JP2020051158A - 建物制御システム、建物制御方法、及びプログラム - Google Patents

建物制御システム、建物制御方法、及びプログラム Download PDF

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Yukitsugu Uryu
幸嗣 瓜生
川口 健一
Kenichi Kawaguchi
健一 川口
公彦 中務
Kimihiko Nakatsukasa
公彦 中務
光司 橘田
Koji Kitsuta
光司 橘田
村嶋 祐二
Yuji Murashima
祐二 村嶋
健介 水原
Kensuke Mizuhara
健介 水原
未佳 砂川
Mika Sunagawa
未佳 砂川
隆志 佐々木
Takashi Sasaki
隆志 佐々木
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Abstract

【課題】利用可能な空間が制限されることなく、人の転倒又は物体の落下による衝撃を緩和すること。【解決手段】建物制御システム100は、構造物1と、検知部2と、推定部31と、制御部32と、を備える。構造物1は、建物A1の少なくとも一部を構成し、形状及び性質の少なくとも一方が変化可能である。検知部2は、構造物1を含む空間B1の状況を検知する。推定部31は、検知部2による検知結果に基づいて、空間B1の状況の変化を推定する。制御部32は、推定部31による推定結果に応じて、構造物1の形状及び性質の少なくとも一方を変化させる。【選択図】図1

Description

本開示は、一般に建物制御システム、建物制御方法、及びプログラムに関する。より詳細には、本開示は、建物の少なくとも一部を構成する構造物を制御する建物制御システム、建物制御方法、及びプログラムに関する。
特許文献1には、不使用時の椅子の占有スペースを小さくすることができる椅子が開示されている。
特開2015−171433号公報
特許文献1に記載の椅子では、椅子を部屋(空間)の床面に配置する場合、椅子を配置するスペースが必要となり、部屋における利用可能なスペースが制限されてしまう、という問題があった。
本開示は、空間における利用可能なスペースが制限されにくい建物制御システム、建物制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る建物制御システムは、構造物と、検知部と、推定部と、制御部と、を備える。前記構造物は、建物の少なくとも一部を構成し、形状及び性質の少なくとも一方が変化可能である。前記検知部は、前記構造物を含む空間の状況を検知する。前記推定部は、前記検知部による検知結果に基づいて、前記空間の状況の変化を推定する。前記制御部は、前記推定部による推定結果に応じて、前記構造物の形状及び性質の少なくとも一方を変化させる。
本開示の一態様に係る建物制御方法は、構造物を含む空間の状況の検知結果に基づいて前記空間の状況の変化を推定し、推定結果に応じて、前記構造物の形状及び性質の少なくとも一方を変化させる方法である。前記構造物は、建物の少なくとも一部を構成し、形状及び性質の少なくとも一方が変化可能である。
本開示の一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、上記の建物制御方法を実行させるためのプログラムである。
本開示は、空間における利用可能なスペースが制限されることなく、人の転倒又は物体の落下による衝撃を緩和することができる、という利点がある。
図1は、本開示の一実施形態に係る建物制御システムの概略構成を示す説明図である。 図2A〜図2Dは、それぞれ同上の建物制御システムの第1動作例を示す説明図である。 図3は、同上の建物制御システムにおける構造物の第1構成例の概略構成を示す説明図である。 図4は、同上の建物制御システムにおける構造物の第2構成例の概略構成を示す説明図である。 図5は、同上の建物制御システムにおける構造物の第3構成例の概略構成を示す説明図である。 図6は、同上の建物制御システムにおける構造物の第4構成例の概略構成を示す説明図である。 図7は、同上の建物制御システムの基本動作を説明するためのフローチャートである。 図8A及び図8Bは、それぞれ同上の建物制御システムの第2動作例を示す説明図である。 図9A及び図9Bは、それぞれ同上の建物制御システムの第3動作例を示す説明図である。
(1)概要
本実施形態の建物制御システム100は、建物A1の少なくとも一部を構成する構造物1を制御するシステムである。本開示でいう「建物」は、一例として戸建住宅又は集合住宅などの住宅施設を含む。その他、「建物」は、オフィスビル、工場、複合商業施設、美術館、博物館、遊戯施設、テーマパーク、ホテル、病院、又は大学などを含んでいてもよい。以下の説明では、建物A1は、集合住宅にある1つの住戸である。本開示でいう「構造物」は、建物A1の一部を構成する床、壁、又は天井などを含む。その他、「構造物」は、建物A1を構成する柱、又は梁などを含んでいてもよい。以下の説明では、構造物1は、床の少なくとも一部である。つまり、1つの構造物1で床が構成されていてもよいし、複数の構造物1で床が構成されていてもよい。
建物制御システム100は、図1に示すように、構造物1と、検知部2と、推定部31と、制御部32と、を備えている。なお、図1では、構造物1に相当する部位を破線で囲っているが、構造物1の概念を表しているに過ぎず、構造物1の態様を限定する趣旨ではない。
構造物1は、建物A1の少なくとも一部を構成し、形状及び性質の少なくとも一方が変化可能である。本開示でいう「形状の変化」は、構造物1を構成する要素の形状が変わることの他に、構造物1の全体としての形状が変わることを含む。例えば、構造物1が複数の小片15(図5参照)で構成されている場合、複数の小片15の各々の位置が変われば、各小片15の形が変わらずとも、構造物1の全体の形状が変わる。また、本開示でいう「性質の変化」は、構造物1自体の性質(例えば、硬さ等)が変わることの他に、構造物1の全体としての性質が変わることを含む。例えば、構造物1が第1構造物と第2構造物とで構成されており、一方の構造物の性質を変えずに他方の構造物の性質を変えることにより、構造物1の全体の性質が変わる場合も、「性質の変化」に含まれる。
