JP2020041920A - 地震シミュレーションシステム、プログラム及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】建築物81の杭体84に作用する地震動を高精度且つ高速に算出してインタラクティブ性を向上させることができる。【解決手段】振動座標系を設定する振動座標系設定部712dと、絶対座標系を設定する絶対座標系設定部712cと、杭体84の振動座標系内における座標位置を含む構造体情報を設定する構造体情報設定部712aと、地盤80の地質に応じた弾性係数を設定する地盤情報設定部712bと、絶対座標系上において仮想壁体85を設定する仮想構造体設定部712fと、振動座標系内で伝播された振動に応じた運動エネルギーによる杭体84及び建築物81の変位及び変形を解析する解析部0とを備える。解析部712eは、杭体84に入力された運動エネルギーによる杭体84の変位及び変形は、仮想的な弾性体が仮想壁体85から反力を得て振動するものとして解析される。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、携帯電話などによりネットワークを形成して地震観測を行う地震シミュレーションシステム、プログラム及び方法に関するものである。
近年における構造物の耐震設計や耐震評価では、例えば、関連法令等で規定された構造・材料・設備等を採用する仕様規定型の設計・評価や、一定の性能を満たせば多様な構造・材料・設備等を採用できる性能指向型の設計・評価等が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。この耐震設計の前提となる地震動は、地震から発した断層の破壊や、地中の伝搬経路の影響を受けて地表に達する。このため、地震動を数値演算によって作成するには、断層破壊過程を模擬する震源モデルと地盤構造を模擬する地盤モデルを用いる方法が考えられ、例えば特許文献2に開示された地震動予測計算方法がある。
この特許文献2に開示された地震動予測計算方法では、震源モデルとして、断層面を複数の小断層に分割し、各小断層ごとに単位震源を与えるとともに、地盤モデルとして、層地盤とランダム地盤で構成されるモデルを使用し、各小断層ごとに応答を求める。そして、各小断層による観測点での地震動を求め、断層の破壊過程に応じた時間差を考慮してそれらの総和をとり、断層全体の破壊過程による観測点での地震動を求めている。この特許文献2に開示された地震動予測計算方法によれば、不均質な断層破壊過程を考慮して、層地盤の最下層をランダム媒質とした複雑な地盤構造による散乱、反射、透過、屈折、増幅などの影響を考慮した地震動の予測計算ができる。
特開2003−139863号公報 特開2003−139863号公報
しかしながら、上述の特許文献2に開示された技術では、小断層毎に単位震源を与えて各小断層における観測点での地震動の総和をとり、断層全体による地震動を求めるものであることから、広範にわたって複雑に伝播する地震動が予測できるものの、建物を地中で支持する杭に作用する局所的な地震動を求めるような場合であっても、膨大な量の演算を行わなければならず、演算時間が長くなりインタラクティブ性に欠けるという問題があった。
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するものであり、建物の杭体に作用する地震動を高精度且つ高速に算出してインタラクティブ性を向上させることのできる地震シミュレーションシステム、プログラム及び方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、地盤に埋入された杭体に支持された基礎部を有する建築物に対する地震による影響を推測する地震シミュレーションシステムであって、空間座標を定義する三次元座標であって、地震による振動が伝播される座標を振動座標系として設定する振動座標系設定部と、空間座標と重畳させて定義される三次元座標であって、地震による振動の影響を受けない座標を絶対座標系として設定する絶対座標系設定部と、杭体の振動座標系内における座標位置を含む構造体情報を設定する構造体情報設定部と、地盤の地質に応じた弾性係数を含む地盤情報を設定する地盤情報設定部と、絶対座標系上における地盤中に深さ方向に沿って延設される仮想構造体を設定する仮想構造体設定部と、振動座標系内で伝播された振動に応じた運動エネルギーによる杭体及び建築物の変位及び変形を解析する解析部とを備え、解析部は、絶対座標系における仮想構造体と振動座標系における杭体との間に介在する部位を、当該部位の深度に応じた地質に対して設定された弾性係数により振動する仮想的な弾性体として定義し、杭体に入力された運動エネルギーによる杭体の変位及び変形は、仮想的な弾性体が仮想構造体から反力を得て振動するものとして解析される。
また、本発明は、地盤に埋入された杭体に支持された基礎部を有する建築物に対する地震による影響を推測する地震シミュレーション方法であって、
(1)空間座標を定義する三次元座標であって地震による振動が伝播される座標を振動座標系として振動座標系設定部が設定するとともに、空間座標と重畳させて定義される三次元座標であって地震による振動の影響を受けない座標を絶対座標系として絶対座標系設定部が設定する座標系設定ステップと、
(2)構造体情報設定部が、杭体の振動座標系内における座標位置を含む構造体情報を設定するとともに、地盤情報設定部が、地盤の地質に応じた弾性係数を含む地盤情報を設定する情報設定ステップと、
(3)仮想構造体設定部が、絶対座標系上における地盤中に深さ方向に沿って延設される仮想構造体を設定する仮想構造体設定ステップと、解析部が、振動座標系内で伝播された振動に応じた運動エネルギーによる杭体及び建築物の変位及び変形を解析する解析ステップ
とを含み、
前記解析ステップでは、絶対座標系における仮想構造体と振動座標系における杭体との間に介在する部位を、当該部位の深度に応じた地質に対して設定された弾性係数により振動する仮想的な弾性体として定義し、杭体に入力された運動エネルギーによる杭体の変位及び変形は、仮想的な弾性体が仮想構造体から反力を得て振動するものとして解析される
ことを特徴とする。
なお、上記発明において、前記仮想構造体は、絶対座標系上において杭体を囲繞する仮想壁体としたり、杭体内部において深さ方向に延設される仮想軸体とすることができる。
さらに、構造体情報設定部は、杭体を、深さ方向に連続する単位杭体として分割して設定し、単位杭体は、仮想的な弾性体により相互に接続されているものとして設定され、地盤情報設定部は、各単位杭体の深さ位置における各部位の弾性係数を設定し、解析部は、杭体の変位及び変形を単位杭体ごとに解析することが好ましい。
また、上記発明において、仮想構造体は、絶対座標系上に設定された岩盤上に設置されているものとして設定されているとともに、杭体の下端は、岩盤に対して滑動可能に又は固定的に接続されているものとして設定され、解析部は、解析に際し、所定条件の下で、杭体下端の岩盤に対する接続状態の設定を切り替える機能を有することが好ましい。
さらに、上記発明において、仮想的な弾性体は、杭体の側面にも垂直に、且つ仮想構造体の側面に対しても垂直となるように設定されることが好ましい。また、本発明は、杭体の内部に配置される加速度センサと、加速度センサによる測定結果を記録する記録部とをさらに備え、地盤情報設定部は、記録部に記録された測定結果に基づいて弾性係数を設定する。
なお、上述した本発明に係るシステムや方法は、所定の言語で記述された本発明のプログラムをコンピューター上で実行することにより実現することができる。すなわち、本発明のプログラムを、携帯端末装置やスマートフォン、ウェアラブル端末、モバイルPCその他の情報処理端末、パーソナルコンピュータやサーバーコンピューター等の汎用コンピューターのICチップ、メモリ装置にインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能を有するシステムを構築して、方法を実施することができる。
詳述すると、本発明のプログラムは、地盤に埋入された杭体に支持された基礎部を有する建築物に対する地震による影響を推測する地震シミュレーションプログラムであって、コンピューターに、空間座標を定義する三次元座標であって、地震による振動が伝播される座標を振動座標系として設定する振動座標系設定部、空間座標と重畳させて定義される三次元座標であって、地震による振動の影響を受けない座標を絶対座標系として設定する絶対座標系設定部、杭体の振動座標系内における座標位置を含む構造体情報を設定する構造体情報設定部、地盤の地質に応じた弾性係数を含む地盤情報を設定する地盤情報設定部、絶対座標系上における地盤中に深さ方向に沿って延設される仮想構造体を設定する仮想構造体設定部、及び、振動座標系内で伝播された振動に応じた運動エネルギーによる杭体及び建築物の変位及び変形を解析する解析部として機能させ、解析部は、絶対座標系における仮想構造体と振動座標系における杭体との間に介在する部位を、当該部位の深度に応じた地質に対して設定された弾性係数により振動する仮想的な弾性体として定義し、杭体に入力された運動エネルギーによる杭体の変位及び変形は、仮想的な弾性体が仮想構造体から反力を得て振動するものとして解析される。
このような本発明のプログラムは、例えば、通信回線を通じて配布することが可能であり、また、コンピューターで読み取り可能な記録媒体に記録することにより、スタンドアローンの計算機上で動作するパッケージアプリケーションとして譲渡することができる。この記録媒体として、具体的には、フレキシブルディスクやカセットテープ等の磁気記録媒体、若しくはCD-ROMやDVD-ROM等の光ディスクの他、RAMカードなど、種々の記録媒体に記録することができる。そして、このプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体によれば、汎用のコンピューターや専用コンピューターを用いて、上述したシステム及び方法を簡便に実施することが可能となるとともに、プログラムの保存、運搬及びインストールを容易に行うことができる。
以上述べたように、これらの発明によれば、地盤に埋入された杭体に支持された基礎部を有する建築物に対する地震による影響を推測する地震シミュレーションにおいて、建物の杭体に作用する地震動を高精度且つ高速に算出してインタラクティブ性を向上させることができる。
第1実施形態に係る地震シミュレーション方法の概要を説明する3Dグラフィックを示す斜視図である。 第1実施形態に係る地震シミュレーション方法の概要を説明するグラフィックを示す側面図である。 第1実施形態に係る地震シミュレーション方法の概要を説明するグラフィックを示す上面図である。 第1実施形態に係る地震シミュレーション方法における動作を説明するグラフィックを示す側面図である。 変更例に係る地震シミュレーション方法の概要を説明するグラフィックを示す側面図である。 変更例に係る地震シミュレーション方法の概要を説明するグラフィックを示す上面図である。 変更例に係る地震シミュレーション方法における動作を説明するグラフィックを示す側面図である。 仮想的な弾性体の弾性係数に関する変更例を示す説明図である。 (a)は第1実施形態に係る地震シミュレーションシステムとして用いられる情報処理装置の内部構成を示すブロック図であり、(b)は情報処理装置のCPU上に構築される機能を示すブロック図である。 第1実施形態に係る地震シミュレーションシステムの動作を示すフローチャート図である。 第2実施形態に係る地震観測システムの全体構成を示す概念図である。 第2実施形態に係る観測サーバーの内部構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係るスマートフォンの内部構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る高度報知器の内部構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る地震観測システムの動作を示すフローチャート図である。 第2実施形態に係る地震観測システムにおける地震検知の様子を示す説明図である。 第2実施形態に係る地震観測システムにおける地震計測時におけるデータ収集区分を示す説明図である。 第2実施形態に係る地震観測システムにおける構造解析の概要を示す説明図である。 第2実施形態に係る地震観測システムの地震解析における認識処理を示す説明図である。 変更例に係る不動産管理システムの不動産取引処理に関する全体構成を示す概念図である。 変更例に係る不動産管理システムのブロックチェーンに関する説明図である。 変更例に係る不動産管理システムのブロックチェーンに関する説明図である。 変更例に係る不動産管理システムのブロックチェーンに関する説明図である。 変更例に係る不動産取引システムの移転時における処理手順を例示する説明図である。 変更例に係る不動産取引システムにおける公開鍵と秘密鍵との関係を例示する説明図である。 変更例に係る不動産取引システムの移転時の手順を例示する説明図である。
