JP2020045791A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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本也 鎌原
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【課題】燃料の噴射量の変動を抑制することのできる燃料噴射弁を提供する。【解決手段】燃料噴射弁10は、燃料を噴射するための噴孔111が形成されたハウジング100と、ハウジング100の内部において移動することにより、噴孔111の開閉を切り換えるニードル300と、を備える。ハウジング100の内部には、ニードル300の周囲を環状に囲んでいる環状流路SP1が形成されており、環状流路SP1には弁体600が設けられている。弁体600は、噴孔111からの燃料の噴射が行われる開弁時には、環状流路SP1における燃料の流れを許容する第1状態となり、噴孔111からの燃料の噴射が停止される閉弁時には、環状流路SP1における燃料の流れを抑制することで、前記噴孔側で生じた水撃作用による波動を噴孔111側に反射する第2状態となるように構成されている。【選択図】図1

Description

本開示は燃料噴射弁に関する。
内燃機関には、燃料を噴射するための燃料噴射弁が設けられる。燃料噴射弁は、燃料の出口である噴孔が形成されたハウジングと、ハウジングの内部に収容されたニードルと、を備えている。ニードルは、ハウジングの内部において移動することにより、噴孔が開かれている状態と、噴孔が閉じられている状態とを切り換える。
ニードルにより噴孔が閉じられて、燃料の噴射が停止された直後においては、噴孔では水撃作用による波動、つまり燃料の圧力波動が生じる。このような波動は、燃料噴射弁に燃料を供給するための配管の内部を通り、上流側のコモンレールに到達する。その後、波動はコモンレールにおいて反射され、再び燃料噴射弁に向かう。波動は、コモンレールと燃料噴射弁との間を複数回往復しながら、次第に減衰して行く。このような現象により、燃料の噴射が停止された後のしばらくの期間においては、コモンレールや燃料噴射弁の内部では燃料圧力の脈動が生じることとなる。
下記特許文献1には、コモンレールから燃料噴射弁に燃料を供給するための配管(デリバリパイプ)の途中に、管内弁を設けた構成の燃料供給装置が記載されている。このような構成においては、燃料噴射弁からの波動が管内弁によって遮られ、コモンレールに到達することがない。コモンレール内の燃料の圧力が、上記波動の影響によって変動しないので、他の気筒における燃料の噴射量の変動を防止することが可能となっている。
特開2007−309180号公報
上記特許文献1に記載の燃料供給装置では、燃料噴射弁で生じた波動は管内弁に到達した後、管内弁で反射されて再び燃料噴射弁に戻ることとなる。このため、燃料噴射弁から管内弁までの範囲では、波動が往復することによって燃料圧力の脈動が生じてしまう。例えば、1サイクルにおいて燃料を複数回噴射する場合には、1回目の噴射後に生じた脈動が十分に減衰するよりも前の時点で、2回目の噴射が行われてしまうことがある。この場合、脈動の影響により、2回目の噴射における燃料の噴射量が変動し、目標の噴射量からずれてしまう可能性がある。
また、コモンレールから燃料噴射弁に燃料を供給するための配管においては、その流路断面積は比較的小さくなっている。このため、当該配管の内部に管内弁を配置すると、それによって流路抵抗が増加し、噴射時における燃料の流量が大きく低下してしまうことも懸念される。
本開示は、燃料の噴射量の変動を抑制することのできる燃料噴射弁、を提供することを目的とする。
本開示に係る燃料噴射弁(10)は、燃料を噴射するための噴孔(111)が形成されたハウジング(100)と、ハウジングの内部において移動することにより、噴孔の開閉を切り換えるニードル(300)と、を備える。ハウジングの内部には、燃料が通る流路であって、ニードルの周囲を環状に囲んでいる環状流路(SP1)が形成されている。環状流路には弁体(600,351,352)が設けられている。弁体は、噴孔からの燃料の噴射が行われる開弁時には、環状流路における燃料の流れを許容する第1状態となり、噴孔からの燃料の噴射が停止される閉弁時には、環状流路における燃料の流れを抑制することで、噴孔側で生じた水撃作用による波動を噴孔側に反射する第2状態となるように構成されている。
このような構成の燃料噴射弁では、ハウジングの内部の環状流路に弁体が配置されている。燃料噴射弁の閉弁時には、弁体は、環状流路における燃料の流れを抑制することで、噴孔側で生じた水撃作用による波動を噴孔側に反射する第2状態となる。このため、燃料の噴射後に生じた波動は、弁体と噴孔との間を往復しながら次第に減衰して行く。
上記構成の燃料噴射弁では、弁体が燃料噴射弁の内側に設けられているので、波動が上記のように往復する区間は比較的短くなっている。このため、波動が生じてから十分に減衰するまでの期間は、上記特許文献1に記載された従来の構成に比べると十分に短くなる。上記構成の燃料噴射弁によれば、1回目の噴射後に生じた燃料圧力の脈動を、2回目の噴射が行われるよりも前に十分に減衰させておくことができるので、燃料の噴射量の変動を抑制することが可能となる。
また、環状流路は、コモンレールから噴孔に至るまでの燃料の流路全体のうち、流路断面積が比較的大きな部分となっている。従って、環状流路に弁体を配置しても、第1状態において環状流路を通過する燃料の流量が、弁体の存在により大きく低下してしまうことがない。また、弁体を配置するために燃料噴射弁の体格を大きくする必要もない。
本開示によれば、燃料の噴射量の変動を抑制することのできる燃料噴射弁が提供される。
図1は、第1実施形態に係る燃料噴射弁の構成を示す図である。 図2は、図1のII−II断面を示す図である。 図3は、図1の燃料噴射弁の一部を拡大して示す図である。 図4は、弁体の機能を説明するための図である。 図5は、弁体の機能を説明するための図である。 図6は、燃料圧力の脈動を示す図である。 図7は、2回に分けて燃料を噴射する場合におけるインターバルと、合計噴射量との関係を示す図である。 図8は、弁体及びその近傍の構成を模式的に示す図である。 図9は、燃料噴射弁の形状と、脈動の振幅との関係について説明するための図である。 図10は、第2実施形態に係る燃料噴射弁の構成を示す図である。 図11は、第3実施形態に係る燃料噴射弁の構成を示す図である。 図12は、第4実施形態に係る燃料噴射弁の構成を示す図である。 図13は、弁体の機能を説明するための図である。 図14は、弁体の機能を説明するための図である。 図15は、弁体及びその近傍の構成を模式的に示す図である。 図16は、噴孔及びその近傍の構成を模式的に示す図である。 図17は、燃料噴射弁の形状と、内部を通る燃料の流量との関係について説明するための図である。 図18は、第5実施形態に係る燃料噴射弁の構成を示す図である。 図19は、第6実施形態に係る燃料噴射弁の構成を示す図である。 図20は、従来の燃料噴射弁で生じていた燃料圧力の脈動について説明するための図である。
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
第1実施形態について説明する。本実施形態に係る燃料噴射弁10は、車両の内燃機関(不図示)に燃料を噴射し供給するための開閉弁である。燃料噴射弁10の構成について説明するに先立ち、その周囲の構成について図1を参照しながら説明する。
