JP2020063095A - 構体及びヒンジ体 - Google Patents

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Hisao Mizuta
悠生 水田
葉子 定延
Yoko Sadanobu
葉子 定延
宮田 武志
Takeshi Miyata
武志 宮田
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Abstract

【課題】構造が簡単で且つ堅牢な組立式容器を提供する。【解決手段】構体7は、面状構造体1を折り畳むことで構成される。面状構造体1は、第1の繊維樹脂材料からなる複数の壁部3a〜3fと、複数の壁部3a〜3f間に直線状に存在し且つ第2の繊維を含む折り畳み自在なヒンジ部5とからなり、折り畳みの際の折線に相当する部位にヒンジ部5が位置する折紙構造を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、面状構造体を折り畳むことで容器本体が構成される構体、折り畳み自在なヒンジ体及び折り畳み自在な構体に関する。
折り畳み可能な四角箱状のコンテナとして、例えば、「内部に中空構造を形成する合成樹脂製の中空板材からなり、四角板状の底壁と、前記底壁の周縁に立設される対向する各一対の第1側壁(短側壁)及び第2側壁(長側壁)を備えており、前記底壁上に前記一対の第1側壁を重ねるとともに、前記一対の第1側壁上に前記一対の第2側壁を重ねることにより内方へ折り畳み可能に構成されている。前記第2側壁には、該第2側壁の幅方向に延びる薄肉ヒンジ部が設けられ、前記各第1側壁の側部には、折り畳み時に、前記第2側壁の内面における前記薄肉ヒンジ部の近傍に当接して該第2側壁を支持する当接部(側縁リブ)が設けられている」が提案されている(例えば特許文献1である。)。
特開2015−034029号公報
特許文献1に記載のコンテナは、撓み、変形を抑制して、耐久性を向上させることができる一方で、構造、特にリブの構造が複雑かつ重量増となるという課題がある。
本発明が解決しようとする課題は、構造が簡単・軽量で且つ堅牢な構体等を提供することにある。
本発明に係る構体は、面状構造体を折り畳むことで容器本体が構成される構体であって、前記面状構造体は、第1の繊維樹脂材料からなる複数の壁部と、前記複数の壁部間に直線状に存在し且つ第2の繊維を含む折り畳み自在なヒンジ部とからなり、折り畳みの際の折線に相当する部位に前記ヒンジ部が位置する折紙構造を有する。
本発明によれば、第1の繊維樹脂材料からなる壁部と折り畳み自在なヒンジ部を有する折紙構造であるため、構造が簡単・軽量で且つ堅牢な容器が得られる。
第1実施形態に係る面状構造体の説明図である。 第1実施形態に係る面状構造体の重畳数を説明する図である。 第1実施形態の実施例1の面状構造体と容器本体の斜視図である。 第1実施形態の実施例1の面状構造体から容器本体を折り畳む工程を示す図である。 第1実施形態の実施例1の面状構造体から容器本体を折り畳む工程を示す図である。 第1実施形態の実施例1の面状構造体から容器本体を折り畳む工程を示す図である。 第1実施形態の実施例2の面状構造体と容器本体の斜視図である。 第1実施形態の実施例3の面状構造体と容器本体の斜視図である。 第1実施形態の実施例3の面状構造体と容器本体の斜視図である。 第2実施形態の第2実施例1の面状構造体を説明する図であり、(a)は板状態を示し、(b)は筒状体を示し、(c)は箱状態を示す。 第2実施形態の第2実施例1の面状構造体の製造を説明する図であり、(a)は成形前の展開した状態を示し、(b)は成形時の状態を示す。 第2実施形態の第2実施例2の構造体を説明する図であり、(a)は板状態を示し、(b)は箱状態を示す。 第2実施形態の第2実施例2の構造体の製造を説明する図である。 第3実施形態の第3実施例1の構造体を説明する図であり、(a)は板状態を示し、(b)は箱状態を示すし、(c)は分解した状態を示す。 第3実施形態の第3実施例2の構造体を説明する図であり、(a)はドア周辺の拡大斜視図であり、(b)はサイドパネルの断面図である。 第4実施形態の第4実施例1のヒンジ体を説明する図であり、(a)は平面図であり、(b)は断面図であり、(c)は屈曲状態のヒンジ体の断面図である。 第4実施形態の第4実施例2のヒンジ体を説明する図であり、(a)は平面図であり、(b)は屈曲状態の平面図である。 第5実施形態の第5実施例1を説明する図である。 第5実施形態の第5実施例2を説明する図である。 第5実施形態の第5実施例3を説明する図である。 第5実施形態の第5実施例4を説明する図である。 第5実施形態の第5実施例5を説明する図である。 第5実施形態の第5実施例6を説明する図である。
<概要>
一実施形態に係る構体は、面状構造体を折り畳むことで容器本体が構成される構体であって、前記面状構造体は、第1の繊維樹脂材料からなる複数の壁部と、前記複数の壁部間に直線状に存在し且つ第2の繊維を含む折り畳み自在なヒンジ部とからなり、折り畳みの際の折線に相当する部位に前記ヒンジ部が位置する折紙構造を有する。なお、構体の形状は、面状であってもよいし、立体状であってもよいし、面状構造体を折り畳んで面状構造体と異なる形状の面状であってもよいし、容器本体と異なる形状に折り畳んだ立体状であってもよい。
別の実施形態に係る構体において、前記ヒンジ部は前記第2の繊維と第2の樹脂とからなり、第2の樹脂の弾性率は、前記壁部の第1の繊維樹脂材料を構成する第1のマトリクス樹脂の1/10以下である。これにより、ヒンジ部の耐久性が向上する。
別の実施形態に係る構体において、前記容器本体は、底壁又は蓋壁が開放する直方体の箱状をする。これにより、収容性の高い容器本体が得られる。
別の実施形態に係る構体において、前記面状構造体は2種類あり、第1の面状構造体は蓋壁が開放する第1容器本体に折り畳まれ、第2の面状構造体は底壁が開放する第2容器本体に折り畳まれ、前記第1容器本体の開口が前記第2容器本体により塞がれる。これにより、密閉状の容器が得られる。
別の実施形態に係る構体において、前記容器本体は、中空多角柱の箱状をする。これにより、収容性の高い容器本体が得られる。また、意匠性の高い容器本体が得られる。
別の実施形態に係る構体において、前記面状構造体は、方形又は矩形状をしている。これにより、収容スペースを小さくできる。また、意匠性の高い面状構造体が得られる。
一実施形態に係るヒンジ体は、第1パネルと第2パネルとを折り畳み自在に連結するヒンジ体において、前記第1パネルと前記第2パネルとに結合される織布と、前記織布における少なくとも一方の主面を覆う可撓板状体とを備える。これにより、織布を保護することができる。
別実施形態に係るヒンジ体において、前記織布は、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、綿、麻、鉄繊維、銅繊維から選択される1種以上の繊維から構成され、前記可撓板状体は、ゴム、熱可塑性樹脂から選択される1以上の材料により構成されている。これにより耐久性を向上させることができる。また、ヒンジ体における密閉性を向上させることができる。
別実施形態に係るヒンジ体において、前記織布は、前記織布とマトリクス樹脂とからなる繊維樹脂材料により構成され、前記可撓板状体は前記繊維樹脂材料を覆う。これにより、強固なヒンジ体が得られる。
一実施形態に係る構体は、第1パネルと第2パネルとがヒンジ体により折り畳み自在に連結されてなる構体であって、前記ヒンジ体は、上記のヒンジ体である。これにより、耐久性の高いヒンジ体を備える構体が得られる。
一実施形態に係る構体は、第1パネルと第2パネルとがヒンジ部により折り畳み自在に連結されてなる構体であって、前記第1パネル及び前記第2パネルの少なくとも一方は第1の繊維樹脂材料からなり、前記ヒンジ部は、前記第1パネルと前記第2パネルとに結合される第2の繊維樹脂材料と、前記第2の繊維樹脂材料における少なくとも一方の主面を覆う可撓板状体とを備え、前記第2の繊維樹脂材料は、織布と、弾性率が前記第1の繊維樹脂材料を構成する第1のマトリクス樹脂の1/10以下である第2の樹脂とから構成される。これにより、耐久性の高いヒンジ体を備える構体が得られる。
