JP2020061919A - 鉄道車両および鉄道車両の電力制御方法 - Google Patents

鉄道車両および鉄道車両の電力制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】直流き電方式においてレール対地電圧を適切に制御する。【解決手段】電力供給設備から供給される電力によって動作する鉄道車両が、対象位置におけるレールの対地電圧の情報をパラメータの一つとして取り込み当該情報を基に電力制御を実行する電力制御システムを備える。鉄道車両は、更に、電力制御システムによって制御された電力を供給される駆動装置と、電力制御システムによって制御された電力を供給される補器と、のいずれか一つを少なくとも備える。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道車両に関する。
電気鉄道では、変電所から供給された電流は電車で消費された後、レールを経由して変電所に戻るよう回路が構成されている。この際、レールの抵抗値とレールを流れる電流(以下、帰線電流)の積で、変電所近傍と電車近傍で電位差が発生する。一般的に、レールは電食防止の観点から大地と絶縁される処理が施されるが、完全な絶縁処理は不可能であり、若干の電流の漏れが発生する。その結果、変電所近傍では、レールと大地の電位差であるレール対地電圧が負の方向に高くなり、電車近傍ではレール対地電圧が正の方向に高くなる。レールの抵抗値は、レールの長さに比例して高くなるため、変電所と電車の距離が遠くなるほどレール対地電圧の絶対値は高くなる。また、レール対地電圧の絶対値の高さはレールを流れる電流に比例するため、変電所間に多くの電車が在線している場合や、消費電流の大きい電車が在線している場合には、レール対地電圧の絶対値が高くなる。レールの対地電圧の絶対値が高くなりすぎると、信号の軌道回路を電気的に絶縁するためのパットなどに高い電圧が加わり、寿命を短くする恐れがある。
これに対し、通常は設計の段階で、運行する電車の本数や消費電流を考慮し、間隔に余裕を持たせて変電所設置数を決定することで、大電流が流れる距離を短くし、レール対地電圧の絶対値が一定の範囲に収まるようにしている。
しかしながら、ダイヤ乱れ等により変電所間の電車本数が激増すると、通常より多くの帰線電流が流れ、レール対地電圧の絶対値が過度に上昇する可能性がある。また、変電所が故障して変電所間隔が広がった場合などにも、電車と変電所の距離が離れすぎ、レール対地電圧の絶対値が過度に上昇する可能性がある。この事態を想定し、変電所をさらに増やし間隔を詰めれば解決できるが、コストの大幅な増加につながるため経済的損失が大きくなる。
変電所を増やすことなく、レール対地電圧の絶対値を低減する技術として、特許文献1には、ATき電線方式において、インピーダンスボンド点や高架橋などの構造物の鉄筋を活用しレールを低抵抗接地することで、レール対地電圧の絶対値を低減する技術が提案されている。
特開2003-260963号公報
特許文献1に記載の技術は、交流き電方式で電化された鉄道路線において、レールを低抵抗で接地することで、レール対地電圧の絶対値の過度な上昇を抑制するものである。しかし、本技術は、直流き電方式よりも一般に列車電流が小さく電流の向きが変わる交流き電方式の鉄道車両の駆動システムにおいて有効な技術である。従って、特許文献1に記載の技術を、直流き電方式の鉄道車両の駆動システムには適用することができない。仮に、特許文献1に記載の技術を直流き電方式の鉄道車両の駆動システムに適用できたとした場合、直流き電方式では、列車電流が大きく電流の向きは変わらないため、大地に多くの電流(以下、迷走電流)が流れることで埋設菅の電食等を引き起こす恐れがある。
また、近年、国際規格に基づきレール対地電圧について過度な上昇防止が望まれており、低コストでレール対地電圧を適切に管理する手法が望まれている。
この問題を解決するため、本発明は、直流き電方式においてレール対地電圧を適切に制御することを目的とする。
電力供給設備から供給される電力によって動作する鉄道車両が、対象位置におけるレールの対地電圧の情報をパラメータの一つとして取り込み当該情報を基に電力制御を実行する電力制御システムを備える。鉄道車両は、更に、電力制御システムによって制御された電力を供給される駆動装置と、電力制御システムによって制御された電力を供給される補器と、のいずれか一つを少なくとも備える。
本発明によれば、直流き電方式においてレール対地電圧を適切に制御可能である。
実施例1における鉄道車両の電力制御システムの概略構成図である。 実施例1における使用電流制限指令情報の一例を示した図である。 実施例1におけるレール対地電圧取得部の内部構成の一例を示した図である。 レールと地面の電気的接続モデルの一例を示した図である。 帰線電流の経路とレール対地電圧の一例を示した図である。 漏れコンダクタンスが異なる大地におけるレール対地電圧の一例を示した図である。 実施例1におけるレール対地電圧取得部のレール対地電圧演算の一例を示した図である。 実施例1におけるエネルギ管理部の内部処理の一例を示した図である。 実施例1におけるエネルギ管理部の内部処理であるステップ503の内部構成の一例を示した図である。 実施例1における電力制限量に応じた電力制限配分の一例を示した図である。 実施例2における鉄道車両の駆動システムの概略構成図である。 実施例2におけるレール対地電圧取得部の内部構成の一例を示した図である。 実施例2におけるレール対地電圧取得部のレール対地電圧演算の一例を示した図である。 実施例2におけるエネルギ管理部の内部処理の一例を示した図である。 実施例2における任意位置におけるレール対地電圧基準値の一例を示した図である。 実施例3における鉄道車両の駆動システムの概略構成図である。 実施例3におけるレール対地電圧取得部の内部構成の一例を示した図である。 実施例3におけるき電関連情報の一例を示した図である。 実施例3における自車電力情報の一例を示した図である。 実施例3におけるレール対地電圧取得部のレール対地電圧演算の一例を示した図である。 実施例4における鉄道車両の駆動システムの概略構成図である。 実施例4におけるエネルギ管理部の内部処理の一例を示した図である。 実施例5における鉄道車両の駆動システムの概略構成図である。 実施例5におけるエネルギ管理部の内部処理の一例を示した図である。 実施例6における鉄道車両の駆動システムの概略構成図である。 実施例6におけるエネルギ管理手段の内部処理の一例を示した図である。
以下、本発明の幾つかの実施例について、図面を用いて説明する。
なお、以下の説明では、「xxx部」の表現にて機能を説明することがあるが、機能は、1以上のコンピュータプログラムが1以上のプロセッサによって実行されることで実現されてもよいし、1以上のハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))によって実現されてもよい。各機能の説明は一例であり、複数の機能が1つの機能にまとめられたり、1つの機能が複数の機能に分割されたりしてもよい。
また、以下の説明では、「鉄道車両」は、N両編成の列車である(Nは自然数)。
[鉄道車両の駆動システムの構成]
図1は、実施例1における鉄道車両の電力制御システムの概略構成図である。
