JP2020004864A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】IE型トレンチゲートIGBTを備えた半導体装置では、よりオン電圧を低くするために、IE効果を向上させることが求められている。【解決手段】半導体装置はゲート電位に接続されトレンチで構成されるトレンチゲート電極とエミッタ電位に接続されトレンチで構成されるトレンチエミッタ電極との間にアクティブセル領域を有する。ここで、アクティブセル領域のエミッタ領域とエミッタ電極とを接続するコンタクトの幅よりも狭い。【選択図】図5

Description

本開示は半導体装置に関し、例えばIE型トレンチIGBTに適用可能である。
コレクタ−エミッタ間飽和電圧VCE(sat)の低いIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)として、トレンチゲートIGBTが広く使用されているが、伝導度変調を更に促進するため、IE(Injection Enhancement)効果を利用したIE型トレンチゲートIGBTが開発されている。このIE型トレンチゲートIGBTには、セル領域に於いて、実際にエミッタ電極に接続されたアクティブセルと、フローティングPボディ領域を有するインアクティブセルを交互に配置することにより、半導体基板のデバイス主面側(エミッタ側)に正孔が蓄積しやすい構造としているものがある(例えば、特開2012−256839号公報(特許文献1)。この種のIE型トレンチゲートIGBTでは、コレクタ側から注入される正孔が、インアクティブセル領域によってエミッタ側へ抜けるのが阻止されることで、アクティブセル領域とコレクタ側との間の正孔の濃度が高くなる。正孔の濃度が高くなると、エミッタ(ソース)側からの電子の注入が促進されて、電子の濃度も高くなる。こうして、キャリアの濃度が高くなること(IE効果)で、伝導度変調が起こり、VCE(sat)を低くすることが可能になる。
特開2013−258190号公報(特許文献2)では、正孔の抜け道であるメサ幅(トレンチ−トレンチ間距離)を特許文献1よりも狭くして(狭ピッチ化して)IE効果を向上させることが提案されている。
特開2012−256839号公報 特開2013−258190号公報
特許文献2のようなトレンチゲート−トレンチゲート間のメサ幅を狭ピッチ化すると、スイッチングターンオフ損失(Eoff)が悪化する。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付の図面から明らかになるであろう。
本開示のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、半導体装置はゲート電位に接続されトレンチで構成されるトレンチゲート電極とエミッタ電位に接続されトレンチで構成されるトレンチエミッタ電極との間にアクティブセル領域を有する。ここで、アクティブセル領域はエミッタ領域とエミッタ電極とを接続するコンタクトの幅よりも狭い。
上記半導体装置よれば、メサ幅を狭ピッチ化することができる。
比較例のGGEE型IGBTの上面図 図1のGGEE型IGBTの断面図 図1のA1−A2断面に対応する断面図 図1のB1−B2断面に対応する断面図 GE型IGBTの断面図 実施例の半導体装置の構成例を示す平面図 図6の半導体装置の要部を示す平面図 図7のセル形成領域の拡大平面図 図8のC1−C2線に沿った断面図 図8のC3−C4線に沿った断面図 図8のD1−D2線に沿った断面図 図8のE1−E2線に沿った断面図 図12の要部拡大図 図8のF1−F2線に沿った断面図 図6の半導体装置の効果を説明する断面図 図6の半導体装置の製造工程を示す断面図 図6の半導体装置の製造工程を示す断面図 図6の半導体装置の製造工程を示す断面図 図6の半導体装置の製造工程を示す断面図 図6の半導体装置の製造工程を示す断面図 図6の半導体装置の製造工程を示す断面図 第一変形例の半導体装置の断面図 図10の半導体装置の要部断面図 図22の半導体装置の要部断面図 第一変形例のN+型エミッタ領域導入用レジスト膜のパターンを示す平面図 図25のN+型エミッタ領域導入用レジスト膜を用いたイオン注入工程の断面図 拡散工程の断面図 実施例のP+型埋め込みボディコンタクト領域導入用レジスト膜のパターンを示す平面図 第二変形例のP+型埋め込みボディコンタクト領域導入用レジスト膜のパターンを示す平面図 第三変形例の半導体装置の断面図 電子システムの一例を説明する図 図31の領域AR4のモジュールを説明する図
以下、比較例、実施形態、実施例、変形例および応用例について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
<比較例>
IE型トレンチゲートIGBTとして、アクティブセル領域とインアクティブセル領域との間にゲート電位接続のトレンチで構成されるトレンチゲート電極を有し、アクティブセル領域を一つ置きにホールコレクタセル領域に置き換え、ホールコレクタセル領域とインアクティブセル領域との間にエミッタ電位接続のトレンチで構成されるトレンチエミッタ電極を有するものがある。本明細書では、このIGBTをGGEE型IGBTという。本願発明者がGGEE型IGBT(比較例1)について検討した結果を以下に説明する。
まず、比較例に係る半導体装置について図1〜5を用いて説明する。図1はGGEE型IGBTの上面図である。図2は図1のGGEE型IGBTの断面図である。図3は図1のA1−A2断面に対応する断面図である。図4は図1のB1−B2断面に対応する断面図である。
図1、2に示すように、GGEE型IGBTの単位セル領域40はアクティブセル領域40aおよびインアクティブセル領域40iを備え、アクティブセル領域40aおよびインアクティブセル領域40iの間に、トレンチゲート電極14が配置されている。また、単位セル領域40eはホールコレクタセル領域40cおよびインアクティブセル領域40iを備え、ホールコレクタセル領域40cおよびインアクティブセル領域40iの間に、トレンチエミッタ電極14eが配置されている。GGEE型IGBTは単位セル領域40と単位セル領域40eが交互に配置される。
図3に示すように、アクティブセル領域40aにおける半導体基板の主要部を構成するN−型ドリフト領域20の上には、下から順に、N型ホールバリア領域24、P型ボディ領域15およびN+型エミッタ領域12が設けられている。また、トレンチゲート電極14、P型ボディ領域15およびN+型エミッタ領域12の上には、層間絶縁膜26が形成されており、アクティブセル領域40aにおける層間絶縁膜26部分には、コンタクト溝11(またはコンタクトホール)が形成されている。このコンタクト溝11等を介して、N+型エミッタ領域12は、層間絶縁膜26上に設けられたエミッタ電極8に接続されている。
ここで、N型ホールバリア領域24は、N−型ドリフト領域20からN+型エミッタ領域12への通路に正孔が流れ込むのを阻止するためのバリア領域であり、その不純物濃度は、N+型エミッタ領域12よりも低く、N−型ドリフト領域20よりも高い。このN型ホールバリア領域24の存在により、インアクティブセル領域40iに蓄積された正孔が、アクティブセル領域40aのエミッタ通路(N−型ドリフト領域20からP+型ボディコンタクト領域25へ向かう通路)へ入り込むのを有効に阻止することができる。
これに対して、インアクティブセル領域40iにおけるN−型ドリフト領域20には、下から順に、P型フローティング領域16およびP型ボディ領域15が設けられており、P型フローティング領域16の深さは、トレンチ21の深さよりも深くされており、トレンチ21の下端部をカバーするように分布している。
図1に示すように、アクティブセル領域40aのほぼ全長に亘りN+型エミッタ領域12が形成されているわけではなく、その長さ方向(Y軸方向)において、N+型エミッタ領域12が形成されているアクティブセクション40aaと、N+型エミッタ領域12が形成されていないインアクティブセクション40aiと、にほぼ周期的に区分されている。すなわち、アクティブセル領域40aのアクティブセクション40aaにおいては、ほぼ全面に、N+型エミッタ領域12が設けられており、アクティブセル領域40aのインアクティブセクション40aiにおいては、ほぼ全面に、P+型ボディコンタクト領域25が設けられている。一方、アクティブセル領域40aとトレンチゲート電極14で隔てられているインアクティブセル領域40iにおいては、そのほぼ全面に、P型ボディ領域15およびP型フローティング領域16が設けられている。
図1に示すように、ホールコレクタセル領域40cの両側のトレンチエミッタ電極14eは、エミッタ電位に接続される必要がある。この例では、2本(両側のトレンチエミッタ電極14e)を、例えば、同層のポリシリコン膜による埋め込み電極連結部28で相互に連結し、その埋め込み電極連結部28上にコンタクト部(不図示)を設けて、これを介して、エミッタ電極8と接続している。そして、ホールコレクタセル領域40cは、図4に示すように、アクティブセル領域40aと類似しているが、N+型エミッタ領域12が設けられておらず、埋め込み電極連結部28の下部を除き、そのほぼ全域に、P+型埋め込みボディコンタクト領域25が設けられている点が異なっている。P+型埋め込みボディコンタクト領域25の不純物濃度はP型ボディ領域15およびP型フローティング領域16よりも高い。
なお、以下の説明では、IGBTがオフ状態(遮断状態)からオン状態に切り替わるスイッチング動作を「ターンオン」、IGBTがオン状態からオフ状態(遮断状態)に切り替わるスイッチング動作を「ターンオフ」と称する。
図1のGGEE型IGBTの素子構造では、トレンチ21のピッチを短くすることによってオン状態のときに正孔を流れ難くくし、これによってトレンチボトム付近のN−型ドリフト領域20近傍に正孔を蓄積させる。この結果、N+型エミッタ領域12からの電子の注入効率が高まり、オン電圧を低下させる効果が期待できる。しかし、トレンチ21間のメサ幅を狭ピッチ化すると、トレンチゲート電極14とトレンチゲート電極14との間のフィールドプレート効果によって、コレクタ側高電圧印可状態となっても、トレンチゲート電極14とトレンチゲート電極14との間では、ホールが排出される方向における電位差が小さくなる。(トレンチゲート電極14とトレンチゲート電極14との間を、ホール(正孔)が排出される方向における等電位線で表した時に、その密度が低下する)。このため、ターンオフ時のコレクタ側高電圧印加によるドリフト電流が小さくなって、ターンオフ時のキャリア(正孔)排出は拡散電流が支配的になる。すなわち、電位差による正孔の排出効果が低下して、スイッチング導通時に蓄積したキャリアを、ターンオフ時に引き抜ききれず、スイッチングターンオフ損失(Eoff)が大きく悪化する。
