JP2019533692A - チャネル病を引き起こす薬物に対するdmpc、dmpg、dmpc/dmpg、lysopg及びlysopcの防護効果 - Google Patents

チャネル病を引き起こす薬物に対するdmpc、dmpg、dmpc/dmpg、lysopg及びlysopcの防護効果 Download PDF

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Abstract

本発明は、活性剤又は薬物により引き起こされる心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する1又は2以上の心臓チャネル病又は状態を低減又は予防するのに有効な、経口投与用に適合されたある量のリゾホスファチジルグリセロールを含む、ヒト又は動物対象において活性剤又は薬物により引き起こされる心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する1又は2以上の心臓チャネル病又は状態を予防するための組成物及び方法を含む。

Description

本発明は、概して、薬物治療の分野に、より詳細には、活性剤又は薬物により引き起こされる心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因するチャネル病又は状態を低減又は排除するための新規組成物及び方法に関する。
本発明の範囲を限定することなく、対象における心室QTの再分極の持続期間を制御するための組成物及び方法に関連して、それを必要とする対象に治療薬の修正若しくは機能的妨害を施すこと、又は修正されない場合に、心筋細胞活動電位における再分極の延長、トルサード・ド・ポアンツ、及び長いQTシンドロームを誘導する恐れがある先天性欠陥を含めて、その背景について記載する。
心臓の拍動は、心筋の興奮及び収縮の正確に制御された規則的な間隔の波に起因する。イオンベースの脱分極及び再分極中の電流は、電波を測定する特定の位置での身体上に配置された導線により測定することができる(心電図)。P波は、心房における脱分極の波を表す。心房全体が脱分極されるようになると、波はゼロに戻る。0.1秒後、心室は完全に脱分極されて、QRS複合体を生じる。3つのピークは、電流が心室に広がる様式に起因する。T波又は心室の再分極がこれに続く。QRS複合体の始まりから標準的なECG上のT波の終わりまで測定されるQT間隔は、心筋細胞の再分極期(又は心室の脱分極及び再分極)の完了までの持続期間を表す。この間隔の持続期間は、遺伝的変異、心疾患、電解質バランス、毒物注入、及び薬物に起因して様々であり得る。QT間隔の延長は、心室性不整脈及び突然死をもたらし得る。
薬物誘導性の長いQTcシンドローム(LQTS)、即ち活動電位の持続期間の延長は、政府の権限による休薬の一般的な原因である。QTc延長は、トルサード・ド・ポアンツ(TdP,Torsades de Pointes)、心室細動を招く多形性心室性頻拍に関する予測不可能なリスク因子である。薬物誘導性LQTSは、処方全ての約3%を構成し、それは、TdPが続くと、致死的な有害反応を引き起こし得る。1又は1よりも多いQTc延長性の薬物を併用して摂取する患者は、TdPのリスクが高まる。TdPの全体的な発生は、統計学的に珍しいが、罹患個体にとって臨床的に意義があり、この薬物効果に関する分析は、薬物を臨床試験に進ませるのに先立つ必須要件である。
一般的な構造的に異なる薬物は、ヒトether−a−go−go関連遺伝子(KCNH2又はhERG)コードKチャネル及び心臓遅延整流性カリウム電流I(KV11.1)を遮断して、後天性LQTSをもたらす。LQTSの薬物関連のリスクの増加は、薬物開発の主要な障害であり、多くの薬物が、前臨床開発中に中止されたか、又は認可後に黒枠警告を割り当てられたか、又は市場から取り下げられている。カリウムチャネルをコードする10個の異なる遺伝子における500個の考えられ得る変異に基づく常染色体劣性又は優性LQTSは、米国で1:3000の発生率又は約100,000人を有する。QT間隔の延長、又はLQTSのリスクは、無症候性US集団の2.5%に見られる。このシンドロームは、発現されると、未処置患者において重篤な心不整脈及び突然死を招き得る。LQTS誘導性薬物を投薬される無症候性先天性LQTSを有する患者における心臓死の確率は増加する。
後天性LTQS薬物中止の大部分は、ヒトether−a−go−go関連遺伝子(hERG)によりコードされるカリウムイオンチャネルの閉塞に起因する。高濃度のhERG遮断薬は概して、QTc間隔の延長を誘導して、TdPの確率を高める。薬物誘導性TdPの事例の最大10%が、13個の主要な遺伝的変異、471個の異なる変異、及び124個の多型に起因し得る(Chig, C 2006)。
LQTSの検出のためのシステム及び方法は、これまでに記載されている。例えば、米国特許公開第2010/0004549号明細書(Kohls et al. 2010)は、患者からのECGデータの収集セットを、収集したECGデータの複数のデータベースと比較することにより、患者においてLQTSを検出するシステム及び方法を開示する。複数のデータベースが、患者からのこれまでのECGを含有するデータベース、既知の後天性LQTS特性データベース、及び既知の遺伝的LQTS特性データベースを含む。患者のECGをこれらのデータベースと比較することにより、ECGの成功からのQT間隔の変化、T波形態の変化、U波形態の変化のような出現の検出が容易となり、LQTSの既知の遺伝的パターンとマッチさせることができる。システム及び方法は、患者の性別及び民族性に感受性が高い。というのは、これらの因子が、LQTSをもたらすと示されているためであり、さらに、システム及び方法は、QT持続期間を薬物効果のデータベースにマッチさせることが可能である。システム及び方法はまた、現行のECG管理システム及び記憶装置に容易に組み込まれる。
LQTSの診断及び治療のためのシステム及び方法は、米国特許公開第2008/0255464号明細書(Michael, 2008)に記載されている。Michaelの発明は、長いQTシンドローム(LQTS)を診断するためのシステムを含み、電気的収縮期(QT)及び機械的収縮期(QS2)からQT/QS2比を導き出して、患者の心臓周期における延長したQT間隔を検出する。プロセッサーは、マイクロホン及び胸部電極から収縮期を獲得して、QT/QS2比を算出して、結果をディスプレイに出力する。プロセッサーは、QT/QS2比を、患者においてLQTSを診断するためのメモリーに記憶された閾値と比較し得る。ユーザーインターフェースは、プログラミング、セットアップ及びディスプレイのカスタマイズを提供する。モード選択スイッチにより、システムを、心音計、12誘導心電計、又はLQTSを診断するための機械として選択的に作動させることが可能である。LQTSなどの心疾患を診断する関連方法は、同じ心臓周期中にQT及びQS2を測定するステップ、QT/QS2比を算出するステップ、並びに結果を、実験データから得られる閾値と比較するステップを含む。上記方法は、安静時及び運動中の両方で収縮期を測定するステップを含んでもよく、薬物有効性、投与量の最適化、及び後天性LQTS因果律試験に使用され得る。
心不整脈の治療方法は、米国特許公開第2007/0048284号明細書(Donahue and Marban, 2007)に提供される。上記方法は、心臓の電気特性を調節する量の少なくとも1つのポリヌクレオチドを投与するステップを含む。その発明のポリヌクレオチドはまた、カチオン性リポソーム及びアデノウイルスベクターなどの微量送達媒体とともに使用されてもよい。
不整脈の治療又は予防のための方法、組成物、投薬レジメン及び投与経路は、Fedida et al. (2010)により米国特許公開第2001/00120890号明細書に記載されている。Fedidaの発明では、早期後脱分極及びQT間隔の延長は、イオンチャネル調節性化合物を、それを必要とする対象へ投与することにより低減又は排除され得る。イオンチャネル調節性化合物は、シクロアルキルアミンエーテル化合物、特にシクロヘキシルアミンエーテル化合物であり得る。同様に、早期後脱分極、QT間隔の延長及び/又はトルサード・ド・ポアンツを誘導するイオンチャネル調節性化合物及び薬物の組成物についても記載される。Fedidaの発明はまた、イオンチャネル調節性化合物と組み合わせて供給され得る酸化防止剤を開示し、酸化防止剤の非限定的な例として、ビタミンC、ビタミンE、ベータ−カロテン、ルテイン、リコピン、ビタミンB2、補酵素Q10、システイン並びにビルベリー、ターメリック(クルクミン)、ブドウ種子又は松樹皮エキス、及びイチョウなどのハーブが挙げられる。
米国特許公開第2010/0004549号明細書 米国特許公開第2008/0255464号明細書 米国特許公開第2007/0048284号明細書 米国特許公開第2001/00120890号明細書
Chig, C 2006
一実施形態では、本発明は、対象において心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を誘導する1又は2以上の薬理学的活性剤と、1又は2以上の薬理学的活性剤により引き起こされる心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態(condition)を予防又は低減するのに十分な量で供給される1又は2以上の脂質とを含む組成物であって、組合せが、薬学的に許容される媒介物(medium)、溶媒(solvent)、又は媒体(vehicle)中に分散しており、活性剤、脂質又は両方が、媒介物、溶媒又は媒体中に溶解、分散又は懸濁しており、活性剤と脂質の1又は2以上の薬理学的比が、10:1〜1:10、1:5〜5:1、3:1〜1:3であり、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態に対する防護が1〜24時間続く、組成物を含む。一態様では、脂質は、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を予防又は低減する量で供給されるが、脂質は血流から取り除かれている。別の態様では、脂質は、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間予防する。一態様では、1又は2以上の薬理学的活性剤は、セロトニン結合を遮断する5−HT3アンタゴニスト、5−HT4受容体アゴニスト、ヒスタミンアンタゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬、抗マラリア剤、抗精神病薬、ハロドール(halodol)、抗生物質、抗不整脈薬、抗がん剤、オピオイド、又は抗高脂血症薬のうちの少なくとも1つから選択される。別の態様では、脂質は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール(phosphatidylglycrol)、カルジオリピン、ホスファチジルイノシトール又はこれらの前駆体のうちの少なくとも1つを含む。別の態様では、脂質は、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルコリン、ラウロイル−リゾホスファチジルコリン、ミリストイル−リゾホスファチジルコリン、パルミトイル−リゾホスファチジルコリン、ステアロイル−リゾホスファチジルコリン、アラキドイル−リゾホスファチジルコリン、オレオイル−リゾホスファチジルコリン、リノレオイル−リゾホスファチジルコリン、リノレノイル−リゾホスファチジルコリン、エルコイル−リゾホスファチジルコリン、1−ミリストイル−2−ヒドロキシ−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DMPC)、12−ミステロイル−2−ヒドロキシ−sn−グリセロ−3−[ホスホ−rac−(グリセロール)](DMPG)、DMPC/DMPG、1−ミリストイル−2−ヒドロキシ−sn−グリセロ−3−ホスホ−(1’−rac−グリセロール)(LysoPG)、又は1−ミリストイル−2−ヒドロキシ−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(LysoPC)を含む。別の態様では、脂質は、短鎖脂肪酸が5個以下の炭素、中鎖が6〜12個の炭素、長鎖が13〜21個の炭素、及び超長鎖脂肪酸が22個を超える炭素であり、偶数及び奇数鎖の両方の脂肪酸を含むとさらに規定されるリゾホスファチジルグリセロールである。別の態様では、脂質は、飽和又は不飽和である3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55又は56個以上の炭素を有する短鎖脂肪酸を含む。別の態様では、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態は、心臓内の遅延整流性K電流に関与するイオンチャネルの阻害、多形性心室性頻拍、QTc、LQT2、LQTSの延長、又はトルサード・ド・ポアンツである。別の態様では、活性剤薬物は、クリゾチニブ、ニロチニブ、テルフェナジン、アステミゾール、グリパフロキサシン、テロジレン、ドロペリドール、リドフラジン、レボメタジル、セルチンドール又はシサプリドのうちの少なくとも1つから選択される。別の態様では、組成物は、経腸、非経口、静脈内、腹腔内、皮内、皮下、経肺、直腸内、膣内、又は経口投与用に適合される。
別の態様では、活性剤は、リポソームに形成される脂質中に供給され、脂質は、ホスファチジルコリン(レシチン)、リゾレシチン、リゾホスファチジルエタノール−アミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、ホスファチジルエタノールアミン(セファリン)、カルジオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、リン酸ジセチル、ホスファチジルコリン、及びジパルミトイル−ホスファチジルグリセロール、ステアリルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシル−アミン、パルミチン酸アセチル、リシノール酸グリセロール、ステアリン酸ヘキサデシル、ミリスチン酸イソプロピル、両性アクリルポリマー、脂肪酸、脂肪酸アミド、コレステロール、コレステロールエステル、ジアシルグリセロール、又はコハク酸ジアシルグリセロールのうちの少なくとも1つから選択される。別の態様では、活性剤は、アルブテロール、アルフゾシン、アマンタジン、アミオダロン、アミスルプリド、アミトリプチリン、アモキサピン、アンフェタミン、アナグレリド、アポモルヒネ、アルフォルモテロール、アリピプラゾール、三酸化ヒ素、アステミゾール、アタザナビル、アトモキセチン、アジスロマイシン、ベダキリン、ベプリジル、ボルテゾミブ、ボスチニブ、抱水クロラール、クロロキン、クロルプロマジン、シプロフロキサシン、シサプリド、シタロプラム、クラリスロマイシン、クロミプラミン、クロザピン、コカイン、クルクミン、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、デシプラミン、デクスメデトミジン、デクスメチルフェニデート、デキストロアンフェタミン、d−アンフェタミン、ジヒドロアルテミシニン+ピペラキン、ジフェンヒドラミン、ジソピラミド、ドブタミン、ドフェチリド、ドラセトロン、ドンペリドン、ドーパミン、ドキセピン、ドロネダロン、ドロペリドール、エフェドリン、エピネフリン、アドレナリン、エリブリン、エリスロマイシン、エスシタロプラム、ファモチジン、フェルバメート、フェンフルラミン、フィンゴリモド、フレカイニド、フルコナゾール、フルオキセチン、ホルモテロール、ホスカルネット、ホスフェニトイン、フロセミド、フルセミド、ガランタミン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、グラニセトロン、ハロファントリン、ハロペリドール、ヒドロクロロチアジド、イブチリド、イロペリドン、イミプラミン、メリプラミン、インダパミド、イソプロテレノール、イスラジピン、イトラコナゾール、イバブラジン、ケトコナゾール、ラパチニブ、レブアルブテロール、レボフロキサシン、レボメタジル、リスデキサンフェタミン、リチウム、メソリダジン、メタプロテレノール、メサドン、メタンフェタミン(methamfetamine)、メチルフェニデート、ミドドリン、ミフェプリストン、ミラベグロン、ミルタザピン、モエキシプリル/HCTZ、モキシフロキサシン、ネルフィナビル、ニカルジピン、ニロチニブ、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)、ノルフロキサシン、ノルトリプチリン、オフロキサシン、オランザピン、オンダンセトロン、オキシトシン、パリペリドン、パロキセチン、パシレオチド、パゾパニブ、ペンタミジン、パーフルトレン脂質ミクロスフェア、フェンテルミン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピモジド、ポサコナゾール、プロブコール、プロカインアミド、プロメタジン、プロトリプチリン、プソイドエフェドリン、クエチアピン、キニジン、硫酸キニーネ、ラノラジン、リルピビリン、リスペリドン、リトドリン、リトナビル、ロキシスロマイシン、サルブタモール、サルメテロール、サキナビル、セルチンドール、セルトラリン、セボフルラン、シブトラミン、ソリフェナシン、ソラフェニブ、ソタロール、スパルフロキサシン、スルピリド、スニチニブ、タクロリムス、タモキシフェン、テラプレビル、テラバンシン、テリスロマイシン、テルブタリン、テルフェナジン、テトラベナジン、チオリダジン、チザニジン、トルテロジン、トレミフェン、トラゾドン、トリメトプリム−サルファ、トリミプラミン、バンデタニブ、バルデナフィル、ベムラフェニブ、ベンラファキシン、ボリコナゾール、ボリノスタット、又はジプラシドンから選択される。
