JP2020004020A - ロバスト制御値調整システム、ロバスト制御値の調整方法、およびロバスト制御値調整プログラム - Google Patents

ロバスト制御値調整システム、ロバスト制御値の調整方法、およびロバスト制御値調整プログラム Download PDF

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JP2020004020A JP2018122023A JP2018122023A JP2020004020A JP 2020004020 A JP2020004020 A JP 2020004020A JP 2018122023 A JP2018122023 A JP 2018122023A JP 2018122023 A JP2018122023 A JP 2018122023A JP 2020004020 A JP2020004020 A JP 2020004020A
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凱濛 王
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Abstract

【課題】制御対象の動作又は動作環境に応じて、当該制御対象のロバスト制御値を適切に調整することが可能なロバスト制御値調整システム、ロバスト制御値の調整方法、およびロバスト制御値調整プログラムを提供する。【解決手段】このロバスト制御値調整システムは、制御指令に基づき制御対象が制御される時に制御対象の制御に用いられる学習補正量を求める学習制御手段と、制御指令と学習補正量とを用いて補正量特性モデルを求め、求められた補正量特性モデルに基づき、制御対象のコントロールパラメータに関するロバスト制御値を調整するロバスト調整手段と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明はロバスト制御値の調整システム、ロバスト制御値の調整方法、およびロバスト制御値調整プログラムに関する。
従来、ロボットの動作の制御、モータの動作の制御、エアーコントローラによる温度の制御、自動車の動作の制御、流量の制御、圧力の制御等に関して、モデルを想定した上でコントローラの設計および調整が行われる。また、実機においてコントローラの調整が行われる際には、デフォルトの条件のみを用いた調整、例えばデフォルトのモデルのみを用いた調整が行われることが多い。
しかし、ロボット等の実際の制御対象は、想定したモデルに対して、使用条件の違いによる負荷誤差、設計誤差、グリースの粘度の違いによる摩擦誤差を含む環境要因に基づく差、経年劣化による差等を有する。このように異なる部分はモデル不確実性と称される場合もある。
このようなモデル不確実性があっても制御対象が異常な制御状態、例えば発振状態、動作不能状態に陥らないように、コントローラではロバスト制御が行われている(例えば、特許文献1)。
特開2004−176651号公報
上記のように、モデル不確実性があっても制御対象が異常な制御状態に陥らないようなロバスト制御を厳密に行うためには、モデル不確実性を正確に把握する必要がある。このようなモデル不確実性の正確な把握のためには、実際の制御対象を様々な条件で動作させた時の様々な部位の様々なデータを得る方法、又は、実際の制御対象の数学的に完全に正確なモデルを作成した上で、当該モデルをシミュレーション上で様々な条件で動作させた時の様々な部位の様々なデータを得る方法等がある。
しかし、ロボット等の複雑な機械の動作条件は無数に存在する。また、複雑な機械の数学的に完全に正確なモデルの作成も不可能である。このため、これらの方法は現実的ではない。
ここで、例えば汎用ロボットの製造時には、当該ロボットがどのような用途でどのような動作を行うか決定されていないので、当該ロボットの出荷時の制御値にはかなり安全な値が採用されている。
ロボットは、直列に接続された複数のアーム部材と、複数のアーム部材をそれぞれ駆動する複数のモータとを有し、各モータの動作が他のモータのトルクに影響を与えるという複雑な力学的関係を有する。また、ロボットの姿勢に応じて各関節に加わる力およびモーメントが複雑に変化し、また、ロボットの作業内容に応じて各関節に加わる力およびモーメントが変化する。このような複雑な機械のロバスト制御値は、当該機械の制御に精通した者でも容易に行うことができない。
