JP2020034411A - 摩擦試験装置及び摩擦試験方法 - Google Patents

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史彦 稲垣
Fumihiko INAGAKI
史彦 稲垣
洋史 比田井
Yoji Hitai
洋史 比田井
森田 昇
Noboru Morita
昇 森田
大森 達夫
Tatsuo Omori
達夫 大森
伸二 清水
Shinji Shimizu
伸二 清水
祐一郎 松本
Yuichiro Matsumoto
祐一郎 松本
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Abstract

【課題】面接触状態の二つの試料間の摩擦係数等の摩擦特性を正確に検出する。【解決手段】第1試料を保持可能な第1ホルダと、第1試料に面接触させた状態の第2試料を保持可能な第2ホルダと、第2ホルダに対して第1試料と第2試料との接触面に垂直な方向に荷重を負荷する荷重負荷手段と、第2ホルダに接触面の延長上で外力を作用させることにより、第2試料を第1試料に対して接触面に沿って摺動させる摺動手段と、第2試料の摺動により第1ホルダに作用する摩擦力を検出する摩擦力検出手段と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、面接触状態の二つの試料間の摩擦係数等の摩擦特性を検出するための摩擦試験装置及び摩擦試験方法に関する。
切削工具として、切れ刃を有するインサート部材を工具本体に着脱自在に装着した刃先交換式切削工具が知られている。インサート部材としては例えば超硬合金等が用いられ、摩耗したインサート部材は交換でき、利便性に優れるため、広く用いられている。
ところで、この種の刃先交換式切削工具において、切削加工中にインサート部材にずれ等が生じないよう、インサート部材と工具本体とを堅固にクランプする必要がある。このため、インサート部材と工具本体との間の摩擦係数等の摩擦特性を把握することが重要となっている。
従来、摩擦係数等の摩擦特性を検出するための摩擦試験装置として、例えば特許文献1及び特許文献2に記載のものがある。
特許文献1記載には、成形シミュレーションによりプレス成形される鋼材の成形状態を推定する場合に、所定の摩擦係数を用いて成形シミュレーションを実施して、プレス金型から鋼材が受ける面圧及び鋼材と金型との摺動速度を取得し、その取得した面圧及び摺動速度を満たす条件下で摺動試験装置を用いて摺動試験を行い、摩擦係数を取得することが開示されている。そして、その摺動試験装置として、サンプル(成形シミュレーションで成形の演算対象となるブランク材に対応するもの)に、算出した面圧を実現するように一定加重で金型を押し付けてから(金型により一定加重で挟持しながら)、算出した摺動速度となるように金型で挟持されているサンプルを引き抜く構造のものが記載されている。
特許文献2記載の静止摩擦係数取得方法は、金属板からなる被試験材に、接触面が平面形状の摺動体を設定押し付け荷重で押し付けた状態で相対的に摺動させながら、押し付け荷重及び摺動抵抗のうちの少なくとも摺動抵抗を設定サンプリングタイムで測定する摺動試験を行って、設定押し付け荷重及び摺動抵抗から静止摩擦係数を算出している。また、摺動試験機として、平坦な台の上に被試験材を載置して固定し、その被試験材の上面に摺動体を接触させ、一定の設定押し付け荷重を摺動体に負荷した状態とし、この状態で、予め設定した摺動速度で台を移動させ、台を移動させる引張力を摺動抵抗として測定することが記載されている。
特開2009−2926号公報 特開2015−141180号公報
ところで、前述した切削工具に限らず、各種産業製品において、コストを含めた様々な要因から、限界に近い厳密な設計が求められてきている。このため、摩擦係数等の摩擦特性の検出においても、より正確に検出できることが求められている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、面接触状態の二つの試料間の摩擦係数等の摩擦特性を正確に検出することを目的とする。
