JP2020052205A - 表示制御システム、表示制御方法及びプログラム - Google Patents

表示制御システム、表示制御方法及びプログラム Download PDF

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Yukitsugu Uryu
幸嗣 瓜生
川口 健一
Kenichi Kawaguchi
健一 川口
公彦 中務
Kimihiko Nakatsukasa
公彦 中務
光司 橘田
Koji Kitsuta
光司 橘田
村嶋 祐二
Yuji Murashima
祐二 村嶋
健介 水原
Kensuke Mizuhara
健介 水原
未佳 砂川
Mika Sunagawa
未佳 砂川
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Takashi Sasaki
隆志 佐々木
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Abstract

【課題】表示に関して現実性の向上を図ることが可能な表示制御システム、表示制御方法及びプログラムを提供する。【解決手段】表示制御システム1は、画像表示装置2と、光出力装置3と、を備える。画像表示装置2は、仮想光源L1が規定されている画像Im1を画面20に表示する。光出力装置3は、画面20から光を出力する。光出力装置3は、仮想光源L1と画面20との位置関係に応じて、画面20から出力される光について配光制御を実行する。【選択図】図1

Description

本開示は、一般に表示制御システム、表示制御方法及びプログラムに関し、より詳細には画面に画像を表示するための表示制御システム、表示制御方法及びプログラムに関する。
特許文献1には、視聴者が室内から窓の外を眺めているかのような動的な映像を表示するための映像表示装置が記載されている。
特許文献1に記載の映像表示装置は、表示画面に対するユーザ(視聴者)の位置を特定し、ユーザの位置に応じて表示画面に表示する映像コンテンツの表示範囲を変化させる。ユーザの移動が水平方向又は鉛直方向であれば、ユーザの移動に応じて表示範囲をスライドする。また、ユーザの移動が奥行方向であれば、ユーザの移動に応じて表示範囲を拡大又は縮小する。これにより、特許文献1に記載の映像表示装置では、ユーザが窓から外を眺めるかのように表示範囲を変化させている。
特開2016−66918号公報
しかし、特許文献1に記載の構成では、所詮は画面(表示画面)に画像(映像コンテンツ)を表示しているに過ぎず、更なる現実性の向上が望まれる。
本開示は上記事由に鑑みてなされており、表示に関して現実性の向上を図ることが可能な表示制御システム、表示制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る表示制御システムは、画像表示装置と、光出力装置と、を備える。前記画像表示装置は、仮想光源が規定されている画像を画面に表示する。前記光出力装置は、前記画面から光を出力する。前記光出力装置は、前記仮想光源と前記画面との位置関係に応じて、前記画面から出力される光について配光制御を実行する。
本開示の一態様に係る表示制御方法は、画像表示処理と、光出力処理と、配光制御処理と、を有する。前記画像表示処理は、仮想光源が規定されている画像を画面に表示する処理である。前記光出力処理は、前記画面から光を出力する処理である。前記配光制御処理は、前記仮想光源と前記画面との位置関係に応じて、前記画面から出力される光について配光制御する処理である。
本開示の一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、前記表示制御方法を実行させるためのプログラムである。
本開示によれば、表示に関して現実性の向上を図ることが可能である、という利点がある。
図1は、実施形態1に係る表示制御システムの使用例を示す概念図である。 図2Aは、同上の表示制御システムの正面図、図2Bは、同上の表示制御システムの側面図である。 図3は、同上の表示制御システムのブロック図である。 図4Aは、同上の表示制御システムの光出力装置の概略断面図である。図4Bは、図4Aの領域Z1内の概略構成を表す模式図である。 図5は、同上の表示制御システムにおける仮想光源と画面との位置関係を表す概念図である。 図6は、同上の表示制御システムの使用例を示す概念図である。 図7Aは、同上の表示制御システムにおける仮想光源と仮想物体と画面との位置関係を表す概念図であって、図7Bは、同上の表示制御システムにおける他の仮想光源と仮想物体と画面との位置関係を表す概念図である。 図8は、同上の表示制御システムの動作例を示すフローチャートである。 図9は、実施形態2に係る表示制御システムの使用例を示す平面図である。
(実施形態1)
(1)概要
本実施形態に係る表示制御システム1は、図1に示すように、画面20に画像Im1を表示するためのシステムである。特に、本実施形態に係る表示制御システム1は、住宅、事務所又は店舗等の建物内で用いられ、壁等におけるユーザU1から見えやすい位置に配置された画面20に、窓から見える風景(景色)を表す画像Im1を表示する。さらに、本実施形態では、表示制御システム1は、写真及び絵画とは異なり、画面20に表示する画像Im1を切り替えることにより、様々な風景を演出可能である。
このような表示制御システム1は、例えば、住宅に導入され、実際の住宅から見える風景と異なる風景を表す画像Im1を画面20に表示することができる。一例として、表示制御システム1は、都会で暮らすユーザU1に、ユーザU1の故郷の風景の画像Im1を見せることができ、これにより、まるで故郷に居るかのようにユーザU1に錯覚させることができる。さらに、表示制御システム1は、例えば、日本で暮らすユーザU1に、米国の風景の画像Im1を見せることもでき、これにより、ユーザU1を、まるで米国に居るかのような気分にさせることができる。
また、表示制御システム1は、例えば、住宅に導入され、実際の住宅から見える風景を表す画像Im1を画面20に表示してもよい。この場合でも、表示制御システム1は、例えば、住宅において窓が無い壁に、まるで窓が有るかのようにユーザU1に錯覚させることができる。さらに、表示制御システム1は、例えば、実際の時間帯又は季節とは異なる時間帯又は季節の風景を表す画像Im1を画面20に表示してもよい。これにより、表示制御システム1は、例えば、深夜であるのに朝又は昼であるかのようにユーザU1に錯覚させたり、夏季であるのに冬季であるかのようにユーザU1に錯覚させたりすることができる。
本実施形態に係る表示制御システム1は、画像表示装置2と、光出力装置3と、を備えている。画像表示装置2は、画像Im1を画面20に表示する。画像Im1は、仮想光源L1が規定されている。光出力装置3は、画面20から光を出力する。光出力装置3は、仮想光源L1と画面20との位置関係に応じて、画面20から出力される光について配光制御を実行する。本開示でいう「仮想光源」は、画像Im1における仮想的な光源であって、例えば、画像Im1内の仮想的な物体を照らす仮想的な太陽、月又は照明器具等である。さらに、仮想光源L1は、それ自体が光を発する光源に限らず、例えば、鏡、ガラス張りのビル、又は水面(湖面、海面及び川面等)のように、光を反射する仮想的な物体(反射物)も含む。
また、本開示でいう「仮想光源L1が規定されている」とは、画像Im1が画面20に表示された状態において、仮想光源L1と画面20との位置関係が定まることを意味する。すなわち、画像Im1内の仮想的な物体を照らす仮想光源L1が、画面20に対して相対的にどのような位置にあるかが定まっていればよい。そのため、画像Im1について仮想光源L1が規定されてさえいれば、画面20に表示される画像Im1内に、仮想光源L1が含まれていてもよいし、仮想光源L1が含まれていなくてもよい。例えば、仮想光源L1が仮想的な太陽である場合、仮想光源L1としての太陽は、図1の例のように画像Im1内にあってもよいし、あるいは画像Im1の外側にあってもよい。仮想光源L1が画像Im1の外側にある場合においては、画面20と仮想光源L1との位置関係として、例えば、画面20の右上方又は左上方というように、少なくとも画面20から見た仮想光源L1の方向が定められていればよい。つまり、仮想光源L1の厳密な位置までは定まっていなくてもよく、画面20と仮想光源L1と大まかな位置関係が定まっていればよい。
