以下、図面を参照しながら実施形態の説明を述べる。なお、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。
なお、以降の説明において便宜上、監視の対象となる設備(対象設備)をポンプ装置と仮定する。ここでのポンプ装置は、任意の種類のポンプを含み得る。すなわち、ポンプ装置の用途は、揚水、排水、送水、圧縮などのいずれであってもよい。また、対象設備はポンプ装置に限定されない。対象設備は、任意の電気設備または機械設備、例えば、コンピュータ、OA(Office Automation)機器、家電機器、ロボット、産業機械、などを含み得る。対象設備は、典型的には、使用者が継続的に使用することが想定される設備、盗難のおそれがある設備、などであり得る。実施形態に係る通信装置の実現する、対象設備の(電源/盗難)監視サービスまたは対象設備の使用者の見守りサービスによれば、各対象設備の使用者の安否確認の必要性、各対象設備の電源の異常または盗難の可能性、などを知らせる警報データをサーバに集中させたり、サービスの利用者に警報を発したりすることが可能となる。
(第1の実施形態)
実施形態に係る通信装置(ノード)は、図3に例示されるように広範囲に点在し得る。図3において、それぞれの丸印が1つのノードの配置を例示する。図3において、Sの符号付きの丸印は後述されるシンクノードという特殊なノードを表し、Nおよび数字の組み合わせの符号付きの丸印はシンクノード以外のノードを表す。これらのノードの一部または全部は、1つまたは複数の対象設備を担当し、当該対象設備について後述される設備データを生成することができる。
これら複数のノードは、マルチホップネットワークを形成する、言い換えるとマルチホップネットワークに参加することが可能である。ここで、マルチホップネットワークは、図4に例示されるツリー型のマルチホップネットワーク(これは、スター型のシングルホップネットワークを拡張したものともいえる)であってもよいし、図5に例示されるメッシュ型のマルチホップネットワークであってもよい。
このように複数のノードがマルチホップネットワークを形成することで、ネットワークの中心となるノード(シンクノード)と各ノードとの間の双方向のデータ伝送を、両者の間にあるノードに中継させることが可能となる。故に、例えば通常の無線LANのようなシングルホップネットワークに比べて、シンクノードは、より遠くに設置されたノードから発信されたデータを受信したり、逆にこのようなノードへデータを送信したりすることができる。一例として、設備データをシンクノードに集中させることが可能となる。シンクノードは、他のノードとデータをやり取りするために、無線LAN、Bluetooth、920MHz帯無線、など、移動通信に比べて通信距離の短い通信技術を用いることができる。
図4に例示されるツリー型のマルチホップネットワークにおいて、ネットワークに参加するノードは、最上位ノード(シンクノード)から下位ノード、そして最下位ノードへと階層化される。各ノードは、その直属の上位ノードまたは下位ノードとの間でデータ中継を含む双方向通信を行う。例えば、ノードN7は、シンクノードS、ノードN8およびノードN9との間で通信可能である。ツリー型のマルチホップネットワークは、スター型のシングルホップネットワークに比べて、通信距離が長いというメリットがある。
他方、図5に例示されるメッシュ型のマルチホップネットワークにおいて、ネットワークに参加するノードは、その付近の(データの送受信が可能な距離にある)ノードとの間でデータ中継を含む双方向通信を行う。例えば、ノードN7は、シンクノードS、ノードN8およびノードN9に加えて、ノードN2およびノードN6との間で通信可能である。メッシュ型のマルチホップネットワークもまた、スター型のシングルホップネットワークに比べて、通信距離が長いというメリットがある。
また、メッシュ型のマルチホップネットワークは、スター型のマルチホップネットワークに比べて、冗長性が高い。これは、信頼性が高いというメリットがある。具体的には、あるノードからシンクノードへの経路の1つが障害物などにより遮断されたとしても、他の経路を迂回してデータを伝送することが可能である。例えば、図4において、ノードN7とシンクノードSとの間のリンクが切断されれば、シンクノードSと、ノードN7ならびにその下位のノードN8およびノードN9との間の通信は不可能となる。他方、図5において、かかるリンクが切断されたとしても、ノードN2またはノードN6を経由する経路が存在するので、シンクノードSと、ノードN7ならびにその下位のノードN8およびノードN9との間の通信は依然として可能である。また、他方で、冗長性が高いことは、データ伝送時の遅延時間の予想が難しいというデメリットにもつながる。
シンクノードは、センサネットワーク分野において主に用いられる用語であるが、この用語に限らずマルチホップネットワークの中心となるノードを指す任意の用語に読み替えられてよい。例えば、シンクノードは、920MHz帯無線分野にならってコーディネータと呼ばれてもよいし、スマートグリッド分野にならってコンセントレータと呼ばれてもよい。以降の説明では、シンクノード以外の通信装置を920MHz帯無線分野にならってルータまたはエンドデバイスと呼ぶ都合上、シンクノードを基本的にコーディネータと呼ぶこととする。コーディネータは、典型的には、広域ネットワークへの接続手段、例えば移動通信用の通信I/F、広域ネットワークに接続する無線または有線ルータとの通信I/F、などを備えていてもよいし、広域ネットワークに接続可能な無線または有線ルータであってもよい。コーディネータは、対象設備の集中的な監視を担うサーバ(図示されない)へ向けて、後述される警報データなどを送信することができる。
さらに、コーディネータ以外の、マルチホップネットワークに参加可能なノードは、中継機能を有するもの(例えば、920MHz帯無線分野にならってルータ、などと呼ぶことができる)と、そうでないもの(920MHz帯無線分野にならってエンドデバイス、などと呼ぶことができる)とに大別することができる。これらのコーディネータ以外のノードの一部も、コーディネータと同様に広域ネットワークへの接続手段を備えていてもよい。
通信装置は、例えば、ポンプ装置などの対象設備の電装部に内蔵され、または外付けされてもよい。或いは、通信装置は、対象設備とは独立した電子機器、例えば、PC(Personal Computer)、モバイル端末(例えば、タブレット、スマートフォン、ラップトップ、フィーチャーフォンなど)などであってもよい。
エンドデバイスとしての通信装置は、対象設備から種々のセンサデータを取得し、当該センサデータに基づいて当該対象設備に関する可変パラメータを含む設備データを生成する。そして、この通信装置は、設備データをマルチホップネットワーク上で送信する。
設備データは、いずれかの対象設備を識別する識別データ(固定パラメータまたは半固定パラメータ)と、当該識別データによって識別された対象設備に関する可変パラメータとを含み得る。対象設備に関する可変パラメータは、例えば、当該対象設備の運転データ、通電データ、位置データ、メンテナンスデータ、故障データ、改訂番号、などを含み得る。
