JP2020016297A - 動力伝達装置およびその制御方法 - Google Patents

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Akira Nakamura
亮 中村
宏行 小笠原
Hiroyuki Ogasawara
宏行 小笠原
航 榊原
Ko Sakakibara
航 榊原
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【課題】車両が停止して次回に発進する際の発進性の低下を抑制する。【解決手段】駆動側回転軸と車軸に連結された従動側回転軸との間で動力を無段階に変速して伝達する無段変速機と、エンジンと駆動側回転軸との接続および接続の解除を行なう係合要素と、ポンプ軸の回転により駆動され、無段変速機および係合要素に作動油を圧送するオイルポンプと、係合要素よりもエンジン側の何れかの回転要素の回転をポンプ軸に伝達可能な第1回転伝達機構と、駆動側回転軸の回転をポンプ軸に伝達可能な第2回転伝達機構とを備え、エンジンを運転停止させると共に係合要素によりエンジンと駆動側回転軸との接続を解除して走行する所定走行時には、駆動側回転軸の回転が第2回転伝達機構を介してポンプ軸に伝達される。そして、所定走行時には、ブレーキオンのときにブレーキオフのときと比して無段変速機の変速比が大きくなるように無段変速機を制御する。【選択図】図4

Description

本開示は、動力伝達装置およびその制御方法に関する。
従来、この種の動力伝達装置としては、エンジンを備える車両に搭載され、駆動側回転軸と車軸に連結された従動側回転軸との間で動力を無段階に変速して伝達するバリエータ(無段変速機)と、エンジンと駆動側回転軸との間に設けられた前後進切替機構と、エンジンおよび駆動側回転軸のうちの何れかの回転により駆動されるポンプと、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この動力伝達装置では、エンジンを自動停止して惰性走行を行なう惰性走行制御中には、駆動側回転軸の回転によりポンプが駆動され、駆動側回転軸の回転速度がオイルポンプで必要とされる必要吐出量に応じた回転速度となるようにバリエータの変速比を制御する。これにより、惰性走行制御中に、車両の運動エネルギがポンプで必要以上に消費されるのを抑制することができる。
特開2017−48853号公報
上述の動力伝達装置では、惰性走行制御からブレーキ操作を伴って車両が停止する際に、ブレーキ操作による車両が停止するまでの時間の短縮や、ポンプから圧送される作動油の油量が少ないことによるバリエータの制御(変速比の変更)のもたつきなどにより、車両が停止するときのバリエータの変速比が最大変速比にならずに、次回に発進する際の発進性の低下を招く可能性がある。
本開示の動力伝達装置およびその制御方法は、車両が停止して次回に発進する際の発進性の低下を抑制することを主目的とする。
本開示の動力伝達装置およびその制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本開示の動力伝達装置は、
エンジンを備える車両に搭載され、
駆動側回転軸と車軸に連結された従動側回転軸との間で動力を無段階に変速して伝達する無段変速機と、
前記エンジンと前記駆動側回転軸との接続および接続の解除を行なう係合要素と、
ポンプ軸の回転により駆動され、前記無段変速機および前記係合要素に作動油を圧送するオイルポンプと、
前記係合要素よりも前記エンジン側の何れかの回転要素の回転を前記ポンプ軸に伝達可能な第1回転伝達機構と、
前記駆動側回転軸の回転を前記ポンプ軸に伝達可能な第2回転伝達機構と、
制御装置と、
を備え、前記エンジンを運転停止させると共に前記係合要素により前記エンジンと前記駆動側回転軸との接続を解除して走行する所定走行時には、前記駆動側回転軸の回転が前記第2回転伝達機構を介して前記ポンプ軸に伝達される動力伝達装置であって、
前記制御装置は、前記所定走行時には、ブレーキオンのときにブレーキオフのときと比して前記無段変速機の変速比が大きくなるように前記無段変速機を制御する、
ことを要旨とする。
この本開示の動力伝達装置では、エンジンを運転停止させると共に係合要素によりエンジンと駆動側回転軸との接続を解除して走行する所定走行時には、ブレーキオンのときにブレーキオフのときと比して無段変速機の変速比が大きくなるように無段変速機を制御する。無段変速機の変速比が大きくなるように無段変速機を制御すると、駆動側回転軸の回転数が大きくなってオイルポンプの回転数が大きくなるから、オイルポンプから圧送される作動油の油量が多くなり、無段変速機の制御性(変速比の変更速度)が良好になる。無段変速機の変速比が大きくなるように無段変速機を制御すること、および、無段変速機の制御性が良好になることにより、車両が停止するときの無段変速機の変速比をより確実に最大変速比にすることができる。この結果、次回に発進する際の発進性の低下を抑制することができる。
本開示の動力伝達装置の制御方法は、
エンジンを備える車両に搭載され、駆動側回転軸と車軸に連結された従動側回転軸との間で動力を無段階に変速して伝達する無段変速機と、前記エンジンと前記駆動側回転軸との接続および接続の解除を行なう係合要素と、ポンプ軸の回転により駆動されて前記無段変速機および前記係合要素に作動油を圧送するオイルポンプと、前記係合要素よりも前記エンジン側の何れかの回転要素の回転を前記ポンプ軸に伝達可能な第1回転伝達機構と、前記駆動側回転軸の回転を前記ポンプ軸に伝達可能な第2回転伝達機構とを備え、前記エンジンを運転停止させると共に前記係合要素により前記エンジンと前記駆動側回転軸との接続を解除して走行する所定走行時には、前記駆動側回転軸の回転が前記第2回転伝達機構を介して前記ポンプ軸に伝達される動力伝達装置の制御方法であって、
前記所定走行時には、ブレーキオンのときにブレーキオフのときと比して前記無段変速機の変速比が大きくなるように前記無段変速機を制御する、
