JP2020003341A - データ配信サーバおよびデータ配信システム - Google Patents

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純 柴田
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邦彦 酒井原
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Kazuyuki Yoshino
一幸 吉野
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Abstract

【課題】測位端末のユーザの負担を軽減すること。【解決手段】基準局10が、衛星からの測位信号を用いて自設基準局測位データを生成し(S401)、データ配信サーバ30に自設基準局測位データを送信する(S402)。データ配信サーバ30が、自設基準局測位データ、既設基準局測位データおよび既設基準局位置情報を用いてRTK演算を実行して基準局10の位置を算出し(S403)、基準局10に自設基準局位置情報を送信する(S404)。次に、基準局10が、測位端末20に自設基準局測位データおよび自設基準局位置情報を送信する(S405)。次に、測位端末20が、衛星からの測位信号を用いて測位端末測位データを生成し(S406)、測位端末測位データ、自設基準局測位データおよび自設基準局位置情報を用いてRTK演算を実行し、測位解を算出する(S407)。【選択図】図5

Description

本発明は、測位衛星(以下、測位に利用できる人工衛星を総称して「衛星」とする)からの信号を利用して干渉測位を行う場合のデータ配信サーバおよびデータ配信システムに関する。
従来、移動体等の対象物の位置を高精度に測量するために、RTK(Real Time Kinematic)法による干渉測位(RTK演算)を利用した測位システムが考えられている(例えば特許文献1参照)。RTK法とは、衛星が送信する測位信号を用いて所定の地点の測位を行うものである。このRTK法による干渉測位を適用することにより、高精度な測位を実現することが期待されている。
測位端末は、RTK演算を行う際、GNSS(Global Navigation Satellite System)の衛星(図示せず)から送信される測位信号を受信し、測位信号を用いて測位データ(以下、「測位端末測位データ」という)を生成する。なお、GNSSとは、GPS(Global Positioning System)、BeiDou、GLONASS等の民間航空航法に使用可能な性能(精度・信頼性)を持つ衛星航法システムの総称である。測位信号には、GPS衛星から送信されるL1信号(1575.42MHz)、L2信号(1227.60MHz)等がある。
測位端末は、位置が既知である基準局から、該基準局における測位データ(以下、「基準局測位データ」という)および該基準局の現在の位置(地球上の座標)を示す情報(以下、「位置情報」という)を受信し、測位端末測位データ、基準局測位データおよび位置情報を用いてRTK演算を行い、現在の位置を算出する。
特開2002−318273号公報
測位端末のユーザは、既存の測位システムのサービス、すなわち基準局の測位データおよび位置情報の提供を受ける場合、測位端末毎に基準局との通信を行う必要があった。ここで、測位端末のユーザが、既存の測位システムの基準局を制御することは難しいため、測位端末と基準局との間の通信の管理などの負担の大部分は、測位端末のユーザが負わなくてはならない。そのため、測位端末の台数が増えると、測位端末のユーザの負担が大きくなってしまう。
本開示の非限定的な実施例は、測位端末のユーザの負担を軽減できるデータ配信サーバおよびデータ配信システムを開示する。
本開示の一態様に係るデータ配信サーバは、位置が未知である第1基準局および位置が既知である第2基準局のそれぞれと通信を行う通信部と、演算処理を行うプロセッサと、を具備し、前記通信部は、前記第1基準局から、前記第1基準局の測位データを受信し、前記第2基準局から、前記第2基準局の測位データおよび前記第2基準局の位置情報を受信し、前記プロセッサは、前記第1基準局の測位データ、前記第2基準局の測位データおよび前記第2基準局の位置情報を用いて測位演算を行うことにより、前記第1基準局の位置を算出する。
本開示の一態様に係るデータ配信システムは、複数の衛星から送信される測位信号に基づいて測位データを算出する第1基準局と、前記第1基準局の測位データ、位置が既知である第2基準局の測位データおよび前記第2基準局の位置情報を用いて測位演算を行うことにより、前記第1基準局の位置を算出するデータ配信サーバと、複数の衛星から送信される測位信号に基づいて測位データを算出し、算出した測位データ、前記第1基準局の測位データおよび前記第1基準局の位置情報を用いて測位演算を行うことにより、位置を算出する測位端末と、を具備する。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の一態様によれば、データ配信サーバが第1基準局の位置を算出することができる。これにより、地図上の正確な位置を測量することが困難なユーザであっても、容易に基準局を追加することができる。これにより、測位端末のユーザは自らの要望に合う基準局を設置もしくは利用することが可能となるので、測位端末のユーザの負担を軽減させることができる。
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
本開示の実施の形態1に係るデータ配信システムの構成を示す図 本開示の実施の形態1に係る基準局の構成を示すブロック図 本開示の実施の形態1に係る測位端末の構成を示すブロック図 本開示の実施の形態1に係るデータ配信サーバの構成を示す図 本開示の実施の形態1に係るデータ配信システムのシーケンスを示す図 本開示の実施の形態1に係る測位処理を示すフロー図 本開示の実施の形態2に係るデータ配信システムの構成を示す図 本開示の実施の形態2に係るデータ配信システムのシーケンスを示す図
