以下、添付図面を参照して制御装置の実施形態について詳細に説明する。ここでは、実施形態として上記制御装置をPOS(Point of Sales)システムへ適用した例について示す。
(実施形態)
図1は、本実施形態に係るPOSシステム100の全体構成を示す外観図である。図1に示すPOS端末1は、客が買上げる商品の商品コードを取得して、その買上げ商品の登録処理や精算処理などを行うPOSレジスタである。リーダ/ライタ装置2は、POS端末1が出力する読取命令に基づき、アンテナユニット3を駆動し、アンテナユニット3からRFID(Radio Frequency IDentifier)タグの発信情報である商品コードを取得する。アンテナユニット3は、複数のアンテナを内蔵し、破線で示す買物カゴC内の商品に付されたRFIDタグの商品コードの読み取りを行う。なお、図1に4つのRFIDタグT1、T2、T3、T4を一例として示しているが、RFIDタグの数は任意であって良い。
上記制御装置は、POS端末1及びリーダ/ライタ装置2の何れに対して適用しても良い。一例として、ここでは、POS端末1へ適用したものについて示す。
図1に示すPOS端末1は、本体101の上面部に、キーボード102や、カードリーダ103や、レシート排出口104などを有する。キーボード102には、テンキー、部門キー、小計キー、預/現計キー、領収書発行キー、精算キー等の操作キーが配置されている。カードリーダ103は、カードスリットを備え、カードスリット内の読取ヘッドによりクレジットカードなどのカード情報の読み取りを行う。レシート排出口104は、本体101内部のプリンタ105(図2参照)が印字した領収書等のレシートを排出する。
更に、POS端末1は、本体101の上面部に、液晶等の2つの表示ディスプレイ(第1の表示ディスプレイ106−1、第2の表示ディスプレイ106−2)を有する。各表示ディスプレイの内の第1の表示ディスプレイ106−1は、キーボード102の操作者(一例としてキャッシャとして説明する)側に表示面106aを向けて配置している。第2の表示ディスプレイ106−2は、第1の表示ディスプレイ106−1と互いに背面部を背に向けて配置している。第1の表示ディスプレイ106−1の表示面106aには第1のタッチパネル107aを設けたタッチ入力式の画面を構成している。第2の表示ディスプレイ106−2についても同様にタッチ入力式の画面を構成し、客によるタッチ操作を可能にしている。
POS端末1は、この他、商品に付されたバーコード等のコードシンボルが印刷された商品タグを読取るためのハンドスキャナ108を有する。また、POS端末1は、本体101の下部に硬貨や紙幣を収納するドロワ109を配置している。更に、POS端末1は、本体101に、USB(Universal Serial Bus)やRS232C等の通信インターフェースを有する。POS端末1とリーダ/ライタ装置2はUSBやRS232Cなどの接続ケーブルC1により接続することが可能である。
リーダ/ライタ装置2は、本体201に表示ランプ124を有する。また、本体201にUSBやRS232C等の通信インターフェースや、アンテナケーブル用の接続ポートを有する。リーダ/ライタ装置2とアンテナユニット3はアンテナケーブルC2により接続することが可能である。
アンテナユニット3は、本体301の内部に、稼働対象のアンテナとして、本実施形態では4つのアンテナL1、L2、L3、L4(図2参照)を有する。各アンテナL1、L2、L3、L4は、それぞれ、買物カゴC内の異なる範囲に電波を放射するように配置される。全てのアンテナL1、L2、L3、L4により買物カゴC内にある各商品のRFIDタグT1、T2、T3、T4との交信を可能にしている。
図2は、POSシステム100の全体のハードウエア構成を示すブロック図である。POS端末1は、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113、HDD(Hard Disk Drive)114、キーボード102、カードリーダ103、プリンタ105、第1の表示ディスプレイ106−1、第2の表示ディスプレイ106−2、第1のタッチパネル107a、第2のタッチパネル107b、ハンドスキャナ108、ドロワ109、通信インターフェース110などを備える。各部は、バスY1により相互に接続されている。