識別データは、例えば、対象設備の製品名に相当する形式情報および/または当該形式情報をコード化した製品番号と、当該対象設備の個体識別番号に相当する製造番号とを含み得る。これらの情報により、対象設備がどの製品のどの個体であるのかを識別することが可能となる。なお、製品番号および製造番号は、必ずしも別の情報要素でなくてもよく、1つの番号から製品および個体の両方が識別可能であるように設計することも可能である。識別データは、例えば、対象設備の電装部内の不揮発性記憶媒体、例えばマイクロコントローラに内蔵されたROMなどに書き込まれ得る。
運転データは、対象設備の現在の運転状態、例えば対象設備が現在運転中であるか否か、を表し得る。通電データは、対象設備の現在の通電状態、例えば対象設備が現在通電しているか否か、を表し得る。すなわち、運転データおよび通電データは、それぞれ1ビットフラグであってもよいし、状態を3段階以上で表現するための多ビットデータであってもよい。なお、「現在」とは、実際には運転データまたは通電データを生成するために用いられたセンサデータの生成時点を意味する。運転データおよび通電データは、対象設備の運転または通電状態の変化に連動して変化することになる。
位置データは、対象設備の現在の設置位置を表し得る。例えば、位置データは、緯度および経度データであり得る。なお、「現在」とは、先の説明と同様に、実際には位置データを生成するために用いられたセンサデータの生成時点を意味する。位置データは、対象設備の位置の変化に連動して変化することになる。なお、対象設備が設置位置を変えずに運転することが想定されている場合であっても、例えば盗難や災害などのイレギュラーな事象により対象設備の位置が変化することがあり得る。
メンテナンス/故障データは、対象設備のメンテナンス/故障に関する履歴、例えば対象設備がいつどのようなメンテナンスをされた/故障をしたか、どのくらいメンテナンスをされた/故障したか、などを表し得る。
改訂番号は、対象設備の制御に用いられるプログラム(例えばファームウェア)のバージョン情報を示す。改訂番号を含む設備データをサーバに集中させれば、改訂番号を用いたフィルタリング処理により、ファームウェアの更新が必要な対象装置を容易に特定することができる。また、通信装置は、対象設備のために、サーバに保存されたファームウェア更新用のデータを送受信してもよい。
ルータとしての通信装置は、エンドデバイスまたはルータとしての他の通信装置から設備データを受信し、これを中継する。すなわち、この通信装置は、受信した設備データをマルチホップネットワーク上で再送信する。また、この通信装置は逆方向のデータ伝送も行うことができる。すなわち、コーディネータまたはルータとしての他の通信装置からデータを受信し、これをマルチホップネットワーク上で再送信してもよい。
コーディネータとしての通信装置は、エンドデバイスまたはルータとしての他の通信装置から設備データを受信し、この設備データに基づいて対象設備の状態を判定し、判定結果を表す値を持つ状態データを生成する。そして、この通信装置は、状態データが既定値を持つ場合に、警報データを生成して例えばサーバへ送信する。これにより、サーバは、広範囲に点在する対象設備についての警報データを収集すること、すなわちこれらの対象設備の集中監視が可能となる。
各通信装置のハードウェア構成は、同一または類似であってよい。具体的には、通信装置は、通信の制御、状態の判定、設備データまたは警報データの生成、などを行うプロセッサを含む。プロセッサは、典型的にはCPU(Central Processing Unit)および/またはGPU(Graphics Processing Unit)であるが、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはDSP(Digital Signal Processor)、などであってもよい。また、通信装置は、かかる処理を実現するためにプロセッサによって実行されるプログラムおよび当該プログラムによって使用されるデータなどを一時的に格納するメモリを含んでいる。
通信装置は、さらに、外部装置、すなわち他の通信装置および/またはサーバと通信をするための通信I/Fを利用可能である。通信I/Fは、通信装置に内蔵されてもよいし、通信装置に外付けされてもよい。
通信I/Fは、マルチホップネットワーク上で他の通信装置と通信し、および/または広域ネットワークを経由してサーバと通信をする。通信I/Fは、他の通信装置との間で設備データをやり取りしたり、サーバへ警報データを送信(アップロード)したりする。
マルチホップネットワーク用の通信I/Fは、例えば無線LAN、Bluetooth、920MHz帯無線などの無線通信技術を用いる。他方、広域ネットワーク用の通信I/Fは、例えば移動通信などの無線通信技術、または光ファイバーケーブルなどの有線通信を用いる。
また、通信装置は、全てのデータをオンメモリの状態で扱ってもよいし、一部のデータが補助記憶装置に退避されていてもよい。補助記憶装置は、例えば、通信装置に内蔵または外付けされたHDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどであってもよい。
さらに、通信装置は、外部I/Fを利用可能である。外部I/Fは、通信装置に内蔵されてもよいし、通信装置に外付けされてもよい。外部I/Fは、USB(Universal Serial Bus)ポート、またはその他のデータ転送用ケーブルのためのポート、などであり、対象設備そのもの、または対象設備もしくはその使用者について観測を行うセンサ、などの外部装置と接続するためのインタフェースである。
図1は、第1の実施形態に係るコーディネータに相当する通信装置100を例示する。通信装置100は、受信部101と、受信データ記憶部102と、状態判定部103と、状態データ記憶部104と、警報データ生成部105と、通信制御部106と、送信部107とを含む。
受信部101は、例えば前述の通信I/Fであり得る。受信部101は、マルチホップネットワーク上で、対象設備に関する可変パラメータを含む設備データを受信する。この設備データは、マルチホップネットワークに参加する他の通信装置によって送出されたものである。受信部101は、設備データの送信元である他の通信装置から直接、または1以上のホップを経由して、この設備データを受信し得る。
受信データ記憶部102は、例えば前述のメモリおよび/または補助記憶装置であり得る。受信データ記憶部102には、受信部101によって受信された設備データが保存される。なお、後述されるように、状態判定部103は、設備データの受信状況を考慮して対象設備の状態を判定することがある。故に、受信データ記憶部102には、設備データの受信日時が当該設備データに対応付けて保存されてよい。受信データ記憶部102に保存された設備データは、状態判定部103によって読み出される。さらに、警報データに加えて設備データもサーバへ送信(アップロード)する構成例では、受信データ記憶部102に保存された設備データは、通信制御部106によって読み出されることもある。
