JP2020015153A - ロボット、ロボット制御装置、ロボットシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】ロボットにおいて架台に起因する振動を含む振動を簡易な構成で低減する。【解決手段】このロボットは、架台と基台との間に位置し、力を検出する力センサーと、基台に接続され、基台に対して移動する可動部と、を備える。可動部を移動させる第1制御信号から、力センサーからの出力に基づいて得られる架台の共振周波数成分が低減された第2制御信号に基づいて、可動部が制御される。【選択図】図1
Description
本開示は、ロボットにおいて振動を低減する技術に関する。
従来、ロボットの技術分野において、エンドエフェクターに保持されたワークピースの振動を低減するための、以下のような技術が存在する。特許文献1の技術においては、あらかじめ、エンドエフェクターでワークピースを保持した状態における、ロボットが共振する振動数を特定する。そして、ロボットのサーボモーターを駆動制御する電流制御部に与えられるトルク制御信号(時間の関数として把握できる)に、帯域阻止フィルターを適用し、その振動数の成分をトルク制御信号から除去する。その結果、その振動数の成分を含まないトルク制御信号が電流制御部に与えられる。そのトルク制御信号に基づいて電流制御部によって駆動制御されたサーボモーターは、エンドエフェクターに保持されたワークピースをその振動数で共振させてしまうことがない。
特許文献1の技術においては、ロボットを基準とする姿勢に移動させ、レーザー変位計を配置する。そして、ハンドをハンマーで叩いて振動を発生させ、ハンドの振動の固有振動数または固有の振動の周期を測定する。その結果、エンドエフェクターでワークピースを保持した状態における、ロボットが共振する振動数が特定される。
しかし、特許文献1の技術においては、ロボットが取りつけられる架台の振動については、考慮されていない。このため、特許文献1の技術においては、ロボット単体について、上記の方法で固有振動数または固有の振動の周期を測定していると考えられる。そのような方法で測定した振動数の成分をトルク制御信号から除去しても、実際にロボットに作業を実行させる際には、ロボットを支持する架台がロボットの動きによって共振し得る。その結果、架台に取りつけられたロボットのエンドエフェクターも振動することとなる。
本開示の一形態によれば、架台に取りつけられたロボットが提供される。このロボットは、基台と、前記架台と接触している第1受圧面と、前記基台と接触している第2受圧面と、を有し、前記第1受圧面と前記第2受圧面との力の差を検出する力センサーと、前記基台に接続され、前記基台に対して移動することができる可動部と、を備える。前記可動部を移動させることができる第1制御信号から、前記力センサーからの出力に基づいて得られる前記架台の共振周波数成分を含む複数の共振周波数成分を低減することにより、得ることができる第2制御信号に基づいて、前記可動部が制御される。
A.第1実施形態:
A1.ロボットシステムの構成:
図1は、第1実施形態のロボットシステム1を示す説明図である。技術の理解を容易にするために、図1において、ロボット座標系RCを示す。ロボット座標系RCは、水平面上において互いに直交するX軸とY軸と、鉛直上向きを正方向とするZ軸とによって規定される3次元の直交座標系である。
A1.ロボットシステムの構成:
図1は、第1実施形態のロボットシステム1を示す説明図である。技術の理解を容易にするために、図1において、ロボット座標系RCを示す。ロボット座標系RCは、水平面上において互いに直交するX軸とY軸と、鉛直上向きを正方向とするZ軸とによって規定される3次元の直交座標系である。
本実施形態のロボットシステム1は、ロボット100と、エンドエフェクター200と、出力装置250と、ロボット制御装置300と、教示装置600と、を備える。ロボット制御装置300と教示装置600とをまとめて制御装置900とも呼ぶ。
ロボット100は、架台F100に対して固定されている。架台F100は、略四角形の天板と、略四角形の支持台560とを備える。架台F100は、天板の4個の角部と支持台560の4個の角部とをそれぞれ結ぶ4本の支柱に支持されている。ロボット100は、基台180を介して架台F100に吊られている。より具体的には、ロボット100は、ロボット100の構成要素である力覚センサー190および基台180を介して、架台F100の天板に固定され、そこから下方に伸びている。
ロボット100は、4個の関節X11〜X14を備えたアーム110を有する4軸ロボットである。関節X11,X12,X14は、ねじり関節である。関節X13は、並進関節である。アーム110は、基台180に接続されている。各関節に設けられたサーボモーター410で関節X11〜X14が駆動されることにより、アーム110は、基台180に対して移動することができる。その結果、ロボット100は、関節X11〜X14を駆動されることにより、アーム110の先端に取りつけられたエンドエフェクター200を、基台180に対して、指定された姿勢で、3次元空間中の指定された位置に、移動させることができる。なお、3次元空間におけるエンドエフェクター200の位置を代表する地点を、TCP(Tool Center Point)とも呼ぶ。
アーム110を構成する複数の関節のうち互いに隣接する関節と関節の間の構成要素を、本明細書において「アーム要素」と呼ぶ。図1において、関節X11と関節X12の間のアーム要素110a、関節X12と関節X13の間のアーム要素110b、およびアーム110の先端を構成し関節X13,X14によって動かされるアーム要素110cを、符号を付して示す。アーム要素110aは、関節X11を介して、基台180に接続されている。基台180は、力覚センサー190を介して架台F100の天板に固定されている。
ロボット100は、関節X11〜X14に、それぞれサーボモーター410と、位置センサー420と、減速機と、を備える。サーボモーター410は、ロボット制御装置300に制御されて、サーボモーター410の出力軸を回転させる。減速機は、サーボモーター410の出力軸の回転を減速させてアーム要素に伝達する。位置センサー420は、サーボモーター410の回転位置および回転速度を検出し、ロボット制御装置300に送信する。
力覚センサー190は、ロボット100に作用するX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力と、X軸、Y軸、Z軸まわりのトルクを測定することができる。力覚センサー190は、架台F100と接触している第1受圧面191と、基台180と接触している第2受圧面192と、を有する。力覚センサー190は、具体的には、第1受圧面191と第2受圧面192との力の差を検出する。その結果、力覚センサー190によって、ロボット100や架台F100の動作や振動に起因するロボット100の慣性力と架台F100の慣性力の差を、検出することができる。力覚センサー190の出力は、ロボット制御装置300に送信され、ロボット100の制御に使用される。
エンドエフェクター200は、ロボット100のアーム110の先端に取りつけられている。エンドエフェクター200は、作業の対象物に対して処理を行う。具体的には、エンドエフェクター200は、ロボット制御装置300に制御されて、ワークピースW01を保持することができ、また、保持しているワークピースW01を離すことができる。その結果、たとえば、ロボット100とエンドエフェクター200とは、ロボット制御装置300に制御されて、支持台560上のワークピースW01を持ち上げて移動させ、作業を行うことができる。
出力装置250は、ユーザーに、ロボット100に関する警告を含む各種の情報を出力する。出力装置250は、具体的には、赤色灯およびスピーカーである。
ロボット制御装置300は、ロボット100に接続されており、ロボット100の動作を制御する。より具体的には、ロボット制御装置300は、ロボット100の関節X11〜X14を動かすサーボモーター410を駆動する。ロボット制御装置300は、プロセッサーであるCPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read-Only Memory)303を備える。ロボット制御装置300には、ロボット100を制御するための制御プログラムがインストールされている。ロボット制御装置300においては、ハードウェア資源としてのCPU301、RAM302、ROM303と、制御プログラムとが協働する。具体的には、CPU301が、ROM303に記憶されたコンピュータープログラムをRAM302にロードして実行することによって、様々な機能を実現する。
教示装置600は、ロボット制御装置300に目標位置Stと目標力fStとを教示するための装置である。目標力fStは、成分として、直線的に作用する力と、トルクと、を含みうる。教示装置600は、いわゆる「ティーチングペンダント」である。ロボット100に作業を実行させる際には、あらかじめ、教示装置600によるロボットの動作の教示が行われる。ロボット制御装置300は、教示の結果をデータとして格納する。ロボット制御装置300は、ロボット100に作業を実行させる段階において、格納された教示結果を表すデータに基づいて、ロボット100を制御する。
教示装置600は、プロセッサーであるCPU601、RAM602、ROM603を備える。教示装置600には、ロボット制御装置300に目標位置Stと目標力fStとを教示するための制御プログラムがインストールされている。教示装置600においては、ハードウェア資源としてのCPU601、RAM602、ROM603と、制御プログラムとが協働する。具体的には、CPU601が、ROM603に記憶されたコンピュータープログラムをRAM602にロードして実行することによって、様々な機能を実現する。
教示装置600は、さらに、入力装置604と、出力装置605を備える。入力装置604は、ユーザーからの指示を受け付ける。入力装置604は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等である。出力装置605は、ユーザーに、ロボット100の動作設定のためのユーザーインターフェイスや警告を含む各種の情報を出力する。出力装置605は、例えば、ディスプレイやスピーカー等である。
図2は、ロボット制御装置300の構成要素と、ロボット100が備えるサーボモーター410、位置センサー420および力覚センサー190と、の関係を示すブロック図である。ロボット制御装置300は、その機能部として、制御信号生成部310と、位置制御部320と、速度制御部330と、フィルター処理部340と、トルク制御部350と、サーボアンプ360と、フィルター設定部345と、力制御部390と、を備える。制御信号生成部310と、位置制御部320と、速度制御部330と、フィルター処理部340と、フィルター設定部345と、トルク制御部350と、力制御部390とは、CPU301によって実現される。
制御信号生成部310は、エンドエフェクター200が位置すべき目標位置Stを表す位置制御信号を生成し、位置制御部320に出力する。制御信号生成部310は、力制御を実施すべき指示をユーザーから受けている場合には、目標力fSt、すなわち、エンドエフェクター200が発生させるべき力およびその力の方向、ならびにトルクおよびそのトルクの向きを表す力制御信号を生成し、力制御部390に出力する。制御信号生成部310は、ロボット100が実行中の動作を表すコマンドを、フィルター設定部345に出力する。
