JP2020015681A - 骨代謝改善用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は骨代謝改善用組成物に関する。また、本発明は、骨代謝改善のために用いられる飲食品、又は医薬品に関する。さらに、本発明は、飲食品、又は医薬品に骨代謝改善作用を付与する方法に関する。【解決手段】ラムノースを含む骨代謝改善用組成物、並びに骨代謝改善用飲食品又は医薬品。【選択図】なし
Description
本発明は骨代謝改善用組成物に関する。また、本発明は、骨代謝改善のために用いられる飲食品、又は医薬品に関する。さらに、本発明は、飲食品、又は医薬品に骨代謝改善作用を付与する方法に関する。
ヒトなどにおいては、骨は破骨細胞と骨芽細胞がバランスを保つことで正常なリモデリングが行われるが、加齢や閉経、糖尿病などによりこのバランスが崩れると、骨粗しょう症などの骨吸収性疾患を発症しやすくなる。この時の状態は、破骨細胞の分化が骨芽細胞の分化より促進されて骨溶解の方向にバランスが傾いており、結果として、骨量が減少したり、骨がもろくなり骨折しやすくなったりする。
このような骨吸収性疾患には投薬治療を行うのが主流である。現在、骨粗しょう症の薬として処方されるビスホスホネート製剤のような骨吸収抑制剤は、破骨細胞の活動を抑制することで骨量を増加させるが、同時に骨芽細胞の分化因子を減少させて新しい骨の形成も抑制する。このため、長期継続すると古い骨しか残らず骨が劣化し、顎骨の壊死、大腿骨骨折が起こるといった副作用の問題点がある。
一方、健康食品分野においては、主に安全性を考慮して、食品由来のものを有効成分とした骨粗しょう症予防治療や骨強化などを目的とする機能性食品、サプリメントなどが多く開発されている(特許文献1〜4)。
しかし、これらの機能性食品やサプリメントなどは効果が十分でない場合も多く、当業界においては、ヒトなどの骨吸収性疾患(骨粗しょう症、骨量減少等)の効果的な予防及び/又は治療などを可能とし、且つ、安全性の高い更なる成分(特に食品由来成分)の開発が引き続き望まれ、食品で使用しやすい形態特に、破骨細胞分化抑制の効果を発揮するような成分が求められている。
本発明は、骨代謝を改善するための技術を提供することを目的とする。より詳細には、本発明は骨代謝改善用組成物を提供することを目的とする。第2に骨代謝改善のために用いられる飲食品、又は医薬品を提供することを目的とする。第3に、飲食品、又は医薬品に骨代謝改善作用を付与する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究の結果、ラムノースが、簡便に且つ効果的に骨代謝を改善する作用を発揮することを見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
本発明はかかる知見に基づいて、さらに研究を重ねて完成したものであり、下記の実施形態を有するものである。
(I−1)ラムノースを含む骨代謝改善用組成物。
(I−2)骨代謝改善が破骨細胞分化抑制作用、骨成分維持作用、及び骨吸収抑制作用からなる群より選択される1種以上の作用によるものである、(I−1)に記載の骨代謝改善用組成物。
(I−3)食品添加物である、(I−1)又は(I−2)に記載の骨代謝改善用組成物。
(I−2)骨代謝改善が破骨細胞分化抑制作用、骨成分維持作用、及び骨吸収抑制作用からなる群より選択される1種以上の作用によるものである、(I−1)に記載の骨代謝改善用組成物。
(I−3)食品添加物である、(I−1)又は(I−2)に記載の骨代謝改善用組成物。
(II−1)ラムノースを含む骨代謝改善用飲食品、又は医薬品。
(II−2)骨代謝改善が破骨細胞分化抑制作用、骨成分維持作用、及び骨吸収抑制作用からなる群より選択される1種以上の作用によるものである、(II−1)に記載の骨代謝改善用飲食品、又は医薬品。
(II−2)骨代謝改善が破骨細胞分化抑制作用、骨成分維持作用、及び骨吸収抑制作用からなる群より選択される1種以上の作用によるものである、(II−1)に記載の骨代謝改善用飲食品、又は医薬品。
(III−1)ラムノースを飲食品、又は医薬品に添加することを含む、飲食品又は医薬品に骨代謝改善作用を付与する方法。
