JP2020021300A - 火災監視装置、火災監視システム、および火災監視装置のプログラム - Google Patents

火災監視装置、火災監視システム、および火災監視装置のプログラム Download PDF

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和彦 中村
博幸 増山
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Abstract

【課題】火災を精度良く検出することができる火災監視装置、火災監視システム及び火災監視装置のプログラムを提供する。【解決手段】火災監視装置は、処理部101において、画像データF_1〜F_mに基づいて、炎に対応する画素を抽出するHSVフィルタ部1013と、時系列の画像データに基づいて、同一の画素の輝度の差が正の第1値以上か、差が負の第2値より大きく第1値未満か、差が第2値以下かにより3値化した3値化画像データFtrをm−1個生成する3値化画像生成部1015と、フィルタ画像データFfと、m−1個の3値化画像データFtrから特定した周期コスト画像データFfrとに基づいて、炎候補を検出する検出部1031とを備える。第1値の絶対値は、第2値の絶対値と等しい。【選択図】図4

Description

本発明は、火災監視装置、火災監視システム、および火災監視装置のプログラムに関する。
従来、火災の発生を監視するために、撮像部が撮像した画像に基づいて、火災の発生を検出することが知られている。例えば、特許文献1には、火災を監視する火災監視装置が開示されている。この火災監視装置において、撮像部は、撮像した画像を示し、赤成分、緑成分、および、青成分の要素で画像データを出力する。この火災監視装置は、炎のカラー画像に含まれる輝度が所定レベルを越える範囲を、火災の発生している領域として検出する。
特開平05−018828号公報
しかしながら、上述した従来の火災監視装置は、回転灯などといった炎以外の発光物も火災の発生している領域であると判断するため、誤検出が発生することがある。
本発明は、火災を精度よく検出することを解決課題とする。
本発明の好適な態様に係る火災監視装置は、複数の画素からなり所定間隔で生成される画像を示す画像データに基づいて、炎に対応する画素を抽出するフィルタ処理を前記画像データに施してフィルタ画像データを出力するフィルタ部と、m(mは4以上の整数)個のフレームの前記画像データのうち時間的に隣り合う画像データに基づいて、同一の画素の輝度の差が正の第1値以上か、前記差が負の第2値より大きく前記第1値未満か、前記差が前記第2値以下かにより3値化した3値化画像データをm−1個生成する3値化画像生成部と、前記フィルタ画像データと、前記m−1個の3値化画像データから特定した各画素の輝度変化の周期を示す周期コスト画像データとに基づいて、炎候補を検出する検出部とを、備え、前記第1値の絶対値は、前記第2値の絶対値と等しい。
本発明によれば、火災を精度よく検出することが可能になる。
第1実施形態にかかる火災監視システム1の全体構成を示す図。 火災監視装置10の構成図。 炎の一例を示す図。 処理部101の構成図。 符号付き差分から非線形交差差分に変換する例を示す図。 HSVフィルタ部1013による処理前後の画像データが示す画像を示す図。 3値化画像生成部1015における非線形交差差分画像データFdの各画素の変換例を示す図。 周期コスト画像データFfrの生成例を示す図。 時系列2値化合成画像生成部1014における非線形交差差分画像データFdの各画素の変換例を示す図。 角度別の頻度ヒストグラムの一例を示す図。 輪郭線画像データFcが示す画像の一例を示す図。 火災監視システム1の動作を示すフローチャートを示す図。 炎検出処理を示すフローチャートを示す図。 煙検出処理を示すフローチャートを示す図。
A.実施形態
以下、第1実施形態にかかる火災監視システム1を説明する。
本実施形態に係る火災監視装置は、監視カメラが撮影した映像を画像処理にて火災の炎と煙を検出するものであって、時系列画像の処理から炎と煙の特徴を捉え、その事象が所定時間継続したとき警報を通知するものである。炎の認識処理はHSVデータ形式の2次元配列の時系列画像より、炎と想定できる高輝度で、且つ所定範囲の色彩、色相である画素の集合領域を選別し、その集合領域の各画素ごとに、輝度の時間的変化と集合領域の面積変動を求め、その変動周期の妥当性を調べて炎候補として見いだす。次に炎候補は孤立的現象であるかの判定と集合領域の重心位置座標の推移判定と円形度の判定を実施して炎と認識するものである。煙の認識は、背景画像を基準画像として記録し、現画像との背景差分から差分領域の輪郭線を見いだし、剛体オプティカルフロー推定により、剛体の移動物体の輪郭領域を排除するとともに、短時間で輪郭領域が同一座標に存在する即ち、移動しない輪郭も排除する。残された輪郭領域は非剛体オプティカルフロー推定の分布を評価して、煙拡散で生じる特有な分布にて煙を認識する。本実施形態は火災の炎と煙を同時に、早期に検出し、警報を通知するものである。
A.1.火災監視システム1の概要
図1に、第1実施形態にかかる火災監視システム1の全体構成を示す。図1に示す火災監視システム1は、4台の撮像部11を有し、各々独立に火災発生を検出する。監視の範囲は、どのような範囲でもよく、例えば、都市市街地、または、原子力発電所等の屋外の範囲でもよいし、工場内や店舗内といった屋内でもよい。
火災監視システム1は、例えば、防火対象物の建物、建屋外周、または屋外にある一般構造物で発生する火災を監視する。
図1に示すように、火災監視システム1は、火災監視装置10と、表示装置40と、警報装置50とを有する。火災監視装置10は、表示装置40と接続する。また、火災監視装置10は、図2に示す警報端子107を介して警報装置50と接続する。
火災監視装置10は、4台の撮像部からの画像を同時処理する。図1では撮像部を4台備えた場合を示している。以降当該実施形態の説明は、1台の撮像部に限り行うが、他の3台の撮像部も同様とする。また、図4に示す画像データF_1から画像データF_mの画像データ列は以降に説明の1台の撮像部が出力するものであるが、他の3台の撮像部11も独立に画像データ列を出力するものである。mは、4以上の整数であり、8以上の整数であることが好ましい。画像データF_1から画像データF_mへの後述する説明は、1回のサンプリング時間で処理するものであり、火災警報を出力するには、所定個としてS個のサンプリング時間の継続が必要である。例えばSは10とし、本値は消防法規で言う蓄積時間に該当する。
第1撮像部11−1〜第4撮像部11−4の各々は、可視光に感度領域がある監視カメラを含む。
警報装置50は、火災監視装置10が火災発生範囲を検出した場合、火災が発生したことを警報する。警報装置50は、例えば、警報ブザー付きランプである。警報装置50は、警報ブザー、ランプ、および、ONに設定された場合に、警報ブザーから警報音を鳴らすとともにランプを点灯させる接点を有する。火災監視装置10は、この接点のONまたはOFFの切り替えが可能である。警報装置50は、撮像部11の数と同一の数の接点を有する。警報装置50は、例えば、警備室に設置される。
図2に、火災監視装置10の構成図を示す。火災監視装置10は、処理部101−1、処理部101−2、…、および、処理部101−n、記憶部105、通信部106、第1撮像部11−1、第2撮像部11−2、第3撮像部11−3、第4撮像部11−4、第1AD変換部12−1、第2AD変換部12−2、第3AD変換部12−3、第4AD変換部12−4、ならびに、警報端子107を有する。
処理部101−1、処理部101−2、…、および、処理部101−n、記憶部105、通信部106、第1AD変換部12−1、第2AD変換部12−2、第3AD変換部12−3、第4AD変換部12−4、ならびに、警報端子107は、バス109を介して電気的に接続される。
処理部101−1、処理部101−2、…、および、処理部101−nの各々は、火災監視装置10を制御するプロセッサである。nは、4以上の整数である。以下、nをプロセッサ数と称する。このように、火災監視装置10は、プロセッサ数nが4以上の場合、複数のプロセッサを有する。処理部101は、周辺装置とのインタフェース、演算装置およびレジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成される。
図2に示すように、火災監視装置10は、プロセッサ数nが4以上の場合、複数のプロセッサを有するマルチプロセッサを有する。または、火災監視装置10は、複数のプロセッサコアを有するマルチコアプロセッサを有してもよい。1つのプロセッサコアが、1つの処理部101に相当する。処理部101は、各種の処理を並列的または逐次的に実行する。
