上述の問題に鑑みて、適切な分析のためのサンプルの調製を可能にするシステムを提供することが本発明の目的と見られることができる。この目的及び更なる目的は、独立項の主題によって解決される。更なる実施形態は、従属項に記載される。
本発明によれば、ハウジングと、アクチュエータとを含む、分析前に患者のサンプルを調製するデバイスが提供される。ハウジングは、開口を備える収容チャンバと、試薬貯槽とを含む。収容チャンバは、開口を通じて患者のサンプルの少なくとも部分を収容するように構成され、試薬貯槽は、試薬を収容するように構成される。アクチュエータは、ハウジングに対して移動可能であり、アクチュエータは、収容チャンバを順次式に閉じて、試薬貯槽に収容される試薬を収容チャンバのサンプルと接触させるように構成されるので、患者のサンプルは、試薬と少なくとも部分的に混合される。
ある例において、デバイスは、サンプル収集要素を備える。
ある例において、試薬は、試薬を放出するようアクチュエータによって開放される筐体(enclosure)内に提供される。ある例において、筐体は、アクチュエータの2つの隣接する部分の間で狭窄され、それにより、試薬は、筐体から押し出される。他の例において、アクチュエータは、試薬を筐体から外に流出させるよう筐体に開口をもたらす穿孔要素又は穿刺要素を含む。
ある例において、試薬は、流体試薬の液体として提供される。
他の例において、試薬は、乾燥試薬として提供される。アクチュエータは、サンプル液内に試薬を注ぐように構成される。
ある例によれば、デバイスは、試薬貯槽内の試薬を含む。好ましくは、試薬は、溶解剤を含む。
ある例によれば、アクチュエータは、アクチュエータ本体と、収容チャンバの開口を閉塞するように構成される閉塞要素と、アクチュエータの移動後に試薬を放出して患者のサンプルと接触させるように構成される放出要素とを含む。
ある例によれば、閉塞要素は、アクチュエータが開口を閉じるように動かされるときに互いに向かって移動する2つの把持要素を含む。
ある例によれば、アクチュエータは、ハウジングに対して回転するように構成される。
ある例によれば、切断部分を含む収容チャンバの閉塞装置が提供され、切断部分は、収容チャンバから突出することがあるサンプル収集要素の部分を切断するように構成され、供給アクチュエータは、収容チャンバの閉塞装置をアクティブ化する閉塞アクチュエータとしても作用し、サンプル収集要素の突出する部分の切断を空く恥部化する切断アクチュエータとしても作用する。
ある例によれば、アクチュエータは、収容チャンバの円周に沿って動くように構成される。
ある例によれば、アクチュエータは、壁部分を含み、壁部分は、アクチュエータが収容チャンバに対して動くときに、試薬貯槽から試薬を供給させる。
ある例において、デバイスは、計量チャンバを備える第2のアクチュエータを更に含み、第2のアクチュエータは、試薬と患者のサンプルとを含む混合物を収容チャンバから計量チャンバ内に移送するように構成される。
ある例によれば、第2の試薬貯槽が提供され、第2の試薬貯槽は、第2の試薬を収容するように構成され、第2のアクチュエータが、第2の試薬貯槽に液体を供給するように構成される。
ある例において、アクチュエータは、試薬貯槽内に収容される試薬を収容チャンバに供給することによって、試薬がサンプルと接触させられるように更に構成されるので、患者のサンプルが収容チャンバ内にあるとき、患者のサンプルは、試薬と少なくとも部分的に混合される。
本発明によれば、患者のサンプルを分析するシステムも提供される。システムは、先行する例のうちの1つに従ったデバイスとして提供されるサンプル調製デバイスと、調製デバイスによって提供される液体の少なくとも1つの分析を行うように構成される。
本発明によれば、分析前に患者のサンプルを調製する方法も提供される。方法は、
a)試薬を提供して、試薬貯槽内に記試薬を挿入するステップと、
b)収容チャンバ内のサンプル収集要素の又は患者のサンプルの少なくとも部分を受け取るステップであって、患者のサンプルは、サンプル収集要素の1つの部分の上にある、ステップと、
c)デバイスのハウジングを閉塞するステップと、
d)患者のサンプルを少なくとも部分的に試薬と混合するために患者のサンプルに試薬を供給するステップとを含む。
ある例では、既述の問題のための解決策を提供するデバイスが、患者のサンプルを収容する収容チャンバと、第1の試薬貯槽及び/又は第2の試薬貯槽とを含む。収容チャンバは、サンプル又はサンプル収集要素の少なくとも端部分を収容するように構成され、患者のサンプルは、そのサンプル収集要素によって収集される。第1の試薬貯槽は、液体、ゼリーのような試薬又は乾燥した試薬を収容するように概ね構成されてよい。試薬は、溶解剤を含んでよい。即ち、第1の試薬は、ある種の溶解緩衝液(lysis buffer)であってよい。同様に、第2の貯槽は、第2の試薬を収容するように概ね構成されてよい。第2の試薬は、サンプル中の標的化された検体又はサンプル中の汚染物を特異に結合するように構成されてよい。試薬は、診断目的のための分析検出を可能にするか或いは強化するラベル及び/又はアクティブ化可能な要素がアクティブ化によってアクティブ化されるならば検体又は汚染物の駆動又は輸送を可能にするアクティブ化可能な要素に更に結合されてよい。このアクティブ化可能な要素は、磁性手段(コイル及び/又は磁石)によって磁気的にアクティブ化される磁性粒子を含んでよい。より一層具体的な場合には、それらの磁性粒子をラベルとして使用することもできる。一般的に、第1の試薬は、第2の試薬と異なってよい。
更に、デバイスは、少なくとも1つのアクチュエータを含んでよい。デバイスは、第1の試薬をサンプルと接触させるための第1のアクチュエータと、第2の試薬をサンプルと接触させるための第2のアクチュエータとを含んでよい。デバイスは、第1の試薬貯槽から収容チャンバに第1の試薬を供給するように構成されるアクチュエータを含んでよい。アクチュエータは、更に又は代替的に、収容チャンバから第1の試薬貯槽にサンプルを供給するように構成されてよい。その上、アクチュエータは、第1の試薬貯槽からの第1の試薬及び収容チャンバからのサンプルを混合チャンバに供給するように構成されてよい。デバイスは、第2の試薬貯槽から収容チャンバに第2の試薬を供給するための或いは収容チャンバから第2の試薬貯槽にサンプルを供給するためのアクチュエータを含んでよい。更に、デバイスは、第2の試薬貯槽からの第2の試薬及び収容チャンバからのサンプルを混合チャンバに供給するためのアクチュエータを含んでよい。
ある例によれば、患者のサンプルをサンプル収集要素から取り除くことができるように並びに試薬が患者のサンプルを含むように、第1の試薬貯槽からサンプル又はサンプル収集要素に試薬を供給するように構成された、アクチュエータが設けられてよい。
他の例によれば、患者のサンプルを含む液体を第二の試薬貯槽からの試薬と混合するように構成されたアクチュエータが提供されてよい。第2のアクチュエータは、患者のサンプル及び試薬の両方を含む液体を分析デバイスに供給するように更に構成されてよい。
ある例によれば、最初に述べたアクチュエータは、最初のアクチュエータがその最終位置に達するまで、即ち、第1の試薬を収容チャンバ内のサンプルに供給させるまで、第2に述べたアクチュエータのいかなる動きをも阻止するように構成されてよい。例えば、第1の試薬貯槽内の溶解緩衝液ポーチを狭窄することがある要素は、収容チャンバから液体を引き出す計量チャンバの動きを阻止することがある。
2つのアクチュエータが設けられる場合、アクチュエータは、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータとして示されることがあることに留意のこと。更に、「第1」及び「第2」という用語は、アクチュエータを示すために主として使用されることに更に留意のこと。アクチュエータは、さもなければ「上方」及び「下方」アクチュエータと呼ばれることもある。結果的に、本明細書に記載の実施形態に従ったデバイスが1つだけのアクチュエータを含むならば、そのアクチュエータは、そのアクチュエータが、ある実施形態において、例えば、「第1」又は「第2」のアクチュエータとして以下に記載されることがあるとしても、特定の用語によって示されない。同じことが、第1及び第2の試薬ならびに第1及び第2の試薬貯槽について、それぞれ当て嵌まる。
ある例によれば、デバイスは、ハウジングと、アクチュエータとを含んでよい。ハウジングは、収容チャンバと、試薬貯槽とを含んでよく、収容チャンバは、サンプル又はサンプルを備えるサンプル収集要素の少なくとも一部分を収容するように構成され、試薬貯槽は、試薬を収容するように構成される。アクチュエータは、ハウジングに対して移動可能であってよく、収容チャンバを順次式に閉じて、試薬貯槽内に収容される試薬を収容チャンバのサンプルと接触させる、ように構成されていてよい。アクチュエータは、代替的に又は更に、試薬を試薬貯槽から収容チャンバに供給するように或いはサンプルを収容チャンバから試薬貯槽に供給するように構成されてよい。アクチュエータは、試薬貯槽からの試薬及び収容チャンバからのサンプルを混合チャンバに供給するように構成されてもよい。デバイスは、患者のサンプルを試薬と混合するように更に構成されるのが有利である。この操作は、具体的には、患者のサンプルを備えるサンプル収集要素(例えば、スワブ)が収容チャンバ内にあるときに、患者のサンプルが、少なくとも部分的にサンプル収集要素から取り除かれるように実行されてよい。
試薬は、試薬を保持することができる手段によって第1の試薬貯槽に挿入されてよい。試薬が液体又はゼリー状の試薬であるならば、試薬を保持する手段は、スポンジ、弾性パッド若しくはバッグ、又はバイアル(ガラス瓶)であってよい。試薬を保持する手段の種類に依存して、試薬をサンプル収集要素に供給するためのアクチュエータは、スポンジを絞るか、バッグ又はパッドが爆発して試薬を放出するまで、閉じられたバッグ又はパッドであってよいバッグ又はパッドを押すか、或いは硬いバイアルを破壊して試薬を放出させる、ように構成されてよい。試薬が乾燥しているならば、試薬は、バッグ、パッド又はバイアル内に保持されてよい。
換言すれば、デバイスのアクチュエータの第2の機能は、試薬がサンプルと化学的に及び/又は機械的に反応するのを可能にするために、試薬、例えば、乾燥又は液体溶解試薬を、液体又は乾燥患者サンプルと接触させることとして見られることができる。よって、液体の患者のサンプルは、乾燥した試薬と接触するようになってよく、多かれ少なかれ乾燥した患者のサンプルは、液体の試薬と接触するようになってよいことが、理解されるであろう。
ある例によれば、アクチュエータは、開口を閉じるときに収容チャンバを封止するように且つ/或いはサンプル収集要素をカプセル化するように更に構成されてよい。
アクチュエータは、閉塞要素を含んでよく、閉塞要素は、例えば、ハウジングに対するアクチュエータの移動後に収容チャンバの開口を覆う表面を含み、患者のサンプル及び/又はスワブのようなサンプル収集要素の少なくとも一部分は、その開口を通じてハウジングの収容チャンバに挿入されてよい。閉塞要素は、アクチュエータに固定的に取り付けられてよい或いはアクチュエータ本体と一体的に形成されてよい別個の要素であってよい。
ある例によれば、アクチュエータは、閉塞要素と、作動手段とを含んでよく、閉塞要素は、収容チャンバを閉じるように構成されてよく、作動手段は、患者のサンプルに試薬を供給するように構成されてよい。閉塞要素は、開口を閉塞するために、アクチュエータが作動させられるときに他方に対して一方が移動する2つの要素を含んでよく、2つの閉塞要素は、それぞれ、把持部材によって提供される。作動手段は、閉塞要素を取り囲んでよく、試薬を供給してサンプル収集要素からのサンプルの除去を実行するために、ハウジングの中心軸について回転するように設計されてよい。作動手段は、サンプル収集要素からサンプルを除去するために、アクチュエータが回転させられるときに、サンプル収集要素が押し付けられることがある、内壁であってよい。
ある例によれば、アクチュエータは、収容チャンバから突出することがあるサンプル収集要素の一部分を切断するように更に構成されてよい。
アクチュエータは、アクチュエータ本体に取り付けられてよい或いはアクチュエータ本体と一体的に形成されてよい、即ち、アクチュエータ本体の一部分である、切断要素を含んでよい。
ある例によれば、アクチュエータは、第1に、収容チャンバから突出するサンプル収集要素の部分を切断し、第2に、収容チャンバを閉じて封止し、第3に、試薬を試薬貯槽から収容チャンバ内にあるサンプル収集要素の部分に放出する、ように構成される。
ある例では、サンプル収集要素を切断するための鋭利なエッジが、収容チャンバを閉じる閉塞要素に設けられることがあるので、第1に、ハウジングから突出するサンプル収集要素の部分を切断することができ、第2に、アクチュエータの更なる移動は、ハウジング内の収容チャンバを閉塞する。ハウジングを閉塞するためだけでなく封止するためにもシーリング要素が設けられてよい。サンプル収集要素の部分を切断し、収容チャンバを閉塞及び/又は封止した後に、アクチュエータは、第1の試薬貯槽からサンプル収集要素に試薬を供給してよい。
