JP2020006291A - バイオガスの発生量を予測するための予測情報の作成方法、および、当該予測情報の利用 - Google Patents

バイオガスの発生量を予測するための予測情報の作成方法、および、当該予測情報の利用 Download PDF

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Abstract

【課題】発酵槽内の状態を正確に把握するための予測情報の作成方法、並びに、当該予測情報の利用を提供する。【解決手段】2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、バイオガスの発生量のデータを変数として含む関数を、バイオガスの発生量を予測するための予測情報として用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、バイオガスの発生量を予測するための予測情報の作成方法、および、当該予測情報の利用に関する。
微生物によって引き起こされる発酵現象は、様々な分野にて利用されている有用な現象である。例えば、発酵現象は、バイオエネルギーを生産する分野、排水を処理する分野、および、食品を生産する分野などにおいて利用されている。
所望の状態の発酵現象を生じさせることは、効率良くバイオエネルギーを生産するという観点、効率良く排水を処理するという観点、および、効率良く食品を生産するという観点などから、非常に重要である。所望の状態の発酵現象を生じさせるためには、まず、発酵槽内の状態を正確に把握することが必要である。それ故に、従来から、発酵槽内の状態を把握するための様々な技術が開発されてきた。
例えば、特許文献1には、セルロース系有機物を含む処理対象物を生物分解する、嫌気性処理方法が記載されている。当該嫌気性処理方法では、セルロース分解細菌の菌数に基づいて発酵槽内の状態を把握し、これによって嫌気性処理を制御している。
特許第4354311号(2009年8月7日公開)
しかしながら、上述のような従来技術は、発酵槽内の状態を正確に把握できないという問題がある。
具体的に、従来技術では、発酵槽内の多くの情報の中から重要な情報を選別する方法が確立されていない。更に、従来技術では、仮に重要な情報を選別できたとしても、当該情報の評価方法が確立されていない。それ故に、従来技術には、発酵槽内の状態を正確に把握できないという問題がある。
本発明の一態様は、発酵槽内の状態を正確に把握するための予測情報の作成方法、並びに、当該予測情報の利用を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、バイオガスの発生量のデータを変数として含む関数を用いれば発酵槽内の状態を正確に把握できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る作成方法は、バイオガスの発生量を予測するための予測情報の作成方法であって、発酵槽に由来するバイオガスの発生量のデータと、上記バイオガスの発生量のデータを取得した時の上記発酵槽内の2種類以上の菌に関する菌叢データとを含む測定データを、複数取得する、測定データ取得工程と、上記測定データの少なくとも2つ以上を用い、上記菌叢データを説明変数とし、上記バイオガスの発生量のデータを目的変数としたマトリクスデータを作成する、マトリクスデータ作成工程と、上記マトリクスデータに対して解析処理を行い、上記2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、上記バイオガスの発生量のデータを変数として含む関数を上記予測情報として得る、マトリクスデータ処理工程と、を有することを特徴としている。
2種類以上の菌に関する菌叢データから得られた関数には、発酵槽の状態を反映する多くの情報が含まれている。当該関数に実際に運転されている発酵槽から得られた菌叢データを代入すれば、当該発酵槽におけるバイオガスの発生量を正確に算出できるのみならず、当該バイオガスの発生量に基づいて、発酵槽内の状態を正確に把握できる。発酵槽内の状態を正確に把握することができれば、必要に応じて発酵槽の運転方法を変更し、これによって、発酵槽内の状態を所望の状態(例えば、発酵槽内の目的物を菌によって効率良く処理できる状態)に近づけることができる。
本発明の一態様に係る作成方法では、上記マトリクスデータ処理工程は、上記マトリクスデータに対して重回帰分析を行い、上記2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、上記バイオガスの発生量のデータを変数として含む重回帰式を上記予測情報として得る工程であることが好ましい。
重回帰式は、2種類以上の菌に関する菌叢データと、バイオガスの発生量のデータとを、精度高く関係付けることができる関数である。当該重回帰式に実際に運転されている発酵槽から得られた菌叢データを代入すれば、当該発酵槽におけるバイオガスの発生量をより正確に算出できるのみならず、当該バイオガスの発生量に基づいて、発酵槽内の状態をより正確に把握できる。
本発明の一態様に係る作成方法は、上記マトリクスデータ処理工程の後に、(i)上記マトリクスデータに含まれていない測定データの菌叢データAを上記関数に代入して、バイオガスの発生量の計算値を得る計算工程と、(ii)上記計算値と、上記菌叢データAを取得した時に上記発酵槽から発生していたバイオガスの量の測定値とを比較する比較工程と、を包含する精度確認工程を有することが好ましい。
マトリクスデータに含まれていない測定データの菌叢データAを上記関数に代入して得られるバイオガスの発生量の計算値と、菌叢データAを取得した時のバイオガスの発生量の測定値(実測値)とを比較することによって、関数の精度を知ることができる。つまり、計算値と測定値との差が小さければ、関数の精度が高いと判定でき、計算値と測定値との差が大きければ、関数の精度が低いと判定できる。関数の精度が判れば、必要に応じてマトリクスデータを作成し直し、より精度の高い関数を得ることができる。
本発明の一態様に係る作成方法では、上記菌叢データは、ユリアーキオータ(Euryarchaeota)門に属する微生物、バクテロイデス(Bacteroidetes)門に属する微生物、フィルミクテス(Firmicutes)門に属する微生物、OP9門に属する微生物、シネルギステス(Synergistetes)門に属する微生物、および、テルモトガ(Thermotogae)門に属する微生物からなる群より選択される少なくとも1つの微生物の菌叢データを含んでいることが好ましい。
上述した微生物は、バイオガスが発生する発酵現象への関与が大きい微生物である。それ故に、上記構成であれば、より正確に発酵槽内の状態を把握することができる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る処理方法は、バイオガスを発生させながら、発酵槽内の目的物を菌によって処理する、処理方法であって、上記発酵槽内の2種類以上の菌に関する菌叢データを取得する、菌叢データ取得工程と、上記菌叢データを、予め作成されている、上記2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、上記バイオガスの発生量のデータを変数として含む関数に代入することによって、バイオガスの予測発生量を算出する、算出工程と、を有することを特徴としている。
2種類以上の菌に関する菌叢データから得られた関数には、発酵槽の状態を反映する多くの情報が含まれている。当該関数に実際に運転されている発酵槽から得られた菌叢データを代入すれば、当該発酵槽におけるバイオガスの発生量を正確に算出できるのみならず、当該バイオガスの発生量に基づいて、発酵槽内の状態を正確に把握できる。発酵槽内の状態を正確に把握することができれば、必要に応じて発酵槽の運転方法を変更し、これによって、発酵槽内の状態を所望の状態(例えば、発酵槽内の目的物を菌によって効率良く処理できる状態)に近づけることができる。
本発明の一態様に係る処理方法では、上記算出工程は、上記菌叢データを、予め作成されている、上記2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、上記バイオガスの発生量のデータを変数として含む重回帰式に代入することによって、バイオガスの予測発生量を算出する工程であることが好ましい。
重回帰式は、2種類以上の菌に関する菌叢データと、バイオガスの発生量のデータとを、精度高く関係付けることができる関数である。当該重回帰式に実際に運転されている発酵槽から得られた菌叢データを代入すれば、当該発酵槽におけるバイオガスの発生量をより正確に算出できるのみならず、当該バイオガスの発生量に基づいて、発酵槽内の状態をより正確に把握できる。
本発明の一態様に係る処理方法は、上記算出工程の後に、上記発酵槽内の状態を変更する状態変更工程を有することが好ましい。
上記構成によれば、発酵槽内の状態を所望の状態(例えば、発酵槽内の目的物を菌によって効率良く処理できる状態)に近づけることができる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る処理システムは、バイオガスを発生させながら、目的物を菌によって処理する、処理システムであって、上記目的物と上記菌とを混合するための発酵槽と、上記発酵槽内の2種類以上の菌に関する菌叢データを取得するための菌叢データ取得部と、上記菌叢データを、予め作成されている、上記2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、上記バイオガスの発生量のデータを変数として含む関数に代入することによって、バイオガスの予測発生量を算出するための算出部と、を備えていることを特徴としている。
