JP2020035331A - パフォーマンス計測装置、パフォーマンス計測方法及びパフォーマンス計測プログラム - Google Patents

パフォーマンス計測装置、パフォーマンス計測方法及びパフォーマンス計測プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】人間のタスクを処理する能力を客観的かつ定量的に計測可能な技術を提供する。【解決手段】本発明の一側面に係るパフォーマンス計測装置は、対象者がタスクを実行している間に、知覚活動及び身体活動の少なくとも一方に関する当該対象者の活動を1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータを取得するデータ取得部であって、前記タスクは、複数の要素作業を含む、データ取得部と、取得した前記センシングデータを解析することで、前記活動により達成される前記各要素作業に対するパフォーマンスの程度を示すパフォーマンス指数を前記センシングデータから算出する指数算出部と、前記対象者、前記タスク、及び算出した前記各要素作業の前記パフォーマンス指数を関連付けて所定の記憶領域に格納する格納処理部と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、パフォーマンス計測装置、パフォーマンス計測方法及びパフォーマンス計測プログラムに関する。
特許文献1には、各作業工程に各作業者を配置するための人員配置システムが提案されている。具体的に、特許文献1で提案されている人員配置システムは、生産計画台数に基づいてタクトタイムを算出し、タクトタイムと要素作業別の標準時間とに基づいて複数の作業工程に各要素作業を振り分け、タクトタイムと各作業者の要素作業別のサイクルタイムとに基づいて、各要素作業の振り分けられた各作業工程への各作業者の配置態様を決定する。これにより、この人員配置システムは、生産計画に支障が出ないように、各作業者を各作業工程に配置することができる。
特開2007−293690号公報
本件発明者らは、特許文献1等のような従来のシステムでは、次のような問題点があることを見出した。すなわち、従来のシステムでは、各タスクに対する人間の能力(習熟度)は、当該各タスクの処理時間を指標にして計測されている。つまり、従来のシステムでは、処理時間が短いほどタスクに対する能力は高く、反対に、処理時間が長いほどタスクに対する能力は低いと評価していた。このタスクの処理時間によれば、その人間が当該タスクを所定の時間内に完了できるか否かを客観的かつ定量的に評価することは可能である。
しかしながら、このタスクの処理時間には、タスクを人間が処理する過程に関する情報が含まれていない。つまり、タスクの処理時間には、各タスクに対して人間がどのように処理する能力を有しているか(換言すると、各タスクに対して人間がどのように習熟しているか)を客観的かつ定量的に示す情報が含まれていない。よって、このタスクの処理時間を示す情報から、タスクを適切に遂行するために、人間は何に注意をし、どのような動作を行えばよいかを客観的に知ることができなかった。そのため、従来のシステムでは、客観的かつ反復可能な方法により、各タスクに対する人間の能力を高めることは困難であるという問題点があることを本件発明者らは見出した。また、これに起因して、従来のシステムでは、生産ラインの生産性/効率を体系的に高める又は維持することは困難であるという問題点があることを本件発明者らは見出した。
なお、この課題は、上記のような生産ラインの生産性/効率を高める又は維持する場面だけではなく、何らかのタスクを人間が実行するあらゆる場面で生じ得る。例えば、運転者が車両を運転する場面を想定する。この場面において、運転者の車両を運転する能力を客観的かつ定量的に評価することができれば、不足する能力を運転者に習得させたり、車両の動作で補ったりすることで、車両の運転の品質を体系的に高める又は維持することができる。
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、人間のタスクを処理する能力を客観的かつ定量的に計測可能な技術を提供することである。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の一側面に係るパフォーマンス計測装置は、対象者がタスクを実行している間に、知覚活動及び身体活動の少なくとも一方に関する当該対象者の活動を1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータを取得するデータ取得部であって、前記タスクは、複数の要素作業を含む、データ取得部と、取得した前記センシングデータを解析することで、前記活動により達成される前記各要素作業に対するパフォーマンスの程度を示すパフォーマンス指数を前記センシングデータから算出する指数算出部と、前記対象者、前記タスク、及び算出した前記各要素作業の前記パフォーマンス指数を関連付けて所定の記憶領域に格納する格納処理部と、を備える。
上記構成に係るパフォーマンス計測装置では、タスクを実行している間における対象者の知覚活動及び身体活動の少なくとも一方が1又は複数のセンサにより測定される。知覚活動は、対象の位置、形状、サイズ、質感等の属性を認知したり、認知した結果に基づいて何らかの判断を行ったりする活動である。知覚活動は、主に、視覚、聴覚、触覚等の感覚器を用いて実施される。また、身体活動は、身体を動かして、対象との位置関係を変更したり、対象に物理的に働きかけたりする活動である。身体活動は、主に、身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経等の組織及び器官により構成される運動器を用いて実施される。つまり、知覚活動及び身体活動それぞれは、生理学的パラメータとして感覚器及び運動器それぞれの挙動に表れる。そのため、感覚器及び運動器の挙動を介して知覚活動及び身体活動それぞれをセンサにより測定することが可能である。
上記測定により得られたセンシングデータには、知覚活動及び身体活動の少なくとも一方のパフォーマンスが表れている。知覚活動及び身体活動のパフォーマンスは、タスクを適切に遂行できるか否かの結果に関連している。すなわち、知覚活動及び身体活動のパフォーマンスが高いほど、タスクを遂行する能力が高く、知覚活動及び身体活動のパフォーマンスが低いほど、タスクを遂行する能力が低いといえる。そこで、上記構成に係るパフォーマンス計測装置は、得られたセンシングデータを解析することにより、タスクに含まれる各要素作業に対するパフォーマンス指数をセンシングデータから算出する。
このパフォーマンス指数によれば、各要素作業に対する対象者の能力を客観的かつ定量的に示すことができる。よって、タスクに含まれる各要素作業について得られた各パフォーマンス指数により、そのタスクに対して対象者がどのように処理する能力を有しているかを客観的かつ定量的に示すことができる。例えば、対象者が、タスクに含まれる複数の要素作業のうち、どの要素作業を得意としており、どの要素作業を不得意としているか、を評価することができる。
したがって、上記構成に係るパフォーマンス計測装置によれば、人間のタスクを処理する能力を客観的かつ定量的に計測することができる。これにより、タスクを適切に遂行するために、対象者は何に注意をし、どのような動作を行えばよいかを客観的に知ることができる。そのため、例えば、上記生産現場の例では、生産ラインの生産性/効率を体系的に高める又は維持することができる。また、例えば、上記運転場面の例では、運転者による車両の運転の品質を体系的に高める又は維持することができる。
なお、タスクは、一連の知覚活動及び身体活動により達成される。そのため、タスクを遂行する過程では、知覚活動及び身体活動の複数種類の組み合わせが表れ得る。そこで、各要素作業を、知覚活動及び身体活動の組み合わせで定義することができる。タスクは、繰り返し実行されるものが好ましく、例えば、生産現場における作業、車両の運転操作等であってよい。同一のタスクを人間が繰り返し実行した場合、各タスクを実行する度に、同一種類の知覚活動及び身体活動の組み合わせが表れる。この各タスクの実行において同一種類の組み合わせが表れる区間を、共通する要素作業(同じ種類の要素作業)を処理している区間として抽出することができる。また、タスクに含まれる各要素作業は、時系列上で並び得る。ある程度その作業に慣れた者の場合、要素作業を処理した結果は、その要素作業の次の要素作業の入力に用いられ得る。パフォーマンス指数により示される各要素作業に対するパフォーマンスの程度は、各要素作業を適切に遂行することができる能力の程度に対応する。
また、センサは、対象者の知覚活動及び身体活動の少なくとも一方に関する生理学的パラメータを測定可能であれば、その種類は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。感覚器の挙動は、例えば、脳波、脳血流、瞳孔径、視線方向、表情、音声、心電図、血圧、筋電図、皮膚電気反射(galvanic skin reflex:GSR)等に表れる。そのため、知覚活動を測定するための1又は複数のセンサには、例えば、脳波計(Electroencephalograph:EEG)、脳磁計(Magnetoencephalography:MEG)、機能的核磁気共鳴画像法(Functional Magnetic Resonance Imaging:fMRI)により脳活動に関連した血流を撮影するよう構成された磁気共鳴画像装置、機能的近赤外分光法(Functional Near Infrared Spectroscopy:fNIRS)により脳血流を測定可能に構成された脳活動計測装置、瞳孔径及び視線方向を計測するように構成された視線センサ、眼電位センサ、マイクロフォン、心電計、血圧計、筋電位センサ、皮膚電気反応計、カメラ又はこれらの組み合わせが用いられてよい。一方、身体活動の挙動は、例えば、指、手、脚、首、腰、関節、筋肉等の運動器に表れる。そのため、身体活動を測定するための1又は複数のセンサには、例えば、カメラ、モーションキャプチャ、ロードセル又はこれらの組み合わせが用いられてよい。
また、所定の記憶領域は、算出した各要素作業のパフォーマンス指数を記憶可能であれば、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。算出した各要素作業のパフォーマンス指数を一時的に格納する場合には、所定の記憶領域として主記憶装置が選択されてよい。また、算出した各要素作業のパフォーマンス指数を長期的に格納する場合には、所定の記憶領域として、補助記憶装置、外部記憶装置、各種記憶メディア又はこれらの組み合わせが選択されてよい。
上記一側面に係るパフォーマンス計測装置は、前記タスクを適切に遂行するために前記各要素作業に要求されるパフォーマンス指数と前記各要素作業について算出された前記対象者の前記パフォーマンス指数とを比較することで、前記対象者が前記タスクを適切に遂行可能か否か判定する判定部と、前記判定の結果に関する情報を出力する出力部と、を更に備えてもよい。当該構成によれば、対象のタスクを対象者が適切に遂行できるか否かを判定した結果に基づいて、当該対象のタスク遂行の最適化を図ることができる。
上記一側面に係るパフォーマンス計測装置において、前記データ取得部は、前記タスクを適切に遂行可能な熟練者が前記タスクを実行している間、前記熟練者の前記活動を前記1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータを取得してもよく、前記指数算出部は、前記熟練者から取得された前記センシングデータを解析することで、前記各要素作業についての前記熟練者のパフォーマンス指数を算出してもよい。そして、上記一側面に係るパフォーマンス計測装置は、前記パフォーマンス計測装置は、前記各要素作業について算出された前記熟練者の前記パフォーマンス指数を前記各要素作業に要求されるパフォーマンス指数として登録する登録部を更に備えてもよい。当該構成によれば、タスクを適切に遂行するために各要素作業に要求されるパフォーマンス指数を適切に設定することができ、これによって、対象のタスクを対象者が適切に遂行できるか否かを的確に判定することができる。
上記一側面に係るパフォーマンス計測装置において、前記各要素作業は、少なくとも1サイクル分の人間の認知学的な情報処理のプロセスを含むように定義されてよく、前記データ取得部は、前記知覚活動及び前記身体活動に関する前記対象者の活動を複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータを取得されてもよい。当該構成によれば、タスクに含まれる各要素作業を適切に定義することができ、かつ各要素作業のパフォーマンス指数を算出するのに利用するセンシングデータを適切に取得することができる。これにより、人間のタスクを処理する能力を的確に計測することができる。
上記一側面に係るパフォーマンス計測装置において、前記センシングデータデータを解析することは、前記各要素作業の実行の正確性、安定性、速度、及びリズムの少なくともいずれかを評価することを含んでもよく、前記指数算出部は、前記評価の結果に応じて、前記各要素作業についてのパフォーマンス指数を算出してもよい。当該構成によれば、各要素作業のパフォーマンス指数を適切に算出することができ、これによって、人間のタスクを処理する能力を的確に計測することができる。
