JP2020025945A - 蒸留装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】蒸留部同士の熱干渉を抑制する。【解決手段】蒸留装置100は、留出流体排出口212a、缶出液排出口212b、留出流体排出口212aと缶出液排出口212bとの間に設けられた原料液供給口212c、原料液供給口212cと缶出液排出口212bとの間に設けられる加熱器、および、原料液供給口212cと留出流体排出口212aとの間に設けられる冷却器を有する蒸留部120が積層された本体部と、複数の蒸留部120間に設けられた空隙122aと、を備える。【選択図】図1
Description
本開示は、蒸留装置に関する。
アルコール飲料、食用油、石油化学製品等の蒸留、アンモニアの除去、二酸化炭素の回収、および、医薬品の製造等に蒸留装置が用いられている。蒸留装置は、低沸点成分と高沸点成分とを含んで構成される原料液を、留出液と缶出液とに分離する装置である。
このような蒸留装置として、蒸気相および液体相が形成される本体と、本体の外壁内に設けられた複数の熱交換チャネルとを備えた蒸留装置が開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の蒸留装置は、複数の熱交換チャネルに熱交換流体を通過させることにより、本体内の流体を加熱または冷却する。
上記したような、本体、加熱部、および、冷却部を備える蒸留部を複数積層する場合、蒸留部同士の熱干渉を抑制する技術の開発が希求されている。
本開示は、このような課題に鑑み、蒸留部同士の熱干渉を抑制することが可能な蒸留装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る蒸留装置は、留出流体排出口、缶出液排出口、留出流体排出口と缶出液排出口との間に設けられた原料液供給口、原料液供給口と缶出液排出口との間に設けられる加熱器、および、原料液供給口と留出流体排出口との間に設けられる冷却器を有する蒸留部が積層された本体部と、複数の蒸留部間に設けられた空隙と、を備える。
また、複数の蒸留部間に設けられたスペーサを備えてもよい。
本開示によれば、蒸留部同士の熱干渉を抑制することが可能となる。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
(蒸留装置100)
図1は、蒸留装置100の概略的な構成を説明する図である。本実施形態の図1をはじめとする以下の図では、垂直に交わるX軸(水平方向)、Y軸(水平方向)、Z軸(鉛直方向)を図示の通り定義している。なお、図1中、液体の流れを実線の矢印で示し、気体の流れを破線の矢印で示す。また、図1中、理解を容易にするために、原料液供給ポンプ112から蒸留部120へ向かう一部の実線の矢印を省略する。蒸留装置100は、原料液を留出流体(留出液、または、留出ガス)と缶出液とに分離する。原料液は、低沸点成分と、低沸点成分より沸点が高い高沸点成分とを含む。留出流体は、原料液より低沸点成分が高濃度である。缶出液は、原料液より高沸点成分が高濃度である。原料液は、例えば、食用油、生理活性物質等である。本実施形態では、蒸留装置100が、原料液を留出液と缶出液とに分離する構成について説明する。
図1は、蒸留装置100の概略的な構成を説明する図である。本実施形態の図1をはじめとする以下の図では、垂直に交わるX軸(水平方向)、Y軸(水平方向)、Z軸(鉛直方向)を図示の通り定義している。なお、図1中、液体の流れを実線の矢印で示し、気体の流れを破線の矢印で示す。また、図1中、理解を容易にするために、原料液供給ポンプ112から蒸留部120へ向かう一部の実線の矢印を省略する。蒸留装置100は、原料液を留出流体(留出液、または、留出ガス)と缶出液とに分離する。原料液は、低沸点成分と、低沸点成分より沸点が高い高沸点成分とを含む。留出流体は、原料液より低沸点成分が高濃度である。缶出液は、原料液より高沸点成分が高濃度である。原料液は、例えば、食用油、生理活性物質等である。本実施形態では、蒸留装置100が、原料液を留出液と缶出液とに分離する構成について説明する。
図1に示すように、蒸留装置100は、原料液貯留容器110と、原料液供給ポンプ112と、複数の蒸留部120と、複数のスペーサ122と、缶出液排出ポンプ130と、缶出液貯留容器132と、留出液送出ポンプ140と、留出液貯留容器142とを含む。