燃料噴射弁10が搭載される車両には、燃料タンク50と、燃料ポンプ40と、コモンレール30と、制御装置20と、が設けられている。
燃料タンク50は、燃料を貯えておくための容器である。コモンレール30は、車両の各気筒(不図示)に設けられたそれぞれの燃料噴射弁10に対し、高圧の燃料を分配供給するための容器である。
燃料ポンプ40は、燃料タンク50からコモンレール30に向けて燃料を送り出し、コモンレール30の内側における燃料の圧力を高圧に保つためのポンプである。燃料タンク50とコモンレール60との間は配管61によって接続されており、燃料ポンプ40はこの配管61の途中となる位置に設けられている。
図1の例においては、車両には4つの気筒が設けられており、4つの気筒のそれぞれに燃料噴射弁10が設けられている。4つの燃料噴射弁10の構成は互いに同一である。このため、図1においては、そのうちの1つの燃料噴射弁10の内部構成のみが詳細に描かれており、他の燃料噴射弁10の内部構成については図示が省略されている。
コモンレール30と、4つの燃料噴射弁10との間は、それぞれ配管62によって接続されている。配管62は、高圧の燃料をコモンレール30から燃料噴射弁10へと供給するための配管である。
燃料噴射弁10と燃料タンク50との間は、配管63によって接続されている。配管63は、配管62を通じて燃料噴射弁10に供給された燃料の一部を、燃料タンク50に戻すための配管である。
制御装置20は、それぞれの燃料噴射弁10の開閉動作を制御し、燃料の噴射量を調整するための装置(ECU)である。制御装置20は、CPU、ROM、RAM等を有するコンピュータシステムとして構成されている。制御装置20は、車両に設けられた複数のセンサ(例えばアクセル開度センサ等)からの信号に基づいて、燃料の噴射のタイミングや、噴射量の目標値である目標噴射量を設定する。制御装置20は、実際の噴射量が目標噴射量に一致するように、燃料噴射弁10の開閉動作を制御する。
引き続き図1を参照しながら、燃料噴射弁10の構成について説明する。燃料噴射弁10は、ハウジング100と、制御弁機構200と、ニードル300と、を備えている。
ハウジング100は、燃料噴射弁10の概ね全体の外形をなす筒状の容器である。後述の制御弁機構200やニードル300は、ハウジング100の内部に収容されている。ハウジング100は、第1部材110と、第2部材120と、第3部材130と、第4部材140と、を有しており、これらの部材を組み合わせることによって構成されている。
第1部材110は、ハウジング100のうち、図1において最も下方側となる位置に配置された筒状の部材である。第1部材110の下方側の端部近傍には、燃料を噴射するための噴孔111が複数形成されている。噴孔111は、噴射される燃料の出口として形成された貫通孔であって、第1部材110の内外を連通させるように形成されている。
第1部材110の内部には、その長手方向に沿って伸びるように空間が形成されている。後述のニードル300は当該空間に収容されている。当該空間のうち、ニードル300が占めている部分を除く環状の部分、すなわち、ニードル300の周囲を環状に囲んでいる空間は、噴孔111に向かって燃料が通過する流路となっている。当該流路のことを、以下では「環状流路SP1」とも称する。
第2部材120は、ハウジング100のうち、図1において第1部材110の上方側となる位置に配置された部材である。第2部材120の下端は第1部材110の上端に当接している。
第2部材120には、これを上下に貫くように3つの流路121、122、123が形成されている。流路121は、第3部材130に形成された後述の流路131と、環状流路SP1との間を繋いでいる。流路122は、上記の流路131と、ニードル300の上部に形成された空間である制御室401(後述)との間を繋いでいる。流路123は、上記の制御室401と、第2部材120のうち制御弁機構200側の端面との間を繋いでいる。それぞれの流路の役割については後に説明する。
第3部材130は、ハウジング100のうち、図1において第2部材120の上方側となる位置に配置された筒状の部材である。第3部材130の下端は第2部材120の上端に当接している。筒状に形成された第3部材130の内側には、後述の制御弁機構200が収容されている。
筒状となっている第3部材130の壁の一部(図1においては右側の部分)には、これを上下に貫くように流路131が形成されている。流路131の上端には、コモンレール30から伸びる配管62が接続されている。流路131の下端は、先に述べた流路121及び流路122のそれぞれの上端に繋がっている。
第4部材140は、第1部材110の一部、第2部材120の全部、及び第3部材の一部を、外側から囲むように設けられた筒状の部材である。第4部材140の内周面のうち第3部材130と対向する部分には、雌螺子145が形成されている。また、第3部材130の外周面のうち第4部材140と対向する部分には、雄螺子135が形成されている。雌螺子145と雄螺子135とは互いに螺合している。第4部材140をその中心軸周りに回転させると、雌螺子145と雄螺子135との螺合部分が締め付けられる。その結果、第1部材110、第2部材120、及び第3部材130は、図1の上下方向に沿って互いに押し付け合うような力を受けている。この力によって、第4部材140を含むハウジング100の全体が一体に維持されている。
制御弁機構200は、制御弁220を上下に動作させることによってニードル300を動作させ、噴孔111の開閉を切り換えるための機構である。制御弁機構200は、ソレノイド210と、スプリング230と、制御弁220と、を有している。
ソレノイド210は、電流の供給を受けることにより電磁力を発生させ、当該電磁力によって制御弁220を動作させるためのアクチュエータである。ソレノイド210への通電は制御装置20によって制御される。ソレノイド210に電流が流れているときには、上記の電磁力によって、制御弁220は上方側(流路123とは反対側)に移動する。ソレノイド210に電流が流れていないときには、スプリング230からの力によって制御弁220は下方側(流路123側)に移動する。
スプリング230は、所謂コイルばねであって、制御弁220を噴孔111側に向かって付勢するように設けられている。
制御弁220は、上記のようにソレノイド210やスプリング230からの力によって上下に移動する部材である。制御弁220のうち第2部材120側の端部には、シール部材240が設けられている。シール部材240としては、例えば高硬度かつ耐摩耗性の高いセラミック材が用いられる。
第2部材120のうち制御弁機構200側の端面には、流路123の端部である開口が形成されている。当該開口が形成されている位置は、シール部材240の直下となる位置である。
ソレノイド210に電流が流れていないときには、上記のように制御弁220は下方側に移動しており、流路123の上端部はシール部材240によって塞がれた状態となっている。一方、ソレノイド210に電流が流れているときには、上記のように制御弁220は上方側に移動しており、流路123の上端部は開放された状態となっている。このように、制御弁220は、流路123の上端部の開閉を切り換えるための部材となっている。流路123の上端部の開閉が切り換えられると、それに伴ってニードル300が移動するのであるが、その理由については後に説明する。
