JP2020045400A - 複合素材 - Google Patents

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JP2020045400A
JP2020045400A JP2018173448A JP2018173448A JP2020045400A JP 2020045400 A JP2020045400 A JP 2020045400A JP 2018173448 A JP2018173448 A JP 2018173448A JP 2018173448 A JP2018173448 A JP 2018173448A JP 2020045400 A JP2020045400 A JP 2020045400A
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佐保 野尻
Saho Nojiri
佐保 野尻
紘平 上田
Kohei Ueda
紘平 上田
博一 松井
Hiroichi Matsui
博一 松井
精二 小田
Seiji Oda
精二 小田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】冷感や暖かな効果の持続性に優れる複合素材を提供すること。【解決手段】示差走査熱量測定によって10℃以上60℃未満の温度範囲内に観測される融解エンタルピー(ΔH)が30J/g以上である重合体(1)を含む素材(X)と、上記重合体(1)以外の熱機能素材(Y)とを含む複合素材(Z)。前記素材(X)は、好ましくは、前記重合体(1)と、示差走査熱量測定によって観測される融解ピーク温度またはガラス転移温度が50℃以上180℃以下である重合体(但し、重合体(1)を除く)である重合体(2)とを含有し、前記重合体(1)と前記重合体(2)の合計量を100重量%として、前記重合体(1)の含有量が30重量%以上99重量%以下であり、前記重合体(2)の含有量が1重量%以上70重量%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、複合素材に関する。
昨今の快適志向の増大に伴い、様々な熱機能素材を用いた繊維製品が開発されている。
例えば、夏季用の肌着や敷きパッドとして、着用時や寝ころんだ際に「ひんやり」とした清涼感を与える接触冷感に優れた素材を用いたものが研究されている。
冬物衣料や登山などのスポーツ衣料には、水分を吸着する際に発生する熱を利用した吸湿発熱素材等が使用されている(特許文献1)。
特開2005−105476号公報
しかしながら、従来の接触冷感素材は触った瞬間は冷たいものの、冷感が持続するものではなかった。また、従来の吸湿発熱素材は吸湿した際に発熱があるものの、暖かな効果が持続するものではなかった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷感や暖かな効果の持続性に優れる複合素材を提供することにある。
本発明は以下を提供する。
1) 示差走査熱量測定によって10℃以上60℃未満の温度範囲内に観測される融解エンタルピー(ΔH)が30J/g以上である重合体(1)を含む素材(X)と、上記重合体(1)以外の熱機能素材(Y)とを含む複合素材(Z)。
2) 前記素材(X)が、前記重合体(1)と、示差走査熱量測定によって観測される融解ピーク温度またはガラス転移温度が50℃以上180℃以下である重合体(但し、重合体(1)を除く)である重合体(2)とを含有し、
前記重合体(1)と前記重合体(2)の合計量を100重量%として、前記重合体(1)の含有量が30重量%以上99重量%以下であり、前記重合体(2)の含有量が1重量%以上70重量%以下である1)に記載の複合素材(Z)。
3) 前記重合体(1)が、下記式(1)で示される構成単位(B)を有する重合体である1)または2)に記載の複合素材(Z)。
Figure 2020045400
(式(1)中、
Rは、水素原子またはメチル基を表し、
は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、または―O―を表し、
は、単結合、―CH―、―CH―CH―、―CH―CH―CH―、―CH―CH(OH)―CH―、または―CH―CH(CHOH)―を表し、
は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、―O―、―CO―NH―、―NH―CO―、―CO―NH―CO―、―NH―CO―NH―、―NH―、または―N(CH)―を表し、
は炭素数14以上30以下のアルキル基を表し、
、L、およびLの化学構造の説明における横書きの化学式の各々は、その左側が式(1)の上側、その右側が式(1)の下側に対応する。)
4) 前記重合体(1)が、エチレンに由来する構成単位(A)と、下記式(1)で示される構成単位(B)とを有し、さらに下記式(2)で示される構成単位および下記式(3)で示される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構成単位(C)とを有してもよく、
前記構成単位(A)と前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%として、前記構成単位(A)の数が70%以上99%以下であり、前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数が1%以上30%以下であり、
前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%として、前記構成単位(B)の数が1%以上100%以下であり、前記構成単位(C)の数が0%以上99%以下である重合体である請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合素材(Z)。
Figure 2020045400
(式(1)中、
Rは、水素原子またはメチル基を表し、
は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、または―O―を表し、
は、単結合、―CH―、―CH―CH―、―CH―CH―CH―、―CH―CH(OH)―CH―、または―CH―CH(CHOH)―を表し、
は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、―O―、―CO―NH―、―NH―CO―、―CO―NH―CO―、―NH―CO―NH―、―NH―、または―N(CH)―を表し、
は炭素数14以上30以下のアルキル基を表し、
、L、およびLの化学構造の説明における横書きの化学式の各々は、その左側が式(1)の上側、その右側が式(1)の下側に対応する。)
Figure 2020045400
(式(2)中、
Rは、水素原子またはメチル基を表し、
は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、または―O―を表し、
は、炭素数1以上8以下のアルキレン基を表し、
は、水素原子、エポキシ基、―CH(OH)―CHOH、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または炭素数1以上4以下のアルキルアミノ基を表し、
の化学構造の説明における横書きの化学式の各々は、その左側が式(2)の上側、その右側が式(2)の下側に対応する。)
Figure 2020045400
5) 前記重合体(1)の下記式(I)で定義される比Aが0.95以下である請求項1)〜4)のいずれか一項に記載の複合素材(Z)。
A=α/α (I)
[式(I)中、αは、
光散乱検出器と粘度検出器を備えた装置を用いるゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーにより重合体の絶対分子量と固有粘度を測定し、
絶対分子量の対数を横軸、固有粘度の対数を縦軸として、測定したデータをプロットし、絶対分子量の対数と固有粘度の対数を、横軸が前記重合体の重量平均分子量の対数以上z平均分子量の対数以下の範囲において式(I−I)で最小二乗法近似し、式(I−I)を表す直線の傾きの値をαとすることを含む方法により得られた値である。
log[η]=αlogM+logK (I−I)
(式(I−I)中、[η]は重合体の固有粘度(単位:dl/g)を表し、Mは重合体の絶対分子量を表し、Kは定数である。)
式(I)中、αは、
光散乱検出器と粘度検出器を備えた装置を用いるゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによりポリエチレン標準物質1475a(米国国立標準技術研究所製)の絶対分子量と固有粘度を測定し、
絶対分子量の対数を横軸、固有粘度の対数を縦軸として、測定したデータをプロットし、絶対分子量の対数と固有粘度の対数を、横軸が前記ポリエチレン標準物質1475aの重量平均分子量の対数以上z平均分子量の対数以下の範囲において式(I−II)で最小二乗法近似し、式(I−II)を表す直線の傾きの値をαとすることを含む方法により得られた値である。
log[η]=αlogM+logK (I−II)
(式(I−II)中、[η]はポリエチレン標準物質1475aの固有粘度(単位:dl/g)を表し、Mはポリエチレン標準物質1475aの絶対分子量を表し、Kは定数である。)
なお、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによる重合体およびポリエチレン標準物質1475aの絶対分子量と固有粘度の測定において、移動相はオルトジクロロベンゼンであり、測定温度は155℃である。]
6) 前記重合体(1)が、架橋されている重合体である1)〜5)のいずれか一項に記載の複合素材(Z)。
7) 前記重合体(1)が、該重合体(1)に含まれる全ての構成単位の合計数を100%として、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数が90%以上である重合体である1)〜6)のいずれか一項に記載の複合素材(Z)。
8)前記熱機能素材(Y)が接触冷感素材である1)〜7)のいずれか一項に記載の複合素材(Z)。
9) 前記熱機能素材(Y)が吸湿発熱素材、吸光発熱素材、および遠赤外線放射素材からなる群より選ばれる一種以上の素材である1)〜7)のいずれか一項に記載の複合素材(Z)。
10) 前記熱機能素材(Y)が保温素材である1)〜7)のいずれか一項に記載の複合素材(Z)。
11) 1)〜10)のいずれか一項に記載の複合素材(Z)を含む繊維。
12) 1)〜10)のいずれか一項に記載の複合素材(Z)を含む布帛。
13) 1)〜10)のいずれか一項に記載の複合素材(Z)を含む不織布。
本発明は、冷感や暖かな効果の持続性に優れる複合素材を提供する。
〔複合素材〕
本発明の一態様に係る複合素材(Z)は、示差走査熱量測定によって10℃以上60℃未満の温度範囲内に観測される融解エンタルピー(ΔH)が30J/g以上である重合体(1)を含む素材(X)と、上記重合体(1)以外の熱機能素材(Y)とを含む複合素材である。
<素材(X)>
素材(X)は、重合体(1)を含む。素材(X)は、重合体成分として重合体(1)のみを含むものであってもよく、重合体(1)以外の重合体を含んでもよい。
素材(X)中の重合体(1)の含有量は、素材(X)の全重量を100重量%として、好ましくは30重量%以上100重量%以下である。
<重合体(1)>
重合体(1)は、示差走査熱量測定によって10℃以上60℃未満の温度範囲内に観測される融解エンタルピー(ΔH)が30J/g以上である重合体である。10℃以上60℃未満の温度範囲内に観測されるΔHは、好ましくは50J/g以上であり、さらに好ましくは70J/g以上である。また、前記ΔHは、通常200J/g以下である。
本明細書において、融解エンタルピーとは、以下の示差走査熱量測定により測定される融解曲線の10℃以上60℃未満の温度範囲内の部分をJIS K7122−1987に準拠した方法により解析して得られる融解熱である。前記重合体(1)中の下記構成単位(B)の数と、下記構成単位(B)の下式(1)中のLの炭素数を調整することにより、前記ΔHを上記の範囲にすることができる。
[示差走査熱量測定方法]
示差走査熱量計により、窒素雰囲気下で、約5mgの試料を封入したアルミニウムパンを、(1)150℃で5分間保持し、次に(2)5℃/分の速度で150℃から−50℃まで降温し、次に(3)−50℃で5分間保持し、次に(4)5℃/分の速度で−50℃から150℃まで昇温する。過程(4)における熱量測定により得られた示差走査熱量測定曲線を融解曲線とする。
前記重合体(1)の融解ピーク温度は、好ましくは10℃以上60℃以下である。
本明細書において、重合体の融解ピーク温度とは、上記示差走査熱量測定により測定される融解曲線を、JIS K7121−1987に準拠した方法により解析して得られる融解ピークの頂点の温度であり、融解吸熱量が最大となる温度である。前記融解曲線にJIS K7121−1987により定義される融解ピークが複数ある場合には、融解吸熱量が最大の融解ピークの頂点の温度を融解ピーク温度とする。
前記重合体(1)中の下記構成単位(B)の数と、下記構成単位(B)の下式(1)中のLの炭素数を調整することにより、前記重合体(1)の融解ピーク温度を調整することができる。その結果、前記重合体(1)を含む樹脂組成物の蓄熱性能等を調整することができる。
前記重合体(1)の一つの態様として、炭素数14以上30以下のアルキル基を有する構成単位を含む重合体が挙げられる。
前記重合体(1)は、下記式(1)で示される構成単位(B)を有する重合体であることが好ましい。
Figure 2020045400
(式(1)中、
Rは水素原子またはメチル基を表し、
は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、または―O―を表し、
は、単結合、―CH―、―CH―CH―、―CH―CH―CH―、―CH―CH(OH)―CH―、または―CH―CH(CHOH)―を表し、
は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、―O―、―CO―NH―、―NH―CO―、―CO―NH―CO―、―NH―CO―NH―、―NH―、または―N(CH)―を表し、
は炭素数14以上30以下のアルキル基を表す。)
(なお、L、L、およびLの化学構造の説明における横書きの化学式の各々は、その左側が式(1)の上側、その右側が式(1)の下側に対応する。)
Rは、好ましくは、水素原子である。
は、好ましくは、―CO―O―、―O―CO―、または―O―であり、より好ましくは―CO―O―または―O―CO―であり、さらに好ましくは、―CO―O―である。
は、好ましくは、単結合、―CH―、―CH―CH―、または―CH―CH―CH―であり、より好ましくは、単結合である。
は、好ましくは、単結合、―O―CO―、―O―、―NH―、または―N(CH)―であり、より好ましくは、単結合である。
式(1)におけるLは、前記重合体(1)および前記重合体(1)を含む樹脂組成物の成形加工性が良好であるように、炭素数14以上30以下のアルキル基である。炭素数14以上30以下のアルキル基としては、炭素数14以上30以下の直鎖アルキル基、および炭素数14以上30以下の分岐アルキル基が挙げられる。Lは、好ましくは、炭素数14以上30以下の直鎖アルキル基であり、より好ましくは炭素数14以上24以下の直鎖アルキル基であり、さらに好ましくは炭素数16以上22以下の直鎖アルキル基である。
前記炭素数14以上30以下の直鎖アルキル基としては、例えばn−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘンエイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、n−ノナコシル基、およびn−トリアコンチル基が挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の分岐アルキル基としては、例えばイソテトラデシル基、イソペンタデシル基、イソヘキサデシル基、イソヘプタデシル基、イソオクタデシル基、イソノナデシル基、イソエイコシル基、イソヘンエイコシル基、イソドコシル基、イソトリコシル基、イソテトラコシル基、イソペンタコシル基、イソヘキサコシル基、イソヘプタコシル基、イソオクタコシル基、イソノナコシル基、およびイソトリアコンチル基が挙げられる。
式(1)におけるR、L、L、Lの組み合わせは、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2020045400
Figure 2020045400
Figure 2020045400
Figure 2020045400
Figure 2020045400
Figure 2020045400
Figure 2020045400
Figure 2020045400
Figure 2020045400
Figure 2020045400
式(1)におけるR、L、L、Lの組み合わせは、好ましくは以下のものである。
Figure 2020045400
Figure 2020045400
Figure 2020045400
式(1)におけるR、L、L、Lの組み合わせとして、以下のものも好ましい。
Rが水素原子、L、L、およびLが単結合であり、Lが炭素数14以上30以下のアルキル基であるか、
Rが水素原子またはメチル基、Lが−CO−O−、LおよびLが単結合、Lが炭素数14以上30以下のアルキル基である。
式(1)におけるR、L、L、Lの組み合わせは、より好ましくは以下のものである。
Figure 2020045400
式(1)におけるR、L、L、Lの組み合わせは、さらに好ましくは以下のものである。
Figure 2020045400
