JP2020056955A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】部材が適切でない位置に取り付けられることを防止する。【解決手段】定着装置(9)は、回転体(91)を加熱する発熱体(100)と、枠体(95)に支持されて発熱体を保持する第1保持部材(107)及び第2保持部材(108)とを有する。第1保持部材は、開口部と、発熱体の第1端部が開口部に係合している状態で、発熱体の第1当接面(103a)に当接する第2当接面(107a)と、第2当接面に対して突出した突出部(107d)とを有する。第2保持部材は、回転体の幅方向から見て発熱体と重なる位置に設けられ、幅方向において第1位置(P1)と第2位置(P2)との間に設けられた部分(110e)を有する。第1位置は第1当接面と第2当接面とが当接している状態における発熱体の第2端部の位置であり、第2位置は第2当接面に対する突出部の突出高さの分、第1位置から移動した位置である。【選択図】図16
Description
本発明は、記録材に画像を定着させる定着装置及び記録材に画像を形成する画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置において、記録材に転写されたトナー像を記録材に定着させる定着方法として、熱及び圧力を用いる熱定着方式が広く用いられている。熱定着方式の定着装置は、記録材を搬送しながら回転するローラ状又はベルト状の回転体と、回転体を加熱することで回転体を介して記録材上のトナーを加熱する発熱体と、を備えている。
特許文献1には、記録材を挟持して回転する加熱ローラ及び加圧ローラと、円筒状のローラである加熱ローラの内側に挿通されたハロゲンヒータと、を備える定着装置が記載されている。ハロゲンヒータの長手方向における両端部は絶縁材料の支持部材に支持されており、一方の支持部材は定着装置の筐体に取り付けられ、他方の支持部材はバネを介して筐体に支持されている。この構成によると、熱膨張によるハロゲンヒータの長さの変動はバネの伸縮によって吸収される。
特許文献1に記載のハロゲンヒータを組み付ける場合、一方の支持部材が定着装置の筐体に固定された状態で当該支持部材にヒータの一方の端部を係合させた後、他方の支持部材をヒータの他方の端部に係合させた状態で筐体に取り付けることが考えられる。しかしながら、ヒータが一方の支持部材から脱落しているにも関わらず、作業者がそれに気付かずに他方の支持部材を筐体に取り付けることができてしまう場合があった。このような事情でハロゲンヒータが正規の取付位置から外れた位置に取り付けられると、その後の組み立て工程における部材の破損等の不都合が生じる可能性がある。
そこで、本発明は、部材が適切でない位置に取り付けられることを防止可能な定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、記録材を加熱しながら搬送する回転体と、前記回転体を加熱する発熱体と、枠体と、前記枠体に支持され、前記回転体の幅方向における前記発熱体の第1端部を保持する第1保持部材であって、前記発熱体の前記第1端部に係合する開口部と、前記発熱体の前記第1端部が前記開口部に係合している状態で、前記発熱体に設けられた第1当接面に当接する第2当接面と、前記第2当接面に対して前記幅方向において前記発熱体の前記第1端部から第2端部へ向かう第1方向に突出した突出部とを有する第1保持部材と、前記枠体に支持され、前記発熱体の前記第2端部を保持する第2保持部材であって、前記枠体に固定された固定部と、前記固定部に支持された弾性材料からなり、前記発熱体の前記第2端部に係合して前記第1保持部材へ向けて押圧する弾性部と、を有する第2保持部材と、を備え、前記第2保持部材は、前記幅方向から見て前記発熱体と重なる部分であって、前記弾性部より前記幅方向の荷重に対する剛性が高い材料で構成され、前記幅方向において前記第1当接面と前記第2当接面とが当接している状態において前記発熱体の前記第2端部が位置する第1位置と、前記第2当接面に対する前記突出部の突出高さの分、前記第1位置から前記第1方向に移動した第2位置との間に配置された部分を有する、ことを特徴とする定着装置である。
本発明によれば、部材が適切でない位置に取り付けられることを防止することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら例示する。画像形成装置には、複写機、プリンタ及びファクシミリ並びにこれらの複数の機能を備えた複合機が含まれる。
図1は実施例1に係る画像形成装置300の構成を示す概略図である。画像形成装置300は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色のトナーを用いてカラー画像を形成する中間転写方式のレーザプリンタである。
画像形成装置300の筐体301の内部には、各々異なった色のトナー像を形成する4つの画像形成ユニットPa,Pb,Pc,Pd及び中間転写ベルト20を含む画像形成部302が配置されている。各画像形成ユニットPa〜Pdは、電子写真プロセスによってトナー像を形成する。まず、像担持体である感光ドラム3の表面を帯電器2が一様に帯電させる。レーザースキャナ5は、画像形成装置の制御部から伝送される画像信号に基づいて感光ドラム3の表面を露光する。即ち、光源装置から発せられたレーザー光を回転するポリゴンミラーによって分配し、その走査光の光束を反射ミラーによって偏向し、fθレンズにより感光ドラム3の母線上に集光して露光することにより、ドラム表面に画像信号に応じた静電潜像を書き込む。現像器1は、感光ドラム3に帯電したトナー粒子を供給し、静電潜像をいずれかの色の単色トナー像に現像する。
