[ぱちんこ遊技機]
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。本発明に係る遊技機の代表例として、ぱちんこ遊技機PMを図1〜図3に示しており、まず、この図を参照してぱちんこ遊技機PMの全体構成について説明する。なお、以降の説明においては、便宜上、図2の各矢印で示す方向をそれぞれ、前後方向、左右方向、上下方向と称して説明する。
[ぱちんこ遊技機の全体構成]
始めに、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3a,3bにより横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2には、この前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠5が上下のヒンジ機構3a,3bを利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠2の前面側には、遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラス5aを通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
ガラス枠5の下部には、遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿6及び下球皿7)が設けられる。ガラス枠5の上部には、遊技の展開状況に応じて発光する演出ランプ11や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生させるスピーカ8が設けられている。ここで、下球皿7は、ガラス枠5の左右の中心に対して左側に寄って配置されている。これにより、下球皿7の正面右側には空きスペースが形成され、その部分に所定の演出操作を行うためのボタンやスイッチ、ダイヤル等の演出操作手段12などが取り付けられる。
前枠2の右下部には、遊技球の発射操作を行う発射ハンドル9が設けられている。前枠2の下部には、図3に示すように、ガラス枠5の背後において遊技盤20と上下に整合し得る位置に遊技補助盤(40)と称される補助機構部が形成されており、この遊技補助盤40の各部に、上球皿6に貯留された遊技球を1球ずつ送り出す球送り機構100(図5を参照)、球送り機構100から送り出された遊技球を遊技領域PAへ向けて打ち出す発射機構150、球送り機構100及び発射機構150の作動を制御する発射制御基板180などが設けられている。
遊技盤20は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂材料を用いて矩形平板状に形成された基板をベースとして構成されている。遊技盤20の
前面には、図3に示すように、左下部から右上部にかけて配設された円弧状の外レール21と、外レール21の内側において左下部から左上部にかけて配設された円弧状の内レール22と、外レール21の右上部から該盤面の下部までの間に配設されて左向きに開く湾曲形状に形成されたレール飾り23とを備えており、外レール21と内レール22とレール飾り23とで囲まれた内側に略円形の遊技領域PAが区画形成されている。また、外レール21と内レール22とにより、発射機構150により打ち出された遊技球を遊技領域PAへ案内するための案内通路24が形成される。この案内通路24における遊技球の出口開口の近傍位置、すなわち、内レール22の先端部に、案内通路24を通って出口開口から遊技領域PA内へ放出された遊技球が再び案内通路24へ逆戻りするのを防止する球戻り防止弁25が配設されている。
遊技領域PAには、図3では詳細な図示を省略しているが、多数本の遊技釘や風車等とともに、第1始動口、第2始動口、作動ゲート、大入賞口、一般入賞口等の各種入賞口の他、後述の主制御基板51が主体的に点灯制御する主制御表示装置700が配設されている。遊技領域PAの略中央にはセンター役物26が配設されており、このセンター役物26の下方の開口を通して演出表示装置27の画面が視認可能に設けられている。センター役物26には、遊技の展開状況に応じた演出動作を実行する可動役物19が設けられている。可動役物19は、駆動源としてステッピングモータを備えて構成される。遊技領域PAの下端には、各種入賞口に入球せずに流下した遊技球が通過可能なアウト口29が設けられている。以下、遊技盤20に設けられた各構成要素を順番に説明する。
第1始動口は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチ61(図5を参照)を備えている。第1始動口への遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。
第2始動口(普通電動役物)は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ62(図5を参照)を備えている。第2始動口への遊技球の入球は、第2特別図柄抽選の契機となる。第2始動口は、この普通電動役物を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイド81(図5を参照)を備えており、遊技球が入球不能又は入球困難な閉状態と、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態とに可変する。ここで、第2始動口は、開状態とならなければ、遊技球が入球し難い構造となっている。一方、第2始動口が開状態となると、第2始動口への入球容易性が高まる。
作動ゲートは、普通図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の通過を検出するための作動ゲートスイッチ63(図5を参照)を備えている。なお、作動ゲートへの遊技球の通過は、第2始動口(普通電動役物)を拡開させるか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
大入賞口(特別電動役物)は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選で大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる横長方形状をなす入賞口(いわゆるアタッカー装置)として形成される。大入賞口は、遊技球の入球を検出するための大入賞口スイッチ64(図5を参照)を備えるとともに、特別電動役物を開閉駆動させるための特別電動役物ソレノイド82(図5を参照)とを備えている。大入賞口は、遊技球が入球不能又は入球困難な閉状態と、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態とに可変する。本例において大入賞口は、遊技領域PAにおける右側領域(右打ち領域)に設けられている。そのため、特別遊技状態(大当り遊技状態)においては、遊技領域PAへ向けて遊技球を発射する際に、右側領域を狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで、大入賞口への入球が容易となっている。
一般入賞口は、遊技球の入球を検出するための一般入賞口スイッチ65(図5を参照)を備えている。一般入賞口への遊技球の入球は特別図柄又は普通図柄の抽選の契機とはならないが、他の入賞口(作動ゲート53を除く)と同様に賞球獲得の契機となる。
主制御表示装置700は、後述の主制御基板51にて点灯制御されるLED表示装置である。図4は、主制御基板51が主体的に点灯制御する主制御表示装置700の模式図である。この主制御表示装置700には、第1特別図柄表装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特別図柄保留ランプ73、第2特別図柄保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普通図柄保留ランプ76、ラウンド表示灯77、状態表示灯78、右打ち指示灯79、エラー表示灯70などの各種表示手段が設けられている。
第1特別図柄表示装置71は、遊技球が第1始動口に入球したことを契機として、第1特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第1特別図柄表示装置は、8個のLEDセグメントG〜Nから構成され、第1特別図柄の変動表示は当該LEDセグメントの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第1特別図柄が確定表示される。
第2特別図柄表示装置72は、遊技球が第2始動口に入球したことを契機として、第2特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第2特別図柄表示装置は、8個のLEDセグメントQ〜Xから構成され、第2特別図柄の変動表示は当該LEDセグメントの点滅パターンに従って表現され、当該LEDセグメントの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第2特別図柄が確定表示される。
第1特別図柄保留ランプ73は、2個のLEDセグメントO,Pから構成され、当該LEDセグメントの点灯・点滅表示によって第1特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。同じく、第2特別図柄保留ランプ74は、2個のLEDセグメントY,Zから構成され、当該LEDセグメントの点灯・点滅表示によって第2特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。第1特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第1始動口への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。同様に、第2特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第2始動口への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。
普通図柄表示装置75は、1個のLEDセグメントCから構成され、普通図柄の変動表示及び確定表示を行う。
普通図柄保留ランプ76は、2個のLEDセグメントA,Bから構成され、当該LEDセグメントの点灯・点滅表示によって、普通図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。
ラウンド表示灯77は、左表示灯77a及び右表示灯77bから構成され、特別遊技におけるラウンド遊技(単位遊技)の回数(規定ラウンド数:特別電動役物が連続して作動する回数)を表示する。左表示灯77は2個のLEDセグメントから構成され、右表示灯77bは7個のLEDセグメントから構成され、当該LEDセグメントの点灯表示によって、特別遊技の規定ラウンド数を表現する。
状態表示灯78は、2個のLEDセグメントD,Eから構成され、当該LEDセグメントの点灯表示によって、特別図柄の確率変動機能の作動状態と、普通図柄の確率変動機能の作動状態とを表現する。
右打ち指示灯79は、1個のLEDセグメントFから構成され、当該LEDセグメントの点灯表示によって、遊技領域PAの右側を狙って遊技球を発射すべき遊技状態(右打ちすべき遊技状態)であるか否かを表現する。
エラー表示灯70は、1個のLEDセグメントBから構成され、当該LEDセグメントの点灯表示によって、遊技機PMのエラーの発生状況を表現する。
続いて、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠2の背面側には、図2に示すように、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された裏セット盤30が取り付けられている。裏セット盤30の各部には、遊技施設側から供給される多数個の遊技球を貯留する貯留タンク33、貯留タンク33からの遊技球を流下させる樋部材34、樋部材34により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニット35、賞球払出ユニット35から払い出された遊技球を上球皿6又は下球皿7へ流下させる裏側通路部材36などが設けられている。
遊技盤20の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板51や、演出全般の制御を行う演出制御基板52(図5を参照)、遊技展開に応じた画像表示、効果音の制御を行う画像制御基板53(図5を参照)などが取り付けられている。なお、本実施形態では、演出制御基板52および画像制御基板53は、演出表示装置(液晶表示装置)27と一体化されたアッセンブリ状態で液晶ユニット28を構成している。これに対して、裏セット盤30の背面側には、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板54や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板56(図5を参照)、ぱちんこ遊技機PMの外部に設けられたデータ表示器やホールコンピュータ等に大当り信号等の外部情報信号(外端信号)を出力する外部情報端子板58(図5を参照)などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤30背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
続いて、図5は、ぱちんこ遊技機PMの電気的な概略構成を示すブロック図である。前述したように、ぱちんこ遊技機PMには、主制御基板51、演出制御基板52、画像制御基板53、払出制御基板54、発射制御基板180などが搭載されている。
主制御基板51は、遊技に関する各種の演算処理を行うCPUと、制御プログラムや各種データ等を記憶したROMと、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAMと、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路とを備えており、CPUがROMに記憶された制御プログラムに従って遊技進行に係る主要な制御を実行するように構成されている。
主制御基板51は、上記第1始動口への遊技球の入球を検出する第1始動口スイッチ61、上記第2始動口への遊技球の入球を検出する第2始動口スイッチ62、上記作動ゲートへの遊技球の通過を検出する作動ゲートスイッチ63、上記大入賞口への遊技球の入球を検出する大入賞口スイッチ64、上記一般入賞口への遊技球の入球を検出する一般入賞口スイッチ65、遊技済み球を検出する遊技済み球検出スイッチ66、ファール球を検出
するファール球検出スイッチ67等と電気的に接続されており、I/Oポート回路(入力ポート)を介して、各種スイッチからの検出信号を入力する。
また、図示を省略しているが、主制御基板51は、の前枠開閉検出スイッチ、ガラス枠開閉検出スイッチ、裏セット検出開閉スイッチと電気的に接続されており、I/Oポート回路(入力ポート)を介して、これら検出スイッチからの検出信号を入力する。前枠開閉検出スイッチは、外枠1に対して前枠2が開放されているか否か(開状態か閉状態か)を検出するスイッチであり、ガラス枠開閉検出スイッチは、前枠2に対してガラス枠5が開放されているか否か(開状態か閉状態か)を検出するスイッチであり、裏セット開閉検出スイッチは、裏セット盤30が開放されているか否かを検出するスイッチである。また、主制御基板51は、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特別図柄保留ランプ73、第2特別図柄保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普通図柄保留ランプ76、ラウンド表示灯77(図4を参照)、状態表示灯78(図4を参照)、右打ち指示灯79(図4を参照)、エラー表示灯70(図4を参照)と電気的に接続されるとともに、普通電動役物ソレノイド81及び特別電動役物ソレノイド82と電気的に接続されており、I/Oポート回路(出力ポート)を介して、制御信号を主制御表示装置700の各種表示手段および各種ソレノイドに出力する。さらに、主制御基板51には、後述の性能表示モニタ500が搭載されており、I/Oポート回路(出力ポート)を介して、制御信号を性能表示モニタ500に出力する。また、主制御基板51には、後述する設定変更部600および設定値表示モニタ650が搭載されており、I/Oポート回路(入力ポート)を介して、設定変更部600からの指示信号が入力され、その指示信号に基づき制御信号(設定値表示データ)を生成し、その制御信号を、I/Oポート回路(出力ポート)を介して、設定値表示モニタ650に出力する。
この主制御基板51と演出制御基板52との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板51から演出制御基板52へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板51から演出制御基板52へ各種の演出制御コマンドが送信される。また、主制御基板51は、払出制御基板54と電気的に接続され、払出制御基板54との間で双方向通信が可能となっている。また、主制御基板51は、発射制御基板180と電気的に接続され、主制御基板51から発射制御基板180へ一方向通信が可能となっている。
演出制御基板52は、主制御基板51からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うCPUと、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROMと、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAMと、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路とを備えており、CPUがROMに記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。演出制御基板52は、画像制御基板53と双方向通信が可能となるように接続されており、画像制御基板53に対して画像及び音響を指示する画像制御コマンドを送信する。また、演出制御基板52は、演出ランプ11及び可動役物19と電気的に接続されており、演出ランプ11を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)、可動役物19を制御するための駆動制御信号(駆動データ)を生成して、この制御信号を各デバイスに出力する。また、演出制御基板52は、演出操作手段12と電気的に接続されており、遊技者の操作に応じて、演出操作手段12からの操作入力信号を入力する。
画像制御基板53は、演出制御基板52からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うCPUと、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROMと、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAMと、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路とを備えて構成されており、CPUがROMに記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行
するように構成されている。画像制御基板53は、演出表示装置27及びスピーカ8等と電気的に接続されており、演出制御基板52からの指示(画像制御コマンド)に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データを演出表示装置27に送信するとともに、演出制御基板52からの指示(画像制御コマンド)に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、これを合成処理して生成した音響データを増幅器(デジタルアンプ)を介してスピーカ8に送信する。また、画像制御基板53は、演出制御基板52からの画像制御コマンドに対する応答として、この画像制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)を演出制御基板52へ送信する。
払出制御基板54は、主制御基板51からの払出制御コマンドに基づき賞球払出に関する各種の演算処理を行うCPUと、払出制御プログラムや各種データ等を記憶したROMと、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAMと、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路とを備えて構成されており、CPUがROMに記憶された制御プログラムに従って賞球払出に係る主要な制御を実行するように構成されている。払出制御基板54は、賞球払出ユニット35及び貸球操作装置(図示せず)等と電気的に接続されており、主制御基板51からの払出制御コマンドに基づき、或いは、貸球操作装置からの操作信号に基づき、賞球払出ユニット35を作動させて、遊技球を上球皿6又は下球皿7に払い出す制御を実行する。また、払出制御基板54は、各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板56、および、データ表示器やホールコンピュータ等に外端信号を出力する外部情報端子板58と電気的に接続されている。
発射制御基板180は、主制御基板51からの発射制御コマンドに基づき遊技球発射に関する各種の演算処理を行うCPUと、発射制御プログラムや各種データ等を記憶したROMと、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAMと、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路とを備えて構成されており、CPUがROMに記憶された制御プログラムに従って遊技球発射に係る主要な制御を実行するように構成されている。発射制御基板180は、発射ハンドル9、球送り機構100、発射機構150等と電気的に接続されており、発射ハンドル9からの操作信号に基づき、球送り機構100と発射機構150とを同期的に作動させて、遊技球を発射する制御を実行する。このとき、主制御基板51では、発射制御基板180との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合、発射制御基板180に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、発射制御基板180との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されている場合、発射制御基板180に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
以上のように構成される、ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島に固定設置され、前枠2、ガラス枠5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、遊技球を上球皿6に貯留させて発射ハンドル9を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル9が回動操作されると、上球皿6に貯留された遊技球が、球送り機構100によって1球ずつ発射機構150に送り出され、該発射機構150により遊技領域PAに向けて打ち出される。
遊技領域PAを転動流下する遊技球が、第1始動口、第2始動口、大入賞口、一般入賞口のいずれかに入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニット35により上球皿6又は下球皿7に払い出される。本例では、第1始動口又は第2始動口に入賞した場合の賞球数は「3個」、大入賞口に入賞した場合の賞球数は「10個」、一般入賞口に入賞した場合の賞球数は「5個」である。また、遊技球が第1始動口又は第2始動口に入球すると、特別図柄遊技の抽選乱数値が取得され、当該乱数値を所定の上限個数まで特
別図柄の保留球として一時記憶する。そして、所定の始動条件(変動開始条件)が成立する場合、最先の保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定を行い、この判定結果に応じた態様で、第1特別図柄表示装置又は第2特別図柄表示装置において特別図柄が変動表示されるとともに、演出表示装置27において装飾図柄が変動表示される。特別図柄および装飾図柄の変動表示は、前記選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。
第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、特別遊技に移行し、大入賞口の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別遊技(大当り遊技)として、当選した大当り種別(大当り図柄)に応じて、規定ラウンド数の異なる複数種の特別遊技のうちの何れかが展開される。特別遊技は、大入賞口(特別電動役物)の1又は複数回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(例えば16R,8R,2R)だけ連続して実行するものである。
<遊技機の主要な機能構成>
次に、図6の機能ブロック図を追加参照しながら、ぱちんこ遊技機PM(主として、主制御基板51/演出制御基板52)の各種機能について説明する。
主制御基板51は、図6に示すように、入球判定手段5110、遊技抽選乱数発生手段5120、保留制御手段5130、事前判定手段5135、特別図柄抽選処理手段5140、普通図柄抽選処理手段5145、特別遊技制御手段5150、図柄表示制御手段5155、電動役物制御手段5160、遊技状態制御手段5165、エラー監視制御手段5170、メイン情報記憶手段5180、コマンド送受信手段5190、を含む。なお、主制御基板51における上述の各手段は、主制御基板51上に設けられたCPU、ROM、RAM、電子回路等のハードウェア及びROM等に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
入球判定手段5110は、第1始動口スイッチ61、第2始動口スイッチ62、作動ゲートスイッチ63、大入賞口スイッチ64、一般入賞口スイッチ65、遊技済み球を検出する遊技済み球検出スイッチ66、ファール球を検出するファール球検出スイッチ67などからの検出信号に基づき、各入賞口への遊技球の入球を判定する。
遊技抽選乱数発生手段5120は、乱数生成回路で生成した内蔵乱数をソフトウェアで取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。また、遊技抽選乱数発生手段5120は、CPUのプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、当り乱数生成のために前述の内蔵乱数に加算される特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ)の決定に使用する特別図柄停止図柄乱数、特別図柄停止図柄乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄停止図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新(インクリメントやデクリメント、素数の加算など)し、また、初期値
乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
保留制御手段5130は、特別図柄保留制御手段5131、普通図柄保留制御手段5132、を含む。
特別図柄保留制御手段5131は、第1始動口又は第2始動口への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段5131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段5180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時記憶する。
第1特別図柄保留格納領域および第2特別図柄保留格納領域には、各始動口への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)、がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
また、特別図柄保留制御手段5131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタと、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2特別図柄保留球数カウンタとを有している。特別図柄保留制御手段5131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
また、特別図柄保留制御手段5131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新(加算又は減算)したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段5180のコマンド格納領域に一時記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれる。なお、原則として、各特別図柄の作動保留球は入球した順番に消化されることになるが、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄遊技に係る作動保留球が存在する間は、第1特別図柄遊技に係る作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄遊技に係る作動保留球を優先的に消化するように構成されている。なお、この優先消化の下では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、第1特別図柄の作動保留球が存在していたとしても、第1特別図柄の作動保留球の消化が保留されることになる。
