JP2020012259A - 採取する天然資源の状態を推測するための装置、方法およびプログラム - Google Patents

採取する天然資源の状態を推測するための装置、方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】油田の稼働中にパイプライン設備内の天然資源の状態を推測する。【解決手段】測定機器によって測定された、流体の天然資源を採取する採取ネットワークに流れる天然資源の状態を示す測定データを取得するデータ取得部と、前記採取ネットワークのモデルおよび前記測定データを用いて、前記採取ネットワークの流路中における、前記測定機器が設けられた箇所とは異なる少なくとも1つの箇所の天然資源の状態を推測する状態推測部と、推測した天然資源の状態に基づいて、前記採取ネットワーク中に流路阻害物質が発生するまでのマージンを算出するマージン算出部とを備える装置を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、採取する天然資源の状態を推測するための装置、方法、およびプログラムに関する。
坑井側のウェルヘッド(Wellhead)で採取された原油および天然ガス等の天然資源は、フローライン(Flowline)およびマニフォールド(Manifold)等を含むパイプライン設備を用いて洋上のプラットフォーム(Platform)等まで輸送される。従来、パイプライン設備内で天然資源がハイドレート化する等によって流れが阻害されるのを防ぐために、ウェルヘッド側にMEG(Monoethylene Glycol)を注入するMEGインジェクション(MEG Injection)等の対策がとられている(非特許文献1参照)。
非特許文献1 JOGMEC石油開発技術本部、「石油・天然ガス開発をめぐる技術的な課題 −克服するための最新技術は何か−」、石油・天然ガスレビュー、平成26年1月、Vol.48、No.1、第33〜75頁
従来は、油田の稼働中にパイプライン設備内の天然資源の状態を知ることができず、油田の変化を知ることもできないので、エンジニア等が経験に基づいてMEGインジェクション等の量を決定していた。このため、ハイドレート化等のリスクが過大に評価され、過大な量のMEGインジェクション等が行なわれる傾向があった。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、装置を提供する。装置は、測定機器によって測定された、流体の天然資源を採取する採取ネットワークに流れる天然資源の状態を示す測定データを取得するデータ取得部を備えてよい。装置は、採取ネットワークのモデルおよび測定データを用いて、採取ネットワークの流路中における、測定機器が設けられた箇所とは異なる少なくとも1つの箇所の天然資源の状態を推測する状態推測部を備えてよい。装置は、推測した天然資源の状態に基づいて、採取ネットワーク中に流路阻害物質が発生するまでのマージンを算出するマージン算出部を備えてよい。
データ取得部は、坑井側から採取ネットワークに流入する天然資源、および採取ネットワークから流出する天然資源の少なくとも1つの状態を示す測定データを取得してよい。
状態推測部は、採取ネットワークの流路の複数の箇所のそれぞれにおける天然資源の状態を推測してよい。
状態推測部は、複数の箇所のそれぞれにおける天然資源の圧力および温度を推測してよい。マージン算出部は、複数の箇所の圧力および温度と、流路阻害物質が発生する臨界点となる圧力および温度とを用いてマージンを算出してよい。
装置は、マージンに基づいて、流路阻害物質の発生を抑制する抑制装置の推奨稼働量を決定する決定部を更に備えてよい。
装置は、抑制装置を推奨稼働量で稼働させる制御を行なう制御部を更に備えてよい。
抑制装置は、ケミカルインジェクション、採取ネットワークの流路の温度調整、および採取ネットワークの流路内の圧力調整の少なくとも1つにより流路阻害物質の発生を抑制してよい。
流路阻害物質は、ハイドレート、アスファルテン、ワックス、およびスケールの少なくとも1つを含んでよい。
本発明の第2の態様においては、方法を提供する。方法は、コンピュータが、測定機器によって測定された、流体の天然資源を採取する採取ネットワークに流れる天然資源の状態を示す測定データを取得することを含んでよい。方法は、コンピュータが、採取ネットワークのモデルおよび測定データを用いて、採取ネットワークの流路中における、測定機器が設けられた箇所とは異なる少なくとも1つの箇所の天然資源の状態を推測することを含んでよい。方法は、コンピュータが、推測した天然資源の状態に基づいて、採取ネットワーク中に流路阻害物質が発生するまでのマージンを算出することを含んでよい。
本発明の第3の態様においては、コンピュータにより実行されるプログラムを提供する。プログラムは、コンピュータを、測定機器によって測定された、流体の天然資源を採取する採取ネットワークに流れる天然資源の状態を示す測定データを取得するデータ取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、採取ネットワークのモデルおよび測定データを用いて、採取ネットワークの流路中における、測定機器が設けられた箇所とは異なる少なくとも1つの箇所の天然資源の状態を推測する状態推測部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、推測した天然資源の状態に基づいて、採取ネットワーク中に流路阻害物質が発生するまでのマージンを算出するマージン算出部として機能させてよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
天然資源の採取ネットワーク10の一例を示す。 本実施形態に係る装置200の構成を示す。 本実施形態に係る装置200の動作フローを示す。 本実施形態において処理対象とするモデル400の一例を示す。 本実施形態に係る装置200が推測した採取ネットワーク内の天然資源の状態を示す。 本実施形態に係る装置200が出力するダッシュボード600の第1例を示す。 本実施形態に係る装置200が出力するダッシュボード600の第2例を示す。 本実施形態に係るコンピュータ2200の構成の一例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、天然資源の採取ネットワーク10の一例を示す。採取ネットワーク10は、坑井側から流入する原油および天然ガス等の流体の天然資源をパイプライン設備によって輸送して採取する。本例において、採取ネットワーク10は、海底にある坑井から洋上の設備へと天然資源を輸送する。採取ネットワーク10は、ウェルヘッド100a〜fと、ジャンパー110a〜fと、マニフォールド120a〜cと、ジャンパー125a〜dと、PLEM140a〜dと、フローライン150a〜bと、ライザー160と、プラットフォーム170とを備える。
