JP2020028670A - 画像処理装置、システム、画像処理方法、プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ボリュームデータで表される仮想被検体と生体としての被検体との対応関係の把握を支援するための技術を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の一実施形態に係る画像処理装置は、被検体内部の構造が画像化されているボリュームデータを取得するボリュームデータ取得手段と、前記ボリュームデータで画像化されている範囲よりも狭い測定視野をもつ光学測定装置を用いて前記被検体内部の構造を光学的に測定することによって得られた、光学画像データを取得する光学画像データ取得手段と、前記ボリュームデータと前記光学画像データとの間の画像マッチングにより、前記ボリュームデータで表される仮想被検体と前記光学画像データの測定時の前記光学測定装置の視点との相対的な位置関係を特定する視点特定手段と、を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、被検体のボリュームデータに対する画像処理に関する。
血管やリンパ管等の検査において、造影剤を利用した光音響イメージング(「光超音波イメージング」ともよぶ。)が知られている。特許文献1には、リンパ節やリンパ管などの造影のために用いられる造影剤を評価対象とし、その造影剤が吸収して光音響波を発生する波長の光を出射する光音響画像生成装置が記載されている。
光音響イメージングのようなモダリティを用いることにより、被検体内部の3次元的な構造が画像化されたボリュームデータを非侵襲で得ることができる。このようなボリュームデータを用いると、例えば血管やリンパ管の3次元的な形状や走行を観察することが可能となるため、検査や診断、あるいは手術計画の検討などに有用である。
しかしながら、ボリュームデータで表される仮想的な被検体(仮想被検体とよぶ)と、生体としての被検体との対応付けは目視では困難である。そのため、例えば、ユーザーがボリュームデータ上で注目した関心領域(ROI:Region of Interest)が実空間に存在する被検体のどこに位置するのかを特定するのは容易ではない。
しかしながら、ボリュームデータで表される仮想的な被検体(仮想被検体とよぶ)と、生体としての被検体との対応付けは目視では困難である。そのため、例えば、ユーザーがボリュームデータ上で注目した関心領域(ROI:Region of Interest)が実空間に存在する被検体のどこに位置するのかを特定するのは容易ではない。
そこで本発明は、ボリュームデータで表される仮想被検体と被検体との対応関係の把握を支援するための技術を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る画像処理装置は、被検体内部の構造が画像化されているボリュームデータを取得するボリュームデータ取得手段と、前記ボリュームデータで画像化されている範囲よりも狭い測定視野をもつ光学測定装置を用いて前記被検体内部の構造を光学的に測定することによって得られた、光学画像データを取得する光学画像データ取得手段と、前記ボリュームデータと前記光学画像データとの間の画像マッチングにより、前記ボリュームデータで表される仮想被検体と前記光学画像データの測定時の前記光学測定装置の視点との相対的な位置関係を特定する視点特定手段と、を有する。
本発明によれば、ボリュームデータで表される仮想被検体と生体としての被検体との対応関係の把握を支援するための技術を提供することができる。
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。よって、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明に係るシステムにより得られる光音響画像は、光エネルギーの吸収量や吸収率を反映している。光音響画像は、光音響波の発生音圧(初期音圧)、光吸収エネルギー密度、及び光吸収係数などの少なくとも1つの被検体情報の空間分布を表す画像である。光音響画像は、2次元の空間分布を表す画像であってもよいし、3次元の空間分布を表す画像(ボリュームデータ)であってもよい。本実施形態に係るシステムは、造影剤が導入された被検体を撮影することにより光音響画像を生成する。なお、造影対象の立体構造を把握するために、光音響画像は、被検体表面から深さ方向の2次元の空間分布を表す画像または3次元の空間分布を表す画像であってもよい。
また、本発明に係るシステムは、複数の波長に対応する複数の光音響画像を用いて被検体の分光画像を生成することができる。本発明の分光画像は、被検体に互いに異なる複数の波長の光を照射することにより発生した光音響波に基づいた、複数の波長のそれぞれに対応する光音響信号を用いて生成された画像である。
なお、分光画像は、複数の波長のそれぞれに対応する光音響信号を用いて生成された、被検体中の特定物質の濃度を示す画像であってもよい。使用する造影剤の光吸収係数スペクトルと、特定物質の光吸収係数スペクトルとが異なる場合、分光画像中の造影剤の画像値と分光画像中の特定物質の画像値とは異なる。よって、分光画像の画像値に応じて造影剤の領域と特定物質の領域とを区別することができる。なお、特定物質としては、ヘモグロビン、グルコース、コラーゲン、メラニン、脂肪や水など、被検体を構成する物質が挙げられる。この場合にも、特定物質の光吸収係数スペクトルとは異なる光吸収スペクトルを有する造影剤を選択する必要がある。また、特定物質の種類に応じて、異なる算出方法で分光画像を算出してもよい。
なお、分光画像は、複数の波長のそれぞれに対応する光音響信号を用いて生成された、被検体中の特定物質の濃度を示す画像であってもよい。使用する造影剤の光吸収係数スペクトルと、特定物質の光吸収係数スペクトルとが異なる場合、分光画像中の造影剤の画像値と分光画像中の特定物質の画像値とは異なる。よって、分光画像の画像値に応じて造影剤の領域と特定物質の領域とを区別することができる。なお、特定物質としては、ヘモグロビン、グルコース、コラーゲン、メラニン、脂肪や水など、被検体を構成する物質が挙げられる。この場合にも、特定物質の光吸収係数スペクトルとは異なる光吸収スペクトルを有する造影剤を選択する必要がある。また、特定物質の種類に応じて、異なる算出方法で分光画像を算出してもよい。
以下に述べる実施形態では、酸素飽和度の計算式(1)を用いて算出された画像を分光画像として説明する。本発明者らは、複数の波長のそれぞれに対応する光音響信号に基づいて血中ヘモグロビンの酸素飽和度(酸素飽和度に相関をもつ指標でもよい)を計算する式(1)に対し、光吸収係数の波長依存性がオキシヘモグロビンおよびデオキシヘモグロ
ビンとは異なる傾向を示す造影剤で得られた光音響信号の計測値I(r)を代入した場合に、ヘモグロビンの酸素飽和度が取り得る数値範囲から大きくずれた計算値Is(r)が得られる、ということを見出した。それゆえ、この計算値Is(r)を画像値としてもつ分光画像を生成すれば、被検体内部におけるヘモグロビンの領域(血管領域)と造影剤の存在領域(例えばリンパ管に造影剤が導入された場合であればリンパ管の領域)とを画像上で分離(区別)することが容易となる。
ここで、Iλ 1(r)は第1波長λ1の光照射により発生した光音響波に基づいた計測値であり、Iλ 2(r)は第2波長λ2の光照射により発生した光音響波に基づいた計測値である。εHb λ 1は第1波長λ1に対応するデオキシヘモグロビンのモラー吸収係数[mm−1mol−1]であり、εHb λ 2は第2波長λ2に対応するデオキシヘモグロビンのモラー吸収係数[mm−1mol−1]である。εHbO λ 1は第1波長λ1に対応するオキシヘモグロビンのモラー吸収係数[mm−1mol−1]であり、εHbO λ 2は第2波長λ2に対応するオキシヘモグロビンのモラー吸収係数[mm−1mol−1]である。rは位置である。なお、計測値Iλ 1(r)、Iλ 2(r)としては、吸収係数μa λ 1(r)、μa λ 2(r)を用いてもよいし、初期音圧P0 λ 1(r)、P0 λ 2(r)を用いてもよい。
ビンとは異なる傾向を示す造影剤で得られた光音響信号の計測値I(r)を代入した場合に、ヘモグロビンの酸素飽和度が取り得る数値範囲から大きくずれた計算値Is(r)が得られる、ということを見出した。それゆえ、この計算値Is(r)を画像値としてもつ分光画像を生成すれば、被検体内部におけるヘモグロビンの領域(血管領域)と造影剤の存在領域(例えばリンパ管に造影剤が導入された場合であればリンパ管の領域)とを画像上で分離(区別)することが容易となる。
ここで、Iλ 1(r)は第1波長λ1の光照射により発生した光音響波に基づいた計測値であり、Iλ 2(r)は第2波長λ2の光照射により発生した光音響波に基づいた計測値である。εHb λ 1は第1波長λ1に対応するデオキシヘモグロビンのモラー吸収係数[mm−1mol−1]であり、εHb λ 2は第2波長λ2に対応するデオキシヘモグロビンのモラー吸収係数[mm−1mol−1]である。εHbO λ 1は第1波長λ1に対応するオキシヘモグロビンのモラー吸収係数[mm−1mol−1]であり、εHbO λ 2は第2波長λ2に対応するオキシヘモグロビンのモラー吸収係数[mm−1mol−1]である。rは位置である。なお、計測値Iλ 1(r)、Iλ 2(r)としては、吸収係数μa λ 1(r)、μa λ 2(r)を用いてもよいし、初期音圧P0 λ 1(r)、P0 λ 2(r)を用いてもよい。
ヘモグロビンの存在領域(血管領域)から発生した光音響波に基づいた計測値を式(1)に代入すると、計算値Is(r)として、ヘモグロビンの酸素飽和度(または酸素飽和度に相関をもつ指標)が得られる。一方、造影剤を導入した被検体において、造影剤の存在領域(例えばリンパ管領域)から発生した音響波に基づいた計測値を式(1)に代入すると、計算値Is(r)として、擬似的な造影剤の濃度分布が得られる。なお、造影剤の濃度分布を計算する場合でも、式(1)ではヘモグロビンのモラー吸収係数の数値をそのまま用いればよい。このようにして得られた分光画像Is(r)は、被検体内部のヘモグロビンの存在領域(血管)と造影剤の存在領域(例えばリンパ管)の両方が互いに分離可能(区別可能)な状態で描出された画像となる。
なお、本実施形態では、酸素飽和度を計算する式(1)を用いて分光画像の画像値を計算するが、酸素飽和度以外の指標を分光画像の画像値として計算する場合には、式(1)以外の算出方法を用いればよい。指標およびその算出方法としては、公知のものを利用可能であるため、ここでは詳しい説明を割愛する。
また、本発明に係るシステムは、第1波長λ1の光照射により発生した光音響波に基づいた第1光音響画像および第2波長λ2の光照射により発生した光音響波に基づいた第2光音響画像の比を示す画像を分光画像としてもよい。すなわち、第1波長λ1の光照射により発生した光音響波に基づいた第1光音響画像および第2波長λ2の光照射により発生した光音響波に基づいた第2光音響画像の比に基づいた画像を分光画像としてよい。なお、式(1)の変形式にしたがって生成される画像も、第1光音響画像および第2光音響画像の比によって表現できるため、第1光音響画像および第2光音響画像の比に基づいた画像(分光画像)といえる。
なお、造影対象の立体構造を把握するために、分光画像は、被検体表面から深さ方向の2次元の空間分布を表す画像または3次元の空間分布を表す画像(ボリュームデータ)であってもよい。
以下、本実施形態のシステムの構成及び画像処理方法について説明する。
図1を用いて本実施形態に係るシステムを説明する。図1は、本実施形態に係るシステムの構成を示すブロック図である。本実施形態に係るシステムは、光学測定装置1000、光音響装置1100、記憶装置1200、画像処理装置1300、表示装置1400、及び入力装置1500を備える。装置間のデータの送受信は有線で行われてもよいし、無線で行われてもよい。
図1を用いて本実施形態に係るシステムを説明する。図1は、本実施形態に係るシステムの構成を示すブロック図である。本実施形態に係るシステムは、光学測定装置1000、光音響装置1100、記憶装置1200、画像処理装置1300、表示装置1400、及び入力装置1500を備える。装置間のデータの送受信は有線で行われてもよいし、無線で行われてもよい。
光学測定装置1000は、被検体の外側から被検体内部の構造を光学的に測定し、光学画像データを取得する装置である。光学測定装置1000としては、非接触で体表に近い領域に存在する血管および/またはリンパ管の2次元的な走行を画像化する装置を用いてもよい。そのような装置としては、例えば、近赤外光を被検体の体表に照射し、被検体内部の構造(静脈など)で反射ないし拡散した光を測定する方式の測定装置(反射光式静脈可視化装置と呼ばれることもある)を用いてもよい。また、近赤外光を被検体の体表に照射し、被検体内部の構造(静脈など)を透過した光を測定する方式の測定装置(透過光式静脈可視化装置と呼ばれることもある)を用いてもよい。あるいは、近赤外光を被検体の体表に照射し、近赤外光のエネルギーによる励起によって被検体内部で発生した蛍光(例えば、リンパ管や血管に導入した造影剤の蛍光)を測定する方式の測定装置(蛍光観察装置と呼ばれることもある)を用いてもよい。この種の光学測定装置1000は、光音響装置1100のようなボリュームデータを取得可能なモダリティに比べて分解能(解像度)が低く、また可視化できる領域が狭い(例えば、反射光式では体表に近い構造しか可視化できない)が、被検体内部を簡易に且つリアルタイムに観察可能であるという利点を有する。
光学測定装置1000で得られた光学画像データは、順次、画像処理装置1300に取り込まれる。画像処理装置1300は、光学画像データを表示装置1400に表示したり、記憶装置1200に格納してもよい。画像処理装置1300が光学測定装置1000から取り込んだ光学画像データを表示装置1400にスルー表示することで、被検体内部をリアルタイムに観察することができる。また、図示しないが、光学測定装置1000が投影装置(プロジェクタ)を有しており、投影装置から光学画像データを被検体(生体)に投影してもよい。例えば血管やリンパ管の画像を被検体の体表に投影することによって、あたかも皮下の構造を透視しているような拡張現実観察が可能となる。
光音響装置1100は、造影剤が導入された被検体を撮影することにより光音響画像を生成し、記憶装置1200に出力する。光音響装置1100は、光照射により発生した光音響波を受信することにより得られる受信信号を用いて、被検体内の複数位置のそれぞれに対応する特性値の情報を生成する装置である。すなわち、光音響装置1100は、光音響波に由来した特性値情報の空間分布を医用画像データ(光音響画像)として生成する装置である。
記憶装置1200は、ROM(Read only memory)、磁気ディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体であってもよい。また、記憶装置1200は、PACS(Picture Archiving and Communication System)等のネットワークを介した記憶サーバであってもよい。
画像処理装置1300は、記憶装置1200に記憶された光音響画像や光音響画像の付
帯情報等の情報を処理する装置である。
