以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
LTE(Long Term Evolution)では、スケジューリングを用いて、共有チャネル(Shared Channel)に時間あるいは周波数のリソースを各ユーザに割り当て、情報を送信する。時間領域のリソース割り当て単位は、伝送時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれる。LTEでは、TTIは1msの長さのサブフレームに相当する。さらに、1サブフレームは、0.5ms長の2スロットから構成されている。本実施の形態では、TTIをスロットと称する。
無線通信では、上りリンクおよび下りリンクを区別する方式として、HD FDDおよびHD TDDが用いられることがある。HD FDDは、上りリンクおよび下りリンクで異なる周波数を用いる多重方式であり、上りリンクおよび下りリンクで同一の時間スロットの割り当てが可能である。一方、HD TDDは(以下、単にTDDと表記する)、上りリンクおよび下りリンクで同一の周波数を用いる。上りリンクおよび下りリンクは、異なる時間スロットを割り当てることにより区別される。LTE(Long Term Evolution)までのセルラシステムでは、基地局間同期が不要なHD FDDが採用されている。
第5世代(5G)移動通信方式では、スモールセルを想定したTDDが採用される。前述のように、TDDはペアバンドが不要であるため、周波数の割り当てに柔軟に対応できるメリットがある。さらに、TDDでは、上りリンクおよび下りリンクにおいて、同一の周波数帯域を用いるため、伝搬路のチャネルレシプロシティ(reciprocity)が利用できる。
データトラヒックサービスでは、誤り無しのエラーフリー、あるいはエラーフリーに近い高受信品質を保証するため、アプリケーションに渡す情報ビットに対し、再送制御が行われる。再送制御では、無線通信装置の受信機は、誤り訂正符号化(チャネル符号化)の単位であるトランポートブロックのブロック誤り検出を行う。無線通信装置は、ブロック誤りを検出した場合には、信号を送信した通信相手の無線通信装置に対し、非確認応答(Nack:Non-acknowledgement)情報を送信する。信号を送信した通信相手の無線通信装置の送信機は、Nackを受信すると、トランスポートブロックを再送する。
図1は、TDDの無線フレームの構成例を示した図である。図1に示すように、TDDにおける無線フレームのスロットは、下りリンク(DL:DowmLink)のスロットと上りリンク(UL:UpLink)のスロットとに分けられる。
下りリンクのスロットにおいてユーザ情報を送信した場合の再送制御のAck(Acknowledgement)/Nack情報は、次の上りリンクのスロットにおいて送信される。そのため、TDDでは、スロットの割り当てに起因する遅延が生じる。
5G移動通信方式では、システム目標にMassive Machine Type Communications(MTC)およびUltra Reliable Low Latency Communications(URLLC)が規定されている。MTCおよびURLLCでは、低伝送遅延が要求される機械間通信をサポートしている。5Gのスモールセル展開を想定して、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)を用いた場合の低伝送遅延を実現するTDDベースのサブフレーム構成が提案されている(例えば、非特許文献1)。
図2は、低伝送遅延を実現するTDDのサブフレーム構成例を示した図である。図2のフレーム構成では、サブフレーム長は、0.25msである。第1および第2のOFDMシンボルには、それぞれ下りリンクおよび上りリンクの制御情報が多重されている。そして、図2のフレーム構成では、第3シンボル以降にデータシンボルが多重されている。
データシンボルの先頭のOFDMシンボルには、復調用参照信号(DRS:Demodulation Reference Signal)が多重される。上りおよび下りのOFDMシンボル間には、ガード時間(GP:Guard Period)が設けられる。各サブフレームのデータシンボルには、下りリンクまたは上りリンクのユーザデータが割り当てられる。
低伝送遅延を実現するために、図2のフレーム構成では、スロット内に、ユーザ情報を多重するOFDMシンボル区間とは別に、下りリンクの制御情報および上りリンクの制御情報を多重するOFDMシンボル区間が設けられている。従って、図2のフレーム構成では、下りリンクあるいは上りリンクのユーザ情報の復号結果に基づくAck/Nack情報を、上りリンクあるいは下りリンクの制御情報のOFDMシンボル区間に多重して送信できる。
一方、図2のフレーム構成は、低伝送遅延を実現できるものの、スロット内の2OFDMシンボル区間を制御情報の多重に用いるため、スロット区間におけるユーザ情報の送信効率の低下を招く。
FDは、同一時間スロットに上りリンクおよび下りリンクのチャネルを多重する。従って、FDは、周波数利用効率の観点および低伝送遅延の観点から有効である。例えば、低伝送遅延の観点において、FDは、制御情報のフィードバック遅延を短縮できる。
近年、同一のユーザ端末に対する下りリンクおよび上りリンクのリソースを、同一の周波数帯域および同一の時間スロットに割り当てるFDの送受信機構成が提案され、性能評価の検討が行われている。FDの送受信機構成では、周波数利用効率の一層の向上が見込まれる。
FDを用いる物理チャネル多重法は、大きく2つに分類される。第1のFD多重法は、無線基地局とユーザ端末とが、同一の周波数帯域の同一時間スロットのリソースを用いて、双方向に上りリンクおよび下りリンクのチャネル(信号)を送信する。このFD多重法は、双方向FD(Bidirectional FD)と呼ばれている。
図3Aは、Bidirectional FDの一例を説明する図である。Bidirectional FDでは、無線基地局1およびユーザ端末2ともに、同一時間スロットの同一周波数帯域を用いて、送信と受信とを同時に行う。そのため、電力の大きな送信信号が、受信電力の低い受信機に回り込む自己干渉(SI)が生じる。
同一装置の中で、送信機から受信機に同一チャネル干渉の信号が回り込むため、受信機に入力される自己干渉電力は非常に高く、復調器入力端で100dB程度、自己干渉を抑圧することが求められる。一方、Bidirectional FDでは、自己干渉は、自チャネルの送信信号であるため、送信ビット、あるいは送信シンボルは、受信機において既知である。従って、受信機は、受信信号から自己干渉成分を推定して、自己干渉を低減する処理が可能である。
第2のFD多重法では、無線基地局は、同一周波数帯域の同一サブフレームにおいて、第1のユーザ端末と下りリンクの通信を行い、第2のユーザ端末と上りリンクの通信を行う。このFDは、無線基地局がFDを行い、第1のユーザ端末および第2のユーザ端末はFDを行わないため、BS FDと呼ばれる。
図3Bは、BS FDの一例を説明する図である。無線基地局1は、FDを行う。そのため、無線基地局1では、ユーザ端末2aに対する送信信号が、ユーザ端末2bの受信信号に自己干渉(SI)として混入する。ここで、無線基地局1は、自己干渉となる送信ビット、あるいは送信シンボル(ユーザ端末2aに送信する送信ビット、あるいは送信シンボル)が既知である。従って、無線基地局1は、受信信号から自己干渉成分をキャンセルすることが可能である。
ユーザ端末2aに着目すると、他のユーザ端末2bの送信信号が同一チャネル干渉として受信信号に回り込む。ユーザ端末2a,2b間の距離が離れている場合には、ユーザ端末2aの受信機に入り込む同一チャネル干渉電力は、Bidirectional FDの自己干渉に比べ、低いレベルになる。
一方、Bidirectional FDの自己干渉と異なり、BS FDでは、ユーザ端末2aの受信機に入力される同一チャネル干渉の送信ビット、あるいは送信シンボル(ユーザ端末2bの送信ビット、あるいは送信シンボル)は、ユーザ端末2aにおいて既知ではない。そのため、BS FDにおける非線形型の干渉キャンセラでは、同一チャネル干渉の送信ビット、あるいは送信シンボルを推定する。