前記構成単位(B)は、好ましくは、n−ヘキサデセンに由来する構成単位、n−オクタデセンに由来する構成単位、n−エイコセンに由来する構成単位、n−ドコセンに由来する構成単位、n−テトラコセンに由来する構成単位、n−ヘキサコセンに由来する構成単位、n−オクタコセンに由来する構成単位、n−トリアコンテンに由来する構成単位、n−ドトリアコンテンに由来する構成単位、n−テトラデシルアクリレートに由来する構成単位、n−ペンタデシルアクリレートに由来する構成単位、n−ヘキサデシルアクリレートに由来する構成単位、n−ヘプタデシルアクリレートに由来する構成単位、n−オクタデシルアクリレートに由来する構成単位、n−ノナデシルアクリレートに由来する構成単位、n−エイコシルアクリレートに由来する構成単位、n−ヘンエイコシルアクリレートに由来する構成単位、n−ドコシルアクリレートに由来する構成単位、n−トリコシルアクリレートに由来する構成単位、n−テトラコシルアクリレートに由来する構成単位、n−ペンタコシルアクリレートに由来する構成単位、n−ヘキサコシルアクリレートに由来する構成単位、n−ヘプタコシルアクリレートに由来する構成単位、n−オクタコシルアクリレートに由来する構成単位、n−ノナコシルアクリレートに由来する構成単位、n−トリアコンチルアクリレートに由来する構成単位、n−テトラデシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ペンタデシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ヘキサデシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ヘプタデシルメタクリレートに由来する構成単位、n−オクタデシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ノナデシルメタクリレートに由来する構成単位、n−エイコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ヘンエイコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ドコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−トリコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−テトラコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ペンタコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ヘキサコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ヘプタコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−オクタコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−ノナコシルメタクリレートに由来する構成単位、n−トリアコンチルメタクリレートに由来する構成単位、n−ビニルテトラデシレートに由来する構成単位、n−ビニルヘキサデシレートに由来する構成単位、n−ビニルオクタデシレートに由来する構成単位、n−ビニルエイコシレートに由来する構成単位、n−ビニルドコシレートに由来する構成単位、n−テトラデシルビニルエーテルに由来する構成単位、n−ヘキサデシルビニルエーテルに由来する構成単位、n−オクタデシルビニルエーテルに由来する構成単位、n−エイコシルビニルエーテルに由来する構成単位、またはn−ドコシルビニルエーテルに由来する構成単位である。
前記重合体(1)は、2種類以上の前記構成単位(B)を有していてもよく、例えば、n−エイコシルアクリレートに由来する構成単位と、n−オクタデシルアクリレートに由来する構成単位とを有する重合体であってもよい。
前記重合体(1)は、該重合体(1)の融解ピーク温度以上における樹脂組成物を含む成形体の形状保持性と、該重合体(1)を含む樹脂組成物の成形加工性が良好であるように、エチレンに由来する構成単位(A)を有する重合体であることが好ましい。前記構成単位(A)は、エチレンを重合することにより得られる構成単位であり、前記構成単位(A)は、重合体中で分岐構造を形成していてもよい。
前記重合体(1)は、好ましくは、式(1)で示される構成単位(B)と、エチレンに由来する構成単位(A)とを有する重合体である。
前記重合体(1)は、下記式(2)で示される構成単位および下記式(3)で示される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構成単位(C)を有していてもよい。
Figure 2020045400
(式(2)中、
Rは、水素原子またはメチル基を表し、
は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、または―O―を表し、
は、炭素数1以上8以下のアルキレン基を表し、
は、水素原子、エポキシ基、―CH(OH)―CHOH、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または炭素数1以上4以下のアルキルアミノ基を表す。)
(なお、Lの化学構造の説明における横書きの化学式の各々は、その左側が式(2)の上側、その右側が式(2)の下側に対応する。)
Figure 2020045400
式(2)において、Rは、好ましくは、水素原子である。
式(2)において、Lは、好ましくは、―CO―O―、―O―CO―、または―O―であり、より好ましくは―CO―O―または―O―CO―であり、さらに好ましくは、―CO―O―である。
式(2)において、Lとしての炭素数1以上8以下のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、1−メチルエチレン基、n−ブチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、n−ペンチレン基、n−へキシレン基、n−ヘプタレン基、n−オクチレン基、および2−エチル−n−へキシレン基が挙げられる。
式(2)において、Lは、好ましくは、メチレン基、エチレン基、およびn−プロピレン基であり、より好ましくはメチレン基である。
式(2)において、Lとしての炭素数1以上4以下のアルキルアミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、およびジエチルアミノ基が挙げられる。
式(2)において、Lは、好ましくは、水素原子、エポキシ基、または―CH(OH)―CHOHであり、より好ましくは水素原子である。
式(2)におけるR、L、L、Lの組み合わせは、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2020045400
Figure 2020045400
Figure 2020045400
Figure 2020045400
式(2)におけるR、L、L、Lの組み合わせは、好ましくは以下のものである。
Figure 2020045400
Figure 2020045400
Figure 2020045400
式(2)におけるR、L、L、Lの組み合わせは、より好ましくは以下のものである。
Figure 2020045400
式(2)におけるR、L、L、Lの組み合わせは、さらに好ましくは以下のものである。
Figure 2020045400
式(2)で示される構成単位としては、例えば、プロピレンに由来する構成単位、ブテンに由来する構成単位、1−ペンテンに由来する構成単位、1−ヘキセンに由来する構成単位、1−ヘプテンに由来する構成単位、1−オクテンに由来する構成単位、アクリル酸に由来する構成単位、メタクリル酸に由来する構成単位、ビニルアルコールに由来する構成単位、メチルアクリレートに由来する構成単位、エチルアクリレートに由来する構成単位、n−プロピルアクリレートに由来する構成単位、イソプロピルアクリレートに由来する構成単位、n−ブチルアクリレートに由来する構成単位、イソブチルアクリレートに由来する構成単位、sec−ブチルアクリレートに由来する構成単位、tert−ブチルアクリレートに由来する構成単位、メチルメタクリレートに由来する構成単位、エチルメタクリレートに由来する構成単位、n−プロピルメタクリレートに由来する構成単位、イソプロピルメタクリレートに由来する構成単位、n−ブチルメタクリレートに由来する構成単位、イソブチルメタクリレートに由来する構成単位、sec−ブチルメタクリレートに由来する構成単位、tert−ブチルメタクリレートに由来する構成単位、ビニルホルメートに由来する構成単位、ビニルアセテートに由来する構成単位、ビニルプロピオネートに由来する構成単位、ビニル(n−ブチレート)に由来する構成単位、ビニル(イソブチレート)に由来する構成単位、メチルビニルエーテルに由来する構成単位、エチルビニルエーテルに由来する構成単位、n−プロピルビニルエーテルに由来する構成単位、イソプロピルビニルエーテルに由来する構成単位、n−ブチルビニルエーテルに由来する構成単位、イソブチルビニルエーテルに由来する構成単位、sec−ブチルビニルエーテルに由来する構成単位、tert−ブチルビニルエーテルに由来する構成単位、グリシジルアクリレートに由来する構成単位、グリシジルメタクリレートに由来する構成単位、2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレートに由来する構成単位、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレートに由来する構成単位、3−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレートに由来する構成単位、および3−(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレートに由来する構成単位が挙げられる。
式(3)で示される構成単位は、無水マレイン酸に由来する構成単位である。
前記重合体(1)は、2種類以上の前記構成単位(C)を有していてもよく、例えば、メチルアクリレートに由来する構成単位と、エチルアクリレートに由来する構成単位と、グリシジルメタクリレートに由来する構成単位とを有する重合体であってもよい。
前記重合体(1)は、好ましくは、式(1)で示される構成単位(B)を有する重合体である。
式(1)で示される構成単位(B)を有する重合体としては、
前記構成単位(B)からなる重合体(1)、
前記構成単位(B)と前記構成単位(A)とを有する重合体(1)、
前記構成単位(B)と前記構成単位(C)とを有する重合体(1)、
前記構成単位(B)と前記構成単位(A)と前記構成単位(C)とを有する重合体(1)、
が挙げられる。
前記構成単位(B)からなる重合体(1)としては、
、L、およびLが単結合であり、Lが炭素数14以上30以下のアルキル基である式(1)で示される構成単位(B)からなる重合体、または、
が−CO−O−、LおよびLが単結合、Lが炭素数14以上30以下のアルキル基である式(1)で示される構成単位(B)からなる重合体、
が挙げられる。
前記構成単位(B)と前記構成単位(A)とを有する重合体(1)としては、
、L、およびLが単結合であり、Lが炭素数14以上30以下のアルキル基である式(1)で示される構成単位(B)と、前記構成単位(A)とを有し、該重合体に含まれる全ての構成単位の合計数を100%として、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)の合計数が90%以上である重合体、
が−CO−O−、LおよびLが単結合、Lが炭素数14以上30以下のアルキル基である式(1)で示される構成単位(B)と、構成単位(A)とを有し、該重合体に含まれる全ての構成単位の合計数を100%として、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)の合計数が90%以上である重合体、
が挙げられる。
ΔHを大きくするという観点からは、重合体(1)は、該重合体に含まれる前記構成単位(B)と前記構成単位(A)の合計数を100%として、前記構成単位(B)の数が50%より多く80%以下である重合体が好ましい。
成形加工性の観点からは、重合体(1)は、該重合体に含まれる前記構成単位(B)と前記構成単位(A)の合計数を100%として、前記構成単位(B)の数が10%以上50%以下である重合体が好ましい。
前記構成単位(B)と前記構成単位(C)とを有する重合体(1)としては、
が−CO−O−、LおよびLが単結合、Lが炭素数14以上30以下のアルキル基である式(1)で示される構成単位(B)と、式(3)で示される構成単位(C)とを有する重合体が挙げられる。この場合、該重合体に含まれる前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%として、前記構成単位(B)の数が80%以上である重合体が好ましい。
前記重合体(1)において、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%として、前記構成単位(A)の数が0%以上99%以下であり、前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数が1%以上100%以下であり、前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%として、前記構成単位(B)の数が1%以上100%以下であり、前記構成単位(C)の数が0%以上99%以下である。
前記重合体(1)における前記構成単位(A)の数は、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%として、樹脂組成物を含む成形体の形状保持性が良好であるように、好ましくは70%以上99%以下であり、より好ましくは80%以上97.5%以下であり、さらに好ましくは85%以上92.5%以下である。前記重合体(1)における前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数は、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%として、樹脂組成物を含む成形体の形状保持性が良好であるように、好ましくは1%以上30%以下であり、より好ましくは2.5%以上20%以下であり、さらに好ましくは7.5%以上15%以下である。
前記重合体(1)における前記構成単位(B)の数は、前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%として、1%以上100%以下であり、該重合体(1)を含む樹脂組成物の蓄熱性能が良好であるように、好ましくは60%以上100%以下であり、より好ましくは80%以上100%以下である。前記重合体(1)における前記構成単位(C)の数は、前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%として、0%以上99%以下であり、該重合体(1)を含む樹脂組成物の蓄熱性能が良好であるように、好ましくは、0%以上40%以下であり、より好ましくは0%以上20%以下である。
前記構成単位(A)の数、前記構成単位(B)の数、および前記構成単位(C)の数は、周知の方法により13C核磁気共鳴スペクトル(以下、13C−NMRスペクトル)またはH核磁気共鳴スペクトル(以下、H−NMRスペクトル)の各構成単位に帰属されるシグナルの積分値から求められる。
前記重合体(1)が、後述のとおり、上記式(2)で示される構成単位および上記式(3)で示される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構成単位(C)を有し、エチレンに由来する構成単位(A)を有してもよい重合体(以下、前駆重合体(1)と称する)と、後述の少なくとも1種の化合物(α)とを反応させる方法により製造されたものである場合は、前記構成単位(A)の数、前記構成単位(B)の数、および前記構成単位(C)の数は、例えば以下の方法により求められる。
前駆重合体(1)がエチレンに由来する構成単位(A)を含む場合は、まず、前駆重合体(1)に含まれる前記構成単位(A)および前記構成単位(C)の数を求める。13C−NMRスペクトルから求める場合は、例えば該スペクトルから前記構成単位(A)および前記構成単位(C)のダイアッド(AA、AC、CC)の数を求め、下式に代入することにより、前記構成単位(A)および前記構成単位(C)の数を求める。なお、AAは、構成単位(A)−構成単位(A)ダイアッド、ACは、構成単位(A)−構成単位(C)ダイアッド、CCは、構成単位(C)−構成単位(C)ダイアッドである。
構成単位(A)の数=100−構成単位(C)の数
構成単位(C)の数=100×(AC/2+CC)/(AA+AC+CC)
前駆重合体(1)に含まれる前記構成単位(C)と、上記化合物(α)とが反応することにより、前記重合体(1)における前記構成単位(B)が形成されるので、前記反応による前記構成単位(C)の転化率を以下の方法により求める。
前駆重合体(1)の前記構成単位(C)の側鎖に含まれる特定の炭素に帰属されるシグナルの積分値(以下、積分値Y)と、重合体(1)の構成単位(B)の側鎖に含まれる特定の炭素に帰属されるシグナルの積分値(以下、積分値Z)を下式に代入し転化率を求める。
転化率=Z/(Y+Z)
前駆重合体(1)と化合物(α)との反応では、前駆重合体(1)に含まれる前記構成単位(A)は変化しないため、重合体(1)に含まれる構成単位(A)の数と前駆重合体(1)に含まれる前記構成単位(A)の数は同じとする。重合体(1)に含まれる構成単位(B)の数は、前駆重合体(1)に含まれる構成単位(C)の数と前記転化率の積として求められる。重合体(1)に含まれる構成単位(C)の数は、前駆重合体(1)に含まれる構成単位(C)の数と重合体(1)に含まれる構成単位(B)の数の差として求められる。
前記重合体(1)の製造方法としては、例えば、前駆重合体(1)と、炭素数14以上30以下のアルキル基を有するアルコール、炭素数14以上30以下のアルキル基を有するアミン、炭素数14以上30以下のアルキル基を有するアルキルハライド、炭素数14以上30以下のアルキル基を有するカルボン酸、炭素数14以上30以下のアルキル基を有するカルボン酸アミド、炭素数14以上30以下のアルキル基を有するカルボン酸ハライド、炭素数14以上30以下のアルキル基を有するカルバミン酸、炭素数14以上30以下のアルキル基を有するアルキル尿素、および炭素数14以上30以下のアルキル基を有するイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(以下、化合物(α)と称する)とを反応させる方法、および前記構成単位(B)の原料となるモノマーを重合する方法またはエチレンと前記構成単位(B)の原料となるモノマーを共重合する方法が挙げられる。前記化合物(α)のアルキル基は、例えば、直鎖アルキル基または分岐アルキル基であってもよいが、直鎖アルキル基が好ましい。
上記前駆重合体(1)は、前記重合体(1)を製造するための原料であり、前駆重合体(1)は式(1)で示される構成単位(B)を含まない。上記前駆重合体(1)は、前記構成単位(A)、前記構成単位(B)、および前記構成単位(C)のいずれにも該当しない構成単位を含んでもよい。
上記前駆重合体(1)は、好ましくは、前記構成単位(A)と前記構成単位(C)の合計数を100%として、前記構成単位(A)の数が0%以上99%以下であり、前記構成単位(C)の合計数が1%以上100%以下である。より好ましくは、前記構成単位(A)の数が70%以上99%以下であり、前記構成単位(C)の合計数が1%以上30%以下である。
前記重合体(1)における前記構成単位(B)の形成方法としては、例えば前駆重合体(1)に含まれる前記構成単位(C)と、上記化合物(α)とを反応させる方法、および前記構成単位(B)の原料となるモノマーを重合する方法またはエチレンと前記構成単位(B)の原料となるモノマーを共重合する方法が挙げられる。前記化合物(α)のアルキル基は、直鎖アルキル基が好ましい。