図1に示す鉄道車両の電力制御システムは、レール対地電圧取得部101と、エネルギ管理部102と、補器電力制御装置103と、駆動電力制御装置104と、電動機105と、集電装置150と、車輪151とを備える。この電力制御システムは、変電所のような電力供給設備から直流架線(以下、架線)及び集電装置150経由で電力が供給される。補器電力制御装置103及び駆動電力制御装置104は、負荷の消費電力を制御する電力制御装置の一例である。したがって、本実施例における電力制御システムは、上位システムとしてエネルギ管理部102を有し、このエネルギ管理部102の下位システムとして補器電力制御装置103および駆動電力制御装置104を有している。また、以下の説明において、「自車」とは、当該電力システムを備えた鉄道車両を意味する。
レール対地電圧取得部101は、自車位置付近のレール対地電圧を取得し、取得したレール対地電圧を示す情報を含んだレール対地電圧関連情報171を、エネルギ管理部102へ出力する。レール対地電圧取得部101の構成及び処理については、後述する。
エネルギ管理部102は、少なくともレール対地電圧取得部101から出力されたレール対地電圧関連情報171をパラメータの一つとして取り込み、当該情報171を基に下位システムに対する電力制御の指令を計算する。またこの計算にあたり、補器電力制御装置103から出力された情報(それぞれ補器の一例である空調機器190や照明機器191の使用状況(例えば使用電流の値)を示す情報)である補器電力使用状況174と、駆動電力制御装置104から出力された情報(駆動機器の電力使用状況(例えば使用電流の値)を示す情報)である駆動電力使用状況175とを、それぞれ入力情報として取得する。
エネルギ管理部102は、それら入力された情報171、174及び175を基に、補器電力制御装置103と駆動電力制御装置104に対して、使用電力(本実施例では使用電流)の制限を指令する情報である使用電流制限指令情報172を出力する。エネルギ管理部102の処理及び使用電流制限指令情報172の詳細については、後述する。なお、使用電流制限指令情報172は、補器電力制御装置103及び駆動電力制御装置104のうちの少なくとも一つのような電力制御装置に対する指令情報の一例であって、低減すべき電流値の大きさを示す。
補器電力制御装置103は、集電装置150と車輪151の間で構成される電気回路によって供給された電力を、空調機器190や照明機器191に適切な電圧電流に変換する。空調機器190及び照明機器191の各々は、補器の一例である。「補器」は、主電動機105のような駆動機器以外の機器(例えば、サービス用の設備)である。補器電力制御装置103は、エネルギ管理部102から出力された使用電流制限指令情報172が示す補器についての電流制限指令値(使用が許可された電流の上限値)と、補器使用電流値(補器電力使用状況174が示す、補器の現在使用中の電流の値)を比較する。補器電力制御装置103は、空調機器190及び照明機器191の少なくとも1つについて電力負荷を絞る必要があると判断した場合(補器使用電流値が電流制限指令値を超えている場合)、空調機器190か照明機器191の少なくとも1つの使用電力が小さくなるよう電力を制御する。補器電力制御装置103は、近年の電車で主流となっている静止型インバータを用いたものでも良いし、電動機と発電機を直結した電動発電機を用いたものでも良い。また、空調機器190や照明機器191に電力を制御する機能が個別に搭載されている場合は、直接空調機器190や照明機器191に電力を制限する指令を出す方式でも良く、空調機器190や照明機器191の電力を制御できる形態であれば特に手段は問わない。なお、電流制限指令値は、電流の制限量の指令値でも良く、その場合、補器電力制御装置103は、電流制限指令値と補器使用電流値との比較に代えて、補器使用電流値が電流制限指令値分下がるような電力制御をしても良い。
駆動電力制御装置104は、集電装置150と車輪151の間で構成される電気回路によって供給された電力を、主電動機105を駆動するのに適切な電流電圧に変換する。駆動電力制御装置104は、基本的には車速や運転操作などによって変化する駆動電力を出力するが、エネルギ管理部102から出力された使用電流制限指令情報172が示す駆動機器についての電流制限指令値と、駆動使用電流値(駆動電力使用状況175が示す、主電動機105の現在使用中の電流の値)を比較する。駆動電力制御装置104は、主電動機105について電力負荷を絞る必要があると判断した場合は(駆動使用電流値が電流制限指令値を超えている場合は)、主電動機105を駆動する電力が小さくなるよう制限する。駆動電力制御装置104は、近年主流のインバータ制御方式を用いたものでも良いし、界磁チョッパ制御方式や界磁添加励磁制御方式、抵抗制御方式などを用いたものでも良く、主電動機105の電力を制御できる形態であれば特に手段は問わない。なお、電流制限指令値は、電流の制限量の指令値でも良く、その場合、駆動電力制御装置104は、電流制限指令値と補器使用電流値との比較に代えて、駆動使用電流値が電流制限指令値分下がるような電力制御をしても良い。
本実施例によれば、レール対地電圧取得部101により取得されたレール対地電圧(自車位置付近のレール対地電圧)を示す情報を含んだレール対地電圧関連情報171を基に、補器電力制御装置103や駆動電力制御装置104の電流制限指令値がエネルギ管理部102より決定され、当該決定された電流制限指令値を含んだ使用電流制限指令情報172を基に、補器電力制御装置103や駆動電力制御装置104により使用電力の制御が行われる。制御された使用電力は、自車位置付近のレール対地電圧に影響する。本実施例の構成により、自車位置付近におけるレール対地電圧が過度に上昇することを防止することができる。
なお、エネルギ管理部102は、一点鎖線で示すように、使用電流制限指令情報172に従う制御の予測される又は実際の結果としての自車状況を示す通知情報9を生成し、生成した通知情報9を、駆動システムの外部にある外部装置10に出力しても良い。通知情報9は、例えば、空調機器190のような補器の制御結果情報(例えば、空調の設定温度や湿度)と、駆動機器の制御結果情報(例えば、車両速度)との少なくともいずれかで良い。外部装置10は、例えば、自車の運転室に設けられている表示装置でも良いし(つまり、通知情報9がエネルギ管理部102によって表示装置に表示されても良いし)、管理センタでも良い。これにより、自車の乗務員(例えば運転手)や運行の管理者が、制御の結果としての自車状況を把握することができる。
図2は、使用電流制限指令情報172の一例を示した図である。
使用電流制限指令情報172には、補器電力制御装置103と駆動電力制御装置104のそれぞれに対して、電力制限指令値が設定されている。図2では、補器電力制御装置103に対しては補器電流制限指令値172(a)が、駆動電力制御装置104に対しては駆動電流制限指令値172(b)が、それぞれ設定されているが、電流制限指令値は、制限が必要な電力制御装置に対してのみ設定されるようにしても良い。指令値172(a)及び172(b)の各々は、電流制限後の目標電流値に相当する。
[レール対地電圧取得部101]
図3は、レール対地電圧取得部101の内部構成を示した図である。
