JP2019529298A - 破壊靭性が高い透明なケイ酸塩ガラス - Google Patents

破壊靭性が高い透明なケイ酸塩ガラス Download PDF

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Abstract

SiO2、Al2O3、並びにLa2O3、BaO、Ta2O5、Y2O3、およびHfO2からなる群より選択される2種類以上の金属酸化物を含むガラス系物品が、ここに提供される。そのガラス系物品は、典型的に、高い破壊靭性(例えば、少なくとも0.86MPa・m0.5)、高いヤング率値(例えば、少なくとも85GPa)、および/または3ブルースター以下(例えば、約1.3ブルースターから約2ブルースター)の応力光学係数(SOC)により特徴付けられる。SiO2、および2種類以上のMxOyを含むガラス系物品であって、式中、Mは、Ba、La、Ta、Y、AlまたはHfであり、SiO2の総量が、MxOy・SiO2の2種類以上の二元組成物のものと同じまたは実質的に同じであり、基準のガラス系物品が各MxOyを同じモル百分率で有し、各二元組成物におけるMxOy対SiO2のモル比が、4/(c×x)であり、cはMの電荷数である、ガラス系物品もここに提供される。

Description

優先権
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、2016年7月21日に出願された米国仮特許出願第62/365049号の優先権の恩恵を主張するものである。
本開示は、広く、新規のガラス系物品に関する。
ガラスは、時として使用中に壊れることがある脆性材料である。商業的に使用されるガラスの破壊靭性は、通常、0.8MPa・m0.5に近いかそれより低い。
損傷抵抗および/または落下性能を改善するために、破壊靭性が高い、透明ガラスなどのガラスを得る要望が引き続きある。
様々な実施の形態において、本開示は、La、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択される1種類以上の金属酸化物を含むガラス系物品を提供する。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、SiO、Al、並びにLa、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択される2種類以上の金属酸化物を含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、約35モル%から約80モル%の範囲でSiOを含む。いくつかの実施の形態において、約1モル%から約15モル%の範囲でAlを含む。いくつかの実施の形態において、その2種類以上の金属酸化物は、La、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択され、その2種類以上の金属酸化物の合計モル百分率は少なくとも15モル%である。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、約1モル%から約7モル%の範囲のHfO;約1モル%から約29モル%のY;約1モル%から約30モル%のTa;約1モル%から約29モル%のLa;および/または約1モル%から約33モル%の範囲のBaOを含む。ここに記載された実施の形態のいずれにおいても、そのガラス系物品は、5モル%以下(例えば、3モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、0.5モル%以下、または0.1モル%以下)のアルカリ金属および/またはホウ素を含み得る。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、例えば、カバーガラスとして、家庭用電子機器に含まれる。
いくつかの実施の形態において、前記ガラス系物品は、SiO、Al、La、BaO、Ta、Y、およびHfOを含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、SiO、Al、La、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる、またはから実質的になる。例えば、いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、約40モル%から約75モル%のSiO;約3モル%から約10モル%のAl;約2モル%から約25モル%のLa;約2モル%から約20モル%のTa;約2モル%から約21モル%のY;約1.5モル%から約6モル%の範囲のHfO;および約2モル%から約25モル%の範囲のBaOを含み得る。他の実施の形態において、そのガラス系物品は、約45モル%から約70モル%のSiO;約4モル%から約9モル%のAl;約4モル%から約22モル%のLa;約2.5モル%から約18モル%のTa;約4モル%から約21モル%のY;約2モル%から約5モル%の範囲のHfO;および約4モル%から約25モル%の範囲のBaOを含み得る。
ここに記載されたガラス系物品は、特定の性質によって特徴付けることができる。例えば、いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、(i)少なくとも0.86MPa・m0.5(例えば、約1MPa・m0.5から約1.6MPa・m0.5)の破壊靭性;(ii)少なくとも85GPa(例えば、約110GPaから約140GPa)のヤング率値;および/または(iii)3ブルースター以下(例えば、約1.3ブルースターから約2ブルースター)の応力光学係数(SOC)を有することによって特徴付けることができる。
本開示の特定の実施の形態は、高い破壊靭性により特徴付けられるガラス系物品に関する。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、SiO、Al、並びにLa、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択される2種類以上の金属酸化物を含み、そのガラス系物品は、少なくとも0.86MPa・m0.5の破壊靭性により特徴付けられる。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、5モル%以下(例えば、3モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、0.5モル%以下、または0.1モル%以下)のアルカリ金属および/またはホウ素を含む。いくつかの実施の形態において、その2種類以上の金属酸化物は、La、BaO、Ta、Y、およびHfOを含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、約1.0MPa・m0.5から約1.6MPa・m0.5の破壊靭性を有する。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、少なくとも85GPa(例えば、約110GPaから約140GPa)のヤング率値;および/または3ブルースター以下(例えば、約1.3ブルースターから約2ブルースター)の応力光学係数(SOC)を有することによってさらに特徴付けることができる。
いくつかの実施の形態において、本開示は、特定の濃度要件で、SiOおよびMの2種類以上の酸化物を含み、式中、Mは、Ba、La、Ta、Y、AlまたはHfであるガラス系物品も提供する。いくつかの実施の形態において、Mの2種類以上の酸化物は、Al、La、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択される。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品中の酸化物の濃度は、SiOの合計モル百分率が、M・SiOの二元組成物を2種類以上含む基準ガラス系物品のものと同じまたは実質的に同じ(例えば、95%以内、90%以内、85%以内、または80%以内)であり、その基準ガラス系物品が各Mを同じモル百分率で有し、各二元組成物におけるM対SiOのモル比が、4/(c×x)であり、cはMの電荷数であるような関係を満たす。いくつかの実施の形態において、Mの2種類以上の酸化物は、Al、La、BaO、Ta、Y、およびHfOである。
