JP2019528617A - ノードを用いる無線システム - Google Patents

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Abstract

無線通信ルートは、アクティブな姿勢制御の無いランダムに周回する回転衛星が複数あるうちのひとつを介した、送信元地上局から宛先地上局への通信を可能とする。地上局および衛星は、複数の方向からの無線信号を受信し、複数の方向へ無線信号を送信するための方向性アンテナを含む。衛星は、初期情報信号が宛先地上局から送信されたときのその宛先地上局のアドレスと、初期情報信号が受信された衛星アンテナを特定するアンテナ情報と、を保持する。複数の衛星アンテナは、送信元地上局に対して衛星を特定するリンキング情報を送信する。送信元地上局において受信されたデータ伝送は特定の宛先を指定し、そのデータ伝送はリンキング情報が受信されたアンテナを用いて送信元地上局によって送信され、衛星は、保持されるアンテナ情報によって特定される衛星アンテナを用いてデータ伝送を再送信する。【選択図】図4

Description

関連出願へのクロスリファレンス
本願は、2016年8月25日に出願された米国特許仮出願第62/379,601号および2016年9月18日に出願された米国特許仮出願第62/396,181号の優先権の利益を享受する。それら両方の出願の全内容は、参照により本明細書に組み入れられる。
技術分野
本発明は、セルラ電話通信およびインターネット接続用の地上ベースの受信器および送信器を含む地上局と通信する、ランダムな軌道にある衛星を用いる無線メッシュシステムに関し、特に、低地球周回軌道においてランダムにまたは準ランダムに展開されているひとつ以上の無誘導または実質的無誘導衛星を用いて、地上局間の無線ルートを自動的に確立する方法およびシステムに関する。
関連技術の説明
本開示に関係するセルラテレフォニーのある側面の簡略な歴史は米国特許第5,793,842号に記載されており、該特許の発明者はJerry R. Schloemerであり、彼は本願の発明者でもある。今日まだ使用されている、ひとつの初期のシステムアーキテクチャは、限定された数のタワー取り付けトランシーバ(「ドロップ」)と、複数のモバイル無線機(「セルラ電話」)と、を含んだ。これらの初期のシステムにおいて、またある場合には現在もまだ、中央コンピュータが、タワーに接続された地上線とモバイル無線機との間の通信を制御した。このシステムアーキテクチャを実装するには設備および計算能力への相当な投資が必要であった。これは特に、セルラ電話の数が増え、その技術的能力が向上したことにより、システムの容量および複雑さを増やす必要があったからである。代替的なシステムアーキテクチャは、建物や電柱などの既存の構造物に取り付けられた無線トランシーバ(「ノード」)を用いることを含んだ。これらのアーキテクチャは、ノード間の無線ルートであって選択されたノードにおけるドロップへの無線ルートに沿って、セルラ電話へおよびセルラ電話から信号を送受信することができるノードを用いる。これはメッシュネットワークと呼ばれるようになり、初期の例は、Cox, Donald C., ”Wireless Network Access for Personal Communications,” IEEE Communications Magazine (Dec. 1992), pp 96−115に開示されるシステムである。
メッシュシステムを実装する際の特定の困難は、ノードを相互接続するための利用可能ななかで最良の無線ルートをどのように決定するかであった。総じて、初期のメッシュシステムは依然として、ルーティング決定を行うために中央コンピュータを必要とした。これは、システムの複雑さおよびコストを追加した。Weddle et al.の米国特許第4,937,822号に記載されているものなどの他のアプローチは、ルートが自動的に確立され、中央コンピュータ無しで行われるメッシュシステムを含んだ。しかしながら、Weddleは、ノードが正規矩形グリッド状に配置され、互いに直交的に隣接するノードの間でのみ無線ルーティングリンクが存在する(すなわち、ノード間の対角線リンクは許されない)メッシュのシステムのみを開示した。そのようなシステムの短所は当業者に直ちに明らかになるところであり、というのも、システムを現実的にするのに十分なほど広いエリアに亘って、厳密に直交する一様な間隔の矩形グリッド状にノードを分布させるのは不可能でないとしても現実世界の設定では非常に困難であるという理由があるからである。さらに、Weddleはノードが実際に好適な無線ルートを生成する際に依拠するアルゴリズムを詳細に開示していない。
そのような背景のなか、本発明者の米国特許第5,793,842号は、ノード配置に制限がなく、中央コンピュータを必要としないノードのメッシュを通じて無線ルートを生成するシステムおよび方法を開示した。本発明との関連で以下に詳述されるシステムおよび方法は、複数のランダムに配置されたノードを通じた無線ルートの生成およびそれらのルートを用いた通信の伝送に関して、米国特許第5,793,842号に記載される技術を利用する。本明細書においてこれらのタイプのシステムおよび方法の詳細を説明する必要性を避けるために、米国特許第5,793,842号の開示は、ルート生成およびそのように生成されたルートを用いたデジタルおよびアナログ信号伝送に関して、あたかも本明細書にその全てが記載されているかのように、参照により本明細書に組み入れられる。
本発明者は、彼の後の米国特許第6,459,899号においてその技術を発展させた。それは、とりわけ、方向性アンテナを備えるノードを用いることで、初期のシステムのルート生成および通信伝送能力を向上させるシステムを開示する。この改善は、’842特許で説明されたシステムおよび方法において方向性アンテナを伴うノードを用いることにより提示された複雑な問題を解決し、したがって、方向性アンテナで達成可能な高品質の無線リンクを利用する。本発明もまた’899特許で開示される技術を用い、そのルート生成の記載は参照により本明細書に組み入れられる。
ランダムに分布したノードを伴い中央コンピュータを伴わない無線メッシュネットワークを通じてルートを生成するという本発明者のアプローチ以前、他者は、地上ベースの送信元ドロップと宛先ドロップとの間の呼伝送用に衛星を用いることで、全世界的セルラカバレッジを提供する方法を提案していた。実際に商用化された衛星システムの例は、Schwendemanの米国特許第5,274,840号やBertigerらの米国特許第5,410,728号などの種々の特許に開示されている。これらの特許は両方ともモトローラ社に譲渡されている。このシステムは、所定数の極軌道に均等に分布した衛星を、衛星間の信号用のトランシーバとして、また衛星と地上のトランシーバとの間の信号用のトランシーバとして、用いていた。地球全体のカバレッジを提供するのに十分な数の衛星が用いられる。しかしながら、実際、イリジウムによって商用化された実際のこのシステムは数多くの欠点を有していた。そのひとつは、各衛星がその所望の軌道を維持するためにスラスタ、ロケット燃料および航行用ハードウエアを搭載する必要があったことである。これにより衛星のサイズと重量が増大し、それは打ち上げコストを増大させ、衛星そのもののコストも増大させた。また、避けがたい衛星の不具合に対処するために、不具合を起こした衛星の軌道に余剰の衛星を操縦して入れなければならず、したがって、余剰の衛星が要求されることによる、またそれに付随して生じる製造および打ち上げの高コストにより、システム全体のコストが増大した。例えば、「Iridium Satellite Constellation,」 Wikipedia, https://en.wikipedia.org/wiki/Iridium (last visited May 9, 2017)を参照。複雑なコンピュータ技術を用いた地上ベースの軌道および姿勢制御はシステムコストをさらに増大させた。結局、その欠点のためにそのシステムは大規模商用アプリケーションでは商業的に生き残ることができなかった。ただ、軍事用途や遠隔地からのジャーナリストによる報告などの特別な分野においてその利用可能性が見出されたと信じられている。
