JP2020057383A - 不良品発生の原因判定システム - Google Patents
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Abstract
【課題】経験が少ない製造工程の管理担当者であっても、複数の製造工程要素が関与する製品製造において、不良品発生の原因工程を見出し、その工程中の特定の原因要素の判定をすることができる不良品発生の原因判定システムを提供する。【解決手段】不良品発生の原因システムであって、(a)複数の製造工程要素を識別し、製造工程要素番号Yを付与して記憶する番号記憶部1と、(b)製品ごとに製造経路RXを特定する製造経路特定部2と、(c)製品ごとの特定された前記製造経路RXを記憶する製造経路記億部3と、(d)製造された製品を検査し、製品の品質パラメータ値Q(RX)を記憶する品質情報記憶部4と、製造工程要素の得点Vn(Y)を算出する算出部5と、得点の低い製造工程要素番号Yが付与された製造工程要素を不良品発生の原因として判定する原因判定部6とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、経験が少ない製造工程の管理担当者であっても、複数の製造工程要素が関与する製品製造において、不良品発生の原因工程を見出し、その工程中の特定の原因要素の判定をすることができる不良品発生の原因判定システムに関する。
本発明でいう製品は、複数の製造工程要素が関与し複数の製造経路を含む製造工程によって製造されるものであればいかなるものでもよく、機械の完成品だけでなく、機械を構成する部品なども含まれる。さらに、製品としては、医薬品や化学物質のように不定形の製品であってもよい。
本発明でいう製品は、複数の製造工程要素が関与し複数の製造経路を含む製造工程によって製造されるものであればいかなるものでもよく、機械の完成品だけでなく、機械を構成する部品なども含まれる。さらに、製品としては、医薬品や化学物質のように不定形の製品であってもよい。
製品を製造する際に、生産者は製品の品質の向上に努めている。しかし、製品を製造する際に、一定の不良品が生じることは避けられないものである。
一般に、製品は複数の段階の製造工程を経て製造される。さらに同じ段階の製造工程であっても異なる作業員が作業に当たったり、異なる備品が使用されるなど、異なる複数の製造工程要素が製品の製造に関与している。これらの複数の製造工程要素の一部に問題があり、これが不良品発生の原因となっていることがある。
製造工程要素の中から不良品発生の原因を見つけ出し、適切な対処を行えば製造される製品の品質向上につながる。しかし、膨大な数の製造工程要素の中から不良品発生の原因を見つけ出すことは、多大な時間と労力を必要とする。
さらに、複数の製造工程要素の中から不良品発生の原因を見つけ出すことは、製造工程における複数の製造工程要素を熟知した製造工程の管理担当者であっても、依然として困難なものである。
特許文献1には、製造プロセスに関する多数の変数を用いて、製造される製品の品質を予測する品質予測装置が開示されている。
しかしながら、上記の品質予測装置は最終製品の品質を予測するために使用される装置であって、複数の製造工程要素の中から不良品発生の原因を見つけ出すものではなかった。
そこで、本発明は、上述したごとき課題に鑑みてなされたものであり、経験が少ない製造工程の管理担当者であっても、複数の製造工程要素が関与する製品製造において、不良品発生の原因工程を見出し、その工程中の特定の原因要素の判定をすることができる不良品発生の原因判定システムを提供する。
請求項1に係る発明は、1つまたはそれ以上のn個(1≦n)の製造工程S1〜Snでの製品製造における不良品発生の原因判定に関する不良判定システムであって、
夫々の製造工程は、第a段階(1≦a≦n)の製造工程Saおいて、製品製造に関与する作業員、備品、及び消耗品からなる群から選択される1つまたはそれらの組み合わせを含む複数m個(2≦m)の製造工程要素を含み、
製品は、第1段階の製造工程S1に複数m個ある製造工程要素のうち必ず1点のみを通過し、続いて、第2段階の製造工程S2に複数m個ある製造工程要素のうち必ず1点のみを通過し、以下第n段階の製造工程Snに複数m個ある製造工程要素まで、第a段階(1≦a≦n)に複数m個ある製造工程要素を必ず1点のみ通過し、n個の製造工程要素を含む製造経路RX(1≦X≦mn)を経て製造され、
(a)第a段階(1≦a≦n)の製造工程Saの複数m個の製造工程要素を識別し、製造工程要素番号Y(1≦Y≦n×m)を付与して記憶する番号記憶部と、
(b)製品が製造されるときに通過する各段階の前記製造工程要素番号Yを追跡し、製品ごとに複数mn通りの前記製造経路RXの中から1つを特定する製造経路特定部と、
(c)製品ごとの特定された複数の前記製造経路RXを記憶する製造経路記億部と、
(d)製造された製品を検査し、前記製造経路RXと前記製造経路RXごとに製造された製品の品質パラメータ値Q(RX)を関連づけて品質検査情報として記憶する品質情報記憶部と、
