JP2020009711A - 磁性導電材、これを用いた電気部材、及び磁性導電材の使用方法 - Google Patents
磁性導電材、これを用いた電気部材、及び磁性導電材の使用方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】使用周波数における交流抵抗を理論上直流抵抗と同程度まで低減することができると共に、簡便に製造することができる磁性導電材及び電気部材を提供する。【解決手段】本発明の磁性導電材は、電気伝導性を有する導体が主成分であり、磁性体が前記導体に含まれているものである。導体は、銀、銅、金、アルミニウム又は炭素を主成分とする。磁性体は、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ガドリニウム、マンガン及びビスマスから選択される少なくとも一つの成分を含むものである。本発明の電気部材は、磁性導電材が用いられているものである。【選択図】図3
Description
本発明は、表皮効果さらには近接効果を抑制した低損失な導体になる磁性導電材、及びこの磁性導電材を用いた電線や導電パターンの形成された基板、コイル、アンテナ、フィルターなどの高周波用の各種の電気部材、並びに磁性導電材の使用方法に関するものである。
表皮効果とは、交流電流が導体を流れるときに、電流密度が導体の表面で高くなり、表面から離れると低くなる現象のことである。周波数が高くなるほど電流が導体の表面に集中するので、導体の交流抵抗が高くなる。
表皮効果による交流抵抗の増大を抑制するために、本願発明者らは、正の透磁率を有する導体層Aと、負の透磁率を有する導体層Bとを多層に構成した伝送線路等について、過去に特許出願している(特許文献1、2)。層Aと層Bの厚さは、隣り合う層の磁束が減殺(相殺)されるように厚さを設定される。
特許文献1、2は優れた発明であるが、表皮効果の影響をさらに抑制し、究極的には使用周波数における交流抵抗を直流抵抗程度まで低減させたいという課題がある。また、特許文献1、2の発明には、層Aと層Bとを交互に多層に重ねる必要があるため、作製工程が複雑であるという課題がある。
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、使用周波数における交流抵抗を理論上直流抵抗と同程度まで低減することができると共に、簡便に製造することができる磁性導電材及び電気部材を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載された磁性導電材は、電気伝導性を有する導体が主成分であり、磁性体が前記導体に含まれているものであることを特徴とする。
請求項2に記載の磁性導電材は、請求項1に記載のものであり、前記導体が、銀、銅、金、アルミニウム又は炭素を主成分とすることを特徴とする。
請求項3に記載の磁性導電材は、請求項1又は2に記載のものであり、前記磁性体が、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ガドリニウム、マンガン及びビスマスから選択される少なくとも一つの成分を含むものであることを特徴とする。
請求項4に記載の磁性導電材は、請求項1から3のいずれかに記載のものであり、前記磁性体が、一軸磁気異方性を有していることを特徴とする。
請求項5に記載の磁性導電材は、請求項1から4のいずれかに記載のものであり、直流における電気抵抗率が、1×10-6Ω・m以下であることを特徴とする。
請求項6に記載の電気部材は、請求項1から5のいずれかに記載の磁性導電材が用いられているものであることを特徴とする。
請求項7に記載の電気部材は、請求項6に記載のものであり、前記磁性導電材が用いられているものが、電線、伝送線路、基板、コイル、フィルター、アンテナ、又は電磁波吸収シートであることを特徴とする。
請求項8に記載の電気部材は、請求項6又は7に記載のものであり、前記磁性体の種類、前記磁性体の含有量及び前記磁性導電材の形状のうちの少なくとも1つが異なる複数の前記磁性導電材が用いられていることを特徴とする。
請求項9に記載の電気部材は、請求項6から8のいずれかに記載のものであり、前記磁性導電材に外部磁界を印加可能な外部磁界印加部が設けられていることを特徴とする。
請求項10に記載の電気部材は、請求項9に記載のものであり、前記外部磁界印加部は、前記磁性導電材に印加する外部磁界の強度を調整可能であることを特徴とする。
