JP2020068799A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】始動記憶表示を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高める。【解決手段】ゲームの実行権利となる始動記憶に対応する始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)を表示可能な始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)を備え、始動記憶表示制御手段は、実行前のゲームに対応した始動記憶に対応する始動記憶表示である実行前始動記憶表示(待機中保留)を第1表示領域(待機中保留表示部86a)に表示可能であるとともに、実行中のゲームに対応した始動記憶に対応する始動記憶表示である実行中始動記憶表示(実行中保留)を第2表示領域(実行中保留表示部86b)に表示可能であり、実行中のゲームに関する予告演出として、実行中始動記憶表示を第2表示領域から第1表示領域及び第2表示領域とは異なる第3表示領域(ハーフミラー対向表示領域)へ移動させる演出(保留予告演出)を実行可能である。【選択図】図27

Description

本発明は、始動領域への遊技球の入賞に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な状態を発生する遊技機に関する。
従来、始動領域への遊技球の流入に基づき変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶可能であり、始動記憶に対応する始動記憶表示を表示装置に表示可能である遊技機において、始動記憶表示は、消化中の始動記憶に対応する始動記憶表示(実行中の変動表示ゲームに対応する始動記憶表示)も含めて、消化順序が分かるように予め定められた所定の表示領域に並べて表示されることが一般的である。また、始動記憶表示を用いた予告演出を行うことが可能な遊技機も知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2016−140391号公報
しかしながら、従来の始動記憶表示を用いた予告演出は、遊技者の興趣を高めるのに十分ではなかった。
本発明の目的は、始動記憶表示を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
始動領域への遊技球の入賞に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、
前記始動領域への遊技球の入賞に基づき前記ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶可能な始動入賞記憶手段と、
前記始動記憶に対応する始動記憶表示を表示可能な始動記憶表示制御手段と、を備え、
前記始動記憶表示制御手段は、
実行前のゲームに対応した前記始動記憶に対応する前記始動記憶表示である実行前始動記憶表示を第1表示領域に表示可能な実行前始動記憶表示制御手段と、
実行中のゲームに対応した前記始動記憶に対応する前記始動記憶表示である実行中始動記憶表示を第2表示領域に表示可能な実行中始動記憶表示制御手段と、を備え、
前記実行中始動記憶表示制御手段は、前記実行中のゲームに関する予告演出として、前記実行中始動記憶表示を前記第2表示領域から前記第1表示領域及び前記第2表示領域とは異なる第3表示領域へ移動させる演出を実行可能であることを特徴とする。
本発明によれば、始動記憶表示を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
本発明の一実施形態の遊技機を前面側から見た斜視図である。 遊技盤の正面図である。 遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。 遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。 タイマ割込み処理を説明するフローチャートである。 始動口スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。 特図始動口スイッチ共通処理を説明するフローチャートである。 特図保留情報判定処理を説明するフローチャートである。 特図保留情報判定処理を説明するフローチャートである。 先読み大当り判定処理を説明するフローチャートである。 特図1ゲーム処理を説明するフローチャートである。 特図2ゲーム処理を説明するフローチャートである。 特図2ゲーム処理を説明するフローチャートである。 特図1普段処理を説明するフローチャートである。 特図2普段処理を説明するフローチャートである。 特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理を説明するフローチャートである。 演出制御装置のメイン処理を説明するフローチャートである。 受信コマンドチェック処理を説明するフローチャートである。 受信コマンド解析処理を説明するフローチャートである。 単発系コマンド処理を説明するフローチャートである。 先読み変動系コマンド処理を説明するフローチャートである。 盤演出装置を説明する図である。 盤演出装置を説明する図である。 盤演出装置を説明する図である。 第1実施形態の保留予告演出の一例を説明する図である。 第1実施形態の保留予告演出の一例を説明する図である。 第1実施形態の保留予告演出の一例を説明する図である。 第1実施形態の保留予告演出の一例を説明する図である。 第1実施形態の保留予告演出の一例を説明する図である。 第1実施形態の保留予告演出の一例を説明する図である。 第2実施形態の保留予告演出の一例を説明する図である。 第2実施形態の保留予告演出の一例を説明する図である。 第2実施形態の保留予告演出の一例を説明する図である。 第2実施形態の保留予告演出の一例を説明する図である。 第2実施形態の保留予告演出の一例を説明する図である。 第2実施形態の保留予告演出の一例を説明する図である。 弱保留連続演出の一例を説明する図である。
<第1実施形態>
図1に示すように本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12の下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
図2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体80を備える。遊技盤本体80は木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体80の前面には、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及び外周壁(ガイドレール)31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、外周壁31で囲まれた遊技領域32内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘などが配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、演出画像として静止画や動画を表示可能であり、例えば、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
センターケース40には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から下方へ向けて動作可能となっている。
センターケース40の右方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には、二つの一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右下方の遊技領域32には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ35a(図3参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)によって検出される。
センターケース40の右部には、特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)によって検出される。
普通変動入賞装置37は、可動部材(図示省略)を備えており、この可動部材は、常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定結果となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
なお、本実施形態において、普通変動入賞装置37の可動部材は、普電ソレノイド37cによって前後方向に進退(スライド)することで開閉する所謂ベロ型の普通電動役物であるが、普通変動入賞装置37の可動部材は、これに限定されない。普通変動入賞装置37の可動部材は、例えば、普電ソレノイド37cによって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放するアタッカ形式の普通電動役物であっても良いし、普電ソレノイド37cによって逆「ハ」の字状に開放するチューリップ型の普通電動役物であっても良い。
また、普通変動入賞装置37は、可動部材が閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としても良い。
センターケース40の右方の遊技領域32のうち、普図始動ゲート34と普通変動入賞装置37との間には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(上大入賞口)38が設けられている。第1特別変動入賞装置38は、開閉部材(図示省略)が前後方向に進退(スライド)することで、上大入賞口を遊技球が流入可能な状態に変換する。第1特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって、上大入賞口を閉じた閉状態から開状態に変換し、上大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。第1特別変動入賞装置38に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)によって検出される。
上大入賞口の内部(入賞領域)には、遊技球が流入可能な特定領域が設けられているとともに、当該特定領域への遊技球の流入確率を変化させるようにレバーソレノイド38f(図3参照)により動作するレバー部材が設けられている。特定領域には遊技球の流入を検出可能な特定領域スイッチ38d(図3参照)が設けられており、当該特定領域スイッチ38dで遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態が発生する(本実施形態では、特別遊技状態の終了後に高確率状態が発生する)ようになっている。特定領域に流入した遊技球は第1特別変動入賞装置38の外部へ排出される。
また、上大入賞口の内部には、特定領域に流入せずに第1特別変動入賞装置38の外部へ排出される遊技球を検出する残存球排出口スイッチ38e(図3参照)が設けられている。上大入賞口の内部に設けられた大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数(上大入賞口に流入した遊技球数)と、特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数(上大入賞口から排出される遊技球数)とが一致することにより上大入賞口内の遊技球が全て排出されたことを確認でき、基本的にはこの確認が終了するまでは新たな上大入賞口の開放が行われないようになっている。
センターケース40の下方の遊技領域32のうち、始動入賞口36の右方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(下大入賞口)39が設けられている。第2特別変動入賞装置39は、開閉部材(図示省略)が前後方向に進退(スライド)することで、下大入賞口を遊技球が流入可能な状態に変換する。第2特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって、下大入賞口を閉じた閉状態から開状態に変換し、下大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)39a(図3参照)によって検出される。
始動入賞口36の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体80の右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図1変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51及び特図2変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52と、LEDランプで構成された特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の第1記憶表示部53と、LEDランプで構成された特図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の第2記憶表示部54とを備える。
また、一括表示装置50には、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38,39の開閉回数)を表示するラウンド表示部55、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技者に有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第1遊技状態表示部56、特図変動表示ゲームの確率状態(高確率状態又は低確率状態)を報知する確率表示部57が設けられている。なお、一括表示装置50には、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する確率状態表示部、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。
更に、普図変動表示ゲームを表示する普図表示部58や、普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部59、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する時短状態報知部60等が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームにおいては、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するようにし、特図1と特図2との区別が可能なように構成されている。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメント(特図1であれば加えて右方下側の8番目のセグメント)を点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
第1記憶表示部53は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点灯(点滅)により表示する。
第2記憶表示部54は、特図2表示器52の変動開始条件となる普通変動入賞装置37への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点灯(点滅)により表示する。
ラウンド表示部55はLEDランプ等で構成され、特別遊技状態中でない場合には全てのLEDを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応してLEDを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部55は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
第1遊技状態表示部56はLEDランプ等で構成され、例えば右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(通常打ち時)には全てのLEDを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)には全てのLEDを点灯状態にする。
確率表示部57はLEDランプ等で構成され、例えば大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合には全てのLEDを消灯状態にし、大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合には全てのLEDを点灯状態にする。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、停電が発生し当該遊技機への電源供給が停止しても遊技に関する情報を記憶保持可能であるとともに、停電復旧後には記憶保持された情報に基づき遊技を再開可能とする遊技情報記憶保持手段をなす。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(低確率状態或いは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、一般入賞口35内の入賞口スイッチ35a、第1特別変動入賞装置38内の大入賞口スイッチ38a、第2特別変動入賞装置39内の大入賞口スイッチ39a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、第1特別変動入賞装置38内に配設される特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38e、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するアウト球検出スイッチ32aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124又は第4入力ポート126へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a,39a及びゲートスイッチ34aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、特定領域スイッチ38d、残存球排出スイッチ38e及びアウト球検出スイッチ32aの検出信号は第4入力ポート126へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。
また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ65の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。
さらに、第3入力ポート124には、設定キー操作部の操作を検出する設定キースイッチ152からの信号が入力される。設定キー操作部は、設定キーを差し込む鍵穴を備え、対応する設定キーを差し込んだ場合にのみ当該設定キーを回すことができるように構成されている。設定キースイッチ152は、回した状態となっていることを検出可能なセンサであり、回した状態である場合にオン状態となり、回していない状態である場合にオフ状態となる。
RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を複数から選択するための操作部であり、これらの操作部を操作することで、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を選択することができ、選択された確率設定値に対応する確率値が遊技で使用されるようになっている。ここでは確率設定値として“設定1”〜“設定6”の6つが用意されている。
確率設定値を選択する際には、設定キー操作部の設定キーを回した状態でRAM初期化スイッチ112を操作(押下)しながら遊技機の電源を投入することで確率設定値を変更可能な確率設定値変更モードとなり、確率設定値変更モード中にRAM初期化スイッチ112を操作(押下)することで確率設定値を変更することができるようになっている。選択されている確率設定値は、算出されたベース値や役物比率を表示するための性能表示装置153に表示される。具体的には、性能表示装置153には、確率設定値に関する操作をしている間(確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである間)は確率設定値の情報が表示され、それ以外では算出されたベース値や役物比率が表示されるようになっている。
また、設定キー操作部の設定キーを回した状態(RAM初期化スイッチ112は操作しない)で遊技機の電源を投入することで、現在選択されている確率設定値が性能表示装置153に表示されるが確率設定値の変更はできない確率設定値確認モードとなる。なお、RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、前面枠12を開状態としなければ操作できないようにされている。
性能表示装置153は7セグメント式のディスプレイであり、確率設定値を1〜6の数字で表示するようになっている。もちろん表示態様はこれに限られず、確率設定値を認識できる表示態様であれば良い。また、液晶表示装置など他の形式の表示装置でも良いし、一又は複数のLEDの点灯態様や発光色等により確率設定値を示すものであっても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力及び第4入力ポート126への出力(アウト球検出スイッチ32aの検出信号は除く)は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124,126には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62や振動センサ65のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続された第2出力ポート134が設けられている。第2出力ポート134は、第1特別変動入賞装置38を開成させる第1大入賞口ソレノイド(大入賞口ソレノイド1)38b、第2特別変動入賞装置39を開成させる第2大入賞口ソレノイド(大入賞口ソレノイド2)39b、第1特別変動入賞装置38内のレバー部材を動作させるレバーソレノイド38f及び普通変動入賞装置37を開成させる普電ソレノイド37cの動作データを出力するとともに、現在選択されている確率設定値を表示する性能表示装置153の表示データを出力するためのポートである。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38b,39bやレバーソレノイド38fや普電ソレノイド37cの動作データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第2出力ポート134から出力される性能表示装置153の表示データ信号を受けて駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。なお、第2出力ポート134から第5ドライバ138eへは、シリアル通信でデータが送信される。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。第5ドライバ138eには、5Vで動作する性能表示装置153を駆動できるようにするため、電源電圧としてDC5Vが電源装置400から供給される。
