[第1実施形態]
以下、第1実施形態のパチンコ遊技機について説明する。本明細書における上、下、左、右、前(表、手前)、及び後(裏、奥)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、枠体11を備えている。枠体11は、パチンコ遊技機10の機体を遊技場などの島設備(遊技機設置設備)へ固定するための固定枠(外枠)11aと、各種の部品(遊技用構成部材)を搭載する搭載枠11bと、を備えている。搭載枠11bは、外枠11aの開口前面側に開放及び着脱自在に組み付けられている。搭載枠はさらに複数の枠体を組み合わせて構成されていてもよい。パチンコ遊技機10は、施錠装置SSを備えている。パチンコ遊技機10では、常には施錠装置SSによって搭載枠11bの開放が規制されており、遊技場の管理者が管理する枠キー(鍵)を用いて施錠装置SSを操作することで解錠されて搭載枠11bを開放させることができる。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備えている。遊技盤YBは、枠体11に搭載されている。遊技盤YBは、その前面側に、遊技球が流下する遊技領域YBaを備えている。即ち、本実施形態において、遊技盤YBには、遊技球が流下可能な遊技領域YBaが形成されているといえる。遊技盤YBは、正面から見たときの略中央部分に、開口窓YBbを備えている。開口窓YBbには、各種の意匠が施されたセンター枠Wが組み付けられている。
パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備えている。発射ハンドルHDは、遊技媒体としての遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される。パチンコ遊技機10は、第1演出ボタンBT1と、第2演出ボタンBT2とを備えている。以下の説明では、第1演出ボタンBT1と第2演出ボタンBT2とをまとめて「演出ボタンBT」と示す場合がある。演出ボタンBTは、搭載枠11bの前面側など、遊技者が遊技を行いながら操作可能な位置に設けられている。本実施形態における演出ボタンBTは、押下操作を可能に構成されている。例えば、第1演出ボタンBT1は、搭載枠11bの前面側において、パチンコ遊技機10の左右方向における略中央に設けられている。また、第2演出ボタンBT2は、搭載枠11bの前面側において、第1演出ボタンBT1の右方に設けられている。また、第2演出ボタンBT2は、遊技者から見て前後左右方向において十字に配設された4つのボタンにより構成されている。なお、以下の説明では、第2演出ボタンBT2のうち、遊技者から見て左方に配設されたボタンを左ボタン、遊技者から見て右方に配設されたボタンを右ボタン、遊技者から見て奥側に配設されたボタンを上ボタン、遊技者から見て手前側に配設されたボタンをしたボタンと示す場合がある。本実施形態において、演出ボタンBTは、遊技者が操作可能な操作手段に相当する。
パチンコ遊技機10は、装飾ランプLA1,LA2を備えている。装飾ランプLA1,LA2は、演出の1つとして、図示しない発光体を発光、点滅、及び消灯する演出(以下、「発光演出」と示す)を実行可能である。例えば、装飾ランプLA1は、遊技盤YBに設けられている。また、例えば、装飾ランプLA2は、枠体11に設けられている。パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備えている。スピーカSPは、演出の1つとして、人や動物の声、効果音、及び楽曲などの音声を出力する演出(以下、「音声演出」と示す)を実行可能である。なお、以下の説明では、装飾ランプLA1,LA2をまとめて「装飾ランプLA」と示す場合がある。
パチンコ遊技機10は、所定の情報を表示可能な情報表示装置13を備えている。例えば、情報表示装置13は、遊技盤YBにおいて、遊技者が視認可能な位置に設けられている。
情報表示装置13は、第1特別図柄表示部13aを備えている。第1特別図柄表示部13aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第1特別図柄を確定停止表示させる図柄変動ゲームとしての第1特別図柄変動ゲームを実行可能である。情報表示装置13は、第2特別図柄表示部13bを備えている。第2特別図柄表示部13bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第2特別図柄を確定停止表示させる図柄変動ゲームとしての第2特別図柄変動ゲームを実行可能である。第1特別図柄、及び第2特別図柄は、内部抽選(後述する当り抽選)の結果を報知するための図柄である。
以下の説明では、第1特別図柄変動ゲームを略して「第1特別ゲーム」と示し、第2特別図柄変動ゲームを略して「第2特別ゲーム」と示す。また、第1特別ゲームと、第2特別ゲームと、を総称して「特別ゲーム」と示す。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味している。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味している。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。
特別図柄表示部13a,13bにおいて導出可能な特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄とが少なくともある。本実施形態において、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に実行されない。本実施形態において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに優先して実行される。本実施形態では、所定の内部抽選(後述する当り抽選)において大当りに当選した場合、特別ゲームにおいて大当り図柄が導出され、当該特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。即ち、本実施形態では、当り抽選において大当りに当選すると大当り遊技が付与される。
情報表示装置13は、第1特別保留表示部13cを備えている。第1特別保留表示部13cは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。情報表示装置13は、第2特別保留表示部13dを備えている。第2特別保留表示部13dは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の第1特別ゲームの回数を「第1特別保留数」と示し、保留中の第2特別ゲームの回数を「第2特別保留数」と示す。例えば、第1特別保留数、及び第2特別保留数の最大値は、それぞれ4である。
情報表示装置13は、普通図柄表示部13eを備えている。普通図柄表示部13eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を確定停止表示させる普通図柄変動ゲームを実行可能である。普通図柄は、内部抽選(後述する普通図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。以下の説明では、普通図柄変動ゲームを略して「普通ゲーム」と示す場合がある。普通図柄表示部13eに導出可能な普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄とがある。本実施形態では、普通図柄の当り抽選に当選すると、普通ゲームにおいて普通当り図柄が導出され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。
情報表示装置13は、普通保留表示部13fを備えている。普通保留表示部13fは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の普通ゲームの回数を「普通保留数」と示す。なお、表示部13a〜13fは、1つの表示装置に設けられている必要はなく、異なる部分に設けられていてもよい。
パチンコ遊技機10は、画像表示部GHを有する演出表示装置EHを備えている。演出表示装置EHは、正面から見たときに、画像表示部GHが遊技盤YBの開口窓YBb(センター枠W)を介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。例えば、画像表示部GHは、液晶パネルや、有機ELパネルである。演出表示装置EHは、演出の1つとして、所定のキャラクタや文字を模した画像を表示する演出(以下、「表示演出」と示す)を実行可能である。本実施形態において、演出表示装置EHは、演出を実行可能な演出実行手段に相当する。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口している始動口としての第1始動入賞口15を備えている。第1始動入賞口15は、遊技球を入球させることができるように、常に開口している。パチンコ遊技機10は、第1始動入賞口15へ入球した遊技球を検知する第1始動入賞センサSE1を備えている(図7に示す)。本実施形態では、遊技球が第1始動入賞センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口している始動口としての第2始動入賞口16を備えている。パチンコ遊技機10は、第2始動入賞口16へ入球した遊技球を検知する第2始動入賞センサSE2を備えている(図7に示す)。本実施形態では、遊技球が第2始動入賞センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球可能な開状態(許容状態)と、遊技球が第2始動入賞口16へ入球不能な閉状態(規制状態)と、に動作可能な普通可変部材17を備えている。閉状態は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、普通可変部材17を動作させるアクチュエータとして、第1ソレノイドSL1を備えている(図7に示す)。普通可変部材17は、普通当り遊技において、開状態に動作される。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口している大入賞口18を備えている。パチンコ遊技機10は、大入賞口18へ入球した遊技球を検知する特別入賞センサSE3を備えている(図7に示す)。本実施形態では、遊技球が特別入賞センサSE3によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技球が大入賞口18へ入球可能な開状態(許容状態)と、遊技球が大入賞口18へ入球不能な閉状態(規制状態)と、に動作可能な特別開閉手段としての特別可変部材19を備えている。即ち、本実施形態では、特別可変部材19が開状態に動作することにより、大入賞口18に遊技球が入球可能である。閉状態は、遊技球が大入賞口18へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。即ち、本実施形態において、特別可変部材19は、大入賞口18に遊技球が入球可能な開状態、及び開状態と比較して大入賞口18に遊技球が入球し難い又は入球し得ない閉状態に動作可能な開閉手段に相当する。パチンコ遊技機10は、特別可変部材19を動作させるアクチュエータとして、第2ソレノイドSL2を備えている(図7に示す)。特別可変部材19は、大当り遊技において、開状態に動作される。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに、遊技球が通過(入球)可能なゲート20を備えている。ゲート20は、ゲート20を通過する遊技球を検知するゲートセンサSE4を備えている(図7に示す)。本実施形態では、遊技球がゲートセンサSE4によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方で、賞球の払出条件が成立しない。
パチンコ遊技機10は、図示しないアウト口を備えている。例えば、アウト口は、遊技領域YBaの下端部において、遊技領域YBaに開口している。遊技領域YBaへ発射された遊技球のうち、入賞口15,16,18の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口から機外へと排出される。なお、パチンコ遊技機10は、釘(遊技釘)や風車など、遊技領域YBaを流下する遊技球の挙動に変化を与える遊技構成部材を備えている。また、パチンコ遊技機10は、入賞口15,16,18とは異なる入賞口を備えていてもよい。
図2に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、主制御ユニットMUと、副制御ユニットSUと、電源ユニット60とを備えている(副制御ユニットSUのみ図7に示す)。ここでは、主制御ユニットMUの構造について詳しく説明し、各ユニットMU,SU,60を含むパチンコ遊技機10の電気的構成については後述する。
主制御ユニットMUは、主制御基板40を備えている。主制御基板40は、例えばプリント基板であり、各種の電子部品が表面実装されている。主制御基板40は、マイクロプロセッサ41、RWMクリアスイッチ42、設定器43、及び表示器45を備えている。即ち、マイクロプロセッサ41、RWMクリアスイッチ42、設定器43、及び表示器45は、同一基板に実装されている。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載している。バックアップ機能は、外部電源からの電力供給が停止した場合でも遊技制御に関する各種情報を内部的に保持(バックアップ)しておき、電力供給が開始されたときに、保持している各種情報に基づいて遊技制御を復帰する機能である。RWMクリアスイッチ42は、バックアップされている各種情報の初期化を指示する操作を可能に構成された初期化操作手段である。RWMクリアスイッチ42は、押し込み操作をしたときにはオン状態となる一方、押し込み操作をしていないときにはオフ状態となるように構成されている。RWMクリアスイッチ42の操作は、例えば遊技場の管理者による人的操作である。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、設定変更機能を搭載している。設定変更機能は、大当り遊技に関する有利度合いとして、当り抽選において大当りに当選する大当り確率を定めた設定値(設定情報)を変更して設定可能とする機能である。設定器43は、設定値に関する制御を行う設定制御状態としての設定制御モードへの移行を指示する操作を可能に構成された操作部である。設定器43は、主制御基板40に固定された基端部43cと、図示しない設定キー(鍵)を挿し込む鍵穴43aを有する円柱状のシリンダ43bと、を備えている。鍵穴43aは、シリンダ43bの先端面に開口している。設定器43は、設定キーを鍵穴43aに挿し込んだ状態で所定方向へ回動させたオン状態と、前記所定方向へ回動させていないオフ状態のうち、何れかの操作状態(指示状態)に切り替える操作を可能に構成されている。そして、設定器43は、設定キーを用いた切り替え後の操作状態(オン状態又はオフ状態)を、人的操作なしに戻ることなく、そのまま維持するように構成されている。なお、設定器43は、オフ状態に切り替えた操作状態でなければ、鍵穴43aから設定キーを抜くことができないように構成されている。
表示器45は、1種類又は複数種類の情報を表示可能に構成された表示手段である。本実施形態の表示器45では、少なくともその時点において内部的に設定されている設定値を報知する表示を行う。表示器45は、7セグメントLEDを含む4つの表示部45a〜45dを備えている。表示部45a〜45dは、横並びに配置されている。したがって、表示器45は、表示部45a〜45dにおいてそれぞれ16進法で0〜Fの数値(10進法で0〜15)の数値を表示することで、最大で4桁の数値を表示可能である。なお、表示部45a〜45dは、所謂「ドット」を示すセグメントを加えた8セグメントLEDであってもよい。
既に説明した通り、本実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技場の管理者が管理する枠キーを用いて施錠装置SSを操作しなければ、搭載枠11bを開放することができない。即ち、施錠装置SSを操作することができない遊技者は、原則として搭載枠11bを開放することができない。このため、主制御基板40に搭載されたRWMクリアスイッチ42、及び設定器43は、原則として遊技者が操作できない。また、主制御基板40に搭載された表示器45は、遊技者の目には触れない位置に配置されているといえる。
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なる遊技状態として、低確率状態と高確率状態とを備えている。高確率状態は、低確率状態と比較して大当り確率が高い遊技状態である。高確率状態では、大当り確率が低確率状態に比して高まることから、遊技者にとって有利な遊技状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
また、パチンコ遊技機10は、遊技球の発射個数に対する賞球個数の割合が異なる遊技状態として、低ベース状態と高ベース状態とを備えている。本実施形態の高ベース状態は、低ベース状態に比して、遊技球が第2始動入賞口16に入球する確率が高い遊技状態である。本実施形態の高ベース状態は、遊技球が第2始動入賞口16に入球する確率が高まり、第2始動入賞口16の遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な遊技状態(入球容易状態)となる。即ち、本実施形態における高ベース状態は、所謂「電サポ状態」であり、低ベース状態は、所謂「非電サポ状態」である。
例えば、高ベース状態は、次に説明する3つの制御のうち任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことにより実現できる。第1の制御は、普通ゲームの変動時間を、低ベース状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通図柄の当り判定において普通当りと判定される確率(普通当り確率)を、低ベース状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。第3の制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の合計開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の開放回数を、低ベース状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における普通可変部材17の1回の開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。本実施形態では、低ベース状態における普通当り確率は0に設定されている。このため、普通可変部材17は、低ベース状態において、許容状態に動作されない。