上記一側面に係るパフォーマンス計測装置において、前記センシングデータを解析することは、前記センシングデータを特徴量の時系列データに変換すること、前記特徴量の時系列データを分析することで、前記各要素作業の実行時間、時間的重複、実行回数、及び実行順序を特定すること、並びに、特定した前記各要素作業の実行時間、時間的重複、実行回数、及び実行順序に基づいて、前記各要素作業の実行の正確性、安定性、速度、及びリズムを評価すること、を含んでもよく、前記指数算出部は、前記評価の結果に応じて、前記各要素作業についてのパフォーマンス指数を算出してもよい。当該構成によれば、各要素作業のパフォーマンス指数を適切に算出することができ、これによって、人間のタスクを処理する能力を的確に計測することができる。
上記一側面に係るパフォーマンス計測装置において、前記1又は複数のセンサは、カメラ、マイクロフォン、脳波計、脳磁計、磁気共鳴画像装置、心電計、血圧計、皮膚電気反応計、筋電位センサ、ロードセル、モーションキャプチャ、脳活動計測装置、視線センサ、眼電位センサ又はこれらの組み合わせにより構成されてよい。当該構成によれば、各要素作業のパフォーマンス指数を算出するのに利用するセンシングデータを適切に取得することができる。
上記一側面に係るパフォーマンス計測装置において、前記対象者は、生産ラインにおける作業者であってよく、前記タスクは、前記生産ラインに含まれる工程における作業であってよく、前記データ取得部は、前記生産ラインにおいて前記作業者が前記作業を実行している間に、前記作業者の前記活動を前記1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータを取得してもよく、前記指数算出部は、前記作業者から取得された前記センシングデータを解析することで、前記各要素作業についてのパフォーマンス指数を算出してもよい。当該構成によれば、生産ラインに含まれる工程の作業を処理する(作業者の)能力を客観的かつ定量的に計測することができ、これにより、生産ラインの生産性/効率を体系的に高める又は維持することができる。
上記一側面に係るパフォーマンス計測装置において、前記対象者は、車両の運転を行う運転者であってよく、前記タスクは、前記車両の運転操作に関してよく、前記データ取得部は、前記運転者が前記車両の運転操作を実行している間に、前記運転者の前記活動を前記1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータを取得してもよく、前記指数算出部は、前記運転者から取得された前記センシングデータを解析することで、前記各要素作業についてのパフォーマンス指数を算出してもよい。当該構成によれば、車両の運転操作を行う(運転者の)能力を客観的かつ定量的に計測することができ、これにより、運転者による車両の運転の品質を体系的に高める又は維持することができる。
上記各形態に係るパフォーマンス計測装置の別の態様として、本発明の一側面は、以上の各構成を実現する情報処理方法であってもよいし、プログラムであってもよいし、このようなプログラムを記憶した、コンピュータ等が読み取り可能な記憶媒体であってもよい。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記憶媒体とは、プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的、又は、化学的作用によって蓄積する媒体である。
例えば、本発明の一側面に係るパフォーマンス計測方法は、コンピュータが、対象者がタスクを実行している間に、知覚活動及び身体活動の少なくとも一方に関する当該対象者の活動を1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータを取得するステップであって、前記タスクは、複数の要素作業を含む、ステップと、取得した前記センシングデータを解析することで、前記活動により達成される前記各要素作業に対するパフォーマンスの程度を示すパフォーマンス指数を前記センシングデータから算出するステップと、前記対象者、前記タスク、及び算出した前記各要素作業の前記パフォーマンス指数を関連付けて所定の記憶領域に格納するステップと、を実行する、情報処理方法である。
また、例えば、本発明の一側面に係るパフォーマンス計測プログラムは、コンピュータに、対象者がタスクを実行している間に、知覚活動及び身体活動の少なくとも一方に関する当該対象者の活動を1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータを取得するステップであって、前記タスクは、複数の要素作業を含む、ステップと、取得した前記センシングデータを解析することで、前記活動により達成される前記各要素作業に対するパフォーマンスの程度を示すパフォーマンス指数を前記センシングデータから算出するステップと、前記対象者、前記タスク、及び算出した前記各要素作業の前記パフォーマンス指数を関連付けて所定の記憶領域に格納するステップと、を実行させるための、プログラムである。
本発明によれば、人間のタスクを処理する能力を客観的かつ定量的に計測することができる。
図1は、本発明が適用される場面の一例を模式的に例示する。 図2は、人間の認知学的な情報処理のプロセスを模式的に例示する。 図3は、タスクを構成する複数の要素作業の一例を模式的に例示する。 図4は、実施の形態に係るパフォーマンス計測装置のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。 図5は、実施の形態に係るパフォーマンス計測装置のソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。 図6は、実施の形態に係るパフォーマンス計測装置の計測モードにおける処理手順の一例を例示する。 図7は、実施の形態に係るセンシングデータを解析する処理手順の一例を例示する。 図8は、センシングデータの一例を模式的に例示する。 図9は、特徴量の時系列データの一例を模式的に例示する。 図10は、タスクに習熟する過程の一例を模式的に例示する。 図11Aは、要素作業の実行の正確性を評価する方法の一例を模式的に例示する。 図11Bは、要素作業の実行の安定性を評価する方法の一例を模式的に例示する。 図11Cは、要素作業の実行の速度を評価する方法の一例を模式的に例示する。 図11Dは、要素作業の実行のリズムを評価する方法の一例を模式的に例示する。 図12Aは、知覚活動の難易度とパフォーマンス指数の基準値との関係の一例を例示する。 図12Bは、身体活動の難易度とパフォーマンス指数の基準値との関係の一例を例示する。 図13は、実施の形態に係る能力データベースの一例を模式的に例示する。 図14は、実施の形態に係るパフォーマンス計測装置の登録モードにおける処理手順の一例を例示する。 図15は、実施の形態に係るパフォーマンス計測装置の運用モードにおける処理手順の一例を例示する。 図16は、本発明が適用される場面の変形例を模式的に例示する。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。なお、本実施形態において登場するデータを自然言語により説明しているが、より具体的には、コンピュータが認識可能な疑似言語、コマンド、パラメータ、マシン語等で指定される。
§1 適用例
まず、図1を用いて、本発明が適用される場面の一例について説明する。図1は、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1の適用場面の一例を模式的に例示する。図1の例では、生産ラインに含まれる工程における作業40を処理する作業者50のパフォーマンスを計測する場面を想定している。作業者50は、本発明の「対象者」の一例であり、生産ラインに含まれる工程における作業40は、本発明の「タスク」の一例である。しかしながら、本発明の適用対象は、このような例に限定されなくてよい。対象者及びタスクは、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。
本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1は、生産ラインにおいて作業者50が作業40を実行している間に、知覚活動及び身体活動の少なくとも一方に関する作業者50の活動を1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータ(後述するセンシングデータ121)を取得する。作業40は、例えば、はんだ付け、ケースの嵌合、挿入部品の挿入、検査、梱包等である。図1の例では、センシングデータを取得するためのセンサとして、脳波計30及びロードセル31が用いられている。脳波計30及びロードセル31はそれぞれ本発明の「センサ」の一例である。
ここで、図2を更に用いて、センサにより測定される知覚活動及び身体活動について説明する。図2は、人間の認知学的な情報処理のプロセスを表現するモデルの一例を模式的に例示する。図2に例示されるとおり、人間の認知学的な情報処理のプロセスを、次の3つのステップによりモデル化することができる。すなわち、第1のステップでは、入力系により入力データを取得する。入力系は、主に、感覚器である。次に、第2のステップでは、入力系から得られる入力データに対して処理系(脳)が何らかの情報処理を行う。そして、第3のステップでは、処理系による情報処理の結果が出力系に出力される。出力系は、主に、運動器(及び脳)である。
このモデルによれば、知覚活動及び身体活動を、次のように定義することができる。すなわち、知覚活動は、視覚、聴覚、触覚等の感覚器を入力系として用いて、対象に関する入力データを取得し、取得した入力データに対して、対象の位置、形状、サイズ、質感等の属性を認知するための情報処理を処理系により行ったり、認知した結果に基づいて何らかの決定等の情報処理を処理系により行ったりする活動である。この知覚活動における認知には、対象の空間認知及び形状認知が含まれる。空間認知は、対象の位置、移動速度等の空間に関する属性を認知することである。また、形状認知は、対象の形、大きさ、質感等の形状に関する属性を認知することである。一方、身体活動は、身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経等の組織及び器官により構成される運動器を出力系として用いて、上記認知の結果に基づいて又は上記認知を行うために、身体を動かして、対象に物理的に働きかけたり、対象との位置関係を変更したりする活動である。
人間は、このような認知学的な情報処理のプロセスを繰り返しながら、知覚活動及び身体活動を伴って、タスクを遂行する。図2に示されるとおり、人間がタスクを遂行する間、入力系(主に感覚器)及び出力系(主に運動器)は、外界とのインタフェースとして機能する。そのため、タスクに対する上記知覚活動及び身体活動それぞれを、入力系及び出力系の挙動を介して測定することが可能である。そして、入力系、処理系及び出力系が上記のような関係にあるため、知覚活動及び身体活動の少なくとも一方をセンサにより追跡すれば、タスクに対する処理系の情報処理の質を間接的に評価することができる。
つまり、知覚活動及び身体活動の少なくとも一方を1又は複数のセンサにより測定することにより得られるセンシングデータには、タスクに対する知覚活動及び身体活動の少なくとも一方のパフォーマンスが表れている。知覚活動及び身体活動のパフォーマンスは、タスクを適切に遂行できるか否かの結果に関連している。すなわち、知覚活動及び身体活動のパフォーマンスが高いほど、タスクに対する処理系の情報処理の質が良く、タスクを遂行する能力が高い(タスクを適切に遂行することができる)といえる。一方、知覚活動及び身体活動のパフォーマンスが低いほど、タスクに対する処理系の情報処理の質は悪く、タスクを遂行する能力が低い(タスクを適切に遂行することができない)といえる。したがって、知覚活動及び身体活動の少なくとも一方を1又は複数のセンサにより測定することにより得られたセンシングデータに基づいて、タスクに対する上記情報処理のプロセスの質、換言すると、タスクを遂行する能力の程度を客観的かつ定量的に評価することができる。
また、タスクは、一連の知覚活動及び身体活動により達成される。タスクを遂行する過程では、知覚活動及び身体活動の複数種類の組み合わせが表れ得る。そこで、タスクは、複数の要素作業を含んでいると捉えることができる。そして、各要素作業を、知覚活動及び身体活動の組み合わせにより定義することができる。なお、同一のタスクを人間が繰り返し実行した場合、各タスクを実行する度に、同一種類の知覚活動及び身体活動の組み合わせが表れる。この各タスクの実行において同一種類の組み合わせが表れる区間を、共通する要素作業(同じ種類の要素作業)を処理している区間として抽出することができる。そのため、各要素作業を抽出容易にするためには、タスクは、繰り返し実行されるものが好ましい。
加えて、タスクを遂行する間には、複数サイクル分の人間の認知学的な情報処理のプロセスが処理され得る。そこで、タスクに含まれる各要素作業を識別しやすくするために、各要素作業は、少なくとも1サイクル分の人間の認知学的な情報処理のプロセスを含むように定義されてもよい。このとき、各要素作業は、時系列上で連続的に並んでおり、かつ要素作業を処理した結果は、その要素作業の次の要素作業の入力に用いられると捉えることができる。本実施形態では、タスク(作業40)に含まれる各要素作業(以下の4種類の要素作業それぞれ)は、少なくとも1サイクル分の人間の認知学的な情報処理のプロセスを含むように定義され、かつ知覚活動及び身体活動の組み合わせにより定義される。
ここで、図3を更に用いて、要素作業の具体例を説明する。図3は、作業40(タスク)に含まれる複数の要素作業の一例を模式的に例示する。図3に例示されるとおり、本実施形態では、作業40(タスク)は、「視認」、「把持」、「運搬」及び「調整」の4種類の要素作業に分割される。図3の例では、各要素作業は、「視認」、「把持」、「運搬」及び「調整」の順に、時系列(時間軸)上で連続的に並んでいる。