普通図柄保留制御手段5132は、作動ゲートへの遊技球の入球を契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段5132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(
4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段5180の普通図柄保留格納領域に一時記憶する。また、普通図柄保留制御手段5132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段5132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
事前判定手段5135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行する。上記の事前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を満足するときである。具体的には、事前判定手段5135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段5180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域から読み出して、当否の事前判定(当否事前判定)、図柄の事前判定(図柄事前判定)、変動パターンの事前判定(変動パターン事前判定)を順次実行する。各事前判定で用いられる事前判定テーブルは、図示省略するが、当否事前判定用テーブル、図柄事前判定用テーブル、変動パターン事前判定用テーブルのそれぞれが乱数の総数に相当する領域が複数の領域に区画され、この領域(判定置数)ごとに、抽選ID(事前判定の結果を示す番号(「事前判定番号」とも称する))が割り当てられている。そのため、この事前判定の結果は、後述の特別図柄抽選処理手段5140による本抽選の結果(当否判定の結果、図柄判定の結果、変動パターン判定の結果)に準ずるものとなっている。なお、当否事前判定用テーブルや図柄事前判定用テーブルなどは、実際に変動を開始するときに抽選に使用する当否抽選テーブルや図柄抽選テーブルなどと同じものであってもよい。ここで、変動パターン事前判定用テーブルは、変動開始時の遊技状況(確変の有無、時短の有無、特殊テーブルを参照する限定頻度期間中か否か、保留球数など)が変化する可能性があることから、前述のように、複数の領域の何れに含まれるかを判定する方が望ましい。そして、事前判定手段5135は、事前判定の結果(事前判定番号)の情報を含む演出制御コマンド(「事前判定コマンド」と称する)を順に生成して、これをメイン情報記憶手段5180のコマンド格納領域に格納する。
特別図柄抽選処理手段5140は、特別図柄当否判定手段5141、特別図柄停止図柄判定手段5412、特別図柄変動パターン判定手段5143、を含む。特別図柄抽選処理手段5140は、特別図柄の変動開始条件が成立したとき、メイン情報記憶手段5180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、これをメイン情報記憶手段5180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、その一例として、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄および第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足したときであり、その結果として、特別図柄が変動開始可能な状態であると判断される。
特別図柄当否判定手段5141は、メイン情報記憶手段5180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、大当り、小当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時記憶され(例えば、大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段5141は、この当否判定の際
に参照される特別図柄当否抽選テーブルを保持する。この特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値と、大当り、小当り、はずれの判定結果とが対応付けられており、この対応付けられた乱数範囲に応じて大当りおよび小当りの当選確率が定まる。図示省略するが、当否抽選において、通常状態(低確率状態)では、乱数値が「0〜217」の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変状態(高確率状態)では、大当りの範囲が拡大され、乱数値が「0〜217」の範囲に該当する場合だけでなく、「218〜2170」の範囲に該当する場合にも大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの抽選確率が低確率状態(約1/300)から高確率状態(約1/30)に変動する。このように大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りの当選確率は等しい。ここで、特別図柄当り乱数値が大当りの範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当する場合には小当りとなる。本例では、第1特別図柄の当否判定のみ小当りが存在するように構成しているが、例えば、第2特別図柄の当否判定にも小当りを設けて、第2特別図柄の当否判定よりも第1特別図柄の当否判定のほうが高い確率で小当りとなるように構成してもよい。なお、以下では、説明の便宜上、特段の場合を除き「小当り」に関する記載を省略する。
特別図柄停止図柄判定手段5142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄を決定する。特別図柄停止図柄判定手段5142は、第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する際に参照される第1特別図柄停止図柄テーブルおよび第2特別図柄停止図柄テーブルを有している。特別図柄停止図柄テーブル(大当り用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、複数種の停止図柄(大当り図柄)が割り当てられている。そして、各大当り図柄に対して、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、大入賞口の作動パターンなど)が対応付けられている。なお、本実施形態において、「特定図柄」とは特別遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させることとなる図柄、「時短有図柄」とは特別遊技の終了後に特別図柄の変動時間短縮機能(および電チューサポート機能)を作動させることとなる図柄、「時短無図柄」とは特別遊技の終了後に特別図柄の変動時間短縮機能(および電チューサポート機能)を作動させることのない図柄を意味する。また、本実施形態では、上記のように、大当り種別として16R大当り(16R特定時短有図柄)と8R大当り(8R特定時短有図柄)と2R大当り(2R特定時短無図柄)との3種類が設けられている。そして、特別遊技における賞球獲得の期待値(賞球獲得期待値)は、16R大当り>8R大当り>2R大当りとなっている。そして、第1特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、所定確率で16R大当りが選択されるのに対して、第2特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、所定確率よりも高確率で16R大当りが選択されることにより、第1始動口に入賞するよりも第2始動口に入賞した方が、多くの出玉を獲得できる点で遊技者に有利である。一方、特別図柄停止図柄テーブル(はずれ用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、単一の停止図柄(はずれ図柄)が一義的に割り当てられている。また、特別図柄停止図柄テーブル(小当り用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、単一の停止図柄(小当り図柄)が一義的に割り当てられている。なお、小当りの場合には、遊技状態の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当該遊技状態が維持される。
特別図柄変動パターン判定手段5143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段5143は、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを保持している。特別図柄変動パターン判定手段5143は、現在の変動パターン選択状態と当否抽選の結果とに基づき、複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。各変動パターンテーブルには、複数種の変動パターンが規定されている。各種の変動パターンは、その図柄変動の終了条件として当該変動パターンごとに
変動時間が定められており、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。
また、特別図柄変動パターン判定手段5143は、特別図柄の変動パターンを選択した後、演出制御基板52に対して装飾図柄の変動開始を指示するため、演出制御基板52との通信が正常に行われているか否かを確認するための演出制御コマンド(通信検査コマンド)、変動付加情報(変動時間を加減算するための情報)を含む演出制御コマンド(変動付加情報指定コマンド)、変動パターン情報を含む演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)、キャラクタ演出番号(図柄群および遊技状態)の情報を含む演出制御コマンド(図柄指定コマンド)等を生成して(以降、これらのコマンドを纏めて「変動開始コマンド」と称する)、これをメイン情報記憶手段5180のコマンド格納領域に格納する。
普通図柄抽選処理手段5145は、普通図柄当否判定手段5146と、普通図柄停止図柄判定手段5147と、普通図柄変動パターン判定手段5148と、を有する。普通図柄抽選処理手段5145は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段5180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。
普通図柄当否判定手段5146は、メイン情報記憶手段5180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否抽選の結果は、メイン情報記憶手段5180の普通図柄判定フラグに一時記憶され、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段5146は、この当否抽選の際に参照される普通図柄当否抽選テーブルを保持しており、通常状態(低確率状態)においては例えば「160/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照し、普通図柄の確変状態(高確率状態)においては、例えば「282/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照して、普通図柄の当否抽選を実行する。
普通図柄停止図柄判定手段5147は、図柄抽選テーブルを参照して、当否抽選の結果が当りである場合には所定の当り図柄を割り当てる一方、はずれである場合には所定のはずれ図柄を割り当てるようになっている。
普通図柄変動パターン判定手段5148は、メイン情報記憶手段5180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、普通図柄変動パターンテーブルを参照して、通常状態における普通図柄の変動表示においては、相対的に長い変動時間を選択する(例えば「4秒・5秒・6秒・7秒・8秒・9秒・10秒」の7種類をそれぞれ均一的に選択する)。一方、普通図柄の時短状態(入球容易状態)では、変動時間短縮機能の作動により、相対的に短い変動時間(例えば「0.5秒」)を選択する。なお、普通図柄遊技の制御においては、主制御基板51のCPUの処理負荷軽減のため、非電チューサポート状態においては、普通図柄抽選の当選確率を「0」としたり、普通図柄の変動時間を単一のものとする仕様を採用することも考えられる。
特別遊技制御手段5150は、当否抽選の結果が大当りである場合、前記決定された大当り図柄に応じて、大当り開始デモおよび大当り終了デモに係るデモ時間を決定する。また、特別遊技制御手段5150は、演出制御基板52側に対して、大当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」と称する)と、大当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段5180のコマンド格納領域に格納する。なお、大当り開始デモコマンドは、演出制御基板52側において、特別遊技中に展開される一連
の大当り演出(大当り開始デモ演出、ラウンド演出、大当り終了デモ演出)の内容を決定するための契機ともなる。また、特別遊技制御手段5150は、特別遊技中の各ラウンド遊技において、各ラウンド遊技に対応したラウンド演出の開始を指示するための演出制御コマンド(「ラウンド演出指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。このラウンド演出指定コマンドには、現在のラウンド数の情報および大入賞口の開放や閉鎖の情報などが含まれる。なお、上記デモ時間に関しては、大当り図柄のみではなく、大当りした際の遊技状態(通常中または時短中など)によって同一の大当り図柄であっても大当り開始デモや大当り終了デモに係るデモ時間を異ならせてもよい。
また、特別遊技制御手段5150は、当否抽選の結果が小当りの場合、小当り遊技中に演出表示装置27等に表示される小当り開始デモおよび小当り終了デモに係るデモ時間を決定する。また、特別遊技制御手段5150は、小当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り開始デモコマンド」)と、小当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り終了デモコマンド」)を生成して、これをメイン情報記憶手段5180のコマンド格納領域に格納する。
図柄表示制御手段5155は、特別図柄表示制御手段5156、普通図柄表示制御手段5157、を含む。特別図柄表示制御手段5156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置71に変動表示させるとともに、該変動表示後に第1特別図柄を確定表示させる。また、特別図柄表示制御手段5156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置72に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段5156は、第1特別図柄および第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有している。第1特別図柄表示装置71および第2特別図柄表示装置72の動作状態は、メイン情報記憶手段5180の特別図柄遊技ステイタスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段5156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、演出制御基板52に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。普通図柄表示制御手段5157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置75に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段5157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置75の動作状態は、メイン情報記憶手段5180の普通図柄遊技ステイタスに基づき監視される。
電動役物制御手段5160は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、特別遊技処理として、特別電動役物ソレノイド82に制御信号を出力し、大入賞口(特別電動役物)を所定の作動パターンに従って開放させる。特別遊技は、大入賞口(特別電動役物)の1回の作動を1回のラウンド遊技(単位遊技)とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、16R,8R,2R)だけ連続して実行するものである。ここで、大当り種別がいわゆる長開放大当り(本例では16R大当り又は8R大当り)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口を最大で約30秒間開放させる。他方、大当り種別がいわゆる短開放大当り(本例では2R大当り)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口を最大で約0.7秒間開放させる。ここで、特別遊技における大入賞口の閉鎖条件(単位遊技の終了条件)とは、規定カウント数の遊技球の入賞又は規定秒数の開放可能期間の経過である。また、開放可能期間における大入賞口の開閉動作は、1回だけでなく、複数回実行される場合を有していてもよい。
また、電動役物制御手段5160は、特別図柄の当否抽選の結果が小当りとなった場合
、特別図柄の確定表示後に、小当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド82に制御信号を出力し、大入賞口(特別電動役物)を短期間だけ開放させる。小当り遊技は1回のラウンド遊技で構成される点で、複数回のラウンド遊技で構成される大当り遊技とは区別される。ここで、前述した2R特別遊技と小当り遊技とを比較すると、内部的には相違するものの、1回の開閉時間(0.7秒)が同じ点及び開閉回数が同一である点(前者が1ラウンド当たり1開閉を2ラウンドの2回、後者が1ラウンド当たり2開閉を1ラウンドの2回)で共通するので、見た目上は近似した開放時間・開放パターンの遊技が繰り広げられる。
また、電動役物制御手段5160は、普通図柄の当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド81に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ第2始動口(普通電動役物)を開放させる。ここで、電動役物制御手段5160は、通常状態では第2始動口(普通電動役物)を極短時間(例えば0.2秒間)だけ開放させるのに対し、入球容易状態(電チューサポート状態)では第2始動口(普通電動役物)を通常状態と比較して相対的に長い時間(例えば4秒間)に亘り開放させる。
遊技状態制御手段5165は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りに係る図柄の種類に基づき、特別遊技の終了後の遊技状態を決定するとともに、特別遊技の終了後の遊技状態を切り替える。以下では、前述した特別図柄および普通図柄に関する諸機能のうち、1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能の全てが作動する遊技状態を「確変状態」と称し、2)特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能のみが作動する遊技状態を「時短状態」と称し、3)特別図柄の確率変動機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態」と称し、4)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」と称する。なお、「確変状態」、「時短状態」、「潜伏確変状態」は、いずれも「通常状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。なお、各遊技状態は、特別図柄遊技の作動状態(高確率/低確率)と普通図柄遊技の作動状態(開放延長あり/開放延長なし)との組み合わせにより、(1)確変状態を「高確率/開放延長」、(2)時短状態を「低確率/開放延長」、(3)潜伏確変状態を「高確率/非開放延長」、(4)通常状態を「低確率/非開放延長」、と表現することもできる。また、本実施形態では、例えば回数切りの所謂ST機として構成されているため、特別遊技の終了後の遊技状態は、特別図柄の変動回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終期回数、すなわちST回数に到達するまでの間、確変状態が継続する(但し、ST回数内で次回の大当りが発生した場合には当該変動にて確変状態は終了し、大当り終了後に再度ST回数が設定される)。なお、ST期間中に小当りとなった場合には、ST回数が0リセット(復活)されることはなく、小当り発生の前後でST回数は継続してカウントされている。本実施形態では、ST回数は100回に設定されているが、他の回数に設定されてもよいことは勿論である。なお、確変状態へ移行した場合は、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が同時に作動して、該確変状態が継続する限り、各機能も継続することになる。なお、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合には、当該大当り前の遊技状態が通常状態および確変状態のいずれであっても、特別遊技中は通常状態であり且つ特別遊技後はST回数を限度として一律に確変状態となる。一方、特別図柄の当否抽選の結果が小当りであれば、当該小当り前の遊技状態が通常状態であった場合、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も通常状態となる。また、当該小当り前の遊技状態が特別図柄の確変状態であった場合には、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も特別図柄の確変状態となる。
また、遊技状態制御手段5165は、特別遊技が実行された場合に、当該大当りないし小当りの図柄種別に基づき、特別遊技後の変動パターン選択状態を決定するとともに、特別遊技後の変動パターン選択状態を切り替える。変動パターン選択状態とは、前述の変動
パターンテーブルを選択する際に参照される条件の一つである。変動パターン選択状態の切り替え時期は、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときである。そして、遊技状態制御手段5165は、現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(「遊技状態指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段5180のコマンド格納領域に格納する。
エラー監視制御手段5170は、主制御基板51のI/Oポート回路の入力情報を監視し、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板52にエラー状態演出を指示すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を要求する。なお、扉・枠開放信号とは、外枠1に対し前枠2が開放されているか否かを検出する前枠開閉検出スイッチからの検出信号、前枠2に対しガラス枠5が開放されているか否かを検出するガラス枠開閉検出スイッチからの検出信号、および裏セット盤30が開放されているか否かを検出する裏セット開閉検出スイッチからの検出信号を指す。また、磁気センサおよび電波センサはいわゆる不正遊技行為を発見するための検出手段である。
メイン情報記憶手段5180は、特別図柄遊技および普通図柄遊技にて取得した乱数値情報、特別図柄および普通図柄の作動保留球情報、特別図柄遊技および普通図柄遊技に関する遊技状態(確変状態、時短状態、入球容易状態)の情報、変動パターン選択状態に関する情報、当否抽選の結果情報(大当り、小当り、はずれ)、特別図柄や普通図柄に係る停止図柄および変動パターンの情報、特別遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、設定値の情報、特別図柄表示装置71,72の動作状態を示すステイタス情報、特別電動役物の動作状態を示すステイタス情報、演出制御コマンドデータの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
コマンド送受信手段5190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段5180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンドデータをパラレル伝送方式にて演出制御基板52に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んだ2バイト構成となっており、MODEとEVENTを区別するために、MODEデータのBit7は「1」、EVENTデータのBit7は「0」としている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、MODEおよびEVENTの各々の送信タイミングでストローブ信号が出力される。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段5180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って割込み周期毎に1コマンド送信される。
演出制御基板52は、図6に示すように、演出抽選乱数発生手段5210、演出統括手段5220、ランプ制御手段5230、役物制御手段5240、エラー演出制御手段5250、サブメイン情報記憶手段5260、コマンド送受信手段5270、を含む。なお、演出制御基板52における上述の各手段は、演出制御基板52上に配されたCPU、ROM、RAM、電子回路等のハードウェア及びROMに格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
演出抽選乱数発生手段5210は、演出制御基板52のCPUのプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数(演出抽選乱数)を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、先読み演出の抽選に使用する先読み抽選乱数、装飾図柄の停止図柄の抽選に使用する装飾図柄乱数、装飾図柄の変動演出パターン
の抽選に使用する変動演出パターン乱数、予告演出の抽選に使用する予告抽選乱数、大当り演出パターンの抽選に使用する大当り演出パターン乱数、演出ステージの移行抽選に使用するステージ抽選乱数などが含まれる。これらの乱数の更新時期としては、後述の演出制御側メイン処理内でコマンド解析が行われなかった場合(主制御基板51から演出制御コマンドを受信しなかった場合)の残余時間を利用して更新する。
演出統括手段5220は、演出モード制御手段5221、保留情報表示制御手段5222、先読み予告制御手段5223、変動演出制御手段5224、装飾図柄制御手段5225、予告演出制御手段5226、大当り演出制御手段5227を含む。
演出モード制御手段5221は、主制御基板51からの遊技状態指定コマンドに基づき、主制御基板51側で管理された遊技状態および変動パターン選択状態との整合性をとるかたちで、演出モード(「遊技演出モード」とも称する)の移行制御を実行する。本実施形態では、複数種の遊技演出モードが設定されており、主制御基板51から指示された特別図柄の変動パターンが同一であっても、演出モード毎に図柄変動演出の具体的内容を特定する変動演出パターン(詳細後述)が異なるように設定されている。演出表示装置27には、現在滞在中の演出モードに対応した演出モード報知画像(本例では、装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示され、この背景画像は演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像の種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。
保留情報表示制御手段5222は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2保留球数カウンタを有している。保留情報表示制御手段5222は、主制御基板51からの図柄記憶数コマンドを受信すると、このコマンドに含まれる作動保留球数の情報に基づき、対応するカウンタの値を更新(加算)する。一方、保留情報表示制御手段5222は、主制御基板51からの変動開始コマンドを受信すると、すなわち、作動保留球が消化されると、対応するカウンタの値を更新(減算)する。また、保留情報表示制御手段5222は、第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの値に基づいて、演出表示装置に、第1特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像とを表示する制御を行う。本例において、特別図柄の作動保留球が生起されると、通常の表示態様の保留画像が表示される一方、後述の先読み予告演出(保留変化先読み演出)が実行される場合には、この先読みの対象となった保留画像が通常の表示態様から特殊な表示態様に変化する。