また、高ベース状態は、次に説明する第4の制御を組み合わせて実現してもよい。第4の制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低ベース状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高ベース状態は、特別図柄についての、所謂「変動時間短縮状態(時短状態)」となる。これに対して、低ベース状態は、特別図柄についての、所謂「非変動時間短縮状態(非時短状態)」となる。
以下の説明では、低確率状態且つ低ベース状態である遊技状態を「低確低ベース状態」と示す。また、低確率状態且つ高ベース状態である遊技状態を「低確高ベース状態」と示し、高確率状態且つ高ベース状態である遊技状態を「高確高ベース状態」と示す。なお、本実施形態では、高確率状態が付与される場合には高ベース状態も付与されるため、高確率状態且つ低ベース状態である遊技状態となることはない。
上述したように、本実施形態において、高確率状態は、低確率状態と比較して遊技者にとって有利な遊技状態である。また、本実施形態において、高ベース状態は、低ベース状態と比較して遊技者にとって有利な遊技状態である。このため、本実施形態において、低確高ベース状態及び高確高ベース状態は、何れも低確低ベース状態と比較して遊技者にとって有利な遊技状態である。以下の説明では、低確低ベース状態を「通常状態」と示す場合がある一方で、低確高ベース状態及び高確高ベース状態をまとめて「有利状態」と示す場合がある。
次に、本実施形態に特徴的な設定変更機能について説明する。
図3に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、複数種類の設定値として大当り確率を設定可能である。具体的に言えば、本実施形態のパチンコ遊技機10は、複数種類の設定値として第1設定値から第6設定値までの全6段階にわたって大当り確率を設定である。以下の説明では、「第n設定値が設定されている」ことを、単に[設定n]と示す場合がある(但し、n=1〜6)。
設定1の大当り確率はK1であり、設定2の大当り確率はK2であり、設定3の大当り確率はK3であり、設定4の大当り確率はK4であり、設定5の大当り確率はK5であり、設定6の大当り確率はK6である。大当り確率K1〜K6は、大当り確率K1<K2<K3<K4<K5<K6の順に高確率であり、大当りに当選し易くなっている。大当り確率K1〜K6は、図3に例示される通り、低確率状態であるときの大当り確率と、高確率状態であるときの大当り確率と、をセットにしたものである。以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、設定値に応じて大当り確率が変化する。なお、設定値は、6段階である必要はなく、2段階から5段階、及び7段階以上のうち何れであってもよい。
図4に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、設定器43をオン状態に操作した状態であって、且つRWMクリアスイッチ42をオン状態に操作した状態にて電源投入されると、設定変更モードへ移行する。設定変更モードでは、内部的に設定されている設定値が報知される。また、設定変更モードでは、設定スイッチの操作毎に、内部的に設定されている設定値が[設定1]→[設定2]→…→[設定5]→[設定6]→[設定1]→…というように、ループするように変更できる。本実施形態において、設定スイッチは、RWMクリアスイッチ42と兼用されている。設定変更モードは、設定キーを用いて、設定器43をオフ状態に操作すると終了する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、設定器43をオン状態に操作した状態であって、RWMクリアスイッチ42がオフ状態である状態にて電源投入されると、設定確認モードへ移行する。この設定確認モードでは、内部的に設定されている設定値が報知される。また、設定確認モードでは、設定スイッチを操作しても、内部的に設定されている設定値を変更できない。設定確認モードは、設定キーを用いて、設定器43をオフ状態に操作すると終了する。設定変更モード(設定制御状態)及び設定確認モード(設定確認状態)は、設定値に関する制御を行う設定制御モード(設定制御状態)である。
図5に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、設定制御モードにおいて設定値を報知する手段として表示器45を備えている。以下、表示器45による設定値の報知例について説明する。
表示器45では、電源投入されたときに設定変更モード及び設定確認モードの何れかへの移行条件が成立している場合、内部的に設定されている設定値を報知する表示を行う。具体的に言えば、表示部45a,45bに[−]を表示し、表示部45c,45dに設定値を示す値を表示する。例えば、表示器45では、設定1のときに[−−01](図5(a))を、設定2のときに[−−02](図5(b))を、設定3のときに[−−03](図5(c))を、設定4のときに[−−04](図5(d))を、設定5のときに[−−05](図5(e))を、設定6のときに[−−06](図5(f))を表示する。
例えば、設定変更モードでは、設定スイッチの操作毎に設定値が変更されるため、表示器45では、[−−01]→[−−02]→…→[−−05]→[−−06]→[−−01]→…というように、設定値を報知する表示がループするように切り替わる。なお、設定変更モードでは、表示部45a,45bでは変更前の設定値を表示し、表示部45c,45dでは変更後の設定値を表示してもよい。一方、設定確認モードでは、設定スイッチを操作しても設定値が変更されないため、表示器45では、設定値を報知する表示が切り替わることなく継続する。なお、設定変更モード及び設定確認モードが終了した後において、表示器45では、設定されている設定値を報知する表示を継続してもよく、設定値とは異なる情報を報知する表示に切り替わってもよく、何れの情報を報知する表示も行わなくてもよい。
本実施形態における表示器45は、少なくともその時点において内部的に設定されている設定値を報知する表示が可能であればよく、その他の情報を表示可能であってもよい。即ち、表示器45は、設定値を報知する表示に加えて、設定値とは異なる情報の表示を行う兼用の表示手段であってもよい。設定値とは異なる情報には、例えば、大当り遊技中ではないことを前提として、(通常遊技状態時の賞球の総数÷通常遊技状態時の有効球の総数)×100の計算式によって計数(計算)されるベース値を採用してもよい。なお、表示器45は、2桁以上の情報からなる表示を行う表示手段と兼用しない場合、必ずしも4つの表示部45a〜45dを必要としない。例えば、表示器45は、表示部45b〜45dを省略して1桁の数値を表示可能に構成されていてもよい。また、表示器45は、パチンコ遊技機10の機体の表側に設けられた表示手段と兼用されていてもよい。例えば、特別図柄表示部13a,13bと兼用されていてもよい。
次に、パチンコ遊技機10における大当りについて説明する。
図6に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備えている。複数種類の大当り図柄には、それぞれ大当り遊技の種類が定められている。大当り図柄の種類は、大当りの種類としても把握できる。
本実施形態において、第1特別図柄の大当り図柄及び第2特別図柄の大当り図柄には、それぞれ予め定めた複数種類の大当り図柄がある。本実施形態において、複数種類の特別図柄の大当り図柄は、予め定めた比率で、図柄ZA、図柄ZB、及び図柄ZCの3つのグループに分類されている。具体的に、本実施形態では、100種類の第1特別図柄の大当り図柄のうち、48種類の大当り図柄が図柄ZAに、12種類の大当り図柄が図柄ZBに、40種類の大当り図柄が図柄ZCに、それぞれ分類されている。本実施形態において、複数種類の第2特別図柄の大当り図柄は、また、本実施形態では、100種類の第2特別図柄の大当り図柄のうち、50種類の大当り図柄が図柄ZAに、10種類の大当り図柄が図柄ZBに、40種類の大当り図柄が図柄ZCに、それぞれ分類されている。このように、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、大当り図柄の比率が異なる。特に、本実施形態において、第2特別図柄では、第1特別図柄と比較して、図柄ZAの比率が高い一方、図柄ZBの比率が低く、図柄ZCの比率は同一である。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能な開始演出としてのオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口18を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する第1終了条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2終了条件が成立することによって終了される。ラウンド遊技において、大入賞口18は、所定の開放態様となるように開放される。具体的に、本実施形態において、大入賞口18は、ラウンド遊技の開始を契機として開放され、ラウンド遊技の終了を契機として閉鎖される。即ち、本実施形態において、特別可変部材19は、ラウンド遊技の開始を契機として開状態に動作し、ラウンド遊技の終了を契機として閉状態に動作する。本実施形態において、ラウンド遊技は、特別可変部材19が開状態に動作される開放遊技に相当する。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能な終了演出としてのエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
本実施形態において、図柄ZA,ZCの大当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数として10回が定められており、図柄ZBの大当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数として4回が定められている。そして、本実施形態において、第2特別図柄では、第1特別図柄と比較して、図柄ZAの大当り遊技及び図柄ZBの大当り遊技のうち、有利な大当り遊技である図柄ZAの大当り遊技の比率が高い。このため、本実施形態において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームよりも有利な特別ゲームであると言える。
また、本実施形態において、各大当り遊技では、各回のラウンド遊技における上限個数として10個が定められており、各回のラウンド遊技における上限時間として25秒が定められている。なお、本実施形態において、各回のラウンド遊技における上限時間は、通常、大入賞口18を狙って遊技球を発射していれば、遊技球が大入賞口18に入球するのに十分な時間である。また、本実施形態において、各大当り遊技では、オープニング時間、ラウンド間インターバル時間、及びエンディング時間として同一の時間がそれぞれ定められている。例えば、本実施形態において、各大当り遊技では、オープニング時間として8秒が定められており、ラウンド間インターバル時間として2秒が定められており、エンディング時間として10秒が定められている。
次に、大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10では、図柄ZA,ZBの大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで高確率状態及び高ベース状態が付与される。また、パチンコ遊技機10では、図柄ZCの大当り遊技の終了後、高確率状態が付与されない一方で、次回の大当り遊技が付与される第1終了条件、及び予め定めた作動回数(本実施形態では100回)の特別ゲームが終了する第2終了条件のうち、何れかの終了条件が成立するまで高ベース状態が付与される。このため、本実施形態において、図柄ZA,ZBは、大当り遊技終了後の遊技状態という観点で、図柄ZCよりも有利な大当り遊技であると言える。以下の説明では、図柄ZAの大当りを「10R高確大当り」と示し、図柄ZBの大当りを「4R高確大当り」と示し、図柄ZCの大当りを「10R低確大当り」と示す。
本実施形態において、10R高確大当り及び4R高確大当りは、大当り遊技の終了後に高確率状態が付与されることから、10R低確大当りよりも遊技者にとって有利な大当りであるといえる。また、10R高確大当りは、4R高確大当りよりも大当り遊技におけるラウンド遊技の上限回数が多いことから、4R高確大当りよりも遊技者にとって有利な大当りであるといえる。なお、4R高確大当りは、10R低確大当りよりも大当り遊技におけるラウンド遊技の上限回数が少ない。しかしながら、4R高確大当りに当選した場合、大当り遊技が終了してから次の大当りに当選するまでの間にわたって高確率状態が付与されることから、実質的に次の大当りへの当選が担保されるといえる。したがって、4R高確大当りは、大当り遊技の終了後に高確率状態が付与されない10R低確大当りよりも遊技者にとって有利な大当りであるといえる。即ち、本実施形態では、10R低確大当り<4R高確大当り<10R高確大当りの順で遊技者にとって有利な大当りであるといえる。
次に、パチンコ遊技機10が実行可能な演出の一例について説明する。
パチンコ遊技機10が実行可能な演出には、表示演出の1つである演出図柄変動ゲームがある。以下の説明では、演出図柄変動ゲームを略して「演出ゲーム」と示す。演出ゲームは、演出表示装置EHにおいて、複数列の演出図柄を変動表示させ、最終的に演出図柄の組み合わせ(以下、単に図柄組み合わせと示す)を導出させる演出である。演出図柄は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄(飾り図柄)であって、表示演出を多様化させるための図柄である。本実施形態において、演出ゲームは、第1列、第2列、及び第3列の演出図柄をそれぞれ所定の方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
演出ゲームは、特別ゲームに関連して実行される。具体的に、演出ゲームは、特別ゲームの開始に伴って開始され、特別ゲームの終了に伴って終了される。演出ゲームでは、特別ゲームにおいて導出された特別図柄に応じた図柄組み合わせが導出される。特別ゲームにおいて、大当り図柄が導出される場合には、演出ゲームにおいて、大当りの図柄組み合わせが導出される。例えば、大当りの図柄組み合わせは、「777」などのように、全列の演出図柄が同一となる図柄組み合わせである。
また、特別ゲームにおいて、はずれ図柄が導出される場合には、演出ゲームにおいて、はずれの図柄組み合わせが導出される。例えば、はずれの図柄組み合わせは、「778」や「787」などのように、少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組み合わせである。なお、演出ゲームにおいて、演出図柄は、確定停止表示される前に一旦停止表示されてもよい。本明細書において、「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームに関連して実行される演出ゲームとを区別しない場合、これらを総称して「変動ゲーム」と示す。
演出ゲームでは、リーチを形成して行うリーチ演出が実行される場合がある。リーチは、複数列のうち特定列(本実施形態では第1列と第3列)に同一の演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、特定列とは異なる列(本実施形態では第2列)の演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。例えば、リーチ演出には、登場するキャラクタ、及び演出図柄の動作などが異なる複数種類のリーチ演出があってもよい。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を説明する。
図7に示すように、本実施形態の主制御基板40は、所定の処理を行い、当該処理の結果に応じて、制御コマンドなどの制御信号を出力する。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板50は、主制御基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
まず、主制御基板40について詳しく説明する。
マイクロプロセッサ41は、処理部(以下、「主制御CPU41a」と示す)と、記憶部(メモリ)とを備えている。主制御CPU41aは、主制御用のプログラムを実行することにより、各種処理を実行する。マイクロプロセッサ41の記憶部には、情報の読み出しが可能であって情報の書き込みが不能なROM領域(以下、「主制御ROM41b」と示す)と、情報の読み出し及び書き込みが可能なRWM領域(以下、「主制御RWM41c」と示す)とがある。
主制御ROM41bは、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。また、主制御ROM41bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了する迄の変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームなどの演出内容(変動態様)を特定可能な情報である。本実施形態の変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンとがある。大当り変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行い、最終的に大当りの図柄組み合わせを導出する変動パターンがある。はずれ変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行い、最終的にはずれの図柄組み合わせを導出可能な「リーチあり」のはずれ変動パターンがある。はずれ変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行わず、最終的にはずれの図柄組み合わせを導出する「リーチ無し」のはずれ変動パターンがある。
