以下、本発明の実施形態の例を、図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1は、本実施例の映像出力装置を含む映像伝送システムの一例を示すシステム構成図である。本実施例の映像伝送システムは、映像表示装置100、PC(Personal Computer)200、映像再生機器300、携帯情報端末400、接続ケーブル500h、接続ケーブル500u、接続ケーブル500c、で構成される。PC200や映像再生機器300は接続されなくとも良い。接続ケーブル500h、500u、500cは、接続される機器の組み合わせに応じて、適宜選択されれば良い。携帯情報端末400が本実施例の映像出力装置に相当する。
映像表示装置100は、1つ以上のHDMI端子を備えたモニタ装置であるものとする。接続ケーブル500hを介して映像再生機器300から出力されたデジタル映像/音声データを入力して表示することが可能である。あるいは、接続ケーブル500cを介して携帯情報端末400から出力されたデジタル映像/音声データを入力して表示することが可能である。前述の、接続ケーブル500hを介して入力されるデジタル映像/音声データや接続ケーブル500cを介して入力されるデジタル映像/音声データは、圧縮処理を施されたデジタルデータであっても良いし、暗号化されたデジタルデータであっても良い。圧縮処理と暗号化の双方を施されたデジタルデータであっても良いし、いずれも施されていないデジタルデータであっても良い。また、映像信号や音声信号をデジタル化したデータに限らず、その他のデジタルデータがHDMI端子から入力されても良い。
映像表示装置100は、HDMI端子から入力したデジタルデータの仕様に応じて、適宜、圧縮処理に対する伸張処理、暗号処理に対する復号(デクリプト)処理、またはその他のデジタル信号処理を行う機能を有するものとする。また、映像表示装置100は、図示を省略したアンテナを介してデジタル放送波を受信し、受信したデジタル放送波を復調して取得したビットストリーム列に復号(デコード)処理を施して再生したデジタル放送番組を表示するデジタルテレビ機能や、その他の機能を有していても良い。
PC200は、1つ以上のUSB端子を搭載し、携帯情報端末400等の情報家電機器やその他の周辺機器と接続ケーブル500u等で接続して各種データの送受信を行う汎用コンピュータ機器であるものとする。PC200は、モニタ装置等の表示デバイス(映像表示装置100であっても良い。)や、キーボード等の入力デバイス、マウス等のポインティングデバイスと、更に接続されているものとする。但し、これらの各デバイスは図示を省略している。
映像再生機器300は、例えばBDプレーヤであり、光ディスク等に記録されたビットストリーム列を読み取り、所定の処理を施した後に出力することが可能であるものとする。映像再生機器300から出力されたデジタル映像/音声データは、接続ケーブル500hを介して映像表示装置100に入力されて良い。映像再生機器300は、図示を省略したアンテナを介してデジタル放送波を受信し、受信したデジタル放送波を復調して取得したビットストリーム列をHDD(Hard Disc Drive)等の記録メディアに記録することが可能なBDレコーダやHDDレコーダ等であっても良い。この場合、HDD等の記録メディアから読み出したビットストリーム列に所定の処理を施したデジタル映像/音声データを、接続ケーブル500hを介して映像表示装置100に出力しても良い。映像再生機器300は光ディスクドライブや記録機能を有しないSTB等であっても良い。なお、映像再生機器300のデジタル映像/音声データを出力する端子はHDMIであるものとする。
携帯情報端末400は、通話機能やインターネット接続機能、デジタルカメラ機能、動画再生機能等を有するスマートホンをはじめとする情報機器であるものとする。タブレット端末やデジタルカメラ等の映像信号を出力可能なデジタル機器であっても良い。PC等の情報機器であっても良い。携帯情報端末400は、インターネット接続機能を用いて取得した各種データやデジタルカメラ機能を用いて撮影した画像データ等を、接続ケーブル500uを介して接続したPC200と送受信することが可能である。また、デジタルカメラ機能を用いて撮影した画像や動画再生機能を用いて再生した動画のデジタル映像/音声データ等を、接続ケーブル500cを介して映像表示装置100に出力することが可能である。なお、携帯情報端末400のデジタル映像/音声データを出力する端子はUSBであるものとする。
接続ケーブル500hは、HDMI端子同士を接続することが可能なHDMIケーブルである。なお、本実施例においては、接続ケーブル500hの両端ともにHDMIのタイプAコネクタであるものとする。すなわち、本実施例においては、映像表示装置100に備えられたHDMI端子および映像再生機器300に備えられたHDMI端子もタイプAコネクタである。なお、HDMI端子の形状は、接続ケーブル500h、映像表示装置100、映像再生機器300ともに、タイプAに限られない。接続ケーブル500uは、USB端子同士を接続することが可能なUSBケーブルである。なお、本実施例においては、接続ケーブル500uの両端ともにUSBのタイプCコネクタであるものとする。すなわち、本実施例においては、PC200に備えられたUSB端子および携帯情報端末400に備えられたUSB端子もタイプCコネクタである。なお、USB端子の形状は、接続ケーブル500uのPC200側とPC200においては、タイプCに限られない。接続ケーブル500cはUSB端子とHDMI端子とを接続することが可能なUSB−HDMI変換ケーブルである。本実施例においては、接続ケーブル500cの一方はHDMIのタイプAコネクタであり、他方はUSBのタイプCコネクタである。