先読み予告制御手段5223は、先読み予告演出の対象となる作動保留球に対して先読み的な判定(「先読み抽選」と称する)を実行する。先読み予告演出は、先読み対象の作動保留球が消化される以前の一又は複数回の変動表示に亘って大当り当選又は高期待度演出(例えばリーチ演出)発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出の一態様として発生される。このとき、先読み抽選は、主制御基板51からの事前判定コマンドに含まれる事前判定結果の情報に基づき実行される。ここで、先読み予告制御手段5223は、主制御基板51からの事前判定コマンドを受信すると、第1特別図柄の事前判定結果の情報と第2特別図柄の事前判定結果の情報とを区別して、それぞれ所定の上限個数(4個)まで、作動保留球の入球順序と結合したかたちでサブメイン情報記憶手段5260の先読み情報格納領域に一時記憶する。この先読み情報格納領域は、主制御基板51の保留記憶領域と同様の構成となっており、各始動口への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、当否事前判定結果の情報、図柄事前判定結果の情報、変動パターン事前判定結果の情報を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。事前判定結果の情報は、保留1記
憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の事前判定結果の情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された事前判定結果の情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
変動演出制御手段5224は、主制御基板51からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報、変動付加情報など)に基づき、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンを抽選により決定する。ここで、主制御基板51側では特別図柄のメイン変動パターン(例えば「強SPリーチ」など)が定まるのに対して、演出制御基板52側では当該メイン変動パターンを基に演出表示過程のシナリオを詳細に規定した装飾図柄のサブ変動パターン(例えば、「強SPリーチA,B…」など)が定まる。本実施形態では、装飾図柄の変動演出として、非リーチ演出(超短縮変動演出、短縮変動演出、通常変動演出など)、リーチ演出、擬似連続変動演出などが設定されている。そして、装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。また、この装飾図柄の変動演出パターンについては、特別図柄の変動パターンが同一であっても(同一情報の変動開始コマンドを受信した場合でも)、滞在中の演出モードを異にすれば、互いに演出内容の異なる変動演出パターンが選択され得ることになる。すなわち、変動演出パターンテーブルは、滞在中の演出モードごとに用意される。
ここで、「超短縮変動」、「短縮変動」、「通常変動」は、3列の装飾図柄が変動して、一度もリーチ状態を経由せずに、いわゆるバラケ目で「はずれ」となる演出である。この非リーチ態様に変動パターンでは、「通常変動」よりも「短縮変動」、「短縮変動」よりも「超短縮変動」の方が短い時間で変動表示が停止する点で相互に変動態様が異なる。また、「擬似連続変動」は、装飾図柄の1回の変動表示の間に、装飾図柄を仮停止表示(擬似停止)させることにより、擬似的に複数回の変動表示をさせたように見せる変動演出である。この擬似連続変動(擬似連)は、3列の装飾図柄が全て擬似的に仮停止(擬似停止)した後に再変動を開始する再変動表示を1回以上実行する構成となっている。擬似連続変動は、リーチに発展する変動表示においては、リーチ状態が形成される前段階で実行表示され、再変動表示(擬似連)の回数が多くなるほど、大当り期待度の高いリーチの発生が期待できるようになっている。また、本例では、擬似連の回数が多くなるほど、すなわち、擬似連1回<擬似連2回<擬似連3…の順に、大当り期待度が高くなるように設定されている。加えて、3列の装飾図柄のうち、左列及び右列の装飾図柄がリーチ状態(テンパイ)で仮停止する場合の方が、左列及び右列の装飾図柄が非リーチ状態で仮停止する場合よりも、大当り期待度が高くなるように設定されている。また、「Nリーチ(ノーマルリーチ)」は、3列ある装飾図柄のうち2列(典型的には左列、右列)に同一の装飾図柄が停止した状態(いわゆるリーチ状態)において、残り1列(典型的には中列)の装飾図柄が停止したならば大当りとなる演出である。「Lリーチ(ロングリーチ)」は、上記のNリーチよりもリーチ状態が形成されてからの変動時間が延長された演出である。「SPリーチ(スーパーリーチ)」とは、上記のNリーチやLリーチよりも大当り期待度の高いリーチ演出であり、演出内容が途中で発展して例えばアニメや実写等の静止画・動画などが表示される演出である。
装飾図柄制御手段5225は、主制御基板51からの変動開始コマンドに含まれる情報(停止図柄情報、遊技状態情報)と、変動演出制御手段5224により決定された上記の変動演出パターンとに基づき、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を抽選により決定する。本例では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列
が構成されており、この装飾図柄は例えば数字等からなる識別要素により形成される。また、装飾図柄制御手段5225は、装飾図柄の停止図柄の組合せ(「停止図柄パターン」ともいう)を抽選で決定する際に参照される複数種の停止図柄パターンテーブルを保持している。この複数種のテーブルとしては、大当り用の停止図柄パターンテーブル、小当り用の停止図柄パターンテーブル、リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブル、非リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブルなどがある。装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成され、「大当りを示す停止図柄(大当り図柄)」と、「小当りを示す停止図柄(小当り図柄)」と、「はずれを示す停止図柄(はずれ図柄)」とを含む。特定大当り(確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の奇数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば「7・7・7」)となる。通常大当り(非確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の偶数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば、「2・2・2」)となる。はずれ図柄は、3つの図柄のうちの少なくとも1つが他の数字と異なる数字の図柄となる停止態様の組合せ(例えば「1・3・8」)となる。ここで、はずれ図柄のうちリーチはずれ図柄は、左図柄と右図柄とが一致している状態で中図柄のみが前後に数コマずれた停止態様の組合せ(例えば「3・1・3」)となる。なお、小当り図柄や、大当り図柄であっても2R大当り図柄などの場合は、例えば「3・5・7」のような所定の停止態様の組み合わせとなる場合がある。また、抽選結果が非リーチはずれである場合には、いわゆる「チャンス目」と称される特定の出目が選択されることがある。更には、擬似連続演出(いわゆる疑似連)などで、最終的な停止図柄を確定表示する前に仮停止表示させる演出を行う場合には、その仮停止図柄が選択される。チャンス目や仮停止図柄を表示させる場合は、数字の装飾図柄に対して「CHANCE」や「NEXT(擬似連続変動示唆図柄)」などの文字を表示する特殊装飾図柄に、三図柄のうち少なくとも一の停止図柄を差し替えて表示させる場合がある。なお、装飾図柄を停止させるための停止順序は、次述の変動演出パターン毎に予め定められており、本実施形態では原則として、左図柄→右図柄→中図柄の順に停止させる。但し、変動時間が極短く設定された短縮変動の変動演出パターンである場合には、左図柄・中図柄・右図柄をほぼ同時に停止させ、特殊の変動演出パターンである場合には、右図柄→中図柄→左図柄の順に停止させることもでき、この場合は大当り期待度が相対的に高くなる傾向となる。
予告演出制御手段5226は、変動演出制御手段5224にて決定された変動演出パターンのシナリオに沿って装飾図柄の変動過程の各段階で実行される予告演出の内容を規定した予告演出パターンを抽選により決定する。予告演出パターンには、特定のキャラクタの画像、アニメーションなどを一時的又は段階的に画像表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターン、可動役物を動作させる演出パターン等が含まれる。予告演出は、装飾図柄の変動表示と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する大当り信頼度が高いことを予告的に示唆するものである。予告演出には、装飾図柄の変動過程においてリーチ状態が発生する前(リーチ発生時を含む)に実行される予告演出と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出とがある。予告演出はそれぞれ大当り信頼度が異なるものとなっており、基本的には、リーチ発生前に表示される予告演出よりも、リーチ発生後に表示される予告演出の方が相対的に大当り期待度は高くなっている。予告演出制御手段5226は、予告演出パターンを選択する際に参照される予告抽選テーブルを予告演出の種類別に保持しており、変動演出パターンのシナリオに沿って発生する予告演出の種類に応じた予告抽選テーブルを選択するようになっている。なお、具体的な予告演出の種類としては、例えば、コメント予告演出、背景予告演出、SU(ステップアップ)予告演出、ロゴ予告演出、ミニキャラ予告演出、群予告演出、役物予告演出などが用意されている。この予告演出は、基本的には、演出表示装置27での装飾図柄の変動表示に、1又は複数の予告演出の表示を合成することによって行われる。そのため、同一の変動演出パターンによる装飾図柄の変動表示であっても、1又は複数の予告演出との組み合わせによって多彩な演出態様を発生させることが可能となる。
大当り演出制御手段5227は、特別遊技中であることを報知する大当り演出の内容(大当り演出パターン)を決定する。大当り演出は、特別遊技の開始を報知する開始デモ演出と、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出と、特別遊技の終了を報知する終了デモ演出とを含む。大当り演出決定手段5227は、主制御基板51から大当り開始デモコマンドを受信した場合、サブメイン情報記憶手段5260に格納された大当り種別の情報などに基づき、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)を決定する。この大当り演出パターンには、大当り種別に応じて、大当り開始デモ演出時間とラウンド演出時間(大入賞口の開放パターンに応じた演出時間)と大当り終了デモ演出時間とが設定されるとともに、その時間軸に沿って一連の演出内容が設定されている。また、大当り演出決定手段5227は、大当り演出パターンに従って、主制御基板51から大当り開始デモコマンドを受信したことを契機として開始デモ演出を実行し、ラウンド演出指定コマンドを受信したことを契機として各ラウンド演出を実行し、大当り終了デモコマンドを受信したことを契機として終了デモ演出を実行する。大当り開始デモ演出では、例えば画面上に「大当り開始」の文字が表示されて、特別遊技の開始が告げられる。また、ラウンド演出では、例えば画面上に現在実行中のラウンド数や獲得賞球数が表示されるとともに、特別遊技を盛り上げる各種画像(アニメーション画像など)が表示される。そして、大当り終了デモ演出では、例えば画面上に「大当り終了」の文字が表示されて、特別遊技の終了が告げられる。
以上、演出統括手段5220は、前記決定された演出内容(先読み演出パターン、変動演出パターン、予告演出パターン、停止図柄パターン、大当り演出パターンなど)に基づき画像および音響に関する画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する。
ランプ制御手段5230は、演出統括手段5220にて設定された演出内容に従って演出ランプ11の点灯や発光色等を制御する。ランプ制御手段5230は、演出ランプ11を点灯制御するための複数種のランプデータ(ランプパターンデータ)を保持しており、前記決定した演出パターンに応じたランプデータを読み出して、このランプ制御信号(ランプデータ)を演出ランプ11へ出力する。
役物制御手段5240は、演出統括手段5220にて設定された演出内容に従って各可動役物19の駆動を制御する。役物制御手段5240は、可動役物19を駆動制御するための複数種の駆動データを保持しており、前記決定した演出パターンに応じた駆動制御信号(駆動データ)を可動役物19(モータドライバ)へ出力する。
エラー演出制御手段5250は、主制御基板51からエラー演出指定コマンドを受信した場合にエラー演出パターンを決定し、遊技機にエラー状態が発生したことを当該エラー演出パターンに従って報知するように構成されている。
サブメイン情報記憶手段5260は、装飾図柄の情報、変動演出パターンの情報、予告演出パターンの情報、制御コマンドの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。例えば、コマンド格納領域には、主制御基板51からの演出制御コマンドを格納するための演出制御コマンドバッファ、画像制御基板53への画像制御コマンドを格納するための画像制御コマンドバッファ、画像制御基板53からのACKコマンドを格納するためのACKコマンドバッファを含む。各コマンドバッファはそれぞれリングバッファから構成されており、所定数の演出制御コマンド、画像制御コマンド、ACKコマンドをそれぞれ格納可能である。
コマンド送受信手段5270は、主制御基板51から送信された演出制御コマンドを受信し、この演出制御コマンドをサブメイン情報記憶手段5260の演出制御コマンドバッ
ファに格納するように構成されている。コマンド送受信手段5270は、主制御基板51からの前述のストローブ信号の入力に基づき割込みを発生させて演出制御コマンドの受信割込み処理を実行し、この割込み処理において各種の演出制御コマンドを取得するようになっている。なお、コマンド送受信手段5270は、ストローブ信号を受信した場合には、この演出制御コマンドの受信割込み処理を他の割込み処理よりも優先的に行うようになっている。
また、コマンド送受信手段5270は、演出統括手段5220にて設定された演出内容(変動演出パターン情報、予告演出パターン情報、装飾図柄情報など)の実行を指示すべく、サブメイン情報記憶手段5260に格納された画像制御コマンドをシリアル通信方式にて画像制御基板53へ送信する。画像制御コマンドは、原則として、サブメイン情報記憶手段5260のコマンド格納領域にセットされた順番に従って所定の周期(本例では500μs)毎に送信される。これにより、画像制御基板53は、演出制御基板51から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置27に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させるかたちで予告演出を表示させる。さらに、コマンド送受信手段5270は、画像制御基板53から送信されたACKコマンドを受信し、このACKコマンドをサブメイン情報記憶手段5260のACKコマンドバッファに格納するようになっている。
<主制御基板の動作処理>
次に、図7〜図9のフローチャートを参照しながら、主制御基板51における動作処理の手順について説明する。主制御基板51側の処理は、主制御側メイン処理と、主制御側タイマ割込み処理と、を含んで構成される。
《主制御側メイン処理》
図7〜図8は主制御基板51の主制御側メイン処理を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットにより主制御基板51におけるCPUのセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S1以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定するとともに(S1)、RAMのアクセス許可を行う(S2)。続いて、タイマ割込みが発生した場合に処理するプログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(S3)、CPUの内蔵レジスタに初期値を設定する(S4)。
続いて、RAMクリアスイッチがオンされているか否かを判定する(S5)。RAMクリアスイッチ(詳細後述)がオンされている場合(S5:YES)には、後述するS9でRAMの所定領域がゼロクリアされる。他方、RAMクリアスイッチがオンされていない場合(S5:NO)には、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否かを判定する(S6)。
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合(S6:YES)には、RAMの所定領域を対象としてチェックサムを算出する(S7)。そして、このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(S8)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前にRAMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。このとき、チェックサムが正常で
ある場合(S8:YES)には、電源断前の状態に復帰すべく、後述するS12に移行する。他方、チェックサムが異常である場合(S8:NO)には、RAMの所定領域をゼロクリアする(S9)。次に、RAMに電源投入時の初期化データを設定する(S10)。続いて、演出表示装置27の初期化、演出ランプ11の初期化などを行うため、演出制御基板52への演出制御コマンド(「演出初期コマンド」)を要求する(S11)。
次に、電源断復帰設定処理において、RAMにおける、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板54との通信初期設定を順に行う(S12)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス、転送バイト数、をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(S13)。そして、電源断時における特別図柄遊技ステイタスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を行う(S14)。
続いて、主制御基板51と演出制御基板52との電源断復帰時の演出制御コマンド(「電源断復帰コマンド」)の送信要求を行う(S15)。この電源断復帰コマンドには、通信線の検査、特別図柄の作動状態、確率変動回数、時短回数、入球容易状態回数、変動パターン選択状態、エラー状態に関する情報が含まれている。なお、電源断前の未送信分のコマンド要求はクリアされる。次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(S16)。
続いて、普通電動役物を電源断前の状態(例えば、第2始動口を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S17)。さらに、特別電動役物を電源断前の状態(例えば、大入賞口を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S18)。続いて、特別図柄モードフラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(S19)。なお、特別図柄モードフラグとは、特別図柄遊技の作動確率(高確率又は低確率)を設定するためのフラグである。次いで、タイマ割込みを起動させるため、主制御基板51に設けられたCTC回路の初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(S20)。続いて、タイマ割込み処理の発生を禁止すべく割込み禁止を設定する(S21)。そして、ウォッチドッグタイマのリスタート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(S22)。
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(S23)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(S24)。この初期値乱数更新処理では、この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(S25)、上述の割込みを禁止する処理(S21)に戻り、S21〜S25のループ処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、S21〜S25までの処理を繰り返す。そして、割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、S25で割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。他方、S23で電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、S26に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
次に、電源断時処理(S26〜S32)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S26)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(S27)。電源投入正常情報である場合(S27:Yes)には、電源断情報フラグに電源断正常データを設定する(S28)。他方、電源投入正常情報でない場合(S27:No)には、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(S29)、S32に移行する。
次に、RAMの所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(S30)。そして、チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値をRAMのチェックサム領域に設定する(S31)。続いて、RAMのアクセス禁止設定をして(S32)、電源が落ちるまで処理をループする。
《主制御側タイマ割込み処理》
次に、主制御基板51の主制御側タイマ割込み処理を説明する。図9は、主制御基板51のタイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、主制御基板51のCTC回路からの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスにより起動され、上述の主制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。なお、以下で使用する「条件装置」という用語は概念上の制御機器を意味しており、特別図柄遊技で大当りが発生した場合に作動するものである。
まず、このタイマ割込みが発生すると、主制御基板51におけるCPU内のレジスタの内容をRAMのスタック領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(S51)。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S52)。このとき、予め設定されたタイムアウト時間内に、CPUのWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、CPUがプログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリアおよびリスタートされることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力処理を実行する(S53)。この入力処理では、主制御基板51における入力ポート(I/Oポート回路)のチェック処理として、レベルデータの生成、及び、立ち上がりデータ/立ち下がりデータの生成を行う。入力処理では、主制御基板51に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ以外の各種のスイッチがチェック処理の対象となる。すなわち、第1始動口スイッチ61、第2始動口スイッチ62、作動ゲートスイッチ63、大入賞口スイッチ64、一般入賞口スイッチ65、遊技済み球検出スイッチ66、ファール球検出スイッチ67、扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ、電波センサ、などのスイッチ入力を読み込み、それらの状態判定を行ったうえで、これらの検出データ(レベルデータ、立ち上がりデータ、立ち下がりデータ)を格納する。
次に、各種乱数更新処理を実行する(S54)。この各種乱数更新処理では、普通図柄変動パターン乱数および特別図柄変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に所定値(例えば50000)を加算する。
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(S55)。この初期値更新型乱数更新処
理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数および特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。また、カウンタの数値が1周した場合には、対応する初期値乱数の値を初期値として設定する。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(S56)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ減算処理を実行する(S57)。このタイマ減算処理では、遊技機PMの遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。例えば、各種タイマの値を割込み周期(本例では4ms)ずつ減算する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置71,72に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、などが含まれる。
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(S58)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、入賞監視処理を実行する(S59)。この入賞監視処理では、前記入力処理(S53)の入力ポートチェックにて生成された立ち上がりデータに基づき、所定の検査回数だけ、遊技球のスイッチ通過検査を行う。スイッチ通過検査の結果、遊技球がスイッチを通過したと判断した場合、入賞口の種別に応じた賞球の個数の記憶(未払出個数の更新、累積個数の更新)、遊技済み球の個数(累積個数)の記憶、ファール球の個数(累積個数)の記憶、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成、演出制御コマンドの送信要求などを行う。
賞球数の記憶としては、いずれかの入賞口(始動口、大入賞口及び一般入賞口)への入球に基づき払い出される賞球数の累積値(以下「第1累積賞球数」と称する)と、一般入賞口への入賞に基づき払い出される賞球数の累積値(以下「第2累積賞球数」と称する)とが記憶される。すなわち、上記のスイッチ通過検査の結果、遊技球が第1始動口スイッチ61、第2始動口スイッチ62、大入賞口スイッチ64もしくは一般入賞口スイッチ65を通過したと判断した場合、その入賞口の種別に応じた単位賞球数(遊技球が1球入賞したときに払い出される賞球数)を第1累積賞球数に加算して、この第1累積賞球数を更新する。また、上記のスイッチ通過検査の結果、遊技球が一般入賞口スイッチ65を通過したと判断した場合、その入賞口(一般入賞口)の種別に応じた単位賞球数(遊技球が1球入賞したときに払い出される賞球数)を第2累積賞球数に加算して、この第2累積賞球数を更新する。本実施形態では、単位賞球数として、第1始動口及び第2始動口は「3個」、一般入賞口は「5個」、大入賞口は「10個」が設定されている。そのため、各累積賞球数は、上記の単位賞球数(3個、5個、10個)に応じた個数単位で更新されることになる。また、後述する賞球制御処理(S60)にて、発生した賞球数の賞球払出処理を行うため未払出球数を記憶している記憶領域の情報を前述の単位賞球数に合わせて更新する。
遊技済み球の個数の記憶としては、遊技済み球検出スイッチ66にて検出された遊技済み球の個数の累積値(以下「累積遊技済み球数」と称する)が記憶される。すなわち、上記のスイッチ通過検査の結果、遊技球が遊技済み球検出スイッチ66を通過したと判断した場合、累積遊技済み球数に「1」を加算して、この累積遊技済み球数を更新する。
ファール球の個数の記憶としては、ファール球検出スイッチ67にて検出されたファール球の個数の累積値(以下「累積ファール球数」と称する)が記憶される。すなわち、上記のスイッチ通過検査の結果、遊技球がファール球検出スイッチ67を通過したと判断した場合、累積ファール球数に「1」を加算して、この累積ファール球数を更新する。
次に、賞球制御処理を実行する(S60)。この賞球制御処理では、上記の入賞監視処理での検出結果に基づき、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板54へ送信するとともに、払出制御基板54からの受信データを監視して払出制御基板54との通信検査を行う。
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(S61)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球の作動ゲートへの通過を監視し、作動ゲートを通過していると判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
