコマンドに基づいて装飾図柄表示装置600を制御する。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
<装飾図柄表示装置600>
次に、図13から図15を参照して、装飾図柄表示装置600について説明する。図13および図14は、装飾図柄表示装置600の正面側斜視図である。より詳細には、図13は、表示ユニット610が第1位置に位置する場合における装飾図柄表示装置600の正面側斜視図であり、図13は、表示ユニット610が第2位置に位置する場合における装飾図柄表示装置600の正面側斜視図である。なお、図13および図14においては、図柄フィルム620に描かれている装飾図柄の図示を省略している。
図13および図14に示すように、装飾図柄表示装置600は、表示ユニット610と、図柄フィルム620と、駆動手段630とを備えている。表示ユニット610は、図柄フィルム620に描かれた装飾図柄を遊技者に対して視認可能に表示する部位であり、アーム部641,642,643を介して、遊技盤400に対して固定されるフレーム650に取り付けられる。
表示ユニット610は、左または右側から見て略正円の円弧状に形成されて装飾図柄の表示領域が開口されたフレーム611と、フレーム611の上端側から下端側に延びる板状の裏板部材612と、表示ユニット610における上側部に設けられて図柄フィルム620を表示ユニット610の内側から外側に又はその反対方向に誘導する上側誘導ローラ613と、表示ユニット610における下側部に設けられて図柄フィルム620を表示ユニット610の内側から外側に又はその反対方向に誘導する下側誘導ローラ(図13および図14においては図示されず)とを備えている。なお、以下においては、当該「下側誘導ローラ」を、便宜上、「下側誘導ローラ614」とも称す。
また、表示ユニット610は、裏板部材612の前側に設けられたLED等の発光部615を備えている。発光部615は、副制御基板940によって発光色や点灯パターン等が制御される。表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620は、その後側から発光部615が発光することで、図柄フィルム620に描かれた装飾図柄を遊技者に視認させることができる。
図柄フィルム620は、複数の装飾図柄が所定の順序で列状に描かれたフィルム状の基体を輪状にした輪状体である。1の図柄フィルム620が1の図柄列を構成する。本実施形態のパチンコ機100においては、3つの図柄フィルム620を左右方向に並べて配置することで3列の図柄列による装飾図柄の表示(変動表示、確定表示)を実現する。
図柄フィルム620には、その左端側および右端側に、それぞれ、列状に配列された複数の穴(パーフォレーション)621が形成されている。各端側の穴621は、駆動ローラ661の左端側および右端側にそれぞれ当該駆動ローラ661の周回方向に略一定の間隔で突出形成された爪部661Aが各々係合可能な間隔で形成される。これにより、駆動ローラ661が駆動(回動)された場合、図柄フィルム620は、穴621に係合する爪部661Aによって当該駆動ローラ661の回動方向に送られる。
輪状体である図柄フィルム620は、表示ユニット610より下側に設けられた駆動ローラ661と、表示ユニット610より上側に設けられた従動ローラ662と、従動ローラ662に対し下前側に位置する、表示ユニット610の上側誘導ローラ613と、表示ユニット610の内部に設けられて図柄フィルム620を側面視において前方側に凸となる略正円の円弧状に案内する複数の案内ローラ(図13および図14においては図示されず)と、駆動ローラ661に対し上前側に位置する、表示ユニット610の下側誘導ローラ614(図13および図14においては図示されず)との間に係回される。なお、以下においては、表示ユニット610に設けられる当該「案内ローラ」を、便宜上、「案内ローラ616」とも称す。
なお、駆動ローラ661、従動ローラ662、表示ユニット610の上側誘導ローラ613、案内ローラ616、および、表示ユニット610の下側誘導ローラ614は、いずれも、図柄列毎に設けられている。図柄列毎に設けられた各ローラは、同種のローラがそれぞれ同軸となるよう設けられている。
駆動ローラ661および従動ローラ662は、フレーム650に軸周りに回動可能に取り付けられる。表示ユニット610の上側誘導ローラ613および下側誘導ローラ614は、フレーム611における上側または下側に軸周りに回動可能に取り付けられる。案内ローラ616は、その両端側が、フレーム611内において各図柄列を区画する側壁部(図示せず)に軸周りに回動可能に取り付けられる。
具体的に、駆動ローラ661と、駆動ローラ661の略直上に位置する従動ローラ662は、図柄フィルム620の内側に位置し、図柄フィルム620の穴621を駆動ローラ661の爪部661Aに係合させつつ、図柄フィルム620の上下端を支持する。表示ユニット610の上側誘導ローラ613は、図柄フィルム620の外側に位置し、従動ローラ662と、上側誘導ローラ613に最も近い案内ローラ616との間で図柄フィルム620を変角させる。案内ローラ616は、図柄フィルム620の内側に位置し、図柄フィルム620を前方側に凸となる略正円の円弧状に張設する。表示ユニット610の下側誘導ローラ614は、図柄フィルム620の外側に位置し、駆動ローラ661と、下側誘導ローラ614に最も近い案内ローラ616との間で図柄フィルム620を変角させる。
駆動手段630は、図柄フィルム620を回動させるための駆動源を構成し、副制御基板940の制御によって駆動される駆動モータ631(図10参照)を備えている。1の図柄フィルム620に対し、1の駆動手段630が設けられる。よって、本実施形態のパチンコ機100においては、図13および図14に示すように、3つの駆動手段630が設けられている。
駆動モータ631は、歯車671に接続される。これにより、駆動モータ631が駆動された場合には、歯車671が回動する。歯車671は、所定の伝達機構を介して駆動ローラ661に接続されているので、駆動モータ631を駆動することによって、駆動ローラ661を駆動(回動)させ、それによって、図柄フィルム620が回動する。
なお、歯車671の回転方向は駆動モータ631の回転方向に応じて変化するので、駆動モータ631の回転方向を変化させることで、駆動ローラ661の回転方向が変化し、それによって、図柄フィルム620の回転方向(回動方向)を変化させることができる。
装飾図柄表示装置600においては、遊技者は、上述したように表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620の装飾図柄を視認できる構成であるので、図柄フィルム620を回動させることで、表示ユニット610において装飾図柄の変動表示が行われていると遊技者に認識させることができ、回動されていた図柄フィルム620を停止させることで、表示ユニット610において装飾図柄の確定表示または停止表示が行われたと遊技者に認識させることができる。
駆動手段630は、各図柄列を構成する図柄フィルム620毎に設けられているので、副制御基板940の制御によって各図柄フィルム620に対応する駆動手段630(駆動モータ631)を各々独立して駆動させることで、各図柄列における装飾図柄の表示(変動表示、確定表示)を各々独立して表示させることができる。
特に、装飾図柄表示装置600においては、図柄フィルム620が表示ユニット610において案内ローラによって前方側に凸となる略正円の円弧状に案内される構成であるので、図柄フィルム620の装飾図柄を、リールの外表面に描かれた装飾図柄の如く遊技者に認識させることができる。
本実施形態の装飾図柄表示装置600は、表示ユニット610の位置を移動可能に構成される。より詳細には、表示ユニット610の位置を、初期位置である第1位置(図13参照)と、当該第1位置より後方側かつ上方側である第2位置(図14参照)との間で移動可能に構成される。本実施形態のパチンコ機100においては、所定の条件が成立した場合(例えば、特別図柄の変動表示中における所定の時期(例えば、リーチ表示が行われる時期など)が到達した場合など)に表示ユニット610が動作されるよう構成される。
装飾図柄表示装置600は、図13および図14に示すように、表示ユニット610の位置を移動させる手段として、駆動手段680と、歯車691と、回転板692と、接続部693と、アーム部641,642,643とを備えている。当該手段は、装飾図柄表示装置600の左側および右側に各々設けられている。
なお、図13および図14においては、装飾図柄表示装置600の右側に設けられた当該手段の一部が隠れて図示されていないが、装飾図柄表示装置600の左側に設けられた当該手段と同様の手段が装飾図柄表示装置600の右側にも設けられている。
駆動手段680は、表示ユニット610を移動させるための駆動源を構成し、副制御基板940の制御によって駆動される駆動モータ681(図10参照)を備えている。駆動モータ681は、歯車691に接続される。これにより、駆動モータ681が駆動された場合には、当該駆動モータ681の回転方向に応じた向きに歯車691が回動する。
回転板692は、フレーム650に軸周りに回動可能に取り付けられる。回転板692における歯車691側には、歯車691に係合するギヤ状の歯部が設けられており、歯車691が回動した場合には、歯車691の回動方向に応じた向きに回転板692が回動する。
回転板692の外側(歯車691とは反対側)には、内外に略平行に周回する2つの壁が立設され、これらの壁の間に、接続部693から突出する突出部を係合させることでカムとして機能する係合部692Aが形成される。周回する形状の係合部692Aは、回転板692の回転軸の外側に当該回転軸に対して偏心した位置に設けられているので、回転板692を回転させることで、係合部692Aの位置を上下方向に移動させることができる。
よって、係合部692Aに接続部693の突出部を係合させた状態で回転板692が回転された場合、当該突出部は、係合部692Aを摺動しながら、当該係合部692Aの移動方向に応じて上方側または下方側への力を受けるので、その結果、接続部693が上方側または下方側に移動する。なお、係合部692Aにおける、接続部693の突出部が摺動する領域は、滑らかな曲線でなく、所々で蛇行する形状に構成されるので、接続部693は、回転板692の回転に伴ってスムースに上下するのでなく、所々で移動速度が不規則に変化しながら上下する。
接続部693は、その上端側に設けられた突出部が係合部692Aに係合され、下端側がアーム部641に固定される。アーム部641は、表示ユニット610の位置を移動させるアームとして機能する。アーム部641の上端側は、フレーム650に対して回動可能に接続される。一方、アーム部641の下端側は、表示ユニット610の側面に当該表示ユニット610に対して相対的に回動可能に接続される。
アーム部642およびアーム部643は、表示ユニット610を適切な向きに保持させるアームとして機能するとともに、アーム部641による表示ユニット610の移動中に、当該表示ユニット610を適切な向きに維持させるアームとして機能する。
アーム部642の上端側は、表示ユニット610の側面の上端側に当該表示ユニット610に対して相対的に回動可能に接続される。一方、アーム部642の下端側が、フレーム650に対して回動可能に接続される。
アーム部643は、アーム部642に対して下方側に配置される。アーム部643の上端側は、表示ユニット610の側面の下端側に当該表示ユニット610に対して相対的に回動可能に接続される。一方、アーム部643の下端側は、フレームに対して回動可能に接続される。なお、アーム部642における上端側の回動軸と下端側の回動軸との距離は、アーム部643における上端側の回動軸と下端側の回動軸との距離と略同一とされる。
ここで、図15を参照して、表示ユニット610の位置が移動する仕組みについて説明する。図15は、装飾図柄表示装置600を左から見た側面図である。なお、図15においては、フレーム650の上端側など一部構成の図示を省略している。
また、図15においては、表示ユニット610が第1位置に位置する場合と表示ユニット610が第2位置に位置する場合との両方をいずれも実線で重ねて図示している。特に、理解を容易にするために、第1位置および第2位置にそれぞれ位置する表示ユニット610の略外形を太い実線によって図示している。
また、図15においては、理解を容易にするために、表示ユニット610が第1位置に位置する場合について、回転板692、係合部692A、接続部693、アーム部641,642,643の略外形を太い実線によって図示している。また、これらの各構成692,692A,693,641,642,643については、表示ユニット610が第1位置に位置する場合に対してのみ付番を付している。
表示ユニット610が第1位置(初期位置)に位置する状態において、駆動手段680(図13および図14参照)の駆動モータ681(図10参照)が副制御基板940の制御によって駆動されると、歯車691が左側から見て時計回りに回動し、それによって回転板692が左側から見て反時計回りに回動する。
回転板692が左側から見て反時計回りに回動すると、それに伴って、係合部692Aの位置が上方側に移動するので、接続部693が上方側に移動し、それによって、アーム部641が、上端側の軸周りに右側から見て反時計回りに回動する。これにより、アーム部641の下端側に接続された表示ユニット610が、上方側に移動しながら後方側へと移動する。
なお、本実施形態のパチンコ機100においては、アーム部641の回動角が、表示ユニット610の上方側への移動量が後方側への移動量より大きくなるような角度(例えば、略30度)に設定されている。これにより、表示ユニット610は、アーム部641が上端側の軸周りに右側から見て反時計回りに回動した場合に、上方側に所定の移動量で移動しながら、当該上方側への移動量より小さい移動量で後方側に移動する。
このとき、アーム部642およびアーム部643は、それぞれ、表示ユニット610の移動に伴い、下端側の軸周りに右側から見て反時計回りに回動する。アーム部642における上端側の回動軸と下端側の回動軸との距離は、アーム部643における上端側の回動軸と下端側の回動軸との距離と略同一に構成されるので、アーム部641の作動によって第1位置から第2位置へと移動する表示ユニット610の向きは、その移動中において、適切な向きのまま維持される。よって、表示ユニット610の移動によって当該表示ユニット610の向きが装飾図柄を視認し難い不適切な向きとなることを抑制できる。
駆動モータ681は、副制御基板940制御によって、表示ユニット610が第2位置に到達するまで駆動される。これにより、上方側に移動しながら後方側へと移動する表示ユニット610は、第2位置において停止する。
一方、表示ユニット610が第2位置に位置する状態において、駆動手段680の駆動モータ681が副制御基板940の制御によって駆動されると、歯車691が左側から見て反時計回りに回動する。その結果、各構成692,692A,693,641,642,643は、上述した動作(表示ユニット610が第1位置から第2位置へ移動する場合の動作)とは逆に動作する。これにより、表示ユニット610は、下方側に移動しながら後方側へと移動し、第1位置において停止する。より詳細には、表示ユニット610は、下方側に所定の移動量で移動しながら、当該下方側への移動量より小さい移動量で前方側に移動する。
なお、上述したように、接続部693は、回転板692の回転に伴い、所々で移動速度が不規則に変化しながら上下する構成であるので、アーム部641の作動に伴う表示ユニット610の移動もまた、所々で移動速度が不規則に変化する。これにより、表示ユニット610が第1位置から第2位置へ移動した場合、または、その反対方向に移動する場合に、その移動を遊技者に印象づけやすい。
次に、以上説明したパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、図柄フィルム620に描かれた装飾図柄を遊技者に対して視認可能に表示する表示ユニット610が、所定の条件が成立した場合(例えば、特別図柄の変動表示中における所定の時期(例えば、リーチ表示が行われる時期)に到達した場合など)に移動するよう構成されているので、装飾図柄を表示するための表示ユニット610が役物のように機能し、それによって、遊技球を用いた遊技の遊技性を視覚的に向上させることができる。
特に、表示ユニット610の移動は、上方側(または下方側)に所定の移動量で移動するとともに、当該上方側への移動量より小さい移動量で後方側(または前方側)に移動する構成であるので、表示ユニット610の移動を遊技者に印象づけ易い。よって、装飾図柄の表示による遊技性を好適に向上させることができる。
なお、表示ユニット610の移動条件である、「所定の条件」としては、必ずしも、特別図柄の変動表示中における所定の時期に到達した場合に限らず、種々の条件を「所定の条件」として採用できる。例えば、「所定の条件」が、特別遊技状態(大当り)中における所定の時期(例えば、ラウンドの開始時など)に到達した場合であってもよく、装飾図柄の変動パターンが所定の変動パターン(例えば、所謂スーパーリーチ)である場合であってもよく、予め決められた時期(例えば、特別図柄の変動表示中における所定の時期(例えば、特別な演出を実行させるか否かを遊技者に選択させる時期など)に遊技者が所定の操作装置(例えば、押圧操作装置261)を操作した場合であってもよく、自動または遊技者によって所定の遊技または演出のモードが選択された場合であってもよく、確変遊技状態や時短遊技状態など所定の遊技状態に移行した場合であってもよい。また、表示ユニット610を移動させるか否かの抽選に当選し、かつ、「所定の条件」が成立した場合に、表示ユニット610を移動させる構成であってもよい。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、変形の自由度が高い図柄フィルム620を用いて装飾図柄を表示する構成であるので、装飾図柄表示装置600の前後方向のサイズ(長さ)を、ドラムのような固定的な形状の部材を用いて構成される装飾図柄表示装置に比べて短くまたは薄くすることができる。かかる装飾図柄表示装置600を採用することで、パチンコ機100の薄型化であったり、装飾図柄表示装置600以外の部品や装置を配置するスペースの自由度を高めたりすることができる。
<第2実施形態>