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
<データ配信システムの構成>
まず、実施の形態1に係るデータ配信システム1の構成について図1を用いて説明する。図1に示すように、データ配信システム1は、基準局10と、測位端末20と、データ配信サーバ30と、から構成される。なお、データ配信システム1は、既存の測位システムの基準局(以下、「既設基準局」という、図示せず)の基準局測位データ(以下、「既設基準局測位データ」という)を利用する。
基準局10は、既存の測位システムの基準局とは異なり、データ配信システム1において独自に設置される。基準局10は複数設置されても良い。図1は、2台の基準局10−1、10−2が設置されている例を示す。
基準局10は、GNSS衛星(図示せず)から送信された測位信号を受信し、測位信号を用いて測位データ(以下、「自設基準局測位データ」という)を生成する。なお、本実施の形態では、基準局10は既存の測位システムが提供する基準局ではないものを想定しているため、基準局10に関連する情報には「自設」という表現を用いる。また、基準局10は、データ配信サーバ30と無線通信を行い、データ配信サーバ30に自設基準局測位データを送信し、データ配信サーバ30から基準局10の位置情報(以下、「自設基準局位置情報」という)を受信する。また、基準局10は、通信エリア内に存在する測位端末20と無線通信を行い、測位端末20に自設基準局測位データおよび自設基準局位置情報を送信する。図1は、基準局10−1が、測位端末20−1、20−2、20−3と通信を行い、基準局10−2が、測位端末20−4、20−5と通信を行っている例を示す。
測位端末20は、GNSS衛星から受信した測位信号を受信し、測位信号を用いて測位端末測位データを生成する。また、測位端末20は、近傍に存在する基準局10と無線通信を行い、基準局10から自設基準局測位データおよび自設基準局位置情報を受信する。
測位端末20は、測位端末測位データ、自設基準局測位データおよび自設基準局位置情報を用いてRTK演算を行い、測位端末20の現在の位置(地球上の座標)を算出する。座標は、例えば、緯度・経度・高度の三次元座標が一般的であるが、緯度・経度などの二次元座標であってもよい。なお、測位端末20には、測位用の専用端末、測位機能を有するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、測位サービスを行うサーバ等が含まれる。また、測位端末20は、座標を求める対象である移動体(例えば車輌など)に設置されてもよい。
データ配信サーバ30は、既設基準局と通信を行い、既設基準局から既設基準局測位データおよび既設基準局位置情報を受信する。また、データ配信サーバ30は、基準局10と無線通信を行い、基準局10から自設基準局測位データを受信する。
データ配信サーバ30は、既設基準局測位データ、既設基準局位置情報および自設基準局測位データを用いてRTK演算を行い、基準局10の現在の位置(地球上の座標)を算出し、基準局10に自設基準局位置情報を送信する。なお、複数の基準局10が設置されている場合、データ配信サーバ30は、各基準局10から時分割で自設基準局測位データを受信し、各基準局10の現在の位置をそれぞれ算出し、各基準局10に位置情報を送信する。図1の例では、データ配信サーバ30が、基準局10−1の自設基準局測位データと、基準局10−2の自設基準局測位データを時分割で受信し、基準局10−1、10−2の現在の位置をそれぞれ算出する。
<基準局の構成>
次に、実施の形態1に係る基準局10の構成について図2を用いて説明する。図2に示すように、基準局10は、プロセッサ101と、記憶部102と、入力部103と、出力部104と、第1通信部105と、第2通信部106と、受信部107と、バス110と、を有している。
プロセッサ101は、バス110を介して基準局10の他の要素を制御する。プロセッサ101として、例えば、汎用CPU(Central Processing Unit)が用いられる。また、プロセッサ101は、所定のプログラムを実行することにより、測位信号を用いて自設基準局測位データを生成する。
記憶部102は、他の要素から様々な情報を取得し、一時的あるいは恒久的にその情報を保持する。記憶部102は、いわゆる一次記憶装置と二次記憶装置の総称である。記憶部102は、物理的に複数配置されても良い。記憶部102として、例えば、DRAM(Direct Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)が用いられる。
入力部103は、外部からの情報を受け付ける。入力部103が受け付ける外部からの情報には、基準局10の操作者からの入力に関する情報などが含まれる。一例としてキーボード等の入力インターフェースを用いることで入力部103を構成することができる。
出力部104は、外部へ情報を提示する。出力部104が提示する情報には、測位に関する情報などが含まれる。一例としてディスプレイ等の既存の出力インターフェースを用いることで出力部104を構成することができる。
第1通信部105は、通信路を介して外部の機器と通信を行う。通信部105が通信する対象(通信対象)の機器には、測位端末20が含まれる。一例として無線LAN通信網など既存の通信網と通信可能な通信インターフェースを用いることで第1通信部105を構成することができる。
第2通信部106は、通信路を介して外部の機器と通信を行う。通信部106が通信する対象(通信対象)の機器には、データ配信サーバ30が含まれる。一例として、3G通信網、LTE通信網など既存の通信網と通信可能な通信インターフェースを用いることで第2通信部106を構成することができる。