いくつかの実施の形態において、前記ガラス系物品を調製する方法も提供される。いくつかの実施の形態において、その方法は、そのガラス系物品におけるそれぞれのモル百分率にしたがって個々の酸化物を混合し、加熱する工程を有してなる。いくつかの実施の形態において、その方法は、M・SiOの2種類以上の二元組成物を混合する工程であって、式中、Mは、Ba、La、Ta、Y、AlまたはHfである工程;およびM・SiOの2種類以上の二元組成物を加熱して、前記ガラス系物品を形成する工程を含み、ここで、各二元組成物は、1:4/(c×x)のSiO対Mのモル比により特徴付けられ、cはMの電荷数である。いくつかの実施の形態において、M・SiOの2種類以上の二元組成物は、BaO・SiO、La・SiO、Ta・SiO、Y・SiO、Al・SiO、およびHfO・SiOを含む。いくつかの実施の形態において、SiOの総量は、約30モル%から約80モル%である。
先の要約、並びに、実施の形態の以下の詳細な説明は、添付図面と共に読んだときに、よりよく理解されるであろう。説明目的のために、図面は、特定の実施の形態の使用を記述することがある。しかしながら、ここに記載された組成物および方法は、図面に記載されたまたは論じられた正確な実施の形態に限定されないことが理解されよう。
ここに開示されたガラス系物品のいずれかを備えた例示の電子機器の上面図 図1Aの例示の電子機器の斜視図
定義
「含む」、「備える」、「含有する」などの制限のない用語は、「有する」を意味する。これらの制限のない移行句は、追加の、列挙されていない要素または方法の工程を排除しない、要素、方法の工程などの非制限リストを取り入れるために使用される。実施の形態が、「含む」という言語で記載されているときはいつでも、「からなる」および/または「から実質的になる」という用語で記載された、それ以外は類似の実施の形態も提供されることが理解されよう。
「からなる」という移行句およびその変形は、通常それに関連する不純物を除いて、列挙されていないどのような要素、工程、または成分も排除する。
「から実質的になる」という移行句およびその変形は、特定の方法、構造または組成物の基本的または新規の性質を著しく変えないものを除いて、列挙されていないどの要素、工程、または成分も排除する。
また本開示の要素または成分に先行する不定冠詞は、事例、すなわち、その要素または成分の発生の数に関して非制限的であることを意図している。したがって、不定冠詞は、1つまたは少なくとも1つを含むと読むべきであり、その要素または成分の単数形も、その数が単数であると明白に意図されていない限り、複数を含む。
ここに用いられているように、本開示に関連する値を修飾する「約」という用語は、例えば、日常的な試験および取扱いにより;そのような試験および取扱いにおける不慮の誤りにより;本開示に用いられる成分の純度、供給源、または製造における差異などにより生じ得る数量の変動を称する。「約」という用語により修飾されているか否かにかかわらず、請求項は、列挙された量の等価物を含む。1つの実施の形態において、「約」という用語は、報告された数値の10%以内を意味する。
ここに用いられている「開示」または「本開示」という用語は、非限定的用語であり、特定の開示のどの1つの実施の形態も称する意図はないが、本出願に記載されたような全ての可能性のある実施の形態を包含する。
ここに用いられているように、「ガラス系物品」という用語は、ガラスから部分的にまたは全てが製造されたどの物体も含むために最も広い意味で使用される。いくつかの実施の形態において、ガラスまたはガラスセラミック基板および/またはガラス系物品は、非晶相および1つ以上の結晶相を有し得る。
群が、複数の要素およびその組合せの群のうちの少なくとも1つを含むと記載されているときはいつでも、その群が、個別に、または互いとの組合せのいずれかで、列挙されたそれら要素のいくつを含んでも、から実質的になっても、またはからなってもよいことが理解されよう。同様に、群が、複数の要素またはその組合せの群の少なくとも1つからなると記載されているときはいつでも、その群は、個別に、または互いとの組合せのいずれかで、列挙されたそれら要素のいくつからなってもよいことが理解されよう。特に明記のない限り、値の範囲は、列挙された場合、その範囲の上限と下限の両方、並びにそれらの間の任意の部分的範囲を含む。特に明記のない限り、ここに記載された組成物の成分を含む全ての組成物および関係は、金属酸化物基準のモルパーセント(モル%)で表される。
ガラス組成物
様々な実施の形態において、本開示は、La、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択される1種類以上の金属酸化物を含むガラス系物品を提供する。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、SiO、Al、並びにLa、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択される2種類以上の金属酸化物を含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、SiO、Al、La、BaO、Ta、Y、およびHfOを含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、Li、Na、Kなどのアルカリ金属を5モル%以下(例えば、3モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、0.5モル%以下、または0.1モル%以下)で含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、5モル%以下(例えば、3モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、0.5モル%以下、または0.1モル%以下)のホウ素を有する。ここに用いられているように、アルカリ金属は、アルカリ金属酸化物など、ガラス系組成物中に存在し得る全ての形態のアルカリ金属を含む。同様に、ここに用いられているように、ホウ素は、酸化ホウ素など、ガラス系組成物中に存在し得る全ての形態のホウ素を含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、SiO、Al、並びにLa、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択される金属酸化物(例えば、1、2、3、4、または5種類の金属酸化物)からなる、またはから実質的になる。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、SiO、Al、La、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる、またはから実質的になる。
ここに記載されたガラス系物品は、様々な量のシリカ、すなわちSiOを含み得る。理論により束縛する意図はないが、SiOは、主なガラス形成酸化物であり、これは、ガラスの網目構造骨格を形成すると考えられる。純粋なSiOは、極めて高い溶融温度のために、ほとんどの製造過程に不適合である。純粋なSiOまたは高SiOガラスの粘度は、溶融領域において高過ぎるので、清澄気泡などの欠陥が現れることがあり、耐火物の腐食および白金の劣化が極端になりすぎて、連続過程における長期間の製造をすることができなくなるであろう。さらに、シリカの濃度が高まるにつれて、連続過程において望ましくない失透相であるSiOの結晶質多形体であるクリストバライトの安定性が増すために、液相温度が上昇するであろう。しかしながら、良好な化学的耐久性および製造に使用される耐火材料との適合性を確実にするために、最小レベルのSiOが要求される。当業者は、本開示を鑑みて、SiOの量を調節することができるであろう。
本開示のガラス系物品において、SiOの濃度は、典型的に、約35モル%と約80モル%の間に及ぶ(例えば、約35モル%、約40モル%、約45モル%、約50モル%、約55モル%、約60モル%、約65モル%、約70モル%、約75モル%、約80モル%、または規定値の間の任意の範囲)。例えば、いくつかの実施の形態において、SiOの濃度は、約40モル%と約75モル%の間に及ぶ。いくつかの実施の形態において、SiOの濃度は、約45モル%と約70モル%の間に及ぶ。
