JP2020011885A - 堆肥化促進細菌製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】畜舎や堆肥舎における家畜糞尿の発酵・堆肥化促進とともに、堆肥中の窒素循環促進効果を持つ堆肥化促進製剤を提供すること。【解決手段】有機物分解酵素の分泌能、アンモニア酸化能のいずれか乃至両方を持つ細菌、乃ちバチルス属及びパエニバチルス属に属する10種の通性嫌気性細菌と、クロストリジウム属に属する2種の偏性嫌気性細菌をそれぞれ個別に培養し、活性炭、もみ殻燻炭、バーミュキュライト、パーライト、シラス火山灰土等に混合担持せしめることを特徴とする堆肥化促進製剤。通性嫌気性細菌としてバチルス・サブチリス、バチルス・モジャベンシス、バチルス・リケニホルミス、バチルス・サーキュランス、パエニバチルス・ポリミキサ、パエニバチルス・デュラス、パエニバチルス・マセランスを、偏性嫌気性細菌としてクロストリジウム・アエロトレランス、クロストリジウム・パステリアナムを用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、12種の細菌からなる、家畜糞の堆肥化促進製剤に関する。
日本国内で発生する家畜の排泄物は年間約8000万トンに及び、そのおよそ9割は堆肥化処理がなされている。一般に堆肥製造は家畜糞を堆積させ、曝気と撹拌(切り返し)により、家畜糞中の微生物による発酵を促進することによって行われる。この方法による堆肥化は大規模な施設を必要としないことから、個人の畜産農家をはじめとして広く行われている。
家畜糞の堆肥化は以下に示す機構で進行する。まず、好気性環境で生育できるような微生物が、家畜糞中の糖やタンパク質を分解する酵素(アミラーゼやペプチダーゼなど)を分泌し、これらの分解を促進する。そして、分解産物である単糖やアミノ酸を微生物が資化し、呼吸を行うことで摂氏70度から摂氏80度程度の発酵熱が生じる(この過程を便宜的に一次発酵と称する)。このプロセスによって家畜糞中の病害虫や雑草の種子、カビが死滅する。続いて、堆肥化時の副資材として使用される植物質が分解される。植物質の分解はセルラーゼやペクチナーゼなどの酵素によって行われる。この過程になると発酵熱は徐々に収まり、摂氏40度程度の温度を持続するようになる(この過程を便宜的に二次発酵と称する)。このプロセスで大半の植物質が分解され、これの終了をもって堆肥が完成する。一次発酵が始まり、二次発酵が終了するまでの期間は家畜の種別によって異なるが、短いものでも3カ月程度、長いものでは1年以上に及ぶ。この機構は公知の事実であり、家畜糞の堆肥化には欠かせないものであるとして広く理解されている。
堆肥化施設の処理能力不足などの原因から未熟堆肥を製造してしまい、結果として農地に悪影響を与えることが課題として挙げられる。日々大量に発生する家畜糞を処理するためには、それ相応の堆肥化スペースが必要となる。さらに、切り返し頻度の向上による発酵の促進には作業者の手間や人件費がかかり、大型の発酵撹拌機の導入には高額な設備投資が必要となる。こうしたことから、畜産農家はしばしば家畜糞を未熟なまま堆肥として利用・販売してしまうことがある。しかしながら、このようにしてできた堆肥は発酵が不十分であることから、病害虫や雑草の種子、カビなどが生残していることが多い。その上、未熟堆肥は成分面で見ると糞由来のアンモニア等が残留しており、病害虫の誘因による土壌の劣化、蔬菜の窒素過剰による栄養障害などを引き起こすことによる収量の低下を引き起こす。
また、堆肥製造時には、発酵によって多量のアンモニアが発生し、作業者の負担軽減や近隣住民への悪臭対策なども大きな課題の一つである。これが家畜糞を由来とした堆肥製造が忌避される要因でもある。
すなわち本発明は、牛糞、鶏糞、豚糞をはじめとする家畜糞に含まれる糖やタンパク質及び副資材たる植物質をはじめとする有機物の分解酵素の分泌能、アンモニア酸化能のいずれか乃至その複数を持つ、バチルス属及びパエニバチルス属に属する通性嫌気性菌と、クロストリジウム属に属する偏性嫌気性菌をそれぞれ個別に培養し、複数混在させることを特徴とする堆肥化促進製剤に関する。
具体的には、通性嫌気性菌として、バチルス・サブチリス、バチルス・モジャベンシス、バチルス・リケニホルミス、バチルス・サーキュランス、パエニバチルス・ポリミキサ、パエニバチルス・デュラス、パエニバチルス・マセランスを、偏性嫌気性菌としてクロストリジウム・アエロトレランス、クロストリジウム・パステリアナムをそれぞれ個別に培養し複数混在させ、活性炭、もみ殻燻炭、バーミュキュライト、パーライト、シラス火山灰、ピートモス等の一種もしくは二種以上に混合担持せしめることを特徴とする。
