JP2020003907A - 情報通信装置、情報通信方法及び情報通信プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
本実施形態に係る情報通信装置について、図1ないし図6を用いて説明する。本実施形態に係る情報通信装置は、電子データを送信する際にデジタル通貨を併せて送金することで、送る電子データの価値(送信者が期待する受信者にとっての電子データの価値)や信頼性を保障するものである。また、電子データを受信する際には、この電子データに関してデジタル通貨が適正に入金されているかを確認した上で、正式に受信を確定するものである。
(1)メールアカウント単位では判定できない。
あるメールアカウントがSPAM攻撃し、そのメールアカウントが用いる送信サーバがSPAMサーバと判定された場合、同じ送信サーバを用いる全てのメールアカウントが同時にメールの送受信を制限される。
(2)最初のSPAM攻撃は防げない
SPAM攻撃のほとんどは、セキュリティに問題のある送信サーバを乗っ取るなどの方法により、本来の送信サーバとは異なる送信サーバを不正に経由して送信される場合が多い。このため、SPAMサーバと判定される前に次々と異なる送信サーバが利用され、いわゆるイタチごっことなる。また、SPAMサーバ判定のコストが必要となる。セキュリティに問題のある送信サーバや、それらが悪意のあるプログラムによって乗っ取られたコンピュータ(ゾンビコンピュータ)が数多くある現在、この方法でSPAM攻撃は防がれていない。
(1)誤判定のリスクがある。
多くのプロバイダやメーラは、SPAMメールを判定する機能(以下、フィルタリング機能という)を備えている。電子メールの内容により判定するため、SPAMではない電子メールをSPAMと判定してしまう場合や、逆にSPAMメールをSPAMではないと判定してしまう場合がある。特に近年、SPAMメールが内容を画像として送信される場合が多く、フィルタリングが機能しない場合も多い。この誤判定は、プロバイダ/サーバ/メーラの各段階で発生する可能性があるため、SPAM攻撃を完全に防ぐことは困難である。
(2)受信するサーバ/メーラ/ユーザに負荷がかかる。
SPAM攻撃を防ぐためには、原則として受信された全ての電子メールに対してSPAM判定処理が必要になる。さらに、あるSPAM判定処理を利用するユーザが増えると、SPAMerは、その処理によりSPAMと判定されないように新たなSPAMメールを作成する。このため、常にフィルタリング機能を更新する必要があり、更新されるまでの間SPAM攻撃を受けてしまう。このように、SPAMerがSPAMメールを送信するコストに対し、SPAM攻撃を防ぐコストの方が高く、負荷がかかる。
(3)受信メールの内容を知る必要がある。
SPAM判定処理をするためには、受信した電子メールの内容を知る必要がある。ユーザ端末ではなく、ネットワーク上で電子メールの内容を知ることは、個人情報を送受信者以外が知ることにつながり、プライバシーの点で問題がある。
(1)ブロックチェーン
分散型のデータベースの一種である。ブロックと呼ばれる単位でデータを順番に蓄積していく。各ブロックは、直前のブロックまでのハッシュ値を記録する。これにより、データを途中で改竄するためには、改竄するブロックに続くデータの全てに対してハッシュ値を計算する必要がある。このため、ブロックチェーンのデータの改竄は困難となる。
(2)デジタル通貨
ブロックチェーン技術により実現される仮想の通貨である。有名なビットコインやイーサリアムなど、現実に金銭的な価値を持つデジタル通貨もあるが、金銭的価値を持たないデジタル通貨も多数存在する。ブロックチェーン技術により、デジタル通貨は偽造や複製が極めて困難である。
(3)ウォレット
デジタル通貨を保管または管理するための仕組みである。オンライン上に保存するWebウォレットから、ネットワークから切り離された端末に保存するコールドウォレットまで、様々な形態が存在する。デジタル通貨のユーザは、デジタル通貨をウォレット上で所有しており、デジタル通貨の送金や受取はウォレット間で行われる。
(4)ウォレットアカウント
ウォレットを識別するIDである。各ユーザは、ユニークなウォレットアカウントによりデジタル通貨を管理する。上述したビットコインやイーサリアムでは、公開鍵をウォレットアカウントとして利用している。
(5)トランザクション
ブロックチェーン上に記載されるデジタル通貨の取引データである。一般的には、あるウォレットアカウントから別のウォレットアカウントへの送金が記録されたデータである。デジタル通貨を送金するウォレットアカウントが、自身のウォレットアカウントと送信先のウォレットアカウントを記載したトランザクションに、自身の秘密鍵を用いて署名して送信することで、トランザクションが発行される。
(6)マイニング