[第1実施形態]
(地震シミュレーション方法の概要)
本発明の地震シミュレーション方法の実施形態について説明する。図1〜図3は、本実施形態に係る地震シミュレーション方法の概要を説明するグラフィックを示す図であり、地震シミュレーション方法における動作を説明するグラフィックを示す図である。図1〜図3に示すように、本実施形態では、地盤80に埋入された杭体84に支持された基礎部82を有する建築物81に対する地震による影響を推測する場合を例に説明する。
本実施形態において、地盤80は、地表面から所定の深さ(20〜100m)の地中部分を示し、岩盤83上方に複数の地層が積み重なって構成されている。また、建築物81は、例えばコンクリート造の高層ビルやマンションの他、木造、RC造、コンクリート造等の戸建て住宅などであり、柱や梁などの構造体を組み上げて構築されている。基礎部82は地盤80表面から地下にかけて埋設される構造物であり、上方に建物が構築され下面を多数の杭体84で支持されている。杭体84は地盤80の地表面から地盤中の岩盤83に打込まれた支持体である。
そして、本実施形態に係る地震シミュレーション方法では、上記岩盤83及び地盤80の特性や、上記建築物81から基礎部82、地下の杭体84を含む構造物の構成を空間座標内に配置して、その座標内における位置及び形状を三次元データとして定義する。地盤80の特性としては、各地層の地質に応じた弾性係数が含まれる。この各地層の弾性係数は、ボーリング等により実地調査や、地震による震動の観測記録などから推定セルなどして取得することができる。また、この弾性係数については、例えば、後述する第2実施形態のように、杭体84の内部に加速度センサを要所要所に埋め込んでおき、加速度センサによる測定結果を記録し、記録された測定結果に基づいて設定することができる。
さらに、本実施形態では、空間座標を定義する三次元座標を、振動系座標系と絶対座標系の2系統として定義し、これら2系統の座標系は重畳されて設定される。すなわち、地震による振動が伝播される空間座標を振動座標系として定義するとともに、この空間座標と重畳され、地震による振動の影響を受けない空間座標を絶対座標系として定義する。振動座標系には、地震の影響を受け、地震による振動エネルギーにより移動・変形するオブジェクトとして前記地盤中の各地層、杭体、基礎部82及び建築物81が配置され、絶対座標系では、地震の影響を受けず、地震の震動によっては移動・変形しないオブジェクトとして岩盤83及び仮想構造体(仮想壁体85又は仮想軸体89)が配置される。
仮想壁体85は、地盤中に深さ方向に沿って延設される仮想構造体の一つであり、本実施形態では、絶対座標系上における地中に埋設されて杭体84を囲繞する仮想的な壁体であり、この空間座標上では地震によって移動・変形をしないものとして設定される。そして、絶対座標系における仮想壁体85と振動座標系における杭体84との間に介在する部位86を、各部位の深度に応じた地質に対して設定された弾性係数により振動する仮想的な弾性体87として定義する。この仮想的な弾性体87は、図3に示すように、杭体84のいずれの側面に対しても垂直に、且つ仮想壁体85の内側面に対しても垂直となるように設定されている。
また、本実施形態では、構造体情報を設定する際には、図4に示すように、杭体84が、深さ方向に連続する単位杭体84a〜cとして分割されているとともに、前記各単位杭体84a〜cの深さ位置における各部位86a〜cの弾性係数を設定し、杭体の変位及び変形を単位杭体ごとに解析される。また、これらの単位杭体84a〜cは、図4(a)に示すように、相対的な変位ができないように固定的に設定する場合と、図4(b)に示すように、仮想的な弾性体88a〜cにより相互に接続されているものとして設定する場合とが、適宜切り替えられるようになっている。
さらに、この最下部の単位杭体84cの底面は、岩盤83に打込まれており、相互の接続は、図4(b)に示すように、固定的に設定することができる一方、例えば、地震によって岩盤の打ち込み部分が破壊され、杭体が自由に変位できるようになった場合を想定するときには、図4(c)に示すように、岩盤83と杭体84(ここでは単位杭体84c)の底面との間にも仮想的な弾性体88dを定義し、杭体84(単位杭体84c)の下端は、岩盤83に対して滑動可能に接続されているものとして設定できるようになっている。この杭体84の岩盤に対する接続状態は、所定条件の下で切り替えられる。
また、絶対座標系に配置される仮想構造体としては、上記仮想壁体85に代えて、図5〜図7に示すような仮想軸体89を選択できるようになっている。この仮想軸体89は、本実施形態では、絶対座標系上において杭体84内部において深さ方向に延設される仮想的な軸体であり、地震の影響を受けず、地震の震動によっては移動・変形しないオブジェクトとして岩盤83上に配置される。そして、絶対座標系における仮想軸体89と振動座標系における杭体84表面との間に介在する部位86を、各部位の深度に応じた地質に対して設定された弾性係数に基づいて振動する仮想的な弾性体87として定義する。この仮想的な弾性体87は、図6に示すように、杭体84のいずれの内側面に対しても垂直に、且つ仮想軸体89の外側面に対しても垂直となるように設定されている。
また、本実施形態では、構造体情報を設定する際には、図7に示すように、杭体84が、深さ方向に連続する単位杭体84a〜cとして分割されているとともに、前記各単位杭体84a〜cの深さ位置における各部位86a〜cの弾性係数を設定し、杭体の変位及び変形を単位杭体ごとに解析される。また、これらの単位杭体84a〜cは、図7(a)に示すように、相対的な変位ができないように固定的に設定する場合と、図7(b)に示すように、仮想的な弾性体88a〜cにより相互に接続されているものとして設定する場合とが、適宜切り替えられるようになっている。
さらに、この最下部の単位杭体84cの底面は、岩盤83に打込まれており、相互の接続は、図7(b)に示すように、固定的に設定することができる一方、例えば、地震によって岩盤の打ち込み部分が破壊され、杭体が自由に変位できるようになった場合を想定するときには、図7(c)に示すように、岩盤83と杭体84(ここでは単位杭体84c)の底面との間にも仮想的な弾性体88dを定義し、杭体84(単位杭体84c)の下端は、岩盤83に対して滑動可能に接続されているものとして設定できるようになっている。この杭体84の岩盤に対する接続状態は、所定条件の下で切り替えられる。
そして、これらの定義に基づいて、振動座標系内で伝播された振動に応じた運動エネルギーによって各構造体の変位及び変形を解析する。このとき、杭体84に入力された運動エネルギーによる各杭体の変位及び変形は、仮想的な弾性体が仮想壁体85又は仮想軸体89から反力を得て振動するものとして解析される。
なお、本実施形態では、地中杭は断面四角形が多いことから、角柱を想定して四方向の弾性体を設定して簡易的な近似を算定しているが、方向性をより一般的に記述するために、図8(a)に示すように、方位θ(0〜2πの値を取る)と、中心点からの距離rによる関数を掛け合わせた補正ばね係数を定義することもできる。これにより、水平面内における振動方向に応じて上記弾性体の挙動を一般化したシミュレーションが可能となる。例えば、同図(b)に示すように、四角柱のような形状の場合は、平面視において四隅の角方向への揺れは、側面方向への揺れよりは容易であることから、四隅方向で弾性係数が最大となり、側面方向では弾性係数が最小になるように、θ及びrで設定される。また、コンクリートの内部にH鋼が配設されているような複合杭であるときにも、その材質や形状(断面二次モーメント等の杭の断面特性などを含む)による振動のしやすさを、θ及びrの関数で表現し、振動方向に応じて上記弾性体の弾性係数を変化させ、よりシミュレーションの精度を高めるようにしてもよい。
(地震シミュレーションシステムの構成)
次いで、本発明に係る地震シミュレーションシステムの実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、情報処理端末7に、本発明の地震シミュレーションプログラムをインストールし、情報処理端末7を地震シミュレーションシステムの端末装置として実施する場合について説明する。なお、以下の各実施形態において「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。図9(a)は、本実施形態に係るパーソナルコンピューター等の情報処理端末7の内部構成を示すブロック図であり、図9(b)は、情報処理端末7のCPU71上に構築されるモジュールを示すブロック図である。
情報処理端末7は、ユーザーが使用する情報処理装置であり、通信機能やCPUを備え、各種アプリケーションソフトをインストールすることにより様々な機能が実装可能となっている。本実施形態では、この情報処理端末7に本発明の地震シミュレーションプログラムを含むアプリケーションをインストールして、本発明に係る地震シミュレーションシステムとして機能させる。この情報処理端末としては、スマートフォンの他、例えば、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータや、機能を特化させた専用装置により実現することができ、タブレットPCやモバイルコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、携帯電話機などが含まれる。
この情報処理端末7は、演算処理を行うCPU71と、情報を一時的に記憶するメモリ72と、通信回線やインターネットを介して外部との通信を行う通信インターフェース73と、蓄積部であるストレージ74と、出力インターフェース75と、入力インターフェース76とを有している。なお、本実施形態では、これらの各装置71〜76等はCPUバス70を介して接続されており、相互にデータの受渡しが可能となっている。
CPU71は、各部を制御する際に必要な種々の演算処理を行う装置であり、各種プログラムを実行することにより、CPU71上に仮想的に各種モジュールを構築する。本実施形態では、このCPU71で地震シミュレーションプログラムを実行することによって、この汎用的な情報処理端末7を、地震シミュレーションシステム用の端末として機能させる。
通信インターフェース73は、無線通信により無線基地局と通信を行うモジュールであり、LTE回線、3G・4G回線や、Wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信ネットワーク、その他の公知の装置・通信方式を用いることができる。