また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。
外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。
なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124,126のようなポートは設けられていない。
なお、特に限定されるわけではないが、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a,39a、ゲートスイッチ34aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
本実施形態の遊技機10では、図示しない打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図3参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や、当該始動入賞口36の左方に配設された一般入賞口35への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39、当該第2特別変動入賞装置39の右方に配設された一般入賞口35への入賞を狙うことができるようになっている。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34aが設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1)してROM111Bに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置50に設けられた普図表示部58に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。なお、普図表示部58を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示部58に特別の結果態様となる点灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材を所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示部58にはずれの結果態様となる点灯パターンを表示する制御を行う。
また、始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、始動入賞口36への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶するとともに、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶する。始動入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出されるようになっており、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Bに記憶される。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の第1記憶表示部53(特図1保留表示器)や第2記憶表示部54(特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、第1始動記憶に基づいて特図1表示器51(第1変動表示装置)で特図1変動表示ゲームを行い、第2始動記憶に基づいて特図2表示器52(第2変動表示装置)で特図2変動表示ゲームを行う。特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは同時に実行可能であるが、一方の特図変動表示ゲームの実行中に、他方の特図変動表示ゲームが第1特別結果(大当り)となった場合には、当該一方の特図変動表示ゲームを特別結果以外の結果(はずれ結果)として終了させるようにしている。また、一方の特図変動表示ゲームの実行中に、他方の特図変動表示ゲームが第2特別結果(小当り)となった場合には、当該小当りに基づく特別遊技状態の終了まで当該一方の特図変動表示ゲームを中断するようにしている。
すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、始動入賞口36(第1始動入賞領域)への遊技球の入賞に基づいて特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の実行制御を行う第1実行制御手段をなす。また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、普通変動入賞装置37(第2始動入賞領域)への遊技球の入賞に基づいて特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の実行制御を行う第2実行制御手段をなす。
特図1表示器51及び特図2表示器52では、変動表示を行った後、所定の結果態様を停止表示する。そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が第1特別結果に対応する特別結果態様(大当り結果態様)となって大当りとなり、第1特別遊技状態(いわゆる大当り状態)となる。また、特図変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が第2特別結果に対応する特別結果態様(小当り結果態様)となって小当りとなり、第2特別遊技状態(いわゆる小当り状態)となる。すなわち、特図1表示器51が、始動入賞口36への遊技球の入賞に基づく第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)を表示可能な第1変動表示手段をなす。また、特図2表示器52が、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づく第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)を表示可能な第2変動表示手段をなす。
また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、大当り遊技状態(第1特別遊技状態)の終了後、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状況(当り確率が高確率であることや普電サポートがあること)で遊技を進行可能な遊技状態(特定遊技状態)を発生させる制御を行うことが可能である。すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100が特定遊技状態発生手段をなす。
また、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの実行に対応して、表示装置41にて複数種類の飾り識別情報(数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。表示装置41での飾り特図変動表示ゲームには、特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームと、特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームとがあり、これらは別々の表示領域に表示される。そして、対応する特図変動表示ゲームの変動に伴い変動表示が行われ、対応する特図変動表示ゲームでの結果態様の導出に伴い結果に対応した表示が行われる。
すなわち、表示装置41が、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)及び第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に対応して飾り識別情報を変動表示する飾り変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な飾り変動表示手段をなす。なお、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームで別々の表示装置を使用するとしても良いし、一方の飾り特図変動表示ゲームのみを表示するとしても良い。また、遊技機10に特図1表示器51及び特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
本実施形態の遊技機では特図2変動表示ゲームの方が小当りの確率が高い(特図1変動表示ゲームの小当りの確率が0である)が、通常遊技状態である場合には特図2変動表示ゲームの変動パターンとして変動時間が非常に長い(約10分)長変動が選択される。これにより、通常遊技状態では特図2変動表示ゲームの実行が時間的に非効率的となり、通常遊技状態における小当りの獲得を狙った特図2変動表示ゲームの実行を遊技者が選択しないようにしている。よって、通常遊技状態では、左打ちを行って始動入賞口36を狙い、特図1変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利となる。
なお、長変動の時間は約10分としたがこれより長くても良いし、短くても良い(5分、50分、10時間など)。また、特図2変動表示ゲームの結果に応じて長変動の時間を異ならせても良い。具体的には、例えば、特図2変動表示ゲームの結果がはずれ又は小当りである場合には、当該特図2変動表示ゲームの変動パターンとして変動時間が約10分の長変動が選択され、特図2変動表示ゲームの結果が大当りである場合には、当該特図2変動表示ゲームの変動パターンとして変動時間が約5分の長変動が選択されるようにしても良い。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図示しないメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図5に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔タイマ割込み処理〕
遊技制御装置100のタイマ割込み処理はクロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。すなわち、所定周期で開始される割込みルーチンである。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図5のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップX101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX102)。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップX103)を行う。
次いで、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされているか判定し(ステップX104)、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされている場合(ステップX104;Y)には、確率設定変更/確認処理(ステップX122)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
一方、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグの両方がセットされていない場合(ステップX104;N)には、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b,39b、レバーソレノイド38f、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップX105)を行う。なお、メイン処理で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップX106)、乱数更新処理1(ステップX107)、乱数更新処理2(ステップX108)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a,39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、賞球の設定、前面枠やガラス枠の開放や、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38,39への不正入賞などのエラーの監視を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX109)を行う。
次に、異常排出発生中であるか判定する(ステップX110)。異常排出とは、第1特別変動入賞装置38において、第1特別変動入賞装置38から排出される遊技球数(特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数)が、第1特別変動入賞装置38に流入した遊技球数(大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数)を上回ることである。なお、異常排出発生中である場合には異常排出フラグがセットされている。そして、異常排出発生中である場合(ステップX110;Y)には、ステップX116へ移行する。すなわち、遊技が進行しないようにする。
一方、異常排出発生中でない場合(ステップX110;N)には、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップX111)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36や普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行う。そして、特図1変動表示ゲームに関する処理を行う特図1ゲーム処理(ステップX112)、特図2変動表示ゲームに関する処理を行う特図2ゲーム処理(ステップX113)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップX114)を行って、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップX115)を行う。
次いで、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップX116)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップX117)、振動センサ65からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う振動不正監視処理(ステップX118)、異常排出が発生していないか判定する処理を行う異常排出監視処理(ステップX119)を行う。さらに、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップX120)、性能表示モニタ153の制御に関する性能表示モニタ制御処理(ステップX121)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔始動口スイッチ監視処理〕
図6には、上述のタイマ割込み処理における始動口スイッチ監視処理(ステップX111)を示した。この始動口スイッチ監視処理では、まず、始動口1(始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップX491)、ハード乱数取得処理(ステップX492)を行う。そして、当該ハード乱数取得処理で始動入賞口36への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるか判定する(ステップX493)。
始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ステップX493;N)には、ステップX499へ移行する。なお、この場合は始動口入賞なし情報が設定されている。
一方、始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場合(ステップX493;Y)には、特図低確率&時短なし中(通常遊技状態中)であるか判定する(ステップX494)。そして、特図低確率&時短なし中である場合(ステップX494;Y)には、ステップX497へ移行する。また、特図低確率&時短なし中でない場合(ステップX494;N)には、右打ち指示報知コマンドを準備し(ステップX495)、演出コマンド設定処理(ステップX496)を行う。
演出制御装置300では、右打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音声等により遊技者に対して右打ちをするように指示する右打ち指示報知を行う。特定遊技状態中や特別遊技状態中である場合は右打ちの方が遊技者にとって有利であり、左打ちでなければ入賞しないようになっている始動入賞口36で特定遊技状態中や特別遊技状態中において入賞を検出した場合に右打ち指示報知を行うようにしている。
そして、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX497)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップX498)を行う。次いで、始動口2(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップX499)、ハード乱数取得処理(ステップX500)を行って、普通変動入賞装置37への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるか判定する(ステップX501)。
普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ステップX501;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。なお、この場合は始動口入賞なし情報が設定されている。
一方、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場合(ステップX501;Y)には、普電(普通変動入賞装置37)が作動中であるか、すなわち普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否か判定し(ステップX502)、普電が作動中である場合(ステップX502;Y)には、ステップX504へ移行する。一方、普電が作動中でない場合(ステップX502;N)には、普電不正発生中であるか判定する(ステップX503)。
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
普電不正発生中である場合(ステップX503;Y)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。また、普電不正発生中でない場合(ステップX503;N)には、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX504)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップX505)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
図7には、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップX498,X505)を示した。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
この特図始動口スイッチ共通処理では、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップX521)、ロードした値を+1更新して(ステップX522)、出力回数がオーバーフローするか判定する(ステップX523)。
出力回数がオーバーフローしない場合(ステップX523;N)には、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブし(ステップX524)、監視対象の始動口スイッチに対応する特図保留(始動記憶)数、すなわち更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値(ここでは4)未満か判定する(ステップX525)。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップX523;Y)には、ステップX525へ移行する。ここでは出力回数を255まで記憶できるが、上限まで記憶している場合には+1更新によりループして0となってしまうため、更新後の値のセーブを行わない。
そして、更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップX525;N)には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップX525;Y)には、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップX526)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップX527)。次に、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップX528)、ハード乱数取得処理で準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップX529)。
その後、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップX530)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX531)。次に、監視対象の始動口スイッチの転落抽選乱数を抽出して準備し(ステップX532)、RWMの転落抽選乱数格納領域にセーブする(ステップX533)。
