JP2020037060A - 粒子処理装置、及び粒子処理方法 - Google Patents

粒子処理装置、及び粒子処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロ流路を用いて粒子を処理することが可能な粒子処理装置を提供することである。【解決手段】本発明にかかる粒子処理装置1は、マイクロ流路10と、マイクロ流路10に粒子を導入する導入流路11と、マイクロ流路10に処理溶液24を導入する導入流路12と、を備える。マイクロ流路10は、所定の粒子直径よりも大きい粒子17をマイクロ流路10の流れ方向に対して所定の角度傾いている第1の方向19に移動可能に構成されている。マイクロ流路10に導入された粒子17は、マイクロ流路10内を第1の方向19に移動している間に、処理溶液24内を通過して処理溶液24によって処理される。【選択図】図1

Description

本発明は粒子処理装置、及び粒子処理方法に関し、特にマイクロ流路を用いた粒子処理装置、及び粒子処理方法に関する。
近年、マイクロ流路デバイスを用いた粒子分離手法が報告されている。このような粒子分離手法の一つに、受動的粒子分離手法がある。受動的粒子分離手法は、粒子を分離する際に水力学的作用を利用する分離手法である。例えば、受動的粒子分離手法の一つとして、DLD(Deterministic Lateral Displacement)による粒子分離手法が報告されている(非特許文献1、2参照)。
DLDは、流路に配列する支柱によって生じる流れを利用した粒子分離手法であり、DLDの分離直径(Dc)よりも大きい粒子と小さい粒子とがそれぞれ異なる軌道をとることを利用した分離手法である。DLD流路を用いることで、分離直径(Dc)よりも大きい粒子と小さい粒子とを分離することができる。
L. R. Hung et al., Science, 304, 987-990, 2004. J. McGrath et al., Lab Chip, 14, 4139-4158, 2014.
これまでに報告されているDLD流路の主な目的は、細胞などの生体粒子を分離することであったが、このようなDLD流路は粒子を分離すること以外への応用も期待されている。本願発明者らは、DLD流路の応用として、DLD流路(マイクロ流路)を用いて粒子を処理する手法を新たに見出した。
本発明の目的は、マイクロ流路を用いて粒子を処理することが可能な粒子処理装置、及び粒子処理方法を提供することである。
本発明の一態様にかかる粒子処理装置は、複数の支柱が規則的に配列され、当該複数の支柱間の隙間を流体が流れるマイクロ流路と、前記マイクロ流路に粒子を導入する第1の導入流路と、前記マイクロ流路に処理溶液を導入する第2の導入流路と、を備える。前記マイクロ流路は、所定の粒子直径よりも大きい第1の粒子を前記マイクロ流路の流れ方向に対して所定の角度傾いている第1の方向に移動可能に構成されており、前記処理溶液は、前記マイクロ流路の流れ方向に対して垂直な幅方向に所定の幅をもった状態で前記マイクロ流路内を前記流れ方向に向かって流れ、前記マイクロ流路に導入された前記第1の粒子は、前記マイクロ流路内を前記第1の方向に移動している間に、前記処理溶液内を通過して当該処理溶液によって処理される。
本発明の一態様にかかる粒子処理方法は、複数の支柱が規則的に配列され、所定の粒子直径よりも大きい第1の粒子をマイクロ流路の流れ方向に対して所定の角度傾いている第1の方向に移動可能に構成されたマイクロ流路を用いた粒子処理方法であって、前記マイクロ流路に処理溶液を導入して、前記マイクロ流路内において前記処理溶液を前記流れ方向に流す工程と、前記マイクロ流路に第1の粒子を導入する工程と、を備える。前記処理溶液は、前記マイクロ流路の流れ方向に対して垂直な幅方向に所定の幅をもった状態で前記マイクロ流路内を前記流れ方向に向かって流れ、前記マイクロ流路に導入された前記第1の粒子は、前記マイクロ流路内を前記第1の方向に移動している間に、前記処理溶液内を通過して当該処理溶液によって処理される。
本発明により、マイクロ流路を用いて粒子を処理することが可能な粒子処理装置、及び粒子処理方法を提供することができる。
実施の形態にかかる粒子処理装置を示す断面図である。 実施の形態にかかる粒子処理装置が備えるマイクロ流路(DLD流路)の断面図である。 DLD流路を用いて粒子を分離する方法を説明するための図である。 実施の形態にかかる粒子処理装置を用いて粒子を処理する動作を説明するための図である。 実施の形態にかかる粒子処理装置の他の構成例を示す断面図である。 実施の形態にかかる粒子処理装置の他の構成例を示す断面図である。 DLD流路同士を接合している状態を示す断面図である。 実施の形態にかかる粒子処理装置の他の構成例を示す断面図である。 実施の形態にかかる粒子処理装置の他の構成例を示す断面図である。 実施例1で用いた粒子処理装置を説明するための図である。 実施例1で用いたマイクロ流路の設計値を説明するための図である。 粒子処理装置の各位置における粒子の状態を示す顕微鏡写真である。 処理前の粒子と処理後の粒子の状態を示す顕微鏡写真である。 処理前の粒子と処理後の粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例2で用いた粒子処理装置を説明するための図である。 粒子処理装置の各位置における粒子の状態を示す顕微鏡写真である。 処理前の粒子と処理後の粒子の状態を示す顕微鏡写真である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態にかかる粒子処理装置を示す断面図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる粒子処理装置1は、マイクロ流路(DLD流路)10、及び導入流路11、12、13を備える。