CPU111は、演算処理や各部の制御処理を実行する。ROM112はBIOS(Basic Input/Output System)等の固定プログラムを記憶する。RAM113は、CPU111がプログラムを実行する際の作業エリアなどとして使用する。以上のCPU111、ROM112、及びRAM113は、マイクロコンピュータなどとして設けており、POS端末1全体の制御を司る。
HDD114は、各種プログラムや各種データなどを記憶する。HDD114は、各種プログラムとして、例えばPOS端末1全体の制御プログラムや商品登録処理のプログラムなどを含む。また、HDD114は、各種データとして、各アンテナL1、L2、L3、L4の故障を検知するためのフラグ値や変数値などのデータや、故障を報知する報知画面G(図9参照)等の画面データなどを含む。その他、HDD114は、商品マスタテーブルや、登録テーブルなどを含む。
キーボード102は、操作キーにより受けた入力信号をCPU111に出力する。カードリーダ103は、読取ヘッドが読み取ったカード情報をCPU111に出力する。プリンタ105は、CPU111からの印字命令に基づいて駆動し、印字データをレシートに印字して排出する印字動作を行う。第1の表示ディスプレイ106−1は、CPU111が出力した画面データを表示面106aに表示する。第2の表示ディスプレイ106−2は、CPU111が出力した画面データを第2の表示ディスプレイ106−2の表示面に表示する。第1のタッチパネル107aは、表示面106aに対するタッチ操作を検出し、タッチ位置を示す信号をCPU111に出力する。第2のタッチパネル107bは、第2の表示ディスプレイ106−2の表示面に対するタッチ操作を検出し、タッチ位置を示す信号をCPU111に出力する。ハンドスキャナ108は、商品に付された商品タグの印刷面を読取ってCPU111にその商品コードを出力する。ドロワ109は、CPU111が出力する解除信号に基づいてドロワ109の収納ケースのロックを解除する。通信インターフェース110は、RS232CやUSB等によりリーダ/ライタ装置2の通信インターフェース127と通信を行う。
POS端末1の各部は、AC電源やバッテリ等の電力供給手段からの電力供給により動作する。
図2に示すリーダ/ライタ装置2は、CPU121、ROM122、RAM123、表示ランプ124、ブザー125、アンテナ接続インターフェース126、通信インターフェース127などを備える。各部は、バスY2により相互に接続されている。
CPU121は、演算処理や各部の制御処理を実行する。ROM122はBIOSや制御プログラム等を記憶する。RAM123は、CPU121がプログラムを実行する際の作業エリアなどとして使用する。RAM123は、作業エリアとして、アンテナの識別情報や商品コードなどの一時記憶領域を有する。
表示ランプ124は、LED等の複数の表示ランプを有し、CPU121から各表示ランプに対して出力される出力信号に応じて表示ランプ毎に点灯又は消灯を行う。ブザー125は、CPU121からの出力信号に応じてブザー音の出力のオンとオフとを切り替える。通信インターフェース127は、RS232CやUSB等によりPOS端末1の通信インターフェース110と通信を行う。
アンテナ接続インターフェース126は、CPU121からの制御信号により、所定順序でアンテナL1、L2、L3、L4に接続されるポートを択一的に選択し、アンテナL1、L2、L3、L4毎にRFIDタグと交信を行う。図2には、ポートを電子式又は機械式のスイッチ切替により選択するスイッチ126−1を一例として示している。アンテナ接続インターフェース126は、ポートに接続されたアンテナを駆動して質問波を送信し、そのアンテナから応答波を受信する。
リーダ/ライタ装置2の各部は、AC電源やバッテリ等の電力供給手段からの電力供給により動作する。