複数のウェルヘッド100a〜f(以下、「ウェルヘッド100」とも示す。)のそれぞれは、海底面から天然資源を含む地層へと延伸し、地中の天然資源を採取する。
複数のジャンパー110a〜f(以下、「ジャンパー110」とも示す。)のそれぞれは、海底に設置され、一端が複数のウェルヘッド100a〜fのそれぞれに接続され、他端が複数のマニフォールド120a〜bのいずれかに接続されるパイプである。ジャンパー110a〜fは、海底での引き回しに応じて曲げることができるフレキシブルなパイプであってよい。各ジャンパー110は、接続先のウェルヘッド100により採取された天然資源を流す流路として機能する。
複数のマニフォールド120a〜c(以下、「マニフォールド120」とも示す。)のうちマニフォールド120a〜bのそれぞれは、海底に設置され、複数のウェルヘッド100から流入する天然資源を合流させて下流側のジャンパー125aまたジャンパー125cへと流す配管構造体である。本例において、マニフォールド120aは、ジャンパー110a〜cをジャンパー125aに接続する。また、マニフォールド120aは、ウェルヘッド100d〜fから流入する天然資源を流すジャンパー125bに接続され、ジャンパー125bから流入する天然資源をジャンパー125aへと流す。マニフォールド120bは、ジャンパー110d〜fをジャンパー125cに接続する。
マニフォールド120cは、海底に設置され、ジャンパー125dから流入する天然資源を下流側のライザー160へと流す配管構造体である。本例において、マニフォールド120cは、ジャンパー125dをライザー160に接続するための接続ポイントとして機能する。
複数のジャンパー125a〜d(以下、「ジャンパー125」とも示す。)のそれぞれは、海底に設置され、一端が複数のマニフォールド120a〜cのいずれかに接続され、他端がPLEM140a〜dのいずれかに接続されるパイプである。ジャンパー125a〜dは、海底での引き回しに応じて曲げることができるフレキシブルなパイプであってよい。ジャンパー125aは、接続先のマニフォールド120aによって合流された天然資源をPLEM140aまで流す流路として機能する。ジャンパー125bは、接続先のPLEM140bから流入する天然資源をマニフォールド120aまで流す流路として機能する。ジャンパー125cは、接続先のマニフォールド120cによって合流された天然資源をPLEM140cまで流す流路として機能する。ジャンパー125dは、接続先のPLEM140dから流入する天然資源をマニフォールド120cまで流す流路として機能する。
PLEM140a〜d(Pipeline End Manifold、以下「PLEM140」とも示す。)は、マニフォールドの一種であり、ジャンパー110およびジャンパー125と比較して曲がりにくいパイプラインであるフローライン150a〜bの端部に設けられ、フローライン150a〜bとジャンパー125a〜dとを接続するための配管構造体またはジョイントである。本例において、PLEM140aは、ジャンパー125aをフローライン150bに接続し、PLEM140bは、フローライン150aをジャンパー125bに接続し、PLEM140cは、ジャンパー125cをフローライン150aに接続し、PLEM140dは、フローライン150bをマニフォールド120cに接続する。
複数のフローライン150a〜b(以下、「フローライン150」とも示す。)のうちフローライン150aは、海底に設置され、一端がPLEM140cに接続され、他端がPLEM140bに接続されるパイプラインである。フローライン150bは、海底に設置され、一端がPLEM140aに接続され、他端がPLEM140dに接続されるパイプラインである。フローライン150は、一端のPLEM140から流入する天然資源を他端のPLEM140へと流す流路として機能する。各フローライン150は、ジャンパー110およびジャンパー125と比較して曲がりにくいものの、地震等による曲げおよび衝撃には強いある程度の弾力性を有する鋼管等であってよい。
ライザー160は、海底側の一端がマニフォールド120cに接続され、海底に沿ってフローライン150bを流れてきた天然資源をプラットフォーム170の洋上部分へと導くパイプラインである。ライザー160は、プラットフォーム170側の他端に天然資源の出口を有する。
プラットフォーム170は、ライザー160から出力される天然資源を洋上で回収するための構造物である。本図において、プラットフォーム170は、一例として海底に固定される脚部を有する固定式プラットフォームである。これに代えて、プラットフォーム170は、浮遊式プラットフォームであってもよい。プラットフォーム170は、天然資源を処理して石油およびガスの少なくとも一方を生産する生産設備を有してもよく、天然資源または生産した石油等を備蓄する貯蔵タンク等を有してもよい。また、プラットフォーム170は、天然資源の採取、および、石油等の生産に従事する作業員が利用する設備(居住設備、ヘリポート等)を有してもよい。
なお、以上においては、採取ネットワーク10は、海底から採取された天然資源を海上のプラットフォーム170に集積する例(オフショアで用いる例)を示したが、これに代えて採取ネットワーク10は、海底から採取された天然資源を陸上の沿岸部に設けたプラントに集積するもの(天然資源をオフショアで採取しオンショアで集積するもの)であってもよく、地上の油田等から採取された天然資源を地上で輸送・集積するもの(天然資源をオンショアで採取・集積するもの)であってもよい。
採取ネットワーク10を用いて長期的かつ継続的に天然資源を採取するためには、採取ネットワーク10のフローアシュアランス、すなわち天然資源の流れが阻害されないように流路を管理することが求められる。フローアシュアランスの実現においては、採取ネットワーク10の流れを阻害する流路阻害物質の発生を抑制することが求められる。このような流路阻害物質としては、例えばハイドレート、ワックス、アスファルテン、およびスケールが挙げられる(例えば非特許文献1参照)。
(1)ハイドレート
採取ネットワーク10の流路中において、天然資源が低温高圧のある生成条件となると、天然資源に含まれる水およびメタン等のガスがハイドレート化する。ハイドレート化を抑制する方法としては、一例として、MEGインジェクション装置等のケミカルインジェクション装置を用いてウェルヘッド100へとメタノールおよびグリコールの少なくとも1つ(「MEG」と示す。)等の化学物質を送り込み、ウェルヘッド100において採取された天然資源に注入する方法が知られている。図中プラットフォーム170から各ウェルヘッド100への矢印は、ケミカルインジェクションにおける化学物質の流れを示す。
(2)ワックス