上述した構成によれば、表示制御システム1は、単に画像Im1を表示するだけでなく、光出力装置3にて、画像Im1が表示される画面20から光を出力する。しかも、画面20から出力される光は、仮想光源L1と画面20との位置関係に応じて、配光制御される。そのため、例えば、仮想光源L1としての太陽が、図1の例のように画像Im1内における左上方に位置する場合、光出力装置3は、仮想光源L1(太陽)からの光を模した配光で、画面20から光を出力することが可能である。したがって、画面20においては、画像Im1が表示されるだけでなく、画面20との位置関係が定められた仮想光源L1からの光を模した配光での光を出力することが可能である。これにより、例えば、画面20に窓から見える風景を表す画像Im1が表示された状態で、ユーザU1においては、画面20から画像Im1に合わせた配光で差し込む光を受けて、画面20を、まるで本物の窓のように錯覚しやすくなる。結果的に、表示制御システム1によれば、表示に関して現実性(Reality)の向上を図ることが可能である。
ところで、ディスプレイの用途の一例として、住宅、事務所又は店舗等の建物内に設置されたディスプレイにて、窓から見える風景の画像を表示することで、ディスプレイを窓のように見せることがある。このような用途で使用されているディスプレイは、単に特定の画像(写真等)を表示しているだけであって、そもそも画像について仮想光源は規定されておらず、当然ながら、仮想光源と画像との位置関係に応じた配光制御は行われていない。そのため、このようなディスプレイでは、例えば、バックライトの出力光等が、画面から出力されることになるが、この出力光と仮想光源との間に関係性は無く、結果的に、表示に関して現実性が不十分となることがある。
このようなディスプレイに比較して、本実施形態に係る表示制御システム1では、仮想光源L1と画面20との位置関係に応じて、配光制御された光が画面20から出力されるので、表示に関して現実性の向上を図ることが可能である。
(2)構成
以下、本実施形態に係る表示制御システム1の構成について、図1〜図4Bを参照して説明する。
以下では、表示制御システム1が住宅内で用いられる場合を例として説明する。ここでは、一例として、住宅の住人であるユーザU1の居室に、画面20が配置されることにより、表示制御システム1にて、窓から見える風景を再現する場合について説明する。より詳細には、壁面X1、天井面X2及び床面X3を有する居室内において、窓が無い壁面X1に、本物の窓の代わりに画面20が配置されている場合を例とする。
(2.1)全体構成
まず、本実施形態に係る表示制御システム1の全体構成について説明する。
本実施形態に係る表示制御システム1は、画像表示装置2と、光出力装置3と、を備えている。本実施形態では、表示制御システム1は、画像表示装置2及び光出力装置3を1台ずつ備えている。
本実施形態では、画像表示装置2と、光出力装置3と、は別体である。光出力装置3は、画像表示装置2に同期している。本開示でいう「別体」とは、物理的に分離している又は分離可能な状態を意味する。具体的には、画像表示装置2と光出力装置3とは別々の筐体を有している。また、本開示でいう「同期」は、2つ以上の装置における作動又は処理等が時間的に一致していることだけでなく、2つ以上の装置における作動又は処理等のタイミング間に相関関係があることを含む。つまり、画像表示装置2と光出力装置3とは、物理的に分離しているものの、互いに処理のタイミング等を合わせており、互いに連携して動作可能である。本実施形態では、画像表示装置2と光出力装置3とが互いに通信することで、画像表示装置2と光出力装置3とが同期している。
すなわち、画像表示装置2と光出力装置3とは互いに通信可能に構成されている。本開示において「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、情報を授受できることを意味する。すなわち、画像表示装置2と光出力装置3とは、互いに情報を授受することができる。本実施形態では、画像表示装置2と光出力装置3とは、互いに双方向に通信可能であって、画像表示装置2から光出力装置3への情報の送信、及び光出力装置3から画像表示装置2への情報の送信の両方が可能である。
画像表示装置2は、画面20に画像Im1(図1参照)を表示する。画像Im1は、仮想光源L1(図1参照)を含んでいる。仮想光源L1は、上述したように、画像Im1内の仮想的な物体を照らす、仮想的な光源である。図1の例では、画面20には、草木、遠方の山、及び太陽等が描かれた画像Im1が表示されている。この画像Im1においては、画像Im1内に描かれた「太陽」が仮想光源L1である。
本開示でいう「画面」は、画像Im1が映し出される面を意味し、例えば、画像表示装置2がプロジェクタであれば、画像Im1が投影されるプロジェクタスクリーンの表面が画面20を構成する。また、例えば、画像表示装置2が液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイであれば、ディスプレイの表面が画面20を構成する。「画面」は、画像表示装置2の構成要素に含まれてもよいが、画像表示装置2がプロジェクタである場合には、画面20は画像表示装置2の構成要素に含まない。
また、本開示でいう「画像」は、静止画像及び動画像(コマ送り画像を含む)の両方を含む。本実施形態では、画像Im1が、動画像である場合について説明する。つまり、画像表示装置2は、画面20に表示させる画像Im1を変化させることが可能である。一例として、画像表示装置2は、画像Im1中の木の葉が揺らいでいるように、動的な画像Im1(動画像)を表示する。
本実施形態では、画像表示装置2は、プロジェクタにて実現されている。この画像表示装置2は、例えば、天井面X2に取り付けられている。図2A及び図2Bに示すように、画像表示装置2は、壁面X1に配置された画面20に画像Im1を投影することにより、画面20に画像Im1を表示する。本実施形態では、画像表示装置2がプロジェクタであるため、画面20は画像表示装置2の構成要素に含まない。
光出力装置3は、例えば、薄型テレビのように壁掛け設置が可能な薄型デバイスである。本実施形態では、光出力装置3は、壁面X1に取り付けられている。そして、光出力装置3の前面が、画面20を構成する。言い換えれば、プロジェクタからなる画像表示装置2は、光出力装置3の前面をプロジェクタスクリーンとして利用し、光出力装置3の前面に画像Im1を投影する。これにより、光出力装置3の前面は画面20として利用され、光出力装置3の前面(画面20)に画像Im1が表示される。本実施形態では一例として、光出力装置3の前面は、図2Aに示すように、正面視において鉛直方向よりも水平方向に長い長方形状である平面である。そして、光出力装置3の前面の略全域が画面20として機能するため、画面20についても、水平方向に長さを有する(つまり横長の)長方形状の平面である。
光出力装置3は、上述したように、画面20から光を出力する。本実施形態では、光出力装置3の前面が画面20であるので、光出力装置3は、その前面(画面20)から光を出力することになる。これにより、光出力装置3の前面である画面20が発光し、画面20から外部空間に光線L10が出力されることになる。ここにおいて、画面20から出力する光は、光出力装置3が出力する光であって、プロジェクタである画像表示装置2が出力する光、及び画像表示装置2が出力して画面20にて反射する光とは別である。言い換えれば、画像表示装置2が画面20に投影することによって生じる画面20での反射光とは別に、光出力装置3の出力する光が、画面20から出力されることになる。
詳しくは後述するが、光出力装置3が出力する光は、平行光を含んでいる。そのため、図2Bに示すように、画面20からは略平行な多数の光線L10(光線束)が、一方向に向けて出力される。本開示でいう「平行光」は、光線L10が略平行である光を意味し、全ての光線L10が厳密に平行である光だけでなく、多少の拡散又は収束の成分を含んだ光も含む。
また、光出力装置3が出力する光は、赤外線を含んでいる。赤外線は、波長によって近赤外線、中赤外線及び遠赤外線に分類される。本実施形態では、光出力装置3が出力する赤外線は、少なくとも近赤外線、中赤外線及び遠赤外線の中で、波長が最も長い遠赤外線を含む。これにより、画面20から出力される光を物体に照射することで、物体を加熱することが可能である。
また、光出力装置3が出力する光は、紫外線を含んでいる。紫外線は、波長によってUV−A、UV−B及びUV−Cに分類される。本実施形態では、光出力装置3が出力する紫外線は、UV−A、UV−B及びUV−Cの中で、波長が最も長いUV−Aを含む。人体が適度な紫外線を浴びることは、例えば、カルシウムの吸収を良くするビタミンDを体内に生成させたり、皮膚の免疫組織に働きかけたりすることになり、人体にとって有益である。