受信部107は、衛星からの測位信号を受信し、バス110を介して測位信号をプロセッサ101に出力する。
なお、上記の基準局10の構成は一例である。基準局10の各構成要素の一部を統合して構成することもできる。基準局10の各構成要素の一部を複数の要素に分割して構成することもできる。基準局10の各構成要素の一部を省略することもできる。基準局10に他の要素を付加して構成することもできる。
<測位端末の構成>
次に、実施の形態1に係る測位端末20の構成について図3を用いて説明する。図3に示すように、測位端末20は、プロセッサ201と、記憶部202と、入力部203と、出力部204と、通信部205と、受信部206と、バス210と、を備えている。
プロセッサ201は、バス210を介して測位端末20の他の要素を制御する。プロセッサ201として、例えば、汎用CPUが用いられる。また、プロセッサ201は、所定のプログラムを実行することにより、測位信号を用いて測位端末測位データを生成する。また、プロセッサ201は、測位端末測位データ、自設基準局測位データおよび自設基準局位置情報を用いてRTK演算を行い、測位端末20の現在の位置を算出する。なお、プロセッサ201の機能の詳細については後述する。
記憶部202は、他の要素から様々な情報を取得し、一時的あるいは恒久的にその情報を保持する。記憶部202は、いわゆる一次記憶装置と二次記憶装置の総称である。記憶部202は、物理的に複数配置されても良い。記憶部202として、例えば、DRAM、HDD、SSDが用いられる。
入力部203は、外部からの情報を受け付ける。入力部203が受け付ける外部からの情報には、測位端末20の操作者からの入力に関する情報などが含まれる。一例としてキーボード等の入力インターフェースを用いることで入力部203を構成することができる。
出力部204は、外部へ情報を提示する。出力部204が提示する情報には、測位に関する情報などが含まれる。一例としてディスプレイ等の既存の出力インターフェースを用いることで出力部204を構成することができる。
通信部205は、通信路を介して外部の機器と通信を行う。通信部205が通信する対象(通信対象)の機器には、基準局10が含まれる。一例として、無線LAN通信網など既存の通信網と通信可能な通信インターフェースを用いることで通信部205を構成することができる。
受信部206は、衛星からの測位信号を受信し、バス210を介して測位信号をプロセッサ201に出力する。
なお、上記の測位端末20の構成は一例である。測位端末20の各構成要素の一部を統合して構成することもできる。測位端末20の各構成要素の一部を複数の要素に分割して構成することもできる。測位端末20の各構成要素の一部を省略することもできる。測位端末20に他の要素を付加して構成することもできる。
<データ配信サーバの構成>
次に、実施の形態1に係るデータ配信サーバ30の構成について図3を用いて説明する。図3に示すように、データ配信サーバ30は、プロセッサ301と、記憶部302と、入力部303と、出力部304と、通信部305と、バス310と、を備えている。
プロセッサ301は、バス310を介してデータ配信サーバ30の他の要素を制御する。プロセッサ301として、例えば、汎用CPUが用いられる。また、プロセッサ301は、既設基準局測位データ、既設基準局位置情報および自設基準局測位データを用いてRTK演算を行い、基準局10の現在の位置を算出する。
記憶部302は、他の要素から様々な情報を取得し、一時的あるいは恒久的にその情報を保持する。記憶部302は、いわゆる一次記憶装置と二次記憶装置の総称である。記憶部302は、物理的に複数配置されても良い。記憶部302として、例えば、DRAM、HDD、SSDが用いられる。
入力部303は、外部からの情報を受け付ける。入力部303が受け付ける外部からの情報には、データ配信サーバ30の操作者からの入力に関する情報などが含まれる。一例としてキーボード等の入力インターフェースを用いることで入力部303を構成することができる。
出力部304は、外部へ情報を提示する。出力部304が提示する情報には、測位に関する情報などが含まれる。一例としてディスプレイ等の既存の出力インターフェースを用いることで出力部304を構成することができる。
通信部305は、通信路を介して外部の機器と通信を行う。通信部305が通信する対象(通信対象)の機器には、既設基準局および基準局10が含まれる。一例として、3G通信網、LTE通信網など既存の通信網と通信可能な通信インターフェースを用いることで通信部305を構成することができる。
<測位端末のプロセッサの測位端末座標出力機能>
次に、測位端末20のプロセッサ201による、測位端末20の現在の位置(地球上の座標)を出力する機能について詳細に説明する。
プロセッサ201は、測位端末測位データ、自設基準局測位データおよび自設基準局位置情報を用いてRTK法による干渉測位(RTK演算)を実行し、測位解(フィックス解またはフロート解)を算出する。以下、RTK演算によって得られる測位解を「RTK測位解」という。プロセッサ201は、RTK演算によって得られるAR(Ambiguity Ratio)値を用いて品質チェックを行い、AR値が所定の閾値(例えば3.0)以上の場合には、正しいフィックス解が得られたと判定しフィックス解を出力し、AR値が所定の閾値(例えば3.0)未満の場合には、正しい測位解が得られなかったと判定し、フロート解を出力する。
そして、プロセッサ201は、RTK測位解を測位端末20の現在の位置(地球上の座標)とし、測位端末20の現在の位置を出力部204に出力する。
<測位データ>
次に、測位データについて説明する。実施の形態1において測位データには擬似距離情報、搬送波位相情報およびドップラー周波数情報が含まれる。
