JP2020037384A - 開閉体の駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】挟み込み検知機能を備えつつ、制御部の制御自由度を高めることが可能な開閉体の駆動装置を提供する。【解決手段】撮像カメラ23の撮像方向が、ルーフパネル11の移動方向と交差する方向であって、遮蔽状態判定部41bが、ルーフパネル11の停止時において、撮像対象部30の所定の範囲を異物が通過したことを示す異物通過遮蔽状態(ジェスチャー)を検出すると、制御部40はルーフパネル11を動作させ、遮蔽状態判定部41bが、ルーフパネル11の動作時において、異物通過遮蔽状態を含む異物による遮蔽状態を検出すると、制御部40はルーフパネル11の動作を停止させる。これにより、操作者のジェスチャーによって、ルーフパネル11を開閉させることが可能となる。よって、挟み込み検知機能を備えつつ、制御部40の制御自由度を高めることが可能となる。【選択図】図1
Description
本発明は、車両に設けられる開閉体を駆動する開閉体の駆動装置に関する。
従来、自動車等の車両に設けられる開閉体には、天井に設けられるルーフパネルやドアに設けられる窓ガラス等がある。これらのルーフパネルや窓ガラス等の駆動源には、小型で高出力の電動モータが用いられる。これにより、天井内やドア内等の幅狭のスペースに容易に設置可能となっている。このような開閉体の駆動装置が、例えば、特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載された開閉体の駆動装置(車両用窓ガラス昇降装置)は、車両のドアに設けられた窓ガラスを昇降させる駆動機構を備えている。駆動機構は、モータと、モータの駆動力を窓ガラスの上下方向の運動力に変換する動力変換機構と、を有している。そして、駆動機構を構成するモータは、制御部によって制御される。
また、ドアには窓ガラスによって開閉される枠部が設けられ、枠部には、当該枠部に沿うようにして検出ラインが設けられている。さらに、窓ガラスを格納する格納部の上方には、枠部に設けられた検出ラインを撮像するカメラが設置されている。そして、カメラの撮像方向は、窓ガラスの昇降方向(移動方向)となっている。
そして、モータを制御する制御部には、カメラで撮像された検出ラインが異物によって遮蔽された遮蔽状態を検出する検出部と、窓ガラスの移動時に遮蔽状態が検出されたときに、窓ガラスによる挟み込みを防止する動作を駆動機構に行わせる挟み込み防止部と、が設けられている。
しかしながら、上述の特許文献1に記載された開閉体の駆動装置では、カメラ(撮像カメラ)の撮像方向が、窓ガラス(開閉体)の移動方向となっている。したがって、制御部は、窓ガラスの移動方向(開閉方向)に対して異物が移動しているか否かを検出することができなかった。よって、窓ガラスの開閉制御を応用して種々のニーズに対応するのが困難であった。
ここで、開閉体の開閉制御の応用例を考えると、例えば、操作者のジェスチャー(身振り手振り)により開閉体を自動で開閉させることが挙げられる。この開閉操作を実現するには、開閉体の開閉方向に対して異物が移動していることを検出可能とする必要がある。具体的には、例えば、開閉体が閉じた状態で停止している時に、開閉体の近傍で開方向に手(異物)を移動させるジェスチャーを行い、このジェスチャー(手の移動)を撮像カメラにより撮像させることで、制御部では操作者が開閉体を開操作していると判定でき、これに引き続き開閉体を開動作させることが可能となる。
本発明の目的は、挟み込み検知機能を備えつつ、制御部の制御自由度を高めることが可能な開閉体の駆動装置を提供することにある。
本発明の一態様では、車両に設けられる開閉体を駆動する開閉体の駆動装置であって、前記開閉体に動力を与える駆動源と、前記開閉体よりも前記車両の車室内側に設けられ、前記開閉体により開閉される開口部を備えた枠体と、前記枠体に設けられ、前記開閉体の移動方向と交差する方向を撮像する撮像カメラと、前記枠体に設けられ、前記撮像カメラにより撮像される撮像対象部と、前記撮像カメラからの撮像データに基づき、前記駆動源を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記撮像カメラと前記撮像対象部との間が異物により遮蔽された状態を検出する遮蔽状態判定部を備え、前記遮蔽状態判定部が、前記開閉体の停止時において、前記撮像対象部の所定の範囲を前記異物が通過したことを示す異物通過遮蔽状態を検出すると、前記制御部は前記開閉体を動作させ、前記遮蔽状態判定部が、前記開閉体の動作時において、前記異物通過遮蔽状態を含む前記異物による遮蔽状態を検出すると、前記制御部は前記開閉体の動作を停止させる。
本発明の他の態様では、前記枠体に、前記撮像対象部に向けて赤外線を照射する発光部が設けられ、前記撮像カメラは、前記撮像対象部により反射された前記赤外線を撮像する。
本発明の他の態様では、前記開閉体が、前記車両の天井に設けられたルーフパネルであり、前記撮像カメラが、前記枠体の運転席側または助手席側で、かつ前記車両の前後方向中央寄りの部分に設けられ、前記撮像対象部が、前記枠体の助手席側または運転席側で、かつ前記車両の前後方向に延びて設けられている。
本発明の他の態様では、前記開閉体が、前記車両の天井に設けられたルーフパネルであり、前記撮像カメラが、前記枠体の運転席側または助手席側でかつ前記車両の後方寄りの部分に設けられ、前記撮像対象部が、前記枠体の助手席側または運転席側から前記車両の前方側に延びて設けられている。
本発明の他の態様では、前記遮蔽状態判定部は、操作者の手形を認識するとともに、当該手形の移動方向を検出する。
本発明によれば、撮像カメラの撮像方向が、開閉体の移動方向と交差する方向であって、遮蔽状態判定部が、開閉体の停止時において、撮像対象部の所定の範囲を異物が通過したことを示す異物通過遮蔽状態を検出すると、制御部は開閉体を動作させ、遮蔽状態判定部が、開閉体の動作時において、異物通過遮蔽状態を含む異物による遮蔽状態を検出すると、制御部は開閉体の動作を停止させる。
これにより、操作者のジェスチャー(身振り手振り)によって、開閉体を開閉させることが可能となる。よって、挟み込み検知機能を備えつつ、制御部の制御自由度を高めることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態1について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は車両の天井に設置されたサンルーフ装置の概要図を、図2は図1のサンルーフ装置を車室外側から見た斜視図を、図3は図2のサンルーフ装置を車室内側から見た斜視図を、図4はカメラユニットの構造を説明する断面図を、図5は遮蔽状態判定部での判定基準を説明する説明図を、図6は制御部の制御内容を示すフローチャートを、図7は操作者のジェスチャーによる開閉操作を説明する説明図をそれぞれ示している。