2種類以上の菌に関する菌叢データから得られた関数には、発酵槽の状態を反映する多くの情報が含まれている。当該関数に実際に運転されている発酵槽から得られた菌叢データを代入すれば、当該発酵槽におけるバイオガスの発生量を正確に算出できるのみならず、当該バイオガスの発生量に基づいて、発酵槽内の状態を正確に把握できる。発酵槽内の状態を正確に把握することができれば、必要に応じて発酵槽の運転方法を変更し、これによって、発酵槽内の状態を所望の状態(例えば、発酵槽内の目的物を菌によって効率良く処理できる状態)に近づけることができる。
本発明の一態様に係る処理システムでは、上記算出部は、上記菌叢データを、予め作成されている、上記2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、上記バイオガスの発生量のデータを変数として含む重回帰式に代入することによって、バイオガスの予測発生量を算出するためのものであることが好ましい。
重回帰式は、2種類以上の菌に関する菌叢データと、バイオガスの発生量のデータとを、精度高く関係付けることができる関数である。当該重回帰式に実際に運転されている発酵槽から得られた菌叢データを代入すれば、当該発酵槽におけるバイオガスの発生量をより正確に算出できるのみならず、当該バイオガスの発生量に基づいて、発酵槽内の状態をより正確に把握できる。
本発明の一態様に係る処理システムは、更に、上記発酵槽内の状態を変更する状態変更部を有することが好ましい。
上記構成によれば、発酵槽内の状態を所望の状態(例えば、発酵槽内の目的物を菌によって効率良く処理できる状態)に近づけることができる。
本発明の一態様によれば、正確にバイオガスの発生量を算出でき、かつ、当該バイオガスの発生量に基づいて発酵槽内の状態を正確に把握できる、予測情報を提供することができる。
本発明の一態様によれば、予測情報を用いることによって、所望の状態(例えば、発酵槽内の目的物を菌によって効率良く処理できる状態)にて発酵槽内の目的物を菌によって処理することができる処理方法を提供することができる。
本発明の一態様によれば、予測情報を用いることによって、所望の状態(例えば、発酵槽内の目的物を菌によって効率良く処理できる状態)にて発酵槽内の目的物を菌によって処理することができる処理システムを提供することができる。
(A)および(B)は、本発明の一実施形態に係る予測情報の作成方法の手順を示すフローチャートである。 (A)〜(D)は、本発明の一実施形態に係る処理方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る処理システムの構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る処理システムの構成を示す模式図である。 本発明の実施例における解析結果を示すグラフである。 本発明の実施例における解析結果を示すグラフである。 本発明の実施例における解析結果を示すグラフである。 本発明の実施例における解析結果を示すグラフである。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態および実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態および実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。本明細書中、数値範囲に関して「A〜B」と記載した場合、当該記載は「A以上B以下」を意図する。
〔1.予測情報の作成方法〕
本実施の形態の作成方法では、バイオガスの発生量を予測するための予測情報(具体的には、関数)が作成される。バイオガスの発生量は、発酵槽内の状態を反映している。それ故に、上記予測情報を用いれば、発酵槽内の状態を正確に把握することができる(例えば、低下しつつある発酵槽の稼働効率を早期に検知することができる)。更に、発酵槽内の状態を正確に把握することができれば、発酵槽内の状態を所望の状態に変更することができる。更に、発酵槽内の状態を所望の状態に変更することができれば、例えば、(i)バイオガスの生産効率を上げる、(ii)発酵槽内で単位時間に処理される原料(例えば、排水)の量を増加させる、(iii)発酵槽内で単位時間に生産される産物(例えば、エタノールなどのバイオエネルギー、または、食品)の量を増加させる、または、(iv)発酵槽の稼働効率(例えば、産物の生産効率)の低下を抑止する、ことができる。
本明細書において「バイオガス」とは、生物、または、生物に由来する物質(例えば、酵素)の作用によって発生するガスを意図する。バイオガスとしては、例えば、メタンガス、二酸化炭素、アンモニア、硫化水素、水素、水蒸気、および、酢酸を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されない。バイオガスがメタンガスおよび/または二酸化炭素である場合、発酵槽内におけるメタン発酵の状態を正確に把握することができる。バイオガスに水素および/または酢酸が含まれている場合、発酵槽内における水素発酵および/または酢酸発酵の状態を正確に把握することができる。それ故に、上記予測情報は、メタン発酵時、水素発酵時、および/または、酢酸発酵時のバイオガスの発生量を予測するためのものであってもよい。
本実施の形態のバイオガスの発生量を予測するための予測情報の作成方法は、図1の(A)に示すように、少なくとも、測定データ取得工程(S1)、マトリクスデータ作成工程(S2)、および、マトリクスデータ処理工程(S3)を有し、この順に各工程を実施するものである。また、本実施の形態のバイオガスの発生量を予測するための予測情報の作成方法は、図1の(B)に示すように、上記の各工程に加えて、更に、精度確認工程(S4)を有し、マトリクスデータ処理工程の後に当該精度確認工程を実施するようにしてもよい。以下に、各工程について説明する。
<測定データ取得工程>
測定データ取得工程は、発酵槽に由来するバイオガスの発生量のデータと、バイオガスの発生量のデータを取得した時の発酵槽内の2種類以上の菌に関する菌叢データとを含む測定データを、複数取得する工程である。
この場合、測定データには、発酵槽内のpH値、発酵槽内の有機酸素濃度(より具体的に、有機酸素の発生量のデータ)、発酵槽内のアンモニア濃度(より具体的に、アンモニアの発生量のデータ)、発酵槽内の温度、および/または、発酵槽内へ投入する原料の量が含まれていてもよい。当該構成によれば、発酵槽内の状態をより正確に把握することができる。
当該測定データは、発酵槽に由来するバイオガスの発生量のデータと、バイオガスの発生量のデータを取得した時の発酵槽内の2種類以上の菌に関する菌叢データとからなるものであってもよい。
測定データ取得工程では、単一のバイオガスの発生量のデータを「発酵槽に由来するバイオガスの発生量のデータ」として扱ってもよい。また、測定データ取得工程では、複数のバイオガスの発生量のデータの各々、または、複数のバイオガスの発生量のデータの合計を「発酵槽に由来するバイオガスの発生量のデータ」として扱ってもよい。例えば、メタン発酵の場合、主として、メタンガス、および、二酸化炭素が発生する。この場合、測定データ取得工程では、メタンガスの発生量、二酸化炭素の発生量、または、メタンガスの発生量と二酸化炭素の発生量との合計を「発酵槽に由来するバイオガスの発生量のデータ」として扱ってもよい。例えば、n種類のガスを含んでいるバイオガスの発生量をV(L)とし、当該バイオガス中における各ガスの存在比をR(%)とする。このとき、「V=V×(R/100)+V×(R/100)+・・・+V×(R/100)」の関係式が成り立つ。この場合、「V×(R/100)」、「V×(R/100)」、・・・、「V×(R/100)」または「V」を、「発酵槽に由来するバイオガスの発生量のデータ」として扱ってもよい。また、n種類のガスの中から任意に選択した2種類以上(例えば、2種類、3種類、・・・、または、n−1種類)のガスの発生量の合計量を、「発酵槽に由来するバイオガスの発生量のデータ」として扱ってもよい。
バイオガスの発生量のデータは、公知の方法によって取得することができる。特定のガスの発生量を測定するための装置が市販されている。それ故に、バイオガスの発生量のデータは、当該装置を用いて取得すればよい。
バイオガスの発生量は、測定時近傍の所定の時間内に、発酵槽内で新たに発生するバイオガスの量であってもよい。この場合、バイオガスの発生量は、例えば、1秒間、5秒間、10秒間、30秒間、1分間、5分間、10分間、15分間、または、30分間に発酵槽内で新たに発生するバイオガスの量であってもよいが、本発明はこれに限定されない。また、バイオガスの発生量は、発酵槽の運転開始から測定時までに、発酵槽内または発酵槽外(例えば、貯留タンク)に蓄積されるバイオガスの量であってもよい。この場合、バイオガスの発生量は、例えば、発酵槽の運転開始から、1時間後、5時間後、10時間後、1日後、3日後、5日後、または、10日後までに発酵槽内に蓄積されるバイオガスの量であってもよいが、本発明はこれに限定されない。