次に、普通図柄制御処理を実行する(S62)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置75又は普通電動役物(第2始動口)に係る一連の処理を行うため、普通図柄遊技ステイタスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(S63)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
次に、始動口監視制御処理を実行する(S64)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口及び第2始動口への入賞を監視して、遊技球の入賞があった場合、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告演出判定、図柄記憶数のコマンド要求、などを順に行う。
次に、特別図柄制御処理を実行する(S65)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置71,72に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステイタスの値に応じて、詳細後述する特別図柄変動開始処理(S420)、特別図柄変動中処理(S430)、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)、などを実行する。
次に、特別電動役物制御処理を実行する(S66)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物(大入賞口)に係る動作処理として、特別電動役物の作動開始および作動終了の設定、大入賞口の開放時間および開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、などを順に実行する。
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(S67)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(S68)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定
、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。
次に、異常検知処理を実行する(S69)。この異常検知処理では、前記入力処理(S53)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板52にエラー表示を要求すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を生成する。
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(S70)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)の要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。
次に、遊技状態表示処理を実行する(S71)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物(大入賞口)が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄および特別図柄の作動保留球数、などの表示データを作成する。また、前記の異常検知処理(S69)で検出したエラー状態の情報を表示させるための表示データを作成する。また、前記の入賞監視処理(S59)で計数したカウント値(累積賞球数、累積遊技済み球数、累積ファール球数など)に基づき算出される遊技性能情報を後述の性能表示モニタ500(図10を参照)に表示させるための表示データを作成する。本実施形態では、上記の遊技性能情報として、遊技性能データSDを含む。遊技性能モニタ500には、遊技性能データSDの種別を識別するための略号(識別記号)と、遊技性能データSDの算出結果を示す数値(算出値)とが表示される。
遊技性能データSDは、電源投入後又はRAMクリア後における通常状態中(通常時)のベースの性能値であり、通常状態中において下記の計算式(A)により算出される。通常状態とは、低確率かつ時短無しの状態の期間、具体的には、大当り期間、確変状態の期間、時短状態の期間、および潜伏確変状態の期間を除いたその他の期間を意味する。なお、通常状態中の第1累積賞球数は、通常状態の開始時の第1累積賞球数と通常状態の終了時の第1累積賞球数との差分を累積的に加算することにより算出される。同じく、通常状態中の累積遊技済み球数は、通常状態の開始時の累積遊技済み球数と通常状態の終了時の累積遊技済み球数との差分を累積的に加算することにより算出される。
遊技性能データSD=第1累積賞球数÷累積遊技済み球数×100 ・・・(A)
次に、ハンドル状態信号検査処理を実行する(S72)。このハンドル状態信号検査処理では、発射ハンドル9のタッチセンサからの検出情報に基づき、発射ハンドル9のタッチ状態を監視して、この監視の結果に基づき、演出制御コマンド(ハンドル状態演出のコマンド)を生成する。
次に、LED出力処理を実行する(S73)。このLED出力処理では、特別図柄の表示、普通図柄の表示、作動保留球数の表示、規定ラウンド数(特別電動役物が連続して作動する回数)の表示、右打ち指示の表示、エラーの表示、遊技性能情報(遊技性能データSD)の表示などを行うべく、各特別図柄表示装置71,72、普通図柄表示装置75、特別図柄保留ランプ73,74、普通図柄保留ランプ76、ラウンド表示灯77、右打ち指示灯78、状態表示灯79、エラー表示灯70、性能表示モニタ500などの各表示手段の表示の初期化として非点灯データの出力情報をI/Oポート(出力ポート)にセット
するとともに、前記の特別図柄制御処理(S65)、異常検知処理(S69)、遊技状態表示処理(S71)等で作成された表示データを各表示手段に出力する。
ここで、図10は主制御基板51上に搭載された性能表示モニタ500の模式図である。この性能表示モニタ500は、4桁のLED表示灯(ドット付き7セグメントLED)501〜504から構成されている。各桁のLED表示灯501〜504は、8の字形に配置された7個のLEDセグメントと、ドットポイント形に形成された1個のLEDセグメントとで構成される。そのため、各桁のLED表示灯501〜504は、8個のLEDセグメントを選択的に点灯することで、0〜9までの数字、アルファベット文字、ハイフンなどの表示が可能となっている。ここで、上位2桁のLED表示灯501,502は、上記の遊技性能データSDの種別を識別するための識別記号(例えば「bL.」)を表示する。一方、下位2桁のLED表示灯503,504は、上記の遊技性能データSDの算出結果を示す数値(算出値)を表示する。なお、遊技性能データSDの算出値は、小数点以下を切り捨てて、2桁の整数値(00〜99)として、下位2桁のLED表示等503,504に表示される。つまり、性能表示モニタ500は、遊技性能データSDの識別記号と算出値との組合せを4桁のLED表示灯501〜504で表示する。例えば、遊技性能データSDの算出値が「31.5」であれば、性能表示モニタ500(4桁のLED表示灯501〜504)には「bL.31」が表示される。なお、変形例として、遊技性能データSDの算出値は、小数点第1桁を四捨五入して、2桁の整数値として表示されるものでもよい。
性能表示モニタ500の表示態様は、その計数データのサンプル数(累積遊技済み球数)が予め設定された規定数に達していない状況と、規定数に達した状況とで異なる。すなわち、サンプル数(累積遊技済み球数)が規定数に達していない状況では、性能表示モニタ500は点滅した表示態様となる。一方、サンプル数(累積遊技済み球数)が規定数に達した状況では、性能表示モニタ500は点灯した表示態様となる。規定数としては適宜な数値を設定可能であるが、本実施形態では、例えば約9時間の遊技(遊技球の発射)に相当する数値として「60000(発)」が設定されている。また、本実施形態では、累積遊技済み球数が規定数(60000)に達する毎に、遊技性能データSDがリセット(ゼロリセット)されるようになっている。そして、現時点における遊技性能データSD(以下「遊技性能データSD0」と称する)の他に、前回(1回前)のリセット前の遊技性能データSD(以下「遊技性能データSD1」と称する)や、前々回(2回前)のリセット前の遊技性能データSD(以下「遊技性能データSD2」と称する)、および3回前のリセット前の遊技性能データSD(以下「遊技性能データSD3」と称する)を、履歴情報として性能表示モニタ500に順次表示するように構成されている。なお各遊技性能データSD0〜SD3を識別可能とするため、遊技性能データSD0が表示されるときの識別記号を「bL.」とし、遊技性能データSD1、SD2およびSD3が表示されるときの識別記号を、それぞれ「b1.」、「b2.」および「b3.」としている。すなわち、遊技性能データSD1が表示されるときは、例えば「b1.32」というように表示される。これらの遊技性能データSD0〜SD3は、所定時間(本例では5秒)が経過するごとに、遊技性能データSD0→遊技性能データSD1→遊技性能データSD2→遊技性能データSD3→遊技性能データSD0→・・・という順に、順次切り替えられて、性能表示モニタ500に表示される。
次に、発射制御信号出力処理を実行する(S74)。この発射制御信号出力処理では、発射制御基板180との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合に、発射制御基板180に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、発射制御基板180との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されたい場合には、発射制御基板180に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
次に、試験信号出力処理を実行する(S75)。この試験信号出力処理では、適正な遊技機であるか否かを判定する性能確認試験において、遊技機の動作状態を示す各種の試験信号を作成して、外部の試験装置に出力する。
次に、ソレノイド出力処理を実行する(S76)このソレノイド出力処理では、普通電動役物及び特別電動役物を作動させるべく、前記の普通図柄制御処理(S62)および特別電動役物制御処理(S66)において取得した制御データに基づき、各電動役物ソレノイド81,82に対して励磁信号を出力する。
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(S77)。この演出制御コマンド送信処理では、前記の処理でメイン情報記憶手段5180のコマンド格納領域(リングバッファ)に格納された演出制御コマンドの中から、ポインタで指定された演出制御コマンドを読み出して、この演出制御コマンドを演出制御基板52に対して出力する。
次に、外部情報出力処理を実行する(S78)。この外部情報出力処理では、外部情報端子板58を介して、ぱちんこ遊技機PMの動作状態情報を外部情報としてホールコンピュータ等の外部装置に出力する。
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、主制御基板51のCPUを割込み許可状態に設定する(S79)。これにより、主制御側タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
なお、主制御側メイン処理中又は主制御側タイマ割込み処理中に、主制御基板51が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。そして、元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(S26〜S32)を実行することとなる。
[スロットマシン]
以下、本発明に係る遊技機の別の実施形態としてのスロットマシンSMの基本的な構成や制御内容について説明する。以下の説明における「役決定処理」とは予め設定された複数の役決定結果番号(1つまたは複数の遊技役またはハズレ(ハズレを設定しない場合は除く)により構成される)の中から、1つまたは複数の役決定結果番号(当選項目)を無作為に選択するために、電子機器等を用いて実行される抽選等の選択行為(「役決定」とも称する)を意味している。ここで、役決定結果番号とは、当該役決定結果番号が決定(選出)された遊技において成立することが許容される1つもしくは複数の遊技役(「成立許容役」や「当選役」とも称する)またはハズレを規定するものである。なお、役決定のことを「内部抽選」または「役抽選」とも称し、抽選や当選における「選」は「籤」または「せん」とも称する。
また、「遊技役が成立する」、「遊技役の成立」等と記載する場合の「成立」とは、決定された役決定結果番号に対応する遊技役(遊技メダルの払出しがある遊技役(小役)か、払出しのない遊技役(再遊技役や特別役)かは問わない)を構成する図柄組合せ(対応図柄)が、所定の停止態様(例えば、後述の有効ライン上に並ぶ態様)で表示されたことを示す概念として用いている。ただし、成立のタイミングについては、例えば、遊技役の対応図柄を有効ライン上に停止表示させることが可能なタイミングでリール停止操作が行われた時点や、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示された時点、スロットマシンが、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示されたことを識別した時点や、識別した結果を記憶領域に格納した時点等、適宜のタイミングとすることができる。
なお、遊技役(単に「役」とも称する)としては、再遊技役、小役、特別役(「ボーナス役」とも称する)を設けることができる。再遊技役とは、成立しても遊技媒体(遊技価値、遊技メダル)は付与されない(獲得できない)が再遊技(次の遊技を遊技者が新たに遊技媒体を投入することなく行うこと)が可能となる役で「リプレイ役」とも称する。小役とは、成立時に所定数の遊技媒体の獲得が可能となる役で「入賞役」とも称する。ボーナス役(特別役)とは、その成立を契機として特別な遊技状態(「役物」とも称する)が作動可能(設定可能)となり、その役物作動中において、遊技者にとって有利な(例えば、小役の当選確率が通常よりも高めに設定される)遊技(「特別遊技」または「ボーナス遊技(ゲーム)」とも称する)を行うことが可能となる役である。役物には、所定の特別遊技が1回だけ実行可能となる普通役物、所定の特別遊技が12回(但し小役が8回成立するまで)実行可能となる第一種特別役物、役抽選の結果にかかわらず全ての小役が当選したのと同じ状態とされる特定の特別遊技を1回だけ実行可能となる第二種特別役物がある。以下では、普通役物の作動契機となる特別役のことをSB役(SBは「シングルボーナス」の略)、第一種特別役物の作動契機となる特別役のことをRB役(RBは「レギュラーボーナス」の略)とも称する。また、第一種特別役物が連続して作動する契機となる特別役のことをBB役(BBは「ビッグボーナス」の略)、第二種特別役物が連続して作動する契機となる特別役のことをMB役(MBは「ミドルボーナス」の略)とも称する。
また、以下の説明において、遊技者による、後述のメダル投入口821への遊技メダルの投入操作(手入れする操作)と、クレジット(貯留)された遊技メダルのうち、遊技を行うために必要な規定数の遊技メダルを遊技の用に供するための、1−BETスイッチ822またはMAX−BETスイッチ823の押圧操作を総称してベット操作と称する。また、このベット操作と、遊技者による、後述の清算スイッチ824の押圧操作、スタートレバー(「スタートスイッチ」とも称する)825の傾動操作、ストップスイッチ(「ストップボタン」とも称する)826a,826b,826cの押圧操作を総称して遊技操作と称する。なお、一般的に、スロットマシンにおける「投入」とは、遊技メダルを「スロットマシン内に入れる」という意味で用いられる場合と、遊技メダルを「遊技の用に供する」という意味で用いられる場合とがある。以下の説明では、基本的に、前者の意味において「投入」という語を用い、後者の意味においては「ベット」という語を用いることとする。
また、遊技メダルの「払出数」(「払出枚数」とも称する)とは、1回の遊技において遊技者に付与される遊技メダル数を意味する。また、遊技メダルを払い出すという行為には、遊技メダルを実際にスロットマシンから外部に払い出すという行為(「実払出し」とも称する)と、スロットマシン内に貯留される遊技メダルとして、電磁気的に記憶される数値を増加させるという行為(「貯留加算払出し」とも称する)とがある。
また、遊技メダルの「獲得数」(「獲得枚数」とも称する)とは、所定期間(任意に設定可であるが、例えば、ATの期間やボーナスの期間)において、遊技者が獲得した遊技メダルの総数として計数される数値のことを意味する。また、遊技メダルの「差枚数」(「差数」とも称する)とは、所定期間における、払い出された遊技メダルの総数から、ベットされた遊技メダルの総数を引いた値(負値となることもある)を意味する。遊技メダルの「獲得数」と「差枚数」を別の概念として用いることもできるが、以下では同義のものとして扱う。
また、「フリーズ」とは、遊技の進行に係る所定の制御処理の実行が一定の時間遅延されることをいう。フリーズとしては、スタートレバー825の操作が受け付けられたときにセットされるフリーズ(「リール回転開始時フリーズ」とも称する)と、全リールの回転停止後にセットされるフリーズ(「リール回転停止時フリーズ」とも称する)とを適宜設けることができる。フリーズの期間は、遊技者による遊技操作が有効に受け付けられな
い状態となる。また、フリーズの期間において、回胴演出(「リール演出」とも称する)を行うことがある。回胴演出とは、遊技者による遊技操作とは無関係に、後述のリール803a,803b,803cを回転させて、任意の図柄組合せを停止表示させる演出である。
以下の説明において、「押しナビ」とは、役決定により選出された遊技役の成立をアシストするために押し順や押し位置を報知する処理(行為)をいう。押しナビのうち、特に再遊技役の成立をアシストするものを「RPナビ」(RPはリプレイの略)、入賞役(小役)の成立をアシストするものを「入賞ナビ」、特定の図柄が停止表示されることをアシストするものを「目押しナビ」(主に副制御手段側で行われる)とも称する。また、主制御手段側で行われる押しナビと副制御手段側で行われる押しナビとを区別したいときは、前者を「メイン側押しナビ」(「メイン側RPナビ」、「メイン側入賞ナビ」、「メイン側目押しナビ」)とも称し、後者を「サブ側押しナビ」(「サブ側RPナビ」、「サブ側入賞ナビ」、「サブ側目押しナビ」)とも称したり、「押しナビ演出」(「RPナビ演出」、「入賞ナビ演出」、「目押しナビ演出」)とも称したりする。
<スロットマシンの外部構成>
まず、本実施形態に係るスロットマシンSMの外部構成について、図11および図12を参照して説明する。本実施形態に係るスロットマシンSMは、図11および図12に示すように、前面(前方)が開口した箱状の筐体805と、筐体805の前面開口部に開閉可能に取り付けられた前扉802とを備えている。前扉802は、正面視において、筐体805の左側板805aの前部に配設されたヒンジ機構806a〜806cを用いて筐体805の前面開口部に対し横開き開閉可能に取り付けられている。また、前扉802は、正面右側縁部に設けられた施錠装置804を利用して常には筐体805と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前扉802の前面には、図11に示すように、上部から順に、上パネルアセンブリ810、中パネルアセンブリ820、下パネルアセンブリ830および受け皿アセンブリ840が取り付けられている。上パネルアセンブリ810の中央部には、その裏面側に配された画像表示装置(「液晶表示装置」とも称する)811の表示画面811aが前方を臨むように配置されており、その周辺部には、第1演出ランプ812、第2演出ランプ813a,813b、第3演出ランプ814a,814bが配置されている。また、表示画面811aの下方左右には、一対の上部スピーカ815a,815bが配置されている。
中パネルアセンブリ820の中央部には、本体筐体内に横並びに配設された3個のリール803a,803b,803cの表面が臨む表示窓Wが設けられており、この表示窓Wの下方には、遊技メダル(遊技媒体)を投入するためのメダル投入口821、クレジットされた範囲内で1枚の遊技メダルをベットするための1−BETスイッチ822、最大ベット許容数(例えば3枚)の遊技メダルを一度にベットするためのMAX−BETスイッチ823、ベットされた遊技メダル、および/または、クレジットされた遊技メダルを払い出すための清算スイッチ824、全リール803a,803b,803c(リールのことを「回胴」とも称する)を回転開始させる際に操作されるスタートレバー825、各リール803a,803b,803cの回転を個別に停止させるための3個のストップスイッチ826a,826b,826c(図中左側のストップスイッチ826aはリール803aに対応し、中央のストップスイッチ826bはリール803bに対応し、右側のストップスイッチ826cはリール803cに対応する)、及びメダル投入口821から投入されて滞留した遊技メダルを返却するためのリジェクトスイッチ827等が設けられている。
メダル投入口821の内部は、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる場合に当
該遊技メダルが通過する受入通路(後述のホッパー851に通ずる)と、投入された遊技メダルが受け入れられない場合に当該遊技メダルが通過する返却通路(後述の遊技メダル払出口841に通ずる)とに分岐しており、その分岐部には、ブロッカ848(図13を参照)が設けられている。このブロッカ848は、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる期間においては、メダル投入口21に投入された遊技メダルを受入通路に導き、それ以外の期間においては、メダル投入口821に投入された遊技メダルを返却通路に導くように、受入通路と返却通路を選択的に、一方を開状態に他方を閉状態にできるように構成されている。以下の説明において、ブロッカ848がON状態とは、メダル投入口821に投入された遊技メダルが受入通路に導かれる状態(遊技メダル受入可能状態)を示し、ブロッカ848がOFF状態とは、メダル投入口821に投入された遊技メダルが返却通路に導かれる状態(遊技メダル受入不可状態)を示すものとする。
また、メダル投入口821の内部には、遊技メダルを検知するための3つの投入メダルセンサ828a,828b,828c(図13を参照)が設けられている。投入メダルセンサ828aは、遊技メダルがメダル投入口821に投入されたことを検出するものであり、投入された遊技メダルが流下する通路上において、ブロッカ848が設置された位置よりも上流側の位置に設置されている。投入メダルセンサ828bは、メダル投入口821に投入された遊技メダルが受入通路に導かれ有効に受け入れられたことを検出するものであり、ブロッカ848が設置された位置よりも下流側(後述のホッパー851寄り)の位置に配置されている。投入メダルセンサ828cは、メダル投入口821に投入された遊技メダルが、受入通路と返却通路との分岐部を通過したことを検出するものであり、当該分岐部近傍(ブロッカ848が設置された位置よりも少し投入メダルセンサ828b寄りの位置)に配置されている。
投入メダルセンサ828a及び投入メダルセンサ828bが共に遊技メダルを検出した場合は、遊技メダルがメダル投入口821に投入され、かつ投入された遊技メダルが有効に受け入れられたことを意味する。一方、投入メダルセンサ828aは遊技メダルを検出したが、投入メダルセンサ828bは遊技メダルを検出しない場合は、遊技メダルがメダル投入口821に投入されたが、投入された遊技メダルが有効に受け入れられずに返却されたことを意味する。また、3つの投入メダルセンサ828a,828b,828cが所定の順序(828a→828c→828bの順序)とは異なる順序で遊技メダルの通過を検出した場合や一部の投入メダルセンサで遊技メダルの通過が検出されない場合は、遊技メダルが逆流するなどの異常通過が起きたことを意味する。
表示窓Wは、3個のリール803a〜803cが全て停止した際に、リール毎に3個の図柄、合計9個の図柄が遊技者から視認可能に表示されるように構成されている。リール803a,803b,803cの各中段の図柄表示領域を水平に結ぶ入賞ライン829は、規定数の遊技メダルがベットされることにより有効化される入賞ラインであり、有効化された入賞ライン上に停止表示された図柄組合せにより遊技役の成立の有無を判定できるように構成されている。有効化された入賞ラインのことを「有効ライン」とも称する。
また、スロットマシンSMには、LEDランプ等により構成される各種の表示用ランプが配置されている。本実施形態では、表示用ランプとして、MAX−BETスイッチ表示ランプ846a、BET数表示ランプ846b、投入可能表示ランプ846c、遊技開始表示ランプ846d、再遊技表示ランプ846e、状態表示ランプ846f、回数表示ランプ846g、貯留枚数表示ランプ846h、及び払出数表示ランプ846jを備えている。これらの表示用ランプは、後述の主制御基板860により制御されるように構成されている。
MAX−BETスイッチ表示ランプ846aは、遊技メダルをベットすることができる
状況下で点灯されるものであり、MAX−BETスイッチ823の内部に配置され、点灯時にはMAX−BETスイッチ823を部分的または全体的に光らせるようになっている。その他の表示用ランプは、中パネルアセンブリ820において表示窓Wの側方または下方に配置されている。
BET数表示ランプ846b(以下「BETランプ846b」とも称する)は、ベットされた遊技メダルの枚数を表示するもので、ベットされた遊技メダルが、1枚以上の場合に点灯される1−BET表示ランプ846bCと、2枚以上の場合に点灯される2−BET表示ランプ846bBと、3枚の場合に点灯されるMAX−BET表示ランプ846bAとから構成されている。投入可能表示ランプ846cは、遊技メダルを投入することができる状況下で点灯されるものであり、遊技開始表示ランプ846dは、スタートレバー25を操作して遊技を開始させることができる状況下で点灯されるものである。再遊技表示ランプ846eは、任意の遊技において後述の再遊技役が成立し、後述の自動ベット処理により遊技メダルが自動的にベットされた際に点灯されるものである。
状態表示ランプ846fは、貯留(クレジット)されている遊技メダルを清算するときに点灯されるものであり、回数表示ランプ846gは、例えば、ATが設定されたときに、押しナビの実行可能数(押しナビが実行される毎に1減算され、また、抽選等により増加することもある)を表示するものである。貯留枚数表示ランプ846h(以下「CREランプ846h」とも称する)は、貯留された遊技メダルの枚数を1ずつインクリメントしながら表示するものであり、払出数表示ランプ846jは、小役が成立した際に払い出される遊技メダルの枚数を1ずつインクリメントしながら表示するものである。貯留枚数表示ランプ846hや払出数表示ランプ846jは、上位桁の数字及び下位桁の数字を表示するため、各々2つの7セグメント表示器(数字を表すための7つのセグメントランプ、小数点(ドット)を表す1つのセグメントランプから成る)で構成されている。
また、この払出数表示ランプ846jは、スロットマシンSMに何らかの異常(エラー)が発生した際に、そのエラーの種類を示す文字(アルファベット)や数字を表示するようにも構成されている。本実施形態において設定されるエラーとしては、HPエラー、HEエラー、H0エラー、CEエラー、CPエラー、CHエラー、C0エラー、C1エラー、FEエラー、E1エラー、E5エラー、E6エラー、E7エラー等がある。HPエラーは、メダル払出装置850のメダル払出口で遊技メダルが滞留したと判断した場合のエラーであり、HEエラーは、メダル払出装置850の中の遊技メダルが空と判断した場合のエラー(ホッパーエンプティエラー)であり、H0エラーは、遊技メダルが払出センサを異常通過したと判断したときのエラーである。CEエラーは、投入メダルセンサにより遊技メダルが滞留したと判断した場合のエラー(遊技メダル滞留エラー)であり、CPエラーは、投入された遊技メダルが不正通過したと判断した場合のエラーであり、C0エラーは、投入メダルセンサに異常入力があったと判断したときのエラーであり、C1エラーは投入メダルセンサの通過に異常があったと判断した場合のエラーである。FEエラーは、後述の補助収納庫885が満杯と判断した場合のエラー(満杯エラー)であり、E1エラーは、電源投入時に記憶装置(RAM)の内容が正常でない場合のエラー(RAMエラー)であり、E5エラーは、全回胴停止時の図柄の組合せが異常(成立許容役以外の役を構成する対応図柄が停止表示)となる場合のエラー(回胴停止エラー)である。E6エラーは、役決定確率を定めるための後述の設定値の数値が範囲外となる場合のエラー(設定値エラー)であり、E7エラーは、各抽選等において用いる内蔵乱数の更新状態の異常を検知した場合のエラー(内蔵乱数エラー)である。E1、E5、E6、E7の各エラー(これらを総称して「E系エラー」とも称する)は、後述の設定変更により解除され、その他のエラーは、後述のリセットスイッチの操作により解除されるようになっている。
さらに、この払出数表示ランプ846jは、ストップスイッチ826a〜826cの操
作順(押し順)を示す、後述のナビ番号を表示する機能も有している。ナビ番号を表示する際の払出数表示ランプ846jのことを「メイン側押し順表示器」とも称する。
下パネルアセンブリ830の中央部には、透明な下パネルカバー831が取り付けられており、その左右両端部には、飾りランプ832a,832bが配置されている。なお、下パネルカバー831の裏面側には、所定の図柄が設けられた半透明の下パネルベース及び下パネル照明灯(いずれも図示せず)が取り付けられており、この下パネル照明灯を点灯させることにより、下パネルベースの図柄を後面側から照明するように構成されている。
受け皿アセンブリ840には、遊技メダルを払い出すための遊技メダル払出口841が開設されているとともに、遊技メダル払出口841に臨むようにして遊技メダルを貯留するための遊技メダル貯留皿842が設けられており、この遊技メダル貯留皿842の左には、灰皿843が設けられている。また、遊技メダル払出口841の左右には、受け皿アセンブリ840の背面側に配置された一対の下部スピーカ844a,844b(図13を参照)の前面に対向して、多数の小孔からなるスピーカ口845a,845bが形成されている。