「視認」は、主に、作業40の対象物の属性を認知する活動である。「視認」における知覚活動は、例えば、視覚及び聴覚により、作業の対象物の位置、形、大きさ等の属性を認知することである。一方、「視認」における身体活動は、空間認知及び形状認知のために、例えば、視線方向の変動、首の角度の変更、指差し確認等のように身体を動かすことである。「視認」の知覚活動は、対象物の近傍に指が配置される又は対象物の指が接触することによる触覚を介して、対象物の質感等の属性を認知することを含んでもよい。
「把持」は、主に、「視認」の結果に基づいて、作業40の対象物を把持する活動である。「把持」における知覚活動は、例えば、触覚により作業の対象物の質感を認知しつつ、視認及び触覚による対象物の空間認知及び形状認知の結果に基づいて、当該対象物を把持する位置を決定することである。一方、「把持」における身体活動は、上記知覚活動の結果に基づいて、例えば、手、指等の身体部位を動かし、対象物を落とさないように把持することである。
「運搬」は、主に、「把持」の結果に基づいて、作業40の対象物を移動させる活動である。「運搬」における知覚活動は、例えば、対象の空間認知の結果に基づいて、当該対象物の移動先の位置(目的位置)を決定することである。一方、「運搬」における身体活動は、例えば、腕、脚、腰等の身体部位を動かし、把持した対象物を現在位置から目的位置まで運ぶことである。
「調整」は、主に、「運搬」後の対象物の状態を目的の状態に変化させる活動である。「調整」における知覚活動は、例えば、視覚及び触覚により、対象物の位置、角度、形状等の状態の変化を認知することである。一方、「調整」における身体活動は、例えば、指等の身体部位を動かしながら、対象物の状態を目的の状態にまで変化させることである。
生産ラインに含まれる工程における作業40は、上記の4つの要素作業の組み合わせにより遂行可能である。具体例として、作業者50がはんだ付けを行う場面を想定する。この場合、「視認」は、はんだごて及びはんだ付けを行う対象の空間認知及び形状認知を行うことである。「把持」は、はんだごてを持つことである。「運搬」は、はんだごてを対象まで運ぶことである。「調整」は、はんだごての位置及び角度を変更することである。これらの一連の要素作業を実行することにより、はんだ付けを遂行することができる。
生産ラインに含まれる工程におけるはんだ付け以外の作業及びそれらの作業以外のタスクについても、上記の4つの要素作業の組み合わせにより遂行可能である。ただし、要素作業の種類、数、組み合わせ及び順序はそれぞれ、これらの例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。例えば、「調整」が実行された後に、「視認」が実行されるように要素作業の順序が規定されてもよい。タスクを複数の要素作業に分けることにより、各要素作業の組み合わせでタスクを遂行する過程を表現することができ、これによって、タスクを遂行する過程における人間の上記活動を評価することができる。また、複数種類のタスクが存在する場合には、各タスクを複数の要素作業に分けることで、異なるタスクを共通の指標(要素作業)で表現することができ、これによって、各タスクに対する人間の能力を共通の指標で評価することができる。
そこで、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1は、作業者50から取得されたセンシングデータを解析する。これにより、パフォーマンス計測装置1は、上記活動により達成される各要素作業に対するパフォーマンスの程度を示すパフォーマンス指数をセンシングデータから算出する。そして、パフォーマンス計測装置1は、作業者50(対象者)、作業40(タスク)、及び算出した各要素作業のパフォーマンス指数を関連づけて所定の記憶領域に格納する。
パフォーマンス指数(各要素作業に対するパフォーマンスの程度)は、作業40に含まれる各要素作業を適切に実行することができたか否か、換言すると、各要素作業を遂行する能力の程度に対応する。このパフォーマンス指数によれば、各要素作業に対する作業者50の能力を客観的かつ定量的に示すことができる。よって、作業40に含まれる各要素作業について得られた各パフォーマンス指数により、その作業40に対して作業者50がどのように処理する能力を有しているかを客観的かつ定量的に示すことができる。例えば、作業者50が、はんだ付けに含まれる4つの要素作業のうち、どの要素作業を得意としており、どの要素作業を不得意としているかを評価することができる。
したがって、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1によれば、作業者50の作業40を処理する能力を客観的かつ定量的に計測することができる。これにより、作業40を適切に遂行するために、作業者50は何に注意をし、どのような動作を行えばよいかを客観的に知ることができる。そのため、本実施形態によれば、生産現場において、生産ラインの生産性/効率を体系的に高める又は維持することができる。
なお、本実施形態では、上記のとおり、各要素作業は、知覚活動及び身体活動の組み合わせにより定義される。そのため、各要素作業のパフォーマンス指数を正確に算出するためには、知覚活動及び身体活動の一方のみを測定するのではなく、知覚活動及び身体活動の両方を測定するのが好ましい。そこで、本実施形態では、パフォーマンス計測装置1は、知覚活動及び身体活動に関する作業者50の活動を複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータを取得可能に構成される。具体的には、本実施形態では、脳波計30により、作業者50の知覚活動を測定することができる。また、ロードセル31により、作業者50の身体活動を測定することができる。ただし、対象者の知覚活動及び身体活動を測定するための複数のセンサの組み合わせは、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
§2 構成例
[ハードウェア構成]
次に、図4を用いて、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1のハードウェア構成の一例について説明する。図4は、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。
図4に示されるとおり、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1は、制御部11、記憶部12、外部インタフェース13、入力装置14、出力装置15、及びドライブ16が電気的に接続されたコンピュータである。なお、図4では、外部インタフェースを「外部I/F」と記載している。
制御部11は、ハードウェアプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含み、プログラム及び各種データに基づいて情報処理を実行するように構成される。記憶部12は、メモリの一例であり、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等で構成される。本実施形態では、記憶部12は、パフォーマンス計測プログラム80、センシングデータ121、能力データベース70等の各種情報を記憶する。
パフォーマンス計測プログラム80は、タスクに含まれる各要素作業に対する対象者のパフォーマンス指数の計測に関する後述の情報処理(図6、図7、図14、及び図15)をパフォーマンス計測装置1に実行させるためのプログラムである。パフォーマンス計測プログラム80は、各情報処理の一連の命令を含む。センシングデータ121は、対象者がタスクを実行している間における、知覚活動及び身体活動の少なくとも一方に関する対象者の挙動を示す。能力データベース70は、パフォーマンス計測プログラム80を実行することにより計測されたパフォーマンス指数をタスク及び対象者に関連付けて格納する。詳細は後述する。
外部インタフェース13は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、専用ポート等であり、外部装置と接続するためのインタフェースである。外部インタフェース13の種類及び数は、接続される外部装置の種類及び数に応じて適宜選択されてよい。本実施形態では、パフォーマンス計測装置1は、外部インタフェース13を介して、脳波計30及びロードセル31に接続される。
脳波計30は、例えば、作業者50の頭部に装着され、作業者50の脳活動量を測定するために利用される。測定された脳活動量は、主に、作業者50の知覚活動に関連する。ロードセル31は、例えば、作業者50の手等の身体部位に装着され、当該身体部位に作用した力(負荷)を測定するために利用される。測定された力は、主に、作業者50の身体活動に関連する。なお、脳波計30及びロードセル31それぞれの種類は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
したがって、本実施形態では、センシングデータ121は、作業者50が作業40を実行している間に、知覚活動及び身体活動に関する作業者50の挙動を脳波計30及びロードセル31により計測することで得られる。パフォーマンス計測装置1は、外部インタフェース13を介して、脳波計30及びロードセル31からセンシングデータ121を取得することができる。
入力装置14は、例えば、マウス、キーボード等の入力を行うための装置である。また、出力装置15は、例えば、ディスプレイ、スピーカ等の出力を行うための装置である。オペレータは、入力装置14及び出力装置15を利用して、パフォーマンス計測装置1を操作することができる。オペレータは、例えば、作業者50自身、作業者50を監督する監督者等である。
ドライブ16は、例えば、CD(Compact Disc)ドライブ、DVDドライブ等であり、記憶媒体90に記憶されたプログラムを読み込むためのドライブ装置である。ドライブ16の種類は、記憶媒体90の種類に応じて適宜選択されてよい。上記パフォーマンス計測プログラム80は、この記憶媒体90に記憶されていてもよい。
記憶媒体90は、コンピュータその他装置、機械等が記録されたプログラム等の情報を読み取り可能なように、当該プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する媒体である。パフォーマンス計測装置1は、この記憶媒体90から、上記パフォーマンス計測プログラム80を取得してもよい。
ここで、図4では、記憶媒体90の一例として、CD、DVD等のディスク型の記憶媒体を例示している。しかしながら、記憶媒体90の種類は、ディスク型に限定される訳ではなく、ディスク型以外であってもよい。ディスク型以外の記憶媒体として、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリを挙げることができる。
なお、パフォーマンス計測装置1の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部11は、複数のハードウェアプロセッサを含んでもよい。ハードウェアプロセッサは、マイクロプロセッサ、FPGA(field-programmable gate array)等で構成されてもよい。記憶部12は、制御部11に含まれるRAM及びROMにより構成されてもよい。外部インタフェース13、入力装置14、及び出力装置15、及びドライブ16の少なくともいずれかは省略されてもよい。パフォーマンス計測装置1は、ネットワークを介して外部装置とデータ通信するための通信インタフェースを備えてもよい。脳波計30及びロードセル31が通信インタフェースを備える場合、パフォーマンス計測装置1は、脳波計30及びロードセル31にネットワークを介して接続されてもよい。パフォーマンス計測装置1は、複数台のコンピュータで構成されてもよい。この場合、各コンピュータのハードウェア構成は、一致していてもよいし、一致していなくてもよい。また、パフォーマンス計測装置1は、提供されるサービス専用に設計された情報処理装置の他、汎用のサーバ装置、PC(Personal Computer)等であってもよい。
[ソフトウェア構成]
次に、図5を用いて、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1のソフトウェア構成の一例について説明する。図5は、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1のソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。
パフォーマンス計測装置1の制御部11は、記憶部12に記憶されたパフォーマンス計測プログラム80をRAMに展開する。そして、制御部11は、RAMに展開されたパフォーマンス計測プログラム80をCPUにより解釈及び実行して、パフォーマンス計測プログラム80に含まれる一連の命令に基づいて、各構成要素を制御する。これによって、図5に示されるとおり、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1は、データ取得部111、指数算出部112、格納処理部113、登録部114、判定部115、及び出力部116をソフトウェアモジュールとして備えるコンピュータとして動作する。すなわち、本実施形態では、各ソフトウェアモジュールは、制御部11(CPU)により実現される。