各イリジウム衛星を地球および他の衛星に対する特定の軌道位置に維持することに加えて、各衛星の姿勢もまた所定の許容誤差内に維持されなければならず、これはその衛星のアンテナを、有効な衛星間無線通信および衛星−地上間無線通信のために方向付けするようにするためのものである。姿勢制御を提供するひとつの方法は搭載されたスラスタを用いることであったが、この欠点は上述した通りである。種々の機械ベースの慣性姿勢制御システムが提案されており、例えば、米国特許第3,017,777号および第8,164,294号に記載されるもの、Chabot, J. A.,「A Spherical Magnetic Dipole Actuator for Spacecraft Attitude Control」(2015年、コロラド大学航空宇宙工学科学、修士論文)に記載されるものなどがある。しかしながら、これらのタイプのシステムはロケットベースの姿勢制御よりも良く振る舞うとは信じられておらず、むしろ、その機械的複雑さおよび搭載される制御システムにより、ロケットベースの姿勢制御と比べた場合の相当な重量低減が妨げられた。
本発明者は、彼の米国特許第5,566,354号において、モトローラ−イリジウムアプローチを改善した衛星セルラ電話システムを開示した。本発明者の改善されたアプローチは衛星がランダムな軌道を占めることを可能とした。モトローラ−イリジウムシステムや米国特許第5,303,286号に開示される無線電話/衛星システムなどの衛星システムは各衛星が他のものに対して既知の位置にあることに依存していたが、上記はこの衛星システムの軌道制御コンポーネントを除去した。しかしながら、354特許に記載されるランダム軌道システムはある欠点を有しており、そのような欠点のひとつは、衛星のアンテナが正しい方向を向いていることを保証するために依然として姿勢制御を必要とすることである。さらに、後に詳述されるように、それが本開示で用いられる意味での真のメッシュシステムの利点を有していなかったこともある。
近年の世界中でのセルラ電話の利用の急速な広がりを措いても、コンピュータやスマートフォンを通じたインターネットへのアクセスはビジネスおよび個人等にとって必要不可欠となっている。電子メールや電子バンキングや調査/サーチサービスや他の多くのものなどのインターネットベースのリソースへのアクセスなしに、ビジネスを行うことや私事を有効に管理することは難しい。加えて、フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアプロバイダは、世界のうちインターネットアクセスを提供するエリアにおいてのみ存在しうる。衛星ベースのシステムは、国をタワーで包んだり広大なエリアに亘って地上ベースの無線メッシュノードをインストールすることなく、インターネットおよびセルラ電話サービスを遠隔地においても利用可能とする理想的な手段を提供する。しかしながら、既知の衛星システムは数多くの欠点を抱えており、そのいくつかは上述の通りであり、今日に至るまで商業的に成功したものはない。実際、低コスト衛星システムは、タワーベースのシステムおよび地上ベースのメッシュシステムを併せて置き換えることができる潜在的な力を有している。
複数の衛星を互いに対してまたは地球に対して所定の軌道または所定の姿勢に維持することを必要とすることなしに、周回する衛星間の無線リンクおよび衛星と地上ベースの局との間の無線リンクを確立することができる複数の衛星を備える無線通信システムを提供することが本発明の目的である。好適な実施の形態では、地球表面上の任意のスポットが常に少なくともひとつの衛星の視野内にあることをほぼ確実にする衛星メッシュを提供するために十分な数の衛星がある。ひとつの特定の実施の形態は少なくとも200個の衛星を用いる。
本発明のある態様は、全ての方向に送受信可能な複数のアンテナをそのような衛星のそれぞれに組み入れることに、部分的に存する。ある衛星のアンテナから送信された無線ビームが他の衛星のアンテナによって受信された場合、無線リンクが生成されうる。これは本明細書において「ビームマッチ」と称されることがある。本発明者は、ユニークなアンテナ構成、ならびに、衛星および地上局からのユニークに符号化された無線伝送を用いることにより、また、それらの両方をメッシュにおけるノードとして扱うことにより、複数の衛星のうちのひとつ以上を介した無線リンクを集めることで、地上局間の無線ルートを確立することが可能となることを認識した。本発明のこの態様を導いたひとつの洞察は、衛星の姿勢および相対位置が、各衛星の内蔵コンピュータが無線ルートを計算するのにかかる時間と比べて、十分にゆっくりと変化することである。したがって、いったん無線ルートが確立されると、複数の衛星のうちのひとつ以上を介した地上局間の通信(「呼」)は通常妨げられることはなく、あるいは、衛星が移動するか宙返りすることで既存のルートが妨げられた場合でも、呼が進行している間に同じまたは異なる衛星で「飛行中に」新たな無線ルートが確立されうる。以下の説明で用いられる場合、明示的にまたはコンテキストによりそうでないと示されない限り、「呼」は衛星間または衛星と地上局との間の無線ルートを介したコンテンツ(デジタルまたはそうでない)の通信である。そのように限定するものではないが、本明細書で説明されるシステムはパケットでのデータ伝送に特に良く適している。パケットは、本明細書において、一般的に受け入れられている意味で定義され、すなわち、伝送のコンテンツを表す部分(「ペイロードと称されることがある」)と、制御部分(「ヘッダ」や「トレイラ」と称されることがある)と、を伴うデジタルデータの集合として定義され、制御部分はソースおよび宛先アドレス、誤り検出符号、およびシーケンス情報などの、ペイロードの送達を成功させることができる情報を含む。
より広い態様のうちのひとつでは、本発明は、搭載型コンピュータを伴うユニークな衛星構成を用いる。そのコンピュータは計算を実行可能であり、衛星が非制御軌道を姿勢制御無しで移動する際に仮想的にリアルタイムで、ひとつ以上の衛星を介した地上局間の無線ルートを生成するようアンテナを選択可能である。無線ルートは衛星内のコンピュータによって実行されるアルゴリズムによって決定され、この場合、地上局間の最適な無線ルートをどの衛星またはどの複数の衛星が構成するかを指定するために中央コンピュータを必要としない。
本発明のある実施の形態は、開示される衛星メッシュを用いることで、二つの地上ベースのトランシーバの間の無線ルートを提供する単一の衛星を備える最適無線ルートを生成する。本明細書で説明されるユニークな衛星デザインにより、衛星が姿勢制御無く宙返りする場合や、最初の衛星が漂って範囲外に出るか何らかの理由で動作不能になったことにより地上ベースのトランシーバの視野内の他の衛星がより良い無線ルートを提供するものとなるように条件が変化した場合でも、単一衛星のルートを維持することができる。
本明細書で開示されるシステムの具体的な利点は、好適な実施の形態において、上述の特徴および以下に詳述される特徴を提供することであり、それは、衛星を特定の軌道および特定の姿勢に維持するための複雑で高コストな制御システムの必要性を除去し、打ち上げコストを低減する軽量かつ電池駆動の衛星で地球を覆うことによる。本発明の他の態様は、衛星で用いられるアンテナ構成とは異なるアンテナ構成を伴う地上局を用い、これは、地上局には、衛星重量、サイズおよび電力に対する制限が適用されないからである。これは、地上局はより大きなアンテナ密度(所与の球面上でのより多くのアンテナビーム)を有し、より大きな電力(利得)でアンテナを用いることができ、したがって、任意の二つの地上局間でのデータ通信が可能であることを仮想的に保証するものであることを意味する。
本発明の他の実施の形態は、軸の周りでスピンまたは回転する衛星を用いることで、衛星間および衛星と地上局との間の無線リンクを確立する衛星の能力を強化する。これは、各衛星が所与の期間中に他の衛星のより多くのアンテナを「見る」蓋然性が高くなるので、二つの衛星間のビームマッチを生成する確率を高める。これにより、より高い利得のアンテナであってしたがって対応するより狭いビーム幅を伴うアンテナの使用が可能となり、したがって、無線リンクの強度が増大し、呼伝送の信頼性が高まる。典型的には、衛星は衛星ごとに異なりうる所定の角速度を伴って展開される。この実施の形態のある変形では、システムは反対向きに回転する衛星を含む。この実施の形態を実現するためのさらなる考察は以下の詳細な説明で議論される。
本発明およびその実施の形態のこれらおよび他の態様および特徴は本開示が進むにつれてより詳細にカバーされるであろう。
このサマリは、以下に詳述される選ばれたコンセプトを、単純化された形態で、導入するためだけに提供される。本明細書で請求される主題の主要なまたは不可欠な特徴を特定することを意図するわけでは必ずしもなく、また、請求される主題の範囲を決める際の助けとして用いられることを意図するわけでも必ずしもない。