ストレージ74は、データを記録媒体に蓄積するとともに、これら蓄積されたデータを各デバイスの要求に応じて読み出す装置であり、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)、メモリカード等により構成することができる。
また、GPSや無線基地局の識別子・座標などから自機の現在位置を測定する位置情報取得手段や、現在時刻を計時する時計手段などが接続されている。これらの位置情報取得手段及び時計手段による測定結果は、相互に紐付けられて自機のステータス情報として、メモリ72やストレージ74に蓄積されるとともに、CPU71上で実行されるOSやアプリケーションの要求に応じて受渡される。
出力インターフェース75は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスから映像や音声を出力するために映像信号や音声信号を送出するモジュールであり、アプリケーション実行部712で実行されるアプリケーションソフトに関する映像や音声を出力することができる。入力インターフェース76は、タッチパネルや物理的な操作ボタン16b等の操作デバイスから操作信号を受信するモジュールであり、受信された操作信号はCPU71に伝えられ、OSや各アプリケーションに対する操作を行うことができる。なお、本実施形態では、これら入力インターフェース76及び出力インターフェース75に接続されたタッチパネル76aでは、入力デバイスであるタッチパネルが、表示デバイスであるディスプレイに重畳されて構成されており、操作用画面の表示データをディスプレイに表示させ、それに応じたタッチ操作やゼスチャー操作がなされることによってユーザー操作信号を取得するGUIが提供される。
そして、CPU71上では、OS実行部711によってOS(Operating System)が起動・実行されており、このOSによって情報処理端末7の基本的な機能が制御されている。また、このOS上ではアプリケーション実行部712によって、種々のアプリケーションが実行可能になっており、このアプリケーション実行部712によって、アプリケーションを実行することにより、様々な機能が実行される。
詳述すると、OS実行部711は、CPU上でOSプログラムを実行するためのモジュールであり、このOS実行部711でOSプログラムが実行されることによって、情報処理端末7の基本的な機能が管理・制御され、アプリケーション実行部712で構築された各モジュールと、情報処理端末7の各装置・機能との連携を可能としている。アプリケーション実行部712は、CPU71上でアプリケーションプログラムを実行するためのモジュールであり、このアプリケーション実行部712でアプリケーションプログラムを実行することによって、種々の機能モジュールがCPU71上に仮想的に構築される。
本実施形態では、アプリケーション実行部712によって地震シミュレーションアプリケーションが実行されることにより、構造体情報設定部712aと、地盤情報設定部712bと、絶対座標系設定部712cと、振動座標系設定部712dと、解析部712eと、仮想構造体設定部712fと、記録部712gとが仮想的に構築される。
絶対座標系設定部712cは、空間座標と重畳させて定義される三次元座標であって地震による振動の影響を受けない座標を絶対座標系として設定するモジュールであり、振動座標系設定部712dは、空間座標を定義する三次元座標であって地震による振動が伝播される座標を振動座標系として設定するモジュールである。
構造体情報設定部712aは、杭体84の振動座標系内における座標位置を含む除法を設定するモジュールである。本実施形態においてこの構造体情報設定部712aは、杭体84を、深さ方向に連続する単位杭体84a〜cとして分割して設定する機能を備えており、さらには、単位杭体84a〜cの接続状態を、固定的に接続された状態か、或いは仮想的な弾性体88b〜dにより相互に接続されている状態かを、切り替えることができる。地盤情報設定部712bは、地盤の地質に応じた弾性係数を含む地盤情報を設定するモジュールであり、各単位杭体84a〜cの深さ位置における各部位86a〜cの弾性係数を設定する機能も備えている。
解析部712eは、前記振動座標系内で伝播された振動に応じた運動エネルギーによる杭体及び建築物の変位及び変形を解析するモジュールであり、本実施形態では、仮想構造体設定部712fを有している。仮想構造体設定部712fは、絶対座標系上おける地盤中に深さ方向に沿って延設される仮想構造体を設定するモジュールである。この仮想構造体としては、上述したような仮想壁体85や仮想軸体89を適宜選択して設定することができる。また、本実施形態において解析部712eは、杭体84が単位杭体に分割されている場合には、杭体84の変位及び変形を単位杭体84a〜cごとに解析する。
そして、解析部712eは、仮想構造体設定部712fを用いて、絶対座標系における仮想構造体と振動座標系における杭体84との間に介在する部位を、当該部位の深度に応じた地質に対して設定された弾性係数により振動する仮想的な弾性体として定義し、杭体84に入力された運動エネルギーによる杭体84の変位及び変形は、仮想的な弾性体が仮想構造体から反力を得て振動するものとして解析する。
さらに、本実施形態において仮想壁体85又は仮想軸体89は、絶対座標系上に設定された岩盤83上に設置されているとして設定されており、杭体84の下端は、岩盤83に対して滑動可能に又は固定的に接続されているものとして設定され、解析部712eは、解析に際し、所定条件の下で、杭体84下端の岩盤83に対する接続状態の設定を切り替える機能を有する。
記録部712gは、観測手段による地震の実測値や、シミュレーション結果などの各種データをストレージ74に記録するモジュールである。例えば、後述する第2実施形態のように、杭体84の内部に配置される加速度センサを備えた地中検出器42による測定結果を記録し、この記録部に記録された測定結果に基づいて弾性係数を設定することができる。
(地震シミュレーションシステムの動作)
以上説明した地震シミュレーションシステムを動作させることによって、本発明の地震シミュレーション方法を実施することができる。図10は、地震シミュレーションシステムの動作を示すシーケンス図である。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換及び追加が可能である。
先ず、地震シミュレーションシステムを起動すると、振動座標系を振動座標系設定部712dによって設定するとともに、振動の影響を受けない絶対座標系を絶対座標系設定部712cによって設定する座標系設定ステップを行う(S101)。この振動座標系及び絶対座標系の各座標の原点は共通して設定され、観測地や監視対象となる建物の任意部位など、観測者が自由に設定することができる。このシステムの起動を受けて、観測データや以前に実行したシミュレーション結果、他のシステムによるシミュレーション結果などの外部データがあればストレージ74から読み出したり、通信インターフェース413で受信するなどして取得する(S102)。
引き続き、構造体情報設定部712aを通じて、杭体84の振動座標系内における座標位置を含む構造体情報を設定するとともに、地盤情報設定部712bを通じて、地盤80の地質に応じた弾性係数を含む地盤情報を設定する情報設定ステップを行う(S103)。この構造体情報及び地盤情報の設定を用いて仮想構造体設定部712fは、絶対座標系上において仮想壁体85又は仮想軸体89を設定する仮想構造体設定ステップを実行する(S104)。次いで、絶対座標系における仮想壁体85又は仮想軸体89と振動座標系における杭体84との間に介在する各部位86a〜cについて、当該部位の深度に応じた地質に基づいて弾性係数を設定する(S105)。これと合わせて、杭体84の岩盤83に対する接続状態を設定する(S106)。
そして、振動座標系内で伝播された振動に応じた運動エネルギーによる杭体及び建築物の変位及び変形を解析する解析ステップを実行する(S107)。この解析ステップでは、杭体84に入力された振動による運動エネルギーが、各単位杭体84a〜cの重心位置841a〜cに入力されるものとして振動解析を行い(S107a)、各単位杭体84a〜cの変位及び変形がそれぞれ求められ、このとき、各単位杭体84a〜cの変位・変形は、仮想的な弾性体87a〜cが仮想壁体85又は仮想軸体89から反力を得て振動するものとして解析される。
また、このシミュレーション実行中にあっては、地盤情報で設定した岩盤83に作用する運動エネルギーを監視し(S107b)、所定の許容値を超える運動エネルギーが作用して岩盤83が破壊しない限り(S107bにおける「N」)、杭体84が岩盤83に固定的に接続されているとする設定で振動解析を継続する。一方、杭体84に所定の許容値を超える運動エネルギーが作用して岩盤83が破壊したときには(S107bにおける「Y」)、杭体84の下端における、杭体84下端の岩盤83に対して滑動可能に接続されているものとして設定を変更すべく、岩盤83に対する接続状態の設定を切り替え(S107c)、振動解析を続行する(S107a)。
その後、所定回数若しくは所定の継続時間に到達することにより、シミュレーションを終了し、シミュレーションによる解析結果を出力し(S108)、記録する(S109)。
(作用・効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、地盤80に埋入された杭体84に支持された基礎部82を有する建築物81に対する地震による影響を推測する地震シミュレーションにおいて、建築物81の杭体84に作用する地震動を高精度且つ高速に算出してインタラクティブ性を向上させることができる。
[第2実施形態]
次いで、本発明の地震シミュレーション方法及び地震シミュレーションシステムを応用した地震観測システムの実施形態について詳細に説明する。図11は、本実施形態に係る地震観測システムの全体構成を示す概念図である。
(地震観測システムの全体構成)
本実施形態に係る地震観測システムは、ユーザーが使用するスマートフォン等の情報端末装置を通じて震動に関する情報を収集して地震の観測を行うシステムであり、図11に示すように、複数のユーザー10(10a〜10c)が使用する携帯端末装置であるスマートフォン1(1a〜1c)と、インターネット2上に設置された観測サーバー3と、第1実施形態で説明した地震シミュレーションシステムとしての情報処理端末7と、各構造物5に設置された高度報知器41及び地中検出器42とから概略構成される。なお、本実施形態では、情報処理端末7は、地震シミュレーションプログラムを実行するサーバー装置として実装される。
図11中の構造物5は、高さ方向に階層を有する構造物であり、例えば地下構造物を有し地上に建築されたビル等の建物である。この構造物の地上及び地下の各フロアーには、WifiやBluetooth(登録商標)等の無線通信を通じて各階の高度又は標高を報知する信号を発信する高度報知器41が設置されているとともに、構造物5を地盤中で支持する地中杭50にも、深さ方向に所定間隔をおいて地中検出器42が設置されている。
高度報知器41は、現在の高度又は標高を、無線通信を通じて周囲のスマートフォン1やその他の通信機器に報知する機能を備えるとともに、振動を検知する加速度センサーやジャイロセンサー等の検出器が内蔵されており、インターネット2を通じて、自機に作用する外的な振動を、周期的に、又は振動検出時に観測サーバー3に通知する機能も備えている。地中検出器42は、振動を検知する加速度センサーやジャイロセンサー等の検出器が内蔵されており、インターネット2を通じて、自機の地中における現在の深度又は標高とともに、自機に作用する外的な振動を、周期的に、又は振動検出時に観測サーバー3に通知する機能も備えている。