請求項11に記載の磁性導電材の使用方法は、電気伝導性を有する導体が主成分であり、磁性体が前記導体に含まれている磁性導電材の使用方法であって、前記磁性導電材の強磁性共鳴周波数よりも高い周波数であり、前記磁性導電材の複素比透磁率をμr*、前記複素比透磁率の実部をμr’、虚部をμr”として、|μr*|=(μr’2+μr” 2)0.5 としたときに、∂|μr*|/∂f=0の微分方程式を満たす周波数fで使用することを特徴とする。
請求項12に記載の磁性導電材の使用方法は、電気伝導性を有する導体が主成分であり、磁性体が前記導体に含まれている磁性導電材の使用方法であって、前記磁性導電材の強磁性共鳴周波数よりも高い周波数であり、前記磁性導電材の複素比透磁率の実部が0になる周波数で使用することを特徴とする。
請求項13に記載の磁性導電材の使用方法は、請求項11又は12に記載のものであり、前記磁性導電材に外部磁界を印加することを特徴とする。
請求項14に記載の磁性導電材の使用方法は、請求項13に記載のものであり、前記外部磁界の強度を調整することを特徴とする。
本発明の磁性導電材によれば、前記磁性導電材の強磁性共鳴周波数よりも高い周波数であり、前記磁性導電材の複素比透磁率をμr*、前記複素比透磁率の実部をμr’、虚部をμr”として、|μr*|=(μr’2+μr” 2)0.5 としたときに、∂|μr*|/∂f=0の微分方程式を満たす周波数f付近で使用することで、表皮効果を生じさせることなく、磁性導電材の断面全体に交流電流を流すことができる。従って、交流抵抗を理論上直流抵抗と同程度まで低減することができる。本発明の磁性導電材は導体を主成分としているため、直流抵抗を導体と同様の小さなものにすることができる。本発明の磁性導電材は導体に磁性体を含有させるだけで効果を発揮して、どのような形状や構造に形成しても表皮効果を生じさせないため、簡便に製造することができる。また、本発明の磁性導電材は、近接効果を生じさせないという効果も有している。
導体が銀、銅、金、アルミニウム又は炭素を主成分とする場合、良導体であるため、直流抵抗自体を小さくでき、ひいては交流抵抗を小さくすることができる。磁性体が鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ガドリニウム、マンガン及びビスマスから選択される少なくとも一つの成分を含むものである場合、異方性磁界を大きくすることができる。磁性体が一軸磁気異方性を有している場合、異方性磁界を大きくすることができる。直流における電気抵抗率が、1×10-6Ω・m以下である場合、導体として良好に使用することができる。
電気部材に磁性導電材が用いられている場合、前述した周波数で損失の少ない電気部材となる。そのため、電線、伝送線路、基板、コイル、フィルター、アンテナ、又は電磁波吸収シートなどに好ましく使用することができる。磁性体の種類、磁性体の含有量及び磁性導電材の形状のうちの少なくとも1つが異なる複数の磁性導電材が用いられている場合、複数の周波数で使用したり使用周波数帯域を広帯域化したりすることができる。
磁性導電材に外部磁界を印加する場合、外部磁界の大きさで使用周波数を変えることができる。磁性導電材に印加する外部磁界の強度を調整可能である場合、使用周波数を調整することができる。
以下、発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明の磁性導電材は、電気伝導性を有する導体が主成分であり、磁性体が前記導体に含まれているものである。
一般的な銅(Cu)やアルミニウム(Al)などの電気伝導性を有する導体単体の場合、周波数が高くなると(1)式に示されるように表皮効果の影響が大きくなり、電流が導線中心には流れ難くなり、抵抗が高くなる。
δ=(πσμf)-0.5 ・・・(1)式
ここで、δ[m]は表皮深さ、σ[S/m]は導線の導電率、μ[H/m]は導体の透磁率、f[Hz]は周波数である。銅やアルミニウムの場合、比透磁率μr≒1であり、真空中の透磁率とほぼ同じμ≒μ0=4π×10-7[H/m]である。
δ=(πσμf)-0.5 ・・・(1)式
ここで、δ[m]は表皮深さ、σ[S/m]は導線の導電率、μ[H/m]は導体の透磁率、f[Hz]は周波数である。銅やアルミニウムの場合、比透磁率μr≒1であり、真空中の透磁率とほぼ同じμ≒μ0=4π×10-7[H/m]である。