感光ドラム3の表面に形成されたトナー像は、一次転写ローラ6により、中間転写体である中間転写ベルト20に一次転写される。このとき、画像形成ユニットPa〜Pdで形成された各色のトナー像が互いに重なり合うように転写され、中間転写ベルト20上にフルカラーのトナー像が形成される。中間転写ベルト20に転写されずに感光ドラム3に残留した転写残トナー等の付着物は、ドラムクリーナ4によって除去される。中間転写ベルト20は、二次転写内ローラ14及び駆動ローラ13を含む複数のローラに張架され、所定の回転方向R1に回転駆動される。中間転写ベルト20の回転により、ベルト上に担持されたトナー像は二次転写内ローラ14に対向する二次転写ローラ11と中間転写ベルト20との間のニップ部として形成される二次転写部へ向けて搬送される。
以上のような電子写真プロセスに並行して、給送カセット10からは記録材Pが1枚ずつ給送される。記録材Pとしては、普通紙及び厚紙等の紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等のプラスチックフィルム、封筒やインデックス紙等の特殊形状のシート、並びに布等のシート材が用いられる。記録材Pは、レジストレーションローラ12により、中間転写ベルト20に担持されたトナー像が二次転写部に到達するタイミングに合わせて二次転写部へ送り込まれる。すると、二次転写ローラ11に対してバイアス電圧が印加されることにより、中間転写ベルト20に担持されたトナー像が記録材Pへと二次転写される。記録材Pに転写されずにベルト上に残留した転写残トナー等の付着物は、ベルト表面に当接した不織布からなるクリーニングウェブ22によって除去される。
二次転写部を通過した記録材Pは定着装置9へと搬送される。定着装置9は、記録材Pを挟持して回転する定着ローラ91及び加圧ローラ92と、トナー像を加熱するための発熱体とを有し、記録材上のトナー像に熱及び圧力を付与する。これによってトナーが溶融・混色し、その後トナーが固着することで、画像が記録材Pに定着する。定着装置9の詳細な構成は後述する。
定着装置9を通過した記録材Pはフラップ16によって所定の搬送経路へと案内される。片面印刷の場合、記録材Pは排出パスへと案内され、成果物として筐体301の外部に排出される。両面印刷の場合、第1面に画像形成された記録材Pは反転パス17へと案内され、反転ローラ18により反転されて両面パス19へと導かれる。そして、再び二次転写部及び定着装置9を通過することで第2面に画像形成された記録材Pは、排出パスへと案内され、成果物として筐体301の外部に排出される。
画像形成装置300は、ユーザインタフェースとなる操作部8を備えている。操作部8は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイと、ユーザの入力操作を受け付けるための操作キー及びディスプレイのタッチパネル機能を有する。ユーザは、操作部8を介して、画像形成の開始を指示する指令を出すだけでなく、画像の画質、光沢度の設定や給送カセット10にセットする記録材Pの情報を入力することができる。画像形成装置300に搭載された制御部は、入力された情報に基づいて画像形成動作を行う際の画像形成条件を決定する。
なお、本実施例では中間転写方式の画像形成部302について説明したが、以下で説明する定着装置の構成は、感光ドラム等の像担持体に形成したトナー像を中間転写体を介さずに記録材に転写する直接転写方式の画像形成部を備えた構成にも適用可能である。
(定着装置)
次に、定着装置9の構成について説明する。図2は本実施例に係る定着装置9を定着ローラ91の幅方向に垂直な平面で切断した断面図を示す。ただし、「幅方向」とは、定着装置9を通過する記録材の搬送方向に直交する方向であり、本実施例においては定着ローラ91の回転軸線の方向である。
次に、定着装置9の構成について説明する。図2は本実施例に係る定着装置9を定着ローラ91の幅方向に垂直な平面で切断した断面図を示す。ただし、「幅方向」とは、定着装置9を通過する記録材の搬送方向に直交する方向であり、本実施例においては定着ローラ91の回転軸線の方向である。
定着装置9は、定着ローラ91、加圧ローラ92及び外部加熱ユニット200によって構成されている。定着ローラ91は、モータ97によって所定の速度、例えば500mm/secの周速で矢印R2の方向に回転するように、画像形成装置の制御部98によって制御される。定着ローラ91は、外径80mm、厚さ3mm、長さ350mmの円筒状金属製(例えば、アルミニウム製)の芯金を備える。芯金の外周は、耐熱性の弾性層として、シリコーンゴムが1.5mmの厚さで被覆されている。弾性層の外周は、トナーとの離型性向上のために、耐熱性の離型層としてフッ素系樹脂(例えば、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)チューブ)が50μmの厚さで被覆されている。
定着ローラ91の芯金の内部には、発熱体としてのヒータ100が配置される。ヒータ100としては、例えば定格電力1200Wのハロゲンヒータを用いることができる。ヒータ100は、定着ローラ91を内部から加熱することでローラの表面温度を上昇させる。定着ローラ91の表面温度は、定着ローラ91に接触するサーミスタ93によって検出される。サーミスタ93は温度検知手段の一例であり、非接触式の温度センサを用いてもよい。制御部98は、サーミスタ93の検出結果に基づいて、定着ローラ91の表面温度が所定の目標温度、例えば200℃となるようにヒータ100への通電を制御する。
加圧ローラ92は定着ローラ91に当接し、定着ローラ91と共に定着ニップNを形成している。加圧ローラ92は、定着ローラ91に従動回転して所定の速度、例えば500mm/secの周速で矢印R3の方向に回転する。加圧ローラ92は、外径60mm、厚さ4mm、長さ350mmの円筒状金属製(例えば、アルミニウム製)の芯金を備える。芯金の外周は、耐熱性の弾性層として、シリコーンゴムが2mmの厚さで被覆されている。弾性層の外周は、トナーとの離型性向上のために、耐熱性の離型層としてのフッ素系樹脂(例えば、PFAチューブ)が50μmの厚さで被覆されている。
