JP2020053721A - 撮像制御装置及びその制御方法、プログラム、並びに記憶媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】タッチ操作で焦点調節時の駆動速度を容易に設定できる技術を実現する。
【解決手段】撮像制御装置は、表示手段に対するタッチ操作を検知するタッチ検知手段と、前記表示手段の表示領域のうちライブビュー画像が表示された領域を含む第1の領域に対する第1のタッチ操作に基づいて焦点調節の対象を決定する決定手段と、前記第1のタッチ操作の後に行われる、前記第1のタッチ操作とは異なるタッチによる第2のタッチ操作であって、前記表示手段の表示領域のうち前記第1の領域と異なる第2の領域に対する前記第2のタッチ操作のタッチ位置の移動量または移動速度に応じた速度で、前記決定手段で決定された焦点調節の対象が合焦するようにオートフォーカス(AF)を行うように制御する制御手段と、を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、タッチ操作に応じて焦点調節を行う技術に関する。
撮像装置において、静止画撮影の場合は、オートフォーカス(AF)の機能を用いて焦点調節を行い撮影することが一般的である。これに対して、動画撮影では、被写体にピントを合わせるときのフォーカスレンズの挙動も動画の一部として記録されるため、マニュアルフォーカス(MF)によって焦点調節を行うことが好まれる場合もある。MFにより焦点調節を行うことによって、ユーザが合焦位置まで任意の速度でフォーカスレンズを駆動させながら動画を撮影することが可能である。しかしながら、撮影状況によっては、MFでの焦点調節が行いにくかったり、十分にピントが合っているかを確認することが困難な場合や、撮像装置が設置された場所の関係などの理由でMFを使うことが不可能な場合もある。そのような場合にはAFを用いて撮影を行いたいという要望がある。また、タッチパネルに対してタッチダウンすることでユーザが直感的にAF対象の被写体を決定する機能がある。また、特許文献1には、AF対象の被写体に対するタッチ操作によってフォーカスレンズの駆動速度を決定する技術が提案されている。
特開2012−173531号公報
しかしながら、特許文献1では、AF対象の被写体が画面内を水平方向または垂直方向に移動する動体である場合には、被写体の移動を考慮したタッチ操作が必要となり、フォーカスレンズの駆動速度を容易に設定できないと考えられる。
本発明は、上記課題に鑑みてなさ、その目的は、タッチ操作で焦点調節時の駆動速度を容易に設定できる技術を実現することである。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の撮像制御装置は、表示手段に対するタッチ操作を検知するタッチ検知手段と、前記表示手段の表示領域のうちライブビュー画像が表示された領域を含む第1の領域に対する第1のタッチ操作に基づいて焦点調節の対象を決定する決定手段と、前記第1のタッチ操作の後に行われる、前記第1のタッチ操作とは異なるタッチによる第2のタッチ操作であって、前記表示手段の表示領域のうち前記第1の領域と異なる第2の領域に対する前記第2のタッチ操作のタッチ位置の移動量または移動速度に応じた速度で、前記決定手段で決定された焦点調節の対象が合焦するようにオートフォーカス(AF)を行うように制御する制御手段と、を有する。
本発明によれば、タッチ操作で焦点調節時の駆動速度を容易に設定できる。
本実施形態のカメラシステムの構成を示すブロック図。 撮像面位相差AFに非対応の画素配列(a)と撮像面位相差AFに対応した画素配列(b)とを例示する図。 本実施形態の動画撮影処理を示すフローチャート。 図3のAF処理を示すフローチャート。 焦点検出処理で用いられるAF領域を例示する図。 図5に示したAF領域から得られる一対の像信号を例示する図。 図6に示す一対の像信号のシフト量と相関量との関係を例示する図。 図6に示す一対の像信号のシフト量と相関変化量との関係を例示する図。 本実施形態のタッチ操作によるAF領域設定方法を説明する図。 本実施形態のタッチ操作によるフォーカス駆動速度及びフォーカス駆動方向の決定方法とAF開始方法を説明する図。 本実施形態のフォーカス駆動速度の表示方法を説明する図。 本実施形態のフォーカス駆動方向の決定方法を説明する図。 実施形態2の動画撮影処理を示すフローチャート。 実施形態2のタッチ操作によるフォーカス駆動速度及びフォーカス駆動方向の決定方法とAF開始方法を説明する図。 実施形態3のAF領域設定範囲の表示方法を説明する図。 実施形態4の動画撮影処理を示すフローチャート。 図16のAF処理を示すフローチャート。 図17のフォーカス駆動速度設定処理を示すフローチャート。 実施形態4、5のフォーカス駆動時間の表示方法を説明する図。 実施形態5の動画撮影処理を示すフローチャート。 実施形態6の動画撮影処理を示すフローチャート。
以下に、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
[実施形態1]以下、本実施形態の撮像制御装置を、レンズ交換式のデジタル一眼レフカメラに適用した実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
<装置構成>図1を参照して、本実施形態のカメラシステムの構成について説明する。
本実施形態のカメラシステム100は、交換可能なレンズユニット10と、レンズユニット10が着脱可能なカメラ本体20とを含む、例えばデジタル一眼レフカメラを構成する。レンズユニット10の全体の動作を統括制御するレンズ制御部106と、レンズユニット10を含めたカメラシステムの全体の動作を統括するカメラ制御部214とは、レンズマウントに設けられた端子を通じて相互に通信可能である。
まず、レンズユニット10の構成について説明する。
固定レンズ101、絞り102、フォーカスレンズ103は撮影光学系を構成する。絞り102は、絞り駆動部104によって駆動され、後述する撮像素子201への入射光量を制御する。フォーカスレンズ103はフォーカスレンズ駆動部105によって駆動され、フォーカスレンズ103の位置に応じて撮像光学系の合焦距離が変化する。絞り駆動部104、フォーカスレンズ駆動部105はレンズ制御部106によって制御され、絞り102の開口量や、フォーカスレンズ103の位置を決定する。
レンズ操作部107は、MF(マニュアルフォーカス)によるフォーカスレンズの位置調整など、ユーザがレンズユニット10の動作に関する設定を行うための操作部材である。レンズ操作部107が操作された場合、レンズ制御部106が操作に応じた制御を行う。
レンズ制御部106は、後述するカメラ制御部214から受信した制御命令や制御情報に応じて絞り駆動部104やフォーカスレンズ駆動部105を制御し、また、レンズ制御情報をカメラ制御部214に送信する。
次に、カメラ本体20の構成について説明する。
カメラ本体20はレンズユニット10の撮影光学系を通過した光束から撮像信号を取得できる。
撮像素子201はCCDやCMOS等から構成されるイメージセンサである。レンズユニット10の撮影光学系から入射した光束は撮像素子201の受光面上に結像し、撮像素子201に配列された画素に設けられたフォトダイオードにより、入射光量に応じた信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、カメラ制御部214の指令に従ってタイミングジェネレータ215が出力する駆動パルスより、信号電荷に応じた電圧信号として撮像素子201から順次読み出される。
本実施形態で用いられる撮像素子201の各画素は、2つ(一対)のフォトダイオードA、Bとこれら一対のフォトダイオードA、Bに対して設けられた1つのマイクロレンズとを有する。各画素は、入射する光をマイクロレンズで分割して一対のフォトダイオードA,B上に一対の光学像を形成し、一対のフォトダイオードA,Bから後述するAF(オートフォーカス)用信号に用いられる一対の画素信号(A信号およびB信号)を生成する。また、一対のフォトダイオードA,Bの出力を加算することで、撮像用信号(A+B信号)を得ることができる。複数の画素から出力された複数のA信号と複数のB信号をそれぞれ合成することで、撮像面位相差検出方式によるAF(以下、撮像面位相差AFという)に用いられるAF用信号(焦点検出用信号)としての一対の像信号が得られる。後述するAF信号処理部204は、一対の像信号に対する相関演算を行って、これら一対の像信号のずれ量である位相差(以下、像ずれ量という)を算出し、相関演算の結果としての像ずれ量から撮影光学系のデフォーカス量(およびデフォーカス方向)を算出する。
図2(a)には撮像面位相差AFに対応していない画素構成を、図2(b)は撮像面位相差AFに対応した画素構成を示している。いずれの図においても、ベイヤー配列が用いられており、Rは赤のカラーフィルタを、Bは青のカラーフィルタを、Gr,Gbは緑のカラーフィルタを示している。撮像面位相差AFに対応する図2(b)に示す画素構成では、図2(a)に示した撮像面位相AFに非対応の画素構成における1画素(実線で囲んで示す)に相当する画素内に、図の水平方向に2分割された2つのフォトダイオードA,Bが設けられている。なお、図2(b)に示した画素の分割方法は例に過ぎず、図の垂直方向に分割したりしてもよい。また、同じ撮像素子内において互いに異なる分割方法で分割された複数種類の画素が含まれてもよい。
なお、本実施形態では撮像面位相差AFを適用した例を説明するが、これに限らず、他の焦点検出方式を用いてもよい。例えば図2(a)のセンサ構成にて、コントラスト評価値の大小に応じてAFを行うコントラストAFにより実現してもよい。
CDS/AGC/ADコンバータ(以下、コンバータ)202は、撮像素子201から読み出されたAF用信号および撮像用信号に対して、リセットノイズを除去するための相関二重サンプリング、ゲイン調節およびAD変換を行う。コンバータ202は、これらの処理を行った撮像用信号およびAF用信号をそれぞれ、画像入力コントローラ203およびAF信号処理部204に出力する。
画像入力コントローラ203は、コンバータ202から出力された撮像用信号を、バス21を介してRAM210に画像信号として格納する。RAM210に格納された画像信号は、バス21を介して表示制御部205によって読み出され、表示部206に表示される。また、動画撮影モードでは、RAM210に格納された画像信号は記録媒体制御部208によって半導体メモリ等の記録媒体209に記録される。
カメラ操作部207は、ユーザ操作に応じて電源のON/OFF、各種設定の変更、撮像処理、AF処理、記録画像の再生処理等の各種カメラ操作を行うことができる。カメラ制御部214は、カメラ操作部207を通じてユーザ操作を受け付け、ユーザ操作に対応する各種の処理を実行する。本実施形態においては、カメラ操作部207は、例えばモード切替ボタンや動画記録開始ボタンを含む。ユーザはモード切替ボタンを操作することで、カメラ本体20の動作モードを後述する動画撮影モードに切り替えることができる。また、ユーザは動画撮影モードにおいて動画記録開始ボタンを操作することで、動画撮影処理の開始または停止(一時停止)をカメラ本体20に指示することができる。
