JP2020054537A - 遊技機 - Google Patents

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Gen Okamura
鉉 岡村
貴博 井川
Takahiro Igawa
貴博 井川
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Abstract

【課題】遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供すること。【解決手段】判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利な特典が特典付与手段により付与される。そして、遊技者が操作可能な操作手段が操作されたことに基づいて演出実行手段により演出が実行され、その演出実行手段により演出が実行される実行タイミングを可変して決定することが可能な決定手段を有する。これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。【選択図】図233

Description

本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、操作手段を有するものがあり、その操作手段への操作結果に基づいて様々な設定を実行する遊技機がある。このような遊技機では、操作手段を操作させることにより、興趣向上を図っていた。
特開2012−249877号公報
しかしながら、更なる興趣の向上が求められている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有し、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により前記演出が実行される実行タイミングを可変して決定することが可能な決定手段と、を有する。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記演出として可動されることが可能に構成された可動手段と、前記可動手段は、前記演出実行手段により所定の可動パターンで可動されることが可能に構成されているものである。
請求項3記載の遊技機は、請求項1または2記載の遊技機において、前記操作手段が操作されてから前記演出の実行が開始されるまでの期間で報知態様を実行可能な報知態様実行手段を有するものである。
請求項1記載の遊技機によれば、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有し、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により前記演出が実行される実行タイミングを可変して決定することが可能な決定手段と、を有する。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記演出として可動されることが可能に構成された可動手段と、前記可動手段は、前記演出実行手段により所定の可動パターンで可動されることが可能に構成されているものである。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1または2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記操作手段が操作されてから前記演出の実行が開始されるまでの期間で報知態様を実行可能な報知態様実行手段を有するものである。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 遊技盤及び動作ユニットの分解正面斜視図である。 遊技盤及び動作ユニットの分解背面斜視図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 (a)及び(b)は、図7のXIIa−XIIa線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。 (a)及び(b)は、図9のXIIIa−XIIIa線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。 図9のXIV−XIV線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。 (a)は、変位規制装置の背面斜視図であり、(b)は、変位規制装置の正面斜視図であり、(c)は、変位規制装置の正面斜視図である。 変位規制装置の分解背面斜視図である。 変位規制装置の分解正面斜視図である。 (a)は、当接部材の背面図であり、(b)は、案内部材の正面図であり、(c)は、操作部材の正面図である。 パチンコ機の正面斜視図である。 遊技盤及び動作ユニットの背面図である。 (a)及び(b)は、図20のXXIa−XXIa線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。 遊技盤及び発射演出ユニットの分解正面斜視図である。 遊技盤及び発射演出ユニットの分解背面斜視図である。 発射演出ユニットの分解正面斜視図である。 発射演出ユニットの分解背面斜視図である。 (a)は、図25の矢印R方向視における第1光照射装置の側面図であり、(b)は、図25の矢印L方向視における第2光照射装置の側面図である。 図2のXXVII−XXVII線における遊技盤及び発射ユニットの断面図である。 射出装置の正面分解斜視図である。 射出装置の正面分解斜視図である。 射出装置の正面分解斜視図である。 射出装置の背面分解斜視図である。 射出装置の背面分解斜視図である。 射出装置の背面分解斜視図である。 (a)は、図28の矢印XXXIVa方向視における伝達アーム部材及び蓋部材の平面図であり、(b)は、図34(a)の矢印XXXIVb方向視における伝達アーム部材及び蓋部材の側面図であり、(c)は、図34(b)のXXXIVc−XXXIVc線における伝達アーム部材及び蓋部材の部分断面図である。 (a)は、図28の矢印XXXIVa方向視における伝達アーム部材及び蓋部材の平面図であり、(b)は、図35(a)の矢印XXXVb方向視における伝達アーム部材及び蓋部材の側面図であり、(c)は、図35(b)のXXXVc−XXXVc線における伝達アーム部材及び蓋部材の部分断面図である。 (a)は、図28の矢印XXXIVa方向視における伝達アーム部材及び蓋部材の平面図であり、(b)は、図36(a)の矢印XXXVIb方向視における伝達アーム部材及び蓋部材の側面図であり、(c)は、図36(b)のXXXVIc−XXXVIc線における伝達アーム部材及び蓋部材の部分断面図である。 (a)は、図28の矢印XXXVIIa方向視における前側伝達部材の平面図であり、(b)は、図28の矢印XXXVIIb方向視における後側伝達部材の平面図である。 図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置の平面図である。 図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置の平面図である。 図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置の平面図である。 図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置の平面図である。 (a)から(f)は、図28の矢印XXXVIIa方向視における直動部材、衝突部材、当接部材及び前側伝達部材の平面図である。 (a)から(e)は、図28の矢印XXXVIIa方向視における直動部材、衝突部材、当接部材及び前側伝達部材の平面図である。 (a)から(f)は、図28の矢印XXXVIIb方向視における後側伝達部材、伝達アーム部材及び蓋部材の平面図である。 図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置の平面図である。 前側伝達部材及び後側伝達部材の回転に伴う、検出センサの出力状態、直動部材の配置、衝突部材の配置、当接部材の突設部の配置および伝達アーム部材の円柱状突部の配置の計時変化を示した図である。 拡大縮小ユニットの正面斜視図である。 拡大縮小ユニットの正面斜視図である。 拡大縮小ユニットの背面斜視図である。 拡大縮小ユニットの背面斜視図である。 拡大縮小ユニットの正面分解斜視図である。 拡大縮小ユニットの背面分解斜視図である。 演出部材の正面分解斜視図である。 演出部材の背面分解斜視図である。 機能板部の正面図である。 回転板の正面図である。 回転板の側面図である。 (a)は、伸縮変位部材及び遮蔽意匠部材の正面斜視図であり、(b)は、伸縮変位部材及び遮蔽意匠部材の背面斜視図である。 (a)は、伸縮変位部材及び遮蔽意匠部材の正面斜視図であり、(b)は、伸縮変位部材及び遮蔽意匠部材の背面斜視図である。 機能板部の正面図である。 機能板部の正面図である。 拡大縮小ユニットの正面図である。 拡大縮小ユニットの正面図である。 拡大縮小ユニットの正面図である。 拡大縮小ユニットの背面図である。 拡大縮小ユニットの背面図である。 拡大縮小ユニットの背面図である。 拡大縮小ユニットの正面図である。 拡大縮小ユニットの背面図である。 拡大縮小ユニットの正面図である。 拡大縮小ユニットの背面図である。 (a)及び(b)は、演出部材の背面図である。 演出部材の背面図である。 (a)は、演出部材の背面図であり、(b)は、図74(a)の矢印LXXIVb方向視における演出部材の上面図である。 (a)は、演出部材の背面図であり、(b)は、図75(a)の矢印LXXVb方向視における演出部材の上面図である。 図75のLXXVI−LXXVI線における演出部材の断面図である。 変位回転ユニットの正面斜視図である。 変位回転ユニットの背面斜視図である。 変位回転ユニットの正面分解斜視図である。 変位回転ユニットの背面分解斜視図である。 横スライド部材の分解正面斜視図である。 横スライド部材の分解背面斜視図である。 図7のLXXXIII−LXXXIII線における変位回転ユニットの部分断面図である。 配線アーム部材の斜視図である。 配線案内部材の経路形成部材の斜視図である。 (a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニットの側面図であり、(b)は、図86(a)のLXXXVIb−LXXXVIb線における変位回転ユニットの断面図である。 (a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニットの側面図であり、(b)は、図87(a)のLXXXVIIb−LXXXVIIb線における変位回転ユニットの断面図である。 (a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニットの側面図であり、(b)は、図88(a)のLXXXVIIIb−LXXXVIIIb線における変位回転ユニットの断面図である。 (a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニットの側面図であり、(b)は、図89(a)のLXXXIXb−LXXXIXb線における変位回転ユニットの断面図である。 遊技盤の分解正面斜視図である。 遊技盤の分解背面斜視図である。 センターフレーム、導光板演出手段及び装飾手段の分解正面斜視図である。 センターフレーム、導光板演出手段及び装飾手段の分解正面斜視図である。 センターフレーム、導光板演出手段及び装飾手段の分解背面斜視図である。 センターフレーム、導光板演出手段及び装飾手段の分解背面斜視図である。 図2のXCVI−XCVI線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。 図2の範囲XCVIIにおける第1装飾部材の部分正面拡大図である。 第2実施形態における遊技盤の正面図である。 第3実施形態における拡大縮小ユニットの正面図である。 回転板の正面図である。 第4実施形態における前側伝達部材及び後側伝達部材の回転に伴う、検出センサの出力状態、直動部材の配置、衝突部材の配置、当接部材の突設部の配置および伝達アーム部材の円柱状突部の配置の計時変化を示した図である。 第5実施形態における前側伝達部材及び後側伝達部材の回転に伴う、検出センサの出力状態、直動部材の配置、衝突部材の配置、当接部材の突設部の配置および伝達アーム部材の円柱状突部の配置の計時変化を示した図である。 図2のXXVII−XXVII線に対応する線における第6実施形態における遊技盤及び発射ユニットの断面図である。 第7実施形態におけるパチンコ機の背面図である。 第7実施形態における基板ボックスの正面斜視図である。 基板ボックスの背面斜視図である。 (a)は、基板ボックスの正面図であり、(b)は、基板ボックスの側面図である。 ボックスカバーの正面斜視図である。 ボックスカバーの背面斜視図である。 (a)は、図108の矢印CXa方向視におけるボックスカバーの部分拡大正面図であり、(b)は、図109の矢印CXb方向視におけるボックスカバーの部分拡大背面図である。 (a)は、ボックスベースの正面斜視図であり、(b)は、ボックスベースの背面斜視図である。 (a)は、主制御装置の正面斜視図であり、(b)は、主制御装置の背面斜視図である。 図112(a)の部分CXIIIにおける主制御装置の部分拡大正面斜視図である。 (a)は、図112(a)の矢印CXIVa方向視における主制御装置の正面図であり、(b)は、図114(a)の矢印CXIVb方向視における主制御装置の側面図であり、(c)は、図114(a)の矢印CXIVc方向視における主制御装置の側面図である。 (a)は、鍵がオフ位置に操作された状態における基板ボックスの部分拡大正面図であり、(b)は、鍵がオン位置に操作された状態における基板ボックスの部分拡大正面図である。 (a)は、図115(a)の矢印CXVIa方向視における基板ボックスの部分拡大側面図であり、(b)は、図115(b)の矢印CXVIb方向視における基板ボックスの部分拡大側面図である。 (a)は、図115(a)の切断線CXVIIa−CXVIIaにおける基板ボックスの部分拡大断面図であり、(b)は、図115(a)の切断線CXVIIb−CXVIIbにおける基板ボックスの部分拡大断面図である。 (a)は、図115(a)の切断線CXVIIIa−CXVIIIaにおける基板ボックスの部分拡大断面図であり、(b)は、図115(a)の切断線CXVIIIb−CXVIIIbにおける基板ボックスの部分拡大断面図である。 (a)は、図116(a)の切断線CXIXa−CXIXaにおける基板ボックスの部分拡大断面図であり、(b)は、図116(a)の切断線CXIXb−CXIXbにおける基板ボックスの部分拡大断面図である。 パチンコ機の正面斜視図である。 (a)は、第8実施形態における基板ボックスの部分拡大背面図であり、(b)は、図121(a)の切断線CXXIb−CXXIbにおける基板ボックスの部分拡大断面図である。 (a)は、第9実施形態における基板ボックスの正面図であり、(b)は、パチンコ機の正面模式図である。 (a)は、第10実施形態における基板ボックスの正面図であり、(b)は、パチンコ機の正面模式図である。 第1制御例におけるパチンコ機の正面図である。 第1制御例におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 可変入賞装置の分解斜視図である。 (a)は、可変入賞装置のLa−La断面図であり、(b)は、可変入賞装置のLb−Lb断面図であり、(c)は、可変入賞装置の上面図である。 (a)は、遊技球が特別排出流路に振り分けられるように切替部材が作動された状態を示す裏カバー体の背面図であり、(b)は、流路ソレノイドが非作動であり、特別排出流路の入り口の開口面を切替部材の誘導片が塞いでいる状態を示した図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 (a)は、ボタン連打演出開始画面の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、ボタン連打演出上限到達画面の表示態様の一例を示した図である。 (a)は、ボタン連打演出結果画面その1の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、ボタン連打演出結果画面その2の表示態様の一例を示した図である。 (a)は、ボタン連打演出で上限到達後に継続して連打した画面の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、ボタン連打演出中の追撃画面の表示態様の一例を示した図であり、(c)は演出設定内容を示した図である。 (a)は、アイコン表示可能エリアを示した図であり、(b)は、アイコン表示演出の示唆態様表示画面の一例を示した図である。 (a)は、アイコン表示演出にて最初のアイコンが表示されている画面の一例を示した図であり、(b)は、アイコン表示演出の演出結果の一例を示した図である。 アイコン表示演出の別パターンを示す画面の一例を示した図である。 (a)は、ボタン演出開始画面の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、ボタン演出の押下時正常パターンの表示態様の一例を示した図である。 (a)は、ボタン演出の押下時の遅れパターンの表示態様の一例を示した図であり、(b)は、ボタン演出の押下0.8秒後の遅れパターンの表示態様の一例を示した図である。 ボタン演出遅れ待機中に有効期間が経過した場合の表示態様の一例を示した図である。 (a)は、集合演出開始画面の一例を示した図であり、(b)は、獲得可能キャラ表示画面の一例を示した図である。 (a)は、キャラ獲得画面の一例を示した図であり、(b)は、集合演出終了画面の一例を示した図である。 (a)は、ラスト獲得チャンス画面の一例を示した図であり、(b)は、ラストGET画面の一例を示した図である。 (a)は、バトル演出開始画面の一例を示した図であり、(b)は、バトル演出中の弱攻撃画面の一例を示した図である。 (a)は、バトル演出中の強攻撃画面の一例を示した図であり、(b)は、バトル演出のボス撃破画面の一例を示した図である。 (a)は、バトル演出のボス逃亡画面の一例を示した図であり、(b)は、バトル演出の共闘画面の一例を示した図である。 (a)は、14秒の擬似外れ演出の一例を示した図であり、(b)は、擬似外れ停止からの再始動の一例を示した図である。 連打演出におけるボタン操作内容と演出の流れを示したタイミングチャートである。 ボタン演出の各態様の流れを示したタイミングチャートである。 集合演出の各態様の流れを示したタイミングチャートである。 バトル演出の流れを示したタイミングチャートである。 擬似外れ演出の流れを示したタイミングチャートである。 第1制御例におけるパチンコ機のゲームフローを模式的に示した模式図である。 第1制御例におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について模式的に示した模式図である。 (a)は、第1制御例における主制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1制御例における主制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1制御例における第1当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1制御例における第1当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第1制御例における第2当たり乱数テーブルを模式的に示した模式図である。 第1制御例における変動パターン選択テーブルの構成を模式的に示した模式図である。 第1制御例における通常用テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第1制御例における時短・確変用テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1制御例における音声ランプ制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1制御例における音声ランプ制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1制御例における変動演出パターン選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1制御例における通常用演出パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第1制御例における時短・確変用演出パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1制御例における連打演出選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1制御例における上限回数選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1制御例における終了回数選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1制御例における演出結果選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1制御例におけるランダム表示演出選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1制御例における演出アイコン格納エリアの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第1制御例における表示順選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1制御例における順列格納エリアの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1制御例における表示態様選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第1制御例における表示個数選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第1制御例における遅れ演出選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1制御例における集合演出選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1制御例におけるキャラ格納エリアの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第1制御例におけるキャラ数選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1制御例におけるバトル演出選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1制御例におけるHP選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第1制御例における最終残HP選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第1制御例におけるバトル態様選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第1制御例における表示制御装置の電気的構成を示したブロック図である。 (a)〜(c)は、電源投入時画像を説明する説明図である。 (a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面B〜Dを説明する説明図である。 第1制御例における表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 第1制御例における転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 第1制御例における描画リストの一例を模式的に示した模式図である。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される遊技状態更新処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される先読み処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり動作設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるエンディング処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される入賞処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される異常処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される入賞情報関連処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり関連処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される停止処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される演出態様設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される操作演出設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される連打演出設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される遅れ演出設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるバトル演出設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるバトル後半演出設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される時短・確変用演出設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるランダム表示演出設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される液晶演出実行管理処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される操作演出管理処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示したフローチャートである。 (a)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 (a)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される表示用大当たり関連コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるV演出コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。 (a)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。 (a)は、第2制御例におけるパチンコ機が有する各種装置を模式的に示した模式図であり、(b)は、射出装置の構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、演出部材が動作位置に位置している状態を模式的に示した模式図であって、(b)は、演出部材が動作位置に位置している状態で分割動作を実行している状態で、射出装置が駆動し、粒状部材が射出されている状態を模式的に示した模式図である。 (a)は、演出部材が待機位置へと移動し、粒状部材が収納領域へと戻る状態を模式的に示した模式図であって、(b)は、回転部材が駆動している状態で、射出装置が駆動し、粒状部材が射出されている状態を模式的に示した模式図である。 第2制御例におけるパチンコ機が有する各種装置と演出内容とを模式的に示した模式図である。 第2制御例における一連役物演出が実行される場合のパチンコ機の各種装置の状況を時間経過に従って模式的に示したタイミングチャートである。 第2制御例における立ち上げ時の発射役物の動作制御の流れを模式的に示したタイミングチャートである。 第2制御例における一連役物演出時の発射役物の動作制御の流れを模式的に示したタイミングチャートである。 第2制御例における一連役物演出中における異常判別結果と実行される演出の流れを模式的に示したタイミングチャートである。 第2制御例におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は、第2制御例における音声ランプ制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2制御例における音声ランプ制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第2制御例における役物動作テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2制御例における異常判定テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理2を示したフローチャートである。 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される初期動作処理を示したフローチャートである。 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される演出態様設定処理2を示したフローチャートである。 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物演出設定処理を示したフローチャートである。 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物演出管理処理を示したフローチャートである。 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される演出中異常判定処理を示したフローチャートである。 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される第2演出中異常判定処理を示したフローチャートである。 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される液晶演出実行管理処理2を示したフローチャートである。 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される操作演出管理処理2を示したフローチャートである。 (a)は、第1変形例におけるボタン連打演出開始画面の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、ボタン連打演出中に特定操作を促す画面の表示態様の一例を示した図である。 (a)は、第1変形例における上限到達後に特定操作をした場合の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、上限到達前に特定操作をした場合の表示態様の一例を示した図である。 (a)は、第1変形例における特定操作非実行で有効期間終了直前の表示態様の一例を示した図であり、(b)は、特定操作非実行で有効期間が終了した場合の表示態様の一例を示した図である。 第3制御例におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理3を示したフローチャートである。 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される終了コマンド受信処理を示したフローチャートである。 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理3を示したフローチャートである。 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される表示用変動パターンコマンド設定処理を示したフローチャートである。 第3制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理3を示したフローチャートである。 第3制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理3を示したフローチャートである。 第3制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される押下コマンド処理を示したフローチャートである。 第3制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるタイマ設定処理を示したフローチャートである。 第3制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される演出タイマ更新処理を示したフローチャートである。 (a)は、第4制御例における変動パターン選択4テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第4制御例における通常用4テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第4制御例における時短・確変用4テーブルを模式的に示した模式図である。 第4制御例における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理4を示したフローチャートである。 第4制御例における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理4を示したフローチャートである。 第4制御例における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄抽選処理を示したフローチャートである。 第4制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理4を示したフローチャートである。 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される結果コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、第1制御例の変形例における獲得可能キャラ表示画面の一例を示した図であり、(b)は、第1制御例の変形例におけるチャンスUPパターンの獲得可能キャラ表示画面の一例を示した図である。 第1制御例の変形例における大当たりが確定する組み合わせの獲得可能キャラ表示画面の一例を示した図である。 第1制御例の変形例におけるキャラ格納エリアの構成を模式的に示した模式図である。 第1制御例の変形例におけるキャラ抽選テーブルの規定内容を示した図である。 第1制御例の変形例における数字抽選テーブルの規定内容を示した図である。 第1制御例の変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるバトル演出設定処理5を示したフローチャートである。 第1制御例の変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される配列設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例の変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される数字設定処理を示したフローチャートである。 アイコン表示演出の変形例における表示態様の一例を示した図である。 アイコン表示演出の変形例における拡大率選択テーブルの規定内容を示した図である。 アイコン表示演出の変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるランダム表示演出設定処理Aを示したフローチャートである。 (a)は、発射役物の演出変形例におけるデモ演出状態の一例を示した図である。(b)は、発射役物の演出変形例におけるデモ演出状態終了処理中の一例を示した図である。 (a)は、発射役物の演出変形例における発射役物が基準位置に位置している状態を示した図である。(b)は、発射役物の演出変形例における発射役物が準備A位置に位置している状態を示した図である。(c)は、発射役物の演出変形例における発射役物が準備B位置に位置している状態を示した図である。 発射役物の演出変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される役物演出管理処理Bを示したフローチャートである。 発射役物の演出変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される演出態様設定処理Bを示したフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図97を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図2参照)の矢印U−D,L−R,F−Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側(又は表面側)に取り付けられる。
ベース板60は、木製の板部材から形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴(例えば、図5参照)に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。なお、ベース板60を光透過性の樹脂材料から構成しても良い。この場合、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となる。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
電動役物640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、下端部に回転軸を備え、遊技領域側へ傾倒または起立する態様で回転変位する開閉板の開閉動作により生じる。電動役物640aが開放状態の時は、開閉板の上面を伝って球が第2入賞口640に案内され易く構成され、電動役物640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口640との間を塞ぐことで球が第2入賞口640に入球し難くなるように構成している。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分を通して視認可能な位置(ベース板60の窓部の後方)に、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、ベース板60には、第3図柄表示装置81を正面視で囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズから19インチサイズ程度の大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。
よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。
また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、例えば2つであっても良い。
また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左右や、下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、スルーゲート67の正面視右下側には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。なお、第2入賞口640の配置は、これに限られるものではない。例えば、第1入賞口64の正面視下方でも良いし、遊技領域の左右中央よりも左側でも良い。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物640aのない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10とは異なり、遊技盤13の構成が左右対称とされる場合には、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
一方で、本実施形態におけるパチンコ機10では、「右打ち」では第1入賞口64を狙うことはできないように構成され、「左打ち」で発射された球はスルーゲート67を通過しないように構成されている。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えることを要求することができる。よって、球の打ち方を変化させる遊技性を付加することで遊技が緩慢となることを防止することができる。
第1入賞口64の右方には可変入賞装置65(図2参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の右方に限らず、例えば、第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側や、可変表示装置ユニット80の左方または右方や、上方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口71は、第2入賞口640の左右に一対で配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板を前後方向に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物640aを駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータMT1,MT2,MT3,MT4,MT5等が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、遊技盤13及び動作ユニット500の構造について説明する。図5は、遊技盤13及び動作ユニット500の分解正面斜視図であり、図6は、遊技盤13及び動作ユニット500の分解背面斜視図である。なお、図5及び図6では、背面ケース510の開口511aに配設される液晶表示装置(可変表示装置ユニット80)の図示が省略され、開口511aを通して奥側を視認可能に図示される。また、図5及び図6の説明においては、図2を適宜参照する。
動作ユニット500は、底壁部511と、その底壁部511の外縁から立設される外壁部512とから正面側が開放された箱状に形成される背面ケース510を備える。背面ケース510は、底壁部511の中央に矩形状の開口511aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口511aは、第3図柄表示装置81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
背面ケース510は、外壁部512の正面側端部に遊技盤13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図2参照)において遊技盤13を面支持する支持板部513を備える。
支持板部513は、遊技盤13のベース板60に形成される嵌合凹部(図示せず)と嵌合可能な形状で正面側へ向けて突設される位置決め凸部513aと、ベース板60に締結される締結ネジを挿通可能に穿設される複数の挿通孔513bとを備える。
ベース板60の嵌合凹部に位置決め凸部513aを嵌合させることによりベース板60に対して背面ケース510を位置決めし、締結ネジを挿通孔513bに挿通し、ベース板60に螺入することにより、遊技盤13と動作ユニット500とを一体的に固定することができるので、遊技盤13及び動作ユニット500の全体としての剛性の向上を図ることができる。
なお、位置決め凸部513aの形状は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、ベース板60の嵌合凹部の内形(本実施形態では、円形または長円形)よりも若干小さな外形の凸部でも良いし、組み付け時の作業性を考慮して、嵌合隙間が大きくなるような形状(更に小さな外形)の突部でも良い。また、嵌合凹部の内形が矩形状に形成される場合には、それに対応して位置決め凸部513aの形状も矩形状とされることは当然想定される。
遊技盤13は、上述のように、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、スルーゲート67、可変入賞装置65、ベース板60に開口される窓部60a(図90参照)に正面側から嵌合可能な形状で構成されるセンターフレーム86、遊技領域から排出された球が流下可能に構成される球流下ユニット150、第3図柄表示装置81の正面側へ向けて粒状部材320(図54参照)を発射可能に構成される発射演出ユニット300等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の表面と対向配置され固定される態様で内枠12に取り付けられる。
ベース板60は、光透過性の樹脂材料から板状に形成されており、正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させ易いように構成される。これにより、ベース板60の形状や配置に関わらず、その背面側に配設される構造体を視認させ、各種演出に利用することができる。
例えば、ベース板60の背面側に球流下ユニット150を配設する場合であっても、ベース板60が透けて奥側が見えるので、球流下ユニット150を流下している球を視認させることができる。本実施形態では、球流下ユニット150が、視認される球により奏する効果を考慮して設計されているが、詳細は後述する。
なお、遊技者に対して見せたくない箇所がある場合には、光透過性の低い(又は光不透過の)シール部材を貼り付ける等して対処すれば良い。
センターフレーム86は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等によりベース板60に固定される。
発射演出ユニット300は、粒状部材320(図54参照)を受け入れ、粒状部材320が飛散可能な範囲を区画する区画部材310がセンターフレーム86の内側に配置されることで、粒状部材320をセンターフレーム86の内側へ向けて発射可能とされる。そのため、センターフレーム86の内側窓部を通して第3図柄表示装置81の表示を視認する遊技者に対して、第3図柄表示装置81の正面側で飛散する粒状部材320を効果的に視認させることができる。なお、発射演出ユニット300の詳細については後述する。
動作ユニット500は、遊技盤13の背面側に配置され、各種発光手段や、各種動作ユニットが内部に配設されている。即ち、動作ユニット500は、背面ケース510と、その背面ケース510の内側上部に配設される拡大縮小ユニット600と、背面ケース510の内側左右部に左右対称で配設される変位回転ユニット800とを備える。
具体的には、拡大縮小ユニット600は、開口511aの上方位置において、変位回転ユニット800は、開口511aの左右位置において、それぞれ背面ケース510の底壁部511に配設される。まず、この動作ユニット500の動作制御の概要について説明する。
図7から図11は、動作ユニット500の動作制御の一例を時系列で示す動作ユニット500の正面図である。なお、図7では、演出待機状態の拡大縮小ユニット600及び変位回転ユニット800が図示され、図8では、張出状態の拡大縮小ユニット600と、演出待機状態の変位回転ユニット800とが図示され、図9では、拡大状態の拡大縮小ユニット600と、演出待機状態の変位回転ユニット800とが図示される。
また、図10では、演出待機状態の拡大縮小ユニット600と、演出上端状態の変位回転ユニット800とが図示され、図11では、左側の変位回転ユニット800は演出上端状態とされ、右側の変位回転ユニット800は演出下端状態とされる。
図7から図11に図示されるように、拡大縮小ユニット600の変位軌跡と変位回転ユニット800の変位軌跡とは正面視で部分的に重なる。そのため、例えば、変位回転ユニット800が演出上端状態(図10参照)の時に、拡大縮小ユニット600が演出待機状態から状態変化すると、衝突する可能性がある。
これに対して、本実施形態では、拡大縮小ユニット600の演出待機状態からの状態変化を、変位回転ユニット800が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したり、変位回転ユニット800の演出待機状態からの状態変化を、拡大縮小ユニット600が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したりすることで、拡大縮小ユニット600と変位回転ユニット800とが正面視で重なることを避けることができる。
従って、拡大縮小ユニット600及び変位回転ユニット800の配置自由度を向上することができる(前後位置が重なることを許容できる)。
図7から図9に示すように、拡大縮小ユニット600は、演出部材700が一箇所に集合配置された状態で下降変位可能に構成され、下降変位後に第3図柄表示装置81の表示領域の前方に配置された状態で演出部材700の構成部材が互いに離散して、正面視で視認される面積が大きくなるよう動作制御される(図9参照)。
その後、拡大縮小ユニット600は、演出部材700が再び集合し(図8参照)、一箇所に集合配置された状態で上昇変位し、図7に示す演出待機状態に復帰するよう制御される。
図10及び図11に示す状態変化は、拡大縮小ユニット600が演出待機状態の時に実行される。図7、図10及び図11に示すように、変位回転ユニット800は、横スライド部材840が演出待機状態から、上下方向成分のみでは無く、左右方向成分を有する方向で変位可能に構成される。
本実施形態では、後述の機構により設定される経路曲線S1に沿って横スライド部材840が変位する。経路曲線S1は、各中心点C1を中心とする円弧形状からなる共通円弧部S1aと、その共通円弧部S1aの下端から左右外側下方へ延びる進退経路部S1bとを備える。
図10では、左右一対の横スライド部材840が共通円弧部S1aの上端位置に配置されており、図11では、左側の横スライド部材840は共通円弧部S1aの上端位置に配置される一方、右側の横スライド部材840は共通円弧部S1aの下端位置よりも上側の位置に配置される。
そのため、図11に示す状態から、左側の横スライド部材840を下側へ変位させ、右側の横スライド部材840を上側へ変位させるよう制御すると、あたかも横スライド部材840が第3図柄表示装置81の中心寄りに配置される中心点C1を中心に回転変位しているかのように遊技者に視認させることができる。
即ち、横スライド部材840を第3図柄表示装置81の表示領域と同等の大きさの回転演出体の一部として視認させることができ、横スライド部材840を利用した演出の演出自由度を向上することができる。
図12(a)及び図12(b)は、図7のXIIa−XIIa線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図であり、図13(a)及び図13(b)は、図9のXIIIa−XIIIa線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図であり、図14は、図9のXIV−XIV線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図である。
なお、図7及び図9では遊技盤13は図示されていないが、図12から図14では、遊技盤13が動作ユニット500の正面側に組み付いた状態(図2参照)が図示される。
また、図12(a)及び図13(a)では、粒状部材320が下方に滞留した状態の一例が図示され、図12(b)及び図13(b)では、粒状部材320が発射され飛散した状態の一例が図示される。
拡大縮小ユニット600の演出部材700は、図12(a)及び図12(b)に示す演出待機状態では集合配置の中央部分が発射演出ユニット300の区画部材310よりも上側に配置され、区画部材310を通して第3図柄表示装置81の表示領域の大部分を視認可能に構成される。
一方、図13(a)及び図13(b)に示す拡大状態では発射演出ユニット300の区画部材310の背後に演出部材700が近接配置され、演出部材700に目隠しされることで(図9参照)、第3図柄表示装置81の表示領域の大部分が視認不能に遮蔽される。
拡大縮小ユニット600の変位軌跡と、区画部材310とは干渉しないので、拡大縮小ユニット600の配置に関わらず、区画部材310に粒状部材320を発射する動作演出を実行するように発射演出ユニット300を制御することが可能である。
図12(a)に示すように、粒状部材320は第3図柄表示装置81の表示領域の下縁よりも下側に配置されており、前方へ向かうほど上昇傾斜する経路で発射されることで、区画部材310の前壁部に打ち付けられ、区画部材310により形成される範囲で跳ね返りながら上昇する。
これにより、遊技者に対して、粒状部材320が、あたかも自分の側へ向かって来るかのように見せることができるので、粒状部材320を利用した演出に対する注目力を向上することができる。
また、このように構成することにより、粒状部材320を飛散させる範囲を遊技者側へ寄せることができると共に、第1入賞口64(図2参照)等、遊技領域に配設される構成部材の配置自由度が低くなることを避けることができる。
換言すれば、本実施形態の区画部材310へ向けて発射される粒状部材320の待機位置として、区画部材310の真下の位置や、前寄りの位置を採用することもできる。しかし、この場合、第1入賞口64の背面側のスペースに発射演出ユニット300が配設されるので、第1入賞口64に入球した球を流す案内経路の配設スペースを確保することが難しくなり、第1入賞口64の位置を移動させて対処することが必要となる虞がある。
これに対し、本実施形態では、区画部材310は最前面位置に配置し、粒状部材320の待機位置を斜め後方に配置することで、第1入賞口64の背面側のスペースを確保できるので、球の案内経路を問題なく配設することができ、第1入賞口64を自由に配置できないという事態が生じることを未然に防ぐことができる。
図12(a)に示す状態で、粒状部材320を発射する制御を行うと、図12(b)に示すように、区画部材310の内部で飛散する粒状部材320と第3図柄表示装置81の表示領域における表示とを合わせて遊技者に見せることができる。これにより、平面的な表示と、三次元的に変位する粒状部材320の動きとを組み合わせて遊技者に視認させることができる。
図13(a)に示す状態で、粒状部材320を発射する制御を行うと、図13(b)に示すように、区画部材310の内部における粒状部材320の飛散と、拡大縮小ユニット600の状態変化とを合わせて遊技者に見せることができる。この場合、例えば、粒状部材320の飛散のタイミングと、拡大縮小ユニット600の演出部材700が離散する態様で変位するタイミングとを合わせることで、状態変化する拡大縮小ユニット600の正面側で粒状部材320が飛び散る様子を視認させることができ、拡大縮小ユニット600の状態変化の迫力を強化することができる。
ここで、拡大縮小ユニット600の状態変化と合わせて演出する方法として、第3図柄表示装置81の表示を拡大縮小ユニット600の状態変化と合わせて切り替える方法も考えられる。
しかし、本実施形態のように、第3図柄表示装置81が拡大縮小ユニット600の背面側に配置され、拡大縮小ユニット600により第3図柄表示装置81の表示領域の大部分が遮蔽される状況では、第3図柄表示装置81の表示を切り替えたとしても、その表示を見せ難く、効果的に演出することは困難であると考えられる。
これに対し、本実施形態では、拡大縮小ユニット600の状態変化と合わせて動作演出する粒状部材320が飛散する範囲を形成する区画部材310の位置を、拡大縮小ユニット600の正面側に設けているので、拡大縮小ユニット600が第3図柄表示装置81の表示領域の大部分を遮蔽する状況においても、粒状部材320を遊技者に見せ難いということは無い。
更に、粒状部材320を小形の部材で構成することにより、粒状部材320を大形の部材で構成する場合に比較して、拡大縮小ユニット600が、かえって見え難くなることを防止することができる。
従って、拡大縮小ユニット600により第3図柄表示装置81の表示領域の大部分が遮蔽されている状態においても、拡大縮小ユニット600の演出効果を向上させることができる。
また、粒状部材320の飛散を、拡大縮小ユニット600と組み合わせて視認させる演出は、そのまま粒状部材320の飛散を変位回転ユニット800と組み合わせて視認させる演出に利用できる。
即ち、変位回転ユニット800は、拡大縮小ユニット600と同様に、横スライド部材840が第3図柄表示装置81の表示領域から退避して配置される状態(演出待機状態、図7参照)と、横スライド部材840が第3図柄表示装置81の表示領域の正面側に配置される状態(演出下端状態、演出上端状態、図10及び図11参照)とで状態変化できるので、その状態に対応して、飛散する粒状部材320と第3図柄表示装置81の表示とを組み合わせて視認させる演出と、飛散する粒状部材320と変位回転ユニット800の横スライド部材840とを組み合わせて視認させる演出とを実行することができる。
この場合、拡大縮小ユニット600では、演出部材700を離散させる態様の変位に合わせて粒状部材320を飛散させることで効果的に演出することができると説明したが、変位回転ユニット800では、回転可能に配設される羽状部材854の回転に合わせて粒状部材320を飛散させることで、羽状部材854の回転により空気の流れが生じている(空気の流れが生じるほどに羽状部材854が高速回転している)かのように視認させることができ、変位回転ユニット800の演出効果を向上することができる。
このように、本実施形態によれば、粒状部材320の飛散を、第3図柄表示装置81の表示領域と組み合わせて視認させる演出と、拡大縮小ユニット600又は変位回転ユニット800と組み合わせて視認させる演出とに兼用することができる。
図14に示すように、発射演出ユニット300の一部であって変位回転ユニット800の横スライド部材840の真上に配置される第1光照射装置330の後端ラインBL1は、図14に示す断面上における変位回転ユニット800の前端ラインFL1よりも背面側に配置される。そのため、変位回転ユニット800の横スライド部材840の変位軌跡によっては(例えば、図14に示す状態から横スライド部材840が真上への変位を継続すると)、第1光照射装置330と変位回転ユニット800とが衝突する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、進退経路部S1bを発射演出ユニット300と変位回転ユニット800との衝突を回避可能な経路として設定している。即ち、発射演出ユニット300の射出装置400と第1光照射装置330との間に斜め方向で設けられる隙間を通る経路として進退経路部S1bを設定することで、後端ラインBL1及び前端ラインFL1の設定自由度を向上することができると共に、後端ラインBL1を設定する第1光照射装置330を超えて上昇変位可能に構成されており、変位回転ユニット800の変位幅を大きく確保することができる。
図13に示すように、演出部材700の変位時、演出部材700と区画部材310とは前後方向で近接配置される。遊技可能状態においては、演出部材700と区画部材310との間で間隔を確保できる程度に配置しているが、搬送時においてまで演出部材700と区画部材310との間に間隔を確保することまで考慮しているものでは無い。そのため、搬送時においては、演出部材700を変位範囲の上側終端位置に維持し、区画部材310と演出部材700とが近接配置されないように規制することが望ましい。
図6に戻って説明する。動作ユニット500は、背面ケース510に締結固定される変位規制装置180を備える。変位規制装置180は、背面ケース510の背面からの手動操作で状態変化可能に構成されており、規制状態において、拡大縮小ユニット600が演出待機状態から下降変位することを規制する。
変位規制装置180を採用することにより、本実施形態のように、ベース板60の中央の開口が閉塞される場合であっても、パチンコ機10の出荷や搬送を容易とすることができる。
詳述すると、従来、可動役物が変位する範囲に緩衝材(わた等のクッション部材)を詰めるなどして可動役物の変位を抑制し、遊技ホールに到着した後で緩衝材を抜き取るという手段により、出荷時や搬送時に可動役物が変位することを防止する場合があった。しかし、ベース板60の中央の開口部が本実施形態のように閉塞されていると(図12(a)参照)、緩衝材を抜き取るための貫通箇所が無いため、遊技盤13と背面ケース510とを分解しないと緩衝材を抜き取ることができず、遊技ホールの負担が多大となる可能性がある。
この対策として、本実施形態では変位形成装置180を採用している。これにより、遊技盤13及び背面ケース510の固定を解除することなく、拡大縮小ユニット600の昇降変位を規制する規制状態と、その規制が解除される規制解除状態とで変位規制装置180の状態を切り替えることができる。以下、まず変位形成装置180の構成の詳細を説明し、その後で状態変化の詳細について説明する。
図15(a)は、変位規制装置180の背面斜視図であり、図15(b)は、変位規制装置180の正面斜視図であり、図15(c)は、変位規制装置180の正面斜視図である。
なお、図15(a)及び図15(b)では、規制解除状態の変位規制装置180が図示され、図15(c)では、規制状態の変位規制装置180が図示される。図15(a)から図15(c)で示すように、変位規制装置180は、当接部材181から円筒部183dが出没することにより、規制状態と規制解除状態とが切り替えられる。変位規制装置180の規制状態において、円筒部183dは、背面ケース510の内側まで張り出し、拡大縮小ユニット600の被規制孔657と係合可能に構成されるが、詳細は後述する。
図16は、変位規制装置180の分解背面斜視図であり、図17は、変位規制装置180の分解正面斜視図であり、図18(a)は、当接部材181の背面図であり、図18(b)は、案内部材182の正面図であり、図18(c)は、操作部材183の正面図である。
図16から図18に示すように、変位規制装置180は、背面ケース510(図6参照)に当接配置される当接部材181と、その当接部材181の背面側に配置され当接部材181に締結固定されると共に操作部材183を前後方向に案内する案内部材182と、その案内部材182に変位を案内される操作部材183と、その操作部材183と当接部材181との間に配設され操作部材181に背面側へ向く付勢力を付与可能に構成されるコイルスプリング184とを主に備える。
操作部材183が背面視で左右に長尺の略楕円形状から形成されることに伴い、操作部材183を収容する当接部材181や案内部材182も背面視で左右に長尺の略楕円形状から形成されるので、変位規制装置180の外観形状は、背面視で左右に長尺の略楕円形状となる。
当接部材181は、背面ケース510との接触面積を大きくすることで保持力を高めるよう主に板状で設計されており、その板端から背面側へ向けて案内部材182を保持するための壁部が延設されており、左右端部において穿設され背面ケース510から突出する締結部が挿通される挿通孔181aと、コイルスプリング184を隙間に配置可能な形状の二重筒状で背面側へ突設される筒状保持部181bと、操作部材183との関係で周知のラッチ機構を構成し操作部材183と係合可能に構成される被係合部181cとを備える。
案内部材182は、当接部材181の外周に沿う楕円の環状で前後方向に延設される本体部182aと、挿通孔181aに挿通される締結部に螺入される締結ネジが挿通されるネジ挿通部182bと、当接部材181に挿通される締結ネジが螺入される締結部182cと、本体部182aの背面側端部において径方向内側に張り出す抜け止め部182dと、本体部182aの上下内側部において前後方向に亘って径方向内側に突設される突条182eとを備える。
本構成から、当接部材181と案内部材182とを締結固定することで、当接部材181と案内部材182との間に操作部材183を配置し、脱落不能に保持することができるが、本実施形態では、その締結方向の設定により、当接部材181と案内部材182とを分解可能な状況を限定している。
換言すれば、本実施形態では、当接部材181と案内部材182とを締結固定するための締結ネジを、当接部材182の正面側(背面ケース510により覆われる側)から挿通させる構成としているので、背面ケース510に変位規制装置180が組み付けられている状態では、締結ネジに触れることができない。従って、変位規制装置180を背面ケース510から取り外した状態でのみ当接部材181と案内部材182とを分解することができる。
なお、変位規制装置180を背面ケース510に締結固定するための締結ネジは、案内部材182の背面側からネジ挿通部182bに挿通されているので、背面ケース510の背面側が露出する状態(図19参照)において容易に触れることができ、変位規制装置180を背面ケース510から取り外すことを容易とすることができる。
操作部材183は、案内部材182の抜け止め部182dよりも若干小さな楕円形で背面視外形が形成され正面側が開放されるカップ状に形成される本体部183aと、その本体部183aの前縁部から径方向外方へ張り出すフランジ部183bと、そのフランジ部183bに凹設される溝部183cと、本体部183aの底部中央から正面側へ円筒状に突設される円筒部183dと、その円筒部183dを中心としてコイルスプリング184の外径よりも大径の円弧形状で正面側に突設される円弧形状突条部183eと、当接部材181の被係合部181cに係合可能な位置に突設され、被係合部181cとの関係で周知のラッチ機構を構成可能とされる係合部183fとを備える。
操作部材183の板背面には、楕円形状のシールが貼り付けられている。このシールは、短手方向の端部の一方に凹形状が形成されており(図15(a)参照)、この凹形状を上向きに配置することで、組み付け時における上下姿勢間違いを容易に防止することができる。
本体部183aを楕円形とすることにより、操作部材183が回転変位することを容易に防止することができる。即ち、操作部材183が回転変位しそうになっても、案内部材182の本体部182aと当接することで回転が規制される。
フランジ部183bは、案内部材182の抜け止め部182dよりも背面視で大きく形成されており、これにより操作部材183が案内部材182から抜け落ちることを防止することができる。即ち、操作部材183は、フランジ部183bが当接部材181と案内部材182との間に保持された状態において前後方向に変位可能とされる。
溝部183cは、案内部材182の突条182eと対応する位置に形成されており、操作部材183の前後変位を滑らかに行わせる役割がある。なお、本実施形態では、突条182eが上側に2箇所、下側に1箇所で形成されていることに伴い、溝部183cも上側に2箇所、下側に1箇所で形成される。これにより、操作部材183の上下を間違えて行う誤組立を防止することができる。
円筒部183dは、コイルスプリング184の巻き中心に挿通される部分であって、当接部材181の筒状保持部181bの中央開口に挿通可能に構成される。円筒部183dが当接部材181の中央開口から張り出した状態では、後述するように、円筒部183dは拡大縮小ユニット600の被規制孔657と係合し、演出部材700の昇降変位を規制する。
即ち、本実施形態では、円筒部183dを、拡大縮小ユニット600の演出部材700の昇降変位を規制する部分と、コイルスプリング184を支持する部分とで兼用することができる。
円弧形状突条部183eは、コイルスプリング184の外径側と対向配置可能に配設され、当接部材181の筒状保持部181bの大径側筒状部と前後方向で対向配置される。
操作部材183が押し込み操作される際には、他の部分に先行して円弧形状突条部183eと筒状保持部181bとが当接するので、負荷発生面積を増やすことができ、局所的に大負荷が生じることを防止することができる。
円弧形状突条部183eは、円状では無く、円が途切れた円弧状に形成され、その途切れた位置において係合部183fが配設される。これにより、係合部183fと、円筒部183d及びコイルスプリング184とが離れすぎることを回避することができる。
操作部材183の状態変化について説明する。操作部材183には、コイルスプリング184により背面側へ付勢されているところ、この付勢力に抗して操作部材183を正面側へ押し込むと、係合部183fと被係合部181cとで構成されるラッチ機構が作用し、ラッチ機構が作用する最小ストローク以上で押し込む度に、上述した規制状態と、規制解除状態とで交互に切り替えられる。
このように、ラッチ機構により状態変化可能に構成されているので、操作部材183が意図的に操作された場合に限らず、パチンコ機10に大きな外力が与えられることで操作部材183が上述の最小ストローク分だけ変位してしまうと、意図せず変位規制装置180が状態変化する虞がある。
例えば、変位規制装置180の規制状態において、出荷時の衝撃や、搬送時の振動で、意図せずに変位規制装置180に状態変化が生じると、拡大縮小ユニット600が演出待機状態(演出部材700が上側変位終端に配置される状態)から変位する可能性がある。
演出待機状態から変位した演出部材700が区画部材310に近接配置された状態(図13参照)で、出荷時の衝撃や搬送時の振動を受けると、演出部材700が発射演出ユニット300の区画部材310に衝突する虞があり、演出部材700や区画部材310が破損する虞がある。
これに対し、本実施形態では、操作部材183に対して付勢力が加えられる位置(中央位置)から離れた位置(右側に偏心した位置)に係合部183fが配置されていると共に、操作部材183の溝部183cと案内部材182の突条182eとの隙間寸法が大きく設定され、操作部材183の姿勢維持能力を敢えて下げて構成される。
これにより、案内部材182に対する操作部材183の姿勢を予め傾斜させておくことができることから、操作部材183の変位抵抗を増加させておくことができる。従って、意図しない外力により操作部材183が前後方向に変位する変位量を抑制することができる。
変位規制装置180の動作ユニット500との関係について説明する。図19は、正面枠14を開放した状態におけるパチンコ機10の正面斜視図であり、図20は、遊技盤13及び動作ユニット500の背面図であり、図21(a)及び図21(b)は、図20のXXIa−XXIa線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図である。
なお、図21(a)では、変位規制装置180の規制状態が図示され、図21(b)では、変位規制装置180の規制解除状態が図示される。
図19に示すように、変位規制装置180は、内枠12の開閉基端側(左側)に配置されており、裏パック92を内枠12に対して開放することにより作業者が手を延ばせば触れられるよう構成される。この位置は、内枠12を開放して作業を行う作業者が進入する側(開閉先端側、右側)の反対側であるので、内枠12の開放時に、作業者が意図せず変位規制装置180に触れることを回避することができる。
図21(a)及び図21(b)に示すように、上述のラッチ機構を構成する係合部183f及び被係合部181cは、変位規制装置180の右側部に形成されている。操作部材183は緩い支持とされているので、操作部材183を押しこむ負荷の全てが操作部材183の前後移動に使用されるものでは無く、操作部材183の姿勢変化にも使用される。
例えば、操作部材183の右側を押し込んだ場合に、右側部は十分に前後移動するとしても、操作部材183が姿勢変化して、左側部が十分に押し込まれないという事態が十分生じ得る。
そのため、変位規制装置180を押し込んで状態の切り替えを行う目的からすれば、作業者は、ラッチ機構の形成部をピンポイントで押し込む方が、変位規制装置180に必要な変位を生じさせ易く、変位規制装置180の状態切り替えに成功し易いといえる。
本実施形態では、上述のように、ラッチ機構を構成する係合部183f及び被係合部181cは、変位規制装置180の右側部に形成されており、作業者は右側から進入して変位規制装置180を操作するので、作業者は最小限の動作で変位規制装置180に到達することができる。従って、作業者は、ラッチ機構の形成部をピンポイントで押し込む操作を容易に実行することができる。
また、操作部材183を押し込む際の姿勢変化は、押し込まれる側へ押圧面(円筒部183dの基端側に形成される面)を向ける態様で生じる。従って、押し込み量が大きくなるにしたがって、作業者の押し込み負荷が操作部材183に伝達され易く構成することができる。
図21(a)に示す規制状態では、操作部材183の円筒部183dが、伝達ギア650の被規制孔657に挿通され、伝達ギア650の変位を規制している。これにより、拡大縮小ユニット600の状態が変化することを防止することができる。
伝達ギア650の変位方向(前後方向軸を中心とした回転方向)と、操作部材183の変位方向(前後方向)とは直交しているので、伝達ギア650から操作部材183が変位方向の負荷を受けることを防止することができる。これにより、ラッチ機構の形成部を強固な構成とせずとも、伝達ギア650の変位を有効に規制することができる。
このように、変位規制装置180を規制状態とすることで、拡大縮小ユニット600の状態を維持することができることから、変位規制装置180の用途は、搬送時に限られるものでは無い。例えば、遊技機店に設置後、メンテナンス時において、変位規制装置180を規制状態として拡大縮小ユニット600の状態を維持することで、後述する変位回転ユニット800のメンテナンスを安全簡易に行うことができる。
即ち、本実施形態のように、拡大縮小ユニット600の変位軌跡と、変位回転ユニット800の変位軌跡とが部分的に重なる場合において、変位回転ユニット800のメンテナンス作業中に拡大縮小ユニット600の駆動モータMT2を誤動作させてしまったとしても、変位規制装置180により拡大縮小ユニット600の状態(配置)を維持することができるので、拡大縮小ユニット600と変位回転ユニット800とが衝突することを防止することができる。
パチンコ機10に電源が投入される前において、変位規制装置180が規制状態である場合には、変位規制装置180の操作部材183を押し込み操作することで、変位規制装置180が規制解除状態に切り替えられる(図21(b)参照)。これにより、伝達ギア650は変位可能となり、拡大縮小ユニット600に状態変化を伴う演出動作を実行させることができる。
ここで、電源投入前に、正面枠14及び内枠12を外枠11に対してわずかに開放し、開放先端側(右側)から覗き込むことで、変位規制装置180が規制解除状態となっているかを確認可能に構成されることについて説明する。
図21(a)に示すように、変位規制装置180の規制状態では、操作部材183が背面ケース510の底壁部511の形状部よりも前側に配置されているので、右側から覗き込む方向視において、操作部材183が底壁部511の形状部に隠される。
一方、図21(b)に示すように、変位規制装置180の規制解除状態では、操作部材183が背面ケース510の底壁部511の形状部よりも背面側に張り出して配置されているので、右側から覗き込む方向視において、操作部材183が底壁部511からはみ出す位置に視認される。
従って、作業者は、電源投入前の確認作業として、正面枠14及び内枠12を外枠11に対して全開にしなくても、正面枠14及び内枠12を外枠11に対してわずかに開放し、右側から覗き込む方向視において、操作部材183が底壁部511からはみ出していることを視認することで、変位規制装置180が規制解除状態となっていることを確認することができる。
なお、本実施形態では、背面ケース510が無色透明の樹脂材料から形成され、操作部材183が赤色透明の樹脂材料から形成されているので、操作部材183の視認性を向上することができる。
ここで、変位規制装置180の規制状態において拡大縮小ユニット600の伝達ギア650の被規制孔657に円筒部183dが挿通されたまま(図21(a)参照)、電源投入された場合について説明する。本実施形態では、変位規制装置180が規制状態のままパチンコ機10の電源が投入された場合、電源導入時動作において拡大縮小ユニット600が状態変化していないことが検出センサSC7(図52参照)の出力から判定され、この判定に伴う位置検出エラー表示が第3図柄表示装置81により表示される。
この位置検出エラー表示を遊技機店の店員に見せることで、変位規制装置180の状態を変化させていないかもしれないことに気付かせることができる。なお、このエラー表示は、拡大縮小ユニット600の状態変化の有無の検出により表示されるものであり、変位規制装置180の状態を検出したものでは無い。
即ち、本実施形態では、追加のエラー表示のためのプログラムや、表示素材を用意することなく、拡大縮小ユニット600に通常備えられる位置検出エラー表示を利用して変位規制装置180の状態に関する警報を出力することができる。これにより、設計コストの低減を図ることができる。
なお、本実施形態では、変位規制装置180の規制状態において拡大縮小ユニット600の伝達ギア650の被規制孔657に円筒部183dが挿通されたまま(図21(a)参照)、電源を投入した場合に、電源投入中は操作部材183の押し込み操作を不能に構成され、一端電源をオフすることを要求されるが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電源投入中においても操作部材183の操作が可能に構成されても良い。
また、操作部材183の押し込み操作を不能にする構成は任意に設定可能である。例えば、伝達ギア650と操作部材183との間で生じる摩擦により押し込み操作を不能とする構成でも良いし、操作部材183の円筒部183dの基端側に大径部を設け、伝達ギア650の変位中においては、伝達ギア650の板背面と、円筒部183dの大径部とが前後で係合し、操作部材183の変位を制限するように構成しても良い。
異なるシチュエーションとして、遊技機店でのメンテナンス中に変位規制装置180の操作部材183を押し込み操作する場合の一例について説明する。本実施形態では、操作部材183の押し込み操作は、拡大縮小ユニット600の被規制孔657が円筒部183dと前後で合致する場合においてのみ可能であるものではない。
例えば、メンテナンスの際に、拡大縮小ユニット600を張出状態(図8参照)としながら操作部材183を押し込み操作した場合でも、変位規制装置180は規制状態に状態変化する。この場合、拡大縮小ユニット600の伝達ギア650の変位軌跡上に円筒部183dが配置されることになるので、メンテナンス終了後に駆動力が生じ伝達ギア650が変位する場合に、その変位が円筒部183dに制限される。
本実施形態では、伝達ギア650の変位が制限されていることを判定可能に構成されており、この判定に基づきエラー表示(異常の報知)を行うことで、変位規制装置180が規制状態のままであることを遊技機店の店員に報知することができるが、詳細は後述する。
これにより、変位規制装置180の状態を検出する装置を別途設けなくても、拡大縮小ユニット600の状態を検出する装置を流用して変位規制装置180の状態を判定することができる。
なお、変位規制装置180の操作は、遊技盤13及び動作ユニット500を内枠12に組み付ける前でも、組み付けた後でも実行可能である。内枠12に組み付けた後においては、内枠12を開放するだけでなく、裏パック92を内枠12に対して開放する作業を要するので、可能であれば内枠12に組み付ける前に変位規制装置180の操作を行っておくことが好ましい。
図5及び図6に戻って説明する。本実施形態では、第3図柄表示装置81の他に、遊技を盛り上げる演出装置として、上述の発射演出ユニット300、拡大縮小ユニット600及び変位回転ユニット800が配設される。これら演出装置について、発射演出ユニット300から順に説明する。
図22は、遊技盤13及び発射演出ユニット300の分解正面斜視図であり、図23は、遊技盤13及び発射演出ユニット300の分解背面斜視図である。図22及び図23に示すように、発射演出ユニット300は組立状態において、区画部材310が導光板161に対向配置される。即ち、遊技者に対して、導光板161と区画部材310とを重ねて視認させる演出を実行することができる。
区画部材310は、無色で光透過性の樹脂材料から形成されているので内部で飛散する粒状部材320を遊技者に視認させることができ、センターフレーム86で囲まれる範囲を視認する遊技者に対して、導光板161と飛散する粒状部材320とを重ねて視認させる演出を実行することができる。
図24は、発射演出ユニット300の分解正面斜視図であり、図25は、発射演出ユニット300の分解背面斜視図である。図24及び図25では、区画部材310が分解して図示される。
図24及び図25に示すように、発射演出ユニット300は、センターフレーム86(図22及び図23参照)の内方に配置され下側が開放された箱形状を形成する区画部材310と、その区画部材310の内部を変位可能に配置される複数の粒状部材320と、その粒状部材320が区画部材310から脱落しないよう下側の開放部分を塞ぐ態様で配設される射出装置400と、区画部材310の右側に配設される第1光照射装置330と、区画部材310の左側に配設される第2光照射装置340と、を備える。
区画部材310は、光透過性の樹脂材料から形成され、最前面に配置される板状部である前面板部311と、その前面板部311の下方に一体的に形成される湾曲板部312と、前面板部311の背面側に前面板部311と平行な関係の底板部が対向配置され、その底板部の左右および上部から空隙を塞ぐように前面側へ延設される閉塞壁を有する背面区画部313と、その背面区画部313の下方に一体的に形成され、前面板部311と背面区画部313との間に構成される内部空間IE1(図12(a)参照)に連通する経路を湾曲板部312との間で構成可能とされる背面区画下部314と、その背面区画下部314に貫通形成される異形貫通部315と、を備える。
区画部材310の大きさは何ら限定されるものでは無いが、本実施形態では、センターフレーム86の内側において導光板161を囲む窓部の大きさと、区画部材310の正面視の大きさとが同程度となるように形成される。即ち、導光板161と前面板部311とが略同一形状となるように形成される。
これにより、導光板161の縁部を隠すための構成部材を、区画部材310の縁部を隠す用途で兼用することができる。区画部材310の縁部を隠すための専用の構成部材を不要とし、部材個数の削減を図りながら、区画部材310の縁部が第3図柄表示装置81による表示に重なって視認されることにより表示が分断される事態の発生を避けることができるので、第3図柄表示装置81による表示の視認性を維持することができる。
内部空間IE1は、粒状部材320が飛散可能な範囲としての役割を持つが、この空間が広すぎると、粒状部材320が散らばりすぎて、迫力のある演出のために粒状部材320の個数を非常に多くする必要が生じる。そのため、ある程度狭い空間として形成するほうが、少数の粒状部材320を密度高く視認させることで迫力のある演出を実行できる。
一方で、空間を狭くし過ぎると、粒状部材320の詰まりを生じる虞がある。これに対し、本実施形態では、内部空間IE1の前後幅は、湾曲板部312の左右中央部312bと背面区画下部314との間の前後幅と同程度で確保される。そのため、前後幅が短縮される場合に比較して、内部空間IE1における粒状部材320の詰まりや、射出時の急激な減速を回避することができる。
更に、湾曲板部312の左右部312aが左右中央部312bよりも背面区画下部314に近接配置されることから、左右中央部312b付近における粒状部材320の移動経路に比較して、左右部312b付近における粒状部材320の移動経路を狭くすることができる。
即ち、射出装置400により粒状部材320が内部空間IE1へ射出される場合に、粒状部材320の移動経路が左右中央部312b付近に集中するようにすることができ、粒状部材320が内部空間IE1の中央部付近に到達し易くすることができる。これにより、粒状部材320を遊技者に視認させ易くすることができる。
加えて、粒状部材320が内部空間IE1の中央部付近に到達した後は、粒状部材320は前面板部311と衝突し、内部空間IE1を飛散する。これにより、遊技者に対して、あたかも内部空間IE1の中央部付近から粒状部材320が爆発して四方八方に飛散しているかのように視認させることができるので、粒状部材320の動作演出の迫力を向上することができる。
湾曲板部312は、内部空間IE1に射出された粒状部材320が落下する際に、その粒状部材320を受け止める部分とし機能する。この観点で、湾曲板部312は、本実施形態では、背面側へ向かうほど下降傾斜し、左右中央へ向かうほど下降傾斜するように設計される。
これにより、粒状部材320が内部空間IE1のどこに配置されたかに関わらず、自重で下降変位する粒状部材320を左右中央側へ寄せつつ、背面側下方へ向けて変位させることができる。
更に、湾曲板部312の左右部312aにおける下降傾斜の度合いは、背面側へ向けた下降傾斜に比較して、左右中央側へ向けた下降傾斜の方が急激となるように構成されている。これにより、粒状部材320の下降変位の傾向として、背面側へ向かう変位に優先して左右中央側へ向かう変位を生じさせることができる。そのため、後述する射出装置400の構成から粒状部材320が密集し易い左右端位置において粒状部材320が一斉に背面側へ変位しようとして、粒状部材320が下降変位の途中で滞留する(詰まる)という事態の発生を回避することができる。
加えて、湾曲板部312の左右中央部312bにおける背面側へ向けた下降傾斜の度合いは、湾曲板部312の左右部312aにおける左右中央側へ向けた下降傾斜の度合いに比較して急激となるように構成されている。これにより、粒状部材320が流下途中で密集することを避け易くすることができる。
これに対し、背面区画下部314は、湾曲板部312の背面側に対向配置される板部が、湾曲板部312の左右中央部312bと側面視(図12(a)参照)で同程度(若干、正面側へ向かう程に左右中央部312bとの間隔が広くなる態様、即ち、水平方向に対する角度が大)の傾斜角度の平板状に形成される。
本実施形態では、背面区画下部314の上下方向に対する傾斜角度は、粒状部材320を射出する衝突部材420の変位方向の上下方向に対する傾斜角度と同等(若干、大きい角度)とされる。
そのため、左右に変化し得る粒状部材320の射出方向に寄らず、背面区画下部314に対する粒状部材320の入射角が同じになるので、背面区画下部314から粒状部材320に与えられる抵抗をほぼ均一とすることができる。
異形貫通部315は、蓋部材480を挿入可能な形状で形成されており、左右両端において上下に延びる短尺部と、その短尺部の上端同士を結ぶ態様で左右に湾曲して延びる長尺部とを備える。貫通方向は、背面区画下部314の板面に対し背面側から正面側へ向かうにつれて斜め上向きに傾斜して形成される(図12(a)参照)。これにより、異形貫通部315を構成する背面区画下部314の鋭角部分(図12(a)において、異形貫通部315の下側部分)は、粒状部材320の射出方向と対向配置されない。
これにより、粒状部材320の射出時に、粒状部材320が鋭角部分に衝突する可能性を低くすることができるので、粒状部材320や背面区画下部314に局所的な負荷が生じることを回避でき、粒状部材320や背面区画下部314に割れや欠けが生じることを防ぐことができる。
粒状部材320は、図24及び図25に拡大して図示されるように、比較的柔軟(少なくとも区画部材310を形成する樹脂材料よりも柔軟)な樹脂材料から略サッカーボール形状(12の正五角形と20の正六角形からなる32面体であり、準正多面体)に形成され、互いに平行な複数の直線に沿って非貫通で凹設される非貫通凹部321を備える。
この非貫通凹部321により、粒状部材320の軽量化を図ることができると共に、粒状部材320の重心を形状的な中心位置から偏らせることができる。即ち、非貫通凹部321が形成される直線方向において、非貫通凹部321が形成されていない側には肉部が残るので、非貫通凹部321が形成されていない側に重心を偏らせることができる。
これにより、粒状部材320の待機姿勢を調整することができる。即ち、粒状部材320の待機姿勢を、非貫通凹部321が上方を向く姿勢に調整することができる(図24参照)。
この場合、射出装置400からの負荷を、非貫通凹部321が形成されていない側の面(図25参照)で受けることができるので、粒状部材320の破損や欠けを回避し易くすることができる。更に、射出装置400から負荷を受けて射出される際の射出方向側に非貫通凹部321を向けることになるので、非貫通凹部321が形成される側の面を前面板部311に衝突させることができる。これにより、前面板部311との衝突時の負荷を粒状部材320の変形により吸収し易くすることができ、前面板部311を傷付ける可能性を低くすることができる。
第1光照射部330は、背面区画部313の背面側に締結固定される固定板部331と、その固定板部331の右側に締結固定される電飾基板332と、その電飾基板332の右側に配設され固定板部331に締結固定され固定板部331との間に電飾基板332を収容可能に形成される蓋部333と、を備える。
電飾基板332は、左右両面にLED等の光照射部332aが配設され、光照射部332aから左右方向へ光軸を有する光が照射される。固定板部331及び蓋部333は、光透過性の低い樹脂材料から形成され、光照射部332aに対応する位置に貫通孔331a,333aが穿設される。これにより、粒状に分割された光として視認させることができる。
電飾基板332から照射される光の内、右側へ照射される光は、スルーゲート67等(図2参照)が配設される遊技領域の右側経路(右打ち流路)を照らすことが一つの目的となる。左側へ照射される光については後述する。
固定板部331及び蓋部333は、光透過性の低い(又は光不透過の)樹脂材料から形成され、光照射部332aに対応する位置に貫通孔331a,333aが穿設される。これにより、光照射部332aから照射される光を、粒状に分割された光として視認させることができると共に、光照射部332aから離れた範囲において電飾基板332が固定板部331及び蓋部333により遮蔽され、視認されることを避けることができる。
第2光照射部340は、背面区画部313の背面側に締結固定される固定板部341と、その固定板部341の左側に締結固定される電飾基板342と、その電飾基板342の左側に配設され固定板部341に締結固定され固定板部341との間に電飾基板342を収容可能に形成される蓋部343と、を備える。
固定板部341は光透過性の低い(又は光不透過の)樹脂材料から形成される一方で、蓋部343は、無色で光透過性の樹脂材料から形成される。そのため、左方向から視認すると電飾基板342が見えてしまう構成であるが、本実施形態では、センターフレーム86(図2参照)の左側部が左方へ長く張り出して構成される。これにより、遊技者の視界を予め狭めることができ、正面視で電飾基板342の左側面が視認されることを避けることができる。
これにより、電飾基板342が視認されることは避けながら、透明な蓋部343を通して光を照射することができる。
電飾基板342は、左右両面にLED等の光照射部342aが配設される。左側面に配設される光照射部342aからは、前方向へ向く光軸を有する光が照射される。この光は、遊技領域の左側経路を照らさないようにしつつ、センターフレーム86の左側部を照らすことが一つの目的となる。
ここで、右側の電飾基板332の光照射部342aから照射される光を遊技領域に積極的に向ける構成と違う構成を採用しているのは、本パチンコ機10の遊技性(通常時は左打ちで遊技を行い、確変中、時短中および大当たり遊技中は右打ちで遊技を行うこと)を考慮したものである。これについて以下で説明する。
本パチンコ機10の遊技領域は、遊技領域の左側部における球の流下経路の自由度は高いので、通常時の遊技中には、好みの経路で球が流下するように球の発射強度を調整するという操作が遊技者により行われる。そのため、遊技領域の左側部における発光強度を高くし過ぎると、球の視認性が悪くなり、球の発射強度調整に支障をきたし、遊技者の不満の原因となる虞がある。
一方で、遊技領域の右側部へ球を発射する際、基本的には、遊技者は球を最大の発射強度で打ち出す。発射された球は、返しゴム69で勢いが抑えられ、その下流側での球の流下経路の選択自由度は著しく低くなり、専ら同様の経路を通るようになる。
詳述すると、本実施形態では、第2入賞口640よりも下流側において球が1個通る幅で単一の案内経路DL1(図2参照)が形成されており、第2入賞口640に入球しなかった球は全て案内経路DL1を通り、その下流側に配置される可変入賞装置65や一般入賞口63へ向かうことになる。
このように、球の発射強度を調整する必要性が乏しいことから、遊技領域の右側部(特に、案内経路DL1が形成される箇所)において球の視認性が悪くなったとしても遊技に支障をきたす可能性が低いので、この範囲においては発光強度の高い演出を実行可能となる。
このような事情から、本実施形態では、右側に配置される電飾基板332では、遊技領域に光を向けるように光照射部332aを配設する一方で、左側に配置される電飾基板342では、遊技領域に光を向けないように光照射部342aを配設するようにしている。
これにより、遊技者の不満の発生を抑えながら、効果的な発光演出を実行することができる。
右側面に配設される光照射部342aからは、右方へ向く光軸を有する光が照射される。固定板部341には、光照射部342aに対応する位置に貫通孔341aが穿設される。これにより、光照射部342aから照射される光を、粒状に分割された光として視認させることができると共に、光照射部342aから離れた範囲において電飾基板342が固定板部341により遮蔽され、視認されることを避けることができる。なお、右側面に配設される光照射部342aにより照らされる対象については後述する。
図26(a)は、図25の矢印R方向視における第1光照射装置330の側面図であり、図26(b)は、図25の矢印L方向視における第2光照射装置340の側面図である。図26(a)及び図26(b)では、区画部材310の外形が想像線で図示される。
図26(a)に示すように、第1光照射装置330の左面側に配設される光照射部332aは、区画部材310を光軸が通過するLEDと、区画部材310の背面側を光軸が通過するLEDとを備える。
これにより、区画部材310の内部で粒状部材320に光を照射する演出だけでなく、区画部材310の背面側に配置される他の可動手段(拡大縮小ユニット600や変位回転ユニット800)に光を照射する演出を実行することができる。
図26(b)に示すように、第2光照射装置340の右面側に配設される光照射部342aは、区画部材310を光軸が通過するLEDは無く、区画部材310の背面側を光軸が通過するLEDのみにより構成される。
これにより、区画部材310の内部への発光強度を抑制しながら、区画部材310の背面側に配置される他の可動手段(拡大縮小ユニット600や変位回転ユニット800)へ向けた光の照射強度を向上させることができる。
第2照射装置340において、区画部材310の内部への発光強度を抑制することにより、通常状態での遊技の快適性を向上することができる。即ち、通常状態での遊技において、遊技者の視線は固定されるものではないが、主に遊技領域の左側や、第3図柄表示装置81の表示または第1入賞口64付近に向けられるので、遊技領域の中央から左側の範囲を見ていることが多い。
この場合において、第2照射装置340から区画部材310の内部へ光が照射されると、遊技領域と同程度に前寄りの位置で光ることから、遊技領域の左側を視認する遊技者にとっては逆光となり、遊技者にとって遊技領域の視認性が悪くなる虞がある。
これに対し、本実施形態では、第2照射装置340の光照射部342aの配置を背面側に寄せ、遊技領域と光照射部342aとを離しているので、光照射部342aから照射される光が遊技領域の視認性に与える影響の度合いを弱めることができる。
このように、本実施形態によれば、第2照射装置340の光照射部342aから照射された光が遊技領域を光らせる度合いを下げながら、正面視におけるセンターフレーム86の内側を高強度に光らせる発光演出を実行することができる。従って、遊技領域の視認性を下げることなく、拡大縮小ユニット600や変位回転ユニット800(図5参照)を光らせる演出を実行することができる。
図27は、図2のXXVII−XXVII線における遊技盤13及び発射ユニット300の断面図である。即ち、図27では、遊技盤13及び発射ユニット300が図示され、動作ユニット500の図示は省略されている。また、第1光照射装置330や第2光照射装置340から照射される光の方向が模式的に矢印で図示される。
図27に示すように、第2光照射装置340は、導光板161へ光を照射する後述する縦置き基板ユニット167を避けて、縦置き基板ユニット167の左側かつ背面側に配置されている。これにより、導光板161に光照射部342aからの光が入射することを避けて発光演出を行うことができるので、光照射部342aから照射される光で行う光演出と、導光板161を光らせる演出とを切り分けることができる。
本実施形態のように導光板161を採用する場合、光の照射経路によっては、意図せず導光板161が発光してしまい、演出効果を下げる虞がある。特に、導光板161周辺(例えば、センターフレーム86の前側)に照射された光は導光板161を光らせやすいことから、発光強度を抑える必要性が生じる虞があり、演出自由度を下げる原因になっていた。
これに対し、本実施形態によれば、光照射部342aからの光が導光板161を避けて進行するよう構成されるので、光照射部342aからの光の照射強度の設定自由度を向上することができる。これにより、導光板161周辺の発光演出の自由度を向上することができる。
図24及び図25に戻って説明する。射出装置400は、区画部材310の下側に配設され、区画部材310の内部空間IE1(図12(a)参照)から下方へ流下した粒状部材320が乗る装置である。
図28、図29及び図30は、射出装置400の正面分解斜視図であり、図31、図32及び図33は、射出装置400の背面分解斜視図である。なお、図28及び図31には、射出装置400の構成が概要として図示され、図29及び図32には、正面側寄りに配置される射出装置400の一部の構成の詳細が図示され、図30及び図33には、背面側寄りに配置される射出装置400の一部の構成の詳細が図示される。また、図28から図33の説明においては、図24及び図25を適宜参照する。
図28から図33に示すように、射出装置400は、固定される部材として、区画部材310(図24参照)に締結固定される固定部材350と、その固定部材350の背面側において締結固定され固定部材350との間に他の可動部材を収容可能な空間を形成可能に構成される空間形成部材360と、その空間形成部材360の背面側において締結固定され後述する電気配線や伝達アーム部材470の前後方向の変位を制限する制限部材370と、固定部材350と空間形成部材360との間に配設され中央部に鍵穴形状の開口402が穿設される中間部材401と、を備える。
区画部材310への固定部材350の締結固定に利用される締結ネジは、区画部材310に正面側から挿通される。そのため、区画部材310から固定部材350を取り外す場合には、この締結ネジをドライバーで緩めて取り外す必要があるが、遊技盤13と発射ユニット300とが組み付いた状態(図12(a)参照)では、固定部材350の正面側にベース板60が配置されており、締結ネジにドライバーを差しこむことができないように構成される。
そのため、区画部材310から固定部材350を取り外す前準備として、発射ユニット300を遊技盤13から取り外す作業を行わせることができる。これにより、発射ユニット300が遊技盤13に組み付いた状態で、誤って固定部材350を区画部材310から取り外してしまい粒状部材320が固定部材310から排出される事態が発生することを未然に防ぐことができる。
射出装置400は、中間部材401と固定部材350との間に変位可能に配置される部材として、中間部材401の前面側に固定される複数の金属棒MB1が挿通され直動変位可能に構成される直動部材410と、その直動部材410の上側に配置され、直動部材410の変位方向に沿って変位可能に支持されると共に上部にアーチ形状の衝突面を有する衝突部材420と、直動部材410の下側に配置され、直動部材410の変位方向で当接可能な状態と当接不能な状態とで状態変化可能に構成される当接部材430と、を備える。
射出装置400は、中間部材401と空間形成部材360との間に変位可能に配置される部材として、直動部材410及び当接部材430に負荷を伝達可能に形成され空間形成部材360に回転可能に軸支されると共に外周面にギア歯が形成される前側伝達部材440と、固定部材350に締結固定される駆動モータMT1の駆動軸に固定され前側伝達部材440のギア歯に歯合する駆動ギア450と、その駆動ギア450に対して前側伝達部材440のフランジ部444の反対側に配設され、回転伝達部材440に締結固定される後側伝達部材460と、を備える。
射出装置400は、空間形成部材360の背面側で変位可能に配置される部材として、前側伝達部材440の回転軸と平行な回転軸で回転変位可能に軸支され、後側伝達部材460からの作用で変位可能に構成される伝達アーム部材470と、左右方向を向く直線を回転軸として回転変位可能に軸支され、伝達アーム部材470から受ける負荷により変位する蓋部材480と、を備える。
上述の構成を備える射出装置400の、設計思想について説明する。射出装置400では、固定の中間部材401と空間形成部材360とによって、空間形成部材360から突設される軸部362の突設方向に沿って、構成部材の配置範囲が3つに区切られる。このように区切られた配置範囲の内、駆動モータMT1の駆動力で回転する駆動ギア450が配置される中間の範囲に駆動モータMT1の駆動力が生じ、その駆動力が前側の範囲および後側の範囲にそれぞれ伝達されることで、前側の範囲および後側の範囲で各構成部材の変位が生じる。
このような設計思想から、中間部材401及び空間形成部材360には、それぞれ駆動力伝達用の開口部が穿設される。即ち、中間部401は、鍵穴形状で穿設される開口402を備え、空間形成部材360は、レモン形状(略楕円形状)で穿設される開口361を備える。
駆動力の伝達は、中間部401の前側の範囲、空間形成部材360の後側の範囲でそれぞれ完結するので、以下、前側の範囲、後側の範囲の順で構成の詳細を説明し、その後、中間の範囲の構成の詳細を説明し、動作態様について説明する。
まず、前側の範囲に着目して説明する。図29及び図32図示されるように、中間部材401は、上述の開口402と、上端部から正面側へ円柱状に突設される複数の円柱状突部403と、その円柱状突部403に上端部が支持される複数のコイルスプリングSP1と、複数の金属棒MB1を固定可能に左右対称位置で配置される複数の棒固定部404と、下端部付近において正面側へ円柱状に突設される支持柱部405と、を備えており、コイルスプリングSP1の下端部が直動部材410の下端部に形成される複数の爪部411のそれぞれ引っかけられている。
コイルスプリングSP1の自然長は、直動部材410が上端位置に配置された状態において、円柱状突部403と爪部411との間の距離よりも短くなるように形成される。従って、直動部材410は、コイルスプリングSP1により常時付勢されることになり、中間の範囲からの駆動力伝達前において、直動部材410は付勢力により上端位置に配置される。コイルスプリングSP1は、直動部材410の斜め下側に配置されているが、これには、粒状部材320の溜まり易い側にコイルスプリングSP1の付勢力を集中させる狙いもある。
直動部材410は、上述の爪部411と、金属棒MB1を挿通可能に形成される複数の挿通部412と、左右中央における上端部から台形形状に突設される台形突設部413と、背面側において上下幅方向略中央位置で左右方向に延びる直線状の突条部414と、その突条部414の下側において突条部414よりも短い突条として形成される下側突条部415と、左右中央における下端部から正面側へ向けて突設される変位規制部416と、を備える。
台形突設部413は、直動部材410が上端位置に配置された状態で衝突部材420と当接可能に形成される。換言すると、直動部材410は、台形突設部413のみが衝突部材420と当接可能とされ、台形突設部413を除く部分は、衝突部材420とは非当接となるように形成される。
突条部414及び下側突条部415は、負荷伝達の際に他の構成部材から負荷を受ける部分であるが、詳細は後述する。
変位規制部416は、固定部材350の緩衝部材352と変位方向で当接する部分であり、この当接により直動部材410の変位が規制される(上昇側変位終端が設定される)。
衝突部材420は、アーチ形状の衝突面を形成する湾曲板部421と、その湾曲板部421の背面側端部から直動部材410の変位する平面に対して平行に延設される平板状の板部422と、その板部422の延設方向に沿って延びる長孔形状で穿設される複数の案内孔423と、板部422の左右中央部下端において台形突設部413の変位方向で対向配置される位置に固定され、台形突設部413と当接可能に配置される緩衝部材424と、を備える。
案内孔423には、円柱状突部403が挿通される。即ち、円柱状突部403は、コイルスプリングSP1の上端部を支持する部分と、衝突部材420の変位を案内する部分とに兼用される。
緩衝部材424は、耐久性が高く、柔軟性の高い樹脂材料から外形正方形の小片として形成される。特に限定されるものでは無いが、例えば、ナイロン樹脂や、ウレタン樹脂等を利用することができる。この場合、緩衝部材424と直動部材410の台形突設部413とが当接した場合の負荷や衝撃を樹脂材料の特性により和らげることができ、台形突設部413の破損や欠けの発生を抑制することができる。
当接部材430は、略三角形の長尺板状に形成され、その長尺板の一端において支持柱部405を挿通可能な円形開口として穿設される支持孔431と、長尺板の他端において背面側へ断面円形で突設される突設部432と、支持孔431と突設部432との間の位置において断面鉤状で正面側へ突設される鉤状突部433と、を備える。
支持孔431は、支持柱部405が挿通される開口部であり、これにより、当接部材430は支持柱部405に回転変位可能に軸支される。
突設部432及び鉤状突部433は、負荷伝達の際に他の構成部材から負荷を受ける部分であるが、詳細は後述する。
固定部材350は、上述の駆動モータMT1が配設固定されるモータ固定部351と、変位規制部416と当接可能に配置される緩衝部材352と、円形状突部403の先端を受け入れ可能な凹部として形成され、その内側の貫通孔に正面側から挿通された締結ネジを円形状突部403に形成される雌ネジに螺入し締結固定可能に構成される複数の締結用凹部353と、正面側および左右の三方向からすぼまる態様の傾斜面から構成され粒状部材320(図24参照)の変位を案内する案内部354と、を備える。
緩衝部材352は、耐久性が高く、柔軟性の高い樹脂材料から外形正方形の小片として形成される。特に限定されるものでは無いが、例えば、ナイロン樹脂や、ウレタン樹脂等を利用することができる。この場合、緩衝部材352と直動部材410の変位規制部416とが当接した場合の負荷や衝撃を樹脂材料の特性により和らげることができ、変位規制部416の破損や欠けの発生を抑制することができる。
このように、本実施形態では、直動部材410が付勢方向の変位終端で当接する複数箇所に緩衝部材352,424が配設されている。これにより、後述するように、直動部材410がコイルスプリングSP1の付勢力により高速で上昇変位し、急停止するような変位態様であっても、急停止の際に直動部材410が受ける負荷を緩衝部材352,424の変形で吸収することができると共に、その負荷を複数箇所に分散させることができる。
締結用凹部353を介して、円柱状突部403と固定部材350とが連結され、この連結を解除するには、連結用凹部353に挿通される締結ネジを回して取り外す必要がある。一方で、この締結ネジは固定部材350の正面側から挿通されているので、遊技盤13と発射演出ユニット300とが組み付けられている状態(図12参照)では、締結ネジにドライバーを差すことができないように構成される。
これにより、遊技盤13と発射演出ユニット300とが組み付けられている状態で、誤って締結ネジが緩められ、固定部材350と中間部材401との締結が緩む事態が発生することを未然に防ぐことができる。
次に、後側の範囲に着目して説明する。図30及び図33に図示されるように、空間形成部材360は、上述の開口361と、背面板部の略中央位置から正面側へ向けて円柱状に突設される軸部362と、背面板部の上端位置左右端部において正面側へ延設される板状部の上面に傾斜面として形成される左右一対の案内傾斜面363と、それら案内傾斜面363の左右内側の下方に配設され背面板部から正面側に突設される左右一対の突設支持部364と、左右両端部において円筒状に形成され同一線上に配置され蓋部材480を軸支可能な大きさで形成される複数の支持柱部365と、左側の支持柱部364に巻きつけられ蓋部材480を退避させる側へ付勢力を発生させるトーションスプリングSP2と、開口361の左上部において背面側に円柱状に突設される円柱状突部366と、を備える。
軸部362は、後述するように前側伝達部材440及び後側伝達部材460を回転可能に軸支する部分である。これに合わせて、軸部362を中心とした円弧形状の内面を有する壁部が、空間形成部材360の背面板部から正面側へ延設されている。この壁部によって、内部の前側伝達部材440及び後側伝達部材460をカバーすることができる。
案内傾斜面363は、左右内側面の傾斜が案内部354(図32参照)の左右内ぐぁ面と面一となるように構成され、流下する粒状部材320を衝突部材420側(左右中央側)へ向けて案内可能に形成される。
突設支持部364は、突設先端が中間部材401の背面と当接し、上面が中間部材401と面一となるように形成される。この面一の上面で、衝突部材420が下端位置に配置された状態において湾曲板部421の左右端を下支えする。
支持柱部365は、左右で形状が異なる。即ち、右側では、左右外側へ向けて突設される小径筒状に形成され、左側では、左カバー部材489の筒状部を受け入れ可能な内径を備える筒状に形成される。
円柱状突部366は、伝達アーム470に挿通されることで伝達アーム470を回転可能に軸支する部分である。円柱状突部366の先端に形成される雌ネジに頭部大径のネジが固定されることで、伝達アーム470が脱落不能に支持される。
伝達アーム部材470は、外観略への字状に形成される長尺部材であって、円柱状突部366の外径よりも若干大きな直径で穿設され円柱状突部366が挿通される支持孔471と、長尺方向の一端から正面側へ向けて支持孔471の軸方向と平行に突設される円柱状突部472と、長尺方向の他端から支持孔471の軸と直交する平面に沿って円柱状に突設される伝達突部473と、を備える。
円柱状突部472は、空間形成部材360の開口361を通り正面側へ張り出し、後側伝達部材460と係合可能に形成される。本実施形態では、後側伝達部材460の姿勢変化に伴い、円柱状突部472の配置が変化して、伝達アーム部材470の姿勢が変化するように構成されるが、詳細は後述する。
円柱状突部472の背面側には、制限部材370が配設される。即ち、制限部材370は、空間形成部材360の背面側に締結固定される板状部材であって、円柱状突部472の移動経路を背面側から覆う覆設板部371と、電気配線を押さえる又は束ねる目的で爪状に形成される複数の押さえ爪部372と、を備える。
覆設板部371は、伝達アーム部材470の背面側に近接配置され、円柱状突部472の背面側(伝達アーム部材470の回転軸方向背面側)への変位を規制する。これにより、円柱状突部472が後側伝達部材460から離れることを防止することができるので、円柱状突部472と後側伝達部材460との係合が解除されることを防止することができる。
押さえ爪部372は、駆動モータMT1や検出センサSC4に接続される電気配線を空間形成部材360の背面側板との間で仮留めする部分である。これにより、電気配線の配置揺れ(例えば、振動等で電気配線の配置が変化すること)が生じることを防ぐことができ、他の構成部材の進入経路を確保できるので、上述のように、射出装置400に近接する位置を含む経路で変位回転ユニット800の横スライド部材840及び羽状部材854(図10及び図12参照)を変位させるよう構成することができる。
伝達突部473は、蓋部材480に挿通され、蓋部材480へ駆動力を伝達するための部分である。
蓋部材480は、区画部材310の異形貫通部315(図12(a)参照)を通して、区画部材310の内外へ進退変位可能に構成される部材であって、湾曲板状に形成される進退部481と、その進退部481の左右両端部から同方向に延設される複数の延設板部485と、その延設板部485の延設端部において支持柱部365と同軸に受け入れられる複数の受入部486と、左側の延設板部485において湾曲した長孔形状で穿設され伝達アーム部材470の伝達突部473が挿通される伝達孔487と、右側の受入部486を囲む筒状部を有する円板状に形成され、受入部486を囲んだ状態で、支持柱部365の先端に形成される雌ネジに締結される締結ネジを挿通可能な挿通孔を有し、その締結ネジにより抜け止めされる右カバー部材488と、左側の受入部486に挿通される筒状部と、伝達孔487に連続的に連なる長孔形状部とを有する左カバー部材489と、を備える。
左カバー部材489には、軸方向に沿ってドリル孔のように穿設されるのではなく、機能的に形成される当接面489a〜489cが形成されるが、詳細は後述する。
蓋部材480の進退部481の断面形状は、受入部486に想定される回転軸を中心とした円弧状とされることにより、外径側からの負荷(粒状部材320から与えられる負荷)が回転軸へ向かうように構成されるが、単純にパイプを分割した形状では無く、左右位置に対応して円弧の半径や、形成長さを変化させている。この設計意図について説明する。
第1に、進退部481は、左右中央位置において進入側に出張る張出部482を備える。張出部482は、左右外側へ向かうほど張出幅が短くなるように形成されており、進入側の端面は、左右外側へ向けて傾斜形成される。これにより、張出部482と他の構成部材(本実施形態では、粒状部材320(図24参照)が想定される)とが当接した場合に、その構成部材に対して左右外側へ向く負荷を与えることができ、構成部材を左右外側へ追いやることができる。
第2に、進退部481は、上述のように、区画部材310の異形貫通部315(図25参照)を通して、区画部材310に進入可能に構成されるところ、張出部482が先行して区画部材310に進入することから、張出部482が形成される左右中央位置において進退部481の円弧半径を短くしている。
これにより、異形貫通部315に進入し始める箇所(張出部482の左右中央)に生じ得る位置ずれを小さく抑えることができるので、進退部481が異形貫通部315に進入不能となる不具合の発生を抑えることができる。
第3に、張出部482の左右中央位置とは反対に、進退部481の左右外側付近において円弧半径を長くしている。これは、粒状部材320との接触を避けることが主な目的である。即ち、本実施形態では、衝突部材420の上面に配置される粒状部材320(図12(a)参照)は、湾曲板部421の形状により左右外側に寄って滞留する。
この滞留の仕方は、完全に左右均一となるわけでは無く、左右不均一となる可能性がある。例えば、右側に極端に多くの粒状部材320が滞留する可能性もあり、十分なスペースが確保されていない場合には、偏って滞留した粒状部材320と進退部481とが衝突する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、粒状部材320が多く滞留し易い左右外側部付近において、進退部481の円弧半径を長くしている。これにより、予め進退部481と湾曲板部421との間隔を十分長く確保することができるので、粒状部材320の滞留の仕方が不均一となった場合でも、粒状部材320と進退部481とが衝突することを避けることができる。
他の設計思想について説明する。延設板部485は蓋部材480の回転軸に直交する平面上に形成されるところ、進入側の端面が退避側へ向けて凹設形成される。これにより、延設板部485が、滞留している粒状部材320に衝突することを避けることができる。
加えて、粒状部材320が流下しきる前に蓋部材480を進入側の変位終端に配置した場合であっても、粒状部材320を、延設板部485の凹設形成部と区画部材310の湾曲板部312(図25参照)との間の隙間を通過可能な程度の大きさで構成することにより、粒状部材320を衝突部材420の上部に集めることができる。
受入部486は、左右で形状が異なる。即ち、左側の左受入部486aは、円形筒状に形成され、右側の右受入部486bは半円筒状(ハーフパイプ形状)に形成されるが、これは、組み付けを考慮した設計である。
図28及び図31に戻って説明する。蓋部材480を支持する支持柱部365は、特に右側において左右方向外側へ延びているので、蓋部材480の受入部486が両方とも円形筒状で形成される場合には、蓋部材480を支持柱部365に組み付けるために進退部481を分割する必要がある。
上述のように、本実施形態において蓋部材480は異形貫通部315(図25参照)を通り進退変位する。異形貫通部315は、区画部材310に蓋部材480を進退変位可能に構成される一方で、粒状部材320の区画部材310からの排出を防止可能に構成される必要がある。即ち、異形貫通部315を無制限に大きくすることはできず、異形貫通部315の設計自由度は限定的となる。
ここで、蓋部材480が異形貫通部315を通過できない程度に形状が崩れてしまうと進退変位が不能となることから、形状に精度が求められる。一方、蓋部材480の進退部481を複数部材の結合により構成する場合には、組み付け誤差等の要因により形状が崩れる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、受入部486の形状を左右で異ならせ、進退部481の分割が不要となるように構成している。組み付け過程としては、まず支持柱部365の軸方向外側(左側)に左受入部486aを配置し、左受入部486aに左カバー部材489の筒状部を挿通させつつ支持柱部365に挿通することで、左受入部486aを支持柱部365と同軸に配置することができる。
この時、右受入部486bは半筒の開放側に支持柱部365が対向配置されることになる。左カバー部材489に複数形成されるネジ挿通孔を通して締結ネジを挿通し、蓋部材480の左側の延設板部485に螺入することで、左カバー部材489を延設板部485に締結固定することができる。
この後、軸方向外側から右カバー部材488を取り付け、右側の支持柱部365の先端に形成される雌ネジに螺入される締結ネジのネジ頭で脱落不能に支持すれば蓋部材480を空間形成部材360に対して回転可能に支持することができる。
図34から図36を参照して、伝達アーム部材470の伝達突部473と左カバー部材489との設計思想について説明する。図34から図36では、伝達アーム部材470及び蓋部材480の変位が時系列で図示される。
図34(a)は、図28の矢印XXXIVa方向視における伝達アーム部材470及び蓋部材480の平面図であり、図34(b)は、図34(a)の矢印XXXIVb方向視における伝達アーム部材470及び蓋部材480の側面図であり、図34(c)は、図34(b)のXXXIVc−XXXIVc線における伝達アーム部材470及び蓋部材480の部分断面図である。
図35(a)は、図28の矢印XXXIVa方向視における伝達アーム部材470及び蓋部材480の平面図であり、図35(b)は、図35(a)の矢印XXXVb方向視における伝達アーム部材470及び蓋部材480の側面図であり、図35(c)は、図35(b)のXXXVc−XXXVc線における伝達アーム部材470及び蓋部材480の部分断面図である。
図36(a)は、図28の矢印XXXIVa方向視における伝達アーム部材470及び蓋部材480の平面図であり、図36(b)は、図36(a)の矢印XXXVIb方向視における伝達アーム部材470及び蓋部材480の側面図であり、図36(c)は、図36(b)のXXXVIc−XXXVIc線における伝達アーム部材470及び蓋部材480の部分断面図である。
図35及び図36では、図34に示す状態から伝達アーム部材470の伝達突部473が上昇変位し、蓋部材480の進退部481が進入側に変位する過程が図示される。詳細には、図36では、蓋部材480が、変位範囲の内の進入側端部に配置された状態が図示され、図34では、蓋部材480が、変位範囲の内の退避側端部に配置された状態が図示され、図35では、蓋部材480が、変位範囲の中間位置に配置された状態が図示される。
図34から図36に示すように、本実施形態では、伝達アーム部材470の回転軸と、蓋部材480の回転軸とが平行ではない。詳述すると、伝達アーム部材470の回転軸と直交する平面(図34(a)に図示される平面)と、蓋部材480の回転軸と直交する平面(図34(b)に図示される平面)とが直交する。
そのため、対策なしでは、左カバー部材489と当接する伝達突部473の姿勢が変化することに伴い、その当接面積が変化することが通常である。例えば、左カバー部材489の開口の内側面が蓋部材480の軸方向と平行に延びる面で形成される場合、図34(a)に示すように伝達突部473の長尺方向が左右方向に対して傾斜している状態では、伝達突部473の上側面が左カバー部材489の右寄り(伝達アーム部材470の支持孔471寄り)位置で当接すると考えられる。
一方、図36(a)に示すように伝達突部473の長尺方向が左右方向に沿う状態では、伝達突部473の上側面が、左カバー部材489の幅方向に亘って当接すると考えられる。
これに対し、本実施形態では、図34(c)、図35(c)及び図36(c)に示すように、伝達突部473の姿勢変化に対応して、伝達突部473の上側面と左カバー部材489の開口上側面とが左右幅方向に亘って当接可能となる形状で左カバー部材489が設計される。
即ち、左カバー部材489は、蓋部材480が退避側の変位終端位置に配置される状態で伝達突部473と当接する第1当接面489aと、その第1当接面489aに比較して左右方向に対する傾斜が小さく形成される第2当接面489bと、その第2当接面489bに比較して左右方向に対する傾斜が小さく形成され蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置される状態で伝達突部473と当接する第3当接面489cと、を備える。
このように、本実施形態では、左カバー部材489の開口上側面の形状における左右方向に対する傾斜が、第1当接面489aを最大として、蓋部材480の回転軸に近づくにつれて徐々に減少するように設計される。
詳述すれば、伝達アーム部材470の回転に伴い伝達突部473と左カバー部材489の開口上側面との当接位置が蓋部材480の軸径方向に変化することから、伝達突部473と左カバー部材489の開口上側面との当接位置における傾斜を、その当接状態の伝達突部473の上面に沿う傾斜角度で設計するようにしている。
これにより、伝達アーム部材470と左カバー部材489との当接状態において、伝達アーム部材470の姿勢に依存せず、常に伝達突部473と左カバー部材489との当接面積を確保することができるので、伝達突部473に左カバー部材489から局所的な負荷(過負荷)が与えられることを防止することができる。
更に、本実施形態では、蓋部材480を重力に対抗して変位させ始めるタイミングという、大きな負荷が生じるタイミングにおいて、伝達突部473の傾斜角度が左右方向(左カバー部材489の幅方向)に対して最大とされているので、伝達突部473と左カバー部材489との当接面積(当接長さ)を最大とすることができる。
これにより、伝達突部473にかけられる負荷を受け持つ面積を大きくすることができ、単位面積あたりにかけられる負荷を小さくすることができるので、伝達突部473の耐久性を向上することができる。
一方、本実施形態によれば、蓋部材480が進入側の変位終端に配置された状態において、伝達突部473の傾斜角度が左右方向(左カバー部材489の幅方向)に沿うので、伝達突部473と左カバー部材489との当接面積(当接長さ)が小さくなることに加え、トーションスプリングSP2の付勢力は最大となっており、伝達突部473に過負荷が生じる可能性がある。
この対策として、本実施形態では、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置された状態において、蓋部材480の自重の内、伝達突部473に負荷される割合が小さくなるように構成している。
即ち、図36(b)に示すように、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置された状態において、蓋部材の480の自重の大半を占める進退部481は、蓋部材480の回転軸O1に対して前後方向における伝達突部473の反対側(正面側)に配置される。そのため、蓋部材480の自重の大半は、蓋部材480を進入側へ変位させる方向に生じることになり、伝達突部473に与えられる負荷を低減することができる。
この場合において、蓋部材480にかけられるトーションスプリングSP2の付勢力は最大となっているが、蓋部材480の自重の大半がトーションスプリングSP2の付勢力に対抗して生じているので、付勢力の少なくとも一部を蓋部材480の自重によって相殺することができる。
これにより、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置された状態においてトーションスプリングSP2の付勢力の大半が伝達突部473に伝達される場合に比較して、伝達突部473に与えられる負荷を低減することができる。
また、上述のように、本実施形態では伝達突部473と左カバー部材489との当接位置は、蓋部材480の回転軸O1の軸径方向に変化する。詳述すると、蓋部材480を退避側の位置から、進入側の位置へ変位させる過程における伝達突部473と左カバー部材489との当接位置と蓋部材480の回転軸との距離は、蓋部材480が退避側の変位終端位置に配置される場合に最長となるように構成される。
加えて、第1当接面489aは、蓋部材480の回転軸O1と直交する平面において伝達突部473との当接位置における法線が、蓋部材480の回転軸O1を中心とする円弧に沿う(傾斜角度が小さくなる)ように第1当接面489aの傾斜が設計されるので、伝達突部473から蓋部材480へ伝達される負荷を、蓋部材480の回転軸O1を中心とする円弧に沿って生じさせることができる。
これにより、伝達突部473から蓋部材480へ負荷が伝達され始める際に、蓋部材480に生じるモーメントの腕長さが長くなることで、蓋部材480を回転させるのに必要となる負荷を低減することができる。
伝達突部473自体の形状の工夫としては、図34(c)に示すように、伝達突部473は、長手方向に沿って形成される溝部473aを備える。即ち、伝達突部473には、長手方向に沿う溝部473aが、正面側から背面側へ向けて幅方向中心を超える位置まで形成される。
これにより、伝達突部473は、左カバー部材489との当接方向で圧縮変形可能とされるので、当接時の負荷を変形により逃がすことができると共に、変形により当接面積を増加させ易くすることができる。
図34(b)、図35(b)及び図36(b)に示すように、蓋部材480の進退部481と対向配置される湾曲板部312は、左右に亘り同一平面に沿う形状で形成される。
そのため、進退部481及び張出部482の形状から、蓋部材480と湾曲板部312との間隔が左右方向中央側に行くほど短くなる。
なお、蓋部材480の張出部482の左右中央位置における半径は、回転軸O1から湾曲板部312までの距離(長さ)未満となるように設計される。これにより、進入幅が最大となる張出部482が湾曲板部312と衝突することを回避することができるので、蓋部材480に若干(部材ごとの設計誤差により生じる程度)の過回転が生じた場合に、蓋部材480と湾曲板部312とが衝突し破損することを避けることができる。
図28及び図31に戻り、中間の範囲に着目して説明する。駆動ギア450は前側伝達部材440と歯合され、その前側伝達部材440には後側伝達部材460が締結固定されるので、結果として、駆動ギア450の回転に伴い、前側伝達部材440及び後側伝達部材460が一体で空間形成部材360の軸部362を中心として回転する。なお、以下において、正面視(前側伝達部材440側視)で反時計回り方向の回転を正回転として、説明する。
前側伝達部材440及び後側伝達部材460は、互いに対向配置される側には互いの相対位置確保および剛性確保のための構成が形成されており、反対側の面に駆動力伝達に利用される形状部が形成されている。この駆動力伝達に利用される形状部の詳細について以下で説明する。
図37(a)は、図28の矢印XXXVIIa方向視における前側伝達部材440の平面図であり、図37(b)は、図28の矢印XXXVIIb方向視における後側伝達部材460の平面図である。なお、矢印XXXVIIa方向および矢印XXXVIIb方向は、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転軸と平行な方向として設定される。
図37(a)に示すように、前側伝達部材440は、略円板形状の本体板部441と、その本体板部441の縁部よりも中央側において軸方向に張り出し、その内側に溝が凹設される溝形成部442と、本体板部441の中心部において軸部362を挿通可能な大きさに穿設される円形開口である支持孔443と、本体板部441に形成されるギア歯に覆設されるフランジ部444と、そのフランジ部444から径方向外方へ延設され検出センサSC4(図32参照)の検出溝に進入可能に形成される被検出部445と、溝形成部442に形成される溝よりも支持孔443側において支持孔443に対して偏心した位置から回転軸と平行に突設される伝達突部446と、を備える。
溝形成部442は、当接部材430(図28参照)の突設部432が進入可能となるように突設部432の直径よりも若干長い溝幅で形成される溝が凹設され、その溝は、第1の円弧形状に沿って形成される第1溝部442aと、その第1溝部442aに当接部材430の突設部432が配置された状態で前側伝達部材440が正回転することで突設部432が案内される第2溝部442bと、その第2溝部442bに対して第1溝部442aの反対側に形成され、第1溝部442aの基準となる円弧よりも大径の円弧形状に沿って形成される第3溝部442cと、その第3溝部442cと第1溝部442aとを連結する第4溝部442dと、を備える。
第2溝部442b及び第4溝部442dは、第1溝部442aと第3溝部442cとの間を連結するという共通の役割を有する一方で、その形成角度範囲は共通では無い。即ち、第2溝部442bに比較して、第4溝部442dの方が小さな形成角度範囲とされており、前側伝達部材440の回転角度に対する溝と支持孔443との間の距離の変化が急激となるように設計される。
伝達突部446は、単純な円筒形状とされているのではなく、中央部と外径側の一点とを結ぶ直線状に突設方向に沿って形成される溝部446aを備える。これにより、径方向から入力される負荷に対する伝達突部446の変形の度合いを、負荷の入力角度に対応して変化させることができる。即ち、溝部446aの基準となる直線と直交する方向から負荷が入力される場合に変形度合いが最大となるように伝達突部446を形成することができる。
図37(b)に示すように、後側伝達部材460は、前側伝達部材440のフランジ部444と同程度の直径で略円板形状に形成される本体板部461と、その本体板部461の軸方向に張り出し、その内側に溝が凹設される溝形成部462と、本体板部461の中心部において軸部362の土台側外径よりも十分大きな内径で穿設され軸部362との接触を避けるように形成される非接触開放部463と、を備える。
本体板部461は、凹設される溝部が溝形成部462に形成されておらず、溝としては機能していない範囲において径方向に拡大形成される錘部461aを備える。錘部461aは、回転変位する後側伝達部材460の重心の回転軸からのずれ量を修正する目的で形成される調整部である。
本実施形態では、一体で回転変位する後側伝達部材460及び前側伝達部材440を一体物としてみた場合の重心を計算し、その重心を回転軸状に修正する目的で、錘部461aの配置および重量を計算し、後側伝達部材460に一体的に形成している。これにより、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の重心を回転軸に一致させるよう図ることができるので、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転軸に対する姿勢変化を抑制することができる。
溝形成部462は、伝達アーム部材470(図28参照)の円柱状突部472が進入可能となるように円柱状突部472の直径よりも若干長い溝幅で形成される溝が凹設され、その溝は、第1の円弧形状に沿って形成される第1溝部462aと、その第1溝部462aに伝達アーム部材470の円柱状突部472が配置された状態で後側伝達部材460が正回転(背面視時計回り方向回転)することで円柱状突部472が案内される第2溝部462bと、その第2溝部462bに対して第1溝部462aの反対側に形成され、第1溝部462aの基準となる円弧よりも大径の円弧形状に沿って形成される第3溝部462cと、その第3溝部462cと第1溝部462aとを連結する第4溝部462dと、を備える。
第2溝部462b及び第4溝部462dは、第1溝部462aと第3溝部462cとの間を連結するという共通の役割を有する一方で、その形成角度範囲は共通では無い。即ち、第2溝部462bに比較して、第4溝部462dの方が著しく大きな形成角度範囲(約180度)とされており、後側伝達部材460の回転角度に対する溝と非接触開放部463との間の距離の変化が緩慢となるように設計される。
以下、射出装置400により可能とされる変位態様の一例について説明する。まず、射出装置400の変位態様の概要について説明する。
図38、図39、図40及び図41は、図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置400の平面図である。なお、図38、図39、図40及び図41では、固定部材350の図示が省略され、射出装置400の内部構造を視認可能とされる。また、理解を容易とするために、コイルスプリングSP1については、長さの変化が把握可能な程度の模式図として想像線で図示される。
図38から図41では、射出装置400の変位が時系列に沿って図示される。即ち、図38には、粒状部材320が衝突部材420へ向けて流下し停止した直後の状態が図示され、図39には、射出装置400の演出待機状態が図示され、図40には、射出装置400の発射タイミング待ちの状態である発射待機状態が図示され、図41には、射出装置400が発射演出を実行した直後の状態である発射状態が図示される。なお、図41では、粒状部材320が依然として衝突部材420に乗っている状態が図示されるが、粒状部材320は、この直後、湾曲板部421の法線方向に飛散する。
図38に示す状態では、衝突部材420は直動部材410に下支えされ、蓋部材480は退避側の変位終端位置に配置されている。なお、図38に示す状態から、蓋部材480が進入側変位終端まで変位した状態を射出装置400の演出待機状態(図39参照)として説明する。
図39に示す演出待機状態では、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置されているので、蓋部材480により、遊技者の粒状部材320への視線を部分的に遮ることができる。これにより、粒状部材320に対する遊技者の注目力を下げることができるので、その後の粒状部材320や、その下側に配置される衝突部材420の変位から遊技者の目を離させることができる。
図40に示す発射待機状態では、衝突部材420は、円柱状突部403が案内孔423の上側内面と当接する態様で吊り下げられ、蓋部材480は退避側の変位終端位置に配置されている。加えて、後述するように、直動部材410は当接部材430に変位を規制され、コイルスプリングSP1の付勢力が蓄積されている。
図41に示す発射状態では、蓋部材480の配置は退避側の変位終端位置に維持されており、衝突部材420は、直動部材410に跳ね飛ばされ上昇し、円柱状突部403が案内孔423の下側内面と当接する位置で止まる。その後、自重または粒状部材320の重みで衝突部材420は下降変位し、図38に示す配置まで戻る。
衝突部材420に跳ね飛ばされ飛散した粒状部材320の流下は、区画部材310の湾曲板部312(図25参照)の形状により、左右中央側に寄せられた後で、衝突部材420側へ案内される(図38に模式的に示す矢印参照)。
本実施形態では、粒状部材320が衝突部材420側へ案内される際に、衝突部材420が比較的上方に配置されることから、固定部材350の案内部354(図32参照)と衝突部材420の湾曲板部421の上面とで構成される受け皿形状の深さが浅く設定されている。
そのため、形状的に、複数の粒状部材320を偏って受けきることができない可能性がある。本実施形態では、偏って受けきることができない数の粒状部材320を区画部材310に収容するようにしている。
これにより、例えば、粒状部材320が衝突部材420の右側に多数偏って戻り始めた場合であっても、その後から粒状部材320が戻る際には、先に戻った粒状部材320によって衝突部材420の右側部に左側へ向かう程下降傾斜する坂が構成されることになるので、後から戻った粒状部材320は、この坂に沿って左側へ流れることになる。即ち、粒状部材320の上に乗って流れる態様で左側へ流れることになる。
これにより、衝突部材420の湾曲板部421の上面に溜まる粒状部材320の左右の偏りを少なくすることができるので、毎回の発射演出における粒状部材320の配置の偏り(飛散態様の違い)を少なくすることができる。
また、粒状部材320が衝突部材420側へ案内される際に、衝突部材420は、変位区間の途中位置に配置されており、下側の直動部材410とは台形突設部413との一点で当接しているだけである。そのため、衝突部材420は、円柱状突部403と案内孔423との間に生じる隙間分だけ姿勢変化することが許容される。即ち、一方の円柱状突部403の軸と平行な軸を中心として回転する態様で姿勢変化することが許容される。
上述の説明のように、例えば、粒状部材320が衝突部材420の右側に多数偏って戻り始めた場合、衝突部材420は右側部が左側部に比較して下降する態様で姿勢変化することになるが、この場合、湾曲板部421の最上部が、相対的に右側に変位することになる。
そのため、案内部354(図32参照)の左右中央位置付近を流下して衝突部材420側に戻る粒状部材320を、左側に案内し易くなる。例えば、衝突部材420が姿勢変化する前であれば、案内部354の左右中央位置と湾曲板部421の最上部の位置とは正面視で一致しており、案内部354の調度左右中央位置を流下する粒状部材320が左右いずれに流下するかは粒状部材320と湾曲板部421との当たり所の違いにより、ほぼ均一に左右に振り分けられることになると考えられる。
一方、衝突部材420が姿勢変化していると、案内部354の左右中央位置に対して湾曲板部421の最上部の位置が右側にずれており、案内部354の調度左右中央位置を流下する粒状部材320は湾曲板部421の傾斜に沿って左側に案内されると考えられる。
これにより、滞留している粒状部材320が少ない側に、後から戻った粒状部材320を流下させ易くなるので、粒状部材320を略左右均等に振分易くすることができる。
なお、衝突部材420の姿勢変化は、常時同様に許容されるものでは無い。例えば、射出装置400の発射待機状態(図40参照)では、一対の案内孔423の双方の上端位置に円柱状突部403がそれぞれ配置され、衝突部材420が左右対称の2点で吊り下げられることになるので、射出装置400の演出待機状態に比較して衝突部材420の姿勢変化が抑制される。
また、例えば、射出装置400の発射状態(図41参照)では、一対の案内孔423の双方の下端位置に円柱状突部403がそれぞれ配置され、衝突部材420が左右対称の2点で上方への変位を規制されることから、射出装置400の演出待機状態に比較して衝突部材420の姿勢変化が抑制される。
加えて、衝突部材420が直動部材410から負荷を受ける際、その負荷は、一対の案内孔423の長尺方向と平行な方向に伸縮する一対のコイルスプリングSP1により生じる付勢力であるため、衝突部材420の姿勢は安定し易い。
従って、発射待機状態から発射状態へ至るまでの間における衝突部材420の姿勢変化の抑制を図ることができる。これにより、粒状部材320の滞留状態(粒の個数の左右の偏り)が同等の場合において、衝突部材420から負荷を受けて飛散する粒状部材320の飛び散り方を安定させることができる。
上述のように、射出装置400が発射演出を実行することにより、粒状部材320が飛散した後、区画部材310(図25参照)の内部形状に沿って流下し、衝突部材420の湾曲板部421の上面に戻り、再び演出待機状態に戻る。即ち、本実施形態では、射出装置400は、図38から図41の状態変化を繰り返し実行可能に構成される。この状態変化を実行可能とするための射出装置400の構造間の関係について、以下で詳細に説明する。
図42(a)から図42(f)及び図43(a)から図43(e)は、図28の矢印XXXVIIa方向視における直動部材410、衝突部材420、当接部材430及び前側伝達部材440の平面図である。
なお、図42(a)から図42(f)及び図43(a)から図43(e)では、直動部材410、衝突部材420及び当接部材430の外形が想像線で図示され、外形を除き互いの負荷伝達に関わる部分として、直動部材410の突条部414及び下側突条部415と、衝突部材420の緩衝部材424と、当接部材430の突設部432及び鉤状突部433と、の外形が実線で図示され、その内部が透明に図示され、その背面側に配置される前側伝達部材440が隠されることなく図示される。
また、衝突部材420の変位可能区間の理解を容易とするために、円柱状突部403の外形が実線で図示され、その内部が透明に図示され、その背面側に配置される前側伝達部材440が隠されることなく図示される。
また、駆動制御との関連の理解を容易とするために、検出センサSC4の配置が想像線で図示される。
図42及び図43では、前側伝達部材440が正回転することに伴う直動部材410、衝突部材420及び当接部材430(以下、図42及び図43の説明において、「各構成部材」とも称す)の配置の変化が時系列で図示される。以下、順に説明する。
図42(a)では、射出装置400の演出待機状態における各構成部材の配置が図示される。図42(a)に示すように、射出装置400の演出待機状態では、検出センサSC4の検出溝に前側伝達部材440の被検出部445が進入し始める。
そのため、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221(図4参照)は、駆動モータMT1が正回転で駆動制御されている状態において、検出センサSC4の検出溝に前側伝達部材440の被検出部445が配置されていない状態から、被検出部445が進入される状態への切り替わりを検出することで、射出装置400が演出待機状態であると判定できる。
図42(b)では、前側伝達部材440の伝達突部446が直動部材410の突条部414に当接し直動部材410を押し下げ開始する状態における各構成部材の配置が図示される。図42(b)に示す状態から、前側伝達部材440がコイルスプリングSP1(図38参照)の付勢力に対抗して直動部材410を押し下げ開始する。
従って、図42(a)から図42(b)までの間は、直動部材410と前側伝達部材440とが当接していないので、部材間の直接的な負荷伝達は遮断される。そのため、例えば、粒状部材320(図38参照)が流下し、衝突部材420に衝突することで衝突部材420が微振動したとしても、その振動や負荷が前側伝達部材440に直接的に伝達することは遮断可能に構成される。
図42(c)では、衝突部材420が変位範囲の下側終端位置に配置され、直動部材410と衝突部材420との当接が解除され始める状態における各構成部材の配置が図示される。
図42(b)に示す状態から図42(c)に示す状態までにおいて、直動部材410と衝突部材420とが一体的に下降変位する。この状態では、衝突部材420と直動部材410とが当接し、直動部材410と前側伝達部材440とが当接しているので、粒状部材320が衝突部材420に衝突して生じる振動や負荷が、間接的に前側伝達部材440に伝達し得る。
一方で、粒状部材320が衝突部材420に衝突することで生じる負荷は、直動部材410を押し下げる方向の負荷であり、これは直動部材410を、伝達部材440との当接箇所である伝達突部446から離す方向である。そのため、前側伝達部材440に伝達される負荷や振動が、伝達部材440の正回転変位に与える影響を低減することができる。
なお、正回転変位に与える影響としては、何ら限定されるものでは無い。例えば、回転変位として駆動制御される速度と実際の速度とを異ならせるような影響や、回転変位を妨げ、駆動モータMT1(図38参照)を発熱させるような影響が例示される。
図42(d)では、当接部材430の突設部432が前側伝達部材440の第1溝部442aの終端位置に配置され、当接部材430が傾倒し始める状態における各構成部材の配置が図示される。
当接部材430は、他の付勢手段から付勢力を与えられているわけでは無く、溝形成部442の形状に従い姿勢変化する部材である。図42(d)以降は、前側伝達部材440が変位させる部材の個数が、直動部材410及び当接部材430の2個に増えるが、当接部材430の変位方向は自重で変位する方向と同様なので、実質的には、前側伝達部材440が受ける負荷の状態は、直動部材410のみを変位させていた図42(d)以前の状態に対して変化は少ない。
図42(e)では、直動部材410が変位範囲の下側終端位置に配置された状態における各構成部材の配置が図示される。図42(e)に示すように、直動部材410が下側終端位置に配置された状態では、依然として、直動部材410と当接部材430とは離れて配置される。
図42(e)に示す状態以降は、前側伝達部材440の伝達突部446は上側へ向けた変位を開始する。そのため、直動部材410に与えられるコイルスプリングSP1(図38参照)の付勢力が伝達突部446を押進する方向に生じることになるので、前側伝達部材440の回転と、当接部材430の姿勢変化とに必要となる負荷を、コイルスプリングSP1の付勢力で補助することができる。これにより、駆動モータMT1(図38参照)の負担を軽くすることができる。
図42(f)では、当接部材430の突設部432が前側伝達部材440の第2溝部442bの終端位置に配置され、当接部材430が傾倒し終える状態における各構成部材の配置が図示される。
図42(f)に示すように、直動部材410と当接部材430とは依然として離れて配置されているが、図42(f)に示す状態以降は、当接部材430の突設部432が第3溝部442cに配置される状態において、当接部材430の姿勢は維持される(姿勢変化が防止される)。
従って、この後の直動部材410と当接部材430との当接に関して、直動部材410及び当接部材430が向かい合う方向への速度を有して当接する場合に比較して、当接の態様を柔らかくすることができる。
図43(a)では、理解を容易にするために、図42(f)と同じ状態の図が図示される。図43(b)では、前側伝達部材440の伝達突部446が上側へ向けて変位することに伴い直動部材410が上昇変位し、直動部材410の下側突条部415と当接部材430の鉤状突部433とが当接開始した状態における各構成部材の配置が図示される。
なお、図43(a)に示す状態から図43(d)に示す状態の直前までが、発射待機状態(例えば、図40参照)に対応する。
下側突条部415及び鉤状突部433には、互いに対向する側の先端部に、互いに対向する側へ向けて張り出す張出部を備える。これにより、下側突条部415と鉤状突部433との当接位置において滑りが生じることを抑制することができ、安定して下側突条部415と鉤状突部433とを当接させることができる。
図43(b)に示す状態では、前側伝達部材440の被検出部445の終端位置が検出センサSC4の検出溝に配置される。そのため、図43(b)に示す状態から前側伝達部材440が正回転すると、被検出部445は検出センサSC4の検出溝から退避することになり、この状態の切り替わりがMPU221(図4参照)に出力される。
即ち、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221(図4参照)は、駆動モータMT1が正回転で駆動制御されている状態において、検出センサSC4の検出溝に前側伝達部材440の被検出部445が配置されている状態から、被検出部445が検出センサSC4の検出溝から退避する状態への切り替わりを検出することで、射出装置400が発射待機状態へ移行したと判定するように制御される。
図43(b)に示す状態以降は、直動部材410の変位が当接部材430により規制される。直動部材410にはコイルスプリングSP1(図38参照)による付勢力が生じており、当接部材430を起立させる方向の負荷を当接部材430に与えるが、当接部材430の変位は、突設部432の変位が溝形成部442に妨げられることにより規制される。
突設部432と溝形成部442との当接は、円形に湾曲する面(突設部432の外側面)と円弧状面(第3溝部442cの内側面)との当接になるので、その際に生じる負荷は、円の中心へ向く。
即ち、図43(b)に示す状態において、突設部432から溝形成部442に与えられる負荷は、前側伝達部材440の回転軸へ向けて生じるので、突設部432から与えられる負荷が前側伝達部材440の回転に影響を与えることを防止することができると共に、前側伝達部材440の駆動状態に関わらず、突設部432の変位を規制することができる。
そのため、図43(b)に示す発射待機状態において、駆動モータMT1(図38参照)の通電を解除した後も、図43(b)に示す状態を維持可能に構成される。これにより、例えば、発射待機状態において常に駆動モータMT1を通電させておく必要がある構成に比較して、駆動モータMT1の発熱を抑えることができるので、駆動モータMT1の駆動制御の設定自由度を向上させることができる。
これは、例えば、第3図柄表示装置81における表示演出と連動して射出装置400を駆動制御させる場合に、発射待機状態となってから発射状態となるまでの表示演出の長さの設定に対する制限が駆動モータMT1の発熱の観点からは生じないという点で、有利である。
図43(c)では、当接部材430の突設部432が前側伝達部材440の第3溝部442cの終端位置に配置され、当接部材430が起立し始める状態における各構成部材の配置が図示される。
図43(c)の状態以降は、突設部432と当接する溝形成部442の位置が第3溝部442cから変わるので、突設部432から溝形成部442へ与えられる負荷の方向が前側伝達部材440の回転軸からずれることになる。
従って、駆動モータMT1(図38参照)の通電を解除して発射待機状態で維持するためには、図43(b)で示す状態から図43(c)で示す状態となる前に駆動モータMT1の通電を解除する必要がある。
図43(d)では、直動部材410の下側突条部415の変位軌跡から当接部材430の鉤状突部433が退避することで、直動部材410の上昇変位の規制が解除され、コイルスプリングSP1(図38参照)に蓄積された付勢力により直動部材410が上昇変位し、衝突部材420が上側へ跳ね飛ばされた状態における各構成部材の配置が図示される。図43(d)に示す状態が、発射状態(図41参照)に対応する。
当接部材430の起立方向の変位は、基本的には前側伝達部材440の溝形成部442の形状に沿って生じることから、その駆動力は駆動モータMT1(図38参照)から発生している。一方で、直動部材410の変位が前側伝達部材440の伝達突部446に規制されている状態には無いことから、直動部材410を介して当接部材430に伝達されているコイルスプリングSP1(図38参照)の付勢力も、当接部材430の起立方向の変位を補助するように働く。
本実施形態では、駆動モータMT1の駆動力により生じる当接部材430の変位方向と、直動部材410を介して与えられるコイルスプリングSP1の付勢力により生じる当接部材430の変位方向とが、共に起立する方向で同じに構成されるので、当接部材430に対して与えられる駆動力と付勢力とを互いに補助し合う態様で発生させることができる。
図43(e)では、当接部材430の突設部432が前側伝達部材440の第4溝部442dの終端位置に配置され、当接部材430が起立し終える状態における各構成部材の配置が図示される。
図43(e)に示す状態以降では、当接部材430の突設部432と当接する溝形成部442の位置は、第1溝部442aになる。これにより、突設部432から溝形成部442へ与えられる負荷が前側伝達部材440の回転軸へ向かうことになるので、突設部432から溝形成部442へ与えられる負荷が前側伝達部材440の回転に与える影響を低減することができる。
例えば、本実施形態では、図43(d)に示す状態の直前まで、コイルスプリングSP1(図38参照)に蓄積される付勢力が当接部材430に負荷されていたことから、図43(d)以降の変位において当接部材430を起立させる方向に生じる負荷も、大きくなることが予想される。そのため、対策なしでは、当接部材430が起立する変位により、前側伝達部材440の回転が阻害される虞がある。
これに対し、本実施形態では、当接部材430が起立し終えるや否や、当接部材430の突設部432を第1溝部442aに配置し、突設部432を介して当接部材430から前側伝達部材440へ与えられる負荷が前側伝達部材440の回転軸へ向くように構成している。これにより、当接部材430が起立する変位により前側伝達部材440の回転が阻害されることを回避し易くすることができる。
図43(e)に示す状態から、前側伝達部材440を正回転させる方向に駆動モータMT1(図38参照)を駆動させ、被検出部445が検出センサSC4の検出溝に進入したことを検出したら、駆動モータMT1を停止させるよう制御することで、射出装置400を演出待機状態に戻すことができ、図42及び図43に示す状態変化が、一連の発射演出として制御可能となるようにMPU221(図4参照)の制御プログラムが設計されている。
図42及び図43を参照した上述の説明では、射出装置400の制御の一例として、射出装置400の演出待機状態から前側伝達部材440を正回転方向に1回転させる発射実行制御を説明した。発射実行制御では、発射状態において、コイルスプリングSP1の付勢力で上昇する直動部材410により衝突部材420が跳ね飛ばされ、粒状部材320が飛散する演出が実行される。
この演出は、遊技者の視界に粒状部材320を飛散させることから、派手で、遊技者の注目力を向上させることができるので、例えば、大当たりか否か遊技者に分からせない状態で数分続くロングリーチの終盤付近のタイミングで、もしも大当たりであれば、発射状態に移行し粒状部材320を飛散させて演出することで、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方で、もしも大当たりではなければ(はずれであれば)、粒状部材320を飛散させる演出を実行すると、遊技者に対して大当たりであると勘違いさせる虞があり、好ましくない。
また、発射状態に移行しない場合(はずれの場合)に、射出装置400の駆動モータMT1(図38参照)を全く駆動させないと、駆動モータMT1の駆動音から、実行中のロングリーチの結果、大当たりとなるのか、はずれとなるのかを遊技者が把握できてしまうことになり、遊技者の興趣を下げる虞がある。
これに対し、本実施形態では、はずれの場合に、射出装置400を発射待機状態とした後で、前側伝達部材440を逆回転させる方向に駆動モータMT1を駆動制御することにより、射出装置400の発射状態を経由せずに射出装置400の演出待機状態に復帰可能に構成される。
つまり、例えば図43(c)に示す状態から、前側伝達部材440を逆回転(時計回り)させる方向に駆動モータMT1を駆動制御することにより、上述の時系列の逆方向で各構成部材を変位させることができる。
この場合において、当接部材430が起立する方向へ変位開始する(図42(e)参照)よりも前に、直動部材410を押し下げて、直動部材410と当接部材430との当接を解除していることにより(図42(f)参照)、直動部材410と当接部材430との間で当接を解除する際に擦れが生じることを回避することができる。
また、図42(e)以降は、直動部材410を介して前側伝達突部440の伝達突部446に与えられるコイルスプリングSP1(図38参照)の付勢力が前側伝達突部440の回転を補助する向きで働くので、駆動モータMT1(図38参照)に要求される駆動力の大きさを低減することができる。
この場合における直動部材410の上昇変位は、コイルスプリングSP1(図38参照)の弾性復帰に基づく瞬間的なものでは無く、伝達突部446の変位に伴う緩やかな変位として構成される。
これにより、直動部材410が衝突部材420を跳ね飛ばすことを回避することができるので、粒状部材320が飛散する演出を実行しないで、射出装置400を演出待機状態(図42(a)参照)に復帰させることができる。
なお、前側伝達部材440の逆回転の後、図42(a)に示す状態とするためには、検出センサSC4の検出溝から被検出部445が退避したことを検出した後で、検出センサSC4の検出溝に被検出溝445が再び進入したと検出されるまで前側伝達部材440を正回転させるよう駆動モータMT1(図38参照)を駆動制御すれば良い。
これにより、粒状部材320を飛散させる演出制御と、粒状部材320を飛散させない演出制御の双方を、駆動モータMT1の駆動に伴う予備動作を同じとして実行することができる。従って、大当たりかはずれかを遊技者が分かり易いように演出することができると共に、駆動音の違いにより遊技者が当否結果を予測可能となることを回避することができる。
特に、本実施形態によれば、発射待機状態(図43(c)参照)において、駆動モータMT1(図38参照)の通電を解除して、駆動モータMT1の駆動音を一端消失させることができる。これにより、駆動モータMT1の駆動を継続した状態から駆動方向を切り替える制御を行う場合に比較して、駆動方向が同じなのか、逆方向となったのかを駆動音から把握し難くすることができる。
そのため、演出における当否報知タイミングに先行して駆動モータMT1を駆動制御し、駆動音が生じたとしても、その駆動方向を判定し難いことから、遊技者に当否結果を把握される事態を回避することができる。
これにより、遊技者に駆動音で当否結果を把握される危険を冒すことなく、当否報知タイミングに先行して駆動モータMT1の駆動制御を開始することができるので、発射待機状態における駆動モータMT1の停止タイミングに幅を持たせることができる。換言すれば、発射状態の直前の状態で駆動モータMT1を停止させることを不要とすることができ、発射状態の十分前の状態で駆動モータMT1を停止してもその後の演出に支障をきたさないので、制御に反して駆動モータMT1が過回転し意図せず発射状態となる事態を回避することができる。
図44(a)から図44(f)は、図28の矢印XXXVIIb方向視における後側伝達部材460、伝達アーム部材470及び蓋部材480の平面図である。
図44では、後側伝達部材460が正回転(時計回り)することに伴う伝達アーム部材470及び蓋部材480(以下、図44の説明において、「各構成部材」とも称す)の配置の変化が時系列で図示される。以下、順に説明する。
図44(a)では、射出装置400の演出待機状態(図42(a)参照)における各構成部材の配置が図示される。図44(a)に示すように、射出装置400の演出待機状態では、伝達アーム部材470の円柱状突部472が後側伝達部材460の第3溝部462cの終端位置に配置され、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置される。
蓋部材480は、トーションスプリングSP2(図33参照)から退避側へ向かう付勢力を受けるため、蓋部材480を介して伝達アーム部材470の伝達突部473を押し下げる方向の負荷が生じ、この負荷が後側伝達部材460に伝達されることで、対策なしでは、後側伝達部材460の回転に影響を与える虞がある。
これに対し、本実施形態では、図44(a)以降の状態において、伝達アーム部材470の円柱状突部472が、溝形成部462の第3溝部462cと当接し、その当接点を介して後側伝達部材460に負荷が与えられるところ、円形状の湾曲面と円弧形状面との当接なので、当接により生じる負荷は円の中心へ向かう。
従って、円柱状突部472を介して溝形成部462に与えられる負荷は、後側伝達部材460の回転軸へ向かうので、円柱状突部472を介して溝形成部462に与えられる負荷が後側伝達部材460の回転に与える影響を少なくすることができる。
図44(b)では、伝達アーム部材470の円柱状突部472が後側伝達部材460の第3溝部462cの終端位置に配置され、蓋部材480が進入側の変位終端位置に依然として配置される状態における各構成部材の配置が図示される。
図44(c)では、伝達アーム部材470の円柱状突部472が後側伝達部材460の第4溝部462dの中間位置に配置され、蓋部材480が変位範囲の略中間位置に配置される状態における各構成部材の配置が図示される。
伝達アーム部材470の姿勢変化は、基本的には後側伝達部材460の溝形成部462の形状に沿って生じることから、その姿勢変化のための駆動力は後側伝達部材460を回転駆動する駆動モータMT1(図38参照)から発生している。
一方で、トーションスプリングSP2(図33参照)の付勢力が、蓋部材480を介して伝達アーム部材470の伝達突部473を押し下げる方向に働き、同時に、この付勢力は円柱状突部472を上側へ変位させる方向に働くことから、トーションスプリングSP2の付勢力も、伝達アーム部材470の姿勢変化を補助するように働く。
本実施形態では、駆動モータMT1の駆動力により生じる伝達アーム部材470の姿勢変化方向と、蓋部材480を介して与えられるトーションスプリングSP2の付勢力により生じる伝達アーム部材470の姿勢変化方向とが、共に時計回り方向で同じに構成されるので、伝達アーム部材470に対して与えられる駆動力と付勢力とを互いに補助し合う態様で発生させることができる。
図44(d)では、伝達アーム部材470の円柱状突部472が後側伝達部材460の第4溝部462dの終端位置に配置され、蓋部材480が退避側の変位終端位置に配置される状態における各構成部材の配置が図示される。
図44(d)に示す状態において、蓋部材480はトーションスプリングSP2(図33参照)の付勢力により退避側の変位終端に維持される。また、伝達アーム部材470の伝達突部473と左カバー部材489とは非当接で配置される。
これにより、蓋部材480を進入側へ変位させる必要が無い場合にまで伝達突部473に負荷が与えられることを回避することができ、伝達アーム部材470への疲労の蓄積度合いを和らげることができる。
図44(e)では、伝達アーム部材470の円柱状突部472が後側伝達部材460の第1溝部462aの途中位置に配置され、蓋部材480が依然として退避側の変位終端に配置される状態における各構成部材の配置が図示される。
図44(e)に示す状態以降、発射待機状態(図43(b)参照)が構成される。発射待機状態から発射状態に亘り、蓋部材480は退避側の変位終端に配置され、射出される粒状部材320(図41参照)との衝突を回避可能に構成される。
図44(f)では、伝達アーム部材470の円柱状突部472が後側伝達部材460の第1溝部462aの終端位置に配置され、蓋部材480が依然として退避側の変位終端位置に配置される状態における各構成部材の配置が図示される。
図44(e)に示す状態から図44(f)に示す状態までに、射出装置400は発射状態(図41参照)を経由する。そして、図44(f)に示す状態から正回転を継続することで、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置され、演出待機状態へ復帰する(図44(a)参照)。
ここで、図44(f)に示す状態は、発射演出実行後の状態であるので、直動部材410又は当接部材430からの前側伝達部材440への負荷伝達は無い(例えば、図43(e)参照)。従って、駆動モータMT1(図38参照)の駆動力の内、前側伝達部材440側へ振り分ける分量を非常に少なくすることができる。
これにより、蓋部材480の変位の方向が、トーションスプリングSP2(図33参照)の付勢力に対抗する方向であるために大きな駆動力が必要となる場合であっても、駆動モータMT1の駆動力の大半を、後側伝達部材460に当接する他の構成部材を回転させるための駆動力として利用することができるので、十分な駆動力を確保することができる。
図45は、図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置400の平面図である。なお、図45では、固定部材350の図示が省略され、射出装置400の内部構造を視認可能とされる。
図45では、直動部材410、衝突部材420及び当接部材430が、図42及び図43での説明と同様の態様で図示される。また、衝突部材420の変位可能区間の理解を容易とするために、円柱状突部403の外形が実線で図示され、その内部が透明に図示され、その背面側に配置される前側伝達部材440が隠されることなく図示される。
図45では、直動部材410が上昇側の変位終端位置に配置された状態(例えば、演出待機状態、図42(a)参照)で、前側伝達部材440が逆回転方向に駆動され、前側伝達部材440の伝達突部446が直動部材410の下側突条部415に下側から当接し、それ以上の回転変位を規制される状態が図示される。
このように、本実施形態では、前側伝達部材440に許容される変位態様に限界が設定される。即ち、正回転方向の駆動では、図42及び図43に示すように、前側伝達部材440の変位が規制されることなく継続的に駆動可能であるのに対して、逆回転方向の駆動では、変位角度が許容角度を超えると、直動部材410に伝達突部446が変位を規制され、それ以上の継続駆動が規制される。
変位が規制された状態で駆動モータMT1の駆動を継続する場合、駆動モータMT1が発熱し、損傷する虞があるので、本実施形態では、前側伝達部材440を逆回転させる方向の駆動制御に制限を設けることで、駆動モータMT1の損傷を回避しているが、詳細は後述する。
図46は、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転に伴う、検出センサSC4の出力状態、直動部材410の配置、衝突部材420の配置、当接部材430の突設部432の配置および伝達アーム部材470の円柱状突部472の配置の計時変化を示した図である。
なお、図46では、各構成の配置変化の変化幅同士での相対関係が記載されているわけではなく、配置変化が生じるタイミングの相対関係の目安が示される。また、直動部材410の配置変化は、コイルスプリングSP1に蓄積される付勢力の変化に対応する。
また、図46では、演出待機状態(図42(a)及び図44(a))からの正回転の回転角度の目安が横軸に図示される。即ち、0度は図42(a)に対応し、66度は図42(b)に対応し、125度は図42(c)に対応し、162度は図42(d)に対応し、202度は図42(e)に対応し、219度は図42(f)及び図43(a)に対応し、228度は図43(b)に対応し、266度は図43(c)に対応し、287度は図43(d)に対応し、295度は図43(e)に対応する。
また、図46では、0度は図44(a)に対応し、21度は図44(b)に対応し、96度は図44(c)に対応し、173度は図44(d)に対応し、304度は図44(e)に対応し、360度は図44(f)に対応する。
図46では、演出待機状態を基準(角度が0度)として、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の正回転の回転角度が横軸に記載され、その角度に対応する上述の各構成部材における状態変化について記載される。なお、正回転での駆動制御による各構成の配置変化は、図46の右方向へ向けた変化に対応し、逆回転での駆動制御による各構成の配置変化は、図46の左方向へ向けた変化に対応する。
図46に示すように、発射状態(角度が287度)になる前に、前側伝達部材440及び後側伝達部材460を逆回転させることにより、衝突部材420を上昇変位させる場合の変位速度は、発射状態に到達して衝突部材420が上昇変位する場合の変位速度に比較して遅くなる。即ち、本実施形態では、衝突部材420の上昇変位の速度を複数通りで構成することができる。
なお、発射状態を超えた後は、既に衝突部材420が上昇してしまっているので、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の逆回転は途中で規制される(図45参照)。一方、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の配置が発射状態(角度が287度)から演出待機状態(角度が360度)の間にあるかは、検出センサSC4の出力状態のみからは判定できない。
例えば、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の配置が発射状態(角度が287度)から演出待機状態(角度が360度)の間である場合に、パチンコ機10の電源が再投入されたとしても、MPU221(図4参照)は、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の逆回転が規制される配置か、否かを判定することができない。
これに対し、本実施形態では、電源再投入時に、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の配置が発射状態(角度が287度)から演出待機状態(角度が360度)の間である疑いがある場合、即ち、検出センサSC4に被検出部445が配置されていない場合(検出センサSC4の出力OFFの場合)には、前側伝達部材440及び後側伝達部材460を正回転させる方向に駆動モータMT1が回転するよう制御される。
この回転により射出装置400を、一端、演出待機状態に復帰し、その後で各演出の実行制御を行うよう構成される。これにより、電源再投入時等、制御が途切れる事態の後において、意図せず前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転が規制され、駆動モータMT1が発熱する事態が生じることを防止することができる。
本実施形態では、発射状態(角度が287度)から伝達アーム部材470の円柱状突部472の配置が変化し始める状態(角度が304度)までに、粒状部材320(図38参照)の配置が安定するような回転速度で、前側伝達部材440及び後側伝達部材460が回転駆動される。
例えば、発射から2秒で配置が安定するのであれば、毎秒8度(45秒/回転)で前側伝達部材440及び後側伝達部材460が回転するように駆動制御することで、流下途中の粒状部材320が蓋部材480(図38参照)に噛み込まれる事態が発生することを回避できる。
なお、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転速度は、これに限られるものでは無く、任意に設定可能である。例えば、4倍速で回転させても良い。この場合、粒状部材320が流下開始する程度のタイミングで蓋部材480を進入側に変位開始させることができる。この場合、粒状部材320が蓋部材480の進行方向に配置される前に蓋部材480を変位完了することができる。
この状態で、演出待機状態で駆動を停止することで、蓋部材480の上方に粒状部材320を堆積させることができるので、蓋部材480の形状に沿って粒状部材320を左右中央側へ集めることができる。その後、前側伝達部材440及び後側伝達部材460を正回転方向に駆動制御することで、蓋部材480が退避側へ変位することに伴って粒状部材320が蓋部材480から落下し衝突部材420の上に乗る。
このように、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転速度を異なるように制御することで、粒状部材320が衝突部材420に到達するまでの態様を複数種類構成することができる。
これにより、発射実行制御ごとに、各粒状部材320(各球状部材)の衝突部材420に対する相対位置を変化させることができる。そのため、例えば、形状や色の異なる複数の球状部材で粒状部材320を構成することで、発射される粒状部材320の見え方(各粒状部材320の配置や変位方向)を異ならせることができるので、演出効果を向上させることができる。
図5及び図6に戻って説明する。本実施形態では、第3図柄表示装置81の他に、遊技を盛り上げる演出装置として、上述の発射演出ユニット300、拡大縮小ユニット600及び変位回転ユニット800が配設される。次いで、拡大縮小ユニット600について説明する。
図47及び図48は、拡大縮小ユニット600の正面斜視図であり、図49及び図50は、拡大縮小ユニット600の背面斜視図である。図47及び図49では、拡大縮小ユニット600の演出待機状態が図示され、図48及び図50では、拡大縮小ユニット600の張出状態が図示される。
図47から図50に示すように、拡大縮小ユニット600は、左右方向中央位置を昇降変位可能であり発光演出可能に構成される演出部材700と、その左右に離れて固定配置される半球状照明装置613とを備える。
演出部材700及び半球状照明装置613により発光演出を行うことで、第3図柄表示装置81(図7参照)の手前側から遊技者に対して光を出射し、煌びやかに視認させる演出を実行することができる。
図51は、拡大縮小ユニット600の正面分解斜視図であり、図52は、拡大縮小ユニット600の背面分解斜視図である。図51及び図52では、演出部材700は組立状態で図示される。なお、図47及び図49に示すように、組立状態において、演出部材700と連結される下アーム部材630の先端部は後板部611の正面側に配置されるが、図51及び図52では、便宜的に後板部611の背面側に配置する。
図51及び図52に示すように、拡大縮小ユニット600は、背面ケース510(図5参照)の底壁部511に締結固定される左右長尺形状の本体部材601と、その本体部材601の正面側に配置され意匠面を有する正面カバー部材610と、本体部材601の円柱軸部603に回転可能に軸支され歯合関係で連動する一対の上アーム部材620と、その上アーム部材620と中間部で連結されており上アーム部材620の回転に伴い姿勢変化する一対の下アーム部材630と、本体部材601の背面側に締結固定される駆動モータMT2と、その駆動モータMT2の駆動ギアと歯合され、左側の上アーム部材620に駆動モータMT2の駆動力を伝達可能に係合し、本体部材601に回転可能に軸支される伝達ギア650と、本体部材601に環状部が組み付けられ、上アーム部材620に上昇方向の付勢力を負荷するトーションスプリングSP3と、下アーム部材630の先端部に連結される演出部材700と、を備える。
本体部材601は、左右長尺の板状に形成され、左右一直線上に配置される左右一対の長孔である案内孔602と、左右対称位置から前後両方向へ円柱状に突設される一対の円柱軸部603と、その円柱軸部603を中心軸とした円弧状に穿設される一対の円弧状孔604と、左側部から背面側へ円柱状に突設される円柱軸部605と、その円柱軸部605を中心軸とした円弧状に穿設される円弧状孔606と、円柱軸部605を中心とした円状において検出溝を円柱軸部605側に向けた姿勢で背面側に締結固定される検出センサ607と、を備える。
案内孔602は、下アーム部材630の円柱状突部632の外径よりも若干長い上下幅で形成される。案内孔602は、下アーム部材630の円柱状突部632が挿通されることにより、下アーム部材630の変位を案内する長孔として機能する。
円柱軸部603は、正面側に突設される部分が、上アーム部材620の支持孔621に挿通され、上アーム部材620を回転可能に支持する。円柱軸部603の先端に形成される雌ネジに頭部大径のネジが螺入されることにより、上アーム部材620が、脱落不能に支持される。
円柱軸部603は、背面側に突設される部分が、トーションスプリングSP3の巻き状本体部に挿通され、これにより、トーションスプリングSP3の配置が安定する。
トーションスプリングSP3の一方の腕部は、本体部材601の背面側からく字状に張り出す張出部601aに上側から押さえられ、他方の腕部は、上アーム部材620の被付勢部625に係合される。これにより、トーションスプリングSP3の弾性回復力が被付勢部625を押し下げる方向に機能するので、上アーム部材620は、連結部623が上昇変位する方向に付勢される。
円弧状孔604は、上アーム部材620の被付勢部625を本体部材601の背面側へ通すための貫通孔である。これにより、上アーム部材620の被付勢部625とトーションスプリングSP3とを係合可能に構成することができる。
円柱軸部605は、伝達ギア650の支持孔653に挿通され、伝達ギア650を回転可能に支持する。円柱軸部605の先端に形成される雌ネジに頭部大径のネジが螺入されることにより、伝達ギア650が脱落不能に支持される。
円弧状孔606は、伝達ギア650の円柱状突部654を本体部材601の正面側へ通すための貫通孔である。これにより、上アーム部材620の伝達孔624と伝達ギア650とを係合可能に構成することができる。伝達ギア650の円柱状突部654の先端に形成される雌ネジに頭部大径のネジが螺入されることにより、伝達ギア650に上アーム部材620が脱落不能に支持される。
検出センサ607は、伝達ギア650の被検出板部655が進入可能な検出溝を備え、伝達ギア650が拡大縮小ユニット600を演出待機状態とする位置に配置されているか、それ以外の位置に配置されているかを判定可能に構成される。
正面カバー部材610は、光透過性の低い樹脂材料から形成され、本体部材601に締結固定される薄肉の部材であって、左右中央部に形成される後板部611と、その後板部611の左右上端部との連結位置から左右外側に形成され、後板部611よりも正面側に張り出して形成される前板部612と、その前板部612の正面側に締結固定され発光可能に構成される半球状照明装置613と、を備える。
後板部611は、本体部材601の円柱軸部603の正面側に配設され、円柱軸部603が視認されないように視界を遮蔽する。後板部611の背面側には、上アーム部材620のギア部622の移動軌跡を避けて、そのギア部622の前後幅よりも若干長い寸法で背面側へ張り出し、本体部材601と面で当接する張出当接部611aを備える。
これにより、後板部611の本体部材601に対する締結状態の安定を図ることができると共に、後板部611と本体部材601とにより区分けされる空間において上アーム部材620を変位させるよう構成することができる。換言すれば、上アーム部材620の姿勢変化(例えば、回転軸に対して撓むような姿勢変化)を、軸方向両側で抑制することができるので、上アーム部材620の状態を安定させることができる。
前板部612は、上アーム部材620や下アーム部材630の正面側に配置され、これら部材の構造的な部分を遊技者に視認させないように構成される板状部であって、本体部材601の正面板部に対して平行な平面として左右一対で形成される摺動面612aと、左側上端部から背面へ向けて張り出す板部において、背面側へ開放される凹部として形成される配線通し凹部612bと、を備える。
摺動面612aは、下アーム部材630に正面側から組み付けられ締結固定され、その形状および材料から低摩擦に形成される押圧部材PC1が摺動可能な平面として構成される。即ち、下アーム部材630の長尺方向の途中に固定される押圧部材PC1が、下アーム部材630の変位に伴い変位する軌跡に沿って形成される平面状板面である。
押圧部材PC1の摺動面612aに対向する側の形状は、摺動面612a側に突き出た略半円形状とされ、押圧部材PC1と摺動面612aとが接触した場合の状態は、点接触となるように構成される。これにより、押圧部材PC1と摺動面612aとの間で生じる抵抗を低減することができ、下アーム部材630を滑らかに変位させ易くすることができる。
摺動面612aと押圧部材PC1とは常時接触しているものでは無く、隙間が設けられている。一方で、下アーム部材630が正面側に変位する量が許容量を超える前に、摺動面612aと押圧部材PC1が当接し下アーム部材630の正面側への変位を制限するように構成される。
本実施形態では、下アーム部材630の正面側への変位量の許容量は、区画部材310(図13(a)参照)の背面側板部と演出部材700との寸法関係により設定される。即ち、下アーム部材630の配置から想定される配置の演出部材700が、区画部材310と当接しない程度の寸法で、下アーム部材630の正面側への変位量の許容量が設定される。