検知部2は、構造物1を含む空間B1の状況を検知する。本実施形態では、空間B1は、1つの住戸が有する複数の部屋のうちの1つの部屋である。つまり、本実施形態では、構造物1は、建物制御システム100が適用される部屋の床の少なくとも一部である。本開示でいう「空間の状況」は、空間B1に存在する物体C1又は生物C2の状況を含み得る。ここでいう「物体」は、例えばコップなどの食器、冷蔵庫などの家電機器、又は椅子などの家具を含み得る。また、ここでいう「生物」は、人又はペットを含み得る。以下の説明では、特に断りの無い限り、「生物」は「人」である。
推定部31は、検知部2による検知結果に基づいて、空間B1の状況の変化を推定する。例えば、図2Aに示すように、テーブルの上に載せ置かれているコップ(物体C1)が落下したと仮定する。この場合、検知部2は、例えば、コップの落下する前の位置と、コップの落下中の位置と、の両方を検知する。そして、推定部31は、コップのこれらの位置に基づいて、コップが落下していること(つまり、コップの状況の変化)を推定する。同様に、例えば、図2Cに示すように、人C2が躓いたと仮定する。この場合、検知部2は、例えば、人C2が躓く前の姿勢と、人C2が躓いた後の姿勢と、の両方を検知する。そして、推定部31は、人C2の姿勢の変化に基づいて、人C2が躓いたこと(つまり、人C2の状況の変化)を推定する。
制御部32は、推定部31による推定結果に応じて、構造物1の形状及び性質の少なくとも一方を変化させる。例えば、推定部31が、上述のようにコップが落下していることを推定したと仮定する。この場合、制御部32は、床(構造物1)の硬さ(性質)を変化させる、つまり、床が柔らかくなるように制御する。これにより、図2Bに示すように、コップが床に落下する際の衝撃が緩和され、コップの落下による破損を防ぎやすくなる。同様に、例えば、推定部31が、上述のように人C2が躓いたことを推定したと仮定する。この場合、制御部32は、床の硬さを変化させる、つまり、床が柔らかくなるように制御する。これにより、図2Dに示すように、人C2が躓いて床に接触した際の衝撃、つまり人C2の転倒による衝撃が緩和される。上記の建物制御システム100による動作については、後述する「(3.2)第1動作例」にて詳細に説明する。
このように、本実施形態では、構造物1は、制御部32により制御されることで、初めて形状及び性質の少なくとも一方が変化するように構成されている。なお、構造物1が変形又は変質した状態から元の状態に復帰する際には、制御部32による制御があってもよいし、なくてもよい。
上述のように、本実施形態では、空間B1の状況に応じて、構造物1の形状及び性質の少なくとも一方を変化させることが可能である。このため、本実施形態では、人C2の転倒又は物体C1の落下が推定された場合、エアバッグ装置などの衝撃緩和手段を予め空間B1に設置せずとも、構造物1を柔らかくすることで人C2の転倒又は物体C1の落下による衝撃を緩和することができる。つまり、本実施形態では、空間B1における利用可能なスペースが制限されることなく、人C2の転倒又は物体C1の落下による衝撃を緩和することができる、という利点がある。
(2)詳細
以下、本実施形態の建物制御システム100の構成について図1、及び図3〜図6を用いて詳細に説明する。建物制御システム100は、図1に示すように、構造物1と、検知部2と、推定部31と、制御部32と、を備えている。検知部2は、構造物1のある空間B1に設けられている。推定部31及び制御部32は、空間B1に設けられていてもよいし、空間B1とは異なる場所に設けられていてもよい。また、本実施形態では、推定部31及び制御部32は、いずれも処理部3の有する機能として実現されている。
構造物1は、例えば、以下に示す第1構成例〜第6構成例のいずれかの構成をとり得る。本実施形態では、第1構成例〜第6構成例のいずれかの構成の構造物1を複数組み合わせることにより、床が構成されている。なお、第1構成例〜第6構成例は、いずれも構造物1のとり得る構成の一例に過ぎない。つまり、構造物1は、第1構成例〜第6構成例に限らず、形状及び性質の少なくとも一方を変化可能な構成であれば、他の構成であってもよい。
第1構成例では、構造物1は、図3に示すように、床材10と、複数の管111を有する可動部11と、磁石部12と、可動部11及び磁石部12を収容する収容体13と、を備えている。収容体13は、筒体であって、床材10の厚さ方向(図3における上下方向)において床材10と対向するように配置されている。
床材10は、床の一部を構成する。床材10は、可動部11により支持されない状態においては、人C2又は物体C1からの力を受けて変形する程度の柔軟性を有している。床材10は、可動部11の複数の管111の一端(図3における上端)に固定されている。したがって、床材10は、後述するように複数の管111が変形するのに伴って、変形する。
可動部11は、複数の管111と、複数の管111の一端が繋がっている主部110と、を有している。複数の管111は、それぞれ床材10の厚さ方向に沿って長い管であり、床材10の面と平行な方向(図3における左右方向)に間隔を空けて並んでいる。複数の管111及び主部110の外郭は、いずれも柔軟性を有するポリマーで構成されている。また、複数の管111及び主部110には、磁性流体112が充填されている。
磁石部12は、例えば永久磁石と、永久磁石の発生する磁束が通る継鉄と、を有している。磁石部12は、制御部32に制御されることで、収容体13の長さ方向(図3における上下方向)に沿って移動するピストンとして機能する。一例として、制御部32は、モータ又はエアコンプレッサを制御することにより、磁石部12を移動させる。
第1構成例では、制御部32が磁石部12を制御することで、磁石部12が可動部11に近づくと、可動部11に充填された磁性流体112が磁石部12に吸引される。これにより、磁性流体112の流動性が低くなり、可動部11が硬化する。その結果、床材10は、硬化した可動部11により支持されるため、人C2又は物体C1からの力を受けても変形しない程度に硬くなる。一方、制御部32が磁石部12を制御することで、磁石部12が可動部11から遠ざかると、磁性流体112が磁石部12に吸引されなくなる。これにより、磁性流体112の流動性が高くなり、可動部11が外力を受けると変形する程度に柔らかくなる。その結果、床材10は、柔らかい可動部11により支持されるため、人C2又は物体C1からの力を受けると変形する程度に柔らかくなる。このように、第1構成例では、構造物1は、制御部32に制御されることで、性質(硬さ)が変化する。