状態判定部103は、例えば前述のプロセッサおよびメモリであり得る。状態判定部103は、受信データ記憶部102から設備データを読み出す。そして、状態判定部103は、設備データに含まれる識別データによって識別される対象設備の状態を、当該設備データに含まれる可変パラメータの値に基づいて判定し、判定結果を表す値を持つ状態データを生成する。状態判定部103は、生成した状態データを状態データ記憶部104に書き込む。
具体的には、状態判定部103は、設備データに含まれる可変パラメータの値に加えて当該設備データの受信状況に基づいて、当該設備データに対応する対象設備の状態を判定してもよい。ここで、受信状況は、設備データの受信の有無、設備データの受信日時、などを含み得る。また、対象設備の状態は、例えば、対象設備の運転状態、対象設備の通電状態、および対象設備の(イレギュラーな)移動の有無、のうちの一部または全部を含み得る。
例えば、状態判定部103は、既定の第1の時点または第1の期間に対象設備が運転中である/ないことを示す設備データを受信した場合に、対象設備が運転中である/ないことを示す値を持つ状態データを生成してもよい。ここで、第1の時点または第1の期間は、対象設備が運転されていることが期待される時点または期間に定められ得、対象設備の(電源/盗難)監視サービスの管理者もしくは利用者、または対象設備の使用者の見守りサービスの管理者もしくは利用者、などにより設定され得る。
また、状態判定部103は、第1の時点または第1の期間に対象設備が運転中であることを示す設備データを受信しなかった場合に、対象設備が運転中でないことを示す値を持つ状態データを生成してもよい。これにより、状態判定部103は、対象設備が運転中でないことを示す設備データを受信せずとも、対象設備が運転中でないと判定することができる。ここでの第1の期間は、例えば、対象設備が運転中であることを示す設備データを最後に受信した日時を起点とする既定長の期間であってもよい。
例えば、状態判定部103は、既定の第2の時点または第2の期間に対象設備が通電している/していないことを示す設備データを受信した場合に、対象設備が通電している/していないことを示す値を持つ状態データを生成してもよい。ここで、第2の時点または第2の期間は、対象設備が通電していることが期待される時点または期間に定められ得、対象設備の(電源/盗難)監視サービスの管理者もしくは利用者、または対象設備の使用者の見守りサービスの管理者もしくは利用者、などにより設定され得る。第2の時点または第2の期間は、前述の第1の時点または第1の期間と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、状態判定部103は、第2の時点または第2の期間に対象設備が通電していることを示す設備データを受信しなかった場合に、対象設備が通電していないことを示す値を持つ状態データを生成してもよい。これにより、状態判定部103は、対象設備が通電していないことを示す設備データを受信せずとも、対象設備が通電していないと判定することができる。ここでの第2の期間は、例えば、対象設備が通電していることを示す設備データを最後に受信した日時を起点とする既定長の期間であり得る。
例えば、状態判定部103は、対象設備の位置を示す設備データを既定の第3の時点または第3の期間に受信しなかった場合に、対象設備が移動したことを示す値を持つ状態データを生成してもよい。これにより、状態判定部103は、対象設備の位置を示す設備データを受信せずとも、対象設備が盗難またはその他の原因で移動したと判定することができる。ここでの第3の期間は、例えば、対象設備の位置を示す設備データを最後に受信した日時を起点とする既定長の期間であり得る。第3の時点または第3の期間は、対象設備が既定の設置位置にあることが期待される時点または期間に定められ得、対象設備の(電源/盗難)監視サービスの管理者もしくは利用者、または対象設備の使用者の見守りサービスの管理者もしくは利用者、などにより設定され得る。第3の時点または第3の期間は、前述の第1の時点もしくは第2の時点、または第1の期間もしくは第2の期間と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、状態判定部103は、設備データの示す対象設備の(最新の)位置が過去に受信した設備データの示す対象設備の(直前の)位置と異なる場合に、対象設備が移動したことを示す値を持つ状態データを生成してもよい。かかる判定は、対象設備が設置位置を変えずに運転することが想定されている場合に適している。
他方、状態判定部103は、設備データの示す対象設備の位置が既定の可動範囲外にある場合に、対象設備が移動したことを示す値を持つ状態データを生成してもよい。かかる判定は、対象設備が設置位置を変えながら運転することが想定されている場合に適している。ここで、可動範囲は、例えば工場の敷地内など、対象設備が正常な運転されている時に当該設備が移動し得る範囲に定められ得、対象設備の(電源/盗難)監視サービスの管理者もしくは利用者、または対象設備の使用者の見守りサービスの管理者もしくは利用者、などにより設定され得る。
状態判定部103は、設備データが受信データ記憶部102に保存される度に当該設備データに基づいて状態の判定を行ってもよいし、設備データの書き込みタイミングとは独立して定期的または不定期に状態の判定を行ってもよい。
状態データ記憶部104は、例えば前述のメモリおよび/または補助記憶装置であり得る。状態データ記憶部104は、各対象設備の状態データを保存する。具体的には、状態データ記憶部104は、対象設備の識別データに対応付けて、当該識別データによって識別される対象設備の状態データを保存し得る。対象設備の状態データは、状態判定部103によって書き込まれ、または書き換えられる(更新)。また、対象設備の状態データは、警報データ生成部105によって読み出される。
警報データ生成部105は、例えば前述のプロセッサおよびメモリであり得る。警報データ生成部105は、状態データ記憶部104から対象設備の状態データを読み出す。そして、警報データ生成部105は、この状態データが既定値を持つ場合に、当該既定値に対応する警報データを生成する。警報データ生成部105は、警報データを通信制御部106へ送る。
例えば、対象設備の状態データは、対象設備の運転状態を示す1ビット(運転ビット)と、対象設備の通電状態を表す1ビット(通電ビット)と、対象設備の(イレギュラーな)移動の有無を表す1ビット(位置ビット)との合計3ビットを含み得る。この3ビットの並びは任意であるが、説明の都合上、上位から下位へ、運転ビット、通電ビット、そして位置ビットの順に並んでいることとする。
ここで、運転ビットが「1」であることは対象設備が運転中であることを意味し、「0」であることは対象設備が運転中でないことを意味する。同様に、通電ビットが「1」であることは対象設備が通電していることを意味し、「0」であることは対象設備が通電していないことを意味する。さらに、位置ビットが「1」であることは対象設備が移動していないことを意味し、「0」であることは対象設備が移動したことを意味する。対象設備の状態データがこのように定められた場合に、警報データ生成部105は、図7に例示されるように警報データを生成し得る。