<第1実施形態>
1.面状構造体
面状構造体1は、図1の(a)に示すように、第1の繊維樹脂材料からなる複数の壁部3と、前記複数の壁部3間に直線状に存在し且つ第2の繊維を含む折り畳み自在なヒンジ部5とを備えている。
図1の(a)のヒンジ部5は、紙面と直交する方向に直線状に延びている。ヒンジ部5は、例えば容器本体に折り畳む際の折り線に相当する部位に存在する。ヒンジ部5は、第2の樹脂を含んでもよく、第2の樹脂を含む場合は当該第2の樹脂の弾性率を前記壁部3の第1のマトリクス樹脂の弾性率の1/10以下とすることで、折り畳み可能としたものである。
ヒンジ部5は、可塑性のあるフィルムやテープ等の面状体を備えてもよい。この場合、第2の繊維の片面に面状体を配してもよいし、両面から第2の繊維を挟むようにしてもよい。
すなわち、上記構成のヒンジ部5を用いる場合、折紙の折線パターンにしたがってヒンジ部5を設けることで、折線周りの回転(折線での折り畳み)が可能な折紙構造体とできる。
ヒンジ部5は金属製のヒンジに比較して大幅に軽量且つ小型(3次元な空間の他、幅等の2次元な面も含む)となる。また、ヒンジ部5は金属製のヒンジに比較して構造が簡単となる。ヒンジ部5の第2の繊維がヒンジ部5の強度と耐久性を確保する。
折紙構造を実現できる面状構造体であっても、実際には壁部の厚さがあり、この厚みが面状構造体を折る際に干渉し、壁部同士が近接するまで折ることが不可能な場合がある。それを回避するために折線パターンを修飾すると、一般には折紙構造が複雑なパターンとなり、例えばヒンジ部に切り込みや孔をあける必要が生じる場合があり、製造工程の複雑化や工数の増大の他、ヒンジ部の強度低下を招く。また、上記の干渉を回避するために壁部の厚みを薄くすると、容器本体の剛性を確保できなくなる場合がある。
容器本体に用いる折紙構造の面状構造体1を製造するに際し、ヒンジ部5がある条件を満たすことによって、壁部3の厚みによる影響を回避あるいは影響を大幅に低減し、本来の折線パターンからの修飾を不要又は最小限度のものにすることができる。すなわち、堅牢で軽量な折り畳み式の容器や容器本体に好適に用いられるヒンジ部5は、ヒンジ部5でつながれた隣接する2つの壁部3が180°を超えて回転し、かつ図1の(a)に示す平面状態の面状構造体1を図の(b)に示すように180°回転させたときに該両壁部3間に空隙が存在し、その空隙の厚さをD、ヒンジ部5の線幅をB(図1の(a)参照)とそれぞれするとき、BとDが以下の関係を有するものである。
0.1×B<D<0.6×B
ヒンジ部5が180°を超えて回転するというのは、図1の(c)に示したようにヒンジ部5の内側に空隙を残して、ヒンジ部5に結合された一対の壁部3の法線間の角度が180°以上になるということである。ヒンジ部5は180°回転した状態において、図1の(b)に示すように、ヒンジ部5に結合された一対の壁部3は空隙を挟んで平行に存在する。この空隙の存在が、折紙構造とするためにヒンジ部5を使用するとき、第1の繊維樹脂材料からなる壁部3の厚みの影響を回避し、円滑な折り畳みプロセスを実現するに資するものである。
この空隙の厚さDが壁部3の厚みT(図1の(a)参照)の2倍以上であるとき、この空隙が厚みの影響を排除するように機能するため、さらに好ましい。この空隙の厚さDに対してヒンジ部5の線幅Bが過大であったり、ヒンジ部5の曲げ弾性が低かったりする場合にはDがBの0.1倍に満たず、ヒンジ部5を折紙パターンの折線として用いたときの厚みの影響を受けやすくなる。
また、180°の曲げによってヒンジ部5の第2の繊維の一部又は全部に座屈が起きていることで空隙の厚さDが減少している場合が多く、この場合、繰り返しの曲げ変形に対する耐久性が低下する。またヒンジ部5に遊びが発生しやすく、ヒンジ面に水平な軸力が働く場合には軸力による座屈が起こりやすい。
一方、ヒンジ部5が完全弾性体に近い挙動を示す場合は空隙の厚さDの値は大きくなるが、DとBの比には限界値が存在し、Bの0.60倍以上にDを制御することは困難である。
上記のことから、面状構造体1は、折り畳んで容器本体を構成するための折線パターンの折線のうち重畳数Ncが零のものを除く全ての折線に対応して上記の条件を満たすヒンジ部5を用い、その線幅Bが壁部3の厚みTに対し、以下の式を満たすことにより壁部(第1の繊維樹脂材料)3の厚みの影響を有効に排除し好ましい。
Nc×T<B<100×Nc×T
ここで重畳数Ncは面状構造体の折線で連結される一対の壁部3を完全に折り畳んだときに、その一対の壁部3の内側に一部又は全部が挟み込まれる壁部3の数として定義される。例えば、図2の場合、一対の壁部3の内側に2枚の壁部3A,3Bの一部が挟み込まれ、重畳数Ncは2となる。
BがNc×Tより小さい時は、ヒンジ部5の内側に重畳する壁部3を収納するスペースが十分ではなく、折り畳みは完全にはできない場合がある。また、BがNc×Tの100倍より大きい場合、ヒンジ部の線幅Bが大きくなりすぎ、所期の面状構造体1からの概観の乖離が大きくなりすぎる。
面状構造体1は、必要に応じヒンジ部5にスリットを加えたり、孔を設けたりして、折り畳みの可動性を修飾することができる。
ヒンジ部5は折れ曲がることにより、直線状のヒンジ部5が延びる方向を回転軸とする回転を与えるものであり、この弾性応答を制御することで折り畳み構造から自発的に展開(復元)しようとする機能や、自発的に展開するのを規制(形状維持)しようとする機能等を付与することができる。
ここで自発的に展開しようとする機能とは、任意の折り畳み状態で外力を解除すると、自発的に一部又は完全に折り畳み構造から展開された構造に変化することを意味する。この展開しようとする力を利用することで、折り畳んで完成した容器をもとの面状構造体に戻しやすくなる。
一方、自発的に展開するのを規制しようとする機能とは、折り畳んだ状態で外力を解除しても、自発的に一部又は完全に折り畳み構造から展開された構造に変化しないことを意味する。この展開しようとする力を規制することで、折り畳んで完成した容器本体がもとの面状構造体に戻るのを防止でき、容器本体としての(形状)安定性を向上できる。
この2つの機能を発現させるためには、ヒンジ部でつながれた両壁部3が90°を超えて回転し、かつ90°回転させた時に発生する弾性回復によるヒンジ部5の長さあたりの回転トルクTr(Nm/m)と壁部3の厚みT(m)との比が、次の条件を満たすヒンジ部5であることが好ましい。
50<Tr/T<5000
ここでTr/Tが50より小さい場合は折り畳み状態からの復元力が乏しく、5000を超える場合は折り畳み状態の維持が困難となる。
2.壁部
壁部3は第1の繊維樹脂材料からなる。第1の繊維樹脂材料は、第1の繊維と第1のマトリクス樹脂とから構成される。つまり、第1の繊維樹脂材料は繊維とマトリクス樹脂とからなる複合材料である。
(2−1)第1の繊維
第1の繊維としては、例えば、炭素繊維、バサルト繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維、綿、麻等の天然繊維を用いることができ、これら複数種類の繊維を用いてもよい。これらは連続繊維又は紡績繊維であることが好ましく、連続繊維の織物を用いることが好ましい。織物構造の場合、1種類の繊維を用いてもよいし、複数種類の繊維を用いてもよい。織物構造としては、例えば、平織、綾織、朱子織等がある。
なお、第1の繊維は、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の強化繊維の場合、繊維樹脂材料は、繊維強化樹脂材料(FRP)となる。なお、繊維強化樹脂材料で壁部3を構成すると、より一層、軽量且つ堅牢な容器本体が得られる。
(2−2)第1のマトリクス樹脂
第1のマトリクス樹脂としては、硬化性樹脂又は可塑性樹脂を用いることができる。硬化性樹脂として、例えば、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂等を用いることができる。硬化性樹脂のガラス転移温度は130℃以上が好ましい。