添付の図面と併せて以下の好適な実施の形態の詳細な説明から本発明の目的を良く理解することができるであろう。該図面において、一貫して、同様の符号や記号は同様の特徴を指し示す。以下は、添付の詳細な説明で用いられる図面の簡単な説明である。
図1は図1Aおよび1Bを含み、本発明者の米国特許第5,793,842号および第6,459,899号に開示される無線メッシュコンセプトを模式的に示す。 図1は図1Aおよび1Bを含み、本発明者の米国特許第5,793,842号および第6,459,899号に開示される無線メッシュコンセプトを模式的に示す。
図2は図2Aおよび2Bを含み、本明細書で開示され請求される宇宙ベースの無線システムに通底する所定の幾何的原則を示す。 図2は図2Aおよび2Bを含み、本明細書で開示され請求される宇宙ベースの無線システムに通底する所定の幾何的原則を示す。
本明細書で開示され請求される宇宙ベースの無線システムでの使用に適する衛星の実施の形態を模式的に示す。
図3に示される衛星の種々の動作コンポーネントの表現である。
二つの地上局間の無線ルートを生成するために単一の衛星を用いるプロセスの実施の形態を示す。
単一の衛星を用いる本明細書で説明される衛星無線メッシュシステムが、エジプトなどの所定の地理的エリア内の無線ルートを提供するためにどのように使用可能かを示す。
地球表面上の二つの地点を隔てる距離と、各地点を中心とする二つの交差円の重なりエリアとの間の関係を示す。
図8は、図8A、8Bおよび8Cを含み、ランダムな軌道にある衛星を用いるシステムの代替的な実施の形態にしたがう回転衛星を模式的に示す。 図8は、図8A、8Bおよび8Cを含み、ランダムな軌道にある衛星を用いるシステムの代替的な実施の形態にしたがう回転衛星を模式的に示す。 図8は、図8A、8Bおよび8Cを含み、ランダムな軌道にある衛星を用いるシステムの代替的な実施の形態にしたがう回転衛星を模式的に示す。
当業者であれば、図面は厳密にサイズ通りに描かれているわけではないと容易に理解するであろうが、それでも、以下の好適な実施の形態の詳細な説明と合わせて理解された場合、本発明を実施するのに十分であることを見出すであろう。
好適な実施の形態の詳細な説明
以下の詳細な説明は、請求される主題を実装する様々な方法を説明する特定の実施の形態の具体的な例を提供することが意図されている。請求される主題に関する技術分野における当業者の知識レベルを考慮するように記載されている。したがって、本明細書に記載される実施の形態をそのような者が実現することができるためには不要なものとして、ある詳細は省略されうる。また、方向や向きを示す用語は説明を容易にするために用いられ得ることは理解されるであろう。そのような用語の使用は、請求される主題が説明されている構成の特定の向きに限定されることを暗に示すわけではない。
I.無線メッシュコンセプトおよび原理
本明細書で説明されるシステムは複数のトランシーバ(「ノード」)の使用に通底する所定の原理の上に構築されている。その原理は、トランシーバのひとつ以上を用いて無線ルートにおけるリンクのための終端を形成するために使用可能である。本明細書の説明を通じて、用語「無線」、「無線信号」や同様のものは、無線波とよく呼ばれている周波数における電磁放射を指すものに限定されない。光、マイクロ波、VHF(「very high frequency」)、UHF(「ultrahigh frequency」)などを含む、情報を伝達可能な任意の周波数の電磁放射を包含することが想定されている。このセクションでの議論は、メッシュシステムと称されることもある従来構成の所定の関連する特徴を説明し、および、本明細書で説明されるユニークな装置、システムおよび方法によって達成される、既知のメッシュ技術を超える顕著な進歩を表す基本的コンセプトのいくつかを説明する。
A.従来のメッシュおよび衛星無線通信システム
本発明者の米国特許第5,793,842号および第6,459,899号に記載されるものなどの既存の地上ベースの無線メッシュシステムは、複数のノードを通じたデジタルおよびアナログ通信信号用の無線ルートを確立する際に非常に有効であることが示された。それらは、メッシュシステムにおいて高品質の無線リンクを確立することを可能とする。このメッシュシステムは、ノードを所定のパターンではなく便利な位置に置くことを可能とする。図1Aおよび1Bは、そのような地上ベースの無線メッシュを示す。この単純化された例では、発信元ノードAと、アップル社製のiPhone(登録商標)やサムソン電子社製のギャラクシー(登録商標)などのいわゆるスマートフォンなどの近くのモバイル無線機(不図示)と、の間で通信信号CSが伝送されうる。それらの信号は次いで、ノードBなどの「ドロップ」に伝達されなければならず、「ドロップ」はインターネットルータや電話ネットワークであってもよく、該ネットワークは例えば地上線に接続される。ノードAとノードBとが、大きな丘LHなどのそれらの間の障害物の存在のために見通し線接続にない場合(図1A)、リンクを確立できた場合であっても、直接無線リンクLは信号強度のかなりの減少に曝されるであろう。
上述の通り、米国特許第5,793,842号および第6,459,899号で説明されるシステム以前に提案された多くのメッシュシステムは、発信元ノードとドロップとの間のルートを制御するために中央コンピュータを用いた。しかしながら、それらの特許は、発信元ノードと宛先ノードとの間の通信を最適化するように、必要とされるだけの数の中間ノードの間の好適なルートを、ノード自身が確立することを可能とするためにアルゴリズムを用いたシステムを開示した。例えば、図1Aは、ノード自体のなかのソフトウエアおよびファームウエアが丘LHを回る好適なルートを確立するシステムを示し、その好適なルートはノードAと第1の高い丘H1の頂上にあるノードXとの間の無線リンクL1を含む。ノードは、ノードAとノードXとの間のリンクL1を、そのリンクが実際は宛先ノードBから離れる向きに導くものであるにも関わらず、用いる。個々のノードにあるアルゴリズムは、次いで、第2の丘H2の頂上にある別のノードYとの無線リンクL2を確立し、そこから宛先ノードBへのリンクを確立する。この好適なルートでは、メッシュのノードZは二つの他のノード(不図示)の間の無線ルートの一部であり得るが、ノードXおよびYを通じたルートが好適であるとノードX、YおよびZが自己決定するので、バイパスされる。
このシステムの重要な特徴のひとつは、ノード自身が異なる好適なルートを生成可能であることであり、例えば、そのように生成されるルートは、ノードの配置後に状況が変わった場合に、リンクL4およびL5を用いる、ノードZを通じた、ノードXとノードYとの間のものである。図1Bは、ノードAとノードBとの間に明確な見通し線がない場合にノード自身がどのようにノードAとノードBとの間に異なるルートを生成するかを示す。この例では、ノードXとノードYとの間に直接建設されている建物BLによって見通し線が遮られている。他の例は、冬の間は葉っぱがないためにノードXとノードYとの間を無線信号が通過することを許す木であり、この木は葉っぱが出てくる夏には無線リンクを妨げるものとなる。そのような場合、米国特許第5,793,842号および第6,459,899号に記載されるシステムは、ノードA、B、X、YおよびZが自動的に、ノードX、YおよびZの間の新たな無線リンクL4およびL5を用いて新たな好適な無線ルートを生成することを可能とする。
これらの特許はしたがって、本質的にランダムな分布を可能とするノードのメッシュを用いるシステムを説明しており、そのシステムでは、ノード自身が、ノード内の搭載型計算能力を用いてノードによって交換される無線信号を解析することで、宛先とドロップとの間の好適な無線ルートを確立する。これにより、ノードと通信し、ノードによってメッシュ内の他の複数のノードから集められたデータを用いて、最適なまたは好適なルートを決定する中央コンピュータの必要性がなくなる。総じて、ノードの配置に対する唯一の制限は、三つ以上のノードのルートにおける中間ノードが少なくともふたつの他のノードの見通し線内になければならないことである。これによりシステムは広いエリアをカバーすることが可能となり、そうするためには数多くのノードが必要となり得るが、ノードが互いに「見る」ことができる限り、システムは好適な無線ルートを自己確立することができるであろう。