別の実施形態では、本発明は、ヒト又は動物対象において疾患を治療するために使用される薬理学的活性剤により引き起こされる心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する1又は2以上の心臓チャネル病又は状態を予防又は治療する方法であって、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を低減又は予防するのに有効な投与用に適合された脂質を活性剤とともに含む組成物を調製するステップであって、脂質の量は、活性剤により引き起こされる心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を低減又は排除するのに十分であり、活性剤と脂質の1又は2以上の薬理学的比が、10:1〜1:10、1:5〜5:1、3:1〜1:3であり、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態に対する防護が1〜24時間続く、ステップ;及びヒト又は動物対象に組成物を、疾患を治療するのに十分な量で投与するステップを含む方法を含む。一態様では、脂質は、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を予防又は低減する量で供給されるが、脂質は血流から取り除かれている。別の態様では、脂質は、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間予防する。一態様では、1又は2以上の薬理学的活性剤は、セロトニン結合を遮断する5−HT3アンタゴニスト、5−HT4受容体アゴニスト、ヒスタミンアンタゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬、抗マラリア剤、抗精神病薬、ハロドール、抗生物質、抗不整脈薬、抗がん剤、オピオイド、又は抗高脂血症薬のうちの少なくとも1つから選択される。別の態様では、脂質は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、ホスファチジルイノシトール又はこれらの前駆体のうちの少なくとも1つを含む。別の態様では、脂質は、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルコリン、ラウロイル−リゾホスファチジルコリン、ミリストイル−リゾホスファチジルコリン、パルミトイル−リゾホスファチジルコリン、ステアロイル−リゾホスファチジルコリン、アラキドイル−リゾホスファチジルコリン、オレオイル−リゾホスファチジルコリン、リノレオイル−リゾホスファチジルコリン、リノレノイル−リゾホスファチジルコリン、エルコイル−リゾホスファチジルコリン、1−ミリストイル−2−ヒドロキシ−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DMPC)、12−ミステロイル−2−ヒドロキシ−sn−グリセロ−3−[ホスホ−rac−(グリセロール)](DMPG)、DMPC/DMPG、1−ミリストイル−2−ヒドロキシ−sn−グリセロ−3−ホスホ−(1’−rac−グリセロール(LysoPG)、又は1−ミリストイル−2−ヒドロキシ−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(LysoPC)のうちの少なくとも1つを含む。別の態様では、脂質は、短鎖脂肪酸が5個以下の炭素、中鎖が6〜12個の炭素、長鎖が13〜21個の炭素、及び超長鎖脂肪酸が22個を超える炭素であり、偶数及び奇数鎖の両方の脂肪酸を含むとさらに規定されるリゾホスファチジルグリセロールである。別の態様では、脂質は、飽和又は不飽和である3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55又は56個以上の炭素を有する短鎖脂肪酸を含む。別の態様では、心臓パターンにおける不規則性若しくは変化に起因する心臓チャネル病若しくは状態は、心臓内の遅延整流性K電流に関与するイオンチャネルの阻害、多形性心室性頻拍、QTc、LQT2、LQTSの延長、又はトルサード・ド・ポアンツである。別の態様では、1又は2以上の活性剤は、クリゾチニブ、ニロチニブ、テルフェナジン、アステミゾール、グリパフロキサシン、テロジレン、ドロペリドール、リドフラジン、レボメタジル、セルチンドール又はシサプリドのうちの少なくとも1つから選択される。別の態様では、該方法は、組成物を、経腸、非経口、静脈内、腹腔内、皮内、皮下、経肺、直腸内、膣内、又は経口投与用に適合させることをさらに含む。別の態様では、活性剤は、アルブテロール、アルフゾシン、アマンタジン、アミオダロン、アミスルプリド、アミトリプチリン、アモキサピン、アンフェタミン、アナグレリド、アポモルヒネ、アルフォルモテロール、アリピプラゾール、三酸化ヒ素、アステミゾール、アタザナビル、アトモキセチン、アジスロマイシン、ベダキリン、ベプリジル、ボルテゾミブ、ボスチニブ、抱水クロラール、クロロキン、クロルプロマジン、シプロフロキサシン、シサプリド、シタロプラム、クラリスロマイシン、クロミプラミン、クロザピン、コカイン、クルクミン、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、デシプラミン、デクスメデトミジン、デクスメチルフェニデート、デキストロアンフェタミン、d−アンフェタミン、ジヒドロアルテミシニン+ピペラキン、ジフェンヒドラミン、ジソピラミド、ドブタミン、ドフェチリド、ドラセトロン、ドンペリドン、ドーパミン、ドキセピン、ドロネダロン、ドロペリドール、エフェドリン、エピネフリン、アドレナリン、エリブリン、エリスロマイシン、エスシタロプラム、ファモチジン、フェルバメート、フェンフルラミン、フィンゴリモド、フレカイニド、フルコナゾール、フルオキセチン、ホルモテロール、ホスカルネット、ホスフェニトイン、フロセミド、フルセミド、ガランタミン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、グラニセトロン、ハロファントリン、ハロペリドール、ヒドロクロロチアジド、イブチリド、イロペリドン、イミプラミン、メリプラミン、インダパミド、イソプロテレノール、イスラジピン、イトラコナゾール、イバブラジン、ケトコナゾール、ラパチニブ、レブアルブテロール、レボフロキサシン、レボメタジル、リスデキサンフェタミン、リチウム、メソリダジン、メタプロテレノール、メサドン、メタンフェタミン(methamfetamine)、メチルフェニデート、ミドドリン、ミフェプリストン、ミラベグロン、ミルタザピン、モエキシプリル/HCTZ、モキシフロキサシン、ネルフィナビル、ニカルジピン、ニロチニブ、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)、ノルフロキサシン、ノルトリプチリン、オフロキサシン、オランザピン、オンダンセトロン、オキシトシン、パリペリドン、パロキセチン、パシレオチド、パゾパニブ、ペンタミジン、パーフルトレン脂質ミクロスフェア、フェンテルミン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピモジド、ポサコナゾール、プロブコール、プロカインアミド、プロメタジン、プロトリプチリン、プソイドエフェドリン、クエチアピン、キニジン、硫酸キニーネ、ラノラジン、リルピビリン、リスペリドン、リトドリン、リトナビル、ロキシスロマイシン、サルブタモール、サルメテロール、サキナビル、セルチンドール、セルトラリン、セボフルラン、シブトラミン、ソリフェナシン、ソラフェニブ、ソタロール、スパルフロキサシン、スルピリド、スニチニブ、タクロリムス、タモキシフェン、テラプレビル、テラバンシン、テリスロマイシン、テルブタリン、テルフェナジン、テトラベナジン、チオリダジン、チザニジン、トルテロジン、トレミフェン、トラゾドン、トリメトプリム−サルファ、トリミプラミン、バンデタニブ、バルデナフィル、ベムラフェニブ、ベンラファキシン、ボリコナゾール、ボリノスタット、又はジプラシドンから選択される。
本発明の別の実施形態は、ヒト又は動物対象において活性剤により引き起こされる心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を予防又は治療する方法であって、心臓チャネル病を引き起こす活性剤で治療可能な疾患について、治療を必要とする対象を特定するステップ;及び心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を低減又は予防するのに有効な量の脂質を、疾患を治療するのに十分な有効量の活性剤とともに含む組成物を供給するステップであって、活性剤と脂質の1又は2以上の薬理学的比が10:1〜1:10、1:5〜5:1、3:1〜1:3であり、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態に対する防護が1〜24時間続く、ステップを含む方法を含む。一態様では、脂質は、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を予防又は低減する量で供給されるが、脂質は血流から取り除かれている。別の態様では、脂質は、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間予防する。一態様では、活性剤は、以前に臨床試験に、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態が原因で失敗している。別の態様では、該方法は、薬物により引き起こされる心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態が原因で失敗した、又は臨床的使用を制限している臨床試験での薬物を特定するステップ、及び薬物により引き起こされる心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を低減又は排除するために、薬物を脂質とともに再配合するステップをさらに含む。別の態様では、活性剤は、アルブテロール、アルフゾシン、アマンタジン、アミオダロン、アミスルプリド、アミトリプチリン、アモキサピン、アンフェタミン、アナグレリド、アポモルヒネ、アルフォルモテロール、アリピプラゾール、三酸化ヒ素、アステミゾール、アタザナビル、アトモキセチン、アジスロマイシン、ベダキリン、ベプリジル、ボルテゾミブ、ボスチニブ、抱水クロラール、クロロキン、クロルプロマジン、シプロフロキサシン、シサプリド、シタロプラム、クラリスロマイシン、クロミプラミン、クロザピン、コカイン、クルクミン、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、デシプラミン、デクスメデトミジン、デクスメチルフェニデート、デキストロアンフェタミン、d−アンフェタミン、ジヒドロアルテミシニン+ピペラキン、ジフェンヒドラミン、ジソピラミド、ドブタミン、ドフェチリド、ドラセトロン、ドンペリドン、ドーパミン、ドキセピン、ドロネダロン、ドロペリドール、エフェドリン、エピネフリン、アドレナリン、エリブリン、エリスロマイシン、エスシタロプラム、ファモチジン、フェルバメート、フェンフルラミン、フィンゴリモド、フレカイニド、フルコナゾール、フルオキセチン、ホルモテロール、ホスカルネット、ホスフェニトイン、フロセミド、フルセミド、ガランタミン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、グラニセトロン、ハロファントリン、ハロペリドール、ヒドロクロロチアジド、イブチリド、イロペリドン、イミプラミン、メリプラミン、インダパミド、イソプロテレノール、イスラジピン、イトラコナゾール、イバブラジン、ケトコナゾール、ラパチニブ、レブアルブテロール、レボフロキサシン、レボメタジル、リスデキサンフェタミン、リチウム、メソリダジン、メタプロテレノール、メサドン、メタンフェタミン(methamfetamine)、メチルフェニデート、ミドドリン、ミフェプリストン、ミラベグロン、ミルタザピン、モエキシプリル/HCTZ、モキシフロキサシン、ネルフィナビル、ニカルジピン、ニロチニブ、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)、ノルフロキサシン、ノルトリプチリン、オフロキサシン、オランザピン、オンダンセトロン、オキシトシン、パリペリドン、パロキセチン、パシレオチド、パゾパニブ、ペンタミジン、パーフルトレン脂質ミクロスフェア、フェンテルミン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピモジド、ポサコナゾール、プロブコール、プロカインアミド、プロメタジン、プロトリプチリン、プソイドエフェドリン、クエチアピン、キニジン、硫酸キニーネ、ラノラジン、リルピビリン、リスペリドン、リトドリン、リトナビル、ロキシスロマイシン、サルブタモール、サルメテロール、サキナビル、セルチンドール、セルトラリン、セボフルラン、シブトラミン、ソリフェナシン、ソラフェニブ、ソタロール、スパルフロキサシン、スルピリド、スニチニブ、タクロリムス、タモキシフェン、テラプレビル、テラバンシン、テリスロマイシン、テルブタリン、テルフェナジン、テトラベナジン、チオリダジン、チザニジン、トルテロジン、トレミフェン、トラゾドン、トリメトプリム−サルファ、トリミプラミン、バンデタニブ、バルデナフィル、ベムラフェニブ、ベンラファキシン、ボリコナゾール、ボリノスタット、又はジプラシドンから選択される。