図2、図3に示すように、マイクロ流路10は複数の支柱21が規則的に配列されており、複数の支柱21間の隙間を流体が流れるように構成されている。図3に示すように、マイクロ流路10はDLD流路であり、所定の粒子直径(分離直径Dc)よりも小さい粒子31(第2の粒子)をマイクロ流路10の流れ方向と平行な方向に移動させる。すなわち、図3に示すように、分離直径Dcよりも小さい粒子31は、マイクロ流路10内をジグザグモード(Zigzag mode)で移動する。
また、図3に示すように、マイクロ流路10は、所定の粒子直径(分離直径Dc)よりも大きい粒子32(第1の粒子)を流れ方向に対して所定の角度θ傾いている方向(矢印19の方向)に移動させる。すなわち、図3に示すように、分離直径Dcよりも大きい粒子32は、マイクロ流路10内を置換モード(Displacement mode)で移動する。ここで、粒子32が移動する方向(矢印19の方向)は、マイクロ流路10の上流側から下流側に向かって互いに隣接するように配置された複数の支柱21同士を直線(符号19で示す直線)で結んだ際の、当該直線が伸びる方向に対応している。
このように、本実施の形態にかかるマイクロ流路10は、マイクロ流路10に導入された粒子を、分離直径Dcよりも小さい粒子31と分離直径Dcよりも大きい粒子32とに分離することができるように構成されている。
例えば、マイクロ流路10は、以下に示す方法を用いて作製することができる。
まず、Si基板上にネガ型フォトレジストであるSU−8(日本化薬社製)を用いて作製した構造をシリコーン樹脂(polydimethylsiloxane,PDMS)に転写する。その後、微細溝が形成されたPDMS基板に溶液導入用および回収用の貫通孔を開ける。その後、PDMS基板と、PDMSが塗布されたスライドガラスとを酸素プラズマ処理によって接合する。このような方法を用いることで、マイクロ流路10を形成することができる。なお、本実施の形態においてマイクロ流路10を形成する方法は上記の方法に限定されることはなく、他の方法を用いてマイクロ流路10を形成してもよい。
また、マイクロ流路10に形成される支柱21の形状は円柱に限定されることはなく、例えば、楕円柱、四角柱等の柱状体であってもよい。支柱21の配列は、マイクロ流路10に流す粒子の大きさ、形状、硬さ等に応じて適宜変更することができる。
図1に示すように、マイクロ流路10の上流側(導入口側)には、導入流路11、12、13が連結されている。導入流路11は、マイクロ流路10に粒子17(前駆体粒子)を導入するための流路である。導入流路12は、マイクロ流路10に処理溶液24を導入するための流路である。導入流路13は、マイクロ流路10にバッファ溶液25を導入するための流路である。導入流路11、12、13は、マイクロ流路10の上流側において、マイクロ流路10の幅方向の一方側(図面の下側)から他方側(図面の上側)に向かって、導入流路11、導入流路12、及び導入流路13の順に配置されている。
例えば、粒子17は溶媒23に分散させた状態で導入流路11からマイクロ流路10に導入される。粒子17は、所定の粒子直径(分離直径Dc)よりも大きい粒子であり、溶媒23から分離されてマイクロ流路10内を矢印19の方向に移動する。また、溶媒23は、マイクロ流路10の流れ方向に移動する。
導入流路12からマイクロ流路10に導入された処理溶液24は、マイクロ流路10の流れ方向に対して垂直な幅方向に所定の幅W1をもった状態で、マイクロ流路10内を流れ方向に向かって流れている。また、導入流路13からマイクロ流路10に導入されたバッファ溶液25は、マイクロ流路10の流れ方向に対して垂直な幅方向に所定の幅W2をもった状態で、マイクロ流路10内を流れ方向に向かって流れている。すなわち、処理溶液24およびバッファ溶液25は、マイクロ流路10内において平行流を形成している。
ここで、処理溶液24とは、マイクロ流路10に導入された粒子17に対して所定の処理を実施する溶液である。例えば、処理溶液24は、マイクロ流路10に導入された粒子17と所定の反応をする溶液であってもよく、また、マイクロ流路10に導入された粒子17に対してコーティング等の処理を実施する溶液であってもよい。
また、バッファ溶液25とは、処理溶液24を通過している粒子17を処理溶液24から分離するための溶液である。なお、バッファ溶液25は、処理溶液24を通過した後の粒子17を洗浄する機能(つまり、洗浄溶液としての機能)を備えていてもよい。また、本実施の形態では、バッファ溶液25(導入流路13)の導入を適宜省略してもよい。バッファ溶液25の導入を省略した場合は、マイクロ流路10の排出口から処理溶液24と共に粒子18(処理された後の粒子)が排出される。
本実施の形態にかかる粒子処理装置1では、導入流路11からマイクロ流路10に導入された粒子17は、マイクロ流路10の流れ方向に対して所定の角度傾いている方向(矢印19の方向)に移動する。ここで、粒子17は、所定の粒子直径(分離直径Dc)よりも大きい粒子である。粒子17は、マイクロ流路10内を矢印19の方向に移動している間に、処理溶液24内を通過して当該処理溶液24によって処理された後、バッファ溶液25内を通過してマイクロ流路10の下流側に設けられた排出口14から排出される。
つまり、マイクロ流路10に導入された粒子17がマイクロ流路10内を矢印19の方向に移動する際に、粒子17はマイクロ流路10内を一方側(図面の下側)から他方側(図面の上側)へと移動する。したがって、粒子17は、マイクロ流路10内を矢印19の方向に移動している間に、処理溶液24とバッファ溶液25を通過することができる。なお、図1では、マイクロ流路10内において粒子17が処理溶液24内を移動している領域を処理領域27と記載し、粒子17がバッファ溶液25内を移動している領域を分離領域28と記載している。