しかしながら、固定位置で地上ベースの送受信ノードを含む無線メッシュシステムの後ろにある一般コンセプトを、どのように、ノードが地球を周回する衛星であるシステムに適用することができるかは自明ではない。米国特許第5,274,840号および第5,410,728号に開示されるモトローラ−イリジウムシステムは、およそ、ノードが特定の位置にある地上ベースのシステムの類似物である。すなわち、衛星が所定の軌道を維持すること、および、衛星アンテナが正しい向きを向いていることを維持するための搭載型姿勢制御を有すること、が要求され、かつ、ある地上局から伝送を受信し、別のものにそれを再送信する際に衛星の位置を知っていることに依存する。このアプローチは技術的にはうまくいくが、実装にコストがかかりすぎるために商用の観点からは非現実的であることが証明されたと信じられている。ただし、上述の通り、所定の専門的アプリケーションにおいては依然として用いられる。加えて、それは衛星間の無線ルートを確立するために中央コンピュータを用いる。
本発明者の米国特許第5,566,354号は、ランダム軌道の衛星を用いるシステムを開示するが、上述の通り、実際それは本明細書で用いられる意味でのメッシュシステムではない。例えば、354特許のシステムは、送信元ユニットに宛先ユニットに対してページを送信させることで衛星がその目的のために利用可能であるか否かを判定し、次いでその衛星を通じて二つのユニットの間で通信を単に伝送することによって、地上ベースのモバイルユニットの間の通信チャネルを確立する。そのシステムは、本明細書で説明されるメッシュシステムの数多くの顕著な特徴を有しておらず、そのような特徴は例えば複数のノードによって送受信される信号の質を用いて好適な無線ルートを生成することである。加えて、衛星は依然として位置決めスラスタやそのためのロケット燃料などの高価な搭載型姿勢制御ハードウエアを必要とし、それらの両方は更なる重量を追加し、したがって衛星を軌道に運ぶコストを増大させる。一方、本発明は、衛星であるか地上局であるかにかかわらず、ノード間の無線リンクのうち最高品質の無線リンクを提供するような、ノードにおけるアンテナについての選択を実行可能とするように、ノード(衛星および地上局)のアンテナを連続的に更新する衛星を用いる。加えて、354特許はランダムに周回する衛星の間の衛星間通信をいかに提供するかを開示しない。モトローラ−イリジウムシステムが衛星間通信をサポートするといっても、その衛星は予め設定された軌道および固定の姿勢の両方を維持しなければならない。
B.本明細書で説明されるユニークな衛星無線メッシュシステムの原理
本システムで用いられる衛星無線メッシュは、二つの地上局の間の好適なルートが二つ以上の衛星を含みひとつ以上の衛星間無線リンクを有する無線ルートをサポートする。それはまた、両方の地上局と通信する単一の衛星を含む無線ルートをサポートする。両方の実施の形態において、以下で詳述される数多くのユニークな衛星が軌道に打ち上げられる。衛星の数は、任意の時点で、地球表面上のある点が所定数の衛星の見通し線内にある高い確率を提供するよう選択される。例えば、米国特許第5,566,354号は、軌道高度500マイルにランダムに200個の衛星を配置した場合、地球上の所与の地点は時間平均で約12個の衛星を「見る」ことになると、言い換えると、地球上の所与の地点がただひとつの衛星の見通し線にも入らない確率は4/1000000でしかない、と推定している。
図2Aおよび2Bはこの原理を図で示す。500マイルの高度ALにおける衛星Sから水平EHまでのおよその距離DHは数式
DH=[(R+500)−R1/2
にしたがって計算可能であり、ここで、Rは地球Eの半径である。選択されたRの値に依存して、DHは約2000マイルとなる。したがって、衛星のカバレッジ面積ARはπ×DH≒12,500,000平方マイルである。地球の表面積を1億9千7百万平方マイルとすると、各衛星は地球の表面の約6%を「カバー」し、これは表面上の任意の地点が平均で約12個の衛星(200×0.06)を「見る」であろうことを意味する。逆に、地球上の任意のある地点からひとつの衛星が見えない確率は94%である。ランダムな軌道に200個の衛星が打ち上げられた場合、地球上の任意の所与の地点がただひとつの衛星も見ない確率は0.94200≒0.0004%(すなわち、百万分の4)でしかない。354特許は、異なる衛星の数について、表面上の地点の一定の経時的カバレッジの確率の評価値を示すテーブルを含んでおり、それは参照により本明細書に組み入れられる。
本開示のコンテキストにおける用語「ランダムな軌道」は、システムで用いられる衛星の数との組み合わせで考慮されなければならない。一般に、それは、地球を最大限にカバーするという目的を伴って、最初は離間されている十分な数の衛星が軌道に投入されることを意味する。それは、純粋に数学的な意味でのランダムな分布を要求することを意味するわけではない。むしろ、それは、衛星を特定の位置に正確に配置することが要求されていないことを示すために用いられ、また、それらの衛星を軌道に投入する態様が、地球表面上の任意の所与の地点が常に少なくともひとつの衛星の見通し内にあるように、適切な統計的アルゴリズムにしたがって算出される、システムを構成する衛星の数および所望の確度を考慮することを示すために用いられる。(衛星の軌道が時間の経過と共に変わるにつれて、所与の地点について、異なる衛星がその要件を充たすことをシステムが許すことは理解されるであろう。)例えば、いわゆる疑似ランダム数についての既知の技術を、初期衛星数および配置を計算するためのベースとして用いることができる。「ランダムな」衛星分布を達成する他の方法は米国特許第5,566,354号の「Satellite Launch」セクションに記載されており、当該特許は参照により本明細書に組み入れられる。軌道に投入される衛星の数は算出された数を超えることが好ましく、これは、時間の経過と共に所定数の衛星が故障することに対応することにより、または軌道崩壊または宇宙ゴミによる損傷のために大気圏に再突入することによって衛星が破壊されることに対応することにより、継続的な完全地球カバレッジを可能とするためのものである。
本明細書で説明され請求されるシステムの別の重要な特徴は、衛星がアクティブな搭載型姿勢制御を必要としないことである。したがって、可動部も可動機構も推進システムも必要とされず、これは衛星重量およびコストを低減し、衛星の角度向きを気にせずに衛星を軌道に放つことができる。宇宙ステーション等などの投入ビークルから衛星を展開可能であることが想定されている。本明細書で説明されるシステムのある実施の形態では、できるだけ小さい角速度で、しかしながらそのための特別な労力なしに、衛星を展開するよう試みることが好ましい。そのような実施の形態にしたがうシステムは、衛星が「宙返りする」場合でも無線ルートを生成するであろう。宙返りとは、各衛星が、周回中に他の衛星とは異なるレートで角度向きを変えるか、角度向きを全く変えないということが可能であることを意味する。言い換えると、衛星は所与の軌道にあるわけでも、制御された向きにあるわけでも、ない。ある実装では、強磁性材料からなる衛星および/またはコンポーネントの質量を分散させることで、衛星が地球を周回しその重力場および磁場と相互作用するにつれて所定量の宙返りを維持することができる。加えて、電力を生成するために用いられる太陽光パネルのサイズおよび向き(図3および4参照)を賢明に選択することによって、パネルに当たる光子の運動エネルギを用いて、衛星の宙返り動作に影響を与える力を提供することができる。望まれるなら、各衛星は追跡テレメトリを含むことができ、これにより、軌道が崩壊しており衛星を再配置する必要があるかを検出することができ、また、周回体に適用される国家プロトコルまたは国際プロトコルにしたがわせることができる。しかしながら、そのようなテレメトリを提供するのは比較的単純で廉価であることが想定されている。
別の実施の形態では、衛星は、衛星に角速度が付与された態様で、ランダムな軌道に展開される。後述のような態様で、これは、より高い利得のアンテナを用いることによって無線ビームがより狭い場合でもビームマッチを生成することを可能とする。これにより、二つ以上の衛星を用いて無線ルートをより容易に生成するシステムの能力が強化され、これはある設定において、地上局間のルートの質を高め、それによりデータ伝送を促進する可能性を秘めている。それはまた、接続困難なほど遠く離れている地上局間に無線ルートを生成することができる確率を、宙返りする衛星を用いるシステムを介して高める。本実施の形態の詳細は後に詳述される。
II. 衛星設計:アンテナ構成および搭載制御回路