次に、図16および図17を参照して、第2実施形態について説明する。上述した実施形態(第1実施形態)のパチンコ機100においては、表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620が一定の形状の経路で案内される構成としたが、第2実施形態のパチンコ機100においては、表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620が異なる複数形状の経路で案内可能に構成される。なお、以下の説明において、上述した第1実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図16は、表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620の経路の形状を説明するための模式図である。より詳細には、図16は、表示ユニット610の側断面を簡略的に図示したものである。なお、図16においては、表示ユニット610におけるフレーム611や裏板部材612など一部構成の図示を省略している。
また、図16においては、初期状態の経路を通過する図柄フィルム620を実線によって図示し、初期状態とは異なる経路を通過する図柄フィルム620を一点鎖線によって図示している。また、図16においては、図柄フィルム620が初期状態の経路を通過する場合における案内ローラ616および支持部材618を、図柄フィルム620が初期状態とは異なる経路を通過する場合における案内ローラ616および支持部材618より太い線によって図示している。
図17は、表示ユニット610の正面側から視認される図柄フィルム620の一例を示す模式的な正面図である。より詳細には、図17(A)は、図柄フィルム620が経路J1を通過する場合に対応する図であり、図17(B)は、図柄フィルム620が経路J2を通過する場合に対応する図であり、図17(C)は、図柄フィルム620が経路J3を通過する場合に対応する図である。
なお、図17においては、3列の図柄列のうち1の図柄列を構成する図柄フィルム620を代表的に図示している。また、図17においては、図柄フィルム620の左端側および右端側に形成される穴621の図示を省略している。
本実施形態の表示ユニット610は、当該表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620を後方側(内側)から支持する支持部材618を備えている。支持部材618は、光透過性(透光性)を有する樹脂性の部材であり、表示ユニット610内を側面視において前方側に凸となる曲線状に湾曲しながら通過する(搬送される)図柄フィルム620の略頂部が接触可能な位置に設けられる。例えば、図16に示す例においては、表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620の側面視における略中央部分に支持部材618が設けられる。なお、支持部材618は、少なくとも図柄フィルム620を支持する側の面が、低摩擦性に構成されることが好ましい。
詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機100においては、表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620が、前方側に凸となる略正円の円弧状の経路だけでなく、当該円弧とは異なる曲率の曲線または略直線の経路を通過可能に構成される。そのため、支持部材618は、その前面側の形状が、側面視において、表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620の経路のうち最も曲率の大きい経路に沿った形状とされている。
支持部材618は、図柄列(図柄フィルム620)毎に設けられる。支持部材618は、その両端側が、案内ローラ616と同様、フレーム611内において各図柄列を区画する側壁部(図示せず)に取り付けられる。
本実施形態の表示ユニット610においては、支持部材618、および、当該支持部材618に対する上方側および下方側に配置される案内ローラ616の各位置が、前後方向に移動可能に構成される。例えば、支持部材618および各案内ローラ616の各両端側に副制御基板940により各々独立して制御される駆動機構を取り付け、当該駆動機構を副制御基板940によって制御することで支持部材618および各案内ローラ616の前後方向に移動できるよう構成する。
これにより、表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620の経路の変更が可能となる。本実施形態のパチンコ機100においては、所定の条件が成立した場合(例えば、特別図柄の変動表示中における所定の時期(例えば、リーチ表示が行われる時期など)が到達した場合など)に図柄フィルム620の経路が変更されるよう構成される。
例えば、図16に示す例のように、図柄フィルム620の経路を、前方側への張り出し量が異なる複数種類の経路のいずれかに変更することができる。具体的に、図16に示すように、初期状態において略正円の円弧状の経路J1を通過する図柄フィルム620を後方側から支持する支持部材618および各案内ローラ616を、副制御基板940の制御によって、各々独立した所定の距離だけ前方側に移動させることで、図柄フィルム620の経路を初期状態の経路より前方側に張り出した経路J2に変化させることができる。
また、初期状態において略正円の円弧状の経路J1を通過する図柄フィルム620を後方側から支持する支持部材618および各案内ローラ616を、副制御基板940の制御によって、各々独立した所定の距離だけ後方側に移動させることで、図柄フィルム620の経路を経路J3に変化させることができる。経路J3は、その大部分が側面視において略直線状の経路であり、経路J1,J2に比べ、前方側への張り出し量が小さい経路である。
次に、上述のように図柄フィルム620の経路を変化させたことによる図柄の見え方の変化について説明する。
上側誘導ローラ613と下側誘導ローラ614との距離は、図柄フィルム620の経路にかかわらず一定であるので、支持部材618および各案内ローラ616が前方側に移動することで生成される経路J2は、側面視において楕円の円弧状の経路となる。よって、経路J2で表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620における前方側の凸部分における頂部付近の側面視の曲率(以下、図柄フィルム620における側面視の曲率を単に「(図柄フィルム620の)曲率」と称す)は、経路J1で表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620における前方側の凸部分における頂部付近の曲率より大きくなる。
また、経路J2で表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620における各誘導ローラ613,614に近い側の曲率は、経路J1で表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620における各誘導ローラ613,614に近い側の曲率より小さくなる。よって、各誘導ローラ613,614に近い側においては、経路J2で表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620のフィルム面の水平方向に対する傾きは、経路J1で表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620に比べて水平方向側に近い傾きとなる。
また、経路J3で表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620は、その大部分が側面視において略直線状の経路(すなわち、曲率がほぼゼロである経路)となる。このように、表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620の経路毎に、図柄フィルム620の曲率や、図柄フィルム620のフィルム面の水平方向に対する傾きなどに変化が生じるので、正面視における装飾図柄の見え方に変化が生じる。
例えば、表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620の経路に応じて、装飾図柄の縦横比(上下方向の長さと左右方向の長さの比)に変化が生じる。特に、図柄フィルム620が、経路J2のような、各誘導ローラ613,614に近い側において、図柄フィルム620のフィルム面の水平方向に対する傾きが水平方向側に近づく経路を通過する場合には、図17(B)に示すように、各誘導ローラ613,614に近い側に位置する装飾図柄(例えば、数字の「2」が描かれた主図柄625)は、水平方向側に大きく傾く。
よって、図柄フィルム620が経路J2を通過する場合、各誘導ローラ613,614に近い側において水平方向側に大きく傾いている装飾図柄は、正面視での見た目(すなわち、正投影における形状)が、図柄フィルム620を略垂直方向にした場合の見た目に比べて縦方向(上下方向)に潰れた形状となる。これほど縦方向に潰れた形状の装飾図柄は、図柄フィルム620が他の経路(経路J1,J3)を通過する場合には見られない。
また、図柄フィルム620が経路J2を通過する場合には、上述したように、上下の誘導ローラ613,614の側において装飾図柄が縦方向に潰れた見た目となるので、上下の誘導ローラ613,614側に位置する装飾図柄は、前方側の凸部分の付近に表示される装飾図柄に比べ、遊技者にとって見難く(見辛く)、その内容を認識し難い装飾図柄となる。よって、図柄フィルム620が経路J2を通って移動する(搬送される)場合、誘導ローラ613または誘導ローラ614の側において見難く表示される装飾図柄が、前方側の凸部分の付近において急に見易く表示され、それによって、前方側の凸部分の付近において急にその内容を認識可能な装飾図柄が現れたかのように遊技者に感じさせることができる。
また、図柄フィルム620が、その大部分が側面視において略直線状である経路J3を通って移動する場合、装飾図柄を構成する主図柄625および副図柄626(図17参照)の各大きさは、それぞれ、誘導ローラ613,614側の一部の領域を除く殆どの領域においてほぼ同じ大きさの図柄として遊技者に視認される。
図柄フィルム620に描かれる装飾図柄は、主図柄625と副図柄626とから構成され、主図柄625と副図柄626が交互に配置される。主図柄625は、大当り図柄を構成可能な装飾図柄である。主図柄625は、例えば、数字や数字に対応するキャラクタなど、個別の数値を規定する情報(以下、この情報を「数字情報」とも称す)を含む装飾図柄として構成される。例えば、図17に示す例において、主図柄625は、「1」や「2」などの数字を数字情報として含む図柄として構成される。
一方、副図柄626は、大当り図柄を構成し得ない装飾図柄であり、主図柄625より小さく形成される。例えば、図17に示す例において、副図柄626は、数字情報を含まない所定の絵柄(例えば、星形の絵柄)の図柄として構成される。
また、図柄フィルム620の経路に応じて当該図柄フィルム620の前方側への張り出し量が異なるので、図17に示すように、表示ユニット610の正面側から欠けることなく視認できる装飾図柄(主図柄625および副図柄626)の数を、図柄フィルム620の経路に応じて変化させることができる。
例えば、図柄フィルム620が経路J1を通過する場合には、図17(A)に示すように、3つの主図柄625(625A,625B,625C)と、各主図柄625A,625B,625Cの間に位置する2つの副図柄626と、主図柄625Bおよび主図柄625Cに対するそれぞれ上側および下側に位置する2つの副図柄626とからなる計7つの装飾図柄を、表示ユニット610の正面側から欠けることなく視認可能に表示することができる。
一方、図柄フィルム620が経路J2を通過する場合には、図17(B)に示すように、4つの主図柄625(625A,625B,625C,625D,625E)と、各主図柄625A,625B,625C,625D,625Eの間に位置する4つの副図柄626と、主図柄625Dおよび主図柄625Eに対するそれぞれ上側および下側に位置する2つの副図柄626とからなる計11つの装飾図柄を、表示ユニット610の正面側から欠けることなく視認可能に表示することができる。
このように、本実施形態のパチンコ機100においては、表示ユニット610の正面側から欠けることなく視認できる装飾図柄の数を、図柄フィルム620の経路に応じて変化させることができる。
本実施形態のパチンコ機100においては、表示ユニット610の正面側から欠けることなく視認できる主図柄625の数もまた、図柄フィルム620の経路に応じて変化するので、有効ラインの数を、図柄フィルム620の経路に応じて変化させることができる。
なお、「有効ライン」は、装飾図柄による大当り図柄が停止図柄として当該ライン上に表示された場合に遊技状態が特別遊技状態に遷移するラインである。本実施形態において、装飾図柄による大当り図柄は、予め決められた有効ライン上に並ぶ複数の同一の主図柄625によって構成される。
よって、例えば、図柄フィルム620が経路J1を通過する場合には、図17(A)に示すように、この場合において最も上側に位置する上段ラインL1と、この場合において最も下側に位置する下段ラインL3と、上段ラインL1と下段ラインL3との間に位置する中段ラインL2との3つの有効ラインが設定される。
また、図柄フィルム620が経路J3を通過する場合もまた、図17(C)に示すように、上段ラインL1、中段ラインL2、および下段ラインL3の3つの有効ラインが設定される。
一方、図柄フィルム620が経路J2を通過する場合には、上段ラインL1、中段ラインL2、および下段ラインL3に加えて、上段ラインL1より上側に位置する第2上段ラインL4と、下段ラインL3より下側に位置する第2下段ラインL5との5つの有効ラインが設定される。
なお、有効ラインとしては、上記形態に限らず、図柄フィルム620が通過する経路にかかわらず同じ数の有効ライン、例えば、3つの有効ラインL1,L2,L3としてもよいし、中段ラインL2のみとしてもよい。また、左右方向の有効ラインだけでなく、右上がりや右下がりといった斜め方向の有効ラインを含める構成といてもよい。
なお、本実施形態の表示ユニット610は、支持部材618および各案内ローラ616を前後方向に移動させることで図柄フィルム620の経路を変更する構成であるので、図柄フィルム620の経路が変更された場合には、それに伴い、表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620の長さが変化する。よって、本実施形態のパチンコ機100においては、輪状体である図柄フィルム620の内側に、図柄フィルム620の長さの変化を吸収するための位置移動可能なローラが設けられている。図柄フィルム620の経路を変化させる場合には、副制御基板940の制御によって、それに伴う図柄フィルム620の長さの変化を吸収できる位置に当該ローラを移動させる。
また、本実施形態の表示ユニット610は、当該表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620が異なる複数形状の経路で案内可能に構成されるので、フレーム611は、全ての経路の図柄フィルム620を収容可能な形状に構成される。なお、フレーム611の前面側部分を図柄フィルム620と正面視において重ならないように設け、図柄フィルム620が初期状態の経路から当該経路より前方側を通過する経路に変更された場合に、図柄フィルム620の一部がフレーム611の前面側部分より前方側に突出する構成としてもよい。あるいは、フレーム611の前面側部分が図柄フィルム620の経路に応じて変形する構成であってもよい。
次に、以上説明したパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、変形の自由度が高い図柄フィルム620を用いて装飾図柄を表示する構成であるので、表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620の経路を容易に変形させることができる。例えば、図柄フィルム620の前方側への張り出し量を変化させたり、図柄フィルム620の曲率(側面視における曲率)を変化させたりすることができる。
表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620の経路を変化させることで、装飾図柄の見た目を変化させることができる。例えば、経路J2(図17参照)を通過する図柄フィルム620において、各誘導ローラ613,614に近い側において水平方向側に大きく傾く装飾図柄の正面視での見た目は、図柄フィルム620が経路J1や経路J3を通過する場合に比べ、縦方向(上下方向)に潰れた形状となる。よって、本実施形態のパチンコ機100においては、装飾図柄の図柄列の見た目を多様化できるので、装飾図柄の表示による遊技性を好適に向上させることができる。
また、表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620の経路を変化させることで、表示ユニット610の正面側から欠けることなく視認できる装飾図柄の数を変化させることができる。これにより、表示ユニット610において遊技者が視認可能に表示される装飾図柄の図柄列の全体的な見た目を多様化できるので、かかる点においても、装飾図柄の表示による遊技性を好適に向上させることができる。また、図17に示すように、図柄フィルム620の経路に応じて有効ラインの数を異ならせることも可能になるので、リーチ表示を複雑化することができ、それによって、リーチ表示に係る遊技性を向上させることも可能となる。
なお、図柄フィルム620の経路を変化させる契機としての「所定の条件」としては、必ずしも、特別図柄の変動表示中における所定の時期に到達した場合に限らず、種々の条件を「所定の条件」として採用できる。例えば、「所定の条件」が、特別遊技状態(大当り)中における所定の時期(例えば、ラウンドの開始時など)に到達した場合であってもよく、装飾図柄の変動パターンが所定の変動パターン(例えば、所謂スーパーリーチ)である場合であってもよく、予め決められた時期(例えば、特別図柄の変動表示中における所定の時期(例えば、特別な演出を実行させるか否かを遊技者に選択させる時期など)に遊技者が所定の操作装置(例えば、押圧操作装置261)を操作した場合であってもよく、自動(例えば、一定時間毎に)または遊技者によって所定の遊技または演出のモードが選択された場合であってもよく、確変遊技状態や時短遊技状態など所定の遊技状態に移行した場合であってもよい。また、図柄フィルム620の経路を変化させるか否かの抽選に当選し、かつ、「所定の条件」が成立した場合に、図柄フィルム620の経路を変化させる構成であってもよい。