更なる例によれば、アクチュエータは、収容チャンバの円周に沿って移動するように更に構成されてよい。
収容チャンバは、患者のサンプル又はステムのない綿スワブのようなサンプル収集要素を完全に収容するのに十分な大きさであてよいことが理解されるであろう。しかしながら、サンプル収集要素が使用されることが意図され、その要素が長いステムを含む場合、そのようなステムは、例えば、アクチュエータの鋭いエッジによって切断されてよい。
液体がデバイスの内部で使用されるとき、デバイスは上方部分と下方部分とを有し、デバイスが適切な向きにあるときにのみ、その液体は流れ、適切な方法で移送される場合があることが、更に理解されるであろう。デバイスの主軸は、垂直軸であってよく、円周の周りの移動は、デバイスの垂直軸の周りの回転運動と考えられてよい。
ある例によれば、デバイスは、収容チャンバがアクチュエータによって閉じられた後にアクチュエータの逆方向の動きを阻止するように構成される、阻止要素(blocking element)を更に含む。
例えば、阻止要素は、スナップオン接続の弾性要素を含んでよく、或いはラチェット機構のような複数の歯又はフックを有してよく、一方向にのみ移動を可能にする。
ある例によれば、デバイスは、一度だけ使用されるように構成される。具体的には、アクチュエータは、一度だけ作動させられてよい、即ち、ハウジングに対して移動させられてよい。第1のアクチュエータは、第1のアクチュエータの逆方向の動きが可能でない阻止位置(blocking position)にあってよく、収容チャンバがアクチュエータによってしっかりと閉じられるやいなや、阻止位置に到達してよい。
ある例によれば、分析前に患者のサンプルを調製するデバイスが、ハウジングと、アクチュエータとを含んでよく、ハウジングは、任意的に、収容チャンバと、試薬貯槽とを含んでよく、収容チャンバは、患者のサンプルを収容するように構成され、試薬貯槽は、試薬を収容するように構成される。アクチュエータは、ハウジングに対して移動可能であってよく、収容チャンバ内に収容される液体の所定の量を抽出するように並びに抽出された液体を試薬貯槽に供給するように構成されてよいので、試薬は、液体中に懸濁される。
ある例によれば、デバイスは、計量チャンバを含んでよく、アクチュエータは、所定量の液体が試薬と混合させられることがあるように、患者のサンプルを含む液体を収容チャンバから計量チャンバ内に吸い込むように構成される。液体と試薬との混合は、アクチュエータによって生成される乱流によって改良されることがある。この乱流は、試薬とサンプルとのより良好な混合を生じさせるのに十分でなければならない。例えば、アクチュエータは、非線形の流路(flow channel)及び/又はその長さに沿って異なる断面を備える流路を含んでよい。そのようなチャネル(channel)は、デバイスのハウジング内に設けられてもよいことが理解されるであろう。アクチュエータは、チャネルがアクチュエータ内及び/又はハウジング内に形成されるか否かに拘わらず、液体をチャネル内に押し込むように構成されてよい。換言すれば、アクチュエータは、患者のサンプルと試薬とを含む液体混合物を収容チャンバから計量チャンバに、そして、計量チャンバから分析デバイスの検出チャンバに移送するように構成されてよく、混合物は、分析デバイスの検出チャンバで分析されてよい。デバイスは、混合物を更に処理するために、試薬貯槽内に収容される試薬及び/又はフィルタを更に含んでよい。
ある例によれば、デバイスの計量チャンバは、液体を収容チャンバから計量チャンバ内へ抽出することがある上方オリフィスと、抽出された液体を試薬チャンバに供給することがある下方オリフィスとを含んでよい。あるオプションにおいて、第1のオリフィスは、シリンダ内に設けられ、第2のオリフィスは、ピストン内に設けられる。代替的又は追加的なオプションでは、ひとたび計量チャンバの容積が増大させられて、アンダープレッシャー(underpressure)が蓄積されると、第1のオリフィスが計量チャンバと収容チャンバとの間の接続をもたらすよう、第1のオリフィスは、シリンダの下方部分に配置される。代替的又は追加的なオプションでは、ひとたび液体が計量チャンバ内に抽出され、計量チャンバから液体を押し出すために計量アクチュエータが作動させられると、第2のオリフィスが計量チャンバと試薬チャンバとの間の接続をもたらすよう、第2のオリフィスは、少なくとも部分的にベースの開口部材によって開かれる開放可能な閉塞装置(closure)で覆われるように配置される。
好ましくは、オリフィスは、アクチュエータの壁内の流出への流体経路を形成するチャネル又は貫通穴として定められるので、流体接続が、計量チャンバと収容チャンバとの間に確立されることができる。
ある例において、液体は、抽出によって収容チャンバから計量チャンバに抽出され、抽出された液体は、供給によって試薬チャンバに供給される。
ある例において、抽出された液体は、試薬貯槽及び/又は検出チャンバ、即ち、分析デバイスに供給される。
ある例によれば、液体を計量して液体を分析デバイスの方向に移送するためのアクチュエータは、実質的にデバイスの長手軸の周りに延び、アクチュエータの作動は、この長手軸に沿う方向において行われてよい。
ある例において、デバイスは、計量チャンバから試薬チャンバ及び/又は液体収容容積への液体の供給を防止するように構成される穿刺可能なシールを更に含む。あるオプションでは、ベースと容器との相互作用係合後に、好ましくは、更なる移動後に、穿刺部材がシールを穿刺することによって開口を提供するように、穿刺部材が、ベースから延びるベースに設けられる。
ある例において、シールは、穿刺可能な箔、即ち、穿刺可能なフィルム、例えば、穿刺可能な膜として提供される。ある例において、膜は、液密であり且つ気密である。
液体収容容積は、更なるチャンバとして或いは貯槽として或いは供給チャネルとして提供されてよい。
ある例において、シール又は穿刺可能な膜は、試薬貯槽への液体の供給を防ぐように構成される。
ある例において、シール又は膜の全体は、乱流を生成するためにピストンの直径よりも小さく設けられる。
他の例によれば、デバイスの出口は、穿刺要素によって穿刺可能なシール又は膜を備えるチャネルであってよい。代替的に、出口チャネルは、分析デバイス内に設けられる穿刺可能な膜を穿刺するように設計された穿刺要素内に設けられてよい。両方の場合において、穿刺可能な膜は、穿刺可能な膜が穿刺されるまで、分析デバイスへの液体混合物の供給を妨げるように構成される。
ある例によれば、アクチュエータは、液体を試薬チャンバに供給するときに液体の乱流を生成するように更に構成される。
ある例では、切断部分を含む収容チャンバの閉塞装置が提供され、切断部分は、収容チャンバから突出することがあるサンプル収集要素の一部分を切断するように構成される。供給アクチュエータは、収容チャンバの閉塞装置を作動させる閉塞アクチュエータとしても作用し、サンプル収集要素の突出部分の切断を作動させる切断アクチュエータとしても作用する。
ある例によれば、アクチュエータは、患者のサンプルと試薬とを含む液体を供給するために、試薬を収容チャンバ内に設けられるサンプルと接触させるように構成される。あるオプションにおいて、アクチュエータは、患者のサンプルと試薬とを含む液体を提供するために、試薬をサンプルと接触させるように構成される。更なるオプションでは、追加的に又は代替的に、アクチュエータは、分析目的のために所定量の液体を分析デバイスに供給するように構成される。
ある例において、試薬は、他の試薬である。
ある例において、アクチュエータは、第1の試薬供給貯槽から収容チャンバ内のサンプルに試薬を供給するように構成された供給アクチュエータを含み、好ましくは、供給アクチュエータは、第1の試薬供給貯槽の容積を減少させることにより、試薬が第1の試薬供給貯槽から出て収容チャンバに入るようにさせるように構成され、且つ/或いは、好ましくは、アクチュエータは、手動で加えられる起動力(activation force)を供給アクチュエータに提供するように構成された2つの把持部材を含む。
ある例において、アクチュエータは、計量チャンバの上流に設けられた第1の試薬供給貯槽を含む。
他の例において、アクチュエータは、計量チャンバの下流に設けられた第2の試薬供給貯槽を含む。
オプションとして、ある例では、第1及び第2の試薬供給貯槽の両方が設けられる。
ある例において、ベースに設けられる第2の試薬供給貯槽は、RNA又はDNAを結合する磁性粒子を含む。上方部分に設けられる第1の試薬供給容器貯槽は、サンプルと接触させられるべき溶解緩衝液を収容する。
ある例によれば、デバイスは、穿刺可能な膜が穿刺されるまで、分析デバイスへの液体混合物の供給を防止するように構成される穿刺可能な膜を更に含んでよい。例えば、デバイスの出口が、穿刺要素によって穿刺可能な膜を備えるチャネルとして形成されてよい。
代替的に、出口チャネルは、分析デバイスに設けられる穿刺可能な膜を穿刺するように設計された穿刺要素に設けられてよい。
ある例によれば、デバイスは、計量チャンバを有するアクチュエータを含んでよく、アクチュエータは、収容チャンバから計量チャンバへ液体を吸い込み、検出チャンバの方向に計量チャンバから液体を押し出す、ように構成される。計量チャンバと検出チャンバとの間には、試薬を収容するように構成された試薬貯槽が設けられてよく、試薬は、液体が計量チャンバから試薬貯槽を通じて検出チャンバに押し出されるときに、液体中に懸濁させられることができる。試薬は、乾燥試薬又は固体試薬、好ましくは、磁性試薬であってよい。
ある例によれば、液体のいくつかの要素を濾過するために、計量チャンバと検出チャンバとの間に濾過構成要素(filtering component)が配置されてよい。フィルタ構成要素(filter component)は、収容チャンバと分析デバイスとの間の液路内に設けられてよく、アクチュエータは、アクチュエータが作動させられるときに、収容チャンバからの液体の移送がフィルタを通過するように、構成されてよい。
デバイスは、使い捨てデバイスであってよい。
本発明によれば、上述のデバイスを使用する方法も提供される。本方法は、第1の試薬を提供し、第1の試薬を第1の試薬貯槽に挿入するステップと、収容サンプル又はサンプルを備えるサンプル収集要素の少なくとも一部をチャンバ内に収容するステップと、デバイスのハウジングを閉じるステップと、患者のサンプルと第1の試薬とを含む液体混合物を生成するために、患者のサンプルに第1の試薬を供給するステップとを含んでよい。本方法は、収容チャンバを封止するステップを更に含んでよく、サンプル収集要素が使用される場合には、収容チャンバから突出するサンプル収集要素の一部を切断するステップを更に含んでよい。
ある例によれば、上述のデバイスを使用する方法が、ハウジングの収容チャンバ内に液体を収容するステップと、収容チャンバから液体の所定の量を抽出するステップと、計量された液体を試薬貯槽に供給するステップと、液体を試薬貯槽内に収容された試薬と混ぜるステップとを含んでよい。全てのこれらのステップは、単一の操作でアクチュエータを作動させることによって実施されてよい。計量された液体を試薬貯槽に供給するステップは、液体の乱流を生成するステップを含んでよい。本方法は、収容チャンバ内に患者のサンプルを収容するステップを更に含んでよく、収容チャンバ内に液体を収容するステップは、患者のサンプルに試薬を適用して、患者のサンプルと試薬との混合物を生成するステップを含む。
更なる例では、分析前に患者のサンプルを調製するデバイスが提供される。デバイスは、ハウジングと、アクチュエータとを含む。ハウジングは、収容チャンバを含む。収容チャンバは、液体を収容するように構成される。アクチュエータは、ハウジングに対して移動可能である。アクチュエータは、収容チャンバに収容される液体の所定の量を抽出して、抽出した液体を試薬チャンバに供給するように更に構成されるので、試薬は、液体中に懸濁される。アクチュエータは、所定の量の液体を受け取って、所定の量の液体を試薬チャンバに供給するように構成された、計量チャンバを含む。
ある例において、収容チャンバは、サンプルを収容して、液体を送達するように構成される。
更なる例において、収容チャンバは、患者のサンプルを含む液体を収容するように構成される。収容チャンバは、非液体サンプルも収容してよい。しかしながら、全ての場合において、それは、計量チャンバの更に下流に試薬を供給することに加えて、液体(サンプル自体又は他の試薬と混合されたサンプル)を送達する。
所定の量の液体は、この所定の容積、即ち、液体の量を収容することができるように計量チャンバを設けることによって、予め決定される。計量チャンバ内の液体の量は、抽出されるべき、即ち、試薬チャンバに供給されるべき、液体の量と等しいか或いは最小限により多い。
