以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素を、必要に応じて基地局100A、100B及び100Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、基地局100A、100B及び100Cを特に区別する必要が無い場合には、単に基地局100と称する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.システム構成例
2.ビームトラッキングに関する考察
2.1.ビームトラッキングの概要
2.2.SRS
2.3.その他
3.各装置の構成例
3.1.基地局の構成例
3.2.端末装置の構成
4.第1の実施形態
4.1.技術的課題
4.2.技術的特徴
5.第2の実施形態
5.1.技術的課題
5.2.技術的特徴
5.3.変形例
6.応用例
7.まとめ
<<1.システム構成例>>
まず、図1を参照して、本開示の一実施形態に係るシステムの構成の一例を説明する。図1は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態に係るシステム1は、基地局100及び端末装置200を含む。
基地局100は、セル11を運用し、セル11内の端末装置200に無線通信サービスを提供する装置である。図1に示したように、基地局100は複数存在してもよく、基地局100A〜100Cは、それぞれセル11A〜11Cを運用して、それぞれ端末装置200A〜200Cに無線通信サービスを提供する。図1に示した例では、基地局100A及び100Bはスモールセル基地局であり、セル11A及び11Bはスモールセルである。また、基地局100Cは、マクロセル基地局であり、セル11Cはマクロセルである。マクロセル基地局100Cは、管理下のスモールセル基地局100A及び100Bによる無線通信を協調的に制御する機能を有する。なお、基地局100間は、通信可能に接続されており、例えばX2インタフェースにより接続される。また、基地局100とコアネットワーク12との間は、通信可能に接続されており、例えばS1インタフェースにより接続される。
端末装置200は、基地局100と通信する装置である。端末装置200は、典型的には高いモビリティを有し、移動に応じたセル選択が行われる。他にも、基地局100又は端末装置200によりビームが形成される場合、端末装置200の移動に応じた適切なビームを形成して通信するためのビームトラッキングが行われる。
基地局を、以下ではeNB(evolved Node B)とも称する場合がある。このことは、基地局100が、LTEにおける無線アクセス技術により運用されることに限定するものではなく、5Gの無線アクセス技術により運用され得る。即ち、基地局は、eNB以外の他の呼び方がされてもよい。同様に、端末装置を以下ではUE(User Equipment)又はユーザとも称する場合があるが、このことは、端末装置200がLTEにおける無線アクセス技術により運用されることに限定するものではなく、5Gの無線アクセス技術により運用され得る。
コアネットワーク12は、基地局100を制御するする制御ノードを含む。コアネットワーク12は、例えばEPC(Evolved Packet Core)を含んでいてもよいし、5Gのアーキテクチャを含んでいてもよい。コアネットワーク12は、ゲートウェイ装置を介してパケットデータネットワークに接続される。
<<2.ビームトラッキングに関する考察>>
以下、ビームトラッキングに関する考察を各観点から行う。
<2.1.ビームトラッキングの概要>
(ビームトラッキングの必要性)
eNBには、例えば30GHz帯では256本、70GHz帯では1000本といった、非常に多数のアンテナ(より詳しくは、アンテナ素子)が搭載されることが想定されている。アンテナ素子数が多くなるに応じて、より鋭いビームを形成することが可能となる。例えば、半値幅(3dB落ちのレベルが何度以上で起きるかを示す)が1度以下といった、非常に鋭いビームを、eNBからUEに提供することが可能になる。
非常に鋭いビームが形成される環境下で、UEが高速に移動する場合(例えば、時速500Kmで移動する場合)、UEがビームの外に容易に出てしまうことが想定される。UEがビームの外に出てしまうと、eNBから当該UEへのデータの送信が困難になる。従って、図2に示すように、ビームが高速移動するUEに追従(トラッキング)可能になることが望ましい。
図2は、ビームトラッキングに関する考察を説明するための図である。図2に示すように、UEの移動に応じて、eNBが形成するビームを追従させることが望ましい。
(コードブックベースビームフォーミング)
LTEでは、ビームを無段階に変化させて、UEに追従するビームを作り直すような仕組みが採用される可能性は低い。新たなビームを作り直すための計算コストが発生するからである。そこで、eNBからあらゆる方向に向けたビームを事前に形成しておき、その事前に形成しておいたビームの中からUEとの通信に用いるビームを選択して提供する仕組みが、3GPPリリース13のFD−MIMO(full dimension multi input multi output)に採用されている。このような仕組みは、コードブックベースビームフォーミング(codebook based beam forming)とも称される。
例えば、水平方向の360度に対して1度刻みにビームが用意される場合、360個のビームが用意されることとなる。ビーム同士が半分重なる場合には、720個のビームが用意されることとなる。垂直方向の−90度から+90度に対しても同様にビームが用意される場合には、180度分の360個のビームが用意されることとなる。
コードブックベースビームフォーミングにおいては、ビームトラッキングとは、コードブックとして事前に用意されたビームの中から、UEとの通信に適したビームを選び続けることを意味する。
(ダウンリンクのリファレンス信号に基づくビームトラッキング)
3GPP RAN1 リリース13 FD−MIMOにおいて、ビーム選択に関する検討が行われた。当該検討においては、eNBは、ダウンリンクのビームフォームされたリファレンス信号(RS:reference signal)に基づいて、UEとの通信に適したビームを選択することが検討された。そのようなダウンリンクのリファレンス信号は、ビームフォームドCSI−RS(channel state information-reference signal)とも称される。eNBは、複数のビームフォームドCSI−RS(multiple beamformed CSI-RS)を提供し、UEにおける受信結果に応じたビームを用いてUEとの通信を行う。以下、図3を参照して、ビームフォームドCSI−RSに基づくビームトラッキング手続きを説明する。
図3は、ビームフォームドCSI−RSに基づくビームトラッキング手続きの流れの一例を示すシーケンス図である。図3に示すように、まず、eNBは、複数のビームを用いて、複数のビームフォームドCSI−RSを送信する(ステップS11)。次いで、UEは、提供された複数のビームフォームドCSI−RSの受信結果に基づいて、ビームフォームドCSI−RSの送信に用いられた複数のビームの中から望ましいビームを選択し、選択結果を示す情報をeNBに送信する(ステップS12)。選択結果を示す情報は、望ましいビームの識別情報(典型的には、ビーム番号)を含む。例えば、UEは、各ビームの受信電力に基づいて望ましいビームをひとつ又は複数選択する。そして、eNBは、選択されたビームによりビームフォームされたユーザデータをUEに提供する(ステップS13)。
このような手続きによれば、複数のビームフォームドCSI−RSのセットがどの程度の頻度でUEに提供されるかによって、トラッキング能力が変わる。例えば、100ms毎に提供される場合、トラッキングは、100msの粒度で行われることになる。100msの間、UEがビームの中に留まるスピードで移動している場合には、この粒度でのトラッキングで良いが、UEのスピードが速くなると、例えば5ms以下の粒度でのトラッキングが要される場合も出てくる。このような場合、複数のビームフォームドCSI−RSのセットを提供するためのダウンリンクのリソースのオーバーヘッドが大きくなるので、効率的な通信が困難になる。
(アップリンクのリファレンス信号に基づくビームトラッキング)
eNBは、どの複数のビームを用いて上述した複数のビームフォームドCSI−RSを送信するかを、典型的には、アップリンクのリファレンス信号に基づいて決定する。eNBは、アップリンクのリファレンス信号に基づいてUEの大まかな位置を把握して、そのUEに適切なビームの候補を複数選択して、選択した複数のビームの候補を用いて複数のビームフォームドCSI−RSを送信する。このアップリンクのリファレンス信号は、SRS(Sounding Reference Signal)とも称される。以下、図4を参照して、SRSに基づくビームトラッキング手続きを説明する。
図4は、SRSに基づくビームトラッキング手続きの流れの一例を示すシーケンス図である。図4に示すように、まず、UEは、SRSをeNBに送信する(ステップS21)。次いで、eNBは、SRSの受信結果に基づいて、UEとeNBとの間のチャネル情報を取得し、チャネル情報に基づいて複数のビームフォームドCSI−RSの送信に用いる複数のビームを選択する(ステップS22)。その後、ステップS23〜25において、図3を参照して上記説明したステップS11〜S13に係る処理と同様の処理が行われる。
ここで、TDD(Time Division duplex)の場合、アップリンクとダウンリンクとを時間的に交互に切り替えて無線リソースが使用されるため、アップリンクとダウンリンクとでチャネル情報は同様となる。一方で、FDD(Frequency Division duplex)の場合、アップリンクとダウンリンクとで使用される周波数が異なるので、アップリンクとダウンリンクとでチャネル情報は異なる。よって、上記ステップS21において、eNBがSRSに基づいてダウンリンクのチャネル情報を取得(正確には、推定)できるのは、TDDの場合のみと言える。
<2.2.SRS>
SRSは、上述したビーム選択よりも、eNBが、運用する周波数帯域幅(即ち、バンド幅)におけるアップリンクのチャネル情報を取得して、それをダウンリンクのスケジューリングに用いることを主目的とする。
スケジューリングとは、UEがダウンリンク又はアップリンクのリソース(周波数及び時間で区切られた単位リソース)のどの部分を使うかをeNBが決定して、決定した内容をUEに通知することを指す。例えば、eNBが運用するバンド幅が20MHzである場合、リソースブロックは15kHz間隔で配置されるサブキャリアを12個含み、100個のリソースブロックが20MHzの中に敷き詰められる。この100個のリソースブロックのリソースは、複数のUEで分け合って使用される。つまり、FDM(Frequency Division Multiplexing)が行われる。従って、UEに20MHzの中のどの部分を使わせるかを決定することが、eNBのスケジューリングであると言える。
eNBは、SRSに基づいて、上述した主目的を達成する。詳しくは、eNBは、SRSの受信結果に基づいてアップリンクのチャネル情報を取得し、取得したチャネル情報に基づいてダウンリンクのチャネル情報を推定し、推定したダウンリンクのチャネル情報に基づいてスケジューリングを行う。
このような、スケジューリングという主目的のために設計された既存のSRSは、ビーム選択のためのリファレンス信号としては適切ではないと考えられる。例えば、ビームトラッキングのためには、チャネル全体にわたるチャネル情報が必要とは限らない。
(SRSのフォーマット)
図5は、LTEにおけるSRSのフォーマットの一例を説明するための図である。LTEのアップリンクは、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)で運用されており、1つのサブフレームあたり14個のシンボルが含まれる。アップリンクにおける時間方向のシンボルは、SC−FDMAシンボル又はOFDMシンボルとも称される。図5に示すように、SRSは、最後のOFDMシンボルを用いて送信される。ただし、全てのサブフレームにおいて、最後のOFDMシンボルを用いてSRSが送信されるとは限らない。例えば、通常は、14個のOFDMシンボルの全てを用いて、ユーザデータであるPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)及び制御信号であるPUCCH(Physical Uplink Control Channel)が送信される。そして、必要な時のみ、最後のOFDMシンボルを用いてSRSが送信される。
(狭帯域のSRSと広帯域のSRS)
図5に示したように、SRSは運用されるバンド幅の全てを占有して一度に送信される場合もある。他方、一度のSRSの送信では運用されるバンド幅の一部が用いられる場合もある。前者は広帯域のSRSとも称され、後者は狭帯域のSRSとも称される。