アンテナユニット3は、4つのアンテナL1、L2、L3、L4を備えている。各アンテナL1、L2、L3、L4は、例えば円偏波方式のアンテナであり、送受信兼用のものである。各アンテナL1、L2、L3、L4は、リーダ/ライタ装置2のアンテナ接続インターフェース126にアンテナケーブルC2を介して接続する。
次に、POS端末1の機能ブロックについて説明する。POS端末1は、ROM112やHDD114の各種プログラムをRAM113に読み出してCPU111において実行することにより、商品の登録や、商品の精算や、アンテナの故障検知などの各種機能を発揮する。
図3は、POS端末1の、アンテナの故障検知に係る機能ブロックの一例を示す図である。図3に示す読取部10は、通信インターフェース110(図2参照)にRFIDタグの読取命令を出力する。これにより、通信インターフェース110が接続先のリーダ/ライタ装置2(図4参照)にRFIDタグの読取開始を示す信号E1(図4参照)を出力する。続いて、読取部10は、リーダ/ライタ装置2がPOS端末1に返信する対応情報D(図4参照)を、通信インターフェース110(図2参照)から取得し、そのデータを読み取る。対応情報Dは、後にも説明するが、リーダ/ライタ装置2(図4参照)が各アンテナL1、L2、L3、L4(図4参照)で受信した商品コードを、受信したアンテナの識別情報(アンテナ番号A1、A2、A3、A4とする)と対応付けたものである。
図3に示す制御部11は、読取部10が読み取った対応情報D(図4参照)において、アンテナ番号A1、A2、A3、A4(図4参照)の内の少なくとも一つのデータが含まれないことを条件に、POS端末1が有する報知手段に報知信号を出力する。本実施形態において、POS端末1(図2参照)は当該報知手段として第1の表示ディスプレイ106−1(図2参照)及び第2の表示ディスプレイ106−2(図2参照)を有する。従って、制御部11は、その報知手段に対し、上記報知信号として報知画面データを出力する。なお、上記において、アンテナ番号の内の少なくとも一つのデータが含まれない場合とあるが、これは、対応情報Dの設計やリーダ/ライタ装置2による対応情報Dの出力形態などに応じて異なる。例えば、その一つに、アンテナ番号自体が少なくとも一つ欠けている場合などが相当する。また、その他の一つに、アンテナ番号があってもそれに対応する商品コードが一つもない場合などが相当する。本実施形態では、前者のアンテナ番号自体がない場合を想定して続きの構成を説明する。
商品コードの一括読取では、買物カゴC(図1参照)内におけるRFIDタグの偏りなどにより、一部のアンテナで商品コードが読み取れたり読み取れなかったりすることも想定される。そこで、RFIDタグの偏りなどによるものを誤ってアンテナ故障と判定しないための工夫を施すと良い。
本実施形態に示す制御部11は、そのようなことを想定し、一例として、計数部11−1と報知部11−2とを備える。計数部11−1は、対応情報Dのデータが読取部10により読み取られる度(一括読取のサイクル毎)に、各アンテナ番号A1、A2、A3、A4についての連続不出現回数を計数する。報知部11−2は、何れかのアンテナ番号の上記連続不出現回数が閾値を超えたことを条件に、上記報知信号を出力する。上記閾値は、各アンテナL1、L2、L3、L4の配置などに応じて、1回や、5回や、10回や、20回や、30回などの最適値を適宜決めて良い。
図4は、POS端末1が読取命令を出力した場合のPOSシステム100全体における信号の流れを示す説明図である。図4に示すように、POS端末1が読取開始を示す信号E1をリーダ/ライタ装置2に出力する。
リーダ/ライタ装置2は、その信号(E1)を通信インターフェース127(図2参照)で受信し、CPU121(図2参照)による制御の下に、アンテナ接続インターフェース126(図2参照)が、各アンテナL1、L2、L3、L4の接続ポートを所定順序で切り替える。この切り替えにより、各アンテナL1、L2、L3、L4(図4参照)は、その所定順序で駆動し、RFIDタグT1、T2、T3、T4の商品コードを含む信号E2をリーダ/ライタ装置2に出力する。