本明細書において「菌叢データ」とは、培養サンプル中に含まれている微生物(換言すれば、菌など)全体に対する特定の微生物の割合を意図する。例えば、微生物全体を1と定量した時に、微生物Aが0.1と定量され、微生物Bが0.3と定量されれば、微生物Aの菌叢データは0.1となり、微生物Bの菌叢データは0.3となる。なお、これらの菌叢データを更に処理したものを、後述するマトリクスデータ作成工程およびマトリクスデータ処理工程において、「菌叢データ」として用いてもよい。当該処理の具体的な内容は、特に限定されず、センタリング、スケーリング、対数変換、または、二乗根などの処理を行うことができる。例えば、取得されたn種類の菌叢データのうち、n−1種類以下の菌叢データを用いて測定データを形成する場合に、当該処理を行うことが好ましい。当該構成によれば、発酵槽内の状態をより正確に把握することができる。なお、本明細書において「微生物」および「菌」と記載する場合、特別に定義されない限り、両記載は、広く「微生物」を意図する。
菌叢データを取得するときには、遺伝子の塩基配列、または、タンパク質のアミノ酸配列に基づいて菌を識別、および、菌を定量すればよい。このような遺伝子(または、タンパク質)としては、5S rRNA、5.8S rRNA、12S rRNA、15S rRNA、16S rRNA、18S rRNA、23S rRNA、および、28S rRNAなどを挙げることができるが、本発明はこれに限定されない。
菌叢データは、公知の方法によって取得することができる。例えば、(a)発酵槽から培養サンプルを取得する工程、(b)当該培養サンプルに含まれている菌から核酸(例えば、ゲノムDNA、または、RNA)を取得する工程、(c)菌の識別に利用可能な、当該核酸内の領域を増幅(例えば、定量的に増幅)する工程、および、(d)当該増幅された核酸を用いて菌叢データを取得する工程、を介して、菌叢データを取得することができる。
上記(a)の工程は、例えば、発酵槽に設けられた開口から発酵槽内の培養サンプルを取得することによって行うことができる。上記(b)の工程は、市販の核酸抽出キットを用いて行うことができる。上記(c)の工程は、PCR(Polymerase Chain Reaction)法などの公知の方法にて行うことができる。上記(d)の工程は、NGS(Next Generation Sequencer)、DGGE(Denaturing Gradient Gel electrophoresis)、RT−PCR(Reverse Transcription Polymerase Chain Reaction)、および/または、マイクロアレイなどの公知の方法にて行うことができる。また、上記(d)の工程については、市販のキットを用いて行ってもよい。また、本願出願時において、菌叢データの解析を受託している企業が多く存在している。それ故に、菌叢データは、これら企業に作業(例えば、上述した(b)〜(d)の工程)を委託して入手することも可能である。上記(a)〜(d)の工程は、何れも公知の方法にて行われ得るので、本明細書では、その詳細な説明を省略する。
菌叢データを取得する菌の種類は、2種類以上であればよく、例えば、5種類以上、10種類以上、20種類以上、30種類以上、40種類以上、または、50種類以上であってもよい。菌叢データを取得する菌の種類の上限値は、特に限定されないが、例えば、1000種類、700種類、500種類、300種類、200種類、100種類、または、50種類であってもよい。
発酵槽内の状態を所望の状態(例えば、発酵槽内の目的物を菌によって効率良く処理できる状態)に維持する場合、全ての菌が、発酵槽内の状態の維持に関与するとは限らない。それ故に、菌叢データを取得する菌には、発酵槽内の状態の維持への関与が大きい菌(換言すれば、発酵現象への関与が大きい菌)が含まれていることが好ましく、菌叢データを取得する菌の1/10以上が発酵槽内の状態の維持への関与が大きい菌であることがより好ましく、菌叢データを取得する菌の1/5以上が発酵槽内の状態の維持への関与が大きい菌であることが更に好ましく、菌叢データを取得する菌の1/2以上が発酵槽内の状態の維持への関与が大きい菌であることが更に好ましく、菌叢データを取得する菌の4/5以上が発酵槽内の状態の維持への関与が大きい菌であることが更に好ましく、菌叢データを取得する菌の全てが発酵槽内の状態の維持への関与が大きい菌であることが最も好ましい。
バイオガスが発生する発酵現象(例えば、メタン発酵、水素発酵、または、酢酸発酵)への関与が大きいという観点から、菌叢データを取得する菌には、ユリアーキオータ(Euryarchaeota)門に属する微生物、バクテロイデス(Bacteroidetes)門に属する微生物、フィルミクテス(Firmicutes)門に属する微生物、OP9門に属する微生物、シネルギステス(Synergistetes)門に属する微生物、および、テルモトガ(Thermotogae)門に属する微生物からなる群より選択される少なくとも1つの微生物が含まれていることが好ましい。
バイオガスを発生させる発酵現象への関与が大きいという観点から、菌叢データを取得する菌には、より具体的に、ユリアーキオータ(Euryarchaeota)門 メタノバクテリウム(Methanobacteriaceae)科に属する微生物;ユリアーキオータ(Euryarchaeota)門 メタノサーモバクター(Methanothermobacter)属に属する微生物;バクテロイデス(Bacteroidetes)門 バクテロイデス(Bacteroidales)目に属する微生物;バクテロイデス(Bacteroidetes)門 ポルフィロモナス(Porphyromonadaceae)科に属する微生物;フィルミクテス(Firmicutes)門 リューコノストック(Leuconostoc)属に属する微生物;フィルミクテス(Firmicutes)門 クロストリジア(Clostridiales)目に属する微生物;フィルミクテス(Firmicutes)門 クロストリジウム(Clostridiaceae)科に属する微生物;フィルミクテス(Firmicutes)門 クロストリジウム(Clostridium)属に属する微生物;フィルミクテス(Firmicutes)門 ラクノスピラ(Lachnospiraceae)科に属する微生物;フィルミクテス(Firmicutes)門 ペロトマキュラム(Pelotomaculum)属に属する微生物;フィルミクテス(Firmicutes)門 ルミノコッカス(Ruminococcaceae)科に属する微生物;フィルミクテス(Firmicutes)門 シントロフォモナス(Syntrophomonas)属に属する微生物;フィルミクテス(Firmicutes)門 (スポロミュサ)Sporomusa属に属する微生物;フィルミクテス(Firmicutes)門 SHA−98門に属する微生物;フィルミクテス(Firmicutes)門 サーモアナエロバクター(Thermoanaerobacterales)目に属する微生物;フィルミクテス(Firmicutes)門 サーマセトゲニウム(Thermacetogenium)属に属する微生物;OP9門 TIBD11科に属する微生物;シネルギステス(Synergistetes)門 アナエロバクラム(Anaerobaculaceae)科に属する微生物;シネルギステス(Synergistetes)門 アナエロバクラム(Anaerobaculum)属に属する微生物;および、テルモトガ(Thermotogae)門 S1属に属する微生物からなる群より選択される少なくとも1つの微生物が含まれていることが好ましい。
測定データ取得工程では、バイオガスの発生量のデータと、2種類以上の菌に関する菌叢データとを含む測定データを、複数取得する。測定データの数は、2個以上であればよく、例えば、5個以上、10個以上、20個以上、30個以上、40個以上、または、50個以上であってもよい。測定データの数の上限値は、特に限定されないが、例えば、1000個、700個、500個、300個、200個、100個、または、50個であってもよい。
<マトリクスデータ作成工程>
マトリクスデータ作成工程は、測定データの少なくとも2つ以上を用い、菌叢データを説明変数とし、バイオガスの発生量のデータを目的変数としたマトリクスデータを作成する工程である。
マトリクスデータの形態としては、特に限定されないが、例えば、下記のようなマトリクスデータを挙げることができる。勿論、本発明のマトリクスデータの形態は、下記の例に限定されない。
上記マトリクスデータには、n個の測定データが記載されている。測定データの数(換言すれば、nの値)は、2個以上であればよく、例えば、5個以上、10個以上、20個以上、30個以上、40個以上、または、50個以上であってもよい。測定データの数の上限値は、特に限定されないが、例えば、1000個、700個、500個、300個、200個、100個、または、50個であってもよい。
上記マトリクスデータには、m種類の菌の菌叢データ「Xm」が記載されている。菌の種類(換言すれば、mの値)は、2種類以上であればよく、例えば、5種類以上、10種類以上、20種類以上、30種類以上、40種類以上、または、50種類以上であってもよい。菌叢データを取得する菌の種類の上限値は、特に限定されないが、例えば、1000種類、700種類、500種類、300種類、200種類、100種類、または、50種類であってもよい。