記憶部105は、処理部101が読取可能な記録媒体である。例えば、記憶部105は、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の記憶回路の1種類以上で構成される。記憶部105は、OS(Operating System)といった制御プログラムPRa、本実施形態における火災監視方法を実行可能な火災監視プログラムPRb、および、周期コストテーブルINFfrを記憶する。
周期コストテーブルINFfrは、画像データの各画素毎に、時系列の輝度値の変化の周期を判定するときに使用する。炎の揺れ成分の周波数は幅広く分布するが、火災監視装置10は、その周波数帯の中で本実施形態が定める3ポイントの周期の存在で検定する。本実施形態では、炎を特定するため、炎の色相、色彩および輝度と、炎の揺れ周期、炎の面積における変化を検出に用いている。図3を用いて、炎の揺らぎについて説明する。
A.2.炎の現象の説明
図3に、炎の一例を示す。火災で物質が燃焼するときに、多量のCOが発生し、CO共鳴放射といわれる現象が発生する。このとき放出されるエネルギーが、可視光の強い発光と赤外線として放射される。
火災は周囲の空気から酸素の供給を受ける。従って、拡散燃焼状態にある炎は、周囲の空気を引き込む作用があり、これにより、炎が揺らぐ現象となる。また拡散燃焼は火元付近の大気の風力によって、層流拡散燃焼と乱流拡散燃焼の現象に分類でき、炎の揺れ状況も異なる。
本実施形態では、炎の揺らぎの成分を、第1揺らぎ成分と第2揺らぎ成分とに分類する。第1揺らぎ成分は、図3に示す領域Y1の表層の揺らぎであり、炎領域内の熱の流動が反映した輝度および色相の変動である。第2揺らぎ成分は、図3に示す領域Y2の揺らぎであり、炎面積の揺らぎである。
A.3.処理部101の説明
図4に、処理部101の構成図を示す。処理部101は、記憶部105に記憶された火災監視プログラムPRbを読み取り実行することにより、非線形交差差分画像生成部1011、設定部1012、HSVフィルタ部1013(「フィルタ部」の一例)、時系列2値化合成画像生成部1014、3値化画像生成部1015、周期コスト画像生成部1016、背景画像生成部1017、剛体オプティカルフロー実行部1021、非剛体オプティカルフロー実行部1022、輪郭線領域特定部1023、および、検出部1031として機能する。色空間については、HSV(別名HSB)フィルタを用いた、色相(Hue)、彩度(Saturation)、輝度(Brightness)または明度(Value)の3要素で説明するが、実施形態においては他のフィルタを用いた色空間もHSV色空間と変換可能であれば適用可能である。
非線形交差差分画像生成部1011、設定部1012、剛体オプティカルフロー実行部1021、非剛体オプティカルフロー実行部1022、および、輪郭線領域特定部1023は、互いに並列に実行可能である。
設定部1012、HSVフィルタ部1013、非線形交差差分画像生成部1011、剛体オプティカルフロー実行部1021、非剛体オプティカルフロー実行部1022、および、輪郭線領域特定部1023は、画像データF_1から画像データF_mを用いて処理を実施する。撮像部11の撮像間隔は、所定間隔として、33m秒で、画像分解能は、720画素×480画素である。なお、本実施形態では、撮像部11のフレームレートないし画像分解能は、これらに限定されるものではない。
第1撮像部11−1から第4撮像部11−4が出力した画像データF_1から画像データF_mごとに、処理部101−1〜処理部101−nの各々が割り当てられる。
A.3.1.炎検出
炎検出部1032は、例えば、以下に示す6つの態様のいずれかにより、炎を検出する。
A.3.1.1.炎検出の第1態様
炎検出の第1態様として、炎検出部1032は、HSVフィルタ画像データFfと、周期コスト画像生成部1016によって生成された周期コスト画像データFfrとに基づいて、炎を検出する。以下、非線形交差差分画像データFdを生成する非線形交差差分画像生成部1011の動作と、HSVフィルタ部1013の動作と、周期コスト画像データFfrの生成に用いられる3値化画像データFtrを生成する3値化画像生成部1015の動作と、周期コスト画像生成部1016の動作とについて説明する。
非線形交差差分画像生成部1011の処理は、炎の揺れ周期を検出するために考案したものである。非線形交差差分画像生成部1011は、画像データF_1から画像データF_mまでのm個の画像データ列に対して画像データF_1と画像データF_2、画像データF_2と画像データF_3、画像データF_3と画像データF_4、…、画像データF_m−1と画像データF_mの時間的に隣り合う画像データの組み合わせで差分を行う。例えば、非線形交差差分画像生成部1011は、画像データF_1と画像データF_2の差分結果で画像データF_1の輝度が大きければ+の差分とし、逆に画像データF_2の輝度が大きければ−の差分とし、同じであれば0とする。この符号付き差分結果を1枚の画像データとして表現するには、非線形交差差分画像生成部1011は、差分がない、すなわち0を0x80とし、+の差分を0x80から0xFFとし、−の差分を0x0から0x80としてm−1枚の交差差分画像データを生成する。
ここで画像データF_1と画像データF_2の差分結果が取り得る値の範囲は±255であるが、交差差分画像データでは0x80〜0xFFまたは0x0〜0x80となるため、差分の大きさを1/2とする。非線形交差差分画像生成部1011は、差分結果を交差差分に変換するとき非直線テーブルを引用して差分結果が小さいとき交差差分を大きな値とし、差分結果が大きいときは交差差分を小さくする処理を施す。また、非線形交差差分画像生成部1011は、差分結果が0に近い範囲(例えば±16)を不感帯として交差差分を0x80とする。このように差分結果を非直線の関係に変換したものを非線形交差差分と称し、m−1枚の非線形交差差分画像データFdが生成される。
具体的には、後述する図8のように、画像データF_1と画像データF_2とから、非線形交差差分画像データFd_1が生成される。同様に、画像データF_2と画像データF_3とから、非線形交差差分画像データFd_2が生成され、…、画像データF_m−1と画像データF_mとから、非線形交差差分画像データFd_m−1が生成される。
なお、本実施形態ではデジタル画像の画素値を、8ビットで量子化して表現できる0〜255の数値範囲で説明するが、本実施形態の実装にあたっては、デジタル化は8ビットに限られない。
以上の処理によって、炎の第1揺らぎ成分を抽出する過程に進むことができる。図5に、符号付き差分から非線形交差差分に変換する例を示す。非線形交差差分は、符号付き差分を、非線形の関係に変換して得られた差分である。具体的には、非線形交差差分画像生成部1011は、図5に示すグラフG1の実線L1のように、絶対値の小さい差分が大きくなるように変換し、絶対値の大きな差分を縮小させて出力することにより、非線形交差差分を得る。絶対値の小さい差分が大きくなるように変換することにより、炎の表層の揺れのような微小な差分を抽出することができる。具体的には炎の揺れ検出のとき、炎成分は高輝度な領域を形成し、その領域に揺れ成分が重畳しており、その成分は変化が小さい。微小な差分を強調することにより、炎の第1揺らぎ成分が強調されることになる。但し、ノイズを除去する観点から不感帯を設けている。
装置では、環境条件によっては炎の第1揺らぎ成分を正しく抽出できないこともある。例えば、撮像部の光電気変換部が炎の強い発光の影響を受け、量子化データが飽和点に達し、炎領域の符号付き差分が非線形交差差分の不感帯となり、正しく炎領域の変化が検出できないことがある。しかしながら、本実施形態では炎境界付近の交錯する炎と背景との変化によって、符号付き差分が、非線形不感値H1以上または非線形不感値H2以下となるため、炎を正しく検出することが可能である。
同様に、強い太陽光の直射状況下で起きる火災の炎を撮像した場合に、コントラストが失われる場合では、従来の火災監視装置では炎を見失うことがあるが、本実施形態では炎境界付近の交錯する炎と背景との変化によって、符号付き差分が、非線形不感値H1以上または非線形不感値H2以下となるため、炎を正しく検出することが可能である。
図4の説明に戻る。設定部1012は、HSVフィルタ部1013で使用される輝度の閾値を設定する。具体的には、設定部1012は、画像データF_1から画像データF_mにおける、画像データF内の輝度のうち最大の輝度値を求め、その値のL%の値を輝度の閾値として設定する。
画像データF_1から画像データF_mについて、HSVフィルタ部1013は、炎に対応する画素を抽出する。具体的には、HSVフィルタ部1013は、特定した輝度の値、彩度の値、および色相の値に適合したものを出力し、特定しない画素については、輝度、彩度、色相の値を所定値、例えば0とするHSVフィルタ処理を施して、HSVフィルタ画像データFfをm枚生成する。
炎の取り得る彩度の範囲は、昼光の下で炎が取り得る彩度の値の範囲と、無彩色を示す彩度の値とで指定される。また、炎の取り得る色相の範囲は、昼光の下で炎が取り得る色相の値の範囲と、無彩色を示す色相の値とで指定される。