以下、本実施の形態にかかる粒子処理装置を用いて粒子を処理する際の動作(粒子処理方法)について、図4を用いて具体的に説明する。まず、図4(a)に示すように、マイクロ流路10に処理溶液24とバッファ溶液25とを導入して、処理溶液24とバッファ溶液25とがマイクロ流路10内を流れている状態とする。このとき、処理溶液24は、マイクロ流路10内において所定の幅W1をもった状態で流れている。また、バッファ溶液25は、マイクロ流路10内において所定の幅W2をもった状態で流れている。
その後、図4(a)に示すように、導入流路11からマイクロ流路10に粒子17を導入する。マイクロ流路10に導入された粒子17は、図4(b)に示すように、マイクロ流路10内を矢印19の方向に移動する。粒子17は、マイクロ流路10内を矢印19の方向に移動している間に、処理溶液24内を通過して当該処理溶液24によって処理される。
その後、粒子17がマイクロ流路10内を矢印19の方向に更に移動すると、図4(c)に示すように、粒子17は処理溶液24からバッファ溶液25へと移動して、バッファ溶液25内を矢印19の方向に移動する。その後、バッファ溶液25内を移動している粒子17は、図4(d)に示すように、マイクロ流路10の下流側に設けられた排出口14から排出される。排出口14から排出された粒子18(処理された粒子)は、その後、所定の容器に回収される。このような動作により、粒子が処理される。
なお、導入流路11からマイクロ流路10に導入される粒子17は、分離直径Dcよりも大きい粒子に加えて、分離直径Dcよりも小さい粒子を含んでいてもよい。この場合、マイクロ流路10に導入された粒子のうち分離直径Dcよりも小さい粒子は、マイクロ流路10内を流れ方向に移動した後、排出口14と異なる排出口15から排出される。つまり、分離直径Dcよりも小さい粒子は、マイクロ流路10をジグザグモード(Zigzag mode)で移動して、溶媒23と共に排出口15から排出される。したがって、分離直径Dcよりも小さい粒子は、処理溶液24を通過することなく、排出口15から排出される。
換言すると、本実施の形態にかかる粒子処理装置1では、分離直径Dcよりも大きい粒子のみを選択的に処理溶液24で処理することができる。つまり、本実施の形態にかかる粒子処理装置1では、導入された粒子17の分離と処理を同一のプロセスで実施することができる。
処理溶液24による粒子17の処理時間は、粒子17が処理溶液24内を通過する時間によって決定される。したがって、マイクロ流路10内を流れる処理溶液24の幅W1を調整することで、処理溶液24による粒子17の処理時間を調整することができる。すなわち、処理溶液24の幅W1を広くした場合は、粒子17が処理溶液24内を通過する時間が長くなるので、処理溶液24による粒子17の処理時間を長くすることができる。逆に、処理溶液24の幅W1を狭くした場合は、粒子17が処理溶液24内を通過する時間が短くなるので、処理溶液24による粒子17の処理時間を短くすることができる。
また、粒子17がマイクロ流路10内を移動する際の、流れ方向に対する矢印19の角度(つまり、図3に示す角度θ)を調整することで、処理溶液24による粒子17の処理時間を調整してもよい。すなわち、矢印19の角度(図3に示す角度θ)を小さくした場合は、粒子17が処理溶液24内を通過する時間が長くなるので、処理溶液24による粒子17の処理時間を長くすることができる。逆に、矢印19の角度(図3に示す角度θ)を大きくした場合は、粒子17が処理溶液24内を通過する時間が短くなるので、処理溶液24による粒子17の処理時間を短くすることができる。
また、本実施の形態では、処理溶液24の幅W1と矢印19の角度(つまり、図3に示す角度θ)の2つを調整することで、処理溶液24による粒子17の処理時間を調整してもよい。
また、マイクロ流路10に導入する溶媒23(粒子17)の流量と処理溶液24の流量をそれぞれ調整することで、処理溶液24による粒子17の処理時間を調整してもよい。この場合、溶媒23(粒子17)と処理溶液24との流量比を一定としてもよい。
粒子17は、例えば、樹脂粒子、金属粒子、非金属粒子等の固体状の粒子であってもよく、また液滴等の液体状の粒子であってもよい。粒子17を分散させる溶媒23は、粒子17の性質に応じて適宜選択することができる。例えば、溶媒23は水であってもよく、また、アルコール等の有機溶媒であってもよい。また、界面活性剤を添加した水溶液を溶媒23として用いてもよい。また、粒子17は、赤血球、生細胞等の生物系の粒子であってもよい。
処理溶液24は、例えばコーティング剤、ゲル化剤等である。コーティング剤には、例えば、樹脂ナノ粒子あるいは無機ナノ粒子の分散液、高分子電解質溶液、各種モノマーやオリゴマーや界面活性剤分子を含む水相あるいは有機相、またはこれらの少なくとも1種を含むエマルションを用いることができる。ゲル化剤には、例えばアルギン酸ナトリウム水溶液の液滴をゲル化する場合には、カルシウムイオンを含む水相あるいは有機相、またはこれらの少なくとも1種を含むエマルションを用いることができる。また、例えば炭酸カルシウムを含むアルギン酸ナトリウム水溶液の液滴をゲル化する場合には、酸性の水相あるいは有機相、またはこれらの少なくとも1種を含むエマルションを用いることができる。
また、粒子17の粒径(直径)は、例えば、1nm〜1mm、好ましくは10nm〜100μm程度とすることができる。
本実施の形態において、粒子17と処理溶液24との組み合わせは、処理内容に応じて適宜選択することができる。例えば、処理される粒子としてアルギン酸ナトリウム水溶液の液滴を、処理溶液として塩化カルシウム水溶液を分散相とする油中水滴型エマルションを組み合わせることにより、ハイドロゲル粒子を調製することができる。また、処理される粒子としてカルボキシル基が修飾されたポリスチレンビーズを、処理溶液として高分子電解質水溶液(例えば、poly(fluorescein isothiocyanate allylamine hydrochloride)(PAH-FITC),poly(allylamine) (PAH) and poly(sodium4-styrenesulfonate) (PSS))を組み合わせることにより、粒子表面へ電解質がコーティングされる。