ここで、光出力装置3は、単に画面20から光を出力するのではなく、画像Im1について規定された仮想光源L1と画面20との位置関係に応じて、画面20から出力される光について配光制御を実行する。本開示でいう「配光」は、光を発する一次光源若しくは二次光源(光学材料等の光の透過及び反射を含む)の光度の角度に対する変化又は分布を意味する。すなわち、画面20から、どの方向(角度)に光がどの程度の強度で出力されるかが、画面20から出力される光についての配光となる。つまり、光出力装置3は、画面20から出力される光の角度に対する変化又は分布を、仮想光源L1と画面20との位置関係に応じて制御する。配光制御について詳しくは「(3.1)基本動作」の欄で説明する。
また、本実施形態では、光出力装置3は、画像Im1に含まれる仮想遮蔽物M1(図6参照)の位置に応じて、画面20から出力される光に影R12(図6参照)を形成する機能を有している。つまり、光出力装置3は、画面20から一様の強度の光を出力するのではなく、画像Im1に応じて、部分的に画面20から出力される光の強度を変えることで、影R12を形成する。影R12の形成について詳しくは「(3.2)影形成動作」の欄で説明する。
(2.2)画像表示装置
次に、画像表示装置2の構成について更に詳しく説明する。
画像表示装置2は、図3に示すように、画像生成部21と、画像更新部22と、表示制御部23と、第1通信部24と、を有している。
画像表示装置2は、メモリ及びプロセッサを含むコンピュータシステムを主構成とする。すなわち、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、プロセッサが実行することにより、画像表示装置2の各部(画像生成部21、画像更新部22及び表示制御部23等)の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
画像生成部21は、画像Im1を生成する。画像生成部21は、メモリに記録された画像データを読み出すことによって画像Im1を生成してもよいし、画像配信サーバ等から配信される画像データを受信することによって画像Im1を生成してもよい。画像生成部21にて生成される画像Im1については、少なくとも仮想光源L1が規定されている。具体的には、画像Im1が画面20に表示された状態において、仮想光源L1と画面20との位置関係を定めるための位置情報が、画像Im1に対応付けられている。
特に、本実施形態では、画像Im1に含まれる仮想物体Ob1,Ob2(図2A参照)には画面20からの仮想距離D1(図5参照)が設定されている。本開示でいう「仮想物体」は、画像Im1に含まれている仮想的な物体であって、図2Aの例では、画像Im1には、草木、遠方の山、及び太陽(仮想光源L1)等の仮想物体Ob1,Ob2が含まれている。図2Aの例において、仮想物体Ob1は「看板」であって、仮想物体Ob2は「木」である。すなわち、本実施形態では、画像Im1は、画面20から物体(仮想物体Ob1,Ob2及び仮想光源L1)までの距離(仮想距離D1)、つまり奥行の情報を含む、仮想的な三次元空間(仮想空間)を表現している。さらに、仮想物体Ob1,Ob2には、例えば、仮想物体Ob1,Ob2における光スペクトル、光透過性及び光反射率等の属性が設定されていてもよい。この場合、仮想物体Ob1,Ob2の属性を定めるための属性情報が、画像Im1に対応付けられていることが好ましい。
画像更新部22は、画像Im1を変化させる。すなわち、画像更新部22は、画像生成部21で生成された画像Im1を更新することにより、画面20に表示する画像Im1を随時変化させる。これにより、画像表示装置2は、画面20に表示させる画像Im1を変化させることが可能でとなり、上述したように、動画像からなる画像Im1を表示することができる。
表示制御部23は、画像生成部21で生成された画像Im1、又は画像更新部22で変化させられた画像Im1を、画面20に表示するための制御を行う。上述したように、本実施形態では、画像表示装置2はプロジェクタであるので、表示制御部23は、プロジェクタの投影部を制御して、画面20に画像Im1を投影し、画面20に画像Im1を表示する。
第1通信部24は、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、光出力装置3と通信する。第1通信部24と光出力装置3との間の通信方式としては、無線通信又は有線通信の適宜の通信方式が採用される。本実施形態では一例として、第1通信部24は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)又は免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)等の規格に準拠した、電波を通信媒体として用いる無線通信を採用する。
(2.3)光出力装置
次に、光出力装置3の構成について更に詳しく説明する。
光出力装置3は、図3に示すように、処理部31と、光源制御部32と、シャッタ制御部33と、レンズ制御部34と、第2通信部35と、を有している。
光出力装置3は、メモリ及びプロセッサを含むコンピュータシステムを主構成とする。すなわち、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、プロセッサが実行することにより、光出力装置3の各部(処理部31、光源制御部32、シャッタ制御部33及びレンズ制御部34等)の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
処理部31は、各種の情報処理を実行する。本実施形態では、画像表示装置2が画面20に表示する画像Im1の解析(画像解析処理)、並びに仮想光源L1及び仮想遮蔽物M1(図6参照)の位置の特定等の処理を、処理部31が実行する。さらに、影R12(図6参照)の有無を判定する処理等についても、処理部31が実行する。処理部31の動作について詳しくは「(3)動作」の欄で説明する。
光源制御部32は、後述する光源ユニット37(図4A参照)の制御を行う。光源ユニット37は、画面20から出力される光を発生する、光源として機能する。具体的には、光源制御部32は、少なくとも光源ユニット37の点灯及び消灯の切り替えを行う。光源制御部32は、光源ユニット37を点灯させることで、画面20から光を出力させる。また、光源制御部32は、光源ユニット37の明るさの調整(調光)を行うことで、画面20から出力される光の強度を調整する。
さらに、本実施形態では、光源制御部32は、少なくともスペクトル制御部321としての機能を有している。スペクトル制御部321は、画面20から出力される光のスペクトルを変化させる。本開示でいう「スペクトル」は、光を分光器にかけて得られる、波長とその波長における強さを意味し、例えば、青色、緑色及び赤色等の波長成分ごとの強度の関係性を意味する。つまり、スペクトル制御部321は、光源ユニット37の発光色を調整することで、画面20から出力される光の色を調整できる。
シャッタ制御部33は、後述するシャッタユニット38(図4A参照)の制御を行う。シャッタユニット38は、光源ユニット37から出力される光を局所的に遮蔽する機能を有する。具体的には、シャッタ制御部33は、少なくとも光源ユニット37からの光を透過させる状態と透過させない状態とで、シャッタユニット38の状態を切り替える。さらに、シャッタ制御部33は、シャッタユニット38における光透過率の調整(調光)を行う。
レンズ制御部34は、後述するレンズユニット39(図4A参照)の制御を行う。レンズユニット39は、画面20から出力される光の配光を決定する。本実施形態では、レンズ制御部34は、少なくとも出射角制御部341としての機能を有している。出射角制御部341は、画面20から出力される光の出射角θ1(図5参照)を変化させる。本開示でいう「出射角」は、光の出射面(ここでは画面20)から光線L10が出射される方向であって、画面20の法線に対する光線L10の傾斜角度で表される。つまり、出射角制御部341は、画面20から出力される光の出射角θ1を変化させることで、少なくとも画面20から出力される光についての配光を制御する。
第2通信部35は、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、画像表示装置2(第1通信部24)と通信する。第2通信部35と画像表示装置2との間の通信方式としては、無線通信又は有線通信の適宜の通信方式が採用される。本実施形態では一例として、第2通信部35は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)又は免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)等の規格に準拠した、電波を通信媒体として用いる無線通信を採用する。
次に、光出力装置3の構造について、図4A及び図4Bを参照して説明する。ただし、図4A及び図4Bは、光出力装置3の構造を概念的に示す模式図であって、説明に必要な構成要素のみを適宜図示している。図4Bは、図4Aの領域Z1内の概略構成を表す模式図である。