また、トレンチ21間のメサ幅を狭ピッチ化すると、負荷短絡試験においてCIBL(Collector bias Induced Barrier Lowering)の発生によってコレクタ電流が飽和せずに破壊に至る現象があり、狭ピッチ化には限界がある。GGEE型IGBTのメサ幅が0.35マイクロメートル以下ではCIBLが発生する。
<実施形態>
GGEE型IGBTにおけるトレンチ21間のメサ幅の狭ピッチ化に伴う課題を解決する実施形態のIGBTについて図5を用いて説明する。図5は実施形態の半導体装置の断面図である。
図5に示すように、実施形態に係る半導体装置はIE型トレンチゲートIGBTであり、ゲート電位に接続されトレンチで構成されるトレンチゲート電極14とエミッタ電位に接続されトレンチで構成されるトレンチエミッタ電極14eとの間にアクティブセル領域Waを有する。以下、このIGBTをGE型IGBTという。ここで、アクティブセル領域40aの幅(Wa)およびN+型エミッタ領域12の幅はN+型エミッタ領域12とエミッタ電極8を接続するコンタクト溝11の幅(Wc)よりも狭い(Wa<Wc)。
P型フローティング領域16とトレンチエミッタ電極14eとN型ホールバリア領域24とP+型ラッチアップ防止領域(P+型埋め込みボディコンタクト領域25、P型ボディ領域15)とによって、寄生Pチャネル型MOEFETが形成され、正孔排出経路が確保されるので、スイッチング導通時に蓄積したキャリアを、ターンオフ時に引き抜くことができ、スイッチングオフ損失の悪化を抑制することができる。これにより、トレンチ間(トレンチ21−トレンチ21e間)のメサ幅の狭ピッチ化(超狭アクティブ領域)が可能となる。超狭アクティブ領域とは、アクティブセル領域の両側のトレンチの内側間の距離、すなわち、トレンチ間のアクティブ領域の幅(Wa)が、0.35マイクロメートル以下であってプロセス限界以上のものをいう。Waの下限は数10ナノメートル(例えば、20ナノメートル)以上が好ましく、数100ナノメートル(例えば、200ナノメートル)以上がより好ましい。
図6は実施例の半導体装置の構成例を示す平面図である。なお、図6では、理解を簡単にするために、最上層の絶縁膜FPF(図10参照)を除去して透視した状態を示し、セル形成領域AR1、エミッタパッドEPおよびゲートパッドGPの外周を二点鎖線により示している。
図6に示すように、半導体装置としての半導体チップ2は、半導体基板SSを有する。半導体基板SSは、一方の主面としての表面と、他方の主面としての、表面と反対側の裏面と、を有する。また、半導体基板SSは、表面の一部の領域としてのセル形成領域AR1と、表面の他の部分の領域としてのゲート配線引き出し領域AR2と、を有する。ゲート配線引き出し領域AR2は、セル形成領域AR1に対して、例えば半導体基板SSの外周側に設けられている。セル形成領域AR1はIGBTセル領域ともいう。
セル形成領域AR1には、エミッタ電極8が設けられている。エミッタ電極8の中央部は、ボンディングワイヤ等を接続するためのエミッタパッドEPとなっている。エミッタパッドEPは、エミッタ電極8を覆うように形成された絶縁膜FPF(図10参照)に形成された開口部OP1から露出した部分のエミッタ電極8からなる。エミッタ電極8は、例えばアルミニウムを主要な構成要素とする金属膜からなる。
ゲート配線引き出し領域AR2には、ゲート配線GLおよびゲート電極GEが設けられている。ゲート配線GLは、エミッタ電極8に対して、例えば半導体基板SSの外周側に設けられている。ゲート配線GLは、ゲート電極GEに接続されている。ゲート電極GEの中央部は、ボンディングワイヤ等を接続するためのゲートパッドGPとなっている。ゲートパッドGPは、ゲート電極GEを覆うように形成された絶縁膜FPF(図10参照)に形成された開口部OP2から露出した部分のゲート電極GEからなる。ゲート配線GLおよびゲート電極GEは、例えばアルミニウムを主要な構成要素とする金属膜からなる。
(半導体装置のセル形成領域の構成)
図6の半導体装置のセル形成領域の構成について、図7〜14を用いて説明する。図7は図6の半導体装置(セル形成領域およびゲート配線引き出し領域)を示す平面図である。図8は図7のセル形成領域の拡大平面図である。図9は図8のC1−C2線に沿った断面図である。図10は図8のC3−C4線に沿った断面図である。図11は図8のD1−D2線に沿った断面図である。図12は図8のE1−E2線に沿った断面図である。図13は図12の要部拡大図である。図14は図7のF1−F2線に沿った断面図である。なお、図7では、理解を簡単にするために、絶縁膜FPF、エミッタ電極8および層間絶縁膜26(図9参照)を除去して透視した状態を示している。
図7に示すように、半導体基板SSの表面内で互いに交差、好適には直交する2つの方向をX軸方向およびY軸方向とし、半導体基板SSの表面に垂直な方向、すなわち、上下方向をZ軸方向とする。ここで、セル形成領域AR1はGE型IGBTの単位セル領域40を複数備え、すなわち、セル形成領域AR1には、図7、8に示すように、複数のアクティブセル領域40aと、複数のインアクティブセル領域40iとが設けられている。複数のアクティブセル領域40aは、平面視において、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に周期的に配列されている。言い換えると、アクティブセル領域40aは、縦方向ストライプ状に形成されている。複数のインアクティブセル領域40iは、平面視において、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に周期的に配列されている。また、アクティブセル領域40aと、インアクティブセル領域40iとは、X軸方向に交互に配置されている。
なお、本明細書では、「平面視において、」とは、半導体基板SSの表面に垂直な方向から視た場合を意味する。
アクティブセル領域40aには、トレンチゲート電極14と、トレンチエミッタ電極14eとが設けられている。トレンチゲート電極14およびトレンチエミッタ電極14eは、平面視において、Y軸方向に延在する。トレンチゲート電極14およびトレンチエミッタ電極14eは、P型ボディ領域15とN型ホールバリア領域24を挟んでX軸方向における両側にそれぞれ設けられている。トレンチゲート電極14はゲート電極GEと電気的に接続され、トレンチエミッタ電極14eはエミッタ電極8と電気的に接続されている。図9に示すように、N型ホールバリア領域24はP型ボディ領域15よりも深く設けられている。
アクティブセル領域40aでは、P型ボディ領域15の、半導体基板SSの表面側の部分には、複数のN+型エミッタ領域12が設けられている。P型ボディ領域15は、P型の導電型の半導体領域であり、N+型エミッタ領域12は、P型の導電型とは異なるN型の導電型の半導体領域である。アクティブセル領域40aにおいて、P型ボディ領域15は、平面視において、Y軸方向に沿って、連続して形成されている。
また、インアクティブセル領域40iには、トレンチエミッタ電極14eからトレンチ端部電極14e1、14e3がX軸方向に延在している。そして、トレンチ端部電極14e1、14e3の端部同士は、トレンチ端部電極14e2により接続されている。
図7、8に示すように、アクティブセル領域40aのほぼ全長に亘りN+型エミッタ領域12が形成されているわけではなく、その長さ方向(Y軸方向)において、N+型エミッタ領域12が形成されているアクティブセクション40aaと、N+型エミッタ領域12が形成されていないインアクティブセクション40aiにほぼ周期的に区分されている。すなわち、アクティブセル領域40aのアクティブセクション40aaにおいては、ほぼ全面に、N+型エミッタ領域12が設けられており、アクティブセル領域40aのインアクティブセクション40aiにおいては、ほぼ全面に、P+型埋め込みボディコンタクト領域25が設けられている。一方、アクティブセル領域40aとトレンチゲート電極14とトレンチエミッタ電極14eで隔てられているインアクティブセル領域40iにおいては、そのほぼ全面に、P型ボディ領域15およびP型フローティング領域16が設けられている。
なお、本明細書では、半導体の導電型がP型であるとは、正孔のみが電荷担体であるか、または、電子および正孔のいずれもが電荷担体であってもよいが、正孔の濃度が電子の濃度よりも高く、正孔が主要な電荷担体であることを意味する。また、本明細書では、半導体の導電型がN型であるとは、電子のみが電荷担体であるか、または、電子および正孔のいずれもが電荷担体であってもよいが、電子の濃度が正孔の濃度よりも高く、電子が主要な電荷担体であることを意味する。
インアクティブセル領域40iには、互いに隣り合うトレンチゲート電極14とトレンチエミッタ電極14eとの間に、P型ボディ領域15が設けられている。また、当該P型ボディ領域15よりも深くP型フローティング領域16が設けられている。
また、図9に示す例では、アクティブセル領域40aのX軸方向における幅(Wa)を、インアクティブセル領域40iのX軸方向における幅(Wi)よりも狭くしている(Wa<Wi)。このようなときは、IGBTのIE効果を高めることができる。
図9に示すように、GE型IGBTの単位セル領域40はアクティブセル領域40aおよびインアクティブセル領域40iを備え、アクティブセル領域40aとおよびインアクティブセル領域40iの間に、トレンチゲート電極14またはトレンチエミッタ電極14eが配置されている。
図10に示すように、アクティブセル領域40aにおけるN−型ドリフト領域20の上には、下から順に、N型ホールバリア領域24、P型ボディ領域15およびN+型エミッタ領域12が設けられている。また、トレンチゲート電極14およびトレンチエミッタ電極14eの上には、層間絶縁膜26が形成されており、アクティブセル領域40aにおける層間絶縁膜26部分には、N+型エミッタ領域12に及ぶコンタクト溝11(またはコンタクトホール)が形成されている。このコンタクト溝11等を介して、N+型エミッタ領域12は、層間絶縁膜26上に設けられたエミッタ電極8に接続されている。N型ホールバリア領域24はトレンチ21およびトレンチ21eの下端と同程度の深さまで設けられている。このN型ホールバリア領域24の存在により、ホールバリアとして作用するほかに、アクティブセル領域40aの幅が非常に狭くなった場合にも、P型フローティング領域16が、不所望にアクティブセル領域40a側に広がることを防止する効果がある。また、N型ホールバリア領域24を設けることは、トレンチの深さが、あまり、深くない場合(例えば、3マイクロメートル程度)においても、十分なIE効果を実現できるメリットがある。また、トレンチの深さのばらつきに対する特性変動幅も大幅に低減できる効果もある。