硬化性樹脂として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性ポリイミドを例示することができる。なかでもエポキシ樹脂が好ましい。
可塑性樹脂として、例えば、熱可塑性樹脂や光可塑性樹脂等を用いることができる。熱可塑性樹脂の場合はガラス転移点(熱変形温度)が室温以上のものを用い、好ましくは、80℃以上のものが好ましい。可塑性樹脂は結晶性高分子からなるものでもよく、非晶性高分子からなるものでもよい。
第1のマトリクス樹脂は、複数の樹脂の混合物であってもよく、また、例えば、安定剤、フイラー、難燃剤といった各種機能を発揮させる添加剤が含まれていてもよい。
可塑性樹脂として、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、非晶ポリアリレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリオレフィン、ABS樹脂、アクリル樹脂を例示することができる。なかでもポリアミドが好ましい。
(2−3)複数枚の壁部
面状構造体1は複数の壁部3を有している。複数の壁部3は同一の第1の繊維樹脂材料により構成されてもよいし、異なる第1の繊維樹脂材料により構成されてもよい。
ここでいう「同一の第1の繊維樹脂材料」とは、第1の繊維の種類がすべて同じであり且つ第1のマトリクス樹脂の種類がすべて同じである場合をいう。
ここでいう「異なる第1の繊維樹脂材料」とは、例えば、第1のマトリクス樹脂が同じで第1壁部の第1の繊維と第2壁部の第1の繊維とが異なる場合、第1の繊維が同じで第1壁部の第1のマトリクス樹脂と第2壁部の第1のマトリクス樹脂とが異なる場合、第1壁部の第1の繊維と第2壁部の第1の繊維とが異なり且つ第1壁部の第1のマトリクス樹脂と第2壁部の第1のマトリクス樹脂とが異なる場合等である。
なお、同一の第1の繊維樹脂材料には、第1壁部の厚みと第2壁部の厚みとが同じ場合又は異なる場合を含む。また、同一の第1の繊維樹脂材料には、第1壁部の第1の繊維の配向と第2壁部の第1の繊維の配向が同じ場合又は異なる場合を含む。
また、壁部3に貫通孔、溝を設ける場合、外観において異なっても、上記の通り、第1の繊維と第1のマトリクス樹脂のそれぞれが同じである場合は、同一の第1の繊維樹脂材料とみなす。
(2−4)厚み
壁部3の厚みは0.4mm以上が好ましい。0.4mm未満の場合、容器本体7としての剛性が不足する。厚みの上限は、容器本体7の使用目的に合わせて適宜決定されるが、旅行等の用途の場合は5mm以下が好ましく、重量物等を収容する工業用途の場合は10mm以下が好ましいが、これらはあくまでも目安である。容器本体中の部位によって壁部3の厚みを適宜変更してもよい。
なお、後述の「4.製造方法」の「(5)方法5」の場合、ヒンジ部5を挟み込む必要があり、織物プリプレグ等を2Ply以上使用するのが好ましい。
(2−5)体積繊維含有率
体積繊維含有率は、壁部3(第1の繊維樹脂材料)の剛性や軽量化の観点から、45〜65%が好ましい。容器本体中の部位によって壁部の体積繊維含有率を適宜変更してもよい。繊維配向は、壁部3(第1の繊維樹脂材料)の剛性や軽量化の観点から適宜決定するのが好ましいが、第1の繊維として織物構造を利用する場合、0°/90°、45°/−45°を含むが好ましい。
3.ヒンジ部
ヒンジ部5は第2の繊維を含む。第2の繊維は、上記の第1の繊維を利用できる。ここでの第2の繊維は、屈曲に対する耐久性を考慮して、上記第1の繊維で説明した繊維のうち、強度、摩耗性の高い繊維を利用できる。具体的には、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリエステル製などの有機合成繊維等がある。第2の繊維は、1種類の繊維を用いてもよいし、複数種類の繊維を用いてもよい。なお、第2の繊維は第1の繊維(強化繊維)と同じであってもよいし、異なってもよい。
第2の強化繊維は、繊維が第1方向に引き揃えられた連続繊維のUD材であってもいし、連続繊維の織物材(織物構造)であってもよい。
ヒンジ部5は、第2の繊維と第2の樹脂とを含む第2の繊維樹脂材料から構成されてもよい。ヒンジ部5は、第2の繊維のみで構成してもよいが、耐久性、操作性等を考慮すると、第2の樹脂を含んだ第2の繊維樹脂材料から構成されるのが好ましい。第2の樹脂は、ヒンジ機能として役割を果たすために、その弾性率が第1のマトリクス樹脂の弾性率の10分の1以下であることが好ましい。これは25℃での弾性率についてである。10分の1を超えると、ヒンジ部5の折り畳み変形時に必要な応力が過大となり、折り畳むときの操作性が低下して好ましくない。
また、ヒンジ部5は、第2の繊維の片面に可塑性のフィルム素材(面状体)が配されてもよいし、第2の繊維の両面に可塑性のフィルム素材(面状体)を配してもよい(この場合、第2の繊維がフィルム素材で挟み込まれる構造となる)。この際、ヒンジ部5は、第2の樹脂を含んでもよいし、含まなくてもよい。
第2の樹脂は、ガラス転移点が室温以下である架橋性高分子及び熱可塑性エラストマーから選ぶことができる。第2の樹脂として、例えば、シリコーン樹脂、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、クロロブレン系エラストマー、アクリロニトリル系エラストマー、天然ゴムや合成ゴム等のゴムなどを例示することができる。
特に、耐候性を考慮した場合はシリコーン樹脂を選択することが好ましい。第2の樹脂として架橋性高分子を用いる場合には、未架橋あるいは低架橋の状態で第1の繊維に含浸した後に架橋反応を完結させることで形成することができる。
なお、ヒンジ部5の製造方法において、第2の繊維に第2の樹脂を塗布する場合、塗布の際(常温)の粘度が0.0001〜0.001Pa・sが好ましい。これは、常温で塗布する際に、第2の繊維への浸透性が高いと、所定の領域のみに塗布するのが難しく、流動性の低い樹脂が好まれる。なお、ここでの常温は、15〜30℃として規定している。
フィルム素材を使用する場合、有機素材が好ましく、厚みが50〜500μがこのましい。有機素材としては、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリフルオロエチレン(PTFE)等がある。
ゴムを使用する場合、第1の樹脂の硬化温度以下で接着するゴムシートは、0.2〜0.7mmが好ましく、壁部3の第1マトリクス樹脂とコキュアできるものが好ましい。
4.製造方法
面状構造体1は、例えば、以下のように製造することができる。なお、ここでの例は一例であり、これらを組み合わせてもよいし、他の方法で製造してもよい。
(1)方法1
第1の繊維及び第2の繊維として、織物構造の繊維を使用し、以下、繊維織物とする。この例では、第1の繊維と第2の繊維とが同じである。
まず、繊維織物の屈曲可能領域(ヒンジ部5に相当する領域)を形成する部分をマスキングし、第1のマトリクス樹脂を含浸することにより繊維樹脂材料を形成する。これにより、第1の繊維樹脂材料が形成されて壁部3が構成される。
つぎに、マスキングを外した屈曲可能領域の繊維織物に第2の樹脂を充填(塗布)してヒンジ部5を形成する。
なお、ゴムシートを使用する場合、マスキングを外した屈曲可能領域に対応した大きさのゴムシートを屈曲可能領域に貼り付けた後に加熱してヒンジ部5を形成する。
(2)方法2
第1の繊維及び第2の繊維として繊維織物とする。この例でも、第1の繊維と第2の繊維とが同じである。
まず、繊維織物の屈曲可能領域(ヒンジ部5に相当する)を形成する部分に、第2の樹脂を流動可能な状態で充填してヒンジ部5用のベースを形成し、つぎに、第1のマトリクス樹脂をこれ以外の領域に含浸して繊維樹脂材料を形成する。
なお、ゴムシートを使用する場合、屈曲可能領域に対応した大きさのゴムシートを屈曲可能領域に貼り付けた後に加熱してベースを形成する。
第1のマトリクス樹脂が存在する部分が壁部3であり、第1のマトリクス樹脂が含浸していない部分がヒンジ部5となる。
(3)方法3