原料液貯留容器110は、原料液を貯留する容器である。原料液供給ポンプ112は、吸入側が原料液貯留容器110に接続され、吐出側が、各蒸留部120の原料液供給口212cに接続される。原料液供給ポンプ112は、原料液貯留容器110内に貯留された原料液を蒸留部120に送出する。
蒸留部120は、原料液を蒸留する。本実施形態において、複数の蒸留部120(本体部)は、鉛直方向(図1中Z軸方向)に積層されている。図2は、蒸留部120の分解斜視図である。図2に示すように、蒸留部120は、本体210と、リブ220A、220Bと、回収部300と、濃縮部400とを含む。
本体210は、角柱形状の中空部材である。本体210は、アルミニウム、または、ステンレス鋼等の金属材料で形成される。本体210は、底部212と、上部214と、側部216とを含む。
底部212は、平板形状の部材である。リブ220Aは、底部212から立設し、原料液供給口212c側から缶出液排出口212b側に延在した部材である。リブ220Bは、底部212から立設し、留出流体排出口212a側から原料液供給口212c側に延在した部材である。リブ220A、220Bは、それぞれ複数(ここでは、6)設けられる。本実施形態において、リブ220A、220Bは、基端222の幅(図2中X軸方向の幅)が、先端224の幅より大きい。また、リブ220A、220Bの先端224は、上部214と離隔している。
隣り合うリブ220Aの基端222間の距離は、例えば、1mm程度である。隣り合うリブ220Aの先端224間の距離は、例えば、2mm程度である。なお、隣り合うリブ220B間の距離は、隣り合うリブ220A間の距離と実質的に等しい。リブ220A、220Bの高さ(基端222から先端224までの高さ、図2中Z軸方向の高さ)は、例えば、3mm程度である。また、リブ220A、220Bの先端224と上部214との距離は、例えば、100μm〜10mm程度(ここでは、1mm)である。さらに、留出流体排出口212aの中心から缶出液排出口212bの中心までの長さLは、例えば、300mmである。
側部216は、筒形状(角筒形状)の部材である。側部216は、底部212上に設けられる。側部216の一端側(図2中X軸方向に延在する側面)には、留出流体排出口212aが設けられている。側部216の他端側(図2中X軸方向に延在する面)には、缶出液排出口212bが設けられている。また、側部216における留出流体排出口212aと缶出液排出口212bとの間(図2中、Y軸方向に延在する面)には、原料液供給口212cが設けられている。
上部214は、平板形状の部材である。上部214は、側部216上に設けられる。したがって、底部212、側部216、上部214によって囲繞された空間が、原料液を蒸留する蒸留空間となる。
また、本実施形態において、本体210(底部212、上部214)は、留出流体排出口212aから缶出液排出口212bに向かって鉛直下方(図2中Z軸方向)に傾斜している。なお、本体210の傾斜角は、例えば、2.5度程度である。
回収部300(リボイラ)は、本体210に設けられ、原料液供給口212cと缶出液排出口との間に配される加熱器310を有する。加熱器310は、熱交換器で構成される。加熱器310は、本体210(底部212)における原料液供給口212cと缶出液排出口212bとの間に複数(ここでは、6つ)設けられる。つまり、複数の加熱器310は、原料液供給口212c側から缶出液排出口212b側に向かって並列して設けられる。
回収部300は、本体210(底部212)における原料液供給口212cと缶出液排出口212bとの間を、低沸点成分の沸点以上に加熱する。複数の加熱器310は、原料液供給口212c側から缶出液排出口212b側に向かうに従って高温になるように本体210を加熱する。加熱器310それぞれによる加熱温度は、原料液の組成および蒸留効率に基づいて決定される。
濃縮部400(コンデンサ)は、本体210に設けられ、原料液供給口212cと留出流体排出口212aとの間に配される冷却器410を有する。冷却器410は、熱交換器で構成される。冷却器410は、本体210(上部214)における原料液供給口212cと留出流体排出口212aとの間に対応する位置に複数(ここでは、6つ)設けられる。つまり、複数の冷却器410は、原料液供給口212c側から留出流体排出口212a側に向かって並列して設けられる。
濃縮部400は、本体210(上部214)における原料液供給口212cと留出流体排出口212aとの間を、低沸点成分の沸点未満に冷却する。複数の冷却器410は、原料液供給口212c側から留出流体排出口212aに向かうに従って低温になるように本体210を冷却する。冷却器410それぞれによる冷却温度は、原料液の組成および蒸留効率に基づいて決定される。