本発明のさらに別の実施形態は、疾患又は状態の治療用候補薬物を評価する方法であって、候補薬物が、候補剤により引き起こされる心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を引き起こし、前記方法が、(a)患者の第1のサブセットに、ある量の脂質、リポソーム、又は脂質前駆体及び候補薬物を、患者の第2のサブセットに、ある量のプラセボを投与するステップであって、脂質、リポソーム又は脂質前駆体は、候補薬物により引き起こされる心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する1又は2以上の心臓チャネル病又は状態を低減又は予防するのに有効な量で供給され、活性剤と脂質の1又は2以上の薬理学的比は、10:1〜1:10、1:5〜5:1、3:1〜1:3であり、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態に対する防護が1〜24時間続く、ステップ;(b)患者の第1及び第2のセットからの、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態のレベルを測定するステップ;並びに(c)脂質、リポソーム、又は脂質前駆体及び候補薬物の組合せが、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因するチャネル病又は状態を、プラセボを服用した患者のサブセットで生じる任意の低減、又は心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する既知の心臓チャネル病又は状態と比較して、統計的に有意に低減するかどうかを決定するステップであって、統計的に有意な低減は、脂質、リポソーム、又は脂質前駆体及び候補薬物の組合せが、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する薬物誘導性心臓チャネル病又は状態も低減又は排除しながら、疾患状況又は状態を治療するのに有用であることを示す、ステップを含む方法を含む。一態様では、脂質は、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を予防又は低減する量で供給されるが、脂質は血流から取り除かれている。別の態様では、脂質は、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間予防する。一態様では、薬物は、以前に臨床試験に、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態が原因で失敗している。別の態様では、薬物は、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態が原因で市場から取り下げられている。別の態様では、該方法は、ある期間の後にステップ(a)〜(c)を繰り返すステップをさらに含む。別の態様では、活性剤は、アルブテロール、アルフゾシン、アマンタジン、アミオダロン、アミスルプリド、アミトリプチリン、アモキサピン、アンフェタミン、アナグレリド、アポモルヒネ、アルフォルモテロール、アリピプラゾール、三酸化ヒ素、アステミゾール、アタザナビル、アトモキセチン、アジスロマイシン、ベダキリン、ベプリジル、ボルテゾミブ、ボスチニブ、抱水クロラール、クロロキン、クロルプロマジン、シプロフロキサシン、シサプリド、シタロプラム、クラリスロマイシン、クロミプラミン、クロザピン、コカイン、クルクミン、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、デシプラミン、デクスメデトミジン、デクスメチルフェニデート、デキストロアンフェタミン、d−アンフェタミン、ジヒドロアルテミシニン+ピペラキン、ジフェンヒドラミン、ジソピラミド、ドブタミン、ドフェチリド、ドラセトロン、ドンペリドン、ドーパミン、ドキセピン、ドロネダロン、ドロペリドール、エフェドリン、エピネフリン、アドレナリン、エリブリン、エリスロマイシン、エスシタロプラム、ファモチジン、フェルバメート、フェンフルラミン、フィンゴリモド、フレカイニド、フルコナゾール、フルオキセチン、ホルモテロール、ホスカルネット、ホスフェニトイン、フロセミド、フルセミド、ガランタミン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、グラニセトロン、ハロファントリン、ハロペリドール、ヒドロクロロチアジド、イブチリド、イロペリドン、イミプラミン、メリプラミン、インダパミド、イソプロテレノール、イスラジピン、イトラコナゾール、イバブラジン、ケトコナゾール、ラパチニブ、レブアルブテロール、レボフロキサシン、レボメタジル、リスデキサンフェタミン、リチウム、メソリダジン、メタプロテレノール、メサドン、メタンフェタミン(methamfetamine)、メチルフェニデート、ミドドリン、ミフェプリストン、ミラベグロン、ミルタザピン、モエキシプリル/HCTZ、モキシフロキサシン、ネルフィナビル、ニカルジピン、ニロチニブ、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)、ノルフロキサシン、ノルトリプチリン、オフロキサシン、オランザピン、オンダンセトロン、オキシトシン、パリペリドン、パロキセチン、パシレオチド、パゾパニブ、ペンタミジン、パーフルトレン脂質ミクロスフェア、フェンテルミン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピモジド、ポサコナゾール、プロブコール、プロカインアミド、プロメタジン、プロトリプチリン、プソイドエフェドリン、クエチアピン、キニジン、硫酸キニーネ、ラノラジン、リルピビリン、リスペリドン、リトドリン、リトナビル、ロキシスロマイシン、サルブタモール、サルメテロール、サキナビル、セルチンドール、セルトラリン、セボフルラン、シブトラミン、ソリフェナシン、ソラフェニブ、ソタロール、スパルフロキサシン、スルピリド、スニチニブ、タクロリムス、タモキシフェン、テラプレビル、テラバンシン、テリスロマイシン、テルブタリン、テルフェナジン、テトラベナジン、チオリダジン、チザニジン、トルテロジン、トレミフェン、トラゾドン、トリメトプリム−サルファ、トリミプラミン、バンデタニブ、バルデナフィル、ベムラフェニブ、ベンラファキシン、ボリコナゾール、ボリノスタット、又はジプラシドンから選択される。
本発明の特徴及び利点のより完全な理解のために、添付の図面とともに本発明の詳細な説明について言及する。
トランスフェクトしたHEK293細胞由来のhERG電流密度に対するDMPC、DMPC+ニロチニブ及びニロチニブの効果を示すグラフである。 トランスフェクトしたHEK293細胞由来のhERG電流密度に対するDMPG、DMPG+ニロチニブ及びニロチニブの効果を示すグラフである。 トランスフェクトしたHEK293細胞由来のhERG電流密度に対するDMPC/DMPG、DMPC/DMPG+ニロチニブ及びニロチニブの効果を示すグラフである。 トランスフェクトしたHEK293細胞由来のhERG電流密度に対するLysoPC、LysoPC+ニロチニブ及びニロチニブの効果を示すグラフである。 トランスフェクトしたHEK293細胞由来のhERG電流密度に対するLysoPG、LysoPG+ニロチニブ及びニロチニブの効果を示すグラフである。 トランスフェクトしたHEK293細胞由来のhERG電流密度に対するDMPC、DMPC+ニロチニブ、DMPC+ニロチニブ(DMSO中)及びニロチニブの効果を示すグラフである。 トランスフェクトしたHEK293細胞由来のhERG電流密度に対するDMPG、DMPG+ニロチニブ、DMPG+ニロチニブ(DMSO中)及びニロチニブの効果を示すグラフである。 本発明で使用するグリセロリン酸に基づく脂質の構造を示す図である。
本発明の様々な実施形態の作製及び使用が以下で詳細に論述されるが、本発明は、多種多様な特定の状況で具現化され得る多くの適用可能な本発明の概念を提供することが理解されるべきである。本明細書中で論述する特定の実施形態は、本発明を作製及び使用する特定の様式の単に実例であるに過ぎず、本発明の範囲の境界を定めるものではない。
本発明の理解を容易とするために、多数の用語を以下で定義する。本明細書中で定義する用語は、本発明に関連する領域における当業者により一般に理解される意味を有する。「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」の用語は、単数の存在物のみを指すと意図されず、その特定の例が説明に使用され得る一般的なクラスを包含する。本明細書中の専門用語は、本発明の特定の実施形態について記載するのに使用されるが、それらの使用法は、特許請求の範囲で概要される場合を除いて、本発明の境界を定めるものではない。
本発明で使用する非限定的で例示的な脂質として、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、ホスファチジルイノシトール、又は脂質、リポソーム、若しくはリゾ(lyso)形態にあるそれらの前駆体が挙げられる。本発明で使用する脂質の非限定的な例として、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルコリン、ラウロイル−リゾホスファチジルコリン、ミリストイル−リゾホスファチジルコリン、パルミトイル−リゾホスファチジルコリン、ステアロイル−リゾホスファチジルコリン、アラキドイル−リゾホスファチジルコリン、オレオイル−リゾホスファチジルコリン、リノレオイル−リゾホスファチジルコリン、リノレノイル−リゾホスファチジルコリン又はエルコイル−リゾホスファチジルコリンが挙げられる。非対称ホスファチジルコリンは、1−アシル,2−アシル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンと呼ばれ、アシル基は互いに異なる。対称ホスファチジルコリンは1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンと呼ばれる。本明細書中で使用する場合、「PC」という略語は、ホスファチジルコリンを指す。ホスファチジルコリンの1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンは、本明細書中で「DMPC」と略される。ホスファチジルコリンの1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンは、本明細書中で「DOPC」と略される。ホスファチジルコリンの1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンは、本明細書中で「DPPC」と略される。単一の脂肪酸鎖だけがグリセリル主鎖に結合している場合、これらの短鎖又は長鎖脂肪酸の単一の脂肪酸鎖バージョンは、「リゾ」型と呼ばれる。
一実施形態では、リゾホスファチジルグリセロールは、基本構造:
(式中、R又はRは任意の偶数又は奇数鎖の脂肪酸であり得、RはH、アシル、アルキル、アリール、アミノ酸、アルケン、アルキンであり得、短鎖脂肪酸は5個以下の炭素、中鎖は6〜12個の炭素、長鎖は13〜21個の炭素、超長鎖脂肪酸は22個を超える炭素であり、偶数及び奇数鎖の両方の脂肪酸を含む)を有する。一例では、脂肪酸は、飽和又は不飽和であり得る3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55又は56個以上の脂肪酸を有する。
本発明は、www.crediblemeds.orgで列挙されるもの、アルブテロール(サルブタモール)、アルフゾシン、アマンタジン、アミオダロン、アミスルプリド、アミトリプチリン、アモキサピン、アンフェタミン、アナグレリド、アポモルヒネ、アルフォルモテロール、アリピプラゾール、三酸化ヒ素、アステミゾール、アタザナビル、アトモキセチン、アジスロマイシン、ベダキリン、ベプリジル、ボルテゾミブ、ボスチニブ、抱水クロラール、クロロキン、クロルプロマジン、シプロフロキサシン、シサプリド、シタロプラム、クラリスロマイシン、クロミプラミン、クロザピン、コカイン、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、デシプラミン、デクスメデトミジン、デクスメチルフェニデート、デキストロアンフェタミン(d−アンフェタミン)、ジヒドロアルテミシニン+ピペラキン、ジフェンヒドラミン、ジソピラミド、ドブタミン、ドフェチリド、ドラセトロン、ドンペリドン、ドーパミン、ドキセピン、ドロネダロン、ドロペリドール、エフェドリン、エピネフリン(アドレナリン)、エリブリン、エリスロマイシン、エスシタロプラム、ファモチジン、フェルバメート、フェンフルラミン、フィンゴリモド、フレカイニド、フルコナゾール、フルオキセチン、ホルモテロール、ホスカルネット、ホスフェニトイン、フロセミド(フルセミド)、ガランタミン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、ゲラニセトロン、ハロファントリン、ハロペリドール、ヒドロクロロチアジド、イブチリド、イロペリドン、イミプラミン(メリプラミン)、インダパミド、イソプロテレノール、イスラジピン、イトラコナゾール、イバブラジン、ケトコナゾール、ラパチニブ、レブアルブテロール(レブサルブタモール)、レボフロキサシン、レボメタジル、リスデキサンフェタミン、リチウム、メソリダジン、メタプロテレノール、メサドン、メタンフェタミン(Methamphetamine)(メタンフェタミン(methamfetamine))、メチルフェニデート、ミドドリン、ミフェプリストン、ミラベグロン、ミルタザピン、モエキシプリル/HCTZ、モキシフロキサシン、ネルフィナビル、ニカルジピン、ニロチニブ、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)、ノルフロキサシン、ノルトリプチリン、オフロキサシン、オランザピン、オンダンセトロン、オキシトシン、パリペリドン、パロキセチン、パシレオチド、パゾパニブ、ペンタミジン、パーフルトレン脂質ミクロスフェア、フェンテルミン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピモジド、ポサコナゾール、プロブコール、プロカインアミド、プロメタジン、プロトリプチリン、プソイドエフェドリン、クエチアピン、キニジン、硫酸キニーネ、ラノラジン、リルピビリン、リスペリドン、リトドリン、リトナビル、ロキシスロマイシン、サルメテロール、サキナビル、セルチンドール、セルトラリン、セボフルラン、シブトラミン、ソリフェナシン、ソラフェニブ、ソタロール、スパルフロキサシン、スルピリド、スニチニブ、タクロリムス、タモキシフェン、テラプレビル、テラバンシン、テリスロマイシン、テルブタリン、テルフェナジン、テトラベナジン、チオリダジン、チザニジン、トルテロジン、トレミフェン、トラゾドン、トリメトプリム−サルファ、トリミプラミン、バンデタニブ、バルデナフィル、ベムラフェニブ、ベンラファキシン、ボリコナゾール、ボリノスタット、又はジプラシドンを含むがそれらに限定されない任意のQT延長薬物とともに使用することができる。
市販薬物使用の取り下げ又は制限の最も一般的な原因の1つは、致命的でありうる状態の、多形性心室性頻拍に関連付けられるQT間隔の延長、又はトルサード・ド・ポアンツであった。
5−HT3アンタゴニストはセロトニン結合を遮断する。アロキシ(又はパロノセトロン(palonasitron)塩酸塩)は、化学療法誘導性悪心及び嘔吐に対する鎮吐薬、5−HT3アンタゴニストであり、5−HT3へのセロトニン結合を遮断する。ある研究では、0.075mgのパロノセトロンがセボフルラン麻酔の前に投与されようが後に投与されようが、手術期間中のQTc間隔に著しい違いはなかった。パロノセトロンは、QTc間隔の点ではセボフルラン麻酔中が安全であり得る。
5−HT4受容体アゴニスト。シサプリドは胃運動促進剤であり、上部消化管における運動性を増加させる薬物である。それは、セロトニン5−HT4受容体アゴニストとして直接作用し、副交感神経刺激薬として間接的に作用する。シサプリドは用量依存的にQT間隔を延長する。高用量段階中の33人の患者をモニタリングした場合、トルサード・ド・ポアンツも心室頻拍も確認されなかった。
ヒスタミンアンタゴニスト。アレルギーの治療で使用される抗ヒスタミン剤は、エフェクター細胞上のH1−受容体部位に対してヒスタミンと競合することにより作用する。抗ヒスタミン剤はそれによって、ヒスタミンのみが仲介する応答を予防するが、逆にはしない。
疼痛及び月経前症状緩和H1アンタゴニストは、鼻炎、蕁麻疹及び結膜炎の症状とともに存在する急性滲出型のアレルギーにおいて最も有用である。しかしながら、それらの作用は、ヒスタミン抗体反応に帰する症状の抑制に全く対症的で限定される。
ピリラミンは利尿の第一世代ヒスタミンH1アンタゴニストである。ピリラミンの過剰服用後に、延長されたQT間隔を有する青年のケースがある。心室の不整頻拍に起因する死の報告がされている。
テルフェナジンは、アレルギー、じんましん(蕁麻疹)、及び他のアレルギー炎症性状態を治療するために使用する抗ヒスタミン剤である。商標名セルデーンは米国で中止されている。心室不整頻拍(トルサード・ド・ポアンツ、心室頻拍、心室細動、及び心拍停止)、低血圧、動悸、失神を含む、重度の心血管系有害作用のまれな報告書が受理されている。