擬似距離情報とは、衛星と自局(基準局10あるいは測位端末20)との距離に関する情報である。プロセッサ(プロセッサ101あるいはプロセッサ201)は、測位信号を解析することにより衛星と自局との距離を算出することができる。具体的には、プロセッサは、まず、(1)測位信号が搬送したコードのパターンと自局が生成したコードのパターンとの相違、および、(2)測位信号に含まれるメッセージ(NAVDATA)に含まれる衛星の信号生成時刻と自局の信号受信時刻、の2つの情報に基づいて測位信号の到達時間を求める。そして、プロセッサは、当該到達時間に光速を乗ずることにより衛星と自局との擬似距離を求める。この距離には衛星のクロックと自局のクロックとの相違等に起因する誤差が含まれる。通常、この誤差を軽減させるために4つ以上の衛星に対して擬似距離情報が生成される。
搬送波位相情報とは、自局が受信した測位信号の位相である。測位信号は所定の正弦波である。プロセッサは、受信した測位信号を解析することにより測位信号の位相を算出することができる。
ドップラー周波数情報とは、衛星と自局との相対的な速度に関する情報である。プロセッサは、測位信号を解析することによりドップラー周波数情報を生成することができる。
以上のようにして、基準局10のプロセッサ101および測位端末20のプロセッサ201によって、それぞれ測位データが生成される。
<RTK演算>
次に、RTK演算について説明する。RTK演算は干渉測位の一つであるRTK法を実行する演算である。
RTK法とは、衛星が送信する測位信号の搬送波位相積算値を用いて所定の地点の測位を行うものである。搬送波位相積算値とは、衛星から所定の地点までの(1)測位信号の波の数と(2)位相との和である。搬送波位相積算値が求まれば、測位信号の周波数(および波長)が既知であるので、衛星から所定の地点までの距離を求めることができる。測位信号の波の数は、未知数であるので整数アンビギュイティまたは整数値バイアスと呼ばれる。
RTK法を実行するにあたって重要なことはノイズの除去と、整数アンビギュイティの推定(決定)である。
RTK法では、二重差と呼ばれる差を演算することにより、ノイズの除去を行うことができる。二重差とは2つの衛星に対する1つの受信機の搬送波位相積算値の差(一重差)を2つの受信機(実施の形態1においては基準局10と測位端末20)の間でそれぞれ算出した値の差である。実施の形態1においてはRTK法を用いた測位のために4つ以上の衛星を使用する。従って、4つ以上の衛星の組み合わせの数だけ二重差を演算することになる。この演算では、基準局測位データおよび測位端末測位データが用いられる。
RTK法では、整数アンビギュイティの推定を様々な方法で行うことができる。例えば、(1)最小二乗法によるフロート解の推定、および、(2)フロート解に基づくフィックス解の検定という手順を実行することにより整数アンビギュイティの推定を行うことができる。
最小二乗法によるフロート解の推定は、時間単位毎に生成した二重差の組み合わせを用いて連立方程式を作成し、作成した連立方程式を最小二乗法によって解くことにより実行される。この演算では、基準局測位データ、測位端末測位データおよび基準局10の既知の座標が用いられる。このようにして求められた整数アンビギュイティの実数推定値をフロート解(推測解)と呼ぶ。
以上のようにして求められたフロート解は実数であるのに対して、整数アンビギュイティの真の値は整数である。よって、フロート解を丸めることにより整数値にする作業が必要になる。しかし、フロート解を丸める組み合わせには複数通りの候補が考えられる。従って、候補の中から正しい整数値を検定する必要がある。検定によって整数値バイアスとしてある程度確からしいとされた解をフィックス解(精密測位解)と呼ぶ。実施の形態1ではRTK演算によって得られるAR値を用いて品質チェックを行い、品質チェックの結果に基づいて正しい整数値を検定する。なお、整数値の候補の絞込みを効率化するために基準局測位データが用いられる。
<データ配信システムのシーケンス>
次に、実施の形態1に係るデータ配信システム1のシーケンスについて図5を用いて説明する。
まず、基準局10が、衛星からの測位信号を用いて自設基準局測位データを生成し(S401)、データ配信サーバ30に自設基準局測位データを送信する(S402)。
次に、データ配信サーバ30が、自設基準局測位データ、既設基準局測位データおよび既設基準局位置情報を用いてRTK演算を実行し、測位解を算出する(S403)。そして、データ配信サーバ30は、RTK測位解を基準局10の現在の位置とし、基準局10に自設基準局位置情報を送信する(S404)。
なお、データ配信サーバ30は、基準局10から自設基準局測位データを受信する度に、既設基準局測位データを受信する。既設基準局および基準局10から見える衛星の相対的な位置や大気の状態は、時刻に応じて変化するため、基準局10の位置を高精度に算出するためには、自設基準局測位データと同一又は近い時刻の既設基準局測位データを使用することが望ましいためである。ここで、基準局10が複数存在する場合には、それぞれの基準局10から同時に自設基準局測位データが届くことは現実的にはまれであるため、データ配信サーバ30は、各基準局10向けの自設基準局測位データの要求を時分割で行う。ただし、データ配信サーバ30が、同時に複数の基準局10を処理できる構成にしても構わない。
なお、基準局10が基準局10の位置を算出するためには、既設基準局位置情報を受信する必要がある。既設基準局の位置情報が時刻に応じて変化することは極めてまれであるため、基準局10が既設基準局位置情報を受信するタイミングは任意で構わない。
次に、基準局10が、測位端末20に自設基準局測位データおよび自設基準局位置情報を送信する(S405)。なお、基準局10は、自設基準局位置情報を受信したタイミングと異なるタイミングで自設基準局測位データおよび自設基準局位置情報を送信しても構わない。ただし、この場合、測位端末20に対して自設基準局測位データを送るタイミングで、衛星からの測位信号を用いて自設基準局測位データを生成しなおすことが望ましい。測位端末20は、自設基準局測位データを受信したタイミングにおける衛星等の状況を反映して自らの位置を算出するためである。