画像処理装置1300の演算機能を担うユニットは、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップ等の演算回路で構成されることができる。これらのユニットは、単一のプロセッサや演算回路から構成されるだけでなく、複数のプロセッサや演算回路から構成されていてもよい。
画像処理装置1300の記憶機能を担うユニットは、ROM(Read only memory)、磁気ディスクやフラッシュメモリなどの非一時記憶媒体で構成することができる。また、記憶機能を担うユニットは、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の媒体であってもよい。なお、プログラムが格納される記憶媒体は、非一時記憶媒体である。なお、記憶機能を担うユニットは、1つの記憶媒体から構成されるだけでなく、複数の記憶媒体から構成されていてもよい。
画像処理装置1300の制御機能を担うユニットは、CPUなどの演算素子で構成される。制御機能を担うユニットは、システムの各構成の動作を制御する。制御機能を担うユニットは、入力部からの測定開始などの各種操作による指示信号を受けて、システムの各構成を制御してもよい。また、制御機能を担うユニットは、コンピュータ150に格納されたプログラムコードを読み出し、システムの各構成の作動を制御してもよい。
帯情報等の情報を処理する装置である。
画像処理装置1300の演算機能を担うユニットは、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップ等の演算回路で構成されることができる。これらのユニットは、単一のプロセッサや演算回路から構成されるだけでなく、複数のプロセッサや演算回路から構成されていてもよい。
画像処理装置1300の記憶機能を担うユニットは、ROM(Read only memory)、磁気ディスクやフラッシュメモリなどの非一時記憶媒体で構成することができる。また、記憶機能を担うユニットは、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の媒体であってもよい。なお、プログラムが格納される記憶媒体は、非一時記憶媒体である。なお、記憶機能を担うユニットは、1つの記憶媒体から構成されるだけでなく、複数の記憶媒体から構成されていてもよい。
画像処理装置1300の制御機能を担うユニットは、CPUなどの演算素子で構成される。制御機能を担うユニットは、システムの各構成の動作を制御する。制御機能を担うユニットは、入力部からの測定開始などの各種操作による指示信号を受けて、システムの各構成を制御してもよい。また、制御機能を担うユニットは、コンピュータ150に格納されたプログラムコードを読み出し、システムの各構成の作動を制御してもよい。
表示装置1400は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)などのディスプレイである。また、表示装置1400は、画像や装置を操作するためのGUIを表示してもよい。
入力装置1500としては、ユーザーが操作可能な、マウスやキーボードなどで構成される操作コンソールを採用することができる。また、表示装置1400をタッチパネルで構成し、表示装置1400を入力装置1500として利用してもよい。
図2は、本実施形態に係る画像処理装置1300の具体的な構成例を示す。本実施形態に係る画像処理装置1300は、CPU1310、GPU1320、RAM1330、ROM1340、外部記憶装置1350から構成される。また、画像処理装置1300には、表示装置1400としての液晶ディスプレイ1410、入力装置1500としてのマウス1510、キーボード1520が接続されている。さらに、画像処理装置1300は、PACS(Picture Archiving and Communication
System)などの記憶装置1200としての画像サーバ1210と接続されている。これにより、画像データを画像サーバ1210上に保存したり、画像サーバ1210上の画像データを液晶ディスプレイ1410に表示したりすることができる。
System)などの記憶装置1200としての画像サーバ1210と接続されている。これにより、画像データを画像サーバ1210上に保存したり、画像サーバ1210上の画像データを液晶ディスプレイ1410に表示したりすることができる。
次に、本実施形態に係るシステムに含まれる装置の構成例を説明する。図3は、本実施形態に係るシステムに含まれる装置の概略ブロック図である。
本実施形態に係る光音響装置1100は、駆動部130、信号収集部140、コンピュータ150、プローブ180、及び導入部190を有する。プローブ180は、光照射部110、及び受信部120を有する。図4は、本実施形態に係るプローブ180の模式図を示す。測定対象は、導入部190により造影剤が導入された被検体100である。駆動部130は、光照射部110と受信部120を駆動し、機械的な走査を行う。光照射部110が光を被検体100に照射し、被検体100内で音響波が発生する。光に起因して光音響効果により発生する音響波を光音響波とも呼ぶ。受信部120は、光音響波を受信することによりアナログ信号としての電気信号(光音響信号)を出力する。
信号収集部140は、受信部120から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、コンピュータ150に出力する。コンピュータ150は、信号収集部140から出力
されたデジタル信号を、光音響波に由来する信号データとして記憶する。
されたデジタル信号を、光音響波に由来する信号データとして記憶する。
コンピュータ150は、記憶されたデジタル信号に対して信号処理を行うことにより、光音響画像を生成する。また、コンピュータ150は、得られた光音響画像に対して画像処理を施した後に、光音響画像を表示部160に出力する。表示部160は、光音響画像に基づいた画像を表示する。表示画像は、ユーザーやコンピュータ150からの保存指示に基づいて、コンピュータ150内のメモリや、モダリティとネットワークで接続されたデータ管理システムなどの記憶装置1200に保存される。
また、コンピュータ150は、光音響装置に含まれる構成の駆動制御も行う。また、表示部160は、コンピュータ150で生成された画像の他にGUIなどを表示してもよい。入力部170は、ユーザーが情報を入力できるように構成されている。ユーザーは、入力部170を用いて測定開始や終了、作成画像の保存指示などの操作を行うことができる。
以下、本実施形態に係る光音響装置1100の各構成の詳細を説明する。
以下、本実施形態に係る光音響装置1100の各構成の詳細を説明する。
(光照射部110)
光照射部110は、光を発する光源111と、光源111から射出された光を被検体100へ導く光学系112とを含む。なお、光は、いわゆる矩形波、三角波などのパルス光を含む。
光照射部110は、光を発する光源111と、光源111から射出された光を被検体100へ導く光学系112とを含む。なお、光は、いわゆる矩形波、三角波などのパルス光を含む。
光源111が発する光のパルス幅としては、熱閉じ込め条件および応力閉じ込め条件を考慮すると、100ns以下のパルス幅であることが好ましい。また、光の波長として400nmから1600nm程度の範囲の波長であってもよい。血管を高解像度でイメージングする場合は、血管での吸収が大きい波長(400nm以上、700nm以下)を用いてもよい。生体の深部をイメージングする場合には、生体の背景組織(水や脂肪など)において典型的に吸収が少ない波長(700nm以上、1100nm以下)の光を用いてもよい。
光源111としては、レーザーや発光ダイオードを用いることができる。また、複数波長の光を用いて測定する際には、波長の変更が可能な光源であってもよい。なお、複数波長を被検体に照射する場合、互いに異なる波長の光を発生する複数台の光源を用意し、それぞれの光源から交互に照射することも可能である。複数台の光源を用いた場合もそれらをまとめて光源として表現する。レーザーとしては、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなど様々なレーザーを使用することができる。例えば、Nd:YAGレーザーやアレキサンドライトレーザーなどのパルスレーザーを光源として用いてもよい。また、Nd:YAGレーザー光を励起光とするTi:saレーザーやOPO(Optical Parametric Oscillators)レーザーを光源として用いてもよい。また、光源111としてフラッシュランプや発光ダイオードを用いてもよい。また、光源111としてマイクロウェーブ源を用いてもよい。
光学系112には、レンズ、ミラー、光ファイバ等の光学素子を用いることができる。乳房等を被検体100とする場合、パルス光のビーム径を広げて照射するために、光学系の光出射部は光を拡散させる拡散板等で構成されていてもよい。一方、光音響顕微鏡においては、解像度を上げるために、光学系112の光出射部はレンズ等で構成し、ビームをフォーカスして照射してもよい。
なお、光照射部110が光学系112を備えずに、光源111から直接被検体100に光を照射してもよい。
なお、光照射部110が光学系112を備えずに、光源111から直接被検体100に光を照射してもよい。
(受信部120)
受信部120は、音響波を受信することにより電気信号を出力するトランスデューサ121と、トランスデューサ121を支持する支持体122とを含む。また、トランスデューサ121は、音響波を送信する送信手段としてもよい。受信手段としてのトランスデューサと送信手段としてのトランスデューサとは、単一(共通)のトランスデューサでもよいし、別々の構成であってもよい。
受信部120は、音響波を受信することにより電気信号を出力するトランスデューサ121と、トランスデューサ121を支持する支持体122とを含む。また、トランスデューサ121は、音響波を送信する送信手段としてもよい。受信手段としてのトランスデューサと送信手段としてのトランスデューサとは、単一(共通)のトランスデューサでもよいし、別々の構成であってもよい。
トランスデューサ121を構成する部材としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック材料や、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電膜材料などを用いることができる。また、圧電素子以外の素子を用いてもよい。例えば、静電容量型トランスデューサ(CMUT:Capacitive Micro−machined Ultrasonic Transducers)を用いたトランスデューサなどを用いることができる。なお、音響波を受信することにより電気信号を出力できる限り、いかなるトランスデューサを採用してもよい。また、トランスデューサにより得られる信号は時間分解信号である。つまり、トランスデューサにより得られる信号の振幅は、各時刻にトランスデューサで受信される音圧に基づく値(例えば、音圧に比例した値)を表したものである。
光音響波を構成する周波数成分は、典型的には100KHzから100MHzであり、トランスデューサ121として、これらの周波数を検出することのできるものを採用してもよい。
光音響波を構成する周波数成分は、典型的には100KHzから100MHzであり、トランスデューサ121として、これらの周波数を検出することのできるものを採用してもよい。
支持体122は、機械的強度が高い金属材料などから構成されていてもよい。照射光を被検体に多く入射させるために、支持体122の被検体100側の表面に、鏡面加工もしくは光散乱させる加工が行われていてもよい。本実施形態において支持体122は半球殻形状であり、半球殻上に複数のトランスデューサ121を支持できるように構成されている。この場合、支持体122に配置されたトランスデューサ121の指向軸は半球の曲率中心付近に集まる。そして、複数のトランスデューサ121から出力された信号を用いて画像化したときに曲率中心付近の画質が高くなる。なお、支持体122はトランスデューサ121を支持できる限り、いかなる構成であってもよい。支持体122は、1Dアレイ、1.5Dアレイ、1.75Dアレイ、2Dアレイと呼ばれるような平面又は曲面内に、複数のトランスデューサを並べて配置してもよい。複数のトランスデューサ121が複数の受信手段に相当する。
また、支持体122は音響マッチング材を貯留する容器として機能してもよい。すなわち、支持体122をトランスデューサ121と被検体100との間に音響マッチング材を配置するための容器としてもよい。
また、受信部120が、トランスデューサ121から出力される時系列のアナログ信号を増幅する増幅器を備えてもよい。また、受信部120が、トランスデューサ121から出力される時系列のアナログ信号を時系列のデジタル信号に変換するA/D変換器を備えてもよい。すなわち、受信部120が後述する信号収集部140を備えてもよい。
受信部120と被検体100との間の空間は、光音響波が伝播することができる媒質で満たす。この媒質には、音響波が伝搬でき、被検体100やトランスデューサ121との界面において音響特性が整合し、できるだけ光音響波の透過率が高い材料を採用する。例えば、この媒質には、水、超音波ジェルなどを採用することができる。
図4は、プローブ180の側面図を示す。本実施形態に係るプローブ180は、開口を有する半球状の支持体122に複数のトランスデューサ121が3次元に配置された受信部120を有する。また、支持体122の底部には、光学系112の光射出部が配置されている。
本実施形態においては、図4に示すように被検体100は、保持部200に接触することにより、その形状が保持される。
受信部120と保持部200の間の空間は、光音響波が伝播することができる媒質で満たされる。この媒質には、光音響波が伝搬でき、被検体100やトランスデューサ121との界面において音響特性が整合し、できるだけ光音響波の透過率が高い材料を採用する。例えば、この媒質には、水、超音波ジェルなどを採用することができる。
保持手段としての保持部200は被検体100の形状を測定中に保持するために使用される。保持部200により被検体100を保持することによって、被検体100の動きの抑制および被検体100の位置を保持部200内に留めることができる。保持部200の材料には、ポリカーボネートやポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等、樹脂材料を用いることができる。
保持部200は、取り付け部201に取り付けられている。取り付け部201は、被検体の大きさに合わせて複数種類の保持部200を交換可能に構成されていてもよい。例えば、取り付け部201は、曲率半径や曲率中心などの異なる保持部に交換できるように構成されていてもよい。
保持部200は、取り付け部201に取り付けられている。取り付け部201は、被検体の大きさに合わせて複数種類の保持部200を交換可能に構成されていてもよい。例えば、取り付け部201は、曲率半径や曲率中心などの異なる保持部に交換できるように構成されていてもよい。
(駆動部130)
駆動部130は、被検体100と受信部120との相対位置を変更する部分である。駆動部130は、駆動力を発生させるステッピングモータなどのモータと、駆動力を伝達させる駆動機構と、受信部120の位置情報を検出する位置センサとを含む。駆動機構としては、リードスクリュー機構、リンク機構、ギア機構、油圧機構、などを用いることができる。また、位置センサとしては、エンコーダー、可変抵抗器、リニアスケール、磁気センサ、赤外線センサ、超音波センサなどを用いたポテンショメータなどを用いることができる。