ロラタジンは最も重要な抗ヒスタミン剤であり、第2世代の末梢ヒスタミンH1−受容体遮断薬である。構造的には、それは三環系抗うつ薬、例えばイミプラミンと密接に関係し、非定型抗精神病薬クエチアピンと遠い関係にある。いくつかの抗ヒスタミン剤、例えばミゾラスチン及びエバスチンは、QT間隔を延長し重度の不整脈を誘導する恐れがある。2009年半ばの時点で、ロラタジンによるQT延長のリスクに関する臨床データは、ほとんど公表されていない。ロラタジンが関連するトルサード・ド・ポアンツの非常にまれな報告のケースは、ことにアミオダロン及び酵素阻害剤による、主として薬物相互作用を伴うように見える。ロラタジンの主要な代謝産物のデスロラタジンに帰するQT延長の報告書はない。トルサード・ド・ポアンツに対する危険因子を有する、又はある特定の酵素阻害剤を服用している患者は、ロラタジンの使用を回避すべきである。
アステミゾールは長時間作用性で高度選択的なH1アンタゴニストであり、ヒスタミンH−1受容体及びH−3受容体に作用する。それは、かゆみ止め及び抗コリン性作用を有する。それは、酸性スフィンゴミエリナーゼの機能喪失阻害剤でもある。アステミゾールの過剰服用は、心筋をトルサード・ド・ポアンツを含む心室律動不整に罹患しやすくする。しかしながら、律動不整は、500msを超える補正QT間隔を有する患者にのみ発生する。
カルシウムチャネル遮断。プレニラミンは、狭心症の治療において血管拡張薬として使用される、アンフェタミン化学物質クラスのカルシウムチャネル遮断薬である。狭心症を有する29人の患者で、毎日180mgのプレニラミンによる治療前、治療中、及び治療後に、安静時心電図(resting ECG)を記録した。QT間隔は、治療の1週間後に著しく延長されるようになった。治療が継続する限り延長は持続し、それは6か月以下であった。治療の取り下げ後、QT間隔は2週以内に正常に戻った。
リドフラジンはピペラジンカルシウムチャネル遮断薬であり、いくらかの抗不整脈作用を有する冠状血管拡張薬である。三環系抗ヒスタミン剤として、それは末梢ヒスタミンH1−受容体の選択的インバースアゴニストとして作用する。それは、QT間隔延長及び心室性不整脈の著しいリスクを伴う。リドフラジンは、HEK 293細胞から安定して記録されるHERG電流(I(HERG))を強力に阻害し、野生型HERG(およそ16nMのIC(50))を発現する。それは、活性化された/開かれたHERGチャネルを優先的に阻害する際に、類似する状態下でベラパミルよりHERGに対しておよそ13倍効力がある。リドフラジンは、チャネル細孔内の芳香族アミノ酸残基に結合することにより、HERGチャネルのアルファサブユニットの高親和性遮断を生成し、第2に、これはこの薬物によるQT間隔延長の分子メカニズムを表すと思われる。
ベプリジルは、カルシウムチャネルを通してカルシウム(Ca2+)の動きを混乱させる抗高血圧薬である。一方で、それはQT間隔を延長する。ベプリジルはQT及び不応状態を延長し、QTcのパーセント変化と不応期延長の間の線型相関を示し得る。ベプリジルは1人の患者でVTの誘導を必要とする刺激の数を低減したが、自発性の不整脈は確認されなかった。それは最小の催不整脈作用(proarrhythmic effect)を伴う抗不整脈特性を持つ。
抗マラリア剤。クロロキン−クロルフェニラミン、抗マラリア剤、クロロキン及びクロロキン+クロルフェニラミン、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)のクロロキン非感受性を生体外で逆にするヒスタミンH1−受容体遮断薬、クロロキン/クロルフェニラミンは、クロロキンのみより高い治癒率を生成する。短いQTシンドローム(Short QT Syndrome)(SQTS)は、著しく促進された心臓再分極、心室性不整脈及び突然心臓死を特徴とする、散発性又は常染色体優性障害である。現在まで、5つの異なるイオンチャネル遺伝子(KCNH2、KCNQ1、KCNJ2、CACNA1C及びCACNB2)における突然変異が、SQTSを引き起こすと特定されている。SQTSでは心室性不整脈及び急死のリスクが著しく高く、SQTS対象の31%で心拍停止が主症状(presenting symptom)として報告されている。クロロキンは、短いQTシンドロームに関与する突然変異Kir2.1チャネルを遮断し、再分極特性をインシリコで状態に戻す。
ハロファントリンは、置換フェナントレンを有する抗マラリア剤であり、抗マラリア薬であるキニーネ及びルメファントリンに関係している。それは心臓毒性と関連付けられ得る。最も危険な副作用は不整脈であり、ハロファントリンは著しいQT延長を引き起こし、この作用は標準用量においてさえ見られる。したがって、該薬物は心伝導系障害(cardiac conduction defect)を有する患者に与えるべきではなく、メフロキンと組合せるべきでない。ハロファントリンの作用機序は未知である。
キニジンは、心臓においてクラスI抗不整脈薬(Ia)として作用する抗マラリア剤である。それはキニーネの立体異性体である。このアルカロイドは、細胞膜を横切るナトリウム及びカリウム電流を遮断することにより、心筋及び骨格筋の興奮性を抑える。それは細胞の活動電位を延長し、自動性を減少させる。キニジンは、ムスカリン及びアルファ−アドレナリン神経伝達も遮断する。キニジンは、同等の血清濃度では男性よりも女性において大きなQT延長を引き起こす。この違いは、キニジンを服用する女性で観察される薬物誘導性トルサード・ド・ポアンツのより大きな発病率に寄与する可能性があり、QTc間隔を延長する他の心臓及び非心臓薬物に密接な関係を有する。
抗精神病薬。定型的な抗精神病薬として知られる第一世代抗精神病薬は、1950年代に発見された。最初の非定型抗精神病薬、クロザピンは1960年代に発見され、1970年代に臨床的に導入されたものの、非定型抗精神病薬として知られるほとんどの第二世代の薬物は、より最近開発されている。両世代の薬物療法は、脳のドーパミン経路で受容体を遮断する傾向があるが、非定型薬(atypical)は、セロトニン受容体にも作用する傾向がある。両世代の薬物療法は、脳のドーパミン経路で受容体を遮断する傾向があるが、非定型薬は、セロトニン受容体にも作用する傾向がある。QTc間隔延長は、従来及び新規の両抗精神病薬の薬物療法による治療の結果生じる可能性があり、それが潜在的に致命的な心室性不整脈、トルサード・ド・ポアンツと関連するので臨床的な関心事である。
ピモジドはジフェニルブチルピペリジンクラスの抗精神病薬であり、QT間隔の延長を誘導する恐れがある。ピモジドは、QT間隔延長の後天性、先天性又は家族歴を有する人々に禁忌となる。不整脈又はトルサード・ド・ポアンツの個人歴又は家族歴を有する人々にそれを使用しないようアドバイスされ、D2、D3及びD4受容体及び5−HT7受容体のアンタゴニストとして作用する。それはhERG遮断薬でもある。
セルチンドールは抗精神病薬である。他の非定型抗精神病薬と同様に、それは脳におけるドーパミン及びセロトニン受容体に活性を有する。Abbott研究所は、最初1996年にセルチンドールについて米国食品薬品局(FDA)の認可の申請をしたが、QTc延長による急死リスク増加を懸念した後、1998年に申請を取り下げた。セルチンドールを服用した2000人の患者の試験で、13人の急死を含めて27人の患者が予期せず死亡した。この薬物は、米国での使用がFDAにより承認されていない。欧州では、セルチンドールは承認され1996年から19か国で販売されたが、その販売承認は1998年に欧州医薬品庁により保留され、薬物は市場から取り下げられた。2002年に、EMAのCHMPは新しいデータに基づき、患者に対する不整脈のリスクでの広範囲な禁忌及び警告を含む強いセーフガード、例外ケースを除いて全部で24mg〜20mgの最大用量の推奨される低減、並びに治療前及び治療中の大規模な心電図モニタリング要件を有する、臨床試験での制限された使用に対して、セルチンドールを再導入できることを提案した。
ソラジン及びラーガクティルとして販売されるクロルプロマジンは、定型的な抗精神病薬クラスの抗精神病薬である。その作用機序は完全に明瞭ではないが、ドーパミンアンタゴニストとしてのその能力に関係すると考えられる。それは、抗セロトニン作動性及び抗ヒスタミン作動性特性も有する。クロルプロマジンは、D2ドーパミン受容体、並びにD3及びD5などの類似する受容体の非常に有効なアンタゴニストである。このジャンルのほとんどの他の薬物と異なり、それはD1受容体にも高い親和性を有する。心電図QT補正間隔の延長は、ソラジンを服用する数人によってのみ報告されている。FDA及びソーシャルメディアからの、ソラジンを服用中に副作用を有する2,633人の研究で、5人が心電図QT補正間隔を延長した。
チオリダジンは、フェノチアジン薬物に属するピペリジンの定型的な抗精神病薬であり、ブランド品はそれが重度の心律動異常を引き起こしたので、2005年に世界的に取り下げられたが、ジェネリックバージョンは米国で入手可能である。この薬物は、それが重度の心律動異常を引き起こしたので、その製造者、Novartis社により自発的に世界的に中止された。チオリダジンは、用量依存的な様式でQTc間隔を延長する。5−HT2AとD2受容体結合の比は、ほとんどの抗精神病薬が非定型であるかそれとも定型であるかを決定すると考えられる。チオリダジンの場合、実際には比較的低い錐体外路系の副作用傾向にもかかわらず、5−HT2AとD2受容体結合の比は非定型性に必要と考えられるレベル未満である。
ハルドール、ハロペリドール。定型抗精神病薬QT間隔延長はメペリジンである。それは必須医薬品のWHOモデルリストに載っている。それは最も一般に使用される定型抗精神病薬である。特別の注意:QT延長の発生に特別なリスクの患者(低カリウム血症、QTアミオダロンを引き起こす他の薬物の併用:Q−Tc間隔延長(心リズム延長の潜在的に危険な変化)。
メソリダジンは、フェノチアジンを呼ばれる薬物のクラスに属するピペリジン神経弛緩薬であり、統合失調症の治療で使用される。それはチオリダジンの代謝物である。メソリダジンは、危険な副作用、すなわち不整脈及び心電図のQT延長が原因で、2004年に米国市場から取り下げられた。
選択的セロトニン再吸収阻害剤。セレクサ(シタロプラム)は、選択的セロトニン再吸収阻害剤(SSRI)と呼ばれる薬物グループの中の抗うつ薬である。その化学構造、(±)−1−(3−ジメチルアミノプロピル)−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニトリルと命名されるラセミ二環フタラン誘導体は、他のSSRIの抗うつ薬、又は他の入手可能な抗うつ薬と無関係である。シタロプラムは、心リズムに悪影響を及ぼす状態(QT延長)を引き起こす恐れがある。QT延長。
抗生物質。モキシフロキサシンは、第4世代の合成フルオロキノロン抗菌剤である。それはDNAジャイレース、II型トポイソメラーゼの阻害により機能し、トポイソメラーゼIV(細菌のDNAを分離し、それによって細胞複製を阻害するのに必要な酵素)は、トルサード・ド・ポアンツを引き起こす恐れがある。モキシフロキサシンと、QT間隔を延長する又は徐脈誘導もする他の薬物(例えば、ベータ−遮断薬、アミオダロン)との同時投与は、回避すべきである。伝導異常を含む循環器疾患を有する患者でのモキシフロキサシンの使用には、慎重な配慮をすべきである。QT間隔を延長する薬物は、QT延長の相加作用を有し、心室性不整脈のリスク増加に導く恐れがある。
ペンタミジンは、ニューモシスティス肺炎を予防及び治療するために与えられる抗菌薬である。その抗原虫性作用の正確なメカニズムは(それはユビキチンとの反応及びミトコンドリア機能に関与する可能性があるが)、未知である。重度又は致命的な不整脈及び心不全は実に常習的である。芳香族ジアミジンペンタミジンは、hERGチャネル輸送の阻害を介して作用する。ペンタミジンは、hERG、KvLQT1/mink、Kv4.3又はSCNA5により生成した電流に急性作用(acute effect)を有しない。しかしながら、一晩曝露の後、ペンタミジンはhERG電流を低減し、治療濃度と同様の5〜8μMのIC50値でhERGの輸送及び成熟を阻害した。
クラリスロマイシンはエリスロマイシンから製造される抗生物質であり、化学的に6−O−メチルエリスロマイシンとして知られる。それはマクロライドクラスにあり、いくつかのバクテリアによるタンパク質形成を停止させることにより機能する。それは、トルサード・ド・ポアンツを含むQT延長又は心室の心律動異常を引き起こす。
エリスロマイシンは、トルサード・ド・ポアンツを含む延長されたQT間隔による重篤な副作用の不整脈を含む、一般的な副作用を有する抗生物質である。
グレパフロキサシンは、細菌感染症を治療するために使用される、経口広域スペクトルのフルオロキノロン抗菌剤である。グレパフロキサシンは、心臓事象及び急死に導く心電図でのQT間隔を長期化するその副作用のために、1999年に市場から世界的に取り下げられた。
スパルフロキサシンは、細菌感染症の治療で使用されるフルオロキノロン広域スペクトルの抗生物質である。それは、議論を呼ぶ安全プロフィールを有する。スパルフロキサシンの使用は、既知のQTc延長を有する患者、及びクラスIA又はIIIの抗不整脈薬で同時に治療された患者に、禁忌となる。ある研究では、1200及び1600mgの用量の後の最大血漿中濃度(Cmax)は、直線的用量関係で予想されるものより低かった。これは、QTc間隔の平均増加及び平均最大増加の場合も同じであった。QTc間隔の増加は、Cmaxとよく相関するが、しかしAUCo−infinityとは相関しなかった。
クルクミン(ジフェルロイルメタン)は、いくつかの植物により生成される鮮黄色の化学物質である。それはターメリック(ウコン)の主要なクルクミノイドであり、酸化防止、抗炎症、抗ウイルス、抗菌、抗真菌、及び抗腫瘍活性を発揮する。全細胞パッチクランプ実験では、クルクミンは、用量依存的にhERGチャネルを安定的に発現するHEK293細胞でhERG K電流を阻害し、IC50値は5.55μMであった。hERGチャネルの非活性化、不活性化及び不活性化からの回復時間は、10μMクルクミンの急性治療により著しく変化した。
抗不整脈薬。抗不整脈薬は心臓の調律異常(心律動異常)、例えば、心房細動、心室頻拍、及び心室細動を抑制するために使用される。
プロカインアミドは、心律動異常の治療に使用される抗不整脈クラスである。それはヴォーンウィリアムズの分類系によりクラスIaとして分類され、上室性及び心室性不整脈の両方に使用される。抗不整脈薬プロカインアミドがペースメーカーを妨害することも検出された。プロカインアミドの毒性レベルが、心室の伝導速度の減少及び心室不応期の増加に導くためである。これは、人工膜電位の障害をもたらし、上室性頻拍に導き、これがペースメーカーの故障及び死を誘導する。それは心筋のバトラコトキシン(BTX)−活性化ナトリウムチャネルの急速な遮断を誘導し、ロングゲーティングクロージャ(long gating closure)へのアンタゴニストとして作用する。プロカインアミドはアミノベンズアミドに属し、キニジンと類似する心臓作用があり、それはキニジンと同じ毒性プロファイルを有する。
プロパフェノンはクラス1C抗不整脈薬剤であり、急速な心拍動と関連付けられる病気、例えば、心房性及び心室性不整脈を治療し、ナトリウムイオンの心筋細胞への流入を遅らせることにより機能し、細胞の興奮性減少を引き起こす。プロパフェノンは、ハイレート(high rate)の細胞に対してより選択的であるが、クラスIa又はIbを超える正常細胞も遮断する。プロパフェノンは、それがベータ−アドレナリン遮断薬として付加的な活性を有し、徐脈を引き起こす恐れがあるという点で、原型のクラスIc不整脈治療薬と異なる。
メタンスルホンアニリド(Methanesulphonanilide)(E−4031)は、クラスIII抗不整脈薬のカリウムチャネルを遮断する実験的クラスIII抗不整脈薬である。E−4031は、主として心臓で見出される特定のクラスの電位開口型(voltage-gated)カリウムチャネル、hERGチャネルに作用する。hERGチャネル(Kv11.1)はIKr電流を仲介し、心筋細胞を再分極する。hERGチャネルはether−a−go−go関連遺伝子(hERG)によりコードされている。E−4031は開口チャネルへ結合することにより、hERG型カリウムチャネルを遮断する。hERGチャネル内のその構造的な標的は不明瞭であるが、他のいくつかのメタンスルホンアニリドクラスIII抗不整脈薬は、hERG−チャネルのS6領域又はC末端へ結合することが知られている。E−4031はQT間隔を延長することができるので、それは致命的な不整脈を引き起こす恐れがある。今までに、QT間隔の延長に対するE−4031の作用を試験するために、1件の臨床試験が行われた。