第2構成例では、構造物1は、図4に示すように、床材10と、可動部11と、圧縮部14と、可動部11及び圧縮部14を収容する収容体13と、を備えている。つまり、第2構成例は、磁石部12の代わりに圧縮部14を備えている点で、第1構成例と相違する。また、第2構成例は、磁性流体112の代わりに空気113が可動部11に充填されている点で、第1構成例と相違する。
圧縮部14は、制御部32に制御されることで、収容体13の長さ方向(図4における上下方向)に沿って移動するピストンとして機能する。圧縮部14は、可動部11の主部110の内部に繋がっている。つまり、圧縮部14の一面(図4における上面)が、可動部11の底面(図4における下面)を構成している。圧縮部14は、床材10に近づく向き(図4における上向き)に移動することで、可動部11内の空気113を圧縮する。一例として、制御部32は、モータ又はエアコンプレッサを制御することにより、圧縮部14を移動させる。
第2構成例では、制御部32が圧縮部14を制御することで、圧縮部14が可動部11内の空気113を圧縮すると、空気113の流動性が低くなり、可動部11が硬化する。その結果、床材10は、硬化した可動部11により支持されるため、人C2又は物体C1からの力を受けても変形しない程度に硬くなる。一方、制御部32が圧縮部14を制御することで、圧縮部14による空気113の圧縮を解除すると、空気113の流動性が高くなり、可動部11が外力を受けると変形する程度に柔らかくなる。その結果、床材10は、柔らかい可動部11により支持されるため、人C2又は物体C1からの力を受けると変形する程度に柔らかくなる。このように、第2構成例では、構造物1は、制御部32に制御されることで、性質(硬さ)が変化する。
第3構成例では、構造物1は、図5に示すように、複数の小片15の集合である。複数の小片15は、いずれも直方体状であって、これらの集合が床の一部を構成する。複数の小片15には、それぞれ複数のアクチュエータ16が接続されている。複数の小片15は、それぞれ制御部32が複数のアクチュエータ16を制御することにより、床面と交差する方向(図5における上下方向)に移動する。つまり、複数の小片15は、個別に移動可能である。なお、小片15は、直方体状に限らず、例えば立方体状など他の形状であってもよい。
第3構成例では、制御部32が複数のアクチュエータ16を制御することで、複数の小片15が個別に移動する。このため、構造物1は、複数の小片15の各々の位置が変化することにより、全体として形状が変化する。言い換えれば、制御部32は、複数の小片15のうちの1以上の小片15の位置を変化させることにより、構造物1の形状を変化させる。このように、第3構成例では、構造物1は、その形状を変化させることにより、例えば椅子又はテーブル等の種々の家具に変形することが可能である。ここでは、複数の小片15は、いずれも床面と交差する方向(縦方向)に長い直方体状であるため、立方体状である場合と比較して、縦方向の変化幅が大きく、また、床面と平行な方向での変化の分解能が高い。
第4構成例では、構造物1は、図6に示すように、複数(ここでは、2つ)の層101を有する床材10で構成されている。つまり、床材10が床の一部を構成する。複数の層101は、いずれも柔軟性を有するポリマーで構成されている。複数の層101は、それぞれ床材10の厚さ方向(図6における上下方向)において他の層101と対向する一面(以下、「対向面」という)に、電極17を有している。そして、複数の層101は、それぞれ制御部32が電極17に電流を流すことにより、対向面に静電気を発生するように構成されている。
第4構成例では、複数の層101の電極17にそれぞれ制御部32が電流を流すように制御することで、隣り合う層101の対向面が互いに吸着し、隣り合う層101の間の距離が短くなる。これにより、床材10は、人C2又は物体C1からの力を受けても変形しない程度に硬くなる。一方、複数の層101の電極17にそれぞれ制御部32が電極17に上記とは異なる電流を流すように制御することで、隣り合う層101の対向面が互いに反発し、隣り合う層101の間の距離が長くなる。これにより、床材10は、人C2又は物体C1からの力を受けると変形する程度に柔らかくなる。このように、第4構成例では、構造物1は、制御部32に制御されることで、性質(硬さ)が変化する。
第5構成例では、構造物1は、床材のみで構成されている。つまり、床材が床の一部を構成する。床材は、例えばポリウレタン発泡体と蝋とを組み合わせた材料からなり、網目状の構造を有している。床材の下方には、床材の任意の位置に熱を加える加熱装置が配置されている。そして、床材には、制御部32が加熱装置を制御することにより、任意の位置に熱が加えられる。
第5構成例では、床材は、制御部32が加熱装置を制御することで、所定の温度よりも高温に熱せられると、網目状の構造が崩れ、人C2又は物体C1からの力を受けると変形する程度に柔らかくなる。また、床材は、制御部32が加熱装置を制御することで、所定の温度、又は所定の温度よりも低温に冷やされると、網目状の構造へと戻り、元の状態(つまり、硬化した状態)に復帰する。このように、第5構成例では、構造物1は、制御部32に制御されることで、性質(硬さ)が変化する。
第6構成例では、構造物1は、床材のみで構成されている。つまり、床材が床の一部を構成する。床材は、形状記憶ポリマーで構成されている。床材の下方には、床材の任意の位置に熱を加える加熱装置が配置されている。そして、床材には、制御部32が加熱装置を制御することにより、任意の位置に熱が加えられる。
第6構成例では、床材は、制御部32が加熱装置を制御することで、所定の温度よりも高温に熱せられると、形状記憶ポリマーが柔らかくなるので、変形する。この状態で、所定の温度、又は所定の温度よりも低温に冷やされても、形状記憶ポリマーは変形したまま硬化するので、床材も変形した状態で硬化する。その後、床材は、制御部32が加熱装置を制御することで、再び所定の温度よりも高温に熱せられると、形状記憶ポリマーが元の状態に戻ることで、元の状態(つまり、元の形状)に復帰する。このように、第6構成例では、構造物1は、制御部32に制御されることで、形状及び性質(硬さ)が変化する。