力制御部390は、目標力fSt、すなわち、エンドエフェクター200が発生させるべき力およびその力の方向、ならびにトルクおよびそのトルクの向きを表す力制御信号を、制御信号生成部310から受信する。力制御部390は、エンドエフェクター200に作用しているX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力と、U軸、V軸、W軸まわりのトルクとを、力覚センサー190から受信する。U軸方向は、X軸方向を中心軸とする回転方向である。V軸方向は、Y軸方向を中心軸とする回転方向である。W軸方向は、Z軸方向を中心軸とする回転方向である。力制御部390は、ロボット100の位置センサー420から、各サーボモーター410の回転位置を受信する。そして、力制御部390は、それらのパラメーターに基づいて、位置の補正量ΔSを決定し、補正量ΔSを表す信号を出力する。
位置制御部320は、目標位置Stを表す位置制御信号を、制御信号生成部310から受信する。位置制御部320は、力制御部390から位置の補正量ΔSをあらわす信号を受信する。位置制御部320は、位置フィードバックとして、ロボット100の位置センサー420から、各サーボモーター410の回転位置を受信する。位置制御部320は、それらの情報に基づいて、ロボット100の各サーボモーター410の速度制御信号を生成し、出力する。
なお、位置制御部320は、力制御を実施すべき指示を制御信号生成部310から受けていない場合には、速度制御信号の生成に際して、力制御部390から受信した情報は考慮しない。
速度制御部330は、位置制御部320から速度制御信号を受信する。また、速度制御部330は、速度フィードバックとして、ロボット100の位置センサー420から、各サーボモーター410の回転速度を受信する。速度制御部330は、その速度制御信号と、各サーボモーター410の回転速度と、に基づいて、トルク制御信号を生成し、出力する。
フィルター設定部345は、制御信号生成部310から実行中の動作を表すコマンドを受信する。フィルター設定部345は、受信したコマンドに応じて、トルク制御信号から除去すべき1以上の周波数成分を指示する制御信号を生成し、出力する。フィルター設定部345は、トルク制御信号から除去すべき周波数成分は存在しない旨の制御信号を出力することもできる。
フィルター処理部340は、速度制御部330からトルク制御信号を受信する。また、フィルター処理部340は、フィルター設定部345から除去すべき1以上の周波数成分の制御信号を受信する。フィルター処理部340は、速度制御部330が出力したトルク制御信号に対して、帯域除去フィルターを使用して、トルク制御信号に応じた複数の周波数成分を除去する処理を行って、新たなトルク制御信号を生成し、出力する。より具体的には、フィルター処理部340により、特定の周波数成分が−30dB、低減される。
速度制御部330が出力したトルク制御信号も、フィルター処理部340が生成する新たなトルク制御信号も、いずれもアーム110およびエンドエフェクター200を移動させることができる制御信号である。速度制御部330が出力したトルク制御信号を、「第1制御信号CS1」と呼ぶ。フィルター処理部340が生成する新たなトルク制御信号を、「第2制御信号CS2」と呼ぶ。
フィルター処理部340において除去される周波数成分は、実行中の動作を表すコマンドに応じてあらかじめ定められた周波数の成分である。実行中の動作を表すコマンドに応じてあらかじめ定められた周波数は、(i)その動作の終了時点のロボット100の姿勢におけるロボット100の振動の振動数、または、(ii)その動作の終了時点においてロボット100がワークピースW01を保持している場合には、ワークピースW01を保持した状態における、その動作の終了時点のロボット100の姿勢におけるロボット100の振動の振動数である。このような処理を行うことにより、動作の終了時点において、ロボット100がその振動数で共振してしまう事態を防止できる。
本実施形態においては、ロボット100に作業を実行させるのに先立って、架台F100および基台180と接触している力覚センサー190によってロボット100の振動を検出して共振周波数を特定する。そして、その共振周波数成分が低減された第2制御信号CS2を生成することにより、架台F100の共振周波数で共振しにくい動作を、ロボット100のアーム110およびエンドエフェクター200に行わせることができる。
力覚センサー190が検知するロボット100の振動には、架台F100の固有振動も含まれ得る。このため、力覚センサー190を介して得られるロボット100の振動の振動数には、架台F100の共振周波数も含まれ得る。その結果、力覚センサー190からの出力に基づいて得られる架台F100の共振周波数成分を含む複数の共振周波数成分を、第1制御信号CS1から低減することにより得ることができる第2制御信号CS2に基づいて、アーム110が制御される。
力覚センサー190が検知するロボット100の振動には、エンドエフェクター200の固有振動も含まれ得る。このため、力覚センサー190を介して得られるロボット100の振動の振動数には、エンドエフェクター200の共振周波数も含まれ得る。その結果、力覚センサー190からの出力に基づいて得られるエンドエフェクター200の共振周波数成分を含む複数の共振周波数成分を、第1制御信号CS1から低減することにより得ることができる第2制御信号CS2に基づいて、アーム110が制御される。
本明細書において、トルク制御信号などの制御信号において所定の周波数成分を低減することにより、その周波数による制御対象物の共振を低減する処理を、「振動低減処理」と呼ぶ。また、制御信号において所定の周波数成分を低減することにより、その周波数による制御対象物の共振を低減する機能を、「振動低減機能」と呼ぶ。
フィルター処理部340は、フィルター設定部345から、除去すべき周波数は存在しない旨の制御信号を受信した場合には、速度制御部330から受信したトルク制御信号を、そのまま出力する。このような処理を行うことにより、速度制御部330から受信したトルク制御信号に基づいて、本来の制御信号に忠実にロボットを駆動することができる。
トルク制御部350は、フィルター処理部340からトルク制御信号を受信する。また、トルク制御部350は、サーボアンプ360から、各サーボモーター410に供給する電流の電流量を表すフィードバック信号を受信する。トルク制御部350は、そのトルク制御信号と、各サーボモーター410の電流フィードバック信号と、に基づいて、各サーボモーター410に供給する電流量を決定し、サーボアンプ360を介して、各サーボモーター410を駆動する。
A2.振動低減機能の設定:
図3は、本実施形態の振動低減機能において設定される、トルク制御信号から除去される周波数(本明細書において「対象振動数」という)を表す表示を示す図である。図3の表示は、振動低減機能の設定装置として機能する教示装置600を使用して振動低減機能の設定が行われる際に、出力装置605としてのディスプレイに表示される。表中の左端の列は、設定を区別するための番号である。ユーザーは、各番号に対応する振動低減機能に対して、2個の対象振動数を設定することができる。なお、「対象振動数」は、その系の固有振動数であってもよいし、その系の固有振動数の近傍の振動数であってもよい。
図3は、本実施形態の振動低減機能において設定される、トルク制御信号から除去される周波数(本明細書において「対象振動数」という)を表す表示を示す図である。図3の表示は、振動低減機能の設定装置として機能する教示装置600を使用して振動低減機能の設定が行われる際に、出力装置605としてのディスプレイに表示される。表中の左端の列は、設定を区別するための番号である。ユーザーは、各番号に対応する振動低減機能に対して、2個の対象振動数を設定することができる。なお、「対象振動数」は、その系の固有振動数であってもよいし、その系の固有振動数の近傍の振動数であってもよい。
図3の例では、番号1〜3の行には、それぞれ二つの対象振動数を表すパラメーターParam1,Param2として、F11,F12,F21,F22,F31,F32が、格納されている。各設定にしたがって、各設定に対応した第1制御信号CS1から、二つの周波数成分が除去される(図2の340参照)。なお、Param1,Param2として格納される数値は、周波数そのものであってもよいし、周波数を一義的に定めることができる何らかの数値や符号であってもよい。
A3.振動低減機能の設定とロボットの運用:
図4は、本実施形態のロボットシステム1の運用の流れを示すフローチャートである。本実施形態のロボットシステム1の運用においては、まずステップS100において、工場などにロボットが設置されて、動作ごとに振動低減機能の設定が行われる。その結果、図3に示すParam1,Param2に、具体的なパラメーターが設定される。
図4は、本実施形態のロボットシステム1の運用の流れを示すフローチャートである。本実施形態のロボットシステム1の運用においては、まずステップS100において、工場などにロボットが設置されて、動作ごとに振動低減機能の設定が行われる。その結果、図3に示すParam1,Param2に、具体的なパラメーターが設定される。
ステップS200において、ロボット100に作業を実行させ、製品の製造等に使用される。すなわち、図2に示すように、フィルター処理部340が、速度制御部330から受け取った第1制御信号CS1に対して、周波数成分を除去する処理を行って、第2制御信号CS2を生成する。そして、トルク制御部350は、フィルター処理部340から第2制御信号CS2を受け取って、第2制御信号CS2に基づいて、各サーボモーター410を駆動して、ロボット100を動作させる。
図5は、振動低減機能の設定の手順を示すフローチャートである。ステップS120においては、教示装置600は、加振プログラムを作成する。加振プログラムの内容は、ユーザーによって決定され、ユーザーから入力装置604を介して加振プログラムの内容に関する指示が教示装置600に入力される。教示装置600は、ユーザーから入力された指示に従って、加振プログラムを作成する。
本実施形態では、ハンマーによるロボットへの衝撃の適用に代えて、ロボットのサーボモーター410を駆動して、あらかじめ定められた動作(以下、「特定動作」ともいう)をロボットに行わせることにより、ロボットを振動させる。そして、特定動作を終了した後のロボットの残留振動が測定される。ステップS120においては、ロボットに特定動作を行わせるための加振プログラムが作成される。
特定動作は、たとえば、振動を低減する対象である動作と同一の動作とすることができる。また、たとえば、特定動作は、振動を低減する対象である動作と同一の動作ではないが、振動を低減する対象である動作の終了時のエンドエフェクター200の位置および向きをとるように、エンドエフェクター200を移動させる動作とすることができる。さらに、たとえば、特定動作は、アーム110をある姿勢に配して、ある一つの関節を、所定の角度範囲について所定の速さで往復動させる動作とすることができる。アーム110の姿勢は、振動を低減する対象である動作の終了時の姿勢とすることができる。アームを駆動させる速さは、共振周波数の推定範囲に応じて定めることができる。