アミオダロンは心室細動又は頻拍用のクラスIII不整脈治療薬であり、心筋活動電位のフェーズ3を延長する。アミオダロンは、活動電位持続時間の延長を引き起こすと知られている抗不整脈剤であり、これは心電図にQTの延長として反映される。アミオダロンは、心筋の脱分極、及びアミオダロンを非常に有効な抗不整脈薬にする再分極に関して、複数の作用を有している。その主要な作用はカリウムチャネルを遮断することであるが、それはナトリウム及びカルシウムチャネル、並びにベータ及びアルファ−アドレナリン受容体を遮断することができる。アミオダロンは、QT間隔及びQTc値を著しく延長する。
ドロネダロンはアミオダロンに関連するベンゾフラン誘導体であり、主として心律動異常に使用される薬物である(2009年にFDAにより承認された)。それは「多重チャネル遮断薬」であるが、どのチャネルがその成功に中心的な役割を果たすかは不明瞭である。ドロネダロンの細胞のレベルでの作用は、速い遅延整流、遅い遅延整流及びACh活性化内向き整流を含む、複数の外向きカリウム電流の阻害を示唆するほとんどの研究とともに議論を呼んでいる。それは、内向きの速いNa電流及びL型カルシウムチャネルを低減させるとも、考えられている。いくつかの研究で、K電流の低減は、K−AChチャネル又は関連するGTP結合タンパク質の阻害が原因であることが示された。K電流を69%だけ低減するとAP持続時間の増加及び有効不応期の増加に導き、生体外及び臨床試験でアミオダロン様クラスIII抗不整脈活性を示す。この薬物は、4つのヴォーンウィリアムズ抗不整脈クラスのそれぞれでも、活性を示すように見える。QT間隔を延長し、QTc Bazett間隔≧500msを有するトルサード・ド・ポアンツを誘導する可能性のある薬物若しくはハーブ製品の併用、又はQT間隔を延長する若しくはトルサード・ド・ポアンツのリスクを増加させる薬物若しくはハーブサプリメント(クラスI若しくはIII抗不整脈薬、フェノチアジン、三環系抗うつ薬、ある特定の経口マクロライド、マオウ)と一緒の使用は、禁忌となる。
ジソピラミドは、心室頻拍の治療で使用される抗不整脈薬剤である。それはナトリウムチャネル遮断薬であり、したがって、クラス1a抗不整脈薬剤として分類される。ジソピラミドのクラス1a活性は、伝導を阻害するためにナトリウムチャネルを標的にする点で、キニジンのそれに類似している。ジソピラミドは、心筋活動電位のフェーズ0中に、心臓筋細胞のナトリウム透過性の増加を低下させ、今度は内向きナトリウム電流を減少させる。これは興奮の閾値増加及びアップストローク速度の減少をもたらす。ジソピラミドは、QRS及びP波の両持続時間を長期化することによりPR間隔を延長する。ジソピラミドについての懸念は、そのタイプ1抗不整脈作用から突然死を誘導する仮想的な可能性であった。
ドフェチリドはクラスIII抗不整脈薬である。ドフェチリドの不整脈誘導の可能性が原因で、ドフェチリドによる治療のリスクについて特定のトレーニングを受けた医師からの処方箋によってのみ、ドフェチリドは入手可能である。加えて、それは通信販売によって、又は特に訓練された地元の薬局を通してのみ入手可能である。ドフェチリドは、遅延整流外向きカリウム電流の速い成分を選択的に遮断することにより機能する。QT間隔及び補正QT間隔(QTc)で、用量依存的な増加がある。このために多くの開業医は、遠隔測定モニタリング下にある、又はQT及びQTcの連続心電図(serial EKG)測定が実施できる人々にのみ、ドフェチリド治療を始めるであろう。
ソタロールは、クラスIII抗不整脈特性も示す、非選択的競合的ベータ−アドレナリン作動性受容体遮断薬である。米国食品薬品局は、ソタロールのQT間隔延長が生命に危険のあるトルサード・ド・ポアンツの小さなリスクを伴うので、重篤な不整脈のみにソタロールを使用するように助言している。ソタロールは、カリウムチャネルにも作用し、心室の弛緩の遅れを引き起こす。これらのカリウムチャネルを遮断することにより、ソタロールはKイオンの流出を阻害し、これが心室筋細胞で別の電気信号が発生できる前に時間の増加をもたらす。これが、収縮の新しい信号が発生する前に時間を増加させる。
イブチリドは、心房細動及び心房粗動の急性カルジオバージョンに対して指示されるクラスIII抗不整脈剤であり、心筋細胞の活動電位及び不応期を延長する。そのクラスIIIの抗不整脈活性のため、クラスIa及びクラスIIIの薬剤の同時投与はあってはならない。ほとんどの他のクラスIII抗不整脈薬と異なり、イブチリドは、カリウム電流の心臓遅延整流の遮断を介してその活動電位の延長を生成せず、他のクラスIII薬剤が有するナトリウム遮断、アドレナリン拮抗、及びカルシウム遮断活性も有しない。したがって、それは、「純粋な」クラスIII抗不整脈薬としばしば呼ばれる。イブチリドは、他のクラスIII抗不整脈薬と同様に、遅延整流カリウム電流を遮断する。それは遅いナトリウムチャネルに作用を有し、これらの遅いチャネルを通してナトリウムの流入を促進する。他の不整脈治療薬と同様に、イブチリドは、そのQT間隔を延長する能力が原因で、異常な心リズムに導く恐れがあり、それがトルサード・ド・ポアンツとして知られる潜在的に致命的な異常心リズムに導く恐れがある。この薬物は、異常な心リズムを発症しそうな患者;とりわけ、過去に多形性心室性頻拍を有していた人、長いQT間隔、洞機能不全シンドローム、又は最近心筋梗塞を有する人に禁忌となる。
ドーパミン受容体アンタゴニスト。ドーパミンアンタゴニスト(抗ドーパミン)は、それは受容体拮抗作用によりドーパミン受容体を遮断する薬物の一種である。ほとんどの抗精神病薬はドーパミンアンタゴニストであり、そういうものとして、それらは統合失調症、双極性障害、及び興奮性精神病(stimulant psychosis)の治療に使用を見出した。他のいくつかのドーパミンアンタゴニストは、悪心及び嘔吐の治療で使用される鎮吐薬である。
ドロペリドールは、鎮吐薬及び抗精神病薬として使用される抗ドーパミン作用性ブチロフェノンであり、いくらかのヒスタミン及びセロトニンアンタゴニスト活性を有する効力のあるD2(ドーパミン受容体)アンタゴニストである。QT延長及びトルサード・ド・ポアンツについて懸念がある。これについての証拠が議論されており、30年で9件のトルサードのケースが報告され、そのすべてが5mgを超える用量を受けている。QT延長は用量相関作用であり、ドロペリドールは低用量で著しいリスクはないように見えるが、QT間隔の延長はトルサード・ド・ポアンツに導く。
ドンペリドンは、パーキンソン病に有用な薬物である末梢性選択的ドーパミンD2受容体アンタゴニストであり、ことに静脈内に、高齢者に、及び高用量(1日当たり>30mg)で与えられる場合、ドンペリドンの心臓毒性副作用が原因で注意が必要である。ドンペリドンの心臓に対する潜在的な毒性の臨床症状は、QT間隔(心臓の電気的パターンのセグメント)の延長(長期化)である。ドンペリドンの使用は、その心臓QT間隔の延長作用及び心室性不整脈を通しての可能性が最も高い、心突然死のリスク増加(70%だけ)と関連付けられている。その原因は、hERG電位開口型カリウムチャネルの遮断であると考えられる。そのリスクは用量依存的であり、高齢者への静脈内投与を介した高い/非常に高い用量では、さらにはドンペリドンと相互作用する薬物(すなわちCYP3A4阻害剤)とともにその循環濃度を増加させると、リスクが最も大きいと見える。しかしながら、矛盾する報告書は存在する。ネオン酸塩及び幼児では、QT延長は議論を呼び、不確かである。
抗がん剤。ドキソルビシン及びアントラサイクリンのQTc延長、QT分散の増加及び遅延電位の発生は、ドキソルビシン誘導性異常心室脱分極及び再分極を表示している。QT分散及び遅延電位はいずれも、重篤な心室律動不整リスクの増加及び様々な心臓病での突然死と関連付けられていることが知られている。三酸化ヒ素は抗白血病薬であり、QTc間隔を延長する恐れがある。心伝導異常:治療を始める前に、12誘導心電図(12-lead ECG)を実施し、血清電解質及びクレアチニンを評価し、先在する電解質異常を直し、QT間隔を延長すると知られている薬物の中止を考慮する。三酸化ヒ素は、QT間隔延長及び完全な房室遮断を引き起こす恐れがある。QT延長はトルサード・ド・ポアンツ型心室性不整脈に導く恐れがあり、これは致命的になり得る。トルサード・ド・ポアンツのリスクは、QT延長の程度、QT延長薬物の同時投与、トルサード・ド・ポアンツの病歴、先在するQT間隔延長、うっ血性心不全、カリウム消耗利尿薬の投与、又は低カリウム血症若しくは低マグネシウム血症をもたらす他の状態に関連する。1人の患者(アムホテリシンBも受けている)は、三酸化ヒ素による再発性APLに対する導入療法中に、トルサード・ド・ポアンツを有した。急性前骨髄球性白血病の治療で使用する三酸化ヒ素(As)は、直接遮断によってではなく、小胞体(ER)におけるhERGタンパク質プロセッシングを阻害し、それによってhERGの表面発現を減少させることにより、hERG/IKr電流を低減した。
オピオイド。レボメタジルは、メサドンに構造が類似している、α−メタジルアセテート合成オピオイドの左旋性異性体である。それはその活性代謝物が原因で、長い作用持続時間を有している。レバセチルメタドールは、生命に危険のある心室リズム障害の報告書が原因で、2001年に欧州市場から撤収した。メサドンは、疼痛と薬物依存を治療するために使用されるオピオイドである。重篤なリスクはオピオイドの乱用を含み、延長QTを含む心臓不整脈も生じる恐れがある。米国でのメサドン中毒が関与する死亡者数は、2011年に4,418人であり、これはオピオイド中毒からの全死亡者の26%であった。
抗高脂血症薬。ロバスタチンは、コレステロールを低下させるために使用する薬物であり、HMG−CoAからメバロン酸への変換を触媒する酵素である3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−コエンザイムA還元酵素(HMG−CoA還元酵素)の阻害剤である。メバロン酸は、コレステロール生合成のために必要とされる構成要素であり、ロバスタチンは、HMG−CoA還元酵素に結合する、HMG−CoAに対する可逆的競合的阻害剤として作用することにより、コレステロール生成に干渉する。抗精神病薬に関連付けられたQTc延長は、用量依存的様式で生じる。ロバスタチンの添加により、チトクロムP(450)(CYP)イソ酵素3A4の競合的阻害を通して、血漿クエチアピンレベルの増加が引き起こされる。これは、統合失調症の患者において脂質異常症の管理中に、クエチアピンとロバスタチンとの間の薬物相互作用がQTc延長に導く可能性を強調している。
プロブコールは、最初は冠動脈疾患の治療で開発された抗高脂血症薬物である。プロブコールはQT間隔延長と関連付けられている。プロブコールは、HERGのN末端基における新規ミスセンス突然変異M124Tに関連付けられた、長いQTシンドロームを悪化させる。
リポソーム及び断片によるヒトether−a−go−go関連遺伝子(hERG)カリウムチャネル抗遮断。カリウムチャネルは、遅延整流性カリウム電流Kirの迅速な構成成分を伝導し、それは、心臓活動電位の再分極に不可欠である。遺伝的欠陥又は有害な薬物の影響のいずれかに起因したhERG電流の低減は、活動電位延長、表面ECG上でのQT間隔の長期化、並びに「トルサード・ド・ポアンツ」不整脈及び突然死に対するリスクの増加を特徴とする遺伝性又は後天性QT延期症候群を招き得る。非抗不整脈化合物のこの望ましくない副作用が、薬物の市場からの取り下げを促してきた。hERGチャネル阻害のメカニズムに関する研究は、hERG電流阻止の状態、電圧及び使用依存度を決定する分子要因への有意な洞察を提供する。hERGにおける高親和性薬物結合部位及び薬物分子とのその相互作用の特性を変更させる変異は、生命に関わる不整脈に関して高いリスクで、電流増加及び遺伝性短期QT症候群を引き起こす(Thomas D1, 2006)。
内向き整流性ファミリーのカリウムチャネルの別の成員は、原核生物KirBac1.1チャネルである。3.65オングストロームの解像度へと精度を上げた場合に、閉じた状態のKirチャネル集合体の構造は、ゲーティングに関与する主な活性化ゲート及び構造要素を含有する。構造上の証拠に基づいて、ゲーティングは、細胞内ドメインと膜ドメインとの間でのカップリングを含み、膜又は細胞内シグナルによるゲーティングの開始が、共通の機構経路に対する種々の入り口点を表すことを示唆している(Kuo, A 2003)。
チャネル病。ヒトether−a−go−go遺伝子関連心臓四量体カリウムチャネルは、変異されると、患者を、163個を上回る薬物に対して感受性にさせることができ、それは、イオン伝導を阻害して、活動電位をダウンレギュレートし得る。カリウムチャネルの影響の結果として、活動電位の延長が起きる。イオンチャネル活性薬物は、QTc間隔を直接増加させて、トルサード・ド・ポアンツ及び突然心臓死のリスクを増加させ得る。薬物に対する心筋細胞のカリウムチャネル感受性の増悪はまた、糖尿病を含む代謝性罹患状態と関連付けられ得るか、又は特発性起源であり得る。
これらの理由で、心筋細胞カリウムチャネル機能に対する薬物の影響の評価は、薬物開発中の極めて重要なステップであり、重症であると、規制当局の承認への障害となり得る。ホールセルパッチ−クランプ実験では、クルクミンは、用量依存的様式で、IC50値5.55μMで、hERGチャネルを安定に発現するHEK293細胞においてhERG K電流を阻害した。hERGチャネルの失活、不活性化及び不活性化からの回復時間は、10μMクルクミンの急性処置により著しく変化した。20μMクルクミンの24時間のインキュベーションは、HEK293細胞生存率を低減させた。ウサギにおけるクルクミン20mgの静脈内注射は、QTc値に現れる心臓再分極に影響を及ぼさなかった。(Hu CW 2012)。これらの分子は、最初に親油性薬物へ結合させて、生理学的条件下で静脈内溶解性を可能にさせて、有害事象を低減させた特定リポソーム、又はリポソームの構成成分である。作用の位置は、カリウムイオンの動作を制御するチャネル内イオン選択性又はゲーティング部位(複数可):下流で筋細胞収縮を招く活動電位の調節の重要な機能的成分に存在するようである。
ヒトether−a−go−go関連遺伝子チャネル遮断のメカニズムは、DMPC/DMPGリポソーム又はその代謝産物の抗遮断効果の作用メカニズムを間接的に示唆し得る外部から加えられた第四級アンモニウム誘導体の効果に類似し得る。チャネル阻害に関する阻害定数及び相対結合エネルギーにより、より疎水性の第四級アンモニウムが、より高い親和性遮断を有する一方で、陽イオン−π相互作用又はサイズ効果は、第四級アンモニウムによるチャネル阻害において決定的な要因ではないことが示される。また、テトラエチルアンモニウムよりも長い尾部基又はより大きな頭部基のいずれかを有する水性第四級アンモニウムは、細胞膜を透過して、遺伝子チャネルにおける高親和性内部結合部位に容易に近づき、より強力な遮断を発揮する。
これらのデータは、リポソーム又はその構成成分の改善効果に関する基礎が、QTc延長薬、イオン輸送調節のその構成的な欠如と比較してDMPC及びDMPGにより結合部位に関してより高い競合親和性である、即ち、リポソーム又はその断片は、K+イオン輸送を妨害しないことを示唆している。
説明として、またこれらの特許請求の範囲の限定ではなく、これらのデータは、リポソーム又はその構成成分の改善効果に関する基礎が、QTc延長薬、イオン輸送調節のその構成的な欠如と比較してDMPC及びDMPGにより結合部位に関してより高い競合親和性である、即ち、リポソーム又はその断片は、K+イオン輸送を妨害しないことを示唆し、DMPC又はDMPG防護のメカニズムの部位は、チャネルの選択性セグメントに、又はイオンを取り巻く水和に存在し得ることを示す。