ユーザー10a〜10cは、スマートフォン1a〜1cをそれぞれ使用する人であり、本発明の地震観測プログラムである地震観測アプリケーションをダウンロードし、アプリケーションを使用するためのユーザー登録を完了している。これらユーザー10a〜10cは、地震観測アプリケーションを通じて地震観測に参加するために自身の現在位置を観測サーバー3に逐次報告することを許可しているとともに、観測サーバー3から地震速報等の通知を受信するためのメールアドレスやその他の連絡先の登録もしている。なお、図11に示す例では、ユーザー10a及び10bが屋外の地表SoE上に位置しており、ユーザー10cが構造物5の2階5F2に位置している。
観測サーバー3は、インターネット2を通じて、各スマートフォン1や各高度報知器4で検出された観測結果を収集するサーバー装置であり、単一のサーバー装置、又は複数のサーバー装置群により実現することができ、複数の機能モジュールをCPU上に仮想的に構築し、それぞれの機能モジュールが協動して処理を実行する。また、この観測サーバー3は、通信機能によりインターネット2を通じて、データ送受信を行うことができるとともに、Webサーバー機能によりブラウザソフトを通じてWebページの提示などを行うことができる。
スマートフォン1は、無線通信を利用して通話やデータ通信ができ、携帯可能な情報処理端末装置であり、CPU等の演算処理装置を備え、アプリケーションソフトを実行することによって種々の機能を提供する装置である。この情報処理端末装置としては、例えば、パーソナルコンピューター等の汎用コンピューターや機能を特化させた専用装置により実現することができ、スマートフォンの他、タブレットPCやモバイルコンピューター、携帯電話機、ウェアラブル端末装置、ゲーム機その他のモバイル端末等が含まれる。
本実施形態においてスマートフォン1は、無線基地局22又は高度報知器41等の中継点と無線で通信し、通話やデータ通信等の通信サービスを移動しつつ受けることができる。この通話やデータ通信の通信方式としては、例えば、3G(3rd. Generation)方式、LTE(Long Term Evolution)方式、4G方式、FDMA方式、TDMA方式、CDMA方式、W−CDMAの他、PHS(Personal Handyphone System)方式等が挙げられる。また、このスマートフォン1は、デジタルカメラ機能、アプリケーションソフトの実行機能、GPS(Global Positioning System)などによる位置情報取得機能等、種々の機能が搭載され、タブレットPC等のモバイルコンピューターも含まれる。
なお、スマートフォン1に備えられた位置情報取得機能は、自機の位置を示す位置情報を取得して記録する機能であり、この位置情報取得機能としては、図11に示すように、例えば、GPSのように、衛星21からの信号によって自機の位置を検出する方法や、携帯電話の無線基地局22や、Wifi通信のアクセスポイントの他、高度報知器41からの信号及び電波強度などによって緯度・経度、高度を検出する方法が含まれる。
そして、このスマートフォン1は、情報を表示する液晶ディスプレイ等の表示部を備えるとともに、ユーザーが入力操作を行うための操作ボタン等の操作デバイスを備え、この操作デバイスとしては、液晶ディスプレイに重畳されて配置され、液晶ディスプレイ上の座標位置を指定するタッチ操作などによる操作信号を取得する入力部としてのタッチパネルが含まれる。具体的にこのタッチパネルは、ユーザーの指先やペンなどを用いたタッチ操作による圧力によって操作信号を入力する入力デバイスであり、グラフィックを表示する液晶ディスプレイと、この液晶ディスプレイに表示されたグラフィックの座標位置に対応した操作信号を受け付けるタッチセンサーとが重畳されて構成されている。
(各装置の内部構造)
次いで、上述した情報提示システムを構成する各装置の内部構造について説明する。図12及び図13は、観測サーバー3及びスマートフォン1の内部構成を示すブロック図である。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
(1)観測サーバー3
先ず、観測サーバー3の内部構成について説明する。観測サーバー3は、インターネット2上に配置されたサーバー装置であり、インターネット2を通じて、各スマートフォン1とデータの送受信を行えるようになっている。詳述すると、観測サーバー3は、インターネット2を通じてデータ通信を行う通信インターフェース31と、利用者や利用者端末の権限を認証する認証部33と、各利用者端末の位置情報を収集して管理する位置情報管理部32と、地震観測に関する情報を収集する情報収集部36と、各ユーザー端末に対して各種情報を配信する34と、種々のデータを蓄積するデータ蓄積部35(35a〜35b)とを備えている。
データ蓄積部35には、実際の地理情報や、実際に建設されている建物や地下構造物等の構成を含む地図情報を記憶する地図データ35aと、ユーザー端末及びそのユーザー端末を使用するユーザーに関する情報を蓄積するユーザー端末データ35bと、各端末やセンサーから収集された観測データを蓄積する観測データベース35cとが含まれる。これらの各データとしては、単一のテーブルデータとしてもよく、複数のデータベースに分割し、相互にリレーションを設定することで各データ同士を紐付けたリレーショナルデータベースとすることができる。
地図データ35aは、実際の地理情報や建物、住所等を含む地図情報を記憶する記憶装置であり、山や谷、河川等の自然的な地理的要素、建物や道路、鉄道などの人工物、地名や住所、交通規制などが記憶される。なお、この地図データ35aは、観測サーバー3を運用するサービス提供者自身が所有・運用するものの他、他の地図サービス提供者が運用する地図データベースであってもよい。
ユーザー端末データ35bに蓄積される情報としては、利用者又は利用者が使用している携帯端末装置を特定する識別子(ユーザーID、端末ID)と、パスワード等とを紐付けた認証情報が含まれユーザーIDに紐付けられた利用者の個人情報や、端末装置の機種なども含まれる。また、ユーザー端末データ35bには、利用者毎或いは利用者端末毎の認証履歴(アクセス履歴)や、地図データ35aとのリレーションによりユーザー毎の座標位置・変位、行動履歴に関する情報等が含まれる。
観測データベース35cに蓄積される情報としては、各ユーザー端末や高度報知器41,地中検出器42が検出した加速度変化、回転角速度変化等の振動に関する情報、その時刻、緯度・経度・高度、端末が向いていた方位、端末の姿勢などが含まれる。
認証部33は、通信インターフェース31を通じて、各スマートフォン1と通信セッションを確立させ、その確立された通信セッション毎に認証処理を行うモジュールである。この認証処理としては、アクセス者である利用者のスマートフォン1から、IDやパスワード、端末ID等の認証情報を取得し、ユーザー端末データ35bを参照して、利用者或いは端末を特定し、それらに対するアクセス権限を設定する。この認証部33による認証結果(ユーザーID、認証時刻、セッションID等)は、情報収集部36に送出されるとともに、ユーザー端末データ35bに認証履歴として蓄積される。なお、本実施形態では、アクセス者を特定する認証部を設けたが、この認証部については省略することも可能であり、不特定のアクセス者にサービスを提供するようにしてもよい。
位置情報管理部32は、利用者端末装置側で取得されて観測サーバー3に送信される位置情報を取得するモジュールであり、位置情報管理部32は、認証部33による認証処理によって特定されたユーザーやユーザー端末装置の識別子(ユーザーID、端末ID等)と、それらの位置情報とを紐付けてユーザー端末データ35bに利用履歴として蓄積する。
情報収集部36は、各ユーザーが使用するスマートフォン1により検出される振動等の観測データを収集し、管理するモジュールである。なお、情報収集部36は、本実施形態では、スマートフォン1側の観測部145と協働するようになっており、観測データの解析の一部を観測サーバー3側で行い、グラフィック処理やイベント処理の一部をスマートフォン1側の表示データ生成部142や観測制御部145aで実行するようにしている。例えば、観測サーバー3側で、各端末から収集した観測データを解析して、地震の発生を推定或いは予測し、その解析結果をスマートフォン1側に送信し、実際の表示処理やそのための演算処理・グラフィック処理をスマートフォン1側で実行する。具体的に、この情報収集部36は、判定部37と、相関算出部38と、構造解析部39とを備える。
判定部37は、情報収集部36が収集した検出結果に基づいて、振動を検出した携帯端末本体の数が所定数を超えたときに地震による振動であると判定する判定手段である。相関算出部38は、情報収集部36が収集した検出結果を解析して、各振動検出手段が検出した振動の振幅、発生時刻の分布に基づいて震源位置及び地震規模を特定するとともに、震源位置及び地震規模と分布との相関を算出するモジュールである。構造解析部39は、各震動検出手段が検出した振幅、発生時刻の分布に基づいて、構造物5などの振動による挙動を解析するモジュールである。
情報配信部34は、判定部37や相関算出部38、構造解析部39等による処理に基づいて、各演算結果を地震速報や制御指示情報として、通信インターフェース31を通じて各ユーザーに配信するモジュールである。
(2)スマートフォン1
次いで、スマートフォン1の内部構成について説明する。図13に示すように、スマートフォン1は、通信インターフェース11と、入力インターフェース12と、出力インターフェース13と、アプリケーション実行部14と、メモリ15とを備えている。
通信インターフェース11は、データ通信を行うための通信インターフェースであり、無線等による非接触通信や、ケーブル、アダプタ手段等により接触(有線)通信をする機能を備えている。入力インターフェース12は、マウス、キーボード、操作ボタンやタッチパネル12aなどユーザー操作、カメラ部121で撮像された実空間の静止画や動画が入力されるデバイスである。また、出力インターフェース13は、ディスプレイやスピーカーなど、映像や音響を出力するデバイスである。特にこの出力インターフェース13には、液晶ディスプレイなどの表示部13aが含まれ、この表示部13aは、入力インターフェースであるタッチパネル12aに重畳されている。
メモリ15は、OS(Operating System)やファームウェア、各種のアプリケーション用のプログラム、その他のデータ等などを記憶する記憶装置であり、このメモリ15内には、ユーザー又はスマートフォン1を識別する各種IDの他、観測サーバー3からダウンロードしたアプリケーションデータを蓄積するとともに、アプリケーション実行部14で処理された各種データが蓄積される。さらに、本実施形態に係るメモリ15には、観測サーバー3から取得した地図情報が格納されている。
アプリケーション実行部14は、一般のOSや各種アプリケーション、ブラウザソフトなどのアプリケーションを実行するモジュールであり、通常はCPU等により実現される。このアプリケーション実行部14では、本発明に係る地震観測プログラムが実行されることで、情報取得部141と、表示データ生成部142と、観測データ通知部143と、位置情報取得部144と、観測部145とが仮想的に構築される。
情報取得部141は、観測サーバー3やメモリ15から処理に必要な情報を取得するモジュールであり、例えば、観測サーバー3から地図情報を取得したり、アプリケーションデータを取得したりする。なお、この情報取得部141における情報の取得としては、メモリ15に蓄積されたデータを読み出す場合や、通信インターフェース11を通じて観測サーバー3からダウンロードする場合、また、スマートフォン1内で生成又は加工されたデータを読み込む場合のいずれも含まれる。