上記前駆重合体(1)として、例えばアクリル酸重合体、メタクリル酸重合体、ビニルアルコール重合体、メチルアクリレート重合体、エチルアクリレート重合体、n−プロピルアクリレート重合体、n−ブチルアクリレート重合体、メチルメタクリレート重合体、エチルメタクリレート重合体、n−プロピルメタクリレート重合体、n−ブチルメタクリレート重合体、ビニルホルメート重合体、ビニルアセテート重合体、ビニルプロピオネート重合体、ビニル(n−ブチレート)重合体、メチルビニルエーテル重合体、エチルビニルエーテル重合体、n−プロピルビニルエーテル重合体、n−ブチルビニルエーテル重合体、無水マレイン酸重合体、グリシジルアクリレート重合体、グリシジルメタクリレート重合体、3−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート重合体、3−(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−n−プロピルアクリレート共重合体、エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−エチルメタクリレート共重合体、エチレン−n−プロピルメタクリレート共重合体、エチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体、エチレン−ビニルホルメート共重合体、エチレン−ビニルアセテート共重合体、エチレン−ビニルプロピオネート共重合体、エチレン−ビニル(n−ブチレート)共重合体、エチレン−メチルビニルエーテル共重合体、エチレン−エチルビニルエーテル共重合体、エチレン−n−プロピルビニルエーテル共重合体、エチレン−n−ブチルビニルエーテル共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−グリシジルアクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−3−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート共重合体、およびエチレン−3−(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート共重合体が挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の直鎖アルキル基を有するアルコールとして、例えばn−テトラデシルアルコール、n−ペンタデシルアルコール、n−ヘキサデシルアルコール、n−ヘプタデシルアルコール、n−オクタデシルアルコール、n−ノナデシルアルコール、n−エイコシルアルコール、n−ヘンエイコシルアルコール、n−ドコシルアルコール、n−トリコシルアルコール、n−テトラコシルアルコール、n−ペンタコシルアルコール、n−ヘキサコシルアルコール、n−ヘプタコシルアルコール、n−オクタコシルアルコール、n−ノナコシルアルコール、およびn−トリアコンチルアルコールが挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の分岐アルキル基を有するアルコールとして、例えばイソテトラデシルアルコール、イソペンタデシルアルコール、イソヘキサデシルアルコール、イソヘプタデシルアルコール、イソオクタデシルアルコール、イソノナデシルアルコール、イソエイコシルアルコール、イソヘンエイコシルアルコール、イソドコシルアルコール、イソトリコシルアルコール、イソテトラコシルアルコール、イソペンタコシルアルコール、イソヘキサコシルアルコール、イソヘプタコシルアルコール、イソオクタコシルアルコール、イソノナコシルアルコール、およびイソトリアコンチルアルコールが挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の直鎖アルキル基を有するアミンとして、例えばn−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−ノナデシルアミン、n−エイコシルアミン、n−ヘンエイコシルアミン、n−ドコシルアミン、n−トリコシルアミン、n−テトラコシルアミン、n−ペンタコシルアミン、n−ヘキサコシルアミン、n−ヘプタコシルアミン、n−オクタコシルアミン、n−ノナコシルアミン、およびn−トリアコンチルアミンが挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の分岐アルキル基を有するアミンとして、例えばイソテトラデシルアミン、イソペンタデシルアミン、イソヘキサデシルアミン、イソヘプタデシルアミン、イソオクタデシルアミン、イソノナデシルアミン、イソエイコシルアミン、イソヘンエイコシルアミン、イソドコシルアミン、イソトリコシルアミン、イソテトラコシルアミン、イソペンタコシルアミン、イソヘキサコシルアミン、イソヘプタコシルアミン、イソオクタコシルアミン、イソノナコシルアミン、およびイソトリアコンチルアミンが挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の直鎖アルキル基を有するアルキルハライドとして、例えばn−テトラデシルヨージド、n−ペンタデシルヨージド、n−ヘキサデシルヨージド、n−ヘプタデシルヨージド、n−オクタデシルヨージド、n−ノナデシルヨージド、n−エイコシルヨージド、n−ヘンエイコシルヨージド、n−ドコシルヨージド、n−トリコシルヨージド、n−テトラコシルヨージド、n−ペンタコシルヨージド、n−ヘキサコシルヨージド、n−ヘプタコシルヨージド、n−オクタコシルヨージド、n−ノナコシルヨージド、およびn−トリアコンチルヨージドが挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の分岐アルキル基を有するアルキルハライドとして、例えばイソテトラデシルヨージド、イソペンタデシルヨージド、イソヘキサデシルヨージド、イソヘプタデシルヨージド、イソオクタデシルヨージド、イソノナデシルヨージド、イソエイコシルヨージド、イソヘンエイコシルヨージド、イソドコシルヨージド、イソトリコシルヨージド、イソテトラコシルヨージド、イソペンタコシルヨージド、イソヘキサコシルヨージド、イソヘプタコシルヨージド、イソオクタコシルヨージド、イソノナコシルヨージド、およびイソトリアコンチルヨージドが挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の直鎖アルキル基を有するカルボン酸として、例えばn−テトラデカン酸、n−ペンタデカン酸、n−ヘキサデカン酸、n−ヘプタデカン酸、n−オクタデカン酸、n−ノナデカン酸、n−エイコサン酸、n−ヘンエイコサン酸、n−ドコサン酸、n−トリコサン酸、n−テトラコサン酸、n−ペンタコサン酸、n−ヘキサコサン酸、n−ヘプタコサン酸、n−オクタコサン酸、n−ノナコサン酸、およびn−トリアコンタン酸が挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の分岐アルキル基を有するカルボン酸として、例えばイソテトラデカン酸、イソペンタデカン酸、イソヘキサデカン酸、イソヘプタデカン酸、イソオクタデカン酸、イソノナデカン酸、イソエイコサン酸、イソヘンエイコサン酸、イソドコサン酸、イソトリコサン酸、イソテトラコサン酸、イソペンタコサン酸、イソヘキサコサン酸、イソヘプタコサン酸、イソオクタコサン酸、イソノナコサン酸、およびイソトリアコンタン酸が挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の直鎖アルキル基を有するカルボン酸アミドとして、例えばn−テトラデカン酸アミド、n−ペンタデカン酸アミド、n−ヘキサデカン酸アミド、n−ヘプタデカン酸アミド、n−オクタデカン酸アミド、n−ノナデカン酸アミド、n−エイコサン酸アミド、n−ヘンエイコサン酸アミド、n−ドコサン酸アミド、n−トリコサン酸アミド、n−テトラコサン酸アミド、n−ペンタコサン酸アミド、n−ヘキサコサン酸アミド、n−ヘプタコサン酸アミド、n−オクタコサン酸アミド、n−ノナコサン酸アミド、およびn−トリアコンタン酸アミドが挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の分岐アルキル基を有するカルボン酸アミドとして、例えばイソテトラデカン酸アミド、イソペンタデカン酸アミド、イソヘキサデカン酸アミド、イソヘプタデカン酸アミド、イソオクタデカン酸アミド、イソノナデカン酸アミド、イソエイコサン酸アミド、イソヘンエイコサン酸アミド、イソドコサン酸アミド、イソトリコサン酸アミド、イソテトラコサン酸アミド、イソペンタコサン酸アミド、イソヘキサコサン酸アミド、イソヘプタコサン酸アミド、イソオクタコサン酸アミド、イソノナコサン酸アミド、およびイソトリアコンタン酸アミドが挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の直鎖アルキル基を有するカルボン酸ハライドとして、例えばn−テトラデカン酸クロリド、n−ペンタデカン酸クロリド、n−ヘキサデカン酸クロリド、n−ヘプタデカン酸クロリド、n−オクタデカン酸クロリド、n−ノナデカン酸クロリド、n−エイコサン酸クロリド、n−ヘンエイコサン酸クロリド、n−ドコサン酸クロリド、n−トリコサン酸クロリド、n−テトラコサン酸クロリド、n−ペンタコサン酸クロリド、n−ヘキサコサン酸クロリド、n−ヘプタコサン酸クロリド、n−オクタコサン酸クロリド、n−ノナコサン酸クロリド、およびn−トリアコンタン酸クロリドが挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の分岐アルキル基を有するカルボン酸ハライドとして、例えばイソテトラデカン酸クロリド、イソペンタデカン酸クロリド、イソヘキサデカン酸クロリド、イソヘプタデカン酸クロリド、イソオクタデカン酸クロリド、イソノナデカン酸クロリド、イソエイコサン酸クロリド、イソヘンエイコサン酸クロリド、イソドコサン酸クロリド、イソトリコサン酸クロリド、イソテトラコサン酸クロリド、イソペンタコサン酸クロリド、イソヘキサコサン酸クロリド、イソヘプタコサン酸クロリド、イソオクタコサン酸クロリド、イソノナコサン酸クロリド、およびイソトリアコンタン酸クロリドが挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の直鎖アルキル基を有するカルバミン酸として、例えばn−テトラデシルカルバミン酸、n−ペンタデシルカルバミン酸、n−ヘキサデシルカルバミン酸、n−ヘプタデシルカルバミン酸、n−オクタデシルカルバミン酸、n−ノナデシルカルバミン酸、n−エイコシルカルバミン酸、n−ヘンエイコシルカルバミン酸、n−ドコシルカルバミン酸、n−トリコシルカルバミン酸、n−テトラコシルカルバミン酸、n−ペンタコシルカルバミン酸、n−ヘキサコシルカルバミン酸、n−ヘプタコシルカルバミン酸、n−オクタコシルカルバミン酸、n−ノナコシルカルバミン酸、およびn−トリアコンチルカルバミン酸が挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の分岐アルキル基を有するカルバミン酸として、例えばイソテトラデシルカルバミン酸、イソペンタデシルカルバミン酸、イソヘキサデシルカルバミン酸、イソヘプタデシルカルバミン酸、イソオクタデシルカルバミン酸、イソノナデシルカルバミン酸、イソエイコシルカルバミン酸、イソヘンエイコシルカルバミン酸、イソドコシルカルバミン酸、イソトリコシルカルバミン酸、イソテトラコシルカルバミン酸、イソペンタコシルカルバミン酸、イソヘキサコシルカルバミン酸、イソヘプタコシルカルバミン酸、イソオクタコシルカルバミン酸、イソノナコシルカルバミン酸、およびイソトリアコンチルカルバミン酸が挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の直鎖アルキル基を有するアルキル尿素として、例えばn−テトラデシル尿素、n−ペンタデシル尿素、n−ヘキサデシル尿素、n−ヘプタデシル尿素、n−オクタデシル尿素、n−ノナデシル尿素、n−エイコシル尿素、n−ヘンエイコシル尿素、n−ドコシル尿素、n−トリコシル尿素、n−テトラコシル尿素、n−ペンタコシル尿素、n−ヘキサコシル尿素、n−ヘプタコシル尿素、n−オクタコシル尿素、n−ノナコシル尿素、およびn−トリアコンチル尿素が挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の分岐アルキル基を有するアルキル尿素として、例えばイソテトラデシル尿素、イソペンタデシル尿素、イソヘキサデシル尿素、イソヘプタデシル尿素、イソオクタデシル尿素、イソノナデシル尿素、イソエイコシル尿素、イソヘンエイコシル尿素、イソドコシル尿素、イソトリコシル尿素、イソテトラコシル尿素、イソペンタコシル尿素、イソヘキサコシル尿素、イソヘプタコシル尿素、イソオクタコシル尿素、イソノナコシル尿素、およびイソトリアコンチル尿素が挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の直鎖アルキル基を有するイソシアネートとして、例えばn−テトラデシルイソシアネート、n−ペンタデシルイソシアネート、n−ヘキサデシルイソシアネート、n−ヘプタデシルイソシアネート、n−オクタデシルイソシアネート、n−ノナデシルイソシアネート、n−エイコシルイソシアネート、n−ヘンエイコシルイソシアネート、n−ドコシルイソシアネート、n−トリコシルイソシアネート、n−テトラコシルイソシアネート、n−ペンタコシルイソシアネート、n−ヘキサコシルイソシアネート、n−ヘプタコシルイソシアネート、n−オクタコシルイソシアネート、n−ノナコシルイソシアネート、およびn−トリアコンチルイソシアネートが挙げられる。
前記炭素数14以上30以下の分岐アルキル基を有するイソシアネートとして、例えばイソテトラデシルイソシアネート、イソペンタデシルイソシアネート、イソヘキサデシルイソシアネート、イソヘプタデシルイソシアネート、イソオクタデシルイソシアネート、イソノナデシルイソシアネート、イソエイコシルイソシアネート、イソヘンエイコシルイソシアネート、イソドコシルイソシアネート、イソトリコシルイソシアネート、イソテトラコシルイソシアネート、イソペンタコシルイソシアネート、イソヘキサコシルイソシアネート、イソヘプタコシルイソシアネート、イソオクタコシルイソシアネート、イソノナコシルイソシアネート、およびイソトリアコンチルイソシアネートが挙げられる。
前駆重合体(1)がエチレンに由来する構成単位(A)を含む場合は、上記前駆重合体(1)の製造時に原料として用いるエチレンの反応性比をr1、および前記構成単位(C)を形成するモノマーの反応性比をr2とした場合の反応性比の積r1r2は、該前駆重合体(1)を含む樹脂組成物の形状保持性が良好であるように、好ましくは0.5以上5.0以下であり、より好ましくは0.5以上3.0以下である。
エチレンの反応性比r1は、エチレンと前記構成単位(C)を形成するモノマーとの共重合時に、末端が構成単位(A)である重合体にエチレンが結合する反応速度をk11、末端が構成単位(A)である重合体に構成単位(C)を形成するモノマーが結合する反応速度をk12として、式r1=k11/k12で定義される値である。前記反応性比r1は、エチレンと前記構成単位(C)を形成するモノマーとの共重合時に、末端が構成単位(A)である重合体がエチレンまたは構成単位(C)を形成するモノマーのどちらとより反応しやすいかを表す指標である。r1が大きいほど、末端が構成単位(A)である重合体はよりエチレンと反応しやすく、構成単位(A)の連鎖が生成しやすい。
構成単位(C)を形成するモノマーの反応性比r2は、エチレンと前記構成単位(C)を形成するモノマーとの共重合時に、末端が構成単位(C)である重合体にエチレンが結合する反応速度をk21、末端が構成単位(C)である重合体に構成単位(C)を形成するモノマーが結合する反応速度をk22として、r2=k22/k21で定義される値である。前記反応性比r2は、エチレンと前記構成単位(C)を形成するモノマーとの共重合時に、末端が構成単位(C)である重合体がエチレンまたは構成単位(C)を形成するモノマーのどちらとより反応しやすいかを表す指標である。r2が大きいほど、末端が構成単位(C)である重合体はより構成単位(C)を形成するモノマーと反応しやすく、構成単位(C)の連鎖が生成しやすい。
反応性比の積r1r2は、文献「Kakugo,M.;Naito,Y.;Mizunuma,K.;Miyatake, T. Macromolecules,1982,15,1150」に記載された方法により算出される。本発明においては、前駆重合体(1)の13C核磁気共鳴スペクトルから算出される前記構成単位(A)と前記構成単位(C)の各二連子AA、AC、CCの数を以下に示す式に代入することにより得られる。
r1r2=AA[CC/(AC/2)]
前記反応性比の積r1r2は、共重合体のモノマー連鎖分布を表す指標である。前記r1r2が1に近いほど、共重合体のモノマー連鎖分布はランダム性が高く、前記r1r2が0に近いほど、共重合体のモノマー連鎖分布は交互共重合体性が高く、前記r1r2が1より大きいほど、共重合体のモノマー連鎖分布はブロック共重合体性が高い。
JIS K7210に準拠して温度190℃、荷重21Nで測定される上記前駆重合体(1)のメルトフローレートは、好ましくは、0.1g/10分以上500g/10分以下である。
上記前駆重合体(1)の製造方法は、配位重合法、カチオン重合法、アニオン重合法、ラジカル重合法が挙げられ、好ましくはラジカル重合法であり、より好ましくは、高圧下でのラジカル重合法である。
上記前駆重合体(1)と、少なくとも1種の上記化合物(α)とを反応させる際の反応温度は、通常40℃以上250℃以下である。本反応は、溶媒存在下で行ってもよく、溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トルエン、およびキシレンが挙げられる。また本反応において副生成物が生じる場合には、反応を促進させるために、副生成物を減圧留去しながら反応を行ってもよく、副生成物を溶媒とともに共沸させ、気化された副生成物と溶媒とを冷却し、副生成物と溶媒とを含む留出液を副生成物層と溶媒層とに分液し、回収された溶媒のみを還流液として反応系内に戻しながら反応を行ってもよい。
また、上記前駆重合体(1)と、少なくとも1種の上記化合物(α)との反応は、上記前駆重合体(1)と、上記化合物(α)とを溶融混練しながら行ってもよい。また溶融混練しながら上記前駆重合体(1)と、上記化合物(α)とを反応させた際に副生成物が生じる場合には、反応を促進させるために、副生成物を減圧留去しながら反応を行ってもよい。溶融混練に用いられる溶融混練装置として、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサーなどの公知の装置が挙げられる。溶融混練装置の温度は、好ましくは100℃以上250℃以下である。