本発明によれば、ラムノースを含む骨代謝改善用組成物を提供することができる。また、骨代謝改善のために用いられる飲食品、又は医薬品を提供することができる。さらに、飲食品、又は医薬品に骨代謝改善作用を付与することができる。本発明の骨代謝改善用飲食品、又は医薬品を摂取することによって、ヒトなどにおいて破骨細胞の分化が抑制され、これにより、骨代謝のバランスが改善し、骨吸収性疾患(骨粗しょう症、骨量減少等)の予防及び/又は治療などを効果的に行うことができる。
ラムノースは、天然物であっても合成物であってもよく、天然物から精製したものや商業的に入手可能なものなど、特に限定されない。また、ラムノースそのものであっても、例えば水和物などの溶媒和物であってもよい。溶媒和物としては、例えば、シグマ社のL−ラムノース一水和物などがあげられる。また、既存添加物自主規格に掲載されているように、ルチン抽出物などに含まれる配糖体、又は油脂を発酵し濃縮分離して得られたものを加水分解し、分離精製したものも使用できる。
骨代謝とは、骨芽細胞による骨形成と、破骨細胞による骨吸収が繰り返される、骨のリモデリングを意味する。本発明において、骨代謝改善とは、骨粗しょう症などにおいて見られるような、破骨細胞への分化亢進による骨吸収に偏った骨代謝を、破骨細胞への分化を抑制することによって、正常なバランスに改善することを意味する。骨代謝改善作用としては、例えば、破骨細胞分化抑制作用、骨成分維持作用、骨吸収抑制作用などが挙げられる。本発明は、破骨細胞分化抑制作用、骨成分維持作用、及び骨吸収抑制作用からなる群より選択される1種以上の作用を発揮するものであればよい。
破骨細胞分化抑制作用とは、破骨前駆細胞の破骨細胞への分化を抑制する作用を意味する。破骨細胞への分化を抑制することによって、破骨細胞数を低減させ、骨吸収の亢進を抑制し、骨代謝のバランスを適正に保つことができる。
骨成分維持作用とは、破骨細胞への分化を抑制することによって、破骨細胞による骨基質や骨基質に含まれるコラーゲンなどのタンパク質の分解(骨吸収)を抑制し、骨基質やタンパク質などの骨成分を溶解することなく維持する作用を意味する。骨吸収に偏った骨代謝において、骨基質やタンパク質が溶解せずに維持されることによって、骨代謝のバランスを適正に保つことができる。
骨吸収抑制作用とは、破骨細胞への分化を抑制することによって、破骨細胞の分泌する酸やプロテアーゼによる骨の破壊、吸収を抑制する作用を意味する。骨吸収に偏った骨代謝において、破骨細胞による骨吸収を抑制することによって、骨代謝のバランスを適正に保つことができる。
破骨細胞への分化を抑制することによる、破骨細胞分化抑制作用、骨成分維持作用、又は骨吸収抑制作用により骨吸収に偏った骨代謝が正常なバランスに改善され、骨が脆くなること、又は骨量が低下することなどを抑制し、丈夫な骨を維持することができる。
破骨細胞の増殖を抑制する方法としては、大豆イソフラボンによる、破骨細胞の細胞死を誘導する方法が知られており、大豆イソフラボンは、破骨細胞のアポトーシスを直接誘導するアポトーシス関連遺伝子Bimの発現を促進することによって、破骨細胞の細胞死を誘導すると考えられている(学苑・生活科学紀要 No.794 21〜26 2006)。しかし、安全性などを考慮すると、細胞死を誘導せずに、破骨細胞の増殖を抑制することが好ましい。
(I)骨代謝改善用組成物
本骨代謝改善用組成物は、骨代謝改善作用を有する限り、ラムノースを含むものであればよい。本骨代謝改善用組成物中のラムノースの含有量は、骨代謝改善作用を有する限り、特に制限されず、0.001〜100質量%の範囲から適宜設定することができる。
本骨代謝改善用組成物は、骨代謝改善作用を有する限り、ラムノースを含むものであればよい。本骨代謝改善用組成物中のラムノースの含有量は、骨代謝改善作用を有する限り、特に制限されず、0.001〜100質量%の範囲から適宜設定することができる。
本骨代謝改善用組成物は、飲食品、又は医薬品に骨代謝改善作用を付与するための添加物として用いることができる。本骨代謝改善用組成物は、その形態を問わないが、粉末状、顆粒状、タブレット状、及びカプセル剤状などの固体の形態、ならびにシロップ状、乳液状、液状、及びジェル状などの半固体又は液体の形態を有することができる。
本骨代謝改善用組成物は、適当な形態に調製するため、またその安定化のために、各種の担体並びに添加剤を配合することもできる。