第1の繊維及び第2の繊維として特に無機繊維を用いる場合には、この方法も用いることができる。この例でも、第1の繊維と第2の繊維とが同じである。
まず、無機繊維の全体に第1のマトリクス樹脂を含浸して硬化させて第1の繊維樹脂材料用のベースを全面に形成し、ヒンジ部5を形成する部分の第1のマトリクス樹脂を選択的に溶融又は分解させて除去し、そこに第2の樹脂を充填する方法である。溶融又は分解には、例えば、レーザーや高温加熱空気を用いることができる。
なお、ゴムシートを使用する場合、第1のマトリクス樹脂を除去した部分に対応した大きさのゴムシートを除去部分に貼り付けた後、加熱してベースを形成する。
第1のマトリクス樹脂が存在する部分が壁部3であり、第1のマトリクス樹脂を除去して第2樹脂を充填した部分がヒンジ部5である。
(4)方法4
第1の繊維(UD材)に第1のマトリクス樹脂を含浸させた第1のUDプリプレグを主に使用して第1の繊維樹脂材料を構成し、第2の繊維(織物構造)に第2の樹脂を含浸させた第2の織物プリプレグを使用して第2の繊維樹脂材料を構成する。
なお、ゴムシートを使用する場合、第2の樹脂の代わりにゴムシートを第2の繊維の片面又は両面に貼り付けて第2の織物プリプレグを構成する。
まず、第2のプリプレグを成形して第2の繊維樹脂材料用のベースを全面に形成し、ヒンジ部5を形成する領域をマスキングする。そして、ベースの第1の繊維樹脂材料を形成すべき領域に第1のUDプリプレグを所定の配向角度で積層したのち成形して、第1の繊維樹脂材料を形成する。
第1の繊維樹脂材料の第1の繊維はUD材以外に第2の繊維を含むことになる。第1の繊維樹脂材料部分が壁部3であり、第2の繊維樹脂材料が露出する部分がヒンジ部5である。なお、第1の繊維樹脂材料は、ベース(第2の繊維樹脂材料)の両面に形成してもよいし、片面(の一方のみ又は他方のみ)に形成してもよいし、部位によって両面、片面の一方、片面の他方に形成してもよい。
(5)方法5
第1の繊維(織物構造)に第1のマトリクス樹脂を含浸させた第1の織物プリプレグを使用して第1の繊維樹脂材料を構成し、第2の繊維(織物構造)に第2の樹脂を含浸させた第2の織物プリプレグを使用して第2の繊維樹脂材料を構成する。
なお、ゴムシートを使用する場合、第2の樹脂の代わりにゴムシートを第2の繊維の片面又は両面に貼り付けて第2の織物プリプレグを構成する。
まず、ヒンジ部5よりも大きな第2のプリプレグを成形してヒンジ部5用の第2の繊維樹脂材料を形成する。
次に、壁部3に合せてカットされた第1の織物プリプレグを壁部3の厚みの略半分まで所定の配向角度で積層し、上記第2の繊維樹脂材料におけるヒンジ部5に相当する領域を除いた領域を途中まで積層した積層物に配置し、残りの第1の織物プリプレグを積層して成形する。つまり、成形したヒンジ部5を壁部3用の積層物に挟んで第1の織物プリプレグを成形する。
(6)方法6
第1の繊維(織物構造)に第1のマトリクス樹脂を含浸させた第1の織物プリプレグを使用して第1の繊維樹脂材料を成形し、第2の繊維(織物構造)に第2の樹脂を含浸させた第2の織物プリプレグを使用して第2の繊維樹脂材料を成形し、その後、第2の繊維樹脂材料のヒンジ部5の周辺となる部分を第1の繊維樹脂材料に接着剤で接合する。
なお、ゴムシートを使用する場合、第2の樹脂の代わりにゴムシートを第2の繊維の片面又は両面に貼り付けて第2の織物プリプレグを構成する。
(7)方法7
ゴムシートを使用する場合、第1の繊維(織物構造)に第1のマトリクス樹脂を含浸させた第1の織物プリプレグを使用して第1の繊維樹脂材料を構成し、第2の繊維(織物構造)の片面又は両面にゴムシートを貼り付けた第2の織物プリプレグを使用して第2の繊維樹脂材料を構成する。
ヒンジ部5よりも大きな第2のプリプレグにおけるヒンジ部5に相当する領域を除いた領域に所定の配向角度及び厚みに、壁部3に合せてカットされた第1の織物プリプレグを積層して一体成形する。
<実施例1>
図3の(a)に示すように、面状構造体1は正方形状をし、ヒンジ部5を所定の順序で折り畳むと、図3の(b)に示すような蓋部分が開放する容器本体7となる。このように、容器として使用しない場合は、展開してコンパクトに収容できる。
面状構造体1は一辺が285mmである。容器本体7は、底面の一辺が100mmの正方形状をし、高さが50mmである。ヒンジ部5の線幅は4mmである。なお、底面の一辺は高さの2倍である。
1.面状構造体
(1)壁部
壁部3は、第1の繊維として目付が200g/mの織物構造の炭素繊維(帝人株式製商品:W3101)を用いている。第2のマトリクス樹脂としてエポキシ樹脂を用いている。壁部3は織物プリプレグを利用しており、積層数は4層である。体積繊維含有率は60%である。
(2)ヒンジ部
ヒンジ部5は、第2の繊維として、目付が300g/mの織物構造のガラス繊維と、目付が200g/mの織物構造のアラミド繊維とを用いている。第2の樹脂はシリコーン樹脂(0.001Pa・s)を用いている。ヒンジ部5は、ガラス繊維とアラミド繊維を1層ずつ、合計2層している。ここでは、ガラス繊維は0°/90°で、アラミド繊維は±45°で積層されている。体積繊維含有率は50%である。
(3)製造方法
面状構造体1は、上記の「4.製造方法(5)方法5」で説明した方法で製造した。
2.折線(ヒンジ部)、壁部
ここでの面状構造体1は、容器本体7を構成するための折線を有し、壁部3間に直線状に存在するヒンジ部5を有する。
面状構造体1は、ヒンジ部5で折り畳むと、図3の(b)に示すような容器本体7となる。容器本体7は、底面、側面がそれぞれ2つの壁部3から構成される、2重構造をする。
このため、面状構造体1は、図3の(a)に示すように、外面側の底壁となる外底壁部3a、外面側の側壁となる外側壁部3b、内面側の側壁となる内側壁部3c、内面側の底壁となる内底壁部3d、隣接する外側壁部3b間に存在し内側に折り返される外折返壁部3e、隣接する内側壁部3c間に存在し内側に折り返される内折返壁部3fを備える。
3.折り畳み順序
図4から図6を用いて説明する。なお、ここでの折り畳み順序は一例であり、他の順序で折り畳むこともできる。
(1)面状構造体1を全開状態(折り畳んだ壁部がない状態)にし、図4の(a)に示すように、外底壁部3aの一辺を通る第1の折線5aで、当該第1の折線5aの外側(外底壁部3aと反対側)に位置する第1部分Aを矢印の向きで立設するように折る(図4の(b)参照)。
(2)図4の(b)に示すように、次に第1部分Aにおける外側壁部3bと内側壁部3cとの間の第2の折線5bで、第2の折線5bの外側に位置する第2部分Bを矢印の向きで内側に折り込む。この際、図4の(c)に示すように、第2部分Bの内底壁部3dが外側に露出するように、第3の折線5cで内側壁部3cに対して内底壁部3dを折り畳む。この折り畳んだ状態が、図5の(a)である。
(3)図5の(a)に示すように、外底壁部3aにおいて第1部分Aと対向する第3部分Cを第4の折線5dで第1部分Aと同じように立設するように折った後、第3部分Cの外側壁部3bと内側壁部3cとの間の第5の折線5eで、内底壁部3dが露出するように第4部分Dを内側に折り畳む。これにより、図5の(b)に示すように、外底壁部3aの対向する2側壁が形成される。
(4)図5の(b)に示すように、外底壁部3aにおける対向する第1部分Aと第3部分Cとの隣接する一方の辺を通る第6の折線5fで当該一方の辺の外側に位置する第5部分Eを、外折返壁部3eを内側に折り込みながら、立設するように折る。この途中状態が図5の(c)であり、この状態から、外側壁部3bと内側壁部3cとの間に内折返壁部3fと外折返壁部3eとが挟まれるように、そして、図6の(a)に示すように、第6部分Fの内底壁部3dが外側に露出するように、内側壁部3c等を折り畳む。折り込んだ状態が図6の(b)である。
(5)図6の(b)に示すように、外底壁部3aにおいて第5部分Eと対向する第7部分Gを第8の折線5hで、第5部分Eと同じように、立設するように折った後、外側壁部3bと内側壁部3cとの間に内折返壁部3fと外折返壁部3eとが挟まれるように、そして内底壁部3dが露出するように、内側壁部3c等を折り畳む。これにより、図6の(c)に示すように、容器本体7が形成される。
