JP2020058026A - アンテナ素子、およびアンテナアレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な放射特性を有し、量産可能なアンテナ素子を提供する。【解決手段】アンテナ素子は、導電性表面110bを有するブロック形状、あるいは板形状の導電部材110と、導電性表面110bに接続し、導電性表面110bから離れる方向に伸びる、導電性の突起113で形成される突起対114を、を備える。導電部材110は、導電性表面110bに開口し中央部が導電性表面110bに沿った、第1の方向に延びる少なくとも1つの第1のスロット112を有する。突起は、第1の方向と交差し、導電性表面110bに沿った第2の方向に並ぶ。アンテナ素子の製造は、二つの金型を組み合わせて空洞を形成し、空洞に流動状態にある素材を注入し固化させる事で成形する。成形品を金型から分離する際には、成形品の特定の部位に設定された受け面を金型内に配置された、突き出しピンを用いる。【選択図】図3

Description

本発明は、アンテナ素子、およびアンテナアレイに関する。
特許文献1には、アンテナアレイにおける個々のアンテナ素子としてホーンアンテナを用いたものが開示されている。ホーンアンテナは、比較的広い周波数帯域の電磁波を放射/受信できる等の、好ましい特性を備える。しかし、そのような好ましい特性を得るためには、ホーンアンテナの開口をある程度大きくする必要がある。このため、複数のホーンアンテナ素子を並べたアンテナアレイにおいては、ホーンの配置間隔を短くすることが難しい。他方で、アンテナ素子の配置間隔が大きいと、そのようなアンテナアレイの放射パターンには、斜め前方向にグレーティングローブが生じて、アンテナアレイとしての性能が大きく損なわれてしまう。
米国特許公開2017/0194716号
アンテナアレイの周波数特性を確保しつつ、グレーティングローブが前方に近い方位に発生すること回避したアンテナアレイを構成する事が可能な、小型のアンテナ素子であって、かつ量産可能なものを提供する。
製造に際して、相対的に移動可能な少なくとも二つの金型を組み合わせて空洞を形成し、該空洞に流動状態にある素材を注入し固化させる事で成形され、成形品を前記金型から分離する際に、該成形品の特定の部位に設定された受け面を前記金型内に配置された突き出しピンを用いて押す操作を伴う、アンテナ素子であり、かつ、導電性表面を有するブロック形状あるいは板形状の、導電部材と、前記導電性表面に接続し該導電性表面から離れる方向に伸びる、少なくとも導電性の第1の突起と導電性の第2の突起と、を備えるものであり、前記導電部材は、前記導電性表面に開口し中央部が前記導電性表面に沿った第1の方向に延びる少なくとも1つの第1のスロットを有し、前記第1の突起と前記第2の突起は、前記第1の方向と交差し前記導電性表面に沿った第2の方向に並ぶ。当該アンテナ素子は、更に、前記導電性表面を平面視した状態において、前記中央部は前記第1の突起と前記第2の突起とによって挟まれる位置に配置され、前記第1の突起の中心と前記第1のスロットの前記中央部における開口の縁との間の距離は、該第1の突起の先端面と前記導電性表面との隔たりよりも小さく、前記第2の突起の中心と前記第1のスロットの前記中央部における開口の縁との間の距離は、該第2の突起の先端面と前記導電性表面との隔たりよりも小さく、前記第1の突起および前記第2の突起の先端面の少なくとも一方には、前記受け面の一つである第1種の受け面が少なくとも一つ配置される。
本発明の一つの態様によれば、小型でアンテナ素子であり、かつ送受信可能な周波数帯域が広いアンテナ素子を、量産可能である。
図1は、本開示に係るアンテナアレイ100の平面図である。 図2は、図1に示すアンテナアレイの一部を拡大した平面図である。 図3は、図1におけるA−A線視断面図である。 図4は、突起113を部分的に拡大した斜視図である。 図5は、変形例の受け面Eaを有する突起113を部分的に拡大した斜視図である。 図6は、アンテナアレイを成形する金型MBの一例を示す部分断面図である。 図7は、アンテナアレイの変形例を示す斜視図である。
図1は、本開示に係るアンテナアレイ100の平面図である。以下、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。アンテナアレイ100は、アンテナ素子111を複数個含む。図1において点線で囲った部分が一つのアンテナ素子111に相当する。XYZ座標系において、X軸方向(第1の方向)及びY軸方向は、アンテナ素子111がアレイ状に配列される互いに直交する方向である。Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向の両方と直交する方向である。また、平面図というとき、Z方向から見た場合の図を指す。以下、このXYZ座標を用いてアンテナアレイの構成を説明する。