ことを要旨とする。
この本開示の動力伝達装置の制御方法では、エンジンを運転停止させると共に係合要素によりエンジンと駆動側回転軸との接続を解除して走行する所定走行時には、ブレーキオンのときにブレーキオフのときと比して無段変速機の変速比が大きくなるように無段変速機を制御する。無段変速機の変速比が大きくなるように無段変速機を制御すると、駆動側回転軸の回転数が大きくなってオイルポンプの回転数が大きくなるから、オイルポンプから圧送される作動油の油量が多くなり、無段変速機の制御性(変速比の変更速度)が良好になる。無段変速機の変速比が大きくなるように無段変速機を制御すること、および、無段変速機の制御性が良好になることにより、車両が停止するときの無段変速機の変速比をより確実に最大変速比にすることができる。この結果、次回に発進する際の発進性の低下を抑制することができる。
本開示の動力伝達装置20を搭載する自動車10の概略構成図である。 本開示の自動車10に搭載される動力伝達装置20の概略構成図である。 所定走行時変速モード設定ルーチンの一例を示す説明図である。 第1,第2変速モードにおけるダウンシフト線L1,L2の一例を示す説明図である。 マスタシリンダ圧Pm(ブレーキペダル92の踏込量)と回転数Nin2との関係の一例を示す説明図である。 所定走行時の車速V、アクセル開度Acc、エンジン12の回転数Ne、CVT40の入力回転数Nin、CVT40の変速比γ、ブレーキ信号、ブレーキペダル92の踏込量、前後進切替機構30のクラッチC1の係合圧の様子の一例を示す説明図である。 車両の減速度αと回転数Nin2との関係の一例を示す説明図である。 作動油の油温Toilと回転数Nin2との関係の一例を示す説明図である。 ブレーキオン車速Vbonと回転数Nin2との関係の一例を示す説明図である。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示の動力伝達装置20を搭載する自動車10の概略構成図である。図示するように、自動車10は、動力伝達装置20に加えて、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン(内燃機関)12や、エンジン12を制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)14、図示しない電子制御式油圧ブレーキユニットを制御するブレーキ用電子制御ユニット(以下、「ブレーキECU」という)16等を備える。
エンジンECU14は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPUの他に、各種プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポート等を有する。図1に示すように、エンジンECU14には、アクセルペダル90の踏込量(操作量)を検出するアクセルペダルポジションセンサ91からのアクセル開度(アクセル操作量)Accや、車速センサ97からの車速V、エンジン12のクランクシャフトCSの回転位置を検出する図示しないクランクシャフトポジションセンサなどの各種センサからの信号、ブレーキECU16などの他の電子制御ユニットからの信号等が入力される。エンジンECU14は、これらの入力信号に基づいてスロットルバルブや燃料噴射弁、点火プラグ(何れも図示省略)等を制御する。
ブレーキECU16は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPUの他に、各種プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポート等を有する。図1に示すように、ブレーキECU16には、運転者によるブレーキペダル92の踏込を検出するブレーキスイッチ93からのブレーキスイッチ信号や、ブレーキペダル92が踏み込まれた際にマスタシリンダ圧センサ94により検出されるマスタシリンダ圧Pmc、車速センサ97からの車速V、エンジンECU14などの他の電子制御ユニットからの信号等が入力される。ブレーキECU16は、これらの入力信号に基づいて図示しないブレーキアクチュエータ(油圧アクチュエータ)等を制御する。
図2は、本開示の自動車10に搭載される動力伝達装置20の概略構成図である。図示するように、動力伝達装置20は、エンジン12のクランクシャフトCSと駆動輪DWに接続される左右のドライブシャフト59とが略平行をなすように横置きに配置されたエンジン12に連結されるトランスアクスルとして構成されている。図示するように、動力伝達装置20は、トランスミッションケース22や、トランスミッションケース22の内部に収容される発進装置23、前後進切替機構30、ベルト式の無段変速機(以下、「CVT」という)40、ギヤ機構50、デファレンシャルギヤ(差動機構)57、オイルポンプ60、油圧制御装置88(図1参照)、発進装置23や前後進切替機構30、CVT40を制御する制御装置としての変速用電子制御ユニット(以下、「変速用ECU」という)21(図1参照)等を備える。
発進装置23は、ロックアップクラッチ付きの流体式発進装置として構成されている。この発進装置23は、入力部材としてのフロントカバー23fを介してエンジン12のクランクシャフトCSに接続されるポンプインペラ23pや、インプットシャフト36に固定(常時連結)されるタービンランナ23t、ポンプインペラ23pおよびタービンランナ23tの内側に配置されてタービンランナ23tからポンプインペラ23pへの作動油(ATF)の流れを整流するステータ23s、ステータ23sの回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ23o、ダンパ機構24、ロックアップクラッチ25等を有する。