本発明者は、前記課題を解決するため、堆肥化に関する様々な働きを持った12種の細菌を選抜、これを家畜糞に投与することで、家畜糞の堆肥化の高速化に成功、また家畜糞発酵時の悪臭軽減にも成功し、本発明を完成させるに至った。具体的には一次発酵期間を3週間から1カ月に、二次発酵期間を1カ月に短縮し、計2ヶ月での堆肥製造が本剤の利用によって可能となった。また、堆肥中のアンモニア濃度は未処理区に対して4割の削減に成功した。
さらに本発明により、堆肥製造の回転率向上による省スペース化、切り返し頻度の低減など、作業効率の向上にも成功した。具体的には、一次発酵中の切り返し頻度は2日に1度が慣例とされているが、本剤を使用すると切り返し頻度は1週間から10日に一度にまで低減された。
本発明者らは家畜糞の堆肥化における有機物の分解、アンモニアの酸化という2つのはたらきに着目し、これらのプロセスに特異的な働きをもたらす細菌株を複数選抜、それらの培養液をシラス火山灰に吸着させることにより、本発明を完成させるに至った。ここでいう細菌株とは、有機物分解酵素産生能、アンモニア酸化能のいずれか乃至その複数を持つ細菌、すなわちバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis(ATCC No.21332)、B.subtilis(ATCC No.6051)、B.subtilis YO−1709、B.subtilis YT−1710)、バチルス・モジャベンシス(B.mojavensis(ATCC No.39307))、バチルス・リケニホルミス(B.licheniformis(ATCC No.14580))、バチルス・サーキュランス(B.circulans(ATCC No.9500))、パエニバチルス・ポリミキサ(Paenibacillus polymyxa(ATCC No.842))、パエニバチルス・デュラス(P.durus(ATCC No.35681))、パエニバチルス・マセランス(P.macerans(ATCC No.8244))、クロストリジウム・アエロトレランス(Clostridium aerotolerans(ATCC No.43524))、クロストリジウム・パステリアナム(C.pasteurianum(ATCC No.6013))である。なお、B.subtilis YO−1709及びB.subtilis YT−1710は、株式会社ヤマザキ・ヤマザキグループ総合研究所敷地内にある堆肥工場の発酵槽中から、スクリーニングにより単離された株である。また、Clostridium aerotoleransは2018年6月現在、属種再編によりRuminiclostridium aerotoleransであることが判明しているが、現在ATCCに登録されている表記に則り、C.aerotoleransと表記する。
本発明に係る全ての細菌は、芽胞形成能を持つため、本剤は長期間の保存が可能である。また、そのいずれもが世界保健機関の定めるバイオセーフティーレベルが1と最低ランクであり、取り扱いが非常に容易かつ安全であるほか、土壌をはじめとする環境中に普遍的に存在するものであるため、堆肥化施設や農地の環境を著しく変化させるものでもない。
本発明における有機物の分解酵素とは、糖やタンパク質を分解するアミラーゼやペプチダーゼ、植物性繊維質を含む物質、すなわち稲わら、おが屑、かんな屑、バーク等を分解するセルラーゼ、ペクチナーゼをはじめとする酵素類のことをいう。本発明で使用する細菌はそのすべてがこれらの分解酵素のいずれかを産生・分泌し、有機物の分解を促進する。
家畜糞の堆肥化過程において、タンパク質を分解する際アンモニアは必ず発生し、これが堆肥製造時の悪臭の原因の一つとなる。しかしながら、アンモニアを酸化し硝酸とすることで、これを蔬菜の栄養源とすることができ、堆肥の肥料としての性質を向上させることができる。さらに、この過程でアンモニアが除去されるため、発酵中のアンモニア臭は次第に軽減されていく。即ち、家畜糞の発酵に付随するアンモニア酸化を促進することで、悪臭の原因たるアンモニアの空気中への放出量を軽減することが可能となり、また堆肥の肥料成分を作ることが出来る。本発明におけるアンモニア酸化能を持つ細菌としてバチルス・サブチリス(B.subtilis(ATCC No.21332)、B.subtilis(ATCC No.6051)、B.subtilis YO−1709及びB.subtilis YT−1710)、バチルス・モジャベンシス(B.mojavensis(ATCC No.39307))、バチルス・リケニホルミス(B.licheniformis(ATCC No.14580))が挙げられる。