なお、カメラ操作部207の1つとして、表示部206に対する接触を検知可能なタッチ検知部としてのタッチパネル207aを有する。タッチパネル207aと表示部206とは一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル207aを光の透過率が表示部206の表示を妨げないように構成し、表示部206の表示面の上層に取り付ける。そして、タッチパネル207aにおける入力座標と、表示部206の表示画面上の表示座標とを対応付ける。これにより、あたかもユーザが表示部206上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUI(Grafical User Interface)を構成することができる。カメラ制御部214はタッチパネル207aへの以下の操作あるいは状態を検出できる。
・タッチパネル207aにタッチしていなかった指やペンが新たにタッチパネル207aにタッチしたこと。すなわち、タッチの開始(以下、タッチダウン(Touch−Down)と呼ぶ)。
・タッチパネル207aを指やペンでタッチしている状態であること(以下、タッチオン(Touch−On)と呼ぶ)。
・タッチパネル207aを指やペンでタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch−Move)と呼ぶ)。
・タッチパネル207aへタッチしていた指やペンを離したこと。すなわち、タッチの終了(以下、タッチアップ(Touch−Up)と呼ぶ)。
・タッチパネル207aに何もタッチしていない状態(以下、タッチオフ(Touch−Off)と呼ぶ)。
タッチダウンが検出されると、同時にタッチオンであることも検出される。タッチダウンの後、タッチアップが検出されない限りは、通常はタッチオンが検出され続ける。タッチムーブが検出されるのもタッチオンが検出されている状態である。タッチオンが検出されていても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブは検出されない。タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことが検出された後は、タッチオフとなる。
これらの操作・状態や、タッチパネル207a上に指やペンがタッチしている位置座標はバス21を通じてカメラ制御部214に通知される。カメラ制御部214は通知された情報に基づいてタッチパネル207a上にどのような操作(タッチ操作)が行われたかを判定する。タッチムーブについてはタッチパネル207a上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル207a上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。所定距離以上をタッチムーブしたことが検出された場合はスライド操作が行われたと判定するものとする。タッチパネル207a上に指をタッチしたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作をフリックと呼ぶ。フリックは、言い換えればタッチパネル207a上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でタッチムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行われたと判定できる(スライド操作に続いてフリックがあったものと判定できる)。
更に、複数箇所(例えば2点)を同時にタッチして、互いのタッチ位置を近づけるタッチ操作をピンチイン、互いのタッチ位置を遠ざけるタッチ操作をピンチアウトと称する。ピンチアウトとピンチインを総称してピンチ操作(あるいは単にピンチ)と称する。
タッチパネル207aは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いてもよい。方式によって、タッチパネルに対する接触があったことでタッチがあったと検出する方式や、タッチパネルに対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検出する方式ものがあるが、いずれの方式でもよい。
本実施形態では、ユーザがタッチパネル207aに対するタッチ操作を行うことで、表示部206の撮像画面内においてAFを行うAF領域(焦点調節の対象)の設定、各種カメラパラメータの設定などを行うことができる。また、ユーザがタッチパネル207aに対するタッチ操作を行うことで、動画撮影モードにおけるAF時のフォーカスレンズ103の駆動速度の調節やAF開始のタイミングの決定などを行うことができる。
ROM211は例えばEEPROMが用いられ、カメラ制御部214が実行する制御プログラムや処理プログラムおよびこれらの実行に必要な各種データ等が格納される。RAM210は例えばSDRAMが用いられ、コンバータ202から出力された画像信号が格納される。フラッシュROM212には、ユーザにより設定されたカメラ本体20の動作に関する各種設定情報等が格納される。
被写体検出/追尾処理部213は、画像入力コントローラ203から入力された撮像用信号に基づき特定の被写体を検出して、撮像用信号における特定の被写体の位置をカメラ制御部214に通知する。また、画像入力コントローラ203から連続的に撮像用信号を入力し、検出した特定の被写体が移動した場合には移動先の位置を判定してカメラ制御部214に移動先を通知することで、特定の被写体の位置を追尾する。特定の被写体とは、例えば人物の顔や瞳、タッチパネル207aやカメラ操作部207を通じてユーザ操作によって撮像画面内で指定された位置に存在する被写体などである。後述するように、検出した特定の被写体の位置に関する情報は、主にAF領域の設定のために用いる。
カメラ制御部214は、カメラ本体20の各部やレンズ制御部106と情報を通信しながらこれらを制御する。カメラ制御部214は、AF信号処理部204が求めた像ずれ量、信頼性およびレンズユニット10とカメラ本体20の状態を示す情報に基づいて、必要に応じてAF信号処理部204の設定を変更する。例えば、AF信号処理部204に対して像ずれ量が所定量以上である場合には相関演算を行う領域を広く設定したり、一対の像信号のコントラストに応じてバンドパスフィルタの種類を変更したりする。さらに、カメラ制御部214は、レンズユニット10(レンズ制御部106)に対するコマンドやカメラ本体20の情報をレンズ制御部106に送信したり、レンズユニット10の情報をレンズ制御部106から取得する。カメラ制御部214は、マイクロコンピュータにより構成され、ROM211に記憶されたコンピュータプログラムを実行することで、レンズユニット10を含むカメラシステム全体の制御を司る。
カメラ制御部214は、AF信号処理部204にて算出されたAF領域での像ずれ量を用いてデフォーカス量を算出し、算出したデフォーカス量に基づいてレンズ制御部106を通じてフォーカスレンズ103の駆動を制御する。
なお、ハードウェアの構成は図1に示すものに限定されず、例えば1つのハードウェアが表示制御、通信制御、撮影制御、画像処理制御等を行い、カメラ本体20の各手段として機能してもよい。また、複数のハードウェアが協働して1つの手段として機能してもよい。
<動画撮影処理>次に、図3のフローチャートを参照して、本実施形態のカメラ本体20で行われる動画撮影処理について説明する。
図3の処理は、ROM211に記憶されたプログラムを、RAM210に読み出してカメラ制御部214が実行することにより実現する。後述する図4、図13、図16〜図18、図20、図21でも同様である。
図3の動画撮影処理は、ユーザ操作などによりカメラ本体20が動画撮影モードに移行すると開始される。
S301では、カメラ制御部214は、初期化処理を行う。初期化処理では、AFを実行する前の各種パラメータの初期化を行う。また、S311、S315で後述するAF領域設定範囲外へのタッチムーブ位置を初期値(撮像画面内の位置を示さない値)に設定する。さらに、AF処理におけるS409、S411で使用するフォーカス駆動方向のデフォーカス量検出履歴ありフラグをオフにする。
S302では、カメラ制御部214は、タッチパネル207aのAF領域設定範囲内に対してタッチダウンされたか否かを判定する。タッチダウンされた場合はS303へ進み、タッチダウンされていない場合は再度S302へ戻り、タッチダウンされるのを待つ。
S303では、カメラ制御部214は、タッチダウン位置に対してAF領域位置を設定/更新する。
S304では、カメラ制御部214は、タッチパネル207aのAF領域設定範囲内でタッチムーブされたか否かを判定する。AF領域設定範囲内でタッチムーブされた場合はS305へ進み、タッチムーブされていない場合やAF領域設定範囲外へタッチムーブされた場合はS306へ進む。
S305では、カメラ制御部214は、タッチムーブ位置に対してAF領域の設定をやり直す。タッチダウン後にタッチムーブした場合は、AF領域位置を更新する。なお、AF領域設定範囲外へタッチムーブした場合はAF領域を更新しないため、S304の条件分岐にてS305の処理を実行しないように処理する。
S306では、カメラ制御部214は、タッチアップされたか否かを判定する。タッチアップされた場合はS307へ進み、タッチアップされていない場合はS304へ戻る。タッチアップされた場合は、ユーザがAF領域位置を確定させたと判定する。タッチアップされていない場合は、ユーザがまだAF領域位置を確定させていないと判定し、S304でタッチムーブされたか否かを判定して、タッチムーブされている場合はS305でAF領域位置を更新する。
S307では、カメラ制御部214は、設定されたAF領域位置における被写体検出/追尾処理部213の被写体検出情報に基づき、被写体検出/追尾処理部213によって被写体追尾を開始する。