主制御RWM41cは、主制御CPU41aの処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RWM41cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する乱数回路41dを備えている。マイクロプロセッサ41は、主制御CPU41aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。なお、主制御CPU41a、主制御ROM41b、主制御RWM41c、及び乱数回路41dは、マイクロプロセッサ41としてワンチップに構成されている必要はなく、別体であってもよい。
主制御CPU41aは、センサSE1〜SE4と接続されている。主制御CPU41aは、センサSE1〜SE4が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。また、主制御CPU41aは、センサSE1〜SE4が遊技球を検知したときに入力する検知信号を入力した場合、遊技球を検知したセンサを特定可能な制御コマンドを副制御基板50に出力する。例えば、主制御CPU41aは、第1始動入賞センサSE1が遊技球を検知したときに入力する検知信号を入力した場合、第1始動入賞センサSE1が遊技球を検知したことを特定可能な制御コマンドを副制御基板50に出力する。同様に、主制御CPU41aは、センサSE2〜SE4が遊技球を検知したときに入力する検知信号を入力した場合、各センサが遊技球を検知したことを特定可能な制御コマンドを副制御基板50に出力する。
また、主制御CPU41aは、情報表示装置13(表示部13a〜13f)と接続されている。主制御CPU41aは、情報表示装置13(表示部13a〜13f)の表示内容を制御可能に構成されている。また、主制御CPU41aは、ソレノイドSL1,SL2と接続されている。主制御CPU41aは、ソレノイドSL1,SL2の動作を制御することによって、可変部材17,19の動作を制御可能に構成されている。主制御CPU41aは、RWMクリアスイッチ42と接続されている。主制御CPU41aは、RWMクリアスイッチ42がオン状態に操作されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aは、設定器43と接続されている。主制御CPU41aは、設定器43がオン状態に操作されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aは、表示器45と接続されている。主制御CPU41aは、表示器45の表示内容を制御可能に構成されている。
次に、副制御基板50について詳しく説明する。
副制御基板50は、副制御CPU50aと、副制御ROM50bと、副制御RWM50cと、を備えている。副制御CPU50aは、副制御プログラムを実行することにより、所定の処理として、演出に関する処理などを行う。副制御ROM50bは、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM50bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び、図示しない可動体を動作させる可動体演出に用いる可動体演出データなどを記憶している。
副制御RWM50cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RWM50cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板50は、副制御CPU50aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
副制御CPU50aは、演出表示装置EHと接続されている。副制御CPU50aは、演出表示装置EHの表示内容を制御可能に構成されている。副制御CPU50aは、装飾ランプLA1,LA2と接続されている。副制御CPU50aは、装飾ランプLA1,LA2の発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU50aは、スピーカSPと接続されている。副制御CPU50aは、スピーカSPの出力態様を制御可能に構成されている。即ち、本実施形態において、副制御CPU50aは、演出実行手段を制御する演出制御手段に相当する。副制御CPU50aは、演出ボタンBTと接続されている。副制御CPU50aは、演出ボタンBTが操作されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。具体的に、副制御CPU50aは、第1演出ボタンBT1が操作されたときに出力する第1操作信号、及び第2演出ボタンBT2が操作されたときに出力する第2操作信号を入力可能に構成されている。なお、第2操作信号は、第2演出ボタンBT2の左ボタン、右ボタン、上ボタン、及び下ボタンのうち何れのボタンが操作されたかを特定可能な信号である。
次に、電源ユニット60について説明する。
電源ユニット60は、遊技場などの外部電源から供給される電源電圧を所定の電源電圧(V1)に変換するとともに、その変換後の電源電圧(V1)を各制御基板40,50へ供給すべき電源電圧(V2)にさらに変換する。電源ユニット60は、複数本の電源供給線を介して各制御基板40,50と接続されており、各基板は電源供給線を通じて電力供給を受けることによって動作する。
電源ユニット60は、電源スイッチ(接点装置)60aを備えている。電源スイッチ60aは、オン状態及びオフ状態の何れかに切り替える操作が可能であって、切り替え後の操作状態を維持するように構成されている。本実施形態では、外部電源からパチンコ遊技機10へ電力が供給されている状態において、電源スイッチ60aをオフ状態からオン状態に操作にすると、各制御基板40,50に電力が供給され、さらにオフ状態に操作すると各制御基板40,50への電力供給が遮断される。
したがって、パチンコ遊技機10を起動するためには、電源スイッチ60aをオン状態に操作したまま、外部電源からの電力供給を開始するか、外部電源からの電力供給をしている状態のまま、電源スイッチ60aをオフ状態からオン状態に操作にする。本明細書において、「電力供給を開始する(電源を投入する)」ことは、電源スイッチ60aを操作するなどして、各制御基板40,50に対して電力が供給されている状態にすることを意味し、「電力供給を遮断する(電源を遮断する)」ことは、各制御基板40,50に対して電力が供給されていない状態にすることを意味する。なお、以下の説明では、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断されることを単に「電源断」と示す場合があるとともに、電源断の後、パチンコ遊技機10への電力供給が再開されることを「復電」と示す場合がある。
次に、バックアップ機能について詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10において、主制御RWM41cは、電源断がされても、電源断がされたときに記憶している各種情報を所定期間にわたって保持可能に構成されている。例えば、主制御RWM41cは、電源ユニット60に搭載された図示しないバックアップ用電源(例えば電気二重層コンデンサ)から供給される電力によって、電源断がされた後にも各種情報を保持するとよい。例えば、主制御RWM41cは、電力の供給を受けない状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断がされた後にも各種情報を保持するようになっていてもよい。
ここで、バックアップの対象となる各種情報には、遊技の進行に関する遊技情報と、設定値に関する設定値情報とが含まれている。例えば、遊技情報には、特別ゲームに関する情報、大当り遊技に関する情報、遊技状態に関する情報、賞球の払出しに関する情報を含む。特別ゲームに関する情報としては、例えば特別保留数を特定可能な情報、各種の乱数情報、当り抽選の抽選結果を特定可能な情報、特別ゲームの変動パターンを特定可能な情報、特別ゲームで導出される特別図柄を特定可能な情報などである。大当り遊技に関する情報としては、大当り遊技の進行状況を特定可能な情報などである。遊技状態に関する情報としては、現在の遊技状態を特定可能な情報、高ベース状態が付与される残り回数を特定可能な情報などである。賞球の払出しに関する情報としては、未払出しの賞球数を特定可能な情報などである。
一方で、本実施形態において、副制御RWM50cは、バックアップ用電源から電力が供給されない。このため、副制御RWM50cに記憶されている情報は、電源断された場合には保持されない。即ち、副制御RWM50cに記憶されている情報は、電源断を契機として消去される。
次に、電源投入処理について説明する。本実施形態において、以下に説明する電源投入処理を実行する主制御CPU41aは、大当りに当選する確率を定めた複数の設定情報としての設定値のうち何れかの設定値を設定する制御が可能な設定制御手段として機能する。
主制御CPU41aは、電源投入時の起動処理(ブート処理)によって起動すると、最初に電源投入処理を実行する。電源投入処理では、電源投入時のRWMクリアスイッチ42及び設定器43の操作状態に応じて、設定制御モード(設定変更モード及び設定確認モード)への移行の有無、及び主制御RWM41cの初期化の有無が制御される。以下、詳細に説明する。
主制御CPU41aは、RWMクリアスイッチ42がオン状態に操作されており、且つ設定器43がオン状態に操作されている場合、主制御RWM41cのRWMクリア処理を実行する。RWMクリア処理において、主制御CPU41aは、バックアップされているベース情報遊技情報を初期化する一方で、バックアップされている設定値情報を初期化しない。次に、主制御CPU41aは、設定変更モードへ移行する。主制御CPU41aは、設定変更モードへ移行すると、設定変更モードの開始を特定可能な制御コマンド(以下、「変更開始コマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。
また、主制御CPU41aは、設定変更モードへ移行すると、主制御RWM41cに記憶されている設定値を読み出すとともに、読み出した設定値を報知する表示を行うように表示器45を制御する。即ち、表示器45では、電源断がされたときの設定値が報知される。設定変更モードにおいて、主制御CPU41aは、設定スイッチ(本実施形態ではRWMクリアスイッチ42)が操作される毎に、設定している設定値を、[設定1]→[設定2]→…→[設定5]→[設定6]→[設定1]→…というように、ループするように変更する。主制御CPU41aは、設定スイッチの操作を契機に設定値を変更する毎に、変更後の設定値を報知する表示を行うように表示器45を制御する。
主制御CPU41aは、設定変更モードにおいて、設定器43がオフ状態に操作されると、その時点において設定している設定値を確定し、設定変更モードを終了する。主制御CPU41aは、設定変更モードを終了すると、確定した設定値を特定可能な制御コマンド(以下、「設定値コマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。また、主制御CPU41aは、設定変更モードの終了を特定可能な制御コマンド(以下、「変更終了コマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。その後、電源投入処理を終了し、後述する通常制御状態へ移行する。
以上のような制御により、主制御CPU41aは、設定スイッチの操作に基づいて、設定値を変更して設定可能である。即ち、本実施形態では、主制御CPU41aが以上のような制御を実行することにより、設定値を変更して設定可能な設定手段が実現される。また、本実施形態において、設定スイッチ(RWMクリアスイッチ42)は、所定の操作部に相当する。
主制御CPU41aは、RWMクリアスイッチ42がオフ状態であり、且つ設定器43がオン状態に操作されている場合、バックアップされている各種情報が正常であるかを確認する。バックアップされている各種情報が正常であるか、異常であるかの確認は、例えばバックアップフラグの状態確認とチェックサムの一致確認によって行われる。バックアップされている各種情報が異常である場合、主制御CPU41aは、主制御RWM41cのRWMクリア処理を実行する。バックアップされている各種情報が正常である場合、主制御CPU41aは、主制御RWM41cのRWMクリア処理を実行しない。次に、主制御CPU41aは、設定確認モードへ移行する。主制御CPU41aは、設定確認モードへ移行すると、設定確認モードの開始を特定可能な制御コマンド(以下、「確認開始コマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。
また、主制御CPU41aは、設定確認モードへ移行すると、主制御RWM41cに記憶されている設定値を読み出すとともに、読み出した設定値を報知する表示を行うように表示器45を制御する。即ち、表示器45では、電源断がされたときの設定値が報知される。設定確認モードにおいて、主制御CPU41aは、設定スイッチ(本実施形態ではRWMクリアスイッチ42)が操作されても、設定値を変更せず、表示器45の表示内容も変化させない。
主制御CPU41aは、設定確認モードにおいて、設定器43がオフ状態に操作されると、設定確認モードを終了する。主制御CPU41aは、設定確認モードを終了すると、その時点において設定している設定値を特定可能な設定値コマンドを副制御基板50に出力する。また、主制御CPU41aは、設定確認モードの終了を特定可能な制御コマンド(以下、「確認終了コマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。その後、電源投入処理を終了し、通常制御状態へ移行する。
また、主制御CPU41aは、RWMクリアスイッチ42がオン状態に操作されており、且つ設定器43がオフ状態である場合、主制御RWM41cのRWMクリア処理を実行する。その後、主制御CPU41aは、設定変更モード及び設定確認モードへ移行することなく、電源投入処理を終了し、通常制御状態へ移行する。一方、主制御CPU41aは、RWMクリアスイッチ42がオフ状態であり、且つ設定器43がオフ状態である場合、主制御RWM41cのRWMクリア処理を実行しない。また、主制御CPU41aは、設定変更モード及び設定確認モードへ移行することなく、電源投入処理を終了し、通常制御状態へ移行する。
ここで、通常制御状態は、主制御CPU41aが内部抽選(当り抽選)に基づいて変動ゲームを実行させる制御や、大当り遊技を付与する制御を可能な制御状態である。RWMクリア処理の実行によって、遊技情報が初期化された場合には、何れの特別ゲーム及び普通ゲームが実行及び保留されておらず、且つ大当り遊技中でもない状態に復帰される。一方、遊技情報が初期化されなかった場合には、バックアップされている遊技情報に基づいて、電源断がされたときの遊技の状態に復帰される。このため、主制御CPU41aは、例えば、大当り遊技中に電源断され、その後に復電したときには、大当り遊技を再開させる制御が可能である。
なお、主制御CPU41aは、電源投入処理を終了するときに、上記設定値コマンドのほか、主制御RWM41cに記憶されている遊技情報に基づいて所定の制御コマンド(以下、「初期コマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。ここで、主制御RWM41cに記憶されている遊技情報とは、RWMクリア処理が実行されたときは初期化された遊技情報であり、RWMクリア処理が実行されていないときには直近の電源断がされたときの遊技情報である。
例えば、主制御CPU41aは、特別ゲームの実行中に復帰する場合、初期コマンドとして、当り抽選の抽選結果を特定可能な制御コマンド、特別ゲームの変動パターンを特定可能な制御コマンド、特別ゲームで導出される特別図柄を特定可能な制御コマンドなどを出力する。あわせて、主制御CPU41aは、遊技状態を特定可能な制御コマンドを出力する。例えば、主制御CPU41aは、大当り遊技の付与中に復帰する場合、初期コマンドとして、大当り遊技の進行状況を特定可能な制御コマンドなどを出力する。なお、本実施形態において、大当り遊技の付与中に復帰する場合の初期コマンドは、大当り遊技の進行状況として、オープニング中である状態に復帰するか、ラウンド遊技中である状態に復帰するか、エンディング中である状態に復帰するかを特定可能である。
また、主制御CPU41aは、電源投入処理において、設定されている設定値に異常がある場合、設定値エラーを検知してもよい。設定されている設定値に異常があるか否かは、例えば、主制御RWM41cのうち、設定値を特定可能な情報を格納する記憶領域に、設定1〜6の何れを特定する値でもない値が格納されているとき、設定値エラーと判定するとよい。主制御CPU41aは、設定値エラーを検知すると、電源断がされるまで解除不能な遊技停止状態へ移行するとよい。
また、主制御CPU41aは、設定変更モードへ移行してから終了する迄の間、及び設定確認モードへ移行してから終了する迄の間にわたって、所定の外部信号(セキュリティ信号)を図示しない外部端子から機外へ出力してもよい。外部端子には、例えば遊技場の管理室などに設置されたホールコンピュータ、及び島設備などに設置された外部演出装置などが接続される。主制御CPU41aは、設定変更モードへ移行してから終了する迄の間、及び設定確認モードへ移行してから終了する迄の間にわたって、設定制御モード中であることを報知する表示を行うように、特別図柄表示部13a,13bを制御してもよい。設定制御モード中であることを報知する表示は、特別ゲームにおいて導出する大当り図柄及びはずれ図柄の何れとも異なる発光パターンによる表示である。
また、主制御CPU41aは、電源投入処理によって設定変更モードへ移行した場合には、電源投入処理を終了してから、搭載枠11bが閉鎖されたことを契機として、RWMクリア処理が実行されたことを特定可能な制御コマンド(以下、「RWMクリアコマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。例えば、搭載枠11bが閉鎖されたか否かは、搭載枠11bが開放されているか否かを検知するセンサを設けたり、施錠装置SSによる搭載枠11bの施錠状態を検知するセンサを設けたりすることで特定するとよい。
電源投入処理によって設定変更モードへ移行しなかった場合であって、RWMクリア処理を実行したときには、電源投入処理が終了すると、搭載枠11bが閉鎖されたか否かを問わず、RWMクリアコマンドを副制御基板50に出力する。詳しくは後述するが、RWMクリアコマンドを入力した副制御基板50は、所定の報知(後述するRWMクリア報知)を実行させる。即ち、設定変更モードへ移行したときと、設定変更モードへ移行しなかったときとでは、RWMクリア報知のタイミング(実行態様)が異なる。また、主制御CPU41aは、RWMクリアコマンドの出力とともに所定の外部信号(セキュリティ信号)を外部端子から所定時間(例えば50ms)にわたって出力するとよい。