(e)前記品質パラメータ値Q(RX)を、以下の(式1)で示すn個の個々の製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)の和として関連付け、
Q(RX)=V1(Y)+V2(Y)+ 〜 +Vn(Y) (式1)
mn≧n×mの条件の下で、前記品質情報記憶部に記憶された複数の品質パラメータ値Q(RX)についての(式1)の関係に基づいて、個々の製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)を特定する算出部と、
(f)取得された前記製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)から相対的に得点の低い前記製造工程要素番号Yを検出し、検出した製造工程要素を不良品発生の原因として判定する原因判定部とを備える、
ことを特徴とする。
夫々の製造工程は、第a段階(1≦a≦n)の製造工程Saおいて、製品製造に関与する作業員、備品、及び消耗品からなる群から選択される1つまたはそれらの組み合わせを含む複数m個(2≦m)の製造工程要素を含み、
製品は、第1段階の製造工程S1に複数m個ある製造工程要素のうち必ず1点のみを通過し、続いて、第2段階の製造工程S2に複数m個ある製造工程要素のうち必ず1点のみを通過し、以下第n段階の製造工程Snに複数m個ある製造工程要素まで、第a段階(1≦a≦n)に複数m個ある製造工程要素を必ず1点のみ通過し、n個の製造工程要素を含む製造経路RX(1≦X≦mn)を経て製造され、
(a)第a段階(1≦a≦n)の製造工程Saの複数m個の製造工程要素を識別し、製造工程要素番号Y(1≦Y≦n×m)を付与して記憶する番号記憶部と、
(b)製品が製造されるときに通過する各段階の前記製造工程要素番号Yを追跡し、製品ごとに複数mn通りの前記製造経路RXの中から1つを特定する製造経路特定部と、
(c)製品ごとの特定された複数の前記製造経路RXを記憶する製造経路記億部と、
(d)製造された製品を検査し、前記製造経路RXと前記製造経路RXごとに製造された製品の品質パラメータ値Q(RX)を関連づけて品質検査情報として記憶する品質情報記憶部と、
(e)前記品質パラメータ値Q(RX)を、以下の(式1)で示すn個の個々の製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)の和として関連付け、
Q(RX)=V1(Y)+V2(Y)+ 〜 +Vn(Y) (式1)
mn≧n×mの条件の下で、前記品質情報記憶部に記憶された複数の品質パラメータ値Q(RX)についての(式1)の関係に基づいて、個々の製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)を特定する算出部と、
(f)取得された前記製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)から相対的に得点の低い前記製造工程要素番号Yを検出し、検出した製造工程要素を不良品発生の原因として判定する原因判定部とを備える、
ことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、前記算出部は、前記品質パラメータ値Q(RX)の相対的に低い製造経路RXを探し出し、当該製造経路RXが含む製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)を優先的に算出することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記品質パラメータ値Q(RX)は、製造される製品の不良品率Dであることを特徴とする、請求項1または2に記載の不良品発生の原因判定システムに関する。
請求項4に係る発明は、前記品質パラメータ値Q(RX)は、製品の基準値からの標準偏差Pであることを特徴とする、請求項1または2に記載の不良品発生の原因判定システムに関する。
請求項1に係る発明によれば、複数の製造工程要素が製品の製造に関与するような複雑な製品製造において、適確に不良品発生の原因となる製造工程要素を判定することが可能である。また製造工程要素の得点Vn(Y)は、具体的な数値として算出されるため、客観的な判定が可能である。
請求項2に係る発明によれば、評点が低い製造経路RXが含む、製造工程要素の得点Vn(Y)を優先的に算出するため、品質パラメータ値Q(RX)を低下させる製造工程要素の得点Vn(Y)を効率的に算出することができる。
請求項3に係る発明によれば、前記品質パラメータ値Q(RX)は製品の不良品率Dであるため、不良品率Dの増加に直接つながる製造工程要素を判定することが可能である。
請求項4に係る発明によれば、前記品質パラメータ値Q(RX)は、製品の基準値からの標準偏差Pであるため、製品の品質に不均質をもたらす製造工程要素の判定が可能である。