採取ネットワーク10の流路中において、天然資源が特定の温度以下となると、天然資源中に溶けていたワックスが析出する。ワックスの析出を抑制する方法としては、一例として、抑制剤を注入する方法、および採取ネットワーク10内のパイプを加熱・保温する方法が知られている。
(3)アスファルテン
採取ネットワーク10の流路中において、アスファルテンの析出条件が満たされると、天然資源に含まれるアスファルテンが析出して凝集する。アスファルテンの析出を抑制する手段としては、天然資源の温度を上げる方法、天然資源の圧力を析出上限以上に維持する方法、および天然資源に凝集緩和剤を添加する方法等が知られている。
(4)スケール
採取ネットワーク10の流路中において、天然資源の塩分濃度が高くなると、天然資源に含まれるスケールが析出してパイプの内壁に付着する。スケールの析出を抑える手段としては、天然資源にインヒビターを注入する方法等が知られている。
図2は、本実施形態に係る装置200の構成を、1または複数の測定機器180a〜f(「測定機器180」とも示す。)、1または複数の抑制装置270a〜f(「抑制装置270」とも示す。)、および端末装置280と共に示す。装置200は、1または複数の測定機器180によって測定された、採取ネットワーク10内の天然資源の状態を用いて、採取ネットワーク10内の他の箇所における天然資源の状態および流路阻害物質が発生するまでのマージンを推測する。そして、装置200は、推測したマージンに基づいて、流路阻害物質の発生を抑制する1または複数の抑制装置270を稼働させる。
1または複数の測定機器180のそれぞれは、採取ネットワーク10の流路の測定対象箇所に設けられ、採取ネットワーク10に流れる天然資源の状態を測定して、天然資源の状態を示す測定データを出力する。本実施形態において、各測定機器180は、ウェルヘッド100a〜fのそれぞれに設けられ、天然資源の状態として、各ウェルヘッド100に流入した天然資源の状態を測定する。各測定機器180は、天然資源の圧力、温度、成分または成分比、水含有率、塩分含有率、ケミカルインジェクションにより注入した化学物質の含有率、および流速のうちの少なくとも1つを測定してよい。
装置200は、各測定機器180から測定データを受信して採取ネットワーク10内の天然資源の状態を推測し、推測結果に応じて各抑制装置270を制御する。装置200は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、または汎用コンピュータ等のコンピュータによって実装されてよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムによって実装されてもよい。また、装置200は、コンピュータ内で1または複数実行可能な仮想コンピュータ環境によって実装されてもよい。これに代えて、装置200は、上記の用途のために設計された専用コンピュータであってもよく、専用回路によって実現された専用ハードウェアであってもよい。
装置200は、プラットフォーム170または遠隔のパイプライン管理室等に設置されるスタンドアローンの装置であってよい。これに代えて、装置200は、各測定機器180および各抑制装置270に接続されて採取ネットワーク10の監視および制御を行なうコンピュータ等の装置にネットワークを介して接続されるクラウドコンピューティングシステムにおいて実行されるクラウドサービスによって実現されてもよい。
装置200は、データ取得部210と、モデル記憶部220と、状態推測部230と、マージン算出部240と、決定部250と、制御部260と、端末インターフェイス265とを備える。データ取得部210は、1または複数の測定機器180によって測定された、採取ネットワーク10に流れる天然資源の状態を示す測定データを直接またはネットワークを介して取得する。
モデル記憶部220は、処理対象とする採取ネットワーク10のモデルを記憶する。採取ネットワーク10のモデルは、一例として採取ネットワーク10の流路を区分した各区間についての、接続関係、パイプ径、パイプの断面形状、および流路長の少なくとも1つのような天然資源の流れの推測に用いる流路の特性を含む。また、採取ネットワーク10のモデルは、パイプの材料、パイプの肉厚、パイプの熱伝導率、水深、および位置の少なくとも1つのような天然資源の温度の推測に用いる流路の特性を含んでよい。また、採取ネットワーク10の総延長距離は非常に大きく設置可能な測定機器180の数は限られることから、採取ネットワーク10のモデルは、測定機器180を設置していない一部の箇所について、天然資源の状態(圧力、温度、成分比等)および環境条件(パイプ外部の温度等)の少なくとも1つを固定パラメータとして含んでもよい。
状態推測部230は、データ取得部210およびモデル記憶部220に接続され、モデル記憶部220に記憶された採取ネットワーク10のモデルおよび各測定機器180の測定データを用いて、採取ネットワーク10の流路中における天然資源の状態を推測する。状態推測部230は、測定機器180が設けられた箇所とは異なる少なくとも1つの箇所の天然資源の状態を推測してよい。また、状態推測部230は、測定機器180が設けられている箇所においても、天然資源の状態を示す各評価項目のうちその測定機器180では測定できない評価項目の値を推測してもよい。
マージン算出部240は、状態推測部230に接続され、状態推測部230によって推測された天然資源の状態に基づいて、採取ネットワーク10中に流路阻害物質が発生するまでのマージンを算出する。決定部250は、マージン算出部240に接続され、マージン算出部240が算出するマージンに基づいて、流路阻害物質の発生を抑制する各抑制装置270の推奨稼働量を決定する。制御部260は、決定部250に接続され、各抑制装置270を、決定部250によって決定された推奨稼働量で稼働させる制御を行なう。
端末インターフェイス265は、データ取得部210、状態推測部230、マージン算出部240、決定部250、および制御部260の少なくとも1つに接続され、採取ネットワーク10の管理者またはエンジニア等のユーザーが使用する端末装置280に対する装置200の入出力インターフェイスを提供する。
1または複数の抑制装置270のそれぞれは、採取ネットワーク10を流れる天然資源に流路阻害物質が発生するのを抑制する機能を有する。抑制装置270が抑制する対象とする流路阻害物質は、ハイドレート、アスファルテン、ワックス、およびスケールの少なくとも1つを含んでよい。各抑制装置270は、ケミカルインジェクション、採取ネットワーク10の流路の温度調整、および採取ネットワーク10の流路内の圧力調整等の少なくとも1つの手段を用いて流路阻害物質の発生を抑制する。これを実現するために、各抑制装置270は、一例としてケミカルインジェクション装置、採取ネットワーク10内のパイプを加熱するヒータ装置、または、採取ネットワーク10内の流路を流れる天然資源の流量を調整する流量制御弁若しくは開閉弁等のバルブ装置等であってよい。