図1に、銅のような従来の導体に交流電流Iが流れる様子を模式的に示す。図1(a)の斜視図に示すように、導体に交流電流Iが流れると磁束φが生じる。従来の導体は前述したように比透磁率μr≒1がほぼ1であり、真空中の透磁率とほぼ同じであるため、導体に磁束φが鎖交する。導体に磁束φが鎖交すると、導体に渦電流Iedが発生する。図1(b)の断面図に示すように、渦電流Iedは導体内部で打ち消し合うため、導体の外側に電流が偏って、表皮効果が生じる。
一方、図2の斜視図に、透磁率μ=0(比透磁率μr=0)の場合を示す。交流電流Iが流れることで発生する磁束φは、透磁率μ=0の場合、導体に鎖交しない。そのため、導体に渦電流が発生せず、表皮効果が生じない。本発明はこの原理に着目して開発したものである。
比透磁率μrは、複素比透磁率μr*で表される。複素比透磁率μr*=μr’−jμr”である。複素比透磁率の実部μr’は(2)式、複素比透磁率の虚部μr”は(3)式で表される。ただし一軸磁気異方性を有した磁性体の磁化困難軸励磁の場合である。
ここでMsは飽和磁化、Hkは異方性磁界、ωrは強磁性共鳴角周波数(ωr=2πfr)、ωは角周波数、λは制動定数αとジャイロ磁気定数γを用いた定数でαγMs/4πμ0である。複素比透磁率μr*の実部μr’及び虚部μr”の周波数特性を図示すると、図3のグラフになる。
本願発明者らは、本発明の磁性導電材(磁性導体)が図3に示すような複素比透磁率μr*(=μr’−jμr”)の周波数特性を示すことを見出し、特に高周波領域に着目した。同図は、一例として、飽和磁化Ms=0.1[T]をもつと仮定した磁性導体に、電流が流れる方向に異方性磁界Hk=10[Oe](≒795.77[A/m])なる一軸磁気異方性を付与したものの計算値である。図3(a)に示すように、0.28GHzに複素比透磁率μr*の実部μr’が0になる強磁性共鳴周波数frが現れる。
強磁性共鳴について説明する。強磁性体中の磁気モーメントは全体として方向をそろえており、歳差運動する。この歳差運動の周波数と等しい周波数である磁界を外部から与えると、共鳴的にエネルギーを吸収する。このときの周波数を強磁性共鳴周波数frとよぶ。
RFインダクタの磁心に専ら用いられている従来の磁性体(磁性膜)も図3に示すような複素比透磁率μr*(=μr’−jμr”)の周波数特性を示す。RFインダクタの磁心などの磁性体は、強磁性共鳴周波数frよりも低い周波数で使用されている。強磁性共鳴周波数frでは損失項である複素比透磁率の虚部μr”が極めて高いため、電磁波抑制シートなどは、強磁性共鳴周波数frで使用されている。従来、強磁性共鳴周波数frよりも高い周波数で使用されている磁性体(磁性導体)は知られていない。
図3(a)に示すように、強磁性共鳴周波数frよりも高い周波数では、実部μr’<0を示し、虚部μr”は0に近付く。さらに高い周波数では、図3(b)に示すように、2.8GHzで再び実部μr’=0となる周波数f0が現れる。周波数f0では、虚部μr”≒0であり、複素比透磁率μr*≒0となる。
図3(b)に示すように、実部μr’のグラフの傾きが虚部μr”のグラフの傾きよりも大きい場合には、実部μr’=0になる周波数f0の近傍においては、周波数f0で複素比透磁率μr*が最小になり、複素比透磁率μr*≒0となる。言い換えると、実部μr’=0になる周波数f0が、複素比透磁率が最小になり複素比透磁率μr*≒0となる周波数fμ=0になる。
なお、磁性体の種類や飽和磁化、異方性磁界などによっては、実部μr’のグラフの傾きが虚部μr”のグラフの傾きより小さくなる場合も考えられる。そのため、全ての磁性体等に適用できるように考慮すると、以下の(4)式、(5)式によって、複素比透磁率μr*が最小になり複素比透磁率μr*≒0となる周波数fμ=0を表すことができる。
即ち、複素比透磁率μr*が最小になり複素比透磁率μr*≒0となる周波数fμ=0は、磁性導電材の強磁性共鳴周波数frよりも高い周波数であり、磁性導電材の複素比透磁率をμr*、複素比透磁率の実部をμr’、虚部をμr”として、
|μr*|=(μr’2+μr” 2)0.5 ・・・(4)式
としたときに、
∂|μr*|/∂f=0 ・・・(5)式
の微分方程式を満たす周波数fである。
|μr*|=(μr’2+μr” 2)0.5 ・・・(4)式
としたときに、
∂|μr*|/∂f=0 ・・・(5)式
の微分方程式を満たす周波数fである。