図6は、LTEにおける狭帯域のSRSを説明するための図である。図6に示すように、狭帯域のSRSは、一度の送信では一部のバンド幅が用いられる。ただし、運用されるバンド幅全体のチャネル状態を知るという上記の主目的を達成するために、狭帯域のSRSであっても、図6に示すように送信に用いるバンド幅をシフトさせることにより、結局は運用されるバンド幅全体に渡ってSRSが送信されることとなる。狭帯域のSRSのメリットは、UEがより多くの電力を一度のSRSの送信に用いることができるため、SRSのアップリンクカバレッジを増加させることができる点である。換言すると、狭帯域のSRSのメリットは、eNBで受信されるSRSの品質を向上させることができる点にある。
ここで注目すべきは、広帯域、狭帯域のいずれのSRSも、運用されるバンド幅全体のチャネル情報を取得されることを主目的として設計されていることである。即ち、広帯域、狭帯域のいずれのSRSも、対象とするバンド幅は、eNBが運用するバンド幅の全体である。
(周期的なSRSと非周期的なSRS)
eNBは、SRSを周期的(periodic)に送信するように、又は非周期的(aperiodic)に送信するように、UEに設定することができる。
eNBは、周期的なSRSを設定する場合、準静的(semi−static)にRRC(Radio Resource Control)シグナリングを用いて設定する。従って、周期的な送信に関して、例えば送信周期をダイナミックに変更することは困難である。
一方、非周期的なSRSに関しては、eNBは、必要に応じて非周期的にSRSリクエストを送信し、UEはSRSリクエストを受信した場合にSRSを返送する。ただし、非周期的なSRSは、ビームトラッキングのために定期的にビームを選択するためのリファレンス信号としては適切ではないと考えられる。なぜならば、ダウンリンクのSRSリクエストがオーバーヘッドになってしまうからである。
(SRSとビーム選択との関係性)
eNBは、UEにビームを提供する場合、UEにとって適切なビームを選択することが望ましい。
そのための一つの方法としては、図3及び図4を参照して上記説明したように、eNBが複数のビームフォームドリファレンス信号を提供し、UEにおける受信結果に応じたビームを用いてUEとの通信を行うことが考えられる。その場合、図4を参照して上記説明したように、eNBは、どの複数のビームを用いて複数のビームフォームドリファレンス信号を送信するかを、SRSに基づいて決定し得る。なぜならば、eNBは、SRSの受信結果に基づいてUEの方向を大まかに捉えることができるためである。
このように、SRSは、UEに提供するビーム選択のために使用可能である。一方で、SRSはアップリンクのリファレンス信号であるから、eNBがSRSの受信結果に基づいてダウンリンクの干渉の状況を知ることは困難である。従って、最終的なビーム選択は、ダウンリンクのリファレンス信号に基づいて、UEにより決定されることが望ましい。
(まとめ)
以上、SRSに関して説明した。SRSをビームトラッキングに用いる場合の留意点を、以下にまとめる。
第1の留意点は、既存のSRSが、運用されるバンド幅全体のチャネル情報を取得することを主目的としていることである。既存のSRSは、ビームトラッキングのようにビームの方向だけを知りたい場合にはオーバーヘッドとなり、ビームトラッキングのために用いられる場合アップリンクの伝送効率が低下し得る。
第2の留意点は、周期的なSRS及び非周期的のSRSの双方ともに、ビームトラッキングの用途には向いていないことである。例えば、全てのUEが、非常に高精度なトラッキングを必要とするわけではない。
第3の留意点は、SRSではダウンリンクの干渉の状況を知ることが困難なことである。最終的なビームの選択は、ダウンリンクのリファレンス信号に基づいて行われることが望ましい。
<2.3.その他>
ビームトラッキングの難易度について以下に考察する。
まず、UEが全く動かず静止している場合が想定される。その場合、UEにとって適切なビームに変更がない場合が多いので、ビームトラッキングのためのビーム選択は容易である。ただし、UEが静止していても、周りの環境、例えば車又は人間等の遮蔽物がeNBとUEの間を横切る等によるビームの遮蔽(以下、ブロッキングとも称する)の影響で再度のビーム選択が行われる場合もある。
また、UEが高速で移動する場合が想定される。その場合、高速に移動するUEに対してビームを追従させることが要されるので、ビームトラッキングの難易度は高い。UEに提供されるビームが鋭いものである場合、ビームトラッキングの難易度はさらに高いものとなる。例えば1度幅のビームが提供される場合、例えば10度幅のビームが提供される場合と比較して難易度は高い。ビームが鋭いほど、ビームに含まれる範囲内でUEが移動する時間が短いためである。
UEの移動速度によらず、非連続的なチャネル環境の変化が発生した場合、ビーム選択の難易度は高いものとなる。非連続的なチャネル環境の変化は、例えば遮蔽物がeNBとUEとの間に突然入り込んだ場合、及びアンテナが平面的に配置されているUEが急に回転する場合等に発生し得る。このような場合、UEにとって適切なビームが変化し得る。また、直接的にUEに届くビームよりも、反射して間接的にUEに届くビームの方が適切な場合もあると考えられる。
<<3.各装置の構成例>>
続いて、本開示の一実施形態に係るシステム1に含まれる各装置の構成の一例を説明する。
<3.1.基地局の構成例>
図7は、本実施形態に係る基地局100の構成の一例を示すブロック図である。図7を参照すると、基地局100は、アンテナ部110、無線通信部120、ネットワーク通信部130、記憶部140及び制御部150を備える。
(1)アンテナ部110
アンテナ部110は、無線通信部120により出力される信号を電波として空間に放射する。また、アンテナ部110は、空間の電波を信号に変換し、当該信号を無線通信部120へ出力する。
とりわけ、本実施形態では、アンテナ部110は、複数のアンテナ素子を有し、ビームを形成することが可能である。
(2)無線通信部120
無線通信部120は、信号を送受信する。例えば、無線通信部120は、端末装置へのダウンリンク信号を送信し、端末装置からのアップリンク信号を受信する。
とりわけ、本実施形態では、無線通信部120は、アンテナ部110により複数のビームを形成して端末装置200と通信することが可能である。
(3)ネットワーク通信部130
ネットワーク通信部130は、情報を送受信する。例えば、ネットワーク通信部130は、他のノードへの情報を送信し、他のノードからの情報を受信する。例えば、上記他のノードは、他の基地局及びコアネットワークノードを含む。
(4)記憶部140
記憶部140は、基地局100の動作のためのプログラム及び様々なデータを一時的に又は恒久的に記憶する。
(5)制御部150
制御部150は、基地局100の様々な機能を提供する。制御部150は、設定部151及び通信制御部153を含む。なお、制御部150は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、制御部150は、これらの構成要素の動作以外の動作も行い得る。設定部151及び通信制御部153の動作は、後に詳細に説明する。
<3.2.端末装置の構成>
図8は、本実施形態に係る端末装置200の構成の一例を示すブロック図である。図8を参照すると、端末装置200は、アンテナ部210、無線通信部220、記憶部230及び制御部240を備える。
(1)アンテナ部210
アンテナ部210は、無線通信部220により出力される信号を電波として空間に放射する。また、アンテナ部210は、空間の電波を信号に変換し、当該信号を無線通信部220へ出力する。
(2)無線通信部220
無線通信部220は、信号を送受信する。例えば、無線通信部220は、基地局からのダウンリンク信号を受信し、基地局へのアップリンク信号を送信する。
とりわけ、本実施形態では、無線通信部220は、複数のビームを形成して通信する基地局100と通信することが可能である。
(3)記憶部230
記憶部230は、端末装置200の動作のためのプログラム及び様々なデータを一時的に又は恒久的に記憶する。
(4)制御部240
制御部240は、端末装置200の様々な機能を提供する。制御部240は、設定部241及び通信制御部243を含む。なお、制御部240は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、制御部240は、これらの構成要素の動作以外の動作も行い得る。設定部241及び通信制御部243の動作は、後に詳細に説明する。
以下では、基地局100をeNB100とも称し、端末装置200をUE200とも称する。
<<4.第1の実施形態>>
第1の実施形態は、UE200がビームトラッキングのためのレポート情報をフィードバックすることで、eNB100によるビームトラッキングの精度を向上させる形態である。
<4.1.技術的課題>
(1)課題まとめ
移動しているUEに対しては、ビーム選択の頻度が多いことが望ましい。一方で、移動していないUEに対しては、ビーム選択の頻度が少ないことが望ましい。ビーム選択の頻度が多い程、アップリンクのSRS、及びダウンリンクのCSI−RSといったリファレンス信号によるオーバーヘッドが大きくなり、システムスループットが低下し得るためである。
図3及び図4を参照して上記説明した仕組みによれば、SRS及び複数のビームフォームドCSI−RSに基づいてビーム選択が行われる。かかる仕組みにおいては、下記の4つの設定事項が適切に設定されることが重要である。
・アップリンクリファレンス信号(例えば、SRS)の周期
・ビームフォームされたダウンリンクリファレンス信号(例えば、ビームフォームドCSI−RS)のためのビームの選択
・ビームフォームされたダウンリンクリファレンス信号の数
・ビームフォームされた ダウンリンクリファレンス信号の周期
(2)アップリンクリファレンス信号について
以下、アップリンクリファレンス信号に関する技術的課題を説明する。SRSのスケジューリングは、eNBにより行われる。SRSは、周期的に又は非周期的に送信される。
上述したように、周期的なSRSに関しては、eNBは準静的に設定を行う。より詳しくは、eNBは、準静的に周期的なSRSのリソース、換言するとSRSの周期を設定する。そのため、eNBは、UEの移動速度等に応じて、SRSの周期を柔軟に変更することが困難であった。つまり、周期的なSRSに関して、ビーム選択のためのアップリンクリファレンス信号の周期を適切に設定することが困難であった。
一方で、非周期的なSRSに関しては、上述したように、eNBは非周期的にSRSリクエストを送信する。ただし、非周期的なSRSがビーム選択のために用いられる場合、SRSリクエストが高頻度に行われることとなる。従って、非周期的なSRSをビーム選択のために用いることは、ダウンリンクのシステムスループットを低下させる要因となり得る。つまり、非周期的なSRSに関して、ビーム選択のためのアップリンクリファレンス信号の周期を適切に設定することが困難であった。
このような困難に関し、例えば、eNBが、UEから提供されるSRSの受信結果に基づいてUEの位置及び移動速度等を推定して、SRSの周期等のリソースを設定する方法が考えられる。しかし、この方法ではSRSの設定変更に時間がかかるため、例えば移動速度が急激に変化した場合等にビームトラッキング(即ち、適切なビームの選択)が間に合わなくなってしまうおそれがある。つまり、この方法でも、ビーム選択のためのアップリンクリファレンス信号の周期を適切に設定することが困難であった。
さらに、UEから提供されるSRSは、典型的には無指向性のアンテナにより送信されるので、異なるUE同士から送信されるSRS間で衝突が発生し得る。従って、UEが、周波数又は時間により直交性を保ったリソースを用いてSRSを送信することが望ましく、SRSの周期を極度に短くすること等は困難であった。
(3)ビームフォームドダウンリンクリファレンス信号
以下、図9〜図12を参照して、ダウンリンクリファレンス信号に関する技術的課題を説明する。図9〜図12は、ダウンリンクリファレンス信号に関する技術的課題を説明するための図である。
図4を参照して上記説明したように、eNBは、SRSに基づいてUEの大まかな位置を把握して、そのUEに適切なビームの候補を複数選択する。そして、図9に示すように、eNBは、選択した複数のビームの候補を用いて複数のビームフォームドCSI−RSを送信する。図9に示した例では、複数のビームフォームドCSI−RSは、エリア20A〜20G宛てに送信されており、その中心のエリア20DにUEが含まれている。即ち、複数のビームフォームドCSI−RSは、大まかにUEを捉えている。
その後、UEは、提供された複数のビームフォームドCSI−RSの受信結果に基づいて、ビームフォームドCSI−RSの送信に用いられた複数のビームの中から望ましいビームを1つ又は複数選択し、選択結果を示す情報をeNBに送信する。例えば、図10に示した例では、UEは、エリア20D宛てのビームを選択する。そして、eNBは、ビームの選択結果を示す情報に基づいて、UEに適したビームを選択する。例えば、図10に示した例では、eNBは、UEからのフィードバックに基づいてエリア20D宛てのビームを選択する。