<スロットマシンの内部構成>
図12に示すように、筐体805内の下部(底板805d上)には、遊技の結果、所定の入賞態様が構成された場合に獲得される遊技メダルを払い出すメダル払出装置850が設けられている。メダル払出装置850は、投入されて有効に受け入れられた遊技メダルを物理的に収容する(貯留する)ホッパー851と、遊技メダルを払い出す際に駆動するホッパモータ852(図13を参照)と、遊技メダルが払い出されたことを検出するためのメダル検出センサ853(図13を参照)と有している。メダル払出装置850の近傍位置には、ホッパー851から溢れた遊技メダルを収納するための補助収納庫854が設けられており、この補助収納庫854には、庫内が満杯状態(補助収納庫854から遊技メダルが溢れる可能性のある状態)であるか否かを検出する満杯検出センサ855(図13を参照)が設けられている。また、メダル払出装置850の左方位置には、スロットマシンSMに搭載された種々の装置に電力を供給する電源装置880が設けられている。
筐体805内の中央部には、左右の側板805a,805bに架け渡されるように中板805fが設けられており、この中板805f上にリールユニットRUが設けられている。リールユニットRUは、上述の3個のリール803a,803b,803cと、これらのリール803a〜803cをそれぞれ回転させる3個のステッピングモータ835a,835b,835c(図13を参照)とを有して構成されている。リール803a〜803cはそれぞれ、透光性を有する部材により構成されており、その外周面には、複数種類の図柄が表示された、透光性を有するリールテープが貼り付けられている。また、リール803a〜803cの内面側にはそれぞれバックランプ838a,838b,838c(図13を参照)が配設されており、これらのバックランプを点灯させることにより、リール窓W内に臨む各リール803a,803b,803cの領域を内面側から全体的に照明したり、停止表示された所定の図柄組合せ(例えば、有効ライン829上や、有効ライン829上とは異なる入賞ライン上に並んだ遊技役の対応図柄等)を目立たせるように各リール803a,803b,803cの一部領域のみを照明したりするように構成されている。
筐体805内の上部(背板805eの上部内面)には、遊技の進行に係る主たる制御(リール803a〜803cの駆動制御や役決定処理等を含む)を行う主制御基板870(図13を参照)が基板ケースに収納されて設けられている。なお、遊技状況に応じて遊技の興趣向上等を目的とする種々の演出制御(液晶表示装置811による演出画像表示制御
や上部スピーカ815a,815b等のスピーカによる音声発生制御等)を行う副制御基板870(図13を参照)は前扉802の後面に設けられている。また、後述するリールユニット基板910(図13を参照)はリールユニットRUに、ドア中継端子基板920(図13を参照)は前扉802の後面に、外部集中端子基板930(図13を参照)は筐体805内に、それぞれ設けられている。所定の基板同士はケーブルハーネスを用いて電気通信可能に接続されており、接続された基板間での情報伝達が可能となっている。
<遊技を行うための基本操作>
スロットマシンSMで遊技を行うには、まず実際にメダル投入口821に遊技メダルを投入することによりベットするか、1−BETスイッチ822またはMAX−BETスイッチ823の何れかを操作してクレジットの範囲内で規定数の遊技メダルをベットすることにより、入賞ライン829を有効化する。本実施形態では、入賞ライン829を有効化するために必要となる遊技メダルの規定数が、いずれの遊技状態においても3枚に設定される。ただし、規定数についてはこれに限定されるものではなく、RT状態等に応じて規定数を異なる値に設定するなど、適宜変更することが可能である。また、複数の入賞ラインを設け、遊技メダルのベット数に応じて、有効化される入賞ラインの数等を変更するようにしてもよい。
次に、遊技者がスタートレバー825を操作すると、ベット数が確定する(ベットされた遊技メダルが遊技の用に供される)とともに、役決定処理が行われ、その後、最小遊技時間(1つの遊技において全リールが回転開始してから、次の遊技において全リールを回転開始させるまでに最低限確保しなければならないとされる時間(例えば、4.1秒間)
のこと)が経過したことを確認した後、各リール803a〜803cが回転を開始し、リール803a〜803cの外周表面に表示された複数種類の図柄が表示窓W内を上下に(通常、上から下に)移動表示される。そして、リール803a〜803cの回転が所定の速度に達して定速回転となると各ストップスイッチ826a〜826cが有効化され(ストップスイッチの操作が有効に受付け可能とされ)、遊技者がストップスイッチ826aを操作するとリール803aの回転が停止し、ストップスイッチ826bを操作するとリール803bの回転が停止し、ストップスイッチ826cを操作するとリール803cの回転が停止するように構成されている。
ここで、有効ライン829上に停止表示された図柄組合せが予め定めた入賞態様(遊技メダルを獲得することができる遊技役の対応図柄)となっていると判定された場合には、各入賞態様に対応した枚数の遊技メダルがメダル払出装置850により払い出されるか、またはクレジットとして加算される。
<制御基板と各機器との接続>
本実施形態では、スロットマシンPMを制御する主な制御基板として図13に示すように、主制御基板860、サブメイン制御基板870A、及びサブサブ制御基板870B(サブメイン制御基板870Aとサブサブ制御基板70Bを総称して副制御基板70と称する)の3つの制御基板を備えている。また、その他の基板として、リールユニット基板910とドア中継端子基板920と外部集中端子基板930を備えている。遊技の進行に係る主たる制御(リール803a〜803cの駆動制御や役決定処理等を含む)が主制御基板860上に配設された制御回路により行われ、バックランプ838a〜838c等のランプによる照明制御等は、サブメイン制御基板870A上に配設された制御回路により行われるように構成されている。また、画像表示装置811による演出画像表示制御、上部スピーカ815a,815b等のスピーカからの音声発生制御は、主に、サブサブ制御基板870B上に配設された制御回路により行われるように構成されている。さらに、主制御基板860と副制御基板870との間の情報伝達は、主制御基板860からサブメイン制御基板870Aへの一方向のみ行うことが可能となっており、サブメイン制御基板87
0Aとサブサブ制御基板870Bとの間の情報伝達は、双方向で行うことが可能となっている。
主制御基板860には、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPUと、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるメインROMと、情報の書込み及び読出しが可能な記憶装置であるメインRAM(「RAM」のことを「RWM」とも称する)とが配設されており、メインROMに記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシンSMにおける遊技の進行に係る制御が行われるようになっている。なお、メインROM及びメインRAMは不揮発性の記憶装置であり、電力が供給されない場合でも記憶している情報を保持し得るように構成されている。
メインCPUには、クロックパルス(クロック信号)を発生するためのクロックパルス発生器、クロックパルス発生器で発生したクロックパルスを分周するための分周器、クロックパルス(または分周されたクロックパルス)に基づいて、役決定等に用いる乱数を発生するための乱数発生器、及び乱数発生器で発生した乱数を取り込むための乱数取込回路が接続されている。クロックパルス発生器は、2つの発振器から構成され、それぞれの発振器から、互いに非同期のクロック信号が出力されている。以下、一方の発振器から出力される所定周波数のクロック信号のことを内部クロックと称し、他方の発振器から出力される所定周波数(内部クロックとは異なる周波数とするが同じでもよい)のクロック信号のことを外部クロックと称する。例えば、内部クロックは、メインCPUの動作クロックや役決定以外の所定の抽選に用いられる乱数の更新クロックとして利用され、外部クロックは、役決定で用いられる乱数の更新クロックとして利用される。なお、メインCPU、メインROM、メインRAM、分周器、乱数発生器、乱数取込回路、インターフェイス回路等を1つのICチップ上に搭載し、ワンチップマイクロコンピュータとして構成してもよい。
主制御基板860(メインCPU)は、リールユニット基板910を介して、リール803a,803b,803cをそれぞれ回転駆動するステッピングモータ835a,835b,835cや、リール803a,803b,803cのそれぞれの回転位置を検出するリールセンサ837a,837b,837cと接続されており、ステッピングモータ835a,835b,835cを駆動させるためのモータ信号を、リールユニット基板910を介して出力するとともに、リールセンサ837a,837b,837cからの検出信号が、リールユニット基板910を介して入力されるようになっている。さらに、主制御基板860は、リールユニット基板910を介して、メダル払出装置850のホッパモータ852やメダル検出センサ853、補助収納庫854の満杯検出センサ855と接続されており、ホッパモータ852を駆動させるためのホッパモータ信号を、リールユニット基板910を介して出力するとともに、メダル検出センサ853からのダル払出信号および満杯検出センサ855からの満杯検出信号が、リールユニット基板910を介して入力されるようになっている。
また、主制御基板860は、リールユニット基板910を介して、前扉802の開閉状態を検出するドア開閉センサ890と接続されており、このドア開閉センサ890からの検出信号が、リールユニット基板910を介して入力されるようになっている。メインCPUは、ドア開閉センサ890からの検出信号により、前扉802が閉じた状態(ドア閉状態)であるのか開いた状態(ドア開状態)であるのかを判断する。
また、主制御基板860は、ドア中継端子基板920を介して、1−BETスイッチ822、MAX−BETスイッチ823、清算スイッチ824、スタートレバー825、ストップスイッチ826a,826b,826c及び投入メダルセン828a,828b,828cと接続されており、これらからの各信号がドア中継端子基板920を介して入力
されるようになっている。さらに、主制御基板860は、ドア中継端子基板920を介して、表示用ランプ846a〜846h,846jと接続されており、各表示用ランプの表示態様を制御するためのLED制御信号を、ドア中継端子基板920を介して出力するようになっている。
さらに、主制御基板860は、リールユニット基板910を介して、外部集中端子基板930と接続されており、所定の遊技状態(例えば、AT状態やボーナス状態)となった
ときに、データカウンタやホールコンピュータ等に対し、リールユニット基板910を介して所定の信号(「外端信号」とも称する)を出力し、この外端信号により、所定の遊技状態に設定された回数等を、遊技者に提示したり遊技店が管理したりできるように構成されている。
主制御基板860およびリールユニット基板910には、電源装置880から直接電力が供給され、他の基板には、主制御基板860またはリールユニット基板910を介して電力が供給されるようになっている。電源装置880には、電源スイッチが設けられており、この電源スイッチを操作することにより、電源装置880からの電力供給と電力の供給停止とを切り換えられるように構成されている。電源装置880から主制御基板860に電力を供給する回路上と、主制御基板860を介してサブメイン制御基板870Aに電力を供給する回路上には、電圧の供給状態を監視する供給電圧監視回路(図示略)がそれぞれ設けられている。各々の供給電圧監視回路は、供給電圧が所定の電圧値まで低下したときに電源断と判定し、供給電圧が所定の電圧値(電源断判定のための電圧値とは異なる値(例えば、高い値)とするが同じ値としてもよい)まで復帰したときに電源投入と判定する。
また、主制御基板860には、設定鍵型スイッチ883、設定変更スイッチ884および設定表示ランプ891が接続されている。設定鍵型スイッチ883は、遊技者にとっての有利度、例えば、役決定確率の高低の程度(ランク)を定める設定値の設定確認及び設定変更を行う場合に操作されるスイッチであり、設定変更スイッチ884は、設定値を複数段階(本実施形態では6段階)で変更するためのスイッチである。設定鍵型スイッチ883および設定変更スイッチ884は、主制御基板860に実装される設定変更部(図示せず)に設けられている。具体的には、設定変更部は、遊技店員が所持する設定変更キー(図示せず)を差し込んで回動操作することが可能な設定変更キーシリンダ(図示せず)を有しており、設定鍵型スイッチ883は、この設定変更キーシリンダの回動操作により切り換えられるように構成されている。設定変更スイッチ884は、設定変更キーシリンダの近傍に配置されており、遊技店員により押圧操作されるように構成されている。
主制御基板860(設定変更部)は、前扉802が開いた状態(ドア開状態)で、かつ、電源が供給されていない状態(電源装置880の電源スイッチがOFF状態)で、かつ、設定変更部の設定変更キーシリンダに設定変更キーが差し込まれて右回り(時計方向)に約90度回動操作された状態において、電源スイッチがON操作されると、設定変更モード(設定値を変更可能とするモード)を開始する。また、この設定変更モードにおいて、設定変更スイッチが押圧操作される毎に1〜6の6段階で設定値を切り換え、切り換えた設定値を設定表示ランプ891に表示させる。そして、スタートレバー825が操作されると設定値を確定し、設定変更キーが元の位置に戻されると、設定変更モードを終了して通常モード(遊技を実行可能とするモード)に移行する。また、設定変更モードから通常モードに移行すると、設定変更が完了したことを報知する設定変更音が、所定のスピーカから出力される(詳細後述)。さらに、主制御基板860(設定変更部)は、通常モードの状態で、設定変更キーシリンダに差し込まれた設定変更キーが右回り(時計方向)に約90度回動操作されると、設定確認モード(設定値を確認可能とするモード)を開始し、現在の設定値を設定表示ランプ891に表示する。そして、設定変更キーが元の位置に
戻されると、設定確認モードを終了して通常モードに移行するようになっている。なお、設定表示ランプ891は、1桁の数字を表示可能な7セグメントLEDを用いて構成される。
また、図示を省略しているが、主制御基板860には、リセットスイッチが接続されている。このリセットスイッチは、スロットマシンSMにおいて所定のエラー(上述のE系エラーを除くエラー)が発生した場合に、エラーの原因が取り除かれてエラーが解消された際に遊技店員等により操作されるスイッチである。このリセットスイッチが操作されることにより、主制御基板860及び副制御基板870において記憶されたエラー発生の情報がクリアされ、それに伴いエラー解消時の処理が主制御基板860及び副制御基板870により実行される。
また、主制御基板860には、主制御基板860に実装可能な情報表示ランプ892が接続されている。情報表示ランプ892は、上述ぱちんこ遊技機PMにおいて説明した性能表示モニタ500(図10を参照)と同様に、4桁のLED表示灯(ドット付き7セグメントLED)から構成されており、役物比率に関する情報を7セグメント表示するものである。役物比率に関する情報として、例えば、役物比率等の種類(役物比率、連続役物比率、指示込役物比率、有利期間比率等)を示す2桁の識別子記号と、当該識別子記号に対応する2桁の比率とを組み合わせた4桁の数字等を、情報表示ランプ892において表示することが可能である。
役物比率は、総払出数に対する役物(第一種特別役物、第二種特別役物および普通役物)作動中の払出数の比率を示しており、識別子記号は例えば「7Y.」とされる。連続役物比率は、総払出数に対する第一種特別役物作動中の払出数の比率を示しており、識別子記号は例えば「6Y.」とされる。指示込役物比率は、総払出数に対する役物作動中の払出数および指示機能作動時(押しナビ実行時)の払出数の比率を示しており、識別子記号は例えば「7P.」とされる。有利期間比率は、総遊技数に対する有利区間滞在中の遊技数の比率を示しており、識別子記号は例えば「7U.」とされる。なお、有利期間比率は、指示機能を有していない仕様の場合に、指示込役物比率に代えて表示させるようにしてもよい。情報表示ランプ892は、指示込役物比率または有利期間比率、連続役物比率および役物比率を、所定時間(例えば5秒)毎に切り換えて表示する。
一方、サブメイン制御基板70Aには、主に演出の管理に関する各種の演算処理を行うサブメインCPUと、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるサブメインROMと、情報の書込み及び読出しが可能な記憶装置であるサブメインRAMとが配設されており、サブメインROMに記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシンSMにおける画像演出や音声演出の管理に関する制御、ランプ演出に関する制御等が行われるようになっている。なお、サブメインROM及びサブメインRAMは不揮発性の記憶装置であり、電力が供給されない場合でも記憶している情報を保持し得るように構成されている。また、サブメインCPUには、不図示のクロックパルス発生器及び分周器が接続されており、このクロックパルス発生器及び分周器により生成したクロック信号に応じて、所定の処理を実行するようになっている。
サブメイン制御基板870A(サブメインCPU)は、主制御基板860からの各種信号を受信し、演出ランプ812,813a,813b,814a,814b、飾りランプ832a,832b、バックランプ838a〜838c等のランプの点灯を制御する。また、サブメイン制御基板870Aは、サブサブ制御基板870Bに各種信号を送信するとともに、サブサブ制御基板870Bから各種信号を受信するように構成されている。以下、主制御基板860からサブメイン制御基板870Aに送信される信号(制御信号)を「制御コマンド」とも称し、サブメイン制御基板870Aからサブサブ制御基板870Bに
送信される信号(報知信号や演出信号)を「演出コマンド」とも称する。また、サブサブ制御基板870Bからサブメイン制御基板870Aに送信される信号(状態信号)を「状態コマンド」とも称する。
サブサブ制御基板870Bには、主に画像演出及び音声演出の制御に関する各種の演算処理を行うサブサブCPUと、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるサブサブROMと、情報の書込み及び読出しが可能な記憶装置であるサブサブRAMとが配設されており、サブサブROMに記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、画像演出や音声演出に関する制御等が行われるようになっている。なお、サブサブROM及びサブサブRAMは不揮発性の記憶装置であり、電力が供給されない場合でも記憶している情報を保持し得るように構成されている。
サブサブ制御基板870B(サブサブCPU)は、サブメイン制御基板870Aからの報知信号または演出信号を受信するとともに、サブメイン制御基板70Aに状態信号を送信するように構成されている。また、サブメイン制御基板870Aからの演出コマンドに基づき、画像表示装置811を制御して所定の演出画像を表示させるとともに、スピーカ815a,815b,844a,844bを制御してスピーカから所定の音声を発生させる。なお、画像表示装置811は、ストップスイッチ826a〜826cの操作順(押し順)を表示する押し順表示器(「サブ側押し順表示器」とも称する)としても機能するように構成されている。
次に、図14の機能ブロック図を追加参照しながら、スロットマシンSM(主として、主制御基板860/副制御基板870)の各種機能について説明する。
図14に示すように、スロットマシンSMは、機能的な観点から説明すれば主に、遊技の進行に係る主要な制御を行う主制御手段1100(主制御基板860に対応する)と、遊技の状況に応じて所定の演出制御を行う副制御手段1200(副制御基板870に対応する)とを備えて構成される。
主制御手段1100は、大別すると、主に遊技状態を管理する遊技状態管理手段1110と、主に遊技進行を管理する遊技進行管理手段1130と、主制御手段1100における通信を制御するメイン通信制御手段1150とを備えて構成されている。このうち、遊技状態管理手段1110は、RT状態制御手段1112、再遊技作動制御手段1113、ボーナス作動制御手段1114、フリーズ制御手段1115、遊技モード制御手段1116、及び乱数発生・取込手段1117を備えている。
また、遊技進行管理手段1130は、受容メダル管理手段1131、役決定手段1132、演出グループ番号決定手段1133、リール制御手段1134、停止表示図柄判定手段1135、払出メダル管理手段1136、ブロッカ制御手段1137、表示用ランプ制御手段1138、押し順管理手段1139、及び条件装置グループ番号決定手段1140を備えており、メイン通信制御手段1150は、制御コマンド送信手段1151と外端信号送信手段1152を備えている。なお、主制御手段1100における上述の各手段は、図13に示す主制御基板60上に配されたメインCPU、メインROM、メインRAM、電子回路等のハードウェア及びメインROM等に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表したものである。
(遊技状態管理手段1110を構成する各手段)
RT状態制御手段1112は、再遊技役の当選確率が異なる複数のRT状態(例えば、非RT、RT1、RT2の3つのRT状態)の設定を制御するように構成されている。このRT状態制御手段1112は、所定の移行条件が成立したことを契機として、RT状態
を移行させる。
再遊技作動制御手段1113は、再遊技役が成立したことを契機として、遊技者が所有する遊技メダルをベットすることなく次の遊技を行うことが許可される状態(「再遊技作動状態」とも称する)に設定するように構成されている。再遊技作動状態に設定されると、メインRAMの所定の記憶領域に再遊技作動状態であることを示す情報(「再遊技作動状態フラグ」とも称する)がセット(例えば、値「1」が記憶)される。セットされた再遊技作動状態フラグは、再遊技作動状態が解消されるまでの所定の時点でクリア(値「0」が記憶)される。
ボーナス作動制御手段1114は、所定のボーナス役の当選時から、所定のボーナス役が成立したことを契機として実行されるボーナス遊技の終了時までの期間において、所定の処理を実行するように構成されている。例えば、所定のボーナス役が当選すると、メインRAMの所定の記憶領域に所定のボーナス役が当選したことを示す情報(「ボーナス当せんフラグ」とも称する)をセット(例えば、値「1」を記憶)する。また、所定のボーナス役が成立したことを契機として、メインRAMの所定の記憶領域にボーナス作動状態であることを示す情報(「ボーナス作動フラグ」とも称する)をセット(例えば、値「1」を記憶)する。
フリーズ制御手段1115は、所定の条件成立を契機として、遊技の進行に係る制御処理(例えば、ベット操作やリール回転開始操作、リール回転停止操作等を受け付ける処理等)の実行を所定時間遅延させるフリーズを設定するように構成されている。本実施形態では、スタートレバー825の操作受付後に行うフリーズ(レバー時フリーズ)と、全リール803a〜803cの回転停止後に行うフリーズ(全停時フリーズ)を実行できるようになっている。
遊技モード制御手段1116は、複数の遊技モード(例えば、遊技モード0から遊技モード7までの8個の遊技モード)の設定を制御するように構成されている。遊技モードとは、RT状態とは別に主制御手段側で制御する、主にATの設定状態に関連する遊技状態(「メイン遊技状態」とも称する)を意味する。この遊技モード制御手段1116は、所定の移行条件が成立したことを契機として、遊技モードを移行させる。
複数の遊技モードは、通常区間に属する遊技モードと、有利区間に属する遊技モードとに分けられる。通常区間は、押しナビ(入賞ナビ、RPナビ及び目押しナビ)を行わない期間であり、押し順を判別できる情報(役決定結果番号や指示番号等の情報)を主制御手段側から副制御手段側に送信しない期間でもある。また、通常区間は、有利区間への移行の可否を決定するための抽選を行うことができる期間でもある。
有利区間は、押しナビを行うことができる期間であり、押し順を判別できる情報を主制御手段側から副制御手段側に送信してもよい期間でもある。また、有利区間は、有利区間の性能等を変更する抽選等を行うことができる期間でもある。さらに、有利区間では、有利区間中であることを遊技者に報知するための区間表示器(例えば、払出数表示ランプ846jを構成する7セグメントランプのうちのDPセグメントランプ(「有利区間ランプ」とも称する)を点灯する。有利区間に滞在中は、少なくとも1回は入賞ナビを行うようにしてもよい(この場合は、入賞ナビを1回も行っていないのであれば、通常区間へ移行することはできないようにしてもよい)。
また、有利区間に連続滞在できる期間には、上限(1500ゲーム)が設けられている。さらに、上限に達して有利区間を終了するときは、有利区間に関連する情報(例えば、AT当せんフラグ等の情報)は、全てクリアされる。なお、上限に達して有利区間を終了
するときは、有利区間の滞在中に1回も入賞ナビが行われていなくてもよい。また、有利区間への移行の可否を決定するための抽選、有利区間の性能等を変更する抽選を、選出された役決定結果番号に基づいて行う場合は、設定差を設けていない役決定結果番号に限って行うようにしてもよいし、特に、有利区間の性能等を変更する抽選は、役決定結果番号以外の条件に基づいて行うようにしてもよい。そして、その際は、設定値を参照することなく行うようにしてもよい。
本実施形態では、有利区間に連続滞在しているゲーム数を把握するための有利区間クリアカウンタを設け、通常区間から有利区間に移行した際に、この有利区間クリアカウンタの値を「1500」にセットする。そして、有利区間でゲームを消化するごとに有利区間クリアカウンタの値を1減算し、カウンタの値が「0」となると通常区間に強制的に移行するようにしている。また、有利区間クリアカウンタの値が「0」となる前に有利区間から通常区間に移行した場合は、有利区間クリアカウンタの値をクリア(「0」にセット)し、再び通常区間から有利区間に移行した際に、有利区間クリアカウンタの値を「1500」にリセットする。
乱数発生・取込手段1117は、各種抽選に用いられる乱数を発生させ、取り込むように構成されている。本実施形態では、最大で「0〜65535」までの数値範囲の乱数列を発生可能な4個(4ch:chは「チャンネル」の略)の16ビット乱数手段と、最大で「0〜255」までの数値範囲の乱数列を発生可能な4個(4ch)の8ビット乱数手段を有しており、それぞれが独立して乱数列を発生させることが可能となっている。
(遊技進行管理手段1130を構成する各手段)
受容メダル管理手段1131は、メダル投入口21から投入された遊技メダル(「投入遊技メダル」とも称する)のうち実際に受け入れられた遊技メダル(受入通路に導かれて投入メダルセンサ828bにより検出された遊技メダルであり、「受容遊技メダル」とも称する)を、直接ベットされる遊技メダルとするのか、クレジットされる遊技メダルとするのかを制御するように構成されている。本実施形態では、ベット数が最大ベット許容数(遊技を実行するのに必要となるベット数(規定数「3」))に達していない場合には、受容遊技メダルを直接ベットされる遊技メダルとし、ベット数が最大ベット許容数に達しており、クレジット数が最大クレジット許容数(例えば「50」)に達していない場合には、受容遊技メダルをクレジットされる遊技メダルとするように構成されている。
また、受容メダル管理手段1131は、再遊技作動状態に設定された遊技において、自動ベット処理(遊技者が保有する遊技メダルの数を減らすことなく、前回の遊技におけるベット数と同数の遊技メダルがベットされた状態を設定する処理)を行うように構成されている。再遊技作動状態であっても、クレジット数が最大クレジット許容数に達していない場合には、投入された遊技メダルをクレジットされる遊技メダルとして受け入れる(受け入れないようにしてもよい)。ベット数が最大ベット許容数に達しており、かつクレジット数が最大クレジット許容数に達している場合には、投入された遊技メダルは受け入れられずに返却されるようになっている。
役決定手段1132は、スタートレバー825が操作されたこと(スタートレバー825の操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、予め設定された役決定確率(抽選置数)に基づき複数の役決定結果番号(条件装置番号)の中から少なくとも1つの役決定結果番号を選出するための役決定処理(内部抽せん)を行うように構成されている。この役決定処理は、上述の16ビット乱数手段が発生する乱数を用いて行われる。具体的には、スタートレバー825が操作されたことを契機として、16ビット乱数手段が発生した乱数を取り込む。そして、役決定処理を行う際に、取り込んだ乱数を読み出し、その読み出した乱数を用いて、役決定結果番号を選出するように構成されている。
役決定処理は、予め設定された所定の役決定テーブル(図示略)を参照して行われる。役決定テーブルは、各役決定結果番号に対応した抽選置数データが設定値別に、メインROM内の所定の記憶領域(複数のアドレス)に記憶された構成のものとなっている。役決定処理において、1つまたは複数の役決定結果番号が選出されると、選出された役決定結果番号に対応した遊技役が当該遊技における成立許容役となる。選出された役決定結果番号に係る当選役の情報はメインRAMの所定の記憶領域に記憶されるが、1つの遊技において記憶された当選役の情報が、小役や再遊技役の当選に関する情報である場合は、これら小役、再遊技役の成立の有無に拘わらず、当該遊技の終了後にゼロクリアされる。一方、所定のボーナス役(RB役、MB役、BB役)の当選に関する情報は、所定のボーナス役が当選しても成立しなかった場合、当該所定のボーナス役が成立するまでクリアされずに記憶保持される。