ここで、図9を参照して、S302からS307で行われる、AF領域設定範囲に対するタッチ操作によるAF領域の設定/更新処理、被写体の検出/追尾の開始処理について説明する。図9(a)はタッチパネル207aを通じて表示部206に表示されている撮像画面を示し、AF領域設定範囲を表す境界、及び被写体A、被写体Bが表示されている。なお、表示部206の表示領域のうち、AF領域設定範囲を示す境界の内側はライブビュー画像が表示された領域の中央を含むAF領域設定範囲である。また、表示部206の表示領域のうち、AF領域設定範囲を示す境界の外側はライブビュー画像が表示された領域の端部であるAF領域設定範囲外である。AF領域設定範囲外はAF領域設定範囲の周囲に設定され、長手方向へのタッチ操作を検知可能な領域である。図9(b)はタッチパネル207aをユーザが指でタッチダウンする様子を示している。例えば、ユーザが被写体AをタッチダウンすることでS302、S303のように被写体Aの位置にAF領域が設定される。図9(c)はタッチパネル207aをユーザが指でスライド操作することで、タッチムーブを検出した状態を示している。例えば、ユーザが被写体Aから被写体Bに向けてタッチムーブすることで、S304、S305のように被写体BにAF領域が切り替わる。なお、被写体Aから被写体Bまでタッチムーブされる間は、常にAF領域位置が更新される。図9(d)はタッチパネル207aからユーザの指が離れタッチアップを検出した状態を示している。タッチアップが検出されたことで、被写体検出/追尾処理部213により被写体BをAF対象として追尾が開始される。被写体追尾開始後は、図9(e)のように被写体Bの位置が変化した場合であっても、被写体Bを追尾してAF領域を被写体Bの位置に維持する。なお、例えば撮像画面内から被写体Bがいなくなってしまったなど、被写体Bへの追尾が継続不可能になった場合は、被写体検出/追尾処理部213により追尾を中断する。追尾を中断した場合は、再度、図9(a)のようにAF領域が不定な状態に戻る。なお、AF領域設定範囲内のいずれかの位置、例えば中心位置にAF領域を設定するように制御してもよい。
S308では、カメラ制御部214は、タッチパネル207aの撮像画面内のAF領域設定範囲外に対してタッチダウンされたか否かを判定する。AF領域設定範囲外にタッチダウンされた場合はS309へ進み、タッチダウンされていない場合は再度S308へ戻り、タッチダウンされるのを待つ。
S309では、カメラ制御部214は、タッチダウン位置をRAM210に記憶する。
S310では、カメラ制御部214は、AF領域設定範囲外でタッチムーブされたか否かを判定し、タッチムーブされた場合はS311へ進み、タッチムーブされていない場合やAF領域設定範囲内へタッチムーブされた場合はS312へ進む。
S311では、カメラ制御部214は、タッチムーブ位置をRAM210に記憶する。なお、本実施形態ではAF領域範囲内へタッチムーブした場合はタッチムーブ位置を記憶しないが、タッチムーブ位置を記憶するように制御してもよい。
S312では、カメラ制御部214は、S309でRAM210に記憶したタッチダウン位置と、S311でRAM210に記憶したタッチムーブ位置とを比較する。そして、タッチダウン位置とタッチムーブ位置との差(スライド操作の移動距離または移動量、以下、スライド距離と呼ぶ)が所定値(スライド操作の移動距離または移動量の閾値)D1以下であるかを判定する。スライド距離が所定値D1以下である場合はS313へ進み、所定値D1より大きい場合はS314へ進む。
S313では、カメラ制御部214は、フォーカスレンズ103を駆動させるためのパラメータであるフォーカス駆動速度をV1に設定する。
S314では、カメラ制御部214は、フォーカス駆動速度をV2に設定する。なお、フォーカス駆動速度V1は、フォーカス駆動速度V2よりも遅い設定である(V1<V2)。
S308からS314の処理は、AF領域設定範囲外におけるスライド距離を算出し、スライド距離が所定値D1より小さい場合にはフォーカス駆動速度をより遅い速度に設定する。一方、スライド距離が所定値D1より大きい場合には、フォーカス駆動速度をより速い速度に設定する。このように制御することで、ユーザがタッチダウンに続きスライド操作した距離とフォーカス駆動速度とが対応するので、ユーザが直感的にAF時のフォーカス駆動速度を調節することができる。さらに、S302からS307の処理により、ユーザがAF対象として設定した被写体に対して被写体追尾を実行しているので、ユーザは被写体の移動状態などを気にすることなく、フォーカス駆動速度の設定に専念することができる。なお、本実施形態ではスライド距離の閾値を1つ設けて、スライド距離から設定するフォーカス駆動速度を2種類に設定したが、より多くの閾値及び駆動速度設定を設けてもよい。例えば、スライド距離の閾値として、D1よりも大きいD1’を設けてD1’よりも差が大きい場合には、フォーカス駆動速度をV2よりも早いV2’に設定することで、3種類のフォーカス駆動速度を切り替えることができる設定でもよい。さらに多くの種類のフォーカス駆動速度に切り替える設定でもよい。その場合も、スライド距離が大きいほど、より速いフォーカス駆動速度を設定するようにする。
S315では、カメラ制御部214は、タッチアップされたか否かを判定し、タッチアップされた場合はS316へ進み、タッチアップされていない場合はS310へ戻る。ダッチダウン後、タッチアップされるまでは、S310からS314までの処理を繰り返し、スライド操作に応じたフォーカス駆動速度の設定を継続する。
S316では、カメラ制御部214は、タッチムーブ位置が初期値か否かを判定する。すなわち、AF領域設定範囲外へのタッチダウン後、タッチムーブされたか否かを判定する。タッチムーブ位置が初期値である場合、すなわちタッチダウン後にタッチムーブされていない場合はS317へ進み、初期値でない場合、すなわちタッチダウン後にタッチムーブされた場合はS318へ進む。
S317では、カメラ制御部214は、AF領域設定範囲外でタッチムーブすることでフォーカス駆動速度の設定を行うよう促す表示を行い、S308へ戻る。
本実施形態では、AF領域設定範囲外に対してタッチダウン後、タッチムーブによりフォーカス駆動速度を設定した上で、タッチアップされたことを判定して後述のAF処理へ進むように制御する。S315でタッチアップを検出したものの、一度もタッチムーブされておらず、フォーカス駆動速度が設定されていない場合はS316でタッチムーブされていないと判定する。そして、再度AF領域設定範囲外に対して、タッチダウン、タッチムーブおよびタッチアップを判定するようにS308へ戻る。なお、本実施形態ではS317においてタッチムーブによりフォーカス駆動速度の設定を行うよう促す表示を行うように制御したが、表示を行わないようにしてもよい。
S318では、カメラ制御部214は、S307で開始した被写体追尾が継続不能状態になっているか否かを判定する。被写体追尾が継続不能になってしまう場合は、例えば追尾対象として設定した被写体が表示部206の画面外に出てしまった場合や、追尾対象とした被写体が別の被写体に隠れて見えなくなった場合などである。被写体追尾継続不能状態である場合はS319へ進み、被写体追尾が継続できている場合はS320へ進む。
S319では、カメラ制御部214は、再度AF領域設定範囲内をタッチダウンすることで被写体追尾を再開するように促す表示を行い、S302へ戻る。本実施形態では、追尾対象の被写体を見失ってしまった場合は、後述のAF処理ができないと判定し、S302からS307の処理を再度行うことで被写体追尾を行い、AF領域を再設定するように制御する。なお、本実施形態では、S319でAF領域設定範囲内へのタッチダウンを促す表示を行ったが、表示を行わないようにしてもよい。また、本実施形態では、S318で被写体追尾継続不能になっている場合は再度被写体追尾を行うタッチダウン操作を行うように促したが、S320へ進むようにしてもよい。例えば被写体追尾が継続不能になった場合は、AF領域設定範囲内の所定の位置にAF領域を設定し、S320以降の処理を行うといった制御である。
S320では、カメラ制御部214は、タッチダウン位置よりもタッチムーブ位置の方が右側または下側かを判定し、タッチダウン位置よりもタッチムーブ位置の方が右側または下側である場合はS321へ進み、左側または上側である場合はS322へ進む。
S321では、カメラ制御部214は、フォーカス駆動方向を至近方向に設定する。
S322では、カメラ制御部214は、フォーカス駆動方向を無限方向に設定する。
S323では、カメラ制御部214は、AF処理を行い、動画撮影処理を終了する。AF処理は、AF信号処理部204にて、AF用信号からデフォーカス量を算出する処理や、カメラ制御部214にて、デフォーカス量に基づいてフォーカスレンズ103を駆動するための制御を行う。AF処理の詳細は図4のフローチャートを用いて後述する。
S315及びS320からS322の処理では、AF領域設定範囲外からのタッチアップをトリガとして次の動作に移行する。まず、タッチダウン位置からタッチムーブされた方向に基づきフォーカス駆動方向を決定し、AFを開始するように制御する。このように制御することにより、ユーザのタッチパネルへの直感的な操作によって、フォーカス駆動速度だけでなく、フォーカス駆動方向や、AF開始のタイミングも調節することができる。また、フォーカス駆動方向を決定できることで、AF領域内に至近方向、無限方向の複数の被写体が存在する場合に、どちらに対してピントを合わせるかをユーザが選択することができる。また、AF開始のタイミングを調節できることで、動画撮影時における不用意なAFを防ぎ、ユーザの意図通りにピント調整を行うことができる。
なお、本実施形態では、S320からS322の処理において、タッチダウン位置よりもタッチムーブ位置の方が右側または下側である場合にはフォーカス駆動方向を至近方向に設定したが異なる方法で決定してもよい。例えば、レンズ操作部107によるフォーカスレンズ103のMF操作において、MFを行うフォーカスリングの回転方向に基づき決定するなど、ユーザが直感的にフォーカス方向を決定しやすい方法にするのが望ましい。
ここで、図10を参照して、S308からS323におけるAF領域設定範囲外に対するタッチダウン、タッチムーブを行ってフォーカス駆動速度およびフォーカス駆動方向の決定、AF処理の開始について説明する。図10はカメラが捉えている被写体の距離関係、現在の合焦位置、及び撮像画面を示している。カメラは被写体A、B、Cの3つを捉えており、被写体Aが最も無限側、被写体Cが最も至近側に位置している。また、撮像画面内においては、被写体Aは最も左側、被写体Cが最も右側に位置している。図10(a)はタッチ操作を実行する前の状態を示し、被写体Bに合焦しており、既に設定されているAF領域(以下、設定AF領域)は被写体Cの位置に設定されている。図10(b)はAF領域設定範囲外をタッチダウン後、タッチムーブを行った場合を示している。この場合、スライド距離が短く所定値D1以下であるため、フォーカス駆動速度はV1に設定される。また、この時点ではAF処理は開始していないので、被写体Bに合焦したままである。図10(c)は、図10(b)のタッチムーブ位置からタッチアップした場合を示している。タッチアップした場合に、タッチダウン位置よりもタッチムーブ位置が右側にあるので、フォーカス駆動方向を至近方向に設定する。また、タッチアップによりAFを開始して、設定されたフォーカス駆動速度V1、すなわちより低速の駆動速度で、被写体Bから被写体Cへ合焦位置が切り替わる。図10(d)は図10(c)の状態からAF領域範囲内の被写体Aの位置をタッチダウンした場合を示している。被写体Aの位置をタッチダウンすることで、被写体Aに対してAF領域が設定される。AF処理は実行しないので、被写体Cに合焦したままである。図示していないが、タッチダウンにより被写体Aに対してAF領域設定後、タッチアップしたものとして図10(e)、(f)を説明する。図10(e)はAF領域設定範囲外をタッチダウン後、タッチムーブを行った場合を示している。図10(e)では図10(b)と異なり、スライド距離が長く所定値D1より大きいため、フォーカス駆動速度はV2に設定される。また、この時点ではAF処理は開始していないので、被写体Cに合焦したままである。図10(f)は図10(e)のタッチムーブ位置からタッチアップした場合を示している。図10(f)では図10(c)と異なり、タッチアップした場合に、タッチダウン位置よりもタッチムーブ位置が左側にあるので、フォーカス駆動方向を無限方向に設定する。また、タッチアップによりAF処理を開始して、設定されていたフォーカス駆動速度V2、すなわちより高速の駆動速度で、被写体Cから被写体Aへ合焦位置が切り替わる。