図6は、図5のステップS120で生成される加振プログラムのプログラムリストの例PLを示す図である。「Go Px」(xは、1〜4)で表される第1コマンドC11は、Pxで表される目標位置へTCPを移動させるコマンドである。それぞれの目標位置は、振動を低減する対象である動作の終了時のエンドエフェクター200の位置および向きとすることができる。なお、図6には示していないが、「Go Px」に続いて、目標位置に移動する際の移動速度を指定するパラメーターを記述することもできる。
第1コマンドC11に続いて記述され、「VRT_trigger x」(xは、1〜4)で表される第2コマンドC12は、以下の様なコマンドである。すなわち、第2コマンドC12は、第1コマンドC11にしたがってエンドエフェクター200が目標位置Pxに移動した時刻から始まる所定の時間区間について、力覚センサー190によって力の残留振動を測定し、残留振動の履歴から得られた1以上の共振周波数を、番号xと対応付けて記憶するコマンドである。なお、図6には示していないが、「VRT_trigger x」に続いて、残留振動を測定する時間区間の長さを指定するパラメーターを記述することもできる。
このようなコマンドを用意することにより、第1コマンドC11と第2コマンドC12とを使用して、動作の残留振動に起因する力の差の履歴情報を容易に取得することができる。
図5のステップS130においては、教示装置600は、ステップS120で作成されたプログラムを実行すべき旨の指示を、入力装置604を介してユーザーから受け取って、ロボット制御装置300に送信する。
ロボット制御装置300においては、制御信号生成部310(図2参照)が特定動作の実行の指示を表すコマンド(図6のC11,C12参照)を教示装置600から受け付け、そのコマンドおよびそのコマンドに付属するパラメーターに応じて、位置制御信号を出力する。位置制御部320と、速度制御部330と、フィルター処理部340と、トルク制御部350と、サーボアンプ360とが、ロボット100のサーボモーター410を駆動させる(図2参照)。なお、図5のステップS130においては、フィルター処理部340は、特定の周波数成分を除去する処理を行わず、速度制御部330から受信したトルク制御信号を、そのままトルク制御部350に出力する。
ロボットを支持する架台がロボットの動きによって共振する事態を防止するためには、ロボットの完成時にロボットの固有振動数を測定するのではなく、ロボットが使用される環境に設置された後に、ハンマーでロボットに衝撃を加えて、ロボットの固有振動数を測定し、共振周波数成分を制御信号から除去する方法も考え得る。しかし、ロボットが設置される環境によっては、ロボットの周囲の空間が狭く、ハンマーでロボットに衝撃を加えることができない場合がある。
本実施形態においては、ステップS120,S130の処理を行うことにより、外部からハンマーなどでロボットに衝撃を加えることなく、力覚センサー190から得られるロボットの動作の実行による振動の測定の結果に基づいて、ロボットの対象振動数を知ることができる。
図5のステップS140においては、特定動作の終了後の残留振動に起因する力の差の変動が測定される。具体的には、第1コマンドC11(図6参照)にしたがってエンドエフェクター200が目標位置Pxに到達した時刻tsから始まる所定の時間区間について、教示装置600が、力覚センサー190によって力の差を測定する。
より具体的には、以下の処理が行われる。第1コマンドC11によってアーム110が動作している間、制御信号生成部310(図2参照)は、ロボット100の位置センサー420から各サーボモーター410の回転位置を取得する。制御信号生成部310は、各サーボモーター410の回転位置に基づいて、エンドエフェクター200が目標位置Pxに到達したことを検知した場合に、第1コマンドC11の動作の終了を指示する位置制御信号を、教示装置600に送信する。教示装置600は、第1コマンドC11の動作の終了を指示する位置制御信号を受け取ったことをトリガーとして、力覚センサー190による力の差の測定を開始する。
加振プログラムにおいて、力の差を測定すべき時間区間について指定がない場合には(図6参照)、教示装置600は、力覚センサー190によって、1.5秒間、力の差を測定する。より具体的には、ロボット制御装置300がロボット100の力覚センサー190を使用して力の差を測定し、履歴情報としてRAM302に保存する。そして、ロボット制御装置300は、履歴情報を教示装置600に送信する。教示装置600は、ロボット制御装置300を介して力覚センサー190から取得した履歴情報を、教示装置600のRAM602にデータファイルとして保存する。
このような処理を行うことにより、ユーザーは、自ら残留振動の測定の開始時刻を指定することなく、対象とする状態において制御対象物を振動させる可能性が高い対象振動数を、知ることができる。
図7は、図6のプログラムリストPLの1行目の処理の結果、力覚センサー190が測定し履歴情報として保存された力の差の経時的変化を表すグラフGhfを示す。図7において、横軸は時間を示す。縦軸は、力の差を表す。より具体的には、縦軸は、力覚センサー190が測定した、X軸方向についての第1受圧面191と第2受圧面192が受けた力の差を表す。図7において、履歴情報が力の差の情報を保持している時間区間の開始時刻をtsで示し、終了時刻をteで示す。なお、履歴情報は、力覚センサー190が測定した、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向についての第1受圧面191と第2受圧面192が受けた力の差、ならびにU軸方向、V軸方向、およびW軸方向についての第1受圧面191と第2受圧面192が受けたトルクの差について、作成される。
本実施形態においては、ロボット100のアーム110は、力覚センサー190を介して、架台F100に接続されている。このため、アーム110やエンドエフェクター200の動作に起因する、ロボット100および架台F100の各部の振動は、ロボット100および架台F100の構造を伝わって、力覚センサー190の第1受圧面191および第2受圧面192が受ける力の差として検出される。よって、本実施形態によれば、ロボットの各部に多数の振動センサーを取りつけることなく、一つの力覚センサー190によって、ロボット100および架台F100の各部の振動を、検出することができる。検出される振動は、アーム110やエンドエフェクター200や架台F100の共振周波数成分を含み得る。
図5のステップS150においては、教示装置600において、力の差の履歴情報が処理され、出力装置605に表示される。
図8は、周波数グラフGfpを示す。図8において、横軸は周波数を示し、縦軸は各周波数の強度を示す。周波数グラフGfpは、グラフGhfに対して高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transformation)を行った結果を表すグラフである。周波数グラフGfpは、教示装置600の出力装置605に表示される。
図8において、最も強度の高い周波数をF01で示し、2番目に強度の高い周波数をF02で示す。最も強度の高い周波数は、架台F100の共振周波数、アーム110全体の共振周波数、またはアーム110全体と架台F100とで構成される構造の共振周波数である場合が多い。2番目に強度の高い周波数は、エンドエフェクター200の共振周波数である場合が多い。
図5のステップS160において、ロボット制御装置300は、最も強度の高い周波数を所定の番号の振動低減機能のパラメーターParam1(図3参照)としてRAM302に格納する。ロボット制御装置300は、2番目に強度の高い周波数を所定の番号の振動低減機能のパラメーターParam2(図3参照)としてRAM302に格納する。
ロボット100に作業を実行させる際には(図4のS200参照)、ロボット制御装置300のRAM302に格納されているパラメーターParam1,Param2の値に基づいて、ロボット制御装置300は、以下の処理を行う。すなわち、ロボット制御装置300のフィルター処理部340が、速度制御部330が出力した第1制御信号CS1に対して、パラメーターParam1,Param2が表す周波数成分を除去する処理を行って、第2制御信号CS2を生成する(図2参照)。
このような処理が行われることにより、周波数についての強度分布のうち最も強度が高い周波数成分を含む制御信号に基づいてアーム110が制御される態様に比べて、動作中および動作の終了後に共振しにくい動作をアーム110に行わせることができる。そして、2番目に強度が高い周波数成分を含む制御信号に基づいてアーム110が制御される態様に比べても、動作中および動作の終了後に共振しにくい動作をアーム110に行わせることができる。
図5のステップS170において、教示装置600は、プログラムリストPL(図6参照)に記述されたすべての第2コマンドC12について、処理が完了したか否かを判定する。ステップS170の判定結果がYesの場合には、処理は修了する。ステップS170の判定結果がNoの場合には、処理はステップS130に戻る。その後、次の第1コマンドC11および第2コマンドC12について、ステップS130以下の処理が実行される。
A4.振動低減機能の再設定と異常検知:
図9は、振動低減機能の再設定と異常検知を示すフローチャートである。図9のステップS100,S200の処理は、図4のステップS100,S200の処理と同じである。ステップS200においては、ロボット制御装置300は、第1制御信号CS1から共振周波数成分を低減することにより第2制御信号CS2を生成して、第2制御信号CS2に基づいてロボット100のアーム110およびエンドエフェクター200を制御する(図2の上段参照)。
図9は、振動低減機能の再設定と異常検知を示すフローチャートである。図9のステップS100,S200の処理は、図4のステップS100,S200の処理と同じである。ステップS200においては、ロボット制御装置300は、第1制御信号CS1から共振周波数成分を低減することにより第2制御信号CS2を生成して、第2制御信号CS2に基づいてロボット100のアーム110およびエンドエフェクター200を制御する(図2の上段参照)。
ステップS300において、ロボット制御装置300は、Th1回(Th1は2以上の整数)、アーム110に動作を実行させたか否かを判定する。1回の動作は、たとえば、コマンド「Go Px」(図6参照)によって指定される。Th1の値は、過去の実績に基づいて、ロボット100、エンドエフェクター200、および架台F100の固有振動数が変化する可能性が増大する回数とすることができる。
ステップS300における判定結果がNoの場合、処理は、ステップS200に戻る。すなわち、ロボット100による作業が引き続き行われ、ロボット100は、ロボット制御装置300によって動作される。一方、ステップS300における判定結果がYesの場合、処理は、ステップS400に進む。
ステップS400において、ロボット制御装置300は、Th2回(Th2は2以上の整数)、ステップS100の処理を実行したか否かを判定する。Th2は、過去の実績に基づいて、ロボット100、エンドエフェクター200、および架台F100の機能に異常が生じた結果、固有振動数が変化する可能性が増大する処理回数とすることができる。ステップS400における判定結果がYesの場合、処理は、ステップS500に進む。ステップS400における判定結果がNoの場合、処理は、ステップS100に戻る。