本発明者らは、摩擦係数等の摩擦特性の検出に関して鋭意研究した結果、二つの試料間の摩擦特性を正確に検出するためには、これらの接触面の大きさや表面状態、接触面の摺動のさせ方等、が重要な要因であり、特に、接触面への摺動力のかけ方が摩擦力の検出結果に大きく影響することを突き止め、以下のような摩擦試験装置及び摩擦試験方法を発明した。
すなわち、本発明の摩擦試験装置は、面接触させた状態の第1試料と第2試料との間の摩擦特性を検出可能な摩擦試験装置であって、第1試料を保持可能な第1ホルダと、前記第1試料に面接触させた状態の第2試料を保持可能な第2ホルダと、前記第2ホルダに対して前記第1試料と前記第2試料との接触面に垂直な方向に荷重を負荷する荷重負荷手段と、前記第2ホルダに前記接触面の延長上で外力を作用させることにより、前記第2試料を前記第1試料に対して前記接触面に沿って摺動させる摺動手段と、前記第2試料の摺動により前記第1ホルダに作用する摩擦力を検出する摩擦力検出手段と、を備える。
第1試料と第2試料とを面接触状態とすることにより、その接触面の大きさや表面状態を測定結果に反映させるようにしている。そして、両試料に荷重負荷手段によって荷重を負荷した状態で、接触面の延長上で第2の試料を第1試料に対して摺動させることにより、摺動に際して接触面にモーメントを作用させることなく、せん断力のみを作用させることができる。したがって、両試料間に作用する摩擦力から、摩擦係数等の摩擦特性を正確に検出することができる。
摩擦試験装置の一つの実施態様として、前記荷重負荷手段は、前記第2ホルダに対して前記接触面に垂直な方向に移動する荷重伝達部材と、前記荷重伝達部材と前記第2ホルダとの間に介在して前記第2ホルダの前記接触面に沿う移動を許容する直線運動用軸受とを備えるとよい。
荷重伝達部材により両試料の間に荷重を負荷しながら、直線運動用軸受により第2試料の移動を許容することができるので、高面圧下での摩擦特性を検出することができる。
摩擦試験装置の他の一つの実施態様として、前記第2ホルダは、前記第2試料を保持したときに前記摺動手段とは反対側で前記第2ホルダを開放状態とする開放部を有しているとよい。
摺動手段によって第2試料が摺動する際の状況を、開放部を通して確認することができる。
この場合、前記第1試料に対する前記第2試料の変位を検出可能な変位計が前記開放部に向けて設けられているとよい。
摺動手段によって第2試料が摺動する際の変位を変位計で検出できるので、両試料がずれ動く瞬間の摩擦特性をより正確に検出することができる。
本発明の摩擦試験方法は、面接触させた状態の第1試料と第2試料との間の摩擦特性を検出するための方法であって、前記第1試料と前記第2試料との接触面に垂直な方向に荷重を負荷した状態で、前記第1試料を保持し、前記第2試料に前記接触面の延長上で外力を作用させることにより、前記第2試料を前記第1試料に対して前記接触面に沿って摺動させ、前記第2試料の摺動により前記第1試料に作用する摩擦力を検出する。
また、摩擦試験方法の一つの実施態様として、前記第1試料と第2試料とは、対向する面の両方が前記接触面と同一であるとよい。
対向する面の一方が接触面より広い面を有していると、その接触面に垂直に荷重を負荷したときに他方の試料が一方の試料の広い面に食い込む現象が生じ、その状態で摺動させると、その食い込みを掘り起こすための力も上乗せして検出されるので、摩擦特性を正確に検出することができない。上記実施態様では、対向する面の両方が接触面と同一であるので、食い込む現象の発生がなく、したがって、摩擦特性を正確に検出することができる。
本発明によれば、面接触状態の二つの試料間の摩擦係数等の摩擦特性を正確に検出することができる。
本発明の一実施形態を示す摩擦試験装置の斜視図である。 図1の摩擦試験装置の荷重負荷手段による荷重負荷中心を通る縦断面図である。 図1の摩擦試験装置のうち、摩擦力検出手段及び第1ホルダを示す斜視図である。 図1の摩擦試験装置のうち、第2ホルダ付近を示す斜視図である。 図4の第2ホルダを反対側から視た斜視図である。 第1ホルダ及び第2ホルダにより保持された試料に垂直荷重及び接触面に沿う外力を作用させている状態を示す断面図である。 摩擦力(F)と時間(t)との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は、一実施形態の摩擦試験装置10であり、二つの試料の間の摩擦特性を検出する。一方の試料を第1試料1、他方の試料を第2試料2とする。例えば、第1試料1が切削工具の工具本体となる試料、第2試料2がその工具本体に取付けられるインサート部材となる試料である。