発行された複数のトランザクションをブロックチェーンに記載可能な一つのブロックとしてまとめ、ブロックチェーンの先頭に記載する作業である。この作業を行うウォレットアカウントをマイナーと呼ぶ。マイナーによりブロックチェーンに記載されることにより、取引履歴は改竄不可能な形で確定される。トランザクションの発行から確定まで数分の時間を要する。
(7)Mail Send Coin(以下、MSCという)
仮想通貨の一種として本発明に実装されるデジタル通貨で、金銭的な価値を持つことを目的としないデジタル通貨の一種であり、電子メールの送信時に併せて送金することができる。
(1)アカウント管理機能:メールアドレスに対応するウォレットアカウントを管理する機能を持ち、自身のメールアカウントに対応するウォレットアカウントのみならず、送信先のメールアカウントに対応するウォレットアカウントのデータももつ。
(2)MSC対応機能:受信した電子メールと送金されたMSCとを対応させる機能を有し、そのデータを保存する機能を持つ。
(3)迷惑メール振り分け機能:受信したそれぞれの電子メールに対応するMSCの着金額に応じて、電子メールを迷惑メールフォルダに振り分ける機能を持つ。
(4)送金機能:自身のメールアドレスに対応するウェレットアカウントから送金する機能、およびその送金額を決定する機能を持つ。
(5)アカウント確認機能:最初のメール送信時に、送信先メールアドレスに対応するウォレットアカウントを確認する機能を持つ。ウェレットアカウントが未知のメールアカウントに電子メールを送信すると、送信先のメーラに、自身のウェレットアカウントとMSCの送金額を送る。メール受信側のメーラは、相手のウォレットアカウントとMSCの送金額に応じて、自身のメールアドレスに対応するウェレットアカウントを送る。送信側のメーラは、送られてきた送信先のメールアドレスとウェレットアカウントに従い、MSCを送金する。
(6)マイニング機能:メール送信時に送金するMSCが不足する場合、多数のユーザが発行したMSCのトランザクションをマイニングすることでMSCを補充する。SPAMerもこの機能によりMSCを補充できるが、かなりの計算コストがかかる。
以上のような機能をメーラの拡張機能として追加してもよい。
本実施形態に係る情報通信装置について、図7及び図8を用いて説明する。本実施形態に係る情報通信装置は、前記第1の実施形態に係る情報通信装置の機能を拡張したものであり、電子データの受信時において、適正に受信して参照された電子データについては、受信時に入金されたMSCを返金する機能を備えるものである。
なお、本実施形態において、前記第1の実施形態を重複する説明は省略する。
本実施形態に係る情報通信システムについて、図9を用いて説明する。本実施形態に係る情報通信システムは、前記各実施形態の場合と同様に、電子データの送信と同時にデジタル通貨の送金を行うものであるが、送金に関する処理を全てブロックチェーン上で行うものである。
なお、本実施形態において前記各実施形態と重複する説明は省略する。
その他の実施形態に係る情報通信装置及び情報通信システムについて説明する。本実施形態に係る情報通信システムは、電子データを送信する際にデジタル通貨を併せて送金する機能は共通するものの、システム構成が異なるものである。
なお、本実施形態において前記各実施形態と重複する説明は省略する。
(1)初期設定:仮想空間内に、本発明の情報通信装置10を利用するN人のユーザを作成する。すべてのユーザが所持するMSCの初期値をMとする。N人のうち、SPAMerの人数をS人、一般ユーザを(N−S)人とする。
(2)メール送信・デジタル通貨の送金:一般ユーザが、自分自身とSPAMerを除くユーザから、無作為に選ばれた宛先に一通のメールを送信し、同時に1MSCを送金する。この時、送金に必要なMSCを所持していない場合、本発明の情報通信装置を使ったメールの送信は行わない。
(3)返金:(N−S)人の一般ユーザが送信する全てのメールは、SPAMではないものとし、送信先メールアカウントに対応するウォレットアカウントに入金後、その同額である1MSCが返金される。
(4)一般ユーザループ:(2)〜(3)を(N−S)人の一般ユーザに対して繰り返す。なお、一般ユーザはマイニングをしないものとする。
(5)メール送信・デジタル通貨の送金:SPAMerがメールの送信とMSCの送金を行う。自分自身を除くすべてのユーザから無作為に宛先ユーザを選び、一通のスパムメールを送信し、1MSCを送金する。この時、送金するデジタル通貨が無ければメールの送信は行わない。
(6)返金:SPAMerが送信する全てのメールはSPAMとし、SPAMerが送金するMSCは返金されない。
(7)収益:送信されたSPAMごとに、確率pでSPAMerは収益bを得る。SPAMerは、収益bと同額のMSCをマイニングにより得る。
(8)スパムメール送信ループ:(5)〜(7)をT回繰り返す。Tの値は、0≦T<Nを満たす自然数から一様乱数で選ばれた値である。すなわち、個々のSPAMerは、単位時間ごとに、自分以外に重複なく、T通のSPAMを送信するものとする。