次に、FDの自己干渉キャンセラについて説明する。FDを実現するためには、送信機から受信機に回り込むSIを、受信信号が所要の誤り率を満たすレベルまで抑圧する。
図4は、FDを適用する送受信機の構成例を示した図である。図4に示すように、送受信機10は、ASIC(Analog Self-Interference Canceller)11と、Low noise amp12と、Frequency synthesizer13と、Quadrature detector14と、LPF(Low Pass Filter)15,21と、AGC(Auto Gain Control) amp16と、ADC(Analog-to-Digital converter)17と、加算器18と、DSIC(Digital Self-Interference Canceller)19と、DAC(Digital-to-Analog converter)20と、Quadrature modulator22と、Power amp23と、を有している。
ASIC11は、アナログ信号処理により、受信信号に含まれる自己干渉成分を抑圧する。Low noise amp12は、ASIC11から出力される信号を増幅する。Quadrature detector14は、Low noise amp12から出力される信号を検波する。Frequency synthesizer13は、受信信号をダウンコンバートし、送信信号をアップコンバートするための基準信号をQuadrature detector14およびQuadrature modulator22に出力する。LPF15は、Quadrature detector14から出力される信号の低域周波数帯の信号を抑圧する。AGC amp16は、LPF15から出力される信号を増幅する。
ADC17は、AGC amp16から出力される信号をデジタル信号に変換する。加算器18は、ADC17から出力される信号から、DSIC19から出力される自己干渉成分を減算する(なお、反転した自己干渉成分をADC17から出力される信号に加算することによりADC17から出力される信号から自己干渉成分が減算される。以下、同じ)。DSIC19は、デジタル信号処理により、自己干渉成分または同一チャネル干渉成分を算出する。
DAC20は、送信信号をアナログ信号に変換する。LPF21は、DAC20から出力される低域周波数帯の信号を抑圧する。Quadrature modulator22は、LPF21から出力される信号を変調する。Power amp23は、Quadrature modulator22から出力される信号を増幅する。Power amp23で増幅された信号は、ASIC11を介して、送信アンテナに出力される。
FDの送受信機では、ADC17によって、受信信号をデジタル信号に変換する前に、一般に60-70dB程度の線形増幅を行う。そのため、大きな電力のSIが受信機に回り込むと、受信機の初段に位置するLow noise amp12が飽和し、信号帯域内に歪みが生じる。
そこで、送受信機は、信号の送信および受信において、独立したアンテナを用いることによるアイソレーション(isolation)と、Low noise amp12の前段に位置するASIC11とにより、受信機が飽和しないように、線形増幅できるレベルまでSIを抑圧する。
HD FDDでは、一般に送受信共用アンテナを用いているため、図4の送受信機ではアンテナ素子数は2倍になる。しかし、図4の送受信機では、送信および受信で異なる偏波アンテナを用いることにより、50dB程度のアンテナアイソレーションによるSIの抑圧が可能である。
ASIC11の出力信号は、Low noise amp12において増幅される。直接変換受信機では、直交検波後の同相および直交成分の信号を、AGC amp16において所要の受信レベルまで増幅し、ADC17においてデジタル信号に変換する。ADC17から出力されるデジタル信号は、DSIC19により、所要の誤り率を満たすレベルまでSIが抑圧される。
ASIC11の一例として、アナログトランスバーサルフィルタによってSIを抑圧する方法(例えば、非特許文献3)、またはバランキャンセラによって実現する方法(例えば、非特許文献4)などが提案されている。
図5Aは、アナログトランスバーサルフィルタを用いて構成されたASIC11の一例を示した図である。図5Aにおいて図4と同じものには同じ符号が付してある。ASIC11は、Control for phase shift 1…Control for phase shift Nと、Control for attenuation 1…Control for attenuation Nと、Fixed delay 1…Fixed delay Nと、を有するアナログトランスバーサルフィルタによって構成されている。非特許文献3によれば、アナログトランスバーサルフィルタによって、42dB程度のSIの抑圧が見込める。
図5Bは、バランキャンセラを用いて構成されたASIC11の一例を示した図である。図5Bにおいて図4と同じものには同じ符号が付してある。ASIC11は、Residual signal measurementと、Attenuation & delayと、Blaunと、を有するバランキャンセラによって構成されている。非特許文献4によれば、バランキャンセラによって、45dB程度のSIの抑圧が見込める。
次に、DSIC19について説明する。
図6は、Bidirectional FDにおけるDSIC19のブロック構成例を示した図である。図6において、図4と同じものには同じ符号が付してある。図6に示すRF Rx circuitry31aおよびRF Tx circuitry32aは、図4に示したASIC11、Low noise amp12、Frequency synthesizer13、Quadrature detector14、およびPower amp23に対応する。
送信機から回り込む自己干渉(SI)の送信ビット(送信シンボル)は既知であるので、DSIC19は、送信シンボルを参照信号(RS:Reference Signal)に用いることができる。アンテナアイソレーションおよびASIC11において除去された後の残留SIのレベルは、下りリンクの受信信号のレベルに比較して数十デシベル高い。そこで、DSIC19は、まずRF Rx circuitry31aおよびRF Tx circuitry32aの振幅および位相変動に相当するRF回路応答を推定する。DSIC19は、SI成分を含む受信信号に、送信シンボルの複素共役を乗算し、RF回路応答を算出する。
各サブキャリアの、各OFDMシンボルから構成されるリソースエレメント単位のRF回路応答には、受信信号成分、雑音成分、および他セルからの同一チャネル干渉成分が含まれ得る。DSIC19は、リソースエレメント単位のRF回路応答を、時間および周波数領域において平均化し、RF回路応答に含まれる受信信号成分、雑音成分、および他セルからの同一チャネル干渉成分を低減する。
Power amp23を含むRF Tx circuitry32aおよびLow noise amp12を含むRF Rx circuitry31aには、帯域通過フィルタおよび低域通過フィルタなどの各種フィルタが含まれる。従って、RF回路応答には、周波数選択性が含まれている。DSIC19は、周波数領域の振幅および位相変動が一定と扱ってよい範囲のサブキャリア間で、RF回路応答の平均化を行う。
一方、RF回路応答の時間領域の変動は、例えば、LTEの無線フレーム長である10ms長に対して長周期であり、緩慢な変動である。従って、DSIC19は、時間領域では、数〜数十無線フレーム間のOFDMシンボルのRF回路応答を平均化する。
DSIC19は、送信シンボルに平均化後のRF回路応答を乗算することにより、送信シンボルの自己干渉の推定値を生成する。送受信機10は、自己干渉を含む受信信号から、自己干渉の推定値を減算することにより、受信信号成分を抽出し、復調・復号処理を行う。