ここで、N型ホールバリア領域24は、N−型ドリフト領域20からN+型エミッタ領域12への通路に正孔が流れ込むのを阻止するためのバリア領域であり、その不純物濃度は、N+型エミッタ領域12よりも低く、N−型ドリフト領域20よりも高い。このN型ホールバリア領域24の存在により、インアクティブセル領域40iに蓄積された正孔が、アクティブセル領域40aのエミッタ通路(N−型ドリフト領域20からP+型ボディコンタクト領域25へ向かう通路)へ入り込むのを有効に阻止することができる。また、N型ホールバリア領域24をアクティブセル領域40aのみに局所配置させることで、ターンオフ時に不要に正孔に対する排出抵抗を増加させてしまうことを防ぎ、スイッチング特性が悪化する事を防いでいる。
これに対して、インアクティブセル領域40iにおけるN−型ドリフト領域20には、下から順に、P型フローティング領域16およびP型ボディ領域15が設けられており、P型フローティング領域16の深さは、トレンチ21の深さよりも深くされており、トレンチ21の下端部をカバーするように分布している。このようにして、有効に、IGBTのオフ状態でトレンチ21の下端部に電界強度が集中することを防ぐことができる。
次に、図8のD1−D2断面について図11を用いて説明する。図11に示すように、この断面の図10との相違点は、アクティブセル領域40aにおけるP型ボディ領域15の表面にP+型埋め込みボディコンタクト領域25が設けられている。また、アクティブセル領域40aにおける層間絶縁膜26部分には、P+型埋め込みボディコンタクト領域25に及ぶコンタクト溝11(またはコンタクトホール)が形成されている。このコンタクト溝11等を介して、P+型埋め込みボディコンタクト領域25は、層間絶縁膜26上に設けられたエミッタ電極8に接続されている。なお、その他の部分は、図10と全く同じである。
次に、図8のE1−E2断面について図12を用いて説明する。図12に示すように、アクティブセル領域40aのアクティブセクション40aaにおけるN−型ドリフト領域20には、下から順に、N型ホールバリア領域24、P型ボディ領域15およびN+型エミッタ領域12が設けられている。一方、アクティブセル領域40aのインアクティブセクション40aiにおけるN−型ドリフト領域20には、下から順に、N型ホールバリア領域24、P型ボディ領域15、P+型埋め込みボディコンタクト領域25が設けられている。図10、11と同様に、N+型エミッタ領域12およびP+型埋め込みボディコンタクト領域25の上には、コンタクト溝11(またはコンタクトホール)が形成されている。このコンタクト溝11等を介して、N+型エミッタ領域12およびP+型埋め込みボディコンタクト領域25は、エミッタ電極8に接続されている。P+型埋め込みボディコンタクト領域25を介してエミッタ電極8に正孔が排出される。なお、図13に示すように、N型ホールバリア領域24、P型ボディ領域15、N+型エミッタ領域12により、寄生NPNバイポーラトランジスタが形成され、N型ホールバリア領域24、P型ボディ領域15、P+型埋め込みボディコンタクト領域25の経路で排出される正孔の量は、N型ホールバリア領域24、P型ボディ領域15、N+型エミッタ領域12の経路で排出される正孔の量よりも多い。
N+型エミッタ領域12を断続配置として、奥行方向(Y軸方向)のN+型エミッタ領域12の非配置領域に、正孔排出経路を確保するP+型埋め込みボディコンタクト領域25を設けている。これにより、エミッタ領域の面積が小さくなり、コレクタ飽和電流を抑制することができ、インバータ用途においては、負荷短絡耐量(負荷短絡が発生したIGBTに短絡電流が流れたとき、IGBTが破壊せずに耐えられる時間)を確保することができる。
(半導体装置のゲート配線引き出し領域の構成)
図7に示すように、ゲート配線引き出し領域AR2には、セル形成領域AR1を囲むように、例えばP型領域16が設けられている部分がある。また、このP型領域16は、コンタクト溝11の底面に露出した部分のP+型埋め込みボディコンタクト領域25pを介して、エミッタ電極8と電気的に接続されている。
また、ゲート配線引き出し領域AR2には、ゲート配線GLが配置されており、このゲート配線GLに向かって、セル形成領域AR1内から、トレンチゲート電極14が延在している。そして、ゲート配線引き出し領域AR2において、互いに隣り合う2つのトレンチゲート電極14の端部同士は、トレンチゲート電極14g1により接続されている。トレンチゲート電極14g1からY軸方向に延在するトレンチゲート電極14g2が設けられ、互いに隣り合う2つのトレンチゲート電極14g2の端部同士はトレンチゲート電極14g3により接続されている。トレンチゲート電極14g3は、平面視において、ゲート配線GLが配置された領域内に配置されている。そして、トレンチゲート電極14g3は、ゲート配線GLと電気的に接続されている。
アクティブセル領域40aの端部領域にはアクティブセル領域40aとインアクティブセル領域40iとの境界領域がある。この境界領域は、トレンチエミッタ電極14eの端部からX軸方向に延在するトレンチ端部電極14e1と、トレンチ端部電極14e1の端部からY軸方向に延在するトレンチ端部電極14e2と、トレンチ端部電極14e2の端部からX軸方向に延在し、トレンチエミッタ電極14eに至るトレンチ端部電極14e3と、を有する。
ここで、フローティング領域を挟むトレンチ電極は、一般的には同電位となる必要があるが、GE型IGBTのように、電位の異なるトレンチ電極(トレンチゲート電極14とトレンチエミッタ電極14e)でP型フローティング領域16を挟む構造を形成するには、P型フローティング領域16をコンタクト溝11から分離する必要がある。分離しなければフローティング領域としての機能を失う。
図14に示すように、アクティブセル領域40aとインアクティブセル領域40iとの境界領域には、トレンチ21g1内のトレンチゲート電極14g1と、トレンチ21e1内のトレンチ端部電極14e1とが設けられている。図7に示すように、トレンチゲート電極14g1およびトレンチ端部電極14e1は、平面視において、X軸方向に延在する。トレンチゲート電極14g1およびトレンチ端部電極14e1は、N+型ホールバリア領域24aを挟んでY軸方向における両側にそれぞれ設けられている。N+型ホールバリア領域24aはN型ホールバリア領域24の不純物濃度と同じかそれよりも高濃度の層で形成することで、正孔に対する抵抗が上昇する(横方向(X軸方向)におけるホールバリア効果を有する)。なお、N+型ホールバリア領域24aと層間絶縁膜26との間には、アクティブセル領域40aのP型ボディ領域15は形成されていない。すなわち、N+型ホールバリア領域24aは絶縁膜22aの下面からトレンチ21g1およびトレンチ21e1の下端と同程度の深さまで設けられている。P型フローティング領域16は正孔排出を抑制することでフローティング層として機能する。P型フローティング領域16はトレンチゲート電極14g1およびトレンチ端部電極14e1に対して、深いP型拡散層がトレンチボトムを覆うように形成されるので電界強度は上がらない。正孔に対する抵抗を上げるため、トレンチゲート電極14g1とトレンチ端部電極14e1との間はなるべく狭く配置する。
実施例では、P型フローティング領域16とコンタクト溝11の間に、N+型ホールバリア領域24a(正孔に対する抵抗領域)を設けて、P型フローティング領域16を分離する。これにより、電位の異なるトレンチ電極(トレンチゲート電極14とトレンチエミッタ電極14e)でP型フローティング領域16を挟む構造を形成することができ、フローティング領域としての機能することができる。
GE型IGBTの効果について、比較例のGGEE型IGBTと比較して図15を用いて説明する。図15はGE型IGBTの断面図である。
比較例の説明において上述したように、GGEE型IGBTではトレンチゲート電極間を狭くしていくと、ターンオフ時の正孔引き抜きが弱くなり、スイッチングターンオフ損失(Eoff)が急激に悪化する。一方、GE型IGBTでは、図15に示すように、片側に(破線の部分に)P型フローティング領域16とトレンチエミッタ電極14eとN型ホールバリア領域24とP+型ラッチアップ防止領域(P型ボディ領域15、P+型埋め込みボディコンタクト領域25)とによって、寄生Pチャネル型MOSFETが形成される。これにより、メサ幅の狭ピッチ化を進めても、導通時に蓄積したキャリアを、ターンオフ時に効果的に引き抜くことが可能となり、スイッチングターンオフ損失(Eoff)の悪化を抑えながらIE効果を向上させることが可能となる。
GE型IGBTでは、アクティブセル領域40aにはトレンチゲート電極14が片側にしか存在しないので、IGBTがオン状態すなわちゲートにプラスの電圧(例えば+15V)が印可されてコレクタ−エミッタ間が導通する場合、トレンチゲート電極14からの空乏化は片側からのみである。また、もう一方の片側(トレンチエミッタ電極14e側)に寄生Pチャネル型MOSFETが形成される。これらにより、負荷短絡試験におけるCIBLを抑制することが可能となる。
GE型IGBTでは、図15で示すように、片側に、寄生Pチャネル型MOSFETが形成されるので、全P型フローティング領域16に対して寄生Pチャネル型MOSFETを有することにより、P型フローティング領域16の電位変動を抑制することが可能となる。これにより、安定動作(ゲート電位振動の抑制)が可能であり、高破壊耐量化(チップ面内不均一動作によって発生する局所的な電流集中等が原因で起こる破壊を抑制)が可能であり、スチッチング損失への影響の排除が可能であり、パラレル接続の動作へも対応(チップ間の動作不均一を抑制)が可能である。
(半導体装置の製造方法)
次に、図6の半導体装置の製造方法は特許文献2に記載される製造方法と同様であるが、概略について図16〜21を用いて説明する。図16〜21は、図6の半導体装置の製造工程を示す断面図である。図16〜21は、図10の断面図と同じ断面の断面図である。
まず、図16に示すように、例えばリン等のN型不純物が導入されたシリコン単結晶の半導体基板1sからなる半導体ウエハ1を用意する。半導体ウエハ1は、第一主面としての表面1aと、表面1aとは反対側の第二主面としての裏面1bと、を有する。