レール対地電圧取得部101は、レール対地電圧計測値取得部301と、設備位置取得部302と、自車位置取得部303と、レール対地電圧波形取得部304と、レール対地電圧演算部305とを備える。
レール対地電圧計測値取得部301は、自車が走行する路線に設置されたレール対地電圧計測装置によって計測されたレール対地電圧の値を取得し、取得したレール対地電圧値を示すレール対地電圧計測情報371を、レール対地電圧演算部305へ出力する。レール対地電圧計測値は、レール対地電圧計測装置から無線通信によって取得しても良いし、レールに信号電流を流して通信する接触式の通信によって取得しても良い。
設備位置取得部302は、変電所やバッテリポストなどの電力供給設備の位置Pと、自車が走行する路線に設置されたレール対地電圧計測装置の位置Pを取得し、それらの位置P及びPを示す設備位置情報372を、レール対地電圧演算部305へ出力する。位置P及びPは、地上に設置したデータベースから無線通信、接触式通信などを用いて取得しても良いし、自車に搭載したデータ記録装置に予め路線毎に記憶しておき、そこから取得する形にしても良い。
自車位置取得部303は、自車位置(例えば、自車が走行又は停車している現在位置)Pを取得し、取得した位置Pを示す自車位置情報373を、レール対地電圧演算部305へ出力する。自車位置は、GPS(Global Positioning System)で得られた情報を基に推定しても良いし、車速を積分することで求まる走行距離を基に推定しても良いし、地上子などの地上側に設置した目印を基に推定しても良く、自車位置を特定できる形態であれば特に手段は問わない。
レール対地電圧波形取得部304は、自車位置情報373を入力し、自車位置Pに応じた適切なレール対地電圧波形情報374をレール対地電圧演算部305へ出力する。レール対地電圧波形取得部304の処理については後述する。
レール対地電圧演算部305は、レール対地電圧計測情報371と、設備位置情報372と、自車位置情報373と、レール対地電圧波形情報374とを入力し、自車位置P付近におけるレール対地電圧を演算して、演算されたレール対地電圧VRCを示すレール対地電圧関連情報171をエネルギ管理部102へ出力する。
レール対地電圧波形取得部304について説明する前に、まずはレール対地電圧の特徴について図4を用いて説明する。
図4は、レール4001と大地4002の電気的な接続関係を表現したモデルの一例を示した図である。
変電所4004から架線4005を経由して自車4006に電力が供給される。レール4001と大地4002の間に、多数の漏れコンダクタンス4003が並列接続されている。漏れコンダクタンス4003は、レール4001から大地4002への電流の流出のしやすさを表した指標であり、電気抵抗の逆数であるジーメンスで表される。レール4001は基本的に絶縁されるよう設計されているため、一つ一つの漏れコンダクタンス4003はとても小さい値である。しかし、変電所4004と自車4006の距離が長くなるにつれて並列接続される漏れコンダクタンス4003の量が増加し、コンダクタンスが大きくなるため帰線電流が漏れやすくなり、一部の帰線電流はレールではなく、漏れコンダクタンスと大地を経由して流れることになる。
図5は、図4で示したモデルにおける、帰線電流の流れ方とレール対地電圧の一例を示した図である。
漏れコンダクタンス4003の値がどの位置でもほぼ同じである場合、変電所位置Pと自車位置Pの中間位置Pより自車側では迷走電流Iがレール4001から流出し、中間位置Pより変電所側ではレール4001に帰るよう流れる。なお、見易くするために、迷走電流Iの矢印先端は、レール4001に沿って均等に並んでいるが、実際は、変電所位置P付近に集中する。
レール対地電圧Vに関しては、中間位置Pより自車側では大地4002の電圧よりも高くなり、中間位置Pより変電所側では迷走電流Iをレール4001に戻すため、大地4002の電圧よりも小さくなる。レール対地電圧Vは、変電所4004からの距離に応じて増加する。
このレール対地電圧の波形の傾向は、大地4002の物性値が位置によって大きく変わらなければ変動しない。例えば、降雨などによって全体的に漏れコンダクタンス4003が大きくなったとしても、レール対地電圧は相似的変動するものの、レール対地電圧Vの波形の傾向自体は変わらない。
しかしながら、実際の鉄道路線では、位置によって大地4002の物性が大きく変化しており、変電所と電車の中心位置で対称となる波形にならない場合もある。
図6は、変電所4004と自車4006の間に、漏れコンダクタンス4003の小さい位置が含まれている場合のレール対地電圧の波形の一例を示した図である。
図6の例では、漏れコンダクタンスが低い部分60では、電流がレール4001から大地4002に流出しにくいため、中間位置Pよりも変電所側においてもレール4001から漏れ出る電流が発生し、レール対地電圧Vの符号が変わる位置も変電所寄りに変化する。このように、レール対地電圧Vの波形の傾向は、大地4002の漏れコンダクタンス4003と、その時の自車位置Pによって変化するものである。そのため、レール対地電圧波形取得部304は、事前にシミュレーションモデルなどを活用して演算した自車位置P毎のレール対地電圧波形の傾向を記憶しておく。なお、レール対地電圧波形取得部304は、先に説明したようにシミュレーションモデルで演算した結果を記憶しておいても良いし、自車のコンピュータにインストールしたシミュレーションモデルに定期的に自車位置Pを入力して毎回演算するようにしても良く、レール対地電圧の波形の傾向を取得できる形態であれば特に手段は問わない。なお、レール対地電圧の波形の傾向の保持方法として、方程式のような形式で保持していることが望ましいが、波形の傾向を表せる形態であれば特に手段は問わない。レール対地電圧の波形の傾向に関する情報は、図示しない記憶装置(例えば、メモリ及び補助記憶装置の少なくとも1つ)に格納されて良い。記憶装置は、駆動システムが有する装置でも良いし、遠隔の記憶装置でも良い。なお、「レール対地電圧の波形の傾向」とは、自車位置毎の1又は複数のレール対地電圧波形(例えば、自車位置毎にシミュレーションモデルを1又は複数回実行することによってそれぞれ得られた1又は複数のレール対地電圧波形)のうちの1以上のレール対地電圧波形から得られた傾向(例えば、当該1以上のレール対地電圧波形の平均、又は、任意のレール対地電圧波形)で良い。
図7は、レール対地電圧演算部305における、レール対地電圧演算の一例を示した図である。
図7の参照符号701は、変電所4004、レール対地電圧計測装置7001、自車4006の位置関係を示している。変電所4004と自車4006の間に、レール対地電圧計測装置7001が接続されている。レール対地電圧計測装置7001は、大地に接地されており、レール対地電圧Vをレールの対地電圧として計測している。
参照符号702は、参照符号701が示す路線(レール4001)における各位置のレール対地電圧の状況を示している。変電所位置Pと自車位置Poの関係に応じて、波形の傾向を示す関数であるfRT(V)を選択する。この関数は、変電所位置Prと自車位置Poの位置関係が変わった場合、その位置に適した関数が改めて選択される。参照符号702が示す例では、関数fRT(V)は、変電所位置Pと自車位置Pの中間位置Pで正負の符号が逆転する傾向であると仮定している。fRT(V)は、変電所位置P、レール対地電圧計測装置7001、自車位置の電圧の関係を示したものであり、レール対地電圧計測装置7001のレール対地電圧計測値Vvを入力することで、自車位置におけるレール対地電圧VRCを計算する。