図1に示されるように、サンルーフ装置10は、ルーフパネル(開閉体)11を備えている。ルーフパネル11は、車両12のルーフ(天井)13に設けられ、かつルーフ13に形成されたルーフ開口部14を開閉するようになっている。なお、ルーフパネル11がルーフ開口部14を開いている状態では、ルーフパネル11は、ルーフ13の内部に設けられたルーフ格納部13aに格納される。なお、サンルーフ装置10は、本発明における開閉体の駆動装置を構成している。
ルーフパネル11の車幅方向両側(図中上下側)には、一対のシュー15a,15bがそれぞれ固定されている。また、ルーフ13のルーフ開口部14の車幅方向両側には、車両12の前後方向(図中左右方向)に延びるガイドレール16がそれぞれ固定されている。そして、一対のシュー15a,15bが、対応する一対のガイドレール16にそれぞれ案内されることで、ルーフパネル11が、車両12の前後方向に移動自在つまり開閉自在となっている。
車両12の後方側(図中右側)に配置されたシュー15bのそれぞれには、ギヤ付きの駆動ケーブル17a,17bの一端が連結されている。これらの駆動ケーブル17a,17bの他端は、ルーフ開口部14よりも車両12の前方側(図中左側)に取り回されている。
車両12の前方側で、かつルーフ開口部14とフロントガラスFGとの間のルーフ13の内部には、サンルーフモータ(駆動源)18が収容されている。そして、一対の駆動ケーブル17a,17bの他端が、サンルーフモータ18の出力ギヤ18aにそれぞれ噛み合わされている。
これにより、サンルーフモータ18が駆動されると、出力ギヤ18aの回転に伴い、一対の駆動ケーブル17a,17bが互いに逆向きに移動される。よって、ルーフパネル11は、一対のシュー15bを介して一対の駆動ケーブル17a,17bによって押し引き(駆動)されて、ひいては自動的に開閉される。
ここで、ルーフパネル11に動力を与えるサンルーフモータ18は、ブラシ付きの電動モータ(図示せず)と、電動モータの回転を減速して高トルク化する減速機構(図示せず)と、を備えている。これにより、サンルーフモータ18は小型で高出力が可能となっている。なお、ブラシ付きの電動モータに換えて、ブラシレスの電動モータを採用することもできる。また、減速機構には、ウォーム減速機やスパー減速機、さらには遊星歯車減速機等を採用することができる。
図2および図3に示されるように、ルーフパネル11よりも車両12の車室内側には、略長方形に形成された枠体19が設けられている。枠体19は、ルーフ開口部14(図1および図2参照)の開口形状に倣って形成され、ルーフ開口部14と略同じ形状の枠体開口部19aを備えている。なお、枠体19は、車両12のルーフ13の車室内側にがたつくことなく固定されている。
そして、枠体19の周囲を囲うようにして、ルーフライニング13bが設けられており、当該ルーフライニング13bは、ルーフ13の内側を覆うカバーとしての機能を有し、さらには車室内の雑音やルーフ13から伝わる雨音等を吸収する吸音材としての機能も備えている。
また、枠体19の近傍で、かつ車両12の前方側には、車室内を照らす一対のルームランプRLが設けられている。さらに、これらのルームランプRLの近傍には、サンルーフスイッチSWが設けられている。このサンルーフスイッチSWを操作者が操作することで、サンルーフモータ18(図1および図2参照)が駆動されて、ひいてはルーフパネル11が車両12の前後方向に移動される。
これにより、車両12の高さ方向(図2の上下方向)に重なるようにして設けられた枠体開口部19aおよびルーフ開口部14が、図中矢印で示されるように同時に開閉される。つまり、ルーフパネル11は、ルーフ開口部14に加えて、枠体19の枠体開口部19aも開閉するようになっている。ここで、枠体開口部19aは、本発明における開口部を構成している。
図3に示されるように、枠体19は、一対の短辺部19b1,19b2を備えている。これらの短辺部19b1,19b2は、車両12の前後方向に延び、かつ車両12の車幅方向に互いに対向している。また、枠体19は、一対の長辺部19c1,19c2を備えている。これらの長辺部19c1,19c2は、車両12の車幅方向に延び、かつ車両12の前後方向に互いに対向している。
そして、これらの短辺部19b1,19b2および長辺部19c1,19c2は、それぞれ枠体開口部19aを形成している。ここで、短辺部19b1,19b2の長さ寸法Wは、長辺部19c1,19c2の長さ寸法の略半分の長さ寸法に設定されており、本実施の形態では約50cmとなっている(W≒50cm)。
また、一対の短辺部19b1,19b2および一対の長辺部19c1,19c2は、車両12の高さ方向にそれぞれ略真っ直ぐに起立して設けられている。そして、これらの短辺部19b1,19b2および長辺部19c1,19c2の高さ寸法Hは、本実施の形態では約5cmとなっている(H≒5cm)。
なお、短辺部19b1は車両12の運転席側(図3中左側)に配置され、短辺部19b2は車両12の助手席側(図3中右側)に配置され、長辺部19c1は車両12の前方側(図3中上側)に配置され、長辺部19c2は車両12の後方側(図3中下側)に配置されている。
図3に示されるように、枠体19における助手席側の短辺部19b2には、カメラユニット20が設けられている。カメラユニット20は、短辺部19b2における車両12の前後方向中央寄りの部分に配置され、短辺部19b2に埋め込まれるようにして固定されている。なお、図2および図3では、枠体19に対するカメラユニット20の取り付け状態を分かり易くするために、カメラユニット20に網掛けを施している。
図4に示されるように、カメラユニット20は、略直方体形状に形成された樹脂製のハウジング21を備えている。このハウジング21の内部には、回路基板22,撮像カメラ23および一対の発光ダイオード(表面実装型LED)24が収容されている。すなわち、これらの回路基板22,撮像カメラ23および一対の発光ダイオード24は、それぞれ枠体19に一体に設けられている。
回路基板22は、複数の固定ねじ(図示せず)を介してハウジング21の内部にがたつくことなく固定されている。そして、撮像カメラ23および一対の発光ダイオード24は、固定ねじや半田等の固定手段(図示せず)により回路基板22にがたつくことなく電気的に接続されている。また、回路基板22には、撮像カメラ23および一対の発光ダイオード24を駆動する複数の電子部品EP(図示では2つのみ示す)が実装されている。