加圧ローラ92の芯金の内部には、発熱体としてのヒータ921が配置される。ヒータ100としては、例えば定格電力300Wのハロゲンヒータを用いることができる。加圧ローラ92の表面温度は、加圧ローラ92に接触するサーミスタ94によって検出される。サーミスタ94は温度検知手段の一例であり、非接触式の温度センサを用いてもよい。制御部98は、サーミスタ94の検出結果に基づいて、加圧ローラ92の表面温度が所定の目標温度、例えば130℃となるようにヒータ921への通電を制御する。加圧ローラ92は、不図示の付勢手段によって定着ローラ91に押圧されている。記録材Pは、定着ニップNにおいて定着ローラ91及び加圧ローラ92に挟持され、加熱及び加圧されながら搬送される。
定着ローラ91の上方には、連続通紙中においても定着ローラ91の表面温度を維持するために、定着ローラ91を外側から加熱する外部加熱ユニット200が備えられている。外部加熱ユニット200は、発熱体としてのヒータ203,204と、外部加熱部材となる加熱ベルト210と、第1支持ローラ201及び第2支持ローラ202と、支持枠205と、加圧アーム206と、を有する。
ヒータ203,204は、それぞれ第1及び第2支持ローラ201,202の内側に挿通されている。加熱ベルト210は第1支持ローラ201及び第2支持ローラ202に張架され、第1及び第2支持ローラ201,202は支持枠205によって回転可能に支持されている。支持枠205は、揺動軸205aを介して加圧アーム206に支持され、定着ローラ91の回転軸線に平行な軸線を中心にして揺動する。
外部加熱ユニット200は、カム機構によって加圧アーム206が移動することで加熱ベルト210が定着ローラ91に対して接触及び離間するように構成されている。加圧アーム206は、定着装置9の枠体に固定された回動軸206aに支持され、定着ローラ91の回転軸線に平行な軸線を中心にして回動する。加圧アーム206の回動に伴って、第1及び第2支持ローラ201,202に張架された加熱ベルト210は定着ローラ91に当接及び離間するように移動する。加圧アーム206と枠体との間には加圧バネ208が縮設され、第1及び第2支持ローラ201,202に張架された加熱ベルト210を定着ローラ91に圧接させる方向に(つまり図中反時計回り方向に)加圧アーム206を付勢している。加圧カム207は、加圧バネ208の付勢力に抗して加圧アーム206を図中時計回り方向に押圧し、加熱ベルト210を定着ローラ91から離間させることが可能である。制御部98は、モータ96に指令信号を送って加圧カム207の回転角度を制御することにより、加熱ベルト210と定着ローラ91の接触/非接触を切換える。加熱ベルト210が定着ローラ91に接触している状態では、加熱ベルト210は定着ローラ91の回転に従動することで回転する。
第1及び第2支持ローラ201,202は、それぞれ外径30mm、厚さ2mm、長さ360mmの円筒状金属製(例えば、アルミニウム製)の芯金を備えている。加熱ベルト210は、外径60mm、厚さ100μm、幅350mmのポリイミド等の樹脂製の基材の層を有し、トナーとの付着を防止するために、耐熱性の摺動層としてフッ素系樹脂(例えば、PFAチューブ)が20μmの厚さで被覆されている。
発熱体であるヒータ203,204は、それぞれ第1及び第2支持ローラ201,202の芯金の内部に配置され、第1及び第2支持ローラ201,202を内部から加熱する。ヒータ203,204としては、例えば定格電力1000Wのハロゲンヒータを使用可能である。ヒータ203,204によって加熱された第1及び第2支持ローラ201,202は加熱ベルト210を加熱し、加熱ベルト210は定着ローラ91と接触することにより定着ローラ91の表層を加熱する。
以上説明したとおり、本実施例の定着装置9は、定着ローラ91及び加圧ローラ92の各々がヒータ100,921によって加熱される。また、定着ローラ91については、ヒータ203,204を備えた外部加熱ユニット200によっても加熱される。定着ローラ91及び加圧ローラ92は、いずれも、記録材を加熱しながら回転する回転体の例である。また、ヒータ100,203,204,921は、いずれも、回転体を直接又は間接に加熱する発熱体の例である。後述するヒータの保持構成は、ヒータ100,203,204,921のいずれに対しても適用可能であるが、以下では定着ローラ91の内側に配置されるヒータ100を例にして説明する。
<ヒータ>
図3はヒータ100の斜視図である。本実施例のヒータ100は、2本のハロゲンヒータ100a,100bを束ねたものを使用している。各ハロゲンヒータ100a,100bは、定着ローラ91の回転軸線と平行に延びる円筒状であり、定着ローラ91の回転軸線付近に配置されている。つまりヒータ100は、定着ローラ91の幅方向に延びる姿勢で取り付けられる。また、各ハロゲンヒータ100a,100bは、被覆管であるガラスチューブ101と、ガラスチューブ101によって被覆された金属線(本実施例では、タングステン線102)とを備えている。2本のハロゲンヒータ100a,100bは、端部を共通の碍子103に固定されることで結合され、1本のヒータ100を構成している。なお、ハロゲンヒータ100a,100bの他方の端部も、同様に共通の碍子104(図4)に固定されている。
図3はヒータ100の斜視図である。本実施例のヒータ100は、2本のハロゲンヒータ100a,100bを束ねたものを使用している。各ハロゲンヒータ100a,100bは、定着ローラ91の回転軸線と平行に延びる円筒状であり、定着ローラ91の回転軸線付近に配置されている。つまりヒータ100は、定着ローラ91の幅方向に延びる姿勢で取り付けられる。また、各ハロゲンヒータ100a,100bは、被覆管であるガラスチューブ101と、ガラスチューブ101によって被覆された金属線(本実施例では、タングステン線102)とを備えている。2本のハロゲンヒータ100a,100bは、端部を共通の碍子103に固定されることで結合され、1本のヒータ100を構成している。なお、ハロゲンヒータ100a,100bの他方の端部も、同様に共通の碍子104(図4)に固定されている。