一方、制御対象のコントローラが学習制御機能を有している場合は、実際の制御対象を動作させている時に当該動作に関する学習補正量が得られる。しかし、制御対象の動作又は動作環境が変化した場合は、学習補正量を再度得る必要が生ずる。
本発明は、前述の事情に鑑みてなされている。本発明の目的の一つは、制御対象の作業又は動作環境に応じて制御対象のロバスト制御値を適切に調整することが可能なロバスト制御値調整システム、ロバスト制御値の調整方法、およびロバスト制御値調整プログラムの提供である。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の第1の態様のロバスト制御値調整システムは、制御指令に基づき制御対象が制御される時に前記制御対象の制御に用いられる学習補正量を求める学習制御手段と、前記制御指令と前記学習補正量とを用いて補正量特性モデルを求め、求められた前記補正量特性モデルに基づき、前記制御対象のコントロールパラメータに関するロバスト制御値を調整するロバスト調整手段と、を備える。
上記態様では、制御対象の制御に用いられる学習補正量が求められる。例えば制御対象が動作プログラムに基づいて加工ワーク等である作業対象を搬送する時に、作業対象の重量、把持位置等にばらつきが生ずる。当該ばらつきは制御対象が動作している動作環境によっても生ずる。このため、学習補正量はこれらのばらつきを補正できるもの、又は、考慮したものとなる。
また、上記態様では、制御指令と学習補正量とを用いて補正量特性モデルが求められ、求められた補正量特性モデルに基づき、制御対象のコントロールパラメータに関するロバスト制御値が調整される。このため、当該態様では、制御対象の作業又は動作環境に応じて、制御対象のロバスト制御値が適切に調整される。
例えば汎用ロボットの製造時には、当該ロボットがどのような用途でどのような動作を行うか決定されていないので、当該ロボットの出荷時の制御値にはかなり安全な値が採用されている。ロボットは、直列に接続された複数のアーム部材と、複数のアーム部材をそれぞれ駆動する複数のモータとを有し、各モータの動作が他のモータのトルクに影響を与えるという複雑な力学的関係を有する。また、ロボットの姿勢に応じて各関節に加わる力およびモーメントが複雑に変化し、また、ロボットの作業内容に応じて各関節に加わる力およびモーメントが変化する。このような複雑な機械のロバスト制御値は、当該機械の制御に精通した者でも容易に行うことができない。
しかし、当該態様では、制御指令と学習補正量とを用いて補正量特性モデルが求められ、求められた補正量特性モデルに基づき、制御対象のコントロールパラメータに関するロバスト制御値が調整される。汎用ロボットに学習機能が実装されるようになってきているので、上記態様は、制御対象のロバスト制御値を容易且つ適切に調整する上で極めて有利である。
上記態様のロバスト制御値調整システムは、好ましくは、前記制御対象の動作を制御する制御部と、前記制御部と通信可能な上位制御部とを備え、前記上位制御部が、前記補正量特性モデルに基づき得られる前記ロバスト制御値をメモリに保存しており、また、前記制御対象の機種の情報、前記制御対象のサイズの情報、前記制御対象に用いられているアクチュエータの機種の情報、前記制御対象を動作させるための動作プログラムの情報、および前記制御指令の情報のうち少なくとも1つを含む適用情報とを受信し、前記ロバスト制御値を前記適用情報と対応付けて前記メモリに保存するように構成され、前記上位制御部が、他の制御対象の制御部から情報を受信し、前記メモリに保存されている前記ロバスト制御値のうち受信した前記情報に対応する少なくとも1つの前記ロバスト制御値を前記他の制御対象の前記制御部に送信するように構成されている。
当該態様では、上位制御部が他の制御対象の制御部から情報を受信すると、メモリに保存されているロバスト制御値のうち受付けた情報に対応するロバスト制御値が他の制御対象の制御部に送信される。つまり、上位制御部のメモリに他の制御対象の制御に使えるロバスト制御値が保存されている場合は、他の制御対象を様々な条件で動作させることなく、他の制御対象の制御部は適切なロバスト制御値を用いることができる。また、他の制御対象の制御部が学習制御機能を持っていない場合でも、他の制御対象の制御部は適切なロバスト制御値を用いることができる。