<第3実施形態>
次に、図18から図21を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態のパチンコ機100においては、円筒状に形成されたリール810を用いて装飾図柄を表示する構成において、リール810の移動によって形成された空間を利用した演出を行うことで遊技性の向上を図っている。
なお、以下の説明において、上述した第1実施形態または第2実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。また、第3実施形態において以下に説明する構成を、上述した第1実施形態または第2実施形態のパチンコ機100が備える構成に付加してもよいし、上述した第1実施形態または第2実施形態のパチンコ機100の一部の構成に代えて備えるようにしてもよい。
図18は、第3実施形態を説明するための模式図である。図19は、リール810が図18(A)に対応する状態にある装飾図柄表示装置800の正面側斜視図であり、図20は、リール810が図18(B)に対応する状態にある装飾図柄表示装置800の正面側斜視図であり、図21は、上側発光装置495が図18(C)に対応する状態にある装飾図柄表示装置800の正面側斜視図である。
なお、図18においては、理解を容易にするために、リール810および上側発光装置495の外形のみを図示している。また、図18(C)においては、上側発光装置495が回転によって配置可能な位置の一部を一点鎖線で図示している。また、図19および図20においては、リール810の上方に配置された上側発光装置495、および、当該上側発光装置495を動作させるための各構成を図示している。
また、図19においては、右端側に位置するリール810における隠れている部分を透視させて図示している。また、図21においては、上側発光装置495が回転によって略垂直方向を向いた場合を合わせて図示している。また、図19から図21においては、リール810の外周に描かれている装飾図柄の図示を省略している。
本実施形態のパチンコ機100は、上述した装飾図柄表示装置600に代えて、円筒状に形成されたリール(回動体)810によって装飾図柄を表示(変動表示、停止表示)する装飾図柄表示装置800が、中央構造体420の後方に重なるようにして遊技盤400に設けられている。
円筒状のリール810の側面(以下、「外周面」とも称す)には、複数の装飾図柄が所定の順序で列状に描かれている。1のリール810が1の図柄列を構成する。本実施形態のパチンコ機100においては、3つのリール810を左右方向に並べて配置することで3列の図柄列による装飾図柄の表示(変動表示、確定表示)を実現する。
以下においては、便宜上、左右方向に並ぶ3列のリール810のうち、左端側に位置するリール810を「左リール810L」とも称し、右端側に位置するリール810を「右リール810R」とも称し、左リール810Lと右リール810Rとの間に位置するリール810を「中リール810M」とも称す。
各リール810L,810M,810Rは、その中心軸線が当該リール810L,810M,810Rの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール810L,810M,810Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設されている。
リール810の内部には、当該リール810を回動させるための駆動モータ(図示せず)が設けられている。当該駆動モータは、副制御基板940によって制御される。また、リール810の内部には、内から外へ向かって光を照射するLED等の発光手段(図示せず)が設けられている。当該発光手段は、副制御基板940によって制御される。当該発光部を発光させることで、リール810に描かれた装飾図柄を正面側の遊技者に視認させることができる。
詳細は後述するが、右リール810Rは、初期位置から右方向に移動可能に構成され、左リール810Lは、初期位置から左方向に移動可能に構成される。また、中リール810Mは、中リール810Mの外周面の幅方向の略中央を通る上下方向の軸線周りに、上面視において時計回りまたは反時計回りに回動可能に構成される。
上側発光装置495は、その正面側に、各々発光可能な複数の発光部495A(図19参照)が列状に設けられている。これらの発光部495Aは、各々独立して、副制御基板940によって制御されるLED等の発光手段により点灯可能とされる。
上側発光装置495は、当該上側発光装置495の後方側に設けられた台座部496に、当該上側発光装置495の略中央を中心とする正面視の回転が可能に取り付けられている。台座部496の後方側(裏側)には、上側発光装置495を回動させるための駆動モータ(図示せず)が設けられている。当該駆動モータは、副制御基板940によって制御される。
上側発光装置495は、当該上側発光装置495を回転させながら、列状に配列された複数の発光部495Aの各々を適宜点滅させることで、種々の数字や文字や図形等を浮かび上がるように表示させることができる。つまり、上側発光装置495は、所謂バーサライターとして機能する発光装置である。
台座部496は、副制御基板940によって制御される駆動モータ(図示せず)によって作動する所定の機構によって、初期位置と当該初期位置より下方側となる所定の下方位置との間で移動可能に構成される。上側発光装置495は、台座部496の移動に伴って上下方向に移動する。より詳細には、上側発光装置495は、台座部496が初期位置に位置する場合に初期位置に位置し、台座部496が下方位置に位置する場合に第2位置に位置し、台座部496の移動に伴って初期位置と第2位置との間を移動する。なお、上側発光装置495の第2位置は、当該上側発光装置495の初期位置より下方側に位置する。
本実施形態のパチンコ機100においては、図18(A)および図19に示すように、3列の各リール810(810L,810M,810R)は、初期位置において、装飾図柄が描かれた外周面を正面側に向けた状態で配置される。このとき、上側発光装置495は、各リール810L,810M,810Rの上方側である初期位置に配置される。
3列の各リール810L,810M,810Rおよび上側発光装置495がいずれも初期位置に位置する状態において、所定の条件が成立した場合(例えば、後述する特別演出の実行が選択され、かつ、特別図柄の変動表示中における所定の時期(例えば、リーチ表示が行われる時期など)が到達した場合など)には、副制御基板940の制御によって、左リール810Lが左方向に所定量で移動するとともに、右リール810Rが右方向に所定量で移動した後、中リール810Lが上面視において反時計回りに略90度回転する。これにより、図18(B)および図20に示すように、左リール810Lと右リール810Rとの間、かつ、回転によって外周面が左右方向に向けられた中リール810Mの前方側(より詳細には、当該中リール810Mと後方板223(図3参照)との間)に、空間が形成される。
各リール810L,810M,810Rの移動(略直線的な移動、回転移動)が完了すると、副制御基板940の制御によって台座部496が下方位置まで下降し、それによって、図18(C)および図21に示すように、上側発光装置495は、左右のリール810L,810Rの間に形成された空間内である第2位置に配置される。
上側発光装置495が、第2位置、すなわち、左右のリール810L,810Rの間に形成された空間内に配置されると、副制御基板940の制御によって、上側発光装置495が回転されるとともに、複数の発光部495Aが適宜点滅され、それによって、上側発光装置495に文字や数字等が表示される。本実施形態の上側発光装置495は、後述する特別演出において、中央の装飾図柄(中図柄)に対応する文字や数字等を表示する。
ここで、各リール810L,810M,810Rの動作について説明する。図19に示すように、右リール810Rを支持する支持部材811の下方側には、溝部812が設けられている。溝部812は、装飾図柄表示装置800のフレーム820における右リール810Rより下方側に当該溝部812に対応して形成された左右方向に延びるレールに係合される。また、支持部材811の上方側にも、溝部812と同様の溝部が設けられている。当該溝部もまた、溝部812と同様、フレーム820における右リール810Rより上方側に当該溝部に対応して形成された左右方向に延びるレールに係合される。
また、図20に示すように、左リール810Lを支持する支持部材813の上方側および下方側にも、それぞれ、溝部812と同様の溝部が設けられている。これらの溝部もまた、溝部812と同様、フレーム820における左リール810Lより上方側または下方側に各溝部に対応して形成された左右方向に延びるレールに係合される。
装飾図柄表示装置800は、右リール810Rを左右方向に移動させるための駆動モータ(図示せず)と、左リール810Lを左右方向に移動させるための駆動モータ(図示せず)とを備えている。これらの駆動モータは、いずれも、副制御基板940によって制御される。右リール810Rに対応する駆動モータが駆動されると、所定の伝達機構を介して、右リール810Rがレールに沿って左または右方向に移動する。一方、左リール810Lに対応する駆動モータが駆動されると、所定の伝達機構を介して、左リール810Lがレールに沿って左または右方向に移動する。
中リール810Mを支持する支持部材(図示せず)は、その上方側および下方側において、フレーム820に対し、当該中リール810Mの外周面の幅方向の略中央を通る上下方向の軸線周りに回動可能に取り付けられる。
装飾図柄表示装置800は、中リール810Mを、その外周面の幅方向の略中央を通る上下方向の軸線周りに回動させるための駆動モータ(図示せず)を備えている。当該駆動モータは、副制御基板940によって制御される。当該駆動モータが駆動されると、中リール810Mが、当該中リール810Mの外周面の幅方向の略中央を通る上下方向の軸線周りに、上面視において時計回りまたは反時計回りに回動する。
本実施形態のパチンコ機100においては、所定のリーチ表示(例えば、スーパーリーチ)を含む装飾図柄の変動表示が行われる場合に、特別演出として、上側発光装置495を用いた演出を実行可能に構成される。
より詳細には、スーパーリーチなどの所定のリーチ表示を含むリーチ変動パターンが選択された場合に特別演出を実行するか否かの抽選(以下、当該抽選を「特別演出抽選」とも称す)を実行し、当該特別演出抽選において当選し、かつ、選択されたリーチ変動パターンに対応する特別図柄の変動表示中における所定の時期(例えば、リーチ表示が行われる時期)が到達した場合に、特別演出が実行される。なお、特別演出抽選において当選し、かつ、選択されたリーチ変動パターンに対応する特別図柄の変動表示中に遊技者が所定の操作装置(例えば、押圧操作装置261)を操作した場合に特別演出が実行される構成であってもよい。
当該特別演出は、各リール810L,810M,810Rの移動によって左右のリール810L,810Rの間に形成された空間内に、第2位置の上側発光装置495が配置された状態で行われる演出であって、左右のリール810L,810R(左右の図柄列)によるリーチ表示と、これらのリール810L,810Rの間に配置された上側発光装置495による中央の装飾図柄(中図柄)の変動表示と確定表示とから構成される。
なお、「所定のリーチ表示」は、表示可能なリーチ表示のうち一部種類のリーチ表示が対象であってもよいし、表示可能な全て種類のリーチ表示が対象であってもよい。また、「所定のリーチ表示」は、1種類のリーチ表示に限らず、2種類以上のリーチ表示であってもよい。「所定のリーチ表示」が2種類以上のリーチ表示である場合、リーチ表示の種類に応じて、特別演出抽選において特別演出の実行が選択される確率(すなわち、当選確率)が異なるようにしてもよく、例えば、特別図柄または装飾図柄の変動表示後に大当りとなる期待度が高いリーチ表示ほど、特別演出抽選の当選確率が高くなるよう構成してもよい。例えば、スーパーリーチの方が、ノーマルリーチに比べて特別演出抽選の当選確率が高くよう構成してもよい。
特別演出抽選は、副制御基板940による制御によって行われる。具体的に、特別演出抽選は、副制御基板940が、所定のリーチ表示を含むリーチ変動パターンに対応する変動パターンコマンドを受信した場合に、副制御基板940に設けられた特別演出カウンタ(RAMの一部の領域)の値を取得し、当該特別演出カウンタの値に対し、副制御基板940のROMに準備された特別演出選択テーブルを参照することによって行われる。
特別演出カウンタは、所定時間毎(例えば、4ms(ミリ秒)毎)に更新され、更新タイミングにおいて、当該カウンタの値が、規定最大値(例えば、「99」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、当該カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。
特別演出選択テーブルは、予め決められた当選確率(例えば、50%の確率)で特別演出の実行が選択されるよう設定される。なお、特別演出抽選における当選確率がリーチ表示の種類に応じて異なる構成においては、リーチ表示の種類毎に特別演出選択テーブルを設けるよう構成してもよい。
なお、主制御基板920が、所定のリーチ表示を含むリーチ変動パターンを選択した場合に、主制御基板920に設けられた特別演出カウンタと、主制御基板920に準備された特別演出選択テーブルとを用いて特別演出抽選を行い、当該抽選結果に対応するコマンドを副制御基板940に出力する構成であってもよい。
次に、以上説明したパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、装飾図柄を表示する3列の各リール810(810L,810M,810R)が各々移動可能に構成され、それによって、左リール810Lと右リール810Rとの間、かつ、回転によって外周面が左右方向に向けられた中リール810Mと後方板223(図3参照)との間に、上側発光装置495を配置可能な空間を形成可能に構成される。
このとき、中リール810Mは、その外周面が左右方向に向けられたことで、当該外周面に描かれた装飾図柄が正面側を向かず、それによって、中リール810Mによって表示される装飾図柄は視認不能または不可能となるが、本実施形態のパチンコ機100においては、左リール810Lと右リール810Rとの間に形成された空間内に上側発光装置495を配置し、中図柄(中央の装飾図柄)に対応する文字や数字等を上側発光装置495に表示させる構成とされる。よって、演出を多様化でき、それによって、遊技球を用いた遊技の遊技性を視覚的に好適に向上させることができる。
また、上側発光装置495は、各リール810L,810M,810Rの移動によって形成された、左右のリール810L,810Rの間に配置されるので、左右のリール810L,810Rと上側発光装置495との組み合わせによる特別演出の表示範囲を、装飾図柄表示装置800(リール810)おける装飾図柄の正面視の表示領域の範囲内とすることができる。よって、リール810(810L,810M,810R)による装飾図柄の表示から、特別演出に切り替わる場合に、遊技者の視線を大きく動かすことを抑制できる。
また、左右のリール810L,810Rが左または右方向に略直線的に移動するのに対し、これらのリール810L,810Rに各々隣接する中リール810Mは回転移動をする。よって、隣接するリールがそれぞれ異なる方向に動作するので、左リール810または右リール810Rと中リール810Mとがそれぞれ動作したことを遊技者に印象付け安い。
また、左右のリール810L,810Rと上側発光装置495との組み合わせによる特別演出は、左右のリール810L,810Rの略直線的な移動と、中リール810Mの回転移動によって形成された空間を利用するので、各リール810(810L,810M,810R)の動きが演出的な要素の1つとすることができ、かかる点においても、多様な演出が可能となる。
なお、本実施形態では、各リール810L,810M,810Rを移動させる契機としての「所定の条件」として、特別演出の実行が選択され(特別演出抽選において当選し)、かつ、特別図柄の変動表示中における所定の時期が到達した場合を例示したが、当該所定の条件としては、必ずしも、上記の場合(条件)に限らず、種々の条件を「所定の条件」として採用できる。例えば、所定の状況が発生した場合(例えば、特別図柄の変動表示中における所定の時期が到達した場合)に、特別演出抽選を行うことなく「所定の条件」が成立する構成であってもよい。
また、例えば、「所定の条件」が、特別遊技状態(大当り)中における所定の時期(例えば、ラウンドの開始時など)に到達した場合であってもよく、装飾図柄の変動パターンが所定の変動パターン(例えば、所謂スーパーリーチ)である場合であってもよく、予め決められた時期(例えば、特別図柄の変動表示中における所定の時期(例えば、特別な演出を実行させるか否かを遊技者に選択させる時期など)に遊技者が所定の操作装置(例えば、押圧操作装置261)を操作した場合であってもよく、自動または遊技者によって所定の遊技または演出のモードが選択された場合であってもよく、確変遊技状態や時短遊技状態など所定の遊技状態に移行した場合であってもよい。
<第4実施形態>
次に、図22を参照して、第4実施形態について説明する。第4実施形態のパチンコ機100においては、円筒状に形成された各リール810(810L,810M,810R)の移動によって形成された空間内に、上側発光装置701による装飾図柄を表示可能に構成される。
なお、以下の説明において、上述した第1実施形態から第3実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。また、第4実施形態において以下に説明する構成を、上述した第1実施形態から第3実施形態のいずれかのパチンコ機100が備える構成に付加してもよいし、上述した第1実施形態から第3実施形態のいずれかのパチンコ機100の一部の構成に代えて備えるようにしてもよい。