本剤は以下の作用機序により家畜糞の堆肥化を促進する。家畜糞の主成分は水、デンプンをはじめとする炭水化物や炭水化物であり、副資材の主成分は植物質中のセルロースである。本剤に含まれる細菌群はこれらを分解・資化するための様々な分解酵素を分泌することが出来、摂氏70〜80度以上の発酵熱を発生させる。この高い発酵熱が持続されることにより、病害虫及びその卵、雑草の種子やカビ等、蔬菜の生育に悪影響を与え得る様々な要素を排除することが出来る。また、上述の分解酵素によるタンパク質の分解により、窒素循環が促進され、アンモニアが多量に生産されるようになる。このアンモニアは、アンモニア酸化細菌(バチルス・サブチリス(B.subtilis(ATCC No.21332)、B.subtilis(ATCC No.6051)、B.subtilis YO−1709及びB.subtilis YT−1710)、バチルス・モジャベンシス(B.mojavensis(ATCC No.39307))、バチルス・リケニホルミス(B.licheniformis(ATCC No.14580))によって硝化されるため、発酵中のアンモニア臭が軽減されるとともに、堆肥中の肥料成分たる硝酸が作られる。
本発明において通性嫌気性細菌と偏性嫌気性細菌を併用しているが、先に述べた効果・効能を堆肥化プロセスに合わせて最大限発揮させることを目的とするほか、家畜糞中に各細菌に適応した環境を作ることが理由として挙げられる。例えば、家畜糞表面は好気的であるため、本発明におけるバチルス属及びパエニバチルス属に属する通性嫌気性細菌がよく生育する。つまり、これらの細菌が菌体周辺に存在する酸素を使用して好気発酵を行う。すると、酸素が奪われたことによりその周辺及び家畜糞内部の環境は嫌気的に変化し、本発明におけるクロストリジウム属に属する偏性嫌気性細菌が旺盛に生育しやすい環境が自然と作られる。これにより、偏性嫌気性細菌が重要な役割を果たす有機物(特にセルロース)の分解過程が起こりやすくなり、堆肥中の有機質の分解と堆肥の品質向上が促進される。このように、家畜糞中の環境において通性嫌気性細菌と偏性嫌気性細菌を共存させ、共生的に繁殖できる環境づくりをすることで、家畜糞の堆肥化速度は向上させることが出来る。
本発明を用いた牛糞の堆肥化過程における温度変化の様子を示す。
本発明に係る細菌群の培養方法の詳細について説明する。以下に記載する培地、試薬、器具に関しては、特に記載が無い限り摂氏121度、2気圧下で20分間高圧蒸気滅菌し、室温まで冷却する。また、植菌操作・アンプル開封作業等は基本的にはクリーンベンチ内、またはガスバーナーにより生じる上昇気流内にて行う。培養は摂氏35度±2度に設定された培養室の中で行うものとする。培地の組成に関しては10種の通性嫌気性細菌の培養に用いるTripticase soy broth(以下TSB培地、日本ベクトン・ディッキンソン株式会社製)の場合は30g/Lの濃度、クロストリジウム・アエロトレランス(Clostridium aerotolerans(ATCC No.43524))の培養に用いるATCC推奨培地1556の場合は表1に示す組成、クロストリジウム・パステリアナム(C.pasteurianum(ATCC No.6013))の培養に用いるATCC推奨培地2107の場合は表2に示す組成とし、すべての培地でpH6.8となるよう、1M水酸化ナトリウム水溶液または1M塩酸で適宜調製する。なお、ATCC推奨培地1556及び2107は、高圧蒸気滅菌後に急冷することにより脱気する。
Figure 2020011885
Figure 2020011885
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通性嫌気性菌について、ATCCより分譲されたアンプルを開封し、TSB培地1mLを添加後緩やかに混和、懸濁する。スクリーニングにより単離された株については、グリセロールストックを室温で融解する。25mL容試験管に分注したTSB培地5mLに懸濁液乃至融解液50μLを接種、綿栓後、180rpmで16時間乃至40時間培養する。具体的には、10種の通性嫌気性細菌のうち、パエニバチルス・マセランス(P.macerans(ATCC No.8244))のみ40時間培養し、その他9種の細菌については16時間培養する。
500mL容三角フラスコに分注したTSB培地100mLに上記培養液1mLを接種、綿栓後、150rpmで16時間乃至40時間振盪培養する。