<実施例2>
図7の(a)に示すように、面状構造体11は正方形状に近い矩形状をし、ヒンジ部15を所定の順序で折り畳むと、図7の(b)に示すような両端が塞がれた中空三角柱状の容器本体17となる。
面状構造体11は、800mm×950mmの方形状をしている。容器本体17の高さ(軸方向の寸法)は540mmで、底部分と蓋部分は一辺が230mmの正三角形である。なお、ヒンジ部15の線幅は5mmである。
壁部13は、炭素繊維樹脂材料であり、炭素繊維(織物)プリプレグ(帝人株式会社商品:W3101/Q112)を2層したものであり、ヒンジ部15はガラス繊維樹脂材料であり、ガラス織物(ニットーボー商品:WR570C−100CS)にシリコーン樹脂(信越化学工業株式会社商品:KE-45-TS)を塗布したものである。
<実施例3>
図8の(b)に示すように、蓋27a付きの容器本体27であってもよい。この場合の面状構造体21を図8の(a)に示す。但し、この場合、面状構造体21は四角形状でなくなる。
さらに、図9の(a)の面状構造体31にして、正方形の底壁部33a,33b、蓋壁部33cを有する容器本体37としてもよい。この場合も、面状構造体31は四角形状でなくなる。
<第2実施形態>
第1実施形態の面状構造体は1枚の平板状をしているが、立体状から折り畳むことで平板状となる構造体であってもよい。換言すると、第1実施形態の面状構造体は重なり部分を有しない板状にできる(図3の(a)参照)が、面状構造体は重なり部分を有する板状の構造体(重なり部分を有しない板状にできない構造体)であってもよい。
第2実施形態では、板状にした際に壁部同士の重なり部分を有する面状構造体101について説明する。
また、第2実施形態では、ヒンジ部を構成する第2の樹脂としてゴムシートを備える面状構造体101,151について説明する。なお、ゴムシートは、本発明の可撓板状体の一例に相当する。
<第2実施例1>
1.概要
構造体101は、折り畳んだ状態において図10の(a)に示すように平板状をし、展開した状態において図10の(b)に示すように筒状をし、さらに、展開後の筒状の状態で端壁部を折り畳むことで図10の(c)に示すように箱状となる。
以下、図10の(a)のような状態を「板状態」とし、図10の(b)のような状態を「筒状態」とし、図10の(c)のような状態を「箱状態」とする。
ここでの構造体101の筒状態は四角(正四角形)筒状をし、箱状態は一端が開放し他端が閉塞する箱状をしている。なお、一端側も他端と同様の端壁部を有することで、密閉した箱状となる。
2.構成等
構造体101は、4つの側壁部111〜114と、4つの端壁部121〜124とを有する。側壁部111〜114及び端壁部121〜124は、隣接する他の側壁部111〜114又は端壁部121〜124とヒンジ部130を介して屈曲自在に接続されている。
(1)側壁部
側壁部111〜114は例えば正方形をしている。側壁部111は、他の側壁部112〜114と同じ構成の本体部分111aと、周方向の一方側に隣接する他の側壁部114にヒンジ部130を介して連結する連結部分111bとを有する。側壁部111は、本体部分111aと連結部分111bとを重ね合わせてなる。
なお、側壁部112〜114は本体部分112a〜114aから構成される。
(2)端壁部
端壁部121〜124は、筒状態における横断面形状を2分した矩形状をしている。つまり、筒状態の構造体101の筒軸を挟んで対向する2つの端壁部(ここでは、端壁部121と端壁部123との組み合わせ、端壁部122と端壁部124との組み合わせが該当する)により、筒状態にある4つの側壁部111〜114の他端側を塞ぐことができる。
端壁部121〜124の矩形状は、長辺が側壁部111〜114の周方向に延伸する一辺と同じ長さであり、短辺が側壁部111〜114の周方向に延伸する一辺の半分の長さである。
端壁部121は、本体部分121aと、周方向の一方側に隣接する他の端壁部124にヒンジ部130を介して連結する連結部分121bとを有する。端壁部121は、本体部分121aと連結部分121bとを重ね合わせてなる。
筒軸を挟んで対向する一方の組み合わせである端壁部122,124は、1つの二等辺三角形状部分122a,124aと、2つの直角二等辺三角形状部分122b,122c、124b,124cとを有している。
二等辺三角形状部分122a,124aの形状は、底辺が側壁部111〜114の周方向に延伸する一辺と同じ長さであり、高さが側壁部111〜114の周方向に延伸する一辺の半分の長さである。二等辺三角形状部分122a,124aは、その底辺で筒軸方向に隣接する側壁部111〜114にヒンジ部130を介して屈曲自在に接続される。
直角二等辺三角形状部分122b,122c、124b,124cの形状は、直角を挟む2つの辺が側壁部111〜114の周方向に延伸する一辺の半分の長さである。2つの直角二等辺三角形状部分122b,122c、124b,124cは、その斜辺(直角と対向する辺)が二等辺三角形状部分122a,124aの等辺にヒンジ部130を介して屈曲自在に接続される。
(3)構成
ヒンジ部130は、第2の繊維としてのガラス繊維を用いたガラス織物を±45°で積層してなる繊維層と、繊維層の両面に配されたゴムシートとから構成される。ガラス織物の目付は200g/mである。ゴムシートは、接着用シートを利用しており、その厚みが1.5mmである。
側壁部111〜114及び端壁部121〜124は、ヒンジ部130と同じ構成のベース(ゴムシート/GF織物±45°/ゴムシート)と、当該ベースの両面に炭素繊維(織物)プリプレグ(帝人株式会社商品:W3101/Q112)を2層(±45°)積層してなる。
3.製造方法
構造体101は、図11の(a)に示すように、矩形状の積層体103を作成し、図11の(b)に示すように積層体103における周方向の両端同士を重ねた状態で成形することで得られる。
(1)積層体
積層体103は、ガラス織物(樹脂なし)を±45°で積層してなる繊維層の両面にゴムシートを貼り付けてベース105を作製し、側壁部111〜114、端壁部121〜124に対応する大きさの炭素繊維プリプレグ106をベース105の両面であって側壁部111〜114及び端壁部131〜134に対応する部位に積層し、連結部分111b,121bに対応する大きさの炭素繊維プリプレグ106をベース105の外面であって連結部分111b,121bに対応する部位に積層してなる(図11の(b)参照)。
ベース105における炭素繊維プリプレグ106が貼り付けられた部分が、側壁部111〜114、端壁部121〜124及び連結部分111b,121bとなり、ベース105における炭素繊維プリプレグ106が貼り付けられていない部分107がヒンジ部130となる。
積層体103において、側壁部111と端壁部121とに相当する領域を第1積層領域141とし、側壁部112と端壁部122とに相当する領域を第2積層領域142とし、側壁部113と端壁部123とに相当する領域を第3積層領域143とし、側壁部114と端壁部124とに相当する領域を第4積層領域144とし、側壁部111の連結部分111bと端壁部121の連結部分121bとに相当する領域を第5積層領域145とする。
第1積層領域141〜第5積層領域145は、側壁部111〜114と端壁部131〜134とが接続する方向と直交する方向に並設されている。この直交する方向が、筒状態の構造体101の周方向となる。
なお、第5積層領域145は第4積層領域144における第3積層領域143と反対側に設けられている。
(2)重ね合わせ
積層体を、図11の(b)に示すように、第1積層領域141と第2積層領域142との間、第3積層領域143と第4積層領域144との間で折り返すと共に第5積層領域145を第1積層領域141に重ねる。
換言すると、第1積層領域141と第2積層領域142とが対向し、第3積層領域143と第4積層領域144とが対向するように、積層体103の第1積層領域141と第4積層領域144とを折り返し、第5積層領域145を第1積層領域141に重ねる。