ポンプインペラ23p、タービンランナ23t、ステータ23sは、ポンプインペラ23pとタービンランナ23tとの回転速度差が大きいときにはステータ23sの作用によりトルクコンバータとして機能し、両者の回転速度差が小さくなると流体継手として機能する。ただし、発進装置23において、ステータ23sやワンウェイクラッチ23oを省略し、ポンプインペラ23pおよびタービンランナ23tを流体継手のみとして機能させてもよい。
ダンパ機構24は、例えば、ロックアップクラッチ25に連結される入力要素や、複数の弾性体を介して入力要素に連結されると共にインプットシャフト36に固定(常時連結)されるタービンハブに固定される出力要素等を有する。ロックアップクラッチ25は、ポンプインペラ23pとタービンランナ23tとを、即ち、フロントカバー23fとインプットシャフト36とを機械的に(ダンパ機構24を介して)連結するロックアップおよびロックアップの解除を選択的に実行する。なお、ロックアップクラッチ25は、油圧式の単板摩擦クラッチとして構成されてもよく、油圧式の多板摩擦クラッチとして構成されてもよい。
前後進切替機構30は、ダブルピニオン式の遊星歯車機構31と、油圧式摩擦係合要素としてのクラッチ(接続解除機構)C1およびブレーキB1とを有する。遊星歯車機構31は、インプットシャフト36に固定されるサンギヤ31sと、リングギヤ31rと、サンギヤ31sに噛合するピニオンギヤ31paおよびリングギヤ31rに噛合するピニオンギヤ31pbを支持すると共にCVT40のプライマリシャフト42に連結されるキャリヤ31cとを有する。
クラッチC1は、遊星歯車機構31のキャリヤ31cをインプットシャフト36(サンギヤ31s)に対して回転自在に解放すると共に、油圧制御装置88から油圧が供給された際に遊星歯車機構31のキャリヤ31cをインプットシャフト36(サンギヤ31s)に連結する。また、ブレーキB1は、遊星歯車機構31のリングギヤ31rをトランスミッションケース22に対して回転自在に解放すると共に、油圧制御装置88から油圧が供給された際に遊星歯車機構31のリングギヤ31rをトランスミッションケース22に対して回転不能に固定する。
クラッチC1としては、ピストンや複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、作動油が供給される油室(係合油室およびキャンセル油室)等により構成される油圧サーボを有する油圧クラッチが採用される。ブレーキB1としては、ピストンや複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、作動油が供給される油室(係合油室およびキャンセル油室)等により構成される油圧サーボを有する油圧ブレーキが採用される。
こうした構成とすることにより、クラッチC1を係合すると共にブレーキB1を解放すれば、インプットシャフト36に伝達された動力をそのままCVT40のプライマリシャフト42に伝達して車両を前進させることができる。また、クラッチC1を解放すると共にブレーキB1を係合すれば、インプットシャフト36の回転を逆方向に変換してCVT40のプライマリシャフト42に伝達し、車両を後進させることができる。更に、クラッチC1およびブレーキB1解放すれば、インプットシャフト36とプライマリシャフト42との接続を解除することができる。
CVT40は、駆動側回転軸としてのプライマリシャフト(第1軸)42に設けられたプライマリプーリ43と、プライマリシャフト42と平行に配置された従動側回転軸としてのセカンダリシャフト(第2軸)44に設けられたセカンダリプーリ45と、プライマリプーリ43のプーリ溝とセカンダリプーリ45のプーリ溝とに掛け渡された伝動ベルト46と、プライマリプーリ43の溝幅を変更するための油圧式アクチュエータであるプライマリシリンダ47と、セカンダリプーリ45の溝幅を変更するための油圧式アクチュエータであるセカンダリシリンダ48とを有する。
プライマリプーリ43は、プライマリシャフト42と一体に形成された固定シーブ43aと、プライマリシャフト42にボールスプライン等を介して軸方向に摺動自在に支持される可動シーブ43bとを有する。また、セカンダリプーリ45は、セカンダリシャフト44と一体に形成された固定シーブ45aと、セカンダリシャフト44にボールスプライン等を介して軸方向に摺動自在に支持されると共に圧縮ばねであるリターンスプリング4
9により軸方向に付勢される可動シーブ45bとを有する。
プライマリシリンダ47は、プライマリプーリ43の可動シーブ43bの背後に形成され、セカンダリシリンダ48は、セカンダリプーリ45の可動シーブ45bの背後に形成される。プライマリシリンダ47とセカンダリシリンダ48とには、プライマリプーリ43とセカンダリプーリ45との溝幅を変化させるべく油圧制御装置88から作動油が供給される。これにより、エンジン12から発進装置23および前後進切替機構30を介してプライマリシャフト42に伝達された動力を無段階に変速してセカンダリシャフト44に伝達することができる。そして、セカンダリシャフト44に伝達された動力は、ギヤ機構50、デファレンシャルギヤ57、ドライブシャフト59を介して左右の駆動輪DWに伝達されることになる。
ギヤ機構50は、セカンダリシャフト44と一体に回転するカウンタドライブギヤ51と、セカンダリシャフト44やドライブシャフト59と平行に延在すると共に軸受を介してトランスミッションケース22により回転自在に支持されるカウンタシャフト(第3軸)52と、カウンタシャフト52に固定されると共にカウンタドライブギヤ51に噛合するカウンタドリブンギヤ53と、カウンタシャフト52と一体に成形されるか或いはカウンタシャフト52に固定されたドライブピニオンギヤ(ファイナルドライブギヤ)54と、ドライブピニオンギヤ54に噛合すると共にドライブシャフト59に連結されたデファレンシャルギヤ57に連結されるデフリングギヤ(ファイナルドリブンギヤ)55とを有する。