ここに記載されたガラス系物品は、典型的に、酸化アルミニウム、すなわち、Alを含む。理論により束縛する意図はないが、Alもガラス形成材としての機能を果たすことができると考えられる。SiOのように、Alは、その四面体配位のために、ガラス網目構造に剛性を与え得る。同様に、他のガラス改質剤酸化物に対してAlの含有量を増加させると、一般に、密度が減少し、熱膨張係数が減少し、耐久性が改善される。しかしながら、Alの濃度が高すぎることがあり得ない。例えば、Alは、濃度が高すぎると、ジルコン耐火材料の溶解を促進し得、これにより、融合線ジルコニア欠陥をもたらし得、3Dガラス成形にとって不利に高い融点がもたらされ得る。それゆえ、Alの量は、これらの様々な性質のバランスをとるように調節される。
本開示のガラス系物品において、Alの濃度は典型的に、約1モル%と約15モル%の間に及ぶ(例えば、約1モル%、約2モル%、約3モル%、約4モル%、約5モル%、約6モル%、約7モル%、約8モル%、約9モル%、約10モル%、約11モル%、約12モル%、約13モル%、約14モル%、約15モル%、または既定値の間の任意の範囲)。例えば、いくつかの実施の形態において、Alの濃度は、約3モル%と約10モル%の間に及ぶ。いくつかの実施の形態において、Alの濃度は、約4モル%と約9モル%の間に及ぶ。
いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラス系物品は、La、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択される2種類以上の金属酸化物も含む。例えば、その2種類以上の金属酸化物は、LaとBaO;LaとTa;LaとY;LaとHfO;BaOとTa;BaOとY;BaOとHfO;TaとY;TaとHfO;YとHfO;La、BaOおよびTa;La、BaOおよびY;La、BaOおよびHfO;La、TaおよびY;La、TaおよびHfO;La、Y、およびHfO;BaO、TaおよびY;BaO、TaおよびHfO;BaO、YおよびHfO;Ta、YおよびHfO;La、BaO、TaおよびY;La、BaO、TaおよびHfO;La、Ta、YおよびHfO;BaO、Ta、YおよびHfO;またはLa、BaO、Ta、Y、およびHfOであり得る。金属酸化物の適切な濃度が、ここに記載されている。
いくつかの実施の形態において、前記2種類以上の金属酸化物の合計モル百分率は、少なくとも15モル%(例えば、少なくとも20モル%、少なくとも25モル%、少なくとも30モル%、少なくとも35モル%、少なくとも40モル%、少なくとも45モル%、少なくとも50モル%、少なくとも55モル%、または少なくとも60モル%)であり得る。いくつかの実施の形態において、その2種類以上の金属酸化物の合計モル百分率は、約15モル%、約20モル%、約25モル%、約30モル%、約35モル%、約40モル%、約45モル%、約50モル%、約55モル%、約60モル%、または既定値の間の任意の範囲である。
いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラス系物品は、酸化ランタン、すなわちLaを含む。理論により束縛する意図はないが、Laは、結合強度を増加させ、角度拘束を減らすのに重要であると考えられる。しかしながら、Laの濃度が高すぎると、溶融温度が上昇し得、その組成物がほとんどの製造過程に不適合になり得る。本開示のガラス系物品において、Laの濃度は、約1モル%と約29モル%の間に及ぶ(例えば、約1モル%、約2モル%、約4モル%、約6モル%、約8モル%、約10モル%、約12モル%、約14モル%、約16モル%、約18モル%、約20モル%、約22モル%、約24モル%、約26モル%、約28モル%、約29モル%、または既定値の間の任意の範囲)。いくつかの実施の形態において、Laの濃度は、約2モル%と約25モル%の間に及ぶ。いくつかの実施の形態において、Laの濃度は、約4モル%と約22モル%の間に及ぶ。当業者は、本開示に鑑みて、Laの量を調節することができるであろう。
いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラス系物品は、酸化タンタル、すなわちTaを含む。Taは、強力な酸素結合エネルギーおよび比較的低い角度拘束を有する。理論により束縛する意図はないが、Taは、結晶化の傾向を増加させ、溶融温度を上昇させ得ると考えられる。いくつかの実施の形態において、Taは、混合物中の唯一の主要酸化物ではない。典型的に、ここに記載されたガラス系物品中のTaの濃度は、約1モル%と約30モル%の間に及び得る(例えば、約1モル%、約2モル%、約4モル%、約6モル%、約8モル%、約10モル%、約12モル%、約14モル%、約16モル%、約18モル%、約20モル%、約22モル%、約24モル%、約26モル%、約28モル%、約30モル%、または既定値の間の任意の範囲)。いくつかの実施の形態において、Taの濃度は、約2モル%と約20モル%の間に及ぶ。いくつかの実施の形態において、Taの濃度は、約2.5モル%と約18モル%の間に及ぶ。当業者は、本開示に鑑みて、Taの量を調節することができるであろう。
いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラス系物品は、酸化イットリウム、すなわちYを含む。本開示のガラス系物品において、Yの濃度は、典型的に、約1モル%と約29モル%の間に及ぶ(例えば、約1モル%、約2モル%、約4モル%、約6モル%、約8モル%、約10モル%、約12モル%、約14モル%、約16モル%、約18モル%、約20モル%、約22モル%、約24モル%、約26モル%、約28モル%、約29モル%、または既定値の間の任意の範囲)。いくつかの実施の形態において、Yの濃度は、約2モル%と約21モル%の間に及ぶ。いくつかの実施の形態において、Yの濃度は、約4モル%と約21モル%の間に及ぶ。当業者は、本開示に鑑みて、Yの量を調節することができるであろう。
いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラス系物品は、酸化ハフニウム、すなわちHfOを含む。本開示のガラス系物品において、HfOの濃度は、典型的に、約1モル%と約7モル%の間に及ぶ(例えば、約1モル%、約2モル%、約3モル%、約4モル%、約5モル%、約6モル%、約7モル%、または既定値の間の任意の範囲)。いくつかの実施の形態において、HfOの濃度は、約1.5モル%と約6モル%の間に及ぶ。いくつかの実施の形態において、HfOの濃度は、約2モル%と約5モル%の間に及ぶ。当業者は、本開示に鑑みて、HfOの量を調節することができるであろう。
いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラス系物品は、酸化バリウム、すなわちBaOを含む。本開示のガラス系物品において、BaOの濃度は、典型的に、約1モル%と約33モル%の間に及ぶ(例えば、約1モル%、約2モル%、約4モル%、約6モル%、約8モル%、約10モル%、約12モル%、約14モル%、約16モル%、約18モル%、約20モル%、約22モル%、約24モル%、約26モル%、約28モル%、約30モル%、約33モル%、または既定値の間の任意の範囲)。いくつかの実施の形態において、BaOの濃度は、約2モル%と約25モル%の間に及ぶ。いくつかの実施の形態において、BaOの濃度は、約4モル%と約25モル%の間に及ぶ。当業者は、本開示に鑑みて、BaOの量を調節することができるであろう。
いくつかの特定の実施の形態において、前記ガラス系物品は、SiO、Al、La、BaO、Ta、Y、およびHfOを含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、SiO、Al、La、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる、またはから実質的になる。例えば、そのガラス系物品は、下記の表1(モル百分率)にしたがう組成を有し得る。
Figure 2019529298
ガラス系物品の性質
ここに記載されたガラス系物品は、好ましい性質を有し得る。例えば、様々な実施の形態において、そのガラス系物品は、高い破壊靭性を示す。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、高いヤング率値を示し、これは、高い硬度をもたらし得る。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、低い応力光学係数(SOC)を示す。ここに記載された実施の形態のいずれにおいても、そのガラス系物品は、可視スペクトルにおいて実質的に透明であり得る。