状態データ=「111」は、全ての状態が正常、すなわち、対象設備は正常であり、かつ正常に運転されていることを意味し得る。ここでの対象設備が正常である、とは対象設備が通電されていて、かつ盗難に遭っていないことを意味し得る。なお、対象設備またはその使用者に何らかの異常がある場合に限って警報データをサーバへ送る、というポリシーを採用するならば、警報データ生成部105は、状態データ=「111」の場合に警報データの生成を省略してもよい。
状態データ=「110」は、対象設備が予定されている設置位置から移動されたことを意味し得る。故に、対象設備は盗難に遭った可能性がある。或いは、位置ビットが、例えば設置位置関連のセンサの異常などの要因により誤っている可能性もある。
通信装置100は、対象設備の盗難監視サービスを実現する場合には、状態データ=「110」に対応する警報データを、対象設備の盗難警報のトリガとして利用し得る。例えば、通信装置100または警報データを収集したサーバが、サービスの利用者によって指定されたアドレスへ警報メッセージを送信してもよい。警報メッセージは、例えば、電子メールとして送信されてもよいし、プッシュ通知されてもよい。
状態データ=「101」は、対象設備が通電されていないにも関わらず運転中であることを意味し得る。これは、対象設備の電源構成にもよるが通常はあり得ないので(ただし、例えば、予備電源が存在し、主電源に異常があるが予備電源で運転可能である場合もあり得る)、通電ビットが、例えば通電状態関連のセンサの異常などの要因により誤っている可能性がある。或いは、対象設備が本当に通電していなくて、しかも運転ビットが、例えば運転状態関連のセンサの異常などの要因により誤っている可能性もないわけではない。しかしながら、このように複数の異常が同時に生じる確率は単独の異常が生じる確率に比べれば低いと予想されるので、以降の説明では基本的に単独の異常が生じていることを仮定する。
状態データ=「100」は、対象設備が通電されていないにも関わらず運転中であり、しかも予定されている設置位置から移動されたことを意味し得る。かかるケースは稀であろうが、状態データ=「110」および「101」について説明した異常が複合的に生じている可能性がある。通信装置100は、対象設備の盗難監視サービスを実現する場合には、状態データ=「100」に対応する警報データを、対象設備の盗難警報のトリガとして利用し得る。
状態データ=「011」は、対象設備が運転中でないことを意味し得る。故に、対象設備は正常であると予想され、他方でその使用者が対象設備を正常に運転していない可能性がある。或いは、前述のように運転ビットが誤っている可能性もある。
通信装置100は、対象設備の使用者の見守りサービスを実現する場合には、状態データ=「011」に対応する警報データを、対象設備の使用者の安否確認のトリガとして利用し得る。例えば、通信装置100または警報データを収集したサーバが、対象設備の使用者の見守りサービスの利用者によって指定されたアドレスへ警報メッセージを送信してもよい。
状態データ=「000」は、全ての状態が異常であること、すなわち、対象設備が通電しておらず、しかも予定されている設置位置から移動され、さらに運転中でないことを意味し得る。或いは、単に対象設備の設備データが何らかの要因で、通信装置100に到達していないか、そもそも生成されていない場合にも、状態データ=「000」となり得る。故に、対象設備が盗難に遭ったか、またはネットワーク障害があるか、設備データの経路上の通信装置(の通信機能および/または設備データ生成機能)が故障した可能性がある。通信装置100は、対象設備の盗難監視サービスを実現する場合には、状態データ=「000」に対応する警報データを、対象設備の盗難警報のトリガとして利用し得る。
状態データ=「010」は、対象設備が予定されている設置位置から移動され、しかも対象設備が運転中でないことを意味し得る。故に、対象設備が盗難に遭い、結果的にその使用者が対象設備を運転できなかった可能性がある。通信装置100は、対象設備の盗難監視サービスを実現する場合には、状態データ=「010」に対応する警報データを、対象設備の盗難警報のトリガとして利用し得る。
状態データ=「001」は、対象設備が通電されておらず、しかも運転中でないことを意味し得る。状態データ=「101」のケースとは異なり、運転ビットも「0」であることから、実際に対象設備が通電していない、すなわち対象設備の電源に異常があり、結果的にその使用者が対象設備を運転できなかった可能性がある。対象設備の電源に異常が生じる要因は様々であり、例えば、停電の発生のように電源に問題があることもあれば、対象設備が故障し、または盗難に遭ったために、結果的に電源から遮断されていることもあり得る。
通信装置100は、対象設備の電源監視サービスを実現する場合には、状態データ=「001」に対応する警報データを、対象設備の電源異常警報のトリガとして利用し得る。例えば、通信装置100または警報データを収集したサーバが、サービスの利用者によって指定されたアドレスへ警報メッセージを送信してもよい。
図7の例では、対象設備の状態データが運転ビット、通電ビットおよび位置ビットを含むことを仮定した。しかしながら、これらの一部を用いずとも警報データを生成することは可能である。以下、かかる変形例について図8乃至図10を用いて説明する。
図8の例では、対象設備の状態データは、通電ビットおよび位置ビットの合計2ビットを含む。この2ビットの並びは任意であるが、説明の都合上、通電ビットを上位とし、位置ビットを下位とする。
状態データ=「11」は、全ての状態が正常、すなわち、対象設備が正常であることを意味し得る。ただし、図7の例とは異なり、対象設備が運転されているか否かは不明である。対象設備に何らかの異常がある場合に限って警報データをサーバへ送る、というポリシーを採用するならば、警報データ生成部105は、状態データ=「11」の場合に警報データの生成を省略してもよい。
状態データ=「10」は、対象設備が予定されている設置位置から移動されたことを意味し得る。故に、対象設備は盗難に遭った可能性がある。或いは、前述のように位置ビットが誤っている可能性もある。通信装置100は、対象設備の盗難監視サービスを実現する場合には、状態データ=「10」に対応する警報データを、対象設備の盗難警報のトリガとして利用し得る。
状態データ=「01」は、対象設備が通電されていないことを意味し得る。故に、対象設備の電源に異常がある可能性がある。或いは、前述のように通電ビットが誤っている可能性もある。通信装置100は、対象設備の電源監視サービスを実現する場合には、状態データ=「01」に対応する警報データを、対象設備の電源異常警報のトリガとして利用し得る。