なお、接続ケーブル500hを介して映像再生機器300と映像表示装置100が接続された場合、あるいは、接続ケーブル500cを介して携帯情報端末400と映像表示装置100が接続された場合、映像再生機器300や携帯情報端末400をソース機器と称し、映像表示装置をシンク機器と称する場合がある。また、接続ケーブル500uを介して携帯情報端末400とPC200が接続された場合、一方をホスト機器と称し、他方をデバイス機器と称する場合がある。
図2は、HDMIのタイプAコネクタにおけるピン配列を示す図である。なお、図中の各信号ラインの詳細な説明等は省略する。また、図3は、接続ケーブル500hを介して映像再生機器300(ソース機器)と映像表示装置100(シンク機器)を接続する際の機器間接続を示す図である。
図3において、『TMDS(Transition Minimized Differential Signaling) D2』、『TMDS D1』、『TMDS D0』、『TMDS CLK』の各信号ラインは、高ビットレートでのデータ伝送が可能な4組の高速伝送レーンである。高速伝送レーン『TMDS D2』は、『TMDS D2+(Pin:1)』と『TMDS D2−(Pin:3)』のペアを『TMDS D2 Shield(Pin:2)』でシールドして構成される。その他の高速伝送レーンも同様の構成であって良い。この4組の高速伝送レーンは、3組のデータ伝送レーンと1組の基準クロック伝送レーンであっても良いし、少なくとも1組がクロック重畳処理を施された4組のデータ伝送レーンであっても良い。また、『DDC(Display Data Channel)』、『HPD(Hot Plug Detect)』、『CEC(Consumer Electronics Control)』、『Utility』の各信号ラインは、機器間における各種制御信号の送受信等に用いられる。
映像再生機器300において、HDMI制御部301とTMDSエンコーダ310と送信処理部320により、HDMI送信部が構成される。HDMI送信部は、1つの半導体素子であって、HDMI制御部301とTMDSエンコーダ310と送信処理部320を含むものであっても良い。送信処理部320の一部が半導体素子に含まれ、他部が半導体素子の外部に配置されても良い。HDMI制御部301の機能の一部または全部を、映像再生機器300の主制御部(但し、図示省略)が処理するようにしても良い。
同様に、映像表示装置100においては、HDMI制御部101とEDID(Extended Display Identification Data)記憶部102とTMDSデコーダ110と受信処理部120により、HDMI受信部が構成される。HDMI受信部は、1つの半導体素子であって、HDMI制御部101とEDID記憶部102とTMDSデコーダ110と受信処理部120を含むものであっても良い。受信処理部120の一部が半導体素子に含まれ、他部が半導体素子の外部に配置されても良い。HDMI制御部101の機能の一部または全部を、映像表示装置100の主制御部(但し、図示省略)が処理するようにしても良い。EDID記憶部102は半導体素子とは別体のROM(Read Only Memory)であっても良い。
図4は、HDMI送信部およびHDMI受信部の詳細な構成を示す図であり、特に、送信処理部320と受信処理部120に関して詳細に記載したものである。但し、図3における高速伝送レーン『TMDS D2』に係る部分のみを記載し、他の高速伝送レーンおよび制御信号ラインに関しては記載を省略する。
図4において、ドライバ回路321は、TMDSエンコーダ310からの出力信号に基づきトランジスタ322および323を制御する。トランジスタ322および323は、一方がONの場合に他方がOFFになるように制御される。トランジスタ322および323の状態が『ON−OFF』の場合は、信号線500h1に定電流回路324に基づく電流が流れて終端抵抗122の両端に電位差が発生し、信号線500h2には電流が流れないので終端抵抗123の両端の電位差は『0』となる。一方、トランジスタ322および323の状態が『OFF−ON』の場合は、終端抵抗122の両端の電位差は『0』となり、終端抵抗123の両端に電位差が発生する。レシーバ回路121がこれらの動作に基づく終端抵抗122および123の電位差を検出することにより、映像再生機器300と映像表示装置100の間で差動伝送が行われる。
なお、信号線500h1が『TMDS D2+(Pin:1)』に対応し、信号線500h2が『TMDS D2−(Pin:3)』に対応し、信号線500h3が『TMDS D2 Shield(Pin:2)』に対応する。
図5は、USBのタイプCコネクタにおけるピン配列を示す図である。特に、図5(A)はレセプタクル側(機器側)のピン配列であり、図5(B)はプラグ側(ケーブル側)のピン配列である。なお、図中の各信号ラインの詳細な説明等は省略する。また、図6は、接続ケーブル500uを介して携帯情報端末400(デバイス機器)とPC200(ホスト機器)を接続する際の機器間接続を示す図である。