ニードル300は、ハウジング100の内部において図1の上下方向に移動することにより、噴孔111の開閉を切り換えるための部材である。ニードル300は、図1の上下方向に沿って伸びる棒状の部材として形成されている。第1部材110の内面のうち噴孔111の僅かに上方側となる位置には、上面視においてそれぞれの噴孔111を囲むように、円形のシート部112が形成されている。シート部112は、第1部材110のうち各噴孔111の周囲を囲む部分であって、ニードル300が下方側に移動した際(つまり閉弁時)において当接する部分である。
ニードル300のうち、上記のようにシート部112に当接する部分には、環状のシール部310が形成されている。図1のように、ニードル300がその可動範囲における下端まで移動しているときには、シール部310がシート部112に当接する。これにより、環状流路SP1と噴孔111との間における燃料の流れが遮断されるので、噴孔111からの燃料の噴射は行われない。
一方、図1の状態からニードル300が上方側に移動すると、シール部310がシート部112から離れた状態となる。これにより、環状流路SP1に存在する高圧の燃料は、シート部112を通過して噴孔111から外部へと噴射される。
図2には、図1のII−II断面が模式的に示されている。同図に示されるように、ニードル300のうちII−II断面及びその近傍においては、ニードル300の直径と第1部材110の内径とが概ね等しくなっている。ただし、当該部分においてはニードル300の外周面の一部が平坦となるようにカットされており、3つのカット面301が形成されている。第1部材110の内周面とカット面301との間には空間が形成されており、当該空間が、燃料の通る流路となっている。尚、当該流路は、ニードル300の周囲を「環状」には囲んでいないのであるが、以下では環状流路SP1の一部をなすものとして説明する。
ニードル300のうち、カット面301が形成されている部分よりも僅かに上方側(第2部材120側)となる位置には、他の部分よりも径の大きな拡径部350が形成されている。拡径部350は、後述のシム部材510やノズルスプリング500を下方から支持する部分となっている。
第1部材110の内側に形成された空間のうち、第2部材120の近傍となる位置には、ノズルシリンダ400が設けられている。ノズルシリンダは概ね円筒形状の部材であって、第2部材120に対して固定されている。
ノズルシリンダ400の外周面と、第1部材110の内周面との間には空間が形成されている。第2部材の流路121の下端は当該空間に繋がっている。
ノズルシリンダ400の内側には、ニードル300の上端部分が下方から挿通されている。ノズルシリンダ400の内径は、ニードル300のうちノズルシリンダ400に挿通されている部分の外径と概ね等しくなっている。ノズルシリンダ400によって、ニードル300は上下に移動可能な状態で支持されている。
ノズルシリンダ400の内側のうち、ニードル300の上端面と、第2部材120の下端面との間には空間が形成されている。当該空間のことを、以下では「制御室401」とも称する。制御室401は、先に述べた流路122及び流路123のそれぞれの下端に繋がっている。
ノズルシリンダ400と、ニードル300の拡径部350との間には、ノズルスプリング500が配置されている。ノズルスプリング500は、自然長よりも短く圧縮された状態となっている。このため、ニードル300の拡径部350は、ノズルスプリング500によって噴孔111側へと付勢されている。
ノズルスプリング500と拡径部350との間にはシム部材510が配置されている。シム部材510は、一定の厚さを有する円環状の部材である。ノズルスプリング500と拡径部350との間にシム部材510を介在させることにより、ニードル300に対するノズルスプリング500の付勢力が調整されている。当該調整が不要の場合には、シム部材510が設けられていなくてもよい。
環状流路SP1のうち、ノズルスプリング500とノズルシリンダ400との間となる位置には、弁体600が配置されている。弁体600は、ニードル300の外周側を囲む円環状の部材である。弁体600の外径は、第1部材110の内径よりも僅かに小さい。また、弁体600の内径は、ニードル300の外径よりも大きい。弁体600の内周面と、ニードル300の外周面との間に形成された空間610は、燃料が通過する流路の一部となっている。図1の状態においては、弁体600の上端はノズルシリンダ400の下端に当接しており、弁体600の下端はノズルスプリング500の上端に当接している。
弁体600は、ノズルスプリング500によってノズルシリンダ400側へと付勢されており、通常はノズルシリンダ400の下端に対して押し付けられ当接した状態となっている。ただし、弁体600の上方側における燃料の圧力が、弁体600の下方側における燃料の圧力よりも高くなると、弁体600は燃料の圧力差によって下方側に移動し、ノズルシリンダ400から離間した状態となる。弁体600の具体的な動作や機能については後に説明する。
上記のように、ノズルシリンダ400は、閉弁時においては弁体600が押し付けられて当接する部材となっている。このようなノズルシリンダ400は、本実施形態における「被当接部材」に該当する。
燃料噴射弁10の開閉動作の概要について説明する。先に述べたように、コモンレール30には燃料ポンプにより燃料が送り込まれているので、コモンレール30の内側における燃料の圧力は高くなっている。また、燃料噴射弁10には、配管62を介してコモンレール30からの高圧の燃料が供給されている。このため、図1のように燃料噴射弁10の噴孔111が閉じられているときにおいても、燃料噴射弁10の流路131や流路121、及びこれに繋がる環状流路SP1における燃料の圧力は高くなっている。環状流路SP1における燃料の圧力は、ニードル300に対し、噴孔111から遠ざかる方向(つまり開弁方向)の力を加えている。
また、流路131と制御室401との間は流路122を通じて繋がっており、制御室401から伸びる流路123は、制御弁220のシール部材240によって塞がれている。このため、制御室401における燃料の圧力も、上記と同様に高くなっている。制御室401における燃料の圧力は、ニードル300に対し、噴孔111に近づく方向(つまり閉弁方向)の力を加えている。
図1の状態においては、ニードル300は、制御室401の圧力によって加えられる閉弁方向の力と、ノズルスプリング500からの付勢力によってシート部112に押し付けられており、これにより燃料噴射弁10の閉弁状態が維持されている。
制御装置20によって制御弁機構200が駆動され、制御弁220が上方側に移動すると、流路123の端部の開口からシール部材240が離れて、当該開口が開放された状態となる。流路122を通って制御室401に供給された燃料は、流路123を通って制御室401から流出した後、不図示の流路及び配管63を通って燃料タンク50に戻される。これにより、制御室401における燃料の圧力は、環状流路SP1における燃料の圧力よりも小さくなる。ニードル300には、燃料の圧力差によって、噴孔111から遠ざかる方向の力が加えられる。ニードル300は、当該力によって開弁方向に移動する。その結果、シール部310がシート部112から離れて、噴孔111からの燃料の噴射が開始される。
その後、ソレノイド210への電流の供給が停止されると、スプリング230からの力によって制御弁220は下方側に移動し、流路123の端部の開口がシール部材240によって塞がれた状態となる。制御室401における燃料の圧力は上昇し、環状流路SP1における燃料の圧力と等しくなる。ニードル300は、ノズルスプリング500からの付勢力によって下方側に移動し、そのシール部310がシート部112に押し付けられる。その結果、噴孔111からの燃料の噴射が停止される。