ここで、eNBは、ビームの選択結果を示す情報に基づいて、複数のビームフォームドCSI−RSの送信に用いた複数のビームが適切であったか否か、即ちビームトラッキングがうまくいっているか否かを、判断することが可能である。例えば、図10に示すように、複数のエリア20のうち中心のエリア20D宛てのビーム、即ち複数のビームのうち中心のビームが選択された場合、ビームトラッキングはうまくいっていると判断される。一方で、図11に示すように、複数のエリア20のうち端のエリア20E宛てのビーム、即ち複数のビームのうち端のビームが選択された場合、ビームトラッキングはうまくいっていないと判断される。
しかし、上述したビームの選択結果に基づくビームトラッキングの適否の判断に、誤りが発生する可能性がある。例えば、UEは、他のUE宛てのビームから受ける干渉、及び隣接eNBが提供するビームから受ける干渉等を考慮し、干渉量を考慮したSINR(Signal Interference Noise Ratio)に基づいてビームを選択し得る。例えば、図12に示した例では、UEは、ビームトラッキングの観点から言えばエリア20D宛てのビームが適切であるにも関わらず、隣接eNBが提供するビームから受ける干渉を考慮して他のエリア20F宛てのビームを選択している。そのため、複数のビームフォームドCSI−RSの中心のビームがUEを捉えており、ビームトラッキングはうまくいっているにも関わらず、eNBはビームトラッキングはうまくいっていないと判断してしまう。
このように、eNBは、ビームトラッキングがうまくいっているかどうかを適切に判断することが困難な場合があった。つまり、ビームフォームされたダウンリンクリファレンス信号のためのビームの選択、ビームフォームされたダウンリンクリファレンス信号の数、及びビームフォームされたダウンリンクリファレンス信号の提供周期を、適切に設定することは困難な場合があった。
<4.2.技術的特徴>
上記の技術的課題に鑑み、本実施形態では、ビームトラッキングのためのレポート情報を提供する。これにより、eNB100がビームトラッキングがうまくいっているか否かを適切に判断することが可能となり、ビームトラッキングの精度を向上させることができる。以下、本実施形態に係る技術的特徴を説明する。
(1)2種類のレポート情報
eNB100(例えば、通信制御部153)は、ビームを用いて送信するダウンリンクリファレンス信号を複数含む一群のダウンリンクリファレンス信号のUE200への送信を行う。即ち、eNB100は、一群のダウンリンクリファレンス信号に含まれる複数のダウンリンクリファレンス信号の各々を、ビームフォームして送信する。このような、ビームフォームされて送信されるダウンリンクリファレンス信号を、ビームフォームドダウンリンクリファレンス信号(BF DL RS(Beam Formed Downlink Reference Signal))とも称する。BF DL RSは、例えば上述したビームフォームドCSI−RSであってもよく、複数のビームフォームドCSI−RSが、一群のBF DL RSを形成してもよい。eNB100は、例えば、UE200から送信されたアップリンクリファレンス信号(典型的には、無指向性)の受信結果に基づいて、一群のダウンリンクリファレンス信号の送信に用いる一群のビーム(即ち、複数のビーム)を選択してもよい。このアップリンクリファレンス信号(UL RS(Uplink Reference Signal))は、例えば上述したSRSであってもよい。
UE200(例えば、通信制御部243)は、eNB100からビームを用いて送信されるBF DL RSを複数含む一群のBF DL RSの受信結果に関する、ダウンリンクユーザデータのための第1のレポート情報、及びeNB100によるUE200を対象としたビームトラッキングのための第2のレポート情報をeNB100に報告する。ビームトラッキングのための第2のレポート情報が、UE200とのデータ通信のための第1のレポート情報とは別に報告されるので、eNB100は、ビームトラッキングがうまくいっているかどうかを適切に判断することが可能となる。
例えば、第1のレポート情報は、干渉を考慮した、一群のBF DL RSの受信結果を示す情報を含む。例えば、第1のレポート情報は、他のUE200宛てのビームから受ける干渉及び他セルからの干渉等の干渉量を考慮したSINR(Signal Interference Noise Ratio)に基づくビームの選択結果を示す情報(即ち、識別情報。典型的には、ビームID)を含み得る。これにより、eNB100は、ユーザデータの送信に用いるビームを適切に選択することが可能となる。
例えば、第2のレポート情報は、干渉を考慮しない、一群のBF DL RSの受信結果を示す情報を含んでいてもよい。第2のレポート情報は、多様な情報を含み得る。
例えば、第2のレポート情報は、一群のBF DL RSの送信に用いられた一群のビームのうち、受信電力が最も大きいビームを示す情報を含んでいてもよい。これにより、eNB100は、ビームトラッキングの適否を判断することが可能となる。例えば、eNB100は、第2のレポート情報として報告された受信電力が最も高いビームが、一群のBF DL RSの送信に用いられた一群のビームの中心のビームである場合、ビームトラッキングがうまくいっていると判断する。一方で、eNB100は、第2のレポート情報として報告された受信電力が最も高いビームが、一群のBF DL RSの送信に用いられた一群のビームの中心のビームでない場合、ビームトラッキングがうまくいっていないと判断する。この点について、図13を参照して具体的に説明する。
図13は、本実施形態に係る第1のレポート情報及び第2のレポート情報を説明するための図である。図13に示すように、eNB100Aは、複数のエリア20宛てに一群のBF DL RSを送信しており、その中心のエリア20DにUE200が含まれている。一方で、UE200は、eNB100Bから送信されるビームから干渉を受けている。そこで、UE200は、第1のレポート情報として、干渉のないエリア20F宛てのビームのビームIDを報告する。また、UE200は、第2のレポート情報として、eNB100Aからのビームの受信電力が最も高いエリア20D宛てのビームのビームIDを報告する。eNB100Aは、第2のレポート情報に基づいて、ビームトラッキングがうまくいっていることを判断することが可能である。そして、eNB100Aは、一群のBF DL RSのための一群のビームの選択を適切に行うことが可能となる。
他にも、例えば、第2のレポート情報は、eNB100によるビームトラッキングの適否を示す情報を含んでいてもよい。ビームトラッキングの適否を示す情報とは、例えば、一群のBF DL RSの送信に用いられた複数のビームの中心のビームの受信電力が最も高いか否かを示す情報であってもよい。第2のレポート情報は、例えば1ビットにより表現が可能となるので、アップリンクのオーバーヘッドを低減することが可能となる。
例えば、UE200が、eNB100によるビームトラッキングのためのUL RSを送信する環境において、第2のレポート情報は、UL RSの送信周期の変更を要求する情報を含んでいてもよい。例えば、第2のレポート情報は、UL RSの送信周期をより長く又は短くすることを要求する情報を含み得る。これにより、eNB100は、UL RSの送信周期を適切に設定することが可能となる。
例えば、第2のレポート情報は、一群のダウンリンクリファレンス信号の数の変更を要求する情報を含んでいてもよい。例えば、第2のレポート情報は、一群のBF DL RSの数、換言すると、送信に用いられるビームの数をより多く又は少なくすることを要求する情報を含み得る。これにより、eNB100は、BF DL RSの数を適切に設定することが可能となる。
例えば、第2のレポート情報は、一群のBF DL RSの送信周期の変更を要求する情報を含んでいてもよい。例えば、第2のレポート情報は、一群のBF DL RSの送信周期をより長く又は短くすることを要求する情報を含み得る。これにより、eNB100は、一群のBF DL RSの送信周期を適切に設定することが可能となる。
(2)レポート情報に基づく制御
eNB100(例えば、設定部151)は、一群のBF DL RSの受信結果に関するダウンリンクユーザデータのための第1のレポート情報及びUE200を対象としたビームトラッキングのための第2のレポート情報のUE200からの受信、及び第1のレポート情報に基づく第1の送信設定及び第2のレポート情報に基づく第2の送信設定を行う。
具体的には、eNB100は、第1の送信設定として、UE200へのユーザデータの送信に用いるビームを選択する。これにより、eNB100は、UE200における干渉量を考慮したSINRが最も良いビームを用いて、ユーザデータを送信することが可能となる。
また、eNB100は、第2の送信設定として、多様な設定を行い得る。
例えば、eNB100は、第2の送信設定として、UE200から送信されるアップリンクリファレンス信号の送信周期を設定してもよい。例えば、eNB100は、UL RSの送信周期を短くする設定により、より適切なビームを用いて一群のBF DL RSを提供することが可能となり、ビームトラッキングの精度を向上させることが可能となる。また、eNB100は、UL RSの送信周期を長くする設定により、UL RSによるオーバーヘッドを低減することが可能となる。eNB100は、ビームトラッキングがうまくいっている場合に、徐々にUL RSの送信周期を長くしていってもよい。
例えば、eNB100は、第2の送信設定として、一群のBF DL RSの送信周期を設定してもよい。例えば、eNB100は、送信周期を短くする設定により、より適切なビームを用いて一群のBF DL RSを提供することが可能となり、ビームトラッキングの精度を向上させることが可能となる。また、eNB100は、送信周期を長くする設定により、一群のBF DL RSによるオーバーヘッドを低減することが可能となる。
例えば、eNB100は、第2の送信設定として、一群のBF DL RSに含まれるBF DL RSの数を設定してもよい。例えば、eNB100は、数を多くする設定により、一群のBF DL RSがカバーするエリアをより広くすることが可能となり、トラッキングミスを防ぐことができる。
例えば、eNB100は、第2の送信設定として、一群のBF DL RSに用いるビームを設定してもよい。例えば、まず、eNB100は、第2のレポート情報に含まれるビームの選択結果の時系列変化に基づいてUE200の移動方向を推定する。そして、eNB100は、ビームトラッキングがうまくいっていないと判定した場合に、推定した移動方向へ一群のBF DL RSの送信に用いるビームを変更する等の設定を行う。このような設定により、eNB100は、より精度よくビームトラッキングを行うことが可能となる。
例えば、eNB100は、第2の送信設定として、一群のダウンリンクリファレンス信号の送信に用いるビームの鋭さを設定してもよい。例えば、eNB100は、ビームの鋭さを緩くすることで、ひとつのビームがカバーするエリアを拡大させて、一群のBF DL RSがカバーするエリアをより広くすることが可能となり、トラッキングミスを防ぐことができる。
(3)レポート情報の報告手段
第1のレポート情報及び第2のレポート情報の報告手段は多様に考えられる。
例えば、UE200(例えば、通信制御部243)は、第1のレポート情報及び前記第2のレポート情報を別々のメッセージとして報告してもよい。この仕組みを利用して、UE200は、例えば必要に応じて報告するレポート情報を選択したり、報告周期を異ならせたりすることが可能となる。また、UE200は、第1のレポート情報及び第2のレポート情報をひとつのメッセージに符号化して報告してもよい。この場合、UE200は、アップリンクのオーバーヘッドを低減することが可能となる。以下、図14〜図16を参照して、第1のレポート情報及び第2のレポート情報の報告タイミングについて説明する。
図14〜図16は、本実施形態に係る第1のレポート情報及び第2のレポート情報の報告タイミングを説明するための図である。図14〜図16では、横軸が時間軸であり、時間軸上の垂線が、UL RS、一群のBF DL RS、第1のレポート情報又は第2のレポート情報の各々の送信タイミングを示している。例えば、UL RSは、符号21に示す送信周期で送信され、一群のBF DL RSは、符号22に示す送信周期で送信され、第1のレポート情報は、符号23に示す送信周期で送信され、第2のレポート情報は、符号24に示す送信周期で送信される。図14〜図16に示すように、UL RS及び一群のBF DL RSの送信周期は異なっていてもよい。また、図14及び図15に示すように、第1のレポート情報及び第2のレポート情報の報告周期は異なっていてもよい。他方、図16に示すように、第1のレポート情報及び第2のレポート情報の報告周期は同一であってもよい。
なお、UL RSは、UEの大まかな位置を位置を把握するために用いられ、一群のBF DL RSは、言わばUEの正確な位置を把握するために用いられる。従って、図16に示すように、UL RSの送信周期は、一群のBF DL RSの送信周期よりも長いと想定される。
(4)処理の流れ
以下、図17を参照して、本実施形態に係るシステム1におけるビームトラッキング処理の流れを説明する。