表示データ生成部142は、表示部13aに表示させるための表示データを生成するモジュールである。表示データは、3Dグラフィックデータの他、画像データや、文字データ、動画データ、音声その他のデータを組み合わせて生成されるデータである。特にこの表示データ生成部142は、例えば、地震が発生した場合に、現在位置などの位置情報に対応付けられた地図情報上に、震源地や発生した地震の規模、現在位置における震度、地震到達時刻などを表示する表示データを生成する。この表示データ生成部142で生成された表示データは出力インターフェース13を通じて表示部13aに表示される。
位置情報取得部144は、実空間の座標系における位置及び方向を現在位置情報として取得するモジュールである。具体的にこの位置情報取得部147は、スマートフォン1に備えられた位置情報取得機能やジャイロセンサー、方位センサー、加速度センサー等から、GPSや周囲の電波環境に基づく自機の現在位置を緯度・経度、自機が向いている方位、相対移動距離、相対回転角度を取得する。また、位置情報取得部144は、周囲に現在位置の高度(標高)を報知する高度報知器41がある場合には、その高度報知器41が報知する情報に基づいて、現在位置の高度も位置情報として取得する。この位置情報取得部144で取得された位置情報は、観測部145に入力される。
観測データ通知部143は、通信インターフェース11を通じて、観測部145による観測結果を観測サーバー3に通知するモジュールである。この観測データ通知部45による観測結果の通知は、震動が検出されたときにはその時点で即時的に送信され、それ以外の場合には定期的に送信される。
観測部145は、各種センサーにより自機の振動を検出し、所定の大きさの揺れを感知した場合に、観測データ通知部45を通じて地震の発生を通知させるモジュールである。この観測部145による観測は、観測制御部145aに従って開始・終了が制御される。この観測制御部145aは、スマートフォン1の姿勢を、センサー16によって検出し、その姿勢の継続時間に基づいて、所定時間静止状態が続いているときに、観測部145による振動の検出を開始させる。
(3)高度報知器41
上述したように本実施形態では、構造物5内に高度報知器41が、構造物5内における高さ方向に多数配置されている。また、この高度報知器41は、近隣の携帯端末機に向けて、自機の高さ位置を報知する装置であり、無線通信を行うためのアクセスポイント機能も備えている。図14は、高度報知器41の内部構成を示すブロック図である。
詳述すると、高度報知器41は、インターネット2と、スマートフォン1等の通信機能を備えた電子機器との間で、無線通信を中継する中継機能を備え、基本的な構成要素として、制御部412と、メモリ411と、通信インターフェース413と、加速度センサー414とを備えている。
制御部412は、CPUの演算処理装置であり、メモリ411に格納されたファームウェア等が実行されることにより、各種の機能モジュールが仮想的に構築され、各機能モジュールにより、地震通知機能412aや、ルーター機能412b、ビーコン発信機能412c、振動検知機能412dなどが提供される。
振動検知機能412dは、加速度センサー414やジャイロセンサー等の振動を検出する種々のセンサーによる検出結果に基づいて、地震を検知する機能である。地震通知機能412aは、インターネット2を通じて、自機に作用する外的な振動を、周期的に又は振動検出時に観測サーバー3に通知する機能も備えている。
ルーター機能412bは、一般的なWifi等の無線通信により、構造物5内の各フロアに在圏するスマートフォン1等の他の通信機器との間で無線通信を行い、インターネット2に対する通信を中継する機能を備えている。この通信を中継する機能を通じて、スマートフォン1との間でデータの送受信を行うことができ、この中継機能を介して自機の識別子や高度を発信して周囲に報知することができる。なお、この通信を中継する機能としては、Wifi通信の他、例えば、Bluetooth(登録商標)によるBLEBeaconやRFID(NFC)等の電波による近距離・非接触通信や、音波、赤外線通信などを用いることができ、さらには、これらを組み合わせて異なる通信プロトコル間でブリッジ通信を行って中継するようにしてもよい。ビーコン発信機能412cは、自機の現在高度又は標高を、通信インターフェース413を通じて周囲のスマートフォン1やその他の通信機器に報知する報知機能である。
通信インターフェース413は、他の通信機器とデータの送受信を行うモジュールであり、Wifi等の無線LANやBluetooth(登録商標)等の近距離通信、3G方式などの無線通信の他、有線LAN等の所定のプロトコルによる有線通信、PLC (Power Line Communication)、PLT (Power Line Telecommunication)などの電力線を通じた電力線搬送通信も含まれる。さらに、この通信インターフェース413は、上記WifiやBluetooth(登録商標)の他、RFID(NFC)等の電波による非接触通信や、音波、赤外線通信など狭い領域に対してのみ通信を行う方式も含まれる。なお、この通信インターフェース413は、通信を中継する機能としては、Wifi通信を通じて、スマートフォン1と観測サーバー3との間で認証情報を送受させたり、或いはBluetooth(登録商標)やRFID(NFC)、音波、赤外線通信などを組み合わせて異なる通信プロトコル間でブリッジ通信を行って中継するようにしてもよい。また、この通信インターフェース413は、ルーター機能412bにより、グローバルなWAN側の通信を、ローカルのLANに振り分けたり、他の通信機器とのプロトコル設定を行う機能も提供する。
メモリ411は、不揮発性の記憶装置であり、上記ファームウェアや各種設定データの他、当該構造物5及び現在の階数を特定するための設置位置ID、自機を特定する設備ID等の各種識別子が記憶されている。地震通知機能412aは、メモリ411に記憶されている各種識別子(各種ID等)を読み出し、この読み出した識別子を、ビーコン発信機能412cを通じて周囲の機器に通知するモジュールである。ビーコン発信機能412cは、周期的に上記通信インターフェース413を通じて、Wifi通信、Bluetooth(登録商標)やRFID(NFC)等の電波による近距離・非接触通信や、音波、赤外線通信などにより、現在位置や高度等の位置情報や、自機の識別子等のを発信するモジュールである。
(地震観測システムの動作)
(1)全体動作
以上説明した地震観測システムを動作させることによって、本発明の地震観測方法を実施することができる。図15は、本実施形態に係る地震観測システムの動作を示すフローチャート図である。図16〜図19は、地震検知に関する説明図である。
まず、ユーザー端末においてアプリケーションが起動されると(S201)、姿勢情報の取得が行われる(S202)。具体的には、観測制御部145aが、各種センサー(ジャイロセンサー、方位センサー、加速度センサー等)16による検出結果に基づいてスマートフォン1の姿勢を監視する。そして、ループ処理により(S203における「N」)、スマートフォン1が机上や荷物の中など、移動せず且つ傾きも変化しない静止状態となるまで待機状態となる。
そして、ステップS203においてスマートフォン1の静止状態が一定時間以上継続したことが検出されると(S203における「Y」)、地震の観測が開始され、その旨が観測サーバー3に通知される(S204)。この観測開始の通知を受けて、観測サーバー3側では、通知を送信した当該スマートフォン1を監視対象に追加し、このスマートフォン1からの観測情報の収集を開始する(S301)。観測が開始されると、スマートフォン1側では位置情報取得部144によりスマートフォン1の現在位置・高度に関する位置情報が取得され、観測サーバー3側に送信する(S205)。この位置情報の送信を受けて、観測サーバー3側では、スマートフォン1の現在位置をユーザー端末データ35bに登録する。
次いで、地震観測が開始されると、スマートフォン1では所定値以上の振動が検知されるまで待機状態となる(S206における「N」)。その後、所定値以上の振動が検知されると(S206における「Y」)、検知された振動の波形と時刻、自機の識別子及び現在の位置情報を振動検知報告として観測サーバー3に送信する。
観測サーバー3では、各端末や高度報知器41、及び地中検出器42からの振動検知報告を収集し、解析する(S303及びS304)。このデータ収集及び解析は、図17に示すように、座標上に仮想的なグリッド(例えば、250m四方)を画成し、グリッドによって画成される各エリアG1内に存在する建物群B1をひとまとめにして行うようにしてもよい。この場合には、そこに含まれる各建物の解析結果について、各エリアG1ごとに平均をとって、エリアG1ごとに表示または公開する。これにより、振動検知報告が取得された建物が個々に特定されることなく、そのエリア一帯の振動解析として公表することができ、建物に関わるプライバシーを保護することができる。
また、この振動検知報告の解析に際し、監視対象となっているスマートフォン1や高度報知器41のうち、振動検知報告をした検知器の割合を算出して、一定以上の数が振動検知報告をした場合に、地震が発生したと判断する(S305における「Y」)。この地震の発生に際し、観測サーバー3は、解析されて特定された地震に関する情報を地震情報として各スマートフォン1に送信する(S307)とともに、地震情報を記録する(S308)。地震情報を受けたスマートフォン1側では、ユーザーに対して通知すべく、アラームの音声や画像を出力する(S209)。
なお、この地震情報の記録は、後述する実施形態で説明するような、情報をネットワーク上に分散させて記録するいわゆる分散台帳ネットワークを利用してもよく、この場合には、分散台帳ネットワークを通じて、記録された地震情報を公開することもできる。なお、この地震情報の公開に際しても、上述したような、各建物に関する解析結果をエリアごとに平均し、個々の建物が特定できないようにすることが好ましい。また、この地震情報については、解析の対象となった建物の構造材に関する振動やそれに対する耐力、強度等の解析結果は、部材の種類ごと、製品ごと、使用箇所ごと、経年ごとなど様々なフィルタリング処理、グルーピング処理、ソート処理で集計して、出力、表示、公開することができる。
さらに、この地震情報の収集やデータ蓄積、閲覧・公開に関わるプロトコルは、一般化された公開技術、例えばオープンソースに基づくライブラリやAPIを利用し、特定の者が独占的に管理・運用できないようにし、情報の公開性・公益性を確保することが好ましい。
一方、ステップS305において振動検知報告をした検知器が一定数以下である場合には、地震は発生していないとしてそのまま観測を計測する旨の指示を各端末に送信する(S306)。この観測継続指示を受けたスマートフォン1側では、地震は発生していない旨のメッセージ等を表示するなどしてユーザーに対して通知した後、ステップS202に戻り、上述のステップS202以降の処理を継続して繰り返す。
(2)振動解析
ここで、上述したステップS304における地震解析について説明する。図16〜8は、本実施形態に係る地震検知の概要を示す説明図であり、図18は建物の高さ方向への振動伝播を演算する際の、建物の構造を簡素化する手法を示す説明図である。
図16(a)及び(b)に示すように、地震が発生して地震波EqWが地中を伝播すると、各スマートフォン1や、構造物5に備えられた高度報知器41及び地中検出器42等が順次、振動を検知することとなる。これら各スマートフォン1及び高度報知器41,地中検出器42からの振動検知報告を観測サーバー3によって収集し、その振動検知の時間差や、振幅の減衰などから震源地及び発生した地震の規模を推定する。