上記マトリクスデータには、n個の測定データに対応する、各菌の菌叢データ「Xm」が記載されている。当該菌叢データの数は、上述した測定データの数(換言すれば、nの値)および菌の種類(換言すれば、mの値)に応じて決定される。
上記マトリクスデータには、n個の測定データに対応する、バイオガスの発生量のデータ「Y」が記載されている。当該バイオガスの発生量のデータの数は、上述した測定データの数に応じて決定される。なお、バイオガスの発生量のデータの単位は、特に限定されず、例えば、「m」、「L」、「g」または「kg」であってもよい。
<マトリクスデータ処理工程>
マトリクスデータ処理工程は、マトリクスデータに対して解析処理を行い、2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、バイオガスの発生量のデータを変数として含む関数を上記予測情報として得る工程である。
マトリクスデータに対して行われる解析処理は、予測モデルの構築ができる機械学習手法による解析処理であれば特に限定されず、当該機会学習手法としては、例えば、重回帰分析(例えば、MVR、PCR、PLS、および、O−PLSなど)、ヒトの神経ネットワークを模したアルゴリズム(例えば、パーセプトロン、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、ディープラーニングなど)、ロジスティック回帰(例えば、座標降下法、勾配降下法、ニュートン法、および、準ニュートン法など)、および、サポートベクターマシン(例えば、サポートベクターリグレッションなど)を挙げることができる。
マトリクスデータ処理工程では、マトリクスデータに対して重回帰分析を行い、2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、バイオガスの発生量のデータを変数として含む重回帰式を予測情報として得ることができる。
重回帰分析の方法の具体例としては、特に限定されず、例えば、MVR(Multivariate Regression)、PCR(Principal Component Regression)、PLS(Partial Least Squares)、および、O−PLS(Orthogonal PLS)を挙げることができる。より精度の高い重回帰式を得るという観点から、重回帰分析の方法としては、MVRが好ましく、PCRがより好ましく、PLSがより好ましく、O−PLSがより好ましい。しかしながら、マトリクスデータ処理工程では、精度の低い重回帰分析の方法であっても、精度の高い重回帰式を得ることができる。
これらの重回帰分析の方法は、周知である。例えば、「尾崎幸洋・宇田明史・赤井俊雄 著、化学者のための多変量解析(ケモメトリックス入門) 講談社サイエンティフィク」に記載されている方法にしたがって、マトリクスデータ処理工程を行うことができる。当該「尾崎幸洋・宇田明史・赤井俊雄 著、化学者のための多変量解析(ケモメトリックス入門) 講談社サイエンティフィク」は、本明細書中において参考文献として援用される。重回帰分析は、公知のソフトウェアを用いて行うことも可能である。当該ソフトウェアとしては、例えば、Infometrix社の多変量解析用ソフト「pirouette シリーズ」、および、Umetrics社の多変量解析用ソフト「SIMCA シリーズ」を挙げることができる。この場合、多変量解析用ソフトに添付されているプロトコールにしたがって、重回帰分析を行えばよい。また、R言語、若しくは、Python言語を用いたプログラミング、または、C言語を用いたMatlabを用いてマトリクスデータ処理工程を行ってもよいが、本発明は、これらに限定されるものではない。
重回帰分析にて得られる重回帰式としては、特に限定されないが、例えば、下記の重回帰式を挙げることができる。なお、下記の重回帰式は一例であって、本発明は、当該重回帰式に限定されない;
Y=bX1+bX2+・・・+bXm+b ・・・(重回帰式);
上記重回帰式において、b〜b、および、b重回帰分析によって得られる定数を示し、X1〜Xmは、m種類の菌の菌叢データを示し、Yは、バイオガスの発生量のデータを示している。上記重回帰式に、実際に測定されたX1〜Xmの値を代入すれば、バイオガスの発生量の予測値を求めることができる。そして、当該予測値に基づいて、発酵槽内の状態を正確に把握することができる。
マトリクスデータ処理工程では、マトリクスデータに対してヒトの神経ネットワークを模したアルゴリズムを用いた予測分析を行い、2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、バイオガスの発生量のデータを変数として含む関数を予測情報として得ることができる。
ヒトの神経ネットワークを模したアルゴリズムを用いた予測分析の具体例としては、特に限定されず、例えば、パーセプトロン、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、および、ディープラーニングを挙げることができる。より精度の高い関数を得るという観点から、ヒトの神経ネットワークを模したアルゴリズムを用いた予測分析としては、パーセプトロンが好ましく、ニューラルネットワークがより好ましく、畳み込みニューラルネットワークがより好ましく、ディープラーニングがより好ましい。しかしながら、マトリクスデータ処理工程では、精度の低いヒトの神経ネットワークを模したアルゴリズムを用いた予測分析であっても、精度の高い関数を得ることができる。
これらのヒトの神経ネットワークを模したアルゴリズムを用いた予測分析は、周知である。例えば、「金城俊哉 著、夢見るディープラーニング ニューラルネットワーク[Python実装]入門 秀和システム」に記載されている方法にしたがって、マトリクスデータ処理工程を行うことができる。当該「金城俊哉 著、夢見るディープラーニング ニューラルネットワーク[Python実装]入門 秀和システム」は、本明細書中において参考文献として援用される。ヒトの神経ネットワークを模したアルゴリズムを用いた予測分析は、市販のソフトウェアを用いて行うことも可能である。
マトリクスデータ処理工程では、マトリクスデータに対してロジスティック回帰分析を行い、2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、バイオガスの発生量のデータを変数として含む関数を予測情報として得ることができる。
ロジスティック回帰分析の具体例としては、特に限定されず、例えば、座標降下法、勾配降下法、ニュートン法、および、準ニュートン法を挙げることができる。より精度の高い関数を得るという観点から、ロジスティック回帰分析としては、座標降下法が好ましく、勾配降下法がより好ましく、ニュートン法がより好ましく、準ニュートン法がより好ましい。しかしながら、マトリクスデータ処理工程では、精度の低いロジスティック回帰分析であっても、精度の高い関数を得ることができる。
これらのロジスティック回帰分析は、周知である。例えば、「丹後俊郎・山岡和枝・高木晴良 著、ロジスティック回帰分析−SASを利用した統計解析の実際 朝倉書店」に記載されている方法にしたがって、マトリクスデータ処理工程を行うことができる。当該「丹後俊郎・山岡和枝・高木晴良 著、ロジスティック回帰分析−SASを利用した統計解析の実際 朝倉書店」は、本明細書中において参考文献として援用される。ロジスティック回帰分析は、市販のソフトウェアを用いて行うことも可能である。
ロジスティック回帰分析にて得られる関数としては、特に限定されないが、例えば、下記の関数を挙げることができる。なお、下記の関数(目的変数は行列xに相当し、説明変数yはF(x)に相当する)は一例であって、本発明は、当該関数に限定されない;
F(x)=1/{1+e−(β0+β1x)} ・・・(関数);
関数において、F(x)は、バイオガスの発生量のデータを示し、(β0+β1x)は、m種類の菌の菌叢データを示している。F(x)に相当する説明変数yは、ロジスティック回帰分析用に0−1に処理されてもよく、ある任意の閾値で0と1とに割りふられてもよい。
マトリクスデータ処理工程では、マトリクスデータに対してサポートベクターマシン分析を行い、2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、バイオガスの発生量のデータを変数として含む関数を予測情報として得ることができる。
サポートベクターマシン分析の具体例としては、特に限定されず、例えば、サポートベクターリグレッションを挙げることができる。
サポートベクターマシン分析は周知である。例えば、「Nello Cristianini・John Shawe-Taylor 著、サポートベクターマシン入門 共立出版」に記載されている方法にしたがって、マトリクスデータ処理工程を行うことができる。当該「Nello Cristianini・John Shawe-Taylor 著、サポートベクターマシン入門 共立出版」は、本明細書中において参考文献として援用される。サポートベクターマシン分析は、市販のソフトウェアを用いて行うことも可能である。また、R言語、若しくは、Python言語を用いたプログラミング、または、C言語を用いたMatlabを用いてマトリクスデータ処理工程を行ってもよいが、本発明は、これらに限定されるものではない。