かかる担体または添加剤としては、単糖類(例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース等)、二糖類(例えば、ショ糖、白糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース等)、糖アルコール(例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニット等)、オリゴ糖、澱粉(例えば、トウモロコシデンプン、部分α化デンプン等)、澱粉分解物(例えば、デキストリン、粉飴等)、セルロースまたはセルロース誘導体(例えば、結晶セルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースナトリウム等)、及びタルク等の賦形剤;デンプン、α化デンプン、ゼラチン、アラビアガム、デキストリン、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはその塩等の結合剤;炭酸カルシウム、クロスポピドン、デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルスターチ、結晶セルロース、寒天等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、無水ケイ酸等の滑沢剤;ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、及びプルロニック等の懸濁化剤;白糖、タルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、カルナウバロウ、ヒドロキシプロピルメチルフタレート等のコーティング剤;白糖、ブドウ糖、サッカリンナトリウム、ソルビトール、クエン酸、及びアスパルテーム等の矯味剤等を挙げることができる。また上記成分の他、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、通常医薬品添加物として許容される、安定剤、界面活性剤、可塑剤、カプセル皮膜、可溶剤、還元剤、緩衝剤、甘味剤、基剤、吸収促進剤、吸着剤、硬化剤、抗酸化剤、光沢化剤、香料、剤皮、支持体、持続化剤、湿潤剤、湿潤調整剤、充填剤、消泡剤、清涼剤、接着剤、増強剤、咀嚼剤、帯電防止剤、香料、着色剤、糖衣剤、等張化剤、軟化剤、乳化剤、粘着剤、粘着増強剤、粘稠剤、pH調整剤、浮遊剤、分散剤、噴射剤、芳香剤、防錆剤、防湿剤、放出制御膜、防腐剤、捕捉剤、保存剤、溶解剤、溶解補助剤、溶剤、離形剤、流動化剤等、または食品の添加物として許容される、甘味料、着色料、保存料、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊料、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤、乳化剤、膨脹剤、調味料、酸味料、苦味料、光沢剤、ガムベース、栄養強化剤、製造用剤等、香料等の任意成分を所望に応じて添加することもできる。
本骨代謝改善用組成物は、上記成分に加えて、本発明の効果を妨げない範囲で、任意の可食性成分を含有することができる。
可食性成分としては、例えば、賦形剤、有機酸、着色料、アミノ酸(例えば、グリシン、アルギニン、リジン、アラニン、グルタミン酸、ヒスチジン、スレオニン、アスパラギン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、セリン、チロシン、イソロイシン、メチオニン等)、栄養素(ビタミン類、ミネラルを含む)、抗酸化剤、保存料、抗菌剤、静菌剤、植物抽出物(例えば、茶抽出物、コーヒー抽出物、ココア抽出物等)、果汁(例えば、オレンジ、グレープ、アップル、ピーチ、パイナップル、トマト、イチゴ等)、甘味料(ショ糖、異性化糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水あめ、粉末水あめ、還元麦芽水あめ、蜂蜜、トレハロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール類;サッカリンナトリウム、サイクラメートまたはその塩、アセサルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、ステビア抽出物(例えば、ステビオサイド等)、ラカンカ抽出物(例えば、モグロシド等)等の高甘味度甘味料等)、及び香料等が挙げられる。
(II)骨代謝改善用飲食品、又は医薬品
本発明の骨代謝改善用飲食品、又は医薬品は、ラムノースを含有する飲食品、又は医薬品である。
本発明の骨代謝改善用飲食品、又は医薬品は、ラムノースを含有する飲食品、又は医薬品である。