ある例において、収容される液体の量は、必ずしも供給される液体の量と等しくない。即ち、計量チャンバ内の液体の小さな部分が、試薬チャンバへの供給後に計量チャンバ内に留まってよい。故に、決定された量が、計量チャンバから送達される。この決定された量は、所定の量以下であり得る。
ある例において、ハウジングは、試薬チャンバへの流出(outflow)を含む。
アクチュエータをアクチュエータ構成と呼ぶこともできる。
ある例では、収容チャンバ内でサンプルを収容し、そして、収容チャンバに流体試薬を加えて、液体を提供することが提供される。これは計量チャンバの下流で提供される試薬とは異なる。
ある例では、収容チャンバ内で非液体又は非流体サンプルを収容し、そして、収容チャンバに流体試薬を加えて、液体を提供することが提供される。
他の例では、収容チャンバ内に液体又は流体サンプルを収容し、そして、収容チャンバに非流体又は非液体試薬を加えて、液体を提供することが提供される。
更なる例では、収容チャンバ内に液体又は流体サンプルを収容し、そして、収容チャンバに液体又は流体試薬を加えて、液体を提供することが提供される。
一層更なる例では、収容チャンバ内に液体又は流体サンプルを収容して、液体を提供することが提供される。
他の例では、液体又は流体サンプルが提供され、液体又は流体試薬が計量チャンバの下流に加えられる。
更なる例では、液体又は流体サンプルが提供され、非液体又は非流体試薬が計量チャンバの下流に加えられる。
「試薬チャンバ(reagent chamber)」という用語は、所定の量の液体が供給される容積に関する。試薬は、そのチャンバ内の液体に或いはチャンバに向かって流れるときに供給されてよい。例えば、試薬は、チャンバの内側に或いは計量チャンバの流出後に提供される。試薬は、計量チャンバの前に提供されてもよい。ある例において、試薬は、計量チャンバの後に提供される。更なる試薬が計量チャンバの前に加えられてよい。試薬は、試薬チャンバ内の流体中に存在する。
ある例において、試薬は、試薬チャンバ内の液体に提供される。この試薬チャンバの高さは、特に、好ましくは、試薬チャンバの入口に面する、試薬チャンバの側面に設けられる試薬の層の厚さに関して、例えば、乱流によって、良好な混合を作り出すための鍵として提供されてよい。例えば、計量チャンバの断面に対して小さい断面を有する(複数の)チャネルが、乱流を生成する際に支持する。入口は、試薬チャンバ内への液体の流れを増加させるように構成されることにより、混合及び乱流を向上させる。
「試薬貯槽(reagent reservoir)」という用語は、試薬が提供される容積に関し、その試薬は、液体に加えられる。
ある例では、試薬を収容するように構成された試薬貯槽が提供される。
ある例では、試薬、例えば、乾燥試薬を収容し且つ/或いは蓄えるように構成された第1の試薬貯槽が提供される。
ある例では、試薬貯槽を試薬チャンバとも呼ぶ。
ある例において、計量チャンバは、液体を引き込むための第1の開口と、液体を排出するための、第1の開口とは異なる第2の開口とを有する。
第1の開口は、計量チャンバの入口であり、第2の開口は、計量チャンバの出口である。
「引き込む(to draw in」という用語は、収容チャンバからの液体の抽出(extraction)を指す。
「排出する(to eject)」という用語は、計量チャンバ内に抽出された液体の提供(供給)を指す。
ある例において、デバイスは、試薬、好ましくは、乾燥試薬を含む、試薬貯槽を含む。
ある例において、試薬貯槽は、ハウジング内に含められる。アクチュエータは、抽出された液体を試薬貯槽に供給するように構成される。
ある例において、デバイスは、アクチュエータを備える容器と、収容チャンバを含むハウジングとを更に含む。デバイスは、入口を備える内部流路を含むベースを更に含む。容器及びベースは、サンプル調製プロセス中に一緒に組み立てられるように構成される別個の部品として提供される。ベースは、ベースの入口が計量チャンバの出口に面するよう、容器の一部分と相互作用係合するように構成される。ベースは、ひとたびそれらが互いに機能的に係合させられると、アクチュエータとベースとの間の経路を開放するように構成される、部材を更に備える。オプションとして、ベースは、試薬チャンバを含む。
ベースの入口を流入(inflow)とも呼び、計量チャンバの出口を流出(outflow)とも呼ぶ。
係合する相互作用状態において、ベース及び容器は、互いに機能的に接続される。
ある一例において、ベースは、少なくとも1つの処理チャンバ又は検出チャンバを含み、液体は、アクチュエータの作動によって処理チャンバ又は検出チャンバ内に供給される。
容器をサンプル適用デバイス(sample application device)とも呼ぶ。
あるオプションにおいて、ベースは、試薬チャンバを含む。
あるオプションにおいて、ベースは、試薬貯槽を含む。
ある例において、ベースは、分析器と共に使用されるように構成される使い捨て品である。ベースは、分析器に適合される(複数の)インタフェースを備えて構成される(複数の)検出チャンバを含むことがあることで、分析器は、この(複数の)インタフェースを介して、(複数の)検出チャンバ内の液体を分析することができる。
ある例において、ベースは、カートリッジとして提供され、容器は、サンプル適用デバイスとして提供され、サンプルは、サンプル適用デバイス内で、分析の観点から容器内で次の処理されることができ、且つ/或いは次の処理を準備するために修正されることができる。
ある例において、ベースは、分析デバイスとの接続のための突出する接続部分を含む。
ある例において、アクチュエータは、ハウジングに対して移動可能な少なくとも1つのアクチュエータを含み、そして、移動後に、少なくとも1つのアクチュエータは、液体をハウジング内で分析デバイスに向かって流動させる。
ある例において、ベースは、容器の下方部分と相互作用係合するように構成される。
ある例において、アクチュエータは、収容チャンバから計量チャンバに液体の少なくとも一部を供給所定量の液体を供給して所定の量の液体を提供するように構成された、計量アクチュエータを含む。あるオプションにおいて、計量アクチュエータは、患者のサンプルを含む液体を収容チャンバから計量チャンバ内に吸引するように構成された、吸引アクチュエータとして提供される。追加な又は代替的なオプションにおいて、計量アクチュエータは、試薬チャンバへの流出を通じて計量チャンバから液体を押し出すように構成された、押圧アクチュエータ(pressing actuator)としても提供される。
ある例では、収容チャンバから計量チャンバへの液体の抽出は、計量アクチュエータによって収容チャンバと計量チャンバとの間に負の圧力差を生じさせることによる吸引によって行われ、且つ/或いは
ii)計量チャンバから試薬チャンバへの抽出された液体の供給は、計量チャンバと流出の下流の領域との間に正の圧力差を生じさせることによる押圧によって行われる。
ある例において、計量アクチュエータは、計量チャンバを提供するシリンダとして設けられ、シリンダ内にはピストンが配置される。シリンダ及びピストンを互いに対して移動させて計量チャンバの容積を変更することができる。更に、容積を変更することによって、計量チャンバの内側を相対的な陽圧又は陰圧で荷重することができる。
計量チャンバは、シリンダの側面及び頂面と可動ピストンとによって定められる。
ある例において、アクチュエータは、第1の手動で加えられる起動力を計量アクチュエータに提供するように構成された、少なくとも1つのレバー部材を含む。少なくとも1つのレバー部材は、ベースが容器と相互作用係合する間に、少なくとも1つのレバー部材が、ベース上のレバー部材の当接に起因してハウジングに対して移動させられるよう、ハウジングをベース上に配置することによって第1の方向においてアクティブ化可能である。あるオプションにおいて、少なくとも1つのレバー部材は、手動力がレバー部材に加えられるときに、計量アクチュエータに第2の起動力を提供するように構成され、第2の起動力は、第1の起動力と反対である。少なくとも1つのレバー部材は、ハウジング及びベースが互いに係合させられる間のハウジング及びベースに対する少なくとも1つのレバー部材の移動によって、第1の方向とは反対の第2の方向においてアクティブ化可能である。
ある例では、ベースが容器と相互作用係合する間に、ハウジングの一部分がベースの一部分内に収容される。
第1の力がレバー部材に加えられると、計量チャンバの容積は増大し、第2の力がレバー部材に加えられると、計量チャンバの容積は減少する。第1の力は、計量チャンバ内への液体の抽出、即ち、計量チャンバ内への液体の吸引をもたらし、第2の力は、計量チャンバからの液体の抽出、即ち、計量チャンバからの液体の押出しをもたらす。
本発明の上記で定められた態様、並びに更なる態様、構成及び利点は、以下に記載される実施形態の例から導き出されることもあり、実施形態の例を参照して説明される。
本発明は、実施形態の例を参照して以下により詳細に記載されるが、本発明はそれらに限定されない。
図面中の例示は概略的であるに過ぎず、縮尺通りでない。適切であるならば、類似の要素は異なる図において同じ参照符号を備えることが付記される。
例えば、患者サンプル(試料)を備えるスワブ(swab)を受け取って処理する溶液は、3つの要件、即ち、高い使い易さ、低コスト、及び安全なサンプル封入を満足する。低コストは、可能な限り小さいデバイスによって達成されることができる。スワブの先端だけが患者材料を含むので、先端はステム(茎)から分離されてよい。スワブのステムを除去することは、追加的に、デッドボリュームを最小限に抑えることによってスワブを効率的に濯ぐのに好ましい内部チャンバ容積と液体の比を達成するのに役立つ。スワブのステムの切断は、ナイフのような別個のブレードを使用することによって或いは一体化された切断機構を利用することによって実行されることができる。既存の溶液は、しばしば、追加的な液体移送ステップを必要とし、液体位相ステップの間に、獲得された溶出液は、スワブを含む容器から取り除かれ、それにより、汚染のリスクを増大させる。このリスクを減少させるために、ステムを除去して濯いだ後に、スワブの先端をデバイス内に完全に収めることが提案される。
結果的に、スワブのステムの切断を含む必須のサンプル調製ステップは、ユーザによって手動で操作されることがある使い捨て可能なサンプル塗布デバイス内に移されてよい。主カートリッジとの組み合わせにおけるサンプル塗布デバイスの創成は、マクロ流体操作とミクロ流体操作とを分離し、それにより、高度の使い易さを提供しながら、サンプル塗布デバイス及びカートリッジの設計をほぼ独立して最適化することを可能にする。
経験の浅い又は訓練を受けていないユーザが、例えば、鼻スワブを用いて得られた患者サンプルを処理することを、デバイスが可能にすることが、更に提案される。ユーザは、先ず、開口を通じてスワブをデバイス内に挿入してよい。デバイスのハンドルを捻ることによって、ユーザは、先ず、スワブを短くし、次に、少量、約1ミリリットルの容量の溶解緩衝液を放出し、放出した緩衝液中でスワブを濯いでよい。次に、デバイスは、分析デバイス内に予め挿入されていてよいカートリッジと接続されてよい。2つの追加的な作動ステップのみによって、ユーザは、濯ぎ緩衝液をデバイスからカートリッジ内に排出する前に、濯ぎ緩衝液を計量チャンバ内に注入してよい。この最後のステップにおいて、液体はgDNAフィルタを通過させられ、乾燥磁性粒子と強制的に乱流接触させられてよく、乾燥磁性粒子はひとたび懸濁させられると、サンプル容積からRNA分子を捕捉する。次に、これらの粒子は、更なる処理を受けるために、磁石によって収集されてよい。
シリカ粒子への核酸の結合は、粒子の能力(capacity)、即ち、利用可能な表面積によって制限される。結合ステップの間、バックグラウンド及び標的核酸は、競合している。抽出ステップの収率が利用可能な表面積の量によって制限されないことを確実にするために、より多くの粒子を反応に加えることによって利用可能な表面積を増加させるか或いはバックグラウンド物質の量を減少させることが可能である。
抽出プロセスのために、磁性シリカ粒子の総量は、流体システムの寸法によって制限されることがある。より大きな粒子は、それらが磁場によって作動させられるときに分裂する傾向の故に、制御するのがより困難なことがある。加えて、粒子からの標的の溶出は、粒子が溶出容積のより大きな部分を占めるにつれて効率がより低くなることが示されている。
代替的に、粒子の量を一定に保つこと及びバックグラウンド種の濃度を減少させることが可能である。RNAを分析するために細胞から物質を抽出するアッセイにおいて、ゲノムDNAは、RNA結合のための利用可能な能力を有意に減少させる主要なバックグラウンド成分である。従って、追加的な結合能力を解放するために、ゲノムDNAを磁性シリカ粒子と混合して結合フェーズを開始する前に、サンプルからゲノムDNAを選択的に除去することが望ましい。
適切な緩衝液条件(低pH、高イオン強度)の下でDNAを選択的に結合する一方で、RNAが通過するのを可能にする、処理済みシリカフィルタを使用することによって、gDNAの除去を達成することができる。