次に、レジストパターンをマスクとしたイオン注入法により、半導体ウエハ1の表面1a側の半導体基板1sにN型不純物を導入することによって、N型ホールバリア領域24を形成する。なお、N型ホールバリア領域24は、アクティブセル領域40aに形成される。
次に、レジストパターンをマスクとしたイオン注入法により、半導体ウエハ1の表面1a側の半導体基板1sにP型不純物を導入することによって、P型フローティング領域16を形成する。これにより、図16の状態になる。なお、P型フローティング領域16は、インアクティブセル領域40iに形成される。また、セル形成領域AR1においてP型フローティング領域16を形成する際に、例えばゲート配線引き出し領域AR2(図6参照)において、P型フローティング領域16を形成する。
次に、図17に示すように、例えば酸化シリコン膜からなるハードマスクを用いて、例えば異方性ドライエッチング法により、トレンチ21、21eを形成する。
次に、P型フローティング領域16およびN型ホールバリア領域24に対する引き延ばし拡散を行う。このとき、P型フローティング領域16の裏面1b側の端部が、Z軸方向において、トレンチ21、21eの裏面1b側の端部に配置されるように、引き延ばし拡散を行う。
次に、例えば熱酸化法等により、半導体ウエハ1の表面1a上並びにトレンチ21、21eの各々の内壁に、例えば酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜22を形成する。
上記引き延ばし拡散により、トレンチ21とその隣のトレンチ21eとの間に、P型フローティング領域16を形成する。好適には、P型フローティング領域16は、トレンチ21の内壁に形成されたゲート絶縁膜22およびトレンチ21eの内壁に形成されたゲート絶縁膜22に接触する。
また、トレンチ21とトレンチ21eとの間に、N型ホールバリア領域24を形成する。好適には、トレンチ21とトレンチ21eとの間に形成されるN型ホールバリア領域24は、トレンチ21の内壁に形成されたゲート絶縁膜22およびトレンチ21eの内壁に形成されたゲート絶縁膜22に接触する。また、好適には、トレンチ21とトレンチ21eとの間に形成されるN型ホールバリア領域24は、トレンチ21の内壁に形成されたゲート絶縁膜22およびトレンチ21eの内壁に形成されたゲート絶縁膜22に接触する。
また、上記引き延ばし拡散の際に、N型の半導体ウエハ1のうち、P型フローティング領域16およびN型ホールバリア領域24が形成されない領域が、N−型ドリフト領域20となる。
トレンチ21とトレンチ21eとの間では、N型ホールバリア領域24のN型の不純物濃度は、N−型ドリフト領域20におけるN型の不純物濃度よりも高く、かつ、後述するN+型エミッタ領域12のN型の不純物濃度よりも低い。
次に、図18に示すように、半導体ウエハ1の表面1a上並びにトレンチ21、21eの内部に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法等により、リンがドープされた多結晶シリコン(Doped Poly-Silicon)膜からなる導電性膜27を成膜する。
次に、例えばドライエッチング法により、導電性膜27をエッチバックする。これにより、トレンチ21の内部にゲート絶縁膜22を介して埋め込まれた導電性膜27からなるトレンチゲート電極14を形成する。また、トレンチ21eの内部にゲート絶縁膜22を介して埋め込まれた導電性膜27からなるトレンチエミッタ電極14eを形成する。
次に、例えばドライエッチング法により、トレンチ21、21eの内部以外のゲート絶縁膜22を除去する。
次に、例えば熱酸化法またはCVD法により、半導体ウエハ1の表面1a上に、後続のイオン注入用の比較的薄い酸化シリコン膜(例えばゲート絶縁膜22と同程度)からなる絶縁膜22aを形成する。
次に、レジストパターンをマスクとしたイオン注入法により、セル形成領域AR1の全面およびその他必要な部分にP型不純物を導入することによって、P型ボディ領域15を形成する。
具体的には、トレンチ21とトレンチ21eとの間に、トレンチ21の内壁に形成されたゲート絶縁膜22およびトレンチ21eの内壁に形成されたゲート絶縁膜22に接触した、P型ボディ領域15を形成する。このP型ボディ領域15は、N型ホールバリア領域24上に形成される。また、インアクティブセル領域40iにおいて、このP型ボディ領域15は、P型フローティング領域16上に形成される。
さらに、レジストパターンをマスクとしたイオン注入法により、アクティブセル領域40aのアクティブセッション40aaで、P型ボディ領域15の上層部にN型不純物を導入することによって、N+型エミッタ領域12を形成する。
さらに、レジストパターンをマスクとしたイオン注入法により、アクティブセル領域40aのインアクティブセッション40aiで、P型ボディ領域15の上層部にP型不純物を導入することによって、P+型埋め込みボディコンタクト領域25を形成する。また、セル形成領域AR1においてP+型埋め込みボディコンタクト領域25を形成する際に、例えばゲート配線引き出し領域AR2(図7参照)においてP+型埋め込みボディコンタクト領域25pを形成する。
次に、図19に示すように、半導体ウエハ1の表面1a上に、例えばCVD法等により、例えばPSG(Phosphosilicate Glass)膜からなる層間絶縁膜26を形成する。層間絶縁膜26は、アクティブセル領域40aおよびインアクティブセル領域40iの各々で、例えば絶縁膜22aを介してP型ボディ領域15を覆うように形成される。この層間絶縁膜26の材料としては、PSG膜のほか、BPSG(Borophosphosilicate Glass)膜、NSG(Non-doped Silicate Glass)膜、SOG(Spin-On-Glass)膜、またはこれらの複合膜等を好適なものとして例示することができる。
次に、図20に示すように、レジストパターンをマスクとした異方性ドライエッチング法により、層間絶縁膜26にコンタクト溝11を形成する。アクティブセル領域40aでは、コンタクト溝11は、平面視において、Y軸方向に沿って、連続して形成される。
次に、エミッタ電極8を形成する。具体的には、例えば以下のような手順で実行する。まず、例えばスパッタリング法により、半導体ウエハ1の表面1a上に、バリアメタル膜としてチタンタングステン膜を形成する。
次に、バリアメタル膜上の全面に、コンタクト溝11を埋め込むように、例えばスパッタリング法により、アルミニウム系金属膜を形成する。
次に、レジストパターンをマスクとしたドライエッチング法により、アルミニウム系金属膜およびバリアメタル膜からなるエミッタ電極8を形成する。これにより、アクティブセル領域40aでは、コンタクト溝11の内部と、層間絶縁膜26上にエミッタ電極8と、が形成される。エミッタ電極8は、アクティブセル領域40aに形成された複数のN+型エミッタ領域12および複数のP+型ボディコンタクト領域25と、電気的に接続される。なお、エミッタ電極8を形成する際に、トレンチゲート電極14と電気的に接続されたゲート電極GEを形成してもよい(図6参照)。また、セル形成領域AR1で、エミッタ電極8を形成する際に、ゲート配線引き出し領域AR2で、ゲート配線GLおよびゲート電極GEを形成してもよい(図6参照)。
次に、エミッタ電極8上に、例えばポリイミドを主要な成分とする有機膜等からなるパッシベーション膜としての絶縁膜FPFを形成する。
次に、レジストパターンをマスクとしたドライエッチング法により、絶縁膜FPFをパターニングして、絶縁膜FPFを貫通してエミッタ電極8に達する開口部OP1を形成し(図6参照)、開口部OP1に露出した部分のエミッタ電極8からなるエミッタパッドEPを形成する(図6参照)。なお、セル形成領域AR1で、エミッタ電極8上に絶縁膜FPFを形成する際に、ゲート配線引き出し領域AR2のゲート電極GE上に絶縁膜FPFを形成する(図6参照)。また、セル形成領域AR1で、開口部OP1を形成する際に、ゲート配線引き出し領域AR2で、絶縁膜FPFを貫通してゲート電極GEに達する開口部OP2を形成し、開口部OP2に露出した部分のゲート電極GEからなるゲートパッドGPを形成する(図6参照)。
次に、半導体ウエハ1の裏面1bに対して、バックグラインディング処理を施すことによって、薄膜化する。また、必要に応じて、裏面1bのダメージ除去のためのケミカルエッチング等も実施する。
次に、半導体ウエハ1の裏面1bに、例えばイオン注入法により、N型不純物を導入することによって、N型フィールドストップ領域19を形成する。その後、必要に応じて、不純物活性化のために、半導体ウエハ1の裏面1bに対して、レーザアニール等を実施する。
次に、半導体ウエハ1の裏面1bに、例えばイオン注入法により、P型不純物を導入することによって、P+型コレクタ領域18を形成する。その後、必要に応じて、不純物活性化のために、半導体ウエハ1の裏面1bに対して、レーザアニール等を実施する。
次に、例えばスパッタリング法によりアルミニウム等の金属膜を形成し、半導体ウエハ1の裏面1bに、P+型コレクタ領域18と電気的に接続されたコレクタ電極17を形成する。これにより、図21に示すように、半導体チップの裏面の半導体領域には、P+型コレクタ領域18が設けられ、その表面にはコレクタ電極17が設けられる。半導体基板の主要部を構成するN−型ドリフト領域20とP+型コレクタ領域18との間には、N型フィールドストップ領域19が設けらる。その後、ダイシング等により、半導体基板SSのチップ領域に分割し、必要に応じて、パッケージに封止することにより、実施例に係る半導体装置が略完成する。
(まとめ)
実施例に係る半導体装置の概要について説明する。なお、括弧内の要素は一例である。
1.半導体装置(半導体チップ2)は、
(a)第一主面(表面1a)および第二主面(裏面1b)を有する半導体基板(SS)と、
(b)前記半導体基板(SS)の前記第一主面(表面1a)側に設けられたIGBTセル領域(セル形成領域AR1)と、
(c)前記IGBTセル領域(セル形成領域AR1)に設けられたアクティブセル領域(40a)と、
(d)前記アクティブセル領域(40a)に対し平面視で第一方向(X軸方向)の一方側に位置する第一インアクティブセル領域(40i)と、
(e)前記アクティブセル領域(40a)に対し平面視で前記第一方向(X軸方向)の他方側に位置する第二インアクティブセル領域(40i)と、
(f)前記半導体基板(SS)の前記第一主面(表面1a)であって、前記アクティブセル領域(40a)と前記第一インアクティブセル領域(40i)の境界部に設けられ、平面視で前記第一方向(X軸方向)と直交する第二方向(Y軸方向)に延在する第一トレンチ(トレンチ21)と、