データ取得部111は、対象者がタスクを実行している間に、知覚活動及び身体活動の少なくとも一方に関する対象者の活動(挙動)を1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータ121を取得する。上記のとおり、タスクは、複数の要素作業により構成される。指数算出部112は、取得したセンシングデータ121を解析することで、対象者の活動(挙動)により達成される各要素作業に対するパフォーマンスの程度を示すパフォーマンス指数をセンシングデータ121から算出する。格納処理部113は、対象者、タスク、及び算出した各要素作業のパフォーマンス指数を関連付けて所定の記憶領域に格納する。
また、対象者が、タスクを適切に遂行可能な熟練者である場合、データ取得部111は、熟練者がタスクを実行している間に、熟練者の活動(挙動)を1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータを取得してもよい。熟練者は、規定の時間内に規定の品質で繰り返し同じようにタスクを完遂することができる者である。つまり、熟練者は、タスクを完遂する過程において、一連の要素作業を正しい順序、規定の時間及び規定の品質で実行することができ、かつそのようなタスクの完遂を同じように繰り返すことができる。そこで、指数算出部112は、熟練者から取得されたセンシングデータを解析することで、各要素作業についての熟練者のパフォーマンス指数を算出してもよい。登録部114は、各要素作業について算出された熟練者のパフォーマンス指数を各要素作業に要求されるパフォーマンス指数(以下、「要求パフォーマンス指数」とも記載する)として登録する。
また、判定部115は、タスクを適切に遂行するために各要素作業に要求されるパフォーマンス指数(要求パフォーマンス指数)と各要素作業について算出された対象者のパフォーマンス指数とを比較することで、対象者がタスクを適切に遂行可能か否か判定する。出力部116は、判定の結果に関する情報を出力する。
パフォーマンス計測装置1の各ソフトウェアモジュールに関しては後述する動作例で詳細に説明する。なお、本実施形態では、パフォーマンス計測装置1の各ソフトウェアモジュールがいずれも汎用のCPUによって実現される例について説明している。しかしながら、以上のソフトウェアモジュールの一部又は全部が、1又は複数の専用のプロセッサにより実現されてもよい。また、パフォーマンス計測装置1のソフトウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、ソフトウェアモジュールの省略、置換及び追加が行われてもよい。
§3 動作例
次に、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1の動作例について説明する。本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1は、計測モード、登録モード、及び運用モードの3つのモードにより、対象者のパフォーマンスを計測可能に構成される。計測モードは、対象者のパフォーマンス指数を算出するモードである。登録モードは、熟練者のパフォーマンス指数を算出し、算出した熟練者のパフォーマンス指数を要求パフォーマンス指数として登録するモードである。運用モードは、対象者のパフォーマンス指数を算出し、算出した対象者のパフォーマンス指数に基づいて、対象者がタスクを適切に遂行可能か否か判定するモードである。以下で説明する各モードにおける処理手順は、本発明の「パフォーマンス計測方法」の一例である。ただし、パフォーマンス計測装置1は、必ずしもこれら3つのモードを実行可能に構成されなければならない訳ではない。各モードは、適宜省略又は変更されてよい。また、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。更に、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
[計測モード]
まず、図6を用いて、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1の計測モードにおける処理手順の一例について説明する。図6は、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1の計測モードにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。
(ステップS101)
ステップS101では、制御部11は、対象者にタスクの実行を指示するメッセージを出力する。メッセージの出力先及び出力方法はそれぞれ、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
本実施形態では、タスクは、生産ラインに含まれる工程における作業40であり、対象者は、その作業40を処理する作業者50である。そこで、本実施形態では、制御部11は、例えば、出力装置15、作業者50の近傍に配置される出力装置(不図示)等を介して、作業40の実行を指示するメッセージを出力してもよい。実行を指示する作業40の種類は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。実行を指示する作業40は、例えば、はんだ付け、ケースの嵌合、挿入部品の挿入、検査、梱包等であってよい。タスクの実行を指示するメッセージを出力すると、制御部11は、次のステップS102に処理を進める。
(ステップS102)
ステップS102では、制御部11は、データ取得部111として動作し、対象者がタスクを実行している間に、知覚活動及び身体活動の少なくとも一方に関する対象者の活動を1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータ121を取得する。
本実施形態では、作業者50には、脳波計30及びロードセル31が取り付けられており、パフォーマンス計測装置1は、外部インタフェース13を介して脳波計30及びロードセル31に接続されている。そのため、本実施形態に係るセンシングデータ121は、生産ラインにおいて作業者50が作業40を実行している間に、知覚活動及び身体活動に関する作業者50の活動を脳波計30及びロードセル31により測定することで得られる。すなわち、本実施形態に係るセンシングデータ121は、脳波計30により測定された脳活動量の第1測定データ及びロードセル31により測定された負荷の第2測定データの2種類のデータにより構成される。センシングデータ121には、1回分の作業40を作業者50が実行する間に得られたデータが含まれてもよいし、複数回分の作業を作業者50が実行する間に得られたデータが含まれてもよい。本実施形態では、制御部11は、外部インタフェース13を介して脳波計30及びロードセル31から当該センシングデータ121を取得する。作業40は、上記4種類の要素作業を含んでいる。「視認」、「把持」、「運搬」、及び「調整」の各要素作業は、少なくとも1サイクル分の人間の認知学的な情報処理のプロセスを含むように定義される。ただし、センシングデータ121の構成及び取得方法は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。センシングデータ121を取得すると、制御部11は、次のステップS103に処理を進める。
(ステップS103)
ステップS103では、制御部11は、指数算出部112として動作し、取得したセンシングデータ121を解析することで、対象者の活動により達成される各要素作業に対するパフォーマンスの程度を示すパフォーマンス指数をセンシングデータ121から算出する。本実施形態では、制御部11は、作業者50から取得されたセンシングデータ121を解析することで、作業40に含まれる各要素作業についてのパフォーマンス指数を算出する。
得られたセンシングデータ121には、タスクに含まれる各要素作業に対する知覚活動及び身体活動の少なくとも一方のパフォーマンスが表れている。タスクを適切に遂行できるということは、知覚活動及び身体活動の結果により達成される各要素作業の実行の精度が高いということである。そのため、各要素作業に対するパフォーマンスは、各要素作業の実行の精度に基づいて評価可能である。
より詳細には、タスクを適切に遂行できるということは、各要素作業を正しい順序で適切な速さで実行することができるということである。加えて、タスクの試行を繰り返した場合には、タスクを遂行する能力の高い対象者ほど、各試行における各要素作業の実行のばらつきが少ない、換言すると、各試行において各要素作業を同じように実行することができる。そのため、各要素作業の実行の精度は、例えば、各要素作業の実行の正確性、安定性、速度、リズム等に表れる。
正確性は、1回分のタスクの試行において、各要素作業が正しい手順通りに実行されているか否かの度合いを示す指標である。安定性は、複数回分のタスクを試行した場合に、各試行において各要素作業が一定の手順で実行されているか否かの度合いを示す指標である。速度は、1回分のタスクの試行において、各要素作業に費やす時間の長さ及び隣接する要素作業の重なりの度合いを示す指標である。リズムは、複数回分のタスクを試行した場合に、各試行において各要素作業に費やした時間が一定であるか否かの度合いを示す指標である。正確性、安定性、速度、及びリズムの4つの指標によれば、各要素作業に対する対象者のパフォーマンスを適切に評価することができる。
本実施形態では、制御部11は、ステップS103において、これらの4つの指標を利用して、センシングデータ121を解析することで、各要素作業についてのパフォーマンス指数を算出する。ただし、これらの4つの指標はそれぞれ各要素作業の実行の精度を評価する指標の一例であり、各要素作業の実行の精度を評価する指標は、これらの例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。
ここで、図7を用いて、本実施形態に係るステップS103の処理を詳細に説明する。図7は、センシングデータ121を解析する処理手順の一例を例示する。本実施形態に係るステップS103の処理は、以下のステップS1301〜S1305の各処理を含む。
(ステップS1301)
ステップS1301では、制御部11は、センシングデータ121を特徴量の時系列データに変換する。この変換処理には、公知の方法が適宜採用されてよい。
変換処理の一例として、制御部11は、まず、センシングデータ121を一定区間毎に区切ることで、センシングデータ121を複数のフレームに分割する。不要な場合には、このフレーム分割の処理は省略されてよい。次に、制御部11は、各フレーム内の部分データに所定の演算処理を行うことで、各フレーム内の特徴量を算出する。そして、制御部11は、算出した特徴量を時系列にプロットする。この一連の処理により、制御部11は、センシングデータ121を特徴量の時系列データに変換することができる。変換処理が完了すると、制御部11は、次のステップS1302に処理を進める。
なお、特徴量は、力、モーション、注視点(視線方向)、脳波等の測定値に関して、例えば、フレーム内の振幅、最大値(ピーク値)、最小値、平均値、分散値、標準偏差、瞬時値等であってよい。特徴量は、時系列上の確率分布で表現されてもよい。時系列データを生成する対象として、1又は複数の特徴量が採用されてよい。すなわち、センシングデータ121は、1又は複数の特徴量の時系列データに変換されてもよい。また、異なるタスクを共通の指標(要素作業)で評価する場合には、異なるタスク間で共通に観測可能な特徴量を採用するのが好ましい。例えば、第1タスク及び第2タスクの各要素作業において力のピーク値が特徴的に表れると想定する。すなわち、センシングデータに表れる力のピーク値により後述するステップS1302の分析が可能であると想定する。この場合、時系列データを生成する対象として、力のピーク値を特徴量に採用するのが好ましい。
(ステップS1302及びS1303)
ステップS1302では、制御部11は、特徴量の時系列データを分析することで、時間軸上で対象者が各要素作業を実行した各時間区間を推定する。そして、次のステップS1303では、制御部11は、分析の結果に基づいて、各要素作業の実行時間、時間的重複、実行回数、及び実行順序を特定する。
図8及び図9を用いて、ステップS1301〜S1303の過程について詳細に説明する。図8は、センシングデータ121の一例を模式的に例示する。図9は、特徴量の時系列データの一例を模式的に例示する。なお、本実施形態では、センシングデータ121は、脳波計30により測定された脳活動量の第1測定データ及びロードセル31により測定された負荷の第2測定データを含んでいる。ただし、ステップS1301〜S1303では、第1測定データ及び第2測定データは同様に処理される。そのため、以下では、便宜上、第1測定データについての説明は省略し、第1測定データは第2測定データと同様に処理されているものとする。
図8に示されるとおり、本実施形態に係るセンシングデータ121では、ロードセル31による負荷(力)の測定値が時系列に並んでいる。力のピーク値を特徴量に採用し、このセンシングデータ121に上記ステップS1301を適用すると、図9に例示される、力のピーク値が時系列に並ぶ時系列データを得ることができる。この時系列データに上記ステップS1302を適用すると、時系列データの各時刻が、どの要素作業に対応するかを推定することができる(時系列データの各時刻に作業者50が、作業40に含まれる4種類の要素作業のうちのどの要素作業を実行したかを推定することができる)。すなわち、時系列データの各時間区間と各要素作業との対応関係を推定することができる。これにより、ステップS1303では、図9に例示されるとおり、作業者50が作業40を遂行する過程における各要素作業の実行時間、時間的重複、実行回数、及び実行順序を特定することができる。