RFIDタグT1、T2、T3、T4が図4に示すような配置にあり、各アンテナL1、L2、L3、L4の接続ポートの切り替えをこの順序で行う場合について考える。このような場合、リーダ/ライタ装置2は、先ずアンテナL1に接続し、アンテナL1からその交信エリアにあるRFIDタグT1の商品コードt1を取得する。リーダ/ライタ装置2は、取得した商品コードt1を取得先のアンテナL1のアンテナ番号A1に対応づけてRAM123に記憶する。リーダ/ライタ装置2は、続いて、アンテナL2に接続し、アンテナL2からその交信エリアにあるRFIDタグT2の商品コードt2を取得する。リーダ/ライタ装置2は、取得した商品コードt2を取得先のアンテナL2のアンテナ番号A2に対応づけてRAM123に記憶する。リーダ/ライタ装置2は、更に、アンテナL3とアンテナL4から、この順に、商品コードt3と商品コードt4を取得し、それらを取得先のアンテナのアンテナ番号に対応づけてRAM123に記憶する。
リーダ/ライタ装置2は、各アンテナL1、L2、L3、L4を所定順序で一通り駆動すると、対応情報D、つまり各アンテナL1、L2、L3、L4を介して取得した商品コードt1、t2、t3、t4と、各商品コードの取得時に接続したアンテナのアンテナ番号とを、通信インターフェース127(図2参照)からアンテナ番号付きの読取信号E3としてPOS端末1に送信する。
POS端末1は、読取命令(E1)の出力後、リーダ/ライタ装置2から送信されるアンテナ番号付きの読取信号(E3)を受信し、そこに含まれる対応情報Dに基づいてアンテナの故障検知に係る処理を行う。そして、POS端末1は、各アンテナL1、L2、L3、L4が正常に動作していることを条件に、対応情報Dに含まれる商品コードについての商品登録や精算処理などを行う。なお、POS端末1は、アンテナが故障している場合は商品コードを破棄する(一括読取のサイクルの終了)。
図5は、対応情報Dのデータ構成の一例である。図5に示すように、対応情報Dは、アンテナ番号d1と商品コードd2とを対応付けたデータ構成となっている。アンテナ番号d1は、商品コードを取得したアンテナのアンテナ番号である。商品コードd2は、アンテナ番号に示すアンテナが取得した商品コードである。そのアンテナが複数の商品コードを取得した場合は、取得した商品コードを全て含める。
図6及び図7は、POS端末1のCPU111(図2参照)が実行する商品登録処理(主に、アンテナの故障検知に係る処理)の一例を示すフロー図である。例えば、客が買物カゴC(図1参照)をアンテナユニット3(図1参照)上の所定位置に置き、POS端末1が第1の表示ディスプレイ106−1(図1参照)に表示する一括読取キーをキャッシャがタッチする。このような操作により、CPU111(図2参照)は第1のタッチパネル107a(図2参照)などから商品登録処理の開始を示す入力を受ける。
CPU111は、RAM113(図2参照)にアンテナ別のフラグ設定領域(フラグ1、フラグ2、フラグ3、フラグ4)やカウンタ領域(パラメータK1、パラメータK2、パラメータK3、パラメータK4)を割り当てる。
フラグ1〜フラグ4と、パラメータK1〜パラメータK4は、稼働対象のアンテナの各アンテナ番号に対応している。具体的には、アンテナ番号A1にフラグ1とパラメータK1が対応する。アンテナ番号A2にフラグ2とパラメータK2が対応する。アンテナ番号A3にフラグ3とパラメータK3が対応する。アンテナ番号A4にフラグ4とパラメータK4が対応する。当該稼働対象のアンテナは、各ポートに接続するアンテナのアンテナ番号を予め設定情報としてHDD114に保存しておくなどして識別できるようにする。例えば、リーダ/ライタ装置2に対応するドライバの設定画面などからアンテナ番号A1、A2、A3、A4を予め登録することにより、稼働対象のアンテナを識別できるようにする。
そして、CPU111は、それぞれの値に、HDD114に退避した各アンテナのフラグ値や変数値をセットするなどして、商品登録処理プログラムを実行する。
上記フラグ設定領域は、アンテナ番号の不出現が連続するかを示すフラグ領域である。当該フラグ領域の値が「1」の場合に連続することを示す。カウンタ領域は、アンテナ番号の不出現の連続回数(連続不出現回数)を示す領域である。以下、適宜図2を参照しながら当該処理フローについて説明する。