なお、S313、S314のフォーカス駆動速度の設定に基づいて、カメラ制御部214は図11に示すように表示部206へ設定状態を表示してもよい。図11では撮像画面の右側に設定されたフォーカス駆動速度の表示部分が設けられている。AF領域設定範囲外へのタッチダウン、タッチムーブによりフォーカス駆動速度が設定された場合に、設定されたフォーカス駆動速度に応じて、速度が速いほどバーを塗りつぶす長さが長く、速度が遅いほどバーを塗りつぶす長さを短くするようにする。速度表示は、バーの下側から上に伸びるように表示する。まだフォーカス駆動速度が設定されていない状態である場合は、バーを塗りつぶさない状態で表示する。本実施形態ではフォーカス駆動速度をV1、V2の2種類としているが、設定可能なフォーカス駆動速度の段数を考慮して表示分解能を決定することが望ましい。また、図11では設定フォーカス駆動速度を縦長のバーとして表示する例を示したが、横長のバーで表示するようにしてもよい。また、表示位置は撮像画面の右側でなくてもよい。このようにフォーカス駆動速度を表示部206に表示してユーザに通知することによって、ユーザは意図通りに設定されているかを確認しながらフォーカス駆動速度を設定することができる。
次に、図4のフローチャートを用いて、図3のS323においてAF信号処理部204及びカメラ制御部214が行うAF処理について説明する。
S401では、AF信号処理部204は、撮像素子201におけるAF領域に含まれる複数の画素からAF用信号としての一対の像信号を取得する。AF領域は、図3のS307で開始した被写体追尾の対象位置に設定されている。なお、AF処理中に被写体追尾継続不能状態となった場合は、例えば最後に被写体追尾した位置をAF領域として保持するなどしてAF処理を継続する。
S402では、AF信号処理部204は、取得した一対の像信号を1画素(1ビット)ずつ相対的にシフトさせながらこれら一対の像信号の相関量を算出する。相関量の算出は、AF領域内に設けた複数の画素ライン(以下、走査ライン)のそれぞれにおいて後述するように行う。なお、各走査ラインの相関量を算出した後に、それぞれの相関量を加算平均することで1つの相関量として算出する。また、本実施形態では相関量算出に当たって一対の像信号を1画素ずつ相対的にシフトさせる構成としたが、より多くの画素単位でシフトさせる構成でもよい。例えば2画素ずつ相対的にシフトさせるような構成でもよい。また、本実施形態では、各走査ラインの相関量を加算平均することで1つの相関量を算出したが、例えば各走査ラインの一対の像信号に対して加算平均を行い、その後、加算平均した一対の像信号に対して相関量の算出を行ってもよい。
S403では、AF信号処理部204は、S402で算出した相関量から相関変化量を求める。相関変化量の算出方法については後述する。
S404では、AF信号処理部204は、S403で算出した相関変化量を用いて像ずれ量を算出する。像ずれ量の算出方法については後述する。
S405では、AF信号処理部204は、S404で算出された像ずれ量の信頼性の高さを表す信頼性を算出する。信頼性の算出方法については後述する。
S406では、AF信号処理部204は、S404で算出されたAF領域の像ずれ量を用いてAF領域のデフォーカス量を算出する。
ここで、図5から図8を参照して、S401からS406の処理において、AF信号処理部204が行う焦点検出処理について説明する。図5は、焦点検出処理において撮像素子201の画素アレイ501上でのAF領域502の例を示している。AF領域502の両側のシフト領域503は、相関演算に必要な領域である。このため、AF領域502とシフト領域503とを合わせた領域504が相関演算に必要な画素領域である。図中のp,q,s,tはそれぞれ、水平方向(x軸方向)での座標を表し、pとqはそれぞれ画素領域504の始点と終点のx座標を、sとtはそれぞれAF領域502の始点と終点のx座標を示している。
図6は、図5に示したAF領域502に含まれる複数の画素から取得したAF用の一対の像信号の例を示している。実線601が一方の像信号Aであり、破線602が他方の像信号Bである。図6(a)はシフト前の像信号A,Bを示し、図6(b),(c)はそれぞれ、像信号A,Bを図6(a)の状態からプラス方向およびマイナス方向にシフトした状態を示している。一対の像信号A601,B602の相関量を算出する際には、像信号A601,B602の両方を矢印の方向に1ビットずつシフトする。
次に、相関量の算出方法について説明する。まず、図6(b),(c)に示すように像信号A601,B602をそれぞれ1ビットずつシフトして、像信号A601,B602の差の絶対値の和を算出する。シフト量をiとし、マイナス方向の最大シフト量をp−sとし、プラス方向の最大シフト量をq−tとし、xをAF領域502の開始座標とし、yをAF領域502の終了座標とするとき、相関量CORは以下の式1によって算出することができる。
図7(a)は、シフト量と相関量CORとの関係の例を示している。横軸はシフト量を示し、縦軸は相関量CORを示す。シフト量とともに変化する相関量701における極値付近702,703のうち、より小さい相関量に対応するシフト量において一対の像信号A,Bの一致度が最も高くなる。
次に、相関変化量の算出方法について説明する。図7(a)に示した相関量701の波形における1シフトごとの相関量の差を相関変化量として算出する。シフト量をiとし、マイナス方向の最大シフト量をp−sとし、プラス方向の最大シフト量をq−tとすると、相関変化量ΔCORは以下の式2によって算出することができる。
図8(a)は、シフト量と相関変化量ΔCORとの関係の例を示している。横軸はシフト量を示し、縦軸は相関変化量ΔCORを示す。シフト量とともに変化する相関変化量801は、802,803の部分でプラスからマイナスになる。相関変化量が0となる状態をゼロクロスと呼び、一対の像信号A,Bの一致度が最も高くなる。したがって、ゼロクロスを与えるシフト量が像ずれ量となる。
図8(b)には、図8(a)中の802で示した部分を拡大して示す。804は相関変化量801の一部分である。この図8(b)を用いて像ずれ量PRDの算出方法について説明する。
ゼロクロスを与えるシフト量(k−1+α)は、整数部分β(=k−1)と小数部分αとに分けられる。小数部分αは、図中の三角形ABCと三角形ADEとの相似の関係から、以下の式3によって算出することができる。
整数部分βは、図8(b)から以下の式4によって算出することができる。
β=k−1 (4)
そして、αとβの和から像ずれ量PRDを算出することができる。
図8(a)に示したように相関変化量ΔCORのゼロクロスが複数存在する場合は、その付近での相関変化量ΔCORの変化の急峻性がより大きい方を第1のゼロクロスとする。この急峻性はAFの行い易さを示す指標であり、値が大きいほど精度良いAFを行い易い点であることを示す。急峻性maxderは、以下の式5によって算出することができる。
このように、本実施形態では、相関変化量のゼロクロスが複数存在する場合は、その急峻性によって第1のゼロクロスを決定し、この第1のゼロクロスを与えるシフト量を像ずれ量とする。
なお、図3のS320からS322の処理では、フォーカス駆動方向を決定しているが、フォーカス駆動方向と逆方向のゼロクロスが検出されている場合には、異なるアルゴリズムによる第1のゼロクロスの決定を行う。フォーカス駆動方向と逆方向のデフォーカス量が存在する場合には、フォーカス駆動方向と逆方向のゼロクロスを選択する優先度を下げるようにする。まずフォーカス駆動方向と同方向のゼロクロスがあるか否かを判定し、同方向のゼロクロスがない場合にのみ、フォーカス駆動方向と逆方向のゼロクロスを選択するように制御する。S409、S411の処理で使用するフォーカス駆動方向のデフォーカス量検出フラグの詳細は後述するが、設定フォーカス駆動方向と逆方向のデフォーカス量を使用する必要がある場合が存在するため、逆方向のゼロクロスは排除せず選択できるようにしておく。
次に、像ずれ量の信頼性の算出方法について説明する。像ずれ量の信頼性は、一対の像信号A,Bの一致度(以下、2像一致度という)fnclvlと上述した相関変化量の急峻性によって定義することができる。2像一致度は、像ずれ量の精度を表す指標であり、本実施形態における相関演算手法ではその値が小さいほど精度が良い、すなわち信頼性が高いことを示す。
図7(b)には、図7(a)中の702で示した部分を拡大したもので、704が相関量701の一部分である。2像一致度fnclvlは、以下の式6によって算出することができる。
なお、相関変化量のゼロクロスが1つも検出できない場合は、信頼性として、ゼロクロスが検出できなかったこと、すなわち信頼性が最も低いことを示す値を設定する。
図4の説明に戻り、S407では、カメラ制御部214は、AF信号処理部204により算出されたデフォーカス量の信頼性が所定信頼性より高いか否かを判定する。ここで設定する信頼性の閾値は、算出されたデフォーカス量が信頼できない信頼性範囲の最高値を所定信頼性と設定するのが望ましい。デフォーカス量の所定信頼性より高い場合はS408へ進み、そうでない場合はS411へ進む。
S408では、カメラ制御部214は、現在設定されているフォーカス駆動方向と同方向のデフォーカス量が検出されているか否かを判定する。同方向のデフォーカス量が検出されている場合はS409へ進み、逆方向のゼロクロスが検出されている場合はS411へ進む。
S409では、カメラ制御部214は、フォーカス駆動方向のデフォーカス量検出履歴ありフラグをオンに設定する。フォーカス駆動方向のデフォーカス量検出履歴ありフラグの使用方法については後述するが、AF領域内に捉えた被写体の合焦位置を通り過ぎた場合に、設定したフォーカス駆動方向と反対方向のデフォーカス量を使用する判定をするために用いる。
S410では、カメラ制御部214は、デフォーカス量に基づいて、レンズ制御部106を介してフォーカスレンズ103を駆動する。このとき、フォーカスレンズ103の駆動速度は、図3のS313またはS314で設定したフォーカス駆動速度を使用する。また、デフォーカス量に基づくため、デフォーカス量から算出したフォーカスレンズ位置は通り過ぎないように制御する。