撮像カメラ23は、ハウジング21の長手方向中央部に配置され、一対の発光ダイオード24は、ハウジング21の長手方向に沿う撮像カメラ23の両側に配置されている。そして、これらの撮像カメラ23および一対の発光ダイオード24は、それぞれハウジング21の前面壁21aに形成された貫通孔HLを介して、外部に露出されている。
ここで、一対の発光ダイオード24は、それぞれ本発明における発光部を構成しており、撮像対象部30(図3および図5参照)に向けて赤外線を照射するようになっている。また、撮像カメラ23は、撮像対象部30で反射された赤外線を捉える凸レンズ23aと、赤外線を撮像する撮像素子23bとを備えている。つまり、撮像カメラ23は、赤外線を撮像する赤外線カメラとしての機能も備えている。これにより、昼間はもちろんのこと、赤外線が届かない夜間においても、撮像カメラ23の前を横切る異物等を撮像することができる。
また、回路基板22には、メス型コネクタ25が電気的に接続され、当該メス型コネクタ25を介して、回路基板22に駆動電流が供給され、かつ撮像カメラ23で撮像された撮像データDTが、制御部40に送出されるようになっている(図1参照)。メス型コネクタ25は、ハウジング21の背面壁21bに固定されており、メス型コネクタ25には、車両12(図1および図2参照)に設けられた制御部40に接続するための車両側コネクタ(オス型コネクタ)CNが接続されるようになっている。
図1ないし図3に示されるように、撮像カメラ23は、ルーフパネル11の移動方向(車両前後方向)と交差する方向(車両左右方向)を撮像するようになっている。そして、撮像カメラ23の撮像対象は、枠体19における運転席側の短辺部19b1に設けられた撮像対象部30となっている。
撮像対象部30は、光を反射する反射材を備えた反射板や反射テープ等によって紐状に形成され、短辺部19b1の略全域を占めるように設けられている。なお、図2および図3では、枠体19に対する撮像対象部30の取り付け状態を分かり易くするために、撮像対象部30に網掛けを施している。
撮像対象部30は、図3および図5に示されるように、車両12の前後方向に延びて設けられ、撮像対象部30には、その長手方向に並ぶようにして合計10個の撮像領域0から9(いずれも同じ大きさの領域)が区画可能となっている。これらの撮像領域0から9は、撮像対象部30に実際に形成されているものではなく、撮像カメラ23により認識可能な領域となっている。
具体的には、図5に示されるように、異物としての手HDが、撮像領域0から9を遮蔽するように移動し、この遮蔽順序(0から9)を撮像カメラ23が撮像することで、この遮蔽順序(0から9)を示す撮像データDT(図1参照)が撮像カメラ23から制御部40に送出される。これにより、制御部40の検出部41(図1参照)は、操作者による「ジェスチャー」が、ルーフパネル11を開くための「開動作指示」であると認識(検出)する。
上述とは逆に、異物としての手HDが、撮像領域9から0を遮蔽するように移動し、この遮蔽順序(9から0)を撮像カメラ23が撮像することで、この遮蔽順序(9から0)を示す撮像データDTが撮像カメラ23から制御部40に送出される。これにより、制御部40の検出部41は、操作者による「ジェスチャー」が、ルーフパネル11を閉じるための「閉動作指示」であると認識(検出)する。
このように、本実施の形態に係るサンルーフ装置10は、操作者のジェスチャー(身振り手振り)によって、ルーフパネル11を開閉可能となっている。なお、制御部40の検出部41等の詳細な動作については、後述する。
図1に示されるように、制御部40は、サンルーフモータ18を制御するものであって、車両12のグローブボックスの内部等に設けられた車載コントローラ(図示せず)に設けられている。そして、制御部40は、検出部41,挟み込み防止部42,スイッチ操作無効部43を備えている。
検出部41は、画像処理部41aを備えている。この画像処理部41aでは、撮像カメラ23からの撮像データDTに基づいて、当該撮像データDTの画像処理を実行する。具体的には、撮像データDTの不要部分をトリミング処理で取り除き、ポスタリゼーション処理,2値化処理,エッジ検出処理等を行うことで、周辺の部分と輝度の異なる撮像対象部30を抽出する。
また、検出部41は、撮像カメラ23と撮像対象部30との間が異物により遮蔽された状態を検出する遮蔽状態判定部41bを備えている。この遮蔽状態判定部41bには、遮蔽状態になっていない初期状態画像(しきい値)が記憶されており、当該初期状態画像と、画像処理部41aで処理された処理画像とを比較する処理を実行する。ここで、遮蔽状態判定部41bからは、以下に示される比較結果が出力される。
第1に、遮蔽状態判定部41bは、撮像対象部30の撮像領域0から9がどのような順序で遮蔽されたかを判定する。そして、所定時間(例えば3.0sec)以内に撮像対象部30の遮蔽状態が0から9を横切るように変化した場合には、遮蔽状態判定部41bは、操作者によるジェスチャーが開動作指示であると判定する。
その後、制御部40は、遮蔽状態判定部41bの判定結果に基づいて、サンルーフモータ18に駆動電流Ioを供給して、サンルーフモータ18を正転駆動させる。これにより、ルーフパネル11が「開動作」される。なお、このときの開動作は、ルーフパネル11が閉じて停止している状態のときに行われる。
第2に、上述とは逆に、所定時間(例えば3.0sec)以内に撮像対象部30の遮蔽状態が9から0を横切るように変化した場合には、遮蔽状態判定部41bは、操作者によるジェスチャーが閉動作指示であると判定する。
その後、制御部40は、遮蔽状態判定部41bの判定結果に基づいて、サンルーフモータ18に駆動電流Icを供給して、サンルーフモータ18を逆転駆動させる。これにより、ルーフパネル11が「閉動作」される。なお、このときの閉動作は、ルーフパネル11が開いて停止している状態のときに行われる。
第3に、遮蔽状態判定部41bは、撮像対象部30の撮像領域0から9に対して、異物が入り込んだか否かを判定する。言い換えれば、上述した操作者によるジェスチャー以外の異物による遮蔽状態も検出する。そして、遮蔽状態判定部41bは、上述のジェスチャー以外であって、撮像対象部30が異物によって遮蔽されたと判定すると、異物遮蔽信号(図示せず)を挟み込み防止部42に送出する。
そして、挟み込み防止部42は、遮蔽状態判定部41bから異物遮蔽信号が入力されたときに働く(作動する)ようになっている。具体的には、挟み込み防止部42は、異物遮蔽信号が入力されると、例えば、ルーフパネル11が閉動作中の場合には、ルーフパネル11により異物が挟み込まれる虞があるため、サンルーフモータ18の逆転駆動を停止(閉動作を停止)させる動作を、制御部40に行わせる。