光出力装置3は、図4Aに示すように、筐体36と、光源ユニット37と、シャッタユニット38と、レンズユニット39と、を有している。
筐体36は、光源ユニット37、シャッタユニット38及びレンズユニット39を収容する。筐体36は、前後方向の寸法が、鉛直方向の寸法及び水平方向の寸法のいずれよりも小さい、薄箱状(直方体状)に形成されている。筐体36の前面が画面20として機能する。ここで、筐体36内に収容された光源ユニット37からの光を、筐体36の前面である画面20から取り出すことができるように、少なくとも筐体36の前壁は光透過性を有している。本実施形態では一例として、筐体36は、樹脂製であって、全体的に光透過性を有している。ここでは、筐体36は、完全に内部が透けるのではなく、うっすらと内部が透ける程度の半透明である。
筐体36内には、光源ユニット37、シャッタユニット38及びレンズユニット39が、後方から光源ユニット37、シャッタユニット38、レンズユニット39の順で配置されている。言い換えれば、光源ユニット37の前方にシャッタユニット38が配置され、さらにシャッタユニット38の前方にレンズユニット39が配置されている。これにより、光源ユニット37から出力される光(光線L10)は、図4Bに示すように、シャッタユニット38、レンズユニット39をこの順で通って、筐体36の前面(画面20)から出射される。
光源ユニット37は、電気エネルギが供給されることにより発光する。光源ユニット37は、例えば、LED(Light Emitting Diode)、有機EL、放電灯又は半導体レーザ等の光源を含んでいる。本実施形態では一例として、光源ユニット37は、導光板等を用いた面発光光源である。つまり、光源ユニット37は、少なくとも一面が一様に発光することで面発光を実現する。ここでは、光源ユニット37の前面が一様に発光し、さらに光源ユニット37の前面から出た光は、光源ユニット37の前面の法線に沿って出力される。つまり、光源ユニット37からの光は平行光である。
シャッタユニット38は、図4Bに示すように、複数のセル381を有している。複数のセル381は、正面視において鉛直方向及び水平方向の両方向に並ぶように、例えば、格子状又は千鳥状に二次元配置されている。本実施形態では一例として、シャッタユニット38は、液晶シャッタにて実現される。このようなシャッタユニット38は、印加電圧を変化させることで、複数のセル381の各々について、個別に光透過率を調整可能である。これにより、シャッタユニット38は、セル381ごとに、光を透過させる状態と透過させない状態とを切替可能である。
レンズユニット39は、図4Bに示すように、複数のレンズ個片391を有している。つまり、レンズユニット39は、複数のレンズ個片391を有するレンズアレイである。複数のレンズ個片391は、正面視において鉛直方向及び水平方向の両方向に並ぶように、例えば、格子状又は千鳥状に二次元配置されている。複数のレンズ個片391の各々は、一例として、後面が球面であって前面が平面である平凸レンズである。本実施形態では一例として、レンズユニット39は、複数のレンズ個片391の各々について、アクチュエータの動力、磁力又は静電気力等を用いて、個別に回転駆動させる。ここで、複数のレンズ個片391の各々は、水平方向(パン方向)及び鉛直方向(チルト方向)の両方に回転(首振り)可能に構成されている。これにより、レンズユニット39は、レンズ個片391ごとに、光を出射する方向を切替可能である。
また、本実施形態では、前後方向においてセル381とレンズ個片391とが対向するように、複数のセル381及び複数のレンズ個片391は一対一に対応して設けられている。以下、複数のセル381及び複数のレンズ個片391の各々の組を「制御単位」という。要するに、光出力装置3においては、制御単位ごとに、光を透過させる状態と透過させない状態との切り替え、及び光を出射する方向の切り替えが可能である。制御単位は、少なくとも画面20に表示される画像Im1の1以上の画素と対応付けられている。ここでは一例として、制御単位が、画面20に表示される画像Im1の画素に一対一に対応する。
(3)動作
次に、本実施形態に係る表示制御システム1の動作について、図5〜図8を参照して説明する。
(3.1)基本動作
まず、表示制御システム1の基本動作について説明する。
表示制御システム1における画像表示装置2が画面20に表示する画像Im1には、上述したように、仮想光源L1が規定されている。すなわち、画像Im1が画面20に表示された状態において、少なくとも、仮想光源L1と画面20との位置関係が定められている。図5は、このような仮想光源L1と画面20との位置関係を表す概念図であって、画像表示装置2等の図示を適宜省略している。
すなわち、画面20の奥に、画像Im1に描画されている仮想空間が広がっていると仮定した場合、図5に示すように、画面20の奥(つまり室内とは反対側)には、仮想空間における光源となる仮想光源L1が存在する。ただし、画像Im1は画面20に表示される二次元画像であって、仮想光源L1は画像Im1における仮想的な光源であるので、画面20の奥に仮想光源L1が実在する訳でなく、図5は、あくまで仮想光源L1の位置を模式的に表しているに過ぎない。
ここで、仮想光源L1が太陽のような無限遠光源である場合には、仮想光源L1からの光は平行光となる。そのため、仮想光源L1は、図5に示すように、平行光を出力する面光源に置き換えられる。図5では、このような仮想光源L1が、画面20の斜め上方に位置し、画面20に対して角度θ1だけ傾いた例を示している。この例において、仮想光源L1から画面20に入射した光が、画面20を透過するとすれば、画面20からは斜め下方に向けて平行光(光線L10の束)が出力され、床面X3の照射領域R1に照射することになる。本実施形態に係る表示制御システム1では、このような仮想光源L1からの光を、光出力装置3が画面20から出力する光にて再現する。
要するに、光出力装置3は、仮想光源L1と画面20との位置関係に応じて、画面20から出力される光について配光制御を実行することで、画面20から出力される光で、仮想光源L1からの光を再現する。つまり、光出力装置3は、画面20から出力される光の角度に対する変化又は分布を、仮想光源L1と画面20との位置関係に応じて制御する。具体的には、光出力装置3は、仮想光源L1と画面20との位置関係に応じた出射角θ1で画面20から光を出力するように、少なくとも出射角制御部341にて、レンズユニット39を制御して画面20から出力される光の出射角θ1を調整する。
これにより、図5の例では、光出力装置3においては、画面20から斜め下方に向けて出射角θ1で平行光(光線L10の束)が出力されるように、配光制御が行われる。このとき、光出力装置3では、仮想光源L1(ここでは太陽)の位置が高くなれば、出射角θ1を大きくし、仮想光源L1(ここでは太陽)の位置が低くなれば、出射角θ1を小さくするように、出射角θ1を調整する。その結果、光出力装置3が画面20から出力する光は、まるで仮想光源L1から画面20に入射して画面20を透過した光であるかのように、床面X3の照射領域R1に照射する。
さらに、光出力装置3は、仮想光源L1の位置等に応じて、光源ユニット37の発光強度を決定してもよい。これにより、画面20から出力される光の強度が、仮想光源L1の位置等に応じて調整されることになり、結果的に、画面20から出力される光についての配光制御につながる。
以上説明したように、本実施形態に係る表示制御システム1では、仮想光源L1からの光を、光出力装置3が画面20から出力する光にて再現することが可能である。つまり、表示制御システム1は、画面20に画像Im1を表示するだけでなく、光出力装置3にて、少なくとも仮想光源L1と画面20との位置関係に応じて、配光制御された光を画面20から出力する。そのため、例えば、仮想光源L1としての太陽が、図1の例のように画像Im1内における左上方に位置する場合、光出力装置3は、仮想光源L1(太陽)からの光を模した配光で、画面20から光を出力することが可能である。
ところで、本実施形態に係る表示制御システム1では、光出力装置3は、少なくともスペクトル制御部321にて、光源ユニット37を制御して画面20から出力される光のスペクトルを変化させることができる。そこで、光出力装置3は、仮想光源L1のスペクトルに応じて、画面20から出力される光のスペクトルを決定することが好ましい。これにより、仮想光源L1に合わせて、仮想光源L1に近いスペクトルの光を画面20から出力することができ、表示制御システム1は、光出力装置3から出力される光にて、仮想光源L1からの光を比較的高い再現性で再現することができる。