剪断と開裂との間の競合が、材料の延性/脆性挙動を左右する。亀裂先端では、剪断に必要なエネルギーまたは応力が、開裂に関するよりも低い場合、亀裂先端は剪断により丸くなり、その材料は延性または高い破壊靭性を示す。原子レベルでは、ガラスの脆性/延性挙動は、ガラス網目構造における角度拘束と結合強度との間の競合により左右され得る。結合強度の相対的な増加または角度拘束の相対的な低下により、開裂を防ぐまたは剪断変形を促進することによって、延性が増し得る。
理論により束縛する意図はないが、ここに記載されたガラス系物品は、酸素と強力に結合する一方で、角度拘束を低下させる元素(例えば、Ta、La、Y、BaおよびHf)により高い破壊靭性を達成することができる。例えば、Ta・Oの結合エネルギーは810kJ/モルであり、Si・Oの結合エネルギーよりも高い。Taは、Siよりも、金属性が強く、共有結合性が低いので、Ta・O結合は、弱い角度拘束も有する。したがって、Ta・Oなどの金属酸化物結合の高い結合エネルギーおよび少ない角度拘束は、ガラスの損傷抵抗を本質的に改善し得る。
様々な実施の形態において、本開示は、高い破壊靭性により特徴付けられるガラス系物品を提供する。例えば、ここに記載された実施の形態のいずれにおいても、そのガラス系物品は、少なくとも0.86MPa・m0.5(例えば、少なくとも1MPa・m0.5、少なくとも1.5MPa・m0.5、または少なくとも2MPa・m0.5)の破壊靭性値を有し得る。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、約0.86MPa・m0.5、約0.9MPa・m0.5、約1MPa・m0.5、約1.1MPa・m0.5、約1.2MPa・m0.5、約1.3MPa・m0.5、約1.4MPa・m0.5、約1.5MPa・m0.5、約1.6MPa・m0.5、約1.8MPa・m0.5、約2MPa・m0.5、または既定値の間の任意の範囲の破壊靭性値を有し得る。例えば、いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、約0.86MPa・m0.5から約1.5MPa・m0.5の破壊靭性値を有し得る。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、約1MPa・m0.5から約1.6MPa・m0.5の破壊靭性値を有し得る。本開示に列挙される破壊靭性値(K1C)は、Bubsey, R.T.等, “Closed-Form Expressions for Crack-Mouth Displacement and Stress Intensity Factors for Chevron-Notched Short Bar and Short Rod Specimens Based on Experimental Compliance Measurements,” NASA Technical Memorandum 83796, 1〜30頁(1992年10月)の式5を使用してY が計算されることを除いて、Reddy, K.P.R.等, “Fracture Toughness Measuremetn of Glass and Ceramic Materials Using Chevron-Notched Specimens,” J. Am. Ceram. Soc., 71 [6], C-310-C-313 (1988)に開示されたシェブロンノッチ付き小形角棒(CNSB)法によって測定されたような値を称する。
いくつかの実施の形態において、ここに記載された破壊靭性により特徴付けられるガラス系物品は、SiO、Al、並びにLa、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択される2種類以上の金属酸化物を含む。SiO、Al、および2種類以上の金属酸化物の適切な濃度は、ここに記載されたもののいずれかを含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、5モル%以下(例えば、3モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、0.5モル%以下、または0.1モル%以下)のアルカリ金属を含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、5モル%以下(例えば、3モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、0.5モル%以下、または0.1モル%以下)のホウ素を含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、5モル%以下(例えば、3モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、0.5モル%以下、または0.1モル%以下)のアルカリ金属およびホウ素を含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品中にアルカリ金属は存在しない。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品中にホウ素は存在しない。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品中にアルカリ金属およびホウ素は存在しない。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、SiO、Al、La、BaO、Ta、Y、およびHfOを含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、SiO、Al、La、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる、またはから実質的になる。例えば、そのガラス系物品は、先に記載されたような表1にしたがう組成を有し得る。
様々な実施の形態において、本開示は、高いヤング率値により特徴付けられるガラス系物品も提供する。当業者により理解されるように、ヤング率値は、そのガラス系物品の高度を反映し得る。ここに記載された実施の形態のいずれにおいても、そのガラス系物品は、少なくとも85GPa(例えば、少なくとも90GPa、少なくとも95GPa、少なくとも100GPa、少なくとも105GPa、少なくとも110GPa、少なくとも120GPa、少なくとも130GPa、または少なくとも140GPa)のヤング率値を有し得る。例えば、そのガラス系物品は、約85GPa、約90GPa、約95GPa、約100GPa、約105GPa、約110GPa、約120GPa、約130GPa、約140GPa、または既定値の間の任意の範囲のヤング率値を有し得る。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、約85GPaから約140GPaのヤング率値を有する。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、約110GPaから約140GPaのヤング率値を有する。本開示に列挙されたヤング率値は、「Standard Guide for Resonant Ultrasound Spectroscopy for Defect Detection in Both Metallic and Non-metallic Parts」と題するASTM E2001−13に述べられた一般型の共鳴超音波分光法により測定されるような値(GPaに変換された)を称する。