摩擦試験装置10は、ベース20の上に、摩擦力検出手段30と、荷重負荷手段40と、摺動手段50とが設けられており、第1試料1を保持可能な第1ホルダ21と、第2試料2を保持可能な第2ホルダ25とを有している。図1に示すように、相互に直交するX軸方向、Y軸方向、Z軸方向を定め、X軸方向及びY軸方向を水平方向に配置し、Z軸方向を垂直方向に配置するものとする。
ベース20は、マシニングセンターのテーブルや定盤など、剛性が高く、上面の平面度が高いものが用いられる。
摩擦力検出手段30は、例えば、上下のプレート31,32間に配置した複数の圧電素子(図示略)により、X軸方向及びY軸方向のせん断力、Z軸方向の圧縮力を検出可能な三分力動力計である。検出されたデータは例えば0.00001秒のサンプリング間隔で出力され、図示略の処理装置によって解析される。処理装置には、三分力動力計30の出力を時間軸に沿ってグラフ表示するモニタも備えられる。なお、下側プレート32の下端部には、大きい平面積の台座部32aが形成されており、この台座部32aがねじ33によってベース20に固定されている。
第1ホルダ21は、図3に示すように矩形のブロック状に形成され、三分力動力計(摩擦力検出手段)30の上側プレート31の上面にねじ22によって固定されている。そして、第1ホルダ21の中央に、上方に開放状態の凹部23が形成され、その凹部23内に第1試料1を嵌合状態に保持する構成である。この場合、第1試料1は、図示例では、角形ブロック部1aの上面に円柱部1bが一体に形成されている。このため、第1ホルダ21の凹部23は第1試料1の角形ブロック部1aを嵌合する平面視正方形状に形成され、凹部23内に第1試料1の角形ブロック部1aを嵌合した後に、凹部23に直交する方向に設けた止めねじ24によって第1試料1を凹部23内に固定するようになっている。この固定状態において、第1試料1は、円柱部1bが、第1ホルダ21の上面より上方に突出した状態に保持され、その上端面が水平に配置される。
一方、第2ホルダ25は、図4及び図5に示すように正面視でL字状に屈曲形成されたブロック状に形成されており、水平方向に沿う平板部26と、平板部26の側部に垂直に屈曲するように一体に形成された縦壁部27とを有している。そして、図1及び図2に示すように、平板部26を第1ホルダ21の上方に配置し、縦壁部27を垂直下方に向けて配置することで、第1ホルダ21の上方に被さるように設けられる。図示例では、平板部26はX軸方向に沿って配置され、そのX軸方向の一方側に縦壁部27がZ軸方向に沿って配置される。
また、平板部26の下面に、第1ホルダ21の凹部23に対向する凹部28が形成されており、この凹部28に第2試料2を収容できるようになっている。この第2ホルダ25の凹部28は、第1ホルダ21の凹部23とは異なり、縦壁部27とは反対側の側方(X軸方向の他方側)も開放状態とされている。第2試料2は第1試料1の円柱部1bと同じ直径の円柱状に形成され、凹部28は、縦壁部27が配置される側の内面が第2試料2の外面に当接する円弧面28aに形成されている。
なお、第1試料1及び第2試料2は、必ずしも上述の形状でなくてもよいが、少なくとも接触面3においては同じ面積で同じ形状(同一輪郭形状)に形成される。