本発明の第2の態様のロバスト制御値調整システムは、制御指令に基づき複数の制御対象をそれぞれ制御する複数の制御部であって、前記制御対象の制御に用いられる学習補正量をそれぞれ求める複数の制御部と、前記複数の制御部から、前記制御指令と前記学習補正量との対を複数受信し、受信した複数の前記対を用いて補正量特性モデルを求め、求められた前記補正量特性モデルに基づき、前記制御対象のコントロールパラメータに関するロバスト制御値を求める上位制御部と、を備えている。
当該態様では、例えば既に現場でそれぞれ作業を行っている複数の制御対象の制御部から制御指令と学習補正量との対を複数受信し、受信した複数の対を用いて補正量特性モデルが求められ、求められた補正量特性モデルに基づきロバスト制御値が求められる。このため、複数の制御対象の各々を複数の条件で動作させなくても、様々な条件において制御対象を動作させた時の補正量特性モデルが得られる。
本発明の第3の態様のロバスト制御値の調整方法は、制御指令に基づき制御対象が制御される時に前記制御対象の制御に用いられる学習補正量を求める学習制御ステップと、前記制御指令と前記学習補正量とを用いて補正量特性モデルを求め、求められた前記補正量特性モデルに基づき、前記制御対象のコントロールパラメータに関するロバスト制御値を調整するロバスト調整ステップと、を有する。
本発明の第4の態様は、制御指令に基づき制御対象が制御される時に前記制御対象の制御に使用される学習補正量を求める学習制御手段と共に用いられるロバスト制御値調整プログラムであって、コンピュータを、前記制御指令と前記学習補正量とを用いて補正量特性モデルを求め、求められた前記補正量特性モデルに基づき前記制御対象のコントロールパラメータに関するロバスト制御値を調整するロバスト調整手段として機能させるものである。
本発明によれば、制御対象の作業又は動作環境に応じて制御対象のロバスト制御値を適切に調整することが可能である。
本発明の一実施形態のロバスト制御値調整システムの概略構成図である。 本実施形態の制御部のブロック図である。 制御部の処理の例を示す機能ブロック図である。 アクチュエータの特性モデルの一例である。
本発明の一実施形態に係るロバスト制御値調整システムが、図面を用いながら以下説明されている。
本実施形態のロバスト制御値調整システムは、図1に示されるように、所定の作業場所に配置されているロボット10と、ロボット10を制御する制御部20と、制御部20から情報を受取る上位制御部30とを備えている。
ロボット10は特定の種類のロボットに限定されないが、本実施形態のロボット10は、複数のアーム部材および複数の関節を備えると共に、複数のアーム部材をそれぞれ駆動する複数のアクチュエータ11(図2参照)を備えている。アクチュエータ11は、例えば、サーボモータ等の電動アクチュエータ、エアシリンダ等のエアアクチュエータである。なお、複数のアーム部材によってロボット10のアーム12が構成されている。各アクチュエータ11はその作動位置を検出するための作動位置検出装置13(図2参照)を有し、作動位置検出装置13は一例としてエンコーダである。また、ロボット10はその周囲の温度、ロボット10自体の温度、アクチュエータ11の温度等の環境値を測定する環境センサ14(図2参照)を備えている場合もある。作動位置検出装置13および環境センサ14の検出値は制御部20に送信される。
制御部20は、図2に示されるように、CPU等であるプロセッサ21と、表示装置22と、不揮発性ストレージ、ROM、RAM等を有する記憶部23と、キーボード等の入力装置24と、送受信部25とを備え、ロボット10のアクチュエータ11を制御する。記憶部23にはシステムプログラム23aが格納されており、システムプログラム23aが制御部20の基本機能を担っている。
また、記憶部23には、動作プログラム23bと、フィードバック制御プログラム23cと、学習制御プログラム23dとが格納されている。制御部20は、図3に示されるように、動作プログラム23bに基づいて制御指令rを送信し、フィードバック制御プログラム23cおよび学習制御プログラム23dによってフィードバック制御および学習制御を行いながら、制御対象の一例として、ロボット10のアクチュエータ11を制御する。図3において制御対象はロボット10であってもよい。