また、本実施形態では、画像表示装置2は、静止画像を表示するのではなく、画像更新部22にて画像Im1を変化させることにより、動画像からなる画像Im1を表示している。そこで、画像表示装置2は、画像Im1について規定された仮想光源L1(ここでは太陽)の位置についても、時間経過に伴って徐々に変化させることが可能である。光出力装置3は、仮想光源L1と画面20との位置関係が変化すると、その変化に合わせて、配光制御を変化させる。
例えば、画像Im1が朝から昼にかけて変化する風景を表す動画像であれば、仮想光源L1(ここでは太陽)の位置は徐々に高くなるため、光出力装置3は、画像Im1の変化に合わせて、出射角θ1を徐々に大きくするように配光制御を実行する。また、同じ昼の時間帯であっても、例えば、季節によって仮想光源L1(ここでは太陽)の位置は変わるため、徐々に高くなるため、光出力装置3は、季節によっても配光を変化させることが好ましい。
さらに、画像Im1が変化すれば、仮想光源L1(ここでは太陽)のスペクトルが変化することもある。例えば、画像Im1が昼から夕方にかけて変化する風景を表す動画像であれば、仮想光源L1(ここでは太陽)のスペクトルは徐々に赤色成分の強度が大きくなる。この場合、光出力装置3は、画像Im1の変化に合わせて、画面20から出力される光のスペクトルについて、徐々に赤色成分の強度を大きくすることが好ましい。
また、本実施形態に係る表示制御システム1では、光出力装置3が出力する光は、平行光を含んでいる。そのため、例えば、仮想光源L1が太陽のような無限遠光源である場合に、表示制御システム1は、光出力装置3から出力される光にて、仮想光源L1からの光を比較的高い再現性で再現することができる。
さらに、本実施形態に係る表示制御システム1では、光出力装置3が出力する光は、本物の態様と同様に赤外線及び紫外線を含んでいる。そのため、例えば、仮想光源L1が太陽である場合に、光出力装置3から出力される光にて、仮想光源L1からの光を比較的高い再現性で再現することができる。特に、光出力装置3が画面20から赤外線を含む光を出力することで、太陽光のような暖かさを再現することが可能であり、光出力装置3が画面20から紫外線を含む光を出力することで、太陽光をより忠実に再現することが可能である。
また、本実施形態では、上述したように、画像Im1に含まれる仮想物体Ob1,Ob2(図2A参照)には画面20からの仮想距離D1が設定されている。そのため、画面20の奥に広がる仮想空間は、画面20から物体(仮想物体Ob1,Ob2及び仮想光源L1)までの距離(仮想距離D1)、つまり奥行の情報を含む、三次元空間である。そこで、光出力装置3は、仮想距離D1に応じて、画面20から出力される光について配光制御を実行する。ただし、画面20から無限遠光源である仮想光源L1までの距離(仮想距離D1)のみであれば、画面20から出力される光の配光には影響しないため、図5の例では、仮想距離D1によって配光は変わらない。
このように、本実施形態に係る表示制御システム1では、仮想光源L1と画面20との位置関係に応じて、配光制御された光が画面20から出力されるので、表示に関して現実性の向上を図ることが可能である。
表示制御システム1は、一例として、故郷又は外国の風景等の、ユーザU1が実際に住んでいる場所とは別の場所に風景の画像Im1を表示することで、実際に住んでいる場所とは別の場所に居るかのようにユーザU1に錯覚させることができる。他の例として、表示制御システム1は、例えば、現実では深夜の時間帯に、朝の時間帯の風景等の、現実の時間帯とは別の時間帯(又は季節)の風景の画像Im1を表示することで、現実の時間帯とは別の時間帯かのようにユーザU1に錯覚させることができる。
このような表示制御システム1を、例えば、ワークスペースに適用し、ワークスペースの窓に代えて画面20を設けることも有用である。すなわち、ユーザU1は、外国に在住している相手とオンラインで会議をする際に、画面20に表示される画像Im1により、相手と同じ空間で、かつ同じ時間帯に仕事をしているような気分となりやすい。これにより、ユーザU1においては、相手と同じ感覚を共有しやすくなり、相手の存在をより近くに感じやすいため、コミュニケーションも円滑になる。しかも、更に他の国に在住している別の相手とオンラインで会議をする場合には、ユーザU1は、画面20に表示される画像Im1を切り替えることにより、気持ちの切り替えもしやすくなる。
(3.2)影形成動作
次に、表示制御システム1にて影R12を形成するための影形成動作について説明する。
例えば太陽光が本物の窓から差し込む場合、窓と太陽との間に光を遮る遮蔽物が存在していれば、窓から差し込む光には影が生じる。本実施形態に係る表示制御システム1は、このような影を再現するために、影形成動作を行う。
すなわち、表示制御システム1では、図6に示すように、光出力装置3は、画像Im1に含まれる仮想遮蔽物M1の位置に応じて、画面20から出力される光に影R12を形成する。本開示でいう「仮想遮蔽物」は、画像Im1に含まれている仮想的な物体(仮想物体)のうち、仮想光源L1と画面20との間に位置し、かつ光遮蔽性を有する物体である。図6の例では、仮想遮蔽物M1は、「看板」を表す仮想物体Ob1である。
つまり、図6の例においては、光出力装置3が画面20から出力する光は、床面X3の照射領域R1に照射している。ここで、照射領域R1は、明領域R11と、影R12と、を含んでいる。明領域R11は、影R12に比較して明るく照らされた、つまり照度が高い領域である。影R12は、仮想光源L1(ここでは太陽)からの光が仮想遮蔽物M1で遮られることによって生じる影を再現しているので、少なくとも仮想遮蔽物M1の位置に応じて、照射領域R1内での影R12の位置が決まる。さらに、影R12の形状は、仮想遮蔽物M1の形状によって決まる。
本実施形態では、光出力装置3は、シャッタユニット38にて、光源ユニット37から出力される光を局所的に遮蔽することで、影R12を形成する。すなわち、図7Aに示すように、画面20の奥に、画像Im1に描画されている仮想空間が広がっていると仮定した場合、画面20の奥(つまり室内とは反対側)には、仮想光源L1及び仮想物体Ob1,Ob2が存在する。図7Aの例では、仮想物体Ob1は仮想光源L1と画面20との間に存在し、仮想物体Ob2は仮想光源L1と画面20との間に存在しない。言い換えれば、仮想物体Ob1が仮想遮蔽物M1となる。図7Aは、仮想光源L1と仮想物体Ob1,Ob2と画面20との位置関係を表す概念図であって、画像表示装置2等の図示を適宜省略している。
図7Aの例では、仮想光源L1と画面20との間に仮想遮蔽物M1としての仮想物体Ob1が存在しているので、仮想光源L1から画面20に向かう光の一部が仮想物体Ob1にて遮られる。そのため、この例において、仮想光源L1から画面20に入射した光が、画面20を透過するとすれば、画面20においては、光が出射される部位(高輝度部位)と、光が出射されない部位(低輝度部位)と、が生じる。つまり、画面20のうち仮想光源L1からの光で仮想物体Ob1を投影した投影図に相当する部位については、そもそも仮想光源L1からの光が届かないため、この部位については、それ以外の部位(高輝度部位)に比較して輝度の低い低輝度部位となる。
そこで、光出力装置3は、シャッタユニット38にて、光源ユニット37から出力される光を局所的に遮蔽することで、画面20上に低輝度部位を形成する。その結果、画面20から出力される光線L10は、一様の強度とはならずに、図7Aに示すように、明光線L11と、暗光線L12と、に分かれることになる。本開示でいう「暗光線」は、明光線L11に比較して強度の低い光線、つまり明光線L11よりも暗い光線であって、強度がゼロ(0)、つまり光線が存在しない状態も含む。画面20のうちの高輝度部位からは明光線L11が出力され、低輝度部位からは暗光線L12が出力される。
具体的には、光出力装置3は、複数のセル381のうちの一部のセル381の光透過率を低下させることで、画面20上に低輝度部位と高輝度部位とを実現し、明光線L11及び暗光線L12を含む光線L10を出力する。このような光線L10が照射領域R1(床面X3)に照射することで、照射領域R1には明領域R11と影R12とが生じる。つまり、照射領域R1のうち明光線L11が照射する領域は明領域R11となり、暗光線L12が照射する領域は影R12となる。
結果的に、光出力装置3は、シャッタユニット38にて、光源ユニット37から出力される光を局所的に遮蔽することで、画面20から出力される光に影R12を形成することができる。ただし、光出力装置3は、明領域R11に比較して低照度の影R12を形成すればよく、一部のセル381にて光を完全に遮蔽することは必須でなく、一部のセル381の光透過率を低下させればよい。この場合、暗光線L12は、ある程度の強度を持つ光線となる。