図6において、『SSTX1』、『SSRX1』、『SSTX2』、『SSRX2』の各信号ラインは、高ビットレートでのデータ伝送が可能な4組の高速伝送レーンである。高速伝送レーン『SSTX1』は、『TX1+(Pin:A2)』と『TX1−(Pin:A3)』のペアで構成される。その他の高速伝送レーンも同様の構成であって良い。高速伝送レーン『SSTX1』および『SSTX2』は、携帯情報端末400からPC200に向けてデータの高速伝送を行うレーンであり、高速伝送レーン『SSRX1』および『SSRX2』は、PC200から携帯情報端末400に向けてデータの高速伝送を行うレーンである。すなわち、携帯情報端末400から見ると、『SSTX1』および『SSTX2』は高速伝送送信レーンであり、『SSRX1』および『SSRX2』は高速伝送受信レーンである。また、『USB2.0』、『SBU(Side Band Use)1/2』、『CC/VCONN』等の各信号ラインは、機器間における各種制御信号の送受信等に用いられる。
携帯情報端末400において、USB制御部410と送受信処理部420により、USB処理部(デバイス側)が構成される。USB処理部(デバイス側)は、1つの半導体素子であって、USB制御部410と送受信処理部420を含むものであっても良い。送受信処理部420の一部が半導体素子に含まれ、他部が半導体素子の外部に配置されても良い。USB制御部410の機能の一部または全部を、携帯情報端末400の主制御部(但し、図示省略)が処理するようにしても良い。
同様に、PC200においては、USB制御部210と送受信処理部220により、USB処理部(ホスト側)が構成される。USB処理部(ホスト側)は、1つの半導体素子であって、USB制御部210と送受信処理部220を含むものであっても良い。送受信処理部220の一部が半導体素子に含まれ、他部が半導体素子の外部に配置されても良い。USB制御部210の機能の一部または全部を、PC200の主制御部(但し、図示省略)が処理するようにしても良い。
USB処理部(デバイス側)とUSB処理部(ホスト側)は同一の構成であっても良い。また、携帯情報端末400をUSBのホスト機器として扱い、PC200をUSBのデバイス機器として扱っても良い。
図7は、USB処理部(デバイス側)およびUSB処理部(ホスト側)の詳細な構成を示す図であり、特に、送受信処理部420と送受信処理220に関して詳細に記載したものである。但し、図6における高速伝送レーン『SSTX1』および『SSRX1』に係る部分のみを記載し、他の高速伝送レーンおよび制御信号ラインに関しては記載を省略する。
図7において、ドライバ回路421は、USB制御部410からの出力信号を差動信号に変換し、信号線500u1および信号線500u2を介して、レシーバ回路224に伝送する。レシーバ回路224は、ドライバ回路421の駆動により生じた信号線500u1と信号線500u2の間の電位差を検出する。一方、レシーバ回路424は、USB制御部210からの出力信号を変換した差動信号を、信号線500u3および信号線500u4を介して受信する。図7に示したように、高速伝送レーン『SSTX1』および『SSRX1』は、それぞれ、コンデンサ422および423、コンデンサ222および223によるAC結合で構成される。
なお、信号線500u1が『TX1+(Pin:A2)』に対応し、信号線500u2が『TX1−(Pin:A3)』に対応し、信号線500u3が『RX1+(Pin:B11)』に対応し、信号線500u4が『RX1−(Pin:B10)』に対応する。
図8は、接続ケーブル500cの内部接続を示す図である。前述のように、接続ケーブル500cはUSB端子を有する機器とHDMI端子を有する機器とを接続することが可能なUSB−HDMI変換ケーブルであり、一方が図5(B)に示したようなピン配列のUSBのタイプCコネクタで構成され、他方が図2に示したようなピン配列のHDMIのタイプAコネクタで構成される。
接続ケーブル500cのHDMI端子側の信号ライン『TMDS D2+(Pin:1)』と『TMDS D2−(Pin:3)』と『TMDS D2 Shield(Pin:2)』は、それぞれ、USB端子側の信号ライン『RX1+(Pin:B11)』と『RX1−(Pin:B10)』と『GND(Pin:B12)』と接続され、1組の高速伝送レーンとして使用される。同様の接続により、接続ケーブル500cでは、合計4組の高速伝送レーンが使用される。その他、各制御信号ラインもそれぞれ適宜接続されて良いが、本実施例においては、例示および詳細の説明を省略する。
図9は、接続ケーブル500cを介して携帯情報端末400(ソース機器)と映像表示装置100(シンク機器)を接続する際の機器間接続を示す図である。図9においては、携帯情報端末400は、USBのデバイス機器ではなく、HDMIのソース機器として動作する。すなわち、図9におけるUSB制御部410は、図3に示したHDMI制御部301およびTMDSエンコーダ310と同等の機能も有するものとする。また、高速伝送送信レーン『SSTX1』および『SSTX2』は高速伝送レーン『TMDS D1』および『TMDS CLK』として動作し、高速伝送受信レーン『SSRX1』および『SSRX2』は高速伝送レーン『TMDS D2』および『TMDS D0』として動作する。これらいずれの高速伝送レーンも、携帯情報端末400側から映像表示装置100側へデータの伝送を行う。すなわち、高速伝送受信レーン『SSRX1』および『SSRX2』は、HDMIのソース機器として動作する際には、データの伝送方向が反転する。
なお、接続ケーブル500cにおける高速伝送レーンの各信号ラインの接続や、携帯情報端末400がHDMIのソース機器として動作する際にHDMIの各高速伝送レーンをUSBの高速伝送レーンのいずれに割り当てるかの組み合わせは、前述の例に限られるものではなく、異なる組み合わせであっても良い。但し、USB規格では出力端子(TX側)にコンデンサが挿入されるので、DCバランスが比較的良好となるHDMIの高速伝送レーン『TMDS D1』および『TMDS CLK』を、前述のように、USBの高速伝送送信レーン『SSTX1』および『SSTX2』に割り当て、DCバランスが比較的に劣る『TMDS D2』および『TMDS D0』をコンデンサの挿入が必要ないUSBの高速伝送受信レーン『SSRX1』および『SSRX2』に割り当てると好適である。