本実施形態におけるアンテナアレイ100は、導電性表面110bを持つ導電部材110に、複数のスロット112を設ける事で構成されている。この例において、導電部材110は、板形状を有する。なお、板形状以外に、ブロック形状などの、より厚さのある形状を選択することも出来る。複数のスロット112は、導電部材110をZ方向に貫通する。複数のスロット112は、X方向及びY方向に沿って二次元的に並んでいる。本実施形態では、16個のスロット112が4行4列に並んでいる。スロット112の個数および配列の仕方は、図示される態様とは異なっていてもよい。例えば、複数のスロット112が一次元的に配列されていてもよい。
図2は図1の部分拡大図である。各スロット112は、Z方向から見たときにアルファベットの「H」に類似する形状を有する。このような形状のスロット112を、「H型スロット」と呼ぶことがある。より具体的には、スロット112は中央部が第1の方向(本実施形態ではX方向)に延びた形状を有する。この部分を、以下では横部分112Lと呼ぶ。また、第1の方向とは異なる方向に伸び、横部分112Lを繋ぐ一対の部分を、各々のスロット112は含む。この部分を、以下では縦部分112Vと呼ぶ。すなわち、各々のスロット112は、第1の方向に伸びる横部分112Lと、第1の方向とは交差する第2の方向に沿って伸びる縦部分112Vを含む。この実施形態でスロット112は、横部分112Lの両端部においてそれぞれ縦部分112Vを有する。また、第2の方向はY方向と一致する。しかし、目的によっては、Y方向とは異なる方向に縦部分112Vが伸びる形状のスロットを採用することも出来る。スロット112の形状は、少なくとも中央部が第1の方向に延びる形状を有していれば、H型以外でもよい。縦部分の無いI型、あるいはU型等が採用可能である。
アンテナアレイ100は、導電性表面110b上において、Y方向において隣接するスロット112の間に、突起113を有する。各突起113は、基端において導電性表面110bに接続し、導電性表面から離れる方向(+Z方向)に伸びる。突起113は少なくとも表面が導電性を有する。突起113は、スロット112の開口の縁に隣接して配置され、導電性表面110bから突出する。複数のスロット112の内の少なくとも一つの中央部は、二つの突起113によって挟まれている。この二つの突起113は、第1の方向に対して交差する方向に並ぶ。この例では、二つの突起113がY方向に沿って並ぶが、この態様に限らない。また、二つの突起113が並ぶ方向と第2の方向が異なっていても良い。この例では、第2の方向は第1の方向に対して90度の角をなすが、この角度に限らない。例えば、アンテナアレイの構成によっては、60度であっても良い。
このように、スロット112を間に挟んで並ぶ二つの突起113を、以下では突起対114と呼ぶことがある。突起対114を構成する各々の突起113のY方向を向く側面は、互いに対向する。突起対114とスロット112との組み合わせは、1つのアンテナ素子111として機能する。このため、以下では、2つの突起113とスロット112との組み合わせを、適宜「突起付きアンテナ素子」または単に「アンテナ素子」と呼ぶ。
スロット112の開口を平面視した場合、中央部112Cの+Y方向(第2の方向における一方側)の縁112C1は、+Y方向側に位置する突起113に隣接する。同様に、中央部112Cの−Y方向(第2の方向における他方側)の縁112C2は、−Y方向側に位置する突起113に隣接する。一つのスロット112についてみた場合、この例では、縁112C1および112C2は、それぞれが隣接する突起113よりも、スロット112の中心に近い側に位置する。また、突起113の中心から隣接するスロット112の中心までの距離は、突起の先端面113tと導電性表面110bの間隔たりよりも小さい。すなわち、Y方向において隣接する2つの突起113が密に配置された構造を有する。この例において、第1の方向(スロット112の中央部が延びる方向。ここではX方向)における、横部分112Lの幅W2は、同じく第1の方向における突起対114を構成するそれぞれ突起113の幅W1よりも小さい。横部分112Lおよび突起部材113の幅に、このような変動を付与することにより、個々のアンテナ素子の特性を調節することができる。
図2に示す例において、スロット112の縦部分112Vの縁は、横部分112Lに向けて膨出する膨出部116を有する。このようなスロット112がX方向(第1の方向)に並ぶ。この例において、隣り合う2つの縦部分の間の壁213は、互いに逆方向に膨出する2つの膨出部116を有する。スロット内部の凹凸は、アンテナ素子としての特性に大きな影響を及ぼす。縦部分112Vに膨出部116を設ける場合にも、スロット112のアンテナ素子としての特性は変化する。しかし、スロット112の他の部分の寸法や突起113の細部の形状を調節する事により、特性の大きな劣化は回避できる。
図3は、導電部材110の斜視図であり、図1におけるA−A線に沿った断面も示している。断面に沿って並ぶ三つの突起113のうち、中央の突起113の高さh2は、隣に位置する突起113の高さh1、h3よりも大きい。また、この例において、h1とh3は等しい。この例において、高さh1と高さh3は同一であるが、異ならせることもできる。このように、突起113の高さに変化を与えることで、アンテナアレイの指向性を調節することができる。なお、突起113の高さとは、スロット112の開口の縁と突起113の先端面113tとの間の距離である。スロット112の開口の縁が導電性表面110bの上にある時は、突起113の高さは、突起113の先端面113tと導電性表面110bとの距離でもある。