即ち、本実施形態によれば、摺動面612aが押圧部材PC1と当接し、下アーム部材630の正面側への変位を制限することにより、拡大縮小ユニット600の演出部材700が区画部材310と当接することを防止することができる。
なお、右側に配置される摺動部612aは押圧部材PC1の軌跡に沿った円弧形状で形成されるが、左側に配置される摺動部612aは、押圧部材PC1の軌跡としての円弧形状を含む大きな平面として形成されているが、左右の摺動部612aの機能は共通である。即ち、少なくとも押圧部材PC1の軌跡としての円弧形状が平面状に形成されていれば良く、それ以外の部分における形状は任意に設定可能である。例えば、本実施形態の右側部分のように、摺動部612aが押圧部材PC1の軌跡としての円弧形状に限定して形成され、それ以外の部分において背面側に張り出す(正面側の意匠部分が背面側寄りに配置される影響で背面側に張り出す)ように構成しても良いし、本実施形態の左側部分のように、摺動部612aの周囲も同様の平面形状で構成しても良い。
なお、下アーム部材630の前方への変位が押圧部材PC1と摺動部612aとの当接により制限されることに加え、上アーム部材620は、トーションスプリングSP3と、円柱状突部654に締結固定される締結ネジとにより前方への変位が規制される。即ち、下アーム部材630の前方への変位の制限に加えて、上アーム部材620の変位の制限も行っていることにより、局所的に大きな負荷が生じることを避けることができる。
配線通し凹部612bは、下アーム部材630の基端側貫通孔635aを通される電気配線の通り道として機能する凹部である。即ち、背面ケース510と拡大縮小ユニット600との間に到達した電気配線は、配線通し凹部612bを通り、下アーム部材630の基端側貫通孔635a通ったのち、下アーム部材630の先端側へ案内され、演出部材700に通される。
このように、拡大縮小ユニット600の内部への電気配線の挿通経路を上側からとすることで、演出部材700と連結される長尺の下アーム部材630が、変位に伴い左右方向に大きく変位する(本実施形態では、背面ケース510の左右幅の約半分の距離を変位する)場合であっても、電気配線が弛んで下方に垂れる事態の発生を防止し易くすることができる。
半球状照明装置613は、半球状のレンズ部材を備え、その背面側に配設されるLED等の発光手段から照射される光を半球状のレンズ部材を通して正面側へ照射させるための装置である。本実施形態では、発光手段から照射される光の光軸が、左右方向中央側下方へ傾斜するよう構成されている。
これにより、半球状照明装置613から照射される光の光軸が前後方向を向く場合に比較して、半球状照明装置613から照射される光に対する遊技者の注目力を向上させ易くすることができる。例えば、第3図柄表示装置81の中央を視認している遊技者の視界に光を入れ易くしたり、張出状態または拡大状態の演出部材700に光を照射することで光に気付かせ易くしたりすることができる。
上アーム部材620は、長尺板状に形成され、円柱軸部603の外径よりも若干大径の円形孔として形成されることで円柱軸部603を挿通可能に構成される支持孔621と、その支持孔621を中心とした円弧上に形成され、一対の上アーム部材620で互いに歯合可能に構成されるギア部622と、長尺方向端部に円形に穿設され下アーム部材630の円柱状突部631を挿通可能に構成される連結部623と、左側の上アーム部材620にのみ形成され、伝達ギア650の円柱状突部654の外径よりも若干長い幅の長孔として形成される伝達孔624と、上アーム部材620の背面側から突設され先端部が鉤状に形成される被付勢部625と、を備える。
伝達孔624は、支持孔621の中心を通る直線に沿って形成される伝達部624aと、伝達ギア650の回転軸を中心とする円弧に沿って伝達部624aの一端から連続的に延ばされる余裕部624bと、を備える。
伝達部624aは、伝達ギア650を介して伝達される駆動力を受ける部分として機能し、余裕部624bは、駆動力伝達を遮断するための部分として機能するが、詳細は後述する。
被付勢部625は、トーションスプリングSP3の腕部の一端が係合される部分であり、この被付勢部625を介して上アーム部材620の左右外側を上昇変位させる方向の付勢力を上アーム部材620は受ける。
また、被付勢部625の先端鉤状部とトーションスプリングSP3の係合により、上アーム部材620の前方への変位を規制することができる(図49参照)。
下アーム部材630は、左側のアームが電気配線を通す経路を有することを除き、長尺板部材から略左右対称に構成され、長尺方向中間位置から背面側に円柱状に突設される円柱状突部631と、その円柱状突部631に対して左右外側位置から背面側に円柱状に突設される円柱状突部632と、円柱状突部631に対して左右内側位置において前後方向に円形に穿設される支持孔633と、その支持孔633を中心とする一対の円弧に沿って貫通形成される複数の円弧状孔634と、を備える。
円柱状突部631は、上アーム部材620の連結部623に挿通され、円柱状突部631の先端に形成される雌ネジに背面側から頭部大径のネジが螺入されることで、下アーム部材630が上アーム部材620に対して脱落不能に支持される。
円柱状突部632は、抵抗低減用として円筒形状に形成されるカラー部材C1を介して本体部材601の案内孔602に挿通され、円柱状突部632の先端に形成される雌ネジに背面側から頭部大径のネジが螺入されることで、下アーム部材630が本体部材601に対して脱落不能に支持される。
支持孔633及び円弧状孔634は、演出部材700との連結に利用される。後述する配置用部635との関係により、円弧状孔634が形成される箇所の肉厚が、上側部に比較して下側部の方が分厚く構成されている。これにより、演出部材700が下端位置に配置されて場合に、分厚い箇所で演出部材700を左右から抱え込むように支持することができるので、演出部材700が前傾姿勢に姿勢変化することを効果的に規制することができる。
また、左側の下アーム部材630は、アーム本体の長尺方向に亘り電気配線を通すための空間を形成するために背面側へ開放形成される配置用部635と、その配置用部635の背面側に配設され配置用部635の蓋として機能する薄肉蓋部636と、を備える。
配置用部635は、円柱状突部632側端部で前後方向に穿設される基端側貫通孔635aを備える。
基端側貫通孔635aは、配置用部635に配置される電気配線を前後方向に通すための貫通孔である。即ち、配置用部635に配置される電気配線は、基端側貫通孔635aを正面側から通り配置用部635に案内され、配置用部635から下アーム部材630の先端側へ抜ける。
下アーム部材630は、下アーム部材630の長尺方向に沿う境界を有し、演出待機状態において、その境界よりも下側に配設される下側肉部637が、背面側に奥まって形成される。換言すれば、接線を境界として上側が、薄肉の板部として形成される。
この下側肉部637は、右側の下アーム部材630においては、短手方向に延設される複数のリブにより補強される。また、下側肉部637は、左側の下アーム部材630においては、配置用部635の上側壁部を構成し、内部に電気配線を案内可能に構成され、その案内経路に蓋として配設される薄肉蓋部636が締結固定されることで補強される。
電気配線は、下アーム部材630の内部(配置用部635と薄肉蓋部636との間)を通り演出部材700側へ案内されるので、下アーム部材630の前後に配置される部材(例えば、上アーム部材620)と電気配線とが当接することを防止することができる。これにより、これらの部材に電気配線が絡まったり、擦れたりして電気配線が損傷することを避けることができる。
下アーム部材630は、正面側から組み付けられる上述の押圧部材PC1の他に、同一部材から構成され背面側から組み付けられる押圧部材PC1を備える。この押圧部材PC1を介して、下アーム部材630は、本体部材601の本体板状部と前後で当接可能に構成される。なお、本体部材601と押圧部材PC1とは、常時接触しているものでは無く若干の隙間を有しており、下アーム部材630が背面側へ変位した場合に当接し、その変位を制限するように機能することは、前側の押圧部材PC1の場合と同様である。
即ち、下アーム部材630は、前後両側に押圧部材PC1が組み付けられ、その押圧部材PC1を介して本体部材601又は正面カバー部材610と当接可能に構成されるので、前後方向に変位した場合の変位の制限を容易とし、変位制限時に昇降変位に対して生じる抵抗を低減し易くすることができる。
背面側から組み付けられる押圧部材PC1の背面側への張り出し先端は、上アーム部材620の背面側端部よりも背面側寄りに配置される。これにより、押圧部材PC1の先端が本体部材601に当接する程度に背面側へ変位した場合においても、上アーム部材620が本体部材601と当接することを回避することができる。従って、本実施形態によれば、上アーム部材620が、前後に配置される本体部材601又は正面カバー部材610と当接することを防止することができる。
この構成は、下アーム部材630が意図せず前後方向に変位し易い場合に特に有効である。例えば、本実施形態では、下アーム部材630の先端部が演出部材700の後端面付近に配置されており、演出部材700の重心と、演出部材700と下アーム部材630との連結位置とが前後方向に位置ずれしているので、下アーム部材630に前後方向変位が生じやすい構成と言える。他にも、下アーム部材630の変位態様や、演出部材700自体の駆動変位により、下アーム部材630の前後方向変位が生じやすい構成とされている。
伝達ギア650は、略半円形状の板状に形成される半円本体部651と、その半円本体部651の径方向外側にギア状に刻設されるギア部652と、半円本体部651の半円形状の中心軸上に円柱軸部605を挿通可能な円形孔として貫通形成される支持孔653と、半円本体部651の外径端部から正面側へ円柱形状で突設される円柱状突部654と、半円本体部651の周方向端部に検出センサ607の検出溝に進入可能な薄さの板状に形成される被検出板部655と、その被検出板部655と支持孔653との間に亘り増厚形成される増厚部656と、その増厚部656の支持孔653側の位置において前後方向に貫通形成される被規制孔657と、を備える。
ギア部652は、駆動モータMT2の駆動ギアと歯合した状態で配設され、駆動モータMT2の駆動力が直接的に伝達される。
円柱状突部654は、本体部材601の円弧状孔606を通り、上アーム部材620の伝達孔624の内側に配置される。これにより、伝達ギア650の回転に伴い、円柱状突部654を介して、駆動力が上アーム部材620に伝達可能とされる。円柱状突部654は、伝達孔624の幅よりも外径が若干短いカラー部材に挿通され、円柱状突部654の突設先端に形成される雌ネジ部に頭部大径の締結ネジが螺入されることにより、カラー部材および上アーム部材620が脱落不能に支持され、上アーム部材620の前方への変位が規制される。
増厚部656及び被規制孔657は、上述の変位規制装置180(図6参照)と係合可能に構成される部分である。被規制孔657が支持孔653側(支持孔653寄りの位置)に配設されることで、変位規制装置180の規制状態(図21(a)参照)において伝達ギア650から変位規制装置180に伝達される負荷(モーメント)が低減されるよう構成される。
また、伝達ギア650の厚みの設計思想として、変位規制装置180との係合により生じる負荷に耐えられることが必要な箇所として増厚部656を設定している。即ち、変位規制装置180との係合が生じ得ない箇所は薄肉で形成することで、伝達ギア650に要する材料費用の低減を図ることができる。
図53は、演出部材700の正面分解斜視図であり、図54は、演出部材700の背面分解斜視図である。なお、図53及び図54の説明では、図51及び図52を適宜参照する。
図53及び図54に示すように、演出部材700は、下アーム部材630の先端部に連結される板状本体710と、その板状本体710の正面側に締結固定される機能板部720と、その機能板部720と板状本体710との間に配設され機能板部720に対して回転変位可能に支持される回転板730と、その回転板730と機能板部720との間に配設され回転板730の回転に連動してマジックハンドと同様の変位を可能に構成される伸縮変位部材740と、機能板部720の正面側に締結固定され駆動ギアMG3が機能板部720の背面側に配置される駆動モータMT3と、機能板部720の正面側に締結固定され発光演出を実行する発光演出装置750と、複数の伸縮変位部材740の先端部にそれぞれ締結固定され演出待機状態において発光演出装置750の正面側における光の通過を遮蔽するように組み合わせられる複数の遮蔽意匠部材760と、を備える。
板状本体710は、左右対称な位置から背面側に下アーム部材630の支持孔633の内径よりも若干短い外径の円柱形状で突設される一対の円柱突部711と、その円柱突部711を中心とした円弧上位置から背面側に下アーム部材630の円弧上孔634の幅よりも若干短い外径の円柱形状で突設される複数の補助突部712と、一対の円柱突部711の間の位置において前後方向に穿設される通し孔713と、その通し孔713の下側に配設され正面側のみが開放される配線案内部材714と、板背面に配設される押圧部材PC1と、を備える。
通し孔713は、下アーム部材630を通り、配置用部635と薄肉蓋部636との間を下アーム部材630の先端側へ案内された電気配線DK1を正面側へ通すための貫通孔である。下アーム部材630の先端から通し孔713までの区間は、電気配線DK1は配線案内部材714により案内される。これにより、下アーム部材630から通し孔713までの限られた区間においても、電気配線DK1が他の部材と当接したり、遊技者から視認されたりする可能性を無くすことができる。
配線案内部材714は、電気配線DK1を案内する機能の他に、上面が背面側へ向かうほど下降傾斜する傾斜面で形成されていることから、正面カバー部材610の後板部611の下端部との当接を和らげる機能を併せ持つ。
即ち、配線案内部材714の上側面は、演出部材700が上昇変位する際に、正面カバー部材610の後板部611と対向配置されており、演出部材700が背面側に位置ずれしている場合であっても、配線案内部材714が後板部611に当接することで、配線案内部材714の上面の傾斜に沿って上昇変位途中で演出部材700を正面側へ戻すことができる。
押圧部材PC1も配線案内部材714と同様に、正面カバー部材610の後板部611と摺動可能に配設される。即ち、本実施形態では、演出部材700の上昇変位の過程において、上端部に配置される押圧部材PC1及び下部に配置される配線案内部材714を正面カバー部材610の後板部611と当接可能に構成することで、演出部材700の姿勢維持のための負荷の発生位置を分けることができる。
図55は、機能板部720の正面図である。なお、図55の説明では、図53及び図54を適宜参照する。
機能板部720は、樹脂材料から略板状に形成され、中心部において背面側へ筒状に突設され筒内部が貫通形成される筒状部721と、その筒状部721の中心軸と同軸の円弧形状に沿って穿設される円弧形状孔722と、その円弧形状孔722の一端に検出センサSC7を配置可能に形成されるセンサ配置部723と、駆動モータMT3の駆動軸を挿通可能な開口部を有し駆動モータMT3を締結固定可能に形成されるモータ固定部724と、筒状部721の中心軸を通る直線に沿う径方向長孔725aと、その径方向長孔725aに対して直角に交差する一対の交差長孔725bとから構成される複数(本実施形態では、5組)の案内孔725と、径方向長孔725aの延長線上において径方向外方へ延設される複数(本実施形態では、5箇所)の延設板部726と、その延設板部726の延設基端に配置される平面部の背面側端部から延設板部726の幅方向両端において突設される一対(本実施形態では、延設板部726それぞれに一対)の補助突部727と、径外方向端部付近から背面側へ柱状に突設される一対の柱状突設部728と、を備える。
筒状部721は、背面側端部が板状本体710と当接するように配置され、内部の貫通孔が板状本体710の通し孔713と連通している状態で板状本体710と締結固定される。この際、締結ネジは板状本体710の背面側から板状本体710に挿通され、ネジ部が、筒状部721の背面側端部に形成される雌ネジに螺入される。
これにより、機能板部720は板状本体710に締結固定され、その中央部に貫通孔が形成されることになり、本実施形態では、この貫通孔を通して電気配線DK1が正面側へ案内される。
正面側に案内された電気配線DK1(図76参照)は、センサ配置部723に締結固定される検出センサSC7や、モータ固定部724に締結固定される駆動モータMT3に接続される。これにより、検出センサSC7及び駆動モータMT3を通電状態にすることができる。
円弧形状孔722は、回転板730の被検出部731aを正面側に張り出し可能とするための貫通孔であり、この被検出部731aが検出センサSC7の検出溝に進入することで回転板730の姿勢を判定可能としている。
案内孔725は、伸縮変位部材740の被案内突部741b,741c,742aを配置可能な幅で形成される貫通孔群であり、筒状部721の中心軸から径方向に延びる直線に沿って形成される長孔状の径方向長孔725aと、その径方向長孔725aの外径側端部の両側において径方向長孔725aの基準となった直線と直交する直線に沿って長孔状に形成される一対の交差長孔725bと、を備える。
径方向長孔725a及び交差長孔725bは、伸縮変位部材740の変位を制限するように機能し、延設板部726及び補助突部727は、伸縮変位部材740の集合配置状態における姿勢を修正するように機能するが、詳細は後述する。
柱状突設部728は、背面側先端が板状本体710と当接可能に構成されている。当接状態において、柱状突設部728の先端側に形成される雌ネジに、板状本体710に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで、機能板部720は板状本体710に締結固定される。
組立状態では、柱状突設部728は、回転板730の円弧形状孔732に挿通され、回転板730の回転角度を制限する。即ち、柱状突設部728は、機能板部720を板状本体710に締結固定する部分と、回転板730の回転角度を制限する部分とで兼用される。
図56は、回転板730の正面図であり、図57は、回転板730の側面図である。図56及び図57の説明では、図53及び図54を適宜参照する。
回転板730は、樹脂材料から略円板形状に形成され、中心部において正面側へ筒状に突設され筒内部が貫通形成される筒状部731と、その筒状部731の中心軸と同軸の円弧形状に沿って穿設される複数の円弧形状孔732と、筒状部731よりも外径側であり円弧形状孔732よりも内径側である位置に長尺の貫通孔として形成される複数(本実施形態では5箇所)の案内孔733と、その案内孔733と対応する位置において径外方向へ爪状に延設される延設爪部734と、を備える。
筒状部731は、内径が機能板部720の筒状部721の外径よりも若干長く設計され、正面側先端から正面側へ延設され機能板部720の円弧形状孔722を通して検出センサSC7の被検出溝に進入可能に形成される被検出部731aと、駆動モータMT3の駆動ギアMG3と歯合可能なギア状に外周側に形成されるギア部731bと、を備える。
円弧形状孔732は、機能板部720の柱状突設部728が配置される開口部であり、回転板730の回転角度を約120度弱で確保可能な長さで形成される。
案内孔733は、それぞれ同形状で形成されており、筒状部731の中心軸を中心とする円弧形状で形成される小径円弧部733aと、その小径円弧部733aよりも筒状部731の中心軸からの長さが長い大径円弧部733bと、その大径円弧部733b及び小径円弧部733aを連結する連結部733cと、を備える。
連結部733cの態様は何ら限定されるものでは無いが、本実施形態では、単位角度あたりにおける筒状部731の中心軸からの長さの変化が、位置に対応して変化するように形成される。特に、本実施形態では、小径円弧部733aや大径円弧部733b付近における単位角度あたりの筒状部731の中心軸からの長さの変化が比較的小さく設計される。
これにより、伸縮変位部材740への負荷伝達の際に生じる抵抗を低減することができると共に、伸縮変位部材740の変位速度を不均一とすることにより演出効果を向上することができる。
延設爪部734は、正面視時計回りの向きへ張り出す爪状に形成され、正面側に配置される伸縮変位部材740と係合可能に構成され、厚み方向背面側に寄って形成される背面側爪部734aと、その背面側爪部734aよりも正面側に形成される正面側爪部734bと、を備える。本実施形態では、延設爪部734の厚み寸法の略中間位置で、背面側爪部734aと正面側爪部734bとが区分けされる。
延設爪部734は、伸縮変位部材740の第1被案内突部743b及び第2被案内突部744bと係合する部分として機能する。伸縮変位部材740からの突設先端位置が前後で異なる第2被案内突部744bと第1被案内突部743bとに、それぞれ正面側爪部734bと背面側爪部734aとが対応し、順に径方向内側へ案内するが、詳細は後述する。
本実施形態では、延設爪部734は、上側に配置される延設爪部734に比較して、下側に配置される延設爪部734の方が、延設長さが長くなるように形成される。本実施形態では、周方向および径方向の両方向で延設長さが長くされる。これにより、重力の影響を緩和することができる。
即ち、伸縮変位部材740が同一形状で構成されるとしても、変位可能な方向と重力方向との関係が異なるので、重力の作用により生じる変位は伸縮変位部材740ごとに異なる。例えば、下側に配設される伸縮変位部材740は、自重により垂れ下がり、回転板730の回転軸から離れる方向へ変位するので、対策なしでは、延設爪部734の径方向外側に伸縮変位部材740の第1被案内突部743bが配置されてしまい、延設爪部734による径方向内側への案内が失敗する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、下側に配置される延設爪部734の延設長さを、伸縮変位部材740の垂れ下がりを考慮して、十分に長く設計しているので、延設爪部734による径方向内側への案内を安定して実行することができる。
一方で、上側に配置される伸縮変位部材740が自重の影響で変位したとしても、その変位は回転板730の回転軸に近寄る方向の変位なので、延設爪部734の径方向内側への案内が失敗する可能性は低い。そのため、上側に配置される延設爪部734については、必要以上に長く延設することはせず、短く形成することで、材料コストの低減と、回転板730の小型化と、を図ることができる。
図58及び図59を参照して、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760について説明する。なお、図58及び図59の説明では、図53及び図54を適宜参照する。
図58(a)は、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の正面斜視図であり、図58(b)は、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の背面斜視図であり、図59(a)は、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の正面斜視図であり、図59(b)は、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の背面斜視図である。
図58(a)及び図58(b)では、5組の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の内、最上部に配置される一組が、集合配置される場合の状態で図示され、図59(a)及び図59(b)では、同じ一組が、離散される場合の状態で図示される。
伸縮変位部材740は、前後2層に配置される複数の長尺部材により構成されるリンク機構を構成する部材であるので、以下の説明において、伸縮変位部材740の内、前側に配置される複数の長尺部材が変位可能な平面を前層平面、後側に配置される複数の長尺部材が変位可能な平面を後層平面とも称する。
伸縮変位部材740は、前後2層に配置され下端部で相対回転可能に軸支される一対の基端側部材741と、その基端側部材741の上端部において相対回転可能に軸支される一対の第1長尺部材742と、その第1長尺部材742の上端部において相対回転可能に軸支される一対の第2長尺部材743と、その第2長尺部材742の上端部を案内可能に直線状に延設される案内長孔744aを有する先端調整部材744と、を備える。
前後一対で構成される基端側部材741、第1長尺部材742及び第2長尺部材743は、長尺方向の長さ及び支持位置が、一対で互いに同一で設計される。
基端側部材741は、後層平面側の部材の下端部から背面側へ円柱状に突設される被伝達突部741aと、その円柱突部741aが突設される裏面から正面側へ円柱状に突設され前層平面側の部材に挿通される被案内突部741bと、後層平面側の部材の上端部から正面側へ円柱状に突設され第1長尺部材742の下端部に穿設される貫通孔に挿通される被案内突部741cと、を備える。
被伝達突部741aは、回転板730の案内孔733(図56参照)に配置され回転板730の回転に伴い径方向に変位するよう構成される。
被案内突部741b及び被案内突部741cは、機能板部725の案内孔725に配置され、その長尺方向に案内される。なお、被案内突部741bは径方向長孔725aに配置され、被案内突部741cは交差長孔725bに配置される(図55参照)。
第1長尺部材742は、長尺方向の略中間位置において前後方向軸で相対回転可能に軸支され、後層平面側の部材の下端部から正面側へ円柱状に突設され前層平面側の基端側部材741の上端部に挿通される被案内突部742aを備える。
被案内突部742aは、機能板部725の交差長孔725bに配置され、その長尺方向に案内される(図55参照)。
第2長尺部材743は、長尺方向の略中間位置において前後方向軸で相対回転可能に軸支され、前層平面側の部材の上端部からは正面側へ円柱状に突設され、後層平面側の部材の上端部からは部材幅程度の径で前層平面側の部材の前端面と面一まで突設され、その突設先端から正面側へ円柱状に突設される一対の支持突部743aと、後層平面側の部材の略中間位置から背面側へ円柱状に突設される第1被案内突部743bと、を備える。
第1被案内突部743bは、回転板730の延設爪部734の背面側爪部734aに案内され、この案内により径方向内側へ向けた負荷を受ける(図56参照)。
先端調整部材744は、正面側に遮蔽意匠部材760が締結固定される部材であって、第2長尺部材743の支持突部743aを挿通可能な幅で直線方向に沿って延設される長孔形状で穿設される一対の案内長孔744aと、長尺方向の中央位置から背面側へ円柱状に突設される第2被案内突部744bと、を備える。
第2被案内突部744bは、突設先端が第1被案内突部743bの突設先端よりも前側に配置され、回転板730の延設爪部734の正面側爪部734bに案内され、この案内により径方向内側へ向けた負荷を受ける(図57参照)。
第2被案内突部744bは、突設先端の形状が円形では無く、被伝達突部741a側に回転中心を備える回転板730が背面視反時計回り方向に回転変位することに伴い近接する傾斜面734c(図57参照)に対向配置する側の面(図59(b)の左側の面)が、面取りされる態様の傾斜面を備える。
この傾斜面により、伸縮変位部材740の配置が前後方向に多少ずれている場合であっても、回転板730の延設爪部734との当接時の抵抗が過大となることを回避することができる。
図58(b)及び図59(b)に示すように、伸縮変位部材740が集合配置される場合および離散される場合では、伸縮変位部材740の第2長尺部材743の先端に配置される支持突部743aが、先端調整部材744の案内長孔744aの外側両端部または内側両端部に配置される。これにより、一対の支持突部743aに対する先端調整部材744の配置(長尺方向の配置)を安定させることができる。
遮蔽意匠部材760は、先端調整部材744の正面側に締結固定され、その締結部を端として正面側へ延設され、その延設先端から正面側へ向かう程に伸縮変位部材740を覆う側へ向けて傾斜して延設され、その延設先端から伸縮変位部材740が変位する平面(前層平面または後層平面)と平行に延設される形状部を有する正面視略三角形状の部材である。
遮蔽意匠部材760は、表裏に有色(本実施形態では赤色)の反射シートが貼り付けられることで背面側の装飾部材752を視認不能に遮蔽するよう構成され、右側端部において、部材背面に沿って板表面が形成される態様で右側へ板状に延設される延設板部761を備える。
延設板部761は、遮蔽意匠部材760の本体部と同様に表裏に有色(本実施形態では赤色)の反射シートが貼り付けられ、正面視右隣(時計回り方向隣)に配置される遮蔽意匠部材760の左側端部の背面側と対向配置され、その遮蔽意匠部材760が背面側へ位置ずれする場合に当接し、その位置ずれを抑制可能に構成される。
延設板部761の配置は、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、板正面が、遮蔽意匠部材760の本体部の背面よりも背面側にずれて配置されても良い。この場合、複数の遮蔽意匠部材760が集合配置位置に変位する際に、遮蔽意匠部材760の本体部と延設板部761とが遮蔽意匠部材760又は伸縮変位部材740の変位方向(変位平面)に沿って当接(衝突)することを避けることができる。
この作用は、延設板部761の配置を遮蔽意匠部材760の本体部から離すほど顕著になるが、少なくとも、遮蔽意匠部材760の前後方向の位置ずれとして遮蔽意匠部材760に許容される寸法分は離して延設板部761を配置することにより、延設板部761と遮蔽意匠部材760の本体部とが遮蔽意匠部材760又は伸縮変位部材740の変位方向(変位平面)に沿って当接(衝突)することを避けることができる。
また、延設板部761の前面の形状は、傾斜面として形成しても良いし、法線を前後方向に向ける平面として形成しても良い。本実施形態では、遮蔽意匠部材760から離れるほど背面側へ寄る態様の傾斜面として構成される。
これにより、例えば、最上部の遮蔽意匠部材760に対して、最上部の遮蔽意匠部材760の正面視右隣りの遮蔽意匠部材760が背面側に若干位置ずれした状態で、遮蔽意匠部材760が集合配置(図63参照)位置へ変位する場合であっても、最上部の遮蔽意匠部材760の延設板部761の前面傾斜に沿って、正面視右隣りの遮蔽意匠部材760の前後方向の位置ずれを修正することができる。これにより、隣り合う遮蔽意匠部材760の相対的な前後方向位置を合わせ易くすることができる。
また、図58(b)に示すように、遮蔽意匠部材760を支持する伸縮変位部材740の第2長尺部材743は、遮蔽意匠部材760の右側部を支持する部材が後層平面に配置され、遮蔽意匠部材760の左側部を支持する部材が前層平面に配置され、これら一対の第2長尺部材743の中間部が前後に重ねられる態様で交差することで、左側部が右側部に比較して前側へ配置される姿勢に遮蔽意匠部材760を傾かせ易いよう構成される。
遮蔽意匠部材760を支持する伸縮変位部材740の構成は5組とも共通とされるので、各遮蔽意匠部材760は共通で、左側部が右側部(延設板部761が形成される側)に比較して前側へ配置される姿勢に傾き易いよう構成される。
この遮蔽意匠部材760の姿勢の傾斜により、延設板部761を、その延設板部761側に対向配置される遮蔽意匠部材760の背面側から離して位置させることができる。この状態で遮蔽意匠部材760が集合配置の位置へ変位することにより、遮蔽意匠部材760の本体部と、延設板部761とが、遮蔽意匠部材760又は伸縮変位部材740の変位方向(変位平面)に沿って当接(衝突)することを避けることができる。
5組の遮蔽意匠部材760が集合配置した状態(図53参照)では、遮蔽意匠部材760が円状に配置され、全ての遮蔽意匠部材760が、左隣(正面視反時計回り方向隣)の遮蔽意匠部材760の延設板部761に背面側への位置ずれを抑制される。
この構成によれば、遮蔽意匠部材760は、延設板部761が右隣(正面視時計回り方向隣)の遮蔽意匠部材760に当接することで正面側への位置ずれを抑制される。そのため、5組の遮蔽意匠部材760が互いに前後方向で対向配置されることで、5組の遮蔽意匠部材760それぞれについて、前後方向の位置ずれを抑制することができる。
図60及び図61を参照して、回転板730と伸縮変位部材740との連動について説明する。図60及び図61は、機能板部720の正面図である。図60及び図61では、回転板730の案内孔733が想像線で図示され、伸縮変位部材740の被伝達突部741a、被案内突部741b,741c,742aの外形の配置の一例が図示される。
図60では、伸縮変位部材740が集合配置される状態(図58参照)が図示され、図61では、回転板730が正面視反時計回りに約120度回転し、伸縮変位部材740が離散される状態(図59参照)が図示される。
本実施形態では、被案内突部741b,741c,742aが案内孔725に沿って案内されると共に、回転板730の回転に伴い案内孔733に配置される被伝達突部741aの配置が回転板730の回転軸側へ近接する方向に変位することで、伸縮変位部材740の状態が変化する。
この状態変化において、被案内突部741c,742aが依然として機能板部720の外径側に維持されるので、被案内突部741c,742aの位置を基準として遮蔽意匠部材760が外径側へ張り出すように変位可能に構成されるが、詳細は後述する。
図53及び図54に戻って説明する。発光演出装置750は、中央部に開口を有する電飾基板751と、その電飾基板751の正面側に配設され光透過性の樹脂材料から形成される装飾部材752と、を備える。電飾基板751の中央部には開口が形成され、装飾部材752は正面側に張り出すドーム状に形成されているので、駆動モータMT3の配設領域を確保することができる。
電飾基板751は、中央部に開口751aが形成される。開口751aの内側には、駆動モータMT3と、下アーム部材630を通り案内された電気配線とが配置される。開口751aが大きくなるほど、駆動モータMT3や電気配線を楽に配置可能となるが、発光手段としてのLEDの配置領域が制限されることになるので、発光演出の観点からは、開口751aは小さい方が望ましい。
開口751aには、LEDを配設することができないので、その正面側が暗く視認され易い。これに対し、本実施形態では、装飾部材752の構成を2分割することにより対処している。
即ち、装飾部材752は、無色で光透過性の樹脂材料から形成される光透過部材752aと、その光透過部材752aに正面側から組み付けられ視認面が鏡面状の(例えば、銀メッキ塗装が施される)鏡面部材752bと、を備える。
光透過部材752aの中央部に開口が形成されており、鏡面部材752bは中央部が閉塞されていることにより、正面視において駆動モータMT3が配置される位置に鏡面部材752bを配置することができる。これにより、背面側からのLEDからの光照射が無くても、他の方向からの光照射(例えば、半球状照明装置613からの光照射)による反射光を遊技者に視認させることができるので、開口751aの正面側部分が暗く視認されることを防ぐことができる。
拡大縮小ユニット600の演出部材700の上下変位について説明する。図62から図64は、演出部材700の下降変位を時系列で示す拡大縮小ユニット600の正面図である。なお、図62から図64では、理解を容易とするために、正面カバー部材610の図示が省略される。
図62では、拡大縮小ユニット600の演出待機状態が図示され、図63では、演出待機状態から演出部材700が下降した下降途中状態が図示され、図64では、拡大縮小ユニット600の張出状態が図示される。
なお、図63に示す下降途中状態は、下アーム部材630の回転角度が演出待機状態から張出状態までの下アーム部材630の回転角度の半分となる状態として図示される。本実施形態では、上アーム部材620の回転角度も同様に半分となっている。
図62に示すように、拡大縮小ユニット600の演出待機状態では、円柱状突部654が、上アーム部材620の伝達部624aと余裕部624bとの境界位置に配置される。
即ち、円柱状突部654が即座に伝達部624aに進入し、演出部材700の下降変位を開始可能な位置に配置される状態が、拡大縮小ユニット600の演出待機状態とされる。
この演出待機状態は、例えば、パチンコ機10に配設される第3図柄表示装置81(図7参照)も含めた演出用部材により、拡大縮小ユニット600の演出部材700が下降変位することを示唆する演出の実行に合わせて切り替えられる状態であり、その示唆演出が実行される前においては、円柱状突部654は余裕部624b側に配置される。
余裕部624bは、上述のように、伝達ギア650の回転軸を中心とする円弧に沿って伝達部624aの一端から連続的に延ばされる形状部であり、図62に示す状態において、円弧状孔606と前後方向で重なる位置に配置される。
そのため、上アーム部材620の伝達孔624を介して円柱状突部654に与えられる負荷は、伝達ギア650の回転軸へ向かうことになり、伝達ギア650を回転させる負荷としては機能しない。従って、駆動モータMT2(図51参照)の通電の有無に関わらず、上アーム部材620の変位を規制することができ、これにより、上アーム部材620に連結される下アーム部材630に連結される演出部材700の変位を規制することができる。
なお、上述の、演出部材700が下降変位することを示唆する演出が、最終的に演出部材700が下降変位しない演出態様であったとしても、本実施形態では、拡大縮小ユニット600を演出待機状態へ状態変化させるよう制御される。
この場合、演出部材700が下降変位しないことが遊技者に報知された直後に、円柱状突部654を余裕部624b側へ戻すために、伝達ギア650が正面視反時計回りに回転する方向で駆動モータMT2(図51参照)が駆動される。
これにより、演出部材700が下降変位することを示唆する演出が実行された場合に、駆動モータMT2の駆動音の違いにより、その後の演出部材700に関する演出が予測されることを回避することができる。
余裕部624bには、演出部材700を上昇させる方向に駆動モータMT2を回転駆動させる際の、駆動停止位置に要求される精度を低くする機能もある。即ち、演出部材700を上昇させる駆動態様の際、図62に示す状態で演出部材700は既に上端側の変位終端位置に配置されており、この後の円柱状突部654の変位は、余裕部624bに沿って摺動するだけの変位となる。
そして、円柱状突部654が余裕部624bのどの位置に配置されていても、上アーム部材620の変位を規制するという機能に差が生じることは無い。そのため、円柱状突部654の停止位置の設定精度が低くなることが許容されるので、検出センサ607(図52参照)に被検出板部655が進入したら即座に伝達ギア650を停止可能な回転速度に限定されず、演出部材700を上昇変位させる際の駆動モータMT2(図51参照)の回転速度を大きく設定することができる。これにより、演出部材700の上昇速度を大きく設定することができる。
加えて、上昇速度が過大であっても、上アーム部材620が円柱状突部654と当接した場合に、円柱状突部654へ与えられる負荷は、伝達ギア650の径方向へ向かうことになるので、円柱状突部654を回転方向へ変位させるようには機能しない。従って、上昇速度が過大であっても、上アーム部材620の変位を、円柱状突部654と当接する位置で規制することができる。
更に、上昇速度が過大であっても、下アーム部材630は上アーム部材620に上昇変位を規制されることになるが、詳細は後述する。
図62から図64に示すように、一対の下アーム部材630の端部間の左右距離(本体部材601の案内孔602に配置される端部間の左右距離)の変化は、演出待機状態から下降途中状態までに比較して、下降途中状態から張出状態までの方が大きく設定される。
このように、演出部材700の下降変位に伴う一対の下アーム部材630の端部間の変位速度を増速させることで、演出部材700を支えている下アーム部材630が幅方向に激しく変位しているように視認させることができ、遊技者に対して、あたかも、演出部材700の変位速度が激しく増速しているかのように視認させることができ、演出部材700の昇降変位の演出効果を向上させることができる。
図65から図67は、演出部材700の下降変位を時系列で示す拡大縮小ユニット600の背面図である。なお、図65では、理解を容易とするために、本体部材601及び正面カバー部材610の図示が省略された図として図65(b)が併記される。
図65(a)及び図65(b)では、拡大縮小ユニット600の演出待機状態が図示され、図66では、演出待機状態から演出部材700が下降した下降途中状態が図示され、図67では、拡大縮小ユニット600の張出状態が図示される。
図65(a)に示すように、拡大縮小ユニット600の演出待機状態において、伝達ギア650の被検出板部655は検出センサ607の検出溝から退避している。即ち、本実施形態では、演出部材700が下降変位することを示唆する演出の実行前は、被検出板部655が検出センサ607の検出溝に配置されている状態において駆動モータMT2が停止されているところ、上述の示唆演出の実行に伴い駆動モータMT2が駆動制御され、被検出板部655が検出センサ607の検出溝から退避したと判定される位置で駆動モータMT2を一端停止させることで、拡大縮小ユニット600を演出待機状態に状態変化させるよう制御されている。
逆に、演出部材700を上昇変位させる側へ伝達ギア650を回転駆動させる場合には、被検出板部655が検出センサ607の検出溝に進入したと判定された場合に、駆動モータMT2の通電を解除するよう制御することで、演出待機状態における円柱状突部654の位置から余裕部624bに若干でも進入した位置で伝達ギア650を停止させることができ、上述のように、上アーム部材620、下アーム部材630及び演出部材700の変位を規制することができる。
本実施形態では、被検出板部655が検出センサ607の検出溝に進入したと判定されたら駆動モータMT2の駆動を即座に停止させるのではなく、駆動速度を保つか減速するかに関わらず、円柱状突部654の位置が余裕部624bの端部に配置されるのに十分な時間の時間遅れの後で駆動モータMT2の駆動を停止するよう制御している。
これにより、伝達ギア650の停止位置を円柱状突部654の位置が余裕部624bの端部に配置される位置とすることができる。この位置において、変位規制装置180の円筒部183が、伝達ギア650の被規制孔657に挿通可能とされる(図21(a)参照)。なお、伝達ギア650の停止位置が若干ずれた場合でも、円筒部183の先端にテーパ面が形成されているので(図15(c)参照)、円筒部183を被規制孔657に容易に挿通することができる。
なお、円筒部183が挿通可能な時の被規制孔657の位置は、図65(a)に示す状態から背面視で時計回りに若干回転移動した位置であり、図65(a)に示す被規制孔657と部分的に重なる位置に設定される。
そのため、例えば、図66又は図67に示す状態において変位規制装置180の操作部材183を押し込み操作して変位規制装置180を規制状態(図15(c)参照)とした後で、伝達ギア650を駆動制御して演出部材700を上昇変位させる方向に伝達ギア650を回転制御したとしても、円筒部183に伝達ギア650の変位が妨害され、図65(a)に示す状態まで至らない。
駆動モータMT2の駆動を継続しているにも関わらず被検出板部655が検出センサ607の検出溝に進入しないことで、MPU221(図4参照)は、伝達ギア650の変位不良を判定することができる。
この判定を基に、第3図柄表示装置81(図4参照)に拡大縮小ユニット600の変位不良のエラー表示を行う等の方法で、異常を報知することができ、この報知により、遊技機店の店員に、変位規制装置180が規制状態のままであるかもしれないことを把握させることができる。
これにより、拡大縮小ユニット600の変位に関するエラー表示等の報知を流用して、変位規制装置180の状態に関する情報を遊技機店の店員に伝えることができる。そのため、変位規制装置180の状態を検出する装置を別途設けることを不要とすることができる。
ここで、伝達ギア650の停止位置は、伝達孔624の余裕部624bの長さ分の余裕があるので、伝達ギア650の回転速度を大きく設定することが可能に構成されているところ、演出部材700を上昇変位させる際の伝達ギア650の回転速度が過大であると、上アーム部材620に吊り下げられている下アーム部材630の上昇速度が過大となり、下アーム部材630が上アーム部材620に衝突する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、演出部材700を演出待機状態へ向けて変位させる方向が重力方向と逆方向(上方向)で設定されているので、下アーム部材630に常に下向きの加速度を付加することができ、下アーム部材630が上アーム部材620に衝突した場合の当接位置における上下方向負荷を低減することができる。
加えて、図65(b)に示すように、下アーム部材630の下側肉部637の上側面形状が、上アーム部材620の下側面形状に沿って形成されているので、下アーム部材630が上アーム部材620に衝突した場合の当接面積を増大させることができる。これにより、上アーム部材620及び下アーム部材630に局所的に大きな負荷が生じることを回避することができ、上アーム部材620又は下アーム部材630の破損や折れの発生を防止することができる。
このように、下アーム部材630は上アーム部材620の下面に十分に広い当接面積で当接可能に構成されているので、演出部材700を上昇変位させる際の伝達ギア650の回転速度が過大であり、上アーム部材620に吊り下げられている下アーム部材630の上昇速度が過大となっても、上述のように円柱状突部654により変位を規制される上アーム部材620によって、下アーム部材630の上昇変位を規制することができる。これにより、演出部材700が、演出待機状態における配置を超えて上側へ変位することを防止することができる。
図66及び図67で示される状態は、駆動モータMT2の駆動力によりトーションスプリングSP3の付勢力に対抗して、上アーム部材620、下アーム部材630及び演出部材700を演出待機状態から下降変位させた状態に対応する。
図66に示す状態では、演出部材700の補助突部712が下アーム部材630の円弧状孔634の中間位置に配置され、図67に示す状態では、図65に示す状態と同様に、演出部材700の補助突部712が下アーム部材630の円弧状孔634の端部に配置される。
これにより、下アーム部材630が演出部材700を保持する程度(姿勢を安定させる程度)を変化させることができる。即ち、下降途中状態に比較して、演出待機状態や張出状態の方が、下アーム部材630が演出部材700を保持する程度を高くすることができる。
換言すれば、演出部材700が円柱突部711を中心として回転する方向に姿勢変化することを防止し易くすることができる。例えば、補助突部712が円弧形状孔732の中間位置に配置され回転方向の変位を規制されていない場合(図66参照)、右側の円柱状突部711を中心として演出部材700が回転方向に姿勢変化する可能性がある。
本実施形態では、演出部材700は左側の円柱状突部711も含めた2点で左右一対の下アーム部材630に支持されているが、右側の円柱状突部711を中心として回転する方向に演出部材700が姿勢変化する場合の左側の円柱状突部711の変位方向は、下アーム部材630の短手方向、即ち下アーム部材630を変位させる方向を向く。そのため、演出部材700の姿勢変化が下アーム部材630に規制されずに、目に見えて生じる可能性があり、遊技者に対して違和感を与える可能性がある。
これに対し、本実施形態では、張出状態において、右側の円柱状突部711を中心として回転する方向に演出部材700が姿勢変化する場合の左側の円柱状突部711の変位方向は、下アーム部材630の長手方向に沿うように下アーム部材630が配置される。これにより、演出部材700の姿勢変化を下アーム部材630により有効に制限することができ、演出部材700が判別可能な程度に姿勢変化することを防止することができる。
加えて、張出状態において、右側に配置される一対の補助突部712が円弧形状孔732の終端位置に配置されているので、補助突部712と円弧形状孔732との当接により、右側の円柱状突部711を中心として演出部材700が背面視時計回り方向に姿勢変化することを防止することができる。なお、背面視反時計回り方向に姿勢変化することは、上述のように、左側の円柱状突部711の変位方向が左側の下アーム部材630の長手方向に沿うことにより制限される。
同様に、張出状態において、左側に配置される一対の補助突部712が円弧形状孔732の終端位置に配置されているので、補助突部712と円弧形状孔732との当接により、左側の円柱状突部711を中心として演出部材700が背面視反時計回り方向に姿勢変化することを防止することができる。なお、背面視時計回り方向に姿勢変化することは、上述のように、右側の円柱状突部711の変位方向が右側の下アーム部材630の長手方向に沿うことにより制限される。
更に、補助突部712は、演出部材700の回転方向(前後方向にのびる軸を中心とする回転方向)の姿勢変化のみでなく、傾倒方向(左右方向にのびる軸を中心とする回転方向)の姿勢変化や、横振り方向(上下方向にのびる軸を中心とする回転方向)の姿勢変化も抑制するよう機能する。
例えば、下アーム部材630と演出部材700とが、左右一対の円柱突部711のみで連結されるのではなく、円柱突部711の上側に配置される補助突部712や、円柱突部711の左右外側下方に配置される補助突部712によっても連結されることにより、下アーム部材630と演出部材700とを上下3位置で連結することができるので、演出部材700の傾倒方向の姿勢変化を抑制することができる。
加えて、円柱突部711の上側に配置される補助突部712は、下アーム部材630の長尺本体部の途中(円弧状孔634の根元側)に配置されるので、演出部材700の傾倒方向の姿勢変化により生じる負荷を下アーム部材630の長尺本体部で耐えることができる。
更に、下アーム部材630の長尺本体部には上述のように押圧部材PC1が配設され(図64及び図67参照)、その押圧部材PC1を介して本体部材601又は正面カバー部材610により下アーム部材630の前後方向変位が規制される。
このように、演出部材700の姿勢変化による負荷が下アーム部材630の長尺本体部に与えられ、下アーム部材630が長尺方向に沿った撓み方向に負荷を受ける場合、下アーム部材630の変位を規制する構成を利用して、演出部材700の姿勢変化を強固に防止することができる。
また、上述のように円柱突部711の左右外側(下方)に配置される補助突部712により、下アーム部材630と演出部材700との連結位置を増加させることができ、演出部材700が下アーム部材630に対して横振り方向に姿勢変化することを抑制することができる。
本実施形態では、下アーム部材630と演出部材700との連結位置が、演出部材700の板状本体710の上下中心を通る水平面上に配置される。なお、本実施形態では、同一の水平面上に演出部材700の重心が配置される。
これにより、下アーム部材630との連結部分を中心に演出部材700が前倒れする態様で姿勢変化した場合における前後方向への変位量を最小限に抑えることができると共に、下アーム部材630との連結部分を中心に演出部材700が後倒れする態様で姿勢変化した場合における前後方向への変位量を最小限に抑えることができる。
即ち、演出部材700に複数種類の姿勢変化が生じる可能性がある場合であっても、それら複数の姿勢変化のいずれの姿勢変化が生じた場合であっても演出部材700の前後方向変位を抑制できるので、いずれの姿勢変化にも対応することができる。
これにより、演出部材700と区画部材310(図13(a)参照)との前後間隔を狭めて配置する場合であっても、演出部材700が区画部材310に擦れたり、衝突したりすることを回避することができるので、演出部材700の破損や意匠部分の劣化、区画部材310の損傷や擦れ傷による視認性の低下(透過性の低下)等が生じ難くすることができる。
演出部材700が下側終端位置に配置された状態において、伝達ギア650は、回転方向で本体部材601の形状部と当接し、それ以上の回転を規制される。従って、駆動モータMT2の駆動を継続しても、伝達ギア650に駆動力を蓄積するだけで上アーム部材620、下アーム部材630及び演出部材700が過度に変位することを防止することができる。
本実施形態では、図67に示す張出状態において、トーションスプリングSP3の付勢力を若干超える程度の駆動力を継続的に与え続け、演出部材700が上昇側に跳ね返り変位することを防止するように制御している。
これにより、トーションスプリングSP3の付勢力を大きめ(例えば、演出部材700を持ち上げ可能な程度の大きさ)に設定しながら、演出部材700を下側終端位置で安定して停止させることができる。
一方で、演出部材700を上側へ変位開始させる場合には、トーションスプリングSP3の付勢力を利用することができるので、駆動モータMT2に過大な負荷が生じることを回避することができる。
例えば、上側へ変位開始させる場合には、演出部材700を下側終端位置に安定配置させるための駆動力を解除した後で、トーションスプリングSP3の付勢力により演出部材700が上昇変位し始めるのを待ってから駆動モータMT2の駆動力を発生させることにより(駆動モータMT2の駆動開始までの待ち時間を設けることにより)、変位開始した後の演出部材700に対して駆動力を与えることができる。
これにより、停止状態の演出部材700を上昇変位させる場合に比較して、駆動モータMT2にかけられる負担を低減することができる。
図65から図67では、下アーム部材630に通される電気配線DK1の配置の変化が想像線で図示され、その電気配線DK1を案内するための配線案内部材714の内側面形状が隠れ線で図示される。
図65(b)に示すように、電気配線DK1は、下アーム部材630の薄肉蓋部636の正面側を通り、円弧状孔634の内径側を抜けて配線案内部材714の内側へ案内され、通し孔713を通り正面側へ通される。
図65から図67に示すように、下アーム部材630の演出部材700に対する相対変位により生じ得る電気配線DK1の張りを、配線案内部材714の内部に予め配置する電気配線DK1の余分長さにより相殺するようにしている。これにより、電気配線DK1の変位を、配線案内部材714付近で完結させることができるので、通し孔713の正面側や、下アーム部材630の内部における電気配線DK1の変位を抑制することができる。
配線案内部材714の内側面の形状は、電気配線DK1側に中心を持つ円弧形状から形成される。これにより、電気配線DK1が配線案内部材714から受ける負荷を低減することができる。
加えて、下アーム部材630の円弧状孔634が形成される形状部が、電気配線DK1の変位を案内するように機能する。例えば、拡大縮小ユニット600の張出状態(図67参照)から演出部材700を上昇変位させる場合、電気配線DK1に対して、下アーム部材630の円弧状孔634が形成される形状部が電気配線DK1を配線案内部材714側へ押し込み可能な配置で構成される。
これにより、電気配線DK1を安定的に配線案内部材714から出し入れすることができ、拡大縮小ユニット600の状態変化を安定して生じさせることができる。
図65から図67に示すように、薄肉蓋部636の正面側に配置され薄肉蓋部636に大部分が隠されている円弧状孔634に配置される補助突部712は、張出状態でのみ背面視で視認可能な位置に配置される(図67参照)。
補助突部712は、円弧状孔634に案内される部分であると同時に、下アーム部材630と演出部材700との連結に利用される締結部である。従って、下アーム部材630と演出部材700とを組み立てる(又は、分解する)には、補助突部712に締結ネジを螺入する(又は、取り外す)必要がある。
そのため、本実施形態では、下アーム部材630と演出部材700とを組み立てる状態(又は、分解する状態)を、拡大縮小ユニット600の張出状態に限定することができる。これにより、組立効率や、メンテナンス効率を向上することができる。また、演出部材700が中途半端な位置に配置される状態で組立やメンテナンスを行う結果、演出部材700や他の構成部材に損傷を与える事態が発生することを防止することができる。
次いで、演出部材700の伸縮変位部材740の状態変化に伴う変位(拡大縮小変位)について説明する。本実施形態では、演出部材700の拡大縮小変位の度合いを、演出部材700の配置によって変化可能に制御している。
図68は、拡大縮小ユニット600の正面図であり、図69は、拡大縮小ユニット600の背面図である。図68及び図69では、理解を容易とするために、正面カバー部材610の図示が省略される。
図68及び図69では、拡大縮小ユニット600の下降途中状態が図示される。図68及び図69に示すように、拡大縮小ユニット600の下降途中状態では、伸縮変位部材740が最大径で離散するまでは演出部材700が拡大変位するようには制御されず、途中位置までの拡大変位を許容するように制御している。
換言すれば、駆動モータMT3(図53参照)の駆動時間を短くすることで回転板730の回転角度を制限している。そのため、演出部材700の正面視での大きさが過大となることを回避できるので、区画部材310(図22参照)との当接を回避するという観点で演出部材700に許容される姿勢変化量を大きくすることができる。
演出部材700の拡大変位の途中位置において、装飾部材752は部分的に遮蔽意匠部材760に覆われる(外径側部分が覆われる)。正面視における装飾部材752の配置として、光透過部材752aは、演出部材700に覆われない位置(隙間位置)に配置され、鏡面部材752bは、演出部材700に覆われる位置も含め、光透過部材752aが視認される位置以外の位置に配置される。
これにより、電飾基板751(図53参照)に配置されるLED等から光透過部材752aを通り照射される光の視認性を向上することができると共に、光透過部材752aを透過して遮蔽意匠部材760の背面側で反射した光を鏡面部材752bで反射させることで、鏡面部材752bの演出効果を向上することができる。
例えば、鏡面部材752bの演出態様として、電飾基板751(図53参照)のLEDから光を照射しない場合には、鏡面部材752bに遮蔽意匠部材760の地の色(本実施形態では、赤色)を反射して遊技者に視認させることができる。
一方、電飾基板751のLEDから光を照射する場合には、鏡面部材752bから反射して視認される色を、遮蔽意匠部材760の地の色と、LEDから照射した光の色とが混ざった色とすることができる。従って、鏡面部材752bの見え方を、鏡面部材752以外の部分(例えば、光透過部材752a)を通る光により変化させることができる。
なお、制御態様としては、何ら限定されるものでは無い。例えば、図68に示す状態で遮蔽意匠部材760を停止させた後、集合配置状態に戻すように制御しても良いし、図68に示す状態から駆動モータMT3(図53参照)の駆動方向を正逆に小刻みに切り替えることで、遮蔽意匠部材760を径方向に振動させるように制御しても良い。
遮蔽意匠部材760を振動させるように制御する場合、更に遮蔽意匠部材760の変位を複雑にすることができる。本実施形態では、途中位置までの拡大変位の状態において、図69に示すように、伸縮変位部材740の第2長尺部材743の先端に配置される支持突部743aの位置が、先端調整部材744の案内長孔744aの中間位置とされる。これにより、先端調整部材744が案内長孔744aの長尺方向に変位可能となるので、遮蔽意匠部材760を、径方向だけでなく、周方向にも変位させることができる。
このような変位を達成可能としながら、遮蔽意匠部材760が集合配置される場合や、径方向に最大まで拡大変位する場合には、第2長尺部材743の先端に配置される支持突部743aの位置が、先端調整部材744の案内長孔744aの両端位置に配置されることで、遮蔽意匠部材760の周方向の配置を戻すことができる(図58(b)及び図59(b)参照)。
また、演出部材700の拡大変位として許容される途中位置は、図69に示される位置に限るものではなく、任意に設定可能である。例えば、集合配置状態から、わずかにずれた位置でも良いし、最大に拡大変位する位置の若干手前の位置でも良い。
ここで、集合配置状態からわずかにずれた位置(例えば、正面視で延設板部761が対向配置される遮蔽意匠部材760と重なって視認される位置)に拡大変位した状態では、延設板部761が遮蔽意匠部材760間の隙間を埋める役割を果たすので、遊技者に対して、集合配置状態を維持しているように視認させることができる。
本実施形態では、遮蔽意匠部材760の本体部と同様に、延設板部761に赤色の反射シートが貼り付けられるので、遮蔽意匠部材760の間の隙間に延設板部761の赤色が視認された場合であっても、その赤色が延設板部761の色なのか、遮蔽意匠部材760の色なのかを判別し難く構成することができる。
なお、本実施形態とは異なり、延設板部761を他の色(例えば、金色)で塗装する等の手段により、演出部材700が集合配置状態からわずかにずれた位置に拡大変位した状態において遮蔽意匠部材760の間の隙間に視認される延設板部761を目立たせるようにしても良い。
本実施形態では、光透過部材752aが無色で光透過性の樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、赤色の樹脂材料から形成しても良い。
この場合、集合配置状態から、遮蔽意匠部材760が延設板部761との重なり代を超えて変位した場合であっても、遮蔽意匠部材760間の隙間に視認される光透過部材752aが遮蔽意匠部材760と同様に赤色で視認されるので、遊技者に対して、遮蔽意匠部材760同士が少なくとも部分的に連なっているように視認させることができる。
一方で、電飾基板751(図53参照)のLEDから光を照射する場合には、遮蔽意匠部材760間の隙間に視認される光透過部材752aを発光させて目立たせることができ、発光演出の演出効果を向上させることができる。
図70は、拡大縮小ユニット600の正面図であり、図71は、拡大縮小ユニット600の背面図である。図70及び図71では、理解を容易とするために、正面カバー部材610の図示が省略される。
図70及び図71では、拡大縮小ユニット600の張出状態かつ演出部材700の拡大状態が図示される。図70及び図71に示すように、拡大縮小ユニット600の張出状態では、伸縮変位部材740が最大径で離散するまで演出部材700が拡大変位可能に制御される。
そのため、演出部材700の正面視での大きさが最大となり、区画部材310(図22参照)との当接を回避するという観点で演出部材700に許容される姿勢変化量は最小となる。なお、演出部材700の姿勢変化を抑制する工夫は、上述の通りである。
演出部材700の拡大状態では、遮蔽意匠部材760は正面視で装飾部材752から退避して配置される。そのため、電飾基板751(図53参照)のLEDから光を照射した場合に鏡面部材752bに写る態様を、演出部材700が拡大変位の途中位置に配置される場合と変更することができる。
即ち、遮蔽意匠部材760の地の色の反射を抑え、鏡面部材752bの地の色(本実施形態では、銀色)が遊技者に視認され易いようにすることができる。そのため、伸縮変位部材740が変位して遮蔽意匠部材760が拡大変位する場合に、電飾基板751(図53参照)のLEDから同色の光を照射し続ける制御態様においても、装飾部材752を視認する遊技者に視認させる光の色味を時系列で変化させることができる。
詳述すれば、例えば、電飾基板751から白色光を照射する場合において、拡大開始付近では、遮蔽意匠部材760の地の色(赤色)が視認される一方で、拡大変位に伴い遮蔽意匠部材760の字の色が弱まり(範囲が狭まり)、拡大変位の終端位置では鏡面部材752bの地の色(銀色)が視認され易くなる。これにより、発光色を変化させることなく、遊技者が視認する光の色味を変化させることができる。
なお、本実施形態では、図68及び図69に示す拡大変位と、図70及び図71に示す拡大変位とが連続的に生じる制御態様では無く、あくまで演出部材700の上下位置を固定した状態で、演出部材700の拡大変位を実行するように制御される。
即ち、演出部材700の上下変位は演出部材700が集合配置された状態でのみ実行可能に制御される。これにより、遮蔽意匠部材760が半球状正面装置613(図47参照)等の他の構成部材と衝突することを防止することができる。
なお、他の構成部材との衝突の回避を考慮したり、他の構成部材との衝突により変位に問題が生じないように構成したりした上で、演出部材700の上下変位の途中で拡大変位可能に制御しても良い。
図72から図75を参照して、遮蔽意匠部材760の径方向縮小変位について説明する。図72(a)、図72(b)、図73、図74(a)及び図75(a)は、演出部材700の縮小変位を時系列で示す演出部材700の背面図である。図74(b)は、図74(a)の矢印LXXIVb方向視における演出部材700の上面図であり、図75(b)は、図75(a)の矢印LXXVb方向視における演出部材700の上面図である。
図72(a)、図72(b)、図73、図74(a)及び図75(a)では、理解を容易とするために、板状本体710の図示が省略され、図72を基準として、回転板730が背面視反時計回りに回転する様子が図示される。図74(b)及び図75(b)では、更に、回転板730bの図示が省略される。
図72(a)では、演出部材700の遮蔽意匠部材760が最大径で離散した状態(図70及び図71参照)が図示され、図72(b)では、演出部材700の遮蔽意匠部材760が途中位置まで拡大変位した状態(図68及び図69参照)が図示される。
図72(a)に示す状態では、伸縮変位部材740の被伝達突部741aが回転板730の小径円弧部733aと連結部733cとの境界位置に配置され、図72(b)に示す状態では、伸縮変位部材740の被伝達突部741aが回転板730の連結部733cの途中位置に配置される。
図73では、下側に配置される伸縮変位部材740の第1被案内突部743bが回転板730の背面側爪部734aと当接開始した状態が図示され、図74では、下側に配置される伸縮変位部材740の第1被案内突部743bが回転板730の背面側爪部734aに案内され、集合配置状態の直前位置に到達した状態が図示される。
上側に配置される部材と下側に配置される部材とで重力の影響が異なることにより、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の変位態様が上側に配置される部材と下側に配置される部材とで異なる。
図73に示すように、上側に配置される伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760は自重で回転板730側に近接配置される状態において、下側に配置される伸縮変位部材740は自重が回転板730から離れる方向に作用するので、案内孔733と被伝達突部741aとの隙間に許容される程度、回転板730から離れる方向へ垂れ下がる。
この垂れ下がり分が、回転板730の延設爪部734からの負荷により持ち上げられ、下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760は集合配置状態の位置に到達することになる。従って、遮蔽意匠部材760が集合配置状態に到達するタイミングは5個で同時では無く、少なくとも、上側3個の方が、下側2個に比較して、早い。
これにより、演出部材700の集合配置状態への変位を安定して行わせることができる。即ち、下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760が先に配置される場合、上側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760が勢いよく集合配置状態へ到達することで下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760に衝突すると、下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760に疲労が蓄積し、早期の破損の原因になる虞がある。
これに対し、本実施形態のように上側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760が先に配置され、その後から下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760を集合配置状態に配置する場合には、自重が下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の変位に対抗する向きで生じるので、上側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760に衝突する勢いを抑えることができる。これにより、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の衝突による疲労の蓄積を抑えることができる。
図74では、伸縮変位部材740の被伝達突部741aが回転板730の大径円弧部733bと連結部733cとの境界位置に配置される。この直後、伸縮変位部材740は背面側爪部734aに押され切り、集合配置状態とされる。一方で、先端調整部材744の第2被案内突部744bは、正面側爪部734bとは離れて配置される。
図75では、演出部材700の集合配置状態が図示される。即ち、回転板730の円弧形状孔732の端部に機能板部720の柱状突設部728が配置される終端位置まで、回転板730が背面視反時計回りに回転した状態が図示される。
図76は、図75のLXXVI−LXXVI線における演出部材700の断面図である。図76に示すように、演出部材700の集合配置状態では、伸縮変位部材740の第1被案内突部743bに背面側爪部734aの中心軸側の面が当接し、伸縮変位部材740の径方向外側への変位が規制される。
加えて、伸縮変位部材740の第2被案内突部744bに正面側爪部734bの中心軸側の面が当接し、伸縮変位部材740の径方向外側への変位が規制される。この時、第2被案内突部744bと第1被案内突部743bとが、突設方向の前後幅をもって径方向で当接することで、第2長尺部材743及び先端調整部材744の配置および姿勢を安定させることができる。
更に、先端調整部材744の前面は、延設板部726の背面に摺動可能に構成される。
この摺動の過程において、伸縮変位部材740の第2被案内突部744bの突設先端は回転板730の傾斜面734cと前後方向で当接するところ、傾斜面734cが回転方向に傾斜している(集合配置状態に近づくほど、正面側へ張り出す態様で傾斜している)ので、傾斜面734cにより、第2被案内突部744bに対して正面側への負荷を与えることができる。
これにより、先端調整部材744を機能板部720の延設板部726と回転板730の傾斜面734cとで挟む構成において、回転板730が回転し演出部材700が集合配置状態に近づくにつれて、先端調整部材744を延設板部726に徐々に密着させる態様で、先端調整部材744を正面側へ向けて変位させることができる。
従って、回転板730の回転により生じる抵抗が過度に増大することを防止しながら、先端調整部材744に対して前後方向で挟む負荷を漸増させる態様で与え、先端調整部材744の前後方向位置および姿勢の安定化を図ることができるので、遮蔽意匠部材760の前後方向位置および姿勢の安定化を図ることができると共に、集合配置状態において遮蔽意匠部材760を隙間なく密着配置させることができる。
図74(b)及び図75(b)を参照して、第2被案内突部744bに与えられる負荷により、遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜を修正可能とされることについて説明する。遮蔽意匠部材760の構成はいずれも共通とされており、遮蔽意匠部材760を変位させる伸縮変位部材740の構成も共通とされている。
遮蔽意匠部材760は、上述のように、幅方向で延設板部761(図59(a)参照)が形成される側(最上部に配置される遮蔽意匠部材760の場合は右側、図74(b)参照)が反対側に比較して後側へ配置されるように姿勢傾斜し易く構成される。
これは、第2長尺部材743の形成態様に起因するものであり、この姿勢傾斜は、遮蔽意匠部材760が締結固定される先端調整部材744にも同様に生じる。この先端調整部材744の姿勢の傾斜により、第2被案内突部744bの先端位置は、第1被案内突部743bの先端位置(突設方向が前後方向に沿うもの)に比較して、背面視時計回り方向側(最上部に配置される遮蔽意匠部材760の場合は左側、図74(b)参照)に位置ずれし易い。
一方で、回転板730は、延設爪部734が第2被案内突部744bの背面視時計回り方向側に対向配置され、第2被案内突部744bに対して背面視反時計回り方向の負荷を付与可能に回転変位する。
即ち、例えば、正面側爪部734bの内径側面や、傾斜面734cの正面側面(図56及び図57参照)が第2被案内突部744bと当接することにより、第2被案内突部744bの先端位置を背面視反時計回り方向側に戻すことができるので、先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢の傾斜度合いを緩めることができる(傾斜を解消することができる)。これにより、演出部材700の集合配置の位置における遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜を解消し易くすることができる。
この第2被案内突部744bに対する負荷は、図74に示す状態から図75に示す状態までで生じるように構成される。そのため、図72から図75に時系列で示す演出部材700の状態変化の過程において、変位許容範囲の小径側終端(縮小側終端)に遮蔽意匠部材760が配置されるまでは(図74参照)、先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜が維持され、その後で先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜を解消(修正)するような姿勢変化を生じさせることができる。
即ち、遮蔽意匠部材760同士が互いに接近する間は先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜を維持することで、遮蔽意匠部材760の本体部と延設板部761とが当接(衝突)することを回避し易くすることができる一方で、遮蔽意匠部材760同士の接近が完了した後は先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜を解消(修正)することで、遮蔽意匠部材760の最前面に配置される板部を面一に配置することができ、集合配置状態における遮蔽意匠部材760の一体感を演出し易くすることができる。
なお、図74(b)に示す状態は、遮蔽意匠部材760の姿勢ずれが最大に生じた状態として図示されている。また、図74(b)の姿勢ずれの逆側の姿勢ずれは、第2長尺部材743の前後配置構成から、生じ難いように構成される。これにより、延設板部761が、対向配置される遮蔽意匠部材760の本体部と衝突することを回避し易くすることができる。
また、延設板部726の反対側に配置される補助突部727(図54参照)が、先端調整部材744の拡大縮小変位における縮小側壁部に当接可能に構成される。補助突部727が延設板部726の左右側に一対で形成されることから、変位範囲の縮小側端部に到達した先端調整部材744の左右端部に当接することで先端調整部材744の姿勢ずれを修正することができる。
これにより、他の遮蔽意匠部材760との係合により姿勢を修正するだけでなく、先端調整部材744の単品で、変位範囲の縮小側端部に到達した際の姿勢の安定化を図ることができる。
図5及び図6に戻って説明する。本実施形態では、第3図柄表示装置81の他に、遊技を盛り上げる演出装置として、上述の発射演出ユニット300、拡大縮小ユニット600及び変位回転ユニット800が配設される。次いで、変位回転ユニット800について説明する。
変位回転ユニット800は一対のユニットが左右対称に配置され、互いに左右対称の形状から構成されるので、以下では、左側の変位回転ユニット800の構成について説明し、右側の変位回転ユニット800の説明は省略する。なお、以下の説明では、図5を適宜参照する。
図77は、変位回転ユニット800の正面斜視図であり、図78は、変位回転ユニット800の背面斜視図である。図77及び図78では、変位回転ユニット800の演出待機状態が図示される。
図79は、変位回転ユニット800の正面分解斜視図であり、図80は、変位回転ユニット800の背面分解斜視図である。なお、図79及び図80では、横スライド部材840は組立状態のまま図示される。
図79及び図80に示すように、変位回転ユニット800は、背面ケース510の底壁部511に締結固定されるベース板部810と、そのベース板部810にネジ等の部材で固定される金属棒MB2と、その金属棒MB2が挿通され上下方向にスライド変位可能に構成される縦スライド部材820と、その縦スライド部材820の背面側に締結固定され、ベース板部810に締結固定される駆動モータMT4の駆動力が伝達可能に構成される伝達部材830と、縦スライド部材820にネジ等の部材で固定される金属棒MB3と、その金属棒MB3が挿通され左右方向にスライド変位可能に構成される横スライド部材840と、縦スライド部材820の上下方向変位に伴い、駆動モータMT4の駆動力を、縦スライド部材820を介して横スライド部材840に伝達可能に構成される伝達手段860と、縦スライド部材820の金属棒MB2側上端位置において縦スライド部材820に回転変位可能に締結固定される配線アーム部材870と、その配線アーム部材870及び電気配線を案内する配線案内部材880と、を備える。
ベース板部810は、金属棒MB2が配設される一対の両端固定部811と、正面側に配設される伝達部材830を案内可能に形成されるスライド案内部812と、背面側に長尺溝状に形成され伝達手段860の円柱状突部862bを案内可能に形成される伝達案内部813と、背面側に締結固定される駆動モータMT4と、伝達案内部813に案内されるラック部材862の脱落を防止するために背面側に配設される脱落防止板814と、を備える。
縦スライド部材820は、平面板部821と、その平面板部821の縁部から背面側へ延設される壁部822と、その壁部822により囲まれる領域の略中央位置から背面側へ円柱状に突設される円柱状突部823と、電気配線のコネクタ部を挿通可能な程度の大きさで壁部の形成が省略される省略部824a,824bと、平面板部821の左端部において金属棒MB2を挿通可能な筒状に形成(又は、筒状部材が配設)される上下一対の金属棒挿通部825と、平面板部821の上下中央部において金属棒MB3を挿通可能な通常に形成(又は、筒状部材が配設)される左右一対の金属棒挿通部826と、その金属棒挿通部826の端部付近で平面板部821に締結固定され金属棒MB3の脱落を防止可能に構成される脱落防止部材827と、平面板部821の背面側に柱状に突設形成され2段ピニオン861を軸支可能に形成される軸支部828と、上端部から水平方向左右外側(図79左方)へ向けて円筒状に突設される支持突部829と、を備える。
壁部822は、配線アーム部材870と横スライド部材840との間に配置される電気配線が変位可能な領域を内側に構成し、電気配線の耐久性を確保するための部分である。
壁部822の途絶える部分として形成される省略部824a,824bは、開口形成される第1省略部824aと、背面側に開放される凹部として形成される第2省略部824bとから構成される。
金属棒挿通部825は、その上側部において背面側に板状に延設され、ベース部材810の正面側に検出溝を向ける姿勢でベース部材810に締結固定される上側検出センサSC8及び下側検出センサSC9の検出溝に配置可能に構成される被検出板部825aを備える。
伝達部材830は、上下方向に長尺の板状に形成される本体部831と、その本体部831の上側部において、縦スライド部材820の円柱状突部823の先端部に形成される雌ネジに螺入可能な締結ネジを挿通可能に開口形成される挿通孔832と、その挿通孔832が穿設される板部であって、縦スライド部材820の壁部822により構成される領域に背面側から蓋をする蓋形状部833と、本体部831の左側面に上下方向に直線的にギア歯が形成される直線状ギア部834と、を備える。
円柱状突部823は、上述の挿通孔832に挿通される締結ネジが螺入される部分としての役割と、後述するように、電気配線の巻き中心としての役割を併せ持つ。
直線状ギア部834は、駆動モータMT4の駆動ギアMG4と歯合される。即ち、駆動モータMT4が回転駆動制御されることに伴って、伝達部材830は上下方向に昇降変位する。これにより、縦スライド部材820が昇降変位する。
図81は、横スライド部材840の分解正面斜視図であり、図82は、横スライド部材840の分解背面斜視図である。図81及び図82に示すように、横スライド部材840は、略円形板状に形成され金属棒MB3が挿通され左右方向に変位を制限される本体板部材841と、その本体板部841の背面側上部に締結固定され電気配線の案内経路を構成する配線案内部材844と、本体板部材841の正面側に配設され正面視円形の板状に形成される円形部材847と、その円形部材847と本体板部材841との間に配設される電飾基板850と、円形部材847の正面側に締結固定される円環状の装飾部材853と、円筒状のカラー部材C8を介して円形部材847に回転可能に軸支される羽状部材854と、その羽状部材854の中心開口径をカラー部材C8の開口径に合わせるために羽状部材854の開口に正面側から嵌め込まれる仲介部材857と、その仲介部材857の中心開口に挿通可能な外径の柱状部材が背面側に突設される中央意匠部材858と、を備える。
本体板部材841は、駆動モータMT5が背面側に締結固定され、その駆動ギアMG5が正面側に配置され、金属棒MB3が配置される棒配置部842と、その棒配置部842の下側において左右方向に沿ってギア歯が刻設されるラックギア部843と、を備える。
配線案内部材844は、電気配線の左右方向変位を案内するための部材であって、電気配線を迂回させる形状から形成される。これにより、電気配線が他の構成部材と擦れることを回避することができるが、詳細は後述する。
円形部材847は、光透過性の樹脂材料から形成され、互いに歯合可能に形成される羽状部材854と駆動ギアMG5とが、前後異なる方向から組み付けられる態様で構成される。
円形部材847は、羽状部材854を受け入れ可能な大きさのカップ状に背面側へ向けて凹設形成される受入部848と、その受入部848の中心部から正面側へ円筒状に突設される円筒状突部849と、を備える。
受入部848は、駆動モータMT5の駆動軸を中心とした円柱と重なる形状が切り取られる態様で貫通形成される貫通孔部848aを備え、この貫通孔部848aを通して羽状部材854のギア部855が背面視で視認可能な位置まで露出する。
このように、ギア部855の露出する部分が、駆動ギアMG5と歯合可能とされ、駆動モータMT5の回転に伴い、駆動力伝達がされ、羽状部材854が回転制御される。この羽状部材854の回転駆動は、変位回転ユニット800の状態によらず可能とされる。即ち、演出待機状態においても可能となるように、経路形成部材882の壁部882aの形状が設計される。
円筒状突部849は、先端部に線状の切り欠き849aが形成される。これは、中央意匠部材858の径方向突設部858bが配置されることで、中央意匠部材858の姿勢維持を容易とするための形状部であるが、詳細は後述する。
図83は、図7のLXXXIII−LXXXIII線における変位回転ユニット800の部分断面図である。図83の説明では、図81及び図82を適宜参照する。
電飾基板850は、円形部材847の受入部848の外径よりも若干大きな内径で穿設される円形開口と、その上方に延長される長尺開口により形成される異形開口851と、その異形開口851付近において正面側に配設される複数のLED等から構成される正面側発光手段852aと、電飾基板850の外径端部において背面側に配設される複数のLED等から構成される背面側発光手段852bと、を備える。
異形開口851は、開口内側に円形部材847の受入部848を配置可能とされ、組立状態において、羽状部材854のギア部855は異形開口851の背面側に配置される。
異形開口851の上方に延びる長孔形状部は、駆動ギアMG5の回転軸との当接を避ける目的で形成されている。これにより、駆動ギアMG5を電飾基板850に寄せることができ、羽状部材854のギア部855と駆動ギアMG5とを歯合させ易くすることができる。
正面側発光手段852aは、光軸が前後方向を向くLED等から構成される。これにより、羽状部材854の回転軸付近において矢印D8aに沿って光を正面側へ照射することができる。
背面側発光手段852bは、光軸が径方向外側を向くLED等から構成される。これにより、矢印D8bに沿って円形部材847の外径側へ向けて光を照射することができる。
この光を、円形部材847の板背面に形成される凹凸形状により正面側へ反射(屈折)させることにより、羽状部材854の回転軸から遠い位置において光を正面側へ進行させることができる。なお、本実施形態では、円形部材847の板背面には、羽状部材854の回転軸と同心円の円弧に沿って形成される複数の長尺凹凸形状が密に形成されているので、遊技者に対して、正面視で円弧状(又は円状)の光を視認させることができる。
即ち、本実施形態によれば、電飾基板850の正面側に、羽状部材854の回転軸から遠い位置において光軸が前後方向を向くLED等を配置することをせずとも、遊技者から光が視認される位置を径外方向に寄せることができる。換言すれば、羽状部材854の最外径よりも小径の電飾基板850を利用しながら、電飾基板850が形成される面の外側、即ち、羽状部材854の最外径よりも外側において光を視認させることができる(図14参照)。
これにより、電飾基板850を大型化しなくても、羽状部材854の径方向外側に光を視認させる演出を実行することができる。本実施形態では、後述のように、羽状部材854が高速回転する際、羽状部材854の背面側が影になり、この範囲における発光演出を効果的に行うことが困難となる虞があった。これを解消するためには、羽状部材854の回転軌跡の径方向外側から光を照射することが効果的と考えられるが、そのためには、LED等の配置面積を増大させる必要がある。換言すれば、電飾基板の面積を増大させる必要が生じるので、基板の製造コストが増大する。
これに対し、本実施形態では、電飾基板850の大きさを羽状部材854の回転軌跡よりも小さく維持したまま、光の視認位置のみを羽状部材854の回転軌跡よりも径外方向に変位させることができる。これにより、製造コストを増大させずに、発光演出の演出効果を向上させることができる。
図81及び図82に戻って説明する。装飾部材853は、光不透過性の樹脂材料から形成され、円形部材847の正面側に同軸で締結固定される部材である。そのため、円形部材847を通る光は、装飾部材853により区切られるので、装飾部材853を境界として、その内側と外側とで光の見え方を変える演出を効果的に行うことができる。
例えば、正面側発光手段852aからは青色の光を照射する一方、後側発光手段852bからは赤色の光を照射することで、青色に発光して見える領域と、赤色に発光して見える領域とを装飾部材853で明確に区切ることができる。
羽状部材854は、光透過性の樹脂材料から形成され、中央部において前後方向に穿設される円形開口854aと、その円形開口854aを中心として周方向等間隔で径外方向に延設される複数の羽根部854bと、背面側において円形開口854aと同軸のギア形状に形成されるギア部855と、隣り合う羽根部854bの中間位置において背面側に凹設される複数の凹設部856と、を備える。
円形開口854aは、その内径がカラー部材C8の外径よりも若干長い直径で形成される。
羽状部材854は、駆動モータMT5により回転駆動される駆動ギアMG5を介して回転可能に構成されるところ、羽状部材854の姿勢を検出する検出センサは配設されておらず、駆動モータMT5の駆動時間の長短によって羽状部材854の姿勢を管理している。この構成において、羽状部材854は回転軸と重心位置とが一致するように構成されており、駆動モータMT5への通電解除後の空回りを最小限とするようにしていることで、駆動モータMT5の駆動時間により想定される羽状部材854の姿勢と、羽状部材854の実際の姿勢とのずれが小さくなるように図ることができる。なお、駆動モータMT5をステッピングモータで構成することで、羽状部材854の姿勢を検出可能に構成しても良い。
仲介部材857は、円形開口854aの正面側開口部に嵌合可能に形成され、開口部857aの内径は円形部材847の円筒状突部849の外径よりも若干長く形成される。これにより、仲介部材857が円筒状突部849を中心に回転可能とすることができる。
中央意匠部材858は、中央部から背面側に円柱状に突設される中央突部858aと、その中央突部858aの径外方向に突設される径方向突設部858bと、円形本体部から上方に突設される意匠突条部858cと、を備える。
中央突部858aは、径方向突設部858bを切り欠き849aに進入させる姿勢で円筒状突部849に挿通される部分であり、先端部に形成される雌ネジに円形部材847の背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで、中央意匠部材858が円形部材847に締結固定される。
意匠突条部858cは、意匠部分としての機能の他に、羽状部材854と当接し、羽状部材854の回転態様を調整するよう機能させることができる。即ち、意匠突条部858cの背面と羽状部材854の前面とが擦れる程度に近接配置される場合に、この擦れ時の抵抗増加を利用して、羽状部材854の停止姿勢の安定化を図ることができる。
これにより、羽状部材854の駆動制御態様として、長時間に亘り回転を継続する駆動態様と、一回転程度の回転を断続的に生じさせる駆動態様(回転し始めの不規則な動作を演出する駆動態様)とがある場合に、後者の駆動態様における羽状部材854の断続的な停止姿勢の安定化を図ることができる。
図79及び図80に戻って説明する。伝達手段860は、縦スライド部材820に回転可能に軸支される2段ピニオン861と、その2段ピニオン861の小径ピニオン861aと歯合し左右方向にスライド変位可能に縦スライド部材820に支持されるラック部材862と、そのラック部材862の縦スライド部材820からの脱落を防ぐ脱落防止部材863と、を備える。
2段ピニオン861は、ラック部材862のギア歯と歯合する小径ピニオン861aと、その小径ピニオン861aよりもピッチ円半径が長いピニオンとして形成され、横スライド部材840のラックギア部843のギア歯と歯合する大径ピニオン861bと、を備え、小径ピニオン861aと大径ピニオン861bとが一体形成される。
ラック部材862は、左右長尺に形成され、2段ピニオン861の小径ピニオン861aと歯合可能なラックギアとして形成されるギア部862aと、そのギア部862aの形成位置に対して長尺方向反対側端部から正面側に円柱状に突設される円柱状突部862bと、を備える。
本実施形態では、ラック部材862のギア部862aのギア歯と、横スライド部材840のラックギア部843のギア歯とが、同一形状のギア歯で構成されており、小径ピニオン861aのピッチ円半径と、大径ピニオン861bのピッチ円半径との比が9:16で設計される。従って、ラック部材862の左右方向の変位量と、横スライド部材840の左右方向の変位量との比は、9:16で維持される。
円柱状突部862bは、ベース部材810の伝達案内部813の内側に配置可能な外径で形成される。また、ラック部材862の、円柱状突部862bが形成される側の板厚は、円柱状突部862bが伝達案内部813に配置された状態において、ラック部材862の背面側端部が脱落防止板814と当接するまで背面側に寄ったとしても、円柱状突部862bが伝達案内部813から脱落しないような板厚とされる。
これにより、脱落防止板814が組立状態にある場合において、ラック部材862が伝達案内部813から脱落することを防止することができる。
本実施形態では、ギア部862aのギア歯と、横スライド部材840のラックギア部843のギア歯とが同一形状のギア歯として形成されるので、ラック部材862の変位量に、小径ピニオン861aと大径ピニオン861bとのギア比を掛け合わせて算出される変位量で横スライド部材840が左右方向に変位する。
そのため、ラック部材862の変位量に比較して、横スライド部材840の変位量を増大させることができる。これにより、伝達案内部813の左右幅を小さく抑えながら、横スライド部材840の左右方向変位幅を大きく確保することができるが、詳細は後述する。
図84は、配線アーム部材870の斜視図であり、図85は、配線案内部材880の経路形成部材882の斜視図である。なお、図84及び図85の説明では、図79及び図80を適宜参照する。
図84に示すように、配線アーム部材870は、樹脂材料から形成される長尺部材であり、長尺湾曲形状で形成され一側が開放される長尺本体部871と、その長尺本体部871の長尺方向における一方の端部に円形で穿設される支持孔872と、その支持孔872と近接配置されると共に同方向に穿設され電気配線が配置可能とされる配線配置孔873と、長尺本体部871の開放側端部において一方の壁部から他方の壁部へ向けて延設される複数の爪部874と、その爪部874を形成するための樹脂型を抜き取り可能とするための貫通孔875と、長尺本体部871の長尺方向における他方の端部付近から支持孔872の軸方向と平行に断面円形で突設される円形突設部876と、を備える。
長尺本体部871は、配線配置孔873を通り開放側部に案内された電気配線が配置される部分であり、その中間部に幅長さが短くなる絞り部871aを備える。電気配線は、長尺本体部871の長尺方向に沿って配置され、長尺方向における他方の端部(支持孔872が形成される側の反対側の端部)から外部へ案内される。
絞り部871aは、長尺本体部871の開放側部に配置される電気配線を断線が生じない程度に緩く挟み込み、電気配線の配置が過度にずれないようにする部分として機能する。絞り部871aにより、長尺本体部871の開放側部に配置される電気配線が絞り部871aを超えて位置ずれすることを防止することができる。
支持孔872は、縦スライド部材820(図79参照)の支持突部829が挿通可能な大きさで形成され、これにより、配線アーム部材870は縦スライド部820に回転可能に軸支される。
配線配置孔873は、配線アーム部材870に配置される電気配線が縦スライド部材820へ渡る際に通る貫通孔である。本実施形態では、配線配置孔873が支持孔872に近接配置されているので、配線アーム部材870が回転した場合の配線配置孔873の位置ずれ量を低減することができる。これにより、配線アーム部材870の回転に伴い電気配線にかけられる負荷を低減することができる。
爪部874は、長尺本体部871の開放部側に収容される態様で配置される電気配線が長尺本体部871から脱落することを防止する。また、爪部874の形成に必要とされる樹脂型の抜き取りのための空間は、最小限の面積の貫通孔875により確保されるので、電気配線が長尺本体部871の開放部側の反対側(本実施形態において貫通孔875が形成される側)から外方へ抜け出ることを防止することができる。
円形突設部876は、配線案内部880(図79参照)の案内凹部886に配置可能な外径および突設長さで形成される。本実施形態では、配線案内部880の案内凹部886は、配線アーム部材870の変位を適切に生じさせるという観点から設計される。
図79に示すように、配線案内部材880は、配線アーム部材870の案内凹部886からの脱落を防止するための防止板881と、その防止板881が締結固定されることで内部経路を構成する部材であって、ベース部材810に締結固定される経路形成部材882と、を備える。
図85に示すように、経路形成部材882は、一側が開放される箱状に形成され、その開放部分に防止板881が締結固定されることで、上下方向に離れた位置において背面側へ開放される上開放部883及び下開放部884を通る経路を構成する。
即ち、経路形成部材882は、縁部において一側に張り出す壁部882aを備え、その壁部882aが欠けることで経路の上側開放部を構成する上開放部883と、経路形成部材882の下端部において電気配線のコネクタを挿通可能な大きさで壁部882aに穿設される下開放部884と、左右方向視で防止板881と重ならない範囲で壁部882aから上開放部883へ向けて延設される延設部885と、左右方向視で延設部885と重ならない範囲で長尺溝状に凹設される案内凹部886と、その案内凹部886の下縁部よりも下側において防止板881側に円柱状に突設され、先端に形成される雌ネジに防止板881に挿通された締結ネジが螺入される円柱突設部887と、を備える。
経路形成部材882の背面側には、縦スライド部材820が上下方向変位可能な空間が形成され、その変位に伴い左右方向に変位する横スライド部材840は、壁部882aが最も正面側に寄って配置される位置(変位下端付近の位置)において壁部882aの背面側に進入する(図86(a)参照)。
即ち、横スライド部材840は、変位下端付近の位置において、電気配線が案内される経路を構成する配線案内部材880の背面側に配置される。これにより、正面視における電気配線と横スライド部材840の配置の重なりを許容しながら、電気配線が横スライド部材840と当接したり、擦れたりすることを防止することができる。
組立状態では、上開放部883を通して配線アーム部材870が配線案内部材880の経路に案内され、配線アーム部材870の変位の内、配線案内部材880の経路の幅方向の変位は、延設部885及び防止板881に規制される。更に、配線案内部材880の経路の幅方向長さは、配線アーム部材870の長尺本体部871と円形突設部876との幅方向長さの合計よりも短く設計される。これにより、組立状態において、配線アーム部材870の円形突設部876が案内凹部886から脱落することを規制することができる。
下開放部884は、円柱突設部887の周囲に巻かれるように配設される電気配線を背面側へ通す配線通し孔として機能する。
案内凹部886は、下端から鉛直上方へ延びる前側鉛直凹部886aと、上端から鉛直下方へ延びる後側鉛直凹部886bと、その後側鉛直凹部886bの下端と前側鉛直凹部886aの上端とをつなぐ連結凹部886cとを備える。
円柱突設部887は、電気配線の変位を制限する制限部としての役割と、防止板881を経路形成部材882に固定するための締結部としての役割と、を備える。
図86から図89を参照して、変位回転ユニット800の変位態様について説明する。
図86から図89では、変位回転ユニット800が演出待機状態から演出上端状態まで状態変化するする様子が時系列で図示される。
図86(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニット800の側面図であり、図86(b)は、図86(a)のLXXXVIb−LXXXVIb線における変位回転ユニット800の断面図であり、図87(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニット800の側面図であり、図87(b)は、図87(a)のLXXXVIIb−LXXXVIIb線における変位回転ユニット800の断面図であり、図88(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニット800の側面図であり、図88(b)は、図88(a)のLXXXVIIIb−LXXXVIIIb線における変位回転ユニット800の断面図であり、図89(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニット800の側面図であり、図89(b)は、図89(a)のLXXXIXb−LXXXIXb線における変位回転ユニット800の断面図である。
図86では、変位回転ユニット800の演出待機状態が図示され、図87では、縦スライド部材820の被検出板部825a(図80参照)が上側検出センサSC8に配置され横スライド部材840が変位経路の右端に配置される途中右端状態が図示され、図88では、縦スライド部材820が途中右端状態と演出上端状態との中間位置に配置され、横スライド部材840が途中右端状態と演出上端状態との間における変位経路の左端に配置される途中左端状態が図示され、図89では、変位回転ユニット800の演出上端状態が図示される。
図86(a)、図87(a)、図88(a)及び図89(a)では、理解を容易とするために、配線案内部材880は、壁部882a、案内凹部886及び円柱突設部887の外形が想像線で図示され、その他の形状部の図示が省略されることで配線アーム部材870や横スライド部材840を視認可能としている。また、ベース板810の上端部付近の形状部を一部破断することで、昇降変位中に縦スライド部材820が隠れることを防止している。
図86(b)、図87(b)、図88(b)及び図89(b)では、ベース部材810の伝達案内部813の形状線が想像線で図示され、横スライド部材840については、左右方向変位幅のみを図示する目的で本体板部材841の外形に沿う円形状の想像線で図示される。
また、図86から図89では、駆動モータMT5に接続される電気配線DK2の、変位回転ユニット800の状態変化に伴う変位の様子が想像線で図示される。電気配線DK2は、配線案内部材880の下開放部884(図85参照)から配線案内部材880の内部に案内され、配線アーム部材870の内部を通った後、縦スライド部材820の壁部822に囲まれる空間を通り横スライド部材840へ案内されるが、変位の詳細は後述する。
変位回転ユニット800は、縦スライド部材820が上下方向に往復変位可能に構成される。まず、縦スライド部材820及び横スライド部材840の上昇変位について説明する。
本実施形態では、演出待機状態において、縦スライド部材820が上下方向の下端位置に配置される(図86参照)。演出待機状態において、縦スライド部材820の被検出板部825aが下側検出センサSC9の検出溝に配置されるので、下側検出センサSC9の出力により変位回転ユニット800が演出待機状態とされていることを、MPU221(図4参照)は判定することができる。
また、演出待機状態において、横スライド部材840が変位経路の左端(左右外側端部)に配置される一方で、配線アーム部材870の下端側が正面側に配置される。即ち、配線アーム部材870を横スライド部材840の変位軌跡から退避させるように前側に配置することで、配線アーム部材870の左右位置に、横スライド部材840の左右方向変位が制限されることを回避することができる。従って、左右外側一杯まで、横スライド部材840を変位させることができる。
演出待機状態から、縦スライド部材820を上昇変位させる方向に駆動モータMT4を駆動制御し、被検出板部825aが上側検出センサSC8に配置された状態が、途中右端状態に対応する(図87参照)。従って、上側検出センサSC8の出力により変位回転ユニット800が途中右端状態とされていることを、MPU221(図4参照)は判定することができる。
途中右端状態では、演出待機状態から横スライド部材840が上昇方向および右方向へ変位している一方で、配線アーム部材870は上昇方向の変位が生じているのみで、姿勢は維持されている。
即ち、途中右端状態では、配線アーム部材870の円形突設部876(図84参照)が、依然として案内凹部886の前側鉛直凹部886aに配置されているので、配線アーム部材870の支持点としての支持突部829と、配線アーム部材870の円形突設部876(図84参照)との前後方向距離が、演出待機状態から維持される。
このように、本実施形態では、演出待機状態から途中右端状態までの縦スライド部材820の上昇変位に伴う、横スライド部材840の右方への変位が、配線アーム部材870の姿勢変化無く実行される。これにより、横スライド部材840と配線アーム部材870を共に変位させる場合に生じがちな、変位タイミングのずれによる部材同士の衝突を避けることができる。
図86(b)及び図87(b)に示すように、縦スライド部材820の上昇変位に伴い、横スライド部材840は左右方向へ変位する。この変位では、伝達案内部813の形状に沿って変位方向が切り替えられるが、伝達案内部813の左右幅を超えて左右方向へ変位する。
これは、横スライド部材840の変位が、2段ピニオン861を介して伝達されるためである。即ち、伝達案内部813を案内されるのは、伝達手段860のラック部材862であり、2段ピニオン861には、ラック部材862のギア部862aと、横スライド部材840のラックギア部843とが歯合される。そのため、2段ピニオン861のピッチ円半径の比が、ラック部材862の変位幅と、横スライド部材864の変位幅との比に対応する。
本実施形態では、2段ピニオン861(図80参照)の小径ピニオン861aのピッチ円半径と大径ピニオン861bのピッチ円半径との比が9:16とされるので、伝達案内部813の左右位置の変化量に、定数(即ち、16/9=約1.78)を掛け合わせた左右幅で横スライド部材864が左右方向に変位する。
図88(b)に示すように、途中左端状態では、横スライド部材840は演出待機状態ほどには左右外方へ変位しない。換言すれば、横スライド部材840が配線アーム部材870と前後方向視で重なる位置までは変位しない。
このような配置において、図88(a)に示すように、配線アーム部材870の姿勢変化が生じる。即ち、途中右端状態から途中左端状態に至る過程において、配線アーム部材870の円形突設部876(図84参照)が、案内凹部886の前側鉛直凹部よりも背面側に形成される連結凹部886cに配置され、配線アーム部材870の支持点としての支持突部829と、配線アーム部材870の円形突設部876(図84参照)との前後方向距離が、演出待機状態に比較して縮められる。
従って、本実施形態では、横スライド部材840が前後方向視で配線アーム部材870と重ならない状態となってから、配線アーム部材870の姿勢変化が生じるように構成される。また、下降変位時には、逆(配線アーム部材870の姿勢変化が生じないようになってから、横スライド部材840が前後方向視で配線アーム部材870と重なる位置に配置される)が成立する。
これにより、横スライド部材840の変位タイミングと配線アーム部材870の変位タイミングとにずれが生じても、横スライド部材840と配線アーム部材870とが衝突する事態となることを避けることができる。
配線アーム部材870は、変位回転ユニット800の左端部(左右方向外側端部)に配置され、変位は、昇降変位と、前後方向の姿勢変化のみとされる。即ち、変位回転ユニット800の状態に関わらず、配線アーム部材870を遊技者に注目されにくい左右外側端部に配置し続けることができるので、配線アーム部材870及びその配線アーム部材870に案内される電気配線DK2が遊技者の視界に入り込むことを回避することができる。
図89(a)及び図89(b)に示すように、変位回転ユニット800の演出上端状態に到達するまでの期間においては、配線アーム部材870の円形突設部876(図84参照)が、案内凹部886の連結凹部886cよりも背面側に形成される後側鉛直凹部886bに配置され、配線アーム部材870の支持点としての支持突部829と、配線アーム部材870の円形突設部876(図84参照)との前後方向距離が、最小の状態で維持される。
このように、本実施形態では、縦スライド部材820の昇降変位に伴い姿勢変化可能に構成される配線アーム部材870を利用して、電気配線DK2を、上下位置に対応して異なる前後位置に配置可能に構成することで、構成部材の配置スペースを確保することができるという有利な効果を奏する。
例えば、電気配線DK2を、後寄りの位置に配置する場合、横スライド部材840の左右方向変位が制限される。詳述すれば、電気配線DK2との接触を避けるために、演出待機状態における横スライド部材840の配置が右寄り(左右内側寄り)に設定される。本実施形態では、横スライド部材840の右寄り(左右内側寄り)の位置には、射出装置400(図6参照)が配置されているので、接触を避けるために変位回転ユニット800を小形化させるなどの対処が必要となる虞がある。即ち、変位回転ユニット800の設計自由度が低下する。
また、例えば、電気配線DK2を、前寄りの位置に配置する場合、横スライド部材840の左右方向変位は十分確保することができる一方で、変位回転ユニット800の正面側に配置される遊技盤13の裏側の構成部材の配置自由度が低下する。
本実施形態では、変位回転ユニット800が左右対称で配置されているので、特に遊技盤13の右側領域に配設される第2入賞口640の電動役物640a(図2参照)を駆動するためのソレノイド等の構成の設計自由度が低くなり易い。
これに対し、本実施形態では、配線アーム部材870により電気配線DK2の配置を前後方向で変位可能に構成することで、横スライド部材840の左右方向変位が制限されることを回避しながら、遊技盤13の裏側の構成部材の配置自由度が低下することを回避できる。
即ち、横スライド部材840を左右外側に退避させたい下端位置においては、配線アーム部材870の下端部を前側へ配置することで電気配線DK2を横スライド部材840の前側に配置し、横スライド部材840の変位が電気配線DK2により制限されることを回避している。
加えて、横スライド部材840は左右内側へ変位し、第2入賞口640(図2参照)を配置したい上側位置においては、配線アーム部材870の下端部を後側へ配置することで、電気配線DK2を後ろ寄りに配置し、前側のスペースを空けている。これにより、第2入賞口640の電動役物640a(図2参照)を駆動するためのソレノイド等の構成として遊技盤13に配設される部材の配置自由度を向上させることができる。
図86から図89に示す状態変化における、電気配線DK2の状態変化について説明する。なお、ここでいう電気配線DK2の状態変化とは、柱を中心に電気配線DK2が巻かれている状態における、電気配線DK2の巻き状態の変化のことを意味する。
電気配線DK2において、下側巻き部DK2bの上側部(配線アーム部材870に近い側)は、専ら上下に延び、湾曲することを好まれない。特に、下降変位時には、電気配線DK2を円柱突設部887の前側に滑り込ませる(図86(a)参照)ことが必要となるので、下側巻き部DK2bの巻き変位する部分に比較して剛性が高い方が好ましい。
そこで、本実施形態では、下側巻き部DK2bの上側部に樹脂製のケーブルチューブを巻き付け、巻き変位する部分に比較して剛性が高いような挙動を示すようにしている。
図89(a)に示す状態では、そのケーブルチューブが壁部882aと電気配線DK2との間に配置されることで、電気配線DK2と壁部882aとの間で擦れが生じることを回避している。
また、配線アーム部材870の下端開放向きが鉛直下方へ向くように構成しているので、下降変位開始時の電気配線DK2の変位方向を、鉛直下方へ向けることができる。これにより、電気配線DK2に不要な湾曲変形が生じることを回避することができる。
図86から図89に示すように、電気配線DK2は、上側巻き部DK2aが配線アーム部材870と横スライド部材840との間において円柱状突部823の周りに巻かれるように配置され、下側巻き部DK2bが配線アーム部材870の下方において円柱突設部887の周りに巻かれるように配置される。
電気配線DK2の内、円柱状突部823に巻かれるように配置される上側巻き部DK2aは、円柱状突部823の中心軸と直交する平面に沿って径方向に拡大縮小する態様で変位可能に構成される。
電気配線DK2の内、円柱突設部887に巻かれるように配置される下側巻き部DK2bは、円柱突設部887の中心軸と直交する平面に沿って径方向に拡大縮小する態様で変位可能に構成される。
即ち、配線アーム部材870と横スライド部材840との間における電気配線DK2の変位が生じる平面と、配線アーム部材870の下方における電気配線DK2の変位が生じる平面とは、異なるよう構成される。なお、本実施形態では、各平面が直交し、配線アーム部材870と横スライド部材840との間における電気配線DK2の変位が生じる平面が第1省略部824a、第2省略部824b及び配線配置孔873を通るように構成される。
電気配線DK2は、配線アーム部材870の長尺本体部871の内側に配置される部分が、上述のように絞り部871aに挟まれることで変位を抑制される。そのため、配線アーム部材870に対する電気配線DK2の相対変位は抑制される。
ここから、本実施形態では、変位回転ユニット800の状態変化に伴い電気配線DK2に必要となる変位が、上側巻き部DK2aと下側巻き部DK2bとのそれぞれで独立して完結するように構成されるので、以下では、別々に説明する。
まず、上側巻き部DK2aの変位について説明する。上側巻き部DK2aは、配線アーム部材870の配線配置孔873を右側へ通過した箇所から、円柱状突部823を中心に正面視反時計回りに巻きつけられる部分を含み、配線案内部材844の左側先端部に案内される箇所までの部分を意味する。
上側巻き部DK2aは、壁部822に囲まれる空間を限界として円柱状突部823中心の径方向に変位可能に構成されるところ、径方向に最も広がる演出待機状態(図86(b)参照)において、無負荷で配置される電気配線DK2の配置に沿う位置(又は、若干の隙間が空く位置)に壁部822が形成される。これにより、演出待機状態において壁部822から電気配線DK2に与えられる負荷を低減することができる。
演出待機状態から、横スライド部材840が右側へ変位すると、配線案内部材844に案内される側が右側へ変位することで上側巻き部DK2aが引かれ、円柱状突部823を中心とする径方向内側に上側巻き部DK2aが変位することにより生じる余剰長さによって、横スライド部材840の変位長さが補完される。これにより、電気配線DK2に引張力が与えられることを回避することができる。
一方、横スライド部材840が左側へ変位すると、配線案内部材844に案内される側が左側へ変位することで上側巻き部DK2aが押され、円柱状突部823を中心とする径方向外側へ上側巻き部DK2aが変位する。この際、配線案内部材844の左端部から、左方へ向かうほど下降傾斜する案内片844aが突設されていることにより、上側巻き部DK2aが外方(縦スライド部材820と配線案内部材844との間を上方)へはみ出すことを防止することができ、上側巻き部DK2aを壁部822の形状に沿って適切に押し込むことができる。
次に、下側巻き部DK2bの変位について説明する。下側巻き部DK2bは、配線アーム部材870から下方へ垂れる箇所から、円柱突設部887を中心に左面視(左右外側からの方向視)で時計回りに巻きつけられる(円柱突設部887の前側を通り前転方向に巻きつけられる)部分を含み、下開放部884(図85参照)に配置される箇所までの部分を意味する。
下側巻き部DK2bは、壁部882aに囲まれる空間を限界として円柱突設部887中心の径方向に変位可能に構成されるところ、径方向に最も広がる演出待機状態(図86(a)参照)において、無負荷で配置される電気配線DK2の配置に沿う位置(又は、若干の隙間が空く位置)に壁部882aが形成される。これにより、演出待機状態において壁部882aから電気配線DK2に与えられる負荷を低減することができる。
演出待機状態から、縦スライド部材820が上昇変位することに伴い配線アーム部材870が上昇変位すると、配線アーム部材870に案内される側が上方へ変位することで下側巻き部DK2bが上方へ引かれ、円柱突設部887を中心とする径方向内側に下側巻き部DK2bが変位することにより生じる余剰長さによって、配線アーム部材870の変位長さが補完される。これにより、電気配線DK2に引張力が与えられることを回避することができる。
一方、配線アーム部材870が下方へ変位すると、配線アーム部材870に配置される側が下方へ変位することで下側巻き部DK2bが押され、円柱突設部887を中心とする径方向外側へ下側巻き部DK2bが変位する。この際、配線アーム部材870の下端部が、下方へ向かうほど正面側へ向かう傾斜方向に開口していることにより、下側巻き部DK2bが円柱突設部887と壁部882aとの間(円柱突設部887の上方)に入り込むことを防止することができ、下側巻き部DK2bを壁部882aの形状に沿って適切に押し込むことができる。
なお、本実施形態では、下側巻き部DK2bが配置される空間を、横スライド部材840の変位範囲下端位置よりも下側に配置している。これにより、下側巻き部DK2bが径方向に変位する空間の大きさが横スライド部材840の配置により制限されることを回避することができるので、下側巻き部DK2bを背面ケース510(図5参照)の前後幅を一杯まで利用して変位させることができる。
従って、配線アーム部材870の下方において下側巻き部DK2bを収容可能なスペースを大きく確保することができるので、下側巻き部DK2bの長さを十分長くすることができると共に、配線アーム部材870に許容される上下変位量を長くすることができる。
図90は、遊技盤13の分解正面斜視図であり、図91は、遊技盤13の分解背面斜視図である。図90及び図91に示すように、遊技盤13は、ベース板60に開口形成される窓部60aの正面側に配設されるセンターフレーム86と、樹脂部材から正面側が開放される複数の流路形状で形成されベース板60の背面側下部に配設される球流下ユニット150と、を備える。
球流下ユニット150は、ベース板60に締結固定される固定板部151の上端部付近において第2入賞口640に入球した遊技球の流路下端LB1を流下した球を受け入れ可能に形成される第1受入流路152と、正面側が開放される長尺の箱状部材であって受入流路151の下流側に連結される態様で固定板部151に背面側から締結固定される第2受入流路部材153と、その第2受入流路部材153の左右壁内側部から球の流下方向と直交する方向に亘って内方へ突設される複数の突条部154と、を備える。
複数の突条部154は、左右の壁部ごとに球の直径程度の間隔を空けて、左右互い違いに配置される。これにより、第2受入流路部材153を流下する球の流下を減速させることができる。
第1受入流路152及び第2受入流路部材153の機能について説明する。第1受入流路152及び第2受入流路部材153には、第2入賞口640に入球した遊技球を図示しない球排出路へ案内する機能の他に、第2入賞口640に入球後の遊技球を、遊技者に視認可能とすることで演出効果を向上する機能がある。なお、以下の説明では、図2を適宜参照する。
第2入賞口640は、図90に示す下縁付近に球通過検出用の検出センサが配設される。これにより、賞球の払い出しや第3図柄表示装置81における保留表示を即座に実行することができ、快適な遊技を遊技者に提供することができる。第2入賞口640への入球を見ていなくても、第1受入流路152を流下する球を視認することで第2入賞口640への入球に遊技者が気づくことができるので、例えば、遊技機店側の不具合で払い出しが行われていない事態に気付き易くすることができる。
なお、以下で説明するように、中間流路LM1を流下する球を視認させることで第2入賞口640に球が入球したことは明らかなので、検出センサの位置を中間流路LM1の下流等に配設するようにして、賞球の払い出しのタイミングや保留表示のタイミングを遅らせるようにしても良い。
第2入賞口640に入球した遊技球は、第2入賞口640から逸れた球が流下する案内経路DL1の、左右方向内側に正面視で視認可能に配設される中間流路LM1(図27参照)を流下する。
中間流路LM1は、案内流路DL1と同様に、球を左右にジグザグに変位させつつ鉛直下方へ向けて案内可能に形成される。即ち、中間流路LM1を流下する球と、案内流路DL1を流下する球とは、流下態様が同じに見えることから、右打ち遊技の際に第3図柄表示装置81の右側の経路における球を視認しても、球が中間流路LM1を流下しているのか、案内流路DL1を流下しているのか、判別し難くすることができる。
ここで、右打ち遊技の際に球がどの流路を流下しているのかの情報は、遊技者の利益に直結する情報であり、ベース板60に植設される釘(図示せず)の状態に対応して、パチンコ機10の個体差が生じる部分である。
本実施形態では、ベース板60の肉部がスルーゲート付近67に残されており、この位置にスルーゲート67を通過する前の球が衝突したり、第2入賞口640に入球する前の球が衝突したりする釘が植設されていることから、右打ち遊技の際に球が中間流路LM1を流下し易いか、案内流路DL1を流下し易いかは、パチンコ機10ごとに異なる。
右打ち遊技を行う確変中か時短中において、第2入賞口640に入球しなかった球は、案内経路DL1を流下し、その下流側に配置される一般入賞口63に入球しない限り、アウト口71を通り遊技領域から排出され遊技者の利益にはならない(無駄球となる)。
ここから、第2入賞口640に入球するか否かと、球が案内経路DL1を流下するか否かとは、一義的に対応する。そして、第2入賞口640のみに注目する場合に比較して、案内経路DL1に注目する場合の方が、注目位置の自由度が高くなることは案内経路DL1が上下方向に延びていることから明確である。
そのため、遊技者によっては、案内経路DL1を球が流下する頻度を確認して、第2入賞口640への球の入球頻度や、右打ち遊技における無駄球の発生頻度等を算定し、これを加味して、遊技を継続するか否かを考えるものと予想される。
これに対し、本実施形態によれば、案内経路DL1を流下する球と、第2入賞口640に入球し中間流路LM1を流下する球との見分けを付け難くすることができる。これにより、あたかも第2入賞口640への入球頻度が高いように思わせることができ、遊技継続を促すことができる。
一方で、中間流路LM1を流下している球は、既に第2入賞口640に入球し、遊技領域から排出されている球なので、そのまま鉛直下方に流下し、正面視で特定入賞口65aと重なる位置まで流下すると、実際に特定入賞口65aに入球し得る球と区別し難く、遊技に支障をきたす虞がある。
そのため、本実施形態では、特定入賞口65aよりも上方において、第1受入流路152により左右内側へ球を流下させることで、球が正面視で特定入賞口65aと重なる位置まで到達することを防止している(図2参照)。これにより、実際に特定入賞口65aに入球し得る球と、既に第2入賞口640に入球しており、特定入賞口65aに入球し得ない球とを区別し易くすることができる。
第1受入流路152は、正面視における第3図柄表示装置81(図7参照)の表示領域の右側から、正面視における第3図柄表示装置81の表示領域の下縁付近を通り、表示領域の左右中央位置側へ球を流下させる。即ち、第1受入流路152に案内される球は、第3図柄表示装置81の表示に注目している遊技者の視界に進入するので、第3図柄表示装置81の表示に注目しており、右打ち経路に注目していない遊技者に対して、第2入賞口640への入球の有無を認識させることができる。
これにより、第3図柄表示装置81に注目したまま視界を動かさずとも、第2入賞口640への入球の有無を遊技者に認識させることができる。そのため、第2入賞口640を見るための第3図柄表示装置81から目を逸らした時に重要な表示が実行され、遊技者がその表示を見逃すという事態の発生を避けることができ、快適な遊技を提供することができる。
第2受入流路部材153を流下する球は、正面視で第1入賞口64の右側において左斜め下方へ向けて流下する。この球は、突条部154により減速されるので、流下する球の滞在時間を延ばすことができる。これにより、正面視において、遊技領域に視認される遊技球の個数を増大させ易くすることができる。
また、球の流下経路の左右幅を長く確保することにより、第3図柄表示装置81の表示領域へ向けられる視線と、第2受入流路部材153の流下経路とが交差し易くなる。これにより、第2受入流路部材153の内側を流下する球が遊技者の視界に入り易くすることができる。
図92及び図93は、センターフレーム86、導光板演出手段160及び装飾手段170の分解正面斜視図であり、図94及び図95は、センターフレーム86、導光板演出手段160及び装飾手段170の分解背面斜視図である。
図92から図95に示すように、導光板演出手段160は、導光板161と、センターフレーム86に背面側から締結固定され、導光板161の正面側および上面側と当接可能に構成される不透過性の樹脂材料から形成され、導光板161を位置合わせする上側支持部材162と、光透過性の樹脂材料から形成され導光板161の下側部を背面側から押さえる態様でセンターフレーム86に締結固定可能に構成される下側支持部材163と、その下側支持部材163に締結固定され光透過性の樹脂材料から形成され球流路を構成する球流路構成部材164と、光透過性の樹脂材料から形成され導光板161の左右両側部を背面側から押さえる態様でセンターフレーム86に締結固定可能に構成される複数の左右側支持部材165と、左右長尺形状に形成され、上側支持部材162の上側を通りセンターフレーム86の前側まで張り出した状態でセンターフレーム86に締結固定される横置き基板ユニット166と、上下長尺形状に形成され、センターフレーム86の正面側からセンターフレーム86の左側内壁に沿って配置され締結固定される縦置き基板ユニット167と、を備える。
装飾手段170は、光透過性の樹脂材料から形成されセンターフレーム86の上部付近左右中央位置に配置される第1装飾部材171と、光透過性の樹脂材料から形成され第1装飾部材171の左側においてセンターフレーム86の左側枠部の正面側に配置される第2装飾部材174と、光透過性の樹脂材料から形成され第1装飾部材171の右側においてセンターフレーム86の右側枠部の正面側に配置される第3装飾部材177と、を備える。
第1装飾部材171は、その中央部に締結固定可能に構成される横長矩形の中央装飾部材172と、パチンコ機10を代表するタイトル等の余白部分として別部材から構成される余白部材173と、を備える。
第1装飾部材171は、図E4に示すように、背面側に横長溝状の横長溝部171aが凹設される。横長溝部171aは、導光板演出手段160の横置き基板ユニット166の電飾基板を配置可能な溝幅で形成される。
第1装飾部材171は、センターフレーム86の上部において前後方向に穿設される開口部86aの下側に若干重なる位置で配設される。本実施形態では、開口部86aを通して、演出待機状態における演出部材700を視認可能に構成される(図2参照)。
このように、本実施形態では、センターフレーム86の内方において、第3図柄表示装置81の前側位置は導光板161で閉塞されている一方で、演出待機状態における演出部材700の前側位置は開口部86aにより開放されている。そのため、演出待機状態における演出部材700による発光演出を、導光板161に遮蔽されることなく遊技者に視認させることができる。
図96を参照して、横長溝部171aと横置き基板ユニット166との関係について説明する。図96は、図2のXCVI−XCVI線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図である。なお、図96では、横長溝部171a付近が別途拡大図として図示される。また、図96の説明では、図92から図95を適宜参照する。
本実施形態では、横置き基板ユニット166の電飾基板の先端側において表裏にLED等の発光手段166aが配設され、上下方向に矢印D1a,D1bに沿って光が照射されることで、第1装飾部材171の背面側において横長溝部171aの上下側に横長の楔状に形成される反射形状部171bに到達した光を際立って視認させることができる。
これにより、発光手段の配置を横置き基板ユニット166に集中させた状態においても、反射形状部171bの形成範囲または形成形状によって、遊技者に視認される発光演出の態様(発光範囲または発光形状)を異ならせて視認させることができる。
なお、本実施形態では、横置き基板ユニット166の上面には、LED等の発光手段166aが横1列に並べられ、下面には、LED等の発光手段166aが上面においてLEDが並べられる列に上下で対応する列と、その列と平行な列であって背面側に形成される列との横2列に並べられる。これら発光手段166aとしてのLEDが並べられる列の内、上面の列と、下面の前列とが横長溝部171aの内側に配置され、下面の後列が横長溝部171aの外側に配置される。
このように構成することで、上面の列と、下面の前列とに配置されるLEDで反射形状部171bに光を照射することができ、下面の後列に配置されるLEDで別の発光対象に光を照射することができる。
本実施形態では、下面の後列に配置されるLED等の発光手段166bは、導光板161の上方に配置されており、照射されるLED光は導光板161のエッジから入射される。即ち、横置き基板ユニット166の下面の後列に配置されるLED等の発光手段166bは導光板161を光らせるために利用される。
なお、横置き基板ユニット166の下面に配置されるLEDは、前後2列の間に上側支持部材162が配置される。これにより、前後2列のLEDから照射される光を上側支持部材162により分けることができる。
横置き基板ユニット166は、導光板161の上縁の真上、即ち、正面視における第3図柄表示装置81の表示領域の上縁付近に配置される。換言すれば、正面視における表示領域と遊技領域との境界位置に配置される。これにより、表示領域側へ照射する光と、表示領域側へは照射せずに遊技領域側へ照射する光とを明確に分けることができる。
中央装飾部材172は、反射形状部171bと同様の前後位置に配置される一方で、前後面が平坦面で形成される。これにより、横置き基板ユニット166から光が照射された場合であっても、強度に光が反射することを回避することができ、視認性を維持することができる。
本実施形態では、中央装飾部材172の前面に星形状などの模様が描かれており、この星形状の個数によりパチンコ機10の性能の種類(例えば、スペックの種類。所謂、別スペック)を表示できるように構成している。この中央装飾部材172を第1装飾部材171とは別部材として構成することで、性能の種類を異ならせたパチンコ機10を製造する場合において、中央装飾部材172のみを取り替えることでパチンコ機10を構成することができる。
余白部材173は、第1装飾部材171とは別部材として構成されており、板前後面の形状として、反射形状部171bに形成される形状とは異なる形状(本実施形態では、縞状の溝)が形成されることで、反射する光の見え方が反射形状部171bと異なるように構成される。
図97は、図2の範囲XCVIIにおける第1装飾部材171の部分正面拡大図である。本実施形態では、矢印D1a,D1bに沿って横置き基板ユニット166の上下方向へ光が照射された場合に、反射形状部171bに到達した光は、反射や屈折により正面側へ進行し、煌びやかに視認される一方で、余白部材173に到達した光は、反射が主では無く、大部分が透過してそのまま進行するように構成されるので、若干暗く視認される。
これにより、横置き基板ユニット166から照射された光を上下方向に進行させるという構成を採用しながら、余白部材173の形状を影として視認させることができるので、正面視において任意形状で発光しているように視認させることができる。換言すれば、あたかも、背面側にLEDを配置して発光演出を行っているように視認させることができる。
第2装飾部材174は、透過性の低い薄板部材(シート状部材)に任意の態様で着色がされた遮蔽部材175を備え、その遮蔽部材175が第2装飾部材174の背面側に固定される。これにより、第2装飾部材174の背面側を視認し難く構成することができる。
これにより、ベース板60の正面側に形成される遊技領域(特に左側部)と、正面視における導光板161の形成領域(第3図柄表示装置81の表示領域と前後で重なる領域を含む)とを明確に分けることができる。従って、導光板161の演出に伴う光や、第3図柄表示装置81から照射される光により遊技領域を流下する球の視認性が低下することを防止することができる。
第3装飾部材177は、正面側に六角形の装飾模様が立体的に複数形成され、その背面側に、前後に位置ずれして配設される複数の六角形形状部が組み合わせられる態様で立体的に形成される複数の立体装飾部材178を備える。
立体装飾部材178は、第3装飾部材177と同様に、光透過性の樹脂材料から形成され、センターフレーム86における導光板161配置部分と案内経路DL1との間に配置される空間に配設される。
これにより、導光板161配置部分と案内経路DL1との間において平面的に視認される光演出では無く、立体的に視認させる光演出を実行することができる。即ち、正面視において、奥行きのある発光演出を実行することができる。
例えば、立体装飾部材178へ背面側から光が照射される場合、その光が正面視における立体装飾部材178のどの位置に照射されるかにより、立体装飾部材178の前後方向位置のいずれの位置が明るくなるかが変化する。そのため、遊技者目線で、手前側を光らせて見せたり、奥側を光らせて見せたりする光演出を実行することができる。
本実施形態では、立体装飾部材178に背面側から光を照射する手段として、第3図柄表示装置81や、変位回転ユニット800の正面側発光手段852a等(図81参照)が想定されることから、光の出射位置は変化可能とされる。そのため、固定配置されるLED等の発光手段から立体装飾部材178へ向けて光を照射する場合に比較して、光演出の種類を容易に増やすことができる。
また、例えば、立体装飾部材178へ左右方向または上下方向から光が照射される場合、その光が正面視における立体装飾部材178のどの位置に照射されるかにより、立体装飾部材178の前後方向位置のいずれの位置が明るくなるかが変化する。そのため、遊技者目線で、手前側を光らせて見せたり、奥側を光らせて見せたりする光演出を実行することができる。
本実施形態では、立体装飾部材178に左右方向から光を照射する手段として、発射演出ユニット300の第1光照射装置330が想定される(図27参照)。第1光照射装置330は、その配置から、第3図柄表示装置81の表示領域から照射される光の内、立体装飾部材178へ向かう光の少なくとも一部を遮蔽するように機能する。
これにより、立体装飾部材178を介して視認される光の態様が、第3図柄表示装置81の表示演出態様に依存する程度を抑えることができる。例えば、第3図柄表示装置81から照射される光の色が青である場合に、第1光照射装置330から出射される光の色が赤であっても、立体装飾部材178を介して遊技者が視認する光の色が紫(青色の光と赤色の光とが混じった色)となることを回避し易くすることができる。即ち、立体装飾部材178を介して視認される光を、第3図柄表示装置81の表示とは独立して視認させ易くすることができる。
図98を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、球流下ユニット150を流下する球が正面視で視認可能に構成され、全球が同一経路で流下するように構成される場合を説明したが、第2実施形態の球流下ユニット2150では、流下する球が複数の経路の内のいずれかを流下するように構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図98は、第2実施形態における遊技盤2013の正面図である。図98では、発射直後の粒状部材320の見え方の一例が図示される。図98に示すように、球流下ユニット2150は、第1実施形態で説明した球流下ユニット150との相違点として、第1受入流路152の下端から左方へ向けて下降傾斜して形成される流路であって、球が流下可能な大きさで形成される第3受入流路2155を備える。
第3受入流路2155は、上流側に形成され第1受入流路152よりも傾斜角度が緩く設定され、下端(左端)が第1入賞口64の正面視左側に設定される傾斜部2155aと、その傾斜部2155aの下端(左側)から正面視鉛直下方へ延設される排出部2155bと、を備える。
傾斜部2155aを流下する球の流下速度は、その傾斜角度の浅さから、第1受入流路152における球の流下速度よりも遅くなる。傾斜部2155aを流下する球は遊技者が視認可能となるように構成されており、傾斜部2155aの配置は正面視において導光板161の下縁付近とされる。そのため、傾斜部2155aを流下する球を長時間に亘り遊技者の視界に入れることができる。
これにより、傾斜部2155aを流下する球が、導光板161を通して第3図柄表示装置81(図12(a)参照)を視認しながら遊技を行う遊技者の視界に入るように構成することができる。換言すれば、傾斜部2155aを流下する球に対する注目力を、違和感なく向上させることができる。
傾斜部2155aへの球の案内について説明する。本実施形態では、第2入賞口640に入球した球は第1受入流路152の下端までは同様に流下し、第1受入流路152の下端において第2受入流路部材153に沿って流下する第1方向D21で流下するか、第3受入流路2155に沿って流下する第2方向D22で流下するかが切替手段によって切り替えられる。
本実施形態では、第2受入流路部材153に形成される突条部154(図90参照)により第2受入流路部材153を流れる球の流下抵抗を増大させている。そのため、第2受入流路部材153を球が流下する最中に次の球が第1受入流路152の下端に到達した場合、その球は第3受入流路2155に案内されることになる。
このような状況は、例えば、第2入賞口640に複数の球が連なって入球する等、短期間に複数の球が連続して入球した場合に生じやすい。そのため、第3受入流路2155を球が流下する状況を視認することで、遊技者は、第2入賞口640に複数の球が連なって入球したことを把握することができる。
なお、切替手段の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、第1方向D21への球の流下を許容する状態と、規制する状態とを、ソレノイド等の駆動手段を利用して切り替え可能に構成される開閉板を球流下ユニット2150に配設しても良いし、第1方向D21と第2方向D22との分岐点において磁力を発生可能に配設される電磁石を配設し、その発生する磁力を引っ張り力または斥力として利用することで球の流下経路を切り替えるようにしても良い。
これらの方法によれば、球の流下経路を第1方向D21又は第2方向D22に切り替えるだけでなく、球を停留させたり、球を逆戻りさせたりすることができる。遊技領域を流下する球と異なり、第2入賞口640に入球した球の流下経路を変化させても、その後の遊技結果に影響を及ぼすものではないので、上述のように磁力を用いた球の流下経路を切替を実行することが可能となる。
上述のように、電気を利用した装置で球の流下経路を切り替える場合、球が第1方向D21に流下するか、第2方向D22に流下するかをMPU221(図4参照)で制御することができる。そのため、第2入賞口640への入球による抽選の結果と、その球が第1方向D21で流下するか第2方向D22で流下するかの切替とを関連付けることができる。
例えば、第2入賞口640への入球による抽選が大当たりの場合の60%で、球が第3受入流路2155を流下するように切替手段を制御するようにすれば、第3受入流路2155を球が流下しているのを視認した遊技者の大当たりに対する期待感を向上させることができる。
この場合、第3受入流路2155への案内路となる第1受入流路152の下端位置に遊技者の視線を最も集め易くなり、結果的に、球流下ユニット2150を流下する排出球(遊技領域から既に排出された球)への注目力を向上させることができる。
上述のように、第3受入流路2155を球が流下することは、第2入賞口640への入球頻度が高い場合や、第2入賞口640への入球による抽選の大当たりの期待値が高い場合を示唆している。
そこで、本実施形態では、排出部2155bの途中に球の通過を検出可能な検出センサSC21を配設し、球の通過が判定された場合に、粒状部材320を発射するように制御している。
なお、上述のように、粒状部材320の発射のためには、予め射出装置400を演出待機状態(図38参照)から、発射待機状態(図40)に状態変化させる必要があるので、ある程度の時間がかかる。一方で、第2入賞口640に球が入球したタイミングで粒状部材320の発射を実行するか否かが決まり、そこから球が排出部2155bへ到達するまでにもある程度の時間がかかるので、この流下時間を利用して射出装置400を状態変化させるように制御している。
これにより、球の通過が検出センサSC21に判定されると同時に、粒状部材320を発射するように制御することができる。このように制御することにより、第2入賞口640に入球してから球が第3受入流路2155を流下するのに要すると予想される一定の時間遅れの後に粒状部材320を発射するように制御する場合に比較して、球の流下と粒状部材320の発射タイミングとを合わせ易くすることができる。
例えば、球に付着した油が第1受入流路152に付着することにより球の流下速度の低下が生じている場合があり、この場合に一定の時間遅れ分だけ待って粒状部材320を発射するように制御すると、球が第3受入流路2155に到達する前に粒状部材320の発射が実行されてしまい、演出効果が低下する可能性がある。
これに対し、球の通過が検出センサSC21に判定されると同時に、粒状部材320を発射するように制御することで、球が第3受入流路2155に到達するのを見届けさせるまで遊技者の注目力を第3受入流路2155に集中させた後で、粒状部材320の発射により導光板161の面積程度に広がる迫力のある演出を実行するという、一連の演出の演出効果を向上することができる。
なお、球が流下する第3受入流路2155の配置と、導光板161を通して視認される第3図柄表示装置81(図12(a)参照)の表示領域の配置とは、正面視で部分的に重なるので、遊技者に視線の変化を要求することなく、上述の一連の演出を視認させることができる。
なお、検出センサSC21を球が通過した場合に粒状部材320を発射しない制御も組み合わせるようにしても良い。例えば、粒状部材320の発射が実行されない場合に大当たりとなると、上述の確変大当たりの可能性が高くなるように制御しても良い。
この場合、第3受入流路2155に球が案内された後の演出の種類を増やすことができるので、第3受入流路2155に球が案内された段階で第3受入流路2155に対する遊技者の注目力が低下することを避けることができる。
加えて、粒状部材320の発射が実行されなかった場合に、その後の第3図柄表示装置81での表示演出に対する注目力を向上させることができる。
なお、検出センサSC21の機能と同様の機能を有する検出センサを、他の箇所に配置するようにしても良い。例えば、特定入賞口65aに入球した球が通過可能な箇所に配置しても良い。この場合、特定入賞口65aに入球した球の通過タイミングで、粒状部材320を発射する演出を実行することができる。この場合に、検出センサSC21を、遊技球が通過することで遊技者に付与する利益がより有利なものとなる特定領域に配設するようにしても良い。
図99及び図100を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、拡大縮小ユニット600の演出部材700が、左右対称で離散するように径方向に拡大縮小変位するように構成される場合を説明したが、第3実施形態の演出部材3700では、径方向の拡大縮小変位において、左右対称では無い区間を形成可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図99は、第3実施形態における拡大縮小ユニット3600の正面図である。なお、拡大縮小ユニット3600の第1実施形態との相違点は、演出部材3700にのみあり、本体部材601、正面カバー部材610、上アーム部材620、下アーム部材630及び伝達ギア650の構成は共通であるので、説明は省略する。
図99では、演出部材3700の遮蔽意匠部材760が径方向の拡大縮小変位の途中位置(中間位置)に配置された状態が図示される。図99に示すように、本実施形態では、5枚の遮蔽意匠部材760を採用していることは第1実施形態と同様であるが、遮蔽意匠部材760の内、下側2枚および左上1枚が同様の長さで径方向拡大変位している一方で、上側1枚および右上1枚は依然として集合配置状態とされている(径方向拡大変位していない)。この変位を実現するための構成について説明する。
図100は、回転板3730の正面図である。回転板3730は、第1実施形態で説明した回転板730に対して、一部の案内孔733が別案内孔3733に変化していることを除き、共通の構成を備える。
図100に示すように、回転板730は、正面視で上側および右上側の案内孔733の代わりとして、別案内孔3733を備える。別案内孔3733は、上述の小径円弧部733aと、大径円弧部733bと、それら小径円弧部733a及び大径円弧部733bを連結する調整連結部3733cと、を備える。
調整連結部3733cは、大径円弧部733bとの連結部から中間位置付近まで同一円弧形状に沿って延び、大径円弧部733bの反対側において(右回り方向に隣設される案内孔733又は別案内孔3733に近接する位置において)小径円弧部733a側へ向けて急激に近づくよう形成される。
即ち、伸縮変位部材740を集合配置状態(図63参照)から変位させる変位態様において、連結部733cに案内される伸縮変位部材740は早い段階から径方向に拡大変位する一方で、調整連結部3733cに案内される伸縮変位部材740は、大径円弧部733bと同一円弧形状に案内されている間は径方向の拡大変位が生じない。そのため、図99に示すように、遮蔽意匠部材760の配置にずれを生じさせることができる。遮蔽意匠部材760の配置ずれにより生じる作用について説明する。
図99に示すように、遮蔽意匠部材760の配置を左右非対称とすることで、演出部材3700の重心位置を左右方向中心や、上下方向中心からずらすことができる。特に、図99に示す状態では、右上位置に配置される遮蔽意匠部材760が集合配置状態に依然として留まっていることから、その分だけ、演出部材3700の重心G31が左下位置にずれる。
この結果、演出部材3700には、重心G31のずれを修正する方向の負荷、即ち、正面視反時計回り方向の負荷が自重により生じる。この負荷により、演出部材3700に、前後方向軸中心の回転方向の姿勢変化を生じさせることができるので、遮蔽意匠部材760を、演出部材3700の回転軸を中心とした径方向と、回転方向とを組み合わせた方向に変位させることができる。
これにより、遮蔽意匠部材760を変位させるための部材である機能板部720(図55参照)、回転板3730及び伸縮変位部材740(図59参照)の形状のみからは予定されていない方向(即ち、回転方向)に遮蔽意匠部材760を変位させることができる。
本実施形態では、連結部733cと調整連結部3733cとが異なるだけで、それ以外の部分については、案内孔733と別案内孔3733との形状は同じであり、小径円弧部733a及び大径円弧部733bの配置は案内孔733と別案内孔3733とで同じである。
そのため、図99に示す状態で重心G31の位置がずれた後、遮蔽意匠部材760が集合配置状態とされるか、径方向の拡大変位終端位置に配置されることで、遮蔽意匠部材760は左右対称に配置されることになるので、再び重心G31は演出部材3700の左右中心位置および上下中心位置に戻る。これにより、重心G31の位置がずれたまま維持され不具合の発生を防止することができる。
この重心G31の戻りを利用した演出例について説明する。第1実施形態では、演出部材700の上下変位と径方向変位とが同時に行われることは無く、個別に実行される場合を説明したが、この目的は他の構成との衝突を避けることである。
本実施形態では、他の構成との衝突を避ける工夫を採用した上で、演出部材3700の上下変位と径方向変位とを同時に実行可能に制御される。即ち、図99に示す状態から、演出部材3700を下降変位させながら、遮蔽意匠部材760を径方向に拡大変位させることが可能に構成される。
この場合、演出部材3700の下降変位と、遮蔽意匠部材760の径方向の拡大変位とに加えて、演出部材3700の重心G31の戻りが生じることになるので、演出部材3700に、図99に示す状態から想定される回転方向(正面視反時計回り)とは逆回転の姿勢変化を生じさせることができる。
このように、演出部材3700の径方向の拡大変位に対して、正逆方向の回転変位を加えることができるので、遮蔽意匠部材760を径方向に拡大縮小変位させることに特化した簡易な構成を採用しながら、結果として回転方向の変位も加わった複雑な動きとすることができる。これにより、演出部材3700による演出効果を向上することができる。
図101を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、演出待機状態から駆動モータM1が正回転方向に駆動されることで、直動部材410と伝達アーム部材470とが同時に変位する場合を説明したが、第4実施形態では、後側伝達部材460の溝形成部462の形状が変化され、直動部材410の変位に先立って伝達アーム部材470の変位、即ち蓋部材480の変位が完了する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図101は、第4実施形態における前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転に伴う、検出センサSC4の出力状態、直動部材410の配置、衝突部材420の配置、当接部材430の突設部432の配置および伝達アーム部材470の円柱状突部472の配置の計時変化を示した図である。
なお、図101では、各構成の配置変化の変化幅同士での相対関係が記載されているわけではなく、配置変化が生じるタイミングの相対関係の目安が示される。また、直動部材410の配置変化は、コイルスプリングSP1に蓄積される付勢力の変化に対応する。
図101に示すように、第4実施形態では、直動部材410及び衝突部材420の変位に先立って伝達アーム部材470の変位が完了する。そのため、蓋部材480が退避側の変位終端位置に配置された状態で直動部材410及び衝突部材420の下降変位が開始されるので、遊技者は、蓋部材480に視線を遮られることなく、衝突部材420の下降変位に伴う粒状部材の変位を視認することができる(図12(a)、図38参照)。
この状況において、図101に示す角度66度から角度125度の間において直動部材410を往復動作させることで、粒状部材320を振動(微小変位)させて遊技者に視認させることができる。
本実施形態では、コイルスプリングSP1の付勢力が強力なので、駆動モータM1の駆動を解消すると、コイルスプリングSP1の付勢力で直動部材410及び衝突部材420が上昇変位する。
そのため、駆動モータMT1に断続的に通電することで、直動部材410を往復動作させることができる。これにより、駆動モータMT1の駆動方向を切り替えることを不要とすることができるので、制御を容易とすることができる。
また、このように粒状部材320を振動(微小変位)させて遊技者に視認させる態様において、蓋部材480が共に変位する場合に比較して、トーションスプリングSP2が受ける負荷(疲労)を低減することができる。
なお、粒状部材320を振動(微小変位)させるために衝突部材420を変位させる態様はこれに限るものではない。例えば、他の振動装置から衝突部材420へ振動を伝達して、衝突部材420を振動させるようにしても良い。この場合、他の振動装置は衝突部材420の変位方向下側に配置されることが好ましい。これにより、コイルスプリングSP1の付勢力による衝突部材420の変位時に他の振動装置が負荷を受けることを回避することができる。
図102を参照して、第5実施形態について説明する。第1実施形態では、演出待機状態から駆動モータM1が正回転方向に駆動されることで、直動部材410と伝達アーム部材470とが同時に変位する場合を説明したが、第5実施形態では、後側伝達部材460の溝形成部462の形状が変化され、直動部材410の変位が完了した後で伝達アーム部材470の変位、即ち蓋部材480の変位が開始する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図102は、第5実施形態における前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転に伴う、検出センサSC4の出力状態、直動部材410の配置、衝突部材420の配置、当接部材430の突設部432の配置および伝達アーム部材470の円柱状突部472の配置の計時変化を示した図である。
なお、図102では、各構成の配置変化の変化幅同士での相対関係が記載されているわけではなく、配置変化が生じるタイミングの相対関係の目安が示される。また、直動部材410の配置変化は、コイルスプリングSP1に蓄積される付勢力の変化に対応する。
図102に示すように、第5実施形態では、直動部材410及び衝突部材420の変位が完了した後で伝達アーム部材470の変位が開始する。更に、粒状部材320の発射後、粒状部材320が衝突部材420に到達する前に蓋部材480の変位が完了するように構成される(角度290度付近を参照)。
そのため、粒状部材320の少なくとも一部を蓋部材480の上側に乗せ、滞留させることができる。粒状部材320が蓋部材480に衝突することで蓋部材480の回転を阻害する可能性も考えられるが、本実施形態では蓋部材480の進退部481が回転軸を中心とする円弧形状から形成されるので、粒状部材320から受ける負荷を回転軸側へ向けることができる。これにより、蓋部材480の回転を阻害し難くすることができる。
蓋部材480の上に粒状部材320が乗ったまま、駆動モータMT1の正回転方向の駆動を継続すると、伝達アーム部材470が退避側(図102小径側)へ変位することにより粒状部材320は衝突部材420の上に落ちる。
一方、このタイミングでは衝突部材420と直動部材410との接触は解けているので、粒状部材320から衝突部材420に伝達される負荷が直動部材410まで伝達されることを回避することができる。
また、発射待機状態から駆動モータMT1は逆回転方向に回転駆動させる場合に、高速とすると直動部材410及び衝突部材420の上昇速度を向上させることができ粒状部材320を発射することができる。
この場合において、発射時に、蓋部材480は進入側の変位終端位置に配置されているので、張出部482が配置される左右中央部において粒状部材320の発射が阻害され、左右方向への発射た主になるように視認させることができる。
即ち、駆動モータMT1を正回転させる場合の発射態様と、逆回転させる場合の発射態様とで、粒状部材320が打ち出される方向を変化させることができる。これにより、粒状部材320の発射方向にバリエーションを持たせることができ、演出効果を向上することができる。
図103を参照して、第6実施形態について説明する。第1実施形態では、第1光照射装置330や第2光照射装置340が平板状の基板を備え、前後方向や左右方向に光を照射する場合を説明したが、第6実施形態では、第1光照射装置6330や第2光照射装置6340が折れ曲がり配置される電飾基板を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図103は、図2のXXVII−XXVII線に対応する線における第6実施形態における遊技盤13及び発射ユニット6300の断面図である。即ち、図103では、遊技盤13及び発射ユニット6300が図示され、動作ユニット500の図示は省略されている。また、第1光照射装置6330や第2光照射装置6340から照射される光の方向が模式的に矢印で図示される。
図103に示すように、第1光照射装置6330は、電飾基板332に加えて、その電飾基板332の正面側端部に正面側端部が近接し、背面側端部が電飾基板332から離れる姿勢で傾斜配置される第2電飾基板6334を備える。
第2電飾基板6334は、少なくとも正面側面から光を照射可能に配設されるLED等の発光手段を備えている。この発光手段により、区画部材310へ光を向け易くなり、区画部材310の内部空間IE1を飛散する粒状部材320を光らせる演出の演出効果を向上させることができる。
第2光照射装置6340は、電飾基板342に加えて、その電飾基板342の背面側端部に背面側端部が近接し、正面側端部が電飾基板342から離れる姿勢で傾斜配置される第2電飾基板6344を備える。
第2電飾基板6344は、少なくとも背面側面から光を照射可能に配設されるLED等の発光手段を備えている。この発光手段により、発射ユニット6300の背面側に配置される拡大縮小ユニット600の演出部材700や変位回転ユニット800等に光を向け易くなり、発光演出の演出効果を向上させることができる。
なお、電飾基板の配置はこれに限るものでは無い。例えば、第2電飾基板6334,6344のみ採用し、電飾基板332,342を省略しても良いし、その他の組み合わせを採用しても良い。また、第2電飾基板6334,6344において発光手段を配置しなかった側に発光手段を配置するようにしても良いし、両面から光を照射可能に構成しても良い。
また、光照射の方向を斜めにするという目的からすれば、電飾基板を増やすという方法をとらずに、発光手段の姿勢を変化可能な装置を構成するようにしてもいい。また、電飾基板332,342と第2電飾基板6334,6344の交差位置に発光手段を配置し、光照射可能に構成しても良い。
図104から図120を参照して、本発明の第7実施形態における基板ボックスA100について説明する。まず、図104から図107を参照して、基板ボックスA100の概略構成について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図104は、第7実施形態におけるパチンコ機A10の背面図であり、図105は、第7実施形態における基板ボックスA100の正面斜視図であり、図106は、基板ボックスA100の背面斜視図であり、図107(a)は、基板ボックスA100の正面図であり、図107(b)は、基板ボックスA100の側面図である。
なお、図105から図107における矢印F,B、矢印L,R及び矢印U,Dは、基板ボックスA100の前後方向、左右方向および上下方向をそれぞれ示している。なお、以下の各図においても同様であるので、その説明は省略する。
また、第7実施形態におけるパチンコ機A10は、第1実施形態におけるパチンコ機10に対し、基板ボックスA100を除き、その他の構成は同一とされる。よって、その他の説明は省略する。
図104から図107に示すように、基板ボックスA100は、ボックスカバーA200と、そのボックスカバーA200により開口が覆われるボックスベースA300と、それらボックスカバーA200及びボックスベースA300を開封不能に連結(かしめ構造による連結)する封印ユニットA400と、その封印ユニットA400により連結されたボックスカバーA200及びボックスベースA300の封印ユニットA400とは反対側の端部に配設されるサブカバーA500とを備え、主制御装置A110(図112参照)が収納される。
封印ユニットA400には、回転軸A410が形成される。回転軸A410は、基板ボックスA100を内枠12の背面側に回転可能に軸支するための軸であり(図120参照)、基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の短手方向(矢印U,D方向)に平行、且つ、基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の長手方向(矢印L,R方向)に直交する軸として形成される。
また、回転軸A410は、正面視(矢印B方向視)において、基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の長手方向一側(後述する被覆部A270を挟んで第1接続壁部A220と反対側、矢印R方向側)に配設される。なお、回転軸A410を基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の長手方向一側と反対側となる長手方向他側(矢印L方向側)に配設しても良い。
主制御装置A110には、スイッチ装置A120とキー装置A130とが配設(搭載)される。なお、主制御装置A110は、第1実施形態における主制御装置110に対し、スイッチ装置A120及びキー装置A130が更に配設(搭載)されて構成される。即ち、主制御装置A110と第1実施形態における主制御装置110とは、スイッチ装置A120及びキー装置A130の有無を除き、その他の構成は同一とされる。よって、その他の説明は省略する。
スイッチ装置A120は、操作部A122が初期位置から押し込まれることにより動作(オン)されると共に押し込みが解除されることによりオフされる(操作部A122が初期位置へ復帰される)モーメンタリ式の押ボタンスイッチとして構成され、主制御装置A110への入力に利用される。なお、スイッチ装置A120及びキー装置A130は、主制御装置A110(主制御装置110)における各種スイッチ208(図4参照)の一部に相当する。
スイッチ装置A120は、操作部A122が動作位置(オンされる位置)まで押し込まれる際に、所定のクリック感(押し込み力の変化)が発生するように構成され、かかるクリック感に基づいて、主制御装置A110への入力の完了を操作者が検知可能とされる。
よって、操作部A122を視認できない状況で操作する必要がある場合に有効となる。
キー装置A130は、初期位置(以下「オフ位置」と称す)において鍵A140が挿抜可能とされ、オフ位置において差し込まれた鍵A140が回転(本実施形態では右回転)され所定位置(以下「オン位置」と称す)に配置されることにより動作(オン)されると共に鍵A140が回転(本実施形態では左回転)されオフ位置に配置されることによりオフされる鍵操作式のセレクタスイッチ(モード切替スイッチ)として構成される。
なお、本実施形態では、オフ位置とオン位置との位相差は略90度に設定される。また、キー装置A130は、オフ位置においては、鍵A140の挿抜が可能とされる一方、オン位置においては、鍵A140の抜き取りが不能とされる。
また、キー装置A130のオン・オフの状態に応じて、スイッチ装置A120の機能を切り替えられる。例えば、本実施形態では、キー装置A130がオフされている状態では、スイッチ装置A120は、主制御装置A110を初期化(RAM消去を実行)するリセットスイッチ(RAMクリアスイッチ)として機能し、キー装置A130がオンされている状態では、スイッチ装置A120は、後述するように、抽選における当たり確率の値を変更(以下「設定変更」と称す)するための設定変更スイッチとして機能する形態が例示される。
ここで、上述のように、基板ボックスA100(ボックスカバーA200及びボックスベースA300)は開封不能に連結されるため、主制御装置A110(例えば、スイッチ装置A120やキー装置A130)の操作を行うためには、基板ボックスA100を開封する必要があり、手間がかかる。
これに対し、本実施形態における基板ボックスA100によれば、ボックスカバーA200に開口A250,A260が形成され、それら開口A250,A260を介して、スイッチ装置A120やキー装置A130を操作可能とされる。即ち、基板ボックスA100の開封を不要として、手間を抑制できる。詳細については後述する。
スイッチ装置A120及びキー装置A130の背面側(操作部A122の押し込み方向側、鍵A140の差し込み方向側、矢印B方向側)には、脚A121,A131(電気的接続端子、図114参照))が突出され、それら脚A121,A131が、主制御装置A110(プリント基板A119)に開口する孔に正面側から挿通されて背面側に突出した部分がはんだ付けされることで、スイッチ装置A120及びキー装置A130は、主制御装置A110(プリント基板A119)の正面側に配設される。
この場合、スイッチ装置A120及びキー装置A130に外力(例えば、操作部A122や鍵A140を押し込み方向(差し込み方向)と直交する方向へ変位させる力、矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面に平行な方向の力)が作用され、主制御装置A110(プリント基板A119)に対して傾倒されると、スイッチ装置A120及びキー装置A130の一側(傾倒によりプリント基板A119から持ち上げられる側)の脚A121,A131に引張力が作用される一方、他側(傾倒によりプリント基板A119に押さえ付けられる側)の脚A121,A131に圧縮力が作用される。そのため、脚A121,A131の破断や屈曲、孔からの脚A121,A131の抜け、はんだの剥がれが発生し、断線や接触不良を招く虞がある。これに対し、基板ボックスA100には、かかる問題点を解決する手段が採用される。詳細については後述する。
主制御装置100は、複数(本実施形態では4個)の7セグメント表示器(図示せず)を備え、かかる7セグメント表示器がプリント基板A119に搭載される。なお、ボックスカバーA200が光透過性の樹脂材料から構成されるため、作業者は、7セグメント表示器の表示を、ボックスカバーA200を介して、視認できる。
ここで、スイッチ装置A120及びキー装置A130を用いた設定変更の方法について説明する。
まず、パチンコ機A10の電源がオフされた状態において、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオン位置に配置した上で、スイッチ装置A120の操作部A122を動作位置まで押し込みつつ、パチンコ機A10の電源をオンする。これにより、設定変更モードとして起動され、スイッチ装置A120の操作部A122が押し込み操作される毎に、設定が変更される。
本実施形態では、設定値として、第1から第6の6値が規定されており、これらの値が循環される(例えば、操作部A122の押し込み操作により、設定値が第1の値から第6の値へ順に進み、第6の値に設定された状態から操作部A122が押し込み操作されると、設定値が第1の値に進む)。
設定値は、液晶ディスプレイ(表示装置)である第3図柄表示装置81に表示され、スイッチ装置A120の操作部A122が押し込み操作されると(設定値が変更されると)、第3図柄表示装置81に表示される設定値も変更される。本実施形態では、設定値が7セグメント表示器にも表示される。
なお、第3図柄表示装置81に表示される設定変更に関する情報は、設定値に限られず、他の情報を含むものであっても良い。他の情報としては、現在のモード(設定変更モード、設定確認モード)、前回の設定値などが例示される。このように、第3図柄表示装置81を利用することで、例えば、7セグメント表示器を利用する場合と比較して、表示できる情報量を確保(多く)できる。その結果、操作状態を把握し易くなり、操作性の向上と操作間違いの抑制とを図ることができる。また、遊技に関する情報を表示する装置(第3図柄表示装置81)を兼用することで、その分、製品コストを低減できる。
また、設定値の表示は、第3図柄表示装置81又は7セグメント表示器の一方のみに表示され、他方には表示されない形態でも良い。或いは、第3図柄表示装置81及び7セグメント表示器の両者ともに表示されない形態であっても良い。
所望の設定値を変更した後は、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオフ位置に配置する。これにより、設定変更モードが終了される(設定値が確定される)。この場合、キー装置A130のオフエッジが検出され、その検出を契機に復電処理が実行され、設定(変更)した設定値での通常モードが起動される。
なお、所望の設定値を変更した後、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオフ位置に配置せず(即ち、オン位置に配置された状態のままで)、パチンコ機A10の電源をオフし、キー装置A130の鍵A140がオフ位置に配置された状態で、パチンコ機A10の電源をオンすることによっても、設定(変更)した設定値での通常モードが起動される。
また、設定変更モードでは、RAM消去が実行される。かかるRAM消去は、キー装置A130に差し込まれている鍵A140がオフ位置に配置されることで確定される。なお、RAM消去を実行するタイミングとしては、パチンコ機A10の電源がオンされたタイミング、そのタイミングから所定時間が経過したタイミング、鍵A140がオフ位置に配置されたタイミングなどが例示される。即ち、RAM消去を実行するタイミングは適宜設定できる。
また、設定変更モード中(即ち、スイッチ装置A120の操作部A122の押し込み操作により設定値の変更が可能となった状態において、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオフ位置に配置せず(即ち、オン位置に配置された状態のままで)、パチンコ機A10の電源をオフした場合、キー装置A130から鍵A140が抜き取られた状態で、又は、キー装置A130に差し込まれている鍵A140がオフ位置に配置された状態で、パチンコ機A10の電源がオンされると、通常モードでの起動が行われず、エラー状態とされ、第3図柄表示装置81にエラー表示が表示される。なお、第3図柄表示装置81と同時に、又は、これに代えて、7セグメント表示器にエラー表示を表示しても良い。
次いで、設定変更モードで設定された設定値の確認は、まず、パチンコ機A10の電源をオフし、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオン位置に配置した上で、パチンコ機A10の電源をオンする。これにより、設定値を確認するための設定確認モードが起動され、その時点で設定されている設定値が第3図柄表示装置81及び7セグメント表示器に表示される。
なお、設定確認モードでの設定値の表示は、第3図柄表示装置81又は7セグメント表示器の一方のみに表示され、他方には表示されない形態でも良い。或いは、第3図柄表示装置81及び7セグメント表示器の両者ともに表示されない形態であっても良い。
この設定確認モードにおいて、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオフ位置に配置する。これにより、設定確認モードが終了される。また、キー装置A130のオフエッジが検出され、その検出を契機に復電処理が実行され、その時点で設定されている設定値での通常モードが起動される。
なお、設定確認モードにおいて、パチンコ機A10の電源をオフし、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオフ位置に配置した状態で、パチンコ機A10の電源をオンすることによっても、その時点で設定されている設定値での通常モードが起動される。
本実施形態では、設定変更モードでの設定値の変更が完了(確定)すると、7セグメント表示器が所定の態様で発行される。所定の態様としては、例えば、所定の表示(例えば、「7」)が一定の時間間隔で点滅される態様が例示される。
また、7セグメント表示器は、4個が並設されることで、4桁の表示が可能とされ、前半の2桁(2個)によりモードが表示され(例えば、設定変更モードでは「01」が、設定確認モードでは「02」が、それぞれ表示され)、後半の2桁(2個)により設定値が表示される(例えば、第1の値は「01」が、第2の値は「02」が、・・、第6の値は「06」が、それぞれ表示され)。
次いで、図108から図114を参照して、基板ボックスA100を構成する各部品(ボックスカバーA200、ボックスベースA300及び主制御装置A110)について順に説明する。まず、図108から図110を参照して、ボックスカバーA200について説明する。
図108は、ボックスカバーA200の正面斜視図であり、図109は、ボックスカバーA200の背面斜視図であり、図110(a)は、図108の矢印CXa方向視におけるボックスカバーA200の部分拡大正面図であり、図110(b)は、図109の矢印CXb方向視におけるボックスカバーA200の部分拡大背面図である。
図108から図110に示すように、ボックスカバーA200は、正面視略横長矩形の板状に形成される正面壁部A201と、その正面壁部A201の4辺から背面側(矢印B方向)へ向けて立設され板状に形成される壁部(上壁部A202、下壁部A203、それら上壁部A202及び下壁部A203を連結する左壁部A204及び右壁部A205)とを主に備え、これら各壁部A201〜A205により背面側が開放された箱状に形成される。なお、ボックスカバーA200は、光透過性の樹脂材料を素材とし、樹脂成形型を用いて成形される。
上壁部A202、下壁部A203、左壁部A204及び右壁部A205の立設先端面(矢印B方向側の面)には、2段の段差が形成される。段差は、基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の内部空間側に第1の面(第1の段)が形成され、その第1の面の外方側(内部空間と反対側)に第2の面(第1の段)が形成される。第1の面は、第2の面よりも低く(正面壁部A201からの立設高さが小さく)され、主制御装置A110(プリント基板A119)を載置する面(以下「座面A206」と称す)として形成される。
座面A206は、各壁部A201〜A205の面(第1の面)が連続した正面視略矩形枠状に形成され、正面壁部A201と平行な面として形成される。座面A206の4箇所の角部分(各壁部A201〜A205の面(第1の面)どうしが連結される部分)には、内周にめねじが螺刻された締結孔A206aが凹設される。
よって、主制御装置A110(プリント基板A119)は、その正面のうちの外縁側を座面A206に当接させ、主制御装置A110(プリント基板A119)の挿通孔A112に挿通されたねじASC(図117(b)及び図118(b)参照)が締結孔A206aに螺合されることで、正面壁部A201と平行な姿勢でボックスカバーA200(座面A206)に締結固定され、基板ボックスA100に収納される。
上壁部A202及び下壁部A203には、複数の係合片A207が所定間隔を隔てて並設される。係合片A207は、上壁部A202及び下壁部A203から背面側(矢印B方向)へ立設される基部と、その基部の立設先端から一方向(矢印R方向)へ延設される延設部とから略L字状に屈曲した形状に形成され、後述するように、ボックスベースA300の被係合部A307に係合される。
正面壁部A201には、その一部に背面側(矢印B方向)へ向けて凹設される部分が形成される。かかる凹設部分は、正面壁部A201よりも背面側(主制御装置110側)へ後退して位置する板状の操作用壁部A210と、その操作用壁部A210の各辺を正面壁部A201に接続する板状の壁部(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)とによって正面壁部A201に形成される。
即ち、基板ボックスA100の正面側の外面(矢印F方向側の面)は、正面壁部A201により形成される第1領域と、その第1領域よりも主制御装置A110に近い側に位置し操作用壁部A210により形成される第2領域とから形成される。
操作用壁部A210は、スイッチ装置A120やキー装置A130の操作面を形成する部位であり、正面視略横長矩形(矢印U,D方向における長さ寸法に対して矢印L,R方向における長さ寸法が長くされる長方形状)に形成され、正面壁部A201と略平行な姿勢で配設される。
なお、操作用壁部A210は、正面視(矢印B方向視)において、ボックスカバーA200の長手方向中央よりも一側(封印ユニットA400の回転軸A410側)に配設される。
第1接続壁部A220は、操作用壁部A210の長手方向一側(矢印L方向側)における一辺を正面壁部A201に接続する壁部であり、正面壁部A201から操作用壁部A210へ向かうに従って主制御装置A110へ近接する方向に傾斜(下降傾斜)して形成される。よって、第1接続壁部A220の正面側(矢印F方向側)に、操作用壁部A210の正面側(矢印F方向側)の空間に連なる空間を形成でき、それら第1接続壁部A220及び操作用壁部A210の正面側の空間を合せた空間として、全体としての空間(キー装置A130の操作の際に使用できる空間)を拡大できる。
なお、本実施形態では、正面壁部A201及び操作用壁部A210に対する第1接続壁部A220の傾斜角度が略45度に設定される。これにより、操作用壁部A210の正面側(矢印F方向側)における空間の拡大と、基板ボックスA100の内部における空間の確保との両立を図ることができる。
第2接続壁部A230は、操作用壁部A210の短手方向一側(矢印U方向側)における一辺を、第3接続壁部A240は、操作用壁部A210の長手方向他側(矢印R方向側)における一辺を、それぞれ正面壁部A201に接続する壁部であり、正面壁部A201及び操作用壁部A210に略直交する姿勢で配設される。
操作用壁部A210には、操作部A122を基板ボックスA100の外部へ突出させるための開口A250と、鍵A140のキー装置A130への挿抜を可能とするための開口A260と、主制御装置A110(プリント基板A119)に搭載されるコネクタ(図示せず)への接続を可能とするための開口AOP1〜AOP8とがそれぞれ形成される。
開口A250は、その正面視形状が、操作部A122の外形に対応する形状(本実施形態では正面視略正方形)に形成され、操作用壁部A210の長手方向(矢印L,R方向)における略中央に配置される。開口A250の周囲には、操作用壁部A210の正面(外面、矢印F方向側の面)からガイド壁A251が立設される。
ガイド壁A251は、操作部A122の押し込み方向(矢印B方向)への変位をガイドすると共に押し込み方向と直交する方向(矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面に平行な方向)への変位(倒れ)を規制するための部位であり、開口A250を取り囲む正面視略正方形の額縁状に形成され、その内周面が開口A250の内周面に滑らかに連なって形成される。
ガイド壁A251の操作用壁部A210からの立設高さは、本実施形態では、動作位置(オンされる位置)まで押し込まれた操作部A122の先端よりも操作用壁部A210からの立設先端が低い位置となる(操作部A122の先端がガイド壁A251の立設先端よりも外方(矢印F方向側)へ突出される)寸法に設定される。これにより、操作部A122の押し込み操作がガイド壁A251によって阻害されることを回避でき、操作部A122の操作性の向上を図ることができる。
但し、ガイド壁A251の操作用壁部A210からの立設高さを、動作位置(オンされる位置)まで押し込まれた操作部A122の先端よりも操作用壁部A210からの立設先端が高い位置となる(操作部A122の先端がガイド壁A251の立設先端よりも内方(矢印B方向側)へ没入される)寸法に設定しても良い。これにより、作業者の不用意な操作や他の部材との当接(干渉)によって操作部A122が意図せずに動作位置へ押し込まれる(オンされる)ことを抑制できる。
また、ガイド壁A251の操作用壁部A210からの立設高さを、動作位置(オンされる位置)まで押し込まれた操作部A122の先端が、操作用壁部A210からの立設先端と略同一の高さ位置となる寸法に設定しても良い。操作部A122を押し込む際に、手指がガイド壁A251の立設先端に当接されるので、かかる当接を基準として、操作部A122を動作位置まで押し込んだことを作業者に認識させることができる。操作部A122を視認できない状況で操作する必要がある場合に有効となる。
操作用壁部A210には、その正面(外面、矢印F方向側の面)から被覆部A270が突設される。被覆部A270は、キー装置A130(図112(a)参照)の先端側(矢印F方向側)の一部に被さる部位であり、操作用壁部A210から立設され円筒状に形成される周壁部A271と、その周壁部A271の突設先端を塞ぐ(端面を形成する)板状の端面壁部A272とを主に備え、その内部の空間にキー装置A130の先端側の一部が収納される。
周壁部A271は、断面略円形の筒状に形成される基部A271aと、その基部A271aの対向する2箇所(位相を略180度異ならせた位置)から径方向外方へ突出される一対の突部A271bとを備える。周壁部A271(基部A271a及び突部A271b)は、軸方向(矢印F,B方向)に沿って全体が略同一の断面形状に形成される。よって、操作用壁部A210には、周壁部A271(基部A271a及び突部A271b)の断面形状(即ち、円形のうちの対向する2箇所を径方向外方へ突出させた形状)と略同形状の開口が形成される(図110(b)参照)。
開口A260は、被覆部A270の突設先端面、即ち、端面壁部A272に形成される。これにより、端面壁部A272は、周壁部A271の突設先端の内周面から径方向内方へ延設される板状に形成される。即ち、端面壁部A272は、基端が周壁部A271の内周面に固定され、一端(開口A260側)が自由な状態の板状(片持ち梁)として形成される。
ここで、開口A260は、鍵A140がオフ位置とオン位置との間で変位(回転)される際のその鍵A140の変位軌跡に対応する領域(変位を許容するために必要な領域)のみに形成される。詳細には、開口A260は、鍵A140の回転中心よりも一側の部分の変位を許容するための中心角略90度の第1の扇形状の開口と、鍵A140の回転中心よりも他側(一側と反対側)の部分の変位を許容するための中心角略90度の第2の扇形状の開口とが、位相を略180度異ならせて結合された形状に形成される。
これにより、端面壁部A272には、周壁部A271の突設先端の内周面から径方向内方へ延設され正面視(矢印B方向視)略円環形状に形成される円環部A272aと、その円環部A272aの内縁から径方向内方へ延設され正面視(矢印B方向視)略三角形状に形成される角形部A272bとが形成される。角形部A272bは、正面視(矢印B方向視)において、径方向内方へ向けて先細となる姿勢で配設され、位相を略180度異ならせた2箇所に形成される。
なお、鍵A140は、回転中心よりも一側の部分の回転半径と、回転中心よりも他側の部分の回転半径とが異なる寸法とされる。よって、開口A260は、第1の扇形状の開口と第2の扇形状の開口とが異なる大きさ(半径)の開口とされる。