無彩色を示す色相の値、および、無彩色を示す色相の値は、夜間などの暗闇で発生した火災を検出可能とする値である。
図6は、HSVフィルタ部1013による処理前後の画像データが示す画像を示す。炎の画素と、消防車の一部の画素とがHSVフィルタ部1013によって特定される。
3値化画像生成部1015は、非線形交差差分画像データFdに基づいて、3値化画像データFtrを生成する。
図7に、3値化画像生成部1015における非線形交差差分画像データFdの各画素の変換例を示す。図7に示すように、3値化画像生成部1015は、非線形交差差分画像データFdの各画素が示す非線形交差差分が、(128+3値化不感値)以上255以下の場合、画素の値を1とし、0以上(128−3値化不感値)以下の場合、画素の値を2とし、(128−3値化不感値)より大きく(128+3値化不感値)未満の場合、画素の値を0とする3値化画像Ftrを生成する。ここで0は動きのない画素、1は輝度が増加する画素、2は輝度が減少する画素を表わし、0、1、2の時系列の並びは輝度の増減を示し、炎の揺れを数値化できるものである。
非線形交差差分画像生成部1011は、画像データF_1から画像データF_mに基づいて、m−1個の非線形交差差分画像データFdを生成する。
図8に、周期コスト画像データFfrの生成例を示す。周期コスト画像生成部1016は、3値化画像データFtr_1、3値化画像データFtr_2、…、および、3値化画像データFtr_m−1に基づいて、周期コスト画像データFfrを生成する。周期コスト画像データFfrは、各画素の輝度変化の周期を示す。
具体的には、周期コスト画像生成部1016は、3値化画像データFtr_1、3値化画像データFtr_2、…、および、3値化画像データFtr_m−1の各画素について、同一座標の輝度の変化の周期、例えば1、2、2、…、2の並びが、周期コストテーブルINFfrに登録されたパターンと一致するかを、炎候補領域すべての画素について調べる。
周期コストテーブルINFfrに登録されたパターンは、炎が取り得る輝度の変化の周期を示す。炎の周波数は、0.1Hzから15Hzまでを取り得ると知られている。ただし、炎の周期は、様々で燃焼状況に応じて変化する。例えば、火災によっては、短時間で炎の周期が変動することもある。
炎の振動周期は様々な周波数が混じり合うが本実施形態では、ロックインアンプのごとく注目の3ポイントの周期だけその存在を調べる。周期コストテーブルINFfrには、15Hzと、7.5Hzと、3.75Hzとの各々における3値化画像データFtrの画素の値が登録されている。画像データFは、30フレーム/秒で入力されるため、3値化画像データFtrの画素の値が、2、1、2、1、2、1、2、と並べば、周波数が15Hzに該当する。
炎の全領域において、領域を形成する画素の揺れ周波数は様々な値となり、時間経過で大きく変動する。画素ごとの周波数成分の内、必ず3ポイントの周波数が、いずれかまたはすべての周波数成分として炎の揺れに存在する。周期コスト画像生成部1016は、HSVフィルタを施したHSVフィルタ画像データFfが示す画像のうち、時系列2値化合成画像成分でゲートした第1態様の領域に、即ち炎の候補領域と赤色系の移動物体の領域に3ポイントの周波数が存在するかを確認する。3ポイントの周波数は画素単位で存在するものであり、炎領域に点在する。また、3ポイントの周波数は、赤色系の移動物体の領域にも存在する可能性がある。しかしながら、赤色系の移動物体で生じる3ポイントの周波数成分は、炎領域で発生する3ポイントの周波数成分の存在分布パターンとは明確に異なる。具体的には存在画素の密集度、例えば、(領域内の3ポイントの周波数成分の画素数/領域内の画素数)または、分散で評価する。ここで、周期コスト画像生成部1016は、炎候補領域内の3ポイント周波数成分の画素数と炎領域全画素数と3ポイント周波数成分の画素数の比較を行い閾値以上であれば炎として次の処理を実行する。
A.3.1.2.炎検出の第2態様
説明を図4に戻す。炎検出の第2態様において、HSVフィルタ通過のデータを、画像データF_1から画像データF_mにおいて、画像データF_1と画像データF_2、画像データF_2と画像データF_3、画像データF_3と画像データF_4、…、画像データF_m−1と画像データF_mの差分結果の2値化した画像データをすべてOR合成する。当該OR合成した画像データを時系列2値化合成画像データFtwと称する。この時系列2値化合成画像データFtwは、m×33msの時間に動いた物体の変化量を表す。時系列2値化合成画像データFtwでマスク処理したHSVフィルタの出力した画像データには、炎候補と、移動する赤色系物体とが検出される。逆に、移動しない、すなわち静止状態の赤色系の物体は排除される。
時系列2値化合成画像生成部1014は、非線形交差差分画像データFdに基づいて、時系列2値化合成画像を生成する。
時系列2値化合成画像生成部1014は、画像データF_1〜画像データF_mの非線形交差差分から各々下記2値化処理を行い、m−1個の結果をOR合成したものから時系列2値化合成画像データを生成する。
図9に、時系列2値化合成画像生成部1014における非線形交差差分画像データFdの各画素の変換例を示す。図9に示すように、時系列2値化合成画像生成部1014は、非線形交差差分画像データFdの各画素が示す非線形交差差分が、(128+2値化不感値I1)以上255以下の場合、または、0以上(128−2値化不感値I1)以下の場合、画素の値を1とし、(128−2値化不感値I1)より大きく(128+2値化不感値I1)より小さい場合、画素の値を0とする時系列2値化合成画像データFtwを生成する。2値化不感値F1は、事前に定めた値である。時系列2値化合成画像データFtwは、動きのある炎、および移動物体の画素の値が1以上となる。
炎検出部1032は、以上説明した時系列2値化合成画像データFtwと、以上説明したHSVフィルタ画像データFfとに基づいて、画像データF_1から画像データF_mの炎候補として、炎と赤色系の移動物体を検出する。
A.3.1.3.炎検出の第3態様
図4の説明に戻る。炎検出の第3態様として、第2態様の結果と非剛体オプティカルフロー実行部1022の結果に基づいて、炎検出を処理する。次に非剛体オプティカルフロー処理について説明する。ここで剛体オプティカルフロー処理とは、輪郭が明瞭な検出対象の動きの推定ベクトルを画素ごとに算出し、非剛体オプティカルフローは検出対象の動きの推定ベクトルを画素ごとに算出する。検出対象とは、例えば、あらゆる物体、炎、および、煙である。また、説明を容易にするため、剛体オプティカルフローによる推定ベクトルを、剛体推定ベクトルVr(「第1推定ベクトル」の例)と称し、非剛体オプティカルフローによる推定ベクトルを、非剛体推定ベクトルVs(「第2推定ベクトル」の例)と称する。また、単に、「推定ベクトル」と記載した場合、剛体推定ベクトルVrと非剛体推定ベクトルVsとの総称とする。
非剛体オプティカルフローは、画像データF_1と数フレーム離れた、例えば画像データF_4の2枚の画像データを用いて、非剛体物体の動きに適する正則化パラメータの選定により、オプティカルフローを演算したものである。この演算で算出する非剛体推定ベクトルVsは、画像データFが示す画像に映るあらゆる物体、炎、および煙の動きを捉えることができる。
以下、動きの情報は非剛体オプティカルフローと、人物の動きや車両の動き、物体の動きの推定ベクトルを演算する剛体オプティカルフローがある。剛体オプティカルフローは33ms間隔の2画像データで、適切な正則化パラメータの選定でオプティカルフローを演算するものである。剛体オプティカルフローについて煙認識処理で用いる。
ここで、オプティカルフロー処理を説明する。正則化手法によるオプティカルフロー処理とは、ある1つのフレームの画像上の各画素の座標点(x,y)とその動きの推定ベクトル、つまりオプティカルフロー(u,v)との間には、そのフレーム画像内の空間的な明るさの勾配を(I,I)、そのフレームと次のフレーム間の明るさの勾配をIとしたときに、下記(1)式が成立することを用いた解析手法である。
+I+I=0 (1)
しかし、(1)式だけからは未知数u,vを推定することができず、他の拘束条件が必要となる。これについては、例えば、B. Horn and B. Schunck,「Determining Optical Flow」(Artificial Intelligence vol.17, 185〜203頁, 1981.)に記載された技術を利用する。この技術においては、「画像データが示す画像中の移動物体が剛体である」及び「画像データ中の近傍領域でのオプティカルフロー分布は滑らかである」という2つの仮定をそれぞれ評価関数で表し、弛緩法を用いてこれらの2つの評価関数の和を最小化させることによってオプティカルフローの推定を行う。
具体的には、αを正則化パラメータとして、繰り返し演算によって次の(2)式を最小にするu,vを求める。