次に、本実施の形態にかかる粒子処理装置の他の構成例について説明する。
図1〜図4に示した例では、マイクロ流路10に1つの処理溶液24を導入した場合について説明した。しかし、本実施の形態にかかる粒子処理装置では、マイクロ流路10に導入する処理溶液を2つ以上としてもよい。
例えば、図5に示す粒子処理装置2のように、処理溶液として2つの処理溶液A(24_1)、処理溶液B(24_2)をマイクロ流路10に導入してもよい。処理溶液A(24_1)と処理溶液B(24_2)はそれぞれ、マイクロ流路10の幅方向に所定の幅をもった状態でマイクロ流路10内を流れ方向に向かって流れている。
図5に示す粒子処理装置2では、更に2つのバッファ溶液25_1、25_2をマイクロ流路10に導入している。バッファ溶液25_1は、処理溶液A(24_1)と処理溶液B(24_2)との間に導入されている。
図5に示す粒子処理装置2において、粒子17は、マイクロ流路10内を矢印19の方向に移動している間に、処理溶液A(24_1)内を通過して当該処理溶液A(24_1)によって処理され、その後、処理溶液B(24_2)内を通過して当該処理溶液B(24_2)によって処理される。これにより、粒子17を2つの処理溶液A(24_1)、処理溶液B(24_2)を用いて処理することができる。
また、図5に示す構成例では、処理溶液A(24_1)と処理溶液B(24_2)との間にバッファ溶液25_1を導入している。このように、処理溶液A(24_1)と処理溶液B(24_2)との間にバッファ溶液25_1を流すことで、処理溶液A(24_1)を通過した後の粒子17をバッファ溶液25_1を用いて洗浄することができる。つまり、洗浄後の粒子17を処理溶液B(24_2)内に導入することができる。なお、バッファ溶液25_1、25_2は、適宜省略してもよい。
次に、図6を用いて本実施の形態にかかる粒子処理装置の他の構成例について説明する。図6に示す粒子処理装置3では、マイクロ流路10_1の後段に、マイクロ流路10_2が更に連結されている。マイクロ流路10_1は、図1、図2に示したマイクロ流路10に対応している。
図7は、マイクロ流路10_1、10_2の詳細を説明するための図である。図7に示すように、マイクロ流路10_1、10_2は、複数の支柱21が規則的に配列されており、複数の支柱21間の隙間を流体が流れるように構成されている。図7に示すように、マイクロ流路10_1、10_2はDLD流路であり、分離直径Dcよりも小さい粒子をマイクロ流路10_1、10_2の流れ方向と平行な方向に移動させる。また、マイクロ流路10_1は、分離直径Dcよりも大きい粒子を流れ方向に対して所定の角度傾いている方向(矢印19_1の方向)に移動させる。また、マイクロ流路10_2は、分離直径Dcよりも大きい粒子を流れ方向に対して所定の角度傾いている方向(矢印19_2の方向)に移動させる。
すなわち、図6に示す粒子処理装置3では、複数のマイクロ流路10_1、10_2を連結することで、マイクロ流路10_1、10_2内を移動している粒子17の移動方向を、マイクロ流路の途中で変更している。図6に示す粒子処理装置3において、粒子17は、マイクロ流路10_1内を矢印19_1に示す方向に移動する際に、マイクロ流路10_1の幅方向の一方側(図面の下側)から他方側(図面の上側)へと移動する。また、粒子17は、マイクロ流路10_2内を矢印19_2に示す方向に移動する際に、マイクロ流路10_2の幅方向の他方側(図面の上側)から一方側(図面の下側)へと移動する。
図6に示す粒子処理装置3では、処理溶液として2つの処理溶液A(24_1)、処理溶液B(24_2)をマイクロ流路10_1、10_2に導入している。また、処理溶液A(24_1)と処理溶液B(24_2)との間にバッファ溶液25_1を導入している。
マイクロ流路10_1に導入された粒子17は、マイクロ流路10_1内を矢印19_1の方向に移動している間に、処理溶液A(24_1)内を通過して当該処理溶液A(24_1)によって処理され、その後、処理溶液B(24_2)内を通過して当該処理溶液B(24_2)によって処理される。その後、粒子17がマイクロ流路10_2に移動すると、粒子17は、マイクロ流路10_2内を矢印19_2の方向に移動する。粒子17がマイクロ流路10_2内を矢印19_2の方向に移動している間に、粒子17は、処理溶液B(24_2)内を通過して当該処理溶液B(24_2)によって処理され、その後、処理溶液A(24_1)内を通過して当該処理溶液A(24_1)によって処理される。
このように、図6に示す粒子処理装置3では、粒子17の移動方向をマイクロ流路10_1、10_2の途中で変更しているので、処理溶液A(24_1)を用いて粒子17を処理した後、再度、処理溶液A(24_1)を用いて粒子17を処理することができる。具体的には、粒子17を処理溶液A(24_1)、処理溶液B(24_2)、処理溶液A(24_1)の順に処理することができる。したがって、マイクロ流路に別途、処理溶液Aを流すことなく、処理溶液A(24_1)を用いて粒子17を複数回処理することができる。
図8は、本実施の形態にかかる粒子処理装置の他の構成例を示す断面図である。図8に示す粒子処理装置4では、3つのマイクロ流路10_1〜10_3を連結している例を示している。なお、マイクロ流路10_1、10_2については、図6に示したマイクロ流路10_1、10_2と同様である。図8に示す粒子処理装置4では、マイクロ流路10_2の後段にマイクロ流路10_3を更に連結している。
マイクロ流路10_3は、マイクロ流路10_1の構造と対応しており、分離直径Dcよりも小さい粒子をマイクロ流路10_3の流れ方向と平行な方向に移動させ、分離直径Dcよりも大きい粒子を流れ方向に対して所定の角度傾いている方向(矢印19_3の方向)に移動させる。