その際の制御部20の処理を図3の機能ブロック図を用いて説明する。フィードバック制御部は、制御指令r又は制御指令rが目標としている目標出力と、作動位置検出装置13の検出値y等のアクチュエータ11の出力との差eに基づき、FB(フィードバック)操作量uFBを出力する。このようなフィードバック制御が制御周期毎に行われる際に、制御指令r、差e、作動位置検出装置13の検出値y等のアクチュエータ11の出力、FB操作量uFB等に基づき、学習制御部が制御周期毎に制御指令rに対応する学習補正量uを求める。学習が行われた後は、学習制御部によって求められた学習補正量uは、例えばフィードフォワード制御部の出力であるFF(フィードフォワード)操作量uFFに付加されて、制御対象に操作量uとして入力される。この状態で、さらに差eが発生している場合には、その差eについてフィードバック制御部がFB操作量uFBを出力し、学習補正量uおよびFB操作量uFBがFF操作量uFFに付加され、制御対象に操作量uとして入力されてもよい。本実施形態では、フィードフォワード制御部は、例えばノミナル逆モデルP −1と制御指令rとに基づき制御周期毎にFF操作量uFFを出力する。説明の便宜のため、操作量uはアクチュエータ11の出力yに略一致する値を有し、FB操作量uFB、学習補正量u、およびFF操作量uFFは操作量uに応じた値を有するものとする。
上記の場合、例えば、学習制御部が学習により得た補正量特性モデルLとノミナル逆モデルP −1とを用いて、制御対象であるアクチュエータ11の実際の状態を示すモデルPを下記の式(1)のように定義することが可能であり、その時の補正量特性モデルLを式(2)のように求めることが可能である。なお、補正量特性モデルLは、下記のように、制御指令rと学習補正量uLiとを対応付けるものであるから、学習補正部は補正量特性モデルLを用いて制御指令rに対応する学習補正量uLiを出力できる。
Figure 2020004020

Figure 2020004020
式中、Pは、第iの条件における制御対象の特性モデルである。iは例えば1〜nの整数であり、制御指令r、学習補正量uLi、補正量特性モデルL等のiも同様である。学習制御部が学習により得る学習補正量uは条件に応じて変わる。例えば第1〜第nの複数の条件がある場合、これらの条件におけるロボット10の作業内容、ロボット10が作業中に運ぶワークの重量、ロボット10の姿勢、アクチュエータ11の温度、アクチュエータ11内のグリースの粘度、環境温度、使用開始からの経過時間等が互いに異なる。つまり、複数の条件でロボット10が動作する場合、条件に応じてモデルが異なることになる。
制御対象であるアクチュエータ11の特性モデルPの一例は、制御指令rに対するアクチュエータ11の伝達特性を示す特性モデル(伝達関数)である。一例として、制御対象であるアクチュエータ11の複数の特性モデルが図4に示されている。当該複数の特性モデルは数式中ではP〜Pとなる。なお、ノミナル逆モデルを用いて計算により得られる伝達特性を示す特性モデル(伝達関数)P −1と、制御指令rに対する学習補正量uLiの伝達特性を示す補正量特性モデル(伝達関数)Lとを用いて、上記式(1)により制御対象の特性モデル(伝達関数)Pが計算により得られる。
また、補正量特性モデル(伝達関数)Lは、一例として、式(2)に示されるように、学習補正量uLiに離散フーリエ変換を適用することにより得られる離散フーリエ変換関数DFT(uLi)を、制御指令rに離散フーリエ変換を適用することにより得られる離散フーリエ変換関数DFT(r)で除算することにより得られる。
条件1、2、3、・・・nの時に式(1)および式(2)を用いて得られる制御対象の特性モデルP、P、P、・・・Pは互いに異なっており、これは制御対象のモデル不確実性をあらわす一つの手法であると言える。また、式(1)から分かるように、当該モデル不確実性の程度(モデルのばらつき)は補正量特性モデルLに応じて変化すると言える。