いくつかの実施の形態において、ここに記載されたヤング率値により特徴付けられるガラス系物品は、SiO、Al、並びにLa、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択される2種類以上の金属酸化物を含む。SiO、Al、および2種類以上の金属酸化物の適切な濃度は、ここに記載されたもののいずれかを含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、5モル%以下(例えば、3モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、0.5モル%以下、または0.1モル%以下)のアルカリ金属を含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、5モル%以下(例えば、3モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、0.5モル%以下、または0.1モル%以下)のホウ素を含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、5モル%以下(例えば、3モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、0.5モル%以下、または0.1モル%以下)のアルカリ金属およびホウ素を含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品中にアルカリ金属は存在しない。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品中にホウ素は存在しない。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品中にアルカリ金属およびホウ素は存在しない。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、SiO、Al、La、BaO、Ta、Y、およびHfOを含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、SiO、Al、La、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる、またはから実質的になる。例えば、そのガラス系物品は、先に記載されたような表1にしたがう組成を有し得る。
様々な実施の形態において、本開示は、低い応力光学係数(SOC)により特徴付けられるガラス系物品も提供する。当業者により理解されるように、SOCはガラスの複屈折に関連付けられる。ここに記載された実施の形態のいずれにおいても、そのガラス系物品は、3ブルースター以下(例えば、2ブルースター以下、1.5ブルースター以下、または1ブルースター以下)のSOCを有し得る。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、約0.5ブルースター、約0.7ブルースター、約0.9ブルースター、約1.1ブルースター、約1.3ブルースター、約1.5ブルースター、約1.7ブルースター、約1.9ブルースター、約2ブルースター、または既定値の間の任意の範囲のSOCを有する。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、約1.3ブルースターから約2ブルースターのSOCを有する。SOC値は、「Standard Test Method for Measurement of Glass Stress-Optical Coefficient」と題するASTM基準C770−16の手順C(ガラスディスク法)に述べられたように測定することができる。
いくつかの実施の形態において、ここに記載されたSOC値により特徴付けられるガラス系物品は、SiO、Al、並びにLa、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択される2種類以上の金属酸化物を含む。SiO、Al、および2種類以上の金属酸化物の適切な濃度は、ここに記載されたもののいずれかを含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、5モル%以下(例えば、3モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、0.5モル%以下、または0.1モル%以下)のアルカリ金属を含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、5モル%以下(例えば、3モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、0.5モル%以下、または0.1モル%以下)のホウ素を含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、5モル%以下(例えば、3モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、0.5モル%以下、または0.1モル%以下)のアルカリ金属およびホウ素を含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品中にアルカリ金属は存在しない。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品中にホウ素は存在しない。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品中にアルカリ金属およびホウ素は存在しない。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、SiO、Al、La、BaO、Ta、Y、およびHfOを含む。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、SiO、Al、La、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる、またはから実質的になる。例えば、そのガラス系物品は、先に記載されたような表1にしたがう組成を有し得る。
ここに記載されたガラス系物品は、破壊靭性、ヤング率、および応力光学係数の複数の性質により特徴付けることができる。例えば、いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラス系物品は、(i)少なくとも0.86MPa・m0.5(例えば、約1MPa・m0.5から約1.6MPa・m0.5)の破壊靭性;(ii)少なくとも85GPa(例えば、約110GPaから約140GPa)のヤング率値;および/または(iii)3ブルースター以下(例えば、約1.3ブルースターから約2ブルースター)の応力光学係数(SOC)により特徴付けることができる。ここに記載された実施の形態のいずれにおいても、そのガラス系物品は、実質的に透明である。
特定の濃度要件を有するガラス系物品
いくつかの実施の形態において、本開示は、SiOおよびMの2種類以上の酸化物を含み、式中、Mは、Ba、La、Ta、Y、AlまたはHfであるガラス系物品も提供する。例えば、そのMの2種類以上の酸化物は、Al、La、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択され得る。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品中の酸化物の濃度は、SiOの合計モル百分率が、M・SiOの二元組成物を2種類以上含む基準ガラス系物品のものと同じまたは実質的に同じ(例えば、95%以内、90%以内、85%以内、または80%以内)であり、その基準ガラス系物品が各Mを同じモル百分率で有し、各二元組成物におけるM対SiOのモル比が、4/(c×x)であり、cはMの電荷数であるような関係を満たす。言い換えると、SiOの総濃度は、そのガラス系物品中に存在する各Mを考えると、[SiO合計=Σ[M]/(4/c×x)である。例えば、そのガラス系物品がBaO、SiOおよびLaを含むことを前提とすると、SiOの総量は、式[SiO合計=[BaO]/2+[La]/0.67によりBaOおよびLaの量に基づいて計算することができる。この式は、BaOおよびLaの各々は、理論上は、BaO・SiOおよびLa・SiOの二元組成物を形成し得、ここで、各二元組成物において、Siに対するBa/Laのモル比は、4/(c×x)、すなわち、Baについて、4/(2×1)=2、Laについて、4/(3×2)=0.67という前提に基づく。いくつかの実施の形態において、SiOは、約30モル%から約80モル%の総量である(例えば、約30モル%、約35モル%、約40モル%、約45モル%、約50モル%、約55モル%、約60モル%、約65モル%、約70モル%、約75モル%、約80モル%、または既定値の間の任意の範囲)。
製造過程
典型的に、前記ガラス系物品は、個々の酸化物を溶融し、混合する工程を含む方法によって調製することができる。しかしながら、いくつかの実施の形態において、混合エントロピーを最大にするために、例えば、結晶化を抑制するために、「混乱原理(confusion principle)」を使用することができる。