次に、主制御CPU41aによって実行される各種の処理について説明する。
主制御CPU41aは、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行う割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。なお、本実施形態において、出力バッファに設定された制御コマンドは、割り込み処理として実行されるコマンド出力処理によって副制御基板50へ出力される。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主制御CPU41aは、第1始動入賞センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したか否かを判定する。第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合、主制御CPU41aは、主制御RWM41cに記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41aは、第1特別保留数を1加算して更新する。このとき、主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満である状態において、遊技球が第1始動入賞センサSE1によって検知されると成立する。
次に、主制御CPU41aは、マイクロプロセッサ41内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM41cに記憶させる。例えば、乱数は、大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数などである。このとき、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。なお、乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態では、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM41cに記憶させておくことによって、当該第1特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留する。
第1始動入賞口15へ遊技球が入球していない場合、第1特別保留数が上限数未満ではない場合、及び、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM41cに記憶させた場合、主制御CPU41aは、第2始動入賞センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したか否かを判定する。第2始動入賞口16へ遊技球が入球していない場合、主制御CPU41aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2始動入賞口16へ遊技球が入球している場合、主制御CPU41aは、主制御RWM41cに記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU41aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41aは、第2特別保留数を1加算して更新する。このとき、主制御CPU41aは、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。第2特別ゲームの保留条件は、第2特別保留数が上限数未満である状態において、遊技球が第2始動入賞センサSE2によって検知されると成立する。
次に、主制御CPU41aは、マイクロプロセッサ41内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM41cに記憶させる。このとき、主制御CPU41aは、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM41cに記憶させておくことによって、当該第2特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留する。その後、主制御CPU41aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
まず、主制御CPU41aは、特別ゲームの実行条件が成立しているかを判定する。なお、本実施形態において、特別ゲームの実行条件は、特別ゲームを開始させるための始動条件としても把握できる。この判定において、主制御CPU41aは、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲーム中ではない場合に実行条件が成立したと判定する一方で、大当り遊技中、又は特別ゲーム中である場合に実行条件が成立していないと判定する。実行条件が成立していない場合、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、実行条件が成立している場合、主制御CPU41aは、主制御RWM41cに記憶されている第2特別保留数を取得し、取得した第2特別保留数が0(零)よりも大きいかを判定する。第2特別保留数が0よりも大きい場合、主制御CPU41aは、第2特別ゲームを開始させる。一方、第2特別保留数が0の場合、主制御CPU41aは、第1特別保留数を取得し、取得した第1特別保留数が0よりも大きいかを判定する。第1特別保留数が0よりも大きい場合、主制御CPU41aは、第1特別ゲームを開始させる。これにより、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別ゲームと第2特別ゲームとを同時に実行させず、第2特別ゲームを優先的に実行させる。
一方、第1特別保留数及び第2特別保留数の何れも0の場合、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。主制御CPU41aは、待機状態であることを特定可能な情報(以下、待機状態コマンドと示す)を副制御基板50に出力するかを判定する。本実施形態において、待機状態とは、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲーム中ではない状態であって、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの何れも保留されていない状態である。このとき、主制御CPU41aは、主制御RWM41cに出力済情報が記憶されていない場合には、待機状態コマンドを出力すると判定する一方で、出力済情報が記憶されていない場合には、待機状態コマンドを出力しないと判定する。本実施形態において、出力済情報は、待機状態コマンドを出力済であることを特定可能な情報である。出力済情報は、待機状態コマンドを生成したことを契機として主制御RWM41cに記憶され、待機状態が終了したことを契機として主制御RWM41cから消去(クリア)される。
待機状態コマンドを出力する場合、主制御CPU41aは、待機状態コマンドを生成して出力バッファにセットするとともに、主制御RWM41cに出力済情報を記憶させる。その後、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、待機状態コマンドを出力しない場合、主制御CPU41aは、待機状態コマンドを生成することなく特別図柄開始処理を終了する。
また、第2特別ゲームを開始させる場合、主制御CPU41aは、第2特別保留数を1減算して更新するとともに、減算後の第2特別保留数を表示させるように情報表示装置13を制御する。次に、主制御CPU41aは、第2特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM41cから取得する。そして、主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される大当り乱数の値を用いて、大当りか否かの大当り判定を行う。なお、大当り判定は、大当りか否かの大当り抽選に相当する。例えば、大当り判定は、乱数の値と大当り判定値とが一致するか否かにより判定してもよい。また例えば、大当り判定は、乱数の値と大当り判定値とを加算した値が、所定値を超えているか否かにより判定してもよい。このとき、主制御CPU41aは、現在の設定値及び現在の確率状態に応じて異なる大当り判定値により大当り判定を行う。
大当り判定において大当りと判定した場合、主制御CPU41aは、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される大当り図柄乱数の値に基づいて、特別図柄の大当り図柄を決定する。この決定した大当り図柄が、特別ゲームにて導出される確定停止図柄となる。また、主制御CPU41aは、特別図柄の大当り図柄を決定した場合、変動パターン決定抽選を行うことにより、複数種類の大当り変動パターンの中から大当り変動パターンを決定する。一方、大当り判定において大当りと判定しなかった場合、主制御CPU41aは、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において主制御CPU41aは、特別図柄のはずれ図柄を決定する。この決定したはずれ図柄が、特別ゲームにて導出される確定停止図柄となる。また、主制御CPU41aは、特別図柄のはずれ図柄を決定した場合、変動パターン決定抽選を行うことにより、複数種類のはずれ変動パターンの中からはずれ変動パターンを決定する。
また、第1特別ゲームを開始させる場合、主制御CPU41aは、前述した第2特別ゲームに関する制御と同様の制御を第1特別ゲームを対象にして行う。つまり、主制御CPU41aは、第1特別保留数の減算、大当り判定、大当り判定の結果に基づく大当り変動処理又ははずれ変動処理を行う。その後、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。
以上のような特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理により、本実施形態のパチンコ遊技機10では、各始動入賞口への遊技球の入球を契機に当り抽選が行われる。そして、特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU41aは、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始させるように情報表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を指定する情報(以下、特別図柄指定コマンドと示す)を出力バッファに設定する。また、主制御CPU41aは、変動パターンを指定するとともに演出ゲームの開始を指示する情報(以下、変動パターン指定コマンドと示す)を出力バッファに設定する。また、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間を計測する。そして、主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄が導出されるように、情報表示装置13を制御する。これにより、主制御CPU41aは、大当り抽選に当選した場合には、特別ゲームにおいて大当り表示結果を導出させるように制御する。また、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間が経過すると、演出図柄の組み合わせを導出させるための情報(以下、全図柄停止コマンドと示す)を出力バッファに設定する。
次に、主制御CPU41aが行う大当り処理について説明する。
大当り処理において、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理で決定した大当り図柄(大当りの種類)に基づく大当り遊技を付与する制御を行う。即ち、本実施形態では、主制御CPU41aが大当り処理を実行することにより、大当り遊技を付与する大当り遊技付与手段が実現される。
主制御CPU41aは、大当りの特別ゲームが終了すると、最初にオープニング時間の開始を特定可能な情報(以下、オープニングコマンドと示す)を出力バッファに設定する。主制御CPU41aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。具体的に、主制御CPU41aは、大当り図柄(大当りの種類)により決定される開放パターンに基づいて大入賞口18が開放されるように、第2ソレノイドSL2を制御し、ラウンド遊技を開始させる。そして、主制御CPU41aは、ラウンド遊技を開始させた後、第1終了条件又は第2終了条件が成立すると、大入賞口18が閉鎖されるように第2ソレノイドSL2を制御し、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU41aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。また、主制御CPU41aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な情報(以下、ラウンドコマンドと示す)を出力バッファに設定する。
主制御CPU41aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な情報(以下、エンディングコマンドと示す)を出力バッファに設定する。主制御CPU41aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。
次に、主制御CPU41aが行う遊技状態に関する処理について説明する。
主制御CPU41aは、大当り遊技を開始させるに際して、遊技状態を低確低ベース状態に制御する。また、主制御CPU41aは、大当り遊技を終了させるに際して、大当りの種類に応じた遊技状態に制御する。例えば、主制御CPU41aは、10R高確大当り又は4R高確大当りに基づく大当り遊技を終了させる場合、遊技状態を高確高ベース状態に制御する。この場合、主制御CPU41aは、次の大当り遊技が開始されるまで、遊技状態を高確高ベース状態に制御する。一方、主制御CPU41aは、10R低確大当りに基づく大当り遊技を終了させる場合、遊技状態を低確高ベース状態に制御する。この場合、主制御CPU41aは、作動回数(本実施形態では100回)を定めた高ベース状態に制御する。そして、主制御CPU41aは、作動回数を定めた低ベース状態に制御した場合、次回の大当り遊技が付与される第1終了条件、及び作動回数の特別ゲームが終了する第2終了条件のうち、何れかの終了条件が成立するまで、遊技状態を低確高ベース状態に制御する。
主制御CPU41aは、低確率状態に制御する場合、低確率状態に制御することを特定可能な値を、主制御RWM41cに記憶されている確率状態フラグに設定する低確率状態に制御することを特定可能な低確率コマンドを生成し、出力バッファにセットする。一方、主制御CPU41aは、高確率状態に制御する場合、高確率状態に制御することを特定可能な値を、主制御RWM41cに記憶されている確率状態フラグに設定するとともに、高確率状態に制御することを特定可能な高確率コマンドを生成し、出力バッファにセットする。また、主制御CPU41aは、低ベース状態に制御する場合、低ベース状態に制御することを特定可能な値を、主制御RWM41cに記憶されているベース状態フラグに設定するとともに、低ベース状態に制御することを特定可能な低ベースコマンドを生成し、出力バッファにセットする。一方、主制御CPU41aは、高ベース状態に制御する場合、主制御RWM41cに記憶されているベース状態フラグに設定するとともに、高ベース状態に制御することを特定可能な高ベースコマンドを生成し、出力バッファにセットする。
また、主制御CPU41aは、作動回数を定めた高ベース状態を付与する場合、上記作動回数に相当する回数を、高ベース状態を付与する特別ゲームの残り回数として主制御RWM41cに記憶させる。そして、主制御CPU41aは、特別ゲームが実行される毎に、主制御RWM41cに記憶されている残り回数を1減算する。主制御CPU41aは、残り回数が0となった場合、残り回数が0となった特別ゲームの終了に伴って、低ベース状態に制御することを特定可能な値をベース状態フラグに設定する。
次に、副制御CPU50aによって実行される各種の処理について説明する。
副制御CPU50aは、変更開始コマンドを入力すると、設定変更モード中であることを特定可能な設定変更報知を実行するように、演出表示装置EHを制御する。例えば、設定変更報知は、「設定変更中です」といった文字列のように、設定変更モードであることを特定可能な画像を表示する態様により実行される。副制御CPU50aは、変更終了コマンドを入力すると、設定変更報知を終了するように、演出表示装置EHを制御する。
副制御CPU50aは、確認開始コマンドを入力すると、設定確認モード中であることを特定可能な設定確認報知を実行するように、演出表示装置EHを制御する。例えば、設定確認報知は、「設定確認中です」といった文字列のように、設定確認モードであることを特定可能な画像を表示する態様により実行される。副制御CPU50aは、確認終了コマンドを入力すると、設定確認報知を終了するように、演出表示装置EHを制御する。
副制御CPU50aは、RWMクリアコマンドを入力すると、RWMクリア処理が実行されたこと、即ち、遊技情報の初期化が行われたことを特定可能なRWMクリア報知を実行するように、演出表示装置EHを制御する。例えば、RWMクリア報知は、「RWMクリア」の文字列のように、RWMクリア処理が行われたことを特定可能な画像を表示する態様により実行される。副制御CPU50aは、RWMクリアコマンドを入力してから所定時間(例えば30s)が経過すると、RWMクリア報知を終了するように、演出表示装置EHを制御する。なお、報知処理によって実行させる各種の報知は、演出表示装置EHによる画像表示に加えて、又は代えて、スピーカSPによる音声出力、及び装飾ランプLAによる発光を組み合わせて実行してもよい。