次に、測位端末20が、衛星からの測位信号を用いて測位端末測位データを生成し(S406)、測位端末測位データ、自設基準局測位データおよび自設基準局位置情報を用いてRTK演算を実行し、測位解を算出する(S407)。そして、測位端末20は、RTK測位解を測位端末20の現在の位置として出力する。
<測位処理のフロー>
次に、実施の形態1に係る測位アンテナ20の測位処理のフローについて図6を用いて説明する。なお、測位処理を開始するタイミングについては特に限定は無い。例えば、測位端末20の電源が投入された際に、測位処理を開始しても良い。また、測位端末20の入力部203によって測位処理を開始するコマンドが入力された際に、測位処理を開始しても良い。
まず、ST501において、プロセッサ201が、記憶部202の記憶内部をクリアする。
次に、ST502において、受信部206が、各衛星から測位信号を受信する。また、ST503において、通信部205が基準局10から自設基準局測位データおよび自設基準局位置情報を受信する。
次に、ST504において、プロセッサ201が、衛星からの測位信号を用いて測位端末測位データを生成する。
次に、ST505において、プロセッサ201が、測位端末測位データ、自設基準局測位データおよび自設基準局位置情報を用いてRTK演算を実行する。
次に、ST506において、プロセッサ201が、ST505のRTK演算によって得られたAR値を確認する。
そして、ST507において、プロセッサ201が、十分な測位品質が得られたか否かの品質チェックを、AR値を確認することにより行う。
AR値が閾値(例えば、3.0)以上の場合(ST507:YES)、ST508において、出力部204が、そのRTK演算の測位解をフィックス解、即ち、精密測位解として出力する。この精密測位解は、測位端末20の現在の位置(地球上の座標)を表すものである。
一方、AR値が閾値未満の場合(ST507:NO)、ST509において、出力部204が、そのRTK演算の測位解をフロート解、即ち、推測解として出力する。
<効果>
以上のように、実施の形態1では、独自に設置された基準局10とデータ配信サーバ30を含むデータ配信システム1を構築する。そして、データ配信サーバ30が、基準局10で生成された自設基準局測位データ、既設基準局測位データおよび既設基準局位置情報を用いてRTK演算を実行して基準局10の位置を算出する。基準局10は、データ配信サーバ30から自設基準局位置情報を受信し、測位端末20に自設基準局測位データおよび自設基準局位置情報を送信する。
これにより、測位端末20は、基準局10から測位に必要なデータを受信できるので、RTK演算を実行して測位解を算出できる。
そして、実施の形態1によれば、データ配信サーバ30が、基準局10の位置を算出するため、専門知識を持たないユーザであっても基準局10を容易に設定することができる。これにより、測位端末20のユーザは、要望に合う基準局10を設置もしくは利用することが可能となるので、測位端末20のユーザの負担を軽減させることができる。
また、従来の測位システムでは、既設基準局を利用する装置1台毎にサービス利用料を支払う形態が一般的である。そのため、測位端末20が既設基準局と直接通信する場合には、測位端末20の数に応じてユーザの費用負担も増加していた。これに対し、実施の形態1によれば、既設基準局から直接的に情報を受信する装置は1台のデータ配信サーバ30である。したがって、本実施の形態によれば、複数の測位端末20が既設基準局から直接的に情報を受信する形態と比べて、サービス利用料を抑えることができる。
また、前述した通り、このデータ配信サーバ30は、複数の基準局10それぞれに対して、既設基準局測位データを必要なタイミングで受信して提供する。したがって、既設基準局とデータ配信サーバ30との間の契約を複数の基準局10向けに使いまわすことが可能となる。これにより、データ配信サーバ30を利用する基準局10が増えれば、データ配信サ−バ30の提供者が既設基準局に支払う利用料を基準局10のユーザ間で分担させることができる。
すなわち、基準局10または測位端末20のユーザは、データ配信システム1の提供者に所定のサービス利用料を支払えば、複数の測位端末20のそれぞれで測位を行うことができるので、測位端末20のユーザの負担は軽減される。なお、実施の形態1では、基準局10の設置者と測位端末20のユーザは同一であることを想定しているが、基準局10の設置者と測位端末20のユーザとは異なっていても良い。この場合も、同様に、既設基準局のサービス利用料を抑制することができる。
また、実施の形態1において、S401〜S404にて説明した、基準局10が自設基準局位置情報を取得する処理を行うタイミングは任意で構わない。例えば、基準局10の電源が投入されたタイミング、ユーザの指示を受けたタイミング、測位端末20から最初に自設基準局位置情報の送信を求められたタイミングなどが考えられる。また、データ配信サーバ30における負荷を分散させるため、データ配信サーバ30からタイミングを指示しても良い。
また、既設基準局と測位端末20とが直接通信する従来の構成では、測位に必要なデータをリアルタイムで入手できる測位端末20の数は、既設基準局の送信能力の上限によって制限を受ける。そのため、測位端末20の数が増加すると、一部の測位端末20が、測位に必要なデータをリアルタイムに得られなくなるおそれがある。これに対し、実施の形態1の構成によれば、既設基準局と直接やり取りを行うのは基準局10であり、基準局10が測位端末20に対して測位に必要なデータを送信する。したがって、測位端末20の数が大きく増加しても、それに伴って増加する通信の負担は、基準局10で吸収することができる。したがって、既設基準局の負担を軽減することができる。