Figure 2020021300
ただし、Eは、下記(3)式を満たし、Eは、下記(4)式を満たす。
Ea=Iu+Iv+I (3)
Figure 2020021300
すなわち、(2)式の右辺において、Eは移動物体の剛体性を反映した評価関数であり、画像中の移動物体が完全な剛体、つまり、変形せずそれ自体の輝度も変化しない物に近いほど(1)式が成立し易くなりEは0に近づく。また、Eはオプティカルフローの空間分布の滑さを反映した評価関数であり、オプティカルフローの空間分布が完全に滑らかな、つまり、オプティカルフローが空間的に変化しない、換言すると、画像データ内のどの画素も全て同じ方向へ同じ距離だけ移動する状態に近いほどEbはゼロに近づく。
要するに、(2)式の右辺は、画像の積分領域における移動物体の剛体性とオプティカルフローの空間分布の滑らかさとを統合的に評価した関数である。従って、(2)式の右辺の積分範囲の領域で上記2つの仮定「画像データが示す画像中の移動物体が剛体である」および「画像データ中の近傍領域でのオプティカルフロー分布は滑らかである」が良好に成立するほど、(2)式の右辺は小さい値となる。換言すれば、画像データのある点の近傍領域で上記2つの仮定が成立するなら、その近傍領域で(2)式の関数を最小にするようなu,vが、その点における妥当なオプティカルフローと推定される。
正則化パラメータαは、(2)式の右辺における「オプティカルフロー分布の滑らかさ」の相対的な重みを反映している。つまり、αを大きく設定するほど、オプティカルフロー分布の滑らかさを重視していることになる。よって、正則化パラメータαは解析する画像に応じ、その画像中に存在する各種物体の複雑さや動きの性質や動きの大きさなどに関連して適切に設定されるべきである。
本実施形態において、(2)式の評価関数をそのまま用いるのではなく、前述の(1)式の誤差を考慮するために、座標点(x,y)の近傍での(1)式の左辺の値の分散σを(2)式に導入して、下記(5)式の評価関数を最小とするu,vを、弛緩法を用いた反復演算によって求める。
Figure 2020021300
剛体オプティカルフロー処理を実施する場合には、正則化パラメータαを大きい値とし、弛緩の回数も大きくすればよい。非剛体オプティカルフロー処理を実施する場合には、正則化パラメータαを、剛体オプティカルフロー処理の場合と比較して小さくし、弛緩の回数も、剛体オプティカルフロー処理の場合と比較して小さくすればよい。さらに、非剛体オプティカルフロー処理では、比較対象となる、あるフレームの画像データF_1と、あるフレームより4つ後のフレームの画像データF_4とに、非剛体オプティカルフロー処理を施す。このように、後のフレームは、時間勾配の観点から、例えば、あるフレームから、3つから5つ後のフレームであることが好ましい。
炎検出の第3態様では、炎の現象は孤立的現象であることを評価して、炎の決定に利用する。炎が孤立的現象であることとは、炎は閉じられた発光現象であり、炎の周囲には動いている物体がないことを示す。実際の火災現場では、火元の炎が付近の壁に炎の像が写り込む場合、火災が同時多発した場合、または、火源から枝分かれした端部で複数が出火した場合などがある。しかしながら、出火直後の火災検出の目的として、1ヶ所の炎を感知したときに警報を発せれば目的を達するため、炎が孤立的な現象であるとみなすことが可能である。
炎検出の第3態様を具体的に説明する。非剛体オプティカルフロー実行部1022が、まず画面全域に対して、非剛体オプティカルフロー処理を行う。次に、炎検出部1032は、炎検出の第2態様で得た炎候補の輪郭からの距離が第1距離となる第1範囲で生じる各非剛体推定ベクトルVsの第1スカラ加算値(「第1合計値」の例)を求める。スカラ加算値は、各非剛体推定ベクトルVsの大きさの合計である。第1範囲は、例えば、炎候補に接し、幅が第1距離となる枠が囲む範囲である。
次に、炎検出部1032は、炎領域の第1範囲の外側に位置する第2範囲を設け、第2範囲で生じる各非剛体推定ベクトルVsの第2スカラ加算値(「第2合計値」の例)を求める。第2範囲は、例えば、第1範囲から、数10画素外側に位置し、幅20画素程度の枠が囲む範囲である。炎検出部1032は、第1スカラ加算値が第2スカラ加算値より大きいことを、炎候補を炎として検出する必要条件とする。
第2範囲には炎より舞い上がる黒煙が含まれる場合があるが、炎の孤立性評価では無視してもよい閾値とする。
A.3.1.4.炎検出の第4態様
図4の説明に戻る。炎検出の第4態様として、第2態様で得た炎領域を基に画像データF_1から画像データF_mに基づいて、炎候補の面積Sf1からSfmを求め、その面積の時系列変化からその妥当性を調べ、炎の決定に利用する。
炎の面積は増減を繰り返す。従って、炎候補の面積の時間変化が、単調増加または単調減少である場合、炎候補は炎でないと言える。炎検出部1032は、炎候補の面積の時間変化が所定の閾値以上であり、炎候補の面積の時間変化が、単調増加および単調減少でもない場合、炎候補を炎として検出する必要条件とする。
A.3.1.5.炎検出の第5態様
第4態様の炎面積の変化の把握において、屋内の火災として多く発生する層流拡散燃焼と、また風が強い環境での火災として発生する乱流拡散燃焼とがあり、時系列の面積変動に違いがある。時系列炎面積の変動パターンには、層流拡散燃焼と乱流拡散燃焼との2種類がある。
層流拡散燃焼か乱流拡散燃焼の識別として、炎検出部1032は、炎領域の非剛体オプティカルフローすべての非剛体推定ベクトルVsの分布を評価する。具体的には、炎領域で抽出した非剛体推定ベクトルVsを、非剛体推定ベクトルVsの角度に基づいて、例えば10度程度の角度幅で分類した角度別の頻度ヒストグラムを生成する。
図10に、角度別の頻度ヒストグラムの一例を示す。図10に示すグラフG2は、サンプリング時間における、角度幅ごとの非剛体推定ベクトルVsの頻度を示す。ただし、グラフG2は、図示し易くするため、30度の角度幅で分類した角度別の頻度ヒストグラムを示す。グラフG2内に示す非剛体推定ベクトル頻度特性Vn1は、屋内または風が弱い場所での角度幅ごとの非剛体推定ベクトルVsの頻度を示す。屋内または風が弱い場所では、層流拡散燃焼であり、角度幅ごとの非剛体推定ベクトルVsの頻度は、図10に示すように、略すべての角度に分布する可能性が高い。
グラフG2内に示す非剛体推定ベクトル頻度特性Vn2は、風が強い場所での角度幅ごとの非剛体推定ベクトルVsの頻度を示す。風が強い場所では、乱流拡散燃焼になりやすく、角度幅ごとの非剛体推定ベクトルの頻度は、図10に示すように、偏りが発生する可能性が高い。
炎検出部1032は、生成した角度別ヒストグラムを参照して、角度幅ごとの非剛体推定ベクトルVsの頻度の偏りの大きさを示す指標に基づいて、火災の状況が層流拡散燃焼か乱流拡散燃焼かを判断する。角度幅ごとの非剛体推定ベクトルVsの頻度の偏りの大きさを示す指標は、例えば、角度幅ごとの非剛体推定ベクトルVsの頻度の標準偏差または分散である。炎検出部1032は、偏りが生じていない場合、層流拡散燃焼と判断し、偏在するときは乱流拡散燃焼と判断し、この判断結果を第5態様の判定に利用する。
判断結果の利用として、具体的には、判断結果が層流拡散燃焼であれば、炎検出部1032は、炎候補の面積の時間変化が層流拡散燃焼用の所定の閾値以上であり、炎候補の面積の時間変化が、単調増加および単調減少でもない場合、炎候補を炎として検出する。また、判断結果が乱流拡散燃焼であれば、炎検出部1032は、炎候補の面積の時間変化が乱流拡散燃焼用の所定の閾値以上である場合、炎候補を炎として検出する。
A.3.1.6.炎検出の第6態様
前述の第1態様から第5態様までの処理は、任意のサンプリング時間で処理すべき内容を記したものであり、実際の炎検出には複数のサンプリング時間が必要である。炎検出部1032は、第2態様で得た炎候補が第3態様、第4態様、第5態様の必要条件を満たしたとき、該当サンプリング時間での炎候補であると見なす。炎候補の検出が複数サンプリング時間で継続中に、炎候補の重心位置座標の推移の妥当性を確認すること、炎面積の円形度を算出して閾値範囲内であることの確認することで、炎と断定して炎の警報に至る。この過程を第6態様と称する。複数サンプリング時間の、開始から警報までの時間を蓄積時間と称する。蓄積時間で処理する計測パラメータの判定回数は、画像m×蓄積サンプリング時間の回数と数多く有り、すべてのパラメータ条件に合致するとは限らない。この理由から蓄積の開始からのサンプリング時間の回数を指標とする許容値判定を実施する。許容値の範囲内であれば蓄積を継続し、範囲を越えたときは蓄積時間を解除する。
A.3.2.煙の検出
図4の説明に戻る。煙検出の動作を説明する前に、煙の現象について説明する。
A.3.2.1.煙の現象の説明
煙には、背景が煙で隠蔽する、形状が不定である、特有な輝度分布を有する、火元から舞い上がる、風に煙が流される、および、拡散して消滅するという特徴がある。この輝度分布は、状況により、黒煙から白煙まである。火元の炎の揺れ成分が煙に伝播して、煙の振動も現れる。さらに、煙は拡散して消滅に至る。