ある実施の形態に係る衛星は、ユニークな複数アンテナアレイとソフトウエア実装アルゴリズムとを用いるシステムノードを備え、そのアルゴリズムは、ノードが情報信号を送信しているアンテナおよび当該送信アンテナからの情報信号を受信している別のノードのアンテナをほぼ即座に特定することを可能とすることによって、無線ルートを生成するためのものである。衛星および地上局は総じてシステム内のノードとしての機能について同等であることから、ノードという用語は、そうでないと明記されるかそうでないことを文脈が示す場合を除いて、衛星および地上局の両方を指すことができる。加えて、各ノードにあるソフトウエアは、情報信号内の内容を用いることで、二つのノード間の無線リンクとしての、これらのアンテナペアの適切性を評価する。ノードにあるソフトウエアは、その評価を用いることで、送信元地上局から宛先地上局へデータ通信を送信するための好適な無線ルートを生成する。本明細書で説明される衛星システムを用いて無線ルートを生成することに係る基本的コンセプトを説明する目的で、本議論はルート生成のある側面を別個に扱うことがある。例えば、潜在的無線リンク用にアンテナペアを特定するというコンセプトは、無線ルート用に所定のリンクを選択することにより好適な無線ルートを特定することとは別個に説明されうる。いずれにせよ、議論が進むにつれて、ルート生成が、地上ノードが初期情報信号を送信したときに始まり、送信元地上ノードからひとつ以上の衛星ノードを通って宛先地上ノードに至る通信信号の好適な無線ルートの生成で全盛となるステップの組み合わせを含むことは、明らかになるであろう。
開示されるシステムおよびルート生成プロセスは、ランダムな軌道を漂う姿勢制御のない衛星の利用を可能とする。ノードの選択されたアンテナペアが時間の経過と共に変わる場合でも、または、ルートを構成する衛星が時間の経過と共に変わる場合でも、データ通信を送受信することが可能である。すなわち、衛星に搭載されるコンピュータおよび地上局におけるコンピュータは、所与の通信中に、またはある通信から次の通信にうつるときに、無線ルートを変更することができる。加えて、無線ルートは単一の通信中に異なる衛星を利用することができる。あるいはまた、第1の時刻における地上局間の第1通信が所定の衛星または複数の衛星を用い、一方で、同じ二つの地上局間の後の通信が第1の通信では用いられなかったひとつ以上の衛星を用いることができる。
図3は、本明細書で説明される宇宙ベースの無線メッシュシステムで使用可能な衛星10の実施の形態の模式図である。本明細書で説明されるシステムおよび方法における衛星10の動作に通底する所定の原理の理解を容易とするために、CTを中心とする球の形状の外筐体12と共に示されている。当業者であれば、他の設計思想によりそのようにされるのであれば、衛星が異なる形状を有しうることを認識するであろう。衛星の所定の特徴は、互いに直交するx、yおよびz軸を有する座標系を参照して説明されるであろう。本開示が進むにつれて、本明細書で開示され請求される宇宙ベースの無線システムの特徴のうちのひとつが、既述の通り、衛星が地球を周回する際に衛星の任意の角度向きを想定可能であることだということが理解されるであろう。これまでの記載から、当業者であれば、図3に示される座標系が衛星の特徴を記述する際のまさに説明用に用いられると理解するであろう。言い換えると、座標系は、衛星に紐付けられており、衛星がゆっくりと宙返りするにつれて地球に対する角度向きを変えるものであるとみなされうる。
例示的な衛星10は複数のアンテナモジュール12を含み、それらのうちのひとつは説明用に図3に模式的に示されている。本例の各アンテナモジュールは、所定の方向においてより大きな電力で無線信号を送受信する方向性アンテナを含む。本実施の形態は円形ディッシュパラボラアンテナを用い、そのようなアンテナのそれぞれの頂点は球形衛星の中心CTにあり、立体角Ωを占める。衛星に組み込まれる個別のアンテナモジュールの数は、システムの特定の応用およびアンテナ設計に依存する。ある実施の形態では、ステラジアン単位のΩは以下のように選択される。すなわち、衛星の周りに配置された特定の数のアンテナモジュールが、地上局トランシーバからの無線信号の受信および当該トランシーバへの無線信号の送信を可能とするのに十分な、および、他の衛星のアンテナが後述の態様でのシステムの動作を有効化できるのに十分な、ほど大きな球面面積へと無線信号を送信し、かつ、その球面面積から無線信号を受信することができるように選択される。アンテナモジュール12の実際の構成は、その目的を達成するよう既知のアンテナ設計原則を用いて決定されうる。
しかしながら、アンテナ動作の基本的原理は、図3に示されるような衛星に、本明細書で説明されるシステムおよび方法を有効とするのに十分な数のアンテナを備えさせることが技術的に実現可能であることを示す。ある設計アプローチは、各モジュールのアンテナのビーム幅は、特定の衛星の全てのアンテナから送信される信号が別の衛星または地上ベースのトランシーバで受信される所定の確率を提供しなければならないことを規定してもよい。円形ディッシュパラボラアンテナのビーム幅を表現する典型的な態様は、ビームのパワーが3dBだけ減少する角度αである。これはハーフパワービーム幅(HPBW)と呼ばれ、以下の関係式で与えられる:
α=(k×γ)/d (1)
ここで、αは度単位であり、kはアンテナの所定の設計パラメータに依存するファクタであって典型的には70°という値が割り当てられ、γはセンチメートル単位の波長であり、dはアンテナ反射材の円形「口」の直径である。Satellite Systems Engineering in an IPv6 Environment, Minoli, Daniel, CRC Press, Boca Raton, FL (2009), pages 78−80。5GHz信号について、これは衛星通信でよく用いられる無線周波数(マイクロ波Cバンド)であり、γ=6cm(γ=c/f、ここでc=光速、3×1010cm/sec)、したがってα≒140°であってこれはd=3cmのアンテナについてである。相反定理の元、同じパラボラアンテナは70度の軸外で到達する信号を、軸上利得の−3dBで、受信するであろう。アンテナの設計詳細は本開示の一部を形成しないことは理解されるであろう。本明細書で説明されるシステムの動作原理は、当業者が、ランダム軌道上の衛星のアンテナが他の衛星や地上局との無線リンクを確立可能な確率を強化するように、アンテナを設計または選択することを可能とする。
本システムで用いられる衛星は、図4との関係で以下に詳述される、衛星の動作に必要な様々な電子部品および機械部品を収容するのに十分なほど大きい必要があり、また、打ち上げの加重に耐え、かつ、軌道上で出会うであろう過酷な環境への長期間暴露にも耐えるのに十分な程度に構造的に堅牢でなければならない。直径20cm(約8インチであっておよそサッカーボールのサイズである)の衛星で十分であることが想定され、この場合、球形衛星10の表面積は400π(4π×(10cm))である。各アンテナについての、衛星の表面の開口は、表面下の反射材からのビームが遮られずに広がることを許すようなサイズを有する。衛星の開口が直径6cmの円形である場合、その面積は9πcm(π×(3cm))である。したがって、各衛星の開口は衛星の表面積の2.25%(9π/400π)を占める。25個のアンテナが用いられる場合、それらは衛星の表面積の60%以上を占めることとなる。
本メッシュシステムでの使用に適した衛星およびアンテナは、複雑系の工学の当業者になじみのあるトレードオフに依存して異なる形態をとりうることは理解されるべきである。後に詳述されるように、本明細書で説明される衛星メッシュの実施の形態を用いて無線ルートを生成するステップのうちのひとつは、ひとつ以上の衛星および地上ベースのトランシーバの全てのアンテナからの特定用メッセージの送信であり、ひとつ以上の衛星および地上ベースのトランシーバはあるコンテキストでは本明細書で「ノード」と互換的に参照される。ノードにおけるアンテナの数を増やすことにより、他のノードから送信される無線信号および他のノードにより受信される無線信号の総球面カバレッジを増やすことができ、それによりあるノードからの信号が他のノードで受信される確率を高めることができることが理解されるであろう。衛星ごとのアンテナの数を増やすことにより、軌道に投入される衛星の数を減らすことが可能になることがさらに理解されるであろう。そのような衛星はより高価でより重いものとなり、したがって打ち上げコストの増大となるが、打ち上げる必要がある衛星の数を減らせるので、他のファクタがそのコストの増大をオフセットしうる。当業者であれば、また、本明細書で説明されるシステムが、完全な360度より小さな球面カバレッジを伴って送信するアンテナアレイを有する衛星で実装可能であることを認識するであろう。