図17は、本実施形態に係るシステム1において実行されるビームトラッキング処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図17に示すように、本シーケンスには、eNB100及びUE200が関与する。
まず、eNB100は、周期的なUL RSのための設定情報をUE200へ送信する(ステップS102)。この設定情報には、例えば送信周期を示す情報が含まれる。次いで、UE200は、受信した設定情報に基づいて、UL RSをeNB100へ送信する(ステップS104)。次に、eNB100は、受信したUL RSに基づいてUE200の大まかな位置を推定し、推推定した大まかな位置をカバーするように、一群のBF DL RSの送信に用いる一群のビームを設定する(ステップS106)。そして、eNB100は、設定した一群のビームを用いて一群のBF DL RSをUE200へ送信する(ステップS108)。次いで、UE200は、第1のレポート情報及び第2のレポート情報をeNB100へ送信する(ステップS110、S112)。
<<5.第2の実施形態>>
第2の実施形態は、複数のビーム経路を用いた通信により、ブロッキング耐性を向上させる形態である。
<5.1.技術的課題>
eNBとUEとの間に車又はビル等の遮蔽物が入り込むことにより、それまで通信に適していたビーム経路が突然失われる又は適するビーム経路が突然変更される場合がある。その場合、UEは、eNBから送信される一群のBF DL RSの受信に失敗してしまい、ビームトラッキングの連続性が失われてデータ通信が途切れてしまう場合があった。
さらに、UEは、一群のBF DL RSの受信に失敗しても、その原因を特定することが困難であった。考えられる原因としては、例えば一群のBF DL RSが遮蔽物により遮られているために受信電力が小さいこと、及びビームの方向が自身に向いていないために受信電力が小さいこと等がある。また、移動中に一群のBF DL RSが遮蔽物により遮られた場合等、UEにとって、もともと小さい受信電力がさらに小さくなるという分かり難い現象を認識することは困難であった。
このような困難さは、ビームが鋭くなるほど強まる。ビームの範囲から外れてしまったUEは、そのビームからの電力をほとんど受信することができないためである。そして、UEは、ビームからの電力をほとんど受信することができなかった場合に、その原因を特定することが困難である。
仮に原因を特定できたとしても、UEは、自身宛てのビームからの電力を受信できなくなって初めて、例えば遮蔽物があることを知ることとなる。
他方、eNBは、ジオロケーションデータベース等を整備して、セル内の建物等の地図を作成しておくことにより、UEに対してビームを提供した場合の遮蔽物の有無を認識可能にも思える。しかし、eNBは、人間及び自動車といった動く遮蔽物によるビームの遮蔽を、予測することは困難である。
<5.2.技術的特徴>
上記の技術的課題に鑑み、本実施形態では、複数の異なるビーム経路、より詳しくは直接波を用いたビーム経路だけではなく反射波を用いたビーム経路を提供する。これにより、ブロッキングに対する耐性を向上させることが可能となる。より詳しくは、直接波を用いるビーム経路が失われた場合でも、反射波を用いるビーム経路を用いてビームトラッキングを継続することが可能となる。以下、本実施形態に係る技術的特徴を説明する。
なお、以下では、UEが生成するビームをUEビームとも称し、eNBが生成するビームをeNBビームとも称する。
(1)BF UL RS
以下、図18〜図20を参照して、UE200から送信されるアップリンクリファレンス信号について説明する。図18〜図20は、本実施形態に係るアップリンクリファレンス信号について説明するための図である。
UE200(例えば、通信制御部243)は、複数のアップリンクリファレンス信号の各々を異なる方向へ向けたUEビームを用いて送信する。即ち、UE200は、複数のアップリンクリファレンス信号の各々を、異なる方向へ向けたUEビームによりビームフォームして送信する。このような、ビームフォームされて送信されるアップリンクリファレンス信号を、ビームフォームドアップリンクリファレンス信号(BF UL RS(Beam Formed Uplink Reference Signal))とも称する。
図18に示すように、UE200は、BF UL RS31及び32を、eNB100からデータ信号をダイバーシチ受信したい複数の方向に向けて送信する。これにより、eNB100は、UE200の周りの反射の状況を知得することが可能となり、それに伴いUE200にとって複数の方向からデータ信号が受信されるよう、データ信号を送信することが可能となる。このとき、UE200は、例えば第1の方向に対応する第1のUEビームを使用してBF UL RS31を送信し、第2の方向に対応する第2のUEビームを使用してBF UL RS32を送信する。これらのUEビームは、eNBビームと比較して指向性が低くてもよい。例えば、UEビームは、半値幅が30度〜60度程度であってもよい。また、UE200は、上述した一群のBF DL RSのように、ひとつの方向に対して複数のBF UL RSを送信しなくてもよい。
ここで、図19に示すように、UE200が、無指向性のUL RS33(例えば、SRS)を送信した場合であっても、eNB100は、直接波と反射波との少なくとも2つの経路を通ったUL RSを複数の方向から受信することとなる。しかし、その場合、eNB100は、受信した複数方向からのUL RSが、UE200にとって異なる方向の経路を経由したものなのか、UE200にとって同方向の経路を経由したものなのかを、認識することは困難である。受信した複数方向からのUL RSがUE200にとって異なる方向の経路を経由するのは、例えば図18に示すように、UE200の付近の反射物によりUL RSが反射される場合が考えられる。また、受信した複数方向からのUL RSがUE200にとって同方向の経路を経由するのは、例えば図19に示すように、eNB100の付近の反射物によりUL RSが反射される場合が考えられる。ブロッキングに対する耐性の向上を考慮すれば、UE200にとって異なる方向を経由するビーム経路でデータ信号が送信されることが望ましい。そのため、受信した複数方向からのUL RSが、UE200にとって異なる方向の経路を経由したものなの否かを認識することが困難な無指向性のUL RSは、本実施形態においては適切ではない。
UE200は、複数のBF UL RSの各々を、互いに時間、周波数又は符号の少なくともいずれかで直交するリソースを用いて送信する。これにより、eNB100は、複数のBF UL RSの各々を区別して受信することが可能となる。なお、図18に示した例では、BF UL RS31とBF UL RS32とで直交するリソースが用いられる。一方で、図19に示した例では無指向性のUL RS33はひとつのリソース(即ち、直交しないリソース)を用いて送信される。
ここで、UE200は、図20に示すように、複数のBF UL RSの各々を、互いに異なる送信周期で送信してもよい。図20では、横軸が時間軸であり、時間軸上の矩形が、複数のBF UL RSの各々の送信タイミングを示している。例えば、図18に示したBF UL RS31は、符号34に示す送信周期で送信され、BF UL RS32は、符号35に示す送信周期で送信される。その場合、各々のBF UL RSに対応するシグナリングも、周期が異なるよう設定されることになる。例えば、メインとしての役割を有するBF UL RSには短い送信周期が設定され、ブロッキングに備えたサブとしての役割を有するBF UL RSには長い送信周期が設定されてもよい。
なお、UE200(例えば、設定部241)は、多様な方法を用いて、複数のBF UL RSの送信に用いる複数のUEビームを設定し得る。例えば、UE200は、eNB100により設定されたUEビームを用いてもよい。その場合、例えば、eNB100(例えば、設定部151)は、非周期的なSRSを送信させるためのSRSリクエストにおいて、用いるべきUEビームを指定してもよい。そして、UE200は、SRSリクエストにおいて指定されたUEビームを用いて、BF UL RSを送信してもよい。
(2)複数の一群のBF DL RS
以下、図21〜図23を参照して、eNB100から送信されるダウンリンクリファレンス信号について説明する。図21〜図23は、本実施形態に係るダウンリンクリファレンス信号について説明するための図である。
eNB100(例えば、通信制御部153)は、複数の一群のダウンリンクリファレンス信号の各々を、UE200にとって異なる方向から到来する複数の経路の各々を経由する一群のeNBビームを用いて送信する。ここで、一群のダウンリンクリファレンス信号は、対応する一群のeNBビームに含まれるeNBビームを用いて送信されるダウンリンクリファレンス信号を複数含む。一群のeNBビームを用いて送信される一群のダウンリンクリファレンス信号を、以下では一群のBF DL RSとも称し、個々のダウンリンクリファレンス信号を、BF DL RSとも称する。BF DL RSは、例えば上述したビームフォームドCSI−RSであってもよい。複数の一群のBF DL RSの各々は、UE200にとって異なる方向から到来する受信波として観測可能であることが望ましい。ブロッキングに対する耐性を向上させるためである。詳しくは、複数の一群のBF DL RSがUE200にとって異なる方向から提供されるので、eNB100は、遮蔽物により一部のビーム経路が失われたとしても、生き残った他のビーム経路を用いたビームトラッキングを継続することが可能となる。例えば、eNB100は、直接波を用いるビーム経路が失われた場合でも、反射波を用いるビーム経路を用いてビームトラッキングを継続することが可能となる。
eNB100は、UE200が複数の方向へ向けたUEビームを用いて送信した複数のBF UL RSの受信結果に基づいて、複数の一群のダウンリンクリファレンス信号を送信するための複数の一群のeNBビームを選択する。例えば、eNB100は、受信した複数のBF UL RSに対応する方向、典型的には到来方向へ、一群のeNBビームを送信する。これにより、eNB100は、UE200にとってダイバーシチ受信したい複数の方向から到来する一群のeNBビームを用いて、一群のBF DL RSを送信することが可能となる。
このようなビーム選択について、図21及び図22を参照して具体的に説明する。まず、UE200は、図21に示すように、BF UL RS41及び42を、eNB100からデータ信号をダイバーシチ受信したい複数の方向に向けて送信する。次いで、eNB100は、BF UL RS41の到来方向へ向けた複数のeNBビームを選択し、選択した一群のeNBビームを用いて一群のBF DL RS43を送信する。同様に、eNB100は、BF UL RS42の到来方向へ向けた複数のeNBビームを選択し、選択した一群のeNBビームを用いて一群のBF DL RS44を送信する。なお、図22では、煩雑さを軽減するためにUE200の図示を省略している。
eNB100は、一群のBF DL RSに含まれる複数のBF DL RSの各々を、時間及び周波数が同一のリソースを用いて送信する。また、eNB100は、一群のBF DL RSに含まれる各々のBF DL RSを、空間的に多重して(即ち、異なるeNBビームを用いて)送信する。一方で、eNB100は、複数の一群のBF DL RSの各々を、互いに時間又は周波数の少なくともいずれかで直交するリソースを用いて送信する。これらにより、UE200は、どの直交リソースにおいて受信されたかに基づいて、各々の一群のBF DL RSを判別することが可能となる。
このようなリソースの使用について、図23を参照して具体的に説明する。例えば、図23に示すように、eNB100は、図22に示した一群のBF DL RS43に含まれる各々のBF DL RSを、リソース45を共通して用いて送信する。一方で、eNB100は、図22に示した一群のBF DL RS44に含まれる各々のBF DL RSを、リソース46を共通して用いて送信する。このリソース45とリソース46とは、時間方向に直交している。
(3)レポート情報の報告
以下、図24を参照して、UE200から送信される、eNB100からのダウンリンクリファレンス信号に対するレポート情報の報告について説明する。図24は、本実施形態に係るレポート情報の報告について説明するための図である。
UE200(例えば、通信制御部243)は、eNB100により複数のBF UL RSの受信結果に応じて選択された、複数の一群のeNBビームの各々を用いて送信された複数の一群のBF DL RSの受信結果を示す情報を、eNB100に報告する。例えば、UE200は、第1の一群のBF DL RSの受信結果を示す情報、及び第2の一群のBF DL RSの受信結果を示す情報を、eNB100に報告する。報告される情報は、上述した第1のレポート情報であってもよいし、第2のレポート情報であってもよい。例えば、報告される情報は、複数の一群のBF DL RSの送信に用いられた複数の一群のeNBビームの各々から選択されeNBビームを示す情報(即ち、識別情報。典型的には、ビームID)を含んでいてもよい。例えば、UE200は、第1の一群のBF DL RSの送信に用いられた第1の一群のeNBビームから選択した第1のeNBビームを示す情報を報告し得る。また、UE200は、第2の一群のBF DL RSの送信に用いられた第2の一群のeNBビームから選択した第2のeNBビームを示す情報を報告し得る。これにより、UE200は、自身宛ての好適なeNBビームであって、UE200にとって異なる方向から到来する複数のeNBビームを示す情報を、eNB100にフィードバックすることが可能となる。