1.5mL容マイクロチューブに上記培養液を0.5mLずつ分注、さらに予め調製した40%グリセロール溶液を0.5mLずつ重層、転倒混和し、終濃度20%のグリセロールストックを作成する。これを一次保存液とし、使用時まで超低温フリーザーにて摂氏−80度で凍結保存する。また、培養液の
Figure 2020011885
agar(以下TSA培地、滅菌前のTSB培地に寒天粉末を終濃度1.5%となるように添加し、高圧蒸気滅菌したものとする)に塗抹し16時間乃至40時間培養する。培養終了後、寒天平板上に生育したコロニー数をもとに培養液中の総菌数を算出する。実際の結果を表3に示す。
Figure 2020011885
次に、25mL容試験管に分注したTSB培地5mLに、室温で融解した一次保存液50μLを接種、綿栓後、180rpmで16時間乃至40時間振盪培養する。これを前々培養とする。
500mL容三角フラスコに分注したTSB培地250mLに前々培養液2.5mLを接種、綿栓後、150rpmで16時間乃至40時間振盪培養する。これを前培養とする。
15mL容コニカルチューブに前培養液を5mLずつ分注、さらに予め調製した40%グリセロール溶液を5mLずつ重層、転倒混和し、終濃度20%のグリセロールストックを作成する。これを二次保存液とし、使用時まで超低温フリーザーにて摂氏−80度で凍結保存する。培養液の一部を採取し、
Figure 2020011885
時間培養する。培養終了後、寒天平板上に生育したコロニー数をもとに培養液中の総菌数を算出する。実際の結果を表4に示す。
Figure 2020011885
続いて本培養を行う。本培養は400L容培養装置にて200LのTSB培地に対して二次保存液200mLを接種し、0.1VVMとなるよう空気を通気、150rpmで16時間乃至40時間培養する。培養
Figure 2020011885
TSA培地に塗抹し16時間乃至40時間培養する。培養終了後、寒天平板上に生育したコロニー数をもとに培養液中の総菌数を算出する。実際の結果を表5に示す。
Figure 2020011885
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偏性嫌気性細菌について、以下、偏性嫌気性細菌の取り扱いは窒素と二酸化炭素が8:2の割合で混合されたガス(以下、混合ガス)で置換されたグローブボックス内で行うものとする。また、使用する培地は容器内を真空とした後、混合ガスにより置換されたものとする。ATCCより分譲されたアンプルを開封し、各々の推奨培地(組成は表1及び表2に示した通り)1mLを添加後緩やかに混和、懸濁する。懸濁液0.2mLを20mL容バイアル瓶に分注した推奨培地20mLに接種、ブチルゴム栓とアルミキャップで密栓後、37℃で40時間静置培養する。
上記培養液0.5mLを500mL容アイボーイに分注した各々の推奨培地500mLに接種後、密栓し48時間静置培養する。上記培養液及び40%グリセロール溶液を0.5mLずつ重層、転倒混和し、終濃度20%のグリセロールストックを作成する。これを一次保存液とし、使用時まで超低温フリーザーにて摂氏−80度で凍結保存する。また、培養液の一部を採取し、直接計数法により培養液中の総菌数を算出する。実際の結果を表6に示す。
Figure 2020011885
次に、20mL容バイアル瓶に分注した各々の推奨培地20mLに室温で融解した一次保存液0.2mLを接種後、ブチルゴム栓及びアルミキャップで密栓し48時間静置培養する。これを前々培養とする。前培養液5mLを500mL容メディウム瓶に分注した各々の推奨培地500mLに接種後、密栓し48時間静置培養する。これを前培養とする。
15mL容コニカルチューブに前培養液を5mLずつ分注、さらに予め調製した40%グリセロール溶液を5mLずつ重層、転倒混和し、終濃度20%のグリセロールストックを作成する。これを二次保存液とし、使用時まで超低温フリーザーにて摂氏−80度で凍結保存する。培養終了後の本培養液を一部採取し、直接計数法により培養液中の総菌数を算出する。実際の結果を表7に示す。
Figure 2020011885
続いて本培養を行う。本培養は400L容培養装置にて、200Lの各々の推奨培地に対して二次保存液200mLを接種し、0.2VVMとなるよう混合ガスを通気、50rpmで40時間培養する。培養終了後の本培養液を一部採取し、直接計数法により培養液中の総菌数を算出する。実際の結果を表8に示す。
Figure 2020011885