状態データ=「00」は、対象設備が通電しておらず、しかも予定されている設置位置から移動されたことを意味し得る。或いは、単に対象設備の設備データが何らかの要因で、通信装置100に到達していないか、そもそも生成されていない場合にも、状態データ=「00」となり得る。故に、対象設備が盗難に遭ったか、またはネットワーク障害があるか、設備データの経路上の通信装置(の通信機能および/または設備データ生成機能)が故障した可能性がある。通信装置100は、対象設備の盗難監視サービスを実現する場合には、状態データ=「00」に対応する警報データを、対象設備の盗難警報のトリガとして利用し得る。
図9の例では、対象設備の状態データは、運転ビットおよび位置ビットの合計2ビットを含む。この2ビットの並びは任意であるが、説明の都合上、運転ビットを上位とし、位置ビットを下位とする。
状態データ=「11」は、全ての状態が正常、すなわち、対象設備は盗難に遭っておらず、かつ正常に運転されていることを意味し得る。なお、対象設備またはその使用者に何らかの異常がある場合に限って警報データをサーバへ送る、というポリシーを採用するならば、警報データ生成部105は、状態データ=「11」の場合に警報データの生成を省略してもよい。
状態データ=「10」は、対象設備が予定されている設置位置から移動されたことを意味し得る。故に、対象設備は盗難に遭った可能性がある。或いは、前述のように、位置ビットが誤っている可能性もある。通信装置100は、対象設備の盗難監視サービスを実現する場合には、状態データ=「10」に対応する警報データを、対象設備の盗難警報のトリガとして利用し得る。
状態データ=「01」は、対象設備が運転中でないことを意味し得る。ただし、対象設備の通電状態は不明である。故に、対象設備は正常であるにも関わらず正常に運転されていない(使用者に問題がある)可能性があるし、対象設備の電源に停電などの異常があり、結果的にその使用者が対象設備を運転できなかった可能性もあるし、或いは、前述のように運転ビットが誤っている可能性もある。
通信装置100は、対象設備の使用者の見守りサービスを実現する場合には、状態データ=「01」に対応する警報データを、対象設備の使用者の安否確認のトリガとして利用し得る。また、通信装置100は、対象設備の電源監視サービスを実現する場合には、状態データ=「01」に対応する警報データを、対象設備の電源異常警報のトリガとして利用し得る。
状態データ=「00」は、対象設備が予定されている設置位置から移動され、しかも運転中でないことを意味し得る。或いは、単に対象設備の設備データが何らかの要因で、通信装置100に到達していないか、そもそも生成されていない場合にも、状態データ=「00」となり得る。故に、対象設備が盗難に遭ったか、またはネットワーク障害があるか、設備データの経路上の通信装置(の通信機能および/または設備データ生成機能)が故障した可能性がある。通信装置100は、対象設備の盗難監視サービスを実現する場合には、状態データ=「00」に対応する警報データを、対象設備の盗難警報のトリガとして利用し得る。
図10の例では、対象設備の状態データは、運転ビットおよび通電ビットの合計2ビットを含む。この2ビットの並びは任意であるが、説明の都合上、運転ビットを上位とし、通電ビットを下位とする。
状態データ=「11」は、全ての状態が正常、すなわち、対象設備の電源は正常であり、かつ正常に運転されていることを意味し得る。なお、対象設備またはその使用者に何らかの異常がある場合に限って警報データをサーバへ送る、というポリシーを採用するならば、警報データ生成部105は、状態データ=「11」の場合に警報データの生成を省略してもよい。
状態データ=「10」は、対象設備が通電されていないにも関わらず運転中であることを意味し得る。これは、通常はあり得ないので、前述のように通電ビットが誤っている可能性が高い。
状態データ=「01」は、対象設備が運転中でないことを意味し得る。故に、対象設備の電源は正常であると予想され、他方でその使用者が対象設備を正常に運転していない可能性がある。或いは、前述のように運転ビットが誤っている可能性もある。通信装置100は、対象設備の使用者の見守りサービスを実現する場合には、状態データ=「01」に対応する警報データを、対象設備の使用者の安否確認のトリガとして利用し得る。
状態データ=「00」は、対象設備が通電しておらず、しかも運転中でないことを意味し得る。故に、対象設備の電源に異常があり、結果的に使用者が対象設備を運転できなかった可能性がある。また、対象設備の移動の有無が不明であるものの対象設備が盗難に遭い、さらに電源遮断されている可能性もある。或いは、単に対象設備の設備データが何らかの要因で、通信装置100に到達していないか、そもそも生成されていない場合にも、状態データ=「00」となり得る。故に、対象設備が盗難に遭ったか、またはネットワーク障害があるか、設備データの経路上の通信装置(の通信機能および/または設備データ生成機能)が故障した可能性もある。
通信装置100は、対象設備の電源監視サービスを実現する場合には、状態データ=「00」に対応する警報データを、対象設備の電源異常警報のトリガとして利用し得る。また、通信装置100は、対象設備の盗難監視サービスを実現する場合には、状態データ=「00」に対応する警報データを、対象設備の盗難警報のトリガとして利用し得る。
さらに、対象設備の状態データが運転ビット、通電ビットおよび位置ビットのうち2つを含まなかったとしても、警報データを生成することは可能である。具体的には、運転ビットが「0」である場合に、警報データ生成部105は、対象設備の使用者が当該対象設備を正常に運転していない可能性があることを示す警報データを生成してもよい。また、通電ビットが「0」である場合に、警報データ生成部105は、対象設備の電源に問題がある可能性があることを示す警報データを生成してもよい。さらに、位置ビットが「0」である場合に、警報データ生成部105は、対象設備が盗難に遭った可能性があることを示す警報データを生成してもよい。
通信制御部106は、例えば前述のプロセッサおよびメモリであり得る。通信制御部106は、受信データ記憶部102から設備データを読み出し、警報データ生成部105から警報データを受け取り、これらのデータを一時的に保持して送信部107へ渡す。通信制御部106は、データの送出順序などを制御し得る。例えば、通信制御部106は、データを入力順に送信部107へ渡してもよいし、警報データが発生すると設備データよりも優先して送信部107へ渡してもよい。これにより、対象設備の異常を速やかにサーバなどに報告することができる。なお、設備データをサーバへアップロードする必要がない場合には、通信制御部106は受信データ記憶部102から設備データを読み出す必要はない。
送信部107は、例えば前述の通信I/Fであり得る。送信部107は、通信制御部106からデータ(警報データおよび/または設備データ)を受け取り、これをサーバへ送信する。なお、サーバへの報告の代わりに、またはこれに追加して、送信部107は、対象設備の(電源/盗難)監視サービスまたは対象設備の使用者の見守りサービスの利用者によって指定されたアドレスへ警報メッセージを送信してもよい。
以下、図6を用いて図1の通信装置100の動作例を説明する。