図7は、本実施の形態に係るスロットの構成例を示した図である。1スロットは、複数のFFT(Fast Fourier transform)ブロックから構成される。FFTブロックは、受信側でFFT処理される信号の単位である。FFTブロックは、単にブロックと呼ばれてもよい。
図7では、1スロットは、10FFTブロックから構成されている。なお、LTEでは、時間領域のユーザへのリソースの割り当て単位はサブフレームと呼ばれ、図7の1スロットに相当する1サブフレームは、14FFTブロックから構成される。
図7に示すDLシンボルおよびULシンボルは、巡回シフトを用いた直交符号により拡散される。同一のユーザ端末に割り当てる1スロット間に含まれるFFTブロックは、同一の巡回シフトを用いた直行符号により拡散される。巡回シフトを用いる直交符号で拡散されたシンボルの先頭部には、サイクリックプレフィクス(CP:Cyclic Prefix)が付加され、終端部には、サイクリックサフィックス(CS:Cyclic Suffix)が付加される。CPおよびCSのそれぞれは、巡回シフトを用いた直交符号で拡散されたシンボルの終端部分および先頭部分の数チップの信号をコピーしたものである。
時間シフトした場合の自己相関が低い直交符号として、CAZAC系列に属する系列の一例であるZadoff-Chu系列が用いられる。系列長NZCのZadoff-Chu系列は次式で表される。
式(1)において、「i」はサンプルインデックス値を示し、「0≦i≦NZC−1」の値をとる。「n」はルートインデックス値を示す。系列長NZCと素な関係を有するルートインデックス「n」が選択される。
異なるルートインデックスを有するZadoff-Chu系列は、互いに低い相互相関を有することが知られている。従って、異なるルートインデックスを用いることにより、Zadoff-Chu系列の系列数を増大できる。さらに、同一のルートインデックス値を有するZadoff-Chu系列を、異なるシフト量で巡回シフトすることにより、異なるZadoff-Chu系列を生成できる。巡回シフトを用いて生成したZadoff-Chu系列は次式で表される。
式(2)において、「i」ハットは、Zadoff-Chu系列に対して、巡回シフトインデックスvの巡回シフトを行って生成した系列のサンプルインデックスを示す。「i」ハットは、次式で表される。
式(3)において、「NCS」は同一のルートインデックス値のZadoff-Chu系列に対する巡回シフト数を表す。巡回シフトインデックスvは、「0≦v≦NCS−1」の値をとる。
本実施の形態では、同一のルートインデックス値を有するZadoff-Chu系列を巡回シフトして生成するNCS個の系列数を2グループに分割する。本実施の形態では、式(4)に示すように、第1グループの巡回シフトインデックスを下りリンクの物理チャネルの拡散符号に割り当て、第2グループの巡回シフトインデックスを上りリンクの物理チャネルの拡散符号に割り当てる。
図8は、本実施の形態に係る巡回シフトを用いた直交符号の例を説明する図である。図8には、ルートインデックス「n=0」において巡回シフトしたZadoff-Chu系列の直交符号と、ルートインデックス「n=1」において巡回シフトしたZadoff-Chu系列の直交符号とが示してある。図8の例では、系列長は、ルートインデックス「n=0」および「n=1」ともに、「NZC」である。
Zadoff-Chu系列の巡回シフト数(図8中の矢印を参照)は、ルートインデックス「n=0」および「n=1」ともに、「NCS」である。直交符号は、ルートインデックス「n=0」のZadoff-Chu系列において、NCS回の巡回シフト(v=0,1,…,(NCS/2)-1,NCS/2,…,NCS−1)を行って、NCS個生成される。また、直交符号は、ルートインデックス「n=1」のZadoff-Chu系列において、NCS回の巡回シフト(v=0,1,…,(NCS/2)-1,NCS/2,…,NCS−1)を行って、NCS個生成される。
図8に示すように、ルートインデックス「n=0」におけるNCS個の直交符号のうち、「v=0」から「v=(NCS/2)-1」の直交符号は、例えば、上記した第1グループに対応し、下りリンクのFFTブロックに用いられる。「v=(NCS/2)」から「v=NCS-1」の直交符号は、例えば、上記した第2グループに対応し、上りリンクのFFTブロックに用いられる。
ルートインデックス「n=1」も同様に、「v=0」から「v=(NCS/2)-1」の直交符号は、例えば、上記した第1グループに対応し、下りリンクのFFTブロックに用いられる。「v=(NCS/2)」から「v=NCS-1」の直交符号は、例えば、上記した第2グループに対応し、上りリンクのFFTブロックに用いられる。
直交符号は、異なるルートインデックスを用いることにより、増加できる。例えば、無線通信装置は、図8に示すルートインデックス「n=0,1」の他に、ルートインデックス「n=2,3,…」のZadoff-Chu系列を巡回シフトすることにより、下りリンクおよび上りリンクの直交符号を増加できる。
LTEの物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)等では、巡回シフトしたZadoff-Chu系列が用いられる。本実施の形態に係るZadoff-Chu系列の巡回シフトリソースの割り当てでは、LTEのPUCCHと比較して、下りリンクおよび上りリンクの各リンクのFFTブロックに用いる系列数が減る(例えば、半分になる)。
そこで、本実施の形態に係る巡回シフトリソース割り当てでは、上記したように、異なるルートインデックス値を用いて系列数を増やす。例えば、無線基地局は、「n=0」のルートインデックスにおける巡回シフトリソース(巡回シフトによって得られた系列)を直交符号に使用する。無線基地局は、「n=0」のルートインデックスにおける巡回シフトリソースを全て消費し、チャネル数が不足した場合には、例えば、「n=1」のルートインデックスにおける巡回シフトリソースを直交符号に使用する。さらに、無線基地局は、「n=1」のルートインデックスにおける巡回シフトリソースも全て消費し、チャネル数が不足した場合には、例えば、「n=2」のルートインデックスにおける巡回シフトリソースを直交符号に使用する。この処理により、無線基地局は、異なるルートインデックス値を用いて系列数を増加できる。
なお、Zadoff-Chu系列では、異なる巡回シフトインデックス間の相互相関は、異なるルートインデックスを用いた系列の相互相関より低くなる。従って、無線基地局は、例えば、1つのルートインデックスに対して、異なる巡回シフトインデックスの系列を優先的に使用するのが好ましい。そして、無線基地局は、系列数が不足した場合に、異なるルートインデックスの巡回シフトインデックスの系列を使用するのが望ましい。
図9は、無線基地局100の構成例を示したブロック図である。図9に示すように無線基地局100は、通信部101と、処理部102と、を有している。
通信部101は、同一周波数および同一時間の無線リソースを用いてユーザ端末と全二重通信を行う。
処理部102は、通信部101で送信される下り信号を拡散し、通信部101で受信される上り信号を逆拡散する。処理部102は、Zadoff-Chu系列を巡回シフトした複数の直交符号(系列)のうちの第1の直交符号を用いて下り信号を拡散し、第2の直交符号を用いて上り信号を逆拡散する。
例えば、処理部102は、上記したように、Zadoff-Chu系列を巡回シフトして生成したNCS個の系列を2グループに分割する。処理部102は、NCS個の系列の第1グループのうちの第1の直交符号を用いて下り信号を拡散し、NCS個の系列の第2グループのうちの第2の直交符号を用いて上り信号を逆拡散する。
なお、処理部102は、第1の直交符号の巡回シフトインデックス情報を、ユーザ端末に通知する。巡回シフトインデックス情報には、第1の直交符号のルートインデックスが含まれてもよい。第1の直交符号の巡回シフトインデックス情報が通知されたユーザ端末は、第1の直交符号で拡散された下り信号を逆拡散できる。