本発明の骨代謝改善用飲食品、又は医薬品は、骨代謝改善作用を有する限り、ラムノースを含むものであればよい。ラムノースの含有量は、骨代謝改善作用を有する限り、特に制限されず、0.001〜100質量%の範囲から適宜設定することができる。
対象飲食品としては、特に制限されないが、例えば、清涼飲料(例えば、茶系飲料、果実飲料、野菜飲料、コーヒー飲料、ココア飲料、スポーツ飲料、炭酸飲料、乳性飲料、豆乳及び豆乳飲料、スポーツ飲料等)、乳製品(例えば、牛乳、乳酸菌飲料等)等の飲料;スープ、味噌汁、汁粉、甘酒等の汁物;菓子(ペースト状及びジェル状の菓子、並びに菓子を流動状に調製したもの[ミキサー食、ペースト食、及び離乳食]を含む。);栄養補助飲食品(ペースト状及びジェル状の栄養補助飲食品、栄養補助飲食品を流動状に調製したもの[ミキサー食、ペースト食、及び離乳食]を含む);主食(例えば、米飯食品、麺類、パン類等、主食を流動状に調製したもの[ミキサー食、ペースト食、及び離乳食]を含む。)及び総菜(総菜を流動状に調製したもの[ミキサー食、ペースト食、及び離乳食]を含む);濃厚流動食;経腸栄養剤(経口投与または経口摂取されるもの)等を挙げることができる。特に、飲料が好ましい。
対象医薬品としては、経口的に投与されるものであればよく、例えば散剤(粉末剤)、顆粒剤、錠剤(トローチ剤、チュアブル剤を含む)、丸剤、カプセル剤、フィルム剤、及び液剤(ドリンク剤)等を挙げることができる。
本発明によれば、ラムノースを含有させることで、骨代謝改善のために用いられる、飲食品、又は医薬品を製造することができる。
(III)骨代謝改善作用を付与する方法
本発明の骨代謝改善作用を付与する方法は、上記(II)で対象とする飲食品、又は医薬品に、ラムノースを添加することによって実施することができる。ラムノースの含有量は、骨代謝改善作用を有する限り、特に制限されず、0.001〜100質量%の範囲から適宜設定することができる。また、ラムノースは飲食品、又は医薬品の製造過程の任意の段階で添加することができる。
本発明の骨代謝改善作用を付与する方法は、上記(II)で対象とする飲食品、又は医薬品に、ラムノースを添加することによって実施することができる。ラムノースの含有量は、骨代謝改善作用を有する限り、特に制限されず、0.001〜100質量%の範囲から適宜設定することができる。また、ラムノースは飲食品、又は医薬品の製造過程の任意の段階で添加することができる。
本発明の内容を以下の実験例や実施例を用いて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。下記において、特に言及する場合を除いて、実験は大気圧及び常温条件下で行っている。また特に言及する場合を除いて、「%」は「質量%」を意味する。
実験例1
(ラムノースの破骨細胞分化への影響確認試験)
ラムノースの破骨細胞分化への影響を確認するため、以下の試験を実施した。
(ラムノースの破骨細胞分化への影響確認試験)
ラムノースの破骨細胞分化への影響を確認するため、以下の試験を実施した。
細胞は理化学研究所から譲渡された破骨前駆細胞であるRAW 264を用いた。RAW 264はウシ胎児血清(FBS)10%(v/v)を含むα−MEM培地(100IU/mL penicillin、100mg/mL streptomycinを含む)に、分化誘導剤として、500ng/mL Receptor activator of nuclear factor kappa−β ligand(RANKL)を添加したものを用いて、37℃、5%CO2存在下で培養した。プレートには5×103cells/wellとなるように96ウェルプレートに100μl播種して培養を開始した。播種直後からラムノースの添加を開始し、4日目で培地交換を行い、計7日間培養した。ラムノースは、終濃度1.5、15、150、250、500μMとなるようにそれぞれ滅菌水に溶解し、培地に対して1%(v/v)の濃度になるように添加した。比較対照として、終濃度が150μMのグルコース、及びラムノースと分子量が同じフコースを用いた。
これらについて、破骨細胞分化の指標として酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ(TRAP)染色、及び活性の測定を行った。TRAP染色は、コスモ・バイオ株式会社製品のTRAP染色キットを用いて試験した。具体的には、培養液を抜き取り100μL/wellのPBSで細胞を1回洗浄し、あらかじめ10%(v/v)ホルマリン溶液を50μL/well加えて細胞を固定した。そして、室温で5分静置し、精製水250μL/wellで3回洗浄した。発色試薬を50μL/well添加し、37℃の恒温槽にて1時間静置した。その後、精製水250μL/wellで1回洗浄し、細胞数をカウントした。結果を図1に示す。