駆動部130は、被検体100と受信部120との相対位置を変更する部分である。駆動部130は、駆動力を発生させるステッピングモータなどのモータと、駆動力を伝達させる駆動機構と、受信部120の位置情報を検出する位置センサとを含む。駆動機構としては、リードスクリュー機構、リンク機構、ギア機構、油圧機構、などを用いることができる。また、位置センサとしては、エンコーダー、可変抵抗器、リニアスケール、磁気センサ、赤外線センサ、超音波センサなどを用いたポテンショメータなどを用いることができる。
なお、駆動部130は被検体100と受信部120との相対位置をXY方向(二次元)に変更させるものに限らず、一次元または三次元に変更させてもよい。
なお、駆動部130は、被検体100と受信部120との相対的な位置を変更できれば、受信部120を固定し、被検体100を移動させてもよい。被検体100を移動させる場合は、被検体100を保持する保持部を動かすことで被検体100を移動させる構成などが考えられる。また、被検体100と受信部120の両方を移動させてもよい。
駆動部130は、相対位置を連続的に移動させてもよいし、ステップアンドリピートによって移動させてもよい。駆動部130は、プログラムされた軌跡で移動させる電動ステージであってもよいし、手動ステージであってもよい。
なお、駆動部130は、被検体100と受信部120との相対的な位置を変更できれば、受信部120を固定し、被検体100を移動させてもよい。被検体100を移動させる場合は、被検体100を保持する保持部を動かすことで被検体100を移動させる構成などが考えられる。また、被検体100と受信部120の両方を移動させてもよい。
駆動部130は、相対位置を連続的に移動させてもよいし、ステップアンドリピートによって移動させてもよい。駆動部130は、プログラムされた軌跡で移動させる電動ステージであってもよいし、手動ステージであってもよい。
また、本実施形態では、駆動部130は光照射部110と受信部120を同時に駆動して走査を行っているが、光照射部110だけを駆動したり、受信部120だけを駆動したりしてもよい。
なお、プローブ180が、把持部が設けられたハンドヘルドタイプである場合、光音響装置1100は駆動部130を有していなくてもよい。
なお、プローブ180が、把持部が設けられたハンドヘルドタイプである場合、光音響装置1100は駆動部130を有していなくてもよい。
(信号収集部140)
信号収集部140は、トランスデューサ121から出力されたアナログ信号である電気信号を増幅するアンプと、アンプから出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを含む。信号収集部140から出力されるデジタル信号は、コンピュータ150に記憶される。信号収集部140は、Data Acquisition System(DAS)とも呼ばれる。本明細書において電気信号は、アナログ信号もデジタル
信号も含む概念である。なお、フォトダイオードなどの光検出センサが、光照射部110から光射出を検出し、信号収集部140がこの検出結果をトリガーに同期して上記処理を開始してもよい。
信号収集部140は、トランスデューサ121から出力されたアナログ信号である電気信号を増幅するアンプと、アンプから出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを含む。信号収集部140から出力されるデジタル信号は、コンピュータ150に記憶される。信号収集部140は、Data Acquisition System(DAS)とも呼ばれる。本明細書において電気信号は、アナログ信号もデジタル
信号も含む概念である。なお、フォトダイオードなどの光検出センサが、光照射部110から光射出を検出し、信号収集部140がこの検出結果をトリガーに同期して上記処理を開始してもよい。
(コンピュータ150)
情報処理装置としてのコンピュータ150は、画像処理装置1300と同様のハードウェアで構成されている。すなわち、コンピュータ150の演算機能を担うユニットは、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップ等の演算回路で構成されることができる。これらのユニットは、単一のプロセッサや演算回路から構成されるだけでなく、複数のプロセッサや演算回路から構成されていてもよい。
情報処理装置としてのコンピュータ150は、画像処理装置1300と同様のハードウェアで構成されている。すなわち、コンピュータ150の演算機能を担うユニットは、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップ等の演算回路で構成されることができる。これらのユニットは、単一のプロセッサや演算回路から構成されるだけでなく、複数のプロセッサや演算回路から構成されていてもよい。
コンピュータ150の記憶機能を担うユニットは、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の媒体であってもよい。なお、プログラムが格納される記憶媒体は、非一時記憶媒体である。なお、コンピュータ150の記憶機能を担うユニットは、1つの記憶媒体から構成されるだけでなく、複数の記憶媒体から構成されていてもよい。
コンピュータ150の制御機能を担うユニットは、CPUなどの演算素子で構成される。コンピュータ150の制御機能を担うユニットは、光音響装置の各構成の動作を制御する。コンピュータ150の制御機能を担うユニットは、入力部170からの測定開始などの各種操作による指示信号を受けて、光音響装置の各構成を制御してもよい。また、コンピュータ150の制御機能を担うユニットは、記憶機能を担うユニットに格納されたプログラムコードを読み出し、光音響装置の各構成の作動を制御する。すなわち、コンピュータ150は、本実施形態に係るシステムの制御装置として機能することができる。
なお、コンピュータ150と画像処理装置1300は同じハードウェアで構成されていてもよい。1つのハードウェアがコンピュータ150と画像処理装置1300の両方の機能を担っていてもよい。すなわち、コンピュータ150が、画像処理装置1300の機能を担ってもよい。また、画像処理装置1300が、情報処理装置としてのコンピュータ150の機能を担ってもよい。
(表示部160)
表示部160は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)などのディスプレイである。また、表示部160は、画像や装置を操作するためのGUIを表示してもよい。
なお、表示部160と表示装置1400は同じディスプレイであってもよい。すなわち、1つのディスプレイが表示部160と表示装置1400の両方の機能を担っていてもよい。
表示部160は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)などのディスプレイである。また、表示部160は、画像や装置を操作するためのGUIを表示してもよい。
なお、表示部160と表示装置1400は同じディスプレイであってもよい。すなわち、1つのディスプレイが表示部160と表示装置1400の両方の機能を担っていてもよい。
(入力部170)
入力部170としては、ユーザーが操作可能な、マウスやキーボードなどで構成される操作コンソールを採用することができる。また、表示部160をタッチパネルで構成し、表示部160を入力部170として利用してもよい。
なお、入力部170と入力装置1500は同じ装置であってもよい。すなわち、1つの装置が入力部170と入力装置1500の両方の機能を担っていてもよい。
入力部170としては、ユーザーが操作可能な、マウスやキーボードなどで構成される操作コンソールを採用することができる。また、表示部160をタッチパネルで構成し、表示部160を入力部170として利用してもよい。
なお、入力部170と入力装置1500は同じ装置であってもよい。すなわち、1つの装置が入力部170と入力装置1500の両方の機能を担っていてもよい。
(導入部190)
導入部190は、被検体100の外部から被検体100の内部へ造影剤を導入可能に構成されている。例えば、導入部190は造影剤の容器と被検体に刺す注射針とを含むこと
ができる。しかしこれに限られず、導入部190は、造影剤を被検体100に導入することができる限り種々のものを適用可能である。導入部190は、この場合、例えば、公知のインジェクションシステムやインジェクタなどであってもよい。なお、制御装置としてのコンピュータ150が、導入部190の動作を制御することにより、被検体100に造影剤を導入してもよい。また、ユーザーが導入部190を操作することにより、被検体100に造影剤を導入してもよい。
導入部190は、被検体100の外部から被検体100の内部へ造影剤を導入可能に構成されている。例えば、導入部190は造影剤の容器と被検体に刺す注射針とを含むこと
ができる。しかしこれに限られず、導入部190は、造影剤を被検体100に導入することができる限り種々のものを適用可能である。導入部190は、この場合、例えば、公知のインジェクションシステムやインジェクタなどであってもよい。なお、制御装置としてのコンピュータ150が、導入部190の動作を制御することにより、被検体100に造影剤を導入してもよい。また、ユーザーが導入部190を操作することにより、被検体100に造影剤を導入してもよい。
(被検体100)
被検体100はシステムを構成するものではないが、以下に説明する。本実施形態に係るシステムは、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などを目的として使用できる。よって、被検体100としては、生体、具体的には人体や動物の乳房や各臓器、血管網、頭部、頸部、腹部、手指または足指を含む四肢などの診断の対象部位が想定される。例えば、人体が測定対象であれば、オキシヘモグロビンあるいはデオキシヘモグロビンやそれらを含む多く含む血管あるいは腫瘍の近傍に形成される新生血管などを光吸収体の対象としてもよい。また、頸動脈壁のプラークなどを光吸収体の対象としてもよい。また、皮膚等に含まれるメラニン、コラーゲン、脂質などを光吸収体の対象としてもよい。さらに、被検体100に導入する造影剤を光吸収体とすることができる。光音響イメージングに用いる造影剤としては、インドシアニングリーン(ICG)、メチレンブルー(MB)などの色素、金微粒子、及びそれらの混合物、またはそれらを集積あるいは化学的に修飾した外部から導入した物質を採用してもよい。また、生体を模したファントムを被検体100としてもよい。
被検体100はシステムを構成するものではないが、以下に説明する。本実施形態に係るシステムは、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などを目的として使用できる。よって、被検体100としては、生体、具体的には人体や動物の乳房や各臓器、血管網、頭部、頸部、腹部、手指または足指を含む四肢などの診断の対象部位が想定される。例えば、人体が測定対象であれば、オキシヘモグロビンあるいはデオキシヘモグロビンやそれらを含む多く含む血管あるいは腫瘍の近傍に形成される新生血管などを光吸収体の対象としてもよい。また、頸動脈壁のプラークなどを光吸収体の対象としてもよい。また、皮膚等に含まれるメラニン、コラーゲン、脂質などを光吸収体の対象としてもよい。さらに、被検体100に導入する造影剤を光吸収体とすることができる。光音響イメージングに用いる造影剤としては、インドシアニングリーン(ICG)、メチレンブルー(MB)などの色素、金微粒子、及びそれらの混合物、またはそれらを集積あるいは化学的に修飾した外部から導入した物質を採用してもよい。また、生体を模したファントムを被検体100としてもよい。
なお、光音響装置の各構成はそれぞれ別の装置として構成されてもよいし、一体となった1つの装置として構成されてもよい。また、光音響装置の少なくとも一部の構成が一体となった1つの装置として構成されてもよい。
なお、本実施形態に係るシステムを構成する各装置は、それぞれが別々のハードウェアで構成されていてもよいし、全ての装置が1つのハードウェアで構成されていてもよい。本実施形態に係るシステムの機能は、いかなるハードウェアで構成されていてもよい。
なお、本実施形態に係るシステムを構成する各装置は、それぞれが別々のハードウェアで構成されていてもよいし、全ての装置が1つのハードウェアで構成されていてもよい。本実施形態に係るシステムの機能は、いかなるハードウェアで構成されていてもよい。
次に、図5に示すフローチャートを用いて、本実施形態に係る画像生成方法を説明する。なお、図5に示すフローチャートには、本実施形態に係るシステムの動作を示す工程も、医師等のユーザーの動作を示す工程も含まれている。
(S100:検査オーダー情報を取得する工程)
光音響装置1100のコンピュータ150は、HIS(Hospitai Information System)やRIS(Radiology Information
System)などの院内情報システムから送信された検査オーダー情報を取得する。検査オーダー情報には、検査に用いるモダリティの種類や検査に使用する造影剤などの情報が含まれている。
光音響装置1100のコンピュータ150は、HIS(Hospitai Information System)やRIS(Radiology Information
System)などの院内情報システムから送信された検査オーダー情報を取得する。検査オーダー情報には、検査に用いるモダリティの種類や検査に使用する造影剤などの情報が含まれている。
(S200:ユーザーの指示または検査オーダー情報に基づいて造影剤に関する情報を取得する工程)
造影剤情報取得手段としてのコンピュータ150は、造影剤に関する情報を取得する。ユーザーは、入力部170を用いて、検査に使用する造影剤の種類や造影剤の濃度を指示してもよい。この場合、コンピュータ150は、入力部170を介して、造影剤に関する情報を取得することができる。また、コンピュータ150は、S100で取得した検査オーダー情報に造影剤に関する情報が含まれている場合、検査オーダー情報から造影剤に関する情報を読み出すことにより、取得してもよい。コンピュータ150は、ユーザーの指示と検査オーダー情報との少なくとも一つに基づいて、造影剤に関する情報を取得してもよい。例えば、造影剤の条件を示す造影剤に関する情報としては、造影剤の種類や造影剤
の濃度などが挙げられる。
造影剤情報取得手段としてのコンピュータ150は、造影剤に関する情報を取得する。ユーザーは、入力部170を用いて、検査に使用する造影剤の種類や造影剤の濃度を指示してもよい。この場合、コンピュータ150は、入力部170を介して、造影剤に関する情報を取得することができる。また、コンピュータ150は、S100で取得した検査オーダー情報に造影剤に関する情報が含まれている場合、検査オーダー情報から造影剤に関する情報を読み出すことにより、取得してもよい。コンピュータ150は、ユーザーの指示と検査オーダー情報との少なくとも一つに基づいて、造影剤に関する情報を取得してもよい。例えば、造影剤の条件を示す造影剤に関する情報としては、造影剤の種類や造影剤
の濃度などが挙げられる。