また、処理部102は、第2の直交符号の巡回シフトインデックス情報を、ユーザ端末に通知する。巡回シフトインデックス情報には、第2の直交符号のルートインデックスが含まれてもよい。第2の直交符号の巡回シフトインデックス情報を通知されたユーザ端末は、第2の直交符号で上り信号を拡散する。処理部102は、ユーザ端末に通知した巡回シフトインデックス情報の第2の直交符号を用いて、ユーザ端末の上り信号を逆拡散できる。
図10は、ユーザ端末200の構成例を示したブロック図である。図10に示すように、ユーザ端末200は、通信部201と、処理部202と、を有している。
通信部201は、同一周波数および同一時間の無線リソースを用いて全二重通信を行う無線基地局100に対して下り信号の受信と上り信号の送信とを行う。
処理部202は、無線基地局100から受信する下り信号を逆拡散し、無線基地局100に送信する上り信号を拡散する。処理部202は、Zadoff-Chu系列を巡回シフトした複数の直交符号(系列)のうちの第1の直交符号を用いて下り信号を逆拡散し、第2の直交符号を用いて上り信号を拡散する。
なお、処理部202は、通信部201を介して、無線基地局100から巡回シフトインデックス情報を受信し、式(2)〜式(4)を用いて、第1の直交符号および第2の直交符号を決定する。
また、他のユーザ端末の上り信号には、ユーザ端末200と異なる直交符号が割り当てられる。従って、ユーザ端末200は、他のユーザ端末の上り信号が干渉成分として受信しても、他のユーザ端末の上り信号の干渉成分を抑制できる。
巡回シフトを用いるZadoff-Chu系列を用いた場合の1系列当たりの情報レートは、次式で表される。
式(5)において、「NFFTBlk」バーは、スロット当たりのユーザ情報を多重するFFTブロック数を示す。「M」は変調多値数、「R」はチャネル符号化率、「Tslot」はスロット長を示す。
式(5)に示すように、巡回シフトZadoff-Chu系列に基づく拡散を適用した場合には、拡散利得で、自己干渉(SI)を含む干渉成分を大きく抑圧できるメリットの見返りに、スロット当たりの情報レートは低くなる。従って、拡散される情報は、主に低レートの制御情報が対象になる。また、スロット当たり、複数の巡回シフトリソースを用いることにより、ユーザ端末当たりの情報レートを向上することができる。
図11は、本実施の形態に係るFDにおける物理チャネル多重法を用いた場合のスロット構成例を示した図である。前述のように、LTEの無線インターフェースにおいては、サブフレームが本実施の形態に係るスロットに対応する。LTEの無線インターフェースでは、1サブフレームに「Nblk=14」個のFFTブロックが多重される。
巡回シフトを用いたZadoff-Chu系列によって拡散したユーザ情報のシンボルは、FFTブロックに多重される。FFTブロックのユーザ情報の先頭にはNCPサンプルのCPを付加し、ユーザ情報の末尾にはNCSサンプルのCSを付加する。
上りリンクの物理チャネルのフレームおよびスロットタイミングの少なくとも一方は、下りリンクの物理チャネルのフレームおよびスロットタイミングの少なくとも一方に同期して生成される。従って、上りリンクの物理チャネルは、同一スロットにアクセスする複数ユーザ端末の伝搬遅延時間差、およびユーザ端末の受信処理時間差に起因するタイミング誤差の範囲において、例えば、下りリンクの物理チャネルにタイミング同期している。
図11に示すように、スロットの先頭のFFTブロックには、ユーザ端末に通知する下りリンクおよび上りリンクのリソース割り当て情報を多重する。先頭位置のFFTブロックには、ユーザ情報の代わりに、ユーザ端末に通知するリソース割り当て情報が多重されてもよい。
無線基地局は、先頭位置のFFTブロックにFDを適用せず、HDを適用してもよい。無線基地局は、先頭位置のFFTブロックにHDを適用する場合、先頭位置のFFTブロックに対し、巡回シフトZadoff-Chu系列を用いた拡散を行わなくてもよい。先頭位置のFFTブロックに、巡回シフトZadoff-Chu系列を用いた拡散を行わない場合、情報レートは、式(5)と異なる。無線基地局は、多数ビットのリソース割り当て情報をユーザ端末に送信できる。
先頭のFFTブロックに多重される下りリンクのリソース割り当て情報について説明する。無線基地局は、リソース割り当て情報に、下りリンクのスロットに多重するユーザのユーザID、およびそのユーザに割り当てる巡回シフトインデックス情報を含める。巡回シフトインデックス情報には、ルートインデックスが含まれてもよい。
ユーザ端末は、下りリンクのリソース割り当て情報の復調および復号の処理に時間を要する場合がある。この場合、例えば、第1のスロットに多重された下りリンクのリソース割り当て情報は、第1のスロットの1スロット後または数スロット後の第2のスロットの割り当て内容を示してもよい。
次に、先頭のFFTブロックに多重される上りリンクのリソース割り当て情報について説明する。無線基地局は、リソース割り当て情報に、上りリンクのスロットを割り当てたユーザのユーザID、およびそのユーザに割り当てる巡回シフトインデックス情報を含める。上りリンクのリソース割り当て情報も、前述の下りリンクのリソース割り当て情報と同様に、例えば、第1のスロットに多重された上りリンクのリソース割り当て情報は、第1のスロットの1スロット後または数スロット後の第2のスロットの割り当て内容を示してもよい。
ユーザ端末は、上りリンクのユーザ情報が発生した場合には、上りリンクのリソース割り当てを要求するスケジューリング要求情報を無線基地局に送信する。本実施の形態では、無線基地局は、各スロットにおいて、巡回シフトインデックスの1つあるいは数個を、予めスケジューリング要求のためのリソースに確保しておく。例えば、無線基地局は、前述の第2グループの中から、巡回シフトインデックスの1つあるいは数個を、予めスケジューリング要求のためのリソースに確保しておく。
無線基地局は、このスケジューリング要求に用いることができる巡回シフトインデックス情報を、下りリンクの制御情報を用いて、ユーザ端末に通知する。従って、ユーザ端末は、スケジューリング要求に専用的に割り当てられた巡回シフトインデックスを用いることにより、低遅延で無線基地局に上りリンクのリソース要求情報を送信できる。
ユーザ端末がスケジューリング要求情報を送信するスロットから、無線基地局が、下りリンクにおいて、上りリンクのリソース割り当て情報を送信するスロットまでの遅延時間(すなわち、スロットの時間的な対応関係)は、予め決めておく。従って、スケジューリング要求情報を送信したユーザ端末は、下りリンクの予め決められたスロットにおいて、上りリンクのリソース割り当て情報を受信できない場合には、スケジューリング要求情報が無線基地局において正しく復号されなかったと判定できる。ユーザ端末は、スケジューリング要求情報が無線基地局において正しく復号されなかったと判定すると、再度、スケジューリング要求情報を送信する。
図12は、ユーザ端末における下りリンクの受信信号および上りリンクの送信信号のタイミング関係の一例を示した図である。ユーザ端末は、下りリンクのあるスロット(以下、着目スロットと呼ぶことがある)の信号を受信する。着目スロットの信号を受信するユーザ端末の受信機には、スロットタイミングで同期した他のユーザ端末の送信信号に基づく同一チャネル干渉の信号が受信される。
ユーザ端末の受信機の入力端における、下りリンクの希望波物理チャネルの受信タイミングと、同一スロット区間における他のユーザ端末の上りリンクチャネルの受信タイミングとの差(ずれ)が、CP長よりも短い場合には、異なる巡回シフトを用いたZadoff-Chu系列間の直交性が維持される。つまり、ユーザ端末は、異なる巡回シフトを用いたZadoff-Chu系列の周波数領域における逆拡散処理により、残留SIおよび同一チャネル干渉を抑圧できる。
ユーザ端末の受信機の入力端における、下りリンクの希望波物理チャネルの受信タイミングから、同一スロット区間における他のユーザ端末の上りリンク物理チャネルによる同一チャネル干渉の受信タイミングまでのトータルの遅延時間は、次の式(6)で表される。