検知部2は、建物制御システム100が適用される部屋(空間B1)に設置されており、部屋の状況を検知する。本実施形態では、検知部2は、1以上のセンサ21と、1以上のカメラ22と、1以上のマイクロフォン23と、を有している。
センサ21は、例えば電波センサを含み得る。電波センサは、部屋(空間B1)に向けて電波を発信する。電波センサは、部屋において人C2(又は物体C1)が動いた場合に、ドップラー効果を利用して、この人C2(又は物体C1)の加速度を検知する。センサ21は、電波センサの代わりに、超音波センサであってもよい。また、センサ21は、例えば距離センサを含み得る。距離センサは、部屋の床などに設置され、床と人C2(又は物体C1)との間の距離を検知する。
カメラ22は、例えばCCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを含み得る。カメラ22は、部屋(空間B1)を撮像し、撮像画像に適宜の画像処理を施すことにより、部屋の状況を検知する。一例として、カメラ22は、部屋に存在する人C2(又は物体C1)の位置を検知する。また、一例として、カメラ22は、部屋に存在する人C2の姿勢を検知する。
マイクロフォン23は、部屋(空間B1)にて発生する音を電気信号に変換して取得する。一例として、マイクロフォン23は、部屋に存在する人C2の発する声を取得する。また、一例として、マイクロフォン23は、部屋に存在する物体C1が移動することにより発する音を取得する。
処理部3は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが処理部3として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。処理部3は、推定部31を実行する機能と、制御部32を実行する機能と、を有している。
推定部31は、検知部2による検知結果に基づいて、部屋(空間B1)の状況の変化を推定する。具体的には、推定部31は、検知部2による検知結果が、予めメモリに記憶している複数の特定パターンのうちのいずれかの特定パターンと一致するか否かを判定する。ここでいう「検知部による検知結果」は、1以上のセンサ21による検知結果、1以上のカメラ22による検知結果、及び1以上のマイクロフォン23による検知結果のうちの少なくとも1つの検知結果を含み得る。また、ここでいう「特定パターン」は、状況の変化が生じた対象と、この対象に生じた状況の変化との組み合わせである。また、ここでいう「一致」は、完全一致のみならず、部分一致も含む。
一例として、特定パターンは、コップ(物体C1)と、コップの鉛直下方への移動との組み合わせ(以下、「第1パターン」という)を含み得る。検知部2による検知結果が第1パターンと一致する場合、推定部31は、コップが落下していると推定する。また、一例として、特定パターンは、人C2と、人C2の所定の角度を超えた前傾姿勢との組み合わせ(以下、「第2パターン」という)を含み得る。検知部2による検知結果が第2パターンと一致する場合、推定部31は、人C2が躓いたと推定する。その他、特定パターンは、人C2と、人C2の鉛直下方への所定以上の加速度及び人C2の所定の音声(例えば、人C2が無意識に発する「あっ」等)との組み合わせを含み得る。検知部2による検知結果がこの特定パターンに一致する場合も、推定部31は、人C2が躓いたと判定する。
このように、本実施形態では、推定部31は、部屋(空間B1)の状況の変化として、部屋に存在する人C2の状況の変化を推定する。また、推定部31は、部屋の状況の変化として、部屋に存在する物体C1の状況の変化を推定する。
制御部32は、推定部31による推定結果に応じて、構造物1の性質を変化させる。例えば、推定部31による推定結果がコップ(物体C1)の落下である場合、制御部32は、コップが落下すると推定される位置にある床(構造物1)の硬さを変化させる(つまり、床の一部を柔らかくする)。コップの落下位置は、検知部2の検知結果(例えば、1以上のカメラ22の撮像結果)に基づいて、推定部31が推定する。また、例えば、推定部31による推定結果が人C2の躓きである場合、制御部32は、人C2が躓いて倒れると推定される位置にある床(構造物1)の硬さを変化させる(つまり、床の一部を柔らかくする)。人C2が躓いて倒れる位置は、検知部2の検知結果(例えば、1以上のカメラ22の撮像結果)に基づいて、推定部31が推定する。
また、制御部32は、推定部31による推定結果に応じて、構造物1の形状を変化させる。例えば、推定部31による推定結果が人C2の躓きである場合、制御部32は、人C2が躓いて倒れると推定される位置にある床(構造物1)の形状を変化させることにより、椅子等の家具4(図8B参照)を出現させてもよい。
このように、本実施形態では、制御部32は、推定部31による推定結果に応じて、構造物1の硬さを変化させる。また、本実施形態では、制御部32は、推定部31による推定結果に応じて、構造物1の形状を変化させることで、家具4を出現させる。また、本実施形態では、推定部31は、部屋(空間B1)の状況の変化のある位置(つまり、状況の変化が生じた人C2又は物体C1の位置を推定する。そして、制御部32は、構造物1のうち推定部31により推定された位置にある部位の形状及び性質の少なくとも一方を変化させる。
(3)動作
(3.1)基本動作
以下、建物制御システム100による基本動作について図7を用いて説明する。まず、検知部2は、部屋(空間B1)の状況を検知する(S1)。本実施形態では、検知部2による検知は、部屋の状況の変化に対して構造物1の形状及び性質の少なくとも一方を即座に変化できるように、リアルタイムに行われる。検知部2の検知結果に変化がなければ、つまり、部屋の状況に変化がなければ(S2:No)、推定部31による推定は行われず、検知部2による部屋の検知が継続される(S1)。一方、検知部2の検知結果に変化があれば、つまり、部屋の状況に変化があれば(S2:Yes)、推定部31は、検知部2の検知結果に基づいて、部屋の状況の変化を推定する(S3)。検知部2による検知結果がいずれかの特定パターンに一致しなければ(S4:No)、制御部32による制御は行われず、検知部2による部屋の検知が継続される(S1)。一方、検知部2による検知結果がいずれかの特定パターンに一致すれば(S4:Yes)、制御部32は、一致した特定パターンに応じて、つまり、推定部31の推定結果に応じて、構造物1の形状及び性質の少なくとも一方を変化させる(S5)。