このように、レール対地電圧の波形の傾向と、レール対地電圧計測装置7001による計測値Vを組み合わせることで、降雨などで地面の状況が変化した場合でも、その環境変化を反映して自車位置P付近におけるレール対地電圧VRCを演算することができる。なお、自車位置Pは、対象位置の一例である。
[エネルギ管理部102]
図8は、エネルギ管理部102の処理フローを示した図である。
ステップ801では、エネルギ管理部102は、VRC>VTh(すなわち、レール対地電圧VRCが、予め設定したレール対地電圧基準値VThを上回っているか)を判定する。VRC>VThの場合は、処理がステップ802へ進む。VRC≦VThの場合は、処理フローが終了する。なお、VThはレール対地電圧に関する基準範囲の上限値を示す。
ステップ802では、エネルギ管理部102は、VRCとVThの差分が0になるような電流制限量Iを演算する。レール対地電圧の大きさは、自車電流Iに比例するため、電流制限量Iは以下の数式で算出可能である。
= I × (1−VTh÷ VRC
なお、自車電流Iは、補器電力使用状況174と、駆動電力使用状況175から取得したそれぞれの電流値を合算した値を用いる。この式に限らず、例えば、エネルギ管理部102は、VThとVRCとに基づき自車4006に搭載したコンピュータでシミュレーションモデルを実施し、より厳密な電流制限量Iを演算しても良い。
ステップ803では、エネルギ管理部102は、補器電力制御装置103と駆動電力制御装置104のそれぞれに対する、電流制限量Iの機器毎に配分された電流制限量IXnを算出し出力する。つまり、エネルギ管理部102は、電流制限量Iを、補器電力制御装置103に対する電流制限量IX1と、駆動電力制御装置104に対するIX2とに配分し、配分を示す使用電流制限指令情報172を出力する。ステップ803の処理の詳細については、後述する。
ステップ803の処理を実行後、処理フローが終了する。
なお、ステップ801におけるレール対地電圧基準値VThは、規格などで求められるレール対地電圧の上限値に対して、余裕を持って設定されていても良い。
図9は、ステップ803の処理の一例を示した図である。
エネルギ管理部102は、電流制限演算部901と、比較器902、合成器903とを備える。電流制限演算部901は電流制限量Iを、予め定められた基準にしたがって駆動制限値(駆動電力制御装置104の電流制限値)971と、補器制限値(補器電力制御装置103の電流制限値)972とに分けてそれぞれを出力する。駆動制限値971と、補器制限値972の詳細については後述する。
電流制限演算部901から出力された電力制限値は、駆動制限値971が合成器903に入力され、補器制限値972は比較器902および合成器903に入力される。比較器902は、上述の補器使用電流値(補器電力使用状況174から取得した電流値)も入力されるように構成されており、補器制限値972および補器使用電流値を比較する。比較の結果、どちらか小さいほうの値を補器電流制限指令値172(a)(図2参照)として補器電力制御装置103に対して出力し、また合成器903に対して値の正負を反転させて入力する。
したがって、合成器903は、駆動制限値971と補器制限値972の和から、補器電流制限指令値172(a)を引いて駆動電流制限指令値172(b)を算出し、駆動電力制御装置104へ出力する。
図10は、電流制限演算部901で設定される、駆動制限値971と、補器制限値972の一例を示した図である。図10に示した例では、電流制限量Iが20Aまでは補器電力制御装置103の電流制限のみで対応し、電流制限量Iが20Aを超えた場合は、駆動電力制御装置104の電流制限量IX2が増加する。
図9及び図10によれば、補器電流を可能な範囲で制限し、電流制限量Iがその範囲を超えた場合に、超えた分を、駆動電流の制限で賄う。そのため、駆動(典型的には自車4006の走行)に与える影響を抑えつつ、レール対地電圧が過度に上昇することを防止できる。
なお、本実施例では、電流制限量Iの値を補器電力制御装置103に対する電流制限量IX1と、駆動電力制御装置104に対するIX2とに配分する例について説明したが、レール対地電圧VRCがレール対地電圧基準値VThを上回らないような、架線から自車に供給される電流の上限値を取得し、前記電流の上限値を駆動電力制御装置104と補器電力制御装置103に配分する形態でも良い。すなわち、レール対地電圧VRCがレール対地電圧基準値VThを上回らないよう、駆動電力制御装置104と補器電力制御装置103を制御できる形態であれば手段は問わない。
[鉄道車両の駆動システムの構成]
図11は、実施例2における鉄道車両の駆動システムの概略構成図である。
レール対地電圧取得部1101内の処理と、エネルギ管理部1102内の処理が、実施例1と異なるため、両部の処理について後述する。レール対地電圧取得部1101内の処理が異なり、結果として、出力されるレール対地電圧関連情報1171は、実施例1におけるレール対地電圧関連情報171と異なる。
[レール対地電圧取得部1101]
図12は、レール対地電圧取得部1101の内部構成を示した図である。
レール対地電圧取得部1101は、任意位置取得部1206を更に備える。任意位置取得部1206と、レール対地電圧演算部1205と、レール対地電圧関連情報1171以外は、実施例1と同じであるため、説明を省略する。
任意位置取得部1206は、予め設定した任意位置に関する情報である任意位置情報1276を、レール対地電圧演算部1205へ出力する。任意位置情報1276には、レール対地電圧の上昇を抑制したい路線上の任意位置に関する情報が含まれている。例えば、任意位置は、任意の駅の位置でも良いし、任意の信号設備(例えば重要な信号設備)の位置でも良い。
レール対地電圧関連情報1171は、自車位置付近のレール対地電圧に代えて、任意位置付近のレール対地電圧を示す情報を含む。
図13は、レール対地電圧演算部1205におけるレール対地電圧演算の一例を示した図である。
図13の参照符号1301は、変電所4004、レール対地電圧計測装置7001、自車4006、駅A13001、駅B13002の位置関係を示している。実施例1との相違点は、対象位置が、自車位置に代えて、レール対地電圧計測装置7001と自車4006の間に存在する駅A13001と駅B13002の各々の位置のような任意位置である点である。
参照符号1302は、参照符号1301が示す路線(レール4001)における各位置のレール対地電圧の状況を示している。変電所位置Pと自車位置Poの関係に応じて、波形の傾向を示す関数であるfRT(V)を選択する。この関数は、変電所位置Pと自車位置Poの位置関係が変わった場合、その位置に適した関数が改めて選択される。参照符号1302が示す例では、関数fRT(V)は、変電所位置Pと自車位置Pの中間位置Pで正負の符号が逆転する傾向であると仮定している。fRT(V)は、変電所位置P、レール対地電圧計測装置7001、駅A13001、駅B13002、自車位置の電圧の関係を示したものであり、レール対地電圧計測装置7001のレール対地電圧計測値Vvを入力することで、駅A13001におけるレール対地電圧VRC_A、駅B13002におけるレール対地電圧VRC_Bを計算する。