<精度確認工程>
精度確認工程は、マトリクスデータ処理工程の後に行われる工程であって、(i)マトリクスデータに含まれていない測定データの菌叢データAを関数に代入して、バイオガスの発生量の計算値を得る計算工程と、(ii)当該計算値と、菌叢データAを取得した時に発酵槽から発生していたバイオガスの量の測定値とを比較する比較工程と、を包含する工程である。
マトリクスデータに含まれていない測定データには、菌叢データAと、菌叢データAを取得した時に発酵槽から発生していたバイオガスの量の測定値と、が含まれている。これら菌叢データAと、バイオガス量の測定値とは、実際に運転されている発酵槽から得られた実測値である。
計算工程では、菌叢データAを関数に代入して、バイオガスの発生量の計算値が得られる。そして、比較工程にて、計算値と、菌叢データAを取得した時に発酵槽から発生していたバイオガスの量の測定値とを比較することによって、関数の精度を知ることができる。
計算値の値をαとし、測定値の値をβとしたとき、関係式「γ=|β―α|/β」を考える。例えば、「γ≦0.5」の場合、より好ましくは「γ≦0.4」の場合、より好ましくは「γ≦0.3」の場合、より好ましくは「γ≦0.2」の場合、より好ましくは「γ≦0.1」の場合、より好ましくは「γ≦0.01」の場合、最も好ましくは「γ≦0.001」の場合に、関数の精度が高いと判定することができる。
<その他の工程>
上述した精度確認工程において、関数の精度が所望の精度であった場合には、当該関数を、例えば、後述する処理方法、および、処理システムに用いることができる。
一方、上述した精度確認工程において、関数の精度が所望の精度でない場合には、関数を作成し直してもよく、または、マトリクスデータの作成に用いなかった菌叢データA、および、菌叢データAを取得したときのバイオガスの発生量のデータを用いて、新たにマトリクスデータを作成し直してもよい。この場合には、上述した精度確認工程の後で、再度、(A)マトリクスデータ作成工程、および、マトリクスデータ処理工程を含む作業サイクル;(B)マトリクスデータ作成工程、マトリクスデータ処理工程、および、精度確認工程を含む作業サイクル;(C)測定データ取得工程、マトリクスデータ作成工程、および、マトリクスデータ処理工程を含む作業サイクル;および/または;(D)測定データ取得工程、マトリクスデータ作成工程、マトリクスデータ処理工程、および、精度確認工程を含む作業サイクルを行ってもよい。なお、各作業サイクルは、所望の関数が得られるまで、所望の回数だけ行われ得る。上記構成によれば、より精度の高い関数を得ることができる。
〔2.処理方法〕
上記〔1.予測情報の作成方法〕の欄にて説明した予測情報を用いれば、運転されているプラント等において、実際に取得された菌叢データから、バイオガスの発生量を正確に予測することができる。バイオガスの発生量は、発酵槽内の状態を反映している。それ故に、バイオガスの発生量を正確に予測することができれば、発酵槽内の状態を正確に把握することができる。そして、発酵槽内の状態を正確に把握することができれば、必要に応じて、発酵槽内の状態を所望の状態(例えば、発酵槽内の目的物を菌によって効率良く処理できる状態)に変更することができる。
本実施の形態の処理方法は、バイオガスを発生させながら発酵槽内の目的物を菌によって処理する、処理方法である。上記目的物としては、例えば、バイオガスの原料、排水、バイオエネルギーの原料、食品の原料などを挙げることができる。上記バイオガスとしては、例えば、メタンガス、二酸化炭素、アンモニア、硫化水素、水素、水蒸気、および、酢酸を挙げることができる。
本実施の形態の処理方法は、図2の(A)に示すように、少なくとも、菌叢データ取得工程(S10)、および、算出工程(S20)を有する。本実施の形態の処理方法は、図2の(B)〜(D)に示すように、上記の工程に加えて、更に、状態変更工程(S30)、および/または、予測情報作成工程(S40)を有してもよい。以下に、各工程について説明する。
<菌叢データ取得工程>
菌叢データ取得工程は、発酵槽内の2種類以上の菌に関する菌叢データを取得する工程である。当該菌叢データは、例えば、運転されているプラント等から取得された培養サンプルから取得され得る。当該菌叢データは、上記〔1.予測情報の作成方法〕の欄にて説明した関数に代入されるデータである。それ故に、当該菌叢データは、上記関数に基づいて、取得され得る。当該菌叢データ取得工程は、後述する菌叢データ取得部2にて行われる。
菌叢データは、公知の方法によって取得することができる。例えば、上記〔1.予測情報の作成方法〕の欄にて説明した方法と同じ方法によって菌叢データを取得することができる。それ故に、ここでは、菌叢データの取得方法に関する説明を省略する。
菌叢データを取得する菌の種類、および、微生物の具体例は、上記〔1.予測情報の作成方法〕の欄にて説明したものと同じ、菌の種類、および、微生物の具体例であり得る。それ故に、ここでは、菌の種類、および、微生物の具体例に関する説明を省略する。
<算出工程>
算出工程は、菌叢データ取得工程にて取得された発酵槽内の2種類以上の菌に関する菌叢データを、予め作成されている、2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、バイオガスの発生量のデータを変数として含む関数(例えば、重回帰式)に代入することによって、バイオガスの予測発生量を算出する工程である。当該算出工程は、後述する算出部3にて行われる。
算出工程に用いられる関数は、上記〔1.予測情報の作成方法〕の欄にて説明した関数である。当該関数は精度が高いので、算出工程において、バイオガスの発生量を正確に予測することができる。バイオガスの発生量は、発酵槽内の状態を反映している。それ故に、算出工程によって、発酵槽内の状態を正確に把握することができる。例えば、予測されたバイオガスの発生量が少なければ、発酵槽内における菌の活動が不活発(換言すれば、発酵現象が不活発)であると判定することができ、予測されたバイオガスの発生量が多ければ、発酵槽内における菌の活動が活発(換言すれば、発酵現象が活発)であると判定することができる。
<状態変更工程>
状態変更工程は、算出工程の後に行われ得る工程であって、発酵槽内の状態を変更する工程である。状態変更工程によって、発酵槽内の状態を所望の状態(例えば、発酵槽内の目的物を菌によって効率良く処理できる状態)へ近づけることができる。当該状態変更工程は、後述する状態変更部5にて行われる。
状態変更工程では、様々な方法によって、発酵槽内の状態を変更することができる。例えば、(i)発酵槽内へ投入する原料(換言すれば、菌によって処理される目的物)の量の調節、(ii)発酵槽内へ投入する原料の組成(VS濃度、TS濃度、または、C/N比)の調節、(iii)発酵槽内の温度の調節、(iv)発酵槽内を循環させる培養物(換言すれば、原料と菌との混合物)の量の調節、(v)発酵槽から取り出す培養物の量の調節、(vi)発酵槽内へ投入する水の量の調節、(vii)発酵槽内へ添加する栄養塩の量および/または種類の調節、(viii)発酵槽内へ投入するpH調節剤の量および/または種類の調節、(ix)発酵槽内の撹拌条件の調節、および/または、(x)発酵槽内の培養物の滞留時間の調節、などによって、発酵槽内の状態を変更することができる。
<予測情報作成工程>
本実施の形態の処理方法は、菌叢データ取得工程の前、または、菌叢データ取得工程と算出工程との間に、予測情報作成工程を有していてもよい。当該予測情報作成工程は、算出工程に用いる関数(例えば、重回帰式)を作成する工程である。当該予測情報作成工程は、後述する予測情報作成部7にて行われる。なお、予測情報作成部7は、プラントを実際に稼働させる前に、予め、発酵槽1および菌叢データ取得部2から得られた情報に基づいて、算出工程に用いる関数(例えば、重回帰式)を作成することができる。
上記〔1.予測情報の作成方法〕の欄にて説明した予測情報を用いれば、運転されているプラント等において、実際に取得された菌叢データから、バイオガスの発生量を正確に予測することができる。バイオガスの発生量は、発酵槽内の状態を反映している。それ故に、バイオガスの発生量を正確に予測することができれば、発酵槽内の状態を正確に把握することができる。そして、発酵槽内の状態を正確に把握することができれば、必要に応じて、発酵槽内の状態を所望の状態(例えば、発酵槽内の目的物を菌によって効率良く処理できる状態)に変更することができる。
予測情報作成工程は、上記〔1.予測情報の作成方法〕の欄にて説明した方法と同じであるので、ここでは、予測情報作成工程に関する説明を省略する。なお、算出工程に用いる関数(例えば、重回帰式)は、本実施の形態の処理方法とは別に、作成されてもよい。
〔3.処理システム〕
上記〔1.予測情報の作成方法〕の欄にて説明した予測情報を用いれば、運転されているプラント等において、実際に取得された菌叢データから、バイオガスの発生量を正確に予測することができる。バイオガスの発生量は、発酵槽内の状態を反映している。それ故に、バイオガスの発生量を正確に予測することができれば、発酵槽内の状態を正確に把握することができる。そして、発酵槽内の状態を正確に把握することができれば、必要に応じて、発酵槽内の状態を所望の状態(例えば、発酵槽内の目的物を菌によって効率良く処理できる状態)に変更することができる。