図22(A)は、第4実施形態の上側発光装置701の斜視図である。図22(B)および図22(C)は、各リール810(810L,810M,810R)の移動(略直線的な移動、回転移動)によって形成された空間内に配置された上側発光装置701による装飾図柄の表示を説明するための模式図である。より詳細には、図22(B)は、リール810の回転軸を通る位置で水平方向に切断した断面を上側から見た図であり、図22(C)は、正面側から見た図である。
なお、図22(A)および図22(B)においては、回動軸702周りに回転する上側発光装置701の回動方向を矢印によって図示している。また、図22(B)においては、理解を容易にするために、上側発光装置701による軌跡Q1を実線により図示するとともに、上側発光装置701が装飾図柄を表示する領域を領域AL、領域AM、および領域ARとして太線により図示している。また、図22(B)においては、参考のために、回動軸702の位置を図示している。
また、図22(C)においては、理解を容易にするために、上側発光装置701が装飾図柄を表示する領域の正面視における外形Q2のうち、左右のリール810L,810Rの間になる部分を実線により図示し、正面視において左右のリール810L,810Rに重なる部分を隠れ線(点線)により図示している。また、図22(C)においては、中リール810Mの外形を一点鎖線により図示している。また、図22(C)においては、参考のために、上側発光装置701によって表示される装飾図柄の見え方の一例を、装飾図柄である数字の「7」により図示している。
図22(A)に示すように、上側発光装置701は、略半円形状に湾曲した棒状体であり、その内周側に、各々発光可能な複数の発光部701Aが列状に設けられている。これらの発光部701Aは、発光部495Aと同様、副制御基板940によって制御されるLED等の発光手段により各々独立して点灯可能に構成される。
上側発光装置701の上端側には、上方側に延びる回動軸702が連設される。回動軸702の上端側は、副制御基板940によって制御される駆動モータ703に接続される。これにより、駆動モータ703の駆動によって、上側発光装置701を回動軸702周りに上面視において時計回り(矢印R1方向)または反時計回り(矢印R2方向)に回動(回転)させることができる。
上側発光装置701は、上側発光装置495と同様、所謂バーサライターとして機能する発光装置である。つまり、上側発光装置701は、当該上側発光装置701を回動軸702周りに回転させながら、列状に配列された複数の発光部701Aの各々を適宜点滅させることで、種々の数字や文字や図形等を浮かび上がるように表示させることができる。
上側発光装置701は、当該上側発光装置701の上方側に設けられた台座部(図示せず)に、当該上側発光装置701が上面視において回動軸702を中心とする時計回りまたは反時計回りの回動が可能に取り付けられている。当該台座部には、上側発光装置701を回動させる駆動源となる駆動モータ703も取り付けられている。
当該台座部は、副制御基板940によって制御される駆動モータ(図示せず)によって作動する所定の機構によって、初期位置と当該初期位置より下方側となる所定の下方位置との間で上下方向に移動可能に構成される。上側発光装置701は、当該台座部の移動に伴って上下方向に移動する。上側発光装置701の初期位置は、当該台座部が初期位置に位置する場合における上側発光装置701の位置である。上側発光装置701の第2位置は、当該台座部が下方位置に位置する場合における上側発光装置701の位置である。
3列の各リール810(810L,810M,810R)は、初期位置において、第3実施形態のパチンコ機100と同様(つまり、図18(A)と同様)、装飾図柄が描かれた外周面を正面側に向けた状態で配置される。
本実施形態のパチンコ機100もまた、第3実施形態のパチンコ機100と同様、各リール810L,810M,810Rが初期位置に位置する状態において、所定の条件が成立した場合(例えば、スーパーリーチ等の所定のリーチ表示を含む装飾図柄の変動表示中における所定の時期に遊技者が押圧操作装置261を操作した場合)には、副制御基板940の制御によって、各リール810L,810M,810Rが移動(略直線的な移動、回転移動)するよう構成される。
本実施形態のパチンコ機100において、中リール810Mは、第3実施形態のパチンコ機100と同様、中リール810Mの外周面の幅方向の略中央を通る上下方向の軸線周りに、上面視において時計回りまたは反時計回りに回動可能であることに加え、初期位置から後方側に移動可能に構成されている。
中リール810Mが上述のように構成される本実施形態のパチンコ機100においては、各リール810L,810M,810Rが初期位置に位置する状態において、所定の条件が成立した場合、左リール810Lおよび右リール810Rがそれぞれ左方向および右方向に各所定量で移動した後、中リール810Lが後方側に所定量で移動するとともに、上面視において反時計回りに略90度回転するよう構成される。なお、中リール810Lは、後方側に移動した後に回転する構成であってもよく、回転した後に後方側に移動する構成であってもよく、移動しながら回転する構成であってもよい。
各リール810L,810M,810Rが各々上述のように移動または回転した結果、図22(B)に示すように、左リール810Lと右リール810Rとの間、かつ、回転によって外周面が左右方向に向けられた中リール810Mと後方板223(図3参照)との間に、空間が形成される。
上側発光装置701は、初期位置において、初期位置に位置する各リール810L,810M,810Rの上方側に位置する。上側発光装置701は、これらのリール810L,810M,810Rが前記所定の条件の成立によって移動した後、第2位置まで移動(下降)し、それによって、各リール810L,810M,810Rの移動によって形成された空間内に配置される。
本実施形態のパチンコ機100においては、図22(B)に示すように、各リール810(810L,810M,810R)には、装飾図柄が描かれる外周面の両端側に各々設けられる略円形の側面851のうち、一方の側面851に、当該側面851と略同心円状に開口して、その断面が略円弧状の凹部852が形成されている。
より詳細には、左リール810Lにおいて、凹部852は、正面視右側の側面851に設けられている。右リール810Rにおいて、凹部852は、正面視左側の側面851に設けられている。中リール810Mにおいて、凹部852は、回転によって正面側に向けられる側面851に設けられている。これにより、各リール810L,810M,810Rが移動した場合には、各リール810L,810M,810Rの凹部852が当該移動により形成された空間の側を向き、凹部852の分だけ空間を広くすることができる。
なお、凹部852および上側発光装置701の各形状は、上側発光装置701が第2位置にて回動軸702周りに回転する場合に、上側発光装置701が凹部852に接触せず、かつ、上側発光装置701における上下方向の略中央部分が凹部852内に入り込む形状とされている。
図22(B)に示すように、上側発光装置701は、第2位置(すなわち、各リール810L,810M,810Rの移動によって形成された空間内に配置される場合)において、回動軸702周りに上面視において時計回り(矢印R1方向)または反時計回り(矢印R2方向)に回動される。具体的に、上側発光装置701は、図22(B)に示すように、上面視において、左リール810Lの前端側と右リール810Rの前端側と間を中リール810Mの側を経由して往復するよう回動軸702周りに回動される。
上述したように、上側発光装置701は、バーサライターであるので、回動軸702周りに回転させながら、発光部701Aの各々を適宜点灯することで、上側発光装置701に文字や数字等を表示させることができる。発光部701は、略半円形状に湾曲する上側発光装置701の内周側に設けられているので、上側発光装置701は、略球体の内側面に浮かび上がるかのように文字や数字等を表示することができる。
本実施形態のパチンコ機100においては、上側発光装置701は、装飾図柄を略球体の内側面に表示するよう構成される。具体的には、上側発光装置701は、装飾図柄を表示可能な領域のうち、図22(B)に示すように、3つの領域(領域AL、領域AM、領域AR)にそれぞれ装飾図柄を表示するよう構成される。
最も左側に位置する領域ALは、左リール810Lの凹部852に対する正面側に設けられる。領域ALは、当該領域ALを通過する発光部701Aが右方側に光を放つため、装飾図柄の表示面が右方側を向く表示領域となる。領域ALには、左図柄となる装飾図柄が表示される。
最も右側に位置する領域ARは、左側から見て右リール810Rの凹部852に重なる位置に設けられる。領域ARは、当該領域ARを通過する発光部701Aが左方側に光を放つため、装飾図柄の表示面が左方側を向く表示領域となる。領域ARには、右図柄となる装飾図柄が表示される。
領域ALと領域ARとの間に位置する領域AMは、正面側から見て中リール810Mの凹部852に重なる位置に設けられる。領域AMは、当該領域AMを通過する発光部701Aが正面側に光を放つため、装飾図柄の表示面が正面側を向く表示領域となる。領域AMには、中図柄となる装飾図柄が表示される。
湾曲する上側発光装置701の一部が各リール810L,810M,810Rの凹部852の内側を通過するよう構成されているので、領域AL,AM,ARを、各リール810L,810M,810Rにおける凹部852が設けられた側の側面851に近い位置に位置させることができる。よって、上側発光装置701は、左図柄、中図柄、および右図柄を、各リール810L,810M,810Rの側面851に表示されるかのように領域AL,AM,ARに表示することができる。
本実施形態のパチンコ機100においては、領域ALには、右側から見て(領域ALをその表示面側から見て)左リール810Lの凹部852の開口の範囲内で重なるサイズで装飾図柄が表示される。領域ARには、左側から見て(領域ARをその表示面側から見て)右リール810Rの凹部852の開口の範囲内で重なるサイズで装飾図柄が表示される。領域AMには、正面側から見て(領域AMをその表示面側から見て)中リール810Mの凹部852の開口の範囲内で重なるサイズで装飾図柄が表示される。
なお、領域AL,AM,ARに表示される装飾図柄のサイズは、必ずしも、領域AL,AM,ARを各々表示面側から見たときに各表示面の裏側(反対側)にそれぞれ位置する各凹部852の開口の範囲内で重なるサイズである必要はなく、例えば、領域AL,AM,ARを各々表示面側から見たときに各表示面の裏側にそれぞれ位置する各側面851の範囲内で重なるサイズであってもよい。領域AL,AM,ARに表示される装飾図柄のサイズが、領域AL,AM,ARを各々表示面側から見たときに各表示面の裏側にそれぞれ位置する各側面851の範囲を超えるサイズであってもよいが、当該範囲内で重なるサイズであることが好ましい。
領域AMの表示面は正面側に向けられているので、領域AMに表示される装飾図柄(中図柄)は、図22(C)に示すように、正面側に向けて表示される。よって、パチンコ機100の正面側において遊技を行う遊技者は、身体や視線等を特に動かなくても、領域AMに表示された装飾図柄(中図柄)を正面視することができる。
これに対し、領域ALおよび領域ARの表示面は右方側または左方側に向けられているので、各領域AL,AMに表示される装飾図柄(左図柄、右図柄)は、それぞれ、右方側および左方側に向けて表示される。よって、遊技者は、領域ALおよび領域ARに表示された各装飾図柄を正面側から視認し難い。
左右のリール810L,810Rの間隔などの条件によっては、パチンコ機100の正面側において遊技を行う遊技者には、領域ALおよび領域ARに表示された各装飾図柄の内容(種類)の識別が困難になる。かかる場合、遊技者は、身体を右または左方に傾けることで領域ALまたは領域ARを覗き込んだり、顔を後方板223(図3参照)に近づけたり等をして、領域ALおよび領域ARに表示された各装飾図柄の内容(種類)の識別を試みる。例えば、遊技者は、身体を右方に傾けることで、領域ALに表示された装飾図柄(左図柄)を、図22(C)に示すような形状で視認する。
特に、パチンコ機100の正面側において遊技を行う遊技者より後方から当該パチンコ機100での遊技の様子を見ようとする第三者は、上側発光装置701に表示された装飾図柄を、当該遊技者より後方側に離れた位置から見ることになるので、領域ALおよび領域ARに表示された各装飾図柄の内容の識別は遊技者以上に困難となる。よって、遊技者の後方側から第三者によって遊技の内容が覗き見されることを抑制できる。
また、領域ALの表示面は右方側に向けられているので、パチンコ機100の正面側において遊技を行う遊技者の左隣にて遊技する第三者が、領域ALに表示される装飾図柄を視認することは難しい。同様に、領域ARの表示面は左方側に向けられているので、パチンコ機100の正面側において遊技を行う遊技者の右隣にて遊技する第三者が、領域ARに表示される装飾図柄を視認することは難しい。よって、遊技者の右または左側から第三者によって遊技の内容が覗き見されることを抑制できる。
次に、以上説明したパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、所定の条件が成立した場合に行われる特別演出において、左右のリール810L,810Rの間に形成された空間内に配置された上側発光装置701によって、領域ALおよび領域ARに表示される装飾図柄(左図柄および右図柄)を、正面側(略正面方向)でなく、右方側または左方側の表示向きで表示するよう構成される。
よって、特別演出において、一部列の装飾図柄の表示向きが、略正面方向とは交差する方向とされるので、装飾図柄の表示向きが略正面方向とされる装飾図柄表示装置800(リール810)のような一般的な装飾図柄表示装置で行われる演出とは趣きの異なる演出を特別演出として現出させることが可能となる。これにより、装飾図柄の表示による遊技性を視覚的に向上させることができる。
また、一部列の装飾図柄の表示向きが、略正面方向とは交差する方向とされるので、装飾図柄の表示向きが正面側である場合に比べ、パチンコ機100の正面側において遊技を行う遊技者が表示された装飾図柄を視認し難い。よって、装飾図柄の表示(例えば、変動表示)において、一部の装飾図柄の内容を遊技者が識別し難い状態を創出できる。これにより、例えば、遊技者は、リーチ表示がされたか否か(リーチが発生したか否か)を把握すべく、身体や視線を動かしながら、上側発光装置701による装飾図柄の表示を特別に意識するようになるので、装飾図柄の変動表示による遊技性を好適に向上させることができる。
また、上側発光装置701による特別演出(装飾図柄の表示)は、左右のリール810L,810Rの間に形成された空間内で行われるので、その表示範囲は、装飾図柄表示装置800(リール810)おける装飾図柄の正面視の表示領域の範囲内とされる。よって、リール810(810L,810M,810R)による装飾図柄の表示から、特別演出に切り替わる場合に、遊技者の視線を大きく動かすことを抑制できる。
なお、本実施形態では、上側発光装置701による特別演出を行うための条件(所定の条件)として、所定のリーチ表示(例えば、スーパーリーチ)を含む装飾図柄の変動表示中における所定の時期に遊技者が所定の操作装置(例えば、押圧操作装置261)を操作した場合を例示したが、当該所定の条件としては、必ずしも、上記の場合(条件)に限らず、種々の条件を「所定の条件」として採用できる。例えば、「所定の条件」が、特別遊技状態(大当り)中における所定の時期(例えば、ラウンドの開始時など)に到達した場合であってもよく、装飾図柄の変動パターンが所定の変動パターン(例えば、所謂スーパーリーチ)である場合であってもよく、自動または遊技者によって所定の遊技または演出のモードが選択された場合であってもよく、確変遊技状態や時短遊技状態など所定の遊技状態に移行した場合であってもよい。また、第3実施形態と同様に特別演出を実行するか否かの抽選に当選し、かつ、「所定の条件」が成立した場合に、特別演出を実行させる構成であってもよい。
<第5実施形態>
次に、図23および図24を参照して、第5実施形態について説明する。第5実施形態のパチンコ機100では、装飾図柄表示装置600と同様の図柄フィルム620を用いて装飾図柄を表示する装置において、保留されていた特別図柄に係る単位遊技の消化に応じて装飾図柄の見た目が変化するよう構成される。
なお、以下の説明において、上述した第1実施形態から第4実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。また、第5実施形態において以下に説明する構成を、上述した第1実施形態から第4実施形態のいずれかのパチンコ機100が備える構成に付加してもよいし、上述した第1実施形態から第4実施形態のいずれかのパチンコ機100の一部の構成に代えて備えるようにしてもよい。
図23および図24は、第5実施形態のパチンコ機100において、表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620の経路と、各経路において表示ユニット610の正面側から視認される図柄フィルム620の一例を示す模式図である。
より詳細には、図23(A)は、図柄フィルム620の経路が第1段階の経路である場合を示す図であり、図23(B)は、図柄フィルム620の経路が第2段階の経路である場合を示す図であり、図24(A)は、図柄フィルム620の経路が第3段階の経路である場合を示す図であり、図24(B)は、図柄フィルム620の経路が第4段階の経路である場合を示す図である。
なお、図23および図24においては、理解を容易にするために、表示ユニット610(図13参照)内を通過する図柄フィルム620の経路を示す図(側断面図)において、図柄フィルム620を太線で図示している。また、図23(B)、図24(A)および図24(B)においては、図柄フィルム620の正面図において、当該図柄フィルム620の外側(前方側)に配置される案内ローラ617の図示を省略している。
本実施形態のパチンコ機100(表示ユニット610)においては、図23および図24に示すように、上側誘導ローラ613と下側誘導ローラ614との間には、案内ローラ616と、案内ローラ617とが設けられている。
案内ローラ616は、図柄フィルム620の内側(後方側)に設けられて、当該図柄フィルム620を内側から張設するローラである。案内ローラ616は、その両端側が、フレーム611(図13参照)内において各図柄列を区画する側壁部(図示せず)に軸周りに回動可能に取り付けられる。案内ローラ616は、図柄列毎に設けられており、図柄列毎に設けられた複数の案内ローラ616は、それぞれが同軸となるよう設けられている。