以上のような不良品発生の原因判定システムによれば、経験が少ない製造工程の管理担当者であっても、複数の製造工程要素の中から不良品発生の原因を判定することができる。
以下に、本発明の不良品発生の原因判定システムの実施形態について図面に基づいて説明する。
<第一実施形態>
本実施形態に係る発明は、1つまたはそれ以上のn個の製造工程S1〜Sn、すなわち第1段階から第n段階までを有する製造工程での製品製造において、不良品発生の原因を判定する不良品発生の原因判定システムである。
本実施形態に係る発明は、1つまたはそれ以上のn個の製造工程S1〜Sn、すなわち第1段階から第n段階までを有する製造工程での製品製造において、不良品発生の原因を判定する不良品発生の原因判定システムである。
図1は、不良品判定システム(10)の構成を示すブロック図である。不良品判定システム(10)は、主要な構成として、番号記憶部(1)と、製造経路特定部(2)と、製造経路記憶部(3)と、品質情報記憶部(4)と、算出部(5)と、原因判定部(6)とを備える。
本発明の不良品発生の原因判定システムが使用される製造工程は、夫々の段階ごとにすなわち第a段階(1≦a≦n)に、複数m個(すなわち2≦m)の製造工程要素を含む。ここで製造工程要素の個数mが、製造工程の夫々の段階で取り得る値は異なってもよい。つまり製造工程要素の多い製造工程ではmは大きくなり、製造工程要素の少ない製造工程ではmは小さくなる。
本発明において、製造工程要素とは、製品製造に関与する作業員、備品及び消耗品からなる群から選択される1つまたはそれらの組み合わせによって定義される。ここで備品には、製造工程で使用される各種の備品、例えば、製品を加工するための工具、研磨機、及び洗浄液を入れるための容器などを含み、消耗品は、例えば、研磨剤、潤滑液、及び洗浄液などを含むが、備品も消耗品もこれらに限定されない。
また本発明において、製造工程要素を構成する作業員、備品及び消耗品の夫々1つを要素構成単位という。図2で例示される製造工程Saにおいては、研磨剤1、研磨剤2、研磨機1、及び研磨機2の4つの要素構成単位の組み合わせによって製造工程要素が構成されている。
また各製造工程要素は、上記の作業員、備品及び消耗品など異なる種類の複数の要素構成単位の組み合わせによって構成される場合もあれば、同じ種類の複数の要素構成単位によって構成される場合もある。
製造工程要素が異なる種類の複数の要素構成単位の組み合わせによって構成される例としては、限定されないが、研磨機と研磨剤を使用することから構成される製造工程などがある。この場合、図2の製造工程Saで例示されるように、該製造工程の各製造工程要素は、異なる種類の複数の要素構成単位(すなわち、複数の研磨機、及び複数の研磨剤)の組み合わせから選択される1つによって構成される。
製造工程要素が同じ種類の複数の要素構成単位によって構成される例としては、限定されないが、複数の作業員による手作業のみによって構成される製造工程などがある。この場合、図2の製造工程Sbで例示されるように、該製造工程の各製造工程要素は、同じ種類の複数の要素構成単位(すなわち複数の作業員)から選択される1つで構成される。
また、各製造工程要素には夫々に製造工程要素番号Yが付与される。本実施形態では、製造工程要素番号Yは全ての工程の製造工程要素に対して通し番号(Y1〜Ynm)で付与されているが、これに限定されず、夫々の段階ごとに区別された番号などで付与されてもよい。
図3で示されるように製品は、各段階の製造工程要素のうち必ず1点のみを通過して製造される。つまり、第1段階の製造工程S1に複数m個ある製造工程要素のうち必ず1点のみを通過し、続いて、第2段階の製造工程S2に複数m個ある製造工程要素のうち必ず1点のみを通過する。以下製品は、第a段階(1≦a≦n)の製造工程Saに複数m個ある製造工程要素のうち必ず1点のみを通過するように、最終段階の製造工程である第n段階の製造工程Snに複数m個ある製造工程要素のうち必ず1点のみを通過する。
本発明において、上述の製品が通過した各段階の製造工程要素を順番に並べたものを製造経路RXと呼ぶ。上述のように製品は、第n段階まである各段階の製造工程要素を必ず1点のみ通過するため、各製造経路RXは、n個の製造工程要素を含む。また1つの段階の製造工程にはm個の製造工程要素が含まれるため、製造経路RXは全部でmn通り存在することになる。すなわちXは、1≦X≦mnを満たす。製品の製造は、これらのうちの1つから選択される製造経路RXを経て行われる。
図3の太い矢印線で示されるRα、Rβ、及びRγは、製造経路RXの一例である。よってα、β、及びγも、1以上mn以下のいずれかの数である。
番号記憶部(1)は、複数n個の製造工程に含まれる全ての製造工程要素を識別し、全ての製造工程要素に製造工程要素番号Yを付与して記憶する。本実施形態のように、製造工程要素番号Yが通し番号で付与される場合では、1≦Y≦n×mを満たす。その他の方法で番号が付与される場合でも、番号の合計個数は1以上、且つn×m以下である。