S411では、カメラ制御部214は、フォーカス駆動方向のデフォーカス量検出履歴フラグがオンか否かを判定し、オンである場合はS412へ進み、オフである場合はS413へ進む。
S412では、カメラ制御部214は、フォーカス駆動方向を図3のS321またはS322で設定した方向と反対方向に更新する。
S413では、カメラ制御部214は、デフォーカス量に基づかず、レンズ制御部106を介してフォーカスレンズ103を駆動する。すなわち、現在設定されているフォーカス駆動方向に対して、図3のS313またはS314で設定したフォーカス駆動速度で動作する。
ここで、図12を参照して、フォーカス駆動方向のデフォーカス量検出履歴フラグの使用方法について説明する。図12はカメラが捉えている被写体の距離関係、現在の合焦位置及び撮像画面を示している。図12(a)はAF実行前の状態を示している。カメラは被写体A、Bの2つを捉えており、AF領域は被写体Aの位置に設定されているが、AF領域の中に被写体Bの一部が含まれており、遠近競合している。また、現在の合焦位置は被写体Aの距離と被写体Bの距離の間である。AF実行前なので、図3のS301でフォーカス駆動方向のデフォーカス量検出履歴フラグは初期化されてオフになっている。なお、以下では、ユーザは被写体Aに合焦させたいとして説明を行う。図12(b)はユーザによるフォーカス駆動方向の設定、AF開始の指示がなされ、AF開始後、初回のデフォーカス量を検出した場合を示している。ユーザが設定したフォーカス駆動方向(以下、設定フォーカス駆動方向)は至近方向、すなわち被写体Aの方向であるが、設定AF領域の遠近競合により検出したデフォーカス方向は無限方向、すなわち被写体Bの方向になっている。この場合、ユーザとしては被写体Bの方向でなく被写体Aの方向にフォーカスレンズを駆動したい。そのため、フォーカス駆動方向のデフォーカス量検出フラグがオフ、すなわち一度も設定したフォーカス駆動方向のデフォーカス量を検出したことがない場合、検出デフォーカス量を無視して設定フォーカス駆動方向にフォーカスレンズ103を駆動させる。図12(c)はAF開始後、至近方向にフォーカスレンズを駆動している途中の状態を示している。被写体Aの合焦位置に近づくことで、検出デフォーカス方向が至近方向になり、設定フォーカス駆動方向と同じになる。そこで、フォーカス駆動方向のデフォーカス量検出フラグをオンに設定する。図12(d)は、図12(c)からさらに至近方向にフォーカスレンズを駆動したものの、検出デフォーカス量に誤差があり被写体Aの合焦位置を無限側から至近側にやや通り過ぎてしまった状態を示している。設定フォーカス駆動方向は変わらずにユーザの設定した至近方向であるが、検出デフォーカス方向は被写体Aの合焦位置を通り過ぎたため、再び至近方向から無限方向に変わる。この場合、ユーザは被写体Aに合焦させたいものの、当初設定したフォーカス駆動方向にフォーカスレンズを駆動させ続けると、再び被写体Aがボケていってしまうので、フォーカスレンズ駆動方向を、検出デフォーカス方向に反転したい。そのため、フォーカスレンズ駆動方向のデフォーカス量検出フラグがオン、すなわちすでに設定したフォーカス駆動方向のデフォーカス量を検出したことがある場合は、すでにユーザが合焦させたい被写体のデフォーカス量が検出できていると判定する。この場合は設定フォーカス駆動方向を無限方向へ反転させると同時に、無限方向を検出している検出デフォーカス量を使用してAFを継続する。図12(e)は図12(d)でフォーカス駆動方向を無限方向に反転し、被写体Aの合焦位置にフォーカスレンズを駆動できた状態を示している。このように、ユーザが設定したフォーカス駆動方向と、検出したデフォーカス方向が異なる場合に、前者を使用したいケース、後者を使用したいケースが存在する。それをフォーカス駆動方向のデフォーカス量検出フラグのオン/オフにより判定して、よりユーザの意図に近いフォーカスレンズ駆動を実現する。
S414では、カメラ制御部214は、AF処理終了条件を満たしたか否かを判定する。AF処理終了条件とは、図12(e)のように検出デフォーカス量の絶対値が、被写体に合焦できたと判定できる所定範囲内になっている場合。または、合焦できる被写体を発見できずにフォーカスレンズが至近端、無限端のいずれかに到達した場合である。AF処理終了条件を満たした場合はAF処理を終了し、AF処理終了条件を満たしていない場合は、S401へ戻りAF処理を継続する。
本実施形態によれば、ユーザがAF領域設定範囲内へのタッチ操作によりAF領域を設定し、被写体追尾を開始する際に、AF領域設定範囲外へのタッチダウン、タッチムーブ、タッチアップの一連のタッチ操作により、フォーカス駆動速度、フォーカス駆動方向、AF開始のタイミングを調整できる。これにより、焦点調節対象の被写体が動体である場合でも、被写体に捉われずタッチパネルによる直感的な操作によりフォーカス駆動速度を容易に調節することができる。
なお、本実施形態では、図2(b)に示すように水平方向において相関演算を行える撮像素子の構成を用いたが、垂直方向に相関演算を行える構成や、水平/垂直のいずれの方向でも相関演算を行えるような構成であってもよい。また、図2(a)、(b)のセンサの種類に依らず、コントラスト検出方式でAFを行う構成であってもよい。
[実施形態2]次に、実施形態2について説明する。
実施形態1では、ユーザがAF領域設定範囲外へタッチダウン後、タッチムーブを行うことでスライド距離に応じてフォーカス駆動速度を決定し、タッチアップすることでAFを開始していた。これに対して、実施形態2では、ユーザがAF領域設定範囲外へタッチダウン後、タッチムーブを行う速度に応じてフォーカス駆動速度を決定する。また、タッチアップだけでなく、タッチアップされていなくてもフリックが行われた場合にAFを開始するように制御する。
本実施形態におけるレンズユニット10及びカメラ本体20の構成については、実施形態1の図1と同様であるので説明を省略する。
次に、図13のフローチャートを参照して、本実施形態におけるカメラ本体20で行われる動画撮影処理について説明する。
なお、図13におけるAF処理は、実施形態1の図4と同様であるので説明を省略する。
図13のS1301からS1310は、図3のS301からS310の処理と同じである。また、図13のS1314、S1315、S1317、S1320、S1321、S1323からS1325は、図3のS313、S314、S315、S318、S319、S321からS323の処理と同じである。
S1311では、カメラ制御部214は、タッチムーブ位置をRAM210に記憶する。本実施形態では、タッチムーブ位置として最新タッチムーブ位置と前回タッチムーブ位置の2つをバッファに記憶する。タッチムーブされた初回には、最新タッチムーブ位置に記憶する。2回目以降は、最新タッチムーブ位置に前回のタッチムーブ位置が記憶されているので、これを前回タッチムーブ位置として記憶する。そして、最新のタッチムーブ位置は最新タッチムーブ位置に記憶する。
S1312では、カメラ制御部214は、前回タッチムーブ位置がまだ記憶されていないか否かを判定し、記憶されていない場合はS1314へ進み、記憶されている場合はS1313へ進む。前回タッチムーブ位置が記憶されていない場合は、タッチムーブされた初回の状態である。
S1313では、カメラ制御部214は、最新タッチムーブ位置と前回タッチムーブ位置との差(スライド操作の移動速度、以下、スライド距離変化量と呼ぶ)が所定値(スライド操作の移動速度の閾値)D2以下か否かを判定し、所定値D2以下である場合はS1314へ進み、所定値D2よりも大きい場合はS1315へ進む。スライド距離変化量が所定値D2以下ということは、単位時間当たりのスライド距離が所定値以下、すなわちスライド操作速度が所定値以下であることを意味する。本実施形態ではスライド操作速度が所定値以下である場合はS1314でフォーカス駆動速度をより遅いV1に設定し、スライド操作速度が所定値より速い場合はS1315でフォーカス駆動速度をより速いV2に設定する。これにより、ユーザはスライド操作速度に応じてフォーカス駆動速度を直感的に調節することができる。なお、まだタッチムーブ位置が1つしか記憶されていない、すなわちスライド操作の速さを求められない場合には、S1312の判定によってより遅いフォーカス駆動速度V1に設定しておく。
S1316では、カメラ制御部214は、タッチダウン位置と最新タッチムーブ位置との差(スライド距離)が所定値D3以上か否かを判定し、所定値D3以上である場合はS1320へ進み、所定値D3より小さい場合はS1318へ進む。本実施形態では、S1317でタッチアップされていない場合でも、スライド距離が所定値以上、すなわちある程度の移動量でスライド操作がされたと判定できる場合には、AF処理へ移行するように制御する。これにより、ユーザはフリック操作によって容易にピント調整を行うことができる。
S1318では、カメラ制御部214は、最新タッチムーブ位置が初期値か否かを判定し、初期値である場合はS1319へ進み、初期値でない場合はS1320へ進む。実施形態1のS316では、タッチムーブ位置情報を使用したが、本実施形態では最新タッチムーブ位置を使用する。
S1319では、カメラ制御部214は、AF領域設定範囲外でタッチムーブすることでフォーカス駆動の指示を行うよう促す表示を行い、S1308へ戻る。実施形態1のS317ではフォーカス駆動速度の設定を行うよう促す表示を行ったが、本実施形態ではフォーカス駆動速度の設定はされているため、フォーカス駆動方向やAF開始の指示などのフォーカス駆動の指示を行うよう促す表示を行う。なお、S1314でのフォーカス駆動速度の設定はタッチムーブが行われないまま行ったため、ユーザに対して実施形態1のようにフォーカス駆動速度の設定を促す表示を行ってもよい。
S1322では、カメラ制御部214は、タッチダウン位置よりも最新タッチムーブ位置の方が右側または下側か判定する。タッチダウン位置よりも最新タッチムーブ位置の方が右側または下側である場合はS1323へ進み、左側または上側である場合はS1324へ進む。実施形態1のS320では、タッチムーブ位置情報を使用したが、本実施形態では最新タッチムーブ位置を使用する。