上記前駆重合体(1)と、少なくとも1種の上記化合物(α)とを反応させる際に、反応を促進させるために触媒を添加してもよい。触媒としては、例えばアルカリ金属塩や4族金属錯体が挙げられる。アルカリ金属塩としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物や、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドが挙げられる。4族金属錯体としては、例えばオルトチタン酸テトラ(イソプロピル)、オルトチタン酸テトラ(n−ブチル)、およびオルトチタン酸テトラオクタデシルが挙げられる。触媒の添加量は、反応に用いられる上記前駆重合体(1)と、少なくとも1種の上記化合物(α)との合計量100重量部に対して、0.01重量部以上50重量部以下であることが好ましく、より好ましくは、0.01重量部以上5重量部以下である。
前記重合体(1)は、該重合体(1)の融解ピーク温度以上における樹脂組成物を含む成形体の形状保持性と、該重合体(1)を含む樹脂組成物の成形加工性が良好であるように、好ましくはエチレンに由来する構成単位(A)を有する。さらに該重合体(1)を含む樹脂組成物の成形加工性が良好であるように、より好ましくは、エチレンに由来する構成単位(A)が重合体中で分岐構造を形成しており、さらに好ましくは、該分岐構造は該分岐構造による高分子鎖の絡み合いが可能な程度に長い長鎖分岐構造である。
前記重合体(1)の下記式(I)で定義される比Aは、好ましくは0.95以下、より好ましくは0.90以下、さらに好ましくは0.80以下である。
A=α/α (I)
[式(I)中、αは、
光散乱検出器と粘度検出器を備えた装置を用いるゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーにより重合体の絶対分子量と固有粘度を測定し、
絶対分子量の対数を横軸、固有粘度の対数を縦軸として、測定したデータをプロットし、絶対分子量の対数と固有粘度の対数を、横軸が前記重合体の重量平均分子量の対数以上z平均分子量の対数以下の範囲において式(I−I)で最小二乗法近似し、式(I−I)を表す直線の傾きの値をαとすることを含む方法により得られた値である。
log[η]=αlogM+logK (I−I)
(式(I−I)中、[η]は重合体の固有粘度(単位:dl/g)を表し、Mは重合体の絶対分子量を表し、Kは定数である。)
式(I)中、αは、
光散乱検出器と粘度検出器を備えた装置を用いるゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによりポリエチレン標準物質1475a(米国国立標準技術研究所製)の絶対分子量と固有粘度を測定し、
絶対分子量の対数を横軸、固有粘度の対数を縦軸として、測定したデータをプロットし、絶対分子量の対数と固有粘度の対数を、横軸が前記ポリエチレン標準物質1475aの重量平均分子量の対数以上z平均分子量の対数以下の範囲において式(I−II)で最小二乗法近似し、式(I−II)を表す直線の傾きの値をαとすることを含む方法により得られた値である。
log[η]=αlogM+logK (I−II)
(式(I−II)中、[η]はポリエチレン標準物質1475aの固有粘度(単位:dl/g)を表し、Mはポリエチレン標準物質1475aの絶対分子量を表し、Kは定数である。
なお、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによる重合体およびポリエチレン標準物質1475aの絶対分子量と固有粘度の測定において、移動相はオルトジクロロベンゼンであり、測定温度は155℃である。)]
光散乱検出器により得られたデータから絶対分子量を求め、粘度検出器により固有粘度([η])を求めるにあたっては、Malvern社のデータ処理ソフトOmniSEC(登録商標)(version4.7)を利用し、文献「Size Exclusion Chromatography,Springer(1999)」を参考にして計算を行う。
前記ポリエチレン標準物質1475a(米国国立標準技術研究所製)は、分岐を含まない高密度ポリエチレンである。前記式(I−I)および式(I−II)は、重合体の固有粘度と分子量の相関を表すMark−Hauwink−Sakuradaの式と称され、前記αが小さいほど、分岐構造による高分子鎖の絡み合いの数が多い。前記ポリエチレン標準物質1475aは、分岐構造を形成していないため、分岐構造による高分子鎖の絡み合いは生じない。前記ポリエチレン標準物質1475aのαに対するαの比である前記Aが小さいほど、重合体中で前記構成単位(A)が形成している長鎖分岐構造の量が多い。
光散乱検出器を備えた装置を用いるゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーにより測定される前記重合体(1)の重量平均分子量は、好ましくは10,000〜1,000,000であり、より好ましくは、50,000〜750,000、さらに好ましくは、100,000〜500,000である。
なお、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによる重合体(1)の重量平均分子量の測定において、移動相はオルトジクロロベンゼンであり、測定温度は155℃である。
前記重合体(1)の流動の活性化エネルギー(E)は、成形加工時の押出負荷をより低減する観点から、好ましくは40kJ/mol以上であり、より好ましくは50kJ/mol以上であり、さらに好ましくは60kJ/mol以上である。また、押出成形により得られる成形体の外観が良好であるように、好ましくは100kJ/mol以下であり、より好ましくは90kJ/mol以下であり、さらに好ましくは80kJ/mol以下である。Eの大きさは、主に重合体中の長鎖分岐数に依存する。長鎖分岐をより多く含む重合体は、Eがより高い。
流動の活性化エネルギー(E)は、以下に示す方法で求められる。まず、90℃、110℃、130℃、150℃、170℃の温度の中から、170℃を含む3つ以上の温度について、それぞれの温度(T、単位:℃)における重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線を測定する。前記溶融複素粘度−角周波数曲線は、溶融複素粘度(単位:Pa・秒)の対数を縦軸、角周波数(単位:rad/秒)の対数を横軸とする両対数曲線である。次に、170℃以外の各温度で測定された溶融複素粘度−角周波数曲線について、それぞれ、170℃での溶融複素粘度−角周波数曲線に重なり合うように、角周波数をa倍、溶融複素粘度を1/a倍する。aは、170℃以外の各温度で測定された溶融複素粘度−角周波数曲線が、170℃での溶融複素粘度−角周波数曲線に重なり合うように適宜定められる値である。
前記aは、一般にシフトファクターと称され、溶融複素粘度−角周波数曲線の測定温度により異なる値である。
次に、それぞれの温度(T)において、[ln(a)]と[1/(T+273.16)]とを求め、[ln(a)]と[1/(T+273.16)]とを下記(II)式で最小二乗法近似し、式(II)を表す直線の傾きmを求める。前記mを下記式(III)に代入し、Eを求める。
ln(a)=m(1/(T+273.16))+n・・・(II)
=|0.008314×m|・・・(III)
:シフトファクター
:流動の活性化エネルギー(単位:kJ/mol)
T:温度(単位:℃)
上記計算には、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、TAインスツルメント社製 Ochestratorが挙げられる。
上記方法は、以下の原理に基づく。
異なる温度で測定された溶融複素粘度−角周波数曲線(両対数曲線)は、各温度の曲線をそれぞれ所定量、水平移動することによって1本の親曲線(マスターカーブと称する)に重なり合うことが知られており、これは、「温度−時間重ね合わせ原理」と称されている。そして、該水平移動量はシフトファクターと称され、シフトファクターは温度に依存した値であり、シフトファクターの温度依存性は上記式(II)および(III)で表されることが知られており、式(II)および(III)はアレニウス型方程式と称されている。
[ln(a)]と[1/(T+273.16)]とを上記(II)式で最小二乗法近似するときの相関係数は、0.9以上となるようにする。
上記の溶融複素粘度−角周波数曲線の測定は、粘弾性測定装置(例えば、TAインスツルメント社製 ARESなど)を用い、通常、ジオメトリー:パラレルプレート、プレート直径:25mm、プレート間隔:1.2〜2mm、ストレイン:5%、角周波数:0.1〜100rad/秒の条件で行われる。測定は窒素雰囲気下で行われる。また、測定試料には予め酸化防止剤を適量(例えば1000重量ppm)配合することが好ましい。
前記重合体(1)の歪硬化の強さを表す伸張粘度非線形指数kは、例えばTダイフィルム加工時のネックインが小さい、得られるフィルムの厚みむらが小さい、といった優れた成形性という観点から、好ましくは0.85以上であり、より好ましくは0.90以上であり、更に好ましくは0.95以上である。重合体の歪硬化とは、該重合体に歪をかけた際、ある歪量以上で伸張粘度が急激に増大することを意味する。また、指数kは、前記重合体(1)や、当該重合体(1)を含む樹脂組成物を所望の形状に成形する容易さ、という観点から、2.00以下であることが好ましく、より好ましくは1.50以下であり、更に好ましくは1.40以下であり、更により好ましくは1.30以下であり、特に好ましくは1.20以下である。
伸張粘度非線形指数kは、以下に示す方法で求められる。
110℃の温度および1秒-1の歪速度で重合体を一軸伸張したときの伸長時間tにおける粘度η1(t)と、110℃の温度および0.1秒-1の歪速度で重合体一軸伸張したときの伸長時間tにおける粘度η0.1(t)を求める。任意の同じ伸長時間tにおける前記η1(t)と前記η0.1(t)を下記式に代入し、α(t)を求める。
α(t)=η1(t)/η0.1(t)
α(t)の対数(ln(α(t)))を伸張時間tに対してプロットし、tが2.0秒から2.5秒の範囲において、ln(α(t))とtを下記式で最小二乗法近似する。下記式を表す直線の傾きの値がkである。
ln(α(t))=kt
上記式で最小二乗法近似するのに用いた相関関数r2が0.9以上の場合のkを採用する。
上記の一軸伸張したときの粘度の測定は、粘弾性測定装置(例えば、TAインスツルメント社製ARES)を用い、窒素雰囲気下で行われる。
伸張粘度測定において、長鎖分岐を有する重合体は、高歪み領域で伸張粘度が線形領域からはずれ急激に上昇する性質、いわゆる歪硬化性を有する。歪硬化性を有する重合体の場合には、α(t)の対数(ln(α(t)))は、ln(l/l)に比例して増加することが知られている(ここで、lおよびlはそれぞれ伸張時間0およびtでの試料の長さである)[参考文献:小山清人、石塚修;繊維学会誌,37,T−258(1981)]。歪硬化性のない重合体の場合には、任意の伸張時間に対してα(t)は1となり、α(t)の対数(ln(α(t)))を伸張時間に対してプロットした直線の傾きkは0となる。歪硬化性を有する重合体の場合には、特に高歪領域において、該直線プロットの傾きkが0とはならない。本発明においては、歪硬化性の度合いを表すパラメータとして非線形パラメータα(t)の対数(ln(α(t)))を伸張時間に対してプロットした直線の傾きをkとして定義する。
前記重合体(1)は、未反応の化合物(α)、または反応を促進させるために添加した触媒との混合物を形成していてもよい。該混合物に含まれる未反応の化合物(α)の含有量は、重合体のガラスや金属などの基板への固着を抑えるために、重合体100重量部に対して3重量部未満であることが好ましい。
前記重合体(1)は、架橋されている重合体でもよく、架橋されていない重合体でもよい。
一つの態様において、前記重合体(1)は、架橋されていない重合体(以下、重合体(α)と称する)である。
重合体(α)は、重合体に含まれる全ての構成単位の合計数を100%として、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数が90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、100%であることがさらに好ましい。
<架橋されている重合体>
一つの態様において、前記重合体(1)は架橋されている。すなわち、前記重合体(1)の分子の少なくとも一部が分子間で共有結合により連結されている。
重合体(1)を架橋する方法としては、電離性放射線を照射して架橋する方法や有機過酸化物を用いて架橋する方法が挙げられる。
重合体(1)に電離性放射線を照射し、架橋を行う場合には、通常、あらかじめ所望の形状に成形された上記重合体(α)に電離性放射線を照射する。成形には、公知の方法が用いられ、押出成形、射出成形、プレス成形が好ましい。電離性放射線を照射する成形体は、樹脂成分として前記重合体(1)のみを含む成形体でもよく、前記重合体(1)と、重合体(1)とは異なる重合体とを含む成形体でもよい。後者の場合は、重合体(1)とは異なる重合体としては、後述の重合体(2)が挙げられる。該成形体が重合体(1)と重合体(2)を含有する場合は、重合体(1)と重合体(2)の合計量を100重量%として、重合体(1)の含有量が30重量%以上99重量%以下であることが好ましい。
電離性放射線としては、例えばα線、β線、γ線、電子線、中性子線、およびX線が挙げられ、コバルト−60のγ線、または電子線が好ましい。重合体(1)を含む成形体がシート状である場合には、電離性放射線は該シート状成形体の少なくとも一面から照射すればよい。
電離性放射線の照射は、公知の電離性放射線照射装置を用いて行われ、照射量は、通常5〜300kGyであり、好ましくは10〜150kGyである。前記重合体(1)は、通常と比べて低い照射量で高い架橋度の重合体を得ることができる。
電離性放射線の照射によって架橋されている重合体(1)を得る場合には、電離性放射線を照射する成形体が架橋助剤を含むことにより、より架橋度の高い架橋されている重合体(1)を得ることができる。架橋助剤は、重合体(1)の架橋度を高め、機械的特性を向上するためのものであり、分子内に二重結合を複数持つ化合物が好ましく用いられる。
架橋助剤としては、例えば、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、p−キノンジオキシム、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニジン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、およびアリルメタクリレートを挙げることができる。また、これらの架橋助剤は、複数を組み合せて使用してもよい。
有機過酸化物を用いて架橋する方法としては、例えば、上記重合体(α)と有機過酸化物を含む樹脂組成物を、加熱を伴う公知の成形方法によって、重合体(α)を架橋する方法が挙げられる。加熱を伴う公知の成形方法としては、押出成形、射出成形、およびプレス成形が挙げられる。重合体(α)と有機過酸化物を含む樹脂組成物は、樹脂成分として重合体(1)のみを含んでもよく、重合体(1)と、該重合体(1)とは異なる重合体とを含んでもよい。
重合体(α)と有機過酸化物を含む樹脂組成物が、重合体(1)とは異なる重合体を含有する場合は、該重合体としては、後述の重合体(2)が挙げられ、重合体(1)と重合体(2)の合計量を100重量%として、重合体(1)の含有量が30重量%以上99重量%以下であることが好ましい。
有機過酸化物によって架橋する場合には、重合体(α)と有機過酸化物を含む組成物に含まれる樹脂成分の流動開始温度以上の分解温度を有する有機過酸化物が好適に用いられ、好ましい有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチルパーオキシヘキシン、α,α−ジ−tert−ブチルパーオキシイソプロピルベンゼン、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネートなどを挙げることができる。
架橋されている重合体(1)は、必要に応じて、公知の添加剤を含有してもよい。このような添加剤としては、例えば、難燃剤、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、無滴剤、顔料、およびフィラーが挙げられる。これらの添加剤は架橋する前に、重合体(1)と混練することにより添加することができる。
形状保持の観点で、重合体(1)は架橋されていた方が好ましい。
素材(X)は、重合体(1)以外の重合体を含んでもよい。素材(X)に含まれる重合体(1)以外の重合体としては、重合体(2)が挙げられる。
素材(X)は、前記重合体(1)と、
示差走査熱量測定によって観測される融解ピーク温度またはガラス転移温度が50℃以上180℃以下である重合体(但し、以下に定義される除外重合体を除く)である重合体(2)とを含有し、
前記重合体(1)と前記重合体(2)の合計量を100重量%として、重合体(1)の含有量が30重量%以上99重量%以下であり、重合体(2)の含有量が1重量%以上70重量%以下である素材が好ましい。また重合体(1)は2種以上の重合体からなっていてもよく、重合体(2)は2種以上の重合体からなっていてもよい。
除外重合体:炭素原子数14以上30以下のアルキル基を含有する構成単位を二種以上含有する重合体であって、
炭素原子数14以上30以下のアルキル基を含有する全ての構成単位の合計数を100%として、炭素原子数14以上30以下のアルキル基を含有する二種以上の構成単位の数が、それぞれ20%以上であり、
示差走査熱量測定によって10℃以上60℃未満の温度範囲内に観測される融解エンタルピー(ΔH)が30J/g以上である重合体。
重合体(2)の示差走査熱量測定(DSC)によって観測される融解ピーク温度またはガラス転移温度は、50℃以上180℃以下の範囲内にある。重合体(2)の融解ピーク温度は、以下の示差走査熱量測定により測定される融解曲線を、JIS K7121−1987に準拠した方法により解析して得られる融解ピークの頂点の温度であり、融解吸熱量が最大となる温度である。
重合体(2)のガラス転移温度は、以下の示差走査熱量測定により測定される融解曲線を、JIS K7121−1987に準拠した方法により解析して得られる中間点ガラス転移温度である。
[示差走査熱量測定方法]
示差走査熱量計により、窒素雰囲気下で、約5mgの試料を封入したアルミニウムパンを、(1)200℃で5分間保持し、次に(2)5℃/分の速度で200℃から−50℃まで降温し、次に(3)−50℃で5分間保持し、次に(4)5℃/分の速度で−50℃から200℃まで昇温する。過程(4)における熱量測定により得られた示差走査熱量測定曲線を融解曲線とする。
融解ピーク温度が50℃以上180℃以下の範囲内にある重合体(2)としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、およびポリプロピレン(PP)が挙げられる。
ガラス転移温度が50℃以上180℃以下の範囲内にある重合体(2)としては、例えば、環状オレフィン重合体(COP)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、およびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が挙げられる。