そして、eNB100(例えば、通信制御部153)は、ユーザデータをUE200に送信するためのeNBビームを、UE200から報告された、UE200における複数の一群のBF DL RSの受信結果を示す情報に基づいて、複数の一群のBF DL RSの送信に用いた複数の一群のeNBビームの各々から選択する。例えば、eNB100は、UE200からフィードバックされた複数の識別情報が示す複数のeNBビームを選択し、この複数のeNBビームを用いてユーザデータを含むデータ信号を送信する。これにより、UE200は、UE200にとって異なる方向からデータ信号を受信することが可能となる。その際、eNB100は、選択した複数のeNBビームを用いて、同一のユーザデータをUE200に送信する。これにより、空間方向のダイバーシチゲインを得ることが可能となる。即ち、一部のビーム経路が突然失われた場合にも、UE200は、生き残った他のビーム経路からユーザデータを継続して受信することが可能となるので、通信が途切れる確率を低下させることが可能となる。
このような、複数のビーム経路を用いたユーザデータの送信について、図24を参照して具体的に説明する。例えば、図24に示すように、eNB100は、UE200から報告された、図22に示した一群のBF DL RS43の受信結果を示す情報に基づいて選択した、一群のBF DL RS43の送信に用いた一群のeNBビームに含まれるeNBビームを用いた、データ信号47を送信する。また、eNB100は、UE200から報告された、図22に示した一群のBF DL RS44の受信結果を示す情報に基づいて選択した、一群のBF DL RS44の送信に用いた一群のeNBビームに含まれるeNBビームを用いた、データ信号48を送信する。
(4)処理の流れ
以上説明した、一連の処理の流れを、図25を参照して説明する。
図25は、本実施形態に係るシステム1において実行される通信処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図25に示すように、本シーケンスには、eNB100及びUE200が関与する。また、本シーケンスでは、BF UL RSが2方向に送信される例を説明する。もちろん、送信される方向の数は任意である。
図25に示すように、まず、eNB100は、BF UL RSのための設定情報をUE200へ送信する(ステップS202)。この設定情報には、例えばBF UL RSの送信に用いるべきUEビームを示す情報、用いるべきリソースを示す情報及び送信周期等が含まれ得る。
次いで、UE200は、第1のUEビームによりビームフォームされた第1のBF UL RSを、eNB100へ送信する(ステップS204)。また、UE200は、第2のUEビームによりビームフォームされた第2のBF UL RSを、eNB100へ送信する(ステップS206)。
次に、eNB100は、複数の一群のBF DL RSの送信に用いる複数の一群のeNBビームを設定する(ステップS208)。例えば、eNB100は、第1のBF UL RSに対応する第1の一群のeNBビーム、及び第2のBF UL RSに対応する第2の一群のeNBビームを選択する。
次いで、eNB100は、選択した第1の一群のeNBビームによりビームフォームされた第1の一群のBF DL RSを、UE200へ送信する(ステップS210)。また、eNB100は、選択した第2の一群のeNBビームによりビームフォームされた第2の一群のBF DL RSを、UE200へ送信する(ステップS212)。
次に、UE200は、第1の一群のBF DL RSの受信結果を示す情報として、第1の一群のBF DL RSに関するレポート情報を、eNB100へ送信する(ステップS214)。また、UE200は、第2の一群のBF DL RSの受信結果を示す情報として、第2の一群のBF DL RSに関するレポート情報を、eNB100へ送信する(ステップS216)。
そして、eNB100は、ユーザデータの送信に用いる複数のeNBビームを設定する(ステップS218)。例えば、eNB100は、第1の一群のBF DL RSの受信結果を示す情報に基づいて、第1の一群のeNBビームに含まれる第1のeNBビームを選択する。また、eNB100は、eNB100は、第2の一群のBF DL RSの受信結果を示す情報に基づいて、第2の一群のeNBビームに含まれる第2のeNBビームを選択する。次いで、eNB100は、選択した第1のeNBビームによりビームフォームされた、ユーザデータを含むデータ信号をUE200へ送信する(ステップS220)。また、eNB100は、選択した第2のeNBビームによりビームフォームされた、ユーザデータを含むデータ信号をUE200へ送信する(ステップS222)。
<5.3.変形例>
・概略
UEが、無指向性のUL RSをeNBに送信する場合、UEとeNBとの間に遮蔽物が入る等してブロッキングが発生したとしても、eNBはUL RSを受信することが可能である。よって、TDDの採用によりULとDLとで可逆性(reciprocity)が成り立つ場合、且つUEが無指向性のUL RSを高頻度でeNBに送信し続ける場合、eNBは、UL RSの受信結果に基づいて適切なeNBビームをUEに提供し続けることが可能である。
しかし、無指向性のUL RSを高頻度で送信することは、ULリソースに占めるUL RSの割合の増加を意味するので、ULのオーバーヘッドの増加及びスループットの低下を引き起こす。そこで、本実施形態では、上記説明したように、UE200は複数のBF UL RSを送信する。これによりUL RSの送信頻度は少なくてすむので、ULのオーバーヘッドの増加及びスループットの低下を回避又は軽減することが可能である。
しかし、無指向性のUL RSを高頻度で送信する方法は、ブロッキングの対策として効果的である。そこで、本変形例では、無指向性のUL RSを高頻度で送信する方法を改良した技術を提供する。
・技術的特徴
以下、本変形例の技術的特徴を説明する。
UE200は、上述したように、複数のBF UL RSを、各々異なる方向へ送信する。また、eNB100は、上述したように、複数のBF UL RSの受信結果に基づいて複数の一群のeNBビームを選択し、複数の一群のBF DL RSを送信する。次いで、UE200は、上述したように、複数の一群のBF DL RSの受信結果を示す情報をeNB100へフィードバックする。
上記では、フィードバックされる複数の一群のBF DL RSの受信結果を示す情報は、複数の一群のBF DL RSの送信に用いられた複数の一群のeNBビームの各々から選択された、好適なeNBビームを示す情報を含んでいた。
これに対し、本変形例では、複数の一群のBF DL RSの受信結果を示す情報は、一群のBF DL RSの受信品質を示す情報を含む。例えば、この受信品質を示す情報は、受信品質が悪いこと、即ちブロッキングが発生している又は発生する可能性が高い一群のeNBビームを示す情報であってもよい。つまり、このフィードバックは、望ましいeNBビームの候補を通知するものでもなければ、望ましくないeNBビームを通知するものでもなく、ブロッキングが発生している又は発生する可能性を、eNB100に通知するものである。そのために、UE200(例えば、通信制御部243)は、複数の一群のBF DL RSの受信結果に基づいて、ブロッキングは発生している又は発生する可能性が高い一群のeNBビームを特定する。そして、UE200は、特定した一群のeNBビームを示す情報をeNB100にフィードバックする。なお、ここでの受信品質は、例えば受信電力であってもよい。以下、ブロッキングが発生している又は発生する可能性が高い一群のeNBビームを示す情報を、ブロッキング情報とも称する。
なお、ブロッキングが発生している又は発生する可能性が高い一群のeNBビームの特定は、eNB100において行われてもよい。その場合、eNB100へは、複数の一群のBF DL RSの各々の受信品質を示す情報が含まれる。
eNB100(例えば、通信制御部153)は、一群のBF DL RSの受信品質を示す情報(典型的には、ブロッキング情報)に基づいて、複数の一群のBF DL RSの送信に用いる複数の一群のeNBビームを変更してもよい。これにより、eNB100は、ブロッキングは発生している又は発生する可能性が高い一群のeNBビームの使用を停止して、他の一群のeNBビームに切り替えることが可能となる。よって、ブロッキングの発生を未然に防ぐ、又はブロッキングの発生後速やかにブロッキングを解消することが可能となる。
eNB100が一群のeNBビームを切り替えるためには、予め切り替え候補の一群のeNBビームが予め用意されていることが望ましい。例えば、eNB100は、予め多数の一群のeNBビームを用意しておき、そのうち一部を使用して一群のBF DL RSを送信し、フィードバックに応じて使用する一群のeNBビームを切り替える。そのような処理の流れを、図26を参照して具体的に説明する。
図26は、本変形例に係るシステム1において実行される通信処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図26に示すように、本シーケンスには、eNB100及びUE200が関与する。また、本シーケンスでは、BF UL RSが3方向に送信され、一群のBF DL RSが2方向に送信される例を説明する。もちろん、送信される方向の数は任意である。
図26に示すように、まず、eNB100は、BF UL RSのための設定情報をUE200へ送信する(ステップS302)。この設定情報には、例えばBF UL RSの送信に用いるべきUEビームを示す情報、用いるべきリソースを示す情報及び送信周期等が含まれ得る。
次いで、UE200は、第1のUEビームによりビームフォームされた第1のBF UL RSを、eNB100へ送信する(ステップS304)。また、UE200は、第2のUEビームによりビームフォームされた第2のBF UL RSを、eNB100へ送信する(ステップS306)。また、UE200は、第3のUEビームによりビームフォームされた第3のBF UL RSを、eNB100へ送信する(ステップS308)。
次に、eNB100は、複数の一群のBF DL RSの送信に用いる複数の一群のeNBビームを設定する(ステップS310)。例えば、eNB100は、第1のBF UL RSに対応する第1の一群のeNBビーム、及び第2のBF UL RSに対応する第2の一群のeNBビームを選択する。
次いで、eNB100は、選択した第1の一群のeNBビームによりビームフォームされた第1の一群のBF DL RSを、UE200へ送信する(ステップS312)。また、eNB100は、選択した第2の一群のeNBビームによりビームフォームされた第2の一群のBF DL RSを、UE200へ送信する(ステップS314)。
次に、UE200は、受信した複数の一群のBF DL RSの受信結果を示す情報として、ブロッキング情報を、eNB100へ送信する(ステップS316)。このブロッキング情報は、例えば第2の一群のeNBビームにブロッキングは発生している又は発生する可能性が高いことを示す情報を含む。
そして、eNB100は、ブロッキング情報に基づいて、複数の一群のBF UL RSの送信に用いる複数の一群のeNBビームを再設定する(ステップS318)。例えば、eNB100は、複数の一群のBF UL RSの送信に用いる複数の一群のeNBビームとして、第1の一群のeNBビームを再度選択し、さらに第2の一群のeNBビームに代えて第3の一群のeNBビームを選択する。
次いで、eNB100は、選択した第1の一群のeNBビームによりビームフォームされた第1の一群のBF DL RSを、UE200へ送信する(ステップS320)。また、eNB100は、選択した第3の一群のeNBビームによりビームフォームされた第3の一群のBF DL RSを、UE200へ送信する(ステップS322)。
<<6.応用例>>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用可能である。例えば、基地局100は、マクロeNB又はスモールeNBなどのいずれかの種類のeNB(evolved Node B)として実現されてもよい。スモールeNBは、ピコeNB、マイクロeNB又はホーム(フェムト)eNBなどの、マクロセルよりも小さいセルをカバーするeNBであってよい。その代わりに、基地局100は、NodeB又はBTS(Base Transceiver Station)などの他の種類の基地局として実現されてもよい。基地局100は、無線通信を制御する本体(基地局装置ともいう)と、本体とは別の場所に配置される1つ以上のRRH(Remote Radio Head)とを含んでもよい。また、後述する様々な種類の端末が一時的に又は半永続的に基地局機能を実行することにより、基地局100として動作してもよい。