同様に、アンテナを追加することによる地上局の重量の増大は要因ではない。したがって、システムは、地上局よりも少ない数のアンテナを衛星に組み込んでもよい。また、所与の数のアンテナで衛星を設計し、統計的評価を用いることで、地球の表面上の任意の所与の地点から所定数(の衛星)が見えることを保証するのに必要なそのような衛星の数を算出することが、より現実的であろう。衛星が軌道に打ち上げられた後、システムはその計算を確かめるべくテストされてもよく、望まれるのならより多くの衛星を追加してもよい。さらに、本例はパラボラアンテナを用いることでノードデザインに係る所定の原理を説明するが、システムは特定のタイプのアンテナを用いることに依存しない。すなわち、アンテナのタイプおよび特定のアンテナ設計もまた、ノードが他のノードから送信された信号を役に立つ利得で受信することを適切な確率で保証するのに必要なビーム幅および衛星の数を決定する際のファクタであろう。本明細書で説明され請求されるメッシュシステムの任意の所与の実装の上手くいくデザインを決めるファクタは当業者に理解されるであろう。
衛星10はまた複数の太陽光パネルを含み、そのうちの三つ14a、14b、14cが図3に示される。図示の実施の形態では、太陽光パネルは互いに直交する平面内に配置され、衛星10の周りに等間隔に配置される。本実施の形態において太陽光パネルの位置と向きとを説明する目的で、衛星の赤道16は大円として定義され、そこでは衛星表面はx−y平面に平行で球の中心CTを通る平面と交差する。基準子午線18は大円として定義され、そこでは衛星表面はx−z平面に平行で球の中心CTを通る平面と交差する。直交子午線20は大円として定義され、そこでは衛星表面はy−z平面に平行で球の中心CTを通る平面と交差する。太陽光パネル14aは、赤道16と基準子午線18との交差点において、適切な取り付け構成22aによって衛星に取り付けられている。太陽光パネル14bは、赤道16と直交子午線18との交差点において、適切な取り付け構成22bによって衛星に取り付けられている。太陽光パネル14cは、基準子午線18と直交子午線20との交差点において、適切な取り付け構成22cによって衛星に取り付けられている。
太陽光パネルは総じて平面状であり、ソーラセルが一方の面または両方の面に分布しており、そのソーラセルが太陽光に曝されたときに電力を生成する。効率を最大化するために、平面状太陽光パネルを互いに直交する平面内に取り付けることによって、衛星の角度向きによらずに、十分な数のソーラセルが太陽光に曝されることを保証する。図示の実施の形態では、太陽光パネル14aはx−z平面内にあり、太陽光パネル14bはx−y平面内にあり、太陽光パネル14cはy−z平面内にある。衛星は、衛星の反対側の赤道、基準子午線、直交子午線がそれぞれ交わるところに、さらに三つの対となる太陽光パネルを含むことが理解されるであろう。対となる太陽光パネル(図4でダッシュ「’」付きで示される)は図3に示される対応物14a、14bおよび14cのそれぞれと同じ平面内に配置されることが好ましい。各太陽光パネルは衛星の表面に対して垂直であることが好ましい。この場合、太陽光パネルに隣接するアンテナによる無線信号の送受信を邪魔しない。
図3は、本明細書で説明される衛星メッシュシステムの本実施の形態を理解するために必要な、衛星10の特徴を説明するためだけのものであることは理解されるであろう。当業者であれば、本システムを具現化する実際の衛星が図3の模式図に示されないデザイン的特徴を有しうることを理解するであろう。例えば、良好なデザイン慣行は、アンテナの口をその周りの衛星表面から凹ませることで、宇宙ゴミによる衝突損傷の蓋然性を低減することを想定するであろう。あるいはまた、(凹んでいるか否かを問わず)各アンテナの口を、衛星で送受信される信号に対して透過的な材質のシートで覆うことによって、追加的な保護が提供される。図3に示される太陽光パネル14のデザインおよび配置はまた高度に模式的であり、本明細書で説明され請求される発明はいかなる特定の太陽光パネル構成、配置、展開手段にも限定されない。
図4は、他のノードに無線信号を送信し、他のノードから無線信号を受信することができる無線ルートを生成するための、衛星10(ノード)によって収容される種々のコンポーネントを模式的に示す。当業者であれば容易に認識するように、本実施の形態および他の実施の形態ならびに本明細書で開示され請求される主題を含む無線システムの態様の説明において、種々の図面で説明され図示される制御回路およびコンポーネントは、それに帰せられる機能を実行することができる任意の電子コンピュータシステムの例としての意味を有する。そのようなコンピュータシステムは典型的には必要な入出力インタフェースデバイスと中央演算ユニット(CPU)とを含み、適切なオペレーティングシステムとプログラムインストラクションを実行するためのアプリケーションソフトウエアとを伴う。加えて、本明細書において、システムの要素を指す用語および本明細書で説明されるユーザインタフェースの要素を指す用語は、参照の単純化のために用いられる。例えば、「コンポーネント」、「モジュール」、「システム」、「装置」、「インタフェース」などの用語は、文脈が明確にそうでないことを示さない限り、ハードウエアであれ、ハードウエアとソフトウエア(ファームウエア)との組み合わせであれ、ソフトウエアであれ、実行ソフトウエアであれ、コンピュータ関連エンティティを指すことが意図されている。例えば、そのようなコンポーネントは、プロセッサで実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能プログラム、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであってもよいが、そのようなものであることに限定されない。例示を目的として、電子計算デバイスで実行されるアプリケーションおよびデバイスそのものの両方がコンポーネントでありうる。ひとつ以上のコンポーネントがプロセッサおよび/または実行スレッド内にあってもよく、コンポーネントがひとつのコンピュータに局在してもよいし、および/または二つ以上のコンピュータに分散してもよい。
図4をより詳細に参照すると、衛星10は図3のx−z平面を見る形で図示される。対象の無線システムおよびそのコンポーネントを説明するために本明細書で用いられる他の図示と同様に、図4は寸法通りではないことが理解されるであろう。図3に示されるように、それは太陽光パネル14aおよび14cを図示し、また、上述の径方向で反対側にある対となる太陽光パネル14a’および14c’を図示する。それはまた、複数のアンテナモジュール12a、12b、12c、12d、12eおよび12fを模式的に図示し、図3との関連で上述されたような無線信号の送受信のために衛星10に全てのアンテナモジュールが搭載されていることを表す。この模式的な図は本実施の形態の動作原理を伝えることを意図しており、複数のアンテナモジュールを組み合わせることで、実質的に全ての径方向において、ノードに無線信号を送信し、かつ、ノードから無線信号を受信することができる。(しかしながら、既述の通り、本明細書で説明されるシステムが、完全な360度より小さな球面カバレッジを伴って送信するアンテナアレイを有する衛星で実装可能である。)
衛星10は、衛星のコンポーネントを動作させるための信頼できる電源を提供することができる電力モジュール30を含む。電力モジュール30は、太陽光パネルによって生成される電気で充電される電池を含む。適切な電力調整装置は、太陽光パネルが各衛星軌道のうちの半分を太陽から見えないところで過ごすにもかかわらず、衛星に備えられている種々の電子部品に定常電力を提供する。電力モジュールに加えて、衛星は、衛星の種々の機能を制御するための動作ソフトウエアを保持するオペレーティングシステムモジュール42を伴う中央演算ユニット40を含む。図4に示されるように、CPU40は電力およびデータリンク40a、40b、40c、40d、40e、40f等を解して全てのアンテナモジュール12と動作可能に接続されている。
図4はまた、オペレーティングシステムモジュールの制御下にある四つのメイン動作モジュールを示す。これらのコンポーネントは同様に地上局ノードにも含まれる。無線ルートにおける各衛星ノードは二つのアンテナモジュールを用いることが必要である。衛星は好適な向きを有さないので、各衛星(ノード)が、衛星であれ地上局であれ他のノードと通信するためにアンテナモジュール12を選択する必要がある。オペレーティングシステムの制御下にあるアンテナペアリングモジュール44は、他のノード(地上局または他の衛星)から受信した情報メッセージを用いることで、信号の送信/受信用としてのあるノードのアンテナモジュールと、信号の受信/送信用としての他のノードのアンテナモジュールと、をペアにする。以下に詳述されるアルゴリズムを用いるルート生成モジュール46がノード間で交換された無線信号を解析することで、二つの地上局間の無線ルートを生成する。(地上局ノードは対応する中央演算ユニットを有する。)無線ルートが確立されると、各ノード内のデータ移動モジュール48は無線ルートを通じた通信信号CSの伝送を制御する(図1参照)。上述の通り、アンテナペアリングおよびルート生成用の別個のモジュールという図4の図示は、ノード間での信号の送受信用のアンテナペアの特定および無線ルートとしての潜在的無線リンクの選択が、ある地上局から別の地上局へのデータ通信の伝送用の好適な無線ルートを生成するためのおおよそ単一のプロセスの一部以外のものであるということを、暗示するわけでは必ずしもない。