断熱部500は、回収部300および濃縮部400に設けられる。本実施形態において、断熱部500は、加熱器310の間、および、冷却器410の間に設けられる。断熱部500は、本体210に形成された空隙(スリット)である。断熱部500は、本体210における留出流体排出口212aから缶出液排出口212bに向かう方向に並列して複数設けられる。本実施形態において、断熱部500は、底部212、上部214、および、側部216の外周面に設けられる。断熱部500の幅(図2中Y軸方向の幅)は、例えば、4mmである。
具体的に説明すると、断熱部500は、底部212におけるリブ220A、220Bが設けられる面の反対側の面、および、側面(図2中Y軸方向に延在した面)に形成される。また、断熱部500は、側部216における側面(図2中Y軸方向に延在した面)に形成される。さらに、断熱部500は、上部214における上面、および、側面(図2中Y軸方向に延在した面)に形成される。底部212に形成された断熱部500は、側部216に形成された断熱部500に連続する。側部216に形成された断熱部500は、上部214に形成された断熱部500に連続する。つまり、断熱部500は、本体210の全周に亘って設けられる。
図3Aは、図2のIIIa線断面図である。図3Bは、蓋部414を省略した図2のIIIa線断面図である。図3Cは、蓋部414の上面図である。図3Dは、収容部412の上面図である。なお、加熱器310の構成は、冷却器410の構成と実質的に等しいため、ここでは、冷却器410について詳述し、加熱器310についての説明を省略する。
図3A、図3Bに示すように、冷却器410は、隣り合う断熱部500間に設けられる。冷却器410は、収容部412と、蓋部414とを含む。収容部412は、上部214における断熱部500の間に形成された、矩形形状の穴である。つまり、収容部412は、断熱部500を形成する壁部510間に形成される。収容部412の底面には、複数の突出部412aが形成される。突出部412aは、図3A、図3B、および、図3D中X軸方向に延在する。
蓋部414は、図3A、図3Cに示すように、封止部414aと、頂部414bとを含む。封止部414aは、矩形形状の柱部材である。封止部414aは、収容部412に収容される。封止部414aは、図3A中Y軸方向の幅が、収容部412のY軸方向の幅と略等しい。
頂部414bは、矩形形状の板部材である、頂部414bは、封止部414aに連続している。頂部414bは、図3A、図3C中XY平面(水平面)の面積が封止部414aより大きい。蓋部414は、頂部414bが、断熱部500と収容部412とを区画する壁部510に当接した際に、封止部414aの下端が突出部412aに当接する寸法関係を維持している。
また、収容部412を形成する上部214の側面(図3B、図3D中Y軸方向に延在した面)には、貫通孔412b、412cが形成される。貫通孔412bは、不図示のポンプの吐出側に接続される。ポンプは、低沸点成分の沸点未満の冷媒を吐出する。これにより、冷媒が、貫通孔412bを通じて収容部412に供給される。なお、冷媒は、まず、収容部412の底面における突出部412aが形成されないバッファ領域412dに供給される。そして、バッファ領域412dに供給された冷媒は、突出部412a間に形成された流路を、図3D中X軸方向に通過し、バッファ領域412eに到達する。そして、冷媒は、バッファ領域412eから貫通孔412cを通じて外部に排出される。排出された冷媒は、冷却された後、ポンプに供給される。このように、冷媒が収容部412を通過することにより、本体210(上部214)における原料液供給口212cと留出流体排出口212aとの間が、低沸点成分の沸点未満に冷却される。
図1に戻って説明すると、スペーサ122は、例えば、角柱、または、円柱である。スペーサ122は、蒸留部120間に設けられる。スペーサ122を備える構成により、複数の蒸留部120間に空隙122aが形成される。したがって、蒸留装置100は、空隙122aによって、隣り合う蒸留部120同士の熱伝達を抑制することが可能となる。このため、蒸留装置100は、蒸留部120同士の熱干渉を抑制することができる。
スペーサ122は、蒸留部120の本体210と同じ材料(例えば、アルミニウム、または、ステンレス鋼等の金属材料)で構成される。これにより、スペーサ122と本体210とのイオン化傾向を等しくすることができ、蒸留装置100の腐食を防止することが可能となる。