より詳細には、各要素作業の時間区間の長さ及び隣接する時間区間の重なりが、各要素作業の実行に費やした時間の長さ(実行時間)及び隣接する要素作業間の重複(時間的重複)を示す。図9の例では、「運搬」及び「調整」の実行時間が「視認」及び「把持」の実行時間よりも長くなっている。「視認」と「把持」との間に時間的重複が生じている。また、各要素作業に対応する時間区間の数が、各要素作業を実行した回数(実行回数)を示す。図9の例では、各要素作業は1回ずつ実行されている。また、各要素作業に対応する時間区間の並び(順序)が、各要素作業を実行した順序(実行順序)を示す。図9の例では、「視認」、「把持」、「運搬」、及び「調整」の順で要素作業が実行されている。このように、各要素作業の実行時間、時間的重複、実行回数、及び実行順序を特定すると、制御部11は、次のステップS1304に処理を進める。
なお、時系列データ分析の手法は、時系列データにおいて各要素作業を実行する時間区間を識別可能であれば、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。時系列データ分析の手法には、例えば、状態遷移確率モデル、ベイズモデル、マルコフモデル、隠れマルコフモデル、多クラス識別モデル、カーネル関数、動的時間伸縮法(Dynamic Time Warping)等の公知のクラスタリング手法が採用されてよい。
また、時系列データ分析には、各要素作業の時間区間を推定する能力を機械学習により習得した学習済みの学習モデルが利用されてもよい。この機械学習には、例えば、サンプルとなる特徴量の時系列データとサンプルの各時間区間の要素作業を示す正解データとの組み合わせで構成されるデータセットが用いられる。サンプルは、訓練データである。学習モデルは、例えば、ニューラルネットワーク、サポートベクタマシン等により構成される。誤差逆伝播法等の公知の学習アルゴリズムによって、この学習モデルは、サンプルが入力されると、入力されたサンプルに対応する正解データを出力するように訓練される。これにより、学習済みの学習モデルは、特徴量の時系列データが入力されると、入力された時系列データにおける各要素作業の時間区間を推定した結果を出力する能力を習得する。
(ステップS1304)
ステップS1304では、制御部11は、ステップS1303により特定された各要素作業の実行時間、時間的重複、実行回数、及び実行順序に基づいて、各要素作業の実行の正確性、安定性、速度、及びリズムを評価する。
ここで、図10を用いて、人間がタスクに習熟する過程について説明する。図10は、人間がタスクに習熟する過程の一例を模式的に例示する。図10の例では、タスクは、「視認」、「把持」、「運搬」、及び「調整」の4つの要素作業を含んでおり、各要素作業がこの順序で適正な時間で実行されることにより、適切に遂行可能であると想定されている(図10の「正解」)。
タスクに習熟していない、すなわち、タスクを遂行する能力の低い初心者は、各要素作業を正しい順序でかつ適正な時間で実行することができないため、各要素作業の実行の精度が低く、規定の時間内に規定の品質でタスクを完遂することができない。よって、図10の「低レベル」に示されるように、初心者がタスクを遂行する過程においては、要素作業に費やす時間が適正な時間と比べて長くなってしまったり、要素作業に費やす時間が極端に短い(すなわち、要素作業の実行が不十分である)ために、その要素作業の実行を繰り返してしまったり、どの要素作業にも属さない無駄な時間が発生してしまったり、要素作業を実行する順番を誤ってしまったりする。
この初心者が、タスクに習熟していくと、タスクを遂行する過程において無駄な時間が徐々になくなっていき、各要素作業を正しい順序かつ適正な時間でシームレスに実行できるようになっていく。これにより、初心者は、図10の「基準レベル」の能力を有する熟練者となる。すなわち、基準レベルの熟練者は、各要素作業を正しい順序でかつ適正な時間でシームレスに実行することができ、これによって、規定の時間内に規定の品質でタスクを完遂することができる。この基準レベルの熟練者が更にタスクに習熟すると、この熟練者は、各要素作業をよりシームレスにかつより短い時間で実行できるようになる。これにより、図10の「高レベル」に示されるとおり、隣接する要素作業の間に時間的重複が生じるようになっていき、かつ各要素作業に費やす時間が短くなっていく。
そこで、制御部11は、各要素作業の実行時間、時間的重複、実行回数、及び実行順序に基づく、各要素作業の実行の正確性、安定性、速度、及びリズムの評価を通じて、「低レベル」から「高レベル」までのいずれのレベルに対象者が属するかを算定する。つまり、制御部11は、「高レベル」に示される具合で対象者が繰り返しタスクを遂行するほど、対象者の各要素作業の実行の正確性、安定性、速度、及びリズムを高評価し、これに応じて、後述するステップS1305では、各要素作業についてのパフォーマンス指数を高い値に算出する。一方、制御部11は、「低レベル」に示される具合で対象者が繰り返しタスクを遂行するほど、対象者の各要素作業の実行の正確性、安定性、速度、及びリズムを低評価し、これに応じて、後述するステップS1305では、各要素作業についてのパフォーマンス指数を低い値に算出する。各指標による評価方法については、以下で説明する。なお、上記の説明では、基準レベルを熟練者のレベルとして取り扱い、高レベルをより習熟度の高い熟練者のレベルとして取り扱った。しかしながら、熟練者のレベルの設定は、このような例に限定されなくてもよい。例えば、高レベルのみを熟練者のレベルとして取り扱ってもよい。
(A)正確性
まず、図11Aを用いて、要素作業の実行の正確性を評価する方法について説明する。図11Aは、図10で例示したタスクについて、各要素作業の実行の正確性を評価する方法の一例を模式的に例示する。正確性は、各要素作業が正しい手順通りに実行されているか否かの度合いを示す指標である。そのため、制御部11は、ステップS1303で特定した各要素作業の実行回数及び実行順序に基づいて、各要素作業の実行の正確性を評価することができる。
例えば、図11Aでは、作業者Aは、「視認」の要素作業を2回実行しており、各「視認」の要素作業は1番目及び3番目に実行されている。これに対して、各要素作業を正しい順序で実行した場合には、「視認」の要素作業は、1番目に1回だけ実行される。そのため、作業者Aは、誤った回数及び誤った順序で「視認」を実行しており、制御部11は、この作業者Aの「視認」の実行の正確性は低いと評価する。一方、作業者Bは、「視認」の要素作業を1番目に1回だけ実行している。そのため、作業者Bは、正しい回数及び正しい順序で「視認」を実行しており、制御部11は、この作業者Bの「視認」の実行の正確性は高いと評価する。
つまり、対象者の各要素作業の実行回数及び実行順序が、タスクを適切に遂行した時の各要素作業の実行回数及び実行順序から乖離するほど、制御部11は、対象者の各要素作業の実行の正確性は低いと評価する。一方、対象者の各要素作業の実行回数及び実行順序が、タスクを適切に遂行した時の各要素作業の実行回数及び実行順序と一致するほど、制御部11は、対象者の各要素作業の実行の正確性は高いと評価する。なお、図11Aの例では、作業者Aは、「視認」については実行回数及び実行順序を誤っているものの、「把持」については正しい回数及び正しい順序で実行している。そのため、制御部11は、この作業者Aの「把持」の実行の正確性は高いと評価する。
(B)安定性
次に、要素作業の実行の安定性を評価する方法について説明する。安定性は、複数回分のタスクを試行した場合に、各試行において各要素作業が一定の手順で実行されているか否かの度合いを示す指標である。そのため、制御部11は、各要素作業の実行回数及び実行順序に基づいて、各試行における各要素作業の実行の正確性を評価した後に、各試行における正確性のばらつきに基づいて、各要素作業の実行の安定性を評価することができる。なお、ばらつきは、例えば、分散、標準偏差等の公知の数学的手法により表現可能である。
例えば、対象者が、上記図11Aの作業者Bのように各要素作業を正しい回数及び正しい順序で繰り返し実行できている場合、制御部11は、対象者の各要素作業の実行の安定性は高いと評価する。一方、各試行における各要素作業の実行回数及び実行順序のばらつきが大きいほど、制御部11は、対象者の各要素作業の実行の安定性は低いと評価する。
また、図11Bに示されるとおり、センシングデータ121又は特徴量の時系列データから特定される対象者の挙動に基づいて、各要素作業の実行の安定性は評価されてもよい。図11Bは、各要素作業の実行の安定性を評価する方法の一例を模式的に例示する。図11Bの各作業者(A、B)のグラフは、特徴量の時系列データから特定された、各試行における「把持」を遂行した時の力のピーク値を例示する。
上記のとおり、タスクを遂行する能力の高い対象者ほど、各試行において各要素作業を同じように実行することができる。よって、各要素作業を遂行する時の挙動のばらつきが大きいほど、制御部11は、対象者の各要素作業の実行の安定性は低いと評価することができる。一方、各要素作業を遂行する時の挙動のばらつきが小さいほど、制御部11は、対象者の各要素作業の実行の安定性は高いと評価することができる。
図11Bの例では、各試行において作業者Aの「把持」を実行した時の力のピーク値はばらついている。そのため、制御部11は、作業者Aの「把持」の実行の安定性は低いと評価することができる。一方、各試行において作業者Bが「把持」を実行した時の力のピーク値は一定である。そのため、制御部11は、作業者Bの「把持」の実行の安定性は高いと評価することができる。
なお、安定性を評価するためのタスクの試行回数は、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。試行回数は、例えば、1日分、1時間分等のように、所定の時間に基づいて設定されてよい。また、本実施形態に係るタスクは、生産ラインに含まれる工程における作業40であるため、試行回数は、例えば、作業40により生産される製品の個数に基づいて設定されてもよい。
(C)速度
次に、図11Cを用いて、要素作業の実行の速度を評価する方法について説明する。図11Cは、図10で例示したタスクについて、各要素作業の実行の速度を評価する方法の一例を模式的に例示する。速度は、各要素作業に費やす時間の長さ及び隣接する要素作業の重なりの度合いを示す指標である。そのため、制御部11は、ステップS1303で特定した各要素作業の実行時間及び時間的重複に基づいて、各要素作業の実行の速度を評価することができる。
例えば、図11Cでは、作業者Aは、「視認」と「把持」との間に無駄な動作を行っているため、作業者Aが「視認」の要素作業にトータルで費やした時間は適正な時間よりも長くなっている。そのため、制御部11は、作業者Aの「視認」の実行の速度は遅いと評価する。一方、作業者Bが「視認」の要素作業に費やした時間は適正な時間よりも短くなっている。そのため、制御部11は、作業者Bの「視認」の実行の速度は速いと評価する。同様に、作業者Cは、「視認」と「把持」とを部分的に重複して実行しているため、作業者Cが「視認」の要素作業にのみ費やした時間は適正な時間よりも短くなっている。そのため、制御部11は、作業者Cの「視認」の実行の速度は速いと評価する。
つまり、対象者の各要素作業の実行時間及び時間的重複に基づき、各要素作業に実質的に費やした時間が適正な時間よりも短いほど、制御部11は、対象者の各要素作業の実行の速度は速いと評価する。一方、各要素作業に実質的に費やした時間が適正な時間よりも長いほど、制御部11は、対象者の各要素作業の実行の速度は遅いと評価する。
なお、基本的には、各要素作業の実行の速度が速いほど、制御部11は、当該速度の評価は高いと判定する。ただし、上記のとおり、各要素作業の実行の速度が適正な速度と比べて極端に速い場合には、各要素作業の実行が不十分である可能性がある。そのため、対象者の各要素作業の実行の速度が適正な速度よりも速い場合、制御部11は、対象者の各要素作業の実行の速度と適正な速度との差分が閾値を超えるか否かを判定してもよい。そして、当該差分が閾値を超えない場合には、制御部11は、当該速度の評価は高いと判定してもよい。一方、当該差分が閾値を超える場合には、制御部11は、当該速度の評価は低いと判定してもよい。
(D)リズム
次に、図11Dを用いて、要素作業の実行のリズムを評価する方法について説明する。図11Dは、各要素作業の実行のリズムを評価する方法の一例を模式的に例示する。リズムは、複数回分のタスクを試行した場合に、各試行において各要素作業に実質的に費やした時間が一定であるか否かの度合いを示す指標である。そのため、制御部11は、各要素作業の実行時間及び時間的重複に基づいて、各試行における各要素作業の実行の速度を評価した後に、各試行における速度のばらつきに基づいて、各要素作業の実行のリズムを評価することができる。
例えば、図11Dでは、作業者Aの「視認」に費やした時間の長さがばらついている。そのため、制御部11は、作業者Aの「視認」の実行のリズムは悪いと評価する。一方、作業者Bが「視認」に費やした時間の長さは一定である。そのため、制御部11は、作業者Bの「視認」のリズムは良いと評価する。
つまり、対象者が複数回分のタスクを試行した場合に、各要素作業の実行の速さ(費やした時間の長さ)のばらつきが大きいほど、制御部11は、対象者の各要素作業の実行のリズムは悪いと評価する。一方、各要素作業の実行の速さ(費やした時間の長さ)のばらつきが小さいほど、制御部11は、対象者の各要素作業の実行のリズムは良いと評価する。
以上により、制御部11は、特定された各要素作業の実行時間、時間的重複、実行回数、及び実行順序に基づいて、各要素作業の実行の正確性、安定性、速度、及びリズムを評価することができる。各要素作業の評価が完了すると、制御部11は、次のステップS1305に処理を進める。