ケミカルインジェクション装置としての抑制装置270は、ハイドレート化を抑制するべくMEGを天然資源に注入するMEGインジェクション装置であってよい。これに代えて、抑制装置270は、アスファルテンの析出を抑制すべく天然資源に凝集緩和剤を添加し、またはスケールの析出を抑制すべくインヒビターを注入するためのケミカルインジェクション装置であってよい。このような抑制装置270は、プラットフォーム170に設置されたポンプを有し、プラットフォーム170から採取ネットワーク10における化学物質の注入点へと配管されたケミカルインジェクション用のサブパイプラインへと化学物質を流入させる。一例として、本実施形態に係る複数の抑制装置270a〜fは、複数のウェルヘッド100a〜fに対応して設けられ、それぞれが対応するウェルヘッド100から天然資源にMEGを注入する。
ヒータ装置としての抑制装置270は、天然資源のハイドレート化、ワックスの析出、およびアスファルテンの析出の少なくとも1つを抑制すべく採取ネットワーク10の流路中の特定の箇所に設置され、その箇所においてパイプを加熱する。このような抑制装置270は、プラットフォーム170から電源の供給を受け、プラットフォーム170の指示に応じて加熱のオンオフおよび加熱量の調整の少なくとも1つを行なってよい。
バルブ装置としての抑制装置270は、ハイドレート化およびアスファルテンの析出の少なくとも1つを抑制すべく採取ネットワーク10内の流路を流れる天然資源の流量を調整する。このような抑制装置270は、例えばウェルヘッド100側から流れてくる天然資源の流量を絞ることにより、抑制装置270より上流における天然資源の圧力を目標値まで下げてハイドレート化およびアスファルテンの析出を抑えることができる。また、抑制装置270は、マニフォールド120等において各流入路から合流する天然資源の流量を調整することにより、抑制装置270より上流の各流入路における天然資源の圧力、および合流後の流出路における天然資源の圧力を目標値に調整することができる。このような抑制装置270は、プラットフォーム170から電源の供給を受け、プラットフォーム170の指示に応じて流量制御弁の開度の調整または開閉弁の開閉の少なくとも1つを行なってよい。
端末装置280は、無線または有線により装置200と接続され、装置200が出力する情報をユーザーに対して提供し、ユーザーの指示を入力して装置200へと送信する。端末装置280は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、またはワークステーション等のコンピュータであってよく、本用途のための専用端末であってもよく、装置200に接続された表示装置および入力装置等のユーザーインターフェイス装置であってもよい。
以上に示した装置200によれば、非常に長い採取ネットワーク10の一部に測定機器180を設置して得られる測定データを用いて、採取ネットワーク10における注目すべき箇所または採取ネットワーク10全体における天然資源の状態を推測することができる。これにより、装置200は、採取ネットワーク10の全体にわたって多数の測定機器180を設置しなくても採取ネットワーク10内の天然資源の動的な状態を推測することができ、ユーザーに情報を提供することができる。
また、以上に示した装置200によれば、マージン算出部240を設けることで、天然資源の状態の推測結果に基づいて、採取ネットワーク10中に流路阻害物質が発生するまでのマージンを算出することができ、流路阻害物質の発生抑制処理が適量行なわれているかを定量的に示すことができる。
また、以上に示した装置200によれば、決定部250を設けることで、マージンに基づいて各抑制装置270の推奨稼働量を決定することができ、天然資源の動的な状態に応じて各抑制装置270をどのように制御すればよいかを示すことができる。
また、以上に示した装置200によれば、制御部260を設けることで、決定部250が決定した推奨稼働量に応じて各抑制装置270を自動制御することができ、ユーザーの勘または経験に頼らず流路阻害物質の発生抑制処理を適量行なうことができる。
なお、装置200は、マージン算出部240、決定部250、および制御部260の少なくとも1つを備えない構成を採ってもよく、その場合にはユーザーがマージンの判断、抑制装置270の稼働量の決定、および抑制装置270の制御の少なくとも1つの処理を補ってよい。
図3は、本実施形態に係る装置200の動作フローを示す。ステップS300において、データ取得部210は、1または複数の測定機器180のそれぞれによって測定された測定データを取得する。本実施形態において、各測定機器180は、一例としてウェルヘッド100a〜fのそれぞれに設けられ、坑井側から採取ネットワーク10に流入する天然資源の状態を示す測定データを出力する。これに代えて、あるいはこれに加えて、少なくとも1つの測定機器180は、プラットフォーム170における採取ネットワーク10の出口側に設けられ、採取ネットワーク10から流出する天然資源の少なくとも1つの状態を示す測定データを出力してもよい。また、少なくとも1つの測定機器180は、採取ネットワーク10における流路の途中に設けられ、その箇所に流れる天然資源の状態を示す測定データを出力してもよい。
S310において、状態推測部230は、モデル記憶部220に記憶された採取ネットワーク10のモデルおよび各測定機器180の測定データを用いて、採取ネットワーク10の流路中の1または複数の箇所における天然資源の状態を推測する。S310における状態推測部230の具体的な処理については、図4に関連して後述する。
S320において、マージン算出部240は、状態推測部230によって推測された天然資源の状態に基づいて、採取ネットワーク10中に流路阻害物質が発生するまでのマージンを算出する。S310におけるマージン算出部240の具体的な処理については、図5に関連して後述する。
S330において、決定部250は、マージン算出部240が算出するマージンに基づいて、流路阻害物質の発生を抑制する各抑制装置270の推奨稼働量を決定する。例えば、決定部250は、マージン算出部240が算出するマージンを、予め設定された目標マージンに近付けるように、あるいは予め設定された目標マージンの範囲内にするように推奨稼働量を調整する。一例として、決定部250は、マージンが目標マージンまたは目標マージン範囲の上限よりも大きい場合には抑制装置270の現在の稼働量よりも小さい稼働量を推奨稼働量とし、マージンが目標マージンまたは目標マージン範囲の下限よりも小さい場合には抑制装置270の現在の稼働量よりも大きい稼働量を推奨稼働量としてもよい。この際に、決定部250は、マージンと目標マージン等との差の絶対値がより大きい場合に、現在の稼働量からより大きく変化させた推奨稼働量を決定してよい。なお、各抑制装置270の稼働量を変化させてからマージン算出部240が算出するマージンが変化するまでには比較的大きな時間遅延があり得ることから、決定部250は、抑制装置270の稼働量のオーバーシュートを抑えるべく推奨稼働量の変化速度に制限を設ける等の処理を行ってもよい。