操作用壁部A210の正面(外面、矢印F方向側の面)には、第1突条A211及び第2突条A212が突設される。これら第1突条A211及び第2突条A212は、略矩形の断面形状を維持しつつすじ状に延設される突条であり、一端が被覆部A270の外周面(外面)に連結される。
詳細には、第1突条A211の一端は、オフ位置にある鍵A140の縁部と対向する位置(位相)において、周壁部A271の突部A271bの外周面(外面)に連結され、第2突条A212の一端は、オン位置にある鍵A140の縁部と対向する位置(位相)において、周壁部A271の基部A271aの外周面(外面)に連結される。即ち、第1突条A211の一端と第2突条A212の一端とは、位相を略180度異ならせた位置において、それぞれ被覆部A270の外周面(外面)に連結される。
また、操作用壁部A210の正面(外面、矢印F方向側の面)には、第1突条A211及び第2突条A212の他端に隣接する位置(他端の延長線上)に表示部がそれぞれ形成される。表示部は、鍵A140の操作位置(回転位置)の情報を示す部位であり、「OFF」及び「ON」が表示される。即ち、縁部を第1突条A211の一端へ向けた姿勢の鍵A140はオフ位置に配置され(図115(a)参照)、縁部を第2突条A212の一端へ向けた姿勢の鍵A140はオン位置に配置される(図115(b)参照)。
開口AOP1は、操作用壁部A210に形成され、開口AOP2〜AOP8は、正面壁部A201の縁部に沿って直列(一列)に形成(並設)される。
操作用壁部A210の背面(内面、矢印B方向側の面)には、立設壁A280,A290が立設される。立設壁A280は、第1立設壁A281、第2立設壁A282、第3立設壁A283及び第4立設壁A284を備え、これら各立設壁A281,A282,A283,A284により開口A250が取り囲まれる(図110(b)参照)。よって、基板ボックスA100に主制御装置A110が収納された状態では、スイッチ装置A120が立設壁A280により取り囲まれる。
第1立設壁A281は、開口A250と第2接続壁部A230との間に配置され、第2接続壁部A230及び下壁部A203のそれぞれと略平行な板状に形成される。第2立設壁A282及び第3立設壁A283は、開口A250を挟んで対向配置され、第1立設壁A281と略直交する板状に形成される。第4立設壁A284は、開口A250と下壁部A203との間に配置され、第1立設壁A281と略平行な板状に形成される。
第2立設壁A282及び第3立設壁A283は、一側が第1立設壁A281に、他側が下壁部A203に、それぞれ連結される。即ち、第1立設壁A281は、第2立設壁A282及び第3立設壁A283を介して、下壁部A203に連結される。また、第4立設壁A284は、一側が第2立設壁A282に、他側が第3立設壁A283に、それぞれ連結される。
また、立設壁A290は、第1立設壁A291、第2立設壁A292及び第3立設壁A293を備え、これら各立設壁A291,A292,A293により開口A260が取り囲まれる(図110(b)参照)。よって、基板ボックスA100に主制御装置A110が収納された状態では、キー装置A130が立設壁A290により取り囲まれる。
第1立設壁A291は、開口A260と第2接続壁部A230との間に配置され、第2接続壁部A230及び下壁部A203のそれぞれと略平行な板状に形成される。第2立設壁A292及び第3立設壁A293は、開口A260を挟んで対向配置され、第1立設壁A291と略直交する板状に形成される。
第2立設壁A292及び第3立設壁A293は、一側が第1立設壁A291に、他側が下壁部A203に、それぞれ連結される。即ち、第1立設壁A291は、第2立設壁A292及び第3立設壁A293を介して、下壁部A203に連結される。また、第4立設壁A284は、一側が第2立設壁A292に、他側が第3立設壁A293に、それぞれ連結される。
立設壁A290は、正面視(矢印B方向視)において、被覆部A270の周囲を取り囲む大きさ(被覆部A270よりも外方となる位置)に形成される。詳細には、正面視(矢印B方向視)において、被覆部A270の周壁部A271における基部A271aの外面(円弧)が、第2立設壁A292及び第3立設壁A293の内面(直線)にそれぞれ内接され、被覆部A270の周壁部A271における突部A271bの外面(円弧)が、第1立設壁A291及び下壁部A203の内面(直線)にそれぞれ内接される。
立設壁A280,A290における第1立設壁A281,A291、第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293は、操作用壁部A210の背面(内面、矢印B方向側の面)からの立設高さがそれぞれ同じ寸法とされると共に、それら各立設壁A281,A291,A282,A292,A283,A293の立設先端面(矢印B方向側の面)が座面A206と同じ高さ位置に配置される。
よって、立設壁A280,A290は、第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293の立設先端面が座面A206に連なり、座面A206と各立設壁A281,A293,A282,A292,A283,A293の立設先端面とが同一の平面状に位置する(同一平面を形成する)。これにより、主制御装置A110(プリント基板A119)がボックスカバーA200(座面A206)に締結固定されると、第1立設壁A281,A291、第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293の立設先端面(矢印B方向側の面)が主制御装置A110(プリント基板A119)の正面(矢印F方向側の面)に当接される。
ここで、立設壁A280では、第2立設壁A282及び第3立設壁A283の長さ寸法(矢印U,D方向寸法)が、第1立設壁A281の長さ寸法(矢印L,R方向寸法)よりも大きな値とされる。そのため、後述するように、傾倒されたスイッチ装置A120の外面が立設壁A280(第2立設壁A282及び第3立設壁A283)の内面に当接された際に、第2立設壁A282及び第3立設壁A283が変形して、スイッチ装置A120の傾倒を抑制できない虞がある。
これに対し、本実施形態では、第2立設壁A282及び第3立設壁A283の対向間が第4立設壁A284により連結されるので、第2立設壁A282及び第3立設壁A283の変形を抑制できる。その結果、スイッチ装置A120の傾倒を抑制できる。
一方で、第4立設壁A284が下壁部A203と近接した位置に配置されることで、かかる第4立設壁A284近傍の材料ボリュームが大きくなる。これは、板厚寸法の大きな部位が部分的に形成されることに相当し、他の部位との収縮率の差に伴い、部分的に板厚寸法が大きい部位およびその近傍での成形不良を生じさせる。
これに対し、第4立設壁A284の立設高さは、第1立設壁A281、第2立設壁A282及び第3立設壁A283の立設高さよりも小さく(低く)される。これにより、第2立設壁A282及び第3立設壁A283の変形を抑制する機能は確保しつつ、第4立設壁A284近傍の材料ボリュームを小さくして、収縮率の差に伴う成形不良を抑制できる。
また、下壁部A203よりも開口A250に近接する位置に第4立設壁A284が設けられていることで、後述するように、スイッチ装置A120の矢印D方向側への傾倒に対し、かかるスイッチ装置A120の外面を第4立設壁A284の内面に当接させ、その傾倒を適切な範囲で(即ち、下壁部A203に当接させる場合よりも小さい角度の傾倒に)抑制させることができる。
立設壁A280,A290における第1立設壁A281,A291、第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293の立設先端側の内面には、立設先端側(矢印B方向)へ向かうに従って外面側へ近接する傾斜面であるテーパ面A280a,A290aがそれぞれ形成される。これにより、各立設壁A281,A291,A282,A292,A283,A293の立設先端における厚み寸法(板厚寸法)が立設先端側へ向かうに従って漸次小さくされ、その分、各立設壁A281,A291,A282,A292,A283,A293の立設先端面(矢印B方向側の面)の面積が小さくされる。
なお、テーパ面A280a,A290aを省略しても良い。また、テーパ面A280a,A290aを、立設壁A280,A290における第1立設壁A281,A291、第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293の立設先端側の外面に設けても良い。
正面壁部A201の背面(内面、矢印B方向側の面)には、立設壁A208が立設される。また、操作用壁部A210の背面(内面、矢印B方向側の面)には、上述した立設壁A280,A290の他に、立設壁A209が立設される。
立設壁A208は、4辺の板状体を連結し正面壁部A201と反対側が開放される箱状に形成され、主制御装置A110(プリント基板A119)に搭載される演算装置(MPU201、図4参照)に対応する位置に形成される。また、立設壁A209は、開口AOP1に対応する内形を有し、操作用壁部A210と反対側が開放される箱状に形成され、主制御装置A110(プリント基板A119)に搭載されるコネクタに対応する位置に形成される。よって、基板ボックスA100に主制御装置A110が収納された状態では、演算装置(MPU201)が立設壁A208により、コネクタが立設壁A209により、それぞれ取り囲まれる。
ここで、複数の対象物をそれぞれ取り囲む複数の立設壁A208,A209,A280,A290は、1又は複数の立設壁の立設先端面の高さ位置が、残りの立設壁の立設先端面の高さ位置と異なる高さ位置に設定される。本実施形態では、立設壁A209の立設先端面の高さ位置が、立設壁A208,A280,A290の立設先端面の高さ位置よりも後退される(即ち、プリント基板A119から離間する側に位置する)。これにより、立設壁A208,A209,A280,A290の寸法公差、プリント基板A119のボックスカバーA200への取付公差、或いは、プリント基板A119の寸法公差(例えば、平面度のばらつき)が存在する場合でも、立設壁A209に比較して、立設壁A208,A280,A290の立設先端面をプリント基板A119に密着させやすくできる。即ち、重要度の高い対象物を取り囲む立設壁のプリント基板A119への密着を確保できる。
次いで、図111を参照して、ボックスベースA300について説明する。図111(a)は、ボックスベースA300の正面斜視図であり、図111(b)は、ボックスベースA300の背面斜視図である。
図111に示すように、ボックスベースA300は、正面視略横長矩形の板状に形成される背面壁部A301と、その背面壁部A301の4辺から正面側(矢印F方向)へ向けて立設され板状に形成される壁部(上壁部A302、下壁部A303、それら上壁部A302及び下壁部A303を連結する左壁部A304及び右壁部A305)とを主に備え、これら各壁部A301〜A305により正面側が開放された箱状に形成される。なお、ボックスベースA300は、樹脂材料を素材とし、樹脂成形型を用いて成形される。
上壁部A302及び下壁部A303には、複数の被係合部A307が所定間隔を隔てて並設される。被係合部A307は、ボックスカバーA200の係合片A207が係合される部位であり、下方側(矢印D方向側)へ張り出して形成される。
ボックスベースA300とボックスカバーA200との連結は、まず、係合片A207における延設部の延設方向と反対側(矢印L方向側)にその延設部の延設長さの分だけ位相をずらした位置で対面させ、ボックスカバーA200をボックスベースA300へ向けて押し込む。これにより、隣り合う被係合部A307どうしの間の空間に係合片A207が入り込むので、次いで、ボックスベースA300に対してボックスカバーA200を、係合片A207における延設部の延設方向(矢印R方向)へ向けてスライド変位させる。
これにより、係合片A207が被係合部A307の背面側(矢印B方向側)へ入り込み、両者が係合(矢印F方向へのボックスカバーA200の変位が規制)される。
次いで、図112から図114を参照して、主制御装置A110について説明する。図112(a)は、主制御装置A110の正面斜視図であり、図112(b)は、主制御装置A110の背面斜視図であり、図113は、図112(a)の部分CXIIIにおける主制御装置A110の部分拡大正面斜視図である。
図114(a)は、図112(a)の矢印CXIVa方向視における主制御装置A110の正面図であり、図114(b)は、図114(a)の矢印CXIVb方向視における主制御装置A110の側面図であり、図114(c)は、図114(a)の矢印CXIVc方向視における主制御装置A110の側面図である。
なお、図112から図114では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、プリント基板A119に搭載される各種電子部品のうちの主要なもののみを図示し、その他の図示を省略する。
図112から図114に示すように、主制御装置A110は、プリント基板A119と、そのプリント基板A119に搭載されるスイッチ装置A120及びキー装置A130とを備える。プリント基板A119は、絶縁性の樹脂材料からなる板に各種電子部品(IC、抵抗器、コンデンサやトランジスタ)を搭載し、それら電子部品の間を接続する回路(パターン)が銅箔などの導電体で形成して構成され、4箇所の角部分に挿通孔A112が穿設される。
プリント基板A119は、正面(スイッチ装置A120及びキー装置A130が搭載される側の面、矢印F方向側の面)をボックスカバーA200(正面壁部A201)の背面に対面させた姿勢で基板ボックスA100に収納される。
この場合、プリント基板A119の正面のうちの少なくともボックスカバーA200における立設壁A280,A290の立設先端面および下壁部A203の座面A206が当接される領域AS1,AS2には(図114(a)参照)、電子部品が搭載または回路が形成されず、かかる領域AS1,AS2が平坦な面として形成される。なお、図114(a)では、座面A206が当接される領域のうちの立設壁A280,A290に連なる部分のみが図示される。
スイッチ装置A120は、操作部A122を変位(押し込み操作)可能に保持する本体A123と、その本体A123の内部に配設され操作部A122に初期位置へ復帰するための付勢力を付与するコイルスプリング(付勢手段、図示せず)と、本体A123の内部に配設され操作部A122の変位に伴い接触が切り替えられる接点(図示せず)と、その接点に電気的に接続される脚A121とを備える。
本体A123は、略立方体形状に形成されプリント基板A119の正面に搭載される基部A123aと、その基部A123aの正面(矢印F方向側の面)から突出される円柱状の突部A123bとを備え、突部A123bの外径寸法は、開口A250(ガイド壁A251の内縁)の最大の寸法(対角線の長さ)よりも大きくされる。基板ボックスA100に主制御装置A110が収納された状態では、突部A123bの正面と操作用壁部A210の背面(矢印B方向側の面)とが対面される。
なお、本実施形態では、基部A123aの底面から突出される部分(基部A123aの底面の一部であって脚A121が突出される部位)がプリント基板A119の正面に当接される。但し、基部A123aの底面(基部A123aの底面の一部であって脚A121が突出される部位)とプリント基板A119の正面との間に隙間が形成されても良い。即ち、脚A121によりプリント基板A119の正面から基部A123aが嵩上げされて配設されていても良い。
また、本実施形態では、突部A123bの正面と操作用壁部A210の背面(矢印B方向側の面)との間に所定の隙間が形成される。但し、突部A123bの正面と操作用壁部A210の背面(矢印B方向側の面)とが当接するように構成しても良い。
脚A121は、本体A123における基部A123aの背面(矢印B方向側の面、プリント基板A119との対向面)から突出され、上述したように、プリント基板A119に開口する孔に正面側から挿通されて背面側に突出した部分がはんだ付けされる。これにより、スイッチ装置A120がプリント基板A119の正面側に配設(搭載)される。
キー装置A130は、適合する鍵A140が内筒A132aに差し込まれた場合に外筒A132bに対する内筒A132aの回転を許容する錠前として形成されるシリンダ部A132と、そのシリンダ部A132を内部に配設して保持する本体A133と、その本体A133の外周面(外面)を支持する支持体A134と、シリンダ部A132の状態(外筒A132bに対する内筒A132aの回転位置)に応じて接触が切り替えられる接点(図示せず)と、その接点に電気的に接続される脚A131とを備える。
本体A133は、略円筒状に形成されその内周側(内部)にシリンダ部A132を保持する基部A133aと、その基部A133aの外周面(外面)における2箇所(位相を略180度異ならせた位置)から径方向外方へ突出される一対の突部A133bと、基部A133aの先端側(矢印F方向側)の端面を形成する端部A133cとを備える。
なお、本実施形態では、本体A133の底面から突出される部分(本体A133の底面の一部であって脚A131が突出される部位)がプリント基板A119の正面に当接される。但し、本体A133の底面(本体A133の底面の一部であって脚A131が突出される部位)とプリント基板A119の正面との間に隙間が形成されても良い。即ち、脚A131によりプリント基板A119の正面から本体A133が嵩上げされて配設されていても良い。
突部A133bの矢印F方向側の端面は、端部A133cにより形成される端面(矢印F方向側の面)から一段低い位置(矢印B方向側)に形成される。端部A133cには、基部A133aと略同芯となる位置に正面視円形の開口が形成され、かかる開口を介して、シリンダ部A132(内筒A132a)への鍵A140の挿抜が可能とされる。
基板ボックスA100に主制御装置A110が収納された状態では、本体A133の先端側(矢印F方向側)の一部が被覆部A270の内部空間に収納される。
詳細には、本体A133の基部A133aの外径が、被覆部A270の周壁部A271における基部A271aの内径と同等または若干小さい値に設定されると共に、本体A133の突部A133bの突出形状が、被覆部A270における周壁部A271の突部A271bの凹設形状と同等または若干小さい大きさに形成され、これにより、本体A133の基部A133aが周壁部A271の基部A271aの内周側(内側)に、本体A133の突部A133bが周壁部A271の突部A271bの内周側(内側)に、それぞれ収納される。
また、この場合、本体A133の端部A133cの正面(端面、矢印F方向側の面)と被覆部A270における端面壁部A272の背面(矢印B方向側の面)との間に所定の隙間が形成される。なお、端部A133cの正面と端面壁部A272の背面とが当接するように構成しても良い。
脚A131は、本体A133における基部A133aの背面(矢印B方向側の面、プリント基板A119との対向面)から突出され、上述したように、プリント基板A119に開口する孔に正面側から挿通されて背面側に突出した部分がはんだ付けされる。これにより、キー装置A130がプリント基板A119の正面側に配設(搭載)される。
支持体A134は、略中央に開口が形成されその開口に本体A133(基部A133a及び突部A133b)が挿通されるベース部A134aと、そのベース部A134aの対向する2辺からプリント基板A119へ向けて延設される一対の延設部A134bと、ベース部A134aの残りの2辺からプリント基板A119へ向けて延設される一対の補強部A134cとを備え、金属製の板状体を折り曲げて一体に形成される。
延設部A134bのベース部A134aからの延設長さは、補強部A134cのベース部A134aからの延設長さよりも大きくされ、延設部A134bの延設先端面(矢印B方向側の面)がプリント基板A119の正面(矢印F方向側の面)に当接される。また、延設部A134bの延設先端面には、脚A134b1が突設される。支持体A134は、脚A134b1がプリント基板A119に開口する孔に正面側から挿通されて背面側に突出した部分がはんだ付けされることで、プリント基板A119の正面側に配設され自立される。その結果、本体A133を支持体A134により支持して、かかる本体A133がプリント基板A119に対して傾倒することを支持体A134により抑制することができる。
なお、延設部A134bの延設先端面(矢印B方向側の面)とプリント基板A119の正面(矢印F方向側の面)との間に隙間を設けても良い。即ち、脚A131によりプリント基板A119の正面から支持体A134が嵩上げされて配設されていても良い。この場合には、隙間の分、キー装置A130の放熱性を高めることができる。
一方、延設部A134bのベース部A134aからの延設長さと、補強部A134cからの延設長さとを同じ寸法としても良い。即ち、補強部A134cの延設先端面(矢印B方向側の面)もプリント基板A119の正面(矢印F方向側の面)に当接されるように構成しても良い。この場合には、本体A133を、延設部A134b及び補強部A134cの両者により支持して、かかる本体A133がプリント基板A119に対して傾倒することをより強固に抑制できる。また、針金等の異物がキー装置A130の脚A131側へ侵入されることを抑制できる。
また、脚A134b1のはんだ付けを省略し、脚A134b1を略くの字状や略S字状に屈曲させた断面形状に形成し、弾性変形させた状態でプリント基板A119の孔に脚A134b1を挿通する構成としても良い。即ち、脚A134b1の弾性回復力を利用して、脚A134b1をプリント基板A119の孔の内周面(内面)に弾性的に係合させても良い。はんだ付けを省略できる分、製造コストを低減できる。或いは、かかる脚A134b1の孔への弾性的な係合に加え、はんだ付けも行う構成であっても良い。脚A134b1が孔から抜ける出ることをより強固に抑制できる。よって、本体A133の傾倒を支持する支持体A134の機能をより高めることができる。
脚A134b1は、支持体A134を構成する板状体の厚み寸法よりも幅寸法(矢印L,B方向寸法、図114(b)左右方向寸法)が大きな値に設定され(即ち、脚A134b1の断面形状の長方形状とし)、かかる脚A134b1が挿通されるプリント基板A119の孔が長方形状に形成される。これにより、脚A134b1の剛性を高めて、本体A133の傾倒を支持体A134により支持する際に、脚A134b1の基部(延設部A134bとの連結部分)が変形や破断することを抑制できる。
但し、脚A134b1の幅寸法を、厚み寸法と略同一の寸法としても良い。即ち、脚A134b1の断面形状を正方形状としても良い。
また、支持体A134の対向する2辺に補強部A134cが形成されることで、ベース部A134aの撓みやねじれを規制することができる。これにより、支持体A134全体としての剛性を高めて、本体A133を支持する機能を高められるので、本体A133のプリント基板A119に対する傾倒をより強固に規制(抑制)することができる。
次いで、図115から図119を参照して、基板ボックスA100の詳細構成について説明する。
図115(a)は、鍵A140がオフ位置に操作された状態における基板ボックスA100の部分拡大正面図であり、図115(b)は、鍵A140がオン位置に操作された状態における基板ボックスA100の部分拡大正面図であり、図116(a)は、図115(a)の矢印CXVIa方向視における基板ボックスA100の部分拡大側面図であり、図116(b)は、図115(b)の矢印CXVIb方向視における基板ボックスA100の部分拡大側面図である。
図117(a)は、図115(a)の切断線CXVIIa−CXVIIaにおける基板ボックスA100の部分拡大断面図であり、図117(b)は、図115(a)の切断線CXVIIb−CXVIIbにおける基板ボックスA100の部分拡大断面図であり、図118(a)は、図115(a)の切断線CXVIIIa−CXVIIIaにおける基板ボックスA100の部分拡大断面図であり、図118(b)は、図115(a)の切断線CXVIIIb−CXVIIIbにおける基板ボックスA100の部分拡大断面図である。
図119(a)は、図116(a)の切断線CXIXa−CXIXaにおける基板ボックスA100の部分拡大断面図であり、図119(b)は、図116(a)の切断線CXIXb−CXIXbにおける基板ボックスA100の部分拡大断面図である。
なお、図117から図119では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、内部構造を図示せず、断面に単一のハッチングを付して、スイッチ装置A120及びキー装置A130を模式的に図示する。
図115から図118に示すように、基板ボックスA100は、ボックスカバーA200の操作用壁部A210の正面(矢印F方向側の面)から被覆部A270が突設され、その被覆部A270の突設先端面(矢印F方向側の面)を形成する端面壁部A272に開口A260が形成される。これにより、針金等の異物の先端を開口A260へ到達させ難くできる。
例えば、不正を行う者から開口A260が遮蔽物などにより視認できず、針金等の異物の先端を開口A260へ直接挿入することが困難な場合、針金等の異物の先端をボックスカバーA200(操作用壁部A210)の正面(外面、矢印F方向側の面)で摺動させて開口A260へ到達させる方法が行われる。
これに対し、被覆部A270が操作用壁部A210の正面(外面)から突設されていることで、針金等の異物の先端を操作用壁部A210の正面(外面)で摺動させた場合、その針金等の異物の先端を被覆部A270の外面(周壁部A271の外周面)に突き当たらせて、それ以上の進行(摺動)を止めることができる。即ち、被覆部A270(周壁部A271)の外面を、針金等の異物の摺動を規制する壁として機能させることができる。その結果、開口A260から針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
被覆部A270は、内部空間を有し、その内部空間に主制御装置A110のキー装置A130の先端側(一端側、矢印F方向側)の一部が収納される。即ち、キー装置A130の先端側の一部に被覆部A270が被さる。
これにより、被覆部A270の内面とキー装置A130の外面との間の隙間を屈曲させることができる。即ち、開口A260から基板ボックスA100内へ針金等の異物が挿入された場合に、その針金等の異物が通過する経路(端面壁部A272と端部A133cとの間の隙間、及び、周壁部A271と基部A133a及び突部A133bとの間の隙間により形成される経路)を屈曲させ、針金等の異物の先端が突き当たる壁(端面壁部A272と端部A133cとの間の隙間を通過する針金等の異物の先端が突き当たる壁、即ち、周壁部A271の内面)を経路中に形成することができる。よって、挿入された針金等の異物により主制御装置A110に不正が加えられることを抑制できる(図117(a)及び図117(b)参照)。
キー装置A130は、略円柱形状の本体A133が、略直方体形状の外形を有する支持体A134に挿通されて形成される。この場合、支持体A134の幅寸法(図117(a)及び図117(b)の左右方向寸法)が被覆部A270(周壁部A271)の内径寸法(図117(a)及び図117(b)の左右方向寸法)よりも大きな値に設定される。
これにより、支持体A134の上面(矢印F方向側の面)を操作用壁部A210の内面(矢印B方向側の面)に対面させることができる。よって、被覆部A270の内面とキー装置A130の外面との間の隙間を屈曲させることができる。
即ち、開口A260から基板ボックスA100内へ針金等の異物が挿入された場合に、その針金等の異物が通過する経路(周壁部A271と基部A133a及び突部A133bとの間の隙間により形成される経路)を屈曲させ、針金等の異物の先端が突き当たる壁(周壁部A271と基部A133a及び突部A133bとの間の隙間を通過する針金等の異物の先端が突き当たる壁、即ち、支持体A134の上面。また、支持体A134の上面に突き当たって進行方向が変更された針金等の異物に対しては、各立設壁A291,A292,A293及び下壁部A203の内面)を経路中に形成することができる。よって、挿入された針金等の異物により主制御装置A110に不正が加えられることを抑制できる(図117(a)及び図117(b)参照)。
被覆部A270の周壁部A271には、突部A271bが形成され、本体A133には、突部A133bが形成され、本体A133の基部A133aが周壁部A271の基部A271aの内周側(内側)に、本体A133の突部A133bが周壁部A271の突部A271bの内周側(内側)に、それぞれ収納される。
これにより、突部A133bの周方向の外面(矢印L,R方向側の面)と突部A271bの周方向の内面(矢印L,R方向側の面)とを対面させることができる。よって、被覆部A270の内面とキー装置A130の外面との間の隙間を屈曲させることができる。
即ち、開口A260から基板ボックスA100内へ針金等の異物が挿入された場合に、その針金等の異物が通過する経路(周壁部A271と基部A133a及び突部A133bとの間の隙間により周方向に沿って形成される経路)を屈曲させ、針金等の異物の先端が突き当たる壁(周壁部A271と基部A133a及び突部A133bとの間の隙間を周方向に沿って通過する針金等の異物の先端が突き当たる壁、即ち、突部A133bの周方向の外面、及び、突部A271bの周方向の内面)を経路中に形成することができる。よって、挿入された針金等の異物により主制御装置A110に不正が加えられることを抑制できる(図118(a)参照)。
スイッチ装置A120は、突部A123bの外径寸法が、開口A250(ガイド壁A251の内縁)の最大の寸法(対角線の長さ)よりも大きくな値に設定される。これにより、突部A123bの上面(矢印F方向側の面)を操作用壁部A210の内面(矢印B方向側の面)に対面させることができる。よって、ガイド壁A251及び操作用壁部A210の内面とスイッチ装置A120の外面との間の隙間を屈曲させることができる。
即ち、開口A250から基板ボックスA100内へ針金等の異物が挿入された場合に、その針金等の異物が通過する経路(ガイド壁A251及び操作用壁部A210と操作部A122及び突部A123bとの間の隙間により形成される経路)を屈曲させ、針金等の異物の先端が突き当たる壁(ガイド壁A251と操作部A122との間の隙間を通過する針金等の異物の先端が突き当たる壁、即ち、突部A123bの上面。また、突部A123bの上面に突き当たって進行方向が変更された針金等の異物に対しては、各立設壁A281,A282,A283及び下壁部A203の内面)を経路中に形成することができる。よって、挿入された針金等の異物により主制御装置A110に不正が加えられることを抑制できる(図118(a)及び図118(b)参照)。
上述したように、被覆部A270は、内部空間を有し、その内部空間に主制御装置A110のキー装置A130の先端側(一端側、矢印F方向側)の一部が収納される。即ち、キー装置A130の先端側の一部に被覆部A270が被さる。
これにより、被覆部A270の内面とキー装置A130の外面とを鍵A140の差し込み方向と直交する方向(矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面に平行な方向)で対面させることができる。よって、例えば、キー装置A130に差し込まれた鍵A140に対する作業者の不用意な操作や乱暴な操作、外枠11に対する内枠12の開放動作時における鍵A140への他の部材の衝突などにより、鍵A140にその差し込み方向と直交する方向の外力が作用された場合に、被覆部170の内面にキー装置A130の外面を当接させて、キー装置A130の傾倒を抑制(規制)できる。
よって、上述したように、脚A131の破断や屈曲、プリント基板A119の孔からの脚A131の抜け、はんだの剥がれが発生することを抑制できる。その結果、キー装置A130が主制御装置A110(プリント基板A119)から脱落することや、キー装置A130(脚A131)の断線や接触不良が発生することを抑制できる。
被覆部A270には、その突設先端(矢印F方向側)に端面壁部A272が形成され、この端面壁部A272がキー装置A130の端部A133cに対面される。これにより、開口A260の面積(正面視(矢印B方向視)における開口A260の面積に加え、針金等の異物が通過する経路の断面積)を小さくできる。よって、針金等の異物が基板ボックスA100内へ挿入されて、主制御装置A110に不正が加えられることを抑制できる。
特に、被覆部A270の端面壁部A272は、円環部A272aの内縁の2箇所から角形部A272bが径方向内方へ延設される。即ち、被覆部A270の突設先端面(矢印F方向側の面)は、鍵A140の変位を許容する領域(鍵A140の変位軌跡に対応する領域)のみが開口し、被覆部A270の突設先端面(矢印F方向側の面)のうちの他の領域が全て端面壁部A272とされる。よって、開口A260の面積を最小として、針金等の異物を開口A260へ挿入し難くできる。また、端面壁部A272の内面とキー装置A130(端部A133c)の外面との対向面積を最大とできるので、開口A260から針金等の異物が挿入されたとしても、その針金等の異物を通過し難くできる。
このように、開口A260を異形(一対の扇形状を対向させて組み合わせた形状)とするために、端面壁部A272が、円環部A272aの内縁から一対の角形部A272bが張り出す比較的複雑な形状に形成される。この場合、端面壁部A272(円環部A272a及び角形部A272b)は、厚み寸法が一定の板状(基端が周壁部A271に固定され一端(延設先端)が自由な状態の片持ち梁状)に形成されるので、形状を簡素化して、その成形性を確保できる。その結果、歩留まりを向上させ、製品コストを低減できる。
ここで、被覆部A270に周壁部A271のみが形成され、端面壁部A272が形成されていない構成(即ち、周壁部A271の突設先端側(矢印F方向側)の内縁が開口A260とされる構成)であっても、鍵A140にその差し込み方向と直交する方向の外力が作用された場合に、周壁部A271の内面にキー装置A130の外面を当接させて、キー装置A130の傾倒を抑制(規制)できる。
これに対し、本実施形態では、被覆部A270の突設先端側(矢印F方向側)に端面壁部A272が形成され、その端面壁部A272の内縁(開口A260を形成する部分)に鍵A140を当接させることができる。即ち、上述した外力の作用によりキー装置A130が傾倒する際の支点(脚A131)からより遠い位置(鍵A140)を端面壁部A272に当接させることができる。その結果、キー装置A130の傾倒を抑制(規制)できると共に、ボックスカバーA200(被覆部A270)の破損を抑制できる。
また、本体A133の突部A133bと周壁部A271の突部A271bとが周方向に部分的に形成され、本体A133の突部A133bが周壁部A271の突部A271bの内周側(内側)に収納されるので、上述したように、突部A133bの周方向の外面(矢印L,R方向側の面)と突部A271bの周方向の内面(矢印L,R方向側の面)とを対面させることができる(図118(a)参照)。
よって、例えば、キー装置A130に差し込まれた鍵A140に対する作業者の不用意な操作や乱暴な操作、外枠11に対する内枠12の開放動作時における鍵A140への他の部材の衝突などにより、鍵A140に回転方向の外力が作用された場合に、突部A133bの周方向の外面(矢印L,R方向側の面)を突部A271bの周方向の内面(矢印L,R方向側の面)に当接させて、キー装置A130の回転(周方向の変位)を規制できる。
よって、上述したように、脚A131の破断や屈曲、プリント基板A119の孔からの脚A131の抜け、はんだの剥がれが発生することを抑制できる。その結果、キー装置A130が主制御装置A110(プリント基板A119)から脱落することや、キー装置A130(脚A131)の断線や接触不良が発生することを抑制できる。
ここで、例えば、スイッチ装置A120の操作部A122又はキー装置A130に差し込まれた鍵A140に対する作業者の不用意な操作や乱暴な操作、外枠11に対する内枠12の開放動作時における操作部A122又は鍵A140への他の部材の衝突などにより、操作部A122又は鍵A140に押し込み方向または差し込み方向と直交する方向(矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面に平行な方向)の外力が作用された場合、スイッチ装置A120、キー装置A130或いは鍵A140が傾倒し、それらの当接により、ボックスカバーA200(特に、操作用壁部A210や被覆部A270)が変形して破損する虞がある。
これに対し、操作用壁部A210の背面(内面、矢印B方向側の面)には、立設壁A280,A290が立設され、これら立設壁A280,A290は、その立設先端面(矢印B方向側の面)がプリント基板A119の正面(矢印F方向側の面)に当接される(図117(a)及び図117(b)参照)。
これにより、立設壁A280,A290が立設される(リブとして機能する)ことによる操作用壁部A210の剛性の向上に加え、操作用壁部A210や被覆部A270を支える支持部(変形抑制手段)として立設壁A280,A290を機能させることができる。
その結果、ボックスカバーA200(特に、操作用壁部A210や被覆部A270)の変形を抑制して、その破損を抑制できる。
また、外力の作用によりスイッチ装置A120又はキー装置A130が傾倒された場合には、それらスイッチ装置A120又はキー装置A130の外面を立設壁A280,A290の内面に当接させて、スイッチ装置A120又はキー装置A130の傾倒を抑制(規制)することができる。即ち、スイッチ装置A120又はキー装置A130に当接してその傾倒を抑制する部分を、操作用壁部A210又は被覆部A270だけでなく、立設壁A280,A290にも分担させ、その分、荷重を分散させることができる。この点からもボックスカバーA200の破損を抑制できる。
更に、立設壁A280,A290の立設先端面がプリント基板A119の正面に当接されていることで、開口A250,A260から挿入された針金等の異物がプリント基板A119まで達したとしても、かかる針金等の異物の先端が突き当たる壁(それ以上の進行を規制する壁)として立設壁A280,A290を機能させることができる。これにより、主制御装置A110(プリント基板A119)に不正が加えられることを抑制できる。
立設壁A280,A290は、下壁部A203と共に、スイッチ装置A120及びキー装置A130の周囲を取り囲む形態に形成される(図118(b)参照)。即ち、立設壁A280,A290の立設先端面(矢印B方向側の面)及び下壁部A203の座面A206とプリント基板A119の正面(矢印F方向側の面)とが当接する領域AS1,AS2は、略矩形枠状であって、無端の連続した形状(閉じた形状)として形成される(図114(a)参照)。
よって、針金等の異物が基板ボックスA100の内部へ侵入するための経路を立設壁A280,A290により遮断(分断)することができる。即ち、開口A250,A260から挿入された針金等の異物がプリント基板A119まで達したとしても、立設壁A280,A290及び下壁部A203により囲まれた空間よりも外への進行を規制することができる。これにより、主制御装置A110(プリント基板A119)に不正が加えられることを抑制できる。
また、立設壁A280,A290が、下壁部A203と共に、スイッチ装置A120及びキー装置A130の周囲を取り囲む形態で形成されることで、立設壁A280,A290が立設される(リブとして機能する)ことによる操作用壁部A210の剛性をより向上させることができるだけでなく、操作部A122又は鍵A140に作用される外力の方向によらず(即ち、矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面内のいずれの方向の外力が作用した場合であっても)、操作用壁部A210や被覆部A270を支える支持部(変形抑制手段)としての機能を確実に発揮させることができる。その結果、ボックスカバーA200(特に、操作用壁部A210や被覆部A270)の変形を抑制して、その破損を抑制できる。
なお、第1立設壁A291は、オフ位置にある鍵A140に対しては直交し、オン位置にある鍵A140に対しては平行となる姿勢で配設され、第2立設壁A292及び第3立設壁A293は、オン位置にある鍵A140に対しては直交し、オフ位置にある鍵A140に対しては平行となる姿勢で配設される。よって、操作用壁部A210や被覆部A270を支える支持部(変形抑制手段)としての機能を立設壁A290に能率的に発揮させることができる。
即ち、矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面に平行な方向への外力のうち、矢印U,D方向または矢印L,R方向の外力が鍵A140に作用される場合に、立設壁A290の受ける荷重(立設壁A290が支持部として発揮すべき耐荷重)が最大となる一方、矢印U,D方向または矢印L,R方向と所定の角度だけ傾斜する方向の外力が作用される場合には、その外力の作用方向の傾斜により、鍵A140が回転される可能性が高く、その回転で外力が逃げる分、立設壁A290の受ける荷重(立設壁A290が支持部として発揮すべき耐荷重)は低くなる。その結果、立設壁A290の姿勢を上述の配置とすることで、操作用壁部A210や被覆部A270を支える支持部(変形抑制手段)としての機能を立設壁A290に能率的に発揮させることができる。
立設壁A280,A290(第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293)は、下壁部A203に連結されるので、ボックスカバーA200の剛性を利用して、立設壁A280,A290の剛性を高めることができると共に、立設壁A280,A290を介した操作用壁部A210及び下壁部A203の内面どうしの連結により、ボックスカバーA200全体の剛性を高めることができる。よって、操作用壁部A210や被覆部A270を支える支持部(変形抑制手段)としての立設壁A280,A290の機能を高めることができる。その結果、ボックスカバーA200の破損を抑制できる。
プリント基板A119は、電子部品をはんだにより接続する面が、ボックスベースA300に対面する側(スイッチ装置A120やキー装置A130が搭載される面と反対側)の面とされ、また、立設壁A280,A290の立設先端面および下壁部A203の座面A206が当接される領域AS1,AS2には(図114(a)参照)、電子部品が搭載または回路が形成されず、かかる領域AS1,AS2が平坦な面として形成される。
よって、立設壁A280,A290の立設先端面(矢印B方向側の面)をプリント基板A119の正面(矢印F方向側の面)に密着させやすくして、それら立設壁A280,A290とプリント基板A119との間に隙間が形成されることを抑制できる。よって、立設壁A280,A290を、開口A250,A260から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁として確実に機能させることができる。
立設壁A280,A290における第1立設壁A281,A291、第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293は、テーパ面A280a,A290aが形成されることで、立設先端面(矢印B方向側の面)の面積が小さくされる(図117及び図118参照)。これにより、プリント基板A119へ当接させた立設先端面における面圧を高めて、プリント基板A119と立設壁A280,A290との間から針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
この場合、テーパ面A280a,A290aは、立設壁A280,A290の立設先端側の内面(スイッチ装置A120やキー装置A130に対面する側の面)に形成されるので、成形性の向上を図りつつ、基板ボックスA100の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
即ち、立設先端側(矢印B方向)へ向かうに従って外面側へ漸次近接する傾斜面(テーパ面A280a,A290a)により立設先端面の面積を小さくすることで、立設壁A280,A290の形状変化を緩やかとして、成形型内での樹脂の流動性を確保できる。よって、成形性を向上できる。
更に、立設壁A280,A290の立設先端面がプリント基板A119の正面に当接されると、テーパ面A280a,A290aとプリント基板A119の正面とにより断面略V字状の溝を形成できる(図117(a)及び図117(b)参照)。よって、開口A250,A260から挿入された針金等の異物の先端を、上述した溝に沿って移動(誘導)することができる。即ち、立設壁A280,A290の立設先端面とプリント基板A119の正面との間を通過(間に侵入)させ難くできる。よって、基板ボックスA100の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
操作用壁部A210の正面(外面、矢印F方向側の面)には、第1突条A211及び第2突条A212が突設される。これら第1突条A211及び第2突条A212の一端が被覆部A270(周壁部A271の基部A271a又は突部A271b)の外周面(外面)に連結される(図115(a)及び図115(b)参照)。
これにより、第1突条A211及び第2突条A212を剛性を高めるためのリブとして機能させて、被覆部A270を第1突条A211及び第2突条A212により支えることができる。その結果、スイッチ装置A120やキー装置A130の外面が被覆部A270の内面に当接された際に、各突条A211,222の剛性を利用して、スイッチ装置A120やキー装置A130の傾倒をより確実に抑制できると共に、被覆部A270の破損を抑制できる。
また、操作用壁部A210の正面(外面、矢印F方向側の面)には、第1突条A211及び第2突条A212の他端に隣接する位置(他端の延長線上)に表示部(「ON」及び「OFF」)がそれぞれ形成される。これにより、表示部が表示する所定の情報に対応する位置を指し示すための指示線としての機能を第1突条A211及び第2突条A212に兼用させることができる。よって、その分、製品コストを低減できる。
この場合、第1突条A211の一端が被覆部A270(周壁部A271の突部A271b)の外周面(外面)に連結される位置は、オフ位置にある鍵A140の端面(指で把持する面の外縁に沿う細幅の面)と同じ位相位置(鍵A140の端面と対向する位置)とされ(図115(a)参照)、第2突条A212の一端が被覆部A270(周壁部A271の基部A271a)の外周面(外面)に連結される位置は、オン位置にある鍵A140の端面と同じ位相位置とされる(図115(b)参照)。
これにより、オフ位置にある鍵A140に外力が作用して、その鍵A140が矢印U方向側の端面(指で把持する面の外縁に沿う細幅の面)を被覆部A270(端面壁部A272)へ当接させる方向(矢印U方向)へ傾倒される際には、その鍵A140から入力される荷重の延長線上に第1突条A211が位置し(図115(a)参照)、オン位置にある鍵A140に外力が作用して、その鍵A140が矢印L方向側の端面を被覆部A270(端面壁部A272)へ当接させる方向(矢印L方向)へ傾倒される際には、その鍵A140から入力される荷重の延長線上に第2突条A212が位置する(図115(b)参照)。
その結果、外力の作用によりキー装置A130が傾倒される際に鍵A140の端面(指で把持する面の外縁に沿う細幅の面)から荷重が入力される部分(鍵A140の端面が当接される部分)を第1突条A211及び第2突条A212により効率的に補強することができる。その結果、被覆部A270の破損を抑制できる。
なお、オフ位置にある鍵A140に上述した場合と逆方向への外力(鍵A140を矢印D方向へ変位させる力)が作用することは、第2接続壁部A230により抑制でき(図115(a)参照)、オン位置にある鍵A140に上述した場合と逆方向への外力(鍵A140を矢印R方向へ変位させる力)が作用することは、第1接続壁部A220により抑制でき(図115(b)参照)。
即ち、後述するように、操作用壁部A210が正面視横長の長方形に形成され、かかる操作用壁部A210(第2領域)における短手方向(矢印U,D方向)の他側(矢印D方向側)が開放(接続壁が非形成)とされる。また、キー装置A130が操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)中央よりも一側(第1接続壁部A220側)に位置され、キー装置A130から第3接続壁部A240までの距離が大きくされる。
そのため、開放側の空間、及び、第3接続壁部A240側の空間があることで、それらの空間側にある作業者の手や他の構成が鍵A140に衝突して、鍵A140を矢印D方向または矢印L方向へ変位させる外力が作用されやすい。よって、かかる外力に対してのキー装置A130の傾倒を抑制する側(受け止める側)に第1突条A211及び第2突条A212を形成することで、材料コストの低減と、剛性の確保とを効率的に行うことができる。
端面壁部A272の角形部A272bは、上述したように、位相を略180度異ならせた2箇所に配設され、正面視(矢印B方向視)略三角形状に形成される。この場合、角形部A272bの三角形状における2辺(外縁、開口A260を形成する縁部)の長さ寸法が異なる値に設定される(即ち、正面視形状が不等辺三角形として形成される)。
詳細には、オフ位置にある鍵A140に対し、第1接続壁部A220に近い側にある角形部A272bは、鍵A140の把持面(指で把持する面)に対面する側の辺(外縁)の長さ寸法が長く(大きく)され、オフ位置にある鍵A140に対し、第1接続壁部A220から遠い側(鍵A140を挟んで反対側)にある角形部A272bは、鍵A140の把持面に対面する側の辺(外縁)の長さ寸法が短く(小さく)される(図115(a)参照)。
よって、言い換えると、第1接続壁部A220に近い側にある角形部A272bは、オン位置にある鍵A140の把持面(指で把持する面)に対面する側の辺(外縁)の長さ寸法が短く(小さく)され、第1接続壁部A220から遠い側にある角形部A272bは、オン位置にある鍵A140の把持面に対面する側の辺(外縁)の長さ寸法が長く(大きく)される(図115(b)参照)。
上述したように、開放側の空間、及び、第3接続壁部A240側の空間があることで、それらの空間側にある作業者の手や他の構成が鍵A140に衝突して、鍵A140を矢印D方向または矢印L方向へ変位させる外力が作用されやすいところ、本実施形態における角形部A272bによれば、かかる矢印D方向または矢印F方向の外力が作用された鍵A140を受け止める側の辺(外縁)の長さ寸法が長くされるので、角形部A272bの剛性を効率的に高め、鍵A140(キー装置A130)の傾倒を確実に抑制できる。また、面圧を抑制して、角形部A272bの破損を抑制できる。
基板ボックスA100の正面側の外面(矢印F方向側の面)は、正面壁部A201により形成される第1領域と、その第1領域よりも主制御装置A110に近い側に位置し操作用壁部A210により形成される第2領域とから形成され、第2領域に開口A250,A260が形成される。
これにより、基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の外面(正面壁部A201により形成される第1領域)から奥まった位置に開口A250,A260を配置すると共に、第1領域と第2領域とを接続する段差(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)を開口A250,A260の周りに配置することができる。これにより、正面壁部A201(第1領域)に開口A250,A260が形成される場合と比較して、不正を行う者に対して、開口A250,A260までの距離を遠くすることができると共に、開口A250,A260を視認し難くして、針金等の異物の先端を開口A260へ直接挿入することを困難とできる。
ここで、基板ボックスA100は、主制御装置A110からの放熱を考慮すると、主制御装置A110との間の距離(例えば、プリント基板A119の正面とボックスカバーA200の内面との間の距離(内部空間))を確保する必要がある。一方で、スイッチ装置A120やキー装置A130から開口A250,A260が離れすぎると、操作性が悪化する。
この場合、操作用壁部A210(第2領域)に開口A250,A260が形成されることで、スイッチ装置A120やキー装置A130の操作性を確保しやすくできると共に、上述したように、開口A250,A260から基板ボックスA100の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。しかしながら、スイッチ装置A120やキー装置A130を操作する際に第1領域と第2領域とを接続する段差(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)に作業者(操作者)の手が干渉して操作の邪魔になる。そのため、スイッチ装置A120やキー装置A130を操作する際の操作性が悪化する。
これに対し、本実施形態では、第1接続壁部A220が、正面壁部A201から操作用壁部A210へ向かうに従って主制御装置A110へ近接する方向に傾斜(下降傾斜)して形成されるので、かかる傾斜の分(第1接続壁部A220の正面側の空間の分)、操作用壁部A210の正面側(矢印F方向側)の空間を拡大できる。その結果、スイッチ装置A120やキー装置A130を操作する際の操作性を向上できる。
操作用壁部A210(第2領域)は、正面視(矢印B方向視)において、一方向(矢印L,R方向)に沿う長さ寸法が、一方向に直交する他方向(矢印U,D方向)に沿う長さ寸法よりも大きい正面視略矩形(横長の長方形)の領域として形成される(図115(a)及び図115(b)参照)。
キー装置A130は、オフ位置にある鍵A140の姿勢が、上述した他方向(矢印U,D方向)に沿う姿勢となるように配置される(図115(a)参照)。即ち、オフ位置にある鍵A140は、指で把持する面が操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)に臨み、正面視(矢印B方向視)における鍵A140の長手方向が操作用壁部A210(第2領域)の短手方向(矢印U,D方向)に沿う姿勢とされる。
これにより、オフ位置にある鍵A140の指で把持する面が望む側(図115(a)の右側および左側)に空間を確保することができる。よって、鍵A140をキー装置A130に差し込む又はキー装置A130から引き抜く際に、鍵A140を把持する手指(例えば、親指と人差し指)が第1領域と第2領域とを接続する段差(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)に干渉することを抑制できる。その結果、キー装置A130を操作する際の操作性を向上できる。
この場合、キー装置A130は、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)中央よりも一側(第1接続壁部A220側)に位置されるところ、上述した通り、第1接続壁部A220が下降傾斜して形成されるので、鍵A140を手指で把持して操作(オフ位置からオン位置へ回転、又は、その逆へ回転)させる際に、鍵A140を把持する手指とは異なる手指が第1領域と第2領域とを接続する段差(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)に干渉することを抑制できる。その結果、キー装置A130を操作する際の操作性を向上できる。
例えば、オフ位置にある鍵A140を人差し指と親指で把持する際には、小指や薬指を、第1接続壁部A220の下降傾斜により確保された空間を利用して配置でき、オフ位置からオン位置へ鍵A140を操作(回転)させる際には、小指や薬指を、第1接続壁部A220の下降傾斜により確保された空間を利用して変位(移動)させることができる。
また、オン位置にある鍵A140を人差し指と親指で把持する際には、小指や薬指を、操作用壁部A210(第2領域)を正面視横長の長方形に形成すると共にキー装置A130を操作用壁部A210(第2領域)の長手方向中央よりも一側に位置させることにより操作用壁部A210の正面側に確保された長手方向他側(矢印R方向側)の空間を利用して配置でき、オフ位置からオン位置へ鍵A140を操作(回転)させる際には、小指や薬指を、上述した長手方向他側(矢印R方向側)の空間を利用して変位(移動)させることができる。
なお、スイッチ装置A120は、初期位置にある操作部A122の突設先端面(矢印F方向側の面)の位置(操作用壁部A210からの立設高さ)が、被覆部A270の突設先端面(端面壁部A272の正面、矢印F方向側の面)の位置(操作用壁部A210からの立設高さ)よりも低い位置(小さい寸法)に設定される。よって、鍵A140を操作する際の操作部A122と手指との干渉を抑制できる。
操作用壁部A210(第2領域)には、長手方向の一側(矢印L方向側)及び他側(矢印R方向側9の両側に接続面(第1接続壁部A220及び第3接続壁部A240)が形成され、短手方向の一側(矢印U方向側)には接続面(第2接続壁部A230)が形成される一方、短手方向の他側(矢印D方向側)には接続面が非形成とされる。
これにより、操作用壁部A210(第2領域)における短手方向の他側(矢印D方向側)を開放させることができる。即ち、かかる開放により、操作用壁部A210(第2領域)の正面側の空間と外部の空間と連通させることができる。よって、鍵A140を手指で把持して操作(キー装置A130への差し込み、キー装置A130からの引き抜き、オフ位置からオン位置への回転、又は、その逆の回転)を行う際に、鍵A140を把持した手指(例えば、親指と人差し指)とは異なる手指(小指や薬指)を配置すると共に変位(移動)させるための空間として、上述した開放に連通された空間(外部の空間)を利用することができる。その結果、キー装置A130を操作する際の操作性を向上できる。
ここで、上述したように、基板ボックスA100は、主制御装置A110からの放熱を考慮すると、主制御装置A110との間の距離(例えば、プリント基板A119の正面とボックスカバーA200の内面との間の距離(内部空間))を確保する必要がある。
この場合、正面壁部A201(第1領域)と操作用壁部A210(第2領域)とを接続する段差(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)は、第1接続壁部A220が第1領域から第2領域へ向けて下降傾斜される一方、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240は、正面壁部A201(第1領域)及び操作用壁部A210(第2領域)に対して略直交する形態に形成される。
即ち、第1接続壁部A220を下降傾斜させることにより、手指との干渉を抑制して、キー装置A130の操作性の向上を図りつつ、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240を非傾斜とすることで(下降傾斜させるものを第1接続壁部A220のみとすることで)、主制御装置A110からの放熱に対応するための基板ボックスA100の内部空間の体積を確保できる。
このように、第1接続壁部A220のみを下降傾斜させ、他(第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)を非傾斜としても、手指との干渉を抑制することができたのは、操作用壁部A210(第2領域)を正面視横長の長方形状とし、且つ、その操作用壁部A210(第2領域)の長手方向中央よりも一側(第1接続壁部A220側)にキー装置A130を近接させて配置する構成の採用による。
なお、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向他側(第1接続壁部A220と反対側)に第3接続壁部A240が形成されることで、かかる第3接続壁部A240によりスイッチ装置A120やキー装置A130(鍵A140)を保護することができる。例えば、製造時に基板ボックスA100をハンドリングするロボットアームがスイッチ装置A120やキー装置A130に衝突することを抑制できる。
図120は、パチンコ機A10の正面斜視図であり、外枠11に対して内枠12を開放した状態が図示される。なお、図120では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、構成の一部(例えば、主制御装置A110に接続される各種の電気的接続線)の図示が省略されると共に、主要な構成のみに符号が図示される。
図120に示すように、パチンコ機A10は、上述したように、内枠12を外枠11に支持するためのヒンジ18(回転軸)が正面視左側の上下2カ所に取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に外枠11に支持される。
ここで、ヒンジ18を開閉の軸として内枠12が正面手前側に開放された状態において、その解放角度を十分に大きくすることができる場合(例えば、図120に示すように、略90度程度の開放角度を確保できる場合)には、作業者は、基板ボックスA100の正面に対面する位置に立つことで、上述した要領(図115から図119で説明した要領)でスイッチ装置A120やキー装置A130を操作でき、その操作性を確保できる。
一方、その解放角度を十分に大きくすることができない場合(例えば、開放角度が略45度程度しか確保できず、その開放により内枠12の背面側に形成された空間へ外枠11と内枠12との間から手を差し入れて、キー装置A130を操作する必要がある場合)であっても、スイッチ装置A120やキー装置A130の操作性が確保される。
即ち、基板ボックスA100は、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(例えば、図115(a)における矢印R,L方向)をヒンジ18(回転軸)の軸方向と略直交する方向へ向けると共に短手方向(図115(a)における矢印U,D方向)をヒンジ18(回転軸)の軸方向と略平行となる方向へ向け、長手方向一側(図115(a)の矢印L方向側)をヒンジ18側に位置させる姿勢で配設される。よって、キー装置A130よりもヒンジ18に近い側に第1接続壁部A220が、キー装置A130よりもヒンジ18から遠い側にスイッチ装置A120が、それぞれ配置される。
これにより、操作用壁部A210(第2領域)と同じ高さ位置において、外枠11と内枠12との間から内枠12の背面(基板ボックスA100の正面)へ手を差し入れると、親指および親指の付け根付近の手のひらを、キー装置A130と第3接続壁部A240との間の空間(即ち、操作用壁部A210(第2領域)を正面視横長の長方形に形成すると共にキー装置A130を操作用壁部A210(第2領域)の長手方向中央よりも一側に位置させることにより操作用壁部A210の正面側に確保された長手方向他側(矢印R方向側)の空間)を利用して配置できる。
このように配置した状態であれば、スイッチ装置A120に対しては、親指または人差し指で操作部A122を操作する(押し込む)ことができ、キー装置A130に対しては、鍵A140を回転させる際に、鍵A140を把持する親指および人差し指を変位(移動)させる空間として、第1接続壁部A220を下降傾斜させて確保された空間を利用できる。その結果、スイッチ装置A120やキー装置A130の操作性を確保できる。
なお、基板ボックスA100を、図120に示す状態から回転軸A410を回転中心として回転させた状態で、上述した設定変更(スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作)を行っても良い。スイッチ装置A120及びキー装置A130をより前面側(外枠11の正面側)に位置させることができるので、これらスイッチ装置A120及びキー装置A130の操作性を向上できる。
ヒンジ18を開閉の軸として内枠12が正面手前側に開放された状態において、更に、基板ボックスA100を、回転軸A410を開閉の軸として正面手前側(図120紙面手前側)に開放させても良い。これにより、作業者が、外枠11と干渉しない位置において、基板ボックスA100の正面に対面する位置に立つことができ、上述した要領(図115から図119で説明した要領)でスイッチ装置A120やキー装置A130を操作でき、その操作性を確保できる。
この場合、主制御装置A110(入出力ポート205)には、開口AOP1〜AOP8を介して、各種装置(電源装置115、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、各種スイッチ208、ソレノイド209、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、図4参照)に一端が接続される電気的接続線の他端(コネクタ)がそれぞれ接続される。
ここで、これら電気的接続線の主制御装置A110への接続状態に関わらず、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作を許容すれば、スイッチ装置A120及びキー装置A130が不正に操作されやすくなる虞がある一方、複数の電気的接続線の接続状態に関わらずスイッチ装置A120及びキー装置A130の操作を一律に禁止すれば、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作に伴う作業(設定変更)の作業性の悪化を招く虞がある。
これに対し、本実施形態では、電気的接続線の主制御装置A110との接続状態に応じてスイッチ装置A120及びキー装置A130の操作可否が変更される。これにより、不正の抑制と作業性の向上とを図ることができる。
具体的には、本実施形態では、複数の電気的接続線の内の少なくとも電源装置115及び音声ランプ制御装置113に一端が接続される電気的接続線の他端(コネクタ)が主制御装置A110(入出力ポート205)に接続されていれば、他の電気的接続線の接続状態に関わらず(即ち、接続されていても、解除されていても、接続と解除とが混在していても)、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作が許容される。これにより、不正の抑制と作業性の向上とを図ることができる。
即ち、所定の電気的接続線(電源装置115及び音声ランプ制御装置113を主制御装置A110に接続する電気的接続線)が主制御装置A110に接続されていなければ、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作が禁止されるので、これらスイッチ装置A120及びキー装置A130の操作が不正に操作されることを抑制できる。
一方で、所定の電気的接続線(電源装置115及び音声ランプ制御装置113を主制御装置A110に接続する電気的接続線)の主制御装置A110への接続が確保され、不正が抑制できる場合には、その他の電気的接続線(払出制御装置111、各種スイッチ208、ソレノイド209、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、及び、第2図柄保留ランプ84を主制御装置A110に接続する電気的接続線)が主制御装置A110から解除されて(抜かれて)いても、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定変更)を許容することで、作業性の向上(汎用性の確保)を図ることができる。
即ち、主制御装置A110を、回転軸A410を開閉の軸として正面手前側(図120紙面手前側)に開放させる場合には、主制御装置A110を回転させるために(電気的接続線に主制御装置A110の回転が制限されないように)、電気的接続線を解除する(抜き取る)必要がある。
そのため、全ての電気的接続線が主制御装置A110に接続されていなければ、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定の変更)が許容されない構成では、主制御装置A110を所定位置(スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作が行い易い位置)まで回転させて後に、主制御装置A110から解除した(抜いた)電気的接続線を、主制御装置A110に接続し直す必要がある。
特に、主制御装置A110が変位(回転)により内枠12の背面から離間されており、電気的接続線の長さが不足する場合には、延長線を介在させて、解除した(抜いた)電気的接続線を、主制御装置A110に接続し直す必要があり、手間が嵩む。
これに対し、本実施形態では、所定の電気的接続線(電源装置115及び音声ランプ制御装置113を主制御装置A110に接続する電気的接続線)が主制御装置A110に接続されていれば、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定の変更)が許容されるので、他の電気的接続線(払出制御装置111、各種スイッチ208、ソレノイド209、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、及び、第2図柄保留ランプ84を主制御装置A110に接続する電気的接続線)を、延長線を介在させて、接続し直す(再接続する)ことを不要とできる。
その結果、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作がし易い位置へ主制御装置A110を配置可能としつつ、手間を抑制して、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定変更)に伴う作業性を向上できる。
次いで、図121を参照して、第8実施形態における基板ボックスA2100について説明する。第7実施形態では、端面壁部A272の背面全体が平坦面として形成される場合を説明したが、第8実施形態における端面壁部A2272には、その背面から突条A2273が突設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図121(a)は、第8実施形態における基板ボックスA2100の部分拡大背面図であり、図121(b)は、図121(a)の切断線CXXIb−CXXIbにおける基板ボックスA2100の部分拡大断面図である。
なお、図121(a)は、図110(b)に対応する。また、図121(b)では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、断面視される部位のみが図示される。
図121に示すように、第8実施形態の被覆部A2270における端面壁部A2272には、その背面(内面、矢印B方向側の面)から突条A2273が突設される。突条A2273は、略半円の断面形状を維持しつつすじ状に延設される部位(突条)であり、端面壁部A2272の外縁(周壁部A271から径方向内側へ張り出す張り出し方向先端側の縁部)に沿って所定の範囲に形成される。
詳細には、突条A2273が形成される範囲は、キー装置A130の本体A133における端部A133c(図113参照)に対面(対向)する位置であって、角形部A272bの外縁に沿う範囲(位置AP2を含む位置AP1と位置AP3との間の範囲、及び、位置AP5を含む位置AP4と位置AP6との間の範囲)と、角形部A272bを挟んで一方側(周壁部A271から径方向内方への張り出し寸法が大きい側)の円環部A272aの内縁に沿う範囲(位置AP3と位置AP4との間の範囲)とに設定され、この範囲(位置AP1と位置AP6との間の範囲)で連続して形成される。
突条A2273の端面壁部A2272(円環部A272a及び角形部A272b)の背面からの突設寸法は、位置AP3と位置AP4との間の範囲で一定の値に設定され、位置AP3から位置AP2へ向かうに従って漸次大きな値に変化されると共に、位置AP2から位置AP1へ向かうに従って漸次小さな値に変化され、位置AP2では位置AP3と同じ値に設定される。同様に、かかる突設寸法は、位置AP4から位置AP5へ向かうに従って漸次大きな値に変化されると共に、位置AP5から位置AP6へ向かうに従って漸次小さな値に変化され、位置AP6では位置AP4と同じ値に設定される。また、位置AP2と位置AP5とは同じ値(突設寸法)に設定される。
このように、端面壁部A2272に突条A2273が突設されることで、端面壁部A2272の剛性を高めることができる。よって、キー装置A130に差し込まれた鍵A140にその差し込み方向と直交する方向(矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面に平行な方向)の力が作用され、キー装置A130の傾倒に伴い、鍵A140が端面壁部A2272の内縁に当接される際に、端面壁部A2272が破損することを抑制できる。
突条A2273は、キー装置A130の本体A133における端部A133c(図113参照)に対面(対向)する位置に形成されるので、端面壁部A2272の背面とキー装置A130(本体A133の端部A133c)の正面との間の隙間を小さくして、かかる隙間から針金等の異物が基板ボックスA2100の内部へ挿入されることを抑制できる。
ここで、本実施形態では、突条A2273は、位置AP3と位置AP4との間の範囲における突設寸法が、端面壁部A2272の背面とキー装置A130の本体A133における端部A133cの正面との間の対向間隔と略同等の値に設定される。よって、突条A2273の突設先端(矢印B方向側)が、キー装置A130の本体A133における端部A133c(図113参照)の正面に当接される。
これにより、端面壁部A2272の背面とキー装置A130(本体A133の端部A133c)の正面との間の隙間を無くして、かかる隙間から針金等の異物が基板ボックスA2100の内部へ挿入されることを抑制できる。
特に、位置AP2,AP5では、突条A2273の突設寸法が大きな値に設定されるので、外縁側が自由な状態の板状(片持ち梁)として形成される角形部A272bの弾性変形を利用して、位置AP1から位置AP3の範囲、及び、位置AP4から位置AP6の範囲における突条A2273をキー装置A130(本体A133の端部A133c)の正面に強固に密着させることができる。これにより、端面壁部A2272の背面とキー装置A130(本体A133の端部A133c)の正面との間の隙間から針金等の異物が基板ボックスA2100の内部へ挿入されることをより確実に抑制できる。
また、このように、突条A2273の突設先端(矢印B方向側)が、キー装置A130の本体A133における端部A133c(図113参照)の正面に当接されていることで、キー装置A130に鍵A140を差し込む際に、誤って端面壁部A2272が鍵A140によって差し込み方向へ押されても、その差し込み方向へ端面壁部A2272が変形することを抑制できる。よって、端面壁部A2272の基端側(周壁部A271に連結される側)が破損することを抑制できる。
次いで、図122を参照して、第9実施形態における基板ボックスA3100について説明する。第7実施形態では、基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の長手方向(矢印L,R方向)中央よりも回転軸A410に近い側(矢印R方向側)にスイッチ装置A120及びキー装置A130が配設される場合を説明したが、第9実施形態におけるスイッチ装置A120及びキー装置A130は、基板ボックスA3100(ボックスカバーA3200)の長手方向中央よりも回転軸A410から遠い側に配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図122(a)は、第9実施形態における基板ボックスA3100の正面図であり、図122(b)は、パチンコ機A3010の正面模式図である。なお、図122(b)では、基板ボックスA3100を可動範囲(回転可能範囲)のうちの最大可動位置(第2の位置)まで変位(回転)させた状態が図示される。また、図122(b)では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、主要な構成のみが模式的に図示される。
ここで、第9実施形態における基板ボックスA3100は、第7実施形態における基板ボックスA100に対し、操作用壁部A210の形成位置、及び、その操作用壁部A210における開口A260(被覆部A270、キー装置A130)及び開口A250(ガイド壁A251、スイッチ装置A120)の配置が異なる一方、その他の構成は同一であるので、その説明は省略する。
図122に示すように、第9実施形態における基板ボックスA3100は、操作用壁部A210がボックスカバーA3200の長手方向中央よりも回転軸A410から遠い側(矢印L方向側)に形成され、その操作用壁部A210の3辺が、第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240により正面壁部A201に接続される。
操作用壁部A210には、開口AOP1、開口A260(被覆部A270)及び開口A250(ガイド壁A251)が形成され、それら開口A250,A260を介して、スイッチ装置A120及びキー装置A130が操作可能とされる。
この場合、本実施形態では、スイッチ装置A120が、キー装置A130よりも、回転軸A410から遠い側(第1接続壁部A220に近い側、矢印L方向側)に配置される。
即ち、第7実施形態における配置と逆の配置とされる。
ここで、基板ボックスA3100は、回転軸A410を回転中心として回転される際の可動範囲(回転可能範囲)が、内枠12の背面側に配置される第1の位置(遊技時に配設される位置、図120参照)から、内枠12の背面から離間する方向へ変位(回転)され、ボックスカバーA3200(操作用壁部A210)の正面がパチンコ機A3010の正面側を向く第2の位置(即ち、第3図柄表示装置81の表示面と同じ側を向く位置、図122(b)参照)までの略180°の範囲に設定される。
これにより、第3図柄表示装置81に表示される情報(例えば、設定変更に関する情報、設定値)を視認しながらスイッチ装置A120及びキー装置A130を操作できる位置に基板ボックスA3100を配置する(変位させる)ことができる。その結果、表示(情報)を確認しながら操作できるので、表示(情報)に基づいて、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作状態を把握しやすくできる。その結果、操作性を向上できると共に、操作間違いを抑制できる。
一方、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作を行わない状態では、パチンコ機A3010(内枠12)の背面側(即ち、外部から視認され難い位置、図120参照)に配置できるので、不正が施される(スイッチ装置A120及びキー装置A130が不正に操作される)ことを抑制できる。
特に、本実施形態では、基板ボックスA3100のスイッチ装置A120及びキー装置A130が配設される面(操作用壁部A210の正面)と、第3図柄表示装置81の表示面とが同じ方向(矢印B方向)を望む姿勢(本実施形態では、両面が略平行となる姿勢)となる位置に基板ボックスA3100を変位(回転)させることができる。なお、操作用壁部A210の正面と、第3図柄表示装置81の表示面とがなす角度は、略0°から略45°の範囲に設定されることが好ましい。
即ち、基板ボックスA3100のスイッチ装置A120及びキー装置A130が配設される面(操作用壁部A210の正面)と、第3図柄表示装置81の表示面とを同時に視認可能となる位置に、基板ボックスA3100を変位(回転)させることができる。その結果、第3図柄表示装置81を視認しつつ、スイッチ装置A120やキー装置A130を操作するために、手をパチンコ機A3010の背面側に回り込ませるといった無理な姿勢を取る必要を無くすことができる。
その結果、第3図柄表示装置81に表示される情報(例えば、設定変更に関する情報)を確認しながらスイッチ装置A120及びキー装置A130を操作する作業をより行い易くでき、操作性の向上と操作間違いの抑制とをより確実に達成できる。
また、上述したように、操作用壁部A210がボックスカバーA3200の長手方向中央よりも回転軸A410から遠い側(矢印L方向側)に形成され、その操作用壁部A210にスイッチ装置A120及びキー装置A130が配設される。
これにより、基板ボックスA3100のスイッチ装置A120及びキー装置A130が配設される面(操作用壁部A210の正面)と、第3図柄表示装置81の表示面とを同時に視認可能となる位置に基板ボックスA3100を変位(回転)させた状態において(図122(b)参照)、スイッチ装置A120及びキー装置A130をパチンコ機A10(内枠12)の外縁からより遠い位置(図122(b)右側)に配置できる。よって、スイッチ装置A120(操作部A122)及びキー装置A130(鍵A140)を操作する手指がパチンコ機A10(内枠12)の外縁と干渉することを抑制できる。その結果、操作性を向上できる。
ここで、設定変更モードでは、スイッチ装置A120(操作部A122)の押し込み動作を繰り返し行う必要があり、キー装置A130よりもスイッチ装置A120の操作頻度が高くされる。
これに対し、本実施形態では、キー装置A130と比較して操作頻度が高いスイッチ装置A120が、キー装置A130よりも回転軸A410から遠い側(即ち、第1接続壁部A220に近い側)に配設される。これにより、操作頻度の高いスイッチ装置A120をパチンコ機A10(内枠12)の外縁からより遠い位置(図122(b)右側)に配置できる。よって、スイッチ装置A120(操作部A122)を操作する手指がパチンコ機A10(内枠12)の外縁と干渉することをより確実に抑制できる。その結果、操作性を向上できる。
更に、スイッチ装置A120が第1接続壁部A220に隣接して配設されるので、第1接続壁部A220の傾斜により形成される空間も、スイッチ装置A120(操作部A122)を操作する際の空間(手指とボックスカバーA3200との干渉を避けるための空間)として利用できる。その結果、この点からも操作性を向上できる。
ここで、第9実施形態におけるパチンコ機A3010は、基板ボックスA3100が上述した第2の位置(操作用壁部A210の正面がパチンコ機A3010の正面側を向く位置、図122(b)参照)まで変位(回転)されると、基板ボックスA3100に係合して、かかる基板ボックスA3100の第1の位置へ向かう方向への変位(回転)を規制(即ち、基板ボックスA3100を第2の位置に固定)する規制手段を備える。これにより、スイッチ装置A120及びキー装置A130を操作する際に、基板ボックスA3100を手で保持する必要がないので、操作性を向上できる。
なお、規制手段としては、磁石の磁力(吸着力)を利用して、基板ボックスA3100を第2の位置に固定(保持)するもの(吸着力を越える力が作用されることで、第1の位置へ向かう方向への変位(回転)が許容されるもの)、弾性変形された付勢手段(例えば、コイルばね)の弾性回復力により突出位置に配置される突出部材を備え、突出位置に配置された突出部材が、第2の位置に配置された基板ボックスA3100に係合し、基板ボックスA3100の第1の位置へ向かう方向への変位(回転)を規制するもの(突出位置から付勢手段の付勢力に抗して突出部材を没入させると、基板ボックスA3100の第1の位置へ向かう方向への変位(回転)が許容されるもの)などが例示される。
次いで、図123を参照して、第10実施形態における基板ボックスA4100について説明する。第7実施形態では、基板ボックスA100の回転軸A410がパチンコ機A10の上下方向(矢印U,D方向)に沿う姿勢で配置される場合を説明したが、第10実施形態における回転軸A4410は、パチンコ機A4010の幅方向(左右方向、矢印L,R方向)に沿う姿勢で配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図123(a)は、第10実施形態における基板ボックスA4100の正面図であり、図123(b)は、パチンコ機A4010の正面模式図である。なお、図123(b)では、基板ボックスA4100を可動範囲(回転可能範囲)のうちの最大可動位置(第2の位置)まで変位(回転)させた状態が図示され、第1の位置に変位(回転)された基板ボックスA4100が破線で図示される。また、図123(b)では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、主要な構成のみが模式的に図示される。
ここで、第10実施形態における基板ボックスA4100は、第7実施形態における基板ボックスA100に対し、回転軸A4410の配置(配設位置および向き)と配設数とが異なる一方、その他の構成は同一であるので、その説明は省略する。
図123に示すように、第10実施形態における基板ボックスA4100は、封印ユニットA400及びサブカバーA500のそれぞれから互いに離間する方向へ突設される一対の回転軸A4410を備える。一対の回転軸A4410は、基板ボックスA4100の短手方向(矢印U,D方向)一側(操作用壁部A210と反対側、矢印U方向側)に位置し、基板ボックスA4100の長手方向(矢印L,R方向)両端からその基板ボックスA4100の長手方向に沿って外方へ突出する姿勢で形成される。また、一対の回転軸A4410は同軸上に配置される。
ここで、基板ボックスA4100は、回転軸A4410を回転中心として回転される際の可動範囲(回転可能範囲)が、内枠12の背面側に配置される第1の位置(遊技時に配設される位置、図123(b)に破線で示す位置)から、内枠12の背面から離間する方向(矢印B方向)へ変位(回転)され、ボックスカバー4200(操作用壁部A210)の正面が鉛直方向上方(矢印U方向)を向く第2の位置(即ち、基板ボックスA4100が内枠12の背面側へ最も張り出す位置、図123(b)参照)までの略90°の範囲に設定される。
これにより、第2の位置においては、操作用壁部A210を上方へ向けると共に、その解放側(第2接続壁部A230と反対側)を作業者が居る側へ向けることができ、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作性を向上できる。
一方、第1の位置においては、操作用壁部A210の正面を、内枠12に配設される別部品の背面に対面させることができる。よって、スイッチ装置A120及びキー装置A130に別部品を対面させ、これらスイッチ装置A120及びキー装置A130を操作し難い位置に配置できる。その結果、不正が施される(スイッチ装置A120及びキー装置A130が不正に操作される)ことを抑制できる。
また、本実施形態では、キー装置A130に鍵A140が差し込まれた状態では、基板ボックスA4100が第1の位置へ向けて変位(回転)されても、内枠12の別部材に鍵A140が当接されることで、基板ボックスA4100を第1の位置に配置不能に形成される。これにより、鍵A140の抜き忘れを抑制できる。よって、抜き忘れた鍵A140が不正に取得されることを抑制できる。
特に、本実施形態では、基板ボックスA4100は、第2の位置が第1の位置よりも重力方向(鉛直方向)下方に位置されるため、上述のように、キー装置A130に鍵A140が差し込まれた状態で、基板ボックスA4100が第1の位置へ向けて変位(回転)された場合には、その後、基板ボックスA4100をその自重により第2の位置へ変位(回転)させることができる。よって、作業者に、基板ボックスA4100が第1の位置へ配置不能な状態にあることを認識させやすくできる。
なお、別部材は、基板ボックスA4100が第1の位置に変位(回転)された状態において、その別部材の一部が、ボックスカバー4200の正面壁部A201よりも操作用壁部A210の正面側へ入り込む形状とされることが好ましい。これにより、操作用壁部A210の正面側に形成される空間を小さくして、スイッチ装置A120及びキー装置A130が不正に操作されることを抑制できる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第1実施形態では、突条部154により球流下ユニット150を流下する球を減速される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、内面に粘着性の部材を配設するなどして、球の流下抵抗を増大させても良いし、流路内に空気を送り込む等しても良いし、磁力で球の流下速度を調整しても良い。
上記第1実施形態では、変位規制装置180が背面ケース510に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、変位規制装置180が可動役物側に配設されても良い。演出部材700の背面側に変位規制装置180を配設し、押し込み操作により背面側への張出幅を変化可能に構成しても良い。
この場合、張出幅が長い状態で、変位規制装置180の操作部材183の本体部183aを背面ケース510に挿通させることができるように構成することで、演出部材700の変位を規制することができる。一方で、操作部材183を操作し張出幅を短くした状態で背面ケース510への挿通が解除されるように構成することで演出部材700が変位可能となるが、この時、演出部材700の変位に伴い変位規制装置180も変位する。そのため、変位規制装置180に意匠形状を付加したり、LED等の発光装置を配置したりすることで、変位規制装置180を遊技者に視認させて演出することができる。
上記第1実施形態では、変位規制装置180の状態変化が手動操作により生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、変位規制装置180が駆動装置を備え、操作部材183の配置が電動で切り替えられるものでも良い。この場合、電源オンからの初期動作に先立って変位規制装置180が規制解除状態となるように制御することで、変位規制装置180が規制状態のままで拡大縮小ユニット600が変位開始することを回避することができる。これにより、操作部材183に過負荷がかけられることを防止することができる。
また、操作部材183の円筒部183dの周囲にクッション性の高い緩衝材を配設しても良い。また、変位規制装置180を駆動するまではしなくても、操作部材183の配置を検出可能な検出センサを配設し、この検出センサにより変位規制装置180が規制状態であると判定される場合には、拡大縮小ユニット600の駆動を開始しないように制御しても良い。
上記第1実施形態では、変位規制装置180が背面ケース510の背面側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、背面ケース510の上下側の少なくとも一方に配置しても良いし、背面ケース510の左右側の少なくとも一方に配置しても良いし、これらの組み合わせでも良い。
例えば、演出部材700の配置を維持するためには、下アーム部材630の配置変化を防止すれば足りるので、演出待機状態における下アーム部材630の上面部に凹部を設け、背面ケース510の上側から操作部材183の円筒部183dを張り出した場合に円筒部183dが下アーム部材630に設けられる凹部と係合するように構成することで、下アーム部材630の左右方向への配置変化を防止することができる。
上記第1実施形態では、遊技領域の上側に配置される拡大縮小ユニット600の変位を規制する装置の一例として変位規制装置180を配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、射出装置400の粒状部材320(内部空間IE1を自由に変位可能な部材)の変位を規制(制限)するための装置を配設することにより、出荷時に粒状部材320が内部空間IE1を変位することで区画部材310の壁面と擦れ、粒状部材320が割れたり、区画部材310に傷が付いたりすることを防止するように図っても良い。
例えば、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置されている状態(演出待機状態)で出荷することで、粒状部材320が蓋部材480を超えて内部空間IE1を変位することを防止することができるので、出荷時に粒状部材320が接触できる区画部材310の範囲を制限することができると共に、粒状部材320の変位量を抑制できることから粒状部材320同士の衝突による割れが生じる事態を避けることができる。
また、他例として、導光板演出手段160の下側支持部材163に配設され、区画部材310の内部空間IE1に張り出し可能に構成され、張り出した状態で内部空間IE1に配置される粒状部材320の変位を制限可能に構成される張出部材を設けても良い。
この張出部材を、下側支持部材163の前側(遊技盤13の前側)から押し込み操作可能に構成し、押し込み操作の度に張出状態と、非張出状態とが切り替わるよう構成することで、遊技機店にパチンコ機10を設置した後は、正面枠14を開放することで前側から張出部材を操作することができるので、張出部材の操作性を向上することができる。
なお、張出部材の状態変化の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、変位規制装置180と同様にラッチ機構により状態変化させても良いし、爪と爪との係合や係合解除により状態変化させても良い。
また、他例として、区画部材310の内部気圧を上昇した状態で出荷することで、粒状部材320の配置を維持するようにしても良い。この場合、遊技機店にパチンコ機10を設置し、稼働させる前に区画部材310内の気圧を下げることで、粒状部材320の配置を自由にすることができる。
また、他例として、粒状部材320の材料となる樹脂に強磁性体の金属粉を混ぜて形成し、出荷時には区画部材310の下端付近に磁石を配置するようにしても良い。これにより、出荷時には、磁石の磁力で粒状部材320の配置を維持することができる。一方で、稼働時には、この磁石を取り去ることで、粒状部材320の配置を自由にすることができる。
なお、磁石は、稼働時に取り去る必要があるものに限るものではない。例えば、他の可動役物の一部に磁石が配設されても良く、一例として、蓋部材480に磁石が配設されるようにしても良い。
なお、粒状部材320に強磁性体の金属粉を混ぜる態様では、例えば、発射演出実行後に、区画部材310付近に磁力を生じさせるように動作する(例えば、磁石を区画部材310に近接させるように動作する)演出用役物を配設することにより、粒状部材320を空中で停止させる(浮いているように視認させる)演出態様を発射演出に含めることができる。
上記第1実施形態では、拡大縮小ユニット600の変位を規制する変位規制装置180が背面ケース510に固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものでは無い。
例えば、拡大縮小ユニット600の伝達ギア650が所定の終端位置に配置された状態における被規制孔657の中心軸と同一直線上で穿設される挿通孔が背面ケース510に形成され、出荷時には、その挿通孔を通して金属棒または樹脂棒を被規制孔657に挿通し、テープ等で固定しておき、遊技機店に到着後は、遊技機店の店員が金属棒または樹脂棒を抜き去ることで拡大縮小ユニット600が変位可能となるように構成しても良い。
一方で、この方法だと、固定のためのテープでパチンコ機10が汚れる可能性が合ったり、パチンコ機10の他店への配送のために金属棒または樹脂棒を捨てるわけにはいかず、保管する必要が生じたりする。
また、金属棒または樹脂棒の保管を各遊技機店に任せる場合、紛失の可能性が高まり、金属棒または樹脂棒が無い状態で他店へ配送した場合には、パチンコ機10の品質を確保できない可能性がある。この観点を改善したものが、背面ケース510に締結固定される変位規制装置180であると認識することもできる。
上記第1実施形態では、内部空間IE1の前後幅と、湾曲板部312の左右中央部312bと背面区画下部314との前後幅とが同程度となる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、左右中央部312bと背面区画下部314との前後幅も、左右部312aと背面区画下部314との前後幅と同程度に狭く構成しても良い。この場合、粒状部材320の移動抵抗を、左右位置に関わらず内部空間IE1の下側において大きくすることができるので、射出される粒状部材320の勢いを落とすことができるので、前面板部311と粒状部材320とが衝突により破損したり、傷ついたりする確率を低減することができる。
また、例えば、左右部312aと背面区画下部314との前後幅が、内部空間IE1の前後幅と同程度に広げられても良い。この場合、射出される粒状部材320の勢いを落とすことなく内部空間IE1に粒状部材320を進入させることができる。
また、内部空間IE1の前後幅も一定である必要はない。例えば、射出された粒状部材320の移動方向(上側)に向かう程、先細りする形状としても良い。この場合、粒状部材320の勢いを徐々に落とすことができるので、区画部材310に局所的に過大な負荷が生じることを避け易くすることができる。更に、先細りの向きを正面側へ寄せることで、飛散する粒状部材320を正面側へ寄せやすくすることができる。
また、例えば、前面板部311の一部であって、射出された粒状部材320がまとまって到達すると予測される箇所に、背面側へ向けて隆起する態様で張り出す瘤状部を設けても良い。この瘤状部は、前面板部311の背面に別部材が配設固定されるようにしても良いし、前面板部311の一部を背面側へ張り出させるように成形可能なように金型に凸部を設けるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、粒状部材320がサッカーボール形状で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、球状でも良いし、ラグビーボール形状でも良いし、星形状(立体的に突部が形成される形状)でも良い。ある程度の大きさの部材で構成することで、部材間に隙間を生じさせることができるので、発射演出を実行した場合に粒状部材320を激しく散らばらせることができる。
上記第1実施形態では、射出装置400が導光板161の背面側下方に配置され、斜め前上方向に粒状部材320を発射するように構成したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、射出装置400の配置は導光板161の左右位置でも良いし、上側の位置でも良い。この場合であっても、斜め前側へ粒状部材320を発射する演出を実行することができる。なお、上側の位置に射出装置400を配置する場合には、粒状部材320を演出待機位置まで持ち上げる装置を追加することが好ましい。
上記第1実施形態では、粒状部材320が単色(本実施形態では、赤色)の樹脂部材から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、2色成形や、異なる色の2部材を合体して一つの粒状部材320を構成するようにしても良い。この場合に、重心位置を考慮して色分けすることで、堆積時の見え方を工夫することができる。例えば、重心位置を考慮して、粒状部材320の安定姿勢における水平位置で色を変化させることで、粒状部材320の堆積時に色の層を視認させることができる。
また、粒状部材320の個数は限定されるものでは無く、1個でも良い。例えば、粒状部材320として衝突部材420と同程度の大きさの部材を採用し、衝突部材420の湾曲板部421と同程度の凹側の湾曲形状を外面に構成しても良い。これにより、湾曲形状がうまくはまった状態で発射演出が実行される場合と、湾曲形状がはまっていない状態で発射演出が実行される場合とで、粒状部材320の飛び方および見え方を変化させることができる。
上記第1実施形態では、粒状部材320が内部空間IE1に飛散可能に配置され、重力で衝突部材420の上に集まってくる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、粒状部材320を初期位置側(演出待機状態の位置側)へ向けて付勢する付勢手段を備え、その付勢手段の付勢力により粒状部材320を初期位置側へ戻すように構成しても良い。この場合、粒状部材320の初期位置側が下側に限定されることを避けることができる。
付勢手段としては、例えば、スプリングや、伸縮可能なゴム状部材や、端部が固定配置される網状部材や、粒状部材320の経路を部分的に覆う弾性シート等が例示される。
付勢手段と粒状部材320との関係は、何ら限定されるものではない。例えば、粒状部材320と付勢手段とが接着されている態様でも良いし、接着はされていないものの離れているわけではなく、付勢手段の一部が粒状部材320の内部に配置され一体的に変位可能な態様でも良いし、付勢手段は内部空間IE1に支持される一方で粒状部材320とは離れて配置可能な態様でも良い。
また、付勢手段は、粒状部材320と接触可能な物体に限られるものでは無い。例えば、上記第1実施形態において重力が粒状部材320に作用したのと同様に、内部空間IE1の気圧を調整する気圧調整手段を採用しても良い。この場合、内部空間IE1の気圧を上昇させたり、下降させたりすることで、粒状部材320の配置に影響を与えることができる。
例えば、内部空間IE1に上側からガスを注入する態様で内部空間IE1の気圧を上昇させる場合、粒状部材320を内部空間IE1の下側に維持し易くすることができ、逆に内部空間IE1の上側からガスを抜き取る態様で内部空間IE1の気圧を下降させる場合、粒状部材320を内部空間IE1の上側へ向けて変位(浮く変位)させることができる。また、ガスの注入の方向や、ガスを抜き取る方向は、上側に限るものでは無く、上下左右前後の任意の側に設定可能である。
なお、気圧変化を生じさせる場合には、異形貫通部315を閉塞することが好ましい。
異形貫通部315を閉塞させる機能を、蓋部材480に付与することは容易に可能である。例えば、蓋部材480に柔軟で薄く変形性に富む変形可能部材(例えば、スポンジ状部材や、低摩擦のゴム状部材)を貼り付け、異形貫通部315に蓋部材480が進入する場合に、蓋部材480と異形貫通部315との間の隙間を変形可能部材で埋めるようにしても良い。これにより、蓋部材480の異形貫通部315に対する変位に合わせて、異形貫通部315を閉塞したり、開放したりすることができる。
上記第1実施形態では、直動部材410の突条部414が直線に沿うように形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、右側先端部の伝達突部446に対向する側の面が、前側伝達部材440の伝達突部446の変位軌跡に沿う湾曲状面として形成されても良い。この場合、伝達突部446が下端位置に配置される場合に限らず、湾曲状面と当接している間に亘って直動部材410を変位下端位置に維持することができるので、コイルスプリングSP1の付勢力を最大で維持したまま、発射状態に移行することができる。
上記第1実施形態では、衝突部材420の左右中央部が上に突の湾曲形状から構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、中央部が尖り左右方向に下る坂状でも良いし、寄棟状でも良い。この場合、湾曲形状に比較して、中央部の尖りを粒状部材320が左右方向に通過し難いようにすることができる。そのため、粒状部材320の左右配置の偏りを大きくすることができる。
また、例えば、変位方向に直交する平面形状でも良いし、左右中央部が下に凹む湾曲形状から構成しても良い。この場合、第1実施形態と異なり、区画部材310の内壁に衝突するまでは粒状部材320を塊で変位させ、衝突により離散させるという変位態様を構成することができる。
なお、衝突部材420の形状を変化させる場合には、それに合わせて蓋部材480の形状も変化させることが好ましい。例えば、衝突部材420の上面を左右中央部が下に凹む湾曲形状から構成する場合には、蓋部材480の進退部481は左右中央部が上に凸の湾曲形状から構成することが好ましく、これにより粒状部材320と蓋部材480とが衝突することを回避し易くすることができる。
上記第1実施形態では、衝突部材420の湾曲板部421が側方視で平坦形状に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、下半分が張り出して側方視で屈曲した形状に構成されても良い。この場合、粒状部材320の密集位置を上半分側に寄せることができる。
上記第1実施形態では、区画部材310の正面視における大きさが、導光板161の大きさと同程度で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、区画部材310の正面視における大きさが、第3図柄表示装置81の表示領域の内、遊技者が表示を視認可能とされる視認領域の大きさ程度または大きさ以上で設計されるようにしても良い。これにより、区画部材310の縁部が第3図柄表示装置81による表示に重なって視認される事態の発生を避けることができるので、第3図柄表示装置81の表示の視認性を向上することができる。
上記第1実施形態では、粒状部材320に対して負荷を与える部材として単一の衝突部材420を採用したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、粒状部材320に負荷を付与可能に配置される複数個の衝突部材420を採用し、別々の駆動装置で協調動作または個別動作させても良い。
上記第1実施形態では、直動部材410が衝突部材420と当接し、前側伝達部材440は衝突部材420と当接しない場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。
例えば、板部422から背面側へ突設される柱部が中間部材401を貫通し、前側伝達部材440と当接可能に構成しても良い。この場合において、柱部との前側伝達部材440の当接部が角度配置に応じて径方向長さが切り替わる態様で凹凸形成されることにより、前側伝達部材440の回転に伴い、柱部の配置を変化させることができる。これを利用して、衝突部材420を上下に微小変位させ、粒状部材320を振動(微小変位)させるようにしても良い。
上記第1実施形態では、蓋部材480が回転変位で区画部材310に進入する場合を説明したが、蓋部材480の変位態様は何ら限定されるものでは無く、必ずしもこれに限るものではない。例えば、直線方向に沿ったスライド変位により進入しても良い。この場合、異形貫通部315の形状を簡易に形成することができる。
上記第1実施形態では、蓋部材480の左右に配置される延設板部485が背面側へ向けて凹む形状で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、凹部を形成しないでも良い。この場合、左右から衝突部材420への粒状部材320の流入を防止し易くすることができる。
上記第1実施形態では、射出装置400の演出待機状態において、蓋部材480の下方に粒状部材320が離れて収まる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。
例えば、蓋部材480の下面(内径側面)から内径側へ向けて突設される突出部が形成され、この突出部が粒状部材320と当接可能に構成しても良い。この場合、粒状部材320が局所的に堆積する場合に、突出部により粒状部材320を押進することにより、蓋部材480の進入側への変位に伴って粒状部材320の堆積を崩すことができる。これにより、粒状部材320の配置の均一化を図ることができる。
蓋部材480の突出部の形状は何ら限定されるものではない。例えば、複数の突起が散在するように構成しても良い。この場合、粒状部材320の堆積が生じる位置に関わらず、堆積する粒状部材320に突起を接触させることができ、粒状部材320の堆積を崩すことができる。
また、張出部482の進入側先端部の左右中央部を起点として、進退部481の退避側先端部へ向かうにつれて左右両外側へ傾斜して配置される一対の突条として構成しても良い。この場合、蓋部材480の進入側の変位に伴い、粒状部材320を左右外側へ向けて押し進める方向の負荷を粒状部材320にかけることができる。
また、突条の向きはこれに限られるものではない。例えば、逆の傾斜でも良いし、突条が一対の傾斜方向では無く、単一の傾斜方向に沿って形成されるものでも良いし、異なる傾斜度合いの突条を組み合わせたものでも良いし、傾斜の無い突条(回転軸に対して直交する平面上を延びる突条や、回転軸と平行な(または重なる)平面上を延びる突条)でも良い。また、突条の本数はこれに限られるものではなく、任意に設定可能とされる。
なお、突出部の突設長さは何ら限定されるものでは無い。例えば、突出先端が蓋部材480の回転軸と同軸同径の円に到達するまで突出されるものでも良いし、蓋部材480の進退部481からの突出長さが一定となるように構成しても良い。後者の場合、突出部の突出先端を結んだ面が、進退部481の下面(内径側面)に沿う形状となるので、蓋部材480の形状から奏する効果として上述した効果と同様の効果を、突出部により奏することができる。
蓋部材480に突出部が形成される場合の突出部の作用タイミングは、粒状部材320が停止し、蓋部材480が進入側へ変位する時に限られるものでは無い。例えば、粒状部材320が蓋部材480の下方に収まっている状態において、演出待機状態を基準として前側伝達部材440が正回転方向で66度回転した状態付近で、駆動モータMT1を小刻みに正逆方向回転させる(例えば、56度から76度の間で往復動作させる)ことで、直動部材410及び衝突部材420を小刻みに上下変位させることができ、衝突部材420の上に乗っている粒状部材320を上下変位させることができる。
粒状部材320は衝突部材420に固着しているものではないので、衝突部材420の上下変位により跳ね上げられ、蓋部材480の突出部と衝突させることができる。この衝突により、粒状部材320の配置替えを実行することができ、粒状部材320の堆積の崩れを図ることができる。
また、衝突部材420が粒状部材320を跳ね上げる際(上昇変位する際)には、蓋部材480は進入側へ変位することになるので、突出部を介する粒状部材320への負荷をかけやすくすることができる。
なお、駆動モータMT1の小刻みな正逆方向回転の実行は、駆動力を正逆で反転させるように制御するものでも良いし、正方向の回転を短い時間間隔を空けて生じさせるものでも良い。この場合、コイルスプリングSP1の付勢力により、直動部材410を介して前側伝達部材440の伝達突部446が逆回転方向に変位することで、駆動モータMT1の逆回転を生じさせることができる。
上記第1実施形態では、蓋部材480の進退部481と対向配置される湾曲板部312が左右に亘り同一平面に沿う形状で形成されることで、蓋部材480の形状に対応して蓋部材480と湾曲板部312との間隔が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、蓋部材480と対向配置される湾曲板部312が平面では無く凹凸(波形状)を有する形状から構成され、蓋部材480の形状と湾曲板部312の形状との相対関係に寄り蓋部材480と湾曲板部312との間隔が変化するように構成しても良い。また、蓋部材480の進退部481の進入側端部が回転軸O1の軸線と平行に形成されるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、左カバー部材489の当接面489a〜489cの傾斜角度を変化させることで伝達アーム部材470と左カバー部材489との当接面積を確保する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、伝達アーム部材470の伝達突部473に姿勢変化可能なローラー部材を配設し、そのローラー部材の姿勢変化により左カバー部材489の内面との当接面積を確保するようにしても良い。この場合、左カバー部材489の内壁を簡易な貫通孔として形成することができる。
上記第1実施形態では、前側伝達部材440及び後側伝達部材460を介して駆動モータMT1の駆動力を伝達し、複数の部材(直動部材410、衝突部材420、当接部材430、伝達アーム部材470及び蓋部材480)を変位させる状況において、全ての部材が同時に変位することは無いように変位タイミングが工夫されている場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、駆動モータMT1の駆動力により、複数の部材の内、全ての部材を変位させるタイミングがあっても良い。この場合には、採用する駆動モータMT1を若干大型化すれば良い。
上記第1実施形態では、前側伝達部材440が直動部材410と当接することで駆動力を伝達する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、前側伝達部材440の伝達突部446の少なくとも一部を磁性材料で構成し、直動部材410の突条部414を磁性材料で構成することで、間に斥力が生じる場合には、前側伝達部材440と直動部材410とが非当接の状態で直動部材410に負荷を伝達することができる。
例えば、伝達突部446の内、直動部材410の突条部414と対向配置される円周方向半部には、突条部414との間に引力が生じる磁極の磁性材料が配設される一方、反対側の円周半部には、突条部414との間に斥力が生じる磁極の磁性材料が配設されるように構成することで、斥力が、直動部材410を下端位置に維持しようとする側に生じるように構成できるので、直動部材410と当接部材430との当接開始時の負荷を低減させることができる。
上記第1実施形態では、前側伝達部材440の前面に形成される溝形成部442と、後側伝達部材460の後面に形成される溝形成部462との2位置で駆動力伝達を行う場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、前側伝達部材440又は後側伝達部材460の少なくとも一方の円周面に溝部を形成し、この溝部を介して駆動力伝達を行うことで、駆動力の伝達対象を増やしても良い。
上記第1実施形態では、検出センサSC4による検出により前側伝達部材440を逆回転させるべきタイミングか否かが不明となる可能性がある場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、検出センサSC4に加えて、直動部材410又は衝突部材420の配置を検出する検出センサを配設し、その検出センサと検出センサSC4との検出結果により、前側伝達部材440の逆回転の可否を判定しても良い。これにより、正回転方向の駆動で発射状態を経由したか否かを判定することができるので、発射状態に至っていなければ逆回転が可能であり、発射状態を超えていれば逆回転は不可能であると判定することができる。
上記第1実施形態では、前側伝達部材440及び後側伝達部材460が回転変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の少なくとも一方が、回転以外の変位(例えば、直動スライド)で変位するものでも良い。
上記第1実施形態では、演出部材700の延設爪部734の形状を上下で異ならせることにより、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の集合配置状態へ向けての変位に関する不具合を防止するよう構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。
例えば、延設爪部734の形状を異ならせることにより、径方向の拡大変位の開始タイミングが、下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760に比較して、上側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の方が早くなるように構成しても良い。これにより、下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760が自重により変位開始が早まることとの均衡を図り、遊技者に対しては、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760が全方向で同時に変位開始しているように見せることができる。
上記第1実施形態では、伸縮変位部材740に回転板730を当接させることで、回転板730の回転軸を中心とする円の径方向へ負荷を生じさせる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、伸縮変位部材740に付勢力を与えるバネ部材を配設し、付勢力を伸縮変位部材740に与えても良いし、磁石を配置して、伸縮変位部材740に磁力を与えるようにしても良い。
上記第1実施形態では、回転板730が、伸縮変位部材740に負荷を伝達する手段と、伸縮変位部材740を変位させる手段として兼用される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、伸縮変位部材740に負荷を与える手段と、伸縮変位部材740を変位させる手段とを別で設けるようにしても良い。
上記第1実施形態では、伸縮変位部材740が集合配置状態へ向けて変位する場合に、第1被案内突部743bが先に負荷を受け、第1被案内突部743bよりも径方向外側に配置される第2被案内突部744bが後から負荷を受ける場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、順番が逆となるように回転板730の延設爪部734の形状を構成しても良いし、第1被案内突部743b及び第2被案内突部744bへの負荷伝達が同時に生じるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、伸縮変位部材740が第1被案内突部743b及び第2被案内突部744bという2本の突部を備える場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、1本の突部が、回転板730の回転軸に対して斜めに突設されるように構成しても良い。この場合、伸縮変位部材740の配置変化の機能に加えて、遮蔽意匠部材760の姿勢調整のための負荷を生じさせる機能を1本の突部に生じさせることができる。
上記第1実施形態では、円周外方に配設される延設爪部734が、伸縮変位部材740の集合配置状態へ向けた変位を補助するように構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、回転板730の円周外方に張出部が形成され、その張出部で第1被案内突部743bを径方向外側へ押し出し可能に構成することで、伸縮変位部材740の離散状態側へ向けた変位を補助することができる。
上記第1実施形態では、下アーム部材630が、演出部材700を変位下端位置において姿勢変化を抑制し、上下中間位置において許容される演出部材700の姿勢変化の度合いを緩めにする場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、変位下端位置へ向かう程、演出部材700の姿勢変化の許容度合いを大きくするように構成しても良い。
また、姿勢変化の度合いは、演出部材700に対する作用力の発生位置の増減により構成したが、これに限られるものではない。例えば、作用力の発生面積の増減により構成しても良い。
即ち、円弧状孔634と補助突部712との接触面積を変化可能に構成しても良い。例えば、下アーム部材630の先端部の厚みを部分ごとに変化させることで、円弧状孔634の厚さ(孔深さ)を変化させることができるので、円弧状孔634と補助突部712との接触面積を変化させることができる。
演出部材700の姿勢変化の度合いは、下アーム部材630と演出部材700との連結位置のみで特定されるものでは無い。例えば、下アーム部材630の押圧部材PC1と対向配置される本体部材601の板前面や、正面カバー610の摺動部612aに凹凸を設けて、押圧部材PC1との間隔を変化させるようにしても良い。この場合、下アーム部材630の変位の過程において本体部材601の板前面や、正面カバー610の摺動部612aと押圧部材PC1との間隔が広い部分においては演出部材700の姿勢変化を許容し易くなり、間隔が狭い部分においては、姿勢変化を抑制し易くなる。また、演出部材700が下降終端に近づくにつれて間隔が徐々に狭くなるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、下アーム部材630と演出部材700との連結位置における構成は変化しないように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、下アーム部材630と演出部材700との連結位置において、下アーム部材630と演出部材700との相対変位の変位抵抗を増減可能な抵抗増減装置を配設するようにしても良い。抵抗増減装置としては、摩擦抵抗を増減可能なブレーキ装置でも良いし、磁力で変位抵抗を増減させる装置でも良いし、下アーム部材630の変位を機械的に規制可能な位置に張り出す装置でも良い。磁力による装置の場合は、下アーム部材630の先端側部として近接配置される部分(例えば、円弧状孔634が形成される補助腕部)に磁性体を配設することで、容易に構成することができる。
上記第1実施形態では、演出部材700が、配置位置が下側へ向かう程、拡大方向の変位として大変位が許容され、演出部材700の上下位置が固定されてから演出部材700の拡大方向の変位が生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、演出部材700の上下方向の変位途中で拡大方向の変位が生じるように制御しても良い。この場合、演出部材700が下降変位する最中に演出部材700を縮小する(径方向内側へ変位する)方向に伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760を変位させることで、下アーム部材630が左右に長尺な姿勢から上下に長尺な姿勢に変化することによる影響を相殺することができ、演出部材700の前傾方向の姿勢変化を抑制することができる。
上記第1実施形態では、演出部材700が上下に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、前後に変位するようにしても良い。この場合において、センターフレーム86の中央部に開口を設け、演出部材700が集合配置状態のままセンターフレーム86の正面側まで張り出し、センターフレーム86の正面側で離散状態へ状態変化することで、開口よりも大きな状態に変化するように構成しても良い。
なお、この場合は、ガラスユニット16と演出部材700との衝突を避けるために、ガラスユニット16のセンターフレーム86正面側部分に開口を空けることが好ましい。即ち、遊技領域の前面を覆うガラスユニット16とは別で、ガラスユニット16の前側を覆う2層目のガラスユニットを設けることが好ましい。また、この2層目のガラスユニットは、ガラスユニット16の下端と同様の前後位置から、上側へ向かう程に正面側へ向かう傾斜姿勢とされることが、上皿17の大きさを維持する観点からは好ましい。
上記第1実施形態では、第2長尺部材743の位置関係によって遮蔽意匠部材760や先端調整部材744の姿勢が傾斜し易い場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、第2長尺部材743と先端調整部材744との間に付勢力を発生されるバネなどの付勢手段を配設し、その付勢力により先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢を変化させるように構成しても良い。この場合、先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜を意図的に形成することができるので、先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜による効果を奏し易くすることができる。
上記第1実施形態では、配線DK2にケーブルチューブを巻き付ける場合について説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、電気配線DK1にケーブルチューブを巻き付けるようにしても良い。特に、基端側貫通孔635aの上側に配置される部分にケーブルチューブを巻き付けることで、本体部材601や正面カバー部材610と電気配線DK1とが擦れることを防止することができる。
上記第1実施形態では、変位回転ユニット800において、配線アーム部材870が案内凹部886の形状に沿って変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、配線アーム部材870の配置を変化させるためのソレノイド等の駆動装置を設けても良い。縦スライド部材820の位置の検出を基に駆動装置の動作制御を実行することで、配線アーム部材870の配置を適切に変更することができる。
上記第1実施形態では、電気配線DK2が配線アーム部材870の絞り部871aで挟まれることで仮留めされる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、結束バンド等の固定具で電気配線DK2を配線アーム部材870に固定しても良いし、電気配線DK2の変位方向を制限するようにしても良い。
また、電気配線DK2の留め位置は任意に設定可能である。例えば、配線アーム部材870と縦スライド部材820との連結位置を通して配設される電気配線DK2において、連結位置よりも配線アーム部材870側に留め位置(例えば、絞り部871a)を設けても良いし、連結位置よりも縦スライド部材820側に留め位置を設けても良い。
また、電気配線DK2を留める手段は、電気配線DK2への利用に限定されるものではない。例えば、拡大縮小ユニット600の電気配線DK1を留めるために利用しても良い。即ち、電気配線DK1が配設される配置用部635の一部の幅が狭められることで、電気配線DK1を挟み込んで変位を制限するように構成しても良いし、配置用部635の内側や、電気配線DK1の配線経路としての配置用部635よりも上流側または下流側の位置で結束バンド等の固定具で電気配線DK1を仮留めするように構成しても良い。
この場合において、電気配線DK1が仮留めされる対象は、配置用部635を備える下アーム部材630でも良いし、下アーム部材630の先端側(一端側)に配設される演出部材700でも良いし、下アーム部材630の基端側(他端側)に配設される本体部材601や正面カバー部材610でも良いし、本体部材601が締結固定される背面ケース510でも良い。
上記第1実施形態では、変位回転ユニット800において、横スライド部材840が上下左右平面上を変位することに対応付けて、配線アーム部材870が上下左右平面から近接離反する方向(前後方向)に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、横スライド部材840の変位方向を前後左右平面上とする場合には、配線アーム部材870を上下方向に変位させることは当然可能であるし、近接離反する方向として、前後左右平面に対して傾斜して変位する方向としても良い。
上記第1実施形態では、変位回転ユニット800において、小径ピニオン861aと大径ピニオン861bとの関係を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、大小関係が逆転しても良いし、小径ピニオン861aと大径ピニオン861bとが同径で構成されても良い。
上記第1実施形態では、変位回転ユニット800において、電気配線DK2を、上側巻き部DK2aや、下側巻き部DK2bにおいて渦巻き状に変位させる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、縦スライド部材820の上下変位に伴い姿勢変化可能な複数のアーム部材が、上側巻き部DK2aや下側巻き部DK2bの配置に合わせて配設され、それら複数のアーム部材に電気配線を通しておくことで、アーム部材の姿勢変化により電気配線の配置を変化可能に構成しても良い。
上記第1実施形態では、変位回転ユニット800において、縦スライド部材820と配線アーム部材870とが一体的に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、縦スライド部材820と配線アーム部材870とが離れて配置されても良い。
この場合、配線アーム部材870を変位させるソレノイド等の駆動装置を配設することで、縦スライド部材820の停止中においても配線アーム部材870を変位させることができる。そのため、例えば、羽状部材854の回転変位中に配線アーム部材870を更に縦スライド部材820から離すことにより、縦スライド部材820の停止中においても、必要な場合には配線アーム部材870を変位させるように駆動制御することができる。
上記第1実施形態では、拡大縮小ユニット600の演出部材700の張出状態や拡大状態への状態変化が、変位回転ユニット800の演出待機状態において生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、演出部材700に対して前後方向の位置が同じとなる変位回転ユニット800の羽状部材854が、離散状態の演出部材700の遮蔽意匠部材760間の隙間に配置される場合において演出部材700を拡大状態へ状態変化可能に構成しても良い。
この場合、演出部材700と変位回転ユニット800との衝突を避けることができると共に、変位回転ユニット800の配置から演出部材700の状態変化を予想されることを避けることができる。なお、この場合、変位回転ユニット800の羽状部材854の上下配置を検出するための検出センサを追加することが好ましい。
上記第1実施形態では、中間流路LM1の形状が案内経路DL1と同様の形状から構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、案内経路DL1に比較して長い左右幅で屈曲する流路として形成されても良いし、前後方向に屈曲しても良いし、屈曲せずに鉛直に延びる流路として形成されても良い。
上記第1実施形態では、中間流路LM1を、第2入賞口640に入球した球を流下させる経路として構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、中間流路LM1を、一般入賞口63に入球した球の経路として利用しても良いし、特定入賞口65aに入球した球の経路として利用しても良いし、兼用しても良い。また、中間流路LM1はアウト口71を通過した球の経路として構成しても良い。
また、各入賞口63,64,640,65の配置は遊技領域内の任意位置に設定されることから、中間流路LM1の配置も任意に設定することができる。例えば、中間流路LM1を遊技領域の左側に配置するようにしても良い。
また、中間流路LM1は遊技領域の背面側に配置される場合に限られるものでは無い。
例えば、遊技領域の左右に並んで配置されても良いし、遊技領域の前側(ガラスユニット16の内部等)に配置されても良い。この場合においても、中間流路LM1は、遊技領域を流下する球の正面視における経路に沿って流下する区間を備えることが好ましい。
また、中間流路LM1を流下する球を遊技者の視界に入れるという目的から、中間流路LM1は遊技領域の左右中心側へ寄るように形成されれば足りる。そのため、正面視でセンターフレーム86の内方にまでは到達しないような経路でも良い。
上記第1実施形態では、横置き基板ユニット166の電飾基板が、厚み方向が上下方向と一致する姿勢で配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、半球状照明装置613のように、電飾基板が鉛直方向に対して傾斜するように配置されても良い。
また、電飾基板の全範囲を第1装飾部材171で隠されるものに限るものではない。例えば、電飾基板の一部は遮蔽されず、LED等の発光手段から照射される光を直接的に視認可能に構成しても良い。
上記第3実施形態では、案内孔733の形状を異ならせることにより、伸縮変位部材740の変位開始タイミングが変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、案内孔733の形状を階段状に形成することで、伸縮変位部材740が変位する区間と停止する区間とが交互に生じるように構成しても良い。
また、階段状に形成される案内孔733を一部の案内孔733に留めることで、異なる変位軌跡や、異なる変位タイミングで遮蔽意匠部材760を近接または当接させるように変位させることができる。
上記第6実施形態では、発射演出ユニット6300の左右に配置される第1光照射装置6330や第2光照射装置6340が複数枚の電飾基板を備える場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、導光板演出手段160の横置き基板ユニット166や縦置き基板ユニット167に、複数の電飾基板による構成を採用しても良い。また、装飾手段170の横長溝部171aに対応する部分(左右長尺部分)を光透過が良好となるように構成し、横長溝部171aを複数の電飾基板の交差位置として採用し、交差部にLED等の発光手段を配置することで、横長溝部171aを通して光を視認させることができるように構成しても良い。
また、光の照射方向を増やすという観点からすれば、硬質の電飾基板を複数枚利用する場合に限られるものではない。例えば、フレキシブル基板(フレキシブルプリント基板)にLED等の発光手段を配設するようにしても良い。この場合、フレキシブル基板を巻いたり、部分で固定したりすることで、フレキシブル基板の面を様々な方向に向けることができる。これにより、フレキシブル基板の面に配設されるLED等の発光手段の光軸を様々な方向に向けることができ、光の照射方向を増やすことができる。また、この場合、単一基板で構成することができる。
上記各実施形態において、その構成の数が単数または複数かに関わらず、その構成を省略(複数の場合は構成数を削減)しても良い。同様に、構成の数を増加させても良い。
例えば、上記各実施形態では、キー装置A130の2箇所に突部A133bが形成される場合を説明したが、かかる突部A133bの数(形成数)を1に削減しても良い。同様に、上記各実施形態では、主制御装置A110に1のキー装置A130が配設される場合を説明したが、かかるキー装置A130の数(配設数)を2以上に増加させても良い。
また、上記各実施形態において、各構成の他の構成に対する配設位置、各構成の他の構成に対する配設方向(向き、姿勢、位相)、或いは、各構成の他の構成を基準とする配置の順序をそれぞれ変更しても良い。配置の順序は、全ての構成に対して変更しても良く、一部の構成のみ入れ替えても良い。即ち、各構成の配設位置、配設方向、配置の順序は任意である。
例えば、上記各実施形態では、開口A260(キー装置A130)が操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)中央よりも一側(第1接続壁部A220側)に配置される場合を説明したが、開口A260(キー装置A130)を操作用壁部A210(第2領域)の長手方向中央に配置しても良く、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向他側(第3接続壁部A240側)に配置しても良い。
また、例えば、上記各実施形態では、キー装置A130(被覆部A270)が、一対の突部A133b(突部A271b)を結ぶ方向が操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)に対して直交される配設方向(姿勢、位相)で配設される場合を説明したが、一対の突部A133b(突部A271b)を結ぶ方向が、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)と平行となる配設方向(姿勢、位相)や、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)と所定の角度(0°よりも大きく90°よりも小さい角度)を有する配設方向(姿勢、位相)でキー装置A130(被覆部A270)が配設されても良い。
また、例えば、上記各実施形態では、第1接続壁部A220に近い側から順に、開口A260(被覆部A270)、開口A250(ガイド壁A251)、開口AOP1が配置される場合を説明したが、例えば、上記各実施形態の配置の順序とは逆(即ち、第1接続壁部A220に近い側から順に、開口AOP1、開口A250(ガイド壁A251)、開口A260(被覆部A270)を配置する順序)としても良く、一部のみの配置の順序を入れ替えても良い(例えば、開口AOP1が、開口A250(ガイド壁A251)と開口A260(被覆部A270)との間に位置する配置の順序が例示される)。
上記各実施形態では、被覆部A270が操作用壁部A210の正面(矢印F方向側の面)に突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、操作用壁部A210を端面壁部A272,A2272と同じ高さ位置に形成し(即ち、端面壁部A272,A2272を操作用壁部A210が兼用する)、周壁部A271に相当する構成を操作用壁部A210の背面側(矢印B方向側)に設けても良い。
上記各実施形態では、開口A250が操作用壁部A210に、開口A260が被覆部A270(端面壁部A272)に、それぞれ形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の部位に形成されていても良い。即ち、基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100の外面のうちの一段低くされた部位に形成される必要はない。他の部位としては、例えば、基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100の外面を形成する部位、即ち、ボックスカバーA200,A3200の正面壁部A201、上壁部A202、下壁部A203、左壁部A204又は右壁部A205や、ボックスベースA300の背面壁部A301、上壁部A302、下壁部A303、左壁部A304又は右壁部A305などが例示される。また、同様に、他の部位としては、例えば、第1接続壁部A220、第2接続壁部A230又は第3接続壁部A240が例示される。
上記各実施形態では、被覆部A270が操作用壁部A210の正面(矢印F方向側の面)に突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、操作用壁部A210を端面壁部A272,A2272と同じ高さ位置に形成し(即ち、端面壁部A272,A2272を操作用壁部A210が兼用する)、周壁部A271に相当する構成を操作用壁部A210の背面側(矢印B方向側)に設けても良い。
この場合、スイッチ装置A120は、操作用壁部A210の正面(矢印F方向側の面)から突出される位置まで操作部A122の長さ寸法を延長すれば良い。なお、操作部A122の長さ寸法の延長に伴い、ガイド壁A251を操作用壁部A210の背面(矢印B方向側の面)にも設けることが好ましい。
上記各実施形態では、ボックスカバーA200,A3200の外面(正面)に凹部が形成され、その凹部の凹設底面を形成する部位が操作用壁部A210とされる場合(即ち、正面壁部A201よりも一段低い位置(主制御装置A110側)に操作用壁部A210が位置される場合)を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ボックスカバーA200,A3200の外面(例えば、正面)に突部を形成し、その突部の突設先端面を形成する部位を操作用壁部A210としても良い(即ち、正面壁部A201よりも一段高い位置(主制御装置A110と反対側)に操作用壁部A210を位置させる)。
上記各実施形態では、基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100に主制御装置100が収納される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100の開口を介して操作子を操作するものであれば、その収納物は任意である。例えば、電気的な構成を有さないものであっても良い。このような収納物としては、例えば、球の流路から球を排出する排出口を開閉する開閉蓋に連結される連結部を有し、その連結部が操作子として操作されることで開閉蓋を開閉させる部材(構造体、装置)が例示される。
上記各実施形態では、操作手段(スイッチ装置A120、キー装置A130)として、押ボタンスイッチ、鍵操作式のセレクタスイッチを採用する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他のタイプの操作手段を採用しても良い。他のタイプの操作手段としては、例えば、タクタイルスイッチ、ロッカースイッチ、ディップスイッチ、サムロータリースイッチ、トグルスイッチ等が例示される。
上記各実施形態では、操作子(操作部A122、鍵A140)の操作態様が、押し込み及び回転である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ボックスカバーA200,A3200に形成された開口(上記各実施形態では開口A250,A260)を介して操作可能に配設されていれば、どのような操作態様であっても良い。他の操作態様としては、引き抜き、スライド、シーソー変位(例えば、ロッカースイッチの操作ボタンのように、両端が交互に押されることで操作ボタンがシーソーのように変位する態様)、傾倒(例えば、トグルスイッチの操作レバーのように、基端側を支点として操作レバーが一方へ倒れるように変位する態様)等が例示される。
この場合、操作子のスライド方向、シーソー変位する操作子の両端を結ぶ方向、傾倒する操作子の倒れる方向が、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)に平行となる姿勢で、操作手段を配設することが好ましい。操作用壁部A210(第2領域)の長手方向に沿って形成される空間を有効に活用して、操作手段の操作性を向上できるからである。
なお、上述した操作態様のいずれの形態においても、開口A250,A260の正面視形状を、操作子の変位軌跡に対応する領域(変位を許容するために必要な領域)のみに形成される形状としても良い。
上記各実施形態では、鍵A140の指で把持する面および端面と端面壁部A272,A2272(円環部A272a及び角形部A272bの外縁)との間に所定の隙間が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、鍵A140又はキー装置A130に外力が作用されていない状態で、鍵A140の指で把持する面または端面の少なくとも一方と端面壁部A272,A2272(円環部A272a又は角形部A272bの外縁)とが当接される構成であっても良い。即ち、オフ位置またはオン位置にある鍵A140の指で把持する面または端面の少なくとも一方が端面壁部A272,A2272(円環部A272a又は角形部A272bの外縁)に当接され、鍵A140が操作(回転)される際には、鍵A140の端面が端面壁部A272,A2272(円環部A272aの外縁)に対して摺動される構成でも良い。
なお、鍵A140の指で把持する面および端面と端面壁部A272,A2272(円環部A272a及び角形部A272bの外縁)との間の隙間、キー装置A130の外面と被覆部A270の内面との間の隙間、キー装置A130の外面と立設壁A290及び下壁部A203の内面との間の隙間は、プリント基板A119に対するキー装置A130の傾倒が規定角度(キー装置A130の傾倒を許容できる角度、即ち、脚A131の抜けや損傷、はんだの剥がれが生じ難い角度)に達する前に、上記隙間の少なくとも一の隙間が無くなる(鍵A140又はキー装置A130が当接される)値に設定される。規定角度は、10度以下が好ましく、7度以下がより好ましく、5度以下が更に好ましい。本実施形態では、7度に設定される。
上記各実施形態では、被覆部A270の突部A271b及びキー装置A130の突部A133bを、それぞれ周方向の2箇所に形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突部A271b,A133bの形成は、1箇所のみでも良く、3箇所以上でも良い。また、2箇所以上に形成する場合、それらの周方向位置(位相)は任意である。即ち、上記各実施形態のように周方向等間隔に形成しても良く、或いは、周方向不等間隔に形成しても良い。
上記各実施形態では、被覆部A270の突部A271b及びキー装置A130の突部A133bを、それぞれ周方向に断続的に形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突部A271b,A133bを周方向に連続して形成しても良い。
上記各実施形態では、被覆部A270の突部A271b及びキー装置A130の突部A133bが径方向外方へ突設され、突部A271bにより形成された空間へ装置A130の突部A133bが配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、被覆部A270の周壁部A271の内面から径方向内方へ突部を突設し、キー装置A130の基部A133aの外面に径方向内方へ凹む凹部を凹設し、被覆部A270の突部がキー装置A130の凹部の内部空間に配置される構成でも良い。この場合には、被覆部A270をキー装置A130に被せる(突部を凹部へ挿入する)ことができるように、基部A133aの端面(矢印F方向側の面)まで凹部を連続させれば(突部を凹部へ挿入するための開口を端面に形成すれば)良い。
上記各実施形態では、被覆部A270に第1突条A211及び第2突条A212を連結する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これに加えて、ガイド壁A251に突条を連結しても良い。
上記各実施形態では、被覆部A270に2本の突条(第1突条A211及び第2突条A212)を連結する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、かかる形成本数は、1本であっても良く、3本以上であっても良い。複数本を形成する場合、それらの一端と被覆部A270との連結位置は任意である。但し、第1突条A211及び第2突条A212とそれぞれ位相を略180度異ならせた位置に他の突条を連結することが好ましい。オフ位置・オン位置にある鍵A140から被覆部A270へ入力される荷重を効率的に受け止めることができるからである。
なお、第1突条A211及び第2突条A212、他の突条の断面形状、その断面形状の高さ寸法(操作用壁部A210の正面(矢印F方向側の面)からの立設寸法)や幅寸法(断面消え状の高さ方向に直交する方向の寸法)は、任意であり、適宜設定可能である。端面形状としては、矩形形状、半円形状、三角形状、これらを組み合わせた形状等が例示される。断面形状の高さ寸法と幅寸法との関係は任意であり、どちらが大きい値であっても良い。
上記各実施形態では、第1突条A211及び第2突条A212の高さ寸法(操作用壁部A210の正面(矢印F方向側の面)からの立設寸法)がその延設方向に沿って一定とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、延設方向に沿って変化させても良い。
なお、被覆部A270に連結される一端から離間されるに従って高さ寸法が漸次低くなるように構成しても良い。この場合には、材料コストを低減しつつ、被覆部A270の剛性を効率的に高めることができる。
上記各実施形態では、鍵A140の回転角度(オン位置とオフ位置との位相差)が90°に設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の回転角度(位相差)に設定しても良い。即ち、鍵A140の回転角度は、90°よりも小さい角度に設定されても良く、90°よりも大きい角度に設定されても良い。
この場合、開口A260の形状(端面壁部A272の縁部の形状)は、鍵A140がオフ位置とオン位置との間で変位(回転)される際のその鍵A140の変位軌跡に対応する領域(変位を許容するために必要な領域)のみに形成されることが好ましい。即ち、鍵A140の回転角度がθとされる場合、開口A260は、鍵A140の回転中心よりも一側の部分の変位を許容するための中心角略θの第1の扇形状の開口と、鍵A140の回転中心よりも他側(一側と反対側)の部分の変位を許容するための中心角略θの第2の扇形状の開口とが、位相を略180度異ならせて結合された形状に形成される。
上記各実施形態では、鍵A140が、回転中心よりも一側の部分の回転半径(回転中心から端面(指で把持する面の外縁に沿う細幅の面)までの距離)と、回転中心よりも他側の部分の回転半径とが異なる寸法とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一側および他側において、その回転半径(回転中心から端面(指で把持する面の外縁に沿う細幅の面)までの距離)が略同一とされるものであっても良い。即ち、開口A260の第1の扇形状の開口と第2の扇形状の開口とが略同一の大きさ(半径)の開口とされるものであっても良い。
上記各実施形態では、操作用壁部A210の正面視形状が略横長矩形(長方形状)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは、他の正面視形状であっても良い。他の正面視形状としては、例えば、略正方形、略円形、略楕円形、略三角形、五角字以上の略多角形、これらを組み合わせた形状が例示される。
上記各実施形態では、操作用壁部A210の長手方向が、基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100(ボックスカバーA200,A3200)の長手方向と略平行とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、非平行であっても良い。或いは、略直交するもの(即ち、操作用壁部A210の長手方向を矢印U,D方向に沿わせる形態)であっても良い。
上記各実施の形態では、操作用壁部A210の外縁の一部(上記各実施形態では3辺)が接続壁部(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)により取り囲まれ、外縁の残りの部分(上記各実施形態では1辺)が取り囲まれない(開放された)形態とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。操作用壁部A210の外縁の全域が接続壁部により取り囲まれていても良い。
即ち、ボックスカバーA200,A3200の正面視において、上記各実施形態では、ボックスカバーA200,A3200の外縁の一部に操作用壁部A210の外縁の一部が一致される位置に操作用壁部A210が配置(形成)されたが、ボックスカバーA200,A3200の外縁に操作用壁部A210の外縁が一致されない位置に操作用壁部A210を配置(形成)しても良い。
上記各実施形態では、開口AOP1、開口A250(ガイド壁A251)及び開口A260(被覆部A270)が略直列(略一列)に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の配置としても良い。他の配置としては、千鳥状の配置、規則性を有さない位置へ分散された配置、格子状の配置(複数の互いに直交する直線の交差点への配置)などが例示される。また、略直列(略一列)に配置する場合、その直列方向が、操作用壁部A210(ボックスカバーA200,A3200)の長手方向と非平行となる配置であっても良く、略直交される配置であっても良い。
上記各実施形態では、端面壁部A272,A2272の正面(矢印F方向側の面)が平坦面として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、端面壁部A272,A2272の正面(矢印F方向側の面)から1又は複数の突起や突条(リブ)を立設しても良い。
この場合、突条(リブ)(例えば、略半円または略矩形の断面形状を維持しつつすじ状に延設して形成される部位)は、正面視(矢印B方向視)において、端面壁部A272,A2272の中央(周壁部A271の軸心)から径方向外方へ向けて放射直線状に延設される形態が好ましい。また、このような突条(リブ)が周方向に所定間隔を隔てつつ複数配設されることが好ましい。これにより、鍵A140を抜き取る際に、鍵A140が端面壁部A272,A2272の縁部に係合し、鍵A140の抜き取り方向(矢印F方向)へ端面壁部A272,A2272が持ち上げられても、突条(リブ)の剛性を利用して、端面壁部A272,A2272の破損を抑制できるからである。
或いは、突条(リブ)は、周方向に連続する正面視円環状に形成されるものでも良い。
かかる突条(リブ)は、径を異ならせて(即ち、径方向に所定間隔を隔てつつ)複数が配設されても良い。なお、周方向に断続的(非連続)でも良い。
上記各実施形態では、立設壁A209の立設先端面の高さ位置が、立設壁A208,A280,A290の立設先端面の高さ位置よりも後退される(即ち、プリント基板A119から離間する側に位置される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、別の立設壁A208,A280,A290が後退されていても良い。
また、各立設壁A208,A209,A280,A290の基準面からの後退量が他の立設壁A208,A209,A280,A290の基準面からの後退量とそれぞれ異なるものであっても良い。更に、1の立設壁A208,A209,A280,A290において、その後退量が変化するものであっても良い。
この場合、締結孔A206aから遠い立設壁ほど立設先端面の基準面からの後退量を小さくすることが好ましい。プリント基板A119は、締結孔A206aから遠い領域ほど、近い領域と比較して、ねじASCによる規制が弱くなる分、立設壁が当接された際に、その当接された立設壁から離間する方向へ変形(変位)しやすくなり、プリント基板A119の正面との密着度が弱まるところ、締結孔A206aから遠い立設壁ほど立設先端面の基準面からの後退量を小さくすることで、立設壁の立設先端面とプリント基板A119の正面との密着を、全ての立設壁においてそれぞれ確保しやすくできるからである。
例えば、本実施形態では、締結孔A206aに最も近い立設壁A209の立設先端面を基準面と仮定した場合、立設壁A280、立設壁A290、立設壁A208の順に締結孔A206a(立設壁A209)からの距離が遠くなるため、この順に、締結孔A206aからの離間距離に応じて、上述した基準面からの後退量を小さくする(即ち、立設壁A208の立設先端面の基準面からの後退量を最小とする)ことが好ましい。
また、各立設壁A208,A209,A280,A290においても、締結孔A206aからの離間距離が遠くなるに従って、上述した基準面からの後退量が小さくなるように変化させても良い。即ち、1の立設壁A208,A209,A280,A290における立設先端面が、例えば、ボックスカバーA200,A3200の正面壁部A201に対して、それぞれ傾斜した面とされる構成としても良い。
上記各実施形態では、設定変更モードでは、第3図柄表示装置81又は7セグメント表示器の少なくとも一方に設定値が表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これに代えて、或いは、これに加えて、他の表示装置に表示しても良い。
他の表示装置としては、例えば、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84などが例示される。
また、第3図柄表示装置81及び7セグメント表示器のいずれにも設定値が表示されない構成でも良い。
この場合は、設定変更モードの起動時は、その起動前における設定値に関わらず、所定の初期値(例えば、第1の値)に設定値を更新し、スイッチ装置A120の操作部A122を押し込む回数に基づいて、設定値を作業者が認識する構成としても良い。不正な手段(例えば、ホールに設置した隠しカメラにより第3図柄表示装置81の表示を撮影する手段)により、設定値を不正に取得されることを抑制できる。また、遊技中に設定変更を行う場合に、遊技者に設定値が認識されることを抑制できる。なお、この場合、設定確認モードは、省略しても良い。
上記各実施形態では説明を省略したが、外枠11に対する内枠12の相対位置(ヒンジ18を回転中心とする回転位置)を検出する第1の検出センサを設け、外枠11に対して内枠12が所定角度以上だけ開放(回転)されていることが第1の検出センサにより検出されている場合には、上述した設定変更が許容され、外枠11に対する内枠12の所定角度以上の開放(回転)が第1の検出センサにより検出されていない場合には、設定変更が禁止される(例えば、スイッチ装置A120やキー装置A130からの入力を無効とする)ように構成しても良い。不正に設定変更がなされることを抑制できるからである。
また、内枠12に対する基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100の相対位置(回転軸A410を回転中心とする回転位置)を検出する第2の検出センサを設け、内枠12に対して基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100が所定角度以上だけ開放(回転)されていることが第2の検出センサにより検出されている場合には、上述した設定変更が禁止され(例えば、スイッチ装置A120やキー装置A130からの入力が無効とされ)、内枠12に対する基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100の所定角度以上の開放(回転)が第2の検出センサにより検出されていない場合には、設定変更が許容されるように構成しても良い。不正に設定変更がなされることを抑制できるからである。
なお、第1の検出センサ及び第2の検出センサの両方を設けても良く、一方のみを設けても良い(他方を省略しても良い)。両方を設ける場合には、第1の検出センサにより外枠11に対する内枠12の所定角度以上の開放(回転)が検出され、且つ、内枠12に対する基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100の所定角度以上の開放(回転)が第2の検出センサにより検出されていない場合に、上述した設定変更が許容されるようにしても良い。なお、第1の検出センサ及び第2の検出センサとしては、例えば、回転角度を検出するロータリセンサや、開閉に伴い機械的検出部が変位されるリミットスイッチが例示される。
上記各実施形態では、所定の電気的接続線(電源装置115及び音声ランプ制御装置113を主制御装置A110に接続する電気的接続線)が主制御装置A110に接続されていれば、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定変更)が許容される(即ち、所定の電気的接続線が主制御装置A110に接続されていなければ、設定変更が禁止される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の電気的接続線は任意に設定(選択)できる。
例えば、所定の電気的接続線を、電源装置115を主制御装置A110に接続する電気的接続線のみとしても良い。即ち、少なくとも電源装置115が主制御装置A110に電気的接続線により接続されていれば、他の電気的接続線の接続の状態に関わらず(即ち、接続されていても、解除されていても、接続と解除とが混在していても)、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定変更)が許容されるように構成しても良い。
この場合、設定変更に伴う設定値は、第3図柄表示装置81では確認できないが、主制御装置A110の7セグメント表示器により確認できる。
上記各実施形態では、所定の電気的接続線(電源装置115及び音声ランプ制御装置113を主制御装置A110に接続する電気的接続線)が主制御装置A110に接続されていれば、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定変更)が許容される場合(即ち、所定の電気的接続線が主制御装置A110に接続されていなければ、設定変更が禁止される)を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の電気的接続線が主制御装置A110から解除されていなければ、他の電気的接続線の接続状態に関わらず(即ち、接続されていても、解除されていても、接続と解除とが混在していても)、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定変更)が許容されない(即ち、所定の電気的接続線が主制御装置A110に接続されている場合には、設定変更が禁止される)ように構成しても良い。この場合も、所定の電気的接続線は任意に設定(選択)できる。
例えば、所定の電気的接続線としては、払出制御装置111が例示される。これによれば、払出制御装置111の電源がオフされるため、かかる払出制御装置111が不正に動作され、遊技球の払出が行われることを抑制できる。
上記第8実施形態では、端面壁部A2272の背面(矢印B方向側の面)から突設される部位の形態として、突条A2273がすじ状に延設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、複数の突部が、位置AP2からAP5を含む位置AP1から位置AP6までの間において、所定間隔を隔てつつ並設される構成でも良い。
或いは、突条A2273が、位置AP2からAP5を含む位置AP1から位置AP6までの間において、断続的に形成される構成でも良い。
なお、突条A2273又は複数の突部が形成される範囲は、位置AP2からAP5を含む位置AP1から位置AP6までの範囲に限れるものではなく、かかる範囲を縮小しても拡大しても良い。かかる範囲を円環部A272a及び角形部A272bの外縁の全域としても良い。
上記第9実施形態では、基板ボックスA3100が回転軸A410を回転中心として回転されることで、第2の位置(操作用壁部A210の正面がパチンコ機A3010の正面側を向く位置、図122(b)参照)に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の変位形態を採用することは当然可能である。
他の変位形態としては、例えば、基板ボックスを内枠12に対してその幅方向(矢印L,R方向)にスライド変位可能に配設し、ヒンジ18と反対側(矢印L方向)へスライド変位されることで、基板ボックスが第2の位置に配置される形態、回転軸A410をパチンコ機A10(内枠12)の前後方向(矢印F,B方向)に沿う軸として形成し、その回転軸A410を回転中心として変位(回転)されることで、基板ボックスが第2の位置に配置される形態などが例示される。
上記第10実施形態では、回転軸A4410が、封印ユニットA400及びサブカバーA500のそれぞれに形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも一方または両方の回転軸A4410を、ボックスカバーA200,A3200又はボックスベースA300に形成しても良い。この場合、ボックスカバーA200,A3200とボックスベースA300とのそれぞれに回転軸A4410の分割体を形成し、ボックスカバーA200,A3200をボックスベースA300に連結した状態で、それぞれの分割体から1の回転軸A4410が形成されるようにしても良い。
なお、上記第7実施形態から第9実施形態でも同様であり、封印ユニットA400に回転軸A410が形成される場合を説明したが、回転軸A410をボックスカバーA200,A3200又はボックスベースA300に形成しても良い。また、上述した場合と同様に、ボックスカバーA200,A3200をボックスベースA300に連結した状態で、それぞれに形成される分割体から1の回転軸A410が形成されるようにしても良い。
<第1制御例>
次に、上述した各実施形態におけるパチンコ機10にて実行される各種制御内容について、図124〜図225を参照して詳細な説明をする。なお、本第1制御例では、上述した各実施形態に対して、一部構成を変更して、その制御例について説明するものであり、上記各実施形態と同様の構成については、その詳細な説明は省略する。なお、本制御例において用いられる構成にて、上記各実施形態と同一の構成に対して異なる符号を付しているものもあるが、それは、本制御例の発明を分かり易く説明するためのものであり、具体的な構成の内容については上記各実施形態の対応する構成と同一であるためその詳細な説明を省略する。
<第1制御例におけるパチンコ機の構成について>
まず、図124から図128を参照して、第1制御例におけるパチンコ機10の構成について説明をする。本第1制御例におけるパチンコ機10の構成は、上述した第1実施形態におけるパチンコ機10の構成に対して、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、枠ボタン22)の構成を変更した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の構成についてはその詳細な説明を省略し、第1実施形態におけるパチンコ機10の構成との相違点、及び、第1実施形態において説明を省略した点について詳細に説明をする。
図124は、本第1制御例におけるパチンコ機10の正面図である。図124に示した通り、本第1制御例では、上述した第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図(図1参照)に対して、第1枠ボタン22zaと、第2枠ボタン22zbを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
第1枠ボタン22zaと第2枠ボタン22zbは、上述した枠ボタン22と同様に、遊技者が操作可能な操作手段としての役割を担うものである。本第1制御例では、上述した第1実施形態と同様に、パチンコ機10にて実行される各種演出に対して遊技者が任意に演出態様を選択可能に構成されており、上述した第1実施形態に対して、遊技者が操作可能な操作手段の数を1つから3つに増加させた点で相違している。
そして、図124に示した通り、枠ボタン22は上皿17の略水平面に配設されているのに対して、第1枠ボタン22zaと第2枠ボタン22zbは、上皿17の略垂直面に配設されるように構成している。さらに、枠ボタン22は、パチンコ機10を正面視した視点(図124の視点)における幅方向において、操作ハンドル51から離間した位置(操作ハンドル51から左方向へと300ミリ離間した位置)に配設されており、第1枠ボタン22zaと第2枠ボタン22zbは、枠ボタン22よりも離間していない位置(操作ハンドル51から左方向へと100〜150ミリ離間した位置)に配設されている。
つまり、遊技者が右手を用いて操作ハンドル51を操作している場合において、枠ボタン22のほうが第1枠ボタン22za及び第2枠ボタン22zbよりも左手で操作し易いように構成している。加えて、水平面に配設されている操作ボタン22は、重力方向へと左手を動かすことで操作可能となるため、垂直面に配設されている第1枠ボタン22za及び第2枠ボタン22zbよりも操作し易くなるように構成している。
詳細な説明は後述するが、本制御例では、パチンコ機10にて実行される1の演出内に遊技者が操作手段を複数回操作可能となる演出(所謂、連打演出)を実行可能に構成している。この場合、連打演出にて遊技者に操作させる操作手段を枠ボタン22とすることで、遊技者が連打演出に参加させ易くすることができる。
また、上述した連打演出の実行中において、実行中の連打演出を終了させるための操作を実行可能に構成しており、具体的には、連打演出において操作される操作手段(枠ボタン22)と離間している位置に配設されている操作手段(第1枠ボタン22za或いは第2枠ボタン22zb)を操作させることで連打演出を途中で終了させることが可能に構成している。このように構成することで、連打演出に意欲的に参加している遊技者、即ち、枠ボタン22を複数回操作している遊技者が、誤って連打演出を終了させるための操作手段(第1枠ボタン22za或いは第2枠ボタン22zb)を操作してしまうことを抑制することができる。加えて、枠ボタン22と、第1枠ボタン22za及び第2枠ボタン22zbとで、操作を行う際の左手の移動方向を異ならせているため、遊技者が操作手段を誤操作してしまうことをより抑制することができる。さらに、枠ボタン22よりも左手で操作し難い位置に第1枠ボタン22zaと第2枠ボタン22zbを配設しているため、遊技者が操作手段を誤操作してしまうことをより抑制することができる。
次に、図125を参照して、本第1制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図125は、第1制御例におけるパチンコ機10の遊技盤を示す正面図である。図125に示した通り、本第1制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成は、上述した第1実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成(図2参照)と同一であり、同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、本制御例は、遊技盤13の構成のうち、遊技盤13に発射された球に基づいて実行される遊技の制御内容について詳細に説明をするため、図125では、遊技盤13における球の流下内容を説明するために必要な構成を記載し、それ以外は簡素化しているが、実際には図2に記載した遊技盤13の同一の構成が設けられているものである。
本第1制御例のパチンコ機10は、図125に示した通り、遊技盤13の中央部に設けられる可変表示ユニット80の左側に形成される左側領域と、可変表示ユニット80の右側に形成される右側領域と、を有しており、遊技者が操作ハンドル51を操作することで、発射された球が左側領域を流下する強度となる遊技(左打ち遊技)と、発射された球が右側領域を流下する強度となる遊技(右打ち遊技)と、を実行可能に構成している。
左側領域には、2個の一般入球口63が設けられており、左側領域を流下した球が入球可能な位置に第1入球口64が設けられている。そして、左側領域を流下した球のうち、一般入球口63及び第1入球口64に入球しなかった球は遊技領域の最下流部に設けられたアウト口71に流入し、図示しない排出経路を流下してパチンコ機10の外部へと排出されるように構成している。
一方、右側領域には、スルーゲート67と、第2入球口640と、その第2入球口640に付随し第2入球口640に球が入球可能な開放状態とその開放状態よりも球の入球を困難にする閉鎖状態とに可変される電動役物640aと、特定入賞口65aと、その特定入賞口65aに付随し特定入賞口65aに球が入球可能な開放状態とその開放状態よりも球の入球を困難にする閉鎖状態とに可変される可変入賞装置65が設けられている。
上述したように遊技盤13が構成されている本制御例のパチンコ機10は、第1入球口64に球が入球したことに基づいて特別図柄の抽選が実行され、その抽選結果に基づいて第3図柄表示装置81にて第3図柄の変動表示(動的表示)が実行される。そして、変動表示されている第3図柄が所定の停止表示態様(例えば「7.7.7」)で停止表示されると遊技者に有利となる大当り遊技(特典遊技)が実行される。
大当たり遊技が実行されると、可変入賞装置65の特定入賞口65aが所定回数(例えば16回)開放状態となる動作が実行されるため、遊技者は遊技盤13の右側領域を狙う遊技(以下、右打ち遊技と称す。)を行い可変入賞装置65の特定入賞口65aに球を入球させる。この特定入賞口65aに球が1個入球すると、賞球として15個の球が払い出されるよう構成されているため遊技者は大当たり遊技中に多くの賞球を獲得することができる。
上述したように、大当り遊技が実行されていない遊技状態である通常状態では第1入球口64に球を入球させる遊技を行い、大当たり遊技が実行される大当たり遊技状態では右打ち遊技で可変入賞装置65を狙うことになる。よって、遊技状態に応じて球を発射させる領域を異ならせることにより、遊技者に対して遊技を行っていることを実感させることができる。
さらに、大当たり遊技中に開放動作が実行される可変入賞装置65には、特定入賞口65aに入球した球が通過可能な確変スイッチ65e3が設けられている。詳細については、図126〜図128を参照して後述するが、可変入賞装置65内には入球した球が通過可能な経路が2つ設けられており、そのうち一方の経路を流下した球が確変スイッチ65e3を通過するように構成されている。そして、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3を球が通過することで、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として特別図柄の抽選結果が大当たりとなりやすい遊技状態である確変状態(特別図柄の高確率状態)が付与される。
また、本制御例のパチンコ機10では、特別図柄抽選とは別の抽選として普通図柄抽選を実行可能に構成しており、遊技盤13に設けられたスルーゲート67を球が通過した場合に、普通図柄抽選の権利を獲得可能に構成している。この普通図柄も、特別図柄と同様に当たりに当選し易い状態(高確率状態)と、当たりに当選し難い状態(低確率状態)とを設定可能に構成しており、特別図柄抽選にて大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技が終了した場合に、普通図柄の高確率状態が設定され、所定の終了条件が成立すると、普通図柄の低確率状態が設定されるように構成している。
詳細は後述するが、普通図柄抽選で当たり当選した場合には、電動役物640aが所定期間開放状態となる普図当たり遊技が実行される。この普図当たり遊技は、普図当たり遊技が実行される時点における普通図柄の状態に応じて異なる動作内容で実行されるように構成しており、普通図柄の低確率状態中に普図当たり遊技が実行される場合よりも普通図柄の高確率状態中に普図当たり遊技が実行された場合のほうが、電動役物640aが開放状態となる期間が長い普図当たり遊技が実行されるように構成している。
上述した通り、特別図柄抽選の状態と、普通図柄抽選の状態とを可変可能に構成された本制御例のパチンコ機10では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)との3つの遊技状態を設定可能に構成されており、普通図柄の低確率状態が設定される通常状態は、第2入球口640へと球を入球させ難い状態であるため、右打ち遊技よりも左打ち遊技のほうが遊技者に有利な遊技方法となる。
一方、普通図柄の高確率状態が設定される時短状態、及び、確変状態は、第2入球口640へと球を入球させ易い状態であるため、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に有利な遊技方法となる。このように、設定される遊技状態に応じて遊技者に有利となる遊技方法を異ならせることにより、遊技者に対して操作ハンドル51を操作して発射強度を可変させながら遊技を行わせることができるため、遊技が単調になることを抑制することができる。また、普通図柄の高確率状態を、大当たり遊技の終了後に設定可能に構成しており、さらに、上述した通り、大当たり遊技中には遊技者に右打ち遊技を行わせるように構成しているため、遊技者に有利な状態(大当たり遊技状態、普通図柄の高確率状態)が連続して設定される期間において、同一の発射強度で遊技(右打ち遊技)を行わせることができる。よって、操作ハンドル51への操作が煩雑となり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、各遊技方法で球を発射させた場合における遊技の流れについて説明をする。遊技者が左打ち遊技を実行した場合には、左側領域を流下する球の約1/20が一般入球口63へと入球し、約1/20が第1入球口64へと入球するように構成されており、球が一般入球口63へと入球した場合には、賞球として3個の球が払い出される特典が付与される。また、球が第1入球口64へと入球した場合には、賞球として4個の球が払い出されると共に、第1特別図柄の抽選権利を獲得可能な特典が付与される。つまり、第1入球口64へと球を入球させたほうが、一般入球口63へと球を入球させた場合よりも遊技者に有利な特典が付与される。
即ち、遊技者が左打ち遊技を実行して250個の球を発射した場合には、発射した10個の球に対して平均3.5個の賞球を獲得し得ることになり、獲得した賞球も含めて250個の球が無くなるまでに第1入球口64へと約20個の球を入球させることが可能に構成している。このように、賞球のみを獲得可能な入球口(一般入球口63)と、賞球に加え、特別図柄抽選の権利も獲得可能な入球口(第1入球口64)と、を狙う遊技を実行可能に構成することで、特定数(例えば、250個)の球を全て消化するまでに要する期間を長くしながらも、特定数の球に対して獲得可能な特別図柄抽選の権利数を抑えることができるため、遊技者に対して、短期間の間に過剰に特別図柄抽選の権利を付与してしまうことを抑制することができる。なお、本制御例におけるパチンコ機10では、左側領域を流下した球が第2入球口640へと入球し得ることが無いように構成しているため、左打ち遊技を実行した際に付与される特典は、遊技状態に関わらず常に一定となる。
一方、遊技者が右打ち遊技を実行した場合には、右側領域を流下する球の約1/2がスルーゲート67を通過し、スルーゲート67を通過した球、或いは、スルーゲート67を避けて右側領域を流下した球の約1/2が電動役物640aに到達する。この電動役物640aは、閉鎖状態では遊技盤13に埋設した状態となり、球が閉鎖状態である電動役物640aを通過して右側領域の下流側へと流下可能に構成されている。
そして、右側領域の下流側(電動役物640aの下方)へと流下した球の約1/4が可変入賞装置65の右上側に設けられた一般入球口63へと入球し、約3/4が可変入賞装置65へと到達するように構成されている。可変入賞装置65の構成については図126から図128を参照して後述するが、可変入賞装置65が閉鎖状態である場合には、閉鎖状態である可変入賞装置65の上面を球が流下し、そのままアウト口71に流入する。なお、右側領域を流下した複数の球が衝突し、球の軌跡が不規則になった場合において、右側領域を流下した球の一部(約1/400)が第1入球口64へと入球し得るように構成されている。
つまり、遊技状態として通常状態が設定されている状態で右打ち遊技を行った場合には、発射した球の約1/4が一般入球口63(賞球3個)へと入球し、ごく稀に第1入球口64へと球が入球し得る程度であることから、通常状態が設定されている場合は、右打ち遊技よりも左打ち遊技のほうが遊技者に有利な遊技状態となる。
遊技状態として時短状態、或いは、確変状態が設定されている場合に右打ち遊技を実行した場合には、通常状態よりも開放期間が長い普図当たり遊技が高確率で実行され、右側領域を流下する球の約1/2が第2入球口640へと入球するように構成されている。なお、本制御例では、普通図柄抽選の権利を最大で4個記憶することが可能に構成しているため、右打ち遊技によって発射された球がスルーゲート67を通過する割合が約1/2に設計されていたとしても、普通図柄抽選を途切れること無く継続させることができる。
第2入球口640へと球が入球した場合には、1個の賞球が付与されると共に、第2特別図柄抽選の権利を獲得可能な特典が付与される。よって、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、右打ち遊技によって、球を第2入球口640(入賞割合約1/2、賞球1個)、及び一般入球口63(入賞割合1/4、賞球3個)へと入球させることが可能となり、持ち玉を殆ど減らすこと無く、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)を実行させることが可能となる。よって、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に有利な遊技方法となる。
なお、図125に示した通り、右側領域には複数の釘が植設されており、右側領域を流下した球が電動役物640aに到達可能な流路r1と、電動役物640aに到達し得ない流路r2とが少なくとも形成されている。そして、流路r2を流下した球のほうが、流路r1を流下し電動役物640aを通過した球よりも一般入球口63へと入球し易いように構成している。よって、右打ち遊技によって発射した球が流路r1に偏って流下する場合には、第2入球口640に球が入球し易くなることで第2特別図柄抽選が効率的に実行されることになり、流路r2に偏って流下する場合には、第2入球口640に球が入球した場合よりも多くの賞球が付与される一般入球口63へと球を入球させ易くすることができるように構成している。よって、右打ち遊技によって発射された球の流下状況に応じて遊技者に過剰に不利な状況が提供されてしまうことを抑制することができる。
なお、本制御例では、図125に示した通り、左側領域を流下した球が、スルーゲート67、第2入球口640、特定入賞口65aの何れにも入球し得ないように構成しているが、右側領域を流下した球よりも入球し難くなるように構成されていれば良く、例えば、左側領域を流下した球の約1/100の割合でスルーゲート67を通過可能にしたり、電動役物640aに到達したりするように構成しても良い。
また、可変入賞装置65を、可変表示ユニット80の下方(アウト口71の上方)に設け、左側領域を流下する球も右側領域を流下する球も同一の割合で特定入賞口65aへと入球し得るように構成しても良い。このように構成した場合、通常状態で大当たり当選した場合も、時短状態、確変状態で大当たり当選した場合も、実行中の遊技方法を変更すること無く大当たり遊技を実行することができる。