次いで、始動口2(普通変動入賞装置37)への入賞であるか判定し(ステップX534)、始動口2への入賞でない場合(ステップX534;N)には、ステップX537へ移行する。一方、始動口2への入賞である場合(ステップX534;Y)には、小当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップX535)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX536)。
そして、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブし(ステップX537)、先読み処理である特図保留情報判定処理(ステップX538)を行う。次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップX539)、演出コマンド設定処理(ステップX540)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100(RAM111C)が、始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し、該所定の乱数を第1始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な第1始動記憶手段をなす。また、遊技制御装置100(RAM111C)が、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し、該所定の乱数を第2始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な第2始動記憶手段をなす。
〔特図保留情報判定処理〕
図8及び図9には、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップX538)を示した。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
この特図保留情報判定処理では、まず、大当り中(第1特別遊技状態中)であるか判定し(ステップX541)、大当り中である場合(ステップX541;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。一方、大当り中でない場合(ステップX541;N)には、特図始動口スイッチ共通処理のステップX527にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、始動口1(始動入賞口36)への入賞であるか判定する(ステップX542)。
始動口1への入賞である場合(ステップX542;Y)には、ステップX544へ移行して先読みを行う。一方、始動口1への入賞でない場合(ステップX542;N)には、特図低確率&時短なし中(通常遊技状態中)であるか判定する(ステップX543)。そして、特図低確率&時短なし中である場合(ステップX543;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、通常遊技状態である場合には特図2変動表示ゲームの変動パターンとして変動時間が非常に長い(約10分)長変動が選択されるが、この場合には先読みを行わない。一方、特図低確率&時短なし中でない場合(ステップX543;N)には、特図高確率中であるか判定する(ステップX544)。
特図高確率中でない場合(ステップX544;N)には、ステップX548へ移行する。一方、特図高確率中である場合(ステップX544;Y)には、特図始動口スイッチ共通処理のステップX532にて準備した転落抽選乱数の値は転落当選の判定値の範囲内であるか判定する(ステップX545)。次いで、判定結果に対応する先読み転落抽選情報コマンドを準備し(ステップX546)、演出コマンド設定処理(ステップX547)を行って、低確率判定フラグを準備する(ステップX548)。
そして、大当り乱数値が大当り判定値(大当り低確率判定値)と一致するか否かにより大当りであるか判定する先読み大当り判定処理(ステップX549)を行う。判定結果が大当りである場合(ステップX550;Y)には、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップX551)、特図始動口スイッチ共通処理のステップX530にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップX552)、ステップX559へ移行する。一方、判定結果が大当りでない場合(ステップX550;N)には、特図始動口スイッチ共通処理のステップX527にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、始動口2(普通変動入賞装置37)への入賞であるか判定する(ステップX553)。
始動口2への入賞でない場合(ステップX553;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップX558)、ステップX559へ移行する。一方、始動口2への入賞である場合(ステップX553;Y)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか判定する小当り判定処理(ステップX554)を行う。そして、判定結果が小当りである場合(ステップX555;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップX556)、特図始動口スイッチ共通処理のステップX535にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップX557)、ステップX559へ移行する。一方、判定結果が小当りでない場合(ステップX555;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップX558)、ステップX552又はX557にて取得した停止図柄情報、あるいはステップX558にて設定した停止図柄情報を図柄情報領域にセーブする(ステップX559)。
その後、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(低確率)を準備して(ステップX560)、演出コマンド設定処理(ステップX561)を行う。
次いで、高確率判定フラグを準備して(ステップX562)、大当り乱数値が大当り判定値(大当り高確率判定値)と一致するか否かにより大当りであるか判定する先読み大当り判定処理(ステップX563)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップX564;Y)には、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップX565)、特図始動口スイッチ共通処理のステップX530にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップX566)、ステップX573へ移行する。一方、判定結果が大当りでない場合(ステップX564;N)には、特図始動口スイッチ共通処理のステップX527にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、始動口2(普通変動入賞装置37)への入賞であるか判定する(ステップX567)。
始動口2への入賞でない場合(ステップX567;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップX572)、ステップX573へ移行する。一方、始動口2への入賞である場合(ステップX567;Y)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか判定する小当り判定処理(ステップX568)を行う。そして、判定結果が小当りである場合(ステップX569;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップX570)、特図始動口スイッチ共通処理のステップX535にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップX571)、ステップX573へ移行する。一方、判定結果が小当りでない場合(ステップX569;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップX572)、特図高確率中であるか判定する(ステップX573)。
そして特図高確率中でない場合(ステップX573;N)には、ステップX575へ移行する。一方、特図高確率中である場合(ステップX573;Y)には、ステップX559にて停止図柄情報をセーブした図柄情報領域に、ステップX566又はX571にて取得した停止図柄情報、あるいはステップX572にて設定した停止図柄情報を上書きしてセーブする(ステップX574)。なお、図柄情報領域にセーブされる停止図柄情報は、変動パターンの先読み等で使用される。
次いで、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(高確率)を準備して(ステップX575)、演出コマンド設定処理(ステップX576)を行う。このように、本実施形態では、特図保留情報判定処理を実行する度に、大当り低確率判定値で判定した結果と、大当り高確率判定値で判定した結果とが、演出制御装置300に送信される。
次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップX577)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップX578)を行う。
そして、特図変動表示ゲームの変動態様における変動パターンを示す変動パターン番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備し(ステップX579)、演出コマンド設定処理(ステップX580)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップX577における特図情報設定処理、ステップX578における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに対する転落抽選の抽選結果を含む先読み転落抽選情報コマンドと、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(転落するか(大当りの確率状態が高確率状態から低確率状態(通常確率状態)へ移行するか)否かや、大当り又は小当りか否かや、変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づき、変動表示ゲームの結果及び変動態様情報を当該変動表示ゲームの開始以前に決定することが可能な決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶手段に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば、特別結果となるか否か等を判定する)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔先読み大当り判定処理〕
図10には、上述の特図保留情報判定処理における先読み大当り判定処理(ステップX549,X563)を示した。この先読み大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップX581)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満か判定する(ステップX582)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップX582;Y)、すなわち大当りでない場合には、判定結果としてはずれを設定し(ステップX587)、先読み大当り判定処理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、大当りの抽選にはずれたことを示すものである。
一方、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップX582;N)には、判定フラグが高確率判定フラグであるか判定する(ステップX583)。判定フラグが高確率判定フラグである場合(ステップX583;Y)には、現在の確率設定値に対応する高確率中の上限判定値を設定し(ステップX584)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか判定する(ステップX586)。一方、判定フラグが高確率判定フラグでない場合(ステップX583;N)、すなわち低確率判定フラグである場合には、現在の確率設定値に対応する低確率中の上限判定値を設定し(ステップX585)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか判定する(ステップX586)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップX586;Y)、すなわち大当りでない場合には、判定結果としてはずれを設定し(ステップX587)、先読み大当り判定処理を終了する。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップX586;N)、すなわち大当りである場合には、判定結果として大当りを設定し(ステップX588)、先読み大当り判定処理を終了する。
〔特図1ゲーム処理〕
図11には、上述のタイマ割込み処理における特図1ゲーム処理(ステップX112)を示した。特図1ゲーム処理では、特図1変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図1の表示の設定を行う。この特図1ゲーム処理では、まず、特図1変動表示ゲームが中断されている場合にセットされる特図1中断フラグがセットされているか判定する(ステップY99)。特図1変動表示ゲームは、当該特図1変動表示ゲームの実行中に特図2変動表示ゲームの結果が第2特別結果(小当り)となって第2特別遊技状態が実行される場合に、当該第2特別遊技状態の実行中において中断される。
特図1中断フラグがセットされていない場合(ステップY99;N)、すなわち特図1変動表示ゲームの中断が行われていない場合には、ステップY100へ移行して、以降の特図1変動表示ゲームに関する処理を行う。一方、特図1中断フラグがセットされている場合(ステップY99;Y)、すなわち特図1変動表示ゲームが中断されている場合には、ステップY100〜Y115の特図1変動表示ゲームに関する処理を行わず、ステップY116へ移行する。これにより、特図1変動表示ゲームの中断中は特図1変動表示ゲームが進行せず(特図1ゲーム処理タイマの更新が行われず)、変動表示のみが継続するようになる。
特図1変動表示ゲームに関する処理では、まず、特図2の大当り/小当り中であるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態中であるか判定する(ステップY100)。そして、特図2の大当り/小当り中である場合(ステップY100;Y)には、ステップY103へ移行する。一方、特図2の大当り/小当り中でない場合(ステップY100;N)には、大入賞口スイッチ監視処理(ステップY101)を行い、特定領域スイッチ監視処理(ステップY102)を行う。
大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38a及び第2特別変動入賞装置39内に設けられた大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視し、大入賞口への入賞に基づいて演出制御装置300に送信する大入賞口カウントコマンドを設定する処理や、大入賞口へ規定数の入賞があった場合に大入賞口を閉鎖するための処理を行う。特図1ゲーム処理では、特図1変動表示ゲームの結果が大当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口スイッチ監視処理を行うようにしており、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態については後述する特図2ゲーム処理において大入賞口スイッチ監視処理を行う。
特定領域スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた特定領域スイッチ38dでの遊技球の検出を監視し、特定領域(確率作動領域)への遊技球の流入に基づいて特定領域通過フラグをセットする処理を行う。この特定領域通過フラグがセットされていることに基づき特別遊技状態を発生させる処理が行われることとなる。
次いで、特図1ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新し(ステップY103)、特図1ゲーム処理タイマの値が0であるか判定する(ステップY104)。そして、特図1ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY104;N)、すなわちタイムアップしていない場合には、ステップY116へ移行する。また、特図1ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップY104;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、特図1ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために、まず、参照する特図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに準備し(ステップY105)、特図1ゲーム処理番号をロードして準備して(ステップY106)、2バイトデータ取得処理を行う(ステップY107)。これにより、特図1ゲームシーケンス分岐テーブルから特図1ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し、特図1ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップY108)。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図1変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図1変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図1変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1普段処理(ステップY109)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図1の停止表示時間の設定や、特図1表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1変動中処理(ステップY110)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図1変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1表示中処理(ステップY111)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップY112)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップY113)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図1大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップY114)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図1普段処理(ステップY109)を行うために必要な情報の設定等を行う特図1大当り終了処理(ステップY115)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備し(ステップY116)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップY117)を行い、レバーソレノイド38fの動作を制御するレバーソレノイド制御処理(ステップY118)を行って、特図1ゲーム処理を終了する。この特図1ゲーム処理が第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。
〔特図2ゲーム処理〕
図12及び図13には、上述のタイマ割込み処理における特図2ゲーム処理(ステップX113)を示した。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図2の表示の設定を行う。特図2ゲーム処理は、基本的には上述の特図1ゲーム処理と同様の処理を特図2について行うものである。
この特図2ゲーム処理では、まず、特図1の大当り中であるか、すなわち特図1変動表示ゲームの結果が大当りになることに基づき実行される特別遊技状態中であるか判定する(ステップY130)。そして、特図1の大当り中である場合(ステップY130;Y)には、ステップY133へ移行する。また、特図1の大当り中でない場合(ステップY130;N)には、大入賞口スイッチ監視処理(ステップY131)を行い、特定領域スイッチ監視処理(ステップY132)を行う。
大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38a及び第2特別変動入賞装置39内に設けられた大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視し、大入賞口への入賞に基づいて演出制御装置300に送信する大入賞口カウントコマンドを設定する処理や、大入賞口へ規定数の入賞があった場合に大入賞口を閉鎖するための処理を行う。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口スイッチ監視処理を行うようにしており、特図1変動表示ゲームの結果が大当りになることに基づき実行される特別遊技状態については上述した特図1ゲーム処理において大入賞口スイッチ監視処理を行う。
特定領域スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた特定領域スイッチ38dでの遊技球の検出を監視し、特定領域(確率作動領域)への遊技球の流入に基づいて特定領域通過フラグをセットする処理を行う。この特定領域通過フラグがセットされていることに基づき特別遊技状態を発生させる処理が行われることとなる。