したがって、図8に示す粒子処理装置4では、マイクロ流路10_2を通過した後の粒子17は、マイクロ流路10_3内において矢印19_3の方向に移動する。よって、粒子17を処理溶液Aで処理した後、バッファ溶液25_1を用いて粒子17を洗浄することができる。そして、洗浄後の粒子18をバッファ溶液25_1と共に、マイクロ流路10_3から排出することができる。
次に、図9を用いて本実施の形態にかかる粒子処理装置の他の構成例について更に説明する。図9に示す粒子処理装置5は、マイクロ流路10aの後段に、マイクロ流路10aと異なる分離直径を有するマイクロ流路10bが更に連結されている。図9に示す粒子処理装置5では、分離直径が互いに異なるマイクロ流路10a、10bが多段に連結されており、このような構成により、互いに異なる粒子直径を有する複数の粒子(多分散な粒子)をサイズ毎に連続的に処理することができる。以下、図9に示す粒子処理装置5について詳細に説明する。
図9に示すように、粒子処理装置5は、マイクロ流路10a、10bを備える。マイクロ流路10a、10bは、複数の支柱が規則的に配列されており、複数の支柱間の隙間を流体が流れるように構成されている(図2、図3参照)。マイクロ流路10aには、粒子A(17a:第1の粒子)と粒子B(17b:第3の粒子)が分散された溶媒23、処理溶液24、及びバッファ溶液25が供給される。ここで、粒子A(17a)の粒子直径Daは、粒子B(17b)の粒子直径Dbよりも大きい(Da>Db)。
マイクロ流路10aはDLD流路であり、分離直径Dc1よりも小さい粒子B(粒子直径Db)をマイクロ流路10aの流れ方向と平行な方向に移動させ、分離直径Dc1よりも大きい粒子A(粒子直径Da)を流れ方向に対して所定の角度傾いている方向(矢印19aの方向)に移動させる。
マイクロ流路10bもDLD流路であり、分離直径Dc2よりも大きい粒子B(粒子直径Db)を流れ方向に対して所定の角度傾いている方向(矢印19bの方向)に移動させる。
なお、マイクロ流路10a、10bの基本的な構成は、図1〜図3に示したマイクロ流路10と同様である。また、マイクロ流路10aにおける粒子A(17a)の移動方向(矢印19aの方向)と、マイクロ流路10bにおける粒子B(17b)の移動方向(矢印19bの方向)は互いに平行であってもよく、また異なっていてもよい。
粒子直径が互いに異なる粒子A(17a)と粒子B(17b)が粒子処理装置5に導入されると、粒子直径が大きい方の粒子A(17a)は、初段のマイクロ流路10a内を矢印19aの方向に移動する。粒子A(17a)は、マイクロ流路10a内を矢印19aの方向に移動している間に、処理溶液24内を通過して当該処理溶液24によって処理される。処理された後の粒子A(17a)は、バッファ溶液25を通過した後、排出口Aから排出される。
また、粒子直径が互いに異なる粒子A(17a)と粒子B(17b)が粒子処理装置5に導入されると、粒子直径が小さい方の粒子B(17b)は、初段のマイクロ流路10a内を流れ方向と平行な方向に移動する。その後、粒子B(17b)が後段のマイクロ流路10bに移動すると、粒子B(17b)は、マイクロ流路10b内を矢印19bの方向に移動する。粒子B(17b)は、マイクロ流路10b内を矢印19bの方向に移動している間に、処理溶液24内を通過して当該処理溶液24によって処理される。処理された後の粒子B(17b)は、バッファ溶液25を通過した後、排出口Bから排出される。また、溶媒23、及び処理溶液24は排出口Cから排出される。
このように、図9に示す粒子処理装置5では、分離直径が互いに異なるマイクロ流路10a、10bを多段に連結しているので、互いに異なる粒子直径を有する粒子A(17a)と粒子B(17b)をサイズ毎に連続的に処理することができる。
また、本実施の形態にかかる粒子処理装置では、マイクロ流路10の支柱21は、刺激応答性高分子材料を用いて形成してもよい。刺激応答性高分子材料は、温度、光、電場もしくは磁場等の物理的刺激、またはpH、溶液組成、イオン強度等の化学的刺激に応答するハイドロゲルである。例えば、温度応答性高分子材料は、水分を大量に含むことにより膨潤する性質を有するポリマーであり、温度変化による可逆的な水和・脱水和に伴う膨潤・収縮を生じる機能を有する。
温度応答性高分子材料としては、ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PNIPAM)、ポリ−N-ビニルアルキルアミド、ポリビニルアルキルエーテル等が挙げられる。相転移温度が30℃付近であり生物系微粒子への適用が可能である点や、緩やかな温度応答性を示すため支柱形状を細く制御可能である点を考慮すると、ポリ-N-イソプロピルアクリルアミドを用いることが好ましい。
また、光応答性高分子材料としては、アゾベンゼン含有架橋構造を有するポリアクリルアミドハイドロゲル等が挙げられる。pH応答性高分子材料としては、側鎖に嵩高い疎水性基を有するカルボキシ基含有ポリマー等が挙げられる。電場応答性高分子材料としては、ポリアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(PAMPS)等が挙げられる。
このようにマイクロ流路10の支柱21に刺激応答性高分子材料を用いた場合は、外部から刺激を与えることで、マイクロ流路10内を移動する粒子の条件(分離直径Dc等)を変更することができる。
以上、本実施の形態にかかる粒子処理装置について説明したが、本実施の形態にかかる粒子処理装置は上述の構成に限定されることはなく、粒子の処理条件等に応じて適宜変更することができる。
以上で説明した本実施の形態にかかる発明により、マイクロ流路を用いて粒子を処理することが可能な粒子処理装置、及び粒子処理方法を提供することができる。
<実施例1>
次に、本発明の実施例について説明する。