(3.1)第1動作例
以下、建物制御システム100による第1動作例について図2A〜図2Dを用いて説明する。以下の説明では、通常時においては、構造物1の形状及び性質は変化しておらず、単なる床の一部として機能していると仮定する。
まず、部屋(空間B1)にあるテーブルにコップ(物体C1)が載せ置かれていると仮定する。ここで、テーブルにコップが載せ置かれている間は、時間変化に伴ってコップの位置は変化しない。このため、テーブルにコップが載せ置かれている間は、推定部31による推定は行われない。一方、図2Aに示すように、テーブルからコップが落下すると、検知部2は、状況の変化があった対象がコップであり、コップが鉛直下方へと移動していることを検知する。そして、推定部31は、検知部2による検知結果が特定パターン(第1パターン)に一致することから、コップが落下していると推定する。また、推定部31は、床におけるコップの落下位置を推定する。そして、制御部32は、特定パターン(第1パターン)に応じて、推定されたコップの落下位置に相当する領域にある構造物1の硬さを変化させる(つまり、構造物1を通常時よりも柔らかくする)。これにより、図2Bに示すように、柔らかくなった構造物1の上にコップが落下するため、コップの落下による衝撃が構造物1により緩和される。
次に、部屋(空間B1)に人C2が存在すると仮定する。ここで、人C2が静止している間は、時間変化に伴って人C2の位置は変化しない。このため、人C2が静止している間は、推定部31による推定は行われない。一方、人C2が歩く等して移動している間は、時間変化に伴って人C2の位置が変化する。このため、人C2が移動している間は、推定部31は、検知部2による検知結果に基づいて、部屋の状況の変化を推定する。ここでは、推定部31は、検知部2による検知結果(つまり、状況の変化があった対象が人C2であり、人C2が移動していること)が、特定パターン(第2パターン)に一致しないことから、人C2の躓きを推定しない。
その後、図2Cに示すように人C2が躓くと、検知部2は、状況の変化があった対象が人C2であり、人C2が所定の角度を超えて前傾していることを検知する。そして、推定部31は、検知部2の検知結果が特定パターン(第2パターン)に一致することから、人C2が躓いたと判定する。また、推定部31は、床における人C2が躓いて倒れる位置を推定する。そして、制御部32は、特定パターン(第2パターン)に応じて、推定された人C2の倒れる位置に相当する領域にある構造物1の硬さを変化させる(つまり、構造物1を通常時よりも柔らかくする)。これにより、図2Dに示すように、柔らかくなった構造物1の上に人C2が倒れるため、人C2の転倒による衝撃が構造物1により緩和される。
(3.2)第2動作例
以下、建物制御システム100による第2動作例について図8A及び図8Bを用いて説明する。以下の説明では、通常時においては、構造物1の形状及び性質は変化しておらず、単なる床の一部として機能していると仮定する。また、以下の説明では、部屋(空間B1)に人C2が存在するが、部屋にはソファー等の家具4が存在していないと仮定する。さらに、以下の説明では、特定パターンには、人C2と、人C2の所定の角度を超えた後傾姿勢との組み合わせ(以下、「第3パターン」という)が含まれていると仮定する。
人C2が静止している間は、上記と同様に、推定部31による推定は行われない。また、人C2が歩く等して移動している間は、上記と同様に、推定部31は部屋の状況の変化を推定する。ここで、例えば図8Aに示すように、人C2がソファーに座るような動きをすると、検知部2は、状況の変化があった対象が人C2であり、人C2が所定の角度を超えて後傾していることを検知する。そして、推定部31は、検知部2の検知結果が特定パターン(第3パターン)に一致することから、人C2がソファーに座ろうとしていると判定する。また、推定部31は、床における人C2が座ろうとしている位置を推定する。そして、制御部32は、特定パターン(第3パターン)に応じて、推定された人C2が座ろうとする位置に相当する領域にある構造物1の形状を変化させることにより、ソファー(家具4)を出現させる。これにより、図8Bに示すように、人C2は、出現したソファーに座ることができる。このように、本実施形態では、人C2による明示的な入力(例えば、スイッチの押下など)がなくても、人C2の状況の変化から人C2の意図を推定し、推定した人C2の意図に応じた家具4を、構造物1を変形させることで出現させることができる。
上記の動作例では、推定部31は、人C2が家具4を欲する(ここでは、ソファーに座ろうとする)意図を推定することで、家具4を出現させているが、これに限らず、家具4の必要性を推定することで、家具4を出現させてもよい。以下、この態様での動作例について説明する。以下の説明では、テーブルと、テーブルを囲む複数の椅子と、が予め部屋(空間B1)に設置されていると仮定する。また、以下の説明では、複数の椅子にそれぞれ複数の人が座っていると仮定する。
この状態で、部屋に新たに人が入ってきたと仮定する。すると、検知部2は、状況の変化があった対象が複数の人であり、複数の人の人数が1人増えたことを検知する。そして、推定部31は、検知部2の検知結果に基づいて、椅子が1つ足りないことを推定する。制御部32は、推定部31での推定結果に応じて、床におけるテーブルの周囲の領域にある構造物1の形状を変化させることにより、新たに椅子(家具4)を出現させる。このとき、推定部31は、検知部2の検知結果に基づいて、椅子に座る人の人数に対してテーブルが小さいと推定する場合がある。この場合、制御部32は、推定部31の推定結果に応じて、テーブルが大きくなるように、テーブルの形状を変化させてもよい。
(3.3)第3動作例