CPU111は、先ず、リーダ/ライタ装置2に対する読取命令を通信インターフェース110に出力する(S1)。
続いて、CPU111は、リーダ/ライタ装置2から通信インターフェース110に返信された対応情報D(図5参照)中のデータを読み取る(S2)。
続いて、CPU111は、対応情報Dから読み取ったデータに基づき、以下に各場合に分けて示す「アンテナの故障を検知する処理」を行う。なお、以下において各アンテナL1、L2、L3、L4のそれぞれのアンテナ番号は、A1、A2、A3、A4であるものとする。また、以下に例示する説明では、買物カゴC(図1参照)内に商品コードt4に続く商品コードt5、t6、・・・などの商品があるものとする。
(全てのアンテナL1、L2、L3、L4が正常動作している場合の正常処理)
ステップS2に続き、CPU111は、対応情報Dにアンテナ番号A1が含まれているかを判定する(S3)。ステップS3においてアンテナ番号A1が含まれている場合(ステップS3:Yes判定)、CPU111は、フラグ1を読み取り、その値が「0」であるかを判定する(S4)。ステップS4においてフラグ1の値が「0」である場合(ステップS4:Yes判定)、CPU111は、対応情報Dにアンテナ番号A2が含まれているかを判定する(S5)。ステップS5においてアンテナ番号A2が含まれている場合(ステップS5:Yes判定)、フラグ2を読み取り、その値が「0」であるかを判定する(S6)。
ステップS6においてフラグ2の値が「0」である場合(ステップS6:Yes判定)、CPU111は、対応情報Dにアンテナ番号A3が含まれているかを判定する(S7)。ステップS7においてアンテナ番号A3が含まれている場合(ステップS7:Yes判定)、CPU111は、フラグ3を読み取り、その値が「0」であるかを判定する(S8)。ステップS8においてフラグ3の値が「0」である場合(ステップS8:Yes判定)、CPU111は、対応情報Dにアンテナ番号A4が含まれているかを判定する(S9)。ステップS9においてアンテナ番号A4が含まれている場合(ステップS9:Yes判定)、CPU111は、フラグ4を読み取り、その値が「0」であるかを判定する(S10)。
ステップS10においてフラグ4の値が「0」である場合(ステップS10:Yes判定)、CPU111は、パラメータK1、K2、K3、K4の何れか一つの値が上限値(閾値)を超えているかを判定する(S11)。ステップS11においてパラメータK1、K2、K3、K4の何れの値も上限値を超えていない場合(ステップS11:No判定)、CPU111は、対応情報Dに含まれる商品コードの登録処理を行う(S12)。当該登録処理では、取得した商品コードに基づき商品マスタテーブルから対応する商品名や単価等のレコード情報を取得し、その情報を買上げ商品として登録テーブルなどに登録する。ここでは、登録処理を示しているが、商品の登録後に精算処理を引き続き行っても良い。登録(又は、登録及び精算)などの処理が終わると、一取引の処理が終了し、CPU111は、第1の表示ディスプレイ106−1に一括読取キーなどを表示する。
(アンテナ故障と考えられる場合の仮設定処理)
対応情報Dにアンテナ番号A1が含まれていない場合、ステップS3においてNo判定となる。これに続き、CPU111は、対応情報Dにアンテナ番号A2が含まれているかを判定する(S13)。そして、ステップS13においてアンテナ番号A2が含まれている場合(ステップS13:Yes判定)、CPU111は、フラグ1に値「1」をセットし(S14)、更にパラメータK1の値に連続回数をカウントアップする値「1」を加算し(S15)、ステップS5に移行する。
対応情報Dにアンテナ番号A2が含まれていない場合、ステップS5においてNo判定となる。これに続き、CPU111は、フラグ2に値「1」をセットし(S16)、更にパラメータK2の値に値「1」を加算し(S17)、ステップS6に移行する。
対応情報Dにアンテナ番号A3が含まれていない場合、ステップS7においてNo判定となる。これに続き、CPU111は、フラグ3に値「1」をセットし(S18)、更にパラメータK3の値に値「1」を加算し(S19)、ステップS8に移行する。