(g)前記半導体基板(SS)の前記第一主面(表面1a)であって、前記アクティブセル領域(40a)と前記第二インアクティブセル領域(40i)の境界部に設けられ、平面視で前記第二方向(Y軸方向)に延在する第二トレンチ(トレンチ21e)と、
(h)前記第一トレンチ(トレンチ21)内に絶縁膜(ゲート絶縁膜22)を介して設けられ、ゲート電位に接続される第一ゲート電極(トレンチゲート電極14)と、
(i)前記第二トレンチ(トレンチ21e)内に絶縁膜(ゲート絶縁膜22)を介して設けられ、エミッタ電位に接続される第一エミッタ電極(トレンチエミッタ電極14e)と、
(j)前記半導体基板(SS)の前記第一主面(表面1a)側の表面領域であって、前記アクティブセル領域(40a)に設けられた第一導電型を有するエミッタ領域(N+型エミッタ領域12)と、
(k)前記半導体基板(SS)の前記第一主面(表面1a)上に設けられ、前記第一インアクティブセル領域(40i)、前記第二インアクティブセル領域(40i)、前記第一ゲート電極(トレンチゲート電極14)および前記第一エミッタ電極(トレンチエミッタ電極14e)の上面を覆い、前記エミッタ領域(N+型エミッタ領域12)をメタルエミッタ電極(エミッタ電極8)に接続する開口部(コンタクト溝11)を有する絶縁膜(層間絶縁膜26)と、
を備え、
前記第一トレンチ(トレンチ21)と前記第二トレンチ(トレンチ21e)との間の前記第一方向(X軸方向)の間隔は前記開口部(コンタクト溝11)の前記第一方向(X軸方向)の長さよりも小さい。
2.上記1の半導体装置において、さらに、
(l)前記半導体基板(SS)の前記第一主面(表面1a)側の前記表面領域であって、前記アクティブセル領域(40a)のほぼ全域に、その両端の前記第一トレンチ(トレンチ21)および前記第二トレンチ(トレンチ21e)の下端と同程度の深さまで設けられた前記第一導電型を有する第一ホールバリア領域(N型ホールバリア領域24)を備える。
3.上記2の半導体装置において、さらに、
(m)前記半導体基板(SS)の前記第一主面(表面1a)であって、前記アクティブセル領域(40a)と前記第二インアクティブセル領域(40i)の境界領域に設けられ、前記第一トレンチ(トレンチ21)に接続される第三トレンチ(トレンチ21g1)と、
(n)前記境界領域に設けられ、前記第二トレンチ(トレンチ21e)に接続される第四トレンチ(トレンチ21e1)と、
(o)前記第三トレンチ(トレンチ21g1)内に絶縁膜(ゲート絶縁膜22)を介して設けられ、前記第一ゲート電極(トレンチゲート電極14)に接続される第二ゲート電極(トレンチゲート電極14g1)と、
(p)前記第四トレンチ内(トレンチ21e1)に絶縁膜(ゲート絶縁膜22)を介して設けられ、前記第一エミッタ電極(トレンチエミッタ電極14e)に接続される第二エミッタ電極(トレンチエミッタ電極14e1)と、
(q)前記半導体基板(SS)の前記第一主面(表面1a)側の前記表面領域であって、前記境界領域のほぼ全域に、前記第二ゲート電極(トレンチゲート電極14g1)および前記第二エミッタ電極(トレンチエミッタ電極14e1)の上端よりも前記第一主面(表面1a)側から前記第三トレンチ(トレンチ21g1)および前記第四トレンチ(トレンチ21e1)の下端と同程度の深さまで設けられた前記第一導電型を有する第二ホールバリア領域(N+型ホールバリア領域24a)と、
を備える。
4.半導体装置(半導体チップ2)は、
(a)第一主面(表面1a)および前記第一主面(表面1a)と反対側の第二主面(裏面1b)を有する半導体基板(SS)と、
(b)前記半導体基板に設けられた第一導電型(N型)の第一半導体領域(N−型ドリフト領域20)と、
(c)前記第一半導体領域(N−型ドリフト領域20)と前記第一主面(表面1a)との間の前記半導体基板(SS)に設けられた前記第一導電型(N型)と異なる第二導電型(P型)の第二半導体領域(P型ボディ領域15)と、
(d)前記第一半導体領域(N−型ドリフト領域20)と前記第二主面(裏面1b)との間の前記半導体基板(SS)に設けられた前記第二導電型(P型)の第三半導体領域(P+コレクタ領域18)と、
(e)前記第二半導体領域(P型ボディ領域15)を貫通した第一溝(トレンチ21)と、
前記第二半導体領域(P型ボディ領域15)を貫通して、前記第一溝(トレンチ21)と離間して設けられた第二溝(トレンチ21e)と、
(f)前記第二半導体領域(P型ボディ領域15)内の前記第一主面側に、前記第一溝(トレンチ21)の第一側面に接して設けられ、かつ前記第一溝(トレンチ21)と前記第二溝(トレンチ21e)の間に位置する前記第一導電型(N型)の第四半導体領域(N+エミッタ領域12)と、
(g)前記第一溝(トレンチ21)の内部に第一絶縁膜を介して設けられた第一トレンチ電極(トレンチゲート電極14)と、
(h)前記第二溝(トレンチ21e)の内部に第二絶縁膜を介して設けられた第二トレンチ電極(トレンチエミッタ電極14e)と、
(i)前記第一溝(トレンチ21)を挟んで前記第四半導体領域(N+エミッタ領域12)と反対側に位置する部分の前記第一半導体領域(N−型ドリフト領域20)に形成された前記第二導電型(P型)の第五半導体領域(P型フローティング領域16)と、
(j)前記第二溝(トレンチ21e)を挟んで前記第四半導体領域(N+エミッタ領域12)と反対側に位置する部分の前記第一半導体領域(N−型ドリフト領域20)に形成された、前記第二導電型(P型)の第六半導体領域(P型フローティング領域16)と、
(k)前記第一溝(トレンチ21)と前記第二溝(トレンチ21e)との間隔よりも広く、前記第四半導体領域(N+エミッタ領域12)とに接するコンタクトホール(コンタクト溝11)と、
を備える。
5.上記4の半導体装置において、さらに、
(l)前記第一溝(トレンチ21)と前記第二溝(トレンチ21e)の間に位置する部分の前記第一半導体領域(N−型ドリフト領域20)に形成される前記第一導電型(N型)の第七半導体領域(N型ホールバリア領域24)を備え、
前記第7半導体領域(N型ホールバリア領域24)の前記第一導電型(N型)の不純物濃度は前記第一半導体領域(N−型ドリフト領域20)の前記第一導電型(N型)の不純物濃度よりも高く、前記第四半導体領域(N+エミッタ領域12)の前記第一導電型(N型)の不純物濃度よりも低い。
6.上記5の半導体装置において、さらに、
(m)前記第五半導体領域(P型フローティング領域16)を挟んで前記第一溝(トレンチ21)と反対側に位置する部分の前記第二半導体領域(P型ボディ領域15)を貫通した第三溝(トレンチ21e)と、
(n)前記第六半導体領域(P型フローティング領域16)を挟んで前記第二溝(トレンチ21e)と反対側に位置する部分の前記第二半導体領域(P型ボディ領域15)を貫通した第四溝(トレンチ21)と、
(o)前記第一溝(トレンチ21)と前記第四溝(トレンチ21)とに接続して設けられ、平面視において、第一方向に延在する第一接続溝(トレンチ21)と、
(p)前記第一溝(トレンチ21)と前記第四溝(トレンチ21)との間に、前記第二溝(トレンチ21e)に接続して設けられ、平面視において、前記第一方向(X軸方向)に延在する第一端部溝(トレンチ21e)と、
(q)前記第三溝(トレンチ21e)の内部に絶縁膜を介して設けられる第三トレンチ電極(トレンチエミッタ電極14e)と、
(r)前記第四溝(トレンチ21)の内部に絶縁膜を介して設けられる第四トレンチ電極(トレンチゲート電極14)と、
(s)前記第一接続溝(トレンチ21)の内部に絶縁膜を介して設けられる第一トレンチ接続電極(トレンチゲート電極14g1)と、
(t)前記第一端部溝(トレンチ21e)の内部に絶縁膜を介して設けられる第一トレンチ端部電極(トレンチエミッタ電極14e1)と、
(u)前記第一接続溝(トレンチ21)と前記第一端部溝(トレンチ21e)との間に、前記第一主面(表面1a)から前記第一接続溝(トレンチ21)の底部の深さまで到達する前記第一導電型(N型)の第八半導体領域(ホールバリア領域24a)と、
を備え、
前記第一トレンチ電極(トレンチゲート電極14)、前記第二トレンチ電極(トレンチエミッタ電極14e)、前記第3トレンチ電極(トレンチエミッタ電極14e)および前記第4トレンチ電極(トレンチゲート電極14)は、平面視において、前記第一方向(X軸方向)に互いに離間して設けられ、前記第一方向(X軸方向)と直交する第二方向(Y軸方向)に延在し、
前記第八半導体領域(ホールバリア領域24a)の前記第一導電型(N型)の不純物濃度は前記第一半導体領域(N−型ドリフト領域20)の前記第一導電型(N型)の不純物濃度よりも高く、前記第四半導体領域(N+エミッタ領域12)の前記第一導電型(N型)の不純物濃度よりも低い。
7.半導体装置(半導体チップ2)は、
(a)第一主面(表面1a)及び第二主面(裏面1b)を有する半導体基板(SS)と、
(b)前記半導体基板(SS)内に設けられ、第一導電型(N型)を有するドリフト領域(N−型ドリフト領域20)と、
(c)前記第一主面(表面1a)上に設けられるセル領域(セル形成領域AR1)と、
(d)平面的において、前記セル領域(セル形成領域AR1)内に設けられる多数の単位セル領域(40)と、
を備え、
各単位セル領域(40)は、
(c1)前記ドリフト領域(N−型ドリフト領域20)の前記第一主面(表面1a)上から内部に亘って設けられるアクティブセル領域(40a)と、
平面的において、前記アクティブセル領域(40a)を両側から挟むように、前記第一主面(表面1a)の表面に設けられる一対のトレンチ(トレンチ21、21e)内のトレンチゲート電極(14)およびトレンチエミッタ電極(14e)と、
(c2)前記ドリフト領域(N−型ドリフト領域20)の前記第一主面(表面1a)側の表面領域に設けられる前記第一導電型(N型)と反対導電型(P型)の第二導電型ボディ領域(P型ボディ領域15)と、
(c3)前記トレンチゲート電極(14)および前記トレンチエミッタ電極(14e)を境界として、平面的に前記アクティブセル領域(40a)を両側から挟むように、両側に隣接して設けられたインアクティブセル領域(40i)と、
(c4)前記第二導電型ボディ領域(P型ボディ領域15)の前記第一主面(表面1a)側の表面領域に設けられる前記第一導電型(N型)と同一導電型の第一導電型エミッタ領域(N+エミッタ領域12)と、
前記第一導電型エミッタ領域(N+エミッタ領域12)に接するメタルエミッタ電極(8)と、