上述したような影形成動作は、画面20に表示されている画像Im1に応じて実行される。つまり、画像表示装置2が、画像Im1として動画を表示する場合、つまり画面20に表示させる画像Im1を変化させる場合には、光出力装置3にて形成される影R12についても、画像Im1に合わせて変化することになる。一例として、画像表示装置2が、画像Im1中の木の葉が揺らいでいるように、動的な画像Im1(動画像)を表示している場合、仮想遮蔽物M1としての木の葉が揺らぐため、光出力装置3は、木の葉の影R12を揺らいでいるように変化させる。これにより、照射領域R1には、実際の木の葉の間からの木漏れ日のような柔らかな光が差し込むことになる。
ところで、ここまでは仮想光源L1が太陽のような無限遠光源である場合、つまり仮想光源L1からの光が平行光である場合における影形成動作について説明したが、仮想光源L1は無限遠光源に限らない。例えば、窓から見える夜景を表す画像Im1等においては、道路照明灯、街路灯及び信号機等の点光源が、仮想光源L1となる場合がある。このように、仮想光源L1が点光源である場合には、仮想光源L1からの光は平行光とはならず、仮想光源L1から放射状に光が出力される。そのため、図7Bに示すように、画面20から出力される光についても、平行光ではなく、仮想光源L1を中心として放射状に広がるような光となる。
図7Bは、仮想光源L1が点光源である場合における影形成動作を表している。図7Bの例では、仮想物体Ob1は仮想光源L1と画面20との間に存在し、仮想物体Ob2は仮想光源L1と画面20との間に存在しない。言い換えれば、仮想物体Ob1が仮想遮蔽物M1となる。図7Bは、図7Aと同様に、仮想光源L1と仮想物体Ob1,Ob2と画面20との位置関係を表す概念図であって、画像表示装置2等の図示を適宜省略している。
図7Bの例においても、仮想光源L1と画面20との間に仮想遮蔽物M1としての仮想物体Ob1が存在しているので、仮想光源L1から画面20に向かう光の一部が仮想物体Ob1にて遮られる。光出力装置3は、シャッタユニット38にて、光源ユニット37から出力される光を局所的に遮蔽することで、画面20上に低輝度部位を形成する。その結果、画面20から出力される光線L10は、一様の強度とはならずに、図7Bに示すように、明光線L11と、暗光線L12と、に分かれることになる。このような光線L10が照射領域R1(床面X3)に照射することで、照射領域R1には明領域R11と影R12とが生じる。つまり、照射領域R1のうち明光線L11が照射する領域は明領域R11となり、暗光線L12が照射する領域は影R12となる。
(3.3)表示制御方法
次に、上述したような表示制御システム1の動作に相当する表示制御方法について、図8のフローチャートを参照して説明する。すなわち、表示制御方法は、少なくとも図8に示す処理S1〜S10の一連の処理を、画像表示装置2及び光出力装置3の1以上のプロセッサで実行することにより、実現される。
表示制御方法に係る一連の処理が開始すると、画像表示装置2のプロセッサは、まず画像生成部21にて画像Im1を生成する、画像生成処理を実行する(S1)。次に、画像表示装置2のプロセッサは、表示制御部23にて画像Im1を画面20に表示する画像表示処理を実行する(S2)。
次に、光出力装置3のプロセッサは、処理部31にて、画面20に表示されている画像Im1を解析する画像解析処理を実行する(S3)。このとき、光出力装置3は、画像表示装置2と通信することにより、画像表示装置2から画像Im1に関する情報(画像データ、位置情報及び属性情報等)を取得し、取得した情報に基づいて画像Im1を解析する。画像解析処理では、例えば、画像Im1に含まれている仮想物体Ob1,Ob2の抽出、及び仮想光源L1のスペクトルの抽出等を実行する。
次に、光出力装置3のプロセッサは、処理部31にて、画像解析処理の結果を用いて、画面20に対する仮想光源L1及び仮想遮蔽物M1の位置の特定を行う(S4)。特定される位置の情報は、画面20から出力される光についての配光制御、及び影R12の形成等に用いられる。
次に、光出力装置3のプロセッサは、レンズ制御部34(出射角制御部341)にて、画面20から出力される光についての配光を制御する配光制御処理を実行する(S5)。さらに、光出力装置3のプロセッサは、光源制御部32(スペクトル制御部321)にて、画面20から出力される光のスペクトルを制御するスペクトル制御の処理を実行する(S6)。
次に、光出力装置3のプロセッサは、処理部31にて、画像解析処理の結果を用いて、影R12の有無を判断する(S7)。このとき、仮想光源L1と画面20との間に仮想遮蔽物M1が存在していれば、光出力装置3のプロセッサは、影R12が有ると判断し(S7:Yes)、シャッタ制御部33にて、シャッタ制御の処理を実行する(S8)。これにより、光出力装置3は、「(3.2)影形成動作」の欄で説明したように、画面20から出力される光に影R12を形成する。
光出力装置3のプロセッサは、影R12が無いと判断するか(S7:No)、又はシャッタ制御を終えると(S8)、光源制御部32にて、画面20から光を出力する光出力処理を実行する(S9)。本実施形態では、光出力処理をもって初めて、光出力装置3は、画面20から光を出力する。
その後、画像表示装置2のプロセッサは、画像更新部22にて、画像Im1の更新の有無を判断する(S10)。画像Im1が更新されてなければ(S10:No)、光出力処理を繰り返し実行する(S9)。一方、画像Im1が更新されれば(S10:Yes)、処理S2(画像表示層処理)に戻って、以降、上述した一連の処理(S2〜S10)を繰り返す。
図8のフローチャートは、表示制御方法の一例に過ぎず、処理を適宜省略又は追加してもよいし、処理の順番が適宜変更されていてもよい。
(4)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、実施形態1に係る表示制御システム1と同様の機能は、表示制御方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る表示制御方法は、画像表示処理(図8の「S2」)と、光出力処理(図8の「S9」)と、配光制御処理(図8の「S5」)と、を有する。画像表示処理は、仮想光源L1が規定されている画像Im1を画面20に表示する処理である。光出力処理は、画面20から光を出力する処理である。配光制御処理は、仮想光源L1と画面20との位置関係に応じて、画面20から出力される光について配光制御する処理である。一態様に係る(コンピュータ)プログラムは、1以上のプロセッサに、上記の表示制御方法を実行させるためのプログラムである。
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における表示制御システム1は、例えば、画像表示装置2及び光出力装置3等に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における表示制御システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
また、画像表示装置2又は光出力装置3における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは表示制御システム1に必須の構成ではなく、画像表示装置2又は光出力装置3の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、表示制御システム1の少なくとも一部の機能、例えば、画像表示装置2の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
反対に、実施形態1において、複数の装置に分散されている表示制御システム1の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、画像表示装置2と光出力装置3とに分散されている表示制御システム1の一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
すなわち、そもそも画像表示装置2と光出力装置3とが別体であることは、表示制御システム1に必須の構成ではなく、画像表示装置2と光出力装置3とは一体であってもよい。本開示でいう「一体」は、物理的に分離できない状態を意味し、例えば、1つの筐体に、画像表示装置2の構成要素及び光出力装置3の構成要素が収容されることで、画像表示装置2と光出力装置3とが一体化される。この場合、画像表示装置2は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等のディスプレイで構成され、ディスプレイの表面が画面20を構成する。画像表示装置2が液晶ディスプレイであれば、例えば、そのバックライトで光出力装置3が実現可能である。