次いで、特図2ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新し(ステップY133)、特図2ゲーム処理タイマの値が0であるか判定する(ステップY134)。そして、特図2ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY134;N)、すなわちタイムアップしていない場合には、ステップY153へ移行する。また、特図2ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップY134;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0であるか判定する(ステップY135)。
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0でない場合(ステップY135;N)には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を−1更新し(ステップY136)、特図2ゲーム処理タイマ領域に長変動用タイマ値(例えば60000m秒)をセーブして(ステップY137)、ステップY153へ移行する。
小当りの発生確率が高い特図2変動表示ゲームを通常遊技状態で遊技者が意図的に実行することを防止するため、通常遊技状態における特図2変動表示ゲームの変動時間は非常に長い時間(例えば10分)とされている。しかし、特図2ゲーム処理タイマとして利用できる領域は限られているため、タイマ初期値として上限値を設定しても変動時間を一度で計時することは困難である。そこで、規定時間(例えば60000m秒)の計時を行う回数である繰り返し回数を用いて複数回の計時により変動時間を計時するようにしている。
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0である場合(ステップY135;Y)には、特図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために、まず、参照する特図2ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに準備し(ステップY138)、特図2ゲーム処理番号をロードして準備して(ステップY139)、2バイトデータ取得処理を行う(ステップY140)。これにより、特図2ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し、特図2ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップY141)。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図2変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図2変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図2変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2普段処理(ステップY142)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図2の停止表示時間の設定や、特図2表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2変動中処理(ステップY143)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図2変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2表示中処理(ステップY144)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップY145)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップY146)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図2大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップY147)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図2普段処理(ステップY108)を行うために必要な情報の設定等を行う特図2大当り終了処理(ステップY148)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップY149)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップY150)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップY151)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図2普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2小当り終了処理(ステップY152)を行う。
その後、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備し(ステップY153)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップY154)を行い、レバーソレノイド38fの動作を制御するレバーソレノイド制御処理(ステップY155)を行って、特図2ゲーム処理を終了する。この特図2ゲーム処理が第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。以上の特図2ゲーム処理は、基本的には上述の特図1ゲーム処理と同様の処理を特図2について行うものであり、以降の説明では特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理とで対応する処理を並行して説明する。
〔特図1普段処理〕
図14には、上述の特図1ゲーム処理における特図1普段処理(ステップY109)を示した。この特図1普段処理では、まず、特図1が変動開始可能であるか判定する(ステップY201)。この判定における特図1が変動開始可能である状態とは、大当り又は小当りとなる特図2変動表示ゲームの変動停止から特別遊技状態の終了までの間でないことである。なお、特図1変動表示ゲームの実行中や特図1変動表示ゲームに基づく特別遊技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図1普段処理が実行されていない状態であるため、ここではこれについては判定しなくても良い。
特図1が変動開始可能でない場合(ステップY201;N)には、特図1ゲーム処理番号として「0」を設定し(ステップY216)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(ステップY217)、特図1普段処理を終了する。また、特図1が変動開始可能である場合(ステップY201;Y)には、左打ち指示報知済みであるか、すなわち左打ち指示報知フラグがセットされているか判定する(ステップY202)。
左打ち指示報知済みである場合(ステップY202;Y)には、ステップY206へ移行する。また、左打ち指示報知済みでない場合(ステップY202;N)には、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップY203)、演出コマンド設定処理(ステップY204)を行って、左打ち指示報知フラグをセットする(ステップY205)。左打ち指示報知フラグは、特定遊技状態が終了する際にクリアされるようになっており、これにより通常遊技状態に移行する際に左打ち指示報知が行われることとなる。
次いで、特図1保留数が0であるか判定し(ステップY206)、特図1保留数が0である場合(ステップY206;Y)には、ステップY216へ移行する。また、特図1保留数が0でない場合(ステップY206;N)には、現在の確率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップY207)、演出コマンド設定処理(ステップY208)を行う。その後、特図1変動表示ゲームに関する情報の設定等を行う特図1変動開始処理(ステップY209)を行い、特図1保留数に対応する飾り特図1保留数コマンドを準備して(ステップY210)、演出コマンド設定処理(ステップY211)を行う。なお、飾り特図保留数コマンドを準備する処理(ステップY210)を行う時点では特図1変動表示ゲームの開始に基づく特図1保留数の減算は行われておらず、現在の特図1保留数から−1した特図1保留数に対応する保留数コマンドを準備している。その後、時間短縮変動回数に対応する残り遊技回数コマンドを準備して(ステップY212)、演出コマンド設定処理(ステップY213)を行う。
次に、特図ステータス領域に特図1変動中をセット(情報加算)する(ステップY214)。ここで特図ステータスとは、特図変動表示ゲームの状態を示すものであり、0〜5の何れかがセットされる。特図ステータス0は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示し、特図ステータス1は特図1変動表示ゲームのみが実行されている状態を示し、特図ステータス2は特図2変動表示ゲームのみが実行されている状態を示す。また、特図ステータス3は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方が実行されている状態を示し、特図ステータス4は大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態であることを示し、特図ステータス5は小当りに基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態であることを示す。ここでは特図1変動表示ゲームが開始されるので、特図ステータスとして1又は3がセットされる。その後、特図1変動中処理移行設定処理(ステップY215)を行って、特図1普段処理を終了する。
〔特図2普段処理〕
図15には、上述の特図2ゲーム処理における特図2普段処理(ステップY142)を示した。この特図2普段処理では、まず、特図2が変動開始可能であるか判定する(ステップY221)。この判定における特図2が変動開始可能である状態とは、大当りとなる特図1変動表示ゲームの変動停止から特別遊技状態の終了までの間でないことである。なお、特図2変動表示ゲームの実行中や特図2変動表示ゲームに基づく特別遊技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図2普段処理が実行されていない状態であるため、ここではこれについては判定しなくても良い。
特図2が変動開始可能でない場合(ステップY221;N)には、特図2ゲーム処理番号として「0」を設定し(ステップY238)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(ステップY239)、特図2普段処理を終了する。また、特図2が変動開始可能である場合(ステップY221;Y)には、特図2保留数が0であるか判定する(ステップY222)。
そして、特図2保留数が0でない場合(ステップY222;N)には、現在の確率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップY223)、演出コマンド設定処理(ステップY224)を行う。その後、特図2変動表示ゲームに関する情報の設定等を行う特図2変動開始処理(ステップY225)を行い、特図2保留数に対応する飾り特図2保留数コマンドを準備して(ステップY226)、演出コマンド設定処理(ステップY227)を行う。なお、飾り特図保留数コマンドを準備する処理(ステップY226)を行う時点では特図2変動表示ゲームの開始に基づく特図2保留数の減算は行われておらず、現在の特図2保留数から−1した特図2保留数に対応する保留数コマンドを準備している。その後、時間短縮変動回数に対応する残り遊技回数コマンドを準備して(ステップY228)、演出コマンド設定処理(ステップY229)を行う。
次に、特図ステータス領域に特図2変動中をセット(情報加算)する(ステップY230)。ここでは特図2変動表示ゲームが開始されるので、特図ステータスとして2又は3がセットされる。その後、特図2変動中処理移行設定処理(ステップY231)を行って、特図2普段処理を終了する。
一方、特図2保留数が0である場合(ステップY222;Y)には、特図1保留数が0であるか判定する(ステップY232)。そして、特図1保留数が0である場合(ステップY232;Y)には、特図1が変動中であるか判定する(ステップY233)。そして、特図1が変動中でない場合(ステップY233;N)には、客待ちデモが開始済みであるか判定し(ステップY234)、開始済みでない場合(ステップY234;N)には、客待ち状態の設定に関する処理を行う。また、特図1保留数が0でない場合(ステップY232;N)、特図1が変動中である場合(ステップY233;Y)又は客待ちデモが開始済みである場合(ステップY234;Y)には、ステップY238へ移行する。
客待ち状態の設定に関する処理では、まず、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットし(ステップY235)、現在の確率状態に対応する客待ちデモコマンドを準備して(ステップY236)、演出コマンド設定処理(ステップY237)を行い、ステップY238へ移行する。客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものとすることで、確率状態に応じて異なる客待ち画面を表示することが可能となる。
また、何らかの原因により演出制御装置300が再起動した場合、バックアップ機能を備えない演出制御装置300は遊技状態の情報を喪失してしまうため、適切な演出を行うことができなくなってしまうが、客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものとすることで、このコマンドの受信からは遊技状態に応じた演出を行うことができ、遊技状態の変更に基づく確率情報コマンドが送信されるのを待つよりも早く遊技状態に応じた演出に復帰できるようになる。
また、本実施形態の遊技機では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとが同時に実行可能であり、特図1変動表示ゲームについての処理によって確率状態が変化することも考えられるので、特図変動表示ゲームの開始ごとに変動開始確率情報コマンドを送信するようにしている(ステップY207,Y223)。これにより、演出制御装置300において遊技状態に応じた適切な演出を行うことが可能となる。
また、変動開始確率情報コマンドを特図変動表示ゲームの開始ごとに送信するようにしたことで、演出制御装置300が再起動した場合でもこのコマンドの受信からは遊技状態に応じた演出を行うことができ、遊技状態の変更に基づく確率情報コマンドが送信されるのを待つよりも早く遊技状態に応じた演出に復帰できるようになる。なお、客待ちデモコマンドや変動開始確率情報コマンドに、演出制御装置300が再起動した場合に遊技状態に応じた演出に復帰できるようにするためのその他の情報を含ませるようにしても良い。
〔特図1変動開始処理〕
図16(a)には、上述の特図1普段処理における特図1変動開始処理(ステップY209)を示した。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。この特図1変動開始処理では、まず、特図保留情報判定処理において変動パターンの振り分けに用いる特図1情報設定フラグをセットする(ステップY241)。次いで、RWMの特図1転落抽選乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードして準備し(ステップY242)、特図1転落抽選乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップY243)、高確率状態から低確率状態への移行を抽選する転落抽選処理(ステップY244)を行う。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。
次に、特図1変動表示ゲームの結果情報としてはずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップY245)を行い、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップY246)を行う。そして、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図1情報設定処理(ステップY247)を行い、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップY248)。
その後、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図1変動パターン設定処理(ステップY249)を行い、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップY250)を行って、時間短縮変動回数更新処理(ステップY251)を行う。次いで、処理番号として特図1変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップY252)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY253)。
次に、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップY254)、特図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY255)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップY256)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100m秒)をセーブし(ステップY257)、特図1変動中図柄番号領域に初期値(ここではブランク図柄を示す「0」)をセーブして(ステップY258)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
図16(b)には、上述の特図2普段処理における特図2変動開始処理(ステップY225)を示した。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理である。この特図2変動開始処理では、まず、特図保留情報判定処理において変動パターンの振り分けに用いる特図2情報設定フラグをセットする(ステップY261)。次いで、RWMの特図2転落抽選乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードして準備し(ステップY262)、特図2転落抽選乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップY263)、高確率状態から低確率状態への移行を抽選する転落抽選処理(ステップY264)を行う。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。
次に、特図2変動表示ゲームの結果情報としてはずれ情報、大当り情報又は小当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップY265)を行い、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップY266)を行う。そして、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図2情報設定処理(ステップY267)を行い、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップY268)。
その後、特図2変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図2変動パターン設定処理(ステップY269)を行い、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップY270)を行って、時間短縮変動開始更新処理(ステップY271)を行う。次いで、処理番号として特図2変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップY272)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY273)。
次に、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップY274)、特図2の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY275)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップY276)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100m秒)をセーブし(ステップY277)、特図2変動中図柄番号領域に初期値(ここではブランク図柄を示す「0」)をセーブして(ステップY278)、特図2変動開始処理を終了する。
なお、上述の特図1変動開始処理や特図2変動開始処理において特図変動表示ゲームの変動パターンを選択する際に、設定されている確率設定値の情報を参照するようにしても良い。これにより、確率設定値に応じた変動パターンを選択することや、確率設定値に応じて変動パターンの選択確率を異ならせるなど、確率設定値を示唆又は報知する演出を実行可能となる。
次に、演出制御装置300における制御処理について説明する。
〔メイン処理〕
演出制御装置300のメイン処理においては、図17に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出操作部550(演出ボタン25やタッチパネル29)の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出操作部550からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では、演出操作部550からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