案内ローラ617は、図柄フィルム620の外側に設けられて、当該図柄フィルム620を外側から押圧して内側に変角させるローラである。案内ローラ617は、図23(A)に示すように、図柄フィルム620の左右両側に各々設けられている。案内ローラ617における自由端でない方の端側は、フレーム611内において各図柄列を区画する側壁部に軸周りに回動可能に取り付けられる。案内ローラ617は、図柄列毎に設けられており、図柄列毎に設けられた複数の案内ローラ617は、それぞれが同軸となるよう設けられている。
案内ローラ617は、図柄フィルム620の外側に設けられるローラであるので、図柄フィルム620に描かれている装飾図柄の視認性を損ね難いよう、透明または高い光透過性を有する材料で構成されることが好ましいが、不透明または低い光透過性が材料で構成されるものであってもよい。また、図23(A)に示す例では、図柄フィルム620の左側および右側にそれぞれ案内ローラ617を設ける構成としたが、図柄フィルム620を左右方向に横切る案内ローラ617を設ける構成としてもよい。
本実施形態の表示ユニット610においては、案内ローラ616および案内ローラ617の各位置が、第2実施形態の表示ユニット610と同様、前後方向に移動可能に構成される。よって、案内ローラ616および案内ローラ617の位置を前後方向に適宜移動させることで、図柄フィルム620の経路を適宜変化させることができる。
特に、本実施形態においては、図柄フィルム620の外側に案内ローラ617が設けられているので、表示ユニット610内における図柄フィルム620の経路を、図23(B)および図24に示すように、側面視において前後方向に蛇行する経路にすることができる。
本実施形態のパチンコ機100においては、図柄フィルム620は、初期状態において、側面視において前方側に凸となる曲線状に湾曲する経路(例えば、図16の経路J1)で搬送される。図柄フィルム620が初期状態の経路で搬送される状況において、所定の条件が成立した場合(例えば、特別図柄に係る単位遊技の保留回数が最大回数である8回に達したことで後述する特別演出の実行が選択された場合)には、案内ローラ616,617が移動し、それによって、図柄フィルム620の経路が第1段階の経路に移行する。第1段階の経路は、図23(A)に示すように、その大部分が側面視において略直線状の経路となる。
図柄フィルム620が第1段階の経路で搬送される状況において、所定の条件が成立した場合(例えば、後述する特別演出が開始されてから、保留されていた特別図柄に係る単位遊技が2回分消化された場合)には、案内ローラ616,617が移動し、それによって、図柄フィルム620の経路が第2段階の経路に移行する。第2段階の経路は、図23(B)に示すように、側面視において前後方向に蛇行する経路となる。なお、第2段階の経路において、側面視における前端側の位置は、側面視した第1段階の経路における前端側の位置(略直線状の部分)と略同一の位置とされている。これにより、図柄フィルム620に描かれた主図柄625などの装飾図柄は、正面視での見た目上(すなわち、正投影において)、図柄フィルム620が第1段階の経路を通過する場合に比べて、縦方向に潰れた形状となる。
図柄フィルム620が第2段階の経路で搬送される状況において、所定の条件が成立した場合(例えば、後述する特別演出が開始されてから、保留されていた特別図柄に係る単位遊技が4回分消化された場合)には、案内ローラ616,617が移動し、それによって、図柄フィルム620の経路が第3段階の経路に移行する。第3段階の経路は、図24(A)に示すように、側面視において前後方向に第2段階の経路より大きく(深く)、かつ、細かく(短い周期で)蛇行する経路となる。なお、第3段階の経路において、側面視における前端側の位置は、側面視した第1段階の経路における前端側の位置と略同一の位置とされている。これにより、図柄フィルム620に描かれた主図柄625などの装飾図柄は、正面視での見た目上、図柄フィルム620が第2段階の経路を通過する場合に比べて、縦方向にさらに潰れた形状となる。
図柄フィルム620が第3段階の経路で搬送される状況において、所定の条件が成立した場合(例えば、後述する特別演出が開始されてから、保留されていた特別図柄に係る単位遊技が6回分消化された場合)には、案内ローラ616,617が移動し、それによって、図柄フィルム620の経路が第4段階の経路に移行する。第4段階の経路は、図24(B)に示すように、側面視において前後方向に第3段階の経路より大きくかつ細かく蛇行する経路となる。なお、第4段階の経路において、側面視における前端側の位置は、側面視した第1段階の経路における前端側の位置と略同一の位置とされている。これにより、図柄フィルム620に描かれた主図柄625などの装飾図柄は、正面視での見た目上、図柄フィルム620が第3段階の経路を通過する場合に比べて、縦方向にさらに潰れた形状となる。
図24(B)に示すように、第4段階の経路においては、表示ユニット610の正面側から欠けることなく視認できる主図柄625の数が5つとなり、第1から第3までの各段階において同様に視認できる数(図23(A)などに示す例では、3つ)より多くなる。なお、本実施形態のパチンコ機100においては、所定位置(例えば、上下方向の略中央)において左右方向に延びる1段のラインを有効ラインとする。
本実施形態のパチンコ機100においては、特別図柄に係る単位遊技の保留回数が最大回数である8回に達した場合、すなわち、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数と第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数とがいずれも最大回数に達した場合に、特別演出として、図柄フィルム620の経路が保留されていた特別図柄に係る単位遊技の消化に応じて変更される演出を実行可能に構成される。
具体的に、特別図柄に係る単位遊技の保留回数が最大回数に達した場合に、特別演出を実行するか否かの抽選(特別演出抽選)を行い、当該特別演出において当選した場合、特別演出が実行される。
なお、本実施形態において、特別演出抽選において特別演出の実行が選択される確率(すなわち、当選確率)は、最後の保留(最後に保留された単位遊技)が、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選)において当選している保留であるか否かに応じて異なるよう構成される。
より詳細には、最後の保留が特別図柄抽選において当選している保留である場合、特別演出抽選の当選確率が、最後の保留が特別図柄抽選において当選していない保留である場合に比べて高確率となるよう構成される。例えば、最後の保留が特別図柄抽選において当選している保留である場合における特別演出抽選の当選確率は80%とされ、最後の保留が特別図柄抽選において当選していない保留である場合における特別演出抽選の当選確率は10%とされる。
本実施形態において、特別演出抽選は、副制御基板940が、第1特別図柄および第2特別図柄に対する各保留回数がいずれも最大回数に達した場合に、副制御基板940に設けられた特別演出カウンタ(RAMの一部の領域)の値を取得し、当該特別演出カウンタの値に対し、副制御基板940のROMに準備された特別演出選択テーブルを参照することによって行われる。
主制御基板920は、各特別図柄に対する保留回数が変動する毎に所定のタイミングで保留回数に係る情報を副制御基板940に通知する。副制御基板940は、主制御基板920から通知された情報に基づき、第1特別図柄および第2特別図柄に対する各保留回数がいずれも最大回数に達したか否かを判断することができる。
なお、主制御基板920は、例えば、各特別図柄の始動入賞が生じたことで当該特別図柄に対する保留回数が増えたタイミングで、各特別図柄の保留回数に係る情報を含む所定のコマンド(以下において、このコマンドを「保留コマンド」とも称す)を副制御基板940に送信することで、保留回数に係る情報を副制御基板940に通知する。また、主制御基板920は、例えば、主制御基板920が変動パターンコマンドを送信するタイミング(すなわち、特別図柄に対する保留回数が減るタイミング)で、保留回数に係る情報を含む変動パターンコマンドを副制御基板940に送信することで、保留回数に係る情報を副制御基板940に通知する。
保留コマンドは、各特別図柄の保留回数に係る情報とともに、各特別図柄抽選(第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選)の抽選結果に係る情報を含む。副制御基板940は、主制御基板920から保留コマンドを受信した場合に、特別図柄抽選の抽選結果に係る情報を、当該保留コマンドの受信順(すなわち、始動入賞が生じた順)に関連付けてRAMの所定領域に記憶し、その後、対応する保留が消化された(すなわち、保留されていた単位遊技が実行された)場合に当該情報を消去する。副制御基板940は、RAMに記憶される当該情報に基づき、最後の保留が特別図柄抽選において当選している保留であるか否かを判断できる。
本実施形態において、最後の保留が特別図柄抽選において当選している保留である場合に参照する第1テーブルと、最後の保留が特別図柄抽選において当選していない保留である場合に参照する第2テーブルとが、特別演出選択テーブルとして準備されている。第1テーブルは、予め決められた当選確率(例えば、80%の確率)で特別演出の実行が選択されるよう設定される。第2テーブルもまた、予め決められた確率(例えば、10%の確率)で特別演出の実行が選択されるよう設定される。
副制御基板940は、特別演出抽選において特別演出の実行が選択された場合、特別演出を実行する。具体的に、副制御基板940は、特別演出抽選の契機となった最大回数の保留のうち、最も古い保留に係る単位遊技(最も古くに保留された単位遊技)を開始する際に、案内ローラ616,617を移動させ、それによって、図柄フィルム620の経路を、初期状態の経路から、第1段階の経路(図23(A)参照)に変化させる。副制御基板940は、特別演出抽選の契機となった最大回数の保留のうち、最も古い保留と2番目に古い保留との各々に係る装飾図柄の変動表示および確定表示を、第1段階の経路で搬送される図柄フィルム620によって実行する。
副制御基板940は、特別演出抽選の契機となった最大回数の保留のうち、2回分の保留(最も古い保留および2番目に古い保留)が消化された後、3番目に古い保留に係る単位遊技を開始する際に、案内ローラ616,617を移動させ、それによって、図柄フィルム620の経路を、第1段階の経路から、第2段階の経路(図23(B)参照)に変化させる。副制御基板940は、特別演出抽選の契機となった最大回数の保留のうち、3番目に古い保留と4番目に古い保留との各々に係る装飾図柄の変動表示および確定表示を、第2段階の経路で搬送される図柄フィルム620によって実行する。
副制御基板940は、特別演出抽選の契機となった最大回数の保留のうち、4回分の保留(最も古い保留から4番目に古い保留までの各保留)が消化された後、5番目に古い保留に係る単位遊技を開始する際に、案内ローラ616,617を移動させ、それによって、図柄フィルム620の経路を、第2段階の経路から、第3段階の経路(図24(A)参照)に変化させる。副制御基板940は、特別演出抽選の契機となった最大回数の保留のうち、5番目に古い保留と6番目に古い保留との各々に係る装飾図柄の変動表示および確定表示を、第3段階の経路で搬送される図柄フィルム620によって実行する。
副制御基板940は、特別演出抽選の契機となった最大回数の保留のうち、6回分の保留(最も古い保留から6番目に古い保留までの各保留)が消化された後、7番目に古い保留に係る単位遊技を開始する際に、案内ローラ616,617を移動させ、それによって、図柄フィルム620の経路を、第3段階の経路から、第4段階の経路(図24(B)参照)に変化させる。副制御基板940は、特別演出抽選の契機となった最大回数の保留のうち、7番目に古い保留と8番目に古い保留(すなわち、特別演出抽選の契機となった最大回数の保留のうち最後の(最も新しい)保留)との各々に係る装飾図柄の変動表示および確定表示を、第4段階の経路で搬送される図柄フィルム620によって実行する。
なお、図柄フィルム620が第1から第4までの各段階の経路で搬送される場合に、最も古い保留から奇数番目に古い保留である場合と、最も古い保留から偶数番目に古い保留である場合とで装飾図柄の表示態様が異なるように構成してもよい。これにより、特別演出抽選の契機となった最大回数の保留がいくつ消化されたかを遊技者が識別し易くできる。
例えば、最も古い保留から奇数番目に古い保留である場合には、表示ユニット610による発光部615を点滅させ、最も古い保留から偶数番目に古い保留である場合には、表示ユニット610による発光部615を連続点灯するよう構成してもよい。また、最も古い保留から奇数番目に古い保留であるか、最も古い保留から偶数番目に古い保留であるかに応じて、装飾図柄の表示色が異なるよう発光部615の点灯色を異ならせるよう構成してもよい。
次に、以上説明したパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、特別図柄に係る単位遊技(または、特別図柄に係る変動表示)の保留回数が最大回数に達したことで特別演出が行われた場合に、図柄フィルム620の経路が保留されていた特別図柄に係る単位遊技の消化に応じて変更されるよう構成される。よって、遊技者は、保留されていた特別図柄に係る単位遊技を、図柄フィルム620の経路の変化に応じて注目することができるので、特別図柄に係る単位遊技を保留可能な遊技機の遊技性を向上することができる。
また、図柄フィルム620の経路の変化に応じて、図柄フィルム620に描かれた装飾図柄の見た目が変化する(より詳細には、装飾図柄における縦方向の長さが変化する)ので、特別演出の契機となった最大回数の保留(特別図柄に係る単位遊技の保留)が消化する過程を、装飾図柄の見た目の変化によって遊技者に認識させることができる。よって、保留されている変動表示の変化を図柄の見た目の変化で楽しませることができるので、かかる点においても、特別図柄に係る単位遊技を保留可能な遊技機の遊技性を向上することができる。
特に、本実施形態においては、特別演出が、特別演出抽選の契機となった最大回数の保留のうち、最後の保留(最も新しい保留)が特別図柄抽選において当選している保留であるか否かを期待させる演出として構成されるので、装飾図柄の見た目の変化によって遊技者に特別図柄抽選における当選(すなわち、特別遊技状態の発生)を期待させることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
(1)第1実施形態の変形例
上記第1実施形態においては、表示ユニット610が上方側に移動しながら後方側へと移動する構成について説明したが、表示ユニット610が下方側に移動しながら前方側へ移動する場合など、所定の第1方向と当該第1方向に交差する第2方向に移動する構成であってもよい。例えば、アーム部641を上端側の軸周りに右側から見て時計回りに回動させることで、表示ユニット610が上方側に移動しながら前方側へ移動するよう構成できる。また、表示ユニット610が上または下方側に移動しながら左または右方向に移動する構成であってもよい。
上記第1実施形態においては、表示ユニット610が、上方側に所定の移動量で移動しながら、当該上方側への移動量より小さい移動量で後方側に移動する場合を例示したが、表示ユニット610の動き方は必ずしも当該例示の通りである必要はない。例えば、表示ユニット610をレールなどによって上下方向と前後方向に移動可能に構成し、表示ユニット610を、上方側に所定の移動量で移動させた後、当該上方側への移動量より小さい移動量で後方側に移動させる構成や、後方側に所定の移動量で移動させた後、当該後方側への移動量より大きい移動量で上方側に移動させる構成としてもよい。
上記第1実施形態においては、図柄フィルム620を用いる装飾図柄表示装置600の表示ユニット610が上方側に移動しながら後方側へと移動する構成において本発明を適用する場合を例示したが、装飾図柄表示装置800においてリール810が上方側に移動しながら後方側へ移動する構成において本発明を適用してもよい。また、装飾図柄を表示可能な液晶表示装置が上方側に移動しながら後方側へ移動する構成において本発明を適用してもよい。
上記第1実施形態において、表示ユニット610の移動条件として例示した「所定の条件」に代えて、第1実施形態以外の各実施形態において「所定の条件」として例示した条件を適用してもよい。
(2)第2実施形態の変形例
上記第2実施形態においては、図柄フィルム620の経路として、前方側に凸となる経路J1,J2と、その大部分が側面視において略直線状である経路J3とを例示したが、後方側に凸となる(正面側から見て凹となる)経路が含まれる構成であってもよい。
上記第2実施形態においては、表示ユニット610内を図柄フィルム620が上下方向に移動する(搬送される)構成とし、当該図柄フィルム620の経路を変化させる構成としたが、図柄フィルム620と同様の図柄フィルムが左右方向に移動する構成において、図柄フィルム620の前方側への張り出し量や曲率(上面視における曲率)を変化させ、それによって、図柄フィルム620の経路を変化させる構成としてもよい。
上記第2実施形態においては、表示ユニット610内を通過する図柄フィルム620の経路を変化させることで、装飾図柄の見た目を変化させたり、表示ユニット610の正面側から欠けることなく視認できる装飾図柄の数を変化させる構成としたが、これに代えて、又はこれに加えて、液晶表示装置において列状の装飾図柄を表示する構成において、液晶表示装置の表示領域を変化させてもよいし、装飾図柄の大きさ又は見た目の少なくとも一方を変化させる構成としてもよい。
上記第2実施形態において、図柄フィルム620の経路を変化させる契機として例示した「所定の条件」に代えて、第2実施形態以外の各実施形態において「所定の条件」として例示した条件を適用してもよい。
(3)第3実施形態の変形例
上記第3実施形態においては、3列の各リール810(810L,810M,810R)の移動によって、左リール810Lと右リール810Rとの間、かつ、中リール810Mの前方側に形成された空間内に、上側発光装置495を移動させて配置する構成としたが、当該空間内に配置される構造体は、必ずしも上側発光装置495である必要はない。例えば、上側発光装置495に代えて、演出用の役物や液晶表示装置などの構造体を当該空間内に配置させる構成としてもよい。