ところで、噴孔111からの燃料の噴射が停止された直後においては、所謂「水撃作用」によって、燃料の圧力波動が生じることがある。当該波動は、燃料噴射弁10の内部のうち噴孔111側(具体的にはシール部310の位置)で生じた後、環状流路SP1を上流側(第2部材120側)へと移動して行くこととなる。
図20を参照しながら、水撃作用の例について説明する。図20(A)に示されるのは、制御装置20から制御弁機構200に送信される噴射指令の例である。図20(A)の例では、時刻t10において噴射指令がONとされ、ソレノイド210への電流の供給が開始されている。また、その後の時刻t20において噴射指令がOFFとされ、ソレノイド210への電流の供給が停止されている。
図20(B)に示されるのは、燃料噴射弁10における噴射率の時間変化の例である。「噴射率」とは、噴孔111から単位時間あたりに噴射される燃料の体積のことである。図20(B)の例では、時刻t10よりも僅かに後の時刻t15において噴孔111が開かれて、燃料の噴射が開始されている。また、時刻t20よりも僅かに後の時刻t25において、燃料の噴射が停止されている。
図20(C)に示されるのは、比較例に係る燃料噴射弁10の、環状流路SP1における燃料の圧力の時間変化の例である。この比較例では、従来の燃料噴射弁と同様に、環状流路SP1に弁体600が設けられていない構成となっている。
図20(C)に示されるように、時刻t15においては、燃料の噴射に伴って燃料の圧力が急激に減少している。また、時刻t25においては、上記の水撃作用に伴って燃料の圧力が急激に上昇している。このような燃料の圧力の上昇は、上記の波動が通過したことによるもの、ということができる。
弁体600が設けられていない構成においては、噴孔111の近傍で生じた圧力の波動は、環状流路SP1、流路121、流路131、及び配管62を通り、上流側のコモンレール30に到達する。その後、波動はコモンレール30において反射され、再び燃料噴射弁10に向かう。波動は、コモンレール30と燃料噴射弁10との間を複数回往復しながら、次第に減衰して行く。このため、環状流路SP1における燃料の圧力は、図20(C)に示されるように、時刻t25以降において脈動することとなる。
例えば、1サイクルにおいて燃料噴射弁10が燃料を複数回噴射するような場合には、1回目の噴射後に生じた脈動が十分に減衰するよりも前の時点で、2回目の噴射が行われてしまう可能性がある。この場合、脈動の影響により、2回目の噴射における燃料の噴射量が変動し、目標の噴射量からずれてしまう可能性がある。このため、燃料の噴射停止後における圧力の脈動は、可能な限り低減することが好ましい。
そこで、本実施形態に係る燃料噴射弁10では、環状流路SP1に弁体600を配置することで上記の波動を短期間のうちに減衰させ、燃料の圧力の脈動を従来よりも低減することとしている。
弁体600の機能について、図3乃至図5を参照しながら説明する。それぞれの図には、燃料噴射弁10のうち弁体600及びその近傍の構成が拡大して示されている。
図3には、図1と同様に、燃料の噴射が停止されているときの燃料噴射弁10の状態が示されている。当該状態においては、弁体600が、ノズルスプリング500からの力によってノズルシリンダ400に押し付けられている。このとき、弁体600の内側の空間610は、上方側からノズルシリンダ400によって塞がれている。このため、空間610を上下に通過するような燃料の流れは抑制されている。また、弁体600の外周面と、第1部材110の内周面との間には隙間が形成されているのであるが、当該隙間は十分に小さい。このため、当該隙間を上下に通過するような燃料の流れも抑制されている。このように、図3に示される閉弁状態においては、環状流路SP1における燃料の流れが弁体600によって抑制された状態となっている。
尚、ここでいう「抑制された状態」とは、上記の隙間を通る燃料の流れが完全に遮断された状態を意味するのではなく、(噴射時の流量よりも小さな)僅かな流れについては許容された状態を意味する。
図4には、燃料の噴射が行われているときの燃料噴射弁10の状態が示されている。当該状態においては、ニードル300が上方側に移動しており、開かれた噴孔111から燃料が噴射されている。環状流路SP1のうち弁体600よりも下方側の部分では、上方側の部分に比べて燃料の圧力が低下する。弁体600は、上方側の燃料の圧力によって下方側に移動する。
このとき、弁体600はノズルシリンダ400から離れた状態となる。流路121からノズルシリンダ400の外周側に流入した燃料は、弁体600の内側の空間610を通って、弁体600よりも下方側の部分へと流入する。その後、噴孔111から外部へと噴射される。弁体600は、下方側に向かって流れる燃料の動圧を受けることにより、ノズルシリンダ400から離れている状態が維持される。
このように、噴孔111からの燃料の噴射が行われる開弁時には、弁体600は、環状流路SP1における燃料の流れを許容する状態となっている。このような弁体600の状態のことを、以下では「第1状態」とも称する。
図5には、燃料の噴射が停止された直後の燃料噴射弁10の状態が示されている。当該状態においては、弁体600は、ノズルスプリング500からの力によってノズルシリンダ400に再び押し付けられている。つまり、図4に示される状態に戻っている。
燃料噴射弁10における燃料の噴射が停止されると、先に述べたようにシール部310では圧力の波動が生じ、当該波動が上流側に向かって移動して行く。しかしながら、波動が弁体600の位置に到達する際には、弁体600は既にノズルシリンダ400に当接した状態となっている。つまり、波動が弁体600を通過して更に上流側(第2部材120側)に移動するような経路は、弁体600によって概ね閉じられた状態となっている。このため、弁体600に到達した波動は、弁体600によって噴孔111側に反射され、噴孔111に向かって移動することとなる。図5では、このように波動が反射される方向が矢印によって示されている。
噴孔111に向かう波動は、シール部310において反射され、再び弁体600側に向かう。波動は、噴孔111と弁体600との間を反射によって複数回往復する。反射される度に波動は減衰するので、燃料の圧力脈動の振幅は小さくなって行く。
噴孔111と弁体600との間の距離は、噴孔111とコモンレール30との間の距離に比べると短い。従って、単位時間あたりに波動が反射される回数は、弁体600が配置されていない従来の構成に比べると多くなっている。このため、本実施形態では、噴孔111が閉じられた時点から、波動が十分に減衰するまでの時間が短くなっている。1回目の噴射で生じた圧力の脈動の影響を、2回目の噴射が行われるまでの間に十分に減衰させておくことができるので、2回目以降においても噴射量の変動を抑制することが可能となっている。
このように、噴孔111からの燃料の噴射が停止される閉弁時には、弁体600は、図3や図5に示されるように、環状流路SP1における燃料の流れを抑制する状態となっている。また、弁体600はこのように燃料の流れを抑制することで、シール部310で生じた水撃作用による波動を、噴孔111側に反射する状態となっている。このような弁体600の状態のことを、以下では「第2状態」とも称する。