オイルポンプ60は、エンジン12のクランクシャフトCSとは別軸のポンプ軸61の回転により図示しないオイルパン内の作動油を吸引して油圧制御装置88に油圧を供給する機械式のオイルポンプとして構成されており、ポンプケース62に収容されている。このオイルポンプ60のポンプ軸61は、ポンプインペラ23pに連結された回転軸23psに第1回転伝達機構70を介して連結されると共にCVT40のプライマリシャフト42に第2回転伝達機構80を介して連結される。回転軸23psは、インプットシャフト36により回転自在に支持される。
第1回転伝達機構70は、ポンプインペラ23pに連結された回転軸23psに取り付けられた第1スプロケット72と、オイルポンプ60のポンプ軸61と同軸に配置された第2スプロケット73と、第1スプロケット72および第2スプロケット73に掛け渡されたチェーン74と、第2スプロケット73からポンプ軸61に回転を伝達するがポンプ軸61から第2スプロケット73への回転の伝達を遮断するワンウェイクラッチ75とを有する。即ち、回転軸23psとポンプ軸61とは、第1スプロケット72と第2スプロケット73とチェーン74とを有する巻掛け伝動機構とワンウェイクラッチ75とを介して連結されていると言える。
第2回転伝達機構80は、CVT40のプライマリシャフト42に取り付けられたドライブギヤ82と、オイルポンプ60のポンプ軸61と同軸に配置されたドリブンギヤ83と、ドライブギヤ82およびドリブンギヤ83と噛合するアイドラギヤ84と、ドリブンギヤ83からポンプ軸61に回転を伝達するがポンプ軸61からドリブンギヤ83への回転の伝達を遮断するワンウェイクラッチ85とを有する。即ち、プライマリシャフト42とポンプ軸61とは、ドライブギヤ82とドリブンギヤ83とアイドラギヤ84とを有するギヤ伝動機構とワンウェイクラッチ85とを介して連結されていると言える。また、アイドラギヤ84を用いることにより、ポンプインペラ23pに連結された回転軸23ps、CVT40のプライマリシャフト42、オイルポンプ60のポンプ軸61の、前進走行時の回転方向を同一にすることができる。
第1回転伝達機構70および第2回転伝達機構80は、ポンプインペラ23pに連結された回転軸23psとオイルポンプ60のポンプ軸61との回転比Gr1(回転軸23psの回転数/ポンプ軸61の回転数)に比してCVT40のプライマリシャフト42とオイルポンプ60のポンプ軸61との回転比Gr2(プライマリシャフト42の回転数/ポンプ軸61の回転数)が小さく且つ回転比Gr2が値1未満となるように設計されている。したがって、比較的高速での前進走行時のようにCVT40のプライマリシャフト42の回転数が比較的高いときや、エンジン12を運転停止させると共にクラッチC1を解放して走行するとき(以下、「所定走行時」という)には、プライマリシャフト42の回転が第2回転伝達機構80を介してポンプ軸61に伝達されてオイルポンプ60が駆動されると共に、ワンウェイクラッチ75が空転する。一方、比較的低速での前進走行時や停車中のエンジン12のアイドル運転時のように、CVT40のプライマリシャフト42の回転数が比較的低いときには、ポンプインペラ23pに連結された回転軸23psの回転が第1回転伝達機構70を介してポンプ軸61に伝達されてオイルポンプ60が駆動されると共に、ワンウェイクラッチ85が空転する。後進走行時には、CVT40のプライマリシャフト42が逆回転となることから、ポンプインペラ23pに連結された回転軸23psの回転が第1回転伝達機構70を介してポンプ軸61に伝達されてオイルポンプ60が駆動されると共に、ワンウェイクラッチ85が空転する。
油圧制御装置88は、上述のオイルポンプ60に接続される。油圧制御装置88は、オイルポンプ60からの油圧を調圧して、発進装置23や前後進切替機構30、CVT40等により要求される油圧を発生させたり、CVT40、ワンウェイクラッチ23o、前後進切替機構30、第1回転伝達機構70、第2回転伝達機構80等の所定部位や各種軸受などの潤滑対象に潤滑媒体としての作動油を供給したりする。このため、油圧制御装置88は、オイルポンプ60からの作動油を調圧してプライマリシリンダ47やセカンダリシリンダ48等に供給される油圧の元圧となるライン圧PLを生成するプライマリレギュレータバルブや、ライン圧PLを減圧して一定のモジュレータ圧Pmodを生成するモジュレータバルブ、モジュレータバルブからのモジュレータ圧Pmodを調圧してクラッチC1またはブレーキB1への油圧を生成する調圧バルブ(リニアソレノイドバルブ)、シフトレバー95(図1参照)と連動して調圧バルブからの作動油をシフトポジションに応じてクラッチC1およびブレーキB1のうちの何れか一方に供給したり両者に対する油圧の供給を遮断したりするマニュアルバルブを有する。
更に、油圧制御装置88は、CVT40の制御のための油圧を生成するために、第1リニアソレノイドバルブ、第2リニアソレノイドバルブ、プライマリプーリ圧制御バルブ、セカンダリプーリ圧制御バルブを有する。第1リニアソレノイドバルブは、例えばモジュレータ圧Pmodを調圧して信号圧としてのプライマリソレノイド圧Pslpを生成し、第2リニアソレノイドバルブは、例えばモジュレータ圧Pmodを調圧して信号圧としてのセカンダリソレノイド圧Pslsを生成する。また、プライマリプーリ圧制御バルブは、第1リニアソレノイドバルブからのプライマリソレノイド圧Pslpを信号圧としてライン圧PLを調圧し、プライマリプーリ43すなわちプライマリシリンダ47へのプライマリプーリ圧(プライマリシーブ圧)Ppを生成する。セカンダリプーリ圧制御バルブは、第2リニアソレノイドバルブからのセカンダリソレノイド圧Pslsを信号圧として用いてライン圧PLを調圧し、セカンダリプーリ45すなわちセカンダリシリンダ48へのセカンダリプーリ圧(セカンダリシーブ圧)Psを生成する。