ステップS400を経て実行されるステップS100においては、ロボット100の振動低減機能が再設定され、ステップS200以降の処理が実行される。その結果、ステップS200においては、ロボット制御装置300は、力覚センサー190からの新たな出力に基づいて得られる2個の共振周波数成分を、第1制御信号CS1から低減することにより、新たな第2制御信号CS2を生成する。そして、ロボット制御装置300は、新たな第2制御信号CS2に基づいてロボット100のアーム110およびエンドエフェクター200を制御する。
ステップS400における判定結果がYesとなるまで、第1制御信号CS1から複数の共振周波数成分を低減することにより第2制御信号CS2を生成する処理(S100,S200参照)が、ロボット制御装置300により繰り返し実行される。
このような処理を行うことにより、架台F100やロボット100の共振周波数成分が変化した場合にも、力覚センサー190からの新たな出力に基づいて、新たな共振周波数成分を低減した新たな第2制御信号CS2により、共振しにくい動作をアーム110およびエンドエフェクター200に行わせることができる。
ステップS500においては、ロボット制御装置300は、異常判定が行われる。具体的には、ロボット制御装置300は、各動作についてそれまでに設定されたTh2回分のパラメーターParam1(図3参照)のうち、最初のパラメーターParam1の値と最新のパラメーターParam1の値の差が、あらかじめ定められた閾値Thp1より大きい場合に、ロボット制御装置300は、ロボットシステム1に異常が生じていると判定する。また、各動作についてそれまでに設定されたTh2回分のパラメーターParam2(図3参照)のうち、最初のパラメーターParam2の値と最新のパラメーターParam2の値の差が、あらかじめ定められた閾値Thp2より大きい場合に、ロボット制御装置300は、ロボットシステム1に異常が生じていると判定する。上記の二つの条件がいずれも満たされない場合は、ロボット制御装置300は、ロボットシステム1に異常が生じていないと判定する。
ロボット制御装置300が、ロボットシステム1に異常が生じていないと判定した場合、処理はステップS700に進む。ロボット制御装置300が、ロボットシステム1に異常が生じていると判定した場合、処理はステップS800に進む。
ステップS700においては、ロボット制御装置300は、ステップS100を実行した回数を表すカウンターの値を0に設定し、処理はステップS100に戻る。
ステップS800においては、ロボット制御装置300は、ユーザーに対して、異常が生じた旨のエラー出力を出力装置250において行う。すなわち第1制御信号CS1から低減される複数の共振周波数成分の時間の経過に伴う変化が、あらかじめ定められた条件を満たす場合に、ロボット制御装置300は、は、出力装置250から警告を出力する。
このような処理を行うことにより、異常検知のためのなんらかの測定を別途、行うことなく、架台F100やロボット100の共振周波数成分の変化に対応するための処理(図9のS100〜S300参照)を利用して、異常判定を行い、出力部から警告を出力することができる。
A5.接触検知と力制御:
図10は、ロボット制御装置300において接触検知と力制御を実現する処理を示すフローチャートである。ロボット100に作業を実行させる際に(図4のS200参照)、エンドエフェクター200を基台180に対して移動させている間に、ロボット制御装置300は、接触検知と力制御を実行する。より具体的には、ロボット制御装置300は、力覚センサー190の出力に基づいて、アーム110の力制御と、ロボット100と他の構成との接触に応じたアーム110の停止と、を行う。図10の処理は、ロボット制御装置300のCPU301によって実現される。なお、力制御における目標力fStと目標位置St(図2の左部参照)とは、図10の処理に先立って、あらかじめ入力されているものとする。
図10は、ロボット制御装置300において接触検知と力制御を実現する処理を示すフローチャートである。ロボット100に作業を実行させる際に(図4のS200参照)、エンドエフェクター200を基台180に対して移動させている間に、ロボット制御装置300は、接触検知と力制御を実行する。より具体的には、ロボット制御装置300は、力覚センサー190の出力に基づいて、アーム110の力制御と、ロボット100と他の構成との接触に応じたアーム110の停止と、を行う。図10の処理は、ロボット制御装置300のCPU301によって実現される。なお、力制御における目標力fStと目標位置St(図2の左部参照)とは、図10の処理に先立って、あらかじめ入力されているものとする。
ステップS210において、ロボット制御装置300は、力覚センサー190によって、力覚センサー190にかかる力(以下、「検出力」と呼ぶ)を検出する。ステップS220において、ロボット制御装置300は、検出力から、重力に起因する力、および慣性力に起因する力を除いて、作用力fSを決定する。
ステップS230において、ロボット制御装置300は、作用力fSのX軸方向、Y軸方向、Z軸方向(図1参照)についての各方向成分が、それぞれ力閾値Thfx,Thfy,Thfzより小さく、かつ、作用力fSのU軸方向、V軸方向、W軸方向についての各方向成分がトルク閾値Thtu,Thtv,Thtwより小さいか否かを判定する。力閾値Thfx,Thfy,Thfz、ならびにトルク閾値Thtu,Thtv,Thtwは、ロボット100によって実現すべき力制御の動作に応じて、あらかじめ定められている。
たとえば、力覚センサー190によって検出された作用力fSのZ軸方向の力成分Fzの大きさが、力閾値Thfzを超えた場合、作用力fSのX軸方向の力成分Fxの大きさが、力閾値Thfxを超えた場合、または作用力fSのY軸方向の力成分Fyの大きさが、力閾値Thfyを超えた場合に、ステップS230における判定はNoとなる。
また、たとえば、力覚センサー190によって検出された作用力fSのW軸方向のトルク成分Twの大きさが、トルク閾値Thtwを超えた場合、作用力fSのU軸方向のトルク成分Tuの大きさが、トルク閾値Thtuを超えた場合、または作用力fSのV軸方向のトルク成分Tvの大きさが、トルク閾値Thtvを超えた場合に、ステップS230における判定はNoとなる。
ステップS230における判定結果がNoの場合、処理は、ステップS240に進む。判定結果がYesの場合、処理は、ステップS250に進む。
ステップS240において、ロボット制御装置300は、アーム110を停止させる。すなわち、エンドエフェクター200を基台180に対して移動させている間に、あらかじめ定められた大きさより大きい力が、力覚センサー190によって検知された場合には、ロボット制御装置300は、アーム110およびエンドエフェクター200の移動速度を低減させ、それらを停止させる。また、ロボット制御装置300は、ユーザーに対して、他の構成との接触が生じた旨のエラー出力を出力装置250において行う。
作用力fSの各方向成分のいずれかが、閾値を超えた場合、または、トルクの各方向成分のいずれかが閾値を超えた場合は、エンドエフェクター200またはロボット100が意図せずに他の構成と接触したと推定できる。そのため、ロボット制御装置300は、アーム110の動作を中止し、アーム110は停止される。その結果、アーム110によって他の構成が損傷する可能性を低減できる。
ステップS250において、ロボット制御装置300は、目標力fStを実現する力制御を実行する(図2参照)。ステップS260において、ロボット制御装置300は、TCPが目標位置Stに到達したか否かを判定する。判定結果がYesである場合、処理は終了する。判定結果がNoである場合、処理はステップS210に戻る。
このような処理を行うことにより、アーム110やエンドエフェクター200が他の構成と想定されていない接触をした場合には、アーム110およびエンドエフェクター200の移動速度を低減し、それらを停止させることにより、他の構成を損傷させる可能性を低減することができる。
そして、このような処理を行うことにより、ロボット制御装置300は、基台180に設けられた力覚センサー190に基づいて、アーム110の力制御と、ロボット100と作業対象物以外の構成との接触に応じたアーム110の減速と、を実現することができる。
本実施形態における力覚センサー190を、「力センサー」とも呼ぶ。アーム110とエンドエフェクター200を、まとめて「可動部」とも呼ぶ。ロボット100とエンドエフェクター200を、まとめて広義の「ロボット」と呼ぶ。ワークピースW01を、「対象物」とも呼ぶ。特定動作の実行の指示を表すコマンドを受け付ける制御信号生成部310を含むロボット制御装置300を、「受付部」とも呼ぶ。
B.第2実施形態:
図11は、第2実施形態のロボットシステム1Bを示す説明図である。図11において、ロボットシステム1Bの構成要素のうち、ロボットシステム1の構成要素と同じ機能を奏するものについては、同じ符号を付して示す。ロボットシステム1Bの構成要素のうち、ロボットシステム1の構成要素と対応するが、異なる機能を奏するものについては、ロボットシステム1の構成要素の符号の末尾に「B」を付して示す。技術の理解を容易にするために、図11においては、ロボット制御装置300と教示装置600の図示を省略する。第2実施形態のロボットシステム1Bが備えるロボット制御装置300および教示装置600の機能は、ロボットシステム1が備えるロボット制御装置300および教示装置600の機能と同じである。
図11は、第2実施形態のロボットシステム1Bを示す説明図である。図11において、ロボットシステム1Bの構成要素のうち、ロボットシステム1の構成要素と同じ機能を奏するものについては、同じ符号を付して示す。ロボットシステム1Bの構成要素のうち、ロボットシステム1の構成要素と対応するが、異なる機能を奏するものについては、ロボットシステム1の構成要素の符号の末尾に「B」を付して示す。技術の理解を容易にするために、図11においては、ロボット制御装置300と教示装置600の図示を省略する。第2実施形態のロボットシステム1Bが備えるロボット制御装置300および教示装置600の機能は、ロボットシステム1が備えるロボット制御装置300および教示装置600の機能と同じである。
第1実施形態のロボットシステム1においては、ロボット100は、基台180を介して架台F100に吊られている。これに対して、第2実施形態のロボットシステム1Bにおいては、ロボット100Bは、基台180を介して架台F100B上に配されている。すなわち、第1実施形態の架台F100が、ロボット100を上から支持しているのに対して、第2実施形態の架台F100Bは、ロボット100Bを下から支持している。
第1実施形態のロボットシステム1においては、力覚センサー190は、直接、架台F100に接続されている。これに対して、第2実施形態のロボットシステム1Bにおいては、力覚センサー190は、取付部材F100Cを介して、架台F100Bに接続されている。