周波数fμ=0では(1)式中の透磁率μ≒0になる。従って、周波数fμ=0では、(1)式より、表皮深さδが無限大に近く極めて深くなるということを意味しており、磁性導電材の内部まで電流が流れ表皮効果がほとんど起こらないとういことを意味している。そのため、本発明の磁性導電材は、周波数fμ=0において、抵抗を直流抵抗程度まで低減できる。さらに、本発明の磁性導電材は導体を主成分としているため、直流抵抗が導体と同様の小さなものである。従って、本発明の磁性導電材は、周波数fμ=0における交流抵抗が導体の直流抵抗と同程度の小さなものになる。
従って、本発明の磁性導電材は、周波数fμ=0の交流電流で使用することが好ましい。なお、実部μr’=0になる周波数f0と、複素比透磁率μr*が最小になる周波数fμ=0が異なる場合であっても、周波数f0と周波数fμ=0とは近くなるため、周波数f0の交流電流で使用してもよい。
RFインダクタの磁心などに用いられる従来の磁性体は、例えば鉄などの直流抵抗の大きな材料を主成分としている。そのため、従来の磁性体は、直流抵抗自体が大きいため、表皮効果を抑制しても大きな抵抗値となるため、交流電流を流す導体として使用することは難しい。
本発明の磁性導電材に用いられる導体は、電線やパターン配線に使用されている直流抵抗の小さな導体(良導体、導体材)であれば特に限定は無く、例えば、銀、銅、金、アルミニウム又は炭素である。
本発明の磁性導電材に用いる磁性体は、特に限定は無く、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ガドリニウム、マンガン及びビスマスから選択される少なくとも一つの成分を含むものである。
本発明の磁性導電材は、導体が主成分であり、導体が磁性体よりも多く含まれている。つまり、導体と磁性体との重量比は導体の方が大きい。磁性体の成分量は、例えば、at比(at%)で磁性体が導体の10%以下で1%程度であることが望ましい。範囲で示すと、例えば、at%で磁性体が導体の10%以下0.01%以上、又は5%以下0.1%以上、好ましくは2%以下0.5%以上である。
本発明の磁性導電材は、直流における電気抵抗率が、1×10-6Ω・m以下である。好ましくは、直流における電気抵抗率が、0.1×10-6Ω・m以下であり、より好ましくは、0.05×10-6Ω・m以下である。
周波数fμ=0及び強磁性共鳴周波数frは、磁性導電材の飽和磁化Ms及び異方性磁界Hkによって変化する。飽和磁化Msは、磁性体の種類及び磁性体の含有量によって変化し、異方性磁界Hkは、形状磁気異方性や誘導磁気異方性、結晶磁気異方性などにより変化する。従って、周波数fμ=0(及び強磁性共鳴周波数fr)は、飽和磁化Ms及び異方性磁界Hkの調整、すなわち磁性体の種類及び磁性体の含有量あるいはまた磁性導体の形状などによって調整することができる。
本発明の磁性導電材は、磁性体が等方性を有していてもよいが、一軸磁気異方性を有している方が好ましい。磁性体が等方性を有する場合、各々の磁気モーメントの方向がランダムになるため、周波数fμ=0及び強磁性共鳴周波数frがばらついてしまう可能性がある。一方、磁性体が一軸磁気異方性を有している場合、各々の磁気モーメントの方向が一致するため、周波数fμ=0及び強磁性共鳴周波数frが場所によらず一致するため、周波数特性が良好になり、好ましく使用することができる。
磁性体が一軸磁気異方性を有する場合、磁化容易軸及び磁化困難軸の方向(磁気モーメントの方向)は任意である。交流電流の流れる方向を磁化容易軸にしてもよいし、磁化困難軸にしてもよい。交流電流の流れる方向が磁化容易軸方向であっても磁化困難軸方向であっても、交流電流によって生じる磁界で磁気モーメントが歳差運動をするからである。
本発明の磁性導電材は、導体と磁性体との合金であってもよいし、導体に磁性体の粒子が分散しているものであってもよい。合金の場合、導体に磁性体が完全に溶け込んでいる固溶体、結晶レベルでは成分の金属がそれぞれ独立している共晶、原子のレベルで一定割合で結合した金属間化合物であってもよい。
本発明の磁性導電材は、導体を主成分とするため、従来の導体の製造方法を使用して、簡便に製造することができる。導体中の磁性体を一軸磁気異方性とするには、製造工程の中で、磁性体(磁性導電材)に外部磁場を印加すればよい。外部磁場を印加した方向が磁化容易軸になり、外部磁場に直交する方向が磁化困難軸になる。磁性導電材が細長い電線や細長い板材のように細長い形状である場合、形状磁気異方性により、長手方向が磁化容易軸となる一軸磁気異方性を示す。そのため、形状磁気異方性を有する場合、製造工程の中で長手方向に外部磁場を印加してもよいし、しなくてもよい。