以下、建物制御システム100による第3動作例について図9A及び図9Bを用いて説明する。以下の説明では、通常時においては、構造物1の形状及び性質は変化しておらず、単なる床の一部として機能していると仮定する。また、以下の説明では、部屋(空間B1)に人C2及び冷蔵庫5が存在するが、部屋にはサイドテーブル等の家具4が存在していないと仮定する。さらに、以下の説明では、特定パターンには、人C2と、冷蔵庫5の扉の開閉及び冷蔵庫5から外への食品(物体C1)の移動との組み合わせ(以下、「第4パターン」という)が含まれていると仮定する。
人C2が静止している間は、上記と同様に、推定部31による推定は行われない。また、人C2が歩く等して移動している間は、上記と同様に、推定部31は部屋の状況の変化を推定する。ここで、例えば図9Aに示すように、人C2が冷蔵庫5から食品を取り出すと、検知部2は、状況の変化があった対象が人C2であり、冷蔵庫5の扉が開閉されたこと及び冷蔵庫5から外へ食品が移動したことを検知する。そして、推定部31は、検知部2の検知結果が特定パターン(第4パターン)に一致することから、人C2が冷蔵庫5から食品を取り出したと判定する。そして、制御部32は、特定パターン(第4パターン)に応じて、冷蔵庫5の近傍の領域にある構造物1の形状を変化させることにより、サイドテーブル(家具4)を出現させる。これにより、図9Bに示すように、人C2は、出現したサイドテーブルに冷蔵庫5から取り出した食品を載せ置くことができる。このように、本実施形態では、人C2の状況の変化から人C2の潜在的な要望(ここでは、冷蔵庫5から取り出した食品を何処かに載せ置きたいという要望)を推定し、推定した人C2の意図に応じた家具4を、構造物1を変形させることで出現させることができる。
上述のように、本実施形態では、空間B1の状況に応じて、構造物1の形状及び性質の少なくとも一方を変化させることが可能である。このため、本実施形態では、人C2の転倒又は物体C1の落下が推定された場合、エアバッグ装置などの衝撃緩和手段を予め部屋(空間B1)に設置せずとも、構造物1を柔らかくすることで人C2の転倒又は物体C1の落下による衝撃を緩和することができる。つまり、本実施形態では、部屋における利用可能なスペースが制限されることなく、人C2の転倒又は物体C1の落下による衝撃を緩和することができる、という利点がある。
また、本実施形態では、高齢の人C2、又は足腰に不安を抱える人C2が、転倒しないように意識しながら行動する必要がなくなるので、人C2の行動しようとするモチベーションを阻害しにくい、という利点がある。
さらに、本実施形態では、人C2の状況の変化から人C2の意図又は人C2の潜在的な要望を推定し、推定した意図又は潜在的な要望に応じた家具4を、構造物1を変形させることで出現させることができる。このため、本実施形態では、予め家具4を部屋の中に設置する必要がないので、部屋における利用可能なスペースが制限されない、という利点がある。このため、将来、都市化のさらなる進展により、一人当たりの居住スペースが小さくなった場合でも、本実施形態の建物制御システム100を採用すれば、居住スペースを効率良く利用することが可能になる。
(4)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、建物制御システム100と同様の機能は、建物制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
一態様に係る建物制御方法は、構造物1を含む空間B1の状況の検知結果に基づいて空間B1の状況の変化を推定し、推定結果に応じて、構造物1の形状及び性質の少なくとも一方を変化させる方法である。構造物1は、建物A1の少なくとも一部を構成し、形状及び性質の少なくとも一方が変化可能である。
一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、上記の建物制御方法を実行させるためのプログラムである。
以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における建物制御システム100は、例えば、処理部3等に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における建物制御システム100としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、例えば処理部3における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは建物制御システム100に必須の構成ではない。つまり、処理部3の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、例えば処理部3の少なくとも一部の機能は、例えば、サーバ装置及びクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
上述の実施形態において、制御部32は、構造物1を変化させた後に、構造物1を元の状態に戻してもよい。元の状態に戻すタイミングは、構造物1を変化させてから所定時間が経過した時点であってもよいし、構造物1から物体C1又は人C2が離れた時点であってもよい。
上述の実施形態では、構造物1は床の少なくとも一部であるが、これに限らず、構造物1は壁又は天井の少なくとも一部であってもよい。例えば、制御部32は、人C2の転倒又は物体C1の落下による衝撃を緩和するために、壁にある構造物1の形状を変化させることで、壁から緩和を衝撃し得る程度の柔軟性を有した家具4(例えば、ソファーなど)を出現させてもよい。その他、制御部32は、人C2の転倒を防止する手段として、壁にある構造物1の形状を変化させることで、壁から手すりを出現させてもよい。
その他、制御部32は、推定部31による推定結果(つまり、人C2の意図又は人C2の潜在的な要望)に応じて、壁にある構造物1の形状を変化させることで、壁から机又は本棚等を出現させてもよい。また、制御部32は、推定部31により人C2が上の階に上ろうとする意図を推定した場合、壁にある構造物1の形状を変化させることで、階段を出現させてもよい。
上述の実施形態では、構造物1は、構造物1自体が変形することにより椅子などの家具4に変化しているが、これに限定する趣旨ではない。一例として、構造物1は、通常時においてはハンモック(家具4)を天井裏に収容していてもよい。そして、制御部32は、推定部31による推定結果に応じて、構造物1の形状を変化させる(例えば、天井に開口を出現させる)ことで、天井裏に収容されたハンモックを部屋(空間B1)に出現させてもよい。このように、建物制御システム100は、構造物1の形状の変化に伴って家具4を部屋に出現させる構成であってもよい。