これらのフィルタは、将来の分析(例えば、Qiagenキット)のためにDNAを抽出するために一般的に使用される。これらの用途において、先ず、DNAは結合され、次に、フィルタから溶出される。例えば、引き続きのRNAサンプル調製及び検出ステップを改善するために、フィルタを使用してDNAを除去してよい。
サンプル調製処置のステップを単純化された方法で実施するために手動で操作することができる使い捨て可能なデバイスが提案される。デバイスは、核酸が溶液中で利用可能である患者サンプル(粗溶解物)を受け入れるチャンバを含んでよい。この容積から核酸を効率的に捕捉するために、磁性粒子は、好ましくは、サンプルを通じて均一かつ急速に分散させられる。
以下の要件のうちの少なくとも一部は、提案されるデバイスによって満足される。粒子は、液体と接触すると急速に溶解する凍結乾燥球体内でデバイス内に貯蔵されることがある。改善された下流処理のために、サンプルが磁性粒子と接触する前に、サンプルを少なくとも1つのフィルタ構造に通過させることができる。組み合わせられたフィルタ構造の流体抵抗は、流体輸送を駆動する圧力差によって克服されることがある。全てのステップは、サンプル汚染又はユーザへの潜在的に有害な曝露のリスクを伴わずに、ほんの僅かのユーザ対話(user interactions)で実行されることがある。粒子を用いて標的分子を捕捉するために許容される時間は制御されることがある。混合プロセスは、人的エラーを回避するために、ディスポーザブルを手動で攪拌することによって実行されないことが好ましい。デバイスは、更なる下流処理が行われるカートリッジに接続可能であってよい。
記載した実施形態に従ったこのデバイスは、流体システムを含む単一のデバイスに幾つかの流体ステップを統合し、それらの実行を手動で引き起こすことによって、この一連の要求のうちの少なくとも一部に対処する。デバイスは、サンプルの更なる下流処理のためのミクロ流体システムを含んでよい主カートリッジとの組み合わせにおいて使用されてよい。
第1の取扱いステップにおいて、デバイスと主カートリッジとの間の流体接続が確立されてよく、計量された量の患者サンプル液体が小さな開口を介してチャンバ内に引き込まれてよい。第2のステップにおいて、チャンバは圧縮されてよく、よって、液体は開口を通じて排出されることがある。生成される圧力は、液体を任意的なフィルタ構造を通過させ且つ流体経路の狭い区画を通過させるのに十分なことがある。狭い区画において、液体は加速され、乾燥粒子の一部を保持し且つサンプルの総容積よりもずっと小さい総容積を有することがある小さなキャビティ内に排出される。高速の液体は、粒子を効果的に攪拌し、それにより、それらの再水和及び分散を助ける。粒子を備えるチャンバを通過した後に、液体は、主カートリッジの第1のチャンバであってもよい収容チャンバ内に再び排出される前に、更なる狭い区画を通じて押されることがある。排出中、流体は、サンプルの全容積に亘って粒子を均一に分散させるような(カオス的)混合を受ける。主カートリッジ内のサンプル混合物の到着は、器具によって検出されることができ、結合プロセスの開始を示す。結合プロセスが終了した後に、器具は、サンプル調製及び検出の後続のステップを自動的に実行してよい。
ある実施形態に従ったデバイスは、(必要であれば)第1に細長いステムを切断し、第2にチャンバ内でサンプルを封止し、第3に液体又は乾燥試薬を備える貯槽を開き、第4に貯槽からチャンバ内に試薬を放出するために、患者のサンプルを受け取るのに適した、第1の多段機構を含んでよい。デバイスは、試薬と患者のサンプルとを含む液体をデバイスから流体カートリッジ内に排出するための第2の機構を更に含んでよい。
ある実施形態によれば、デバイスは、機構の意図された位置に所定の不可逆的な順序で到達するよう並びに挿入されたスワブ及び放出された液体がデバイス内に安全に収容されるよう、第1及び/又は第2の機構を手動で操作することによって使用されてよい。
ステムは鼻又は鼻咽頭スワブの一部分であってよく、スワブ挿入端は患者サンプルを採取するのに適した領域を含むことが理解されよう。その上、内部試薬貯槽は、フレキシブルな(可撓性の)ポーチであってよい。
図1は、組織サンプルに基づく医師のための分子診断を可能にする分子分析のためのシステムの実施形態の例示である。システムは、容器100と、カートリッジ200と、分析デバイス300とを含む。容器100は、流体が容器100からカートリッジ200に移送されることを可能にするよう、カートリッジ200の端部分と接続されるように構成されている。カートリッジ200は、分析デバイス300内に少なくとも部分的に挿入されるように構成されている。分析デバイス300内で、液体中にあることがあるサンプルは、サンプルを特徴付ける並びに医師が診断を提供するのを可能にするデータを収集するように処理されてよい。
図1のシステムを患者のサンプルを分析するためのシステムと呼ぶこともできる。そのようなシステムは、以下に記載する例のうちの1つに従ったデバイスとして提供される、例えば、上述のカートリッジ200として提供されるベース(基部)を備える同様に上述の容器100として提供される、サンプル調製デバイスを含む。更に、分析デバイス300のような、調製デバイスによって提供される液体の少なくとも1つの分析を行うように構成されるサンプル分析デバイスが提供される。
図2は、分子分析のためのシステムの部分の実施形態をより詳細に示している。容器100は、容器のグリップ部分と、上方部分と、容器の下方部分を通じて突出する要素とを含む。カートリッジ200は、容器100の下方部分がそのシリンダに収容されることを可能にするように、中空シリンダを含む。カートリッジ200の狭い端は、カートリッジ200の端から突出する減少させられた幅を有する舌部のように形成されている。そのような舌部は、分析デバイスの内側の構造と接触するように構成されてよい。
図1は、カートリッジ200の第1の例201を示している。図2には、カートリッジ200の第2の例202が示されてよい。
図3は、分子分析のためのシステムの部分の分解組立図である。システムは、サンプル調製デバイス及びサンプル分析デバイスを含む。 サンプル分析デバイス300は、調製デバイスによって提供された液体の少なくとも1つの分析を行うように構成される。しかしながら、サンプル分析デバイスを更に詳細に記載しない。図3は、ハウジング10、30を備える容器100と、以下により詳細に記載するアクチュエータとを含む、サンプル調製デバイスを記載している。ハウジングは、収容チャンバ32と、(図3には示されていない)試薬貯槽とを含む。収容チャンバは、サンプルを収容するように構成され、試薬貯槽は、試薬を収容するように構成される。アクチュエータは、試薬をサンプルと接触させて、患者のサンプルと試薬とを含む液体を提供するように構成される。アクチュエータは、分析目的のために分析デバイスに液体を供給するように更に構成される。
ある例において、容器100と、ベース、即ち、カートリッジ200とは、サンプル調製プロセス中に一時的に互いに組み立てられるように構成される、別個の部品として提供される。ベースは、ハウジングの下方部分との嵌め合い係合(mating engagement)のために構成されたインタフェースを含む。ベースは、液体がアクチュエータによって供給される(小さな丸で示された)少なくとも1つの液体収容容積を含む。ベースは、分析デバイスとの接続のための突出接続部分を更に含んでよい。ベースは、カートリッジとして提供され、容器は、サンプル塗布デバイスとして提供される。
アクチュエータは、試薬貯槽から収容チャンバ内のサンプルに試薬を供給するように構成された、第1のアクチュエータ20とも呼ぶ供給アクチュエータを含む。供給アクチュエータは、試薬貯槽の容積を減少させ、それにより、試薬を試薬頂層から出して収容チャンバに入らせるように構成される。アクチュエータは、手動で適用される作動力を供給アクチュエータに提供するように構成される2つの把持部材を含む。
ある例において、第1のアクチュエータ20は、溶解試薬でサンプルを溶解することを目指している。この溶解試薬は、計量チャンバの下流に添加された試薬とは異なってよい。この下流試薬を、溶解した液体サンプル中に特定の検体を結合するように構成される試薬である「特異試薬(specific reagent)」と呼ぶこともある。
試薬は、溶解剤であってよい。
サンプル塗布デバイスにおけるサンプル調製中に、磁性シリカ粒子を提供してRNA又はDNAに特異的に結合させてよい。
アクチュエータは、ハウジングに対して移動可能な少なくとも1つのアクチュエータを含む。移動後、少なくとも1つのアクチュエータは、液体をハウジング内で分析デバイスに向かって流動させる。
アクチュエータは、所定量の液体を受け入れるように構成された計量チャンバ52(下記を参照)を更に含む。
計量チャンバ52は、(以下の例示的な実施形態において記載するように)アクチュエータの作用によって変更することができる容積を有する。
アクチュエータは、患者のサンプル及び試薬を含む液体の少なくとも一部分を収容チャンバから計量チャンバに供給して所定の量の液体を供給するように構成された、第2のアクチュエータ50とも呼ぶ計量アクチュエータも含む。計量アクチュエータは、患者のサンプルを含む液体を収容チャンバから計量チャンバ内に吸引するように構成された、吸引アクチュエータとして提供される。計量アクチュエータは、計量チャンバから検出チャンバに向かう方向に液体を押し出すように構成された、加圧アクチュエータとしても提供される。
好ましくは、アクチュエータ50は、アクチュエータ50が接続要素60の頂端部分に形成されたピストン部分に対して移動可能であるよう、少なくとも1つのハンドル503を備える。図3に例示する例に関して、アクチュエータは、計量チャンバ52を定める周壁500上の対向する位置に2つのハンドルを含む。
ピストンは、計量チャンバ52が第2のアクチュエータ50及び接続要素60の相対的な移動によって調整可能な容積を有する2つの間に定められるように、第2のアクチュエータ50及び接続要素60を互いに対して配置することによって設けられる(図11及び図12A〜図12Dも参照のこと)。
意味することは、ピストンの全ストロークが、第1のチャンバから抽出される液体の最大容積を定めるということである。 好ましくは、ピストンは、完全に変位させられて、抽出される容積が少ないことを回避する。何故ならば、このようにして、容積はデバイスが使用される方法によって決定されるのでなく、デバイスの幾何学的形状によって決定されるので、容積はより良好に制御されるからである。
図示しない実施形態において、アクチュエータ50の吸引開口53は、サンプル収集要素を備える不純物を濾過するためのフィルタ要素を追加的に備える。加えて、所定の吸引力が計量チャンバ内に確立されるときに開く弁を吸引開口に組み込むことができる。
具体的には、ある実施形態に従った容器100の要素が図2に示されている。主として、容器100は、第1のハウジング部10と、第2のハウジング部30と、第1のアクチュエータ20と、第2のアクチュエータ50と、接続要素60とを含む。
第1のハウジング部10は、実質的に円筒形状を有し且つ中空であるキャッピング部品として形成されている。その上、第1のハウジング部10は、開放側壁を備える部分を含む。第1のハウジング部10は、第1のハンドルも含む(例えば、図6の参照符号16を参照)。
第1のアクチュエータ20は、実質的に円筒形の部分も含み、その円筒形の部分の外径は、第1のハウジング部10の直径よりも小さい。その上、第1のアクチュエータ20は、第2のハンドルを含み、そのハンドルは、その円筒形の部分から外向きに突出して、その円筒形の部分とハンドルとの間に間隙を備える。第1アクチュエータ20は、第1のアクチュエータ20の円筒形の部分が第1ハウジング部10の円筒形の部分によって形成される内部空間内に嵌合するよう、第1ハウジング部10と組み立てられるように構成される。第1のアクチュエータ20が第1のハウジング部10と組み立てられるとき、第1のハウジング部10の壁は、円筒形の部分と第1のアクチュエータ20のハンドルとの間の間隙と係合し、アクチュエータのそのハンドルは、第2のハンドルとして表示されることができる。
第1アクチュエータの円筒形の部分は、第2ハウジング部30の一部分も収容する空間を形成する。
第2ハウジング部30は、上方部分と、下方部分とを含む。上方部分は、第1のアクチュエータ20の円筒形の部分の内径よりも僅かに小さい外径を備える実質的に円筒形であるので、第2のハウジング部30の上方部分は、第1のアクチュエータ20内に嵌合する。第2のハウジング部30は、上方部分と下方部分との間に肩部(ショルダ)又はフランジを形成し、この肩部又はフランジは、第1及び第2のハウジング部及び/又はアクチュエータ20の間の空間を閉じる、即ち、収容チャンバ32を含むハウジングの内部空間を閉じる。