図4は、突起113の拡大図である。突起113の側面の内、スロット112側に位置する側面には凸部113cがある。突起113の側面の凸部113cは、スロット112に向けて膨出し、かつ突起113の高さ方向(Z方向)に伸びる。また、凸部113cの一端は、先端面113tに達する。この例において、凸部113cは、スロット112を挟んで隣り合う二つの突起113(突起対114)の両方の側面に配置される(図3参照)。このような構成とする事で、スロット112と一対の突起113で構成されるアンテナ素子の特性を改善する事ができる。但し、必要に応じて、一方の側面のみに凸部113cを配置しても良い。凸部113cが先端面113tに達する部分では、先端面113tの第2の方向で測った幅が、局所的に大きい。この、先端面113tの幅が局所的に大きくなっている部分(幅広部113w)に、後述する受け面Eaを配置する事ができる。なお、受け面Eaは、全体が幅広部113wに位置する必要は無い。少なくともその一部が、幅広部113wに配置される。
本開示にかかわるアンテナ素子、およびアンテナアレイ100は、ダイキャスティング法などの、型を用いる方法で成形される。それらの方法では、相対的に移動可能な少なくとも二つの金型を組み合わせて空洞を形成し、該空洞に流動状態にある素材を注入し固化させる事で製品が成形される。そして、成形品を前記金型から分離する際に、該成形品の特定の部位に設定された部位を前記金型内に配置された突き出しピンを用いて押す操作を伴う。成型品において、この突き出しピンの先端が接し、力を受ける部分を、本開示では受け面と呼ぶ。突き出しピンが配置される部分においては、金型の内周面に微小な不連続が伴うため、成型品の表面にも、この不連続に起因するマークが生ずる事が多い。
スロット112の両側に突起113を配置することで、スロット112のアンテナとしての特性が大きく改善させられる。一対の突起113とその間のスロット112は、併せて一つのアンテナ素子を構成していると見なすことも出来る。この場合、第2の方向(Y方向)において隣り合う2つのアンテナ素子は、間に位置する一つの突起113を共有する。一般に突起113の形状は、アンテナ素子の特性を大きく左右する。しかし、先端面113tに配置される受け面は、それが凹みである場合および凸である場合の何れにおいても、アンテナ素子の特性に与える影響が小さい。このため、先端面113tに受け面が必用であれば、比較的自由に配置する事ができる。なお、受け面Eaは周囲よりも突出させた形状を選択し得る。受け面Eaを凹ませた場合および突出させた場合の何れにおいても、受け面Eaと周囲との高さの差が凸部113cの突出量の最大値よりも小さければ、アンテナ素子の特性に与える影響は軽微である。なお、この例において、凸部113cの突出量が最大となるのは、凸部113cが先端面113tに接続する部分である。
図2に示す様に、X方向において隣り合う、スロット112の縦部分112Vの間に位置する壁213にも受け面Eaを配置することも出来る。突起113の先端に配置される受け面Eaと区別する為に、壁213に配置される面Eaを、以下第2種の受け面と呼ぶ。これに対して、突起113先端の受け面を、以下では第1種の受け面と呼ぶことがある。
図2に示す例では、X方向において隣り合う2つの縦部分112Vの間の壁213は、互いに逆方向に膨出する2つの膨出部116を有する。この2つの膨出部116の間では、壁213の幅が局部的に大きい。この部分に、第2種の受け面Eaが配置されている。この例における配置では、スロットの中央部(横部分)112Lを第1の方向に沿って仮想的に延長した場合、延長された中央部はこの部分と交差する。但し、他の配置を選択する事も可能である。スロット112の傍に受け面Eaを配置する事で、スロット112付近の部位の離型をより確実にする。
H型のスロット112を備えたアンテナ素子を採用する事により、特にX方向におけるアンテナ素子の配置間隔を短縮する事ができる。本実施形態において、アンテナアレイ100のX方向におけるアンテナ素子の配置間隔は0.59λoである。Y方向におけるアンテナ素子の配置間隔は0.69λoである。ここで、λoは、送信または受信される周波数帯域の中心周波数における自由空間波長である。また、スロット112の第1の方向に伸びる中央部分に隣接して突起113を配置する事により、アンテナ素子が送受信可能な電磁波の、周波数範囲を拡大する事ができる。このように、アンテナ素子間の配置間隔がλoよりも小さいため、これら複数のアンテナ素子で構成されるアンテナアレイ100には、X方向においてグレーティングローブが現れ難い。
<アンテナアレイの製造方法>
上記アンテナアレイ100は、例えば、1つ以上の型を組み合わせた状態で、その内側を、流動状態にある素材で満たした後、素材を固化させることによって製造され得る。
流動状態にある素材としては、溶融した金属、反凝固状態にある金属、流動状態にある樹脂、硬化前の熱硬化性樹脂素材、またはバインダーと混合して流動性を付与した金属粉などを用いることができる。