携帯情報端末400において、USB制御部410と送受信処理部430により、USB/HDMI処理部が構成される。USB/HDMI処理部は、1つの半導体素子であって、USB制御部410と送受信処理部430を含むものであって良い。送受信処理部430の一部が半導体素子に含まれ、他部が半導体素子の外部に配置されても良い。USB制御部410の機能の一部または全部を、携帯情報端末400の主制御部(但し、図示省略)が処理するようにしても良い。映像表示装置100側の構成は図3と同様であり、説明を省略する。
なお、携帯情報端末400がHDMIのソース機器として動作する場合、すなわち、USB/HDMI処理部がHDMI送信部として動作する場合を『HDMI動作モード』と称する。携帯情報端末400がUSBのデバイス機器として動作する場合、すなわち、USB/HDMI処理部がUSB処理部(デバイス側)として動作する場合を『USB動作モード』と称する。
図10(A)は、USB/HDMI処理部および映像表示装置100のHDMI受信部の詳細な構成を示す図であり、特に、送受信処理部430と受信処理部120に関して詳細に記載したものである。但し、図9における高速伝送レーン『TMDS D1(SSTX1)』に係る部分のみを記載し、他の高速伝送レーンおよび制御信号ラインに関しては記載を省略する。
図10(A)に示したUSB/HDMI処理部の構成では、図7に示したUSB処理部(デバイス側)の構成と比較して、ドライバ回路431とコンデンサ434および435の間に抵抗432および433が挿入され、更に、コンデンサ434および435の出力端子側とGNDの間にスイッチ436および437と定電流回路438および439が直列に挿入される。抵抗432および433は、終端抵抗121および122とのインピーダンスマッチングを考慮した値とする。本実施例においては、終端抵抗121および122と抵抗432および433は、いずれも50Ωであるものとする。
スイッチ436および437は、携帯情報端末400に接続ケーブル500cを介して映像表示装置100(すなわち、HDMIのシンク機器)が接続されたことを検出した場合に『ON』となるように制御されて良い。あるいは、携帯情報端末400に接続ケーブル500c(すなわち、USB−HDMI変換ケーブル)が接続されたことを検出した場合に『ON』となるように制御されて良い。あるいは、携帯情報端末400のユーザがメニュー操作等により『HDMI動作モード』を選択した場合に『ON』となるように制御されて良い。
この場合、電源(映像表示装置100のAVcc)とGNDの間が終端抵抗121とスイッチ436と定電流回路438とで接続され、定電流回路438の制御に基づき、信号線500c1のDCレベルが補償される。同様に、電源とGNDの間が終端抵抗122とスイッチ437と定電流回路439とで接続され、定電流回路439の制御に基づき、信号線500c2のDCレベルが補償される。本実施例では、終端抵抗121および122は50Ωであり、定電流回路438および439は5mAであるものとする。すなわち、この状態においては、信号線500c1および500c2のDCレベルは3.05V(=3.3V−5mA×50Ω)に補償される。この状態でドライバ回路431から出力された差動信号は、信号線500c1および信号線500c2を介して、HDMI(TMDS)の入力仕様を満足する電圧でレシーバ回路123に入力される。
なお、HDMI機器同士の接続では、図4に示したように、10mAの定電流回路324を差動の2端子でスイッチングするため、各端子に流れる平均電流は概略その半分の5mAとなる。このため、図10に示した定電流回路438および439の定電流値を5mAとしている。
また、図10においては、定電流回路438および439の一端が携帯情報端末400(ソース機器)側で接地されているが、図4の構成と同様に、携帯情報端末400側での接地を行わず、信号線500c3を介した映像表示装置100(シンク機器)側での接地のみとしても良い。また、図10(A)の構成の場合、信号線500c3には一定のリターン電流が流れるため、信号線500c3の有する直列抵抗成分により、携帯情報端末400側のGNDと映像表示装置100側のGNDの間にDC電位差が発生することになる。したがって、携帯情報端末400側で定電流回路438および439と信号線500c3の間にコンデンサ(但し、図示省略)を挿入し、DC電位差をカットするとともに高周波成分は信号線500u3を介して映像表示装置100側に戻す構成としても良い。
なお、信号線500c1が『TMDS D1+(Pin:4)/TX1+(Pin:A2)』に対応し、信号線500c2が『TMDS D1−(Pin:6)/TX1−(Pin:A3)』に対応し、信号線500c3が『TMDS D1 Shield(Pin:5)/GND(Pin:A1)』に対応する。
図10(B)は、USB/HDMI処理部を備えた携帯情報端末400をPC200(USBのホスト機器)と接続して、USBのデバイス機器として動作させる場合の、USB/HDMI処理部およびPC200のUSB処理部(ホスト側)の詳細な構成を示す図であり、特に、送受信処理部430と送受信処理部220に関して詳細に記載したものである。但し、図9における高速伝送レーン『TMDS D1(SSTX1)』に係る部分のみを記載し、他の高速伝送レーンおよび制御信号ラインに関しては記載を省略する。