所定の作業場所に設置されたロボット10が動作プログラム23bに基づき所定の作業を行う時、作業時にロボット10に加わる力は様々である。また、作業のためにロボット10は様々な姿勢となり、それに応じて各アクチュエータ11も様々な動作を行う。しかし、所定の作業が行われる時、ロボット10に加わる力は所定の範囲内であることが多く、ロボット10の姿勢および動作は動作プログラム23bの範囲内であり、各アクチュエータ11の動作環境も所定の作業場所に依存する一定の範囲内である。
このような環境および作業条件においてロボット10が作業を行うことにより、上記式(2)によって各アクチュエータ11について複数の補正量特性モデル(伝達関数)Lが得られ、上記式(1)によって複数の特性モデルPが得られる。
一方、アクチュエータ11がPID制御を用いて制御されている時、当該制御に用いられるコントロールパラメータKは、比例ゲインKP、積分ゲインKI、微分ゲインKD等である。コントロールパラメータKは、様々な条件でロボット10のアクチュエータ11の動作が行われる際に、制御性を余り損なわないため調整する必要がある。
そして、制御部20は、記憶部23に格納されているロバスト調整プログラム23eに基づき、ロバスト調整されたコントロールパラメータK(ロバスト制御値)を求め、求めたロバスト制御値Kを設定する。以下、ロバスト調整されたコントロールパラメータKをロバスト制御値Kと称する場合がある。制御部20に工場出荷時等に予めロバスト制御値Kが設定されている場合は、制御部20はロバスト制御値Kの再設定を行う。事前設定値KmaxはコントロールパラメータKの設定の上限値であり、KminはコントロールパラメータKの設定の下限値である。
所定の作業場所に配置されているロボット10を作動させた際に、あるアクチュエータ11の特性モデルPが、図4に示されるように、条件に応じてばらつく。そして、図4におけるワーストケースの伝達関数は、例えば2Hzのsin波でアクチュエータ11を動作させると発振の危険があることを示している。このため、ロバスト制御されたコントロールパラメータKは当該発振が起きる値よりも安全側の値に設定される。
一例として、コントロールパラメータKが比例ゲインKPである場合、ロボット10が保持する作業対象が重いほど、アクチュエータ11の特性モデルPの伝達関数において発振があらわれる周波数が低くなるので、ロバスト制御されたコントロールパラメータKが小さくなる。
また、条件1、2、3、・・・nで動作する制御対象であるアクチュエータ11の特性モデルP、P、P、・・・Pと、様々なコントロールパラメータKとを、下記の式(3)および式(4)に適用することによって、ロバスト制御されたコントロールパラメータKを求めることも可能である。
Figure 2020004020
Figure 2020004020
ここで、fi()は最小化したい評価関数(例えば、コントローラパラメータKを使って、外乱である入力uを入れてから出力yまでの応答伝達関数の無限大ノルム)である。Cfb(K)はコントローラパラメータKのフィードバックコントローラの伝達関数である。KmaxとKminを最適化手法式(3)の制限条件として使って、前記式(1)で計算されたシステムモデル伝達関数PにコントローラパラメータKを適用して、計算される評価関数fi()の最大値(ワーストケースと言われる)を最小化するため、コントロールパラメータKをロバスト調整する。
制御部20は、求められたロバスト制御値Kを用いながら、学習制御部によって求められた操作量uを用いて制御対象であるアクチュエータ11の制御を行う。
なお、上位制御部30のメモリにロバスト調整値提供プログラム30aが格納されており、制御部20が上位制御部30に動作プログラム23b、それに含まれる制御指令r、補正量特性モデルL、学習補正量uLi、ノミナル逆モデルP −1、作動位置検出装置13の検出値、環境センサ14の検出値等の情報を送信し、上位制御部30が各アクチュエータ11について上記ロバスト制御値Kを求め、求めたロバスト制御値Kを制御部20に送信してもよい。
また、複数のロボットの制御部がそれぞれロボットの機種、ロボットのサイズ、アクチュエータの機種、動作プログラム、それに含まれる制御指令、補正量特性モデル、学習補正量、ノミナル逆モデル、作動位置検出装置の検出値、環境センサの検出値等の情報を上位制御部30に送信してもよい。この場合、上位制御部30は、前記複数のロボットの各アクチュエータについて、各々の補正量特性モデルおよび対応する制御指令を用いて、ロバスト制御値Kを求める。