組み立てられた状態において、第1のハウジング部10、第1のアクチュエータ20、及び第2のハウジング部30は、ハウジング部の長手軸の周りで互いに対して回転可能であってよい。例えば、第1のアクチュエータ20は、スワブステムを切断して収容チャンバを閉塞/封止するよう、第1及び第2のハウジング部10,30に対して回転させられてよく、ハウジング部10,30は互いに対して静止的であってよい。次に、第1のアクチュエータ20は、第1の試薬を放出するように、ハウジング部に対して更に回転させられてよい。代替的に、第1のハウジング部10は、第1の試薬を収容チャンバ内に放出するように、第2のハウジング部30に対して第1のアクチュエータ20と一緒に移動させられてよい。
第2のハウジング部30の下方部分は、第2のアクチュエータ50、即ち、計量アクチュエータ、ならびに中間案内要素40及び接続要素60を収容するように構成される。第2のアクチュエータ50は、具体的には、(図6では52と呼ぶ)中空シリンダと、シリンダから側方に突出するグリップ部とを含む。接続要素60は、ベースプレートから突出するピンのような要素を含み、このピンのような要素は、第2のアクチュエータ50の中空シリンダ内に嵌合するように構成される。組み立てられた状態において、第2のアクチュエータ50は、連結要素60のピンのような要素の長さに亘ってそのシリンダの向きの方向に移動させられ、第2のハウジング部30の下方部分内で案内要素40によって案内される。
ピンのような要素は、シリンダ内のピストンとして形成される。シリンダ及びピストンは、互いに対して移動可能である。
図3に示すように、容器100の異なる部分によって形成される空間又は間隙は、Oリングシーリングのような、シーリング要素によって封止される。例えば、第1のシール21が、第2のハウジング部30と第1のアクチュエータ20との間に設けられる。第2のシール31が、第2のハウジング部30と案内要素40との間に設けられる。その上、少なくとも1つの更なるシール51が、接続要素60のピンのような要素と第2のアクチュエータ50との間に、即ち、ピストンとシリンダとの間に設けられる。例えば、2つのOリングシーリング。
シール51は、Oリングであり得る。図3及び図11に示す実施形態において、接続要素60は、Oリング51を受け入れて支持する少なくとも1つの周溝64を含む。図示の実施形態では、2つのOリング及び2つの凹部64を設けて、より良好なシーリングを保証し、計量された液体が接続要素60の受入れ開口68内に設けられるフィルタ63を介して計量チャンバに入ることを保証する。他の実施形態では、計量チャンバの周壁を取り囲む少なくとも1つのシーリングリップによってシールを提供することができる。
図3に更に示されているのは、インタフェース要素70と、底板80とを備える、カートリッジ200の実施形態である。インタフェース要素70は、第2ハウジング部30の下方部分と係合するように構成され、シリンダのような構造703が、第2のハウジング部30の下方部分にあるスロットに対応する側方スロット701を有するので(図20を参照)、第2のアクチュエータ50の把持部分は、インタフェース要素70のスロットを通じて突出する。インタフェース要素70は、接続要素60と係合するように構成され、シール、例えば、接続要素60内に設けられる穿刺可能な膜を穿刺するように構成される、穿刺要素71を更に含み、容器100から出てカートリッジ200に入る流体流を可能にする。底板80は、分析デバイスとカートリッジ200との適切な接続を可能にする舌部81を含む。
図4は、ある実施形態に従った組み立てられた容器の断面図である。容器は、第1のハウジング部10と、第1のアクチュエータ20と、第2のハウジング部30と、第2のアクチュエータ50とを含む。容器が実質的に円筒形であることを念頭に置いて、スワブ400が、収容チャンバを形成する中央部分に多かれ少なかれ配置される。そのスワブの他に、第1の試薬貯槽24が視覚化されており、その第1の試薬貯槽は、例えば、液体試薬25で充填された閉じた弾性バッグであってよい。図4は、容器の使用方法のほぼ最初の状態の容器を示していることに留意のこと。実際には、スワブのステムだけが切断されており、場合によっては、収容チャンバは、その段階では閉じられていることがある。
図5は、第1のアクチュエータ20の作動を例示するシーケンスA、B、C及びDを示している。シーケンス中の例示の比較から分かるように、アクチュエータ20のハンドル22は、ハウジング部10の円周に沿って移動する。使用の容易さのために、ハウジング部10は、ハンドル16も含む。最初、例示Aの位置において、ハンドル22は、ハンドル16から円周の約4分の1離れている。この段階では、第1のハウジング部10の頂部にある収容開口14及び切断開口15は開いており、例えば、サンプル収集要素としてのスワブを用いて、患者のサンプルの導入を可能にする。スワブが容器内に、即ち、容器の収容チャンバ内に配置されやいなや、アクチュエータは、図5中の矢印によって示されるように第1のハウジング部10の円周に沿って移動させられ、先ず、切断開口15を閉じ(例示B)、次に、収容開口14を閉塞する(例示C)。例示Dの最終位置では、両方のハンドルが互いに接近して配置され、その結果、収容チャンバは、完全に閉じられている。図5の例示Dの状態において、第1の試薬は、図6に示すように、第1の試薬貯槽から既に放出されていることがある。
図6は、図4とは異なる状態における、その上、図4とは別の側から見た、容器の断面図である。図6において、第1のアクチュエータは、容器の垂直軸の周りで既に回転させられている。よって、第1の試薬25は、もはや第1の試薬貯槽になく、実質的に収容チャンバ32の底にある。第1の試薬を放出するための供給要素23の実施形態が図3に示されている。供給要素23は、アクチュエータ20によって一体的に形成された壁部分を含み、供給要素23は、アクチュエータの移動後に第1の試薬貯槽を圧搾することによって第1の試薬貯槽から第1の試薬を抽出するのに適している。スワブ400は、患者のサンプルが更なる処理のために液体中に溶解されるよう、液体試薬で濯がれてよい。さもなければ、液体の患者のサンプルは、乾燥した第1の試薬と混合されてよい。両方の場合において、液体は、患者のサンプルならびに第1の試薬を含む収容チャンバ内にあり、結果として得られる液体は、第2のアクチュエータの計量チャンバ内に吸い込まれることができる。
更なる機能性として、供給要素23は、第1の試薬が第1の試薬貯槽から抽出されるまで、第2のアクチュエータ50の上向きの移動を阻止してよい。デバイスが組み立てられた状態にあるときに、供給要素の底壁又は表面が第2のアクチュエータ50の計量チャンバ52の頂面に近接近したレベルで配置されることができるよう、供給要素23は、アクチュエータ(及びハウジング)の長手方向において第1のアクチュエータ20の本体を通じて延びてよい。供給要素23は、ハウジングに対する第1のアクチュエータの移動後に計量チャンバ52の頂面のすぐ上で枢動するので、供給要素の底壁は、第2のアクチュエータの上向きの移動を阻止する。更に、底壁は、第1のアクチュエータの移動が少なくともほぼ完了するやいなや、即ち、第1のアクチュエータの移動の少なくとも80%が完了するやいなや、底壁が計量チャンバの頂面から離れる方向に側方に枢動するような、寸法とされてよい。
図6に更に例示されているのは、シール21及びシール51である。シール21は、収容チャンバを封止するよう、第2のハウジング部30と第1のアクチュエータ20との間に配置されている。シール51は、接続要素60(ピストン)と第2のアクチュエータ50(シリンダ)との間に配置されている。
故に、ピストンは、その位置を維持するように配置されるのに対し、シリンダは、可動部分として配置される。よって、シリンダに対するピストンの相対的な動きは、シリンダを移動させることによってもたらされる。
具体的には、シール51は、接続要素60のピンのような要素62の上方部分にあるそれぞれの溝に配置されるので、これらのシールは、所定の場所に固定される。他の側では、計量チャンバ52を形成する第2のアクチュエータ50の円筒形部分は、ピン62に沿って上向きに収容チャンバ32内に移動可能である。よって、アクチュエータ50が上向きに移動させられると、計量チャンバは、シール51の上に増大した空間をもたらして、少なくとも計量チャンバ52内の減圧、好ましくは、真空を形成する。そのような真空は、収容チャンバ内の液体を(第1のオリフィスとも呼ぶ)側部開口53を通じて計量チャンバ内に吸い込ませる。ある例において、開口は、計量チャンバ52の下方区画に設けられる。
ある例において、計量チャンバの容積V2がひとたび増大して、アンダープレッシャー(underpressure)が増大させられると、計量チャンバと収容チャンバとの間の接続が提供される。
また、第2のオリフィス68が設けられ、第2のオリフィス68を通じて、抽出された液体がベース/カートリッジ200内の(小さな丸で示す)液体収容容積に供給される。第2のオリフィス68は、接続要素60、即ち、ピストン内に配置され、ベースの開口部材によって少なくとも部分的に開放される開閉可能な閉塞デバイスで覆われることで、ひとたび液体が計量チャンバ内に抽出され、液体を第2のオリフィスを通じて計量チャンバから押し出すために計量アクチュエータが下向きに作動されると、第2のオリフィス68は、ベースの液体収容容積と連通する。上記のように、閉塞デバイスは穿刺可能な膜として提供され、開口は穿刺部材として提供される。
膜の開口は、穿刺要素によって生成されるのが好ましい。他の実施形態において、開口は恒久的であり得る。開口が永久的であるときには、弁が設けられるのが好ましい。
両方の場合において、開口は、計量チャンバの出口/流出口とベースの入口/流入口との間に配置される。
ベースは、ベース開口から液体収容容積まで延びる流路を備える。ベース開口は、接続要素60の第2のオリフィスと共にしっかりと位置付けられる。好ましくは、穿刺可能な膜が第2のオリフィスに設けられ、ベースが前記流路と連通する中空の穿刺部材を備えることで、穿刺可能な膜がひとたび穿孔されると、前記液体は計量チャンバ52からベースに移送される。好ましくは、穿刺要素71は、接続要素をベースに嵌合する(mate)ためにベース内に配置される嵌合部材(mating member)の頂部に設けられる。
図7は、第2のアクチュエータ50の作動を例示するシーケンスA、B及びCを示している。液体25を備える収容チャンバに対する第2のアクチュエータの状態は、図6に例示する状態と同等である。第2のアクチュエータ50は、開始位置にある。次に、アクチュエータ50は、流体25が収容チャンバからアクチュエータ50の計量チャンバに吸い込まれるよう、側方開口53が収容チャンバに達するまで、上向きに、即ち、図7の例示B中の矢印M1の方向に移動させられる。続いて、アクチュエータは、図7の例示C中の矢印M2によって示すように、下向きに移動させられることができる。その下向きの移動によって、液体は、ピン62を通じて、下流の液体収容容積、例えば、試薬貯槽に向かう方向に、そして、その液体収容容積又は試薬貯槽から、通路83(channel)を通じて、液体の分析のための検出チャンバまで押される。検出チャンバ84は、分析デバイス300内に配置されてよい。
図8Aは、分析前に患者のサンプルを調製するための方法Mのある例の基本的なステップを示しており、以下のステップを含む。
a)試薬を提供して(S99)、試薬を試薬貯槽内に挿入するステップと、収容チャンバ内のサンプル収集要素又は患者のサンプルの少なくとも一部分を受け取るステップであって、患者のサンプルはサンプル収集要素の一部分の上にある、ステップ、
b)デバイスのハウジングを閉じるステップ(S98)、及び
c)患者のサンプルを少なくとも部分的に試薬と混合するように、試薬を患者のサンプルに供給するステップ(S97)。
図8は、上述のようなデバイスを使用する原理を例示するフローチャートである。実行される方法に関して記載されるステップは、主要なステップであり、これらの主要なステップは区別されるか或いは幾つかのサブステップに分割される場合があることが理解されるであろう。その上、これらの主要ステップの間にサブステップがある場合もある。あるサブステップは、そのステップが方法の原理を理解するために重要である場合にのみ述べられる。
上述のような容器を使用する方法は、液体の又は乾燥した第1の試薬を提供するステップ(S1)及び第1の試薬を第1の試薬貯槽内に挿入するステップ(S2)と、患者のサンプル又はそのようなサンプルを備えるサンプル収集要素の少なくとも部分を収容チャンバ内で受け取るステップ(S3)と、収容チャンバから突出するサンプル収集要素の部分を切断するステップ(S4)と、デバイスのハウジングを閉じるステップ(S5)と、収容チャンバを封止するステップ(S6)と、患者のサンプルを少なくとも部分的にサンプル収集要素から取り除くために(S8)、並びに、患者のサンプルを第1の試薬と混合するために(S9)、可能であればサンプル収集要素で第1の試薬を患者のサンプルに供給するステップ(S7)とを含んでよい。例えば、サンプル収集要素が収容チャンバ内に完全に嵌合するのに十分な程に短いときには、ステップS4は省略されてよいことに留意のこと。他方、第1のアクチュエータは、ステップS5及びS6が同時に実行されることがあるように構成されてよい。更に、サンプルを液体中で溶解することによって患者のサンプルをサンプル収集要素から取り除いてよい、即ち、ステップS9がステップS8を引き起こす場合があることが理解されるであろう。特に、ステップS4乃至S9の全ては、第1のアクチュエータの1回の移動によって実行されてよいことに留意のこと。液体患者サンプルの場合、第1の試薬は、乾燥試薬であってさえよい。