次に、大当たり遊技中に右打ち遊技を実行した場合について説明をする。本制御例では、大当たり遊技が実行される場合には普通図柄の低確率状態が設定されるように構成している。これにより、大当たり遊技中に右打ち遊技を実行した場合に、右側領域を流下した球が第2入球口640へと入球してしまい、特定入賞口65aへと球を効率良く入球させることができない事態が発生することを抑制することができる。また、多くの賞球(15個の賞球)が付与される特定入賞口65aへと球が入賞し易い状態である大当たり遊技中に第2入球口640にも球を入球させ易くしてしまい遊技者に過剰に賞球を付与してしまうことを抑制することができる。
よって、大当たり遊技中に右打ち遊技をした場合には、その殆どが右側領域の下流側へと流下する。詳細は後述するが可変入賞装置65の特定入賞口65aは開閉扉65fの開閉動作によって開状態と閉状態とに切り替えられるように構成している。開閉扉65fが閉鎖している場合には、閉鎖状態の開閉扉65fの上面に球が流下可能な流路が形成され、開閉扉65fの上流側(図125の視点で右側)から、開閉扉65fの下流側(図125の視点で左側)へと球が流下する。本制御例では、1回の大当たり遊技中において、開閉扉65fを所定期間(30秒間)が経過するまで、或いは、特定入賞口65aに所定個数(10個)の球が入球するまで開放させるラウンド遊技を複数回実行可能に構成しており、ラウンド遊技間に所定期間(例えば、0.5秒)のインターバル期間(開閉扉65fを閉状態とする期間)が設定されるように構成している。そして、閉鎖状態の開閉扉65fの上面に形成される流路を球が流下するのに要する期間(例えば、0.8秒)が、上述したインターバル期間(例えば、0.5秒)よりも長くなるように構成している。よって、大当たり遊技中において、遊技者が右打ち遊技を継続して実行し、インターバル期間中に可変入賞装置65へと到達した球が発生したとしても、その球が開閉扉65fの上面を流下している間に、次のラウンド遊技が開始されるため、大当たり遊技中に発射した球を無駄無く特定入賞口65aへと入球させることができる。
このように、大当たり遊技中に右打ち遊技によって発射された球のうち、可変入賞装置65へと到達した球の殆どが特定入賞口65aへと入球可能に構成されたパチンコ機10においては、右打ち遊技によって発射された球のうち、一般入球口63へと入球する球数によって大当たり遊技中に獲得可能な賞球数の総数が可変することになる。よって、大当たり遊技中に右打ち遊技によって発射された球がどのような流路を流下するのかを遊技者に注視させることができる。
大当たり遊技が終了すると、その大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた確変スイッチ65e3を球が通過した場合には上述した確変状態が設定され、一方、大当たり遊技中に可変入賞装置65に確変スイッチ65e3を球が通過しない場合は、時短状態が設定される。
ここで、本制御例における確変状態では上述したように特別図柄の抽選の結果が大当たりとなる確率が高くなるとともに、スルーゲート67を通過することにより抽選が実行される普通図柄が当たりとなる抽選確率も高くなるように設定されている。さらに、特別図柄および普通図柄の抽選結果が確定するまでの時間(以下、変動時間と称す。)も通常の遊技状態に比べて短くなるように設定されている。また、本制御例における確変状態は、大当たり遊技終了後、特別図柄の抽選の結果が200回連続で大当たり以外の抽選結果となるまで継続するように設定されており、その特別図柄の抽選が200回連続して大当たり以外となった後には確変状態から通常の遊技状態へと移行するように設定されている。このように遊技者に有利となる確変状態が継続する期間に制限を設けることにより、遊技者に対して大当たりとなるよう意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。なお、確変状態が継続する期間についてはこれ以外の内容に設定してもよく、例えば、次回の大当たりに当選するまで継続させてもよいし、特別図柄の抽選が実行されるタイミングと同じタイミングで確変状態を通常の遊技状態へと移行させる移行抽選を行っても良い。また、確変状態が継続する期間を時間で設定してもよい。
さらに、本制御例の確変状態では、スルーゲート67を球が通過することで実行される普通図柄の抽選において当たりに当選した場合に開放駆動される電動役物640aの開放パターンが通常の遊技状態よりも遊技者に有利な開放パターンとなるよう設定されている。詳細内容については図183を参照して後述するが、確変状態中に設定される電動役物640aの開放パターンは通常状態中に設定される開放パターンよりも第2入球口640に球が入球可能となる開放状態の期間が長くなるように設定されている。
以上、説明をしたように、本制御例におけるパチンコ機10は確変状態では右打ち遊技を実行し、スルーゲート67および第2入球口640を狙うことで効率よく遊技が実行することができるように構成されている。よって、大当たり遊技が開始されてから確変状態が終了するまでの期間は右打ち遊技を継続して実行すればよく、遊技者に分かりやすい遊技性を提供することができる。
一方、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合には、特別図柄の抽選の結果が大当たりとなる確率は通常状態と同一の低確率状態であるが、スルーゲート67を通過することにより抽選が実行される普通図柄が当たりとなる抽選確率は確変状態と同様に高くなるように設定されている。さらに、特別図柄および普通図柄の抽選結果が確定するまでの時間(以下、変動時間と称す。)も通常状態に比べて短くなるように設定されている。また、本制御例における時短状態は、大当たり遊技終了後、特別図柄の抽選の結果が100回連続で大当たり以外の抽選結果となるまで継続するように設定されており、その特別図柄の抽選が100回連続して大当たり以外となった後には時短状態から通常状態へと移行するように設定されている。このように遊技者に有利となる時短状態が継続する期間に制限を設けることにより、遊技者に対して大当たりとなるよう意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。なお、時短状態が継続する期間についてはこれ以外の内容に設定してもよく、例えば、次回の大当たりに当選するまで継続させてもよいし、特別図柄の抽選が実行されるタイミングと同じタイミングで時短状態を通常状態へと移行させる移行抽選を行っても良い。また、時短状態が継続する期間を時間で設定してもよい。さらに、時短状態が設定される契機となる大当たり遊技の種別に応じて、時短状態が設定される期間(時短回数)を異ならせても良い。
さらに、本制御例の時短状態では、スルーゲート67を球が通過することで実行される普通図柄の抽選において当たりに当選した場合に開放駆動される電動役物640aの開放パターンが通常の遊技状態よりも遊技者に有利な開放パターンとなるよう設定されている。詳細内容については図183を参照して後述するが、時短状態中に設定される電動役物640aの開放パターンは通常状態中に設定される開放パターンよりも第2入球口640に球が入球可能となる開放状態の期間が長くなるように設定されている。
以上、説明をしたように、本制御例におけるパチンコ機10は時短状態では右打ち遊技を実行し、スルーゲート67および第2入球口640を狙うことで効率よく遊技が実行することができるように構成されている。よって、大当たり遊技が開始されてから時短状態が終了するまでの期間は右打ち遊技を継続して実行すればよく、遊技者に分かりやすい遊技性を提供することができる。
<第1制御例における可変入賞装置について>
次に、本制御例における可変入賞装置65の構成について図126から図128を参照して説明をする。図126は、可変入賞装置65の分解斜視図である。可変入賞装置65は、図126に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材65b、その開口部形成部材65bの背面側に組み合わされて、可変入賞装置65を遊技盤13にビス留めするためのベース部材65cと、そのベース部材65cの背面側に配置されてベース部材65cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板65dと、そのLED基板65dをベース部材65cと狭持する裏カバー体65eと、開口部形成部材65bに形成されている特定入賞口65aを開閉するための開閉扉65f1を有した開閉ユニット65fと、裏カバー体65eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体65gと、裏カバー体65eと流路カバー体65gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材65hと、その切替部材65hと係止されるリンク部材65iと、流路カバー体65gの背面側に配置される背面カバー体65jと、その背面カバー体65jの背面側に固定されて、リンク部材65iを作動させる流路ソレノイド65kと、その流路ソレノイド65kを背面側から覆って背面カバー体65jにビスにより固定するための固定用カバー体65mとで構成されている。
図127は、可変入賞装置65の断面図である。図127(c)は可変入賞装置65の上面図であり、図127(b)は、可変入賞装置65のLb−Lb断面図である。図127(b)に示すように、可変入賞装置65には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口65aが形成されている。特定入賞口65aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図127(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサー65c1で構成された検出口65a1が配置されている。この検出口65a1を通過した遊技球は、図128(b)で示す裏カバー体65eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図127(b)に示すように特定入賞口65aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉65f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉65f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉65f1は、ベース部材65cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口65a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、可変入賞装置65の開口が閉鎖されている場合には、遊技球が可変入賞装置65の上面を転動して、第2入球口640側へと誘導されるように構成されている。よって、時短状態中(確変状態中含む)にも、右打ち遊技を実行した状態のまま、第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となり、大当たり遊技後に直ちに左打ち遊技へと遊技方法を変更させる手間を軽減できる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
また、開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面を可変入賞装置65の開口として構成できるので、より多くの遊技球が効率よく特定入賞口65a内に入賞できる。よって、大当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図127(a)は、図127(b)に示すLa−La断面図である。図127(a)に示すように検出口65a1を有する磁気センサー65c1は、裏カバー体65eの振り分け流路側へと検出口65a1が傾くようにベース部材65cに固定されている。
図128を参照して、裏カバー体65eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路65e1と特別排出流路65e2とに振り分けられる構成について説明する。
図128(a)は、遊技球が特別排出流路65e2に振り分けられるように切替部材65hが作動された状態を示す裏カバー体65eの背面図である。図128(a)に示すように、切替部材65hは、リンク部材65iの突部が挿入される係止穴65h1と遊技球を誘導する誘導片65h2とを有しており、流路カバー体65gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体65gには、この誘導片65h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体65gの背面側より振り分け流路内に誘導片65h2を回動可能に配置することが可能に構成されている。
図128(a)に示すように、検出口65a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片65h2の上面に誘導されて特別排出流路65e2に誘導される。特別排出流路65e2を通過した遊技球は特別排出流路65e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサーで構成された確変スイッチ65e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、本制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に上記した確変スイッチ65e3を遊技球が通過することにより、大当たり遊技後の遊技状態として確変状態(特別図柄の高確率状態)が設定される。即ち、確変スイッチ65e3は、確変状態を付与(設定)するための特定領域として構成されている。また、切替部材65hは、大当たり遊技終了後に特別図柄の状態を高確率状態(確変状態)か低確率状態(時短状態)かに振り分けるための構成となる。
このように、大当たり遊技中に特定入賞口65aに入賞した遊技球の流下ルートにより大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が可変されるので、大当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、可変入賞装置65の開口から特別排出流路65e2の入り口(切替部材65hの誘導片65h2により閉鎖さる開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。切替部材65hの作動は、大当たり種別により作動タイミングと作動時間が設定されている。本実施形態では、大当たりAに当選した場合には、5ラウンド目の開始における可変入賞装置65の開放タイミングに合わせて切替部材65hが0.5秒間作動されるように構成されている。また、大当たりB、大当たりCに当選した場合には、5ラウンド目の開始における可変入賞装置65の開放タイミングに合わせて切替部材65hが5秒間作動されるように構成されている。
よって、大当たりB、大当たりCでは、可変入賞装置65に入賞した遊技球が確変スイッチ65e3を通過することが可能に構成されているが、大当たりAでは、確変スイッチ65e3を通過することが不可能(通過し難くなるよう)に構成されている。よって、大当たり種別により確変状態を付与する割合を制御することができ、過剰に有利不利が発生してしまわないように構成できる。
なお、本制御例では、大当たり種別に応じて切替部材65hの切替制御内容を異ならせることにより、確変スイッチ65e3を球が通過し易い大当たり遊技(確変大当たり遊技)と、その確変大当たり遊技よりも球が確変スイッチ65e3を通過し難い大当たり遊技(通常大当たり遊技)と、を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、切替部材65hの切替制御内容は大当たり種別に関わらず同一に設定しておき、大当たり遊技における開閉扉65f1の開閉タイミングを異ならせるように動作制御することで、確変スイッチ65e3へと球を通過させることが可能な期間において、球を特定入賞口65aへと入球させ易い大当たり遊技(確変大当たり遊技)と、入球させ難い大当たり遊技(通常大当たり遊技)と、を設定するように構成しても良く、この場合、例えば、大当たり遊技が実行されてから最初のラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)が実行されるまでの期間(オープニング期間)の長さや、インターバル期間の長さを可変させることで、上述した確変大当たり遊技と通常大当たり遊技とを設定可能に構成すると良い。
図128(b)を参照して、通常排出流路65e1に遊技球が誘導される場合について説明する。図128(b)は、流路ソレノイド65kが非作動であり、特別排出流路65e2の入り口の開口面を切替部材65hの誘導片65h2が塞いでいる状態を示す図である。
検出口65a1より振り分け流路に誘導された遊技球は、切替部材65hの誘導片65h2の上面に誘導されて通常排出流路65e1に誘導される。この通常排出流路65e1の端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサーで構成された排出確認スイッチ65e4が設けられている。これにより、可変入賞装置65内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ65e4と確変スイッチ65e3との合計により判別できる。
よって、5ラウンド前に入賞した遊技球が排出されていない状態で5ラウンド目に入賞して、大当たりAであっても確変スイッチ65e3に入賞する不具合を抑制できる。
このように、可変入賞装置65内に特定入賞口65aに入賞した遊技球が磁気センサー65c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(本実施形態では1球入賞に対して15個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、確変スイッチ65e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、確変遊技状態を付与するか否かの抽選も実行することができる。よって、確変遊技状態を付与するための専用の入賞口を可変入賞装置65とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
図125に戻り説明を続ける。遊技盤13の略中央部分に設けられた可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。また、センターフレーム86は、遊技盤13の前面側に突出して第3図柄表示装置81の周囲を囲んでおり、第3図柄表示装置81に遊技球が当接することを防止している。
第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、特別図柄抽選の結果を示す識別情報(第1図柄)の変動表示と同期して第3図柄が変動表示される表示手段である。この第3図柄の変動表示は、表示制御装置114(図152参照)によって表示内容が制御される。これにより、様々な変動表示態様で変動表示される第3図柄を遊技者に視認させることができるため、特別図柄の抽選結果が表示されるまでの期間(特別図柄の変動表示期間)が経過するまでに遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本制御例では、特別図柄抽選の結果に基づいて、第1図柄の変動時間として異なる長さの変動時間を設定可能に構成している。具体的には、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合のほうが、外れである場合よりも長い時間の変動時間が設定され易くなるように構成している。そして、表示制御装置114によって表示制御される第3図柄の変動時間は、第1図柄の変動時間と同期することから、第3図柄が長く変動表示されるほど、対応する特別図柄抽選が大当たり当選している可能性を高くすることができる。
そこで、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示面(液晶ディスプレイ)にて変動表示される第3図柄変動として、実行中の第3図柄変動の変動時間の長さを煽るための変動表示態様、即ち、第3図柄変動が停止表示されるか否かを示す変動表示態様を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して第3図柄変動の変動時間を分かり難くすると共に、より長い変動時間で第3図柄が変動表示されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
ここで、第3図柄表示装置81の表示面にて表示される第3図柄の表示内容について簡単に説明をする。本制御例では、複数種別の第3図柄によって1の図柄列が形成され、左、中および右の3つの図柄列が第3図柄表示装置81の表示面に表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって形成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示(変動表示)されるようになっている。そして、変動表示されている各図柄列は所定の順序(例えば、左、右、中の順序)で停止表示されていき、全ての図柄列が停止表示された時点において遊技者が視認可能な所定位置(有効ライン)に停止表示されている第3図柄の組合せによって特別図柄抽選の結果を遊技者に報知するように構成されている。
具体的には、各図柄列が有する第3図柄として同一種別の第3図柄が有効ラインに停止表示された場合、即ち、第3図柄表示装置81の表示面に「7.7.7」が停止表示された場合に、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることを報知するように構成している。
また、少なくとも1の図柄列が変動表示されている状態において、他の図柄列が大当たり当選を示し得る組合せで停止表示されている状態、具体的には、左図柄列と、右図柄列とが「7」で停止表示されており、中図柄列が変動表示中の状態、即ち、第3図柄が大当たり当選を示す組合せで停止表示し得る状態となった場合を「リーチ状態」とし、遊技者に対して大当たり当選の期待度を高めた演出を実行するように構成している。
このように、実行される第3図柄変動の変動態様によって、大当たり当選の期待度を異ならせることにより、実行される第3図柄変動の変動態様の内容に興味を持たせることができ、遊技が単調になることを抑制することができる。なお、上述した例では、左図柄列と、右図柄列とが「7」で停止表示されており、中図柄列が変動表示中の状態、即ち、第3図柄が大当たり当選を示す組合せで停止表示し得る状態となった場合を「リーチ状態」としているが、実行中の第3図柄変動に対応する特別図柄抽選で大当たり当選している可能性が高いことを遊技者に示唆可能な状態を「リーチ状態」とすれば良く、例えば、一旦、上述した「リーチ状態」で左図柄列と右図柄列が停止表示された後、中図柄列が停止表示されること無く、全ての図柄列が再度変動表示された状態を「リーチ状態」としても良いし、大当たり当選する組合せの一部として第3図柄が停止表示されなかった場合であっても、大当たり期待度が高いことを遊技者に示すために予め定められた表示態様(例えば、「リーチ発展」と表示された表示態様)で第3図柄が停止表示された場合も「リーチ状態」としても良い。
本制御例の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図152参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良いし、複数の液晶ディスプレイを用いて第3図柄を停止表示させるように第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
次に、本制御例における第3図柄表示装置81の表示内容について図129を参照して説明する。図129(a)は本制御例における第3図柄表示装置81の表示画面の構成を模式的に示した模式図であって、図129(b)は本制御例における第3図柄表示装置81の表示内容を模式的に示した模式図である。第3図柄表示装置81は、15インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図152参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。このように第3図柄表示装置81を液晶ディスプレイで構成することで、第3図柄表示装置81にて多彩な演出を容易に実行可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。
図129(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、上側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の下側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄(特別図柄の抽選結果を示すための識別情報)は、「0」から「9」の数字を模した10種類の主図柄によりそれぞれ構成されている。また、本制御例のパチンコ機10においては、主制御装置110(図152参照)による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(停止表示される)変動表示(例えば、最終的に「7・7・7」が停止表示される変動表示)が行われ、その変動表示が終わった後に大当たり遊技が実行されるよう構成されている。つまり、第3図柄は、主制御装置110による特別図柄の抽選結果を示すための図柄として第3図柄表示装置81に表示されるものである。
具体的には、主表示領域Dmは、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列L1,L2,L3が表示される。各図柄列L1〜L3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列L1〜L3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列L1〜L3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。
また、主表示領域Dmには、有効ラインZ1上に各図柄列の第3図柄が停止表示される。その第3図柄が有効ラインZ1上に大当たり図柄の組合せ(本第1制御例では、同一の主図柄の組合せ)で停止表示された場合に、大当たり当選を示す大当たり動画が表示される。
なお、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における第3図柄の変動表示の方向、各図柄列を形成する第3図柄の数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される第3図柄は上記に限られることはなく、例えば図形やキャラクタ等の画像と数字とを組み合わせた図柄を第3図柄として構成してもよい。さらに、第3図柄が変動表示される領域を可変させる構成にしてもよく、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面上で特定の演出が実行される場合は、第3図柄の変動表示領域を小さくしたり、変動表示領域を遊技者が視認し難い位置(例えば、表示画面の隅部)へと移動させたりすることで、第3図柄が変動しているか否かを遊技者が分かり難くするようにしてもよい。また、特別図柄が変動している期間中に、第3図柄の変動を一旦停止(仮停止)させ、再度変動させるように構成してもよい。
さらに、本制御例では、第1特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様と、第2特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様とが同一(遊技者が識別困難な程度の相違も含む)となるように構成しているが、変動している特別図柄の種別に対応するように第3図柄の表示態様や表示領域を異ならせても良い。
加えて、本第1制御例では複数の図柄列のうち、最後に停止表示される中図柄列L2にて変動表示される第3図柄として特定図柄を停止表示させることが可能に構成されている。この特定図柄とは、大当たり当選を示す組合せには用いられない識別情報(例えば、「発展」)が付された表示態様で構成されているものであり、この特定図柄が有効ラインZ1上に停止表示することにより、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果(例えば、変動時間が60秒以上の抽選結果)であることを報知可能に構成している。そして、各図柄列の変動表示が再度実行されることを報知可能に構成している。
このように構成することで、例えば、先に停止表示された図柄列L1及びL3において大当たり当選を示す組合せ以外で第3図柄が停止表示された場合であっても、実行中の特別図柄抽選に対する大当たり当選の期待感を、中図柄列L2が停止表示されるまで遊技者に持たせ続けることができるため、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
本制御例では、所定条件が成立した場合、例えば、左図柄列L1と、右図柄列L3とに同一の数字を示す第3図柄が停止表示した場合に、変動中の中図柄列L2の特定箇所(例えば、数字の「0」と「9」との間の箇所)に割り込んで特定図柄が表示されるように構成している。これにより、第3図柄の変動表示が所定期間経過した後に突然特定図柄が表示されるため、遊技者に対して意外性のある変動演出を提供することができる。
なお、特定図柄を表示させるための条件は上述した条件以外でも良く、例えば、左図柄列L1と、右図柄列L3とに停止表示された第3図柄が示す数字が所定の組み合わせであることを条件としても良いし、第3図柄の変動表示中に遊技者が操作手段を操作することを条件としても良い。また、特別図柄の抽選結果に基づいて成立する条件としても良い。加えて、第3図柄の変動表示が開始されてから所定期間経過後に特定図柄が表示される変動演出を変動演出設定時(変動開始時)に予め設定しておいても良い。
また、特定図柄を表示させる場合に、予め設定されている図柄列に割り込ませて表示させる手法以外を用いても良く、例えば、図柄列に予め設定されている1つの第3図柄と置き換えても良い。この場合、例えば、中図柄列L2に設定されている第3図柄のうち、特定の第3図柄が停止表示された場合に特別図柄の大当たり当選を示すこととなる第3図柄の組み合わせが停止表示される状態、即ち、リーチ状態であれば、その特定の第3図柄の前後に設定されている第3図柄に置き換えて特定図柄を表示させるように構成すると良い。これにより、連続する複数の第3図柄の何れが停止表示されたとしても遊技者に有利な抽選結果を示すことになるため、遊技者に期待感を抱かせながら変動演出を注視させることができる。
本制御例では、特別図柄の抽選結果として「大当たり」、「外れ」の2種類を設定可能に構成しており、大当たりに当選した場合には、複数の大当たり種別のうち一の大当たり種別が設定されるように構成し、設定された大当たり種別に応じて大当たり遊技の遊技内容を異ならせることで、大当たり遊技中に球が確変スイッチ65e3を通過し易い確変大当たり遊技と、大当たり遊技中に球が確変スイッチ65e3を通過し難い通常大当たり遊技と、を実行可能に構成している。そして、第3図柄表示装置81に停止表示される第3図柄の組み合わせによって、特別図柄の抽選結果を報知すると共に、設定される大当たり種別を遊技者に示唆(報知)するように構成している。
具体的には、特別図柄の抽選結果が遊技者に最も有利となる大当たり種別が設定される「大当たりB」、「大当たりC」であれば、奇数番号である「3,7」の主図柄のうち、いずれかがぞろ目で揃って停止表示される変動表示が行われる。また、「大当たりA」であれば、「0〜9」の主図柄のうち、偶数番号である「4,6,8」のいずれかがぞろ目で揃う変動表示が行われる。また、遊技者に大当たり当選したことのみを報知し、設定される大当たり種別を把握させ難くするために、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」の何れかの大当たり種別が設定された場合であっても「1,2,5,9,0」のいずれかがぞろ目で揃う変動表示が行われる。
なお、本制御例では、1の図柄列を上述した10個の主図柄で形成するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄抽選の結果を示すことの無い図柄として副図柄(例えば、星印の表示態様)を設けても良い。そして、停止表示される主図柄と副図柄との組合せに応じて、特別図柄の抽選結果以外の情報を遊技者に報知するように構成しても良く、例えば、大当たり当選を示す主図柄の組合せ以外の特定の組合せ(第1停止表示態様)で主図柄、或いは副図柄が停止表示された場合に、保留記憶されている特別図柄の抽選権利の中に大当たり当選し得る抽選権利が含まれている可能性が高いことを示唆したり、第1停止表示態様とは異なる第2停止表示態様で主図柄、或いは副図柄が停止表示された場合に、実行中の特別図柄変動の変動時間が所定期間以上であることを示唆したりするように構成しても良い。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される第3図柄変動の結果によって、実行中の特別図柄抽選の結果(当否判定結果)以外の情報を遊技者に提供することができるため、大当たり確率のほうが外れ確率よりも低く設定されているパチンコ機10において、特別図柄抽選の結果が外れであることのみを連続して報知してしまい遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
図129(a)に戻り、説明を続ける。副表示領域Dsには、保留記憶されている特別図柄の抽選権利数(保留図柄数)が表示される。本制御例では、第1特別図柄、第2特別図柄共に最大で4個の抽選権利を保留記憶可能に構成しており、保留記憶された順序、或いは、特別図柄抽選に用いられる順序に沿って対応する保留図柄が表示されるように構成している。また、主表示領域Dmにて実行される変動演出の演出内容を説明したり、演出結果を説明したりするコメントも表示されるように構成している。
なお、詳細な説明は省略するが、本制御例では、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが優先して実行されるように構成しており、普通図柄の高確率状態が設定される確変状態、或いは、時短状態中は第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)を獲得し易くなるように構成している。つまり、普通図柄の低確率状態が設定される通常状態では、第1特別図柄抽選が主として実行され、確変状態、時短状態中は第2特別図柄抽選が主として実行されるように構成している。よって、副表示領域Dsに表示される保留図柄の種別は、設定されている遊技状態に応じて切り替わるように構成されており、通常状態が設定されている場合には、第1特別図柄の保留記憶数(特図1保留球数)を示す識別情報(特図1保留図柄)が表示され、確変状態、時短状態が設定されている場合には、第2特別図柄の保留記憶数(特図2保留球数)を示す識別情報(特図2保留図柄)が表示されるように構成されている。これにより、現在の遊技状態において主として実行される特別図柄抽選に対応する保留球を何個獲得しているのかを遊技者に分かり易く報知することができる。
次に、第3図柄表示装置81に実際に表示される内容について図129(b)を参照して説明をする。図129(a)に示した通り、主表示領域Dmにおける正面視左上には、設定されている遊技状態に対応する遊技方法を遊技者に案内するための案内表示態様が表示される第1表示領域Dm1が形成されている。上述した通り、本制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合は、左打ち遊技のほうが右打ち遊技よりも遊技者に有利となり、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合、或いは、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合には、右打ち遊技のほうが左打ち遊技よりも遊技者に有利となるように構成している。また、大当たり遊技中においても、右打ち遊技のほうが左打ち遊技よりも遊技者に有利となるように構成している。
このように、遊技状況(設定されている遊技状態、大当たり遊技の有無)に応じて遊技者に有利となる遊技方法を可変させる遊技性を有する場合には、遊技方法を可変させることにより遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるが、遊技者が現状において有利な遊技方法を把握できず、不利な遊技方法で遊技を実行させてしまい遊技者が不利益を被ってしまい、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、第1表示領域Dm1(図129(a)参照)にて、現状において遊技者に有利となる遊技方法(右打ち遊技又は左打ち遊技)を案内する案内表示態様を表示可能に構成している。これにより、遊技者に対して有利な遊技方法を分かり易く報知することができる。なお、本制御例では、パチンコ機10の電源投入時に設定される通常状態において有利となる遊技方法(左打ち遊技)に対しては案内表示態様を非表示にするように構成している。これにより、右打ち遊技が遊技者に有利となる遊技状況が設定された場合に、非表示であった第1表示領域Dm1に案内表示態様(例えば、「右打ち」の表示態様)が表示されることになるため、遊技者に対して有利な遊技方法が切り替わったことを分かり易く報知することができる。
また、詳細な説明は省略するが、本制御例では、遊技者に対して有利な遊技方法が切り替わる前から、遊技者に対して有利な遊技方法が切り替わることを事前に報知する事前案内報知態様を設定可能に構成している。これにより、実際に遊技方法が切り替わるよりも前に、その旨を遊技者に把握させることが可能となるため、遊技方法が切り替わった直後から好適な遊技を実行させ易くすることができる。
このように、遊技者に対して有利となる遊技方法を遊技者に報知する報知態様(案内表示態様)と、遊技者に対して有利となる遊技方法が切り替わることを事前に報知する事前案内報知態様と、を表示可能にすることで、遊技者に対してストレスを与えることの無い遊技を提供することができる。
なお、本制御例では、右打ち遊技が遊技者に有利となる期間が設定される場合に、案内表示態様を表示するように構成しているが、これに限ること無く、左打ち遊技のほうが右打ち遊技よりも有利となる状態(例えば、通常状態)において、案内表示態様として「左打ち」の表示態様を表示可能に構成しても良い。
また、案内表示態様の表示内容を遊技者に案内する態様として、第1態様と、その第1態様よりも遊技者に強調して案内する第2態様とを設定可能に構成しても良く、例えば、遊技者に有利となる遊技方法が切り替わってから2秒間の間、第1表示領域Dm1に表示される案内表示態様を拡大した強調案内表示態様が表示されるように構成しても良い。また、遊技者が実行している遊技方法を検知する検知手段(例えば、左側領域を球が流下したことを検知可能な検知手段と、右側領域を球が流下したことを検知可能な検知手段)を設け、検知手段の検知結果に基づいて、遊技者に有利となる遊技方法が切り替わってから所定期間経過しても有利側の遊技方法で遊技が実行されていない、又は、不利側の遊技方法で遊技が実行されていると判別した場合に、上述した第2態様が設定されるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に有利となる遊技方法でより確実に遊技を行わせることができる。
加えて、上述した第2態様での案内表示が実行されている状態で、遊技者に有利となる遊技方法で遊技が行われたと判別した場合に、第2態様から第1態様へと案内表示態様の表示内容を切り替えるように構成すると良い。これにより、適正な遊技方法で遊技を実行している遊技者に対して、遊技方法を過剰に案内してしまい、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される各種演出の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、上述した例では、遊技者に遊技方法を案内するための案内態様として、第3図柄表示装置81の表示面を用いた案内表示態様のみについて説明をしたが、これに限ること無く、例えば、案内表示態様の表示タイミングに対応させて、音声出力装置226から遊技方法を案内するための案内音声として「右打ち」の音声を出力させたり、ランプ表示装置227により、パチンコ機10に設けられた複数の発光手段を順次点灯、又は消灯させることにより遊技方法を案内する発光制御を実行したりするように構成しても良い。これにより、視覚以外の感覚(聴覚等)でも遊技方法が切り替わった旨、或いは、実行すべき遊技方法を遊技者に容易に把握させることができる。
さらに、上述した第1表示領域Dm1は、他の表示領域に対して、表示位置が可変され難くなるように構成している。このように構成することで、どのような遊技状況であっても第3図柄表示装置81の表示面の特定箇所(例えば、左上側)を確認するだけで実行すべき遊技の遊技方法を把握することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
次に、主表示領域Dmにおける正面視右上には、第1特別図柄の変動表示に連動させた第4図柄、或いは、第2特別図柄の変動表示に連動させた第4図柄が変動表示される第2表示領域Dm2が形成されている。この第4図柄は、上述した第3図柄と同様に、各特別図柄抽選の抽選結果を遊技者に報知するための図柄であって、上述した第3図柄よりも目立たないように構成している。この第4図柄は特別図柄抽選が実行されている場合は、常に第2表示領域Dm2にて変動表示されるように構成している。このように構成することで、第3図柄変動の演出効果を高めるために、主表示領域Dm全体を用いた演出を実行した場合であっても、特別図柄抽選が実行中であるか否かを遊技者に分かり易く報知することができる。
また、本制御例のパチンコ機10は、上述した各実施形態と同様に、第3図柄表示装置81の表示面の少なくとも一部覆うように可動可能な可動手段(演出用役物)を設けているが、上述した第2表示領域Dm2は、第3図柄表示装置81の表示面のうち、何れの可動手段が可動したとしてもその可動範囲と重複しない(し難い)位置に形成されている。よって、第3図柄変動の際中に可動手段が可動した場合であっても、第4図柄の変動表示態様を遊技者に分かりやく報知することができる。
なお、図129(b)に示した模式図では、第1表示領域Dm1、第2表示領域Dm2を遊技者が視認可能な程度の大きさで示しているが、実際には、遊技者が視認困難な程度の大きさで形成されている。このように構成することで、遊技者に対して主表示領域Dmにて実行される第3図柄の変動演出を注視させることができる。
また、第3図柄の変動演出として表示画面全体を用いた演出が実行される場合や、第3図柄表示装置81近傍に設けられた演出用可動役物(例えば、落下役物700や回転役物840(図7参照))が可動し、第3図柄表示装置81の表示画面を覆った場合に対応させて第1表示領域Dm1、第2表示領域Dm2の表示領域の大きさを縮小させたり、表示位置を可変させたり、一時的に非表示にしたりしても良い。これにより迫力のある演出を違和感無く提供することができる。
さらに、第1表示領域Dm1、第2表示領域Dm2に代えて、第3図柄表示装置81外に第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄の変動表示に連動して動的表示する第4図柄を表示するように構成しても良い。この場合、パチンコ機10に多数設けられる装飾用のLEDと同様の箇所に第4図柄用のLEDを各図柄に対応させて設けると良い。これにより、遊技者分かり難く各図柄の変動表示に対応した第4図柄の変動を実行することができる。
<第1制御例における演出内容について>
次に、図130〜図145を参照して、本第1制御例において実行される各種演出の内容について具体的に説明をする。まず、図130から図132を参照して、遊技者に操作手段(枠ボタン22)を複数操作させる操作演出の内容について説明をする。
従来より、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、枠ボタン22)を設け、特定の演出が実行されている所定期間の間における操作手段への操作回数に応じて、演出態様を段階的に可変させる操作演出(所謂、連打演出)を実行するパチンコ機10がある。このような連打演出では、一般的に、演出態様が段階的に可変するように構成されており、特定の演出態様へと可変した場合に、その特定の演出態様へと可変しなかった場合よりも、遊技者に有利な演出結果となるように構成されている。
このような連打演出を実行可能にした遊技機によれば、遊技者が積極的に操作手段をすることにより、実行される演出の演出態様を可変させることができるため、遊技者に意欲的に遊技に参加させることができる。しかしながら、連打演出において設定される演出態様は、特別図柄抽選の結果に応じて予め設定されているため、例えば、特別図柄抽選で外れ当選している場合には、所定期間内に複数回操作手段を操作したとしても、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることを示す演出態様が設定されることは無い。また、連打演出中に演出態様が可変すればするほど特別図柄抽選で大当たり当選している期待度が高くなるように演出内容を設定している場合においては、特別図柄抽選で外れ当選している際に実行される連打演出にて演出態様が可変し難い連打演出を実行させる必要がある。
この場合、連打演出が実行される所定期間内において、遊技者が操作手段を複数回操作したとしても、演出態様が可変されない期間が継続してしまい、操作手段を操作する意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、連打演出において設定された全ての演出態様、即ち、操作手段への操作に基づいて演出態様が最終演出態様へと可変した場合において、それ以降の操作手段への操作内容に応じて、連打演出が実行される所定期間の経過を待たずに、連打演出を終了させることが可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して演出態様が可変することのない連打演出を長時間実行させてしまい、遊技者の遊技意欲、ひいては、操作手段を操作しようとする操作意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、本制御例のパチンコ機10において実行される連打演出の演出内容について具体的に説明をする。図130(a)は、連打演出の開始画面を模式的に示した図である。図130(a)に示した通り、本制御例では、連打演出として、主人公のキャラ801が複数の敵キャラ802と戦う演出が実行され、枠ボタン22への操作に応じて敵キャラ802の数を減らしていく演出が実行されるように構成している。
まず、連打演出が実行されると、表示領域HR1には、敵キャラ802の数を示す表示態様として「100」が表示され、表示領域HR2には、枠ボタン22を操作させることを促すための表示態様であるボタン803と、連打演出の期間(枠ボタン22への操作が有効に判別される期間)を示すためのタイムゲージ804が表示される。より具体的には、ボタン803は、遊技者に枠ボタン22の押下を促すアニメーションとして押下動作を示す動作態様(図では下矢印で表示)と、ボタン803が通常状態(非操作状態)と、押下状態(操作状態)とを繰り返す動作態様とを有するアニメーションで表示される。
ここで、敵キャラ802は複数の表示態様で表示されるように構成しており、図130(a)に例では、頭に角を生やした強敵キャラ802aと、通常敵キャラ802bとが表示されている。本制御例では、表示領域HR1に表示される敵キャラの残り数に応じて付与される特典(特別図柄抽選の結果、連打演出終了後に実行される変動演出の種別))が遊技者に有利なものであるか否かを示唆可能に構成しており、表示領域HR1に表示される敵キャラ802の残り数が少ないほど、遊技者に有利な特典が付与され易くなるように構成している。さらに、表示領域HR1に表示される残り数が同一である場合において、その残り数に対応して表示される敵キャラ802の種別によっても、遊技者に付与される特典の有利度合いを示唆可能に構成している。
具体的には、強敵キャラ802aを倒したほうが、強敵キャラ802aが残っている場合よりも、遊技者に有利な特典が付与され易くなるように構成している。このように構成することで、遊技者は連打演出にて敵キャラ802の残り数を減らすことを期待しながら、さらに、特定の敵キャラ802が倒されることを期待しながら連打演出を見ることとなり、演出効果を高めることができる。
加えて、キャラ801は、敵キャラ802を倒すための武器として剣801kを装備しており、この剣801kを振ることで、敵キャラ802の残り数を減少させる演出が実行される。そして、この剣801kの表示態様は、連打演出の可変態様が上限値(最大可変値)に近づくにつれて可変するように構成している。具体的には、剣801kの切れ味がどんどん落ちて行くことを遊技者が把握できる表示態様へと可変されるように構成している。つまり、剣801kは、今回の連打演出にて最大で敵キャラ802を何体まで減らすことができるのかを遊技者に予測させることを可能とする示唆手段である。
このように構成することで、連打演出の途中段階において特定数(例えば、10体)の敵キャラ802が表示されている場合に、剣801kの表示態様を見ることで、敵キャラ802の残り数をもっと減少させることができるか否かを予測することが可能となる。よって、連打演出の演出結果を予測する楽しみを提供することができ、演出効果を高めることができる。
タイムゲージ804は、連打演出の経過時間に応じてその表示態様が可変されるものであって、連打演出の残期間を示す残時間領域804bがタイムゲージ804の左端から減少していく可変態様で表示される。そして、残時間領域804bが減少していくと、タイムゲージ804には経過時間領域804aが増加表示される。このように構成することで、連打演出の全期間のうち、既に経過した時間(経過時間領域804aの表示態様)と、残りの時間(残時間領域804bの表示態様)と、を遊技者が一目で把握することができる。また、本制御例では、連打演出として設定される期間の長さを数値で表示しないように構成している。つまり、連打演出が実行されてからの経過時間と、表示領域HR2に表示されているタイムゲージ804の表示態様の可変状況とに基づいて、連打演出として設定される期間の長さを遊技者に体感的に把握させるように構成している。
このように構成することで、連打演出として設定される期間の長さを予測させる楽しみを提供することができる。また、連打演出が実行される期間として異なる長さの期間を設定した場合であっても、タイムゲージ804の可変態様を異ならせるだけで良く、表示制御に係る処理を簡素化することができる。なお、本制御例では、タイムゲージ804の表示態様として経過時間領域804aと、残時間領域804bとの表示割合を遊技者が視覚で判別することで連打演出の演出期間を把握するように構成しているが、これに加え、例えば、タイムゲージ804の表示領域に対して、割合を示す情報として、例えば、タイムゲージ804の左端に「100」の値、タイムゲージ804の中央部に「50」の値、タイムゲージ804の右端に「0」の値を表示するように構成しても良い。これにより、タイムゲージ804における経過時間領域804aと、残時間領域804bと、の表示割合を遊技者に分かり易く報知することができる。
本制御例では、残時間領域804bが一定の速度で可変表示されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、残時間領域804bが大きい場合、即ち、タイムゲージ804の左端側まで残時間領域804bが表示されている場合のほうが、残時間領域804bが小さい場合、即ち、タイムゲージ804の右端側で残時間領域804bが表示されている場合よりも、単位時間当たりにおける残時間領域804bの減少度合いが大きくなるように構成しても良い。これにより、連打演出の残期間が少なくなるほど、残時間領域804bの減少度合いを遅くすることができるため、最後まで諦めること無く、連打演出を実行させることができる。
また、例えば、残時間領域804bが大きい場合、即ち、タイムゲージ804の左端側まで残時間領域804bが表示されている場合のほうが、残時間領域804bが小さい場合、即ち、タイムゲージ804の右端側で残時間領域804bが表示されている場合よりも、単位時間当たりにおける残時間領域804bの減少度合いが小さくなるように構成しても良いし、タイムゲージ804が表示されてから連打演出の期間が終了するまでの期間の長さを予め設定しておき、その期間が経過したタイミングで残時間領域804bが表示されなくなるようにすれば良く、残時間領域804bの減少度合いを早めたり遅めたりするように表示制御を実行しても良い。このように構成することで、連打演出が設定されている期間を遊技者に予測させ難くすることができるため、連打演出が実行された直後から意欲的に枠ボタン22(操作手段)を操作させることができる。
図130(a)に戻り説明を続ける。副表示領域Dsでは、連打演出が開始されたことを示す表示態様として「ボタン連打で敵を倒せ」のコメントが表示される。これにより、連打演出が実行されたことと、連打演出中に実行すべき操作内容を遊技者に分かり易く報知することができるため、遊技者を連打演出へと参加させ易くすることができる。
そして、連打演出中に遊技者が枠ボタン22を複数回操作すると、図130(b)に示したような表示画面が表示される。図130(b)は、連打演出中に枠ボタン22が複数回操作された後に表示される表示画面の一例を示した図である。図130(b)に示した通り、連打演出中に遊技者が枠ボタン22を複数回操作すると、その操作回数に応じて敵キャラ802の数が減少していき、予め設定された値(最大可変値)まで敵キャラ802の数が減少する演出が実行される。図130(b)では、最大可変値として「3」が設定されている連打演出を示しており、第3図柄表示装置81の表示面には残りの敵キャラ802の数が3体であることを示す敵キャラ802の表示態様と、表示領域HR1に残りの敵キャラ802の数を示す「残り3体」の文字が表示されている。また、図130(b)に示した例では、敵キャラ802の表示態様が上限値(最大可変値)に到達しているため、これ以上、表示態様が可変しないことを示唆するために、剣801kの表示態様として、刃がボロボロの表示態様が表示される。
なお、連打演出の演出態様が最大可変値まで可変した場合であっても、その直後に遊技者に対して最大可変値に到達したことを報知することは無く、表示領域HR2には、今回の連打演出の演出期間を示すタイムゲージ804の表示と、ボタン803の表示とが継続して表示される。これにより、連打演出を実行している遊技者に対して、連打演出の演出態様がより可変されることを期待させて遊技を行わせることができる。
本制御例における連打演出の演出態様の可変度合いは、特別図柄の抽選結果に応じて、その最大可変値が異なりやすくなるように構成されており、最大可変値が小さいほど(表示領域HR1に表示される残り敵キャラ802の数が少なくなるほど)、特別図柄抽選で大当たり当選している可能性が高くなるように構成している。
そして、連打演出の演出結果は、連打演出終了時における敵キャラ802の数に応じて異なる表示態様が表示される。具体的には、図130(c)に示した通り、連打演出終了時における敵キャラ802の数(表示領域HR1に表示される残り数)が、「0」の場合は、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりである可能性が高いことを示す「大チャンス」の文字が副表示領域Dsに表示され(図131(a)参照)、「1〜9」の場合は、上述した「大チャンス」よりは可能性が低くなるが、特別図柄抽選の結果が大当たりである可能性を残した「チャンス」の文字が副表示領域Dsに表示され(図131(b)参照)、「10〜89」の場合は、特別図柄抽選の結果を示すことの無い表示態様として「???」が副表示領域Dsに表示される。このように構成することで、遊技者に対して連打演出中に敵キャラ802の数をより多く減少させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、連打演出終了時における敵キャラ802の数(表示領域HR1に表示される残り数)が、「90〜100」の場合は、遊技者が連打演出に積極的に参加していない場合であるため、連打演出の演出結果として、特別図柄の抽選結果では無く、連打演出への参加を促す「もっと連打!!」の文字が副表示領域Dsに表示される。これにより、連打演出の実行中に枠ボタン22を操作し忘れた、或いは、操作することを理解できなかった遊技者に対して、連打演出中に実行すべき遊技の内容を再度報知することができるため、次に連打演出が実行される際に枠ボタン22を操作させ易くすることができる。
加えて、本制御例では、連打演出の演出態様が最大可変値に到達した後に、枠ボタン22を所定回数(例えば、8回)操作した場合に、連打演出の終了条件が成立し、連打演出の演出期間が終了するよりも前に、連打演出の演出結果が表示されるように構成している。具体的には、図132(a)に示した通り、連打演出の演出態様が最大可変値(3)に到達した状態で終了条件が成立すると、タイムゲージ804の残時間領域804bが残った状態にて、敵キャラ802の残り数が「3」である場合に実行される連打演出の演出結果(図131(b)参照)と同様の演出結果が第3図柄表示装置81の表示面に表示される。
このように構成することで、今回実行されている連打演出の最大可変値を、連打演出の演出期間が終了するよりも前に遊技者に対して分かり易く報知することができる。なお、詳細な説明は省略するが、本制御例では、連打演出の演出期間が経過するよりも前に連打演出の演出結果が表示された場合において、残りの演出期間(タイムゲージ804の残期間)が経過するまでは、枠ボタン22に対する操作に応じて連打演出とは異なる演出が実行されるように構成している。このように構成することで、連打演出の演出結果が早期に表示された場合においても、遊技者に対して枠ボタン22を意欲的に操作させることができる。
さらに、本制御例では、連打演出の演出態様が最大可変値(3)に到達した状態で終了条件が成立した場合の一部において、特殊演出結果として、図132(b)に示したような演出が実行される。図132(b)は、連打演出の演出結果として特殊演出結果が設定された場合の表示画面の一例を示した図である。
図132(b)は、連打演出の演出結果として、連打演出の演出態様が最大可変値(3)に到達した状態(図130(b)参照)で終了条件が成立した際に、上述した最大可変値(3)をさらに可変させる追撃演出を実行し、敵キャラ802の数を0に減少させ、「大チャンス」の文字が副表示領域Dsに表示される特殊演出結果を示しており、主表示領域Dmには、「追撃発生」の文字が表示され、キャラ801が敵キャラ802に対して追加攻撃を行い、残りの敵キャラ802を倒すアニメーションが表示される。そして、表示領域HR1には「残り0体」の文字が表示される。また、表示領域HR2には、ボタン803が非表示となり、これ以上、枠ボタン22を押下しても演出態様が可変しないことを遊技者に報知すると共に、追撃演出が実行されたタイミングを遊技者に報知するためにタイムゲージ804が表示される。
このように、連打演出の演出結果を、連打演出の演出期間が経過するよりも前に表示可能に構成したパチンコ機10、即ち、連打演出の終了条件として期間経過以外の終了条件を設けたパチンコ機10において、終了条件が成立した場合の一部にて通常とは異なる演出結果を表示可能とすることにより、遊技者に対して連打演出を様々な終了条件で終了させようと意欲的に遊技に参加させることができる。
また、本制御例では、上述した通り、連打演出の終了条件として、演出期間の経過以外に、連打演出の演出態様が最大可変値まで可変した後に、枠ボタン22を所定回数(8回)操作した場合に成立する終了条件(短縮終了条件)を有しており、この短縮終了条件が成立した場合の一部において、特殊演出結果が表示されるように構成している。これにより、連打演出が実行された場合において、意欲的に枠ボタン22を操作した遊技者に対して、意欲的に枠ボタン22を操作しなかった遊技者よりも特殊演出結果が実行され易くすることができる。
なお、本制御例では、遊技者が枠ボタン22を操作した回数に応じて短縮終了条件が成立するように構成しているが、遊技者が枠ボタン22を操作した場合のほうが、枠ボタン22を操作しない場合よりも短縮終了条件が成立し易くなるように構成すれば良く、例えば、連打演出の演出態様が最大可変値まで可変した後において枠ボタン22への操作が行われる毎に所定の抽選が実行され、その抽選で当選した場合に、短縮終了条件が成立するように構成しても良い。このように構成した場合であっても、遊技者が枠ボタン22を多く操作したほうが、多く操作しない場合よりも短縮終了条件を成立させ易くすることができる。加えて、この場合、連打演出の演出態様が最大可変値まで可変した直後に(最大可変値まで演出態様を可変させた後、1回目の枠ボタン22に対する操作で)、短縮終了条件が成立し得るため、遊技者に対して、実行中の連打演出にて設定された最大可変値を予測させること無く、短縮終了条件を成立させることができる。
加えて、上述した本制御例では、連打演出の演出態様が最大可変値まで可変した後に、終了条件が成立し得るように構成しているが、これに限ること無く、例えば、連打演出の演出態様を3つ以上の演出態様に可変可能な場合において、連打演出の演出態様が最大可変値に対応する演出態様へと可変するよりも前に連打演出の終了条件が成立し得るように構成しても良い。具体的には、連打演出における最初の演出態様(第1演出態様)が実行されている状態で枠ボタン22が操作された場合には、約1/2の確率で次の演出態様へと可変させる可変抽選(第1抽選)を実行し、約1/100の確率で連打演出を終了させる終了抽選(第2抽選)を実行する。そして、終了抽選(第2抽選)よりも先に可変抽選(第1抽選)に当選した場合には、演出態様を第2演出態様(準可変値に対応する演出態様)へと可変させる。第2演出態様で連打演出が実行されている状態で枠ボタン22が操作された場合には、約1/10の確率で第1抽選を実行し、約1/10の確率で第2抽選を実行する。つまり、第1演出態様で連打演出が実行されている場合よりも、第2演出態様で連打演出が実行されている場合のほうが、第2抽選に当選し易くなるように構成し、連打演出中における枠ボタン22への操作に基づいて実行される各種抽選結果に応じて、連打演出の演出態様を可変させるように構成しても良い。
このように、連打演出中に枠ボタン22を操作した場合、第1条件が成立することで連打演出の演出態様を可変させ、第1条件とは異なる第2条件が成立することで連打演出を終了させるように構成し、さらに、連打演出の演出態様が可変すればするほど、第1条件よりも第2条件が成立し易くなるように構成することで、今回実行された連打演出にて予め設定されていた最大可変値を遊技者に予測させ難くしながらも、枠ボタン22への操作に基づいてバリエーションに富んだ演出態様で連打演出を実行することができる。
また、この場合においても、予め連打演出における最大可変値を設定しておき、最大可変値に到達した場合には、第1抽選に当選しても演出態様が可変されないようにし、第2抽選に当選するまで演出態様を可変することなく連打演出を継続させれば良い。また、最大可変値に到達した状態で第1抽選に当選した場合には、演出態様を可変させること無く、第2抽選の当選確率を高める処理を実行するように構成しても良い。このように構成することで、連打演出中に第2抽選に当選しない期間が無用に長くなることを抑制することができる。
上述した例では、第1条件と、第2条件とが共に所定の抽選の結果に応じて成立するように構成しているが、これに限ること無く、本制御例のように、枠ボタン22(操作手段)への操作の回数に応じて第1条件、或いは、第2条件の少なくとも一方が成立するように構成しても良い。このように、連打演出中に実行される枠ボタン22への操作回数に応じて成立する条件と、連打演出中に枠ボタン22が操作された場合に実行される所定の抽選の抽選結果に応じて成立する条件と、を設け、各条件の成立具合に応じて、連打演出の演出態様を可変させたり、連打演出の終了タイミングが設定されたりするように構成することで、どのタイミングで連打演出の演出態様が可変するのか、また、どのタイミングで連打演出が終了するのかを分かり難くすることができるため、演出効果を高めることができる。
さらに、本制御例では、連打演出中において演出態様が可変すればするほど特別図柄抽選にて大当たり当選している可能性が高いことを遊技者に報知可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、連打演出中に遊技者が操作手段(枠ボタン22)を、所定回数(例えば、10回)操作したとしても、連打演出の演出態様が可変しない場合において特別図柄抽選にて大当たり当選している可能性が高いことを報知するように構成しても良い。このように構成することで、連打演出中に演出態様が可変し難い状態が設定された場合であっても、遊技者に最後まで演出態様を楽しませることができる。また、初期状態から可変されていない演出態様にて連打演出の演出結果が表示される場合において、今回の演出結果が、枠ボタン22を操作しなかったため実行される演出結果であるか、枠ボタン22を操作した結果に基づく演出結果であるかを、付近の遊技者に把握させ難くすることができる。
また、連打演出中に設定可能な演出態様を複数容易しておき、連打演出中の演出態様を可変させるための可変条件が成立した場合に、複数の演出態様のうち、何れかの演出態様をランダムに設定可能に構成された遊技機において、特別図柄抽選の結果が大当たりで有る場合のほうが、外れである場合よりも特定の演出態様が設定され易くなるように構成しても良い。このように構成することで、連打演出中における演出態様の可変回数と、大当たり当選の期待度とに関連性を持たせなくすることができるため、連打演出が終了する最後の瞬間まで遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
なお、この場合、連打演出中における演出態様の可変回数に上限値を設定しておき、連打演出中に演出態様が可変された回数が上限値に到達した場合に、本第1制御例における最大可変値の表示態様へと可変された場合と同一の処理を実行するように構成しても良い。これにより、連打演出中に積極的に枠ボタン22を操作したことにより、連打演出の残期間(枠ボタン22への操作を有効に判別する期間)が残った状態で演出態様の可変回数が上限値に到達した場合に、連打演出の演出期間を短縮させることができる。
次に、図133から図135を参照して、アイコン表示演出の表示内容について説明をする。図133(a)は、第3図柄表示装置81の表示面において、アイコン表示が実行され得る領域を模式的に示した模式図であって。図133(b)は、アイコン表示演出が開始された場合に表示される表示画面の一例を示した模式図である。
本制御例では、複数種類のアイコンを、第3図柄表示装置81の表示面の複数箇所で表示可能であって、そのアイコンが表示される箇所や、表示順序がランダムとなるアイコン表示演出(アイコン表示予告)を実行可能に構成している。そして、このアイコン表示演出にて各アイコンが表示される箇所や、表示されるアイコンの種別に応じて特別図柄抽選の結果を遊技者に示唆可能に構成している。
このような演出を実行可能なパチンコ機10においては、アイコン表示演出の演出態様を遊技者に容易に予測されてしまうことを防ぐために、このアイコン表示演出にて各アイコンが表示される箇所や、表示されるアイコンの種別を異ならせた複数の演出パターンデータを予め用意しておき、特別図柄の抽選結果に応じて、実行させるアイコン表示演出の演出態様を決定するように構成されていた。しかしながら、複数の演出パターンデータを予め用意する手法を用いる場合には、演出パターンの数に応じて予め格納する演出データのデータ量が増加してしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、アイコン表示演出を実行する場合において、複数の抽選結果を組み合わせた態様でアイコン表示演出を実行可能に構成している。つまり、アイコン表示演出における一連の演出内容を示す演出パターンデータを予め格納しておくのでは無く、アイコン表示演出のパート毎に演出内容を決定し、その決定した内容を組み合わせた演出態様でアイコン表示演出を実行するように構成している。このように構成することで、限られたデータ量の演出データを用いて多様な演出態様でアイコン表示演出を実行することができる。
具体的な説明は後述するが、本制御例では、アイコン表示演出の演出態様を決定する際に、今回のアイコン表示演出によって表示されるアイコンの個数、アイコンの表示順序、アイコンの表示箇所を別々の抽選によって選択し、各選択された内容を組み合わせた演出態様でアイコン表示演出を実行するように構成している。つまり、例えば、表示されるアイコンの個数が4個の場合は、1個目に表示されるアイコン種別、2個目に表示されるアイコン種別、3個目に表示されるアイコン種別、4個目に表示されるアイコン種別が選択され、さらに、1個目のアイコンが表示される表示箇所、2個目のアイコンが表示される表示箇所、3個目のアイコンが表示される表示箇所、4個目のアイコンが表示される表示箇所が選択される。
さらに、アイコンの表示箇所については、同一の表示箇所が重複して選択され得るように構成しており、同一の表示箇所が重複して選択された場合には、後者のアイコンが表示されないように構成している。このように構成することで、アイコン表示演出の演出態様として選択されたアイコンの個数とは異なる個数のアイコンを表示させることが可能となるため、単に複数の演出内容を組み合わせてアイコン表示演出を実行する場合よりも、より多様な演出態様でアイコン表示演出を実行することが可能となり、演出効果を高めることができる。
図133(a)に示した通り、本制御例では、アイコン表示演出においてアイコンを表示させることが可能な箇所として領域811a〜領域811dの5箇所が予め設定されている。そして、アイコン表示演出が実行されると、領域811a〜領域811dの5箇所に対して、アイコンが表示される箇所を示唆する示唆態様が表示される。
図133(b)は、アイコン表示演出にて示唆態様が表示された場合の表示画面の一例を模式的に示した模式図である。図133(b)に示した通り、アイコン表示演出が実行され、示唆態様が表示されると、今回のアイコン表示演出にてアイコンが表示される可能性がある表示箇所として、領域811a、領域811b、領域811cを示す表示態様(図では丸印)が表示される。そして、示唆態様で表示された各領域のうち、次に(最初に)アイコンが表示される領域を示すための強調表示態様(図では二重丸印)で領域811aが表示される。
このように、アイコン表示演出が実行された場合に、実際にアイコンが表示されるよりも前に、アイコンが表示される箇所を示唆する示唆態様を表示することにより、遊技者に対して、アイコン表示演出の演出態様を予測させる楽しみを提供することができる。さらに、本制御例では、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合のほうが、外れである場合よりもアイコンが表示されやすい表示箇所(特定表示箇所)を設けている。よって、示唆態様として特定表示箇所が示唆された場合に、特別図柄の大当たりに当選しているのではと遊技者に期待感を持たせることができる。
本制御例では、アイコン表示演出にて表示される示唆態様として複数の表示箇所が表示されるように構成している。このように構成することにより、今回実行されるアイコン表示演出にてアイコンが表示される表示箇所を、その表示順を示唆すること無く報知することができる。よって、遊技者に対して、アイコン表示演出の演出態様、具体的には、どの表示順でアイコンが表示されるのかを予測させる楽しみを提供することができる。
なお、本制御例では、示唆態様で表示された表示箇所に必ずアイコンが表示されるように構成しているが、これに限ること無く、示唆態様が表示された表示箇所のほうが、示唆態様が表示されない表示箇所よりもアイコンが表示され易くなるように構成すれば良く、示唆態様で複数の表示箇所が表示された場合に、その複数の表示箇所のうち、一部の表示箇所にてアイコンが表示されないように構成しても良い。これにより、実行されるアイコン表示演出の演出態様を予測させ難くすることができる。
ここで、図134を参照して、アイコン表示演出において、実際にアイコンが表示される流れについて説明をする。図134(a)は、アイコン表示演出にて最初のアイコンが表示された場合の表示画面の一例を示した図であり、図134(b)は、アイコン表示演出にて全てのアイコンが表示された場合の表示画面の一例を示した図である。
図134(a)に示した通り、アイコン表示演出として最初に表示されるアイコン812aが、図133(b)にて強調表示態様で表示された領域811aに表示される。本制御例では、主表示領域Dmのうち、アイコンが表示される領域が破壊され、中からアイコンが飛び出してくるようなアニメーションが実行された後に、アイコン812aが表示されるため、領域811aの表示態様、即ち、アイコンが表示された領域を示す表示態様を、他の領域を示す表示態様と異ならせている。
そして、次にアイコンが表示される表示箇所を示唆するための強調表示態様で、領域811cが表示されると共に、図133(b)に示した表示画面では、示唆態様にて表示されていなかった領域811dが、示唆態様で表示される。このように、アイコン表示演出が進行するにつれて、アイコン表示演出にてアイコンが表示される順序や、アイコンが表示される表示箇所に関する情報を追加することにより、アイコン表示演出が実行されてからも、アイコン表示演出の最終的な結果を予測させる楽しみを提供することができる。
また、表示されるアイコンの種別を把握しながら、示唆態様の内容を把握させることができるため、アイコン表示演出を複合的に楽しむことができる。詳細な説明は後述するが、図134(a)に示した例では、アイコン表示演出の最初にされるアイコンの表示態様として、アイコンの表示態様として最も一般的な「四角形状」が表示されている。本制御例では、アイコン表示演出にて表示されるアイコンの種別に対しても表示のされ易さを異ならせており、表示されにくい種別のアイコンは、特別図柄抽選の結果が外れの場合よりも大当たりの場合のほうが表示され易くなるように構成している。これにより、アイコン表示演出において、表示されるアイコンの個数、及び、表示箇所だけでは無く、表示される種別についても遊技者に興味を持たせることができる。
また、アイコンの表示箇所と、アイコン種別との組合せに基づいて大当たり当選の期待度を可変させたり、アイコンの表示個数とアイコン種別との組合せに基づいて大当たり当選の期待度を可変させたり、表示されるアイコン種別の組合せに基づいて大当たり当選の期待度を可変させたりするように構成しても良い。これにより、連打演出が進行するにつれ、即ち、実際に表示されたアイコンの種別や表示箇所を把握しながら演出結果を予測することができるため、遊技者に対してより興味を持たせることができるという効果がある。
そして、図134(a)で示した図から、所定時間が経過すると、示唆態様で表示された4つの領域(領域811a〜領域811e)の全てに対してアイコンが表示される。具体的には、2番目に表示されるアイコンは、領域811aに近接する領域811cであって、次いで、811b、811dの順でアイコンが表示される。本制御例の図134(b)に示した例では、アイコンの表示順序が領域811a、領域811c、領域811b、領域811dの順に設定されており、領域811aにはアイコン種別として「四角形状」のアイコン812aが、領域811bにはアイコン種別として「ひし形形状」のアイコン812bが、領域811cにはアイコン種別として「丸形状」のアイコン812cが、領域811dにはアイコン種別として「Vサイン形状」のアイコン812dが表示されている。
詳細は後述するが、本制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選している場合のほうが、大当たり当選していない場合(外れ当選している場合)よりも、「Vサイン形状」のアイコン812dが表示され易くなるように構成している。そして、この「Vサイン形状」のアイコン812dがどのタイミングで、且つ、どの表示箇所に表示されるかを遊技者に分かり難くするために、アイコン種別と、表示箇所と、表示順序と、を別個独立して選択し、それぞれ選択した内容を組み合わせたアイコン表示演出を実行可能に構成している。よって、遊技者に対してアイコン表示演出の演出内容について継続して興味を持たせることができる。
なお、本制御例では、アイコン表示演出にて表示された各アイコンをアイコン表示演出が終了するまで継続して表示するように構成しているが、これに限ること無く、一度表示されたアイコンが所定期間経過後に消去されるように構成しても良く、例えば、次のアイコンが表示された後に、前に表示されたアイコンが消去されるように構成すると良い。このように構成することで、アイコン表示演出中にアイコンが1つも表示されない期間が発生してしまうことを抑制しながらも、継続してアイコン表示演出を注視しなければアイコン表示演出の演出結果を把握し難くすることができるため、演出効果を高めることができる。
次に、図135を参照して、アイコン表示演出の別パターンについて説明をする。図135は、アイコン表示演出として、アイコンの表示箇所が重複して設定された場合の表示画面の一例を示した図である。図135に示したアイコン表示演出は、上述した図134(b)と、アイコン表示個数及びアイコン種別が同一で、アイコン表示順序のみ異ならせたものである。具体的には、上述した図134(b)では、アイコンの表示順序が領域811a、領域811c、領域811b、領域811dの順に設定されていたのに対して、図135では、アイコンの表示順序が領域811a、領域811c、領域811a、領域811c、の順に設定されている。
本制御例では、アイコンの表示箇所が重複して選択された場合には、先に選択された表示順に対応するアイコン種別のみ表示されるように構成している。よって、アイコン種別として選択されていた3個目のアイコン(「ひし形形状」のアイコン812b)と、4個目のアイコン(「Vサイン形状」のアイコン812d)が表示されないアイコン表示演出が実行されることになる。これにより、内部的には、4個のアイコンを表示可能で、且つ、「Vサイン形状」のアイコン812dを表示可能としているアイコン表示演出、即ち、特別図柄抽選で大当たり当選している可能性が高いことを示すためのアイコン表示演出を実行可能な状態であるにも関わらず、実際に実行されるアイコン表示演出の演出態様として、2個のアイコンのみが表示され、且つ、大当たり当選の期待度が高くないアイコン種別のみが表示されるアイコン表示演出が実行されることになる。
よって、特別図柄抽選の結果に対して、実行されるアイコン表示演出の演出態様を複雑に設定することが可能となるため、遊技者に遊技結果を予測させ難い演出を提供することができる。また、特別図柄抽選の結果が外れである場合に実行されるアイコン表示演出として、内部的にも、2個のアイコンのみを表示可能とし、且つ、大当たり当選の期待度が高くないアイコン種別のみを表示するアイコン表示演出が実行された場合にも、遊技者に対してアイコン表示演出におけるアイコン表示箇所が重複したため、2個のアイコンのみが表示されるアイコン表示演出が実行されたのではと思わせることができる。これにより、アイコン表示演出が終了するまで遊技者に大当たり当選への期待感を持たせたまま遊技を行わせることができる。
なお、図135に示した例によれば、アイコン表示演出におけるアイコン表示箇所が重複した場合に、先に設定されたアイコンを表示するように構成しているが、これに限ること無く、後に設定されたアイコンを表示するように構成しても良いし、表示箇所が重複したアイコンの種別を判別可能な判別手段を設け、選択され易いアイコン種別と判別されたアイコンを表示するように構成しても良いし、選択され難いアイコン種別と判別されたアイコンを表示するように構成しても良い。また、表示箇所が重複したアイコンを融合させた融合アイコンを生成し、その融合アイコンを表示するように構成しても良い。
次に、図136から図138を参照して、本制御例における遅れ演出の内容について説明をする。本制御例では、枠ボタン22を遊技者に操作させ、その操作結果に応じて第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様を可変させながら、その可変態様に対応させて音声出力装置226から音声を出力させる演出(操作演出)を実行可能に構成している。さらに、その操作演出が実行される場合に、所定の遅延条件(例えば、遅れ演出を実行するか否かを判定する判定手段が遅れ演出を実行すると判定した場合に成立する遅延条件)が成立すると、枠ボタン22への操作に対して、表示態様の可変タイミング、又は音声出力タイミングの一方、或いは両方を遅らせる遅れ演出を実行可能に構成している。
上述した遅れ演出は、実行される各演出(表示態様を可変させる表示演出、音声を出力する音声演出)の内容を変えること無く、実行タイミングのみを異ならせることにより、遊技者に違和感を提供させるものであり、その違和感に気付いた遊技者のみ遅れ演出が実行されたことを把握可能とするものであり、その恩恵として、遊技者に有利な特典(例えば、大当たり当選)が高確率で付与されることを示す演出として近年用いられている。
しかしながら、遊技者が有利な特典が高確率で付与される演出として用いる以上、その発生頻度(実行頻度)は低く、一日中遊技を行ったとしても1回又は2回程度しか実行されることが無いものであった。このように実行頻度が低く、且つ、各演出の内容が変わらない遅れ演出に対して、従来は、各遅れ演出のパターンに対応した演出データ、即ち、枠ボタン22を操作されてから、表示演出が実行されるまでの待機期間に対応する表示画像データを含む表示データ、及び、音声演出が実行されるまでの待機期間に対応する音声を含む音声データを有する遅れ演出専用の演出データを予め用意しておく必要があり、実行頻度に対して、演出データの容量が大きくなってしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、遅れ演出を実行させる場合において、枠ボタン22が操作されてから、その枠ボタン22への操作に対する演出が実行されるまでに待機期間を設定可能に構成し、その設定された待機期間を経過したと判別した場合に、操作演出を実行するように構成している。つまり、操作演出が実行されるタイミングを枠ボタン22の操作タイミングから遅らせるように構成している。
このように構成することで、遅れ演出専用の演出データを設けること無く、遅れ演出を実行することができる。また、本制御例では、枠ボタン22が操作されてから操作演出が実行されるまでの待機期間として異なる長さの待機期間を設定可能に構成している。加えて、本制御例では、上述した待機期間を、表示演出と、音声演出とでそれぞれ設定可能に構成している。即ち、遅れ演出が実行される場合において、表示演出の遅れ期間の長さと、音声演出の遅れ期間の長さと、を異ならせることができる。このように、待機期間の長さを変更するだけで、遅れ演出における遅れタイミングを複数設定可能とし、遅れ演出のバリエーションを増加させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
まず、図136を参照して、本制御例にて実行される操作演出の一例について説明をする。図136(a)は、操作演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図136(b)は、操作演出の演出結果として表示される表示画面の一例を示した図である。まず、操作演出が実行されると、図136(a)に示した通り、主表示領域Dmの中央部に宝箱810が表示され、副表示領域Dsに「ボタンPUSHで宝箱を開けるんだ!!」のコメントが表示される。そして、主表示領域Dmに形成される表示領域HR2には、枠ボタン22への操作を促す表示態様であるボタン803と、枠ボタン22への操作を有効に受け付ける期間を示すためのタイムゲージ804と、が表示される。なお、この表示領域HR2に表示される表示態様は、上述した連打演出における表示態様(図130(a)参照)と同一であり、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図136(a)の第3図柄表示装置81の表示面を模した図の横には、枠ボタン22及び音声出力装置226の状況を示す模式図が示されており、図136(a)の状況では、枠ボタン22が操作されていない状況と、音声出力装置226から操作演出の演出結果を示す音声が出力されていない状況を示す模式図を示している。
そして、操作演出が実行された後に、遊技者が枠ボタン22を操作すると、図136(b)に示した通り、主表示領域Dmの中央部に表示された宝箱810が開き、中から演出結果を示すための結果表示態様810aとして「チャンス」の文字が表示される。そして、副表示領域Dsにも「チャンス!!」のコメントが表示される。図136(b)に示した状態は、枠ボタン22が操作された状態であり、音声出力装置226から操作演出の演出結果を示す音声(「パッカーン」)が出力されている状態であり、表示領域HR2から枠ボタン22への操作を促す表示態様が消去されている。
上述した通り、通常の操作演出であれば、操作演出中(タイムゲージ804に残時間領域804bが表示されている期間中)に遊技者が枠ボタン22を操作することで、その直後に、操作演出の演出結果として、宝箱810が開放する表示演出と、その表示演出における表示態様の可変状況に対応させたタイミングで、宝箱810が開放したことを示す音声(「パッカーン」)が出力される。これにより、視覚と聴覚に対して一体感のある演出を実行させることができる。
次に、図137及び図138を参照して、操作演出に対して遅れ演出が実行された場合(遅れパターンが設定された場合)の演出の内容について説明をする。図137(a)は、操作演出に対して遅れパターンが設定された場合における枠ボタン22を操作した場合の表示画面の一例を模式的に示した模式図であって、図137(b)は、操作演出に対して遅れパターンが設定された場合において、枠ボタン22を操作してから0.8秒後の表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
まず、操作演出に対して遅れパターンが設定された状態で枠ボタン22を押下した場合には、図137(a)に示した通り、音声出力装置226から箱810が開放したことを示す音声(「パッカーン」)が出力されるが、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様は、操作演出が実行され枠ボタン22が操作されていない場合に表示される表示態様(図136(a)参照)が引き続き表示される演出が実行される。そして、今回の遅れパターンとして設定された遅れ期間(0.8秒)が経過すると、図137(b)に示した通り、操作演出の演出結果を示す表示態様(図136(b)参照)が第3図柄表示装置81の表示面に表示される。
つまり、上述した図137にて説明をした遅れパターンは、表示演出を0.8秒遅らせて、音声演出を0秒遅らせた(遅らせない)遅れパターンである。このように遅れ演出を実行することにより、遊技者に違和感のある演出を実行させることができる。また、図137(b)に示した表示態様が表示された後の演出状況は、遅れ演出が実行されなかった場合の演出状況(図136(b)参照)と同一となるため、遊技者は、表示演出が実行されずに音声演出のみが実行される短期間にて遅れ演出が実行されたか否かを判別する必要があり、遊技者に対して操作演出の演出内容を注視させることができる。
また、図137に示した演出例では、遊技者が枠ボタン22を操作した直後に音声出力装置226から音声が出力されるため(音声演出が実行されるため)、枠ボタン22が適正に操作されたことを遊技者に分かり易く報知することができるが、これに限ること無く、操作演出の遅れパターンとして、表示演出及び音声演出の両方に対して遅れ期間を設定するように構成しても良い。
また、図137(a)に示した状態は、実際には枠ボタン22が既に押下されている状態であるが、表示領域HR2にボタン803とタイムゲージ804とが継続して表示されるように構成している。そして、枠ボタン22が操作されていない場合と同様に、タイムゲージ804の表示態様が可変される。即ち、残時間領域804bが減少される表示態様が表示される。即ち、枠ボタン22が操作されなかった場合の表示態様が継続して表示される。このように、操作演出の遅れパターンが設定された場合において、枠ボタン22が操作されると、その遅れ期間中は、枠ボタン22が操作されなかった場合と同一の表示態様が継続して表示されるように構成することで、遅れ期間中の演出態様として遊技者に違和感を与えることの無い演出態様を新たな演出を用いること無く実行することができる。また、異なる長さの遅れ期間が設定された場合であっても、枠ボタン22が操作されなかった場合と同一の表示態様が継続する期間の長さを可変するだけで良い。
ここで、例えば、操作演出の残演出期間(タイムゲージ804の残時間領域804b示す期間)が殆ど無い状態(具体的には、0.8秒未満の状態)で枠ボタン22を操作し、遅れパターンが設定された場合には、その遅れ期間中に、操作演出の残演出期間が0になるため、枠ボタン22が操作されなかった場合と同一の表示態様を遅れ期間中継続して表示することができないという問題がある。
そこで、本制御例では、現在が遅れ期間中であるか否かを判別可能にし、操作演出の残演出期間が0になった場合に遅れ期間中であるか否を判別し、遅れ期間中であると判別した場合に、特定演出を実行可能に構成している。
次に、この特定演出の演出内容について、図138を参照して説明をする。図138は、特定演出の演出内容を模式的に示した模式図である。図138に示した通り、特定演出が実行された場合には、現在が遅れ期間中であることを遊技者に報知するための「遅れ発生中」のコメントが副表示領域Dsに表示されると共に、主表示領域Dmの中央部には閉じている宝箱810の周りに特殊エフェクト(図では星印で表示)が表示され、表示領域HR2に表示されるボタン803の周りにも特殊エフェクト(図では星印で表示)が表示される。また、この特定演出が実行されるタイミングは操作演出の演出期間が0になっているため、残時間領域804bが無いタイムゲージ804が表示される。そして、特定演出の実行タイミングに合わせて、音声出力装置226から今回の操作演出の対象となる特別図柄抽選の結果に基づく音声態様として「チャンス」の音声が出力される。この音声態様は、実際の特別図柄抽選の結果に基づいて可変するものであり、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、特別図柄抽選の結果を示唆するための音声(例えば、チャンス、大チャンス、激アツ等)が出力され易く、特別図柄抽選の結果が外れである場合には、遅れ演出が実行されていることを遊技者に報知するための音声(例えば、遅れ発生等)が出力され易くなるように構成すれば良い。
このように構成することで、遊技者に対して、操作演出中のどのタイミングで枠ボタン22を操作するかを選択する楽しみを提供することができる。なお、本制御例では、設定される遅れ期間中に操作演出の演出期間(枠ボタン22を操作可能な有効期間)が経過した場合において、上述した特定演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、遅れ期間中であっても、操作演出の演出期間が経過した時点で遅れ期間をリセットして操作演出の演出結果を表示するように構成しても良い。このように構成することで、新たな演出データを用いる必要が無くなり、さらに、遅れ期間の長さをより複雑にすることができる。
また、上述した特定演出の実行条件を別に設けても良く、例えば、操作演出の演出期間の残期間が所定期間以上である場合に、遅れ期間が設定された場合に成立する実行条件を設けても良いし、特別図柄抽選の結果が大当たり当選している特別図柄変動中に実行される操作演出のみ特定演出が実行されるように構成しても良い。
以上、図136から図138を参照して、本制御例における遅れ演出の一例について説明をしたが、遅れ演出の演出態様は上述した内容に限られるものでは無く、表示演出よりも音声演出の実行タイミングのほうが遅れるように遅れパターンを設定しても良い。また、本制御例では、1回の特別図柄変動期間内で実行される操作演出に対して遅れパターンを設定した場合に、その特別図柄変動期間内で遅れパターンの操作演出が完了するように構成しているが、これに限ること無く、遅れパターンが設定された場合において、複数の特別図柄変動を跨ぐように操作演出が実行されるように構成しても良い。この場合、例えば、操作演出の実行中に新たに獲得した特図保留の入賞情報を事前に判別する事前判別処理を実行し、その事前判別処理の結果が大当たり当選するという結果である場合に、遅れパターンを設定するように構成すると良い。さらに、遅れパターンとして設定される遅れ期間を、最長で事前判別にて大当たり当選するという事前判別結果となった特図保留に対応する特別図柄変動の特定タイミングまで設定可能とすることにより、遊技者に対して意外性のある長さの遅れ演出を実行することができる。加えて、複数の特別図柄変動を跨ぐように遅れ演出を実行する場合には、遅れ演出が実行される特別図柄変動に対応する演出として、同一の操作演出が実行されるように構成すると良い。これにより、遅れ期間が経過した後に実行される操作演出の演出結果を遊技者に違和感無く提供することができる。
次に、図139から図144を参照して、集合演出及びバトル演出の演出内容について説明をする。本制御例では、特別図柄の抽選結果を示すための演出として、特別図柄変動の変動期間に対応させた変動演出を実行可能に構成している。さらに、その変動演出の一つとして、第3図柄表示装置81の表示面を用いた変動表示演出を実行可能に構成している。そして、変動表示演出の一つとして、集合演出とバトル演出とを実行可能に構成している。
本制御例では、1の特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動期間内に実行される変動表示演出として、その変動表示演出の前半期間に集合演出を実行し、その変動表示演出の後半期間に、集合演出の演出結果に対応させた演出態様でバトル演出を実行するように構成している。このように、変動表示演出の前半期間に実行される演出の結果に応じて、後半期間に実行される演出態様を可変させるように構成することで、所定期間継続して実行される変動表示演出を継続して注視させることができる。
まず、本制御例のパチンコ機10にて実行される変動表示演出のうち、前半期間に実行される集合演出の内容について、図139から図141を参照して説明をする。集合演出は、複数のキャラクタ(味方キャラ)を集合させるための演出であって、この集合演出にて集合した味方キャラの数に応じた演出態様で後半期間のバトル演出が実行される。本制御例では、集合演出にて集合した味方キャラの数が多いほうが、少ない場合よりも、対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選となり易くなるように構成している。よって、集合演出が実行された場合には、より多くの味方キャラが集合することを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。
本制御例では、第3図柄表示装置81の表示面(主表示領域Dm)にて変動表示される第3図柄の表示態様を可変させて、集合演出を実行するように構成しており、主表示領域Dmにて変動表示される各図柄列L1〜L3が、異なる種別の味方キャラに対応する第3図柄を有した状態で変動表示される。そして、集合演出中に停止表示(見た目上停止したように見える仮停止表示も含む概念であり、以下に記載する停止表示も同様)した第3図柄の中に、味方キャラに対応する第3図柄が含まれている場合に、その停止表示した味方キャラが集合したことを示す演出が実行される。
集合演出にて第3図柄が停止表示される回数は、集合演出の演出期間に対応して異なっており、集合演出の演出期間として長い演出期間が設定される場合のほうが、第3図柄が停止表示される回数が多くなるように構成している。このように、第3図柄が停止表示される回数を実行される集合演出に応じて可変可能に構成することで、どの程度の数の味方キャラを獲得する(集合させる)ことができるのかを遊技者に分かり難くすることができるため、集合演出が終了するまで、より多くの味方キャラが集合することを期待させながら遊技を行わせることができる。
さらに、本制御例では、変動表示される各図柄列L1〜L3に対して、異なる種別の味方キャラが設定されるように構成している。このように構成することで、各図柄列L1〜L3がどの表示態様で停止表示されるのかについて興味を持たせることができる。また、本制御例では、各図柄列に対して設定される味方キャラの数を異ならせており、具体的には、中図柄列L2に対して、他の図柄列(左図柄列L1、右図柄列L3)よりも多くの味方キャラが設定されるように構成している。
このように構成することで、遊技者は、多くの味方キャラが設定されている図柄列に対して、味方キャラに対応する第3図柄が停止表示されることを強く意識しながら集合演出を見ることになるため、演出効果を高めることができる。例えば、集合演出として第3図柄を停止表示させる回数が2回に設定され、左図柄列L1に1種類(キャラ1)、右図柄列L3に1種類(キャラ2)の味方キャラが、中図柄列L2に2種類(キャラ3、キャラ4)の味方キャラが設定された場合において、今回の変動演出にて4種類(キャラ1〜キャラ4)の味方キャラを集合させるには、1回目の第3図柄停止表示タイミングにおいて、少なくとも、中図柄列L2にキャラ3、或いはキャラ4が停止表示される必要があり、左図柄列L1、右図柄列L3には味方キャラが停止表示される必要は無い。よって、どのタイミングでどの図柄列にどの味方キャラが停止表示されるのかについて遊技者に興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
次に、本制御例にて実行される集合演出の具体的な演出内容について説明をする。図139(a)は、集合演出が開始された場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した図であって、図139(b)は、集合演出にて獲得可能な味方キャラが表示された表示画面の一例を示した図であって、図140(a)は、集合演出にて味方キャラを獲得した場合の表示画面の一例を示した図であって、図140(b)は、集合演出の終了画面の一例を示した図である。
図139(a)に示した通り、集合演出が実行される場合には、図柄列L1〜L3に設定される第3図柄の表示態様が可変され、左図柄列L1の第3図柄が停止表示される左第3図柄表示領域901aに付随するように、予備図柄が表示される左予備図柄表示領域900aが形成される。同様に、中図柄列L2の第3図柄が停止表示される中第3図柄表示領域901bに付随するように、中予備図柄が表示される中予備図柄表示領域900bが形成され、右図柄列L3の第3図柄が停止表示される右第3図柄表示領域901cに付随するように、右予備図柄が表示される右予備図柄表示領域900cが形成される。
そして、図139(a)のように、左予備図柄表示領域900aに対して「大」の文字が、中予備図柄表示領域900bに対して「集」の文字が、右予備図柄表示領域900cに対して「合」の文字が停止表示された場合に、集合演出が開始され、副表示領域Dsには集合演出が実行されたことを示す「集合演出開始」の文字が表示される。
なお、図139(a)に示した例は、集合演出の開始タイミングを表示するものであり、各予備図柄表示領域900a〜900cに、集合演出が開始されることを示すための予備図柄が停止表示されている表示画面について説明をしたが、この各予備図柄表示領域900a〜900cは、それ以外の演出で用いても良く、例えば、連続して実行される変動演出を跨いだ演出(連続演出)を実行する場合において、各予備図柄表示領域900a〜900cに連続演出が実行されていることを示すための表示態様(例えば、「連続中」の文字)で各予備図柄を停止表示させたり、現在設定されている遊技状態を示すための表示態様(例えば、「確変中」の文字)で各予備図柄を停止表示させたりするように構成しても良い。
また、集合演出が実行されるか否かを煽る演出として予備図柄を用いても良く、例えば、各図柄列L1〜L3の停止表示タイミングに対応させて各予備図柄表示領域900a〜900cに予備図柄を停止表示される場合において、最初に停止表示される左予備図柄表示領域900aに「大」、次に停止表示される右予備図柄表示領域900cに「合」の予備図柄を停止表示させ、最後に停止表示される中予備図柄表示領域900bに「バツ印」の予備図柄を停止表示させるように構成しても良い。このように構成することで、各予備図柄表示領域900a〜900cの停止表示態様に応じて、集合演出が実行されるか否かを遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
なお、本制御例では、図139(a)に示した集合演出の開始タイミングでは、第3図柄は通常の表示態様で停止表示されるように構成している。そして、第3図柄の停止表示態様に関わらず、予備図柄が停止表示されるように構成している。このように構成することで、集合演出が開始される場合の表示制御として、第3図柄に対して専用の停止表示制御や、専用の第3図柄種別を用いる必要が無くなり、表示制御の処理負荷を軽減させることができる。
本制御例では、集合演出の開始を示す予備図柄の停止表示タイミングにて第3図柄も停止表示(仮停止)されるように構成することで、集合演出が開始されることを遊技者に分かり易くすることができるように構成しているが、これに限ること無く、第3図柄が変動表示されている際中に予備図柄のみ停止表示させるように構成しても良い。このように構成することで、第3図柄の停止表示タイミングに関わらず予備図柄を停止表示させることができるため、集合演出を様々なタイミングで開始させることができる。また、集合演出の開始タイミングに合わせて第3図柄を停止表示(仮停止)させるための停止表示制御を実行する必要が無く、表示制御の処理負荷を軽減させることができる。
また、本制御例では、複数のタイミングで図139(a)に示した集合演出の開始を示す表示画面を表示可能に構成しており、例えば、実行中の特別図柄変動の次に実行される特別図柄変動の開始タイミングから集合演出を実行する場合には、実行中の特別図柄変動の停止タイミングに対応する第3図柄の停止表示タイミングにて集合演出の開始を示す表示態様で予備図柄が停止表示され、実行中の特別図柄変動にて集合演出を実行する場合には、当該特別図柄変動に対応する第3図柄の変動表示中における複数のタイミングにて予備図柄が停止表示させることができるように構成している。このように構成することで、集合演出の演出期間を容易に可変させることができる。なお、図139(a)では、特別図柄変動の変動表示中の特定タイミングにて予備図柄が停止表示された場合を示しているため、主表示領域Dmの右上側に形成された表示領域Dm1にて特別図柄変動に対応する第4図柄が変動表示されている。
次いで、集合演出が開始されると、図139(b)に示した様に、集合演出の表示画面が表示される。集合演出が開始されると、主表示領域Dmの左側に表示領域HR5が形成される。この表示領域HR5は、獲得した(集合した)味方キャラが表示される表示領域であって、実行される集合演出の演出態様に応じて、味方キャラの最大獲得可能数に対応した獲得可能表示枠(図では、7個の表示枠を点線で表示)が表示されている。図139(b)に示した時点では、味方キャラを1つも獲得していない状況であるため、表示領域HR5には獲得済みの味方キャラが表示されていない。
このように表示領域HR5を形成し、獲得可能表示枠と、獲得済みの味方キャラを表示することにより、今回の集合演出にて最大で何体の味方キャラを獲得できるのかを予め遊技者に報知することができるため、集合演出の演出内容の評価をし易くすることができる。さらに、既に獲得した味方キャラの数と種別とを履歴として表示することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。また、主表示領域Dmの右下側には、表示領域HR6が形成され、今回の集合演出にて獲得可能な味方キャラの最大数と、獲得済みの味方キャラの数とが数値情報で表示される情報表示態様が表示されるように構成しており、図139(b)の状態では、獲得可能な味方キャラの最大数が「7」、獲得済みの味方キャラの数が「0」である状況を示す情報表示態様として「0/7」が表示されている。
集合演出が実行されると、各第3図柄表示領域901a〜901cに停止表示される第3図柄の表示態様として集合演出専用の表示態様が設定される。具体的には、各味方キャラに対応する表示態様の第3図柄と、味方キャラに対応しない表示態様の第3図柄とが停止表示されるように構成している。そして、各予備図柄表示領域900a〜900cにて変動表示される予備図柄よりも先に各第3図柄表示領域901a〜901cにて変動表示される第3図柄が停止表示する。
図139(b)では、左第3図柄表示領域901aと、右第3図柄表示領域901cに、味方キャラに対応しない表示態様の第3図柄(図では「?」で表示)が停止表示され、中第3図柄表示領域901bに、味方キャラに対応した表示態様の第3図柄として、「トリ」を模した表示態様の第3図柄が停止表示されている。この時点では、上述した通り、予備図柄が変動表示中であるため、集合演出にて第3図柄に停止表示された味方キャラを獲得していない状態ではあるが、味方キャラを獲得することを示す表示態様で予備図柄が停止表示された場合に、獲得される味方キャラを予め報知している状態となる。
このように構成することで、集合演出にて味方キャラの獲得に成功した場合に獲得される味方キャラの数と、種別と、を事前に遊技者に報知することができるため、遊技者に対して、今回実行される集合演出の演出内容を段階的に報知することができる。また、集合演出の実行中において、第3図柄にて味方キャラに対応した表示態様を複数表示させた状態で、味方キャラの獲得に失敗したことを示す表示態様で予備図柄を停止表示させることにより、実際に獲得できない味方キャラに対応する第3図柄を停止表示させることが可能となる。よって、集合演出専用の表示態様である第3図柄の画像データを有効に用いた演出を実行することができる。
その後、味方キャラを獲得することを示す表示態様で予備図柄が停止表示されると、図140(a)に示した表示画面が表示される。図140(a)では、味方キャラを獲得することを示す予備図柄の表示態様として、左予備図柄表示領域900aに「大」、中予備図柄表示領域900bに「集」、右予備図柄表示領域900cに「合」の文字が停止表示される。そして、集合演出として、既に中第三図柄表示領域901bに停止表示されていた「トリ」を模した表示態様に対応する味方キャラ(トリキャラ)を獲得したことを示す案内表示として副表示領域Dsに「トリGET!!」のコメントが表示される。
また、表示領域HR5には、獲得済みの味方キャラを示すために「トリ」のを模した簡易表示態様が、上から5個目の表示枠に表示される。ここで、本制御例では、獲得可能な味方キャラに対して、所定の順序が予め付されており、表示領域HR5に表示される複数の表示枠のうち、予め付されている順序に対応する位置に獲得した味方キャラが表示されるように構成している。即ち、図139(b)に示した表示領域HR5の状態では、今回の集合演出にて獲得可能な味方キャラの総数のみを遊技者に報知しているが、図140(a)に示した通り、1の味方キャラを獲得した場合には、その獲得した味方キャラが表示される表示枠の場所によって、実行中の集合演出において獲得可能な味方キャラの種別を遊技者に予測させることが可能となる。
よって、集合演出が進展するに従って、集合演出の演出態様をより詳細に予測することが可能となるため、遊技者に対して実行される演出の内容について継続して興味を持たせることができる。
なお、本制御例では、表示領域HR5に表示される各表示枠の形状を全て同一の例を示しているが、これに限ること無く、例えば、各表示枠に対応する味方キャラを予測可能な程度に表示枠の形状を異ならせても良い。また、各表示枠に対応する味方キャラを予測可能な補足情報を表示させるように構成しても良い。このように構成することで、集合演出が開始された直後から、今回の集合演出にて獲得可能な味方キャラの種別を遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
また、本制御例では、上述した通り、予め付されている順序に対応する位置に獲得した味方キャラが表示されるように構成しているが、これに限ること無く、味方キャラを獲得した順に並べて表示されるように構成しても良いし、獲得した味方キャラの種別によって、特別図柄抽選で大当たり当選している可能性を異ならせている場合には、大当たり当選の可能性が高い順に、獲得した味方キャラが並べて表示されるように構成しても良い。
さらに、本制御例では、集合演出が開始された直後から表示領域HR5にて実行中の集合演出にて獲得可能な味方キャラの総数を遊技者に報知するように構成しているが、これに限ること無く、実行中の集合演出にて獲得可能な味方キャラの総数の一部のみを遊技者に報知し、集合演出が進行するにつれて、表示領域HR5に表示される表示枠の数を増加させることで、集合演出にて獲得可能な味方キャラの数を増加させるように構成しても良い。これにより、集合演出が実行された直後に獲得可能な味方キャラの数が少なく報知された場合であっても、途中で報知数が増加される可能性があるため、遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
本制御例では、集合演出の演出期間内に、味方キャラを獲得するタイミング、即ち、予備図柄を「大集合」で複数回停止表示可能に構成している。そして、味方キャラを複数回獲得した後に、図140(b)に示した通り、予備図柄が「大集合」とは異なる表示態様で表示された場合に、集合演出が終了する。
図140(b)では、表示領域HR5、及び表示領域HR6に表示されている通り、「ゾウ」、「ジュゴン」、「トリ」、「クマ」の合計4体の味方キャラを獲得済みの状態を示しており、情報表示態様として「4/7」が表示されている。そして、左第3図柄表示領域901aに「?」、中第3図柄表示領域901bに「イノシシ」、右第3表示領域901cに「サイ」を示す第3図柄が停止表示されており、左予備図柄表示領域900aに「大」、中予備図柄表示領域900bに「バツ印」、右予備図柄表示領域900cに「合」の予備図柄が停止表示されている。
つまり、各予備図柄が変動表示中に、各第3図柄が停止表示され、味方キャラとして「イノシシ」と「サイ」を獲得し得ることを遊技者に煽った後に、左、右、中の順に停止表示される予備図柄が、「大」、「合」と停止表示され、味方キャラを獲得し得ることをより強調した後に、最後に「バツ印」が停止表示された状態を示している。このように集合演出を終了させる演出を実行する場合においても、集合演出が終了するのか、それとも、味方キャラを獲得し、集合演出が継続するのかを遊技者に最後まで予測させ難くすることにより、遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
図140(b)に示した通り、本制御例における集合演出では、集合演出が終了することを報知するための予備図柄の表示態様(「大」、「バツ印」、「合」)の一部を、味方キャラを獲得する場合の表示態様(「大」、「集」、「合」)と同一にしているが、これに限ること無く、例えば、集合演出が終了することを報知するための予備図柄の表示態様を、味方キャラを獲得する場合の表示態様とは全く異なる表示態様(例えば、「E」、「N」、「D」)とし、集合演出が終了することを報知するための予備図柄の表示態様と一部の表示態様を異ならせた継続表示態様(例えば、「E」、「?」、「D」)を表示可能に構成しても良い。
この場合、集合演出中に左予備図柄表示領域900aに「E」が停止表示された時点で、味方キャラを獲得することが出来ないことが確定し、集合演出が終了するか否かに対してのみ遊技者が興味を持つことになる。即ち、味方キャラが増加しない演出結果であっても、遊技者に有利な演出結果を提供することができる。よって、限られた上限数までしか味方キャラを獲得することができない集合演出を実行する場合において、予備図柄を停止表示させる回数を増加させることが可能となり、演出効果を高めることができる。
また、予備図柄を継続表示態様で停止表示可能に構成した場合は、第3図柄が停止表示されていない状態で予備図柄のみを停止表示させるように表示制御を実行しても良い。これにより、予備図柄を停止表示させる頻度を高めることができる。さらに、上述した継続表示態様が所定回数(例えば、2回)連続して停止表示された場合には、次に停止表示される予備図柄が味方キャラを獲得する場合の表示態様(「大」、「集」、「合」)で停止表示される(停止表示される可能性が高くなる)ように構成すると良い。このように構成することで、継続表示態様で予備図柄が停止表示された場合に、単に、集合演出が継続するだけで無く、味方キャラを獲得する期待度を高めることができるため、集合演出の演出効果をより高めることができる。
図140(b)に示した通り、集合演出が終了することが予備図柄の停止表示態様にて報知されると、副表示領域Dsには、集合演出にて獲得した味方キャラを用いた次の演出が実行されることを案内するための案内表示態様として「バトル開始」のコメントが表示される。そして、バトル演出が実行される。なお、バトル演出の内容については、図142から図144を参照して後述する。
ここで、本制御例では集合演出を実行する場合において、独立して様々な演出内容を選択し、独立して選択された複数の演出内容を組み合わせた演出態様で集合演出を実行するように構成している。これにより、集合演出にて実行される演出パターン毎にそれぞれ演出データ(画像データ)を設ける場合に比べて、少ない演出データを用いてバリエーションに富んだ集合演出を実行することが可能となる。
具体的には、各図柄列L1〜L3のそれぞれに表示可能な味方キャラの種別は予め設定されており、集合演出が実行されることとなる変動パターンに応じて集合演出中に味方キャラを獲得する回数が予め設定されている。そして、今回の集合演出において獲得する味方キャラの総数と、種別とを、特別図柄抽選の結果(変動パターンコマンドの種別)に応じて独立して選択するように構成している。
よって、例えば、集合演出中に味方キャラを獲得する回数よりも、今回の集合演出にて獲得する味方キャラ種別のうち、1の図柄列にのみ設定される味方キャラ種別の数のほうが多い状況が発生する場合がある。つまり、独立して様々な演出内容を選択し、独立して選択された複数の演出内容を組み合わせた演出態様で所定の演出を実行する場合において、実行不可能(困難)な演出内容の組合せが生じてしまうという問題がある。
これに対して、本制御例では、独立して選択された複数の演出内容を組み合わせた結果が実現可能な演出態様であるか否かを判別し、その判別結果において実現不可能(困難)な演出態様であると判別した場合に、専用演出を実行し、独立して選択された複数の演出内容を組み合わせた結果を、遊技者に違和感無く提供することができるように構成している。このように構成することで、集合演出にて実行される演出パターン毎にそれぞれ演出データ(画像データ)を設ける場合に比べて、少ない演出データを用いてバリエーションに富んだ集合演出を不具合無く遊技者に提供することができる。
ここで、図141を参照して、上述した専用演出の内容について説明をする。図141(a)は、集合演出におけるラスト獲得チャンスを示唆する示唆画面の一例を示した図であり、図141(b)は、集合演出におけるラスト獲得チャンスの結果を示す表示画面の一例を示した図である。
本制御例では、独立して選択された複数の演出内容を組み合わせた結果が実現可能な演出態様であるか否かを判別し、その判別結果において実現不可能(困難)な演出態様であると判別した場合に実行される専用演出として、ラスト獲得チャンス演出を実行可能に構成している。このラスト獲得チャンス演出は、第3図柄の変動表示、及び停止表示に関わらず、味方キャラを獲得する演出が実行されるものであり、予め獲得することが設定されていた味方キャラのうち、図139、及び図140を参照して上述した集合演出の演出内容では獲得することが出来なかった味方キャラを獲得するための演出が実行される。
具体的には、図140(b)に示した集合演出の終了画面が表示された後、図141(a)に示した通り、第3図柄が揺動表示される。そして、副表示領域Dsにてラスト獲得チャンス演出が実行されることを示唆する案内表示態様として「動き出したらGETチャンス」のコメントが表示される。この図141(a)に示した状態で、第3図柄の変動表示が再開されると、ラスト獲得チャンス演出が実行され、図141(b)に示した通り、集合演出の終了画面(図140(b)参照)にて停止表示されていた味方キャラを獲得する演出が実行される。さらに、集合演出の終了画面(図140(b)参照)にて停止表示されていない味方キャラも追加表示され、追加表示された味方キャラも獲得する演出が実行される。
ラスト獲得チャンス演出が終了すると、図141(b)に示した通り、表示領域HR5、及び表示領域HR6に、ラスト獲得チャンス演出の演出結果も含めた集合演出の演出結果として「ゾウ」、「ジュゴン」、「サイ」、「トリ」、「クマ」、「イノシシ」の合計6体の味方キャラを獲得済みの状態が表示され、情報表示態様として「6/7」が表示される。そして、副表示領域Dsには、ラスト獲得チャンスにて獲得した味方キャラの数と、集合演出の後に実行される演出を案内するための案内表示態様として「ラストで2体GET!!バトル開始」のコメントが表示される。
このように、ラスト獲得チャンス演出を実行可能にすることで、独立して選択された複数の演出内容を組み合わせて集合演出を実行する場合において、その組合せ結果を遊技者に違和感を与えること無く提供することができる。なお、図141を参照して上述した演出例では、ラスト獲得チャンス演出が実行されることを示唆する示唆演出(図141(a)参照)が実行された後に、ラスト獲得チャンス演出が実行される例を示しているが、ラスト獲得チャンス演出が実行されることを示唆する示唆演出(図141(a)参照)が実行された後に、第3図柄を再度停止表示させることで、ラスト獲得チャンス演出を実行すること無く、集合演出が終了するように構成している。
これにより、ラスト獲得チャンス演出が実行されることを示唆する示唆演出(図141(a)参照)が実行された場合において、ラスト獲得チャンス演出が実行されるか否かに興味を持たせながら遊技を行わせることができる。
次に、図142から図144を参照して、バトル演出の演出内容について説明をする。このバトル演出は、集合演出が終了した後に実行される演出であって、集合演出の演出結果、即ち、集合演出にて獲得した味方キャラの数に応じた演出が実行される。このバトル演出では、集合演出にて獲得した味方キャラが敵キャラとバトルを実行する演出が実行される。
図142(a)は、バトル演出が開始された場合の表示画面の一例を示した図である。なお、図142(a)では、上述したラスト獲得チャンス演出(図141(b)参照)が実行された後に実行されるバトル演出について説明をする。図142(a)に示した通り、バトル演出が実行されると、主表示領域Dmの左側に表示領域HR7が形成され、事前に実行された集合演出にて獲得した味方キャラの数と、種別とを識別可能な表示態様として、「ゾウ」、「ジュゴン」、「サイ」、「トリ」、「クマ」、「イノシシ」の合計6体の味方キャラが表示されている。そして、表示領域HR7の上側には表示領域HR8が形成され、今回のバトル演出にて実行されるバトル回数を示す表示態様として「攻撃回数6回」が表示されている。つまり、今回のバトル演出では、集合演出にて獲得した味方キャラ6体が個々に敵キャラとバトルを行うバトル演出が実行されることを遊技者に報知している。このように、バトル演出の演出内容を遊技者が予め把握可能にすることで、バトル演出の進行具合を適正に判別することができ、分かり易い演出を実行することができる。
また、主表示領域Dmの右側には、バトル演出の敵キャラ(ボスキャラ)910が表示され、その近傍(下側)に、ボスキャラ910の体力値(HP)を示す体力ゲージ911が表示される。この体力ゲージ911は、現在の体力値(HP)を数値で示す数値表示態様(図では「1000」で表示)と、ゲージで示すゲージ表示態様とで構成されており、ゲージ表示態様は、残りの体力値(HP)を示す残HP表示態様911aと、既に消費されたHPを示す消費HP表示態様911b(図142(b)参照)とで表示される。
そして、体力ゲージ911には、残りの体力値(HP)がどの程度であるのかを遊技者が把握し易くするためのガイド表示として、残りの体力値(HP)が満タンであることを示す「MAX」と、残りの体力値(HP)が所定値であることを示す「200」と、残りの体力値(HP)が0であることを示す「0」とが表示されている。そして、バトル演出において減少させたボスキャラ910の体力値(HP)に応じて、バトル演出後に実行される演出態様や大当たり当選の期待度を遊技者に案内するためのガイド表示として、残りの体力値(HP)が所定値(200)まで減少した場合にはバトル演出後に、大当たり期待度が高めに設定してあるSPリーチが実行される旨を示す「SPリーチ」と、残りの体力値(HP)が0になった場合、即ち、バトル演出にてボスキャラ910を討伐した場合には大当たり当選の期待度が高いことを示す「大チャンス」とが表示されている。
このように構成することで、バトル演出の演出結果と、その後の遊技内容とを対応付けて把握することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。また、バトル演出においてボスキャラ910を討伐しなくても、残りの体力値(HP)を所定値まで減少させることで大当たり当選の期待度が高くなることを予め遊技者に把握させることができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
本制御例において実行されるバトル演出では、基本的には味方キャラ1体がボスキャラ910に攻撃をする攻撃演出が実行され、味方キャラの攻撃パターンとして弱攻撃と強攻撃の何れかを実行するように構成している。弱攻撃が実行された場合にはボスキャラ910の体力値(HP)が最低単位(例えば、100)減少し、強攻撃が実行された場合にはボスキャラ910の体力値(HP)が最低単位(例えば、100)よりも多く(例えば、200)減少するように構成している。
ここで、バトル演出において味方キャラがボスキャラ910を攻撃する攻撃演出の演出内容について図142(b)、及び図143(a)を参照して説明をする。図142(b)は、弱攻撃演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図143(a)は、強攻撃演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図142(b)に示した通り、バトル演出において攻撃演出が開始されると、表示流域HR7に表示されている味方キャラのうち、集合演出にて最初に獲得した味方キャラから順に攻撃が実行される攻撃演出が実行される。そして、攻撃演出に用いられた味方キャラを示す表示態様が表示領域HR7から消去され、表示領域HR8には残りの攻撃回数が減算された「残り5回」が表示される。図142(b)では、味方キャラ820として「トリ」が弱攻撃を実行しており、表示領域HR9には今回の攻撃(弱攻撃)によって減少したボスキャラ910の体力値を示す「−100」表示されると共に、体力ゲージ911の数値表示態様が「900」に減算表示され、残HP表示態様911aと消費HP表示態様911bとが現在のボスキャラ910の体力値(HP)である「900」に対応させた表示態様で表示される。また、副表示領域Dsには、今回の攻撃が弱攻撃であることを案内するための案内表示態様として「トリの攻撃!!」が表示されている。主表示領域Dmに表示されるボスキャラ910の表示態様は、攻撃を受けていない状態(図142(a)参照)に対して、若干可変表示(図では汗表示で表現)されるように構成している。このボスキャラ910の表示態様が、1回の攻撃演出で減少(消費)する体力値の大きさや、残りの体力値に応じて異なる表示態様へと可変表示されるように構成している。このようにボスキャラ910の表示態様を可変表示させることにより、バトル演出の演出内容を遊技者に視覚的に把握させることが可能となるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
次に、図142(b)に示した攻撃演出の後に実行される強攻撃演出の内容について図143(a)を参照して説明をする。図143(a)に示した通り、味方キャラ820として「クマ」が強攻撃を実行しており、表示領域HR9には今回の攻撃(強攻撃)によって減少したボスキャラ910の体力値を示す「−200」表示されると共に、体力ゲージ911の数値表示態様が「700」に減算表示され、残HP表示態様911aと消費HP表示態様911bとが現在のボスキャラ910の体力値(HP)である「700」に対応させた表示態様で表示される。また、副表示領域Dsには、今回の攻撃が強攻撃であることを案内するための案内表示態様として「クリティカルHIT!!」が表示されている。
また、攻撃演出に用いられた味方キャラを示す表示態様が表示領域HR7から消去され、表示領域HR8には残りの攻撃回数が減算された「残り5回」が表示される。そして、バトル演出にて予め定められた回数の攻撃演出が実行された結果、ボスキャラ910の体力値(HP)が0になると、図143(b)に示した表示画面が表示される。図143(b)は、バトル演出の演出結果として、ボスキャラ910を討伐した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図143(b)に示した通り、バトル演出における最後の攻撃演出(6回目の攻撃演出)として、味方キャラ820の「サイ」が強攻撃を実行し、ボスキャラ910の体力値(HP)が200減少したことで、ボスキャラ910が討伐される演出表示が実行される。
一方、バトル演出の演出結果として、ボスキャラ910を討伐することが出来なかった場合は、残りの体力値(HP)に応じて異なる演出が実行されるように構成しており、ボスキャラ910の残りの体力値(HP)が200以下の場合は、図144(a)に示した通り、ボスキャラ910が逃亡する演出表示が実行される。また、ボスキャラ910の残りの体力値(HP)が200よりも大きい場合は、ボスキャラ910が反撃をする反撃演出が実行され、バトル演出が終了すると共に、対応する特別図柄変動も停止表示する。
また、本制御例では、バトル演出の演出態様として、所定条件が成立した場合に、複数の味方キャラが同時にボスキャラ910を攻撃する共闘演出(図144(b)参照)が実行されるように構成している。この場合、1回の攻撃演出によって減少されるボスキャラ910の体力値(HP)が強攻撃よりも大きくなり、遊技者に有利な演出となる。例えば、図142(a)に示したバトル演出開始画面において、バトル演出に参加する味方キャラの数に対して、バトル演出にて実行される攻撃回数が少なく表示されている場合に、上述した共闘演出が実行されることを示唆するように構成している。
次に、図145を参照して、疑似外れ演出の内容について説明をする。本制御例では、特別図柄変動を継続して実行可能とするために、特別図柄変動を実行する権利(特別図柄抽選の抽選権利)を、所定数(4個)を上限に保留記憶可能な記憶手段を有している。これにより、特別図柄変動の実行中に特別図柄抽選の抽選権利(特図保留)を獲得した場合であっても、その抽選権利(特図保留)を記憶手段に記憶することができる。よって、特別図柄変動が停止表示された後に、記憶手段に記憶されている抽選権利に基づいた特別図柄抽選を即座に実行することが可能となるため、特別図柄変動を継続して実行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、特別図柄抽選の抽選結果を示すための特別図柄変動の変動時間を、記憶手段に記憶されている抽選権利の数(特図保留数)に応じて異ならせるように構成しており、具体的には、記憶手段に記憶されている抽選権利の数(特図保留数)が少ないほうが長い変動時間の特別図柄変動が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、特別図柄変動が実行されない期間を少なくすることができると共に、記憶手段に記憶されている抽選権利の数が上限に到達している状態で新たな抽選権利を獲得してしまうことを抑制することができる。
具体的には、本制御例では、保留記憶されている特図保留の数が0個であって、実行される特別図柄抽選の結果が外れである場合に、特図保留数が0個よりも多い状態で実行される特別図柄抽選の結果が外れである場合よりも変動時間が14秒の変動パターンが設定され易くなるように構成している。そして、変動時間が14秒の変動パターンが設定された場合には、特図抽選結果が外れであることを示す14秒間の変動演出が実行される。
つまり、特図保留の数が0個の状態で実行される特別図柄抽選に対応して実行される変動演出が、上述した14秒間の変動演出である場合には、その変動演出の演出結果が表示されるよりも前に、今回の特別図柄抽選の結果が外れであることを遊技者に容易に判別されてしまい遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
また、上述した問題を解決するために、例えば、変動時間が14秒の変動パターンに対応する変動演出の演出態様を複数種類設定可能にすることも考えられるが、この場合、特別図柄抽選の結果が外れであることを示すための変動演出に対する演出データを増加させることになるため、変動演出全体のデータ量が増加してしまうという問題が新たに発生する。さらに、特図保留の数が0個の状態で実行される特別図柄抽選の結果が外れである場合に選択される変動パターンとして、複数の変動時間(例えば、14秒、16秒、18秒)を選択させ易くするように構成することも考えられるが、この場合、特別図柄変動の変動時間が選択するための制御処理に負荷が掛かると共に、設定される変動時間の種別が増加することに伴い、特別図柄の変動表示処理や、第3図柄の変動表示処理に負荷が掛かるという問題があった。
これに対して、本制御例では、特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合や、14秒よりも長い変動時間が設定される変動パターンが選択された場合において、上述した14秒の変動演出が実行され得るように構成している。つまり、特別図柄抽選の結果が外れ当選では無い場合であっても、上述した14秒の変動演出を実行することにより、14秒の変動演出が実行されていることを把握した遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合があるため、14秒の変動演出が実行されていることを遊技者に把握されたとしても遊技者の遊技意欲が低下してしまうことが無いため、変動時間が14秒の変動パターンに対応する変動演出の演出態様を複数種類設定可能に構成する必要が無い。よって、変動演出全体のデータ量が増加してしまうことを抑制することができる。加えて、特図保留の数が0個の状態で実行される特別図柄抽選の結果が外れである場合に複数の変動時間の変動パターンが選択されるように構成しなくても良いため、特別図柄変動の変動時間が選択するための制御処理に負荷が掛かると共に、設定される変動時間の種別が増加することに伴い、特別図柄の変動表示処理や、第3図柄の変動表示処理に負荷が掛かるという問題が発生することを抑制することができる。
次に、図146から図150を参照して、本第1制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出の流れについて説明をする。
まず、図146を参照して、連打演出(図130から図132参照)の流れについて説明をする。この連打演出は、図130から図132を参照して上述した通り、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される変動演出の演出期間の一部期間を用いて実行される演出であって、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作することにより、第3図柄表示装置81の表示面に表示される特定の表示態様を可変可能な演出(操作演出)が実行されるものである。
具体的には、例えば、主制御装置110にて実行される特別図柄変動(特図変動)として、60秒の変動時間が設定された特図変動が実行される場合(図146(a)参照)には、その特図変動の変動時間(60秒)に対応した長さの演出期間(60秒)で変動演出が音声ランプ制御装置113により実行される(図146(b)参照)。
音声ランプ制御装置113により設定された変動演出の演出態様に連打演出が含まれている場合には、変動演出が開始されてから10秒経過した時点から10秒間の間、枠ボタン22に対する遊技者の操作(押下)を有効に判別するボタン有効期間(操作有効期間)が設定され(図146(c)参照)、その操作有効期間に対応させて連打演出が実行される(図146(d−2)参照)。
この連打演出では、操作有効期間中に枠ボタン22が操作された回数に基づいて、表示態様(図130(a)では、敵キャラ802の表示態様や、表示領域HR1の表示態様)が可変される演出が実行される。この表示態様は、連打演出の終了後に遊技者に有利な特典(例えば、大当たり当選し易い演出(SPリーチ)、大当たり当選)が付与されるか否かを遊技者に示唆するものであり、本制御例では、連打演出中に表示態様が可変される上限値(最大可変値)を、対応する特図変動の当否判定結果(大当たり抽選の結果)に基づいて設定している。
図146に示した例では、最大可変値として枠ボタン22の操作回数20回(上限回数20回)がセットされており、操作有効期間中に枠ボタン22を20回操作すると、それ以上表示態様が可変しない。また、本制御例では、操作有効期間中に枠ボタン22を操作した回数が最大可変値に到達した以降、さらに枠ボタン22への操作を継続させ終了条件が成立した場合に、連打演出の演出結果を表示させるタイミングを短縮可能に構成している。図146に示した例では、連打演出の演出結果を表示させるタイミングを短縮させる終了条件として、最大可変値到達した後に枠ボタン22が操作された回数が8回に到達した場合に成立する終了条件を設定するために終了回数8回がセットされている。
ここで、図146(d),図146(e)を参照して、連打演出期間中における遊技者の枠ボタン22への操作内容と、実行される演出について説明をする。図146(d)は、操作有効期間中に終了条件が成立しない場合に実行される演出の流れを示したもので、図146(e)は、操作有効期間中に終了条件が成立した場合に実行される演出の流れを示したものである。
図146(d)に示した通り、連打演出が実行されてから、枠ボタン22が20回操作されるまでは、その枠ボタン22への操作に応じて表示態様が可変される演出が実行される(期間A)。その後、枠ボタンへの操作回数が20回を超え、枠ボタン22への操作回数が21回、22回、23回となる期間(期間B)は、枠ボタン22の操作回数が最大可変値を超えているため、表示態様が可変されることの無い期間となる。そして、連打演出が終了すると(操作有効期間の残期間が0になると)、10秒間の結果演出が実行される。
一方、図146(e)に示した例では、連打演出が終了するまでに(操作有効期間の残期間が0になるまでに)、終了条件が成立、即ち、連打演出中における枠ボタン22への操作回数が28回となった時点で、結果演出が実行される。この場合、操作有効期間が残った状態で結果演出が実行されるため、その期間(期間C)中に遊技者が枠ボタン22を操作することにより、結果演出として表示される表示態様を可変させたり、結果演出を賑やかにするためにパチンコ機10に設けられた発光手段(LED等)を発光させたり、音声出力装置226から音声を出力させたりする賑やかし演出が実行される。
以上、説明をした通り、本制御例では、連打演出が実行される期間において操作手段への操作に基づいて終了条件を成立させると、時間経過に基づく終了条件が成立するよりも前に、連打演出を終了させ、連打演出の演出結果が表示されるように構成している。このように構成することで、連打演出が実行された場合に、連打演出の表示態様を可変させるための操作手段への操作と、連打演出の演出期間を短縮させるための操作と、を遊技者に実行させることが可能となる、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させることができる。
また、本制御例では、連打演出に対応する特別図柄抽選の結果に基づいて、連打演出における可変内容(可変回数)に制限を設けることで、連打演出の可変内容によって特別図柄抽選の結果を示唆可能に構成している。よって、特別図柄抽選の結果によっては、表示態様の可変回数が少ない(図130(a)の例によれば、敵キャラ802の残り数が減りにくい)演出が実行されることになる。この場合、連打演出の演出期間を固定してしまうと、連打演出にて、操作手段を操作した場合に表示態様が可変しない期間が長時間継続することになり、遊技者の操作手段への操作意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、連打演出において表示態様の可変回数が上限(最大可変値)に到達した後に、終了条件が成立することで、連打演出の演出期間を短縮させることができるため、上述した問題が発生することを抑制することができる。さらに、本制御例では、連打演出において表示態様を可変させるために実行する操作手段への操作内容と、終了条件を成立させるための操作内容と、を同一にしているため、遊技者に対して、違和感を与えること無く、終了条件を成立させることができる。
また、本制御例では、連打演出の演出期間を短縮させた場合であっても、操作有効期間を短縮しないため、時間経過に基づいて連打演出を終了させた場合と異なり、操作有効期間が設定されている期間中に、連打演出の後に実行される演出(連打演出の結果を示す演出)を実行させることが可能となり、専用の操作演出を実行可能となる。つまり、成立する終了条件の種別(時間経過により成立する終了条件、操作手段への操作に基づいて成立する終了条件)に応じて、次に実行される演出の演出態様を可変させることができる。
なお、本制御例では、連打演出中に表示態様を可変させるための操作と、連打演出を終了させるための操作と、同一の操作(枠ボタン22を押下)としているが、これに限ること無く、異なる操作を設定しても良い。また、操作有効期間中において有効に判別される操作手段の操作内容として、枠ボタン22が操作(押下)されたか否かだけでは無く、例えば、枠ボタン22が継続して押下されている期間の長さ(所謂、長押し)を判別したり、枠ボタン22が連続して押下される押下間隔を判別したりしても良い。また、枠ボタン22が押下されなかった期間、即ち、遊技者が枠ボタン22を押下しないという操作を選択したことを判別するように構成しても良い。
このように、操作手段に対する操作内容として、複数の操作内容を識別して判別可能に構成することで、遊技者が実行する操作内容に応じて異なる演出態様を設定することが可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。例えば、連打演出中において、所定期間以上(例えば、1秒)の間隔を空けること無く枠ボタン22を連続して押下していると判定した場合に、操作手段が操作されたと判別し、表示態様を可変させる処理を実行し、その後、枠ボタン22を所定期間(例えば、2秒間)長押しした場合に終了条件を成立させる処理を実行するように構成しても良い。
また、連打演出中に、遊技者が枠ボタン22を所定期間(例えば、1秒間)押下しないと終了条件が成立するように構成しても良い。この場合、連打演出が実行されてから一度も枠ボタン22を押下しなかった場合には、表示態様を可変させること無く、連打演出の終了条件が成立することになるため、連打演出を実行したくない遊技者に対して、好適な遊技を提供することができる。加えて、連打演出中に枠ボタン22を操作する遊技者に対しても、継続して枠ボタン22を操作しない限り、途中で(最大可変値に到達する前に)終了条件が成立し得るため、遊技者に意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
さらに、この場合、第3図柄表示装置81の表示面にて、終了条件が成立する条件を遊技者に分かりやすく案内する案内表示を実行するようにすると良く、例えば、「ボタンを押さない期間が1秒以上続くと連打演出が終わっちゃうよ」のコメントと、終了条件が成立するまでの残時間を示すタイムゲージと、を表示すると良い。これにより、遊技者が意図しないタイミングで連打演出が終了してしまうことを抑制することができる。
上述した本制御例では、操作有効期間が残っている状態で終了させるための終了条件として、1の終了条件のみを設定する構成としているが、これに限ること無く、複数の終了条件を設定しても良い。この場合、例えば、連打演出の演出状況に応じて成立し易い終了条件を異ならせるように構成しても良く、例えば、操作有効期間の残期間が5秒以上ある場合には、枠ボタン22を押下しない場合に成立し得る終了条件が成立し易く、操作有効期間の残期間が5秒未満である場合には、枠ボタン22を押下した場合に成立し得る終了条件が成立し易くなるように構成すると良い。
また、連打演出として表示されている表示態様に応じて、終了条件の内容を異ならせても良く、例えば、最大可変値に到達した場合の表示態様が第1表示態様(残り数が50以上)である場合のほうが、第1表示態様よりも残り数が少ない第2表示態様(残り数が50未満)である場合よりも成立し難くするように構成しても良い。このように構成することで、敵キャラ802の残り数が多い状態のほうが終了条件を成立し難くすることができるため、連打演出にて表示態様が可変するのではと遊技者に思わせる期間を長くすることができ、演出効果を高めることができる。
次に、図147を参照して、図136から図138を参照して説明をしたボタン演出(遅れ演出)の流れについて説明をする。
変動演出の演出期間が60秒であって、その演出態様としてボタン演出が設定された場合には、変動演出が開始されてから10秒経過後に15秒間のボタン演出期間が設定される(図147(a)参照)。このボタン演出期間は、10秒間のボタン有効期間(操作有効期間)と、5秒間の演出期間とから形成されている。
このボタン演出は、図136から図138を参照して上述した通り、操作有効期間中に枠ボタン22が押下されたことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様(例えば、宝箱810)を可変させる表示演出と、音声出力装置226から音声(例えば、「パッカーン」)を出力させる音声演出とが、実行されるものであり、遅れ演出態様が設定されていない場合(通常ボタン演出の場合)は、表示演出と音声演出とが同期して(同一タイミングで)実行され、遅れ演出態様が設定されている場合は、表示演出と音声演出とがタイミングをズラして実行される。
ここで、図147(b)を参照して、通常ボタン演出が実行される場合の演出の流れを説明する。図147(b)に示した通り、ボタン演出が実行されると、図136(a)に示した通り、遊技者に枠ボタン22への操作を促すボタン操作示唆表示が実行される。このボタン操作示唆表示は遊技者が枠ボタン22を操作するまでの期間(期間A)継続して表示される。そして、遊技者が枠ボタン22を操作すると、表示演出と、音声演出とが同時に実行され、ボタン演出の演出結果を示す操作結果表示(図136(b)参照)が、ボタン演出期間が終了するまでの期間(期間B)継続表示される。その後、変動演出が実行される(期間C)。
次に、図147(c)を参照して、遅れボタン演出が実行される場合のうち、遊技者が枠ボタン22を操作したタイミングが操作有効期間の終了間際、具体的には、遅れ期間(例えば、0.8秒)が経過した時点において、操作有効期間が終了しているタイミング(例えば、操作有効期間が終了する0.5秒前のタイミング)で枠ボタン22を操作した場合における演出の流れを説明する。図147(c)に示した通り、ボタン演出が実行されると、通常ボタン演出と同一の演出態様で演出が実行される。そして、ボタン有効期間(操作有効期間)が終了する0.5秒前に遊技者が枠ボタン22を操作すると、0.8秒の遅れ期間が設定され、枠ボタン22が操作されてから0.8秒後に表示演出と音声演出と、が実行される。
ここで、本制御例では、遅れ期間の経過後にも操作有効期間が残っている場合は、0.8秒間の遅れ期間中に、枠ボタン22が操作される前に表示されていたボタン操作示唆演出の表示態様が継続して表示されるように構成している。つまり、本制御例では、0.8秒間の遅れ期間が設定された場合には、枠ボタン22を操作したことに基づく各種演出の実行タイミングが0.8秒間遅れるように、表示制御装置114への表示用コマンドを設定する(出力する)タイミングを遅らせているため、表示制御装置114では、表示用コマンドを受信するまで、即ち、枠ボタン22が操作されてから0.8秒経過するまでは、枠ボタン22が操作されたことを示す情報を受信できないため、継続してボタン操作示唆演出の表示態様を継続して表示することになる。
このように構成することで、ボタン演出において遅れ演出を実行する場合に、その遅れ期間中に対応させた表示態様を表示させるために別途表示用コマンドを設定する必要が無く、遅れ演出を実行するための制御処理を軽減させることができる。また、遅れ期間の長さを異ならせて設定するだけで、様々なバリエーションの遅れ演出を実行することができるため、遅れ演出を実行するための制御処理を軽減させることができる。さらに、本制御例では、表示演出と、音声演出とのそれぞれに対して、遅れ期間を設定可能に構成しているため、各演出の演出態様を組み合わせることにより、より多彩な遅れ演出を実行することができる。
なお、上述した通常ボタン演出、即ち、枠ボタン22に対して操作が行われた場合には、遅れ期間を設定すること無く表示演出、音声演出が実行される旨を示したが、この場合、遅れ期間として0秒を設定するように構成しても良い。このように構成することで、ボタン演出を設定する場合において、通常ボタン演出を設定する場合と、遅れボタン演出を設定とで同一の処理が実行されることになるため、ボタン演出の種別によって処理内容を異ならせること無く、ボタン演出を設定することができるため、制御処理を簡素化させることができる。
図147(c)に戻り説明を続ける。図147(c)に示した例では、操作有効期間の残期間が0.5秒のタイミングで枠ボタン22が操作されており、遅れ期間(0.8秒間)中に操作有効期間が終了(経過)してしまうため、遅れ期間中にボタン操作示唆表示を継続して表示してしまうと、遅れ期間中にタイムゲージ804の残期間表示領域804bが無くなってしまい、違和感のある演出が実行されてしまうという問題があった。これに対して、本制御例では、遅れ期間中に操作有効期間が終了(経過)してしまうと判別した場合には、その遅れ期間(期間D)中に専用の演出(図138参照)を実行するように構成している。
このように構成することで、ボタン演出中における遅れ期間設定の有無や、枠ボタン22への操作タイミングに応じて異なる演出を実行させることができるため、遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。なお、本制御例では、変動演出の演出態様を予め設定、即ち、変動演出が実行される時点で今回実行される変動演出としてボタン演出を実行するか否かと、遅れ期間を設定するか否かと、を決定し、ボタン演出中に枠ボタン22が操作された場合に、予め決定されていたボタン演出の内容に基づいた演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、変動演出が実行される時点においてボタン演出の実行の有無のみを決定し、ボタン演出中に枠ボタン22が操作された場合に、遅れ演出の有無や遅れ態様(遅れ対象、遅れ期間)を決定するように構成しても良く、この場合、例えば、ボタン演出に対して複数の操作を実行可能に構成し、ボタン演出中に実行された操作内容に応じて、遅れ演出の実行確率や遅れ態様を異ならせて決定可能に構成しても良い。
具体的には、遊技者が第1操作を実行した場合よりも第2操作を実行した場合のほうが遅れ期間が設定され易くなるように構成したり、第1操作に基づいて遅れ期間が設定された場合のほうが、第2操作に基づいて遅れ期間が設定される場合よりも、対応する特別図柄抽選が大当たり当選している可能性を高くしたりするように構成しても良い。このように構成することで、遊技者が実行する操作内容に応じて、遅れ演出の期待度や実行頻度を異ならせることができる。
なお、本制御例では、ボタン演出の演出結果を示すための操作結果表示が表示される結果表示期間として、5秒間(ボタン演出期間の後半5秒)の期間を設けており、操作有効期間中に枠ボタン22が操作され、演出結果が表示されてから結果表示期間が経過するまでの間、操作結果表示が表示されるように構成している。このように、結果表示期間の長さが、遅れ期間として設定可能な最長期間(1.5秒)よりも長くなるように構成することで、図147(c)に示したように、操作有効期間の終了間際に枠ボタン22を操作し、最長期間の遅れ期間が設定された場合であっても、操作結果表示が表示される期間を確保できるため、遊技者に分かり易い演出を実行することができる。
本制御例では、ボタン演出が実行されるよりも前に、遅れ演出の演出態様が設定されるため、同一の遅れ期間が設定されている場合であっても、操作有効期間中における枠ボタン22への操作タイミングによって、操作結果表示の表示期間が異なる。よって、例えば、操作結果表示として、特定のアニメーション表示を実行する場合には、操作結果表示の表示期間の長さに応じてアニメーションの表示態様を可変させる必要があった。つまり、操作結果表示の表示態様として、例えば、1秒間のアニメーションを実行する場合には、操作結果表示の表示期間が1秒の倍数時間以外の場合だと、アニメーションの途中で操作結果表示が終了してしまい、演出効果が低くなってしまう虞があった。
この場合、操作結果表示の表示期間を実行中のアニメーションが終了するタイミングに合わせて延長または短縮させる制御を実行する手法が考えられる。これにより、アニメーションを終了させたタイミングで操作結果表示の表示期間を終了させることができる。しかしながら、操作結果表示の表示期間の長さを可変させた場合、操作結果表示の表示期間が経過した後に実行される変動演出の演出期間も対応させて可変させなければならず、変動演出全体としての演出に違和感が生じてしまう虞があった。
このような問題を解決するために、例えば、操作有効期間中における枠ボタン22への操作タイミングにおいて、操作有効期間の残期間、または、ボタン演出の残期間を判別し、その判別結果に基づいて、遅れ期間の長さを決定するように構成すると良い。具体的には、操作結果表示の表示期間が1秒の倍数時間となるように、枠ボタン22の操作タイミングに応じて、基本となる遅れ期間(予め変動演出として設定されている遅れ期間)に、補正遅れ期間を追加させて設定するように構成すると良い。このように構成することで、アニメーションを終了させたタイミングで操作結果表示の表示期間を終了させることができる。また、枠ボタン22への操作タイミングによって異なる遅れ期間が設定されるため演出効果を高めることができる。
また、これ以外の手法として、例えば、操作結果表示の表示期間が終了したタイミングにおいてアニメーションが実行中の場合は、変動演出を実行させながら、残りのアニメーションを重複させて実行するように構成しても良い。この場合、遊技者は、アニメーションよりも新たに実行される変動演出に対して興味を持つため、操作結果表示の表示期間中よりも、アニメーションが表示される領域を小さくしたり、アニメーションの透過率を高めたりする表示制御を行いながら残りのアニメーションを実行するように構成すれば良い。
本制御例では、図147に示した通り、特別図柄変動の途中期間で遅れ演出を実行可能に構成しているため、遅れ演出により遅れ期間が設定された場合であっても、設定された遅れ期間の長さに関わらず、特別図柄変動の停止タイミングにて特別図柄抽選の結果を示す表示態様を停止表示させるように変動表示の演出態様を可変させることが可能であるが、例えば、特別図柄変動の停止タイミング直前に実行される変動演出において遅れ演出を実行可能にした場合には、特別図柄変動の停止タイミングを跨いで遅れ演出が実行される可能性がある。
この場合、例えば、特別図柄変動の停止タイミング(変動演出の停止タイミング)であると判別した場合に、遅れ期間が設定されているか否かを判別し、遅れ期間が設定されている場合には、その遅れ期間が経過(終了)するまで、特別図柄変動が停止表示されたこと、或いは、特別図柄変動(特別図柄抽選)の抽選結果を遊技者に報知しないように表示制御すると良い。この場合、実行中の特別図柄変動が停止表示された後に、次の特別図柄変動が実行されることが確定している場合には、次の特別図柄変動が開始されてからの所定期間を用いて、前回の特別図柄変動の抽選結果を示すための変動演出(遅れ演出)を実行し、次の特別図柄変動が実行されない場合には、デモ画面が表示されるまでの待機期間を用いて前回の特別図柄変動の抽選結果を示すための変動演出(遅れ演出)を実行し、大当たり遊技が開始される場合には、1回目のラウンド遊技が開始されるまでの期間(オープニング期間)を用いて前回の特別図柄変動の抽選結果を示すための変動演出(遅れ演出)を実行するように構成すれば良い。
また、特別図柄変動が停止表示される期間(確定表示期間)の長さが、遅れ期間として設定可能な最長期間(1.5秒)よりも長くなるように構成しても良く、この場合、特別図柄を確定表示させるために必要な最低期間(例えば、0.3秒)と、遅れ期間として設定可能な最長期間(1.5秒)とを合算した期間(1.8秒)を確定表示期間として設定すれば良い。加えて、変動演出として遅れ演出が実行され得る場合にのみ特別図柄変動の確定表示期間が長くなるように構成しても良い。
上述した通り、別の演出期間(次の変動表示期間、待機期間、大当たり遊技期間、確定表示期間)を用いて遅れ演出を実行する場合には、その演出期間中に実行される実際の遊技内容を遊技者が把握できるように表示すると良い。これにより、実際の遊技内容を遊技者が把握できるため、意図しない遊技が実行されることを抑制することができる。
次に、図148、及び図149を参照して、集合演出(図139〜図141参照)と、バトル演出(図142〜図144参照)とにおいて実行される演出の流れについて説明をする。
図148に示した通り、本制御例では、1回の変動演出期間中において、集合演出、バトル演出を実行するように構成しており、変動演出期間の長さ、即ち、変動パターンに応じて、集合演出の演出期間(キャラを獲得する演出が実行される回数)が予め規定されている。また、変動演出における集合演出の実行タイミングが複数設定可能に構成しており、図148(a)に示した通り、変動演出の開始タイミングから集合演出を実行する場合には、前の特別図柄変動(特図変動1回目)に対応する変動演出の結果を示す表示態様、即ち、特図変動1回目の抽選結果を示すための第3図柄の停止表示態様として「大集合」を停止表示させて、演出態様の特別図柄変動(特図変動2回目)が開始されるとともに(変動演出が開始されるとともに)、集合演出が実行されるように構成している。このように構成することで、特図変動2回目の変動演出の途中から集合演出を実行する場合(図148(b)参照)に比べて、集合演出を終了させるタイミングを同一にした場合、即ち、特図変動2回目の変動演出にて同一期間のバトル演出、各種リーチ演出を実行する場合において、集合演出の演出期間を異ならせることができる。
この場合、例えば、少なくとも特図変動2回目が実行されるよりも前に、入賞情報に基づいて、特図変動2回目に対応する特別図柄抽選の結果を事前に判別し、その事前判別の結果が大当たりである場合において(図148(a))に示した演出態様を設定し易く構成すると良い。
また、図148にて示したように、集合演出の開始タイミングを異ならせる構成に加え、集合演出の終了タイミングを複数設定可能に構成すると良く、例えば、変動時間が60秒の特図変動に対応する変動演出として、変動演出の開始タイミングから集合演出が実行される場合と、変動時間が90秒の特図変動に対応する変動演出として、変動演出の途中タイミングから集合演出が実行される場合とで、同一の長さの集合演出(キャラを獲得する演出が実行される回数)が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、集合演出が実行される場合において、変動演出期間の長さにも遊技者に興味を持たせることができると共に、同一態様の集合演出を、異なる変動演出期間の変動演出に用いることが可能となり、変動演出を実行するための制御処理を簡素化することができる。
次に、図149を参照して、バトル演出の内容を設定する流れについて説明をする。本制御例では、1の特別図柄変動(特図変動)期間を用いて、集合演出と、バトル演出と、を実行可能に構成している。即ち、1の特別図柄抽選の結果に応じてバトル演出の演出結果と、集合演出の演出結果と、を決定するように構成している。即ち、特図変動が開始される場合に(変動演出が開始される場合に)、バトル演出の演出態様を決定するように構成している。
具体的には、変動演出を決定する対象となる変動パターン(変動時間)に基づいてバトル演出の演出態様として、バトル期間(攻撃回数)と、演出結果(敵HP、残HP)と、を決定するように構成している。このように構成することで、バトル演出の演出結果に対応させた演出態様で、集合演出と、バトル演出とを実行することができる。
なお、これに限ること無く、集合演出の演出結果に基づいて、集合演出の終了後にバトル演出の演出態様を決定しても良い。この場合、例えば、集合演出において獲得可能なキャラ数を集合演出中における操作手段への操作結果に応じて可変させるように構成した場合等、集合演出中に獲得するキャラ数が可変し得るように構成した場合であっても、集合演出に対応させたバトル演出を好適に実行することができる。
次に、図150を参照して、疑似外れ演出(図145参照)の流れについて説明をする。本制御例では、特別図柄の保留球数が0である場合において、特別図柄変動が実行されない期間が長く継続することを抑制するために、特別図柄抽選の結果が外れである場合にも長い期間(14秒)の変動時間が設定される特定外れ変動パターンが選択されるように構成しており、その特定外れ変動パターンに対応する変動演出として特定外れ演出(14秒)を実行するように構成している(図150(a)参照)。
しかしながら、この特定外れ演出は、第3図柄がリーチ状態とならない変動演出が所定期間実行されるものであり、変動演出が終了するよりも前に、現在実行中の変動演出が特定外れ演出であることを遊技者が容易に把握できてしまうものであった。つまり、特図保留数が0の状態で実行される特別図柄抽選の結果が外れであることを、遊技者に容易に判別されてしまい、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、特別図柄変動の変動時間が14秒以上の変動パターンが選択された場合において、その変動時間の一部を用いて、上述した特定外れ演出を実行するように構成している(図150(c)参照)。また、変動時間が28秒の変動パターンが選択された場合には、特定外れ演出が2回実行されるように構成している(図150(b)参照)。
このように構成された本制御例では、特定外れ演出が実行されたことを遊技者が判別した場合であっても、その特定外れ演出の演出結果が表示されるタイミングと、特別図柄変動が停止表示されるタイミングとが一致するか否かを予測することが困難となる。よって、特定外れ演出を終えるまで特別図柄抽選の結果が外れであるか否かを遊技者に判別され難くすることができ、遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本制御例では、図145に示した通り、特別図柄抽選の停止表示タイミングとは異ならせて特定外れ演出を実行する場合(図150(b)の1回目の特定外れ演出、図150(c)の特定外れ演出)に、第3図柄を揺動(仮停止)させて表示するように構成しているが、これに限ること無く、14秒の外れ変動時に実行される特定外れ演出と同一の演出データを用いて、同一の演出を実行するように構成しても良い。
また、図150(b)に示した様に、1回の特図変動期間中に2回の特定外れ演出を実行する場合において、例えば、特図変動の開始タイミングに合わせて、14秒間の変動演出(1回目の特定外れ演出)を設定し、1回目の特定外れ演出が終了したと判別した場合に、特図変動の残期間を判別し、その判別結果が14秒以上である場合に、再度14秒間の変動演出(2回目の特定外れ演出)を実行するように構成しても良い。
このように構成することで、2回の特定外れ演出が実行される28秒の演出データを予め記憶させておく必要が無くなるため、演出データのデータ容量を削減することができる。また、1の特図変動期間に対応する変動演出の設定処理を複数回(例えば、前半期間と、後半期間)に分けて設定可能にすることで、前半期間の変動演出が実行されている間に成立した演出条件に基づいて後半期間の演出態様を可変させることが可能となるため、演出効果を高めることが可能となる。
さらに、上述したように、1の特図変動期間に対応する変動演出の設定処理を複数回(例えば、前半期間と、後半期間)に分けて設定可能な構成を用いて、図150(c)の流れとなる変動演出を設定する場合には、先に、後半期間の30秒の変動演出(ノーマル当たり演出)と、前半期間の16秒の割込み演出のみ決定しておき、割込み演出の実行中に所定の演出条件(例えば、新たな特図保留球を未獲得)が成立した場合に、特定外れ演出を設定するように構成すると良い。このように構成することで、特図変動が開始された時点では特図保留球が0であり、特定外れ演出の実行条件が成立している場合であっても、特図変動が開始されてから16秒経過した時点で新たな特図保留を獲得していた場合に、特定外れ演出が実行されることを抑制することができる。
<第1制御例におけるパチンコ機の遊技の流れについて>
次に、図151を参照して、本制御例における遊技の流れについて説明をする。図151は、第1制御例のパチンコ機10における遊技の流れを模式的に示した模式図である。本制御例のパチンコ機10は、図151に示した通り、遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)との3種類の遊技状態を設定可能に構成しており、初期状態(パチンコ機10の出荷時の状態、或いは、RAM消去スイッチ122を操作(押下)した状態で電源を投入した後の状態)では、通常状態が設定されるように構成している。
そして、通常状態中は、第1入球口64に球を入球させることで実行される第1特別図柄抽選を主とした遊技が実行される。特別図柄の低確率状態が設定される通常状態では、特別図柄の大当たり確率が1/300に設定されており、大当たり当選した場合には、大当たり種別として「大当たりA」(選択率1/2)と「大当たりB」(選択率1/2)との何れかが選択される。「大当たりB」が選択された場合には、大当たり遊技中に特定領域(確変スイッチ65e3(図128参照))へと球を通過させ易い大当たり遊技(確変大当たり遊技)が実行され、「大当たりA」が選択された場合には、大当たり遊技中に特定領域(確変スイッチ65e3(図128参照))へと球を通過させ難い大当たり遊技(通常大当たり遊技)が実行される。
そして、大当たり遊技中に球が特定領域(確変スイッチ65e3(図128参照))を通過した場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される。この確変状態は、特別図柄抽選(変動)の実行回数が200回に到達した場合、或いは、大当たり当選した場合に終了条件が成立し、他の遊技状態へと移行する。具体的には、確変状態が設定されている状態で、特別図柄抽選の実行回数が200回に到達した場合には、201回目の特別図柄抽選が実行されるまでに、遊技状態が通常状態へと移行される。なお、本制御例では、確変状態から通常状態へと遊技状態を移行させる処理、即ち、特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させる処理と、普通図柄の高確率状態を普通図柄の低確率状態へと移行させる処理とを、200回目の特別図柄抽選に対応する特別図柄変動が停止表示されたタイミングで実行するように構成しているが、201回目の特別図柄抽選が特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行されなければ良く、例えば、200回目の特別図柄抽選を実行した直後(200回目の特別図柄変動の開始時)に移行させても良いし、201回目の特別図柄抽選の実行直前(201回目の特別図柄抽選の実行条件は成立しているが、特別図柄抽選が実行されていないタイミング)に移行させても良い。
さらに、特別図柄の確率状態を移行させるタイミングと、普通図柄の確率状態を移行させるタイミングと、を異ならせても良く、例えば、200回目の特別図柄抽選が実行された直後に特別図柄の高確率状態のみを低確率状態へと移行させ、200回目の特別図柄抽選の結果が停止表示された後に普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるように構成しても良い。このように構成することで、200回目の特別図柄変動期間中は遊技状態として時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)とすることができる。
確変状態は普通図柄の高確率状態であるため、普通図柄の低確率状態である通常状態よりも普図当たり遊技により電動役物640が開状態となり易く、第2特別図柄抽選を主とした遊技が実行される。特別図柄の高確率状態が設定される確変状態では、特別図柄の大当たり確率が1/100に設定されており、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として「大当たりC」が選択される。
「大当たりC」は、16ラウンドの確変大当たり遊技が実行される大当たり種別である。つまり、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず、確変大当たり遊技が実行される。よって、確変大当たり遊技の実行確率の点では、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利な抽選となる。
また、詳細は、本制御例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず6ラウンド遊技が実行され、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず16ラウンド遊技が実行される。よって、大当たり遊技中に獲得可能な賞球数の平均値の点でも第2特別図柄抽選のほうが第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利となる。
次に、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)について説明をする。通常状態中に実行された第1特別図柄抽選で「大当たりA」に当選した場合、或いは、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vへと通過させることができなかった場合には、時短状態が設定される。この時短状態は、前回の大当たり遊技の終了後に実行された特別図柄抽選の回数が100回に到達するまで、或いは、100回に到達するまでに大当たり当選した場合に消滅するように構成している。つまり、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定された場合(大当たりAに当選した場合)は、大当たり遊技終了後から特別図柄変動が100回実行されるまでの期間、時短状態が設定される(時短回数100回が設定される)。
この時短状態中は、上述した確変状態と同様に普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態であることから、電動役物640が開放されやすく、第2特別図柄抽選が主として実行される遊技状態となる。また、時短状態中に実行される特別図柄抽選の抽選確率は、通常状態と同一である。よって、時短状態は、通常状態と比べて第2特別図柄抽選が実行され易く、通常状態と同一の大当たり確率で特別図柄抽選が実行される遊技状態となる。つまり、第2特別図柄抽選の実行のし易さの点から、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態となる。
一方、時短状態は、確変状態よりも低い大当たり確率で特別図柄抽選が実行され、第2特別図柄抽選の実行のし易さは確変状態と同一である。つまり、特別図柄抽選による大当たり当選確率の点から、時短状態は、確変状態よりも遊技者に不利な遊技状態となる。なお、本制御例では、確変状態と時短状態とで、第2特別図柄抽選の実行のし易さが同一となるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、確変状態中に実行される第2特別図柄抽選の変動時間と、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の変動時間と、を異ならせ、例えば、確変状態中のほうが、通常状態中よりも短い変動時間で特別図柄変動を実行可能に構成しても良い。
<第1制御例におけるパチンコ機10における電気的構成について>
図152を参照して上述した通り、主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。
ここで、図153を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。図153は、本第1制御例における主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について模式的に示した模式図である。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄の停止種別(リーチ当たり種別、リーチ以外外れ種別、リーチ外れ種別)を決定するための停止種別選択カウンタC3、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、が用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図177参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図187参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、第1特別図柄の抽選権利(保留球)を記憶するための4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる特別図柄1保留球格納エリア203aと、第2特別図柄の抽選権利(保留球)を記憶するための4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる特別図柄2保留球格納エリア203bとがそれぞれ設けられており、第1特別図柄と第2特別図柄との共通の特別図柄保留球実行エリアが設けられている。特別図柄1保留球格納エリア203aの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。同様に、特別図柄2保留球格納エリア203bの各エリアについても、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、同様の値がそれぞれ格納される。
また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球がスルーゲート67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
次に、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜599)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜599の値を取り得るカウンタの場合は599)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINI1の値が当該特別当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜599の値を取り得るループカウンタである場合には、初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜599の範囲のループカウンタである。この初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図177参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図187参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図155(a)参照)によって設定されており、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)とで、大当たりとなる乱数の値(個数)が異なるように設定されている。
このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図155(a)参照)と、特別図柄の低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図155(a)参照)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。本制御例では、大当たり種別は、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」の3種類が設定されており、第1当たり種別カウンタC2によって、いずれかが決定される。そして、その大当たり種別を示す表示態様が大当たり図柄として第1図柄表示装置37に表示される。
本制御例のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜599の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は2個あり、その乱数値である「0,1」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が600ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が2なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「2/600(1/300)」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は6個あり、その値である「0〜5」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が600ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が6なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「6/600(1/100)」となる。
なお、本制御例では、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている大当たりとなる乱数値とで、同一の乱数値が規定されるように構成している。このように構成することで、例えば、第1当たり乱数カウンタC1の値として「0」を取得した場合には、その第1当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり判定を実行する際の遊技状態に関わらず、大当たり当選させることができる。よって、第1入球口64、或いは第2入球口640に球を入球させ、特別図柄の保留球を獲得した時点において、大当たり当選する第1当たり乱数カウンタC1の値を取得したことを特別図柄抽選が実行されるよりも前に容易に判別することができるため、後に大当たり判定することを示唆するための示唆演出を設定されている遊技状態を把握すること無く実行でき、演出効果を高めることができる。
なお、特別図柄の低確率時において大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄の高確率時において大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値とが重複しないように構成しても良い。この場合、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)が異なるため、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができる。よって、特別図柄の高確率時(高確率状態)と、特別図柄の低確率時(低確率状態)とで大当たりと判定される乱数値を重複させて規定する場合よりも、不正に大当たりを引き当てられる行為を抑制させることができる。
また、本制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図155(b)に示すように、大当たり種別を決定するための第1当たり種別選択テーブル202bには、第1特別図柄の抽選に対応して参照されるデータテーブルと、第2特別図柄の抽選に対応して参照されるデータテーブルと、がそれぞれ規定されている。
ここで、図155(b)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bの内容について説明をする。図155(b)は、第1当たり種別選択テーブル202bに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり種別選択テーブル202bは、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別を選択する際に参照されるデータテーブルであって、特別図柄の種別と、取得した第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、異なる大当たり種別(大当たりA〜大当たりC)が選択されるように構成している。
本制御例では、設定される大当たり種別に応じて、大当たり遊技の遊技内容(ラウンド数)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態と、が異なるように構成している。よって、大当たり当選を目指して遊技を行っている遊技者に対して、大当たり当選だけでは無く、設定される大当たり種別についても興味を持たせることができる。さらに、本制御例では、設定される大当たり種別によって、有利度合いの異なる特典が遊技者に付与されるように構成している。これにより、設定される大当たり種別について遊技者により興味を持たせることができる。
次に、第1当たり種別選択テーブル202bに規定されている内容について、図155(b)を参照して詳細に説明をすると、特別図柄抽選の対象となる特別図柄の種別(図柄種別)が、第1特別図柄(特図1)である場合には、取得している第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲に、大当たり種別「大当たりA」が、「50〜99」の範囲に、大当たり種別「大当たりB」が、それぞれ規定されている。また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)である場合には、取得している第1当たり種別カウンタC2値に関わらず、大当たり種別「大当たりC」が規定されている。
大当たり種別として「大当たりA」が設定された場合には、ラウンド遊技が6ラウンドで、大当たり遊技中に球が特定領域(V入賞口)を通過し難い大当たり遊技(通常6R大当たり遊技)が実行される。そして、大当たり遊技中に球がV入賞しなかった場合には、大当たり遊技終了後に、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が100回の特別図柄抽選が実行されるまで継続する遊技状態(時短100回)をセットするために、時短カウンタ203uの値に「100」が、確変カウンタ203tの値に「0」がセットされる。一方、大当たり遊技中に球がV入賞した場合には、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が200回の特別図柄抽選が実行されるまで継続する遊技状態(潜確200回)をセットするために、時短カウンタ203uの値に「0」が、確変カウンタ203tの値に「200」がセットされる。