本明細書においては、取付部材F100Cなどの部材を含め、力センサーを支持し、力センサーを介してロボットを支持する構造を、まとめて「架台」と表記する。第2実施形態においては、技術の理解を容易にするため、架台F100Bと取付部材F100Cとは、別の名称および符号が付されているが、技術思想としては、架台F100Bと取付部材F100Cは、まとめて「架台」として取り扱われる。すなわち、第2実施形態においては、力覚センサー190のうち、取付部材F100Cに接している面が、第1受圧面191である。
第1実施形態のロボットシステム1においては、エンドエフェクター200は、アーム要素110bに対して、基台180が位置する側とは逆の側に配されている(図1参照)。これに対して、第2実施形態のロボットシステム1Bにおいては、エンドエフェクター200は、アーム要素110bに対して、基台180が位置する側に配されている。
第2実施形態のロボットシステム1Bにおいて、エンドエフェクター200は、アーム110の先端を構成するアーム要素110cBに取りつけられている。アーム要素110cBは、関節X13B,X14Bによって、アーム要素110bに対して動かされる。関節X13Bは、並進関節である。関節X14Bは、ねじり関節である。
第2実施形態のロボットシステム1Bの他の点は、第1実施形態のロボットシステム1と同じである。
このような態様としても、架台F100Bおよび基台180と接触している力覚センサー190によって振動を検出して、架台F100Bの共振周波数成分を含む複数の共振周波数成分が低減された第2制御信号CS2を生成することにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、架台F100Bの共振周波数で共振しにくい動作をロボット100Bのアーム110Bおよびエンドエフェクター200に行わせることができる。
C.第3実施形態:
図12は、複数のプロセッサーによってロボットの制御装置が構成される一例を示す概念図である。この例では、ロボット100およびそのロボット制御装置300の他に、パーソナルコンピューター400,400bと、LANなどのネットワーク環境を介して提供されるクラウドサービス500とが描かれている。パーソナルコンピューター400,400bは、それぞれプロセッサーとメモリーとを含んでいる。また、クラウドサービス500においてもプロセッサーとメモリーを利用可能である。プロセッサーは、コンピューター実行可能な命令を実行する。これらの複数のプロセッサーの一部または全部を利用して、ロボット制御装置300および教示装置600を含む制御装置900を実現することが可能である。また、各種の情報を記憶する記憶部も、これらの複数のメモリーの一部または全部を利用して、実現することが可能である。
図12は、複数のプロセッサーによってロボットの制御装置が構成される一例を示す概念図である。この例では、ロボット100およびそのロボット制御装置300の他に、パーソナルコンピューター400,400bと、LANなどのネットワーク環境を介して提供されるクラウドサービス500とが描かれている。パーソナルコンピューター400,400bは、それぞれプロセッサーとメモリーとを含んでいる。また、クラウドサービス500においてもプロセッサーとメモリーを利用可能である。プロセッサーは、コンピューター実行可能な命令を実行する。これらの複数のプロセッサーの一部または全部を利用して、ロボット制御装置300および教示装置600を含む制御装置900を実現することが可能である。また、各種の情報を記憶する記憶部も、これらの複数のメモリーの一部または全部を利用して、実現することが可能である。
D.第4実施形態:
図13は、複数のプロセッサーによってロボットの制御装置が構成される他の例を示す概念図である。この例では、ロボット100のロボット制御装置300が、ロボット100の中に格納されている点が図12と異なる。この例においても、複数のプロセッサーの一部または全部を利用して、ロボット100の制御装置を実現することが可能である。また、各種の情報を記憶する記憶部も、複数のメモリーの一部または全部を利用して、実現することが可能である。
図13は、複数のプロセッサーによってロボットの制御装置が構成される他の例を示す概念図である。この例では、ロボット100のロボット制御装置300が、ロボット100の中に格納されている点が図12と異なる。この例においても、複数のプロセッサーの一部または全部を利用して、ロボット100の制御装置を実現することが可能である。また、各種の情報を記憶する記憶部も、複数のメモリーの一部または全部を利用して、実現することが可能である。
E.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
E1.他の形態1:
(1)本明細書において、特定の共振周波数成分を低減する処理には、特定の共振周波数成分を減らして、その強度を0より大きい値とする態様と、特定の共振周波数成分を減らして、0とする態様と、が含まれ得る。
(1)本明細書において、特定の共振周波数成分を低減する処理には、特定の共振周波数成分を減らして、その強度を0より大きい値とする態様と、特定の共振周波数成分を減らして、0とする態様と、が含まれ得る。
(2)上記実施形態においては、教示装置600が、設定装置としても機能する。しかし、振動低減機能の設定を行う装置は、専用の装置であってもよい。また、振動低減機能の設定を行う装置は、汎用のパーソナルコンピューターやスマートフォンに、振動低減機能の設定を行うためのアプリケーションソフトをインストールすることにより、実現されてもよい。
(3)振動低減処理において低減される周波数は、履歴情報を確認したユーザーによって、指定されてもよい(図2の340、および図8参照)。
(4)上記第1実施形態においては、ロボット100は、いずれもロボット100の構成要素である力覚センサー190および基台180を介して、架台F100の天板に固定され、そこから下方に伸びている。しかし、力センサーと基台が一体として構成されている態様とすることもできる。そのような態様においても、力センサーは、力センサーと基台が一体として構成されている構造のうち、可動部としてのアームと共に移動しない構成のある面にかかる力と、架台にかかる力と、の差を検出するように構成される。そのような態様においては、力センサーと基台が一体として構成されている構造のうち、アームと共に移動しない構成のその面を、力センサーが基台と接触している第2受圧面として把握することができる。
(5)上記第2実施形態においては、力覚センサー190は、取付部材F100Cを介して、架台F100Bに接続されている。これに対して、力覚センサー190は、基台に対して、他の構成を介して、接続されている態様とすることもできる。このような態様においては、力センサーは、可動部としてのアームと共に移動しない他の構成のある面にかかる力と、架台にかかる力と、の差を検出するように構成される。そのような態様においては、アームと共に移動しない構成のその面を、力センサーが基台と接触している第2受圧面として把握することができる。
(6)上記実施形態においては、力検出部としての力覚センサー190は、ロボットの基台180と架台F100の間に取り付けられる(図1および図11参照)。しかし、力検出部は、さらに、図1において破線で示す力覚センサー190bのように、アームの先端に取りつけられることもできる。
(7)上記実施形態においては、力覚センサー190は、エンドエフェクター200に作用するX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力Fx,Fy,Fzと、X軸、Y軸、Z軸まわりのトルクTx,Ty,Tzを測定することができる。しかし、力検出部は、1軸の力だけを検出することができる態様であってもよいし、1軸のトルクだけを検出することができる態様であってもよい。また、力検出部は、2軸の力やトルクを検出できる態様であってもよい。また、3以下の数の軸の力と、3以下の数の軸のトルクと、の任意の組み合わせを検出できる態様とすることができる。
(8)上記第1実施形態においては、力センサーとしての力覚センサー190が、基台180と架台F100の間に配されている。しかし、架台と接触している第1受圧面と、基台と接触している第2受圧面と、を有し、第1受圧面と第2受圧面との力の差を検出する力センサーは、力覚センサー以外の他の態様とすることもできる。たとえば、力センサーとしては、互いに直交する3軸方向の加速度を検出することができる加速度センサーや、互いに直交する3軸方向の角速度を検出することができるジャイロセンサー、互いに直交する3軸方向の角度または角速度と、その3軸方向の加速度を検出することができる慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)を採用することもできる。これらの各方向の加速度を検知することができるセンサーによっても、実質的に、各方向の力の差を検出することができる。
そして、第2制御信号によって低減される「振動」は、制御対象物としてのロボットの関節に加えられる力やトルクの振動であってもよいし、測定対象物の構成部位の加速度の振動であってもよいし、速度の振動であってもよいし、位置の振動であってもよい。
(9)上記実施形態においては、一度の振動の計測の結果に基づいて、二つの共振周波数成分が低減される(図2の340および図8参照)。しかし、一度の振動の計測の結果に基づいて、もっとも強度の高い周波数の成分のみを低減して第2制御信号を作成し、その後、その第2制御信号を使用して動作を行わせ、振動の計測を行って、計測の結果に基づいて、もっとも強度の高い周波数の成分のみを低減する、という処理を繰り返して、除去すべき共振周波数を決定することもできる。
(10)上記実施形態においては、振動低減機能は、トルク制御信号に対して行われる。しかし、振動低減機能は、加速度の制御信号や電流量に適用することもでき、速度制御信号や位置制御信号に適用することもできる。振動低減機能においては、対象となる制御信号をフーリエ変換して、制御信号中の特定の周波数成分を低減し、逆変換を行って新たな制御信号を生成する。このため、上記で例示したトルク制御信号に基づいて微積分および比例によって変換できる関係にある各種パラメーターについて、振動低減機能は適用可能である。
(11)上記実施形態においては、ロボットの振動を低減する技術として、本開示を説明した。しかし、本明細書で開示した技術は、ロボットに限らず、プリンター、プロジェクターなど、駆動力を制御されて物理的な状態が変化する様々な機械に適用することができる。
たとえば、本明細書で開示した技術をプリンターの印刷ヘッドの動作や印刷媒体の搬送動作に適用することができる。その結果、たとえば、プリントヘッドを搭載したキャリッジの動作や印刷媒体の搬送動作に起因する振動を低減して、プリントヘッドと印刷媒体との相対位置の精度を高めることができる。そのような態様においては、プリンターの台座に設けられる衝撃吸収材に対して、プリンターの接地面とは逆の側に、力センサーを設けることにより、上記実施形態と同様の処理を行うことができる。
たとえば、本明細書で開示した技術をプロジェクターの冷却ファンの動作に適用することができる。その結果、たとえば、プロジェクターの冷却ファンの動作に起因する振動を低減して、プロジェクターと投射スクリーンとの相対位置の精度を高めることができる。そのような態様においては、プロジェクターの台座の衝撃吸収材に対して、プロジェクターの接地面とは逆の側に、力センサーを設けることにより、上記実施形態と同様の処理を行うことができる。