(c5)前記アクティブセル領域(40a)において、前記第二導電型ボディ領域(P型ボディ領域15)の下部の前記ドリフト領域(N−型ドリフト領域20)に設けられる前記第一導電型(N型)と同一導電型であって、不純物濃度が前記ドリフト領域(N−型ドリフト領域20)よりも高く、前記第一導電型エミッタ領域(N+エミッタ領域12)よりも低い第一導電型ホールバリア領域(N型ホールバリア領域24)と、
(c6)前記インアクティブセル領域(40i)において、前記第一主面(表面1a)側の表面領域に設けられる前記第一導電型(N型)と反対導電型(P型)の第二導電型フローティング領域(P型フローティング領域16)と、
を備え、
前記一対のトレンチ間の第一方向(X軸方向)の間隔は、前記メタルエミッタ電極(8)が前記第一導電型エミッタ領域(N+エミッタ領域12)と接する面における前記第一方向(X軸方向)の長さよりも小さい。
8.上記7の半導体装置において、
前記第一導電型エミッタ領域(N+エミッタ領域12)の片側は前記トレンチゲート電極(14)が設けられる側の前記トレンチ(21)に接し、前記トレンチエミッタ電極(14e)の上端における前記トレンチエミッタ電極(14e)が設けられる側の前記トレンチ(21e)と前記第一導電型エミッタ領域(N+エミッタ領域12)との距離は、前記第一導電型エミッタ領域(N+エミッタ領域12)の下端における当該トレンチ(21e)との距離よりも小さい。
実施例によれば、全フローティング領域に対して寄生Pチャネル型MOSFETを形成しているので、フローティング領域の電位変動を抑制することができる。また、メサ幅を狭くすることができるので、正孔制限要因の増加によって、IE効果を向上することができ、コレクタ-エミッタ間飽和電圧VCE(sat)を低減することができる。また、寄生Pチャネル型MOSFETを形成によりターンオフ時に効果的にキャリアを弾く抜くことが可能となるので、メサ幅の狭ピッチ化による副作用(導通時に蓄積したキャリアをターンオフ時に引き抜ききれずスイッチングオフ損失が悪化する)を低減することができる。
<変形例>
以下、代表的な変形例について例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施例にて説明されているものと同様の構成および機能を有する部分に対しては、上述の実施例と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部分の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施例における説明が適宜援用され得るものとする。また、上述の実施例の一部、および、変形例の全部または一部が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
(第一変形例)
第一変形例の半導体装置について図22〜24を用いて説明する。図22は第一変形例の半導体装置の断面図である。図23は図10の半導体装置の要部断面図である。図24は図22の半導体装置の要部断面図である。
実施例では、図10に示すように、N+型エミッタ領域12の深さはトレンチエミッタ電極14e側とトレンチゲート電極14側とで同程度である。第一変形例では、図22に示すように、N+エミッタ領域12は、トレンチエミッタ電極14e側で浅く形成する。すなわち、N+型エミッタ領域12はチャネル側が深く形成される。例えば、トレンチエミッタ電極14e側のN+型エミッタ領域12の下端はトレンチエミッタ電極14eの上端よりも上に位置し、トレンチゲート電極14側のN+型エミッタ領域12の下端はトレンチゲート電極14の上端よりも下に位置する。
図23に示すように、N+型エミッタ領域12とP型ボディ領域15とN型ホールバリア領域24とで寄生NPNバイポーラトランジスタが形成される。寄生NPNバイポーラトランジスタがオンするとラッチアップ破壊を引き起こす。これを避けるため、ベース幅を拡張する必要がある。第一変形例と実施例とのメサ幅を同じとした場合、第一変形例のN+型エミッタ領域12の下端の長さが実施例のN+型エミッタ領域12の下端の長さよりも長くなり、寄生NPNバイポーラトランジスタのベース幅が拡大する。これにより、ラッチアップ耐性を向上させることが可能となる。また、図24に示すように、正孔電流も図15と同様な寄生Pチャネル型MOSトランジスタを経由して排出されるため、トレンチエミッタ電極14e側の電流密度が高くなり、寄生NPNバイポーラトランジスタのベース幅拡大によるラッチアップ耐性向上の効果を大きくする。よって、実施例は第一変形例よりもラッチアップ耐性は小さいが比較例よりも大きい。
第一変形例のN+エミッタ領域12の形成方法について図25〜27を用いて説明する。図25は第一変形例のN+型エミッタ領域導入用レジスト膜のパターンを示す平面図である。図26、27は図25のN+型エミッタ領域導入用レジスト膜を用いた製造方法を説明する図であり、図26はイオン注入工程の断面図であり、図27は拡散工程の断面図である。
図25に示すように、N+型エミッタ領域導入用レジスト膜31はイオン注入を行う領域31aが開口される。領域31aは矩形状であるが、トレンチ21eとトレンチ21との間のアクティブ領域40aの全てではなく、トレンチ21e側には存在しない。
図26に示すように、N+型エミッタ領域導入用レジスト膜31をマスクとしたイオン注入法により、アクティブセル領域40aのアクティブセッション40aaで、P型ボディ領域15の上層部にN型不純物を導入することによって、N+型エミッタ領域12を形成する。その後、アッシング等により、不要となったN+型エミッタ領域導入用レジスト膜31を除去する。その後、図27に示すように、N+型エミッタ領域12に対して引き伸ばし拡散を実施する。これにより、N+エミッタ領域12は、トレンチエミッタ電極14e側はトレンチゲート電極14側よりも浅く形成される。
(第二変形例)
第二変形例のP+型埋め込みボディコンタクト領域25の形成方法について図28、29を用いて説明する。図28は実施例のP+型埋め込みボディコンタクト領域導入用レジスト膜のパターンを示す平面図である。図29は第二変形例のP+型埋め込みボディコンタクト領域導入用レジスト膜のパターンを示す平面図である。
図28に示すように、実施例および第一変形例のP+型埋め込みボディコンタクト領域導入用レジスト膜32はイオン注入を行う領域32aが開口される。領域32aは矩形状である。P+型埋め込みボディコンタクト領域導入用レジスト膜32をマスクとしたイオン注入法により、アクティブセル領域40aのインアクティブセッション40aiで、P型ボディ領域15の上層部にP型不純物を導入することによって、P+型埋め込みボディコンタクト領域25を形成する。
図29に示すように、第二変形例のP+型埋め込みボディコンタクト領域導入用レジスト膜32はイオン注入を行う領域32bが開口される。領域32bは台形状であり、N+型エミッタ領域導入用イオン注入を行う領域31aと重なり、トレンチ21側からトレンチ21e側に向かうほど重なりが大きくなっている。P+型埋め込みボディコンタクト領域導入用レジスト膜32をマスクとしたイオン注入法により、アクティブセル領域40aのインアクティブセッション40aiで、P型ボディ領域15の上層部にP型不純物を導入することによって、P+型埋め込みボディコンタクト領域25を形成する。これにより、N+型エミッタ領域12の一部にP型不純物が導入されるので、寄生NPNバイポーラトランジスタのベース幅の拡張が可能となる。
(第三変形例)
第三変形例の半導体装置について図30を用いて説明する。図30は第三変形例の半導体装置の断面図である。
実施例では、図12に示すように、P+型埋め込みボディコンタクト領域25はP型ボディ領域15の上層部に形成されている。第三変形例では、図30に示すように、P+型埋め込みボディコンタクト領域25の他に、P型ボディ領域15の底部よりも深く、N型ホールバリア領域24に到達するP+型埋め込みボディコンタクト領域55も形成する。N+型エミッタ領域12を挟んで浅いP+型埋め込みボディコンタクト領域25を形成し、P+型埋め込みボディコンタクト領域25のN+型エミッタ領域12側とは反対側に深いP+型埋め込みボディコンタクト領域55を形成する。ここで、P+型埋め込みボディコンタクト領域55のY軸方向の長さはP+型埋め込みボディコンタクト領域25のY軸方向の長さはよりも長い。これにより、正孔を排出する力が強められるので、寄生NPNバイポーラトランジスタの動作が抑制されラッチアップ耐性を向上させることが可能となる。
<応用例>
(モジュールの構成)
実施例および第一変形例〜第三変形例の何れかの半導体装置を備えた半導体チップを複数個有し、当該複数個の半導体チップが互いに並列に接続されたモジュールである例について説明する。
図31は電子システムの一例を示す回路ブロック図である。図32は図31の領域AR4のモジュールを示す等価回路図である。
図31に示すように、電子システムは、モータMOT等の負荷と、インバータINVと、制御回路CTC1と、制御回路CTC2と、を有する。このような電子システムは、例えば太陽光発電システム、風力発電システムまたは無停電電源装置システム(UPS:Uninterruptible Power Supply)である。モータMOTとしては、ここでは3相モータを用いている。3相モータは、位相の異なる3相の電圧により駆動するように構成されている。制御回路CTC1は、複数のパワーモジュールPM1、PM2を含む。
図31に示す電子システムにおいては、例えば太陽光発電システム、風力発電システムまたは無停電電源装置システムにおける発電モジュール(図示は省略)の出力が、インバータINVの入力端子TM1、TM2に接続され、当該発電モジュールの直流電圧、すなわち、直流電力がインバータINVに供給される。
制御回路CTC1は、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)により構成されており、MCU(Micro Controller Unit)のような制御用の半導体チップを内蔵している。制御回路CTC1は、複数のパワーモジュールPM1、PM2を含む。パワーモジュールPM1、PM2も、例えばECUにより構成されており、MCUのような制御用の半導体チップを内蔵している。
制御回路CTC1に含まれる複数のパワーモジュールPM1、M2は、制御回路CTC2に接続されている。インバータINVは、この制御回路CTC2によって制御される。図示は省略するが、制御回路CTC2は、例えばゲートドライバおよびフォトカプラを含む。制御回路CTC2に含まれるゲートドライバ(図示は省略)は、インバータINVに接続されている。このとき、制御回路CTC2に含まれるゲートドライバ(図示は省略)は、インバータINVに備えられたIGBTのゲート電極に接続されている。