上記第3実施形態においては、3列の各リール810(810L,810M,810R)が各々移動することで、左リール810Lと右リール810Rとの間、かつ、中リール810Mの前方側に、上側発光装置495を配置可能な空間を形成する構成としたが、3列のリール810L,810M,810Rのうち、一部のリールの移動によって上側発光装置495を配置可能な空間を形成する構成であってもよい。
例えば、右リール810Rの位置をそのままに、左リール810Lを左方向に移動し、その後、中リール810Mを左方向に移動した後に反時計回りに略90度回転させることで、左リール810Lと右リール810Rとの間、かつ、中リール810Mの前方側に、上側発光装置495を配置可能な空間を形成する構成であってもよい。あるいは、左リール810Lを左方向に移動させることで、左リール810Lと中リール810Mとの間に、上側発光装置495を配置可能な空間を形成する構成であってもよい。
上記第3実施形態においては、左右のリール810L,810Rを左または右方向に移動した後、中リール810Mを上面視において反時計回りに略90度回転させることで形成された空間内に、上側発光装置495を移動させて配置する構成としたが、各リール810L,810M,810Rの移動後に、上側発光装置495を移動させない構成としてもよい。かかる構成において、中リール810Mが上面視において反時計回りに回動された後も、中リール810Mの表示が正面側から視認不可脳または視認困難な状態において、当該中リール810Mによる装飾図柄の変動表示を実行する構成とし、左右のリール810L,810Rによってリーチ表示を行った後、中リール810Mを上面視において時計回りに略90度回転させて中図柄の停止表示を遊技者に見せる構成としてもよい。
上記第3実施形態においては、3列のリール810L,810M,810Rのうち、一部のリール(左リール810Lおよび右リール810R)が左方向または右方向に略直線的に移動し、他のリール(中リール810M)が回転移動をする構成としたが、リールの移動態様の組み合わせは当該構成(左右方向の移動および回転移動)に限らず、例えば、一部のリールが所定の第1方向またはその反対方向(例えば、左右方向)に略直線的に移動し、他のリールが所定の第1方向とは交差する第2方向、または、その反対方向(例えば、前後方向や上下方向)に移動する構成であってもよい。
上記第3実施形態において、各リール810L,810M,810Rを移動させる契機として例示した「所定の条件」に代えて、第3実施形態以外の各実施形態において「所定の条件」として例示した条件を適用してもよい。
(4)第4実施形態の変形例
上記第4実施形態においては、各リール810L,810M,810Rの移動によって形成された空間内で、略半円形状に湾曲する上側発光装置701を回動軸702周りに回動させる構成としたが、上側発光装置701の形状は、略半円形状に湾曲する形状に限らず、上面視において軌跡Q1(図22(B)参照)のような軌跡を通り得る形状であってもよい。例えば、上側発光装置が、回動軸から直径方向に所定長さだけ離れた位置において、下方側に略直線状に延びる棒状体によって構成されるものであってもよい。
上記第4実施形態においては、略半円形状に湾曲する上側発光装置701をバーサライターとして機能させることで、左右方向に3列の装飾図柄を表示する構成としたが、各リール810L,810M,810Rの移動によって空間が形成された場合に、右方側に表示面が向けられた液晶表示装置と、正面側に表示面が向けられた液晶表示装置と、左方側に表示面が向けられた液晶表示装置とを、各々、当該空間内に配置させる構成であってもよい。
上記第4実施形態において、上側発光装置701による特別演出を行うための条件として例示した「所定の条件」に代えて、第4実施形態以外の各実施形態において「所定の条件」として例示した条件を適用してもよい。
(5)第5実施形態の変形例
上記第5実施形態においては、特別演出において図柄フィルム620の経路が第1から第4段階までの4つの経路を取り得る構成としたが、取り得る経路の数としては、必ずしも4つである必要はなく、4未満の値であってもよいし、4より大きい値であってもよい。例えば、側面視における前後方向の蛇行の大きさおよび細かさを変化させることによって、8つの経路を取り得る構成としてもよい。かかる場合、特別図柄に係る単位遊技の保留回数が最大回数に達したことに基づき特別演出が開始された場合に、特別演出抽選の契機となった最大回数の保留が消化される毎に、図柄フィルム620の経路を変化させることができる。
上記第5実施形態においては、図柄フィルム620の経路が第1から第4段階までの4つの経路を取り得る構成において、特別図柄に係る単位遊技(または、特別図柄に係る変動表示)の保留回数が最大回数に達したことで特別演出が行われた場合に、図柄フィルム620の経路が保留されていた特別図柄に係る単位遊技の消化に応じて変更される構成とした。これに代えて、図柄フィルム620の経路が第1から第4段階までの4つの経路を取り得る構成において、図柄フィルム620の経路を特別図柄に係る単位遊技の保留回数に応じた経路とすることによって、特別図柄に係る単位遊技の保留回数を図柄フィルム620の経路で表現する構成にしてもよい。かかる構成によれば、保留ランプや表示器とは異なる趣きで特別図柄に係る単位遊技の保留回数を報知できるので、特別図柄に係る単位遊技を保留可能な遊技機の遊技性を向上することができる。また、かかる構成によれば、特別図柄に係る単位遊技の保留回数を報知するための保留ランプや表示器の設置を省略することが可能となる。
上記第5実施形態においては、図柄フィルム620を用いて装飾図柄を表示する構成において、保留されていた特別図柄に係る単位遊技の消化に応じて図柄フィルム620の経路を変化させ、それによって、装飾図柄の見た目を変化させる構成とした。これに代えて、図柄フィルム620を用いて装飾図柄を表示する構成において、特別遊技状態への遷移しやすさの程度または期待度(確率)を示唆する複数の演出の中から、選択された演出に対応する経路となるよう図柄フィルム620を変形させる構成としてもよい。
これにより、特別遊技状態への遷移しやすさの程度または期待度を図柄フィルム620の経路によって示唆することができる。よって、特別遊技状態の発生を図柄の見た目から遊技者に期待させることができるので、抽選(特別図柄抽選)によって特別遊技状態が発生可能となる遊技の遊技性を向上させることができる。
なお、かかる構成においては、所定のリーチ表示(例えば、スーパーリーチ)を含む装飾図柄の変動表示中における所定の時期に遊技者が所定の操作装置(例えば、押圧操作装置261)を操作した場合に、選択された演出に対応する経路となるよう図柄フィルム620を変形させる構成としてもよい。あるいは、選択された演出に対応する経路となるよう図柄フィルム620を変形させる条件(所定の条件)としては、特別図柄に係る単位遊技(または、特別図柄に係る変動表示)の保留回数が最大回数に達した場合であってもよく、特別図柄の変動表示中や大当り中における所定の時期に到達した場合であってもよく、装飾図柄の変動パターンが所定の変動パターン(例えば、所謂スーパーリーチ)である場合であってもよく、自動または遊技者によって所定の遊技のモードが選択された場合であってもよく、確変遊技状態や時短遊技状態など所定の遊技状態に移行した場合であってもよい。また、上述した条件等が成立し、かつ、所定の抽選に当選した場合を「所定の条件が成立した場合」としてもよい。
(6)本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当りすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当り状態が発生するまで、大当り期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当り図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。また、パチンコ機に限定されることはなく、スロットマシンに適用しても良く、パチンコ機とスロットマシンとを融合した形式のパロット等の遊技機に適用しても良い。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
<特徴10>
複数の図柄を含む図柄列(図柄フィルム620)を表示可能な表示部(表示ユニット610)と、
所定の条件が成立した場合に前記表示部を変形させる変形手段(案内ローラ616、支持部材618)と、を備え、
前記表示部は、前記変形手段によって前記表示部が変形される前後で前記図柄列における視認可能な図柄の数及び大きさの少なくとも一方を変動可能に構成されることを特徴とする遊技機。
<特徴11>
複数の図柄を含む図柄列(図柄フィルム620)を表示可能な表示部(表示ユニット610)と、
所定の条件が成立した場合に前記表示部を変形させる変形手段(案内ローラ616、支持部材618)と、を備え、
前記表示部は、前記変形手段によって前記表示部が変形される前後で前記図柄列における視認可能な図柄の数を変動可能に構成されることを特徴とする遊技機。
パチンコ機などの遊技機においては、典型的に、図柄や様々な演出画像を表示可能な表示部が設けられており、当該表示部を用いて視覚的な演出を行うことで遊技性の向上が図られている(例えば、特開2005−074175号公報参照)。
しかしながら、表示部を備える遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴10及び11に記載の遊技機であれば、視覚的に遊技性を向上可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の条件が成立した場合には、複数の図柄を含む図柄列を表示可能な表示部が、変形手段によって変形され、当該表示部が変形される前後で、表示部に表示される図柄列における視認可能な図柄の数(又は大きさ)を変動できる。これにより、表示部に表示される図柄列の見た目を多様化できるので、図柄列の見た目の多様化によって遊技性を視覚的に向上させることができる。
また、所定の条件が成立し、表示部において視認可能な図柄の数(又は大きさ)が変動した場合、それによって、図柄列の見た目が変化するので、所定の条件が成立したことを遊技者に認識させやすい。また、視認可能な図柄の数が増えた場合には、それによって、有効ラインの数を増やすことができるので、リーチ表示を複雑化することができる。これにより、リーチ表示に係る遊技性を向上させることができる。
なお、特徴11の遊技機における「所定の条件が成立した場合」としては、例えば、特別図柄の変動表示中や大当り中における所定の時期に到達した場合であってもよく、装飾図柄の変動パターンが所定の変動パターン(例えば、所謂スーパーリーチ)である場合であってもよく、予め決められた時期に遊技者が所定の操作装置(例えば、押圧操作装置261)を操作した場合であってもよく、自動または遊技者によって所定の遊技のモードが選択された場合であってもよく、確変遊技状態や時短遊技状態など所定の遊技状態に移行した場合であってもよい。また、上述した条件等が成立し、かつ、所定の抽選に当選した場合を「所定の条件が成立した場合」としてもよい。
<特徴12>
特徴11に記載の遊技機であって、
前記図柄列が描かれた面を有する、輪状にされたフィルム体(図柄フィルム620)と、
該フィルム体が係回される支持部材であって、当該フィルム体が前記表示部において前記図柄を表示可能な経路を通過するよう配置されて、係回された前記フィルム体をその連続方向に移動可能に当該フィルム体を支持する支持部材(上側誘導ローラ613、下側誘導ローラ614、案内ローラ616、支持部材618、駆動ローラ661、従動ローラ662)と、
該複数の支持部材に係回された前記フィルム体を駆動する駆動手段(駆動モータ631)と、を備え、
該複数の支持部材のうち、前記表示部における前記図柄を表示可能な領域に対応して設けられた支持部材は、前方側および後方側に各々移動可能に構成され、
前記変形手段は、前記表示部における前記図柄を表示可能な領域に対応して設けられた支持部材を前方側または後方側に移動させることで、当該領域における前記フィルム体の前方側への張り出し量を増減させることを特徴とする遊技機。
特徴12に記載の遊技機であれば、図柄列が描かれた面を有する輪状にされたフィルム体が表示部において図柄を表示可能な経路を通過するよう支持部材に係回された構成において、所定の条件が成立した場合に、変形手段によって、表示部における図柄を表示可能な領域に対応して設けられた支持部材が前方側または後方側に移動されることで、表示部が変形、具体的には、当該領域におけるフィルム体の前方側への張り出し量が増減する。フィルム体の前方側への張り出し量が増えることによって、それ以前に比べて表示される(視認可能となる)図柄の数を増やすことができる。
輪状にされたフィルム体は変形の自由度が高いので、フィルム体の変形(具体的には、フィルム体の前方側への張り出し量の変化)による表示部の変形を容易に実現できる。また、図柄列が描かれた面を有する輪状にされたフィルム体を用いて図柄の表示を行うので、ドラムのような固定的な形状の部材を用いる場合に比べて、表示部を含む表示装置の前後方向を短く構成することが可能となり、それによって、遊技機の薄型化であったり、他の部品を配置する自由度を高めたりすることが可能となる。
<特徴20>
複数の図柄を含む図柄列(図柄フィルム620)を表示可能な表示部(表示ユニット610)と、
所定の条件が成立した場合に前記表示部を変形させる変形手段(案内ローラ616、支持部材618)と、を備え、
前記表示部は、前記図柄列に含まれる図柄のうち少なくとも一部の図柄の見た目が、前記変形手段によって前記表示部が変形される前後で変化するよう構成されることを特徴とする遊技機。
<特徴21>
複数の図柄を含む図柄列(図柄フィルム620)を表示可能な表示部(表示ユニット610)と、
所定の条件が成立した場合に前記表示部を変形させる変形手段(案内ローラ616、支持部材618)と、を備え、
前記表示部は、前記図柄列に含まれる図柄のうち少なくとも一部の図柄の縦横比を少なくとも含む見た目が、前記変形手段によって前記表示部が変形される前後で変化するよう構成されることを特徴とする遊技機。
パチンコ機などの遊技機においては、典型的に、図柄や様々な演出画像を表示可能な表示部が設けられており、当該表示部を用いて視覚的な演出を行うことで遊技性の向上が図られている(例えば、特開2005−074175号公報参照)。
しかしながら、表示部を備える遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴20及び21に記載の遊技機であれば、視覚的に遊技性を向上可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の条件が成立した場合には、複数の図柄を含む図柄列を表示可能な表示部が、変形手段によって変形され、当該表示部が変形される前後で、表示部に表示される図柄列に含まれる図柄のうち少なくとも一部の図柄の見た目が変化する。
これにより、表示部に表示される図柄列の見た目を多様化できるので、図柄列の見た目の多様化によって遊技性を視覚的に向上させることができる。また、所定の条件が成立した場合には、表示部に表示される図柄列の見た目が変化するので、所定の条件が成立したことを遊技者に認識させやすい。
なお、特徴21の遊技機における「所定の条件が成立した場合」としては、例えば、特別図柄の変動表示中や大当り中における所定の時期に到達した場合であってもよく、装飾図柄の変動パターンが所定の変動パターン(例えば、所謂スーパーリーチ)である場合であってもよく、予め決められた時期に遊技者が所定の操作装置(例えば、押圧操作装置261)を操作した場合であってもよく、自動または遊技者によって所定の遊技のモードが選択された場合であってもよく、確変遊技状態や時短遊技状態など所定の遊技状態に移行した場合であってもよい。また、上述した条件等が成立し、かつ、所定の抽選に当選した場合を「所定の条件が成立した場合」としてもよい。
<特徴22>
特徴21に記載の遊技機であって、
前記図柄列が描かれた面を有する、輪状にされたフィルム体(図柄フィルム620)と、
該フィルム体が係回される支持部材であって、当該フィルム体が前記表示部において前記図柄を表示可能な経路を通過するよう配置されて、係回された前記フィルム体をその連続方向に移動可能に当該フィルム体を支持する支持部材(上側誘導ローラ613、下側誘導ローラ614、案内ローラ616、支持部材618、駆動ローラ661、従動ローラ662)と、
該複数の支持部材に係回された前記フィルム体を駆動する駆動手段(駆動モータ631)と、を備え、
該複数の支持部材のうち、前記表示部における前記図柄を表示可能な領域に対応して設けられた支持部材は、前方側および後方側に各々移動可能に構成され、
前記変形手段は、前記表示部における前記図柄を表示可能な領域に対応して設けられた支持部材を前方側または後方側に移動させることで、当該領域における前記フィルム体の連続方向の曲率を変化させることを特徴とする遊技機。
特徴22に記載の遊技機であれば、図柄列が描かれた面を有する輪状にされたフィルム体が表示部において図柄を表示可能な経路を通過するよう支持部材に係回された構成において、所定の条件が成立した場合に、変形手段によって、表示部における図柄を表示可能な領域に対応して設けられた支持部材が前方側または後方側に移動されることで、表示部の変形、具体的には、当該領域における前記フィルム体の連続方向の曲率が変化する。フィルム体の連続方向の曲率を変化させることで、その変化の前後において、フィルム体に描かれた図柄の見え方を変化させることができる。
輪状にされたフィルム体は変形の自由度が高いので、フィルム体の変形(具体的には、フィルム体の連続方向の曲率の変化)による表示部の変形を容易に実現できる。また、図柄列が描かれた面を有する輪状にされたフィルム体を用いて図柄の表示を行うので、ドラムのような固定的な形状の部材を用いる場合に比べて、表示部を含む表示装置の前後方向を短く構成することが可能となり、それによって、遊技機の薄型化であったり、他の部品を配置する自由度を高めたりすることが可能となる。
<特徴30>
複数列の図柄を表示可能な表示部であって、複数の表示構成部を含む表示部(リール810L,810M,810R)と、