図10は、表示部160に表示されるGUIの例を示す。GUIのアイテム2500には、患者ID、検査ID、撮影日時などの検査オーダー情報が表示されている。アイテム2500は、HISやRISなどの外部装置から取得した検査オーダー情報を表示する表示機能や、ユーザーが入力部170を用いて検査オーダー情報を入力することのできる入力機能を備えていてもよい。GUIのアイテム2600には、造影剤の種類、造影剤の濃度などの造影剤に関する情報が表示されている。アイテム2600は、HISやRISなどの外部装置から取得した造影剤に関する情報を表示する表示機能や、ユーザーが入力部170を用いて造影剤に関する情報を入力することのできる入力機能を備えていてもよい。アイテム2600においては、造影剤の種類や濃度などの造影剤に関する情報を複数の選択肢の中からプルダウンなどの方法で入力できてもよい。なお、画像処理装置1300が表示装置1400に図10に示すGUIを表示してもよい。
なお、画像処理装置1300が、ユーザーから造影剤に関する情報の入力指示を受信しなかった場合に、複数の造影剤に関する情報の中からデフォルトで設定された造影剤に関する情報を取得してもよい。本実施形態の場合、造影剤の種類としてICG、造影剤の濃度として1.0mg/mLがデフォルトで設定されている場合を説明する。本実施形態では、GUIのアイテム2600にはデフォルトで設定されている造影剤の種類と濃度が表示されているが、造影剤に関する情報がデフォルトで設定されていなくてもよい。この場合、初期画面ではGUIのアイテム2600に造影剤に関する情報が表示されていなくてもよい。
(S300:造影剤を導入する工程)
導入部190は、被検体に対して造影剤を導入する。ユーザーが、導入部190を用いて被検体に造影剤を導入したときに、ユーザーが入力部170を操作することにより、造影剤が導入されたことを表す信号を入力部170から制御装置としてのコンピュータ150に送信してもよい。また、導入部190が被検体100に造影剤が導入されたことを表す信号をコンピュータ150に送信してもよい。なお、導入部190を用いずに造影剤を被検体に投与してもよい。例えば、被検体としての生体が噴霧された造影剤を吸引することにより、造影剤が投与されてもよい。
造影剤の導入後に被検体100内の造影対象に造影剤が行き渡るまで時間をおいてから後述するS400を実行してもよい。
導入部190は、被検体に対して造影剤を導入する。ユーザーが、導入部190を用いて被検体に造影剤を導入したときに、ユーザーが入力部170を操作することにより、造影剤が導入されたことを表す信号を入力部170から制御装置としてのコンピュータ150に送信してもよい。また、導入部190が被検体100に造影剤が導入されたことを表す信号をコンピュータ150に送信してもよい。なお、導入部190を用いずに造影剤を被検体に投与してもよい。例えば、被検体としての生体が噴霧された造影剤を吸引することにより、造影剤が投与されてもよい。
造影剤の導入後に被検体100内の造影対象に造影剤が行き渡るまで時間をおいてから後述するS400を実行してもよい。
(S400:照射光の波長を決定する工程)
波長決定手段としてのコンピュータ150は、S200で取得された造影剤に関する情報に基づいて、照射光の波長を決定する。本実施形態では、分光画像を生成するために、コンピュータ150が造影剤に関する情報に基づいて複数の波長を決定する。以下、分光画像中の造影剤に対応する領域を識別しやすくするための波長の組み合わせについて説明する。
波長決定手段としてのコンピュータ150は、S200で取得された造影剤に関する情報に基づいて、照射光の波長を決定する。本実施形態では、分光画像を生成するために、コンピュータ150が造影剤に関する情報に基づいて複数の波長を決定する。以下、分光画像中の造影剤に対応する領域を識別しやすくするための波長の組み合わせについて説明する。
本実施形態では、後述するS800において、式(1)にしたがった画像を分光画像として生成する場合を考える。式(1)によれば、分光画像中の血管の領域については、実際の酸素飽和度に応じた画像値が算出される。しかし、分光画像中の造影剤の領域については、使用する波長によって大きく画像値が変化してしまう。さらに、分光画像中の造影剤の領域については、造影剤の吸収係数スペクトルによっても大きく画像値が変動してしまう。その結果、分光画像中の造影剤の領域の画像値が、血管の領域の画像値と識別できないような値となってしまう場合がある。一方、造影剤の三次元分布を把握するためには、分光画像中の造影剤の領域の画像値が、血管の領域の画像値と識別できるような値であることが好ましい。
そこで、本発明者は、検査に使用する造影剤の条件に応じて、照射光の波長を適応的に変更することにより、分光画像中の造影剤の領域の画像値を制御することを着想した。すなわち、情報処理装置が、造影剤に関する情報に基づいて、分光画像中の造影剤の領域と血管の領域を識別できるような照射光の波長を決定することを本発明者は考案した。
具体的には、分光画像として式(1)を用いた画像を生成する場合、動静脈の酸素飽和度が概ねパーセント表示で60%〜100%に収まることを利用して照射光の波長を決定してもよい。すなわち、情報処理装置としてのコンピュータ150が、造影剤に関する情報に基づいて、分光画像中の造影剤に対応する式(1)の値が60%より小さくなる、または、100%より大きくなるような2波長を決定してもよい。また、コンピュータ150が、造影剤に関する情報に基づいて、分光画像中の造影剤に対応する領域の画像値とそれ以外の領域の画像値との符号が逆となるような2波長を決定してもよい。例えば、造影剤としてICGを用いる場合、700nm以上、820nmより小さい波長と、820nm以上、1020nm以下の波長の2波長を選択し、式(1)により分光画像を生成することにより、造影剤の領域と血管の領域とを良好に識別することができる。
次に、造影剤に関する情報として造影剤の濃度を変化させたときの造影剤に対応する画像値の変化について説明する。図6は、造影剤としてのICGの濃度を変えたときの吸収係数スペクトルの変化を示したスペクトル図である。図6において下から順に、ICGの濃度が5.04μg/mL、50.4μg/mL、0.5mg/mL、1.0mg/mLの場合のスペクトル図を示している。図6に示すように、造影剤の濃度が高くなるにつれて光の吸収度合いが高くなることが理解される。また、造影剤の濃度に応じて2波長に対応する吸収係数の比が変化するため、造影剤の濃度に応じて、分光画像中の造影剤に対応する画像値が変化してしまうことが理解される。造影剤の濃度が変化したときと同様に、造影剤の種類が変化したときにも、2波長に対応する吸収係数の比が変化する。そのため、造影剤の種類に応じても、分光画像中の造影剤に対応する画像値が変化してしまうことが理解される。
ここで、ICGを導入した生体に対して光音響装置を用いて撮影することにより得られた分光画像について説明する。図11〜図13は、濃度を変えてICGを導入した場合に撮影して得られた分光画像を示す。いずれの撮影においても、手もしくは足の皮下もしくは皮内にICGを1か所につき0.1mL導入した。皮下もしくは皮内に導入されたICGは、リンパ管に選択的に取り込まれるため、リンパ管の内腔が造影される。また、いずれの撮影においても、ICGの導入から5分〜60分以内に撮影した。また、いずれの分光画像も、797nmの波長の光と835nmの波長の光とを生体に照射することにより得られた光音響画像から生成された分光画像である。
図11(A)は、ICGを導入しなかった場合の右前腕伸側の分光画像を示す。一方、図11(B)は、2.5mg/mLの濃度のICGを導入したときの右前腕伸側の分光画像を示す。図11(B)中の破線および矢印で示した領域にリンパ管が描出されている。
図12(A)は、1.0mg/mLの濃度のICGを導入したときの左前腕伸側の分光画像を示す。図12(B)は、5.0mg/mLの濃度のICGを導入したときの左前腕伸側の分光画像を示す。図12(B)中の破線および矢印で示した領域にリンパ管が描出されている。
図13(A)は、0.5mg/mLの濃度のICGを導入したときの右下腿内側の分光画像を示す。図13(B)は、5.0mg/mLの濃度のICGを導入したときの左下腿内側の分光画像を示す。図13(B)中の破線および矢印で示した領域にリンパ管が描出されている。
図12(A)は、1.0mg/mLの濃度のICGを導入したときの左前腕伸側の分光画像を示す。図12(B)は、5.0mg/mLの濃度のICGを導入したときの左前腕伸側の分光画像を示す。図12(B)中の破線および矢印で示した領域にリンパ管が描出されている。
図13(A)は、0.5mg/mLの濃度のICGを導入したときの右下腿内側の分光画像を示す。図13(B)は、5.0mg/mLの濃度のICGを導入したときの左下腿内側の分光画像を示す。図13(B)中の破線および矢印で示した領域にリンパ管が描出されている。
図11〜図13に示す分光画像によれば、ICGの濃度を高くすると、分光画像の中のリンパ管の視認性が向上することが理解される。また、図11〜図13によれば、ICGの濃度が2.5mg/mL以上の場合にリンパ管が良好に描出できることが理解される。すなわち、ICGの濃度が2.5mg/mL以上である場合に線上のリンパ管を明確に視認することができる。そのため、造影剤としてICGを採用する場合、その濃度は2.5mg/mL以上であってもよい。なお、生体内でのICGの希釈を考慮すると、ICGの濃度は5.0mg/mLより大きくてもよい。ただし、ジアグノグリーンの可溶性を鑑みると、10.0mg/mL以上の濃度で水溶液に溶かすことは困難である。
以上より、生体に導入するICGの濃度としては、2.5mg/mL以上、10.0mg/mL以下がよく、好適には、5.0mg/mL以上、10.0mg/mL以下がよい。
以上より、生体に導入するICGの濃度としては、2.5mg/mL以上、10.0mg/mL以下がよく、好適には、5.0mg/mL以上、10.0mg/mL以下がよい。
そこで、コンピュータ150は、図10に示すGUIのアイテム2600において造影剤の種類としてICGが入力された場合に、上記数値範囲のICGの濃度を示すユーザーからの指示を選択的に受け付けるように構成されていてもよい。すなわち、この場合、コンピュータ150は、上記数値範囲以外のICGの濃度を示すユーザーからの指示を受け付けないように構成されていてもよい。よって、コンピュータ150は、造影剤の種類がICGであることを示す情報を取得した場合に、2.5mg/mLより小さい、または、10.0mg/mLより大きいICGの濃度を示すユーザーからの指示を受け付けないように構成されていてもよい。また、コンピュータ150は、造影剤の種類がICGであることを示す情報を取得した場合に5.0mg/mLより小さい、または、10.0mg/mLより大きいICGの濃度を示すユーザーからの指示を受け付けないように構成されていてもよい。
コンピュータ150は、ユーザーがGUI上で上記数値範囲以外のICGの濃度を指示できないようにGUIを構成してもよい。すなわち、コンピュータ150は、ユーザーがGUI上で上記数値範囲以外のICGの濃度を指示できないようにGUIを表示させてもよい。例えば、コンピュータ150は、GUI上で上記数値範囲のICGの濃度を選択的に指示できるプルダウンを表示させてもよい。コンピュータ150は、プルダウンの中の上記数値範囲以外のICGの濃度をグレーアウトさせて表示し、グレーアウトされた濃度を選択できないようにGUIを構成してもよい。
また、コンピュータ150は、GUI上で上記数値範囲以外のICGの濃度がユーザーから指示された場合にアラートを通知してもよい。通知方法としては、表示部160へのアラートの表示や、音やランプの点灯などのあらゆる方法を採用することができる。
また、コンピュータ150は、GUI上で造影剤の種類としてICGが選択された場合に、被検体に導入するICGの濃度として上記数値範囲を表示部160に表示させてもよい。
また、コンピュータ150は、GUI上で造影剤の種類としてICGが選択された場合に、被検体に導入するICGの濃度として上記数値範囲を表示部160に表示させてもよい。
なお、被検体に導入する造影剤の濃度は、ここで示した数値範囲に限らず、目的に応じた好適な濃度を採用することができる。また、ここでは造影剤の種類がICGである場合の例について説明したが、その他の造影剤においても同様に上記構成を適用することができる。
このようにGUIを構成することにより、被検体に導入する予定の造影剤の種類に応じて、適当な造影剤の濃度をユーザーが被検体に導入するための支援を行うことができる。
このようにGUIを構成することにより、被検体に導入する予定の造影剤の種類に応じて、適当な造影剤の濃度をユーザーが被検体に導入するための支援を行うことができる。
次に、波長の組み合わせを変更したときの分光画像中の造影剤に対応する画像値の変化について説明する。図7は、2波長の組み合わせのそれぞれにおける、分光画像中の造影剤に対応する画像値(酸素飽和度値)のシミュレーション結果を示す。図7の縦軸と横軸はそれぞれ第1波長と第2波長を表す。図7には、分光画像中の造影剤に対応する画像値
の等値線が示されている。図7(a)〜図7(d)はそれぞれ、ICGの濃度が5.04μg/mL、50.4μg/mL、0.5mg/mL、1.0mg/mLのときの分光画像中の造影剤に対応する画像値を示す。図7に示すように、選択する波長の組み合わせによっては、分光画像中の造影剤に対応する画像値が60%〜100%となってしまう場合がある。前述したように、このような波長の組み合わせを選択してしまうと、分光画像中の血管の領域と造影剤の領域とを識別することが困難となってしまう。そのため、図7に示す波長の組み合わせにおいて、分光画像中の造影剤に対応する画像値が60%より小さくなる、または、100%より大きくなるような波長の組み合わせを選択することが好ましい。さらには、図7に示す波長の組み合わせにおいて、分光画像中の造影剤に対応する画像値が負値となるような波長の組み合わせを選択することが好ましい。
の等値線が示されている。図7(a)〜図7(d)はそれぞれ、ICGの濃度が5.04μg/mL、50.4μg/mL、0.5mg/mL、1.0mg/mLのときの分光画像中の造影剤に対応する画像値を示す。図7に示すように、選択する波長の組み合わせによっては、分光画像中の造影剤に対応する画像値が60%〜100%となってしまう場合がある。前述したように、このような波長の組み合わせを選択してしまうと、分光画像中の血管の領域と造影剤の領域とを識別することが困難となってしまう。そのため、図7に示す波長の組み合わせにおいて、分光画像中の造影剤に対応する画像値が60%より小さくなる、または、100%より大きくなるような波長の組み合わせを選択することが好ましい。さらには、図7に示す波長の組み合わせにおいて、分光画像中の造影剤に対応する画像値が負値となるような波長の組み合わせを選択することが好ましい。
例えば、ここで第1波長として797nmを選択し、第2波長として835nmを選択した場合を考える。図8は、第1波長として797nmを選択し、第2波長として835nmを選択した場合に、ICGの濃度と分光画像中の造影剤に対応する画像値(式(1)の値)との関係を示すグラフである。図8によれば、第1波長として797nmを選択し、第2波長として835nmを選択した場合、5.04μg/mL〜1.0mg/mLのいずれの濃度であっても、分光画像中の造影剤に対応する画像値は負値となる。そのため、このような波長の組み合わせにより生成された分光画像によれば、血管の酸素飽和度値は原理上負値をとることはないため、血管の領域と造影剤の領域とを明確に識別することができる。