本実施の形態の処理システムは、バイオガスを発生させながら目的物を菌によって処理する、処理システムである。より具体的に、本実施の形態の処理システムでは、上記〔2.処理方法〕の欄にて説明した処理方法が実施される。上記目的物としては、例えば、バイオガスの原料、排水、バイオエネルギーの原料、食品の原料などを挙げることができる。上記バイオガスとしては、例えば、メタンガス、二酸化炭素、アンモニア、硫化水素、水素、水蒸気、および、酢酸を挙げることができる。
本実施の形態の処理システム10は、図3に示すように、少なくとも、発酵槽1、菌叢データ取得部2、および、算出部3を備えている。また、本実施の形態の処理システム10は、図4に示すように、更に、状態変更部5、および/または、予測情報作成部7を備えていてもよい。以下に、各構成について説明する。
<発酵槽1>
発酵槽1は、目的物と菌とを混合するためのものであり、より具体的に、目的物と菌とを収容し、かつ、混合することによって発酵現象を生じさせるためのものである。
発酵槽1は、目的物と菌とを収容できるものであればよく、具体的な構成は、特に限定されない。発酵槽1は、例えば、容積が1L以上、10L以上、10L以上、10L以上、10L以上、または、1010L以上の容器であり得る。当該容積の上限値は、例えば、1020L、または、1015Lであり得る。
発酵槽1には開口が設けられ得、当該開口から発酵槽1内の培養サンプルを取得することができる。当該開口の具体的な構成は、限定されない。当該開口には、発酵槽1の内部の領域であって、発酵槽1の下部の領域(換言すれば、発酵槽1内に存在する培養物の液面下の領域)にまで伸びた筒状の構造物が接続されていることが好ましい。当該構成であれば、筒状の構造物を介して、培養物を、発酵槽1の外へ吸引または採取し、その結果、発酵槽内のバイオガスに外気が混入することなく取得することができる。当該培養サンプルは、後述する菌叢データ取得部2へ送られる。
<菌叢データ取得部2>
菌叢データ取得部2は、発酵槽1内の2種類以上の菌に関する菌叢データを取得するためのものである。当該菌叢データは、発酵槽1から取得された培養サンプルを用いて取得され得る。当該菌叢データ取得部2は、上述した菌叢データ取得工程を実施する。
菌叢データは、公知の方法によって取得することができる。例えば、上記〔1.予測情報の作成方法〕の欄にて説明した方法と同じ方法によって菌叢データを取得することができる。それ故に、ここでは、菌叢データの取得方法に関する説明を省略する。
菌叢データを取得する菌の種類、および、微生物の具体例は、上記〔1.予測情報の作成方法〕の欄にて説明したものと同じ、菌の種類、および、微生物の具体例であり得る。それ故に、ここでは、菌の種類、および、微生物の具体例に関する説明を省略する。
菌叢データ取得部2は、核酸抽出装置、プローブ増幅用のPCR装置、および/または、菌叢データ取得用の装置(例えば、NGS、DGGE、RT−PCR、および/または、マイクロアレイ)などによって構成され得る。なお、核酸抽出装置、プローブ増幅用のPCR装置、および、菌叢データ取得用の装置の各々としては、市販の装置を用いることができる。
<算出部3>
菌叢データ取得部2にて取得された菌叢データは、算出部3へ送付される。算出部3では、菌叢データを、予め作成されている、2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、バイオガスの発生量のデータを変数として含む関数(例えば、重回帰式)に代入することによって、バイオガスの予測発生量を算出する。当該算出部3は、上述した算出工程を実施する。
算出部3にて用いられる関数(換言すれば、算出部3に格納されている関数)は、上記〔1.予測情報の作成方法〕の欄にて説明した関数である。当該関数は精度が高いので、算出部3において、バイオガスの発生量を正確に予測することができる。バイオガスの発生量は、発酵槽1内の状態を反映している。それ故に、算出部3によって、発酵槽1内の状態を正確に把握することができる。例えば、予測されたバイオガスの発生量が少なければ、発酵槽1内における菌の活動が不活発(換言すれば、発酵現象が不活発)であると判定することができ、予測されたバイオガスの発生量が多ければ、発酵槽1内における菌の活動が活発(換言すれば、発酵現象が活発)であると判定することができる。
算出部3の具体的な構成については、後述する。
<状態変更部5>
算出部3の判定結果(例えば、発酵槽1内における菌の活動が不活発、または、活発との判定結果)は、状態変更部5へ送付される。状態変更部5は、算出部3の判定結果に基づいて、発酵槽1内の状態を変更することができる。当該状態変更部5は、上述した状態変更工程を実施する。
状態変更部5は、様々な方法によって、発酵槽1内の状態を変更することができる。例えば、(i)発酵槽内へ投入する原料(換言すれば、菌によって処理される目的物)の量の調節、(ii)発酵槽内へ投入する原料の組成(VS濃度、TS濃度、または、C/N比)の調節、(iii)発酵槽内の温度の調節、(iv)発酵槽内を循環させる培養物(換言すれば、原料と菌との混合物)の量の調節、(v)発酵槽から取り出す培養物の量の調節、(vi)発酵槽内へ投入する水の量の調節、(vii)発酵槽内へ添加する栄養塩の量および/または種類の調節、(viii)発酵槽内へ投入するpH調節剤の量および/または種類の調節、(ix)発酵槽内の撹拌条件の調節、および/または、(x)発酵槽内の培養物の滞留時間の調節、などによって、発酵槽1内の状態を変更することができる。
上述した(i)の方法によって発酵槽1内の状態を変更する場合、状態変更部5は、例えば、発酵槽1内へ原料を投入するための流路、および/または、当該流路に原料を供給するためのポンプ(または、バルブ)を備えていてもよい。当該流路および/またはポンプ(または、バルブ)によって、発酵槽1内へ投入する原料の量を調節することができる。
上述した(ii)の方法によって発酵槽1内の状態を変更する場合、状態変更部5は、例えば、発酵槽1内へ投入する原料を調製するためのミキサーを備えていてもよい。当該ミキサーに投入される複数の原料の割合を調節した後、当該複数の原料を発酵槽1内へ投入することによって、発酵槽1内へ投入される原料の組成を調節することができる。また、状態変更部5は、複数の原料の各々を発酵槽1内へ投入するための、複数の流路、および/または、当該流路に複数の原料の各々を供給するためのポンプ(または、バルブ)を備えていてもよい。各流路から発酵槽1内へ投入される各原料の量を調節することによって、発酵槽1内へ投入される原料の組成を調節することができる。
上述した(iii)の方法によって発酵槽1内の状態を変更する場合、状態変更部5は、例えば、加熱装置および/または冷却装置を備えていてもよい。当該加熱装置および/または冷却装置によって、発酵槽1および/または発酵槽1内へ投入される原料を加熱および/または冷却することによって、発酵槽1内の温度を調節することができる。
上述した(iv)の方法によって発酵槽1内の状態を変更する場合、状態変更部5は、例えば、発酵槽1内で培養物を循環させるための流路、および/または、当該流路に培養物を供給するためのポンプ(または、バルブ)を備えていてもよい。当該流路および/またはポンプ(または、バルブ)によって、発酵槽1内を循環する培養物の量を調節することができる。
上述した(v)の方法によって発酵槽1内の状態を変更する場合、状態変更部5は、例えば、発酵槽1から培養物を取り出すための流路、および/または、当該流路に培養物を供給するためのポンプ(または、バルブ)を備えていてもよい。当該流路および/またはポンプ(または、バルブ)によって、発酵槽1から取り出される培養物の量を調節することができる。
上述した(vi)の方法によって発酵槽1内の状態を変更する場合、状態変更部5は、例えば、発酵槽1内へ水を投入するための流路、および/または、当該流路に水を供給するためのポンプ(または、バルブ)を備えていてもよい。当該流路および/またはポンプ(または、バルブ)によって、発酵槽1内へ投入される水の量を調節することができる。
上述した(vii)の方法によって発酵槽1内の状態を変更する場合、状態変更部5は、例えば、様々な種類の栄養塩の各々を個別に収容するための容器を備えていてもよい。様々な種類の栄養塩の各々を個別に収容することによって、発酵槽1内へ供給する栄養塩の量および/または種類を変更することができる。
上述した(viii)の方法によって発酵槽1内の状態を変更する場合、状態変更部5は、例えば、様々な種類のpH調節剤の各々を個別に収容するための容器を備えていてもよい。様々な種類のpH調節剤の各々を個別に収容することによって、発酵槽1内へ供給するpH調節剤の量および/または種類を変更することができる。
上述した(ix)の方法によって発酵槽1内の状態を変更する場合、状態変更部5は、例えば、撹拌装置(例えば、プロペラなどの撹拌翼)を備えていてもよい。撹拌装置の運転状態を変更することによって、発酵槽1内の撹拌条件を調節することができる。
上述した(x)の方法によって発酵槽1内の状態を変更する場合、状態変更部5は、例えば、発酵槽1から培養物を取り出すための流路、および/または、当該流路に培養物を供給するためのポンプ(または、バルブ)を備えていてもよい。当該流路および/またはポンプ(または、バルブ)によって、発酵槽1内の培養物の滞留時間を調節することができる。