いくつかの実施の形態において、本開示は、ガラス系物品を調製する方法を提供する。いくつかの実施の形態において、そのガラス系物品は、SiOおよびMの2種類以上の酸化物を含み、式中、Mは、Ba、La、Ta、Y、AlまたはHfであり、例えば、Mの2種類以上の酸化物は、Al、La、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択することができる。いくつかの実施の形態において、SiOの総濃度は、そのガラス系物品中に存在する各Mを考えると、[SiO合計=Σ[M]/(4/c×x)である。いくつかの実施の形態において、その方法は、M・SiOの2種類以上の二元組成物を混合する工程であって、式中、Mは、Ba、La、Ta、Y、AlまたはHfである工程;およびM・SiOの2種類以上の二元組成物を加熱して、前記ガラス系物品を形成する工程を含む。いくつかの実施の形態において、そのM・SiOの2種類以上の二元組成物は、BaO・SiO、La・SiO、Ta・SiO、Y・SiO、Al・SiO、およびHfO・SiOを含み得る。ACerS/NIST Phase Diagram Databaseにおける利用できる関連する二元状態図において、ほとんど全ての共焦点温度は1650℃より低いが、これらの金属酸化物の二酸化ケイ素との共晶組成は、一般に、非常に限られている。
いくつかの実施の形態において、上述した各二元組成物は、1:4/(c×x)のSiO対Mのモル比により特徴付けられ、式中、cはMの電荷数である。例えば、いくつかの実施の形態において、SiOおよび酸化物Mから作られた二元組成物について、(SiO)四面体中の全ての酸素原子をMイオンに結合できるようにするために、Mイオンが酸素原子に1つだけ結合されるという前提で、(SiO)四面体当たりで4つの正電荷を供給する必要がある。それゆえ、そのような組成物におけるSi対Mのモル比は1:(4/c)であるべきであり、式中、cはMイオンキャリアの電荷数であり、SiO対Mのモル比は、1:(4/c/x)であり得る。さらに説明するために、二元組成物において、MがTaであるとすると、SiO対Taのモル比は、1:(4/5/2)=1:0.4であり得る。同様に、MがHfである場合、SiO対HfOのモル比は、1:(4/4/1)=1:1であり得る。そして、MがYである場合、SiOとYとの間の比は、1:(4/3/2)=1:0.67であり得る、等である。
いくつかの実施の形態において、前記M・SiOの2種類以上の二元組成物は、BaO・SiO、La・SiO、Ta・SiO、Y・SiO、Al・SiO、およびHfO・SiOからなる群より選択される。例えば、いくつかの実施の形態において、その2種類以上の二元組成物は、2種類の二元組成物である、BaO・SiOとLa・SiO;BaO・SiOとTa・SiO;BaO・SiOとY・SiO;BaO・SiOとAl・SiO;BaO・SiOとHfO・SiO;La・SiOとTa・SiO;La・SiOとY・SiO;La・SiOとAl・SiO;La・SiOとHfO・SiO;Ta・SiOとY・SiO;Ta・SiOとAl・SiO;Ta・SiOとHfO・SiO;Y・SiOとAl・SiO;Y・SiOとHfO・SiO;Al・SiOとHfO・SiO;3種類の二元組成物である、BaO・SiO、La・SiOおよびTa・SiO;BaO・SiO、La・SiOおよびY・SiO;BaO・SiO、La・SiOおよびAl・SiO;BaO・SiO、La・SiOおよびHfO・SiO;BaO・SiO、Ta・SiOおよびY・SiO;BaO・SiO、Ta・SiOおよびAl・SiO;BaO・SiO、Ta・SiOおよびHfO・SiO;BaO・SiO、Y・SiOおよびAl・SiO;BaO・SiO、Y・SiOおよびHfO・SiO;BaO・SiO、Al・SiOおよびHfO・SiO;La・SiO、Ta・SiOおよびY・SiO;La・SiO、Ta・SiOおよびAl・SiO;La・SiO、Ta・SiOおよびHfO・SiO;La・SiO、Ta・SiOおよびY・SiO;La・SiO、Ta・SiOおよびAl・SiO;La・SiO、Ta・SiOおよびHfO・SiO;La・SiO、Y・SiOおよびAl・SiO;La・SiO、Y・SiOおよびHfO・SiO;La・SiO、Al・SiOおよびHfO・SiO;Ta・SiO、Y・SiOおよびAl・SiO;Ta・SiO、Y・SiOおよびHfO・SiO;Ta・SiO、Y・SiOおよびAl・SiO;Ta・SiO、Y・SiOおよびHfO・SiO;Ta・SiO、Al・SiOおよびHfO・SiO;Y・SiO、Al・SiOおよびHfO・SiO;4種類の二元組成物である、BaO・SiO、La・SiO、Ta・SiOおよびY・SiO;BaO・SiO、La・SiO、Ta・SiOおよびAl・SiO;BaO・SiO、La・SiO、Ta・SiOおよびHfO・SiO;BaO・SiO、Ta・SiO、Y・SiOおよびAl・SiO;BaO・SiO、Ta・SiO、Y・SiOおよびHfO・SiO;BaO・SiO、Y・SiO、Al・SiOおよびHfO・SiO;La・SiO、Ta・SiO、Y・SiOおよびAl・SiO;La・SiO、Ta・SiO、Y・SiOおよびHfO・SiO;La・SiO、Ta・SiO、Y・SiOおよびAl・SiO;La・SiO、Ta・SiO、HfO・SiOおよびAl・SiO;Ta・SiO、Y・SiOおよびAl・SiO;Ta・SiO、Y・SiO、HfO・SiOおよびAl・SiO;5種類の二元組成物である、BaO・SiO、La・SiO、Ta・SiO、Y・SiOおよびAl・SiO;BaO・SiO、La・SiO、Ta・SiO、Y・SiOおよびHfO・SiO;BaO・SiO、Ta・SiO、Y・SiO、HfO・SiOおよびAl・SiO;La・SiO、Ta・SiO、Y・SiO、HfO・SiOおよびAl・SiO;または6種類の二元組成物である、BaO・SiO、La・SiO、Ta・SiO、Y・SiO、Al・SiOおよびHfO・SiO;を含み得る。いくつかの実施の形態において、SiOの総量は、約30モル%から約80モル%(例えば、約30モル%、約35モル%、約40モル%、約45モル%、約50モル%、約55モル%、約60モル%、約65モル%、約70モル%、約75モル%、約80モル%、または既定値の間の任意の範囲)である。
前記二元組成物の異なる混合比を使用しても差し支えない。説明目的のために、いくつかの実施の形態において、前記方法は、6種類の二元組成物であるBaO・SiO、La・SiO、Ta・SiO、Y・SiO、Al・SiOおよびHfO・SiOを混合する工程を含む。そのような実施の形態において、50モル%までの1種類の主要な二元組成物を使用して差し支えなく、残りの二元組成物は残りの50モル%を構成し得る。例えば、これらの二元組成物の間の比は、5:1:1:1:1:1であり得る。他の比を使用しても差し支えない。例えば、いくつかの実施の形態において、2種類以上の主な二元組成物を使用して差し支えなく、よって、その混合比は、例えば、3:3:1:1:1:1、7:7:7:3:3:3、2:2:2:2:1:1などであり得る。
いくつかの実施の形態において、本開示は、ここに記載された方法のいずれにより製造された製品も提供する。一般に、製造されたこれらの製品は、ここに記載されたような物理的性質も共有する。
いくつかの実施の形態において、ここに記載されたような二元組成物を使用することによって製造された製品のいずれについても、酸化物の相対量が同じまたは実質的に同じ(例えば、95%以内、90%以内、85%以内、または80%以内)である限り、ここに記載されたガラス系物品を調製するために、対応する個々の(非二元)酸化物を使用することもできることを理解すべきである。
機器
ここに記載されたガラス系物品には、例えば、高い破壊靭性が望ましい、様々な用途があり得る。当業者には、ここに記載されたガラス系物品は、その特別な用途にしたがって、様々な形状、厚さなどを取ることができることが理解されるであろう。
例えば、ここに開示されたガラス系物品は、ディスプレイを有する物品(またはディスプレイ物品)(例えば、携帯電話、タブレット、コンピュータ、ラップトップ、ナビゲーションシステムなどを含む家庭用電化製品)、建築物品、輸送物品(例えば、自動車、列車、航空機、船舶など)、家電製品、もしくはある程度の透明性、耐引掻性、耐摩耗性またはその組合せを必要とする任意の物品などの別の物品中に組み込まれることがある。ここに開示されたガラス系物品のいずれかを組み込んだ例示の物品が、図1Aおよび1Bに示されている。詳しくは、図1Aおよび1Bは、前面304、背面306、および側面308を有する筐体302;その筐体内に少なくとも部分的に内部にまたは完全に中にあり、少なくとも制御装置、メモリ、およびその筐体の前面または前面に隣接した、ディスプレイ310を含む電気部品(図示せず);およびそのディスプレイを覆うように筐体の前面またはその上にあるカバー基板312を備えた家庭用電子機器300を示している。いくつかの実施の形態において、カバー基板312は、ここに開示されたガラス系物品のいずれかを含むことがある。