携帯情報端末400のUSB/HDMI処理部をUSB処理部(デバイス側)として動作させる場合、すなわち、『USB動作モード』の場合、スイッチ436および437は『OFF』となるように制御すれば良い。この場合、USB/HDMI処理部は、図7に示したUSB処理部(デバイス側)と同様の動作を行うことが可能となる。
また、図10のスイッチ436および437と定電流回路438および439は、図11に示すように、抵抗441とトランジスタ442、443、444とスイッチ445で置き換えることが可能である。この場合、それぞれの定電流回路の電流制限側を抵抗441とトランジスタ442で共用可能であり、スイッチ436および437の機能をスイッチ445で共用可能である。なお、図11の回路構成では、スイッチ445の制御論理をスイッチ436および437の制御論理と反転させる必要がある。すなわち、スイッチ445は、携帯情報端末400に接続ケーブル500cを介して映像表示装置100が接続されたことを検出した場合に『OFF』となるように制御される。あるいは、携帯情報端末400に接続ケーブル500cが接続されたことを検出した場合に『OFF』となるように制御される。あるいは、携帯情報端末400のユーザがメニュー操作等により『HDMI動作モード』を選択した場合に『OFF』となるように制御される。
また、スイッチ445に代替して、抵抗441への電源供給を制御しても良い。すなわち、スイッチ445を『OFF』とする代わりに抵抗441への電源供給を行い、スイッチ445を『ON』とする代わりに抵抗441への電源供給を遮断する(接地する)ように制御を行っても良い。
図12(A)は、携帯情報端末400のUSB/HDMI処理部の、図10とは異なる回路構成を示す図である。
図12(A)に示したUSB/HDMI処理部の構成では、図10に示したUSB/HDMI処理部の構成と比較して、コンデンサ454および455の出力端子側とGNDの間に抵抗456および457とスイッチ458および459が直列に挿入されることが異なる。スイッチ458および459は、スイッチ436および437と同様に、携帯情報端末400に接続ケーブル500cを介して映像表示装置100(すなわち、HDMIのシンク機器)が接続されたことを検出した場合に『ON』となるように制御されても良い。あるいは、携帯情報端末400に接続ケーブル500c(すなわち、USB−HDMI変換ケーブル)が接続されたことを検出した場合に『ON』となるように制御されても良い。あるいは、携帯情報端末400のユーザがメニュー操作等により『HDMI動作モード』を選択した場合に『ON』となるように制御されても良い。
この場合、電源(映像表示装置100のAVcc)とGNDの間が終端抵抗121と抵抗456とスイッチ458とで接続され、終端抵抗121と抵抗456との分圧処理により信号線500c1のDCレベルが補償される。同様に、電源とGNDの間が終端抵抗122と抵抗457とスイッチ459とで接続され、終端抵抗122と抵抗457との分圧処理により信号線500c2のDCレベルが補償される。本実施例では、終端抵抗121および122は50Ωであり、抵抗456および457は610Ωであるものとする。すなわち、この状態において、信号線500c1および500c2のDCレベルは3.05V(=3.3V×610Ω÷(610Ω+50Ω))に補償される。
また、抵抗452および453は、終端抵抗121および122とのインピーダンスマッチングを考慮した値とする。本実施例においては、抵抗456および457が610Ωであることを考慮して、抵抗432および433を54Ωとする。
この回路構成により、ドライバ回路451から出力された差動信号は、信号線500c1および信号線500c2を介して、HDMI(TMDS)の入力仕様を満足する電圧でレシーバ回路123に入力される。また、スイッチ458および459を『OFF』とした場合には、USB/HDMI処理部は、図7に示したUSB処理部(デバイス側)と同様の動作を行うことが可能となる。
図12(B)は、携帯情報端末400のUSB/HDMI処理部の、図10とは異なる回路構成の別の例を示す図である。図12(B)に示したUSB/HDMI処理部の構成では、図10に示したUSB/HDMI処理部の構成と比較して、コンデンサ464および465の出力端子側とGNDの間に抵抗466および467とインダクタ468および469とスイッチ46Aおよび46Bが直列に挿入されることが異なる。
図12(C)は、携帯情報端末400のUSB/HDMI処理部の、図10とは異なる回路構成の別の例を示す図である。図12(C)に示したUSB/HDMI処理部の構成では、図10に示したUSB/HDMI処理部の構成と比較して、コンデンサ474および475の出力端子側とGNDの間にインダクタ476および477と定電圧回路478および479とスイッチ47Aおよび47Bが直列に挿入されることが異なる。
これらいずれの回路構成であっても、信号線500c1および500c2のDCレベルが補償され、ドライバ回路461(あるいは、ドライバ回路471)から出力された差動信号は、信号線500c1および信号線500c2を介して、HDMI(TMDS)の入力仕様を満足する電圧でレシーバ回路123に入力される。また、スイッチ46Aおよび46B(あるいは、スイッチ47Aおよび47B)を『OFF』とした場合には、USB/HDMI処理部は、図7に示したUSB処理部(デバイス側)と同様の動作を行うことが可能となる。