A.3.2.2.煙検出の第1態様
煙検出の第1態様として、基準の背景画像データFbと現時刻の画像データF_1との背景差分画像データを生成して、背景差分画像データから輪郭線領域を求める。次に輪郭線領域から煙を検出する動作を、図11を用いて説明する。
まず、背景画像生成部1017は、画像データFにロバスト統計に基づく背景更新法を適用して、制御された更新時刻において、基準となる背景画像データFbを生成し保管する。ロバスト統計とは、外れ値に影響されにくい統計的手法である。本実施形態では、どのようなロバスト統計を用いてもよい。一例として、背景画像データFbのある画素の値を決定する場合、画像データF_1から画像データF_mの画素の値の平均値の代わりに、中央値を用いることにより、外れ値に影響されにくい画素の値を決定できる。輪郭線領域特定部1023は、画像データF_1と背景画像データFbとの差分を示す背景差分画像データから、輪郭線領域を求める。具体的には、輪郭線領域特定部1023は、輪郭線領域を示す輪郭線画像データFcを生成する。制御された更新時刻について、背景更新のタイミングは平時であり、輪郭線領域特定部1023は、炎と煙の検出処理中には、背景画像データFbを更新しない。
背景差分画像データには、静止した人物、移動する人物、静止した車両、移動中の車両、樹木の揺れなど様々な、背景画像データFbを更新した後に生じたあらゆるものが現れる。もちろん煙が発生したならその輪郭線も現れる。煙の検出にあたり、背景画像データFb更新の後に静止した人物や物体の排除について、前サンプリング時間の背景差分データと現サンプリング時間の背景差分データとの比較で、同一画面座標に一致する背景差分要素を取り除く処置で除外できる。
煙移動の人物、移動車両、樹木の揺れなどを、剛体オプティカルフローと非剛体オプティカルフローの推定ベクトルの有無で排除ができる。煙の動きは後述する理由からその実態を残すことができる。
図11に、輪郭線画像データFcが示す画像の一例を示す。図11に示す輪郭線画像データFcが示す画像は、樹木の輪郭線c1、車両の輪郭線c2、第1人物の輪郭線c3、第2人物の輪郭線c4、および煙の輪郭線c5を示す。矩形Rctは、大きさが所定値以上の推定ベクトルが生じた画素を中心とする外接矩形である。即ち、矩形Rctは、移動で生じた推定ベクトルの画素を包含する。
具体的には、矩形Rct11〜矩形Rct15は、樹木の揺れによって推定ベクトルが生じた画素を中心とする外接矩形である。矩形Rct211〜矩形Rct225は、車両の移動によって推定ベクトルが生じた画素を中心とする外接矩形である。矩形Rct31〜矩形Rct33は、第1人物の移動によって推定ベクトルが生じた画素を中心とする外接矩形である。矩形Rct41〜矩形Rct43は、第2人物の移動によって推定ベクトルが生じた画素を中心とする外接矩形である。矩形Rct51〜矩形Rct53は、煙の移動によって推定ベクトルが生じた画素を中心とする外接矩形である。
この矩形Rctと輪郭線cとの関係から、移動物体の輪郭線を排除する。矩形Rctを生成する意味合いとして、推定ベクトルの生じる画素は、移動物体の表面組成が乱れることにより、期待する推定ベクトルの塊とならないことを配慮するためである。
煙における非剛体推定ベクトルVsは、煙輪郭の一部で生成する。煙には白煙から黒煙、透過性の煙から濃煙、緩慢な動きから舞い上がる煙など様々なものがあるが、煙の輪郭付近は必ず拡散し大気に溶け込む。移動物体の輪郭に比べ煙の輪郭付近、即ち拡散の場所は輝度勾配がなめらかであり、非剛体推定ベクトルVsが生成されにくい。よって煙の輪郭付近では非剛体推定ベクトルVsは生成しづらく、煙の内部も輝度均一性から生じにくい。この理由から、移動する人物や物体の輪郭内の画素数と非剛体推定ベクトルVsの矩形面積の比率に比べ、煙輪郭内の面積と非剛体推定ベクトルVsの矩形面積の比率とは、大きな差となり煙候補の選定となる。この比率を基に煙の候補を見出す。
より具体的には、煙検出部1033は、輪郭線画像データFcにより特定される輪郭線領域から、大きさが所定値以上の剛体推定ベクトルVrの存在する領域を排除する。次に、煙検出部1033は、剛体推定ベクトルVrの存在する領域を排除した排除後の輪郭線領域の内部において大きさが所定値以上の非剛体推定ベクトルVsが存在する画素数と、排除後の輪郭線領域の画素数とを比較することで、排除後の輪郭線領域を煙候補として検出する。例えば、煙検出部1033は、(非剛体推定ベクトルVsが存在する画素数/排除後の輪郭線領域の画素数)≦所定値という不等式を満たす場合、排除後の輪郭線領域を煙候補として検出する。
A.3.2.3.煙検出の第2態様
煙検出の第1態様で選抜した煙候補の領域に、前述した時系列2値化合成画像データFtwの関係を調べると、煙候補領域内の中央付近には、差分が発生した画素が存在しない。言い換えれば煙候補領域の内部は輝度均一性から輝度の差分は発生しにくい。煙検出部1033は、煙候補に存在する時系列2値化合成画像データFtwの空隙率を算出し閾値と比較して確認すると同時に、煙候補の輪郭付近に時系列2値化合成画像データFtwにおける値が1以上の画素の存在も確認する。空隙率は、煙候補の画素数に対する、時系列2値化合成画像データFtwにおける値が0の画素数の割合である。
この煙候補の輪郭付近の存在は、透過性煙から濃煙、白煙から黒煙まで様々あるが、前述の輪郭における拡散の効果から、輪郭に必ず一様に生成するときと、分割の形態で生成するときもある。煙検出部1033は、この時系列2値化の様子を判断して、煙候補から煙と決定する。
例えば、煙検出部1033は、輪郭線画像データFcにより特定される輪郭線領域の輪郭からの距離が第2距離となる第3範囲に、時系列2値化合成画像データFtwにおける差分があることを示す画素が存在し、輪郭の内部には時系列2値化合成画像データFtwにおける差分がないことを示す画素が所定数以上存在することを、煙候補を煙として検出する必要条件とする。
A.3.2.4.煙検出の第3態様
煙検出の第2態様で示した結果は、現サンプリング時間のものであり、警報装置50は、以降S回サンプリング時間継続して同じ結果のときに、警報を発報する。この継続時間を蓄積時間と称する。
炎検出のときと煙検出のときの蓄積時間、言い換えれば検出事象の時間的連続性の処置であるが、その事象の起きる環境、主として風の強さによって検出の連続性が担保できないことがある。即ち途中のサンプリング時間で事象が見出せないことがある。この理由から、煙検出部1033は、蓄積時間の制御も実施する。
A.3.3.火災検出後の動作
図4の説明に戻る。炎検出部1032または煙検出部1033が当該サンプリング時間で事象を検出したとき、この画像データFを記憶部105に保管する。記憶部105に登録した事象検出のサンプリング時間のログを当該サンプリング時間に、過去の状態を判断して、その継続の連続数によって警報とする。
本実施形態では、図1のごとく監視カメラ4系統対応の装置であり、前述までの火災監視の説明は、その中の1系統の動作を記述しているので、警報端子107は、4つの端子を有する。この4つの端子のそれぞれは、警報装置50の接点のそれぞれに接続する。
火災監視装置10は、警報端子107によって接点をONに設定することにより、警報装置50の警報ブザーを鳴らすとともにランプを点灯させる。さらに、火災監視装置10は、表示装置40に「火災警報」と表示させる。また、警報停止釦が押下されることにより、警報状態は解除される。
A.4.第1実施形態の動作
図12、図13、および図14に示すフローチャートに示す横方向の二重線は、処理を並列に実施することが可能であることを示す。また、フローチャートは一サンプリング時間を表す。
図12に、火災監視システム1の動作を示すフローチャートを示す。撮像部11が、画像を撮像して、画像を示す画像データを保存する(ステップS1)。次に、処理部101は、炎検出処理を実施する(ステップS2)とともに、煙検出処理を実施する(ステップS3)。
図13に、炎検出処理を示すフローチャートを示す。処理部101は、ステップS11の処理およびステップS12の処理と、ステップS13の処理からステップS16の処理とを互いに並列に実施することが可能である。設定部1012は、HSVフィルタ部1013で使用される輝度の閾値を設定する(ステップS11)。次に、HSVフィルタ部1013は、HSVフィルタ処理を施して、HSVフィルタ画像データFfを出力する(ステップS12)。
非線形交差差分画像生成部1011は、画像データF_1から画像データF_mに基づいて、非線形交差差分画像データFdを生成する(ステップS13)。処理部101は、ステップS14の処理と、ステップS15の処理およびステップS16の処理とを互いに並列に実施することが可能である。ステップS13の処理終了後、時系列2値化合成画像生成部1014は、非線形交差差分画像データFdに基づいて、時系列2値化合成画像Ftwを生成する(ステップS14)。ステップS13の処理終了後、3値化画像生成部1015は、非線形交差差分画像データFdに基づいて、3値化画像データFtrを生成する(ステップS15)。次に、周期コスト画像生成部1016は、周期コストテーブルINFfrおよび3値化画像データFtrに基づいて、周期コスト画像データFfrを生成する(ステップS16)。