つまり、上述した「大当たりA」は、大当たり遊技中に球が特定領域(V入賞口)を通過し難い通常大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、正常に遊技を実行している場合には、大当たり遊技中に球がV入賞口を通過することが無い。しかしながら、大当たり遊技中に不正な遊技、例えば、可変入賞装置65内の構造物を破壊し、強制的に球をV入賞させる遊技が実行された場合に、「大当たりA」の大当たり遊技中に球が特定領域(V入賞口)を通過する虞がある。本制御例では、不正遊技によって球をV入賞させた場合には、遊技者に最も有利な遊技状態である確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)よりも遊技者に不利となる遊技状態として潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)を設定するように構成している。これにより、不正な遊技を実行した遊技者に対して、ペナルティを課すことができる。
また、不正な遊技を実行した遊技者に課すペナルティとして、例えば、潜確状態が設定されている場合に実行される特別図柄変動の変動パターンとして不正用変動パターンが選択されるように構成しても良く、例えば、正常な遊技を実行している場合には設定され得ない遊技状態(例えば、潜確状態)が設定された場合には、変動時間が10分の変動パターンが選択されるように構成しても良い。このように構成することで、不正な遊技を実行した遊技者に対して、特別図柄抽選が効率良く実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、本制御例では、実行される大当たり遊技の種別に応じて、V入賞口への球の通過のし易さを異ならせているが、どの種別の大当たり遊技が実行されていたとしても、その大当たり遊技中に球が特定領域(V入賞口)へと入球した場合には、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定されるように構成しているが、これに限ることなく、例えば、通常大当たり遊技中に球がV入賞口に入球したとしても、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定されないように構成しても良い。
大当たり種別として「大当たりB」が設定された場合には、ラウンド遊技が6ラウンドで、大当たり遊技中に球が特定領域(V入賞口)を通過し易い大当たり遊技(確変6R大当たり遊技)が実行される。そして、大当たり遊技中に球がV入賞した場合には、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が200回の特別図柄抽選が実行されるまで継続する遊技状態(確変200回)をセットするために、時短カウンタ203uの値に「200」が、確変カウンタ203tの値に「200」がセットされる。一方、大当たり遊技中に球がV入賞しなかった場合には、大当たり遊技終了後に、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が100回の特別図柄抽選が実行されるまで継続する遊技状態(時短100回)をセットするために、時短カウンタ203uの値に「100」が、確変カウンタ203tの値に「0」がセットされる。
大当たり種別として「大当たりC」が設定された場合には、ラウンド遊技が16ラウンドで、大当たり遊技中に球が特定領域(V入賞口)を通過し易い大当たり遊技(確変16R大当たり遊技)が実行される。そして、大当たり遊技中に球がV入賞した場合には、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が200回の特別図柄抽選が実行されるまで継続する遊技状態(確変200回)をセットするために、時短カウンタ203uの値に「200」が、確変カウンタ203tの値に「200」がセットされる。一方、大当たり遊技中に球がV入賞しなかった場合には、大当たり遊技終了後に、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が100回の特別図柄抽選が実行されるまで継続する遊技状態(時短100回)をセットするために、時短カウンタ203uの値に「100」が、確変カウンタ203tの値に「0」がセットされる。
このように、本制御例のパチンコ機10は、大当たり当選した特別図柄の種別と、取得されている第1当たり種別カウンタC2の値によって、3種類の大当たり種別のうち、何れか決定されるように構成されている。また、第1特別図柄と第2特別図柄とで判定結果が大当たりとなった場合に選択される大当たり種別を異ならせており、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合のほうが、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、遊技者に有利となる大当たり種別、即ち、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別が選択されやすくなるように構成している。よって、遊技者に第1特別図柄、第2特別図柄とのどちらで抽選が実行されているかに興味を持たせることができる。
変動種別カウンタCS1は、0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。上述した停止種別選択カウンタC3と変動種別カウンタCS1とによって、大まかな変動態様が決定される。具体的には、変動種別カウンタCS1の値に基づいて特別図柄変動の変動時間が決定され、停止種別選択カウンタC3の値に基づいて短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。そして、変動種別カウンタCS1の値と、停止種別選択カウンタC3の値とにより決定された変動態様に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図187参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図156参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
次に、図156を参照して、変動パターン選択テーブル202dの内容について説明をする。図156は、変動パターン選択テーブル202dの内容を示した模式図である。図156に示した通り、変動パターン選択テーブル202dには、普通図柄の低確率状態(通常状態)中に用いられる通常用テーブル202d1と、普通図柄の高確率状態(時短状態、確変状態)中に用いられる時間・確変用テーブル202d2と、が規定されており、特別図柄抽選が実行される時点における遊技状態に応じて対応するデータテーブルを用いて変動パターンが選択される。本制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、普通図柄の高確率状態が設定されている場合のほうが、特別図柄抽選を効率良く実行可能に構成されており、通常用テーブル202d1を用いて変動パターンを選択する場合よりも、時短・確変用テーブル202d2を用いて変動パターンを選択する場合のほうが、短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成している。
本制御例では、遊技状態として時短状態が設定されている場合と、確変状態が設定されている場合とで、同一のデータテーブル(時短・確変用テーブル202d2)を用いて変動パターンを選択するように構成することで、選択された変動パターンに基づいて現在設定されている遊技状態が遊技者に分かり難くなるように構成している。そして、遊技者に対して第3図柄表示装置81にて実行される各種演出によって現在設定されている遊技状態を遊技者に把握させるように構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81にて実行される各種演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。
なお、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、普通図柄の高確率状態が設定されている場合のほうが、特別図柄抽選を効率良く実行可能に構成されていれば、これに限ること無く、時短状態と、確変状態とで異なるデータテーブルを用いて変動パターンを選択するように構成しても良い。また、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、普通図柄の高確率状態が設定されている場合のほうが、特別図柄抽選を効率良く実行可能に構成されていれば良く、例えば、普通図柄の低確率状態が設定されている場合に用いられるデータテーブル(通常用テーブル202d1)に規定されている各種変動パターンのうち、最も変動時間が長い変動パターンよりも、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に用いられるデータテーブル(時短・確変用テーブル202d2)に規定されている各種変動パターンのうち、最も変動時間が長い変動パターンのほうが、変動時間が長く規定されていても良い。
後述する音声ランプ制御装置113における変動パターンの選択についての説明でさらに詳細に説明するが、主制御装置110では、当否判定結果と、保留球数と、停止種別選択カウンタC3の値と、変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、大まかな変動パターンの内容(リーチ、スーパーリーチ、非リーチ等)と変動時間とが決定されて、その決定内容を示した変動パターンコマンドが設定される。
次に、図157、及び図158を参照して、主制御装置110が変動パターンを選択する場合に使用する変動パターン選択テーブル202dに規定されている各種テーブルの内容について説明する。図157は、通常用テーブル202d1の内容を模式的に示したデータテーブルである。通常用テーブル202d1では、特別図柄の抽選結果に対応させて、各種変動パターンがそれぞれ設定されており、その変動パターンのそれぞれに対して、変動種別カウンタCS1との値が割り付けされている。
次に、図158を参照して、時短・確変用テーブル202d2の内容を模式的に示したデータテーブルである。時短・確変用テーブル202d2では、特別図柄の抽選結果に対応させて、各種変動パターンがそれぞれ設定されており、その変動パターンのそれぞれに対して、変動種別カウンタCS1との値が割り付けされている。
なお、本制御例では、変動種別カウンタCS1の値に対応させて変動パターンを規定しているが、これに限ること無く、例えば、停止種別選択カウンタC3の値や、第1当たり種別選択テーブル202bにより選択された大当たり種別に対応させてそれぞれ変動パターンを規定しても良い。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本制御例ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球がスルーゲート67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図155(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202c(図155(c)参照)は、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。
ここで、本制御例では、普通図柄の当たり当選に基づいて実行される普図当たり遊技にて、第2入球口640に付随する電動役物640a(図125参照)を開状態へと可変させる遊技が実行される。つまり、通常では、第2入球口640へと球が入球することを規制する閉状態に位置している電動役物640aが、普図当たり遊技が実行された場合に、第2入球口640へと球が入球することを許容する開状態へと可変されるように普図当たり遊技が実行される。このように構成することで、普通図柄抽選の抽選結果に応じて第2入球口640への球の入球のし易さを異ならせることが可能となる。つまり、普通図柄抽選の結果に応じて、第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利となる第2特別図柄抽選が実行される頻度を可変させることができるため、独立して実行される普通図柄抽選と、特別図柄抽選とに関連性を持たせた遊技を行わせることができる。
さらに、本制御例では、設定されている遊技状態に応じて普図当たり遊技の遊技内容を異ならせるように構成しており、具体的には、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で普図当たり遊技が実行された場合のほうが、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で普図当たり遊技が実行される場合よりも、第2入球口640へと球を入球させ易い普図当たり遊技が実行されるように構成している。
より具体的には、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で普図当たり遊技が実行された場合には、電動役物640aが4秒間の開放時間で開放されるロング当たりが実行され、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で普図当たり遊技が実行された場合には、電動役物640aが0.2秒の開放時間で開放されるショート当たりが実行されるように構成している。このように構成することで、普通図柄の高確率状態が設定されている場合を、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、普通図柄抽選で当たり当選し易く、且つ、普図当たり遊技において第2入球口640へと球を入球させ易くすることができるため、遊技者に対して第2特別図柄抽選を実行させるための遊技を意欲的に行わせることができる。
なお、本制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている状態ではショート当たりのみが実行されるように構成しているが、これに限ること無く、普通図柄の低確率状態中に普図当たり当選した場合の一部において、上述したロング当たりの普図当たり遊技が実行されるように構成しても良いし、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される普図当たり遊技の一部において、上述したショート当たりの普図当たり遊技が実行されるように構成しても良い。加えて、本制御例では、普図当たり遊技の遊技種別がショート当たりとロング当たりの2種類であるが、普図当たり遊技の遊技種別を3種類以上設定可能に構成しても良い。
普通初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図177参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図187参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図152に戻り、説明を続ける。RAM203は、図153に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図187参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図186参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図185参照)が即座に実行される。
図154(a)に示すように、主制御装置110のMPU201のROM202には、上記説明した第1当たり乱数テーブル202a(図155参照)、第1当たり種別選択テーブル202b(図155参照)、第2当たり乱数テーブル202c(図155参照)、変動パターン選択テーブル202d(図156参照)が設定されている。また、本制御例では省略したが、ROM202には、上記したものの他、遊技に必要な各種データ(例えば、大当たり遊技の動作シナリオデータなど)や、プログラム等が記憶されている。
例えば大当たり遊技の動作シナリオデータは、大当たり遊技中の遊技動作内容が、決定された当たり種別に対応付けられてデータテーブルに規定されており、このデータテーブルに記憶されている情報(シナリオ)に基づいて大当たり遊技中における各種装置(可変入賞装置65等)の可動制御が実行されるように構成している。
また、主制御装置110のMPU201のRAM203は、図154(b)に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203aと、特別図柄2保留球格納エリア203bと、普通図柄保留球格納エリア203cと、特別図柄1保留球数カウンタ203dと、特別図柄2保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203fと、確変設定フラグ203hと、確変通過カウンタ203iと、入賞個数カウンタ203jと、動作カウンタ203kと、報知カウンタ203mと、残球タイマフラグ203nと、残球タイマ203pと、確変有効フラグ203qと、確変有効タイマ203rと、排出個数カウンタ203sと、確変カウンタ203tと、時短カウンタ203uと、その他メモリエリア203zを有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、第1特別図柄に対する1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本制御例では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。また、特別図柄2保留球格納エリア203bは、特別図柄1保留球格納エリア203aに対して、第2特別図柄に対応する記憶エリアであることが相違するのみであるため、その詳細な説明を省略する。
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、普通当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球がスルーゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて実行される第1特別図柄抽選の抽選権利を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、特別図柄変動中、或いは、大当たり遊技中に第1入球口64へ球が入球し、新たな第1特別図柄中線の抽選権利を獲得した場合に、最大値4に到達するまで1加算される。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される。
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
特別図柄2保留球数カウンタ203eは、第2入球口640に入賞したことに基づく保留球をカウントするカウンタであり、その他の構成については、特別図柄1保留球数カウンタ203dと同一であるのでその詳細な説明は省略する。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223a、特別図柄2保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される。
球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、普通当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される。一方、球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない。
確変設定フラグ203hは、大当たり遊技後に特別図柄の高確率状態を設定させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、特別図柄の高確率状態が設定されるか否かは、大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた確変スイッチ65e3(図128参照))を球が入球(通過)したか否かにより決定される。ここで、大当たり遊技中にこの確変スイッチ65e3を球が入球(通過)したこと(以下、V入賞と称す)を検出すると、確変設定フラグ203hがオンに設定される(図191のS1412参照)。一方、この確変設定フラグ203hは、大当たり遊技の終了時に参照され(図190のS1202参照)、オンに設定されていると判別した場合において、確変カウンタ203tの値に200を設定した後に、オフに設定される(図190のS1205参照)。なお、この確変設定フラグ203hは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、パチンコ機10が初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグ203hがオンに設定されている場合には、確変スイッチに電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203hを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチ65e3を通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203hが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203hのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203iは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本制御例では、大当たりの1ラウンド)で確変スイッチ65e3を通過した(特定領域を流下した)球の数を計数するためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203iの値と後述する排出個数カウンタ203sの値との合計値により可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203iは、確変スイッチ65e3を球が通過した(V入賞した)場合に1ずつ加算されて更新される。また、可変入賞装置65に入賞した球の数と排出個数が一致するか否かの判定処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この確変通過カウンタ203iは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203jは、大当たり遊技における1つのラウンドで可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した球の数をカウントするためのカウンタであり、特定入賞口65aへの入賞が検出されたことに基づいて、1ずつ加算されて更新される。一方、1つのラウンドが終了した場合に、可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203jの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203sと確変通過カウンタ203iとの合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203jの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
動作カウンタ203kは、大当たり遊技中に可変制御される各種装置(開閉扉65f、切替弁65h)の動作時間を計時(カウント)するためのものであって、具体的には、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオン(励磁)に設定される時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本パチンコ機10では、大当たりAでは、5ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが0.5秒間オンに設定され、大当たりB、及び大当たりCでは5ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが5秒間オンに設定される。動作カウンタ203kには、大当たりAでは、5ラウンドの開始データとして0.5秒に対応するカウンタ値が設定され、大当たりB、大当たりCでは5秒に対応するカウンタ値が設定される。一方、主制御装置110のMPU201の実行する入賞処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203kの値が0と判別されることに基づいて、流路ソレノイド65kがオフに設定される。なお、この動作カウンタ203kは、電源断時にはバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。このように、動作カウンタ203kを設定して流路ソレノイド65kを制御することで、確変スイッチ65e3への入賞を大当たり種別に応じて制御できる。
報知カウンタ203mは、遊技者の注意を惹きつけるための報知演出(本制御例では、「液晶を見て」という音声)を出力するタイミングを判別するためのカウンタである。本制御例では4ラウンド目の終了タイミング(可変入賞装置65に10球入賞か30秒が経過)に1秒間に対応する値が報知カウンタ203mに設定される。この報知カウンタ203mは、主制御装置110の大当たり制御処理(図188のS904参照)が実行される毎に1ずつ減算されて更新される。報知カウンタ203mの値が0となることに基づいて、音声ランプ制御装置113に対して出力される報知コマンドが設定される。音声ランプ制御装置113では、このコマンドを受信すると上記した音声を出力する為の処理が実行される。
このように構成することで、流路ソレノイド65kが動作される5ラウンド目の開始前に「液晶を見て」という音声が出力されるので、遊技者は、液晶に相当する第3図柄表示装置81を注視する。ここで、詳細については後述するが、大当たり遊技の5ラウンド目は、第3図柄表示装置81では、例えば、女の子のキャラクタが表示されて、第3図柄表示装置81を遊技者に見るように促す報知である「注目」の文字が表示されている。5ラウンド目には、流路ソレノイド65kが作動するので、その作動を遊技者に注視されると、実行されている大当たり種別を流路ソレノイド65kの動作期間により判別されてしまう。そこで、遊技者には大当たり遊技の終了まで確変遊技状態が付与されることへの期待を持ち続けさせるために、可変入賞装置65内の切替部材65h(流路ソレノイド65k)の動きを遊技者が見え難くするような報知演出が実行されている。しかしながら、5ラウンド目が終了した場合に、インターバル表示中に切替部材65hを遊技者が見てしまう虞があるので、そのインターバル期間中に、音声により第3図柄表示装置81を注視するように報知する報知演出が実行される。これにより、インターバル演出が実行された後に、表示される表示内容に遊技者の注意を惹きつけることができ、切替部材65hの動作から遊技者の注意をそらすことができる。
なお、本制御例では、第3図柄表示装置81を見せるように報知することで、切替部材65hから遊技者の注意をそらすように構成したが、それに限らず、5ラウンド開始前に、可変入賞装置65に遊技者の手をかざすように報知することで、切替部材65hの動きを遊技者の手によって隠れるように報知してもよい。また、第3図柄表示装置81に限らず、装飾ランプ34等を遊技者に見るように報知することで、遊技者の注意をそらすように構成してもよい。さらに、4ラウンド中に、2次元コード等を表示させて、携帯電話で読み取るように促す報知をすることで、遊技者の注意をそらすように構成してもよい。本制御例では、実行されている大当たり遊技の大当たり種別に関わらず、上述した注意をそらす演出が、切替部材65hの動作が終了するまでの最長時間(5ラウンド開始から5秒間)の間実行されるように構成している。これにより、報知時間の長さにより今回の大当たり遊技の大当たり種別を遊技者に判別されてしまう不具合を抑制することができる。
残球タイマフラグ203nは、1のラウンドが終了し、特定入賞口65aが閉鎖した後の球はけ期間であるか否かを示すフラグである。この残球タイマフラグ203pがオンに設定されている場合は、球はけ期間であることを意味する。この残球タイマフラグ203nがオンに設定されている間は、後述する残球タイマ203pが1ずつ加算されて更新される。残球タイマ203pは、特定入賞口65aが閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203pは、予め設定されている1のラウンドが終了して可変入賞装置65の特定入賞口65aが閉鎖した場合に、可変入賞装置65に入賞した球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、可変入賞装置65に入賞した球が排出されるまでに必要な時間は0.5秒であり、本実施形態では、予め0.8秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203pの上限値として設定されている。この残球タイマ203pの上限値(本実施形態では、0.8秒)となったことに基づいて、可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチを遊技球が通過しても確変設定フラグ203hをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変状態が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203qは、切替部材65hが球を特定領域(確変スイッチ65e3)へと振り分け不可能な配置に切り替わった後に、遊技球が特定領域(確変スイッチ65e3)を通過した場合(V入賞した場合)に、その通過(V入賞)を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203qがオンに設定されている場合には、特定領域(確変スイッチ65e3)を遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203rは、上述した確変有効フラグ203qがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203rにより切替部材65hが特定領域(確変スイッチ65e3)を球が流下不可能な配置に切り替わった後に、確変スイッチ65e3を正常に通過するのに必要な期間を判別することができる。本制御例では、切替部材65hに到達した球が確変スイッチ65e3を通過するのに要する時間は0.3秒である。確変有効タイマ203rの上限値は0.5秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に特定領域(確変スイッチ65e3)を通過(V入賞)しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、不正に球を特定領域(確変スイッチ65e3)に入球(V入賞)させたり、確変スイッチ65e3の下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203sは、1のラウンドで可変入賞装置65から排出された遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203sは、可変入賞装置65に入賞した球の数と排出個数との一致が判別された後に、初期値である0にリセットされる。
確変カウンタ203tは、特別図柄の高確率状態が設定されている状態を示すためのカウンタであって、特別図柄の高確率状態が設定されている場合に対応する値が設定される。この確変カウンタ203tには、大当たり遊技中に球が特定領域(確変スイッチ65e3)を通過したことに基づいて、その大当たり遊技終了後に値が設定される(図190のS1203参照)。そして、特別図柄抽選が実行される毎(特別図柄変動の変動時間が経過し、変動表示中の特別図柄が停止表示される毎)に設定されている値が1減算される。また、大当たり遊技に当選した場合に0にクリアされる。これにより、大当たり遊技中は特別図柄の高確率状態が設定されないため、大当たり遊技中において遊技者に過度な特典を付与してしまうことを抑制することができる。
なお、本制御例では、特別図柄の高確率状態が設定されると、確変カウンタ203tの値がセットされ、特別図柄抽選(変動)に基づいて、確変カウンタ203tの値が減算され、確変カウンタ203tの値が0となった場合に、特別図柄の高確率状態が終了し、特別図柄の低確率状態へと移行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、次回の大当たり遊技が実行されるまで(大当たり当選するまで)は、特別図柄の高確率状態が継続するように構成しても良い。この場合、確変カウンタ203tの値として、「10000」を設定するように構成すれば良い。
また、本実施形態では、特別図柄の高確率状態を終了させるための条件、確変カウンタ203tの値を減算させるための条件として、特別図柄抽選(変動)の回数に基づいて確変カウンタ203iの値を減算させる条件のみを設定しているが、これに限ること無く、例えば、主制御装置110の実行する各種処理の処理内容によって成立し得る終了条件が成立した場合に、確変カウンタ203tの値を減算するように構成してもよい。具体的には、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される各図柄抽選の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、特殊外れ当選)となった場合、或いは、普通図柄抽選の結果が所定の抽選結果(例えば、特殊普図当たり当選)となった場合にも、確変カウンタ203tの値を減算させるように構成しても良い。
さらに、当選した大当たり種別と、特定領域(確変スイッチ65e3)への球の通過状況とに基づいて確変カウンタ203tに設定される値を異ならせても良いし、時短カウンタ203uの値を減算する内容と同様に、特別図柄の変動回数以外の条件によって確変カウンタ203tの値を減算可能に構成しても良いし、確変カウンタ203tの値を減算するための減算条件が成立した場合に、確変カウンタ203tの値を一度に複数個減算可能に構成しても良い。これにより、特別図柄の高確率状態がいつまで継続するのかを遊技者に把握させ難くすることができるため、特別図柄の高確率状態中に実行される特別図柄抽選の結果を飽きること無く注視させることができる。
また、本制御例では、確変状態を終了させるための条件、即ち、確変カウンタ203tの値を減算させるための条件として、特別図柄抽選(変動)の回数に基づいて確変カウンタ203tの値を減算させる条件のみを設定しているが、これに限ること無く、例えば、主制御装置110の実行する各種処理の処理内容によって成立し得る終了条件が成立した場合に、確変カウンタ203tの値を減算するように構成してもよい。具体的には、特別図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される各図柄抽選の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、特殊外れ当選)となった場合、或いは、普通図柄抽選の結果が所定の抽選結果(例えば、特殊普図当たり当選)となった場合にも、確変カウンタ203tの値を減算させるように構成しても良いし、球が特定の入球口(例えば、第1入球口64、第2入球口640等)に入球したことに基づいて確変カウンタ203tの値を減算するように構成してもよい。
加えて、本制御例では、確変カウンタ203tの値を1ずつ減算するように構成しているが、成立した終了条件の種別に応じて、確変カウンタ203tの値を複数まとめて(例えば、2)減算するように構成しても良いし、現状の確変カウンタ203tの値に関わらず、確変カウンタ203tの値が「0」になるように減算するように構成しても良い。このように構成することで、確変状態がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができ、確変状態中の遊技に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、確変状態が設定される条件の成立内容(大当たり種別)に応じて、確変状態を終了させる条件を異ならせても良い。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技を実行させることだけでは無く、実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別に対しても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
時短カウンタ203uは、普通図柄の高確率状態が設定されている状態を示すためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に対応する値が設定される。この時短カウンタ203uには、大当たり遊技終了後に、その当選した大当たり種別に対応した値が設定される(図190のS1205参照)。そして、大当たり遊技に当選した場合に0にクリアされる。これにより、大当たり遊技中は普通図柄の高確率状態が設定されないため、大当たり遊技中において遊技者に過度な特典を付与してしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、普通図柄の高確率状態が設定されると、時短カウンタ203uの値がセットされ、特別図柄抽選(変動)に基づいて、時短カウンタ203uの値が減算され、時短カウンタ203uの値が0となった場合に、普通図柄の高確率状態が終了し、普通図柄の低確率状態へと移行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、次回の大当たり遊技が実行されるまで(大当たり当選するまで)は、普通図柄の高確率状態が継続するように構成しても良い。この場合、時短カウンタ203uの値として、「10000」を設定するように構成すれば良い。
また、本実施形態では、普通図柄の高確率状態を終了させるための条件、時短カウンタ203uの値を減算させるための条件として、特別図柄抽選(変動)の回数に基づいて時短カウンタ203hの値を減算させる条件のみを設定しているが、これに限ること無く、例えば、主制御装置110の実行する各種処理の処理内容によって成立し得る終了条件が成立した場合に、時短カウンタ203uの値を減算するように構成してもよい。具体的には、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される各図柄抽選の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、特殊外れ当選)となった場合、或いは、普通図柄抽選の結果が所定の抽選結果(例えば、特殊普図当たり当選)となった場合にも、時短カウンタ203uの値を減算させるように構成しても良い。
加えて、本実施形態では、時短カウンタ203uの値を1ずつ減算するように構成しているが、成立した終了条件の種別に応じて、時短カウンタ203uの値を複数まとめて(例えば、2)減算するように構成しても良いし、現状の時短カウンタ203uの値に関わらず、時短カウンタ203uの値が「0」になるように減算するように構成しても良い。このように構成することで、時短状態がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができ、時短状態中の遊技に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、時短状態が設定される条件の成立内容(大当たり種別)に応じて、時短状態を終了させる条件を異ならせても良い。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技を実行させることだけでは無く、実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別に対しても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
図152に戻り、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図185参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ290により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される背景モードを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、図159(a)に示すように、変動演出パターン選択テーブル222a、連打演出選択テーブル222b、ランダム表示選択テーブル222c、遅れ演出選択テーブル222d、集合演出選択テーブル222e、バトル演出選択テーブル222fと、が格納されている。
変動演出パターン選択テーブル222aは、主制御装置110より出力された変動パターンコマンドに基づいて変動パターンを決定するための選択テーブルである。変動パターンコマンドに対応した変動時間、変動パターン種別に対応してそれぞれ複数の変動パターンが設定されており、図示しない選択用のカウンタ値を取得して1の変動パターンを決定する。
ここで、図160を参照して、変動演出パターン選択テーブル222aの内容について説明をする。図160(a)は、変動演出パターン選択テーブル222aの内容を模式的に示した模式図である。図160(a)に示した通り、変動演出パターン選択テーブル222aは、主制御装置110にて通常用テーブル202d1を用いて選択された変動パターンコマンド(通常時変動パターンコマンド)を受信した場合に参照される通常用演出パターンテーブル222a1と、主制御装置110にて時短・確変用テーブル202d2を用いて選択された変動パターンコマンド(時短時変動パターンコマンド)を受信した場合に参照される時短・確変用演出パターンテーブル222a2と、を有している。
各演出パターンテーブルには、主制御装置110にて選択された変動パターンコマンド(変動時間)に対応する様々な演出データが規定されており、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出の演出内容を選択する際に用いられる。
次に、図160(b)を参照して、通常用演出パターンテーブル222a1の内容について説明をする。図160(b)は、通常用演出パターンテーブル222a1に規定されている内容を示した模式図である。図160(b)に示した通り、通常用演出パターンテーブル222a1には、主制御装置110から出力された通常時変動パターンコマンドの種別と、対応する特別図柄の保留数と、取得した第1演出カウンタ223p1の値と、に対応させて様々な演出パターン(変動演出)が規定されている。なお、図160(b)に示した模式図では、説明の便宜上、演出パターンとして「各種リーチ演出」と示している範囲があるが、これは、実際には取得した第1演出カウンタ223p1に応じて異なる種類の演出パターンが規定されていることを示している。
通常用演出パターンテーブル222a1に規定されている内容をより具体的に説明をすると、当否判定結果が「当たり(大当たり)」で、受信した変動パターンの種別が「種別A(60秒)」で、対応する特別図柄の保留数が「0」の場合は、取得した第1演出カウンタ223p1の値に関わらず、演出パターンとして「疑似外れ演出」が、対応する特別図柄の保留数が「1〜3」の場合は、取得した第1演出カウンタ223p1の値に応じた「各種リーチ演出」が規定されている。また、受信した変動パターンの種別が「種別B(90秒)」で、対応する特別図柄の保留数が「0〜3」の場合は、取得した第1演出カウンタ223p1の値が「0〜149」の範囲には「各種リーチ演出」が、「150〜198」の範囲には「一連役物演出」が規定されている。
ここで、演出パターンとして「疑似外れ演出」が選択された場合には、14秒間の特定外れ演出を含む演出(図145(a参照))が実行される。このように構成することで、特別図柄の保留数が「0」であるため、特定外れ演出が実行されたと遊技者に思わせながらも、最終的に特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることを示す演出結果を遊技者に提供することができる。よって、特別図柄抽選の結果が外れである場合に実行される14秒の特定外れ演出が実行された場合でも、抽選結果が大当たりの可能性を残すことができるため、実行される変動演出の内容によって、特別図柄抽選の結果を事前に把握されてしまうことを抑制することができる。
また、演出パターンとして「一連役物演出」が選択された場合は、パチンコ機10が有する複数の演出装置を用いた演出が実行される。この演出装置についての詳細な説明は省略するが、パチンコ機10に設けられた可動手段(電気的駆動源を用いて動作する演出用の部材)であって、特別図柄抽選の結果に応じて演出用に少なくとも第1位置からその第1位置とは異なる第2位置へと移動可能な装置である。この演出装置には、実際に異なる位置へと移動させるために、事前に準備動作(例えば、待機位置へと移動するための動作)の実行を必要とするものもある。よって、本制御例のように、変動演出の演出パターンとして設定することにより、準備動作を確実に実行させることが可能となる。なお、準備動作を必要とする演出装置に対しては、実際に演出が実行される場合以外にも、準備動作のみを実行する演出パターンを設けても良い。これにより、準備動作の有無によって当該演出装置を用いた演出が実行されるか否かを遊技者に事前に把握されてしまうことを抑制することができる。
当否判定結果が「外れ」で、受信した変動パターンの種別が「種別D(14秒)」で、対応する特別図柄の保留数が「0」の場合は、取得した第1演出カウンタ223p1の値に関わらず、演出パターンとして「特定外れ演出」が、受信した変動パターンの種別が「種別E(28秒)」で、対応する特別図柄の保留数が「0〜3」の場合は、取得した第1演出カウンタ223p1の値に関わらず、演出パターンとして「第2特定外れ演出」が、受信した変動パターンの種別が「種別F(60秒)」で、対応する特別図柄の保留数が「0〜3」の場合は、取得した第1演出カウンタ223p1の値に応じた「各種リーチ演出」が、受信した変動パターンの種別が「種別F(60秒)」で、対応する特別図柄の保留数が「0〜3」の場合は、取得した第1演出カウンタ223p1の値に応じた「各種リーチ演出」が、受信した変動パターンの種別が「種別F(60秒)」で、対応する特別図柄の保留数が「0〜3」の場合は、取得した第1演出カウンタ223p1の値が「0〜194」の範囲には「各種リーチ演出」が、「195〜198」の範囲には「一連役物演出」が規定されている。
次に、図161を参照して、時短・確変用演出パターンテーブル222a2の内容について説明をする。図161は、時短・確変用演出パターンテーブル222a2に規定されている内容を示した模式図である。図161に示した通り、時短・確変用演出パターンテーブル222a2には、主制御装置110から出力された時短時変動パターンコマンドの種別と、対応する特別図柄の保留数と、取得した第1演出カウンタ223p1の値と、に対応させて様々な演出パターン(変動演出)が規定されている。なお、図161に示した模式図では、説明の便宜上、演出パターンとして「各種リーチ演出」と示している範囲があるが、これは、実際には取得した第1演出カウンタ223p1に応じて異なる種類の演出パターンが規定されていることを示している。また、規定されている詳細な内容についても、上述した通常用演出パターンテーブル222a1(図160(b)参照)と、具体的な振り分け数値を異ならせている点と、対応する演出パターンとを異ならせている点で相違し、それ以外は同一であるため詳細な説明を省略する。
連打演出選択テーブル222bは、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づいて変動演出パターン選択テーブル222aにより選択された変動演出パターンとして「連打演出」が選択された場合に実行される連打演出の演出態様を選択するためのものであって、上限回数選択テーブル222b1、終了回数選択テーブル222b2、演出結果選択テーブル222b3とを含むものである。
なお、この「連打演出」は、図160、及び図161を参照して上述した変動演出パターン選択テーブル222aでは、「各種リーチ演出」と表記した演出パターンの中に含まれているものであって、図130から図132を参照して説明をした演出内容の演出が実行されるものである。
まず、図162(b)を参照して、上限回数選択テーブル222b1の内容について説明をする。図162(b)は、上限回数選択テーブル222b1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この上限回数選択テーブル222b1は、連打演出における最大可変値に対応する表示態様へと可変するまでに要する枠ボタン22の操作回数(上限回数)を選択する際に参照されるものである。
具体的には、対応する特別図柄抽選の結果が「当たり(大当たり)」であって、リーチ種別が「SPリーチ」である場合において、取得した第2演出カウンタ223p2の値が「0〜39」の場合は、上限回数として「20」が選択される。なお、この場合における連打演出の最終可変態様(最大可変値)は、「0体」となる。取得した第2演出カウンタ223p2の値が「40〜198」の場合は、上限回数として「15」が選択される。この場合における連打演出の最終可変態様(最大可変値)は、「5体」となる。
また、対応する特別図柄抽選の結果が「当たり(大当たり)」であって、リーチ種別が「スーパーリーチ」である場合には、取得した第2演出カウンタ223p2の値に関わらず、上限回数として「15」が選択される。この場合における連打演出の最終可変態様(最大可変値)は、「11〜40体」となる。
ここで最終可変態様が「11〜40体」とは、連打演出の演出態様を選択する際には具体的な数値を決定せず、取り得る範囲のみを選択する場合である。この「11〜40体」が選択された場合には、表示制御装置114側にて、枠ボタン22に対する操作コマンドを受信した場合に、現在表示中の可変態様が逆戻りしない範囲内で可変態様を可変させるか否かの判定を行い、その判定に当選した場合に、可変態様が上述した範囲内で可変されるように構成している。このように、音声ランプ制御装置113にて連打演出の演出態様の詳細を決定しないように構成することで、実際に実行される連打演出の演出態様にバリエーションを持たせることができる。
対応する特別図柄抽選の結果が「外れ」であって、リーチ種別が「SPリーチ」である場合は、取得した第2演出カウンタ223p2の値に関わらず、上限回数として「15」が選択される。この場合における連打演出の最終可変態様(最大可変値)は、「5体」となる。リーチ種別が「スーパーリーチ」である場合は、取得した第2演出カウンタ223p2の値に関わらず、上限回数として「15」が選択される。この場合における連打演出の最終可変態様(最大可変値)は、「11〜40体」となる。リーチ種別が「リーチ以外」である場合は、取得した第2演出カウンタ223p2の値に関わらず、上限回数として「10」が選択される。この場合における連打演出の最終可変態様(最大可変値)は、「11〜40体」となる。
次に、図163(a)を参照して、終了回数選択テーブル222b2の内容について説明をする。図163(a)は、終了回数選択テーブル222b2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。終了回数選択テーブル222b2は、連打演出中における枠ボタン22の操作が上限回数に到達した後、連打演出の演出期間を短縮(終了)させるための終了条件を選択するものである。本制御例では、連打演出の演出期間を短縮(終了)させるための終了条件として、枠ボタン22の操作回数に基づいて成立する操作回数終了条件を設定可能に構成しており、図163(a)に示した通り、特別図柄抽選の結果、設定されている上限回数、取得した第3演出カウンタ223p3の値とに基づいて、異なる終了回数が規定されている。
図163(b)は、演出結果選択テーブル222b3の内容を模式的に示した模式図である。この演出結果選択テーブル222b3は、連打演出の演出結果を選択する際に用いられるデータテーブルであって、特別図柄抽選の結果、連打演出の演出期間の短縮の有無、設定されている上限回数に応じて異なる演出結果が選択されるように規定されている。
ランダム表示選択テーブル222cは、ランダム表示演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルを有するものであり、図164(a)に示した通り、演出アイコン格納エリア222c1、表示順選択テーブル222c2、順列格納エリア222c3、表意態様選択テーブル222c4、表示個数選択テーブル222c5と、を有している。
演出アイコン格納エリア222c1は、ランダム表示演出にて用いられる各種アイコンに対応する情報が格納されている記憶領域である。ここで、図164(b)を参照して、演出アイコン格納エリア222c1の内容について説明をする。図164(b)は、演出アイコン格納エリア222c1の内容を模式的に示した模式図である。図164(b)に示した通り、演出アイコン格納エリア222c1は、第1領域za1〜第6領域za6の6つの領域が順番付けて形成されている。
そして、各領域に対して1のアイコン情報が格納されている。具体的には、第1領域za1には「四角形状」のアイコン情報、第2領域za2には「三角形状」のアイコン情報が、第3領域za3には「四角形状」のアイコン情報が、第4領域には「丸形状」のアイコン情報が、第5領域には「ひし形形状」のアイコン情報が、第6領域には「Vサイン形状」のアイコン情報が格納されている。
本制御例では、アイコン格納エリア222c1に形成される各領域に対してそれぞれアイコン情報が格納されており、各領域が順番付けられている。そして、ランダム表示演出の演出態様を決定する際には、アイコン格納エリア222c1の各領域の順番に従ってアイコンが表示されるように構成している。このように構成することで、アイコン表示内容にランダム性を持たせながらも、所定の規則に従った演出を実行させることができる。よって、完全にランダムに演出内容が設定される場合に比べて、特別図柄抽選の結果に応じた演出を実行し易くすることができる。
なお、図164(b)では、演出アイコン格納エリア222c1として1の領域範囲(第1領域za1〜第6領域za6)しか記載していないが、実際には、各領域に対応させて格納されているアイコン情報を異ならせた複数の領域範囲を有しているが、説明の便宜上、その説明を省略する。このように、演出アイコン格納エリア222c1に複数の領域範囲を持たせ、ランダム表示演出の演出態様を選択する際に、使用する領域範囲を異ならせることにより、演出態様を大きく異ならせたランダム表示演出を容易に実行することができる。例えば、複数の領域範囲のうち、一部の領域範囲にしか格納されない特定アイコン情報を設け、特別図柄抽選で大当たり当選している場合のほうが、特定アイコン情報が格納されている領域範囲を選択し易くするように構成すると良い。このように構成することで、特定アイコン情報に対応するアイコンが表示されるだけで大当たり当選の期待度を高めることができる。
また、演出アイコン格納エリア222c1の領域範囲(第1領域za1〜第6領域za6)に格納されるアイコン情報を、所定の切替条件が成立した場合に切り替えるように構成しても良い。この場合、例えば、所定の切替条件として、大当たり遊技が所定回数(例えば、1回や2回)実行された場合に成立する切替条件や、パチンコ機10に現在の時刻を計時可能な計時手段(例えば、RTC)を搭載し、所定の時刻(例えば、13時)となった場合に成立する切替条件や、遊技者が任意に操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作に基づいて実行される演出の演出態様を選択可能な演出選択手段を有するパチンコ機10においては、遊技者による操作手段の操作に基づいて成立する切替条件を設けると良い。これにより、1の領域範囲しか設けなくても、演出態様のバリエーションを多様なものにすることができる。
表示順選択テーブル222c2は、ランダム表示演出において、表示されるアイコンの表示順を選択する際に用いられるデータテーブルであって、ランダム表示演出にて最初に表示されるアイコン(先頭アイコン)として、アイコン格納エリア222c1のどの領域にするのかを選択するものである。
ここで、図164(b)を参照して、表示順選択テーブル222c2の内容について説明をする。図164(b)は、表示順選択テーブル222c2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図164(b)に示した通り、表示順選択テーブル222c2には、特別図柄抽選の結果と、第4演出カウンタ233p4の値とに基づいて、先頭アイコンに対応する領域として異なる領域(第1領域za1〜第6領域za6)を選択可能に構成している。
本制御例では、先頭アイコンに対応する領域(第1領域za1〜第6領域za6)が選択された場合、その領域から所定の順序(第1領域za1(A)、第2領域za2(B)、・・・第6領域za6(F)、第1領域za1(A)、・・・)の順に対応するアイコンを表示するように構成している。よって、先頭アイコンとして「A」が選択された場合と、「C」が選択された場合とでは、ランダム表示演出にて最初のアイコンが表示された時点では同一の表示態様が表示されることになる。よって、ランダム表示演出にて連続して表示されるアイコンの表示態様、具体的には、2個目に表示されるアイコンの表示態様に遊技者を注視させることができる。
また、図164(c)に示した通り、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合のほうが、外れである場合よりも、先頭アイコンとして「Vサイン形状」のアイコンを表示させ易くすることができるように構成している。また、「C」が選択される割合が高くなるように構成している。よって、ランダム表示演出中においては、大当たり当選している場合のほうが、大当たり当選していない場合よりも、「Vサイン形状」のアイコンが表示され易い。よって、「Vサイン形状」のアイコンは、表示されるだけで大当たり期待度が高くなる特定アイコンとなる。
順列格納エリア222c3は、ランダム表示演出において、アイコンが表示される位置に関する情報が格納されている記憶領域である。本制御例では、ランダム表示演出にてアイコンが表示される順序(順列)を予め複数個用意しておき、ランダム表示演出の演出態様を選択する際に、選択された順列に沿ってアイコンを表示するように構成している。このように構成することで、アイコン表示順序にランダム性を持たせながらも、所定の規則に従った演出を実行させることができる。よって、完全にランダムに演出内容が設定される場合に比べて、特別図柄抽選の結果に応じた演出を実行し易くすることができる。
具体的には、図165(a)に示した通り、順列格納エリア222c3には、順列A〜順列Dに対応する演出データ(順列データ)が格納されており、後述する表示態様選択テーブル222c4を用いて選択される順列データが読み出される。
ここで、図165(b)を参照して、表示態様選択テーブル222c4に規定されている内容について説明をする。図165(b)は、表示態様選択テーブル222c4に規定されている内容について模式的に示した模式図である。この表意態様選択テーブル222c4は、ランダム表示演出におけるアイコン表示位置を選択する際に用いられるデータテーブルであって、図165(b)に示した通り、特別図柄抽選の結果と、表示順選択テーブル222c2を用いて選択された先頭アイコンの種別と、第5演出カウンタ223p5の値とに基づいて。異なる順列データが選択されるように構成している。そしてこの表示態様選択テーブル222c4を用いて選択された順列データが、順列格納エリア222c3から読み出され、ランダム表示演出の演出態様として決定される。
表示個数選択テーブル222c5は、ランダム表示演出にて表示されるアイコンの数を選択する際に用いられるデータテーブルである。この表示個数選択テーブル222c5の内容について、図166を参照して説明をする。図166は、表示個数選択テーブル222c5に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図166に示した通り、表示個数選択テーブル222c5は、特別図柄抽選の結果と、第6演出カウンタ223p6の値とに基づいて異なる個数が選択されるように規定されており、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合のほうが、大当たりでは無い場合よりも多くの個数が選択され易くなるように各値が規定されている。
このように構成することで、ランダム表示演出において多くのアイコンが表示されたほうが、大当たり当選の期待度が高くなる。以上、説明をした通り、本制御例におけるランダム表示演出では、複数の演出要素を独立して選択し、その選択結果を組み合わせた演出態様を決定するように構成しているため、少ない演出データを用いて演出態様のバリエーションを増加させることができる。
また、各演出要素を選択する際に、大当たり当選の有無を選択条件に取り入れているため、組み合わせた演出態様においても大当たり当選の有無に基づいたバランスで演出態様を決定することができる。例えば、表示されるアイコンとして「Vサイン形状」のアイコンは、大当たり当選している場合のほうが、ランダム表示演出において最初のほうに表示され易く設定され、且つ、大当たり当選している場合のほうが、ランダム表示演出において表示されるアイコンの個数を多くすることができるように設定されているため、実行されるランダム表示演出では、大当たり当選している場合のほうが、外れ当選している場合よりも複合的に「Vサイン形状」のアイコンを表示させ易くすることができる。
遅れ演出選択テーブル222dは、変動演出パターンとして遅れ演出が決定された場合に実行する遅れ演出の演出態様を選択する場合に用いられるデータテーブルであって、遅れ期間の長さと、遅れ演出の対象を選択するためのものである。
ここで、遅れ演出選択テーブル222dの内容について、図167を参照して説明をする。図167は、遅れ演出選択テーブル222dに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図167に示した通り、遅れ演出選択テーブル222dには、特別図柄抽選の結果と、第7演出カウンタ223p7の値とに対応させて異なる遅れ種別が規定されている。
本制御例では、遅れ演出を実行する場合に、複数の遅れ期間(時間)を選択可能に構成している。そして、遅れ期間の長さによって大当たり当選の期待度を異ならせている。つまり、遊技者は遊技の経験が多くなると、他の演出との関係により徐々に遅れ演出の有無を判別できるようになる。そこで、本制御例では、遅れ演出における遅れ期間にも差を持たせるように構成している。これにより、遅れ演出が実行されることを判別可能な遊技者に対しても、遅れ種別を判別させる楽しみを提供することができる。
さらに、本制御例では、同時に実行可能な複数の演出のそれぞれに対して、遅れ演出の有無や、遅れ期間を設定可能に構成している。これにより、周りの演出との実行タイミングの比較をし難くすることができる。
上述した通り、遅れ演出を実行する場合において、同時に実行可能な複数の演出のそれぞれに対して異なる遅れ演出態様を設定可能に構成した場合、通常であれば、同時に実行される複数の演出を含む遅れ演出として1の演出データを用いていた。即ち、各演出に対して設定される遅れ期間に対応した演出情報と、その遅れ期間中の演出情報と、を少なくとも含む演出データを用いていた。
つまり、遊技者に対して見た目上は演出が所定タイミング遅れて実行される遅れ演出の有無に関わらず、同一のタイミング(例えば、特別図柄変動の開始タイミング)に対応する演出データを設定し、遅れ期間中の演出データに基づく演出を実行した後、遅れ対象となる演出が実行されるように構成していた。このように構成された場合は、特別図柄変動の開始タイミングに合わせて開始される演出データを用いて遅れ演出を含む演出が実行されるため、ズレの無い演出を実行させ易くすることができ演出効果を高めることができるものであった。
しかしながら、遅れ演出の演出内容に対応させた演出データを予め用意する必要があるため、遅れ期間を若干異ならせるだけで、演出データ量が増加してしまうという問題があった。これに対して、本制御例では、遅れ演出の対象となる演出データを設定するタイミング、即ち、音声ランプ制御装置113にて遅れ演出に関する表示用コマンドを設定するタイミングごと遅延させるように構成している。よって、遅れ期間を異ならせる場合には、音声ランプ制御装置113の遅延期間を計測するためのタイマ(遅れタイマ223s)の値を可変するだけで良い。
集合演出選択テーブル222eは、集合演出の演出態様を決定する際に用いられるデータテーブルであって、図168(a)に示した通り、集合演出に用いられるキャラを示すキャラ情報が格納されているキャラ格納エリア222e1と、集合演出にて獲得可能なキャラ数を選択する際に用いられるデータテーブルであるキャラ数選択テーブル222e2と、を有している。
バトル演出選択テーブル222fは、バトル演出の演出態様を決定する際に用いられるデータテーブルであって、図169(a)に示した通り、バトル演出に用いられる敵キャラの体力値(HP)を選択する際に用いられるHP選択テーブル222f1と、バトル演出において最終的に残る敵キャラの体力値(HP)を選択する際に用いられる最終残HP選択テーブル222f2と、バトル演出のバトル内容を選択際に用いられるバトル態様選択テーブル222f3と、を有している。
また、音声ランプ制御装置113のRAM223には、図227(b)に示すように、特別図柄1保留球数カウンタ223a、特別図柄2保留球数カウンタ223b、普通保留球数カウンタ223c、変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、入賞情報格納エリア223f、状態設定エリア223g、演出選択情報格納エリア223h、操作演出中フラグ223i、押下済フラグ223k、押下回数カウンタ223m、操作有効タイマ223n、演出カウンタ群223p、上限回数設定エリア223q、終了回数設定エリア223r、遅れタイマ223s、連続予告設定フラグ223t、連続予告カウンタ223u、連続予告中フラグ223v、ラウンド数カウンタ223x、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
特別図柄1保留球数カウンタ223aは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第1特別図柄の変動表示であって、主制御装置110において保留されている第1特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタで、入賞情報コマンドを受信した場合や、変動パターンコマンドを受信した場合といった保留球数が増減するタイミングに合わせて更新する。
特別図柄2保留球数カウンタ223bは、特別図柄1保留球数カウンタ223aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第2特別図柄の変動表示であって、主制御装置110において保留されている第2特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタで、入賞情報コマンドを受信した場合や、変動パターンコマンドを受信した場合といった保留球数が増減するタイミングに合わせて更新する。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203dや特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223a、および特別図柄2保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、始動入賞を検出して変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203d、または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223a、または特別図柄2保留球数カウンタ223bのうち、コマンドに対応するカウンタに格納する(図195のS2207参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223a、および特別図柄2保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223a、および特別図柄2保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223a、または特別図柄2保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223a、または特別図柄2保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223a、または特別図柄2保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同期しながら、その値が変更され、特別図柄2保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
普通保留球数カウンタ223cは、上述した特別図柄1保留球数カウンタ223a、及び特別図柄2保留球数カウンタ223bと同様の内容を、対象を特別図柄から普通図柄へと変更した点で相違しているだけであり、その技術的制御思想は同一であるため詳細な説明を省略する。
変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される第1特別図柄の変動パターンコマンド、または第2特別図柄の変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図195のS2204参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図199のS2602参照)。変動開始フラグ223dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図194参照)のコマンド出力処理(図195のS2102参照)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される特別図柄の停止種別コマンドを受信した場合にそれぞれオンされ(図195のS2204参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図199のS2613参照)。停止種別選択フラグ223eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
入賞情報格納エリア223fは、1つの実行エリアと、第1特別図柄に対応する4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)と、第2特別図柄に対応する4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)と、普通図柄に対応する4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)を有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において第1入球口64、または第2入球口640に対する始動入賞が検出された場合に、その始動入賞に応じて取得された特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、及び変動種別カウンタCS1の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
また、スルーゲート67への球の通過が検出された場合に、その通過に応じて取得された第2当たり乱数カウンタC4の値から、その通過に対応する普通図柄の抽選が行われた場合における抽選結果が事前に予測され、その予測された各種情報が主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(特別図柄の入賞情報の場合は、当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン、普通図柄の入賞情報の場合は、当否)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223fに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、入球を検出した入球口の種別(第1入球口64、または第2入球口640)、或いは普通図柄に対応する4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)、の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
なお、本第1制御例では、主制御装置110において、始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)に基づいて入賞情報コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113へ通知する構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、始動入賞が発生した場合に、その始動入賞に対応して予測された各種情報に、既に、特別図柄1保留球格納エリア203a或いは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されている各種情報を加えて入賞情報コマンドを設定する設定手段と、入賞情報コマンドを受信した場合に、既に、入賞情報格納エリア223fに格納されている各種情報(入賞情報)と、受信した入賞情報コマンドに含まれる各種情報(入賞情報)とが合致するかを判別する判別手段とを設ける構成としてもよい。これにより、入賞情報格納エリア223fに格納されている各種情報(入賞情報)が適切に格納されているかを判別することが可能となる。
また、本第1制御例では、新たな始動入賞が発生した場合に入賞情報コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113へ通知する構成を用いているが、入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113へ通知するタイミングは、上述したタイミング(入賞情報コマンドを設定したタイミング)に限定されるものでは無く、例えば、入賞情報コマンドを一時的に記憶する記憶手段を設け、始動入賞したタイミングに加え、定期的(例えば、5秒間隔)、遊技条件可変時(例えば、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行した場合や、大当たり遊技が開始又は終了した場合等)、または、特別図柄の変動開始(又は停止)時に、記憶手段に記憶されている入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113へ通知する構成を用いても良い。このように構成することで、入賞情報格納エリア223fに格納されている入賞情報を用いた演出(所謂、先読み演出)を適切に実行することができる。
本制御例では、入賞情報格納エリア223fに格納された各入賞情報に基づいて、先読み演出として、保留図柄の表示色の変更等の演出態様の設定等が実行される。このように、入賞情報格納エリア223fに格納された各入賞情報に基づいて各種演出(先読み演出)を実行することで、変動表示が開始されるよりも前から各保留球に対して遊技者に大当たりとなる期待感を抱かせることができる。また、複数回の変動表示期間を用いた長期間の演出を実行することも可能となる。
状態設定エリア223gは、パチンコ機10に設定されている現在の遊技状態と、所定期間前の遊技状態(例えば、現在が大当たり遊技中であれば、その大当たりに当選した時点における遊技状態)とが設定(記憶)される記憶領域である。
この状態設定エリア223gには、主制御装置110から出力される各種状態コマンドをコマンド判定処理(図195のS2114参照)によって受信した場合に、受信した状態コマンドに含まれる遊技状態を示す情報を抽出し、現在の遊技状態が設定される。また、コマンド判定処理(図195のS2114参照)において、大当たり遊技が実行されることを示すコマンドを受信したと判別した場合に、現在の遊技状態として設定(記憶)されている情報を、直前に設定されていた遊技状態として設定(記憶)されるように構成されている。これにより、大当たり遊技終了後に実行される変動演出の演出態様を、大当たり当選時に設定されていた遊技状態に応じて可変させることが可能となる。また、例えば、同一の大当たり種別の大当たりであっても、当選時の遊技状態に応じて、大当たり遊技終了後に実行される遊技状態を可変させるような構成を有している場合において、大当たり遊技中に大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を音声ランプ制御装置113側で予測し、その予測結果を示唆するための大当たり遊技中の演出を実行することができる。
演出選択情報格納エリア223hは、変動演出パターンとして選択された内容(演出態様)を一時的に格納するための領域であって、変動表示設定処理(図199のS2115参照)において実行される演出態様設定処理(図200のS2607参照)にて設定された各種演出態様が格納されるものである。そして、枠ボタン22に対する操作が有効に判別された場合や、実行中の演出態様を可変させる場合などにおいて、現在設定されている(実行されている)変動演出の演出態様を把握するために読み出される。この演出選択情報格納エリア223hには、既に実行された特別図柄抽選に対する変動演出の演出態様(過去演出態様)と、現在実行中の変動演出の演出態様と、入賞情報格納エリア223fに格納されている入賞情報に対して実行予定の変動演出の演出態様(予定演出態様)と、を一時的に格納可能に構成しており、過去演出態様として最大で特別図柄抽選5回分の演出態様を、予定演出態様として最大で4個の入賞情報に対応する演出態様を、格納可能に構成している。
このように構成することで、例えば、新たな演出態様を選択する際に、過去に設定された(実行された)演出態様に基づいて演出態様を設定することが可能となる。この場合、例えば、今回の変動演出に対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合に、意図的に、過去に設定された演出態様と重複した演出態様を設定するように構成することで、同一の演出態様が連続して設定された場合における大当たり当選の期待度を高めるように構成すると良い。これにより、通常であれば同一の演出態様が連続して設定されることにより、目新しい演出が実行されないことから、遊技者の遊技意欲が低下してしまうところを、大当たり期待度を高めることにより、遊技者の遊技意欲を高めることができる。またこの場合、同一の演出態様が連続して設定されたことを遊技者に報知するための報知手段として、例えば、第3図柄表示装置81の表示面に「同じリーチ」といった表示態様を表示するように構成すると良い。これにより、同一の演出態様が連続して設定されたことを遊技者に分かり易く報知することができる。
また、過去に設定された演出態様とは異なる演出態様を設定するように構成しても良いし、ストーリー性のある複数の演出態様が順に設定されるように構成しても良い。このように過去に設定された(実行された)演出態様に関連する演出態様を設定することにより、遊技者に対して実行される演出に興味を持たせ易くすることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
押下済フラグ223kは、遊技者が枠ボタン22(操作手段)を押下(操作)したことを示すためのものであって、操作演出中に枠ボタン22が押下された場合にオンに設定されるものである。
この押下済フラグ223kは、枠ボタン入力監視・演出処理(図208のS2107参照)において、枠ボタン22の操作有効期間中(操作有効タイマ223nの値が0よりも大きい場合)に、枠ボタンが押下(操作)されたと判別した場合にオンに設定される(図208のS3404参照)。そして、操作演出管理処理(図210のS2111参照)にて参照される(図210のS3609)。そして、参照結果に基づいた操作演出の演出態様が設定された後にオフに設定される(図210のS3610参照)。
このように、操作有効期間中に操作手段(枠ボタン22)が操作されたことを一時的に記憶しておく記憶手段として押下済フラグ223kを設け、その押下済フラグ223kが既に操作手段が操作されたことを示す状況に設定(オンに設定)されている場合には、操作手段への新たな操作を受け付けないように構成することで、操作手段への操作に基づいて実行される操作演出を確実に実行することができる。
また、押下済フラグ223kをオンに設定するだけで、新たな操作手段への操作が受け付けられることを禁止することができるため、操作手段(枠ボタン22)を操作してから、その操作に基づく演出を実行するまでの期間を容易に可変させることができる。
押下回数カウンタ223mは、操作有効期間内に枠ボタン22が押下された回数を計測するためのカウンタであって、実行中の操作演出が、連打演出、即ち、枠ボタン22への操作回数(押下回数)に基づいて演出態様が可変する操作演出である場合に、その操作回数を計測するものである。
操作有効タイマ223nは、操作演出中に設定される操作有効期間を計測するためのタイマであって、操作有効期間がセットされた場合に、今回セットされた操作有効期間の長さを示す値が設定される。そして、時間経過に応じて設定された値が減算されていく。この操作有効タイマ223nの値が0よりも大きい場合に、枠ボタン22への操作が有効に判別される。
演出カウンタ群223pは、本制御例において実行される変動演出の演出態様を選択する際に参照する乱数値をカウントするためのものであり、複数の乱数値カウンタを有している。具体的には、第1演出カウンタ223p1から第11演出カウンタ223p11の11種類のカウンタを有しており、変動演出の演出態様を選択する際に、専用の演出カウンタを用いて各種演出態様が選択される。このように異なるカウンタの値を用いて変動演出の演出態様を選択するように構成することで、1回のメイン処理内、即ち、演出カウンタの値が更新される周期よりも短い間隔で複数の演出態様を選択する処理を実行したとしても、同一のカウンタ値を参照して複数の演出態様が選択されてしまうことを抑制することができる。
この各種演出カウンタは、0〜199の範囲で繰り返し更新されるカウンタである。図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図194参照)が実行される毎に、各種演出カウンタの更新内容が同期し難くなるように更新される。具体的には、1回の更新処理により各演出カウンタの値が異なる素数分更新されるように構成している。このように構成することで、演出カウンタを用いて演出態様が選択される各種演出において、実行される演出内容をランダムに設定し易くすることができる。
なお、本制御例では、独立して値が更新される複数のカウンタの値を用いて各種演出態様を選択するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、複数の演出カウンタの値に対して、所定の演算処理を実行し、その演算結果を示す値を用いて演出態様を選択するように構成しても良い。このように構成することで、演出カウンタの個数を削減することができる。
また、本制御例では、独立して値が更新される演出カウンタの値を用いて各種演出態様を選択するように構成することで実行される演出に法則性を持たせないようにし演出効果を高めているが、これに限ること無く、例えば、同一の演出カウンタの値を用いて複数の演出態様を選択するように構成しても良い。このように構成することで、複数の演出態様に対して法則性を持たせて演出態様を選択することができ、遊技者に分かり易い演出を提供し易くすることができる。
上限回数設定エリア223qは、連打演出にて設定された最大可変値に対応する表示態様が表示されるまでの枠ボタン22への操作回数が記憶される領域であって、連打演出の演出態様を決定する処理において、上限回数選択テーブル222b1を用いて選択された上限回数が一時的に記憶される。そして、連打演出中における枠ボタン22への操作回数を示す情報と比較される。これにより、連打演出中における枠ボタン22への操作回数が上限回数に到達したか否かが判別される。
終了回数設定エリア223rは、連打演出にて設定された最大可変値に対応する表示態様が表示されてから、連打演出の演出期間を短縮(終了)させるまでに必要な枠ボタン22への操作回数が記憶される領域であって、連打演出の演出態様を決定する処理において、終了回数選択テーブル222b2を用いて選択された終了回数が一時的に記憶される。そして、連打演出中における枠ボタン22への操作回数を示す情報と比較される。これにより、連打演出中における枠ボタン22への操作回数が終了回数に到達したか否かが判別される。
遅れタイマ223sは、遅れ演出として設定された遅れ時間を計測するタイマである。
連続予告設定フラグ223tは、受信した入賞情報に連続予告演出を実行することを示す情報が含まれており、次に実行される変動演出から連続予告演出を実行することを示すフラグであって、受信した入賞情報に連続予告演出を実行することを示す情報が含まれている場合にオンに設定される。
そして、新たな変動演出を設定するための変動表示処理が実行される場合に参照される。
連続予告カウンタ223uは、連続予告演出を継続して実行する変動演出の回数を示すためのカウンタであって、入賞情報関連処理(図196のS2210参照)において、連続予告設定フラグ223tがオンに設定された場合に、今回受信した入賞情報に対応する特別図柄変動が実行されるまでの回数を示す値がセットされる。そして、変動演出が終了する毎に値が減算される。これにより、実行中の連続予告演出の状況を把握し易くすることができる。
連続予告中フラグ223vは、連続予告演出が実行されていることを示すためのフラグであって、連続予告演出が実行される場合にオンに設定される。そして、連続予告演出が終了した場合にオフに設定される。入賞情報関連処理(図196のS2210参照)において参照され、連続予告中フラグ223vがオンに設定されている間、即ち、連続予告演出中は、新たに連続予告設定フラグがオンに設定されないように構成している。
ラウンド数カウンタ223xは、大当たり遊技におけるラウンド数を計測するためのカウンタであって、大当たり遊技中に新たなラウンドが開始される場合に値が加算される。そして、大当たり遊技が終了した場合に0にリセットされる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図231を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図251参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図171を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図171は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図211のS6001参照)の終了後に実行される初期化処理(図211のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図176参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図213(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1始動口64aへの入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図212参照)。
ここで、電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像(図172参照)を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は、それを示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合はそれを示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、「○」、「×」を示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図171に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図128参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1始動口64aまたは第2始動口64bへの入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
また、第1始動口64aは、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第2始動口64bへ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期間感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図174を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図174は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。
MPU231は、この背面種別によって、背景モードに対応した背景(海中、浜辺、準備期間の背景、時間演出専用の背景)のいずれかを表示させることが特定される場合は、背景のうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図174の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図176参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図175を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図175は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図175のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図175のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図175の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図176参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図175の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図172に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図211参照)の中でオンに設定される(図211のS6005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図223(b)のS7505参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図213(b)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図213(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図213(b)のS6309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図214〜図219参照)および表示設定処理(図220〜図222参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図223(a)のS7401参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図223(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図224参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図176参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図176参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図176参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図213(b)のS6303参照)の中で、ポインタ更新処理(図222のS7205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図176参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図176を参照して、描画リストの詳細について説明する。図176は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図173に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図213(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図220のS7207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図211のS6002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図224参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図224のS7613参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図224のS7614参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233iは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図225のS7702参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図213(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図225のS7702参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<主制御装置110の制御処理について>
次に、図177から図192のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図177は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では599)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、599,99,599,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、その後、第1入球口64aへの入球(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図178〜図182を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、スルーゲート67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図183および図184を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図178を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図178は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図177参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図187参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第2特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。S207の処理が実行された後には、S213の処理が実行される。
一方、S204の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203dの値が0であると判別された場合には(S204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得する(S208)。S208の処理において取得した特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であるか判別する(S209)。特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合には(S209:No)、この処理を終了する。一方、S209の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でないと判別した場合には(S209:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S210)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S211)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図187参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第1特別図柄保留球数カウンタ223aに格納する。
S211の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S212)。S212の処理では、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S213)。なお、特別図柄変動開始処理については、図180を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:No)、本処理を終了する。
一方、S214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S214:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S215)。停止図柄の設定は、図180を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理(S213)が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとに共通して設けられた実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たり種別が決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S215の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理(S213)によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S216)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S216:Yes)、大当たり種別に基づいて、特定入賞口の開放シナリオを設定し(S217)、その後、確変カウンタ203tと時短カウンタ203uの値を0に設定し(S218)、大当たりの開始を設定する(S219)。そして、停止コマンドを設定し(S220)、本処理を終了する。
一方、S216の処理において、今回の抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(S216:No)、遊技状態更新処理(S221)を実行する。遊技状態更新処理(S221)については、図179を参照して後述する。そして、停止コマンドを設定し(S220)、本処理を終了する。
次に、図179を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される遊技状態更新処理(S221)について説明する。図179は、遊技状態更新処理(S221)を示したフローチャートである。この遊技状態更新処理(S221)は、タイマ割込処理(図177参照)の特別図柄変動処理(図178参照)の中で実行される処理であり、確変カウンタ203tと時短カウンタ203uの値を減算する処理を実行し、その減算した値に基づいて、遊技状態を更新するための処理である。
遊技状態更新処理(S221)では、まず、確変カウンタ203tの値が1より大きいかどうか判別する(S351)。確変カウンタ203tの値が1より小さい(即ち、0である)と判別した場合には(S351:No)、S355の処理へ移行する。一方、確変カウンタ203tの値が1より大きい値であると判別した場合には(S351:Yes)、確変カウンタ203tの値を1減算する(S352)。次に、S352の処理において、減算した確変カウンタ203tの値が、0であるかどうか判別する(S353)。確変カウンタ203tの値が0であると判別した場合には(S353:Yes)、確変を終了するタイミングであるため、通常状態を示す状態コマンドを設定し(S354)、本処理を終了する。
本制御例では、図155(b)を参照して上述した通り、正常に遊技を行っている以上、確変カウンタ203tに所定値(200)をセットした場合には、時短カウンタ203uにも同一の値(200)がセットされるように構成している。よって、S352の処理において確変カウンタ203tの値が0であると判別した場合には、時短カウンタ203uの値も0となるため、通常状態を示す状態コマンドが設定される。
なお、図179では、確変カウンタ203tの値が0と判別された場合に、通常状態を示す状態コマンドが設定されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、確変カウンタ203tの値と、時短カウンタ203uの値とを更新し、両方の値を更新した後に、更新後の各値を判別し、現在の遊技状態を判定し、その判定結果に基づく遊技状態を示す状態コマンドを設定するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、確変カウンタ203tの値が0よりも大きく、時短カウンタ203uの値が0である遊技状態(潜確状態)を示す状態コマンドも設定可能となる。
一方、S353の処理において、確変カウンタ203tの値が0ではないと判別した場合には(S353:No)、時短カウンタ203uの値が1より大きいかどうか判別する(S355)。1より小さい(即ち0である)と判別した場合には(S35:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S355の処理において、時短カウンタ203uの値の値が1より大きいと判別した場合には(S355:Yes)、時短カウンタ203uの値を1減算する(S356)。次に、S356の処理において減算した時短カウンタ203uの値が0であるかどうか判別する(S357)。時短カウンタ203uの値が0であると判別した場合には(S357:Yes)、通常状態への移行を示す状態コマンドを設定し(S358)、本処理を終了する。一方、S357の処理において、時短カウンタ203uの値が0ではないと判別した場合には(S357:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図180を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図180は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図177参照)の特別図柄変動処理(図178参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理(S213)では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を取得する(S301)。次に、確変カウンタ203tの値が0より大きいか否か(遊技状態が確変期間中(高確率遊技状態)であるか)を判別する(S302)。確変カウンタ203tの値が0より大きいと判別された場合には(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S303の処理に移行する。S303の処理では、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄の種別に対応した高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図155(a)参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている600の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、確変遊技状態(特別遊技状態)における特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜5」の6個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、確変カウンタ203tの値が0である(パチンコ機10が特別図柄の低確率状態である)と判別した場合には(S302:No)、S304の処理を実行する。S304の処理では、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄の種別に対応した低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図155(a)参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている600の乱数値と1つ1つ比較する。通常遊技状態(低確率遊技状態)における特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0,1」の2個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
S305の処理では、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるか(即ち、取得している第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202aに設定されている判定値と一致するか)を判別し(S305)、特別図柄の大当たりであると判別された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202dに格納されている乱数値とを比較し、3種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA〜C)のうち、大当たり種別が何であるかを判別する。上述したように、第1特別図柄の大当たりの場合、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりAであると判別し、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりBと判別し、第2特別図柄の大当たりの場合、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜99」の範囲にあれば、大当たりCであると判別する(図155(b)参照)。
このS306の処理では、判別された大当たり種別(大当たりA〜C)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA〜C)が停止種別として設定される。
次に、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値に基づいて、図柄変動の変動時間を決定する。なお、詳細な説明は省略するが、停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、図柄変動の停止種別(リーチ種別や、リーチの有無)が決定される。停止種別選択カウンタC3の数値と図柄変動の種別との関係についての図示は省略しているが、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜50」の範囲であればノーマルリーチ、「51〜250」の範囲にあればスーパーリーチの変動パターンを決定する。
なお、変動パターンにおいて、主制御装置110では、当否判定結果を報知するまでの変動時間を決定し、音声ランプ制御装置113に対して通知する。音声ランプ制御装置113では、その変動時間と当否判定結果に従い、実際に第3図柄表示装置81に表示する変動表示態様の内容(変動パターン)を決定する。主制御装置110では、外れリーチの表示態様であっても、音声ランプ制御装置113では、リーチ表示態様としない外れの表示態様に同じ変動時間であれば切り替えることもできるように構成されている。これにより、多様な表示態様を表示させることができ、演出を多様化することができる。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「短外れ」、「長外れ」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種が規定されている。大当たりA、大当たりB、大当たりD共用の変動パターンとしては、「ノーマルリーチ」各種、「スーパーリーチ」各種が規定されている。
一方、S305の処理において、特別図柄の外れであると判別された場合には(S305:No)、特別図柄に対応した外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示する変動時間(変動パターン)を設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S308の処理と同様に、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値を確認し、停止種別選択カウンタC3の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、特別図柄変動処理(S104)へ戻る。
次に、図181を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図181は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図177参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本制御例では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、S407の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す第1特別図柄の保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図187参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223aに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S406)、S407の処理へ移行する。尚、S406の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、S407〜S412については、上記説明したS401〜S406の各処理について、第1入球口64に入賞したことに対する処理が第2始動口64bに入賞したことに対する処理に変更されるのみで、同様の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。なお、第2入球口640に遊技球が入賞した場合に、保留球として記憶される場合にも、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値が取得されて、対応する特別図柄2保留球格納エリア203bの空き保留エリアに記憶される。
このように、第2入球口640への入球に基づく、第2特別図柄に対しても第1特別図柄と同様の第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を取得することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の乱数を用いて抽選が実行できるので、第1特別図柄と第2特別図柄とでも当たり確率を一定にすることができる。
S412の処理を実行した後には、先読み処理を実行し(S413)、本処理を終了する。先読み処理(S413)についての詳細は、図182を参照して、詳細について説明するが、第1入球口64または第2入球口640への入球に対して取得された各種カウンタの値に基づいて、変動開始時に実行される各抽選結果を事前に判定する処理を実行する。
なお、本制御例では、各カウンタの値を入球に基づいて、選択するように構成したが、変動開始時に選択するように構成してもよい。このように構成することで、変動開始時まで、各カウンタの値を記憶しておく記憶領域が必要なく、RAM203の記憶領域の使用を抑制できる。また、各カウンタのうち、一部のカウンタ(例えば、変動種別カウンタCS1のみ)を変動開始時に取得するように構成してもよい。このように構成することで、入球時に当否判定に関わるカウンタを取得し、当否判定に関わらないカウンタについては、後から取得することができ、遊技の公平性を保ちつつ、記憶するデータ量を抑制することができる。
次に、図182を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)内の一処理である先読み処理(S413)について説明する。図182は、この先読み処理(S413)を示したフローチャートである。
先読み処理(図182、S413)では、まず、第1入球口64または第2入球口640に新たな入賞(入球)があるかどうかが判別する(S451)。判別の結果、第1入球口64または第2入球口640に新たな入賞(入球)がない場合は(S451:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入球口64または第2入球口640に新たな入賞(入球)があると判別した場合は(S451:Yes)、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bから、今回の入賞に対応する第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を取得する(S452)。
次に、取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値が示す抽選結果を、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、変動パターン選択テーブル202d(図155(a),(b),図156〜図158)を参照して事前判定し(S453)、当否判定結果、当たり種別、停止種別、変動種別の事前判定結果を示すための情報を含む入賞情報コマンドを設定し(S454)、本処理を終了する。
次に、図183を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図183は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図177参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判別する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判別の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、時短カウンタ203uの値が1より大きいかを判別する(S508)。 S508の処理において、時短カウンタ203uの値が1より大きいと判別した場合は(S508:Yes)、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図155(c)参照)とに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S509)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判別し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する。
一方、S508の処理において、時短カウンタ203uの値が1以下であると判別した場合は(S508:No)、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図155(c)参照)とに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり乱数カウンタC4の値が「0」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判別し、「1〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する。
次に、S509またはS510の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判別し(S511)、普通図柄の当たりであると判別された場合には(S511:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S512)。このS512の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定し、処理をS514へと移行する。
一方、S511の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S511:No)、外れ時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S514の処理へ移行する。
S514の処理では、時短カウンタ203uの値が0であるか否かを判別し(S514)、時短カウンタ203uの値が0でなければ(S514:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S515)、本処理を終了する。一方、S514の処理において、時短カウンタ203uの値が0であると判別した場合は(S514:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S516)、本処理を終了する。このように、普通図柄の高確率時(時短状態時)には、普通図柄の低確率時(通常状態時)と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなるので、普通図柄の抽選頻度が高くなる。よって、普通図柄の抽選で当たりとなる頻度が高くなることにより、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放され易くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。
なお、詳細な説明は省略するが、普通図柄の遊技状態は特別図柄の大当たり中に当選した場合に、通常状態が設定されるように構成している。このように構成することで、遊技者にとって有利となる大当たり中において、普通図柄の遊技状態も有利状態となり、遊技者に過度な特典を付与してしまうことを抑制することができる。また、可変入賞装置65が開放し易い期間(特別図柄の大当たり期間)と、電動役物640aが開放し易い期間(普通図柄の当たり期間)とが重複し、遊技者にとって最も有利となる可変入賞装置65への球の入賞を、開放中の電動役物640aが阻害してしまう事態を抑制することができる。
上述した内容について、詳細に説明をすると、可変入賞装置65に入賞可能となるように球が流下する第1流路に電動役物640aを設けた場合、大当たり期間中に電動役物640aが開放されることで、第1流路を流下した球が電動役物640aに入賞してしまい、大当たり期間中に可変入賞装置65へ十分に球を入賞できなくなるという問題があった。そこで、例えば、可変入賞装置65の下方位置(下流側)に電動役物640aを配置し、大当たり期間中に(可変入賞装置65が開放している期間中に)第1流路を流下した球を可変入賞装置65に入賞させ易くする構成を用いることで上述した問題を解決することが可能となるが、この場合、パチンコ機10の構成に制限が掛かってしまうという問題があった。
これに対して、本制御例は特別図柄の大当たり中に普通図柄を低確率状態(通常状態)へと移行するため、大当たり期間中に電動役物640aが開放し難くなり、上述した問題を解決することができる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S517)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S515の処理またはS516の処理によって予め設定された時間である。
S517の処理において、変動時間が経過していないと判別した場合は(S517:No)、本処理を終了する。一方、S517の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過したと判別した場合は(S517:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S518)。S518の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S512の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S518の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図187参照)の第2図柄表示更新処理(S907参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S512の処理またはS513の処理で設定された表示態様で、停止図柄(普通図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示される。
次に、第2図柄表示装置83において現在実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判別する(S519)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S519:Yes)、次に、時短カウンタ203uの値が1より大きいか否かを判別し(S520)、時短カウンタ203uの値が1より大きいと判別した場合は(S520:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間、および開放回数として、「1秒間×2回」を設定し(S522)、S523の処理へと移行する。一方、S520の処理において、時短カウンタ203uの値が1以下であると判別した場合は(S520:No)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間、および開放回数として、「0.2秒間×1回」を設定し(S521)、S523の処理へと移行する。
S523の処理では、S521、又はS522の処理で設定された時間および開放回数の、電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S523)、本処理を終了する。S523の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図187参照)の電動役物開閉処理(S905参照)が実行された場合に、電動役物640aの開閉制御が開始され、S521の処理またはS522の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物640aの開閉制御が継続される。一方、S519の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであると判別した場合は(S519:No)、S520〜S523の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図184のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図184は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図177参照)の中で実行され、スルーゲート67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球がスルーゲート67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、スルーゲート67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球がスルーゲート67を通過したと判定されると(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本制御例では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
球がスルーゲート67を通過していないか(S601:No)、或いは、球がスルーゲート67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了する。一方、球がスルーゲート67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。尚、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図185のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を説明する。図185は、このNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図186を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図186は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本制御例では1秒)を実行する(S802)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S803)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S804)、オンされていれば(S804:Yes)、処理をS812へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S804:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S805)、記憶されていなければ(S805:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS812へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S805:Yes)、RAM判定値を算出し(S806)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S807:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS812へ移行する。なお、図187のS914の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S812の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S812)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S813,S814)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。RAMの初期化処理(S813,S814)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S813)、その後、RAM203の初期値を設定する(S814)。RAM203の初期化処理の実行後は、S810の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S804:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S805:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S807:Yes)、長時間開放フラグ203iに基づいて状態コマンドを送信する(S808)。次に、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアし(S809)、S810の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S810の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し(S810)、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S811)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図187を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図187は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS901〜S907の各処理が実行され、その残余時間でS910,S911のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図177参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S901)。具体的には、タイマ割込処理(図177参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図178参照)や始動入賞処理(図181参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理や先読み処理(図182参照)で設定された入賞コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S902)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S903)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S904)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本制御例では、大当たり制御処理(S904)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S905)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図183参照)のS521およびS522の処理によって電動役物640aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物640aの開閉制御を開始する。尚、この電動役物640aの開閉制御は、普通図柄変動処理における図183のS521の処理またはS522の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S906)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図180参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本制御例では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図180参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し特別図柄変動開始処理(図180参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S907)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図183参照)のS515の処理またはS516の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図183参照)のS518の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図183参照)のS512の処理またはS513の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S908)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S908:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(S909)、既に所定時間が経過していれば(S909:Yes)、処理をS901へ移行し、上述したS901以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S909:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S910,S911)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S910)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S902の処理と同一の方法によって実行する(S911)。
ここで、S901〜S907の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S908の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S908:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図185のNMI割込処理が実行されたということなので、S912以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S912)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S913)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S914)、RAM203のアクセスを禁止して(S915)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S908の処理は、S901〜S907で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS910とS911の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S801)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図188のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S904)を説明する。図188は、この大当たり制御処理(S904)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S904)は、タイマ割込処理(図177参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出を実行するための情報(コマンド)の設定や、入賞口等(特定入賞口(大開放口)65a、V入賞口650a)を開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(S904)では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるタイミングであるかを判別する(S1001)。特別図柄の大当たりが開始タイミングであると判別した場合には(S1001:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1002)、本処理を終了する。
なお、オープニングコマンドは遊技状態や大当たり種別に応じて遅延(可変)して送信するように構成してもよい。具体的には、定期的(4ms毎)に更新されるオープニングカウンタを設ける。そして、特別図柄の大当たりまたは小当たりが開始される場合に、オープニングカウンタを0に初期化して、その後、オープニングカウンタが所定値(例えば、大当たりAの場合は2500、大当たりBの場合は5000)となった場合に、オープニングコマンドを送信するようにすればよい。このようにすることで、例えば、左打ち遊技において大当たりとなった場合には、大当たりの開始までの時間を長くし、右打ち遊技において大当たりとなった場合には、大当たりの開始までの時間を短くできる。本制御例では、左打ち遊技中に大当たりとなった場合には、大当たり遊技として右打ち遊技に切り替える必要がある。上記構成によれば、左打ち遊技において大当たりとなった場合に、右打ち遊技(大当たり遊技)に切り替える時間を十分に確保することができる。これにより、遊技者の操作負担を軽減できる。
一方、S1001の処理において、特別図柄の大当たり開始タイミングでは無いと判別した場合は(S1001:No)、次に、現在が特別図柄の大当たり中であるかを判別する(S1003)。このS1003の処理では、遊技状態格納エリア203mに記憶されている当たり遊技に関する遊技情報を読み出して判別が行われる。
特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1003の処理において、特別図柄の大当たり中では無いと判別した場合は(S1003:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特別図柄の大当たり中であると判別した場合は(S1003:Yes)、次に、新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S1004)。
S1004の処理において新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S1004:Yes)、大当たり動作設定処理を実行する(S1005)。この大当たり動作設定処理(S1005)については、図189を参照して詳細を説明するが、大当たり種別に対応した開放動作シナリオに対応する処理(可変入賞装置65、V入賞装置65、及び切替部材650hの動作処理)が実行される。
ここで、図189を参照して、大当たり制御処理(図188のS904)内の一処理である大当たり動作設定処理(S1005)について説明する。図189は、大当たり動作設定処理(S1005)の内容を示したフローチャートである。
大当たり動作設定処理(S1005)が実行されると、まず、今回の大当たりに対応して設定されている開放動作シナリオのうち、今回開始する大当たりのラウンド数に対応した開放動作が設定されている開放動作シナリオを読み込む(S1101)。そして、流路ソレノイド(確変ソレノイド)650k(図4参照)の開放動作をS1101で読み込んだデータに基づいて設定する(S1102)。次いで、可変入賞装置65の開閉扉65f1、或いは、V入賞口650aの開閉扉650f1の開放動作をS1101の処理で読み込んだデータにより設定し(S1103)、入賞個数カウンタ203jをリセットし(S1104)、ラウンド数コマンドを設定する(S1105)。その後、本処理を終了する。
なお、本制御例のパチンコ機10は、大当たり遊技として第1アタッカ(V入賞装置650)に対して開放動作を実行する大当たり遊技(ラウンド遊技)と、第2アタッカ(可変入賞装置65)に対して開放動作を実行する大当たり遊技(ラウンド遊技)と、を実行可能に構成されており、上述したS1102の処理は、第1アタッカ(V入賞装置650)を開放動作させるラウンド遊技のうち、1ラウンド目のラウンド遊技に対応する開放動作シナリオにのみ規定されているものである。よって、それ以外のラウンド遊技を実行する場合には、対応する開放動作シナリオに流路ソレノイド(確変ソレノイド)650kを開放させるシナリオ(切替部材650hを可動させて特別排出流路650e2を連通させるシナリオ)が規定されていないため、S1102の処理がスキップされる。
このように、各ラウンドの開始毎に、可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。また、詳細な説明は省略するが、本制御例では新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合に(図188のS1004:Yes)、新たなラウンド遊技が実行されることを示すためのラウンドコマンドが設定されるように構成している。ここで設定されたラウンドコマンドは音声ランプ制御装置113に出力され、音声ランプ制御装置113側で実行中の大当たり遊技に対する進行状況を判別することができるように構成している。よって、主制御装置110から受信したラウンドコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに、現在が何ラウンド目のラウンド遊技中であるかを表示することができる。
なお、本制御例では、主制御装置110が設定するラウンドコマンドとして、実行されるラウンド遊技のラウンド数を示すための情報が含まれるラウンドコマンドを設定するように構成しているが、これに限ること無く、ラウンド遊技が新たに開始されたことを示す情報のみを含むラウンドコマンドを設定するように構成しても良い。この場合、音声ランプ制御装置113側で1回の大当たり遊技中に受信したラウンドコマンドの数を計測する手段を設け、音声ランプ制御装置113側で今回実行されるラウンド遊技が何ラウンド目であるのかを算出し、その算出結果に基づいて第3図柄表示装置81に表示するラウンド数表示の表示態様を設定するように構成しても良い。このように構成することで、主制御装置110側で設定するラウンドコマンドに含まれる情報量を削減することができるため、主制御装置110の負担を軽減することができる。
図188に戻って説明を続ける。S1004の処理において、新たなラウンドの開始タイミングではないと判別した場合には(S1004:No)、開閉扉650f1、流路ソレノイド(確変ソレノイド)650kの動作タイミングであるか判別する(S1006)。動作タイミングであると判別した場合には(S1006:Yes)、開放ソレノイド650f2をオンに設定する(S1007)。その後、この処理を終了する。
一方、S1006の処理において、開放動作のタイミングでないと判別した場合には(S1006:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別する(S1008)。エンディング演出の開始タイミングは、大当たり遊技における最終ラウンド(大当たりAの場合であれば10ラウンド目)が終了して開閉扉650f1が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(本制御例では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判別する。エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合には(S1008:Yes)、開放ソレノイド650f2をオフに設定し(S1009)エンディング処理を実行して(S1010)、本処理を終了する。
ここで、図190を参照して大当たり終了処理(S1012)の詳細について説明する。図190は、エンディング処理(S1010)の内容を示したフローチャートである。
エンディング処理(S1010)が実行されると、まず、エンディングの開始を示すエンディングコマンドを設定し(S1201)、確変設定フラグ203hはオンであるか否かを判別する(S1202)。S1202の処理において、確変設定フラグ203hがオンであると判別した場合は(S1202:Yes)、確変カウンタ203tの値を200に設定し(S1203)、S1204の処理へ移行する。
S1204の処理では、大当たり種別、V入賞の有無に対応した値を時短カウンタ203uに設定し(S1204)、本処理を終了する。
一方、S1202の処理において確変設定フラグ203hがオフであると判別した場合は(S1202:No)、S1203の処理をスキップし、上述したS1204の処理へ移行する。
図188に戻って説明を続ける。S1008の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S1008:No)、次に、入賞処理を実行する(S1011)。ここで、図191を参照して、この入賞処理(S1011)について詳細に説明する。図191は、この入賞処理(S1011)の内容を示したフローチャートである。
入賞処理(図191のS1011)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S1401)。ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、開放扉65f1、或いは開放扉650f1の開放状態からインターバル期間(0.5秒)が終了するまでの期間である。ラウンド有効期間外であると判別した場合には(S1401:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1401:Yes)、V入賞口650aの球検知スイッチ650c1を通過したかを判別する。V入賞口650aの球検知スイッチ650c1を通過したと判別した場合には(S1402:Yes)、入賞個数カウンタ203jを1加算して更新する(S1403)。その後、S1404の処理を実行する。一方、球検知スイッチ650c1を通過していないと判別した場合には(S1402:No)、S1403の処理をスキップして、S1404の処理を実行する。
S1404の処理では、入賞個数カウンタ203jの値が10以上であるか判別する(S1404)。入賞個数カウンタ203jの値が10以上であると判別した場合には(S1404:Yes)、V入賞口650aの開閉扉650f1の閉鎖を設定する(S1406)。その後、残球タイマフラグ203nをオンに設定し(S1407)、S1408の処理を実行する。この残球タイマフラグ203nがオンに設定されることで、開閉扉650f1が閉鎖されてから球はけ時間中であることが判別できる。
一方、S1404の処理において、入賞個数カウンタ203jの値が10未満であると判別した場合には(S1404:No)、ラウンド時間(本制御例では、30秒)が経過したか判別する(S1405)。ラウンド時間が経過したと判別した場合には(S1405:Yes)、S1406の処理を実行する。一方、ラウンド時間が経過していないと判別した場合には(S1405:No)、S1408の処理を実行する。
S1408の処理では、動作カウンタ203kの値が0より大きい値であるか判別する(S1408)。動作カウンタ203kの値が0より大きい値であると判別した場合には(S1408:Yes)、動作カウンタ203kの値を1減算して更新する(S1409)。Vスイッチ650e3を球が通過したか判別する(S1410)。Vスイッチ650e3を球が通過したと判別した場合には(S1410:Yes)、確変通過カウンタ203iの値に1加算して更新し(S1411)、確変設定フラグ203hをオンに設定する(S1412)。
その後、S1413の処理を実行する。一方、S1410の処理において、Vスイッチ650e3を球が通過していないと判別した場合には(S1410:No)、S1413の処理を実行する。S1413の処理では、動作カウンタ203kが0であるか判別する(S1413)。動作カウンタ203kが0であると判別した場合には、流路ソレノイド650kをオフに設定し(S1414)、確変有効フラグ203qをオンに設定し(S1415)、その後、本処理を終了する。ここで、確変有効フラグ203qがオンに設定されることで、切替部材650hが切り替えられた後も、特別排出流路650e2に残存している球がVスイッチ650e3を通過した場合には、特別図柄の高確率状態が設定されるように制御することができる。
一方、S1408の処理において、動作カウンタ203kが0であると判別した場合には(S1408:No)、確変有効フラグ203qがオンであるか判別する(S1416)。確変有効フラグ203qがオフであると判別した場合には(S1416:No)、この処理を終了する。また、S1416の処理で確変有効フラグ203qがオンであると判別した場合には(S1416:Yes)、確変有効タイマ203rの値に1を加算して更新する(S1417)。
そして、更新後の確変有効タイマ203rの値が上限値(本制御例では、1.2s)に到達しているかを判別する(S1418)。確変有効タイマ203rが上限値であると判別した場合には(S1418:Yes)、確変有効フラグ203qをオフに設定し(S1419)、確変有効タイマ203rを初期値である0にリセットする(S1420)。その後、この処理を終了する。S1418の処理において、確変有効タイマ203rが上限値でないと判別した場合には(S1418:No)、S1410の処理へ移行する。
これにより、確変有効タイマ203rが上限値に到達するまでの間、Vスイッチ650e3を球が通過したか否かを判別することができるため、球はけの時間を考慮して特別図柄の高確率状態を設定することができる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正にVスイッチ650e3に球を通過させて特別図柄の高確率状態が付与されることを抑制できる。
図188に戻って説明を続ける。入賞処理(図191のS1011)が終了すると、次いで、異常処理を実行し(S1012)、本処理を終了する。ここで、異常処理(S1012)について、図192を参照して、詳細を説明する。図192は、この異常処理(S1012)の内容を示したフローチャートである。この異常処理(S1012)は、不正にVスイッチ650e3を通過させられていないかを監視するための処理である。
異常処理(S1012)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S1501)。ラウンド有効期間外である場合には(S1501:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1501:Yes)、球排出口スイッチ(排出確認スイッチ)650e4を球が通過したか判別する(S1502)。球排出口スイッチ(排出確認スイッチ)650e4を球が通過したと判別した場合には(S1502:Yes)、排出個数カウンタ203sの値を1加算して更新する(S1503)。その後、S1504の処理を実行する。一方、球排出口スイッチ(排出確認スイッチ)650e4を球が通過していないと判別した場合には(S1502:No)、S1504の処理を実行する。
S1504の処理では、残球タイマフラグ203nがオンであるか判別する(S1504)。残球タイマフラグ203nがオフであると判別した場合には(S1504:No)、この処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203nがオンであると判別した場合には(S1504:Yes)、球はけ時間の期間中であるので、残球タイマ203pを1加算して更新する(S1505)。残球タイマ203pは上限値(本制御例では、3秒)が経過したか判別する(S1506)。上限値でないと判別した場合には(S1506:No)、この処理を終了する。一方、上限値であると判別した場合には(S1506:Yes)、排出個数(確変通過カウンタ203iと排出個数カウンタ203sとの合計値)と入賞個数(入賞個数カウンタ203jの値)とが一致するか判別する(S1507)。
一致すると判別した場合には(S1507:Yes)、S1509の処理を実行する。一方、一致しないと判別した場合には(S1507:No)、エラーコマンドを設定する(S1508)。その後、S1509の処理を実行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、V入賞装置650内に不正に遊技球を残存させて、Vスイッチ650e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
S1509の処理では、残球タイマフラグ203nをオフに設定し(S1509)、残球タイマ203pを初期値である0にリセットする(S1510)。その後、入賞個数カウンタ203j、排出個数カウンタ203s、確変通過カウンタ203iが初期値にそれぞれリセットされ(S1511)、その後、この処理を終了する。
<音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図193から図210を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図193を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図193は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S2119の電源断処理(図194参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S2002)。図194を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図194のS2116参照)、S2119の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2119の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S2002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS2119の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S2003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S2006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S2003:Yes)、S2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S2003:No)、S2008の処理へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S2003:Yes)、S2004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S2003:No)、S2208の処理へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S2002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S2119の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S2004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S2004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S2005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S2006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S2005:No)、RAM223の異常を報知して(S2007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S2008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S2008)。電源断フラグはS2119の電源断処理の実行時にオンされる(図194のS2118参照)。つまり、電源断フラグは、S2119の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2119の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S2008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S2009)、RAM223の初期値を設定した後(S2010)、割込み許可を設定して(S2011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS2004からS2006の処理を経由してS2008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S2008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS2009をスキップして、処理をS2010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S2010)、割込み許可を設定して(S2011)、メイン処理へ移行する。
このように、電源投入時に、普通図柄の長時間当たり中であるか否かを判別できるコマンドが主制御装置110より出力されることで、音声ランプ制御装置113側も、その状態を判別することができる。
なお、S2009のクリア処理をスキップするのは、S2004からS2006の処理を経由してS2008の処理へ至った場合には、S2004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図194を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図194は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS2101の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S2101)、1m秒以上経過していなければ(S2101:No)、S2102〜S2113の処理を行わずにS2114の処理へ移行する。S2101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S2102〜S2113が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2114のコマンド判定処理や、S2115の変動表示設定処理や、図示を省略した各種カウンタ値を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。即ち、S2114の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2115の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2101の処理で1m秒以上経過していれば(S2101:Yes)、まず、S2103〜S2115の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2103)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2105の処理へ移行する。
S2105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S2106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223a、特別図柄2保留球数カウンタ223bの値や、普通保留球数カウンタ223cの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。なお、この枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)については、図208を参照して、詳細について後述する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S2108)、その後音編集・出力処理を実行する(S2109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S2110)、S2111の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2108のランプ編集処理が実行される。S2109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。なお、上述した液晶演出実行管理処理(S2110)については、図209を参照して、詳細について後述する。
S2110の処理が終わると、操作演出管理処理を実行する(S2111)。この操作演出管理処理(S2111)については、図210を参照して、詳細について後述するが、操作演出中に表示される演出態様を、操作手段(枠ボタン22)への操作の有無に応じて可変させるための処理が実行される。
操作演出管理処理(S2111)を実行した後には、動作制御処理(S2112)を実行する。この動作制御処理(S2112)では、本第1制御例のパチンコ機10に設けられた各種演出用可動役物の動作制御が実行される。この各種演出用可動役物の動作制御は、特別図柄の抽選結果や普通図柄の抽選結果や操作手段(枠ボタン22)の操作結果や、大当たり遊技中における遊技結果等に基づいて設定される演出用可動役物の動作シナリオの内容に従って実行されるものであり、その詳細な説明は省略する。
S2112の処理が終わると、カウンタ更新処理を実行する(S2113)。このカウンタ更新処理(S2113)では、各種演出を実行する場合に必要となる計時情報用のカウンタ(タイマ)、例えば、操作有効タイマ223nの値を更新するための処理が実行される。
S2113の処理が終了すると、次にコマンド判定処理を実行する(S2114)。このコマンド判定処理(S2114)については、図195を参照して、詳細について後述する。コマンド判定処理(S2114)を実行した後には、変動表示設定処理が実行される(S2115)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図199を参照して後述する。
S2115の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2116)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2116の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2116:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S2118)、電源断処理を実行する(S2119)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2120)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S2116の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2116:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2117)、RAM223が破壊されていなければ(S2117:No)、S2101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2117:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図195を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2114)について説明する。図195は、このコマンド判定処理(S2114)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2114)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図194参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S2114:図195)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2201)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S2201:Yes)、変動開始フラグ223dをオンに設定し(S2202)、受信したコマンドから変動パターンを抽出し(S2003)、本処理を終了する。
一方、S2201の処理において、変動パターンコマンドを受信しなかった場合には(S2201:No)、停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S2204)。停止種別コマンドを受信した場合には(S2204:Yes)、RAM223に設けられた停止種別選択フラグ223eをオンにし(S2205)、受信したコマンドから停止種別を抽出し(S2206)、本処理を終了する。
S2204の処理において、停止種別コマンドを受信しなかった場合には(S2204:No)、保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S2207)。保留球数コマンドを受信した場合には(S2207:Yes)、受信したコマンドから保留球数を抽出し、対応する特別図柄保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ223a、特別図柄2保留球数カウンタ223b)に格納(S2208)し、本処理を終了する。ここでは、第1特別図柄に対応する保留球数については、特別図柄1保留球数カウンタ223aに格納され、第2特別図柄に対応する保留球数については、特別図柄2保留球数カウンタ223bに格納される。また、普通図柄の保留球数を示す保留球数コマンドを受信した場合には、その保留球数を示すための情報を普通保留球数カウンタに格納する。
一方、S2207の処理において、保留球数コマンドを受信しなかった場合には(S2207:No)、入賞関連コマンドを受信したか否かを判別する(S2209)。入賞関連コマンドを受信した場合には(S2209:Yes)、入賞情報関連処理を開始し(S2210)、本処理を終了する。入賞情報関連処理(S2210)の詳細については、図196を参照して、後述するが、主制御装置110より出力された入賞コマンド(特別図柄に対応する入賞コマンド、普通図柄に対応する入賞コマンド)に基づいて、入賞コマンドに含まれる入賞情報を事前判別し、その事前判別結果に基づいた演出(先読み演出)を実行する処理と、その事前判別結果を一時的に記憶するための処理とが実行される。
S2209の処理において、入賞関連コマンドを受信しなかった場合には(S2209:No)、次いで、大当たり関連コマンドを受信したかを判別し(S2211)、受信したと判別した場合は(S2211:Yes)、大当たり関連処理を実行し(S2212)、本処理を終了する。この大当たり関連処理(S2212)については、図197を参照して後述する。
S2211の処理において、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S2211:No)、停止コマンドを受信したかを判別する(S2213)。ここで停止コマンドを受信したと判別した場合は(S2213:Yes)、停止処理を実行し(S2214)、本処理を狩猟する。この停止処理(S2214)については、図198を参照して後述する。一方、S2213の処理において停止コマンドを受信していないと判別した場合は(S2213:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図196を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2114:図195参照)内の一処理である入賞情報関連処理(S2210)について説明する。図195は、この入賞情報関連処理(S2210)を示したフローチャートである。この入賞情報関連処理(S2210)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図195参照)の中で実行される。
入賞情報関連処理(S2210)では、まず受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報を読み出し(S2301)、読み出した入賞情報に含まれる当否判定結果に基づいて保留表示態様を決定する(S2302)。
そして、S2302の処理で決定した保留表示態様を示すための表示用コマンドを設定する(S2303)。次に、連続予告中フラグ223vがオンか否かを判別し(S2304)、連続予告中フラグ223vがオンであると判別した場合は(S2304:Yes)、そのまま本処理を終了し、連続予告中フラグ223vがオフであると判別した場合は(S2304:No)、S2301の処理で読み出した入賞情報に基づいて連続予告演出の有無を決定し(S2305)、S2306の処理へ移行する。
S2306の処理では、連続予告演出があるか否かを判別する(S2306)。連続予告演出がないと判別した場合は(S2306:No)、そのまま本処理を終了し、連続予告演出があると判別した場合は(S2306:Yes)、連続予告設定フラグ223tをオンに設定し(S2307)、対象の入賞情報に対応する特図変動までの回数を連続予告カウンタ223uの値にセットし(S2308)、その後、本処理を終了する。
次に、図197を参照して、大当たり関連処理(図197のS2212)の内容について説明をする。図197は、大当たり関連処理(S2212)の内容を示したフローチャートである。この大当たり関連処理(S2212)は、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図195のS2114参照)にて実行されるものであって、主制御装置110から当たり(大当たり、小当たり)に関連するコマンドを受信した場合に実行されるものである。
本制御例では、特別図柄の抽選によって大当たりCに当選した場合と、小当たりに当選した場合には、遊技盤13の左側領域に設けられた第3電動役物82a(図207参照)を開放させる当たり遊技(左当たり遊技)を実行し、特別図柄の抽選によって大当たりA,B,D,Eに当選した場合には、遊技盤13の右側領域に設けられた可変入賞装置65を開放動作させる当たり遊技(右当たり遊技)を実行するように構成しており、大当たり関連処理(図197のS2212)では、当たり遊技に関する情報を第3図柄表示装置81に表示させるための表示用コマンドを設定する処理と、実行される当たり遊技の種別に応じて異なる当たり演出と、が実行されるように構成している。
大当たり関連処理(図197のS2212)が実行されると、まず、今回受信したコマンドがオープニングコマンドであるかを判別する(S2401)。オープニングコマンドであると判別した場合は、(S2401:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定し(S2402)、本処理を終了する。一方、今回受信したコマンドがオープニングコマンドでは無いと判別した場合は(S2401:No)、次いで、今回受信したコマンドがラウンド数コマンドであるかを判別し(S2403)、ラウンド数コマンドであると判別した場合は(S2403:Yes)、ラウンド数カウンタ223xの値に1を加算し(S2404)、ラウンド数カウンタ223xの値に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S2405)、本処理を終了する。
S2403の処理で、今回受信したコマンドがラウンド数コマンドでは無いと判別した場合は(S2403:No)、今回受信したコマンドがエンディングコマンドであるかを判別し(S2406)、エンディングコマンドであると判別した場合は(S2406:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S2407)、ラウンド数カウンタ223xの値を0に設定し(S2408)、本処理を終了する。また。S2406の処理においてエンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S2406:No)、今回受信したコマンドがV通過コマンドであるかを判別し(S2409)、V通過コマンドであると判別した場合は(S2409:Yes)、V演出コマンドを設定し(S2410)、本処理を終了する。また、S2409の処理においてV通過コマンドを受信していないと判別した場合は(S2409:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図198を参照して、停止処理(S2214)の内容について説明する。図198は停止処理(S2214)の内容を示したフローチャートである。この停止処理(S2214)では、特別図柄の変動停止タイミングに応じて第3図柄表示装置81にて停止表示される第3図柄の表示態様を設定するための処理が実行される。
この停止処理(S2214)が実行されると、まず、連続予告カウンタ223uの値が0より大きいか否かを判別する(S2501)。連続予告カウンタ223uの値が0以下であると判別した場合は(S2501:No)、S2505の処理へ移行する。連続予告カウンタ223uの値が0より大きいと判別した場合は(S2501:Yes)、連続予告カウンタ223uの値を1減算し(S2502)、次いで、連続予告カウンタ223uの値が0であるか否かを判別する(S2503)。連続予告カウンタ223uの値が0ではないと判別した場合は(S2503:No)、S2505の処理へ移行する。連続予告カウンタ223uの値が0であると判別した場合は(S2503:Yes)、連続予告中フラグ223vをオフに設定し(S2504)、S2505の処理へ移行する。S2505の処理では、対応する第3図柄の停止表示を設定し(S2505)、その後、本処理を終了する。
次に、図199を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2115)について説明する。図199は、この変動表示設定処理(S2115)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S2115)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図194参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理(S2115:図199)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンか否かを判別する(S2601)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合には(S2601:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2612の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dがオンであると判別された場合には(S2601:Yes)、変動開始フラグ223dをオフし(S2602)、表示用変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S2603)。
次いで、連続予告設定フラグ223tがオンであるか否かを判別する(S2604)、連続予告設定フラグ223tがオンであると判別した場合は(S2604:Yes)、連続予告設定フラグ223tをオフに設定し(S2609)、連続予告中フラグ223vをオンに設定し(S2610)、S2608の処理へ移行する。
一方、S2604の処理において、連続予告設定フラグ223tがオフであると判別した場合は(S2604:No)、次いで、連続予告中フラグ223vがオンであるか否かを判別する(S2605)。連続予告中フラグ223vがオンであると判別した場合は(S2605:Yes)、取得した変動パターンと、連続予告演出とに基づいて演出態様を決定し(S2611)、S2608の処理へ移行する。S2605の処理において、連続予告中フラグ223vがオフであると判別した場合は(S2605:No)、取得した変動パターンに基づいて変動演出パターン選択テーブル222a(図160(a),(b))を参照して変動演出パターンを選択する(2606)。次いで、演出態様設定処理を実行し(S2607)、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2608)。なお、S2607の処理において実行される演出態様設定処理の内容については、図200を参照して後述する。
表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、図示は省略したが、入賞情報格納エリア223fに格納されたデータをシフトする。この処理では、入賞情報格納エリア223fの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S2612の処理へ移行する。
S2612の処理では、RAM223に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する(S2612)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合には(S2612:No)、本処理を終了する。一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別された場合には(S2612:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフし(S2613)、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S2614)。次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S2615)、S2616の処理へ移行する。