また、上記実施の形態では、既設基準局とデータ配信サーバ30との間の通信、データ配信サーバ30と基準局10との間の通信、および、基準局10と測位端末20の間の通信は時分割で行っていたが、他の多重通信の方法を用いても良い。一対多通信における多重化の手法としては、周波数分割、符号分割など様々なものが知られている。ただし、既設基準局とデータ配信サーバ30との間の通信は、各契約者からの求めに応じて必要なデータを返す既存のサービスと整合性を取るため、時分割で行うことは有益である。
(実施の形態2)
実施の形態2においては、実施の形態1で説明したデータ配信システム1の基準局10、測位端末20、データ配信サーバ30それぞれに対して変更になる部分があるため、以下、データ配信システム1A、基準局10A、測位端末20A、データ配信サーバ30Aとする。
<データ配信システムの構成>
まず、実施の形態2に係るデータ配信システム1Aの構成について図7を用いて説明する。図7に示すように、データ配信システム1Aは、基準局10Aと、測位端末20Aと、データ配信サーバ30Aと、から構成される。実施の形態2では、基準局10Aと測位端末20Aとが無線通信を行わず、測位端末20Aとデータ配信サーバ30Aとが無線通信を行う点で、実施の形態1と異なる。
基準局10Aは、データ配信サーバ30Aから基準局10Aの位置情報を受信する必要が無く、測位端末20Aに自設基準局測位データおよび基準局10Aの位置情報を送信する必要が無い。このため、基準局10Aにおいて、第1通信部105は不要となる。なお、その他の基準局10Aの機能は、実施の形態1で説明した基準局10のものと共通する。
測位端末20Aは、データ配信サーバ30Aから自設基準局測位データおよび基準局10Aの位置情報を受信する。なお、その他の測位端末20Aの機能は、実施の形態1で説明した測位端末20のものと共通する。
データ配信サーバ30Aは、測位端末20Aに、該測位端末20Aの近傍に位置する基準局10Aの位置情報を送信する。図7の例では、データ配信サーバ30Aは、測位端末20A−1、20A−2、20A−3に、基準局10A−1の位置情報を送信し、測位端末20A−4、20A−5に、基準局10A−2の位置情報を送信する。なお、その他のデータ配信サーバ30Aの機能は、実施の形態1で説明したデータ配信サーバ30のものと共通する。
<データ配信システムのシーケンス>
次に、実施の形態2に係るデータ配信システム1Aのシーケンスについて図8を用いて説明する。
まず、基準局10Aが、衛星からの測位信号を用いて自設基準局測位データを生成し(S601)、データ配信サーバ30Aに自設基準局測位データを送信する(S602)。
次に、データ配信サーバ30Aが、自設基準局測位データ、既設基準局測位データおよび既設基準局位置情報を用いてRTK演算を実行し、測位解を算出する(S603)。そして、データ配信サーバ30Aは、RTK測位解を基準局10Aの現在の位置とし、測位端末20Aに、自設基準局測位データおよび基準局10Aの位置情報を送信する(S604)。
次に、測位端末20Aが、衛星からの測位信号を用いて測位端末測位データを生成し(S605)、測位端末測位データ、自設基準局測位データおよび基準局10Aの位置情報を用いてRTK演算を実行し、測位解を算出する(S606)。そして、測位端末20Aは、RTK測位解を測位端末20の現在の位置として出力する。
<効果>
以上のように、実施の形態2では、独自に設置された基準局10Aとデータ配信サーバ30Aを含むデータ配信システム1Aを構築する。そして、データ配信サーバ30Aが、基準局10Aで生成された自設基準局測位データ、既設基準局測位データおよび既設基準局位置情報を用いてRTK演算を実行して基準局10Aの位置を算出し、測位端末20Aに自設基準局測位データおよび基準局10Aの位置情報を送信する。
これにより、測位端末20Aは、基準局10Aから測位に必要なデータを受信できるので、RTK演算を実行して測位解を算出できる。
実施の形態2によれば、データ配信サーバ30Aが、基準局10Aの位置を算出するため、専門知識を持たないユーザであっても基準局10Aを容易に設定することができる。これにより、測位端末20Aのユーザは自らの要望に合う基準局10Aを設置もしくは利用することが可能となるので、測位端末20Aのユーザの負担を軽減させることができる。
また、従来の測位システムでは、既設基準局を利用する装置1台毎にサービス利用料を支払う形態が一般的である。そのため、測位端末20Aが既設基準局と直接通信する場合には、測位端末20Aの数に応じてユーザの費用負担も増加していた。これに対し、実施の形態1によれば、既設基準局から直接的に情報を受信する装置は1台のデータ配信サーバ30Aである。したがって、本実施の形態によれば、複数の測位端末20Aが既設基準局から直接的に情報を受信する形態と比べて、サービス利用料を抑えることができる。
また、前述した通り、このデータ配信サーバ30Aは、複数の基準局10Aそれぞれに対して、既設基準局測位データを必要なタイミングで受信し、基準局10Aの位置を算出する。したがって、既設基準局とデータ配信サーバ30Aとの間の契約を複数の基準局10A向けに使いまわすことが可能となる。これにより、データ配信サーバ30Aを利用する基準局10Aが増えれば、データ配信サ−バ30Aの提供者が既設基準局に支払う利用料を基準局10Aのユーザ間で分担させることができる。
すなわち、基準局10Aまたは測位端末20Aのユーザは、データ配信システム1の提供者に所定のサービス利用料を支払えば、複数の測位端末20Aのそれぞれで測位を行うことができるので、従来に比べて負担を軽減できる。なお、実施の形態2では、基準局10Aの設置者と測位端末20Aのユーザは同一であることを想定しているが、基準局10Aの設置者と測位端末20Aのユーザとは異なっていても良い。この場合も、同様に、既設基準局のサービス利用料を抑制することができる。