このように、レール対地電圧の波形の傾向と、レール対地電圧計測値Vを組み合わせることで、降雨などで地面の状況が変化した場合でも、その環境変化を反映して任意位置におけるレール対地電圧を演算することができる。
[エネルギ管理部1102]
図14は、エネルギ管理部1102の処理フローを示した図である。
ステップ1401では、エネルギ管理部1102は、任意位置毎に、任意位置の演算されたレール対地電圧VRC_xとVTh(レール対地電圧基準値)から超過率を計算し、超過率が最も大きい位置PE−MAXを取得する(VRC_xのxは、任意位置に依存)。超過率は、以下の式で計算される。
超過率 = (VRC_x÷VTh) −1
ステップ1402では、エネルギ管理部1102は、超過率が最も大きい位置PE−MAXにおいて、VRC_x>VThかを判定する。VRC_x>VThの場合は、処理がステップ1403へ進む。VRC_x≦VThの場合は、処理フローが終了する。
ステップ1403では、エネルギ管理部1102は、超過率が最も高い位置PE−MAXにおけるレール対地電圧VRC_xとVThの差分が0になるような電流制限量Iを演算する。ステップ1403における演算方法は実施例1のステップ802と、ステップ1404の処理は実施例1のステップ803と同じであるため、説明を省略する。
なお、ステップ1402におけるレール対地電圧基準値VThは、実際に超えてはならないレール対地電圧の上限値に対して、余裕を持って設定されていても良い。
図15は、任意位置が複数ある場合における、VThの設定方法の一例を示した図である。
任意位置が複数存在している場合は、各位置に対し異なるVThが設定されても良い。たとえば、駅Aは重要な信号設備がレール近傍にあるため、万が一にも絶縁破壊を起こさないよう、他の駅よりも基準値VThが小さくても良い。
本実施例の構成により、任意の位置におけるレール対地電圧が過度に上昇するのを防止することができる。また、超過率が最も高い位置PE−MAXに関してステップ1403及び1404が行われることで、別の任意位置に関しても、レール対地電圧が、当該別の任意位置についてのVTh以下とされることが期待できる。
なお、本実施例では、電流制限量Ixの値を補器電力制御装置103に対する電流制限量IX1と、駆動電力制御装置104に対するIX2とに配分する例について説明したが、レール対地電圧VRCがレール対地電圧基準値VThを上回らないような、架線から自車に供給される電流の上限値を取得し、前記電流の上限値を駆動電力制御装置104と補器電力制御装置103に配分する形態でも良い。すなわち、レール対地電圧VRCがレール対地電圧基準値VThを上回らないよう、駆動電力制御装置104と補器電力制御装置103を制御できる形態であれば手段は問わない。
なお、本実施例では、レール対地電圧計測装置が変電所と列車の間に設置されており、レール対地電圧を抑制したい地点が変電所と列車の間にある場合の計算例を示したが、例えばレール対地電圧計算装置が変電所とレールの接続地点に設置されており、そこの電位が範囲を逸脱しないようにすればよい場合などは、レール対地電圧取得部1101は対象となるレール対地電圧計測装置の電圧を取得し、エネルギ管理部102へ出力するようにしてもよい。その場合、図12に示したレール対地電圧取得部1101は、必ずしも図示した構成をすべて備えていなくてもよく、例えばレール対地電圧計測値取得部301のみを備え、レール対地電圧計測情報371をレール対地電圧関連情報1171として出力する構成であってもよい。
なお、本実施例では自車位置におけるレール対地電圧を比較しているため、レール対地電圧基準値VThが正である場合について説明しているが、変電所とレールの接続地点に接続されたレール対地電圧計測装置の値をもとに計算する場合などは、電車が力行するとレール対地電圧値は負の値になるため、レール対地電圧基準値VThを負の値として設定してもよい。その場合の電流制限量Iの計算方法の考え方は実施例に示した計算方法と同じで、レール対地電圧値とレール対地電圧基準値VThの差分を埋めるように計算すればよい。
[鉄道車両の駆動システムの構成]
図16は、実施例3における鉄道車両の駆動システムの概略構成図である。
補器電力使用状況174と、駆動電力使用状況175がレール対地電圧取得部1601にも入力されている。そのため、レール対地電圧取得部1601について説明し、それ以外の各構成については詳細の説明を省略する。
[レール対地電圧取得部1601]
図17は、レール対地電圧取得部1601の内部構成を示した図である。
レール対地電圧取得部1601は、レール対地電圧計測値取得部301及び設備位置取得部302に代えて、き電情報取得部1701と、設備電圧取得部1702と、自車電力情報取得部1707とを備える。また、レール対地電圧演算部1705が実施例1と異なる。
き電情報取得部1701は、路線に配置された、変電所やバッテリポストなどの電力供給設備の位置と、架線の抵抗率とを取得し、取得した位置及び抵抗率を示す情報を含んだき電関連情報1771を、レール対地電圧演算部1705へ出力する。電力供給設備の位置と、架線の抵抗率といった情報の取得は、無線通信で管理センタなどと通信する形で取得しても良いし、列車内の情報記録装置に予め記憶させておいても良く、これらの情報が取得できる形態であれば特に手段は問わない。き電関連情報1771の詳細については後述する。
設備電圧取得部1702は、路線に配置された、変電所やバッテリポストなどの電力供給設備の電圧を示す情報を含んだ設備電圧情報1772を、レール対地電圧演算部1705へ出力する。電力供給設備の電圧は、無線通信などで各電力供給設備と通信を取り合う形で取得しても良いし、一度管理センタなどに情報を集めた上で、まとめて情報を取得しても良く、電力供給設備の電圧情報が取得できる形態であれば特に手段は問わない。
自車電力情報取得部1707は、補器電力使用状況174と、駆動電力使用状況175から、自車が使用している電力の値を取得し、取得した電力値を含んだ自車電力情報1777を、レール対地電圧演算部1705へ出力する。自車電力情報1777の詳細については、後述する。
レール対地電圧演算部1705は、き電関連情報1771、設備電圧情報1772、自車位置情報373、レール対地電圧波形情報374、及び、自車電力情報1777から、レール対地電圧を演算し、演算したレール対地電圧を示す情報を含んだレール対地電圧関連情報171を、エネルギ管理部102へ出力する。
図18は、き電関連情報1771の一例を示した図である。
き電関連情報1771は、変電所位置情報1801と、架線抵抗率情報1802とを含む。変電所位置情報1801は、路線に設置された電力供給設備のレール接続位置を示す情報である。架線抵抗率情報1802は、区間毎の架線抵抗率を示す情報である。図18に示した例では、区間毎に架線抵抗率が異なっている。これは、幹線などで列車の多い区間では架線を2本並行に配置していることを想定しており、この場合架線が電気的に並列接続されていることになるため架線抵抗率が半減している。このように、区間毎に架線抵抗率を設定することで、高精度にレール対地電圧を演算ことができる。なお、図18に示した例では、駅間毎に値を設定しているが、距離程などで区間を任意に区切っても良い。