上記の流動状態にある素材を型の内部に充填する方法としては、圧力をかけて注入するダイキャスティングまたは射出成形法などを利用することができる。型の素材としては、耐久性を備える熱間工具鋼が量産のためには好ましいが、これに限定されない。
型としては、2つ、或いは3つ以上の複数の型を組み合わせて内部空洞を形成し、そこに素材を注入できるようにする構成が最も一般的である。そして、注入された素材が固化した後、型を分離して成形品を取り出す。
図6は、アンテナアレイ100を成形する金型MBの一例を示す部分断面図である。仮に、キャビティCVが固化した素材が満たされている状態で、この部分断面を描いたとすると、固化した素材が切断される面は、図1のA−A線に沿った断面になる。
金型MBは、固定型FMと可動型MMとを含む。金型MBは、より一般的には、少なくとも2つの金型を含む。3つ以上の金型を用いても良い。図6においては、成形品1から得られるアンテナアレイ100を説明する為に用いたものと同じ、XYZ座標系が示されている。固定型FMと可動型MMとを組み合わせることで、内部空洞であるキャビティCVが形成される。通常は、可動型MMを−Z方向に移動させることで、内部空洞を形成し、+Z方向に移動させることで可動型MMを固定型FMから分離する。但し、必要に応じて、別の動作をさせても良い。なお、成形品1の形状とアンテナアレイ100の形状は、図示する範囲においては一致する。よって、以下では、成形品1という言葉とアンテナアレイ100という言葉とは、区別せずに用いる。
本実施形態における可動型MMは、入れ子121を有する。固定型FMと可動型MMが組み合わされた状態において、先端が固定型FMと接触する柱112Mを、入れ子121は複数個有する。柱112Mの周面は、スロット112の内周面を形成する。入れ子121は、隣り合う何れか2つの柱112Mの間に、Z方向に伸びる第3凹部113Mを複数個有する。第3凹部113Mによって、アンテナアレイ100における突起113が形成される。入れ子121は柱112Mを有し、Y方向に沿って並ぶ第3凹部113Mの間に配置されている。第3凹部113Mの底には、突起113の先端面を形成する、底面113tMがある。
複数個の底面113tMの何れか一つ以上には、貫通孔EHが開口する。貫通孔EHは、入れ子121をZ方向に貫通する。貫通孔EHには、突き出しピン(ejector pin)EPが収容されている。突き出しピンEPの外径は、貫通孔EHの内径よりも僅かに小さい。この場合における“僅かに”とは、突き出しピンEPが貫通孔EH内部に固着することなく移動可能でありながら、キャビティCVに注入された流動状態にある素材がこの貫通孔から漏れ出る量が、アンテナアレイ100を製造する上で許容可能な程度に少ない、状態が得られる程度の寸法差を意味する。このような寸法関係とする事で、突き出しピンEPは、入れ子121に対して、Z方向に移動自在である。突き出しピンEPの先端が、第3凹部113Mの底面113tMに位置する結果として、受け面Ea(第1種の受け面)は成形品1の突起113の先端部に位置する。なお、金型MBのキャビティCV形状の細部の説明は、成形品1(アンテナアレイ100)の形状の説明をもって代える。本開示に係るアンテナアレイ100の製造方法においては、キャビティCVを流動状態にある素材で隙間なく充填した後、充填時の形状を保ったまま固化させることを前提としている。このような状態では、成形品1の細部形状を説明する事で、キャビティCVの形状の細部を説明したことになる。なお、凝固収縮やヒケや反りなどによる形状の僅かな変化があったとしても、ここでは“充填時の形状を保”つ状態に含まれると見なす。
上記の金型MBを用いてアンテナアレイ100を製造する手順について説明する。
素材が金属材料である場合、アンテナアレイ100の製造方法は、金型MBを準備する工程と、金型MBに流動状態の素材を注入し、固化させて成形品1を成形する成形工程と、成形品1を金型MBから離型させる離型工程と、成形品1から、ゲート、オーバーフロー、バリ、等を除去する、後工程とを含む。
素材が樹脂材料である場合、完成したアンテナアンテナアレイ100は射出成形された成形品1と、成形品1の表面の少なくとも一部を覆う導電性の導電層とを有する。流動状態の素材が樹脂材料である場合、アンテナアレイ100の製造方法は、金型MBに流動状態の素材を注入して固化させ成形品1を成形する成形工程と、成形工程後に成形品1を金型MBから離型させる離型工程と、成形品1から、ランナー、ゲート、バリ、等を除去する成型後工程と、成形品1の表面の少なくとも一部を導電層で被覆する、メッキ処理等の被覆工程を含む。被覆工程において導電層で被覆される領域は、スロット112の内周面、導電性表面110bと、突起113の表面とを含む。
成形工程においては、流動状態の素材が金型MBの内部に注入される。金型MB内部で素材が固化し、成形品1として成形された後、可動型MMを固定型FMに対して離れる方向に移動させる。可動型MMの移動により固定型FMと可動型MMとは分離し、成形工程は終了する。引き続いて、離型工程が実行される。