重合体(2)としての前記エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンに由来する構成単位とα−オレフィンに由来する構成単位とを有する共重合体である。該α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン挙げられ、これらは単独でもよく、2種以上でもよい。α−オレフィンは、好ましくは、炭素原子数4〜8のα−オレフィンであり、より好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセン、または1−オクテンである。
重合体(2)としての該高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、およびエチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、860kg/m以上960kg/m以下である。
重合体(2)としての前記ポリプロピレンは、プロピレン単独重合体、下記のようなプロピレンランダム共重合体、および下記のようなプロピレン重合材料が挙げられる。ポリプロピレンにおけるプロピレンに由来する構成単位の含有量は、50重量%を超え100重量%以下である(但し、ポリプロピレンを構成する構成単位の総量を100重量%とする)。また、ポリプロピレンは、前記融解ピーク温度が100℃以上であることが好ましい。
前記プロピレンランダム共重合体とは、プロピレンに由来する構成単位と、エチレンに由来する構成単位及びα−オレフィンに由来する構成単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構成単位とを有するランダム共重合体である。プロピレンランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、およびプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体が挙げられる。該α−オレフィンは、炭素原子数4〜10のα−オレフィンが好ましく、このようなα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の直鎖状α−オレフィン、および3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン等の分岐状α−オレフィンが挙げられる。プロピレンランダム共重合体に含まれるα−オレフィンは、1種でも、2種以上でもよい。
プロピレン単独重合体およびプロピレンランダム共重合体の製造方法としては、チーグラー・ナッタ系触媒、または、メタロセン系錯体および非メタロセン系錯体等の錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、および気相重合法等の重合法が挙げられる。
前記プロピレン重合材料は、プロピレン単独重合体成分(I)と、プロピレンに由来する構成単位および炭素原子数4以上のα−オレフィンに由来する構成単位からなる群から選ばれる少なくとも一種の構成単位と、エチレンに由来する構成単位とを有するエチレン共重合体成分(II)とからなる重合材料である。
エチレン共重合体成分(II)における炭素原子数4以上のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、および2,2,4−トリメチル−1−ペンテンが挙げられる。炭素原子数4以上のα−オレフィンは、炭素原子数4以上20以下のα−オレフィンが好ましく、炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンがより好ましく、1−ブテン、1−ヘキセン、または1−オクテンがさらに好ましい。エチレン共重合体成分(II)に含まれる炭素原子数4以上のα−オレフィンは、1種でもよく、2種以上でもよい。
エチレン共重合体成分(II)として、例えば、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、およびプロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体が挙げられる。エチレン共重合体成分(II)はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
プロピレン重合材料は、重合触媒を用いて、多段重合により製造することができる。例えば、前段の重合工程でプロピレン単独重合体成分(I)を製造し、後段の重合工程でエチレン共重合体成分(II)を製造することにより、プロピレン重合材料を製造することができる。
プロピレン重合材料の製造に使用する重合触媒としては、プロピレン単独重合体およびプロピレンランダム共重合体の製造に使用される前記触媒が挙げられる。
プロピレン重合材料の製造の各重合工程における重合方法としては、塊状重合法、溶液重合法、スラリー重合法、および気相重合法が挙げられる。溶液重合法およびスラリー重合法で用いる不活性炭化水素溶媒としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、およびオクタンが挙げられる。これらの重合方法は、2つ以上組み合わせてもよく、バッチ式または連続式のいずれであってもよい。プロピレン重合材料の製造における重合方法は、連続式の気相重合、バルク重合と気相重合を連続的に行うバルク−気相重合が好ましい。
重合体(2)としての前記ポリプロピレンは、好ましくは、プロピレン単独重合体である。
素材(X)が重合体(1)と重合体(1)以外の重合体を含む場合は、重合体(1)と重合体(1)以外の重合体を含む樹脂組成物を作製した後、該樹脂組成物を成形して素材(X)としてもよい。樹脂組成物を押出成形、射出成形、真空成型、ブロー成形、または圧延成形する場合は、成形加工性の観点から、230℃、2.16kgf荷重下で、JIS K7210に準拠して測定される樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)が、0.1g/10分以上30g/10分以下であることが好ましい。
樹脂組成物を、後述の通り、紡糸して繊維とする場合は、230℃、2.16kgf荷重下で、JIS K7210に準拠して測定される樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)が、1g/10分以上1000g/10分以下であることが好ましい。
素材(X)は、無機フィラー、有機フィラー、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、結晶造核剤、顔料、染料、吸着剤、金属塩化物、ハイドロタルサイト、アルミン酸塩、滑剤、シリコーン化合物、抗菌剤、消臭剤、難燃剤、光吸収発熱材、吸湿発熱材、遠赤外線発熱材、などの添加剤を含んでもよい。
素材(X)が添加剤を含む場合には、重合体(1)の製造時に使用する1つ以上の原料に該添加剤を予め配合してもよく、重合体(1)を製造した後に配合してもよい。
重合体(1)を製造した後に、重合体(1)に添加剤を配合する場合には、重合体(1)を溶融混練しながら添加剤を配合することができる。
これらの添加剤の配合量は、素材(X)100重量部に対して、0.001重量部以上10重量部以下であることが好ましく、0.005重量部以上5重量部以下であることがより好ましく、0.01重量部以上1重量部以下であることがさらに好ましい。
無機フィラーとしては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、および焼成カオリンが挙げられる。
有機フィラーとしては、例えば、繊維、木粉、およびセルロースパウダーが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、燐系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、およびビタミン系酸化防止剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリジアミン系紫外線吸収剤、アニリド系紫外線吸収剤、およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤が挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、およびベンゾエート系光安定剤が挙げられる。
顔料としては、例えば、二酸化チタンやカーボンブラックが挙げられる。
吸着剤としては、例えば、酸化亜鉛や酸化マグネシウムのような金属酸化物が挙げられる。
金属塩化物としては、例えば、塩化鉄および塩化カルシウムが挙げられる。
滑剤としては、例えば、脂肪酸、高級アルコール、脂肪族アミド、および脂肪族エステルが挙げられる。
素材(X)は、成形加工性および形状保持性に優れるためその形状は任意であり、例えば、球状、角状(キューブ状)、数珠玉状(ビーズ状)、円柱状(ペレット状)、粉末状、棒状(スティック状)、針状、繊維状(ファイバー状)、ストランド状、糸状、紐状、縄状、綱状、板状、シート状、膜状(フィルム状)、織布状、不織布状、箱状(カプセル状)、発泡体状、および任意の立体形状が挙げられ、使用目的に応じて形状を選択することができる。
また、球状、角状(キューブ状)、数珠玉状(ビーズ状)、円柱状(ペレット状)、または粉末状である素材(X)は、重合体(1)が重合体(1)とは異なる材料で覆われたコア−シェル構造、または重合体(1)とは異なる材料が重合体(1)で覆われたコア−シェル構造を形成していてもよい。なお、重合体(1)とは異なる材料とは、重合体(1)とは異なる重合体、金属、および金属以外の無機物である。
また、棒状(スティック状)、針状、繊維状(ファイバー状)、ストランド状、糸状、紐状、縄状、または綱状である素材(X)は、重合体(1)が重合体(1)とは異なる材料で覆われた芯−鞘構造、または重合体(1)とは異なる材料が重合体(1)で覆われた芯−鞘構造を形成していてもよい。
また、板状、シート状、膜状(フィルム状)、織布状、不織布状、箱状、またはカプセル状である素材(X)は、重合体(1)とは異なる材料により両面または片面を覆われた積層構造、または重合体(1)とは異なる材料が重合体(1)により両面または片面を覆われた積層構造を形成していてもよい。
本発明の重合体(1)を含む素材(X)は、前記重合体(1)を含む樹脂組成物(以下、樹脂組成物(A)と称することがある)を紡糸することによっても得ることができる。素材(X)は、繊維の一部、繊維、フィラメント、糸、布帛、不織布、詰め物であり得る。
樹脂組成物(A)は、重合体成分として前記重合体(1)のみを含むものであってもよく、重合体(1)とは異なる重合体を含んでもよい。樹脂組成物(A)が、重合体(1)とは異なる重合体を含有する場合は、該重合体としては、前記重合体(2)が挙げられる。樹脂組成物(A)が前記重合体(1)と前記重合体(2)を含有する場合は、前記重合体(1)と前記重合体(2)の合計量を100重量%として、重合体(1)の含有量が30重量%以上99重量%以下であり、重合体(2)の含有量が1重量%以上70重量%以下であることが好ましい。
樹脂組成物(A)が、重合体(1)とは異なる重合体を含有し、重合体(1)とは異なる重合体が重合体(1)に対して非相容である場合、重合体(1)からなる相と、重合体(1)とは異なる重合体からなる相は、海島構造、シリンダー構造、ラメラ構造、共連続構造などのモルフォロジーを形成する。
樹脂組成物(A)を含む繊維の断面形状は、円形断面、多角形・多葉形などの異形断面、または中空断面でもよい。
樹脂組成物(A)を含む繊維の単糸繊度は特に限定されないが、繊維化の容易さの観点から1dtex以上が好ましく、繊維の柔軟性の観点から20dtex以下が好ましい。
樹脂組成物(A)を含む繊維の製造方法としては、乾式紡糸法、湿式紡糸法および溶融紡糸法が挙げられ、溶融紡糸法が好ましい。また、一般紡糸法は樹脂組成物を含むチップを原料として、紡糸工程と延伸工程の2工程からなる。樹脂組成物(A)を含む繊維の製造方法に好適に用いられる紡糸法としては、樹脂組成物をチップ化せず樹脂組成物製造工程から連続的に紡糸する連続重合紡糸法、紡糸工程と延伸工程を1工程で実施する直接紡糸延伸法(スピンドロー法)、延伸工程の必要の無い高速紡糸法、半延伸糸(POY)を経て仮撚工程にて延伸糸(DTY)を得るPOY−DTY法、またはスパンボンド法などが挙げられる。これらの方法は、前記一般紡糸法に対して、より合理化された方法である。
樹脂組成物(A)を含む繊維は、複合繊維であり得る。複合繊維とは、互いに異なる成分からなる2種以上の繊維が単糸内で接合されてなる繊維を指す。複合繊維としては、芯鞘型複合繊維、貼り合わせ型複合繊維、分割型複合繊維、海島型複合繊維が挙げられる。
樹脂組成物(A)を含む複合繊維の単糸繊度は特に限定されないが、繊維化の容易さの観点から1dtex以上が好ましく、繊維の柔軟性の観点から20dtex以下が好ましい。
芯鞘型複合繊維の構造としては、樹脂組成物(A)が樹脂組成物(A)とは異なる材料で覆われた芯−鞘構造、または樹脂組成物(A)とは異なる材料が樹脂組成物(A)で覆われた芯−鞘構造などが挙げられ、好ましくは、樹脂組成物(A)が樹脂組成物(A)とは異なる材料で覆われた芯−鞘構造である。樹脂組成物(A)とは異なる材料として好ましくは前記重合体(2)であり、より好ましくはポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリトリメチレンテレフタラート(PTT)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)である。
樹脂組成物(A)が樹脂組成物(A)とは異なる材料で覆われた芯−鞘構造である複合繊維としては、繊維径方向断面の芯部の面積割合が10%〜90%である複合繊維が好ましい。温度調節機能の観点から、前記芯部の面積割合は10%以上が好ましく、繊維強度の観点から、前記芯部の面積割合は90%以下が好ましい。芯部がポリプロピレンを含む場合、繊維全体の染色性の観点から、前記芯部の面積割合は20%〜50%であることが好ましい。
貼り合わせ型複合繊維は、一般的に収縮率の差等により捲縮するが、該複合繊維が螺旋状に捲縮する場合、樹脂組成物(A)が螺旋の内側であってもよく、樹脂組成物(A)とは異なる材料が螺旋の内側であってもよく、好ましくは、樹脂組成物(A)が螺旋の内側となる貼り合わせ型複合繊維である。樹脂組成物(A)とは異なる材料として好ましくは前記重合体(2)であり、より好ましくはポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリトリメチレンテレフタラート(PTT)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)である。
分割型複合繊維の構造としては、分割型複合繊維が中心の放射状繊維と周囲の複数のくさび状繊維からなる場合、樹脂組成物(A)が中心の放射状繊維であってもよく、樹脂組成物(A)とは異なる材料が中心の放射状繊維であってもよく、好ましくは、樹脂組成物(A)が中心の放射状繊維である分割型複合繊維である。樹脂組成物(A)とは異なる材料として好ましくは前記重合体(2)であり、より好ましくはポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリトリメチレンテレフタラート(PTT)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)である。分割型複合繊維は、化学処理により分割・開繊し、極細繊維を得てもよい。
海島型複合繊維の構造としては、樹脂組成物(A)が海部繊維であってもよく、樹脂組成物(A)とは異なる材料が海部繊維であってもよく、好ましくは、樹脂組成物(A)とは異なる材料が海部繊維である海島型複合繊維である。樹脂組成物(A)とは異なる材料として好ましくは前記重合体(2)であり、より好ましくはポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリトリメチレンテレフタラート(PTT)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)である。海島型複合繊維は、化学処理により海部繊維を除去し複数の島部繊維からなる極細繊維を得てもよい。
樹脂組成物(A)を含む繊維の形態としては、長繊維(マルチフィラメント、モノフィラメント)、短繊維(ステープル)などが挙げられる。長繊維(マルチフィラメント、モノフィラメント)はそのままでも、仮撚加工により仮撚加工糸としてもよく、エアー混繊等により混繊糸としてもよい。短繊維(ステープル)はそのままでも、紡績により紡績糸としてもよく、混紡により混紡糸としてもよい。長繊維に短繊維を複合したコアスパンヤーンであってもよく、撚糸加工により合撚糸、交撚糸、カバーリング糸としてもよい。
樹脂組成物(A)を含む繊維は、酸化防止剤、顔料、染料、抗菌剤、消臭剤、制電剤、難燃剤、不活性微粒子、光吸収発熱剤、吸湿発熱剤、遠赤外線発熱剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、赤外線遮蔽剤、滑剤、油剤、集束剤、その他添加剤を含有してもよい。前記添加剤は、紡糸時または紡糸後に添加することができる。
樹脂組成物(A)を含む繊維を含む布地・生地は、織物、編物、不織布いずれでもよい。織組織としては、平織(プレーン)、綾織(ツィル)、朱子織(サテン)およびそれらの変化組織、ドビー、ジャカードなどが挙げられる。編組織としては、緯編、経編、およびそれらの変化組織が挙げられる。
樹脂組成物(A)を含む繊維を含む布帛・不織布は、目付け、ゲージなどは特に限定されない。
樹脂組成物(A)を含む繊維を含む布帛・不織布は、樹脂組成物(A)を含む繊維のみからなっていてもよく、他の繊維と交織、交編して用いてもよい。他の繊維としては、炭素繊維、無機繊維、金属繊維等の無機繊維、リヨセル等の精製繊維、レーヨン、キュプラ、ポリノジック等の再生繊維、アセテート、トリアセテート、プロミックス等の半合成繊維、アクリル、アクリル系繊維、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリクラール、アラミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリアミド66(PA66)、やウレタン等の合成繊維、コットン、セルロース系繊維、麻(亜麻、苧麻、大麻、黄麻)等の植物繊維やウール、羊毛、獣毛(アンゴラ、カシミア、モヘヤ、アルパカ、キャメルなど)、絹、等の動物繊維である天然繊維、ダウン、フェザーなどの羽毛、などが挙げられる。樹脂組成物(A)を含む繊維の使用割合は、特に規定しないが、20重量%〜100重量%が好ましい。
樹脂組成物(A)を含む繊維を含む不織布は、熱融着バインダー繊維を含有させてもよい。熱融着バインダー繊維は、樹脂組成物(A)と樹脂組成物(A)とは融点の異なる材料からなる芯鞘型、貼り合わせ型等の複合繊維が好ましい。樹脂組成物(A)とは融点の異なる材料として好ましくは前記重合体(2)であり、より好ましくはポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリトリメチレンテレフタラート(PTT)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)である。