製造経路特定部(2)は、製品が製造されるときに通過する各段階の製造工程要素番号Yを追跡し、製品ごとの製造経路RXを特定する。上述のとおり製造経路は、全部でmn通り存在するため、1≦X≦mnを満たす。
製造経路記憶部(3)は、製造経路特定部(2)によって特定された製造経路RXと、該製造経路RXで製造された製品を関連づけて(紐づけて)記憶する。この記憶は、mn個の製造経路RXと該製造経路RXで製造された製品全てについて行われる。
製品は品質を検査され、品質パラメータ値Q(RX)が取得される。品質パラメータ値Q(RX)は、品質を示すパラメータとして、限定されないが、製品の不良品率D、製品の基準値からの標準偏差Pなどを使用することができる。例えば、標準偏差Pは、最終検査において検出される寸法誤差のばらつきから得られる標準偏差である。
品質情報記憶部(4)は、製造された製品を検査し、製造経路RXと製造経路RXごとに製造された製品の品質パラメータ値Q(RX)を関連づけて品質検査情報として記憶する。
算出部(5)は、(1)式で示すように、製造経路RXが含むn個の個々の製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)の和として算出し、これを品質パラメータ値Q(RX)と関連付ける。
Q(RX)=V1(Y)+V2(Y)+ 〜 +Vn(Y) (式1)
なお、上述の通り製造経路RXはmn個存在し、夫々が含む個々の製造工程要素の組み合わせが異なる。したがって、夫々の製造経路RXごとに異なる(式1)を得ることが可能である。
なお、夫々の製造経路RXは、1つまたそれ以上の共通する製造工程要素番号Yを通過するものが存在する。
ここで製造工程要素番号Yはn×m個存在する。製造経路RXはmn個あるため、mn個の(式1)を得ることができる。なお本実施形態において夫々の製造工程に含まれる製造工程要素は複数(すなわち、2≦m)であるため必ず以下の(式2)を満たす。
mn≧n×m ・・・(式2)
つまり、(式1)のQ(RX)の総数は、(式1)の右辺の総数よりも、多く与えられる。よって、これらを連立方程式として解き、製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)の数値をそれぞれ算出することが可能である。
原因判定部(6)は、算出部(5)によって算出された製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)を取得して、得点の相対的に低い(悪い)製造工程要素を検出する。上述のように製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)、及び品質パラメータ値Q(RX)は(式1)で関係づけられている。よって、製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)が低下すれば、品質パラメータ値Q(RX)も低下する。
図4はn=3、且つm=3のときに、製造工程要素の得点と、品質パラメータ値Q(RX)の関係性を示す一例である。図4の場合、製造経路RXは実際には27個得られるが、そのうち3個を例示している。図4においても、製造工程要素のVk(Y)(k:1〜n)が低下すれば、品質パラメータ値Q(RX)も低下することがわかる。具体的には、品質パラメータ値Q(Rγ)(=33+34+7)の場合である。
したがって、検出された相対的に評点の悪い製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)を付与された製造工程要素を、品質パラメータ値Q(RX)を低下させる不良品発生の原因として判定する。図4の例では、製造工程要素番号Y9が不良品発生の原因であるとして特定する。
以上のように、本実施形態に係る不良品発生の原因判定システム(10)は、製造工程、及び製造工程要素が複数ある複雑な製品製造の場において、簡易、且つ適確に不良品発生の原因を自動的に判定することができる。
<第二実施形態>
第二の実施形態によると、算出部(5)は、製造経路RXが有する評点(すなわち品質パラメータ値Q(RX))に重みづけを行って、製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)を算出してもよい。つまり算出部(5)は、評点が低い製造経路RXが含む製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)を優先的に算出する。これによって算出部(5)は、品質パラメータ値Q(RX)を低下させる製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)を優先的に算出することができ、より効率的に不良品発生の原因を判定することができる。