役決定処理において、各々の役決定結果番号が選出される確率(役決定確率)は、任意に設定することが可能である。また、役決定確率は、遊技店員等により設定される上述の設定値に応じて変更できるように構成することが可能である。本実施形態では、設定1〜6の6段階の設定値構成となっており、設定値に応じて役決定確率が変更される役決定結果番号と、設定値が変わっても役決定確率が不変である役決定結果番号とを設けている。以下、設定値に応じて役決定確率が変更されるように設定することを「設定差を設ける」と称する。各役決定結果番号について、設定差を設けるのか否かについては、任意に定めることが可能である。一例として、スロットマシンSMにおける出玉率(遊技の用に供された遊技メダル数に対する払出数の割合)に影響を及ぼす抽選の抽選契機となる役決定結果番号については設定差を設けず、抽選契機とはならない役決定結果番号については設定差を設けても設けなくてもよいとすることが挙げられる。
演出グループ番号決定手段1133は、役決定処理により選出された役決定結果番号に対して演出グループ番号を対応付ける処理を行うように構成されている。本実施形態では、押し順の違いによって遊技上の有利、不利(出玉への影響)が生じたり、遊技メダルの払出数(獲得数)に差が生じたりする複数の役決定結果番号には、幾つかのグループに分けた上で、グループ毎に共通の演出グループ番号を対応付ける。これに対し、押し順の違いによって遊技上の有利、不利に影響しない(出玉への影響がない)再遊技役の当選に対応する役決定結果番号や、押し順の違いによって遊技メダルの払出数(獲得数)に差が生じないかあるいは獲得し得る遊技メダル数自体が少ない(例えば、ベットの規定数以下)の小役の当選に対応する役決定結果番号については、個々の役決定結果番号に対して異なる演出グループ番号を対応付ける。
リール制御手段1134は、スタートレバー825が操作されたこと(スタートレバー825の操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、最小遊技時間が経過していることを確認した後、リール803a〜803cを回転開始させ、回転開始させた全リールが定速回転状態となった後、ストップスイッチ826a,826b,826cが順次操作されたこと(ストップスイッチ826a〜826cの各操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、対応する各リール803a〜803cを順次回転停止させるように構成されている。
各リール3a〜3cの回転停止制御は、役決定処理により選出された役決定結果に応じて設定(セット)される各停止テーブル(図示略)に基づき、ストップスイッチ826a〜826cの操作態様(押し順や操作タイミング等)に応じて行われる。各リール803a〜803cは、ストップスイッチ826a,826b,826cが操作されたタイミングから、各リール803a〜803cが所定の停止許容時間(例えば190ミリ秒)以内に停止するように(本実施形態では、最大滑りコマ数5コマの範囲内で)行われる。
すなわち、役決定処理の結果、所定の遊技役が成立許容役として選出されている場合、停止許容時間の範囲内において可能な限り、その選出された遊技役の対応図柄が有効ライン829上に停止表示されるように、ハズレの場合には、いずれの遊技役の対応図柄も有効ライン829上に停止表示されないように、リール803a〜803cの停止制御がなされるようになっている。なお、特別役の当選持越し中に再遊技役または小役が当選する場合や、特別役と再遊技役または小役が重複当選する場合を設ける場合には、再遊技役、特別役、小役の順に優先して成立させる再遊技役優先(特別役よりも小役の優先順位を高くしてもよい)のリール回転停止制御を行ってもよい。
停止表示図柄判定手段1135は、ストップスイッチ826a〜826cが操作されたタイミングに基づき、リール803a〜803cにより停止表示された図柄がどの図柄であるかを判定するとともに、有効ライン829上に停止表示されたと判定した図柄の組合せ(実際に停止表示された図柄組合せとは異なっていてもよい)に基づき、遊技役が成立しているかどうかを判定するように構成されている。
払出メダル管理手段1136は、小役が成立した場合に成立した小役に応じた数の遊技メダルを、クレジット数が最大クレジット許容数に達していない場合には、クレジット数に加算する貯留加算払出しにより、クレジット数が最大クレジット許容数に達している場合には、メダル払出装置850を駆動させる実払出しにより、払い出すようになっている。また、払出メダル管理手段1136は、清算操作(清算スイッチ824の押圧操作)が有効に受け付けられた場合に、ベットされていた数の遊技メダルまたはクレジットされていた数の遊技メダルを、メダル払出装置850を駆動させて払い戻すようになっている。
ブロッカ制御手段1137は、上述のブロッカ848を制御するためのブロッカ信号を出力して、ブロッカ848をON状態(遊技メダル受入可能状態)とOFF状態(遊技メダル受入不可状態)との間で切り替えるように構成されている。なお、ブロッカ848がOFF状態とされた場合、メダル投入口821に投入された遊技メダルは、返却通路に導かれ返却される。ただし、遊技メダルが投入されたことは、投入メダルセンサ828aにより検出されるようになっている。
表示用ランプ制御手段1138は、上述の各種表示用ランプ(MAX−BET表示ランプ846a、BETランプ846b、投入可能表示ランプ846c、遊技開始表示ランプ846d、再遊技表示ランプ846e、状態表示ランプ846f、回数表示ランプ846g、CREランプ846h、払出数表示ランプ846j)や情報表示ランプ892の点灯や消灯等に関する制御を行うように構成されている。なお、払出数表示ランプ846jをメイン側押し順報知器として機能させる場合は、押し順管理手段1139により払出数表示ランプ846jの制御が行われる。
押し順管理手段1139は、役決定処理により選出された役決定結果に応じて、報知する押し順に対応した指示番号(0〜6のいずれか)を選出するようになっている。指示番号0は、押し順を報知しないときに選出されるもので、指示番号1〜6は、押し順を報知したいときに選出されるものである。本実施形態では、指示番号1を「左中右」、指示番号2を「左右中」、指示番号3を「中左右」、指示番号4を「中右左」、指示番号5を「右左中」、指示番号6を「右中左」の各押し順に対応付けている。
また、押し順管理手段1139は、払出数表示ランプ846jをメイン側押し順報知器として機能させ、選出した指示番号を報知させることにより押しナビ(メイン側押しナビ)を行うようにも構成されている。この押しナビは、払出数表示ランプ846jに設けられた2つの7セグメントランプ(以下「7セグ」と略記することがある)を用いて、指示
番号を報知する。例えば、左の7セグに「=」を表示し、右の7セグに指示番号の数値(例えば、指示番号2であれば「2」)を表示する。左の7セグに表示する「=」は、払出数表示ランプ846jにおいて払出数を表示しているときと区別するためのものである。指示番号0が選出された場合には、払出数表示ランプ846jによる表示は行わないようにしているが、別の態様として、左の7セグに「=」を右の7セグに「0」を表示してもよいし、左の7セグと右の7セグとの両方に「0」を表示してもよいし、左右の7セグの一方のみに「0」を表示してもよい。
条件装置グループ番号決定手段1140は、演出グループ番号決定手段1133により決定された演出グループ番号に応じて、各種抽選において当選値を選出するために用いられる条件装置グループ番号を決定するように構成されている。
(メイン通信制御手段1150を構成する各手段)
制御コマンド送信手段1151は、遊技に関する各種の情報を含む制御コマンドを、所定のタイミングで送信するように構成されている。例えば、スタートレバー825が操作される前に送信する制御コマンドとしては、どの遊技モードに設定されているかのかを示す情報を含む制御コマンド(「遊技モードコマンド」とも称する)、どのRT状態に設定されているかのかを示す情報を含む制御コマンド(「RTコマンド」とも称する)、再遊技の作動状態を示す情報を含む制御コマンド(「作動状態コマンド」とも称する)がある。また、スタートレバー825が操作されたことを契機として送信する制御コマンドとしては、例えば、指示番号の情報を含む制御コマンド(「指示番号コマンド」とも称する)、演出グループ番号の情報を含む制御コマンド(「演出グループ番号コマンド」とも称する)がある。この他に、設定値の情報を含む制御コマンド、各種カウンタの値の情報を含む制御コマンド、副制御手段において実行する演出内容を指示する情報を含む制御コマンド等を、スタートレバー825が操作される前や、スタートレバー825が操作されたことを契機として、またはその他を契機として送信するようにしてもよい。
また、制御コマンド送信手段1151は、最小遊技時間の経過が確認されたことを契機として、全リールが回転開始するよりも前に、全リールが回転開始することを示す情報を含む制御コマンド(「全回胴回転開始コマンド」とも称する)を送信する。さらに、第一停止操作(1番目のリールを停止させるためのストップスイッチの操作)を受け付けたことを契機として、第一停止操作を受け付けたことを示す情報を含む制御コマンド(「第一停止受付コマンド」とも称する)を送信するとともに、第一回胴停止(第一停止操作に対応するリールの停止)を契機として、第一回胴停止の情報を含む制御コマンド(「第一停止コマンド」とも称する)を送信する。同様に、第二停止操作(2番目のリールを停止させるためのストップスイッチの操作)を受け付けたことを契機として、第二停止操作を受け付けたことを示す情報を含む制御コマンド(「第二停止受付コマンド」とも称する)を送信するとともに、第二回胴停止(第二停止操作に対応するリールの停止)を契機として、第二回胴停止の情報を含む制御コマンド(「第二停止コマンド」とも称する)を送信する。同じく、第三停止操作(3番目のリールを停止させるためのストップスイッチの操作)を受け付けたことを契機として、第三停止操作を受け付けたことを示す情報を含む制御コマンド(「第三停止受付コマンド」とも称する)を送信するとともに、第三回胴停止(第三停止操作に対応するリールの停止)を契機として、第三回胴停止の情報を含む制御コマンド(「第三停止コマンド」とも称する)を送信する。さらに、停止図柄判定をする前に、全回胴停止の情報を含む制御コマンド(「全停止コマンド」とも称する)、停止図柄判定した後に、遊技メダルの払出数の情報を含む制御コマンド(「払出数コマンド」とも称する)を送信する。また、全回胴停止後の所定のタイミングで、役決定結果(ボーナス条件装置および入賞再遊技条件装置)の情報を含む制御コマンド(「役決定結果コマンド」とも称する)を送信する。主制御手段1100と副制御手段1200(サブメイン制御手段1200A)との間の通信は、前者から後者への一方向のみ可能となっている。
外端信号送信手段1152は、所定の遊技状態となったときに、データカウンタやホールコンピュータ等の外部機器に対し外端信号を送信するように構成されている。本実施形態では、有利区間中の所定の遊技モードに滞在中で、所定の役決定結果が選出されたときに、所定数の遊技メダルが払い出されることが2回(連続で)起きるという状況が発生したときに、外端信号を出力するようにしている。なお、所定のボーナス役が成立したときや、ATが設定されたときに外端信号を出力してもよい。
副制御手段1200は、主にランプ演出、画像演出及び音声演出の管理(指示)を行うサブメイン制御手段(「第1副制御手段」とも称する)1200Aと、主に画像演出及び音声演出を制御(実行)するサブサブ制御手段(「第2副制御手段」とも称する)1200Bとを備えて構成される。
サブメイン制御手段1200Aは、大別すると、演出管理手段1210とサブメイン通信制御手段1230とを備えている。演出管理手段1210は、ゲーム演出管理手段1211、報知演出管理手段1212及びランプ演出制御手段1213を備えており、サブメイン通信制御手段230は、制御コマンド受信手段1231、演出コマンド送信手段1232及び状態コマンド受信手段1233を備えている。なお、サブメイン制御手段1200Aにおける上述の各手段は、図13に示すサブメイン制御基板870A上に配されたサブメインCPU、サブメインROM、サブメインRAM、電子回路等のハードウェア及びサブメインROMに格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表したものである。
(演出管理手段1210を構成する各手段)
ゲーム演出管理手段1211は、主に遊技の興趣向上や遊技性を高める目的で、サブサブ制御手段1200Bにより実行される画像や音声による演出(「ゲーム演出」とも称する)の実行時期等を、主制御手段1100からの制御コマンドに基づいて管理するように構成されている。ゲーム演出としては、例えば、連続演出や単発演出、アシスト演出等がある。
連続演出とは、複数の遊技期間に亘って連続する演出であり、主に画像表示装置811を用いて、一続きの物語となるような画像を複数の遊技期間に亘って表示するものや、所定の遊技モードに滞在中であることを象徴するような演出画像等を表示するものなどが挙げられる。なお、連続演出や次述する単発演出を行う際に、演出ランプ812,813a,813b,814a,814bや飾りランプ832a,832bを用いた演出を行ったり、スピーカ815a,815b,844a,844bを用いた演出を組み合わせて行ったりしてもよい。
単発演出とは、遊技の進行過程において特定の状況が生じた場合等に単発的に実行される演出である。例えば、各リールの回転時に、遊技役の当選期待度を暗示するような画像を、画像表示装置811により表示する演出などが挙げられる。また、主制御手段1100においてATゲーム数が加算されたことを契機として、加算されたATゲーム数の値(例えば「+10」等の文字)を、画像表示装置811の表示画面811a上に表示する演出も単発演出の例として挙げられる。
アシスト演出は、遊技者を支援するための演出で、本実施形態では、主に、主制御手段1100からのナビ番号コマンドにより伝達される指示番号の情報に応じて、押しナビ演出が行われる。この押しナビ演出(サブ側押しナビ)は、画像表示装置811をサブ側押し順表示器として利用して、遊技者に対し、ナビ番号に応じた押し順(正解押し順)を表示画面811a上に表示する単発の演出である。本実施形態では、上述のRPナビに対応
するRPナビ演出(サブ側RPナビ)と、入賞ナビに対応する入賞ナビ演出(サブ側入賞ナビ)と、目押しナビに対応する目押しナビ演出(サブ側目押しナビ)を実行するようになっている。
押し順を報知する押しナビ演出(RPナビ演出、入賞ナビ演出)の具体的態様としては、対応する押し順を示す数字を表示する態様(例えば、「左第一」の押し順の場合は、表示画面811aの左下部に「1」を表示し、「中左右」の押し順の場合は、表示画面811aの下部に押し順を示す数字を「2、1、3」の順番で左側から並べて報知する態様)が例として挙げられる。第一押し順から第三押し順までを表示する場合には、表示した第一押し順に従って遊技者が1番目のストップスイッチを操作した時点で第一押し順の表示を消し、表示した第二押し順に従って遊技者が2番目のストップスイッチを操作した時点で第二押し順の表示を消し、表示した第三押し順に従って遊技者が3番目のストップスイッチを操作した時点で第三押し順の表示を消すようにしてもよい。
また、表示した押し順とは異なる順番で遊技者がストップスイッチを操作した場合には、押し順ナビ演出を直ちに終了するようにしてもよい。さらに、押し順を表示する際には、「なか」という音声、「ひだり」という音声、及び「みぎ」という音声を、次に行うべき操作と対応付けてスピーカ815a,815b等から出力するようにしてもよい。
報知演出管理手段1212は、主に遊技に関する情報を遊技者に報知する目的で、サブサブ制御手段1200Bにより実行される画像や音声による演出(以下「報知演出」と称する)の実行時期等を、主制御手段1100からの制御コマンドに基づいて管理するように構成されている。報知演出としては、例えば、エラーが発生したことを「エラー発生」というような文字情報で報知するエラー報知演出や、電源断復帰時に画像が準備中であることを「画像準備中」というような文字情報で報知する演出等が挙げられる。また、遊技者が過度に遊技に没頭すること(のめり込み)を防止するために、遊技者の注意を喚起させるための文字情報を含む画像(「注意喚起画像」とも称する)を表示する演出も報知演出の例として挙げられる。
ランプ演出制御手段1213は、演出ランプ812,813a,813b,814a,814b、飾りランプ832a,832b、バックランプ838a〜838dを用いた各種の照明演出を制御するように構成されている。また、後述の示唆演出も行うように構成されている。
(サブメイン通信制御手段1230を構成する各手段)
制御コマンド受信手段1231は、主制御手段1100からの制御コマンドを受信し、サブメインRAM等の所定の記憶領域(例えば、受信した制御コマンド用のコマンドバッファ)に記憶するように構成されている。
演出コマンド送信手段1232は、主制御手段1100からの制御コマンドに基づき、演出に関する各種の情報を含む演出コマンド(例えば、画像情報を含む演出コマンド等)をサブサブ制御手段1200Bに送信するように構成されている。
状態コマンド受信手段1233は、サブサブ制御手段1200Bからの状態コマンド(例えば、演出コマンドの受信エラーが発生したという情報を含む状態コマンド等)を受信し、サブメインRAM等の所定の記憶領域(例えば、受信した状態コマンド用のコマンドバッファ)に記憶するように構成されている。
以上のように構成されたサブメイン制御手段1200Aに対し、サブサブ制御手段1200Bは、大別すると、演出実行制御手段1250とサブサブ通信制御手段1270とを
備えている。演出実行制御手段1250は、ゲーム演出実行制御手段1251と報知演出実行制御手段1252を備えており、サブサブ通信制御手段1270は、演出コマンド受信手段1271と状態コマンド送信手段1272を備えている。なお、サブサブ制御手段1200Bにおける上述の各手段は、図13に示すサブサブ制御基板870B上に配されたサブサブCPU、サブサブROM、サブサブRAM、電子回路等のハードウェア及びサブサブROMに格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表したものである。
(演出実行制御手段1250を構成する各手段)
ゲーム演出実行制御手段1251は、サブメイン制御手段1200Aからの演出コマンドに基づいて画像表示装置811やスピーカ815a,815b等を制御し、上述のゲーム演出を実行するように構成されている。
報知演出実行制御手段1252は、サブメイン制御手段1200Aからの演出コマンドに基づいて画像表示装置811やスピーカ815a,815b等を制御し、上述の報知演出を実行するように構成されている。
(サブサブ通信制御手段1270を構成する各手段)
演出コマンド受信手段1271は、サブメイン制御手段1200Aからの演出コマンドを受信し、サブサブRAM等の所定の記憶領域(例えば、受信した演出コマンド用のコマンドバッファ)に記憶するように構成されている。
状態コマンド送信手段1272は、上述の状態コマンドをサブメイン制御手段1200Aに送信するように構成されている。
上述した制御コマンド送信手段1151からの制御コマンドの送信、演出コマンド送信手段1232からの演出コマンドの送信、及び状態コマンド送信手段1272からの状態コマンドの送信は、いずれもシリアル通信方式により行われる(パラレル通信方式で行うようにしてもよい)。また、各送信手段1151,1232,1272は、それぞれ同様の構成を有しており、送信するコマンドを一時記憶する記憶領域としてのコマンドバッファ(「CB」とも称する)、送信するコマンドの書込みや読出し等の処理を行うコマンド処理部、及び、シリアル通信によりコマンドを送信するコマンド送信部を備えて構成される。
CBは、各々のアドレスによって区別される複数の記憶領域を有し、各々の記憶領域に1バイトのコマンドデータを記憶できるように構成されている。コマンド処理部は、送信するコマンドデータを生成し、それをCBの書込ポインタが示すアドレス領域に書き込むとともに、CBの読込ポインタが示すアドレス領域から以前に書き込まれたコマンドデータを読み出し、それをコマンド送信部のTDR(送信用データレジスタ)に書き込むように構成されている。コマンド送信部は、TDRに書き込まれたコマンドデータをTSR(送信シフトレジスタ)に移し、そこでシリアル変換して送信するように構成されている。
なお、パラレル通信方式で行う場合は、CBの読込ポインタが示すアドレス領域から、以前に書き込まれたコマンドデータを読み出し、そのコマンドデータを所定の出力ポート(副制御手段に送信するための出力ポート)に書き込むことで送信するように構成される。本実施形態における1つのコマンドは、通常、2バイト構成である(チェックサムは1バイト構成)。また、通信方式は調歩同期式(非同期式)であり、1ビットのストップビット、1ビットのパリティビット(偶数パリティ)を有している(通信方式やコマンド構成は適宜変更可)。
[主要な制御処理]
以下、スロットマシンSMの主制御手段1100において行われる制御処理のうち、特に、遊技進行制御処理とメイン側タイマ割込処理について、図15および図16を追加参照して説明する。
<遊技進行制御処理>
遊技進行制御処理は、遊技中に繰り返し実行される基本的な処理であり、図15に示すように、スタートレバー825の操作が受け付けられるまでその状態で待機し(ステップS101)、受け付けられると役決定処理を行う(ステップS102)。この役決定処理では、16ビット乱数手段が発生する乱数値に基づき、役決定結果(当選項目)が選出される。選出された役決定結果の情報は、メインRAMの所定の記憶領域に保存される。
役決定処理を行った後、遊技モード共通開始時処理を行う(ステップS103)。この遊技モード共通開始時処理は、いずれの遊技モードに滞在中であっても共通に行われる処理である(詳細は省略)。遊技モード共通開始時処理の後、遊技モード別開始時処理を行う(ステップS104)。遊技モード別開始時処理とは、設定されている遊技モードごとに別々に行われる各開始時処理の総称である(詳細は省略)。
遊技モード別開始処理を終えるとステップS105に進む。このステップS105ではフリーズフラグ(フリーズを行うか否かを管理するフラグ)がONであるか否かを判定する。ここで、フリーズフラグがONである場合には、所定の設定時間だけフリーズを行い(ステップS106)、フリーズ実行後にフリーズフラグをクリアし(ステップS107)、ステップS108に進む。一方、フリーズフラグがONでない場合には、ステップS106,S107の処理は行わずにステップS108に進み、押しナビ処理(役決定結果番号等に応じて押しナビを実行する処理)を行う。
押しナビ処理の終了後、回胴開始処理を行う(ステップS109)。具体的には、各リールの回転開始から定速状態に至るまでの回転状態を管理する。次いで、回胴停止処理を行う(ステップS110)。具体的には、ストップスイッチの操作が受け付けられた場合に、その受け付けたタイミング(押し位置や押し順)と役決定の結果に応じて停止可能位置を定め、リールの減速から停止に至るまでの回転状態を管理する処理を行う。回胴停止処理を行った後、遊技モード別終了時処理(リール停止後に、設定されている遊技モード別に行われる処理)を行う(ステップS111)。この遊技モード別終了時処理は、設定されている遊技モードごとに別々に行われる各終了時処理の総称である(詳細は省略)。遊技モード別終了処理を終えると、遊技モード共通終了時処理(設定されている遊技モードに拘わらず、リール停止後に共通に行われる処理)を行い(ステップS112)、ステップS1に戻る。
<メイン側タイマ割込処理>
次に、メイン側タイマ割込処理について説明する。本実施形態では、遊技者により行われるベット操作等の遊技操作に応じて出力される各遊技操作信号の読込みや信号レベルの検出(確認)、各制御コマンドの送信、リールの駆動制御等の処理が、予め設定された一定の時間(例えば、2.235ミリ秒)毎に実施されるメイン側タイマ割込処理によって行われる。このメイン側タイマ割込処理では、図16に示すように、まず、割込初期処理(レジスタの退避、割込禁止等)を行い(ステップMT11)、次に、電源断が検知されたか否かを判定する(ステップMT12)。ここで、電源断が検知されていれば電源断処理を行う(ステップMT25)。電源断処理では、レジスタの退避やスタックポインタの保存、割込み状態の保存等が行われる。また、所定の記憶領域に記憶されている、役決定結果に関する情報や遊技状態に関する情報(ATに関する情報を含む)の保持や、チェックサムの算出及び記憶等の処理も行われる。
一方、電源断が検知されていなければ、割込カウンタ値を更新(「1」減算)する処理を行い(ステップMT13)、さらにタイマ計測を行う(ステップMT14)。このタイマ計測は、上述の遊技進行制御処理においてセットされた任意のタイマのタイマ値の減算や加算処理等を行うものである。次に、入力ポートの読込みを行う(ステップMT15)。この入力ポートの読込みでは、入力ポートに入力された各遊技操作信号等の信号レベルの読込みと記憶、信号レベルの判定等が行われる。
次いで、リール803a〜803cの駆動(回転の加速、減速、定速維持や停止維持等)を制御するためのリール駆動制御処理を行う(ステップMT16)。このリール駆動制御処理では、リール駆動状態(停止、リール回転待機中、加速中、定速中、減速中等)に応じて、ステッピングモータの出力相(励磁相)を切り替えるタイミングを示すリール駆動パルス出力カウンタ値の更新や、ステッピングモータを駆動させるリール駆動パルスデータの取得、更新、出力等の処理が行われる。次のステップMT17では、リール駆動制御処理を全リールに対し実行したか否かを判定し、実行していない場合にはステップMT16に戻り、リール駆動制御処理を再度行う。一方、全リールに実行した場合には、リールやホッパモータ、ブロッカ等の励磁出力を行うポート出力処理を行い(ステップMT18)、さらに、制御コマンドバッファ(CB)に記憶された制御コマンドを送信する制御コマンド送信処理を行う(ステップMT19)。
次に、ステップMT20に進み、所定の記憶領域に記憶されていた外端信号(外部信号)データを読み出し、外端信号を出力する。次いで、上述の表示用ランプ846a〜846h,846jや情報表示ランプ892に所定の表示を実行させるLED表示を行う(ステップMT21)。このLED表示では、例えば、払出数表示ランプ846jにおいて、次のような表示を実行させる。すなわち、エラー(E系エラーを除く)が発生していない場合には、遊技メダルの払出数に基づき払出数「0〜9」を表示させたり、設定値に基づき「1〜6」という数値を表示させたりする。さらに、押し順の報知を行う場合には、ナビ番号の表示態様「=1」〜「=6」を表示させる。また、エラー(E系エラーを除く)が発生している場合には、エラー番号の値に基づきエラー表示を実行させる。
次に、ステップMT22に進み、エラー管理を行う。このエラー管理では、まず、エラーチェックを行う。このエラーチェックでは、H0エラーが発生したか否かの判定、CEエラーが発生したか否かの判定、CPエラーが発生したか否かの判定、CHエラーが発生したか否かの判定、C0エラーが発生したか否かの判定、C1エラーが発生したか否かの判定、E6エラーが発生したか否かの判定、E7エラーが発生したか否かの判定を行い、さらに、E6エラーまたはE7エラーが発生した場合には、払出数表示ランプ46jにエラー表示させ、遊技の実行を停止させる処理などを行う。なお、E系のエラーが発生した場合には、上述の設定変更時処理が実行されればエラー復帰が可能となる。このエラーチェックの後、エラーが発生している場合には、副制御手段1200にエラー情報を送信するためのエラー検出時の出力要求セットの処理を行う。このエラー管理の処理を実行後、役決定等に用いる乱数を更新する処理行い(ステップMT23)、さらに割込復帰処理(レジスタの復帰、割込許可等)を行い(ステップMT24)、割込リターンする。
以下、本発明に係る遊技機(ぱちんこ遊技機PM及びスロットマシンSM)における特徴的な部分について説明する。なお、以下に説明する内容(特徴構成)は、ぱちんこ遊技機PMとスロットマシンSMのどちらにも適用可能なものである。
〈スライド開閉式の基板ケース〉
まず、図17〜図23を追加参照して、これらの図に示す基板ケースCU1について説明する。なお、以下の説明では便宜的に、この基板ケースCU1を、ぱちんこ遊技機PM
の主制御基板51を収納する基板ケースとして説明するが、これに限定されるものではない。また、以下の説明においては、説明の便宜のため、上下及び左右前後の方向は、ぱちんこ遊技機PMへの取付状態での方向として、図19の状態を基準にして定義しており、図19に示す矢印の方向をそれぞれ前後、左右、上下と称して説明する。図17は基板ケースCU1を後方から見た図、図18は基板ケースCU1を前方から見た図、図19は基板ケースCU1を後方側から見た斜視図、図20は基板ケースCU1内に収容される主制御基板51の部品面を示す図、図21は主制御基板51の半田面を示す図、図22は基板ケースCU1のスライド装着方法を説明するための模式図、図23は基板ケースCU1をスライド開放させたときの基板半田面の露出状態を示す図である。
主制御基板51は、矩形形状のプリント配線板を基板として構成され、図20に示すように、その部品面511aに、設定変更部600と、複数のコネクタ(図ではコネクタCN1〜CN5のみに付番)が実装されている。また、この部品面には、詳細図示を省略しているが、CPU、ROM及びRAM等の電子デバイスや抵抗等の電子・電気部品が実装されており、さらには、性能表示モニタ500や設定値表示モニタ650(図5を参照)も実装されている(設定値表示モニタ650は、主制御基板51に設置しなくてもよい)。この主制御基板51は、基板ケースCU1(後述するトップケース2200)の内面側に複数本のビスを用いてネジ止め固定される。
設定変更部600は、設定鍵型スイッチ610と設定変更スイッチ620を有して構成される。設定鍵型スイッチ610は、遊技者にとっての有利度、例えば特別図柄の当否抽選など出玉率に影響する所定の当否抽選における当選確率の高低の程度(ランク)を定める設定値の設定確認及び設定変更を行う場合に操作されるスイッチであり、設定変更スイッチ620は、設定値を複数段階(本実施形態では6段階)で変更するためのスイッチである。設定鍵型スイッチ610は、遊技店員が所持する設定変更キー(図示せず)を差し込んで回動操作することが可能な設定変更キーシリンダ611を有しており、設定鍵型スイッチ610は、この設定変更キーシリンダ611の回動操作により切り換えられるように構成されている。設定変更スイッチ620は、遊技店員により押圧操作される設定変更ボタン621を有しており、この設定変更ボタン621の押圧操作により切り換えられるように構成されている。なお、設定変更部600(設定鍵型スイッチ610、設定変更スイッチ620)は、主制御基板51以外の別の基板に設けてもよいし、基板以外の他の部位に設けてもよい。