以下の方法ステップは、患者のサンプルを含む液体がハウジングの収容チャンバ内に既に収容されているという状態から開始して、即ち、ステップS9から開始して、第2のアクチュエータの作動によって実行されてよい。方法は、収容チャンバから所定の量の液体を抽出するステップ(S10)と、計量された液体を試薬貯槽に供給するステップ(S11)と、液体を試薬貯槽に収容される試薬と混ぜるステップ(S12)と、
液体の乱流を生成するステップ(S13)とを含んでよい。乱流は、流体を加速させる減少した通路直径によって並びに/或いは流路内に縁を設けることによって生成されてよい。
図9は、第2のアクチュエータ500の頂端の斜視図を例示している。
図10は、第2のアクチュエータの底面を斜視図で示している。図3から導き出すことができるように。図9及び図10から導き出し得るように、第2のアクチュエータは、2つのハンドル又はグリップ部分503を含む。ハンドル503は、リング形状の要素及びバーを介して接続され、シリンダ500の外面でリング形状の要素から突出している。シリンダ500は、閉じた頂端501と、開いた底端503とを含む。開いた底端に隣接して、シリンダ500の内部容積と流体連通する吸引開口53が形成されている。
図11は、計量チャンバ52を生成するために第2のアクチュエータ内に移動可能に支持される接続要素の断面図を例示している。接続要素60は、液体を受け入れて液体をベースの試薬貯槽82に更に送達するために液体をオリフィス66に対する小さなチューブ開口68に至らせるための収容開口68を含む、ピストン600として機能する。ある例において、ピストン部分62は、第2のアクチュエータ50の計量チャンバ52の内壁に対してピストン部分を封止するシール51を備える。
その上、収容開口68で、抽出される液体の幾つかの要素を濾過するためにフィルタ要素63を設け、フィルタ構成要素を収容チャンバ32と計量チャンバとの間の液路内に設ける。
収容開口68を、例えば、図11及び図12Cの断面図に示すような、漏斗のように形成することができる。フィルタ要素は、任意的であるに過ぎない。図12A乃至図12Dには、接続要素60の異なる実施形態が示されており、各接続要素60は、図11の異なる構成を有し、図12Dには、ピストン部分69のような最小の構成を有する接続要素60の実施形態が示されている。穿刺可能な膜61、及び液体をベースの試薬貯槽82に送達するための第2のオリフィス66に至る小さなチューブ65。例えば、図12Cによれば、ピストン部分69の小さなチューブ65は、一端にシーリング61を備え、計量チャンバ内で生成される真空を維持するために他端にフィルタ63を備える。
図11を再び参照すると、フィルタ要素63の下には、フィルタ要素63を支持するためのスポークホイール(図示せず)のように形成されることができる支持構造がある。支持要素の下には、小さなチューブ65に至る漏斗68がある。小さなチューブは、その下端部分に膜61を含み、その膜61は、ステッカとして小さなチューブ65の開口の上に置かれる。この膜61は、真空が生成されるときに内部シリンダ500を封止する機能を有する。膜61は、シリンダ500の計量チャンバ52内に貯蔵される液体を排出するために損傷が与えられるか或いは穿刺されなければならない。好ましくは、これは、例えば、図16乃至図19及び図20に示される、カニューレ72のような中空針の助けを受けて行われる。ピストン部分69は、内部シリンダとして形成され、フィルタ要素63を備え、液体が下方に送達されるために通過しなければならないフィルタ要素63を備える。
図11の接続部分60のピストン部分69は、閉塞貫通穴65(blocked through hole)を有し、閉塞貫通穴65は、計量チャンバ52内に構築されるべき真空を維持するために気密シーリング61によって塞がれる(blocked)。シーリング61は、針又はカニューレ72によって穿刺することができる穿刺可能な流体密な膜であることができる。収容チャンバ内に集められる流体を排出するために、穿刺可能な膜をカニューレ72によって穿刺して収容チャンバ内に開口700を生成することができる。
ここで、接続要素60の異なる実施形態を断面図で示す図12A乃至図12Dを参照すると、図12Aは、接続要素60の異なる実施形態を断面図で示している。図12Aは、膜61のような、幾つかの関連する構成を含む、接続要素の実施形態を示しており、膜61は、真空及び/又は液体が小さなチューブ65を通じて漏れるのが遮断されることできるが、小さなチューブのシールが破壊されて、液体が小さなチューブ65を通じて排出されることができるよう、膜に開口を創成するためにカニューレによって穿刺可能又は破壊可能でもあるよう、液密でなければならない。図12A乃至図12Cは、接続要素60の更なる実施形態を示しており、更なる構成要素が、図12Dに示す接続要素の実施形態に追加されている。
図示しない実施形態において、穿刺可能な膜61は、必要なときに小さなチューブ65を封止し、液体が小さなチューブを通じて排出されるべきときに開かれる、制御可能な弁と置換されている。弁は、信号を介して或いはカニューレを介して機械的に作動させられることができる。
好ましくは、図17及び図18に示すように、カニューレ72は、流体がカニューレを介してカートリッジ200の試薬貯槽82に送達されるよう、膜61内の又は膜61を通じる計量チャンバの排出中に留まり且つ延びる。他の実施形態において、シーリングは、信号を介して又はカニューレを介して機械的に作動させられることができる弁であることができる。計量チャンバは、先ず、カニューレの先端が穿刺可能な膜を通じて穿刺するよう、穿刺可能な膜を穿刺することによって排出される。次に、計量チャンバ内の流体は、好ましくは、接続要素60内に設けられる或いは他の実施形態ではベース内に直接的に設けられるフィルタ63を通じて漏れることができる。フィルタ63を設けることができるが、他の実施形態では、使用されるサンプル及び/又は試薬に依存してフィルタを省略することができる。
ここで計量チャンバ内の真空の生成を概略的に示す図13乃至図15を参照する。これを達成するために、好ましくは、第2のアクチュエータ50は、接続要素60に対して移動させられる。図13は、接続要素60が第2のアクチュエータ50の中空シリンダ内に挿入されるときの開始位置を例示している。図14は、第2のアクチュエータがピストン部分69から離れる方向に部分的に移動させられ、真空が接続要素60のピストン部分69と第2のアクチュエータ20の閉じた頂端部分との間に生成されるときの、中間位置を例示している。図15は、第2のアクチュエータ50の可逆端位置と、液体が計量チャンバ52に吸引されるきに計量チャンバ52と収容チャンバ32との間の接続を構築するよう貫通穴が整列されるときの状態とを例示している。
図9、図10、図11及び図13乃至図15を参照すると、計量アクチュエータ50は、閉じた頂端501と開いた底端502とを備える計量管腔52を定める、円筒体500を含む。その上、円筒体500は、円筒体500の横方向側壁において開いた底端502に隣接して、吸引開口53を含む。吸引開口53の軸は、円筒体500の閉じた頂端501と開いた底端502との間の延長軸に対して実質的に垂直である。開いた端501は、ピストン600を収容するためにあり、それは円筒本500の管腔内で液密に移動させられることができる。円筒本500は、ピストン600に対して相対的に移動可能である。好ましくは、円筒体500は移動させられ、ピストン600は静止的なままである。
円筒体500及びピストン600が互いに対して移動させられると、減圧、好ましくは、真空が(負圧)が生成される。何故ならば、円筒体500の閉じた頂端501と閉じた頂端501に面するピストン600のピストン部分69との間の容積が減少するからである。円筒体500及び/又はピストン600は、円筒体500の頂端部分501及びピストン部分69の端部分が互いに対して閉じられ(開始位置)、吸引開口が遮断される、図13に示す開始位置又は上死点と、円筒体500の頂端部分及びピストン部分69が互いに対して離間して、液体サンプルが円筒体500の管腔52内に吸引されることができるよう、吸引開口53が遮断されない、図15に示す端位置又は下死点との間で、移動可能である。
システムの例示的な実施形態によれば、計量チャンバ内への収容チャンバの液体を計量するために、以下の方法ステップを実行することができる。
− 液体の又は乾燥した第1の試薬25(SI)を提供するステップ、
− 第1の試薬25を第1の試薬貯槽24に挿入するステップ(SII)、及び
− スワブ400を収容開口14に挿入するステップ(SIII)。
更なる例では、
− 第1及び第2のハンドル16,22を、特に、例えば、図5に示すように、デバイスを片手で保持して取り扱うために回転運動において、互いに向かって移動させるステップが提供される。しかしながら、その移動は、線形の、湾曲した移動のような、並進運動として実行されることもことができる。
更なる必ずしも必要でないサブステップi)乃至iii)において、綿スワブが木製又はプラスチックのロッドを含むとき、
i)特にロッドが収容開口から突出するときに、ロッドは切断されることができ或いは切断されなければならず、
ii)次に、ロッドが切断されたときに、収容チャンバ32を閉じられることができる。
殆どの綿スワブは、所定の破断点を備える。しかしながら、通常、ロッドは、しばしば長すぎ、且つ/或いは、所定の破断点は、デバイスの閉塞要素に対して間違った位置にある、即ち、所定の破断点は、デバイスの閉塞要素の位置としてはより低いか或いはより高い。その場合、ロッドが切断されなければならないことが必要であり得る。本発明に従ったデバイスは、その全体的にコンパクトな収容チャンバの故に、従来的な綿スワブと比較して極めて小さい寸法を有する。よって、綿スワブの切断が必要なことがある。
しかしながら、本発明に従ったデバイスによれば、サンプルを採取するための他のデバイスを使用することができ、それらは湿地(swamp)のような収容チャンバ32によって定められる容積内に並びに開口14内に適合する。その場合、サンプルの切断は必要でなく、よって、切断ステップは必須でなく、常に必要である。
収容開口14が閉じられるとき、2つのハンドルは、例えば、図5に示すようにステップAからステップBに、互いに接触させられ、ステップDにおいて、収容開口32の望ましくない再開放を省くためにクランプ機構を用いて互いにクランプされることができる。
ハンドル16、22の移動のステップCからステップDにおいて、収容チャンバ32内の関連する並進的又は回転的な変位は、小さな隙間が閉じられるように起こる。この小さな隙間には、液体又は液体形態の試薬25のバッグがある。液体のバッグは開かれ、最後の変位によって圧搾される。
よって、第3のステップは、
iii)提供される液体を放出するステップ(SIV)である。
流体が綿スワブ400と接触し、例えば、綿スワブ400に含まれるウイルス又はウイルス粒子を吸収するとき、例えば、分析デバイスにおける更なる分析ステップのために、吸収されたウイルス又はウイルス粒子と共に所定の正確な容積の液体を放出することが、本発明の目的である。
これを達成するために、閉じられたハンドル16,22を備える容器100をカートリッジ80のインタフェース要素70上に取り付ける/スナップ留めする(SV)。容器をカートリッジ上に取り付ける/スナップ留めすることによって、流体を容積内に吸い込むための容積内に負圧を生成することができる。
これを達成するために、図13乃至図15に示すように、第2のアクチュエータ50の外側シリンダ500をピストン600に対して移動させる(SVI)。
図11に示すピストン600は、外側シリンダ600内に配置される内側シリンダ601として形成されることができる。第1のシール51(Oリング)が、外側シリンダ500と内側シリンダ601との間に配置される。第2のシール31(Oリング)が、外側シリンダ500と液体を貯蔵する領域との間に位置付けられる。オリフィス53が、外側シリンダ500の下方端部分に設けられ、このオリフィスは、最初は封止されない。ピストンは、内部シリンダとして形成され、液体が下向きに送達されるために通過しなければならないフィルタ要素を備える。
外側シリンダ600が図13に示す開始位置から綿スワブが挿入される方向に向かって上向きに移動させられると、同時に、オリフィス53は、図14に示すように上方に移動させられる。