例えば、複数の制御部が、上位制御部30に、制御指令と学習補正量との対を複数送信する。上位制御部30が既に各制御対象のノミナル逆モデルを持っている場合は必要無いが、複数の制御部がさらにノミナル逆モデルを上位制御部30に送信してもよい。上位制御部30は受信した情報を上記式(1)および(2)に適用して補正量特性モデルLおよびシステムモデル伝達関数Pを求め、上記式(3)、式(4)等を用いてロバスト制御値Kを求める。前記複数の対が同じ制御対象に関するものである場合、全ての対を用いてロバスト制御値Kを求めることが可能である。前記複数の対が複数種類の制御対象に関するものである場合、前記複数の対を制御対象の種類、サイズ、作業内容等に応じてグループ分けし、グループごとにロバスト制御値Kを求めることが可能である。
上位制御部30は、求めたロバスト制御値Kを、ロボットの機種の情報、ロボットのサイズの情報、アクチュエータの機種の情報、動作プログラムの種類の情報、制御指令の種類の情報、補正量特性モデルの情報、および環境センサの検出値の情報のうち少なくとも1つを含む適用情報に対応させてメモリ31に保存してもよい。上位制御部30は、例えば新たに設置されたロボットの制御部から、要求および情報を受信する。受信する情報は、保存されているロバスト制御値Kのうち、新たに設置されたロボットの種類、ロボットのサイズ、アクチュエータの種類、動作プログラムの種類、制御指令の種類、補正量特性モデル、又は環境センサの検出値等である。
この場合、上位制御部30は、メモリ31に格納されている適用情報のうち受信した情報に近い又は一致する適用情報を決定し、決定された適用情報に応じたロバスト制御値Kを新たに設置されたロボットに送信し、新たに設置されたロボットの制御部において受信するロバスト制御値Kが用いられてもよい。
なお、本実施形態では各アクチュエータ11の特性モデルPの不確実性が求められ、当該不確実性に応じてロバスト制御値Kが設定されているが、同様にロボット10の特性モデルPの不確実性が求められ、当該不確実性に応じて各アクチュエータ11のロバスト制御値Kが設定されてもよい。
本実施形態では、制御対象であるアクチュエータ11の制御に用いられる学習補正量uLiが求められる。当該学習補正量uLiは、ロボット10の作業対象の重量、ロボット10のハンドと作業対象との位置関係、作業環境等の条件のばらつきを補正できるもの、又は、考慮したものとなる。
また、制御指令rと学習補正量uLiとを用いて補正量特性モデルLが求められ、求められた補正量特性モデルLに基づき、制御対象であるアクチュエータ11のコントロールパラメータに関するロバスト制御値Kが調整される。このため、制御対象であるアクチュエータ11の作業又は動作環境に応じて、アクチュエータ11のロバスト制御値Kが適切に調整される。
また、本実施形態では、制御対象であるアクチュエータ11の動作を制御する制御部20と、制御部20と通信可能な上位制御部30とを備え、上位制御部30が、補正量特性モデルLに基づき得られるロバスト制御値Kをメモリ31に複数保存しており、また、制御対象であるアクチュエータ11の機種の情報、アクチュエータ11のサイズの情報、アクチュエータ11の機種の情報、アクチュエータ11を動作させるための動作プログラムの情報、および制御指令の情報のうち少なくとも1つを含む適用情報とを受信し、ロバスト制御値Kを適用情報と対応付けてメモリ31に保存するように構成され、上位制御部30が、他の制御対象の制御部から情報を受信し、メモリ31に保存されているロバスト制御値Kのうち受信した情報に対応する少なくとも1つの前記ロバスト制御値Kを他の制御対象の制御部に送信するように構成されている。
つまり、上位制御部30のメモリ31に他の制御対象の制御に使えるロバスト制御値Kが保存されている場合は、他の制御対象を様々な条件で動作させることなく、他の制御対象の制御部は適切なロバスト制御値Kを用いることができる。また、他の制御対象の制御部が学習制御機能を持っていない場合でも、他の制御対象の制御部は適切なロバスト制御値を用いることができる。