主制御基板51(設定変更部600)は、外枠1に対し前枠2が開いた状態(前枠開閉検出スイッチが前枠2の開状態を検出した状態のことで、以下「前枠開放状態」と称する)で、かつ、主制御基板51に電源が供給されていない状態で、かつ、設定変更キーシリンダ611に設定変更キーが差し込まれて後方から見て時計方向(「設定変更キー操作方向」とも称する)に約90度回動操作された状態で、かつ、設定変更スイッチ620がオン状態(設定変更ボタン621が押圧操作された状態)において、電源が供給されると、設定変更モード(設定値を変更可能とするモード)を開始する。また、この設定変更モードにおいて、設定変更スイッチ620(設定変更ボタン621)が押圧操作される毎に1〜6の6段階で設定値を切り換え、切り換えた設定値を設定値表示モニタ650に表示させる。そして、設定変更キーが元の位置に戻されると設定値を確定し、設定変更モードを終了して通常モード(遊技を行うことが可能なモード)に移行する。但し、このとき前枠開放状態でない場合は、通常モードに移行しない(詳細後述)。また、設定変更モードから通常モードに移行すると、設定変更が完了したことを報知する設定変更音が、所定のスピーカから出力される(詳細後述)。さらに、主制御基板51(設定変更部600)は、前枠開放状態で、かつ、主制御基板51に電源が供給されていない状態で、かつ、設定変更キーシリンダ611に設定変更キーが差し込まれて設定変更キー操作方向に約90度回動操作された状態(但し、設定変更スイッチ620はオフ状態)において、電源が供給さ
れると、設定確認モード(設定値を確認可能とするモード)を開始し、現在の設定値を設定値表示モニタ650に表示する。そして、設定変更キーが元の位置に戻されると、設定確認モードを終了して通常モードに移行するようになっている。ぱちんこ遊技機PMでは、電源が供給された後に、設定変更キーにより設定変更キーシリンダ611が回動操作されて設定鍵型スイッチ610がオン状態とされても設定変更モードにも設定確認モードにも移行せず、設定値表示モニタ650に設定値が表示されることはない。なお、設定値表示モニタ650は、1桁の数字を表示可能な7セグメントLEDを用いて構成される。
また、設定変更部600における設定変更スイッチ620は、RAMクリアスイッチとしても機能するように構成されている。すなわち、設定変更モードを開始させるために、設定変更スイッチ620(設定変更ボタン621)を押圧操作した状態において電源投入を行うと、主制御基板51は、RAMに記憶された全情報のうち、少なくとも遊技状態に関する情報(通常状態、確変状態、時短状態、潜伏確変状態等の情報)をクリアする。また、このとき、設定値は出玉率が一番低くなる設定値(例えば、設定1)に更新される。一方、性能表示モニタ500に表示される遊技性能データSD(SD0〜SD3)の情報は、クリアされないようになっている。すなわち、遊技性能データSD0〜SD3の情報は、ぱちんこ遊技機PMの電源断時やRAMクリア処理時にクリアされずに、電源断復帰後(電源投入後)に持ち越されるようになっている。これにより、遊技性能データSD(SD0〜SD3)の情報の信頼性を担保できるようになっている。なお、設定変更スイッチ620をRAMクリアスイッチとして兼用せずに、専用のRAMクリアスイッチを設けるようにしてもよい。
図21に示すように、主制御基板51の半田面51bには、各コネクタが有するそれぞれの端子(コネクタピン)の基板側端部(図中小さな黒い四角形で示す)が、プリント回路に半田で接続された状態で突出している。以下、コネクタCN1が有する端子のことを端子PN1〜PN12、コネクタCN2が有する端子のことを端子PN21〜PN32と称する。図21では、各コネクタの各端子のうち、これらの端子PN1〜PN12,PN21〜PN32のみに付番している。
基板ケースCU1は、遊技盤20の背面に着脱されるボトムケース2100と、このボトムケース2100に着脱自在に取り付けられるトップケース2200とを備えて構成されており、ボトムケース2100にトップケース2200を装着した閉止状態で前後整合するケース右端部に、係合連結機構2300が設けられている。ボトムケース2100及びトップケース2200は、互いの開口同士を相対向させた閉止状態で組み合わされて一体化される。ボトムケース2100及びトップケース2200は、共に無色透明な樹脂材料(例えば、ポリカーボネート等)を用いて射出成形等の成形手段により形成され、外部からでも基板ケースCU1内を視認可能に構成されている。
ボトムケース2100は、全体として後面開放の矩形箱状に形成されており、その上下の側壁2101(図22を参照)には、それぞれ後方に向けて突出するボトム側スライド係合部2102(図22を参照)が左右方向に並んで複数形成されている。
トップケース2200は、全体として前面開放の矩形箱状に形成されており、ボトムケース2100に対して左右方向(「スライド方向」とも称する)にスライド装着可能に構成されている。トップケース2200の上下の側縁部には、左右方向に沿って前面側に開口してボトムケース2100のボトム側スライド係合部2102を受容可能な凹溝状のトップ側溝部2202が形成されるとともに、このトップ側溝部2202内においてボトムケース2100のボトム側スライド係合部2102と係合可能なトップ側スライド係合部2203が形成されている。
ボトムケース2100にトップケース2200を組み付けるには、図22に示すように、ボトムケース2100に対してトップケース2200を左方に若干ずらした状態で前後方向に対向させて、トップケース2200のトップ側溝部2202にボトムケース2100のボトム側スライド係合部2102を挿入し、トップケース2200を右方向(以下において「閉止方向」とも称する)にスライド移動させることにより、ボトム側スライド係合部2102とトップ側スライド係合部2203とを係合させる。これにより、ボトムケース2100とトップケース2200とが互いの開口同士を相対向させた閉止状態で一体化される。一方、一体化されたボトムケース2100とトップケース2200は、ボトムケース2100に対しトップケース2200を左方向(以下において「開放方向」とも称する)にスライド移動させ、ボトム側スライド係合部2102とトップ側スライド係合部2203との係合を解除することにより、分離することが可能となる。以下、ボトムケース2100とトップケース2200とが閉止状態で一体化されるときのボトムケース2100に対するトップケース2200の位置のことを「閉止位置」と称する。また、閉止位置からトップケース2200を開放方向にスライド移動させてトップケース2200がボトム側スライド係合部2102と分離可能となるときのボトムケース2100に対するトップケース2200の位置のことを「開放位置」と称する。
ボトムケース2100に対しトップケース2200を開放位置までスライド移動させると、トップケース2200に取り付けられた主制御基板51もボトムケース2100に対し移動し、これにより、主制御基板51の半田面51bの一部がボトムケース2100側に露出する。図23はこのときの露出状態の一例を示している。図示例では、主制御基板51の部品面51aに実装された全コネクタのうち、コネクタCN1の部品面側の一部とコネクタCN2の部品面側の一部が露出する。より詳細には、コネクタCN1は、その全端子PN1〜PN12(図21を参照)のうち、半数の端子PN1〜PN6が露出し、残りの端子PN7〜PN12は露出しない。また、コネクタCN2は、その全端子PN21〜PN32(図21を参照)のうち、半数の端子PN21〜PN26が露出し、残りの端子PN27〜PN32は露出しない。
係合連結機構2300は、閉止位置において一体化されたボトムケース2100とトップケース2200とを、さらにカシメ部材(図示略)を用いて互いに係合連結し、これにより、ボトムケース2100に対してトップケース2200が開放方向へスライド移動することができないように規制する。係合連結機構2300により係合連結されたボトムケース2100及びトップケース2200は、係合連結機構2300と基板ケースCU11との接続部分を一部切断するなどの所定の作業を行うことにより、トップケース2200をボトムケース2100に対して開放位置までスライド移動させて分離することができる。
トップケース2200には、主制御基板51の各コネクタ(コネクタCN1〜CN5を含む)の実装位置に対応して表裏貫通するコネクタ挿抜口(図示略)が形成されており、主制御基板51がトップケース2200に取り付けられた状態で、主制御基板51の各コネクタがコネクタ挿抜口を通して外部に露出し(図19を参照)、演出制御基板52や画像制御基板53、払出制御基板54等とハーネス(コネクタケーブル)を介して電気接続可能となる。
また、トップケース2200には、主制御基板51の設定変更部600(設定鍵型スイッチ610及び設定変更スイッチ620)の実装位置に対応して表裏貫通する設定変更部対応口(図示略)が形成されており、主制御基板51がトップケース2200に取り付けられた状態で、設定変更部600が設定変更部対応口を通して外部に露出する(図19を参照)。なお、トップケース2200には、設定変更部対応口から後方に臨む設定変更部600を覆う小扉2210(図17を参照)が、開閉揺動可能に取り付けられている(図
19では図示を省略)。設定変更部600(設定鍵型スイッチ610及び設定変更スイッチ620)を操作する際には、この小扉2210を上方に揺動させて、設定変更部600を露出させる。
また、図19に示すように、主制御基板51を収納した基板ケースCU1では、設定鍵型スイッチ610におけるキーシリンダ611の設定キー挿入面の前後方向の高さ(主制御基板51の部品面からの高さ)と、トップケース2200の外面(後面)において最も面積が大きい同一平面領域(以下「最大面領域2220」とも称する)の前後方向の高さとを比較すると、前者の高さの方が後者の高さよりも低くなっている。
以上のように構成され、主制御基板51を収納した基板ケースCU1は、ボトムケース2100が前方側、トップケース2200が後方側となる状態で、遊技盤20の背面側に取り付けられる。なお、基板ケースCU1は、遊技盤20の背面側に取り付けられた状態において、設定鍵型スイッチ610及び設定変更スイッチ620の少なくとも一が、前枠2の開放端部側(ぱちんこ遊技機PMの左右の縁端部のうち、開放される方の縁端部の側)よりも、前枠2の枢結端部側(ぱちんこ遊技機PMの左右の縁端部のうち、ヒンジ機構3a,3bが設けられた方の縁端部の側)に近い箇所に位置するように、取り付けられる。
[制御基板に対する不正行為の対策]
主制御基板51に実装されたコネクタは、主制御基板51と、他の制御基板(演出制御基板52や画像制御基板53、払出制御基板54等)や各種スイッチ(第一始動口スイッチ62や第2始動口スイッチ63、作動ゲートスイッチ63等)との間で通信される種々の信号の経路となる。そのため、コネクタの端子に不正にアクセスして、信号情報を読み取ったり改竄したり、偽の信号情報を生成して端子に入力したりする不正行為が試みられる可能性がある。また、主制御基板51に実装された設定変更部600(設定鍵型スイッチ610及び設定変更スイッチ620)を不正に操作して、出玉率の高い設定値に変更する不正行為が試みられる可能性もある。
このような不正行為が行われると、不正行為のことを知っている遊技者側が不当な利益を得て遊技店側が損害を被ったり、逆に不正行為のことを知らない遊技者側が損害を被って遊技店側が利益を得たりする。そのため、このような不正行為を実行し難くすること、あるいは不正行為が実行された場合には、そのことに気付き易くするといった不正行為対策を行うことが課題となる。本発明では、不正行為対策として以下の特徴構成を備えている。
(A1)基板ケースCU1がスライド開閉式である。
基板ケースCU1の開閉方式としては、上記のようなスライド開閉式の他に、ボトムケース2100に対しトップケース2200が揺動開閉する方式を採用することも可能である。しかし、この揺動開閉式の場合、ボトムケース2100に対しトップケース2200を開放方向に揺動させたときに、不正アクセスすることが可能となるコネクタの数が、スライド開閉式の場合よりも多くなる。そこで、ぱちんこ遊技機PMでは、基板ケースCU1をスライド開閉式として、ボトムケース2100に対しトップケース2200を開放位置までスライド移動させても不正アクセスすることが可能なコネクタの数を減らし、これにより、コネクタピンに対する不正行為を実行し難くしている。
(A2)開放位置において露出するコネクタの数が限定されている。
基板ケースCU1では、ボトムケース2100に対しトップケース2200を開放位置までスライド移動させたときに露出するコネクタ(詳しくは、コネクタの半田面側の部分で、以下「コネクタ部分」とも称する)が、コネクタCN1,CN2の2個だけであり、
他のコネクタは露出しないように構成されている。そのため、コネクタCN1,CN2の端子に対してはアクセスすることができても、他のコネクタの端子にはアクセスすることが困難となる。そのため、不正行為を実行し難くなる。なお、変形例として、開放位置において露出するコネクタの数を1つに限定してもよい。露出するコネクタの数を1つに限定することにより、さらに不正行為が実行され難くなる。
(A3)開放位置において露出するコネクタの一部の端子は隠れている。
基板ケースCU1では、ボトムケース2100に対しトップケース2200を開放位置までスライド移動させたときにコネクタCN1とコネクタCN2が部分的に露出する。しかし、コネクタCN1,CN2が露出した状態においても、それらの一部の端子は露出せずに隠れるようになっている。すなわち、コネクタCN1は、その全端子PN1〜PN12のうち、半数の端子PN1〜PN6は露出するが、残りの端子PN7〜PN12はボトムケース2100に隠れて露出しない。同様にコネクタCN2は、その全端子PN21〜PN32のうち、半数の端子PN21〜PN26は露出するが、残りの端子PN27〜PN32はボトムケース2100に隠れて露出しない。露出するコネクタCN1,CN2であっても、それらの一部の端子については隠れて露出しないようにすることによって、不正行為が行われ難くすることが可能となる。これは、具体的には例えば、露出するコネクタ(例えば、コネクタCN1)を介して主制御基板51に対し入力あるいは出力される信号が、所定の複数の端子(例えば、PN1〜PN8)の全てに不正アクセスできなければ、その信号の内容を把握することができない信号であり、その所定の複数の端子のうちの幾つか(例えば、PN7、PN8)が隠れて露出しない端子である場合に有効に達成可能となる。なお、隠れて露出しない端子の数は、露出するコネクタが有する全端子の半数以上であることが好ましいが、隠れて露出しない端子が1本であっても上記所定の複数の端子に含まれている場合は、十分な不正行為対策となる。すなわち、露出するコネクタが有する全端子のうち、少なくとも半数の端子が隠れて露出しない構成であってもよいし、少なくとも1本の端子が隠れて露出しない構成であってもよい。また、露出するコネクタが有する端子の中にピン番号を付す際の基準となる端子(「1ピン」とも称する)が含まれている場合は、少なくともこの1ピンについては露出しない構成としてもよい。1ピンは重要な信号の通信を担うことが多いので、1ピンが露出しない構成とすることによって、不正行為が行われ難くすることが可能となる。
(A4)開放位置において露出するコネクタを介して通信される信号は遊技の始動に関係する信号ではない。
基板ケースCU1において、ボトムケース2100に対しトップケース2200を開放位置までスライド移動させたときに露出するコネクタCN1とコネクタCN2は、いずれも遊技の始動に関係する信号の通信には用いられないように構成されている。ここで、遊技の始動に関係する信号とは、遊技始動の契機となる信号や遊技の始動を知らせる信号等のことであり、ぱちんこ遊技機PMで言えば、例えば、第1始動口への入球を検出する第1始動口スイッチ61からの検出信号、第2始動口への入球を検出する第2始動口スイッチ62からの検出信号等が、これに該当する。このような遊技の始動に関係する信号は、遊技価値(遊技球)の獲得に大きな影響を及ぼす抽選(第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選)の実行契機となるので、不正行為の対象とされ易い。そのため、ぱちんこ遊技機PMでは、露出するコネクタCN1,CN2を、遊技の始動に関係する信号の通信には用いないように構成し、これにより、遊技の始動に関係する信号に対する不正行為が行われ難くしている。
(A5)開放位置において露出するコネクタを介して通信される信号は払出しに関係する信号ではない。
基板ケースCU1において、ボトムケース2100に対しトップケース2200を開放位置までスライド移動させたときに露出するコネクタCN1,CN2は、いずれも払出し
に関係する信号の通信には用いられないように構成されている。ここで、払出しに関係する信号とは、遊技価値の払出しを指示する信号や遊技価値の払出しの契機となる信号等のことであり、ぱちんこ遊技機PMで言えば、例えば、主制御基板51から払出制御基板54に出力される払出制御コマンド、大入賞口(特別電動役物)の開閉を制御する制御信号等が、これに該当する。このような払出しに関係する信号は、遊技価値(遊技球)の獲得に直結するので、不正行為の対象とされ易い。そのため、ぱちんこ遊技機PMでは、露出するコネクタCN1,CN2を、払出しに関係する信号の通信には用いないように構成し、これにより、払出しに関係する信号に対する不正行為が行われ難くしている。
(A6)開放位置において露出するコネクタを介して通信される信号は電源に関係する信号ではない。
基板ケースCU1において、ボトムケース2100に対しトップケース2200を開放位置までスライド移動させたときに露出するコネクタCN1,CN2は、いずれも電源に関係する信号の通信には用いられないように構成されている。ここで、電源に関係する信号とは、電源断を検出する信号や電源投入を検出する信号等のことであり、ぱちんこ遊技機PMで言えば、例えば、電源基板56から主制御基板51に供給される電力の電源断や電源投入を検出する信号等が、これに該当する。電源断及び電源投入により設定変更が可能となるので、このような電源に関係する信号に関しても不正行為の対象とされ易い。そのため、ぱちんこ遊技機PMでは、露出するコネクタCN1,CN2を、電源に関係する信号の通信には用いないように構成し、これにより、電源に関係する信号に対する不正行為、ひいては設定変更に関する不正行為が行われ難くしている。
(A7)開放位置において露出するコネクタを介して通信される信号は演出基板に関係する信号ではない。
基板ケースCU1において、ボトムケース2100に対しトップケース2200を開放位置までスライド移動させたときに露出するコネクタCN1,CN2は、いずれも演出基板に関係する信号の通信には用いられないように構成されている。ここで、演出基板に関係する信号とは、画像やランプ光、スピーカ音声等による演出(エラー報知を含む)を指示する信号など演出基板と通信される信号等のことであり、ぱちんこ遊技機PMで言えば、例えば、主制御基板51から演出制御基板52に出力される演出制御コマンド等が、これに該当する。このような演出基板に関係する信号は、遊技価値の獲得には直結しないが、信号を不正改竄等することにより、実際とは異なる遊技状態での演出を実行させて、不正行為が行われていることを隠蔽することなどのために利用することが可能である。そのため、不正行為の対象とされ易い。そこで、ぱちんこ遊技機PMでは、露出するコネクタCN1,CN2を、演出基板に関係する信号の通信には用いないように構成し、これにより、演出基板に関係する信号に対する不正行為が行われ難くしている。
(A8)開放位置において露出するコネクタを介して通信される信号は試験に使用される信号ではない。
基板ケースCU1において、ボトムケース2100に対しトップケース2200を開放位置までスライド移動させたときに露出するコネクタCN1,CN2は、いずれも試験に使用される信号の通信には用いられないように構成されている。ここで、試験に使用される信号とは、遊技機の型式の認証等のために行われる型式試験において使用される信号や、製造過程において遊技機の動作や制御内容を確認等するために使用される信号等のことであり、ぱちんこ遊技機PMで言えば、試験信号出力処理において出力される試験信号等が、これに該当する。このような試験に使用される信号は、信号内容を解析等することにより遊技機の仕様を把握することなどのために利用することが可能となる。そのため、不正行為の対象とされ易い。そこで、ぱちんこ遊技機PMでは、露出するコネクタCN1,CN2を、試験に仕様される信号の通信には用いないように構成し、これにより、試験に仕様される信号に対する不正行為が行われ難くしている。
(A9)前扉が閉状態のときは設定変更モードに移行しない。
主制御基板51(設定変更部600;設定鍵型スイッチ610及び設定変更スイッチ620)では、外枠1に対し前枠2が開いた前枠開放状態であることが設定変更モードへ移行するための条件の1つとされている。そのため、外枠1に対し前枠2が閉じた状態(前枠開閉検出スイッチが前枠2の閉状態を検出した状態で、以下「前枠閉状態」と称する)のときは設定変更モードに移行せず、設定値を変更することができないように構成されている。遊技店側による正規の設定変更は、前枠開放状態で行われる。これに対し、不正に設定変更しようとする場合は、前枠閉状態で試みられることがある。そこで、ぱちんこ遊技機PMでは、前枠閉状態では設定変更モードに移行しないように構成し、これにより、設定変更に関係する不正行為が行われ難くしている。なお、外枠1に対し前枠2が開いた状態であっても、裏セット盤30が閉じた状態(裏セット開閉検出スイッチが裏セット盤30の閉状態を検出した状態)では、設定変更モードに移行しないように構成してもよい。また、外枠1に対して前枠2が開いた状態(前枠開閉検出スイッチが前枠2の開状態を検出した状態)で、同時に、前枠2に対してガラス枠5が開いた状態(ガラス枠開閉検出スイッチがガラス枠5の開状態を検出した状態)の場合に、設定変更、設定確認を許可する仕様としてもよい。このような仕様とすることにより、ぱちんこ遊技機PMを生産する際の動作チェックにおいて、ガラス枠5を閉じるといった余計な動作を行わなくても設定機能の検査を行うことができるので、利便性が高い。また、遊技店等における盤面メンテナンス作業を、ガラス枠5を外した状態で行っていても、その盤面メンテナンス作業と並行して設定変更、設定確認の作業を行うことができるので、同じように利便性が高い。
(A10)前扉が閉状態のときは設定変更モードから遊技可能モードには移行しない。
主制御基板51(設定変更部600;設定鍵型スイッチ610及び設定変更スイッチ620)では、設定変更モードにおける設定変更後に設定キーを元の位置に戻すと、遊技が実行可能となる通常モードに移行するが、このとき、前枠開放状態でない場合は、通常モードに移行せず、そのため遊技を行うことができないように構成されている。遊技店側による正規の設定変更は前枠開放状態で行われるので、設定変更後に設定キーを元の位置に戻すときも当然に前枠開放状態である。これに対し、不正に設定変更しようとする場合は、前枠閉状態で試みられることがあり、その場合は設定変更後に設定キーを元の位置に戻すときに前枠閉状態となることがある。そこで、ぱちんこ遊技機PMでは、前枠閉状態では設定変更モードから通常モードに移行しないように構成し、これにより、設定変更に関係する不正行為が行われ難くしている。
(A11)設定変更を切り換えるためのスイッチは前扉の開放端側よりも枢結端側に近い位置に設けられる。
基板ケースCU1は、遊技盤20の背面側に取り付けられた状態において、設定鍵型スイッチ610及び設定変更スイッチ620の少なくとも一が、前枠2の開放端部側よりも枢結端部側に近い箇所に位置するように取り付けられる。設定鍵型スイッチ610もしくは設定変更スイッチ620に不正アクセスしようとする場合、その行為者は、前枠2の開放端部側より針金等の器具を挿入したり手を差し入れたりして実行することが多いと考えられる。その場合、これらのスイッチ610,620が、前枠2の開放端部側に近い箇所に設けられていると、これらに不正アクセスし易い。そこで、ぱちんこ遊技機PMでは、設定鍵型スイッチ610及び設定変更スイッチ620の少なくとも一が、前枠2の開放端部側よりも枢結端部側に近い箇所に位置するように構成し、これにより、設定変更に関係する不正行為が行われ難くしている。
(A12)設定変更するときのキー部材の操作方向は前扉の枢結端側に捻る方向である。
設定変更部600では、設定変更するための設定変更キー操作方向(設定変更キー操作
方向)が後方から見て時計方向、すなわち、前枠2の枢結端部側に捻る方向となっている。設定鍵型スイッチ610を不正操作しようとする場合、その行為者は、前枠2の開放端部側より針金等の器具を挿入したり手を差し入れたりして実行することが多いと考えられる。その場合、設定鍵型スイッチ610に挿入する設定キーの操作方向が、前枠2の開放端部側に捻る方向に設定されていると設定キーを操作し易い。そこで、ぱちんこ遊技機PMでは、設定キー操作方向を前枠2の枢結端部側に捻る方向となるように構成し、これにより、設定変更に関係する不正行為が行われ難くしている。
(A13)設定変更するときのキー部材の挿入面は基板ケースのカバー面よりも低い。
主制御基板51を収納した基板ケースCU1では、設定鍵型スイッチ610におけるキーシリンダ611の設定キー挿入面が、トップケース2200の最大面領域2220よりも低い位置に設けられている。設定鍵型スイッチ610を不正操作しようとする場合、その行為者は、トップケース2200の後面側からキーシリンダ611の設定キー挿入面にアプローチすることが多いと考えられる。その場合、キーシリンダ611の設定キー挿入面が、トップケース2200の最大面領域2220よりも低い凹んだ位置に設けられていると、設定キー挿入面にアプローチすることが困難となる。そこで、ぱちんこ遊技機PMでは、設定キー挿入面がトップケース2200の最大面領域2220よりも低い位置となるように構成し、これにより、設定変更に関係する不正行為が行われ難くしている。
(A14)前扉の開閉状態を検出するスイッチは前扉の開放端側よりも枢結端側に近い位置に設けられる。
主制御基板51(設定変更部600;設定鍵型スイッチ610及び設定変更スイッチ620)では、外枠1に対し前枠2が開いた前枠開放状態であることが設定変更モードへ移行するための条件の1つとされている。しかし、不正に設定変更しようとする場合は、外枠1に対し前枠2が閉じた前枠閉状態で試みられることがある。その際、前枠開閉検出スイッチに不正アクセスして、実際には前枠閉状態であるのに、前枠開放状態との検出信号を出力させる不正行為が行われることが考えられる。その場合、前枠開閉検出スイッチが前枠2の開放端部側に近い箇所に設けられていると不正アクセスし易い。そこで、ぱちんこ遊技機PMでは、前枠開閉検出スイッチを、前枠2の開放端部側よりも枢結端部側に近い箇所に位置するように構成し、これにより、前枠開閉検出スイッチに不正アクセスし難くしている。
以上説明した不正行為対策のための基板ケースCU1に係る特徴構成(A1)〜(A8)は、ぱちんこ遊技機PMにおける主制御基板51以外の基板、演出制御基板52や画像制御基板53、払出制御基板54等を収納する基板ケースに対しても同様に適用し同様の効果を得ることが可能である。また、スロットマシンSMにおける各種基板、主制御基板860や副制御基板870(サブメイン制御基板870A、サブサブ制御基板870B)、リールユニット基板910等を収納する基板ケースに対しても同様に適用し同様の効果を得ることが可能である。なお、特徴構成(A4)〜(A8)をスロットマシンSM(特に、主制御基板860用の基板ケース)に適用する場合における遊技の始動に関係する信号とは、スタートレバー825の操作状態を示す信号がこれに該当し、払出しに関係する信号とは、主制御基板860からリールユニット基板910を介してメダル払出装置850のホッパモータ852に出力されるホッパモータ信号等がこれに該当する。また、電源に関係する信号とは、電源装置880から主制御基板860に供給される電力の電源断や電源投入を検出する信号等がこれに該当し、演出基板に関係する信号とは、主制御基板860から副制御基板870(サブメイン制御基板870A)に出力される制御コマンド等がこれに該当する。スロットマシンSMにおいて、主制御基板860から副制御基板870に送信される演出基板に関係する信号に対し不正行為が行われると、押しナビ等の演出が正しく表示されなくなって、不正行為者が不当な利益を得る虞がある。そこで、スロットマシンSMにおいて、露出するコネクタを演出基板に関係する信号の通信には用いない
ように構成することにより、演出基板に関係する信号に対する不正行為が行われ難くすることが可能となる。試験に仕様される信号とは、スロットマシンSMの型式の認証等のために行われる型式試験においてスロットマシンSMから出力される信号や、製造過程においてスッロットマシンSMの動作や制御内容を確認等するためにスロットマシンSMから出力される信号等がこれに該当する。
また、上述の不正行為対策のための設定変更部600に係る特徴構成(A9)〜(A13)は、スロットマシンSMの主制御基板860に実装される設定変更部(設定鍵型スイッチ883、設定変更スイッチ884)に対しても同様に適用し同様の効果を得ることが可能である。なお、特徴構成(A10)〜(A12)をスロットマシンSMに適用する場合は、主制御基板860を収納する基板ケースが、特徴構成(A1)〜(A8)と同様の構成を有し、その基板ケースが前扉802側に取り付けられることを前提とする。さらに、スロットマシンSMの設定変更スイッチ884をRAMクリアスイッチとして機能させるようにしてもよい。この場合、RAMクリアされる遊技状態の情報としては、RT状態やAT状態、有利区間等の情報が挙げられる。また、RAMクリアの操作が行われても、情報表示ランプ892に表示される役物比率に関する情報はクリアされないようにすることが好ましい。さらに、上述の特徴構成(A14)をスロットマシンSMに対しても同様に適用し同様の効果を得ることが可能である。なお、特徴構成(A14)を適用する場合における、前扉の開閉状態を検出するスイッチはドア開閉センサ890がこれに該当する。
〈リード線の太さと配置〉