こうした動力伝達装置20が備える変速ECU21は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPUの他に、各種プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポート等を有する。図1に示すように、変速ECU21には、アクセルペダルポジションセンサ91からのアクセル開度Accや、車速センサ97からの車速V、ブレーキスイッチ93からのブレーキスイッチ信号、マスタシリンダ圧センサ94により検出されるマスタシリンダ圧Pmc、複数のシフトポジションから所望のシフトポジションを選択するためのシフトレバー95の操作位置を検出するシフトポジションセンサ96からのシフトポジションなどの各種センサからの信号、エンジンECU14やブレーキECU16からの信号が入力される。また、変速ECU21には、CVT40の入力回転数(インプットシャフト36またはプライマリシャフト42の回転速度)Ninを検出する入力回転数センサ98や、CVT40の出力回転数(セカンダリシャフト44の回転速度)Noutを検出する出力回転数センサ99、油圧制御装置88の作動油の油温Toilを検出する油温センサ89からの信号も入力される。変速ECU21は、これらの入力信号に基づいて発進装置23やCVT40、即ち、油圧制御装置88を構成する上述の調圧バルブや第1,第2リニアソレノイドバルブ等を制御する。これらのバルブの制御に際して、変速ECU21は、図示しない補機バッテリから各バルブのソレノイド部に油圧指令値に応じた電流が印加されるように図示しない駆動回路を制御する。
こうして構成された実施形態の自動車10では、エンジンECU14とブレーキECU16と変速ECU21との協調制御により、エンジン12や発進装置23、前後進切替機構30、CVT40を制御する。例えば、前進走行中にアクセルオンのときには、エンジン12については、アクセル開度Accと車速Vとに基づく目標動力(目標トルク)がエンジン12から出力されるように制御し、前後進切替機構30(油圧制御装置88)については、クラッチC1が係合状態となるように制御し、CVT40(油圧制御装置88)については、CVT40の変速比γ(入力回転数Nin/出力回転数Nout)がアクセル開度Accと車速Vとに基づく目標変速比γ*となるように制御する。
次に、こうして構成された実施形態の自動車10の動作、特に、エンジン12を運転停止させると共にクラッチC1を解放して走行する所定走行時におけるCVT40の制御について説明する。図3は、変速ECU21により、所定走行時に繰り返し実行される所定走行時変速モード設定ルーチンの一例を示す説明図である。なお、所定走行は、走行中でアクセルオフのときに行なわれる。また、所定走行時には、エンジンECU14によりエンジン12が運転停止されると共に変速ECU21により前後進切替機構30のクラッチC1(およびブレーキB1)が解放状態とされる。
図3の所定走行時変速モード設定ルーチンが実行されると、変速ECU21は、最初に、ブレーキスイッチ93からのブレーキスイッチ信号に基づいてブレーキオンであるかブレーキオフであるかを判定する(ステップS100)。そして、ブレーキオフであると判定したときには、CVT40の変速モードとして第1変速モードを選択して(ステップS110)、本ルーチンを終了し、ブレーキオンであると判定したときには、CVT40の変速モードとして、第1変速モードに比してCVT40の変速比γを大きくしやすくする第2変速モードを選択して(ステップS120)、本ルーチンを終了する。
図4は、第1,第2変速モードにおけるダウンシフト線L1,L2の一例を示す説明図である。図4中、最Lo線は、CVT40の変速比γが最大変速比γmaxとなる線であり、最Hi線は、CVT40の変速比γが最小変速比γminとなる線である。また、図4において、車速V(横軸)に対応するCVT40の出力回転数NoutでCVT40の目標入力回転数Nin*(縦軸)を除した値(Nin*/Nout)が所定走行時における目標変速比γ*に相当する。変速ECU21は、所定走行時には、最Lo線および最Hi線の間で第1,第2変速モードにおけるダウンシフト線L1,L2に従ってCVT40の変速比γがダウンシフトする(変速比γが目標変速比γ*(=Nin*/Nout)になる)ようにCVT40(油圧制御装置88)を制御する。
ここで、第1変速モードにおけるダウンシフト線L1は、CVT40の目標入力回転数Nin*が回転数Nin1となるように設定される。回転数Nin1は、CVT40の制御のためにオイルポンプ60で最低限必要とされる必要吐出量に基づいて設定される。第2変速モードにおけるダウンシフト線L2は、CVT40の目標入力回転数Nin*が回転数Nin1よりも大きい回転数Nin2となるように設定される。回転数Nin2は、図5に示すように、マスタシリンダ圧センサ94により検出されるマスタシリンダ圧Pm(ブレーキペダル92の踏込量)が大きいほど大きくなるように設定される。
ダウンシフト線におけるCVT40の目標入力回転数Nin*を高回転数側に変更すると、オイルポンプ60の回転数が大きくなり、オイルポンプ60等のロスが大きくなるものの、オイルポンプ60から圧送される作動油の油量が多くなってCVT40の制御性(変速比γの変更速度)が良好になる。ブレーキオンのときに、ブレーキオフのときに比して、ダウンシフト線におけるCVT40の目標入力回転数Nin*を高回転数側にすること、および、CVT40の制御性が良好になることにより、車両が停止するときのCVT40の変速比γをより確実に最大変速比γmaxにすることができる。この結果、次回に発進する際の発進性の低下を抑制することができる。しかも、図5に示すように、ブレーキオンのときに、マスタシリンダ圧Pm(ブレーキペダル92の踏込量)が大きいほどダウンシフト線L2におけるCVT40の目標入力回転数Nin*(回転数Nin2)を高回転数側にすることにより、ブレーキペダル92の踏込量が大きい(車両が停止するまでの時間が短い)ときでも、車両が停止するときのCVT40の変速比γをより確実に最大変速比γmaxにすることができる。