前述の図10や図12に示したUSB/HDMI処理部のように、AC結合をDC結合に変換する回路構成の例としては、DP(Display Port)をHDMIに変換するDP++の回路構成がある。DP++では、例えば、DPのAC出力信号を抵抗でバイアス電圧を与えて、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)のDCレベルに合わせた後に、TMDS出力への変換を行っている。一方、本実施例の図12(A)の回路構成では、終端抵抗(抵抗121および122)とプルダウン抵抗(抵抗456および457)との分圧処理によりDCレベルを補償しており、更に、分圧処理の可否をスイッチ(スイッチ458および459)により制御すること等が、DP++と比較して異なる。
携帯情報端末400に接続ケーブル500cを介して映像表示装置100(すなわち、HDMIのシンク機器)が接続されたことの検出、あるいは、携帯情報端末400に接続ケーブル500c(すなわち、USB−HDMI変換ケーブル)が接続されたことの検出は、以下に記載する例のように行えば良い。
図13に示すように、接続ケーブル500cの内部にHPD制御回路を用意する。HPD制御回路は、USB端子側の『VCONN(Pin:B5)』端子と『CC(Pin:A5)』端子の間に挿入される。HPD制御回路は、『VBUS(Pin:A4/A9/B4/B9)』端子から供給された電源により駆動されて良い。HPD制御回路は、『VCONN(Pin:B5)』端子を介して携帯情報端末400から接続確認信号を入力し、当該入力に応じて、『CC(Pin:A5)』端子を介して接続検知信号を携帯情報端末400に出力する。携帯情報端末400は、『CC(Pin:A5)』端子から出力された接続検知信号を監視することで、接続ケーブル500cが接続されたことを検出することが可能となる。また、HPD制御回路は、『CC(Pin:A5)』端子を介して携帯情報端末400から接続確認信号を入力し、当該入力に応じて、『VCONN(Pin:B5)』端子を介して接続検知信号を携帯情報端末400に出力するようにしても良い。すなわち、この場合には、携帯情報端末400は、『VCONN(Pin:B5)』端子から出力された接続検知信号を監視すれば良い。
また、HPD制御回路は、HDMI端子側の『+5V Power(Pin:18)』端子から供給された電源により駆動されても良い。このようにすれば、接続ケーブル500cが接続され、更に、接続ケーブル500cを介して映像表示装置100(HDMIのシンク機器)が接続されたことを検出することが可能となる。また、HPD制御回路が『VBUS(Pin:A4/A9/B4/B9)』端子から供給された電源により駆動され、HPD制御回路が、『CC(Pin:A5)』端子(あるいは、『VCONN(Pin:B5)』端子)を介して携帯情報端末400から入力した接続確認信号と、『+5V Power(Pin:18)』端子から供給された電源に応じて、『VCONN(Pin:B5)』端子(あるいは、『CC(Pin:A5)』端子)を介して接続検知信号を携帯情報端末400に出力するようにしても良い。
以上説明したように、本実施例の携帯情報端末400においては、接続ケーブルにより接続された機器がHDMIのシンク機器かUSBのホスト機器かに応じて、USB/HDMI処理部を『HDMI動作モード』で動作させるか『USB動作モード』で動作させるかを制御することが可能となる。すなわち、単一の端子により複数のインタフェース仕様に対応することが可能な、より好適なデータ出力が可能となる。
(実施例2)
以下では、本発明の実施例2に関して説明する。なお、本実施例における構成、処理および効果等は特に断りのない限り実施例1と同様であるものとする。このため、以下では、本実施例と実施例1との相違点を主に説明し、共通する点については重複を避けるため極力説明を省略する。
実施例1で説明したように、携帯情報端末400におけるUSB/HDMI処理部は、HDMIのシンク機器に対する高ビットレートデータ出力とUSBのホスト機器との間の高ビットレートデータ入出力とが可能である。また、HDMIのシンク機器に対して高ビットレートデータ出力を行う場合、USB/HDMI処理部の出力端子部および接続ケーブル500cの高速伝送レーンには、HDMIの入出力仕様に基づいた+3.3V電源駆動の信号が伝送される。一方、USBのホスト機器との間で高ビットレートデータ入出力を行う場合、USB/HDMI処理部の入出力端子部および接続ケーブル500uの高速伝送レーンには、USBの入出力仕様に基づいた+1.5V電源駆動の信号が伝送される。
ここで、例えば、接続ケーブル500cを介して携帯情報端末400と映像表示装置100(HDMIのシンク機器)を接続した後も携帯情報端末400が『USB動作モード』のままであった場合、USB/HDMI処理部の入出力端子部に+3.3V電源駆動の信号(すなわち、+1.5Vを超える信号)が加えられることになり、好ましくない。このため、本実施例においては、接続ケーブル500cの内部に保護回路を用意するものとする。
図14は、接続ケーブル500cの内部の保護回路の構成を携帯情報端末400(HDMIのソース機器)の送受信処理部430の詳細な構成および映像表示装置100(HDMIのシンク機器)の受信処理部120の詳細な構成と共に記載したものである。但し、図9における高速伝送レーン『TMDS D1(SSTX1)』に係る部分のみを記載し、他の高速伝送レーンおよび制御信号ラインに関しては記載を省略する。また、接続ケーブル500cの内部構成に関しては、高速伝送レーン『TMDS D1(SSTX1)』を構成する信号線のうち、HDMI端子側の『TMDS D1+(Pin:4)』とUSB端子側の『TX1+(Pin:A2)』を接続する信号線500c1に関するもののみ記載を行う。図面の簡略化のため、HDMI端子側の『TMDS D1−(Pin:6)』とUSB端子側の『TX1−(Pin:A3)』を接続する信号線500c2に関する記載は省略するが、信号線500c1に関するものと同様の構成を有するものとする。
