JP2020066182A - 偽造防止媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラミネート加工により融着されて単層化したプラスチック基材を対象として、上記の様な二次的なラミネート加工による移植部境界の隠蔽を目論む偽造に対する検知の上で有効な対策の講じられた偽造防止媒体を提案する。【解決手段】表面外装層、中間層、裏面外装層が積層一体化してなる単層シートとして構成される偽造防止媒体であって、中間層は、線幅および/または径が0.5〜1.0mmの開口部が形成されたポリカーボネート樹脂からなり、前記開口部直下の裏面外装層上に認証用印刷パターンが形成されてなる構成の偽造防止媒体。【選択図】図3
Description
本発明は、偽造(改ざん,変造を含めて、以後は、偽造と総称する。)防止対策の講じられた、特に電子(IC)パスポートへの適用に好適な偽造防止媒体に関する。
旅券や運転免許証など、セキュリティ性を必要とするID情報を含む媒体には、印刷技術や転写技術またはそれ以外の加工技術を用いて、偽造防止策が施されている。カードやパスポートなどの個人認証媒体を構成するプラスチック基材の積層体からなる媒体に対しては、ICチップとアンテナを含む非接触通信媒体を内部に(挟み込みまたは埋め込みにより)包含させた構成のインレイを採用すること(例えば、特許文献1参照)や、積層体の内部のカードコアにレーザー光線照射発色層(あるいは、レーザー光エネルギー吸収剤含有層)を設け、レーザー光により、カード内部に印字を行なうレーザーマーキングシートを採用すること(例えば、特許文献2参照)などの対策が採られている。
IC旅券の仕様を定めている国際民間航空機関(ICAO)では、IC旅券にバイオメトリックデータを記録する際には、顔画像を搭載することを必須事項とし、指紋画像と虹彩画像の搭載を、各国家の任意事項と定めている。記録される顔画像は、パスポートに貼り付けられる顔写真と同じ画像である。しかし、写真は切り貼りなどの加工により、偽造される恐れが有るのに対し、ICカード内に電子的に記録されている顔画像を書き換えることは技術的に困難であるから、両者を比較対照することにより、偽造を見破ることができる。バイオメトリック・パスポートと称してはいるが、実際には生体認証技術は用いられておらず、上記の様に電子的に記録された顔画像を、カードリーダーで読み込んだパソコンでディスプレイに表示して、係官が目視でチェックしている状況である。パスポートの表面記載事項に対する偽造防止(なりすまし)には効果を発揮しているが、本来目指していた「生体認証技術」を用いた、自動的な高精度の本人確認が今後の課題である。(https://ja.wikipedia.org/wiki/バイオメトリック・パスポートからの抜粋)
しかしながら、積層体の剥離〜分解は行なわず、単層化したプラスチック基材の状態を維持したままで、顔画像などの特定情報を部分的に切り抜き(あるいは、削り取り)などして、別のデータページに移し変える(あるいは、別の特定情報に差し替える)という手法に対しては、対策が不十分な実態にある。
局所的な移し変え,差し替え(以後は、移植と称する)を伴う上記手法による媒体(偽造品)では、移植箇所と周囲との境界線が目立たない様に隠蔽するための処理を要することになる。その際、媒体(偽造品)表面にさらにラミネート加工を施して最外面を平滑化
することが容易に想定される。
することが容易に想定される。
本発明は、ラミネート加工により融着されて単層化したプラスチック基材を対象として、上記の様な二次的なラミネート加工による移植部境界の隠蔽を目論む偽造に対する検知の上で有効な対策の講じられた偽造防止媒体を提案することを目的とする。
本発明による偽造防止媒体は、
表面外装層、中間層、裏面外装層が積層一体化してなる単層シートとして構成される偽造防止媒体であって、中間層は、線幅および/または径が0.5〜1.0mmの開口部が形成されたポリカーボネート樹脂からなり、前記開口部直下の裏面外装層上に認証用印刷パターンが形成されてなる。
表面外装層、中間層、裏面外装層が積層一体化してなる単層シートとして構成される偽造防止媒体であって、中間層は、線幅および/または径が0.5〜1.0mmの開口部が形成されたポリカーボネート樹脂からなり、前記開口部直下の裏面外装層上に認証用印刷パターンが形成されてなる。
認証用印刷パターンは、画線幅が0.5〜1.0mmであることが好適である。
表面外装層が透明なポリカーボネート樹脂からなり、中間層と裏面外装層が白色のポリカーボネート樹脂からなる構成としても良い。
移植箇所に二次的なラミネート加工を施す処理を要する偽造を行なった場合、加熱処理に応じた変形による認証用印刷パターンの消失あるいは変形が明らかとなるため、偽造が試みられた製品の検知が容易であり、比較的簡便な構造でありながら、これまで対策が不十分であった「移植を伴う偽造」に対して極めて有効な偽造防止媒体となる。