S340において、制御部260は、各抑制装置270を、決定部250によって決定された推奨稼働量で稼働させる制御を行なう。なお、制御部260は、端末インターフェイス265を介して端末装置280からある抑制装置270に対して推奨稼働量とは異なる稼働量で稼働させる指示を受け取ったことに応じて、その抑制装置270を指示された稼働量で稼働させる制御を行なってよい。
S350において、端末インターフェイス265は、端末装置280との間で入出力を行なう。一例として端末インターフェイス265は、データ取得部210が取得した測定データ、状態推測部230が推測した採取ネットワーク10内の天然資源の状態、マージン算出部240が算出するマージン、決定部250が決定した各抑制装置270の推奨稼働量、および制御部260による各抑制装置270の制御状態の少なくとも1つを端末装置280へと出力し、端末装置280によって表示させる。また、端末インターフェイス265は、ユーザーからの指示を端末装置280から受け取ったことに応じて、その指示を制御部260へと提供する。指示を受けた抑制装置270は、次回のS340の処理において、指示に応じて各抑制装置270を制御してよい。なお、端末インターフェイス265は、S350に示した入出力処理を、図3のS300からS340の間の任意の1または複数のタイミングで行ってもよく、S300からS340と並行して行なってもよい。
装置200は、以上に示したS300からS350の処理を繰り返すことにより、採取中における天然資源の状態の変化に応じて各抑制装置270の稼働量を調整することができる。これにより、装置200は、流路阻害物質の発生を抑えつつ、各抑制装置270を不必要に高い稼働量で稼働させないようにすることができ、環境負荷の低減およびコスト低減を図ることができる。
以上において、装置200は、決定した推奨稼働量に応じて自動的に抑制装置270の稼働量を設定するが、これに代えて装置200は、決定した推奨稼働量を端末装置280へと出力し、採取ネットワーク10のユーザーの承認を受けて抑制装置270の稼働量を設定してもよい。また、装置200は、決定した推奨稼働量を端末装置280へと出力し、抑制装置270の稼働量の設定をユーザーに任せてもよい。
また、装置200は、マージン算出部240、決定部250、および制御部260を有さず推測した天然資源の状態までを出力してもよく、決定部250および制御部260を有さずマージンまでを出力してもよい。
図4は、本実施形態において処理対象とする採取ネットワークのモデル400の一例を示す。本図のモデル400においては、説明の便宜上図1に示した採取ネットワーク10よりも単純な採取ネットワークを対象として例示する。しかし、装置200は、図1に示した採取ネットワーク10を含む様々な採取ネットワークに適用可能である。
本図のモデル400が対象とする採取ネットワークは、ウェルヘッド100a〜bを備え、ウェルヘッド100a〜bのそれぞれから採取した天然資源を出口410へと輸送する。ウェルヘッド100aおよびウェルヘッド100bは、流入する天然資源の圧力、温度、および水含有率を測定する1または複数の測定機器180を有する。
採取ネットワークの出口410側にはMEGインジェクション装置である抑制装置270a〜bが設けられる。抑制装置270aはウェルヘッド100aへ、抑制装置270bはウェルヘッド100bへとMEGを供給し、各ウェルヘッド100からMEGを天然資源に注入する。
また、モデル400は、採取ネットワーク内の天然資源の圧力、体積、および温度等の少なくとも1つを推測するために用いられる流路の特性および環境条件等の少なくとも1つをパラメータとして含んでよい。
状態推測部230は、図3のS310において、モデル400、各測定機器180の測定データ、および必要に応じて各抑制装置270の稼働量を用いて、採取ネットワークの流路中における複数の箇所のそれぞれの天然資源の状態を推測する。状態推測部230は、採取ネットワークを分割した複数の区間のそれぞれ毎に、天然資源の状態を推測してよい。本図の例においては、状態推測部230は、図中P1〜10に示した各箇所における天然資源の状態を推測する。
状態推測部230は、一例として圧力・体積・温度流体解析により採取ネットワークの各箇所における天然資源の状態を推測する。例えば、状態推測部230は、採取ネットワークの流路を分割した区間毎に、その区間に含まれる流体(天然資源)の圧力、温度、流速、および成分比の少なくとも1つを流体解析によってシミュレーションする。
シミュレーションにおいて、状態推測部230は、一例として採取ネットワークの流路を複数の微小区間に分割して、採取ネットワークの端部に対応する微小区間を除く各微小区間が上流側の微小区間および下流側の微小区間に隣接するネットワーク構造を有するモデル400を用いてよい。この場合において、流路の合流点に対応する微小区間は、複数の上流側の微小区間に隣接する。ここで、各微小区間の長さは、装置200の計算能力および必要とする計算精度に応じてユーザー等が適宜設定してよい。
状態推測部230は、微小空間毎に、対象の微小区間内の流体の圧力、流速、温度、および成分比の少なくとも1つ等の各状態パラメータを、隣接する微小区間の各状態パラメータおよび対象の微小区間の各状態パラメータを用いた差分方程式を用いて単位時間毎に算出する。
一例として、状態推測部230は、上流側および下流側の微小区間からの圧力および流速に応じて対象の微小区間の圧力および流速を計算してよい。また、状態推測部230は、上流側の微小区間における流速に基づいて上流側から対象の微小区間への流体の流入量を計算し、対象の微小区間における流速に基づいて対象の微小区間から下流側への流体の流出量を計算してよい。
そして状態推測部230は、上流側からの流体の流入量およびその温度、下流側へと流れる流体の流出量、対象の微小区間に残る流体の量およびその温度に基づいて、次の時刻における対象の微小区間の流体の温度を計算してよい。ここで状態推測部230は、対象の微小区間におけるパイプの熱伝導率およびパイプ外部の温度を用いて、対象の微小区間から失われる熱量を計算し、対象の微小区間における流体の温度に反映してよい。
また、状態推測部230は、流体の水含有率、およびMEG比率等の成分比を用いて、対象の微小区間における上流側からの流体の流入量および下流側への流体の流出量を流体の成分毎に計算して、対象の微小区間における流体の成分比を計算してもよい。
上記の計算において、状態推測部230は、測定機器180が設置されている微小区間については、微小区間内の各状態パラメータのうち測定機器180から取得した測定データが得られている状態パラメータを、測定データに応じた値に設定してよい。