<予測情報作成部7>
本実施の形態の処理システムは、予測情報作成部7を備えていてもよい。予測情報作成部7では、算出部3にて用いる関数(例えば、重回帰式)が作成され、当該関数が、算出部3に送付される。勿論、本実施の形態の処理システムでは、予測情報作成部7とは別の構成にて作成された関数が算出部3に格納されていてもよい。当該予測情報作成部7は、上述した予測情報作成工程を実施する。
予測情報作成部7は、上記〔1.予測情報の作成方法〕の欄にて説明した方法にて予測情報を作成する。例えば、予測情報作成部7は、本実施の形態の処理システムを実際に稼働させる前に、予め、上記〔1.予測情報の作成方法〕の欄にて説明した方法にて予測情報を作成する。
例えば、本実施の形態の処理システムを実際に稼働させる前に、予め、発酵槽1にてバイオガス、および、培養サンプルが取得される。当該バイオガスは、予測情報作成部7へ送付され、当該培養サンプルは、菌叢データ取得部2へ送付される。
予測情報作成部7では、送付されたバイオガスを用いて、バイオガスの発生量のデータが取得され得る。この場合、予測情報作成部7は、特定のガスの発生量を測定するための市販の装置を備え得る。
一方、菌叢データ取得部2では、送付された培養サンプルを用いて、菌叢データが取得され得る。当該菌叢データは、予測情報作成部7へ送付される。
予測情報作成部7は、菌叢データ取得部2と同じ機能を備え、発酵槽1にて取得されたバイオガス、および、培養サンプルの両方が、予測情報作成部7へ送付されてもよい。この場合、予測情報作成部7は、特定のガスの発生量を測定するための市販の装置のみならず、核酸抽出装置、プローブ増幅用のPCR装置、および/または、菌叢データ取得用の装置(例えば、NGS、DGGE、RT−PCR、および/または、マイクロアレイ)などを備え得る。なお、核酸抽出装置、プローブ増幅用のPCR装置、および、菌叢データ取得用の装置の各々としては、市販の装置を用いることができる。
例えば、本実施の形態の処理システムを実際に稼働させる前に、予め、予測情報作成部7では、バイオガスの発生量のデータと菌叢データとを含む測定データが複数取得され、当該測定データの少なくとも2つ以上を用い、菌叢データを説明変数とし、バイオガスの発生量のデータを目的変数としたマトリクスデータが作成され得る。次いで、予測情報作成部7では、マトリクスデータに対して解析処理が行われ、2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、バイオガスの発生量のデータを変数として含む関数(例えば、重回帰式)が予測情報として得られる。
マトリクスデータの作成、および、解析処理などは、予測情報作成部7に備えられている特定の構成によって行われてもよい。当該特定の構成の具体例については、後述する。
<算出部3の構成、および、マトリクスデータの作成、および、解析処理(例えば、重回帰分析)などを実施するために予測情報作成部7に備えられている構成の例>
算出部3および予測情報作成部7(または、算出部3および予測情報作成部7の構成の一部)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、算出部3および予測情報作成部7(または、算出部3および予測情報作成部7の構成の一部)は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
<1.菌叢データの取得>
原料として廃棄紙と生ごみとの混合物を用いて、メタン発酵を行った。発酵槽の運転条件としては、(i)ガスへ変換される原料の量(ガス換算負荷量)が2.9kg未満−VS/(m・d)である効率にて処理する発酵槽A、(ii)ガス換算負荷量が2.9kg以上4.3kg未満−VS/(m・d)である効率にて処理する発酵槽B、(iii)ガス換算負荷量が4.3kg以上5.7kg未満−VS/(m・d)である効率にて処理する発酵槽C、(iv)ガス換算負荷量が5.7kg以上7.1kg未満−VS/(m・d)である効率にて処理する発酵槽D、および、(v)ガス換算負荷量が7.1kg以上−VS/(m・d)である効率にて処理する発酵槽E、の各々を用いた。
各発酵槽に由来するメタンガスの発生量を測定するとともに、測定時の発酵槽から培養サンプル(原料と菌との混合物)を取得し、当該培養サンプル中に含まれている菌(略1276種類の菌)に関する菌叢データを取得した。以上のようにして、複数の培養サンプルについて、メタンガスの発生量のデータと、菌叢データとからなる測定データを取得した。
メタンガスの発生量は、周知の測定装置(具体的には、株式会社SINAGAWA製の湿式ガスメーター装置)を用いて測定した。なお、具体的な測定方法は、当該測定装置に添付のプロトコールにしたがった。
菌叢データは、周知の測定装置(具体的には、イルミナ株式会社製の次世代シーケンサーMiseq)を用いて測定した。なお、具体的な測定方法は、当該測定装置に添付のプロトコールにしたがった。
<2.PCA解析、および、PLS解析>
Infometrix社の多変量解析用ソフト「pirouette 4.50」を用い、菌叢データを説明変数とし、かつ、メタンガスの発生量のデータを目的変数として、PCA(Principal Components Analysis)解析、および、PLS解析を行った。なお、PCA解析、および、PLS解析の具体的な方法は、多変量解析用ソフト「pirouette 4.50」に添付のプロトコールにしたがった。
図5に、PCA解析の結果を示す。なお、図5中には、PCA解析に用いた培養サンプルの名称を記載している。また、図5〜図8において、同じ発酵槽に由来する培養サンプルの名称は、同じ色調(白黒図面においては、同じ濃さ)の文字にて記載している。例えば、サンプル「2017_0714」などは発酵槽Aに由来するサンプルであり、サンプル「2017_0616」などは発酵槽Bに由来するサンプルであり、サンプル「2017_0929」などは発酵槽Cに由来するサンプルであり、サンプル「2017_0922」などは発酵槽Dに由来するサンプルであり、サンプル「2017_0908」などは発酵槽Eに由来するサンプルである。
図5から、発酵槽A〜Eの各々の培養サンプルに由来する測定データが、情報を多く表現している第一主成分(Factor 1)に基づいて分離され、発酵槽A〜Eの各々の培養サンプルに由来する測定データが、第一主成分と比較して、第二主成分に基づいては効果的に分離されないことが明らかになった。菌叢データの情報の多くが発酵槽A〜Eを特徴づけるガス発生量と関連があると言えた。第一主成分と比較して、情報が少ない第二主成分はサンプル間の差を多く表現できたと言えた。すなわち、サンプル名「2017_1006」および「2017_0908」などの例外があるものの、発酵槽A〜Eの各々の培養サンプルに由来する測定データであるガス換算負荷量に基づいて分離が生じる傾向を示すことが明らかになった。
PCA解析において、発酵槽A〜Eの各々の培養サンプルに由来する測定データがガス換算負荷量に基づいて分離される傾向を示したことから、全培養サンプルの測定データを用いてPLS解析を行った、なお、PLS解析は、用いるファクター数によって予測モデル(関数)の精度が変わる。用いるファクター数が多いほど、予測モデル(関数)の直線性が高くなる代わりに、当該予測モデル(関数)にテストセット(モデルを適用するデータセット)の説明変数を代入して得られる目的変数の予測精度が下がる。本実施例では、ファクター数が5程度であれば、バランスの良い予測モデル(関数)を得られることが明らかになった。
図6に、PLS解析の結果を示す。なお、図6において、横軸はメタンガスの発生量の測定値(実測値)から算出したガス換算負荷量を示し、縦軸はメタンガスの発生量の計算値(予測値)から算出した予測ガス換算負荷量を示している。培養サンプル名「2017_0714」および「2017_0519」などのアウトライヤーが散見されるが、概ね良好な予測モデル(関数)を構築することができた。
<3.クロスバリデーション>
予測モデル(関数)の精度確認方法に、測定データをトレーニングセットとテストセットとに分け、トレーニングセットを用いて構築した予測モデル(関数)にテストセットの説明変数を代入して目的変数の計算値を得、当該計算値と、テストセットの目的変数の測定値とを比較する、クロスバリデーションという方法がある。
そこで、当該測定データからアウトライヤーを除き、アウトライヤーを除いた後の測定データを任意でトレーニングセットとテストセットとに分け、当該トレーニングセットとテストセットとを用いてクロスバリデーションを行った。
図7に、クロスバリデーションの結果を示す。なお、図7において、黒色で塗りつぶされた印が付されている培養サンプル名が、テストセットに該当し、黒色で塗りつぶされていない印が付されている培養サンプル名が、トレーニングセットに該当する。図7から明らかなように、トレーニングセットを用いて構築した予測モデル(関数)は、テストセットの目的変数を、精度良く予測できていた。
<4.菌に関する検討>