なお、タスクに含まれる各要素作業の正しい順序及び適正な時間(速度)は、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。例えば、各要素作業の正しい順序及び適正な時間は、予め与えられていてもよいし、オペレータ等の入力により設定されてもよい。また、各要素作業の正しい順序及び適正な時間は、タスクを実行している間における熟練者の挙動に基づいて特定されてよい。例えば、後述する登録モードにおいて、制御部11は、熟練者から取得されたセンシングデータ121から各要素作業の正しい順序及び適正な時間を特定してもよい。
(ステップS1305)
ステップS1305では、制御部11は、ステップS1304による評価の結果に応じて、各要素作業についてのパフォーマンス指数を算出する。各要素作業の実行の正確性が高く、安定性が高く、速度が速く、かつリズムが良い(すなわち、各評価が高い)ほど、制御部11は、各要素作業についてのパフォーマンス指数を高い値に算出する。一方、各要素作業の実行の正確性が低く、安定性が低く、速度が遅く、かつリズムが悪い(すなわち、各評価が低い)ほど、制御部11は、各要素作業についてのパフォーマンス指数を低い値に算出する。
例えば、各要素作業を正しい順序及び適正な時間で遂行する模範的な挙動(例えば、図10等の「正解」の挙動)に対して、パフォーマンス指数の基準値が与えられてもよい。この基準値は、予め与えられてもよいし、オペレータ等の入力により設定されてもよい。制御部11は、この予め与えられた模範的な挙動と比較して対象者の各要素作業の実行に対する各評価の程度に応じて、各要素作業についてのパフォーマンス指数を基準値から算出してもよい。すなわち、模範的な挙動と比較して対象者の各要素作業の実行に対する各評価が高いほど、制御部11は、各要素作業についてのパフォーマンス指数を基準値と同じ値又は高い値に算出する。一方、模範的な挙動と比較して対象者の各要素作業の実行に対する各評価が低いほど、制御部11は、各要素作業についてのパフォーマンス指数を基準値よりも低い値に算出する。このパフォーマンス指数の算出には、線形回帰モデル、共分散構造解析、重回帰分析等の演算モデルが用いられてよい。また、パフォーマンス指数は、全データを正規化することで得られる閾値との比較に基づいて算出されてもよい。模範的な挙動は、オペレータ等の入力により与えられてもよいし、熟練者の動作から与えられてもよい。
なお、異なるタスク間で共通の指標(要素作業)を用いて、対象者の各タスクを遂行する能力を比較する場合には、各パフォーマンス指数の基準値は、各要素作業に要求される知覚活動及び身体活動の難易度に応じて設定されるのが好ましい。
例えば、タスクX及びタスクYの2つのタスクがあると想定する。タスクXの「視認」に要求される知覚活動及び身体活動が、例えば、製品の外観検査等のように、対象物に指で触れて、対象物から指に伝わる感触に基づいて、対象物の状態(1次的な情報)を認知することであると想定する。これに対して、タスクYの「視認」に要求される知覚活動及び身体活動が、例えば、触診等のように、他の対象物と結合する対象物に指で触れて、対象物から指に伝わる感触に基づいて、他の対象物の状態(2次的な情報)を認知することであると想定する。
この場合、タスクYの「視認」に要求される知覚活動及び身体活動の難易度は、タスクXの「視認」に要求される知覚活動及び身体活動の難易度よりも明らかに高い。このとき、タスクXの「視認」及びタスクYの「視認」それぞれに同一の基準値を与えると、タスクXの遂行に際して算出された「視認」のパフォーマンス指数は、タスクYの遂行に際して算出された「視認」のパフォーマンス指数とは単純には比較することができない。つまり、高いパフォーマンス指数でタスクXの「視認」を実行可能な対象者が、タスクYについても同様に高いパフォーマンス指数でタスクYの「視認」を実行できるとは限らない。
そのため、上記のとおり、異なるタスク間で共通の指標(要素作業)を用いて、対象者の各タスクを遂行する能力を比較する場合には、各パフォーマンス指数の基準値は、各タスクに含まれる各要素作業に要求される知覚活動及び身体活動の難易度に応じて設定されるのが好ましい。例えば、知覚活動及び身体活動の難易度を判定するための判定規則を設定し、設定された判定規則に基づいて、各タスクの各要素作業に対して設定するパフォーマンス指数の基準値を決定するのが好ましい。
ここで、図12A及び図12Bを用いて、判定規則の一例について説明する。図12Aは、知覚活動の難易度とパフォーマンス指数の基準値との関係の一例を例示する。図12Bは、身体活動の難易度とパフォーマンス指数の基準値との関係の一例を例示する。
図12Aの判定規則の一例は、知覚の精度、使用する感覚器の種類数、及び知覚対象の数の3つの項目に基づいて、知覚活動の難易度を評価する。すなわち、要求される知覚の精度が高く、使用する感覚器の種類数が多く、かつ知覚対象の数が多いほど、知覚活動の難易度は高くなる。そのため、図12Aの判定規則の一例では、要求される知覚の精度がmm(ミリメートル)単位であり、使用する感覚器の種類数が2種類であり、かつ知覚対象の数が3以上である要素作業に対して、パフォーマンス指数の基準値として最も高い値「40」を与えるように設定されている。一方、図12Aの判定規則の一例では、要求される知覚の精度がcm(センチメートル)単位であり、使用する感覚器の種類数が1種類であり、かつ知覚対象の数が2以下である要素作業に対して、パフォーマンス指数の基準値として最も低い値「5」を与えるように設定されている。なお、図12Aの判定規則の一例は、上記3つの項目に基づいて、知覚活動の難易度を8段階で評価し、各難易度に応じて基準値を等間隔に設定している。
また、図12Bの判定規則の一例は、身体運動の精度、非利き手の使用の有無、及び道具の使用の有無の3つの項目に基づいて、身体活動の難易度を評価する。すなわち、要求される身体運動の精度が高く、非利き手を使用し、かつ道具を使用するほど、身体活動の難易度は高くなる。そのため、図12Bの判定規則の一例では、要求される身体運動の精度がmm単位であり、非利き手を使用し、かつ道具を使用する要素作業に対して、パフォーマンス指数の基準値として最も高い値「40」を与えるように設定されている。一方、図12Bの判定規則の一例では、要求される身体運動の精度がcm単位であり、非利き手を使用せず、かつ道具を使用しない要素作業に対して、パフォーマンス指数の基準値として最も低い値「5」を与えるように設定されている。なお、図12Aの判定規則の一例と同様に、図12Bの判定規則の一例は、上記3つの項目に基づいて、身体活動の難易度を8段階で評価し、各難易度に応じて基準値を等間隔に設定している。
制御部11は、図12A及び図12Bに例示される各判定規則を利用することで、各タスクの各要素作業に対して設定するパフォーマンス指数の基準値を、各要素作業の難易度に応じて決定することができる。例えば、両判定規則を利用する場合には、制御部11は、知覚活動及び身体活動それぞれの難易度を各判定規則に基づいて評価し、各判定規則から導出される基準値を合算することで、各要素作業の難易度に応じたパフォーマンス指数の基準値を各要素作業に対して設定することができる。そして、制御部11は、各タスクに含まれる各要素作業に対して設定した基準値を利用して、ステップS1304による評価の結果に応じて、各要素作業についてのパフォーマンス指数を算出する。これにより、異なるタスク間で共通の指標(要素作業)を用いて、対象者の各タスクを遂行する能力を比較することができるようになる。
ただし、知覚活動及び身体活動の難易度を評価するための項目は、これらの例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。知覚活動の難易度を評価するための項目として、例えば、認知対象(1次的な情報か2次的な情報か)、認知箇所(例えば、対象物の外側の状態を認知するのか内側の状態を認知するのか)等を上記以外に挙げることができる。一方、身体活動の難易度を評価するための項目として、例えば、駆動する身体部位の数、駆動時間等を上記以外に挙げることができる。また、知覚活動及び身体活動の難易度とパフォーマンス指数の基準値との対応関係は、図12A及び図12Bの例に限定されなくてもよく、評価項目に応じて適宜設定されてよい。
以上のステップS1301〜S1305の一連の処理により、制御部11は、センシングデータ121を解析することで、各要素作業についてのパフォーマンス指数を算出する。本実施形態では、制御部11は、作業者50から取得されたセンシングデータ121を解析することで、作業40に含まれる各要素作業についてのパフォーマンス指数を算出する。各要素作業についてのパフォーマンス指数を算出すると、制御部11は、次のステップS104に処理を進める。
なお、ステップS1301〜S1305までの一連の演算処理はモデル化されてよい。すなわち、演算モデルを利用することで、制御部11は、センシングデータ121から各要素作業についてのパフォーマンス指数を直接的に導出してもよい。この演算モデルの一例として、センシングデータ121から各要素作業についてのパフォーマンス指数を導出する能力を機械学習により習得した学習済みの学習モデルが利用されてよい。この機械学習には、例えば、サンプル(訓練データ)となるセンシングデータとサンプルから導出された各要素作業についてのパフォーマンス指数を示す正解データとの組み合わせで構成されるデータセットが用いられる。学習モデルは、例えば、ニューラルネットワーク、サポートベクタマシン等により構成される。誤差逆伝播法等の公知の学習アルゴリズムによって、この学習モデルは、サンプルが入力されると、入力されたサンプルに対応する正解データを出力するように訓練される。これにより、学習済みの学習モデルは、センシングデータ121が入力されると、入力されたセンシングデータ121から導出される各要素作業についてのパフォーマンス指数を出力する能力を習得する。
(ステップS104)
図6に戻り、ステップS104では、制御部11は、格納処理部113として動作し、対象者、タスク、及びステップS103により算出した各要素作業のパフォーマンス指数を関連付けて所定の記憶領域に格納する。本実施形態では、制御部11は、作業者50、作業40、及び算出した各要素作業のパフォーマンス指数を関連付けて所定の記憶領域に格納する。
所定の記憶領域及びデータの形式はそれぞれ、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。所定の記憶領域は、例えば、制御部11内のRAM、記憶部12、外部記憶装置、記憶メディア又はこれらの組み合わせであってよい。記憶メディアは、例えば、CD、DVD等であってよく、制御部11は、ドライブ16を介して記憶メディアにデータを格納してもよい。外部記憶装置は、例えば、外部インタフェース13を介して接続される外付けの記憶装置であってよい。この場合、制御部11は、外部インタフェース13を介して外付けの記憶装置にデータを格納してもよい。また、パフォーマンス計測装置1がネットワークに接続可能である場合、外部記憶装置は、例えば、NAS(Network Attached Storage)等のデータサーバであってよい。この場合、制御部11は、ネットワークを介してデータサーバにデータを格納してもよい。本実施形態では、記憶部12は、能力データベース70を保持している。制御部11は、作業者50、作業40、及び算出した各要素作業のパフォーマンス指数を関連付けて記憶部12の能力データベース70に格納する。
ここで、図13を用いて、能力データベース70の一例について説明する。図13は、本実施形態に係る能力データベース70の一例を模式的に例示する。能力データベース70は、各対象者のパフォーマンス指数を格納するためのデータベースである。図13の例では、能力データベース70はテーブル形式で表現されており、各レコード(行データ)は、作業者名、作業名、日時、視認、把持、運搬、及び調整のフィールドを有している。作業者名フィールドには、作業者50を特定するための情報が格納される。作業名フィールドには、作業40を特定するための情報が格納される。日時フィールドには、パフォーマンス指数を計測した日時を示す情報が格納される。視認、把持、運搬、及び調整の各フィールドには、算出した各要素作業についてのパフォーマンス指数が格納される。ただし、能力データベース70のデータ形式及びフィールドは、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
ステップS104では、制御部11は、能力データベース70において新たなレコードを作成する。そして、制御部11は、作成したレコードの各フィールドに、作業者50を特定するための情報、作業40を特定するための情報、日時を示す情報、及びステップS103により算出した各要素作業のパフォーマンス指数を格納する。これにより、作業者50、作業40、及び各要素作業についてのパフォーマンス指数が関連付けられて能力データベース70に格納される。
以上により、制御部11は、本実施形態に係る計測モードの一連の処理を終了する。制御部11は、オペレータの操作等により、作業者50のパフォーマンス指数を計測することを指示されたことに応じて、上記ステップS101〜S104の一連の処理を実行してもよい。本動作例に係る計測モードの実行タイミングは、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。また、制御部11は、ステップS101〜S104の一連の処理の実行を繰り返すことで、タスク(作業40)の各要素作業に対する対象者(作業者50)のパフォーマンス指数を定期又は不定期に計測してもよい。なお、以上の本動作例に係る計測モードの処理手順は可能な限り変更されてもよい。例えば、制御部11は、ステップS101の処理を省略して、ステップS102〜S104の処理を実行してもよい。