S2616の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2616)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。S2616の処理が実行された後、本処理を終了する。
次に、図200を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(図199参照)内の一処理である演出態様設定処理(S2607)の内容について説明をする。図200は、演出態様設定処理(S2607)の内容を示したフローチャートである。この演出態様設定処理(S2607)では、特別図柄の変動に対応した第3図柄の変動演出の詳細な演出態様(予告内容)を設定するための処理が実行される。
演出態様設定処理(S2607)が実行されると、まず、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別する(S2701)。ここでは、状態設定エリア223gに設定されている情報に基づいて現在の遊技状態が確変状態であるかを判別する。S2701の処理において、現在が通常状態ではないと判別した場合は(S2701:No)、時短・確変中演出設定処理を実行し(S2707)、S2706の処理へ移行する。この時短・確変中演出設定処理(S2707)の詳細については図206を参照して後述する。
一方、S2701の処理において現在が通常状態であると判別した場合は(S2701:Yes)、次に、今回選択した変動演出パターンに操作演出があるかを判別し(S2702)、操作演出があると判別した場合は(S2702:Yes)、操作演出設定処理を実行し(S2703)、S2704の処理へ移行する。なお、操作演出設定処理(S2703)の詳細な内容ついては、図201を参照して後述する。
S2702の処理において、今回選択した変動演出パターンに操作演出が含まれていないと判別した場合は(S2702:No)、次いで、今回選択した変動演出パターンにバトル演出があるかを判別し(S2704)、バトル演出があると判別した場合は(S2704:Yes)、バトル演出設定処理を実行し(S2705)、S2706の処理へ移行する。なお、バトル演出設定処理(S2705)の詳細な内容ついては、図204を参照して後述する。
S2704の処理において、今回選択した変動演出パターンにバトル演出が含まれていないと判別した場合は(S2704:No)、各種設定内容を示すための表示用コマンドを設定し(S2706)、本処理を終了する。
次に、図201を参照して、演出態様設定処理(図200のS2607参照)にて実行される操作演出設定処理(S2703)の内容について説明をする。図201は操作演出設定処理(S2703)の内容を示したフローチャートである。この操作演出設定処理(S2703)では、今回の変動パターンに含まれる操作演出種別に応じた準備処理が実行される。
操作演出設定処理(S2703)が実行されると、まず、操作演出の種別を抽出し(S2801)、今回の操作演出が連打演出であるかを判別し(S2802)、連打演出であると判別した場合(S2801:Yes)は、連打演出設定処理を実行し(S2803)、S2807の処理へ移行する。この連打演出設定処理(S2803)の詳細については図202を参照して後述する。
一方、S2801の処理において、連打演出では無いと判別した場合は(S2801:No)、次いで、今回の操作演出が遅れ演出であるかを判別し(S2804)、遅れ演出であると判別した場合は(S2804:Yes)、遅れ演出設定処理を実行し(S2805)、S2807の処理へ移行する。この遅れ演出設定処理(S2805)の詳細については図203を参照して後述する。
一方、S2804の処理で遅れ演出では無いと判別した場合には(S2804:No)、抽出したその他の操作演出種別に対応する処理を実行し(S2806)、S2807の処理へ移行する。
S2807の処理では、選択した変動演出態様に基づいて操作有効期間を決定し(S2807)、本処理を終了する。
次に、図202を参照して、操作演出設定処理(図201,S2703参照)にて実行される連打演出設定処理(S2803)の内容について説明をする。図202は、連打演出設定処理(S2803)の内容を示したフローチャートである。
連打演出設定処理(S2803)が実行されると、まず、受信した変動パターンコマンドに基づいて当否判定結果、リーチ種別を抽出し(S2901)、抽出した当否判定結果、リーチ種別と、第2演出カウンタの値とを参照して、上限回数選択テーブル222b1(図162(b)参照)を用いて上限回数および最終可変態様を決定する(S2902)。次いで、上限回数設定エリア223qに決定した上限回数に対応する値を設定し(S2903)、抽出した当否判定結果と、決定した上限回数と、第3演出カウンタの値とを参照して、終了回数選択テーブル222b2(図163(a)参照)を用いて終了回数を決定し(S2904)、終了回数設定エリア223rに決定した上限回数に対応する値を設定する(S2905)。次いで、抽出した当否判定結果と、決定した上限回数とを参照して、演出結果を決定し(S2906)、各種決定内容に対応する連打演出の演出態様を設定し(S2907)、演出選択情報格納エリアに設定した演出態様に関する情報を格納し(S2908)、その後、本処理を終了する。
次に、図203を参照して、操作演出設定処理(図201,S2703参照)にて実行される遅れ演出設定処理(S2805)の内容について説明をする。図203は、遅れ演出設定処理(S2805)の内容を示したフローチャートである。
遅れ演出設定処理(S2805)が実行されると、まず、受信した変動パターンコマンドに基づいて当否判定結果を抽出し(S3001)、抽出した当否判定結果と、第7演出カウンタ223p7の値とを参照して、遅れ演出選択テーブル222d(図167参照)を用いて、遅れ期間と、遅れ対象とを決定し(S3002)、演出選択情報格納エリア223hに設定した演出態様に関する情報を格納し(S3003)、その後、本処理を終了する。
なお、本制御例では、上述したように、変動開始時に遅れ演出の内容と遅れ対象を設定し、後述する枠ボタン入力監視・演出処理(図208のS2107参照)において、遅れ演出の開始タイミングを設定するよう構成したが、これに限ることなく、変動開始時を遅れ演出の開始タイミングとして設定するよう構成しても良い。このように構成することで、より多く遅れ演出を実行することができ、多様な演出態様を遊技者に提供することができる。
次に、図204を参照して、演出態様設定処理(図200のS2607参照)にて実行されるバトル演出設定処理(S2705)の内容について説明をする。図204はバトル演出設定処理(S2705)の内容を示したフローチャートである。このバトル演出設定処理(S2705)では、まず、受信した変動パターンコマンドに基づいて当否判定結果と、変動時間とを抽出し(S3101)、抽出した当否判定結果と、変動時間と、第8演出カウンタの値とを参照して、キャラ数選択テーブル222e2(図168(c)参照)を用いて、演出回数と、キャラ数とを決定し(S3102)、決定したキャラ数に基づいて、今回の演出で使用するキャラクタを決定し(S3103)、キャラ格納エリア222e1(図168(b))を参照して、決定したキャラクタの種別の図柄列配置情報と、演出回数とを比較する(S3104)。次いで、演出回数よりも多いキャラ数が決定された図柄列があるか否かを判別する(S3105)。出回数よりも多いキャラ数が決定された図柄列があると判別した場合は(S3105:Yes)、ラスト獲得チャンスに対応する演出態様を決定し(S3106)、S3107の処理へ移行する。出回数よりも多いキャラ数が決定された図柄列がないと判別した場合は(S3105:No)、S3106の処理をスキップし、S3107の処理へ移行する。
S3107の処理では、各演出の演出態様を決定し(S3107)、各種決定内容に対応する集合演出の演出態様を設定し(S3108)、演出選択情報格納エリア223hに設定した演出態様に関する情報を格納し(S3109)、バトル後半演出設定処理を実行し(S3110)、その後、本処理を終了する。
次に、図205を参照して、バトル演出設定処理(図204のS2705参照)にて実行されるバトル後半演出設定処理(S3110)の内容について説明をする。図205はバトル後半演出設定処理(S3110)の内容を示したフローチャートである。このバトル後半演出設定処理(S3110)では、まず、演出選択情報格納エリア223hより、集合演出にて獲得するキャラ数を読み出し(S3151)、当否判定結果と、キャラ数と、第9演出カウンタの値とを参照して、HP選択テーブル222f1(図169(b)参照)を用いて、バトル相手のHP値を決定し(S3152)、当否判定結果と、決定したバトル相手のHP値と、第10演出カウンタの値とを参照して、最終残HP選択テーブル222f2(図169(c)参照)を用いて、残HP値を決定し(S3153)、当否判定結果と、決定したバトル相手のHP値と、第11演出カウンタの値とを参照して、バトル態様選択テーブル222f3(図170参照)を用いて、バトル回数を決定する(S3154)。次いで、決定したHP値と、残HP値とに基づいて、バトル後半演出にて減少させる減HP値を決定し(S3155)、決定したバトル回数と、減HP値とに基づいて、各バトル演出の攻撃態様を決定し(S3156)、各種決定内容に対応する連打演出の演出態様を設定し(S3157)、演出選択情報格納エリア223hに設定した演出態様に関する情報を格納し(S3158)、本処理を終了する。
次に、図206を参照して、演出態様設定処理(図200のS2607参照)にて実行される時短・確変用演出設定処理(S2707)の内容について説明をする。図206は時短・確変用演出設定処理(S2707)の内容を示したフローチャートである。この時短・確変用演出設定処理(S2707)では、まず、連続演出中フラグがオンであるか否かを判別する(S3201)。連続演出中フラグがオンであると判別した場合は(S3201:Yes)、そのまま本処理を終了する。連続演出中フラグがオフであると判別した場合は(S3201:No)、次いで、取得した変動パターンにランダム表示演出があるか否かを判別する(S3202)。取得した変動パターンにランダム表示演出がないと判別した場合は(S3202:No)、そのまま本処理を終了する。取得した変動パターンにランダム表示演出があると判別した場合は(S3202:Yes)、ランダム表示演出設定処理を実行し(S3203)、本処理を終了する。
次に、図207を参照して、時短・確変用演出設定処理(図207のS2707参照)にて実行されるランダム表示演出設定処理(S3203)の内容について説明をする。図207はランダム表示演出設定処理(S3203)の内容を示したフローチャートである。このランダム表示演出設定処理(S3203)では、まず、受信した変動パターンコマンドに基づいて当否判定結果を抽出し(S3301)、抽出した当否判定結果と、第4演出カウンタの値とを参照して、表示順選択テーブル222c2(図164(c)参照)を用いて、最初に表示する演出アイコン(先頭アイコン)を決定し(S3302)、抽出した当否判定結果と、決定した先頭アイコンと、第5演出カウンタの値とを参照して、表示態様選択テーブル222c4(図165(b)参照)を用いて、順列を決定し(S3303)、抽出した当否判定結果と、第6演出カウンタの値とを参照して、表示個数選択テーブル222c5(図166参照)を用いて、演出アイコンの表示個数を決定し(S3304)、各種決定内容に対応するランダム表示演出の演出態様を設定し(S3305)、演出選択情報格納エリア223hに設定した演出態様に関する情報を格納し(S3306)、その後、本処理を終了する。
次に、図208を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図194参照)内の一処理である枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)について説明する。図208は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)を示したフローチャートである。枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)では、枠ボタン22の押下動作が判別されて、押下されたことに基づいて、予告演出等の実行が設定される。
枠ボタン入力監視・演出処理(S2107:図208参照)では、まず、枠ボタン22が操作されたかを判別し(S3401)、枠ボタン22が操作されていないと判別した場合は(S3401:No)、そのまま本処理を終了する。枠ボタン22が操作されたと判別した場合は(S3401:Yes)、現在が操作有効期間中であるかを判別する(S3402)。このS3402の処理では、操作演出設定処理(図201のS2703)において操作演出の種別が設定された場合に、その種別に対応した操作有効期間が操作有効タイマ223nに設定され、その操作有効タイマ223nの値が操作有効期間を示しているか否かを判別する。
S3402の処理において、操作有効期間中ではないと判別した場合は(S3402:No)、そのまま本処理を終了する。操作有効期間中であると判別した場合は(S3402:Yes)、次いで、押下済フラグ223kがオンに設定されているかを判別し(S3403)、押下済フラグ223kがオンであると判別した場合は(S3403:Yes)、そのまま本処理を終了する。押下済フラグ223kがオンに設定されていないと判別した場合は(S3403:No)、押下済フラグ223kをオンに設定し(S3404)、設定されている操作有効期間に対応する操作内容を読み出し(S3405)、次いで、操作内容が連打演出であるか否かを判別する(S3406)。連打演出であると判別した場合は(S3406:Yes)、押下回数カウンタ223mの値を1加算し(S3407)、S3411の処理へ移行する。
一方、S3406の処理において、操作内容が連打演出ではないと判別した場合は(S3406:No)、次いで、操作内容が遅れ演出であるか否かを判別する(S3408)。遅れ演出であると判別した場合は(S3408:Yes)、遅れ期間に対応する値を遅れタイマ223sにセットし(S3409)、次に、今回の遅れ演出内容の音声態様が遅れであるか判別する(S3413)。音声態様が遅れではない(即ち、通常である)と判別した場合には(S3413:No)、遅れ演出の演出態様に対応する音声コマンドを設定し(S3414)、S3411の処理に移行する。一方、今回の遅れ演出内容の音声態様が遅れであると判別した場合には(S3413:No)、上述したS3414の処理をスキップし、S3411の処理に移行する。
一方、S3408の処理において、操作内容が遅れ演出ではないと判別した場合は(S3408:No)、その他操作内容に対応する処理を実行し(S3410)、S3411の処理へ移行する。S3411の処理では、今回の枠ボタン操作に対応する操作態様を決定し(S3411)、決定した操作態様に対応する表示用コマンドを設定し(S3412)、その後、本処理を終了する。
なお、本制御例では、枠ボタン22を1回操作(押下)したことに基づいて、操作演出の演出態様を可変させるための可変条件が成立する例を示しているが、これに限ること無く、操作有効期間内に枠ボタン22を所定回数(例えば、20回)操作(押下)した場合に可変条件が成立するように構成しても良いし、複数の操作方法を有する操作手段を設け、操作手段に対して特定の操作方法で操作がされた場合に可変条件が成立するように構成しても良い。
さらに、本制御例では、操作手段が操作されたことを1つのフラグ(押下済フラグ223k)をオンに設定することで示しているが、これに限ること無く、例えば、操作手段に対する操作方法によって、異なる操作結果を示すように構成し、操作演出の演出態様を、操作結果の種別に応じて可変させるように構成しても良い。
また、本制御例では、操作手段を操作したことに基づいて演出態様が可変される操作演出として第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示演出を例に挙げて説明をしているが、これに限ること無く、枠ボタン22(操作手段)の操作に基づいて、パチンコ機10に設けられた装飾用可動装置を可動させる演出を実行するように構成しても良い。
本制御例では、第1操作演出、或いは第2操作演出以外の操作演出が実行されている場合に、枠ボタン22を操作すると、設定されている操作有効期間に対応する操作態様が決定されるように構成しているが(図208のS3411参照)、これ以外の構成を用いても良い。
具体的には、第3図柄表示装置81にて実行される表示演出の演出期間内に、枠ボタン22(操作手段)の操作を有効に判別可能な操作有効期間を設定し、設定された操作有効期間を判別するために操作有効タイマ223nの値を設定する。そして、設定された操作有効期間の長さを記憶する記憶手段と、操作手段が操作された時点における操作有効タイマ223nの値に基づいて、操作有効期間の残期間を算出する算出手段を設ける。さらに、算出手段により算出された残期間の長さに応じて異なる操作態様が規定される操作態様選択テーブルを設けるように構成するとよい。
このように構成することで、遊技者が操作手段を操作するタイミングに応じて(操作手段を操作した時点における残時間に応じて)異なる操作態様が選択されるため、遊技者に多彩な演出を提供することができる。
加えて、複数の操作有効期間の中から、一の操作有効期間を決定し、表示演出の演出期間内に設定可能な操作有効期間設定手段と、操作手段が操作された時点における操作有効タイマ223nの値に基づいて、操作有効期間の進行割合(%)を算出する算出手段とを設けるように構成しても良い。このように構成することで、同一の表示態様の表示演出に対して、異なる操作有効期間が設定可能となり、さらに、設定された操作有効期間の長さと、操作手段を操作したタイミングとに基づいて算出される操作有効期間の進行割合、即ち、操作有効期間全体の長さを100とし、既に経過した期間(或いは、未経過の期間)の割合を百分率で算出した値(%)に応じて、実行される操作態様を異ならせることができる。
これにより、第3図柄表示装置81にて実行される表示演出を基準に同一タイミングで操作手段を操作したとしても、異なる操作態様を設定することができるため、遊技者により多彩な演出を提供することができる。
さらに、操作有効期間の残期間(経過期間)の長さに応じて操作態様を設定するのでは無く、算出手段により算出された百分率の値に応じて操作態様を設定することにより、操作態様を選択するためのデータテーブルに規定される範囲を「1〜100」に制限することができる。つまり、操作有効期間の残期間(経過期間)の長さに応じて操作態様を設定する場合、例えば、操作有効期間の長さとして2〜15秒が設定可能に構成される場合において、6秒が設定された場合の3秒目に操作手段が操作された場合(残時間3秒)と、14秒が設定された場合の7秒目に操作手段が操作された場合(残時間7秒)と、で残時間が異なるため、異なる操作態様が設定されることになる。
また、上述した例においては、何れの場合も操作有効期間の中間地点で操作手段が操作されており、同一の操作難易度であることから、同一の操作態様を設定しようとする場合に、操作有効期間の残時間だけでは無く、設定された操作有効期間の長さと、操作手段が操作された時点における操作有効期間の残時間とに基づいて操作態様を選択するようにデータテーブルを規定する必要がある。
この場合、操作有効期間の長さを複数の長さに可変可能に設定してしまうと、上述したデータテーブルの容量が大幅に増加してしまいデータ容量を圧迫してしまうという事態が生じてしまう。これに対して、上述したように百分率の値を用いて操作態様を選択するように構成することで、操作有効期間の長さに関わらず同一の値を用いることができるため、操作態様を選択するためのデータテーブルのデータ容量を削減することができる。
加えて、算出手段により算出された百分率の値を複数の範囲に区分けする区分け手段として、例えば、「1%〜50%」と「51%〜99%」とに区分けする第1区分け手段と、「1%〜10%」と「11%〜20%」と「21%〜30%」と「41%〜50%」と「51%〜60%」と「61%〜70%」と「71%〜80%」と「81%〜90%」と「91%〜99%」とに区分けする第2区分け手段とを設け、さらに、特別図柄の抽選結果などの所定条件の成立の有無に基づいて何れの区分け手段を用いるかを決定する決定手段と設け、その決定手段により決定された区分け手段により算出手段により算出された百分率の値を区分けし、その区分けした情報に基づいて操作態様を選択するように構成しても良い。
また、このように、操作手段の操作タイミングに応じて、その後に実行される操作態様を可変させる構成を用いる場合には、例えば、操作手段が操作されることにより実行される操作演出としてパチンコ機10に設けられる演出用可動役物を可動させる演出を用いると良い。これにより、設定された操作態様に基づいて実行される操作演出の期間と、表示手段に表示される表示演出期間と、を気にすること無く操作演出を実行することができる。
次に、図209を参照して、液晶演出実行管理処理(S2110)の内容について説明をする。図209は、液晶演出実行管理処理(S2110)の内容を示したフローチャートである。液晶演出実行管理処理(S2110)では、第3図柄表示装置81にて実行中特図変動演出の演出態様を予め定められた変動パターンに基づいて更新する処理と、特図変動演出の演出態様を普通図柄抽選に基づいた演出(普図演出)に差し替えるための処理が実行される。
液晶演出実行管理処理(S2110)が実行されると、まず、実行中の変動演出に操作演出があるか否かを判別する(S3501)。実行中の変動演出に操作演出がないと判別した場合は(S3501:No)、S3511の処理へ移行する。実行中の変動演出に操作演出があると判別した場合は(S3501:Yes)、次いで、操作有効期間の3秒前であるか否かを判別する(S3502)。操作有効期間の3秒前であると判別した場合は(S3502:Yes)、操作有効期間が設定されることを示すための表示用コマンドを設定し(S3503)、S3511の処理へ移行する。操作有効期間の3秒前ではないと判別した場合は(S3502:No)、次いで、操作有効期間の開始であるか否かを判別する(S3504)。操作有効期間の開始ではないと判別した場合は(S3504:No)、S3505の処理をスキップし、S3506の処理へ移行する。操作有効期間の開始であると判別した場合は(S3504:Yes)、今回設定される操作有効期間の長さに対応する値を操作有効タイマ223nに設定し(S3505)、S3506の処理へ移行する。
S3506の処理では、遅れタイマ223sの値が0より大きいか否かを判別する(S3506)。遅れタイマ223sの値が0であると判別した場合は(S3506:No)、S3510の処理へ移行する。遅れタイマ223sの値が0より大きいと判別した場合は(S3506:Yes)、遅れタイマ223sの値を1減算し(S3507)、次いで、減算した遅れタイマ223sの値が0であるか否かを判別する(S3508)。減算した遅れタイマ223sの値が0ではないと判別した場合は(S3508:No)、S3510の処理へ移行する。遅れタイマ223sの値が0であると判別した場合は(S3508:Yes)、対応する遅れ演出の開始を設定し(S3509)、S3510の処理に移行する。S3510の処理では、その他の液晶演出実行管理処理を実行し(S3510)、本処理を終了する。
S3511の処理では、その他の液晶演出実行管理処理を実行し(S3511)、本処理を終了する。
次に、図210を参照して、操作演出管理処理(S2111)の内容について説明をする。図210は、操作演出管理処理(S2111)の内容を示したフローチャートである。この操作演出管理処理(S2111)では、操作演出が実行されている期間中において枠ボタン22の操作に基づく演出態様を設定するための処理が実行される。
操作演出管理処理(S2111)が実行されると、まず、操作有効タイマ223nの値が0より大きいか否かを判別する(S3601)。そして、操作有効タイマ223nの値が0であると判別した場合は(S3601:No)、そのまま本処理を終了する。操作有効タイマ223nの値が0より大きいと判別した場合は(S3601:Yes)、操作有効タイマ223nの値を1減算し(S3602)、次に、操作有効タイマ223nの値が0であるか否かを判別する(S3603)。そして、操作有効タイマ223nの値が0ではないと判別した場合は(S3603:No)、S3609の処理へ移行する。操作有効タイマ223nの値が0であると判別した場合は(S3603:Yes)、次いで、短縮フラグがオンであるか否かを判別する(S3604)。そして、短縮フラグがオンであると判別した場合は(S3604:Yes)、短縮フラグをオフに設定し(S3605)、S3606の処理へ移行する。短縮フラグがオフであると判別した場合は(S3604:No)、S3605の処理をスキップし、S3606の処理へ移行する。
S3606の処理では、遅れタイマ223sの値が0より大きいか否かを判別する(S3606)。そして、遅れタイマ223sの値が0であると判別した場合は(S3606:No)、操作有効期間が終了したことを示すための表示用コマンドを設定し(S3607)、S3609の処理へ移行する。遅れタイマ223sの値が0より大きいと判別した場合は(S3606:Yes)、操作有効期間を示す表示画面を延長して表示するための表示用コマンドを設定し(S3608)、S3609の処理へ移行する。
S3609の処理では、押下済フラグ223kがオンに設定されているかを判別する(S3609)。押下済フラグ223kがオフに設定されていると判別した場合は(S3609:No)、S3623の処理へ移行する。押下済フラグ223kがオンに設定されていると判別した場合は(S3609:Yes)、押下済フラグ223kをオフに設定し(S3610)、押下回数カウンタ223mの値を読み出し(S3611)、次いで、押下回数カウンタ223mの値が0より大きいか否かを判別する(S3612)。そして、押下回数カウンタ223mの値が0より大きいと判別した場合は(S3612:Yes)、上限回数設定エリア223qに格納されている値と、押下回数カウンタ223mの値とを比較し(S3613)、次いで、限回数設定エリア223qに格納されている値と、押下回数カウンタ223mの値とが一致しているかを判別する(S3614)。限回数設定エリア223qに格納されている値と、押下回数カウンタ223mの値とが一致していると判別した場合は(S3614:Yes)、上限回数に到達したことを示すための表示用コマンドを設定し(S3515)、S3620の処理へ移行する。限回数設定エリア223qに格納されている値と、押下回数カウンタ223mの値とが一致していないと判別した場合は(S3614:No)、終了回数設定エリア223rに格納されている値と、押下回数カウンタ223mの値とを比較し(S3616)、終了回数設定エリア223rに格納されている値と、押下回数カウンタ223mの値が一致しているかを判別する(S3617)。終了回数設定エリア223rに格納されている値と、押下回数カウンタ223mの値が一致していると判別した場合は(S3617:Yes)、押下回数カウンタ223mの値をリセットし(S3618)、短縮フラグをオンに設定し(S3619)、S3620の処理へ移行する。終了回数設定エリア223rに格納されている値と、押下回数カウンタ223mの値が一致していないと判別した場合は(S3617:No)、S3618,S3619の処理をスキップし、S3620の処理へ移行する。
一方、3612の処理において、押下回数カウンタ223mの値が0であると判別した場合は(S3612:No)、次いで、短縮フラグがオンであるか否かを判別する(S3621)。短縮フラグがオンであると判別した場合は(S3621:Yes)、特定演出を決定し(S3622)、S3623の処理へ移行する。短縮フラグがオフであると判別した場合は(S3621:No)、対応するボタン演出を設定し(S3620)、S3623の処理へ移行する。
S3623の処理では、設定された各演出態様に対応する表示用演出コマンドを設定し(S3623)、本処理を終了する。
<表示制御装置114における制御処理について>
次に、図211から図225を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図211を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図211は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本制御例のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S6001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図212を参照して、ブート処理(S6001)について説明する。図212は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S6001)を示すフローチャートである。
上述したように、本制御例では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S6101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S6102)。これにより、MPU231は、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S6102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S6102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S6103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S6104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図211のS6001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図211のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S6105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S6001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図212に示すブート処理では、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S6102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S6101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S6101及びS6102の処理を含めて複数回繰り返した後、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本制御例では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S6101及びS6102の処理を行わずに、S6103〜S6105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図211の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S6002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S6003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S6003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S6004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S6004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S6005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図223(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図223(a)のS7402参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図213(b)参照)において、に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図213(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図213(b)のS6309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1始動口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図示を省略した電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S6005の処理の後、割込許可を設定し(S6006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S6006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図213(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図213(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図213(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図213(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図176参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図213(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S6301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S6302)を実行し、次いで、表示設定処理(S6303)を実行する。
コマンド判定処理(S6302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図214〜図219を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)では、コマンド判定処理(S6302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図220〜図222を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S6304)。このタスク処理では、表示設定処理(S6303)もしくは簡易表示設定処理(S6309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S6305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンド(図示省略)を受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図223および図224を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S6306)。この描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示とから、図176に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図225を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S6307)。そして、V割込処理を終了する。S6307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA〜D)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S6301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像(図示省略)を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S6308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S6309)を実行して、S6304の処理へ移行する。
次いで、図214〜図219を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S6302)の詳細について説明する。まず、図214は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理(図214、S6302)では、図214に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S6404)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図215(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S6405)の詳細について説明する。図215(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本制御例のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S6501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6502)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S6501の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S6503)。表示設定処理では、S6503の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6504)、ポインタ233fを0に初期化する(S6505)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6506)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S6505の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S6504の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図214の説明に戻る。S6404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S6406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図215(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S6407)の詳細について説明する。図215(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA〜D)に対応する停止種別テーブルを決定し(S6601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図213(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S6602)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S6602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定する(S6603)。その後、図214のS6401の処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S6602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S6603によって設定された停止図柄判別フラグからS6602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
図214に戻り、説明を続ける。S6406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S6406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、大当たり関連コマンドがあるか判別する(S6408)。大当たり関連コマンドを受信していると判別した場合には(S6408:Yes)、表示用大当たり関連コマンド処理を実行する(S6409)。表示用大当たり関連コマンド処理(S6409)の詳細については、図216〜図218を参照して、詳細について説明する。
ここで、図216を参照して、表示用大当たり関連コマンド処理(S6409)について説明する。図216は、この表示用大当たり関連コマンド処理(S6409)を示したフローチャートであり、音声ランプ制御装置113より受信した表示用オープニングコマンドや、表示用ラウンド数コマンドや、表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
表示用大当たり関連コマンド処理(図216、S6409)では、まず、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別する(S6701)。S6701の処理において表示用オープニングコマンドがあると判別された場合は(S6701:Yes)、オープニングコマンド処理を実行し(S6702)、S6703の処理へ移行する。
ここで、図217(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S6702)の詳細について説明する。図217(a)は、オープニングコマンド処理(S6702)を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理(S6702)は、表示用大当たり関連コマンド処理(図216のS6409参照)において、表示用オープニングコマンドがあると判別された場合に実行される処理であり、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
オープニングコマンド処理(S6702)では、まず、コマンドに対応した(例えば、大当たり種別に対応した)オープニング表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6801)。次いで、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6802)。その後、オープニング表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6803)、ポインタ233fを初期化し(S6804)、デモ表示フラグ233yと確定表示フラグ233zとをオフに設定して(S6805)、本処理を終了する。
図216に戻り、説明を続ける。S6701の処理において、表示用オープニングコマンドが無いと判別された場合は(S6701:No)、S6703の処理へ移行する。S6701またはS6702の処理を終えると、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別する(S6703)。S6703の処理において、表示用ラウンド数コマンドがあると判別された場合は(S6703:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行し(S6704)、S6705の処理へ移行する。
ここで図217(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S6704)の詳細について説明する。図217(b)は、ラウンド数コマンド処理(S6704)を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理(S6704)は、表示用大当たり関連コマンド処理(図216のS6409参照)において、表示用ラウンド数コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、大当たり遊技中のラウンド数が更新される際の演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
ラウンド数コマンド処理(S6704)では、まず、コマンドに対応したラウンド数表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6811)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S6812)、ラウンド数表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6813)。その後、ポインタ233fを初期化し(S6814)、デモ表示フラグ233yと確定表示フラグ233zとをオフに設定して(S6815)、本処理を終了する。
図216に戻り、説明を続ける。S6703の処理において、表示用ラウンド数コマンドが無いと判別された場合は(S6703:No)、S6705の処理へ移行する。S6703またはS6704の処理を終えると、表示用エンディングコマンドを受信したか否かを判別する(S6705)。S6705の処理において、表示用エンディングコマンドがあると判別された場合は(S6705:Yes)、エンディングコマンド処理を実行し(S6706)、S6707の処理へ移行する。
ここで図218(a)を参照して、エンディングコマンド処理(S6706)の詳細について説明する。図218(a)は、エンディングコマンド処理(S6706)を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理(S6706)は、表示用大当たり関連コマンド処理(図216のS6409参照)においてエンディングコマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、大当たり遊技の終了を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
エンディングコマンド処理(S6706)では、まず、コマンドに対応したエンディング表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6851)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアして(S6852)、エンディング表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6853)。その後、ポインタ233fを初期化し(S6854)、デモ表示フラグ233yと確定表示フラグ233zをオフに設定して(S6855)、本処理を終了する。
図216に戻り、説明を続ける。S6705の処理において、表示用エンディングコマンドが無いと判別された場合は(S6705:No)、S6707の処理へ移行する。S6705またはS6706の処理を終えると、表示用V演出コマンドがあるか否かを判別する(S6707)。S6707の処理において、表示用V演出コマンドが無いと判別された場合は(S6707:No)、そのまま本処理を終了する。表示用V演出コマンドがあると判別された場合は(S6707:Yes)、V演出コマンド処理を実行し(S6708)、その後、本処理を終了する。
ここで図218(b)を参照して、V演出コマンド処理(S6708)の詳細について説明する。このV演出コマンド処理(S6708)は、表示用大当たり関連コマンド処理(図216参照)において、V演出コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、大当たり遊技が付与される確率が高いことを示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
V演出コマンド処理(S6708)では、まず、受信したコマンドに対応したV演出表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S6902)、V演出表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6903)。その後、ポインタ233fを初期化し(S6904)、デモ表示フラグ233yと確定表示フラグ233zとをオフに設定して(S6905)、本処理を終了する。
図214に戻って説明を続ける。S6408の処理において、大当たり関連コマンドがないと判別した場合には(S6408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6410)、背面画像変更コマンドがあれば(S6410:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6411)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図219(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S6411)の詳細について説明する。図219(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(図224,S7403参照)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S7001)。そして、背面画像種別(背面A〜D)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S7002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S7609の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S7610の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面Bである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Dのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S7002によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4702の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図214の説明に戻る。S6410の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S6410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6412)、エラーコマンドがあれば(S6412:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6413)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図219(b)を参照して、エラーコマンド処理(S6413)の詳細について説明する。図219(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S7101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S7102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S7101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S7102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S7102に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図214の説明に戻る。S6412の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S6412:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6414)、S6401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、再びS6402〜S6414の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401〜S6414の処理が繰り返し実行され、S6401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図213(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図172に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図215(a)参照)および停止種別コマンド処理(図215(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図215(a)参照)では、S6501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S6502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図220〜図222を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303)の詳細について説明する。図220は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図220に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7201:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S7202〜S7204の処理をスキップし、S7205の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S7201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7202)、S7203〜S7204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S7203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S7203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S7203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S7204)。
ここで、図221を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図221は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S7251)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S7251の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S7252)、表示設定処理に戻る。
ここで、図220の説明に戻る。警告画像設定処理(S7204)の後、又は、S7203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S7203:No)、次いで、S7205の処理へ移行する。
S7205では、ポインタ更新処理を実行する(S7205)。ここで、図222を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図222は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S7301)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S7301の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S7302)。その結果、End情報であれば(S7302:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7303)、デモ用表示データテーブルであれば(S7303:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7304)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S7305)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S7303の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7303:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S7306)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S7302の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S7302:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図220に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S7206)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S7206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S7207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S7208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S7208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S7208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグ233zがオンであるか否かを確認する(S7209)。
その結果、確定表示フラグ233zがオフであれば(S7209:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S7213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグ233zをオンに設定した後(S7214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S7215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S7209の処理において、確定表示フラグ233zがオフではなくオンであれば(S7209:Yes)、デモ表示フラグ233yがオンであるか否かを判別する(S7216)。そして、デモ表示フラグ233yがオフであれば(S7216:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7217)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7218)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S7219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S7220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグ233yをオンに設定して(S7221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
S7216の処理において、デモ表示フラグ233yがオンであれば(S7216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図213(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S6309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図172)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図223及び図224を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S6305)の詳細について説明する。まず、図223(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S7501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S7501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S7502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図223(b)を参照して後述する。
一方、S7501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S7501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S7503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図224を参照して後述する。
次いで、図223(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S7502)について説明する。図223(b)は、この常駐画像転送設定処理(S7502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S7601)、転送指示を送信していれば(S7601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S7602)。このS7602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7602:Yes)、S7603の処理へ移行する。また、S7601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S7601:No)、S7603の処理へ移行する。
S7603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S7603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S7603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S7604)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S7603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S7605)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図213(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図213(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図213(b)のS6309参照)ではなく、コマンド判定処理(図214〜図219参照)および表示設定処理(図220〜図222参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図224参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図223(a)のS7501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図224を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である通常画像転送設定処理(S7503)について説明する。図224は、この通常画像転送設定処理(S7503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S6303)のポインタ更新処理(S7205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S7701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S7702)、転送データ情報であれば(S7702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S7703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S7704)、S7705の処理へ移行する。
また、S7702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S7702:No)、S7703及びS7704の処理をスキップして、S7705の処理へ移行する。S7705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S7705)、転送指示を設定していれば(S7705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S7706)。
このS7706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7706:Yes)、S7707の処理へ移行する。また、S7705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S7705:No)、S7707の処理へ移行する。
S7707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S7707)、転送開始フラグがオンであれば(S7707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S7708)、S7703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S7713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S7707:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S7709)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S7709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S7709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S7710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S7711)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S7712)、S7713の処理へ移行する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S7711の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S7713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S7713)。このS7713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233jを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233jより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S7713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S7713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S7714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233jを更新し(S7715)、この通常画像転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233jの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常画像転送設定処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本制御例では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図225を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S6306)の詳細について説明する。図225は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示から、図176に示す描画リストを生成する(S7801)。即ち、S7801の処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S6305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S7802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S7802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S7803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図213(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
また、上記制御例では、音声ランプ制御装置113と、表示制御装置114とを別々に設けているが、代わりに、それぞれの装置113,114を一体化し、一つの装置として設けても良い。
また、上記制御例では、まず、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へコマンドが送信され、音声ランプ制御装置113によりコマンドが受信されると、音声ランプ制御装置113において表示制御装置114へ送信すべきコマンドが決定され、その後、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へコマンドが送信されるように構成されている。これに対して、まず、主制御装置110から表示制御装置114へコマンドが送信し、表示制御装置114によりコマンドが受信されたら、表示制御装置114において音声ランプ制御装置113へ送信すべきコマンドを決定させ、その後、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113へコマンドを送信するように構成しても良い。
また、上記制御例では、画像コントローラ237がキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送する処理を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスし、キャラクタROM234から画像データを読み出して、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。そして、この場合、MPU231がキャラクタROM234から読み出した画像データを一旦バッファRAM237aに格納し、次いで、MPU231が、転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを判別して、未使用であれば、バッファRAM237aから転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送するようにしてもよい。
この場合、転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かの判別は、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235にアクセスしていること(即ち、使用中であること)を示す常駐用ビデオRAMアクセスフラグ(図示せず)と、画像コントローラ237が通常用ビデオRAM236にアクセスしていること(即ち、使用中であること)を示す通常用ビデオRAMアクセスフラグ(図示せず)とを画像コントローラ237に設け、MPU231が転送先のバッファRAMに対応するアクセスフラグを確認することで行うようにしてもよい。
或いは、画像コントローラ237と常駐用ビデオRAM235との間で送受信される信号、或いは、画像コントローラ237と通常用ビデオRAM236との間で送受信される信号をMPU231によって監視し、その信号の状態から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを確認してもよい。或いは、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に対してアクセスを開始する場合や、アクセスを終了する場合に、随時、その情報を画像コントローラ237からMPU231に通知することによって、MPU231はその通知に基づいて常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを判断してもよい。
或いは、画像コントローラ237が第3図柄表示装置81を走査する場合に、その走査がブランク期間中であるか否かを、MPU231が画像コントローラ237の駆動状態を確認するか若しくは画像コントローラ237からの通知によって把握し、走査状態がブランク期間にある場合は、各ビデオRAM235,236が未使用中であると判断してもよい。これにより、画像コントローラ237は第3図柄表示装置81の走査状態だけを確認して、未使用中であるか否かを判断するので、その判断を簡単に行うことができる。
また、この場合、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブル、又は、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fで示されるアドレスにNullデータではない転送データ情報が存在する場合に、その転送データ情報に従って、キャラクタROM234から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236へ転送する処理を開始するようにしてもよい。ここで、表示データテーブル等に従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されるように、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って画像データを転送することにより、表示データテーブル等に従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず通常用ビデオRAM236に格納させておくことができる。そして、その通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
なお、キャラクタROM234から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236へ転送する処理は、MPU231によって実行される表示メイン処理またはメイン処理のループの中で行うようにしてもよい。これにより、MPU231において、コマンド割込処理やV割込処理といった表示制御装置114における重要な処理が行われていない時間を利用して、画像データの転送処理を実行することができる。また、コマンド割込処理やV割込処理は、表示メイン処理などよりも優先して実行される処理であるので、コマンド割込処理やV割込処理に影響を与えることなく、MPU231が画像データの転送処理を実行することができる。
上記制御例において、MPU231は、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のそれぞれが持つアドレスを用いて、各ビデオRAMを管理するのではなく、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236とで共通に用いられるアドレス体系の中で、各ビデオRAM毎に異なるアドレス領域を割り当てて、それぞれのビデオRAMを管理してもよい。このようにすれば、MPU231から画像コントローラ237に対して、アクセスしたいビデオRAM(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を直接指定することなく、単にアドレスを指定するだけで、そのアドレスで指定された領域が常駐用ビデオRAM235に対するものであるのか、通常用ビデオRAM236に対するものであるのかを画像コントローラ237が判断することができる。即ち、MPU231から画像コントローラ237に対して、アクセスすべきビデオRAMとそのビデオRAMの領域のアドレスとを指定する場合に、単に共通のアドレス体系の中で設定されたアドレスを指定すればよいので、その指定を行う命令の構成を単純化することができる。例えば、MPU231から画像コントローラ237に対して送信され描画リストにおいて、スプライトのデータの格納先を示す情報として、格納RAM種別を含めることなく、単に共通のアドレス体系の中で設定されたアドレスを用いて格納先のアドレスを指定するだけでよいので、その描画リストの構成を単純化することができる。
上記制御例では、キャラクタROM234をMPU231と画像コントローラ237の接続される内部バス(バスライン240)に直接接続して設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、キャラクタROM234を画像コントローラ237に直接接続して設けてもよい。また、キャラクタROM234の入出力仕様を、マスクROMの入出力仕様に変換するブリッジ回路を設け、そのブリッジ回路を介してキャラクタROM234を内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続して設けてもよい。
このブリッジ回路を設けることにより、キャラクタROMとして一般的なマスクROMを用いることを前提に設計された既存の画像コントローラ237又は内部バス(バスライン240)をそのまま使用して、NAND型フラッシュメモリ234aにより構成されたキャラクタROM234を接続することができる。尚、キャラクタROM234が画像コントローラ237やブリッジ回路を介して接続される場合であっても、MPU231からキャラクタROM234に直接アクセスできるように構成してもよい。
上記制御例では、キャラクタROM234がNAND型フラッシュメモリ234aで構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、大容量で且つ安価な不揮発性の記憶手段、例えば、ハードディスクなどによって構成されてもよい。このような大容量で且つ安価な記憶手段は、一般的に読み出し速度が遅いが、表示制御装置114を上記制御例で説明した構成とすることにより、表示させたい時間に画像を問題なく表示させることができる。
上記制御例では、キャラクタROM234にNOR型ROM234dを設け、その第1プログラム格納エリア234d1にMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、NAND型フラッシュメモリ234aよりも高速に読み出し動作が可能な不揮発性の記憶媒体によって構成されたメモリに第1プログラム格納エリアを設けて、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納するようにしてもよい。例えば、NOR型ROM234dに代えて、FeRAM(Ferroelectric RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)又はPRAM(Phase change RAM)などをキャラクタROM234に設け、それに第1プログラム格納エリアを設けて、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納してもよい。
また、上記制御例では、内部バス(バスライン240)に接続されたNOR型ROM234dに第1プログラム格納エリア234d1を設け、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、NAND型フラッシュメモリ234aよりも高速に読み出し動作が可能な不揮発性の記憶媒体によって構成されたメモリを内部バス(バスライン240)に接続し、そのメモリに第1プログラム格納エリアを設けて、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納するようにしてもよい。例えば、NOR型ROM234dに代えて、FeRAM(Ferroelectric RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)又はPRAM(Phase change RAM)などを内部バス(バスライン240)に設け、それに第1プログラム格納エリアを設けて、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納してもよい。
上記制御例では、ROMコントローラ234bにおいて、内部バス(バスライン240)のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムをバッファRAM234cへセットした上で、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、内部バス(バスライン240)を介してMPU231へ出力する場合について説明した。これに対し、ROMコントローラ234bが電源装置115から電源が投入されたことを検出すると、ROMコントローラ234bが第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムをバッファRAM234cへセットしておき、次いで、ROMコントローラ234bにおいて内部バス(バスライン240)のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、内部バス(バスライン240)を介してMPU231へ出力してもよい。この場合、MPU231がシステムリセット解除後に内部バス(バスライン240)に対してアドレス「0000H」を指定すると、既にバッファRAM234cに第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムがセットされているか、セットされる途中であるので、キャラクタROM234は、アドレス「0000H」がMPU231によって指定されてからより少ないディレイで対応するデータ(命令コード)を出力することができる。従って、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231において表示メイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における補助演出部または第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
また、ROMコントローラ234bは、内部バス(バスライン240)に指定されたアドレスが、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されている制御プログラムを指定するものであると検知すると、第1プログラム記憶エリア234d1から直接、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)を読み出し、内部バス(バスライン240)を介してMPU231に対して出力するようにしてもよい。これにより、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231において表示メイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における補助演出部または第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。また、この場合、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されている制御プログラム(ブートプログラム)をバッファRAM234cにセットする処理を行わないようにしてもよい。これにより、キャラクタROM234における電力消費を抑制することができる。
上記制御例では、常駐用ビデオRAM235を画像コントローラ237に接続して設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、MPU231とキャラクタROM234と画像コントローラ237とが接続される内部バス(バスライン240)に直接接続して設けてもよい。また、キャラクタROM234が上記ブリッジ回路を介して内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続される場合、そのブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235を接続して設けてもよい。ブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235を接続するように構成すれば、既存の画像コントローラ237又は内部バス(バスライン240)が、常駐用ビデオRAM235を直接接続可能に構成されていなくても、常駐用ビデオRAM235を表示制御装置114に容易に設けることができる。
上記制御例では、表示制御装置114に1つの常駐用ビデオRAM235と1つの通常用ビデオRAM236とを設ける場合について説明したが、各種ビデオRAMの数はこれに限定されるものではなく、より多くのビデオRAMを設けてもよい。また、常駐用ビデオRAMを複数設け、それぞれに各種モードなどに応じた画像に対応する画像データを常駐させておき、そのモードに応じて使用する常駐用ビデオRAMを選択するようにしてもよい。
上記制御例では、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236を、1ポート型(入出力ポートが1ポート)のDRAMによって構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、マルチポート型のRAMを用いてもよい。これにより、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236への書き込みと読み出しを同時に行うことができるので、例えば、通常用ビデオRAM236から画像データを読み出して画像の描画を行いながら、キャラクタROM234から読み出された画像データを通常用ビデオRAM236へ書き込む処理を並列処理することができる。よって、画像データの書き込みによって描画処理が遅延するおそれを抑制することができる。
また、上記制御例では、常駐用ビデオRAM235と通常用ビデオRAM236とを別のメモリによって構成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、1つのRAMを常駐領域と通常領域とに分割し、それぞれの領域に対して、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のそれぞれと同一の内容が記憶されるようにしてもよい。尚、1つのRAMで常駐領域と通常領域とを構成する場合、そのメモリの入出力ポートが、常駐領域および通常領域のうち一方の領域によって、読み出し又は書き込み処理で占有されることを防止するため、マルチポート型のRAMを用いるのが望ましい。
上記制御例における常駐用ビデオRAM235に格納される画像データの種類は一例であり、その種類は、第3図柄表示装置81に表示させる画像の内容に応じて適宜設定されるものであってもよい。この場合、主制御装置110または音声ランプ制御装置113から受信した受信コマンドやその他外部からの入力に応じて、即座に第3図柄表示装置81へ表示すべき画像に対応する画像データを少なくとも常駐用ビデオRAM235へ常駐させるのが好ましい。
上記制御例では、キャラクタROM234に格納された画像データの一部を常駐用ビデオRAM235へ転送し、常駐させる場合について説明したが、キャラクタROM234に格納された全ての画像データを常駐用ビデオRAM235へ転送してもよい。この場合、常駐用ビデオRAM235に非常駐のキャラクタROM234に格納された画像データは存在しないので、通常用ビデオRAM236は、画像コントローラ237による描画によって得られた描画画像データを格納するための専用メモリとして用いてもよい。
上記制御例では、常駐用ビデオRAM235は、電源投入中、上書きされずにその内容が保持され続ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、主制御装置110または音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示させる画像を大きく異ならせる場合など、所定の契機に基づいて、常駐用ビデオRAM235に常駐させる画像データを上書きして更新するようにしてもよい。この場合、第3図柄表示装置81に表示させる画像を変更する間、移行期間として所定の移行画像を表示させてもよい。また、その移行画像に対応する画像データは、電源投入時に常駐用ビデオRAM235に格納され、その他の常駐用画像が更新されるときにも更新されずに常駐用ビデオRAM235に保持され続けるようにしておいてもよい。また、その移行画像を表示させている間に、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスして新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して、常駐用ビデオRAM235の未使用中(即ち、移行画像に対応する画像データが読み出されていない期間中)に転送するようにしてもよい。或いは、その移行画像を表示させている間に、MPU231が画像コントローラ237に対して新たに常駐すべき画像データの転送指示(転送データ情報)を送信し、画像コントローラ237が、その転送指令(転送データ情報)に従ってキャラクタROM234から常駐すべき画像データを読み出し、バッファRAM237aを介して、常駐用ビデオRAM235の未使用中(即ち、移行画像に対応する画像データが読み出されていない期間中)に転送するようにしてもよい。
また、常駐用ビデオRAM235を更新する場合、予め移行画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送しておき、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて移行画像を第3図柄表示装置81に表示させもよい。そして、その移行画像が表示されている間に、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスして、新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して転送するようにしてもよい。或いは、MPU231より常駐すべき画像データの転送指示を受けた画像コントローラ237がキャラクタROM234にアクセスして、新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して転送するようにしてもよい。移行画像を表示させている間に、常駐用ビデオRAM235の内容を更新することにより、遊技者に違和感を持たせることなく、その常駐用ビデオRAM235の更新を行うことができる。
上記制御例において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データを全て常駐した後、停電解消時に常駐用ビデオRAM235のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を記憶させておき、電源投入後に表示制御装置114のMPU231で実行される表示メイン処理またはメイン処理の中で、電源投入時主画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送開始する前に、RAM判定値を確認し、そのRAM判定値が正常な値であれば、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが正常に格納され続けていることを意味するので、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送を非実行とするように構成してもよい。この場合、簡易画像表示フラグをオフにすることで、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送を非実行となるようにしてもよい。これにより、瞬停の発生によって、表示制御装置114にシステムリセットが入力され、MPU231によって表示メイン処理またはメイン処理の実行が開始された場合であっても、常駐用ビデオRAM235のデータが正常に格納されている場合は、無駄にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に画像データが転送されるのを防ぐことができ、停電復帰にかかる時間を短縮することができる。特に、キャラクタROM234は、読み出し速度の遅いキャラクタROM234aによって構成されているので、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に画像データを転送する場合には長い時間を要する。これに対し、本変形例のように常駐用ビデオRAM235にRAM判定値を記憶させることで、瞬停などにより常駐用ビデオRAM235のデータが正常に残っている場合は、その画像データの転送に要する時間を短縮できるので、第3図柄表示装置81に対して、即座に通常の演出画像を表示させることができる。よって、遊技者に即座に遊技を開始させることができる。なお、RAM判定値は、例えば常駐用ビデオRAM235に記憶される画像データのチェックサム値であってもよい。また、このRAM判定値に代えて、常駐用ビデオRAM235の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりデータの有効性を判断するようにしても良い。
上記制御例では、バッファRAM237aを画像コントローラ237内に設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237の外に設けてもよい。例えば、バッファRAMを単独で構成し、内部バス(バスライン240)に直接接続するように構成してもよい。また、キャラクタROM234が上記ブリッジ回路を介して内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続される場合、そのブリッジ回路内にバッファRAMを設けてもよい。更に、そのバッファRAMを有するブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235が直接接続されてもよい。この場合、ブリッジ回路に接続されたキャラクタROM234から、ブリッジ回路に設けられたバッファRAMを介して、常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、データ信号のやりとりが多い内部バス(バスライン240)に影響されることなく、効率的に転送を行うことができる。
上記制御例では、バッファRAM237aの記憶容量を、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分とする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、適宜設定されるものであってもよい。例えば、第3図柄表示装置81が有する表示画面の走査期間のうち、実際の画像が表示される表示領域以外の走査領域であるブランク領域上を走査している期間(ブランク期間)中に、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データの転送が完了できる程度のデータ容量を、バッファRAM237aの記憶容量としてもよい。これにより、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、このブランク期間に生じる各ビデオRAM235,236の未使用期間を利用することで、確実に行うことができる。
上記制御例では、バッファRAM237aを1つ設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、バッファRAMを2つまたはそれ以上設けてもよい。この場合、一のバッファRAMにキャラクタROM234から読み出された画像データを格納している間に、別のバッファRAMから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ格納された画像データを転送するように構成してもよい。また、1つのバッファRAMの中で領域を2つ又はそれ以上に分割し、一の領域にキャラクタROM234から読み出された画像データを格納している間に、画像データが格納されている別の領域から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ、その画像データを転送するように構成してもよい。いずれの場合であっても、キャラクタROM234から読み出された画像データのバッファRAMへの書き込みと、バッファRAMに書き込まれた画像データの常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への転送とを並列して処理できるので、その処理にかかる時間を短縮できる。
上記制御例では、電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送する場合について説明したが、この電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。これにより、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像に対応する画像データを用いて、電源投入時主画像を表示させながら、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送することができる。そして、この間、常駐用ビデオRAM235からは画像データが読み出されないので、常駐用ビデオRAM235の使用状態を監視することなく、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、その画像データの転送を早く完了させることができると共に、処理の簡素化を図ることができる。
同様に、上記制御例では、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送する場合について説明したが、この電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。これにより、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像や電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて、第3図柄表示装置81に電源投入時画像を表示させながら、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送することができる。そして、この間、常駐用ビデオRAM235からは画像データが読み出されないので、常駐用ビデオRAM235の使用状態を監視することなく、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、その画像データの転送を早く完了させることができると共に、処理の簡素化を図ることができる。
上記制御例では、電源投入時主画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介して常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送する場合について説明したが、電源投入時主画像に対応する画像データを転送する間は、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないので、電源投入時主画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ直接転送してもよい。また、電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送し、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像に対応する画像データを用いて電源投入時主画像を表示させることなどにより、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送する間、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないように構成されている場合は、常駐すべき画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235へ直接転送してもよい。これにより、バッファRAM237aを介さずに、より早く画像データの転送を終えることができる。
同様に、上記制御例では、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介して常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送する場合について説明したが、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを転送する間は、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないので、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ直接転送してもよい。また、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送し、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて第3図柄表示装置81に電源投入時画像を表示させることなどにより、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送する間、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないように構成されている場合は、常駐すべき画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235へ直接転送してもよい。これにより、バッファRAM237aを介さずに、より早く画像データの転送を終えることができる。
上記制御例では、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、音声ランプ制御装置113により背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドが生成され、表示制御装置114によってその背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示される背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信したコマンドの内容に基づいて、遊技機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、例えば、遊技状態の変更にあわせて、背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドを生成してもよい。これにより、表示制御装置114では、その背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更することができる。また、表示制御装置114が直接遊技機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更してもよい。そして、変更後の背面画像、または、変更後の演出態様のスーパーリーチに対応する背面画像の少なくとも一部の範囲に対応する画像データが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されることによって、その常駐された範囲から、その背面画像を、背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて即座に表示させることができる。
また、表示制御装置114は、表示データテーブル、転送データテーブル、追加データテーブルや合成データテーブルの規定に従って背面画像を変更してもよい。この場合、変更後の背面画像に対応する画像データは、転送データテーブル、合成データテーブルや表示データテーブルに記載された転送データ情報に従って、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ予め転送されるように構成してもよい。ここで、転送データテーブル、合成データテーブルや表示データテーブルに記載された転送データ情報によって背面画像の画像データを転送する場合、元々の背面画像が格納された通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアに新たな背面画像が格納されるように転送データテーブルの転送データ情報を規定してもよいし、元々の背面画像が格納された通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアとは別のエリアに新たな背面画像が格納されるように転送データテーブルの転送データ情報を規定してもよい。後者の場合、背面画像を遊技者によって選択されて表示されていた元の背面画像に戻す際に、改めて元の背面画像に対応する画像データを転送する必要がないので、表示制御装置114の処理負荷の増大を抑制することができる。
また、上記制御例では、振動センサの出力信号を音声ランプ制御装置113に入力し、音声ランプ制御装置113にて振動エラーが検出された場合、エラーコマンドを表示制御装置114へ送信することにより、表示制御装置114にて第3図柄表示装置81へ即座に警告画像を表示させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振動センサの出力信号を主制御装置110へ入力し、主制御装置110にて振動エラーを検出して、主制御装置110からそのエラーを通知するエラーコマンドを音声ランプ制御装置113および表示制御装置114のいずれかへ送信するようにしてもよい。そして、音声ランプ制御装置113に対してエラーコマンドが送信される場合は、音声ランプ制御装置113がそのエラーコマンドを受けて、表示制御装置114へ更にそのエラーを通知するエラーコマンドを送信するようにしてもよい。
一方、振動センサの出力信号を表示制御装置114に入力し、表示制御装置114にて振動エラーの有無を検出するように構成してもよい。そして、振動エラーが検出された場合、エラー発生フラグをオンにし、更に、振動エラーに対応するエラー判別フラグをオンすることによって、表示設定処理(図220参照)においてエラー発生フラグがオンであることを判別した場合に警告画像設定処理(図221参照)を実行することで、第3図柄表示装置81へ即座に警告画像を表示させてもよい。この場合、これにより、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へのエラーコマンドの送受信が不要となるため、より早く警告画像を第3図柄表示装置81へ表示させることができる。
また、上記制御例では、振動センサが遊技板13の裏面に取り付けられている場合について説明したが、振動センサに代えて、若しくは、振動センサと共に、磁石センサが遊技板13の裏面に取り付けられてもよい。この磁石センサは、磁石などの磁界によって球の流れが変えられ、意図的に入球口への入球が行われることを抑制するために、遊技板に加えられた磁界を検出するためのセンサであり、磁石センサの出力信号は、主制御装置110,音声ランプ制御装置113および表示制御装置114のいずれかに入力されるようにしてもよい。そして、磁石センサの出力信号が主制御装置110に入力される場合は、その磁石センサの出力信号に基づき主制御装置110によって遊技板13に磁界が加えられたと判断されると、その磁界エラーを伝えるエラーコマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113経由で、または、直接、表示制御装置114に対して送信されるようにしてもよい。また、磁石センサの出力信号が音声ランプ制御装置113に入力される場合は、その磁石センサの出力信号に基づき音声ランプ制御装置113によって遊技板13に磁界が加えられたと判断されると、その磁界エラーを伝えるエラーコマンドが音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して送信されるようにしてもよい。そして、表示制御装置113の常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fには、磁界エラーを第3図柄表示装置81の表示によって報知するためのエラーメッセージ画像に対応する画像データが常駐されるように構成し、主制御装置110又は音声ランプ制御装置113から磁界エラーを伝えるエラーコマンドを受信すると、表示制御装置113は、第3図柄表示装置81にその警告画像を表示するようにしてもよい。また、磁石センサの出力信号が表示制御装置110に入力される場合は、その磁石センサの出力信号に基づき表示制御装置114によって遊技板13に磁界が加えられたと判断されると、表示制御装置113は、エラー発生フラグをオンすると共に、磁界エラーに対応するエラー種別フラグをオンに設定することで、第3図柄表示装置81にその警告画像を表示するようにしてもよい。これにより、表示制御装置114は、主制御装置110又は音声ランプ制御装置113からのエラーコマンドを受信し、或いは、磁石センサからの出力信号に基づいて、磁界エラーの発生を把握すると、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成した場合であっても、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに常駐されているエラーメッセージ画像を用いて、遅滞なく磁界エラーを報知するエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。よって、遊技者により遊技板に対して磁界が加えられると、第3図柄表示装置81によるエラーメッセージ画像の表示によって、その磁界エラーが即座に報知されるので、遊技者に対して不正な行動を抑止させることができる。
一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容を追加データテーブル又は表示データテーブルによって規定する場合、その追加データテーブル又は表示データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本制御例では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルに規定される追加描画内容においてポインタ233fにより示されるアドレスに色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに規定される描画内容においてポインタ233fにより示されるアドレスに規定された対応のスプライト種別の色情報を、表示データテーブルの追加描画内容により規定された色情報に置き換えて、描画リストを作成するようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、追加データテーブルによって規定された色情報に基づいて、そのスプライトの色調を変化させながら画像の描画を行うことができる。
また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が表示データテーブルによって規定される場合、その表示データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本制御例では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルに規定される追加描画内容において、ポインタ233fにより示されるアドレスに、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに規定される描画内容において、ポインタ233fにより示されるアドレスに規定された各種スプライトのうち、置き換え対象のスプライトに代えて、新たに表示すべきスプライト種別と、そのスプライトの描画情報とを描画リストに含めるようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、新たに表示すべきスプライトを含む画像の描画を行うことができる。
また、上記制御例では、表示データテーブルにおいて、その表示データテーブルに規定された描画内容に従って画像を描画する場合に必要となる画像データの転送データ情報を含める場合について説明したが、それに加えて、表示データテーブルに規定された追加描画内容に従って画像を描画する場合に必要となる画像データの転送データ情報(追加転送データ情報)を含めてもよい。この場合、追加転送データ情報は、各アドレス毎に、その追加表示可能な演出を識別するための識別情報(「追加演出1」、「追加演出2」・・・等)に対応付けて、追加描画内容と共にまたは追加描画内容とは別個に規定されるものであってもよい。そして、MPU231は、追加して表示すべき演出を決定すると、その決定された演出に対応する識別情報に対応付けられた追加描画内容と追加転送データ情報とを含めて、描画リストを作成するように構成してもよい。
これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、追加描画内容に従った描画で用いられるスプライトの画像データを、その画像データが用いられる前に予め通常用ビデオRAM236に転送しておくことができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、追加して表示すべき演出を容易に且つ確実に第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、表示データテーブルに規定された追加転送データ情報を用いることによって、追加描画内容に基づく画像の描画を指示しながら、必要な画像データを通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、追加描画内容によって多くのスプライトの描画を指定することができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種態様な演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
上記制御例では、遊技者にスーパーリーチを選択させる変動パターンに対応する表示テーブルにおいて、遊技者により選択され得る全てのスーパーリーチに対応する描画内容を表示データテーブル内に規定しておき、遊技者によって選択されたスーパーリーチに対応する描画内容だけを特定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、選択されたスーパーリーチに対応する描画内容を、表示データテーブルに追記するようにしてもよい。これによって、遊技者により選択されたスーパーリーチの描画内容を容易に特定することができる。また、表示データテーブルに全てのスーパーリーチに対応する描画内容を規定しておく必要がないので、表示データテーブルのデータサーズが大きくなることを抑制できる。
上記制御例では、表示データテーブルに、描画内容と、転送データ情報とを含める場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示データテーブルには、描画内容と転送データ情報とを規定し、追加して表示すべき演出の追加描画内容は、追加データテーブルに規定してもよい。この場合、ワークRAM233には、追加データテーブルバッファを設け、追加して表示すべき演出が決定された場合に、その演出に対応する追加データテーブルを追加データテーブルバッファに設定するようにしてもよい。また、その追加データテーブルは、追加描画内容だけでなく、その追加描画内容に従って行われる画像の描画に必要な画像データの転送データ情報(追加転送データ情報)を含めて規定するものであってもよい。これにより、追加データテーブルを用いて追加して表示すべき演出の描画内容と、その描画に必要な画像の転送データ情報とを特定することができるので、追加データテーブルおよび追加用転送データテーブルからそれぞれ描画内容と転送データ情報とを特定する場合と比較して、その特定に要する処理の負荷を軽くすることができる。
上記制御例では、表示制御装置114において、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターン毎に表示データテーブルを用意する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変動演出を、例えば、「変動立ち上げ」、「高速変動」、「予告演出」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」といった各要素毎に表示データテーブルを用意し、表示用変動パターンコマンドに示される変動パターンに応じてその変動演出に必要な要素を特定した上で、その特定された変動演出に必要な用紙に対応する表示データテーブルを1つにまとめて、その変動パターンに対応する最終定期な表示データテーブルを生成するようにしてもよい。「変動立ち上げ」、「高速変動」、「ノーマルリーチ」などは、それぞれの変動パターンに共通した表示が行われる場合が多い。よって、このように変動演出を要素化し、それぞれの要素に対応して表示データテーブルを用意することで、データテーブルを効率的に持たせることができる。
上記制御例では、表示データテーブルおよび転送データテーブルで、共通のポインタ233fを用いて、そのポインタ233fによって示されるアドレスから描画内容や転送データ情報を特定する場合について説明したが、それぞれのデータテーブルに対して、ポインタを用意してもよい。
上記制御例では、画像コントローラ237が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記制御例では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU231に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ237は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU231に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
上記制御例では、画像コントローラ237は、MPU231から送信される描画対象バッファ情報に基づいて、描画した画像を展開すべきフレームバッファを特定すると共に、もう一方のフレームバッファから先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237が、描画リストを受信する毎に、描画した画像を展開すべきフレームバッファを交互に選択するようにし、その選択されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信するようにしてもよい。また、画像コントローラ237が、第3図柄表示装置81に1フレーム分の画像情報を送信する度に、描画した画像を展開すべきフレームバッファと、第3図柄表示装置81に対して画像情報を出力するフレームバッファとを入れ替えるようにしてもよい。
上記制御例では、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定された後、その確定表示演出が終了するまでに、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれも受信しなかった場合は、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する場合について説明したが、これを、再び確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するようにしてもよい。また、この場合、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれかが受信されるまで、確定表示演出が終了するたびに、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに再設定するようにしてもよい。これにより、主制御装置110から変動パターンコマンド又はデモコマンドを受信するまで、第3図柄表示装置81に確定表示演出を表示させ続けることができる。
上記制御例では、デモ演出が、背面画像を変化させると共に「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記制御例では、表示制御手段114において、電源投入後にまず電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送し、その転送完了後に電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させてから、残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、表示制御手段114において、電源投入後にまず電源投入時主画像に対応する画像データのみをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送し、その転送完了後に電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させてから、電源投入時変動画像に対応する画像データを含む常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するようにしてもよい。これにより、電源投入時主画像を電源投入後により早く第3図柄表示装置81へ表示させることができるので、遊技者やホール関係者、又は、製造時の工場等における動作チェックにおいて、パチンコ機10が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができる。
また、この場合、MPU231が、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送完了を監視するようにしてもよい。これにより、電源投入時変動画像エリア235bに電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されて以降に、音声ランプ制御装置113より表示用変動パターンコマンドを受信すれば、その表示用変動パターンコマンドに基づき、電源投入時変動画像エリア235bに格納された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて、簡易的な変動表示を第3図柄表示装置81に表示させることができる。なお、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させた直後に行うのが望ましい。これにより、電源投入時変動画像による変動表示をより早く行えるようにすることができる。
上記制御例において、表示データテーブルおよび転送データテーブルは、20ミリ秒を1単位として表した時間に対応して、その時間に描画すべき画像の内容(描画内容)や、その時間に転送すべき画像データの情報(転送データ情報)を規定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の時間間隔毎に表示内容を規定するものであればよい。この所定の時間間隔は、第3図柄表示装置81のフレームレートにあわせて設定するようにしてもよい。例えば、第3図柄表示装置81のフレームレートが30fps、即ち、第3図柄表示装置81が、1秒間に30フレームの画像を表示するものである場合は、第3図柄表示装置81は1/30秒毎に1フレームの画像が表示されるので、表示データテーブルは、1/30秒間隔毎に表示内容を規定するものにしてもよい。
また、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される描画すべきスプライト種別として、そのスプライト種別そのものを指示するのではなく、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定するものであってもよい。表示制御装置114では、第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別に対応する画像データをキャラクタROM234から読み出すため、各スプライト種別に対応付けて、そのスプライト種別の画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを管理している。よって、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される表示内容として、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定すれば、各スプライト種別に対応付けて、スプライトを特定する情報とキャラクタROM234のアドレスとの両方を管理する必要がなくなるため、処理負担の軽減を図ることができる。
上記制御例では、表示制御装置114のワークRAM233に格納画像データ判別フラグ233iを設け、スプライト毎に、対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを記憶させる場合について説明したが、これに代えて、画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を示す情報をワークRAM233に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、所定のスプライト種別の画像データを転送指示する場合に、ワークRAM233に記憶された画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を示す情報を参照して、その所定の画像データが既に画像格納エリア236aに格納されているか否かを判別し、格納されていなければ、その所定のスプライト種別の画像データの転送指示を設定してもよい。また、MPU231は、所定のスプライト種別の画像データの転送指示を設定した場合、その転送指示が設定されたスプライト種別を示す情報をワークRAM233に格納すると共に、そのスプライト種別の画像データが格納される画像格納エリア236aのサブエリアに格納されていたスプライト種別を示す情報を消去するようにしてもよい。
上記制御例では、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ所定のスプライト種別の画像データを転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iに基づいて、そのスプライト種別の画像データが通常用ビデオRAM236に格納されているか否かを判断し、通常用ビデオRAM236に、その所定のスプライト種別の画像データが格納されていれば、その転送処理を非実行とする処理を、MPU231が行う場合について説明したが、この処理を、画像コントローラ237が行うようにしてもよい。この場合、画像コントローラ237に設けられたワークRAMに、格納画像データ判別フラグ233iと同等のフラグを用意して、各スプライト毎に、対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されているかどうかを記憶させてもよい。また、画像コントローラ237に設けられたワークRAMに、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を記憶させるようにしてもよい。なお、この場合、MPU231は、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への所定のスプライト種別の画像データの転送が必要であれば、通常用ビデオRAM236における画像データの格納状態に関わらず、画像コントローラ237に対して、その画像データの転送データ情報を送信するようにしてもよい。
上記制御例では、複数の背面画像のうち、「背面A」に対応する画像データのみを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、2以上の背面画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させるようにしてもよい。例えば、一部のスーパーリーチで用いられる背面画像の画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させてもよい。特に、出現頻度が高い又は高いと予想されるスーパーリーチの背面画像を常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させることにより、キャラクタROM737から通常用ビデオRAM536への画像データの転送処理が実行される回数を抑制することができる。
上記制御例では、転送データテーブル又は表示データテーブルによって、ポインタ233fで示されるアドレスに対応付けて画像データの転送指令が規定され、MPU231は、その表示ポインタにより規定される所定の時間にその転送指令で指示された画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示データテーブルの先頭に、その表示データテーブルにおいて必要となるスプライト種別に関する情報を記載し、MPU231は、その表示データテーブルの先頭に記載された情報に基づいて、必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御してもよい。若しくは、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づき、MPU231がそのコマンドに対応して第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別を判断して、その画像種別の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御してもよい。
上記制御例では、「島ステージ」の背面画像である背面Cにおいて、その画像の一部の色調が時間と共に変化する場合について説明したが、画像全体の色調が時間と共に変化するものであってもよい。また、背面画像として、時間の経過と共にスクロールしたり、色調が変化したりするものだけではなく、また、そのような背面画像に代えて、時間の経過と共に、登場する物体(例えば、人物)が移動したり、変化したりするようなものであってもよい。
上記制御例では、主制御装置110が、音声ランプ制御装置113に対して通知する始動入賞時に取得した各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2)の情報を、保留球数コマンドに含める場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、別のコマンドによって、始動入賞時に取得した各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2)の情報を音声ランプ制御装置113に通知してもよい。
上記制御例では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
上記制御例において、球が入球した場合に特別図柄の大当たりの抽選が開始される第1始動口64aが遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の第1入球口が遊技盤13に配設されていてもよい。この場合、各第1入球口において保留があった場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの第1入球口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタを1減らせば、第1入球口毎に保留球数をカウントすることができる。
上記制御例では、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記制御例においては、第1始動口64aへの入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1始動口64aへの入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記制御例に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
<第2制御例>
次に、図226から図246を参照して、第2制御例について説明をする。本第2制御例は、上述した第1制御例に用いられた各種演出用装置(演出部材700、横スライド部材840、及び、粒状部材320を射出するための射出装置400(図5、及び図6参照))の動作制御内容について詳細に説明をする。なお、第2制御例におけるパチンコ機10は、上述した第1制御例のパチンコ機10に対して、上述した各種演出用装置に関する制御内容を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図226から図229を参照して、本第2制御例における各種演出装置の内容について説明をする。なお、各種演出装置の具体的な構成や動作原理については、上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明及び図示を省略する。また、説明の便宜上、上述した第1制御例では各演出装置を構成する構造物(個々に機能を有する構造物)に対して異なる符号を付していたが、本制御例では、各演出装置に対してのみ符号を付し、第1制御例において説明をした各機能を各演出装置が有しているように説明をする。加えて、上述した第1制御例と同一の符号が付されている各演出装置について名称を一部変更しているが、詳細な内容については、上述した第1制御例にて説明をした同一の符号が付された装置(構造)と同一である。
図226(a)は、本制御例におけるパチンコ機10が有する各種装置を模式的に示した模式図であり、図226(b)は、射出装置400の構成を模式的に示した模式図である。図226(a)に示した図は、第1制御例の図7に示した図を簡略化したものであり、具体的な内容については、上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
図226(a)に示した通り、本パチンコ機10では、第3図柄表示装置81の表示面を囲むように動作ユニット500が設けられている。この動作ユニット500は、中央部に形成された開口部に第3図柄表示装置81の表示面(液晶ディスプレイ)が位置するように、パチンコ機10に組み付けられている。そして、動作ユニット500の上側に演出部材700が、左右にそれぞれ横スライド部材(回転部材)840が設けられておる。さらに、動作ユニット500の奥側、即ち、パチンコ機10を正面視した場合に、動作ユニット500に隠れて視認できない位置に射出装置400が設けられている。
詳細な動作原理については、上述した第1制御例と同一であるためその詳細な説明を省略するが、演出部材700は、図226に示した待機位置から下方向へと移動するように可動可能に構成されており、下方向へと移動した動作位置に位置した場合に、第3図柄表示装置81の表示面の約1/3を覆うように構成している(図8参照)。さらに、演出部材700は、図9に示した通り、分割動作を実行可能に構成している。このように構成することで、演出部材700を待機位置から動作位置へと移動させることで、第3図柄表示装置81の表示面を注視している遊技者に対して、演出部材700に興味を持たせ易くし、演出部材700を動作位置に位置させた後に、分割動作を実行することにより、遊技者に意外性のある演出を、遊技者が注視している状態で実行させることができるため、演出効果を高めることができる。
また、回転部材840は、それぞれが上下方向に独立して移動可能であり、さらに、回転部材840自体が、回転部材の中心部を軸にして回動可能に構成されている(図11参照)このように、回転部材840の位置を移動させながら、さらに回転部材840を回転させることにより、遊技者に対して迫力のある演出を実行することができる。
次に、図226(b)を参照して、射出装置400の構成について説明をする。この射出装置400は、粒状部材320を上方向(第3図柄表示装置81の表示面方向)に向けて放射状に射出させるための装置であって、射出装置400自体は遊技者に視認され難くするために、動作ユニット500に隠れるようにパチンコ機10に組み付けられている。この射出装置400には、粒状部材320を収納する収納領域raが形成されており、その収納領域raの底面部材がアーチ状に形成されている。そして、駆動機構400mを駆動させることで、底面部材が上下方向に移動可能に構成されており、この底面部材saが上方向に移動することにより、収納領域raに収納されていた複数の粒状部材320が上方向に向けて射出されるように構成している。なお、射出装置400の具体的な動作原理については上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
加えて、本第2制御例では、収納領域raに収納されている粒状部材320の量(数)を検出可能な検出手段として、収納検知センサsaを設けている。この収納検知センサsaは、アーチ状の底面部に掛かる加重を検知可能な加重センサにより形成されており、加重センサの検知結果に基づいて全ての粒状部材320が収納領域raに収納されているかを判別可能に構成している。この検出手段に検出結果に基づいて、射出装置400により射出された粒状部材320が収納領域raに収納されていない状態、例えば、収納領域raへと戻ること無く詰まっている状態を検出することができる。
なお、粒状部材320が収納領域raに正常に収納されているか否かを検出する検出手段の構成は、上述した構成に限ること無く、例えば、射出された粒状部材320が通過する領域を区切るように検知ラインを形成し、その検知ラインを超えて第3図柄表示装置81の表示面方向へと射出された粒状部材320の数と、第3図柄表示装置81の表示面側から収納領域raへと戻ってくる粒状部材320の数と、を計測可能な計測手段を設け、その計測手段の計測結果に基づいて収納領域raに全ての粒状部材320が収納されているか否かを判別可能に構成しても良い。また、本制御例のように、射出装置400から射出される被射出部材が転動可能な形状(球形状)である場合には、射出装置400により射出された被射出部材が収納領域raへと戻る経路に整列経路を形成し、その整列経路を転動する被射出部材の数を計数可能な計数手段を設け、その計数手段の計数結果に基づいて収納領域raに全ての粒状部材320が収納されているか否かを判別可能に構成しても良い。
このように、粒状部材320の状況を判別可能に構成することにより、適正な演出を実行することが可能となる。つまり、演出部材700や回転部材840のように、駆動手段(モータやソレノイド)の駆動に基づいて機械的に動作制御される演出装置においては、駆動手段の駆動状況(モータの回転数(ステップ数)や、ソレノイドへの通電状況)を判別することにより、現在の演出装置の状況(位置)を把握することが可能だが、射出装置400により射出される粒状部材320については、射出装置400により射出されるタイミングは駆動機構400mの駆動状況を判別することにより把握可能だが、射出された粒状部材320がどのタイミングで再度収納領域raへと収納されるのかを判別することが困難であった。つまり、射出される方向や、射出された粒状部材320同士の衝突度合いに応じて、射出された粒状部材320が到達する領域が可変され、さらに、射出された粒状部材320の勢いが弱まり、重力により下方に向けて落下する際に、粒状部材320の射出領域内に設けられた各部材と衝突したり、各部材の隙間に詰まったりすることで、収納領域raへと戻るタイミングに遅延が生じる虞があった。さらに、粒状部材320の衝突や接触により発生する静電気によって、粒状部材320が吸着されることにより、収納領域raへと戻るタイミングが遅れてしまったり、戻ることが出来なくなったりする虞もあった。
詳細な内容については後述するが、本第2制御例では、上述した問題点を解決するために、射出された粒状部材320の状況を判別し、その判別結果に基づいて、次に粒状部材320を用いた演出を実行させるタイミングや内容を可変制御可能に構成している。よって、例えば、粒状部材320が収納領域raに収納されていない状態で射出装置400により粒状部材320を射出させる演出が実行されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第2制御例では、射出装置400の動作内容(動作目的)に応じて、収納領域raに収納されている粒状部材320の数(量)を異常と判定する判定値を異ならせるように構成している。このように構成することで、異常判定により過剰に異常と判定されてしまい、射出装置400により粒状部材320を射出させる演出が実行され難くなり、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第2制御例では、収納領域raに全ての粒状部材320が収納されていない状態の一部において、敢えて、射出装置400により粒状部材320を射出させる演出を実行することにより、全ての粒状部材320を収納領域raへと収納させるように構成している。このように、演出に用いられる動作制御を利用して、粒状部材320の収納状況を正常にする行為を試みることができるため、射出装置400に対する動作制御内容を簡素化することができる。
次に、図227から図229を参照して、本第2制御例のパチンコ機10において実行される各演出装置を用いた演出の内容について説明をする。なお、図227から図229は、各演出装置(演出部材700、回転部材840、射出装置400)を用いた演出の流れを簡単に説明するための図であり、詳細な構成について省略しているが、具体的な構造や動作原理については、上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
図227(a)は、演出部材700が動作位置に位置している状態を模式的に示した模式図であって、図227(b)は、演出部材700が動作位置に位置している状態で分割動作を実行している状態で、射出装置400が駆動し、粒状部材320が射出されている状態を模式的に示した模式図である。図228(a)は、演出部材700が待機位置へと移動し、粒状部材320が収納領域raへと戻る状態を模式的に示した模式図であって、図228(b)は、回転部材840が駆動している状態で、射出装置400が駆動し、粒状部材320が射出されている状態を模式的に示した模式図である。
本制御例では、演出部材700、回転部材840、射出装置400を用いた一連役物演出を実行可能に構成している。この一連役物演出は、最初に演出部材700を動作位置に移動させる第1演出を実行し(図227(a)参照)、その後、演出部材700を分割動作させながら、射出装置400を駆動させる第2演出を実行し(図227(b)参照)、所定の待機期間の経過後に、回転部材840の動作と、射出装置400の駆動とを実行する第3演出(図228(b)参照)と、を実行可能に構成している。
このように、複数の各種装置を連動させた演出を実行することにより、遊技者に対して一体感のある迫力のある演出を実行することができる。また、図227(b)に示した通り、演出部材700の分割動作に対応させて射出装置400を駆動させることにより、粒状部材320が演出部材700の内部から飛び出しているように錯覚させることがでるため、演出効果を高めることができる。
また、本制御例では、一連役物演出の実行中において、射出装置400の動作状況(粒状部材320の回収状況)を判別可能に構成しており、射出装置400の動作状況(粒状部材320の回収状況)が所定の異常状態であると判別した場合には、演出部材700、回転部材840、射出装置400を用いること無く、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される演出表示のみを実行させる演出へと演出態様を可変可能に構成している(図29参照)このように構成することで、粒状部材320が飛び出している状態で、演出部材700、回転部材840、射出装置400を可動させてしまい、各種部材が破損してしまう事態が発生することを抑制しながらも、一連役物演出の演出効果が低下してしまうことを最低限に抑えることができる。
ここで、図230を参照して、一連役物演出の流れについて説明をする。図230は、一連役物演出が実行される場合における、パチンコ機10の各種装置の状況を時間経過に従って模式的に示したタイミングチャートであって、図230(a)は、主制御装置110、図230(b)は、音声ランプ制御装置113、図230(c)は、第3図柄表示装置81の液晶表示、図230(d)は、発射役物(射出装置)400、図230(e)は、落下役物(演出部材)700、図230(f)は、回転役物(回転部材)840の状況を時間経過に従って模式的に示したタイミングチャートである。
図230(a)に示した通り、本制御例では、主制御装置110によって実行される特別図柄変動(例えば、変動時間90秒)の変動期間中に、上述した一連役物演出が実行されるように構成している。つまり、図230(c)に示した通り、特別図柄変動が開始されたことに基づいて第3図柄表示装置81の表示面(液晶表示)にて、第3図柄の変動演出表示が実行され、その後、変動演出表示が実行されてから45秒後に、一連役物演出に対応する一連役物演出表示が実行される。
図230(b)に示した通り、一連役物演出を実行する場合には、事前に発射役物400に対して準備動作を実行させる必要があり、一連役物演出を実行する5秒前(特別図柄変動開始から40秒経過したタイミング)からの5秒間を準備期間として準備制御を実行する。準備制御が実行されると、発射役物400は準備動作を実行し(図230(d)参照)、その後、一連役物演出の開始タイミングに合わせて、発射役物400と落下役物700とが動作を実行する(図226(b)参照)。そして、発射役物400の第1動作が終了すると、次の動作に向けて準備動作(発射位置から待機位置へと移動する動作)を実行し、第2動作の実行タイミングまで待機期間が設定される。
そして、落下役物700の動作が終了してから所定期間が経過すると、変動演出表示が実行されてから60秒が経過すると、回転部材840が動作を開始し、そのタイミングに合わせるように発射役物400の第2動作が実行される。このように、発射役物400の動作タイミングが、落下役物700、及び回転部材840の動作内容と合致するように各演出装置に対して動作制御を実行することで演出効果を高めることができる。
ここで、発射役物400の準備動作としては、発射役物400を待機位置(図227(a)参照)へと移動させる駆動処理と、粒状部材320の状況が正常であるか否かを判別する判別処理と、が実行される。そして、粒状部材320が正常である(正常に収納領域raに収納されている)と判別された場合に、発射役物400の次の動作を実行可能に構成している。
図230に示した通り、本制御例では、一連の演出期間内において、発射役物400を複数回動作させるように構成しているが、複数回の発射役物400の動作期間の間に、待機期間を設けている。この待機期間は、準備動作が正常に終了しなかった場合に、準備動作の一部を再度実行可能とする期間として設けている。具体的には、準備期間の終了タイミングにおいて、粒状部材320が収納領域raに全て収納されているかを判別し、全てが収納されていないと判別された場合に、所定期間(例えば3秒)の間隔を空けて、再度、粒状部材320が収納領域raに全て収納されているかを判別する処理を実行可能に構成している。
上述した通り、発射役物400により発射された粒状部材320は、発射領域(射出領域)内を不規則に移動するため、収納領域raへと戻ってくるために費やす時間が場合によって大きく可変することになる。そこで、粒状部材320が収納領域raに全て収納されているかを判別する処理を異なるタイミングで複数回実行可能とし、若干の誤差が生じた場合であっても、発射役物400の2回目の動作を実行可能としている。このように構成することで、一連役物演出を実行し易くすることができ、演出効果を高めることができる。
なお、詳細な説明は後述するが、本制御例では、発射役物400の準備期間において、粒状部材320の収納状況が異常と判別された場合であって、待機期間が経過した時点においても異常判別が継続している場合には、発射役物400を動作させる演出の実行を止め、他の演出を実行するように構成している。このように構成することで、発射役物400を用いた演出を正常に実行できない場合であっても、遊技者に違和感を与えることの無い一連役物演出を実行することができる。
次に、図231を参照して、発射役物400の動作制御のうち、パチンコ機10に電源を投入した場合における動作制御の内容について説明をする。図231は、発射役物400の動作制御の流れ(立ち上げ時)の流れを模式的に示した模式図である。本制御例では、パチンコ機10に電源を投入した場合に、パチンコ機10に設けられている各種演出装置の動作確認を実行するように構成している。このように、パチンコ機10の電源を投入した時点、即ち、パチンコ機10を用いた遊技が行われる遊技場が開店するよりも前の時点で各種演出装置の動作確認を実行するように構成することで、各種演出装置の動作に異常が発生した場合、例えば、駆動機構(モータ、ソレノイド、駆動ギア等)の不具合により正常な動作をすることが出来ない異常状態であると判別された場合において、遊技中の遊技者に迷惑を掛けること無く修理を実行することが可能となる。
図231に示した通り、電源立ち上げ時において発射役物400に対する動作確認処理が実行されると、まず、粒状部材320が収納領域raに正常に収納されているかを判別するための粒状部材監視処理が実行される(図231(b)参照)。この粒状部材監視処理では、図226(b)に示した収納検知センサsaの検知結果に基づいて、粒状部材320が収納領域raに正常に収納されているかが判別される。そして、粒状部材監視処理の判別結果に基づいて、現在の収納状況が異常であるか否かが判別される(図231(c)参照)。
本制御例では、粒状部材監視処理の判別結果が異常であるか否かを判別する異常判別において、異常判別を実行するタイミング(状況)に応じて、異常判別のランクを異ならせるように構成している。詳細な内容については後述するが、異常判別タイミング(状況)に応じて、異常と判別される粒状部材の収納量を異ならせるように構成している。
電源立ち上げ時における発射役物400に対する動作確認処理において最初に実行される異常判別では、最も判別レベルが高い異常判別(高レベルA)が実行される。この高レベルAの異常判別では、粒状部材監視処理の判別結果が、収納領域raに全ての粒状部材320が収納されているとの判別結果である場合のみ「正常」と判別し、それ以外の判別結果である場合には「異常」と判別するように構成している。そして、異常判別によって「異常」と判別された場合には、電源立ち上げ時における初期動作処理の実行を中断し、パチンコ機10の外部へと異常状態を報知する異常報知処理が実行される。このように構成することで、発射役物400の異常が発生している状態で初期動作処理が継続してしまい2次的な被害が発生してしまうことを抑制することができる。
そして、初期動作処理の最初のタイミングで実行される異常判別において「正常」と判別された場合には、次いで、発射役物400の駆動制御として準備動作、発射動作を実行する。その後、3秒間の待機期間を経て、2回目の異常判別を実行する。この2回目の異常判別では、上述した高レベルAの異常判別の次に判別レベルが高い異常判別(高レベルB)が実行される。
この高レベルBの異常判別では、粒状部材監視処理の判別結果が、収納領域raに全ての粒状部材320が収納されているとの判別結果である場合に「正常」と判別し、所定量以内の誤差(例えば、誤差10%)であることを示す異常LV1である場合には「リトライ」、誤差が所定量以上(例えば、誤差が10%よりも大きい)であることを示す異常LV2、又は異常LV3である場合には「異常」と判別するように構成している。
次に、図232を参照して、パチンコ機10の演出として発射役物400を用いる場合(例えば、一連役物演出を実行する場合)における動作制御の内容について説明をする。図232は、発射役物400の動作制御の流れ(一連役物演出時)の流れを模式的に示した模式図である。本制御例では、上述した初期動作処理と同様に、一連役物演出を実行する場合においても、演出に用いられる各種装置に対する異常判別を実行するように構成している。そして、異常判別の結果に応じて、一連役物演出の演出内容を異ならせるように構成している。さらに、異常判別における異常判定の判定レベルを異ならせることで、一連役物演出において発射役物400を用いた演出が実行され易くなるように構成している。
次に、一連役物演出における発射役物400の異常判別結果に応じて実行される一連役物演出の演出態様について図233を参照して説明をする。図233は、一連役物演出にて実行される演出の流れを模式的に示した模式図である。本制御例では、図232に示した通り、一連役物演出中に実行される2回の異常判別(判別レベルが中レベルの第1異常判別と、判別レベルが低レベルの第2異常判別)において、何れも正常と判別された場合には、図233(a)に示した通り、一連役物演出の対象演出期間の前半において、発射役物400の第1発射演出と、落下役物700の落下演出と、が実行される。そして、所定期間経過後に、発射役物400の第2発射演出と、回転部材840の回転演出と、が実行される。なお、第3図柄表示装置81の液晶表示では、予め定められている一連役物演出に対応する演出表示が実行される。
一方、第1異常判別において、「異常(例えば、異常LV2)」と判別された場合には、粒状部材320が収納領域raに正常に収納されていない状態であり、一連役物演出として発射役物400を動作させたとしても演出効果が低くなるため、図233(b)に示した通り、正常時(図233(a)参照)とは異なる演出態様が設定される。具体的には、発射役物400の第1発射演出の実行を止め、落下役物700を用いた演出として、通常の落下演出に代えて特定落下演出を設定する。そして、その後、実行される第2異常判別の結果に関わらず、一連役物演出の後半においても、発射役物400を用いた第2発射演出の実行を止め、回転部材840を用いた回転演出が実行される。
特定落下演出の演出期間は、通常の落下演出の演出期間よりも長く設定されているため、落下役物700の演出が終了してから回転部材840の演出が開始されるまでの間隔が、正常に実行される一連役物演出に比べて短くなるように構成している。つまり、正常に実行される一連役物演出では、各種演出装置(落下役物700、回転部材840)の動作に対応させて発射役物400を駆動させるように構成しており、さらに、発射役物400が正常に駆動させるために所定期間の間隔を空ける必要があった。
これに対して、図233(b)に示した一連役物演出の演出態様では、発射役物400が駆動されないため、落下役物700の演出期間を長くしたとしても、遊技者に違和感を与えることが無い。また、回転部材840の演出を実行するタイミングは正常時(図233(a)参照)と同一にしているため、正常時と異常時とで制御処理内容を共通化することが可能となる処理負荷を軽減させることができる。
なお、図233(b)に示した例では、第1異常判別の結果が「異常」と判別された場合には、第2異常判別の結果を考慮すること無く、一連役物演出中に発射役物400を使用しない演出態様を設定するように構成しているが、これに限ること無く、第2異常判別の結果が「正常」と判別された場合において、発射役物400の第2発射演出を実行するように構成しても良い。つまり、一連役物演出の第1異常判別において「異常」と判別された場合において、例えば、粒状部材320が収納領域raに偏って収納されてしまい、収納領域raに全ての粒状部材320が収納されていると正常に判別されなかった場合や、落下役物700に粒状部材320が挟まってしまい「異常」と判別された場合では、一連役物演出として落下役物700を用いた演出を実行することにより、正常に全ての粒状部材320が収納領域raへと収納される場合があるため、第2異常判別の結果に基づいて発射役物400の第2発射演出を実行しても良い。これにより、発射役物400を用いた演出を実行し易くすることができる。
次に、一連役物演出中に実行される第2異常判別にて異常判別された場合の一連役物演出の演出態様について説明をする。図233(c)は、第2異常判別にて「軽度な異常」と判別された場合における一連役物演出の演出態様を模式的に示した図である。
第1異常判別において「正常」と同一判別されると、正常時の一連役物演出と同一の第1発射演出と、落下演出が実行される。その後、第2異常判別にて「軽度な異常(例えば、異常LV2)」と判別された場合には、遅延期間を設定し、その遅延期間経過後に再度異常判別を実行するリトライ処理が実行される。そして、リトライ処理にて実行された異常判別の結果が「正常」であると、正常時と同一の動作制御、即ち。発射役物400の第2発射演出、回転部材840の回転演出、及び、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される演出表示が遅延期間経過タイミングに基づいて同時に実行される。
つまり、リトライ処理が実行される期間(遅延期間)分、一連役物演出における後半演出の実行タイミングを遅らせるように構成している。そして、遅延期間中は、各種演出装置の動作制御を実行すること無く、第3図柄表示装置81の表示面にて特定表示が実行されるように構成している。このように構成することで、一連役物演出の実行中に継続して表示される演出表示の表示内容と、遅延の有無によって実行タイミングが可変する各種演出装置の動作内容と、がズレてしまい演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、詳細な説明は省略したが、例えば、図233(c)に示したパターンにおいて、第2異常判別の結果が「異常」である場合には、特定表示の表示内容に対して連続する表示内容の第2特定表示が表示され、各種演出装置が動作しない一連役物演出が実行されることになる。このように構成することで、特定表示の表示内容に対して違和感の無い演出表示を用いて一連役物演出を終了させることが可能となる。また、特別な異常判別結果に対応する専用の各種演出装置の動作制御内容に対応するデータ量を削減することができる。
次に、一連役物演出中に実行される第2異常判別にて異常判別された場合の一連役物演出の演出態様について説明をする。図233(d)は、第2異常判別にて「異常(例えば、異常LV3)」と判別された場合における一連役物演出の演出態様を模式的に示した図である。第2異常判別の判別結果が異常LV3と判別された場合には、図233(c)に示したようなリトライ処理を実行すること無く、特殊操作演出を実行するように構成している。この特殊操作演出は、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作可能な操作有効期間を設定し、その操作有効期間内に遊技者が操作手段を操作したことに基づいて、各種演出装置の何れかを動作させる演出である。
つまり、異常判別によって「異常」と判別されたことに基づいて、一連役物演出の動作シナリオとして各種演出装置を動作させることを中止し、代わりに、別の演出として用いる操作演出を組み込むように構成している。このように構成することで、演出装置を複数回動作させる一連役物演出の実行中に、遊技者が枠ボタン22を操作することで各種演出装置を動作させることが可能となる。よって、遊技者に対して、発射役物400の異常判別によって異常と判別されたために設定された演出態様と思われることを抑制することができる。
<第2制御例の電気的構成について>
次に、図234から図236を参照して、本第2制御例における電気的構成について説明をする。まず、図234を参照して本第2制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明をする。図234は、本第2制御例におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。本第2制御例におけるパチンコ機10の電気的構成は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10の電気的構成(図152参照)に対して、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に接続される各種装置を追加した点と、音声ランプ制御装置113のROM222の構成と、RAM223の構成と、で相違しており、具体的には、各種演出装置を駆動させるための装飾用役物モータ群Mzを接続している点で相違している。それ以外の構成は上述した第1制御例と同一であるため、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。なお、装飾用役物モータ群Mzは、上述した落下役物700、回転部材840、発射役物400等を駆動させるための各種モータやソレノイドが含まれるものであり、その具体的な構成や動作原理については、上述した第1制御例と同一であるためその詳細な説明を省略する。
次に、図235(a)を参照して、本第2制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成について説明をする。図235(a)は、本第2制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成を模式的に示した図である。図235(a)に示した通り、本第2制御例では、上述した第1制御例に対して、役物動作テーブル222aaと、異常判定テーブル222abを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
役物動作テーブル222aaは、特別図柄変動に対応して実行される変動演出に用いられる各種装飾用役物(落下役物700、回転部材840、発射役物400等)への動作内容(動作シナリオ)が記憶されているデータテーブルであって、各種装飾用役物のそれぞれに対して、実行させる動作内容に対応させて動作シナリオが規定されており、実行される動作内容に対応する動作シナリオが読み出され、読み出された動作シナリオに基づいた動作が実行される。
ここで、この役物動作テーブル222aaに規定されているシナリオの内容について、図236(a)を参照して説明をする。図236(a)は、役物動作テーブル222aaに規定されている各種シナリオを示した模式図である。図236(a)に示した通り、役物動作テーブル222aaには、変動演出を実行する際に参照される動作シナリオ以外にも、パチンコ機10の電源投入時(立ち上げ時)に実行される初期動作時に参照される動作シナリオも規定されている。
具体的には、初期動作用シナリオ222aa1、発射役物準備動作シナリオ222aa2、発射役物第1動作シナリオ222aa3、発射役物第2動作シナリオ222aa4、落下役物動作シナリオ222aa5、回転役物動作シナリオ222aa6が格納されている。
次に、異常判定テーブル222abは、発射役物400により発射された粒状部材320が、どの程度、発射役物400の収納領域raへと戻ってきたかを判別する際に参照されるものであり、正常値との誤差に応じて、異常判別の判別結果を異ならせるように構成している。本制御例では、全ての粒状部材320(例えば、10個)が収納領域raに収納されている状態を「10」とし、収納されている粒状部材320の数が1個少なくなる毎に誤差が10%ずつ増加して判別されるように構成している。
具体的には、図236(b)に示した通り、誤差(%)が「0」の場合は、判定結果が「正常」、誤差が「10%」の場合は、判定結果が「異常LV1」、誤差が「20%〜30%」の場合は、判定結果が「異常LV2」、誤差が「40%以上」の場合は、判定結果が「異常LV3」となるように規定されている。このように、全ての粒状部材320(例えば、10個)が収納領域raに収納されている状態に対して、現在の状態を段階的に判定することにより、状況に応じて異常と判別する段階を容易に可変させることが可能となる。
次に、図235(b)を参照して、本第2制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図235(b)は、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成を模式的に示した模式図である。図235(b)に示した通り、本第2制御例では、上述した第1制御例に対して、役物遅延タイマ223aa、演出レベル格納エリア223abを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
役物遅延タイマ223aaは、発射役物400の動作制御を遅延させている期間を計測するためのタイマであって、発射役物400の動作制御を遅延させる場合に、所定の遅延期間(2秒)に対応する値がセットされる(図243のS3909参照)。そして、役物演出管理処理(図242のS2151参照)が実行される毎に値が更新され、タイマの値が0となった場合に、発射役物400の異常判別を再度行うための処理が実行される(図244のS3810参照)。そして、この役物遅延タイマ223aaの値が0よりも大きい期間、即ち、遅延期間中は、音声ランプ制御装置113にて実行される発射役物400以外の各種演出装置に対する動作指示も遅延される。
このように構成することで、発射役物400の動作制御に対して設定される遅延期間と同一の長さ分だけ、他の各種演出装置に対する動作指示を遅延させることができるため、発射役物400を含む各種演出装置に対して一体感のある動作制御を実行させ易くすることができる。また、発射役物400の遅延期間を途中で延長させる処理を実行可能に構成した場合であっても、役物遅延タイマ223aaの値が0になるまでは、他の各種演出装置に対して動作指示が出力されることが無いため、発射役物400を含む各種演出装置に対して一体感のある動作制御を実行させ易くすることができる。
なお、本制御例では、各種演出装置に加え、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示演出に関する表示制御内容を指示する処理についても遅延させるように構成しているが、これに限ること無く、発射役物400に対して設定される遅延期間の長さに関わらず、動作指示が出力される演出装置を設けても良い。このような演出装置を設けることにより、発射役物400の動作内容と演出装置の動作内容とを判別することにより、発射役物400の動作制御が遅延して実行されたことを遊技者に分かり易く報知することができる。
演出レベル格納エリア223abは、発射役物400を用いる演出の演出態様に応じて設定された演出レベルが一時的に格納される記憶領域である。本制御例では、発射役物400を用いた演出、即ち、粒状部材320を第3図柄表示装置81の表示面側に向けて発射する発射演出(図227(b)参照)を実行する前に、発射役物400の底面部材を準備位置へと下降させる準備動作を実行する必要がある。そして、その準備動作は駆動機構400m(図226(b)参照)を駆動させて実行するものであるため、駆動機構400mが駆動したことを遊技者に気付かれてしまうと、発射演出が実行される前に、発射演出が実行されることを遊技者に把握されてしまうため、遊技者に意外性のある演出を提供し難くなるという問題があった。
そこで、本制御例では、発射演出が実行されない場合であっても、準備動作のみを実行可能に構成している。これにより、駆動機構400mが駆動したことを遊技者に気付かれたとしても発射演出が実行されるか否かを分かり難くすることができるため、遊技者に意外性のある演出を提供し易くすることができる。
そして、本制御例では、発射役物400の準備動作が実行される演出を設定する際に、今回設定される演出が、準備動作のみを実行する演出態様であるか、発射演出を実行する演出態様であるかを判別し、その判別結果に応じて演出レベルを判定可能に構成している。具体的には、準備動作のみ実行する演出の場合は演出レベル1、発射演出を実行する演出の場合は演出レベル2と判定するように構成し、演出レベル格納エリア223abに格納される(図241のS3705,S3706参照)。
演出レベル格納エリア223abに格納された演出レベルは、異常判定テーブル222abを用いて異常レベルを判定する際に参照される。このように、準備動作のみを実行する演出、即ち、異常判別の結果が「正常」であっても発射役物400が動作制御されることが無い演出が実行される場合と、発射演出を実行する演出とで異常判別による異常レベルの判定結果を異ならせることにより、例えば、準備動作のみの演出が実行されたため、発射演出が実行されなかったのか、異常判別の結果が「異常」であったため、発射演出が実行されなかったのかを遊技者に分かり難くすることができる。
<第2制御例における音声ランプ制御装置の制御処理内容について>
次に、図237から図246を参照して、本第2制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理内容について説明をする。本第2制御例では、上述した第1制御例に対して、立ち上げ処理(図193参照)に替えて立ち上げ処理2(図237参照)を、メイン処理(図194参照)に替えてメイン処理2(図239参照)を、演出態様設定処理(図200のS2607参照)に替えて演出態様設定処理2(図240のS2657参照)を、液晶演出実行管理処理(図209のS2110参照)に替えて液晶演出実行管理処理2(図245のS2160参照)を、操作演出管理処理(図210のS2111参照)に替えて操作演出管理処理2(図246のS2161参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図237を参照して、立ち上げ処理2(図237参照)について説明をする。図237は、立ち上げ処理2の内容を模式的に示したフローチャートである。図237に示した通り、立ち上げ処理2は、上述した立ち上げ処理(図193参照)に対して、初期動作処理(S2051)を追加した点で相違している。
具体的には、立ち上げ処理2(図237参照)を実行すると、上述した立ち上げ処理(図193参照)と同一のS2001〜S2010の処理を実行する。そして、S2010の処理を終えると、次いで初期動作処理を実行し(S2051)、その後、割込み許可を設定し(S2011)、本処理を終了する。この初期動作処理の詳細は、図238を参照して後述するが、本第2制御例におけるパチンコ機10が有する装飾用の演出装置(例えば、落下役物700、回転部材840、発射役物400)の動作確認を実行するための処理である。つまり、本第2制御例では、パチンコ機10に電源が投入され、メイン処理がループ実行可能となるまでの期間(立ち上げ期間)に、各種演出装置の動作確認を実行可能に構成している。そして、各種演出装置の動作確認中に異常は発生した場合には、立ち上げ処理2が終了せず、外部への異常報知が実行されるように構成している。
このように構成することで、装飾用の各種装置が故障していることを、パチンコ機10の電源投入時に把握することができるため、遊技者が遊技している状態で故障している各種装置を用いて演出が実行されてしまい、遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。また、近年のパチンコ機10では、複数の演出装置が動作制御されるように構成されており、その動作制御内容が特別図柄の抽選結果に応じて異なるように構成されている。よって、パチンコ機10が遊技されている状態であっても、各種演出装置に対して設定されている動作制御内容の全てが実行されることは稀であり、例えば、断線等により正常な動作が不可能な演出装置が発生した場合であっても、その演出装置を動作制御させる演出が実行されなければ、その演出装置が故障していることを把握することができず、場合によっては、何日間もの間、断線した状態で放置されてしまうという問題があった。これに対して、本制御例では、パチンコ機10の立ち上げ処理2が実行された場合に、各種演出装置に対して動作確認用の動作制御が実行されるように構成しているため、演出装置が故障していることを長時間見過ごしてしまうことを抑制することができる。
次に、図238を参照して、立ち上げ処理2(図237参照)にて実行される初期動作処理(S2051)の内容について説明をする。図237は初期動作処理(S2051)の内容を模式的に示したフローチャートである。この初期動作処理(S2051)では、パチンコ機10に設けられた装飾用の演出装置(例えば、落下役物700、回転部材840、発射役物400等)の動作確認を実行するための処理が行われるものであって、全ての動作確認が終了するまで、ループされる処理である。なお、図238では、本制御例の特徴的な構成である発射役物400の動作確認に関する処理内容について詳細に説明をしているが、他の演出装置も同様に動作確認に関する処理が実行されている。他の演出装置も同様に動作確認に関する処理についてはその詳細な説明を省略する。
初期動作処理(S2051)が実行されると、まず、役物動作テーブル222aaより、初期動作シナリオ222aa1を読み出す(S2081)。そして、初期動作シナリオ222aa1に対応する動作制御を実行する(S2082)。ここで、初期動作シナリオ222aa1には、各演出装置に対して順番に動作制御が実行されるように動作シナリオが規定されており、1の演出装置の動作確認の結果が正常であると判別した場合に、次の演出装置の動作確認を実行するように構成している。このように各演出装置を単独で動作制御することにより、動作中の演出装置同士が緩衝してしまい破損することを抑制することができる。
さらに、全ての演出装置の動作確認が正常で終了した場合に、実際の演出で用いられる組合せで複数の演出装置を同時に動作させる動作確認を実行するように構成している。この場合は、役物動作テーブル222aaに格納されている演出用の動作シナリオを読み出して各演出用の動作制御が実行される。このように、実際に演出で実行される内容の動作制御を用いて動作確認を行うことにより、複数の演出装置に対して、適正に動作指示が出力されているか否か、或いは、複数の演出装置を同時に駆動させた場合において、過剰な電力値が出力されないかの動作確認を実行することが可能となり、遊技中において演出装置の不具合が発生する頻度をより抑えることができる。
なお、本制御例では、初期動作用の動作シナリオを用いて初期動作処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、実際に演出に用いる動作シナリオのみを用いて初期動作処理を実行しても良い。このように構成することで演出装置を動作させるための動作シナリオの量を削減することができる。
また、本制御例では、各演出装置に対して順番に動作制御が実行されるように初期動作シナリオ222aa1が規定されているが、これに限ること無く、例えば、動作範囲が重複し得ない複数の演出装置に対して重複して動作制御が実行されるように初期動作シナリオ222aa1の内容を規定しても良い。これにより、初期動作処理に費やす時間を短縮することができる。
S2082の処理を終えると、次に、発射役物400の動作制御が完了したかを判別し(S2083)、発射役物400の動作制御が完了していないと判別した場合、即ち、他の演出装置の動作制御を実行している場合、或いは、発射役物400の動作制御を実行中である場合は(S2083:No)、発射役物400以外の演出装置に異常が発生しているかを判別し(S2084)、異常が発生していないと判別した場合は(S2084:No)、初期動作シナリオ222aa1を更新し(S2085)、更新後の初期動作シナリオ222aa1が終了を示す内容であるかを判別し、終了を示す内容では無いと判別した場合は(S2085:No)、上述したS2082の処理へ移行し、初期動作シナリオ222aa1が終了するまで繰り返しS2082〜S2086の処理を実行する。そして、S2086の処理において、更新後の初期動作シナリオ222aa1が終了を示す内容であるとは判別した場合は(S2084:Yes)、本処理を終了する。
一方、S2084の処理において、発射役物400以外の演出装置に異常が発生していると判別した場合は(S2084:Yes)、役物異常を示す報知を実行し(S2091)、処理をループさせる。このように構成することで、役物異常を報知された状態で初期動作処理が終了することが無い。なお、この場合、役物異常を示す報知をホールスタッフが確認し、役物異常の原因を除去した上で、パチンコ機10の電源を再投入する作業が実行される。つまり、役物異常と判別されたパチンコ機10を正常に作動させるためにはホールスタッフが作業を実行する必要があるため、パチンコ機10を確実に正常な状態にすることができる。
なお、本制御例では、パチンコ機10に対して電源を投入した場合に、必ず、初期動作処理が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、所定の操作条件を満たした状態で電源を投入した場合に、初期動作処理(S2051)を実行すること無く、立ち上げ処理2を終了させることができるように構成しても良い。このように構成することで、例えば、遊技者が遊技中に発生したトラブルによって、遊技場の営業中にパチンコ機10の電源を再投入する必要が生じた場合において、初期動作処理をスキップさせることができる。よって、遊技者が遊技可能な状態へとパチンコ機10を早期に復帰させることができる。