本発明の磁性導電材を膜状に形成する場合、従来の薄膜の成膜方法と同様に、例えば、めっき法、塗布法、ゾルゲル法、陽極酸化法などの液相成長法、真空蒸着法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、イオンプレーティング法などの物理的気相成長法、及び化学的気相成長法により形成できる。また、例えば、磁性微粒子を樹脂中に分散させてスラリ状のものを作り、キャスティングする方法によって磁性導電材を膜状に形成してもよい。
本発明の磁性導電材を電線又は板材に形成する場合、従来の電線や板材と同様に、例えば素材を溶解し、鋳造し、線状又は板状に圧延することで形成できる。
[電磁界解析1]
ここで、図4に示す断面正方形の導線を解析モデルとして電磁界解析を行った結果を説明する。電磁界解析ソフトウェアには、ANSYS HFSSを使用した。以下の電磁界解析では全て同じソフトウェアを使用している。電磁界解析のメッシュの1辺は最大5μmとした。解析周波数(周波数fμ=0)は1GHzとした。
ここで、図4に示す断面正方形の導線を解析モデルとして電磁界解析を行った結果を説明する。電磁界解析ソフトウェアには、ANSYS HFSSを使用した。以下の電磁界解析では全て同じソフトウェアを使用している。電磁界解析のメッシュの1辺は最大5μmとした。解析周波数(周波数fμ=0)は1GHzとした。
図5に、解析結果を示す。同図は、解析モデルの横断面の電流密度を示している。図5(a)に、比較例として、導体が銅である場合を示す。図5(b)に、本発明の実施例として、導体が銅であり、銅に含まれる磁性体の比透磁率が1×10-10である場合を示す。
図5(a)の比較例では、表面付近の電流密度が高く、特に4つの角部の電流密度が高くなっていた。比較例の直流抵抗は0.22Ωであり、周波数1GHzの交流抵抗は0.7Ωであった。一方、図5(b)の本発明の実施例では、断面全体にわたり電流が流れ、電流密度は均一であった。実施例の直流抵抗は0.22Ωであり、周波数1GHzの交流抵抗は直流抵抗と同じ0.22Ωであった。
このように、本発明の磁性導電材は、周波数fμ=0において表皮効果が生じず、導体の直流抵抗と同程度の交流抵抗になる。
[電磁界解析2]
図6に示すパターンコイルを解析モデルとして電磁界解析を行った。コイルの導体幅(ライン幅)は55μm、導体間隔(ライン間隔)は15μm、導体厚さ(ライン膜厚)は8μmとした。電磁界解析のメッシュの1辺は最大5μmとした。解析周波数(周波数fμ=0)は1GHzとした。図7、図8に、解析結果を示す。図7は、解析モデルの膜面方向の中央部の断面(縦断面)の電流密度を示している。図8は、解析モデルのG−G線断面(横断面)の電流密度を示している。
図6に示すパターンコイルを解析モデルとして電磁界解析を行った。コイルの導体幅(ライン幅)は55μm、導体間隔(ライン間隔)は15μm、導体厚さ(ライン膜厚)は8μmとした。電磁界解析のメッシュの1辺は最大5μmとした。解析周波数(周波数fμ=0)は1GHzとした。図7、図8に、解析結果を示す。図7は、解析モデルの膜面方向の中央部の断面(縦断面)の電流密度を示している。図8は、解析モデルのG−G線断面(横断面)の電流密度を示している。
図7(a)、図8(a)に、比較例として、導体が銅である場合を示す。図7(b)、図8(b)に、本発明の実施例として、導体が銅であり、銅に含まれる磁性体の比透磁率が1×10-10である場合を示す。
図7(a)の比較例では、パターンコイルの内部にほとんど電流が流れない。一方、図7(b)の実施例では、パターンコイルの内部まで電流が流れた。なお、図7(b)で、パターンコイルのコーナーの外周部分の電流密度が小さくなっているのは、電流は最短距離を流れるため、コーナーの内周部分に電流が多く流れているためと考察される。
図8(a)の比較例では、パターンコイルの表面に電流が流れ、内部に電流が流れていない。一方、図8(b)の実施例では、断面全体にわたり均一に電流が流れた。
図7(b)、図8(b)に示されるように、近接してパターンが平行に配置されている部分であっても、両パターンに均一に電流が流れている。このことから、近接効果の影響が生じないことがわかる。従って、本発明の磁性導電材で形成したパターンや線材、コイル等の電気部材は、表皮効果のみならず、近接効果の影響が生じない。