図10は、実施例1で用いた粒子処理装置を説明するための図である。実施例1では、十字型マイクロ流路41を用いて生成した油中水滴を、下流部に接続したマイクロ流路(DLD流路)42内で処理することでハイドロゲル粒子を作製した。
(粒子処理装置)
図10に示すように、実施例1で用いた粒子処理装置は、十字型マイクロ流路(液滴生成部)41、十字型マイクロ流路41の下流に接続されたマイクロ流路42、マイクロ流路42内に処理溶液(CaClエマルジョン)を導入する導入流路43、及びマイクロ流路42内にバッファ溶液(オイル)を導入する導入流路44を備える。処理溶液(CaClエマルジョン)およびバッファ溶液(オイル)はそれぞれ、マイクロ流路42内において平行流を形成する。
実施例1では、マイクロ流路42の分離直径(Dc)が37.1μmとなるように、支柱を形成した。具体的には、図11に示すように、マイクロ流路42内に形成されている支柱21の直径を100μmとし、支柱21間の隙間を80μmとし、支柱配列のずれ率を0.1(tanθ=18/180)とした。
マイクロ流路42は、次の方法を用いて作製した。まず、Si基板上にネガ型フォトレジストであるSU−8(日本化薬社製)を用いて作製した構造をシリコーン樹脂(polydimethylsiloxane,PDMS)に転写した。その後、微細溝が形成されたPDMS基板に溶液導入用および回収用の貫通孔を開けた後、PDMS基板と、PDMSが塗布されたスライドガラスとを酸素プラズマ処理によって接合した。
(試料)
十字型マイクロ流路41に導入する連続相としてコーン油を、分散相として3wt%のアルギン酸ナトリウム水溶液をそれぞれ用いた。また、マイクロ流路42内で液滴をゲル化するために、処理溶液として、界面活性剤(0.1%、SYグリスターCRS−75)を添加したコーン油と30wt%の塩化カルシウム水溶液とをホモジナイザーを用いて混合することで油中水滴型エマルション(CaClエマルジョン)を作製した。なお、図10におけるマイクロ流路42内の矢印は、液滴(主滴)の軌跡を示している。
(粒子処理の結果)
十字型マイクロ流路41に導入される連続相(コーン油)の流量を2ml/hに、分散相(アルギン酸ナトリウム水溶液)の流量を0.01ml/hにそれぞれ設定した。これにより、十字型マイクロ流路41において主滴とサテライト滴とが生成された。生成された主滴とサテライト滴は、マイクロ流路42に導入された。また、処理溶液として流量8ml/hのCaClエマルジョンをマイクロ流路42に導入した。
マイクロ流路42に導入された主滴(>Dc)は、マイクロ流路42の支柱配列の傾きに沿って置換モード(Displacement mode:図3参照)で移動した。また、サテライト滴(<Dc)は、マイクロ流路42の流れ方向に沿って進むジグザグモード(Zigzag mode:図3参照)で移動した。これにより、主滴とサテライト滴とが分離された。
また、マイクロ流路42に導入された主滴(>Dc)は、置換モード(Displacement mode)で移動することで、マイクロ流路42内のCaClエマルジョンを0.8秒で通過した。このとき、アルギン酸ナトリウムの液滴(主滴)と、CaClエマルジョン(処理溶液)の滴とが合一することによって、ハイドロゲル粒子が生成された。
図12は、粒子処理装置の各位置における粒子の状態を示す顕微鏡写真である。(a)は、十字型マイクロ流路41の出口付近の顕微鏡写真であり、(b)は主滴がCaClエマルジョン(処理溶液)に入るタイミングの顕微鏡写真であり、(c)は主滴がCaClエマルジョン(処理溶液)から出るタイミングの顕微鏡写真であり、(d)は主滴がマイクロ流路42から排出されるタイミングの顕微鏡写真である。下の顕微鏡写真は、上の顕微鏡写真の四角(破線)で囲んだ部分の拡大写真である。
図12(a)に示すように、十字型マイクロ流路41で生成された主滴は略球状であった。その後、図12(b)に示すように、主滴がCaClエマルジョン(処理溶液)に入り、主滴がCaClエマルジョンによって処理された。処理された後の主滴は、図12(c)に示すように、ゲル粒子となってCaClエマルジョン(処理溶液)から排出された。その後、図12(d)に示すように、ゲル粒子がマイクロ流路42から排出された。
図13(a)は、CaClエマルジョンで処理される前の主滴の顕微鏡写真である。図13(b)は、CaClエマルジョンで処理された後の主滴(ゲル粒子)の顕微鏡写真である。図13(b)の右図は、図13(b)の左図の四角で囲んだ部分の拡大写真である。
図13(a)に示すように、CaClエマルジョンで処理される前の主滴は略球状であった。また、図13(b)に示すように、CaClエマルジョンで処理された後の主滴(ゲル粒子)の表面には凹凸が観察されたが、真円度は0.9であり、主滴がゲル化する際に円形を概ね保持していることが確認された。
図14は、CaClエマルジョンで処理される前の主滴とCaClエマルジョンで処理された後の主滴(ゲル粒子)の粒度分布を示すグラフである。図14に示すように、CaClエマルジョンで処理される前の主滴の直径は75.7±1.4μm(CV〜1.5%)であった。また、CaClエマルジョンで処理された後の主滴(ゲル粒子)の直径は50.7±1.4μm(CV〜2.8%)であった。図14に示すように、CaClエマルジョンで処理される前の主滴とCaClエマルジョンで処理された後の主滴(ゲル粒子)は、十分に単分散であることが確認された。
以上で説明したように、実施例1では、本発明にかかるマイクロ流路を用いて粒子を処理可能であることが確認された。
<実施例2>
次に、本発明の実施例2について説明する。
実施例2では、マイクロ流路(DLD流路)内に形成された複数の異なる処理溶液の中を粒子が通過することによって、粒子表面に特定の物質をコーティング可能であることを確認した。
(粒子処理装置)
図15は、実施例2で用いた粒子処理装置を説明するための図である。