図14に示したUSB/HDMI処理部の構成においても、抵抗482および483は、終端抵抗121および122とのインピーダンスマッチングを考慮した値とする。本実施例においては、終端抵抗121および122と抵抗482および483は、いずれも50Ωであるものとする。
図14に示した接続ケーブル500cにおいては、信号線500c1と信号線500c3の間に保護回路が挿入される。保護回路は、信号線500c1と信号線500c3の間を直列に接続する抵抗511および512と、抵抗511と抵抗512の接続点と信号線500c3の間を抵抗512と並列に接続するスイッチ513と、で構成される。信号線500c1に挿入する抵抗514はインピーダンスマッチング用である。スイッチ513は、携帯情報端末400のUSB/HDMI処理部が『HDMI動作モード』で動作する場合に『OFF』となるように制御されても良い。
携帯情報端末400が『HDMI動作モード』で動作する場合には、信号線500c1のDCレベルは、抵抗121と抵抗511と抵抗512との分圧処理により補償される。したがって、『HDMI動作モード』における信号線500c1のDCレベルは下記となる。
AVcc×(抵抗511+抵抗512)÷(抵抗121+抵抗511+抵抗512) …………(式1)
一方、携帯情報端末400が『USB動作モード』で動作する場合には、信号線500c1のDCレベルは、抵抗121と抵抗511との分圧処理により補償される。したがって、『USB動作モード』における信号線500c1のDCレベルは下記となる。
AVcc×(抵抗511)÷(抵抗121+抵抗511) …………………………………(式2)
ここで、USBの端子保護仕様は0〜1.5Vであり、また、HDMIのシンク機器の終端電源AVccは3.3V±5%、終端抵抗(抵抗121および122)は50Ω±10%で規定されることから、抵抗511の上限値は(式2)より、
45(Ω)×1.5(V)÷(3.465(V)-1.5(V))≒34(Ω)
となる。抵抗のばらつき等を考慮すると32Ω程度を用いると良い。
また、信号線500c1のDC電位は、映像表示装置100(HDMIのシンク機器)が165MHz以上の動作を行う場合、『AVcc−400mV』以上、且つ、『AVcc−37.5mV』以下、である必要があることから、抵抗511と抵抗512の合計値は(式1)より、
最小値:55(Ω)×(3.465(V)÷0.4(V))−55(Ω)≒421(Ω)
最大値:45(Ω)×(3.135(V)÷0.0375(V))−45(Ω)=3717(Ω)
となる。
但し、実際には前記AVccにも多少の誤差が許容されることおよび抵抗自体も誤差を有することから、抵抗512の値の設定範囲は前述よりも狭い範囲としておくべきである。
以上の条件から、抵抗121/抵抗511/抵抗512の値を、それぞれ、50Ω/32Ω/578Ωとした場合の信号線500c1のDCレベルは、『HDMI動作モード』では3.05Vとなり、『USB動作モード』では1.29Vとなる。また、各種条件下における信号線500c1のDCレベル(Vicm1)の計算値の例を、図14の下表に示す。
また、図14の構成において、接続ケーブル500cに挿入される保護回路(抵抗511および512とスイッチ513)では、図12(A)の構成におけるスイッチ458が省略されている。接続ケーブル500cではUSB機器同士を接続することがないので、ケーブルをコネクタに差し込むことによってスイッチ458の機能を代替することが可能である。すなわち、携帯情報端末400のUSB/HDMI処理部において、抵抗456とスイッチ458に対応する回路部を削除してコスト低減を図ることが可能となる。
次にインピーダンスマッチングについて説明する。
『HDMI動作モード』時には、抵抗511と抵抗512の合計値、例えば610Ω(=32Ω+578Ω)がケーブルインピーダンス50Ω(差動100Ω)と並列に入るので、携帯情報端末400の出力抵抗である抵抗482の50Ωとマッチングさせるために、抵抗514を4Ωとすると良い。なお、直列抵抗514の挿入により、信号振幅が低下するため、ドライバ回路481は『HDMI動作モード』時にHDMIが規定した信号振幅よりも約10%大きく設定すると良い。
『HDMI動作モード』時のインピーダンスマッチングに必要となる抵抗値は抵抗512を大きくすると低下する、したがって、抵抗512を1800Ω程度とすると、インピーダンスのアンマッチは3%程度となり、ケーブルに要求されるインピーダンス許容範囲±10%の中におさめることができ、抵抗514の省略やドライバ回路481の振幅大化の対策が不要となり、実装しやすくなる効果がある。
図15に、接続ケーブル500cを介して映像表示装置100(すなわち、HDMIのシンク機器)が接続された場合等の、携帯情報端末400における『USB動作モード』と『HDMI動作モード』との動作モード切り替え処理の動作シーケンス図を示す。なお、本実施例の携帯情報端末400では、初期状態においては『USB動作モード』で動作を行っているものとする。