なお、このとき構造物5における高さ方向への振動の伝播は、図18に示すような、建物の構造を簡略化した手法で演算する。この手法では、構造物5を構成する柱51a,51b、梁52a,52bが接合される接合部53における構造を簡素化する。すなわち、この接合部53に一定の半径と、曲げ耐力を有する球530と仮定し、構造物5を構成する柱や梁等の構造材を全て単一の部材で構成され、所定の軸力及び曲げ耐力を有する柱511,512と梁521,522に置換し、これらの構造材は接合部の球530の表面に固接されているものとして、応力の伝達や曲げ応力の伝達を計算する。なお、このような建物の構造材に関する振動やそれに対する耐力、強度等の解析結果は、部材の種類ごと、製品ごと、使用箇所ごと、経年ごとなど様々なフィルタリング処理、グルーピング処理、ソート処理で集計して、出力、表示、公開することができる。
また、各地における地震の伝播及びその振動特性などは、振動の発生源と、振動を検出した場所との2点間の関係に基づいて、逆方向の振動伝播、すなわち振動を検出した場所側から振動の発生源側への振動の伝播を予測することができる。例えば、A地点での工事による振動をB地点で計測し、その計測結果により振動特性を表す関数を求め、さらに、その関数の逆関数を求めることによって、B地点までC地点から到達してきた振動が、A地点にどのように伝播されるかを予測するようにしてもよい。
(3)相関算出
上述したように、多数のスマートフォン1や高度報知器41,地中検出器42からの振動検知報告を観測データベース35cに蓄積してビッグデータを構築し、相関算出部38によって、各振動検出手段が検出した振動の振幅、発生時刻の分布と、震源位置及び地震規模との相関を学習し、一部の端末からの振動検知報告により、震源及び地震規模を予測できるようにする。
詳述すると、本実施形態では、相関算出部38が、各検出器により検出された振動の波形や振幅、時刻、継続時間を取得して、その取得された画像中の特徴点を階層的に複数抽出し、抽出された特徴点の階層的な組合せパターンにより震源地及び地震規模との相関を学習する。
この相関算出部38による認識処理の概要を図19に示す。同図に示すように、相関算出部38は多クラス識別器であり、過去の発生地震による波形や振幅、時刻等の地震発生ケースが多数設定され、複数の地震発生ケースの中から特定の特徴点を含む振幅検知報告(ここでは、スマートフォン1や高度報知器41,地中検出器42)から、地震を検出する。この相関算出部38は、入力ユニット(入力層)607、第1重み係数608、隠れユニット(隠れ層)609、第2重み係数610、及び出力ユニット(出力層)611を有する。
入力ユニット607には複数個の特徴ベクトル602が入力される。第1重み係数608は、入力ユニット607からの出力に重み付けする。隠れユニット609は、入力ユニット607からの出力と第1重み係数608との線形結合を非線形変換する。第2重み係数610は隠れユニット609からの出力に重み付けをする。出力ユニット611は、各クラス(例えば、震源地、発生震度、及びマグニチュード等)の識別確率を算出する。ここでは出力ユニット611を3つ示すが、これに限定されない。出力ユニット611の数は、識別器が検出可能な地震の数と同じである。出力ユニット611の数を増加させることによって、震源地、発生震度、及びマグニチュードの他に、例えば、発生時刻、振動方向(横揺れ、縦揺れ)等、識別器が検出可能な地震或いはその精度が増加する。
本実施形態に係る相関算出部38は、三層ニューラルネットワークの例であり、識別器は、第1重み係数608及び第2重み係数610を、誤差逆伝播法を用いて学習する。また、相関算出部38は、ニューラルネットワークに限定されるものではなく、多層パーセプトロン及び隠れ層を複数層重ねたディープニューラルネットワークであってもよい。この場合、物体識別器は、第1重み係数608及び第2重み係数610をディープラーニング(深層学習)によって学習すればよい。
また、このように蓄積されたビッグデータを用いて、各地における地震の伝播及びその振動特性を、振動の発生源と、振動を検出した場所との2点間の関係に基づく、上記逆方向の振動伝播を繰り返すことにより、広範囲にわたって振動の伝播を予測することができる。
(作用・効果)
以上説明した本実施形態によれば、多数のスマートフォン1を利用して地震観測のネットワークを構成するとともに、高度報知器4から高度に関する情報をスマートフォン1に報知することによって、高度位置情報を加味した地震による影響を解析することができる。この観測結果及び解析結果を地震の観測データとして蓄積し、この観測データを地震シミュレーションシステムである情報処理端末7で取得することでより高精度な震災シミュレーションが可能となる。
なお、図8(a)に示すように、方位θ(0〜2πの値を取る)と、中心点からの距離rによる関数を掛け合わせた補正ばね係数を用いることによって、水平面内における振動方向に応じて上記弾性体の挙動を一般化したシミュレーションが可能となる。具体的には、地中杭の材質や構造に基づく振動のしやすさを、θ及びrの関数で方向性を有する振動特性として表現し、振動方向に応じて上記弾性体の弾性係数を変化させ、よりシミュレーションの精度を高めることができる。
[変更例]
次いで、上述した第1および第2実施形態の変更例について説明する。本変更例では、上述した第1実施形態におけるシミュレーションシステムで解析したシミュレーション結果や、第2実施形態における地震観測システムで計測した観測結果など、地震に関する情報(地震情報)を用いて地震に対する耐震検証や、その検証結果を反映させた不動産評価を行うとともに、その検証や評価の結果を保管・公開するために分散データベースの仕組みを採用したことを要旨とする。図20は、本実施形態に係る不動産管理システムの全体構成を示す概念図である。図21〜図23は、本実施形態に係るブロックチェーンに関する説明図である。なお、本実施形態において、上述した実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
(不動産管理システムの構成)
図20に示すように、本実施形態に係る不動産管理システム100は、不動産物件の所有者・入居者であることを証明する権利書データの取引にあたり、公開鍵暗号方式に基づく公開鍵PKaと秘密鍵SKaとの鍵ペアを発行する。なお、本実施形態にかかる観測サーバー3には、上述した観測データを蓄積するデータベース35cに代えて、或いはデータベース35cに加えて、いわゆるブロックチェーンと呼ばれる分散データベースの仕組みと連携をとる保証システム連携部を備えており、この保証システム連携部と連携することにより、地震の観測データをリアルタイムに保証サーバー群である分散データベース90上に改ざん不可能に保管し、公開する。
また、本実施形態にかかる不動産管理システム100では、上述した実施形態1で説明した観測サーバー3で計測された地震情報を逐次分散データベース90に蓄積し、この分散データベース90を通じて、ネットワーク上に公開できるようになっている。この分散データベース90上に保管される地震情報としては、観測サーバー3に収集されたリアルタイムの地震データ(地震発生源、マグニチュード、深度、各震度計で計測された地震波形等)が含まれ、さらには、この地震データを用いて、そのデータが収集された地域周辺の地震シミュレーションを行い、そのシミュレーション結果に基づく耐震検証や不動産評価も含まれる。
そして、本実施形態に係る不動産管理システム100では、発行された公開鍵PKaか公開アドレスPAaを生成する。この公開アドレスPAaは、不動産取引契約における譲受人及び譲渡人を示すアドレスとして用いられる。一方、秘密鍵SKaは、公開アドレスPAaを出金元とする取引の電子署名に利用される。
本実施形態に係る不動産取引はP2P(Peer-to-Peer)ネットワーク20上の2つのノード間で行われ(ここでは、ユーザーUa,Ub間)、その取引情報は、上述した地震情報も含めてP2Pネットワーク20内の各ノード90a〜90fにブロードキャストされて共有される。これにより、P2Pネットワーク20上において、分散型データベースである取引履歴データベース(後述するブロックチェーン)が形成され、不動産取引の取引履歴および地震の計測結果がリアルタイムに保存される。
また、本実施形態では、この分散型データベースである取引履歴データベースは、不動産管理者側装置を通じて、権利書データD11の書き換えを行う際に、不動産取引契約の実行、承認及び管理を実施する。不動産取引の仲介人(以下、「不動産業者」とも称する)は、譲渡人と譲受人の間で取引の仲介をするために、不動産物件に固有の公開アドレスPA3を生成して、権利書データD11の移転の中継を行う。
そして、取引の当事者(譲渡人及び譲受人)は、不動産管理システム100を利用して、現在の入居者Uaから、不動産物件に固有の公開アドレスPA3へ権利書データD11を、地震情報D12に関係づけた状態で移転させる。この公開アドレスではこれら権利書データD11および地震情報(或いは地震情報D12を参照可能とするデータ)D12を一旦受領し、さらに公開アドレスPA3を介して、新たな入居希望者Ubに対して移転させることで、ユーザーUaとUbとの間における不動産物件の売買契約を成立させる。
これにより、譲受人であるユーザーUbは、権利書データD11や地震情報(或いは地震情報を参照可能とするデータ)D12を自分の公開アドレスPAbで受領することができ、この公開アドレスPA3に紐付けられたサービス履歴の閲覧や、サービスの利用が可能になる。なお、この公開アドレスの発行は、不動産管理者側装置や通信サービス提供者側装置が行ってもよく、スマートフォン1上のアプリケーションや、独立したサービス管理機関や金融機関のサーバで行うこともできる。
ここで、図21〜図23を用いて、この電子暗号通貨の取引の詳細な仕組みについて具体的に説明する。図21は、権利書データに含まれる電子暗号権利書の仕組みに関するトランザクション(取引)の定義を例示し、図22及び図23は、電子暗号権利書における取引履歴(ブロックチェーン)の一部を例示する。
電子暗号権利書における権利書データや地震情報は、図21に例示される一連の電子署名の連鎖として定義される。権利書データの所有者は、次の所有者にその権利書データD11や地震情報D12を移転(或いは分散データベース上に保管)する場合に、直前の取引のハッシュ値と、次の所有者に係る公開鍵のハッシュ値とを自身の秘密鍵で電子署名したものを権利書データD11または地震情報D12に追加する。なお、これらのハッシュ値の計算には、例えば、SHA−256、RIPEMD−160等の一方向ハッシュ関数が用いられる。
図21では、取引の具体例として、権利書データが、所有者Zから所有者Aに移転され、所有者Aから所有者Bに移転され、さらに所有者Bから所有者Cに移転される場面が例示されている。この場合、所有者Aから所有者Bに権利書データ等を移転・保管するときには、所有者Aは、所有者Zから所有者Aへの移転取引のハッシュ値と次の所有者である所有者Bの公開鍵のハッシュ値とを所有者Aの秘密鍵で電子署名したものを権利書データ等に追加する。
所有者Bを含むこの取引以降の権利書データの所有者は、所有者Aの公開鍵でこの電子署名を復号した値を所有者Zから所有者Aへの移転取引のハッシュ値及び所有者Bの公開鍵のハッシュ値と照合することで、この取引や地震観測結果、不動産評価が改ざんされているか否かを判定することができる。
同様に、所有者Bから所有者Cに権利書データ等を移転するときには、所有者Bは、所有者Aから所有者Bへの移転取引のハッシュ値と次の所有者である所有者Cの公開鍵のハッシュ値とを所有者Bの秘密鍵で電子署名したものを権利書データに追加する。これにより、所有者Bから所有者Cへの移転取引が改ざんされているか否かを判定することが可能になる。
各物件の権利書データは、このような一連の電子署名の連鎖として定義することができる。ここで、公開鍵のハッシュ値は公開アドレスである。すなわち、この公開アドレスに保管される権利書データを移転できるのは、この公開アドレスを移転元とする不動産取引の電子署名を行える者、すなわち、この公開アドレスに対応する秘密鍵を有する者に限られる。そのため、秘密鍵は、一般的には、所有者以外に漏えいしないように秘匿される。なお、権利書データ等は、現在の所有者に紐付けられた公開アドレスに保管される。