III. データ通信用の無線ルートの生成
上述のように十分な数の衛星10をランダムなまたは疑似ランダムな軌道に打ち上げることにより、さまざまなルート生成戦略を具体化することができる。このセクションは、そのような衛星システムを用いて生成される無線ルートの二つの実施の形態およびその変形例を説明する。ひとつの実施の形態は、単一の衛星と二つの地上局との間の無線リンクを含む無線ルートを生成する。他方の実施の形態は、より長距離の通信を可能とするものであり、第1地上局、第1衛星および第2地上局を含むひとつ以上のサブルートの一連のものと、第2地上局、第2衛星および第3地上局を含む別のサブルートと、必要であれば、第3地上局、第3衛星および第4地上局を含む第3サブルートと、を生成する。この無線ルートは、第1地上局と第n地上局との間の通信を、n−1個の衛星を用いて、可能にする。これらの実施の形態の変形例は以下に説明される。例えば、当業者であれば、無線ルートが衛星間リンクを、ノード内にあるコンピュータが後述の原理に基づいてそのようなルートを集める場合には、含むことができると理解するであろう。
本システムの本実施の形態にしたがう無線ルートを用いて地上局間でデータを伝送する能力は、基本的に、姿勢制御を伴う固定衛星を用いるモトローラ−イリジウムシステムの既知の動作能力によって確認されている。そのタイプのシステムは、衛星と地上の携帯型ユニットとの間に直接的に通信リンクを、そのようなユニットで利用可能なアンテナ電力(または利得)が制限されているにもかかわらず、確立することができた。したがって、本システムの実施の形態は衛星における制限された電力のアンテナを、より強力な、異なるタイプの、および/またはより多くのアンテナを有する地上局と組み合わせて用いるので、二つの地上局間に無線ルートを確立することができるのは保証されていると言ってよい。
A.二つの地上局/ひとつの衛星無線ルート
本発明に係る衛星メッシュシステムの基本的な実施の形態は、上記記載にしたがう衛星のうちのひとつを用いることで、二つの地上局間の通信用の無線ルートを生成する。このルートは二つの無線リンクを含み、一方は第1地上ノードと衛星ノードとの間のものであり、他方はその衛星ノードと第2地上ノードとの間のものである。地上局の構成は衛星の構成とは異なりうるものの、概念的には、無線信号の送受信はそれぞれによって基本的に同じように処理される。地上局ノードが、衛星が備えるものと比較してより多くのアンテナおよび/またはより強力なアンテナ、また異なるアンテナタイプを用いることによって、無線ルートの生成を強化することができる。地上のノードは、重量、電力およびスペースの制限について衛星と同じ制約を有してはいないからである。加えて、地上局アンテナを背の高いビルや塔や高い丘などに取り付けることで、周回する衛星に対する見通し線可視性を最大化することができる。加えて、地上ノードは、衛星ノードのように全ての球面方向にではなく半球に亘ってのみ伝送を行うので、リンク生成を強化するためのアンテナ追加分のコストを低減できる。
1. 無線ルート生成および維持
本明細書で説明される衛星メッシュシステムにおける無線リンク生成に通底する原理は、まず、衛星および地上局の両方の全てのトランシーバがメッシュ内のノードであると考えられる場合を用いて説明される。これは、二つ以上のノード間リンク(すなわち、少なくとも三つのノードを伴う)を伴う無線ルートをどのように生成するかの理解を可能とする。衛星間の無線リンク、または衛星と地上局との間の無線リンクの生成は、殆どの点で同じである。ノードペア間の無線リンクおよびルートの特定および最適化は、ある意味、本発明者の米国特許第5,793,842号および第6,459,899号に記載される地上ベースのシステムでルートを生成する態様と似ている。それらの特許におけるリンク選択およびルート生成の記載は、無線メッシュのノードによる最適なまたは好適なルート生成に関する背景技術情報として、参照により本明細書に組み入れられる。
しかしながら、重要な違いは、本システムは従来技術で知られるシステムとは異なり、ノード(衛星)のうちのいくつかの位置および向きが時間の経過と共に変わるなかで、そのようなノードを用いてルートを生成することである。したがって、従来の固定ノードシステムはときとして図1に関連して上述した理由で無線ルートを変えなければならないことがあるものの、移動しかつ宙返りするノードを伴うダイナミックな環境を含んではいなかった。そこでは、ノードが相対的に移動し姿勢を変えるなかで、ノード内の送信/受信アンテナペアの選択を自動的かつ動的に更新することができるシステムが必要とされていた。例えば、モトローラ−イリジウムシステムは固定姿勢および既知の相対位置を伴う衛星を用いていたのであり、したがって地上ベースのシステムについて知られていたやり方で最適なルート生成を行っていた(モトローラ−イリジウムシステムが無線ルートを生成するためにノード自体を用いるとは知られていないが)。
ちょうど示されたように、ノード間の堅牢な無線リンクを伴う無線ルートを生成するための本システムおよび方法は、アンテナペアを選択することと、後述の基準で各リンクの「質」を評価することと、を含む。説明用の例は図5との関連で説明されるであろう。図5は複数の衛星を示し、それらの衛星はアドレス番号140、250、280、300および165を有し、それらは地上局と無線リンクを形成可能であり、それらの地上局のアドレス番号は1000、1052、1630および2001である。以下は、システム内の単なるノードが、地上ノード番号2001から地上ノード番号1000へのデータ通信(呼)用の好適な無線ルートをどのように決めるかを説明する。これは、二つの候補ルートの間から選ぶことによるものであり、一方は衛星番号250を介するもので、他方は衛星番号300との間のものである。典型的なシステムでは、200個ほどの衛星がある。無論、地上局の数は変わりうるが、図5は例えば直径約700マイルの広い範囲の上のいくつかのそのような地上局を示す。
各地上ノードからルーティング信号を、初期情報を伴う識別パケットを含む初期情報信号の形で、送信することによってリンク選択プロセスが始まる。衛星ノードおよび地上ノードの両方を含む個々全てのノードのアンテナモジュールのそれぞれには識別番号が付与される。加えて、各ノードは、タイプAと称されることがある地上ノードとして、または、タイプBと称されることがある衛星ノードとして、特定される。このノード識別データは典型的にはパケットヘッダに含まれ、識別パケットは初期サンプルデータストリームを含むペイロードを含む。以下の表1は、例えばアドレス「1000」が割り当てられたノードなどの第1送信地上ノード内のアンテナモジュールのうちの二つから送信されるデジタル第1情報信号の例である。
表1
パケットNo.1
ノードアドレス番号 1000
ノードタイプ: A
ノードアンテナ番号 GA1
リンクカウント: 1
サンプルデータ(ペイロード) XX...XX
パケットNo.2
ノードアドレス番号 1000
ノードタイプ: A
ノードアンテナ番号 GA4
リンクカウント: 1
サンプルデータ(ペイロード) XX...XX
全ての地上ノードの全てのアンテナから連続的に同様のパケットが送信される。これらの信号は地上局および衛星の両方を含む多くの他のノードによって受信されるが、ノード内のアンテナペアリングモジュールは同じノードタイプから送信された情報信号を拒絶する。衛星はまた、送信地上ノードへ戻るリンクの数を保持する。この場合、リンクカウントは1である。
初期サンプルデータストリームは典型的には既知のビット列であり、後述の態様で二つのノード間の無線リンク候補の質を評価するのに用いられる。各ノードのアンテナは、他のノードから送信される情報信号との干渉に出会うことなくランダムな間隔で情報信号を送信可能であることが想定されている。これは、他のノードから信号を受信するノードの数および所与のノードにおけるそのようなアンテナの数が少ない蓋然性が高いからである。あるいはまた、ノード内のアンテナモジュールは、予め割り当てられたタイムスロットで情報信号を送信することで、あるノードから送信された情報信号が別のノードの所与のアンテナに、該所与のアンテナがその情報信号を送信しているのとまさに同じ時に、到着する確率をさらに最小化することができる。