図6の線L1に示されるのは、図20(C)に示されたものと同様のグラフであって、弁体600が配置されていない場合における環状流路SP1の圧力脈動の例である。図6の線L2に示されるのは、本実施形態における環状流路SP1の圧力脈動の例である。燃料の噴射が停止された時刻t25における圧力脈動の振幅を比較すると、本実施形態(線L2)における振幅の方が、比較例(線L1)における振幅に比べて明らかに小さくなっている。また、時刻t25の後、圧力脈動の振幅が十分に減衰するまでに要する時間は、本実施形態の方が比較例に比べて短くなっている。
図7には、1サイクルにおいて燃料噴射弁10が燃料を2回噴射する場合における、噴射指令のインターバル、即ち噴射の時間間隔(横軸)と、燃料噴射弁10から2回に分けて噴射される噴射量の合計値(縦軸)との関係が示されている。線L11に示されるのが、弁体600が配置されていない従来の構成の場合であり、線L21に示されるのが本実施形態に係る構成の場合である。同図に示されるQは、噴射量の合計値についての目標値である。
線L11に示されるように、弁体600が配置されていない構成の場合には、噴射の時間間隔が短くなる程、噴射量の合計値は目標値Qから外れる傾向がある。これは、1回目の噴射で生じた圧力の脈動が、2回目の噴射に影響しやすくなるためであると考えられる。
これに対して、本実施形態の構成の場合(線L21)では、噴射の時間間隔が短くなっても、噴射量の合計値は概ね目標値Qに近い値となっている。これは、1回目の噴射で生じた圧力の脈動の振幅が小さくなり、且つ、脈動の振幅が十分に減衰するまでに要する時間が短くなる結果、2回目の噴射に影響しにくくなるためであると考えられる。
以上に説明したように、本実施形態に係る燃料噴射弁10では、ニードル300の周囲を環状に囲んでいる環状流路SP1に弁体600が設けられている。弁体600は、噴孔111からの燃料の噴射が行われる開弁時には、環状流路SP1における燃料の流れを許容する第1状態となり、噴孔111からの燃料の噴射が停止される閉弁時には、環状流路SP1における燃料の流れを抑制することで、噴孔111側(シール部310)で生じた水撃作用による波動を噴孔111側に反射する第2状態となるように構成されている。燃料噴射弁10では、このような構成により、水撃作用により生じた圧力の波動を減衰させることで、燃料の噴射量の変動を抑制することが可能となっている。
弁体600が配置されている環状流路IS1は、コモンレール30から噴孔111に至るまでの燃料の流路全体のうち、流路断面積が比較的大きな部分となっている。従って、環状流路IS1に弁体600を配置しても、第1状態において環状流路IS1を通過する燃料の流量が、弁体600の存在により大きく低下してしまうことがない。また、弁体600を配置するために燃料噴射弁10の体格を大きくする必要もない。
本実施形態の弁体600は、ニードル300とは別体の部材として設けられている。また、燃料噴射弁10は、弁体600を、噴孔111とは反対の方向、すなわち、図3や図5の第2状態となる方向に付勢するノズルスプリング500を備えている。ノズルスプリング500は、本実施形態における「付勢部材」に該当する。このような構成により、上記の第1状態と第2状態とを容易に切り替えて、水撃作用により生じた波動を減衰させることが可能となる。
付勢部材であるノズルスプリング500は、弁体600を第2状態となる方向(ノズルシリンダ400側の方向)に付勢していることに加えて、ニードル300を噴孔111側の方向に付勢している。このような構成では、弁体600を付勢するためのスプリングと、ニードル300を付勢するためのスプリングと、を一つの部品で共用することにより、部品点数を低減することができる。
図3の閉状態となっているとき、即ち弁体600が第2状態となっているときにおいて、弁体600のうち噴孔111側に向かう方向に燃料からの圧力を受けている面のことを、以下では「受圧面601」とも称する。受圧面601は、弁体600の上方側の端面のうち、図3の状態において高圧の燃料に触れている部分、ということもできる。
図3に示すように、被当接部材であるノズルシリンダ400のうち弁体600側の端面には、上方側に向かって後退するように切り欠き410が形成されている。これにより、弁体600の受圧面601は、切り欠き410が形成されていない場合に比べて拡大されている。その結果、弁体600には、噴孔111側に向かう方向に大きな力が加えられているので、噴孔111からの燃料の噴射が開始された際に、図4の第1状態にスムーズに移行することができる。
尚、図3の状態においては、弁体600のうち受圧面601とは反対側の面である面602には、噴孔111とは反対側に向かう方向に燃料からの圧力が加えられている。ここでいう「面602」とは、弁体600の下方側の端面のうち、ノズルスプリング500が当接している部分を除いた部分のことである。
切り欠き410によって拡大された受圧面601の面積は、上記の面602の面積と概ね同等かそれ以上とすることが好ましい。このような構成により、弁体600をよりスムーズに動作させることが可能となる。
噴孔111からの燃料の噴射が停止し、弁体600が図5の第2状態となった直後の時点では、弁体600よりも下流側(噴孔側)における燃料の圧力は、上流側(第2部材120側)における燃料の圧力よりも小さくなっている。このように下流側における燃料の圧力が小さくなった状態のまま、次回の燃料噴射が行われてしまうと、燃料の噴射量が目標噴射量よりも小さくなってしまう可能性がある。
そこで、本実施形態における燃料噴射弁10では、弁体600の外径を、第1部材110の内径よりも僅かに小さくしている。これにより、弁体600と第1部材110との間には、図8に示される隙間GPが、小さな流量で燃料を通過させるための隙間として形成されている。
このため、弁体600が図5の第2状態となった後は、上記の圧力差に起因して、燃料が隙間GPを通って下方側から上方側へと移動する。最終的には、上記の圧力差は解消されるので、弁体600よりも下流側(噴孔側)における燃料の圧力は、上流側(第2部材120側)における燃料の圧力に概ね等しくなる。その結果、次回の燃料噴射においても、燃料の噴射量を目標噴射量に一致させることができる。
ところで、隙間GPを大きくし過ぎてしまった場合には、弁体600が圧力の波動を十分に反射することができず、脈動の振幅を十分に減衰させることができなくなってしまう。隙間GPの適切な大きさについて、図8及び図9を参照しながら説明する。
図8には、第2状態となっているときの弁体600、及びその周囲にある第1部材110の構成が模式的に示されている。同図においては、弁体600と第1部材110との間に形成された隙間GPの大きさが「μ」として示されている。また、弁体600の外径が「D1」として示されている。更に、弁体600が第2状態となっているときの、ハウジング100のうち弁体600から噴孔111側の部分における容積が「V」として示されている。
尚、図8に示される点線DLは、弁体600のうち噴孔111側の端部の位置を示している。上記のVは、ハウジング100の内部空間のうち、点線DLから噴孔111側の部分の容積に該当する。
本発明者らが実験などによって確認したところによれば、以下の式1を満たすような範囲にμを設定すれば、脈動の振幅を十分に減衰させることができるという知見が得られている。
Figure 2020045791
式1の左辺における分母は、弁体600よりも下流側における環状流路SP1の、流路断面積の概算値を示すパラメータとなっている。また、式1の左辺における分子にμを掛けたものは、隙間GPによって形成された流路の流路断面積を示すパラメータとなっている。従って、式1の左辺は、隙間GPによって形成された流路の流路断面積と、それよりも下流側における環状流路SP1の流路断面積と、の比率を示すものとなっている。