培養サンプルに含まれる菌を比較すると、ある培養サンプルに含まれている菌が、別の培養サンプルには含まれていない場合がある。そこで、菌叢の測定データが検出された1276種のうち、略全ての発酵槽の培養サンプルに共通して存在していた菌種を選別した。その結果、当該菌として、ユリアーキオータ(Euryarchaeota)門に属する微生物、バクテロイデス(Bacteroidetes)門に属する微生物、フィルミクテス(Firmicutes)門に属する微生物、OP9門に属する微生物、シネルギステス(Synergistetes)門に属する微生物、および、テルモトガ(Thermotogae)門に属する微生物を同定することに成功した。更に詳細には、これらの微生物は、以下の21種類の微生物であった。
(1)ユリアーキオータ(Euryarchaeota)門 メタノバクテリウム(Methanobacteriaceae)科に属する微生物;(2)ユリアーキオータ(Euryarchaeota)門 メタノサーモバクター(Methanothermobacter)属に属する微生物;(3)バクテロイデス(Bacteroidetes)門 バクテロイデス(Bacteroidales)目に属する微生物;(4)バクテロイデス(Bacteroidetes)門 ポルフィロモナス(Porphyromonadaceae)科に属する微生物;(5)フィルミクテス(Firmicutes)門 リューコノストック(Leuconostoc)属に属する微生物;(6)フィルミクテス(Firmicutes)門 クロストリジア(Clostridiales)目に属する微生物;(7)フィルミクテス(Firmicutes)門 クロストリジウム(Clostridiaceae)科に属する微生物;(8)フィルミクテス(Firmicutes)門 クロストリジウム(Clostridium)属に属する微生物;(9)フィルミクテス(Firmicutes)門 ラクノスピラ(Lachnospiraceae)科に属する微生物;(10)フィルミクテス(Firmicutes)門 ペロトマキュラム(Pelotomaculum)属に属する微生物;(11)フィルミクテス(Firmicutes)門 ルミノコッカス(Ruminococcaceae)科に属する微生物;(12)フィルミクテス(Firmicutes)門 ルミノコッカス(Ruminococcaceae)科に属する微生物;(13)フィルミクテス(Firmicutes)門 シントロフォモナス(Syntrophomonas)属に属する微生物;(14)フィルミクテス(Firmicutes)門 (スポロミュサ)Sporomusa属に属する微生物;(15)フィルミクテス(Firmicutes)門 SHA−98門に属する微生物;(16)フィルミクテス(Firmicutes)門 サーモアナエロバクター(Thermoanaerobacterales)目に属する微生物;(17)フィルミクテス(Firmicutes)門 サーマセトゲニウム(Thermacetogenium)属に属する微生物;(18)OP9門 TIBD11科に属する微生物;(19)シネルギステス(Synergistetes)門 アナエロバクラム(Anaerobaculaceae)科に属する微生物;(20)シネルギステス(Synergistetes)門 アナエロバクラム(Anaerobaculum)属に属する微生物;(21)テルモトガ(Thermotogae)門 S1属に属する微生物。
これらの微生物の測定データからアウトライヤーを除き、アウトライヤーを除いた後の測定データを任意でトレーニングセットとテストセットとに分け、当該トレーニングセットとテストセットとを用いてクロスバリデーションを行った。
図8に、クロスバリデーションの結果を示す。なお、図8において、黒色で塗りつぶされた印が付されている培養サンプル名が、テストセットに該当し、黒色で塗りつぶされていない印が付されている培養サンプル名が、トレーニングセットに該当する。図8から明らかなように、トレーニングセットを用いて構築した予測モデル(関数)は、テストセットの目的変数を、精度良く予測できていた。
<5.まとめ>
菌叢データを用いて反応状態の指標であるメタンガスの発生量を予測できる予測モデル(関数)を構築することができた。なお、メタンガスの発生量は処理される原料の量と相関するので、メタンガスの発生量を予測できる予測モデル(関数)は、処理される原料の量を予測できる予測モデル(関数)でもある。また、菌叢データが取得された菌叢は、菌叢データ取得時よりも後で、原料を処理し得る。それ故に、上述した予測モデル(関数)は、菌叢データ取得時よりも後の反応を予測することができる、予測モデル(関数)ともいえる。
本発明は、微生物によって引き起こされる発酵現象を利用する分野に用いられ得る。例えば、本発明は、バイオエネルギーを生産する分野、排水を処理する分野、および、食品を生産する分野に用いられ得る。
1 発酵槽
2 菌叢データ取得部
3 算出部
5 状態変更部
7 予測情報作成部
10 処理システム
S1 測定データ取得工程
S2 マトリクスデータ作成工程
S3 マトリクスデータ処理工程
S4 精度確認工程
S10 菌叢データ取得工程
S20 算出工程
S30 状態変更工程
S40 予測情報作成工程

Claims (10)

  1. バイオガスの発生量を予測するための予測情報の作成方法であって、
    発酵槽に由来するバイオガスの発生量のデータと、上記バイオガスの発生量のデータを取得した時の上記発酵槽内の2種類以上の菌に関する菌叢データとを含む測定データを、複数取得する、測定データ取得工程と、
    上記測定データの少なくとも2つ以上を用い、上記菌叢データを説明変数とし、上記バイオガスの発生量のデータを目的変数としたマトリクスデータを作成する、マトリクスデータ作成工程と、
    上記マトリクスデータに対して解析処理を行い、上記2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、上記バイオガスの発生量のデータを変数として含む関数を上記予測情報として得る、マトリクスデータ処理工程と、を有する、予測情報の作成方法。
  2. 上記マトリクスデータ処理工程は、上記マトリクスデータに対して重回帰分析を行い、上記2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、上記バイオガスの発生量のデータを変数として含む重回帰式を上記予測情報として得る工程である、請求項1に記載の作成方法。
  3. 上記マトリクスデータ処理工程の後に、(i)上記マトリクスデータに含まれていない測定データの菌叢データAを上記関数に代入して、バイオガスの発生量の計算値を得る計算工程と、(ii)上記計算値と、上記菌叢データAを取得した時に上記発酵槽から発生していたバイオガスの量の測定値とを比較する比較工程と、を包含する精度確認工程を有する、請求項1または2に記載の作成方法。
  4. 上記菌叢データは、ユリアーキオータ(Euryarchaeota)門に属する微生物、バクテロイデス(Bacteroidetes)門に属する微生物、フィルミクテス(Firmicutes)門に属する微生物、OP9門に属する微生物、シネルギステス(Synergistetes)門に属する微生物、および、テルモトガ(Thermotogae)門に属する微生物からなる群より選択される少なくとも1つの微生物の菌叢データを含んでいる、請求項1〜3の何れか1項に記載の作成方法。
  5. バイオガスを発生させながら、発酵槽内の目的物を菌によって処理する、処理方法であって、
    上記発酵槽内の2種類以上の菌に関する菌叢データを取得する、菌叢データ取得工程と、
    上記菌叢データを、予め作成されている、上記2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、上記バイオガスの発生量のデータを変数として含む関数に代入することによって、バイオガスの予測発生量を算出する、算出工程と、を有する、処理方法。
  6. 上記算出工程は、上記菌叢データを、予め作成されている、上記2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、上記バイオガスの発生量のデータを変数として含む重回帰式に代入することによって、バイオガスの予測発生量を算出する工程である、請求項5に記載の処理方法。
  7. 上記算出工程の後に、上記発酵槽内の状態を変更する状態変更工程を有する、請求項5または6に記載の処理方法。
  8. バイオガスを発生させながら、目的物を菌によって処理する、処理システムであって、
    上記目的物と上記菌とを混合するための発酵槽と、
    上記発酵槽内の2種類以上の菌に関する菌叢データを取得するための菌叢データ取得部と、
    上記菌叢データを、予め作成されている、上記2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、上記バイオガスの発生量のデータを変数として含む関数に代入することによって、バイオガスの予測発生量を算出するための算出部と、を備えている、処理システム。
  9. 上記算出部は、上記菌叢データを、予め作成されている、上記2種類以上の菌に関する菌叢データ、および、上記バイオガスの発生量のデータを変数として含む重回帰式に代入することによって、バイオガスの予測発生量を算出するためのものである、請求項8に記載の処理システム。
  10. 更に、上記発酵槽内の状態を変更する状態変更部を有する、請求項8または9に記載の処理システム。
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