上述の実施形態において、制御部32は、推定部31による推定結果に応じて、構造物1の形状を複数の態様に変化させてもよい。例えば、検知部2による検知結果に人C2が座ろうとする姿勢が含まれる場合、推定部31により人C2が食事をするために座ろうとすることが推定されれば、制御部32は、構造物1の形状を変化させることで椅子を出現させる。一方、推定部31により人C2がテレビを見るために座ろうとすることが推定されれば、制御部32は、構造物1の形状を変化させることでソファーを出現させる。このように、制御対象が同じ構造物1であっても、部屋(空間B1)の状況の変化に応じて、構造物1が複数の態様に変化してもよい。
上述の実施形態において、推定部31は、人C2を識別する機能を有していてもよい。この場合、制御部32は、推定部31による識別結果に応じて、構造物1の形状及び性質の少なくとも一方を変化させてもよい。一例として、制御部32は、推定部31による識別結果が「子供」であれば、構造物1を変形させることで子供用の座面の低い椅子(家具4)を出現させる。また、制御部32は、推定部31による識別結果が「大人」であれば、構造物1を変形させることで大人用の座面の高い椅子を出現させる。また、制御部32は、推定部31による識別結果が「特定の個人」であれば、構造物1を変形させることで、特定の個人に最適化された椅子を出現させる。
上述の実施形態において、推定部31は、学習済みモデルを用いて空間B1の状況の変化を推定してもよい。学習済みモデルは、例えば、検知部2の検知結果を入力データ、入力データに対応する空間B1の状況の変化を教師データとした機械学習アルゴリズムによって生成される。また、学習済みモデルは、建物制御システム100の利用中において再学習を実行可能であってもよい。この場合、例えば、建物制御システム100の利用者ごとに学習済みモデルの再学習を行うことで、推定部31では、利用者の癖などを反映した推定が可能になる。
上述の実施形態において、検知部2は、構造物1のある空間B1に設けられているが、これに限らず、人C2の身体の一部(例えば、耳)に装着されるウェアラブル端末が有するセンサであってもよい。その他、検知部2は、例えば人C2が所持するスマートフォン等の携帯端末が有するセンサであってもよい。これらの態様では、推定部31は、ウェアラブル端末又は携帯端末との間で無線通信することにより、センサ(検知部2)の検知結果を取得することが可能である。これらの態様では、空間B1の状況、特に空間B1にいる人C2の状況を検知する精度の向上が期待できる。また、これらの態様では、人C2の有するセンサ(検知部2)の検知結果と、空間B1に設けられている検知部2の検知結果とを組み合わせることで、推定部31での空間B1の状況の変化の推定精度の向上が期待できる。
ところで、制御部32は、人C2による明示的な入力に基づいて、構造物1の形状及び性質の少なくとも一方を変化させてもよい。例えば、人C2が特定の家具4を出現させるためのスイッチを操作した場合、制御部32は、スイッチの操作に応じて、構造物1の形状を変化させることで特定の家具4を出現させてもよい。また、例えば、人C2が「ベビーベッドを出して」と発声した場合、制御部32は、この発声に応じて、構造物1の形状を変化させることでベビーベッド(家具4)を出現させてもよい。その他、人C2が携帯端末(例えば、スマートフォン等)を操作した場合、制御部32は、携帯端末の操作に応じて、構造物1の形状及び性質の少なくとも一方を変化させてもよい。例えば、携帯端末のタッチパネル式のディスプレイに部屋の画像が写っており、この画像にて任意の領域を囲む操作を人C2が行った場合に、制御部32は、囲まれた領域に相当する位置にある構造物1の形状を変化させることで家具4を出現させてもよい。
つまり、建物制御システム100は、構造物1と、制御部32と、を備えていてもよい。構造物1は、建物A1の少なくとも一部を構成し、形状及び性質の少なくとも一方が変化可能である。制御部32は、人による入力を受け付けると、入力に応じて、構造物1の形状及び性質の少なくとも一方を変化させる。
(まとめ)
以上述べたように、第1の態様に係る建物制御システム(100)は、構造物(1)と、検知部(2)と、推定部(31)と、制御部(32)と、を備える。構造物(1)は、建物(A1)の少なくとも一部を構成し、形状及び性質の少なくとも一方が変化可能である。検知部(2)は、構造物(1)を含む空間(B1)の状況を検知する。推定部(31)は、検知部(2)による検知結果に基づいて、空間(B1)の状況の変化を推定する。制御部(32)は、推定部(31)による推定結果に応じて、構造物(1)の形状及び性質の少なくとも一方を変化させる。
この態様によれば、空間(B1)における利用可能なスペースが制限されることなく、人(C2)の転倒又は物体(C1)の落下による衝撃を緩和することができる、という利点がある。
第2の態様に係る建物制御システム(100)では、第1の態様において、推定部(31)は、空間(B1)の状況の変化のある位置を推定する。制御部(32)は、構造物(1)のうち推定部(31)により推定された位置にある部位の形状及び性質の少なくとも一方を変化させる。
この態様によれば、構造物(1)全体ではなく、推定された位置にある部位のみを制御するので、不要な領域での構造物(1)の制御を行わなくて済む、という利点がある。
第3の態様に係る建物制御システム(100)では、第1又は第2の態様において、制御部(32)は、推定部(31)による推定結果に応じて、構造物(1)の硬さを変化させる。
この態様によれば、構造物(1)の形状を変化させるといった複雑な制御をせずとも、構造物(1)を柔らかくするという簡易な制御により、人(C2)の転倒又は物体(C1)の落下による衝撃を緩和することができる、という利点がある。
第4の態様に係る建物制御システム(100)では、第1〜第3のいずれかの態様において、制御部(32)は、推定部(31)による推定結果に応じて、構造物(1)の形状を複数の態様に変化させる。