また、スペーサ122を金属材料で構成することにより、スペーサ122の上方に載置される蒸留部120の重みによってスペーサ122が破損してしまう事態を回避することができる。
スペーサ122の厚み(蒸留部120間の距離)は、2mm以上10mm以下(例えば、5mm)である。スペーサ122の大きさ(縦×横)は、例えば、10mm以上90mm以下×10mm以上90mm以下である。
スペーサ122は、上方に載置される蒸留部120が撓まない最小限の数、蒸留装置100に設けられる。
缶出液排出ポンプ130は、吸入側が缶出液排出口212bに接続され、吐出側が缶出液貯留容器132に接続される。缶出液排出ポンプ130は、缶出液排出口212bを通じて、蒸留部120(本体210)から缶出液を抜き出す。缶出液貯留容器132は、缶出液排出ポンプ130によって抜き出された缶出液を貯留する。
留出液送出ポンプ140は、吸入側が留出流体排出口212aに接続され、吐出側が留出液貯留容器142に接続される。留出液送出ポンプ140は、留出流体排出口212aを通じて、蒸留部120(本体210)から留出液を抜き出す。留出液貯留容器142は、留出液送出ポンプ140によって抜き出された留出液を貯留する。
続いて、蒸留装置100による原料液の蒸留について説明する。まず、原料液供給ポンプ112は、原料液貯留容器110から、蒸留部120の本体210の原料液供給口212cに原料液を供給する。上記したように本体210は、留出流体排出口212aから缶出液排出口212bに向かって鉛直下方に傾斜している。このため、原料液は、本体210内(リブ220A間、リブ220B間)を缶出液排出口212bに向かって流れる。
本体210内における原料液供給口212cと缶出液排出口212bとの間は、回収部300によって、低沸点成分の沸点以上に加熱されている。このため、原料液は、本体210内を原料液供給口212cから缶出液排出口212bに向かって流れる過程で加熱される。これにより、本体210において、原料液から、低沸点成分を多く含む蒸気(気体)が生成される。
なお、原料液供給口212cから缶出液排出口212bに向かうに従って、低沸点成分を多く含む蒸気(以下、単に「蒸気」と称する)の生成量が増加する。このため、本体210内における原料液供給口212c側と、缶出液排出口212b側とで圧力差が生じる。つまり、缶出液排出口212b側の方が、原料液供給口212c側よりも圧力が高くなる。したがって、本体210内において生成された蒸気は、液体の流れと逆方向、すなわち、原料液供給口212c(留出流体排出口212a)に向かって流れる。
一方、本体210内における原料液供給口212cと留出流体排出口212aとの間は、濃縮部400によって、低沸点成分の沸点未満に冷却されている。このため、蒸気は、本体210内を原料液供給口212cから留出流体排出口212aに向かって流れる過程で冷却される。これにより、本体210において、蒸気に含まれる低沸点成分および高沸点成分が凝縮して液体(凝縮液)となる。そして、凝縮液は、缶出液排出口212bに向かって自重で流れる。これにより、還流が為され、低沸点成分と高沸点成分の蒸留効率を向上することが可能となる。
そして、本体210内における留出流体排出口212aの上方の領域において凝縮された液体が、留出液として留出流体排出口212aを通じて留出液貯留容器142に貯留される。
一方、本体210において蒸気が取り除かれた液体(蒸発しなかった液体)は、缶出液として缶出液排出口212bを通じて、缶出液排出ポンプ130によって本体210外に抜き出される。缶出液排出ポンプ130によって抜き出された缶出液は、缶出液貯留容器132に貯留される。
以上説明したように、本実施形態の蒸留装置100は、蒸留部120間に空隙122aが形成されるように、スペーサ122を備える。これにより、隣り合う蒸留部120同士の熱干渉を抑制することが可能となる。したがって、各蒸留部120において、回収部300による加熱、および、濃縮部400による冷却が等しければ、蒸留部120それぞれの本体210内の温度分布を実質的に等しくすることができる。このため、1の蒸留部120の本体210内の温度を測定するだけで、すべての蒸留部120の本体210内の温度を把握(推測)することが可能となる。つまり、蒸留装置100は、1の蒸留部120の本体210内の温度を測定する温度センサを備え、温度センサの測定値に基づいて、回収部300および濃縮部400を制御するだけで、すべての蒸留部120の本体210内の温度を調整することが可能となる。