収容チャンバ32の上方端で、オリフィス53は、図示の実施形態では2つのOリングである、内側シリンダの第1のシール51を通過する。然る後、2つのOリング51を通過したときに、オリフィス53は、外側シリンダ500と内側シリンダ601との間に創成される生成される容積と接触し、図15に示すように、収容チャンバ内の流体25と接触する。生成される容積によって、真空が生成され、真空によって、図15の点線矢印によって示すように、液体が内側シリンダ601及び外側シリンダ500の容積内に吸い込まれる。
外側シリンダ500を移動させることによって、液体が吸引される容積が創成される。
真空を生成するために、内側シリンダ601は、カートリッジ202の基本モジュールのインタフェース要素70のリム702に取り付けられた横方向アーム503を備える。手動容器100を下向きに移動させることによって、アーム503は、手動容器に対して上向きに移動させられる。なぜならば、アームは、リム702上に留まり、容器は、容器100の下方の第2のハウジング部30の外形寸法と相補的に形成される円筒形の収容溝内に押し下げられるからである。
更なる例では、分析前に患者のサンプルを計量するデバイスの容器100が提供される。容器100は、サンプルの液体25を収容する収容チャンバ32と、周壁500によって接続される閉塞頂端501及び開放底端502の両方によって定められる流体サンプル25を計量する円筒形の計量チャンバ52を含むアクチュエータ50とを含む。
周壁内の頂端501と底端502との間には吸引開口53が設けられ、それは収容チャンバ32及びアクチュエータ50の計量チャンバ52との流体接続を可能にする。接続要素60は、シーリング61によって閉じられる貫通穴65を備えるピストン部分69を含む。
ピストン部分69は、吸引開口が塞がれてピストン部分が閉じられた端に隣接する下死点と、吸引開口が塞がれないで収容チャンバと流体連通させられる上死点との間で、アクチュエータ50の計量チャンバ52内に移動可能に支持される。
開口53が収容チャンバと流体接続して移動させられるときに、収容チャンバ32内に貯蔵される液体を計量チャンバ内に吸い込むことができるよう、ピストン部分69及び計量チャンバ52を上死位置から下死位置に互いに対して移動させるときに、閉塞頂端とピストン部分との間で増大する容積と真空負圧とが生成される。
ここで図20を参照すると、図20は、上述のステップS1乃至SVIを実行するために容器を連結することができるベースを詳細に示している。
図20において、インタフェース要素70は、斜視図で示されており、穿刺要素71のカニューレ72は、その伸張位置にある。伸張位置において、カニューレ72の先端は、接続要素60の穿刺可能な膜61を少なくとも穿刺するよう穿刺要素71の円筒体から突出する。
ある例において、容器100、特にアクチュエータ50のハンドル501は、インタフェース要素70の外側リム704上に係合可能であり、容器のハウジングの下方部は、ベースのインタフェース要素702の収容溝702内に少なくとも部分的に係入されることができる。
穿刺可能な膜61は、第2のアクチュエータが端位置にあるときに、計量チャンバ52の管腔内に生成される真空を封止するように構成される。穿刺可能な膜61は、計量チャンバ内に吸引される液体を放出するためにカニューレによって穿刺可能である。カニューレ又は針は、カートリッジの一部であり、カニューレの先端が穿刺要素71内に設けられる後退位置と、カニューレ72の先端が穿刺可能な膜を穿刺するために穿刺要素から突出する伸張位置との間で移動可能である。図20においては、カニューレ72は、穿刺可能な膜61を穿刺するための伸張位置で示されている。
図16乃至図19は、計量チャンバから、例えば、ベースの第2の試薬貯槽82のような収容容積に、液体を供給するステップを例示している。図16乃至図19に示す次のステップは、分析ステップのために使用されるカートリッジ又はキャリア202に液体を送達する目的を有する。
図16は、第2のアクチュエータ50を示しており、第2のアクチュエータ50は、収容チャンバ32の流体が、接続部分のピストン部分69及び第2のアクチュエータのシリンダの内部管腔によって定められる計量チャンバ52内に吸い込まれる、その端位置にある。更に、第2のアクチュエータ50とそのピストン部分を備える接続要素60とを含む容器10は、容器10の第2の下方ハウジング部30が収容溝702内に少なくとも部分的に挿入され、カートリッジ200の穿刺要素71が接続要素60内に挿入されるように、インタフェース要素70と結合され、第2のアクチュエータ50のハンドル503は、収容溝702の上に留まり、インタフェース要素70のリム702上に係合させられる。
接続要素60は、穿刺可能な部材を穿刺するために穿刺要素71を挿入可能である内部シリンダ601を含む。
好ましくは、アクチュエータ、特にハンドルが開始位置にあるときに、即ち、容器の収容チャンバ32内に試薬液25があるときに、容器100は、収容溝72内に挿入されるが、内容物は、アクチュエータの計量チャンバ内に未だ設けられない。
容器は、その下方の第2のハウジング部30と共に収容溝72に挿入されるが、アクチュエータ50のハンドルは、インタフェース要素70の周壁のリム704上に係合される。次に、容器100は、下方の第2のハウジング部が収容溝702内に挿入されるが、ハンドル503は外側リム702上に留まるように、押し下げられる。ハンドル503は、アクチュエータ50が接続要素62のピストン部分69に対して移動させられて、負圧及び増大した容積を生成して、計量チャンバを形成するように、アクチュエータ50を作動させる。吸引開口が収容チャンバと整列させられるとき、液体分は、計量チャンバ内で生成される真空の故に、計量チャンバ52内に吸い込まれる。
膜61は、計量チャンバ52内に収容される計量された液体を排出するために損傷を与えられるか或いは穿刺されなければならない。好ましくは、これはカニューレ72のような中空針の助けを借りて行われる。図16において、カニューレは、穿刺先端が穿刺可能な膜61に損傷を与えることができないように、安全な後退させられた位置において示されている。
膜61の穿刺は、真空が生成された後に行われ、液体は、計量チャンバ52内に収集され、容器は、ベースに取り付けられる。膜61が穿刺される前に、手動容器100及びベースモジュールは、上述のようにベースの穿刺要素71を接続要素62に挿入することによって、互いに対してロックされる。この状態は、第2のアクチュエータのハンドル501及び接続要素60のベースプレート67を除いて、図16に部分的に示されている。中空針又はカニューレ72は隠れており、怪我及び汚染のリスクを省くよう、穿刺要素71のシリンダ内に固定される。シリンダは、接続要素60の内部シリンダ601を受け入れるように寸法取られる。
アクチュエータ50がその開始位置に戻される前に、カニューレ72は、例えば、図17に示すように、穿刺可能な膜61を穿刺するために作動させられる。カニューレ72は、その引き出された位置において図17に示されている。アクチュエータ50を図19に示す開始位置において下向きに移動させるために、アーム503は、アクチュエータ50を下向きに移動させることができるように、横方向凹部701内に挿入されなければならない。
手動モジュール100をベースモジュールの周りで約20°だけ回転させることによって、横方向アーム503は、それらが、重力及び手動操作の助けを借りて或いは任意的にバネの力によって、これらの凹部701内で下向きに移動させられるよう、上方リム702から横方向凹部701に移動させられるように、同時に回転させられる。上部リム702の上面は傾斜を含むので、アーム503の、従って、外側シリンダ500の第1の下向き設定が行われる。好ましくは、この最初の下向きの設定の間に、膜61は、中空針72によって穿刺される。
図17に示すステップにおいて、外側シリンダ500は、生成される容積内の液体の計量された容積V2を空にするために、下向きに移動させられる。オリフィス53がOリング31を通過すると、最初は液体の僅かの部分が収容チャンバ32に押し戻される。
アーム503を凹部701内で下向きに移動させることによって、計量された容積V2は排出され、カートリッジに、特に第2の試薬貯槽82に、或いは他のデバイスの液体収容容積に送達される。任意的に、試薬及びサンプルの混合を改善するためにカートリッジに送達されるときに計量された容積V2内に乱流を生成するデバイスがある。乱流を生成するデバイスを小さなチューブ内に或いは接続部分の第2のオリフィスに或いは第2の試薬貯槽82の入口に設けることができる。
更なる例では、上述のような容器100を使用する方法が提供される。この方法は、以下のステップ、即ち、
容器のハウジング10の収容チャンバ32内に試薬及び/又は液体を供給するステップと、
サンプル収集要素400をデバイスの収容開口14に挿入するステップと、
収容開口1を閉じるために第1のハンドル16及び第2のハンドル22を互いに対して移動させることによって第1のハンドル16及び第2のハンドル22を含む第1のアクチュエータ20を作動させるステップであって、相対的な移動は、第1の試薬貯槽内に貯蔵される試薬をサンプル収集要素400と接触させる、ステップと、
ある容積を生成する第2のアクチュエータ50の作動によって、収容チャンバから計量チャンバ内に所定の量の液体を抽出するステップと、
その容積を減少させることによって、第2のアクチュエータを作動させることによって計量チャンバ内の所定の量を、例えば、カートリッジの液体収容容積に抽出するステップとを含む。
更なる例において、方法は、容器100の切断開口15内の切断要素による収容開口14の閉塞中にサンプル収集要素400のバー(棒)又はステム(茎)を切断するステップを更に含む。
サンプル収集要素400は、例えば、バーを備える綿スワブであることができる。バーが長すぎて、デバイスの収容開口から突出するときに、切断要素によってバーを切断することができる。しかしながら、幾つかの綿スワブは、所定の制動点を含む。この方法は、任意的である。何故ならば、サンプル収集要素は、バーを備える綿スワブに限定されないからである。例えば、サンプル収集要素400は、収容チャンバ内に完全に収まる綿スワブであることができ、スタンプ(stamp)を切断することは必要でない。
更なる例において、方法は、第1のハンドル及び第2のハンドルの両方が互いに接触するまで、第1のハンドル及び第2のハンドルを更に作動させることによって、試薬を収容チャンバ内に押し込むステップを更に含む。
試薬貯槽内では、試薬バッグ25が空間に設けられる。試薬を放出するために、試薬バッグは、試薬バッグの収容空間を最小にすることによって試薬バッグが破裂するまで、圧縮される。ハンドルは、それらを一緒に回転させるときに、収容空間が最小にされ、試薬バッグの内容物が押し出されるように、構成される。試薬バッグは、試薬バッグの破裂を容易にする所定の破裂点を備えることができる。他の実施形態では、試薬バッグを開くために並びに試薬バッグを切り込むことによって試薬バッグ内の試薬を解放するために、切断要素が提供される。両方の場合において、試薬は押し出される。何故ならば、バッグが収容される空間は、ハンドルを作動させることによって最小化されるからである。試薬は、液体又は固体であり得る。試薬が固体であるときには、固体試薬の溶液を提供するための液体とサンプル収集要素に含まれる要素を溶解するための液体とを収容する、第2のバッグを提供することができる。
更なる例において、方法は、クランプデバイスによって第1及び第2のハンドルをロックするステップを更に含む。
試薬は、サンプル収集要素400に含まれる要素を反応させ且つ/或いは溶解させなければならない。デバイスのあらゆる更なる操作を省略するために、ハンドルは、ロック又はクランプ機構を備え得る。クランプ機構は、ユーザによってアクティブ化(起動)されることができ、或いは、ハンドルが互いに接触させられるときに、クランプ機構がアクティブ化されるように、構成されることができる。クランプ機構は、収容チャンバの内容物の操作を省略するために、環境の要素による収容チャンバの汚染を防止するために、そして、収容チャンバの内容物からユーザを保護するために、ハンドルの事後開放を防止しなければならない。
更なる例において、方法は、第2のアクチュエータ50内に生成される容積内に所定の量を吸い込むことによって、収容チャンバに収容される所定の量の流体を除去することを更に含み、生成される容積は、接続部分60のピストン部分600及び第2のアクチュエータ50の頂端部分501の距離を増大させることによって生成される。
更なる例において、方法は、アクチュエータをカートリッジに向かって移動することができるよう、第2のアクチュエータを移動させて収容溝704と係合させることを更に含み、穿刺要素71内のカニューレ72は、穿刺可能な膜61を穿刺するための伸張位置に移動させられる。