さらに、これらのhERGチャネルデータに基づいて、これらのリポソーム構成成分の構造は、薬物誘導性心不整脈を予防するために他の分子を設計又は選択するのに有益となり得る。この研究は、心筋細胞カリウムチャネルで誘導される薬物によるQTc調節効果、並びにリポソーム及びリポソーム成分による緩和に関してさらなる情報を提供する。後者の分子は、薬物誘導性のチャネル病の薬理学的緩和に対する標的としてK+チャネルを探る機会を提示する。
ニロチニブによるhERG阻害に対するDMPC、DMPG、DMPC/DMPG、LysoPG及びLysoPCの防護効果の評価。研究の目的:この研究の目的は、安定にトランスフェクトしたヒト胎児由来腎臓細胞(HEK293細胞)において正常酸素圧条件下で発生させた迅速に活性化する遅延整流性カリウム選択電流(IKr)に対するDMPC、DMPG、DMPC/DMPG、LysoPG及びLysoPCの防護効果をin vitroで評価することである。この研究は、スクリーンとして設計され、QA関与を必要としない(非GLP遵守)。
被験物質:
1−DMPC
2−DMPG
3−DMPC/DMPG 90:9
4−14:0 LysoPC
5−14:0 LysoPG
6−DMPC+ニロチニブ(0.1μM)
7−DMPG+ニロチニブ(0.1μM)
8−DMPC/DMPG 90:9+ニロチニブ(0.1μM)
9−14:0 LysoPC+ニロチニブ(0.1μM)
10−14:0 LysoPG+ニロチニブ(0.1μM)
試験系:hERG発現HEK293トランスフェクト細胞株。実施した試験:ホールセルパッチ−クランプ電流獲得及び分析。実験温度:35±2℃。
被験物質の適用:閉鎖循環式灌流(2mL/分)の存在下での各濃度への曝露5分。閉鎖循環式灌流(2mL/分)に加えて、フロースルー灌流(2mL/分)の存在下での洗い流し期間5分。正の対照(ニロチニブ、0.05μg/mL)を、閉鎖循環式灌流(2mL/分)の存在下で5分間、同じ細胞株及び同じ継代数から得られる未感作細胞に添加した。
細胞は、実験全体にわたってパルスプロトコールの連続的な刺激下にあり、細胞電流を、各条件への曝露5分後に記録した。
元のデータ獲得設計:獲得速度:1.0kHz
化合物又は媒体/溶媒同等物を実験する際の獲得に関する設計
ベースライン条件で行われる記録1
濃度1の存在下で行われる記録1
正の対照を実験する際の獲得に関する設計
ベースライン条件で行われる記録1
正の対照の存在下で行われる記録1
n=上記全プロトコールを適用することができたパッチした応答細胞の数。
統計分析:統計学的比較は、対応のあるスチューデントt検定を使用して行われた。2日目、3日目及び4日目に得られる記録した電流を、1日目に記録した電流と統計学的に比較した。
正の対照(ニロチニブ単独)曝露後に記録される電流を、ベースライン条件で記録された電流と比較した。
差は、p≦0.05である場合に有意であるとみなした。
除外基準:
1.評判の悪い薬物曝露の時間枠
2.封の不安定性
3.パッチした細胞により発生するテール電流なし
4.正の対照の有意な効果なし
5.研究の持続期間にわたるキャパシタンス過渡振幅における10%を超える可変性
ホールセルIKrhERG電流に対する被験物質の効果。電圧パルス中に誘発されたホールセル電流を、ベースライン条件で、選択濃度の被験物質の適用後に記録した。細胞を、保持電位(−80mV)から最大値+40mVまで、−40mVで開始して、10mVの増分で進めて、1秒間脱分極させた。次に、膜電位を−55mVへ1秒間再分極させて、最終的に−80mVへ戻した。
ホールセルテール電流振幅を、−55mVの保持電位で、−40から+40mVまでの電流の活性化後に測定した。電流振幅を、このテール電流の最大値(ピーク)で測定した。電流密度は、電流振幅を、容量性トランジェントの最小化に先立って測定される細胞キャパシタンスで除算することにより得た。
電流ランダウン及び溶媒効果補正。この研究報告で提示されるデータ点は全て、溶媒効果及び時間依存的電流ランダウンに関して補正してある。電流ランダウン及び溶媒効果は、被験物質を用いて行われるのと同じ時間枠にわたって、被験物質を含まない条件下で実験計画を適用させることにより同時に測定した。これらのいわゆる媒体実験中に測定される電流振幅における損失(溶媒効果及び時間依存的ランダウンの両方を表す)を、被験物質の存在下で測定される振幅の損失から差し引いて、経時的な電流振幅における溶媒の効果及び不可避のランダウンから離れて、被験物質の効果を取り出した。
図1は、トランスフェクトしたHEK293細胞由来のhERG電流密度に対するDMPC、DMPC+ニロチニブ及びニロチニブの効果を示すグラフである。
図2は、トランスフェクトしたHEK293細胞由来のhERG電流密度に対するDMPG、DMPG+ニロチニブ及びニロチニブの効果を示すグラフである。
図3は、トランスフェクトしたHEK293細胞由来のhERG電流密度に対するDMPC/DMPG、DMPC/DMPG+ニロチニブ及びニロチニブの効果を示すグラフである。
図4は、トランスフェクトしたHEK293細胞由来のhERG電流密度に対するLysoPC、LysoPC+ニロチニブ及びニロチニブの効果を示すグラフである。
図5は、トランスフェクトしたHEK293細胞由来のhERG電流密度に対するLysoPG、LysoPG+ニロチニブ及びニロチニブの効果を示すグラフである。
この研究は、ニロチニブにより引き起こされる安定にトランスフェクトしたヒト胎児由来腎臓(HEK)293細胞において正常酸素圧条件下で発生させた迅速に活性化する遅延整流性カリウム選択電流(IKr)の阻害に対するDMPC、DMPG、DMPC/DMPG、LysoPG及びLysoPCの防護効果を定量化することを目的とした。
この研究で提示されるデータ点は全て、溶媒効果及び時間依存的電流ランダウンに関して補正してある。これらの2つのパラメーターは、被験物質を用いて行われるのと同じ実験計画を、媒体に正確に適用させることにより評価した。電流は、被験物質の存在下で行われるのと同じ時間的経過で測定した。溶媒効果及び時間依存的ランダウンの両方を表す得られた値を使用して、存在するのであれば、被験物質の効果を補正した。このことは、時間又は溶媒に帰される変化が、誤って被験物質に帰されないことを保証する。
DMPC、DMPG、DMPC/DMPG及びLysoPG単独は、hERGテール電流密度のいかなる阻害も引き起こさなかった(n=3)。LysoPC単独は、hERGテー電流密度の16%の阻害を引き起こした(n=4)。
0.1μMでDMSO中に配合したニロチニブ単独は、hERGテール電流の54.1%の阻害を引き起こした(n=3)。観察された阻害は、同一条件で作成されたこれまでのデータと合致して、この化合物に関する報告された阻害値に一致する。
ニロチニブは、DMPC、DMPG、DMPC/DMPC、LysoPG又はLysoPCを含有する水溶液中で配合されると(比1:9)、hERGテール電流のいかなる阻害も引き起こさなかった。
これらのデータは、ニロチニブをDMPC、DMPG、DMPC/DMPC、LysoPG及びLysoPCと同時配合することが、ニロチニブにより引き起こされるhERG阻害を防護することを示唆する。
この研究では、DMPC+ニロチニブ、DMPG+ニロチニブ、DMPC/DMPC+ニロチニブ、LysoPG+ニロチニブ又はLysoPC+ニロチニブは全て、同じ方法を使用して配合した。適切な量のニロチニブ粉末を、DMPC、DMPG、DMPC/DMPC、LysoPG又はLysoPCのいずれかを含有する水溶液中に溶解した(比9:1)。溶液を10分間ボルテックスした後、パッチクランプアッセイで使用した。
対比して、ニロチニブ単独に曝露させる細胞に使用するニロチニブを、DMSO中に溶解した。さらなる研究を行って、DMSO配合したニロチニブと、脂質と同時配合したニロチニブとの間のhERG阻害の差が、種々の配合物(水性又はDMSOベース)に起因するかどうかを決定した。
*TA =
1- DMPC (水溶液中)
2- DMPG (水溶液中)
3- DMPC/DMPG90:9 (水溶液中)
4- 14:0 LysoPC (水溶液中)
5- 14:0 LysoPG(水溶液中)
6- DMPC + ニロチニブ (0.1 μM) (水溶液中)
7- DMPG + ニロチニブ (0.1 μM) (水溶液中)
8- DMPC/DMPG90:9 + ニロチニブ (0.1 μM) (水溶液中)
9- 14:0 LysoPC + ニロチニブ (0.1 μM) (水溶液中)
10- 14:0 LysoPG + ニロチニブ (0.1 μM) (水溶液中)
11- ニロチニブ単独 (DMSO中)
DMPC/DMPG又はLyso変異体が、配合時にニロチニブをクエンチしたという可能性は、hERG電流の防護を説明するとみなされるメカニズムの中の1つであり、ニロチニブが、その受容体部位でチャネルに入り込むのを本質的に防止した。別の可能性は、ニロチニブが、水溶液中にあまり溶解性でないこと、したがって0.1μMで不完全に溶解されることであった。
両方の仮説を試験するために、ニロチニブをDMSO中に配合して、DMPC又はDMPGの添加後に、実験チャンバーへ添加した。これは、1−DMPC/DMPG単独を、続いてDMSO配合したニロチニブを添加することにより、リソソームによるニロチニブの初期クエンチングの可能性が排除されるという原理、及び2−DMSOが、ニロチニブの溶解度を維持する(hERGの「ニロチニブのみ」阻害は、DMSO配合したニロチニブを細胞へ添加した場合に観察された)という原理に基づいた。
図6は、トランスフェクトしたHEK293細胞由来のhERG電流密度に対するDMPC、DMPC+ニロチニブ、DMPC+ニロチニブ(DMSO中)及びニロチニブの効果を示すグラフである。
図7は、トランスフェクトしたHEK293細胞由来のhERG電流密度に対するDMPG、DMPG+ニロチニブ、DMPG+ニロチニブ(DMSO中)及びニロチニブの効果を示すグラフである。
図8は、本発明で使用するグリセロリン酸に基づく脂質の構造を示す。示された脂質構造は、1,2-ジステアロイル−sn−グリセロール−3−ホスホコリン又はホスファチジルコリン(PC)である。四角い枠の中のコリンを右側に示す頭部基で置換すると、他のリン脂質構造が形成される。カルジオリピン(CL)は、グリセロールにより結合された2つのPAを含有するので、ジホスファチジルグリセロールとも呼ばれる。
表8は、本発明で使用する脂肪酸の例を示す。
本発明の脂質、例えば、単独又はDMPGとDMPCの組合せで含むことができる、空のリポソームを形成するものなどは、広範囲の比にわたって薬物誘導心臓チャネル病を予防することができる、すなわち、本発明の脂質及びリポソームは、活性剤又は薬物と脂質/リポソームの広範囲の重量対重量比にわたって作用することができることが見出された。例えば、活性剤対脂質/リポソームの重量対重量は、有効性を失うことなく、10:1〜1:10、1:5〜5:1、3:1〜1:3に及ぶことができることが見出された。そのうえ驚くべきことに、作用は、血流からの脂質/リポソームの代謝クリアランス後でさえ、1〜24時間を含めて、特に、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、15、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間を超えて存続することが見出された。脂質は、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を予防又は低減する量で供給されるが、脂質は血流から取り除かれている。血流における脂質/リポソームの欠如にもかかわらず、防護は継続した。脂質/リポソームは、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間予防する。ある特定の実施形態では、防護は、1〜4、2〜6、2〜8、1〜5、1〜8、4〜6、4〜8、4〜12、4〜16、4〜20、4〜24、6〜8、6〜12、6〜18、6〜20、6〜28、8〜12、8〜16、8〜18、8〜20、又は8〜24時間さえ続いた。
本明細書中で論述される任意の実施形態は、本発明の任意の方法、キット、試薬、又は組成物に関して実施され得ると意図される(逆も同じ)。さらに、本発明の組成物を使用して、本発明の方法を達成することができる。
本明細書中に記載する特定の実施形態は、例として示されるものであり、本発明の限定として示されるものではないことが理解されよう。本発明の主要な特徴は、本発明の範囲を逸脱することなく、様々な実施形態で用いることができる。当業者は、ほんの日常的な実験を使用して、本明細書中に記載する特定手順に対する無数の同等物を認識するか、又は確かめることが可能である。かかる同等物は、本発明の範囲内であるとみなされ、特許請求の範囲により網羅される。
本明細書中で言及する刊行物及び特許出願は全て、本発明が関連する技術分野の当業者の水準を示している。刊行物及び特許出願は全て、個々の刊行物又は特許出願が、具体的に且つ個別に、参照により組み込まれると示されたかのように同程度まで参照により本明細書に組み込まれる。
「1つの(a)」又は「1つの(an)」の単語の使用は、特許請求の範囲及び/又は明細書中の「を含む」という用語と併用する場合、「1」を意味し得るが、それはまた、「1又は2以上」、「少なくとも1」及び「1又は1を超える」の意味と一致する。特許請求の範囲における「又は」という用語の使用は、代替物を指すと明確に示されないか、又は代替物が相互排他的でない限りは、「及び/又は」を意味するのに使用されるが、開示は、代替物のみ及び「及び/又は」を指す定義を支持する。本明細書全体わたって、「約」という用語は、値が、値を決定するのに用いられる方法、デバイスに関する誤差の固有の変動、又は研究対象間に存在する変動を含む値を示すのに使用される。
本明細書及び特許請求の範囲で使用する場合、「を含む(comprising)」(並びに「を含む(comprise)」及び「を含む(comprises)」などの任意の形態の含む(comprising))、「を有する(having)」(並びに「を有する(have)」及び「を有する(has)」などの任意の形態の有する(having))、「を包含する(including)」(並びに「を包含する(includes)」及び「を包含する(include)」などの任意の形態の包含する(including))、及び「を含有する(containing)」(並びに「を含有する(contains)」及び「を含有する(contain)」などの任意の形態の含有する(containing))という語句は、包括的であるか、又は制約がなく、さらなる列挙する要素又は方法ステップを除外しない。本明細書中に提供する組成物及び方法のいずれかの実施形態では、「を含む」は、「から本質的に構成される」又は「から構成される」で置き換えられてもよい。本明細書中で使用する場合、「から本質的に構成される」という語句は、指定した整数(複数可)又はステップ並びに特許請求される本発明の特徴又は機能に著しく影響を及ぼさないものを要する。本明細書中で使用する場合、「からなる」という用語は、列挙する整数(例えば、特性、要素、特徴、性質、方法/プロセスステップ又は制限)又は整数群(例えば、特性(複数可)、要素(複数可)、特徴(複数可)、性質(複数可)、方法/プロセスステップ又は制限(複数可))のみの存在を示すのに使用される。
「又はそれらの組合せ」という用語は、本明細書中で使用する場合、上記用語に先行する列挙した項目の配列及び組合せを指す。例えば、「A、B、C、又はそれらの組合せ」は、A、B、C、AB、AC、BC、又はABC、及び順序が特定の状況で重要である場合には、同様にBA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、又はCABのうちの少なくとも1つを含むと意図される。この例に続けて、BB、AAA、AB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABB等などの1又は2以上の項目又は用語の繰り返しを含有する組合せが明確に含まれる。その他の点で状況から明らかでない限り、通常、任意の組合せで項目又は用語の数に限定は存在しないことが当業者に理解されよう。