また、この電子署名だけでは、この権利書データ等の過去における所有者のうちの誰かが当該権利書データを多重使用(多重譲渡)していることを検証することはできないことから、本実施形態に係る電子暗号権利書の仕組みでは、図22及び図23で例示されるブロックチェーンという仕組みを用いて、この多重使用を防止している。
図22及び図23に例示されるように、権利書データ等が記録される各ブロックは、複数のトランザクションとNonceと直前のブロックのハッシュ値とを格納している。Nonceはプルーフオブワークの結果として発見された値であり、ノード(マイナー)90a〜90fのうち、この値を最初に発見したノード(マイナー)が、承認者として、Nonceを発見したブロックをブロックチェーンの末尾に追加することでブロックチェーンの更新を行う。これにより、ブロックチェーンには一貫した取引履歴が記録されることになり、このブロックチェーンをP2Pネットワーク20に参加するノード90a〜90f全体で共有することで、一貫した取引履歴をP2Pネットワーク20全体で共有することができる。すなわち、このブロックチェーンが、不動産の取引履歴データベース及び鍵情報データベースとなり、地震の計測結果やシミュレーション結果、不動産評価結果を改ざん不可能に保管するデータベースとなる。本実施形態において、公開鍵暗号方式を用いた仕組みによって権利書データの取引や、地震記録・シミュレーション結果の公開が行われる。
ここで、プルーフオブワークとは、悪意のあるハッキング等による権利書データ等の偽造を防ぐための仕組みであり、各不動産取引を認証するために算出しなければならないデータ(値)またはそのようなシステムを指し、本実施形態では、Nonceを計算する手段としてハッシュ関数が用いられている。実際の不動産取引の承認作業では、上述したように不動産の各取引単位(ブロック)には不動産を特定する情報や送信者等の取引情報のほかに、ランダムな変数であるNonceが含まれており、プルーフ・オブ・ワークは、一定回数の「0」の連続から始まるハッシュ値(0が一定の回数続けば残りのデータは任意)であり、取引の承認とは、総当たり式にNonceを増加させることによりハッシュ計算からプルーフ・オブ・ワークを実行する。このとき、ハッシュ値から元の値を計算することはできないので、総当たりに計算する必要がある。
このプルーフ・オブ・ワークの承認者は、採掘者(マイナー)、承認作業のことを採掘(マイニング)とも呼び、承認者は上記Nonceの発見の報酬として、不動産取引の手数料として支払われる代金から、例えば電子通貨等が支払われる。本実施形態では、権利データの偽造を防ぐため、この計算に約10分かかるように設定されてる。権利書データの偽造とは、つまり取引データを改ざんすることなので、求めなければならないプルーフ・オブ・ワークも変わり、再計算が必要になる。
ここで重要なのが、ブロックに過去の取引データも含まれているということであり、仮に取引データを改ざんしようとすると、その後行われた取引データ(ブロック)も再計算しなければならず、現実的には「悪意のある」攻撃者、偽造者の他に多数の「善良な」計算者がいるため、再計算速度が新たな取引承認の計算速度に追いつけないため、偽造は非常に難しくなる。このようにプルーフ・オブ・ワークは、権利書データによる不動産取引におけるセキュリティの根幹ともいえる役割を果たしている。
なお、上述したプルーフ・オブ・ワークによる承認の依頼や、報酬の支払い等の窓口業務は、不動産管理者側装置や通信サービス提供者側装置で行ってもよく、建設業者や不動産業者、顧客等が使用するスマートフォン上のアプリケーションや、独立したサービス管理機関や金融機関のサーバで行うようにしてもよい。
(不動産移転取引時の動作)
以上説明した不動産取引システムを動作させることによって、本実施形態に係る不動産移転取引方法を実施することができる。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換及び追加が可能である。
次に、図24〜図26を用いて、電子暗号権利書を利用した不動産取引に関する動作例を説明する。図24は、本実施形態にかかる不動産取引システムの移転時における処理手順を例示する説明図であり、図25は、本実施形態に係る公開鍵と秘密鍵との関係を例示する。また、図26は、不動産の移転時の手順を例示する説明図である。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換及び追加が可能である。
本実施形態において不動産取引登録処理及び鍵情報更新処理では、分散データベースによる電子暗号権利書の仕組みを利用している。ここでは、入居者Uaが新規の入居希望者Ubに対して、不動産管理者を介して物件を販売する場合を例に説明する。この不動産売買取引には、図24に示すように、公開アドレス及び秘密鍵の発行ステップS405と、関連するサービス履歴情報の登録処理ステップS406と、権利移転処理の実行ステップS407とが含まれる。また、不動産取引に先んじて、常時、観測サーバー3による地震情報の収集が行われており(S401)、この地震情報は、不動産の所有者は不動産の取引業者など情報収集車の権限において公開範囲を設定した上で(S402)、分散データベースを構成する分散台帳上のノードに保管され、公開される(S403)。また、蓄積された地震情報を用いて、第1実施形態に示すような地震シミュレーション等の解析を行い、その地震シミュレーションの結果に基づいて不動産の価値評価を行う(S404)。
このデータ収集及び解析においては、上記実施形態と同様、図17に示すように、座標上に仮想的なグリッド(例えば、250m四方)を画成し、グリッドによって画成される各エリアG1内に存在する建物群B1をひとまとめにして行うようにしてもよい。この場合には、そこに含まれる各建物の解析結果について、各エリアG1ごとに平均をとって、エリアG1ごとに表示または公開する。これにより、振動検知報告が取得された建物が個々に特定されることなく、そのエリア一帯の振動解析として公表することができ、建物に関わるプライバシーを保護することができる。
また、このステップS403における地震情報の公開に際しても、上述したような、各建物に関する解析結果をエリアごとに平均し、個々の建物が特定できないようにすることが好ましい。また、この地震情報については、解析の対象となった建物の構造材に関する振動やそれに対する耐力、強度等の解析結果は、部材の種類ごと、製品ごと、使用箇所ごと、経年ごとなど様々なフィルタリング処理、グルーピング処理、ソート処理で集計して、出力、表示、公開することができる。
さらに、この地震情報の収集やデータ蓄積、閲覧・公開に関わるプロトコルは、一般化された公開技術、例えばオープンソースに基づくライブラリやAPIを利用し、特定の者が独占的に管理・運用できないようにし、情報の公開性・公益性を確保することが好ましい。
そして、ステップS405において、不動産管理者側装置は、アドレス発行部として機能し、物件に固有の公開アドレスPA3と、この物件固有公開アドレスPA3に対応する秘密鍵SK3とのペアを発行する。具体的には、図25に例示されるように、不動産管理者側装置は、乱数発生器等を用いて、物件に固有の公開アドレスに対応付けられた秘密鍵SK3を公開鍵暗号方式で生成する。乱数発生器は、例えば、プログラムとして不動産管理者側装置または観測サーバー3の保証システム連携部に内蔵させていてもよい。この秘密鍵SK3は、上述のとおり、ペアとなる物件固有公開アドレスPA3を物件移転元とする取引(ここでは、不動産仲介業者から新規入居希望者Ubへの販売)の電子署名に利用される。
次に、不動産管理者側が用いるPC等の情報処理端末装置では、例えば、楕円曲線DSA(Elliptic Curve Digital Signature Algorithm, ESDSA)等の電子署名のアルゴリズムに基づいて、秘密鍵SK3から公開鍵PK3を生成する。生成される公開鍵PK3と秘密鍵SK3とは公開鍵暗号方式における鍵ペアとなり、この公開鍵暗号方式の性質上、秘密鍵SK3から公開鍵PK3を生成することは可能であるものの、公開鍵PK3から秘密鍵SK3を生成することは計算量の観点から不可能に構成される。すなわち、公開鍵PK3から秘密鍵SK3を特定することはできないが、秘密鍵SK3から公開鍵PK3を特定することはできる。なお、利用する電子署名のアルゴリズムの種類は楕円曲線DSAに限定される訳ではなく、実施の形態に応じて適宜選択されてもよい。
続いて、不動産管理者側装置では、SHA−256、RIPEMD−160等の一方向ハッシュ関数を公開鍵PK3に適用することで、公開鍵PK3から物件固有公開アドレスPA3を生成する。例えば、不動産管理者側装置では、SHA−256を公開鍵PK3に2回適用することによって、物件固有公開アドレスPA3を生成することができる。すなわち、この物件固有公開アドレスPA3は、上述したトランザクションの署名に利用される公開鍵のハッシュ値であり、電子暗号権利書の移転先及び移転元を識別するために利用される。なお、物件固有公開アドレスPA3の生成には一方向ハッシュ関数を利用するため、図25に示されるように、公開鍵PK3から物件固有公開アドレスPA3を生成することは可能であるものの、物件固有公開アドレスPA3から公開鍵PKaを生成することは不可能に構成される。
次のステップS402では、入居者Uaが物件に入居中に提供された、対面通信サービスの履歴など、物件に関連づけられるサービス履歴データを、ステップS405で生成された物件固有公開アドレスPA3に紐付けて登録を行う。具体的には、図26に例示されるように、通信サービス提供者側装置が記録した、対面通信サービスの実行履歴やレコメンド・マッチング結果などを物件についての物件別履歴D2として、物件固有公開アドレスPA3に紐付けて公開する。この物件別履歴D2は、物件固有公開アドレスPA3に関する公開鍵PK3を入手したものであれば、自由に閲覧ができるようになっている。
その後、ステップS406では、不動産管理者側装置は、所定の物件移転条件に従って、ステップS405で生成した物件固有公開アドレスPA3に対する権利移転の取引を行う。そして、当該移転が完了すると、不動産管理者側装置は、本動作例に係る処理を終了する。
ここで、本実施形態に係る電子暗号権利書のやり取りには、ネットワークにアクセス可能な情報処理端末装置MaまたはMb上で実行されるアプリケーションも用いることができる。そのため、図26では、不動産管理者側装置の保証システム連携部に、電子暗号権利書の仕組みを実行するアプリケーションがインストールされており、このアプリケーションによって、不動産仲介業者が管理する複数の物件固有公開アドレスが制御されている。
入居中、物件が入居者Uaに属している間は、権利書データD11や地震情報D12は、入居者Uaの端末装置Maにおいて、入居者Ua固有の公開アドレスPAaはペアとなる秘密鍵SKaと対応付けられており、物件を移転する際に、ユーザーUaは、端末装置Maを用いて、公開アドレスPAa(移転元)から、ステップS405で不動産仲介業者が生成した物件固有の物件固有公開アドレスPA3(移転先)に権利書データD11等の移転を行うことができる。
これに対して、新たに入居を希望する入居希望者Ubは、図26に例示されるように、自身の端末装置Mbを用いて、物件に紐付けられた公開鍵PK3を入手し、当該ユーザーUbは、物件の物件固有公開アドレスPA3に紐付けられた物件情報や、関連する物件別履歴を閲覧することができる。