該熱融着バインダー繊維を用いる場合、その含有量は、不織布の繊維全体中、5〜20重量%とすることが好ましい。
樹脂組成物(A)を含む繊維を含む不織布の製造方法は、通常ウェブの形成工程とウェブの結合工程を含有する。ウェブの形成工程としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブローン法、エアレイド法等が挙げられ、ウェブの結合工程としては、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、水流交絡法等が挙げられる。
樹脂組成物(A)を含む繊維を含む布地・生地は、温度調節機能を有するため、布地・生地の目付を小さくし、厚みを薄くすることができるため、軽く柔らかい肌触りであり衣類のファッション性を損なうこともない。また、樹脂組成物(A)を含む繊維を含む布地・生地は、高分子型の潜熱蓄熱材を含むため、マイクロカプセルに封入された低分子型の潜熱蓄熱材を含む繊維を含む布地・生地に比べ、風合い、洗濯耐久性に優れる。
<熱機能素材(Y)>
熱機能素材(Y)は、接触冷感素材、吸湿発熱素材、吸光発熱素材、遠赤外線放射素材、保温素材、遮熱素材、吸水速乾素材、などが挙げられる。熱機能素材(Y)は、繊維の一部、繊維、フィラメント、糸、布帛(布地・生地)、不織布、詰め物であり得る。
前記接触冷感素材は、無機フィラーを含有する素材、高熱伝導率の繊維、水分を素早く吸収・拡散して気化熱を奪う素材などが挙げられる。接触冷感を示す繊維の種類としては、特に限定されるものではなく、リヨセル等の精製繊維、レーヨン、キュプラ、ポリノジック等の再生繊維、アセテート、トリアセテート、プロミックス等の半合成繊維、アクリル、アクリル系繊維、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリクラール、アラミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリアミド66(PA66)、やウレタン等の合成繊維、コットン、セルロース系繊維、麻(亜麻、苧麻、大麻、黄麻)等の植物繊維やウール、羊毛、獣毛(アンゴラ、カシミア、モヘヤ、アルパカ、キャメルなど)、絹、等の動物繊維である天然繊維、ダウン、フェザーなどの羽毛、などが挙げられる。好ましくは、布帛とした際に接触冷感評価値 Qmax=0.2W/cm以上の接触冷感素材である。上記、Qmaxは、カトーテック株式会社製サーモラボ試験機KES−F7−11にて測定されるものであり、環境温度+10℃(あるいは20℃)に温められた試験機の熱板を、布帛の上に置き、熱板から布帛へ移動した最大の熱移動量を測定する。
前記無機フィラーとしては、特に限定されず、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム等の炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化鉄、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、フェライト粉末、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、サチンホワイト、焼成ケイソウ土等のケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、無定形シリカ、非晶質合成シリカ、コロイダルシリカ等のシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、アルミナ水和物、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、クレイ、ハイドロタルサイト、アルミノ珪酸塩、タルク、パイロフィライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト等のスメクタイト、バーミキュライト、金雲母、黒雲母、チンワルド雲母、白雲母、パラゴナイト、セラドナイト、海緑石等のマイカ、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、ペナンタイト、スドーアイト、ドンバサイト、クリントナイト、マーガライト、スーライト、アンチゴライト、リザーダイト、クリソタイル、メサイト、クロンステダイト、バーチェリン、グリーナライト、ガーニエライト、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト等のカオリン、デラミカオリン、焼成カオリン、セピオライト、パリゴルスカイト、イモゴライト、アロフェン、ヒシンゲライト、ペンウィサイト、活性白土、ベントナイト、セリサイト、黒鉛、炭素繊維、等の鉱物質顔料等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記無機フィラーの形状としては、特に限定されず、球状、針状、板状等の定型物又は非定型物が挙げられる。
上記高熱伝導率の繊維としては、延伸、配向による熱伝導性を高めた高配向ポリエチレン繊維や高配向ポリベンズオキサゾール繊維などが挙げられる。
前記吸湿発熱素材は、運動エネルギーが熱エネルギーに変換される発熱反応(凝縮熱)を利用したものである。吸湿発熱素材は、吸湿時に吸着熱を発生させ、低湿度環境では水分を放出し、温度と湿度を制御する効果を有する。吸湿発熱を示す繊維の種類としては、特に限定されるものではなく、リヨセル等の精製繊維、レーヨン、キュプラ、ポリノジック等の再生繊維、アセテート、トリアセテート、プロミックス等の半合成繊維、アクリル、アクリル系繊維、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリクラール、アラミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリアミド66(PA66)、やウレタン等の合成繊維、コットン、セルロース系繊維、麻(亜麻、苧麻、大麻、黄麻)等の植物繊維やウール、羊毛、獣毛(アンゴラ、カシミア、モヘヤ、アルパカ、キャメルなど)、絹、等の動物繊維である天然繊維、ダウン、フェザーなどの羽毛、などが挙げられる。
前記吸光発熱素材は、太陽光を吸収し、それを熱エネルギーに変換する素材である。吸光発熱材を含む吸光発熱繊維は、太陽光の特定波長を吸収し熱エネルギーに変換する効率の高い炭化ジルコニウムや有機系色素等の吸光発熱材を繊維の内部および表面に固着させた繊維などがあげられる。吸光発熱性を示す繊維としては、特に限定されるものではなく、リヨセル等の精製繊維、レーヨン、キュプラ、ポリノジック等の再生繊維、アセテート、トリアセテート、プロミックス等の半合成繊維、アクリル、アクリル系繊維、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリクラール、アラミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリアミド66(PA66)、やウレタン等の合成繊維、コットン、セルロース系繊維、麻(亜麻、苧麻、大麻、黄麻)等の植物繊維やウール、羊毛、獣毛(アンゴラ、カシミア、モヘヤ、アルパカ、キャメルなど)、絹、等の動物繊維である天然繊維、ダウン、フェザーなどの羽毛、などが挙げられる。
前記遠赤外線放射素材は、加熱されることで遠赤外線を放射する素材である。遠赤外線放射素材を含む遠赤外線加工繊維は、遠赤外線放射の高いセラミックス等を繊維の内部および表面に固着させた繊維などが挙げられる。遠赤外線放射素材を加工する繊維としては、特に限定されるものではなく、リヨセル等の精製繊維、レーヨン、キュプラ、ポリノジック等の再生繊維、アセテート、トリアセテート、プロミックス等の半合成繊維、アクリル、アクリル系繊維、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリクラール、アラミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリアミド66(PA66)、やウレタン等の合成繊維、コットン、セルロース系繊維、麻(亜麻、苧麻、大麻、黄麻)等の植物繊維やウール、羊毛、獣毛(アンゴラ、カシミア、モヘヤ、アルパカ、キャメルなど)、絹、等の動物繊維である天然繊維、ダウン、フェザーなどの羽毛、などが挙げられる。
前記保温素材は、生地内に多くの熱伝導率の低い空気をため込み、暖まった空気を外に逃がさないような素材であり、中空繊維や羽毛などが挙げられる。保温性を示す繊維の種類としては、特に限定されるものではなく、リヨセル等の精製繊維、レーヨン、キュプラ、ポリノジック等の再生繊維、アセテート、トリアセテート、プロミックス等の半合成繊維、アクリル、アクリル系繊維、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリクラール、アラミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリアミド66(PA66)、やウレタン等の合成繊維、コットン、セルロース系繊維、麻(亜麻、苧麻、大麻、黄麻)等の植物繊維やウール、羊毛、獣毛(アンゴラ、カシミア、モヘヤ、アルパカ、キャメルなど)、絹、等の動物繊維である天然繊維、ダウン、フェザーなどの羽毛、などが挙げられる。好ましくは、ダウン、フェザーなどの羽毛である。
前記遮熱素材は、太陽光を遮る素材であり、無機微粒子を練り込んだ繊維、繊維・織物を層構造や中空にすることにより太陽光を反射・散乱させる繊維・織物などが挙げられる。遮熱性を示す繊維の種類としては、特に限定されるものではなく、リヨセル等の精製繊維、レーヨン、キュプラ、ポリノジック等の再生繊維、アセテート、トリアセテート、プロミックス等の半合成繊維、アクリル、アクリル系繊維、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリクラール、アラミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリアミド66(PA66)、やウレタン等の合成繊維、コットン、セルロース系繊維、麻(亜麻、苧麻、大麻、黄麻)等の植物繊維やウール、羊毛、獣毛(アンゴラ、カシミア、モヘヤ、アルパカ、キャメルなど)、絹、等の動物繊維である天然繊維、ダウン、フェザーなどの羽毛、などが挙げられる。
前記吸水速乾素材は、汗を素早く吸収して乾かし、衣服内をドライで快適な状態に保つ素材である。毛細管現象を利用した超極細繊維、表面積を大きくするため形状に工夫を施した繊維、親水性・疎水性を組み合わせた繊維、湿度による繊維の捲縮状態の変化を利用した布帛などが挙げられる。吸湿速乾性を示す繊維の種類としては、特に限定されるものではなく、リヨセル等の精製繊維、レーヨン、キュプラ、ポリノジック等の再生繊維、アセテート、トリアセテート、プロミックス等の半合成繊維、アクリル、アクリル系繊維、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリクラール、アラミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリアミド66(PA66)、やウレタン等の合成繊維、コットン、セルロース系繊維、麻(亜麻、苧麻、大麻、黄麻)等の植物繊維やウール、羊毛、獣毛(アンゴラ、カシミア、モヘヤ、アルパカ、キャメルなど)、絹、等の動物繊維である天然繊維、ダウン、フェザーなどの羽毛、などが挙げられる。
熱機能素材(Y)を含む繊維の断面形状は、円形断面、多角形・多葉形などの異形断面、または中空断面でもよい。
熱機能素材(Y)を含む繊維の単糸繊度は特に限定されないが、繊維化の容易さの観点から1dtex以上が好ましく、繊維の柔軟性の観点から20dtex以下が好ましい。
熱機能素材(Y)を含む繊維は、複合繊維でもよい。複合繊維とは、互いに異なる成分からなる2種以上の繊維が単糸内で接合されてなる繊維を指す。複合繊維としては、芯鞘型複合繊維、貼り合わせ型複合繊維、分割型複合繊維、海島型複合繊維が挙げられる。
熱機能素材(Y)を含む繊維の単糸繊度は特に限定されないが、繊維化の容易さの観点から1dtex以上が好ましく、繊維の柔軟性の観点から20dtex以下が好ましい。
熱機能素材(YY)を含む繊維の形態としては、長繊維(マルチフィラメント、モノフィラメント)、短繊維(ステープル)などが挙げられる。長繊維(マルチフィラメント、モノフィラメント)はそのままでも、仮撚加工により仮撚加工糸としてもよく、エアー混繊等により混繊糸としてもよい。短繊維(ステープル)はそのままでも、紡績により紡績糸としてもよく、混紡により混紡糸としてもよい。長繊維に短繊維を複合したコアスパンヤーンであってもよく、撚糸加工により合撚糸、交撚糸、カバーリング糸としてもよい。
熱機能素材(Y)を含む繊維は、酸化防止剤、顔料、染料、抗菌剤、消臭剤、制電剤、難燃剤、不活性微粒子、光吸収発熱材、吸湿発熱材、遠赤外線発熱材、紫外線吸収剤、滑剤、紫外線散乱剤、赤外線遮蔽剤、油剤、集束剤、その他添加剤を含有してもよい。前記添加剤は、紡糸時または紡糸後に添加することができる。
<複合素材(Z)>
重合体(1)を含む素材(X)と、前記重合体(1)以外の熱機能素材(Y)とを含む複合素材(Z)は、複合繊維、フィラメント、糸、布帛、不織布、詰め物であり得る。
複合素材(Z)は、複合繊維であり得る。前記複合繊維とは、互いに異なる成分からなる2種以上の繊維が単糸内で接合されてなる繊維を指す。複合繊維としては、芯鞘型複合繊維、貼り合わせ型複合繊維、分割型複合繊維、海島型複合繊維が挙げられる。
複合素材(Z)を含む複合繊維の単糸繊度は特に限定されないが、繊維化の容易さの観点から1dtex以上が好ましく、繊維の柔軟性の観点から20dtex以下が好ましい。
芯鞘型複合繊維の構造としては、素材(X)が熱機能素材(Y)で覆われた芯−鞘構造、または熱機能素材(Y)が素材(X)で覆われた芯−鞘構造などが挙げられ、好ましくは、素材(X)が熱機能素材(Y)で覆われた芯−鞘構造である。
素材(X)が熱機能素材(Y)で覆われた芯−鞘構造である複合繊維としては、繊維径方向断面の芯部の面積割合が10%〜90%である複合繊維が好ましい。熱機能の持続性の観点から、前記芯部の面積割合は10%以上が好ましく、繊維強度の観点から、前記芯部の面積割合は90%以下が好ましい。
貼り合わせ型複合繊維は、一般的に収縮率の差等により捲縮するが、該複合繊維が螺旋状に捲縮する場合、素材(X)が螺旋の内側であってもよく、熱機能素材(Y)が螺旋の内側であってもよく、好ましくは、素材(X)が螺旋の内側となる貼り合わせ型複合繊維である。
分割型複合繊維の構造としては、分割型複合繊維が中心の放射状繊維と周囲の複数のくさび状繊維からなる場合、素材(X)が中心の放射状繊維であってもよく、熱機能素材(Y)が中心の放射状繊維であってもよく、好ましくは、素材(X)が中心の放射状繊維である分割型複合繊維である。分割型複合繊維は、化学処理により分割・開繊し、極細繊維にしてもよい。
海島型複合繊維の構造としては、素材(X)が海部繊維であってもよく、熱機能素材(Y)が海部繊維であってもよい。
複合素材(Z)を含む複合繊維の形態としては、長繊維(マルチフィラメント、モノフィラメント)、短繊維(ステープル)などが挙げられる。長繊維(マルチフィラメント、モノフィラメント)はそのままでも、仮撚加工により仮撚加工糸としてもよく、エアー混繊等により混繊糸としてもよい。短繊維(ステープル)はそのままでも、紡績により紡績糸としてもよく、混紡により混紡糸としてもよい。長繊維に短繊維を複合したコアスパンヤーンであってもよく、撚糸加工により合撚糸、交撚糸、カバーリング糸としてもよい。
複合素材(Z)を含む複合繊維は、酸化防止剤、顔料、染料、抗菌剤、消臭剤、制電剤、難燃剤、不活性微粒子、光吸収発熱材、吸湿発熱材、遠赤外線発熱材、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、赤外線遮蔽剤、滑剤、油剤、集束剤、その他添加剤を含有してもよい。前記添加剤は、紡糸時または紡糸後に添加することができる。
複合素材(Z)を含む複合繊維で紡績される布帛、不織布は、織物、編物、不織布いずれでもよい。織組織としては、平織(プレーン)、綾織(ツィル)、朱子織(サテン)およびそれらの変化組織、ドビー、ジャカードなどが挙げられる。編組織としては、緯編、経編、およびそれらの変化組織が挙げられる。
複合素材(Z)を含む布帛、不織布は、重合体(1)を含む素材(X)を含む繊維と、上記重合体(1)以外の熱機能素材(Y)を含む繊維を混紡、交織、交編、交撚して用いてもよい。さらに他の繊維と、交織、交編して用いてもよい。他の繊維として炭素繊維、無機繊維、金属繊維等の無機繊維、リヨセル等の精製繊維、レーヨン、キュプラ、ポリノジック等の再生繊維、アセテート、トリアセテート、プロミックス等の半合成繊維、アクリル、アクリル系繊維、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリクラール、アラミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリアミド66(PA66)、やウレタン等の合成繊維、コットン、セルロース系繊維、麻(亜麻、苧麻、大麻、黄麻)等の植物繊維やウール、羊毛、獣毛(アンゴラ、カシミア、モヘヤ、アルパカ、キャメルなど)、絹、等の動物繊維である天然繊維、ダウン、フェザーなどの羽毛、などが挙げられる。
織組織としては、平織(プレーン)、綾織(ツィル)、朱子織(サテン)およびそれらの変化組織、ドビー、ジャカードなどが挙げられる。編組織としては、緯編、経編、およびそれらの変化組織が挙げられる。織組織、編組織は、蓄熱効果がより効果的になるように、蓄熱素材を一方に偏らせてもよい。
複合素材(Z)を含む布帛、不織布からなる布地・生地は、目付け、ゲージなどは特に限定されない。
複合素材(Z)を含む布帛、不織布は、重合体(1)を含む素材(X)を含む布帛、不織布と、上記重合体(1)以外の熱機能素材(Y)を含む布帛、不織布を積層して用いてもよい。積層の仕方や積層数は特に限定されるものではない。接触冷感素材と積層する場合、接触冷感素材が肌側であるのが好ましい。保温素材と積層する場合、素材(X)が中間層となるのが好ましい。
複合素材(Z)を含む不織布は、熱融着バインダー繊維を含有させてもよい。熱融着バインダー繊維は、樹脂組成物(A)と樹脂組成物(A)とは融点の異なる材料からなる芯鞘型、貼り合わせ型等の複合繊維が好ましい。樹脂組成物(A)とは融点の異なる材料として好ましくは前記重合体(2)であり、より好ましくはポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリトリメチレンテレフタラート(PTT)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)である。
該熱融着バインダー繊維を用いる場合、その含有量は、不織布の繊維全体中、5〜20重量%とすることが好ましい。