なお、これまで造影剤に関する情報に基づいて波長を決定することを説明したが、波長の決定においてヘモグロビンの吸収係数を考慮してもよい。図9は、オキシヘモグロビンのモラー吸収係数(破線)とデオキシヘモグロビンのモラー吸収係数(実線)のスペクトルを示す。図9に示す波長レンジにおいては、797nmを境にオキシヘモグロビンのモラー吸収係数とデオキシヘモグロビンのモラー吸収係数の大小関係が逆転している。すなわち、797nmよりも短い波長においては静脈を把握しやすく、797nmよりも長い波長においては動脈を把握しやすいといえる。ところで、リンパ浮腫の治療においては、リンパ管と静脈との間にバイパスを作製するリンパ管静脈吻合術(LVA)が利用されている。本実施形態では、LVAの術前検査、術後検査、および効果判定のために、光音響イメージングによって血管像(特に静脈像)と造影剤が蓄積したリンパ管像との両方を含む画像を生成する。この場合に、複数の波長の少なくとも1つを797nmよりも小さい波長とすることにより、静脈をより明確に画像化することができる。また、複数の波長の少なくとも1つを、オキシヘモグロビンのモラー吸収係数よりもデオキシヘモグロビンのモラー吸収係数が大きくなる波長とすることが静脈を画像化するうえで有利である。また、2波長に対応する光音響画像から分光画像を生成する場合、2波長のいずれもオキシヘモグロビンのモラー吸収係数よりもデオキシヘモグロビンのモラー吸収係数が大きい波長とすることが、静脈を画像化するうえで有利である。これらの波長を選択することにより、静脈と造影剤が導入されたリンパ管との両方を精度良く画像化することができる。
ところで、複数の波長のいずれも血液よりも造影剤の吸収係数が大きい波長であると、造影剤由来のアーチファクトにより血液の酸素飽和度精度が低下してしまう。そこで、造影剤由来のアーチファクトを低減するために、複数の波長の少なくとも1つの波長が、血液の吸収係数に対して造影剤の吸収係数が小さくなる波長であってもよい。
ここでは、式(1)にしたがって分光画像を生成する場合の説明を行ったが、造影剤の条件や照射光の波長によって分光画像中の造影剤に対応する画像値が変化するような分光画像を生成する場合にも適用することができる。
(S500:光を照射する工程)
光照射部110は、S400で決定された波長を光源111に設定する。光源111は、S400で決定された波長の光を発する。光源111から発生した光は、光学系112を介してパルス光として被検体100に照射される。そして、被検体100の内部でパルス光が吸収され、光音響効果により光音響波が生じる。このとき、導入された造影剤もパルス光を吸収し、光音響波を発生する。光照射部110はパルス光の伝送と併せて信号収集部140へ同期信号を送信してもよい。また、光照射部110は、複数の波長のそれぞれについて、同様に光照射を行う。
光照射部110は、S400で決定された波長を光源111に設定する。光源111は、S400で決定された波長の光を発する。光源111から発生した光は、光学系112を介してパルス光として被検体100に照射される。そして、被検体100の内部でパルス光が吸収され、光音響効果により光音響波が生じる。このとき、導入された造影剤もパルス光を吸収し、光音響波を発生する。光照射部110はパルス光の伝送と併せて信号収集部140へ同期信号を送信してもよい。また、光照射部110は、複数の波長のそれぞれについて、同様に光照射を行う。
ユーザーが、光照射部110の照射条件(照射光の繰り返し周波数や波長など)やプローブ180の位置などの制御パラメータを、入力部170を用いて指定してもよい。コンピュータ150は、ユーザーの指示に基づいて決定された制御パラメータを設定してもよい。また、コンピュータ150が、指定された制御パラメータに基づいて、駆動部130を制御することによりプローブ180を指定の位置へ移動させてもよい。複数位置での撮影が指定された場合には、駆動部130は、まずプローブ180を最初の指定位置へ移動させる。なお、駆動部130は、測定の開始指示がなされたときに、あらかじめプログラムされた位置にプローブ180を移動させてもよい。
(S600:光音響波を受信する工程)
信号収集部140は、光照射部110から送信された同期信号を受信すると、信号収集の動作を開始する。すなわち、信号収集部140は、受信部120から出力された、光音響波に由来するアナログ電気信号を、増幅・AD変換することにより、増幅されたデジタル電気信号を生成し、コンピュータ150へ出力する。コンピュータ150は、信号収集部140から送信された信号を保存する。複数の走査位置での撮影を指定された場合には、指定された走査位置において、S500およびS600の工程を繰り返し実行し、パルス光の照射と音響波に由来するデジタル信号の生成を繰り返す。なお、コンピュータ150は、発光をトリガーとして、発光時の受信部120の位置情報を駆動部130の位置センサからの出力に基づいて取得し、記憶してもよい。
信号収集部140は、光照射部110から送信された同期信号を受信すると、信号収集の動作を開始する。すなわち、信号収集部140は、受信部120から出力された、光音響波に由来するアナログ電気信号を、増幅・AD変換することにより、増幅されたデジタル電気信号を生成し、コンピュータ150へ出力する。コンピュータ150は、信号収集部140から送信された信号を保存する。複数の走査位置での撮影を指定された場合には、指定された走査位置において、S500およびS600の工程を繰り返し実行し、パルス光の照射と音響波に由来するデジタル信号の生成を繰り返す。なお、コンピュータ150は、発光をトリガーとして、発光時の受信部120の位置情報を駆動部130の位置センサからの出力に基づいて取得し、記憶してもよい。
なお、本実施形態では、複数の波長の光のそれぞれを時分割に照射する例を説明したが、複数の波長のそれぞれに対応する信号データを取得できる限り、光の照射方法はこれに限らない。例えば、光照射によって符号化を行う場合に、複数の波長の光がほぼ同時に照射されるタイミングが存在してもよい。
(S700:光音響画像を生成する工程)
光音響画像取得手段としてのコンピュータ150は、記憶された信号データに基づいて、光音響画像を生成する。コンピュータ150は、生成された光音響画像を記憶装置1200に出力し、記憶させる。
信号データを2次元または3次元の空間分布に変換する再構成アルゴリズムとしては、タイムドメインでの逆投影法やフーリエドメインでの逆投影法などの解析的な再構成法やモデルベース法(繰り返し演算法)を採用することができる。例えば、タイムドメインでの逆投影法として、Universal back−projection(UBP)、Filtered back−projection(FBP)、または整相加算(Delay−and−Sum)などが挙げられる。
光音響画像取得手段としてのコンピュータ150は、記憶された信号データに基づいて、光音響画像を生成する。コンピュータ150は、生成された光音響画像を記憶装置1200に出力し、記憶させる。
信号データを2次元または3次元の空間分布に変換する再構成アルゴリズムとしては、タイムドメインでの逆投影法やフーリエドメインでの逆投影法などの解析的な再構成法やモデルベース法(繰り返し演算法)を採用することができる。例えば、タイムドメインでの逆投影法として、Universal back−projection(UBP)、Filtered back−projection(FBP)、または整相加算(Delay−and−Sum)などが挙げられる。
本実施形態では、被検体への1回の光照射で得られた光音響信号を用いた画像再構成により1つの3次元の光音響画像(ボリュームデータ)が生成される。さらに、複数回の光照射を行い、光照射ごとに画像再構成を行うことで、時系列の3次元画像データ(時系列のボリュームデータ)が取得される。複数回の光照射の光照射ごとに画像再構成して得られた3次元画像データを総称して、複数回の光照射に対応する3次元画像データと呼ぶ。なお、時系列に複数回の光照射が実行されるため、複数回の光照射に対応する3次元画像
データが、時系列の3次元画像データを構成する。
また、本実施形態では、コンピュータ150が、時系列の3次元画像データを合成することにより、1つの3次元画像データを生成する。また、本実施形態では、光照射間で被検体と受信部120との相対位置を移動させているため、合成して得られる3次元画像データは広範囲の被検体を包含する画像データとなる。本実施形態における3次元画像データ(ボリュームデータ)で画像化されている範囲は、光学測定装置1000の測定視野よりも大きな範囲に相当する。すなわち、光学測定装置1000の測定視野は、ボリュームデータで画像化されている範囲よりも狭い範囲である。
データが、時系列の3次元画像データを構成する。
また、本実施形態では、コンピュータ150が、時系列の3次元画像データを合成することにより、1つの3次元画像データを生成する。また、本実施形態では、光照射間で被検体と受信部120との相対位置を移動させているため、合成して得られる3次元画像データは広範囲の被検体を包含する画像データとなる。本実施形態における3次元画像データ(ボリュームデータ)で画像化されている範囲は、光学測定装置1000の測定視野よりも大きな範囲に相当する。すなわち、光学測定装置1000の測定視野は、ボリュームデータで画像化されている範囲よりも狭い範囲である。
コンピュータ150は、信号データに対して再構成処理することにより、初期音圧分布情報(複数の位置における発生音圧)を光音響画像として生成する。また、コンピュータ150は、被検体100に照射された光の被検体100の内部での光フルエンス分布を計算し、初期音圧分布を光フルエンス分布で除算することにより、吸収係数分布情報を光音響画像として取得してもよい。光フルエンス分布の計算手法については、公知の手法を適用することができる。また、コンピュータ150は、複数の波長の光のそれぞれに対応する光音響画像を生成することができる。具体的には、コンピュータ150は、第1波長の光照射により得られた信号データに対して再構成処理を行うことにより、第1波長に対応する第1光音響画像を生成することができる。また、コンピュータ150は、第2波長の光照射により得られた信号データに対して再構成処理を行うことにより、第2波長に対応する第2光音響画像を生成することができる。このように、コンピュータ150は、複数の波長の光に対応する複数の光音響画像を生成することができる。なお、3波長以上の光を用いて測定を行った場合も同様に、3波長以上の光のそれぞれに対応する3以上の光音響画像を生成することができる。
本実施形態では、コンピュータ150は、複数の波長の光のそれぞれに対応する吸収係数分布情報を光音響画像として取得する。第1波長に対応する吸収係数分布情報を第1光音響画像とし、第2波長に対応する吸収係数分布情報を第2光音響画像とする。
なお、本実施形態では、システムが光音響画像を生成する光音響装置1100を含む例を説明したが、光音響装置1100を含まないシステムにも本発明は適用可能である。光音響画像取得手段としての画像処理装置1300が、光音響画像を取得できる限り、いかなるシステムであっても本発明を適用することができる。例えば、光音響装置1100を含まず、記憶装置1200と画像処理装置1300とを含むシステムであっても本発明を適用することができる。この場合、光音響画像取得手段としての画像処理装置1300は、記憶装置1200に予め記憶された光音響画像群の中から指定された光音響画像を読み出すことにより、光音響画像を取得することができる。
(S800:分光画像を生成する工程)
分光画像取得手段としてのコンピュータ150は、複数の波長に対応する複数の光音響画像に基づいて、分光画像を生成する。コンピュータ150は、分光画像を記憶装置1200に出力し、記憶装置1200に記憶させる。前述したように、コンピュータ150は、グルコース濃度、コラーゲン濃度、メラニン濃度、脂肪や水の体積分率など、被検体を構成する物質の濃度に相当する情報を示す画像を分光画像として生成してもよい。また、コンピュータ150は、第1波長に対応する第1光音響画像と第2波長に対応する第2光音響画像との比を表す画像を分光画像として生成してもよい。本実施形態では、コンピュータ150が、第1光音響画像と第2光音響画像とを用いて、式(1)にしたがって酸素飽和度画像を分光画像として生成する例を説明する。
分光画像取得手段としてのコンピュータ150は、複数の波長に対応する複数の光音響画像に基づいて、分光画像を生成する。コンピュータ150は、分光画像を記憶装置1200に出力し、記憶装置1200に記憶させる。前述したように、コンピュータ150は、グルコース濃度、コラーゲン濃度、メラニン濃度、脂肪や水の体積分率など、被検体を構成する物質の濃度に相当する情報を示す画像を分光画像として生成してもよい。また、コンピュータ150は、第1波長に対応する第1光音響画像と第2波長に対応する第2光音響画像との比を表す画像を分光画像として生成してもよい。本実施形態では、コンピュータ150が、第1光音響画像と第2光音響画像とを用いて、式(1)にしたがって酸素飽和度画像を分光画像として生成する例を説明する。
なお、分光画像取得手段としての画像処理装置1300は、記憶装置1200に予め記憶された分光画像群の中から指定された分光画像を読み出すことにより、分光画像を取得
してもよい。また、光音響画像取得手段としての画像処理装置1300は、記憶装置1200に予め記憶された光音響画像群の中から、読み出した分光画像の生成に用いられた複数の光音響画像の少なくとも一つを読み出すことにより、光音響画像を取得してもよい。
してもよい。また、光音響画像取得手段としての画像処理装置1300は、記憶装置1200に予め記憶された光音響画像群の中から、読み出した分光画像の生成に用いられた複数の光音響画像の少なくとも一つを読み出すことにより、光音響画像を取得してもよい。
(S900:分光画像を表示する工程)
表示制御手段としての画像処理装置1300は、S200で取得した造影剤に関する情報に基づいて、造影剤に対応する領域とそれ以外の領域とを識別できるように分光画像を表示装置1400に表示させる。なお、レンダリング手法としては、最大値投影法(MIP:Maximum Intensity Projection)、ボリュームレンダリング、及びサーフェイスレンダリングなどのあらゆる方法を採用することができる。ここで、三次元画像を二次元にレンダリングする際の表示領域や視線方向などの設定条件は、観察対象に合わせて任意に指定することができる。
表示制御手段としての画像処理装置1300は、S200で取得した造影剤に関する情報に基づいて、造影剤に対応する領域とそれ以外の領域とを識別できるように分光画像を表示装置1400に表示させる。なお、レンダリング手法としては、最大値投影法(MIP:Maximum Intensity Projection)、ボリュームレンダリング、及びサーフェイスレンダリングなどのあらゆる方法を採用することができる。ここで、三次元画像を二次元にレンダリングする際の表示領域や視線方向などの設定条件は、観察対象に合わせて任意に指定することができる。