ハロゲンヒータ100の一方の端部(第1端部)に設けられた第1の碍子103と他方の端部(第2端部)に設けられた第2の碍子104の形状は共通であるため、以下では碍子103について説明する。図3に示すように、碍子103は、小径部103cと、長手方向から見て小径部103cを内包する輪郭を有する大径部103bと、小径部103c及び大径部103bを接続する当接面103aとを有している。当接面103aは、長手方向(取付状態における定着ローラ91の幅方向)に対して垂直に広がる面であり、後述するように、固定部材に保持された際に固定部材の当接面と当接する面となる。碍子103はセラミック、ガラス又は磁器によって形成される。また、小径部の端面103dには、タングステン線102と接続された電気線112が小径部103cの端面103dから伸びている。
<ヒータ保持機構>
以下、ヒータ100を保持するための構成について説明する。図4〜図8は、比較例におけるヒータ保持構成を示しており、図9〜図12は本実施例に係るヒータ保持構成を示す。
以下、ヒータ100を保持するための構成について説明する。図4〜図8は、比較例におけるヒータ保持構成を示しており、図9〜図12は本実施例に係るヒータ保持構成を示す。
まず、比較例の定着装置9Aにおけるヒータ保持構成を説明する。図4は、ヒータ100が正規の取付位置に保持された状態を表す断面図である。ヒータ100は、定着ローラ91の内側に挿通された状態で組み付けられている。定着ローラ91は、定着装置9Aの枠体95にベアリング99を介して回転可能に支持されている。
ヒータ100は、それぞれ定着装置9Aの枠体95に支持された固定部材105及び弾性部材106によって両端部の碍子103,104を保持されることで、固定部材105及び弾性部材106を介して枠体95に支持されている。
図5は比較例における固定部材105の斜視図である。固定部材105は、碍子103を正規の位置で保持した際に碍子103の当接面103aと当接する当接面105aと、枠体95に対する取付座面となる取付面105bと、碍子103の小径部103cと係合する開口部105cと、を有する(図4)。開口部105cは当接面105aに設けられた貫通穴である。また、取付面105bには締結具であるボルト105fが挿通されるキリ穴105dが形成されている。固定部材105は、取付面105bが枠体95の側面に密着した状態で、ボルト105fがキリ穴105dを通して枠体95の取付穴95eに固定されることで、枠体95に対して固定される(図4)。
図6は比較例及び本実施例において共通に用いられる弾性部材106の斜視図である。弾性部材106は、碍子104を正規の位置で保持した際に碍子104の当接面104aと当接する当接面106aと、枠体95に対する取付座面となる取付面106bと、碍子104の小径部104cが係合する開口部106cと、を有する(図4)。開口部106cは当接面105aに設けられた貫通穴である。また、取付面106bには締結具であるボルト106fが挿通されるキリ穴106eが形成されている。さらに、弾性部材106には、弾性部材106を枠体95に対して位置決めするための切欠き106dが設けられている。
弾性部材106は定着ローラ91の幅方向(図4における左右方向)に変位可能な弾性材料によって構成され、ヒータ100を固定部材105へ押圧している。つまり、定着ローラ91の幅方向の荷重に対する弾性部材106の剛性が、固定部材105の剛性より小さくなるように構成されている。これにより弾性部材106は、熱膨張によるヒータ100の長さの変化を吸収しつつ、幅方向におけるヒータ100の移動を規制している。例えば、弾性部材106の当接面106a及び取付面106bを構成する金属板として、固定部材105の当接面105a及び取付面105bを構成する金属板より薄いものが使用される。
図7は弾性部材106が枠体95に取り付けられた様子を図4における右側から見た図である。枠体95には弾性部材106の位置決めを行うための突起95aが設けられている。突起95aは本実施例の凸部であり、弾性部材106に設けられた切欠き106dは本実施例の凹部である。なお、弾性部材106に凸部を設け、これに嵌合する凹部を枠体95に設けてもよい。
切欠き106dが突起95aに嵌合することで、弾性部材106の図中上下方向の移動が規制される。また、枠体95には弾性部材106を収容する溝状(図4における枠体95の右側面から左方に凹んだ形状)の収容部95cが設けられ、弾性部材106の図7における左右方向の移動が規制されている。即ち、幅方向から見た場合の弾性部材106の枠体95に対する取付位置は、突起95a及び収容部95cによって規定されている。
ヒータ100の組み付けを行う場合、予め固定部材105を枠体95に固定し、弾性部材106を枠体95に取り付けていない状態で、ヒータ100を定着ローラ91の内側に挿入し、一方の碍子103を固定部材105の開口部105cに係合させる。そして、弾性部材106の開口部106cをヒータ100の他方の碍子104に係合させた状態で、弾性部材106を枠体95に対して固定する。このとき、弾性部材106は、取付面106bが枠体95の側面(収容部95cの底部)に密着した状態で、ボルト106fがキリ穴106dを通して枠体95の取付穴95eに固定されることで、枠体95に対して固定される(図7)。弾性部材106が突起95a及び収容部95cに適切に係合した状態では、取付面106bが収容部95cの底面から浮き上がることなく、ボルト106fをキリ穴106eを貫通させて取付穴95eに螺合される。
しかしながら、図8に示すように、比較例の構成ではヒータ100が固定部材105から脱落した状態で弾性部材106が取り付けられる可能性がある。図8に示す状態では、碍子103の小径部103cが固定部材105の開口部105cから脱落している。このとき、固定部材側の碍子103は、当接面103aではなく端面103dにおいて固定部材105の当接面105aに当接している。そのため、弾性部材側の碍子104は、当接面103aに対する端面103dの高さ(碍子103の小径部103cの高さ)の分、正規の取付位置(図4)に比べて図中右側にずれた状態となる。このようにヒータ100が固定部材105から脱落した状態であっても、弾性部材106を通常よりも大きく弾性変形させた状態でボルト106fを取り付けることで、弾性部材106を枠体95に対して固定することができてしまう。