S2083に戻り、説明を続ける。S2083の処理において、今回の初期動作シナリオの内容が、発射役物400の動作を完了させる内容であると判別した場合は(S2083:Yes)、発射役物400の動作完了から3秒が経過したかを判別し(S2087)、3秒が経過していないと判別した場合は(S2087:No)、3秒が経過するまでS2087の処理を繰り返し実行する。そして、S2087の処理において、3秒が経過したと判別した場合は(S2087:Yes)、検知センサ(収納検知センサsa)の検知結果を取得し(S2088)、取得した検知結果を用いて、異常判定テーブル222abを参照して異常レベルを判定する(S2089)。
そして、S2089の処理において判定されて異常レベルが1以上であるかを判別し(S2090)、1以上であると判別した場合は(S2090:Yes)、役物異常を示す報知を実行し(S2091)、処理をループさせる。一方、異常レベルが1以上ではない(正常である)と判別した場合は(S2090:No)、上述したS2085の処理へ移行する。
次に、図239を参照して、メイン処理2の内容について説明をする。図239はメイン処理2の制御内容を示したフローチャートである。このメイン処理2は、上述した音声ランプ制御装置113のメイン処理(図194参照)に対して、役物演出管理処理(S2151)を新たに追加した点と、液晶演出実行管理処理(S2110)に替えて液晶演出実行管理処理2(S2160)を、操作演出管理処理(S2111)に替えて操作演出管理処理2(S2161)を実行する点で相違している。また、コマンド判定処理(S2114)、及び、変動表示設定処理(S2115)にて実行される処理の内容を一部変更している点で相違している。それ以外は同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
メイン処理2が実行されると、上述したメイン処理(図194参照)と同一のS2101からS2109の処理を実行し、その後、役物演出管理処理(S2151)を実行し、次いで、液晶演出実行管理処理2(S2160)、操作演出管理処理2(S2161)を実行する。S2161の処理を終えると、次に、上述したメイン処理(図194参照)と同一のS2112からS2120の処理を実行して本処理を終了する。
次に、図240を参照して、メイン処理2(図239参照)のコマンド判定処理(S2114参照)にて実行される演出態様設定処理2(S2657)の内容について説明をする。この演出態様設定処理2(S2657)は、上述した演出態様設定処理(図200のS2607参照)に対して、役物演出の演出態様を設定するための処理を追加した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
演出態様設定処理2(S2657)が実行されると、まず、上述した演出態様設定処理(図200のS2607参照)と同一のS2701〜S2705,S2707の処理を実行する。そして、S2704,S2705,S2707の処理を終えると、次に、今回選択した変動演出パターンに役物演出があるかを判別し(S2751)、役物演出があると判別した場合は(S2751:Yes)、役物演出設定処理を実行し(S2752)、各種設定内容を示すための表示用コマンドを設定し(S2706)、本処理を終了する。一方、S2751の処理において、役物演出が無いと判別した場合は(S2751:No)、そのままS2706の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図241を参照して、演出態様設定処理2(図240のS2657参照)にて実行される役物演出設定処理(S2752)の内容について説明をする。図241は、役物演出設定処理(S2752)の内容を示したフローチャートである。この役物演出設定処理(S2752)は、役物演出の演出態様を設定するための処理を実行するものであって、選択された変動演出パターンに対応する役物演出の動作シナリオを設定すると共に、発射役物400を用いた演出に対応する演出態様を設定する場合には、その演出レベルを設定する処理が実行される。この役物演出設定処理(S2752)にて設定された演出レベルは、発射役物400の異常判別を実行する際に参照される。
役物演出設定処理(S2752)が実行されると、まず、今回選択された変動演出パターンに含まれる役物演出の種別を抽出し(S3701)、抽出した役物演出の種別に発射役物400を用いた役物演出が含まれているかを判別する(S3702)。S3702の処理において、発射役物400を用いた役物演出が含まれていると判別した場合には(S3702:Yes)、発射役物演出の演出内容を判定する(S3703)。そして、今回抽出された発射役物演出が準備動作のみを実行する発射役物演出か、発射演出が実行される発射役物演出かを判定する(S3704)。
S3704の処理において、準備動作のみを実行する発射役物演出であると判別した場合は(S3704:Yes)、演出レベル格納エリア223abに演出レベル1をセットし、S3707の処理へ移行する。一方、準備動作のみでは無い、即ち、発射演出も実行されると判別した場合は(S3704:No)、演出レベル格納エリア223abに演出レベル2をセットし、S3707へと移行する。
本制御例では、発射役物400を用いた役物演出として、準備動作のみを実行する発射役物演出と、準備動作と発射動作とを実行する発射役物演出と、を実行可能に構成している。このように構成することで、準備動作が実行された時点で発射動作が実行されることを事前に遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。
さらに、本制御例では、準備動作のみを実行する発射役物演出と、準備動作と発射動作とを実行する発射役物演出とで、異なる演出レベルを設定するように構成し、設定された演出レベルに応じて、異常判別の度合いを異ならせるように構成している。具体的には、準備動作と発射動作とを実行する発射役物演出が設定されている場合のほうが、準備動作のみを実行する発射役物演出が設定されている場合よりも、発射役物400の状況が異常であると判定され難くなるように構成している。このように構成することで、発射役物400を用いた発射動作を実行させ易くすることができる。
一方で、発射役物400を用いた発射動作が実行されず、準備動作のみが実行される発射役物演出が実行される場合には、発射役物400の状況が異常であると判定され易く構成しているため、発射役物400を用いた発射動作が実行される頻度を下げること無く、発射役物400の異常判別を適正に実行することができる。
加えて、本制御例では、発射役物400の状況が異常であると判定された場合に、発射役物400を使用しない別の役物演出を実行可能に構成している。よって、発射役物400の準備動作のみを実行する発射役物演出を実行する場合に、発射役物400の状況が異常であると判定された場合には、別の役物演出が実行されることとなり、実質的に、準備動作のみが実行される役物演出よりも、演出効果を高めることができる。
図241に戻り説明を続ける。S3707の処理では、今回の役物演出として抽出した種別に対応する動作シナリオを役物動作テーブル222aaから読み出し(S3707)、読み出した動作シナリオをセットし(S3708)、セットした動作シナリオに対応する演出態様を演出選択情報格納エリア223hに格納し(S3709)、本処理を終了する。一方、S3702の処理において、今回の役物演出の種別が発射役物演出を有してしないと判別した場合は(S3702:No)、S3703〜S3706の処理をスキップして、S3707の処理へ移行する。
次に、図242を参照して、メイン処理2(図239参照)にて実行される役物演出管理処理(図242のS2151)の内容について説明をする。図242は、役物演出管理処理(S2151)の内容を示したフローチャートである。この役物演出管理処理(S2151)では、役物演出中に実行される各種管理処理として、役物演出中に実行される異常判定処理や、役物遅延タイマ223aaに値が設定された場合の処理が実行される。
役物演出管理処理(S2151)が実行されると、まず、役物動作シナリオが設定されているか、即ち、現在が役物演出中であるかを判別し(S3801)、役物動作シナリオが設定されていないと判別した場合は(S3801:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S3801の処理において、役物動作シナリオが設定されていると判別した場合は(S3801:Yes)、次に、役物遅延タイマ223aaの値が0よりも大きいかを判別し(S3802)、0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S3802:No)、設定されている役物動作シナリオを更新する(S3803)。そして、現在設定されている役物動作シナリオに発射役物400に対応する役物動作シナリオがあるかを判別し(S3804)、発射役物400に対応する役物動作シナリオがあると判別した場合は(S3804:Yes)、現在の動作シナリオの内容が異常判定タイミングであるかを判別し(S3805)、異常判定タイミングであると判別した場合は(S3805:Yes)、演出中異常判定処理を実行し(S3806)、本処理を終了する。
一方、S3804の処理において、発射役物400の役物動作シナリオが設定されていないと判別した場合(S3804:No)、或いは、S3805の処理において、異常判定タイミングでは無いと判別した場合(S3805:No)は、動作シナリオに対応する動作制御を実行し(S3807)、本処理を終了する。
また、S3802の処理において、役物遅延タイマ223aaの値が0よりも大きい、即ち、既に、発射役物400に対する異常判定処理が実行され、その判定結果として役物演出を遅延させる遅延処理が実行されたことに基づいて役物遅延タイマ223aaに所定値(例えば、2秒に対応する値)が設定されていると判別した場合は(S3802:Yes)、役物遅延タイマ223aaの値を更新(減算)し(S3808)、減算後の役物遅延タイマ223aaの値が0であるかを判別する(S3809)。ここで、役物遅延タイマ223aaの値が0であると判別した場合は(S3809:Yes)、遅延期間が経過したタイミングであるため、再度、異常判定を実行するために、第2演出中異常判定処理を実行し(S3810)、本処理を終了する。
一方、S3809の処理において、役物遅延タイマ223aaの値が0では無い(0よりも大きい)と判別した場合は(S3809:No)、そのまま本処理を終了する。S3809の処理で役物遅延タイマ223aaの値が0よりも大きいと判別した場合は、S3802,S3802,S3808,S3809の処理を繰り返し実行することとなり、現在設定されている役物演出に関する動作シナリオを更新する処理(S3803)が実行されない。つまり、役物遅延タイマ223aaの値が0よりも大きい状況では、役物演出が進行しないように構成している。これにより、遅延期間中に役物演出が実行されてしまい、複数の役物演出の演出タイミングがズレてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図243を参照して、役物演出管理処理(図242のS2151参照)にて実行される演出中異常判定処理(S3806)の内容について説明をする。図243は、演出中異常判定処理(S3806)の内容を模式的に示したフローチャートである。この演出中異常判定処理(S3806)では、発射役物400が用いられる役物演出(例えば、一連役物演出)における異常判別が実行される。具体的には、図232を参照して上述した通り、一連役物演出として最初に発射役物400を動作させる前に実行される判定レベルが「中レベル」の異常判別と、2回目の発射役物400を動作させる前に実行される判定レベルが「低レベル」の異常判別と、2回目の発射役物400の動作後に実行される判定レベルが「高レベル」の異常判別とが実行される。
演出中異常判定処理(S3806)が実行されると、まず、検知センサ(収納検知センサsa)の検知結果を取得し(S3901)、取得した検知結果に基づいて異常判定テーブル222abを参照して現在の異常レベルを判定する(S3902)。次に、今回の異常判定タイミングが第1異常判定タイミング(図232における判定レベルが「中レベル」の異常判別が実行されるタイミング)であるかを判別する(S3903)。
S3903の処理において、第1異常判定タイミングであると判別した場合は(S3903:Yes)、S3902の処理において判定した異常レベルが「2」以上であるかを判別し(S3904)、「2」以上であると判別した場合は(S3904:Yes)、発射役物400を用いない特定演出を示す演出態様を決定し(S3905)、発射役物400に対応する動作シナリオをリセットし(S3906)、役物異常を示す報知コマンドを設定し(S3907)、本処理を終了する。
つまり、第1異常判定のタイミング、即ち、発射役物400を用いる演出を実行する前の時点で実行される異常判定タイミングでは、収納領域raに収納されている粒状部材320の量が80%未満である場合に、発射役物400の状況が異常であると判定するように構成している。これにより、発射役物400を用いた演出を実行した際の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。また、この場合、発射役物400を用いない特定演出として、例えば、図233(b)に示した通り、落下役物700の動作シナリオを書き換えて、通常の落下演出よりも、演出期間の長い特定落下演出を実行させるように構成しているため、一連役物演出自体の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
一方、S3903の処理において、現在が第1異常判定タイミングでは無いと判別した場合は(S3903:No)、次に、第2異常判定タイミング(図232における判定レベルが「弱レベル」の異常判別が実行されるタイミング)であるかを判別する(S3908)。S3908の処理で第2異常判定タイミングであると判別した場合は(S3908:Yes)、次に、S3902の処理において判定した異常レベルが「2」であるかを判別し(S3909)、「2」であると判別した場合は(S3909:Yes)、役物遅延タイマ223aaに2秒を示す値をセットし(S3910)、遅延期間中の表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S3911)、本処理を終了する。
S3909の処理において、「2」では無いと判別した場合は(S3909:No)、次に、異常レベルが「3」であるかを判別し(S3912)、「3」であると判別した場合は(S3912:Yes)、発射役物400を用いない第2特定演出を示す演出態様を決定し(S3913)、発射役物400に対応する動作シナリオをリセットし(S3914)、役物異常を示す報知コマンドを設定し(S3915)、本処理を終了する。
S3908の処理において、第2異常判定タイミングではないと判別した場合は(S3908:No)、次に、第3異常判定タイミング(図232における判定レベルが「高レベルB」の異常判別が実行されるタイミング)であるかを判別する(S3916)。S3916の処理で第3異常判定タイミングであると判別した場合は(S3916:Yes)、次に、S3902の処理において判定した異常レベルが「1」よりも大きいかを判別し(S3917)、「1」よりも大きい判別した場合は(S3909:Yes)、役物異常を示す報知コマンドを設定し(S3918)、本処理を終了する。この第3異常判定タイミングは、発射役物400に対応する動作シナリオが終了する場合に該当するため、ここで役物異常であると判定した場合であっても、発射役物400に対応する動作シナリオがリセットされることは無い。一方、S3917の処理において、異常レベルが「1」よりも大きく無いと判別した場合は(S3917:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図244を参照して、第2演出中異常判定処理(S3810)の内容について説明する。図244は、第2演出中異常判定処理(S3810)の内容を示したフローチャートである。この第2演出中異常判定処理(S3810)は、図242を参照して上述した役物演出管理処理(S2151)にて実行されるものであり、役物遅延タイマ223aaの値が0へと更新された場合、即ち、遅延期間が経過したタイミングで実行される処理であって、発射役物400の異常判定の結果が所定結果である場合に、時間を空けて再度異常判定(リトライ処理)を行う場合に実行する処理である。
この第2演出中異常判定処理(S3810)では、まず、検知センサ(収納検知センサsa)の検知結果を取得し(S4001)、異常判定テーブル222abを参照して異常レベルを判定する(S4002)。そして、判定した異常レベルが「正常」または、異常レベル「1」であるかを判別し(S4003)、「正常」または、異常レベル「1」であると判別した場合は(S4003:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、「正常」または、異常レベル「1」では無い、即ち、異常レベルが「2」,「3」であると判別した場合は(S4003:No)、発射役物を用いない第2特定演出を示す演出態様を決定し(S4004)、発射役物400に対応する動作シナリオをリセットし(S4005)、役物異常を示す報知コマンドを設定し(S3918)、本処理を終了する。
この第2演出中異常判定処理の結果が、正常である場合には、遅延期間の経過後に、各種演出装置に対する動作シナリオが再度更新されるため、遅延期間を跨いで、予め設定されていた一連役物演出の演出が再開されることになる。一方で、第2演出中異常判定処理の結果が異常である場合には、遅延期間の経過時に新たな演出態様(第2特定演出)が設定され、第2特定演出に対応する演出が一連役物演出の後半期間に実行される。
次に、図245を参照して、液晶演出実行管理処理2(S2160)の内容について説明をする。この液晶演出実行管理処理2(S2160)は上述した液晶演出実行管理処理(S2110)に対して、役物遅延タイマ223aaが遅延期間の計測をしている状態において、液晶演出に関する各種処理を実行しないようにするための処理を追加した点で相違し、それ以外は同一の処理が実行される。同一の処理については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
液晶演出実行管理処理2(S2160)を実行すると、まず、役物遅延タイマ223aaの値が0よりも大きいかを判別し(S3551)、0よりも大きいと判別した場合は(S3551:Yes)、全ての処理をスキップして本処理を終了する。一方、0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S3551:No)、上述した液晶演出実行管理処理(S2110)と同一のS3501〜S3511の処理を実行して本処理を終了する。
次に、図246を参照して、操作演出管理処理2(S2161)の内容について説明をする。図246は、操作演出管理処理2(S2161)の内容を示したフローチャートである。この操作演出管理処理2(S2161)は、は上述した操作演出管理処理(S2111)に対して、役物遅延タイマ223aaが遅延期間の計測をしている状態において、操作演出に関する各種処理を実行しないようにするための処理を追加した点で相違し、それ以外は同一の処理が実行される。同一の処理については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
操作演出管理処理2(S2161)を実行すると、まず、役物遅延タイマ223aaの値が0よりも大きいかを判別し(S3651)、0よりも大きいと判別した場合は(S3651:Yes)、全ての処理をスキップして本処理を終了する。一方、0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S3651:No)、上述した操作演出管理処理(S2111)と同一のS3601〜S3624の処理を実行して本処理を終了する。
図245、及び図246を参照して説明をした通り、本制御例では、発射役物400の異常判定を再度実行するために遅延期間を設定した場合において、その他の演出に対しても演出内容の更新が実行されないように構成している。即ち、遅延期間が設定された場合には、発射役物400に対する演出だけでは無く、その他の演出も遅延するように構成している。このように構成することで、複数の演出装置を用いた一体感のある演出(一連役物演出)において、各演出装置による演出の実行タイミングがズレてしまうことを抑制することができる。
<第1変形例>
次に、図247から図249を参照して、上述した第1制御例におけるパチンコ機10にて実行されるボタン連打演出の変形例について説明をする。上述した第1制御例における連打演出は、演出態様を可変させるための操作(可変操作)と、演出態様が最大可変値(これ以上可変することの無い演出態様)へと可変した後に、連打演出の演出期間を短縮させるための操作(短縮操作)と、が共に、枠ボタン22への押下操作となるように構成し、枠ボタン22を積極的に複数回操作した遊技者に対して、今回実行される連打演出の最大可変値に対応する演出態様を表示した後、無駄な演出期間を継続させること無く、連打演出を終了(短縮)させることができるため、遊技者に対して、積極的に枠ボタン22を操作させることができるものであった。
これに対して、本変形例における連打演出は、上述した可変操作と、短縮操作とが異なる操作内容で実行可能に構成している点で上述した第1制御例と相違している。つまり、上述した第1制御例では、可変操作と、短縮操作とが同一の操作内容(枠ボタン22を押下する操作内容)で実行されるように構成しているため、連打演出の演出態様が最大可変値に対応する演出態様へと可変した後のみ、短縮操作が実行可能であるのに対して、本変形例では、可変操作と、短縮操作とが異なる操作内容で実行されるため、連打演出の演出態様が最大可変値に対応する演出態様へと可変するよりも前に、短縮操作を実行することができる。
よって、遊技者に対して、連打演出が実行されている期間中のどのタイミングで短縮操作を実行するのかを楽しませることができる。また、上述した第1制御例と同様に、実行される連打演出に応じて最大可変値を異ならせて設定することができるため、演出態様が最大可変値(これ以上可変することの無い演出態様)へと可変したタイミングを分かり難くすることができる。
図247(a)は、本変形例におけるボタン連打演出の開始画面を示した模式図である。なお、上述した第1制御例における連打演出にて表示される表示態様と同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。図247(a)では、連打演出として、最大で5段階(Lv5)に可変可能な連打演出(オーラ演出)が実行されている表示画面を示すものであって、今回のオーラ演出として、最大可変値が3段階目(Lv3)に設定されているオーラ演出を示している。即ち、今回のオーラ演出では、遊技者が可変操作を複数回実行したとしても、最大で3段階目(Lv3)までしか可変しない。
図247(a)に示した通り、オーラ演出が実行されると、キャラ801の周りにオーラ演出の可変態様であるエフェクト851が表示され、表示領域HR51に現在の可変段階を示す可変情報表示態様として「Lv1」が表示される。この可変情報表示態様は、可変操作に基づくエフェクト851の可変度合いを遊技者に示すためのものであり、オーラ演出が進行するにつれて(エフェクト851が可変するにつれて)、高い段階が表示されるものである。このように、エフェクト851の表示態様だけでは無く、数値として現在の可変段階を表示することにより、遊技者に分かりやすい演出を実行することができる。
そして、表示領域HR2には、上述した第1制御例と同一の内容を示すボタン803、タイムゲージ804が表示され、副表示領域Dsには、今回実行されている連打演出(オーラ演出)の遊技内容を示すための案内表示態様として「ボタン連打でエネルギーを貯めろ」のコメントが表示される。
そして、オーラ演出の実行中に遊技者が枠ボタン22を複数回押下し、エフェクト851の可変態様が2段階目に到達すると図247(b)に示した通り、可変態様が2段階目に到達したことを示す表示態様が表示される。さらに、表示領域HR52が形成され、遊技者に対して、短縮操作が実行可能であることを示す短縮操作案内表示が表示される。この表示領域HR52には、短縮操作の操作内容を示すための案内表示態様として、第1ボタン22zaを模したボタン852が表示される。そして、ボタン852に対する操作方法を示す矢印も表示される。
なお、この時点では、タイムゲージ804により示される操作有効期間が経過していない状態であるため、表示領域HR2にて、可変操作も受付可能であることを示す表示態様が表示されている。主表示領域Dmの上側には、遊技者に対して、継続して可変操作を実行するか、短縮操作を実行するかを選択可能な状態であることを遊技者に報知するための報知表示態様として「連打でもっとエネルギーを貯めるか、第1ボタン押下で放出かを選ぶんだ」のコメントが表示される。
このように、連打演出であるオーラ演出中に、可変操作(枠ボタン22への押下操作)と、短縮操作(第1ボタン22zaへの押下操作)との何れも操作可能な期間を設け、遊技者に対して何れの操作を実行させるかを選択させるように構成することにより、操作演出の演出態様のバリエーションを増加させ易くすることができる。つまり、オーラ演出中において最大可変値に到達していない状態で短縮操作を実行した場合には、最大可変値に対応する可変態様が表示されること無く、オーラ演出の演出結果が表示されるため、オーラ演出(連打演出)の演出態様(最大可変値)を設定する際に参照した特別図柄抽選の抽選結果を遊技者に示唆し難くすることができる。
本変形例では、第1ボタン22zaに対して1回の押下操作を実行することで、短縮操作が完了するように構成している。そして、短縮操作を実行した場合には、その時点におけるオーラ演出によるエフェクト851の可変度合いに応じた演出結果が表示されるように構成している。具体的には、短縮操作が実行された時点において表示されているエフェクト851の表示態様が今回のオーラ演出における最大可変値に対応する表示態様であるかを判別し、その判別結果に応じて演出結果の表示態様を異ならせるように構成している。
例えば、短縮操作が実行された時点におけるエフェクト851の表示態様が、最大可変値に対応する表示態様である場合には、図248(a)に示した表示画面が表示される。図248(a)は、オーラ演出の可変態様(エフェクト851)が最大可変値に対応する表示態様へと可変された後に短縮操作が実行された場合に表示される表示内容の一例を示した模式図である。図248(a)に示した通り、最大可変値(Lv3)に到達した時点で短縮操作が実行されると、副表示領域Dsに、最大可変値到達後に短縮操作が実行されたことを遊技者に報知するための報知表示態様として「ナイスタイミング!!今回はLv3が上限だったよ」のコメントが表示される。これにより、遊技者は今回実行されたオーラ演出に設定された最大可変値を容易に把握することができ、短縮操作を実行せずにオーラ演出が継続して実行される事態を回避することができたことを把握することができる。
主表示領域Dmには、今回のオーラ演出の演出結果を示す結果表示態様851aとして「チャンス」の文字が表示される。なお、この結果表示態様851aの表示内容については上述した第1制御例の連打演出と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
また、表示領域HR2が非表示となり、表示領域HR52に第1ボタン22zaを模したボタン852と、タイムゲージ804が表示される。本変形例では、上述した通り、連打演出が実行された場合に、可変操作と短縮操作とで異なる操作手段に対する操作を遊技者に実行させるように構成している。そして、短縮操作を実行した場合には、その後の操作有効期間中(タイムゲージ804に表示される残期間中)において、遊技者が操作可能な操作手段が、可変操作を実行可能な操作手段(枠ボタン22)から、短縮操作を実行した操作手段(第1ボタン22za)へと切り替わるように構成している。
図248(a)に示した通り、表示領域HR2を非表示にして、表示領域HR52にタイムゲージ804を表示することで、連打演出における操作手段への操作を有効に判別する操作有効期間内において、遊技者が操作すべき操作手段(有効に判別される操作手段の種別)を、分かり易く報知することができる。また、このように、短縮操作が実行した後の残期間において、遊技者が操作可能な操作手段を切り替えることにより、短縮操作を実行した後に、再度、枠ボタン22を操作させる煩わしさを解消することができる。
一方、短縮操作が実行された時点におけるエフェクト851の表示態様が、最大可変値に対応する表示態様では無い場合には、図248(b)に示した表示画面が表示される。図248(b)は、オーラ演出の可変態様(エフェクト851)が最大可変値とは異なる可変値に対応する表示態様である状態で短縮操作が実行された場合に表示される表示内容の一例を示した模式図である。図248(b)に示した通り、最大可変値(Lv3)に到達していない時点、即ち、可変値がLv2の段階で短縮操作が実行されると、副表示領域Dsに、最大可変値に到達していない状態で短縮操作が実行されたことを遊技者に報知するための報知表示態様として「パワー不足!!もっとエネルギーを貯めれたはず・・・」のコメントが表示される。これにより、遊技者は今回実行されたオーラ演出で、可変態様をもっと可変できたことを把握することができる。
そして、主表示領域Dmには、今回のオーラ演出の演出結果を示す結果表示態様851aとして「?」の文字が表示される。つまり、オーラ演出の演出結果として、予め設定されている演出内容(表示態様)は、最大可変値に到達した場合における演出内容であるため、最大可変値に到達する前に短縮操作が実行された場合には、予め設定されている演出内容を、オーラ演出の演出結果として表示しないように構成している。このように構成することで、オーラ演出の演出結果を遊技者に把握させ難くすることができる。
一方で、図248(b)に示した表示画面が表示された遊技者は、今回のオーラ演出にて設定されていた最大可変値を表示態様から把握することが困難である代わりに、少なくとも、短縮操作が実行した時点の可変値(Lv2)よりも高い値が最大可変値として設定されていたことを容易に把握することができるため、より高い値が最大可変値に設定されていたのではと期待感を持って後の演出を楽しむことができる。さらに、連打演出を好まない遊技者にとってが、枠ボタン22を複数回操作させることを促す演出が所定期間継続して表示される状態を、短縮操作を実行することで解消することができるため、遊技者が所望する任意の遊技を行わせ易くすることができる。
本変形例の連打演出(オーラ演出)では、図248に示した通り、短縮操作を実行するタイミングが早かった場合、即ち、連打演出の可変態様が最大可変値に到達していない場合には、適正な演出結果が表示されないように構成している。よって、連打演出が実行された場合において、適正な演出結果を表示させるために、短縮操作を実行するタイミングを遅らせ、可変操作のみを実行してしまう虞があった。この場合、既に最大可変値に到達しているにも関わらず短縮操作が実行されず、可変態様が可変しないまま操作有効期間が経過してしまい演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本変形例では、連打演出の可変態様が最大可変値に到達した状態で所定条件が成立した場合に、遊技者に対して短縮操作を促す誘導演出を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して連打演出の可変態様が可変しない期間が長時間継続してしまい、遊技意欲が低下してしまう事態が発生することを抑制することができる。
この誘導演出の演出内容について図249(a)を参照して説明する。図249(a)は、誘導演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図である。図249(a)では、上述した図247(a)と同一のオーラ演出が実行された場合であって、可変態様(エフェクト851)の可変段階が、最大可変値である「3」に到達している状態で、操作有効期間の残期間が1秒となった場合の表示画面を示すものである。
図249(a)に示した通り、可変態様(エフェクト851)の可変段階が、最大可変値である「3」に到達している状態で、操作有効期間の残期間が1秒になると、副表示領域Dsにて、第1ボタン22zaを操作することを促すための誘導演出態様として「もうそそ第1ボタンを押したほうがいいかも」のコメントが表示されると共に、表示領域HR52において表示されているボタン852が拡大表示される。これにより、遊技者に対して、現在表示されている可変態様が今回のオーラ演出における最大可変値に対応する表示態様であることを把握させることができる。
よって、操作有効期間が経過するまでに(タイムゲージ804に表示される期間が経過するまでに)、遊技者に短縮操作を実行させ易くすることができる。
なお、本変形例では、上述した誘導演出を実行させるための実行条件として、オーラ演出における操作有効期間の残期間が所定期間(1秒)となった際に成立する時間経過実行条件を設定しているが、これに限ること無く、上述した第1制御例における終了条件、即ち、最大可変値に対応する表示態様が表示されてから、枠ボタン22を操作した回数が所定回数に到達した場合に成立する操作結果実行条件を設定するように構成しても良い。
また、図249(a)に示した誘導演出が実行された状態においても、遊技者が短縮操作を実行すること無く、オーラ演出の操作有効期間が経過した場合には、図249(b)に示した表示画面が表示される。図249(b)は、オーラ演出中に短縮操作を実行しなかった場合に表示される表示画面の一例を示した模式図である。図249(b)に示した通り、可変操作により可変態様(エフェクト851)を可変させた状態で短縮操作が実行されなかった場合は、副表示領域Dsに「貯めたエネルギーが消滅した」のコメントが表示されると共に、オーラ演出の演出結果を示す結果表示態様851a(図248(a)参照)が表示されること無く、オーラ演出が終了する結果演出が実行される。
このように構成することで、オーラ演出が実行された場合に、短縮操作を実行しようと意欲的に遊技を行わせることができる。なお、本変形例では、短縮操作を実行しなかった場合において、図249(b)に示した結果表示画面が表示されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、オーラ演出の可変態様(エフェクト851)が、最大可変値に対応した表示態様で表示されている状態において、短縮操作を実行すること無く操作有効期間が経過した場合には、適正な演出結果を示す表示画面(図248(a)参照)を表示し、オーラ演出の可変態様(エフェクト851)が、最大可変値とは異なる可変値に対応した表示態様で表示されている状態において、短縮操作を実行すること無く操作有効期間が経過した場合にのみ、図249(b)に示した表示画面を表示するように構成しても良い。このように構成することで、オーラ演出において、操作有効期間が経過するまで可変態様が可変することを期待しながら枠ボタン22を操作した(可変操作を実行した)遊技者に対しては、適正な演出結果を提供することができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
<第3制御例>
次に、図250から図259を参照して、第3制御例について説明をする。上述した第1制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための各種演出の実行管理を、音声ランプ制御装置113にて全て実行するように構成していた。具体的には、特別図柄変動の変動時間に対応させて実行される各種変動演出の演出期間において、特定タイミングが到来した場合に、表示制御装置114や、音声出力装置226や演出装置を駆動させるための各種ソレノイドに対して演出の実行を指示するためのコマンドを出力するように構成していた。
このように音声ランプ制御装置113が、各種演出装置の実行タイミングを一元的に管理することにより、各種演出装置に対して誤差無く演出を実行させることが可能となり、一体感のある演出を提供することができる。
しかしながら、近年におけるパチンコ機10は、演出効果を高めるために、各種演出装置の数を増加したり、各種演出装置に対して複雑に演出の実行指示を出力したりする傾向にある。このようなパチンコ機10において、全演出の実行管理を音声ランプ制御装置113にて実行してしまうと、音声ランプ制御装置113に対する処理負荷が増加してしまい、例えば、遊技結果に直接関わる処理、具体的には、特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄の停止表示させる処理や、大当たり遊技中における獲得球数の表示処理や、遊技状態が切り替わることを遊技者に報知するための表示処理等が遅れてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまう虞があった。
これに対して、本第3制御例では、第3図柄表示装置81の表示面に各種演出画像を表示させるための制御装置である表示制御装置114のMPU231に、実行演出を管理する機能を持たせることにより、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させるように構成している点で上述した第1制御例と相違している。それ以外の技術思想については、上述した第1制御例と同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本第3制御例では、音声ランプ制御装置113により表示用変動パターンコマンドを設定する際に、合わせて、表示制御装置114側で時間経過を管理させるための表示用タイマ管理コマンドを設定可能に構成している。そして、表示制御装置114にてタイマ管理コマンドを受信した場合には、対象となる演出の継続期間をタイマ管理し、タイマ管理されている継続期間が終了した場合に、継続期間が終了したことを示す表示終了コマンドを音声ランプ制御装置113へと出力可能に構成している。
音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から出力された表示終了コマンドを受信することで継続期間が終了したと判別され、継続期間終了に基づいて実行される演出に対するコマンドが設定される。このように構成することで、継続期間の経過を計測するための計測手段(タイマ)を、音声ランプ制御装置113が保有する必要が無くなると共に、音声ランプ制御装置113にて経過時間が経過したかを判別する処理を常時実行する必要が無くなる。よって、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。
さらに、本第3制御例では、表示制御装置114にてタイマ管理されている期間中において、特定の表示態様が第3図柄表示装置81の表示面に表示されたか否か(特定の表示態様に対応する画像データが用いられたか否か)を、判別可能に構成し、上述した表示終了コマンドを設定する場合に、特定表示態様の表示の有無を示す情報も合わせて設定可能に構成している。
そして、音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から特手表示態様の表示を示すコマンドが出力されたかを判別し、その判別結果に基づいて、継続期間終了後に実行される演出の演出態様を可変設定可能に構成している。これにより、表示制御装置114が実行した実行内容(表示結果)に応じた内容(演出態様)で各種演出装置に対する演出コマンドを設定することが可能となる。よって、演出効果を高めることができる。
さらに加えて、本制御例では、継続期間が設定されている期間中に、枠ボタン22を操作(押下)した場合において、その枠ボタン22を操作したことを示す押下コマンドを表示制御装置114へと出力可能に構成しており、音声ランプ制御装置113にて設定された各種演出態様のうち、その表示態様を表示制御装置114のMPU231にて可変制御可能に構成している。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113の管理外において実行される演出(例えば、連打演出)において、演出態様を可変させることが可能となるため、演出効果を高めることができる。
<第3制御例の電気的構成について>
次に、図250を参照して、本第3制御例における表示制御装置114の電気的構成について説明をする。図250は、表示制御装置114の電気的構成を模式的に示した図である。なお、本制御例では、上述した第1制御例における表示制御装置114の電気的構成に対して、ワークRAM233に演出態様233baを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素に対しては、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
演出タイマ233baは、音声ランプ制御装置113から受信したタイマ管理コマンドに含まれるタイマ管理演出の経過時間を計測するためのタイマであって、タイマ管理演出が実行されるタイミングでタイマ管理演出の継続時間に対応する値が設定される。そして、20ミリ秒単位で実行されるV割込処理が実行される毎に、タイマの値が更新され、タイマの値が0に更新された場合にタイマ管理演出の終了タイミングと判別される。
<第3制御例の制御処理内容について>
次に、図251から図259を参照して、本第3制御例における制御処理内容について説明をする。本第3制御例は、上述した第1制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の一部と、表示制御装置114のMPU231にて実行される制御処理の一部とを変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図251から図254を参照して、第3制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理内容について説明をする。本第3制御例の音声ランプ制御装置113の制御処理は、上述した第1制御例の音声ランプ制御装置113の制御処理に対して、コマンド判定処理(図195のS2114参照)に代えてコマンド判定処理3(図251のS2164参照)を、変動表示設定処理(図199のS2115参照)に代えて変動表示設定処理3(図253のS2165参照)を、実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については,同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図251は、コマンド判定処理3(S2164)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理3(S2164)は、上述した第1制御例のコマンド判定処理(図195のS2114参照)に対して、表示制御装置114から出力される表示終了コマンドを受信した場合の処理を追加している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理3(S2164)が実行されると、まず、上述した第1制御例のコマンド判定処理(図195のS2114参照)と同一のS2201からS2214の処理を実行する。そして、S2213の処理において、停止コマンドを受信していないと判別した場合は(S2213:No)、次に、表示終了コマンドを受信したかを判別し(S2251)、受信したと判別した場合は(S2251:Yes)、終了コマンド受信処理を実行し(S2252)、本処理を終了する。一方、表示終了コマンドを受信していないと判別した場合は(S2251:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図252を参照して、コマンド判定処理3(図251のS2164参照)にて実行される終了コマンド受信処理(S2251)の内容について説明をする。図252は、終了コマンド受信処理(S2251)の内容を示したフローチャートである。この終了コマンド受信処理では、表示制御装置114にて管理された時間経過に基づいて各種演出態様を設定するための処理が実行される。
終了コマンド受信処理(S2251)では、まず演出選択情報格納エリア223hから対応する演出選択情報を読み出す(S4101)。このS4101の処理では、後述する表示用変動パターンコマンド設定処理(図254のS2651参照)にて格納されたタイマ管理演出に関する情報が読み出される。これにより、表示制御装置114から出力された終了コマンドと、音声ランプ制御装置113にて設定されたタイマ管理演出とが関連付けられる。
次いで、今回受信した表示終了コマンドに含まれる情報を抽出する(S4102)。このS4102の処理では、対応するタイマ管理演出の種別と、タイマ管理演出の演出期間中に表示された画像データ(演出データ)として特定の画像データ(演出データ)が表示されたことを示す特定表示情報と、今回のタイマ管理演出の継続期間を示す期間情報と、を抽出する。
そして、S4102の処理で読み出した情報に、特定表示情報が含まれているかを判別し(S4103)、特定表示譲歩が含まれていると判別した場合は(S4103:Yes)、S4101にて読み出した演出選択情報に、特定情報を追加更新し(S4104)、追加更新された演出選択情報に対応する終了時用演出コマンドを設定し(S4105)、本処理を終了する。一方、S4103の処理において特定表示情報が含まれていないと判別した場合は(S4103:No)、S4104の処理をスキップして、S4101にて読み出した演出選択情報に対応する終了時用演出コマンドを設定し(S4105)、本処理を終了する。
次に、図253を参照して、変動表示設定処理3(S2165)の内容について説明をする。図253は、変動表示設定処理3(S2165)の内容を模式的に示したフローチャートである。この変動表示設定処理3(S2165)では、上述した変動表示設定処理(図199のS2115参照)に対して、表示用変動パターンコマンドを設定するための処理をサブルーチンで実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容に対しては同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
変動表示設定処理3(S2165)では、まず、上述した変動表示設定処理(図199のS2115参照)と同一のS2601〜S2607,S2609〜S2611の処理を実行し、その後、表示用変動パターンコマンド設定処理を実行する(S2651)。そして、S2651の処理を終えると、上述した変動表示設定処理(図199のS2115参照)と同一のS2612〜S2616の処理を実行し、本処理を終了する。
S2651の処理において実行される表示用変動パターンコマンド設定処理では、今回選択された変動演出パターンに対応する表示用変動パターンコマンドの設定と、表示制御装置114側でタイマ管理(時間経過管理)をさせるためのコマンドを設定する処理が実行される。
ここで、図254を参照して、変動表示設定処理3(図253のS2165参照)にて実行される表示用変動パターンコマンド設定処理(S2651)の内容について説明をする。図254は、表示用変動パターンコマンド設定処理(S2651)の内容を示したフローチャートである。
表示用変動パターンコマンド設定処理(S2651)では、まず、今回選択された変動演出パターンの中に、タイマ管理演出が含まれているかを判別する(S4201)。このタイマ管理演出とは、表示制御装置114側で時間経過を管理させる演出のことであり、例えば、変動演出が実行される変動演出期間のうち所定期間実行される演出が該当する。主に、そのタイマ管理演出が終了すると、タイマ管理演出中に表示された表示結果に基づいて別の演出が実行されるように構成されている。このタイマ管理演出の具体的な内容については、後述する。
S4201の処理において、タイマ管理演出があると判別した場合は(S4201:Yes)、タイマ管理演出の実行タイミングと、継続期間をと示す表示用タイマ管理コマンドを設定し(S4202)、演出選択情報格納エリア223hに、今回のタイマ管理演出に関する情報を格納し(S4203)、表示用変動パターンコマンドを設定し(S4204)、本処理を終了する。一方、S4201の処理において、タイマ管理演出有りと判別されなかった場合、即ち、今回選択された変動演出パターンに、タイマ管理演出に該当する変動演出が無いと判別した場合は(S4201:No)、S4202,S4203の処理をスキップし、上述したS4204の処理を実行し本処理を終了する。
ここで、タイマ管理演出を用いた変動演出の流れについて、例えば、第1制御例のパチンコ機10において実行される連打演出(図130〜図132参照)のうち、遊技者が枠ボタン22を有効に操作可能な操作有効期間が設定されている演出期間(10秒)中に実行される演出をタイマ管理演出とした場合について具体的に説明をする。
連打演出が実行される変動演出パターンコマンドを設定する際に、表示用変動パターンコマンド設定処理(図254のS2651参照)において、タイマ管理演出(連打演出)の実行タイミング(変動演出が開始してから10秒後(図146(c)参照))と、タイマ管理演出(連打演出)の継続期間(10秒間(図146(c)参照))と、を示す表示用タイマ管理コマンドを設定する(図254のS4202参照)。また、この際に、今回選択された演出の内容、及び、タイマ管理演出が終了した後に実行される演出(各種リーチ演出)の演出態様を、演出選択情報格納エリア223hに格納する。このように演出選択情報格納エリア223hに格納しておくことにより、タイマ管理演出が終了したことを音声ランプ制御装置113が判別した場合に、次に実行すべき制御処理(次に実行する演出の内容)を容易に読み出すことができ、処理負荷を軽減させることができる。
音声ランプ制御装置113にて設定された表示用タイマ管理コマンドを表示制御装置114側で受信すると、表示用タイマ管理コマンドに含まれる情報に基づいて、タイマ管理演出の実行タイミングに合わせて連打演出を開始する(図130(a)参照)。そして、連打演出中に遊技者が枠ボタン22を操作すると、遊技者が枠ボタン22を操作(押下)したことを示す押下コマンドが音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと出力され、表示制御装置114では、受信した押下コマンドに基づいて連打演出における可変態様を決定し、決定した可変態様に該当する画像データ(演出データ)を作成し、第3図柄表示装置81の表示面に表示する。
なお、この場合、第1制御例の上限回数選択テーブル(図162(b)参照)に示した通り、最終可変態様として所定の範囲のみを規定している演出パターンが選択された場合において、その所定範囲内から逸脱しない範囲であって、且つ、現在表示されている可変態様が進行する範囲内で可変態様を可変させる制御を表示制御装置114にて実行するように構成すると良い。
このように構成することで、特別図柄抽選の結果に応じた規則、即ち、最終可変態様として表示し得る範囲のみ音声ランプ制御装置113にて決定し、その範囲内における詳細な可変態様の決定を表示制御装置114にて実行させることができるため、音声ランプ制御装置113が実行する制御処理の処理負荷をより軽減させることができる。
そして、タイマ管理演出(連打演出)の演出期間が経過すると、表示制御装置114にて、タイマ管理演出が終了したことを示す終了情報と、演出期間終了時における可変態様の表示内容を示す表示情報と、を含む表示終了コマンドが設定され、音声ランプ制御装置113へと出力される。
音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から出力された表示終了コマンドに含まれている各種情報に基づいて、演出選択情報格納エリア223hに格納した情報に基づいて、連打演出終了後に実行させる各種演出の演出態様を決定し、決定した演出態様を実行させるための各種コマンドを、表示制御装置114、音声出力装置226、各種演出装置へと出力する。
また、表示制御装置114から出力された表示終了コマンドに、連打演出期間中に特定の可変態様が表示されたことを示す特定表示情報(例えば、最終可変態様として決定した範囲の上限値に対応する表示態様が表示されたことを示す情報)が含まれている場合のみ、連打演出終了後に実行させる各種演出の演出態様を通常とは異なる特定演出態様として決定し、決定した特定演出態様を実行させるための各種コマンドを、表示制御装置114、音声出力装置226、各種演出装置へと出力する。
このように、音声ランプ制御装置113にてタイマ管理演出の開始タイミングと、継続期間とを示すコマンドを表示制御装置114へと出力し、表示制御装置114側でタイマ管理演出の時間管理を実行可能に構成することで、音声ランプ制御装置113における変動演出に関する制御処理の負荷を軽減させることができる。
また、タイマ管理演出が終了したことを示す情報(コマンド)を表示制御装置114から受信するように構成し、その情報(コマンド)を受信したことに基づいて、タイマ管理演出終了後に実行する演出の演出態様を決定し、パチンコ機10を構成する各種装置に対して演出実行の指示を行うように構成しているため、音声ランプ制御装置113にてタイマ管理演出の時間管理を行わなくても、適正なタイミングにて、ズレることなく各種装置へと演出実行の指示を行うことができ、各種装置にて実行される演出の実行タイミングがズレてしまい演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、本制御例では、表示制御装置114にて時間管理されるタイマ管理演出中に第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様を、表示制御装置114にて決定可能に構成している。よって、音声ランプ制御装置113にてタイマ管理演出中に第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様を決定する場合に比べて、音声ランプ制御装置113における変動演出に関する制御処理の負荷を軽減させることができる。
さらに、タイマ管理演出が終了したことを示す表示終了コマンドに、表示制御装置114にて決定した表示態様に関する情報(タイマ管理演出終了時に表示されている表示態様を示すための情報)を含ませて音声ランプ制御装置113へと出力するように構成し、音声ランプ制御装置113にて、表示終了コマンドに含まれる情報に基づいて、タイマ管理演出の終了後に実行する演出の演出態様を決定するように構成しているため、表示制御装置114にて実行管理させたタイマ管理演出の演出結果に対応した演出態様を音声ランプ制御装置113にて設定可能となる、演出効果を高めることができる。
次に、図255から図259を参照して、本第3制御例における表示制御装置114の制御処理内容について説明をする。本第3制御例における表示制御装置114の制御処理内容は、上述した第1制御例における表示制御装置114の制御処理内容に対して、V割込処理(図213(b)参照))に代えてV割込処理3(図255参照)を、コマンド判定処理(図214のS6302参照)に代えてコマンド判定処理3(図256のS6352参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図255を参照して、V割込処理3の内容について説明をする。図255は、V割込処理3の内容を示したフローチャートである。このV割込処理3では、上述したV割込処理(図213(b)参照))に対して、演出タイマ233baを更新するための処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本第3制御例では、上述した第1制御例と同様に、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号に基づいてMPU231によりV割込処理3が実行されるように構成している。即ち、V割込処理3は定期的に実行される制御処理となる。よって、V割込処理3の実行に合わせて演出タイマ233baの値を更新することにより、演出タイマ233baを用いた適正な時間管理を表示制御装置114にて実行することができる。
なお、本制御例では、V割込処理3を用いて演出タイマ233baの更新処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、任意の時間を計測可能であれば、例えば、表示制御装置114に計時手段を設け、その計時手段の計時結果に基づいて経過時間を計測可能に構成しても良いし、他の制御処理のうち、定期的に実行される制御処理を用いて経過時間を計測可能に構成しても良い。
V割込処理3では、まず、上述した第1制御例のV割込処理(図213(b)参照)と同一のS6301〜S6309の処理を実行し、その後、演出タイマ更新処理を実行し(S6351)、本処理を終了する。S6351にて実行される演出タイマ更新処理は、演出タイマ233baに設定された値を更新(減算)するための処理である。この演出タイマ233baは、タイマ管理演出の演出期間(継続期間)を計測するものであって、タイマ管理演出が実行されるタイミングに合わせてタイマ管理演出の演出期間に対応する値がセットされ、V割込処理3が実行される毎に(20ミリ秒毎に)、値が更新(減算)される。そして、演出タイマ233baの値が0となった場合に、タイマ管理演出の演出期間が終了する。
次に、図256を参照して、V割込処理3(図255)にて実行されるコマンド判定処理3(S6352)の内容について説明をする。図256は、コマンド判定処理3(S6532)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理3(S6532)では、上述したコマンド判定処理(図214のS6302参照)に対して、押下コマンド処理(S6452)と、タイマ設定処理(S6454)と、を実行するための処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理3(S6532)では、まず、上述したコマンド判定処理(図214のS6302参照)と同一のS6401〜S6413の処理を実行する。そして、S6412の処理において、エラーコマンドが無いと判別した場合に(S6412)、次に、押下コマンドがあるかを判別し(S6451)、押下コマンドがあると判別した場合は(S6451:Yes)、押下コマンド処理を実行し(S6452)、S6401の処理へ移行する。
ここで、S6451の処理において判別される押下コマンドとは、枠ボタン22が操作されたことを有効に判別可能な操作有効期間内に、遊技者により枠ボタン22が操作されたことを示すためのコマンドであって、音声ランプ制御装置113にて操作有効期間内に枠ボタン22が操作されたと判別された場合のうち、枠ボタン22への操作に基づいて第3図柄表示装置81の表示面に表示されている表示態様を可変決定するための処理が表示制御装置114により行われる演出(タイマ管理演出)中に枠ボタン22が操作された場合に音声ランプ制御装置113にて設定されるコマンドである。
表示制御装置114は、この押下コマンドを受信した場合に、タイマ管理演出の演出態様を可変させるための処理(押下コマンド処理)を実行する。このように、遊技者が枠ボタン22を操作した場合の全てでは無く、表示制御装置114にて枠ボタン22への操作が行われた情報が必要な場合にのみ、押下コマンドを設定するように構成することで、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと出力するコマンドの数を減少させることが可能となり、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。
なお、本制御例では、枠ボタン22への操作に基づいて実行中の演出の態様を可変設定させるための処理が、音声ランプ制御装置113にて実行される演出と、表示制御装置114にて実行される演出とを有しているため、音声ランプ制御装置113により押下コマンドを設定するか否かの判別を要しているが、例えば、枠ボタン22への操作に基づいて実行中の演出の態様を可変設定させるための処理を表示制御装置114のみで実行させる場合には、枠ボタン22への操作が実行される毎に押下コマンドを設定すると良い。また、枠ボタン22が操作される毎に押下コマンドを設定するのでは無く、所定期間(例えば、1秒間)の間、枠ボタン22が操作されたことを示す情報を蓄積し、所定期間が経過した場合に、蓄積された情報に基づいて枠ボタン22への操作の回数を示す操作回数情報を含んだ押下コマンドを設定するように構成しても良い。
このように構成することで、遊技者による枠ボタン22への各操作に対する演出態様の可変タイミングに若干の誤差が生じるが、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと出力するコマンドの数を減少させることが可能となり、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。この構成は、例えば、所定期間内における枠ボタン22(操作手段)の操作回数に基づいて、所定期間経過後の表示態様を可変させる操作演出のように、枠ボタン22への1回の操作に基づいて表示態様を可変させることの無い操作演出を実行する場合に用いると良い。
また、このような操作演出を実行する場合には、例えば、所定期間内における枠ボタン22への操作に応じて可変する可変態様(例えば、枠ボタン22を操作する毎に上昇するゲージ表示の可変態様)は、音声ランプ制御装置113にて設定可能にし、所定期間経過後の表示態様は、表示制御装置114にて設定可能に構成すると良い。このように構成することで、枠ボタン22が操作される毎に表示態様を可変させながらも、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと出力するコマンドの数を減少させることが可能となり、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。
本制御例では、枠ボタン22が操作されたことを音声ランプ制御装置113が判別可能に構成しているが、これに限ること無く、表示制御装置114にて枠ボタン22が操作されたことを判別可能に構成しても良いし、枠ボタン22(操作手段)を複数有するパチンコ機10においては、操作手段の種別に応じて操作判別を実行する制御装置を異ならせても良い。
次に、図257を参照して、コマンド設定処理3(図256のS6352参照)にて実行される押下コマンド処理(S6452)の内容について説明をする。図257は、押下コマンド処理(S6452)の内容を示したフローチャートである。この押下コマンド処理(S6452)では、第3図柄表示装置81の表示面に表示されている表示態様を可変させるための処理が実行される。
押下コマンド処理(S6452)では、まず、現在が連打演出中(タイマ管理演出中)であるかを判別し(S7801)、連打演出中(タイマ管理演出中)であると判別した場合は(S7801:Yes)、次に、表示態様が可変可能状態であるかを判別する(S7802)。このS7802の処理では、現在表示されている表示態様が連打演出の最終可変態様として設定されている上限(これ以上表示態様を可変できない状況)であるかを判別する。
S7802の処理において、可変可能状態である(表示中の表示態様を可変可能である)と判別した場合は(S7802:Yes)、可変判定を実行し(S7803)、S7803の処理にて実行された可変判定の判定結果に基づく画像データを作成し(S7804)、作成した画像データを演出画像データとして設定し(S7805)、本処理を終了する。
一方、S7801の処理において、連打演出(タイマ管理演出)中ではないと判別した場合(S7801:No)、或いは、S7802の処理において、可変可能状態では無いと判別した場合(S7802:No)は、新たな画像データを作成すること無く本処理を終了する。
S7805の処理にて設定された演出画像データは、常駐用ビデオRAM235に格納され、タイマ管理演出に対応する表示データテーブルにおける表示タイミングが計時された場合に表示されるように切り替え制御される。このように構成することで、表示制御装置114にて表示態様を可変させるための処理を実行することができる。
次に、図258を参照して、コマンド設定処理3(図256のS6352参照)にて実行されるタイマ設定処理(S6454)の内容について説明をする。図258は、タイマ設定処理(S6454)の内容を示したフローチャートである。このタイマ設定処理(S6454)では、タイマ管理演出の実行の有無、及び演出タイマ233baをセットするための処理が実行される。
タイマ設定処理(S6454)では、まず、今回受信したタイマ管理コマンドを解析し(S7901)、タイマ管理コマンドに含まれるタイマセットタイミングを設定し(S7902)、タイマ管理コマンドに含まれるタイマ期間を、管理タイマにセットし(S7903)、本処理を終了する。
次に、図259を参照して、V割込処理3(図255参照)にて実行される演出タイマ更新処理(図259のS6351参照)の内容について説明をする。図259は、演出タイマ更新処理(S6351)の内容を示したフローチャートである。この演出タイマ更新処理(S6351)では、タイマ設定処理(図258のS6454参照)にて設定された演出タイマ233baの値を更新するための処理が実行される。
演出タイマ更新処理(S6351)が実行されると、まず、演出タイマ233baの値が0よりも大きいかを判別し(S8001)、0よりも大きく無い、即ち、タイマ管理演出中では無いと判別した場合は(S8001;No)、そのまま本処理を終了する。S8001の処理において、演出タイマ233baの値は0よりも大きい、即ち、タイマ管理演出中であると判別した場合は(S8001:Yes)、演出タイマ233baの値を更新し(S8002)、更新後の演出タイマ233baの値が0であるかを判別する(S8003)。S8003の処理において、演出タイマ233baの値が0では無い(0よりも大きい)と判別した場合は(S8003:No)、タイマ管理演出の演出期間中であるため、そのまま本処理を終了する。
一方、S8003の処理において、演出タイマ233baの値が0であると判別した場合は(S8003:Yes)、タイマ管理演出の終了タイミングであるため、以下に示すS8004〜S8007の処理をタイマ管理演出の終了時処理として実行する。
まず、S8004の処理では、演出期間中に特定画像表示があるかを判別し(S8004)、特定画像表示があると判別した場合は(S8004:Yes)、特定画像表示を示す特定コマンドを作成し(S8005)、演出タイマ233baの値が0になった(タイマ管理演出が終了)したことを示す(演出タイマ終了を示す)終了コマンドを作成し(S8006)、作成した各コマンドを含む表示終了コマンドを設定し(S8007)、本処理を終了する。
また、S8004の処理において、演出期間中に特定画像表示が無いと判別した場合は(S8004:No)、上述したS8005の処理をスキップして。S8006の処理へ移行する。
以上、説明をした通り、本第3制御例では、音声ランプ制御装置113にて一元管理されていた演出に関する管理処理の一部を表示制御装置114にて実行させることにより、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。
なお、上述した例では、第3図柄の変動演出中に実行される演出を対象としているが、これに限ること無く、例えば、第3図柄表示装置81の表示面にデモ画面が表示されているデモ待機中や、大当たり遊技が実行されている大当たり遊技中において実行される各種表示態様に対して、その表示期間の管理を表示制御装置114にて実行するように構成しても良い。
この場合、例えば、変動演出が実行されるタイミングや、変動演出が停止するタイミングといった、遊技結果に関わる情報を遊技者に適正に報知するために音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと表示用コマンドを出力するタイミングで表示制御装置114へと特定演出を実行させるまでの待機期間を示す情報や、特定演出の演出期間を示す情報や、特定演出の演出内容を示す情報や、特定演出を実行させない演出破棄条件を示す情報を含む演出管理コマンドを出力するように構成し、表示制御装置114が演出管理コマンドを受信した場合に、待機期間の計測を開始し、その待機期間が経過するまでの間に演出破棄条件が成立しない場合に、特定演出を実行するように構成しても良い。
具体的には、30秒の変動演出が実行されるタイミングにて、待機期間が40秒、演出期間が10秒、演出破棄条件として「新たな変動演出の開始」の情報を少なくとも含む演出管理コマンドを設定する。この場合、30秒の変動演出が終了した後、次の変動演出が即座に実行される場合、即ち、特図保留を確保している状態では、待機期間が経過するよりも前に演出破棄条件が成立するため、特定演出が実行されない。一方、特図保留を確保していない状態では、演出破棄条件が成立すること無く、待機期間が経過し得るため特定演出が実行される場合がある。
このように、変動演出が実行されていない待機期間中において、特定演出を実行させる場合に、変動演出に関するコマンドを出力するタイミングに合わせて、特定演出に関する情報を予め表示制御装置114へと出力し、表示制御装置114にて特定演出の管理処理を実行可能とすることで、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へとコマンドを出力するタイミングを集約することが可能となり、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。
さらに、上述した演出管理コマンドを設定(出力)するか否かを、変動演出パターンに関わらず設定可能、即ち、変動演出パターンを設定する処理と、演出管理コマンドを設定する処理と、を独立して実行可能に構成しても良い。このように構成することで、例えば、変動時間が40秒よりも長い変動演出パターンに対応する変動演出コマンドと、演出管理コマンドと、を同時に表示制御装置114へと出力した場合には、待機期間(40秒)よりも長い期間の変動演出が実行されるため、演出破棄条件が成立することが無い。よって、確実に特定演出を実行することができる。
また、上述した例では、演出破棄条件として「新たな変動演出の開始」を設けているが、これ以外の演出破棄条件を設けても良く、例えば、待機期間中に新たな変動演出が3回以上開始されなかった場合に成立する演出破棄条件を設けても良い。この場合、待機期間中に複数回の変動演出を開始させる必要があるため、例えば、特図保留球を多く貯留させ、短い変動時間が選択され易い状態を維持しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
上述した例によって実行される特定演出としては、例えば、複数段階の設定値を設定可能であり設定されている設定値に応じて遊技者の有利度合いを異ならせた機能(所謂、設定機能)を有するパチンコ機10の場合であれば、設定されている設定値を遊技者が予測可能な演出態様を含む特定演出や、現在設定されている遊技状態を遊技者が予測可能な演出態様を含む特定演出や、遊技者に有利な遊技状態(例えば、確変状態)が終了するまでの終了条件(特別図柄抽選の回数、大当たり当選回数)を遊技者が予測可能な演出態様を含む特定演出を実行するように構成すると良い。これにより、遊技者は特定演出が実行されることを期待しながら遊技を行うことになり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この場合、設定されている待機期間の長さを示唆(報知)するための示唆(報知)手段と、演出破棄条件を成立させない遊技方法を遊技者に案内するための案内手段と、を設け、特定演出が実行される条件を遊技者が判別可能に構成すると良い。
<第4制御例>
次に、図260から図265を参照して、第4制御例について説明をする。上述した第1制御例は、特別図柄変動を継続して実行可能とするために、特別図柄変動を実行する権利(特別図柄抽選の抽選権利)を、所定数(4個)を上限に保留記憶可能な記憶手段を有し、特別図柄変動の実行中に特別図柄抽選の抽選権利(特図保留)を獲得した場合であっても、その抽選権利(特図保留)を記憶手段に記憶することができる。よって、特別図柄変動が停止表示された後に、記憶手段に記憶されている抽選権利に基づいた特別図柄抽選を即座に実行することが可能となるため、特別図柄変動を継続して実行させることができ、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
さらに、特別図柄抽選の抽選結果を示すための特別図柄変動の変動時間を、記憶手段に記憶されている抽選権利の数(特図保留数)に応じて異ならせるように構成しており、具体的には、記憶手段に記憶されている抽選権利の数(特図保留数)が少ないほうが長い変動時間の特別図柄変動が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、特別図柄変動が実行されない期間を少なくすることができると共に、記憶手段に記憶されている抽選権利の数が上限に到達している状態で新たな抽選権利を獲得してしまうことを抑制することができるものであった。
加えて、上述した第1制御例では、特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合や、14秒よりも長い変動時間が設定される変動パターンが選択された場合において、上述した14秒の変動演出が実行され得るように構成している。つまり、特別図柄抽選の結果が外れ当選では無い場合であっても、上述した14秒の変動演出を実行することにより、14秒の変動演出が実行されていることを把握した遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるものであった。
しかしながら、上述した第1制御例では、特別図柄抽選の結果が外れである場合に実行される特定変動演出を、特別図柄抽選の結果が当たりである場合にも、擬似的に実行することで遊技者に抽選結果を分かり難くするように構成しているが、特別図柄抽選の結果に基づいて変動パターンが選択されるため、長時間遊技を行っている遊技者に対して、特定変動演出が実行された場合における大当たり当選の期待度が容易に予測されてしまい、遊技意欲が低下してしまう虞があった。つまり、上述した特定変動演出が実行される特別図柄変動の変動時間は、特図保留球数が0である場合において、特別図柄変動が実行されない期間を短くするために選択されるものであり、特図保留球数が0である場合に所定の頻度で選択される必要があるため、特定変動演出(疑似的な特定変動演出)が実行された場合において特別図柄抽選の結果が大当たりである期待度を高くすることが困難であり、特定変動演出に対する大当たり当選の期待度を高くすることができず、遊技意欲が低下してしまう虞があった。
これに対して、本第4制御例では、特別図柄変動の変動パターンを、特別図柄抽選を実行する前に選択可能に構成している点で上述した第1制御例と相違している。これにより、選択された変動パターンに対応して実行される変動演出パターンによって特別図柄抽選の結果を遊技者に予測されることが無いため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第4制御例では、特別図柄変動の変動パターンを、特別図柄変動を開始する際の特別図柄の保留球数(特図保留球数)に基づいて選択可能に構成している。具体的には、第1特別図柄変動(特図1変動)を実行する場合には、第1特別図柄の保留球数(特図1保留球数)に基づいて変動パターンを選択し、第2特別図柄変動(特図2変動)を実行する場合には、第2特別図柄の保留球数(特図2保留球数)に基づいて変動パターンを選択するように構成している。そして、対応する特図保留球数が0の場合には、上述した第1制御例と同一の技術思想で、変動時間が14秒の変動パターンが選択されるように構成している。
このように構成することで、選択された変動パターンに対応して実行される変動演出パターンによって特別図柄抽選の結果を遊技者に予測されることが無いため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制しながら、特図保留球数が0である場合において、特別図柄変動が実行されない期間を短くすることができる。
加えて、本第4制御例では、特図保留球数に基づいて選択された変動パターン(変動時間)で特別図柄変動が実行されてから抽選条件が成立した場合に(所定時間が経過した後に)、特別図柄抽選を実行するように構成し、その抽選結果に基づいて、実行中の変動演出の演出態様を可変可能に構成している。これにより、特別図柄抽選の結果に関わらず実行された変動演出を、特別図柄抽選の結果を示す演出結果で終了させることができる。よって、最終的には遊技者に特別図柄抽選の結果を分かりやすく報知することができる。
さらに、本第4制御例では、特別図柄抽選が実行された場合における特別図柄変動の残期間の長さに基づいて、変動演出の可変態様を異ならせるように構成している。具体的には、特別図柄抽選が実行された場合における特別図柄変動の残期間の長さが所定期間以上(10秒以上)である場合には、変動演出における演出内容を可変させるように構成し、所定期間未満(10秒未満)である場合には、変動演出の演出内容を可変させること無く、実行中の変動演出の演出結果を示す表示態様のみ可変させるように構成している。
このように構成することで、特別図柄変動中に実行される特別図柄抽選の結果を、遊技者に分かりやすく報知することができる。
<第4制御例における電気的構成について>
まず、図260を参照して、本第4制御例における電気的構成について説明をする。本第4制御例では、上述した第1制御例に対して、変動パターン選択テーブル202d(図156参照)に代えて変動パターン選択4テーブル202cd(図260参照)を用いる点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素に対しては同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図260(a)を参照し、変動パターン選択4テーブル202cdについて説明をする。図260(a)は、変動パターン選択4テーブル202cdの内容を模式的に示した模式図である。この変動パターン選択4テーブル202cdは、遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合に用いられる通常用4テーブル202cd1と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、或いは、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合に用いられる時短・確変用4テーブル202cd2、を有している。
次に、図260(b)を参照して、通常用4テーブル202cd1に規定されている内容について説明をする。図260(b)は、通常用4テーブル202cd1に規定されている内容を模式的に示した模式図であって、特別図柄の保留球数と、取得した変動種別カウンタCS1の値とに応じて異なる変動パターンが選択されるように構成している。この通常用4テーブル202cd1は、上述した第1制御例の通常用テーブル202d1に対して、変動パターンを選択する際に、特別図柄抽選の結果を見ていない点と、特別図柄の種別に関わらず同一の変動パターンが選択されるように構成している点で大きく相違している。
具体的には、特別図柄種別は共通であって、対応する特別図柄保留球数(保留球数)が「0」で、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜149」の範囲に対しては、変動時間14秒の変動パターン(通常変動A)が選択され、「150〜198」の範囲に対しては、変動時間が28の変動パターン(通常変動B)が選択される。
また、保留球数が「1,2」で、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜49」の範囲に対しては、変動時間10秒の変動パターン(通常変動C)が選択され、「50〜149」の範囲に対しては、変動時間20秒の変動パターン(通常変動D)が選択され「150〜198」の範囲に対しては、変動時間が30の変動パターン(通常変動E)が選択される。さらに、保留球数が「3」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず、変動時間10秒の変動パターン(通常変動F)が選択される。
図260(b)を参照して上述した通り、本第4制御例では、特別図柄変動の変動パターンを選択する場合に、特別図柄の保留球数と、変動種別カウンタCS1の値と、に基づいて変動パターンが選択されるように構成しているため、選択された変動パターンに基づいて特別図柄抽選における大当たり当選の有無を遊技者に事前に把握されてしまうことを抑制することができる。
また、このように、特別図柄の保留球数(特図保留球数)に応じて異なる変動時間の変動パターンを選択可能に構成したパチンコ機10において、特図保留球数が「0」の場合のほうが、特図保留球数が「0」よりも大きい場合よりも長い変動時間の変動パターンを選択し易くすることで、特図保留球数が「0」の状態で特別図柄変動が終了してしまうことを抑制し易くすることができる。
次に、図260(c)を参照して、時短・確変用4テーブル202cd2の内容について説明をする。図260(c)は、時短・確変用4テーブル202cd2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図260(c)に示した通り、時短・確変用4テーブル202cd2においても、上述した通常用4テーブル202cd1と同様に、保留球数(特図保留球数)と、取得した変動種別カウンタCS1の値とに応じて異なる変動時間の変動パターンが規定されている。
この時短・確変用4テーブル202cd2、上述した通常用4テーブル202cd1よりも短い変動時間が設定される変動パターンが選択され易くなるように構成している。このように構成することで、通常状態が設定されている場合よりも、時短状態、或いは確変状態が設定されている場合のほうが、効率良く特別図柄抽選を実行させることができる。また、図125を参照して上述した通り、普通図柄の高確率状態が設定される時短状態、確変状態では、第2入球口640へと球を入球させ易い状態となるため、通常状態よりも特図保留球数が0になり難くなる。よって、短い変動時間の変動パターンが選択され易く構成したとしても、特別図柄変動が実行されない期間が長時間発生してしまうことを抑制することができる。
なお、本第4制御例では、上述した通り、特別図柄の種別に関わらず、同一のデータテーブルを用いて変動パターンを選択するように構成しているが、これに限ること無く、上述した第1制御例のように、特別図柄の種別と、設定される遊技状態とに応じて異なる変動パターンが選択され得るように構成しても良い。
<第4制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図261から図263を参照して、本第4制御例における主制御装置110にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第4制御例では、上述した第1制御例に対して、特別図柄変動を開始するタイミングと、特別図柄抽選を実行するタイミングとを異ならせている点で相違し、その相違点に関連する制御処理の内容を異ならせている。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図261を参照して、特別図柄変動処理4(S154)の内容について説明をする。図261は、特別図柄変動処理4(S154)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理4(S154)は、上述した第1制御例の特別図柄変動処理(図178のS104参照)に代えて実行される処理であって、サブルーチンとして実行される特別図柄変動開始処理(図180のS213参照)に代えて、特別図柄変動開始処理4(図262のS251参照)を実行する点と、特別図柄の変動中において特別図柄抽選を実行するための処理を追加した点と、で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
特別図柄変動処理4(S154)では、まず、上述した第1制御例の特別図柄変動処理(図178のS104参照)と同一のS201〜S212の処理を実行し、その後、特別図柄変動開始処理4を実行し(S251)、本処理を終了する。なお、特別図柄変動開始処理4(S251)の詳細な内容については、図262を参照して後述する。
一方、S202の処理において、特別図柄変動中であると判別した場合は(S202:Yes)、最低時間が経過したかを判別し(S252)、最低時間が経過したと判別した場合には(S252:Yes)、特別図柄抽選処理を実行し(S253)、その後、上述した第1制御例の特別図柄変動処理(図178のS104参照)と同一のS214〜S221の処理を実行し、本処理を終了する。
ここで、本制御例では、特別図柄変動が開始された後、最低時間が経過した場合に、実行中の特別図柄変動に対応する特別図柄抽選を実行するように構成している。つまり、本制御例では、特別図柄抽選を実行する前に、特別図柄変動が実行されるように構成している。よって、S252の処理における判別は、特別図柄の抽選条件が成立しているかを判別するための抽選条件判別手段となり、S252の処理において判別される最低時間経過が抽選条件となる。
本制御例では、抽選条件として最低時間(例えば、5秒)が設定されており、選択された変動パターンに関わらず、同一の時間を最低時間として設定している。つまり、変動パターンとして選択され得る最短の変動時間(5秒)でも計時可能な時間を最低時間として設定している。このように構成することで、選択した変動パターンに応じて抽選条件を可変させる必要が無く、主制御装置110の制御処理を簡素化することができる。
なお、本制御例では、特別図柄抽選を実行させるための抽選条件として、特別図柄変動が開始されてから経過時間に基づいて成立する抽選条件を設定しているが、特別図柄変動中に抽選条件が成立するように構成していれば良く、例えば、特別図柄変動の残時間を判別可能な残時間判別手段を設け、その残時間判別手段により判別された残期間が特定条件(例えば、5秒)を満たした場合に成立する抽選条件を設定しても良い。また、特別図柄変動期間中に遊技領域へと発射された球が所定の入球口に入球した場合に抽選条件を成立させたり、遊技者が操作手段に対して任意の操作を実行した場合に抽選条件を成立させたりしても良い。
また、本制御例では、選択された変動パターンに関わらず、同一の抽選条件を設定するように構成しているが、これに限ること無く、選択された変動パターンの種別に応じて異なる抽選条件を設定する抽選条件設定手段を設けても良い。これにより、選択された変動パターンに応じて特別図柄抽選の実行タイミングを異ならせることができるため、例えば、特別図柄抽選が実行されるタイミングを示唆する抽選示唆演出を、特別図柄変動の実行期間中に行うことが可能となる。よって、特別図柄変動の期間中に、実行中の特別図柄変動に対応する特別図柄抽選が実行されるタイミングを遊技者に示唆するという斬新な演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることが出来る。
次に、図262を参照して、特別図柄変動開始処理4(S251)の内容について説明をする。図262は、特別図柄変動開始処理4(S251)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理4(S251)では、上述した第1制御例における特別図柄変動開始処理(図180のS213参照)に対して、特別図柄抽選を実行する処理を省略した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
特別図柄変動開始処理4(S251)が実行されると、まず、特図1変動の開始であるか(今回実行される特別図柄変動の種別が第1特別図柄であるか)を判別する(S351)。そして、特図1変動であると判別した場合は(S351:Yes)、次に、特別図柄1保留球数カウンタ223aの値(N1)を取得し(S352)、取得した特図保留球数(特別図柄1保留球数カウンタ223aの値)と、取得した変動種別カウンタCS1の値とに基づいて変動パターン選択テーブル222cd1を用いて変動パターンを選択、決定する(S353)。そして、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを設定し(S354)、本処理を終了する。
一方、S351の処理において、特図1変動では無い(特図2変動である)と判別した場合は(S351:No)、次に、特別図柄2保留球数カウンタ223bの値(N2)を取得し(S355)、取得した特図保留球数(特別図柄2保留球数カウンタ223bの値)と、取得した変動種別カウンタCS1の値とに基づいて変動パターン選択テーブル222cd1を用いて変動パターンを選択、決定する(S353)。そして、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを設定し(S354)、本処理を終了する。
図260を参照して上述した通り、本制御例の変動パターン選択テーブル222cdは、特別図柄抽選の結果が参照されないように規定されており、特別図柄抽選を実行する前に特別図柄変動の変動パターンを選択可能に構成している。よって、選択された特別図柄変動の変動パターンを遊技者に判別されたとしても、その判別内容から特別図柄抽選の結果を把握されてしまうことが無い。よって、遊技者に対して特別図柄抽選の結果を分かり難くすることができる。
なお、本制御例では、特別図柄抽選を実行するタイミングを、特別図柄変動の変動パターンを選択するタイミングよりも後にしているが、これに限ること無く、上述した第1制御例のように、特別図柄抽選を実行した後に、特別図柄変動の変動パターンを選択するように構成し、その場合において、特別図柄抽選の結果が参照されない本第4制御例の変動パターン選択4テーブル202cd1を用いて変動パターンを選択するように構成しても良い。この場合、例えば、選択した変動パターンに基づいて特別図柄変動を実行し、且つ、選択した変動パターンを示す変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113へと出力し、変動演出を実行した後に、所定の出力条件が成立したと判別された場合に、特別図柄抽選の結果を示す抽選結果コマンドを音声ランプ制御装置113へと出力するように構成することで、本第4制御例と同様の技術思想でパチンコ機10を構成することができる。
次に、図263を参照して、特別図柄抽選処理(S253)の内容について説明をする。図263は、特別図柄抽選処理(S253)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄抽選処理(S253)は、特別図柄変動が実行された後、所定の抽選条件が成立した場合(最低時間が経過した場合)に実行されるものであって、実行中の特別図柄変動に対応する特別図柄抽選が実行される。
特別図柄抽選処理(S253)では、まず、結果コマンドを設定済であるかを判別する(S371)。即ち、既に、特別図柄抽選を実行したか否かを判別する。S371の処理において、結果コマンドを設定済みと判別した場合は(S371:Yes)、そのまま本処理を終了する。これにより、1回の特別図柄変動において複数回の特別図柄抽選が実行されないようにすることができる。
一方、S371の処理において、結果コマンドを設定していない、即ち、今回の特別図柄変動に対応する特別図柄抽選を実行していないと判別した場合は(S371:No)、次に、特別図柄保留球格納エリアにおける実行エリアのデータを取得し(S372)、確変カウンタ203tの値が0よりも大きいか、即ち、現在の遊技状態が確変状態(特別図柄の高確率状態)であるかを判別する(S373)。S373の処理により、確変カウンタ203tの値が0よりも大きいと判別した場合は(S373:Yes)、現在が特別図柄の高確率状態であるため、特別図柄の種別に対応した高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて抽選結果を取得する(S374)。また、S372の処理において、確変カウンタ203tの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S373:No)、現在が特別図柄の低確率状態であるため、特別図柄の種別に対応した低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて抽選結果を取得する(S375)。
そして、S374、或いはS375の処理において取得した抽選結果が大当たりであるかを判別し(S376)、大当たりであると判別した場合は(S376:Yes)、特別図柄に対応した大当たり時の表示態様を設定し(S376)、抽選結果が大当たりであることを示すための結果コマンドを設定し(S377)、本処理を終了する。
S377の処理において設定された結果コマンドは、他の処理において設定される各種コマンドと同様に、主制御装置110のメイン処理(図187参照)の外部出力処理(図187のS901参照)にて、音声ランプ制御装置113へと出力される。そして、音声ランプ制御装置113では、結果コマンド処理を受信したことに基づいて、実行中の変動演出の演出態様を可変させるための処理を実行する。これにより、特別図柄抽選の前に実行された特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様、及び演出結果を、特別図柄抽選の結果に対応させた演出態様へと可変させることができる。
一方、S376の処理において、今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S376:No)、特別図柄に対応した外れ時の表示態様を設定し(S378)、抽選結果が外れであることを示すための結果コマンドを設定し(S379)、本処理を終了する。
<第4制御例における音声ランプ制御装置113の制御内容について>
次に、図264及び図265を参照して、本第4制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理内容について説明をする。本第4制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理は、上述した第1制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理に対して、コマンド判定処理(図195のS2114参照)に対して、コマンド判定処理4(図264のS2174参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。
本第4制御例のパチンコ機10は、上述した第1制御例のパチンコ機10に対して、主制御装置110にて実行される特別図柄抽選のタイミングを異ならせており、特別図柄変動を実行させた後に、特別図柄抽選を実行させるように構成している。よって、主制御装置110から出力される各種コマンドに基づいて特別図柄変動に対応させて実行させる第3図柄の変動表示(変動演出)の表示態様(演出態様)の設定内容についても、上述した第1制御例と異なる。
具体的には、特別図柄変動の実行タイミングにおいて出力される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄の変動パターン(変動演出パターン)を決定し、実行する処理は同一であるが、その後、特別図柄抽選の結果を示すための結果コマンドを受信した場合に、実行中の変動演出パターンの演出態様、或いは、演出結果を可変させる(切り替える)ための処理を追加した点で相違している。このように、結果コマンドを受信したことに基づいて実行中の変動演出パターンの演出態様、或いは、演出結果を可変させる(切り替える)ことにより、遊技者に対して分かりやすい遊技を提供することができる。
また、結果コマンドを受信するまでの間に実行される変動演出は、特別図柄の抽選結果に基づいて設定されるものでは無いため、その演出態様に基づいて遊技者に抽選結果が把握されてしまうことが無い。なお、結果コマンドを受信するまでの間に実行される変動演出では、例えば、今回設定された特別図柄変動の変動時間の長さを示唆可能な示唆態様を表示可能に構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して、実行中の特別図柄変動の変動時間を予測させることができる。そして、その予測に基づいて、結果コマンドを受信するタイミング、即ち、受信した結果コマンドの内容に基づいて変動演出の演出態様が可変されるタイミングを予測させることができる。
コマンド判定処理4(S2174)が実行されると、まず、上述した第1制御例のコマンド判定処理(図195のS2114参照)と同一のS2201〜S2214の処理を実行し、S2213の処理において、停止コマンドを受信していないと判別した場合に(S2213:No)、次いで、結果コマンドを受信したかを判別する(S2271)。
S2271の処理において、結果コマンドを受信したと判別した場合には(S2271:Yes)、結果コマンド処理を実行し(S2272)、本処理を終了する。一方、S2271の処理において、結果コマンドを受信していないと判別した場合は(S22271:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、コマンド判定処理4(S2174)にて実行される結果コマンド処理(S2272)の内容について、図265を参照して説明をする。図265は結果コマンド処理(S2272)の内容を示したフローチャートである。この結果コマンド処理(S2272)では、音声ランプ制御装置113が結果コマンドを受信した場合に、実行中の変動演出の演出態様を可変させるか否かの判別処理と、可変させる場合の可変処理と、が実行される。
結果コマンド処理(S2272)では、まず、受信した結果コマンドに含まれる抽選結果を取得し(S4301)、取得した抽選結果が大当たり当選であるかを判別する(S4302)。大当たり当選していると判別した場合は(S4302:Yes)、次に、残変動時間を算出し(S4303)、算出した残変動時間が10秒よりも長いかを判別する(S4304)。そして、残変動時間が10秒よりも長いと判別した場合は(S4304:Yes)、設定されている変動演出パターンを当たり専用演出パターンへと切り替えるための表示用コマンドを設定し(S4305)、本処理を終了する。
一方、S4304の処理において、残変動時間が10秒以内であると判別した場合は(S4304:No)、設定されている変動演出パターンの結果表示態様を、当たり当選を示す当たり結果表示態様へと切り替えるための表示用コマンドを設定し(S4305)、本処理を終了する。また、S4302の処理において、今回の特別図柄抽選の結果(結果コマンドに含まれている抽選結果)が大当たり当選では無い(外れである)と判別した場合は(S4302:No)、そのまま本処理を終了する。
上述した第2制御例では、演出部材700、回転部材840、および射出装置400を用いた一連役物演出を、変動表示演出の経過時間に応じて実行させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、一連役物演出を、枠ボタン22の操作を契機として実行させる構成としてもよい。即ち、変動表示演出において特定期間の経過時に枠ボタン22に対する操作を有効として扱う操作有効期間を設定し、枠ボタン22の押下に基づいて一連役物演出を実行する構成としてもよい。この場合において、上述した第1制御例における遅延制御を適用してもよい。即ち、所定の遅延条件が成立している状態で枠ボタン22に対する操作を検出した場合には、遅れタイマ223sに対して遅延期間を設定することで一連役物演出の開始を遅延させるように構成してもよい。このように構成することで、演出態様をより多様化させることができる。また、一連役物演出の全体の開始を遅延させるのではなく、一部の動作のみを遅延させる構成としてもよい。即ち、第1動作の開始のみを遅延させたり、第2動作の開始のみを遅延させる構成としてもよい。このように構成することで、一連役物演出の演出態様をより多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、役物の動作を遅延させる演出の対象は、一連役物演出に限られるものではなく、パチンコ機10に設けられている各種の役物のうち少なくとも1の役物の可変動作を伴う演出であれば、いずれの演出に適用してもよい。また、役物に代えて、または加えて、装飾用のLEDやランプ等の発光手段の発光を伴う演出の一部または全部の発光態様の開始を遅延させることが可能に構成してもよい。このように構成することで、遅延させる場合とさせない場合とで演出態様を異ならせることができるので、演出態様をより多様化させることができる。
<第1制御例の変形例>
次に、図266から図272を参照して、第1制御例の変形例について説明する。上述した第1制御例におけるパチンコ機10では、変動表示演出における演出態様の一種として、複数のキャラクタを集合させる演出態様の集合演出を実行可能に構成し、集合するキャラクタの数によって大当たりとなる期待度を遊技者に示唆する構成としていた。
これに加えて本変形例では、集合演出における1の変動表示において停止表示されるキャラクタの組み合わせによって大当たりとなる期待度を示唆することが可能に構成した。加えて、本変形例では、各キャラクタを模した第3図柄に付随する付随図柄として、「1」〜「9」のいずれかの数字を模した付随図柄を設ける構成としている。本変形例では、この停止表示された第3図柄に付随する付随図柄の組み合わせによっても、大当たりとなる期待度を示唆可能に構成している。更に、本変形例では、各キャラクタに対応する第3図柄をいずれの図柄列に表示させるかを集合演出の実行が決定されてから設定する構成とし、各付随図柄についても集合演出の実行が決定されてからいずれの図柄列に表示させるかを設定する構成としている。つまり、キャラクタの種別と付随図柄の種別とは固定化されておらず、集合演出を伴う変動表示演出が実行される毎に、第3図柄と付随図柄との対応関係(各キャラクタに付される数字)が可変し得るように構成している。そして、第3図柄と付随図柄とが特定の組み合わせとなっている場合に、大当たりとなる期待度が高くなるように構成している。このように構成することで、集合演出において獲得されるトータルのキャラクタ数だけでなく、集合演出における各変動表示において各図柄列に停止表示される第3図柄の種別、付随図柄の種別、および第3図柄と付随図柄の組み合わせに注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
まず、図266、および図267を参照して、本変形例における集合演出の演出態様について説明する。図266(a)は、集合演出にて獲得可能な味方キャラが表示された表示画面の一例を示した図である。図266(a)に示した通り、本変形例では、各図柄列L1〜L3(図129(a)参照)に対して、動物のキャラクタ(若しくは「?」の文字)を模した第3図柄が表示されると共に、各第3図柄の右下に対して、数字を模した付随図柄が付随して表示される。付随図柄は、1の集合演出の間、常に、同一のキャラクタを模した第3図柄に付随して表示される。即ち、第3図柄の変動表示中は、第3図柄と共に変動表示される。本変形例では、この獲得可能な味方キャラが表示された時点において各図柄列に停止表示された第3図柄の組み合わせや、付随図柄の組み合わせ、および第3図柄と付随図柄と停止位置との組み合わせ等によって、大当たりとなる期待度を遊技者に対して示唆可能に構成している。
図266(b)は、大当たりの期待度が高くなる停止図柄の組み合わせ(チャンスアップパターン)の一例を示した図である。図266(b)に示した通り、クマを模した第3図柄が中第3図柄表示領域901bに表示されることで、大当たり期待度が高くなることが遊技者に示唆される。なお、クマの第3図柄に付随する付随図柄の種別については、「7」の数字を模した付随図柄以外、期待度に差が生じることはない。また、左第3図柄表示領域901aや右第3図柄表示領域901cに表示される第3図柄の種類についても、期待度に差が生じることはない。即ち、クマを模した第3図柄が中第3図柄表示領域901b停止表示されてさえいれば、左右の図柄列において停止表示された第3図柄の種別によらず、大当たりとなる期待度が高くなる。よって、遊技者に対して、中第3図柄表示領域901bに表示される第3図柄の種類について注目させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、図示については省略したが、中第3図柄表示領域901bにクマを模した第3図柄が表示される態様とは別のチャンスアップパターンとして、いずれかの第3図柄表示領域901a〜901cに対して「7」の数字を模した付随図柄が付随する第3図柄が停止表示された場合についても、大当たり期待度が高くなるように構成されている。即ち、付随図柄表示領域901a1〜901c1のいずれかに「7」の数字を模した付随図柄が表示されることにより、大当たり期待度が高くなることを示唆可能に構成されている。これにより、単にいずれかの付随図柄表示領域901a1〜901c1に「7」を模した付随図柄が停止表示されるか否かに注目するだけで、チャンスアップパターンの変動表示が実行されたのか否かを容易に判別することができるので、遊技者にとってより分かり易い演出態様を実現することができる。
また、本変形例では、出現した時点で大当たりが確定する停止形も設けられている。具体的には、図267に示した通り、中第3図柄表示領域901bに対してクマを模した第3図柄が停止表示され、且つ、当該クマを模した第3図柄に付随する付随図柄が「7」を模した付随図柄である場合(中付随図柄表示領域901b1に「7」を模した付随図柄が表示された場合)に、大当たりとなることが確定する。
このように、本変形例では、集合演出において獲得されるトータルのキャラクタ数だけでなく、集合演出における各変動表示において各図柄列に停止表示される第3図柄の種別や、付随図柄の種別、および第3図柄と付随図柄の組み合わせによっても大当たりとなる期待度を示唆することが可能に構成しているので、集合演出においてキャラクタが獲得されるか否かだけでなく、キャラクタが停止表示された時点で停止表示されたキャラクタ(および付随図柄)に注目させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本変形例では、クマを模した第3図柄が中第3図柄表示領域901bに停止表示された場合や、いずれかの第3図柄表示領域901a〜901cに「7」を模した付随図柄が付随された第3図柄が停止表示された場合に大当たり期待度が高くなり、中第3図柄表示領域901bに「7」を模した付随図柄が付随するクマを模した第3図柄が停止表示された場合に大当たりが確定するように構成していたが、大当たり期待度が向上する組み合わせや、大当たりが確定する組み合わせはこれに限られるものではなく、任意に定めてもよい。例えば、奇数の数字を模した付随図柄が付された第3図柄のみが停止表示された場合に大当たり期待度が高くなるように構成してもよいし、ゾウ、クマ、サイの組み合わせで停止表示されることで大当たり期待度が高くなるように構成してもよい。
<第1制御例の変形例における電気的構成>
次に、図268を参照して、本変形例におけるキャラ格納エリア223e1の構成について説明する。本変形例では、上述した第1制御例におけるキャラ格納エリア222e1に代えて、音声ランプ制御装置113に対してキャラ格納エリア223e1を設ける構成としている。つまり、キャラ格納エリア223e1を上書き(更新)可能に構成している。より具体的には、集合演出において各図柄列に表示させる第3図柄の種別(キャラクタの種別)と、付随図柄の種別と、を毎回の集合演出において新たに設定することが可能に構成している。そして、1の集合演出の間は、キャラ格納エリア222e1に設定した配列で第3図柄の変動表示を実行する構成としている。演出毎に配列を設定し直す構成とすることにより、遊技者に対して常に目新しさを感じさせることができるので、空き難い遊技を提供することができる。
図268に示した通り、本変形例におけるキャラ格納エリア223e1は、音声ランプ制御装置113のRAM223におけるアドレス「0000H」から「000DH」までの範囲に対応付けて規定されており、各アドレスに第3図柄の種別を示すデータ(キャラクタデータ)、および付随図柄の種別を示すデータ(数字データ)のいずれかが格納される。なお、図268に示した通り、アドレス「0000H」は、左図柄列に表示させる1つ目の第3図柄の種別を示すデータ(キャラクタデータ)を格納するための記憶領域であり、アドレス「0001H」は、左図柄列に表示させる1つ目の第3図柄に付随する付随図柄の種別を示すデータ(数字データ)を格納するための記憶領域である。同様に、アドレス「0002H」、およびアドレス「0003H」は、それぞれ左図柄列に表示させる2つ目の第3図柄の種別を示すデータ(キャラクタデータ)、および付随図柄の種別を示すデータ(数字データ)を格納するための記憶領域であり、アドレス「0004H」、およびアドレス「0005H」は、それぞれ右図柄列に表示させる1つ目の第3図柄の種別を示すデータ(キャラクタデータ)、および付随図柄の種別を示すデータ(数字データ)を格納するための記憶領域であり、アドレス「0006H」、およびアドレス「0007H」は、それぞれ右図柄列に表示させる2つ目の第3図柄の種別を示すデータ(キャラクタデータ)、および付随図柄の種別を示すデータ(数字データ)を格納するための記憶領域である。また、アドレス「0008H」、およびアドレス「0009H」は、それぞれ中図柄列に表示させる1つ目の第3図柄の種別を示すデータ(キャラクタデータ)、および付随図柄の種別を示すデータ(数字データ)を格納するための記憶領域であり、アドレス「000AH」、およびアドレス「000BH」は、それぞれ中図柄列に表示させる2つ目の第3図柄の種別を示すデータ(キャラクタデータ)、および付随図柄の種別を示すデータ(数字データ)を格納するための記憶領域であり、アドレス「000CH」、およびアドレス「000DH」は、それぞれ中図柄列に表示させる3つ目の第3図柄の種別を示すデータ(キャラクタデータ)、および付随図柄の種別を示すデータ(数字データ)を格納するための記憶領域である。
集合演出の開始時は、これらのキャラ格納エリア223e1を構成するアドレス「0000H」〜「000DH」に対して、互いに異なるキャラクタデータおよび数字データを1つ1つ格納していくことにより、集合演出における図柄の表示態様を設定することができる。なお、本変形例では、7種類のキャラクタデータと、9種類の数字データとが設けられている一方で、キャラ格納エリア223e1に対応付けられているアドレスは14アドレス(7アドレス×2)であるため、キャラクタデータに関しては全てのキャラクタがいずれかの図柄列に設定されるものの、数字データに関しては、2つの数字が余ってしまう。つまり、9種類の数字を模した付随図柄のうち、7種類の付随図柄のみが1の集合演出においていずれかの第3図柄の付随図柄として設定される。本変形例では、外れの場合よりも、当たりの場合の方が「7」の数字を模した付随図柄が設定され易くなるように構成している。言い換えれば、外れの場合に、「7」の数字を模した付随図柄が設定され難くなるように構成している。これにより、「7」を模した付随図柄が停止表示された場合に、大当たりとなることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
次に、図269を参照して、本変形例においてキャラ格納エリア223e1の各アドレスに対してキャラクタデータを格納する際に、いずれのデータをいずれのアドレスに格納するかを決定するための抽選を行うために参照されるキャラ抽選テーブル222e11について説明する。このキャラ抽選テーブル222e11は、音声ランプ制御装置113のROM222に設けられているデータテーブルの一種である。ここで、本変形例では、このキャラ抽選テーブル222e11によって、キャラ格納エリア223e1の先頭アドレスに格納するキャラクタデータのみを決定する構成としている。そして、キャラクタには所定の並び順(ゾウ、ライオン、ジュゴン、サイ、トリ、クマ、イノシシの順)が設定されており、先頭アドレス以外のアドレスに対しては、先頭アドレスに格納したキャラクタを起点として所定の並び順に従ってキャラクタデータを格納していく構成としている。例えば、先頭アドレスに格納するキャラクタとしてジュゴンが決定された場合には、キャラ格納エリア22231のアドレス順に、サイ、トリ、クマ、イノシシ、ゾウ、ライオンを格納していく構成としている。このように構成することで、全てのアドレスに格納するキャラクタデータを抽選により決定する場合に比較して、処理負荷を軽減させることができる。
図269に示した通り、キャラ抽選テーブル222e11には、当否判定結果毎に、左図柄列の1個目の第3図柄に設定するキャラクタの種別(キャラ格納エリア223e1の先頭アドレスに設定するキャラクタデータ)と、第12演出カウンタ223p12の値の範囲とが対応付けて規定されている。より具体的には、図269に示した通り、当否判定結果が当たりの場合には、第12演出カウンタ223p12の値が「0〜34」の範囲に対して、ゾウのキャラクタ(キャラクタデータ「00H」)が対応付けて規定されている。第12演出カウンタ223p12の取り得る199個の乱数値(カウンタ値)のうち、ゾウのキャラクタに対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が35個なので、ゾウに対応するキャラクタデータ(00H)がキャラ格納エリア223e1の先頭アドレスに格納される割合は約17.6%(35/199)である。なお、先頭アドレスにゾウに対応するキャラクタデータが設定された場合、左図柄列にはゾウおよびライオンを模した第3図柄が表示され、右図柄列にはジュゴンおよびサイを模した第3図柄が表示され、中図柄列にはトリ、クマ、およびイノシシを模した第3図柄が表示される。即ち、クマが中図柄列に表示され得る配置(チャンスパターン若しくは確定パターンで停止され得る配列)に設定される。
また、図269に示した通り、第12演出カウンタ223p12の値が「35〜69」の範囲に対して、ライオンのキャラクタ(キャラクタデータ「01H」)が対応付けて規定されている。第12演出カウンタ223p12の取り得る199個の乱数値(カウンタ値)のうち、ライオンのキャラクタに対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が35個なので、ライオンに対応するキャラクタデータ(01H)がキャラ格納エリア223e1の先頭アドレスに格納される割合は約17.6%(35/199)である。なお、先頭アドレスにライオンに対応するキャラクタデータが設定された場合、左図柄列にはライオンおよびジュゴンを模した第3図柄が表示され、右図柄列にはサイおよびトリを模した第3図柄が表示され、中図柄列にはクマ、イノシシ、およびゾウを模した第3図柄が表示される。即ち、クマが中図柄列に表示され得る配置(チャンスパターン若しくは確定パターンで停止され得る配列)に設定される。
また、図269に示した通り、第12演出カウンタ223p12の値が「70〜92」の範囲に対して、ジュゴンのキャラクタ(キャラクタデータ「02H」)が対応付けて規定されている。第12演出カウンタ223p12の取り得る199個の乱数値(カウンタ値)のうち、ジュゴンのキャラクタに対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が23個なので、ジュゴンに対応するキャラクタデータ(02H)がキャラ格納エリア223e1の先頭アドレスに格納される割合は約11.6%(23/199)である。なお、先頭アドレスにジュゴンに対応するキャラクタデータが設定された場合、左図柄列にはジュゴンおよびサイを模した第3図柄が表示され、右図柄列にはトリおよびクマを模した第3図柄が表示され、中図柄列にはイノシシ、ゾウ、およびライオンを模した第3図柄が表示される。即ち、クマが中図柄列に表示され得ない配置に設定される。
また、図269に示した通り、第12演出カウンタ223p12の値が「93〜115」の範囲に対して、サイのキャラクタ(キャラクタデータ「03H」)が対応付けて規定されている。第12演出カウンタ223p12の取り得る199個の乱数値(カウンタ値)のうち、サイのキャラクタに対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が23個なので、サイに対応するキャラクタデータ(03H)がキャラ格納エリア223e1の先頭アドレスに格納される割合は約11.6%(23/199)である。なお、先頭アドレスにサイに対応するキャラクタデータが設定された場合、左図柄列にはサイおよびトリを模した第3図柄が表示され、右図柄列にはクマおよびイノシシを模した第3図柄が表示され、中図柄列にはゾウ、ライオン、およびジュゴンを模した第3図柄が表示される。即ち、クマが中図柄列に表示され得ない配置に設定される。
また、図269に示した通り、第12演出カウンタ223p12の値が「116〜138」の範囲に対して、トリのキャラクタ(キャラクタデータ「04H」)が対応付けて規定されている。第12演出カウンタ223p12の取り得る199個の乱数値(カウンタ値)のうち、トリのキャラクタに対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が23個なので、トリに対応するキャラクタデータ(04H)がキャラ格納エリア223e1の先頭アドレスに格納される割合は約11.6%(23/199)である。なお、先頭アドレスにトリに対応するキャラクタデータが設定された場合、左図柄列にはトリおよびクマを模した第3図柄が表示され、右図柄列にはイノシシおよびゾウを模した第3図柄が表示され、中図柄列にはライオン、ジュゴン、およびサイを模した第3図柄が表示される。即ち、クマが中図柄列に表示され得ない配置に設定される。
また、図269に示した通り、第12演出カウンタ223p12の値が「139〜162」の範囲に対して、クマのキャラクタ(キャラクタデータ「05H」)が対応付けて規定されている。第12演出カウンタ223p12の取り得る199個の乱数値(カウンタ値)のうち、クマのキャラクタに対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が24個なので、クマに対応するキャラクタデータ(05H)がキャラ格納エリア223e1の先頭アドレスに格納される割合は約12.1%(24/199)である。なお、先頭アドレスにクマに対応するキャラクタデータが設定された場合、左図柄列にはクマおよびイノシシを模した第3図柄が表示され、右図柄列にはゾウおよびライオンを模した第3図柄が表示され、中図柄列にはジュゴン、サイ、およびトリを模した第3図柄が表示される。即ち、クマが中図柄列に表示され得ない配置に設定される。
また、図269に示した通り、第12演出カウンタ223p12の値が「163〜1698」の範囲に対して、イノシシのキャラクタ(キャラクタデータ「06H」)が対応付けて規定されている。第12演出カウンタ223p12の取り得る199個の乱数値(カウンタ値)のうち、イノシシのキャラクタに対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が36個なので、イノシシに対応するキャラクタデータ(06H)がキャラ格納エリア223e1の先頭アドレスに格納される割合は約18.1%(36/199)である。なお、先頭アドレスにイノシシに対応するキャラクタデータが設定された場合、左図柄列にはイノシシおよびゾウを模した第3図柄が表示され、右図柄列にはライオンおよびジュゴンを模した第3図柄が表示され、中図柄列にはサイ、トリ、およびクマを模した第3図柄が表示される。即ち、クマが中図柄列に表示され得る配置に設定される。
このように、当否判定結果が当たりの場合は、約53.3%の割合で中図柄にクマを模した第3図柄が配置される。即ち、チャンスパターン以上の停止形となり得るように構成されている。
一方で、図269に示した通り、当否判定結果が外れの場合には、第12演出カウンタ223p12の値が「0〜19」の範囲に対して、ゾウのキャラクタ(キャラクタデータ「00H」)が対応付けて規定され、「20〜39」の範囲に対して、ライオンのキャラクタ(キャラクタデータ「01H」)が対応付けて規定され、「40〜74」の範囲に対して、ジュゴンのキャラクタ(キャラクタデータ「02H」)が対応付けて規定され、「75〜109」の範囲に対して、サイのキャラクタ(キャラクタデータ「03H」)が対応付けて規定され、「110〜144」の範囲に対して、トリのキャラクタ(キャラクタデータ「04H」)が対応付けて規定され、「145〜179」の範囲に対して、クマのキャラクタ(キャラクタデータ「05H」)が対応付けて規定され、「145〜198」の範囲に対して、イノシシのキャラクタ(キャラクタデータ「06H」)が対応付けて規定されている。
このため、クマを模した第3図柄が中図柄列に設定される割合(ゾウ、ライオン、イノシシのいずれかに対応するキャラクタデータがキャラ格納エリア223e1の先頭アドレスに設定される割合)は、約29.6%である。即ち、大当たりの場合に比較して、クマを模した第3図柄が中図柄列に配置され難くなるように構成されている。これにより、チャンスパターンの出現率を大当たりの場合の方が高くすることができるので、中図柄列の停止図柄に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図270を参照して、本変形例においてキャラ格納エリア223e1の各アドレスに対して数字データを格納する際に、いずれのデータをいずれのアドレスに格納するかを決定するための抽選を行うために参照される数字抽選テーブル222e12について説明する。この数字抽選テーブル222e12は、音声ランプ制御装置113のROM222に設けられているデータテーブルの一種である。ここで、本変形例では、この数字抽選テーブル222e11によって、キャラ格納エリア223e1のアドレス「0001H」に格納するキャラクタデータのみを決定する構成としている。そして、他のアドレスに対しては、アドレス「0001H」に格納した数字を起点として数字の昇順に数字データを格納していく構成としている。このように構成することで、全てのアドレスに格納する数字データを抽選により決定する場合に比較して、処理負荷を軽減させることができる。
図270に示した通り、数字抽選テーブル222e12には、当否判定結果、および中図柄列にクマを模した第3図柄が配置されているか否か毎に、左図柄列の1個目の第3図柄に設定する付随図柄の種別(キャラ格納エリア223e1のアドレス「0001H」に設定する数字データ)と、第13演出カウンタ223p13の値の範囲とが対応付けて規定されている。より具体的には、図270に示した通り、当否判定結果が当たりの場合には、中図柄列の種別によらず、第13演出カウンタ223p13の値が「0〜24」の範囲に対して、数字の「1」を模した付随図柄(数字データ「00H」)が対応付けて規定されている。第13演出カウンタ223p13の取り得る199個の乱数値(カウンタ値)のうち、数字の「1」を模した付随図柄に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が25個なので、数字の「1」を模した付随図柄に対応する数字データ(00H)がキャラ格納エリア223e1のアドレス「0001H」に格納される割合は約12.6%である。なお、アドレス「0001H」に「1」を模した付随図柄に対応する数字データが設定された場合、左図柄列には「1」および「2」を模した付随図柄が表示され、右図柄列には「3」および「4」を模した付随図柄が表示され、中図柄列には「5」、「6」、および「7」を模した第3図柄が表示される。即ち、「7」を模した付随図柄が付された第3図柄が停止表示され得る(チャンスUPパターンで停止表示され得る)配列に設定される。
また、図270に示した通り、当否判定結果が当たりの場合には、中図柄列の種別によらず、第13演出カウンタ223p13の値が「25〜49」の範囲に対して、数字の「2」を模した付随図柄(数字データ「01H」)が対応付けて規定されている。第13演出カウンタ223p13の取り得る199個の乱数値(カウンタ値)のうち、数字の「2」を模した付随図柄に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が25個なので、数字の「2」を模した付随図柄に対応する数字データ(01H)がキャラ格納エリア223e1のアドレス「0001H」に格納される割合は約12.6%である。なお、アドレス「0001H」に「2」を模した付随図柄に対応する数字データが設定された場合、左図柄列には「2」および「3」を模した付随図柄が表示され、右図柄列には「4」および「5」を模した付随図柄が表示され、中図柄列には「6」、「7」、および「8」を模した第3図柄が表示される。即ち、「7」を模した付随図柄が付された第3図柄が停止表示され得る(チャンスUPパターンで停止表示され得る)配列に設定される。
同様に、第13演出カウンタ223p13の値が「50〜74」の範囲に対して、数字の「3」を模した付随図柄(数字データ「01H」)が対応付けて規定され、「75〜99」の範囲に対して数字の「4」を模した付随図柄が対応付けて規定され、「100〜124」の範囲に対して数字の「5」を模した付随図柄が対応付けて規定され、「125〜174」の範囲に対して数字の「6」を模した付随図柄が対応付けて規定されている。よって、数字の「3」〜「6」を模した付随図柄に対応する数字データがキャラ格納エリア223e1のアドレス「0001H」に格納される割合は、「1」や「2」を模した付随図柄と同様に、それぞれ約12.6%である。これらの「3」〜「6」を模した付随図柄に対応する数字データがアドレス「0001H」に設定された場合にも、「7」の数字を模した付随図柄がいずれかの図柄列に設定される第3図柄の付随図柄として設定される。即ち、チャンスUPパターンで停止表示され得る組み合わせとなる。
一方、第13演出カウンタ223p13の値が「175〜186」の範囲に対して、数字の「8」を模した付随図柄が対応付けて規定され、「187〜198」の範囲に対して、数字の「9」を模した付随図柄が対応付けて規定されている。これらの「8」および「9」に対応する数字データに対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ12個であるので、数字の「8」や「9」を模した付随図柄に対応する数字データがキャラ格納エリア223e1のアドレス「0001H」に格納される割合は、それぞれ約6%である。これらの「8」または「9」を模した付随図柄が左図柄の1個目の第3図柄の付随図柄に設定された場合、「7」を模した付随図柄が設定され得なくなる。チャンスUPパターンが表示され得ない組み合わせになる付随図柄(「8」、「9」)の抽選割合を、チャンスUPパターンが表示され得る組み合わせになる付随図柄(「1」〜「7」)の抽選割合よりも低くしておくことにより、チャンスUPパターンが出現した場合における大当たり期待度を高めることができる。
一方で、図270に示した通り、当否判定結果が外れの場合には、中図柄列の中にクマを模した第3図柄が設定されているか否かに応じて各付随図柄の選択割合が可変される。即ち、中図柄列の中にクマを模した第3図柄が設定されていない(キャラ格納エリア223e1のアドレス「0008H」,「000AH」,「000CH」のいずれにもキャラクタデータとして「05H」が格納されていない)場合には、「1」〜「5」の数字を模した付随図柄に対してそれぞれ14個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、「6」および「7」の数字を模した付随図柄に対してそれぞれ15個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、「8」の数字を模した付随図柄に対して49個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、「9」の数字を模した付随図柄に対して50個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。即ち、当たりの場合に比較して、「8」や「9」の数字を模した付随図柄に対応する数字データがキャラ格納エリア223e1のアドレス「0001H」に設定される割合が高くなる。つまり、「7」の数字を模した付随図柄が含まれない組み合わせ(チャンスUPパターンが表示され得ない組み合わせ)に設定される割合が高くなる。よって、チャンスUPパターンが表示された場合に遊技者の大当たりに対する期待感を向上させることができる。
これに対し、図270に示した通り、当否判定結果が外れで、且つ、中図柄列の中にクマを模した第3図柄が設定されている(キャラ格納エリア223e1のアドレス「0008H」,「000AH」,「000CH」のいずれかにキャラクタデータとして「05H」が格納されている)場合には、「1」〜「3」の数字を模した付随図柄に対して乱数値(カウンタ値)が対応付けられていない。「1」〜「3」の数字を模した付随図柄に対応する数字データがキャラ格納エリア223e1のアドレス「0001H」に設定されると、中図柄列に対応するアドレス「0009」H,「000BH」,「000DH」のいずれかに「7」の数字を模した付随図柄に対応する数字データ「06H」が設定されてしまうことになるため、中図柄に設定されているクマを模した第3図柄に「7」を模した付随図柄が設定される可能性が生じてしまうため、これを避ける(外れにもかかわらず確定パターン(図267参照)で停止表示されることを防止する)趣旨である。
また、図270に示した通り、「4」〜「7」の数字を模した付随図柄に対応する数字データに対しては、それぞれ20個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、「8」の数字を模した付随図柄に対応する数字データに対しては、60個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、「9」の数字を模した付随図柄に対応する数字データに対しては、59個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。つまり、チャンスUPパターンが表示され得ない組み合わせになる付随図柄(「8」、「9」)の抽選割合を、チャンスUPパターンが表示され得る組み合わせになる付随図柄(「4」〜「7」)の抽選割合よりも低く構成しているので、チャンスUPパターンが出現した場合における大当たり期待度を高めることができる。
このように、本変形例では、集合演出において各図柄列に配置させる第3図柄と、各第3図柄に付随させる付随図柄と、の配列を別々に抽選する構成としている。これにより、集合演出毎に表示態様を異ならせることができるので、遊技者が飽き難い演出態様を実現することができる。また、停止表示された第3図柄の組み合わせや付随図柄の組み合わせ、第3図柄と付随図柄との組み合わせによって大当たり期待度を示唆することができるので、図柄が停止表示される毎に、図柄の組み合わせに対してより注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第1制御例の変形例における音声ランプ制御装置の制御処理>
次に、図271から図273を参照して、本変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図271を参照して、本変形例におけるバトル演出設定処理5(S2755)の詳細について説明する。このバトル演出設定処理5(S2755)は、上述した第1制御例におけるバトル演出設定処理(図204参照)に代えて実行される処理であり、バトル演出設定処理(図204参照)と同様に、バトル演出における各種演出態様を設定するための処理である。
このバトル演出設定処理5(図271参照)のうち、S3101〜S3110の各処理では、それぞれ上述した第1制御例におけるバトル演出設定処理(図204参照)のS3101〜S3110の各処理と同一の処理が実行される。また、本変形例におけるバトル演出設定処理5(図271参照)では、各図柄列に表示させる図柄の組み合わせ(配列)を設定するための配列設定処理を実行して(S3151)、処理をS3101へと移行する。この配列設定処理(S3151)の詳細について、図272を参照して説明する。
図272は、上述した配列設定処理(S3151)を示すフローチャートである。この配列設定処理(S3151)では、まず、キャラ抽選テーブル222e11(図269参照)を読み出して、読み出したキャラ抽選テーブル222e11(図269参照)の規定内容と、今回の変動パターンの当否と、第12演出カウンタ223p12の値と、に応じて、キャラ格納エリア223e1(図268参照)の先頭アドレスに格納するキャラクタデータを決定し(S4402)、当該決定されたキャラクタデータをキャラ格納エリア223e1の先頭アドレスに格納する(S4403)。
次に、今回データを設定した設定先アドレスに対して「0002H」を加算したアドレスを次の設定先アドレスに設定し(S4404)、新たな設定先アドレスに対して、前回の設定先アドレスに格納したキャラクタデータに対して「01H」を加算することで得られるキャラクタデータを格納する(S4405)。なお、このS4405の処理では、前回設定したキャラクタデータが上限値である「06H」(イノシシに対応するキャラクタデータ)である場合には、「00H」を格納する。
S4405の処理が終了すると、次いで、全ての設定先アドレス(「0000H」,「0002H」,「0004H」,「0006H」,「0008H」,「000AH」、および「000CH」)に対してキャラクタデータを格納したか否かを判別し(S4406)、データを格納していない設定先アドレスが存在する場合には(S4406:No)、処理をS4404へと移行する。これに対して、S4406の処理において、全ての設定先アドレスに対してキャラクタデータを格納したと判別した場合は、次いで、数字データをキャラ格納エリア223e1の各アドレスに設定するための数字設定処理を実行して(S4407)、本処理を終了する。この数字設定処理(S4407)の詳細について、図273を参照して説明する。
図273は、数字設定処理(S4407)を示すフローチャートである。この数字設定処理(S4407)では、まず、数字抽選テーブル222e12(図270参照)を読み出して、読み出した数字抽選テーブル222e12の規定内容と、今回の当否判定結果と、第13演出カウンタ223p13の値と、中図柄に設定されているキャラクタデータの種別と、に応じて、キャラ格納エリア223e1(図268参照)のアドレス「0001H」に格納する数字データを決定する(S4502)。次いで、S4502の処理で決定した数字データをアドレス「0001H」に格納し(S4503)、今回データを設定した設定先アドレスに対して「0002H」を加算したアドレスを次の設定先アドレスに設定する(S4504)。次に、新たな設定先アドレスに対して、前回の設定先アドレスに格納した数字データに対して「01H」を加算することで得られる数字データを格納する(S4505)。なお、このS4505の処理では、前回設定した数字データが上限値である「08H」(数字の「9」に対応する数字データ)である場合には、「00H」(数字の「1」に対応する数字データ)を格納する。
S4505の処理が終了すると、次いで、全ての設定先アドレス(「0001H」,「0003H」,「0005H」,「0007H」,「0009H」,「000BH」、および「000DH」)に対してキャラクタデータを格納したか否かを判別し(S4506)、データを格納していない設定先アドレスが存在する場合には(S4506:No)、処理をS4504へと移行する。これに対して、S4506の処理において、全ての設定先アドレスに対してキャラクタデータを格納したと判別した場合は、そのまま本処理を終了する。
以上説明した通り、第1制御例の変形例におけるパチンコ機10では、各図柄列L1〜L3(図129(a)参照)に対して、動物のキャラクタ(若しくは「?」の文字)を模した第3図柄が表示されると共に、各第3図柄の右下に対して、数字を模した付随図柄が付随して表示されるように構成した。そして、集合演出の実行が決定された場合に、各図柄列におけるキャラクタおよび付随図柄の配列を別々に設定する構成とすることで、キャラクタと数字との対応関係が演出毎に可変し得るように構成している。そして、各図柄列に停止表示された第3図柄の組み合わせや、付随図柄の組み合わせ、および第3図柄と付随図柄と停止位置との組み合わせ等によって、大当たりとなる期待度を遊技者に対して示唆可能に構成している。このように構成することで、集合演出における各変動表示において、キャラクタが獲得されるか否かだけでなく、停止図柄の組み合わせに対してもより注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本変形例では、左図柄列の1個目の第3図柄および第3図柄に付随する付随図柄の種別のみを抽選により決定し、残りの図柄の種別を、抽選により決定した1個目の図柄の種別を起点として予め定められた順番で配列させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、全ての図柄に設定するキャラクタおよび数字を抽選により決定するように構成してもよい。このように構成することで、各図柄のランダム性をより高めることができるので、演出態様をより多様化させることができる。また、選択可能な図柄の組み合わせを予めテーブル等によって規定しておき、特別図柄の抽選結果に応じて各組み合わせの選択割合を異ならせる構成としてもよい。このように構成することで、図柄の組み合わせを設定する際の処理負荷を軽減させることができる。
以上説明をした第1制御例の変形例では、集合演出の実行が決定された場合における、第3図柄の表示態様の可変制御において、図269を参照して上述したキャラ抽選テーブル222e11に基づいて第3図柄の表示態様を可変させるように構成していた。即ち、変動表示される第3図柄の種別(数字0〜9)に対して、その種別数よりも少ない種別の表示態様(7種類のキャラ)から表示態様を決定するように構成していたが、これに限ること無く、例えば、変動表示される第3図柄の個数よりも多い種別数の表示態様の中から集合演出に用いる第3図柄の表示態様を決定するように構成しても良い。
具体的には、変動表示される10個の第3図柄に対して、15種類のキャラ情報が格納されたキャラ格納エリアを設け、そのキャラ格納エリアに格納されている15種類のキャラ情報の中から、集合演出に用いる表示態様を10個の第3図柄に対して決定するように構成しても良い。このように構成することで、全ての表示態様が変動表示されないように構成することができるため、集合演出が実行された場合にどの表示態様が決定されているのかを予測する楽しみを遊技者に提供することができる。また、この場合、変動表示中の第3図柄の識別情報を遊技者が視認可能な程度に変動させたり、決定された表示態様の種別を遊技者に報知(示唆)したりするための報知(示唆)手段を設けると良い。これにより、集合演出が開始された直後から遊技者に停止表示される第3図柄の表示態様を予測させる楽しみを提供することができる。
さらに、集合演出にて変動表示される複数の第3図柄の表示態様として、同一の表示態様を重複して決定しても良い。このように構成することで、集合演出中に変動表示される第3図柄の個数よりも少ない種別数の表示態様(キャラデータ)を用いて集合演出を実行する場合においても、全ての表示態様が変動表示されない演出パターンを実行することができる。加えて、特定の表示態様のみ他の表示態様よりも多く決定することにより、集合演出にて停止表示され易い表示態様と表示され難い表示態様と、を集合演出における第3図柄の変動表示中に遊技者に示唆することができる。
第1制御例の変形例では、集合演出の実行が決定された場合に、第3図柄の表示態様を決定し、その決定した表示態様を用いて集合演出を最後まで実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、集合演出中に第3図柄が仮停止し、再度変動表示する際に、各第3図柄の表示態様を再度、決定し直す(更新する)ための表示態様更新処理を実行可能に構成しても良い。
このように構成することで、集合演出中に第3図柄が仮停止する毎に、停止表示され得る第3図柄の表示態様を可変させることができるため、途中で集合演出に飽きてしまうことを抑制することができる。また、集合演出にて既に獲得したキャラクタに対応する表示態様をそのまま継続して第3図柄の表示態様として用いても良いし、獲得済みのキャラクタに対応する表示態様であることを遊技者が把握可能な程度表示態様を可変させた獲得済み表示態様(例えば、キャラクタに「済」のマークを付した表示態様)を用いても良いし、獲得済みのキャラクタに対応する表示態様を、未獲得のキャラクタに対応する表示態様へと可変させるように構成しても良い。
また、上述した第1制御例の変形例のように、複数の情報を有する識別情報(図柄)を用いた演出を実行する場合として、例えば、各図柄に付与される第1情報(キャラクタ情報)、第2情報(数字情報)、第3情報(演出成功の有無を示す情報(大集合)の一部を示す情報)を決定可能な構成を用いた場合には、その各図柄を複数有する図柄列を、複数(3つ)変動表示させた後、停止表示された3つの図柄が有する、第1情報の組合せに基づいて第1特典を、第2情報の組合せに基づいて第2特典を、第3情報の組合せに基づいて第3特典を付与するだけで無く、停止表示された特定図柄に付与された第1情報と第2情報との組合せ、第1情報と第3情報との組合せ、第2情報と第3情報との組合せ、或いは、第1情報、第2情報及び第3情報の組合せに基づいて特定特典を付与可能に構成すると良い。このように構成することで、停止表示される複数の図柄に付与されている各情報の組合せだけでは無く、1の図柄に付与された各情報の組合せに対しても遊技者に興味を持たせることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
<アイコン表示予告の変形例について>
上述した第1制御例のパチンコ機10では、図133から図135を参照して説明した通り、第3図柄表示装置81の表示面に形成される複数の箇所に、様々なアイコンを様々な順序で表示させるアイコン表示予告を実行することで、遊技者に多彩な予告内容を提供するものであった。上述した第1制御例にて実行されるアイコン表示予告は、その予告態様(演出態様)を設定する際に、予め特定の順序でアイコン種別を示す情報が格納されている演出アイコン格納エリア222c1(図164(b)参照)から、先頭のアイコン種別を特定し、その先頭のアイコン種別から順にアイコンを表示させるように構成していた(演出要素1)。
そして、アイコンの表示する箇所についても、表示順を示す特定の順列情報が複数記憶されている順列格納エリア222c3(図165参照)から1の順列を選択するように構成していた(演出要素2)。さらに、アイコン表示予告にて表示させるアイコンの個数を抽選で決定するように構成していた(演出要素3)。
このように、1の演出を実行する場合において、複数の演出要素を独立して設定し、設定された各演出要素を組み合わせた演出を実行可能とすることで、実行し得る全ての演出パターンを別々に演出データとして予め用意しておく場合に比べて、予め用意しておく演出データの量を削減することができるものであった。
さらに、表示順を示す順列情報として、例えば、同一の表示箇所が重複して選択される順列情報も選択可能に構成し、演出要素3として決定したアイコンの個数を表示させる場合に、複数のアイコンが同一の表示箇所に表示される演出内容となった場合には、何れか1のアイコンのみを表示させる表示規則を設けることにより、演出要素3として決定したアイコンの個数とは異なる個数のアイコンが表示される演出を実行することができ、よりバリエーションに富んだ演出を実行することができる。
さらに、上述した第1制御例では、各演出要素の内容を決定する際に、対応する特別図柄抽選の結果(当否判定結果)に基づいて演出要素の内容を決定しているため、アイコン表示予告の演出態様をランダムに決定しながらも、実行されるアイコン表示予告が特別図柄抽選の結果を示唆可能な演出態様となるため、遊技者に興味を持たせることができるものであった。
これに対して、本変形例では、さらに、バリエーションに富んだアイコン表示予告を実行するための演出要素について説明をする。本変形例では、図274に示した通り、アイコン表示予告にて表示されるアイコンの大きさを可変させることが可能に構成している。図274は、本変形例におけるアイコン表示予告において拡大アイコンが表示された場合の一例を模式的に示した図である。なお、本変形例のアイコン表示予告は、上述した第1制御例のアイコン表示予告に対して、表示されるアイコンの大きさを可変可能に構成した点と、1の表示箇所に表示されたアイコンによって覆われる他の表示箇所にてアイコンが表示されないようにするための表示制御が実行される点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図274では、アイコン表示予告演出として、最初に領域811aに表示されたアイコン812aが、領域811b(図133(a)参照)を覆うように(隠すように)表示されている。この場合、今回のアイコン表示予告演出で領域811b(図133(a)参照)にアイコンが表示されることが無い。
このように、表示されるアイコンの拡大率を選択可能に構成することで、選択されたアイコンの拡大率と、アイコンの種別と、表示箇所とによって、表示されるアイコンによって覆われる領域を異ならせることが可能となる。そして、上述した演出要素2として選択された順列からすでに覆われている領域(非表示領域)を除いた順にアイコンが表示されるように構成することで、よりバリエーションに富んだアイコン表示予告を実行することができる。
加えて、本変形例の技術を用いた場合には、非表示領域が設定されるため、アイコンの表示順として重複した表示箇所が選択され易くなる。よって、非表示領域を設定する技術と、表示箇所が重複した場合に1のアイコンのみ表示する技術とを組み合わせることにより、上述した演出要素3として設定したアイコンの個数に対して大きく乖離した数のアイコンを表示させ易くすることができ、よりバリエーションに富んだアイコン表示予告を実行することができる。
次に、図275を参照して、本変形例の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成のうち、上述した第1制御例と異なる構成について説明をする。本変形例では、上述した通り、アイコン表示予告の演出を実行する場合に、表示されるアイコン(先頭で表示されるアイコン)の拡大率を可変可能に構成している点で上述した第1制御例と異ならせている。
そして、ROM222の構成においても、アイコンの拡大率を選択するための拡大率選択テーブル222A1を設けた点で相違している。それ以外のROM222の構成は同一であるためその詳細な説明を省略する。
図275は、拡大率選択テーブル222A1の構成を模式的に示した模式図である。図275に示した通り、拡大率選択テーブル222A1には、特別図柄抽選の当否判定結果と、第A演出カウンタ223pAとの値に対応付けて異なる拡大率が規定されている。ここで、第A演出カウンタ223pAとは、上述した各制御例にて用いられた各種演出カウンタ223pと同様に、「0〜198」の範囲で乱数値を更新可能なカウンタであって、音声ランプ制御装置113の制御処理の中で定期的に実行される処理(例えば、メイン処理)にて定期的に値が更新されるカウンタである。このカウンタの値は、他の演出カウンタ223pと更新値が同期しないように規則性を持たせて更新されるように構成しており、具体的な構成は同一であるため、その詳細な説明を省略する。これにより、各種演出カウンタ223の値を参照して選択する各種演出の演出態様が同一の組合せとなることを抑制することができる。
具体的には、当否判定結果が「当たり(大当たり)」で、第A演出カウンタpAの値が「0〜4」の範囲には拡大率「50%」が、「5〜99」の範囲には拡大率「100%」が、「100〜149」の範囲には拡大率「200%」が、「150〜179」の範囲には拡大率「500%」が、「180〜198」の範囲には拡大率「1000%」が規定されている。
また、当否判定結果が「外れ」で、第A演出カウンタpAの値が「0〜14」の範囲には拡大率「50%」が、「15〜164」の範囲には拡大率「100%」が、「165〜184」の範囲には拡大率「200%」が、「185〜198」の範囲には拡大率「500%」が規定されている。
上述した通り、この拡大率選択テーブル223A1は、先頭アイコンを表示させる場合の拡大率を選択する際に参照されるものであって、拡大率として「50%」が選択された場合には、通常の大きさのアイコン表示(図134(a)参照)の半分の大きさで先頭アイコンが表示される。そして、「100%」が選択された場合は、図134(a)にて表示されている通常の大きさで先頭アイコンが表示され、「200%」が選択された場合は、通常の2倍の大きさで先頭アイコンが表示され、「500%」が選択された場合は、通常の5倍の大きさでアイコンが表示され、「1000%」が選択された場合は、通常の10倍の大きさでアイコンが表示される。
ここで、本変形例でも、上述した第1制御例と同様に複数種別のアイコンを表示可能に構成しており、アイコン表示予告にて先頭で表示されるアイコンの種別と、表示箇所と、拡大率とに応じて、表示アイコンが覆う表示箇所が異なるように構成されている。
例えば、図133(a)と、図164(b)を参照して説明をすると、先頭アイコンが領域811aに表示される場合には、全てのアイコン種別を対象に、拡大率500%が選択されると領域811bが覆われる。また、先頭アイコンが領域811bに表示される場合には、拡大率200%の場合は、「Vサイン形状」のアイコンが表示される場合にのみ、他の領域(領域811a)が覆われ、拡大率500%が選択されると「四角形状」のアイコンでは、領域811c、領域811dが覆われ、「丸形状」、「三角形状」、「ひし形形状」のアイコンでは、領域811fのみが覆われ、「Vサイン形状」のアイコンでは、全ての領域が覆われるように構成している。以降、先頭アイコンが表示される表示箇所が、領域811c、領域811d、領域811e、領域811fの何れであったとしても、表示されるアイコン種別と拡大率とによって、覆われる他の領域が異なるように構成している。
そして、拡大率1000%が選択される場合には、先頭アイコンの種別と、表示箇所に関わらず、他の領域が全て覆われるように構成している。
このように構成することで、先頭アイコンが表示される箇所と、アイコン種別と、拡大率との選択結果に基づいて、アイコン表示予告においてアイコンを表示可能な表示箇所を可変させることができるため、ランダム性を持たせたアイコン表示予告を容易に実行することができる。
また、本変形例では、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合に表示され易いアイコン種別である「Vサイン形状」のアイコンが先頭アイコンとして表示される場合に、他のアイコンが先頭アイコンとして表示される場合よりも、他の領域を多い易くなるように構成している。具体的には、大当たり当選の期待度が高いアイコンが表示されたことを遊技者に分かり易くするために、「Vサイン形状」のアイコンの大きさ(拡大率100%における大きさ)が他のアイコンよりも大きくなるように構成している。このように、表示されるアイコンの基準となる大きさに違いを持たせることにより、同一の拡大率が選択された場合において、異なる領域を容易に覆わせることができる。
本変形例では、上述した第1制御例と同一のアイコン種別を選択可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、「十字形状」のアイコンのように、特定の表示箇所(領域811b)に先頭アイコンとして表示された場合にのみ、他の領域を覆い易くなるアイコン種別を用いても良い。これにより、アイコン表示予告が実行され、先頭アイコンが表示さえる箇所のみが遊技者に報知されるタイミング(図133(b)参照)において、どのアイコンが表示されるかを遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
なお、本変形例、及び上述した第1制御例では、図133(b)に示した通り、アイコン表示予告演出が実行された場合に、先に先頭アイコンが表示される表示箇所を遊技者に報知可能に構成しているが、これに限ること無く、先頭アイコンの種別を先に報知したり、先頭アイコンに設定される拡大率を先に報知したりしても良い。また、非表示領域を先に報知するように構成しても良い。
次に、本変形例におけるアイコン表示予告の演出態様を設定する際の音声ランプ制御装置113における制御処理の流れについて説明をする。本変形例では、上述した第1制御例に対してランダム表示演出設定処理(図207のS3203参照)に代えて、ランダム表示演出設定処理A(図276のS3293参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。なお、基本的な制御処理の流れは上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
図276は、ランダム表示演出設定処理A(S3293)の内容を示したフローチャートである。このランダム表示演出設定処理A(S3293)では、先頭アイコンとして表示されるアイコンの拡大率を決定する処理と、決定された拡大率に基づいてアイコンの表示順列を可変させる処理とを実行する点で、上述したランダム表示演出設定処理(図207のS3203参照)と相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその説明を省略する。
ランダム表示演出設定処理A(S3293)が実行されると、まず、上述したランダム表示演出設定処理(図207のS3203参照)と同一のS3301〜S3304の処理を実行し、その後、拡大率選択テーブル223A1を参照して先頭アイコンの拡大率を決定し(S3391)、先頭アイコンの拡大率と表示箇所と種別に基づいて、非表示領域を抽出する(S3392)。なお、このS3392の処理では、ROM222に格納されている判定テーブル(図示せず)に予め規定されている内容に基づいて非表示領域(先頭アイコンの表示によって覆われる領域)が抽出される。
そして、S3392の抽出結果に基づいて非表示領域があるかを判別し(S3394)、あると判別した場合は(S3394:Yes)、S3303の処理で決定した順列から非表示領域を除いた除去順列を設定し(S3394)、その後、上述したランダム表示演出設定処理(図207のS3203参照)と同一のS3305,S3306の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S3393の処理において、非表示領域が無いと判別した場合は(S3394:No)、S3303の処理で決定した順列をそのまま用いることができるため、S3394の処理をスキップして、S3305の処理へ移行する。
このように構成することで、先頭アイコンの種別と、順列と、が同一のパターンで決定された場合であっても、先頭アイコンの拡大率を異ならせることにより、アイコンが表示される箇所を可変させることが可能となるため、少ない演出データを用いてバリエーションに富んだアイコン表示予告(ランダム表示演出)を実行することができる。
なお、本変形例では、非表示領域がある場合において、除去順列を設定し、除去順列に基づいて、S3304の処理にて決定した個数分のアイコンを表示するように構成しているが、これに限ること無く、除去順列を設定すること無く、非表示領域に該当するアイコンを表示しないだけの処理を実行するように構成しても良い。この場合であっても、決定されたアイコン表示個数に対して、異なる個数のアイコンが表示されることになるため、少ない演出データを用いてバリエーションに富んだアイコン表示予告(ランダム表示演出)を実行することができる。
<発射役物演出の変形例>
次に、図277〜図280を参照して、発射役物400を用いた演出制御の変形例について説明をする。本変形例では、特別図柄抽選(特別図柄変動)が実行されていない状態である待機状態中において実行されるデモ演出に、発射役物400の役物演出が実行されるように構成している。そして、発射役物400の動作内容として、実際の発射動作が実行されるまでの準備動作として、準備動作A状態と、準備動作B状態とに位置する動作が実行され、デモ演出が終了するタイミング(遊技者が第1入球口64に球を入球させて特別図柄変動が開始されるタイミング)にて、発射役物の動作状況を判別し、その判別結果に基づいて、実行する変動演出を可変させるように構成している点で上述した第2制御例と相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図277を参照して、本変形例におけるデモ画面中の演出内容について説明をする。図277(a)は、デモ画面が表示されるデモ演出中に発射役物400が動作した場合の一例を模式的に示した模式図である。図277(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示面にはデモ画面が表示されると共に、発射役物400が動作し粒状部材320が表示面を覆うように射出されている。
このように、デモ画面中に発射役物400を動作させることにより、遊技者に対して興味を持たせることが可能となり、遊技の稼働を高めることができる。詳細な説明は省略するが、このデモ演出中に発射役物400を発射させる動作シナリオとしては、例えば、デモ演出が実行されてから特定の期間が経過した後に、即ち、第3図柄表示装置81の表示面に発射役物400の動作と一体感を持たせた演出表示が表示されるタイミングに合わせて発射役物400を動作させる動作シナリオが設定可能に構成している。
なお、デモ演出中の演出パターンを複数設定可能に構成し、例えば、上述した第2制御例にて、実行される異常判別によって、軽度な異常(異常レベル1)と判別している場合に、発射役物400を動作させる動作シナリオを含む演出パターンが設定され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、デモ演出中に実行する発射役物400の動作によって、粒状部材320が正常に発射役物400へと収納させることが可能となり、演出効果の向上と、演出装置の適正化とを同時に達成させ易くすることができる。また、デモ演出が実行されている間は、遊技者が遊技を実行していない状態であるため、遊技中の遊技者に不快感を与えること無く発射役物400を動作させることができる。
また、デモ演出中に発射役物400を動作させる場合には、第3図柄表示装置81の表示面にデモ演出中であることを遊技者が識別可能なコメント(図では「デモ表示」で表示)が表示される。これにより、現在がデモ演出中であることを遊技者に分かり易く報知することができるため、デモ演出中であるにも関わらず、遊技中であると誤認し新たな遊技者が遊技を実行できない状態が発生することを抑制することができる。
次に、図277(b)を参照して、デモ演出中に特別図柄変動が実行された場合の演出内容について説明をする。図277(b)は、デモ演出として発射役物400が粒状部材320を発射し、全ての粒状部材320が発射役物400へと収納されるまでの間に、特別図柄変動が開始された場合における演出内容の一例を模式的に示した模式図である。
本変形例では、発射役物400の動作状態として、収納領域に収納されている粒状部材320が下方に移動したことを遊技者に把握させるための準備動作A状態と、粒状部材320を発射させるために弾性部材に対して抗力を付与する準備動作B状態と、弾性部材に対する抗力を解除し、弾性部材の復元力によって粒状部材320が発射される発射動作状態と、を判別可能に構成している。
そして、発射役物400が発射動作状態である場合に、特別図柄変動が開始されると(デモ演出の終了条件が成立すると)、デモ演出中に実行された発射役物400の発射動作が完了する前に(粒状部材320が発射役物400に収納される前に)特別図柄変動が開始される事態が発生し、遊技者に対して、特別図柄抽選で外れに当選したことを示すための特別図柄変動に対応して変動演出が実行される場合であっても、粒状部材320が第3図柄表示装置81の表示面に位置し、遊技者に無用な期待感を与えてしまうという問題があった。
これに対して、本変形例では、図277(b)に示した通り、発射役物400の発射動作が終了するまで(発射役物400の収納領域raに粒状部材320が収納されるまで)の期間、デモ演出を継続するように構成している。このように構成することで、デモ演出における発射役物400動作を完了させた後に、変動演出を実行させることができるため、複数の演出(デモ演出、変動演出)が混同してしまい遊技者に分かり難い演出が提供されてしまうことを抑制することができる。
さらに、図277(b)に示した通り、特別図柄変動が開始された後にデモ演出が継続している状態では、第3図柄表示装置81の表示面の右上側に表示領域Dm2が形成され、特別図柄変動が実行されていることを遊技者に報知可能に構成している。即ち、変動演出を実行すること無く、特別図柄変動が実行されていることのみを遊技者に報知可能に構成している。これにより、第1入球口64に球が入球したにも関わらず特別図柄変動が開始されないと遊技者に誤認を与えてしまうことを抑制することができる。さらに、第3図柄表示装置81の表示面にが「デモ演出終了処理中」のコメントが表示される。これにより、特別図柄変動が開始されたことを遊技者に分かりやすく報知することができる。
次に、図278を参照して、発射役物400の動作状況について説明をする。図278(a)は、発射役物400が待機位置(基準)に位置している状態を模式的に示したものであり、図278(b)は、発射役物400が準備動作A状態(準備A)に位置している状態を模式的に示したものであり、図278(c)は、発射役物400が準備動作B状態(準備B)に位置している状態を模式的に示したものである。
まず、図278(a)を参照して基準位置における発射役物400について説明をする。この基準位置に位置している場合は、発射役物400の収納領域raに収納されている粒状部材320を遊技中の遊技者が視認可能となるようにパチンコ機10に組み付け構成されている。
そして、発射役物400の動作シナリオがセットされると、まず、図278(b)に示した準備Aの位置に発射役物400が移動する。この準備Aの位置は、発射役物400の収納領域raに収納されている粒状部材320を遊技中の遊技者が視認困難となるように、アーチ状の底面が下方に移動された位置である。本変形例における発射役物400は、上述した第1実施形態における射出装置(発射役物)400と同一の構成であり、電気的駆動源である駆動モータ400の動作によって、アーチ状の底面が下方へと移動される。
なお、準備Aの位置では、弾性部材に対して抗力が付与されていない状態であるため、例えば、駆動モータ400を逆転駆動させることにより、準備Aの位置から基準位置へと粒状部材320を発射させること無く移動させることが可能である。
発射役物400は、実際に発射動作を実行する場合に、準備動作を行う必要があり、発射動作を実行する場合にのみ準備動作を実行してしまうと、準備動作が実行された時点で発射動作が実行されることを遊技者が容易に把握できてしまうという問題があった。
これに対して、上述した第2制御例では、準備動作のみを実行する演出パターンを設け、準備動作が実行されただけでは、発射動作が実行されるか否かを遊技者に予測出来ないように構成していた。さらに、発射役物400は弾性部材の復元力によって粒状部材320を発射させる仕組みであるため、準備動作が完了した状態、即ち、弾性部材に対して十分な抗力を付した状態まで動作状態が移行してしまうと、発射動作を行うこと無く、基準位置へと発射役物400を移動させることが困難になるという問題があった。
そこで、本変形例では、遊技者に対して準備動作が実行されたことを強調させる準備動作Aを実行可能にし、準備動作Aの完了後に、準備動作B(弾性部材に抗力を付与する動作)を実行するように構成し、準備動作のみを実行する演出パターンが設定された場合には、準備動作Aの完了後に基準位置へと発射役物400を移動させる動作制御が実行されるように構成している。
このように構成することで、準備動作のみを実行する演出パターンが設定された場合には、発射役物400が下方に移動し準備動作が開始されたことを遊技者に把握可能にさせながら、且つ、弾性部材に抗力を付与すること無く準備動作を完了させることができる。
また、基準位置(図278(a)参照)から準備A(図278(b)参照)へと発射役物400を移動させることにより、遊技中の遊技者の視界から粒状部材320が消えるように発射役物400を動作ユニット500(図277参照)に組み付けているため、準備動作が実行されたことを遊技者に対してより分かり易くすることができる。
さらに、詳細な説明は省略するが、駆動源である駆動モータ400mが駆動を開始する際には、駆動源である駆動モータ400mが継続して駆動する場合よりも、大きな振動が発生するように構成している。よって、準備動作が実行された場合には、駆動源である駆動モータ400mから発生する振動によっても遊技者に対して準備動作が実行されたことを把握させることができる。
次に、図278(c)を参照して、準備動作B状態(準備B)に位置する発射役物400について説明をする。図278(b)に示した状態が所定期間(例えば、2秒間)経過すると、駆動源である駆動モータ400mが再度動作し、準備Bの位置へ発射役物400が移動する。この準備Aから準備Bへの移動は、既に遊技者が視認困難な位置に粒状部材320が位置している状態で実行されるため、遊技者に気付かれ難くすることができる。準備Bまで移動すると、発射役物400が有する弾性部材に対して抗力が付与される。そして、この状態で駆動源である駆動モータ400mにより弾性部材への抗力を解除させる動作を実行させると(弾性部材を係止する係止部材(爪)を)、弾性部材の復元力によって粒状部材320が発射される。
なお、本変形例では、発射動作を実行させる演出にて準備Aの状態から準備Bの状態へと移動させるタイミングと、準備動作のみの演出にて準備Aの状態から基準の状態へと移動するタイミングとが同様のタイミングとなるように構成している。これにより、何れの演出が実行された場合にも、同様のタイミングで駆動源である駆動モータ400mが駆動するため、その駆動によって振動が発生したとしても、何れの演出が実行されているのかを遊技者に予測させ難くすることができる。
次に、デモ演出の終了条件が成立するタイミングと、発射役物400の動作状況との関係について説明をする。図278(a)に示した基準状態にてデモ演出の終了条件が成立した場合には、発射役物400の動作状況がデモ演出終了後に実行される変動演出に影響を与えることが無いため、デモ演出の終了条件が成立した直後から通常の変動演出が実行される。
図278(b)に示した準備A状態にてデモ演出の終了条件が成立した場合には、弾性部材に抗力が付与されていない状態であるため、デモ演出に用いられる発射役物400の演出動作を中断し、発射役物400を基準状態へと移動させるまでデモ演出を延長表示(図277(b)参照)し、その後、変動演出が実行される。なお、準備A状態は、弾性部材に抗力が付与されていない状態であるため、準備A状態を維持したまま変動演出を実行するように構成しても良い。この場合、変動演出として最初に実行される発射役物400を用いた演出を実行する場合に、準備A状態に位置している時点からの動作シナリオに基づいて発射役物400の演出動作を実行させれば良い。
図278(c)に示した準備B状態にてデモ演出の終了条件が成立した場合には、弾性部材に抗力が付与されている状態であるため、粒状部材320を発射させること無く発射役物400を基準状態へと移動させることが出来ない。よって、デモ演出の終了条件が成立した時点で、準備B状態を維持したままデモ演出を終了させる必要がある。しかし、この準備B状態は、弾性部材に抗力が付与されている状態であるため、準備B状態を長時間維持すると、弾性部材に対して過剰な抗力が付与されてしまうことで弾性部材の復元力が低下してしまい、発射役物400の故障に繋がる虞があった。
そこで、本変形例では、準備B状態にてデモ演出の終了条件が成立した場合には、変動演出にて強制的に発射役物400を用いた演出を実行させるように構成している。このように構成することで、準備B状態が長時間継続してしまい、発射役物400が故障してしまう事態が発生することを抑制することができる。
次に、本変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理内容のうち、上述した第2制御例と相違する点について説明をする。本変形例では、上述した第2制御例に対して、役物演出管理処理(図242のS2151参照)に代えて役物演出管理処理B(図279のS2191参照)を、演出態様設定処理(図200のS2607参照)に代えて演出態様設定処理B(図280のS2697参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図279を参照して、役物演出管理処理B(S2191)の内容について説明をする。この役物演出管理処理B(S2191)では、発射役物400の動作シナリオが設定されている状態において、中断信号を受信した場合における制御処理を追加した点で上述した第2制御例と相違する。それ以外の処理内容については、上述した役物演出管理処理(図279のS2191参照)と同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図279に示した通り、役物演出管理処理B(S2191)が実行されると、上述した第2制御例の役物演出管理処理(図242のS2151参照)と同一のS3801〜S3804、及びS3807〜S3810の処理を実行する。そして、S3804の処理において、発射役物400の動作シナリオがある(設定されている)と判別した場合は(S3804:Yes)、次に、中断信号を受信したかを判別する(S3891)。S3891の処理では、新たな特別図柄変動が開始されることを示すためのコマンド(変動パターンコマンド)を受信した場合に、中断信号を受信したと判別する。
ここで、本変形例では、上述した第2制御例と同様に特別図柄の変動期間中に実行される変動演出と、特別図柄変動が実行されていない状態である待機期間(デモ期間)中に実行されるデモ演出と、の両方で発射役物400を用いた演出を実行可能(発射役物400の動作シナリオを設定可能)に構成している。また、本変形例では、上述した第2制御例と同様に1の特別図柄(例えば、第1特別図柄)が変動している間に、他の特別図柄(例えば、第2特別図柄)が実行されないように構成している。
即ち、役物演出管理処理B(S2191)において、発射役物の動作シナリオが設定されていると判別された状態(S3804の処理でYesと判別された状態)で、中断信号を受信した(変動パターンコマンドを受信した)と判別される場合は、デモ演出において発射役物400を用いた演出を実行している場合となる。
そして、S3891の処理において、中断信号を受信したと判別した場合は(S3891:Yes)、次に、現在の発射役物400の動作状況が準備A(図278(b)参照)であるかを判別し(S3892)、準備Aであると判別した場合は(S3892:Yes)、中断処理を実行し(S3893)、本処理を終了する。S3893の処理では、デモ演出中に実行される発射役物400を用いた演出を中断させるために、準備Aの位置に位置している発射役物400を、基準の位置(図278(a)参照)へと移動させる処理が実行される。詳細な説明は省略するが、準備Aの位置から基準の位置へと発射役物400を移動させるための動作シナリオは、役物動作テーブル222aa(図236(a)参照)に予め規定されており、中断処理を実行する場合に、役物動作テーブル222aa(図236(a)参照)から対象となる動作シナリオが読み出して実行する。
このように、S3893の処理を実行することにより、デモ演出中に役物400を用いた演出を実行しようと準備動作が実行され、準備Aの位置に発射役物400が位置している状態でデモ演出の終了条件が実行した場合に、早期にデモ演出を終了させることができるため、遊技者に変動演出を楽しませやすくすることができる。
図279に戻り、説明を続ける。S3892の処理において、現在が準備A中では無いと判別した場合は(S3892:No)、次に、現在が準備B(図278(c)参照)であるかを判別し(S3894)、準備Bであると判別した場合は(S3894:Yes)、緊急待機フラグ223Baをオンに設定し(S3895)、設定されている発射役物400に対する動作シナリオをクリアし(S3896)、本処理を終了する。
ここで、緊急待機フラグ223Baは、発射役物400の動作を一時的に停止していることを示すためのフラグであって、発射役物400の動作を一時的に停止している場合にオンに設定されるものであり、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223に格納されているものである。
この緊急待機フラグ223Baの設定状況は、変動演出を実行する場合に参照され、緊急待機フラグ223Baがオンに設定されている場合は、緊急待機フラグ223Baがオンに設定されていない場合よりも、変動演出として発射役物400を用いた演出が実行され易くなるように構成している。
このように構成することで、緊急待機フラグ223Baがオンに設定されている状態、即ち、発射役物400が準備B(図278(c)参照)に位置している状態が長時間継続され難くすることができ、発射役物400が故障を未然に防ぎやすくすることができる。
S3891の処理において、中断信号を受信していないと判別した場合(S3891:No)、或いは、S3894の処理において、準備Bでは無いと判別した場合(S3894)は、上述した第2制御例の役物演出管理処理(図242のS2151参照)と同一のS3805〜S3807(S3897)の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図280を参照して、演出態様設定処理B(S2697)の内容について説明をする。図280は、演出態様設定処理B(S2697)の内容を示したフローチャートである。この演出態様設定処理B(S2697)の内容は、上述した第2制御例の演出態様設定処理(図200のS2607参照)に対して、緊急待機フラグ223Baの設定状況に応じた処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
演出態様設定処理B(S2697)が実行されると、まず、緊急待機フラグ223Baがオンに設定されているかを判別し(S2791)、オンに設定されていると判別した場合は(S2791:Yes)、今回の変動パターンが発射役物400を用いた発射演出を実行可能か判別する(S2792)。このS2792の処理では、今回の変動パターンの変動時間が判別され、変動時間の長さが所定時間以上(30秒以上)である場合に、発射演出可能と判別される。
そして、S2792の処理において発射演出可能と判別された場合には(S2792:Yes)、発射演出を設定し(S2793)、緊急待機フラグ223Baをオフに設定し(S2794)、本処理を終了する。
一方、S2791の処理において、緊急待機フラグ223Baがオンに設定されていないと判別した場合は(S2791:No)、上述した演出態様設定処理(図200のS2607参照)と同一のS2701〜S2707の処理を実行して本処理を終了する。
このように、緊急待機フラグ223Baがオンに設定されている場合は、特別図柄抽選の結果に関わらず、変動時間の長さが所定条件を満たした場合に、発射役物400を用いた演出を実行可能とすることで、緊急待機フラグ223Baがオンに設定されている場合は、緊急待機フラグ223Baがオンに設定されていない場合よりも、変動演出として発射役物400を用いた演出が実行され易くなるように構成している。これにより、準備Bの状態が長時間継続され難くすることができ、発射役物400が故障を未然に防ぎやすくすることができる。
以上、説明をした各制御例に用いた技術を適宜組み合わせても良く、例えば、第1制御例にて用いたボタン演出(図136〜図138参照)における遅れ期間の設定、及び管理をするための制御を、第3制御例と同様に表示制御装置114側で実行するように構成しても良い。
具体的には、音声ランプ制御装置113にて変動演出パターンを設定する際に(表示設定処理(図199のS2115参照)において遅れ演出設定処理(図203のS2805参照)を実行する際に)、上述した第1制御例と同様に音声出力装置226に対する遅れ期間(音声演出に対する遅れ態様)のみ音声ランプ制御装置113にて設定し、表示演出に対する遅れ態様を設定すること無く、ボタン演出が実行されるタイミングと、ボタン演出における操作有効期間(ボタン有効期間)を示す表示用コマンドを設定する。
表示制御装置114では、受信した表示用コマンドに基づいて、ボタン演出の実行タイミングと、そのボタン演出における操作有効期間を抽出し、設定する。そして、ボタン演出における操作有効期間中に枠ボタン22が操作されたことを示す押下コマンドを受信した場合に、表示演出に対して遅れ演出を実行するか否か、及び、遅れ演出を実行する場合における遅れ期間を決定し、決定した内容に応じた遅れ期間を遅延タイマに設定する。
その後、遅延タイマの値が0となった場合に、表示演出を実行する(表示演出に対応する画像データを生成し、生成した画像データに基づいてボタン演出の演出結果を示す表示態様を第3図柄表示装置81の表示面に表示する)。そして、表示演出を実行したことを示す表示完了コマンドを音声ランプ制御装置113へと出力する。
音声ランプ制御装置113は、表示完了コマンドを受信したことにより、今回のボタン演出にて実行されたボタン演出における表示演出の遅れ期間を判別し、その判別結果に基づいて次に実行する演出態様を設定する。
なお、この場合、表示制御装置114側で実行管理される遅れ期間が経過し、表示演出が実行されるまで表示制御装置114から音声ランプ制御装置113へと遅れ演出に関する情報を示すコマンドを出力しないように構成しても良いし、遅れ期間が設定されたこと、即ち、遅延タイマに所定値が設定されたことを示す遅れ発生コマンドを音声ランプ制御装置113へと出力するように構成しても良い。これにより、遅れ期間が経過するよりも前に、遅れ期間が発生することを音声ランプ制御装置113が把握することができるため、遅れ期間に対応させた制御処理を実行することができる。
以上、説明をした通り、上述した第1制御例におけるパチンコ機10は、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22、第1ボタン22za、第2ボタン22zb)を有し、演出実行手段(音声ランプ制御装置113による制御処理)により実行される演出の一部として、操作手段への操作に基づく操作演出を実行可能に構成している。操作演出が実行される場合には、遊技者が操作手段に対して行った操作が有効に判別される操作有効期間が設定され、その操作有効期間内に行われた操作内容に応じて実行中の操作演出の演出態様が可変されるため、遊技者に対して意欲的に遊技を実行させることができる。
なお、上述した第1制御例では、連続して設定される操作有効期間内における操作手段への操作内容(例えば、操作回数)に基づいて演出態様を可変させる操作演出について説明をしたが、これに限ること無く、例えば、操作演出が実行される演出期間内に操作有効期間を複数設定可能に構成しても良く、この場合、第1操作有効期間内に実行された操作手段への操作内容に基づいて演出態様を第1演出態様へと可変可能に構成し、第1操作有効期間よりも後に設定される第2操作有効期間内に実行された操作手段への操作内容に基づいて第1演出態様を第1演出態様とは異なる第2演出態様へと可変可能に構成すれば良い。即ち、操作演出の演出期間内に設定される複数の操作有効期間に跨がって、演出態様が可変されるように操作演出が実行されれば良い。また、複数の特別図柄変動や、複数の大当たり遊技を跨ぐように操作演出の演出期間が設定されるように構成しても良い。
上述した第1制御例では、連打演出において設定された全ての演出態様、即ち、操作手段への操作に基づいて演出態様が最終演出態様へと可変した場合において、それ以降の操作手段への操作内容に応じて、連打演出が実行される所定期間の経過を待たずに、連打演出を終了させることが可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して演出態様が可変することのない連打演出を長時間実行させてしまい、遊技者の遊技意欲、ひいては、操作手段を操作しようとする操作意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、上述した第1制御例では、操作有効期間内に遊技者が操作手段を意欲的に操作した場合に、操作演出の演出態様が可変し易くなるように構成しているが、これに限ること無く、操作手段を操作しないほうが、演出態様が可変し易くなるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して操作有効期間中に操作手段を操作するか否かを選択させる楽しみを提供することができる。