また、例えば、端末装置200は、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、携帯型ゲーム端末、携帯型/ドングル型のモバイルルータ若しくはデジタルカメラなどのモバイル端末、又はカーナビゲーション装置などの車載端末として実現されてもよい。また、端末装置200は、M2M(Machine To Machine)通信を行う端末(MTC(Machine Type Communication)端末ともいう)として実現されてもよい。さらに、端末装置200は、これら端末に搭載される無線通信モジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)であってもよい。
<6.1.基地局に関する応用例>
(第1の応用例)
図27は、本開示に係る技術が適用され得るeNBの概略的な構成の第1の例を示すブロック図である。eNB800は、1つ以上のアンテナ810、及び基地局装置820を有する。各アンテナ810及び基地局装置820は、RFケーブルを介して互いに接続され得る。
アンテナ810の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、基地局装置820による無線信号の送受信のために使用される。eNB800は、図27に示したように複数のアンテナ810を有し、複数のアンテナ810は、例えばeNB800が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、図27にはeNB800が複数のアンテナ810を有する例を示したが、eNB800は単一のアンテナ810を有してもよい。
基地局装置820は、コントローラ821、メモリ822、ネットワークインタフェース823及び無線通信インタフェース825を備える。
コントローラ821は、例えばCPU又はDSPであってよく、基地局装置820の上位レイヤの様々な機能を動作させる。例えば、コントローラ821は、無線通信インタフェース825により処理された信号内のデータからデータパケットを生成し、生成したパケットをネットワークインタフェース823を介して転送する。コントローラ821は、複数のベースバンドプロセッサからのデータをバンドリングすることによりバンドルドパケットを生成し、生成したバンドルドパケットを転送してもよい。また、コントローラ821は、無線リソース管理(Radio Resource Control)、無線ベアラ制御(Radio Bearer Control)、移動性管理(Mobility Management)、流入制御(Admission Control)又はスケジューリング(Scheduling)などの制御を実行する論理的な機能を有してもよい。また、当該制御は、周辺のeNB又はコアネットワークノードと連携して実行されてもよい。メモリ822は、RAM及びROMを含み、コントローラ821により実行されるプログラム、及び様々な制御データ(例えば、端末リスト、送信電力データ及びスケジューリングデータなど)を記憶する。
ネットワークインタフェース823は、基地局装置820をコアネットワーク824に接続するための通信インタフェースである。コントローラ821は、ネットワークインタフェース823を介して、コアネットワークノード又は他のeNBと通信してもよい。その場合に、eNB800と、コアネットワークノード又は他のeNBとは、論理的なインタフェース(例えば、S1インタフェース又はX2インタフェース)により互いに接続されてもよい。ネットワークインタフェース823は、有線通信インタフェースであってもよく、又は無線バックホールのための無線通信インタフェースであってもよい。ネットワークインタフェース823が無線通信インタフェースである場合、ネットワークインタフェース823は、無線通信インタフェース825により使用される周波数帯域よりもより高い周波数帯域を無線通信に使用してもよい。
無線通信インタフェース825は、LTE(Long Term Evolution)又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、アンテナ810を介して、eNB800のセル内に位置する端末に無線接続を提供する。無線通信インタフェース825は、典型的には、ベースバンド(BB)プロセッサ826及びRF回路827などを含み得る。BBプロセッサ826は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、各レイヤ(例えば、L1、MAC(Medium Access Control)、RLC(Radio Link Control)及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol))の様々な信号処理を実行する。BBプロセッサ826は、コントローラ821の代わりに、上述した論理的な機能の一部又は全部を有してもよい。BBプロセッサ826は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を含むモジュールであってもよく、BBプロセッサ826の機能は、上記プログラムのアップデートにより変更可能であってもよい。また、上記モジュールは、基地局装置820のスロットに挿入されるカード若しくはブレードであってもよく、又は上記カード若しくは上記ブレードに搭載されるチップであってもよい。一方、RF回路827は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ810を介して無線信号を送受信する。
無線通信インタフェース825は、図27に示したように複数のBBプロセッサ826を含み、複数のBBプロセッサ826は、例えばeNB800が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。また、無線通信インタフェース825は、図27に示したように複数のRF回路827を含み、複数のRF回路827は、例えば複数のアンテナ素子にそれぞれ対応してもよい。なお、図27には無線通信インタフェース825が複数のBBプロセッサ826及び複数のRF回路827を含む例を示したが、無線通信インタフェース825は単一のBBプロセッサ826又は単一のRF回路827を含んでもよい。
図27に示したeNB800において、図7を参照して説明した制御部150に含まれる1つ以上の構成要素(設定部151及び/又は通信制御部153)は、無線通信インタフェース825において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、コントローラ821において実装されてもよい。一例として、eNB800は、無線通信インタフェース825の一部(例えば、BBプロセッサ826)若しくは全部、及び/又はコントローラ821を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがeNB800にインストールされ、無線通信インタフェース825(例えば、BBプロセッサ826)及び/又はコントローラ821が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてeNB800、基地局装置820又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
また、図27に示したeNB800において、図7を参照して説明した無線通信部120は、無線通信インタフェース825(例えば、RF回路827)において実装されてもよい。また、アンテナ部110は、アンテナ810において実装されてもよい。また、ネットワーク通信部130は、コントローラ821及び/又はネットワークインタフェース823において実装されてもよい。また、記憶部140は、メモリ822において実装されてもよい。
(第2の応用例)
図28は、本開示に係る技術が適用され得るeNBの概略的な構成の第2の例を示すブロック図である。eNB830は、1つ以上のアンテナ840、基地局装置850、及びRRH860を有する。各アンテナ840及びRRH860は、RFケーブルを介して互いに接続され得る。また、基地局装置850及びRRH860は、光ファイバケーブルなどの高速回線で互いに接続され得る。
アンテナ840の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、RRH860による無線信号の送受信のために使用される。eNB830は、図28に示したように複数のアンテナ840を有し、複数のアンテナ840は、例えばeNB830が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、図28にはeNB830が複数のアンテナ840を有する例を示したが、eNB830は単一のアンテナ840を有してもよい。
基地局装置850は、コントローラ851、メモリ852、ネットワークインタフェース853、無線通信インタフェース855及び接続インタフェース857を備える。コントローラ851、メモリ852及びネットワークインタフェース853は、図27を参照して説明したコントローラ821、メモリ822及びネットワークインタフェース823と同様のものである。
無線通信インタフェース855は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、RRH860及びアンテナ840を介して、RRH860に対応するセクタ内に位置する端末に無線接続を提供する。無線通信インタフェース855は、典型的には、BBプロセッサ856などを含み得る。BBプロセッサ856は、接続インタフェース857を介してRRH860のRF回路864と接続されることを除き、図27を参照して説明したBBプロセッサ826と同様のものである。無線通信インタフェース855は、図28に示したように複数のBBプロセッサ856を含み、複数のBBプロセッサ856は、例えばeNB830が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、図28には無線通信インタフェース855が複数のBBプロセッサ856を含む例を示したが、無線通信インタフェース855は単一のBBプロセッサ856を含んでもよい。
接続インタフェース857は、基地局装置850(無線通信インタフェース855)をRRH860と接続するためのインタフェースである。接続インタフェース857は、基地局装置850(無線通信インタフェース855)とRRH860とを接続する上記高速回線での通信のための通信モジュールであってもよい。
また、RRH860は、接続インタフェース861及び無線通信インタフェース863を備える。
接続インタフェース861は、RRH860(無線通信インタフェース863)を基地局装置850と接続するためのインタフェースである。接続インタフェース861は、上記高速回線での通信のための通信モジュールであってもよい。
無線通信インタフェース863は、アンテナ840を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース863は、典型的には、RF回路864などを含み得る。RF回路864は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ840を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース863は、図28に示したように複数のRF回路864を含み、複数のRF回路864は、例えば複数のアンテナ素子にそれぞれ対応してもよい。なお、図28には無線通信インタフェース863が複数のRF回路864を含む例を示したが、無線通信インタフェース863は単一のRF回路864を含んでもよい。
図28に示したeNB830において、図7を参照して説明した制御部に含まれる1つ以上の構成要素(設定部151及び/又は通信制御部153)は、無線通信インタフェース855及び/又は無線通信インタフェース863において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、コントローラ851において実装されてもよい。一例として、eNB830は、無線通信インタフェース855の一部(例えば、BBプロセッサ856)若しくは全部、及び/又はコントローラ851を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがeNB830にインストールされ、無線通信インタフェース855(例えば、BBプロセッサ856)及び/又はコントローラ851が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてeNB830、基地局装置850又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