この際、対向する第1積層領域141と第2積層領域142との間、第3積層領域143と第4積層領域144との間に離型部材(図示省略)を介在させる。なお、離型部材として、例えば、離型処理された板状体(例えば金属板)や離型処理されたシート体、フィルム体等を利用できる。
(3)成形
上記のように積層体103を離型部材を介在させた状態で折り返した折返体を、例えば、プレスにより加熱・加圧(プレス成形)したり、真空バック内で加熱(真空バック成形)したり、オートクレーブにより成形(オートクレーブ成形)したりすることで、構造体101が得られる。
<第2実施例2>
1.概要
構造体151は、折り畳んだ状態において図12の(a)に示すように平板状をし、展開した状態において図12の(b)に示すように箱状となる。
以下、図12の(a)のような状態を「板状態」とし、図12の(b)のような状態を「箱状態」とする。
ここでの構造体151の箱状態は、一端が開放し他端が閉塞し、一端側から見ると正方形状をしている。
2.構成等
構造体151は、4つの側壁部161〜164と、1つの端壁部165とを有する。側壁部161〜164及び端壁部165は、隣接する他の側壁部161〜164又は端壁部165とヒンジ部170を介して屈曲自在に接続されている。
側壁部161〜164、端壁部165及びヒンジ部170を構成する繊維や樹脂(ゴムシート)は第2実施例1と同じであるが、異なる構成としてもよい。
ゴムシートを使用することで、第2の繊維が露出することがなくなり、例えば、音(振動)、気体、液体等がヒンジ部170を通過するのを抑制(密閉特性を向上)できたり、ヒンジ部170への物の接触による損傷等を防止(保護特性を向上)できたりする。
端壁部165は正方形をしている。側壁部161〜164の矩形状は、端壁部165の一辺の長さを長辺とし、端壁部165の一辺の長さの半分を短辺とする。少なくとも1組の対向する側壁部161,163は、図12の(b)に示すように、1つの二等辺三角形状部分161a,163aと、2つの直角二等辺三角形状部分161b,161c、163b,163cとを有している。
二等辺三角形状部分161a,163aの形状は、底辺が端壁部165の一辺と同じ長さであり、高さが端壁部165の一辺の半分の長さである。二等辺三角形状部分161a,163aは、その底辺で端壁部165にヒンジ部170を介して屈曲自在に接続される。
直角二等辺三角形状部分161b,161c、163b,163cの形状は、直角を挟む2つの辺が端壁部165の一辺の半分の長さである。2つの直角二等辺三角形状部分161b,161c、163b,163cは、斜辺(直角と対向する辺)が二等辺三角形状部分161a,163aの等辺にヒンジ部170を介して屈曲自在に接続される。
上記の構成により、図12の(b)に示す箱状の構造体150を折り畳むと、図12の(a)に示す側壁部161,163が、2つの直角二等辺三角形状部分161b,161c、163b,163cが二等辺三角形状部分161a,163aと重なった二等辺三角状となる。
3.製造方法
構造体151は、ガラス織物、ゴムシート及び炭素繊維プリプレグを板状態の構造体151に対応するように積層した積層体180(図13の(c)参照)を成形することで得られる。以下、積層体180の作成について説明する。
(1)積層体
積層体180は、例えば、以下のようにして積層される。
第1に、図13の(a)に示すように、ガラス織物(樹脂なし)を±45°で積層してなる繊維層181の両面であってヒンジ部170に相当する部位に帯状のゴムシート182を貼り付ける。図中におけるハッシング部分がゴムシート182である。
第2に、図13の(b)に示すように、側壁部161〜164及び端壁部165に対応する大きさの炭素繊維プリプレグ183と、側壁部161〜164に相当する炭素繊維プリプレグ183同士を接続するための炭素繊維プリプレグ184とを対応する部位に積層する。この積層したものを予備積層体188とする。
第3に、予備積層体188において、側壁部161,163の二等辺三角形状部分161a,163a、端壁部165及びヒンジ部170に対応する部分183b,183c、183a、182a,182bに離型シートを配置(図示省略)する。
次に、側壁部162,164に対応する部分183d,183eを離型シートと重なるように内側に折り返し、側壁部161,163の直角二等辺三角形状部分161b,161c、163b,163cに対応する部分183f〜183iと接続用の炭素繊維プリプレグ184とを離型シートと重なるように内側に折り返す。
これにより、側壁部162,164に対応する部分183d,183eと、側壁部161,163の直角二等辺三角形状部分161b,161c、163b,163cに対応する部分183f〜183iとが、炭素繊維プリプレグ184により接続される。
<第3実施形態>
第1実施形態及び第2実施形態の面状構造体は、壁部とヒンジ部とを一体に備える(個別に作成した後に接着剤、ねじ等で固定したものを含む)が、複数の壁部が付け外し可能に備える構造体であってもよい。
第3実施形態では、壁部とヒンジ部とを有する複数のパネルを備える構造体200について説明する。第3実施形態では、他のパネルと着脱可能に結合する結合部分以外の壁部の構成、ヒンジ部の構成は、第2実施形態と同じであるが、第1実施形態と同じであってもよいし、第1実施形態と第2実施形態と異なる構成であってもよいし、これらを組み合わせた構成であってもよい。
<第3実施例1>
1.概要
構造体200は、折り畳んだ状態において図14の(a)に示すように平板状をし、展開した状態において図14の(b)に示すように箱状となる。
以下、図14の(a)のような状態を「板状態」とし、図14の(c)のような状態を「箱状態」とする。
ここでの構造体200の箱状態は、一端(図14(b)では下部)が開放し、他端が閉塞する箱状をし、他端側から見ると矩形状をしている。
構造体200は、図14の(c)に示すように、メインパネル210と、サイドパネル221,222とを個別に備える。
2.構成
(1)メインパネル
メインパネル210は、図14の(c)に示すように、端壁部211、2つの側壁部212,213を第1方向に沿って有する。なお、第1方向と直交する方向を第2方向とする。
端壁部211は、矩形状の本体部分211aと、本体部分211aの第2方向の端側に結合部分211b,211cを有し、本体部分211aと結合部分211b,211cは第1方向に延伸するヒンジ部231を介して接続されている。
側壁部212,213は、矩形状の本体部分212a,213aと、本体部分212a,213aの第2方向の端側に結合部分212b,213b、212c,213cを有し、本体部分212a,213aと結合部分212b,213b、212c,213cは第1方向に延伸するヒンジ部231を介して接続されている。
端壁部211及び側壁部212,213は、第2方向の中央を第1方向に延伸するヒンジ部232を有する。
端壁部211は、当該端壁部211を折り畳んで平面状にするためのヒンジ部233を有する。ヒンジ部233は、端壁部211と側壁部212,213とを接続するヒンジ部231から本体部分211aの内側へと二等辺三角状に延伸する。
(2)サイドパネル
サイドパネル221,222は、箱状態の構造体201の側壁を構成する。なお、サイドパネル221,222は、メインパネル210の端壁部211や側壁部212,213と同じ構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。つまり、サイドパネル221,222は、ヒンジ部231,232,233を構成する第2の繊維やゴムシートを備えなくてもよい。
(3)結合構造
ここでの結合構造は、サイドパネル221,222の第2方向の一端部が、メインパネル210の端壁部211又は側壁部212,213の結合部分211b,211c、212b,213b、212c,213cの溝に嵌合する構造を採用している。
結合部分211b,211c、212b,213b、212c,213cの溝は、例えば、メインパネル210用のプリプレグを積層する際に、溝に相当する部分に離型処理したスペーサを配置して成形することで得られる。