式(6)において、右辺第4項は、無線基地局からユーザ端末uに送信される、着目スロットにおける下りリンク物理チャネルの伝搬遅延時間と、ユーザ端末uのRF受信回路(ベースバンド処理部)の処理遅延時間との和を示す。右辺第1項は、無線基地局から他のユーザ端末u’に送信される、着目スロットと同一スロット区間における下りリンク物理チャネルの伝搬遅延時間と、他のユーザ端末u’のRF受信回路の処理遅延時間との和を示す。
ここで、ユーザ端末における上りリンク物理チャネルのRF送信回路(ベースバンド処理部)からの出力タイミングは、下りリンクの受信信号のベースバンド処理部の入力タイミングに同期される。また、一般に、受信機における同期検波復調および誤り訂正符号化の復号処理の遅延時間は、サブフレーム(TTI)長よりも長くなる。復調および復号処理の遅延時間は、サブフレーム長の数倍に設定する。
式(6)の右辺第3項は、他のユーザ端末u’のRF送信回路の処理遅延時間を示す。右辺第2項は、他のユーザ端末u’から送信される上りリンク物理チャネル(同一チャネル干渉)のユーザ端末uまでの伝搬遅延時間と、ユーザ端末uのRF受信回路の処理遅延時間との和を示す。以上から、CP長TCPは、次の式(7)を満たす値に設定される。
図13は、無線基地局における上りリンクの受信信号および下りリンクの送信信号のタイミング関係の一例を示した図である。無線基地局は、ユーザ端末が送信する上りリンクの信号を受信する。無線基地局の受信機には、ユーザ端末に送信する送信信号に基づく自己干渉の信号が受信される。
無線基地局の下りリンク物理チャネルの送信タイミングと、当該下りリンク物理チャネルのスロットにアクセスしたユーザ端末が送信した上りリンク物理チャネルの受信処理を完了したタイミングとの差が、CP長よりも短い場合には、異なる巡回シフトを用いたZadoff-Chu系列間の直交性が維持される。つまり、無線基地局は、異なる巡回シフトを用いたZadoff-Chu系列の周波数領域における逆拡散処理により、残留SIを抑圧できる。
無線基地局の下りリンク物理チャネルの送信タイミングから、当該下りリンク物理チャネルのスロットにアクセスしたユーザ端末が送信した上りリンク物理チャネルの受信処理を完了するまでのトータルの遅延時間は、次の式(8)で表される。
式(8)において、右辺第1項は、ユーザ端末uの往復伝搬遅延(RTD: Round Trip Delay)時間を示す。右辺第2項は、無線基地局のRF受信回路の処理遅延時間を示す。
受信機における復調および復号処理遅延時間は、1スロット長を超える。ここでは、受信ベースバンド処理の遅延時間は、スロット長の時間の整数倍の数スロット長になると仮定する。また、本実施の形態では、ベースバンド処理部の出力端において、上りリンクのスロットタイミングは、下りリンクのスロットタイミングに同期される。以上から、CS長TCSは、次の式(9)を満たす値に設定される。
図14は、本実施の形態に係る物理チャネル多重法の一例を示した図である。無線基地局は、ユーザ情報を送信する共有チャネルにHDを適用してもよい。例えば、HD TDDを適用した場合には、無線基地局は、1無線フレーム内のスロットを、下りリンクと上りリンクとのトラヒック負荷に応じて割り当ててよい。
無線基地局は、共有チャネルと異なる周波数帯域のリソースブロックを用いて制御情報を多重してもよい。無線基地局は、下りリンクおよび上りリンクの制御情報にFDを適用してもよい。無線基地局は、巡回シフトZadoff-Chu系列に基づく直交符号多重を用いて、同一時間スロットに上りリンクおよび下りリンクの制御情報を多重する。
無線基地局およびユーザ端末は、再送制御を行う場合、下りリンクのユーザ情報を多重するスロットと、復号結果に基づいてAck/Nack情報を多重する上りリンクのスロットとの、時間領域における関係を予め決めておいてもよい。例えば、ユーザ端末は、下りリンクのユーザ情報を多重するスロットに対して、ΔNA/N(所定時間)遅れた上りリンクのスロットにAck/Nack情報を多重してもよい。
また、無線基地局およびユーザ端末は、リソースブロックの周波数領域における位置と、上りリンクのAck/Nack情報を多重するスロットに用いる第2グループの巡回シフトインデックスとの関係も予め決めておいてもよい。この場合、ユーザ情報が多重されているリソースブロックの周波数領域における位置から、上りリンクでAck/Nack情報を送信する巡回シフトインデックスが一義的に決まる。このため、無線基地局は、巡回シフトインデックス情報をユーザ端末に通知しなくて済む。
上りリンクについても同様に、上りリンクのユーザ情報が割り当てられたリソースブロックの位置と、下りリンクにおいてAck/Nack情報を多重するスロットおよび巡回シフトインデックスとの対応関係を予め決めておく。
共有チャネルにおけるユーザ情報の多重がHD TDDの場合には、下りリンクおよび上りリンクで送信するAck/Nack情報は、時間領域において同一スロットに重ならない。しかし、ユーザ端末は、Ack/Nack情報の他に、チャネル品質情報(CQI:Channel Quality Information)、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)、およびスケジューリング要求情報等を送信することがある。この場合、本実施の形態に係る巡回シフトZadoff-Chu系列に基づく直交符号多重を用いることによって、下りリンクにおいて、Ack/Nack情報が多重されているスロットにおいても、前述の上りリンクの制御情報を同一スロットに多重することができる。その結果、無線基地局およびユーザ端末は、伝送遅延を短縮できる。
本実施の形態に係る巡回シフトZadoff-Chu系列を用いたチャネル多重法では、同一周波数帯域の同一スロットに多重される下りリンクと上りリンクのユーザ端末は、通常異なる。すなわち、本実施の形態に係る巡回シフトZadoff-Chu系列を用いたチャネル多重法では通常、無線通信システムはBS FDモードとなる。従って、下りリンクのユーザ情報を受信するユーザ端末は、他のユーザ端末が送信する上りリンクの送信信号に基づく同一チャネル干渉を受ける。
ユーザ端末において、他のユーザ端末に基づく同一チャネル干渉の情報シンボル、あるいは情報ビットは、既知でない。従って、ユーザ端末は、同一チャネル干渉を抑圧するため、同一チャネル干渉の到来方向にビームヌルを形成する。つまり、ユーザ端末は、指向性ビーム受信により、同一チャネル干渉を抑圧する。例えば、ユーザ端末は、受信信号に、ZF(Zero-Forcing)あるいはMMSE(Minimum Mean Square Error)に基づくウェイトを乗算し、同一チャネル干渉を抑圧する。
図15は、ユーザ端末30の受信機のブロック構成例を示した図である。図15に示すように、ユーザ端末30の受信機は、アンテナ31と、アンテナ32と、乗算器33と、乗算器34と、加算器35と、BPF(Band Pass Filter)36と、Low noise amp37と、Quadrature detector38と、LPF39と、AGC amp40と、ADC41と、FFT42と、Despread43と、Weight generation44と、DSIC45と、De-interleaver46と、Decoder47と、を有している。
図15では、ユーザ端末30は、2本のアンテナ31,32を実装しているが、3本以上の受信アンテナを実装してよい。ユーザ端末30は、ZFまたはMMSEに基づくウェイトにより、同一チャネル干渉を与える他のユーザ端末方向にビームヌルを向け、同一チャネル干渉のレベルを低減する。
乗算器33は、アンテナ31が受信した信号に、Weight generation44が生成したウェイトを乗算する。乗算器34は、アンテナ32が受信した信号に、Weight generation44が生成したウェイトを乗算する。加算器35は、乗算器33から出力される信号と、乗算器34から出力される信号とを加算する。BPF36は、加算器35から出力される信号のうち、所望の帯域の信号を通過させる。Low noise amp37は、BPF36から出力される信号を増幅する。