これにより、ルーフパネル11の閉動作が継続して行われることが停止されて、ルーフパネル11による異物の挟み込みが防止される。このとき、車室内に設置された警報装置(図示せず)を作動させて、乗員等に警告等を発するようになっている。
ここで、制御部40には、車室内に設けられたサンルーフスイッチSWが電気的に接続されている。そして、サンルーフスイッチSWからのスイッチング信号SSによっても、サンルーフモータ18を正逆方向に駆動可能となっている。ただし、安全性確保のため、サンルーフスイッチSWの操作時においても挟み込み防止部42は働くようになっている。
具体的には、仮に、サンルーフスイッチSWの「閉操作時」において、異物遮蔽信号が挟み込み防止部42に入力された場合には、サンルーフモータ18の閉動作を停止させる「割り込み処理」が実行される。
これにより、上述と同様に、ルーフパネル11の閉動作が継続して行われることが停止されて、ルーフパネル11による異物の挟み込みが防止される。この場合においても、車室内に設置された警報装置を作動させて、乗員等に警告等を発するようになっている。
スイッチ操作無効部43は、ルーフパネル11が開いている状態あるいは閉じている状態において、遮蔽状態判定部41bによって、撮像対象部30が異物により遮蔽されたと判定した場合(ジェスチャー以外の異物による遮蔽)において、サンルーフスイッチSWからの指示を無効にする処理を実行する。
すなわち、ルーフパネル11が開いている状態あるいは閉じている状態において、ジェスチャー以外の遮蔽状態が検出された場合には、スイッチ操作無効部43は、サンルーフスイッチSWが操作されてスイッチング信号SSが入力されていたとしても、サンルーフモータ18の正逆方向への回転駆動を禁止する。これにより、サンルーフ装置10の安全性がより高められる。
次に、以上のように形成されたサンルーフ装置10の動作について、図面を用いて詳細に説明する。
図6に示されるように、まず、車両12のイグニッションスイッチ(図示せず)がオンの状態になると、ステップS1において制御部40に電源が入る。すると、続くステップS2において、カメラユニット20による異物検出動作が開始される。具体的には、異物検出動作の開始に伴い、発光ダイオード24が発光され、かつ撮像カメラ23が撮像対象部30の撮像を開始する。
ステップS3では、制御部40が、撮像カメラ23からの撮像データDTに基づいて、異物が検出されたか否かを判断する。具体的には、検出部41の遮蔽状態判定部41bにより、異物を検出したか否かが判定される。遮蔽状態判定部41bが異物を検出したと判定(yes判定)した場合には、ステップS4に進む。一方、遮蔽状態判定部41bが異物を検出しないと判定(no判定)した場合には、ステップS3に戻り、当該ステップS3においてyes判定となるまで、ステップS3の判定処理が繰り返される。
ステップS4では、制御部40が、サンルーフモータ18の動作状態、具体的にはサンルーフモータ18が停止中であるか否かを判定する。ステップS4でnoと判定された場合、つまりサンルーフモータ18が作動中の場合には、ステップS5に進む。ここで、イグニッションスイッチをオンにした直後に、ステップS4でno判定となる場合には、車室内のサンルーフスイッチSWが、操作者により開閉操作された場合等が挙げられる。
そして、ステップS5では、その上流側で「異物が検出され」かつ「サンルーフモータ18が作動中」であることから、開動作または閉動作しているルーフパネル11により、異物が引き込まれたり挟まれたりする可能性がある。そのため、挟み込み防止部42によって挟み込み防止動作が実行される。
具体的には、挟み込み防止部42は、ルーフパネル11が開動作をしている場合には、サンルーフモータ18をその場で停止させ、かつ警報装置を作動させる等の処理を実行する。一方、ルーフパネル11が閉動作をしている場合においても、サンルーフモータ18をその場で停止させ、かつ警報装置を作動させる等の処理を実行する。これにより、サンルーフスイッチSWの開閉操作に関わらず、異物の挟み込みが確実に防止される。
そして、ステップS5における挟み込み防止動作の後は、ステップS3に戻る処理が行われる。
ステップS4において、制御部40が、サンルーフモータ18が停止中であると判断した場合(yes判定)には、ステップS6に進む。ステップS6では、その上流側のステップS3での異物検出の状態が、操作者による開動作指示のジェスチャーであるか否かを判断する。具体的には、遮蔽状態判定部41bにより、撮像対象部30の撮像領域0から9(所定の範囲)を、異物が遮蔽するようにしてその順番で移動(通過)したか否かが判定される。
ステップS6でyesと判定された場合、つまりジェスチャーが開動作指示である場合(開方向に対する異物通過遮蔽状態を検出した場合)には、ステップS7に進む。そして、ステップS7では、制御部40がサンルーフモータ18を正転駆動させて、これによりルーフパネル11が開動作される。
一方、ステップS6において、遮蔽状態判定部41bが、操作者による開動作指示ではないと判断(no判定)すると、ステップS8に進む。続くステップS8では、遮蔽状態判定部41bにより、撮像対象部30の撮像領域9から0(所定の範囲)を、異物が遮蔽するようにしてその順番で移動(通過)したか否かが判定される。つまり、操作者によるジェスチャーが閉動作指示であるか否かを判断する。
ステップS8でyesと判定された場合、つまりジェスチャーが閉動作指示である場合(閉方向に対する異物通過遮蔽状態を検出した場合)には、ステップS9に進む。そして、ステップS9では、制御部40がサンルーフモータ18を逆転駆動させて、これによりルーフパネル11が閉動作される。
ここで、ステップS7およびステップS9の処理後、すなわち操作者のジェスチャーによるルーフパネル11の開閉操作が行われた後は、ステップS3に戻る処理が行われる。このようにして、操作者のジェスチャーによるルーフパネル11の開閉操作の後であっても、異物検出のための制御は継続して行われる。よって、本システムは、より安全性の高いものとなっている。
すなわち、ステップS7およびステップS9の処理後であって、ルーフパネル11が開閉動作されている状態のときに、遮蔽状態判定部41bがジェスチャー(異物通過遮蔽状態)を含む異物による遮蔽状態を検出した場合には、制御部40の挟み込み防止部42により、サンルーフモータ18の開閉動作を停止させる挟み込み防止動作が実行される。このような場合には、具体的には、ステップS7およびステップS9からステップS3に戻り、その後、ステップS4からステップS5に進む処理の流れで制御される。