以下、本発明の実施形態について図を用いて説明するが、本発明は以下の図や文によって限定されるものではない。
図1は、偽造防止媒体10の概略構成の一例を示す断面図である。
同図の上側から順に、表面外装層1(透明PC),中間層2(白色PC,デザインあり),認証用印刷パターン3,裏面外装層4(白色PC)の構成要素が積層一体化してなる単層シートの形態の媒体10である。媒体10は、IDカード,キャッシュカード,クレジットカード,電子パスポートのデータページ(冊子の他ページの図示は省略する)などの何れであっても良い。
図2は、認証用印刷パターン3の一例を示す平面図である。認証用印刷パターン3は、裏面外装層4上に直接印刷形成しても良いし、別体のシートに形成した上で裏面外装層4上に積層(あるいは、接合)しても良い。認証用印刷パターン3は、目視にて真正品である旨を簡便に判定できるデザインが好ましく、彩紋(ギロシェ:丸い刺繍の様な図案)パターンやフラクタル(幾何学的形状)パターンの採用例が多い。本発明における認証用印刷パターン3は、後述する開口部との関係から、0.5〜1.0mmの画線幅にて構成さ
れることが、視認性の変化が顕著であり好適である。
れることが、視認性の変化が顕著であり好適である。
図3は、中間層2に形成される、線幅および/または径が0.5〜1.0mmの開口部5の一例(2種)を示す平面図である。同図左側の例では、線幅0.5〜1.0mmのスリットを構成要素とするスリット群により開口部5が構成され、開口部5を通して直下の認証用印刷パターン3が視覚されている。同図右側の例では、径0.5〜1.0mmの円形の孔を構成要素とする配列により開口部5が構成され、開口部5を通して直下の認証用印刷パターン3が視覚されている。認証用印刷パターン3と開口部5がセットになった箇所は、媒体10内に少なくとも一箇所に形成され、配置箇所,サイズは適宜に設計されうる。
開口部5のパターンは、同方向に延びる直線状スリットが並列した構成,円形の孔がマトリクス配置された構成の図示2例に限定されるものではなく、スリットが交差した形状の「+」「*」などの形状の構成要素を採用する,円形以外の形状の孔を構成要素とする,スリットと孔を組み合わせるなど、任意に設計しうる。開口部5は、透明とは限らない中間層2に形成して、それを通して直下の認証用印刷パターン3を視覚するように機能するため、認証用印刷パターン3の明確な視覚〜認識を妨げない様に、構成要素間を極度に離間させずに近接して配置することが要求される。または、構成要素間の離間による影響を解消する上では、中間層2の開口部5形成箇所に、直下の認証用印刷パターン3と同調するように補助的な印刷パターンを形成しておき、構成要素間で隠蔽される下層の補われた認証用印刷パターン3を合成して再現することも可能である。
図4は、偽造を試みる対象の媒体10(IDカード)の一例を示す概略平面図である。
積層体一体化された媒体10の剥離〜分解は行なわず、単層化したプラスチック基材の状態を維持したままで、点線で囲んだ顔画像11,身分事項12などの特定情報を部分的に切り抜き(あるいは、削り取り)などして、別の内容に移し変える(あるいは、別の特定情報に差し替える)場合を想定する。一般的に、顔画像11,身分事項12などは中間層(図1の2)の上に印刷あるいは積層により形成され、表面外装層(図1の1)にて覆われている。部分的な切り抜き(あるいは、削り取り)は、表面外装層1および中間層2の一部について破壊を伴うことになる。
移植が済み、顔画像11や身分事項12が別情報に差し替わったとしても、点線部の切り取り線が完全に隠蔽されておらず、切り取り〜埋め込みの痕跡が境界線の見え,段差などとして認識されると、偽造品であることが容易に推定されることになる。そのため、移植が済んだ媒体10の表面に、透明樹脂フィルムを新たに(二次的に)ラミネートして表面を平滑にして境界線を隠蔽する操作が想定される。
表面外装層1(PC)に透明樹脂フィルムをラミネート加工(パウチ加工)する場合、加熱を伴う圧着では、ラミネート対象であるプラスチック基材(PC)に熱変形を及ぼすことが確認されている。表1は、図1に示す構成のプラスチック基材(各種設計の開口部5の形成されたPC製中間層を有する)に対するラミネート加工後の開口部5の目視確認結果を示す。
検証にあたっては、プラスチック基材は、約400μmの総厚の積層体を用いた。また、検証時のラミネート温度としては、180〜190℃の加熱を行なった。
表1に示す様に、条件(1)(2)では、孔,スリットの箇所が埋められて開口が隠蔽されることが確認された。PC材料に熱と圧力がかけられると、PC材料が流動性を持
ち凹部に流入することによると推測される。また、表1に示した以外の検証において、ラミネート温度をさらに高くすると、プラスチック基材(PC)の流動性が大きくなり、スリット部が見えにくくなる傾向が一層顕著であった。