離型工程では、突き出しピンEPが可動型MMに対して−Z方向に駆動される。−Z方向に駆動された突き出しピンEPは、可動型MMに固着している成形品1における突起113の受け面Ea(第1種の受け面)を−Z方向に向けて押す。突き出しピンEPにより受け面Eaを押された成形品1は、可動型MMから離れる。なお、離型工程は、固定型FMと可動型MMを分離する際に、同時に行う事も出来る。
本実施形態では、成形されるアンテナアレイ100が、突起113の側面に凸部113cを有する。このため、凸部113cと突起113の先端面113tが交わる部分において、先端面113tの幅(Y方向の幅)が局所的に広い。この幅が広い部分に受け面Eaを配置する事により、個々の受け面Eaの面積を大きくする事が出来る。このため、より直径の大きな突き出しピンEPを用いてより強い力で駆動しつつ、先端面113tの損傷を避けられる。本実施形態における成形品1は、複数の突起113を有し、離型抵抗が大きいが、より強い力で突き出しピンEPを駆動できるため、成形品1を金型(可動型MM)から分離する事より容易になる。なお、凸部113cは、必須ではない。アンテナアレイ100の特性確保などのために必要であれば、凸部の無い構造を選択することも出来る。
図4および図5に示す様に、この例において、突起113は、平坦な先端面113tを有する。但し、曲面であっても良い。先端面113tを平面とする事で、金型MBの製作がより容易になる。本実施形態において受け面EaはZ方向に視て円形であるが、本願の発明において、受け面Eaの形状は円形に限られない。ひし形や楕円形であっても良い。あるいは、2つの円形が繋がったアレイ型の受け面Eaであっても良い。導電性表面110bを平面視した状態(Z方向に沿って見下ろした状態)において、受け面Eaは平坦面上に位置し、平坦面の重心は、受け面Eaの内側に位置する。
先端面113tの重心が受け面Eaの内側に位置するため、離型工程において、突き出しピンEPは先端面113tの重心を押す。このため、本実施形態の製造方法ではアンテナアレイ100をより確実に離型させることができる。
図2に示す様に、X方向において隣り合う、スロット112の縦部分112Vの間に位置する壁213にも受け面Ea(第2種の受け面)を配置することも出来る。この部分に受け面Eaを追加する事でアンテナアレイ100をより円滑に離型させる事が出来る。第2種の受け面の形状はこの例では円形である。しかし、第1種の受け面と同様に、第2種の受け面も様々な形状を選択する事ができる。
図5は、変形例の受け面Eaを有する突起113を部分的に拡大した斜視図である。
突き出しピンEPの先端が、可動型MMにおいて受け面Eaの周囲を成形する面よりも突出している場合に、成形された突起113の先端面113tに位置する受け面Eaは、周囲よりも凹む。
図4および図5に示す様に、本実施形態の製造方法に係るアンテナアレイ100では、スロット112に近接して突起113が配置されている。より正確には、導電性表面110bを平面視した状態において、導電性表面110bに接続する突起113の基端と、スロット112の中央部の開口の縁との隔たりは、突起113の先端面113tと導電性表面110bとの間の隔たりよりも小さい。図1および図3で明らかなように、一つのスロット112は、+Y側に位置する突起113(第1の突起)と、−Y側に位置する突起113(第2の突起)を伴う。すなわち、スロット112の中央部はX方向(第1の方向)の伸び、その中央部をY方向(第2の方向)に並ぶ、2つの突起113によって挟まれている。そして、それら2つの突起113の何れについても、基部とスロット112の中央部の開口の縁との隔たりは、突起113の先端面113tと導電性表面110bとの間の隔たりよりも小さい。このような配置とする事で、E面方向(後述)における寸法の小さなアンテナ素子を実現できる。そして、そのようなアンテナ素子を複数有するアンテナアレイ100は、E面方向におけるアンテナ素子の配置間隔を短くすることで、Y方向(E面方向)におけるグレーティングローブの発生を抑制できる。
しかし、このような配置を取る事により、スロット112の内周面と、突起113の周面という、縦方向(Z方向)に長く拡がった面が、狭い領域に集中して配置されることになる。この“縦方向”は、離型工程において金型が移動する方向であるため、アンテナアレイ100は、突起113の周辺において離型時に大きな抵抗を受け、場合によっては成型品が破損する可能性もある。
本実施形態の製造方法においては、Z方向に長く拡がった面が集中する領域の傍である、突起113の先端面113tに受け面Eaを配置し、ピンEPで押す構成を採る事により、離型工程におけるこの問題の発生を抑制できる。受け面Eaは、第1の突起113と第2の突起113の両方の先端面113tに、それぞれ配置する方がより好ましいが、片方であっても効果は得られる。
なお、本願のアンテナアレイ100の成型に用いる素材としては、樹脂、金属、の何れも用いる事が出来る。キャビティCV内部に注入される際には流動可能な状態にあるが、その後金型内で流動性を失って固化する性質を持つ素材であれば、基本的にはどのような素材でも利用する事ができる。具体的には、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、或いはこれら元素を主成分とするISOあるいはANSI等の工業規格にて規定されている合金を、素材として用いる事が出来る。また、レオキャスティング、チクソモールディング等の、半溶融状態にある金属を金型内に注入する手法も利用できる。