次いで、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更、演出を使用可能とする設定などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。さらに、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、客待ちデモ演出の制御を行う客待ちデモ編集処理(ステップC13)を行う。
その後、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC15)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC16)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。なお、曖昧画面(後述)の生成は、演出表示編集処理(ステップC15)で行われる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC17)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC20で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC17;N)には、ステップC17の処理を繰り返して行う。一方、ステップC17で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC17;Y)には、画面描画を指示する(ステップC18)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC19)、盤装飾装置46や枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC20)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC21)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図18には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理(ステップC12)を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC101)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC102)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC102;N)は、当該受信コマンドチェック処理を終了する。また、コマンド受信数が0でないと判定した場合(ステップC102;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC103)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC104)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC105)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC106)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC106で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC106;N)には、ステップC104の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC106;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC107)、受信コマンド解析処理(ステップC108)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC109)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC110)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC110;N)には、ステップC107の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC110;Y)には、当該受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図19には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理(ステップC108)を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC111)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC112、ステップC113)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC112;Y、ステップC113;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC114)。
また、ステップC112、ステップC113で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC112;N、ステップC113;N)、あるいは、ステップC114で、MODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC114;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC114で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC114;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC115)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC115;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC116)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC115で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC115;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC117)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC117;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC118)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC117で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC117;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC119)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC119;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC120)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC119で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC119;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC121)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC121;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC122)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC121で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC121;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC123)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC123;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC124)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC123で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC123;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC125)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC125;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC126)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC125で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC125;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
〔単発系コマンド処理〕
図20には、上述の受信コマンド解析処理における単発系コマンド処理(ステップC122)を示した。この単発系コマンド処理では、まず、MODEは機種を指定するものであるかを判定する(ステップC131)。
ステップC131で、MODEは機種を指定するものであると判定した場合(ステップC131;Y)には、機種を設定するための機種設定処理(ステップC132)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC131で、MODEは機種を指定するものでないと判定した場合(ステップC131;N)には、MODEはRAM初期化を指令するものであるかを判定する(ステップC133)。
ステップC133で、MODEはRAM初期化を指令するものであると判定した場合(ステップC133;Y)には、遊技制御装置100でのRAM初期化を伴う電源投入に対応した処理を実行するRAM初期化設定処理(ステップC134)を行い、客待ちデモコマンド受信フラグをセットし(ステップC135)、役物位置確認処理(ステップC136)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC133で、MODEはRAM初期化を指令するものでないと判定した場合(ステップC133;N)には、MODEは停電復旧を指令するものであるかを判定する(ステップC137)。
ステップC137で、MODEは停電復旧を指令するものであると判定した場合(ステップC137;Y)には、停電復旧に関する処理を実行する停電復旧設定処理(ステップC138)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC137で、MODEは停電復旧を指令するものでないと判定した場合(ステップC137;N)には、MODEは客待ちデモを指令するものであるかを判定する(ステップC139)。
ステップC139で、MODEは客待ちデモを指令するものであると判定した場合(ステップC139;Y)には、正常な客待ちデモコマンドであるかを判定する(ステップC140)。そして、正常な客待ちデモコマンドでないと判定した場合(ステップC140;N)は、単発系コマンド処理を終了する。また、正常な客待ちデモコマンドであると判定した場合(ステップC140;Y)は、客待ちデモコマンド受信フラグをセットし(ステップC141)、役物位置確認処理(ステップC142)を行って、単発系コマンド処理を終了する。役物位置確認処理(ステップC136,C142)では、役物が通常位置にあるか否か確認し、通常位置にない場合に、役物の位置を通常位置に戻すための設定を行う。
一方、ステップC139で、MODEは客待ちデモを指令するものでないと判定した場合(ステップC139;N)には、MODEは特図保留系の範囲であるかを判定する(ステップC143)。
ステップC143で、MODEは特図保留系の範囲であると判定した場合(ステップC143;Y)には、特図1又は特図2の保留に関する情報の記憶などを実行する特図保留情報設定処理(ステップC144)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC143で、MODEは特図保留系の範囲でないと判定した場合(ステップC143;N)には、MODEは確率情報系の範囲であるかを判定する(ステップC145)。
ステップC145で、MODEは確率情報系の範囲であると判定した場合(ステップC145;Y)には、現在の確率状態に対応した演出の設定などの処理などを実行する確率情報設定処理(ステップC146)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC145で、MODEは確率情報系の範囲でないと判定した場合(ステップC145;N)には、MODEは発射タッチ情報系の範囲であるかを判定する(ステップC147)。
ステップC147で、MODEは発射タッチ情報系の範囲であると判定した場合(ステップC147;Y)には、操作部24のタッチセンサでの検出に基づく処理を行う発射タッチ情報設定処理(ステップC148)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC147で、MODEは発射タッチ情報系の範囲でないと判定した場合(ステップC147;N)には、MODEはエラー/不正系の範囲であるかを判定する(ステップC149)。
ステップC149で、MODEはエラー/不正系の範囲であると判定した場合(ステップC149;Y)には、エラー報知などの処理などを実行するエラー/不正設定処理(ステップC150)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC149で、MODEはエラー/不正系の範囲でないと判定した場合(ステップC149;N)には、MODEは図柄停止を指令するものであるかを判定する(ステップC151)。
ステップC151で、MODEは図柄停止を指令するものでないと判定した場合(ステップC151;N)には、単発系コマンド処理を終了する。
一方、ステップC151で、MODEは図柄停止を指令するものであると判定した場合(ステップC151;Y)には、正常な図柄停止コマンドであるかを判定する(ステップC152)。
ステップC152で、正常な図柄停止コマンドでないと判定した場合(ステップC152;N)には、単発系コマンド処理を終了する。なお、図柄停止コマンドは、特図1と特図2とで分かれている。
一方、ステップC152で、正常な図柄停止コマンドであると判定した場合(ステップC152;Y)には、対応する特図の停止設定を行い(ステップC153)、全図柄が停止したなら遊技状態フラグを通常状態に設定して(ステップC154)、単発系コマンド処理を終了する。遊技状態フラグは現在の遊技状態を示すフラグであり、遊技状態フラグには、通常状態の他に、変動中や大当り中などの状態を示すフラグがあり、状況に応じて適切なフラグが設定される。
〔先読み変動系コマンド処理〕
図21には、上述の受信コマンド解析処理における先読み変動系コマンド処理(ステップC126)を示した。この先読み変動系コマンド処理では、まず、先読み変動コマンド受信待ち中であるかを判定する(ステップC211)。ここでは、先読み図柄系コマンド処理で設定される先読み変動コマンド受信待ちフラグがある場合に受信待ち中と判定するようになっている。先読み変動コマンド受信待ち中でない場合(ステップC211;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み変動コマンド受信待ち中である場合(ステップC211;Y)は、先読み変動コマンド受信待ちフラグをクリアする(ステップC212)。
その後、ステップC213〜C216の処理では、遊技制御装置100から受信した先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)を、演出制御装置300での処理に便利なように変換する処理を行う。まず、最新保留情報の図柄の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定する処理(ステップC213)を行って、今回受信した先読み変動系コマンドに対応する始動記憶の特図種別の情報と当該特図種別の現在の保留数とに応じて、MODEを変換するためのMODE変換テーブルを設定する。
次いで、設定したMODE変換テーブルを参照して、先読み変動コマンドのMODEに対応するサブ内先読み変動コマンドMODEを取得する(ステップC214)。さらに、先読み変動ACT変換テーブルを設定して(ステップC215)、先読み変動コマンドのACTに対応するサブ内先読み変換コマンドACTを取得する(ステップC216)。
MODEには前半変動の情報が含まれているが、このMODEに基づき設定される前半変動の内容や時間は判定時における保留数によって変化するので、事前判定時の判定と特図変動表示ゲーム開始時の判定とで判定結果が異なる場合がある。よって、判定時の保留数に影響されずに先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにするために、現在の保留数に応じた変換態様でMODEを変換し、判定時の保留数によらずに共通して扱うことができるようにしている。例えば、リーチなしはずれ変動であって保留の状況によっては短い前半変動時間になる可能性があるものや、リーチなしはずれ変動であって保留の状況にかかわらず長い前半変動時間となるもののように、先読み予告演出の設定で考慮する事項で区分けしたMODEに変換しておき、先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにする。
また、ACTにはリーチの有無やリーチの種類などの後半変動の情報が含まれている。このACTに基づき設定される後半変動の内容は判定時の保留数によって変化することはない。しかし、例えばノーマルリーチでも、最終停止図柄がリーチ図柄の1コマ手前で停止するはずれと、1コマ先で停止するはずれと、当りの場合とが設定されているように、同種のリーチでも様々な態様があり、このそれぞれに対応したACTが設定されているため、値の範囲が広いものとなっている。このため、同一系統のリーチに対応するACTを同一のACTに変換することで数を減らし、先読み予告演出の処理におけるチェックなどの処理負担を軽減するようにしている。
次いで、変換後のMODE、ACTは共に0以外であるかを判定する(ステップC217)。変換後のMODE、ACTは共に0以外でない場合(ステップC217;N)は、異常なコマンド値であるので先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、変換後のMODE、ACTは共に0以外である場合(ステップC217;Y)は、変換後コマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域にセーブして(ステップC218)、MODEとACTの組合せ(コマンド組合せ)が正常であるかを判定する先読みコマンド整合チェック処理(ステップC219)を行う。
先読みコマンド整合チェック処理(ステップC219)の結果、コマンド組合せが正常でない場合(ステップC220;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、コマンド組合せが正常である場合(ステップC220;Y)は、先読み予告演出の実行を抽選する先読み抽選処理(ステップC221)を行い、先読み予告演出を発生するかを判定する(ステップC222)。
そして、先読み予告演出を発生しない場合(ステップC222;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み予告演出を発生する場合(ステップC222;Y)は、実行する先読み予告演出の設定を行う先読み予告設定処理を行い(ステップC223)、先読み変動系コマンド処理を終了する。
<盤演出装置>
図22は盤演出装置44の正面図であり、図23は盤演出装置44を前面側から見た斜視図である。
表示装置41の表示領域41aの前方には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が設けられている。盤演出装置44は、センターケース40と表示装置41との間に配設された可動体440と、可動体440を上下方向にスライド移動させる駆動機構(図示省略)とを備えて構成される。
可動体440は、矩形枠状の枠部材441と、枠部材441の左部に取り付けられた柱部材442と、柱部材442に設けられた開閉扉443、模型部材444、ハーフミラー(マジックミラー)445及びLED446とを備えている。
枠部材441は、表示装置41の表示領域41aを上下に区切るための部材である。
柱部材442は、内部が空洞の略半円柱状に形成されている。柱部材442は、当該柱部材442の曲面を表示装置41と反対側(遊技者側)に向けた状態で、かつ、当該柱部材442の上部を枠部材441の上辺部よりも上方に突出させた状態で、枠部材441の前面側に取り付けられている。
柱部材442の上部前側には、上側窓部が設けられている。この上側窓部は、当該上側窓部を観音開き状に開閉する一対の開閉扉443で覆われている。柱部材442の内部には所定のキャラクタ(本実施形態の場合、お姫様)を模した模型部材444が配設されており、この模型部材444は、開閉扉443が閉状態のときには開閉扉443によって遮蔽(隠蔽)された状態となり、開閉扉443が開状態のときには露出した状態となる。すなわち、例えば図22(a)に示すように、開閉扉443が閉状態のときには、遊技者は模型部材444を視認することができないのに対し、例えば図22(b)や図23に示すように、開閉扉443が開状態のときには、遊技者は模型部材444を視認することができる。
本実施形態において、柱部材442は、城の塔を模しており、柱部材442の上部にはバルコニーを模した装飾部材447が突設されている。