まず、通信装置100は、マルチホップネットワーク上で送信される設備データを待ち受ける(ステップS301およびステップS302)。受信部101が設備データを受信すると、処理はステップS303へ進む(ステップS301)。他方、受信部101が設備データを受信することなく、既定の時点または期間が経過した場合にも処理はステップS303へ進む。
ステップS303では、状態判定部103は対象設備の状態を判定し、状態データを生成する。ステップS303の次に処理はステップS304へと進む。具体的には、処理がステップS303に遷移する前に設備データが受信されている場合には、状態判定部103は、当該設備データに含まれる可変パラメータの値に基づいて対象設備の状態を判定し、状態データを生成する。他方、処理がステップS303に遷移する前に設備データが受信されなかった場合には、状態判定部103は、対象設備の状態に異常があると判定し、状態データを生成する。例えば、前述の運転/通電/位置データを含む設備データが既定の期間に亘って受信されなかったならば、状態判定部103は、対象設備が運転中でない/通電していない/移動されたことを示す状態データを生成し得る。
ステップS304において、警報データ生成部105はステップS303において生成された状態データが既定値を持つか否かを判定する。状態データが既定値を持つ場合には処理はステップS305へ進み、そうでなければ次の設備データを待ち受けるために処理はステップS301へ戻る。
ステップS305において、警報データ生成部105は、状態データの値に応じた警報データを生成する。そして、送信部107は、ステップS305において生成された警報データをサーバへ送信する(ステップS306)。この時点で対象設備の監視サービスまたはその使用者の見守りサービスを終了する場合には処理は終了し、そうでなければ次の設備データを待ち受けるために処理はステップS301へ戻る(ステップS307)。
図2は、第1の実施形態に係る、コーディネータ以外のノード、より正確にはルータに相当する通信装置200を例示する。なお、エンドデバイスに相当する通信装置は、図2のルータからデータの中継に関する機能部を省略した構成に概ね対応するので、説明を省略する。他方、ルータに相当する通信装置の一部または全部が、データを中継する以外の機能、具体的には後述される設備データを生成する機能を備えていなくてもよい。
通信装置200は、受信部201と、受信データ記憶部202と、通信制御部206と、送信部207と、取得部211と、設備データ生成部212と、設備データ記憶部213とを含む。
受信部201は、例えば前述の通信I/Fであり得る。受信部201は、マルチホップネットワーク上で、対象設備の設備データを受信する。この設備データは、マルチホップネットワークに参加する他の通信装置によって送出されたものである。受信部201は、設備データの送信元である他の通信装置から直接、または1以上のホップを経由して、この設備データを受信し得る。
受信データ記憶部202は、例えば前述のメモリおよび/または補助記憶装置であり得る。受信データ記憶部202には、受信部201によって受信された設備データが保存される。受信データ記憶部202に保存された設備データは、通信制御部206によって読み出される。
通信制御部206は、例えば前述のプロセッサおよびメモリであり得る。通信制御部206は、受信データ記憶部202から設備データを読み出し、設備データ記憶部213から設備データを読み出し、これらのデータを一時的に保持して送信部207へ渡す。通信制御部206は、データの送出順序などを制御し得る。例えば、通信制御部206は、データを入力順に送信部207へ渡してもよい。
送信部207は、例えば前述の通信I/Fであり得る。送信部207は、通信制御部206からデータ(設備データ生成部212によって生成された設備データおよび/または他の通信装置から受信した設備データ)を受け取り、これをマルチホップネットワーク上で送信する。
取得部211は、例えば前述の通信I/F、または外部I/Fであり得る。通信装置200が担当する少なくとも1つの対象設備についてセンサデータを、当該対象設備またはこれに付随するセンサから取得する。センサデータは、物理現象の観測に基づいて生成されたデータ全般を意味し得る。例えば、マイクロホンによって対象設備またはその周辺の音を検出した音声データ、振動センサによって対象設備またはその周辺の振動を検出した振動データ、電圧/電流センサによって対象設備の回路部分(例えばインバータ)に印加される電圧/流れる電流を検出した電圧/電流データ、GPS(Global Positioning System)モジュールによって測位計算された対象設備の位置データ、カメラによって対象設備またはその周辺を撮影した画像データ、圧力/流量センサによって対象設備としてのポンプ装置からの吐出圧力/流量を計測した圧力/流量データ、などあってもよい。
また、取得部211は、センサデータ毎に、当該センサデータに紐付けられる対象設備の識別データ、または当該センサデータを生成したセンサの識別データをさらに取得する。そして、取得部211は、センサデータおよび識別データを設備データ生成部212へ送る。なお、センサの識別データは、例えば予め作成されたテーブルなどを用いて、取得部211または設備データ生成部212などにより、対応する対象設備の識別データに変換され得る。
設備データ生成部212は、前述のプロセッサおよびメモリであり得る。設備データ生成部212は、取得部211からセンサデータを受け取り、これに基づいて対象設備の設備データのうち少なくとも可変パラメータを生成する。設備データ生成部212は、生成した設備データを設備データ記憶部213に書き込む。具体的には、可変パラメータは、前述の運転データ、通電データ、および/または位置データを含み得る。
設備データ生成部212は、音声/振動/電流/電圧/画像/圧力/流量データに基づいて、対象設備の運転データを生成し得る。例えば、設備データ生成部212は、取得部211から受け取ったセンサデータと、対象設備の運転時および/または非運転時に収集されたセンサデータに基づく基準センサデータとの比較に基づいて、対象設備が現在運転中であるか否かを判定し、運転データを生成してもよい。
同様に、設備データ生成部212は、音声/振動/電流/電圧/画像データに基づいて、対象設備の通電データを生成し得る。例えば、設備データ生成部212は、取得部211から受け取ったセンサデータと、対象設備の通電時および/または非通電時に収集されたセンサデータに基づく基準センサデータとの比較に基づいて、対象設備が現在通電しているか否かを判定し、通電データを生成してもよい。
また、設備データ生成部212は、取得部211から受け取った位置/画像データに基づいて対象設備の現在の設置位置を計算し、位置データを生成してもよい。
設備データ記憶部213は、例えば前述のメモリおよび/または補助記憶装置であり得る。設備データ記憶部213は、設備データ生成部212によって生成された設備データを保存する。具体的には、設備データ記憶部213は、対象設備の識別データに対応付けて、当該識別データによって識別される対象設備の可変パラメータ、例えば前述の運転データ、通電データおよび/または位置データ、を保存し得る。設備データは、設備データ生成部212によって書き込まれ、または書き換えられる(更新)。また、設備データは、通信制御部206によって読み出される。