ここで、図14を参照して、本実施形態における、AF領域設定範囲外に対するタッチダウン及びタッチムーブによるフォーカス駆動速度、フォーカス駆動方向の決定、AFの開始について説明する。図14はカメラが捉えている被写体の距離関係、現在の合焦位置、及び撮像画面を示している。カメラは被写体A、B、Cの3つを捉えており、被写体Aが最も無限側、被写体Cが最も至近側に位置している。また、撮像画面内においては、被写体Aは最も左側、被写体Cが最も右側に位置している。図14(a)はタッチ操作を実行する前の状態を示している。被写体Bに合焦しており、AF領域は被写体Cの位置に設定されている。図14(b)はAF領域設定範囲外をタッチダウン後、タッチムーブを行った場合を示している。この場合、スライド操作速度が遅く、S1313にてスライド距離変化量が所定値D2以下と判定された場合、フォーカス駆動速度はより遅いV1に設定される。さらに、S1316にてスライド距離が所定値D3以上である場合にフォーカス駆動方向を決定し、AFを開始する。タッチダウン位置よりもタッチムーブ位置が右側になっているのでフォーカス駆動方向を至近方向に設定し、AFを開始して被写体Bから被写体Cへ合焦位置が切り替わる。図14(c)は図14(b)の状態からAF領域範囲内の被写体Aの位置をタッチダウンした場合を示している。被写体Aの位置をタッチダウンすることで、被写体Aに対して設定AF領域が設定される。AFは実行しないので、被写体Cに合焦したままである。図示していないが、タッチダウンにより被写体Aに対して設定AF領域を設定した後、タッチアップしたとして図14(d)を説明する。図14(d)はAF領域設定範囲外をタッチダウン後、タッチムーブを行った場合を示している。ただし、図14(d)では図14(b)と異なりスライド操作速度が速く、S1313にてスライド距離変化量が所定値D2より大きいと判定された場合、フォーカス駆動速度はより速いV2に設定される。さらに、S1316にてスライド距離が所定値D3以上である場合にフォーカス駆動方向を決定し、AFを開始する。タッチダウン位置よりもタッチムーブ位置が左側になっているのでフォーカス駆動方向を無限方向に設定し、AFを開始して被写体Cから被写体Aへ合焦位置が切り替わる。
本実施形態によれば、ユーザがAF領域設定範囲内へのタッチ操作によりAF領域を設定し、被写体の追尾を開始してAF領域を追尾させる。そして、AF領域設定範囲外へのタッチダウン後、単位時間当たりのスライド距離、すなわちスライド操作速度に応じてフォーカス駆動速度を設定する。また、タッチアップだけでなくフリックをトリガとしてフォーカス駆動方向を決定し、AFを開始する。これにより、AF対象の被写体が動体である場合でも、被写体に捉われずタッチパネルによる直感的な操作によりフォーカス駆動速度を容易に調節することができる。
[実施形態3]次に、実施形態3について説明する。
AF領域設定範囲の境界について、実施形態1、2では常に表示していた。これに対して、実施形態3では、AF領域が設定されていない状態ではAF領域設定範囲の境界を表示せず、タッチ操作によりAF領域が設定されると境界を表示するように制御する。さらに、AF領域設定範囲の境界を表示する場合は設定AF領域の位置に重ならないように表示範囲を変更することで、AF領域設定範囲外へのタッチ操作によるAF準備/開始操作を容易に行えるようにする。
本実施形態におけるレンズユニット10及びカメラ本体20の構成については、実施形態1の図1と同様であるので説明を省略する。また、本実施形態における、カメラ本体20で行われる処理については、実施形態1の図3、図4と同様であるので説明を省略する。
次に、図15を参照して、本実施形態におけるAF領域設定範囲の表示方法について説明する。図15は、撮影画面及び画面内の被写体、AF領域、AF領域設定範囲の境界を示し、ユーザのタッチ操作に応じて表示状態が変化する。図15(a)はタッチ操作を実行する前の状態を示している。撮像画面内には被写体A、Bが表示されているのみで、AF領域やAF領域設定範囲を示す境界は表示されていない。この状態では、撮像画面のどの領域をタッチダウンしてもAF領域の設定を行えるものとする。図15(b)はユーザが被写体Aに対してタッチダウンした場合を示している。ユーザが被写体Aに対してタッチダウンすることでAF領域が被写体Aの位置に設定される。さらに、AF領域設定範囲を示す境界が表示され、この領域外を操作することで、実施形態1、2で説明したように、フォーカス駆動速度、フォーカス駆動方向の設定やAF開始を行うことができる。図15(c)はユーザが被写体Bに対してタッチダウンした場合を示している。ユーザが被写体Bに対してタッチダウンすることでAF領域が被写体Bの位置に設定される。被写体Bは撮像画面の下方に位置しており、図15(b)のようなAF領域設定範囲の境界ではAF領域と重なってしまう。そこで、図15(c)に示したようにAF領域設定範囲の境界がAF領域と重ならないよう、下方には境界を設けないように表示する。また、図15(c)ではAF領域設定範囲の境界を下方に設けないようにしたが、例えば撮像画面の右側の隅に被写体が存在するようなケースでは、右側に境界を設けないというようにする。このようにAF領域設定範囲の境界の表示を行うことで、ユーザは撮像画面のどの領域をタッチしてもAF領域を設定できる。さらにAF設定範囲外のタッチ操作によるAF準備/開始処理も、AF領域の位置が撮像画面のどの位置であっても行える。また、AF領域設定後に被写体が移動して追尾している場合には、被写体の移動位置に合わせてAF領域設定範囲の境界の表示を、AF領域と重ならないように変更する。また、図11のように、AF領域設定範囲外に設定フォーカス駆動速度を表示する場合には、AF領域の位置に重ならないように、フォーカス駆動速度の表示部分を変更するように制御する。
本実施形態によれば、AF領域が未設定の状態ではAF領域設定範囲の境界を表示せず、撮像画面内のどの位置でもAF領域を設定できる。さらに、ユーザがタッチ操作によりAF領域を設定した場合に、AF領域の位置に重ならないようにAF領域設定範囲の境界を識別可能に表示する。これにより、AF領域の位置に捉われずにAF領域設定範囲外をタッチ操作することによるAF準備処理、AF処理を行うことができる。
[実施形態4]次に、実施形態4について説明する。
実施形態1では、ユーザがAF領域設定範囲外へタッチダウン後、タッチムーブを行うことで、スライド距離に応じてフォーカス駆動速度を決定していた。これに対して、実施形態4では、ユーザがAF領域設定範囲外へタッチダウン後、タッチムーブを行うことで、スライド距離に応じてフォーカスレンズ103を駆動するためのフォーカス駆動時間を決定する。
本実施形態におけるレンズユニット10及びカメラ本体20の構成については、実施形態1の図1と同様であるので説明を省略する。
次に、図16のフローチャートを参照して、本実施形態におけるカメラ本体20で行われる動画撮影処理について説明する。
図16のS1601からS1612は、図3のS301からS312の処理と同じである。また、図16のS1616、S1617、S1619からS1624は、図3のS315、S316、S318からS323の処理と同じである。
S1613では、カメラ制御部214は、フォーカス駆動速度を決定するためのパラメータであるフォーカス駆動時間をT1に設定する。
S1614では、カメラ制御部214は、フォーカス駆動時間をT2に設定する。なお、フォーカス駆動時間T1は、フォーカス駆動時間T2よりも長い設定である(T1>T2)。
S1615では、カメラ制御部214は、設定したフォーカス駆動時間を撮像画面上に表示する。表示方法については図19で後述する。
本実施形態では、S1609で記憶したタッチダウン位置と、S1611で記憶したタッチムーブ位置との差(スライド距離)に応じてフォーカス駆動時間を設定する。スライド距離が小さいほどより長いフォーカス駆動時間を設定し、スライド距離が大きいほどより短いフォーカス駆動時間を設定する。これにより、ユーザがタッチダウン後にタッチムーブした距離とフォーカス駆動時間とが対応するので、ユーザが直感的にAF時のフォーカス駆動速度を調節することができる。さらに、S1602からS1607の処理により、ユーザが設定した被写体に対して被写体追尾を実行しているので、ユーザは被写体の移動状態などを気にすることなく、フォーカスレンズ103のフォーカス駆動時間の設定に専念することができる。なお、本実施形態ではスライド距離の閾値を1つ設けて、スライド距離から設定するフォーカス駆動速度を2種類に設定したが、より多くの閾値及び駆動速度を設定してもよい。その場合も、スライド距離が大きいほど、より短いフォーカス駆動時間を設定するようにする。
なお、本実施形態で設定されるフォーカス駆動時間は、確実に設定時間内に合焦させることを保証するものではなく、ある程度の誤差を含んだ時間である。デフォーカス量の演算誤差やフォーカスレンズ103の停止できる分解能の粗さや設定できる速度の粗さなどによって、フォーカス駆動時間の誤差も変動する。
S1618では、カメラ制御部214は、AF領域設定範囲外でタッチムーブすることでフォーカス駆動時間の設定を行うよう促す表示を行い、S1608へ戻る。
本実施形態では、AF領域設定範囲外に対してタッチダウン後、タッチムーブによりフォーカス駆動時間を設定し、タッチアップされたことでAF処理へ進むように制御する。S1616でタッチアップを検出したものの、一度もタッチムーブされておらず、フォーカス駆動時間が設定されていない場合はS1617でタッチムーブされていないと判定する。そして、再度AF領域設定範囲外に対して、タッチダウン、タッチムーブ、タッチアップを判定するようにS1608へ戻る。なお、本実施形態ではS1618においてタッチムーブによりフォーカス駆動時間の設定を行うよう促す表示を行うようにしたが、表示を行わないようにしてもよい。
次に、図17のフローチャートを用いて、図16のS1624においてAF信号処理部204及びカメラ制御部214が行うAF処理について説明する。
図17のS1701からS1706、S1708からS1715は、図4のS401からS406の処理、S407からS414の処理と同じである。
S1707では、カメラ制御部214は、S1613またはS1614で設定されたフォーカス駆動時間に応じてフォーカス駆動速度を設定する。
次に、図18のフローチャートを用いて、図17のS1707においてカメラ制御部214が行うフォーカス駆動速度設定処理について説明する。
S1801では、カメラ制御部214は、フォーカス駆動速度設定フラグがオフか否かを判定し、オフである場合はS1802へ進み、オンである場合はフォーカス駆動速度設定処理を終了する。フォーカス駆動速度設定フラグがオンである場合は、図18の後述するステップですでにフォーカス駆動速度が設定されている場合であり、フォーカス駆動速度を再設定しないように制御する。なお、フォーカス駆動速度設定フラグは、図16のS1601の初期化処理でオフにしておく。
S1802では、カメラ制御部214は、検出したデフォーカス量の信頼性が所定信頼性より高いか否かを判定する。ここで設定する信頼性の閾値は、算出されたデフォーカス量が信頼できない信頼性範囲の最高値を所定信頼性と設定するのが望ましい。デフォーカス量の信頼性が所定より高い場合はS1803へ進み、そうでない場合はS1808へ進む。
S1803では、カメラ制御部214は、設定したフォーカス駆動時間と検出したデフォーカス量に基づき、検出デフォーカス位置に対して設定フォーカス駆動時間で到達できるフォーカス駆動速度を算出する。例えば、検出デフォーカス量が撮像面で1mmずれていると検出し、設定フォーカス駆動時間が2秒と設定された場合は、1秒当たり撮像面で0.5mm合焦位置に近づくようにフォーカス駆動速度を設定する。なお、上述したように、設定できるフォーカス駆動速度の分解能や、検出デフォーカス量の誤差があるため、設定フォーカス駆動時間と実際のフォーカス駆動時間にはある程度の誤差が発生する。