図15に示すように、実施例2で用いた粒子処理装置は、マイクロ流路51、マイクロ流路51内に粒子を導入する導入流路52、マイクロ流路51内に処理溶液を導入する導入流路53、54、及びマイクロ流路51内にバッファ溶液を導入する導入流路55、56、57を備える。処理溶液およびバッファ溶液はそれぞれ、マイクロ流路51内において平行流を形成する。なお、図15の下図は、マイクロ流路51の各々の位置(a)〜(e)における粒子の移動方向(矢印で示す)を図示している。
図15において、位置(a)はマイクロ流路51の入口であり、位置(b)は粒子が処理溶液(Reagent1)を用いて処理されている位置であり、位置(c)はバッファ溶液を用いて粒子が洗浄されている位置であり、位置(d)は粒子が処理溶液(Reagent2)を用いて処理されている位置であり、位置(e)はバッファ溶液を用いて粒子が洗浄された後、粒子が回収される位置である。図16においても同様である。
実施例2では、マイクロ流路51の分離直径(Dc)が8μm<Dc<10μmとなるように、支柱を形成した。具体的には、支柱間の隙間を20μmとし、支柱配列のずれ率を0.05とした。
マイクロ流路51は、次の方法を用いて作製した。まず、Si基板上にネガ型フォトレジストであるSU−8(日本化薬社製)を用いて作製した構造をシリコーン樹脂(polydimethylsiloxane,PDMS)に転写した。その後、微細溝が形成されたPDMS基板に溶液導入用および回収用の貫通孔を開けた後、PDMS基板と、PDMSが塗布されたスライドガラスとを酸素プラズマ処理によって接合した。
(試料)
粒子懸濁試料として、カルボキシル基が修飾されたポリスチレンビーズ(直径15μm)を、Tween−20(0.1v/v%、Sigma)水溶液に粒子濃度1.0×10個/mlで懸濁した溶液を準備した。また、マイクロ流路51内に導入された処理溶液(Reagent1、Reagent2)の平行流を可視化するために、赤色と青色のインクを用いた。粒子表面に高分子電解質をコートする際には、PAH−FITC(poly(fluorescein isothiocyanate allylamine hydrochloride))を用いた。
(粒子処理の結果)
粒子懸濁試料の流量を0.2ml/hに設定した。また、バッファ溶液(洗浄液)と処理溶液(赤色インクおよび青色インク)の流量をそれぞれ1ml/hに設定した。このとき形成されたマイクロ流路51内の平行流を図16に示す。
また、図16に示すように、マイクロ流路51内に導入された粒子は、マイクロ流路51内を(a)〜(e)の順に移動した。図16では、各々の粒子の位置を矢印で示している。つまり、マイクロ流路51に導入された粒子は、マイクロ流路51の支柱配列の傾きに沿って置換モード(Displacement mode:図3参照)で移動した後、回収された。
次に、粒子表面に高分子電解質をコートするために、粒子懸濁試料の流量を0.2ml/hに設定した。また、バッファ溶液(洗浄液)とPAH−FITC溶液の流量をそれぞれ1ml/hに設定した。このとき形成されたマイクロ流路51内の平行流を図17(a)、(b)に示す。図17(b)は、PAH−FITC溶液が平行流を形成している状態を示す蛍光顕微鏡写真である。
図17(a)に示すように、マイクロ流路51内に導入された粒子は、マイクロ流路51内を流れ方向に順次に移動した。図17(a)では、各々の粒子の位置を矢印で示している。つまり、マイクロ流路51に導入された粒子は、マイクロ流路51の支柱配列の傾きに沿って置換モード(Displacement mode:図3参照)で移動した。このとき、粒子がPAH−FITC溶液の中を通過することで、粒子がPAH−FITC溶液によって処理された。PAH−FITC溶液を通過した後の粒子は、洗浄された後に回収された。
図17(c)の左図は回収された粒子の顕微鏡写真である。また、図17(c)の右図は回収された粒子の蛍光顕微鏡写真である。図17(c)に示すように、回収した粒子を観察すると、粒子表面に電解質がコートされたことによって、緑色の蛍光を発する様子が観察された。
以上で説明したように、実施例2においても、本発明にかかるマイクロ流路を用いて粒子を処理可能であることが確認された。
以上、本発明を上記実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
1、2、3、4 粒子処理装置
10、10a、10b マイクロ流路
11、12、13 導入流路
14、15 排出口
17、17a、17b、18 粒子
21 支柱
23 溶媒
24 処理溶液
25 バッファ溶液
27 処理領域
28 分離領域
41 十字型マイクロ流路
42、51 マイクロ流路
43、44、52、53、54、55、56、57 導入流路

Claims (15)

  1. 複数の支柱が規則的に配列され、当該複数の支柱間の隙間を流体が流れるマイクロ流路と、
    前記マイクロ流路に粒子を導入する第1の導入流路と、
    前記マイクロ流路に処理溶液を導入する第2の導入流路と、を備え、
    前記マイクロ流路は、所定の粒子直径よりも大きい第1の粒子を前記マイクロ流路の流れ方向に対して所定の角度傾いている第1の方向に移動可能に構成されており、
    前記処理溶液は、前記マイクロ流路の流れ方向に対して垂直な幅方向に所定の幅をもった状態で前記マイクロ流路内を前記流れ方向に向かって流れ、
    前記マイクロ流路に導入された前記第1の粒子は、前記マイクロ流路内を前記第1の方向に移動している間に、前記処理溶液内を通過して当該処理溶液によって処理される、
    粒子処理装置。
  2. 前記マイクロ流路にバッファ溶液を導入する第3の導入流路を更に備え、
    前記バッファ溶液は、前記マイクロ流路の流れ方向に対して垂直な幅方向に所定の幅をもった状態で前記マイクロ流路内を前記流れ方向に向かって流れ、