具体的には、ユーザーUbのユーザー端末Mbにもアプリケーションがインストールされており、このアプリケーションによって、ユーザーUbの保有する公開アドレスPAbが管理されている。公開アドレスPAbには自己の秘密鍵SKbが対応付けられており、これによって、自己の公開アドレスPAbから権利書データD11を、さらに他人に移転することができる。つまり、各秘密鍵SKbによって、ユーザーUbは、公開アドレスPAbに格納された権利書データD11を自在に利用することができる。ここでは、ユーザーUbが、ユーザー端末Mbにおいてアプリケーションを利用して、物件固有の物件固有公開アドレスPA3から公開アドレスPAbに移転された権利書データD11等を受け取る。
(作用・効果)
以上説明した本実施形態によれば、保証システムとして、分散データベースの仕組みを採用したため、強固な単一のシステム管理・運用のための設備を不動産業者毎に設ける必要がなく、業者間での情報を授受する際の、情報を連携するためのデータベースの共通化や、プライバシー保護、データの改ざんに対する高度なセキュリティ対策が分散データベースの仕組みで担保されることから、その設備費や運用コストを抑えることができる。
70…CPUバス
71…CPU
72…メモリ
73…通信インターフェース
74…ストレージ
75…出力インターフェース
76…入力インターフェース
76a…タッチパネル
80…地盤
81…建物
82…基礎部
83…岩盤
84…杭体
84a〜c…単位杭体
85…仮想壁体
86a〜c…部位
87…弾性体
88d…弾性体
89…仮想軸体
711…OS実行部
712…アプリケーション実行部
712a…構造体情報設定部
712b…地盤情報設定部
712c…絶対座標系設定部
712d…振動座標系設定部
712e…解析部
712f…仮想壁体設定部
712g…記録部

Claims (21)

  1. 地盤に埋入された杭体に支持された基礎部を有する建築物に対する地震による影響を推測する地震シミュレーションシステムであって、
    空間座標を定義する三次元座標であって、前記地震による振動が伝播される座標を振動座標系として設定する振動座標系設定部と、
    前記空間座標と重畳させて定義される三次元座標であって、前記地震による振動の影響を受けない座標を絶対座標系として設定する絶対座標系設定部と、
    前記杭体の前記振動座標系内における座標位置を含む構造体情報を設定する構造体情報設定部と、
    前記地盤の地質に応じた弾性係数を含む地盤情報を設定する地盤情報設定部と、
    前記絶対座標系上における地盤中に深さ方向に沿って延設される仮想構造体を設定する仮想構造体設定部と、
    前記振動座標系内で伝播された振動に応じた運動エネルギーによる前記杭体及び建築物の変位及び変形を解析する解析部と
    を備え、
    前記解析部は、前記絶対座標系における前記仮想構造体と前記振動座標系における前記杭体表面との間に介在する部位を、当該部位の深度に応じた地質に対して設定された弾性係数により振動する仮想的な弾性体として定義し、前記杭体に入力された前記運動エネルギーによる前記杭体の変位及び変形は、前記仮想的な弾性体が仮想構造体から反力を得て振動するものとして解析される
    ことを特徴とする地震シミュレーションシステム。
  2. 前記仮想構造体は、前記絶対座標系上において前記杭体を囲繞する仮想壁体であることを特徴とする請求項1に記載の地震シミュレーションシステム。
  3. 前記仮想構造体は、前記絶対座標系上において前記杭体内部において深さ方向に延設される仮想軸体であることを特徴とする請求項1に記載の地震シミュレーションシステム。
  4. 前記構造体情報設定部は、前記杭体を、深さ方向に連続する単位杭体として分割して設定し、前記単位杭体は、仮想的な弾性体により相互に接続されているものとして設定され、
    前記地盤情報設定部は、前記各単位杭体の深さ位置における各部位の弾性係数を設定し、
    前記解析部は、前記杭体の変位及び変形を前記単位杭体ごとに解析する
    ことを特徴とする請求項1に記載の地震シミュレーションシステム。
  5. 前記仮想構造体は、前記絶対座標系上に設定された岩盤上に設置されているものとして設定されているとともに、前記杭体の下端は、前記岩盤に対して滑動可能に又は固定的に接続されているものとして設定され、
    前記解析部は、前記解析に際し、所定条件の下で、前記杭体下端の前記岩盤に対する接続状態の設定を切り替える機能を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の地震シミュレーションシステム。
  6. 前記仮想的な弾性体は、前記杭体の側面にも垂直に、且つ前記仮想構造体の側面に対しても垂直となるように設定されることを特徴とする請求項1に記載の地震シミュレーションシステム。
  7. 前記杭体の内部に配置される加速度センサと、
    前記加速度センサによる測定結果を記録する記録部と
    をさらに備え、
    前記地盤情報設定部は、前記記録部に記録された測定結果に基づいて前記弾性係数を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の地震シミュレーションシステム。
  8. 地盤に埋入された杭体に支持された基礎部を有する建築物に対する地震による影響を推測する地震シミュレーションプログラムであって、コンピューターに、
    空間座標を定義する三次元座標であって、前記地震による振動が伝播される座標を振動座標系として設定する振動座標系設定部、
    前記空間座標と重畳させて定義される三次元座標であって、前記地震による振動の影響を受けない座標を絶対座標系として設定する絶対座標系設定部、
    前記杭体の前記振動座標系内における座標位置を含む構造体情報を設定する構造体情報設定部、
    前記地盤の地質に応じた弾性係数を含む地盤情報を設定する地盤情報設定部、
    前記絶対座標系上における地盤中に深さ方向に沿って延設される仮想構造体を設定する仮想構造体設定部、及び、
    前記振動座標系内で伝播された振動に応じた運動エネルギーによる前記杭体及び建築物の変位及び変形を解析する解析部
    として機能させ、
    前記解析部は、前記絶対座標系における前記仮想構造体と前記振動座標系における前記杭体との間に介在する部位を、当該部位の深度に応じた地質に対して設定された弾性係数により振動する仮想的な弾性体として定義し、前記杭体に入力された前記運動エネルギーによる前記杭体の変位及び変形は、前記仮想的な弾性体が仮想構造体から反力を得て振動するものとして解析される
    ことを特徴とする地震シミュレーションプログラム。
  9. 前記仮想構造体は、前記絶対座標系上において地盤中に深さ方向に延設される仮想壁体であることを特徴とする請求項8に記載の地震シミュレーションプログラム。
  10. 前記仮想構造体は、前記絶対座標系上において前記杭体内部において深さ方向に延設される仮想軸体であることを特徴とする請求項8に記載の地震シミュレーションプログラム。
  11. 前記構造体情報設定部は、前記杭体を、深さ方向に連続する単位杭体として分割して設定し、前記単位杭体は、仮想的な弾性体により相互に接続されているものとして設定され、
    前記地盤情報設定部は、前記各単位杭体の深さ位置における各部位の弾性係数を設定し、
    前記解析部は、前記杭体の変位及び変形を前記単位杭体ごとに解析する
    ことを特徴とする請求項8に記載の地震シミュレーションプログラム。
  12. 前記仮想構造体は、前記絶対座標系上に設定された岩盤上に設置されているものとして設定されているとともに、前記杭体の下端は、前記岩盤に対して滑動可能に又は固定的に接続されているものとして設定され、
    前記解析部は、前記解析に際し、所定条件の下で、前記杭体下端の前記岩盤に対する接続状態の設定を切り替える機能を有する
    ことを特徴とする請求項8に記載の地震シミュレーションプログラム。
  13. 前記仮想的な弾性体は、前記杭体の側面にも垂直に、且つ前記仮想構造体の側面に対しても垂直となるように設定されることを特徴とする請求項8に記載の地震シミュレーションプログラム。
  14. 前記コンピューターを、前記杭体の内部に配置される加速度センサによる測定結果を記録する記録部としてさらに機能させるとともに、
    前記地盤情報設定部は、前記記録部に記録された測定結果に基づいて前記弾性係数を設定する
    ことを特徴とする請求項8に記載の地震シミュレーションプログラム。
  15. 地盤に埋入された杭体に支持された基礎部を有する建築物に対する地震による影響を推測する地震シミュレーション方法であって、
    空間座標を定義する三次元座標であって前記地震による振動が伝播される座標を振動座標系として振動座標系設定部が設定するとともに、前記空間座標と重畳させて定義される三次元座標であって前記地震による振動の影響を受けない座標を絶対座標系として絶対座標系設定部が設定する座標系設定ステップと、
    構造体情報設定部が、前記杭体の前記振動座標系内における座標位置を含む構造体情報を設定するとともに、地盤情報設定部が、前記地盤の地質に応じた弾性係数を含む地盤情報を設定する情報設定ステップと、
    仮想構造体設定部が、前記絶対座標系上における地盤中に深さ方向に沿って延設される仮想構造体を設定する仮想構造体設定ステップと、
    解析部が、前記振動座標系内で伝播された振動に応じた運動エネルギーによる前記杭体及び建築物の変位及び変形を解析する解析ステップと
    を含み、
    前記解析ステップでは、前記絶対座標系における前記仮想構造体と前記振動座標系における前記杭体との間に介在する部位を、当該部位の深度に応じた地質に対して設定された弾性係数により振動する仮想的な弾性体として定義し、前記杭体に入力された前記運動エネルギーによる前記杭体の変位及び変形は、前記仮想的な弾性体が仮想構造体から反力を得て振動するものとして解析される
    ことを特徴とする地震シミュレーション方法。
  16. 前記仮想構造体は、前記絶対座標系上において前記杭体を囲繞する仮想壁体であることを特徴とする請求項15に記載の地震シミュレーション方法。
  17. 前記仮想構造体は、前記絶対座標系上において前記杭体内部において深さ方向に延設される仮想軸体であることを特徴とする請求項15に記載の地震シミュレーション方法。
  18. 前記情報設定ステップでは、前記杭体を、深さ方向に連続する単位杭体として分割して設定し、前記単位杭体は、仮想的な弾性体により相互に接続されているものとして設定されるとともに、前記各単位杭体の深さ位置における各部位の弾性係数を設定し、
    前記解析ステップでは、前記杭体の変位及び変形を前記単位杭体ごとに解析する
    ことを特徴とする請求項15に記載の地震シミュレーション方法。
  19. 前記仮想構造体は、前記絶対座標系上に設定された岩盤上に設置されているものとして設定されているとともに、前記杭体の下端は、前記岩盤に対して滑動可能に又は固定的に接続されているものとして設定され、
    前記解析ステップにおいて、前記解析部は、前記解析に際し、所定条件の下で、前記杭体下端の前記岩盤に対する接続状態の設定を切り替える
    ことを特徴とする請求項15に記載の地震シミュレーション方法。
  20. 前記仮想的な弾性体は、前記杭体の側面にも垂直に、且つ前記仮想構造体の側面に対しても垂直となるように設定されることを特徴とする請求項15に記載の地震シミュレーション方法。
  21. 記録部が、前記杭体の内部に配置される加速度センサによる測定結果を記録する記録ステップをさらに含み、
    前記情報設定ステップでは、前記記録部に記録された測定結果に基づいて前記弾性係数を設定する
    ことを特徴とする請求項15に記載の地震シミュレーション方法。
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