図19は、自車電力情報1777の一例を示した図である。
自車電力情報1777は、電流については、補器電力使用状況174と、駆動電力使用状況175から取得したそれぞれの電流値を合算した値を含む。また、自車電力情報1777は、電圧については、補器電力使用状況174と、駆動電力使用状況1675から取得した電圧値のうち、いずれか一方の電圧の値を含んでも良いし、各電圧の平均値などを含んでも良い。自車電力情報1777は、架線から自車に供給されている電力を定義する電流及び電圧である自車電力を示す情報の一例である。
図20は、レール対地電圧演算部1705におけるレール対地電圧演算の一例を示した図である。図20の参照符号2001は、変電所4004、自車4006の位置関係を示している。参照符号2002は、参照符号2001が示す路線(レール4001)における各位置のレール対地電圧の状況を示した図である。参照符号2002におけるレール対地電圧演算方法について説明する。
変電所位置Pにおける変電所電圧Vと、自車位置Pにおける自車電圧Vの差分をΔVとすると、ΔVは以下の式で求められる。
ΔV= V − (V+ V
ここで、Vは設備電圧情報1772から取得され、Vは自車電力情報1777から取得される。Vは、架線抵抗による降下電圧である。なお、変電所電圧Vは、変電所4004とレール4001の接触点を基準として、変電所4004と架線4005との接続点における電位と定義される。Vは、下記の式で求められる。
= I ×R
は、自車電流であり、自車電力情報1777から取得される。Rは、架線抵抗値であり、下記式で求められる。
=ρ × LTO
ρは、架線抵抗率であり、き電関連情報1771内の架線抵抗率情報1802から取得される。LTOは、変電所位置Pと自車位置P間の距離であり、き電関連情報1771から取得される変電所位置Pと、自車位置Pとの差分である。
図20の例では、変電所位置Pと自車位置Poの関係に応じて選択される、レール対地電圧の波形の傾向を示す関数fRT2(ΔV)は、変電所位置P、レール対地電圧計測装置7001、自車位置の電圧の関係を示したものであり、変電所位置Pにおける変電所電圧Vと、自車位置Pにおける自車電圧Vの差分であるΔVを入力することで、自車位置におけるレール対地電圧VRCを計算する。
本実施例の構成により、レール対地電圧計測装置の設置が無い路線においても、レール対地電圧を予測し、そのレール対地電圧が過度に上昇するのを防止することができる。
なお、本実施例では、電流制限量Iの値を補器電力制御装置103に対する電流制限量IX1と、駆動電力制御装置104に対するIX2とに配分する例について説明したが、レール対地電圧VRCがレール対地電圧基準値VThを上回らないような、架線から自車に供給される電流の上限値を取得し、前記電流の上限値を駆動電力制御装置104と補器電力制御装置103に配分する形態でも良い。すなわち、レール対地電圧VRCがレール対地電圧基準値VThを上回らないよう、駆動電力制御装置104と補器電力制御装置103を制御できる形態であれば手段は問わない。
[鉄道車両の駆動システムの構成]
図21は、実施例4における鉄道車両の駆動システムの概略構成図である。
図21に示す鉄道車両の駆動システムは、実施例1で説明した要素に加えて、蓄電装置2506を備える。なお、蓄電装置2506が追加されたことと、それに付随しエネルギ管理部2502が蓄電装置2506に対応したものであること以外は、実施例1で示した鉄道車両の駆動システムと同じ構成であるため、蓄電装置2506とエネルギ管理部2502に関係することを説明し、それ以外の詳細な説明は省略する。なお、蓄電装置2506は、電力供給装置の一例である。
蓄電装置2506は、補器電力制御装置103と、駆動電力制御装置104と電気的に接続されている。蓄電装置2506は、エネルギ管理部2502からの放電電流指令値2576によって充放電電流を変化させる。また、蓄電装置2506は、蓄電装置の残存容量(State Of Charge. 以下、SOC)や、蓄電装置の温度などを含んだ蓄電装置状態情報2577をエネルギ管理部2502へ出力する。
蓄電装置2506は、リチウムイオン電池のような化学電池でもよいし、電力エネルギをフライホイールの回転エネルギに変換し貯蔵するような方式でもよく、電力を貯蔵できる形態であれば特に手段は問わない。
[エネルギ管理部2502]
図22は、エネルギ管理部2502の処理フローを示した図である。
ステップ2601では、エネルギ管理部2502は、VRC>VThかを判定する。VRC>VThの場合は、処理がステップ2602へ進む。VRC≦VThの場合は、処理フローが終了する。
ステップ2602では、エネルギ管理部2502は、VRCとVThの差分が0になるような電流制限量Iを演算する。
ステップ2603では、エネルギ管理部2502は、蓄電装置状態情報2577に含まれるSOCや蓄電装置温度の情報を基に、蓄電装置2506が出力できる範囲で電流制限量を満足できるよう放電電流量Iを決定し、蓄電装置2506へ、決定した放電電流量Iを示す放電電流指令値2576を出力する。
ステップ2604では、エネルギ管理部2502は、I<Iかを判定する。
<Iの場合(すなわち、ステップ2603で算出した放電電流量Iが電流制限量Iよりも小さい場合)、ステップ2605を行う。さらに架線からの電力供給を絞る必要があるからである。ステップ2605内の処理は、実施例1で説明したステップ803と同じであるため、詳細な説明は省略する。ただし、電流制限指令値として指定される値(電流制限量)は、IとIに基づいて算出された値、例えば、IとIの差分である。すなわち、蓄電装置2506からの電力供給があるため、制限される電流量が抑えられる。
≧Iの場合は、処理フローが終了する。
なお、ステップ2601におけるレール対地電圧基準値VThは、実際に超えてはならないレール対地電圧の上限値に対して、余裕を持って設定されていても良い。
本実施例の構成により、自車の補器電力や駆動電力の制限量を小さくしつつ(言い換えれば、旅客サービスを維持しつつ)、自車付近におけるレール対地電圧が過度に上昇することを防止することができる。
なお、本実施例では、電流制限量Iの値を補器電力制御装置103に対する電流制限量IX1と、駆動電力制御装置104に対するIX2とに配分する例について説明したが、レール対地電圧VRCがレール対地電圧基準値VThを上回らないような、架線から自車に供給される電流の上限値を取得し、前記電流の上限値を駆動電力制御装置104と補器電力制御装置103に配分する形態でも良い。すなわち、レール対地電圧VRCがレール対地電圧基準値VThを上回らないよう、駆動電力制御装置104と補器電力制御装置103を制御できる形態であれば手段は問わない。
[鉄道車両の駆動システムの構成]
図23は、実施例6における鉄道車両の駆動システムの概略構成図である。
図23に示す鉄道車両の駆動システムは、実施例1で説明した要素に加えて、発電装置2707を備える。なお、発電装置2707が追加されたことと、それに付随しエネルギ管理部2702が発電装置2707に対応したものであること以外は、実施例1で示した鉄道車両の駆動システムと同じ構成であるため、発電装置2707とエネルギ管理部2702に関係することを説明し、それ以外の詳細な説明は省略する。なお、発電装置2707は、電力供給装置の一例である。