ち凹部に流入することによると推測される。また、表1に示した以外の検証において、ラミネート温度をさらに高くすると、プラスチック基材(PC)の流動性が大きくなり、スリット部が見えにくくなる傾向が一層顕著であった。
図5は、図2に示す認証用印刷パターン3を有する媒体10に対する偽造として、移植箇所に二次的なラミネート加工を施した場合、ラミネート加工後に視覚される認証用印刷パターン3の変貌を示す説明図である。開口(スリット,孔)がPC材料で埋め込まれて変形し、直下の認証用印刷パターン3を隠蔽してしまい、予め直下の認証用印刷パターン3と同調するように中間層上(開口近傍)形成してあった補助的な印刷パターン(認証用印刷パターン3の一部)も熱変形により歪んだ状態となっており、偽造前の原型が留められてはおらず、一見して不審物と認識される。
尚、中間層2に形成されるデザインとして、補助的な印刷パターンだけでなく、レーザーマーキング技術(積層体の内部のカードコアに印字)を併用してシリアルNo.などを印字しておくといった部材管理により、セキュリティに加えてトレーサビリティの対策を向上させることも一層有効である。
10 偽造防止媒体
1 表面外装層
2 中間層
3 認証用印刷パターン
4 裏面外装層
5 開口部
11 顔画像
12 身分事項
1 表面外装層
2 中間層
3 認証用印刷パターン
4 裏面外装層
5 開口部
11 顔画像
12 身分事項
Claims (3)
- 表面外装層、中間層、裏面外装層が積層一体化してなる単層シートとして構成される偽造防止媒体であって、中間層は、線幅および/または径が0.5〜1.0mmの開口部が形成されたポリカーボネート樹脂からなり、前記開口部直下の裏面外装層上に認証用印刷パターンが形成されてなる偽造防止媒体。
- 認証用印刷パターンは、画線幅が0.5〜1.0mmである請求項1記載の偽造防止媒体。
- 表面外装層が透明なポリカーボネート樹脂からなり、中間層と裏面外装層が白色のポリカーボネート樹脂からなる構成である請求項1または2に記載の偽造防止媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018200810A JP2020066182A (ja) | 2018-10-25 | 2018-10-25 | 偽造防止媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018200810A JP2020066182A (ja) | 2018-10-25 | 2018-10-25 | 偽造防止媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020066182A true JP2020066182A (ja) | 2020-04-30 |
Family
ID=70389248
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018200810A Pending JP2020066182A (ja) | 2018-10-25 | 2018-10-25 | 偽造防止媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020066182A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6941209B1 (ja) * | 2020-08-18 | 2021-09-29 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 樹脂シート、多層体、および、カード |
-
2018
- 2018-10-25 JP JP2018200810A patent/JP2020066182A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6941209B1 (ja) * | 2020-08-18 | 2021-09-29 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 樹脂シート、多層体、および、カード |
JP2022034561A (ja) * | 2020-08-18 | 2022-03-03 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 樹脂シート、多層体、および、カード |
JP2022034100A (ja) * | 2020-08-18 | 2022-03-03 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 樹脂シート、多層体、および、カード |
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