以下の実施例は、本開示の利点および特徴をさらに示しており、本開示をそれに限定することは決して意図されていない。
個々の成分の合計は100となるかまたはそれに非常に近いので、全ての実際的な目的のために、報告された値は、モル%を表すと考えてよい。実際のバッチ成分は、他のバッチ成分と共に溶融されたときに、適切な比率で所望の酸化物に転化される、酸化物、または他の化合物のいずれのどの材料を含んでもよい。例えば、BaCOは、BaOの供給源を提供することができる。
表IIおよびIIIのガラスを調製するために使用した具体的なバッチ成分は、SiO、Al、La、BaO、Ta、Y、HfOであった。
Figure 2019529298
Figure 2019529298
表IIに列挙された実施例1〜6、および表IIIに列挙された実施例7〜12について、個々の酸化物の各々を含有する原材料を混合し、溶融して、それぞれの組成物を得る。組成および物理的性質は、下記に記載されるように、標準的な物理的/化学的方法によって得た。
表IIおよびIIIに述べられたガラス特性は、ガラスの技術分野で慣行の技術にしたがって決定した。それゆえ、温度範囲0〜300℃に亘る線熱膨張係数(CTE)は、ppm/Kで表され、ファイバ延伸技術、ASTM基準E228−11により決定した。密度は、ASTM C693−93(2013)の浮力法を使用して決定した。Mpsi(またはGPa)で表されたヤング率値、Mpsi(またはGPa)で表された剛性率値、およびポアソン比は、ASTM E2001−13に述べられた一般型の共鳴超音波分光技術を使用して決定した。徐冷点および歪み点は、ASTM C598−93(2013)のビーム曲げ粘度法を使用して決定した。軟化点は、ASTM C338−93(2013)の平行板粘度法を使用して決定した。応力光学係数(SOC)値は、ASTM基準C770−16の手順C(ガラスディスク法)によって測定できる。
破壊靭性(K1C[MPa・m0.5])は、先に記載された方法を使用して決定した。
態様(1)において、ガラス系物品は、
約35モル%から約80モル%の範囲のSiO
約1モル%から約15モル%の範囲のAl、および
La、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択される2種類以上の金属酸化物であって、その2種類以上の金属酸化物の合計モル百分率が少なくとも15モル%である、金属酸化物、
を含むガラス系物品。
約1モル%から約7モル%の範囲のHfOを含む、態様(1)による態様(2)。
約1モル%から約29モル%の範囲のYを含む、いずれかの先の態様による態様(3)。
約1モル%から約30モル%の範囲のTaを含む、いずれかの先の態様による態様(4)。
約1モル%から約29モル%の範囲のLaを含む、いずれかの先の態様による態様(5)。
約1モル%から約33モル%の範囲のBaOを含む、いずれかの先の態様による態様(6)。
約40モル%から約75モル%の範囲のSiO
約3モル%から約10モル%の範囲のAl
約2モル%から約25モル%の範囲のLa
約2モル%から約20モル%の範囲のTa
約2モル%から約21モル%の範囲のY
約1.5モル%から約6モル%の範囲のHfO、および
約2モル%から約25モル%の範囲のBaO、
を含む、いずれかの先の態様による態様(7)。
約45モル%から約70モル%の範囲のSiO
約4モル%から約9モル%の範囲のAl
約4モル%から約22モル%の範囲のLa
約2.5モル%から約18モル%の範囲のTa
約4モル%から約21モル%の範囲のY
約2モル%から約5モル%の範囲のHfO、および
約4モル%から約25モル%の範囲のBaO、
を含む、いずれかの先の態様による態様(8)。
5モル%以下のアルカリ金属を含む、いずれかの先の態様による態様(9)。
5モル%以下のホウ素を含む、いずれかの先の態様による態様(10)。
(i)少なくとも0.86MPa・m0.5の破壊靭性;(ii)少なくとも85GPaのヤング率値;および/または(iii)3ブルースター以下の応力光学係数(SOC)を有することによって特徴付けられる、いずれかの先の態様による態様(11)。
態様(12)において、ガラス系物品は、
SiO、Al、並びにLa、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択される2種類以上の金属酸化物を含み、
そのガラス系物品は、少なくとも0.86MPa・m0.5の破壊靭性により特徴付けられる。
そのガラス系物品が5モル%以下のアルカリ金属およびホウ素を含む、態様(12)による態様(13)。
その2種類以上の金属酸化物が、La、BaO、Ta、Y、およびHfOを含む、態様(12)または(13)による態様(14)。
そのガラス系物品が、(i)約1.0MPa・m0.5から約1.6MPa・m0.5の破壊靭性;(ii)約110GPaから約140GPaのヤング率値;および/または(iii)約1.3ブルースターから約2ブルースターの応力光学係数(SOC)を有する、態様(12)〜(14)のいずれか1つによる態様(15)。
態様(16)において、ガラス系物品は、
SiOおよびMの2種類以上を含み、式中、Mは、Ba、La、Ta、Y、AlまたはHfであり、
SiOの総量が、M・SiOの二元組成物を2種類以上含む基準ガラス系物品のものと同じまたは実質的に同じであり、その基準ガラス系物品が各Mを同じモル百分率で有し、各二元組成物におけるM対SiOのモル比が、4/(c×x)であり、cはMの電荷数である。
態様(17)において、態様(16)のガラス系物品を調製する方法であって、
・SiOの2種類以上の二元組成物を混合する工程であって、式中、Mは、Ba、La、Ta、Y、AlまたはHfである工程;および
・SiOの2種類以上の二元組成物を加熱して、前記ガラス系物品を形成する工程、
を有してなる方法。
・SiOの2種類以上の二元組成物が、BaO・SiO、La・SiO、Ta・SiO、Y・SiO、Al・SiO、およびHfO・SiOを含み、SiOの総量は、約30モル%から約80モル%である、態様(17)による態様(18)。
態様(19)において、態様(17)または(18)の方法により調製されたガラス系物品。
態様(20)において、家庭用電子機器は、態様(1)〜(16)および(19)のいずれか1つのガラス系物品を備える。
特定の実施の形態の先の記載は、本開示の一般的な概念から逸脱せずに、必要以上の実験を行うことなく、当業者の知識を適用することによって、他者が、そのような特定の実施の形態を、容易に改変する、および/または様々な用途に適用することができるほど十分に、本開示の一般的な性質を明らかにするであろう。したがって、そのような適用および改変は、ここに提示さた教示と指針に基づいて、開示された実施の形態の意味とその等価物の範囲内にあることが意図されている。ここでの言語の使用法または専門用語は、制限ではなく、説明の目的のためであり、よって、本明細書の専門用語または言語の使用法は、その教示および指針を鑑みて当業者により解釈されるべきであることを理解すべきである。
特定の実施の形態の先の記載は、本開示の一般的な概念から逸脱せずに、必要以上の実験を行うことなく、当業者の知識を適用することによって、他者が、そのような特定の実施の形態を、容易に改変する、および/または様々な用途に適用することができるほど十分に、本開示の一般的な性質を明らかにするであろう。したがって、そのような適用および改変は、ここに提示さた教示と指針に基づいて、開示された実施の形態の意味とその等価物の範囲内にあることが意図されている。ここでの言語の使用法または専門用語は、制限ではなく、説明の目的のためであり、よって、本明細書の専門用語または言語の使用法は、その教示および指針を鑑みて当業者により解釈されるべきであることを理解すべきである。
本開示の幅および範囲は、先に記載された例示の実施の形態のいずれによっても制限されるべきではない。
ここに記載された様々な態様、実施の形態、および選択肢のすべては、いずれと、全てのバリエーションで組み合わせても差し支えない。
本明細書に述べられた全ての出版物、特許、および特許出願は、各個々の出版物、特許、または特許出願が、引用によって含まれるように、具体的かつ個別に示されているかのように同じ程度まで、引用によってここに含まれる。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
約35モル%から約80モル%の範囲のSiO
約1モル%から約15モル%の範囲のAl、および