ステップS12の処理、ステップS14の処理、およびステップS16の処理終了後、処理部101は、ステップS11の処理からステップS16の処理を施した画像データFの数がm(例えば、m=8)に達したか否かを判断する(ステップS21)。炎検出により慎重を期す場合には、mは8より大きい値を設定してもよく、mを大きい値に設定する程、炎の検出精度が高まるが、検出にかかる時間が長くなる。以下の説明では、m=8の場合で行う。ステップS11の処理からステップS16の処理を施した画像データFの数がm=8に達していない場合(ステップS21:No)、処理部101は、炎の検出を実施せず、炎検出処理を終了する。
一方、ステップS11の処理からステップS16の処理を施した画像データFの数がm=8に達した場合(ステップS21:Yes)、炎検出部1032は、HSVフィルタ画像データFf、時系列2値化合成画像データFtw、および、周期コスト画像データFfrに基づいて、炎候補を特定する(ステップS22)。
画像データF_1から画像データF_mより、HSVフィルタ画像データFfが8個、時系列2値化合成画像データFtwが1個、周期コスト画像データFfrが1個生成されている。炎検出部1032は、炎を特定する場合に、8個のHSVフィルタ画像データFfを用い、1個の周期コスト画像データFfrで炎を検出する。
ステップS22の処理終了後、非剛体オプティカルフロー実行部1022は、画像データF_1と画像データF_4とに、非剛体オプティカルフロー処理を実行して、非剛体推定ベクトルVsを生成する(ステップS31)とともに、炎検出部1032は、炎候補の面積の変化を計測する(ステップS32)。炎候補の面積の変化について、ステップS22の処理で説明した8個のHSVフィルタ画像データFfのうちの8個のHSVフィルタ画像データFfの各々と、この各々のHSVフィルタ画像データFfの生成元となった画像データFから生成された、時系列に沿った8個の炎候補が生成できる。炎検出部1032は、この時系列に沿った8個の炎候補の面積の変化を特定する。
処理部101は、ステップS41の処理と、ステップS42の処理およびステップS43の処理とを同時並列に実施することが可能である。炎検出部1032は、ステップS22で特定した炎候補と、ステップS31で生成した非剛体推定ベクトルVsとに基づいて、炎候補が、孤立的な現象であるかを判定する(ステップS41)。また、炎検出部1032は、ステップS22で特定した炎候補と、ステップS31で生成した非剛体推定ベクトルVsとに基づいて、角度別ヒストグラムを生成して、拡散燃焼の種類を判定する(ステップS42)。次に、炎検出部1032は、判定した拡散燃焼の種類に応じて、面積の観点における妥当性を判定する(ステップS43)。
ステップS42の処理終了後、および、ステップS43の処理終了後、炎検出部1032は、ステップS41の処理結果およびステップS43の処理結果を用いて、炎の検出処理を実施する(ステップS51)。すなわち、炎検出部1032は、炎の検出処理として、炎候補が、孤立的な現象を有し、かつ、炎候補について、面積の観点における妥当性が妥当である場合、炎候補を、炎として検出する。
ステップS51の処理終了後、処理部101は、図13に示す一連の処理を終了し、処理をステップS2に戻す。
図14に、煙検出処理を示すフローチャートを示す。
処理部101は、画像データF_1から画像データF_mを取得する(ステップS61)。処理部101は、ステップS71の処理と、ステップS72の処理と、ステップS73の処理とを同時並列に実施することが可能である。ステップS61の処理終了後、輪郭線領域特定部1023は、基準画像データとなる背景画像データFbと、画像データF_1から画像データF_mの間で背景差分を実施して、その背景差分領域の輪郭線を処理することで、輪郭線画像データFcを生成する(ステップS71)。ステップS61の処理終了後、非剛体オプティカルフロー実行部1022は、画像データF_1と画像データF_4とに、非剛体オプティカルフロー処理を実行して、非剛体推定ベクトルVsを生成する(ステップS72)。同様に、剛体オプティカルフロー実行部1021は、画像データF_1と画像データF_2とに、剛体オプティカルフロー処理を実行して、剛体推定ベクトルVrを生成する(ステップS73)。
ステップS71の処理、ステップS72の処理、および、ステップS73の処理終了後、煙検出部1033は、輪郭線領域から、大きさが所定値以上の剛体推定ベクトルVrの存在する領域を排除する(ステップS81)。処理部101は、ステップS82の処理と、ステップS83の処理とを同時並列に実施することが可能である。ステップS81の処理終了後、煙検出部1033は、排除後の輪郭線領域に対する、非剛体推定ベクトルVsによる判定をする(ステップS82)。具体的には、煙検出部1033は、(非剛体推定ベクトルVsが存在する画素数/排除後の輪郭線領域の画素数)≦所定値という不等式を満たすか否かを判定する。
ステップS81の処理終了後、煙検出部1033は、排除後の輪郭線領域に対する、時系列2値化合成画像データFtwによる判定をする(ステップS83)。具体的には、煙検出部1033は、輪郭線画像データFcにより特定される輪郭線領域の輪郭からの距離が第2距離となる第3範囲に、時系列2値化合成画像データFtwにおける差分があることを示す画素が存在し、輪郭の内部には時系列2値化合成画像データFtwにおける差分がないことを示す画素が所定数以上存在するか否かを判定する。
ステップS82の処理終了後、および、ステップS83の処理終了後、煙検出部1033は、ステップS82の処理結果およびステップS83の処理結果を用いて、煙の検出処理を実施する(ステップS84)。すなわち、煙検出部1033は、煙の検出処理として、ステップS82の処理における不等式を満たし、かつ、ステップS83の処理における、差分がないことを示す画素が所定値以上存在する場合、煙候補を、煙として検出する。ステップ84の処理終了後、処理部101は、図14に示す一連の処理を終了し、処理をステップS3に戻す。
説明を図12に戻す。ステップS2の処理およびステップS3の処理終了後、処理部101は、火災を所定回数検出したか、すなわち、炎または煙を、所定回数×サンプリング時間で検出したか否かを判断する(ステップS4)。炎および煙を所定回数検出していない場合(ステップS4:No)、処理部101は、処理をステップS1に戻す。なお、ステップS21:Noとなった場合も、炎および煙を検出していないため、処理部101は、処理をステップS1に戻す。
炎または煙を、所定回数×サンプリング時間継続して検出した場合(ステップS4:Yes)、処理部101は、警報装置50に火災警報させる(ステップS5)。また、ステップS4:Yesの場合、処理部101は、表示装置40に、撮像部11が撮像した画像を表示させる(ステップS6)。ステップS5の処理およびステップ6の処理終了後、処理部101は、図12に示す一連の処理を終了する。
A.5.第1実施形態の効果
以上示したように、火災監視装置10の一つの態様において、検出部1031は、HSVフィルタ画像Ffと、周期コスト画像生成部1016が生成した周期コスト画像データFfrとに基づいて、炎を検出する。例えば、検出部1031は、炎候補領域内の3ポイント周波数成分の画素数と炎領域全画素数と3ポイント周波数成分の画素数の比較を行い、閾値以上であると周期コスト画像生成部1016が判定した場合、炎を検出したとする。周期コスト画像データFfrは、炎の第1揺らぎ成分が反映されたデータである。従って、上述した態様によれば、炎の拡散燃焼状態が反映された周期コスト画像データFfrを用いることにより、炎を精度良く検出することができる。
また、上述した態様によれば、周期コストテーブルINFfrを用いることにより、炎が取り得ない輝度の変化となる外乱、例えば、回転灯、50Hzまたは60Hzで点灯する照明器具等を、炎と認識しなくなるため、炎を精度良く検出することが可能になる。
また、例えば、フーリエ変換により、各画素の輝度の変化の周波数を特定しようとしても、実際の屋外火災では1秒以下で火災の様相が激変することもあるため、フーリエ変換により各画素の輝度の変化の周波数を特定することは困難と思える。これに対し、上述した態様によれば、各画素の輝度の変化の周波数を容易に特定できる。
また、火災監視装置10の一つの態様によれば、炎検出部1032は、時系列2値化合成画像データFtwに基づいて、静止状態の物体を特定し、特定した物体を炎候補から除外する。時系列2値化合成画像データFtwは、画素の値が0となった範囲に静止物体が存在していることを示す。炎は揺らいでおり、静止していない。従って、時系列2値化合成画像データFtwを用いて、静止物体を炎候補から除外することにより、炎を精度良く特定することができる。