また、蒸留装置100は、隣り合う加熱器310間、および、隣り合う冷却器410間に、断熱部500を備える。これにより、互いに加熱温度が異なる加熱器310同士の熱干渉、および、互いに冷却温度が異なる冷却器410同士の熱干渉を抑制することができる。したがって、本体210内の温度分布を容易に目標値(最適な蒸留効率を達成するための温度分布)とすることが可能となる。このため、蒸留装置100は、原料液の蒸留効率の低下を抑制することができる。
また、加熱器310同士、および、冷却器410同士の熱干渉が抑制されるため、加熱器310の投入熱量、および、冷却器410の投入冷熱量を最小限に抑えることが可能となる。これにより、本体210の加熱および冷却に要するコストを低減することができる。
さらに、蒸留装置100は、本体210の全周に亘って断熱部500を備える。このため、蒸留装置100は、1の加熱器310によって加熱される本体210内の空間と、隣り合う他の加熱器310によって加熱される空間との熱干渉を抑制することができる。同様に、蒸留装置100は、1の冷却器410によって冷却される本体210内の空間と、隣り合う他の冷却器410によって冷却される空間との熱干渉を抑制することができる。したがって、蒸留装置100は、原料液の蒸留効率を向上させることが可能となる。
また、本実施形態の蒸留装置100では、原料液や凝縮液がリブ220A間、または、リブ220B間を流れるように本体210が構成されている。液体が流れる流路幅が大きいと、液体の表面張力によって、流路の端部側を流れる液体の流速と、流路の中央側を流れる液体の流速との差が大きくなってしまう。そこで、リブ220A間およびリブ220B間の幅を2mm以下とすることで、流路の端部側を流れる液体の流速と、流路の中央側を流れる液体の流速との差を小さくすることができ、流路内における流速の均一化を図ることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態において、蒸留装置100がスペーサ122を備える構成を例に挙げて説明した。しかし、蒸留装置100は、積層された蒸留部120間に空隙122aが形成されていればスペーサ122を備えずともよい。例えば、スペーサ122を備えない代わりに、蒸留部120の底部212に突出部を備えてもよい。また、複数の本体210を一体成形する場合、本体210の間に空隙122aを形成してもよい。
また、断熱部500が本体210の全周に亘って設けられる場合を例に挙げて説明した。しかし、断熱部500は、回収部300および濃縮部400の少なくともいずれかに設けられればよい。したがって、少なくとも、隣り合う加熱器310の間、および、隣り合う冷却器410の間のいずれか一方または両方に設けられていればよい。また、加熱器310の間の少なくとも一部に断熱部500が設けられてもよいし、冷却器410の間の少なくとも一部に断熱部500が設けられてもよい。また、1の加熱器310に対応する箇所(例えば、上部214)と、1の加熱器310に隣接する加熱器310に対応する箇所(例えば、上部214)との間に断熱部500が設けられてもよい。同様に、1の冷却器410に対応する箇所(例えば、底部212)と、1の冷却器410に隣接する冷却器410に対応する箇所(例えば、底部212)との間に断熱部500が設けられてもよい。
また、回収部300に設けられる断熱部500の数に限定はない。例えば、加熱器310の間すべてに断熱部500を備えずともよい。同様に、濃縮部400に設けられる断熱部500の数に限定はない。例えば、冷却器410の間すべてに断熱部500を備えずともよい。少なくとも、いずれか1対の加熱器310の間、または、いずれか1対の冷却器410の間に断熱部500を備えればよい。
また、断熱部500が本体210に形成された空隙で構成される場合を例に挙げて説明した。しかし、断熱部500は、加熱器310同士、または、冷却器410同士の熱干渉を抑制できれば構成に限定はない。例えば、断熱部500は、本体210に形成された孔で構成されてもよい。なお、孔の数、形状に限定はない。また、断熱部500としての空隙の形状に限定はない。