副制御CPU50aは、初期コマンドを入力すると、該初期コマンドから特定可能な遊技情報に応じた情報を副制御RWM50cに記憶させるように制御する。また、副制御CPU50aは、入力した初期コマンドに応じて演出表示装置EHを制御する。具体的に、RWMクリア処理が実行されたことにより初期化された遊技情報を特定可能な初期コマンドを入力した場合、副制御CPU50aは、予め定めた初期画面を表示するように演出表示装置EHを制御する。本実施形態における初期画面は、演出図柄が所定の組み合わせで確定停止表示されている画面である。一方、RWMクリア処理が実行されていないことにより直近の電源断がされたときの遊技情報を特定可能な初期コマンドを入力した場合、副制御CPU50aは、予め定めた復帰画面を表示するように演出表示装置EHを制御する。本実施形態における復帰画面は、「復帰中」の文字列を模した画像が表示されている画面である。その後、副制御CPU50aは、変動パターン指定コマンドやオープニングコマンド、ラウンドコマンド、エンディングコマンドといった各種の制御コマンドを入力したことを契機として、入力した制御コマンドに応じた画像を表示するように演出表示装置EHを制御する。即ち、本実施形態において、副制御CPU50aは、初期コマンドを入力した後、各種の制御コマンドを入力したことを契機として演出表示装置EHを復帰させるように制御する。
次に、演出ゲームを実行するための演出図柄変動処理について説明する。
演出図柄変動処理において、副制御CPU50aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、特別図柄指定コマンドにより指定された特別図柄に基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。副制御CPU50aは、特別図柄の大当り図柄が指定された場合、演出図柄による大当りの図柄組み合わせを決定する。これにより、本実施形態の演出ゲームでは、大当り判定において大当りと判定された場合に、大当り表示結果が導出される。また、副制御CPU50aは、特別図柄のはずれ図柄が指定された場合、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。具体的に、副制御CPU50aは、リーチ演出を実行することを特定可能なはずれ変動パターンが指定された場合、リーチ用のはずれの図柄組み合わせを決定する。本実施形態において、リーチ用のはずれの図柄組み合わせとは、特定列(例えば第1列と第2列)の演出図柄が同一であって、その他の列(例えば第3列)の演出図柄が異なる演出図柄の組み合わせである。また、副制御CPU50aは、リーチ演出を実行しないことを特定可能なはずれ変動パターンが指定された場合、通常はずれ用のはずれの図柄組み合わせを決定する。本実施形態において、通常はずれ用のはずれの図柄組み合わせとは、全列の演出図柄が異なる演出図柄の組み合わせである。
また、副制御CPU50aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、入力した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、特別ゲームの実行中に実行させる演出を決定する。本実施形態において、特別ゲームの実行中に実行させる演出の決定割合は、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じて異ならされている。そして、副制御CPU50aは、決定した演出を実行させるように演出表示装置EHの表示内容を制御する。
その後、副制御CPU50aは、全図柄停止コマンドの入力を契機として、演出ゲームを終了させ、演出図柄の組み合わせを導出させるように演出表示装置EHの表示内容を制御する。なお、副制御CPU50aは、変動パターン指定コマンドを入力したことを契機として指定された変動パターンから特定される変動時間を計時し、該変動時間が経過したことを契機に演出ゲームを終了させるようにしてもよい。つまり、主制御基板40から全図柄停止コマンドを出力せずに、演出ゲームの終了を制御してもよい。
次に、副制御CPU50aが行う大当り演出処理について説明する。
副制御CPU50aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出が行われるように演出表示装置EHを制御する。副制御CPU50aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出が行われるように演出表示装置EHを制御する。副制御CPU50aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出が行われるように演出表示装置EHを制御する。このように、副制御CPU50aは、大当り遊技中において、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出を大当り演出として実行させることとなる。
次に、副制御CPU50aが行う遊技状態処理について説明する。
副制御CPU50aは、高確率コマンドを入力すると、副制御RWM50cの副確率状態フラグに高確率状態であることを示す値を記憶させる。また、副制御CPU50aは、低確率コマンドを入力すると、副制御RWM50cの副確率状態フラグに低確率状態であることを示す値を記憶させる。同様に、副制御CPU50aは、高ベースコマンドを入力すると、副制御RWM50cの副ベース状態フラグに高ベース状態であることを示す値を記憶させる。また、副制御CPU50aは、低ベースコマンドを入力すると、副制御RWM50cの副ベース状態フラグに低ベース状態であることを示す値を記憶させる。これにより、副制御CPU50aは、現在の遊技状態を特定可能である。
次に、副制御CPU50aが行う待機状態処理について説明する。
副制御CPU50aは、待機状態コマンドを入力すると、デモンストレーション演出(以下、デモ演出と示す)を開始させるように演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPを制御する。その後、副制御CPU50aは、変動パターン指定コマンドを入力するまでの間、デモ演出を継続して実行させるように演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPを制御する。そして、副制御CPU50aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、デモ演出を終了させるように演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPを制御する。このように、本実施形態のデモ演出は、待機状態中に実行される演出である。
次に、副制御CPU50aが行う設定値記憶処理について説明する。
副制御CPU50aは、設定値コマンドを入力すると、入力した設定値コマンドから特定可能な設定値を副制御RWM50cに記憶させるように制御する。これにより、副制御CPU50aは、現在の設定値を特定可能である。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10において実行可能な演出の一例について説明する。
図8に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、演出の1つとして、設定されている設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能である。本実施形態の設定示唆演出は、大当り遊技におけるオープニング時間中に実行される。即ち、本実施形態における設定示唆演出は、オープニング演出の一部としても把握できる。
本実施形態において、設定示唆演出は、設定されている設定値を示唆する設定示唆画像を演出表示装置EHに表示する演出内容で実行される。具体的に、本実施形態における設定示唆演出の演出内容には、表示される設定示唆画像が異なる複数種類の演出内容がある。そして、設定示唆演出では、何れの演出内容で設定示唆演出が実行されるかにより、設定されている設定値が示唆される。言い換えれば、設定示唆演出では、表示される設定示唆画像の種類により、設定されている設定値が示唆される。本実施形態における設定示唆演出の演出内容には、第1演出内容(図8(a))と、第2演出内容(図8(b))と、第3演出内容(図8(c))と、がある。本実施形態において、第1演出内容では、猫を模したキャラクタを含む設定示唆画像が表示され、第2演出内容では、ネコを模したキャラクタとイヌを模したキャラクタとを含む設定示唆画像が表示され、第3演出内容では、ネコを模したキャラクタとイヌを模したキャラクタとネズミを模したキャラクタとを含む設定示唆画像が表示される。なお、設定示唆演出が何れの演出内容で実行された場合に、設定されている設定値として何れの設定値が示唆されるかについて、詳しくは後述する。
また、図9に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、演出の1つとして、当選した大当りの種類を報知する報知演出を実行可能である。本実施形態において、報知演出は、大当り遊技におけるラウンド遊技中に実行される。即ち、本実施形態における報知演出は、ラウンド演出の一部としても把握できる。
本実施形態において、報知演出は、大当り遊技における1回のラウンド遊技中に実行されるようになっている。報知演出では、まず、「???」の文字列を模した画像が表示される(図9(a))。続いて、報知演出では、「???」の文字列を模した画像を隠すようにネコを模したキャラクタが実行される(図9(b))。
その後、報知演出では、当選した大当りの種類を報知する報知画像が表示される(図9(c),(d))。本実施形態の報知画像には、「スペシャルビッグボーナス」の文字列を模した画像と、「スペシャルボーナス」の文字列を模した画像と、「レギュラーボーナス」の文字列を模した画像と、がある。「スペシャルビッグボーナス」の文字列を模した報知画像は、当選した大当りが10R高確大当りであることを報知する画像である。また、「スペシャルボーナス」の文字列を模した報知画像は、当選した大当りが4R高確大当りであることを報知する画像であり、「レギュラーボーナス」の文字列を模した報知画像は、当選した大当りが10R低確大当りであることを報知する画像である。
なお、本実施形態において、報知画像は、当選した大当りの種類を確定的に報知する画像である。即ち、本実施形態の報知演出では、10R高確大当りに当選した場合には「スペシャルビッグボーナス」の文字列を模した報知画像が表示され、「スペシャルボーナス」の文字列を模した報知画像や「レギュラーボーナス」の文字列を模した報知画像が表示されることはない。同様に、本実施形態の報知演出では、4R高確大当りに当選した場合には「スペシャルボーナス」の文字列を模した報知画像が表示され、10R低確大当りに当選した場合には「レギュラーボーナス」の文字列を模した報知画像が表示されるようになっており、その他の報知画像が表示されることはない。
以下、各演出を実行させるための制御について説明する。
まず、オープニング演出を実行させるための制御について説明する。副制御CPU50aは、オープニングコマンドを入力すると、設定されている設定値を特定する。具体的に、副制御CPU50aは、副制御RWM50cに記憶されている設定値から、設定されている設定値を特定する。
続いて、副制御CPU50aは、設定されている設定値に基づいて副制御ROM50bに記憶されている複数種類の演出パターンの中から何れかの演出パターンを選択することにより、設定示唆演出の演出内容を決定する。演出パターンには、設定示唆演出の演出内容がそれぞれ定められている。例えば、演出パターンには、設定示唆演出の演出内容として第1演出内容を定めた演出パターンE1と、第2演出内容を定めた演出パターンE2と、第3演出内容を定めた演出パターンE3と、がある。副制御CPU50aは、所定の乱数を取得し、取得した乱数の値が副制御RWM50cに記憶されている設定示唆演出抽選用の判定値の何れと一致するかにより、演出パターンE1〜E3の何れかを選択するための設定示唆演出抽選を行う。
ここで、設定示唆演出抽選では、演出パターンE1〜E3について、所定の選択割合(決定確率)となるように、各演出パターンの当選値が定められている。そして、設定示唆演出抽選では、設定されている設定値に応じて、設定示唆演出抽選における各演出パターンの選択割合が異なる。以下、設定示唆演出抽選における演出パターンの選択割合について、その具体例を説明する。
[第1振分例]
図10に示すように、第1振分例によれば、演出パターンE1は、高設定であるほど選択割合が低くなる。また、演出パターンE2,E3は、何れも、高設定であるほど選択割合が高くなる。しかしながら、演出パターンE1は、演出パターンE2,E3と比較して、設定値が異なる場合の選択割合の変化率が小さい。具体的に、演出パターンE1は、最も選択割合が低い設定値である設定値[06]のときには、84%の確率で選択される一方、最も選択割合が高い設定値である設定値[01]のときには、94%の確率で選択される。つまり、演出パターンE1は、設定値が[01]であるときには、設定値が[06]であるときの約1.1倍の確率で選択される。これに対し、演出パターンE2は、最も選択割合が低い設定値である設定値[01]のときには、5%の確率で選択される一方、最も選択割合が高い設定値である設定値[06]のときには、10%の確率で選択される。つまり、演出パターンE2は、設定値が[06]であるときには、設定値が[01]であるときの2倍の確率で選択される。そして、演出パターンE3は、最も選択割合が低い設定値である設定値[01]のときには、1%の確率で選択される一方、最も選択割合が高い設定値である設定値[06]のときには、6%の確率で選択される。つまり、演出パターンE3は、設定値が[06]であるときには、設定値が[01]であるときの6倍の確率で選択される。
このため、第1振分例において、演出パターンE1は、高設定であるほど選択割合が低くなるものの、その選択割合の変化は最大でも約1.1倍であるため、実質的には、演出パターンE1が選択されたからといって、設定されている設定値を推測することは極めて困難である。これに対し、演出パターンE2は、高設定であるほど選択割合が高くなるようになっており、その選択割合の変化は最大で2倍であるため、演出パターンE1が選択されたときと比較して、設定されている設定値を推測し易い。さらに、演出パターンE3は、高設定であるほど選択割合が高くなるようになっており、その選択割合の変化は最大で6倍であるため、演出パターンE1,E2が選択されたときと比較して、設定されている設定値を推測し易い。
また、第1振分例において、設定示唆演出の演出内容を定めた演出パターンは、何れも、設定されている設定値が何れであっても選択可能である。言い換えれば、第1振分例において、設定示唆演出の演出内容には、設定されている設定値が所定の設定値である場合にのみ選択可能な演出内容が含まれていない。このため、第1振分例において、設定示唆演出は、設定されている設定値が所定の設定値であることを確定的に認識可能な演出内容では実行されない。
また、第1振分例において、演出パターンE1〜E3は、何れも、設定されている設定値が複数の設定値のうちの何れであっても選択可能であって、何れの設定値であるかによって選択割合が異なる。例えば、演出パターンE1は、設定値が[01]であるときと設定値が[06]であるときとの何れであっても選択可能であって、設定値が[01]であるときには、設定値が[06]であるときと比較して選択され易い。即ち、第1振分例において、設定示唆演出の演出内容には、設定されている設定値が第1設定値であるときと第2設定値であるときとの何れであっても選択可能であって、第1設定値であるときには第2設定値であるときと比較して選択され易い演出内容がある。
[第2振分例]
図11に示すように、第2振分例によれば、演出パターンE1は、高設定であるほど選択割合が低くなる。また、演出パターンE2は、設定値が[01]であるときには選択されない一方で、設定値が[02]〜[06]の何れかであるときには選択可能である。そして、演出パターンE2は、設定値が[02]〜[06]の何れかである場合、高設定であるほど選択割合が高くなる。また、演出パターンE3は、設定値が[01]〜[05]の何れかであるときには選択されない一方で、設定値が[06]であるときには選択可能である。
これによれば、第2振分例において、演出パターンE2が選択された場合、設定値[02]〜[06]の何れかであることが確定的に認識可能である。即ち、第2振分例において、演出パターンE2に定められた第2演出内容は、設定値[02]〜[06]の何れかであることを確定的に認識可能な演出内容である。このように、第2振分例において、設定示唆演出の演出内容には、設定されている設定値が、複数の設定値のうち何れかの設定値であることを確定的に認識可能な演出内容が含まれている。
また、第2振分例において、演出パターンE3が選択された場合、設定値[06]であることが確定的に認識可能である。即ち、第2振分例において、演出パターンE3に定められた第3演出内容は、設定値[06]であることを確定的に認識可能な演出内容である。このように、第2振分例において、設定示唆演出の演出内容には、設定されている設定値が所定の設定値である場合にのみ選択可能な演出内容が含まれている。このため、第2振分例において、設定示唆演出は、設定されている設定値が所定の設定値であることを確定的に認識可能な演出内容で実行され得る。
また、第2振分例において、演出パターンE1,E2は、何れも、設定されている設定値が複数の設定値のうちの何れであっても選択可能であって、何れの設定値であるかによって選択割合が異なる。例えば、演出パターンE1は、設定値が[01]であるときと設定値が[06]であるときとの何れであっても選択可能であって、設定値が[01]であるときには、設定値が[06]であるときと比較して選択され易い。即ち、第2振分例において、設定示唆演出の演出内容には、設定されている設定値が第1設定値であるときと第2設定値であるときとの何れであっても選択可能であって、第1設定値であるときには第2設定値であるときと比較して選択され易い演出内容がある。
[第3振分例]
図12に示すように、第3振分例によれば、演出パターンE1は、何れの設定値であっても、選択割合が同一である。また、演出パターンE2は、設定値が[02],[04],[06]の何れかであるときには選択されない一方で、設定値が[01],[03],[05]の何れかであるときには選択可能である。また、演出パターンE3は、設定値が[01],[03],[05]の何れかであるときには選択されない一方で、設定値が[02],[04],[06]の何れかであるときには選択可能である。