樹脂としては、熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂を用いる事が可能である。但し、樹脂を素材とする場合は、後工程にて、表面に導電性を付与する必要がある。導電性を付与する方法としては、Physical Vapor Depositionを利用することも出来るが、生産性を考慮すれば、メッキ処理を選択する事が好ましい。このため、樹脂素材も、メッキ性が良好な種類のものを用いる事がより好ましい。より具体的には、Polycarbonate樹脂、PC/ABS(Polycarbonate/Acrylonitrile butadiene styrene)、シンジオタクチックポリスチレン樹脂(syndiotactic polystyrene、或いはSPS樹脂)等のエンジニアリングプラスチックを用いる事が出来る。或いは、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を用いても良い。
図7は、アンテナアレイ100の変形例100bを示す斜視図である。この図において、上述した実施形態で説明した図1から図5と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
図7に示すように、本変形例のアンテナアレイ100bは、個々の突起113のY方向(E面方向)の広がりが、図1〜図5で説明したアンテナアレイ100よりも、広い。このため、突起113の形態は、やや壁に似る。しかし、外壁160等と区別するため、以下では突起と呼ぶ。突起対114の間の間隙の大きさ(すなわちY方向において、スロット112を挟んで対向する2つの突起113間の距離)は、当該突起対114の基部114bから頂部114tに進むに従って単調に拡大する。本変形例のアンテナアレイ100bでは、6つのアンテナ素子がX方向とY方向に並び、二次元の配列を成している。6つのアンテナ素子は、導電性の外壁160で囲まれている。外壁160は、X方向に延びる一対の第1部分160Xと、Y方向に延びる一対の第2部分160Yとを有し、Z方向から見た場合矩形である。すなわち、外壁160は連続した壁である。
この外壁160の内側には、隣り合うアンテナ素子を仕切る導電性の複数の内壁が配置されている。これらの内壁は、E面方向(本実施形態ではY方向)に沿って延びる複数の内壁160Eと、H面方向(本実施形態ではX方向)に沿って延びる複数の内壁160Hとを含む。これらの内壁160E、160Hの各々は、その中央部において連続しておらず、途切れている。
本明細書において、「E面」とは、導電性表面110bに垂直であり、かつ、一対の突起114の内の一方の突起から他方の突起に向かう方向を含む面である。また「H面」とは、導電性表面110bに垂直であり、かつ、H型のスロットの横部分112Lが伸びる方向(X方向、または第1の方向)を含む面である。アンテナアレイ、および該アレイを構成するアンテナ素子は、入射する電磁波の電界のベクトルE面に平行であり、かつ磁界のベクトルがH面に平行な電波を、最も効率よく受信する。このため、それぞれの面を、E面、あるいはH面と呼ぶ。導電性表面110bに垂直な方向(Z方向)から見たときに、H面に平行な方向が「H面方向」であり、E面に平行な方向が「E面方向」である。本変形例では、H面方向はX方向に一致し、E面方向はY方向に一致する。
外壁160及び内壁160E、160Hの各々は、導電性表面110bからZ方向に広がる壁または突起である。内壁160Eは、Z方向視でY方向に延びる。内壁160Hは、Z方向視でX方向に延びる。すなわち、本変形例におけるアンテナアレイ100bが含む壁または突起は、Y方向に延びる第1部分160E、160Yと、X方向に延びる第2部分160H、160Xを有する。突き出しピンEPを受ける受け面Eaは、第1部分160Eと第2部分160Hまたは160Xが交差する部分、および第1部分160Yと第2部分160Hまたは160Xが交差する部分、あるいは突起113と第2部分160Xが交差する部分に配置かれる。なお、図7の例においては、突起113と第2部分160Hは接続していない。しかし、更に他の変形例においては、突起113と第2部分160Hが接続した構造も採用し得る。そのような場合には、突起113と第2部分160Hが交差する部分にも、受け面Eaを配置する事が可能である。なお、これら受け面Eaは、各外壁160および内壁160E、160Hの上端面(Z方向側の端部)に配置されることがより好ましい。
離型工程に際して、互いに直交する第1部分160E、160Xと第2部分160H、160Yとが交差する部分は、可動型MMに強い力で保持されている。本変形例では、可動型MMに強い力で保持されている部分を、離型工程において突き出しピンEPで押すことにより、成形品1を効果的に離型させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
<応用例>