また、断熱部500は、本体210に形成された空隙または孔に充填された(設けられた)多孔質体を含んでもよい。多孔質体は、例えば、ガラスウールやセラミックの多孔質体である。さらに、断熱部500は、本体210に形成された孔を含み、孔が真空に維持されてもよい。つまり、断熱部500は、真空断熱を維持する機構であってもよい。断熱部500が多孔質体、または、真空断熱を維持する機構を含むことにより、加熱器310または冷却器410からの輻射を抑制することが可能となる。また、断熱部500は、壁部510から延在した1または複数のフィンを備えてもよい。
また、上記実施形態において、加熱器310が熱交換器で構成される場合を例に挙げて説明した。しかし、加熱器310は、ペルチェ素子、または、電気ヒータで構成されてもよい。
また、上記実施形態において、冷却器410が熱交換器で構成される場合を例に挙げて説明した。しかし、冷却器410は、ペルチェ素子、または、ファンで構成されてもよい。
また、上記実施形態において、本体210の底部212(リブ220A、220Bが設けられる面)が留出流体排出口212aから缶出液排出口212bに向かって鉛直下方に傾斜している構成について説明した。しかし、底部212は、水平方向に延在していてもよい。
また、上記実施形態において、本体210の寸法関係や傾斜角について説明した。しかし、本体210は、原料液における低沸点成分と高沸点成分との割合、目的とする蒸留効率、原料液供給ポンプ112による原料液の供給流速(処理速度)に基づいて、適宜設定されればよい。
また、上記実施形態において、本体210がリブ220A、220Bを備える構成を例に挙げて説明した。しかし、リブ220A、220Bに代えて多孔質体を本体210上に載置してもよい。多孔質体を載置することで、リブ220A、220Bを設ける構成と同様に、流路の端部側を流れる液体の流速と、流路の中央側を流れる液体の流速との差を小さくすることができる。
また、上記実施形態において、留出流体排出口212a、缶出液排出口212b、および、原料液供給口212cが底部212に形成される構成を例に挙げて説明した。しかし、留出流体排出口212a、缶出液排出口212b、および、原料液供給口212cの群から選択される1または複数は、側部216に形成されてもよい。
本開示は、蒸留装置に利用することができる。
100 蒸留装置
120 蒸留部
122 スペーサ
122a 空隙
212a 留出流体排出口
212b 缶出液排出口
212c 原料液供給口
310 加熱器
410 冷却器
120 蒸留部
122 スペーサ
122a 空隙
212a 留出流体排出口
212b 缶出液排出口
212c 原料液供給口
310 加熱器
410 冷却器
Claims (2)
- 留出流体排出口、缶出液排出口、前記留出流体排出口と前記缶出液排出口との間に設けられた原料液供給口、前記原料液供給口と前記缶出液排出口との間に設けられる加熱器、および、前記原料液供給口と前記留出流体排出口との間に設けられる冷却器を有する蒸留部が積層された本体部と、
前記複数の蒸留部間に設けられた空隙と、
を備える蒸留装置。 - 前記複数の蒸留部間に設けられたスペーサを備える請求項1に記載の蒸留装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018153486A JP2020025945A (ja) | 2018-08-17 | 2018-08-17 | 蒸留装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018153486A JP2020025945A (ja) | 2018-08-17 | 2018-08-17 | 蒸留装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020025945A true JP2020025945A (ja) | 2020-02-20 |
Family
ID=69620835
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018153486A Pending JP2020025945A (ja) | 2018-08-17 | 2018-08-17 | 蒸留装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020025945A (ja) |
-
2018
- 2018-08-17 JP JP2018153486A patent/JP2020025945A/ja active Pending
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