また、表示制御システム1は、ユーザU1の状況、又は気象情報等を含む環境の状況等を監視する機能を有していてもよい。監視機能は、例えば、イメージセンサ(カメラ)、ソナーセンサ、マイクロフォン、レーダ又はLiDAR(Light Detection and Ranging)等の適宜のセンサを含むデバイスで実現される。一例として、イメージセンサで取得されるユーザU1の画像からは、ユーザU1の視線、感情、表情又はジェスチャ等の、ユーザU1の状況を推定することが可能である。これにより、表示制御システム1は、一例として、ユーザU1の感情に応じた画像Im1を表示することが可能である。また、環境の状況に基づけば、例えば、外気温が閾値を超えているような場合に、光出力装置3は、赤外線の強度を下げるようにスペクトルを調整することが可能である。
また、表示制御システム1の一部の機能、例えば、処理部31での画像解析の機能等について、機械学習等の技術が利用されてもよい。
また、表示制御システム1は、住宅で用いられることに限らず、例えば、事務所、店舗、工場、倉庫、建設現場、物流センタ、学校、病院、駅、空港又は駐車場等の、住宅以外の施設で用いられてもよい。さらに、例えば、自動車、電車、バス、船舶又は飛行機の内部等、乗り物の内部で表示制御システム1が用いられてもよい。一例として、自動車又は電車等の車両において、窓(車窓)に代えて車内に画面20が配置されることにより、表示制御システム1にて、走行中の車両の車窓から見える風景を再現することも可能である。
また、表示制御システム1は、画像表示装置2及び光出力装置3を1台ずつ備える構成に限らず、画像表示装置2と光出力装置3との少なくとも一方を2台以上備えていてもよい。例えば、表示制御システム1が、2台の画像表示装置2と、1台の光出力装置3と、を備えている場合、1台の光出力装置3の前面に配置された1つの画面20に、2台の画像表示装置2で交互に画像Im1を表示することができる。
また、実施形態1では、画像表示装置2と光出力装置3とは互いに通信することで同期しているが、両者が同期するための構成はこれに限らない。例えば、画像表示装置2と光出力装置3とが上位システムからの同期信号を受けて、画像表示装置2と光出力装置3とが同期してもよい。
また、光出力装置3の構成としては、画面20自体が発光する構成に限らず、例えば、画面20で光を反射することにより、画面20から光を出力する構成であってもよい。具体例としては、画面20がミラー等の光反射面である場合に、光出力装置3は、光源ユニット37からの光を画面20で反射させて、画面20から光を出力してもよい。この場合でも、光出力装置3は、例えば、光反射面である画面20にて光を反射する向きを変えることで、画面20から出力される光について配光制御を行うことができる。
また、光出力装置3は、例えば、太陽光等の環境光を利用して画面20から光を出力する構成であってもよい。この場合、例えば、光出力装置3は、全体的に等価性を有し、環境光を室内に取り込む本物の窓に嵌め込まれるように設置される。これにより、光出力装置3は、後面側、つまり室外側から入射する環境光を透過させ、前面側、つまり画面20側に出力することができる。この場合でも、光出力装置3は、仮想光源L1と画像Im1との位置関係に応じて、環境光の配光制御を行うことで、画面20から出力される光について配光制御を行うことができる。さらに、光出力装置3は、環境光と、光源ユニット37からの光と、の両方を、画面20から出力する構成であってもよい。
また、画面20は、水平方向に長さを有する(つまり横長の)長方形状の平面に限らない。例えば、画面20は、鉛直方向に長さを有する(つまり縦長の)平面であってもよいし、長方形状に限らず正方形状、円形状又は楕円形状等であってもよい。さらに、画面20は、平面に限らず、曲面形状又は凹凸等の三次元形状を含んでいてもよい。一例として、画面20が、鉛直方向に沿った中心軸周りに形成された円筒状である場合、ユーザU1が画面20を見る方向によって、ユーザU1に見える画像Im1が変化することになり、より現実性を向上させることも可能である。
また、画像表示装置2は、光出力装置3の前面の全域を画面20として利用する構成に限らない。例えば、光出力装置3の前面の外周部に、窓枠を模した意匠が採用している場合、画像表示装置2は、光出力装置3の前面のうちの窓枠の内側の領域のみを画面20として画像Im1を表示してもよい。
また、シャッタユニット38は、液晶シャッタに限らず、例えば、機械式シャッタにて実現されていてもよい。機械式シャッタからなるシャッタユニット38においては、例えば、アクチュエータの動力、磁力又は静電気力等を用いて、複数のセル381の各々が機械的に駆動される。これにより、セル381ごとに、光透過率(少なくとも光透過状態)を変化させることが可能である。
また、画像表示装置2と光出力装置3との間の通信方式は、電波を通信媒体として用いる無線通信に限らず、例えば、光を通信媒体として用いる光通信若しくは有線通信等、又はこれらの組み合わせであってもよい。
(実施形態2)
本実施形態に係る表示制御システム1は、図9に示すように、画面20に対するユーザU1の視線の方向を検知する検知装置4を更に備える点で、実施形態1に係る表示制御システム1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態では一例として、光出力装置3の上方に検知装置4が設置されている。検知装置4は、例えば、カメラ(イメージセンサ)等を含み、画像処理を行うことにより、画面20に対するユーザU1の視線の方向を検知する。
本実施形態では、検知装置4の検知結果は、画像表示装置2に入力される。これにより、画像表示装置2は、ユーザU1の視線の方向に応じて、画像更新部22にて、画面20に表示する画像Im1を変化させることができる。
例えば、図9に示すように、ユーザU1が画面20に対して左寄りの位置から右寄りの位置に移動した場合を想定する。この場合において、画面20が本物の窓であれば、ユーザU1と窓との相対的な位置が変化するので、窓から見える範囲が左方にシフトすることになる。本実施形態では、このような本物の窓から見える範囲の変化を、画像表示装置2にて画面20に表示される画像Im1の変化にて再現する。
すなわち、ユーザU1が矢印A1のように右方に移動した場合、画像表示装置2は、画像更新部22にて、画面20に表示する画像Im1について、矢印A2の向き(右方)にシフトさせる。つまり、画像表示装置2は、検知装置4の検知結果から、ユーザU1の視線の方向が変化したことを検知すると、視線の変化に合わせて、画像Im1を変化させる。その結果、ユーザU1から見ると、まるで窓から見える範囲が左方にシフトしたように見えるため、画面20を本物の窓のように錯覚しやすくなる。結果的に、本実施形態に係る表示制御システム1によれば、表示に関して現実性の更なる向上を図ることが可能である。
また、実施形態2の変形例として、検知装置4は、例えば、光出力装置3の筐体36内に収容されていてもよい。この場合、筐体36のうち検知装置4に対応する部位をハーフミラーで構成することにより、検知装置4の存在をユーザU1に気付かせにくくすることが好ましい。
実施形態2で説明した構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る表示制御システム(1)は、画像表示装置(2)と、光出力装置(3)と、を備える。画像表示装置(2)は、仮想光源(L1)が規定されている画像(Im1)を画面(20)に表示する。光出力装置(3)は、画面(20)から光を出力する。光出力装置(3)は、仮想光源(L1)と画面(20)との位置関係に応じて、画面(20)から出力される光について配光制御を実行する。
この態様によれば、単に画像(Im1)を表示するだけでなく、光出力装置(3)にて、画像(Im1)が表示される画面(20)から光を出力する。しかも、画面(20)から出力される光は、仮想光源(L1)と画面(20)との位置関係に応じて、配光制御される。これにより、例えば、画面(20)に窓から見える風景を表す画像(Im1)が表示された状態で、ユーザ(U1)においては、画面(20)から画像(Im1)に合わせた配光で差し込む光を受けて、画面(20)を、まるで本物の窓のように錯覚しやすくなる。結果的に、表示制御システム(1)によれば、表示に関して現実性の向上を図ることが可能である。
第2の態様に係る表示制御システム(1)は、第1の態様において、画像(Im1)に含まれる仮想物体(Ob1,Ob2)には画面(20)からの仮想距離(D1)が設定されている。光出力装置(3)は、仮想距離(D1)に応じて、画面(20)から出力される光について配光制御を実行する。
この態様によれば、画面(20)から仮想物体(Ob1,Ob2)までの仮想距離(D1)が、画面(20)から出力される光についての配光制御に反映されるので、奥行き感が加味され、表示に関して現実性の更なる向上を図ることが可能である。