所定の条件が成立した場合に、前記複数の表示構成部のうち所定の第1表示構成部を所定の第1方向に動作させる第1の動作手段(リール810L,810Rを移動または回転させるための駆動モータ)と、
前記複数の表示構成部のうち前記第1表示構成部とは異なる所定の第2表示構成部を前記第1方向とは異なる所定の第2方向に動作させる第2の動作手段(リール810Mを移動または回転させるための駆動モータ)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
<特徴31>
複数列の図柄を表示可能な表示部であって、複数の表示構成部を含む表示部(リール810L,810M,810R)と、
所定の条件が成立した場合に、前記複数の表示構成部のうち所定の第1表示構成部を所定の第1方向またはその反対方向(左方向または右方向)に動作させるとともに、前記複数の表示構成部のうち前記第1表示構成部とは異なる所定の第2表示構成部を前記第1方向とは異なる所定の第2方向またはその反対方向(時計回りまたは反時計回り)に動作させる動作手段(各リール810L,810M,810Rを移動または回転させるための駆動モータ)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
パチンコ機などの遊技機においては、典型的に、図柄や様々な演出画像を表示可能な表示部が設けられており、当該表示部を用いて視覚的な演出を行うことで遊技性の向上が図られている(例えば、特開2005−074175号公報参照)。
しかしながら、表示部を備える遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴30及び31に記載の遊技機であれば、視覚的に遊技性を向上可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の条件が成立した場合には、動作手段によって、複数列の図柄を表示可能な表示部に含まれる複数の表示構成部のうち、所定の第1表示構成部が所定の第1方向またはその反対方向に動作され、当該第1表示構成部とは異なる所定の第2表示構成部が、第1方向とは異なる所定の第2方向またはその反対方向に動作される。
これにより、表示部での図柄列の表示や演出を多様化できるので、それによって、遊技性を視覚的に向上させることができる。また、所定の条件が成立した場合には、第1表示構成部と第2表示構成部とが各々異なる方向に動作するので、所定の条件が成立したことを遊技者に認識させやすい。
なお、特徴31の遊技機における「所定の条件が成立した場合」としては、例えば、特別図柄の変動表示中や大当り中における所定の時期に到達した場合であってもよく、装飾図柄の変動パターンが所定の変動パターン(例えば、所謂スーパーリーチ)である場合であってもよく、予め決められた時期に遊技者が所定の操作装置(例えば、押圧操作装置261)を操作した場合であってもよく、自動または遊技者によって所定の遊技のモードが選択された場合であってもよく、確変遊技状態や時短遊技状態など所定の遊技状態に移行した場合であってもよい。また、上述した条件等が成立し、かつ、所定の抽選に当選した場合を「所定の条件が成立した場合」としてもよい。
<特徴32>
特徴31に記載の遊技機であって、
前記第1方向は、直線的な方向であり、
前記第2方向は、時計回りまたは反時計回りの方向であることを特徴とする遊技機。
特徴32に記載の遊技機であれば、所定の条件が成立した場合には、第1表示構成部が直線的に動き、第2表示構成部が時計回りまたは反時計回りに回転する。よって、直線的な動作と直線的でない動作(すなわち、回転動作)とが同時期に行われるので、視覚的に遊技性を好適に向上できる。
<特徴33>
特徴31または特徴32に記載の遊技機であって、
前記第1表示構成部と前記第2表示構成部とが隣接する前記表示構成部であることを特徴とする遊技機。
特徴33に記載の遊技機であれば、所定の条件が成立した場合には、隣接する第1表示構成部と第2表示構成部とが各々異なる方向に動作するので、隣接する部位が各々異なる方向に動作するので、第1表示構成部と第2表示構成部とが動作したことを遊技者に印象づけ易い。
<特徴40>
複数列の図柄を表示可能な表示部であって、複数の表示構成部を含む表示部(リール810L,810M,810R)と、
所定の条件が成立した場合に、前記複数の表示構成部の少なくとも一部を各々独立して動作させることが可能な動作手段(各リール810L,810M,810Rを移動または回転させるための駆動モータ)と、を備え、
該動作手段によって前記表示構成部が動作する場合に、一部の前記図柄が視認可能であって、一部の前記表示構成部によって表示される図柄の少なくとも一部が視認不能または視認困難になる位置に前記表示構成部を移動する制御を行う制御手段(副制御基板940)とを備えていることを特徴とする遊技機。
<特徴41>
複数列の図柄を表示可能な表示部であって、複数の表示構成部を含む表示部(リール810L,810M,810R)と、
所定の条件が成立した場合に、前記複数の表示構成部の少なくとも一部を各々独立して動作させる動作手段(各リール810L,810M,810Rを移動または回転させるための駆動モータ)と、
該動作手段によって前記表示構成部が動作する場合、動作した前記表示構成部のうち、一部の前記表示構成部によって表示される図柄の少なくとも一部が視認不能または視認困難になる位置に前記表示構成部を移動する制御を行う制御手段(副制御基板940)とを備えていることを特徴とする遊技機。
パチンコ機などの遊技機においては、典型的に、図柄や様々な演出画像を表示可能な表示部が設けられており、当該表示部を用いて視覚的な演出を行うことで遊技性の向上が図られている(例えば、特開2005−074175号公報参照)。
しかしながら、表示部を備える遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴40及び41に記載の遊技機であれば、視覚的に遊技性を向上可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の条件が成立した場合には、動作手段によって、複数列の図柄を表示可能な表示部に含まれる複数の表示構成部の少なくとも一部が各々独立して動作される。動作手段によって表示構成部が動作された場合には、動作された表示構成部のうち、一部の表示構成部によって表示される図柄の少なくとも一部が視認不能または視認困難になる位置に移動する構成であるので、表示部での図柄列の表示や演出を多様化でき、それによって、遊技性を視覚的に向上させることができる。
また、所定の条件が成立した場合には、一部の表示構成部によって表示される図柄の少なくとも一部が視認不能または視認困難となるので、所定の条件が成立したことを遊技者に認識させやすい。
なお、特徴41の遊技機における「所定の条件が成立した場合」としては、例えば、特別図柄の変動表示中や大当り中における所定の時期に到達した場合であってもよく、装飾図柄の変動パターンが所定の変動パターン(例えば、所謂スーパーリーチ)である場合であってもよく、予め決められた時期に遊技者が所定の操作装置(例えば、押圧操作装置261)を操作した場合であってもよく、自動または遊技者によって所定の遊技のモードが選択された場合であってもよく、確変遊技状態や時短遊技状態など所定の遊技状態に移行した場合であってもよい。また、上述した条件等が成立し、かつ、所定の抽選に当選した場合を「所定の条件が成立した場合」としてもよい。
<特徴50>
複数列の図柄を表示可能な表示部(表示ユニット610)と、
所定の条件が成立した場合、前記表示部を、所定の第1方向(後方側)に所定の第1移動量で移動させるとともに、当該第1方向に交差する方向であって遊技機の前後方向に対して交差する所定の第2方向(上方側)に、前記第1移動量より小さい第2移動量で移動させる動作手段(駆動手段680、歯車691、回転板692、接続部693、アーム部641,642,643)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
<特徴51>
複数列の図柄を表示可能な表示部(表示ユニット610)と、
所定の条件が成立した場合、前記表示部を、所定の第1方向(後方側)に所定の第1移動量で移動させるとともに、当該第1方向に交差する所定の第2方向(上方側)に、前記第1移動量より小さい第2移動量で移動させる動作手段(駆動手段680、歯車691、回転板692、接続部693、アーム部641,642,643)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
パチンコ機などの遊技機においては、典型的に、図柄や様々な演出画像を表示可能な表示部が設けられており、当該表示部を用いて視覚的な演出を行うことで遊技性の向上が図られている(例えば、特開2005−074175号公報参照)。
しかしながら、表示部を備える遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴50及び51に記載の遊技機であれば、視覚的に遊技性を向上可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の条件が成立した場合には、動作手段によって、複数列の図柄を表示可能な表示部が、所定の第1方向に所定の第1移動量で移動されるとともに、当該第1方向に交差する所定の第2方向に第1移動量より小さい第2移動量で移動される。よって、図柄を表示可能な表示部が所定の条件が成立した場合に移動するので、遊技性を視覚的に向上させることができる。特に、表示部が、第1方向に移動するだけでなく、第2方向にも小さく移動するので、表示部が移動したことを遊技者に印象づけ易い。
なお、特徴51の遊技機における「所定の条件が成立した場合」としては、例えば、特別図柄の変動表示中や大当り中における所定の時期に到達した場合であってもよく、装飾図柄の変動パターンが所定の変動パターン(例えば、所謂スーパーリーチ)である場合であってもよく、予め決められた時期に遊技者が所定の操作装置(例えば、押圧操作装置261)を操作した場合であってもよく、自動または遊技者によって所定の遊技のモードが選択された場合であってもよく、確変遊技状態や時短遊技状態など所定の遊技状態に移行した場合であってもよい。また、上述した条件等が成立し、かつ、所定の抽選に当選した場合を「所定の条件が成立した場合」としてもよい。
また、特徴51の遊技機において、動作手段によって表示部を「所定の第1方向に所定の第1移動量で移動させるとともに、当該第1方向に交差する所定の第2方向に前記第1移動量より小さい第2移動量で移動させる」とは、表示部を、第1方向に移動させながら、第2方向に移動させ、結果的に、当該表示部が、第1方向に第1移動量だけ移動するとともに、第2方向に第2移動量だけ移動するものであってもよいし、表示部を、第1方向に第1移動量で移動させた後に、第2方向に第2移動量で移動させるものであってもよいし、表示部を、第2方向に第2移動量で移動させた後に、第1方向に第1移動量で移動させるものであってもよい。
<特徴52>
特徴51に記載の遊技機であって、
前記図柄列が描かれた面を有する、輪状にされたフィルム体(図柄フィルム620)と、
該フィルム体が係回される支持部材であって、当該フィルム体が前記表示部において前記図柄を表示可能な経路を上下方向に通過するよう配置されて、係回された前記フィルム体をその連続方向に移動可能に当該フィルム体を支持する支持部材(上側誘導ローラ613、下側誘導ローラ614、案内ローラ616、支持部材618、駆動ローラ661、従動ローラ662)と、
該複数の支持部材に係回された前記フィルム体を駆動する駆動手段(駆動モータ631)と、を備え、
前記動作手段は、前記所定の条件が成立した場合、前記表示部を、前後方向または上下方向の一方である前記第1方向に所定の第1移動量で移動させるとともに、他方である前記第2方向に前記第1移動量より小さい第2移動量で移動させることを特徴とする遊技機。
特徴52に記載の遊技機であれば、図柄列が描かれた面を有する輪状にされたフィルム体が表示部において図柄を表示可能な経路を上下方向に通過するよう支持部材に係回された構成において、所定の条件が成立した場合、動作手段によって、表示部が、前後方向または上下方向の一方(第1方向)に所定の第1移動量で移動されるとともに、他方(第2方向)に第1移動量より小さい第2移動量で移動される。輪状にされたフィルム体は変形の自由度が高いので、表示部の前後方向および上下方向への移動を容易に実現できる。また、図柄列が描かれた面を有する輪状にされたフィルム体を用いて図柄の表示を行うので、ドラムのような固定的な形状の部材を用いる場合に比べて、表示部を含む表示装置の前後方向を短く構成することが可能となり、それによって、遊技機の薄型化であったり、他の部品を配置する自由度を高めたりすることが可能となる。
<特徴60>
遊技者が視認可能な遊技領域と、
該遊技領域内に配置されて複数列の図柄を表示可能な表示部であって、複数の表示構成部を含む表示部(リール810L,810M,810R)と、
所定の構造体(上側発光装置495)と、
所定の条件が成立した場合に、前記複数の表示構成部を異なる方向に動作させ、当該動作の前に前記表示部が位置していた範囲内に前記所定の構造体を配置可能な空間を形成する動作手段(各リール810L,810M,810Rを移動または回転させるための駆動モータ)と、
前記所定の条件が成立した場合に、前記所定の構造体を移動させて、前記空間に当該所定の構造体を配置させる移動手段(台座部496を移動させるための駆動モータ)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
<特徴61>
遊技者が視認可能な遊技領域と、
該遊技領域内に配置されて複数列の図柄を表示可能な表示部であって、複数の表示構成部を含む表示部(リール810L,810M,810R)と、
所定の構造体(上側発光装置495)と、
所定の条件が成立した場合に、前記複数の表示構成部の少なくとも一部を各々独立して動作させ、当該動作の前に前記表示部が位置していた範囲内に前記所定の構造体を配置可能な空間を形成する動作手段(各リール810L,810M,810Rを移動または回転させるための駆動モータ)と、
前記所定の条件が成立した場合に、前記所定の構造体を移動させて、前記空間に当該所定の構造体を配置させる移動手段(台座部496を移動させるための駆動モータ)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
パチンコ機などの遊技機においては、典型的に、図柄や様々な演出画像を表示可能な表示部が設けられており、当該表示部を用いて視覚的な演出を行うことで遊技性の向上が図られている(例えば、特開2005−074175号公報参照)。
しかしながら、表示部を備える遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴60及び61に記載の遊技機であれば、視覚的に遊技性を向上可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の条件が成立した場合には、動作手段によって、複数列の図柄を表示可能な表示部に含まれる複数の表示構成部の少なくとも一部が各々独立して動作され、それによって、当該動作の前に表示部が位置していた範囲内に所定の構造体を配置可能な空間が形成される。また、当該所定の条件が成立した場合には、移動手段によって所定の構造体が移動され、当該所定の構造体が、動作手段による表示構成部の動作によって形成された空間に配置される。
これにより、表示部と所定の構造体との組み合わせによる演出の多様化が可能になるので、それによって、遊技性を視覚的に向上させることができる。また、所定の条件が成立した場合には、表示部が位置していた範囲内に所定の構造体が配置される状況が生じるので、所定の条件が成立したことを遊技者に認識させやすい。
なお、特徴61の遊技機における「所定の条件が成立した場合」としては、例えば、特別図柄の変動表示中や大当り中における所定の時期に到達した場合であってもよく、装飾図柄の変動パターンが所定の変動パターン(例えば、所謂スーパーリーチ)である場合であってもよく、予め決められた時期に遊技者が所定の操作装置(例えば、押圧操作装置261)を操作した場合であってもよく、自動または遊技者によって所定の遊技のモードが選択された場合であってもよく、確変遊技状態や時短遊技状態など所定の遊技状態に移行した場合であってもよい。
<特徴62>
特徴61に記載の遊技機であって、
前記動作手段は、前記複数列における一端側の列と他端側の列との間に空間が形成されるよう、前記表示構成部を動作させ、
前記所定の構造体は、前記図柄に対応する内容を表示可能な構造体であることを特徴とする遊技機。
特徴62に記載の遊技機であれば、複数列の図柄のうち一部列の図柄を表示する表示構成部と透光性部材との間に、図柄に対応する内容を表示可能な構造体を配置できるので、一部列の図柄に対応する内容を表示構成部に代えて構造体によって表示させることができる。これにより、図柄の表示や図柄による演出を多様化できる。
<特徴70>
変形可能に構成されて複数の図柄を含む図柄列を変動表示可能な表示部(表示ユニット610)と、
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
前記始動条件が成立した場合に、前記表示部にて、前記図柄列を変動表示した後、前記抽選手段による抽選結果に対応する前記図柄が停止図柄となるよう当該図柄列の変動表示を終了する変動実行手段(主制御基板920)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合、前記変動実行手段による変動表示の終了後に、通常遊技状態より有利な遊技状態である特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)と、
前記変動実行手段により変動表示が行われている場合に前記始動条件が成立した場合には、所定個数を上限として、前記抽選手段による抽選結果に対応する情報を所定の記憶部に記憶し、前記変動実行手段による当該情報に対応する変動表示の実行を保留する保留手段(主制御基板920)と、
所定の条件が成立した場合に、前記記憶部に記憶される前記情報の数の変化又は前記変動表示の実行回数に応じて前記表示部を変形させる変形手段(案内ローラ616、支持部材618)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
<特徴71>