以上説明したように、本発明の磁性導電材は、磁性導電材の形状によらず磁性導電材の内部まで電流が流れ表皮効果がほとんど起こらないため、任意の形状に形成することができる。例えば、磁性導電材の断面形状を、円形、楕円形、正方形、長方形、多角形とすることができる。さらに、近接効果が生じないため、コイルのように磁性導電材同士を近接して配置することができる。
本発明の磁性導電材は、周波数fμ=0において良導体として使用できることから、各種の用途に使用できる。例えば、周波数fμ=0を使用周波数とする電線、基板(プリント配線基板、ガラス基板、半導体基板などのパターン配線)、コイル、伝送線路、アンテナ、コネクタなど各種の高周波用の電気部材に使用できる。また、周波数fμ=0を対象とするシールド板や、高周波ノイズ(例えばEMC)対策部品などの電気部材に使用できる。
本発明の磁性導電材は、導体であると共に磁性体としての性質も有するため、例えば、周波数fμ=0を通過周波数(中心周波数)とし、他の周波数を減衰域とするフィルター(電気部材の他の一例)として使用できる。また、電磁波吸収シート(電気部材の他の一例)として使用できる。
本発明の磁性導電材は周波数fμ=0になる特定の周波数で導体として使用できるため、異なる複数の周波数や広帯域の周波数で使用する場合、周波数fμ=0の異なる複数の磁性導電材が用いられた電気部材を使用すればよい。
図9に、本発明の電気部材の一例であるプリント配線基板10を示す。このプリント配線基板10は、基材5の表面(又は内層)に、本発明の磁性導電材によって形成された複数のパターン配線1(11、12)が積層されたものである。
複数のパターン配線1(11、12)は、磁性体の種類、磁性体の含有量及び磁性導電材の形状(パターン形状)のうちの少なくとも1つが異なる複数の磁性導電材が用いられて形成されている。このように形成すると、透磁率がほぼゼロになるパターン配線11の周波数fμ=01と、パターン配線12の周波数fμ=02とを異ならせることができる。
このプリント配線基板10では、周波数fμ=01の交流電流はパターン配線11を通過し、周波数fμ=02の交流電流はパターン配線12を通過する。周波数fμ=01及び周波数fμ=02を適宜設定することで、使用可能な周波数を複数の周波数としたり、広帯域化することができる。複数のパターン配線1の層数は任意であり、使用する周波数の数や周波数帯域の広さに応じて、適宜設定すればよい。周波数fμ=0の異なる複数のパターン配線を積層することで、プリント配線基板10を小型化することができる。必要性に応じて、複数のパターン配線11とパターン配線12の間に絶縁層を設けてもよい。電線を複数の周波数で使用したり広帯域化する場合、図示しないが、周波数fμ=0の異なる複数の電線を撚ったり引き揃えたりして使用すればよい。
[電磁界解析3]
図10に示す2層に積層したパターン配線(導線)を解析モデルとして電磁界解析を行った。パターン配線A,Bは、いずれも本発明の磁性導電材で形成されたものである。同図下側のパターン配線Aは、飽和磁化Ms=0.03473[T]、電流が流れる方向に異方性磁界Hk=10[Oe]なる一軸磁気異方性を有するものとすることで、透磁率がほぼゼロになる周波数fμ=01=1GHzとした。同図上側のパターン配線Bは、飽和磁化Ms=0.10619[T]、電流が流れる方向に異方性磁界Hk=10[Oe]なる一軸磁気異方性を有するものとすることで、透磁率がほぼゼロになる周波数fμ=02=3GHzとした。
図10に示す2層に積層したパターン配線(導線)を解析モデルとして電磁界解析を行った。パターン配線A,Bは、いずれも本発明の磁性導電材で形成されたものである。同図下側のパターン配線Aは、飽和磁化Ms=0.03473[T]、電流が流れる方向に異方性磁界Hk=10[Oe]なる一軸磁気異方性を有するものとすることで、透磁率がほぼゼロになる周波数fμ=01=1GHzとした。同図上側のパターン配線Bは、飽和磁化Ms=0.10619[T]、電流が流れる方向に異方性磁界Hk=10[Oe]なる一軸磁気異方性を有するものとすることで、透磁率がほぼゼロになる周波数fμ=02=3GHzとした。
図11(a)に、パターン配線Aの複素比透磁率の周波数特性グラフを示し、図11(b)に、パターン配線Bの複素比透磁率の周波数特性グラフを示す。