以上説明したように、第1の実施形態では、コーディネータ、すなわちマルチホップネットワークの中心となる通信装置に、他の通信装置(エンドデバイス)を送信元とする対象設備の設備データを集中させる。ここで、設備データは、必要に応じて、1以上の通信装置(ルータ)によって中継され得る。さらに、このコーディネータは、受信した設備データに含まれる、対応する対象設備の可変パラメータの値に基づいて、当該対象設備の状態を判定し、判定結果に基づいて警報データを生成する。故に、このコーディネータによれば、エンドデバイスまたはルータが広域ネットワークへの接続手段を全く備えておらず、かつ、当該エンドデバイスがこのコーディネータから直接通信可能な範囲に設置されていなかったとしても、当該エンドデバイスがマルチホップネットワークに参加している限りは、当該エンドデバイスを送信元とする設備データを収集し、さらに対応する対象設備の状態を自動判定し、異常を早期に発見することができる。換言すれば、この通信装置によれば、広範に点在して設置された複数の設備の状態の集中監視と、当該設備の異常の早期発見とを低コストに実現することができる。
(第2の実施形態)
前述の第1の実施形態では、コーディネータに相当する通信装置100が対象設備について状態の判定および警報データの生成を集中的に行う。他方、本実施形態では、エンドデバイスが、対象設備の状態の判定を行い、オプションとしてさらに警報データの生成を行ってもよい。すなわち、エンドデバイスは、自己の担当する対象設備について状態データおよび/または警報データを生成し、生成したデータをマルチホップネットワーク上で送信する。これにより、コーディネータの処理負荷を軽減することができる。さらに、設備データをコーディネータに集中させる必要がない場合には設備データに比べて発生頻度の低い警報データのみをマルチホップネットワーク上で送信することで、トラフィック量の削減も可能である。
図11は、第2の実施形態に係る、コーディネータ以外のノード、より正確にはエンドデバイスに相当する通信装置400を例示する。なお、本実施形態に係るルータに相当する通信装置は、図11のエンドデバイス(通信装置400)にデータの中継に関する機能部を追加した構成、または単なる中継器に概ね対応するので、説明を省略する。他方、本実施形態に係るコーディネータに相当する通信装置は、図1のコーディネータ(通信装置100)からエンドデバイス(通信装置400)によって補完される機能部、すなわち対象設備の状態を判定する機能部および/または警報データを生成する機能部を省略した構成に概ね対応するので、説明を省略する。
通信装置400は、状態判定部403と、状態データ記憶部404と、警報データ生成部405と、通信制御部406と、送信部407と、取得部411と、設備データ生成部412と、設備データ記憶部413とを含む。このうち、状態データ記憶部404、警報データ生成部405、取得部411、および設備データ生成部412は、図1の通信装置100または図2の通信装置200における同名の要素と同一または類似であり得る。故に、以降の説明では、これ以外の要素について、図1の通信装置100または図2の通信装置200における同名の要素との相違点を中心に述べる。
状態判定部403は、例えば前述のプロセッサおよびメモリであり得る。状態判定部403は、設備データ記憶部413から設備データを読み出す。そして、状態判定部403は、設備データに含まれる識別データによって識別される対象設備の状態を、当該設備データに含まれる可変パラメータの値に基づいて判定し、判定結果を表す値を持つ状態データを生成する。状態判定部403は、生成した状態データを状態データ記憶部404に書き込む。
具体的には、状態判定部403は、設備データに含まれる可変パラメータの値に加えて当該設備データの生成状況に基づいて、当該設備データに対応する対象設備の状態を判定してもよい。ここで、生成状況は、設備データの生成の有無、設備データの生成日時、などを含み得る。
例えば、状態判定部403は、既定の第1の時点または第1の期間に対象設備が運転中である/ないことを示す設備データが生成された場合に、対象設備が運転中である/ないことを示す値を持つ状態データを生成してもよい。また、状態判定部403は、第1の時点または第1の期間に対象設備が運転中であることを示す設備データが生成されなかった場合に、対象設備が運転中でないことを示す値を持つ状態データを生成してもよい。これにより、状態判定部403は、対象設備が運転中でないことを示す設備データが生成されない場合にも、対象設備が運転中でないと判定することができる。ここでの第1の期間は、例えば、対象設備が運転中であることを示す設備データが最後に生成された日時を起点とする既定長の期間であってもよい。
例えば、状態判定部403は、既定の第2の時点または第2の期間に対象設備が通電している/していないことを示す設備データが生成された場合に、対象設備が通電している/していないことを示す値を持つ状態データを生成してもよい。また、状態判定部403は、第2の時点または第2の期間に対象設備が通電していることを示す設備データが生成されなかった場合に、対象設備が通電していないことを示す値を持つ状態データを生成してもよい。これにより、状態判定部403は、対象設備が通電していないことを示す設備データが生成されない場合にも、対象設備が通電していないと判定することができる。ここでの第2の期間は、例えば、対象設備が通電していることを示す設備データが最後に生成された日時を起点とする既定長の期間であり得る。
例えば、状態判定部403は、対象設備の位置を示す設備データが既定の第3の時点または第3の期間に生成されなかった場合に、対象設備が移動したことを示す値を持つ状態データを生成してもよい。これにより、状態判定部403は、対象設備の位置を示す設備データが生成されない場合にも、対象設備が盗難またはその他の原因で移動したと判定することができる。ここでの第3の期間は、例えば、対象設備の位置を示す設備データが最後に生成された日時を起点とする既定長の期間であり得る。また、状態判定部403は、設備データの示す対象設備の(最新の)位置が過去に生成された設備データの示す対象設備の(直前の)位置と異なる場合に、対象設備が移動したことを示す値を持つ状態データを生成してもよい。
状態判定部403は、設備データが設備データ記憶部413に保存される度に当該設備データに基づいて状態の判定を行ってもよいし、設備データの書き込みタイミングとは独立して定期的または不定期に状態の判定を行ってもよい。
通信制御部406は、例えば前述のプロセッサおよびメモリであり得る。通信制御部406は、警報データ生成部405から警報データを受け取り、このデータを一時的に保持して送信部407へ渡す。通信制御部406は、データの送出順序などを制御し得る。なお、図11には示されていないが、設備データをサーバへアップロードする必要がある場合には、通信制御部406は、設備データ記憶部413から設備データを読み出し得る。