この態様によれば、例えば構造物(1)が椅子又はテーブル等の種々の家具(4)に変形することで、空間(B1)の状況の変化に対して多様な措置が可能になる、という利点がある。
第5の態様に係る建物制御システム(100)では、第1〜第4のいずれかの態様において、構造物(1)は、複数の小片(15)の集合である。制御部(32)は、複数の小片(15)のうちの1以上の小片(15)の位置を変化させることにより、構造物(1)の形状を変化させる。
この態様によれば、構造物(1)を構成する要素の形状を変化させる場合と比較して、簡易な制御により構造物(1)の形状を変化させることができる、という利点がある。
第6の態様に係る建物制御システム(100)では、第1〜第5のいずれかの態様において、構造物(1)は、床の少なくとも一部である。
この態様によれば、人(C2)又は物体(C1)と接触する床の少なくとも一部を制御するので、壁又は天井等を制御する場合と比較して、人(C2)の転倒又は物体(C1)の落下による衝撃を直接的に緩和しやすい、という利点がある。
第7の態様に係る建物制御システム(100)では、第1〜第6のいずれかの態様において、推定部(31)は、空間(B1)の状況の変化として、空間(B1)に存在する生物(C2)の状況の変化を推定する。
この態様によれば、生物(C2)の状況の変化に応じた措置をとることができる、という利点がある。
第8の態様に係る建物制御システム(100)では、第7の態様において、推定部(31)は、生物(C2)を識別する。制御部(32)は、推定部(31)による識別結果に応じて、構造物(1)の形状及び性質の少なくとも一方を変化させる。
この態様によれば、例えば識別された人(C2)に最適化された家具(4)等を出現させることが可能になる、という利点がある。
第9の態様に係る建物制御システム(100)では、第1〜第8のいずれかの態様において、推定部(31)は、空間(B1)の状況の変化として、空間(B1)に存在する物体(C1)の状況の変化を推定する。
この態様によれば、物体(C1)の状況の変化に応じた措置をとることができる、という利点がある。
第10の態様に係る建物制御方法は、構造物(1)を含む空間(B1)の状況の検知結果に基づいて空間(B1)の状況の変化を推定し、推定結果に応じて、構造物(1)の形状及び性質の少なくとも一方を変化させる方法である。構造物(1)は、建物(A1)の少なくとも一部を構成し、形状及び性質の少なくとも一方が変化可能である。
この態様によれば、空間(B1)における利用可能なスペースが制限されることなく、人(C2)の転倒又は物体(C1)の落下による衝撃を緩和することができる、という利点がある。
第11の態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、第10の態様の建物制御方法を実行させるためのプログラムである。
この態様によれば、空間(B1)における利用可能なスペースが制限されることなく、人(C2)の転倒又は物体(C1)の落下による衝撃を緩和することができる、という利点がある。
第2〜第9の態様に係る構成は、建物制御システム(100)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
1 構造物
15 小片
2 検知部
31 推定部
32 制御部
100 建物制御システム
A1 建物
B1 空間
C1 物体
C2 人(生物)

Claims (11)

  1. 建物の少なくとも一部を構成し、形状及び性質の少なくとも一方が変化可能な構造物と、
    前記構造物を含む空間の状況を検知する検知部と、
    前記検知部による検知結果に基づいて、前記空間の状況の変化を推定する推定部と、
    前記推定部による推定結果に応じて、前記構造物の形状及び性質の少なくとも一方を変化させる制御部と、を備える、
    建物制御システム。
  2. 前記推定部は、前記空間の状況の変化のある位置を推定し、
    前記制御部は、前記構造物のうち前記推定部により推定された位置にある部位の形状及び性質の少なくとも一方を変化させる、
    請求項1記載の建物制御システム。
  3. 前記制御部は、前記推定部による推定結果に応じて、前記構造物の硬さを変化させる、
    請求項1又は2に記載の建物制御システム。
  4. 前記制御部は、前記推定部による推定結果に応じて、前記構造物の形状を複数の態様に変化させる、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の建物制御システム。
  5. 前記構造物は、複数の小片の集合であって、
    前記制御部は、前記複数の小片のうちの1以上の小片の位置を変化させることにより、前記構造物の形状を変化させる、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の建物制御システム。
  6. 前記構造物は、床の少なくとも一部である、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の建物制御システム。
  7. 前記推定部は、前記空間の状況の変化として、前記空間に存在する生物の状況の変化を推定する、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の建物制御システム。
  8. 前記推定部は、前記生物を識別し、
    前記制御部は、前記推定部による識別結果に応じて、前記構造物の形状及び性質の少なくとも一方を変化させる、
    請求項7記載の建物制御システム。
  9. 前記推定部は、前記空間の状況の変化として、前記空間に存在する物体の状況の変化を推定する、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の建物制御システム。
  10. 建物の少なくとも一部を構成し、形状及び性質の少なくとも一方が変化可能な構造物を含む空間の状況の検知結果に基づいて、前記空間の状況の変化を推定し、
    推定結果に応じて、前記構造物の形状及び性質の少なくとも一方を変化させる、
    建物制御方法。
  11. 1以上のプロセッサに、
    請求項10記載の建物制御方法を実行させるための、
    プログラム。
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