Quadrature detector38は、Low noise amp37から出力される信号を同相(I)成分および直交(Q)成分の受信信号に分離する。LPF39は、Quadrature detector38から出力される信号の低域周波数帯の信号を抑圧し、AGC amp40は、LPF39から出力される信号を増幅する。ADC41は、AGC amp40から出力される信号をデジタル信号に変換する。FFT42は、ADC41から出力される時間領域の受信信号を、周波数領域の受信信号に変換する。
Despread43は、巡回シフトを用いたZadoff-Chu系列に基づいて、FFT42から出力される信号の逆拡散を行う。例えば、Despread43は、無線基地局から通知された下りリンクの巡回シフトインデックス情報と、式(2)〜式(4)とを用いて、時間領域のZadoff-Chu系列(直交符号)を生成する。Despread43は、生成した時間領域のZadoff-Chu系列を、FFTを用いて周波数領域のZadoff-Chu系列に変換する。
Despread43は、FFT42から出力される周波数領域の受信信号の各サブキャリア成分に、周波数領域のZadoff-Chu系列の複素共役を乗算し、巡回シフト数NCS分のサブキャリア区間において同相加算する。この処理により、Despread43は、巡回シフトした他のZadoff-Chu系列からの相互相関を抑圧できる。すなわち、Despread43は、異なる巡回シフトのZadoff-Chu系列において拡散された同一チャネル干渉を抑圧できる。なお、ユーザ端末30は、巡回シフトインデックス情報に対応する、周波数領域のZadoff-Chu系列を、予め記憶部に記憶しておいてもよい。この場合、Despread43は、記憶部を参照して、無線基地局から通知された巡回シフトインデックス情報に対応する周波数領域のZadoff-Chu系列を取得でき、周波数領域のZadoff-Chu系列を計算(生成)しなくて済む。
DSIC45は、Despread43から出力される信号から、自己干渉成分を減算し、De-interleaver46に出力する。なお、DSIC45には、無線基地局に送信する信号が入力される(例えば、図4に示したDSIC19およびTransmitted bitを参照)。DSIC45は、自己干渉成分を算出し、Despread43から出力される信号から減算する(例えば、図4に示したDSIC19および加算器18を参照)。DSIC45は、例えば、図6に示したDSIC19と同様のブロック構成を有してもよい。
De-interleaver46は、DSIC45から出力される信号をデインタリーブした後、Decoder47に出力する。Decoder47は、デインタリーブされた信号を誤り訂正復号する。
図16は、ユーザ端末30の送信機のブロック構成例を示した図である。図16に示すように、ユーザ端末30は、Channel coding51と、Interleaving52と、Modulation53と、DAC54と、LPF55と、Quadrature modulator56と、Power amp57と、アンテナ58と、を有している。
Channel coding51は、無線基地局に送信する信号の誤り訂正等の符号化処理を行う。Interleaving52は、Channel coding51から出力される信号をインタリーブする。
Modulation53は、インタリーブされた信号の拡散処理および変調処理を行う。例えば、Modulation53は、無線基地局から通知された上りリンクの巡回シフトインデックス情報と、式(2)〜式(4)とを用いて、時間領域のZadoff-Chu系列(直交符号)を生成する。
Modulation53は、生成した時間領域のZadoff-Chu系列を、FFTを用いて周波数領域のZadoff-Chu系列に変換する。Modulation53は、周波数領域のZadoff-Chu系列を用いて、Interleaving52においてインタリーブされた信号を拡散する。
Modulation53は、拡散した信号を1次変調(I/Q平面にビットマッピング)する。Modulation53は、1次変調した信号をIFFTにより時間領域の信号に変換(2次変調)し、DAC54に出力する。
なお、ユーザ端末30は、巡回シフトインデックス情報に対応する、周波数領域のZadoff-Chu系列を、予め記憶部に記憶しておいてもよい。この場合、Modulation53は、記憶部を参照して、無線基地局から通知された巡回シフトインデックス情報に対応する周波数領域のZadoff-Chu系列を取得でき、周波数領域のZadoff-Chu系列を計算(生成)しなくて済む。
DAC54は、Modulation53から出力される信号をアナログ信号に変換する。LPF55は、DAC54から出力される信号の低域周波数帯の信号を抑圧する。Quadrature modulator56は、LPF55から出力される信号を変調する。Power amp57は、Quadrature modulator56から出力される信号を増幅する。Power amp57で増幅された信号は、アンテナ58に出力される。
図15および図16では、ユーザ端末30のブロック構成について説明したが、無線基地局も拡散処理および逆拡散処理を行う同様のブロックを有する。ただし、無線基地局は、ユーザ端末30に割り当てる下りリンクと上りリンクのルートインデックスおよび巡回シフトインデックスを決定する。無線基地局は、決定したルートインデックスおよび巡回シフトインデックスを用いて、下りリンクの信号を拡散し、上りリンクの信号を逆拡散する。無線基地局は、決定した下りリンクおよび上りリンクの巡回シフトインデックス情報をユーザ端末30に送信する。無線基地局は、ルートインデックスおよび巡回シフトインデックスに対応する、周波数領域のZadoff-Chu系列を、予め記憶部に記憶しておいてもよい。
また、無線基地局は、Bidirectional FDモードになる。従って、無線基地局は、アンテナアイソレーションおよびASICを用いて自己干渉(SI)を抑圧し、RF受信回路の飽和を抑圧する(例えば、図4を参照)。Bidirectional FDモードにおけるDSICは、トランスバーサルフィルタを用いるデジタル線形キャンセラまたは自己干渉(SI)レプリカを推定して、受信信号から差し引く処理を行う非線形キャンセラ(例えば、図6で説明したDSIC19)によって実現できる。
シングルキャリア信号を生成するDFT-Spread OFDMにおけるBidirectional FDモードでのDSICの構成例について説明する。
図17は、DFT-Spread OFDMにおけるBidirectional FDモードでのユーザ端末のDSIC70のブロック構成例を示した図である。図17に示すように、DSIC70は、Turbo encoder71と、Inter Leaver72,82と、Symbol mapping73,94と、DFT74,84,92と、Estimate amplitude and phase of SI75,91と、FFT76,86,90と、IFFT77,85,88,93と、IDFT78と、LLR comp79と、De-inter leaver80と、Max-Log-MAP decoder81,95と、Generation of soft-symbol estimates83と、Channel estimation87と、Estimate ISI89と、乗算器70a,70c,70f,70hと、加算器70b,70d,70e,70g,70iと、を有している。
図17に示すDSIC70は、図6で説明したDSIC19の構成と同様に、Estimate amplitude and phase of SI75において、無線基地局に送信する送信シンボルを参照信号として、RF送信回路およびRF受信回路(図6に示したRF Rx circuitry31aおよびRF Tx circuitry32a)に起因する振幅および位相変動(RF回路応答)を推定する。