複合素材(Z)を含む繊維を含む不織布の製造方法は、通常ウェブの形成工程とウェブの結合工程を含有する。ウェブの形成工程としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブローン法、エアレイド法等が挙げられ、ウェブの結合工程としては、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、水流交絡法等が挙げられる。
複合素材(Z)を含む詰め物は、重合体(1)を含む素材(X)を含む繊維と、上記重合体(1)以外の熱機能素材(Y)を含む繊維を混用して用いてもよい。さらに他の繊維と、混用して用いてもよい。他の繊維として炭素繊維、無機繊維、金属繊維等の無機繊維、リヨセル等の精製繊維、レーヨン、キュプラ、ポリノジック等の再生繊維、アセテート、トリアセテート、プロミックス等の半合成繊維、アクリル、アクリル系繊維、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリクラール、アラミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリアミド66(PA66)、やウレタン等の合成繊維、コットン、セルロース系繊維、麻(亜麻、苧麻、大麻、黄麻)等の植物繊維やウール、羊毛、獣毛(アンゴラ、カシミア、モヘヤ、アルパカ、キャメルなど)、絹、等の動物繊維である天然繊維、ダウン、フェザーなどの羽毛、などが挙げられる。また、素材(Y)を含む詰め物に、素材(X)を含む布帛・不織布を積層してもよい。複合素材(Z)を含む詰め物とは、袋状の外装体の内部に複合素材が充填された製品である。
複合素材(Z)を含む布地・生地は、温度調節機能を有するため、布地・生地の目付を小さくし、厚みを薄くすることができるため、軽く柔らかい肌触りであり衣類のファッション性を損なうこともない。また、複合素材(Z)を含む繊維を含む布地・生地は、高分子型の潜熱蓄熱材を含むため、マイクロカプセルに封入された低分子型の潜熱蓄熱材を含む繊維を含む布地・生地に比べ、洗濯耐久性に優れる。
複合素材(Z)の用途としては、インテリア用品、寝具、浴室材料、車輌、空調設備、電化製品、保温容器、衣類、日用品、農業資材、発酵システム、熱電変換システム、熱搬送媒体が挙げられる
衣類としては、例えば、寝間着、防寒着、手袋、靴下、スポーツウェア、ウエットスーツ、ドライスーツ、耐熱保護衣、および耐火保護衣が挙げられる。
インテリア用品としては、カーテン、絨毯が挙げられる。
寝具としては、布団、敷きパッドが挙げられる。
以下、実施例および比較例によって、本発明をより詳細に説明する。
[I]重合体(1)に含まれるエチレンに由来する構成単位(A)、上記式(1)で示される構成単位(B)、上記式(2)で示される構成単位(C)の数(単位:%)
核磁気共鳴分光器(NMR)を用い、以下に示す測定条件にて核磁気共鳴スペクトル(以下、NMRスペクトル)を測定した。
<炭素核磁気共鳴(13C−NMR)測定条件>
装置:ブルカー・バイオスピン(株)製 AVANCEIII 600HD
測定プローブ:10mmクライオプローブ
測定溶媒:1,2−ジクロロベンゼン/1,1,2,2−テトラクロロエタン−d=85/15(容積比)の混合液
試料濃度:100mg/mL
測定温度:135℃
測定方法:プロトンデカップリング法
積算回数:256回
パルス幅:45度
パルス繰り返し時間:4秒
測定基準:テトラメチルシラン
<エチレン−メチルアクリレート共重合体に含まれる、エチレンに由来する構成単位(A)、およびメチルアクリレートに由来する構成単位(C)の数>(単位:%)
上記の13C−NMR測定条件に従って得られたエチレン−メチルアクリレート共重合体の13C−NMRスペクトルについて、以下のa、b、c、dおよびeの範囲の積分値を求め、以下の式から求められる3種のダイアッド(EE、EA、AA)の含有量(数)から、エチレンに由来する構成単位(A)、およびメチルアクリレートに由来する構成単位(C)の数を算出した。なお、EEは、エチレン−エチレンダイアッド、EAは、エチレン−メチルアクリレートダイアッド、AAは、メチルアクリレート−メチルアクリレートダイアッドである。
:28.1−30.5ppm
:31.9−32.6ppm
:41.7ppm
:43.1−44.2ppm
:45.0−46.5ppm
EE=a/4+b/2
EA=e
AA=c+d
構成単位(A)の数=100−構成単位(C)の数
構成単位(C)の数=100×(EA/2+AA)/(EE+EA+AA)
<メチルアクリレートに由来する構成単位(C)の式(1)で示される構成単位(B)への転化率(X)>(単位:%)
エチレン−メチルアクリレート共重合体と長鎖アルキルアルコールとを反応させて、エチレンに由来する構成単位(A)と式(1)で示される構成単位(B)とメチルアクリレートに由来する構成単位(C)とからなる重合体を得た実施例において、上記の13C NMR測定条件に従って得られた該重合体の13C−NMRスペクトルについて、以下のfおよびgの範囲の積分値を求めた。次に、以下の式から、エチレン−メチルアクリレート共重合体に含まれるメチルアクリレートに由来する構成単位(C)が、重合体(1)の式(1)で示される構成単位(B)に転化した転化率(X)を算出した。
:50.6−51.1ppm
:63.9−64.8ppm
転化率(X)=100×g/(f+g
<重合体(1)に含まれる、エチレンに由来する構成単位(A)、式(1)で示される構成単位(B)、メチルアクリレートに由来する構成単位(C)の数>(単位:%)
重合体(1)に含まれる、エチレンに由来する構成単位(A)、式(1)で示される構成単位(B)、メチルアクリレートに由来する構成単位(C)の数は、それぞれ以下の式より算出した。
重合体(1)に含まれる構成単位(A)の数=エチレン−メチルアクリレート共重合体に含まれる構成単位(A)の数
重合体(1)に含まれる構成単位(B)の数=(エチレン−メチルアクリレート共重合体に含まれる構成単位(C)の数)×転化率(X)/100
重合体(1)に含まれる構成単位(C)の数=(エチレン−メチルアクリレート共重合体に含まれる構成単位(C)の数)−(重合体(1)に含まれる構成単位(B)の数)
このようにして得られた、構成単位(A)の数、構成単位(B)の数、構成単位(C)の数が、それぞれ、重合体に含まれるエチレンに由来する構成単位(A)、上記式(1)で示される構成単位(B)、上記式(2)で示される構成単位(C)の数(単位:%)に相当する。
[II]未反応の炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有する化合物の含有量(単位:重量%)
各実施例の「重合体(1)の製造」において、得られる生成物は、該重合体(1)と未反応の炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有する化合物との混合物である。生成物中に含まれる未反応の炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有する化合物の含有量はガスクロマトグラフィー(GC)を用いて以下の方法により測定した。該未反応の化合物の含有量は、得られた重合体(1)と未反応の化合物の合計の重量を100重量%としたときの値である。
[GC測定条件]
GC装置 : 島津 GC2014
カラム : DB−5MS(60m、0.25mmφ、1.0μm)
カラム温度 : 40℃に保持されたカラムを、10℃/分の速度で300℃まで昇温し、次に300℃で40分間保持する
気化室/検出器温度: 300℃/300℃(FID)
キャリアガス : ヘリウム
圧力 : 220kPa
全流量 : 17.0mL/分
カラム流量 : 1.99mL/分
パージ流量 : 3.0mL/分
線速度 : 31.8cm/秒
注入方式/スプリット比: スプリット注入/6:1
注入量 : 1μL
試料調製方法 : 8mg/mL(o−ジクロロベンゼン溶液)
(1) 検量線作成
[溶液調製]
9mLバイアル管に標品を5mg秤量し、そこに内部標準物質としてn−トリデカン100mgを秤量し、更に溶媒としてo−ジクロロベンゼン6mLを加え試料を完全に溶解させ、検量線作成用の標準溶液を得た。標品の量を25mg及び50mgに変更した以外は上記と同様にして、更に2つの標準溶液を調製した。
[GC測定]
検量線作成用の標準溶液を前項のGC測定条件で測定し、縦軸を標品と内部標準物質のGC面積比、横軸を標品重量と内部標準物質の重量比とした検量線を作成し、該検量線の傾きaを求めた。
(2) 試料(生成物)中の測定対象物(未反応の炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有する化合物)の含有量測定
[溶液調製]
9mLバイアル管に試料50mg、n−トリデカン100mgを秤量し、o−ジクロロベンゼン6mLを加え80℃にて試料を完全に溶解させ、試料溶液を得た。
[GC測定]
試料溶液を前項のGC測定条件で測定し、試料中の測定対象物の含量Pを下式に従って求めた。
:試料中の測定対象物の含量 (重量%)
:試料の重量 (mg)
IS:内部標準物質(IS)の重量 (mg)
:測定対象物のピーク面積カウント数
IS:内部標準物質(IS)のピーク面積カウント数
a:測定対象物の検量線の傾き
Figure 2020045400
[III]重合体(1)の物性評価方法
(1)融解ピーク温度T(単位:℃)、10℃以上60℃未満の温度範囲内に観測される融解エンタルピーΔH(単位:J/g)
示差走査熱量計(TAインスツルメンツ社製、DSC Q100)により、窒素雰囲気下で、約5mgの試料を封入したアルミニウムパンを、(1)150℃で5分間保持し、次に(2)5℃/分の速度で150℃から−50℃まで降温し、次に(3)−50℃で5分間保持し、次に(4)5℃/分の速度で−50℃から150℃程度まで昇温した。過程(4)における熱量測定により得られた示差走査熱量測定曲線を融解曲線とした。前記融解曲線をJIS K7121−1987に準拠した方法により解析して融解ピーク温度Tを求めた。
融解エンタルピーΔH(J/g)は、前記融解曲線の10℃以上60℃未満の温度範囲内の部分をJIS K7122−1987に準拠した方法により解析して求めた。
また、融解エンタルピーΔH(J/g)は、前記融解曲線において、前記方法により求めた融解ピーク温度より5℃低い温度以上、融解ピーク温度より5℃高い温度以下の温度範囲内の部分をJIS K7122−1987に準拠した方法により解析して求めた。
ΔH1に対するΔH2の比が大きいほど、融解ピークがよりシャープであるといえる。
(2)式(I)で定義される比A(単位:なし)
光散乱検出器と粘度検出器を備えた装置を用いるゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC法)により、重合体(1)とポリエチレン標準物質1475a(米国国立標準技術研究所製)それぞれの絶対分子量と固有粘度を測定した。
GPC装置 : 東ソー HLC−8121GPC/HT
光散乱検出器 : Precision Detectors PD2040
差圧粘度計 : Viscotek H502
GPCカラム : 東ソー GMHHR−H(S)HT ×3本
試料溶液濃度 : 2mg/mL
注入量 : 0.3mL
測定温度 : 155℃
溶解条件 : 145℃ 2hr
移動相 : オルトジクロロベンゼン(BHT0.5mg/mL添加)
溶出時流速 : 1mL/分
測定時間 : 約1時間
[GPC装置]
示差屈折計(RI)を装備したGPC装置として、東ソー株式会社のHLC−8121GPC/HTを用いた。また、前記GPC装置に光散乱検出器(LS)として、Precision Detectors社のPD2040を接続した。光散乱検出に用いた散乱角度は90°であった。また、前記GPC装置に粘度検出器(VISC)として、Viscotek社のH502を接続した。LSおよびVISCはGPC装置のカラムオーブン内に設置し、LS、RI、VISCの順で接続した。LS、VISCの較正および検出器間の遅れ容量の補正には、Malvern社のポリスチレン標準物質であるPolycal TDS−PS−N(重量平均分子量Mw104,349、多分散度1.04)を1mg/mLの溶液濃度で用いた。移動相および溶媒には、安定剤としてジブチルヒドロキシトルエンを0.5mg/mLの濃度で添加したオルトジクロロベンゼンを用いた。試料の溶解条件は、145℃、2時間とした。流量は1mL/分とした。カラムは、東ソー株式会社GMHHR−H(S) HTを3本連結して用いた。カラム、試料注入部および各検出器の温度は、155℃とした。試料溶液濃度は2mg/mLとした。試料溶液の注入量(サンプルループ容量)は0.3mLとした。NIST1475aおよびサンプルのオルトジクロロベンゼン中での屈折率増分(dn/dc)は、−0.078mL/gとした。ポリスチレン標準物質のdn/dcは0.079mL/gとした。各検出器のデータから絶対分子量および固有粘度([η])を求めるにあたっては、Malvern社のデータ処理ソフトOmniSEC(version4.7)を利用し、文献「Size Exclusion Chromatography,Springer(1999)」を参考にして計算を行った。なお、屈折率増分とは、濃度変化に対する屈折率の変化率である。
以下の方法により、式(I)のαとαを求め、両者を式(I)に代入してAを求めた。
A=α/α (I)
αは、重合体(1)の絶対分子量の対数を横軸、重合体(1)の固有粘度の対数を縦軸として、測定したデータをプロットし、絶対分子量の対数と固有粘度の対数を、横軸が前記重合体(1)の重量平均分子量の対数以上z平均分子量の対数以下の範囲において式(I−I)で最小二乗法近似し、式(I−I)を表す直線の傾きの値をαとすることを含む方法により得られた値である。
log[η]=αlogM+logK (I−I)
(式(I−I)中、[η]は重合体の固有粘度(単位:dl/g)を表し、Mは重合体の絶対分子量を表し、Kは定数である。)
ポリエチレン標準物質1475aの絶対分子量の対数を横軸、ポリエチレン標準物質1475aの固有粘度の対数を縦軸として、測定したデータをプロットし、絶対分子量の対数と固有粘度の対数を横軸が前記ポリエチレン標準物質1475aの重量平均分子量の対数以上z平均分子量の対数以下の範囲において式(I−II)で最小二乗法近似し、式(I−II)を表す直線の傾きの値をαとすることを含む方法により得られた値である。
log[η]=αlogM+logK (I−II)
(式(I−II)中、[η]はポリエチレン標準物質1475aの固有粘度(単位:dl/g)を表し、Mはポリエチレン標準物質1475aの絶対分子量を表し、Kは定数である。)
[IV]原料
<構成単位(A)と構成単位(C)とを有する前駆重合体>
A−1:エチレン−メチルアクリレート共重合体
エチレン−メチルアクリレート共重合体A−1を以下のとおり製造した。
オートクレーブ式反応器にて、反応温度195℃、反応圧力160MPaで、ラジカル重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレートを用いて、エチレンとメチルアクリレートを共重合して、エチレン−メチルアクリレート共重合体A−1を得た。得られた共重合体A−1の組成およびMFRは以下のとおりであった。
エチレンに由来する構成単位の数:64.58重量%
メチルアクリレートに由来する構成単位の数:35.5重量%)
MFR(190℃、21Nで測定):35g/10分
A−2:エチレン−メチルアクリレート共重合体
エチレン−メチルアクリレート共重合体A−2を以下のとおり製造した。
オートクレーブ式反応器にて、反応温度195℃、反応圧力160MPaで、ラジカル重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレートを用いて、エチレンとメチルアクリレートとを共重合して、エチレン−メチルアクリレート共重合体A−2を得た。得られた共重合体A−2の組成およびMFRは以下のとおりであった。
エチレンに由来する構成単位の数:63.9重量%
メチルアクリレートに由来する構成単位の数:36.1重量%
MFR(190℃、21Nで測定):26g/10分
<炭素原子数14以上30以下のアルキル基を有する化合物>
B−1:カルコール(登録商標)220−80(n−ドコシルアルコール、n−エイコシルアルコールおよびn−オクタデシルアルコールの混合物) [花王株式会社製]
B−2:カルコール(登録商標)8098(n−オクタデシルアルコール) [花王株式会社製]
B−3:GINOL−18(n−オクタデシルアルコール) [GODREJ製]
B−4:GINOL−16(n−ヘキサデシルアルコール) [GODREJ製]
B−5:n−ドコシルアクリレート [東京化成株式会社製]
B−6:n−オクタデシルメタクリレート [東京化成株式会社製]
<触媒>
C−1:オルトチタン酸テトラ(n−オクタデシル) [マツモトファインケミカル株式会社製]
<ポリプロピレン>
D−1:住友ノーブレン(登録商標) U501E1(プロピレン単独重合体) [住友化学株式会社製]
<有機過酸化物>
E−1:CH−12(2、5−ジメチル−2、5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、炭酸カルシウムおよび非晶質二酸化ケイ素を含む混合物)(1分間半減期温度:180℃) [日油株式会社製]
<酸化防止剤>
G−1:IRGANOX(登録商標)1010(ペンタエリトリトール=テトラキス[3−(3’、5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]) [BASF社製]
<加工熱安定剤>
H−1:IRGAFOS(登録商標)168(トリス(2、4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト) [BASF社製]
<押出機>
二軸押出機(1)
・バレル径D=75mm
・スクリュー有効長L/バレル径D=40
<熱機能素材(Y)>
Y−1:Cool Liv.(登録商標)(ナイロン)[昭和西川株式会社製](接触冷感素材)
Y−2:アイスマックス(登録商標)(ポリエチレン、キュプラ)[田村駒株式会社製](接触冷感素材)
Y−3:HYAKKOI(登録商標)(ポリエチレン)[三菱ケミカル株式会社製](接触冷感素材)
Y−4:HEATTECH(登録商標)(レーヨン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン)[株式会社ユニクロ製 ](吸湿発熱素材)
Y−5:ウール(吸湿発熱素材)
Y−6:レーヨン(吸湿発熱素材)
Y−7:アクリレート系繊維(吸湿発熱素材)
Y−8:羽毛(ダウン、フェザー)(保温素材)
〔参考例1〕
(1)構成単位(A)と構成単位(B)と構成単位(C)とからなる重合体(エチレン−n−オクタデシルアクリレート−n−ヘキサデシルアクリレート−メチルアクリレート共重合体)の製造