この結果から分かるように、ラムノースを添加することによって、破骨細胞への分化が抑制され、150μM以上の濃度体においては、破骨細胞に分化する細胞数が有意に減少することが判明した。また、ラムノースは、比較対照としたフコース、及びグルコースと比較して、より効果的に破骨細胞への分化を抑制することが判明した。
実験例2
(ラムノースの破骨細胞の毒性影響確認試験)
ラムノースの破骨細胞の毒性影響を確認するため、以下の試験(生育アッセイ)を実施した。
(ラムノースの破骨細胞の毒性影響確認試験)
ラムノースの破骨細胞の毒性影響を確認するため、以下の試験(生育アッセイ)を実施した。
細胞は理化学研究所から譲渡された破骨前駆細胞であるRAW 264を用いた。RAW 264はウシ胎児血清(FBS)10%(v/v)を含むα−MEM培地(100IU/mL penicillin、100mg/mL streptomycinを含む)に、37℃、5%CO2存在下で培養した。プレートには5×103cells/wellとなるように96ウェルプレートに100μl播種して培養を開始した。播種直後からラムノースの添加を開始し、4日目で培地交換を行い、計7日間培養した。ラムノースは、終濃度15、150、500μM、フコースは、終濃度150μM、グルコースは、終濃度15、150、500μMとなるようにそれぞれ滅菌水に溶解し、培地に対して1μl添加した。
培養後、5mg/mlになるようにリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で希釈したMTT〔3−(4,5−Dimethylthial−2−yl)−2,5−Diphenyltetrazalium Bromide〕をウェルに10μl添加し、37℃、5%CO2存在下で4時間静置した。その後、10質量%ウラリル硫酸ナトリウム、0.01N塩酸になるように調製したMTT溶解液をウェルに10μl添加した。生細胞中の還元酵素によりMTTから不溶性のホルマザンに変換されるが、ホルマザンはこの溶解液により可溶化する。アルミホイルにて遮光し、終夜常温静置した。翌日プレートリーダーにて571nmの吸光度を測定した。結果を図2に示す。
この結果から分かるように、ラムノースを添加しても、破骨細胞の細胞死が誘導されないことが判明した。つまり、ラムノースは大豆イソフラボンのように、破骨細胞の細胞死を誘導することなく、破骨細胞への分化を抑制できるため、安全性の高い素材である。
Claims (6)
- ラムノースを含む骨代謝改善用組成物。
- 骨代謝改善が破骨細胞分化抑制作用、骨成分維持作用、及び骨吸収抑制作用からなる群より選択される1種以上の作用によるものである、請求項1に記載の骨代謝改善用組成物。
- 食品添加物である、請求項1又は2に記載の骨代謝改善用組成物。
- ラムノースを含む骨代謝改善用飲食品、又は医薬品。
- 骨代謝改善が破骨細胞分化抑制作用、骨成分維持作用、及び骨吸収抑制作用からなる群より選択される1種以上の作用によるものである、請求項4に記載の骨代謝改善用飲食品、又は医薬品。
- ラムノースを飲食品、又は医薬品に添加することを含む、飲食品又は医薬品に骨代謝改善作用を付与する方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6800386B1 (ja) * | 2020-01-23 | 2020-12-16 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | 骨代謝改善用組成物 |
WO2020262691A1 (ja) | 2019-06-28 | 2020-12-30 | 富士フイルム株式会社 | 機上現像型平版印刷版原版、平版印刷版の作製方法、及び、平版印刷方法 |
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2018
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Cited By (2)
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