しかし、ヒータ100が正規の取付位置からずれた状態で弾性部材106が取付けられていると、弾性部材側の碍子104が正規の取付位置に比べて図中右側に突出していることになる。そのため、その後の組立工程において定着装置9Aの他の部材と干渉し、部材の破損につながる可能性が生じる。また、弾性部材106の取り付け後に作業者が気付いた場合、取り付け作業をやり直すことになって生産性が低下する。さらに、ヒータ100の取付位置がずれている状態のままで定着装置9の組み立てが完了すると、ヒータ100が設計上の配置からずれていることで定着ローラ91の加熱ムラが生じたり、輸送中の振動によってヒータ100が落下したりする可能性がある。
そこで、本実施形態では、固定部材に突出部を設けて、ヒータ100が固定部材から脱落した状態における弾性部材106の取り付けを妨げるように構成することで、上述のような不都合を回避している。
図9は本実施例における固定部材107の斜視図である。固定部材107は、碍子103を正規の位置で保持した際に碍子103の当接面103aと当接する当接面107aと、枠体95に対する取付座面となる取付面107bと、碍子103の小径部103cと係合する開口部107cと、を有する。開口部107cは当接面107aに設けられた貫通穴である。また、取付面107bには締結具であるボルト107f(図10参照)が挿通されるキリ穴107eが形成されている。
さらに、本実施例の固定部材107は、当接面107aから突出した突出部として、当接面107dを備えている。この当接面107dは、当接面107aに比べて第1方向X1に突出している。ただし、第1方向X1とは、定着ローラ91の幅方向において固定部材107から弾性部材106に向かう方向を指し、第2方向X2はその反対方向を指す。当接面107dの当接面107aに対する突出高さL2は、碍子103の当接面103aから端面103dまでの幅方向の距離L1より大きく設定されている(L1<L2)。
一方、弾性部材106については比較例と同様のもの(図6)を用いる。また、弾性部材106を枠体95に対して位置決めする方法も、比較例で説明したものと同様である。固定部材107は本実施例の第1保持部材であり、弾性部材106は本実施例の第2保持部材である。
図10は、本実施例に係る定着装置9においてヒータ100が正規の取付位置に保持された状態を表す断面図である。ヒータ100は、一方の碍子103を固定部材107によって保持され、他方の碍子104を弾性部材106によって保持された状態で、固定部材107及び弾性部材106を介して枠体95に支持されている。弾性部材106はヒータ100を図中左方に押圧し、熱膨張によるヒータ100の伸縮を吸収しつつヒータ100を位置決めする。
ここで、図11及び図12を用いて固定部材107の突出部の作用について説明する。図11は、碍子103の小径部103cが固定部材107の開口部107cから脱落した状態(以下、ヒータ100の脱落状態とする)を表す断面図である。
図11に示すように、ヒータ100の脱落状態において弾性部材106を枠体95に固定しようとすると、碍子103の当接面103aが固定部材107の当接面107dに当接する。一方、碍子103の端面103dは、固定部材107の当接面107aからは離間した状態となる。これは、当接面107aに対する当接面107dの突出高さL2が碍子103の当接面103aから端面103dまでの幅方向の距離L1より大きく設定されているためである。従って、本実施例においてヒータ100が固定部材107の開口部107cから脱落している場合の正規の取付位置からのずれ量(L2)は、比較例におけるずれ量(L1)に比べて大きくなる。
そして、弾性部材106と碍子104との係合位置も正規の位置に比べて大きくずれる結果、図12に示すように、切欠き106dと突起95aとが嵌合しない状態となり、弾性部材106の枠体95への取付が不可能となる。つまり、弾性部材106の開口部106cを碍子104に係合させた状態で取付面106bを枠体95に近付けようとすると、図11に示すように取付面106bを撓ませる必要が生じる。そして、取付面106bを撓ませて枠体95に押し当てたとしても、図12に示すように切欠き106dが正規の位置(破線)に比べて図中下方にずれて、枠体95の突起95aとは嵌合しない状態となる。この状態では、弾性部材106の切欠き106d以外の部分が突起95aに乗り上げた状態となって取付面106bが収容部95cの底面に密着しない。また、弾性部材106のキリ穴106eも枠体95の取付穴95eからずれた状態となる。作業者は、少なくとも、突起95aと切欠き106dが嵌合しないこと、又はボルト106fを取り付けられないことから、ヒータ100が正規の取付位置から逸脱していることを容易に認識することができる。
従って、本実施例では、ヒータ100が固定部材107の開口部107cから脱落している場合には、弾性部材106を枠体95に対して取付不能な状態となる。これにより、ヒータ100が脱落状態のままで弾性部材106が枠体に取り付けられることを規制し、ヒータ100が定着装置9の他の部材と干渉するなどの不都合を回避することができる。ただし、「取付不能」とは、部材の損傷や不可逆的な変形を伴わずに取り付けを行うことが不可能であることを指す。本実施例の場合、弾性部材106の変形量を弾性範囲内に収めつつ、かつ、ボルト106f及び取付穴95eのねじ山の潰れ等の部材の変形を生じさせることなく、弾性部材106を枠体95に固定することが不可能であることを指す。
なお、ヒータ100の脱落状態において碍子103の当接面103aを突出部の当接面107dに当接させる確実性を高めるために、碍子103に対する突出部のクリアランスが開口部107cのクリアランス以下となるように設定することが考えられる。碍子103に対する突出部のクリアランスとは、正規の取付位置にある碍子103の大径部103bと突出部の内壁との間の間隙である。碍子103に対する開口部107cのクリアランスとは、正規の取付位置にある碍子103の小径部103cと開口部107cの周壁との間の間隙である。ヒータ100の長手方向に垂直な平面における任意の方向についてこのようなクリアランスの大小関係が保たれていれば、ヒータ100を挿し込んだ際に大径部103bが突出部に嵌合していれば、常に小径部103cが開口部107cに嵌合する。逆に、ヒータ100を挿し込んだ際に小径部103cが開口部107cから脱落している場合には、大径部103bは突出部の内側に嵌合することができず、当接面103aにおいて突出部の当接面107dに当接する。