無線フレーム長を、LTEと同じ10msを仮定した場合、RF送信回路およびRF受信回路に起因する振幅および位相変動は、10ms区間ではほぼ一定と見做すことができる。1無線フレーム中の複数のサブフレームに、下りリンクのリソースが多重されている場合には、さらに、時間領域の複数無線フレーム区間および周波数領域の複数サブキャリア区間のシンボルの自己干渉を積分することにより、RF回路応答の推定精度を向上することができる。
DSIC70は、DFT74において上りリンクの送信シンボルをDFT処理した周波数領域信号と、Estimate amplitude and phase of SI75で推定したRF回路応答とを、乗算器70aにおいて乗算することにより、自己干渉レプリカの推定値を生成する。次に、DSIC70は、加算器70bにおいて、自己干渉を含む受信信号から、自己干渉の推定値を差し引くことにより、下りリンクの受信信号成分を取り出す。下りリンクの受信信号成分は、FFT86を介して、Channel estimation87に入力される。
DSIC70は、Channel estimation87において、下りリンクのサブフレームに多重されている参照信号(RS:Reference Signal)を用いて、下りリンクの各リソースエレメントのチャネル応答を推定し、加算器70dにおいて、受信アンテナブランチの情報シンボルを同相合成する。DFT-Spread OFDMの場合、通常、時間分割多重(TDM: Time Division Multiplexing)ベースの参照信号(RS:Reference Signal)多重が用いられる。
DSIC70は、LLR comp79において、同相合成された信号から、各情報ビットの対数尤度比(LLR:Log-Likelihood Ratio)を計算する。対数尤度比が算出された各情報ビットは、デインタリーブ後、誤り訂正復号器(Max-Log-Map decoder81)に入力される。さらに、DSIC70は、Generation of soft-symbol estimates83において、誤り訂正復号器出力の事後LLRから、情報シンボル推定値を生成する。DSIC70は、Estimate ISI89において、Generation of soft-symbol estimates83で生成された情報シンボル推定値を、DFT84において周波数領域信号に変換した各サブキャリア信号と、Channel estimation87で推定された周波数領域のチャネル応答とから、周波数領域のシンボル推定値を生成する。
DSIC70は、加算器70iにおいて、自己干渉を含む受信信号から、Estimate ISI89で推定した受信シンボルを差し引くことにより、自己干渉(ただし、雑音成分を含む)を抽出できる。以上の処理を複数繰り返すことにより、自己干渉のRF回路応答および下りリンクの復調および復号精度を向上できる。図17に示すNDSICは、DSICの繰り返し回数を示す。DSIC70で抽出された自己干渉は、例えば、図6の加算器18に出力される。
なお、Estimate amplitude and phase of SI75は、無線基地局に送信する送信シンボルを用いて、RF送信回路およびRF受信回路に起因する振幅および位相変動(RF回路応答)を推定し、推定したRF回路応答から送信信号を生成する。加算器70bは、自己干渉を含む受信信号から、Estimate amplitude and phase of SI75が生成した送信信号、すなわち自己干渉を減算する。
Channel estimation87は、自己干渉が減算された受信信号に多重されている参照信号を用いて、上りリンクのチャネル応答を推定する。乗算器70cは、自己干渉が減算された受信信号と、Channel estimation87で推定されたチャネル応答の複素共役とを乗算する。LLR comp79は、乗算器70cの乗算後の信号から、各ビットの対数尤度比を算出する。
Max-Log-Map decoder81は、デインタリーブされた各ビットの対数尤度比を、誤り訂正復号する。Generation of soft-Symbol estimates83は、誤り訂正復号された各ビットの対数尤度比から、シンボル推定値を生成する。Estimate ISI89は、Generation of soft-Symbol estimates83で生成されたシンボル推定値と、Channel estimation87で推定されたチャネル応答の推定値とから、受信シンボル推定値を生成する。加算器70iは、Channel estimation87で推定された受信シンボル推定値を、受信信号から減算する。これにより、自己干渉が求まる。なお、図15に示したDSIC45は、DSIC70と同様のブロック構成を有してもよい。
以上説明したように、無線基地局100は、同一周波数帯域および同一時間スロットを用いて全二重通信する通信部101と、全二重通信する下りリンクの信号を拡散し、全二重通信する上りリンクの信号を逆拡散する処理部102と、を備える。処理部102は、Zadoff-Chu系列を巡回シフトして得られた複数の直交符号のうちの第1の直交符号を用いて下りリンクの信号を拡散し、複数の直交符号のうちの第2の直交符号を用いて上りリンクの信号を逆拡散する。この処理により、無線基地局100は、受信信号に含まれる自己干渉あるいは同一チャネル干渉を低減する。
また、ユーザ端末200は、同一周波数帯域および同一時間スロットを用いて全二重通信する無線基地局100と通信する通信部201と、無線基地局100から受信する第1の信号を逆拡散し、無線基地局100に送信する第2の信号を拡散する処理部202と、を備える。処理部202は、Zadoff-Chu系列を巡回シフトして得られた複数の直交符号のうちの第1の直交符号を用いて第1の信号を逆拡散し、複数の直交符号のうちの第2の直交符号を用いて第2の信号を拡散する。この処理により、無線基地局100は、受信信号に含まれる自己干渉あるいは同一チャネル干渉を低減する。
なお、上記では、巡回シフトインデックスの前半のインデックスに対応する系列を下りリンクのFFTブロックに適用し、巡回シフトインデックスの後半のインデックスに対応する系列を上りリンクのFFTブロックに適用するとしたが、これに限られない。例えば、巡回シフトインデックスの前半のインデックスに対応する系列を上りリンクのFFTブロックに適用し、巡回シフトインデックスの後半のインデックスに対応する系列を下りリンクのFFTブロックに適用してもよい。また、例えば、巡回シフトインデックスの偶数のインデックスに対応する系列を下りリンクのFFTブロックに適用し、巡回シフトインデックスの奇数のインデックスに対応する系列を上りリンクのFFTブロックに適用してもよい。
また、上記では、巡回シフトインデックスの半分を下りリンクのFFTブロックに適用し、巡回シフトインデックスの残り半分を上りリンクのFFTブロックに適用するとしたがこれに限られない。下りリンクおよび上りリンクのFFTブロックに割り当てる巡回シフトインデックスの数は、例えば、下りリンクおよび上りリンクの通信量に基づいて決定してもよい。例えば、下りリンクの通信量が多ければ、下りリンクのFFTブロックに割り当てる巡回シフトインデックスの数を、上りリンクのFFTブロックに割り当てる巡回シフトインデックスの数より多くしてもよい。
また、上記では、FFTブロックの先頭にCPを付加し、FFTブロックの終端にCSを付加したが、これに限られない。CPおよびCSのいずれか一方をFFTブロックに付加してもよい。
また、直交符号を生成する系列は、Zadoff-Chu系列に限られない。相互相関のよいCAZAC系列に属する系列を用いてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明した。
(ハードウェア構成)
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施の形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図18は、本発明の一実施の形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局及びユーザ端末は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサで実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法で、一以上のプロセッサで実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、一以上のチップによって実装されてもよい。