これによれば、第3振分例において、演出パターンE1が選択された場合、設定されている設定値を推測不能である。即ち、第3振分例において、演出パターンE1に定められた第1演出内容は、設定値を推測不能な演出内容である。また、第3振分例において、演出パターンE2が選択された場合、設定値[01],[03],[05]の何れかであることが確定的に認識可能である。即ち、第3振分例において、演出パターンE2に定められた第2演出内容は、設定値[01],[03],[05]の何れかであることを確定的に認識可能な演出内容である。そして、第3振分例において、演出パターンE3が選択された場合、設定値[02],[04],[06]の何れかであることが確定的に認識可能である。即ち、第3振分例において、演出パターンE3に定められた第3演出内容は、設定値[02],[04],[06]の何れかであることを確定的に認識可能な演出内容である。
このように、第3振分例において、設定示唆演出の演出内容には、設定されている設定値が、複数の設定値のうち何れかの設定値であることを確定的に認識可能な演出内容が含まれている一方で、設定されている設定値が所定の設定値である場合にのみ選択可能な演出内容は含まれていない。このため、第3振分例において、設定示唆演出は、設定されている設定値が所定の設定値であることを確定的に認識可能な演出内容では実行されない。
そして、本実施形態において、副制御CPU50aは、設定示唆演出の演出内容を決定すると、大当り遊技におけるオープニング時間において、決定した演出内容の設定示唆演出を含むオープニング演出を実行させるように演出表示装置EHを制御する。これにより、副制御CPU50aは、大当り遊技中に設定示唆演出を実行させる制御が可能である。本実施形態において、設定示唆演出は、特別演出に相当する。
本実施形態において、副制御CPU50aは、大当り遊技中であって且つ設定示唆演出の実行中又は終了後に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開された場合であっても、再開された大当り遊技中に設定示唆演出を再び実行させない。即ち、副制御CPU50aは、大当り遊技中に電源断及び復電があったか否かにかかわらず、1回の大当り遊技において設定示唆演出を1回のみ実行させる。
次に、ラウンド演出を実行させるための制御について説明する。副制御CPU50aは、ラウンドコマンドを入力すると、入力したラウンドコマンドに応じた演出内容でラウンド演出を実行させるように制御する。また、上述したように、本実施形態では、ラウンド演出として、当選した大当りの種類を報知する報知演出を実行可能である。具体的に、副制御CPU50aは、ラウンドコマンドを入力する毎に報知演出処理を実行することにより、報知演出を実行させる制御が可能である。以下、報知演出処理について、詳しく説明する。
図13に示すように、副制御CPU50aは、入力したラウンドコマンドが、大当り遊技における2回目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドであるか否かを判定する(ステップS101)。2回目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドである場合(ステップS101:YES)、副制御CPU50aは、報知演出を実行させるように演出表示装置EHを制御する(ステップS102)。具体的に、副制御CPU50aは、演出表示装置EHにおいて、「???」の文字列を模した画像を表示させた後、「???」の文字列を模した画像を隠すようにネコのキャラクタを模した画像を表示し、その後、当選した大当りの種類を報知する報知画像を表示させるように演出表示装置EHを制御する。なお、このとき、副制御CPU50aは、大当り遊技の開始前に入力した特別図柄指定コマンドに基づいて、当選した大当りの種類を特定し、特定した大当りの種類に応じて、表示させる報知画像を決定する。そして、副制御CPU50aは、報知演出処理を終了する。
一方、入力したラウンドコマンドが、2回目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドではない場合(ステップS101:NO)、副制御CPU50aは、副制御RWM50cに復電フラグが設定されているか否かを判定する(ステップS103)。復電フラグは、大当り遊技中にパチンコ遊技機10への電力供給が遮断(電源断)され、その後にパチンコ遊技機10への電力供給が再開(復電)されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開された場合に設定されるフラグである。復電フラグが設定されていない場合(ステップS103:NO)、副制御CPU50aは、報知演出を開始させることなく報知演出処理を終了する。
一方、復電フラグが設定されている場合(ステップS103:YES)、副制御CPU50aは、入力したラウンドコマンドが、大当り遊技における3回目以降のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドであるか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104において、副制御CPU50aは、入力したラウンドコマンドが、3回目以降のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドである場合に肯定判定する一方で、1回目又は2回目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドである場合に否定判定する。ただし、ステップS104は、ステップS101において2回目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドではないと判定している場合に行われる処理であるため、ステップS104において、入力したラウンドコマンドが2回目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドであると判定されることはない。即ち、ステップS104において、副制御CPU50aは、入力したラウンドコマンドが1回目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドである場合に否定判定する。そして、入力したラウンドコマンドが、3回目以降のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドである場合(ステップS104:YES)、副制御CPU50aは、報知演出を実行させるように演出表示装置EHを制御する(ステップS102)。その後、副制御CPU50aは、報知演出処理を終了する。一方、入力したラウンドコマンドが、1回目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドである場合(ステップS104:NO)、副制御CPU50aは、報知演出を開始させることなく報知演出処理を終了する。なお、本実施形態において、副制御CPU50aは、報知演出処理の終了を契機として復電フラグを消去する。また、本実施形態において、副制御CPU50aは、復電フラグを設定してから報知演出処理を実行することなくエンディングコマンドを入力した場合、エンディングコマンドの入力を契機として復電フラグを消去する。
本実施形態において、副制御CPU50aは、2回目のラウンド遊技において報知演出を実行させる場合(ステップS101:YES)と、3回目以降のラウンド遊技において報知演出を実行させる場合(ステップS104:YES)とで、同一の演出内容で報知演出を実行させるように制御する。即ち、本実施形態において、報知演出は、大当り遊技において電断されるよりも前に実行される場合と、大当り遊技中であって且つ報知演出の終了後に電断され、その後に復電された後、再開された大当り遊技中に実行される場合とで、同一の演出内容で実行される。
次に、大当り遊技中に電源断され、その後に復電されたときの処理について説明する。副制御CPU50aは、大当り遊技中である状態に復帰することを特定可能な初期コマンドを入力すると、副制御RWM50cに復電フラグを設定する。また、副制御CPU50aは、大当り遊技中である状態に復帰することを特定可能な初期コマンドを入力すると、復電に係る処理の実行中であることを報知する復電報知を実行させるように制御する。具体的に、本実施形態において、副制御CPU50aは、「復電中」の文字列を模した復電中画像を表示させるように演出表示装置EHを制御することにより、復電報知を実行させる。その後、副制御CPU50aは、所定の制御コマンドを入力するまで、復電報知を継続させるように制御し、所定の制御コマンドの入力にともなって、復電報知を終了させ、入力した制御コマンドに応じた態様で画像を表示させるように演出表示装置EHを制御する。
例えば、副制御CPU50aは、大当り遊技におけるオープニング中に電源断された場合、及び最終回以外のラウンド遊技中に電源断された場合には、所定の制御コマンドとしてラウンドコマンドを入力することとなる。したがって、副制御CPU50aは、ラウンドコマンドの入力にともなって、復電報知を終了させ、ラウンド演出を実行させるように制御する。また、副制御CPU50aは、大当り遊技における最終回のラウンド遊技中に電源断された場合には、所定の制御コマンドとしてエンディングコマンドを入力することとなる。したがって、副制御CPU50aは、エンディングコマンドの入力にともなって、復電報知を終了させ、エンディング演出を実行させるように制御する。そして、副制御CPU50aは、大当り遊技におけるエンディング中に電源断された場合には、所定の制御コマンドとして変動パターン指定コマンド又は待機状態コマンドを入力することとなる。副制御CPU50aは、変動パターン指定コマンドを入力した場合、該変動パターン指定コマンドの入力にともなって、復電報知を終了させ、演出ゲームを実行させるように制御する。また、副制御CPU50aは、待機状態コマンドを入力した場合、該待機状態コマンドの入力にともなって、復電報知を終了させ、デモ演出を実行させるように制御する。
以下、図14を用いて、本実施形態のパチンコ遊技機10による作用について説明する。なお、図中では、オープニングを「OP」、ラウンドを「R」、エンディングを「ED」と示す。
上述した処理によれば、図14(a)に示すように、副制御CPU50aは、大当り遊技中に報知演出を実行させる制御が可能である。具体的に、副制御CPU50aは、10R高確大当りに当選し、ラウンド遊技のうち2回目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドを入力した場合、ラウンド演出として、当選した大当りの種類を報知する報知演出を実行させるように制御する。即ち、副制御CPU50aは、大当り遊技における2回目のラウンド遊技中に報知演出を実行させる制御が可能である。本実施形態において、報知演出は、特定演出に相当し、2回目のラウンド遊技は、特定期間に相当する。
また、図14(b)に示すように、副制御CPU50aは、大当り遊技中に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開された場合、その再開された大当り遊技中に報知演出を実行させる制御が可能である。例えば、副制御CPU50aは、10R高確大当りに当選し、5回目のラウンド遊技中に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開された場合、復電されてから次のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドを入力するまでの間、復電報知を実行させるように制御する。なお、この場合、大当り遊技における6回目のラウンド遊技が、復電されてから次のラウンド遊技に相当する。そして、副制御CPU50aは、復電された後、次のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドを入力したことにともなって、復電報知を終了させるとともに、ラウンド演出として報知演出を実行させるように制御する。
このように、本実施形態において、副制御CPU50aは、2回目のラウンド遊技において報知演出が実行された後、3回目以降のラウンド遊技中に電源断され、その後に復電されたことにともなって大当り遊技が再開された場合、その再開された大当り遊技中に報知演出を再び実行させる制御が可能である。言い換えれば、副制御CPU50aは、大当り遊技中であって且つ報知演出の終了後に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開された場合、その再開された大当り遊技中に報知演出を再び実行させる制御が可能である。特に、副制御CPU50aは、再開された大当り遊技においては、3回目以降のラウンド遊技中に報知演出を実行させる制御が可能である。即ち、副制御CPU50aは、2回目のラウンド遊技中に報知演出を実行させる制御が可能である一方で、大当り遊技中であって且つ報知演出の終了後に電源断され、その後に復電されて大当り遊技が再開された場合、再開された大当り遊技においては、2回目のラウンド遊技の終了後であっても報知演出を再び実行させる制御が可能である。
また、図示しないが、副制御CPU50aは、2回目のラウンド遊技中に電源断され、その後に復電された場合、復電されてから次のラウンド遊技(ここでは、3回目のラウンド遊技)の開始を示すラウンドコマンドを入力したことにともなって、ラウンド演出として報知演出を実行させるように制御する。即ち、副制御CPU50aは、大当り遊技中であって且つ報知演出の実行中に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開された場合であっても、その再開された大当り遊技中に報知演出を実行させる制御が可能である。
また、図14(c)に示すように、副制御CPU50aは、大当り遊技中に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開される場合であっても、その再開された大当り遊技中に報知演出を実行させないことがある。例えば、副制御CPU50aは、10R高確大当りに当選し、最終回(ここでは、10回目)のラウンド遊技中に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開された場合、復電されてからエンディングコマンドを入力するまでの間、復電報知を実行させるように制御する。そして、副制御CPU50aは、復電された後、エンディングコマンドを入力したことにともなって、復電報知を終了させるとともに、エンディング演出を実行させるように制御する。即ち、副制御CPU50aは、最終回のラウンド遊技中に電源断された場合、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開されたときであっても、再開された大当り遊技中に報知演出を実行させない。
また、図示しないが、副制御CPU50aは、10R高確大当りに当選し、エンディング時間中に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開された場合、復電されてから変動パターン指定コマンド又は待機状態コマンドを入力するまでの間、復電報知を実行させるように制御する。即ち、副制御CPU50aは、エンディング時間中に電源断された場合、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開されたときであっても、再開された大当り遊技中に報知演出を実行させない。
このように、副制御CPU50aは、大当り遊技中であって且つ報知演出の終了後に電源断され、その後に復電された場合であっても、電源断されたタイミングが最終回のラウンド遊技の開始後であるときには、再開された大当り遊技中に報知演出を再び実行させない。なお、本実施形態において、最終回のラウンド遊技の開始タイミングは、大当り遊技における規定タイミングに相当する。
さらに、図示しないが、副制御CPU50aは、4R高確大当りに当選した場合、及び10R低確大当りに当選した場合であっても、10R高確大当りに当選した場合と同様にして報知演出を実行させる制御が可能である。
したがって、本実施形態によれば、次の効果を有する。
(1−1)大当り遊技中であって且つ報知演出の終了後に電源断され、その後に復電された場合には、再開後の大当り遊技中に報知演出が再び実行されることがある。したがって、報知演出の実行を見逃してしまうことを抑制でき、遊技者の興趣を向上できる。
(1−2)設定示唆演出については、大当り遊技中に電源断され、その後に復電された場合であっても、再開後の大当り遊技中に再び実行されない。このため、演出の種類に応じて、演出の実行を見逃してしまうことを抑制する場合と、同じ演出が複数回実行されることを抑制する場合と、を使い分けることができる。したがって、報知演出については、報知演出の実行を見逃してしまうことを抑制することで遊技者の興趣を向上させつつ、設定示唆演出については、該設定示唆演出が繰り返し実行されることで、却って遊技者の興趣を低下させてしまうことを抑制できる。
(1−3)特に、設定値が示唆される設定示唆演出については、大当り遊技中に電源断され、その後に復電された場合であっても、再開後の大当り遊技中に再び実行されない。このため、大当り遊技中に意図的に電源参させることにより、設定示唆演出を複数回実行させることで設定値を特定しようという不正行為を抑制できる。
(1−4)大当り遊技中であって且つ報知演出の終了後に電源断され、その後に復電された場合、再開後の大当り遊技では、2回目のラウンド遊技の終了後であっても報知演出が再び実行されることがある。したがって、報知演出の実行を見逃してしまうことをさらに抑制できる。
(1−5)大当り遊技中であって且つ報知演出の終了後に電源断され、その後に復電された場合であっても、電源断されたタイミングが最終回のラウンド遊技の開始後であるときには、再開された大当り遊技中に報知演出を再び実行させない。これによれば、電源断されたタイミングに応じて報知演出を実行させるか否かを異ならせることができるため、状況に応じて適切な制御を行うことができる。
(1−6)2回目のラウンド遊技において報知演出が実行される場合と、3回目以降のラウンド遊技において報知演出が実行される場合とで、報知演出の演出内容が同一となるため、1回の大当り遊技中に報知演出が複数回実行されるときであっても、遊技者を混乱させてしまうことを抑制できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のパチンコ遊技機10について説明する。なお、以下の説明では、すでに説明した実施形態と同一の構成、及び同一の制御については同一の符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
図15に示すように、第2実施形態のパチンコ遊技機10は、演出の1つとして、大当り遊技中及び大当り遊技終了後の変動ゲーム中に出力される楽曲を選択する楽曲選択演出を実行可能である。本実施形態において、楽曲選択演出は、大当り遊技におけるラウンド遊技中に実行される。即ち、本実施形態における楽曲選択演出は、ラウンド演出の一部としても把握できる。