次に、実施例2に係る定着装置について説明する。本実施例は、弾性部材の一部として、ヒータ100が固定部材107の開口部から脱落している場合にヒータ100と干渉する部分を設けて弾性部材の取り付けが規制されるように構成されている点で実施例1と異なっている。その他、実施例1と同様の構成及び作用を有する要素については実施例1と共通の符号を付して説明を省略する。
図13は実施例2における第2保持部材である弾性部材108の斜視図である。弾性部材108は、枠体95に固定される固定部としての剛体部110と、ヒータ100の碍子104に係合する弾性部109とが一体化された部材である。弾性部109は、剛体部110に比べて幅方向の荷重に対する剛性が低くなるように設定され、碍子104に係合した状態で幅方向に変位可能である。本実施例における弾性部109は金属製の板バネであり、剛体部110は樹脂部材である。例えば、弾性部109の材質はバネ用ステンレス鋼帯のSUS304−CSPであり、剛体部110の材質は耐熱樹脂の液晶ポリマーである。また、弾性部109をインサート部材として、剛体部110を射出成型することにより、弾性部109及び剛体部110を一体化することができる。
弾性部109は、碍子104の当接面104aと当接する当接面109aと、碍子103の小径部103cと係合する開口部109cと、一端を剛体部110に固定され、他端において当接面109aを支持する支持部109bと、を有する。剛体部110は、枠体95に対する取付座面となる取付面110bと、弾性部材108を枠体95に対して位置決めするための切欠き110dを有する。また、取付面110bには締結具であるボルト110g(図14)が挿通されるキリ穴110fが形成されている。
図14は弾性部材108が枠体95に取り付けられた様子を定着ローラ91の幅方向から見た図である。枠体95には弾性部材108の位置決めを行うための突起95aが設けられている。突起95aは本実施例の凸部であり、弾性部材108に設けられた切欠き110dは本実施例の凹部である。なお、弾性部材108の剛体部110に凸部を設け、これに嵌合する凹部を枠体95に設けてもよい。切欠き110dが突起95aに嵌合することで、弾性部材108の図中上下方向の移動が規制される。また、枠体95には弾性部材108の剛体部110の少なくとも一部を収容する溝状の収容部95cが設けられ、弾性部材108の図14における左右方向の移動が規制されている。
弾性部材108は、取付面110bが枠体95の側面(収容部95cの底面)に密着した状態で、ボルト110gがキリ穴110fを通して枠体95の取付穴95eに固定されることで、枠体95に対して固定される。即ち、幅方向から見た場合の弾性部材108の枠体95に対する取付位置は、突起95a及び収容部95cによって規定されている。弾性部材108が突起95a及び収容部95cに適切に係合した状態では、取付面110bが収容部95cの底面から浮き上がることなく、ボルト110gをキリ穴110fを貫通させて取付穴95eに螺合させることが可能となる。
ここで、図13及び図14に示すように、弾性部材108には干渉部110eが設けられている。干渉部110eは、弾性部109より幅方向の荷重に対する剛性が高い材質で形成される。本実施例の干渉部110eは、剛体部110の一部として設けられており、耐熱樹脂の液晶ポリマーによって剛体部110の他の部位と一体成型されている。干渉部110eは、図14に示すように正規の取付位置にあるヒータ100(破線)を覆う庇状の部材であり、幅方向から見て弾性部材108がヒータ100と重なる部分を構成する。ただし、2つの部材が所定方向に見て重なるとは、各部材を所定方向の平行光線を用いてこの所定方向に垂直な仮想平面に投影したときに、一方の部材の投影範囲の少なくとも一部が他方の部材の投影範囲と重複することを指す。
図15は、本実施例の定着装置9においてヒータ100が正規の取付位置に保持された状態を表す断面図であり、図16はヒータ100が固定部材107の開口部から脱落した状態を表す断面図である。また、図17は図16における右側から弾性部材108を見た側面図である。
図15に示すように、ヒータ100が正規の取付位置にある場合、ヒータ100の両端部の碍子103,104は固定部材107及び弾性部材108によって保持される。干渉部110eは、正規の取付位置にあるヒータ100からは幅方向に離れた位置にあり、適切に取り付けられたヒータ100とは干渉しない。
図16に示すように、ヒータ100の碍子103が固定部材107の開口部107cから脱落すると、弾性部材側の碍子104の端面104dは正規の位置(P1)に比べて幅方向に突出する。このとき、弾性部109によってヒータ100が固定部材107に押圧されたとしても、碍子104は、少なくとも固定部材107の当接面107dの突出高さL2の分、正規の位置P1に対して第1方向X1に突出する。
干渉部110eは、ヒータ100を正規の取付位置から固定部材107の当接面107dの突出高さL2の分、第1方向X1に移動させようとした場合にヒータ100の一部(本実施例では碍子104)と干渉する位置に設けられている。言い換えると、干渉部110eは、弾性部材108が枠体95に対して適切に取り付けられた状態(図15)において、幅方向に関して第1位置P1と第2位置P2との間に位置するように構成されている。ただし、第1位置P1とは、ヒータ100が正規の取付位置にある場合の、定着ローラ91の幅方向における碍子104の端面104dの位置であり、第2位置P2とは、第1位置P1から当接面107dの突出高さL2の分、第1方向X1に移動した位置である。従って、脱落状態のヒータ100が干渉部110eと干渉する結果、ヒータ100の脱落状態においては弾性部材108を枠体95に対して取り付け可能な姿勢とすることが規制される。