図9には、様々な形状の燃料噴射弁10について、式1の左辺の値(横軸)と、振幅変化率(縦軸)と、の関係をプロットしたグラフが示されている。「振幅変化率」とは、燃料噴射弁10からの燃料の噴射が停止された直後に生じる圧力の脈動の振幅を、弁体600が設けられていない場合における圧力の振幅との比率、として示すものである。振幅変化率が0%のときには、弁体600を設けることで脈動が完全に減衰したということになる。振幅変化率が100%のときには、弁体600を設けても脈動が全く減衰しなかったということになる。
図9に示されるように、式1の左辺の値が0.02以上となっているときには、振幅変化率は100%に近い値となる。つまり、弁体600を設けたことによる効果が殆ど得られなくなる。一方、式1の左辺の値が0.02よりも小さくなると、燃料噴射弁10の具体的な形状によることなく、振幅変化率は100%よりも小さくなっていく。このため、弁体600を設けたことによる効果を得るためには、式1の左辺の値が0.02よりも小さいこと、すなわち、隙間GPの大きさであるμ等が式1で示される条件を満たすように、燃料噴射弁10が構成されていることが好ましい。
第2実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
本実施形態に係る燃料噴射弁10の構成について、図10を参照しながら説明する。図10には、燃料の噴射が停止されている時における燃料噴射弁10の構成が示されている。同図に示されるように、本実施形態では、弁体600がノズルスプリング500の上方側に配置されているのではなく、ノズルスプリング500の下方側に配置されている。具体的には、シム部材510と皿ばね520との間となる位置に弁体600が配置されている。
皿ばね520は、弁体600よりも噴孔111側となる位置に配置されている。皿ばね520は、ノズルスプリング500から受ける力によって弾性変形しており、弁体600を、噴孔111とは反対側(つまりシム部材510側)に向けて付勢している。皿ばね520の下端部は、第1部材110の内側に形成された段部によって下方側から支持されている。図10の状態においては、皿ばね520からの力によって、弁体600はシム部材510に対して当接し押し付けられている。これにより、環状流路SP1における燃料の通過が抑制されている。このときの弁体600の状態は、本実施形態における第2状態に該当する。第2状態において弁体600が押し付けられるシム部材510は、本実施形態における「被当接部材」に該当する。
噴孔111からの燃料の噴射が行われているときには、弁体600は図10の位置よりも下方側に移動して、シム部材510から離間した状態となる。このとき、環状流路SP1における燃料の流れは許容される。このときの弁体600の状態は、本実施形態における第1状態に該当する。
以上のように、皿ばね520は、弁体600を第2状態となる方向に付勢するものであり、本実施形態における「付勢部材」に該当する。本実施形態のように、ニードル300を噴孔111側の方向に付勢するノズルスプリング500とは別に、皿ばね520を付勢部材として設けた構成であっても、第1実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。
第3実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
本実施形態に係る燃料噴射弁10の構成について、図11を参照しながら説明する。図11には、燃料の噴射が停止されている時における燃料噴射弁10の構成が示されている。同図に示されるように、本実施形態では、ニードル300のカット面301よりも噴孔111側となる位置に、弁体600が配置されている。
ニードル300のうちカット面301よりも噴孔111側となる位置には、噴孔111側に行くほど径の小さくなるテーパー部302が形成されている。弁体600は、このテーパー部302に対して下方側(噴孔111側)から当接している。弁体600よりも更に下方側には、スプリング530が配置されている。スプリング530の上端部は弁体600の下端部に当接している。スプリング530の下端部は、第1部材110の内側に形成された段部によって下方側から支持されている。
図11の状態においては、スプリング530はその自然長よりも短くなっており、弁体600を上方側に付勢している。弁体600は、ニードル300のテーパー部302に対して下方側から押し付けられている。これにより、環状流路SP1における燃料の通過が抑制されている。このときの弁体600の状態は、本実施形態における第2状態に該当する。第2状態において弁体600が押し付けられるテーパー部302は、本実施形態における「被当接部材」に該当する。
噴孔111からの燃料の噴射が行われているときには、弁体600は図11の位置よりも下方側に移動して、テーパー部302から離間した状態となる。このとき、環状流路SP1における燃料の流れは許容される。このときの弁体600の状態は、本実施形態における第1状態に該当する。
以上のように、スプリング530は、弁体600を第2状態となる方向に付勢するものであり、本実施形態における「付勢部材」に該当する。本実施形態のように、ニードル300を噴孔111側の方向に付勢するノズルスプリング500とは別に、スプリング530を付勢部材として設けた構成であっても、第1実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。
第4実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
本実施形態に係る燃料噴射弁10の構成について、図12を参照しながら説明する。図12には、燃料の噴射が停止されている時における燃料噴射弁10の構成が示されている。本実施形態では、ニードル300とは別体の部材である弁体600が設けられていない。代わりに、ニードル300の一部、具体的には以下に説明するテーパー部351が、第1実施形態における弁体600と同様の「弁体」として機能するように構成されている。つまり、本実施形態では、弁体であるテーパー部351が、ニードル300と一体の部材として設けられている。
本実施形態では、ニードル300の拡径部350のうち、噴孔111側の面が、噴孔111側に行くほど径の小さくなるテーパー部351として形成されている。また、第1部材110の内面のうち、上記のテーパー部351と対向する部分も、噴孔111側に行くほど径の小さくなるテーパー部115として形成されている。ニードル300の長手方向に沿って見た場合においては、テーパー部351とテーパー部115とは全周に亘って互いに重なっている。
図12の状態においては、テーパー部351とテーパー部115とは互いに当接しておらず、両者の間には全周に亘って僅かな隙間(図15に示される隙間GP)が形成されている。当該隙間は比較的小さいので、図12に示される閉弁状態においては、環状流路SP1における燃料の流れがテーパー部351によって抑制された状態となっている。
尚、ここでいう「抑制された状態」とは、上記の隙間を通る燃料の流れが完全に遮断された状態を意味するのではなく、(噴射時の流量よりも小さな)僅かな流れについては許容された状態を意味する。