対応情報Dにアンテナ番号A4が含まれていない場合、ステップS9においてNo判定となる。これに続き、CPU111は、フラグ4に値「1」をセットし(S20)、更にパラメータK4の値に値「1」を加算し(S21)、ステップS10に移行する。
アンテナの故障により一取引毎の本商品登録処理において当該アンテナ番号の不出現状態「フラグ値=1」が連続すると、不出現状態のアンテナ番号のパラメータKの値が一取引毎に1加算され、その値が徐々に増加する。上記パラメータKの値が上限値を超えると、ステップS11において、CPU111は、パラメータKの値が上限値を超えているものと判定することになる(ステップS11:Yes判定)。その結果、CPU111は、取得した一取引分の商品コードを全て消去し(S22)、故障アンテナのアンテナ番号を示す報知画面G(図9参照)を第1の表示ディスプレイ106−1や第2の表示ディスプレイ106−2に出力する(S23)。
続いて、CPU111は、報知画面G上のハンドスキャンモードキーB1(図9参照)がタッチ操作されたかを判定する(S24)。ハンドスキャンモードキーB1がタッチ操作された場合(ステップS24:Yes判定)、CPU111は、報知画面Gに代えて商品登録画面を出力して、ハンドスキャナ108による商品コードの登録を行う(S25)。具体的に、ステップS25において、CPU111は、ハンドスキャナ108が読み取った商品コードを受け付ける。そして、CPU111は、受け付けた商品コードに基づき商品マスタテーブルから対応する商品名や単価等のレコード情報を取得し、その情報を買上げ商品として登録テーブルなどに登録する。なお、商品の登録後に精算処理を引き続き行っても良いことは既に述べた通りである。登録(又は、登録及び精算)などの処理が終わると、一取引の処理が終了し、CPU111は、第1の表示ディスプレイ106−1にハンドスキャンモードキーなどを表示する。
なお、ステップS24において閉じるキーB2(図9参照)がタッチ操作された場合は(ステップS24:No判定)、CPU111は、第1の表示ディスプレイ106−1や第2の表示ディスプレイ106−2に対する報知画面G(図9参照)の出力を終了する(S26)。
(アンテナの故障ではなかった場合の回復処理)
対応情報Dにアンテナ番号A1が再び含まれるようになった場合、ステップS4においてNo判定となる。これに続き、CPU111は、フラグ1の値「1」を値「0」にセットし(S31)、更にパラメータK1の値を「0」にリセットし(S32)、ステップS5に移行する。
対応情報Dにアンテナ番号A2が再び含まれるようになった場合、ステップS6においてNo判定となる。これに続き、CPU111は、フラグ2の値「1」を値「0」にセットし(S33)、更にパラメータK2の値を「0」にリセットし(S34)、ステップS7に移行する。
対応情報Dにアンテナ番号A3が再び含まれるようになった場合、ステップS8においてNo判定となる。これに続き、CPU111は、フラグ3の値「1」を値「0」にセットし(S35)、更にパラメータK3の値を「0」にリセットし(S36)、ステップS9に移行する。
対応情報Dにアンテナ番号A4が再び含まれるようになった場合、ステップS10においてNo判定となる。これに続き、CPU111は、フラグ4の値「1」を値「0」にセットし(S37)、更にパラメータK4の値を「0」にリセットし(S38)、ステップS11に移行する。
商品コードの一括読取においては、あるアンテナによる買物カゴC(図1参照)内の商品コードの読み取りが、RFIDタグの偏りにより、取引によって読み取れたり読み取れなかったりすることが想定される。そのような場合において誤ってアンテナ故障と判定しないために、以上に示す処理により、商品コードを再び読み取れた場合に連続回数をリセットし上限値を超えないようにする。
(アンテナの故障ではないとするノーカウント処理)