また、火災監視装置10の一つの態様によれば、非剛体推定ベクトルVsに基づいて、炎候補を炎として検出する必要条件とする。上述した態様によれば、孤立的でない現象、例えば、車両および人物等を、炎と誤認識しなくなるため、炎を精度良く検出することが可能になる。
また、火災監視装置10の一つの態様によれば、炎候補の面積の時間変化があることを、炎候補を炎として検出する必要条件とする。通常、火災における炎の面積は、刻々と変化するため、炎の面積の時間変化がある。さらに、炎が周囲の空気を内部に引き込むことにより、炎の面積は増加および減少を繰り返す。従って、上述した態様によれば、炎の面積の観点における妥当性を判断するため、火災における炎を精度良く検出することが可能である。
また、火災監視装置10の一つの態様によれば、非剛体オプティカルフロー処理を実行して、時系列2値化合成画像データFtwの示す炎候補の周囲の画素における非剛体推定ベクトルVsを抽出し、抽出した非剛体推定ベクトルVsと前記候補の面積の時間変化とに基づいて、炎候補の拡散燃焼の種類が、層流拡散燃焼か乱流拡散燃焼かを判断し、炎候補の面積に対して拡散燃焼の種類に応じた面積の妥当性を判定し、妥当であることを、炎候補を炎として検出する必要条件とする。
従って、上述した態様によれば、炎の拡散燃焼の種類に応じて、炎候補が炎であるかの面積の観点における妥当性の基準を変動できるため、炎を精度良く検出することが可能になる。例えば、乱流拡散燃焼である場合、風の影響を受けて、炎の面積が増加および減少を繰り返さない場合がある。従って、乱流拡散燃焼において、炎の面積が増加および減少を繰り返す判断をしないことにより、炎であるのに炎でないと誤認識することを抑制できるので、炎を精度良く検出することが可能になる。
また、火災監視装置10の一つの態様によれば、画像データの各画素の輝度のうち最大の輝度以下の値を、HSVフィルタ画像データFfを生成する場合に用いる輝度の閾値として設定する。
動的に設定された輝度の閾値を用いることにより、上述した態様によれば、撮像範囲が明るい場合であっても暗い場合であっても、炎を検出することができる。さらに、炎が取り得る彩度の範囲内、および炎の取り得る色相の範囲に限定する。
また、火災監視装置10の一つの態様によれば、背景画像データFbと画像データFとの差分を示す背景差分画像データから輪郭線領域を求め、輪郭線領域から大きさが所定値以上の剛体推定ベクトルVrの存在する領域を排除し、排除した輪郭線領域の内部において大きさが所定値以上の非剛体推定ベクトルVsが存在する画素の画素数と、排除した輪郭線領域の画素数とを比較することで、排除した輪郭線領域を煙候補として検出する。
煙の輝度勾配は、背景に徐々に溶け込む勾配となるが、背景画像データFbと比較することにより、輪郭を抽出することが可能である。従って、上述した態様によれば、煙の輪郭を正確に特定できるため、煙を精度良く検出することが可能である。また、背景画像データFbについて、希薄な透過性を有する煙が覆うような状況では、背景更新をしない制御を行うことにより、従来の火災監視装置では検知が困難だった希薄な透過性を有する煙をも検出することができる。また、本実施形態では透過性のある煙、濃煙、白煙、黒煙、緩慢な煙、火元より上昇する筒状の煙範囲、いわゆるプルームから広がった煙、および、強風に流される煙等のあらゆる煙を、統一した処理で正確に検出することが可能になる。
また、煙の内部には、剛体推定ベクトルVrが発生しないという性質がある。従って、輪郭線領域のうち、剛体推定ベクトルVrが発生した範囲は煙ではないと言える。そこで、上述した態様によれば、輪郭線領域から剛体推定ベクトルVrが発生した範囲を煙候補から排除することにより、煙の性質を利用して、煙を精度良く検出することが可能である。
また、上述したように、煙の内部には、輝度の均一性から、非剛体推定ベクトルVsが発生する可能性が低い。そこで、排除した輪郭線領域の内部において非剛体推定ベクトルVsが存在する画素の画素数と、排除した輪郭線領域の画素数とを比較することにより、煙の性質を利用して、煙を精度良く検出することが可能である。
また、火災監視装置10の一つの態様によれば、煙の拡散が反映する輝度勾配の特徴を用いて、煙候補の輪郭では、時系列2値化合成画像データFtwの1以上の値の画素があることを確認し、煙候補の内部では、時系列2値化合成画像データFtwにおける空隙、すなわち0の値の画素があることを確認する。このように、上述した態様によれば、煙の輝度勾配の特徴を用いることにより、煙を精度良く検出することができる。
また、火災監視システム1の一つの態様では、警報装置50は、S回のサンプリング時間で、炎または煙を検出した場合、火災警報する。これにより、1つのサンプリング時間で炎または煙を検出した場合に火災警報する場合と比較して、より正確に炎または煙を検出することが可能になる。
また、火災監視システム1の一つの態様では、記憶部105は、サンプリング時間ごとに画像データF_1から画像データF_mを記憶する。火災警報した場合、記憶部105は、火災警報した時刻から過去の第1時刻までのサンプリング時間の画像データと、火災警報した時刻から未来の第2時刻までのサンプリング時間の画像データを記憶する。第1時刻および第2時刻は、どのような時刻でもよく、記憶部105の記憶容量に応じて設定される。上述の態様によれば、火災監視装置10は、火災の出火原因究明の証拠となる画像データFを記憶することが可能になる。
また、火災監視システム1の一つの態様では、警報装置50は、火災監視装置10によって警報装置50の接点がONに設定された場合、警報ブザーから警報音を鳴らすとともに、ランプを点灯させる。以上の態様によれば、警報装置50による警報によって、警報装置50の付近にいる者、例えば、警備室内にいる人員に、火災が発生していることを警報することが可能になる。
第1実施形態では、非線形交差差分画像生成部1011が非線形交差差分画像データFdを生成し、時系列2値化合成画像生成部1014および3値化画像生成部1015は、非線形交差差分画像データFdを参照したが、これに限らない。例えば、時系列2値化合成画像生成部1014は、符号付き差分の結果に基づいて、時系列2値化合成画像データFtwを生成してもよい。同様に、3値化画像生成部1015は、符号付き差分の結果に基づいて、3値化画像データFtrを生成してもよい。
図5では、符号付き差分、非線形交差差分、2値化、および、3値化の関係を示す。図19では、2値化不感値I1および3値化不感値J1が8である場合の、符号付き差分、非線形交差差分、2値化、および、3値化の関係を示す。図19に示すように、2値化画像生成部1014は、符号付き差分の結果を示す画像データの全画素に対し、各画素が示す符号付き交差差分が、x1以上255以下の場合、または、−255以上x2以下の場合、画素の値を1とし、x2より大きくx1より小さい場合、画素の値を0として、時系列2値化合成画像データFtwを生成する。言い換えれば、時系列2値化合成画像生成部1014は、画素の輝度の差の絶対値が所定値以上か否かに応じて2値化する。x1は、0より大きい値である。x2は、x1と同一の絶対値であり、負の値である。
同様に、3値化画像生成部1015は、符号付き差分の結果を示す画像データの全画素に対し、各画素が示す符号付き交差差分が、x1以上255以下の場合、画素の値を1とし、−255以上x2以下の場合、画素の値を2とし、x2より大きくx1未満である場合、画素の値を0とする。言い換えれば、3値化画像生成部1015は、同一の画素の輝度の差が第1値以上か、前述の差が第2値より大きく第1値未満か、差が前記第2値以下かにより3値化する。
また、炎検出の第1態様において、炎の取り得る彩度の範囲は、昼光の下で炎が取り得る彩度の値の範囲と、無彩色を示す彩度の値とで構成されると記載したが、これに限らない。例えば、炎の取り得る彩度の範囲を、時間帯に応じて変更させてもよい。例えば、撮像部11が屋内を撮像する場合を想定する。この場合、炎の取り得る彩度の範囲は、屋内が点灯している時間ならば、昼光の下で炎が取り得る彩度の値の範囲で構成し、屋内が消灯している時間ならば、無彩色を示す彩度の値で構成してもよい。同様に、炎の取り得る色相の範囲は、屋内が点灯している時間ならば、昼光の下で炎が取り得る色相の値の範囲で構成し、屋内が消灯している時間ならば、無彩色を示す彩度の値で構成してもよい。
上述した態様において、火災監視装置10は、4つの撮像部11を有したが、1つの撮像部11を有してもよく、2以上の撮像部11を有してもよい。
上述した態様において、周期コストテーブルINFfrには、15Hzと、7.5Hzと、3.75Hzという、3つの周波数が登録されているが、4つ以上の周波数が登録されてもよい。