ここでは、S400で797nmと835nmを設定し、S800で式(1)にしたがって分光画像を生成する場合について説明する。図8で示したとおり、これらの2波長を選択した場合、ICGがいかなる濃度であっても、式(1)にしたがって生成される分光画像中の造影剤に対応する画像値は負値となる。
図10に示すように、画像処理装置1300は、分光画像の画像値と表示色との関係を示すカラースケールとしてのカラーバー2400をGUIに表示させる。画像処理装置1300は、造影剤に関する情報(例えば、造影剤の種類がICGであることを示す情報)と、照射光の波長を示す情報とに基づいて、カラースケールに割り当てる画像値の数値範囲を決定してもよい。例えば、画像処理装置1300は、式(1)による動脈の酸素飽和度、静脈の酸素飽和度、および造影剤に対応する負値の画像値を含む数値範囲を決定してもよい。画像処理装置1300は、−100%〜100%の数値範囲を決定し、青から赤に変化するカラーグラデーションに−100%〜100%を割り当てたカラーバー2400を設定してもよい。このような表示方法により、動静脈の識別に加え、負値の造影剤に対応する領域も識別することができる。また、画像処理装置1300は、造影剤に関する情報と、照射光の波長を示す情報とに基づいて、造影剤に対応する画像値の数値範囲を示すインジケータ2410を表示させてもよい。ここでは、カラーバー2400において、ICGに対応する画像値の数値範囲として負値の領域をインジケータ2410で示している。このように造影剤に対応する表示色を識別できるようにカラースケールを表示することにより、分光画像中の造影剤に対応する領域を容易に識別することができる。
領域決定手段としての画像処理装置1300は、造影剤に関する情報と、照射光の波長を示す情報とに基づいて、分光画像中の造影剤に対応する領域を決定してもよい。例えば、画像処理装置1300は、分光画像のうち、負値の画像値を有する領域を造影剤に対応する領域として決定してもよい。そして、画像処理装置1300は、造影剤に対応する領域とそれ以外の領域とを識別できるように分光画像を表示装置1400に表示させてもよい。画像処理装置1300は、造影剤に対応する領域とそれ以外の領域との表示色を異ならせる、造影剤に対応する領域を点滅させる、造影剤に対応する領域を示すインジケータ(例えば、枠)を表示させるなどの識別表示を採用することができる。
なお、図10に示すGUIに表示されたICGの表示に対応するアイテム2730を指示することにより、ICGに対応する画像値を選択的に表示させる表示モードに切り替え可能であってもよい。例えば、ユーザーがICGの表示に対応するアイテム2730を選択した場合に、画像処理装置1300が分光画像から画像値が負値のボクセルを選択し、選択されたボクセルを選択的にレンダリングすることにより、ICGの領域を選択的に表示してもよい。同様に、ユーザーが動脈の表示に対応するアイテム2710や静脈の表示に対応するアイテム2720を選択してもよい。ユーザーの指示に基づいて、画像処理装
置1300が、動脈に対応する画像値(例えば、90%以上100%以下)や静脈に対応する画像値(例えば、60%以上90%未満)を選択的に表示させる表示モードに切り替えてもよい。動脈に対応する画像値や静脈に対応する画像値の数値範囲については、ユーザーの指示に基づいて変更可能であってもよい。
置1300が、動脈に対応する画像値(例えば、90%以上100%以下)や静脈に対応する画像値(例えば、60%以上90%未満)を選択的に表示させる表示モードに切り替えてもよい。動脈に対応する画像値や静脈に対応する画像値の数値範囲については、ユーザーの指示に基づいて変更可能であってもよい。
なお、分光画像の画像値に色相、明度、および彩度の少なくとも一つを割り当て、光音響画像の画像値に色相、明度、および彩度の残りのパラメータを割り当てた画像を分光画像として表示させてもよい。例えば、分光画像の画像値に色相および彩度を割り当て、光音響画像の画像値に明度を割り当てた画像を分光画像として表示させてもよい。このとき、造影剤に対応する光音響画像の画像値が、血管に対応する光音響画像の画像値よりも大きい場合や小さい場合、光音響画像の画像値に明度を割り当てると、血管と造影剤の両方を視認することが困難な場合がある。そこで、分光画像の画像値によって、光音響画像の画像値から明度への変換テーブルを変更してもよい。例えば、分光画像の画像値が造影剤に対応する画像値の数値範囲に含まれる場合、光音響画像の画像値に対応する明度を、血管に対応するそれよりも小さくしてもよい。すなわち、造影剤の領域と血管の領域を比べたときに、光音響画像の画像値が同じであれば、血管の領域よりも造影剤の領域の明度を小さくしてもよい。ここで変換テーブルとは、複数の画像値のそれぞれに対応する明度を示すテーブルである。また、分光画像の画像値が造影剤に対応する画像値の数値範囲に含まれる場合、光音響画像の画像値に対応する明度を、血管に対応するそれよりも大きくしてもよい。すなわち、造影剤の領域と血管の領域を比べたときに、光音響画像の画像値が同じであれば、血管の領域よりも造影剤の領域の明度を大きくしてもよい。また、分光画像の画像値によって、光音響画像の画像値を明度に変換しない光音響画像の画像値の数値範囲が異なっていてもよい。
変換テーブルは、造影剤の種類や濃度、また照射光の波長によって適したものに変更してもよい。そこで、画像処理装置1300は、造影剤に関する情報と、照射光の波長を示す情報とに基づいて、光音響画像の画像値から明度への変換テーブルを決定してもよい。画像処理装置1300は、造影剤に対応する光音響画像の画像値が血管に対応するそれよりも大きくなると推定される場合、造影剤に対応する光音響画像の画像値に対応する明度を血管に対応するそれよりも小さくしてもよい。反対に、画像処理装置1300は、造影剤に対応する光音響画像の画像値が血管に対応するそれよりも小さくなると推定される場合、造影剤に対応する光音響画像の画像値に対応する明度を血管に対応するそれよりも大きくしてもよい。
図10に示すGUIは、波長797nmに対応する吸収係数画像(第1光音響画像)2100、波長835nmに対応する吸収係数画像(第2光音響画像)2200、酸素飽和度画像(分光画像)2300を表示する。それぞれの画像がいずれの波長の光によって生成された画像であるかをGUIに表示してもよい。本実施形態では、光音響画像と分光画像の両方を表示しているが、分光画像だけを表示してもよい。また、画像処理装置1300は、ユーザーの指示に基づいて、光音響画像の表示と分光画像の表示とを切り替えてもよい。
なお、表示部160は動画像を表示可能であってもよい。例えば、画像処理装置1300が、第1光音響画像2100、第2光音響画像2200および分光画像2300の少なくともいずれかを時系列に生成し、生成された時系列の画像に基づいて動画像データを生成して表示部160に出力する構成としてもよい。なお、リンパの流れる回数が比較的少ないことに鑑みて、ユーザーの判断時間を短縮するために、静止画または時間圧縮された動画像として表示することも好ましい。また、動画像表示において、リンパが流れる様子を繰り返し表示することもできる。動画像の速度は、予め規定された所定の速度やユーザーに指定された所定の速度であってもよい。
また、動画像を表示可能な表示部160において、動画像のフレームレートを可変にすることも好ましい。フレームレートを可変にするために、図10のGUIに、ユーザーがフレームレートを手動で入力するためのウィンドウや、フレームレートを変更するためのスライドバーなどを追加してもよい。ここで、リンパ液はリンパ管内を間欠的に流れるため、取得された時系列のボリュームデータの中でも、リンパの流れの確認に利用できるのは一部だけである。そのため、リンパの流れの確認する際に実時間表示を行うと効率が低下する場合がある。そこで、表示部160に表示される動画像のフレームレートを可変にすることで、表示される動画像の早送り表示が可能になり、ユーザーがリンパ管内の流体の様子を短時間で確認できるようになる。
また、表示部160は、所定の時間範囲内の動画像を繰り返し表示可能であってもよい。その際、繰り返し表示を行う範囲をユーザーが指定可能とするためのウィンドウやスライドバーなどのGUIを、図10に追加することも好ましい。これにより、例えばリンパ管内を流体が流れる様子をユーザーが把握しやすくなる。
以上説明したように、画像処理装置1300および情報処理装置としてのコンピュータ150の少なくとも1つは、分光画像取得手段、造影剤情報取得手段、領域決定手段、光音響画像取得手段、および表示制御手段の少なくとも一つを有する装置として機能する。なお、それぞれの手段は、互いに異なるハードウェアで構成されていてもよいし、1つのハードウェアで構成されていてもよい。また、複数の手段が1つのハードウェアで構成されていてもよい。
本実施形態では、造影剤に対応する式(1)による値が負値となる波長を選択することにより、血管と造影剤とを識別できるようにしたが、造影剤に対応する画像値が血管と造影剤とを識別できる限り、造影剤に対応する画像値がいかなる値であってもよい。例えば、造影剤に対応する分光画像(酸素飽和度画像)の画像値が、60%より小さくなるまたは100%より大きくとなる場合などにも、本工程で説明した画像処理を適用することができる。
本実施形態では、造影剤としてICGを用いる場合の例を説明したが、ICG以外のいかなる造影剤に本実施形態に係る画像処理を適用してもよい。また、画像処理装置1300は、複数種類の造影剤のうち、被検体100に導入した造影剤の種類の情報に基づいて、造影剤の種類に応じた画像処理を実行してもよい。
本実施形態では、複数の造影剤に関する情報のうち、取得された造影剤に関する情報に基づいて画像処理方法を決定する場合について説明した。ただし、撮影に使用される造影剤の条件が一意に決定されている場合は、その造影剤の条件に対応した画像処理が予め設定されていてもよい。この場合も、上述した本実施形態に係る画像処理を適用することができる。
本実施形態では、複数の波長に対応する光音響画像に基づいた分光画像に画像処理を適用する例を説明したが、1つの波長に対応する光音響画像に本実施形態に係る画像処理を適用してもよい。すなわち、画像処理装置1300は、造影剤に関する情報に基づいて、光音響画像中の造影剤に対応する領域を決定し、造影剤に対応する領域とその領域以外の領域とを識別できるように、光音響画像を表示させてもよい。また、画像処理装置1300は、予め設定された造影剤に対応する画像値の数値範囲を有する領域と、それ以外の領域とを識別できるように、分光画像または光音響画像を表示させてもよい。
本実施形態では、情報処理装置としてのコンピュータ150が複数の波長の光を照射し
て分光画像を生成する例を説明したが、1つの波長の光だけを照射して光音響画像を生成する場合に本実施形態に係る波長の決定方法で波長を決定してもよい。すなわち、コンピュータ150は、造影剤に関する情報に基づいて、照射光の波長を決定してもよい。この場合、コンピュータ150は、光音響画像中の造影剤の領域の画像値が、血管の領域の画像値と識別できるような波長を決定することが好ましい。
て分光画像を生成する例を説明したが、1つの波長の光だけを照射して光音響画像を生成する場合に本実施形態に係る波長の決定方法で波長を決定してもよい。すなわち、コンピュータ150は、造影剤に関する情報に基づいて、照射光の波長を決定してもよい。この場合、コンピュータ150は、光音響画像中の造影剤の領域の画像値が、血管の領域の画像値と識別できるような波長を決定することが好ましい。
なお、光照射部110は、光音響画像中の造影剤の領域の画像値と、血管の領域の画像値とを識別できるように予め設定された波長の光を被検体100に照射してもよい。また、光照射部110は、分光画像中の造影剤の領域の画像値と、血管の領域の画像値とを識別できるように予め設定された複数波長の光を被検体100に照射してもよい。
(関心領域の設定)
次に、本実施形態のシステムで得られたボリュームデータに対し、関心領域(ROI)を設定する処理を説明する。ここでは、図5で説明した処理によって被検体のボリュームデータが生成され、記憶装置1200に保存されているものとする。なお、記憶装置1200には、ボリュームデータに紐づけられた付帯情報が記憶されていてもよい。付帯情報は、例えば、被検体を特定する情報、光音響測定の情報(造影剤の種類および濃度、測定光の波長、測定日時など)、カルテ情報などを含んでいるとよい。ボリュームデータは、光音響画像のデータでもよいし、分光画像のデータでもよい。あるいは、光音響画像の画像値をもつチャネルと分光画像の画像値(例えば、式(1)で計算された値)をもつチャネルとを含むボリュームデータでもよい。例えば、ボリュームデータがDICOMに準拠したデータである場合、DICOMタグに付帯情報が書き込まれたボリュームデータが記憶装置1200に保存されていてもよい。
次に、本実施形態のシステムで得られたボリュームデータに対し、関心領域(ROI)を設定する処理を説明する。ここでは、図5で説明した処理によって被検体のボリュームデータが生成され、記憶装置1200に保存されているものとする。なお、記憶装置1200には、ボリュームデータに紐づけられた付帯情報が記憶されていてもよい。付帯情報は、例えば、被検体を特定する情報、光音響測定の情報(造影剤の種類および濃度、測定光の波長、測定日時など)、カルテ情報などを含んでいるとよい。ボリュームデータは、光音響画像のデータでもよいし、分光画像のデータでもよい。あるいは、光音響画像の画像値をもつチャネルと分光画像の画像値(例えば、式(1)で計算された値)をもつチャネルとを含むボリュームデータでもよい。例えば、ボリュームデータがDICOMに準拠したデータである場合、DICOMタグに付帯情報が書き込まれたボリュームデータが記憶装置1200に保存されていてもよい。
図14は、ボリュームデータの表示画面(ROIの設定画面)の一例を示している。この画面例では、ボリュームデータ(仮想被検体)の3D表示と、ボリュームデータをある平面で切断した場合の断層像とが表示されている。ユーザーは、マウスなどの入力装置1500を利用して、3D表示された仮想被検体の位置・向き(姿勢)・大きさを任意に変更したり、断層像の切断面の位置・向きを任意に変更したりすることができる。さらに、ユーザーは、入力装置1500を利用して、3D表示または断層像における任意の点もしくは領域を指定し、その点もしくは領域を関心領域(ROI)としてマーキングすることができる。このとき、関心領域に関するコメント(アノテーション)を入力できるようにしてもよい。なお、断層像に対して関心領域を設定する形態に限らず、レンダリングされたボリュームデータに対して関心領域を設定してもよい。例えば、異常や病変が疑われる領域などを関心領域として設定することができる。また、LVAの手術計画を立てる場合であれば、静脈とリンパ管とが近接している位置に吻合位置候補を示す関心領域を設定してもよい。ユーザーにより設定された関心領域の情報は、ボリュームデータの付帯情報として記憶装置1200に保存される。
なお、本実施形態では、ユーザーが手動で関心領域の位置を指定したが、画像処理装置1300が画像解析により自動で関心領域を設定してもよい。例えば、画像処理装置1300がボリュームデータを画像解析することによって、異常や病変が疑われる領域を検出してもよいし、LVAの吻合位置候補(つまり、静脈とリンパ管とが近接している箇所)を検出してもよい。
(生体上の関心領域の位置特定)