第二の実施形態によると、算出部(5)は、製造経路RXが有する評点(すなわち品質パラメータ値Q(RX))に重みづけを行って、製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)を算出してもよい。つまり算出部(5)は、評点が低い製造経路RXが含む製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)を優先的に算出する。これによって算出部(5)は、品質パラメータ値Q(RX)を低下させる製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)を優先的に算出することができ、より効率的に不良品発生の原因を判定することができる。
<第三実施形態>
第三の実施形態によると、算出部(5)は、上述の連立方程式を用いるとともにニューラルネットワークを用いたディープラーニングによって、品質パラメータ値Q(RX)と製造工程要素の関連性を推定して算出するような構成としてもよい。この場合、原因判定部(6)は、上述の品質パラメータ値Q(RX)と製造工程要素の関連性に重みづけを行って、不良品発生の原因を判定する構成としてもよい。
第三の実施形態によると、算出部(5)は、上述の連立方程式を用いるとともにニューラルネットワークを用いたディープラーニングによって、品質パラメータ値Q(RX)と製造工程要素の関連性を推定して算出するような構成としてもよい。この場合、原因判定部(6)は、上述の品質パラメータ値Q(RX)と製造工程要素の関連性に重みづけを行って、不良品発生の原因を判定する構成としてもよい。
本発明に係る不良品発生の原因判定システムは、経験が少ない製造工程の管理担当者であっても、複数の製造工程要素が関与する製品製造において、不良品発生の原因工程を見出し、その工程中の特定の原因要素の判定をすることができる。
1 番号記憶部
2 製造経路特定部
3 製造経路記憶部
4 品質情報記憶部
5 算出部
6 原因判定部
10 不良品発生の原因判定システム
2 製造経路特定部
3 製造経路記憶部
4 品質情報記憶部
5 算出部
6 原因判定部
10 不良品発生の原因判定システム
Claims (4)
- 1つまたはそれ以上のn個(1≦n)の製造工程S1〜Snでの製品製造における不良品発生の原因判定に関する不良判定システムであって、
夫々の製造工程は、第a段階(1≦a≦n)の製造工程Saおいて、製品製造に関与する作業員、備品、及び消耗品からなる群から選択される1つまたはそれらの組み合わせを含む複数m個(2≦m)の製造工程要素を含み、
製品は、第1段階の製造工程S1に複数m個ある製造工程要素のうち必ず1点のみを通過し、続いて、第2段階の製造工程S2に複数m個ある製造工程要素のうち必ず1点のみを通過し、以下第n段階の製造工程Snに複数m個ある製造工程要素まで、第a段階(1≦a≦n)に複数m個ある製造工程要素を必ず1点のみ通過し、n個の製造工程要素を含む製造経路RX(1≦X≦mn)を経て製造され、
(a)第a段階(1≦a≦n)の製造工程Saの複数m個の製造工程要素を識別し、製造工程要素番号Y(1≦Y≦n×m)を付与して記憶する番号記憶部と、
(b)製品が製造されるときに通過する各段階の前記製造工程要素番号Yを追跡し、製品ごとに複数mn通りの前記製造経路RXの中から1つを特定する製造経路特定部と、
(c)製品ごとの特定された複数の前記製造経路RXを記憶する製造経路記億部と、
(d)製造された製品を検査し、前記製造経路RXと前記製造経路RXごとに製造された製品の品質パラメータ値Q(RX)を関連づけて品質検査情報として記憶する品質情報記憶部と、
(e)前記品質パラメータ値Q(RX)を、以下の(式1)で示すn個の個々の製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)の和として関連付け、
Q(RX)=V1(Y)+V2(Y)+ 〜 +Vn(Y) (式1)
mn≧n×mの条件の下で、前記品質情報記憶部に記憶された複数の品質パラメータ値Q(RX)についての(式1)の関係に基づいて、個々の製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)を特定する算出部と、
(f)取得された前記製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)から相対的に得点の低い前記製造工程要素番号Yを検出し、検出した製造工程要素を不良品発生の原因として判定する原因判定部とを備える、
ことを特徴とする不良判定システム。 - 前記算出部は、前記品質パラメータ値Q(RX)の相対的に低い製造経路RXを探し出し、当該製造経路RXが含む製造工程要素の得点Vk(Y)(k:1〜n)を優先的に算出することを特徴とする、請求項1に記載の不良判定システム。
- 前記品質パラメータ値Q(RX)は、製造される製品の不良品率Dであることを特徴とする、請求項1または2のいずれか1項に記載の不良判定システム。
- 前記品質パラメータ値Q(RX)は、製品の基準値からの標準偏差Pであることを特徴とする、請求項1または2のいずれか1項に記載の不良判定システム。
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