図6は、所定走行時の車速V、アクセル開度Acc、エンジン12の回転数Ne、CVT40の入力回転数Nin、CVT40の変速比γ、ブレーキ信号、ブレーキペダル92の踏込量、前後進切替機構30のクラッチC1の係合圧の様子の一例を示す説明図である。図中、CVT40の入力回転数Ninおよび変速比γについて、実線は本実施形態の様子を示し、一点鎖線は比較形態の様子を示す。比較形態は、ブレーキオンのときでもブレーキオフのときと同一のダウンシフト線L1を用いる形態とした。
図示するように、走行中にアクセルオフされると(時刻t1)、エンジン12を運転停止すると共に前後進切替機構30のクラッチC1を解放して所定走行を開始する。その後に、ブレーキオンされると(時刻t2)、実施形態では、比較形態に比して、CVT40のダウンシフトの開始および終了のタイミングを早くする。これは、ブレーキオンのときにブレーキオフのときに比してダウンシフト線におけるCVT40の目標入力回転数Nin*を高回転数側にするためである。比較形態の場合、図6ではCVT40の変速比γが最大変速比γmaxに到達しているものの、実際には、ブレーキペダル92の踏込による車両が停止するまでの時間の短縮や、オイルポンプ60からの作動油が少ないことによるCVT40の制御(変速比γの変更)のもたつきなどにより、車両が停止するときのCVT40の変速比γが最大変速比γmaxにならずに、次回に発進する際の発進性の低下を招く可能性がある。これに対して、実施形態では、車両が停止するときのCVT40の変速比γをより確実に最大変速比γmaxにすることができ、次回に発進する際の発進性の低下を抑制することができる。
上述の実施形態の自動車10では、回転数Nin2(第2変速モードにおけるダウンシフト線L2)は、図5に示したように、マスタシリンダ圧Pm(ブレーキペダル92の踏込量)が大きいほど大きくなるように設定されるものとした。しかし、この回転数Nin2は、一定値が用いられるものとしてもよいし、図7に示すように、車両の減速度αが大きいほど大きくなるように設定されるものとしてもよいし、図8に示すように、作動油の油温Toilが高いほど大きくなるように設定されるものとしてもよいし、図9に示すように、ブレーキオンが開始されたときの車速(以下、「ブレーキオン車速」という)Vbonが低いほど大きくなるように設定されるものとしてもよい。また、回転数Nin2は、マスタシリンダ圧Pm(ブレーキペダル92の踏込量)、車両の減速度α、作動油の油温Toil、ブレーキオン車速Vbonのうちの複数に基づいて設定されるものとしてもよい。
車両の減速度αが大きいほど車両が停止するまでの時間が短くなる。このため、図7に示すように、車両の減速度αが大きいほど回転数Nin2を大きくする(目標変速比γ*、オイルポンプ60の回転数を大きくする)ことにより、車両が停止するまでの時間が短いときでも、車両が停止するときのCVT40の変速比γをより確実に最大変速比γmaxにすることができる。
また、作動油の油温Toilが高いほど作動油の粘性が低くなる。このため、図8に示すように、作動油の油温Toilが高いほど回転数Nin2を大きくする(目標変速比γ*、オイルポンプ60の回転数を大きくする)ことにより、作動油の油温Toilが高いときでも、車両が停止するときのCVT40の変速比γをより確実に最大変速比γmaxにすることができる。
さらに、ブレーキオン車速Vbonが低いほどブレーキオンが開始されてから車両が停止するまでの時間が短くなる。このため、図9に示すように、ブレーキオン車速Vbonが低いほど回転数Nin2を大きくする(目標変速比γ*、オイルポンプ60の回転数を大きくする)ことにより、ブレーキオンが開始されてから車両が停止するまでの時間が短いときでも、車両が停止するときのCVT40の変速比γをより確実に最大変速比γmaxにすることができる。
以上説明したように、本開示の動力伝達装置は、エンジン(12)を備える車両(10)に搭載され、駆動側回転軸(42)と車軸に連結された従動側回転軸(44)との間で動力を無段階に変速して伝達する無段変速機(40)と、前記エンジン(12)と前記駆動側回転軸(42)との接続および接続の解除を行なう係合要素(C1)と、ポンプ軸(61)の回転により駆動され、前記無段変速機(40)および前記係合要素(C1)に作動油を圧送するオイルポンプ(60)と、前記係合要素(C1)よりも前記エンジン(12)側の何れかの回転要素の回転を前記ポンプ軸(61)に伝達可能な第1回転伝達機構(70)と、前記駆動側回転軸(42)の回転を前記ポンプ軸(61)に伝達可能な第2回転伝達機構(80)と、制御装置(21)と、を備え、前記エンジン(12)を運転停止させると共に前記係合要素(C1)により前記エンジン(12)と前記駆動側回転軸(42)との接続を解除して走行する所定走行時には、前記駆動側回転軸(42)の回転が前記第2回転伝達機構(80)を介して前記ポンプ軸(61)に伝達される動力伝達装置(20)であって、前記制御装置(21)は、前記所定走行時には、ブレーキオンのときにブレーキオフのときと比して前記無段変速機(40)の変速比が大きくなるように前記無段変速機(40)を制御することを要旨とする。
この本開示の動力伝達装置では、エンジンを運転停止させると共に係合要素によりエンジンと駆動側回転軸との接続を解除して走行する所定走行時には、ブレーキオンのときにブレーキオフのときと比して無段変速機の変速比が大きくなるように無段変速機を制御する。無段変速機の変速比が大きくなるように無段変速機を制御すると、駆動側回転軸の回転数が大きくなってオイルポンプの回転数が大きくなるから、オイルポンプから圧送される作動油の油量が多くなり、無段変速機の制御性(変速比の変更速度)が良好になる。無段変速機の変速比が大きくなるように無段変速機を制御すること、および、無段変速機の制御性が良好になることにより、車両が停止するときの無段変速機の変速比をより確実に最大変速比にすることができる。この結果、次回に発進する際の発進性の低下を抑制することができる。