本実施例の場合、図16に示すように、脱落状態のヒータ100が剛性を有する干渉部110eに干渉することで、剛体部110を枠体95に密着させようとしても枠体95の側面に対して傾斜した姿勢となる。その結果、図17に示すように、突起95aと剛体部110の切欠き110dとを嵌合させることができず、弾性部材108は取付不能となる。また、剛体部110の傾斜によってキリ穴110fと取付穴95eの位置及び穴の貫通方向がずれるため、ボルト110gをキリ穴110fを通して取付穴95eに取り付けることができない状態となっている。作業者は、少なくとも、突起95aと切欠き110dが嵌合していないこと、又はボルト110gを取り付けられないことから、ヒータ100が正規の取付位置から逸脱していることを容易に認識することができる。
即ち、ヒータ100の脱落状態では、干渉部110eの干渉によって剛体部110の姿勢が制限される結果、弾性部材108の枠体95に対する取り付けが規制される。これにより、ヒータ100が脱落状態のままで弾性部材108が枠体に取り付けられることが防がれ、ヒータ100が定着装置9の他の部材と干渉するなどの不都合は回避される。
ここで、ヒータ100の脱落状態において弾性部材108の取り付けを制限する干渉部材を弾性部材108とは別に設けて、例えば枠体95に設けることも考えられる。しかしながら、この干渉部材は、脱落状態にあるヒータ100と干渉する位置(つまり、定着ローラ91の幅方向から見て正規の取付位置にあるヒータ100と重なるような位置)に配置する必要がある。そのため、ヒータ100の取り付け作業において、ヒータ100を正規の取付位置に向けて幅方向に移動させて固定部材107に係合させる際の妨げとなる可能性がある。また、設計の異なる複数種類のヒータについて、ヒータを取り付けるための空間を確保しつつ、脱落状態のヒータと干渉するような干渉部材を枠体95に配置することは難しいため、設計上の自由度が制限される。
一方、本実施例では、弾性部材108の一部として干渉部110eが設けられている。このため、ヒータ100を正規の取付位置に向けて幅方向に移動させる際に干渉部110eは障害物とはならず、取り付け作業の作業性を低下させることはない。また、ハロゲンヒータの本数が異なるものなどヒータの種類が変更する場合であっても、干渉部110eがいずれのヒータに対しても幅方向から見て重なるように設計することで、容易に対応可能である。
(その他の実施形態)
上記実施例1,2ではヒータ100が2本のハロゲンヒータ100a,100bによって構成されているが、本技術は、ハロゲンヒータの本数が異なるヒータ及びハロゲンヒータ以外の発熱体に対しても適用可能である。また、実施例1,2で説明したヒータの保持構成は、定着ローラ91の内側に配置されるヒータ100以外のヒータ203,204,921(図2参照)にも適用可能である。定着ローラ91の外周部を加熱するためのヒータ203,204に適用する場合、「回転体」は定着ローラ91であり、「枠体」は支持枠205である。また、ヒータ921に適用する場合、「回転体」は加圧ローラ92であり、「枠体」は加圧ローラ92を支持している枠体95である。また、回転体として無端状のベルト部材を用いる定着装置において、ベルト部材を加熱するための発熱体の保持構成にも本技術は適用可能である。
上記実施例1,2ではヒータ100が2本のハロゲンヒータ100a,100bによって構成されているが、本技術は、ハロゲンヒータの本数が異なるヒータ及びハロゲンヒータ以外の発熱体に対しても適用可能である。また、実施例1,2で説明したヒータの保持構成は、定着ローラ91の内側に配置されるヒータ100以外のヒータ203,204,921(図2参照)にも適用可能である。定着ローラ91の外周部を加熱するためのヒータ203,204に適用する場合、「回転体」は定着ローラ91であり、「枠体」は支持枠205である。また、ヒータ921に適用する場合、「回転体」は加圧ローラ92であり、「枠体」は加圧ローラ92を支持している枠体95である。また、回転体として無端状のベルト部材を用いる定着装置において、ベルト部材を加熱するための発熱体の保持構成にも本技術は適用可能である。
また、第1保持部材における突出部の形状は、上述したものに限らない。上記実施例1,2では、固定部材107の当接面107dが当接面107aに対して均一な突出高さL2で突出している場合について説明したが、突出部の高さが不均一であってもよい。この場合、突出部の突出高さとは、ヒータ100の碍子103が固定部材107の開口部107cから脱落した状態において、碍子103の当接面103a(第1当接面)と固定部材107の当接面107a(第2当接面)との間に確保される最小の距離とする。つまり、脱落状態のヒータ100を長手方向に交差する任意の方向に移動させたときに碍子103の当接面103aに当接する可能性がある突出部の部分の中で、当接面107aからの距離が最も小さい箇所の高さとする。この場合も、突出部の突出高さL2が碍子103の当接面103aから端面103dまでの距離L1より大きくなるように構成することで、実施例1,2と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施例1,2では、第1保持部材の例である固定部材107が枠体95にボルト107fを用いて締結される構成を説明したが、第1保持部材が枠体と一体に成型されていてもよい。
3…像担持体(感光ドラム)/9…定着装置/91,92…回転体(定着ローラ、加圧ローラ)/95,205…枠体(支持枠)/95a…凸部(突起)/95c…収容部/95e…取付穴/100,203,204,921…発熱体(ヒータ)/103…第1端部、第1の碍子/103a…第1当接面(当接面)/104…第2端部、第2の碍子/107…第1保持部材(固定部材)/107a…第2当接面(当接面)/107c…開口部/107d…突出部(当接面)/108…第2保持部材(弾性部材)/109…弾性部/110…固定部(剛体部)/110d…凹部(切欠き)/110e…幅方向から見て発熱体と重なる部分(干渉部)/110f…貫通穴(キリ穴)/200…外部加熱ユニット/201,202…ローラ(第1支持ローラ、第2支持ローラ)/302…画像形成部/P1…第1位置/P2…第2位置/X1…第1方向/X2…第2方向