また、状態推測部230は、上記のようにパイプラインを1次元の流路としてモデル化するのに代えて、パイプラインを3次元の立体構造としてモデル化してパイプライン内を複数の要素に分割し、有限差分法または有限要素法等によって各要素における流体の状態パラメータを隣接要素の状態パラメータに基づいて算出してもよい。
図5は、本実施形態に係る装置200が推測した採取ネットワーク内の天然資源の状態を示す。図5のグラフは、横軸に温度、縦軸に圧力をとり、状態曲線500および臨界曲線510を示す。状態曲線500は、図4における複数の箇所P1〜P10のそれぞれにおける天然資源の圧力および温度を状態推測部230が推測した結果を示す。本図に示したように、天然資源は、坑井側において高温高圧の状態で採取ネットワークに流入し(図中P1)、海底で採取ネットワークを流れていくにつれて温度および圧力が低下していく(P2〜P8)。その後、天然資源は、ライザーによって海上のプラットフォームへと導かれ、圧力が低下するとともに水深が減るにつれて温度がやや上昇する(P9〜P10)。
マージン算出部240は、図3のS320において、流路阻害物質が発生する臨界点となる天然資源の状態を算出する。本図において、マージン算出部240は、流路阻害物質が発生する臨界点となる圧力および温度の関係を示す臨界曲線510を算出する。本図においては、臨界曲線510は、一例として天然資源がハイドレート化する臨界点となる圧力および温度の関係を示す。天然資源は、臨界曲線510上およびその左側でハイドレート化する。なお、本図の例においては、採取ネットワーク中における天然資源の成分比は一定であるとみなしたモデルを用いている。マージン算出部240は、採取ネットワーク中における天然資源の成分比に応じた臨界曲線510を算出してよい。
マージン算出部240は、図3のS320において、複数の箇所の圧力および温度と、流路阻害物質が発生する臨界点となる圧力および温度とを用いてマージンを算出する。一例として、マージン算出部240は、同じ圧力で状態曲線500および臨界曲線510の温度差が最小となる箇所におけるその温度差を温度マージン540として算出する。これに代えて、マージン算出部240は、状態曲線500および臨界曲線510を含む圧力温度グラフ等のグラフを端末インターフェイス265を介して端末装置280へと出力することにより、ユーザーにマージンを出力してもよい。
決定部250は、図3のS330において、マージン算出部240が算出するマージンに基づいて、流路阻害物質の発生を抑制する各抑制装置270の推奨稼働量を決定する。一例として、決定部250は、温度マージン540が目標マージンよりも大きい場合には、抑制装置270によるMEGの注入量を減少させ、臨界曲線510を状態曲線500により近い臨界曲線530へと近付けるように推奨稼働量を決定してよい。また、決定部250は、温度マージン540が目標マージンよりも小さい場合には、抑制装置270によるMEGの注入量を増加させ、臨界曲線510を状態曲線500からより離れた臨界曲線520へと近付けるように推奨稼働量を決定してよい。
ここで、天然資源は坑井側からプラットフォーム側へと流れることから、決定部250は、採取ネットワークにおけるマージンが最小となる箇所またはその上流の天然資源の状態を変化させることが可能な抑制装置270の稼働量を変更することによって、その箇所におけるマージンを変化させてよい。例えば図4のP2がマージン最小となる箇所である場合、決定部250は、ウェルヘッド100aにMEGを注入する抑制装置270aの稼働量を変化させることによって、採取ネットワーク全体のマージンを変化させてよい。
また、図1に示したような多数の流路が合流する採取ネットワーク10において、例えばジャンパー110aのマージンを増加させるべくウェルヘッド100aにMEGを注入する抑制装置270の稼働量を増加させると、フローライン150bのマージンが目標マージンよりも高くなる。この場合決定部250は、例えばウェルヘッド100bまたはウェルヘッド100dへのMEGの注入量を減少させる等によって、採取ネットワーク10全体のマージンのバランスを調整してよい。これを実現するために、決定部250は、現時点における各抑制装置270の推奨稼働量のセットを含む複数の候補の中から、各抑制装置270を稼働させた場合における将来のマージンの推移をシミュレーションした結果に基づいて、より好適な推奨稼働量のセットを選択してもよい。決定部250は、より好適な推奨稼働量のセットとして、各抑制装置270の稼働量に応じたコストおよび環境負荷等の少なくとも1つを用いて予め定義された評価指標(例えばKPI:Key Performance Indicator)が最良の評価を示すセットを選択してもよい。
以上に示した装置200によれば、採取ネットワークの流路の複数の箇所、または採取ネットワークを多数の区間に分割した各区間における天然資源の状態を推測することができる。そして、装置200は、これらの複数の箇所等のうち最もマージンが小さい箇所においても流路阻害物質が発生しないように、採取ネットワーク全体でのマージンを算出することができる。これにより、装置200は、流路阻害物質によって採取ネットワークが閉塞するリスクを少ないパラメータを用いて明確に示すことができる。
また、装置200によれば、算出したマージンを目標マージンに近付けるように各抑制装置270の推奨稼働量を決定し、各抑制装置270を制御することができる。したがって、装置200によれば、採取ネットワークの管理者、エンジニア、および作業員等の作業工数を低減し、経験または勘によらず客観的な指標に基づいて各抑制装置270を制御することが可能となる。
なお、以上においては、装置200は、モデル400が対象とする採取ネットワーク全体に対して1つのマージンを代表値として算出しているが、これに代えて装置200は、採取ネットワーク10または更に複雑な採取ネットワークにおける複数の区間(例えば分岐合流の無い区間または採取ネットワークの部分木となる範囲)毎に個別にマージンを算出してもよい。
また、状態推測部230は、採取ネットワークの流路中における複数の箇所のそれぞれにおいて、天然資源の成分比を異なりうる値として算出してもよい。例えば、採取ネットワークの流路中において登り勾配がある場合には、比重の低い成分の流速が比重の高い成分の流速よりも大きくなりうる。また、採取ネットワークの流路中において気化する成分がある場合には、気化する成分の流速が液状の成分の流速よりも大きくなりうる。そこで、状態推測部230は、各微小区間における流速を成分毎にシミュレーションする等により、複数の箇所のそれぞれにおける天然資源の成分比を算出することができる。