こうした本開示の動力伝達装置において、前記制御装置(21)は、前記所定走行時で且つブレーキオンのときには、ブレーキ操作量が大きいほど前記無段変速機(40)の変速比が大きくなるように前記無段変速機(40)を制御するものとしてもよい。
また、本開示の動力伝達装置において、前記制御装置(21)は、前記所定走行時で且つブレーキオンのときには、前記車両(10)の減速度が大きいほど前記無段変速機(40)の変速比が大きくなるように前記無段変速機(40)を制御するものとしてもよい。
さらに、本開示の動力伝達装置において、前記制御装置(21)は、前記所定走行時で且つブレーキオンのときには、前記作動油の温度が高いほど前記無段変速機(40)の変速比が大きくなるように前記無段変速機(40)を制御するものとしてもよい。
本開示の動力伝達装置において、前記制御装置(21)は、前記所定走行時で且つブレーキオンのときには、前記ブレーキオンが開始されたときの車速が低いほど前記無段変速機(40)の変速比が大きくなるように前記無段変速機(40)を制御するものとしてもよい。
本開示の動力伝達装置において、前記制御装置(21)は、前記所定走行時には、所定ダウンシフト線に沿って前記無段変速機(40)の変速比がダウンシフトするように前記無段変速機(40)を制御し、前記所定走行時で且つブレーキオンのときの前記所定ダウンシフト線は、前記所定走行時で且つブレーキオフのときの前記所定ダウンシフト線よりも、前記駆動側回転軸(42)の回転数が高くなるように設定されるものとしてもよい。
本開示の動力伝達装置において、前記制御装置(21)は、前記所定走行時には、所定ダウンシフト線に沿って前記無段変速機(40)の変速比がダウンシフトするように前記無段変速機(40)を制御し、前記所定走行時で且つブレーキオフのときの前記所定ダウンシフト線は、前記無段変速機(40)の制御のために前記オイルポンプ(60)で最低限必要とされる必要吐出量に基づいて設定されるものとしてもよい。
本開示の動力伝達装置において、前記エンジン(12)に接続される第1回転要素(31s)と第2回転要素(31r)と前記駆動側回転軸(42)に接続される第3回転要素(30c)とを有する遊星歯車機構(31)と、前記第1回転要素(31s)と前記第2回転要素(31r)と前記第3回転要素(30c)とのうちの何れか2つを互いに接続すると共に両者の接続を解除するクラッチ(C1)と、前記第2回転要素(31r)をケースに対して回転不能に固定すると共にその固定を解除するブレーキ(B1)と、を有する前後進切替機構(30)を備え、前記係合要素(C1)は、前記クラッチ(C1)であるものとしてもよい。
本開示の動力伝達装置の制御方法は、エンジン(12)を備える車両(10)に搭載され、駆動側回転軸(42)と車軸に連結された従動側回転軸(44)との間で動力を無段階に変速して伝達する無段変速機(40)と、前記エンジン(12)と前記駆動側回転軸(42)との接続および接続の解除を行なう係合要素(C1)と、ポンプ軸(61)の回転により駆動されて前記無段変速機(40)および前記係合要素(C1)に作動油を圧送するオイルポンプ(60)と、前記係合要素(C1)よりも前記エンジン(12)側の何れかの回転要素の回転を前記ポンプ軸(61)に伝達可能な第1回転伝達機構(70)と、前記駆動側回転軸(42)の回転を前記ポンプ軸(61)に伝達可能な第2回転伝達機構(80)とを備え、前記エンジン(12)を運転停止させると共に前記係合要素(C1)により前記エンジン(12)と前記駆動側回転軸(42)との接続を解除して走行する所定走行時には、前記駆動側回転軸(42)の回転が前記第2回転伝達機構(80)を介して前記ポンプ軸(61)に伝達される動力伝達装置(20)の制御方法であって、前記所定走行時には、ブレーキオンのときにブレーキオフのときと比して前記無段変速機(40)の変速比が大きくなるように前記無段変速機(40)を制御することを要旨とする。
この本開示の動力伝達装置の制御方法では、エンジンを運転停止させると共に係合要素によりエンジンと駆動側回転軸との接続を解除して走行する所定走行時には、ブレーキオンのときにブレーキオフのときと比して無段変速機の変速比が大きくなるように無段変速機を制御する。無段変速機の変速比が大きくなるように無段変速機を制御すると、駆動側回転軸の回転数が大きくなってオイルポンプの回転数が大きくなるから、オイルポンプから圧送される作動油の油量が多くなり、無段変速機の制御性(変速比の変更速度)が良好になる。無段変速機の変速比が大きくなるように無段変速機を制御すること、および、無段変速機の制御性が良好になることにより、車両が停止するときの無段変速機の変速比をより確実に最大変速比にすることができる。この結果、次回に発進する際の発進性の低下を抑制することができる。
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本開示は、動力伝達装置の製造産業などに利用可能である。
10 自動車、12 エンジン、14 エンジンECU、16 ブレーキECU、20 動力伝達装置、21 変速ECU、22 トランスミッションケース、23 発進装置、23f フロントカバー、23o ワンウェイクラッチ、23p ポンプインペラ、23ps 回転軸、23s ステータ、23t タービンランナ、24 ダンパ機構、25 ロックアップクラッチ、30 前後進切替機構、31 遊星歯車機構、31c キャリヤ、31pa ピニオンギヤ、31pb ピニオンギヤ、31r リングギヤ、31s サンギヤ、36 インプットシャフト、40 CVT、42 プライマリシャフト、43 プライマリプーリ、43a 固定シーブ、43b 可動シーブ、44 セカンダリシャフト、45 セカンダリプーリ、45a 固定シーブ、45b 可動シーブ、46 伝動ベルト、47 プライマリシリンダ、48 セカンダリシリンダ、49 リターンスプリング、50 ギヤ機構、51 