本実施形態において、楽曲選択演出は、大当り遊技における1回のラウンド遊技中に実行されるようになっている。楽曲選択演出では、演出表示装置EHにおいて選択可能な楽曲を示す楽曲画像が表示される。具体的に、本実施形態では、楽曲画像として、楽曲Aを示す画像と、楽曲Bを示す画像と、楽曲Cを示す画像と、が表示される。また、このとき、副制御CPU50aは、選択中の楽曲を特定可能な表示態様で楽曲画像を表示させる。具体的に、副制御CPU50aは、選択中の楽曲を示す画像を、それ以外の楽曲を示す画像と比較して大きく表示させる。
また、楽曲選択演出では、演出表示装置EHにおいて、選択中の楽曲を変更する操作が可能であること、及び、出力する楽曲として選択中の楽曲を決定して楽曲選択演出を終了させる操作が可能であることを示す操作画像が表示される。具体的に、本実施形態では、操作画像として、「選択」の文字列を模した画像と、第2演出ボタンBT2を模した画像と、が表示される。このため、本実施形態では、第2演出ボタンBT2を用いて選択中の楽曲を変更する操作が可能であることが特定可能となる。また、本実施形態では、操作画像として、「決定」の文字列を模した画像と、第1演出ボタンBT1を模した画像と、が表示される。このため、本実施形態では、第1演出ボタンBT1を用いて、出力する楽曲として選択中の楽曲を決定して楽曲選択演出を終了させる操作が可能であることが特定可能となる。なお、以下の説明では、楽曲画像及び操作画像が表示される画面を「楽曲選択画面」と示す場合がある。即ち、以下の説明では、「楽曲選択画面を表示する」とは、楽曲画像及び操作画像を表示することを指し、「楽曲選択画面を非表示とする」とは、楽曲画像及び操作画像を非表示とすることを指す。
次に、楽曲選択演出を実行させるための制御について説明する。副制御CPU50aは、大当り遊技における1回目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドを入力すると、楽曲選択演出処理を実行することにより、楽曲選択演出を実行させる制御が可能である。以下、楽曲選択演出処理について、詳しく説明する。
図16に示すように、楽曲選択演出処理において、副制御CPU50aは、楽曲選択画面を表示させるように演出表示装置EHを制御する(ステップS201)。これにより、副制御CPU50aは、楽曲選択演出を開始させる。その後、副制御CPU50aは、第2演出ボタンBT2が操作されたかを判定する(ステップS202)。なお、本実施形態のステップS202において、副制御CPU50aは、第2演出ボタンBT2のうち左ボタン及び右ボタンの何れかが操作された場合に第2演出ボタンBT2が操作されたと判定する一方で、左ボタン及び右ボタンの何れも操作されていない場合に第2演出ボタンが操作されていないと判定する。第2演出ボタンBT2が操作された場合(ステップS202:YES)、副制御CPU50aは、選択中の楽曲を変更する(ステップS203)。このとき、具体的に、副制御CPU50aは、副制御RWM50c内の楽曲選択中フラグに設定されている値を更新することにより、選択中の楽曲を変更する。なお、楽曲選択中フラグの初期値は、楽曲Aを示す値となっている。
そして、第2演出ボタンBT2が操作されていない場合(ステップS202:NO)、及び、選択中の楽曲を変更した場合(ステップS203を終了した場合)、副制御CPU50aは、第1演出ボタンBT1が操作されたか否かを判定する(ステップS204)。第1演出ボタンBT1が操作されていない場合(ステップS204:NO)、副制御CPU50aは、ラウンド遊技が終了したか否かを判定する(ステップS205)。なお、本実施形態のステップS205において、副制御CPU50aは、次のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンド、又はエンディングコマンドを入力したことを契機として、ラウンド遊技が終了したと判定する。そして、ラウンド遊技が終了していない場合(ステップS205:NO)、副制御CPU50aは、ステップS202以降の処理を繰り返す。
一方、第1演出ボタンBT1が操作された場合(ステップS204:YES)、及び、ラウンド遊技が終了した場合(ステップS205:YES)、副制御CPU50aは、選択中の楽曲を大当り遊技中及び大当り遊技終了後の変動ゲーム中に出力させる楽曲として決定する(ステップS206)。具体的に、副制御CPU50aは、選択中楽曲フラグに設定されている値を、副制御RWM50c内の楽曲フラグに設定する。なお、楽曲フラグの初期値は、楽曲Aを示す値となっている。そして、副制御CPU50aは、楽曲フラグに設定されている値に基づいて、楽曲を再生するようにスピーカSPを制御する。続いて、副制御CPU50aは、楽曲選択画面を非表示とするように演出表示装置EHを制御する(ステップS207)。即ち、副制御CPU50aは、楽曲選択演出を終了させる。その後、副制御CPU50aは、楽曲選択演出処理を終了する。
このような楽曲選択演出処理により、副制御CPU50aは、スピーカSPから出力される楽曲を変更可能である。即ち、本実施形態では、副制御CPU50aが楽曲選択演出処理を実行することにより、演出ボタンBTの操作に応じてスピーカSPで実行される演出の態様を変更する変更制御を実行可能な変更手段が実現される。
また、本実施形態において、副制御CPU50aは、大当り遊技における1回目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドを入力した場合以外に、大当り遊技中である状態に復帰することを特定可能な初期コマンドを入力したことを契機として、楽曲選択演出処理を実行可能である。具体的に、副制御CPU50aは、大当り遊技中のうちラウンド遊技中である状態に復帰することを特定可能な初期コマンドを入力したことを契機として、楽曲選択演出処理を実行する。即ち、本実施形態では、大当り遊技中に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開された場合、大当り遊技が再開されたときから実行中のラウンド遊技が終了されるまでの間にわたって、楽曲選択演出を実行可能である。言い換えれば、本実施形態では、大当り遊技中に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開された場合、大当り遊技が再開されたときから次のラウンド遊技が開始されるまでの間に、大当り遊技中及び大当り遊技終了後の変動ゲーム中に出力させる楽曲を変更する制御が可能である。
以下、図17を用いて、本実施形態のパチンコ遊技機10による作用について説明する。
上述した処理によれば、図17(a)に示すように、副制御CPU50aは、10R高確大当りに当選し、ラウンド遊技のうち1回目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドを入力した場合、ラウンド演出として、楽曲選択演出を実行させるように制御する。即ち、副制御CPU50aは、大当り遊技における1回目のラウンド遊技中に、大当り遊技中及び大当り遊技終了後の変動ゲーム中に出力させる楽曲を変更する制御が可能である。
また、図17(b)に示すように、副制御CPU50aは、大当り遊技中に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開された場合、大当り遊技が再開されてから実行中のラウンド遊技が終了されるまでの間にわたって、楽曲選択演出を実行可能である。例えば、副制御CPU50aは、10R高確大当りに当選し、5回目のラウンド遊技中に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開された場合、復電されてから次のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドを入力するまでの間、楽曲選択演出を実行させるように制御する。なお、この場合、大当り遊技における6回目のラウンド遊技が、復電されてから次のラウンド遊技に相当する。また、本実施形態において、副制御RWM50cに記憶されている情報は、電源断されたことを契機として消去される。このため、大当り遊技中に電源断された場合、1回目のラウンド遊技中に実行された楽曲選択演出において記憶された楽曲フラグの値(即ち、選択された楽曲の種類)は消去される。したがって、復電されてから次のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドを入力するまでの間に楽曲選択演出を実行させる場合、楽曲フラグには、初期値(本実施形態では、楽曲Aを示す値)が記憶されていることとなる。そして、副制御CPU50aは、復電されてから次のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドを入力するまでの間に楽曲選択演出を実行させることにより、楽曲を変更させることができる。
このように、本実施形態において、副制御CPU50aは、大当り遊技中に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開された場合、1回目のラウンド遊技とは異なるラウンド遊技中に、大当り遊技中及び大当り遊技終了後の変動ゲーム中に出力させる楽曲を変更する制御が可能である。本実施形態において、1回目のラウンド遊技とは異なるラウンド遊技中に、大当り遊技中及び大当り遊技終了後の変動ゲーム中に出力させる楽曲を変更する制御は、特定の変更制御に相当する。即ち、副制御CPU50aは、大当り遊技中に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開された場合、その再開された大当り遊技中に特定の変更制御を実行可能である。
一方で、図17(a)に示したように、副制御CPU50aは、大当り遊技が開始されてから該大当り遊技が終了するまでの間に電源断されない場合、該大当り遊技において、1回目のラウンド遊技とは異なるラウンド遊技中には、楽曲選択演出が実行されない。このため、本実施形態において、副制御CPU50aは、大当り遊技が開始されてから該大当り遊技が終了するまでの間に電源断されない場合、該大当り遊技中には特定の変更制御を実行不能である。
また、図示しないが、副制御CPU50aは、4R高確大当りに当選した場合、及び10R低確大当りに当選した場合であっても、10R高確大当りに当選した場合と同様にして楽曲選択演出を実行させる制御が可能である。
したがって、本実施形態によれば、次の効果を有する。
(2−1)大当り遊技中に電源断されない場合には、1回目のラウンド遊技中に楽曲を選択した後は、楽曲選択演出が実行されないため、1回目のラウンド遊技中に選択した楽曲を継続して楽しませることができる。一方で、大当り遊技中に電源断され、その後に復電された場合には、楽曲を選択し直したいと遊技者が考える場合もあり得る。これに対し、本実施形態では、大当り遊技中に電源断され、その後に復電された場合、再開後の大当り遊技中に楽曲選択演出を実行させることによって改めて楽曲を選択させることができる。このため、楽曲を選択し直した上で復電後の演出を楽しませることができる。
(2−2)特に、電源断された場合、副制御RWM50cに記憶されている情報が消去されるため、電源断される前に楽曲を選択したにもかかわらず、復電された後において、変更した内容が反映されないこととなる。これに対し、本実施形態では、再開後の大当り遊技中に改めて楽曲選択演出を実行可能であるため、遊技者の望む楽曲が出力されないことで、遊技に対する興趣を低下させてしまうことを抑制できる。
(2−3)大当り遊技が再開されたときからラウンド遊技が終了されるまでの間に楽曲選択演出を実行可能であるため、大当り遊技の再開後における早い時点で楽曲を選択させることができるとともに、楽曲を選択した後は、選択した楽曲を長い時間にわたって楽しませることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のパチンコ遊技機10について説明する。
図18に示すように、第2実施形態のパチンコ遊技機10は、演出の1つとして、設定示唆演出の実行態様を定めた設定示唆モードを変更するモード変更演出を実行可能である。本実施形態において、設定示唆演出は、モード変更演出により変更された設定示唆モードに定められた実行態様で実行される。したがって、本実施形態において、設定示唆モードを変更する制御は、設定示唆演出の態様を変更する制御に相当する。
具体的に、本実施形態の設定示唆モードは、複数種類あり、各設定示唆モードには、設定示唆演出における演出パターンの選択割合がそれぞれ定められている。即ち、本実施形態では、設定示唆モードの変更により、設定示唆演出の演出内容の選択割合を変更可能である。設定示唆演出の演出内容の選択割合は、設定示唆演出の演出要素の1つとして把握できる。言い換えれば、設定示唆モードの変更は、設定示唆演出の演出要素を変更する制御として把握できる。例えば、設定示唆モードのうち第1設定示唆モードには、演出パターンの選択割合として、上述した第1振分例に示す選択割合が定められている。また、設定示唆モードのうち第2設定示唆モードには、演出パターンの選択割合として、上述した第2振分例に示す選択割合が定められており、設定示唆モードのうち第3設定示唆モードには、演出パターンの選択割合として、上述した第3振分例に示す選択割合が定められている。
本実施形態において、モード変更演出では、演出表示装置EHにおいて変更可能な設定示唆モードを示すモード画像が表示される。具体的に、本実施形態では、第1設定示唆モードを示すモード画像と、第2設定示唆モードを示すモード画像と、第3設定示唆モードを示すモード画像と、が表示される。また、このとき、副制御CPU50aは、現在の設定示唆モードを特定可能な表示態様でモード画像を表示させる。具体的に、副制御CPU50aは、遊技者から見て、現在の設定示唆モードを示す画像の左側に星を模した画像を表示させる。なお、以下の説明では、現在の設定示唆モードを、「設定中の設定示唆モード」と示す場合がある。
また、モード変更演出では、演出表示装置EHにおいて、設定示唆モードを変更する操作が可能であること、及び、モード変更演出を終了させる操作が可能であることを示す操作画像が表示される。具体的に、本実施形態では、操作画像として、「選択」の文字列を模した画像と、第2演出ボタンBT2を模した画像と、が表示される。このため、本実施形態では、第2演出ボタンBT2を用いて設定示唆モードを変更する操作が可能であることが特定可能となる。また、本実施形態では、操作画像として、「終了」の文字列を模した画像と、第1演出ボタンBT1を模した画像と、が表示される。このため、本実施形態では、第1演出ボタンBT1を用いて、モード変更演出を終了させる操作が可能であることが特定可能となる。なお、以下の説明では、モード画像及び操作画像が表示される画面を「モード変更画面」と示す場合がある。即ち、以下の説明では、「モード変更画面を表示する」とは、モード画像及び操作画像を表示することを指し、「モード変更画面を非表示とする」とは、モード画像及び操作画像を非表示とすることを指す。
次に、モード変更演出を実行させるための制御について説明する。副制御CPU50aは、第1演出ボタンBT1が操作されたことを示す第1操作信号を入力すると、モード変更処理を実行することにより、モード変更演出を実行させる制御が可能である。以下、モード変更制御について、詳しく説明する。
図19に示すように、モード変更処理において、副制御CPU50aは、待機状態中であるか否かを判定する(ステップS301)。待機状態中である場合(ステップS301:YES)、副制御CPU50aは、現在の遊技状態が通常状態であるか否かを判定する(ステップS302)。現在の遊技状態が通常状態ではない場合(ステップS302:NO)、副制御CPU50aは、モード変更処理を終了する。即ち、本実施形態において、副制御CPU50aは、現在の遊技状態が通常状態ではない場合、待機状態中にモード変更演出を実行させない。
一方、現在の遊技状態が通常状態である場合(ステップS302:YES)、副制御CPU50aは、モード変更画面を表示させるように演出表示装置EHを制御する(ステップS303)。これにより、副制御CPU50aは、モード変更演出を開始させる。続いて、副制御CPU50aは、モード変更演出において設定示唆モードを変更可能な変更可能期間として所定の時間を副制御RWM50cに設定し、該変更可能期間の計測を開始する(ステップS304)。本実施形態において、変更可能期間は、モード変更演出の実行期間としても把握できる。
その後、副制御CPU50aは、第2演出ボタンBT2が操作されたかを判定する(ステップS305)。なお、本実施形態のステップS305において、副制御CPU50aは、第2演出ボタンBT2のうち上ボタン及び下ボタンの何れかが操作された場合に第2演出ボタンBT2が操作されたと判定する一方で、上ボタン及び下ボタンの何れも操作されていない場合に第2演出ボタンが操作されていないと判定する。第2演出ボタンBT2が操作された場合(ステップS305:YES)、副制御CPU50aは、設定中の設定示唆モードを変更する(ステップS306)。このとき、具体的に、副制御CPU50aは、副制御RWM50c内のモードフラグに設定されている値を更新することにより、設定示唆モードを変更する。なお、モードフラグの初期値は、第1設定示唆モードを示す値となっている。
そして、第2演出ボタンBT2が操作されていない場合(ステップS305:NO)、及び、設定中の設定示唆モードを変更した場合(ステップS306を終了した場合)、副制御CPU50aは、第1演出ボタンBT1が操作されたか否かを判定する(ステップS307)。第1演出ボタンBT1が操作されていない場合(ステップS307:NO)、副制御CPU50aは、変動パターン指定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS308)。変動パターン指定コマンドを入力していない場合(ステップS308:NO)、副制御CPU50aは、変更可能期間が経過(終了)したか否かを判定する(ステップS309)。そして、変更可能期間が経過していない場合(ステップS309:NO)、副制御CPU50aは、ステップS305以降の処理を繰り返す。
一方、第1演出ボタンBT1が操作された場合(ステップS307:YES)、変動パターン指定コマンドを入力した場合(ステップS308:YES)、及び、変更可能期間が経過した場合(ステップS309:YES)、副制御CPU50aは、モード変更画面を非表示とする(ステップS310)。即ち、副制御CPU50aは、モード変更演出を終了させる。その後、副制御CPU50aは、モード変更処理を終了する。