<第3実施例2>
第3実施例2は、図15の(a)に示すように、サイドパネル250は開閉自在なドア261を一体で備えるものである。なお、ドア261の開閉はヒンジ部を利用して行われる。
以下、開閉自在なドア261を備えるサイドパネル250について説明する。
サイドパネル250は、図15の(a)に示すように、本体部251に開口252を有し、当該開口252がドア261により開閉自在とされている。
以下、主に、図15の(b)を用いて説明する。
1.ドア
ドア261は、本体部251に固定される固定部262と、開口252を開閉するためのドア部263と、固定部262に対して屈曲自在にドア部263を接続するヒンジ部264とを有する。
固定部262とドア部263とは、ガラス織物(樹脂なし)を±45°で積層してなる繊維層273と、繊維層273の両面に貼り付けられたゴムシート274と、各ゴムシート274の外面側に積層された第1の繊維樹脂材料275とを備える。なお、第1の繊維樹脂材料275は、例えば炭素繊維(織物)プリプレグを±45°で積層してなる。
ヒンジ部264は、固定部262の繊維層273とドア部263の繊維層273とに跨って積層されたゴムシート274により構成されている。
2.本体部
本体部251は、第3実施例1と同様に、ガラス織物(樹脂なし)を±45°で積層してなる繊維層253と、繊維層253の両面に貼り付けられたゴムシート254と、各ゴムシート254の外面側(ここでは両面である)に積層された第1の繊維樹脂材料255とを備える。なお、第1の繊維樹脂材料255は、例えば炭素繊維(織物)プリプレグを±45°で積層してなる。
本体部251における第1の繊維樹脂材料255は、ドア261の固定部262を被覆するように延伸する延伸部分255aを有し、当該延伸部分255aがドア261の固定部262の第1の繊維樹脂材料275と結合されている。ここでは、本体部251の第1の繊維樹脂材料255(延伸部分255a)とドア261の第1の繊維樹脂材料275とは一体成形により結合されている。なお、第1の繊維樹脂材料255,275は同じ構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。
第1の繊維樹脂材料255における開口252の周辺部分は、開口252側に張り出す張出部分255bとなっている。張出部分255bは、ドア261の閉動作を規制する機能を有する。ここでは、張出部分255bは、サイドパネル250の裏側に位置する第1の繊維樹脂材料255に設けられている。なお、本体部251は、張出部分255bの裏側に第1の繊維樹脂材料257を備える。当該第1の繊維樹脂材料257は、張出部分255bを内側から補強する機能を有する。
3.製造
ドア261付きのサイドパネル250は、例えば、本体部251における開口252の周辺部分において、ドア部263との間に離型シートを配し、一体で成形することにより得ることができる。
<第4実施形態>
第1実施形態から第3実施形態の構造体は壁部とヒンジ部とを一体に備えているが、例えば2枚のパネルを屈曲自在に連結するヒンジ体を利用してもよい。
ヒンジ体は、第2の繊維と第2の樹脂とから構成されるヒンジ部と、2枚のパネルを付け外し可能に結合する結合部とを備える。
<第4実施例1>
ヒンジ体301は、図16の(a)及び(b)に示すように、第1方向に延伸するヒンジ部303と、ヒンジ部303に対して第1方向と直交する第2の方向の両側に設けられた結合部305,305とを有する。
結合部305は、第2方向からパネル300(一点鎖線で示す)が挿入される溝307を有する。結合部305は、一対の板状体309をヒンジ部303に固定することで構成される。ヒンジ体301は、図16の(c)に示すように、ヒンジ部303で屈曲することで、パネル300を折り畳む(折り返す)ことができる。
<第4実施例2>
ヒンジ体351は、図17の(a)に示すように、第1方向に延伸する第1ヒンジ部352と、第1ヒンジ部352(第1方向)に対して傾斜する第2の方向に延伸する第2ヒンジ部353と、第1ヒンジ部352と第2ヒンジ部353とに跨るように設けられた4つの結合部354〜357とを有する。ここでは第2方向は第1方向と直交する。結合部354〜357は、内部にパネル用の溝358〜361を有する。
第1ヒンジ部352、第2ヒンジ部353及び結合部354〜357は、第4実施例1のヒンジ部303と結合部305,305と同じ構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。
図17の(a)に示すように、第1ヒンジ部352を仮想線Xで折り返し、さらに、第2ヒンジ部353を仮想線で折り返すと、図17の(b)に示すように「L」字状となる。
<第5実施形態>
ヒンジ部(ヒンジ体)及びその周辺部(壁部)の構成について説明する。
1.第5実施例1
ヒンジ部401は、図18の(a)に示すように、第2の繊維402と第2の樹脂403とを同じ大きさで有し、ヒンジ部401の端部401aが壁部404に固定されている。固定は、端部401aが壁部404の溝に挿入されて接着剤等で固定されてもよいし、壁部404を繊維樹脂材料で構成して壁部404の端部をヒンジ部401を構成する第2の樹脂403の端部403aに積層して成形してもよい。
ヒンジ部401の第2の樹脂403は、図18の(b)に示すように、第2の繊維402の片面に設けてもよい。ヒンジ部401の第2の繊維402は、図18の(c)や(d)に示すように第2の樹脂403より大きくしてもよいし、小さくしてもよい。
なお、第2の樹脂403を片面にのみ設ける場合(図18の(b)及び(d))、例えば、使用用途が液体等を貯留する場合、液体と面する側に第2の樹脂403を設けることが好ましい。
2.第5実施例2
ヒンジ部411は、図19の(a)に示すように、壁部414の内部で端部412aが固定されている第2の繊維412と、第2の繊維412の両面であって離間する壁部414との間及び壁部414の端部414aとを覆う状態で配された第2の樹脂413とを有し、ヒンジ部411の端部411aが壁部414の端部414aの表面に固定されている。固定は、第2の繊維412の端部412aが壁部414の溝に挿入されて接着剤等で固定されてもよいし、壁部414を繊維樹脂材料で構成して壁部414の端部414aを第2の繊維412の端部412aに積層して成形してもよい。なお、第2の樹脂413は、壁部414を連結する方向(単に、「連結方向」ともいう)の大きさが第2の繊維412と略同じである。
ヒンジ部411の第2の樹脂413は、図19の(b)に示すように、第2の繊維412の片面に設けてもよい。ヒンジ部411の第2の繊維412は、図19の(c)や(d)に示すように第2の樹脂413より大きくしてもよいし、小さくしてもよい。
なお、第2の樹脂413を片面にのみ設ける場合(図19の(b)及び(d))、例えば、液体等を貯留する用途では、液体と面する側に第2の樹脂413を設けることが好ましい。
3.第5実施例3
ヒンジ部421は、第2の繊維422の両面に第2の樹脂423を有している。第2の樹脂423を両面に設ける場合、図20の(a)に示すように、第2の樹脂423Aは、第2の繊維422の一方の面であって離間する壁部424との間及び壁部424の端部424aの一方の面とを覆う状態で配され、第2の樹脂423Bは、第2の繊維422の他方の面であって離間する壁部424との間を覆う状態で配されてもよい。この際、第2の繊維422の連結方向の大きさは、図20の(a)に示すように第2の樹脂423Aと略同じであってもよいし、図20の(b)に示すように第2の樹脂423Aより大きくてもよいし、小さくてもよい。
第2の樹脂423は、図20の(c)に示すように、第2の繊維422の両面であって離間する壁部424との間とを覆う状態で配されてもよい。この際、第2の繊維422は、図20の(c)に示すように離間する壁部434の端部に跨るように設けられてもよいし、図20の(d)に示すように離間する壁部434の端部よりも広い領域に跨るように設けられてもよい。
4.第5実施例4