対応情報Dにアンテナ番号A1が含まれていない場合、ステップS3においてNo判定となる。更に、対応情報Dにアンテナ番号A2が含まれていない場合、ステップS13においてNo判定となる。これに続き、CPU111は、対応情報Dにアンテナ番号A3が含まれているかを判定する(S41)。そして、ステップS41においてアンテナ番号A3が含まれていない場合(ステップS41:No判定)、CPU111は、対応情報Dにアンテナ番号A4が含まれているかを判定する(S42)。そして、ステップS42においてアンテナ番号A4が含まれていない場合(ステップS42:No判定)、ステップS23の処理に移行する。
対応情報Dに全てのアンテナ番号A1、A2、A3、A4が含まれていない場合、買物カゴC内の商品はRFIDタグが付されていない商品であることが想定される。このような場合、アンテナの故障は考え難いため、ノーカウントとし、連続不出現回数のカウントアップを保留する。
なお、ステップS41においてアンテナ番号A3が含まれている場合(ステップS41:Yes判定)、CPU111はステップS14の処理に移行する。これは、アンテナ番号A1とアンテナ番号A2のみが不出現の場合の処理である。
また、ステップS42においてアンテナ番号A4が含まれている場合(ステップS42:Yes判定)にも、CPU111はステップS14の処理に移行する。これは、アンテナ番号A4を除く全てが不出現の場合の処理である。
本プログラムの終了時には、フラグ1〜フラグ4の各値と、パラメータK1〜K4の各値をHDD114に退避する。
図8は、POS端末1がリーダ/ライタ装置2から取得する対応情報Dの取得フローの一例を示す図である。図8(a)は、全てのアンテナ番号A1、A2、A3、A4を含む場合の対応情報D1を示している。図8(b)は、対応情報D1の次の取引で取得する、アンテナ番号A1を含まない対応情報D2を示している。図8(c)は、対応情報D2の次の取引で取得する、アンテナ番号A1を再び含む対応情報D3を示している。図8(d)は、対応情報D3の次の取引で取得する、全てのアンテナ番号を含まない対応情報D4を示している。図8(e)は、対応情報D4の次の取引で取得する、アンテナ番号A3を含まない対応情報D5を示している。図8(f)は、対応情報D5を含む上限値の回数の取引後の、アンテナ番号A3を含まない対応情報D35を示している。なお、対応情報D5〜対応情報D35までは、連続してアンテナ番号A3を含まないものとする。
以下、図8に示す対応情報の取得フロー図と、図6〜図7に示す処理フロー図との対応関係を示す。先ず、CPU111は、対応情報D1の取引において正常処理を行う。
続いて、CPU111は、対応情報D2の取引においてアンテナ番号A1の仮設定処理を行う。具体的に、CPU111は、ステップS14においてフラグ1に値「1」をセットし、更にステップS15においてパラメータK1の値に値「1」を加算する。
続いて、CPU111は、対応情報D3の取引においてアンテナ番号A1の回復処理を行う。具体的に、CPU111は、ステップS31においてフラグ1を値「0」に戻し、更にステップS32においてパラメータK1の値を値「0」にリセットする。
続いて、CPU111は、対応情報D4の取引においてノーカウント処理を行う。具体的に、CPU111は、ステップS3(No判定)、ステップS13(No判定)、ステップS41(No判定)、ステップS42(No判定)とし、各アンテナの各パラメータK1、K2、K3、K4の値のカウントアップを保留する。
続いて、CPU111は、対応情報D5の取引においてアンテナ番号A3の仮設定処理を行う。具体的に、CPU111は、ステップS18においてフラグ3に値「1」をセットし、更にステップS19においてパラメータK3の値に値「1」を加算する。
そして、CPU111は、対応情報D35の取引まで、ステップS19においてパラメータK3の値に値「1」を加算し続ける。
続いて、CPU111は、対応情報D35の取引においてアンテナL3(アンテナ番号A3)を故障と判定し、アンテナ番号A3を示す報知画面G(図9参照)を表示する。
図9は、第1の表示ディスプレイ106−1(図2参照)と第2の表示ディスプレイ106−2(図2参照)に表示する報知画面の一例である。図9に示す報知画面Gは、アンテナの故障を示す報知情報Jと、ハンドスキャンモードキーB1と、閉じるキーB2とを含む。
報知情報Jは、アンテナの故障を示す情報として故障中のアンテナ番号などを含む。