本開示の実施形態におけるアンテナ素子、またはアンテナアレイは、例えば車両、船舶、航空機、ロボット等の移動体に搭載されるレーダ装置またはレーダシステムに好適に用いられ得る。レーダ装置は、上述したいずれかの実施形態におけるアンテナアレイと、当該アンテナアレイに接続されたMMICなどのマイクロ波集積回路とを備える。レーダシステムは、当該レーダ装置と、当該レーダ装置のマイクロ波集積回路に接続された信号処理回路とを備える。信号処理回路は、例えば、マイクロ波集積回路によって受信された信号に基づき、到来波の方位を推定する処理等を行う。信号処理回路は、例えば、MUSIC法、ESPRIT法、およびSAGE法などのアルゴリズムを実行して、到来波の方位を推定し、推定結果を示す信号を出力するように構成され得る。信号処理回路は、さらに、公知のアルゴリズムにより、到来波の波源である物標までの距離、物標の相対速度、物標の方位を推定し、推定結果を示す信号を出力するように構成されていてもよい。
本開示における「信号処理回路」の用語は、単一の回路に限られず、複数の回路の組み合わせを概念的に1つの機能部品として捉えた態様も含む。信号処理回路は、1個または複数のシステムオンチップ(SoC)によって実現されてもよい。例えば、信号処理回路の一部または全部がプログラマブルロジックデバイス(PLD)であるFPGA(Field−Programmable Gate Array)であってもよい。その場合、信号処理回路は、複数の演算素子(例えば汎用ロジックおよびマルチプライヤ)および複数のメモリ素子(例えばルックアップテーブルまたはメモリブロック)を含む。または、信号処理回路は、汎用プロセッサおよびメインメモリ装置の集合であってもよい。信号処理回路は、プロセッサコアとメモリとを含む回路であってもよい。これらは信号処理回路として機能し得る。
本開示の実施形態のアンテナ素子およびアンテナアレイは、従来の構成と比較して、配置される面の面積を著しく小さくすることができる。このため、当該アンテナアレイを搭載したレーダシステムを、例えば車両のリアビューミラーの鏡面の反対側の面のような狭小な場所、またはUAV(Unmanned Aerial Vehicle、所謂ドローン)のような小型の移動体にも容易に搭載することができる。なお、レーダシステムは、車両に搭載される形態の例に限定されず、例えば道路または建物に固定されて使用され得る。
アンテナアレイを備えたレーダシステム、通信システム、および各種監視システムの応用例が、例えば米国特許第9786995号明細書、に開示されている。当該文献の開示内容の全体を本願明細書に援用する。本開示のアンテナアレイは、当該文献に開示された各応用例に適用することができる。
なお、MMICなどのマイクロ波集積回路と導波路とを接続する構造は、例えば、米国特許出願第15/996795、米国特許出願第16/022893、米国特許出願第16/145491、米国特許出願第16/170172、米国特許出願第16/234749、国際特許出願公開第2018/105513に開示されている。当該文献の開示内容の全体を本願明細書に援用する。
本開示のアンテナ素子およびアンテナアレイは、アンテナを利用するあらゆる技術分野において利用可能である。例えばギガヘルツ帯域またはテラヘルツ帯域の電磁波の送受信を行う各種の用途に利用され得る。特に小型化が求められる車載レーダシステム、各種の監視システム、屋内測位システム、および無線通信システムに好適に用いられ得る。
MB…金型、
FM…固定型、
MM…可動型、
CV…キャビティ、
Ea…受け面、
EP…突き出しピン、
1…成型品、
110…導電部材、
110b…導電性表面、
111…アンテナ素子、
スロット…112、
スロットの中央部…112C、
スロット中央部の開口の縁…112C1、112C2、
113…突起、
113t…突起の先端面

Claims (11)

  1. 製造に際して、
    相対的に移動可能な少なくとも二つの金型を組み合わせて空洞を形成し、該空洞に流動状態にある素材を注入し固化させる事で成形され、
    成形品を前記金型から分離する際に、該成形品の特定の部位に設定された少なくとも一つの受け面を前記金型内に配置された突き出しピンを用いて押す操作を伴う、
    アンテナ素子であって、
    導電性表面を有するブロック形状あるいは板形状の、導電部材と、
    前記導電性表面に接続し該導電性表面から離れる方向に伸びる、導電性の第1の突起と導電性の第2の突起と、
    を備え、
    前記導電部材は、前記導電性表面に開口し中央部が前記導電性表面に沿った第1の方向に延びる少なくとも1つの第1のスロットを有し、
    前記第1の突起と前記第2の突起は、前記第1の方向と交差し前記導電性表面に沿った第2の方向に並び、
    前記導電性表面を平面視した状態において、
    前記中央部は前記第1の突起と前記第2の突起とによって挟まれる位置に配置され、
    前記第1の突起の中心と前記第1のスロットの前記中央部における開口の縁との間の距離は、該第1の突起の先端面と前記導電性表面との隔たりよりも小さく、
    前記第2の突起の中心と前記第1のスロットの前記中央部における開口の縁との間の距離は、該第2の突起の先端面と前記導電性表面との隔たりよりも小さく、