遊技機に設けられる各種の基板は、複数のコネクタケーブル(リード線)を介して電気的に接続される。このリード線は、各基板間で通信される種々の信号の通路となる。特に、主制御基板(ぱちんこ遊技機PMで言えば主制御基板51、スロットマシンで言えば主制御基板860)に接続されるリード線は、遊技の進行に係る重要な信号の通路となる。そのため、このようなリード線に不正にアクセスして信号情報を読み取ったり改竄したり、偽の信号情報を生成してリード線に入力したりする不正行為が試みられる可能性がある。そこで、このようなリード線に対する不正行為を実行し難くすることが課題となる。また、リード線を介して通信される信号にノイズが乗ると正しい情報を伝達できなくなって遊技を円滑に進めることができなくなる可能性がある。そこで、リード線がノイズの影響を受け難くすることも課題となる。本発明では、リード線に対する不正行為対策及びノイズ対策として、リード線の太さと配置に関し幾つかの特徴構成を備えている。
特徴構成とその効果について説明する前に、リード線の太さと配置に関する好ましい態様例について、図24及び図25を追加参照して説明する。図24は、主制御基板MC1に実装される基板側コネクタCN11(図25を参照)にハーネス側コネクタCN13を介して接続された複数のリード線LL1〜LL14の太さと配置の一例を示す模式図である。図25は、ハーネス側コネクタCN13から基板ケースCU2の外方へ延び出たリード線LL8〜LL10と、別のハーネス側コネクタCN14から基板ケースCU2の外方へ延び出たリード線LL15〜LL18との配置の一例を示す模式図である。なお、ハーネス側コネクタCN14は、主制御基板MC1に実装される別の基板側コネクタCN12に接続されるコネクタであり、基板ケースCU2は主制御基板MC1を収納する基板ケースである。主制御基板MC1は、ぱちんこ遊技機PMで言えば主制御基板51、スロットマシンSMで言えば主制御基板860に該当する。
図24に示すように、コネクタCN13は、14本のリード線LL1〜LL14を有している。このうち、リード線LL6〜LL7は電源の入力に関係するリード線であり、リード線LL8〜LL10は遊技の始動に関係するリード線であり、リード線LL11〜LL12は外部端子板に接続されるリード線である。他のリード線LL1〜LL5,LL1
3〜LL14は、その他の信号等に関係するリード線である。電源の入力に関係するリード線とは、主制御基板MC1に電力を供給するリード線やグランド線等のことである。遊技の始動に関係するリード線とは、遊技の始動契機等となる信号用のリード線やグランド線のことであり、ぱちんこ遊技機PMで言えば、特別図柄の当たり乱数値の取得契機や特別図柄の変動開始契機となる信号を出力する第1始動口スイッチ61や第2始動口スイッチ62と接続されるリード線等がこれに該当し、スロットマシンSMで言えば役抽選の開始契機やリール803a〜803cの変動開始契機やとなるスタートレバー825の操作状態の検出信号を出力するスイッチ(以下「スタートレバースイッチ」と称する)と接続されるリード線等がこれに該当する。外部端子板に接続されるリード線とは、ホールコンピュータ等に外部端子板を介して所定の情報を伝達するための信号線やグランド線等のことであり、ぱちんこ遊技機PMで言えば払出制御基板54を介して外部情報端子板58に接続されるリード線がこれに該当し、スロットマシンSMで言えばリールユニット払出制御基板54を介して外部集中端子基板930に接続されるリード線がこれに該当する。
図24に示すように、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10の太さは、14本のリード線LL1〜LL14のうちで最も細くなっている(他に略同じ太さのリード線がある場合を含む)。ここで、リード線の太さとは、リード線の芯線の直径にその外周の被覆の厚み分を加えた見た目の太さ(直径)のことであるが、芯線の直径のことをリード線の太さとしてもよい。なお、リード線LL8〜LL10の太さは、コネクタCN13が有するリード線LL1〜LL14の中だけではなく、主制御基板MC1に接続される全てのリード線の中で最も細くなっている。また、外部端子板に接続されるリード線LL11〜LL12は、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10と略同じ太さとなっており、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10と隣接する位置に配置されている。ここで、略同じ太さとは、見た目状どちらが太いかが判別できない程度に同じ太さということであり、例えば、厳密には直径の数%〜十数%程度太さが異なっていたとしても、略同じ太さの範疇である。また、電源の入力に関係するリード線LL6〜LL7は、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10とは隣接しない離れた位置に配置されている。
また、図25に示すように、ハーネス側コネクタCN13から基板ケースCU2の外方へ延び出た、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10は、結束具BR1によって互いに束ねられている。なお、結束具BR1は、樹脂製の結束バンドや面ファスナを有する結束テープの他、ゴム製や布製の保護チューブや輪ゴム、針金、紐など、束ねることができるものであれば種々のものを用いることができる。また、リード線LL8〜LL10以外の他のリード線を、一緒に束ねてもよい。また、図25に示すように、束ねられたリード線LL8〜LL10の手前側(リード線LL8〜LL10に対し主制御基板MC1から離れる側)には、ハーネス側コネクタCN14から基板ケースCU2の外方へ延び出たリード線LL15〜LL18が、リード線LL8〜LL10と一部重なるように配置されている。なお、結束された遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10と重なるリード線の数は、1本以上の任意の数に設定してよい。また、ハーネス側コネクタCN13から基板ケースCU2の外方へ延び出た他のリード線を、結束された遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10と重なるように配置してもよい。
[リード線の太さと配置に関する特徴構成]
次に、リード線の太さと配置に関する特徴構成とその効果について説明する。また、リード線の太さと配置に関する別の態様例についても、図26〜図30を追加参照して説明する。本発明では、リード線の太さと配置に関して以下の特徴構成を備えている。
(B1)主制御基板に接続されるリード線のうち遊技の始動に関係するリード線は最も細い。
図24に示す、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10の太さは、コネクタ1
3が有する14本のリード線LL1〜LL14の中だけではなく、主制御基板MC1に接続される全てのリード線の中で最も細くなっている。遊技の始動に関係するリード線は、出玉率に影響する所定の遊技処理の開始契機となる信号等の通信に用いられるため、不正行為の対象となり易い。そこで、本実施形態では、遊技の始動に関係するリード線を最も細くして識別し難くし、これにより、遊技の始動に関係するリード線に対する不正行為を実行し難くしている。また、リード線を細くすることにより、不正行為が行われた際に断線等の不具合が生じ易くなる。そのため、遊技の始動に関係するリード線に対する不正行為が行われた場合、断線等の不具合が生じ易くなり、そのような不具合により不正行為が行われたことを発見し易くなる。なお、図26に示す例では、コネクタCN13が14本のリード線LL21〜LL34を有し、そのうち、リード線LL24〜LL26が遊技の始動に関係するリード線となっている。この遊技の始動に関係するリード線LL24〜LL26は、リード線LL21〜LL34の中で最も細く構成されている。
(B2)主制御基板に接続されるリード線において、遊技の始動に関係するリード線と略同じ太さのリード線が遊技の始動に関係するリード線を除いて複数ある。
図24に示す例では、リード線LL4〜LL5,LL11〜LL12が、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10と略同じ太さに構成されている。これらのリード線LL4〜LL12を略同じ太さとすることにより、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10がどれなのかが識別し難くなる。そのため、遊技の始動に関係するリード線に対する不正行為が実行され難くなる。なお、図27に示す例では、コネクタCN13が14本のリード線LL35〜LL48を有し、そのうち、リード線LL42〜LL44が遊技の始動に関係するリード線となっている。この遊技の始動に関係するリード線LL24〜LL26以外に、リード線LL39〜LL40,LL46〜LL47が、リード線LL24〜LL26と略同じ太さに構成されている。
(B3)主制御基板に接続されるリード線において、遊技の始動に関係するリード線と略同じ太さのリード線が遊技の始動に関係するリード線と隣接して配置される。
図24に示す例では、リード線LL11〜LL12が、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10と略同じ太さに構成されており、かつリード線LL8〜LL10と隣接して配置されている。遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10と略同じ太さのリード線LL11〜LL12を隣接して配置することにより、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10がどれなのかが識別し難くなる。そのため、遊技の始動に関係するリード線に対する不正行為が実行され難くなる。なお、図28に示す例では、コネクタCN13が14本のリード線LL49〜LL62を有し、そのうち、リード線LL58〜LL60が遊技の始動に関係するリード線となっている。この遊技の始動に関係するリード線LL24〜LL26と隣接して配置されたリード線LL56〜LL57,LL61〜LL62が、リード線LL58〜LL60と略同じ太さに構成されている。
(B4)主制御基板に接続されるリード線において、遊技の始動に関係するリード線と外部端子に接続されるリード線は略同じ太さに構成される。
図24に示す例では、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10と外部端子板に接続されるリード線LL11〜LL12とが、略同じ太さに構成されている。遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10と外部端子板に接続されるリード線LL11〜LL12とを略同じ太さとすることにより、両者を識別し難くすることができる。また、外部端子板に接続されるリード線LL11〜LL12は、ホールコンピュータ等の外部装置に所定の信号を出力するために使用されるので、不正行為が行われた場合はその所定の信号に変化が現れるため比較的分かり易い。そこで、本実施形態では、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10と外部端子板に接続されるリード線LL11〜LL12とを略同じ太さに構成し、これにより、両者を識別し難くするとともに、外部端子板に接続されるリード線LL11〜LL12に対し不正行為が行われた場合に早期発見できるようにし
ている。なお、図29に示す例では、コネクタCN13が14本のリード線LL63〜LL76を有し、そのうち、リード線LL67〜LL69が遊技の始動に関係するリード線、リード線LL66,L73が外部端子に接続されるリード線となっている。この遊技の始動に関係するリード線LL67〜LL69と、外部端子に接続されるリード線LL66,L73とが略同じ太さに構成されている。
(B5)遊技の始動に関係するリード線は結束される。
図25に示す例では、コネクタCN13から基板ケースCU2の外方へ延び出た、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10は、結束具BR1によって結束されている。結束することにより、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10に不正アクセスすることが困難となる。そのため、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10に対する不正行為が行われ難くすることができる。
(B6)結束された遊技の始動に関係するリード線の手前側に他のリード線が配置される。
図25に示す例では、結束されたリード線LL8〜LL10の手前側(リード線LL8〜LL10に対し主制御基板MC1から離れる側)に、ハーネス側コネクタCN14から基板ケースCU2の外方へ延び出たリード線LL15〜LL18が、リード線LL8〜LL10と一部重なるように配置されている。結束されたリード線LL8〜LL10の手前側に他のリード線LL15〜LL18を配置することにより、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10に不正アクセスすることが困難となる。そのため、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10に対する不正行為が行われ難くすることができる。
(B7)主制御基板に接続されるリード線において、遊技の始動に関係するリード線は電源の入力に関係するリード線と隣接する位置には配置されない。
図24に示す例では、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10は図中左下に配置され、電源の入力に関係するリード線LL6〜LL7は図中右上に配置され、両者が互いに隣接しないように構成されている。遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10を、電源の入力に関係するリード線LL6〜LL7とは隣接させず離れて配置することにより、遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10が電源の入力に関係するリード線LL6〜LL7からのノイズの影響を受け難くすることができる。そのため、ノイズの影響により遊技の始動に関係するリード線LL8〜LL10への誤入力が防止され、遊技を円滑に進行させることが可能となる。なお、図30に示す例では、コネクタCN13が14本のリード線LL77〜LL90を有し、そのうち、リード線LL88〜LL90が遊技の始動に関係するリード線、リード線LL77〜78が電源の入力に関係するリード線となっている。遊技の始動に関係するリード線LL77〜LL90は図中右下に配置され、電源の入力に関係するリード線LL77〜LL78は図中左上に配置され、両者が互いに隣接しないように構成されている。以上説明したリード線の太さと配置に関する特徴構成は、1つのコネクタ内における複数のリード線の関係に限定されるものではなく、複数のコネクタ同士におけるそれぞれのリード線の関係でも成立するものである。
〈設定変更音〉
ぱちんこ遊技機PM及びスロットマシンSMでは、設定変更部による設定変更完了後(「設定変更部の作動終了後」とも称する)、すなわち、設定変更モードから通常モードに移行すると、設定変更が終了したことを報知するための所定の処理(以下「設定変更終了報知処理」と称する)が開始され、その設定変更終了報知処理により、設定変更が終了したことを報知する設定変更音(「設定変更を終了しました」等の音声)が、所定のスピーカから出力される。この設定変更音は、設定変更が正常に終了したことを報知する重要な役割を担っているので、明瞭に聞き取れるように出力する必要がある。一方、設定変更が終了して通常モードに移行すると、遊技を開始することが可能となる。そのため、設定変
更終了後、すぐに遊技を開始した場合、設定変更音が遊技の妨げになる可能性も生じる。そこで、設定変更音の開始タイミングや終了タイミング等に関しては、十分に配慮することが重要となる。以下、ぱちんこ遊技機PM及びスロットマシンSMにおける設定変更音の出力に関して、図31〜図32を追加参照して説明する。図31は、ぱちんこ遊技機PMにおける設定変更音の出力に関するタイミングチャートであり、図32は、スロットマシンSMにおける設定変更音の出力に関するタイミングチャートである。
ぱちんこ遊技機PMでは、図31に示すように、設定変更部による設定変更完了後(設定変更部の作動終了後)、所定の待機時間が経過した後、設定変更終了報知処理を開始して設定変更音の出力を開始する(例えば、スピーカ8から音声を出力する)。待機時間は、設定変更音が確実に聞き取れるように設けられている。すなわち、設定変更音は「設定変更を終了しました」というような文章であるため、設定変更部の作動終了と同時に設定変更音の出力を開始すると、文章の冒頭部分が聞き取れずに内容を理解できなくなる可能性がある。そこで、ぱちんこ遊技機PMでは、設定変更音を最初から確実に聞き取れるようにするため、このような待機時間を設けている。なお、待機時間は適宜に設定することができるが、例えば、タイマ割込み処理等の割込み処理を少なくとも1回は行えるだけの時間は確保することが好ましい。すなわち、設定変更部の作動終了後、少なくとも1割込みの処理後に、設定変更処理を開始し、設定変更音の出力を開始する。なお、設定変更音の出力開始が遅くなると、設定変更が正常に完了したことを確認できるタイミングが遅くなる。そのため、設定変更音は、待機時間の経過後、速やかに出力開始することが好ましい。
設定変更音は、開始から所定時間(0時間よりも大であれば任意に設定可能な時間(例えば1秒間で、以下「変更音出力時間T1」とも称する)だけ出力されて停止される(変更音出力時間T1に上記待機時間を含めてもよい)。ぱちんこ遊技機PMでは、設定変更音とは別に、演出ランプ11等を点灯させて、設定変更が終了したことを報知するようになっている。このランプによる設定変更終了の報知は、設定変更音の出力と略同時に開始される(開始タイミングをずらしてもよい)が、終了タイミングは、設定変更音の終了タイミングよりも遅くなるよう設定されている。これは、設定変更音が長く続くと耳障りとなって遊技を行う上で邪魔になることがあるのに対し、ランプ等による報知は遊技の妨げになり難いためである。設定変更音とは別に、設定変更の終了を報知する手段を備えることにより、設定変更が終了したことをより確実に報知することが可能となる。なお、設定変更音とは別の設定変更終了報知手段としては、演出ランプ11に限られず、主制御表示装置700が有する各種のランプや、演出表示装置27としてもよい。但し、遊技者にとって有利な状況が生じたことを示唆するようなランプ、例えば、大当りが確定したことを示すようなランプを備えている場合には、このようなランプは設定変更終了の報知手段としては用いないことが好ましい。遊技者が有利な状況が生じたと誤解する可能性があるからである。
設定変更部による設定変更完了後(設定変更部の作動終了後)、遊技を開始することが可能となる。図31では、設定変更後直ちに遊技を開始し、設計上起こり得る最も早い時間で始動入賞口(ここでは、第1始動口または第2始動口)に遊技球が入球し、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ61または第2始動口スイッチ62)が作動した場合を示している。始動口スイッチが作動すると、始動口スイッチがONからOFFに切り換わったことを契機として、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が変動を開始する。この特別図柄の変動は、特別図柄の当否抽選の結果等に応じて、特定時間(例えば、保留球があるときは5秒、無いときは20秒等。以下「1遊技時間T2」と称する)継続した後に終了する。また、特別図柄が変動する際には、演出表示装置27等による演出も実行される。なお、設定変更部の作動終了後、図柄変動が可能となるまでに要する時間(例えば1秒間)を「変動開始前時間T3」と称する。
特別図柄が変動しそれに伴う演出が実行されると、遊技者はそれに着目することになる。このとき、設定変更音がずっと継続していると、耳障りで遊技の妨げとなる可能性がある。そこで、ぱちんこ遊技機PMでは、設定変更音の出力開始から終了までの変更音出力時間T1を、特別図柄の変動開始から停止までの1遊技時間T2に、変動開始前時間T3を加算した結果の時間よりも短く設定し、これにより、少なくとも1遊技の終了時点では設定変更音の出力が終了しているようにしている。また、そうすることにより、特別図柄が変動しそれに伴う演出が行われていることを、遊技者は少なくとも(T3+T2−T1)の時間内において把握することが可能となる。また、遊技店(ホール)の管理者においては、ぱちんこ遊技機PMの動作確認のために、設定変更後直ちに始動口スイッチを作動させて特別図柄を変動させた場合であっても、設定変更が完了したことを設定変更音により確認できるとともに、設定変更音が終了した後において、1遊技の演出が正常に作動していることを確認することが可能となる。なお、1遊技時間T2がどの程度の時間になるのかは、特別図柄の当否抽選の結果等に応じて変わる。そのため、ぱちんこ遊技機PMでは、以下の時間を、1遊技時間T2(特定時間)として設定できるようにしている。
1つ目は、1遊技時間T2を設計上最長となる1回の遊技時間とするものである。設計上最長となる1回の遊技時間とは、ぱちんこ遊技機PMの仕様上、特別図柄が変動開始してから停止するまでの時間が最も長くなるときの時間を意味する。例えば、疑似連続変動が行われるときの特別図柄の変動時間(例えば2分間)等がこれに該当する。
2つ目は、1遊技時間T2を遊技結果がはずれとなる複数の遊技の平均時間とするものである。遊技結果がはずれとなる複数の遊技の平均時間とは、例えば、一定時間(例えば8時間)遊技を連続して行い、その結果、特別図柄が変動した遊技のうち、特別図柄の当否抽選の結果がはずれであった遊技の図柄変動時間(例えば5秒間〜2分間)を集計し、その集計した時間を、特別図柄の当否抽選の結果がはずれであった遊技の回数で除して得られる時間を意味する。
3つ目は、1遊技時間T2を遊技結果が特別遊技当選となる複数の遊技の平均時間とするものである。遊技結果が特別遊技当選となる複数の遊技の平均時間とは、例えば、一定時間(例えば8時間)遊技を連続して行い、その結果、特別図柄が変動した遊技のうち、特別図柄の当否抽選の結果が大当りであった遊技の図柄変動時間(例えば30秒間〜90秒間)を集計し、その集計した時間を、特別図柄の当否抽選の結果が大当りであった遊技の回数で除して得られる時間を意味する。
スロットマシンSMでは、図32に示すように、設定変更部による設定変更完了後(設定変更部の作動終了後)、所定の待機時間が経過した後、設定変更終了報知処理を開始して設定変更音の出力を開始する(例えば、スピーカ815a,815bから音声を出力する)。待機時間は、ぱちんこ遊技機PMと同様の理由で、同程度の時間が設定される(詳細説明省略)。
設定変更音は、開始から所定時間(例えば1秒間で、以下「変更音出力時間T11」と称する)だけ出力されて停止される(変更音出力時間T11に上記待機時間を含めてもよい)。スロットマシンSMでも、ぱちんこ遊技機PMと同様に、設定変更音とは別に、飾りランプ832a,832b等を点灯させて、設定変更が終了したことを報知するようになっている。このランプによる設定変更終了の報知開始タイミングや終了タイミングは、ぱちんこ遊技機PMと同様に設定されている。設定変更音とは別の設定変更終了報知手段としては、飾りランプ832a,832bに限られず、主制御基板860が制御する各種のランプや、画像表示装置811としてもよい。但し、ぱちんこ遊技機PMと同様の理由により、遊技者にとって有利な状況が生じたことを示唆するようなランプ、例えば、大当
りが確定したことを示すようなランプを備えている場合には、このようなランプは設定変更終了の報知手段としては用いないことが好ましい。
設定変更部による設定変更完了後(設定変更部の作動終了後)、遊技を開始することが可能となる。図32では、設定変更後直ちに、設計上起こり得る最も早い時間で、遊技を開始させることができる規定数の遊技メダルのベット(手入れ)が行われ、スタートレバー825が操作され、スタートレバースイッチが作動し、リール803a〜803cが変動(回転)を開始し、ストップスイッチ826a〜826cが操作され、全てのリールが停止する場合を示している。なお、一般的にスロットマシンでは、前回遊技の役抽選に関するスタートレバースイッチが作動してから4.1秒経過するまでは、次遊技のリールの変動を開始させないようにしている。今回、設計上起こり得る最も早い時間には、この4.1秒は含まれない、すなわち、設定変更完了の段階で、既に4.1秒は経過しているものと仮定している。但し、設定変更によりこの4.1秒の計測がクリアされて設定変更後に新たに計測が開始されるようにした場合は、この4.1秒を含めた上での設計上起こり得る最も早い時間としてもよい。スタートレバースイッチが作動すると、スタートレバースイッチがONからOFFに切り換わったことを契機として、リール803a〜803cが変動(回転)を開始する(但し、フリーズが行われる場合はフリーズ後に変動開始となる)。このリール803a〜803cの変動は、役抽選の結果やストップスイッチ826a〜826cの操作タイミング等に応じて終了する。また、リール803a〜803cが変動する際には、画像表示装置811等による演出も実行される。スロットマシンSMでは、スタートレバースイッチがONからOFFに切り換わったタイミングから、リール803a〜803cが変動停止するまでの図柄変動時間(例えば3秒間、但しフリーズ時間を含む)を「1遊技時間T12」と称する。また、設定変更部の作動終了後、図柄変動が可能となるまでに要する時間(例えば2秒間)を「変動開始前時間T13」と称する。
リール803a〜803cが変動しそれに伴う演出が実行されると、遊技者はそれに着目することになる。このとき、設定変更音がずっと継続していると、耳障りで遊技の妨げとなる可能性がある。そこで、スロットマシンSMでは、設定変更音の出力開始から終了までの変更音出力時間T11を、リール803a〜803cの変動開始から停止までの1遊技時間T12に、変動開始前時間T13を加算した結果の時間よりも短く設定し、これにより、少なくとも1遊技の終了時点では設定変更音の出力が終了しているようにしている。また、そうすることにより、リールが変動しそれに伴う演出が行われていることを、遊技者は少なくとも(T13+T12−T11)の時間内において把握することが可能となる。また、遊技店の管理者においては、スロットマシンSMの動作確認のために、設定変更後直ちに規定数の遊技メダルをベットしスタートレバースイッチを作動させてリールを変動させ、ストップスイッチを操作してリールを停止させた場合であっても、設定変更が完了したことを設定変更音により確認できるとともに、設定変更音が終了した後において、1遊技の演出が正常に作動していることを確認することが可能となる。なお、1遊技時間T12がどの程度の時間になるのかは、役抽選の結果等に応じて変わる。そのため、スロットマシンSMでも、ぱちんこ遊技機PMと同様に、以下の時間を、1遊技時間T12として設定できるようにしている。
1つ目は、1遊技時間T12を設計上最長となる1回の遊技時間とするものである。設計上最長となる1回の遊技時間とは、スロットマシンSMの仕様上、スタートレバースイッチがONからOFFに切り換わってからリール803a〜803cが停止するまでの時間が最も長くなるときの時間を意味する。例えば、BB役の当選時など最も長いフリーズ(例えば20秒間)が行われるときのリール停止までの時間(例えば30秒間)等がこれに該当する。なお、ストップスイッチ826a〜826cについては、設計上可能となる最も短い時間で操作されたものとする(以下同様)。
2つ目は、1遊技時間T12を遊技結果がはずれとなる複数の遊技の平均時間とするものである。遊技結果がはずれとなる複数の遊技の平均時間とは、例えば、一定時間(例えば8時間)遊技を連続して行い、その結果、全遊技のうち、役抽選の結果がはずれであった遊技の図柄変動時間(例えば3秒間〜12秒間)を集計し、その集計した時間を、役抽選の結果がはずれであった遊技の回数で除して得られる時間を意味する。なお、スロットマシンSMでは、役抽選の結果がはずれの遊技においては、当り図柄を蹴飛ばすリール制御が行われ、役抽選の結果が再遊技役当選となる遊技では、当選した再遊技役の対応図柄を引き込むリール制御が行われるため、役抽選の結果に応じて、図柄変動時間が異なる。
3つ目は、1遊技時間T12を遊技結果が特別遊技当選となる複数の遊技の平均時間とするものである。遊技結果が特別遊技当選となる複数の遊技の平均時間とは、例えば、一定時間(例えば8時間)遊技を連続して行い、その結果、全遊技のうち、役抽選の結果が大当り(例えばBB役の当選)であった遊技の図柄変動時間(例えば3秒間〜30秒間)を集計し、その集計した時間を役抽選の結果が大当りであった遊技の回数で除して得られる時間を意味する。
以上のように構成されたぱちんこ遊技機PM及びスロットマシンSMによれば、設定変更終了後に直ちに遊技を開始しても、遊技者が遊技の結果を確認するときには、設定変更音が終了しているので、設定変更音に邪魔されることなく遊技結果を確認することができる。そのため、遊技者においては、設定変更後の1回目の遊技から図柄変動や演出を楽しむことが可能となる。また、遊技店の管理者においては、遊技機の動作確認のために、設定変更後直ちに所定の手順を行うことにより特別図柄やリールを変動させた場合であっても、設定変更が完了したことを設定変更音により確認できるとともに、設定変更音が終了した後において、1遊技の演出が正常に動作していることを確認することが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態(変形例を含む)に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。また、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素を適宜組み合わせたもの、あるいは、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素のうち一部を削除又は周知・慣用技術等で転換したものについても、本発明の範囲に含まれるものである。また、本発明は、ぱちんこ遊技機やスロットマシン以外の遊技機、例えば、雀球遊技機、アレンジボール機、カジノマシン等についても同様に適用し、同様の効果を得ることが可能である。さらに、電子的記録媒体に記録される情報を遊技価値として使用する遊技機についても、同様に適用し、同様の効果を得ることが可能である。