(9)SPAMerループ:(5)〜(8)を全SPAMerに関して繰り返す。
(10)単位時間ループ:(2)〜(9)を1単位時間として繰り返す。これに基づく時刻をtであらわす。
10(10a,10b) 情報通信端末
11(11a,11b) メールサーバ
12 ブロックチェーン
21 入出力部
22 送信メール作成部
23 メール送信部
24 対応情報記憶部
25 秘密鍵記憶部
26 送金制御部
27 メール受信部
28 受信制御部
29 受信メール処理部
71 返金制御部
91 契約履行部
Claims (9)
- 電子データを他のコンピュータに送信するデータ送信手段と、
デジタル通貨のブロックチェーンにアクセスするための送金トランザクションを生成し、当該送金トランザクションを前記ブロックチェーンにブロードキャストする送金制御手段とを備え、
前記データ送信手段が前記電子データを送信するのに伴って、前記送金制御手段が前記電子データに関する前記デジタル通貨の送金トランザクションを生成し、前記ブロックチェーンにブロードキャストすることを特徴とする情報通信装置。 - 請求項1に記載の情報通信装置において、
前記電子データの宛先となる受信者を識別するための電子データ利用者識別情報と、ブロックチェーンへのアクセスに必要となる前記受信者を識別するBC利用者識別情報とを対応付けて記憶する対応情報記憶手段を備え、
前記送金制御手段が、前記受信者の電子データ利用者識別情報に対応付けられた前記BC利用者識別情報に基づいて、前記送金トランザクションを生成する情報通信装置。 - 請求項1又は2に記載の情報通信装置において、
前記電子データを他のコンピュータから受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段が前記電子データを受信するのに伴って、当該電子データの差出人に対応する前記BC利用者識別情報からの前記デジタル通貨の入金状態を前記ブロックチェーンにアクセスして確認し、確認された入金状態に応じて前記電子データの受信を確定する受信制御手段とを備える情報通信装置。 - 請求項3に記載の情報通信装置において、
前記電子データの差出人となる送信者を識別するための電子データ利用者識別情報と、ブロックチェーンへのアクセスに必要となる前記送信者を識別するBC利用者識別情報とを対応付けて記憶する対応情報記憶手段を備え、
前記受信制御手段が、前記送信者の電子データ利用者識別情報に対応付けられた前記BC利用者識別情報に基づいて、前記送信者からの前記デジタル通貨の入金状態を前記ブロックチェーンにアクセスして確認する情報通信装置。 - 請求項3又は4に記載の情報通信装置において、
前記受信制御手段が前記電子データの受信を確定した場合に、入金された前記デジタル通貨の一部又は全部を返金する返金トランザクションを生成し、前記ブロックチェーンにブロードキャストする返金制御手段を備える情報通信装置。 - 請求項5に記載の情報通信装置において、
前記返金制御手段が、前記電子データの受信を確定した後の当該電子データに対する前記受信者の操作種別に応じて、入金された前記デジタル通貨の返金額を調整する情報通信装置。 - 請求項1に記載の情報通信装置において、
前記デジタル通貨の前記ブロックチェーン上で当該デジタル通貨の授受に関する契約処理を実行する契約履行手段が前記ブロックチェーン上に備えられており、
前記送金制御手段は、前記データ送信手段が前記電子データを送信するのに伴って、前記契約履行手段が、前記電子データの送受信者を識別する電子データ利用者識別情報と、ブロックチェーンへのアクセスに必要となる前記送受信者を識別するBC利用者識別情報とを対応付けた対応情報に基づいて、前記電子データの送信者の前記BC利用者識別情報から前記電子データの受信者の前記BC利用者識別情報に対して前記デジタル通貨の送金を実行するように制御する情報通信装置。 - 請求項7に記載の情報通信装置において、
前記電子データを他のコンピュータから受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段が前記電子データを受信するのに伴って、前記契約履行手段が、前記電子データの送信者の前記BC利用者識別情報から前記電子データの受信者の前記BC利用者識別情報に対して前記デジタル通貨の入金状態を確認するように制御し、入金状態に応じて前記電子データの受信を確定する受信制御手段とを備える情報通信装置。 - 請求項8に記載の情報通信装置において、
前記受信制御手段が前記電子データの受信を確定した場合に、前記契約履行手段が、前記電子データの受信者の前記BC利用者識別情報から前記電子データの送信者の前記BC利用者識別情報に対して、前記電子データの受信時に入金されていた前記デジタル通貨の一部又は全部の返金を実行するように制御する返金制御手段を備える情報通信装置。
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