無線基地局及びユーザ端末における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、又は、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の処理部102,202などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の通信部101,201などは、通信装置1004によって実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、無線基地局及びユーザ端末は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
(情報の通知、シグナリング)
また、情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
(適応システム)
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
(処理手順等)
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
(基地局の操作)
本明細書において基地局(無線基地局)によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局および/または基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)またはS−GW(Serving Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MMEおよびS−GW)であってもよい。
(入出力の方向)
情報及び信号等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)に出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
(入出力された情報等の扱い)
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置に送信されてもよい。
(判定方法)
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
(ソフトウェア)
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
(情報、信号)
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
(「システム」、「ネットワーク」)
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
(パラメータ、チャネルの名称)
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
(基地局)
基地局(無線基地局)は、1つまたは複数(例えば、3つ)の(セクタとも呼ばれる)セルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、および/または基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部または全体を指す。さらに、「基地局」、「eNB」、「gNB」、「セル」、および「セクタ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、gNodeB(gNB)アクセスポイント(access point)、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
(端末)
ユーザ端末は、当業者によって、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、UE(User Equipment)、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
(用語の意味、解釈)
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。また、DMRSは、対応する別の呼び方、例えば、復調用RSまたはDM−RSなどであってもよい。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
上記の各装置の構成における「部」を、「手段」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームで構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレーム、タイムユニット等と呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つまたは複数のスロットで構成されてもよい。スロットはさらに時間領域において1つまたは複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット、およびシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット、およびシンボルは、それぞれに対応する別の呼び方であってもよい。
例えば、LTEシステムでは、基地局が各移動局に無線リソース(各移動局において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力等)を割り当てるスケジューリングを行う。スケジューリングの最小時間単位をTTI(Transmission Time Interval)と呼んでもよい。
例えば、1サブフレームをTTIと呼んでもよいし、複数の連続したサブフレームをTTIと呼んでもよいし、1スロットをTTIと呼んでもよいし、1ミニスロットをTTIと呼んでもよい。
リソースユニットは、時間領域および周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域では1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。また、リソースユニットの時間領域では、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つまたは複数のリソースユニットで構成されてもよい。また、リソースユニットは、リソースブロック(RB:Resource Block)、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、PRBペア、RBペア、スケジューリングユニット、周波数ユニット、サブバンドと呼ばれてもよい。また、リソースユニットは、1つ又は複数のREで構成されてもよい。例えば、1REは、リソース割当単位となるリソースユニットより小さい単位のリソース(例えば、最小のリソース単位)であればよく、REという呼称に限定されない。
上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、サブフレームに含まれるミニスロットの数、スロットに含まれるシンボルおよびリソースブロックの数、および、リソースブロックに含まれるサブキャリアの数は様々に変更することができる。
本開示の全体において、例えば、英語でのa, an, 及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
(態様のバリエーション等)
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。