また、ステップS6およびステップS8では、図7に示されるように、異物としての操作者の手HDの移動が、撮像対象部30の撮像領域0から9において、遮蔽順序が0から9(前方側→後方側)となっているのか、遮蔽順序が9から0(後方側→前方側)となっているのかを、遮蔽状態判定部41bに判断させている。
この場合の操作者によるジェスチャーは、撮像対象部30に沿わせて比較的長い距離L1,L2を、手HDを移動させて行う必要がある。つまり、操作者に面倒な動作を行わせることで、単なる異物の遮蔽状態に対して区別可能としている。すなわち操作者は、手HDを、意図的に比較的長い距離L1,L2を移動させて制御部40に開閉指示を行う必要があり、言い換えれば、この面倒な動作を「開閉動作許可基準」としている。したがって、サンルーフモータ18の頻繁な誤作動も抑えることが可能であり、これによっても本システムは、十分な安全性が確保されている。
なお、図7に示されるように、手HDの移動距離は、運転席側(図中上側)では比較的長い距離L1となり、助手席側(図中下側)では距離L1の略半分の距離L2となっている。ただし、カメラユニット20の位置および撮像対象部30の位置は、運転席側と運転席側とで逆にすることもでき、この場合には、手HDの移動距離も上述とは逆になる。具体的には、助手席側(図中下側)では比較的長い距離L1となり、運転席側(図中上側)では距離L1の略半分の距離L2となる。
次いで、図6に示されるように、ステップS8でnoと判定された場合、つまり、遮蔽状態判定部41bによりジェスチャーが閉動作指示でもないと判定された場合には、その上流側のステップS3での異物検出が、操作者によるジェスチャーではなく、単なる異物による遮蔽状態であるとして、ステップS10に進む。
ステップS10では、遮蔽状態判定部41bにおいて、操作者によるジェスチャー以外の異物による遮蔽であると判定されたことに基づいて、制御部40のスイッチ操作無効部43が、サンルーフスイッチSWからの指示を無効にする処理を実行する。これにより、ルーフパネル11の開閉動作が確実に防止されて、ルーフパネル11の開閉動作により異物が引き込まれたり挟まれたりしてしまうことが未然に防げる。
そして、ステップS10におけるスイッチ操作無効の処理の後は、ステップS3に戻る処理が行われる。
以上詳述したように、本実施の形態によれば、撮像カメラ23の撮像方向が、ルーフパネル11の移動方向と交差する方向であって、遮蔽状態判定部41bが、ルーフパネル11の停止時において、撮像対象部30の所定の範囲(撮像領域0から9)を異物(手HD)が通過したことを示す異物通過遮蔽状態(ジェスチャー)を検出すると、制御部40はルーフパネル11を動作させ、遮蔽状態判定部41bが、ルーフパネル11の動作時において、異物通過遮蔽状態を含む異物による遮蔽状態を検出すると、制御部40はルーフパネル11の動作を停止させる。
これにより、操作者のジェスチャー(身振り手振り)によって、ルーフパネル11を開閉させることが可能となる。よって、挟み込み検知機能を備えつつ、制御部40の制御自由度を高めることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、枠体19に、撮像対象部30に向けて赤外線を照射する発光ダイオード24が設けられ、撮像カメラ23は、撮像対象部30により反射された赤外線を撮像する。
これにより、昼間はもちろんのこと、赤外線が届かない夜間においても、撮像カメラ23の前を横切る異物等を撮像することができる。よって、サンルーフ装置10の使用環境に左右されず十分な安全性が確保されて、より信頼性を向上させることが可能となる。
次に、本発明の実施の形態2について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述の実施の形態1と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明は省略する。
図8は実施の形態2のサンルーフ装置を示す図3に対応した図を、図9は実施の形態2の開閉操作を説明する図6に対応した図を、それぞれ示している。
図8および図9に示されるように、実施の形態2のサンルーフ装置50は、実施の形態1のサンルーフ装置10(図3および図7参照)に比して、カメラユニット60が設けられる位置および撮像対象部70が設けられる位置のみが異なっている。
具体的には、サンルーフ装置50のカメラユニット60は、外観が略三角形形状に形成されており、枠体19の助手席側でかつ車両12の後方寄りの部分に設けられている。より具体的には、カメラユニット60は、枠体19の角の部分に設けられ、車両12の助手席側の短辺部19b2と車両12の後方側の長辺部19c2との間に跨がるようにして設けられている。
そして、カメラユニット60に設けられた一対の発光ダイオード24の照射方向は、短辺部19b1および長辺部19c1の双方に向けられている。これに伴い、撮像カメラ23の視野角(画角)も広げられており、これにより撮像カメラ23は、短辺部19b1および長辺部19c1の双方を撮像可能となっている。
また、撮像対象部70は、実施の形態1の撮像対象部30よりも長い紐状に形成されており、短辺部19b1および長辺部19c1の双方の略全域を占めるように設けられている。すなわち、撮像対象部70は、枠体19の運転席側から車両12の前方側に延びて設けられている。具体的には、撮像対象部70は、短辺部19b1に設けられる第1撮像対象部71と、長辺部19c1に設けられる第2撮像対象部72とを備えており、略L字形状となっている。
ここで、撮像対象部70の第1撮像対象部71が、実施の形態1の撮像対象部30と同様の機能を有する部分、つまり撮像カメラ23により区画毎に認識される領域(撮像領域0から9)となっている。
以上のように形成された実施の形態2においても、実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。具体的には、図9に示されるように、操作者は、手HDを、意図的に比較的長い距離L1,L2を移動させることで、制御部40(図1参照)に開閉指示を行うことができる。
これに加えて、実施の形態2のサンルーフ装置50では、実施の形態1に比して撮像カメラ23の画角が広くなっており、長辺部19c1に設けられる第2撮像対象部72も撮像可能となっている。したがって、撮像カメラ23は、図9の二点鎖線円で示された物体B(異物)による遮蔽状態等も認識することができ、実施の形態1に比して、さらに信頼性の向上を図ることができる。
なお、上述したカメラユニット60と撮像対象部70との配置関係に限らず、カメラユニット60を枠体19の運転席側でかつ車両12の後方寄りの部分に設け、撮像対象部70を枠体19の助手席側から車両12の前方側に延びて設けることもできる。