本明細書中で使用する場合、「約」、「実質的な」又は「実質的に」などの限定されない概算の単語は、そのように修飾されると、必ずしも絶対的でも完璧でもなく、その状態が存在していると当然指定するのに、当業者にとって十分近いとみなされる状態を指す。説明が多様であり得る程度は、どれくらい大きな変化が起き得るかに依存し、未修飾特性の必要とされる特徴及び能力を依然として有するとして、依然として当業者に修飾特性を認識させている。概して、先行する論考を受けるが、「約」などの概算の単語により修飾される本明細書中の数値は、記載値から少なくとも±1、2、3、4、5、6、7、10、12又は15%まで様々まであり得る。
本明細書中に開示及び特許請求する組成物及び/又は方法は全て、本開示を鑑みて、過度の実験を伴わずに作製及び実行することができる。本発明の組成物及び方法は、好ましい実施形態の観点で記載されてきたが、変動は、本発明の概念、趣旨及び範囲を逸脱することなく、本明細書中に記載する組成物及び/又は方法に、並びに本明細書中に記載するステップにおいて、又は方法の一連のステップにおいて適用され得ることが、当業者に明らかである。当業者に明らかなかかる類似した代替物及び修飾は全て、併記の特許請求の範囲により規定されるような本発明の精神、範囲及び概念内に存在するとみなされる。
参照文献
米国特許公開第2010/0004549号明細書:System and Method of Serial Comparison for Detection of Long QT Syndrome (LQTS)。
米国特許公開第2008/0255464号明細書:System and Method for Diagnosing and Treating Long QT Syndrome。
米国特許公開第2007/0048284号明細書:Cardiac Arrhythmia Treatment Methods。
米国特許公開第2001/00120890号明細書:Ion Channel Modulating Activity I。

Claims (36)

  1. 対象において心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を誘導する1又は2以上の薬理学的活性剤と、前記1又は2以上の薬理学的活性剤により引き起こされる前記心臓パターンにおける前記不規則性又は変化に起因する前記心臓チャネル病又は前記状態を予防又は低減するのに十分な量で供給される1又は2以上の脂質と
    を含む組成物であって、組合せが、薬学的に許容される媒介物、溶媒、又は媒体中に分散しており、前記活性剤、前記脂質又は両方が、前記媒介物、前記溶媒、又は前記媒体中に溶解、分散又は懸濁しており、前記活性剤と前記脂質の1又は2以上の薬理学的比が、10:1〜1:10、1:5〜5:1、3:1〜1:3であり、前記心臓パターンにおける前記不規則性又は変化に起因する前記心臓チャネル病又は前記状態に対する防護が1〜24時間続く、前記組成物。
  2. 脂質が、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を予防又は低減する量で供給されるが、前記脂質が血流から取り除かれている、請求項1に記載の組成物。
  3. 1又は2以上の薬理学的活性剤が、セロトニン結合を遮断する5−HT3アンタゴニスト、5−HT4受容体アゴニスト、ヒスタミンアンタゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬、抗マラリア剤、抗精神病薬、ハロドール、抗生物質、抗不整脈薬、抗がん剤、オピオイド、又は抗高脂血症薬のうちの少なくとも1つから選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 脂質が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、ホスファチジルイノシトール又はこれらの前駆体のうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 脂質が、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルコリン、ラウロイル−リゾホスファチジルコリン、ミリストイル−リゾホスファチジルコリン、パルミトイル−リゾホスファチジルコリン、ステアロイル−リゾホスファチジルコリン、アラキドイル−リゾホスファチジルコリン、オレオイル−リゾホスファチジルコリン、リノレオイル−リゾホスファチジルコリン、リノレノイル−リゾホスファチジルコリン、エルコイル−リゾホスファチジルコリン、1−ミリストイル−2−ヒドロキシ−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DMPC)、12−ミステロイル−2−ヒドロキシ−sn−グリセロ−3−[ホスホ−rac−(グリセロール)](DMPG)、DMPC/DMPG、1−ミリストイル−2−ヒドロキシ−sn−グリセロ−3−ホスホ−(1’−rac−グリセロール)(LysoPG)、又は1−ミリストイル−2−ヒドロキシ−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(LysoPC)を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 脂質が、短鎖脂肪酸が5個以下の炭素、中鎖が6〜12個の炭素、長鎖が13〜21個の炭素、及び超長鎖脂肪酸が22個を超える炭素であり、偶数及び奇数鎖の両方の脂肪酸を含むとさらに規定されるリゾホスファチジルグリセロールである、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. 脂質が、飽和又は不飽和である3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55又は56個以上の炭素を有する短鎖脂肪酸を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
  8. 心臓パターンにおける不規則性若しくは変化に起因する心臓チャネル病若しくは状態が、心臓内の遅延整流性K電流に関与するイオンチャネルの阻害、多形性心室性頻拍、QTc、LQT2、LQTSの延長、若しくはトルサード・ド・ポアンツである、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
  9. 活性剤薬物が、クリゾチニブ、ニロチニブ、テルフェナジン、アステミゾール、グリパフロキサシン、テロジレン、ドロペリドール、リドフラジン、レボメタジル、セルチンドール又はシサプリドのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
  10. 組成物が、経腸、非経口、静脈内、腹腔内、皮内、皮下、経肺、直腸内、膣内、又は経口投与用に適合される、請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
  11. 活性剤が、リポソームに形成される脂質中に供給され、脂質が、ホスファチジルコリン(レシチン)、リゾレシチン、リゾホスファチジルエタノール−アミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、ホスファチジルエタノールアミン(セファリン)、カルジオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、リン酸ジセチル、ホスファチジルコリン、及びジパルミトイル−ホスファチジルグリセロール、ステアリルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシル−アミン、パルミチン酸アセチル、リシノール酸グリセロール、ステアリン酸ヘキサデシル、ミリスチン酸イソプロピル、両性アクリルポリマー、脂肪酸、脂肪酸アミド、コレステロール、コレステロールエステル、ジアシルグリセロール、又はコハク酸ジアシルグリセロールのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
  12. 活性剤が、アルブテロール、アルフゾシン、アマンタジン、アミオダロン、アミスルプリド、アミトリプチリン、アモキサピン、アンフェタミン、アナグレリド、アポモルヒネ、アルフォルモテロール、アリピプラゾール、三酸化ヒ素、アステミゾール、アタザナビル、アトモキセチン、アジスロマイシン、ベダキリン、ベプリジル、ボルテゾミブ、ボスチニブ、抱水クロラール、クロロキン、クロルプロマジン、シプロフロキサシン、シサプリド、シタロプラム、クラリスロマイシン、クロミプラミン、クロザピン、コカイン、クルクミン、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、デシプラミン、デクスメデトミジン、デクスメチルフェニデート、デキストロアンフェタミン、d−アンフェタミン、ジヒドロアルテミシニン+ピペラキン、ジフェンヒドラミン、ジソピラミド、ドブタミン、ドフェチリド、ドラセトロン、ドンペリドン、ドーパミン、ドキセピン、ドロネダロン、ドロペリドール、エフェドリン、エピネフリン、アドレナリン、エリブリン、エリスロマイシン、エスシタロプラム、ファモチジン、フェルバメート、フェンフルラミン、フィンゴリモド、フレカイニド、フルコナゾール、フルオキセチン、ホルモテロール、ホスカルネット、ホスフェニトイン、フロセミド、フルセミド、ガランタミン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、ゲラニセトロン、ハロファントリン、ハロペリドール、ヒドロクロロチアジド、イブチリド、イロペリドン、イミプラミン、メリプラミン、インダパミド、イソプロテレノール、イスラジピン、イトラコナゾール、イバブラジン、ケトコナゾール、ラパチニブ、レブアルブテロール、レボフロキサシン、レボメタジル、リスデキサンフェタミン、リチウム、メソリダジン、メタプロテレノール、メサドン、メタンフェタミン(Methamphetamine)(メタンフェタミン(methamfetamine))、メチルフェニデート、ミドドリン、ミフェプリストン、ミラベグロン、ミルタザピン、モエキシプリル/HCTZ、モキシフロキサシン、ネルフィナビル、ニカルジピン、ニロチニブ、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)、ノルフロキサシン、ノルトリプチリン、オフロキサシン、オランザピン、オンダンセトロン、オキシトシン、パリペリドン、パロキセチン、パシレオチド、パゾパニブ、ペンタミジン、パーフルトレン脂質ミクロスフェア、フェンテルミン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピモジド、ポサコナゾール、プロブコール、プロカインアミド、プロメタジン、プロトリプチリン、プソイドエフェドリン、クエチアピン、キニジン、硫酸キニーネ、ラノラジン、リルピビリン、リスペリドン、リトドリン、リトナビル、ロキシスロマイシン、サルブタモール、サルメテロール、サキナビル、セルチンドール、セルトラリン、セボフルラン、シブトラミン、ソリフェナシン、ソラフェニブ、ソタロール、スパルフロキサシン、スルピリド、スニチニブ、タクロリムス、タモキシフェン、テラプレビル、テラバンシン、テリスロマイシン、テルブタリン、テルフェナジン、テトラベナジン、チオリダジン、チザニジン、トルテロジン、トレミフェン、トラゾドン、トリメトプリム−サルファ、トリミプラミン、バンデタニブ、バルデナフィル、ベムラフェニブ、ベンラファキシン、ボリコナゾール、ボリノスタット、又はジプラシドンから選択される、請求項1〜11のいずれかに記載の組成物。
  13. 脂質が、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間予防する、請求項1〜12のいずれかに記載の組成物。
  14. ヒト又は動物対象において疾患を治療するために使用される薬理学的活性剤により引き起こされる心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する1又は2以上の心臓チャネル病又は状態を予防又は治療する方法であって、
    心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を低減又は予防するのに有効な投与用に適合された脂質を活性剤とともに含む組成物を調製するステップであって、脂質の量は、活性剤により引き起こされる心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を低減又は排除するのに十分であり、活性剤と脂質の1又は2以上の薬理学的比が10:1〜1:10、1:5〜5:1、3:1〜1:3であり、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態に対する防護が1〜24時間続く、ステップ;及び
    ヒト又は動物対象に前記組成物を、疾患を治療するのに十分な量で投与するステップを含む、前記方法。
  15. 脂質が、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を予防又は低減する量で供給されるが、前記脂質が血流から取り除かれている、請求項14に記載の方法。
  16. 脂質が、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間予防する、請求項14に記載の方法。
  17. 1又は2以上の薬理学的活性剤が、セロトニン結合を遮断する5−HT3アンタゴニスト、5−HT4受容体アゴニスト、ヒスタミンアンタゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬、抗マラリア剤、抗精神病薬、ハロドール、抗生物質、抗不整脈薬、抗がん剤、オピオイド、又は抗高脂血症薬のうちの少なくとも1つから選択される、請求項14に記載の方法。
  18. 脂質が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、ホスファチジルイノシトール又はこれらの前駆体のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
  19. 脂質が、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルコリン、ラウロイル−リゾホスファチジルコリン、ミリストイル−リゾホスファチジルコリン、パルミトイル−リゾホスファチジルコリン、ステアロイル−リゾホスファチジルコリン、アラキドイル−リゾホスファチジルコリン、オレオイル−リゾホスファチジルコリン、リノレオイル−リゾホスファチジルコリン、リノレノイル−リゾホスファチジルコリン、エルコイル−リゾホスファチジルコリン、1−ミリストイル−2−ヒドロキシ−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DMPC)、12−ミステロイル−2−ヒドロキシ−sn−グリセロ−3−[ホスホ−rac−(グリセロール)](DMPG)、DMPC/DMPG、1−ミリストイル−2−ヒドロキシ−sn−グリセロ−3−ホスホ−(1’−rac−グリセロール)(LysoPG)、又は1−ミリストイル−2−ヒドロキシ−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(LysoPC)のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
  20. 脂質が、短鎖脂肪酸が5個以下の炭素、中鎖が6〜12個の炭素、長鎖が13〜21個の炭素、及び超長鎖脂肪酸が22個を超える炭素であり、偶数及び奇数鎖の両方の脂肪酸を含むとさらに規定されるリゾホスファチジルグリセロールである、請求項14に記載の方法。
  21. 脂質が、飽和又は不飽和である3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55又は56個以上の炭素を有する短鎖脂肪酸を含む、請求項14に記載の方法。
  22. 心臓パターンにおける不規則性若しくは変化に起因する心臓チャネル病若しくは状態が、心臓内の遅延整流性K電流に関与するイオンチャネルの阻害、多形性心室性頻拍、QTc、LQT2、LQTSの延長、若しくはトルサード・ド・ポアンツである、請求項14に記載の方法。