図12に、解析結果を示す。同図は、解析モデルの横断面の電流密度を示している。図12(a)は周波数0.5GHz、図12(b)は周波数1GHz、図12(c)は周波数3GHz、図12(d)は周波数5GHzの交流電流を流したときの電流密度である。図12(b)に示すように、周波数1GHzでは、パターン配線Aの断面全体にほぼ均一に電流が流れた。同図(c)に示すように、周波数3GHzでは、パターン配線Bの断面全体にほぼ均一に電流が流れた。
図12(a)に示すように、周波数0.5GHzでは、表皮効果の影響が生じ、パターン配線A、Bの表面に電流が多く流れ、内部にはほとんど流れなかった。図12(d)に示すように、周波数5GHzでは、表皮効果が表れ、パターン配線A、Bの表面に電流が多く流れ、内部にはほとんど流れなかった。
図13に、2層のパターン配線の抵抗Rsの周波数特性を示す。同図中にEで示すように、低損失となる周波数帯域が広くなっていることがわかる。
この解析結果から、透磁率がほぼゼロになる周波数fμ=0の異なる複数の磁性導電材を用いることで、周波数fμ=0になる複数の周波数で使用したり、使用可能な周波数帯域を広帯域化できることがわかる。
図14に、本発明の電気部材の別の一例であるプリント配線基板10aの一部拡大平面図を示す。このプリント配線基板10aは、周波数fμ=0の異なる複数のパターン配線1(11、12)を積層せず、基材5の表面(又は内層)に各々を独立させて例えば平行に形成したものである。
このプリント配線基板10aであっても、周波数fμ=0になる異なる複数の周波数で使用したり、使用可能な周波数帯域を広帯域化することができる。プリント配線基板10aは、複数のパターン配線1を積層しないため、簡便に製造することができる。
図15に、本発明の磁性導電材に外部磁界を印加可能な外部磁界印加部7が設けられている電線2(電気部材の一例)を示す。
本発明の磁性導電材で形成された電線2は、一軸磁気異方性を有し、同図に示すように、磁気モーメントMが電線2の長さ方向を向いて形成されている。電線2は、異方性磁界Hkを有している。
電線2には、外部磁界印加部7が設けられている。外部磁界印加部7は、一例として、コイル31及び可変直流電源32を備えている。可変直流電源32は、コイル31に流す直流電流を変更可能であり、コイル31の発生する直流磁界Hpを可変調整可能に構成されている。
可変直流電源32の出力直流電流を調整してコイル31から任意の大きさの外部直流磁界Hpを発生させることで、電線2の異方性磁界Hkを、異方性磁界Hk+直流磁界Hpに調整することができる。異方性磁界を調整することで透磁率がほぼゼロになる電線2(磁性導電材)の周波数fμ=0を調整することができる。
従って、電線2を通過する交流電流の周波数に対応させて周波数fμ=0を調整することができる。また、例えば温度変動などの環境要因によって周波数fμ=0が変化する場合、コイル31に流す直流電流を調整することで、周波数fμ=0を一定の周波数に維持させることができる。
図16に、本発明の磁性導電材に別の外部磁界印加部7aが設けられている電線2(電気部材の一例)を示す。なお、既に説明した構成と同様の構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
外部磁界印加部7aは、一例として、永久磁石41及び再着磁装置9を備えている。永久磁石41は、一例として、筒状に形成されていて、筒内に電線2が通されている。永久磁石41の形状や配置は特に限定されず、電線2(磁性導電材)に対し、直流磁界を印加可能な形状や配置であればよい。
再着磁装置9は、永久磁石41を任意の磁界強度に再着磁可能なものである。一例として、再着磁装置9は、コイル43、着磁用電源45、及び着磁制御部46を備えている。コイル43は、永久磁石41に磁界を印加可能に、コイル43の軸が永久磁石41の磁界方向と一致するように配置されている。同図の例では、2つのコイル43、43が永久磁石41を挟み込むように2つ設けられている。コイル43、43は一例として電気的に直列接続されている。
着磁用電源45は、コイル43、43に再着磁用の電流を供給するものである。着磁用電源45は、コイル43、43に対し、正方向の直流電流及び逆方向の直流電流を出力可能に構成されている。着磁制御部46は、着磁用電源45の出力する電流の正負の方向、及び電流の大きさを制御可能に構成されている。