また、三分力動力計30の下側プレート32の台座部32aの上に、三分力動力計30を挟むように両側にサイドフレーム41,42が立設され、そのサイドフレーム41,42の上端間を連結するように桁状にトップフレーム43が設けられ、そのトップフレーム43に、垂直方向(Z軸方向)に沿って移動可能に荷重伝達部材44が設けられている。両サイドフレーム41,42は、三分力動力計30の台座部32aをベース20に固定するためのものでもあり、図示例では、X軸方向に間隔をおいて台座部32aの両端部に配置されている。荷重伝達部材44はねじ部材であり、第1ホルダ21の凹部23の中心の真上に垂直に配置され、トップフレーム43にZ軸方向に貫通して形成されためねじ孔43aに螺合している。このトップフレーム43のめねじ孔43aに螺合しているねじ部材44を締めて、垂直下方に移動することにより、第2ホルダ25に荷重を負荷することができるようになっており、これらトップフレーム43のめねじ孔43a及びねじ部材44により荷重負荷手段40が構成される。
そして、第1ホルダ21の凹部23に第1試料1を固定し、その第1試料1の上に重ねた第2試料2を第2ホルダ25の凹部28に収容した状態で、ねじ部材(荷重伝達部材)44で第2ホルダ25の平板部材26を押圧することにより、第1試料1と第2試料2との接触面3に垂直に荷重を負荷する。この場合、ねじ部材44の下端と、第2ホルダ25の平板部26の上面との間には、ねじ部材44の下端から順に、球面支持機構45、調心機構付きスラスト軸受46及び直線運動用軸受47が設けられる。
このうち、球面支持機構45、調心機構付きスラスト軸受46により、第2ホルダ2に垂直荷重を傾くことなくZ軸方向に沿って正確に作用させることができる。また、直線運動用軸受47には例えばフラットローラが用いられ、第2ホルダ25の平板部26の上面に接触状態に設けられ、Y軸方向に沿う複数のローラ47aが平行に配置され、これらローラ47aの転動により、ねじ部材44と第2ホルダ25とのX軸方向の相対移動を許容する。
摺動手段50は、ベース20上の摩擦力検出手段30の側方位置(X軸方向の一方側)に、固定ブロック51を介して油圧ジャッキ等を用いた推進機構52が固定され、この推進機構52により水平方向に延びるシャフト53がその長さ方向に押圧される構成である。前述したサイドフレーム41には、X軸方向に貫通する通路41aが形成されており、シャフト53は、その通路41aを経由して第2ホルダ25の縦壁部27に向けて延びている。そして、シャフト53の先端に、球面支持機構54及び調心機構付きスラスト軸受55を介して第2ホルダ25の縦壁部27が接続されている。つまり、第2ホルダ25は、その縦壁部27がシャフト53を介して摺動手段50によりX軸方向に押圧されるようになっている。前述した荷重負荷手段40と同様、球面支持機構54及び調心機構付きスラスト軸受55により、推進機構52による推進力を第2ホルダ2に傾くことなくX軸方向に沿って正確に作用させることができる。
また、第2ホルダ25に対するシャフト53は、第1ホルダ21の凹部23に収容した第1試料1と第2ホルダ25の凹部28に収容した第2試料2との接触面3(摩擦面)の延長上にX軸方向に沿って配置される(図6の断面図に接触面3の延長線を一点鎖線で示している)。
前述したように第2ホルダ25の凹部28は、側方(X軸方向の他方側)に開放状態とされており、摩擦力検出手段30に対して摺動手段50とは反対側(X軸方向の他方側)には、サイドフレーム42の通路42aを経由して第2ホルダ25の凹部28内の第2試料2の変位を検出可能なレーザ変位計等の変位計60が、第2ホルダ25の開放部に向けて設けられる。この変位計60は、ベース20上の摩擦力検出手段30の側方に支持脚61が立設され、この支持脚61からサイドフレーム42の通路42a内を通って第2ホルダ25の凹部28にX軸方向に対向して配置されている。
なお、変位計60も三分力動力計30と同様、図示略の処理装置に接続され、変位計60の出力が三分力動力計30と同期して取得される。また、処理装置のモニタは、三分力動力計30と変位計60との出力を同じ時間軸にグラフ表示することができる。
このように構成した摩擦試験装置10を用いて、第1試料1と第2試料2との間の摩擦特性(例えば静摩擦係数)を検出する方法について説明する。