次に、本発明の実施の形態3について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述の実施の形態1と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明は省略する。
図10は実施の形態3(スライドドア装置)を示す概要図を示している。
図10に示されるように、実施の形態3では、上述した実施の形態1に比して、本発明における開閉体の駆動装置が、ワゴン車(車両)80の側方に搭載されるスライドドア装置81である点のみが異なっている。
具体的には、ワゴン車80の側方には、車体フレーム(枠体)82に囲まれた昇降口(開口部)82aが形成され、当該昇降口82aはスライドドア(開閉体)83により開閉自在となっている。そして、昇降口82aは、スライドドア83よりも車室内側に設けられ、スライドドア83は、制御部40(図1参照)によって制御される駆動源84の動力により、ワゴン車80の前後方向に移動可能となっている。
ワゴン車80のルーフ(天井)85側(図中上側)における車体フレーム82には、撮像カメラ23と一対の発光ダイオード24が設けられている。そして、これらの撮像方向および照射方向は、ワゴン車80のフロア(床)86側(図中下側)における車体フレーム82に設けられた撮像対象部30に向けられている。なお、ルーフ85およびフロア86は互いに対向配置されている。また、スライドドア83は、車室内に設けられたスライドドアスイッチ(図示せず)の操作によっても、開閉自在となっている。
以上のように形成された実施の形態3においても、実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。
なお、実施の形態3においても、撮像カメラ23および発光ダイオード24を設ける位置と、撮像対象部30を設ける位置とを、逆の関係となるようにしても構わない。つまり、撮像カメラ23および発光ダイオード24をフロア86側に設けるようにし、撮像対象部30をルーフ85側に設けるようにしても良い。
次に、本発明の実施の形態4について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述の実施の形態1と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明は省略する。
図11は実施の形態4(パワーウィンド装置)を示す概要図を、図12は操作者の手形の認識手順を説明する説明図を、図13は開操作時の遮蔽状態判定部での処理を説明する説明図を、図14は閉操作時の遮蔽状態判定部での処理を説明する説明図を、図15は遮蔽状態判定部でのジェスチャー判定を説明する説明図をそれぞれ示している。
図11に示されるように、実施の形態4では、上述した実施の形態1に比して、本発明における開閉体の駆動装置が、車両90のドア91に搭載されるパワーウィンド装置92である点のみが異なっている。なお、図11に示されるドア91は、セダン型の車両の後方に設けられるドア(後部座席用のドア)を示している。
具体的には、ドア91には、ドア枠(枠体)93に囲まれた開口部94が形成され、当該開口部94は窓(開閉体)95により開閉自在となっている。そして、開口部94を開閉する窓95は、制御部40(図1参照)によって制御される駆動源96の動力により、図中上下方向に昇降可能される。なお、駆動源96は、ドア91の内部に設けられたウィンドレギュレータ(図示せず)を駆動し、当該ウィンドレギュレータは、窓95を開閉するようになっている。
開口部94を形成するドア枠93の車両後方側(後方側)には、撮像カメラ23および一対の発光ダイオード24を備えたカメラユニット20が設置されている。そして、カメラユニット20の撮像方向および照射方向は、ドア枠93の車両前方側(前方側)において、当該ドア枠93に設けられた撮像対象部30に向けられている。なお、窓95は、ドア91の車室内側に設けられたパワーウィンドスイッチ97の操作によっても、開閉自在となっている。
また、実施の形態4では、遮蔽状態判定部41b(図1参照)において、異物としての操作者の手形HP(図12参照)を認識するとともに、当該手形HPの移動方向を検出するようになっている。
具体的には、まず、画像処理部41a(図1参照)において、撮像カメラ23からの撮像データDT(図1参照)に基づいて、当該撮像データDTの画像処理が実行される。この画像処理では、図12に示されるようなピクセル画像PGを生成するようになっている。本実施の形態では、ピクセル画像PGの画素数は、図12に示されるように、X座標が8ドットでY座標が5ドットとなっている。ただし、ピクセル画像PGの画素数は、必要とされる認識精度および検出精度に応じて、例えば8×5ドットよりも多い画素数でも構わない。
ここで、ピクセル画像PGのX座標は、図11に示される撮像対象部30の幅方向に一致している。また、ピクセル画像PGのY座標は、図11に示される撮像対象部30の長さ方向(窓95の開閉方向)に一致している。そして、画像処理部41aで生成された複数フレームのピクセル画像PGは、それぞれ遮蔽状態判定部41bに送出されるようになっている。
そして、遮蔽状態判定部41bでは、画像処理部41aから入力された複数フレームのピクセル画像PGに基づいて、操作者の手形HPを認識するようになっている。具体的には、図12に示されるように、遮蔽状態判定部41bは、所定の座標部分に境界点P1〜P5を配置する処理を実行し、その上で、図12に示されるような境界点P1〜P5の配置状態を認識したときに、撮像カメラ23で捉えた「異物」が操作者の手形HPであると認識する。
なお、境界点P1〜P5が配置される座標は、図中縦のY座標に並べられた行(1行から5行)毎に、左側から右側(図中横のX座標に並べられた列が増加する方向)に向けて、明るい状態から暗い状態に最初に切り替わった部分の座標となっている。すなわち、図12において何にも遮蔽されていない白色の部分から、操作者の手で遮蔽されて影となった最初の網掛けの部分に境界点P1〜P5が配置される。
図12に示される手形HPの場合には、境界点P1〜P5は、手形HPの外形に倣って配置される。具体的には、1フレーム目のピクセル画像PGにおいては、境界点P1が座標(7,1)、境界点P2が座標(7,2)、境界点P3が座標(5,3)、境界点P4が座標(7,4)、境界点P5が座標(7,5)にそれぞれ配置されている。このように、境界点P3のX座標のみが他の境界点P1,P2,P4,P5のX座標「7」よりも小さい座標「5」となっている。これにより、遮蔽状態判定部41bは、人差し指を横に差し出した操作者のジェスチャー、つまり操作者の窓95を開閉させようとする意思を認識することができる。