発電装置2707は、補器電力制御装置103と、駆動電力制御装置104と電気的に接続されている。発電装置2707は、エネルギ管理部2702からの発電電流指令値2778によって発電電流を制御する。
発電装置2707は、ディーゼルエンジンのような燃焼式の原動機にモータジェネレータ装置を組み合わせたものを用いてもよいし、燃料電池のような化学反応で直接電気を発生させるものを用いてもよく、外部から補給されるエネルギ源を電力に変換する形態であれば特に手段は問わない。
[エネルギ管理部2702]
図24は、エネルギ管理部2702の処理フローを示した図である。
ステップ2801では、エネルギ管理部2502は、VRC>VThかを判定する。VRC>VThの場合は、処理がステップ2802へ進む。VRC≦VThの場合は処理フローが終了する。
ステップ2802では、エネルギ管理部2502は、VRCとVThの差分が0になるような電流制限量Iを演算する。
ステップ2803では、エネルギ管理部2502は、発電装置2707が出力できる範囲で発電電流量Iを決定し、発電装置2707へ、決定したIを示す発電電流指令値2778を出力する。
ステップ2804では、エネルギ管理部2502は、I<Iかを判定する。
<Iの場合(すなわち、ステップ2803で算出した発電電流I量が電流制限量Iよりも小さい場合)、ステップ2605を行う。さらに架線からの電力供給を絞る必要があるからである。ステップ2605内の処理は、実施例1で説明したステップ803と同じであるため、詳細な説明は省略する。ただし、電流制限指令値として指定される値(電流制限量)は、IとIの差分に従う。すなわち、発電装置2707からの電力供給があるため、制限される電流量が抑えられる。
≧Iの場合は処理フローが終了する。
なお、ステップ2801におけるレール対地電圧基準値VThは、実際に超えてはならないレール対地電圧の上限値に対して、余裕を持って設定されていても良い。
本実施例の構成により、自車の補器電力や駆動電力の制限量を小さくしつつ(言い換えれば、旅客サービスを最大限維持しつつ)、自車付近におけるレール対地電圧が過度に上昇することを防止することができる。なお、発電装置2707に加えて蓄電装置2506も採用されても良い。言い換えれば、電力供給装置として、発電装置2707と蓄電装置2506の両方が搭載されていても良い。
なお、本実施例では、電流制限量Iの値を補器電力制御装置103に対する電流制限量IX1と、駆動電力制御装置104に対するIX2とに配分する例について説明したが、レール対地電圧VRCがレール対地電圧基準値VThを上回らないような、架線から自車に供給される電流の上限値を取得し、前記電流の上限値を駆動電力制御装置104と補器電力制御装置103に配分する形態でも良い。すなわち、レール対地電圧VRCがレール対地電圧基準値VThを上回らないよう、駆動電力制御装置104と補器電力制御装置103を制御できる形態であれば手段は問わない。
[鉄道車両の駆動システムの構成]
図25は、実施例6における鉄道車両の駆動システムの概略構成図である。
図25に示す鉄道車両の駆動システムは、実施例1で説明した要素に加えて、乗務員指示部2908を備える。なお、乗務員指示部2908が追加されたことと、それに付随しエネルギ管理部2902が乗務員指示部2908に対応したものであること以外は、実施例1で示した鉄道車両の駆動システムと同じ構成であるため、乗務員指示部2908とエネルギ管理部2902とに関係することを説明し、それ以外の詳細な説明は省略する。
乗務員指示部2908は、運転操作指令情報2980を入力し、乗務員に対し、その運転操作指令情報2980が示す運転操作指令を報知する。つまり、運転操作指令情報2980は、電流制限量分の電流の使用を電力制御装置に関し制限する指令情報の一例で良い。運転操作指令情報2980は、算出された電流制限量分の電流の使用を電力制御装置に関し制限する運転操作の内容と当該運転操作を行う指令とを示す情報で良い。乗務員指示部2908は、乗務員に対する運転操作指示を音声により報知しても良いし、モニタへの表示や指示したノッチの部分を点灯させるなど、視覚情報により報知しても良く、乗務員が指示された運転操作を認識できる形態であれば特に手段は問わない。
[エネルギ管理部2902]
図26は、エネルギ管理部2902の処理フローを示した図である。
ステップ3001では、エネルギ管理部2502は、VRC>VThかを判定する。VRC>VThの場合は、処理がステップ3002へ進む。VRC≦VThの場合は処理フローが終了する。
ステップ3002では、エネルギ管理部2502は、VRCとVThの差分が0になるような電流制限量Iを演算する。
ステップ3003では、エネルギ管理部2502は、電流制限量Iを維持しつつ走行可能な上限ノッチを取得し、取得した上限ノッチを示す運転操作指令情報2980を出力する。各ノッチにおける駆動電流は、予め演算しておき保持しておく方式でも良いし、その時の駆動電力制御装置の状態から演算する方式でも良く、各ノッチの駆動電流値を得られる形態であれば特に手段は問わない。
なお、ステップ3001におけるレール対地電圧基準値VThは、実際に超えてはならないレール対地電圧の上限値に対して、余裕を持って設定されていても良い。
本実施例の構成により、駆動電力制御装置104(及び補器電力制御装置103)内部の制御ロジックを変更することなく、自車付近におけるレール対地電圧が過度に上昇することを防止することができる。具体的には、乗務員が、報知された運転操作指令通りの運転操作を行うことで、使用電流制限指令情報172に従う制御と同様の制御が補器電力制御装置103や駆動電力制御装置104により行われることが期待でき、以って、自車付近におけるレール対地電圧が過度に上昇することを防止することができる。
なお、本実施例では、電流制限量Iの値を補器電力制御装置103に対する電流制限量IX1と、駆動電力制御装置104に対するIX2とに配分する例について説明したが、レール対地電圧VRCがレール対地電圧基準値VThを上回らないような、架線から自車に供給される電流の上限値を取得し、前記電流の上限値を駆動電力制御装置104と補器電力制御装置103に配分する形態でも良い。すなわち、レール対地電圧VRCがレール対地電圧基準値VThを上回らないよう、駆動電力制御装置104と補器電力制御装置103を制御できる形態であれば手段は問わない。
[補足事項]
本発明は、直流き電方式における実施例について説明したが、同様の技術を交流き電方式の鉄道システムに適用した場合にも、同等の効果が得られることが期待できる。また、本発明は、架線からパンタグラフで集電しモータ等で電力を消費したあと車輪→レール→変電所の順で電気が帰る鉄道車両の他に、ゴムタイヤで走るモノレールのような他種の鉄道車両にも適用できる。そのため、レール対地電圧取得部101は、以下の処理、すなわち、
電力供給設備の位置である設備位置を取得し、
レール上の少なくとも1つの鉄道車両の位置である車両位置を取得し、
少なくとも1つの電力供給設備の架線送り出し電流または帰線電流である設備電流を取得し(すなわち、設備電流は、架線に送り出している電流でもよいし、帰線から戻ってくる電流でもよく)、