攪拌機を備えた反応器の内部を窒素置換した後、A−1:100重量部、B−3:62.8重量部、B−4:30.3重量部、C−1:0.6重量部加え、ジャケット温度を140℃に設定し6時間1kPa減圧下にて加熱攪拌を行い、重合体(cf1)(エチレン−n−オクタデシルアクリレート−n−ヘキサデシルアクリレート−メチルアクリレート共重合体)を得た。重合体(cf1)の物性値と評価結果を表1に示す。
〔参考例2〕
(1)架橋されている樹脂組成物(架橋されているエチレン−n−オクタデシルアクリレート−n−ヘキサデシルアクリレート−メチルアクリレート共重合体とポリプロピレンを含む樹脂組成物)の作製
参考例1(1)で得られた重合体(cf1):70重量部と、D−1:30重量部と、E−1:2.5重量部と、G−1:0.1重量部と、H−1:0.1重量部とを二軸押出機(1)を用いて、スクリュー回転数350rpm、吐出量200kg/hr、バレル前半部温度200℃、バレル後半部温度220℃、ダイス温度200℃で押出し、架橋されている樹脂組成物(cf2)を作製した。
〔参考例3〕
(1)構成単位(A)と構成単位(B)と構成単位(C)とからなる重合体(エチレン−n−オクタデシルアクリレート−メチルアクリレート共重合体)の製造
攪拌機を備えた反応器の内部を窒素置換した後、A−2:100重量部、B−3:96.6重量部、C−1:0.6重量部加え、ジャケット温度を140℃に設定し6時間1kPa減圧下にて加熱攪拌を行い、重合体(cf3)(エチレン−n−オクタデシルアクリレート−メチルアクリレート共重合体)を得た。
〔参考例4〕
(1)架橋されている樹脂組成物(架橋されているエチレン−n−オクタデシルアクリレート−メチルアクリレート共重合体とポリプロピレンを含む樹脂組成物)の作製
参考例3(1)で得られた重合体(cf3):70重量部と、D−1:30重量部と、E−1:2.5重量部と、G−1:0.1重量部と、H−1:0.1重量部とを二軸押出機(1)を用いて、スクリュー回転数350rpm、吐出量200kg/hr、バレル前半部温度200℃、バレル後半部温度220℃、ダイス温度200℃で押出し、架橋されている樹脂組成物(cf4)を作製した。
[Qmax値の測定条件]
カトーテック社製サーモラボ試験機KES−F7−11にて、Qmaxを測定した。23℃、60%RH環境下において調湿された20cm×20cmに裁断された布帛を発泡スチロールの上に配置した。環境温度+10℃に温められた試験機の熱板を、布帛の上に置き、熱板から布帛へ移動した熱の量(熱移動量)を測定し、最大の熱移動量(Qmax)(W/cm)を求めた。
[Qint値の測定条件]
上記Qmax値の測定にて、最大の熱移動量(Qmax)を記録した時間をT=0とし、20秒後までにおける熱移動量Q の積算値(Qint)(W・t/cm)を測定し、この積算値を冷感持続性として評価した。
[吸湿発熱の測定条件]
20cm×20cmに裁断された布帛を二つ折りにし重ね、中心に熱電対を貼り付け、さらに二つ折りにし、試料とした。楠本化成社製恒温恒湿機(FX420N)内の金網の上に厚さ20mmのスタイロフォームIB(ダウ化工株式会社製、比重=26kg/m3、熱伝導率=0.04W/mK以下)を配置し、さらに、スタイロフォームIBの上に、試料を設置した。恒温恒湿機内を27℃、40%RH雰囲気として、試料を状態調整した後、恒温恒湿機内を27℃、90%RH雰囲気とし、30分間温度測定を行い、最大温度(Tmax)(℃)を記録した。
[吸湿発熱の持続性の測定条件]
上記Tmax値の測定にて、最大の温度(Tmax)を記録した時間をT=0とし、30分後の温度(T30)(℃)を測定し、この差(ΔT=Tmax−T30)(℃)を発熱持続性として評価した。
〔実施例1〕
(1)重合体(1)を含む素材(X)の作製
参考例2で得られた架橋されている樹脂組成物(cf2):30重量部とポリエステル:70重量部とを使用し、鞘:ポリエステル、芯:樹脂組成物(cf2)である芯鞘型複合繊維からなる丸編生地(X−1)を作製した。
(2)複合素材(Z)の作製
実施例1(1)の丸編生地(X−1)とY−1を積層させ、複合素材(Z−1)を得た。複合素材(Z−1)中の(X−1)とY−1の質量比を表1に示す。
(3)接触冷感とその持続性の評価
実施例1(2)で得られた複合素材(Z−1)を用い、[Qmax値の測定条件]および[Qint値の測定条件]に基づき評価を実施した。熱板がY−1に接するようにして評価した。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
(1)複合素材の作製
ポリエステル繊維からなる丸編生地(ref−1)とY−1を積層させ、複合素材を得た。複合素材中の(ref−1)とY−1の質量比を表1に示す。
(2)接触冷感とその持続性の評価
比較例1(1)で得られた複合素材を用い、[Qmax値の測定条件]および[Qint値の測定条件]に基づき評価を実施した。熱板がY−1に接するようにして評価した。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
(1)接触冷感とその持続性の評価
Y−1を用い、[Qmax値の測定条件]および[Qint値の測定条件]に基づき評価を実施した。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
(1)複合素材(Z)の作製
実施例1(1)の丸編生地(X−1)とY−4を積層させ、複合素材(Z−2)を得た。複合素材(Z−2)中の(X−1)とY−4の質量比を表1に示す。
(2)吸湿発熱とその持続性の評価
実施例2(1)で得られた複合素材(Z−2)を用い、[吸湿発熱の測定条件]および[吸湿発熱の持続性の測定条件]に基づき評価を実施した。熱電対は(X−1)に貼り付けて評価した。結果を表2に示す。
〔比較例3〕
(1)複合素材の作製
ポリエステル繊維からなる丸編生地(ref−1)とY−4を積層させ、複合素材を得た。複合素材中の(ref−1)とY−4の質量比を表2に示す。
(2)吸湿発熱とその持続性の評価
比較例3(1)で得られた複合素材を用い、[吸湿発熱の測定条件]および[吸湿発熱の持続性の測定条件]に基づき評価を実施した。熱電対は(ref−1)に貼り付けて評価した。結果を表2に示す。
〔比較例4〕
(1)吸湿発熱とその持続性の評価
Y−4を用い、[吸湿発熱の測定条件]および[吸湿発熱の持続性の測定条件]に基づき評価を実施した。結果を表2に示す。
〔実施例3〕
(1)重合体(1)を含む素材(X)の作製
参考例2で得られた架橋されている樹脂組成物(cf2):40重量部とポリエステル:60重量部とを使用し、鞘:ポリエステル、芯:樹脂組成物(cf2)である芯鞘型複合繊維からなる生地(X−2)を作製した。
(2)複合素材(Z)の作製
実施例3(1)の生地(X−2)とY−2を積層させ、複合素材(Z−3)を得た。
〔実施例4〕
(1)重合体(1)を含む素材(X)の作製
参考例2で得られた架橋されている樹脂組成物(cf2):30重量部とポリアミド6:70重量部とを使用し、鞘:ポリアミド6、芯:樹脂組成物(cf2)である芯鞘型複合繊維からなる生地(X−3)を作製した。
(2)複合素材(Z)の作製
実施例4(1)の生地(X−3)とY−3を積層させ、複合素材(Z−4)を得た。
〔実施例5〕
(1)重合体(1)を含む素材(X)の作製
参考例2で得られた架橋されている樹脂組成物(cf2):40重量部とポリエステル:60重量部とを使用し、鞘:ポリエステル、芯:樹脂組成物(cf2)である芯鞘型複合繊維からなる短繊維(X−4)を作製した。
(2)複合素材(Z)の作製
実施例5(1)の短繊維(X−4):50重量部とY−5:50重量部を混紡し、生地を作成し、複合素材(Z−5)を得た。
〔実施例6〕
(1)複合素材(Z)の作製
実施例5(1)の短繊維(X−4):25重量部とポリエステル:25重量部とY−5:50重量部を混紡し、生地を作成し、複合素材(Z−6)を得た。
〔実施例7〕
(1)複合素材(Z)の作製
実施例5(1)の短繊維(X−4):50重量部とY−6:50重量部を混紡し、生地を作成し、複合素材(Z−7)を得た。
〔実施例8〕
(1)複合素材(Z)の作製
実施例5(1)の短繊維(X−4):80重量部とY−7:20重量部を不織布化し、複合素材(Z−8)を得た。
〔実施例9〕
(1)複合素材(Z)の作製
実施例5(1)の短繊維(X−4):40重量部とY−7:20重量部とポリエステル:40重量部を不織布化し、複合素材(Z−9)を得た。
〔実施例10〕
(1)重合体(1)を含む素材(X)の作製
参考例4で得られた架橋されている樹脂組成物(cf2):35重量部とポリエステル:65重量部とを使用し、鞘:ポリエステル、芯:樹脂組成物(cf2)である芯鞘型複合繊維からなる短繊維(X−5)を作製した。
(2)複合素材(Z)の作製
実施例10(1)の短繊維(X−5):50重量部とY−8:50重量部を混合し、複合素材(Z−10)を得た。
〔実施例11〕
(1)重合体(1)を含む素材(X)の作製
参考例2で得られた架橋されている樹脂組成物(cf4):60重量部とポリエステル:40重量部とを使用し、鞘:ポリエステル、芯:樹脂組成物(cf4)である芯鞘型複合繊維からなる短繊維(X−6)を作製した。
(2)複合素材(Z)の作製
実施例11(1)の短繊維(X−6):50重量部とY−8:50重量部を混合し、複合素材(Z−11)を得た。
〔実施例12〕
(1)重合体(1)を含む素材(X)の作製
参考例4で得られた架橋されている樹脂組成物(cf4):40重量部とポリエステル:60重量部とを使用し、鞘:ポリエステル、芯:樹脂組成物(cf4)である芯鞘型複合繊維からなる短繊維(X−7)から、さらに不織布(X−8)を作製した。
(2)複合素材(Z)の作製
実施例12(1)の不織布(X−8)とY−1を積層させ、複合素材(Z−12)を得た。
〔実施例13〕
(1)重合体(1)を含む素材(X)の作製
実施例12(1)の短繊維(X−7):75重量部とポリエステル:25重量部から不織布(X−9)を作成した。
(2)複合素材(Z)の作製
実施例13(1)の不織布(X−9)とY−2を積層させ、複合素材(Z−13)を得た。
〔実施例14〕
(1)重合体(1)を含む素材(X)の作製
実施例12(1)の短繊維(X−7):50重量部とポリエステル:50重量部から不織布(X−10)を作製した。
(2)複合素材(Z)の作製
実施例14(1)の不織布(X−10)とY−3を積層させ、複合素材(Z−14)を得た。
〔実施例15〕
(1)重合体(1)を含む素材(X)の作製
実施例5(1)の短繊維(X−4):70重量部とポリエステル:30重量部を混紡し、生地(X−11)を作成した。
(2)複合素材(Z)の作製
実施例15(1)の生地(X−11)にてY−4を積層させ、複合素材(Z−15)を得た。
Figure 2020045400
Figure 2020045400

Claims (13)

  1. 示差走査熱量測定によって10℃以上60℃未満の温度範囲内に観測される融解エンタルピー(ΔH)が30J/g以上である重合体(1)を含む素材(X)と、上記重合体(1)以外の熱機能素材(Y)とを含む複合素材(Z)。
  2. 前記素材(X)が、前記重合体(1)と、示差走査熱量測定によって観測される融解ピーク温度またはガラス転移温度が50℃以上180℃以下である重合体(但し、重合体(1)を除く)である重合体(2)とを含有し、
    前記重合体(1)と前記重合体(2)の合計量を100重量%として、前記重合体(1)の含有量が30重量%以上99重量%以下であり、前記重合体(2)の含有量が1重量%以上70重量%以下である請求項1に記載の複合素材(Z)。
  3. 前記重合体(1)が、下記式(1)で示される構成単位(B)を有する重合体である請求項1または2に記載の複合素材(Z)。
    Figure 2020045400
    (式(1)中、
    Rは、水素原子またはメチル基を表し、
    は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、または―O―を表し、
    は、単結合、―CH―、―CH―CH―、―CH―CH―CH―、―CH―CH(OH)―CH―、または―CH―CH(CHOH)―を表し、
    は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、―O―、―CO―NH―、―NH―CO―、―CO―NH―CO―、―NH―CO―NH―、―NH―、または―N(CH)―を表し、
    は炭素数14以上30以下のアルキル基を表し、
    、L、およびLの化学構造の説明における横書きの化学式の各々は、その左側が式(1)の上側、その右側が式(1)の下側に対応する。)
  4. 前記重合体(1)が、エチレンに由来する構成単位(A)と、下記式(1)で示される構成単位(B)とを有し、さらに下記式(2)で示される構成単位および下記式(3)で示される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構成単位(C)とを有してもよく、
    前記構成単位(A)と前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%として、前記構成単位(A)の数が70%以上99%以下であり、前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数が1%以上30%以下であり、
    前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数を100%として、前記構成単位(B)の数が1%以上100%以下であり、前記構成単位(C)の数が0%以上99%以下である重合体である請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合素材(Z)。
    Figure 2020045400
    (式(1)中、
    Rは、水素原子またはメチル基を表し、
    は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、または―O―を表し、
    は、単結合、―CH―、―CH―CH―、―CH―CH―CH―、―CH―CH(OH)―CH―、または―CH―CH(CHOH)―を表し、
    は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、―O―、―CO―NH―、―NH―CO―、―CO―NH―CO―、―NH―CO―NH―、―NH―、または―N(CH)―を表し、
    は炭素数14以上30以下のアルキル基を表し、
    、L、およびLの化学構造の説明における横書きの化学式の各々は、その左側が式(1)の上側、その右側が式(1)の下側に対応する。)
    Figure 2020045400
    (式(2)中、
    Rは、水素原子またはメチル基を表し、
    は、単結合、―CO―O―、―O―CO―、または―O―を表し、
    は、炭素数1以上8以下のアルキレン基を表し、
    は、水素原子、エポキシ基、―CH(OH)―CHOH、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または炭素数1以上4以下のアルキルアミノ基を表し、
    の化学構造の説明における横書きの化学式の各々は、その左側が式(2)の上側、その右側が式(2)の下側に対応する。)
    Figure 2020045400
  5. 前記重合体(1)の下記式(I)で定義される比Aが0.95以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合素材(Z)。
    A=α/α (I)
    [式(I)中、αは、
    光散乱検出器と粘度検出器を備えた装置を用いるゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーにより重合体の絶対分子量と固有粘度を測定し、
    絶対分子量の対数を横軸、固有粘度の対数を縦軸として、測定したデータをプロットし、絶対分子量の対数と固有粘度の対数を、横軸が前記重合体の重量平均分子量の対数以上z平均分子量の対数以下の範囲において式(I−I)で最小二乗法近似し、式(I−I)を表す直線の傾きの値をαとすることを含む方法により得られた値である。
    log[η]=αlogM+logK (I−I)
    (式(I−I)中、[η]は重合体の固有粘度(単位:dl/g)を表し、Mは重合体の絶対分子量を表し、Kは定数である。)
    式(I)中、αは、
    光散乱検出器と粘度検出器を備えた装置を用いるゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによりポリエチレン標準物質1475a(米国国立標準技術研究所製)の絶対分子量と固有粘度を測定し、
    絶対分子量の対数を横軸、固有粘度の対数を縦軸として、測定したデータをプロットし、絶対分子量の対数と固有粘度の対数を、横軸が前記ポリエチレン標準物質1475aの重量平均分子量の対数以上z平均分子量の対数以下の範囲において式(I−II)で最小二乗法近似し、式(I−II)を表す直線の傾きの値をαとすることを含む方法により得られた値である。
    log[η]=αlogM+logK (I−II)
    (式(I−II)中、[η]はポリエチレン標準物質1475aの固有粘度(単位:dl/g)を表し、Mはポリエチレン標準物質1475aの絶対分子量を表し、Kは定数である。)
    なお、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによる重合体およびポリエチレン標準物質1475aの絶対分子量と固有粘度の測定において、移動相はオルトジクロロベンゼンであり、測定温度は155℃である。]
  6. 前記重合体(1)が、架橋されている重合体である請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合素材(Z)。
  7. 前記重合体(1)が、該重合体(1)に含まれる全ての構成単位の合計数を100%として、前記構成単位(A)と前記構成単位(B)と前記構成単位(C)の合計数が90%以上である重合体である請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合素材(Z)。
  8. 前記熱機能素材(Y)が接触冷感素材である請求項1〜7のいずれか一項に記載の複合素材(Z)。
  9. 前記熱機能素材(Y)が吸湿発熱素材、吸光発熱素材、および遠赤外線放射素材からなる群より選ばれる一種以上の素材である請求項1〜7のいずれか一項に記載の複合素材(Z)。
  10. 前記熱機能素材(Y)が保温素材である請求項1〜7のいずれか一項に記載の複合素材(Z)。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の複合素材(Z)を含む繊維。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の複合素材(Z)を含む布帛。
  13. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の複合素材(Z)を含む不織布。
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