また、柱部材442の下部前側には、下側窓部が設けられている。この下側窓部はハーフミラー445で覆われている。柱部材442の内部にはハーフミラー445の後方の空間を照らすLED446が配設されており、ハーフミラー445は、LED446が消灯状態のときには遊技者側から不透明な状態となり、LED446が点灯状態のときには遊技者側から透明(あるいは半透明)な状態となる。また、柱部材442の下部後面は開口面になっているため、例えば図22(a)に示すように、LED446が消灯状態のときには、遊技者はハーフミラー445を透して表示領域41aを視認することができないのに対し、例えば図22(b)に示すように、LED446が点灯状態のときには、遊技者はハーフミラー445を透して表示領域41aを視認することができる。
可動体440は、例えば図24に示すように、枠部材441の上辺部が表示領域41aの上下方向略中央部と対向する状態になる第1位置(図24(a)に示す位置)と、枠部材441の上辺部が表示領域41aの下端部と対向する状態になる第2位置(図24(c)に示す位置)との間をスライド移動可能に構成されている。
可動体440が第1位置にあるときには、例えば図24(a)に示すように、遊技者はセンターケース40に形成された窓部を介して可動体440の略全部を視認することができる。一方、可動体440が第2位置にあるときには、例えば図24(c)に示すように、可動体440の上部(枠部材441の上辺部及び柱部材442の上部)はセンターケース40に形成された窓部を介して遊技者側から視認できるが、可動体440の下部(枠部材441の上辺部以外の部分及び柱部材442の下部)はセンターケース40の後方に収納されるため遊技者側から視認できない。
以下、表示装置41の表示領域41aのうち第1位置にある可動体440のハーフミラー445と対向する部分を「ハーフミラー対向表示領域」と称する。すなわち、表示領域41aのうち、可動体440が第1位置にある場合であってLED446が点灯状態である場合に、ハーフミラー445を透して視認できる部分を「ハーフミラー対向表示領域」と称する。
また、表示装置41の表示領域41aのうち枠部材441よりも上側の領域を「上側表示領域」と称し、表示装置41の表示領域41aのうち枠部材441の開口を介して視認される領域を「下側表示領域」と称する。したがって、可動体440が第2位置にあるときには下側表示領域がない状態となる。
なお、枠部材441の開口に、表示装置41とは別の表示装置を取り付けてもよい。その場合、枠部材441の開口に取り付けられた表示装置の表示領域全体が下側表示領域となる。
<保留予告演出>
本実施形態の遊技機10は、保留予告演出を実行可能である。この保留予告演出は、飾り特図始動記憶表示を用いた予告演出であり、下側表示領域において実行される。
図25〜図28に、本実施形態の保留予告演出の一例を示す。
ここで、本実施形態の遊技機10においては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを同時に実行可能である。
また、本実施形態の遊技機10においては、左打ちすることで始動入賞口36(第1始動入賞領域)への入賞を狙うことができ、右打ちすることで普通変動入賞装置37(第2始動入賞領域)への入賞を狙うことができる。すなわち、遊技者の意思によって狙う始動領域を選択可能となっている。そして、遊技状態には、右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態と、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態とがある。すなわち、各遊技状態では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち、いずれか一方を主として遊技を進行することを想定して設計されており、この設計に従い遊技者が遊技を進行するように、設計上で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームを主として遊技を進行した方が遊技者にとって有利となるように構成されている。なお、以下の説明では、各遊技状態で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームを「メイン変動」と称し、他方の特図変動表示ゲームを「イレギュラー変動」と称することがある。
図25〜図28には、特図1変動表示ゲームがメイン変動となる遊技状態での表示の一例を示している。
例えば図25(a)に示すように、上側表示領域には、メイン変動に対応する飾り特図変動表示ゲームを表示する飾り特図ゲーム表示部85aと、飾り特図ゲーム表示部85aにて変動表示される飾り識別情報よりも相対的に小さい小図柄を変動表示する小図柄変動表示部85bとが設けられる。なお、本実施形態では、イレギュラー変動に対応する飾り特図変動表示ゲームは表示しないが、表示するようにしても良い。
また、上側表示領域には、未消化の始動記憶数を表示する保留数表示部85cが設けられる。保留数表示部85cでは、未消化の始動記憶の数を数字により表示するようになっており、図25(a)に示す例では、1個の第1始動記憶と、0個の第2始動記憶とがあることを示している。
下側表示領域には、未消化の始動記憶のうちメイン変動の始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する待機中保留表示部86aが設けられる。待機中保留表示部86aに表示される飾り特図始動記憶表示は、メイン変動の始動記憶と一対一に対応し、記憶順に並んで表示されている。
待機中保留表示部86aは、出現領域86a1と、出現領域86a1の左方に設けられた第1待機領域86a2及び第2待機領域86a3とからなる。例えば図25(a)に示すように、飾り特図始動記憶表示は、まず、出現領域86a1に表示され、その後、第1待機領域86a2又は第2待機領域86a3に表示される。第1待機領域86a2及び第2待機領域86a3に表示される飾り特図始動記憶表示のうち、左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶されたメイン変動の始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に左へ移動するようになっている。
待機中保留表示部86aの左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中保留表示部86bが設けられる。この実行中保留表示部86bには、メイン変動の開始時に、第1待機領域86a2及び第2待機領域86a3に表示される飾り特図始動記憶表示のうち、左端にある飾り特図始動記憶表示が移動するようになっている。
以下の説明では、未消化の始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を「待機中保留」と称し、現在実行中の特図変動表示ゲームの始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を「実行中保留」と称することがある。
演出制御装置300は、メイン変動の始動記憶が発生すると、当該始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を第1待機領域86a2に表示するか否か決定する待機領域抽選を行う。この待機領域抽選は、例えば先読み変動系コマンド処理(図21)において実行される。待機領域抽選に当選する場合(第1待機領域86a2に表示する場合)の方が、待機領域抽選に落選する場合(第2待機領域86a3に表示する場合)よりも遊技者にとって有利になる可能性が高い。すなわち、大当りとなる始動記憶やSPリーチとなる始動記憶のような期待度の高い始動記憶を対象とした待機領域抽選は、それ以外の始動記憶(期待度の低い始動記憶)を対象とした待機領域抽選よりも、当選する確率が高く、大当りとなる始動記憶やSPリーチとなる始動記憶のような期待度の高い始動記憶を対象とした待機領域抽選よりも、それ以外の始動記憶(期待度の低い始動記憶)を対象とした待機領域抽選は、落選する確率が高い。
待機領域抽選に当選した場合には、飾り特図始動記憶表示は、出現領域86a1に表示された後、出現領域86a1から第1待機領域86a2へ移動し、第1待機領域86a2を通って実行中保留表示部86bまで移動する。
一方、待機領域抽選に落選した場合には、飾り特図始動記憶表示は、出現領域86a1に表示された後、出現領域86a1から第2待機領域86a3へ移動し、第2待機領域86a3を通って実行中保留表示部86bまで移動する。
このように、本実施形態の保留予告演出は、出現領域86a1に出現した飾り特図始動記憶表示の移動先(出現領域86a1から第1待機領域86a2へ移動するのか、出現領域86a1から第2待機領域86a3へ移動するのか)によって、当該飾り特図始動記憶表示に対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる期待度や、当該飾り特図始動記憶表示に対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでSPリーチが発生する期待度などを示唆(予告)することができるため、飾り特図始動記憶表示を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
なお、メイン変動が実行されていない状態(メイン変動の始動記憶がすべて消化済みの状態)においてメイン変動の始動記憶が発生した場合には、当該始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を、待機中保留表示部86aに表示せず、例えば図25(b)に示すように、直接、実行中保留表示部86bに表示して、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを開始するようにしてもよい。
また、メイン変動の実行中にメイン変動の始動記憶が発生した場合には、当該始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を、出現領域86a1に表示せず、直接、第1待機領域86a2又は第2待機領域86a3に表示してもよい。
本実施形態では、例えば図26(a)に示すように、始動記憶の記憶順を明確にするために、第1待機領域86a2及び第2待機領域86a3のそれぞれにおいて、待機中保留を詰めて表示せず、かつ、待機中保留が表示されない方の待機位置を通常表示態様とは異なる表示態様(例えば通常とは異なる色)で表示するようにしている。
具体的には、図26(a)に示す例では、最も古いメイン変動の始動記憶(最先に記憶されたメイン変動の始動記憶)に対応する待機中保留が第2待機領域86a3の第1待機位置(左端の待機位置)に表示され、待機中保留が表示されない方の待機位置である第1待機領域86a2の第1待機位置(左端の待機位置)が通常表示態様とは異なる表示態様で表示されており、2番目に古いメイン変動の始動記憶に対応する待機中保留が第2待機領域86a3の第2待機位置(左から2番目の待機位置)に表示され、待機中保留が表示されない方の待機位置である第1待機領域86a2の第2待機位置(左から2番目の待機位置)が通常表示態様とは異なる表示態様で表示されており、3番目に古いメイン変動の始動記憶に対応する待機中保留が第1待機領域86a2の第3待機位置(左から3番目の待機位置)に表示され、待機中保留が表示されない方の待機位置である第2待機領域86a3の第3待機位置(左から3番目の待機位置)が通常表示態様とは異なる表示態様で表示されており、最も新しいメイン変動の始動記憶に対応する待機中保留が第2待機領域86a3の第4待機位置(右端の待機位置)に表示され、待機中保留が表示されない方の待機位置である第1待機領域86a2の第4待機位置(右端の待機位置)が通常表示態様とは異なる表示態様で表示されている。
図26(a)には、メイン変動に対応する飾り特図変動表示ゲームの変動表示が停止している状態(結果を停止表示している状態)を示している。そして、次のメイン変動が開始すると、例えば図26(b)に示すように、待機中保留表示部86aに表示されている飾り特図始動記憶表示がそれぞれ左隣の表示位置へ移動する。
具体的には、図26(b)に示す例では、第1待機領域86a2又は第2待機領域86a3の第1待機位置(左端の待機位置)に表示されている飾り特図始動記憶表示が実行中保留表示部86bへ移動し、第1待機領域86a2又は第2待機領域86a3の第2待機位置(左から2番目の待機位置)に表示されている飾り特図始動記憶表示が隣の第1待機位置へ移動し、第1待機領域86a2又は第2待機領域86a3の第3待機位置(左から3番目の待機位置)に表示されている飾り特図始動記憶表示が隣の第2待機位置へ移動し、第1待機領域86a2又は第2待機領域86a3の第4待機位置(右端の待機位置)に表示されている飾り特図始動記憶表示が隣の第3待機位置へ移動している。
なお、第1待機領域86a2及び第2待機領域86a3のそれぞれにおいて、待機中保留が表示されない方の待機位置は待機中保留が表示される方の待機位置と同じ表示態様(通常表示態様)で表示してもよい。また、第1待機領域86a2及び第2待機領域86a3のそれぞれにおいて、待機中保留は詰めて表示してもよい。
メイン変動の実行中、実行中保留がハーフミラー対向表示領域(下側表示領域のうち第1位置にある可動体440のハーフミラー445と対向する部分)へ移動するハーフミラー演出が実行される場合がある。
演出制御装置300は、例えば特図変動表示ゲームの開始時に行う処理(変動系コマンド処理(ステップC116))において、ハーフミラー演出を実行するか否か決定するハーフミラー演出抽選を行う。ハーフミラー演出抽選に当選する場合(実行中保留がハーフミラー対向表示領域へ移動する場合)の方が、ハーフミラー演出抽選に落選する場合(実行中保留がハーフミラー対向表示領域へ移動しない場合)よりも遊技者にとって有利になる可能性が高い。すなわち、大当りとなる始動記憶やSPリーチとなる始動記憶のような期待度の高い始動記憶を対象としたハーフミラー演出抽選は、それ以外の始動記憶(期待度の低い始動記憶)を対象としたハーフミラー演出抽選よりも、当選する確率が高く、大当りとなる始動記憶やSPリーチとなる始動記憶のような期待度の高い始動記憶を対象としたハーフミラー演出抽選よりも、それ以外の始動記憶(期待度の低い始動記憶)を対象としたハーフミラー演出抽選は、落選する確率が高い。
そして、ハーフミラー演出抽選に当選した場合には、演出制御装置300は、抽選対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行中に、実行中保留が実行中保留表示部86bからハーフミラー対向表示領域へ移動するとともに、可動体440のLED446が消灯状態から点灯状態に切り替わるハーフミラー演出を実行する。これにより、例えば図27(a)に示すように、実行中保留がハーフミラー445を透して視認可能となる。その後、抽選対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム(すなわち、当該実行中保留に対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム)が終了すると、可動体440のLED446が点灯状態から消灯状態に切り替わるとともに、実行中保留がハーフミラー対向表示領域から消去される。
一方、ハーフミラー演出抽選に落選した場合には、実行中保留は、実行中保留表示部86bからハーフミラー対向表示領域へ移動せず、抽選対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム(すなわち、当該実行中保留に対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム)が終了すると、実行中保留表示部86bから消去される。
なお、ハーフミラー演出抽選に当選した際、LED446が点灯状態になるタイミングは、実行中保留がハーフミラー対向表示領域に到着するのと同時であってもよいし、実行中保留がハーフミラー対向表示領域に到着する前であってもよいし、実行中保留がハーフミラー対向表示領域に到着した後であってもよい。
また、ハーフミラー演出抽選に当選した際、LED446が消灯状態になるタイミングは、実行中保留がハーフミラー対向表示領域から消去されるのと同時であってもよいし、実行中保留がハーフミラー対向表示領域から消去される前であってもよいし、実行中保留がハーフミラー対向表示領域から消去された後であってもよい。
また、実行中保留が実行中保留表示部86bからハーフミラー対向表示領域へ移動する際に待機中保留を消してもよいし、移動する前に消してもよい。このようにすることで、遊技者を実行中保留の移動に注目させることができる。
このように、本実施形態の保留予告演出は、実行中保留表示部86bに表示されている飾り特図始動記憶表示がハーフミラー対向表示領域へ移動するか否かによって、当該飾り特図始動記憶表示に対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム(実行中の特図変動表示ゲーム)の結果が大当りとなる期待度や、当該飾り特図始動記憶表示に対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム(実行中の特図変動表示ゲーム)でSPリーチが発生する期待度などを示唆(予告)することができるため、飾り特図始動記憶表示を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
また、メイン変動の実行中、可動体440の開閉扉443が開放する扉開放演出が実行される場合がある。
演出制御装置300は、例えば特図変動表示ゲームの開始時に行う処理(変動系コマンド処理(ステップC116))において、扉開放演出を実行するか否か決定する扉開放演出抽選を行う。扉開放演出抽選に当選する場合(開閉扉443が開放する場合)の方が、扉開放演出抽選に落選する場合(開閉扉443が開放しない場合)よりも遊技者にとって有利になる可能性が高い。すなわち、大当りとなる始動記憶やSPリーチとなる始動記憶のような期待度の高い始動記憶を対象とした扉開放演出抽選は、それ以外の始動記憶(期待度の低い始動記憶)を対象とした扉開放演出抽選よりも、当選する確率が高く、大当りとなる始動記憶やSPリーチとなる始動記憶のような期待度の高い始動記憶を対象とした扉開放演出抽選よりも、それ以外の始動記憶(期待度の低い始動記憶)を対象とした扉開放演出抽選は、落選する確率が高い。
そして、扉開放演出抽選に当選した場合には、演出制御装置300は、抽選対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行中に、可動体440の開閉扉443が閉状態から開状態に切り替わる扉開放演出を実行する。これにより、例えば図27(b)に示すように、可動体440の模型部材444が視認可能となる。その後、例えば抽選対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了すると、開閉扉443が開状態から閉状態に戻る。
このように、本実施形態においては、可動体440の開閉扉443が開放するか否かによって、実行中の特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる期待度や、実行中の特図変動表示ゲームでSPリーチが発生する期待度などを示唆(予告)することができるため、可動体440を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
なお、実行中保留がハーフミラー対向表示領域へ移動するタイミングは、適宜選択可能である。具体的には、実行中保留がハーフミラー対向表示領域へ移動するタイミングは、例えば、図27(a)に示すようにリーチ状態となる前であってもよいし、リーチ状態となった後であってもよいし、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて複数の飾り識別情報を所定時間変動表示した後に仮停止する単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出するいわゆる疑似連演出における所定のイベント(飾り識別情報の仮停止や再変動)の発生時であってもよい。
また、開閉扉443が開放するタイミングは、適宜選択可能である。具体的には、開閉扉443が開放するタイミングは、例えば、リーチ状態となる前であってもよいし、図27(b)に示すようにリーチ状態となった後であってもよいし、疑似連演出における所定のイベント(飾り識別情報の仮停止や再変動)の発生時であってもよい。また、ハーフミラー演出抽選と扉開放演出抽選の両方に当選した場合、開閉扉443は、図27(b)に示すように実行中保留がハーフミラー対向表示領域へ移動した後に開放してもよいし、実行中保留がハーフミラー対向表示領域へ移動する前に開放してもよいし、実行中保留がハーフミラー対向表示領域へ移動するのと同時に開放してもよい。
SPリーチ演出に発展する場合には、上側表示領域にSPリーチ演出を実行するSPリーチ表示部が設けられ、可動体440の第2位置への移動動作が開始される。そして、例えば図28(a),(b)に示すように、可動体440の第1位置から第2位置への移動に伴って、SPリーチ表示部(図中において斜線ハッチングを付した部分)が徐々に拡大していく。これにより、より広い表示領域でSPリーチ演出を実行することが可能となる。
また、上側表示領域にSPリーチ表示部が出現する際に、飾り特図ゲーム表示部85aが上側表示領域の中央部から隅部(本実施形態の場合、左上部)へ移動する。これにより、飾り特図変動表示ゲームに邪魔されることなく、表示領域の中央部でSPリーチ演出を実行することが可能となる。
本実施形態では、例えば図28(a),(b)に示すように、SPリーチ表示部を拡大していく際に、当該SPリーチ表示部のアスペクト比を一定に保ったまま拡大していくこととした。具体的には、例えば、SPリーチ演出用の画像を表示するための表示レイヤを同一のアスペクト比で拡大していくこととしたが、これに限定されない。すなわち、SPリーチ表示部の拡大の仕方は適宜変更可能であり、例えば、可動体440の位置にかかわらず上側表示領域全体にSPリーチ表示部を設けてもよい。その場合、SPリーチ表示部の左右長さは可動体440の位置にかかわらず最大長さで固定されるため、可動体440の移動に合わせてSPリーチ表示部の上下長さが変化する(長くなる)ことでSPリーチ表示部が拡大していくこととなる。
また、本実施形態では、例えば図28(a),(b)に示すように、可動体440の移動に伴って、下側表示領域における表示(保留予告演出に関する表示)を大きさは維持した状態で移動させることとしたが、これに限定されない。例えば、可動体440の移動に伴って、下側表示領域における表示を縮小してもよいし、可動体440の移動に伴って、下側表示領域における表示を保留予告演出に関する表示とは別の表示へ徐々に変化(あるいは一気に変化)させてもよい。
また、本実施形態では、SPリーチ演出への発展時に、可動体440の第2位置への移動動作を開始することとしたが、これに限定されない。例えば、SPリーチ演出以外の演出への発展時(例えば疑似連演出への発展時)に可動体440の第2位置への移動動作を開始してもよい。