変形可能に構成されて複数の図柄を含む図柄列を変動表示可能な表示部(表示ユニット610)と、
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
前記始動条件が成立した場合に、前記表示部にて、前記図柄列を変動表示した後、前記抽選手段による抽選結果に対応する前記図柄が停止図柄となるよう当該図柄列の変動表示を終了する変動実行手段(主制御基板920)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合、前記変動実行手段による変動表示の終了後に、通常遊技状態より有利な遊技状態である特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)と、
前記変動実行手段により変動表示が行われている場合に前記始動条件が成立した場合には、所定個数を上限として、前記抽選手段による抽選結果に対応する情報を所定の記憶部に記憶し、前記変動実行手段による当該情報に対応する変動表示の実行を保留する保留手段(主制御基板920)と、
所定の条件が成立した場合に、前記記憶部に記憶される前記情報の数の変化又は前記変動表示の実行回数に応じて前記表示部を変形させることで、前記図柄列に含まれる図柄であって遊技者が視認可能な領域に位置する図柄のうち少なくとも一部の図柄の見た目を変形させる変形手段(案内ローラ616、支持部材618)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
パチンコ機などの遊技機においては、典型的に、図柄や様々な演出画像を表示可能な表示部が設けられており、当該表示部を用いて視覚的な演出を行うことで遊技性の向上が図られている(例えば、特開2005−074175号公報参照)。
しかしながら、表示部を備える遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴70及び71に記載の遊技機であれば、視覚的に遊技性を向上可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の始動条件が成立した場合には、変動実行手段により、複数の図柄を含む図柄列を変動表示した後、抽選手段による抽選結果に対応する前記図柄が停止図柄となるよう当該図柄列の変動表示が終了する。このとき、抽選結果が所定の第1結果であれば、変動実行手段による変動表示の終了後に、遊技制御手段によって通常遊技状態より有利な特別遊技状態が発生する。
変動実行手段により変動表示が行われている場合に始動条件が成立した場合には、保留手段により、抽選手段による抽選結果に対応する情報が所定の記憶部に記憶され、それにより、当該情報を、所定個数を上限として、変動実行手段により当該情報に対応する変動表示が実行されるまで保留することができる。
変形可能に構成される表示部は、所定の条件が成立した場合に、変形手段によって、記憶部に記憶される情報の数(すなわち、保留されている変動表示の数)の変化に応じて変形されるので、変動表示が保留される遊技性を視覚的に向上させることができる。
特に、当該変形手段による表示部の変形によって、図柄列に含まれる図柄であって遊技者が視認可能な領域に位置する図柄のうち少なくとも一部の図柄の見た目が変形されるので、保留されている変動表示の数の変化又は前記変動表示の実行回数を変形部(又は図柄)の見た目によって遊技者に認識させることができる。これにより、保留されている変動表示の変化を変形部(又は図柄)の見た目の変化で楽しませることができるので、変動表示の保留に係る遊技性を向上させることができる。
なお、特徴71の遊技機における「記憶部に記憶される情報の数の変化」としては、記憶部に記憶される情報の数が増加または減少する場合であってもよく、記憶部に記憶される情報が所定数に達した後に当該所定数の情報が順次減っていく場合であってもよい。
また、特徴71の遊技機における「所定の条件が成立した場合」としては、例えば、「記憶部に記憶される情報の数」が所定数(例えば、最大回数である8回分)に達した場合であってもよく、記憶部に記憶される情報の数」が所定数に達し、かつ、所定の抽選に当選した場合であってもよく、「記憶部に記憶される情報の数」が更新される毎であってもよい。
<特徴72>
特徴71に記載の遊技機であって、
前記図柄列が描かれた面を有する、輪状にされたフィルム体(図柄フィルム620)と、
該フィルム体が係回される支持部材であって、当該フィルム体が前記表示部において前記図柄を表示可能な経路を通過するよう配置されて、係回された前記フィルム体をその連続方向に移動可能に当該フィルム体を支持する支持部材(上側誘導ローラ613、下側誘導ローラ614、案内ローラ616、支持部材618、駆動ローラ661、従動ローラ662)と、
該複数の支持部材に係回された前記フィルム体を駆動する駆動手段(駆動モータ631)と、を備え、
該複数の支持部材のうち、前記表示部における前記図柄を表示可能な領域に対応して設けられた支持部材は、前方側および後方側に各々移動可能に構成され、
前記変形手段は、前記所定の条件が成立した場合に、前記記憶部に記憶される前記情報の数が減少するにつれて前記図柄の横方向の長さを一定に保ったまま当該図柄の縦方向の長さが減少または増加するよう、前記表示部における前記図柄を表示可能な領域に対応して設けられた支持部材を前方側または後方側に移動させて前記表示部を変形させることを特徴とする遊技機。
特徴72に記載の遊技機であれば、図柄列が描かれた面を有する輪状にされたフィルム体が表示部において図柄を表示可能な経路を通過するよう支持部材に係回された構成において、所定の条件が成立した場合に、変形手段によって、記憶部に記憶される情報の数が減少するにつれて図柄の横方向の長さを一定に保ったまま当該図柄の縦方向の長さが減少または増加するよう、表示部における図柄を表示可能な領域に対応して設けられた支持部材を前方側または後方側に移動させることで表示部を変形させる。
輪状にされたフィルム体は変形の自由度が高いので、フィルム体の変形による表示部の変形、および、それによる図柄の見た目の変化(具体的には、記憶部に記憶される情報の数が減少するにつれて図柄の横方向の長さを一定に保ったまま当該図柄の縦方向の長さを減少または増加させる)を容易に実現できる。また、図柄列が描かれた面を有する輪状にされたフィルム体を用いて図柄の表示を行うので、ドラムのような固定的な形状の部材を用いる場合に比べて、表示部を含む表示装置の前後方向を短く構成することが可能となり、それによって、遊技機の薄型化であったり、他の部品を配置する自由度を高めたりすることが可能となる。
<特徴80>
変形可能に構成されて複数の図柄を含む図柄列を変動表示可能な表示部(図柄フィルム620)と、
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
前記始動条件が成立した場合に、前記表示部にて、前記図柄列を変動表示した後、前記抽選手段による抽選結果に対応する前記図柄が停止図柄となるよう当該図柄列の変動表示を終了する変動実行手段(主制御基板920)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合、前記変動実行手段による変動表示の終了後に、通常遊技状態より有利な遊技状態である特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)と、
前記変動実行手段による変動表示の終了後に前記特別遊技状態が発生する確率が異なる複数種類の演出の中から1の演出を選択する演出選択手段(副制御基板940)と、
所定の条件が成立した場合に、前記演出選択手段により選択された演出に対応する見た目となるよう前記表示部を変形させる変形手段(案内ローラ616、案内ローラ617、支持部材618)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
<特徴81>
変形可能に構成されて複数の図柄を含む図柄列を変動表示可能な表示部(図柄フィルム620)と、
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
前記始動条件が成立した場合に、前記表示部にて、前記図柄列を変動表示した後、前記抽選手段による抽選結果に対応する前記図柄が停止図柄となるよう当該図柄列の変動表示を終了する変動実行手段(主制御基板920)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合、前記変動実行手段による変動表示の終了後に、通常遊技状態より有利な遊技状態である特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)と、
前記変動実行手段による変動表示の終了後に前記特別遊技状態が発生する確率が異なる複数種類の演出であって前記表示部を変形させる変形回数又は変形量の少なくとも一方が異なる複数種類の演出の中から1の演出を選択する演出選択手段(副制御基板940)と、
所定の条件が成立した場合に、前記図柄列に含まれる図柄であって遊技者が視認可能な領域に位置する図柄のうち少なくとも一部の図柄の見た目が前記演出選択手段により選択された演出に対応する見た目となるよう前記表示部を変形させる変形手段(案内ローラ616、案内ローラ617、支持部材618)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
パチンコ機などの遊技機においては、典型的に、図柄や様々な演出画像を表示可能な表示部が設けられており、当該表示部を用いて視覚的な演出を行うことで遊技性の向上が図られている(例えば、特開2005−074175号公報参照)。
しかしながら、表示部を備える遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴80及び81に記載の遊技機であれば、視覚的に遊技性を向上可能な遊技機を提供することができる。すなわち、視覚的に遊技性を向上可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の始動条件が成立した場合には、変動実行手段により、複数の図柄を含む図柄列を変動表示した後、抽選手段による抽選結果に対応する前記図柄が停止図柄となるよう当該図柄列の変動表示が終了する。このとき、抽選結果が所定の第1結果であれば、変動実行手段による変動表示の終了後に、遊技制御手段によって通常遊技状態より有利な特別遊技状態が発生する。
変形可能に構成される表示部は、所定の条件が成立した場合に、変形手段によって、図柄列に含まれる図柄であって遊技者が視認可能な領域に位置する図柄のうち少なくとも一部の図柄の見た目が、変動実行手段による変動表示の終了後に特別遊技状態が発生する確率が異なる複数種類の演出の中から演出選択手段によって選択された1の演出に対応する見た目となるよう変形される。よって、特別遊技状態の発生を図柄の見た目から遊技者に期待させることができるので、抽選によって特別遊技状態が発生可能となる遊技の遊技性を向上させることができる。
なお、特徴81の遊技機における「所定の条件が成立した場合」としては、例えば、「記憶部に記憶される情報の数」が所定数(例えば、最大回数である8回分)に達した場合であってもよく、特別図柄の変動表示中や大当り中における所定の時期に到達した場合であってもよく、装飾図柄の変動パターンが所定の変動パターン(例えば、所謂スーパーリーチ)である場合であってもよく、予め決められた時期に遊技者が所定の操作装置(例えば、押圧操作装置261)を操作した場合であってもよく、自動または遊技者によって所定の遊技のモードが選択された場合であってもよく、確変遊技状態や時短遊技状態など所定の遊技状態に移行した場合であってもよい。また、上述した条件等が成立し、かつ、所定の抽選に当選した場合を「所定の条件が成立した場合」としてもよい。
<特徴90>
遊技者が視認可能な遊技領域と、
該遊技領域内に配置されて複数列の図柄を表示可能な第1表示部であって、当該複数列における各列の図柄の表示向きが略正面方向とされる第1表示部(リール810L,810M,810R)と、
複数列の図柄または当該図柄に対応する情報を表示可能な、前記第1表示部とは異なる第2表示部であって、当該複数列のうち少なくとも一部の列の図柄の表示向きが、前記略正面方向とは交差する方向とされる第2表示部(上側発光装置701)と、
所定の条件が成立した場合に、前記複数列の図柄または当該図柄に対応する情報の表示先を前記第1表示部から前記第2表示部に切り替え可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
<特徴91>
遊技者が視認可能な遊技領域と、
該遊技領域内に配置されて複数列の図柄を表示可能な第1表示部であって、当該複数列における各列の図柄の表示向きが略正面方向とされる第1表示部(リール810L,810M,810R)と、
複数列の図柄または当該図柄に対応する情報を表示可能な、前記第1表示部とは異なる第2表示部であって、当該複数列のうち少なくとも一部の列の図柄の表示向きが、前記略正面方向とは交差する方向とされる第2表示部(上側発光装置701)と、
所定の条件が成立した場合に、前記複数列の図柄または当該図柄に対応する情報の表示先を前記第1表示部から前記第2表示部に切り替える表示切替手段(副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
パチンコ機などの遊技機においては、典型的に、図柄や様々な演出画像を表示可能な表示部が設けられており、当該表示部を用いて視覚的な演出を行うことで遊技性の向上が図られている(例えば、特開2005−074175号公報参照)。
しかしながら、表示部を備える遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴90及び91に記載の遊技機であれば、視覚的に遊技性を向上可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の条件が成立した場合には、複数列の図柄または当該図柄に対応する情報の表示先が、第1表示部から第2表示部に切り替えられる。第1表示部が、複数列における各列の図柄の表示向きが略正面方向とされるのに対し、第2表示部は、複数列のうち少なくとも一部の列の図柄の表示向きが、略正面方向とは交差する方向とされるので、表示される図柄の印象を変化させることができる、それによって、図柄表示による遊技性を視覚的に向上させることができる。
なお、特徴91の遊技機における「所定の条件が成立した場合」としては、例えば、特別図柄の変動表示中や大当り中における所定の時期に到達した場合であってもよく、装飾図柄の変動パターンが所定の変動パターン(例えば、所謂スーパーリーチ)である場合であってもよく、予め決められた時期に遊技者が所定の操作装置(例えば、押圧操作装置261)を操作した場合であってもよく、自動または遊技者によって所定の遊技のモードが選択された場合であってもよく、確変遊技状態や時短遊技状態など所定の遊技状態に移行した場合であってもよい。
<特徴92>
特徴91に記載の遊技機であって、
前記第1表示部は、複数の表示構成部を含んで構成される表示部であり、
前記所定の条件が成立した場合に、前記複数の表示構成部の少なくとも一部を各々独立して動作させ、当該動作の前に前記第1表示部が位置していた範囲内に前記第2表示部を配置可能な空間を形成する動作手段(各リール810L,810M,810Rを移動または回転させるための駆動モータなど)と、
前記所定の条件が成立した場合に、前記第2表示部を移動させて、前記空間に当該第2表示部を配置させる移動手段(台座部496を移動させるための駆動モータなど)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴92に記載の遊技機であれば、所定の条件が成立した場合には、動作手段によって、第1表示部に含まれる複数の表示構成部の少なくとも一部が各々独立して動作され、それによって、当該動作の前に第1表示部が位置していた範囲内に第2表示部を配置可能な空間が形成される。また、当該所定の条件が成立した場合には、移動手段によって第2表示部が移動され、当該第2表示部が、動作手段による表示構成部の動作によって形成された空間に配置される。
これにより、第1表示部による図柄の表示位置に近い位置で第2表示部による図柄の表示を行うことができるので、所定の条件の成立によって、複数列の図柄または当該図柄に対応する情報の表示先が第1表示部から第2表示部に切り替えられた場合に遊技者の視線を大きく動かすことを抑制できる。
なお、特徴10〜92に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
以上のように、この発明は、弾球遊技機等の遊技機に適している。
100…遊技機、223…後方板、495…上側発光装置、616…案内ローラ、610…表示ユニット、618…支持部材、620…図柄フィルム、680…駆動手段、691…歯車、692…回転板、693…接続部、641,642,643…アーム部、701…上側発光装置、810,810L,810M,810R…リール

Claims (2)

  1. 変形可能に構成されて複数の図柄を含む図柄列を変動表示可能な表示部と、
    所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段と、
    前記始動条件が成立した場合に、前記表示部にて、前記図柄列を変動表示した後、前記抽選手段による抽選結果に対応する前記図柄が停止図柄となるよう当該図柄列の変動表示を終了する変動実行手段と、
    前記抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合、前記変動実行手段による変動表示の終了後に、通常遊技状態より有利な遊技状態である特別遊技状態を発生させる遊技制御手段と、
    前記変動実行手段による変動表示の終了後に前記特別遊技状態が発生する確率が異なる複数種類の演出であって前記表示部を変形させる変形回数又は変形量の少なくとも一方が異なる複数種類の演出の中から1の演出を選択する演出選択手段と、
    所定の条件が成立した場合に、前記演出選択手段により選択された演出に対応する見た目となるよう前記表示部を変形させる変形手段と、を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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