このようなモード変更処理により、副制御CPU50aは、現在の遊技状態が通常状態であって、且つ待機状態中である場合に、第1演出ボタンBT1が操作されたことを契機として、設定中の設定示唆モードを変更する変更制御が可能である。
一方、待機状態中ではない場合(ステップS301:NO)、副制御CPU50aは、大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップS311)。大当り遊技中ではない場合(ステップS311:NO)、副制御CPU50aは、モード変更処理を終了する。即ち、本実施形態において、副制御CPU50aは、待機状態中ではない場合であって、大当り遊技中ではない場合、モード変更演出を実行させない。言い換えれば、副制御CPU50aは、変動ゲームの実行中である場合、モード変更演出を実行させない。
大当り遊技中である場合(ステップS311:YES)、副制御CPU50aは、復電報知中であるか否かを判定する(ステップS312)。復電報知中ではない場合(ステップS312:NO)、副制御CPU50aは、モード変更処理を終了する。即ち、本実施形態において、副制御CPU50aは、大当り遊技中である場合であっても、復電報知中ではないときには、モード変更演出を実行させない。言い換えれば、副制御CPU50aは、大当り遊技中に電源断されていない場合、該大当り遊技中にモード変更演出を実行させない。
一方、復電報知中である場合(ステップS312:YES)、副制御CPU50aは、モード変更画面を表示させるように演出表示装置EHを制御する(ステップS313)。これにより、副制御CPU50aは、モード変更演出を開始させる。続いて、副制御CPU50aは、第2演出ボタンBT2が操作されたかを判定する(ステップS314)。第2演出ボタンBT2が操作された場合(ステップS314:YES)、副制御CPU50aは、設定中の設定示唆モードを変更する(ステップS315)。
そして、第2演出ボタンBT2が操作されていない場合(ステップS314:NO)、及び、設定中の設定示唆モードを変更した場合(ステップS315を終了した場合)、副制御CPU50aは、第1演出ボタンBT1が操作されたか否かを判定する(ステップS316)。第1演出ボタンBT1が操作されていない場合(ステップS316:NO)、副制御CPU50aは、復電報知が終了したか否かを判定する(ステップS317)。復電報知が終了していない場合(ステップS317:NO)、副制御CPU50aは、ステップS314以降の処理を繰り返す。
一方、第1演出ボタンBT1が操作された場合(ステップS316:YES)、及び、復電報知が終了した場合(ステップS317:YES)、副制御CPU50aは、モード変更画面を非表示とする(ステップS310)。即ち、副制御CPU50aは、モード変更演出を終了させる。その後、副制御CPU50aは、モード変更処理を終了する。
このようなモード変更処理により、副制御CPU50aは、大当り遊技中に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開された場合、再開された大当り遊技中に設定示唆モードを変更する制御が可能である。
以下、図20を用いて、本実施形態のパチンコ遊技機10による作用について説明する。
上述した処理によれば、図20(a)に示すように、副制御CPU50aは、10R高確大当りに当選し、大当り遊技中に電源断されなかった場合、大当り遊技中にモード変更演出を実行させない。また、図示しないが、副制御CPU50aは、4R高確大当りに当選した場合、及び10R低確大当りに当選した場合であっても、10R高確大当りに当選した場合と同様に、大当り遊技中に電源断されなかった場合、大当り遊技中にモード変更演出を実行させない。即ち、副制御CPU50aは、大当り遊技中に電源断されない場合、設定示唆モードを変更する制御を実行不能である。
一方、図20(b)に示すように、副制御CPU50aは、10R高確大当りに当選し、大当り遊技中に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開された場合、復電報知中に第1演出ボタンBT1が操作されたことを契機として、モード変更演出を実行させるように制御する。なお、本実施形態において、副制御RWM50cに記憶されている情報は、電源断されたことを契機として消去される。このため、大当り遊技中に電源断された場合、モードフラグの値(即ち、現在の設定示唆モードの種類)は消去される。したがって、復電報知中にモード変更演出を実行させる場合、モードフラグには、初期値(本実施形態では、第1設定示唆モードを示す値)が記憶されていることとなる。そして、副制御CPU50aは、復電報知中にモード変更演出を実行させることにより、設定示唆モードを変更させることができる。
また、図示しないが、副制御CPU50aは、4R高確大当りに当選した場合、及び10R低確大当りに当選した場合であっても、10R高確大当りに当選した場合と同様にしてモード変更演出を実行させる制御が可能である。
このように、本実施形態では、大当り遊技中に電源断され、その後に復電された場合には、再開後の大当り遊技中に設定示唆モードを変更できる一方で、大当り遊技中に電源断されなかった場合には、大当り遊技中に設定示唆モードを変更できない。つまり、本実施形態では、大当り遊技中に電源断され、その後に復電された場合には、再開後の大当り遊技中に設定示唆演出の演出内容の選択割合を変更できる一方で、大当り遊技中に電源断されなかった場合には、大当り遊技中に設定示唆演出の演出内容の選択割合を変更できない。このため、本実施形態において、設定示唆演出の演出内容の選択割合は、大当り遊技中に電源断されない場合には変更不能な演出要素として把握できる。
したがって、本実施形態によれば、次の効果を有する。
(3−1)大当り遊技中に電源断されない場合、大当り遊技の途中や有利状態中に設定示唆モードが変更されることがないため、大当り遊技が付与されてから有利状態が終了するまでの間にわたって、同一の設定示唆モードに基づいて設定示唆演出を実行させることができる。一方で、大当り遊技中に電源断された場合には、モードフラグが消去されるため、大当り遊技が付与されるよりも前に設定示唆モードを変更した場合であっても、遊技者の望む設定示唆モードで演出を楽しませられない場合がある。これに対し、本実施形態では、大当り遊技中に電源断され、その後に復電された場合、再開後の大当り遊技中にモード変更演出を実行させることによって設定示唆モードを変更することができる。このため、設定示唆モードを変更した上で再開後の遊技を楽しませることができる。
(3−2)一般的な遊技機では、大当りに当選した場合、大当りに当選しなかったときよりも遊技者にとって有利となることが多い。このため、遊技者は、大当りに当選するか否かに注目する。ここで、大当り確率は設定値によって定められているため、遊技者は、現在の設定値が何れの設定値であるのかに興味を持つ。そして、本実施形態では、大当り遊技中に電源断され、その後に復電された場合、再開後の大当り遊技中に、遊技者が興味を持つ設定値を示唆する設定示唆演出の演出内容の選択割合を変更できるため、遊技者の興趣を向上できる。
例えば、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・演出ボタンBTの操作により変更可能な内容は、適宜変更してもよい。例えば、第2実施形態及び第3実施形態において、スピーカSPから音声を出力する際の音量や、装飾ランプLAを発光させる際の光量、実行させる演出の種類、演出の実行割合などを変更可能としてもよい。即ち、第2実施形態及び第3実施形態において、大当り遊技中に電源断され、その後に復電された場合には、演出ボタンBTの操作により変更可能な内容のうち特定の内容を変更する制御が可能であってもよい。
・第2実施形態において、副制御CPU50aは、楽曲の変更に加えて、楽曲とは異なる内容の変更が可能であってもよい。この場合、副制御CPU50aは、大当り遊技中に電源断されないときには、楽曲を変更する制御を含む全ての変更制御を実行不能であってもよい。また、第3実施形態において、副制御CPU50aは、設定示唆モードの変更に加えて、設定示唆モードとは異なる内容の変更が可能であってもよい。この場合、副制御CPU50aは、大当り遊技中に電源断されないときには、設定示唆モードを変更する制御を含む全ての変更制御を実行不能であってもよい。
・第3実施形態において、演出ボタンBTの操作により変更可能な設定示唆演出の態様は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU50aは、設定示唆演出の演出内容の選択割合に代えて、又は加えて、設定示唆演出の実行割合を変更可能であってもよい。また、設定示唆演出は、演出表示装置EHに画像を表示させることによる表示演出でなくてもよく、スピーカSPから音声を出力させることによる音声演出や、装飾ランプLAを発光させることによる発光演出であってもよいし、それらの組み合わせであってもよい。この場合、副制御CPU50aは、スピーカSPの音量や装飾ランプLAの光量を変更することにより、設定示唆演出の態様を変更可能であってもよい。即ち、副制御CPU50aは、設定示唆演出の態様に含まれる複数の演出要素のうち、少なくとも一部の演出要素を変更可能であるとよい。またこのとき、特定の演出要素については、大当り遊技中に電源断され、その後に復電された場合には、再開後の大当り遊技中に変更可能である一方で、大当り遊技中に電源断されないときには、大当り遊技中に変更不能としてもよい。この場合、設定示唆演出に含まれる複数の演出要素のうち特定の演出要素を変更する制御が、特定の変更制御に相当する。
・第1実施形態において、報知演出の実行タイミングは、適宜変更してもよい。例えば、オープニング時間中であってもよいし、エンディング時間中であってもよい。また、大当り遊技中に電源断され、その後に復電された場合に、再開後の大当り遊技中に報知演出を実行させるときの実行タイミングは、適宜変更してもよい。例えば、復電されてから所定回数目のラウンド遊技中であってもよいし、エンディング時間中であってもよい。また、第2実施形態における楽曲選択演出の実行タイミングについても同様に変更してもよい。さらに、第3実施形態において、モード変更演出を実行可能なタイミングについても同様に変更してもよい。
・設定示唆演出の実行態様は、適宜変更してもよい。例えば、設定示唆演出の実行タイミングや、設定示唆演出の演出内容などを変更してもよい。
・第1実施形態において、報知演出は、大当り遊技中に電源断されるよりも前に実行される場合と、大当り遊技中に電源断され、その後に復電された後、再開された大当り遊技中に実行される場合とで、異なる演出内容で実行されてもよい。また、第2実施形態における楽曲選択演出についても、大当り遊技中に電源断されるよりも前に実行される場合と、大当り遊技中に電源断され、その後に復電された後、再開された大当り遊技中に実行される場合とで、異なる演出内容で実行されてもよい。さらに、第3実施形態におけるモード変更演出について、待機状態中に実行される場合と、大当り遊技中に電源断され、その後に復電された後、再開された大当り遊技中に実行される場合とで、異なる演出内容で実行されてもよい。
・第1実施形態において、副制御CPU50aは、大当り遊技中に電源断され、その後に復電された場合、再開後の大当り遊技中に設定示唆演出を再び実行させるように制御してもよい。この場合、設定示唆演出が特定演出に相当する。また、副制御CPU50aは、大当り遊技中に電源断され、その後に復電された場合、再開後の大当り遊技中に報知演出を再び実行させないように制御してもよい。この場合、報知演出が特別演出に相当する。即ち、副制御CPU50aは、大当り遊技中に実行される演出のうち少なくとも1つの演出について、該演出の実行後であって且つ大当り遊技中に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技が再開された場合、その再開された大当り遊技中に演出を再び実行させるように制御していればよい。
・設定示唆演出の種類は、2種類以上であってもよい。例えば、オープニング時間中に実行可能な設定示唆演出として、2種類以上の設定示唆演出を備えていてもよいし、オープニング時間中とは異なるタイミングで実行可能な設定示唆演出を備えていてもよい。また、大当り遊技中に実行可能な設定示唆演出として2種類以上の設定示唆演出を備える場合、一部の設定示唆演出については、大当り遊技中に電源断され、その後に復電された場合に、再開後の大当り遊技中に再び実行される一方で、一部の設定示唆演出以外の設定示唆演出については、再び実行されないようにしてもよい。
・報知演出において報知する内容は、適宜変更してもよい。例えば、大当りの種類ではなく、大当り遊技におけるラウンド遊技の上限回数を報知するようにしてもよい。この場合、主制御CPU41aは、大当り遊技中に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技を再開させるに際して、再開される大当り遊技におけるラウンド遊技の上限回数を特定可能なコマンドを副制御CPU50aに出力するとよい。また、保留中の変動ゲームの中に大当りとなる変動ゲームが含まれていることを報知するようにしてもよい。この場合、主制御CPU41aは、特別図柄入力処理において取得した大当り乱数の値が大当りに当選する値であるかを事前判定する。そして、主制御CPU41aは、大当り遊技中に電源断され、その後に復電されたことにともなって、電源断時に実行されていた大当り遊技を再開させるに際して、事前判定の結果を特定可能な事前判定コマンドを副制御CPU50aに出力するとよい。なお、主制御CPU41aが事前判定を実行するタイミングは適宜変更可能である。例えば、主制御CPU41aは、特別図柄入力処理において事前判定を実行し、該事前判定の結果を主制御RWM41cにおいて記憶保持することにより、大当り遊技を再開させるに際して、主制御RWM41cに記憶保持されていた事前判定の結果を特定可能な事前判定コマンドを副制御CPU50aに出力してもよい。また、主制御CPU41aは、特別図柄入力処理において取得した大当り乱数を主制御RWM41cにおいて記憶保持し、大当り遊技を再開させるに際して、主制御RWM41cに記憶保持されていた大当り乱数に基づいて事前判定を実行し、該事前判定の結果を特定可能な事前判定コマンドを副制御CPU50aに出力してもよい。また、大当り遊技中において遊技球の発射が推奨される領域を報知するようにしてもよいし、獲得した遊技球の個数や、付与された大当り遊技の回数を報知するようにしてもよい。
・バックアップ用電源から副制御RWM50c電力を供給することにより、電源断された後にも副制御RWM50cに記憶されている各種の情報を記憶保持可能としてもよい。この場合、副制御RWM50cに記憶されている各種の情報のうち一部の情報を記憶保持するようにしてもよいし、すべての情報を記憶保持するようにしてもよい。
・大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が予め定めた確変回数に到達するまでを上限として高確率状態を付与するパチンコ遊技機(所謂、ST機)に具体化してもよい。なお、確変回数を上限として高確率状態を付与する遊技機において、実質的に次回の大当り遊技が付与されるまで高確率状態が継続するような回数を確変回数として設定する(例えば、当り確率が1/99に対して確変回数を10000回とする)ことにより、次回の大当り遊技が付与されたことを契機として高確率状態を終了させるようにしてもよい。また、大当り遊技において、遊技球が特定の領域を通過したことを条件として高確率状態を付与するパチンコ遊技機(所謂、V確変機)に具体化してもよい。また、大当り遊技の終了後、所定の転落抽選に当選するまでを上限として高確率状態を付与するパチンコ遊技機(所謂、転落機)に具体化してもよい。
・パチンコ遊技機10の確率状態として、3種類以上の確率状態を備えたパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機10の確率状態として、1種類の確率状態のみを備えたパチンコ遊技機に具体化してもよい。即ち、確率状態を変動させる確率変動機能を備えていないパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・パチンコ遊技機10のベース状態として、3種類以上のベース状態を備えたパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機10のベース状態として、1種類のベース状態のみを備えたパチンコ遊技機に具体化してもよい。即ち、第2始動入賞口16への遊技球の入球率を向上させる入球率向上機能を備えていないパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・パチンコ遊技機10の設定値として、1段階の設定値のみを備えたパチンコ遊技機に具体化してもよい。即ち、設定変更機能を備えていないパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・複数の大入賞口を有するパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、単一の始動入賞口を有し、単一の特別図柄を用いるパチンコ遊技機、若しくは複数の始動入賞口を有し、単一の特別図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。すなわち、パチンコ遊技機10の構成、特に遊技盤YBの具体的な構成は任意に変更してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記演出実行手段で実行される演出の態様には、複数の演出要素を含んでおり、前記変更手段は、複数の前記演出要素のうち少なくとも一部の演出要素を変更することにより、前記演出実行手段で実行される演出の態様を変更可能であり、前記特定の変更制御において変更可能な前記演出要素には、前記設定示唆演出の実行割合及び前記設定示唆演出の演出内容の選択割合のうち少なくとも何れかを含む。
(ロ)前記演出実行手段で実行される演出の態様には、複数の演出要素を含んでおり、前記変更手段は、複数の前記演出要素のうち少なくとも一部の演出要素を変更することにより、前記演出実行手段で実行される演出の態様を変更可能であり、前記特定の変更制御は、複数の前記演出要素のうち特定の演出要素を変更する制御である。
(ハ)前記変更手段により変更可能な内容には、複数の内容があり、前記演出実行手段で実行される演出の態様は、前記変更手段により変更された内容に応じた態様となるように構成されており、前記特定の変更制御は、前記変更手段により変更可能な複数の内容のうち特定の内容を変更する制御である。