第3の態様に係る表示制御システム(1)では、第1又は2の態様において、光出力装置(3)は、画像(Im1)に含まれる仮想遮蔽物(M1)の位置に応じて、画面(20)から出力される光に影(R12)を形成する。
この態様によれば、影(R12)まで再現されるので、表示に関して現実性の更なる向上を図ることが可能である。
第4の態様に係る表示制御システム(1)では、第1〜3のいずれかの態様において、光出力装置(3)が出力する光は、赤外線を含む。
この態様によれば、画面(20)から出力される光により、例えば、太陽光のような暖かさを再現することが可能である。
第5の態様に係る表示制御システム(1)では、第1〜4のいずれかの態様において、光出力装置(3)が出力する光は、紫外線を含む。
この態様によれば、画面(20)から出力される光により、例えば、太陽光をより忠実に再現することが可能である。
第6の態様に係る表示制御システム(1)では、第1〜5のいずれかの態様において、画像表示装置(2)は、画像(Im1)を変化させる画像更新部(22)を有する。
この態様によれば、画面(20)に表示される画像(Im1)が変化するので、表示に関して現実性の更なる向上を図ることが可能である。
第7の態様に係る表示制御システム(1)では、第1〜6のいずれかの態様において、光出力装置(3)が出力する光は、平行光を含む。
この態様によれば、画面(20)から出力される光により、例えば、太陽のような無限遠光源からの光を再現することが可能である。
第8の態様に係る表示制御システム(1)では、第1〜7のいずれかの態様において、光出力装置(3)は、画面(20)から出力される光の出射角(θ1)を変化させる出射角制御部(341)を有する。
この態様によれば、画面(20)から出力される光の出射角(θ1)を変化させることで、配光制御を実現できる。
第9の態様に係る表示制御システム(1)では、第1〜8のいずれかの態様において、光出力装置(3)は、画面(20)から出力される光のスペクトルを変化させるスペクトル制御部(321)を有する。
この態様によれば、例えば、画像(Im1)に合わせて、画面(20)から出力される光のスペクトルを変化させることで、表示に関して現実性の更なる向上を図ることが可能である。
第10の態様に係る表示制御システム(1)は、第1〜9のいずれかの態様において、画面(20)に対するユーザ(U1)の視線の方向を検知する検知装置(4)を更に備える。
この態様によれば、例えば、ユーザ(U1)の視線の方向に合わせて、画面(20)に表示する画像(Im1)を変化させることで、表示に関して現実性の更なる向上を図ることが可能である。
第11の態様に係る表示制御システム(1)では、第1〜10のいずれかの態様において、画像表示装置(2)と、光出力装置(3)と、は別体である。光出力装置(3)は、画像表示装置(2)に同期している。
この態様によれば、例えば、画像表示装置(2)と、光出力装置(3)と、が別体であるので、画像表示装置(2)及び光出力装置(3)の各々を個別に交換することが可能である。
第12の態様に係る表示制御方法は、画像表示処理と、光出力処理と、配光制御処理と、を有する。画像表示処理は、仮想光源が規定されている画像を画面に表示する処理である。光出力処理は、画面から光を出力する処理である。配光制御処理は、仮想光源と画面との位置関係に応じて、画面から出力される光について配光制御する処理である。
この態様によれば、単に画像(Im1)を表示するだけでなく、光出力処理にて、画像(Im1)が表示される画面(20)から光を出力する。しかも、画面(20)から出力される光は、仮想光源(L1)と画面(20)との位置関係に応じて、配光制御される。これにより、例えば、画面(20)に窓から見える風景を表す画像(Im1)が表示された状態で、ユーザ(U1)においては、画面(20)から画像(Im1)に合わせた配光で差し込む光を受けて、画面(20)を、まるで本物の窓のように錯覚しやすくなる。結果的に、表示制御方法によれば、表示に関して現実性の向上を図ることが可能である。
第13の態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、第12の態様に係る表示制御方法を実行させるためのプログラムである。
この態様によれば、単に画像(Im1)を表示するだけでなく、光出力処理にて、画像(Im1)が表示される画面(20)から光を出力する。しかも、画面(20)から出力される光は、仮想光源(L1)と画面(20)との位置関係に応じて、配光制御される。これにより、例えば、画面(20)に窓から見える風景を表す画像(Im1)が表示された状態で、ユーザ(U1)においては、画面(20)から画像(Im1)に合わせた配光で差し込む光を受けて、画面(20)を、まるで本物の窓のように錯覚しやすくなる。結果的に、上記プログラムによれば、表示に関して現実性の向上を図ることが可能である。
上記態様に限らず、実施形態1及び実施形態2に係る表示制御システム(1)の種々の構成(変形例を含む)は、表示制御方法又はプログラムにて具現化可能である。
第2〜11の態様に係る構成については、表示制御システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
1 表示制御システム
2 画像表示装置
3 光出力装置
20 画面
321 スペクトル制御部
341 出射角制御部
D1 仮想距離
Im1 画像
L1 仮想光源
M1 仮想遮蔽物
Ob1,Ob2 仮想物体
R12 影
U1 ユーザ
θ1 出射角

Claims (13)

  1. 仮想光源が規定されている画像を画面に表示する画像表示装置と、
    前記画面から光を出力する光出力装置と、を備え、
    前記光出力装置は、前記仮想光源と前記画面との位置関係に応じて、前記画面から出力される光について配光制御を実行する、
    表示制御システム。
  2. 前記画像に含まれる仮想物体には前記画面からの仮想距離が設定されており、
    前記光出力装置は、前記仮想距離に応じて、前記画面から出力される光について配光制御を実行する、
    請求項1に記載の表示制御システム。
  3. 前記光出力装置は、前記画像に含まれる仮想遮蔽物の位置に応じて、前記画面から出力される光に影を形成する、
    請求項1又は2に記載の表示制御システム。
  4. 前記光出力装置が出力する光は、赤外線を含む、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示制御システム。
  5. 前記光出力装置が出力する光は、紫外線を含む、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示制御システム。
  6. 前記画像表示装置は、前記画像を変化させる画像更新部を有する、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示制御システム。
  7. 前記光出力装置が出力する光は、平行光を含む、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示制御システム。
  8. 前記光出力装置は、前記画面から出力される光の出射角を変化させる出射角制御部を有する、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示制御システム。
  9. 前記光出力装置は、前記画面から出力される光のスペクトルを変化させるスペクトル制御部を有する、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示制御システム。
  10. 前記画面に対するユーザの視線の方向を検知する検知装置を更に備える、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の表示制御システム。
  11. 前記画像表示装置と、前記光出力装置と、は別体であって、
    前記光出力装置は、前記画像表示装置に同期している、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の表示制御システム。
  12. 仮想光源が規定されている画像を画面に表示する画像表示処理と、
    前記画面から光を出力する光出力処理と、
    前記仮想光源と前記画面との位置関係に応じて、前記画面から出力される光について配光制御する配光制御処理と、を有する、
    表示制御方法。
  13. 1以上のプロセッサに、請求項12に記載の表示制御方法を実行させるためのプログラム。
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