さらに、上述した第1制御例では、操作有効期間内における操作手段への操作内容に基づいて、操作演出結果を1回表示するように構成しているが、これに限ること無く、操作有効期間内に複数回の操作演出結果が表示されるように構成しても良く、例えば、操作有効期間として10秒間の操作有効期間が設定される場合において、所定の操作条件(例えば、操作手段を3回操作した場合に成立する操作条件)が成立した場合に、第1操作演出結果を表示し、第1操作演出結果が表示された後、操作有効期間に残期間が有る場合には、再度、所定の操作条件を成立させることで、第2操作演出結果を表示可能に構成しても良い。また、この場合、複数回表示される操作演出結果の表示内容を可変可能に構成すると良く、具体的には、真の操作演出結果と、疑似操作演出結果と、を設定可能に構成し、何れの操作演出結果を表示させるかを決定する決定手段を設け、操作条件が成立する毎に何れかの操作演出結果を表示するように構成すると良い。このように、1の操作有効期間内に複数回の操作演出結果を表示可能に構成することで、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させることができる。
さらに、この場合、所定の操作条件を操作演出結果が表示される毎に可変させる条件可変手段や、1の操作有効期間内に操作演出結果を表示可能な表示回数を制限する制限手段を設けても良い。加えて、制限手段により制限される回数を、操作演出の演出期間中に実行される操作手段の操作内容に基づいて可変させるように構成しても良く、例えば、操作有効期間中に操作手段を操作すればするほど操作演出結果を表示可能な表示回数が多くなるように構成しても良いし、操作有効期間中に操作手段を操作しないほうが、操作した場合よりも操作演出結果を表示可能な表示回数が多くなるように構成しても良い。また、操作演出の演出期間中に実行される操作手段の操作内容に基づいて、真の操作演出結果が表示される確率を可変させるように構成しても良い。
上述した第2制御例では、射出役物(発射役物)400の異常判別(粒状部材320が収納されたか否かの異常判別)を、特定タイミングで実行する異常判別処理を実行し、異常判別処理の結果に応じて、発射役物400を用いた演出を実行したり、再度異常判別を実行するためのリトライ処理を実行したり、他の演出に切り替える処理を実行したりするように構成していたが、これに限ること無く、例えば、射出役物(発射役物)400を用いた演出を実行した後、射出役物(発射役物)400が正常状態、即ち、粒状部材320が正常に収納された状態になるまでに要する期間の長さに応じて異なる処理を実行するように構成しても良く、例えば、発射役物400を用いた演出が実行されてから4秒以内に粒状部材320が正常に収納されたと判別された場合は、予め定められた演出(例えば、一連役物演出)を継続させ、発射役物400を用いた演出が実行されてから4秒〜5秒の間は、遅延期間を設定し、この遅延期間の間は一連役物演出の実行を遅延可能とし、この遅延期間中に粒状部材320が正常に収納されたと判別された場合は、その直後から、或いは、遅延期間経過後に一連役物演出を再開させ、発射役物400を用いた演出が実行されてから5秒が経過しても(遅延期間が経過しても)粒状部材320が正常に収納されなかった場合には、発射役物400を使用しない演出態様へと一連役物演出の演出内容を変更するように構成しても良い。また、この場合、発射役物400を用いた演出が実行されてから2秒以内に粒状部材320が正常に収納されたと判別した場合は、短縮収納状態を設定し、特定演出を所定期間(発射役物400を用いた演出が実行されてから4秒が経過するまでの期間)、実行するように構成しても良い。
このように構成することで、発射役物400を用いた演出が実行されてから、粒状部材320が正常に収納されるまでの期間の長さに応じて異なる演出を実行することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした第1制御例から第4制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(確変スイッチ65e3)を球が通過することで、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定されるように構成されたパチンコ機10について説明をしたが、このように、遊技者に有利となる特典遊技が実行されている状態で球が特定領域を通過したことに基づいて特典遊技とは異なる特別遊技を遊技者に提供可能な構成として、例えば、特別図柄抽選で大当たり当選とは異なる抽選結果である小当たりに当選した場合に、特典遊技(大当たり遊技)とは異なる第2特典遊技(小当たり遊技)を実行可能にし、その第2特典遊技中に開放動作される可変入球手段(可変入賞装置65でも良いし、それ以外の入賞装置を別途設けても良い)に入球した球が通過し得る特定領域を設け、第2特典遊技中に球が特定領域を通過した場合に、第2特典遊技(小当たり遊技)の終了後に特典遊技(大当たり遊技)を実行可能な構成を用いても良い。
上記各制御例では、主制御装置110において第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄2保留球数カウンタ223bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記各制御例においては、第1入球口64、或いは第2入球口640への入賞は最大4回まで、スルーゲート67の通過は最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数はこれに限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各制御例に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。また、特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の動的表示の表示態様と、普通図柄の抽選結果を示すための装飾図柄の動的表示の表示態様と、を遊技者が識別困難となるように、例えば、表示制御装置114が有する共通の画像データを用いて各表示態様を設定するように構成しても良い。
上述した各制御例では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いても良い。
上述した各制御例では、遊技状態に応じて遊技盤13の狙う領域(遊技領域)を異ならせるように構成しているが、これに限られること無く、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合と、その時短状態よりも遊技者に不利となる遊技状態(通常状態)の場合とで、遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しても良い。また、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。
上述した各制御例では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、枠ボタン22を音声ランプ制御装置113に対して電気的に接続させており、枠ボタン22を、パチンコ機10にて実行される演出の演出態様を、遊技者の操作に基づいて可変させるための演出用操作手段として用いているが、枠ボタン22に対する遊技者の操作に基づいてパチンコ機10で実行される各種演出の演出態様を可変させることができれば良く、例えば、枠ボタン22を表示制御装置114に対して電気的に接続させても良いし、操作手段(枠ボタン22)からの出力信号を入力可能にし、表示制御装置114、音声ランプ制御装置113、音声出力装置226、ランプ表示装置227へと出力可能な演出設定信号を生成可能な制御装置を設けても良い。このように構成することで、演出用操作手段を複数設けた場合であっても、複数の演出用操作手段から出力される出力信号(操作信号)を集中管理することができるため、演出用操作手段への遊技者の操作に対する演出態様を円滑に設定することができる。
本発明を上記各制御例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。また、大当たり抽選に係る確率の組み合わせ(通称、設定と称される)が複数段階設けられ、遊技店側で設定を変更することが可能に構成されているパチンコ機として実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、複数段階の設定が設けられているパチンコ機としては、大当たり確率の組み合わせ(低確率状態における大当たり確率と、確変状態における大当たり確率との組み合わせ)を複数段階(例えば、6段階)のいずれかに設定することが可能なものが代表例として挙げられるが、これに限られるものではない。大当たり確率の組み合わせに代えて、又は加えて、例えば、大当たりとなった場合に決定される各大当たり図柄(各大当たり種別)の割合を、設定に応じて可変させることが可能なパチンコ機として実施してもよい。即ち、設定に応じて遊技者に有利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたり、遊技者に不利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたりしてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド数が多い(例えば、16ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、ラウンド数が少ない(例えば、2ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりすることにより、設定毎の有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、大当たり終了後に多い時短回数(例えば、100回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、少ない時短回数(例えば、0回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。更に、大当たり終了後に有利な遊技状態(例えば、確変状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、不利な遊技状態(例えば、通常状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。また、特定の設定でのみ決定される割合が大幅に高くなる(他の設定ではほぼ決定されることがない)大当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定を1から6の6段階で設定可能に構成しておき、最も有利な設定を設定6とする。そして、設定6では、大当たりとなった場合に2%の割合でラウンド数が6ラウンドの大当たりが決定される一方で、他の設定では0.01%の割合でしか6ラウンドの大当たりが決定されない構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが6ラウンドで終了した時点で、最も有利な設定6である可能性が極めて高くなるので、遊技者に対して大当たりのラウンド数に注目して遊技を行わせることができる。また、これに代えて、又は加えて、例えば、設定6では、大当たり終了後に66回の時短回数が付与される大当たり種別となる割合が他の設定よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が終了する回数に注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、又は加えて、例えば、大当たり遊技の実行中に他の大当たり種別とは異なる作動パターンで大入賞口(若しくは大入賞口の内部の役物等)が作動する大当たり種別を設ける構成とし、当該大当たり種別が特定の設定で決定され易くなる(決定される割合が高くなる)ように構成してもよい。また、大当たりの確率の組み合わせを設定に応じて可変させる場合において、低確率状態では、遊技者に有利な設定であるほど大当たり確率を高くする一方で、確変状態では、遊技者に不利な設定であるほど大当たり確率を高くする構成としてもよい。本構成は、特に、確変状態において、特別図柄の抽選回数が多くなる程持ち球を増加させ易い(発射された遊技球の数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易い)タイプの遊技機において有効である。より具体的には、例えば、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続する構成であり、且つ、確変状態では高確率で小当たりとなるタイプの遊技機に適用することで、高設定の優位性をより高めることができる。即ち、確変状態において大当たりとなる確率が低いと、次に大当たりとなるまでの抽選回数が多くなり易いので、小当たりとなって賞球を獲得する機会も多くなる。よって、確変状態になると、次に大当たりとなるまでの間により多くの賞球を獲得し易くなるので、遊技者にとって有利となる。
さらに、複数段階の設定を設定可能なパチンコ機10においては、設定されている設定値に基づいて、主制御装置110にて変動パターンを選択する際に参照される変動パターン選択テーブル202bの種別を異ならせたり、音声ランプ制御装置113にて第3図柄の変動パターン(変動演出)を選択する際に参照される変動パターン選択テーブル222aの種別を異ならせたり、変動演出として実行される詳細な演出態様を選択する際に参照される各種選択テーブルの種別を異ならせたりするように構成すると良い。このように構成することで、実行される変動演出の内容に応じて、パチンコ機10に設定されている設定値を予測することが可能となるため、遊技者が興味を持つ変動演出を実行することができる。
また、操作演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルを、パチンコ機10に設定されている設定値に基づいて異ならせる場合には、操作演出の演出態様として、設定されている設定値を示唆するための「設定示唆」の演出態様を、各設定値に対して用いられる各データテーブルで選択割合が同一となるように規定しておき、「設定示唆」の演出態様で実行される操作演出の演出内容を、各設定値に応じて異ならせるように構成し、その他の演出態様の選択割合を設定値に応じて可変させるように構成すると良い。このように構成することで、設定値を直接示唆する「設定示唆」の操作演出が実行された場合には、その演出内容を、それ以外の操作演出が実行された場合には、各演出態様の選択割合を、複合的に把握することにより、パチンコ機10に設定されている設定値を予測することが可能となるため、実行される様々な操作演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、上述した通り、操作演出における各演出態様の選択割合は、設定されている遊技状態に応じても異ならせるように構成しているため、例えば、遊技者に不利となる設定「1」から遊技者に有利となる設定「6」までの6段階で設定値を設定可能なパチンコ機10において、設定「1」〜「3」が設定されており、且つ、遊技者に有利な第1遊技状態(確変状態)が設定されている場合に選択される操作演出の選択割合と、設定「4」〜「6」が設定されており、且つ、第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態(時短状態)が設定されている場合に選択される操作演出の選択割合とを同一にすることで、遊技者に不利となる設定値が設定されているパチンコ機10を遊技している遊技者に対しても、遊技者に有利となる設定値が設定されているのではと思わせることができる。
加えて、上述した第1制御例のように、第1遊技状態(確変状態)が設定されている場合と、第2遊技状態(時短状態)が設定されている場合とで、同一の演出モードである「チャンスモード」が設定されることで、遊技者に対して現在設定されている遊技状態を把握させ難くする構成を用いている場合には、上述した効果をより顕著にすることができる。また、上述した第1制御例のように、第1遊技状態が終了した後に第2遊技状態が設定されるパチンコ機10であって、実際に第1遊技状態が設定されていたか否かを判別困難にすることでより顕著に効果を奏することができる。
このように、パチンコ機10に設定されている設定値と、その他の遊技状況(大当たりの抽選結果、設定されている遊技状態、選択された変動パターン(変動時間))とに基づいて演出態様の選択割合を可変させるように構成することで、パチンコ機10に設定されている設定値を遊技者に容易に判別されてしまうことを抑制することができる。
また、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態、および各制御例について、その全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<ランダム性を取り入れた演出>
作用手段と、その作用手段から作用を受けて変位可能に構成される変位手段とを備え、その変位手段の変位態様が複数態様となるよう構成される補助手段を備えることを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機において、液晶表示領域の正面側に変位可能に配置され、モータ等の駆動装置の駆動に伴い変位する変位手段を備える遊技機がある(例えば、特開2016−153095号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段の動作パターンが乏しく、液晶表示領域の正面側における演出が単調になり、遊技者の注目力が徐々に低くなってしまうという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、補助手段が変位手段の変位態様を複数態様にするという補助手段の働きにより、変位手段の変位を複雑にすることができる。これにより、遊技者を飽きさせることを防止でき、遊技者の注目力を高い状態で保つことができる。
なお、補助手段の具体例は何ら限定されるものではない。例えば、変位手段が変位可能な空間を構成する箱状の空間構成手段でも良いし、作用手段とは別の駆動装置により変位し変位手段を押進することで変位手段の変位態様を変える押進手段でも良い。また、押進手段の駆動装置を、作用手段を駆動する駆動装置と兼用しても良い。
遊技機A1において、前記作用手段は、第1作用部で前記変位手段へ作用可能な第1状態と、第2作用部で前記変位手段へ作用可能な第2状態とを構成可能とされることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、作用手段が変位手段に作用する際の部分を異ならせることができるので、作用手段の作用時の動きが同じであっても、変位手段の変位態様を異ならせることができる。
遊技機A1又はA2において、前記作用手段は、前記変位手段に対して当接して負荷を与える当接手段を備え、その当接手段を介して複数種類の態様で負荷発生可能に構成されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、当接手段を介して生じる負荷の態様が複数種類あることにより、変位手段の変位態様を複数種類とすることができる。
遊技機A3において、前記当接手段は、変位可能に構成され、前記変位手段に当接可能に構成される第1当接部と、前記変位手段に当接可能に構成され前記第1当接部とは異なる第2当接部とを備え、前記当接手段の変位方向と前記第1当接部(又は第1当接部の接線)との間の所定方向視での角度は、前記当接手段の変位方向と前記第2当接部(又は第2当接部の接線)との間の前記所定方向視での角度と異なるよう構成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、当接手段の変位方向を変えることなく、変位手段に与えられる負荷の方向を異ならせることができるので、変位手段の変位を複数種類の方向で生じさせることができる。
遊技機A4において、前記当接手段は、前記第1当接部および第2当接部に引いた接線であって互いに平行な接線が、前記当接手段の前記変位方向に対して直交するよう構成されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、当接手段の変位方向に沿う平面に対して平行な方向で変位手段に負荷を与えることができるので、エネルギー損失少なく変位手段を変位させることができる。これにより、変位手段の変位量を大きく確保することができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記作用手段を変位させるための負荷を発生可能に構成される負荷発生手段を備え、その負荷発生手段は、前記変位手段の配置がより密な位置で負荷を発生させるよう構成されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、変位手段に負荷を効率よく伝達することができる。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記作用手段は、姿勢変化を許容する支持態様で支持され、前記姿勢変化は、前記変位手段の前記作用手段に対する配置の均衡を維持し易い側に生じることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかの奏する効果に加え、作用手段の姿勢変化によって、変位手段の配置の均衡を維持することができるので、作用手段の局所に過負荷が生じることを回避することができる。
なお、作用手段の姿勢変化が生じる原因は何ら限定されるものでは無い。例えば、変位手段からの負荷の均衡により生じても良いし、作用手段を姿勢変化させる駆動装置を設けるようにしても良い。変位手段からの負荷の均衡により作用手段の姿勢変化を生じさせる場合は、変位手段との対向部から作用手段の支持位置までの長さを複数種類設けることで、作用手段の姿勢変化のし易さを複数種類で生じさせることができる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記補助手段は、前記変位手段の変位を案内可能に構成される案内手段を備え、その案内手段は、前記変位手段の一の方向への変位を案内可能な第1案内部と、前記変位手段の他の方向への変位を案内可能な第2案内部とを備え、前記第1案内部と前記第2案内部とは、前記変位手段と対向する面の形成態様が異なることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位方向に対応して、変位手段の変位態様を異ならせることができる。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、前記作用手段は、変位可能に構成され、その配置によって前記変位手段の均衡の保ち易さが変化するよう構成され、前記変位手段の均衡を保ち易い位置で前記変位手段に作用可能に構成されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかの奏する効果に加え、作用手段に対する変位手段の均衡を保ち易くすることができる。
遊技機A1からA9のいずれかにおいて、前記変位手段は、一または複数の部材を備え、それらは互いに結合しないよう構成されることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A1からA9のいずれかの奏する効果に加え、変位手段が複数の部材で構成される場合に、複数の部材が結合し固まりになることを防止することができるので、複数の部材が飛散する構成を容易に実現することができる。
遊技機A10において、前記一または複数の部材は、部材中心と異なる位置に重心が配置されることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、作用手段に変位手段が配置される場合の、変位手段の姿勢を安定させることができる。
なお、重心の形成方法は何ら限定されるものでは無い。例えば、部材の密度を部分的に変化させる方法でも良いし、部分的に部材に孔を空ける方法でも良い。
<変位手段の変位する範囲に進退変位する進退手段による変化>
所定の範囲に配置可能に構成される配置手段と、前記範囲に対する進退方向へ変位可能に構成される進退手段とを備え、その進退手段は、前記範囲の所定部に進入することで、前記範囲の幅を変化可能に構成され、その幅の変化態様が複数種類となるように構成されることを特徴とする遊技機B1。
パチンコ機等の遊技機において、左右に変位する第1可動部材と、その第1可動部材の変位に伴って第1可動部材の間に生じた範囲に進入する第2可動部材とを備える遊技機がある(例えば、特開2015−231434号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、範囲に第2可動部材が進入する際の変位態様が一通りしかなく、第2可動部材の変位態様に改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、進退手段が、範囲に進入する場合の範囲の幅の変化態様が複数種類で構成されるので、配置手段の変位態様を複数種類で構成でき、配置手段の変位態様を改良することができる。
なお、配置手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、樹脂材料から形成される粒状の演出部材でも良いし、粉状部材でも良いし、液体でも良いし、遊技球でも良い。
また、進退手段の変位による範囲の幅の変化態様を複数種類で構成する方法は何ら限定されるものではない。例えば、進退手段の進入側部が傾斜面で形成され、範囲に入り込む幅が異なる部分を備えることで範囲の幅が変化するようにしても良いし、進退手段の変位幅を変化させることで範囲の幅を変化可能にしても良い。
遊技機B1において、前記範囲は、前記配置手段の出入りを防止可能に構成される箱状手段の内部に形成され、変化可能に構成され、前記進退手段は、前記範囲の非変化状態において進入する態様で変位可能に構成され、前記箱状手段は、前記進退手段を挿通可能であって、前記配置手段を挿通不能に形成される開放部を備えることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、開放部を通して、範囲に進退手段を進入可能とされる一方、範囲からの配置手段の脱落を防止することができる。
なお、開放部の配置は何ら限定されるものでは無い。例えば、配置手段が到達し難い箇所に配置しても良い。この場合は、配置手段が誤って範囲の外方へ脱落する可能性を更に低くすることができる。また、開放部を配置手段からの負荷が生じにくい箇所(例えば重力方向の逆側としての上側)に配置しても良い。この場合は、配置手段からの負荷が変位中の進退手段に与えられ、進退手段の変位が妨害されたり、進退手段または配置手段に欠損が生じたりすることを回避することができる。
遊技機B1又はB2において、前記進退手段は、前記配置手段と当接する向きに対応して、前記配置手段を案内する方向が異なるように構成されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、同じ進退手段によって配置手段が異なる方向に案内されているように遊技者に見せることができる。これにより、演出の種類を増やすことができるので、配置手段および進退手段を利用した演出の演出効果を向上することができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記進退手段は、前記範囲に進入した状態において、前記範囲の対向面との間の隙間が前記配置手段の幅長さに比較して短くなるよう構成されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、配置手段が進退手段から遠い側に配置される場合であっても、進入した状態において、進退手段を配置手段に作用させることができる。
なお、進退手段と範囲の対向面との間に隙間が無いように構成しても良い。また、一部には隙間があって、他の部分で隙間が無いように構成しても良い。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記進退手段は、所定の軸を中心とした回転変位により前記範囲へ進入するよう構成され、進入側の先端において、前記軸から最も遠い代表先端部が前記範囲との間の隙間が最短となるように構成されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかの奏する効果に加え、軸からの位置ずれが最も大きくなり易い代表先端部が最初に範囲に進入するようにすることで、軸からの位置ずれに早期に対応することができ、その後に続く進入動作の抵抗を低減することができる。
遊技機B5において、前記代表先端部は、所定の張出部を備え、その張出部に対し前記軸方向に沿って遠ざかるほど、前記範囲から退く側に傾斜するよう形成されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、進退手段の進入過程において、配置手段を所定の張出部から遠ざけるように変位させることができる。
遊技機B6において、前記進退手段は、前記軸方向に前記張出部から離れた位置において、前記範囲側が開放される形状から構成されることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、進退手段の形状が、張出部から離れた位置において範囲側が開放される形状とされるので、張出部に押しのけられた配置手段の配置箇所を確保することができる。
なお、範囲側が開放される形状としては、種々の態様が例示される。例えば、進退手段の進入前において範囲側が開放される形状でも良いし、進退手段が進入した状態において範囲側が開放される形状でも良い。
遊技機B5からB7のいずれかにおいて、駆動力を発生可能な駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記進退手段に伝達可能に構成される伝達手段とを備え、前記伝達手段と前記進退手段とは、当接することで駆動力の伝達がされ、前記伝達手段と前記進退手段との当接面の接触面積が変化可能に構成され、その接触面積は、前記進退手段の前記範囲への進入初期に最大となり、その後減少するように構成されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B5からB7のいずれかの奏する効果に加え、進退手段が配置手段と当接開始することで大きな負荷が生じやすい進入初期に接触面積が最大となるように構成することで、接触面の単位面積あたりにかかる負荷を低減することができる。
これにより、進退手段および伝達手段の耐久性を向上することができる。
なお、進退手段の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、遊技領域外において変位する手段でも良いし、遊技領域内に変位する手段でも良い。
<伝達カムで2部材を同期動作させる>
駆動手段と、変位可能に構成され1又は複数の部材から構成される変位手段と、その変位手段へ前記駆動手段の駆動力を伝達可能に構成される伝達手段とを備え、前記伝達手段は、第1の態様で前記変位手段の第1対象部に前記駆動手段の駆動力を伝達可能に構成される第1伝達部と、前記第1の態様とは異なる第2の態様で前記変位手段の第2対象部に前記駆動手段の駆動力を伝達可能に構成される第2伝達部とを備えることを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、変位手段の変位に利用する駆動装置であって、変位手段を昇降変位させるための第1駆動装置と、変位手段を回転変位させるための第2駆動装置とを備える遊技機がある(例えば、特開2016−202210号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段の動作演出を実行させるために、第1駆動装置と第2駆動装置とを同期させて複数の変位手段を変位させたとしても、駆動タイミングがずれる可能性を排除できず、変位手段の変位が不安定になり易いという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、伝達手段に第1伝達部および第2伝達部が配設されており、それぞれ変位手段の第1対象部または第2対象部に駆動力を伝達するよう構成されているので、第1対象部および第2対象部への駆動力の伝達の同期を自動的にとることができ、変位手段の変位を安定させることができる。
なお、駆動力が伝達される時期は何ら限定されるものでは無い。例えば、第1対象部および第2対象部に同時に駆動力が伝達される態様でも良いし、駆動力が伝達される時期を分けても良いし、その組み合わせ(部分的に同時に伝達)でも良い。
また、第1対象部および第2対象部に同時に駆動力を伝達する場合には、駆動力の少なくとも一部の発生方向が重力方向に沿うように配置することが好ましい。これにより、駆動力伝達に自重を利用することができる。
遊技機C1において、前記第1対象部への駆動力伝達と、前記第2対象部への駆動力伝達とは、時期を分けて生じるよう構成されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、駆動抵抗の最大値を低く抑えることで、駆動手段に要求される駆動力を抑えることができる。
なお、ここで駆動力伝達とは、駆動力により伝達手段が変位する進行方向の負荷のことを意味するとしても良いし、進行方向を考慮せずに、駆動力により生じる変位で生じる負荷伝達としても良い。
遊技機C1又はC2において、前記変位手段は、前記第1対象部を有する第1部材と、前記第2対象部を有する第2部材とを備え、前記第1部材の変位軌跡と前記第2部材の変位軌跡とは、部分的に交わるよう構成され、前記第1部材は、所定配置において前記第2部材に当接可能に構成され、その当接した状態において、前記第1部材を介して前記第2部材へ駆動力を伝達可能に構成されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、変位手段へ駆動力が伝達される状態を、複数種類構成することができる。換言すれば、第2部材に伝達手段から直接的に駆動力が伝達される場合と、第1部材を介して間接的に駆動力が伝達される場合とを構成することができる。
遊技機C3において、前記第1部材が前記所定配置へ向けて変位する状態において、前記第2部材は前記第1部材と当接しない位置に退避可能に構成されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、変位中の第1部材が第2部材と当接することを回避することができる。これにより、第2部材と第1部材との当接は、第1部材が所定配置に到着し停止した状態で生じるので、第2部材への駆動力伝達の態様の切り替わりを滑らかに生じさせることを容易にすることができる。
遊技機C3又はC4において、前記第1部材の状態は、前記伝達手段の配置と対応づけられることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C3又はC4の奏する効果に加え、駆動力の伝達態様の切り替えを伝達手段の配置変化で行うことができるので、第1部材および第2部材の変位を安定させることができ、各部材の意図しない衝突または接触を避けることができる。
遊技機C3からC5のいずれかにおいて、前記第2部材を所定方向に付勢可能に構成される付勢手段を備え、前記第2部材への駆動力伝達は、前記付勢力に対抗する方向で行われ、前記第1部材は、前記所定配置において、前記第2部材に対して前記所定方向側に配置されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C3からC5のいずれかの奏する効果に加え、第2部材を第1部材に対して所定方向反対側に配置した状態で、第1部材を所定配置とすることができる。これにより、伝達手段の変位に伴い第2部材を付勢力に対抗して変位させるタイミングと、第2部材を付勢力に抗して留めるタイミングとを形成することができる。
遊技機C6において、前記伝達手段の前記第1伝達部が前記所定方向側へ変位する間に、前記第1部材が前記所定配置へ向けて変位するよう構成されることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、第1部材の変位に必要な負荷の一部を、付勢手段の付勢力により発生させることができる。即ち、付勢力を補助的に利用することができる。
遊技機C3からC7のいずれかにおいて、前記第2伝達部は、前記第2部材と非当接となる非当接状態を形成可能とされ、前記非当接状態において、前記第2部材の変位を前記第2伝達部が妨害しないように前記第2部材が構成されることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C3からC7のいずれかの奏する効果に加え、第2部材の変位状態として、第2伝達部に押される変位状態と、第2伝達部とは離れた変位状態とを構成することができる。
遊技機C3からC8のいずれかにおいて、前記所定配置とされた前記第1部材と前記伝達手段との当接点から、前記所定方向と平行に延びる直線は、前記伝達手段の変位を所定の態様に規制する規制部を通ることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C3からC8のいずれかの奏する効果に加え、第1部材を介して伝達手段へ伝達される付勢力を規制部で遮断することで、駆動手段まで到達することを防止することができる(度合いを下げることができる)。
なお、規制部の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、変位を規制することで変位態様をスライド変位に限定する案内部でも良いし、回転変位に限定する軸支部でも良い。
遊技機C1からC9のいずれかにおいて、前記変位手段の第1対象部は、前記駆動手段の駆動力を受けて変位したり停止したりする第1状態と、前記第2対象部から負荷を受けて変位したり停止したりする第2状態とで状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C1からC9のいずれかの奏する効果に加え、第1対象部の変位態様を複雑化することができる。
<負荷の発生を離れている時に限定することで、負荷伝達を遮断する>
駆動手段と、変位可能に構成される変位手段と、その変位手段へ前記駆動手段の駆動力を伝達可能に構成される伝達手段とを備える遊技機であって、前記変位手段に当接する当接状態と、前記変位手段に非当接な非当接状態とで状態変化可能に構成される第1手段を備え、その第1手段に外部から与えられる負荷を伝達する対象が切替可能に構成されることを特徴とする遊技機D1。
パチンコ機等の遊技機において、駆動手段の駆動力により変位する一の可動体から構成される変位手段が、変位終端位置(上端位置)で他の可動体と当接し負荷を受け得る遊技機がある(例えば、特開2016−028623号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、他の可動体からの負荷が、変位手段を介して駆動手段に伝達される虞があり、制御による駆動手段の状態(例えば、モータの回転角度)と、実際の駆動手段の状態とに差異が生じる可能性があるため、駆動状態を安定させる観点から改善の余地があった。
また、駆動手段に与えられる負荷により、駆動手段の動作抵抗が不安定に増減し、駆動手段の劣化を早める可能性も考えられる。
これに対し、遊技機D1によれば、当接状態における負荷伝達を抑制可能に構成されることから、駆動手段の駆動状態を安定させることができる。また、駆動手段の動作抵抗の不安定な増減を抑制することで、駆動手段の耐久性を向上することができる。
なお、当接状態における負荷伝達の抑制の方法は、何ら限定されるものでは無い。例えば、当接部分において負荷を吸収可能な部材を介在させても良いし、負荷を生じさせる原因となる第1手段の変位(例えば、第1手段が外力を受けること)が、第1手段の非当接状態においてのみ生じるよう構成しても良い。
遊技機D1において、前記変位手段が前記第1手段から受ける負荷と、前記変位手段が前記伝達手段を介して受ける駆動力とが、同じ側を向くことを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、第1手段からの負荷と、駆動力とが反対側を向く場合に比較して、変位手段が受ける負荷を低減することができる。
遊技機D1又はD2において、前記第1手段に衝突可能に配置される配置手段を備え、その配置手段の衝突は、前記伝達手段と、前記変位手段とが非当接の状態で生じるよう構成されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、配置手段の衝突が、伝達手段および変位手段の非当接の状態で生じるので、伝達手段および変位手段の間で負荷伝達を遮断することができる。
なお、配置手段の衝突は、第1手段の当接状態で生じても良いし、非当接状態で生じても良い。配置手段の衝突が非当接状態において生じる場合は、第1手段と変位手段との間の負荷伝達を遮断することができるので、伝達手段の配置(伝達手段と変位手段との当接の有無)に関わらず、駆動手段への負荷伝達を抑制することができる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記伝達手段は、前記変位手段に当接可能に構成される当接部を備え、その当接部は、当接により生じる負荷の方向に撓める(変形できる)程度に柔軟に構成されることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、当接部の撓み(変形)により負荷を吸収することで、変位手段と伝達手段との間の負荷伝達を抑制することができる。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記第1手段および前記変位手段は、当接可能に構成される第2当接部を備え、前記第1手段または前記変位手段の少なくとも一方の前記第2当接部は、衝撃吸収可能な材料から形成されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかの奏する効果に加え、第2当接部により衝撃を吸収できるので、駆動手段への負荷伝達を抑制することができる。
遊技機D1からD5のいずれかにおいて、前記変位手段を付勢する付勢手段を備え、前記変位手段の待機位置は、前記付勢手段の付勢方向変位範囲端部に設定されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D1からD5のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の待機位置(伝達手段からの負荷発生を待機する位置)がずれることを回避することができるので、第1手段と変位手段とが離れる位置まで伝達手段を高速動作する制御の、伝達手段の停止位置(高速回転開始位置)を適切な位置に配置し易い。これにより、駆動手段の制御を容易かつ適切に行うことができる。
また、第1手段および変位手段の配置の自由度を低くすることで、不用意に第1手段と変位手段とが当接することを回避することができる。
遊技機D3からD6のいずれかにおいて、前記第1手段は、前記配置手段の衝突に伴う姿勢変化を許容されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D3からD6のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の姿勢変化に配置手段からの負荷を利用することができるので、駆動手段への負荷伝達を抑制することができる。
遊技機D6又はD7において、前記第1手段と前記変位手段とが当接し、前記伝達手段と前記変位手段とが非当接とされることで前記第1手段が前記付勢手段の付勢力を受ける付勢状態と、前記伝達手段が前記変位手段と当接し、前記付勢手段の付勢力の方向の反対側へ前記変位手段を変位させており、前記付勢手段の付勢力の前記第1手段への伝達が無効とされる無効当接状態と、前記第1手段と前記変位手段とが離れている非当接状態とで状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D6又はD7の奏する効果に加え、第1手段の状態(例えば、配置手段の衝突に対する姿勢変化のし易さの度合い)を複数種類構成することができる。
<正逆回転の一方の回転を条件付きで規制する>
所定位置を含む経路で変位可能に構成される変位手段を備え、その変位手段は、前記所定位置から変位態様の変わる基準点となる基準位置へ変位可能に構成され、その基準位置から、複数種類の態様で前記所定位置へ変位可能に構成されていることを特徴とする遊技機E1。
パチンコ機等の遊技機において、同一の可動役物を複数の演出で異なる動作をするよう制御する遊技機がある(例えば、特開2016−73517号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、異なる動作は、駆動装置の駆動方向の切り替わりの有無と対応しているので、駆動装置の駆動音から演出の種類が判別できてしまい、これから実行される演出について遊技者が予測できてしまうので、遊技者の興趣の向上という観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、判別関与手段により、これから実行される演出を遊技者が判別し難くすることができる。これにより、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
なお、変位手段の変位態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、当確演出と、外れ演出とで変位手段の変位を伴う異なる演出としても良い。この場合、変位手段の所定位置への変位態様が一通りであると、所定位置からの変位が生じる(例えば、駆動音が生じる)ことにより当確か否かが分かってしまう。一方、変位態様を複数通りとすることで、変位が生じた(例えば、駆動音が生じた)としても、当確か否かを分かり難くすることができる。
また、変位の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、経路でも良いし、変位速度でも良いし、変位の速度パターンでも良い。
遊技機E1において、前記変位手段を変位させるための駆動力を発生させる駆動手段と、前記変位手段の変位を規制する規制手段とを備え、その規制手段は、前記駆動手段が駆動力を生じていない状態において、前記変位手段の変位を規制可能に構成されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、変位手段の規制時に駆動手段の駆動音を消すことができるので、その後で再駆動した場合に、その駆動方向が正方向なのか、逆方向なのかを判別し難くすることができる。
また、変位手段の変位を規制した状態で長時間演出(ロングリーチ等)を実行する場合に駆動手段で駆動力を発生し続ける場合と異なり、駆動手段が発熱することを抑制することができる。
遊技機E1又はE2において、前記規制手段は、前記駆動手段の駆動力により変位手段に作用可能な位置へ変位することを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、規制手段を駆動するための駆動手段を別で設ける場合に比較して、駆動手段の配設個数を減らすことができる。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記複数種類の態様の内、どの態様で変位しているかを判別し難くする区間を有するように構成される判別関与手段を備えることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、判別関与手段により、所定区間で変位手段の変位態様の判別がし難いように構成することができるので、所定地点においてのみ変位態様の判別がし難い場合に比較して、変位態様の判別をし難いままでの変位手段の変位継続を行い易くすることができる。
遊技機E4において、前記区間において、前記変位手段の配置を維持可能に構成されることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、変位手段を維持したままで、駆動手段の駆動方向切替を行うことが可能となる。これにより、駆動音から変位手段の変位態様の種類が発覚することを防止することができる。そのため、例えば、当否の報知前に駆動手段を駆動開始させるといった駆動制御が可能となる。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて、前記変位手段の位置を検出可能な検出手段を備え、その検出手段は、前記複数種類の変位態様での変位の内、実行可能な変位の切替を判定する判定手段と兼用されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE5のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の位置検出用のセンサと、変位態様切替判定用のセンサとを兼用することができるので、検出センサの配設個数を低減することができる。
<複数部材の一体感>
第1部材と第2部材とが変位可能に構成される遊技機であって、前記第1部材と前記第2部材とが近接する態様が、前記第1部材と前記第2部材とで異なるように構成されることを特徴とする遊技機F1。
パチンコ機等の遊技機において、変位可能に構成される第1部材および第2部材が、近接した状態を維持したまま昇降変位するよう制御する遊技機がある(例えば、特開2015−231434号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1部材および第2部材の変位は同一直線上で生じているので、近接する速度によっては、第1部材および第2部材が当接後に逆戻りする虞があり、見栄えが悪くなる可能性がある。即ち、変位速度に関わらず、演出態様を維持する観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、第1部材と第2部材との近接する態様を異ならせるようにしている。例えば、第1部材と第2部材との変位態様を同一直線上での近接とせず、別直線上での近接後に方向を変えて互いに近づくようにすることで、第1部材および第2部材の逆戻りを回避し、演出態様を維持し易くすることができる。
遊技機F1において、前記第1部材および前記第2部材の変位は、互いに近接するための第1区間と、互いに当接するための準備区間としての第2区間とに少なくとも分かれ、前記第1部材および前記第2部材は、前記第1区間と前記第2区間とにおける姿勢が異なるように構成されることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、第1部材および第2部材の姿勢を、変位の目的に合わせて変化させることができる。
遊技機F1又はF2において、前記第1部材および前記第2部材の近接配置を維持する側へ向く負荷を発生可能な負荷発生手段を備えることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、負荷発生手段により前記第1部材および第2部材の配置を維持することができる。
なお、負荷発生手段により生じる負荷は一定の方向の負荷や、一定の大きさの負荷に限定されるものでは無い。例えば、状況(例えば、遊技状態)によって受けやすい負荷(例えば、外力を生じる演出態様)が変化する場合には、それに合わせて負荷発生手段により生じる負荷の方向や大きさを変化させても良い。
また、負荷発生手段による負荷は常時生じている必要はない。例えば、上述の状況の変化に合わせて、負荷の発生と、負荷の解消とを切り替えるようにしても良い。なお、負荷発生手段は外部的なものでも良い。
遊技機F3において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方を変位させるよう構成され、その変位により所定状態を構成可能に構成される変位発生手段を備え、前記負荷発生手段は、前記変位発生手段と一体的に構成されることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、負荷発生手段による負荷の発生タイミングと、第1部材および第2部材の配置との関係を適切に維持することができ、ずれたタイミングで負荷が生じることを防止することができる。
また、負荷発生手段の作用と、変位発生手段の作用とを互いに補完し合うことができる。例えば、負荷発生手段の負荷を利用して、変位発生手段で生じさせる第1部材または第2部材の変位を補助することができる。
遊技機F4において、前記所定状態は、前記第1部材の少なくとも一部が前記第2部材と当接する当接状態であることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、第1部材と第2部材との隙間を埋める態様の演出を実行し易くすることができる。
遊技機F4又はF5において、前記負荷発生手段は、前記所定状態において負荷を生じるよう構成されることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F4又はF5の奏する効果に加え、所定状態を除く状態においてまで負荷発生手段の負荷が第1部材および第2部材に影響することを避けることができる。
遊技機F3からF6のいずれかにおいて、前記負荷発生手段は、前記第1部材または前記第2部材に対して、複数箇所で負荷を生じるよう構成されることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F3からF6のいずれかにおいて、負荷発生手段が第1部材または第2部材に対して複数箇所で負荷を生じるので、一方向の変位に対する状態の維持に留まらず、第1部材または第2部材の姿勢変化に対する状態の維持も図ることができる。これにより、第1部材および第2部材が立体的に構成されている場合であっても、配置のずれが目立つことを避けることができる。
遊技機F7において、前記第1部材または前記第2部材は、前記負荷発生手段から負荷を受ける複数の被負荷部を備え、前記複数の被負荷部は、第1被負荷部と、その第1被負荷部よりも前記負荷発生手段に対する変位量が大きい第2被負荷部とを備え、前記負荷発生手段は、前記第2被負荷部よりも先に前記第1被負荷部に負荷を与えるよう構成されることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、負荷発生手段からの負荷を段階的に第1部材または第2部材に与えることができる。また、第1被負荷部と、第2被負荷部とに与えられる負荷の役割を分けることができる。例えば、第1被負荷部を所定位置への配置の役割で、第2被負荷部を姿勢調整の役割で利用することができる。
遊技機F3からF8のいずれかにおいて、前記負荷発生手段は、重力に対向する側へ向く負荷を前記第1部材または第2部材に与える部分が、他の部分に比較して、前記第1部材または前記第2部材に対向する対向面の迎え長さが長く形成されることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F3からF8のいずれかの奏する効果に加え、第1部材または第2部材の自重による垂れ下がりに対応し易くすることができる。一方、他の部分については、第1部材または第2部材に対向する対向面を短く形成できるので、負荷発生手段の設計自由度を向上したり、対向面を隠しやすくしたりすることができる。
遊技機F3からF9のいずれかにおいて、前記第1部材および前記第2部材の組み付けは、前記第1部材および前記第2部材が離れた状態において可能に構成されることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F3からF9のいずれかの奏する効果に加え、組み付け作業で生じる負荷により第1部材または第2部材に割れや欠けが生じることを回避し易くすることができる。即ち、当接状態で組み付け作業をする場合に比較して、第1部材と第2部材との間で負荷伝達が生じることを避け易いので、第1部材および第2部材を欠損無く組み付けることができる。
これにより、第1部材および第2部材に設計通りの当接面を設けることができるので、隙間が生じている場合など、負荷発生手段による負荷により、かえって配置ずれが生じ易くなるという事態を防止することができる。
<変位手段のぐらつき状態を複数種類構成>
変位手段と、その変位手段を変位させる作用手段を備え、その作用手段は、前記変位手段の所定方向への姿勢変化を抑制するよう構成されることを特徴とする遊技機G0。
パチンコ機等の遊技機において、配置変化と回転とで構成される変位を可能に構成される変位手段を備える遊技機がある(例えば、特開2016−116782号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、アーム先端に配設される変位手段を支持する部分は、大径に形成されているものの、変位を確保するために隙間を設ける必要性から変位手段の姿勢変化に対する対策が十分でなく、変位手段の姿勢変化を抑制するという観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機G0によれば、作用手段の構成により、変位手段の姿勢変化を抑制することができる。これにより、変位手段の変位が許容されるスペースが狭い場合であっても、そのスペースを形成する壁部材と変位手段との衝突が生じることを回避し易くすることができる。
なお、変位手段の姿勢変化の方向は、何ら限定されるものでは無い。例えば、横方向(水平方向等)に沿う直線を軸とした傾倒でも良いし、縦方向(鉛直方向等)に沿う直線を軸とした横振りでも良い。
遊技機G0において、前記作用手段は、前記変位手段の配置位置に対応して、前記変位手段の姿勢変化を抑制する作用力を増減可能に構成されることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技機G0の奏する効果に加え、変位手段の配置に対応して、変位手段の姿勢変化の抑制の度合いを変化させることができる。これにより、変位手段の演出の自由度を高く維持しながら、変位手段の配置スペースを狭くすることができる。
例えば、変位手段が往復変位する場合には、変位方向の切換が行われる変位終端において変位手段の姿勢が崩れやすい傾向があるところ、変位終端に変位手段が配置された際に作用力発生位置を増やすことで、変位手段の姿勢の崩れを抑制することができる。
また、例えば、変位手段に搭載されている駆動力で、変位手段自体が拡大縮小変位したり、回転変位したりする場合も、変位手段の姿勢が崩れやすい傾向があるので、その駆動力発生位置において作用力発生位置を増やすことで、変位手段の姿勢の崩れを抑制することができる。
遊技機G0又はG1において、前記作用手段は、前記変位手段の重心を通る水平面上に配置される複数の主支持手段で前記変位手段を支持するよう構成されることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G0又はG1の奏する効果に加え、作用手段が変位手段の重心位置の水平面上の複数の主支持手段で変位手段を支持するので、変位手段の傾倒を防止し易くすることができる。
遊技機G2において、前記作用手段は、前記主支持手段の配置される水平面とは異なる位置で前記変位手段を支持する補助支持手段を備えることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、主支持手段および補助支持手段で、一直線上に配置されてはいない3点以上の支持点で変位手段を支持するので、変位手段の姿勢変化を全方位で抑制することができる。
遊技機G3において、前記補助支持手段は、前記作用手段に対する前記変位手段の変位を案内する案内手段としても機能することを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、補助支持手段を、支持力発生位置としてだけでは無く、変位を案内する位置としての機能を付加することができる。
遊技機G1において、前記変位手段は、所定方向視の面積が増減する態様で変位可能とされ、前記作用手段は、前記変位手段の変位終端位置で、作用力発生位置が最大となるよう構成されることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、変位手段の面積増大演出が最も効果的となる変位終端位置において、複数点で変位手段に対して作用力を発生させることができるので、変位手段の姿勢変化を効果的に抑制することができる。
更に、変位手段の変位中における作用力発生位置を相対的に減らすことにより、変位手段の変位抵抗を減らし変位を滑らかにすることができる。即ち、変位手段の変位中は、その変位に伴う慣性により姿勢維持し易い状況にあるので、作用力発生位置をむやみに増加させると作用力が過剰となり、変位手段の変位抵抗が只々上昇し、駆動装置が大型化するという問題点が想定される。
これに対し、変位終端位置以外の位置では作用力発生位置を減らすように構成することで、変位手段の変位抵抗が過剰となることを避け、駆動装置の大型化を避けることができる。
<プロペラユニットの配線案内>
変位手段と、その変位手段に接続される電気配線と、その電気配線の所定部を変位可能に構成される電気配線変位手段とを備え、その電気配線変位手段は、前記変位手段が前記所定部に近づく側へ変位する場合に、前記変位手段を避ける側に前記所定部を変位可能に構成されることを特徴とする遊技機H1。
パチンコ機等の遊技機において、変位手段に接続される電気配線を、変位手段に連動する長尺部材に添わせ、電気配線の配置を限定する遊技機がある(例えば、特開2012−157474号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段と電気配線との接触を避ける目的から、変位手段が電気配線を超えて変位し続けるよう構成することが困難であり、変位手段の変位終端よりも外方に電気配線を配置するためのスペースが必要となるので、変位手段の配置自由度が低くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機H1によれば、電気配線変位手段により、電気配線の所定部を、変位手段を避ける側に変位可能に構成されているので、変位手段と電気配線との接触を積極的に避けることができるので、変位手段が電気配線を超えて変位するように構成することができる。従って、変位手段の配置自由度を高くすることができる。
なお、変位手段が所定部に近づく場合は、何ら限定されるものでない。例えば、所定部が止まっていたら変位手段と所定部とが接触する危険がある場合でも良いし、所定部と変位手段との間の距離が基準の長さよりも近づく場合としても良い。
遊技機H1において、前記変位手段は、少なくとも第1方向と第2方向とで変位可能に構成され、前記所定部は、前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向に変位可能に構成されることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、第1方向および第2方向により形成される所定平面における変位手段の変位量が電気配線に制限されることを避けることができる。
遊技機H2において、前記第1方向および前記第2方向は、所定の方向視と直交する平面と平行な方向とされることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、所定部の変位する変位方向を所定の方向視に沿う方向とすることができるので、電気配線が変位することで所定の方向視における見え方に生じる影響を小さくすることができる。
遊技機H1からH3のいずれかにおいて、前記所定部に対して前記変位手段の反対側に配置される前記電気配線の第2所定部を停留させる停留手段を備え、前記電気配線変位手段は、前記第2所定部が前記停留手段に対して変位し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H1からH3のいずれかの奏する効果に加え、停留手段に配置される電気配線の第2所定部の耐久性を向上することができる。
なお、第2所定部が停留手段に対して変位し易くなる構成は、何ら限定されるものではない。例えば、停留手段において第2所定部が渦巻き状に配設される場合において、その渦巻きの外周部の接線方向に沿って第2所定部を押し込む態様でも良いし、第2所定部が可動部材に案内される場合において、その可動部材を変位させるよう第2所定部または可動部材を押し込む態様でも良い。
遊技機H4において、前記停留手段は、前記変位手段の前記第1方向の変位終端よりも外方に配置されることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H4の奏する効果に加え、停留手段が変位手段の第1方向の変位終端よりも外方に配置されるので、停留手段を変位手段が変位する平面側に張り出して構成することができる。これにより、停留手段の電気配線の収容量を増やすことができるので、停留手段との離間分を第2所定部で補う変位手段の変位量をより大きくすることができる。
遊技機H1からH5のいずれかにおいて、前記電気配線変位手段は、変位手段と一体に構成され、前記変位手段の配置に対応して、前記電気配線変位手段の配置を変化させる対応変化手段を備えることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H1からH5のいずれかの奏する効果に加え、対応変化手段により、電気配線と変位手段との相対配置を適切に管理することができる。
<電チュー通した球の流路>
遊技領域と、その遊技領域から排出された遊技球を流下させる流下手段とを備え、その流下手段は、前記遊技領域から排出された遊技球を視認可能に構成される区間を備えることを特徴とする遊技機I0。
パチンコ機等の遊技機において、遊技領域を構成するベース板がベニヤ板で構成される遊技機がある(例えば、特開2017−80178号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技領域から排出された遊技球がベース板の背面側へ流れると、ベース板で隠れてしまい、遊技者は遊技球を視認することができない。そのため、遊技者は遊技球を見失う事態が生じ易く、排出タイミングに注目していないと、遊技領域から突然、遊技球が無くなったかのような印象を受ける可能性がある。
また、排出タイミングに注目していたとしても、昨今のパチンコ機では、入賞口とアウト口とが近接配置されている場合が多く、実際はアウト口に入球したのにも関わらず、入賞口に入球したものと見間違える可能性がある。この場合には、賞球の払い出しが無いことに対して不信感を覚える可能性がある。即ち、従来の遊技機では、遊技領域からの遊技球の排出に改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機I0によれば、流下手段が、遊技領域から排出された遊技球を視認可能な区間を備えて構成されるので、遊技者は、その区間を流下する遊技球を目視することで、遊技球が遊技領域からどのように配置されたのかを確認することができる。これにより、遊技領域からの遊技球の排出を改良することができる。
なお、遊技領域からの遊技球の排出は、遊技領域から遊技球が排出される態様の全般を意味する。例えば、賞球口を通り排出される場合でも良いし、賞球の無いアウト口を通り排出される場合でも良い。
遊技機I0において、前記遊技領域を流下した遊技球が通過可能に配置され、遊技球が通過することに基づいて遊技者に所定の利益を付与可能に構成される利益付与手段を備え、前記流下手段は、前記利益付与手段よりも上側において前記利益付与手段へ近づく側へ遊技球を案内可能に構成される第1構成部と、その第1構成部よりも下流側に配設され、前記利益付与手段よりも上側において前記利益付与手段から離れる側へ遊技球を案内可能に構成される第2構成部とを備えることを特徴とする遊技機I1。
遊技機I1によれば、遊技機I0の奏する効果に加え、流下手段を流下する遊技球を視認することで遊技球が遊技領域からどのように排出したかを遊技者が把握可能にすると共に、その遊技球が下側の利益付与手段に近づくことを回避することができる。これにより、既に遊技領域から排出された遊技球と、依然として遊技領域を流下している遊技球とを利益付与手段の付近において明確に見分けることができるので、遊技者が遊技を快適に行うことができるように図ることができる。
なお、所定の利益としては、何ら限定されるものではない。例えば、賞球の払い出しでも良いし、第1図柄や第2図柄等の図柄の抽選でも良いし、その他の利益でも良い。
遊技機I0又はI1において、前記遊技領域の内方に形成される注目手段と、その注目手段の周りに枠状に配設される枠手段とを備え、前記流下手段は、正面視において前記枠手段の内方側へ遊技球を流下させるように構成されることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I0又はI1の奏する効果に加え、流下手段によって、注目手段に注目している遊技者の視界に遊技領域から排出された遊技球を進入させることができる。これにより、遊技者が注目手段に注目している状況においても、遊技球が遊技領域から排出されたことを把握させることができる。
なお、注目手段としては何ら限定されるものでは無く、種々の態様が例示される。例えば、導光板(イルミネーションプレート)でも良いし、図柄が変動表示される液晶表示手段でも良いし、モータなどの駆動手段で変位可能に構成される可動役物でも良いし、LED等の発光手段でも良い。
遊技機I2において、前記流下手段は、前記注目手段の内方側において遊技球を減速させる減速手段を備えることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I2の奏する効果に加え、注目手段に注目している遊技者の視界に遊技球が滞在する期間を長くすることができる。
<盤面意匠部分、導光板周りの工夫>
発光手段を備える所定基板と、所定方向視において前記所定基板の少なくとも一部の手前側に配置される被配置手段と、を備え、前記所定基板は、前記所定方向視で視認される面積が、前記発光手段から照射される光が視認される面積に比較して小さくなるように配置されることを特徴とすることを特徴とする遊技機J0。
パチンコ機等の遊技機において、遊技領域が前面に構成されるベース板の背面側にLED等の発光手段を有する電飾基板が配置され、その電飾基板の板面とベース板の板面とがほぼ平行に配置される遊技機がある(例えば、特開2006−333887号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、正面視において視認される電飾基板の面積が大きいので、電飾基板の正面側に配置される装飾部材にLED光を照射する場合に、その視界に電飾基板が入り込み、装飾部材と電飾基板とが前後で重なっているように視認される可能性がある。
電飾基板の表面には、回路や抵抗等の機能上必要となる構成が配置されているのみであり、通常、意匠性の高いものでは無い。そのため、装飾部材と電飾基板とが前後で重なって視認される場合には、見栄えが悪く、遊技者の興趣を低下させる可能性があった。即ち、従来の遊技機では、所定基板の演出効果に改善の余地があった。
これに対し、遊技機J0によれば、所定方向視で視認される所定基板の面積が、照射される光の面積に比較して小さくなるように所定基板を配置しているので、少なくとも、所定基板と重なることなく光のみを視認可能な領域を構成することができる。これにより、所定基板の演出効果を向上させることができる。
なお、所定基板の配置は、何ら限定されるものでは無い。例えば、部分的に隠されることで、視認される面積が小さくされても良いし、全体が遮蔽されることで視認される面積が無いような態様でも良い。
なお、所定基板に配置される発光手段から照射される光の光軸は、任意に設定可能である。例えば、所定基板の厚さ方向に光軸が向けられるものでも良いし、所定基板の厚さ方向に対して直角な方向に光軸が向けられるものでも良いし、その間の角度で光軸が向けられるものでも良い。
なお配置手段の光透過性は、何ら限定されるものではない。例えば、光透過が良好に構成しても良いし、低透過性に構成しても良いし、光透過性の程度を部分ごとに変化させても良い。
遊技機J0において、前記被配置手段は、前記所定基板の両面側に配置され前記発光手段から照射される光の進行方向を変化させる複数の方向変化手段を備え、前記複数の方向変化手段の間に、その方向変化手段に比較して光透過率が低い低透過手段が配設され、所定方向視において、前記所定基板は、少なくとも一部が前記低透過手段の内側に配置されることを特徴とする遊技機J1。
遊技機J1によれば、遊技機J0の奏する効果に加え、所定基板を低透過手段により隠すことができる。これにより、所定基板が視認される範囲を狭めることができる。
なお、方向変化手段としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、導光板やイルミネーションプレートでも良いし、駆動装置で変位可能に構成される可動役物でも良いし、遊技球が流下する遊技領域や流路でも良いし、固定配置されるケース部材や装飾部材でも良い。
遊技機J1において、前記低透過手段は、所定の模様や図形の形状を構成する形状部の少なくとも一部であることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、低透過手段を所定の模様や図形の形状に紛れさせることができるので、遊技者に違和感を与えることを回避することができる。
なお、所定の模様や図形の形状としては、何ら限定されるものでは無い。例えば、窓枠等の枠形状の骨部でも良いし、タイヤ等の回転体の軸と回転外周部とをつなぐ骨部でも良いし、任意の文字列と模様とで構成され一連の意味内容を表現する意匠(例えば、タイトルロゴ)の一部でも良い。
遊技機J0からJ2のいずれかにおいて、前記所定基板は、前記所定方向に板の端面を向けて配置されることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、所定基板の所定方向視における面積を最小化することができる。
遊技機J3において、所定方向視で視認可能な表示演出を実行する表示手段と、その表示手段の前方に配置される遊技領域とを備え、前記所定基板は、前記表示手段の表示領域と、前記遊技領域との所定方向視における境界に配置されることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、所定基板が境界に配置されることで、遊技領域の背面から光を正面側へ照射し、全体的に光演出を実行する場合と異なり、所定基板から表示領域側のみに光を照射する演出や、遊技領域側のみに光を照射する演出を実行することができる。
遊技機J4において、前記所定基板は、前記遊技領域を前面側に構成する遊技盤に固定配置されることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、所定基板が遊技盤に固定配置されるので、例えば、可動役物等が配設される背面ケースの内側面に固定配置される場合に比較して、発光手段の配置の自由度を向上することができる。
また、発光手段に電気を供給する電気配線を、遊技盤の背面を伝って背面ケースの外方に案内することができるので、遊技盤の窓部から背面ケース側を視認される場合であっても、特別広い視野で見まわさないと遊技盤の背面まで見ることは不可能なので、遊技者に電気配線が見られることを防止し易くすることができる。
更に、背面ケースの中央部に液晶表示装置が配設される場合、所定基板の配置スペースは液晶表示装置の外側に限定されることになるが、遊技盤の背面に所定基板を配置する方法であれば、液晶表示装置の大きさに制限されずに、任意位置で所定基板を配置することができる。従って、所定基板の配置自由度を向上することができる。
<出荷時の役物位置ずれを防止するロック部材>
変位手段と、その変位手段の変位を制限可能に構成される制限手段とを備え、その制限手段は、前記変位手段に作用可能な第1状態と、前記変位手段に作用不能な第2状態とで状態変化可能に構成され、前記第1状態において、変位手段の所定方向の移動を抑制するよう構成されることを特徴とする遊技機K1。
パチンコ機等の遊技機において、待機位置から液晶表示領域の前方に下降変位する可動役物(変位手段)を備える遊技機がある(例えば、特開2015−231434号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段の配置固定および解除の観点で改良の余地があるという問題点があった。
即ち、遊技機は設置された後において正常に動作可能となるように構成されている一方で、出荷時等の遊技機に大きな振動や外力が加わり得る状況に対してまで可動役物の固定が機能するようには構成されていない。
そのため、出荷時に可動役物を固定するための対処として、可動役物が変位する範囲に緩衝材を詰めるなどして可動役物の変位を抑制し、遊技ホールに到着した後で緩衝材を抜き取るという手段をとっていたが、遊技盤の中央の開口部が閉塞された構成の場合、緩衝材を容易に抜き取ることができず、遊技ホールの負担が多大となる可能性がある。
これに対し、遊技機K1によれば、制限手段を状態変化させることで、変位手段の変位に対する制限を解除することができるので、変位手段の配置固定および解除を良好とすることができる。
一方、緩衝材を抜き取る場合と異なり、制限手段を抜き取ってはいないので、遊技中に生じ得る外力によって容易に状態変化が生じるようでは遊技を継続し難い。これに対し、制限手段が第1状態において、意図しない状態変化を抑制するよう構成されることにより、遊技中の不具合の発生を抑制することができる。
遊技機K1において、前記制限手段は、非通電時において、前記第1状態と前記第2状態とで状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、制限手段の状態変化を遊技機の非通電時に生じさせることができるので、制限手段の誤動作の発生を抑制することができる。これにより、停電状態や、停電状態からの復旧作業において、作業者の作業が困難となることを防止することができる。
遊技機K1又はK2において、前記制限手段の操作部を所定方向に付勢する付勢手段を備え、前記制限手段は、前記操作部が基準位置から前記所定方向の反対側へ所定量変位することに伴い状態変化するよう構成され、前記操作部は、前記付勢手段の付勢力により前記基準位置から前記所定方向へ離れるように変位可能とされ、前記第2状態において前記基準位置から前記所定方向へ離れた離間位置に配置されることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K1又はK2の奏する効果に加え、第2状態において操作部が基準位置から離れた離間位置に配置されるので、扉の開閉等、設置後の遊技機に与えられ得る外力によって、制限手段の状態変化に要する所定量の変位が生じることを回避することができ、制限手段が第2状態から状態変化することを防止し易くすることができる。
遊技機K1からK3のいずれかにおいて、前記制限手段の操作部は、変位手段が変位可能な領域を構成する領域構成手段の外方に配置されることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K1からK3のいずれかの奏する効果に加え、操作部が領域構成手段の外方に配置されるので、操作手段の操作に伴い変位手段が変位したとしても、変位手段が作業者に接触することを避けることができる。
遊技機K1からK4のいずれかにおいて、前記制限手段の操作部を所定方向に付勢する付勢手段を備え、前記制限手段は、前記操作部が基準位置から前記所定方向の反対側へ所定量変位することに伴い状態変化するよう構成され、前記制限手段は、前記操作部の前記所定方向の変位を案内する案内手段を備え、その案内手段は、前記所定方向と交差する方向への前記操作部の変位許容幅(姿勢変化幅)を確保するよう構成されることを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K1からK4のいずれかの奏する効果に加え、操作手段の変位が、所定方向と交差する方向へも可能となるように構成されることから、操作部に方向不明の負荷が与えられた場合に、容易に所定方向に変位することを防止することができ、操作部が所定量変位することを防止し易くすることができる。これにより、扉の開閉などで生じる意図しない外力により、制限手段が状態変化することを回避することができる。
遊技機K5において、前記操作部は、前記案内手段と係合可能に構成される係合部を備え、前記付勢手段は、前記操作部の中心に配置され、前記係合部は、前記操作部の中心から離れた位置に配置されることを特徴とする遊技機K6。
遊技機K6によれば、遊技機K5の奏する効果に加え、制限手段の第1状態において、制限手段に方向不明の外力が与えられたとしても、操作部は、係合部を支点とした変位(姿勢変化)をするに留まり、状態変化に要する所定量の変位を生じることを防止することができる。従って、扉の開閉等の外力や、出荷時の振動等により、制限手段が第1状態から第2状態へ状態変化することを防止することができる。
遊技機K6において、前記制限手段は、左右位置側の支持軸で回動可能に構成される前記領域構成手段の背面側に配設され、前記係合部は、前記支持軸の反対側に配置されることを特徴とする遊技機K7。
遊技機K7によれば、遊技機K6の奏する効果に加え、制限手段の係合部を押し込むことで容易に制限手段の状態を変化させることができることから、遊技ホールの店員が、前扉を開放して制御手段を操作する場合の操作を容易にすることができる。即ち、前扉を開放した場合に、開放幅が大きくなる側(支持軸の反対側)に係合部が配置されるので、制限手段の操作位置を、より手前側にすることができる。
遊技機K7において、前記制限手段は、前記領域構成手段の支持軸側に配設されることを特徴とする遊技機K8。
遊技機K8によれば、遊技機K7の奏する効果に加え、制限手段が支持軸側に配設されるので、前扉を開放して作業する作業者が、誤って制限手段に触れることを防止することができる。
加えて、支持軸の反対側に配設される場合に比較して、前扉の開閉時に制限手段に与えられる負荷を小さくすることができるので、前扉の開閉に伴う衝撃で制限手段が状態変化することを防止することができる。
遊技機K1からK8のいずれかにおいて、前記第1状態において、前記変位手段は前記制限手段の変位を案内するよう構成されることを特徴とする遊技機K9。
遊技機K9によれば、遊技機K1からK8のいずれかの奏する効果に加え、制限手段単体の変位の案内精度を落とした状態で、制限手段が変位手段に作用する場合の変位の案内精度は向上することができる。
遊技機K1からK9のいずれかにおいて、前記第1状態で通電した場合に、その通電状態の継続を防止するよう報知する防止報知手段を備えることを特徴とする遊技機K10。
遊技機K10によれば、遊技機K1からK9のいずれかの奏する効果に加え、防止報知手段により、制限手段の状態を第1状態から切り替えるよう報知することができる。
なお、報知の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、エラー表示を液晶表示装置に表示することで報知しても良いし、スピーカーから報知音を出力することで報知しても良いし、所定の照明手段を光らせる(又は消灯状態で維持する)ことで報知しても良い。
<基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100を一例とする発明の概念について>
対象物を収容する収容体を備えた遊技機において、前記対象物に配設され操作可能に形成される操作手段を備え、前記収容体には、前記操作手段に対応する位置に開口が形成されることを特徴とする遊技機L0。
制御基板(対象物)を収容する基板ボックス(収容体)を備えた遊技機が知られている(特開2015−205029)。基板ボックスは、封印されており、制御基板に不正が加えられることが抑制されている。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、制御基板に操作手段が設けられている場合に、その操作手段を操作するためには、基板ボックスを開封する必要がある。そのため、手間がかかるという問題点があった。
遊技機L0によれば、対象物に配設され操作可能に形成される操作手段を備え、収容体には、操作手段に対応する位置に開口が形成されるので、開口を介して操作手段を操作することができる。即ち、操作手段を操作する際に収容体を開封することを不要とできる。
よって、手間を抑制できる。
<基板ボックスA100、A2100(被覆部A270,A2270)を一例とする発明の概念について>
遊技機L0において、前記操作手段は、前記収容体の開口に対面する第1面を備え、前記収容体は、前記操作手段の第1面に対向する対向部を備えることを特徴とする遊技機M1。
遊技機M1によれば、遊技機L0の奏する効果に加え、操作手段は、収容体の開口に対面する第1面を備え、収容体は、操作手段の第1面に対向する対向部を備えるので、開口の面積を対向部により小さくできる分、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M1において、前記操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、前記対向部は、前記操作手段の第1面のうちの前記操作子の変位軌跡を除く範囲の少なくとも一部に対向して配設されることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、対向部は、操作子の第1面のうちの操作子の変位軌跡を除く範囲の少なくとも一部に対向して配設されるので、操作子の操作手段への差し込み及びその差し込んだ操作子の変位が阻害されることを抑制しつつ、開口の面積を対向部により小さくできる分、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M1又はM2において、前記対向部は、基端が固定され一端が自由な状態の板状に形成されることを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M1又はM2の奏する効果に加え、対向部は、基端が固定され一端が自由な状態の板状に形成されるので、形状を簡素化して、成形性を確保できる。その結果、歩留まりを向上させ、製品コストを低減できる。
遊技機M3において、前記対向部には、突部が突設されることを特徴とする遊技機M4。
遊技機M4によれば、遊技機M3の奏する効果に加え、対向部には、突部が突設されるので、対向部の剛性を高め、その破損を抑制できる。
なお、突部は、すじ状に延設される突条として形成されていても良い。
遊技機M4において、前記突部は、前記対向部における前記操作手段の第1面に対向する側の面から突設されることを特徴とする遊技機M5。
遊技機M5によれば、遊技機M4の奏する効果に加え、突部は、対向部における操作手段の第1面に対向する側の面から突設されるので、対向部と操作手段の第1面との間の隙間を小さくして、かかる隙間から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M5において、前記突部は、前記操作手段の第1面に当接されることを特徴とする遊技機M6。
遊技機M6によれば、遊技機M5の奏する効果に加え、突部は、操作手段の第1面に当接されるので、かかる当接箇所では、対向部と操作手段の第1面との間の隙間を無くして、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
また、突部が操作手段の第1面に当接されていることで、操作手段へ操作子を差し込む際に、対向部が操作子により差し込み方向へ押されても、その差し込み方向へ対向部が変形することを抑制できる。よって、対向部の基端側が破損することを抑制できる。
なお、対向部は、基端が固定され一端が自由な状態の板状に形成されるので、対向部の弾性変形を利用して、突部を当接させた状態の形成と、その維持(即ち、密着度を高めて、針金等の異物が挿入されることを抑制)とを達成できる。
遊技機M3からM5のいずれかにおいて、前記突部は、すじ状に延設される突条として形成されることを特徴とする遊技機M7。
遊技機M7によれば、遊技機M3からM5のいずれかの奏する効果に加え、突部は、すじ状に延設される突条として形成されるので、対向部の剛性をより高めることができると共に、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制しやすくできる。
遊技機M1からM7のいずれかにおいて、前記操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、前記対向部は、前記操作手段に差し込まれた前記操作子に縁部が当接可能に形成されることを特徴とする遊技機M8。
ここで、操作手段に差し込まれた操作子が傾倒されると(例えば、作業者が操作子を不用意に横方向へ操作したり、収容体が配設された部材を不用意に開閉させて、他の部材に衝突された操作子が横方向へ押圧されると)、操作手段も傾倒され、操作手段の根本(対象物との連結部分)への負荷が大きくなる。また、操作手段に差し込まれた操作子の変位(例えば、回転)が過大となると、その変位の方向へ操作手段も変位され、操作手段の根本(対象物との連結部分)への負荷が大きくなる。これらの場合、操作手段が対象物から脱落する(例えば、操作手段と対象物とを連結する連結部が折れる)虞がある。
これに対し、遊技機M8によれば、遊技機M1からM7のいずれかの奏する効果に加え、対向部は、操作手段に差し込まれた操作子に縁部が当接可能に形成されるので、操作子(即ち、操作手段が傾倒する際の支点からより遠い位置)を対向部の縁部に当接させて、操作子の傾倒や過大な変位を抑制できる。その結果、操作手段の傾倒や過大な変位を抑制して、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
遊技機M1からM8のいずれかにおいて、前記収容体は、前記操作手段の一端側に被さる被覆部を備えることを特徴とする遊技機M9。
遊技機M9によれば、遊技機M1からM8のいずれかの奏する効果に加え、収容体は、前記操作手段の一端側に被さる被覆部を備えるので、操作手段と被覆部との間の隙間を屈曲させることができる。即ち、開口から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁を形成できる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
ここで、操作手段が、操作子が差し込まれて変位されることで操作されるものである場合、操作手段に差し込まれた操作子が傾倒されると(例えば、作業者が操作子を不用意に横方向へ操作したり、収容体が配設された部材を不用意に開閉させて、他の部材に衝突された操作子が横方向へ押圧されると)、操作手段も傾倒され、操作手段の根本(対象物との連結部分)への負荷が大きくなる。この場合、操作手段が対象物から脱落する(例えば、操作手段と対象物とを連結する連結部が折れる)虞がある。
これに対し、遊技機M9によれば、操作手段の一端側に被覆部が被さっているので、操作手段を被覆部の内面に当接させて、操作手段の傾倒を抑制できる。その結果、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
遊技機M9において、前記操作手段の前記一端側とは反対の基端側における外形が、前記被覆部の内形よりも大きくされることを特徴とする遊技機M10。
遊技機M10によれば、遊技機M9の奏する効果に加え、操作手段の一端側とは反対の基端側における外形が、被覆部の内形よりも大きくされるので、操作手段の基端側と被覆部との間の隙間を屈曲させることができる。即ち、開口から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁を形成できる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M9又はM10において、前記被覆部または前記操作手段の一方は、膨出して形成される膨出部を備え、前記被覆部または前記操作手段の他方は、前記膨出部を受け入れる受入部を備えることを特徴とする遊技機M11。
遊技機M11によれば、遊技機M9又はM10のいずれかの奏する効果に加え、被覆部または操作手段の一方は、膨出して形成される膨出部を備え、被覆部または操作手段の他方は、膨出部を受け入れる受入部を備えるので、膨出部と受入部との間の隙間を屈曲させることができる。即ち、開口から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁を形成できる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M11において、前記膨出部および受入部が周方向に部分的に形成されることを特徴とする遊技機M12。
遊技機M12によれば、遊技機M11の奏する効果に加え、膨出部および受入部が周方向に部分的に形成されるので、膨出部と受入部とを当接させて、操作手段の過大な変位(特に、周方向への変位(回転))を抑制できる。その結果、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
遊技機M1からM12のいずれかにおいて、前記収容体は、その内面から立設され立設先端が前記対象物に当接する立設壁を備えることを特徴とする遊技機M13。
遊技機M13によれば、遊技機M1からM12の奏する効果に加え、収容体は、その内面から立設され立設先端が対象物に当接する立設壁を備えるので、かかる立設壁を、開口から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁として機能させることができる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M13において、前記立設壁は、前記操作手段を取り囲む形態に形成されることを特徴とする遊技機M14。
遊技機M14によれば、遊技機M13の奏する効果に加え、立設壁は、操作手段を取り囲む形態に形成されるので、収容体の内部へ侵入するための経路を遮断することができる。即ち、開口から針金等の異物が挿入されても、それ以上の挿入を規制できる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M13又はM14において、前記対象物は電子部品が搭載される制御基板として形成され、前記制御基板の回路に前記電子部品をハンダにより接続する面が、前記操作手段が配設される側とは反対側の面に設定されることを特徴とする遊技機M15。
遊技機M15によれば、遊技機M13又はM14の奏する効果に加え、対象物は電子部品が搭載される制御基板として形成され、制御基板の回路に電子部品をハンダにより接続する面が、操作手段が配設される側とは反対側の面に設定されるので、立設壁の立設先端を対象物(制御基板)に密着させやすくして、対象物(制御基板)と立設壁との間に隙間が形成されることを抑制できる。よって、立設壁を、開口から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁として確実に機能させ、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M13からM15のいずれかにおいて、前記立設壁は、板状に形成され、立設先端の厚み寸法が小さくされることを特徴とする遊技機M16。
遊技機M16によれば、遊技機M13からM15のいずれかの奏する効果に加え、立設壁は、板状に形成され、立設先端の厚み寸法が小さくされるので、対象物へ当接させた立設先端における面圧を高めて、対象物と立設先端との間から針金等の異物が挿入されることを抑制できる。その結果、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M16において、前記立設壁の立設先端は、前記操作手段側の面にテーパ面が形成されることで、立設先端の厚み寸法が小さくされることを特徴とする遊技機M17。
遊技機M17によれば、遊技機M16の奏する効果に加え、立設壁の立設先端は、操作手段側の面にテーパ面が形成されることで、立設先端の厚み寸法が小さくされるので、成形性の向上を図りつつ、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。即ち、テーパ面とすることで、形状変化を緩やかとして、成形型内での樹脂の流動性を確保できる。一方で、立設壁の立設先端が対象物に当接されると、テーパ面と対象物とにより溝を形成できる。よって、開口から挿入された針金等の異物の先端を、上述した溝に沿って移動(誘導)することができる。即ち、立設壁と対象物との間を通過させ難くできる。
その結果、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M9からM12のいずれかにおいて、前記収容体は、第1領域と、その第1領域よりも前記対象物に近い側に位置する第2領域とから一側の外面が形成され、前記第2領域から前記被覆部が突設されることを特徴とする遊技機M18。
遊技機M18によれば、遊技機M9からM12のいずれかの奏する効果に加え、収容体は、第1領域と、その第1領域よりも対象物に近い側に位置する第2領域とから一側の外面が形成され、第2領域から被覆部が突設されるので、被覆部の突設高さを高くできる。
よって、操作手段に被覆部が被さる領域(針金等の異物の挿入を抑制する領域、及び、操作手段に当接してその操作手段の傾倒や変位を抑制する領域)をより大きくできる。その結果、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることの抑制と、操作手段が対象物から脱落することの抑制とを図ることができる。
遊技機M9からM12のいずれかにおいて、前記被覆部は、前記収容体の外面から突設され、その被覆部の突設先端側に前記開口が形成されることを特徴とする遊技機M19。
遊技機M19によれば、遊技機M9からM12の奏する効果に加え、被覆部は、収容体の外面から突設され、その被覆部の突設先端側に開口が形成されるので、針金等の異物の先端を開口へ到達させ難くできる。
例えば、遮蔽物などにより開口を視認できず、針金等の異物の先端を開口へ直接挿入することが困難な場合、針金等の異物の先端を収容体の外面で摺動させて開口へ到達させる方法が行われる。これに対し、遊技機M19によれば、針金等の異物の先端を収容体の外面で摺動させた場合に、その針金等の異物の先端を被覆部の外面に突き当たらせて、それ以上の進行を止めることができる。即ち、被覆部の外面を、針金等の異物の摺動を規制する壁として機能させることができる。その結果、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
<基板ボックスA100(立設壁A280,A290)を一例とする発明の概念について>
遊技機L0において、前記操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、前記収容体は、前記操作手段または前記操作子の外面に当接可能に形成されることを特徴とする遊技機N1。
ここで、操作手段に差し込まれた操作子が傾倒されると(例えば、作業者が操作子を不用意に横方向へ操作したり、収容体が配設された部材を不用意に開閉させて、他の部材に衝突された操作子が横方向へ押圧されると)、操作手段も変位(対象物に対して傾倒)される。この場合、変位(傾倒)された操作手段が破損する(例えば、操作手段と対象物とを連結する連結部が抜けたり折れる)虞がある。
これに対し、遊技機N1によれば、遊技機L0の奏する効果に加え、収容体は、操作手段または操作子の外面に当接可能に形成されるので、操作手段または操作子を収容体で受け止めて、操作手段の変位を抑制できる。その結果、操作手段の破損を抑制できる。
遊技機N1において、前記収容体は、その内面から立設され立設先端が前記対象物に当接する立設壁を備えることを特徴とする遊技機N2。
ここで、変位(傾倒)された操作手段を収容体が受け止める構成であると、収容体が変形し破損する虞がある。
これに対し、遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、収容体は、その内面から立設され立設先端が対象物に当接する立設壁を備えるので、かかる立設壁が支えとなり、収容体の変形を抑制できる。その結果、収容体の破損を抑制できる。
同時に、立設壁の支えにより収容体の変形が抑制されることで、操作手段の傾倒をより確実に抑制できる。その結果、操作手段の破損も抑制しやすくできる。
遊技機N2において、前記立設壁は、前記操作手段を取り囲む形態に形成されることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N2の奏する効果に加え、立設壁は、操作手段を取り囲む形態に形成されるので、操作手段のいずれの方向への傾倒に対しても、立設壁を支えとして、収容体の変形を抑制できる。よって、収容体の破損を抑制できる。
また、立設壁により収容体の内部へ侵入するための経路を遮断することができる。即ち、開口から針金等の異物が挿入されても、それ以上の挿入を規制できる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機N3において、前記立設壁は、その立設壁が立設される前記収容体の内面とは異なる他の内面に連結されることを特徴とする遊技機N4。
遊技機N4によれば、遊技機N3の奏する効果に加え、立設壁は、その立設壁が立設される収容体の内面とは異なる他の内面に連結されるので、収容体の剛性を利用して、立設壁の剛性を高めることができると共に、内面どうしの連結により、収容体全体の剛性を高めることができる。よって、操作手段が傾倒した際の収容体の変形を抑制する立設壁の支持部(変形抑制手段)としての機能を高めることができる。その結果、収容体の破損を抑制できる。
遊技機N1からN4のいずれかにおいて、前記収容体は、前記操作手段の一端側に被さる被覆部を備えることを特徴とする遊技機N5。
遊技機N5によれば、遊技機N1からN4のいずれかの奏する効果に加え、収容体は、前記操作手段の一端側に被さる被覆部を備えるので、操作手段を被覆部の内面に当接させて、操作手段の傾倒を抑制できる。その結果、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
また、遊技機N5によれば、操作手段の一端側に被覆部が被さっているので、操作手段と被覆部との間の隙間を屈曲させることができる。即ち、開口から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁を形成できる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機N5において、前記被覆部は、前記収容体の外面から突設され、前記収容体は、その外面から突設されすじ状に延設される突条を備え、前記突条の一端が前記被覆部に連結されることを特徴とする遊技機N6。
遊技機N6によれば、遊技機N5の奏する効果に加え、被覆部は、収容体の外面から突設され、収容体は、その外面から突設されすじ状に延設される突条を備え、突条の一端が被覆部に連結されるので、突条をリブとして機能させて、被覆部を突条により支えることができる。よって、操作手段を被覆部の内面に当接させて、操作手段の傾倒を抑制できると共に、その際の被覆部の破損を抑制できる。その結果、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
また、被覆部が収容体の外面から突設されることで、その分、被覆部の突設高さを高くできる。よって、操作手段に被覆部が被さる領域(針金等の異物の挿入を抑制する領域、及び、操作手段に当接してその操作手段の傾倒や変位を抑制する領域)をより大きくできる。その結果、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることの抑制と、操作手段が対象物から脱落することの抑制とを図ることができる。
遊技機N6において、前記収容体は、その外面に形成され所定の情報を表示する表示部を備え、その表示部が前記突条の他端側に隣接されることを特徴とする遊技機N7。
遊技機N7によれば、遊技機N6の奏する効果に加え、収容体は、その外面に形成され所定の情報を表示する表示部を備え、その表示部が突条の他端側に隣接されるので、表示部が表示する所定の情報に対応する位置を指し示すための指示線としての機能を突条に兼用させることができる。よって、その分、製品コストを低減できる。
遊技機N6又はN7において、前記操作手段は、前記収容体の開口に対面する第1面を備え、前記第1面に操作子が差し込まれて変位されることで操作手段が操作され、前記収容体は、前記操作手段の第1面に対向する対向部を備え、前記対向部は、前記操作手段に差し込まれた前記操作子に縁部が当接可能に形成されることを特徴とする遊技機N8。
遊技機N8によれば、遊技機N6又はN7の奏する効果に加え、操作手段は、収容体の開口に対面する第1面を備え、収容体は、操作手段の第1面に対向する対向部を備えるので、開口の面積を対向部により小さくできる分、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
また、対向部は、操作手段に差し込まれた操作子に縁部が当接可能に形成されるので、操作子(即ち、操作手段が傾倒する際の支点からより遠い位置)を対向部の縁部に当接させて、操作子の傾倒や過大な変位を抑制できる。その結果、操作手段の傾倒や過大な変位を抑制して、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
遊技機N8において、前記対向部は、前記操作手段の第1面のうちの前記操作子の変位軌跡を除く範囲の少なくとも一部に対向して配設されることを特徴とする遊技機N9。
遊技機N9によれば、遊技機N8の奏する効果に加え、対向部は、操作子の第1面のうちの操作子の変位軌跡を除く範囲の少なくとも一部に配設されるので、操作子の操作手段への差し込み及びその差し込んだ操作子の変位が阻害されることを抑制しつつ、開口の面積を対向部により小さくできる分、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
また、変位された操作子に当接する対向部の面積を大きくして、操作子の過大な変位(特に、周方向への変位(回転))を抑制しやすくできる。その結果、操作手段の過大な変位を抑制して、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
遊技機N9において、前記操作手段は、前記操作子を第1位置に変位可能に形成され、前記突条の一端が前記被覆部に連結される位置が、前記第1位置に変位された前記操作子と対向部とが当接する位置とされることを特徴とする遊技機N10。
遊技機N9又はN10において、前記操作手段は、前記操作子を前記第1位置と異なる第2位置に変位可能に形成され、前記突条の一端が前記被覆部に連結される位置が、前記第2位置に変位された前記操作子と対向部とが当接する位置とされることを特徴とする遊技機N11。
遊技機N10又はN11によれば、遊技機N9又はN10の奏する効果に加え、操作手段は、操作子を第1位置および第2位置に変位可能に形成され、突条の一端が被覆部に連結される位置が、第1位置または第2位置に変位された前記操作子と対向部とが当接する位置とされるので、第1位置または第2位置へ変位させた操作子が対向部に当接した際に対向部や被覆部が破損することを突条を利用して効果的に抑制できる。
<基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100(操作用壁部A210)を一例とする発明の概念について>
遊技機L0において、前記収容体は、第1領域と、その第1領域よりも前記対象物に近い側に位置する第2領域とから一側の外面が形成され、前記第2領域に前記開口が形成されることを特徴とする遊技機O1。
ここで、開口を介して操作手段を操作できることで、操作手段を操作する際に収容体を開封することを不要とできる。よって、手間を抑制できる。しかしながら、開口から針金等の異物を挿入する不正の行われる虞がある。
これに対し、遊技機O1によれば、収容体は、第1領域と、その第1領域よりも対象物に近い側に位置する第2領域とから一側の外面が形成され、第2領域に開口が形成されるので、収容体の外面から奥まった位置に開口を配置すると共に、第1領域と第2領域とを接続する段差(接続面)を開口の周りに配置することができる。これにより、開口までの距離を遠くすると共に開口の位置を視認させ難くできる。その結果、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。即ち、不正が行われることを抑制できる。
遊技機O1において、前記第1領域と前記第2領域とを接続する接続面のうちの少なくとも一部が前記第1領域から前記第2領域へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機O2。
ここで、収容体(基板ボックス)は、対象物(制御基板)からの放熱を考慮すると、対象物(制御基板)と内面との距離(内部空間)を確保する必要がある。一方で、操作手段から開口が離れすぎると、操作性が悪化する。そこで、第2領域に開口が形成されることで、操作手段の操作性を確保しやすくできると共に、上述したように、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。しかしながら、操作手段を操作する際に第1領域と第2領域との間の段差(接続面)に作業者(操作者)の手が干渉して操作の邪魔になる。そのため、操作手段を操作する際の操作性が悪化する虞がある。
これに対し、遊技機O2によれば、第1領域と前記第2領域とを接続する接続面のうちの少なくとも一部が第1領域から第2領域へ向けて下降傾斜されるので、遊技機O1の奏する効果に加え、下降傾斜の分、第2領域に連なる空間を拡大して、操作手段を操作する際の操作性を向上できる。
遊技機O2において、前記第2領域は、一方向に沿う長さ寸法が一方向に直交する他方向に沿う長さ寸法よりも大きい正面視略矩形の領域として形成され、前記操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、前記操作手段に差し込む又は前記操作手段から引く抜く際の前記操作子の姿勢が前記他方向に沿う姿勢とされることを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O2の奏する効果に加え、第2領域は、一方向に沿う長さ寸法が一方向に直交する他方向に沿う長さ寸法よりも大きい正面視略矩形の領域として形成され、操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、操作手段に差し込む又は操作手段から引く抜く際の操作子の姿勢が他方向に沿う姿勢とされるので、操作子を把持する面を第2領域の長手方向へ向けて、かかる把持する面が対向する側に空間を確保できる。よって、操作子を操作手段に差し込む又は操作手段から引き抜く際に、操作子を把持した手指が収容体と干渉することを抑制できる。その結果、操作手段を操作する際の操作性を向上できる。
遊技機O3において、前記開口は、前記第2領域における長手方向中央よりも一側に配設され、前記第2領域における長手方向一側に位置する前記接続面が前記第1領域から前記第2領域へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機O4。
遊技機O4によれば、遊技機O3の奏する効果に加え、開口は、第2領域における長手方向中央よりも一側に配設され、第2領域における長手方向一側に位置する接続面が第1領域から第2領域へ向けて下降傾斜されるので、操作子を把持して変位させる際に、把持した手指とは異なる手指が収容体に干渉することを抑制できる。例えば、操作子を人差し指と親指で把持し、操作子を変位(例えば、回転)させる際に、接続面の下降傾斜により形成された空間、及び、第2領域における長手方向他側の空間を、小指側を移動させるための空間として確保でき、小指側と収容体との干渉を抑制できる。その結果、操作手段を操作する際の操作性を向上できる。
遊技機O4において、前記第2領域における長手方向他側に前記接続面が形成されることを特徴とする遊技機O5。
遊技機O5によれば、遊技機O4の奏する効果に加え、第2領域のける長手方向他側に前記接続面が形成されるので、かかる長手方向他側における接続面(第1領域)により操作手段を保護することができる。例えば、製造時における他の部材との干渉を抑制して、操作手段の破損を抑制できる。また、開口の位置を視認させ難くして、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
また、第2領域のける長手方向他側に前記接続面が形成されることで、その分、第1領域の面積を拡大できる、即ち、対象物(制御基板)からの放熱に対応するための収容体の内部空間の体積を大きくできる。
遊技機O3からO5のいずれかにおいて、前記第2領域における短手方向一側には前記接続面が形成され、前記第2領域における短手方向他側には前記接続面が非形成とされることを特徴とする遊技機O6。
遊技機O6によれば、遊技機O3からO5のいずれかにおいて、第2領域における短手方向一側には接続面が形成され、第2領域における短手方向他側には接続面が非形成とされるので、第2領域における短手方向他側を開放させることができる。よって、操作子を手指で把持して操作(操作手段への差し込み、操作手段からの引き抜き、又は、操作子の変位(例えば、回転))する際に、把持した手指(例えば、親指と人差し指)とは異なる手指を配置する又は変位させるための空間として、上述した開放された空間を利用することができる。その結果、操作手段を操作する際の操作性を向上できる。
遊技機O3からO6のいずれかにおいて、前記第2領域における長手方向一側に位置する前記接続面が前記第1領域から前記第2領域へ向けて下降傾斜され、他の接続面は前記第1領域および前記第2領域に対して略直交されることを特徴とする遊技機O7。
遊技機O7によれば、遊技機O3からO6のいずれかの奏する効果に加え、第2領域における長手方向一側に位置する接続面が第1領域から第2領域へ向けて下降傾斜され、他の接続面は第1領域および第2領域に対して略直交されるので、接続面を下降傾斜させることによる効果を確保しつつ、対象物(制御基板)からの放熱に対応するための収容体の内部空間の体積を確保できる。即ち、接続面を下降傾斜させることによる収容体の内部空間の体積の減少を最小限とできる。
遊技機O4又はO5において、前記収容体が配設されるベース体と、そのベース体を回転可能に軸支する回転軸とを備え、前記第2領域における長手方向が前記回転軸の軸方向と略直交されると共に短手方向が前記回転軸の軸方向と略平行とされ、前記第2領域における長手方向一側が長手方向他側よりも前記回転軸から遠い側に配置されることを特徴とする遊技機O8。
遊技機O8によれば、遊技機O4又はO5の奏する効果に加え、収容体が配設されるベース体と、そのベース体を回転可能に軸支する回転軸とを備え、第2領域における長手方向が回転軸の軸方向と略直交されると共に短手方向が回転軸の軸方向と略平行とされ、第2領域における長手方向一側が長手方向他側よりも回転軸から遠い側に配置されるので、回転軸を軸としてベース体を回転させて形成された空間において操作手段の操作を行う場合に、接続面の下降傾斜により形成された空間を有効に活用できる。即ち、作業者(操作者)の手を操作手段にアクセスさせるための空間を、接続面の下降傾斜により形成された空間の分、確保できる。その結果、操作手段を操作する際の操作性を向上できる。
<基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100を一例とする発明の概念について>
対象物を収容する収容体を備えた遊技機において、遊技領域に配設される表示装置と、前記対象物に配設され操作可能に形成される操作手段とを備え、前記操作手段の操作に関する情報が前記表示装置に表示可能とされることを特徴とする遊技機P1。
制御基板(対象物)を収容する基板ボックス(収容体)を備えた遊技機が知られている(特開2015−205029)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、制御基板(対象物)に操作手段を配設した場合、その操作手段の操作状態を把握し難いという問題点があった。
遊技機P1によれば、遊技領域に配設される表示装置と、対象物に配設され操作可能に形成される操作手段を備え、操作手段の操作に関する情報が表示装置に表示可能とされるので、表示装置の表示に基づいて操作手段の操作状態を把握しやすくできる。また、表示手段が遊技領域に配設されることで、かかる表示手段を遊技に関する情報を表示する装置として兼用することができ、その分、製品コストを低減できる。
遊技機P1において、前記収容体は、変位可能に形成されることを特徴とする遊技機P2。
遊技機P2によれば、遊技機P1の奏する効果に加え、収容体は、変位可能に形成されるので、表示装置を視認しながら操作手段が操作できる位置に収容体を配置する(変位させる)ことができる。その結果、表示(情報)を確認しながら操作できるので、操作性を向上できると共に、操作間違いを抑制できる。一方、操作手段の操作を行わない状態では、所定の位置(例えば、外部から視認され難い位置)に配置できるので、不正が施されることを抑制できる。
遊技機P2において、前記収容体の前記操作手段が配設される面と前記表示装置の表示面とを同時に視認可能となる位置に前記収容体が変位可能とされることを特徴とする遊技機P3。
遊技機P3によれば、遊技機P2の奏する効果に加え、収容体の操作手段が配設される面と表示装置の表示面とを同時に視認可能となる位置に収容体が変位可能とされるので、表示装置の表示を確認しながら操作手段を操作する作業を行いやすくできる。その結果、操作性の向上と操作間違いの抑制とをより確実に達成できる。
遊技機P3において、前記収容体は回転可能に軸支され、前記操作手段は前記収容体の中央よりも前記軸支される位置から遠い側に配設されることを特徴とする遊技機P4。
遊技機P4によれば、遊技機P3の奏する効果に加え、収容体は回転可能に軸支され、操作手段は収容体の中央よりも軸支される位置から遠い側に配設されるので、収容体の操作手段が配設される面と表示装置の表示面とを同時に視認可能となる位置に収容体を変位(回転)させた状態において、操作手段を遊技機本体の外縁からより遠い位置に配置できる。よって、操作手段を操作する手指が遊技機本体の外縁と干渉することを抑制できる。
その結果、操作性を向上できる。
遊技機P4において、前記操作手段は複数からなり、第1の操作手段と比較して操作頻度の高い第2の操作手段が、前記第1の操作手段よりも前記軸支される位置から遠い側に配設されることを特徴とする遊技機P5。
遊技機P5によれば、遊技機P4の奏する効果に加え、操作手段は複数からなり、第1の操作手段と比較して操作頻度の高い第2の操作手段が、第1の操作手段よりも軸支される位置から遠い側に配設されるので、操作頻度の高い操作手段(第1の操作手段)を遊技機本体の外縁からより遠い位置に配置できる。よって、操作頻度の高い操作手段(第1の操作手段)を操作する際に、手指が遊技機本体の外縁と干渉することを抑制できる。その結果、操作性を向上できる。
<基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100を一例とする発明の概念について>
対象物を収容する収容体を備えた遊技機において、前記対象物に配設され操作可能に形成される操作手段を備え、前記対象物には1又は複数の電気的接続線が接続され、前記電気的接続線の前記対象物との接続状態に応じて前記操作手段の操作可否が変更されることを特徴とする遊技機Q1。
制御基板(対象物)を収容する基板ボックス(収容体)を備えた遊技機が知られている(特開2015−205029)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、制御基板(対象物)に操作手段を配設した場合、その操作手段の操作可否について改良の余地があった。即ち、1又は複数の電気的接続線の対象物への接続状態に関わらず操作を許容すれば、操作手段が不正に操作されやすくなる虞がある一方、1又は複数の電気的接続線の接続状態に関わらず操作を禁止すれば、操作手段の操作に伴う作業の作業性の悪化を招く虞がある。
遊技機Q1によれば、対象物に配設され操作可能に形成される操作手段を備え、対象物には1又は複数の電気的接続線が接続され、電気的接続線の対象物との接続状態に応じて操作手段の操作可否が変更されるので、不正の抑制と作業性の向上とを図ることができる。
遊技機Q1において、前記収容体は、変位可能に形成されることを特徴とする遊技機Q2。
遊技機Q2によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、収容体は、変位可能に形成されるので、操作手段を操作しやすい位置に収容体を配置する(変位させる)ことができる。
その結果、操作性を向上できる。一方、操作手段の操作を行わない状態では、所定の位置(例えば、外部から視認され難い位置)に配置できるので、不正が施されることを抑制できる。この場合、収容体を変位させる際には、少なくとも1の電気的接続線が対象物から解除される(抜かれる)ため、電気的接続線の接続状態に応じて操作手段の操作可否が変更される構成が、不正の抑制と作業性の向上とを図る上で特に有効となる。
遊技機Q1又はQ2において、前記電気的接続線の内の少なくとも所定の電気的接続線が前記対象物に接続されている状態では、前記操作手段の操作が許容されることを特徴とする遊技機Q3。
遊技機Q3によれば、遊技機Q1又はQ2の奏する効果に加え、電気的接続線の内の少なくとも所定の電気的接続線が接続されている状態では、操作手段の操作が許容されるので、不正の抑制と作業性の向上とを図ることができる。即ち、所定の電気的接続線が対象物に接続されていなければ、操作手段の操作が禁止されるので、不正を抑制できる。一方で、所定の電気的接続線の対象物への接続が確保され、不正が抑制できる場合には、その他の電気的接続線が対象物から解除されて(抜かれて)いても、操作手段の操作を許容することで、作業性の向上(汎用性の確保)を図ることができる。
特に、収容体が変位可能に形成される構成においては、収容体を変位させる(即ち、操作しやすい配置する)ために対象物から解除した(抜いた)他の電気的接続線を、収容体を変位させた後に、操作手段の操作を許容させるために、例えば、延長線を対象物と他の電気的接続線との間に介在させて、解除した(抜いた)他の電気的接続線を対象物に再接続するという手間を回避できる。
遊技機Q1又はQ2において、前記電気的接続線の内の少なくとも1の電気的接続線が前記対象物から解除されている状態では、前記操作手段の操作が禁止されることを特徴とする遊技機Q4。
遊技機Q4によれば、遊技機Q1又はQ2の奏する効果に加え、電気的接続線の内の少なくとも1の電気的接続線が対象物から解除されている状態では(即ち、全ての電気的接続線が対象物に接続されていなければ)、操作手段の操作が禁止されるので、不正に操作手段が操作されることを抑制できる。
なお、収容体が変位可能に形成される構成においては、収容体を変位させる(即ち、操作しやすい配置する)ために対象物から解除した(抜いた)他の電気的接続線を、収容体を変位させた後に、例えば、延長線を対象物と他の電気的接続線との間に介在させて、解除した(抜いた)他の電気的接続線を対象物に再接続すれば、操作手段の操作を許容させることができるので、操作手段の操作による作業を可能とできる。
<基板ボックスA3100,A4100を一例とする発明の概念について>
対象物を収容する収容体を備えた遊技機において、前記対象物に配設され操作可能に形成される操作手段とを備え、前記収容体は、変位可能に形成され、遊技時に配設される位置よりも前記操作手段が操作しやすい位置に変位可能とされることを特徴とする遊技機R1。
制御基板(対象物)を収容する基板ボックス(収容体)を備えた遊技機が知られている(特開2015−205029)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、制御基板(対象物)に操作手段を配設した場合、その操作手段の操作性が不十分であるという問題点があった。
遊技機R1によれば、対象物に配設され操作可能に形成される操作手段とを備え、収容体は、変位可能に形成され、遊技時に配設される位置よりも操作手段が操作しやすい位置に変位可能とされるので、操作手段の操作性を向上できる。
遊技機R1において、前記収容体は、回転可能に軸支され、その軸支された部分を回転中心とする回転により変位されることを特徴とする遊技機R2。
遊技機R2によれば、遊技機R1の奏する効果に加え、収容体は、回転可能に軸支され、その軸支された部分を回転中心とする回転により変位されるので、収容体を変位させる構造を簡素化できる。その結果、製品コストを低減できる。
遊技機R1又はR2において、前記収容体は、前記遊技時に配設される位置では、前記操作手段に別部材が対面されることを特徴とする遊技機R3。
遊技機R3によれば、遊技機R1又はR2の奏する効果に加え、収容体は、遊技時に配設される位置では、操作手段に別部材が対面されるので、操作手段が不正に操作されることを抑制できる。
遊技機R3において、前記操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、前記操作子が差し込まれた状態では、前記操作子が前記別部材に当接されることで、前記収容体が前記遊技時に配設される位置まで変位不能とされることを特徴とする遊技機R4。
遊技機R4によれば、遊技機R3の奏する効果に加え、操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、操作子が差し込まれた状態では、操作子が別部材に当接されることで、収容体が遊技時に配設される位置まで変位不能とされるので、操作子の抜き取り忘れを抑制できる。よって、操作子が不正に使用されることを抑制できる。
<特徴AA群>(ボタン連打演出にて演出期間内に最終表示態様が表示されたことを報知)
遊技者が操作可能な操作手段と、有効期間内に前記操作手段が操作されたことに基づいて演出を実行可能な演出実行手段と、前記有効期間を設定可能な有効期間設定手段と、を有する遊技機において、演出実行手段は、前記有効期間内に前記操作手段が操作されたことに基づいて、前記有効期間が少なくとも第1状態となった後に前記演出として第1演出を実行することが可能に構成されており、前記有効期間は、前記演出実行手段により前記第1演出が実行されることが決定されている場合に、前記第1状態になるように可変して設定されるものであることを特徴とする遊技機AA1。
従来より、特別図柄抽選が実行された場合に、所定期間の特別図柄変動期間を介して抽選結果を報知(停止表示)するように構成し、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が停止表示されるまでの期間(特別図柄変動期間)を用いて様々な演出(変動演出)を実行することで遊技者が遊技に早期に飽きないよう工夫を凝らしているものが多々ある。その中で、遊技者に操作手段を複数回操作させることで表示態様を可変させる演出(所謂、連打演出)ものがある。
このように構成された遊技機では、演出の表示態様を遊技者自身の操作によって可変させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
しかしながら、上述した連打演出では、例えば、特別図柄抽選の結果に応じて、連打演出にて表示態様を可変させることが可能な回数(上限回数)が予め設定されるため、連打演出における操作手段への操作が有効に設定される操作有効期間内に遊技者が操作手段を何回操作したとしても、予め設定されている上限回数分可変された表示態様(上限表示態様)が表示されると、それ以上、表示態様を可変させることができず、上限表示態様が表示された時点における操作有効期間の残期間を演出に用いることができないという問題があった。また、一般的に、特別図柄抽選の結果が大当たりであるほうが、外れである場合よりも、連打演出にて表示態様を可変させることが可能な回数(上限回数)が多くなるように構成し、且つ、今回の連打演出にて設定された上限回数を遊技者が把握できないように構成し、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させることで、遊技の興趣を向上させるように構成しているが、この場合、上限表示態様が表示されているにも関わらず、操作有効期間が経過するまで遊技者に操作手段を継続して意欲的に操作させることになり、操作手段を複数回操作したにも関わらず、表示態様が可変しない事態が頻発してしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲を向上させることで、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機AA1によれば、演出実行手段により第1演出が実行されることが決定されている場合に、第1状態となるように有効期間が設定されるため、遊技者に対して第1演出が実行されることが決定するように意欲的に。操作手段を操作させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
また、予め設定されていた有効期間が経過しなくても、第1演出を実行することが可能となるため、演出実行手段により実行される演出が間延びしてしまい演出効果が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機AA1において、前記有効期間内における前記操作手段に対する操作内容を判別可能な操作判別手段を有し、前記演出実行手段は、前記操作判別手段の判別結果が特定の判別結果である場合に、前記第1演出を実行可能であることを特徴とする遊技機AA2。
遊技機AA2によれば、遊技機AA1の奏する効果に加え、操作判別手段の判別結果が特定の判別結果となった場合に、第1演出を実行することが可能となるため、遊技者に対して、特定の判別結果となるように意欲的に操作手段を操作させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AA2において、前記有効期間内における前記操作手段の操作回数を計測可能な操作回数計測手段を有し、前記操作判別手段は、前記操作回数計測手段により計測された前記操作回数が特定操作回数となった場合に、前記特定の判別結果であると判別可能であることを特徴とする遊技機AA3。
遊技機AA3によれば、遊技機AA2の奏する効果に加え、操作手段を操作した回数が特定操作回数となった場合に、操作判別手段により特定の判別結果であると判別されるため、遊技者に対して、いち早く特定操作回数となるように操作手段を操作させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
また、操作手段を意欲的に操作することにより、操作回数が特定操作回数となることで、特定の判別結果であると判別されるため、操作手段を意欲的に操作したにも関わらず、特定の判別結果とならずに操作意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
遊技機AA2またはAA3において、前記演出実行手段は、第1態様と、その第1態様から可変される第2態様とを少なくとも含む演出態様で前記演出を実行可能であり、前記操作判別手段は、前記演出が前記第2態様で実行されてからの前記操作手段に対する操作内容を判別するものであることを特徴とする遊技機AA4。
遊技機AA4によれば、遊技機AA2またはAA3の奏する効果に加え、演出実行手段により実行される演出の演出態様が第2態様へと可変されてからの操作内容に基づいて操作判別手段による判別が実行されるため、演出実行手段により実行される演出が第2態様へと可変することを期待させながら遊技を行わせることができる。よって、演出効果を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AA4において、前記演出実行手段により実行される前記演出の演出態様が前記第2態様であることを示唆可能な示唆手段を有することを特徴とする遊技機AA5。
遊技機AA5によれば、遊技機AA4の奏する効果に加え、第2態様で演出が実行されていることが示唆手段により示唆されるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができるという効果がある。
<特徴AB群>(ランダム表示の表示制御)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段の特定の識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記表示手段に複数の異なる図柄を表示させることが可能な図柄表示手段と、複数の前記図柄を表示させることが可能な複数の表示位置を設定可能な表示位置設定手段と、前記図柄表示手段により前記複数の表示位置に表示させる前記図柄の種別を決定する図柄決定手段と、を有し、前記図柄決定手段は、前記複数の表示位置のうち、所定の表示位置に表示させる図柄の種別を決定し、その決定された図柄の種別に基づいて残りの表示位置に表示させる図柄の種別を決定するものであることを特徴とする遊技機AB1。
従来より、特別図柄抽選が実行された場合に、所定期間の特別図柄変動期間を介して抽選結果を報知(停止表示)するように構成し、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が停止表示されるまでの期間(特別図柄変動期間)を用いて様々な演出(変動演出)を実行することで遊技者が遊技に早期に飽きないよう工夫を凝らしているものが多々ある。その中で、複数種類のアイコンを、第3図柄表示装置81の表示面の複数箇所にてランダムに表示させることで、バリエーションに富んだ演出を実行可能に構成しているものがある。
このような演出を実行可能なパチンコ機10においては、アイコン表示演出の演出態様を遊技者に容易に予測されてしまうことを防ぐために、このアイコン表示演出にて各アイコンが表示される箇所や、表示されるアイコンの種別を異ならせた複数の演出パターンデータを予め用意しておき、特別図柄の抽選結果に応じて、実行させるアイコン表示演出の演出態様を決定するように構成されていた。しかしながら、複数の演出パターンデータを予め用意する手法を用いる場合には、演出パターンの数に応じて予め格納する演出データのデータ量が増加してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、演出データ量の増加を抑制しながら好適な演出を実行可能な遊技機を提供することを目的としている。
遊技機AB1によれば、所定の表示位置に表示させる図柄の種別に基づいて、残りの表示位置に表示させる図柄の種別を決定することができるため、演出データ量の増加を抑制しながら好適な演出を実行可能な遊技機を提供することができるという効果がある。
遊技機AB1において、複数の前記図柄の種別を特定の順序で予め記憶している図柄種別順序記憶手段を有し、前記図柄決定手段は、前記図柄種別順序記憶手段に記憶されている前記特定の順序に基づいて、前記残りの表示位置に表示させる前記図柄の種別を決定するものであることを特徴とする遊技機AB2。
遊技機AB2によれば、遊技機AB1の奏する効果に加え、予め定められている特定の順序に基づいて残りの表示位置に表示される図柄の種別が決定されるため、図柄の種別を決定するための処理を簡素化することができるという効果がある。
遊技機AB2において、前記図柄種別順序記憶手段は、前記特定の順序として、第1順序と、その第1順序とは異なる第2順序と、を少なくとも記憶しているものであることを特徴とする遊技機AB3。
遊技機AB3によれば、遊技機AB2の奏する効果に加え、図柄種別順序記憶手段には複数の順序が予め記憶されているため、図柄決定手段により図柄の種別を決定する際に用いられる順序を異ならせることにより、バリエーションに富んだ演出を実行することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機AB3において、前記第1順序に含まれる前記図柄の種別と、前記第2順序に含まれる前記図柄の種別の少なくとも一部の種別と、を異ならせていることを特徴とする遊技機AB4。
遊技機AB4によれば、第1順序に基づいて図柄の種別を決定する場合と、第2順序に基づいて図柄の種別を決定する場合とで、異なる図柄の種別が決定されるため、バリエーションに富んだ演出を実行することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機AB4において、前記図柄決定手段は、前記判別手段の判別結果が前記特定の識別情報が表示される判別結果である場合に、前記第2順序に基づいて前記図柄の種別を決定可能であることを特徴とする遊技機AB5。
遊技機AB5によれば、遊技機AB4の奏する効果に加え、特典付与手段により特典が付与される判別結果である場合に、第2順序に基づいて図柄の種別が決定可能となるため、第2順序にのみ含まれる図柄の種別が表示されることを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴AC群>(ボタン遅れ演出)
遊技者が操作可能な操作手段と、前記操作手段が操作されたことに基づいて、所定期間を計測可能な計測手段と、その計測手段により計測された期間の長さが第1条件を満たした場合に、演出を実行可能な演出実行手段と、前記第1条件として、複数の異なる条件の中から少なくとも1の条件を設定可能な条件設定手段と、を有することを特徴とする遊技機AC1。
従来より、実行される各演出(表示態様を可変させる表示演出、音声を出力する音声演出)の内容を変えること無く、実行タイミングのみを異ならせることにより、遊技者に違和感を提供させることで演出効果を高める演出(所謂、遅れ演出)を実行する遊技機があった。この遅れ演出は、違和感に気付いた遊技者のみ遅れ演出が実行されたことを把握可能とするものであり、その恩恵として、遊技者に有利な特典(例えば、大当たり当選)が高確率で付与されることを示す演出として近年用いられている。
しかしながら、遊技者が有利な特典が高確率で付与される演出として用いる以上、その発生頻度(実行頻度)は低く、一日中遊技を行ったとしても1回又は2回程度しか実行されることが無いものであった。このように実行頻度が低く、且つ、各演出の内容が変わらない遅れ演出に対して、従来は、各遅れ演出のパターンに対応した演出データ、即ち、枠ボタン22を操作されてから、表示演出が実行されるまでの待機期間に対応する表示画像データを含む表示データ、及び、音声演出が実行されるまでの待機期間に対応する音声を含む音声データを有する遅れ演出専用の演出データを予め用意しておく必要があり、実行頻度に対して、演出データの容量が大きくなってしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、上述した遅れ演出を演出データの容量を増加させること無く実行することを目的としている。
遊技機AC1によれば、条件設定手段により異なる条件を設定することで操作手段が操作されてから演出が実行されるまでの期間を容易に可変させることができるため、バリエーションに富んだ演出を、演出データの容量を増加させること無く実行することができるという効果がある。
遊技機AC1において、前記操作手段が操作されたことに基づいて前記操作手段が操作されたことを示す第1表示態様を前記表示手段に表示させることが可能な第1表示態様表示手段を有し、前記第1表示態様表示手段は、前記演出実行手段により前記演出が実行されるまで少なくとも表示が継続されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機AC2。
遊技機AC2によれば、遊技機AC1の奏する効果に加え、演出が実行されるまでに間隔があっても、第1表示態様が継続して表示されることで、操作手段の操作が遊技機に受け付けられていることを識別することができ、安心して遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機AC1またはAC2において、前記操作手段の操作が有効に設定される有効期間設定手段を有し、前記演出実行手段は、前記有効期間が経過した後にも前記演出を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AC3。
遊技機AC3によれば、遊技機AC1またはAC2の奏する効果に加え、有効期間が経過した後にも演出が実行可能に構成されているので、興趣を向上できるという効果がある。
<特徴AD群>(ゲージ減少制御)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、数情報に対応して可変される演出を実行可能な演出実行手段と、前記数情報を減算または加算する回数を決定する回数決定手段と、その回数決定手段により決定された前記回数に対応して、1回に減算または加算する数情報を回数毎に決定することが可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機AD1。
従来より、特別図柄抽選が実行された場合に、所定期間の特別図柄変動期間を介して抽選結果を報知(停止表示)するように構成し、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が停止表示されるまでの期間(特別図柄変動期間)を用いて様々な演出(変動演出)を実行することで遊技者が遊技に早期に飽きないよう工夫を凝らしているものが多々ある。その中で、所定の数情報を表示し、その数情報を複数回加算または減算した結果に基づいて、抽選結果を示唆する加減示唆演出を実行するものがある。
このような加減示唆演出を実行可能な遊技機においては、加減示唆演出の演出結果によって抽選結果を示唆するために、数情報を加算または減算させる回数を可変させることで所定の抽選結果を表示させるため、加減示唆演出の演出内容がワンパターンとなってしまい、演出効果が低下してしまうという問題があった。また、数情報を加算または減算する毎にその加算量または減算量をランダムに決定してしまうと、演出結果が抽選結果を示唆することが出来ず、無意味な演出を実行することになり演出効果が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、数情報を用いた演出の演出効果を高めることにより遊技の興趣を向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機AD1によれば、数情報を減算または加算する回数を決定した後に、各回において減算または加算される数情報が設定されるため、数情報が可変する回数を変更すること無く、演出結果として適正な数情報を設定することが可能となる。よって、数情報を可変させる演出の演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機AD1において、前記演出実行手段は、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果である場合に、前記数情報の予め定められた下限値または上限値に対応した演出を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AD2。
遊技機AD2によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、数情報の可変結果に応じて判別手段の判別結果を遊技者に予測させることが可能となるため、数情報の可変状況に遊技者を注目させることができる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機AD1またはAD2において、前記設定手段は、1回に減算または加算する数情報のうち、最小の数情報が減算される回数または最小の数情報が加算される回数を決定した後に、減算または加算可能な数情報に基づいて残りの回数に対して減算される数情報または加算される数情報を設定するものであることを特徴とする遊技機AD3。
遊技機AD3によれば、遊技機AD1またはAD2の奏する効果に加え、最小の数情報が減算または加算される回数が先に決定されるので、下限または上限を超えて減算または加算される数情報が設定される不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴AE群>(図柄表示制御)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段の特定の識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は、複数の予め定められた識別記号が付与されており、前記遊技機は、それぞれの前記識別記号に対応させる図柄を決定可能な図柄決定手段と、所定条件が成立したことに基づいて前記図柄決定手段により新たに決定された図柄を対応した前記識別記号に対応させて表示させることが可能な図柄更新手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機AE1。
従来より、特別図柄抽選が実行された場合に、所定期間の特別図柄変動期間を介して抽選結果を報知(停止表示)するように構成し、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が停止表示されるまでの期間(特別図柄変動期間)を用いて様々な演出(変動演出)を実行することで遊技者が遊技に早期に飽きないよう工夫を凝らしているものが多々ある。その中で、特別図柄の抽選結果を示す識別情報(例えば、数字)と、遊技者が識別可能なキャラクタと、を対応付けた装飾図柄を複数用いた変動演出を実行することで演出効果を高めているものがある。
このような変動演出を実行可能な遊技機では、複数のキャラクタが変動表示されるため、単に数字だけが変動表示される演出よりも、演出効果を高めることができるものであったが、キャラクタと識別情報との組合せが固定されているため、継続して遊技を行った場合に、新鮮味が薄れてしまい、演出効果が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者に斬新な演出を提供することにより演出効果を高めた遊技機を提供することを目的としている。
遊技機AE1によれば、図柄決定手段により識別記号に対応させた図柄が決定され、図柄更新手段により新たな図柄が表示されるため、遊技者に意外性のある図柄表示を実行することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機AE1において、前記識別情報は、予め定められた順で前記識別記号に対応した前記図柄を表示させる複数の図柄列で構成され、前記特典付与手段は、予め定められた組み合わせの前記識別記号で前記識別情報が停止表示された場合に、前記特典を付与するものであることを特徴とする遊技機AE2。
遊技機AE2によれば、遊技機AE1の奏する効果に加え、予め定められた識別記号が停止表示された場合に特典が付与されるため、どの識別記号に対応する図柄が表示されているかを判別することで、停止表示し得る識別記号を予測する楽しみを提供することができる。よって、識別情報が停止表示されるまでの期間において、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制し、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AE1またはAE2において、前記識別情報として停止表示された前記図柄の組み合わせが特定の組み合わせである場合に特定演出を実行可能な特定演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機AE3。
遊技機AE3によれば、遊技機AE1またはAE1または2の奏する効果に加え、図柄の組合せに応じて特定演出が実行されるため、遊技者に対して、識別情報として表示される識別記号と、図柄のそれぞれに対して興味を持たせながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴AF群>(疑似外れ確定変動)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記識別情報が動的表示された後、特定の前記判別結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間内で演出を実行可能な演出実行手段と、を有した遊技機において、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段を有し、前記動的表示態様決定手段は、前記判別結果が特定の判別結果である場合と前記特定の判別結果以外である場合とで同じ動的表示期間で構成された特定期間動的表示態様を決定可能に構成され、前記特定期間動的表示態様は、動的表示の実行が開始されるまでに共通した特定演出が実行されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機AF1。
従来より、特別図柄変動を実行する権利(特別図柄抽選の抽選権利)を、所定数(4個)を上限に保留記憶可能な記憶手段を有しているものがある。これにより、特別図柄変動の実行中に特別図柄抽選の抽選権利(特図保留)を獲得した場合であっても、その抽選権利(特図保留)を記憶手段に記憶することができる。よって、特別図柄変動が停止表示された後に、記憶手段に記憶されている抽選権利に基づいた特別図柄抽選を即座に実行することが可能となるため、特別図柄変動を継続して実行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、特別図柄抽選の抽選結果を示すための特別図柄変動の変動時間を、記憶手段に記憶されている抽選権利の数(特図保留数)に応じて異ならせるように構成しているものがある。具体的には、記憶手段に記憶されている抽選権利の数(特図保留数)が0であって、特別図柄抽選の抽選結果が外れである場合において、長い変動時間の外れ変動が実行され易くなるように構成しているものがある。このように構成することで、特別図柄変動が実行されない期間を少なくすることができる、特別図柄変動が実行されない状態が継続してしまい、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
しかしながら、上述した構成を用いた従来型の遊技機によれば、長い変動時間の外れ変動が実行された時点で、実行中の特別図柄変動の抽選結果が外れであることを遊技者が容易に把握できてしまい、特別図柄変動期間中において遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲を向上させることで、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機AF1によれば、近似する期間の動的表示態様が開始されることで、判別結果について遊技者が予測してしまい、判別結果が報知される前に遊技意欲が低下してしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機AF1において、前記動的表示態様決定手段は、前記判別手段の判別結果に基づいて前記動的表示態様を決定する第1状態と、前記判別手段の判別結果に関わらず前記動的表示態様を決定する第2状態とが設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AF2。
遊技機AF2によれば、遊技機AF1の奏する効果に加え、第1状態と第2状態とで動的表示態様の決定方法が切替えられるので、遊技者に動的表示の開始時に判別結果を識別され易くすることを抑制して、識別情報が停止表示されるまで判別結果に興味を持たせて遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機AF2において、前記第2状態が設定されている場合には、決定された前記動的表示態様が実行されている所定タイミングで前記判別結果を判別することにより、動的表示態様の内容が前記判別結果に基づいて可変されるものであることを特徴とする遊技機AF3。
遊技機AF3によれば、遊技機AF2の奏する効果に加え、判別結果に基づく内容に可変されることで、可変されるタイミングを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機AF3において、前記判別手段による判別が実行された時点における残動的表示期間を判別可能な残期間判別手段と、その残期間判別手段による判別結果が可変条件を満たした場合に、前記動的表示態様を可変させる動的表示態様可変手段を有することを特徴とする遊技機AF4。
遊技機AF4によれば、遊技機AF3の奏する効果に加え、残動的表示期間に応じて動的表示態様を可変させることができるため、判別手段が判別を実行するタイミングと、動的表示期間の長さとの両方に興味を持たせて遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機AF1からAF4の何れかにおいて、前記動的表示手段により前記識別情報が動的される動的表示期間として、第1期間と、その第1期間よりも長い第2期間と、を少なくとも設定可能な動的表示期間設定手段を有し、前記動的表示期間設定手段は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果以外である場合に、前記第1期間を設定可能であり、前記動的表示態様決定手段は、前記第1期間の長さに対応させた前記特定期間動的表示態様を決定可能であり、前記演出実行手段は、前記第2期間が設定された前記動的表示に対応させる演出の一部として前記特定期間動的表示態様を含む演出を実行可能であることを特徴とする遊技機AF5。
遊技機AF5によれば、遊技機AF1からAF4の奏する効果に加え、特定期間動的表示態様に対応する動的表示期間よりも長い動的表示期間が設定された場合であっても、特定期間動的表示態様を用いた演出が実行されるため、識別情報が停止表示されるまで判別結果に興味を持たせて遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機AF5において、前記演出実行手段は、前記第2期間が設定された前記動的表示に対応させた演出として、前記前記特定期間動的表示態様を複数回設定した演出を実行可能であることを特徴とする遊技機AF6。
遊技機AF6によれば、遊技機AF5の奏する効果に加え、1の動的表示期間に対して特定期間動的表示態様を複数回実行させることができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴AG群>(液晶側で秒数管理)
演出を実行するための第1制御手段と、その第1制御手段とは異なる第2制御手段と、を有する遊技機において、前記第1制御手段は、前記演出の演出内容を設定可能な第1設定手段と、その第1設定手段により設定された前記演出に基づく第1信号を前記第2制御手段へと出力可能な第1出力手段と、を有し、前記第2制御手段は、前記第1出力手段から出力された前記第1信号に対応して第2演出を実行可能な第2演出実行手段と、その第2演出実行手段により実行される前記第2演出を実行するための期間を計測する計測手段と、その計測手段により特定条件を満たした場合に、第2信号を前記第1制御手段へと出力可能な第2出力手段と、を有し、前記第1制御手段は、前記第2出力手段から出力された前記第2信号に基づいて特定演出を実行可能であることを特徴とする遊技機AG1。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すために、所定期間の演出を実行可能な遊技機がある。このような遊技機では、実行される演出の内容を楽しみながら特別図柄抽選の結果が表示されるまでの所定期間を過ごすことができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるものであった。
さらに、近年の遊技機では、特別図柄抽選の結果を示すための演出として、液晶ディスプレイの他に、装飾用の可動役物を複数用いた演出を実行するものが主流となっており、各演出を一元的に管理する制御装置の処理内容が増加してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、特別図柄抽選の結果を示すための演出を、複数の制御装置を用いて管理することで、特定の制御装置に処理負荷が集中してしまうことを抑制することを目的としている。
遊技機AG1によれば、第1制御手段が第2演出の実行に必要な期間を計測する必要がなくなり、第1制御手段の制御負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機AG1において、前記計測手段は、前記第2演出の終了タイミングを計測可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AG2。
遊技機AG2によれば、遊技機AG1の奏する効果に加え、第2演出の終了タイミングが計測手段により計測されるので、第1制御手段で終了タイミングを管理する制御が不要となり、第1制御手段による制御負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機AG1またはAG2において、前記第2制御手段は、可変条件が成立した場合に前記第2演出の演出態様を可変可能な態様可変手段を有し、前記第2出力手段は、前記第2計測手段により計測された前記演出期間が終了条件を満たした場合に、前記第2演出実行手段により実行された前記第2演出の演出態様の少なくとも一部を示すための情報コマンドも前記第1制御手段へと出力可能であり、前記第1制御手段は、前記第2出力手段から出力された前記情報コマンドに基づいて前記第2演出の後に実行される特定演出の演出態様を決定可能な演出態様決定手段を有するものであることを特徴とする遊技機AG3。
遊技機AG3によれば、遊技機AG1またはAG2の奏する効果に加え、第2制御手段により可変された第2演出の演出態様を第1制御手段にて判別可能となり、その判別結果に基づいて特定演出の演出態様が可変される。これにより、演出効果を高めることができる。
<特徴AH群>(ボタン押下による役物遅れ制御)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により前記演出が実行される実行タイミングを可変して決定することが可能な決定手段と、を有することを特徴とする遊技機AH1。
従来より、実行される各演出(表示態様を可変させる表示演出、音声を出力する音声演出)の内容を変えること無く、実行タイミングのみを異ならせることにより、遊技者に違和感を提供させることで演出効果を高める演出(所謂、遅れ演出)を実行する遊技機があった。この遅れ演出は、違和感に気付いた遊技者のみ遅れ演出が実行されたことを把握可能とするものであり、その恩恵として、遊技者に有利な特典(例えば、大当たり当選)が高確率で付与されることを示す演出として近年用いられている。
しかしながら、遊技者が有利な特典が高確率で付与される演出として用いる以上、その発生頻度(実行頻度)は低く、一日中遊技を行ったとしても1回又は2回程度しか実行されることが無いものであった。このように実行頻度が低く、且つ、各演出の内容が変わらない遅れ演出に対して、従来は、各遅れ演出のパターンに対応した演出データ、即ち、枠ボタン22を操作されてから、表示演出が実行されるまでの待機期間に対応する表示画像データを含む表示データ、及び、音声演出が実行されるまでの待機期間に対応する音声を含む音声データを有する遅れ演出専用の演出データを予め用意しておく必要があり、実行頻度に対して、演出データの容量が大きくなってしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、上述した遅れ演出を演出データの容量を増加させること無く実行することを目的としている。
遊技機AH1によれば、演出の実行タイミングが決定手段により可変して決定されるので、演出の実行タイミングの違いに対応して演出データを予め複数設定しておく必要がなく、データ容量が増大する不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機AH1において、前記演出として可動されることが可能に構成された可動手段と、前記可動手段は、前記演出実行手段により所定の可動パターンで可動されることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AH2。
遊技機AH2によれば、可動手段が可動されることにより遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機AH1またはAH2において、前記操作手段が操作されてから前記演出の実行が開始されるまでの期間で報知態様を実行可能な報知態様実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機AH3。
遊技機AH3によれば、遊技機AH1またはAH2の奏する効果に加え、演出の実行開始までの期間で報知態様が実行されるので、遊技者が操作手段の操作が有効であることを認識でき、分かり易い遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機AH1からAH3のいずれかにおいて、前記操作手段が操作されたことに基づいて計時を開始可能な計時手段を有し、前記決定手段は、前記計時手段の計時データに基づいて演出の実行タイミングを判別するものであることを特徴とする遊技機AH4。
遊技機AH4によれば、遊技機AH1からAH3のいずれか奏する効果に加え、計時手段により操作手段が操作されてから経過した期間を計時することが可能となるので、操作手段が操作された期間に合わせて演出の実行タイミングを設定でき、遊技者に操作手段が操作されてから実行開始までの期間の長さについて興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機AH4において、前記演出実行手段は、前記演出の実行を指示する信号を出力可能な出力手段と、その出力手段からの信号に基づいて演出の実行を設定する設定手段と、で少なくとも構成され、前記出力手段は、前記計時手段の計時データが前記決定手段により決定された内容に対応した値となったことに基づいて前記信号を出力するものであることを特徴とする遊技機AH5。
遊技機AH5によれば、遊技機AH4の奏する効果に加え、計時データが対応した値となるまで信号が出力されないので、演出の実行開始を信号を受信したタイミングで実行すれば、決定手段により決定されたタイミングで容易に実行することが可能となり、遊技の制御を容易に行うことができるという効果がある。
<特徴AI群>(クラッシュ制御)
判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段が前記演出を実行するために必要な第1設定とその第1設定が実行された後に実行される第2設定と少なくとも実行可能な設定実行手段と、を有し、前記第1設定は、前記第2設定の実行が開始される前である場合には解除可能であり、設定実行手段は、前記演出の実行がされない場合にも前記設定実行手段により前記第1設定を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AI1。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すために、所定期間の演出を実行可能な遊技機がある。このような遊技機では、実行される演出の内容を楽しみながら特別図柄抽選の結果が表示されるまでの所定期間を過ごすことができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるものであった。
さらに、近年の遊技機では、特別図柄抽選の結果を示すための演出として、液晶ディスプレイの他に、装飾用の可動役物を複数用いた演出を実行するものが主流となっており、装飾用の可動役物を用いることで、遊技者に対して迫力のある演出を提供することができ、演出効果を高めることができるものであった。
しかしながら、可動役物が故障してしまうことを抑制するために、上述した可動役物を用いた演出の実行タイミングにおいて、可動役物が実行位置に位置していない場合には、その可動役物を用いた演出の実行を禁止するように構成しているため、可動役物を用いた演出の実行頻度が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、可動役物を用いた演出を好適に実行することで、演出効果を高めることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機AI1によれば、演出が実行されない場合にも第1設定が実行されるので、演出を実行するための準備を早期に完了させておくことが可能となり演出を短期間で実行することができるという効果がある。
遊技機AI1において、前記第1設定が実行されたことが識別可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AI2。
遊技機AI2によれば、遊技機AI1の奏する効果に加え、第1設定が実行されることで演出が実行されない場合にも演出の実行を期待させることが可能となる興趣を向上できるという効果がある。
遊技機AI1またはAI2において、前記演出の少なくとも一部として可動されることが可能な可動手段を有し、前記第1設定は、前記可動手段を可動させるための駆動部が駆動されるものであることを特徴とする遊技機AI3。
遊技機AI3によれば、遊技機AI1またはAI2に奏する効果に加え、駆動部が駆動されることで可動手段を可動させる構成でありながら、第1設定について可動手段が可動されない場合にも実行されるので、第1設定により可動手段が可動することを早期に判別される不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴AJ群>(大集合)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別図柄が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別図柄を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記識別図柄が動的表示された後、特定の前記判別結果を示すための前記識別図柄が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、その特典付与手段により付与される特典種別を決定することが可能な特典種別決定手段と、を有した遊技機において、前記動的表示手段は、複数の前記識別図柄により構成された図柄列を動的表示させるものであり、前記遊技機は、前記複数の識別図柄よりも多い種別の識別表示態様が記憶された記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記識別表示態様の中から、前記識別図柄のそれぞれに対して異なる識別表示態様が表示されるように決定することが可能な決定手段と、特定条件が成立している場合に、前記特定の判別結果を示すための前記識別図柄とは異なる前記識別表示態様が表示された前記識別図柄を停止表示させ、その停止表示された前記識別表示態様に対応した演出を実行可能な演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機AJ1。
従来より、特別図柄抽選が実行された場合に、所定期間の特別図柄変動期間を介して抽選結果を報知(停止表示)するように構成し、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が停止表示されるまでの期間(特別図柄変動期間)を用いて様々な演出(変動演出)を実行することで遊技者が遊技に早期に飽きないよう工夫を凝らしているものが多々ある。その中で、特別図柄の抽選結果を示す識別情報(例えば、数字)と、遊技者が識別可能なキャラクタと、を対応付けた装飾図柄を複数用いた変動演出を実行することで演出効果を高めているものがある。
このような変動演出を実行可能な遊技機では、複数のキャラクタが変動表示されるため、単に数字だけが変動表示される演出よりも、演出効果を高めることができるものであったが、キャラクタと識別情報との組合せが固定されているため、継続して遊技を行った場合に、新鮮味が薄れてしまい、演出効果が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者に斬新な演出を提供することにより演出効果を高めた遊技機を提供することを目的としている。
遊技機J1によれば、決定手段により決定される識別表示態様によって、特定条件が成立した場合に実行される演出が可変されるので、遊技者に識別図柄に表示される識別表示態様について興味を持たせることで、特定の判別結果を示す識別図柄が表示されなくとも、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機AJ1において、前記演出実行手段は、前記特定条件が成立している場合に、前記識別表示態様が表示された前記識別図柄を複数回、停止表示させた後に再動的表示することが可能に構成され、前記決定手段は、前記演出実行手段により前記識別図柄が前記再動的表示される場合に、前記識別図柄に表示される前記識別表示態様の種別を更新することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AJ2。
遊技機AJ2によれば、遊技機AJ1の奏する効果に加え、再動的表示される場合に識別表示態様が更新されるので、多種の識別表示態様が停止表示されることが可能となり、多様な演出が実行されることを可能にできるという効果がある。
遊技機AJ2において、前記演出実行手段は、前記演出として、前記特定条件が成立している場合に前記識別図柄が停止表示される毎に前記停止表示された前記識別表示態様に対応した情報が識別可能な報知演出を実行可能に構成されており、演出条件の成立に基づいて、前記報知演出で報知されている前記識別表示態様に対応した特定演出を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AJ3。
遊技機AJ3によれば、遊技機AJ2の奏する効果に加え、停止表示される毎に表示された識別表示態様によって、特定演出が可変されるので、複数回に跨がって表示された識別表示態様の組み合わせに興味を持たせることができるという効果がある。
<特徴AK群>(大集合系派生)
複数の識別表示態様が表示される表示手段と、その表示手段に所定数の識別表示態様を表示させることが可能な表示制御手段と、前記所定数よりも多い種別の前記識別表示態様が記憶された記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記識別表示態様の中から、前記表示手段に対して表示させる前記識別表示態様を所定数決定することが可能な決定手段と、特定条件が成立している場合に、前記表示手段に表示された前記識別表示態様に対応した演出を実行可能な演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機AK1。
従来より、特別図柄抽選が実行された場合に、所定期間の特別図柄変動期間を介して抽選結果を報知(停止表示)するように構成し、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が停止表示されるまでの期間(特別図柄変動期間)を用いて様々な演出(変動演出)を実行することで遊技者が遊技に早期に飽きないよう工夫を凝らしているものが多々ある。その中で、特別図柄の抽選結果を示す識別情報(例えば、数字)と、遊技者が識別可能なキャラクタと、を対応付けた装飾図柄を複数用いた変動演出を実行することで演出効果を高めているものがある。
このような変動演出を実行可能な遊技機では、複数のキャラクタが変動表示されるため、単に数字だけが変動表示される演出よりも、演出効果を高めることができるものであったが、キャラクタと識別情報との組合せが固定されているため、継続して遊技を行った場合に、新鮮味が薄れてしまい、演出効果が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者に斬新な演出を提供することにより演出効果を高めることで遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機AK1によれば、決定手段により表示手段に表示させる識別表示態様が所定数決定され、表示された識別表示態様に対応した演出が演出実行手段により実行されるため、表示手段に表示される識別表示態様の種別について興味を持たせることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AK1において、前記決定手段に決定された所定数の前記識別表示態様を動的表示させることが可能な動的表示手段を有し、前記演出実行手段は、前記動的表示手段により動的表示された後に所定位置に停止表示された前記識別表示態様に対応して演出を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AK2。
遊技機AK2によれば、遊技機AK1の奏する効果に加え、識別表示態様の停止位置にも興味を持たせることができるため、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機AK1またはAK2において、前記動的表示手段は、前記識別表示態様を停止表示させた後に前記識別表示態様を再動的表示させることが可能に構成され、前記識別表示態様は、前記再動的表示される場合に表示される種別が更新されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機AK3。
遊技機AK3によれば、遊技機AK1またはAK2の奏する効果に加え、停止表示された識別表示態様が再動的表示された場合に識別表示態様の種別が更新されるため、再動的表示される毎に、表示される識別表示態様の種別について新たに興味を持たせることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AK2またはAK3において、前記演出実行手段は、前記演出として、前記識別表示態様が停止表示される毎に前記停止表示された前記識別表示態様に対応した情報が識別可能な報知演出を実行可能に構成されており、演出条件の成立に基づいて、前記報知演出で報知されている前記識別表示態様に対応した特定演出を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AK4。
遊技機AK4によれば、遊技機AK2またはAK3の奏する効果に加え、停止表示された識別表示態様が報知されるため、遊技者に分かりやすい演出を実行することができる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴AL群>(大集合系派生2)
複数の識別表示態様が表示される表示手段と、その表示手段に所定数の識別表示態様を表示させることが可能な表示制御手段と、複数種別の前記識別表示態様が記憶された記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記識別表示態様の中から、前記表示手段に対して表示させる前記識別表示態様を所定数決定することが可能な決定手段と、所定期間内に前記表示手段に表示された前記識別表示態様の種別が所定数に到達した場合に特定演出を実行可能な演出実行手段と、を有しするものであることを特徴とする遊技機AL1。
従来より、特別図柄抽選が実行された場合に、所定期間の特別図柄変動期間を介して抽選結果を報知(停止表示)するように構成し、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が停止表示されるまでの期間(特別図柄変動期間)を用いて様々な演出(変動演出)を実行することで遊技者が遊技に早期に飽きないよう工夫を凝らしているものが多々ある。その中で、特別図柄の抽選結果を示すための識別情報(例えば、数字)を複数個変動表示させ、停止表示された識別情報の組合せによって特別図柄抽選の結果を遊技者に報知することで、変動表示している識別情報についても興味を持たせるものがある。
このような変動演出を実行可能な遊技機では、複数の識別情報が変動表示されている間は、遊技者に有利な抽選結果を示す識別情報が停止表示されることを期待しながら変動演出を楽しむことができるものであったが、停止表示された識別情報が当たり当選以外の抽選結果を示す組合せであった場合、その停止表示された識別情報に対して興味が無くなってしまい演出効果が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者に斬新な演出を提供することにより演出効果を高めることで遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機AL1によれば、表示された識別表示態様の種別が所定数に到達することで、特定演出が実行されるため、どのような種別の組合せで識別表示態様が表示されたとしても、所定期間が経過するまでは特定演出が実行される可能性をあるため、演出効果を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AL1において、前記決定手段に決定された所定数の前記識別表示態様を動的表示させることが可能な動的表示手段を有し、前記演出実行手段は、前記動的表示手段により動的表示された後に所定位置に停止表示された前記識別表示態様に対応して演出を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AL2。
遊技機AL2によれば、遊技機AL1の奏する効果に加え、識別表示態様の停止位置にも興味を持たせることができるため、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機AL1またはAL2において、前記動的表示手段は、前記識別表示態様を停止表示させた後に前記識別表示態様を再動的表示させることが可能に構成され、前記識別表示態様は、前記再動的表示される場合に表示される種別が更新されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機AL3。
遊技機AL3によれば、遊技機AL1またはAL2の奏する効果に加え、停止表示された識別表示態様が再動的表示された場合に識別表示態様の種別が更新されるため、再動的表示される毎に、表示される識別表示態様の種別について新たに興味を持たせることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AL2またはAL3において、前記演出実行手段は、前記演出として、前記識別表示態様が停止表示される毎に前記停止表示された前記識別表示態様に対応した情報が識別可能な報知演出を実行可能に構成されており、演出条件の成立に基づいて、前記報知演出で報知されている前記識別表示態様に対応した特定演出を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AL4。
遊技機AL4によれば、遊技機AL2またはAL3の奏する効果に加え、停止表示された識別表示態様が報知されるため、遊技者に分かりやすい演出を実行することができる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
22 枠ボタン(操作手段)
81 第3図柄表示装置(表示手段)
S3302 決定手段
S3509 演出実行手段

Claims (3)

  1. 判別を実行可能な判別手段と、
    その判別手段による判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、
    その表示手段に特定の前記判別結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、
    遊技者が操作可能な操作手段と、
    その操作手段が操作されたことに基づいて演出を実行可能な演出実行手段と、
    その演出実行手段により前記演出が実行される実行タイミングを可変して決定することが可能な決定手段と、を有することを特徴とする遊技機。
  2. 前記演出として可動されることが可能に構成された可動手段と、
    前記可動手段は、前記演出実行手段により所定の可動パターンで可動されることが可能に構成されているものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記操作手段が操作されてから前記演出の実行が開始されるまでの期間で報知態様を実行可能な報知態様実行手段を有するものであることを特徴とする請求項1または2記載の遊技機。
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