送信部407は、例えば前述の通信I/Fであり得る。送信部407は、通信制御部406からデータ(警報データおよび/または設備データ)を受け取り、これをマルチホップネットワーク上で送信する。
設備データ記憶部413は、例えば前述のメモリおよび/または補助記憶装置であり得る。設備データ記憶部413は、設備データ生成部412によって生成された設備データを保存する。具体的には、設備データ記憶部413は、対象設備の識別データに対応付けて、当該識別データによって識別される対象設備の可変パラメータ、例えば前述の運転データ、通電データおよび/または位置データ、を保存し得る。なお、前述のように、状態判定部403は、設備データの生成状況を考慮して対象設備の状態を判定することがある。故に、設備データ記憶部413には、設備データの生成日時が当該設備データに対応付けて保存されてよい。さらに、設備データは、設備データ生成部412によって書き込まれ、または書き換えられる(更新)。また、設備データは、状態判定部403によって読み出される。
以下、図12を用いて図11の通信装置400の動作例を説明する。
まず、通信装置400は、対象設備についてのセンサデータを待ち受ける(ステップS501およびステップS503)。取得部411がセンサデータを取得すると、処理はステップS502へ進む(ステップS501)。他方、取得部411がセンサデータを取得することなく既定の時点または期間が経過した場合には、処理はステップS504へ進む。ステップS502において、設備データ生成部412は、取得されたセンサデータに基づいて対象設備の設備データを生成し、処理はステップS504へ進む。
ステップS504では、状態判定部403は対象設備の状態を判定し、状態データを生成する。ステップS504の次に処理はステップS505へと進む。具体的には、処理がステップS504に遷移する前に設備データが生成されている場合には、状態判定部403は、当該設備データに含まれる可変パラメータの値に基づいて対象設備の状態を判定し、状態データを生成する。他方、処理がステップS504に遷移する前に設備データが生成されなかった場合には、状態判定部403は、対象設備の状態に異常があると判定し、状態データを生成する。例えば、前述の運転/通電/位置データを含む設備データが既定の期間に亘って生成されなかったならば、状態判定部403は、対象設備が運転中でない/通電していない/移動されたことを示す状態データを生成し得る。
ステップS505において、警報データ生成部405はステップS504において生成された状態データが既定値を持つか否かを判定する。状態データが既定値を持つ場合には処理はステップS506へ進み、そうでなければ次のセンサデータを待ち受けるために処理はステップS501へ戻る。
ステップS506において、警報データ生成部405は、状態データの値に応じた警報データを生成する。そして、送信部407は、ステップS506において生成された警報データをサーバへ送信する(ステップS507)。この時点で対象設備の監視サービスまたはその使用者の見守りサービスを終了する場合には処理は終了し、そうでなければ次のセンサデータを待ち受けるために処理はステップS501へ戻る(ステップS508)。
以上説明したように、第2の実施形態では、エンドデバイス、すなわちマルチホップネットワークの末端となる通信装置が対象設備の設備データを生成する点で第1の実施形態と同一である。他方、本実施形態では、このエンドデバイスが、生成した設備データに含まれる当該対象設備の可変パラメータの値に基づいて当該対象設備の状態を判定し、判定結果に基づいて警報データを生成し、さらのこの警報データをマルチホップネットワーク上で送信する点で第1の実施形態と相違する。この警報データは、必要に応じて、1以上の通信装置(ルータ)によって中継され得、コーディネータとしての他の通信装置に集中される。故に、このエンドデバイスによれば、このエンドデバイスまたはルータが広域ネットワークへの接続手段を全く備えておらず、かつ、このエンドデバイスがコーディネータから直接通信可能な範囲に設置されていなかったとしても、コーディネータは当該エンドデバイスがマルチホップネットワークに参加している限りは、当該エンドデバイスによって生成された警報データを収集し、異常を早期に発見することができる。換言すれば、このエンドデバイスによれば、広範に点在して設置された複数の設備の状態の集中監視と、当該設備の異常の早期発見とを低コストに実現することができる。
(変形例)
第1の実施形態および第2の実施形態では、コーディネータまたはエンドデバイスに相当する通信装置が対象設備の状態の判定および警報データの生成を行う。これらの変形例として、状態の判定および警報データの生成の一方または両方をルータに相当する通信装置が行ってもよい。すなわち、ルータが、エンドデバイスまたは他のルータから受信した設備データまたは状態データに基づいて状態データまたは警報データを生成し、これをマルチホップネットワーク上で送信してもよい。これにより、エンドデバイスおよびコーディネータの処理負荷を軽減することができる。
上述の実施形態は、本発明の概念の理解を助けるための具体例を示しているに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図されていない。実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々な構成要素の付加、削除または転換をすることができる。
上述の実施形態では、いくつかの機能部を説明したが、これらは各機能部の実装の一例に過ぎない。例えば、1つの装置に実装されると説明された複数の機能部が複数の別々の装置に亘って実装されることもあり得るし、逆に複数の別々の装置に亘って実装されると説明された機能部が1つの装置に実装されることもあり得る。
上記各実施形態において説明された種々の機能部は、回路を用いることで実現されてもよい。回路は、特定の機能を実現する専用回路であってもよいし、プロセッサのような汎用回路であってもよい。
上記各実施形態の処理の少なくとも一部は、例えば汎用のコンピュータに搭載されたプロセッサを基本ハードウェアとして用いることでも実現可能である。上記処理を実現するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納して提供されてもよい。プログラムは、インストール可能な形式のファイルまたは実行可能な形式のファイルとして記録媒体に記憶される。記録媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD−ROM、CD−R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリなどである。記録媒体は、プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能であれば、何れであってもよい。また、上記処理を実現するプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ)上に格納し、ネットワーク経由でコンピュータ(クライアント)にダウンロードさせてもよい。