ボリュームデータにおいて異常や病変が疑われる領域が発見された場合には、当該領域に対し追加の検査や治療が必要になる場合がある。また、ボリュームデータにおいて吻合位置候補などの設定を行った場合、手術の際にはその吻合位置にアクセスするための切開位置を決める必要がある。しかしながら、ボリュームデータで表される仮想被検体と生体
との対応付けは目視では困難であり、設定した関心領域が実空間に存在する生体のどこに位置するのか特定するのは容易ではない。そこで本実施形態のシステムでは、画像処理装置1300が、ボリュームデータと光学測定装置1000で得られる光学画像データに基づいて、ボリュームデータ(仮想被検体)と生体との対応関係の把握を支援する機能を提供する。
ボリュームデータにおいて異常や病変が疑われる領域が発見された場合には、当該領域に対し追加の検査や治療が必要になる場合がある。また、ボリュームデータにおいて吻合位置候補などの設定を行った場合、手術の際にはその吻合位置にアクセスするための切開位置を決める必要がある。しかしながら、ボリュームデータで表される仮想被検体と生体
との対応付けは目視では困難であり、設定した関心領域が実空間に存在する生体のどこに位置するのか特定するのは容易ではない。そこで本実施形態のシステムでは、画像処理装置1300が、ボリュームデータと光学測定装置1000で得られる光学画像データに基づいて、ボリュームデータ(仮想被検体)と生体との対応関係の把握を支援する機能を提供する。
図15は、画像処理装置1300によって実行される画像処理方法のフローチャートの一例である。
(S150:ボリュームデータ取得工程)
ボリュームデータ取得手段としての画像処理装置1300は、記憶装置1200から被検体のボリュームデータを取得する。このとき、ボリュームデータに関連付けられている関心領域の位置情報も取得される。
(S150:ボリュームデータ取得工程)
ボリュームデータ取得手段としての画像処理装置1300は、記憶装置1200から被検体のボリュームデータを取得する。このとき、ボリュームデータに関連付けられている関心領域の位置情報も取得される。
(S151:投影像生成工程)
投影像生成手段としての画像処理装置1300は、ボリュームデータに基づいて、複数の視点のそれぞれに対応する複数の投影像を生成する。投影像は、ボリュームデータをある視点から視た状態を表す2次元画像である。投影像の生成には、例えば、最大値投影法(MIP)、ボリュームレンダリング、サーフェイスレンダリングなど公知のレンダリング手法を用いることができる。
投影像生成手段としての画像処理装置1300は、ボリュームデータに基づいて、複数の視点のそれぞれに対応する複数の投影像を生成する。投影像は、ボリュームデータをある視点から視た状態を表す2次元画像である。投影像の生成には、例えば、最大値投影法(MIP)、ボリュームレンダリング、サーフェイスレンダリングなど公知のレンダリング手法を用いることができる。
投影像は、後段の処理において、光学画像データとの画像マッチングに利用するためのデータである。したがって、光学画像データの仕様や特性にあわせて、画像マッチングに最適な(あるいは必要十分な)投影像を生成することが好ましい。例えば、光学測定装置1000で得られる光学画像データの解像度(分解能)がボリュームデータに比べて低い場合は、ボリュームデータよりも解像度を落とした投影像を生成するとよい。低解像度の投影像を用いることで画像マッチングの高速化を図ることができるからである。また、光学測定装置1000によって測定可能な深さがボリュームデータで画像化されている深さに比べて浅い場合には、ボリュームデータの全てのボクセルを用いて投影像を生成するのではなく、ボリュームデータのうち体表面から所定の深さ範囲内(例えば、光学測定装置1000で測定可能な深さと同程度の範囲)に存在するボクセルのみを用いて投影像を生成するとよい。これにより、光学画像データに表れている構造に対応する投影像が得られるため、光学画像データと投影像との画像マッチングの精度を向上することができる。
複数の視点の刻みや数は任意に設定できる。本実施形態では、視点の方向(角度)を10度刻みに設定し、視点の位置(原点と視点の間の距離)を1cm刻みで10段階に設定する。演算コストや記憶容量が許せば、視点の刻みをより細かくしてもよい。
S151で生成された複数の投影像のデータは、記憶装置1200に非一時的に記憶され、後段の画像マッチングにおいて利用される。このように、画像マッチングの実行に先立ち、複数の視点のそれぞれに対応する複数の投影像を生成し記憶装置1200にあらかじめ格納しておくことで、画像マッチングのたびに投影像を生成する必要がなくなるので、処理の高速化を図ることができる。なお、記憶装置1200に格納した投影像のデータは、別の機会の処理(例えば、関心領域を変更した後に図15の処理を再実行した場合など)で利用することもできる。その場合(つまり、過去の処理で生成された複数の投影像が記憶装置1200に保存されている場合)は、S151の投影像生成工程を省略してもよい。
S151で生成された複数の投影像のデータは、記憶装置1200に非一時的に記憶され、後段の画像マッチングにおいて利用される。このように、画像マッチングの実行に先立ち、複数の視点のそれぞれに対応する複数の投影像を生成し記憶装置1200にあらかじめ格納しておくことで、画像マッチングのたびに投影像を生成する必要がなくなるので、処理の高速化を図ることができる。なお、記憶装置1200に格納した投影像のデータは、別の機会の処理(例えば、関心領域を変更した後に図15の処理を再実行した場合など)で利用することもできる。その場合(つまり、過去の処理で生成された複数の投影像が記憶装置1200に保存されている場合)は、S151の投影像生成工程を省略してもよい。
なお、光学測定装置1000の測定時の視点が既知である場合、その視線方向にボリュームデータを投影した1つの投影像を生成するだけでもよい。この場合、複数の視点の設定や複数の視点に対応する複数の投影像の生成を行わなくてもよい。また、この場合、後述する光学画像データ測定時の光学測定装置1000の視点を特定する工程であるS15
3を行う必要はない。例えば、光学測定装置1000の測定時の視点が既知である場合とは、磁気センサ等の姿勢情報取得手段で光学測定装置1000の姿勢情報が取得されている場合などである。この場合、画像処理装置1300は、光学測定装置1000の位置姿勢情報に基づいて、光学測定装置1000の視点を基準にボリュームデータを投影することにより投影像を生成すればよい。
3を行う必要はない。例えば、光学測定装置1000の測定時の視点が既知である場合とは、磁気センサ等の姿勢情報取得手段で光学測定装置1000の姿勢情報が取得されている場合などである。この場合、画像処理装置1300は、光学測定装置1000の位置姿勢情報に基づいて、光学測定装置1000の視点を基準にボリュームデータを投影することにより投影像を生成すればよい。
(S152:光学画像データ取得工程)
光学画像データ取得手段としての画像処理装置1300は、光学測定装置1000から光学画像データを取り込む。本実施形態では、図16に示すように、ハンドヘルドタイプの光学測定装置1000を用いる。光学測定装置1000は、ユーザーが光学測定装置1000を把持可能とする把持部を有する。図16に示すように、ユーザーが、把持部を把持し、光学測定装置1000の位置や姿勢を変化させ、被検体100上の所望の位置に測定視野1001を動かすことで、当該測定視野1001内の皮下に存在する血管(特に静脈)の光学画像を得ることができる。S152〜S155の処理は、光学画像データが取り込まれるたびに繰り返し実行される。例えば、光学測定装置1000が10fpsのフレームレートで測定を行う場合、S152〜S155の処理は毎秒10回実行される。
光学画像データ取得手段としての画像処理装置1300は、光学測定装置1000から光学画像データを取り込む。本実施形態では、図16に示すように、ハンドヘルドタイプの光学測定装置1000を用いる。光学測定装置1000は、ユーザーが光学測定装置1000を把持可能とする把持部を有する。図16に示すように、ユーザーが、把持部を把持し、光学測定装置1000の位置や姿勢を変化させ、被検体100上の所望の位置に測定視野1001を動かすことで、当該測定視野1001内の皮下に存在する血管(特に静脈)の光学画像を得ることができる。S152〜S155の処理は、光学画像データが取り込まれるたびに繰り返し実行される。例えば、光学測定装置1000が10fpsのフレームレートで測定を行う場合、S152〜S155の処理は毎秒10回実行される。
(S153:視点特定工程)
視点特定手段としての画像処理装置1300は、ボリュームデータとS152で取り込まれた光学画像データとの間の画像マッチングを行うことにより、ボリュームデータで表される仮想被検体と光学画像データ測定時の光学測定装置1000の視点との相対的な位置関係を特定する。本実施形態においては、画像処理装置1300が、各視点の投影像と光学画像データとの類似度を評価し、類似度が所定の条件となる視点を決定する。類似度が最大となる場合や類似度が閾値が高くなる場合など、投影像と光学画像データとの位置が略一致する場合を所定の条件として採用する。画像処理装置1300は、この決定された視点を、光学画像データ測定時の光学測定装置1000の視点とみなす。画像間の類似度の評価にはどのような手法を用いてもよい。例えば、画像間の相関値を計算してもよいし、局所ヒストグラムやSIFTなどの画像特徴量に基づいて類似度を評価してもよい。
視点特定手段としての画像処理装置1300は、ボリュームデータとS152で取り込まれた光学画像データとの間の画像マッチングを行うことにより、ボリュームデータで表される仮想被検体と光学画像データ測定時の光学測定装置1000の視点との相対的な位置関係を特定する。本実施形態においては、画像処理装置1300が、各視点の投影像と光学画像データとの類似度を評価し、類似度が所定の条件となる視点を決定する。類似度が最大となる場合や類似度が閾値が高くなる場合など、投影像と光学画像データとの位置が略一致する場合を所定の条件として採用する。画像処理装置1300は、この決定された視点を、光学画像データ測定時の光学測定装置1000の視点とみなす。画像間の類似度の評価にはどのような手法を用いてもよい。例えば、画像間の相関値を計算してもよいし、局所ヒストグラムやSIFTなどの画像特徴量に基づいて類似度を評価してもよい。
(S154:判定工程)
前述したように、光学測定装置1000の測定視野は、ボリュームデータで画像化されている範囲よりも狭い範囲である。そのため、例えば、光学測定装置1000の測定視野には、ボリュームデータに関連付けられている関心領域が含まれていない場合がある。
そこで、次に、判定手段としての画像処理装置1300は、ボリュームデータで表される仮想被検体とS153で特定された光学測定装置1000の視点との相対的な位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、画像処理装置1300は、光学測定装置1000の視点の位置と方向に基づき、仮想被検体に対する光学測定装置1000の測定視野を計算する。そして、画像処理装置1300は、仮想被検体に設定されている関心領域が光学測定装置1000の測定視野内に存在するか否かを判定する。関心領域が測定視野から外れている場合に、画像処理装置1300は、測定視野と関心領域の間の距離や、測定視野を基準とする関心領域の存在方向などを計算してもよい。すなわち、測定視野をどの方向にどの程度の距離だけ移動すれば、関心領域が測定視野に収まるか、という情報を求めてもよい。
前述したように、光学測定装置1000の測定視野は、ボリュームデータで画像化されている範囲よりも狭い範囲である。そのため、例えば、光学測定装置1000の測定視野には、ボリュームデータに関連付けられている関心領域が含まれていない場合がある。
そこで、次に、判定手段としての画像処理装置1300は、ボリュームデータで表される仮想被検体とS153で特定された光学測定装置1000の視点との相対的な位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、画像処理装置1300は、光学測定装置1000の視点の位置と方向に基づき、仮想被検体に対する光学測定装置1000の測定視野を計算する。そして、画像処理装置1300は、仮想被検体に設定されている関心領域が光学測定装置1000の測定視野内に存在するか否かを判定する。関心領域が測定視野から外れている場合に、画像処理装置1300は、測定視野と関心領域の間の距離や、測定視野を基準とする関心領域の存在方向などを計算してもよい。すなわち、測定視野をどの方向にどの程度の距離だけ移動すれば、関心領域が測定視野に収まるか、という情報を求めてもよい。
(S155:通知工程)
制御手段としての画像処理装置1300は、S154での判定結果に応じて通知装置を制御することで、ユーザーに対し通知を行う。この通知は、生体上のどの位置に関心領域が存在しているかをユーザーに案内することを目的とするものである。その目的が達成できさえすれば、どのような手段ないし方法で通知を行ってもよい。例えば、ブザー、ベル、スピーカーのように音を出力してもよいし、LED、ランプ、表示装置、投影装置のよ
うに光によって通知を行ってもよいし、振動により通知を行ってもよい。通知装置は、独立したデバイスであってもよいし、光学測定装置1000あるいは画像処理装置1300などに設けられたデバイスであってもよい。
制御手段としての画像処理装置1300は、S154での判定結果に応じて通知装置を制御することで、ユーザーに対し通知を行う。この通知は、生体上のどの位置に関心領域が存在しているかをユーザーに案内することを目的とするものである。その目的が達成できさえすれば、どのような手段ないし方法で通知を行ってもよい。例えば、ブザー、ベル、スピーカーのように音を出力してもよいし、LED、ランプ、表示装置、投影装置のよ
うに光によって通知を行ってもよいし、振動により通知を行ってもよい。通知装置は、独立したデバイスであってもよいし、光学測定装置1000あるいは画像処理装置1300などに設けられたデバイスであってもよい。
画像処理装置1300は、光学測定装置1000の測定視野内に関心領域が存在すると判定された場合に、その旨をユーザーに通知する制御(存在通知制御)を行うとよい。例えば、測定視野内に関心領域が存在する場合に、音や光を出力したり、光学測定装置1000を振動させてユーザーに知らせてもよい。また、画像処理装置1300は、測定視野と関心領域の位置関係をユーザーに通知する制御を行ってもよい。例えば、測定視野と関心領域の距離に応じて、音の周波数や繰り返しピッチを変化させたり、光の色や輝度、あるいは光の点滅ピッチを変化させたりすることで、測定視野が関心領域にどの程度近いかをユーザーに知らせてもよい。また、音声出力や画像出力により、測定視野内に関心領域を収めるには、測定視野(光学測定装置1000)をどちらの方向に移動させればよいかをガイダンスしてもよい。また、図17に示すように、ボリュームデータ上に測定視野1001と関心領域ROIを重畳した画像を表示装置に表示させることにより、測定視野1001と関心領域ROIの位置関係をユーザーに知らせてもよい。重畳画像とともに、測定視野と関心領域の間の距離、測定視野を移動させるべき方向を表示してもよい。また、光学画像データと投影像のペアを表示したり、その2画像の間の類似度を表示してもよい。これにより、S153で特定された視点の妥当性をユーザー自身が判断することができる。