インバータINVにはモータMOTが接続されている。そして、例えば太陽光発電システム、風力発電システムまたは無停電電源装置システムにおける発電モジュール(図示は省略)からインバータINVに供給された直流電圧、すなわち、直流電力は、インバータINVで交流電圧、すなわち、交流電力に変換されて、モータMOTに供給されるようになっている。モータMOTは、インバータINVから供給された交流電圧、すなわち、交流電力によって駆動される。
図31に示す例では、モータMOTは、U相PH1、V相PH2およびW相PH3からなる3相モータである。そのため、インバータINVも、U相PH1、V相PH2およびW相PH3からなる3相に対応したものである。このような3相に対応したインバータINVは、IGBTモジュール10とダイオードモジュールD1との組を合計6組有する。
また、IGBTモジュール10は、図31に示すように、複数のIGBTチップCHPを含むが、当該IGBTチップCHPは、半導体チップ2(図6参照)に相当する。
なお、モータMOTが2相モータである場合には、インバータINVは、IGBTモジュール10とダイオードモジュールD1との組を合計4組有する。
インバータINVのうち、モータMOTの入力電位よりも電源電位(VCC)側を、ハイサイドと称する。また、インバータINVのうち、モータMOTの入力電位よりも接地電位(GND)側を、ローサイドと称する。図30に示す例では、ハイサイドのIGBTモジュール10として、3つのIGBTモジュール10が用いられ、ローサイドのIGBTモジュールとして、3つのIGBTモジュール10が用いられる。また、ハイサイドのダイオードモジュールD1として、3つのダイオードモジュールD1が用いられ、ローサイドのダイオードモジュールD1として、3つのダイオードモジュールD1が用いられる。
図31の領域AR4に示す、例えばU相に対応した2個のIGBTモジュール10のうち、ハイサイドのIGBTモジュール10Hは、図32に示すように、半導体チップ2からなるIGBTチップCHPを複数、例えば6個備えている。また、例えばU相に対応した2個のIGBTモジュール10のうち、ローサイドのIGBTモジュール10Lは、半導体チップ2からなるIGBTチップCHPを複数、例えば6個備えている。ハイサイドおよびローサイドのいずれにおいても、複数のIGBTチップCHPの各々のエミッタ電極8は、互いに電気的に接続され、複数のIGBTチップCHPの各々のコレクタ電極17は、互いに電気的に接続されている。
IGBTモジュール10に含まれる複数のIGBTチップCHPの各々として、実施例および第一変形例〜第三変形例の何れかの半導体装置を用いることができる。
図32に示す例では、U相PH1、V相PH2およびW相PH3からなる3相の各相において、入力端子TM1およびTM2を介してインバータINVに供給される電源電位(VCC)とモータMOTの入力電位との間、すなわち、ハイサイドに、IGBTモジュール10とダイオードモジュールD1とが逆並列に接続されている。また、U相PH1、V相PH2およびW相PH3からなる3相の各相において、モータMOTの入力電位と接地電位(GND)との間、すなわち、ローサイドに、IGBTモジュール10とダイオードモジュールD1とが逆並列に接続されている。
そして、6つのIGBTモジュール10の各々に含まれる複数のIGBTチップCHPの各々のゲート電極には、制御回路CTC2が接続されており、この制御回路CTC2によって、6つのIGBTモジュール10に含まれる複数のIGBTチップCHPの各々が制御されるようになっている。なお、6つのダイオードモジュールD1の各々には、複数のダイオード13が含まれ、各IGBTチップCHPと各ダイオード13とが逆並列に接続されている。
各IGBTモジュール10を流れる電流が制御回路CTC2を用いて制御されることにより、モータMOTが駆動され、回転する。すなわち、制御回路CTC2を用いて各IGBTモジュール10のオン、オフを制御することにより、モータMOTを駆動することができる。このようにモータMOTを駆動する場合には、IGBTモジュール10をオン、オフする必要があるが、モータMOTにはインダクタンスが含まれている。従って、IGBTモジュール10をオフすると、モータMOTに含まれるインダクタンスによって、IGBTモジュール10の電流が流れる方向と逆方向の逆方向電流が発生する。IGBTモジュール10では、この逆方向電流を流す機能を有していないので、IGBTモジュール10と逆並列にダイオードモジュールD1を設けることにより、逆方向電流を還流させてインダクタンスに蓄積されるエネルギーを開放している。
前述したように、IGBTモジュール10に含まれる複数のIGBTチップCHPの各々として、実施例および変形例1〜11の何れかの半導体装置を用いることができる。
そのため、IGBTモジュール10に含まれる複数のIGBTチップCHPでも、実施例および第一変形例〜第三変形例の何れかの半導体装置と同様に、IE効果を向上させ、ターンオン時におけるスイッチング損失を低減し、かつ、コレクタ−エミッタ間飽和電圧(VCE(sat))を低減することができる。
例えば太陽光発電システム、風力発電システムまたは無停電電源装置システムなどの電子システムにおけるモジュールでは、大電力の制御が必要となる。このような大電力を扱うモジュールでは、電力が大きくなるに従って、IGBTチップCHPの並列接続数が増加する。ところが、一般に、多数のIGBTチップCHPが並列接続されたモジュールでは、スイッチング時のアンバランスの影響によって、一部のIGBTチップCHPに電流が集中し、破壊または損失悪化などの問題が起こりやすくなる。
しかし、実施例および第一変形例〜第三変形例の何れかの半導体装置は、前述したように、過渡的なIE効果が促進され、ターンオン時のオン電圧の立下りが高速化するので、IGBTモジュール10に含まれる複数のIGBTチップCHPに、実施例および第一変形例〜第三変形例の何れかの半導体装置を用いることにより、IGBTモジュール10では、安定性が向上し、損失が低減できるIGBTモジュール10を実現することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態、実施例、変形例および応用例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態、実施例、変形例および応用例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1 半導体ウエハ
1a ウエハ又はチップの表面(第一主面)
1b ウエハ又はチップの裏面(第二主面)
1s N−型単結晶シリコン基板
2 半導体チップ(半導体装置)
8 エミッタ電極
11 コンタクト溝(コンタクトホール)
12 N+型エミッタ領域
14 トレンチゲート電極
15 P型ボディ領域
16 P型フローティング領域
17 コレクタ電極
18 P+型コレクタ領域
19 N型フィールドストップ領域
20 N−型ドリフト領域
21 トレンチ
21e トレンチ
22 ゲート絶縁膜
24 N型ホールバリア領域
24a N+型ホールバリア領域
25 P+型ボディコンタクト領域
26 層間絶縁膜
40a アクティブセル領域
40i インアクティブセル領域
AR1 セル形成領域
AR2 ゲート配線引き出し領域
EP エミッタパッド
FPF 絶縁膜
GE ゲート電極
GL ゲート配線
GP ゲートパッド
OP1、OP2 開口部
SS 半導体基板
10、10H、10L IGBTモジュール
D1 ダイオードモジュール
CHP IGBTチップ
13 ダイオード
CTC1、CTC2 制御回路
INV インバータ
MOT モータ
PH1 U相
PH2 V相
PH3 W相
PM1、PM2 パワーモジュール
TM1、TM2 入力端子

Claims (20)

  1. 半導体装置は、
    第一主面および第二主面を有する半導体基板と、
    前記半導体基板の前記第一主面側に設けられたIGBTセル領域と、
    前記IGBTセル領域に設けられたアクティブセル領域と、
    前記アクティブセル領域に対し平面視で第一方向の一方側に位置する第一インアクティブセル領域と、
    前記アクティブセル領域に対し平面視で前記第一方向の他方側に位置する第二インアクティブセル領域と、
    前記半導体基板の前記第一主面であって、前記アクティブセル領域と前記第一インアクティブセル領域の境界部に設けられ、平面視で前記第一方向と直交する第二方向に延在する第一トレンチと、
    前記半導体基板の前記第一主面であって、前記アクティブセル領域と前記第二インアクティブセル領域の境界部に設けられ、平面視で前記第二方向に延在する第二トレンチと、
    前記第一トレンチ内に絶縁膜を介して設けられ、ゲート電位に接続される第一ゲート電極と、
    前記第二トレンチ内に絶縁膜を介して設けられ、エミッタ電位に接続される第一エミッタ電極と、
    前記半導体基板の前記第一主面側の表面領域であって、前記アクティブセル領域に設けられた第一導電型を有するエミッタ領域と、
    前記半導体基板の前記第一主面上に設けられ、前記第一インアクティブセル領域、前記第二インアクティブセル領域、前記第一ゲート電極および前記第一エミッタ電極の上面を覆い、前記エミッタ領域をメタルエミッタ電極に接続する開口部を有する絶縁膜と、
    を備え、
    前記第一トレンチと前記第二トレンチとの間の前記第一方向の間隔は前記開口部の前記第一方向の長さよりも小さい半導体装置。
  2. 請求項1の半導体装置において、さらに、
    前記半導体基板の前記第一主面側の前記表面領域であって、前記アクティブセル領域のほぼ全域に、その両端の前記第一トレンチおよび前記第二トレンチの下端と同程度の深さまで設けられた前記第一導電型を有する第一ホールバリア領域を備える半導体装置。
  3. 請求項2の半導体装置において、さらに、
    前記半導体基板の前記第一主面であって、前記アクティブセル領域と前記第二インアクティブセル領域の境界領域に設けられ、前記第一トレンチに接続される第三トレンチと、
    前記境界領域に設けられ、前記第二トレンチに接続される第四トレンチと、
    前記第三トレンチ内に絶縁膜を介して設けられ、前記第一ゲート電極に接続される第二ゲート電極と、
    前記第四トレンチ内に絶縁膜を介して設けられ、前記第一エミッタ電極に接続される第二エミッタ電極と、