また、図28に示したeNB830において、例えば、図7を参照して説明した無線通信部120は、無線通信インタフェース863(例えば、RF回路864)において実装されてもよい。また、アンテナ部110は、アンテナ840において実装されてもよい。また、ネットワーク通信部130は、コントローラ851及び/又はネットワークインタフェース853において実装されてもよい。また、記憶部140は、メモリ852において実装されてもよい。
<6.2.端末装置に関する応用例>
(第1の応用例)
図29は、本開示に係る技術が適用され得るスマートフォン900の概略的な構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン900は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース912、1つ以上のアンテナスイッチ915、1つ以上のアンテナ916、バス917、バッテリー918及び補助コントローラ919を備える。
プロセッサ901は、例えばCPU又はSoC(System on Chip)であってよく、スマートフォン900のアプリケーションレイヤ及びその他のレイヤの機能を制御する。メモリ902は、RAM及びROMを含み、プロセッサ901により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ903は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。外部接続インタフェース904は、メモリーカード又はUSB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外付けデバイスをスマートフォン900へ接続するためのインタフェースである。
カメラ906は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有し、撮像画像を生成する。センサ907は、例えば、測位センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び加速度センサなどのセンサ群を含み得る。マイクロフォン908は、スマートフォン900へ入力される音声を音声信号へ変換する。入力デバイス909は、例えば、表示デバイス910の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス910は、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの画面を有し、スマートフォン900の出力画像を表示する。スピーカ911は、スマートフォン900から出力される音声信号を音声に変換する。
無線通信インタフェース912は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース912は、典型的には、BBプロセッサ913及びRF回路914などを含み得る。BBプロセッサ913は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、無線通信のための様々な信号処理を実行する。一方、RF回路914は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ916を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース912は、BBプロセッサ913及びRF回路914を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース912は、図29に示したように複数のBBプロセッサ913及び複数のRF回路914を含んでもよい。なお、図29には無線通信インタフェース912が複数のBBプロセッサ913及び複数のRF回路914を含む例を示したが、無線通信インタフェース912は単一のBBプロセッサ913又は単一のRF回路914を含んでもよい。
さらに、無線通信インタフェース912は、セルラー通信方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又は無線LAN(Local Area Network)方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよく、その場合に、無線通信方式ごとのBBプロセッサ913及びRF回路914を含んでもよい。
アンテナスイッチ915の各々は、無線通信インタフェース912に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ916の接続先を切り替える。
アンテナ916の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース912による無線信号の送受信のために使用される。スマートフォン900は、図29に示したように複数のアンテナ916を有してもよい。なお、図29にはスマートフォン900が複数のアンテナ916を有する例を示したが、スマートフォン900は単一のアンテナ916を有してもよい。
さらに、スマートフォン900は、無線通信方式ごとにアンテナ916を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ915は、スマートフォン900の構成から省略されてもよい。
バス917は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース912及び補助コントローラ919を互いに接続する。バッテリー918は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図29に示したスマートフォン900の各ブロックへ電力を供給する。補助コントローラ919は、例えば、スリープモードにおいて、スマートフォン900の必要最低限の機能を動作させる。
図29に示したスマートフォン900において、図8を参照して説明した制御部240に含まれる1つ以上の構成要素(設定部241及び/又は通信制御部243)は、無線通信インタフェース912において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、プロセッサ901又は補助コントローラ919において実装されてもよい。一例として、スマートフォン900は、無線通信インタフェース912の一部(例えば、BBプロセッサ913)若しくは全部、プロセッサ901、及び/又は補助コントローラ919を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがスマートフォン900にインストールされ、無線通信インタフェース912(例えば、BBプロセッサ913)、プロセッサ901、及び/又は補助コントローラ919が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてスマートフォン900又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
また、図29に示したスマートフォン900において、例えば、図8を参照して説明した無線通信部220は、無線通信インタフェース912(例えば、RF回路914)において実装されてもよい。また、アンテナ部210は、アンテナ916において実装されてもよい。また、記憶部230は、メモリ902において実装されてもよい。
(第2の応用例)
図30は、本開示に係る技術が適用され得るカーナビゲーション装置920の概略的な構成の一例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置920は、プロセッサ921、メモリ922、GPS(Global Positioning System)モジュール924、センサ925、データインタフェース926、コンテンツプレーヤ927、記憶媒体インタフェース928、入力デバイス929、表示デバイス930、スピーカ931、無線通信インタフェース933、1つ以上のアンテナスイッチ936、1つ以上のアンテナ937及びバッテリー938を備える。
プロセッサ921は、例えばCPU又はSoCであってよく、カーナビゲーション装置920のナビゲーション機能及びその他の機能を制御する。メモリ922は、RAM及びROMを含み、プロセッサ921により実行されるプログラム及びデータを記憶する。
GPSモジュール924は、GPS衛星から受信されるGPS信号を用いて、カーナビゲーション装置920の位置(例えば、緯度、経度及び高度)を測定する。センサ925は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び気圧センサなどのセンサ群を含み得る。データインタフェース926は、例えば、図示しない端子を介して車載ネットワーク941に接続され、車速データなどの車両側で生成されるデータを取得する。
コンテンツプレーヤ927は、記憶媒体インタフェース928に挿入される記憶媒体(例えば、CD又はDVD)に記憶されているコンテンツを再生する。入力デバイス929は、例えば、表示デバイス930の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス930は、LCD又はOLEDディスプレイなどの画面を有し、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの画像を表示する。スピーカ931は、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの音声を出力する。
無線通信インタフェース933は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース933は、典型的には、BBプロセッサ934及びRF回路935などを含み得る。BBプロセッサ934は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、無線通信のための様々な信号処理を実行する。一方、RF回路935は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ937を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース933は、BBプロセッサ934及びRF回路935を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース933は、図30に示したように複数のBBプロセッサ934及び複数のRF回路935を含んでもよい。なお、図30には無線通信インタフェース933が複数のBBプロセッサ934及び複数のRF回路935を含む例を示したが、無線通信インタフェース933は単一のBBプロセッサ934又は単一のRF回路935を含んでもよい。
さらに、無線通信インタフェース933は、セルラー通信方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又は無線LAN方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよく、その場合に、無線通信方式ごとのBBプロセッサ934及びRF回路935を含んでもよい。
アンテナスイッチ936の各々は、無線通信インタフェース933に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ937の接続先を切り替える。
アンテナ937の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース933による無線信号の送受信のために使用される。カーナビゲーション装置920は、図30に示したように複数のアンテナ937を有してもよい。なお、図30にはカーナビゲーション装置920が複数のアンテナ937を有する例を示したが、カーナビゲーション装置920は単一のアンテナ937を有してもよい。
さらに、カーナビゲーション装置920は、無線通信方式ごとにアンテナ937を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ936は、カーナビゲーション装置920の構成から省略されてもよい。
バッテリー938は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図30に示したカーナビゲーション装置920の各ブロックへ電力を供給する。また、バッテリー938は、車両側から給電される電力を蓄積する。
図30に示したカーナビゲーション装置920において、図8を参照して説明した制御部240に含まれる1つ以上の構成要素(設定部241及び/又は通信制御部243)は、無線通信インタフェース933において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、プロセッサ921において実装されてもよい。一例として、カーナビゲーション装置920は、無線通信インタフェース933の一部(例えば、BBプロセッサ934)若しくは全部及び/又はプロセッサ921を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがカーナビゲーション装置920にインストールされ、無線通信インタフェース933(例えば、BBプロセッサ934)及び/又はプロセッサ921が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてカーナビゲーション装置920又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