なお、空調装置の制御部において、複数の条件で制御対象である空調装置を運転し、空調装置の学習制御によって学習補正量を求め、その制御指令と学習補正量との複数の対を用いて複数の補正量特性モデルを求め、当該複数の補正量特性モデルと、空調装置の作動と室内の温度とのノミナル逆モデル又はノミナルモデルとを用いて、空調装置の作動と室内の計測温度との関係を示す特性モデルを求めることも可能である。この場合、補正量特性モデル又は特性モデルに基づいて、空調装置のロバスト制御値が求められ、求められたロバスト制御値が設定又は再設定されることになる。
また、自動車のクルーズコントローラにおいて、複数の条件で制御対象である自動車を走行させ、学習制御によって学習補正量を求め、その制御指令と学習補正量との複数の対を用いて複数の補正量特性モデルを求め、当該複数の補正量特性モデルと、自動車の作動と走行状態とのノミナル逆モデル又はノミナルモデルとを用いて、自動車の作動と走行状態との関係を示す特性モデルを求めることも可能である。この場合、補正量特性モデル又は特性モデルに基づいて、自動車のロバスト制御値が求められ、求められたロバスト制御値が設定又は再設定されることになる。
10 ロボット
11 アクチュエータ
12 アーム
13 作動位置検出装置
14 環境センサ
20 制御部
21 プロセッサ
22 表示装置
23 記憶部
23a システムプログラム
23b 動作プログラム
23c フィードバック制御プログラム
23d 学習制御プログラム
23e ロバスト調整プログラム
30 上位制御部

Claims (5)

  1. 制御指令に基づき制御対象が制御される時に前記制御対象の制御に用いられる学習補正量を求める学習制御手段と、
    前記制御指令と前記学習補正量とを用いて補正量特性モデルを求め、求められた前記補正量特性モデルに基づき、前記制御対象のコントロールパラメータに関するロバスト制御値を調整するロバスト調整手段と、を備えるロバスト制御値調整システム。
  2. 前記制御対象の動作を制御する制御部と、
    前記制御部と通信可能な上位制御部とを備え、
    前記上位制御部が、前記補正量特性モデルに基づき得られる前記ロバスト制御値をメモリに保存しており、また、前記制御対象の機種の情報、前記制御対象のサイズの情報、前記制御対象に用いられているアクチュエータの機種の情報、前記制御対象を動作させるための動作プログラムの情報、および前記制御指令の情報のうち少なくとも1つを含む適用情報とを受信し、前記ロバスト制御値を前記適用情報と対応付けて前記メモリに保存するように構成され、
    前記上位制御部が、他の制御対象の制御部から情報を受信し、前記メモリに保存されている前記ロバスト制御値のうち受信した前記情報に対応する少なくとも1つの前記ロバスト制御値を前記他の制御対象の前記制御部に送信するように構成されている、請求項1に記載のロバスト制御値調整システム。
  3. 制御指令に基づき複数の制御対象をそれぞれ制御する複数の制御部であって、前記制御対象の制御に用いられる学習補正量をそれぞれ求める複数の制御部と、
    前記複数の制御部から、前記制御指令と前記学習補正量との対を複数受信し、受信した複数の前記対を用いて補正量特性モデルを求め、求められた前記補正量特性モデルに基づき、前記制御対象のコントロールパラメータに関するロバスト制御値を求める上位制御部と、を備えているロバスト制御値調整システム。
  4. 制御指令に基づき制御対象が制御される時に前記制御対象の制御に用いられる学習補正量を求める学習制御ステップと、
    前記制御指令と前記学習補正量とを用いて補正量特性モデルを求め、求められた前記補正量特性モデルに基づき、前記制御対象のコントロールパラメータに関するロバスト制御値を調整するロバスト調整ステップと、を有するロバスト制御値の調整方法。
  5. 制御指令に基づき制御対象が制御される時に前記制御対象の制御に使用される学習補正量を求める学習制御手段と共に用いられるロバスト制御値調整プログラムであって、
    コンピュータを、前記制御指令と前記学習補正量とを用いて補正量特性モデルを求め、求められた前記補正量特性モデルに基づき前記制御対象のコントロールパラメータに関するロバスト制御値を調整するロバスト調整手段として機能させる、ロバスト制御値調整プログラム。
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