    前記第1の突起および前記第2の突起の先端面の少なくとも一方には、前記少なくとも一つの受け面の一つである第1種の受け面が少なくとも一つ配置される、
    アンテナ素子。
  2. 前記第1のスロットは前記第1の方向と交差する方向に伸びる一対の縦部分を含み、
    前記一対の縦部分は前記中央部によって接続され、
    前記導電性表面は前記中央部を仮想的に延長した部位に、前記受け面の一つである第2種の受け面を少なくとも一つ有し、
    前記第2種の受け面と該第2種の受け面に最も近い前記縦部分の縁との間の距離は、該第2種の受け面の直径よりも小さい、
    請求項1のアンテナ素子。
  3. 少なくとも前記第1の突起は、前記第1のスロットに向けて膨出し該第1の突起の高さ方向に伸びる凸部を側面に有する、
    請求項1または2のアンテナ素子。
  4. 少なくとも前記第1の突起は、前記第1のスロットに向けて膨出し該第1の突起の高さ方向に伸びる凸部を側面に有し、
    前記凸部の一端は前記先端面に達して、前記先端面に幅広部を与え、
    前記第1種の受け面の少なくとも一部は、前記幅広部に位置する、
    請求項1または2のアンテナ素子。
  5. 前記受け面は、周囲よりも凸、または凹となっている、
    請求項1から4のいずれかのアンテナ素子。
  6. 前記受け面と周囲との高さの差は、前記凸部の突出量の最大値よりも小さい、
    請求項5のアンテナ素子。
  7. 少なくとも前記第1の突起は、前記先端面に平坦面を有し、
    前記導電性表面を平面視した状態において、
    前記先端面の重心は、前記第1種の受け面内に位置する、
    請求項1から6のいずれかのアンテナ素子。
  8. 請求項1から7の何れかのアンテナ素子を少なくとも二つ含む複数のアンテナ素子と、
    前記導電性表面に接続し該導電性表面から離れる方向に伸びる、導電性の第3の突起と、
    を含み、
    前記導電部材は、前記導電性表面に開口し中央部が前記第1の方向に沿って延びる第2のスロットを有し、
    前記第1の突起、前記第2の突起、および前記第3の突起は、前記第2の方向に沿ってこの順に並び、
    前記導電性表面を平面視した状態において、
    前記第2のスロットの前記中央部は、前記第2の突起と前記第3の突起によって挟まれる位置に配置され、
    前記第2の突起の基端における周面と前記第2のスロットの前記中央部における開口の縁との間の距離は、該第2の突起の前記先端面と前記導電性表面との隔たりよりも小さく、
    前記第3の突起の基端のおける周面と前記第2のスロットの前記中央部における開口の縁との間の距離は、該第3の突起の先端面と前記導電性表面との隔たりよりも小さく、
    前記第1の突起から前記第3の突起の内、少なくとも前記第1の突起と前記第3の突起には、各々前記第1種の受け面が配置される、
    アンテナアレイ。
  9. 請求項1、または3から7の何れかのアンテナ素子を少なくとも二つ含む複数のアンテナ素子を有し、
    前記導電部材は、前記導電性表面に開口し中央部が前記第1の方向に沿って延びる第3のスロットを有し、
    前記第3のスロットは、前記第1の方向と交差する方向に伸び、前記中央部によって互いに接続される、一対の縦部分を含み、
    前記第1のスロットおよび前記第3のスロットは、前記第1の方向に沿って並び、
    前記第1のスロットの一対の縦部分の一つと前記第3のスロットの一対の縦部分の一つの間には、前記導電部材の一部である壁によって隔てられ、
    前記壁の上には、前記少なくとも一つの受け面の一つである第2種の受け面が配置される、
    アンテナアレイ。
  10. 請求項9のアンテナアレイであって、
    前記導電性表面に接続し該導電性表面から離れる方向に伸びる、導電性の第3の突起を更に含み、
    前記導電部材は、前記導電性表面に開口し中央部が前記第1の方向に沿って延びる第2のスロットを有し、
    前記第1の突起、前記第2の突起、および前記第3の突起は、前記第2の方向に沿ってこの順に並び、
    前記導電性表面を平面視した状態において、
    前記第2のスロットの前記中央部は、前記第2の突起と前記第3の突起によって挟まれる位置に配置され、
    前記第2の突起の基端における周面と前記第2のスロットの前記中央部における開口の縁との間の距離は、該第2の突起の前記先端面と前記導電性表面との隔たりよりも小さく、
    前記第3の突起の基端のおける周面と前記第2のスロットの前記中央部における開口の縁との間の距離は、該第3の突起の先端面と前記導電性表面との隔たりよりも小さく、
    前記第1の突起から前記第3の突起の内、少なくとも前記第1の突起と前記第3の突起には、各々前記第1種の受け面が配置される、
    アンテナアレイ。
  11. 請求項8から10のいずれかのアンテナアレイと、
    前記アンテナアレイに接続されたマイクロ波集積回路と、
    を備えるレーダ装置。
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