接触面3が同じ直径(例えば25mm)の円形に形成された第1試料1及び第2試料2を用意する。これら試料1,2の接触面3は必要に応じて研削加工しておく。第1試料1を第1ホルダ21の凹部23に収容して止めねじ24で固定し、第2試料2を第1試料1の上面に重ねた状態として第2ホルダ25の凹部28に収容する。この状態で、第1試料1及び第2試料2は、その接触面3が同じ面積の円形であるので、外周面が面一に揃えられる。そして、荷重負荷手段40のねじ部材44を締め、第2ホルダ25の平板部26に垂直荷重を作用させることで、第1試料1と第2試料2との接触面3に面圧を生じさせる。この面圧発生状態は、三分力動力計30がZ軸方向の荷重を検出することにより把握できる。
そして、この面圧を作用させた状態で摺動手段50によりシャフト53を推進させて、第2ホルダ25を押圧し、第1試料1に対して第2試料2が動き出した瞬間の摩擦力を三分力動力計(摩擦力検出手段)30によって検出する。
この第2試料2が動き出す瞬間の摩擦力は、三分力動力計30で検出されるX軸方向の出力のピークによって判別することができる。また、摩擦力の測定と同時に変位計60で第2試料2の変位を検出することにより、第2試料2の摩擦力を正確に測定することができる。
三分力動力計30には、第1試料1と第2試料2との間の摩擦力Fと、荷重負荷手段40によって負荷される垂直荷重Nとが検出されており、これらの検出結果から、F=μNの式より、摩擦係数μを算出することができる。第2試料2が動き出す瞬間の摩擦力から静摩擦係数を算出することができ、μ=tanθから、摩擦角θを算出することも可能である。三分力動力計30及び変位計60に接続された処理装置は、三分力動力計30及び変位計60の出力から、目的に応じて摩擦係数μ等を算出する。
図7は、三分力動力計30によって検出される摩擦力Fの変化を時間軸に沿ってグラフ化したものである。静摩擦力は第2試料2が動き出す瞬間の値であるから、サンプリングレートが十分でないと、その瞬間の値を検出できなくなるおそれがあるが、この摩擦試験装置10では、例えば0.00001秒の短いサンプリング間隔で摩擦力を検出しているので、摩擦力のピーク値を確実に検出することができ、信頼性が高い。
以上のように、この摩擦試験装置10においては、第1試料1と第2試料2との接触面3を同一面積の円形に形成して、面接触させたことにより、前述したように異なる大きさの表面を接触させた場合に生じる摺動時の食い込み現象の発生がない。このため、食い込みを掘り起こす力等の影響を受けることなく、接触面3の大きさや表面状態を忠実に反映した摩擦力を検出することができる。
また、第2ホルダ25に縦壁部27を設けて、第1試料1と第2試料2との接触面3の延長上で摺動手段50によって第2試料2を摺動するようにしたから、接触面3にモーメントを作用させることなく、せん断力のみを作用させることができる。
さらに、荷重負荷手段40と第2ホルダ25との間には、球面支持機構45、調心機構付きスラスト軸受46及び直線運動用軸受(フラットローラ)47を設けて、垂直荷重が試料1,2の接触面3に傾くことなく垂直に作用するようにしている。このため、接触面3に高い面圧を正確に作用させることができる。また、摺動手段50と第2ホルダ25との間にも球面支持機構54及び調心機構付きスラスト軸受55を設けて、シャフト53による推進力が傾くことなく接触面3上に作用するようにしており、推進力(摺動力)を接触面3上に正確に作用させることができる。
つまり、この摩擦試験装置10においては、荷重負荷手段40及び摺動手段50の両方ともに、その軸力(荷重負荷手段40の場合はZ軸方向の荷重、摺動手段50の場合はX軸方向の推進力)に余計な分力を発生させることなく、Z軸方向あるいはX軸方向に沿って正確に軸力を作用させることができる。しかも、荷重負荷手段40に直線運動用軸受47を介在させたことにより、荷重負荷手段40によるZ軸方向の荷重と、摺動手段50によるX軸方向の推進力とを、相互の影響をなくして独立して作用させることが可能になっている。
したがって、三分力動力計30は、そのZ軸方向の荷重Nと、摺動手段50の推進力によるX軸方向の摩擦力Fとを正確に検出でき、高面圧下での摩擦力の検出精度を高めることができる。
さらに、変位計60が設けられていることにより、第2試料2が動き出す瞬間をより直接的に検出することができ、静摩擦力をより正確に検出することができ、正確な静摩擦係数を得ることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、実施形態では、摺動手段50は第2ホルダ25を押しているが、第2ホルダを引くこととしてもよい。