また、図30に示したカーナビゲーション装置920において、例えば、図8を参照して説明した無線通信部220は、無線通信インタフェース933(例えば、RF回路935)において実装されてもよい。また、アンテナ部210は、アンテナ937において実装されてもよい。また、記憶部230は、メモリ922において実装されてもよい。
また、本開示に係る技術は、上述したカーナビゲーション装置920の1つ以上のブロックと、車載ネットワーク941と、車両側モジュール942とを含む車載システム(又は車両)940として実現されてもよい。車両側モジュール942は、車速、エンジン回転数又は故障情報などの車両側データを生成し、生成したデータを車載ネットワーク941へ出力する。
<<7.まとめ>>
以上、図1〜図30を参照して、本開示の一実施形態について詳細に説明した。上記説明したように、第1の実施形態によれば、UE200は、複数のビームを形成して通信するeNB100と通信し、eNB100から送信される一群のBF DL RSの受信結果に関する、ダウンリンクユーザデータのための第1のレポート情報、及びeNB100によるUE200を対象としたビームトラッキングのための第2のレポート情報を、eNB100に報告する。これにより、eNB100が、ユーザデータの送信に用いるビームを適切に選択することが可能となる上に、ビームトラッキングがうまくいっているかどうかを適切に判断することが可能となる。このように、ビームトラッキングがうまくいっているか否かがeNB100において適切に判断されるので、ビームトラッキングの精度が向上し、それに伴いビームトラッキングの継続性が向上する。
また、第2の実施形態によれば、UE200は、複数のビームを形成してeNB100と通信し、複数のBF UL RSの各々を異なる方向へ向けたビームを用いて送信する。そして、eNB100は、複数のBF UL RSの受信結果に基づいて、複数の一群のBF RL RSの各々を、UE200にとって異なる方向から到来する複数の経路の各々を経由する一群のビームを用いて送信する。よって、eNB100は、例えば一部のビーム経路が失われた場合でも、生き残った他のビーム経路を用いてビームトラッキングを継続することが可能となる。このように、ブロッキングに対する耐性が向上するので、それに伴いビームトラッキングの継続性が向上する。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記説明した各技術は、適宜組み合わされてもよい。例えば、上述した各実施形態は組み合わせ可能である。
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
端末装置であって、
複数のビームを形成して通信する基地局と通信する通信部と、
前記基地局からビームを用いて送信されるダウンリンクリファレンス信号を複数含む一群のダウンリンクリファレンス信号の受信結果に関する、ダウンリンクユーザデータのための第1のレポート情報、及び前記基地局による前記端末装置を対象としたビームトラッキングのための第2のレポート情報を前記基地局に報告する制御部と、
を備える端末装置。
(2)
前記第1のレポート情報は、干渉を考慮した、前記一群のダウンリンクリファレンス信号の受信結果を示す情報を含み、
前記第2のレポート情報は、干渉を考慮しない、前記一群のダウンリンクリファレンス信号の受信結果を示す情報を含む、前記(1)に記載の端末装置。
(3)
前記第2のレポート情報は、前記一群のダウンリンクリファレンス信号の送信に用いられた一群のビームのうち、受信電力が最も大きいビームを示す情報を含む、前記(2)に記載の端末装置。
(4)
前記第2のレポート情報は、前記基地局によるビームトラッキングの適否を示す情報を含む、前記(2)又は(3)に記載の端末装置。
(5)
前記制御部は、前記基地局によるビームトラッキングのためのアップリンクリファレンス信号を送信し、
前記第2のレポート情報は、前記アップリンクリファレンス信号の送信周期の変更を要求する情報を含む、前記(2)〜(4)のいずれか一項に記載の端末装置。
(6)
前記第2のレポート情報は、前記一群のダウンリンクリファレンス信号に含まれるダウンリンクリファレンス信号の数の変更を要求する情報を含む、前記(2)〜(5)のいずれか一項に記載の端末装置。
(7)
前記第2のレポート情報は、前記一群のダウンリンクリファレンス信号の送信周期の変更を要求する情報を含む、前記(2)〜(6)のいずれか一項に記載の端末装置。
(8)
前記制御部は、前記第1のレポート情報及び前記第2のレポート情報を別々のメッセージとして報告する、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の端末装置。
(9)
前記制御部は、前記第1のレポート情報及び前記第2のレポート情報をひとつのメッセージに符号化して報告する、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の端末装置。
(10)
複数のビームを形成して端末装置と通信する通信部と、
ビームを用いて送信するダウンリンクリファレンス信号を複数含む一群のダウンリンクリファレンス信号の前記端末装置への送信、前記一群のダウンリンクリファレンス信号の受信結果に関するダウンリンクユーザデータのための第1のレポート情報及び前記端末装置を対象としたビームトラッキングのための第2のレポート情報の前記端末装置からの受信、並びに前記第1のレポート情報に基づく第1の送信設定及び前記第2のレポート情報に基づく第2の送信設定を行う制御部と、
を備える基地局。
(11)
前記制御部は、前記第1の送信設定として、前記端末装置へのユーザデータの送信に用いるビームを選択する、前記(10)に記載の基地局。
(12)
前記制御部は、前記第2の送信設定として、前記端末装置から送信されるアップリンクリファレンス信号の送信周期を設定する、前記(10)又は(11)に記載の基地局。
(13)
前記制御部は、前記第2の送信設定として、前記一群のダウンリンクリファレンス信号の送信に用いるビームの送信周期を設定する、前記(10)〜(12)のいずれか一項に記載の基地局。
(14)
前記制御部は、前記第2の送信設定として、前記一群のダウンリンクリファレンス信号の送信に用いるビームの数を設定する、前記(10)〜(13)のいずれか一項に記載の基地局。
(15)
前記制御部は、前記第2の送信設定として、前記一群のダウンリンクリファレンス信号の送信に用いるビームを設定する、前記(10)〜(14)のいずれか一項に記載の基地局。
(16)
前記制御部は、前記第2の送信設定として、前記一群のダウンリンクリファレンス信号の送信に用いるビームの鋭さを設定する、前記(10)〜(15)のいずれか一項に記載の基地局。
(17)
複数のビームを形成して基地局と通信する通信部と、
複数のアップリンクリファレンス信号の各々を異なる方向へ向けたビームを用いて送信する制御部と、
を備える端末装置。
(18)
前記制御部は、前記基地局により前記複数のアップリンク信号の受信結果に応じて選択された、複数の一群のビームの各々を用いて送信された複数の一群のダウンリンクリファレンス信号の受信結果を示す情報を前記基地局に報告する、前記(17)に記載の端末装置。
(19)
前記複数の一群のダウンリンクリファレンス信号の受信結果を示す情報は、前記複数の一群のダウンリンクリファレンス信号の送信に用いられた前記複数の一群のビームの各々から選択されビームを示す情報を含む、前記(18)に記載の端末装置。
(20)
前記複数の一群のダウンリンクリファレンス信号の受信結果を示す情報は、前記一群のダウンリンクリファレンス信号の受信品質を示す情報を含む、前記(18)に記載の端末装置。
(21)
前記制御部は、前記複数のアップリンクリファレンス信号の各々を、互いに時間、周波数又は符号の少なくともいずれかで直交するリソースを用いて送信する、前記(17)〜(20)のいずれか一項に記載の端末装置。
(22)
前記制御部は、前記複数のアップリンクリファレンス信号の各々を、互いに異なる送信周期で送信する、前記(17)〜(21)のいずれか一項に記載の端末装置。
(23)
複数のビームを形成して端末装置と通信する通信部と、
複数の一群のダウンリンクリファレンス信号の各々を、前記端末装置にとって異なる方向から到来する複数の経路の各々を経由する一群のビームを用いて送信する制御部と、
を備える、基地局。
(24)
前記制御部は、前記端末装置が複数の方向へ向けたビームを用いて送信した複数のアップリンクリファレンス信号の受信結果に基づいて、複数の前記一群のビームを選択する、前記(23)に記載の基地局。
(25)
前記制御部は、前記一群のダウンリンクリファレンス信号に含まれる複数のダウンリンクリファレンス信号の各々を、時間及び周波数が同一のリソースを用いて送信する、前記(23)又は(24)に記載の基地局。
(26)
前記制御部は、前記複数の一群のダウンリンクリファレンス信号の各々を、互いに時間又は周波数の少なくともいずれかで直交するリソースを用いて送信する、前記(23)〜(25)のいずれか一項に記載の基地局。
(27)
前記制御部は、ユーザデータを前記端末装置に送信するためのビームを、前記端末装置における前記複数の一群のダウンリンクリファレンス信号の受信結果を示す情報に基づいて、前記複数の一群のダウンリンクリファレンス信号の送信に用いた複数の各々の一群のビームの各々から選択する、前記(23)〜(26)のいずれか一項に記載の基地局。
(28)
前記制御部は、選択した複数のビームを用いて、同一のユーザデータを前記端末装置に送信する、前記(27)に記載の基地局。
(29)
複数のビームを形成して通信する基地局と通信することと、
前記基地局からビームを用いて送信されるダウンリンクリファレンス信号を複数含む一群のダウンリンクリファレンス信号の受信結果に関する、ダウンリンクユーザデータのための第1のレポート情報、及び前記基地局による端末装置を対象としたビームトラッキングのための第2のレポート情報を前記基地局にプロセッサにより報告することと、
を含む方法。
(30)
コンピュータを、
複数のビームを形成して通信する基地局と通信する通信部と、
前記基地局からビームを用いて送信されるダウンリンクリファレンス信号を複数含む一群のダウンリンクリファレンス信号の受信結果に関する、ダウンリンクユーザデータのための第1のレポート情報、及び前記基地局による端末装置を対象としたビームトラッキングのための第2のレポート情報を前記基地局に報告する制御部と、
として機能させるためのプログラムを記録した記録媒体。
(31)
複数のビームを形成して端末装置と通信することと、
ビームを用いて送信するダウンリンクリファレンス信号を複数含む一群のダウンリンクリファレンス信号の前記端末装置への送信、前記一群のダウンリンクリファレンス信号の受信結果に関するダウンリンクユーザデータのための第1のレポート情報及び前記端末装置を対象としたビームトラッキングのための第2のレポート情報の前記端末装置からの受信、並びに前記第1のレポート情報に基づく第1の送信設定及び前記第2のレポート情報に基づく第2の送信設定をプロセッサにより行うことと、
を含む方法。
(32)
コンピュータを、
複数のビームを形成して端末装置と通信する通信部と、
ビームを用いて送信するダウンリンクリファレンス信号を複数含む一群のダウンリンクリファレンス信号の前記端末装置への送信、前記一群のダウンリンクリファレンス信号の受信結果に関するダウンリンクユーザデータのための第1のレポート情報及び前記端末装置を対象としたビームトラッキングのための第2のレポート情報の前記端末装置からの受信、並びに前記第1のレポート情報に基づく第1の送信設定及び前記第2のレポート情報に基づく第2の送信設定を行う制御部と、
として機能させるためのプログラムを記録した記録媒体。
(33)
複数のビームを形成して基地局と通信することと、
複数のアップリンクリファレンス信号の各々を異なる方向へ向けたビームを用いてプロセッサにより送信することと、
を含む方法。
(34)
コンピュータを、
複数のビームを形成して基地局と通信する通信部と、
複数のアップリンクリファレンス信号の各々を異なる方向へ向けたビームを用いて送信する制御部と、
として機能させるためのプログラムを記録した記録媒体。
(35)
複数のビームを形成して端末装置と通信することと、
複数の一群のダウンリンクリファレンス信号の各々を、前記端末装置にとって異なる方向から到来する複数の経路の各々を経由する一群のビームを用いてプロセッサにより送信することと、
を含む方法。
(36)
コンピュータを、
複数のビームを形成して端末装置と通信する通信部と、
複数の一群のダウンリンクリファレンス信号の各々を、前記端末装置にとって異なる方向から到来する複数の経路の各々を経由する一群のビームを用いて送信する制御部と、
として機能させるためのプログラムを記録した記録媒体。