ここで、遮蔽状態判定部41bは、複数の配列が用意された格納部98を備えている。そして、当該格納部98には、手形HPを認識したそれぞれのフレームにおいて、X座標が最も小さい境界点P3のY座標を順に格納するようになっている。なお、図12においては、手形HPを1フレーム目で認識しているため、格納部98の先頭に、図中破線円の「3」が格納される。
そして、操作者の手の移動方向については、図13および図14に示されるように検出される。図13は、窓95を開操作する場合の説明図であって、操作者が手をドア枠93に沿わせて上方から下方に移動させた場合を示している。まず、ピクセル画像PGの1フレーム目では、図12で説明した通り、格納部98の先頭にY座標「3」が格納される。そして、手の移動方向が矢印のように下方へ移動するに連れて、遮蔽状態判定部41bの認識方向が矢印のように手前側となるため、続く2フレーム目ではY座標「4」が格納される。その後、操作者の手の下方への移動とともに、格納部98には、徐々にその数値が大きくなるようにY座標の値が格納されていく(格納順の矢印参照)。
なお、図13の破線矢印Jに示されるように、例えば、格納部98に格納されるべきY座標「5」が格納されないようなことが起こり得る。これは、手の移動速度が速すぎて、遮蔽状態判定部41bの処理が間に合わないこと等に起因している。言い換えれば、単にドア枠93の部分を素早く手が横切るような場合(窓95を開閉させようとする操作者の意思が無い場合)は、手の移動方向を検出しないので、これによりパワーウィンド装置92の誤作動が防止されてその安全性が高められる。
そして、遮蔽状態判定部41bでは、図15に示されるように、格納部98にある程度の数のY座標の値(例えば50個)が格納されると、格納順にY座標の値を5個ずつ足して「和」を算出する。このとき、開操作の場合には、和30<和65<和90・・・のようにY座標の値の「和」についても徐々に増加することになる。そして、これらの「和」を大小比較して、連続して3回以上増加する場合には、操作者により確実に開操作されているとして、遮蔽状態判定部41bは、操作者のジェスチャーが最終的に「開操作」であると判断する。その後、当該判断に基づいて、遮蔽状態判定部41bは、制御部40に駆動源96を正転駆動させ、これにより窓95が開く。このように、複数の「和」を求めて大小比較することで、操作者のジェスチャーが「開操作」であることの確実性を確認している。これによっても、パワーウィンド装置92の安全性が高められている。
これに対し、図14は、窓95を閉操作する場合の説明図であって、操作者が手をドア枠93に沿わせて下方から上方に移動させた場合を示している。まず、ピクセル画像PGのnフレーム目(図14の最も手前のフレーム)において、格納部98の先頭にY座標「36」が格納される。そして、手の移動方向が矢印のように上方へ移動するに連れて、遮蔽状態判定部41bの認識方向が矢印のように奥側となるため、続くフレームではY座標「35」,「33」のように格納されていく。その後、操作者の手の上方への移動とともに、格納部98には、徐々にその数値が小さくなるようにY座標の値が格納されていく(格納順の矢印参照)。
なお、図14の破線矢印Jに示されるように、例えば、格納部98に格納されるべきY座標「35」が格納されないようなことが起こり得る。この点についても、上述と同様に、手の移動速度が速すぎて、遮蔽状態判定部41bの処理が間に合わないこと等に起因している。
そして、遮蔽状態判定部41bでは、図15に示されるように、格納部98にある程度の数のY座標の値(例えば50個)が格納されると、格納順にY座標の値を5個ずつ足して「和」を算出する。このとき、閉操作の場合には、和163>和130>和105・・・のようにY座標の値の「和」についても徐々に減少することになる。そして、これらの「和」を大小比較して、連続して3回以上減少する場合には、操作者により確実に閉操作されているとして、遮蔽状態判定部41bは、操作者のジェスチャーが最終的に「閉操作」であると判断する。その後、当該判断に基づいて、遮蔽状態判定部41bは、制御部40に駆動源96を逆転駆動させ、これにより窓95が閉じる。このように、複数の「和」を求めて大小比較することで、操作者のジェスチャーが「閉操作」であることの確実性を確認している。これによっても、パワーウィンド装置92の安全性が高められている。
なお、遮蔽状態判定部41bによる操作者の手形HPの認識処理と、当該手形HPの移動方向の検出処理とは、図6のフローチャートのステップS6の部分(窓95の開操作処理)と、図6のフローチャートのステップS8の部分(窓95の閉操作処理)とで実行される。
以上のように形成された実施の形態4においても、実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態4では、遮蔽状態判定部41bが、異物としての操作者の手形HPを認識するとともに、当該手形HPの移動方向を検出するので、操作者の窓95を開閉させようとする意思をより確実に認識することができる。したがって、誤検知精度を大幅に向上させることが可能となる。もちろん、実施の形態4に記載の技術は、サンルーフ装置やスライドドア装置にも適用することができる。
さらに、実施の形態4においても、撮像カメラ23および発光ダイオード24(カメラユニット20)を設ける位置と、撮像対象部30を設ける位置とを、逆の関係となるようにしても構わない。つまり、撮像カメラ23および発光ダイオード24をドア枠93の車両前方側に設けるようにし、撮像対象部30をドア枠93の車両後方側に設けるようにしても良い。
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記各実施の形態では、撮像カメラ23の両側に発光ダイオード24をそれぞれ設けたものを示したが、本発明はこれに限らず、出力が大きい発光ダイオードを1つ設けるようにしても良い。
その他、上記各実施の形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数,設置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、上記各実施の形態に限定されない。
10 サンルーフ装置(開閉体の駆動装置)
11 ルーフパネル(開閉体)
12 車両
13 ルーフ(天井)
13a ルーフ格納部
13b ルーフライニング
14 ルーフ開口部
15a,15b シュー
16 ガイドレール
17a,17b 駆動ケーブル
18 サンルーフモータ(駆動源)
18a 出力ギヤ