また、上述した態様において、当該コンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として捉えることもできる。記録媒体は例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD−ROM等の光学式記録媒体の他、半導体記録媒体や磁気記録媒体等の公知の任意の記録媒体を含み得る。また、上述した各態様にかかる火災監視方法としても特定される。
1…火災監視システム、10…火災監視装置、11…撮像部、40…表示装置、50…警報装置、101…処理部、105…記憶部、1011…非線形交差差分画像生成部、1012…設定部、1013…HSVフィルタ部、1014…時系列2値化合成画像生成部、1015…3値化画像生成部、1016…周期コスト画像生成部、1017…背景画像生成部、1021…剛体オプティカルフロー実行部、1022…非剛体オプティカルフロー実行部、1023…輪郭線領域特定部、1031…検出部。

Claims (12)

  1. 複数の画素からなり所定間隔で生成される画像を示す画像データに基づいて、炎に対応する画素を抽出するフィルタ処理を前記画像データに施してフィルタ画像データを出力するフィルタ部と、
    m(mは4以上の整数)個のフレームの前記画像データのうち時間的に隣り合う画像データに基づいて、同一の画素の輝度の差が正の第1値以上か、前記差が負の第2値より大きく前記第1値未満か、前記差が前記第2値以下かにより3値化した3値化画像データをm−1個生成する3値化画像生成部と、
    前記フィルタ画像データと、前記m−1個の3値化画像データから特定した各画素の輝度変化の周期を示す周期コスト画像データとに基づいて、炎候補を検出する検出部とを、備え、
    前記第1値の絶対値は、前記第2値の絶対値と等しい、
    ことを特徴とする火災監視装置。
  2. 前記m個のフレームの画像データのうち時間的に隣り合う画像データ同士の差分を各々算出して得たm−1個の差分データを加算して時系列2値化合成画像データを生成する時系列2値化合成画像生成部を、備え、
    前記検出部は、
    前記時系列2値化合成画像データに基づいて、静止状態の物体を特定し、特定した物体を前記炎候補から除外する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の火災監視装置。
  3. 前記画像データに基づいて、検出対象の動きの推定ベクトルを画素ごとに算出する非剛体オプティカルフロー処理を実行する非剛体オプティカルフロー実行部を備え、
    前記検出部は、
    前記炎候補の輪郭からの距離が第1距離となる第1範囲で生じる各推定ベクトルの大きさの合計である第1合計値と、前記第1範囲の外側に位置する第2範囲で生じる各推定ベクトルの大きさの合計である第2合計値とを比較し、
    前記第1合計値が前記第2合計値より大きいことを、前記炎候補を炎として検出する必要条件とする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の火災監視装置。
  4. 前記検出部は、
    前記炎候補の面積の時間変化があることを、前記炎候補を炎として検出する必要条件とする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の火災監視装置。
  5. 前記画像データに基づいて、検出対象の推定ベクトルを画素ごとに算出する非剛体オプティカルフロー処理を実行する非剛体オプティカルフロー実行部を備え、
    前記検出部は、
    前記推定ベクトルに基づいて角度別の頻度ヒストグラムを生成し、
    前記角度別の頻度ヒストグラムでの前記推定ベクトルの頻度の偏りの大きさを示す指標に基づいて、前記炎候補の拡散燃焼の種類が層流拡散燃焼か乱流拡散燃焼かを判断し、
    前記炎候補の面積に対して前記拡散燃焼の種類に応じた面積の妥当性を判定し、妥当であることを、前記炎候補を炎として検出する必要条件とする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の火災監視装置。
  6. 前記フィルタ処理は、
    輝度が閾値以上、前記炎に対応する画素として、前記炎の取り得る彩度の範囲内、かつ、前記炎の取り得る色相の範囲内となる画素を特定し、特定した画素については前記画像データの輝度の値、彩度の値、および色相の値を出力し、特定しない画素については、輝度の値、彩度の値、および色相の値を所定値とし、
    前記画像データの各画素の輝度のうち最大の輝度以下の値を、前記閾値として設定する設定部を、
    備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の火災監視装置。
  7. 複数の画素からなり所定間隔で生成される画像を色相、彩度および輝度の要素で示す画像データにロバスト統計に基づく背景更新法を適用して、制御された更新時刻において背景画像データを生成し、前記背景画像データと前記画像データとの差分を示す背景差分画像データから輪郭線領域を求める輪郭線領域特定部と、
    前記画像データに基づいて、輪郭が明瞭な検出対象の動きの第1推定ベクトルを画素ごとに算出する剛体オプティカルフロー処理を実行する剛体オプティカルフロー実行部と、
    前記画像データに基づいて、検出対象の動きの第2推定ベクトルを画素ごとに算出する非剛体オプティカルフロー処理を実行する非剛体オプティカルフロー実行部と、
    前記輪郭線領域から大きさが所定値以上の前記第1推定ベクトルの存在する領域を排除し、排除した前記輪郭線領域の内部において大きさが所定値以上の前記第2推定ベクトルが存在する画素数と、排除した前記輪郭線領域の画素数とを比較することで、排除した前記輪郭線領域を煙候補として検出する検出部と、
    を備えることを特徴とする火災監視装置。
  8. m(mは4以上の整数)個のフレームの画像データのうち時間的に隣り合う画像データ同士の差分を各々算出して得たm−1個の差分データを加算して時系列2値化合成画像データを生成する時系列2値化合成画像生成部を、備え、
    前記検出部は、
    前記煙候補の輪郭からの距離が第2距離となる第3範囲に、前記時系列2値化合成画像データにおける差分があることを示す画素が存在し、前記輪郭の内部には前記時系列2値化合成画像データにおける差分がないことを示す画素が所定数以上存在することを、前記煙候補を煙として検出する必要条件とする、
    ことを特徴とする請求項7に記載の火災監視装置。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一つに記載の火災監視装置と、
    警報装置と、を含む火災監視システムであって、
    前記検出部による処理は、あるサンプリング時間における処理であり、
    前記警報装置は、
    前記検出部が所定個のサンプリング時間における処理で炎または煙を連続して検出した場合、火災警報する、
    ことを特徴とする火災監視システム。
  10. 前記火災監視装置は、
    火災警報した時刻から過去の第1時刻までのサンプリング時間の画像データと、火災警報した前記時刻から未来の第2時刻までのサンプリング時間の画像データを記憶する、記憶部を、
    備えることを特徴とする請求項9に記載の火災監視システム。
  11. 前記警報装置は、
    警報ブザーと、ランプと、接点とを有し、
    前記火災監視装置は、
    前記接点のONまたはOFFの切り替えが可能であり、
    前記警報装置は、
    前記火災監視装置によって前記接点がONに設定された場合、前記警報ブザーから警報音を鳴らすとともに、前記ランプを点灯させる、
    ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の火災監視システム。
  12. プロセッサを備えた火災監視装置のプログラムであって、
    前記プロセッサを、
    複数の画素からなり所定間隔で生成される画像を示す画像データに基づいて、炎に対応する画素を抽出するフィルタ処理を前記画像データに施してフィルタ画像データを出力するフィルタ部、
    m(mは4以上の整数)個のフレームの前記画像データのうち時間的に隣り合う画像データに基づいて、同一の画素の輝度の差が正の第1値以上か、前記差が負の第2値より大きく前記第1値未満か、前記差が前記第2値以下かにより3値化した3値化画像データをm−1個生成する3値化画像生成部、および、
    前記フィルタ画像データと、前記m−1個の3値化画像データから特定した各画素の輝度変化の周期を示す周期コスト画像データとに基づいて、炎候補を検出する検出部、として機能させ、
    前記第1値の絶対値は、前記第2値の絶対値と等しい、
    ことを特徴とするプログラム。
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