    前記半導体基板の前記第一主面側の前記表面領域であって、前記境界領域のほぼ全域に、前記第二ゲート電極および前記第二エミッタ電極の上端よりも前記第一主面側から前記第三トレンチおよび前記第四トレンチの下端と同程度の深さまで設けられた前記第一導電型を有する第二ホールバリア領域と、
    を備える半導体装置。
  4. 請求項3の半導体装置において、
    前記第三トレンチは平面視で前記第一方向に延在し、
    前記第四トレンチは平面視で前記第一方向に延在する半導体装置。
  5. 請求項1の半導体装置において、
    前記エミッタ領域の片側は前記第一トレンチに接触し、
    前記エミッタ領域の前記第二トレンチ側の深さは前記第一トレンチ側の深さよりも浅い半導体装置。
  6. 請求項5の半導体装置において、
    前記エミッタ領域の前記第一トレンチ側の深さは前記第一ゲート電極の上端よりも深く、
    前記エミッタ領域の前記第二トレンチ側の深さは前記第一エミッタ電極の上端よりも浅い半導体装置。
  7. 請求項1の半導体装置において、さらに、
    前記アクティブセル領域の前記第二方向に沿って、交互に配列された複数のアクティブセクションおよび複数のインアクティブセクションと、
    前記半導体基板の前記第一主面側の前記表面領域であって、各インアクティブセクションに設けられた第二導電型を有する第一ボディコンタクト領域と、
    を備え、
    前記エミッタ領域の前記第二方向は、前記半導体基板の前記第一主面側の前記表面領域であって、各アクティブセクションのほぼ全域に亘って設けられ、
    前記開口部は前記第一ボディコンタクト領域を前記メタルエミッタ電極に接続する半導体装置。
  8. 請求項7の半導体装置において、さらに、
    前記半導体基板の前記第一主面側の前記表面領域であって、前記アクティブセル領域、前記第一インアクティブセル領域および前記第二インアクティブセル領域に設けられた第二導電型を有するボディ領域を備え、
    前記ボディ領域の前記第一主面側は前記エミッタ領域および前記前記第一ボディコンタクト領域に接し、前記ボディ領域の前記第二主面側は第一ホールバリア領域に接する半導体装置。
  9. 請求項8の半導体装置において、さらに、
    前記半導体基板の前記第一主面側の前記表面領域であって、各インアクティブセクションに設けられた第二導電型を有する第二ボディコンタクト領域を備え、
    前記第二ボディコンタクト領域の前記第二主面側は前記第一ホールバリア領域に接する半導体装置。
  10. 請求項1の半導体装置において、
    前記アクティブセル領域の両端の前記第一トレンチと前記第二トレンチとの間隔は、0.35マイクロメートル以下である半導体装置。
  11. 請求項2の半導体装置において、さらに、
    前記半導体基板の前記第一主面側の前記表面領域であって、前記第一インアクティブセル領域のほぼ全域に、その一端の前記第一トレンチの下端に至るように設けられた第二導電型の第一フローティング領域と、
    前記半導体基板の前記第一主面側の前記表面領域であって、前記第二インアクティブセル領域のほぼ全域に、その一端の前記第二トレンチの下端に至るように設けられた第二導電型の第二フローティング領域と、
    を備える半導体装置。
  12. 請求項1乃至11の何れか一つの半導体装置において、さらに、
    前記半導体基板のほぼ全域において、内部から前記第一主面に亘り設けられた前記第一導電型を有するドリフト領域と、
    前記半導体基板のほぼ全域に於いて、前記ドリフト領域の前記第二主面側に設けられ、前記第一導電型を有し、その濃度が前記ドリフト領域よりも高いフィールドストップ領域と、
    前記半導体基板のほぼ全域において、前記フィールドストップ領域の前記第二主面側に設けられ、第二導電型を有するコレクタ領域と、
    前記半導体基板の前記第二主面のほぼ全域に設けられたメタルコレクタ電極と、
    を備える半導体装置。
  13. 半導体装置は、
    第一主面および前記第一主面と反対側の第二主面を有する半導体基板と、
    前記半導体基板に設けられた第一導電型の第一半導体領域と、
    前記第一半導体領域と前記第一主面との間の前記半導体基板に設けられた前記第一導電型と異なる第二導電型の第二半導体領域と、
    前記第一半導体領域と前記第二主面との間の前記半導体基板に設けられた前記第二導電型の第三半導体領域と、
    前記第二半導体領域を貫通した第一溝と、
    前記第二半導体領域を貫通して、前記第一溝と離間して設けられた第二溝と、
    前記第二半導体領域内の前記第一主面側に、前記第一溝の第一側面に接して設けられ、かつ前記第一溝と前記第二溝の間に位置する前記第一導電型の第四半導体領域と、
    前記第一溝の内部に第一絶縁膜を介して設けられた第一トレンチ電極と、
    前記第二溝の内部に第二絶縁膜を介して設けられた第二トレンチ電極と、
    前記第一溝を挟んで前記第四半導体領域と反対側に位置する部分の前記第一半導体領域に形成された前記第二導電型の第五半導体領域と、
    前記第二溝を挟んで前記第四半導体領域と反対側に位置する部分の前記第一半導体領域に形成された、前記第二導電型の第六半導体領域と、
    前記第一溝と前記第二溝との間隔よりも広く、前記第四半導体領域とに接するコンタクトホールと、
    を備える半導体装置。
  14. 請求項13の半導体装置において、
    さらに、前記第一溝と前記第二溝の間に位置する部分の前記第一半導体領域に形成される前記第一導電型の第七半導体領域を備え、前記第七半導体領域の前記第一導電型の不純物濃度は前記第一半導体領域の前記第一導電型の不純物濃度よりも高く、前記第四半導体領域の前記第一導電型の不純物濃度よりも低い半導体装置。
  15. 請求項14の半導体装置において、さらに、
    前記第五半導体領域を挟んで前記第一溝と反対側に位置する部分の前記第二半導体領域を貫通した第三溝と、
    前記第六半導体領域を挟んで前記第二溝と反対側に位置する部分の前記第二半導体領域を貫通した第四溝と、
    前記第一溝と前記第四溝とに接続して設けられ、平面視において、第一方向に延在する第一接続溝と、
    前記第一溝と前記第四溝との間に、前記第二溝に接続して設けられ、平面視において、前記第一方向に延在する第一端部溝と、
    前記第三溝の内部に絶縁膜を介して設けられる第三トレンチ電極と、
    前記第四溝の内部に絶縁膜を介して設けられる第四トレンチ電極と、
    前記第一接続溝の内部に絶縁膜を介して設けられる第一トレンチ接続電極と、
    前記第一端部溝の内部に絶縁膜を介して設けられる第一トレンチ端部電極と、
    前記第一接続溝と前記第一端部溝との間に、前記第一主面から前記第一接続溝の底部の深さまで到達する前記第一導電型の第八半導体領域と、
    を備え、
    前記第一トレンチ電極、前記第二トレンチ電極、前記第三トレンチ電極および前記第四トレンチ電極は、平面視において、前記第一方向に互いに離間して設けられ、前記第一方向と直交する第二方向に延在し、
    前記第八半導体領域の前記第一導電型の不純物濃度は前記第一半導体領域の前記第一導電型の不純物濃度よりも高く、前記第四半導体領域の前記第一導電型の不純物濃度よりも低い半導体装置。
  16. 半導体装置は、
    第一主面及び第二主面を有する半導体基板と、
    前記半導体基板内に設けられ、第一導電型を有するドリフト領域と、
    前記第一主面上に設けられるセル領域と、
    平面的において、前記セル領域内に設けられる多数の単位セル領域と、
    を備え、
    各単位セル領域は、
    前記ドリフト領域の前記第一主面上から内部に亘って設けられるアクティブセル領域と、
    平面的において、前記アクティブセル領域を両側から挟むように、前記第一主面の表面に設けられる一対のトレンチ内のトレンチゲート電極およびトレンチエミッタ電極と、
    前記ドリフト領域の前記第一主面側の表面領域に設けられる前記第一導電型と反対導電型の第二導電型ボディ領域と、
    前記トレンチゲート電極および前記トレンチエミッタ電極を境界として、平面的に前記アクティブセル領域を両側から挟むように、両側に隣接して設けられたインアクティブセル領域と、
    前記第二導電型ボディ領域の前記第一主面側の表面領域に設けられる前記第一導電型と同一導電型の第一導電型エミッタ領域と、
    前記第一導電型エミッタ領域に接するメタルエミッタ電極と、
    前記アクティブセル領域において、前記第二導電型ボディ領域の下部の前記ドリフト領域に設けられる前記第一導電型と同一導電型であって、不純物濃度が前記ドリフト領域よりも高く、前記第一導電型エミッタ領域よりも低い第一導電型ホールバリア領域と、
    前記インアクティブセル領域において、前記第一主面側の表面領域に設けられる前記第一導電型と反対導電型の第二導電型フローティング領域と、
    を備え、
    前記一対のトレンチ間の第一方向の間隔は、前記メタルエミッタ電極が前記第一導電型エミッタ領域と接する面における前記第一方向の長さよりも小さい半導体装置。
  17. 請求項16の半導体装置において、
    前記第一導電型エミッタ領域の片側は前記トレンチゲート電極が設けられる側の前記トレンチに接し、前記トレンチエミッタ電極の上端における前記トレンチエミッタ電極が設けられる側の前記トレンチと前記第一導電型エミッタ領域との距離は、前記第一導電型エミッタ領域の下端における当該トレンチとの距離よりも小さい半導体装置。
  18. 第一主面および第二主面を有する半導体基板と、
    前記第一主面に、第一方向に延在する第一トレンチ内に形成され、ゲート電位に接続される第一ゲート電極と、
    前記第一主面に、前記第一方向に延在する第二トレンチ内に形成され、エミッタ電位に接続される第二ゲート電極と、
    前記半導体基板の前記第一主面上に設けられた絶縁膜とを有し、
    前記絶縁膜は開口部を有し、
    前記開口部は、前記第一トレンチから前記第二トレンチに渡って形成される第一の領域の上に形成され、
    前記第一方向と直交する第二方向における前記第一の領域の長さは、前記第二方向における前記開口部の長さよりも短い、
    半導体装置。
  19. 請求項18の半導体装置において、前記第一の領域は第一導電型のエミッタ領域である、
    半導体装置。
  20. 請求項19の半導体装置において、前記絶縁膜上にはエミッタ電極が形成され、前記エミッタ電極は前記開口部を介して前記エミッタ領域に接続する、
    半導体装置。
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