架線から少なくとも1つの鉄道車両に供給されているまたは帰線に流れ出る電流である車両電流を取得し、
少なくともレールを含む、構造物と地面の、電気的抵抗物性値及び漏れ抵抗特性の少なくともいずれか一方である帰線抵抗特性を取得し、
設備位置と車両位置と設備電流と自車電流と帰線抵抗特性とを基に、対象位置(例えば、自車位置、又は、自車以外の1以上の任意位置)についてのレール対地電圧を演算する、
ことができる。
また、実施例では、電車が力行した際に発生するレール対地電圧値の範囲逸脱を防止する例について説明したが、電車が回生した際に発生するレール対地電圧値の範囲逸脱を防止することも可能である。その際は、レール対地電圧値の範囲逸脱を抑止するために発生する余剰な電力を、補器消費電力の増加や駆動電力の増加、蓄電装置への充電、エンジンブレーキなどで消費したり、回生ブレーキを弱めたりすることで、架線へ戻す電力を調節すれば良い。
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例が含まれる。例えば、本発明は、上記の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず、その構成の一部を削除したものも含まれる。また、全ての構成が鉄道車両に搭載されている必要はなく、機能を満たせるのであれば一部の機能を地上に設置し、無線通信などで鉄道車両上の機器と連携する形態であっても良い。また、ある実施の形態に係る構成の一部を、他の実施の形態に係る構成に追加又は置換することが可能である。
101・・・レール対地電圧取得部、102・・・エネルギ管理部、103・・・補器電力制御装置、104・・・駆動電力制御装置

Claims (14)

  1. 電力供給設備から供給される電力によって動作する鉄道車両において、
    対象位置におけるレールの対地電圧の情報をパラメータの一つとして取り込み当該情報を基に電力制御を実行する電力制御システムを備え、
    前記電力制御システムによって制御された電力を供給される駆動装置と、前記電力制御システムによって制御された電力を供給される補器と、のいずれか一つを少なくとも備える、
    鉄道車両。
  2. 前記対地位置におけるレールの対地電圧であるレール対地電圧を取得するレール対地電圧取得部と、
    前記取得されたレール対地電圧が所定の範囲を逸脱する場合に、前記取得されたレール対地電圧と前記所定の基準値とに基づき、制限される電流量である電流制限量を算出し、当該電流制限量分の電流の使用を前記電力制御システムに関し制限する指令情報を生成し、当該生成した指令情報を出力するエネルギ管理部と
    を備える請求項1に記載の鉄道車両。
  3. 前記レール対地電圧取得部は、
    前記レール上に設置されたレール対地電圧計測装置からレール対地電圧計測値を取得し、
    前記レール対地電圧計測装置の位置である計測位置と前記電力供給設備の位置である設備位置とを取得し、
    前記鉄道車両の位置である自車位置を取得し、
    前記鉄道車両の位置毎のレール対地電圧波形の傾向である波形傾向を取得し、
    前記計測位置、前記設備位置、前記自車位置及び前記波形傾向を基に、前記対象位置についてのレール対地電圧を演算する、
    請求項2に記載の鉄道車両。
  4. 前記レール対地電圧取得部は、
    前記電力供給設備の位置と架線抵抗とに関する情報であるき電関連情報を取得し、
    前記鉄道車両の位置である自車位置を取得し、
    前記電力供給設備の電圧である設備電圧を取得し、
    前記架線から前記鉄道車両に供給されている電力を定義する電流及び電圧である自車電力を取得し、
    前記鉄道車両の位置毎のレール対地電圧波形の傾向である波形傾向を取得し、
    前記き電関連情報、前記自車位置、前記設備電圧、前記自車電力及び前記波形傾向を基に、前記対象位置についてのレール対地電圧を演算する、
    請求項2に記載の鉄道車両。
  5. 前記レール対地電圧取得部は、
    前記電力供給設備の位置である設備位置を取得し、
    前記レール上の少なくとも1つの前記鉄道車両の位置である車両位置を取得し、
    少なくとも1つの前記電力供給設備の架線送り出し電流または帰線電流である設備電流を取得し、
    前記架線から少なくとも1つの前記鉄道車両に供給されているまたは帰線に流れ出る電流である車両電流を取得し、
    少なくともレールを含む、構造物と地面の、電気的抵抗物性値及び漏れ抵抗特性の少なくともいずれか一方である帰線抵抗特性を取得し、
    前記設備位置と前記車両位置と前記設備電流と前記自車電流と前記帰線抵抗特性を基に、前記対象位置についてのレール対地電圧を演算する、
    請求項2に記載の鉄道車両。
  6. 前記電力制御システムは、
    前記鉄道車両の補器の電力を制御する補器電力制御装置と、
    前記鉄道車両の駆動機器の電力を制御する駆動電力制御装置と
    を含み、
    前記エネルギ管理部は、前記電流制限量を、前記補器電力制御装置及び前記駆動電力制御装置との少なくとも1つに配分する、
    請求項2に記載の鉄道車両。
  7. 電力供給装置を更に備え、
    前記エネルギ管理部は、前記電力供給装置の供給電流量が前記算出された電流制限量よりも小さい場合に、前記指令情報を生成し、
    前記算出された電流制限量は、前記取得されたレール対地電圧と前記所定の基準値との差分に従う電流制限量と、前記供給電流量との差分である、
    請求項2に記載の鉄道車両。
  8. 前記電力供給装置は、蓄電装置と発電装置の少なくとも1つである、
    請求項7に記載の鉄道車両。
  9. 前記指令情報は、前記算出された電流制限量分の電流の使用を前記電力制御システムに関し制限する運転操作の内容と当該運転操作を行う指令とを示す情報である、
    請求項2に記載の鉄道車両。
  10. 前記電流制限量は、前記補器電力制御装置に配分され、
    前記電流制限量が一定量を超えた場合、前記一定量と前記電流制限量との差分が、前記駆動電力制御装置に配分される、
    請求項6に記載の鉄道車両。
  11. 前記エネルギ管理部は、前記指令情報に従う制御の予測される又は実際の結果としての車両状況を示す通知情報を生成し、当該生成した通知情報を出力する、
    請求項2に記載の鉄道車両。
  12. 前記対象位置は、前記鉄道車両の位置である自車位置、又は、前記自車以外の1以上の任意位置である、
    請求項1乃至11のうちのいずれか1項に記載の鉄道車両。
  13. 前記対象位置は、複数の任意位置のうち、前記複数の任意位置にそれぞれ対応した複数のレール対地電圧のうち前記基準値に対する超過率が最も高いレール対地電圧に対応した任意位置である、
    請求項12に記載の鉄道車両。
  14. 電力供給設備から供給される電力によって動作する鉄道車両の電力制御方法において、
    対象位置におけるレールの対地電圧の情報をパラメータの一つとして取り込み、
    当該情報を基に、前記鉄道車両における駆動装置と補器とのうちの少なくとも一つの電力制御を実行する、
    ことを特徴とする鉄道車両の電力制御方法。
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