S1804では、カメラ制御部214は、S1803で算出したフォーカス駆動速度がフォーカスレンズ103に対して設定可能な速度であるか否かを判定する。S1803で設定したフォーカス駆動速度が、フォーカスレンズ103が動作不可能なほど遅い速度であったり、速い速度であったりする場合に設定不可能な速度とする。フォーカス駆動速度が設定可能な場合はS1805へ進み、設定不可能な場合はS1806へ進む。なお、レンズユニットの種類によって設定可能なフォーカスレンズの速度の範囲は変化する。
S1805では、カメラ制御部214は、S1803で算出したフォーカス駆動速度をAFに使用する速度として設定する。
S1806では、カメラ制御部214は、S1803で算出したフォーカス駆動速度がフォーカスレンズ103の設定可能範囲に対して遅すぎるのか、速すぎるのかを判定すし、遅すぎる場合はS1807へ進み、速すぎる場合はS1808へ進む。
S1807では、カメラ制御部214は、フォーカスレンズ103が設定できる最低速度のフォーカス駆動速度を設定する。
S1808では、カメラ制御部214は、フォーカスレンズ103が設定できる最高速度のフォーカス駆動速度を設定する。
S1809では、カメラ制御部214は、ユーザが設定したフォーカス駆動時間でのフォーカス駆動が実現できない警告を撮像画面上に表示する。
S1810では、カメラ制御部214は、フォーカス駆動速度設定フラグをオンに設定してフォーカス駆動速度設定処理を終了する。
図18では、ユーザがタッチムーブによって設定したフォーカス駆動時間をフォーカス駆動速度に換算するが、設定したフォーカス駆動時間を満たすことができない場合もある。S1802に示したようにデフォーカス量の信頼性が低く所望にデフォーカス量を検出できていない場合は、フォーカス駆動速度を算出することができない。例えば、被写体がボケすぎている場合は、被写体のコントラストが低く精度が十分に保証できない。この場合は、S1808で最高速のフォーカス駆動速度を設定する。特に被写体がボケすぎている場合、実際のデフォーカス量が大きいと想定される場合を考慮して、速いフォーカス駆動速度を設定する。なお、この方法に限らず、遅いフォーカス駆動速度を設定してもよい。また、レンズユニットの種類によっては、フォーカスレンズが駆動できる速度の範囲が異なり、所定より低速/高速でフォーカスレンズを駆動できない種類があることが想定される。このような場合に、S1804に示したように、ユーザが設定したフォーカス駆動時間と検出したデフォーカス量の関係によっては、所望なフォーカス駆動時間が設定できないことがある。設定したフォーカス駆動時間を満たすフォーカス駆動速度を設定することができなかった場合は、S1806からS1808の処理のように、算出したフォーカス駆動速度が遅すぎる場合には最低速、速すぎる場合には最高速を設定する。ユーザが設定したフォーカス駆動時間により近い設定にするように制御する。また、ユーザが設定したフォーカス駆動時間を満たすことができない旨をユーザに通知するために、S1809にて警告を表示する。
図19は撮像画面へのフォーカス駆動時間時間の表示方法を示している。図19では撮像画面の右側に設定フォーカス駆動時間表示部分が設けられている。AF領域設定範囲外へのタッチダウン、タッチムーブによりフォーカス駆動時間が設定された場合に、設定された時間に応じて、時間が長いほどバーを塗りつぶす長さが長く、時間が短いほどバーを塗りつぶす長さを短くするようにする。時間表示は、バーの下側から上に伸びるように表示する。さらに、設定時間が正確に分かるようにバーの近くに設定した時間を表示する。本実施形態ではバーの下方に表示している。まだフォーカス駆動時間が設定されていない状態である場合は、バーを塗りつぶさないように表示する。本実施形態ではフォーカス駆動時間をT1、T2の2種類としているが、設定可能なフォーカス駆動速度の段数を考慮して表示分解能を決定することが望ましい。さらに、上述したように設定したフォーカス駆動時間を満たすフォーカス駆動速度が設定できない場合がある。フォーカス駆動時間が短すぎる、すなわちフォーカス駆動速度が速すぎる場合には、時間設定NG例1のように、より長時間設定を促すような警告を表示する。フォーカス駆動時間が長すぎる、すなわちフォーカス駆動速度が遅すぎる場合には、時間設定NG例2のように、より短時間設定を促すような警告を表示する。また、デフォーカス量の信頼性が低く、フォーカス駆動時間を満たすフォーカス駆動速度が算出できない場合には、時間設定NG例3のようにAF情報が検出不能な旨の警告を表示する。本実施形態では、図19で設定フォーカス駆動速度表示を縦長のバーとして表示する例を説明したが、横長のバーとして表示するようにしてもよい。また、表示の位置は撮像画面の右側でなくてもよい。
また、S1801でフォーカス駆動速度設定フラグがオフか否かを判定し、フォーカス駆動速度を設定した場合にはS1810でフォーカス駆動速度フラグをオンに設定している。このように制御することで、図17のAF処理の初回にのみ、設定されたフォーカス駆動時間に基づきフォーカス駆動速度を算出するようにする。
本実施形態によれば、ユーザがAF領域設定範囲内へのタッチ操作によりAF領域を設定し、被写体の追尾を開始してAF領域を追尾させる。そして、AF領域設定範囲外へのタッチダウン、タッチムーブ、タッチアップの一連のタッチ操作により、フォーカス駆動時間、フォーカス駆動方向を設定し、AFを開始する。AF開始後、設定フォーカス駆動時間と検出したデフォーカス量に基づきフォーカス駆動速度を算出して、AF処理を行う。これにより、AF対象の被写体が動体である場合でも、被写体に捉われずタッチパネルによる直感的な操作によりフォーカス駆動時間を容易に調節することができる。
なお、本実施形態では図16の動画撮影処理において、AF領域設定範囲外でのタッチアップによるAF開始後、図17のAF処理にてデフォーカス量の検出を開始して、図18にてフォーカス駆動速度の設定をしたが、AF領域設定範囲外へのタッチダウン、タッチムーブ、タッチアップの一連のタッチ操作中に、デフォーカス量の検出及びフォーカス駆動速度の設定をするように制御してもよい。これにより、タッチアップによるAF開始をしなくても、タッチムーブによるフォーカス駆動時間設定中にフォーカス駆動速度を算出することで、フォーカス駆動時間設定不可能時の警告表示を行うことができる。
[実施形態5]次に、実施形態5について説明する。
実施形態4では、ユーザがAF領域設定範囲外へタッチダウン後、タッチムーブを行うことで、スライド距離に応じてフォーカス駆動時間を決定していた。そして、タッチアップすることでAFを開始し、AF開始時にフォーカス駆動時間と検出したデフォーカス量からフォーカス駆動速度を決定していた。これに対して、実施形態5では、ユーザがAF領域設定範囲外へタッチダウン後、タッチムーブを行う速さに応じてフォーカス駆動時間を決定する。また、タッチアップだけでなく、タッチアップされていなくてもフリックが行われた場合にAFを開始するように制御する。
本実施形態におけるレンズユニット10及びカメラ本体20の構成については、実施形態1の図1と同様であるので説明を省略する。
次に、図20のフローチャートを参照して、本実施形態におけるカメラ本体20で行われる動画撮影処理について説明する。
なお、図20におけるAF処理、フォーカス駆動速度設定処理は、実施形態4の図17、図18と同様であるので説明を省略する。
図20のS2001からS2010及びS2014からS2016は、図16のS1601からS1610の処理及びS1613からS1615の処理と同じである。また、図20のS2018、S2021、S2022、S2024からS2026は、図16のS1616、S1619、S1620、S1622からS1624の処理と同じである。さらに、図20のS2011、S2012、S2017、S2019、S2023は、図13のS1311、S1312、S1316、S1318、S1322の処理と同じである。
S2013では、カメラ制御部214は、図13のS1313と同様に、スライド距離変化量が所定値D2以下か否かを判定し、所定値D2以下である場合はS2014へ進み、所定値D2よりも大きい場合はS2015へ進む。スライド距離変化量が所定値D2以下ということは、単位時間当たりのスライド距離が所定値以下、すなわちスライド操作速度が所定値以下であることを意味する。本実施形態ではスライド操作速度が所定値以下である場合はS2014でフォーカス駆動時間をより長いT1に設定し、スライド操作速度が所定値より速い場合はS2015でフォーカス駆動時間をより短いT2に設定する。これにより、ユーザはスライド操作速度に応じて、フォーカス駆動時間を直感的に設定することができる。まだタッチムーブ位置が1つしか記憶されていない、すなわちスライド操作速度を計算できない場合には、S2012での判定によってより長いフォーカス駆動時間T1を設定しておく。
S2020では、カメラ制御部214は、図13のS1319と同様に、AF領域設定範囲外でタッチムーブすることでAF開始の指示を行うよう促す表示を行い、S2008へ戻る。図16のS1618ではフォーカス駆動時間の設定を行うよう促す表示を行ったが、本実施形態ではフォーカス駆動時間の設定はされているため、フォーカス駆動方向やAF開始の指示などのフォーカス駆動の指示を行うよう促す表示を行う。なお、S2014でのフォーカス駆動時間の設定はタッチムーブが行われないまま行ったため、ユーザに対して実施形態4のようにフォーカス駆動時間の設定を促す表示を行ってもよい。
本実施形態によれば、ユーザがAF領域設定範囲内へのタッチ操作によりAF領域を設定し、被写体の追尾を開始してAF領域を追尾させる。そして、AF領域設定範囲外へのタッチダウン後、単位時間当たりのスライド距離、すなわちスライド操作速度に応じてフォーカス駆動時間を設定する。また、タッチアップだけでなくフリックをトリガとしてフォーカス駆動方向を決定し、AFを開始する。これにより、ユーザの焦点調節対象の被写体が動体である場合でも、被写体に捉われずタッチパネルによる直感的な操作によりフォーカス駆動時間を容易に調節することができる。
[実施形態6]次に、実施形態6について説明する。
実施形態1では、ユーザがAF領域設定範囲内をタッチダウンすることでAF領域位置の設定、ならびに、設定した位置の被写体に対して被写体追尾を開始していた。さらに、ユーザがAF領域設定範囲外へタッチダウン後、タッチムーブを行うことで、スライド距離に応じてフォーカス駆動速度を決定していた。そして、タッチアップすることでAFを開始していた。これに対して、実施形態6では、ユーザがAF領域設定範囲内をタッチダウンした後、所定時間以内にタッチアップされたか否かに応じて、タッチアップ後に即時AF処理を開始するか、実施形態1と同じ制御を実施するかを切り替えるように制御する。
本実施形態におけるレンズユニット10及びカメラ本体20の構成については、実施形態1の図1と同様であるので説明を省略する。
次に、図21のフローチャートを参照して、本実施形態におけるカメラ本体20で行われる動画撮影処理について説明する。