また、実施の形態2によれば、基準局10Aは自設基準局測位データを生成し、データ配信サーバ30Aに自設基準局測位データを送信する以外の処理は行わない。そのため、基準局10Aを極めて単純な構成で実現することができる。これにより、基準局10Aの小型化が容易になり、多様な装置に基準局10Aを搭載することが可能になる。
なお、本開示は、部材の種類、配置、個数等は前述の実施の形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
また、実施の形態2において、S603にて説明した、データ配信サーバ30Aにて、準局10Aの位置であるRTK測位解を算出するタイミングは任意で構わない。例えば、基準局10Aの電源が投入されたタイミング、ユーザの指示を受けたタイミング、測位端末20Aから最初に基準局10Aの位置情報の提供を求められたタイミングなどが考えられる。また、データ配信サーバ30Aにおける負荷を分散させるため、データ配信サーバ30Aにてタイミングを決定しても良い。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
上記各実施の形態では、本開示はハードウェアを用いて構成する例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
また、上記各実施の形態における基準局10、10Aは、必ずしも位置が固定されているものではなくともよい。例えば、大型移動体に基準局10、10Aの機能を設け、当該大型移動体にて運ばれる小型移動体に測位端末20、20Aの機能を設けても良い。これにより、小型移動体を用いて行う作業現場に大型移動体を移動させ、作業時には大型移動体を基準局10、10Aとして機能させることで、小型移動体の座標を算出することができる。基準局10、10Aは、測位端末20、20Aの位置の算出に用いる情報の基準となるため、上記の例で小型移動体を用いた作業を行う場合には、大型移動体は停止していることが望ましい。ただし、大型移動体が移動する場合であっても、停止する度に基準局10、10Aとしての位置情報等を取得しなおせばよいため、必ずしも作業中に停止させ続ける必要はない。このような状況の具体的な例としては、大型移動体であるトラックなどにより、小型移動体であるドローン等を運搬し、運搬先にてドローン等による作業を行うことなどが考えられる。なお、上記の説明では、大型移動体/小型移動体という表現を用いて説明したが、本発明では、必ずしも基準局10、10Aが、測位端末20、20Aよりも大きな物体である必要はない。例えば、基準局10、10Aとしてユーザが携帯し作業の現場で設置できる小型の装置を用いてもよい。
また、上記各実施の形態において、既設基準局とデータ配信サーバ30Aとの間の通信、データ配信サーバ30Aと基準局10Aとの間の通信、既設基準局と測位端末20Aとの間の通信は時分割で行ってもよいし、他の多重通信の方法を用いても良い。一対多通信における多重化の手法としては、周波数分割、符号分割など様々なものが知られている。ただし、既設基準局との通信は、各契約者からの求めに応じて必要なデータを返す既存のサービスと整合性を取るため、時分割で行うと有益である。
また、上記各実施の形態において、測位端末20、20Aが基準局10、10Aと関連のある端末であることが認証できた場合にのみ、サービスを提供するよう構成しても良い。これにより、不正な測位端末によるサービスの不正利用を防止することができる。実施の形態1では、基準局10と測位端末20の接続における既知のセキュリティ(Wi−Fi(登録商標)との接続時の認証など)で認証するものとしてもよい。また、実施の形態2では、測位端末20Aと既設基準局との通信を行う際に、当該測位端末20Aが、関連する基準局10Aを示す情報(例えば、基準局10AのID)と、その正当性を認証する情報(例えば、パスワード)などを送信することによって認証することなどが考えられる。
また、上記各実施の形態では、既存のサービスにおける基準局を「既設基準局」と呼び、基準局10、10Aと区別していたが、本発明では、技術的な意味では区別する必要はない。すなわち、既存のサービス業者が上記各実施の形態の手法を用いて「既設基準局」のサービスを拡張したり、基準局10、10Aに既設基準局と同様の機能を追加し、他の基準局10、10Aに対する「既設基準局」であるものと見做して実施の形態1または2のシステムを構築したりしてもよい。
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力と出力を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、各機能ブロックの一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法にはLSIに限らず、専用回路または汎用プロセッサを用いて実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、LSI内部の回路セルの接続、設定が再構成可能なリコンフィグラブル・プロセッサーを利用してもよい。
更には、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、別技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてあり得る。
なお、本開示は、無線通信装置、または制御装置において実行される制御方法として表現することが可能である。また、本開示は、かかる制御方法をコンピュータにより動作させるためのプログラムとして表現することも可能である。更に、本開示は、かかるプログラムをコンピュータによる読み取りが可能な状態で記録した記録媒体として表現することも可能である。すなわち、本開示は、装置、方法、プログラム、記録媒体のうち、いずれのカテゴリーにおいても表現可能である。
また、本開示は、部材の種類、配置、個数等は前述の実施の形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