図13には、燃料の噴射が行われているときの燃料噴射弁10の状態が示されている。当該状態においては、ニードル300が上方側に移動したことに伴って、テーパー部351とテーパー部115との間の隙間が大きくなっている。燃料は、この隙間を通って噴孔111側に移動し、噴孔111から外部へと噴射される。
このように、噴孔111からの燃料の噴射が行われる開弁時には、ニードル300のテーパー部115は、環状流路SP1における燃料の流れを許容する状態となっている。このようなテーパー部115(つまり弁体)の状態は、本実施形態における「第1状態」に該当する。
図14には、燃料の噴射が停止された直後の燃料噴射弁10の状態が示されている。当該状態においては、ニードル300が下方側に移動したことに伴って、テーパー部351とテーパー部115との間の隙間が再び小さくなっている。つまり、図12に示される状態に戻っている。
燃料噴射弁10における燃料の噴射が停止されると、本実施形態でも、噴孔111側(シール部310の位置)では圧力の波動が生じ、当該波動が上流側に向かって移動して行く。しかしながら、波動がテーパー部351の位置に到達する際には、テーパー部351とテーパー部115との間の隙間は小さくなっている。つまり、波動がテーパー部351を通過して更に上流側(第2部材120側)に移動するような経路は、テーパー部351によって概ね閉じられた状態となっている。このため、テーパー部351に到達した波動は、テーパー部351によって噴孔111側に反射され、噴孔111に向かって移動することとなる。図14では、このように波動が反射される方向が矢印によって示されている。
このように、噴孔111からの燃料の噴射が停止される閉弁時には、テーパー部351は、図12や図14に示されるように、環状流路SP1における燃料の流れを抑制する状態となっている。また、テーパー部351はこのように燃料の流れを抑制することで、噴孔111側(シール部310の位置)で生じた水撃作用による波動を、噴孔111側に反射する状態となっている。このようなテーパー部351(つまり弁体)の状態は、本実施形態における「第2状態」に該当する。
このように、弁体をニードル300と一体の部材として設けた構成においても、第1実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。
第1実施形態においては、ニードル300が開弁側に移動して噴孔111が開かれた後、弁体600よりも噴孔111側における燃料の圧力が低下してから、弁体600が図4の第1状態に変化することとなる。つまり、噴孔111が閉じられるよりも僅かに後のタイミングで弁体600が第2状態に戻ることとなる。このため、環状流路SP1における燃料の圧力が一時的に低下してしまい、噴射量が目標噴射量からずれてしまう可能性がある。
これに対し、本実施形態では、ニードル300が開弁側に移動して噴孔111が開かれるタイミングと、弁体であるテーパー部351が第1状態に変化するタイミングとが、ほぼ同じタイミングとなる。このため、上記のような圧力の一時的な低下が生じることがないという利点も得られる。
図15には、第2状態となっているときのテーパー部351(弁体)、及びその周囲にある第1部材110の構成が模式的に示されている。本実施形態でも、弁体が第2状態となっているときには、テーパー部351とテーパー部115との間には、燃料を小さな流量で通過させるための隙間GPが形成されている。
本実施形態でも、隙間GPを大きくし過ぎてしまった場合には、弁体600が圧力の波動を十分に反射することができず、脈動の振幅を十分に減衰させることができなくなってしまう。このため、隙間GPを適切な大きさに設定する必要がある。
図15においては、テーパー部351とテーパー部115との間に形成された隙間GPの大きさが「μ」として示されている。また、隙間GPによって形成された流路のうち最も内周側の部分における内径が「D1」として示されている。更に、弁体600が第2状態となっているときの、ハウジング100のうちテーパー部351(弁体)から噴孔111側の部分における容積が「V」として示されている。
尚、図15に示される点線DLは、隙間GPによって形成された流路のうち噴孔111側の端部の位置を示している。上記のVは、ハウジング100の内部空間のうち、点線DLから噴孔111側の部分の容積に該当する。
本発明者らが実験などによって確認したところによれば、以下の式2で示される条件を満たすような範囲にμを設定すれば、脈動の振幅を十分に減衰させることができるという知見が得られている。
Figure 2020045791
式2の左辺における分母は、テーパー部351(弁体)よりも下流側における環状流路SP1の、流路断面積の概算値を示すパラメータとなっている。また、式2の左辺における分子にμを掛けたものは、隙間GPによって形成された流路の流路断面積を示すパラメータとなっている。従って、式2の左辺は、隙間GPによって形成された流路の流路断面積と、それよりも下流側における環状流路SP1の流路断面積と、の比率を示すものとなっている。
様々な形状の燃料噴射弁10について、式2の左辺の値と、振幅変化率と、の関係をプロットすると、図9と同様のグラフが描かれる。このため、テーパー部351を設けたことによる効果を得るためには、式2の左辺の値が0.02よりも小さいこと、すなわち、隙間GPの大きさであるμ等が式2で示される条件を満たすように、燃料噴射弁10が構成されていることが好ましい。
ところで、本実施形態のような構成において噴孔111から燃料が噴射される際には、燃料は、テーパー部351とテーパー部115との間に形成された流路(拡大された隙間GP)を通過した後、シート部112とシール部310との間に形成された流路を通過することとなる。このため、前者の流路における流路抵抗が比較的大きくなってしまった場合には、テーパー部351を設けたことによって二重絞りの状態となり、燃料噴射弁10の噴射性能が低下してしまう可能性がある。
このような事態を防止するための、燃料噴射弁10の適切な形状について、図16及び図17を参照しながら説明する。
図16には、第2状態となっているときのシール部310、及びその周囲にある第1部材110の構成が模式的に示されている。同図においては、シート部112の内径が「D2」として示されている。尚、図16の断面図においては、シール部310が当接する部分であるシート部112が円環状の「線」となるように描かれているのであるが、実際には、シール部310は所定の幅を有する円環状の「面」となる。上記における「シート部112の内径」とは、このように幅を有する円環状の面のうち、最も内側の径のことを指示している。
本発明者らが実験などによって確認したところによれば、以下の式3で示される条件を満たすような範囲にD1及びD2を設定すれば、テーパー部351を設けたことによる噴射性の低下を防止することができるという知見が得られている。
Figure 2020045791
図17には、様々な形状の燃料噴射弁10について、D1/D2の値(横軸)と、流量比(縦軸)と、の関係をプロットしたグラフが示されている。「流量比」とは、開弁時において噴孔111から噴射される燃料の流量を、テーパー部351が設けられていない場合における流量との比率、として示すものである。流量比が100%のときには、テーパー部351を設けても噴射時の流量は全く減少しなかったということになる。流量比が0%のときには、テーパー部351を設けたことで噴射時の流量が0になってしまったということになる。