また、本実施形態では、可動体440が第2位置に到着した後、実行中の特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合には、当該結果が仮停止表示されているときに可動体440の第1位置への復帰動作を開始し、実行中の特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合には、第1特別遊技状態(いわゆる大当り状態)の終了時に可動体440の第1位置への復帰動作を開始することとしたが、これに限定されず、可動体440の第1位置への復帰動作を開始するタイミングは適宜変更可能である。また、実行中の特図変動表示ゲームの結果にかかわらず、可動体440の第1位置への復帰動作を開始するタイミングを統一してもよい。
また、本実施形態では、例えば図29(a)に示すように、ハーフミラー対向表示領域に表示される実行中保留は、複数の表示態様を有している。実行中保留表示部86bに表示される実行中保留は通常マーク(通常態様の飾り特図始動記憶表示)だけであり、その通常マークがハーフミラー対向表示領域に到着したとき(あるいは、到着する前であってもよいし、到着した後であってもよい)に他のマークに変化することで、他のマークに変化しない場合に比べて、実行中の特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる期待度が高いことを示唆するようにしている。なお、大当り期待度は、通常マーク<熱マーク<激熱マーク<扉マーク<勝利マークの順に高くなるようになっている。
このように、本実施形態の保留予告演出は、ハーフミラー対向表示領域に表示される飾り特図始動記憶表示の表示態様によって、当該飾り特図始動記憶表示に対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム(実行中の特図変動表示ゲーム)の結果が大当りとなる期待度を示唆(予告)することができるため、飾り特図始動記憶表示を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
なお、通常マーク(通常態様の飾り特図始動記憶表示)がハーフミラー対向表示領域に移動するか否かの演出として、可動体440のLED446が消灯状態から点灯状態に切り替わるとともに、通常マーク以外のマークがハーフミラー対向表示領域に表示される演出を実行してもよい。
具体的には、例えば、通常マークが実行中保留表示部86bに表示されている状態において、LED446を点灯状態に切り替えるとともに、ハーフミラー対向表示領域に扉マークを点滅表示する。そして、通常マークがハーフミラー対向表示領域へ移動した際に、ハーフミラー対向表示領域に予め表示されている扉マークの表示状態を点滅表示から点灯表示に切り替えることで、通常マークが扉マークに変化した(実行中保留の表示態様が変化した)ことを表すようにしてもよい。これにより、実行中保留がハーフミラー対向表示領域へ移動することに対する遊技者の期待感や、実行中保留の表示態様が変化することに対する遊技者の期待感を高めることができるとともに、変化後の表示態様を前もって示唆することができるため、飾り特図始動記憶表示を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を向上させることができる。
また、可動体440のLED446の点灯色によって、実行中の特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる期待度や、実行中の特図変動表示ゲームでSPリーチが発生する期待度などを示唆するようにしてもよい。
また、実行中保留表示部86bに表示される実行中保留は、複数の表示態様を有していてもよい。このように構成することで、実行中保留表示部86bに表示される飾り特図始動記憶表示の表示態様によって、実行中の特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる期待度や、実行中の特図変動表示ゲームでSPリーチが発生する期待度などを示唆(予告)することが可能となる。
また、待機中保留表示部86aに表示される待機中保留は、複数の表示態様を有していてもよい。このように構成することで、待機中保留表示部86aに表示される飾り特図始動記憶表示の表示態様によって、実行前の特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる期待度や、実行前の特図変動表示ゲームでSPリーチが発生する期待度などを示唆(予告)することが可能となる。
また、保留予告演出には、複数のステージが設けられていてもよい。その際、例えば図29(b)に示すように、下側表示領域に現在のステージ名を表すステージ表示87aを表示してもよい。
また、第1待機領域86a2及び第2待機領域86a3には、名称が付与されていてもよい。さらに、第1待機領域86a2及び第2待機領域86a3は、それぞれ名称に合わせた表示態様となっていてもよい。
また、保留予告演出に複数のステージが設けられている場合であって、第1待機領域86a2及び第2待機領域86a3に名称が付与されている場合には、第1待機領域86a2よりも期待度の低い第2待機領域86a3の名称(及び表示態様)を各ステージで共通としてもよい。具体的には、例えば、「海ステージ」の第1待機領域86a2に“海岸コース”という名称を付与し、当該第1待機領域86a2を4つの待機位置が海岸に配置されているような表示態様で表示し、「空ステージ」の第1待機領域86a2に“天空コース”という名称を付与し、当該第1待機領域86a2を4つの待機位置が天空に配置されているような表示態様で表示し、「海ステージ」及び「空ステージ」の第2待機領域86a3に“野原コース”という名称を付与し、当該第2待機領域86a3を4つの待機位置が野原に配置されているような表示態様で表示するようにしてもよい。
なお、図29(b)では、保留予告演出のステージとして「海ステージ」と「空ステージ」の2つのステージを例示しているが、保留予告演出のステージ数は2つに限定されず適宜変更可能である。例えば、「海ステージ」及び「空ステージ」の他に、「森ステージ」や「虹ステージ」などがあってもよい。
また、例えば図30(a)に示すように、第1待機領域86a2(あるいは第2待機領域86a3であってもよい)の途中に所定のアイテムを模したアイテム画像87bを表示してもよい。さらに、待機中保留がアイテム画像87bの表示位置へ移動した場合に、所定のイベントを発生させるようにしてもよい。すなわち、待機中保留がアイテム画像87bを獲得した場合に、例えば、遊技者に有利な展開を示唆したり、実行中の演出を発展させたりしてもよい。
なお、アイテム画像87bは複数の表示態様を有していてもよい。さらに、アイテム画像87bの表示態様によって発生するイベントを異ならせてもよい。
また、第1待機領域86a2と第2待機領域86a3とでアイテム画像87bの出現頻度を異ならせてもよい。具体的には、例えば、第1待機領域86a2は第2待機領域86a3よりも期待度が高いため、アイテム画像87bが第1待機領域86a2に出現する頻度を、アイテム画像87bが第2待機領域86a3に出現する頻度よりも高くしてもよい。
また、例えば図30(b)に示すように、実行中保留表示部86bの近傍に敵キャラクタを模した敵キャラ画像87cを表示し、実行中保留と敵キャラ画像87cとが戦うバトル演出を実行してもよい。さらに、実行中保留がバトル演出に勝利した場合に、当該実行中保留をハーフミラー対向表示領域へ移動させてもよい。また、敵キャラ画像87cの近傍に、敵キャラクタのヒットポイントを示すHP表示87dを表示してもよく、これにより、バトル演出を複数変動にまたがった演出とすることが可能となる。
なお、敵キャラ画像87cは複数の表示態様を有していてもよい。また、保留予告演出に複数のステージが設けられている場合には、各ステージに専用の敵キャラ画像87cを設定してもよいし、複数のステージに兼用の敵キャラ画像87cを設定してもよい。
また、飾り特図始動記憶表示を出現領域86a1から実行中保留表示部86bまで移動させるパターンとして、第1待機領域86a2を移動し続けるパターンや第2待機領域86a3を移動し続けるパターンだけでなく、途中で第1待機領域86a2から第2待機領域86a3にルート変更するパターンや、途中で第2待機領域86a3から第1待機領域86a2にルート変更するパターンを設けてもよい。このように構成することで、出現領域86a1に出現した待機中保留の移動先が第1待機領域86a2であるのか第2待機領域86a3であるのかという初期段階だけでなく、待機中保留のルートが途中で変更されるかという途中段階にも遊技者の興味を引き付けることができるため、飾り特図始動記憶表示を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
このように第1実施形態の遊技機10によれば、始動領域への遊技球の入賞に基づきゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、始動領域への遊技球の入賞に基づきゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶可能な始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶に対応する始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)を表示可能な始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)と、を備え、始動記憶表示制御手段は、実行前のゲームに対応した始動記憶に対応する始動記憶表示である実行前始動記憶表示(待機中保留)を第1表示領域(待機中保留表示部86a)に表示可能な実行前始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)と、実行中のゲームに対応した始動記憶に対応する始動記憶表示である実行中始動記憶表示(実行中保留)を第2表示領域(実行中保留表示部86b)に表示可能な実行中始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)と、を備え、実行中始動記憶表示制御手段は、実行中のゲームに関する予告演出として、実行中始動記憶表示を第2表示領域から第1表示領域及び第2表示領域とは異なる第3表示領域(ハーフミラー対向表示領域)へ移動させる演出(保留予告演出)を実行可能である。
したがって、実行中始動記憶表示(実行中保留)を第1表示領域(待機中保留表示部86a)及び第2表示領域(実行中保留表示部86b)とは異なる第3表示領域(ハーフミラー対向表示領域)へ移動させる演出を実行することができるため、始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
さらに、第1実施形態の遊技機10において、実行前始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、実行中始動記憶表示(実行中保留)が第2表示領域(実行中保留表示部86b)から第3表示領域(ハーフミラー対向表示領域)へ移動する際に、実行前始動記憶表示(待機中保留)を消去するよう構成することができる。
このように構成することで、遊技者を実行中始動記憶表示(実行中保留)の移動だけに注目させることができる。
また、第1実施形態の遊技機10において、第1表示領域(待機中保留表示部86a)は、出現領域86a1と、第1待機領域86a2と、第2待機領域86a3と、を含み、実行前始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶が記憶されると当該始動記憶に対応する実行前始動記憶表示(待機中保留)を出現領域86a1に表示し、その後、当該出現領域86a1から第1待機領域86a2又は第2待機領域86a3へ移動させるよう構成することができる。
このように構成することで、出現領域86a1に表示された実行前始動記憶表示(待機中保留)が第1待機領域86a2及び第2待機領域86aのいずれへ移動するのか遊技者の興味を引き付けることができるため、始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
また、第1実施形態の遊技機10において、実行前始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、実行前始動記憶表示(待機中保留)が第1待機領域86a2及び第2待機領域86a3のいずれへ移動するかによって、ゲームの結果が特別結果となる期待度(本実施形態の場合、大当り期待度)を示唆可能であるよう構成することができる。
このように構成することで、出現領域86a1に表示された実行前始動記憶表示(待機中保留)の移動先によって期待度を示唆することができるため、始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
また、第1実施形態の遊技機10において、実行中始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、第3表示領域が遊技者側から視認可能な第1状態(図24(b)参照)と、第3表示領域が遊技者側から視認不可能な第2状態(図24(a)参照)と、に切り替え可能であるよう構成することができる。
このように構成することで、第3表示領域(ハーフミラー対向表示領域)へ移動した実行中始動記憶表示(実行中保留)が遊技者側から視認できない状態と遊技者側から視認できる状態とに切り替えることができるため、始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
なお、第1状態と第2状態とに切り替える方法は、第3表示領域(ハーフミラー対向表示領域)とハーフミラー445との間の空間を照らすLED446を点灯/消灯する方法に限定されず、適宜変更可能である。例えば、第3表示領域(ハーフミラー対向表示領域)の前方を、ハーフミラー445に替えて、可動部材(ルーバー部材(一定幅の羽板を平行に並べたよろい戸状の部材)、シャッター部材、扉部材など)で覆って、当該可動部材を開閉する方法であってもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の遊技機10について説明する。
なお、第2実施形態は、保留予告演出の演出態様が第1実施形態と異なる。具体的には、第1実施形態の保留予告演出では、対象の特図変動表示ゲームの実行前に待機中保留のルートによって期待度を示唆(予告)するのに対し、第2実施形態の保留予告演出では、待機中保留は同じ位置に表示され、対象の特図変動表示ゲームの実行中に実行中保留のルートによって期待度を示唆(予告)する点で第1実施形態と異なる。したがって、以下、第1実施形態と同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第2実施形態では、例えば図31(a)に示すように、下側表示領域の右端部に、未消化の始動記憶のうちメイン変動の始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する待機中保留表示部88aが設けられる。また、待機中保留表示部88aの左方に、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中保留表示部88bが設けられる。
実行中保留表示部88bは、出発領域88b1と、出発領域88b1の左方に設けられた第1コース領域88b2及び第2コース領域88b3と、第1コース領域88b2及び第2コース領域88b3の左方に設けられた到着領域88b4とからなる。出発領域88b1、第1コース領域88b2、第2コース領域88b3及び到着領域88b4は、それぞれ第1実施形態の保留予告演出(例えば図25(a)参照)における出現領域86a1、第1待機領域86a2、第2待機領域86a3及び実行中保留表示部86bに相当する位置に配置されている。
図31(a)には、メイン変動に対応する飾り特図変動表示ゲームの変動表示が停止している状態(結果を停止表示している状態)を示している。そして、次のメイン変動が開始すると、例えば図31(b)に示すように、待機中保留表示部88aの下端にある飾り特図始動記憶表示が実行中保留表示部88bの出発領域88b1へ移動する。待機中保留表示部88aに表示される飾り特図始動記憶表示のうち、下端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶されたメイン変動の始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に下へ移動するようになっている。飾り特図始動記憶表示は、出発領域88b1に表示された後、第1コース領域88b2又は第2コース領域88b3に表示される。
演出制御装置300は、例えば特図変動表示ゲームの開始時に行う処理(変動系コマンド処理(ステップC116))において、実行中保留を第1コース領域88b2に表示するか否か決定するコース領域抽選を行う。コース領域抽選に当選する場合(第1コース領域88b2に表示する場合)の方が、コース領域抽選に落選する場合(第2コース領域88b3に表示する場合)よりも遊技者にとって有利になる可能性が高い。すなわち、大当りとなる始動記憶やSPリーチとなる始動記憶のような期待度の高い始動記憶を対象としたコース領域抽選は、それ以外の始動記憶(期待度の低い始動記憶)を対象としたコース領域抽選よりも、当選する確率が高く、大当りとなる始動記憶やSPリーチとなる始動記憶のような期待度の高い始動記憶を対象としたコース領域抽選よりも、それ以外の始動記憶(期待度の低い始動記憶)を対象としたコース領域抽選は、落選する確率が高い。
コース領域抽選に当選した場合には、実行中保留は、出発領域88b1に表示された後、出発領域88b1から第1コース領域88b2へ移動し、第1コース領域88b2を通って到着領域88b4まで移動する。
一方、コース領域抽選に落選した場合には、実行中保留は、出発領域88b1に表示された後、出発領域88b1から第2コース領域88b3へ移動し、第2コース領域88b3を通って到着領域88b4まで移動する。
このように、本実施形態の保留予告演出は、出発領域88b1に表示された飾り特図始動記憶表示の移動先(出発領域88b1から第1コース領域88b2へ移動するのか、出発領域88b1から第2コース領域88b3へ移動するのか)によって、当該飾り特図始動記憶表示に対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム(実行中の特図変動表示ゲーム)の結果が大当りとなる期待度や、当該飾り特図始動記憶表示に対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム(実行中の特図変動表示ゲーム)でSPリーチが発生する期待度などを示唆(予告)することができるため、飾り特図始動記憶表示を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
メイン変動の実行中、実行中保留がハーフミラー対向表示領域(下側表示領域のうち第1位置にある可動体440のハーフミラー445と対向する部分)へ移動するハーフミラー演出が実行される場合がある。
演出制御装置300は、例えば特図変動表示ゲームの開始時に行う処理(変動系コマンド処理(ステップC116))において、ハーフミラー演出を実行するか否か決定するハーフミラー演出抽選を行う。ハーフミラー演出抽選に当選する場合(実行中保留がハーフミラー対向表示領域へ移動する場合)の方が、ハーフミラー演出抽選に落選する場合(実行中保留がハーフミラー対向表示領域へ移動しない場合)よりも遊技者にとって有利になる可能性が高い。
そして、ハーフミラー演出抽選に当選した場合には、演出制御装置300は、抽選対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行中に、実行中保留が到着領域88b4からハーフミラー対向表示領域へ移動するとともに、可動体440のLED446が消灯状態から点灯状態に切り替わるハーフミラー演出を実行する。これにより、実行中保留がハーフミラー445を透して視認可能となる。その後、抽選対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム(すなわち、当該実行中保留に対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム)が終了すると、例えば図31(e)に示すように、可動体440のLED446が点灯状態から消灯状態に切り替わるとともに、実行中保留がハーフミラー対向表示領域から消去され、その後、例えば図31(f)に示すように、次の特図変動表示ゲームが開始される。
一方、ハーフミラー演出抽選に落選した場合には、実行中保留は、到着領域88b4からハーフミラー対向表示領域へ移動せず、抽選対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム(すなわち、当該実行中保留に対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム)が終了すると、到着領域88b4から消去され、その後、次の特図変動表示ゲームが開始される。
このように、本実施形態の保留予告演出は、到着領域88b4に表示されている飾り特図始動記憶表示がハーフミラー対向表示領域へ移動するか否かによって、当該飾り特図始動記憶表示に対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム(実行中の特図変動表示ゲーム)の結果が大当りとなる期待度や、当該飾り特図始動記憶表示に対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム(実行中の特図変動表示ゲーム)でSPリーチが発生する期待度などを示唆(予告)することができるため、飾り特図始動記憶表示を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
また、メイン変動の実行中、可動体440の開閉扉443が開放する扉開放演出が実行される場合がある。
演出制御装置300は、例えば特図変動表示ゲームの開始時に行う処理(変動系コマンド処理(ステップC116))において、扉開放演出を実行するか否かを決定する扉開放演出抽選を行う。扉開放演出抽選に当選する場合(開閉扉443が開放する場合)の方が、扉開放演出抽選に落選する場合(開閉扉443が開放しない場合)よりも遊技者にとって有利になる可能性が高い。
そして、扉開放演出抽選に当選した場合には、演出制御装置300は、抽選対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行中に、可動体440の開閉扉443が閉状態から開状態に切り替わる扉開放演出を実行する。これにより、可動体440の模型部材444が視認可能となる。その後、例えば抽選対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了すると、開閉扉443が開状態から閉状態に戻る。