本開示は、衛星からの信号を利用して干渉測位を行う場合に好適である。
1、1A データ配信システム
10、10A 基準局
20、20A 測位端末
30、30A データ配信サーバ
101、201、301 プロセッサ
102、202、302 記憶部
103、203、303 入力部
104、204、304 出力部
105 第1通信部
106 第2通信部
107、206 受信部
110、210、310 バス
205、305 通信部

Claims (15)

  1. 位置が未知である第1基準局および位置が既知である第2基準局のそれぞれと通信を行う通信部と、
    演算処理を行うプロセッサと、
    を具備し、
    前記通信部は、
    前記第1基準局から、前記第1基準局の測位データを受信し、
    前記第2基準局から、前記第2基準局の測位データおよび前記第2基準局の位置情報を受信し、
    前記プロセッサは、
    前記第1基準局の測位データ、前記第2基準局の測位データおよび前記第2基準局の位置情報を用いて測位演算を行うことにより、前記第1基準局の位置を算出する、
    データ配信サーバ。
  2. 前記第1基準局の測位データは、前記第1基準局において、複数の衛星から送信される測位信号に基づいて算出され、
    前記第2基準局の測位データは、前記第2基準局において、複数の衛星から送信される測位信号に基づいて算出される、
    請求項1に記載のデータ配信サーバ。
  3. 前記通信部は、
    前記第1基準局に前記第1基準局の位置情報を送信する、
    請求項1または2に記載のデータ配信サーバ。
  4. 前記通信部は、
    複数の衛星から送信される測位信号に基づいて測位データを算出する測位端末に、前記第1基準局の測位データおよび前記第1基準局の位置情報を送信する、
    請求項1または2に記載のデータ配信サーバ。
  5. 前記通信部は、
    前記第1基準局が複数設置されている場合、前記第1基準局のそれぞれから前記第1基準局の測位データを受信し、
    前記プロセッサは、
    前記第1基準局のそれぞれの位置を算出する、
    請求項1から4のいずれか一項に記載のデータ配信サーバ。
  6. 前記通信部は、
    前記第2基準局の測位データを、前記第1基準局のそれぞれから前記第1基準局の測位データを受信した時点に対応する時点で受信し、
    前記第1基準局それぞれの位置を、前記第1基準局それぞれの測位データを受信した時点に対応する第2基準局の測位データを用いて算出する、
    請求項5に記載のデータ配信サーバ。
  7. 複数の衛星から送信される測位信号に基づいて測位データを算出する第1基準局と、
    前記第1基準局の測位データ、位置が既知である第2基準局の測位データおよび前記第2基準局の位置情報を用いて測位演算を行うことにより、前記第1基準局の位置を算出するデータ配信サーバと、
    複数の衛星から送信される測位信号に基づいて測位データを算出し、算出した測位データ、前記第1基準局の測位データおよび前記第1基準局の位置情報を用いて測位演算を行うことにより、位置を算出する測位端末と、
    を具備するデータ配信システム。
  8. 前記第2基準局の測位データは、前記第2基準局において、複数の衛星から送信される測位信号に基づいて算出される、
    請求項7に記載のデータ配信システム。
  9. 前記データ配信サーバは、
    前記第1基準局に前記第1基準局の位置情報を送信し、
    前記第1基準局は、
    前記測位端末に、前記第1基準局の測位データおよび前記第1基準局の位置情報を送信する、
    請求項7または8に記載のデータ配信システム。
  10. 前記データ配信サーバは、
    前記測位端末に、前記第1基準局の測位データおよび前記第1基準局の位置情報を送信する、
    請求項7または8に記載のデータ配信システム。
  11. 前記データ配信サーバは、
    前記第1基準局が複数設置されている場合、前記第1基準局のそれぞれから前記第1基準局の測位データを受信し、前記第1基準局のそれぞれの位置を算出する、
    請求項7から10のいずれか一項に記載のデータ配信システム。
  12. 前記データ配信サーバは、
    前記第2基準局の測位データを、前記第1基準局のそれぞれから前記第1基準局の測位データを受信した時点に対応する時点で受信し、
    前記第1基準局それぞれの位置を、前記第1基準局それぞれの測位データを受信した時点に対応する第2基準局の測位データを用いて算出する、
    請求項11に記載のデータ配信システム。
  13. 前記データ配信システムは、前記第1基準局と通信する複数の測位端末を含み、
    前記基準局は、前記複数の測位端末それぞれに対して、前記第1基準局の測位データおよび前記第1基準局の位置情報を送信する、
    請求項7から12のいずれか一項に記載のデータ配信システム。
  14. 前記データ配信システムは、前記第1基準局と対応付けられた複数の測位端末を含み、
    前記データ配信サーバは、前記複数の測位端末それぞれに対して、前記測位端末が対応付けられている第1基準局の測位データ、および、前記測位端末が対応付けられている第1基準局の位置情報を送信する、
    請求項7から12のいずれか一項に記載のデータ配信システム。
  15. 位置が未知である第1基準局から、前記第1基準局の測位データを受信し、
    位置が既知である第2基準局から、前記第2基準局の測位データおよび前記第2基準局の位置情報を受信し、
    前記第1基準局の測位データ、前記第2基準局の測位データおよび前記第2基準局の位置情報を用いて測位演算を行うことにより、前記第1基準局の位置を算出する、
    データ配信方法。
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