この場合、マージン算出部240は、採取ネットワークの流路中における複数の箇所のそれぞれにおいて、その箇所における天然資源の成分比を用いてその箇所で流路阻害物質が発生する臨界点となる天然資源の状態を算出する。一例として、マージン算出部240は、箇所毎に臨界曲線510を算出してよい。そして、マージン算出部240は、各箇所について、その箇所における天然資源の圧力および温度と、その箇所における臨界曲線510とを用いてマージンを算出する。例えば、マージン算出部240は、その箇所における天然資源の温度と、臨界曲線510上においてその箇所における天然資源の圧力に対応する温度との温度差を温度マージンとして算出する。
図6は、本実施形態に係る装置200が出力するダッシュボード600の第1例を示す。図3のS350において、端末インターフェイス265は、本図に示す画面を端末装置280に表示させるための画面データを端末装置280へと出力してよい。
ダッシュボード600は、オーバービュー表示610と、マージン表示620と、メッセージ表示630と、1または複数のウィジェット表示640a〜d(「ウィジェット表示640」とも示す。)とを含む。オーバービュー表示610は、装置200が対象とする採取ネットワークの全体構造を示す。オーバービュー表示610は、地図または航空写真上に、採取ネットワークを構成する各構造物の名称または略称等を表示してよい。本図において、WS、WN、およびWWは、南方ウェル(Well South)、北方ウェル(Well North)、および西方ウェル(Well West)の略であり、PPS、PPN、およびPPWは、南方生産プラットフォーム(Production Platform South)、北方生産プラットフォーム(Production Platform North)、および西方生産プラットフォーム(Production Platform West)の略である。本図に示した採取ネットワークは、各方面において、ウェルから採取された天然資源を生産プラットフォームへと輸送して、天然資源の処理および分離等の生産処理を行なう。この採取ネットワークは、各方面の生産プラットフォームで処理された資源を、パイプラインを介して東方にある沿岸のプラントへと送る。
マージン表示620は、採取ネットワークの各箇所における、流路阻害物質が発生するまでのマージンを端末装置280に表示する制御を行なう。本図において、マージン表示620は、一例としてオーバービュー表示610中の北方ウェルWN1〜2から北方生産プラットフォームPPN1までの間の流路におけるマージン(図中「PPN1」)、西方ウェルWW1〜4から西方生産プラットフォームPPW1までの間の流路におけるマージン(図中「PPW1」)、および、南方ウェルWS1〜2から南方生産プラットフォームPPS1までの間の流路におけるマージン(図中「PPS1」)のそれぞれを表示している。すなわち、本例においては、PPN1と示すマージンは、北方生産プラットフォームPPN1に接続される北方ウェルWN1に存在する全流路のマージンを総合した値(代表値)であり、北方生産プラットフォームPPN1の状態の良否を表す代表KPIとして機能する。また、PPS1と示すマージンおよびPPW1と示すマージンも同様である。更に多くのマージンを表示する場合には、端末インターフェイス265は、端末装置280からマージン表示620の表示をスクロール等させる指示を受けたことに応じて、マージン表示620をスクロールする等により、他の箇所のマージンを表示する制御を行なってよい。
メッセージ表示630は、装置200からユーザーへの各種のメッセージを表示する。端末インターフェイス265は、一例として採取ネットワーク全体またはある箇所におけるマージンが目標マージン範囲の下限未満となったこと、マージンが目標マージン範囲の上限を超えたこと、抑制装置270がオンまたはオフとなったこと、測定機器180により測定された天然資源の状態が予め設定した範囲から外れたこと、およびその他の予め定められたイベントに応じて、そのイベントを通知するメッセージをメッセージ表示630に表示する制御を行なってよい。
1または複数のウィジェット表示640のそれぞれは、一例として採取ネットワーク周辺の天気図(ウィジェット表示640a)、気温の変化(ウィジェット表示640b)、天気および天気予報(ウィジェット表示640c)、および本油田またはガス田から採取された資源の量(ウィジェット表示640d)等の、天然資源の採取に関連する様々な関連情報を表示する。端末インターフェイス265は、端末装置280を使用するユーザーの指示に応じて、各ウィジェット表示640に表示する情報をカスタマイズ可能としてよい。
図7は、本実施形態に係る装置200が出力するダッシュボード600の第2例を示す。端末インターフェイス265は、図6に示したダッシュボード600の表示画面において、端末装置280の使用者によって例えば南方ウェルWS1等の採取ネットワーク中のいずれかの部分が選択されたことに応じて、選択された部分の情報を表示する制御を行なってよい。
ウェル概要表示710は、オーバービュー表示610において例えば南方ウェルWS1等の採取ネットワークの一部が選択されたことに応じて表示される、選択部分(例えば南方ウェルWS1)の概要情報を示す画面である。端末インターフェイス265は、概要情報として、採取ネットワークの選択部分の接続関係、選択部分に含まれる流路の各区間(例えば図中において南方ウェルWS1に設けられたウェルヘッドK01〜K02から天然資源が流入するマニフォールド、フローライン、ライザーボトム、およびライザートップ)における天然資源の状態およびマージン、ならびに、各抑制装置270の稼働量等の少なくとも1つを表示する制御を行なってよい。また、端末インターフェイス265は、ウェル概要表示710中の左上部分に示したように、各抑制装置270の稼働量をマニュアルで設定可能とするための入力欄等を表示する制御を行なってもよい。
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、およびコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサのいずれかによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよびアナログのいずれかのハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)およびディスクリート回路の何れかを含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図8は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができてもよいし、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができてもよいし、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができてもよい。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェイス2222、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ2240を介して入出力コントローラ2220に接続されている。