また、荷重負荷手段40として、トップフレーム43のねじ孔43aにねじ部材(荷重伝達部材)44を螺合させて構成したが、その他の機械的に荷重を負荷する手段、例えば油圧ジャッキ等を用いてもよい。
実施形態では変位計60を設けたが、カメラ等の撮像手段を設けて、摺動時の挙動を観察することも含まれる。
上記実施形態は静摩擦係数を検出するためのものであり、両試料の接触面を同じ大きさの同じ形状(同一輪郭形状)に形成したが、本発明としては、両試料のうちの一方を接触面より広く形成しておき、動摩擦力の測定により動摩擦係数を検出することを妨げるものではない。その場合でも、第2試料を摺動させるための外力を接触面の延長上で作用させることができるので、モーメントを発生させることなく正確に摩擦特性を検出することができる。
1 第1試料
1a 角形ブロック部
1b 円柱部
2 第2試料
3 接触面
10 摩擦試験装置
20 ベース
21 第1ホルダ
23,28 凹部
25 第2ホルダ
26 平板部材
27 縦壁部
28a 円弧面
30 摩擦力検出手段(三分力動力計)
31,32 プレート
32a 台座部
40 荷重負荷手段
41,42 サイドフレーム
41a,42a 通路
43 トップフレーム
43a ねじ孔
44 荷重伝達部材(ねじ部材)
45,54 球面支持機構
46,55 調心機構付きスラスト軸受
47 直線運動用軸受
47a ローラ
50 摺動手段
51 固定ブロック
52 推進機構
53 シャフト
60 変位計
61 支持脚

Claims (6)

  1. 面接触させた状態の第1試料と第2試料との間の摩擦特性を検出可能な摩擦試験装置であって、第1試料を保持可能な第1ホルダと、前記第1試料に面接触させた状態の第2試料を保持可能な第2ホルダと、前記第2ホルダに対して前記第1試料と前記第2試料との接触面に垂直な方向に荷重を負荷する荷重負荷手段と、前記第2ホルダに前記接触面の延長上で外力を作用させることにより、前記第2試料を前記第1試料に対して前記接触面に沿って摺動させる摺動手段と、前記第2試料の摺動により前記第1ホルダに作用する摩擦力を検出する摩擦力検出手段と、を備えることを特徴とする摩擦試験装置。
  2. 前記荷重負荷手段は、前記第2ホルダに対して前記接触面に垂直な方向に移動する荷重伝達部材と、前記荷重伝達部材と前記第2ホルダとの間に介在して前記第2ホルダの前記接触面に沿う移動を許容する直線運動用軸受とを備えることを特徴とする請求項1記載の摩擦試験装置。
  3. 前記第2ホルダは、前記第2試料を保持したときに前記摺動手段とは反対側で前記第2ホルダを開放状態とする開放部を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の摩擦試験装置。
  4. 前記第1試料に対する前記第2試料の変位を検出可能な変位計が前記開放部に向けて設けられていることを特徴とする請求項3記載の摩擦試験装置。
  5. 面接触させた状態の第1試料と第2試料との間の摩擦特性を検出するための方法であって、前記第1試料と前記第2試料との接触面に垂直な方向に荷重を負荷した状態で、前記第1試料を保持し、前記第2試料に前記接触面の延長上で外力を作用させることにより、前記第2試料を前記第1試料に対して前記接触面に沿って摺動させ、前記第2試料の摺動により前記第1試料に作用する摩擦特性を検出することを特徴とする摩擦試験方法。
  6. 前記第1試料と第2試料とは、対向する面の両方が前記接触面と同一であることを特徴とする請求項5記載の摩擦試験方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220105739A (ko) * 2021-01-21 2022-07-28 한국기계연구원 몰드 슬라이딩 재료 마모 시험 시스템 및 방법

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