Claims (12)
- 記録材を加熱しながら搬送する回転体と、
前記回転体を加熱する発熱体と、
枠体と、
前記枠体に支持され、前記回転体の幅方向における前記発熱体の第1端部を保持する第1保持部材であって、前記発熱体の前記第1端部に係合する開口部と、前記発熱体の前記第1端部が前記開口部に係合している状態で、前記発熱体に設けられた第1当接面に当接する第2当接面と、前記第2当接面に対して前記幅方向において前記発熱体の前記第1端部から第2端部へ向かう第1方向に突出した突出部とを有する第1保持部材と、
前記枠体に支持され、前記発熱体の前記第2端部を保持する第2保持部材であって、前記枠体に固定された固定部と、前記固定部に支持された弾性材料からなり、前記発熱体の前記第2端部に係合して前記第1保持部材へ向けて押圧する弾性部と、を有する第2保持部材と、を備え、
前記第2保持部材は、前記幅方向から見て前記発熱体と重なる部分であって、前記弾性部より前記幅方向の荷重に対する剛性が高い材料で構成され、前記幅方向において前記第1当接面と前記第2当接面とが当接している状態において前記発熱体の前記第2端部が位置する第1位置と、前記第2当接面に対する前記突出部の突出高さの分、前記第1位置から前記第1方向に移動した第2位置との間に配置された部分を有する、
ことを特徴とする定着装置。 - 前記発熱体の前記第1端部の端面から前記第1当接面までの前記幅方向の距離をL1とし、前記第2当接面に対する前記突出部の突出高さをL2とするとき、L1<L2である、
ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記幅方向から見て前記発熱体と重なる前記部分は、前記第2保持部材の前記固定部の一部である、
ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記枠体の前記第1方向の側面に設けられ、前記第1方向の反対の第2方向に凹み、前記第2保持部材の前記固定部を収容する収容部をさらに備え、
前記幅方向から見て前記発熱体と重なる前記部分は、前記第2保持部材が前記枠体に取り付けられておらず、かつ、前記発熱体が前記第1当接面において前記第1保持部材の前記第2当接面に当接する位置から、前記第2当接面に対する前記突出部の突出高さの分、前記発熱体が前記第1方向に移動した状態において、前記第2保持部材の前記固定部が前記収容部に収容されることを規制する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記枠体に設けられた取付穴と、
前記第2保持部材の前記固定部に設けられた貫通穴と、
前記貫通穴を貫通した状態で前記取付穴に取り付けられ締結具と、をさらに備え、
前記幅方向から見て前記発熱体と重なる前記部分は、前記第2保持部材が前記枠体に取り付けられておらず、かつ、前記発熱体が前記第1当接面において前記第1保持部材の前記第2当接面に当接する位置から、前記第2当接面に対する前記突出部の突出高さの分、前記第1方向に移動した状態において、前記第2保持部材の前記固定部が前記貫通穴を通して前記締結具を前記取付穴に取り付けることが可能な姿勢となることを規制する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記枠体及び前記第2保持部材のいずれか一方に設けられた凸部と、
前記枠体及び前記第2保持部材の他方に設けられ、前記幅方向から見て前記凸部に嵌合して前記枠体に対する前記第2保持部材の移動を規制する凹部と、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記第2保持部材の前記固定部及び前記幅方向から見て前記発熱体と重なる前記部分は、一体成型された樹脂部材であり、前記弾性部は前記樹脂部材に支持される金属製の板バネである、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記第2当接面は、前記幅方向から見て前記開口部を囲むように配置され、
前記突出部は、前記幅方向から見て前記第2当接面を囲むように配置されている、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記発熱体は、金属線を内包する被覆管と、前記被覆管の一方の端部を覆う第1の碍子と、前記被覆管の他方の端部を覆う第2の碍子と、を有し、
前記第1保持部材は前記第1の碍子を保持し、
前記第2保持部材は前記第2の碍子を保持する、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記回転体は、円筒状のローラであり、
前記発熱体は、前記ローラの内側に挿通された状態で前記第1保持部材及び前記第2保持部材に保持されている、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記回転体の外周部を加熱するための外部加熱ユニットをさらに備え、
前記外部加熱ユニットは、円筒状のローラを有し、
前記発熱体は、前記ローラの内側に挿通された状態で前記第1保持部材及び前記第2保持部材に保持されている、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の定着装置。 - 像担持体にトナー像を形成し、前記像担持体に担持されたトナー像を記録材に転写する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって記録材に転写されたトナー像を記録材に定着させる、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の定着装置と、を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
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