図17に示されるように、D1/D2の値が3以上となっているときには、流量比は100%に近い値となる。つまり、テーパー部351を設けても、それによる噴射時の流量の減少はほとんど生じないということが示されている。一方、D1/D2の値が3よりも小さくなると、流量比は100%よりも小さくなる。つまり、テーパー部351を設けると、それに起因して噴射時の流量が減少してしまうことが示されている。
以上のようであるから、テーパー部351を設けたことによる流量の減少を防止するためには、D1/D2の値を3以上とすること、すなわち、式3で示される条件を満たすように、燃料噴射弁10が構成されていることが好ましい。
第5実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
本実施形態に係る燃料噴射弁10の構成について、図18を参照しながら説明する。図18には、燃料の噴射が停止されている時における燃料噴射弁10の構成が示されている。本実施形態では、ニードル300の長手方向に沿って見た場合において、テーパー部351とテーパー部115とは互いに重なっておらず、径方向に沿って互いに隣り合う位置に配置されている。このため、図18の状態においては、テーパー部351のうち下方側の端部と、テーパー部115のうち上方側の端部とが、僅かな隙間を介して互いに近接した状態となっている。このような態様でも、第1実施形態や第4実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。
第6実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
本実施形態に係る燃料噴射弁10の構成について、図19を参照しながら説明する。図19には、燃料の噴射が停止されている時における燃料噴射弁10の構成が示されている。本実施形態では、ニードル300の拡径部350のうち噴孔111側の面352が、テーパー状に形成されているのではなく、ニードル300の長手方向に対して垂直な平坦面として形成されている。また、第1部材110の内面のうち、上記の面352と対向する部分(以下では、当該部分のことを「面116」とも称する)も、ニードル300の長手方向に対して垂直な平坦面として形成されている。ニードル300の長手方向に沿って見た場合においては、面352と面116とは全周に亘って互いに重なっている。
図19の状態においては、面352と面116とは互いに当接しておらず、両者の間には全周に亘って僅かな隙間が形成されている。当該隙間は比較的小さいので、図19に示される閉弁状態においては、環状流路SP1における燃料の流れが面352によって抑制された状態となっている。この状態においては、閉弁時においてシール部310で生じた波動が面352に到達すると、当該波動は面352によって噴孔111側へと反射される。
尚、上記における「抑制された状態」とは、上記の隙間を通る燃料の流れが完全に遮断された状態を意味するのではなく、(噴射時の流量よりも小さな)僅かな流れについては許容された状態を意味する。
一方、ニードル300が上方側に移動する開弁時においては、面352と面116との間の隙間が大きくなる。燃料は、この隙間を通って噴孔111側に移動し、噴孔111から外部へと噴射される。つまり、面352は、環状流路SP1における燃料の流れを許容する状態となる。
以上のように、ニードル300に形成された面352は、第4実施形態(12)のテーパー部351と同様に、本実施形態における「弁体」として機能するものとなっている。このような態様でも、第1実施形態や第4実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
10:燃料噴射弁
100:ハウジング
111:噴孔
300:ニードル
SP1:環状流路
600,351,352:弁体

Claims (11)

  1. 燃料を噴射するための噴孔(111)が形成されたハウジング(100)と、
    前記ハウジングの内部において移動することにより、前記噴孔の開閉を切り換えるニードル(300)と、を備え、
    前記ハウジングの内部には、燃料が通る流路であって、前記ニードルの周囲を環状に囲んでいる環状流路(SP1)が形成されており、
    前記環状流路には弁体(600,351,352)が設けられており、
    前記弁体は、
    前記噴孔からの燃料の噴射が行われる開弁時には、前記環状流路における燃料の流れを許容する第1状態となり、
    前記噴孔からの燃料の噴射が停止される閉弁時には、前記環状流路における燃料の流れを抑制することで、前記噴孔側で生じた水撃作用による波動を前記噴孔側に反射する第2状態となるように構成されている燃料噴射弁。
  2. 前記弁体は、前記ニードルとは別体の部材として設けられている、請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記弁体を、前記第2状態となる方向に付勢する付勢部材(500,520,530,)を更に備える、請求項2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記付勢部材(500)は、前記弁体を前記第2状態となる方向に付勢していることに加えて、前記ニードルを前記噴孔側の方向に付勢している、請求項3に記載の燃料噴射弁。
  5. 前記閉弁時において、前記付勢部材によって付勢された前記弁体が押し付けられる被当接部材(400)を更に備え、
    前記弁体のうち、前記噴孔側に向かう方向に燃料からの圧力を受ける面、である受圧面を拡大するように、前記被当接部材には切り欠き(410)が形成されている、請求項3又は4に記載の燃料噴射弁。
  6. 前記弁体が前記第2状態となっているときにおいて、
    前記弁体と前記ハウジングとの間には燃料を通過させるための隙間が形成されている、請求項2乃至5のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。
  7. 前記隙間の大きさをμとし、前記弁体の外径をD1とし、前記弁体が前記第2状態となっているときの、前記ハウジングのうち前記弁体から前記噴孔側の部分における容積をVとしたときに、下記の式1で示される条件を満たすように構成されている、請求項6に記載の燃料噴射弁。
    Figure 2020045791
  8. 前記弁体は、前記ニードルと一体の部材として設けられている、請求項1に記載の燃料噴射弁。
  9. 前記弁体が前記第2状態となっているときにおいて、
    前記弁体と前記ハウジングとの間には燃料を通過させるための隙間が形成されている、請求項8に記載の燃料噴射弁。
  10. 前記隙間の大きさをμとし、前記隙間によって形成された流路のうち最も内周側の部分における内径をD1とし、前記弁体が前記第2状態となっているときの、前記ハウジングのうち前記弁体から前記噴孔側の部分における容積をVとしたときに、下記の式2で示される条件を満たすように構成されている、請求項9に記載の燃料噴射弁。
    Figure 2020045791
  11. 前記ハウジングのうち前記噴孔の周囲には、前記閉弁時において前記ニードルが当接する部分であるシート部(112)が設けられており、
    前記隙間によって形成された流路のうち最も内周側の部分における内径をD1とし、前記シート部の内径をD2としたときに、下記の式3で示される条件を満たすように構成されている、請求項9又は10に記載の燃料噴射弁。
    Figure 2020045791
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