第5実施例1から第5実施例3の第2の繊維402,412,422は壁部404,414,424の内部に挿入される状態で壁部404,414,424に固定されている。第5実施例4のヒンジ部431は、壁部434の一方の面に固定される第2の繊維432を有する。固定は、第2の繊維432の端部432aが壁部434の面に接着剤等で固定されてもよいし、ねじ等により固定されてもよいし、壁部434を繊維樹脂材料で構成して壁部434の樹脂と一体成形により固定されてもよい。
ヒンジ部431は、図21の(a)〜(e)に示すように、壁部434の一方の面に固定されている第2の繊維432を有する。
第2の繊維432を覆う第2の樹脂は、図21の(a)〜(c)に示すように第2の繊維432の両面を覆う樹脂433A,433Bであってもよいし、図21の(d)、(e)に示すように第2の繊維432の一面のみを覆う樹脂433Aであってもよい。
第2の繊維432の両面を覆う一方の第2の樹脂433Aは、図21の(a)に示すように、第2の繊維432の一方の面の全体を覆ってもよいし、図21の(b)及び(c)に示すように第2の繊維432の一方の面の一部を覆ってもよい。
一方の樹脂433Aの連結方向の大きさは、図21の(a)及び(b)に示すように他方の樹脂433Bよりも大きくてもよいし、図21の(c)に示すように他方の樹脂433Bと略同じであってもよいし、小さくてもよい。
第2の繊維432の両面を覆う他方の第2の樹脂433Bは、図21の(a)〜(c)に示すように、第2の繊維432の他方の面であって壁部434間を覆う。
第2の繊維432の一面のみを覆う第2の樹脂433Aは、図21の(d)及び(e)に示すように第2の繊維432における壁部434が位置する側と反対側の面に設けられてもよいし、図示しないが、第2の繊維432における壁部434が位置する側の面に設けられてもよい。
第2の繊維432は、図21の(a)及び(d)に示すように離間する壁部434の端部に跨るように設けられてもよいし、図21の(b)、(c)及び(e)に示すように、離間する壁部434の端部よりも広い領域に跨るように設けられてもよい。
5.第5実施例5
第5実施例4のヒンジ部431は壁部434の片面に設けられているが、ヒンジ部441は、図22に示すように、壁部444の両面に設けられてもよい。
この際、第2の繊維442は、図22の(a)に示すように離間する壁部444の端部444aに跨るように設けられてもよいし、図22の(b)に示すように離間する壁部444の端部444aよりも広い領域に跨るように設けられてもよいし、図22の(c)に示すように一方の繊維442Aが離間する壁部444の端部444aに跨るように設けられ且つ他方の繊維442Bが離間する壁部444の端部444aよりも広い領域に跨るように設けられてもよい。また、図22の(c)における他方の繊維442Bに変えて第2の樹脂を利用してもよい。
6.第5実施例6
第5実施例5のヒンジ部441は第2の繊維442が壁部444に結合されている。第5実施例6のヒンジ部451は、図23の(a)に示すように、第2の繊維452と、第2の繊維452の両面に配された第2の樹脂453とを有し、壁部454側の第2の樹脂453が壁部454に結合されている。この際、図23の(b)に示すように、第2の繊維452、第2の樹脂453は壁部454を広い範囲で覆ってもよい。
なお、ヒンジ部441は、図23の(c)及び(d)に示すように、複数個の壁部454を屈曲自在に連結してもよい。
<変形例>
以上、第1〜第5実施形態と実施例を説明したが、これらの実施形態や実施例に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
第1実施形態の実施例1〜2の面状構造体1,11は四角形状をし、実施例3の面状構造体21,31は四角形状をしていない。面状構造体の形状は、これら以外、例えば、三角形状等の多角形状であってもよく、容器本体の構造・形状によって適宜決定される。
実施例1では2つの面状構造体1を用いて容器を構成し、実施例2〜4では1つの面状構造体で蓋付き(底付き)の容器(容器本体)を構成している。
しかしながら、実施例1のような蓋のない容器本体を容器として使用してもよい。例えば、蓋のない容器本体を1つの面状構造体で構成してもよいし、蓋のない容器本体用の面状構造体と、当該容器本体の底壁のみを強化する専用の底壁体との2つの面状構造体により構成してもよい。
また、面状構造体の折り線は、所謂、折り紙を利用して容器本体を構成できるものであれば、本発明に係る面状構造体に適用して構体を構成できる。
容器本体(容器)は、中空の直方体や立方体であってもよいし、円柱状、三角柱等の多角柱であってもよい。この場合、一面が開放していてもよいし、塞がっていてもよい。なお、蓋部分が開放する形状の構体は、蓋部分が開放して使用できる場合は容器として構成され、蓋部分が塞がれて使用される場合は容器本体をして構成される。つまり、使用用途により構体は容器本体と容器とに区別される。
1 面状構造体
3 壁部
5 ヒンジ部
7 容器本体

Claims (11)

  1. 面状構造体を折り畳むことで容器本体が構成される構体であって、
    前記面状構造体は、第1の繊維樹脂材料からなる複数の壁部と、前記複数の壁部間に直線状に存在し且つ第2の繊維を含む折り畳み自在なヒンジ部とからなり、折り畳みの際の折線に相当する部位に前記ヒンジ部が位置する折紙構造を有する
    構体。
  2. 前記ヒンジ部は前記第2の繊維と第2の樹脂とからなり、
    第2の樹脂の弾性率は、前記壁部の第1の繊維樹脂材料を構成する第1のマトリクス樹脂の1/10以下である
    請求項1に記載の構体。
  3. 前記容器本体は、底壁又は蓋壁が開放する直方体の箱状をする
    請求項1又は2に記載の構体。
  4. 前記面状構造体は2種類あり、
    第1の面状構造体は蓋壁が開放する第1容器本体に折り畳まれ、
    第2の面状構造体は底壁が開放する第2容器本体に折り畳まれ、
    前記第1容器本体の開口が前記第2容器本体により塞がれる
    請求項3に記載の構体。
  5. 前記容器本体は、中空多角柱の箱状をする
    請求項1又は2に記載の構体。
  6. 前記面状構造体は、方形又は矩形状をしている
    請求項1〜5の何れか1項に記載の構体。
  7. 第1パネルと第2パネルとを折り畳み自在に連結するヒンジ体において、
    前記第1パネルと前記第2パネルとに結合される織布と、
    前記織布における少なくとも一方の主面を覆う可撓板状体と
    を備える
    ヒンジ体。
  8. 前記織布は、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、綿、麻、鉄繊維、銅繊維から選択される1種以上の繊維から構成され、
    前記可撓板状体は、ゴム、熱可塑性樹脂から選択される1以上の材料により構成されている
    請求項7に記載のヒンジ体。
  9. 前記織布は、前記織布とマトリクス樹脂とからなる繊維樹脂材料により構成され、
    前記可撓板状体は前記繊維樹脂材料を覆う
    請求項7又は8に記載のヒンジ体。
  10. 第1パネルと第2パネルとがヒンジ体により折り畳み自在に連結されてなる構体であって、
    前記ヒンジ体は、請求項7〜9の何れか1項に記載のヒンジ体である
    構体。
  11. 第1パネルと第2パネルとがヒンジ部により折り畳み自在に連結されてなる構体であって、
    前記第1パネル及び前記第2パネルの少なくとも一方は第1の繊維樹脂材料からなり、
    前記ヒンジ部は、前記第1パネルと前記第2パネルとに結合される第2の繊維樹脂材料と、前記第2の繊維樹脂材料における少なくとも一方の主面を覆う可撓板状体とを備え、
    前記第2の繊維樹脂材料は、織布と、弾性率が前記第1の繊維樹脂材料を構成する第1のマトリクス樹脂の1/10以下である第2の樹脂とから構成される
    構体。
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