(12)上記実施形態においては、6軸または4軸のロボットの振動の低減について説明した。しかし、本明細書で開示した技術は、6軸または4軸の多軸ロボットに限らず、プリンター、プロジェクターど、制御が行われて物理的な状態が変化する様々な機械に適用することができる。たとえば、本明細書で開示した技術をプリンターの印刷ヘッドの動作や印刷媒体の搬送動作に適用することにより、ヘッドと印刷媒体との相対位置の変動(振動)を低減することもできる。
E2.他の形態2:
上記実施形態においては、周波数の強度分布を示す周波数グラフGfpにおいて、最も強度の高い周波数F01の成分と、2番目に強度の高い周波数F02の成分とが、第1制御信号CS1に対して低減された第2制御信号CS2が生成される(図2の340、図3および図8参照)。低減される共振周波数は、(i)架台の共振周波数、アーム全体の共振周波数、またはアーム全体と架台とで構成される構造の共振周波数や、(ii)エンドエフェクターの共振周波数である。
上記実施形態においては、周波数の強度分布を示す周波数グラフGfpにおいて、最も強度の高い周波数F01の成分と、2番目に強度の高い周波数F02の成分とが、第1制御信号CS1に対して低減された第2制御信号CS2が生成される(図2の340、図3および図8参照)。低減される共振周波数は、(i)架台の共振周波数、アーム全体の共振周波数、またはアーム全体と架台とで構成される構造の共振周波数や、(ii)エンドエフェクターの共振周波数である。
しかし、エンドエフェクターの共振周波数における強度が小さい場合には、エンドエフェクターの共振周波数の成分が、第1制御信号CS1に対して低減されていない信号として、第2制御信号CS2が生成されてもよい。そのような態様においては、たとえば、架台の共振周波数の成分と、アーム全体の共振周波数の成分と、が、第1制御信号CS1に対して低減された第2制御信号CS2が生成されることができる。
E3.他の形態3:
上記実施形態においては、図9のS100,S200の処理が繰り返し実行されて、第1制御信号CS1から低減される共振周波数成分が更新される。しかし、そのような更新が自動的に行われず、一度設定された低減されるべき共振周波数成分が、保持されつつ、振動低減処理が実現されてもよい(図4参照)。
上記実施形態においては、図9のS100,S200の処理が繰り返し実行されて、第1制御信号CS1から低減される共振周波数成分が更新される。しかし、そのような更新が自動的に行われず、一度設定された低減されるべき共振周波数成分が、保持されつつ、振動低減処理が実現されてもよい(図4参照)。
E4.他の形態4:
(1)上記実施形態においては、ロボット制御装置300は、各動作についてそれまでに設定されたTh2回分のパラメーターParam1(図3参照)のうち、最初のパラメーターParam1の値と最新のパラメーターParam1の値の差が、あらかじめ定められた閾値Thp1より大きい場合に、ロボット制御装置300は、ロボットシステム1に異常が生じていると判定する(図9のS500参照)。しかし、異常の判定は、他の態様で行うこともできる。
(1)上記実施形態においては、ロボット制御装置300は、各動作についてそれまでに設定されたTh2回分のパラメーターParam1(図3参照)のうち、最初のパラメーターParam1の値と最新のパラメーターParam1の値の差が、あらかじめ定められた閾値Thp1より大きい場合に、ロボット制御装置300は、ロボットシステム1に異常が生じていると判定する(図9のS500参照)。しかし、異常の判定は、他の態様で行うこともできる。
たとえば、異常の判定は、一番最初のパラメーターParam1の値と最新のパラメーターParam1の値の差と、それまでに実行された動作の回数(図9のS300参照)と、に基づいて、行われることができる。たとえば、一番最初のパラメーターParam1の値と最新のパラメーターParam1の値の差を、それまでに実行された動作の回数で割って得られる値が、所定の閾値を越えている場合に、異常であると判定することができる。
すなわち、異常の判定は、複数回、設定されたパラメーターParam1のうちの、異なる二つの値を比較して行われるものとすることができる。パラメーターParam2に基づく異常判定についても、パラメーターParam1と同様の処理を行うことができる。また、振動低減処理が3以上の周波数成分について行われる場合には、3個目以降の周波数に関するパラメーターについて、同様の処理を行って、異常判定を行うこともできる。すなわち、異常の判定は、第1制御信号から低減される複数の共振周波数成分の時間の経過に伴う変化が、あらかじめ定められた条件を満たす場合に、行われることができる。
(2)上記実施形態においては、図9のステップS800において、ユーザーに対して、異常が生じた旨のエラー出力が、出力装置250において行われる。出力部から出力される警告は、異常の発生を告知する以外の態様とすることもできる。たとえば、第1制御信号から低減される複数の共振周波数成分の時間の経過に伴う変化と、閾値と、の関係に応じて、ロボットを調整しつつ継続して使用しうる時間の長さ、すなわちいわゆる寿命を示す態様で、出力部から出力される警告を行うこともできる。
E5.他の形態5:
上記実施形態においては、図10のステップS230において、ロボット制御装置300は、作用力fSのX軸方向、Y軸方向、Z軸方向(図1参照)についての各方向成分が、それぞれ力閾値Thfx,Thfy,Thfzより小さく、かつ、作用力fSのU軸方向、V軸方向、W軸方向についての各方向成分がトルク閾値Thtu,Thtv,Thtwより小さいか否かを判定する。
上記実施形態においては、図10のステップS230において、ロボット制御装置300は、作用力fSのX軸方向、Y軸方向、Z軸方向(図1参照)についての各方向成分が、それぞれ力閾値Thfx,Thfy,Thfzより小さく、かつ、作用力fSのU軸方向、V軸方向、W軸方向についての各方向成分がトルク閾値Thtu,Thtv,Thtwより小さいか否かを判定する。
しかし、接触検知の判定は、他の態様で実施することもできる。すなわち、可動部の移動速度の低減のための閾値として機能する、あらかじめ定められた力の大きさは、以下のような態様とすることができる。(i)あらかじめ定められた力の大きさは、方向によらず、力センサーによって検知した直線的な力の大きさの絶対値に対する閾値として定められる。(ii)あらかじめ定められた力の大きさは、力センサーによって検知した直線的な力のある方向成分の絶対値に対する閾値として定められる。(iii)あらかじめ定められた力の大きさは、回転方向によらず、力センサーによって検知したトルクの大きさの絶対値に対する閾値として定められる。(iv)あらかじめ定められた力の大きさは、力センサーによって検知したトルクのある方向成分の絶対値に対する閾値として定められる。
E6.他の形態6:
(1)上記実施形態においては、一度の振動の計測の結果に基づいて、二つの共振周波数成分が低減される(図2の340および図8参照)。しかし、除去すべき共振周波数成分は、3個以上であってもよい。また、動作ごとに、除去すべき共振周波数成分の数が異なっていてもよい。
(1)上記実施形態においては、一度の振動の計測の結果に基づいて、二つの共振周波数成分が低減される(図2の340および図8参照)。しかし、除去すべき共振周波数成分は、3個以上であってもよい。また、動作ごとに、除去すべき共振周波数成分の数が異なっていてもよい。
(2)上記実施形態においては、周波数の強度分布を示す周波数グラフGfpにおいて、最も強度の高い周波数F01の成分と、2番目に強度の高い周波数F02の成分とが、第1制御信号CS1に対して低減された第2制御信号CS2が生成される(図2の340参照)。その際、最も強度が高い周波数成分は、架台の共振周波数成分であってもよいし、他の構成に起因する共振周波数成分であってもよい。
E7.他の形態7:
(1)上記実施形態においては、教示装置600は、第1コマンドC11(図6参照)にしたがってエンドエフェクター200が目標位置Pxに到達した時刻tsから始まる所定の時間区間について、力覚センサー190によって力の差を測定する。しかし、実行されるコマンドのCPUにおける処理の終了時刻および開始時刻や、エンドエフェクターの制御位置が目標位置に到達した時刻の推定値に基づいて、力センサーによる測定を行う時間区間の開始時刻を定めることもできる。ただし、上記第1実施形態のように、各モーターの位置センサーからの情報に基づいて、制御位置が目標位置に到達したことを検知した時に、測定を開始することが好ましい。作業の動作が終了している状態で、残留振動のみを計測することが好ましいからである。
(1)上記実施形態においては、教示装置600は、第1コマンドC11(図6参照)にしたがってエンドエフェクター200が目標位置Pxに到達した時刻tsから始まる所定の時間区間について、力覚センサー190によって力の差を測定する。しかし、実行されるコマンドのCPUにおける処理の終了時刻および開始時刻や、エンドエフェクターの制御位置が目標位置に到達した時刻の推定値に基づいて、力センサーによる測定を行う時間区間の開始時刻を定めることもできる。ただし、上記第1実施形態のように、各モーターの位置センサーからの情報に基づいて、制御位置が目標位置に到達したことを検知した時に、測定を開始することが好ましい。作業の動作が終了している状態で、残留振動のみを計測することが好ましいからである。
(2)力センサーによる力の差の測定は、より広い時間区間について行い、フーリエ変換などの処理を行う対象の時間区間の開始時刻を、目標位置への到達やコマンドの終了などに基づいて、定めることもできる。
(3)対象振動数を決定するもととなるデータの時間区間は、制御対象物に対して駆動させる制御信号が出されていない時間区間とすることができる。ただし、制御対象物の対象振動数を決定するもととなる情報が準備される時間区間は、制御対象物に対して等速運動させる制御信号が出されている時間区間を含むこともできる。
E8.他の形態8:
第1実施形態のロボットシステム1においては、ロボット100は、基台180を介して架台F100に吊られている。第2実施形態のロボットシステム1Bにおいては、ロボット100Bは、基台180を介して架台F100B上に配されている。しかし、ロボットの配置はこれらの態様に限られず、たとえば、鉛直方向に平行な壁に、ロボットが固定されていてもよい。また、鉛直方向に対して斜めの方向二配された壁に、ロボットが固定されていてもよい。さらに、ロボットは、無重力の環境下で使用されてもよい。
第1実施形態のロボットシステム1においては、ロボット100は、基台180を介して架台F100に吊られている。第2実施形態のロボットシステム1Bにおいては、ロボット100Bは、基台180を介して架台F100B上に配されている。しかし、ロボットの配置はこれらの態様に限られず、たとえば、鉛直方向に平行な壁に、ロボットが固定されていてもよい。また、鉛直方向に対して斜めの方向二配された壁に、ロボットが固定されていてもよい。さらに、ロボットは、無重力の環境下で使用されてもよい。
F.さらに他の形態:
(1)本開示の一形態によれば、架台に取りつけられるロボットが提供される。このロボットは、基台と、前記架台と前記基台との間に位置し、力を検出する力センサーと、前記基台に接続され、前記基台に対して移動する可動部と、を備え、前記可動部を移動させる第1制御信号から、前記力センサーからの出力に基づいて得られる前記架台の共振周波数成分が低減された第2制御信号に基づいて、前記可動部が制御される。