永久磁石41は、永久磁石41の発する磁界方向と逆方向に磁気飽和する大きさの磁場を掛けることで一度リセットしてから、正方向に所定強度の磁場を掛けることで、永久磁石41の残留磁束密度を所望の大きさに自在に設定することが可能である。この原理を利用して、着磁制御部46が、着磁用電源45を制御して、着磁用のコイル43、43から永久磁石41の磁界方向と逆方向に磁気飽和する大きさの磁界を発生させる。続いて、着磁制御部46が、着磁用電源45を制御して、永久磁石41が任意の残留磁束密度となるように、コイル43、43から正方向の磁界を発生させる。これにより、透磁率がほぼゼロになる電線2(磁性導電材)の周波数fμ=0を調整することができる。
永久磁石41の再着磁は、電気的に短時間で行うことができるので、簡便、迅速かつ省エネルギーである。
なお、外部磁界印加部7、7aが外部磁界を可変調整可能な例を説明したが、磁性導電材に固定の外部磁界を印加するようにしてもよい。また、図9、図14に示したような周波数fμ=0の異なる複数の磁性導電材の一部又は全てに外部磁界印加部7、7aを備えてもよい。
1・11・12はパターン配線、2は電線、5は基材、7・7aは外部磁界印加部、9は再着磁装置、10・10aはプリント配線基板、31はコイル、32は可変直流電源、41は永久磁石、43はコイル、45は着磁用電源、46は着磁制御部、A・Bはパターン配線、Iは交流電流、Iedは渦電流、φは磁束、μr’は複素比透磁率μr*の実部、μr”は複素比透磁率μr*の虚部、f0は周波数fμ=0、frは強磁性共鳴周波数、Hkは異方性磁界、Hpは外部直流磁界、Mは磁気モーメントである。
Claims (14)
- 電気伝導性を有する導体が主成分であり、磁性体が前記導体に含まれているものであることを特徴とする磁性導電材。
- 前記導体が、銀、銅、金、アルミニウム又は炭素を主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の磁性導電材。
- 前記磁性体が、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ガドリニウム、マンガン及びビスマスから選択される少なくとも一つの成分を含むものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性導電材。
- 前記磁性体が、一軸磁気異方性を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の磁性導電材。
- 直流における電気抵抗率が、1×10-6Ω・m以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の磁性導電材。
- 請求項1から5のいずれかに記載の磁性導電材が用いられているものであることを特徴とする電気部材。
- 前記磁性導電材が用いられているものが、電線、伝送線路、基板、コイル、フィルター、アンテナ、又は電磁波吸収シートであることを特徴とする請求項6に記載の電気部材。
- 前記磁性体の種類、前記磁性体の含有量及び前記磁性導電材の形状のうちの少なくとも1つが異なる複数の前記磁性導電材が用いられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の電気部材。
- 前記磁性導電材に外部磁界を印加可能な外部磁界印加部が設けられていることを特徴とする請求項6から8のいずれか記載の電気部材。
- 前記外部磁界印加部は、前記磁性導電材に印加する外部磁界の強度を調整可能であることを特徴とする請求項9に記載の電気部材。
- 電気伝導性を有する導体が主成分であり、磁性体が前記導体に含まれている磁性導電材の使用方法であって、
前記磁性導電材の強磁性共鳴周波数よりも高い周波数であり、
前記磁性導電材の複素比透磁率をμr*、前記複素比透磁率の実部をμr’、虚部をμr”として、|μr*|=(μr’2+μr” 2)0.5 としたときに、
∂|μr*|/∂f=0の微分方程式を満たす周波数fで使用することを特徴とする磁性導電材の使用方法。 - 電気伝導性を有する導体が主成分であり、磁性体が前記導体に含まれている磁性導電材の使用方法であって、
前記磁性導電材の強磁性共鳴周波数よりも高い周波数であり、前記磁性導電材の複素比透磁率の実部が0になる周波数で使用することを特徴とする磁性導電材の使用方法。 - 前記磁性導電材に外部磁界を印加することを特徴とする請求項11又は12に記載の磁性導電材の使用方法。
- 前記外部磁界の強度を調整することを特徴とする請求項13に記載の磁性導電材の使用方法。
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