    前記第1の粒子は、前記処理溶液によって処理された後、前記マイクロ流路内を前記第1の方向に移動している間に、前記バッファ溶液内を通過して前記マイクロ流路の下流側に設けられた第1の排出口から排出される、
    請求項1に記載の粒子処理装置。
  3. 前記第1乃至第3の導入流路は、前記マイクロ流路の上流側において、前記マイクロ流路の前記幅方向の一方側から他方側に向かって、第1の導入流路、第2の導入流路、及び第3の導入流路の順に配置されており、
    前記第1の排出口は、前記マイクロ流路の下流側の前記幅方向の前記他方側に配置されており、
    前記マイクロ流路に導入された前記第1の粒子が前記マイクロ流路内を前記第1の方向に移動する際に、前記第1の粒子は前記マイクロ流路内を前記一方側から前記他方側へと移動する、
    請求項2に記載の粒子処理装置。
  4. 前記マイクロ流路は、前記所定の粒子直径よりも小さい第2の粒子を前記マイクロ流路の流れ方向に移動させるように構成されており、
    前記第1の粒子と共に前記マイクロ流路に導入された前記第2の粒子は、前記マイクロ流路内を前記流れ方向に移動した後、前記第1の排出口と異なる第2の排出口から排出される、請求項2または3に記載の粒子処理装置。
  5. 前記マイクロ流路内を流れる前記処理溶液の前記幅方向における幅を調整することで、前記処理溶液による前記第1の粒子の処理時間を調整する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粒子処理装置。
  6. 前記流れ方向に対する前記第1の方向の角度を調整することで、前記処理溶液による前記第1の粒子の処理時間を調整する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の粒子処理装置。
  7. 前記マイクロ流路は、前記処理溶液として第1の処理溶液と第2の処理溶液とを導入可能に構成されており、
    前記第1及び第2の処理溶液はそれぞれ、前記マイクロ流路の前記幅方向に所定の幅をもった状態で前記マイクロ流路内を前記流れ方向に向かって流れ、
    前記第1の粒子は、前記マイクロ流路内を前記第1の方向に移動している間に、前記第1の処理溶液内を通過して当該第1の処理溶液によって処理された後、前記第2の処理溶液内を通過して当該第2の処理溶液によって処理される、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の粒子処理装置。
  8. 前記マイクロ流路内を流れる前記第1の処理溶液と前記第2の処理溶液との間をバッファ溶液が流れるように構成されている、請求項7に記載の粒子処理装置。
  9. 前記第1の方向は、前記マイクロ流路の上流側から下流側に向かって互いに隣接するように配置された複数の支柱同士を直線で結んだ際の当該直線が伸びる方向に対応している、請求項1〜8のいずれか一項に記載の粒子処理装置。
  10. 前記マイクロ流路の後段には当該マイクロ流路と異なるマイクロ流路が更に連結されており、
    前記異なるマイクロ流路は、前記第1の粒子を前記流れ方向に対して所定の角度傾いている第2の方向に移動させるように構成されており、
    前記第1の粒子は、前記マイクロ流路内を前記第1の方向に移動した後、前記異なるマイクロ流路内を前記第2の方向に移動する、
    請求項1に記載の粒子処理装置。
  11. 前記第1の粒子は、
    前記マイクロ流路内を前記第1の方向に移動する際に、前記マイクロ流路の幅方向の一方側から他方側に向かって前記処理溶液内を通過して当該処理溶液によって処理され、
    前記異なるマイクロ流路内を前記第2の方向に移動する際に、前記マイクロ流路の幅方向の前記他方側から前記一方側に向かって前記処理溶液内を通過して当該処理溶液によって処理される、
    請求項10に記載の粒子処理装置。
  12. 前記マイクロ流路の後段には当該マイクロ流路と異なるマイクロ流路が更に連結されており、
    前記第1の導入流路は、前記第1の粒子と、当該第1の粒子よりも粒子直径が小さい第3の粒子と、を前記マイクロ流路に導入可能に構成されており、
    前記異なるマイクロ流路は、前記第3の粒子を前記流れ方向に対して所定の角度傾いている第3の方向に移動可能に構成されており、
    前記第3の粒子は、前記マイクロ流路を通過した後、前記異なるマイクロ流路内を前記第3の方向に移動している間に、前記処理溶液内を通過して当該処理溶液によって処理される、
    請求項1に記載の粒子処理装置。
  13. 前記第1の粒子が、樹脂粒子、金属粒子、非金属粒子、及び液滴から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の粒子処理装置。
  14. 前記処理溶液が、コーティング剤およびゲル化剤から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の粒子処理装置。
  15. 複数の支柱が規則的に配列され、所定の粒子直径よりも大きい第1の粒子をマイクロ流路の流れ方向に対して所定の角度傾いている第1の方向に移動可能に構成されたマイクロ流路を用いた粒子処理方法であって、
    前記マイクロ流路に処理溶液を導入して、前記マイクロ流路内において前記処理溶液を前記流れ方向に流す工程と、
    前記マイクロ流路に第1の粒子を導入する工程と、を備え、
    前記処理溶液は、前記マイクロ流路の流れ方向に対して垂直な幅方向に所定の幅をもった状態で前記マイクロ流路内を前記流れ方向に向かって流れ、
    前記マイクロ流路に導入された前記第1の粒子は、前記マイクロ流路内を前記第1の方向に移動している間に、前記処理溶液内を通過して当該処理溶液によって処理される、
    粒子処理方法。
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