次に、得られた培養液を活性炭、もみ殻燻炭、バーミュキュライト、パーライト、シラス火山灰、ピートモス等に噴霧し、細菌をこれらに担持させることによる本剤の製造方法を示す。なお、担持体としての活性炭、もみ殻燻炭、バーミュキュライト、パーライト、シラス火山灰、ピートモスは、0.6mmから2.5mmの大きさに選別されたものを500度のバーナーで乾燥(処理後の水分率は1%以下とする)及び火炎滅菌して使用する。処理した担持体6.5kgに対して各細菌の培養液250mLをそれぞれ個別に噴霧し、得られた噴霧処理物12種類を等量ずつ混合することで本剤とする。培養液を噴霧する際は、農業用薬剤散布機等で培養液を霧状にして噴霧し、コンクリートミキサー等で撹拌しながら行う。なお、目的以外の微生物のコンタミネーションを防止するため、散布機及びミキサーは70%(v/v)に調整したエタノールで殺菌してから使用する。
以下、本剤を使用した牛糞の堆肥化試験の方法及び結果を示す。
試験例:牛糞堆肥化試験
1.試験区
両試験区ともに散気管を1.5m容ステンレス製コンテナ下部に設置し、毎分40Lの曝気を行った。
また、毎日午前8時に中心温度計2本を使用してコンテナ内2か所の温度を測定し、その平均値を発酵温度とした。
a.対照区:肉用牛糞1mに対し、水分率が65%程度となるように稲藁を添加、撹拌した。
b.処理区:aと同様の条件に加え、本剤を牛糞に対して0.2%添加、撹拌した。
2.試験場所
株式会社ヤマザキ・ヤマザキグループ総合研究所敷地内・堆肥工場(静岡県榛原郡吉田町住吉)
3.試験期間
2018年1月9日から2018年3月9日
4.試験スケジュール
2018年1月9日:無処理牛糞をサンプリング。牛糞と稲藁を混合、処理区には本剤を所定量投与。両処理区で曝気開始。
2018年1月15日:切り返し、サンプリング。
2018年1月25日:切り返し、サンプリング。
2018年2月5日:切り返し、サンプリング。以後、曝気を停止し、静置して2次発酵期間とする。
2018年3月5日:サンプリング、試験終了。
なお、サンプリングした試料はアンモニウムイオン濃度(C(NH ))、硝酸イオン濃度(C(NO ))測定に供した。
500mL容三角フラスコにサンプリングした試料を取り、試料の5倍量となる超純水を加え、180rpmで30分間振盪した。その後遠心分離(10,000rpm、10分間)を行った。分離後、定性濾紙を用いて上清を濾過したものを試料液とし、イオンクロマトグラフィーIC−2010(東ソー株式会社製)で硝酸イオン及びアンモニウムイオンの濃度を分析した(単位はppm)。
同試験中の温度変化を図1に示す。対照区では牛糞の芯温が70度以上に到達したのは2日間であったのに対し、処理区では12日間遭遇している。そのため、本剤を添加した処理区では、対照区と比較して堆肥中の病害虫や病原性微生物の総数が少なく、これらによる蔬菜への悪影響をより回避することが出来ると考えられる。
次に、表9にて対照区と処理区における試験開始7日後のアンモニウムイオン濃度(C(NH ))と、試験開始60日後の硝酸イオン濃度(C(NO ))の比較を行う。まず、試験開始7日後のアンモニウムイオン濃度に関して、処理区では対照区と比較して約45%の低下が見られる。これは、発酵の高速化による硝化サイクルの高速化によるものであると考えられる。また、試験開始60日後の硝酸イオン濃度について処理区中の濃度が対照区と比較して約129%増加していることからも、同様のことが推察される。
Figure 2020011885

Claims (3)

  1. 牛糞、鶏糞、豚糞をはじめとする家畜糞に含まれる糖やタンパク質及び副資材たる植物質をはじめとする有機物の分解酵素の分泌能、アンモニア酸化能のいずれか乃至その複数を持つ、バチルス属及びパエニバチルス属に属する通性嫌気性菌と、クロストリジウム属に属する偏性嫌気性菌をそれぞれ個別に培養し、複数混在させることを特徴とする堆肥化促進製剤。
  2. 請求項1に示す通性嫌気性菌として、バチルス・サブチリス、バチルス・モジャベンシス、バチルス・リケニホルミス、バチルス・サーキュランス、パエニバチルス・ポリミキサ、パエニバチルス・デュラス、パエニバチルス・マセランスを、偏性嫌気性菌としてクロストリジウム・アエロトレランス、クロストリジウム・パステリアナムをそれぞれ個別に培養し、複数混在させることを特徴とする堆肥化促進製剤。
  3. 請求項1に示す通性嫌気性菌並びに偏性嫌気性菌を、活性炭、もみ殻燻炭、バーミュキュライト、パーライト、シラス火山灰、ピートモス等の一種もしくは二種以上に混合担持せしめることを特徴とする堆肥化促進製剤。
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