La、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択される2種類以上の金属酸化物であって、該2種類以上の金属酸化物の合計モル百分率が少なくとも15モル%である、金属酸化物、
を含むガラス系物品。
実施形態2
約1モル%から約7モル%の範囲のHfOを含む、実施形態1に記載のガラス系物品。
実施形態3
約1モル%から約29モル%の範囲のYを含む、実施形態1または2に記載のガラス系物品。
実施形態4
約1モル%から約30モル%の範囲のTaを含む、実施形態1から3いずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態5
約1モル%から約29モル%の範囲のLaを含む、実施形態1から4いずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態6
約1モル%から約33モル%の範囲のBaOを含む、実施形態1から5いずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態7
約40モル%から約75モル%の範囲のSiO
約3モル%から約10モル%の範囲のAl
約2モル%から約25モル%の範囲のLa
約2モル%から約20モル%の範囲のTa
約2モル%から約21モル%の範囲のY
約1.5モル%から約6モル%の範囲のHfO、および
約2モル%から約25モル%の範囲のBaO、
を含む、実施形態1から6いずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態8
約45モル%から約70モル%の範囲のSiO
約4モル%から約9モル%の範囲のAl
約4モル%から約22モル%の範囲のLa
約2.5モル%から約18モル%の範囲のTa
約4モル%から約21モル%の範囲のY
約2モル%から約5モル%の範囲のHfO、および
約4モル%から約25モル%の範囲のBaO、
を含む、実施形態1から7いずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態9
5モル%以下のアルカリ金属を含む、実施形態1から8いずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態10
5モル%以下のホウ素を含む、実施形態1から9いずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態11
(i)少なくとも0.86MPa・m0.5の破壊靭性;(ii)少なくとも85GPaのヤング率値;および/または(iii)3ブルースター以下の応力光学係数(SOC)を有することによって特徴付けられる、実施形態1から10いずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態12
ガラス系物品において、
SiO、Al、並びにLa、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択される2種類以上の金属酸化物、
を含み、
前記ガラス系物品は、少なくとも0.86MPa・m0.5の破壊靭性により特徴付けられる、ガラス系物品。
実施形態13
前記ガラス系物品が5モル%以下のアルカリ金属およびホウ素を含む、実施形態12に記載のガラス系物品。
実施形態14
前記2種類以上の金属酸化物が、La、BaO、Ta、Y、およびHfOを含む、実施形態12または13に記載のガラス系物品。
実施形態15
前記ガラス系物品が、(i)約1.0MPa・m0.5から約1.6MPa・m0.5の破壊靭性;(ii)約110GPaから約140GPaのヤング率値;および/または(iii)約1.3ブルースターから約2ブルースターの応力光学係数(SOC)を有する、実施形態12から14いずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態16
ガラス系物品において、
SiOおよびMの2種類以上を含み、式中、Mは、Ba、La、Ta、Y、AlまたはHfであり、
SiOの総量が、M・SiOの二元組成物を2種類以上含む基準ガラス系物品のものと同じまたは実質的に同じであり、該基準ガラス系物品が各Mを同じモル百分率で有し、各二元組成物におけるM対SiOのモル比が、4/(c×x)であり、cはMの電荷数である、ガラス系物品。
実施形態17
実施形態16に記載のガラス系物品を調製する方法において、
・SiOの2種類以上の二元組成物を混合する工程であって、式中、Mは、Ba、La、Ta、Y、AlまたはHfである工程;および
・SiOの前記2種類以上の二元組成物を加熱して、前記ガラス系物品を形成する工程、
を有してなる方法。
実施形態18
・SiOの前記2種類以上の二元組成物が、BaO・SiO、La・SiO、Ta・SiO、Y・SiO、Al・SiO、およびHfO・SiOを含み、SiOの総量は、約30モル%から約80モル%である、実施形態17に記載の方法。
実施形態19
実施形態17または18に記載の方法により調製されたガラス系物品。
実施形態20
実施形態1から16および19のいずれか1つに記載のガラス系物品を備えた家庭用電子機器。
300 家庭用電子機器
302 筐体
304 前面
306 背面
308 側面
310 ディスプレイ
312 カバー基板

Claims (10)

  1. 約35モル%から約80モル%の範囲のSiO
    約1モル%から約15モル%の範囲のAl、および
    La、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択される2種類以上の金属酸化物であって、該2種類以上の金属酸化物の合計モル百分率が少なくとも15モル%である、金属酸化物、
    を含むガラス系物品。
  2. 約40モル%から約75モル%の範囲のSiO
    約3モル%から約10モル%の範囲のAl
    約2モル%から約25モル%の範囲のLa
    約2モル%から約20モル%の範囲のTa
    約2モル%から約21モル%の範囲のY
    約1.5モル%から約6モル%の範囲のHfO、および
    約2モル%から約25モル%の範囲のBaO、
    を含む、請求項1記載のガラス系物品。
  3. 約45モル%から約70モル%の範囲のSiO
    約4モル%から約9モル%の範囲のAl
    約4モル%から約22モル%の範囲のLa
    約2.5モル%から約18モル%の範囲のTa
    約4モル%から約21モル%の範囲のY
    約2モル%から約5モル%の範囲のHfO、および
    約4モル%から約25モル%の範囲のBaO、
    を含む、請求項1または2記載のガラス系物品。
  4. (i)少なくとも0.86MPa・m0.5の破壊靭性;(ii)少なくとも85GPaのヤング率値;および/または(iii)3ブルースター以下の応力光学係数(SOC)を有することによって特徴付けられる、請求項1から3いずれか1項記載のガラス系物品。
  5. ガラス系物品において、
    SiO、Al、並びにLa、BaO、Ta、Y、およびHfOからなる群より選択される2種類以上の金属酸化物、
    を含み、
    前記ガラス系物品は、少なくとも0.86MPa・m0.5の破壊靭性により特徴付けられる、ガラス系物品。
  6. 前記ガラス系物品が5モル%以下のアルカリ金属およびホウ素を含む、請求項5記載のガラス系物品。
  7. 前記2種類以上の金属酸化物が、La、BaO、Ta、Y、およびHfOを含む、請求項5または6記載のガラス系物品。
  8. 前記ガラス系物品が、(i)約1.0MPa・m0.5から約1.6MPa・m0.5の破壊靭性;(ii)約110GPaから約140GPaのヤング率値;および/または(iii)約1.3ブルースターから約2ブルースターの応力光学係数(SOC)を有する、請求項5から7いずれか1項記載のガラス系物品。
  9. ガラス系物品において、
    SiOおよびMの2種類以上を含み、式中、Mは、Ba、La、Ta、Y、AlまたはHfであり、
    SiOの総量が、M・SiOの二元組成物を2種類以上含む基準ガラス系物品のものと同じまたは実質的に同じであり、該基準ガラス系物品が各Mを同じモル百分率で有し、各二元組成物におけるM対SiOのモル比が、4/(c×x)であり、cはMの電荷数である、ガラス系物品。
  10. 請求項1から9いずれか1項記載のガラス系物品を備えた家庭用電子機器。
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