なお、図21におけるAF処理は、実施形態1の図4と同様であるので説明を省略する。
図21のS2101からS2103及びS2107からS2126は、図3のS301からS303の処理及びS304からS323の処理と同じである。
S2104では、カメラ制御部214は、AF領域設定範囲内へのタッチダウン後に所定時間経過したか否かを判定し、所定時間経過した場合はS2107へ進み、所定時間経過していない場合はS2105へ進む。
S2105では、カメラ制御部214は、タッチアップされたか否かを判定し、タッチアップされた場合はS2106へ進み、タッチアップされていない場合はS2104へ戻る。S2104で所定時間が経過したと判定するか、S2105でタッチアップされたと判定するまでは、S2104、S2105の処理を繰り返す。
S2106では、カメラ制御部214は、タッチ後即時AF処理を実行して動画撮影処理を終了する。タッチ後即時AF処理は、AF領域設定範囲外へのタッチ操作によるフォーカス駆動速度やフォーカス駆動方向の決定処理を省き、S2103で設定したAF領域位置に対して即時AFを実行する処理である。タッチ後即時AF処理では独自にフォーカス駆動速度やフォーカス駆動方向の決定を行う。例えば、検出したデフォーカス量に応じてフォーカス駆動速度やフォーカス駆動方向の決定を行う。
本実施形態では、AF領域設定範囲内へのタッチダウン後、所定時間経過する前にタッチアップされた場合には、即時AF処理を実行する。また、タッチアップまでに所定時間経過した場合には、AF領域設定範囲外に対してタッチダウン、タッチムーブを行うことで、フォーカス駆動速度、フォーカス駆動方向、AF開始を行う。これにより、タッチ位置に対して即時AFを行う機能と、AF領域設定範囲外へのタッチ操作によりAFを行う機能を、ユーザが直感的に切り替えて使用することができる。
また、S2104で機能の使い分けを判定するための所定時間については、2つのAF機能の切り替えをストレスなく行えるような時間を設定するのが望ましい。時間が短すぎるとタッチ後即時AF処理を発動しにくく、時間が長すぎるとAF領域設定範囲外へのタッチ操作によるAF処理が発動しにくいため、両者の発動しやすさのバランスに基づき決定する。
本実施形態によれば、ユーザがAF領域設定範囲内をタッチした後、所定時間以内にタッチアップするか否かによって、AF機能を切り替える。所定時間以内にタッチアップされた場合には、タッチアップ後に即時AF処理を開始する。また、所定時間以内にタッチアップされなかった場合には、AF領域設定範囲外へのタッチダウン、タッチムーブによるフォーカス駆動速度の設定、フォーカス駆動方向の設定、AF開始を行う。これにより、AF領域設定範囲内へのタッチダウン後、タッチアップまでの時間に応じて、タッチ位置に対して即時AFを行う機能と、AF領域設定範囲外へのタッチ操作によるAF機能を、ユーザが直感的に切り替えて使用することができる。
なお、本実施形態は、実施形態1の構成に基づいて説明したが、実施形態2、実施形態4、実施形態5の構成に基づき2つのAF機能の切り替えを行うように制御してもよい。
なお、カメラ制御部214が行うものとして説明した上述の各種制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェア(例えば、複数のプロセッサや回路)が処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
また、上述した実施形態においては、レンズ交換式のカメラシステムに適用した例を説明したが、これに限定されず、タッチ操作に応じてAF処理を行う機能を有する装置であれば適用可能である。すなわち、本発明は、パーソナルコンピュータやタブレット端末、携帯電話端末やスマートフォン、PDA(携帯情報端末)、携帯型の画像ビューワ、音楽プレーヤ、ゲーム機、電子ブックリーダ、プロジェクタ、その他のディスプレイを備える医療機器や家電装置や車載装置などに適用可能である。
また、カメラ本体20に限らず、有線または無線通信を介して撮像装置(ネットワークカメラを含む)と通信し、撮像装置を遠隔で制御する制御装置にも本発明を適用可能である。撮像装置を遠隔で制御する装置としては、例えば、スマートフォンやタブレットPC、デスクトップPCなどの装置がある。制御装置側で行われた操作や制御装置側で行われた処理に基づいて、制御装置側から撮像装置に各種動作や設定を行わせるコマンドを通知することにより、撮像装置を遠隔から制御可能である。また、撮像装置で撮影したライブビュー画像を有線または無線通信を介して受信して制御装置側で表示できるようにしてもよい。
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
10…レンズユニット、20…カメラ本体、103…フォーカスレンズ、105…フォーカスレンズ駆動部、106…レンズ制御部、204…AF信号処理部、206…表示部、207…カメラ操作部、207a…タッチパネル、214…カメラ制御部

Claims (17)

  1. 表示手段に対するタッチ操作を検知するタッチ検知手段と、
    前記表示手段の表示領域のうちライブビュー画像が表示された領域を含む第1の領域に対する第1のタッチ操作に基づいて焦点調節の対象を決定する決定手段と、
    前記第1のタッチ操作の後に行われる、前記第1のタッチ操作とは異なるタッチによる第2のタッチ操作であって、前記表示手段の表示領域のうち前記第1の領域と異なる第2の領域に対する前記第2のタッチ操作のタッチ位置の移動量または移動速度に応じた速度で、前記決定手段で決定された焦点調節の対象が合焦するようにオートフォーカス(AF)を行うように制御する制御手段と、を有することを特徴とする撮像制御装置。
  2. 前記第2の領域にも前記ライブビュー画像が表示されることを特徴とする請求項1に記載の撮像制御装置。
  3. 前記第1の領域は前記ライブビュー画像が表示された領域の中央を含み、前記第2の領域は前記ライブビュー画像が表示された領域の端部であることを特徴とする請求項2に記載の撮像制御装置。
  4. 前記第2の領域は、前記第1の領域の周囲であって、長手方向へのタッチ位置の移動量または移動速度を検知可能な領域であることを特徴とする請求項3に記載の撮像制御装置。
  5. 前記決定手段により決定された前記焦点調節の対象の撮像画面内における位置が変化した場合であっても当該対象を追尾する追尾手段を更に有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記タッチ位置の移動量が所定量以上の場合、または前記第2のタッチ操作がされた後に前記タッチ検知手段がタッチ操作を検知しなくなった場合にAFを開始するように制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記タッチ検知手段が前記第1のタッチ操作を検出した後、所定時間以内にタッチ操作を検知しなくなった場合には、前記第2のタッチ操作のタッチ位置の移動量または移動速度に応じた速度によらず即時に、前記焦点調節の対象に対してAFを開始するように制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
  8. 前記制御手段は、前記第2のタッチ操作の方向に応じてAFを行う方向を決定することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
  9. 前記制御手段は、AF時のフォーカス駆動速度またはフォーカス駆動時間に関する情報を前記表示手段に表示するように制御することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
  10. 前記情報は、前記フォーカス駆動時間の設定が不能なことを示す情報を含むことを特徴とする請求項9に記載の撮像制御装置。
  11. 前記制御手段は、前記第1の領域と前記第2の領域の境界を識別可能に前記表示手段に表示するように制御することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
  12. 前記制御手段は、前記決定手段により前記焦点調節の対象が決定されると前記境界を表示し、前記決定された焦点調節の対象と重ならないように前記境界を表示するように制御することを特徴とする請求項11に記載の撮像制御装置。
  13. 前記制御手段は、前記焦点調節の対象に合焦した場合、または、AF開始時に設定したフォーカス駆動方向への焦点調節が終了した場合に前記焦点調節を停止することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
  14. AFの焦点検出方式が位相差検出方式の場合、前記制御手段は、フォーカス駆動方向と逆方向の相関演算の結果を使用しないことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
  15. 表示手段に対するタッチ操作を検知するタッチ検知手段を有する撮像制御装置の制御方法であって、
    前記表示手段の表示領域のうちライブビュー画像が表示された領域を含む第1の領域に対する第1のタッチ操作に基づいて焦点調節の対象を決定するステップと、
    前記第1のタッチ操作の後に行われる、前記第1のタッチ操作とは異なるタッチによる第2のタッチ操作であって、前記表示手段の表示領域のうち前記第1の領域と異なる第2の領域に対する前記第2のタッチ操作のタッチ位置の移動量または移動速度に応じた速度で、前記決定された焦点調節の対象が合焦するようにオートフォーカス(AF)を行うように制御するステップと、を有することを特徴とする制御方法。
  16. コンピュータを、請求項1から14のいずれか1項に記載された撮像制御装置の各手段として機能させるためのプログラム。
  17. コンピュータを、請求項1から14のいずれか1項に記載された撮像制御装置の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11962888B2 (en) 2021-09-17 2024-04-16 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Imaging apparatus with focus operation display information

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11962888B2 (en) 2021-09-17 2024-04-16 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Imaging apparatus with focus operation display information

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