19 枠体
19a 枠体開口部(開口部)
19b1,19b2 短辺部
19c1,19c2 長辺部
20 カメラユニット
21 ハウジング
21a 前面壁
21b 背面壁
22 回路基板
23 撮像カメラ
23a 凸レンズ
23b 撮像素子
24 発光ダイオード(発光部)
25 メス型コネクタ
30 撮像対象部
40 制御部
41 検出部
41a 画像処理部
41b 遮蔽状態判定部
42 挟み込み防止部
43 スイッチ操作無効部
50 サンルーフ装置(開閉体の駆動装置)
60 カメラユニット
70 撮像対象部
71 第1撮像対象部
72 第2撮像対象部
80 ワゴン車(車両)
81 スライドドア装置(開閉体の駆動装置)
82 車体フレーム(枠体)
82a 昇降口(開口部)
83 スライドドア(開閉体)
84 駆動源
85 ルーフ
86 フロア
90 車両
91 ドア
92 パワーウィンド装置(開閉体の駆動装置)
93 ドア枠(枠体)
94 開口部
95 窓(開閉体)
96 駆動源
97 パワーウィンドスイッチ
98 格納部
B 物体(異物)
DT 撮像データ
EP 電子部品
FG フロントガラス
HD 手(異物)
HL 貫通孔
HP 手形(異物)
Ic,Io 駆動電流
P1〜P5 境界点
PG ピクセル画像
RL ルームランプ
SS スイッチング信号
SW サンルーフスイッチ
11 ルーフパネル(開閉体)
12 車両
13 ルーフ(天井)
13a ルーフ格納部
13b ルーフライニング
14 ルーフ開口部
15a,15b シュー
16 ガイドレール
17a,17b 駆動ケーブル
18 サンルーフモータ(駆動源)
18a 出力ギヤ
19 枠体
19a 枠体開口部(開口部)
19b1,19b2 短辺部
19c1,19c2 長辺部
20 カメラユニット
21 ハウジング
21a 前面壁
21b 背面壁
22 回路基板
23 撮像カメラ
23a 凸レンズ
23b 撮像素子
24 発光ダイオード(発光部)
25 メス型コネクタ
30 撮像対象部
40 制御部
41 検出部
41a 画像処理部
41b 遮蔽状態判定部
42 挟み込み防止部
43 スイッチ操作無効部
50 サンルーフ装置(開閉体の駆動装置)
60 カメラユニット
70 撮像対象部
71 第1撮像対象部
72 第2撮像対象部
80 ワゴン車(車両)
81 スライドドア装置(開閉体の駆動装置)
82 車体フレーム(枠体)
82a 昇降口(開口部)
83 スライドドア(開閉体)
84 駆動源
85 ルーフ
86 フロア
90 車両
91 ドア
92 パワーウィンド装置(開閉体の駆動装置)
93 ドア枠(枠体)
94 開口部
95 窓(開閉体)
96 駆動源
97 パワーウィンドスイッチ
98 格納部
B 物体(異物)
DT 撮像データ
EP 電子部品
FG フロントガラス
HD 手(異物)
HL 貫通孔
HP 手形(異物)
Ic,Io 駆動電流
P1〜P5 境界点
PG ピクセル画像
RL ルームランプ
SS スイッチング信号
SW サンルーフスイッチ
Claims (5)
- 車両に設けられる開閉体を駆動する開閉体の駆動装置であって、
前記開閉体に動力を与える駆動源と、
前記開閉体よりも前記車両の車室内側に設けられ、前記開閉体により開閉される開口部を備えた枠体と、
前記枠体に設けられ、前記開閉体の移動方向と交差する方向を撮像する撮像カメラと、
前記枠体に設けられ、前記撮像カメラにより撮像される撮像対象部と、
前記撮像カメラからの撮像データに基づき、前記駆動源を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記撮像カメラと前記撮像対象部との間が異物により遮蔽された状態を検出する遮蔽状態判定部を備え、
前記遮蔽状態判定部が、前記開閉体の停止時において、前記撮像対象部の所定の範囲を前記異物が通過したことを示す異物通過遮蔽状態を検出すると、前記制御部は前記開閉体を動作させ、
前記遮蔽状態判定部が、前記開閉体の動作時において、前記異物通過遮蔽状態を含む前記異物による遮蔽状態を検出すると、前記制御部は前記開閉体の動作を停止させる、
開閉体の駆動装置。 - 請求項1に記載の開閉体の駆動装置において、
前記枠体に、前記撮像対象部に向けて赤外線を照射する発光部が設けられ、
前記撮像カメラは、前記撮像対象部により反射された前記赤外線を撮像する、
開閉体の駆動装置。 - 請求項1または請求項2に記載の開閉体の駆動装置において、
前記開閉体が、前記車両の天井に設けられたルーフパネルであり、
前記撮像カメラが、前記枠体の運転席側または助手席側で、かつ前記車両の前後方向中央寄りの部分に設けられ、
前記撮像対象部が、前記枠体の助手席側または運転席側で、かつ前記車両の前後方向に延びて設けられている、
開閉体の駆動装置。 - 請求項1または請求項2に記載の開閉体の駆動装置において、
前記開閉体が、前記車両の天井に設けられたルーフパネルであり、
前記撮像カメラが、前記枠体の運転席側または助手席側でかつ前記車両の後方寄りの部分に設けられ、
前記撮像対象部が、前記枠体の助手席側または運転席側から前記車両の前方側に延びて設けられている、
開閉体の駆動装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の開閉体の駆動装置において、
前記遮蔽状態判定部は、操作者の手形を認識するとともに、当該手形の移動方向を検出する、
開閉体の駆動装置。
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Cited By (1)
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CN112896064A (zh) * | 2021-01-25 | 2021-06-04 | 深圳市国基视讯技术有限公司 | 一种红外线监测aws车载录像机 |
-
2019
- 2019-06-21 JP JP2019115088A patent/JP2020037384A/ja active Pending
Cited By (2)
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CN112896064A (zh) * | 2021-01-25 | 2021-06-04 | 深圳市国基视讯技术有限公司 | 一种红外线监测aws车载录像机 |
CN112896064B (zh) * | 2021-01-25 | 2022-03-15 | 深圳市国基视讯技术有限公司 | 一种红外线监测aws车载录像机 |
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