前述の状態で、携帯情報端末400のUSB制御部410は接続端子に機器接続が行われたか否かの監視を続け、何らかの機器が接続された際にはこれを検出する(S101)。S101の処理において接続を検出した機器がHDMIのシンク機器でない場合(S102:No)、『HDMI動作モード』への動作モード切り替え処理を行わない。一方、S101の処理において接続を検出した機器がHDMIのシンク機器である場合(S102:Yes)、USB制御部410は、USB/HDMI処理部に対して、動作モードを『HDMI動作モード』に切り替えるようにモード変更の指示を行う(S103)。次に、USB制御部410は、USB/HDMI処理部の動作モードが『HDMI動作モード』へ切り替えられたか否かの監視を行う(S104)。『HDMI動作モード』へ切り替え処理が完了していない場合(S104:No)、スイッチ513を『ON』状態としたまま監視を続ける。『HDMI動作モード』へ切り替え処理が完了している場合(S104:Yes)、スイッチ513を『OFF』するように制御する(S105)。その後、映像表示装置100(HDMIのシンク機器)に対するデータ出力を開始すれば良い。
前述の処理により、携帯情報端末400が『USB動作モード』のままの状態で、USB/HDMI処理部の入出力端子部に+3.3V電源駆動の信号(すなわち、+1.5Vを超える信号)が加えられることを回避することが可能となる。
図16は、接続ケーブル500cの内部の保護回路の構成を携帯情報端末400(HDMIのソース機器)の送受信処理部430の詳細な構成および映像表示装置100(HDMIのシンク機器)の受信処理部120の詳細な構成と共に記載したものである。但し、図9における高速伝送レーン『TMDS D2(SSRX1)』に係る部分のみを記載し、他の高速伝送レーンおよび制御信号ラインに関しては記載を省略する。また、接続ケーブル500cの内部構成に関しては、高速伝送レーン『TMDS D2(SSRX1)』を構成する信号線のうち、HDMI端子側の『TMDS D2+(Pin:1)』とUSB端子側の『RX1+(Pin:B11)』を接続する信号線500c4に関するもののみ記載を行う。図面の簡略化のため、HDMI端子側の『TMDS D2−(Pin:3)』とUSB端子側の『RX1−(Pin:B10)』を接続する信号線500c5に関する記載は省略するが、信号線500c4に関するものと同様の構成を有するものとする。なお、信号線500c6は、HDMI端子側の『TMDS D2 Shield(Pin:2)』とUSB端子側の『GND(Pin:B12)』を接続するシールド線である。
また、レシーバ回路491は、携帯情報端末400が『USB動作モード』で動作する際に有効となる回路部であり、図7におけるレシーバ回路424と同様の機能を有するものとする。ドライバ回路492とトランジスタ493および494と定電流回路495は、携帯情報端末400が『HDMI動作モード』で動作する際に有効となる回路部であり、図4のドライバ回路321とトランジスタ322および323と定電流回路324と同様の機能を有するものとする。
図16に示した接続ケーブル500cでは、保護回路として、信号線500c4のUSB端子側(携帯情報端末400側)とHDMI端子側(映像表示装置100側)の間に直列にトランジスタ521が挿入され、更に、トランジスタ521のUSB端子側(携帯情報端末400側)と信号線500c6の間が抵抗522で接続される。トランジスタ521のゲート部には携帯情報端末400から供給されるVBUSに基づくV1(例えば、+1.5V)が加えられる。トランジスタ521は、ソース部(USB端子側(携帯情報端末400側))の電圧がゲート部の電圧を超えると、ドレイン部−ソース部間が遮断されるため、このような回路構成とすれば、図中のA点の電圧が+1.5Vを超える電圧になることはない。トランジスタ521に与える電圧V1は+1.5Vに限定されることは無く、トランジスタ521の特性に合わせて、A点の電圧が+1.5Vを超えないように設定するとよい。トランジスタ521のスレシホールド電圧が+0.6V程度であれば、V1の電圧は+2.1V程度以下とすれば良い。
前述の処理により、携帯情報端末400が『USB動作モード』のままの状態で、USB/HDMI処理部の入出力端子部に+3.3V電源駆動の信号(すなわち、+1.5Vを超える信号)が加えられることを回避することが可能となる。
図16の高速伝送レーン『TMDS D2(SSRX1)』を例にとって説明したが、接続ケーブル内の保護回路は、図10に記述した携帯情報端末内にプルダウン素子を用いた高速伝送レーン『TMDS D1(SSTX1)』『TMDS CLK(SSTX2)』にも適用できることは明らかである。
以上説明したように、本実施例の携帯情報端末400においては、接続ケーブルにより接続された機器がHDMIのシンク機器かUSBのホスト機器かに応じて、USB/HDMI処理部を『HDMI動作モード』で動作させるか『USB動作モード』で動作させるかを制御することが可能となる。すなわち、単一の端子により複数のインタフェース仕様に対応することが可能な、より好適なデータ出力が可能となる。
以上、本発明の実施形態の例を、実施例1〜2を用いて説明したが、本発明の技術を実現する構成は前述の実施例に限られるものではなく、様々な変形例が考えられる。例えば、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成と置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。これらは全て本発明の範疇に属するものである。また、文中や図中に現れる数値やメッセージ、信号線名称等もあくまでも一例であり、異なるものを用いても本発明の効果を損なうことはない。
また、前述の説明や図面に例示した電圧値や抵抗値等の数値は、実際の回路構成においては許容誤差を考慮して決定されるべきものであるが、本実施例では説明を簡略化するために誤差に関する表記を省略している。例えば、抵抗値の数値も理論値のみを記載しており、実際には前記理論値に最も近い実在の抵抗値を採用するようにすれば良い。これら数値の違いは、全て本発明の範疇における改変に過ぎないものである。