  23. 1又は2以上の活性剤が、クリゾチニブ、ニロチニブ、テルフェナジン、アステミゾール、グリパフロキサシン、テロジレン、ドロペリドール、リドフラジン、レボメタジル、セルチンドール又はシサプリドのうちの少なくとも1つから選択される、請求項14に記載の方法。
  24. 経腸、非経口、静脈内、腹腔内、皮内、皮下、経肺、直腸内、膣内、又は経口投与用に適合させることをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  25. 活性剤が、アルブテロール、アルフゾシン、アマンタジン、アミオダロン、アミスルプリド、アミトリプチリン、アモキサピン、アンフェタミン、アナグレリド、アポモルヒネ、アルフォルモテロール、アリピプラゾール、三酸化ヒ素、アステミゾール、アタザナビル、アトモキセチン、アジスロマイシン、ベダキリン、ベプリジル、ボルテゾミブ、ボスチニブ、抱水クロラール、クロロキン、クロルプロマジン、シプロフロキサシン、シサプリド、シタロプラム、クラリスロマイシン、クロミプラミン、クロザピン、コカイン、クルクミン、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、デシプラミン、デクスメデトミジン、デクスメチルフェニデート、デキストロアンフェタミン、d−アンフェタミン、ジヒドロアルテミシニン+ピペラキン、ジフェンヒドラミン、ジソピラミド、ドブタミン、ドフェチリド、ドラセトロン、ドンペリドン、ドーパミン、ドキセピン、ドロネダロン、ドロペリドール、エフェドリン、エピネフリン、アドレナリン、エリブリン、エリスロマイシン、エスシタロプラム、ファモチジン、フェルバメート、フェンフルラミン、フィンゴリモド、フレカイニド、フルコナゾール、フルオキセチン、ホルモテロール、ホスカルネット、ホスフェニトイン、フロセミド、フルセミド、ガランタミン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、ゲラニセトロン、ハロファントリン、ハロペリドール、ヒドロクロロチアジド、イブチリド、イロペリドン、イミプラミン、メリプラミン、インダパミド、イソプロテレノール、イスラジピン、イトラコナゾール、イバブラジン、ケトコナゾール、ラパチニブ、レブアルブテロール、レボフロキサシン、レボメタジル、リスデキサンフェタミン、リチウム、メソリダジン、メタプロテレノール、メサドン、メタンフェタミン(Methamphetamine)(メタンフェタミン(methamfetamine))、メチルフェニデート、ミドドリン、ミフェプリストン、ミラベグロン、ミルタザピン、モエキシプリル/HCTZ、モキシフロキサシン、ネルフィナビル、ニカルジピン、ニロチニブ、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)、ノルフロキサシン、ノルトリプチリン、オフロキサシン、オランザピン、オンダンセトロン、オキシトシン、パリペリドン、パロキセチン、パシレオチド、パゾパニブ、ペンタミジン、パーフルトレン脂質ミクロスフェア、フェンテルミン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピモジド、ポサコナゾール、プロブコール、プロカインアミド、プロメタジン、プロトリプチリン、プソイドエフェドリン、クエチアピン、キニジン、硫酸キニーネ、ラノラジン、リルピビリン、リスペリドン、リトドリン、リトナビル、ロキシスロマイシン、サルブタモール、サルメテロール、サキナビル、セルチンドール、セルトラリン、セボフルラン、シブトラミン、ソリフェナシン、ソラフェニブ、ソタロール、スパルフロキサシン、スルピリド、スニチニブ、タクロリムス、タモキシフェン、テラプレビル、テラバンシン、テリスロマイシン、テルブタリン、テルフェナジン、テトラベナジン、チオリダジン、チザニジン、トルテロジン、トレミフェン、トラゾドン、トリメトプリム−サルファ、トリミプラミン、バンデタニブ、バルデナフィル、ベムラフェニブ、ベンラファキシン、ボリコナゾール、ボリノスタット、又はジプラシドンから選択される、請求項14に記載の方法。
  26. ヒト又は動物対象において活性剤により引き起こされる心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を予防又は治療する方法であって、
    心臓チャネル病を引き起こす前記活性剤で治療可能な疾患について、治療を必要とする対象を特定するステップ;及び
    心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を低減又は予防するのに有効な量の脂質を、前記疾患を治療するのに十分な有効量の前記活性剤とともに含む組成物を供給するステップであって、活性剤と脂質の1又は2以上の薬理学的比が10:1〜1:10、1:5〜5:1、3:1〜1:3であり、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態に対する防護が1〜24時間続く、ステップ
    を含む、前記方法。
  27. 活性剤が、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態が原因で、以前に臨床試験に失敗している、請求項26に記載の方法。
  28. 薬物により引き起こされる心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態が原因で失敗した、又は臨床的使用を制限している臨床試験での薬物を特定するステップ、及び前記薬物により引き起こされる前記心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する前記心臓チャネル病又は状態を低減又は排除するために、前記薬物を脂質とともに再配合するステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
  29. 前記活性剤が、アルブテロール、アルフゾシン、アマンタジン、アミオダロン、アミスルプリド、アミトリプチリン、アモキサピン、アンフェタミン、アナグレリド、アポモルヒネ、アルフォルモテロール、アリピプラゾール、三酸化ヒ素、アステミゾール、アタザナビル、アトモキセチン、アジスロマイシン、ベダキリン、ベプリジル、ボルテゾミブ、ボスチニブ、抱水クロラール、クロロキン、クロルプロマジン、シプロフロキサシン、シサプリド、シタロプラム、クラリスロマイシン、クロミプラミン、クロザピン、コカイン、クルクミン、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、デシプラミン、デクスメデトミジン、デクスメチルフェニデート、デキストロアンフェタミン、d−アンフェタミン、ジヒドロアルテミシニン+ピペラキン、ジフェンヒドラミン、ジソピラミド、ドブタミン、ドフェチリド、ドラセトロン、ドンペリドン、ドーパミン、ドキセピン、ドロネダロン、ドロペリドール、エフェドリン、エピネフリン、アドレナリン、エリブリン、エリスロマイシン、エスシタロプラム、ファモチジン、フェルバメート、フェンフルラミン、フィンゴリモド、フレカイニド、フルコナゾール、フルオキセチン、ホルモテロール、ホスカルネット、ホスフェニトイン、フロセミド、フルセミド、ガランタミン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、ゲラニセトロン、グリパフロキサシン、ハロファントリン、ハロペリドール、ヒドロクロロチアジド、イブチリド、イロペリドン、イミプラミン、メリプラミン、インダパミド、イソプロテレノール、イスラジピン、イトラコナゾール、イバブラジン、ケトコナゾール、ラパチニブ、レブアルブテロール、レボフロキサシン、レボメタジル、リスデキサンフェタミン、リチウム、メソリダジン、メタプロテレノール、メサドン、メタンフェタミン(Methamphetamine)(メタンフェタミン(methamfetamine))、メチルフェニデート、ミドドリン、ミフェプリストン、ミラベグロン、ミルタザピン、モエキシプリル/HCTZ、モキシフロキサシン、ネルフィナビル、ニカルジピン、ニロチニブ、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)、ノルフロキサシン、ノルトリプチリン、オフロキサシン、オランザピン、オンダンセトロン、オキシトシン、パリペリドン、パロキセチン、パシレオチド、パゾパニブ、ペンタミジン、パーフルトレン脂質ミクロスフェア、フェンテルミン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピモジド、ポサコナゾール、プロブコール、プロカインアミド、プロメタジン、プロトリプチリン、プソイドエフェドリン、クエチアピン、キニジン、硫酸キニーネ、ラノラジン、リルピビリン、リスペリドン、リトドリン、リトナビル、ロキシスロマイシン、サルブタモール、サルメテロール、サキナビル、セルチンドール、セルトラリン、セボフルラン、シブトラミン、ソリフェナシン、ソラフェニブ、ソタロール、スパルフロキサシン、スルピリド、スニチニブ、タクロリムス、タモキシフェン、テラプレビル、テラバンシン、テリスロマイシン、テルブタリン、テルフェナジン、テトラベナジン、チオリダジン、チザニジン、トルテロジン、トレミフェン、トラゾドン、トリメトプリム−サルファ、トリミプラミン、バンデタニブ、バルデナフィル、ベムラフェニブ、ベンラファキシン、ボリコナゾール、ボリノスタット、又はジプラシドンから選択される、請求項26に記載の方法。
  30. 疾患又は状態の治療用候補薬物を評価する方法であって、前記候補薬物が、候補剤により引き起こされる心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を引き起こし、前記方法が、
    (a)患者の第1のサブセットにある量の脂質、リポソーム、又は脂質前駆体及び候補薬物を、患者の第2のサブセットにある量のプラセボを投与するステップであって、前記脂質、リポソーム又は脂質前駆体が、前記候補薬物により引き起こされる心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する1又は2以上の心臓チャネル病又は状態を低減又は予防するのに有効な量で供給され、活性剤と脂質の1又は2以上の薬理学的比が10:1〜1:10、1:5〜5:1、3:1〜1:3であり、前記心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態に対する防護が1〜24時間続く、ステップ;
    (b)前記第1及び第2のセットの患者からの、前記心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態のレベルを測定するステップ;並びに
    (c)前記脂質、リポソーム、又は脂質前駆体及び前記候補薬物の組合せが、前記心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する前記チャネル病又は状態を、プラセボを服用した患者のサブセットで生じる任意の低減、又は前記心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する既知の心臓チャネル病又は状態と比較して、統計的に有意に低減するかどうかを決定するステップであって、統計的に有意な低減が、前記脂質、リポソーム、又は脂質前駆体及び前記候補薬物の組合せが、前記心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する薬物誘導性心臓チャネル病又は状態も低減又は排除しながら、疾患状況又は状態を治療するのに有用であることを示す、ステップ
    を含む、前記方法。
  31. 脂質が、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を予防又は低減する量で供給されるが、脂質が血流から取り除かれている、請求項30に記載の方法。
  32. 脂質が、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間予防する、請求項30に記載の方法。
  33. 薬物が、以前に臨床試験に、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態が原因で失敗している、請求項30に記載の方法。
  34. 薬物が、心臓パターンにおける不規則性又は変化に起因する心臓チャネル病又は状態が原因で市場から取り下げられている、請求項30に記載の方法。
  35. ある期間の後にステップ(a)〜(c)を繰り返すステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
  36. 活性剤が、アルブテロール、アルフゾシン、アマンタジン、アミオダロン、アミスルプリド、アミトリプチリン、アモキサピン、アンフェタミン、アナグレリド、アポモルヒネ、アルフォルモテロール、アリピプラゾール、三酸化ヒ素、アステミゾール、アタザナビル、アトモキセチン、アジスロマイシン、ベダキリン、ベプリジル、ボルテゾミブ、ボスチニブ、抱水クロラール、クロロキン、クロルプロマジン、シプロフロキサシン、シサプリド、シタロプラム、クラリスロマイシン、クロミプラミン、クロザピン、コカイン、クルクミン、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、デシプラミン、デクスメデトミジン、デクスメチルフェニデート、デキストロアンフェタミン、d−アンフェタミン、ジヒドロアルテミシニン+ピペラキン、ジフェンヒドラミン、ジソピラミド、ドブタミン、ドフェチリド、ドラセトロン、ドンペリドン、ドーパミン、ドキセピン、ドロネダロン、ドロペリドール、エフェドリン、エピネフリン、アドレナリン、エリブリン、エリスロマイシン、エスシタロプラム、ファモチジン、フェルバメート、フェンフルラミン、フィンゴリモド、フレカイニド、フルコナゾール、フルオキセチン、ホルモテロール、ホスカルネット、ホスフェニトイン、フロセミド、フルセミド、ガランタミン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、グラニセトロン、ハロファントリン、ハロペリドール、ヒドロクロロチアジド、イブチリド、イロペリドン、イミプラミン、メリプラミン、インダパミド、イソプロテレノール、イスラジピン、イトラコナゾール、イバブラジン、ケトコナゾール、ラパチニブ、レブアルブテロール、レボフロキサシン、レボメタジル、リスデキサンフェタミン、リチウム、メソリダジン、メタプロテレノール、メサドン、メタンフェタミン(methamfetamine)、メチルフェニデート、ミドドリン、ミフェプリストン、ミラベグロン、ミルタザピン、モエキシプリル/HCTZ、モキシフロキサシン、ネルフィナビル、ニカルジピン、ニロチニブ、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)、ノルフロキサシン、ノルトリプチリン、オフロキサシン、オランザピン、オンダンセトロン、オキシトシン、パリペリドン、パロキセチン、パシレオチド、パゾパニブ、ペンタミジン、パーフルトレン脂質ミクロスフェア、フェンテルミン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピモジド、ポサコナゾール、プロブコール、プロカインアミド、プロメタジン、プロトリプチリン、プソイドエフェドリン、クエチアピン、キニジン、硫酸キニーネ、ラノラジン、リルピビリン、リスペリドン、リトドリン、リトナビル、ロキシスロマイシン、サルブタモール、サルメテロール、サキナビル、セルチンドール、セルトラリン、セボフルラン、シブトラミン、ソリフェナシン、ソラフェニブ、ソタロール、スパルフロキサシン、スルピリド、スニチニブ、タクロリムス、タモキシフェン、テラプレビル、テラバンシン、テリスロマイシン、テルブタリン、テルフェナジン、テトラベナジン、チオリダジン、チザニジン、トルテロジン、トレミフェン、トラゾドン、トリメトプリム−サルファ、トリミプラミン、バンデタニブ、バルデナフィル、ベムラフェニブ、ベンラファキシン、ボリコナゾール、ボリノスタット、又はジプラシドンから選択される、請求項30に記載の方法。
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