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
通信インターフェイス2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD−ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD−ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、プログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、およびコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムのいずれかを格納する。入出力チップ2240はまた、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ2220に接続してよい。
プログラムが、DVD−ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226(DVD−ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索および置換等のいずれかを含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
例えば、装置200は、各測定機器180からの測定データに加え、採取ネットワーク周辺の気温または水温等の環境情報を用いて天然資源の状態を推測してもよい。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 採取ネットワーク、100a〜f ウェルヘッド、110a〜f ジャンパー、120a〜c マニフォールド、125a〜d ジャンパー、140a〜d PLEM、150 フローライン、160 ライザー、170 プラットフォーム、180a〜f 測定機器、200 装置、210 データ取得部、220 モデル記憶部、230 状態推測部、240 マージン算出部、250 決定部、260 制御部、265 端末インターフェイス、270a〜g 抑制装置、280 端末装置、400 モデル、410 出口、500 状態曲線、510 臨界曲線、520 臨界曲線、530 臨界曲線、540 温度マージン、600 ダッシュボード、610 オーバービュー表示、620 マージン表示、630 メッセージ表示、640a〜d ウィジェット表示、710 ウェル概要表示、2200 コンピュータ、2201 DVD−ROM、2210 ホストコントローラ、2212 CPU、2214 RAM、2216 グラフィックコントローラ、2218 ディスプレイデバイス、2220 入出力コントローラ、2222 通信インターフェイス、2224 ハードディスクドライブ、2226 DVD−ROMドライブ、2230 ROM、2240 入出力チップ、2242 キーボード

Claims (10)

  1. 測定機器によって測定された、流体の天然資源を採取する採取ネットワークに流れる天然資源の状態を示す測定データを取得するデータ取得部と、
    前記採取ネットワークのモデルおよび前記測定データを用いて、前記採取ネットワークの流路中における、前記測定機器が設けられた箇所とは異なる少なくとも1つの箇所の天然資源の状態を推測する状態推測部と、
    推測した天然資源の状態に基づいて、前記採取ネットワーク中に流路阻害物質が発生するまでのマージンを算出するマージン算出部と
    を備える装置。
  2. 前記データ取得部は、坑井側から前記採取ネットワークに流入する天然資源、および前記採取ネットワークから流出する天然資源の少なくとも1つの状態を示す測定データを取得する請求項1に記載の装置。
  3. 前記状態推測部は、前記採取ネットワークの流路の複数の箇所のそれぞれにおける天然資源の状態を推測する請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記状態推測部は、前記複数の箇所のそれぞれにおける天然資源の圧力および温度を推測し、
    前記マージン算出部は、前記複数の箇所の圧力および温度と、前記流路阻害物質が発生する臨界点となる圧力および温度とを用いてマージンを算出する
    請求項3に記載の装置。
  5. 前記マージンに基づいて、前記流路阻害物質の発生を抑制する抑制装置の推奨稼働量を決定する決定部を更に備える請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記抑制装置を前記推奨稼働量で稼働させる制御を行なう制御部を更に備える請求項5に記載の装置。
  7. 前記抑制装置は、ケミカルインジェクション、前記採取ネットワークの流路の温度調整、および前記採取ネットワークの流路内の圧力調整の少なくとも1つにより前記流路阻害物質の発生を抑制する請求項5または6に記載の装置。
  8. 前記流路阻害物質は、ハイドレート、アスファルテン、ワックス、およびスケールの少なくとも1つを含む請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
  9. コンピュータが、測定機器によって測定された、流体の天然資源を採取する採取ネットワークに流れる天然資源の状態を示す測定データを取得し、
    前記コンピュータが、前記採取ネットワークのモデルおよび前記測定データを用いて、前記採取ネットワークの流路中における、前記測定機器が設けられた箇所とは異なる少なくとも1つの箇所の天然資源の状態を推測し、
    前記コンピュータが、推測した天然資源の状態に基づいて、前記採取ネットワーク中に流路阻害物質が発生するまでのマージンを算出する方法。
  10. コンピュータにより実行され、前記コンピュータを、
    測定機器によって測定された、流体の天然資源を採取する採取ネットワークに流れる天然資源の状態を示す測定データを取得するデータ取得部と、
    前記採取ネットワークのモデルおよび前記測定データを用いて、前記採取ネットワークの流路中における、前記測定機器が設けられた箇所とは異なる少なくとも1つの箇所の天然資源の状態を推測する状態推測部と、
    推測した天然資源の状態に基づいて、前記採取ネットワーク中に流路阻害物質が発生するまでのマージンを算出するマージン算出部と
    して機能させるプログラム。
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