[登録モード]
次に、図14を用いて、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1の登録モードにおける処理手順の一例について説明する。図14は、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1の登録モードにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。
(ステップS201〜S203)
ステップS201〜S203は、作業者50が熟練者である点を除き、上記ステップS101〜S103と同様である。すなわち、ステップS201では、制御部11は、熟練者にタスクの実行を指示するメッセージを出力する。ステップS202では、制御部11は、データ取得部111として動作し、熟練者がタスクを実行している間に、熟練者の活動(挙動)を1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータ121を取得する。ステップS203では、制御部11は、熟練者から取得されたセンシングデータ121を解析することで、各要素作業についての熟練者のパフォーマンス指数を算出する。熟練者のパフォーマンス指数を算出すると、制御部11は、次のステップS204に処理を進める。
なお、ステップS203において、熟練者のセンシングデータ121から各要素作業についてのパフォーマンス指数を導出する過程で、制御部11は、各要素作業の実行時間、時間的重複、実行回数、及び実行順序を特定する。制御部11は、この熟練者がタスクを遂行する過程における各要素作業の実行時間、時間的重複、実行回数、及び実行順序に基づいて、上記各要素作業の正しい順序及び適正な時間(すなわち、模範的な挙動)を設定してもよい。この場合、制御部11は、熟練者のパフォーマンス指数の算出を実行せず、本動作例に係る登録モードの処理手順を終了してもよい。
また、各要素作業の正しい順序及び適正な時間が既に設定されている場合に、制御部11は、熟練者の各要素作業の実行時間、時間的重複、実行回数、及び実行順序に基づいて、各要素作業の正しい順序及び適正な時間を修正又は更新してもよい。この場合、制御部11は、既に設定されていた各要素作業の正しい順序及び適正な時間に基づいて、熟練者の各要素作業の実行の正確性、安定性、速度、及びリズムを評価してもよい。続いて、制御部11は、この評価の結果に基づいて、各要素作業についての熟練者のパフォーマンス指数を算出してもよい。そして、制御部11は、各要素作業について算出された熟練者のパフォーマンス指数により、各要素作業についてのパフォーマンス指数の基準値を修正又は更新してもよい。
(ステップS204)
ステップS204では、制御部11は、登録部114として動作し、ステップS203により各要素作業について算出された熟練者のパフォーマンス指数を各要素作業の要求パフォーマンス指数として登録する。
この登録処理の一例として、制御部11は、ステップS203により各要素作業について算出された熟練者のパフォーマンス指数を各要素作業の要求パフォーマンス指数として利用可能な状態で所定の記憶領域に格納してもよい。所定の記憶領域は、例えば、RAM、記憶部12、外部記憶装置、記憶メディア又はこれらの組み合わせであってよい。制御部11は、例えば、各要素作業について算出された熟練者のパフォーマンス指数を、要求パフォーマンス指数として利用可能な状態で能力データベース70に格納してもよい。ただし、登録処理の内容は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。
以上により、制御部11は、本実施形態に係る登録モードの一連の処理を終了する。制御部11は、例えば、オペレータの操作等により、登録モードによる計測を指示されたことに応じて、上記ステップS201〜S204の一連の処理を実行してもよい。また、制御部11は、作業者50が熟練者であると指定されたことに応じて、上記ステップS201〜S204の一連の処理を実行してもよい。本動作例に係る登録モードの実行タイミングは、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。なお、以上の本動作例に係る登録モードの処理手順は可能な限り変更されてもよい。例えば、制御部11は、ステップS201の処理を省略して、ステップS202〜S204の処理を実行してもよい。
[運用モード]
次に、図15を用いて、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1の運用モードにおける処理手順の一例について説明する。図15は、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1の運用モードにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。
(ステップS301〜S303)
ステップS301〜S303は、上記ステップS102〜S104と同様である。すなわち、ステップS301では、制御部11は、データ取得部111として動作し、対象者がタスクを実行している間に、知覚活動及び身体活動の少なくとも一方に関する対象者の活動を1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータ121を取得する。ステップS302では、制御部11は、指数算出部112として動作し、取得したセンシングデータ121を解析することで、対象者の活動により達成される各要素作業に対するパフォーマンスの程度を示すパフォーマンス指数をセンシングデータ121から算出する。ステップS303では、制御部11は、格納処理部113として動作し、対象者、タスク、及びステップS103により算出した各要素作業のパフォーマンス指数を関連付けて所定の記憶領域に格納する。本実施形態では、作業40に含まれる各要素作業についての作業者50のパフォーマンス指数が算出され、算出された各要素作業についての作業者50のパフォーマンス指数が所定の記憶領域に格納される。算出した各要素作業のパフォーマンス指数を所定の記憶領域に格納すると、制御部11は、次のステップS304に処理を進める。
(ステップS304)
ステップS304では、制御部11は、判定部115として動作し、各要素作業について算出された対象者のパフォーマンス指数と要求パフォーマンスとを比較することで、対象者がタスクを適切に遂行可能か否か判定する。
本実施形態では、制御部11は、作業40に含まれる各要素作業について算出された作業者50のパフォーマンス指数と要求パフォーマンス指数とを比較する。例えば、制御部11は、この比較の結果に基づいて、各要素作業について算出された作業者50のパフォーマンス指数が各要素作業の要求パフォーマンス指数以上であるか否かを判定してもよい。そして、全ての要素作業について作業者50のパフォーマンス指数が要求パフォーマンス指数以上であると判定された場合に、制御部11は、作業者50が作業40を適切に遂行可能であると判定してもよい。一方、いずれかの要素作業について作業者50のパフォーマンス指数が要求パフォーマンス指数未満であると判定された場合に、制御部11は、作業者50が作業40を適切に遂行可能ではないと判定してもよい。このとき、制御部11は、作業者50のパフォーマンス指数が要求パフォーマンス指数未満である要素作業を作業者50が適切に遂行することができない要素作業として抽出してもよい。ただし、判定処理の内容は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。
対象者がタスクを適切に遂行可能か否かの判定が完了すると、制御部11は、次のステップS305に処理を進める。なお、この判定処理に利用する要求パフォーマンス指数は、予め与えられてもよいし、オペレータ等の入力により設定されてもよい。または、この判定処理に利用する要求パフォーマンス指数は、上記登録モードにより登録された熟練者のパフォーマンス指数であってもよい。上記登録モードにより登録された熟練者のパフォーマンス指数を要求パフォーマンス指数として利用することで、作業者50が作業40を適切に遂行可能か否か的確に判定することができる。
(ステップS305)
ステップS305では、制御部11は、出力部116として動作し、ステップS304の判定の結果に関する情報を出力する。出力処理の内容は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
例えば、制御部11は、ステップS304の判定の結果そのものを出力装置15に出力してもよい。これにより、制御部11は、作業者50自身、作業者50を監督する監督者(指導者)等に、作業者50が作業40を適切に遂行可能か否かの判定の結果を伝達してもよい。作業者50が作業40を適切に遂行することができないと判定した場合には、制御部11は、上記のとおり、作業者50が適切に遂行することができない要素作業を抽出し、抽出した要素作業を上記判定の結果と共に出力装置15に出力してもよい。また、制御部11は、適切に遂行することができない要素作業の習熟を作業者50に促すメッセージを出力装置15に出力してもよい。更に、作業者50が作業40を適切に遂行することができない状態が継続した場合には、制御部11は、作業者50が担当する作業を変更することを促すメッセージを出力装置15に出力してもよい。なお、情報の出力先は、出力装置15に限られなくてもよく、作業者50又は監督者の携帯するユーザ端末、作業者50の近傍に配置されたディスプレイ、表示灯等の出力装置等であってよい。
また、例えば、ロボット装置、コンベア装置等の協働装置(不図示)が作業者50と作業40の遂行を協働している場合、パフォーマンス計測装置1は、この協働装置の動作を制御するように構成された制御装置(不図示)に接続されていてもよい。この場合、制御部11は、判定の結果に関する情報として、協働装置の動作に介入するための制御信号を制御装置に出力してもよい。具体的には、制御部11は、作業者50のパフォーマンス指数が向上又は維持するように、協働装置の動作の内容を決定し、決定した内容の動作を指示するための制御信号を制御装置に出力してもよい。
一例として、作業者50が作業40を適切に遂行することができないと判定した場合に、制御部11は、作業者50が適切に遂行することができない要素作業を補助する動作を協働装置に実行させることを決定してもよい。そして、制御部11は、そのような動作を協働装置に実行させるための制御信号を制御装置に出力してもよい。要素作業の実行を補助する動作は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。要素作業の実行を補助する動作は、例えば、ロボット装置に「把持」を補助させる動作、作業者50に「視認」させやすくするためにコンベア装置の速度を変更する動作等であってよい。
以上により、制御部11は、本実施形態に係る運用モードの一連の処理を終了する。制御部11は、オペレータの操作等により、作業者50が作業40を適切に遂行可能か否か判定することを指示されたことに応じて、上記ステップS301〜S305の一連の処理を実行してもよい。本動作例に係る運用モードの実行タイミングは、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。また、制御部11は、ステップS301〜S305の一連の処理の実行を繰り返すことで、作業者50による作業40の遂行を定期又は不定期に監視してもよい。なお、以上の本動作例に係る運用モードの処理手順は可能な限り変更されてもよい。
[特徴]
以上のとおり、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1は、上記ステップS101〜S103の処理により、作業40に含まれる各要素作業に対する作業者50のパフォーマンス指数を算出することができる。各パフォーマンス指数は各要素作業を遂行する能力の程度に対応するため、算出される各パフォーマンス指数によれば、各要素作業に対する作業者50の能力を客観的かつ定量的に示すことができる。よって、作業40に含まれる各要素作業について得られた各パフォーマンス指数により、その作業40に対して作業者50がどのように処理する能力を有しているかを客観的かつ定量的に示すことができる。したがって、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1によれば、作業者50の作業40を処理する能力を客観的かつ定量的に計測することができる。これにより、作業40を適切に遂行するために、作業者50は何に注意をし、どのような動作を行えばよいかを客観的に示すことができる。
また、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1は、上記ステップS304及びS305により、対象者がタスクを適切に遂行可能か否か判定し、判定の結果に関する情報を出力する。これにより、作業者50が適切に遂行することができない要素作業を作業者50自身又は監督者に伝達したり、この要素作業の実行を協働装置に補助させたりすることができる。したがって、本実施形態に係るパフォーマンス計測装置1によれば、生産現場において、生産ラインの生産性/効率を体系的に高める又は維持することができる。
§4 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
<4.1>