カウンタドライブギヤ、52 カウンタシャフト、53 カウンタドリブンギヤ、54 ドライブピニオンギヤ、57 デファレンシャルギヤ、59 ドライブシャフト、60 オイルポンプ、61 ポンプ軸、62 ポンプケース、70 第1回転伝達機構、72 第1スプロケット、73 第2スプロケット、74 チェーン、75 ワンウェイクラッチ、80 第2回転伝達機構、82 ドライブギヤ、83 ドリブンギヤ、84 アイドラギヤ、85 ワンウェイクラッチ、88 油圧制御装置、89 油温センサ、90 アクセルペダル、91 アクセルペダルポジションセンサ、92 ブレーキペダル、93 ブレーキスイッチ、94 マスタシリンダ圧センサ、95 シフトレバー、96 シフトポジションセンサ、97 車速センサ、98 入力回転数センサ、99 出力回転数センサ、B1 ブレーキ、C1 クラッチ、CS クランクシャフト。

Claims (9)

  1. エンジンを備える車両に搭載され、
    駆動側回転軸と車軸に連結された従動側回転軸との間で動力を無段階に変速して伝達する無段変速機と、
    前記エンジンと前記駆動側回転軸との接続および接続の解除を行なう係合要素と、
    ポンプ軸の回転により駆動され、前記無段変速機および前記係合要素に作動油を圧送するオイルポンプと、
    前記係合要素よりも前記エンジン側の何れかの回転要素の回転を前記ポンプ軸に伝達可能な第1回転伝達機構と、
    前記駆動側回転軸の回転を前記ポンプ軸に伝達可能な第2回転伝達機構と、
    制御装置と、
    を備え、前記エンジンを運転停止させると共に前記係合要素により前記エンジンと前記駆動側回転軸との接続を解除して走行する所定走行時には、前記駆動側回転軸の回転が前記第2回転伝達機構を介して前記ポンプ軸に伝達される動力伝達装置であって、
    前記制御装置は、前記所定走行時には、ブレーキオンのときにブレーキオフのときと比して前記無段変速機の変速比が大きくなるように前記無段変速機を制御する、
    動力伝達装置。
  2. 請求項1記載の動力伝達装置であって、
    前記制御装置は、前記所定走行時で且つブレーキオンのときには、ブレーキ操作量が大きいほど前記無段変速機の変速比が大きくなるように前記無段変速機を制御する、
    動力伝達装置。
  3. 請求項1または2記載の動力伝達装置であって、
    前記制御装置は、前記所定走行時で且つブレーキオンのときには、前記車両の減速度が大きいほど前記無段変速機の変速比が大きくなるように前記無段変速機を制御する、
    動力伝達装置。
  4. 請求項1ないし3のうちの何れか1つの請求項に記載の動力伝達装置であって、
    前記制御装置は、前記所定走行時で且つブレーキオンのときには、前記作動油の温度が高いほど前記無段変速機の変速比が大きくなるように前記無段変速機を制御する、
    動力伝達装置。
  5. 請求項1ないし4のうちの何れか1つの請求項に記載の動力伝達装置であって、
    前記制御装置は、前記所定走行時で且つブレーキオンのときには、前記ブレーキオンが開始されたときの車速が低いほど前記無段変速機の変速比が大きくなるように前記無段変速機を制御する、
    動力伝達装置。
  6. 請求項1ないし5のうちの何れか1つの請求項に記載の動力伝達装置であって、
    前記制御装置は、前記所定走行時には、所定ダウンシフト線に沿って前記無段変速機の変速比がダウンシフトするように前記無段変速機を制御し、
    前記所定走行時で且つブレーキオンのときの前記所定ダウンシフト線は、前記所定走行時で且つブレーキオフのときの前記所定ダウンシフト線よりも、前記駆動側回転軸の回転数が高くなるように設定される、
    動力伝達装置。
  7. 請求項1ないし6のうちの何れか1つの請求項に記載の動力伝達装置であって、
    前記制御装置は、前記所定走行時には、所定ダウンシフト線に沿って前記無段変速機の変速比がダウンシフトするように前記無段変速機を制御し、
    前記所定走行時で且つブレーキオフのときの前記所定ダウンシフト線は、前記無段変速機の制御のために前記オイルポンプで最低限必要とされる必要吐出量に基づいて設定される、
    動力伝達装置。
  8. 請求項1ないし7のうちの何れか1つの請求項に記載の動力伝達装置であって、
    前記エンジンに接続される第1回転要素と第2回転要素と前記駆動側回転軸に接続される第3回転要素とを有する遊星歯車機構と、前記第1回転要素と前記第2回転要素と前記第3回転要素とのうちの何れか2つを互いに接続すると共に両者の接続を解除するクラッチと、前記第2回転要素をケースに対して回転不能に固定すると共にその固定を解除するブレーキと、を有する前後進切替機構を備え、
    前記係合要素は、前記クラッチである、
    動力伝達装置。
  9. エンジンを備える車両に搭載され、駆動側回転軸と車軸に連結された従動側回転軸との間で動力を無段階に変速して伝達する無段変速機と、前記エンジンと前記駆動側回転軸との接続および接続の解除を行なう係合要素と、ポンプ軸の回転により駆動されて前記無段変速機および前記係合要素に作動油を圧送するオイルポンプと、前記係合要素よりも前記エンジン側の何れかの回転要素の回転を前記ポンプ軸に伝達可能な第1回転伝達機構と、前記駆動側回転軸の回転を前記ポンプ軸に伝達可能な第2回転伝達機構とを備え、前記エンジンを運転停止させると共に前記係合要素により前記エンジンと前記駆動側回転軸との接続を解除して走行する所定走行時には、前記駆動側回転軸の回転が前記第2回転伝達機構を介して前記ポンプ軸に伝達される動力伝達装置の制御方法であって、
    前記所定走行時には、ブレーキオンのときにブレーキオフのときと比して前記無段変速機の変速比が大きくなるように前記無段変速機を制御する、
    動力伝達装置の制御方法。
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