ハンドスキャンモードキーB1は、ハンドスキャンモードによる商品登録処理をCPU111(図2参照)に指示するための操作キーである。
閉じるキーB2は、表示中の報知画面Gを閉じることをCPU111に指示するための操作キーである。
本実施形態では、商品コードを発信する無線タグとしてRFIDタグを一例として示したが、当該無線タグは、商品コードを発信するものであればその他の通信方式のものであっても良い。
本実施形態では、複数のアンテナとして、4つのアンテナを内蔵するアンテナユニット3を例示した。しかし、リーダ/ライタ装置2に接続するアンテナの数や、アンテナの配置をこれに限定するものではない。リーダ/ライタ装置2に接続するアンテナの数は、2つ以上であれば良い。また、各アンテナを1つのアンテナユニットに設けても良いし、複数のアンテナユニットに分散させて設けても良い。例えば、4つのアンテナの場合、1つのアンテナを設けた4つのアンテナユニットをリーダ/ライタ装置2の4つの接続ポートに接続するなどして設けても良い。複数のアンテナユニットを設ける場合、各アンテナユニットの配置は適宜設定して良い。例えば、各アンテナユニットの放射面を相互に角度を付けて配置したり、各アンテナユニットを距離を開けて配置したりするなど、適宜設定して良い。また、アンテナが放射する電波を様々な方向から商品に当てるために更に反射部材(金属製の板等)を配置しても良い。
本実施形態では、報知手段として第1の表示ディスプレイ106−1(図2参照)及び第2の表示ディスプレイ106−2(図2参照)を有する例を示した。しかし、報知手段をこれに限定するものではない。例えば報知手段として、音声回路やスピーカなどを設けて、音や音声などにより報知を行っても良い。また、パトランプなどを設けて、光により報知を行っても良い。
本実施形態ではリーダ/ライタ装置2がアンテナ番号と商品コードをバッファに溜めて、その対応情報DをPOS端末1に読取命令の返信として送信すると説明した。しかし、リーダ/ライタ装置2は商品コードの受信の度に当該商品コードとこれに対応するアンテナ番号とをPOS端末1へ送信し、POS端末1側で対応情報Dを構成するように変形しても良い。
本実施形態では、係る制御装置の一例としてPOS端末へ適用したものについて示したが、制御装置をPOS端末に限定するものではない。制御装置をその他の装置に適用しても良い。例えばリーダ/ライタ装置に適用する場合、リーダ/ライタ装置はアンテナから取得する対応情報に基づき、POS端末と同様に故障を検知する処理を実行する。リーダ/ライタ装置は、故障中のアンテナを特定すると、リーダ/ライタ装置のランプを点灯したり、ブザーを鳴らしたりして、故障をキャッシャなどに報知する。また、リーダ/ライタ装置は、POS端末に報知信号を出力するなどして、POS端末に報知画面を表示させる。
以上のように、本実施形態に係る制御装置は、商品コード(商品識別情報)だけでなく、それを受信したアンテナのアンテナ番号(識別情報)に基づいて、商品登録前に、アンテナの故障を検知する処理を実行する。稼働中のアンテナの内、故障中のアンテナにおいては無線タグの商品コードの取得がないため、アンテナ番号の内、商品コードと対応関係にないものが発生することになる。制御装置は、そのようなアンテナ番号を検知することで故障中のアンテナを特定し、一つでも特定されれば、その故障をキャッシャなどに報知する。また、そのときの一括読取りされた商品の商品登録を取り消すことも可能であるため、未精算の商品が店外へ持ち出されることを事前に回避することもできる。
本実施形態の制御装置で使用する各種プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供し、制御装置のHDDやROM(フラッシュROM)などに読み込ませて実行してもよい。
また、当該プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
以上の実施形態において、制御装置についての構成を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。