このように、本実施形態においては、可動体440の開閉扉443が開放するか否かによって、実行中の特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる期待度や、実行中の特図変動表示ゲームでSPリーチが発生する期待度などを示唆(予告)することができるため、可動体440を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
なお、実行中保留がハーフミラー対向表示領域へ移動するタイミングや、開閉扉443が開放するタイミングは、適宜選択可能である。
また、実行中保留が到着領域88b4に到達する前に、当該実行中保留に対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了してもよい。
また、可動体440のLED446の点灯色によって、実行中の特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる期待度や、実行中の特図変動表示ゲームでSPリーチが発生する期待度などを示唆するようにしてもよい。
また、飾り特図始動記憶表示を出発領域88b1から到着領域88b4まで移動させるパターンとして、第1コース領域88b2を移動し続けるパターンや第2コース領域88b3を移動し続けるパターンだけでなく、途中で第1コース領域88b2から第2コース領域88b3にルート変更するパターンや、途中で第2コース領域88b3から第1コース領域88b2にルート変更するパターン(例えば図32(a))を設けてもよい。このように構成することで、出発領域88b1に表示された実行中保留の移動先が第1コース領域88b2であるのか第2コース領域88b3であるのかという初期段階だけでなく、実行中保留のルートが途中で変更されるかという途中段階にも遊技者の興味を引き付けることができるため、飾り特図始動記憶表示を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。特に、図32(a)に示す例のように、実行中保留のルートが、第2コース領域88b3を通るルートから、当該第2コース領域88b3よりも期待度の高い第1コース領域88b2を通るルートに変更される場合には、途中段階で遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、第1コース領域88b2と第2コース領域88b3とで飾り特図始動記憶表示の移動距離を異ならせてもよい。例えば図32(b)に示すように、第1コース領域88b2での移動距離を、第2コース領域88b3での移動距離よりも長くすることで、飾り特図始動記憶表示が出発領域88b1から第1コース領域88b2へ移動した際に、変動時間の長い変動パターン(すなわち期待度の高い変動パターン)が選択されたことに対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、例えば図33(a)に示すように、到着領域88b4に敵キャラクタを模した敵キャラ画像87cを表示し、実行中保留と敵キャラ画像87cとが戦うバトル演出を実行してもよい。さらに、実行中保留がバトル演出に勝利した場合に、当該実行中保留をハーフミラー対向表示領域へ移動させてもよい。また、敵キャラ画像87cの近傍に、敵キャラクタのヒットポイントを示すHP表示87dを表示してもよく、これにより、バトル演出を複数変動にまたがった演出とすることが可能となる。
また、例えば図33(a)に示すように、第1コース領域88b2(あるいは第2コース領域88b3であってもよい)の途中に所定のアイテムを模したアイテム画像87bを表示してもよい。さらに、飾り特図始動記憶表示がアイテム画像87bを獲得することで、飾り特図始動記憶表示のレベルがアップするようにしてもよい。飾り特図始動記憶表示のレベルが高いほど、飾り特図始動記憶表示がバトル演出に勝利する確率(飾り特図始動記憶表示がハーフミラー対向表示領域へ移動する確率)が高くなる。このように構成することで、飾り特図始動記憶表示のレベルによって、当該飾り特図始動記憶表示がハーフミラー対向表示領域へ移動する期待度、すなわち、実行中の特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる期待度や実行中の特図変動表示ゲームでSPリーチが発生する期待度などを示唆(予告)することが可能となるため、飾り特図始動記憶表示を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
また、飾り特図始動記憶表示は、複数の表示態様を有していてもよい。
また、飾り特図始動記憶表示のレベルによって期待度を示唆する構成の場合には、例えば図33(b)に示すように、飾り特図始動記憶表示の表示態様によって、飾り特図始動記憶表示の初期レベルを異ならせてもよい。具体的には、図33(b)に示す例では、「保留1」及び「保留2」は初期レベルが「10」、「保留3」は初期レベルが「20」、「保留4」は初期レベルが「30」となっている。このように、飾り特図始動記憶表示の表示態様によって飾り特図始動記憶表示の初期レベルを異ならせることで、実行中保留表示部88bに表示される飾り特図始動記憶表示(第1コース領域88b2を通るのか、第2コース領域88b3を通るのか)だけでなく、待機中保留表示部88aに表示される飾り特図始動記憶表示にも遊技者の興味を引き付けることができるため、飾り特図始動記憶表示を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
また、飾り特図始動記憶表示がアイテム画像87bを獲得することで飾り特図始動記憶表示のレベルがアップする構成の場合には、例えば図33(b)に示すように、飾り特図始動記憶表示の表示態様によって、アイテム画像87bを獲得した際のレベルアップ速度を異ならせてもよい。具体的には、図33(b)に示す例では、「保留1」及び「保留3」はレベルアップの速度が「普通」、「保留2」及び「保留4」はレベルアップの速度が「速い」となっているため、例えば、図33(a)に示すように、レベルが5上がるアイテムを獲得した際には、「保留1」及び「保留3」ではレベルが5(=5×1)上がり、「保留2」及び「保留4」ではレベルが10(=5×2)上がる。このように、飾り特図始動記憶表示の表示態様によって飾り特図始動記憶表示のレベルアップ速度を異ならせることで、実行中保留表示部88bにおける表示(実行中保留やアイテム画像87b)だけでなく、待機中保留表示部88aにおける表示(待機中保留)にも遊技者の興味を引き付けることができるため、飾り特図始動記憶表示を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
また、例えば図34(a)に示すように、アイテム画像87bは複数の表示態様を有していてもよいし、アイテム画像87bの表示態様によって獲得した際に付与される効果を異ならせてもよい。
また、第1コース領域88b2と第2コース領域88b3とでアイテム画像87bの出現頻度を異ならせてもよい。具体的には、例えば、第1コース領域88b2の方が第2コース領域88b3よりも期待度が高いため、アイテム画像87bが第1コース領域88b2に出現する頻度を、アイテム画像87bが第2コース領域88b3に出現する頻度よりも高くしてもよい。
また、第1コース領域88b2や第2コース領域88b3の途中に出現する画像は、アイテム画像87bに限定されない。例えば、第1コース領域88b2や第2コース領域88b3の途中に敵モンスターを模した敵モンスター画像を表示してもよい。その際、実行中保留と敵モンスター画像とが戦う演出を実行し、実行中保留が勝利することで当該実行中保留のレベルがアップするようにしてもよいし、実行中保留が敗北することで実行中の特図変動表示ゲームが終了するようにしてもよい。
また、例えば図34(b)に示すように、敵キャラ画像87cは複数の表示態様を有していてもよいし、敵キャラ画像87cの表示態様によって実行中保留が敵キャラ画像87cとのバトル演出に勝利する期待度を異ならせてもよい。また、第2実施形態の保留予告演出に複数のステージが設けられている場合には、各ステージに専用の敵キャラ画像87cを設定してもよいし、複数のステージに兼用の敵キャラ画像87cを設定してもよい。
また、例えば図35(a)に示すように、実行中保留のヒットポイントを示すHP表示88cを表示するとともに、待機中保留表示部88aに待機中保留として実行中保留のヒットポイントを回復させるHP玉画像を表示してもよい。この場合、例えば図35(b)に示すように、実行中保留のヒットポイントが0になると特図変動表示ゲームが終了し、例えば図36(a)に示すように、次の特図変動表示ゲーム(次のメイン変動)が開始すると、当該実行中保留及びHP表示88cが出発領域88b1まで戻って、当該実行中保留に一の待機中保留(一のHP玉画像)が吸収されることで、例えば図36(b)に示すように、当該実行中保留のヒットポイントが回復し、そして、当該実行中保留が再び第1コース領域88b2又は第2コース領域88b3へ移動するようにしてもよい。なお、この場合、次の特図変動表示ゲームの開始時に実行中保留が出発領域88b1まで戻って待機中保留を吸収する(ヒットポイントを回復する)のではなく、次の特図変動表示ゲームの開始時に、一の待機中保留が実行中保留の表示位置(ヒットポイントが0になった地点)まで移動して、実行中保留に吸収される(ヒットポイントを回復させる)ようにしてもよい。
このように第2実施形態の遊技機10によれば、始動領域への遊技球の入賞に基づきゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、始動領域への遊技球の入賞に基づきゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶可能な始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶に対応する始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)を表示可能な始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)と、を備え、始動記憶表示制御手段は、実行前のゲームに対応した始動記憶に対応する始動記憶表示である実行前始動記憶表示(待機中保留)を第1表示領域(待機中保留表示部88a)に表示可能な実行前始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)と、実行中のゲームに対応した始動記憶に対応する始動記憶表示である実行中始動記憶表示(実行中保留)を第2表示領域(実行中保留表示部88b)に表示可能な実行中始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)と、を備え、実行中始動記憶表示制御手段は、実行中のゲームに関する予告演出として、実行中始動記憶表示を第2表示領域から第1表示領域及び第2表示領域とは異なる第3表示領域(ハーフミラー対向表示領域)へ移動させる演出(保留予告演出)を実行可能である。
したがって、実行中始動記憶表示(実行中保留)を第1表示領域(待機中保留表示部88a)及び第2表示領域(実行中保留表示部88b)とは異なる第3表示領域(ハーフミラー対向表示領域)へ移動させる演出を実行することができるため、始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
なお、実行中始動記憶表示(実行中保留)が第2表示領域(実行中保留表示部86b)から第3表示領域(ハーフミラー対向表示領域)へ移動する際に、実行前始動記憶表示(待機中保留)を消去するよう構成してもよい。このように構成することで、遊技者を実行中始動記憶表示(実行中保留)の移動だけに注目させることができる。
また、第2実施形態の遊技機10において、実行中始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、第3表示領域が遊技者側から視認可能な第1状態と、第3表示領域が遊技者側から視認不可能な第2状態と、に切り替え可能であるよう構成することができる。
このように構成することで、第3表示領域(ハーフミラー対向表示領域)へ移動した実行中始動記憶表示(実行中保留)が遊技者側から視認できない状態と遊技者側から視認できる状態とに切り替えることができるため、始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
なお、第1状態と第2状態とに切り替える方法は、第3表示領域(ハーフミラー対向表示領域)とハーフミラー445との間の空間を照らすLED446を点灯/消灯する方法に限定されず、適宜変更可能である。例えば、第3表示領域(ハーフミラー対向表示領域)の前方を、ハーフミラー445に替えて、可動部材(ルーバー部材(一定幅の羽板を平行に並べたよろい戸状の部材)、シャッター部材、扉部材など)で覆って、当該可動部材を開閉する方法であってもよい。
<弱保留連続演出>
第1実施形態及び/又は第2実施形態の遊技機10は、弱保留連続演出を実行可能である。この弱保留連続演出は、飾り特図始動記憶表示を用いた予告演出であって、弱保留(大当り期待度が比較的低いことを示唆する表示態様で表示される飾り特図始動記憶表示)を連続して出現させることで、大当り期待度が高いことを示唆(予告)する演出であり、例えば、下側表示領域において実行される。
具体的には、例えば図37(a)に示すように、飾り特図始動記憶表示は複数の表示態様を有している。なお、以下では、大当り期待度(特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる期待度)が50%であることを示唆する表示態様で表示される飾り特図始動記憶表示(例えば図37(a)における真ん中の飾り特図始動記憶表示)を「弱保留」と称するが、弱保留が示唆する大当り期待度は50%に限定されず適宜変更可能である。
演出制御装置300は、メイン変動の始動記憶が発生すると、弱保留連続演出を実行するか否か決定する弱保留連続演出抽選を行う。この弱保留連続演出抽選は、例えば、先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)としてSPリーチの先読み変動コマンドのように大当り期待度の高い先読み変動コマンドを受信した場合に、先読み変動系コマンド処理(図21)において実行される。すなわち、発生した始動記憶が、SPリーチとなる始動記憶のような大当り期待度の高い始動記憶である場合に、弱保留連続演出抽選が実行される。
そして、弱保留連続演出抽選に当選した場合(弱保留連続演出を実行する場合)には、演出制御装置300は、例えば図37(c)に示すように、抽選対象の始動記憶に対応する待機中保留として弱保留を出現させ、その後、例えば図37(e)に示すように、抽選対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始するまでメイン変動の始動記憶が発生する度に弱保留を出現させる。すなわち、弱保留連続演出の実行期間は、抽選対象の始動記憶の発生時から、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始するまでの期間である。
一方、弱保留連続演出抽選に落選した場合(弱保留連続演出を実行しない場合)には、演出制御装置300は、抽選対象の始動記憶(弱保留連続演出抽選に落選した始動記憶)に対応する飾り特図始動記憶表示の表示態様を選択する表示態様抽選を行う。表示態様抽選によって、弱保留が選択される場合もある。すなわち、弱保留連続演出抽選に落選した始動記憶であっても、当該始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示として弱保留が表示される場合がある。
このように、弱保留連続演出を実行することで、弱保留1つでは大当り期待度が低くても、弱保留が連続して出現すれば大当りになるかもしれないという期待感を遊技者に与えることができるため、飾り特図始動記憶表示を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。また、従来の遊技機では遊技者の関心が薄い弱保留に対して遊技者の興味を引き付けることができるため、弱保留を有効活用することができる。
ここで、弱保留連続演出の実行中に発生した始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示は必ず弱保留で表示されるため、弱保留連続演出の実行中は、新たな始動記憶が発生しても、弱保留連続演出抽選及び表示態様抽選を実行しないこととする。また、弱保留連続演出抽選に当選した始動記憶及び弱保留連続演出の実行中に発生した始動記憶の中に大当りとなる始動記憶があっても、当該始動記憶(大当りとなる始動記憶)に基づく特図変動表示ゲームが終了するまでは、当該始動記憶を弱保留で表示し続けることとする。
なお、前回発生した始動記憶が弱保留で表示されている場合(すなわち、前回発生した始動記憶を対象とした表示態様抽選によって弱保留が選択された場合)には、今回発生した始動記憶を対象とする弱保留連続演出抽選の当選確率を高めるようにしてもよい。このように構成することで、SPリーチ演出のような大当り期待度が高い演出が実行されるのが、連続して表示される複数の弱保留のうち最初に表示される弱保留に対応する始動記憶の消化中に限定されることを回避することができる。
また、始動記憶の発生時に表示態様抽選によって選択された弱保留が連続して表示されている場合には、その連続数が多いほど、当該始動記憶(今回発生した始動記憶)を対象とした弱保留連続演出抽選の当選確率を高めるようにしてもよい。
また、始動記憶の発生時に表示されている待機中保留のすべてが、大当り期待度が一定値未満(例えば50%未満)であることを示唆する表示態様で表示されている場合であって、当該始動記憶(今回発生した始動記憶)を対象とした弱保留連続演出抽選に当選した場合には、当該始動記憶に対応する待機中保留として弱保留を表示するだけでなく、既に表示されている待機中保留(大当り期待度が一定値未満であることを示唆する表示態様で表示されている待機中保留)を弱保留に変化させるようにしてもよい。
また、待機中保留のすべてが、大当り期待度が一定値未満(例えば50%未満)であることを示唆する表示態様で表示されている場合であって、未消化の始動記憶の中に弱保留連続演出抽選に落選した始動記憶がある場合(すなわち、未消化の始動記憶の中に大当り期待度の高い始動記憶がある場合)には、新たな始動記憶が発生した際に、当該始動記憶(新たに発生した始動記憶)が大当り期待度の高い始動記憶であるか否かにかかわらず、当該始動記憶に対応する待機中保留を弱保留で表示するとともに、既に表示されている待機中保留(大当り期待度が一定値未満であることを示唆する表示態様で表示されている待機中保留)を弱保留に変化させるようにしてもよい。このように構成することで、新たに発生した始動記憶よりも前に記憶されていた始動記憶(弱保留に変化した始動記憶)の消化中に大当り期待度の高い演出が実行されることになる。すなわち、弱保留に変化した複数の始動記憶のうちいずれかの消化中に大当り期待度の高い演出が実行されることになる。したがって、大当り期待度の高い演出が実行されるまで、どの始動記憶が大当り期待度の高い始動記憶であるのかはっきりしないため、飾り特図始動記憶表示を用いた予告演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各実施形態及び各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、遊技機10は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを同時に実行可能な遊技機に限定されない。すなわち、遊技機10は、例えば、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの一方を他方よりも優先して実行する遊技機であってもよいし、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームを入賞順に実行する遊技機であってもよい。
10 遊技機
100 遊技制御装置(始動入賞記憶手段)
300 演出制御装置(始動記憶表示制御手段、実行中始動記憶表示制御手段、実行前始動記憶表示制御手段、切替手段)
86a 待機中保留表示部(第1表示領域)
86a1 出現領域
86a2 第1待機領域
86a3 第2待機領域
86b 実行中保留表示部(第2表示領域)
88a 待機中保留表示部(第1表示領域)
88b 実行中保留表示部(第2表示領域)

Claims (4)

  1. 始動領域への遊技球の入賞に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、
    前記始動領域への遊技球の入賞に基づき前記ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶可能な始動入賞記憶手段と、
    前記始動記憶に対応する始動記憶表示を表示可能な始動記憶表示制御手段と、を備え、
    前記始動記憶表示制御手段は、
    実行前のゲームに対応した前記始動記憶に対応する前記始動記憶表示である実行前始動記憶表示を第1表示領域に表示可能な実行前始動記憶表示制御手段と、
    実行中のゲームに対応した前記始動記憶に対応する前記始動記憶表示である実行中始動記憶表示を第2表示領域に表示可能な実行中始動記憶表示制御手段と、を備え、
    前記実行中始動記憶表示制御手段は、前記実行中のゲームに関する予告演出として、前記実行中始動記憶表示を前記第2表示領域から前記第1表示領域及び前記第2表示領域とは異なる第3表示領域へ移動させる演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
  2. 前記第1表示領域は、出現領域と、第1待機領域と、第2待機領域と、を含み、
    前記実行前始動記憶表示制御手段は、前記始動入賞記憶手段に始動記憶が記憶されると当該始動記憶に対応する前記実行前始動記憶表示を前記出現領域に表示し、その後、当該出現領域から前記第1待機領域又は前記第2待機領域へ移動させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記実行前始動記憶表示制御手段は、前記実行前始動記憶表示が前記第1待機領域及び前記第2待機領域のいずれへ移動するかによって、前記ゲームの結果が特別結果となる期待度を示唆可能であることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記実行中始動記憶表示制御手段は、前記第3表示領域が遊技者側から視認可能な第1状態と、前記第3表示領域が遊技者側から視認不可能な第2状態と、に切り替え可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の遊技機。
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