このような態様とすることにより、架台および基台と接触している力センサーによって振動を検出して、架台の共振周波数成分を含む複数の共振周波数成分が低減された第2制御信号を生成することにより、架台の共振周波数で共振しにくい動作をロボットの可動部に行わせることができる。
(1)本開示の一形態によれば、架台に取りつけられるロボットが提供される。このロボットは、基台と、前記架台と前記基台との間に位置し、力を検出する力センサーと、前記基台に接続され、前記基台に対して移動する可動部と、を備え、前記可動部を移動させる第1制御信号から、前記力センサーからの出力に基づいて得られる前記架台の共振周波数成分が低減された第2制御信号に基づいて、前記可動部が制御される。
このような態様とすることにより、架台および基台と接触している力センサーによって振動を検出して、架台の共振周波数成分を含む複数の共振周波数成分が低減された第2制御信号を生成することにより、架台の共振周波数で共振しにくい動作をロボットの可動部に行わせることができる。
(2)上記形態のロボットにおいて、前記可動部が、対象物に対して処理を行うエンドエフェクターと、前記エンドエフェクターを前記基台に対して移動させるアームと、を含み、前記第2制御信号が、前記第1制御信号から、前記力センサーからの出力に基づいて得られる前記エンドエフェクターの共振周波数成分が低減された制御信号である、態様とすることもできる。
このような態様とすることにより、ロボットを振動させ、力センサーによってロボットの残留振動を検出して、エンドエフェクターの共振周波数成分を含む複数の共振周波数成分を低減した第2制御信号を生成することにより、エンドエフェクターの共振周波数で共振しにくい動作をロボットの可動部に行わせることができる。
このような態様とすることにより、ロボットを振動させ、力センサーによってロボットの残留振動を検出して、エンドエフェクターの共振周波数成分を含む複数の共振周波数成分を低減した第2制御信号を生成することにより、エンドエフェクターの共振周波数で共振しにくい動作をロボットの可動部に行わせることができる。
(3)上記形態のロボットにおいて、前記第2制御信号に基づいて前記可動部が制御された後、前記第1制御信号から、前記力センサーからの新たな出力に基づいて得られる共振周波数成分が低減された新たな第2制御信号に基づいて前記可動部が制御される、態様とすることもできる。
このような態様とすることにより、架台やロボットの共振周波数成分が変化した場合にも、力センサーからの新たな出力に基づいて、新たな共振周波数成分を低減した新たな第2制御信号により、共振しにくい動作をロボットの可動部に行わせることができる。
このような態様とすることにより、架台やロボットの共振周波数成分が変化した場合にも、力センサーからの新たな出力に基づいて、新たな共振周波数成分を低減した新たな第2制御信号により、共振しにくい動作をロボットの可動部に行わせることができる。
(4)上記形態のロボットにおいて、前記第1制御信号から低減される前記共振周波数成分の時間の経過に伴う変化が、あらかじめ定められた条件を満たす場合に、出力部から警告を出力する、態様とすることもできる。
このような態様とすれば、異常検知のための測定を別途、行うことなく、架台やロボットの共振周波数成分の変化に対応するための処理を利用して、異常判定を行い、出力部から警告を出力することができる。
このような態様とすれば、異常検知のための測定を別途、行うことなく、架台やロボットの共振周波数成分の変化に対応するための処理を利用して、異常判定を行い、出力部から警告を出力することができる。
(5)上記形態のロボットにおいて、前記可動部を前記基台に対して移動させている間に、あらかじめ定められた大きさより大きい力が、前記力センサーによって検知された場合には、前記可動部の移動速度を低減する、態様とすることもできる。
このような態様とすることにより、可動部が他の構成と想定されていない接触をした場合には、可動部の移動速度を低減することにより、他の構成を損傷させる可能性を低減することができる。
このような態様とすることにより、可動部が他の構成と想定されていない接触をした場合には、可動部の移動速度を低減することにより、他の構成を損傷させる可能性を低減することができる。
(6)上記形態のロボットにおいて、前記第2制御信号は、前記力センサーによって得られる第1時間区間における前記力の差の履歴情報を変換して得られる周波数についての強度分布のうち、最も強度が高い周波数成分を、前記第1制御信号から低減することにより得られる制御信号である態様とすることもできる。
このような態様とすることにより、周波数についての強度分布のうち最も強度が高い周波数成分を含む制御信号に基づいて可動部が制御される態様に比べて、共振しにくい動作をロボットの可動部に行わせることができる。
このような態様とすることにより、周波数についての強度分布のうち最も強度が高い周波数成分を含む制御信号に基づいて可動部が制御される態様に比べて、共振しにくい動作をロボットの可動部に行わせることができる。
(7)上記形態のロボットにおいて、前記可動部を目標位置へ移動させる第1コマンドと、第2コマンドと、を受け付ける受付部に接続されることができ、前記第1コマンドと前記第2コマンドとが前記受付部に受け付けられた場合に、前記第1コマンドにしたがって前記可動部が前記目標位置に到達した時刻から始まる前記第1時間区間について、前記履歴情報を取得する、態様とすることもできる。
このような態様とすることにより、ユーザーは、第1コマンドと第2コマンドとを使用して、動作の残留振動に起因する力の差の履歴情報を容易に取得することができる。
このような態様とすることにより、ユーザーは、第1コマンドと第2コマンドとを使用して、動作の残留振動に起因する力の差の履歴情報を容易に取得することができる。
(8)上記形態のロボットにおいて、前記可動部は、前記基台を介して前記架台に吊られている、態様とすることもできる。
このような態様とすることにより、可動部が架台に吊られており、その結果、架台の共振周波数で共振しやすいロボットの振動を、効果的に低減することができる。
このような態様とすることにより、可動部が架台に吊られており、その結果、架台の共振周波数で共振しやすいロボットの振動を、効果的に低減することができる。
(9)本開示の他の形態によれば、架台に取りつけられるロボットを制御するためのロボット制御装置が提供される。前記ロボットは、基台と、前記架台と前記基台との間に位置し、力を検出する力センサーと、前記基台に接続され、前記基台に対して移動することができる可動部と、を備え、
前記ロボット制御装置は、前記可動部を移動させる第1制御信号から、前記力センサーからの出力に基づいて得られる前記架台の共振周波数成分が低減された第2制御信号に基づいて、前記可動部を制御するプロセッサーを備える。
このような態様とすることにより、架台および基台と接触している力センサーによって振動を検出して、架台の共振周波数成分が低減された第2制御信号を生成することにより、架台の共振周波数で共振しにくい動作をロボットの可動部に行わせることができる。
前記ロボット制御装置は、前記可動部を移動させる第1制御信号から、前記力センサーからの出力に基づいて得られる前記架台の共振周波数成分が低減された第2制御信号に基づいて、前記可動部を制御するプロセッサーを備える。
このような態様とすることにより、架台および基台と接触している力センサーによって振動を検出して、架台の共振周波数成分が低減された第2制御信号を生成することにより、架台の共振周波数で共振しにくい動作をロボットの可動部に行わせることができる。
(10)上記形態のロボット制御装置において、前記可動部は、対象物に対して処理を行うエンドエフェクターと、前記エンドエフェクターを前記基台に対して移動させるアームと、を含み、前記第2制御信号は、前記第1制御信号から、前記力センサーからの出力に基づいて得られる前記エンドエフェクターの共振周波数成分が低減された制御信号である、態様とすることもできる。
このような態様とすることにより、力センサーによって振動を検出して、エンドエフェクターの共振周波数成分を低減した第2制御信号を生成することにより、エンドエフェクターの共振周波数で共振しにくい動作をロボットの可動部に行わせることができる。
このような態様とすることにより、力センサーによって振動を検出して、エンドエフェクターの共振周波数成分を低減した第2制御信号を生成することにより、エンドエフェクターの共振周波数で共振しにくい動作をロボットの可動部に行わせることができる。
(11)上記形態のロボット制御装置において、前記プロセッサーは、前記第2制御信号に基づいて前記可動部を制御した後、前記第1制御信号から、前記力センサーからの新たな出力に基づいて得られる共振周波数成分が低減された新たな第2制御信号に基づいて前記可動部を制御する、態様とすることもできる。
このような態様とすることにより、架台やロボットの共振周波数成分が変化した場合にも、力センサーからの新たな出力に基づいて、新たな共振周波数成分を低減した新たな第2制御信号により、共振しにくい動作をロボットの可動部に行わせることができる。
このような態様とすることにより、架台やロボットの共振周波数成分が変化した場合にも、力センサーからの新たな出力に基づいて、新たな共振周波数成分を低減した新たな第2制御信号により、共振しにくい動作をロボットの可動部に行わせることができる。
(12)上記形態のロボット制御装置であって、前記第1制御信号から低減される前記共振周波数成分の時間の経過に伴う変化が、あらかじめ定められた条件を満たす場合に、出力部から警告を出力する、態様とすることもできる。
このような態様とすれば、異常検知のための測定を別途、行うことなく、架台やロボットの共振周波数成分の変化に対応するための処理を利用して、異常判定を行い、出力部から警告を出力することができる。
このような態様とすれば、異常検知のための測定を別途、行うことなく、架台やロボットの共振周波数成分の変化に対応するための処理を利用して、異常判定を行い、出力部から警告を出力することができる。
(13)上記形態のロボット制御装置であって、前記可動部を前記基台に対して移動させている間に、あらかじめ定められた大きさより大きい力が、前記力センサーによって検知された場合には、前記可動部の移動速度を低減させる、態様とすることもできる。
このような態様とすることにより、可動部が物体と想定されていない接触をした場合には、可動部の移動速度を低減することにより、他の構成を損傷させる可能性を低減することができる。
このような態様とすることにより、可動部が物体と想定されていない接触をした場合には、可動部の移動速度を低減することにより、他の構成を損傷させる可能性を低減することができる。
(14)上記形態のロボット制御装置であって、前記力センサーによって得られる第1時間区間における前記力の差の履歴情報を変換して得られる周波数についての強度分布のうち、最も強度が高い周波数成分を、前記第1制御信号から低減して、前記第2制御信号を生成する、態様とすることもできる。
このような態様とすることにより、周波数についての強度分布のうち最も強度が高い周波数成分を含む制御信号に基づいて可動部が制御される態様に比べて、共振しにくい動作をロボットの可動部に行わせることができる。