上記実施形態では、生産ラインに含まれる工程における作業40を処理する作業者50のパフォーマンスを計測する場面に本発明を適用した例を示す。しかしながら、本発明を適用可能な範囲は、このような場面に限定されなくてよく、人間が何らかのタスクを行うあらゆる場面に適用可能である。本発明は、例えば、運転者が車両の運転を行う場面に適用可能である。
図16は、本変形例に係るパフォーマンス計測装置1Aの適用場面の一例を模式的に例示する。パフォーマンス計測装置1Aのハードウェア構成及びソフトウェア構成は、上記実施形態に係るパフォーマンス計測装置1と同じである。対象者が車両CAの運転を行う運転者51であり、タスク41が車両CAの運転操作に関する点を除き、パフォーマンス計測装置1Aは、上記実施形態に係るパフォーマンス計測装置1と同様に動作する。すなわち、計測モードでは、パフォーマンス計測装置1Aは、ステップS102において、運転者51が車両CAの運転操作を実行している間に、運転者51の活動(挙動)を1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータを取得する。そして、パフォーマンス計測装置1Aは、ステップS103において、運転者51から取得されたセンシングデータを解析することで、各要素作業についてのパフォーマンス指数を算出する。その他のモードについても同様である。これにより、本変形例に係るパフォーマンス計測装置1Aによれば、運転者51の運転操作の能力を客観的かつ定量的に計測することができる。これにより、運転者51による車両CAの運転の品質を体系的に高める又は維持することができる。
<4.2>
上記実施形態では、作業者50の知覚活動及び身体活動を測定するために、脳波計30及びロードセル31の2つのセンサが用いられている。しかしながら、知覚活動及び身体活動の少なくとも一方を測定するためのセンサの数は、2つに限定されなくてもよく、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
また、センサは、脳波計30及びロードセル31に限定されなくてもよく、対象者の知覚活動及び身体活動の少なくとも一方に関する生理学的パラメータを測定可能であれば、その種類は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。感覚器の挙動は、例えば、脳波、脳血流、瞳孔径、視線方向、表情、音声、心電図、血圧、筋電図、皮膚電気反射等に表れる。そのため、知覚活動を測定するための1又は複数のセンサには、例えば、脳波計、脳磁計、機能的核磁気共鳴画像法により脳活動に関連した血流を撮影するよう構成された磁気共鳴画像装置、機能的近赤外分光法により脳血流を測定可能に構成された脳活動計測装置、瞳孔径及び視線方向を計測するように構成された視線センサ、眼電位センサ、マイクロフォン、心電計、血圧計、筋電位センサ、皮膚電気反応計、カメラ又はこれらの組み合わせが用いられてよい。一方、身体活動の挙動は、例えば、指、手、脚、首、腰、関節、筋肉等の運動器に表れる。そのため、身体活動を測定するための1又は複数のセンサには、例えば、カメラ、モーションキャプチャ、ロードセル又はこれらの組み合わせが用いられてよい。そのため、1又は複数のセンサは、カメラ、マイクロフォン、脳波計、脳磁計、磁気共鳴画像装置、心電計、血圧計、皮膚電気反応計、筋電位センサ、ロードセル、モーションキャプチャ、脳活動計測装置、視線センサ、眼電位センサ又はこれらの組み合わせにより構成されてよい。
また、上記実施形態では、センシングデータ121は、脳波計30により測定された脳活動量の第1測定データ及びロードセル31により測定された負荷の第2測定データの2種類のデータにより構成される。しかしながら、センシングデータ121の構成は、このような例に限定されなくてもよく、対象者の知覚活動及び身体活動の少なくとも一方に関する活動の測定に利用するセンサの種類に応じて適宜決定されてよい。
また、上記実施形態では、パフォーマンス計測装置1は、外部インタフェース13を介して脳波計30及びロードセル31に接続されており、脳波計30及びロードセル31から直接的にセンシングデータ121を取得する。しかしながら、センシングデータ121を取得する方法は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、1又は複数のセンサは、パフォーマンス計測装置1以外の他の情報処理装置に接続されていてもよい。この場合、パフォーマンス計測装置1(制御部11)は、ネットワーク、記憶媒体等を介して、他の情報処理装置からセンシングデータ121を間接的に取得してもよい。
<4.3>
上記実施形態では、「視認」、「把持」、「運搬」、及び「調整」の各要素作業は、少なくとも1サイクル分の人間の認知学的な情報処理のプロセスを含むように定義されている。しかしながら、各要素作業の定義は、このような例に限定されなくてもよく、タスク内で識別可能であれば、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。また、要素作業の種類は、上記4種類に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて、適宜、いずれかの要素作業の省略、いずれかの要素作業の置換、及び異なる種類の要素作業の追加が行われてもよい。
<4.4>
上記実施形態では、パフォーマンス計測装置1は、各要素作業の実行の精度を評価する指標として、正確性、安定性、速度、及びリズムの4つを利用している。しかしながら、ステップS103の処理は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。例えば、上記ステップS1304では、制御部11は、各要素作業の実行の正確性、安定性、速度、及びリズムの少なくともいずれかを評価してもよい。そして、上記ステップS1305では、制御部11は、当該評価の結果に応じて、各要素作業についてのパフォーマンス指数を算出してもよい。
1…パフォーマンス計測装置、
11…制御部、12…記憶部、13…外部インタフェース、
14…入力装置、15…出力装置、16…ドライブ、
111…データ取得部、112…指数算出部、
113…格納処理部、114…登録部、
115…判定部、116…出力部、
80…パフォーマンス計測プログラム、
121…センシングデータ、
70…能力データベース、
90…記憶媒体、
30…脳波計、31…ロードセル、
40…作業(タスク)、
50…作業者(対象者)

Claims (11)

  1. 対象者がタスクを実行している間に、知覚活動及び身体活動の少なくとも一方に関する当該対象者の活動を1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータを取得するデータ取得部であって、前記タスクは、複数の要素作業を含む、データ取得部と、
    取得した前記センシングデータを解析することで、前記活動により達成される前記各要素作業に対するパフォーマンスの程度を示すパフォーマンス指数を前記センシングデータから算出する指数算出部と、
    前記対象者、前記タスク、及び算出した前記各要素作業の前記パフォーマンス指数を関連付けて所定の記憶領域に格納する格納処理部と、
    を備える、
    パフォーマンス計測装置。
  2. 前記タスクを適切に遂行するために前記各要素作業に要求されるパフォーマンス指数と前記各要素作業について算出された前記対象者の前記パフォーマンス指数とを比較することで、前記対象者が前記タスクを適切に遂行可能か否か判定する判定部と、
    前記判定の結果に関する情報を出力する出力部と、
    を更に備える、
    請求項1に記載のパフォーマンス計測装置。
  3. 前記データ取得部は、前記タスクを適切に遂行可能な熟練者が前記タスクを実行している間、前記熟練者の前記活動を前記1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータを取得し、
    前記指数算出部は、前記熟練者から取得された前記センシングデータを解析することで、前記各要素作業についての前記熟練者のパフォーマンス指数を算出し、
    前記パフォーマンス計測装置は、前記各要素作業について算出された前記熟練者の前記パフォーマンス指数を前記各要素作業に要求されるパフォーマンス指数として登録する登録部を更に備える、
    請求項2に記載のパフォーマンス計測装置。
  4. 前記各要素作業は、少なくとも1サイクル分の人間の認知学的な情報処理のプロセスを含むように定義され、
    前記データ取得部は、前記知覚活動及び前記身体活動に関する前記対象者の活動を複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータを取得する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のパフォーマンス計測装置。
  5. 前記センシングデータデータを解析することは、前記各要素作業の実行の正確性、安定性、速度、及びリズムの少なくともいずれかを評価することを含み、
    前記指数算出部は、前記評価の結果に応じて、前記各要素作業についてのパフォーマンス指数を算出する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のパフォーマンス計測装置。
  6. 前記センシングデータを解析することは、
    前記センシングデータを特徴量の時系列データに変換すること、
    前記特徴量の時系列データを分析することで、前記各要素作業の実行時間、時間的重複、実行回数、及び実行順序を特定すること、並びに、
    特定した前記各要素作業の実行時間、時間的重複、実行回数、及び実行順序に基づいて、前記各要素作業の実行の正確性、安定性、速度、及びリズムを評価すること、
    を含み、
    前記指数算出部は、前記評価の結果に応じて、前記各要素作業についてのパフォーマンス指数を算出する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のパフォーマンス計測装置。
  7. 前記1又は複数のセンサは、カメラ、マイクロフォン、脳波計、脳磁計、磁気共鳴画像装置、心電計、血圧計、皮膚電気反応計、筋電位センサ、ロードセル、モーションキャプチャ、脳活動計測装置、視線センサ、眼電位センサ又はこれらの組み合わせにより構成される、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のパフォーマンス計測装置。
  8. 前記対象者は、生産ラインにおける作業者であり、
    前記タスクは、前記生産ラインに含まれる工程における作業であり、
    前記データ取得部は、前記生産ラインにおいて前記作業者が前記作業を実行している間に、前記作業者の前記活動を前記1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータを取得し、
    前記指数算出部は、前記作業者から取得された前記センシングデータを解析することで、前記各要素作業についてのパフォーマンス指数を算出する、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のパフォーマンス計測装置。
  9. 前記対象者は、車両の運転を行う運転者であり、
    前記タスクは、前記車両の運転操作に関し、
    前記データ取得部は、前記運転者が前記車両の運転操作を実行している間に、前記運転者の前記活動を前記1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータを取得し、
    前記指数算出部は、前記運転者から取得された前記センシングデータを解析することで、前記各要素作業についてのパフォーマンス指数を算出する、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のパフォーマンス計測装置。
  10. コンピュータが、
    対象者がタスクを実行している間に、知覚活動及び身体活動の少なくとも一方に関する当該対象者の活動を1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータを取得するステップであって、前記タスクは、複数の要素作業を含む、ステップと、
    取得した前記センシングデータを解析することで、前記活動により達成される前記各要素作業に対するパフォーマンスの程度を示すパフォーマンス指数を前記センシングデータから算出するステップと、
    前記対象者、前記タスク、及び算出した前記各要素作業の前記パフォーマンス指数を関連付けて所定の記憶領域に格納するステップと、
    を実行する、
    パフォーマンス計測方法。
  11. コンピュータに、
    対象者がタスクを実行している間に、知覚活動及び身体活動の少なくとも一方に関する当該対象者の活動を1又は複数のセンサにより測定することで得られたセンシングデータを取得するステップであって、前記タスクは、複数の要素作業を含む、ステップと、
    取得した前記センシングデータを解析することで、前記活動により達成される前記各要素作業に対するパフォーマンスの程度を示すパフォーマンス指数を前記センシングデータから算出するステップと、
    前記対象者、前記タスク、及び算出した前記各要素作業の前記パフォーマンス指数を関連付けて所定の記憶領域に格納するステップと、
    を実行させるための、
    パフォーマンス計測プログラム。
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