液体の吸引が終了させられると、アクチュエータのハンドルは、インタフェース要素70のハンドル収容溝701に嵌入するように回転させられる。アクチュエータのハンドルは、今やインタフェース要素の底の方向に押される。これを行うことによって、穿刺可能な膜は、穿刺要素のカニューレによって又はその直前に穿刺される。カニューレ72は、穿刺可能な膜を穿刺するために作動させられなければならない。これはユーザによって押されるトリガ又はアクチュエータのハンドルがハンドル収容溝704に挿入されるときを認識し得るセンサによって実行されることができる。
更なる例において、方法は、ピストン部分が上死位置に戻らされるように、アクチュエータを押し戻すことを更に含み、計量チャンバ内の流体は、穿刺されたシール71を通じてカートリッジ200の試薬貯槽に押し込まれる。
封止後に、即ち、穿刺可能な膜61がカニューレ72によって穿刺された後に、アクチュエータのハンドルは、下向きに押される。これは計量チャンバからカートリッジ200内の試薬貯槽82への液体の移送を引き起こす。計量チャンバの閉じた頂端は、計量チャンバ内の液体を、少なくとも部分的にフィルタを通じてカニューレの管腔内に押し込み、そして、カニューレの管腔を通じてカートリッジの試薬貯槽82内に押し込む。計量チャンバが空であるときに、通常はアクチュエータのハンドルが収容溝の底に達するときに、カニューレは後退させられ、容器は収容溝から外され、試薬貯槽内のサンプルは、分析デバイス300によって分析されることができる。次に、容器が1回使用のみを目的とするならば、容器は廃棄されることができる。
接続要素60は、穿刺可能な部材を穿刺するために穿刺要素を挿入可能である中空空間66を提供する。好ましくは、アクチュエータが、特にハンドルが、開始位置にあるとき、即ち、容器の収容チャンバ内に懸濁液25があるとき、容器は収容溝72内に挿入されるが、内容物は、アクチュエータのチャンバ内に噴射提供されない。容器は、その下方の第2のハウジング部30と共に、収容溝704内に挿入されるが、アクチュエータ50のハンドルは、インタフェース要素70の周壁のリム702上に係合される。次に、容器は、下方の第2のハウジング部が収容溝702に挿入されるが、ハンドル500が外側リム上に留まるように、押し下げられる。ハンドルは、アクチュエータ50が接続要素のピストン部分に対して移動させられるように、アクチュエータを作動させて、計量チャンバ内に負圧及び増大する容積を生成する。吸引開口が試薬25を収容する収容チャンバに達すると、液体成分は、生成される真空の故に計量チャンバに吸引される。液体の吸引が終了させられると、アクチュエータのハンドルは、インタフェース要素70のハンドル収容溝704に嵌合するよう回転させられる。アクチュエータのハンドルは、今やインタフェース要素の底の方向に押される。これを行うことによって、穿刺可能な膜は、穿刺要素のカニューレによって又はその直前に穿刺される。カニューレは、穿刺可能な膜を穿刺するようアクティブ化されなければならない。これはユーザによって押されるトリガ又はアクチュエータのハンドルがハンドル収容溝704に挿入されるときを認識し得るセンサによって実行されることができる。カニューレが穿刺された後に、ハンドルは下向きに押される。これはカートリッジ200内の試薬貯槽への計量チャンバ内の液体の移送を引き起こす。計量チャンバの閉じられた頂端は、計量チャンバ内の液体を、少なくとも部分的にフィルタを通じてカニューレ内に、そして、カニューレを通じてカートリッジの試薬貯槽内に押し込む。計量チャンバが空であるときに、通常はアクチュエータのハンドルが収容溝の底に到達したときに、カニューレが後退させられ、容器は収容溝から外され、試薬貯槽内のサンプルは、分析デバイス300によって分析されることができる。次に、容器を廃棄されることができる。何故ならば、容器は1回使用のみを目的としているからである。
通常、サンプル調製は、反応物を試薬と接触させるステップを含み、それは、例えば、検体を前記磁性粒子と特異的に結合させるか、或いは溶解目的のためにサンプルの細胞と化学的及び/又は機械的に相互作用させる。
図13乃至図19は、注射器(シリンジ)との相違を更に例示している。注射器において、収容開口及び供給開口は同じである。それとは対照的に、このデバイスによれば、アクチュエータは、第1のオリフィス53を含み、液体は、第1のオリフィス53を通じて収容され、接続要素は、第2のオリフィス、例えば、穿刺可能な膜61の開口を定め、計量チャンバ内の計量される流体は、その開口を通じてベース200内の第2の試薬貯槽に供給される。
次に図21を参照すると、図21は、計量チャンバ52から試薬貯槽82に液体を供給するときに乱流を生成することができるデバイスを示している。
図21は、乱流生成デバイス800を概略断面図で例示している。乱流生成デバイスは、液体が乾燥試薬101に、好ましくは、磁性粒子102を含む脱水試薬に供給されるという原理に従って動作する。本発明によれば、磁性粒子は、サンプルの調製後に検体(液体)に結合するはずである。
最後のステップにおいて、液体は、gDNAフィルタを通過させられて、乾燥磁性粒子804と乱流接触させられてよく、乾燥磁性粒子は、一旦懸濁されると、サンプル容積からRNA分子を捕捉する。次に、これらの粒子は、例えば、分析デバイス300内で更なる処理を受けるよう磁石によって収集されてよい。
第2の試薬チャンバ802の特性寸法Lcは、穿刺可能な膜61が計量チャンバ52内の液体を排出するために穿刺されるときに、液体が試薬に到達するときに乱流を生成するために、体乾燥試薬803(典型的には凍結乾燥球)の直径Lrよりもずっと大きくてはならない。
試薬体88の直径L
rと第2の試薬チャンバ802の直径L
cとの間の式に従った関係は、以下の式(I)に従って算出されることができ、
ここで、L
c=脱水された第2の試薬体803の最大直径であり、L
c=第2の試薬チャンバ802の最大内側幅であり、m=乗数、関係である。
本発明の好ましい実施形態によれば、乗数mは、1〜5の範囲であることができ、好ましくは、1.5〜2の範囲であることができ、最も好ましく、はm=2であることができる。
図21に示すように、乱流生成デバイス800は、収縮チョーク(ベンチュリノズル)と同様に、計量チャンバ52からベースの試薬貯槽82に液体を供給する、配給チューブ内に狭窄部を有する加速チューブ801を含む。計量チャンバからの液体は、加速チューブに起因する比較的高い流速で、磁性粒子804を備える第2の試薬803を収容する第2の試薬チャンバ802に導入される。液体と試薬803との良好な混合を保証するために、乱流が生成されなければならない。試薬体803の直径と第2の試薬チャンバ802の内側幅との間の関係が比較的小さいときに、最大の乱流を達成することができる。好ましくは、脱水された第2の試薬体803の直径Lrと第2の試薬チャンバ802の最大内側幅Lcとの間の関係mは、m=1〜5の範囲内にある。
第2の試薬チャンバ802は、出口を含み、液体と試薬との混合物は、出口を介して、容器に或いは更なる分析のために送達される分析の容積に更に送達されることができる。
また、より容易な参照のために番号付けられた以下の例が提供される。
1.分析の前に患者のサンプルを調製するデバイスであって、ハウジングと、アクチュエータとを含み、ハウジングは、開口を備える収容チャンバと、試薬貯槽とを含み、収容チャンバは、開口を通じてサンプル収集要素を具備する或いは具備しない患者のサンプルの少なくとも部分を収容するように構成され、試薬貯槽は、試薬を収容するように構成され、アクチュエータは、ハウジングに対して移動可能であり、アクチュエータは、患者のサンプルが試薬と少なくとも部分的に混合されるよう、収容チャンバを順次式に閉塞して、試薬貯槽に収容される試薬を収容チャンバのサンプルと接触させる、ように構成される、デバイス。
2.アクチュエータは、アクチュエータ本体と、収容チャンバの開口に近接して配置される閉塞要素と、アクチュエータの移動後に患者のサンプルと接触する試薬を放出するように構成される放出要素とを含む、例1のデバイス。
3.収容チャンバがアクチュエータによって閉じられた後のアクチュエータの逆方向の移動を阻止するように構成される阻止要素を更に含む、例1又は2のデバイス。
4.アクチュエータは、収容チャンバを封止するように更に構成される、例1乃至3のうちのいずれか1つのデバイス。
5.アクチュエータは、収容チャンバから突出するサンプル収集要素の部分を切断するように更に構成される、例1乃至4のうちのいずれか1つのデバイス。
6.アクチュエータは、第1に、収容チャンバから突出するサンプル収集要素の部分を切断し、第2に、収容チャンバを閉塞して封止し、第3に、試薬貯槽から収容チャンバ内にあるサンプル収集要素の部分に試薬を放出する、ように構成される、例1乃至5のうちのいずれか1つのデバイス。
7.閉塞要素は、アクチュエータが開口を閉じるように移動させられるときに互いに向かって移動する2つの把持要素を含む、例2のデバイス。
8.アクチュエータは、収容チャンバの円周に沿って移動するように構成される、例1乃至7のうちのいずれか1つのデバイス。
9.アクチュエータは、壁部分を含み、壁部分は、アクチュエータが収容チャンバに対して移動するときに、試薬を試薬貯槽から供給させる、例1乃至8のうちのいずれか1つのデバイス。
10.試薬は、溶解剤を含む、例1乃至9のうちのいずれか1つのデバイス。
11.計量チャンバを備える第2のアクチュエータを更に含み、第2のアクチュエータは、試薬と患者のサンプルとを含む混合物を収容チャンバから計量チャンバ内に移送するように構成される、例1乃至10のうちのいずれか1つのデバイス。
12.第2の試薬貯槽を更に含み、第2の試薬貯槽は、第2の試薬を収容するように構成され、第2のアクチュエータは、第2の試薬貯槽に液体を供給するように構成される、例11のデバイス。
13.アクチュエータは、試薬貯槽内の試薬を収容チャンバに供給することによってサンプルと接触させられるように更に構成されるので、患者のサンプルが収容チャンバ内にあるとき、患者のサンプルは、試薬と少なくとも部分的に混合される、例1のデバイス。
14.試薬を提供して、試薬貯槽内に前記試薬を挿入するステップと、収容チャンバ内のサンプル収集要素の又は患者のサンプルの少なくとも部分を受け取るステップであって、患者のサンプルは、サンプル収集要素の1つの部分の上にある、ステップと、デバイスのハウジングを閉塞するステップと、患者のサンプルを少なくとも部分的に試薬と混合するために患者のサンプルに試薬を供給するステップとを含む、例1に従ったデバイスを使用する方法。
15.例14の方法は、収容チャンバを封止するステップを更に含む。
本発明の実施形態は、異なる主題を参照して記載されていることが留意されなければならない。特に、幾つかの実施形態は、方法の種類の例を参照して記載されているのに対し、他の実施形態は、デバイスの種類の例を参照して記載されている。しかしながら、当業者は、特段の断りのない限り、1つの種類の主題に属する構成の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関する構成の間の任意の組み合わせもこの出願で開示されていると考えられることを、上述の記述及び以下の記述から推測するであろう。しかしながら、全ての構成を組み合わせて、それらの構成の単純な合計よりも多くの相乗効果を提供することができる。
本発明を図面及び前述の記述において詳細に例示し且つ記載したが、そのような例示及び記述は、例示的又は例証的であると考えられるべきであり、限定的であると考えられるべきでない。本発明は、開示の実施形態に限定されない。当業者は、請求項の発明を実施する際に、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、開示の実施形態に対する他の変形を理解して達成することができる。
請求項において、「含む」という語は、他の要素又はステップを排除しない。単数形の表現は、複数形を排除しない。特定の手段が相互に異なる従属項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用し得ないことを示さない。請求項中の如何なる参照符号も、その範囲を限定するものとして解釈されてならない。
本発明によれば、ハウジングと、アクチュエータとを含む、分析前に患者のサンプルを調製するデバイスが提供される。ハウジングは、開口を備える収容チャンバと、試薬貯槽とを含む。収容チャンバは、開口を通じて患者のサンプルの少なくとも部分を収容するように構成され、試薬貯槽は、試薬を収容するように構成される。アクチュエータは、ハウジングに対して移動可能であり、アクチュエータは、収容チャンバを順次式に閉じて、試薬貯槽に収容される試薬を収容チャンバのサンプルと接触させるように構成されるので、患者のサンプルは、試薬と少なくとも部分的に混合され、アクチュエータは、アクチュエータ本体と、収容チャンバの開口を閉塞するように構成される閉塞要素と、アクチュエータの移動後に試薬を放出して患者のサンプルと接触させるように構成される放出要素とを含む。