このような態様とすることにより、周波数についての強度分布のうち最も強度が高い周波数成分を含む制御信号に基づいて可動部が制御される態様に比べて、共振しにくい動作をロボットの可動部に行わせることができる。
(15)上記形態のロボット制御装置であって、前記可動部を目標位置へ移動させる第1コマンドと、第2コマンドと、を受け付ける受付部を備え、前記第1コマンドと前記第2コマンドとが前記受付部に受け付けられた場合に、前記第1コマンドにしたがって前記可動部が前記目標位置に到達した時刻から始まる前記第1時間区間について、前記履歴情報を取得する、態様とすることもできる。
このような態様とすることにより、第1コマンドと第2コマンドとを使用して、動作の残留振動に起因する力の差の履歴情報を容易に取得することができる。
このような態様とすることにより、第1コマンドと第2コマンドとを使用して、動作の残留振動に起因する力の差の履歴情報を容易に取得することができる。
(16)上記形態のロボット制御装置であって、前記可動部は、前記基台を介して前記架台に吊られている、態様とすることもできる。
このような態様とすることにより、可動部が架台に吊られており、その結果、架台の共振周波数で共振しやすいロボットの振動を、効果的に低減することができる。
このような態様とすることにより、可動部が架台に吊られており、その結果、架台の共振周波数で共振しやすいロボットの振動を、効果的に低減することができる。
(17)本発明の他の形態によれば、前記ロボット制御装置によって制御される前記ロボットと、を備えるロボットシステムが提供される。
(18)本発明のさらに他の形態によれば、架台に取りつけられるロボットを制御する制御方法が提供される。前記ロボットは、基台と、前記架台と前記基台との間に位置し、力を検出する力センサーと、前記基台に接続され、前記基台に対して移動する可動部と、を備え、前記制御方法は、前記可動部を移動させる第1制御信号から、前記力センサーからの出力に基づいて得られる前記架台の共振周波数成分が低減された第2制御信号に基づいて、前記可動部を制御する工程を含む。
本開示は、上記以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、ロボットの制御方法を実現するコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
上述した本開示の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本開示の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本開示の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本開示の独立した一形態とすることも可能である。
1,1B…ロボットシステム、100,100B…ロボット、110,110B…アーム、110a〜110c,110cB…アーム要素、180…基台、190,190b…力覚センサー、191…第1受圧面、192…第2受圧面、200…エンドエフェクター、250…出力装置、300…ロボット制御装置、301…CPU、302…RAM、303…ROM、310…制御信号生成部、320…位置制御部、330…速度制御部、340…フィルター処理部、345…フィルター設定部、350…トルク制御部、360…サーボアンプ、390…力制御部、400,400b…パーソナルコンピューター、410…サーボモーター、420…位置センサー、500…クラウドサービス、560…支持台、600…教示装置、601…CPU、602…RAM、603…ROM、604…入力装置、605…出力装置、900…制御装置、C11…第1コマンド、C12…第2コマンド、CS1…第1制御信号、CS2…第2制御信号、F01…最も強度の高い周波数、F02…2番目に強度の高い周波数、F11、F12,F21,F22,F31,F32…低減される周波数をあらわすパラメーター、F100,F100B…架台、F100C…取付部材、Gfp…周波数グラフ、Ghf…力のグラフ、PL…プログラムリスト、Param1,2…パラメーター、RC…ロボット座標系、St…目標位置、Thp1…動作の繰り返し回数の閾値、Thp2…S100の繰り返し回数の閾値、W01…ワークピース、X11〜X14,X13B,X14B…関節、fS…作用力、fSt…目標力、ΔS…補正量
Claims (18)
- 架台に取りつけられるロボットであって、
基台と、
前記架台と前記基台との間に位置し、力を検出する力センサーと、
前記基台に接続され、前記基台に対して移動する可動部と、を備え、
前記可動部を移動させる第1制御信号から、前記力センサーからの出力に基づいて得られる前記架台の共振周波数成分が低減された第2制御信号に基づいて、前記可動部が制御される、ロボット。 - 請求項1記載のロボットであって、
前記可動部は、
対象物に対して処理を行うエンドエフェクターと、
前記エンドエフェクターを前記基台に対して移動させるアームと、を含み、
前記第2制御信号は、前記第1制御信号から、前記力センサーからの出力に基づいて得られる前記エンドエフェクターの共振周波数成分が低減された制御信号である、ロボット。 - 請求項1または2記載のロボットであって、
前記第2制御信号に基づいて前記可動部が制御された後、
前記第1制御信号から、前記力センサーからの新たな出力に基づいて得られる共振周波数成分が低減された新たな第2制御信号に基づいて前記可動部が制御される、ロボット。 - 請求項3に記載のロボットであって、
前記第1制御信号から低減される前記共振周波数成分の時間の経過に伴う変化が、あらかじめ定められた条件を満たす場合に、出力部から警告を出力する、ロボット。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のロボットであって、
前記可動部を前記基台に対して移動させている間に、あらかじめ定められた大きさより大きい力が、前記力センサーによって検知された場合には、前記可動部の移動速度を低減する、ロボット。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載のロボットであって、
前記第2制御信号は、前記力センサーによって得られる第1時間区間における前記力の差の履歴情報を変換して得られる周波数についての強度分布のうち、最も強度が高い周波数成分を、前記第1制御信号から低減することにより得られる制御信号である、ロボット。 - 請求項6に記載のロボットであって、
前記可動部を目標位置へ移動させる第1コマンドと、第2コマンドと、を受け付ける受付部に接続されることができ、
前記第1コマンドと前記第2コマンドとが前記受付部に受け付けられた場合に、前記第1コマンドにしたがって前記可動部が前記目標位置に到達した時刻から始まる前記第1時間区間について、前記履歴情報を取得する、ロボット。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載のロボットであって、
前記可動部は、前記基台を介して前記架台に吊られている、ロボット。 - 架台に取りつけられるロボットを制御するためのロボット制御装置であって、
前記ロボットは、
基台と、
前記架台と前記基台との間に位置し、力を検出する力センサーと、
前記基台に接続され、前記基台に対して移動することができる可動部と、を備え、
前記ロボット制御装置は、前記可動部を移動させる第1制御信号から、前記力センサーからの出力に基づいて得られる前記架台の共振周波数成分が低減された第2制御信号に基づいて、前記可動部を制御するプロセッサーを備える、ロボット制御装置。 - 請求項9記載のロボット制御装置であって、
前記可動部は、
対象物に対して処理を行うエンドエフェクターと、
前記エンドエフェクターを前記基台に対して移動させるアームと、を含み、
前記第2制御信号は、前記第1制御信号から、前記力センサーからの出力に基づいて得られる前記エンドエフェクターの共振周波数成分が低減された制御信号である、ロボット制御装置。 - 請求項9または10記載のロボット制御装置であって、
前記プロセッサーは、前記第2制御信号に基づいて前記可動部を制御した後、
前記第1制御信号から、前記力センサーからの新たな出力に基づいて得られる共振周波数成分が低減された新たな第2制御信号に基づいて前記可動部を制御する、ロボット制御装置。 - 請求項11に記載のロボット制御装置であって、
前記第1制御信号から低減される前記共振周波数成分の時間の経過に伴う変化が、あらかじめ定められた条件を満たす場合に、出力部から警告を出力する、ロボット制御装置。 - 請求項9から12のいずれか1項に記載のロボット制御装置であって、
前記可動部を前記基台に対して移動させている間に、あらかじめ定められた大きさより大きい力が、前記力センサーによって検知された場合には、前記可動部の移動速度を低減させる、ロボット制御装置。 - 請求項9から13のいずれか1項に記載のロボット制御装置であって、
前記力センサーによって得られる第1時間区間における前記力の差の履歴情報を変換して得られる周波数についての強度分布のうち、最も強度が高い周波数成分を、前記第1制御信号から低減して、前記第2制御信号を生成する、ロボット制御装置。 - 請求項14に記載のロボット制御装置であって、
前記可動部を目標位置へ移動させる第1コマンドと、第2コマンドと、を受け付ける受付部を備え、
前記第1コマンドと前記第2コマンドとが前記受付部に受け付けられた場合に、前記第1コマンドにしたがって前記可動部が前記目標位置に到達した時刻から始まる前記第1時間区間について、前記履歴情報を取得する、ロボット制御装置。 - 請求項9〜15のいずれか1項に記載のロボット制御装置であって、
前記可動部は、前記基台を介して前記架台に吊られている、ロボット制御装置。 - 請求項9から16のいずれか1項に記載のロボット制御装置と、
前記ロボット制御装置によって制御される前記ロボットと、
を備えるロボットシステム。 - 架台に取りつけられるロボットを制御する制御方法であって、
前記ロボットは、
基台と、
前記架台と前記基台との間に位置し、力を検出する力センサーと、
前記基台に接続され、前記基台に対して移動する可動部と、を備え、
前記制御方法は、前記可動部を移動させる第1制御信号から、前記力センサーからの出力に基づいて得られる前記架台の共振周波数成分が低減された第2制御信号に基づいて、前記可動部を制御する工程を含む、制御方法。
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JP2018141032A JP2020015153A (ja) | 2018-07-27 | 2018-07-27 | ロボット、ロボット制御装置、ロボットシステム |
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JP2018141032A JP2020015153A (ja) | 2018-07-27 | 2018-07-27 | ロボット、ロボット制御装置、ロボットシステム |
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Family Applications (1)
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