また、光学測定装置1000の測定視野内に関心領域が存在すると判定された場合に、図18に示すように、光学測定装置1000に設けられた投影装置から、生体としての被検体100上に、関心領域の位置を示すポインタ1002を投影してもよい。このようなポインタ投影により、ユーザーは被検体100上のどのあたりに関心領域が存在するかを直観的かつ正確に把握することができる。例えば、吻合位置候補を被検体100上に投影し、その位置をペンでマーキングするなどすれば、手術における切開位置の特定が容易にできる。なお、関心領域の位置を示すポインタ1002と共に、光学画像データ(あるいは光学画像データから抽出した血管像やリンパ管像)を被検体上に投影してもよい。これにより、血管やリンパ管などの構造との対比で関心領域の位置を把握・確認することができるため、利便性に優れる。
以上述べた構成によれば、ユーザーが光学測定装置1000を把持して被検体(生体)を徐々にスキャンしていくと、光学測定装置1000の測定視野に関心領域が入った場合(あるいは近づいた場合)に通知が行われる。したがって、ユーザーは、ボリュームデータに対して設定した関心領域が生体上のどの位置にあるかを容易に且つ正確に特定することが可能となる。
なお、上記実施形態では、光音響装置で生成したボリュームデータを利用したが、他のモダリティ(例えばMRI、CTなど)で生成したボリュームデータを利用してもよい。また、上記実施形態では、近赤外光により測定を行う光学測定装置を用いたが、他の方式の光学測定装置を利用してもよい。また、磁気センサなどの位置検出手段を光学測定装置に搭載し、光学測定装置の位置や姿勢を検出し、その情報を位置合わせに利用してもよい。さらに、検査や手術で用いるツールに位置検出手段を設け、ツールとボリュームデータ(仮想被検体)との位置関係を通知してもよい。さらに、複数箇所で光学画像データの測定を行い、それらの測定結果を使って位置合わせを行ってもよい。
なお、ボリュームデータを生成する光音響装置と光学測定装置とを備えるシステムを構成する場合、光音響波を励起するための光と光学画像データを生成するための光とを発生する光源を共通としてもよい。すなわち、単一の光源が、光音響波を発生される光源とし
て機能してもよいし、光学画像データを生成するための光源として機能してもよい。この場合、典型的に光音響波を発生される光の強度の方が、光学画像データを生成するための光の強度よりも大きい。そのため、光音響波の励起光が光学測定装置の光検出器に入射すると、光学測定装置に損傷を与えてしまう可能性がある。そこで、光源が光音響波の励起光を発生する場合には、CPUを含む装置制御手段が、光学測定装置の光検出器に減光手段を配置するようにシステムを制御してもよい。例えば、光学測定装置は、光音響波の励起光から光学測定装置を保護するためのメカニカルシャッタを備える。装置制御手段は、光音響波の励起光が照射される間はメカニカルシャッタが閉鎖されるように、光音響波の励起光の照射タイミング(光音響波の取得タイミング)に同期して制御される。なお、メカニカルシャッタの代わりに赤外カットフィルタを用いてもよい。また、減光手段は、光音響波の励起光の入射を完全に遮断する必要はなく、光学測定装置が故障しない程度まで光学測定装置に入射する光量を抑制できるものであればいかなる構成であってもよい。メカニカルシャッタおよび赤外カットフィルタは、光学測定装置への入射光量を抑制する減光手段の一例である。
て機能してもよいし、光学画像データを生成するための光源として機能してもよい。この場合、典型的に光音響波を発生される光の強度の方が、光学画像データを生成するための光の強度よりも大きい。そのため、光音響波の励起光が光学測定装置の光検出器に入射すると、光学測定装置に損傷を与えてしまう可能性がある。そこで、光源が光音響波の励起光を発生する場合には、CPUを含む装置制御手段が、光学測定装置の光検出器に減光手段を配置するようにシステムを制御してもよい。例えば、光学測定装置は、光音響波の励起光から光学測定装置を保護するためのメカニカルシャッタを備える。装置制御手段は、光音響波の励起光が照射される間はメカニカルシャッタが閉鎖されるように、光音響波の励起光の照射タイミング(光音響波の取得タイミング)に同期して制御される。なお、メカニカルシャッタの代わりに赤外カットフィルタを用いてもよい。また、減光手段は、光音響波の励起光の入射を完全に遮断する必要はなく、光学測定装置が故障しない程度まで光学測定装置に入射する光量を抑制できるものであればいかなる構成であってもよい。メカニカルシャッタおよび赤外カットフィルタは、光学測定装置への入射光量を抑制する減光手段の一例である。
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
1000 光学測定装置
1100 光音響装置
1200 記憶装置
1300 画像処理装置
1400 表示装置
1500 入力装置
1100 光音響装置
1200 記憶装置
1300 画像処理装置
1400 表示装置
1500 入力装置
Claims (32)
- 被検体内部の構造が画像化されているボリュームデータを取得するボリュームデータ取得手段と、
前記ボリュームデータで画像化されている範囲よりも狭い測定視野をもつ光学測定装置を用いて前記被検体内部の構造を光学的に測定することによって得られた、光学画像データを取得する光学画像データ取得手段と、
前記ボリュームデータと前記光学画像データとの間の画像マッチングにより、前記ボリュームデータで表される仮想被検体と前記光学画像データの測定時の前記光学測定装置の視点との相対的な位置関係を特定する視点特定手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記仮想被検体と前記光学測定装置の視点との相対的な位置関係が所定の条件を満たしている場合に、ユーザーへの通知が行われるように通知装置を制御する制御手段
を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記ボリュームデータ取得手段は、前記ボリュームデータに関連付けられた付帯情報として、前記ボリュームデータで表される前記仮想被検体の内部に設定された関心領域の位置情報を取得し、
前記制御手段は、前記仮想被検体と前記光学測定装置の視点との相対的な位置関係に基づいて、前記関心領域が前記光学測定装置の測定視野内に存在すると判定された場合に、前記測定視野内に前記関心領域が存在することをユーザーへ通知する存在通知制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記通知装置は、音、光、振動の少なくともいずれかを出力する装置であり、
前記存在通知制御は、前記通知装置から音、光、振動の少なくともいずれかを出力する制御である
ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。 - 前記通知装置は、投影装置であり、
前記存在通知制御は、前記光学測定装置の前記測定視野に、前記関心領域の位置を示すポインタを投影する制御である
ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。 - 前記通知装置は、表示装置であり、
前記存在通知制御は、前記ボリュームデータ上に前記測定視野と前記関心領域を重畳した画像を前記表示装置に表示させる制御である
ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。 - 前記視点特定手段は、
前記ボリュームデータをある視点から視た場合の投影像と前記光学画像データとの類似度を、複数の視点について評価し、
類似度が所定の条件を満たす視点を、前記仮想被検体と前記光学測定装置の視点との相対的な位置関係が所定の条件を満たしている場合の前記光学測定装置の視点に決定することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記複数の視点のそれぞれに対応する複数の投影像をあらかじめ記憶する記憶手段を有し、
前記視点特定手段は、前記記憶手段にあらかじめ記憶されている前記複数の投影像を、前記光学画像データとの類似度の評価に利用する
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。 - 前記投影像は、前記ボリュームデータよりも解像度の低い画像である
ことを特徴とする請求項7または8に記載の画像処理装置。 - 前記投影像は、前記ボリュームデータのうち体表面から所定の深さ範囲内に存在する構造の投影像である
ことを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記ボリュームデータは、前記被検体への光照射により発生した光音響波に基づいて生成されたデータである
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記光学画像データは、前記被検体へ照射した近赤外光が前記被検体内部の構造で反射、拡散、もしくは透過した光に基づいて生成されたデータ、または、前記被検体へ照射した近赤外光による励起によって前記被検体内部で発生した蛍光に基づいて生成されたデータである
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 被検体内部の構造が画像化されているボリュームデータを処理する画像処理装置と、
前記ボリュームデータで画像化されている範囲よりも狭い測定視野で、前記被検体内部の構造を光学的に測定することによって、光学画像データを取得する光学測定装置と、
を有し、
前記画像処理装置は、前記ボリュームデータと前記光学画像データとを処理する
を有することを特徴とするシステム。 - 被検体への光照射により発生した光音響波に基づいて、前記被検体内部の構造が画像化されているボリュームデータを生成する光音響装置と、
前記ボリュームデータで画像化されている範囲よりも狭い測定視野で、前記被検体内部の構造を光学的に測定することによって、光学画像データを取得する光学測定装置と、
を有することを特徴とするシステム。 - 前記ボリュームデータと前記光学画像データとを処理する画像処理装置を有することを特徴とする請求項14に記載のシステム。
- 前記画像処理装置は、前記ボリュームデータと前記光学画像データとの間の画像マッチングにより、前記ボリュームデータで表される仮想被検体と前記光学画像データの測定時の前記光学測定装置の視点との相対的な位置関係を特定する
ことを特徴とする請求項13または15に記載のシステム。 - 前記画像処理装置は、前記仮想被検体と前記光学測定装置の視点との相対的な位置関係が所定の条件を満たしている場合に、ユーザーへの通知が行われるように通知装置を制御する
ことを特徴とする請求項16に記載のシステム。 - 前記画像処理装置は、
前記ボリュームデータに関連付けられた付帯情報として、前記ボリュームデータで表される前記仮想被検体の内部に設定された関心領域の位置情報を取得し、
前記仮想被検体と前記光学測定装置の視点との相対的な位置関係に基づいて、前記関心領域が前記光学測定装置の測定視野内に存在すると判定された場合に、前記測定視野内
に前記関心領域が存在することをユーザーへ通知する存在通知制御を行う
ことを特徴とする請求項17に記載のシステム。 - 前記光学測定装置は、ユーザーが当該光学測定装置を把持可能とする把持部を有する
ことを特徴とする請求項13から18のいずれか1項に記載のシステム。 - 画像処理方法であって、
被検体内部の構造が画像化されているボリュームデータを取得し、
前記ボリュームデータで画像化されている範囲よりも狭い測定視野をもつ光学測定装置を用いて前記被検体内部の構造を光学的に測定することによって得られた、光学画像データを取得し、
前記ボリュームデータと前記光学画像データとの間の画像マッチングにより、前記ボリュームデータで表される仮想被検体と前記光学画像データの測定時の前記光学測定装置の視点との相対的な位置関係を特定する
ことを特徴とする画像処理方法。 - 前記仮想被検体と前記光学測定装置の視点との相対的な位置関係が所定の条件を満たしている場合に、ユーザーへの通知が行われるように通知装置を制御する
ことを特徴とする請求項20に記載の画像処理方法。 - 前記ボリュームデータに関連付けられた付帯情報として、前記ボリュームデータで表される前記仮想被検体の内部に設定された関心領域の位置情報を取得し、
前記仮想被検体と前記光学測定装置の視点との相対的な位置関係に基づいて、前記関心領域が前記光学測定装置の測定視野内に存在すると判定された場合に、前記測定視野内に前記関心領域が存在することをユーザーへ通知する存在通知制御を行う
ことを特徴とする請求項21に記載の画像処理方法。 - 前記通知装置は、音、光、振動の少なくともいずれかを出力する装置であり、
前記存在通知制御は、前記通知装置から音、光、振動の少なくともいずれかを出力する制御である
ことを特徴とする請求項22に記載の画像処理方法。 - 前記通知装置は、投影装置であり、
前記存在通知制御は、前記光学測定装置の前記測定視野に、前記関心領域の位置を示すポインタを投影する制御である
ことを特徴とする請求項22に記載の画像処理方法。 - 前記通知装置は、表示装置であり、
前記存在通知制御は、前記ボリュームデータ上に前記測定視野と前記関心領域を重畳した画像を前記表示装置に表示させる制御である
ことを特徴とする請求項22に記載の画像処理方法。 - 前記仮想被検体と前記光学測定装置の視点との相対的な位置関係を特定する工程では、
前記ボリュームデータをある視点から視た場合の投影像と前記光学画像データとの類似度を、複数の視点について評価し、
類似度が所定の条件を満たす視点を、前記仮想被検体と前記光学測定装置の視点との相対的な位置関係が所定の条件を満たしている場合の前記光学測定装置の視点に決定することを特徴とする請求項20から25のいずれか1項に記載の画像処理方法。 - 記憶手段にあらかじめ記憶されている前記複数の視点のそれぞれに対応する前記複数の
投影像を、前記光学画像データとの類似度の評価に利用する
ことを特徴とする請求項26に記載の画像処理方法。 - 前記投影像は、前記ボリュームデータよりも解像度の低い画像である
ことを特徴とする請求項26または27に記載の画像処理方法。 - 前記投影像は、前記ボリュームデータのうち体表面から所定の深さ範囲内に存在する構造の投影像である
ことを特徴とする請求項26から28のいずれか1項に記載の画像処理方法。 - 前記ボリュームデータは、前記被検体への光照射により発生した光音響波に基づいて生成されたデータである
ことを特徴とする請求項20から29のいずれか1項に記載の画像処理方法。 - 前記光学画像データは、前記被検体へ照射した近赤外光が前記被検体内部の構造で反射、拡散、もしくは透過した光に基づいて生成されたデータ、または、前記被検体へ照射した近赤外光による励起によって前記被検体内部で発生した蛍光に基づいて生成されたデータである
ことを特徴とする請求項20から30のいずれか1項に記載の画像処理方法。 - 請求項20から31のいずれか1項に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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