この例を続けると、プロセスの第2ステップは、地上ノードからの初期情報信号を受信する全ての衛星ノードによる評価を含む。プロセスは、衛星のアンテナペアリングモジュールおよびルート生成モジュールで行われる複数の動作を含む。受信衛星のアンテナペアリングモジュールは、それが初期情報信号を受信したアンテナを保持する。図5の例では、衛星番号250は地上ノードアドレス番号1000に関連付けられた衛星アンテナSA6を保持し、衛星番号300は地上ノードアドレス番号1000に関連付けられた衛星アンテナ番号SA3を保持する。 ルート生成回路は、地上局および衛星にそれぞれあるアンテナのペアに渡って送信される信号の質を反映する受信初期情報信号の性能指数を決定する。性能指数はノード内のアルゴリズムにしたがう所定のパラメータの解析の結果であり、その目的は、送信元地上局と宛先地上局との間に生成されるべき無線ルートの無線リンクとしての、二つのノード内の特定のアンテナの適切性をランク付けするための定量値を割り当てることである。すなわち、プロセスのこのステップは、初期情報信号を送信する地上局と、それを受信する衛星と、の間の無線リンク候補の質をランク付けすることを含む。性能指数(信号の質)を導出するために使用可能である受信信号の特性の例は、信号強度、データストリームにおける誤り率、および信号対ノイズ比のうちのひとつ以上である。この例では、性能指数は1(最悪の質)から10(最良の質)までの範囲にある。
次のステップは、全ての衛星のルート生成回路が、その全てのアンテナから、リンキング情報信号の形でルーティング信号を送信することである。説明するために、アドレス番号250の衛星が送信地上ノード番号1000から初期情報信号を受信したとする。表2は、ノード番号250の全てのアンテナからパケット形態で送信される、送信地上ノード番号1000とのリンク候補に関するリンキング情報を示す。
表2
送信元: ノード番号250
ノードタイプ: B
ノード送信アンテナ番号 SA1
ノード受信アンテナ番号 SA6
リンキングノードアドレス番号 1000
リンキングノードアンテナ番号 GA1
リンクカウント: 2
リンク性能指数(FOM) 10中6
サンプルデータ(ペイロード) XX...XX
表3は、ノード番号300の全てのアンテナからパケット形態で送信される、送信地上ノード番号1000とのリンク候補に関するリンキング情報を示す。
表3
送信元: ノード番号300
ノードタイプ: B
ノード送信アンテナ番号 SA4
ノード受信アンテナ番号 SA3
リンキングノードアドレス番号 1000
リンキングノードアンテナ番号 GA10
リンクカウント: 2
リンク性能指数(FOM) 10中3
サンプルデータ(ペイロード) XX...XX
リンキング信号は他の衛星では受け入れられないであろう。他の衛星はリンキングメッセージを送信する衛星番号250および番号300と同じタイプ(タイプB)である。加えて、地上ノードは、受信地上局と同じリンキングノードアドレスを伴うリンキング信号を拒否するよう、同様にプログラムされる。表1からリンクカウントが衛星によって1だけ増やされることにも注目したい。これは、送信地上ノード番号1000へのリンクの数(2)を反映している。
リンキング信号を受信する受信地上局のアンテナペアリング回路は、リンキング信号の送信元の衛星ノードアドレスと、受信地上ノードでリンキング信号を受信したアンテナと、を少なくとも保持する。図5では、地上局番号2001はアンテナ番号GA5に関連付けられた衛星アドレス番号250を保持し、アンテナ番号GA21に関連付けられた衛星アドレス番号300を保持する。受信地上ノードはまた、それ自身と衛星番号250との間の候補リンクの性能指数と、それ自身と衛星番号300との間の候補リンクの性能指数と、をそれぞれ決定する。本例では、地上局番号2001と衛星番号250との間の候補リンクのFOM=6であり、地上局番号2001と衛星番号300との間の候補リンクのFOM=8である。
受信地上局から送信地上局への好適な無線ルートは、次に、利用可能な候補リンクの性能指数に基づいて決定される。図5に示される例では、衛星番号250を介した無線ルートの総性能指数は12(6+6)であり、衛星番号300を介した無線ルートの総性能指数は11(3+8)である。したがって、好適な無線ルートは衛星番号250を介するものである。上記選択を決定づけるのはルート全体の質であって、個々のリンクの質ではないことを注意すべきである。後に詳述されるように、送信地上局番号1000を宛先とするデータ伝送は宛先アドレス(ノード番号1000)を含む。受信地上局番号2001は、宛先ノード番号1000へのルートにおける最初の無線リンクが衛星番号250であり、地上局番号2001のアンテナ番号GA5の伝送が衛星番号250で受け取られることを知っている。(オプションで、伝送が衛星アンテナ番号SA1で受信された場合、衛星番号250は、その伝送が地上ノード番号2001からのものであることを確認することができる。)衛星番号250はアンテナ番号SA6を、地上局番号1000へのデータ伝送用に用いるべきアンテナとして保持した。(オプションで、伝送が地上局アンテナ番号GA1で受信された場合、地上局番号1000は、その伝送が衛星番号250からのものであることを確認することができる。)したがって、地上局および衛星(ノード)の選択されたアンテナは、送信元ノードから衛星へと、そして宛先ノードへと伝送信号を向かわせ、これはいずれかのノードまたは中央にルート全体を保持することを要求せずに、また、中央コンピュータが好適なルートを決めることを要求せずに、行われる。この例から、当業者であれば、複数の受信(宛先)地上局のうちのいずれかから複数の送信(送信元)地上局のうちのいずれかへのデータ通信用の無線ルートをどのように構築するかを理解するであろう。
衛星番号140、280、165等が地上局番号1000からの初期情報信号を受信し、地上局番号1052、1052、1630および2001によって受信されるリンキング信号を送信することも、理解されるであろう。同様に、図5に示される全ての衛星および無線範囲(図2参照)内の任意の他の衛星は、全ての地上局番号1052、1630および2001ならびに無線範囲内の任意の他の地上局からの初期情報信号を受信してもよい。しかしながら、任意の二つの地上局間の好適なルートの決定は上述の議論にしたがって進むのであり、そこでは、地上局間の無線ルートにおける両方のリンク候補の合成性能指数が、無線ルート候補の受信地上ノードによって評価される。
上述のステップは、無線ルートを介した通信信号のパケット伝送中を含む、所定の間隔で繰り返され続ける。したがって、衛星が移動し向きを変えるにつれて、ノードのモジュールはノード間の無線リンクの評価を更新し続けることができ、送信元ノードと宛先ノードとの間の好適な無線ルートを変えることができる。これは、各ノードが実際の所限られた数の他のノードとのみ通信し、したがってリンク生成プロセスの各繰り返しで限られた数のリンクのみを更新すればよいという事実によって促進される。リンクリフレッシュプロセスの頻度は種々のファクタに依存するが、典型的なシステムでは0.5Hzから20Hzの間の頻度で十分であると信じられている。既述の通り、リンク選択および維持手順は、本明細書で説明されるようなノードの搭載計算容量だけを用いた計算により実行される。
あるノードが他のノードからの信号を、二つ以上のアンテナで受信する可能性があり、これはHPBWなどのアンテナモジュールの特性に依存することは注意されるべきである。しかしながら、ルート生成プロセスはその例で上述されたものと同じである。ノード間のリンク候補の質を評価するために多くの異なる基準を使用可能であることも理解されるであろう。典型的なものは、受信信号の強度や誤り率推定値などのリンクの質を直接的に示すものであろう。しかしながら、他の基準を用いてもよい。例えば、リンク候補におけるノードのそれぞれの電池残量が決定されてもよく、質のレーティング(性能指数)は衛星が太陽にどれくらいの期間、曝されていたかを説明するよう調整され、それは電池電力がリンクを維持するのに十分なほどの強度を維持するのは短期間だけであることを示すものとしてである。他の基準はリンクローディングであり、それは特定のノードに保持される、他のノードとの無線リンク候補の数を指す。システム内の各ノード(地上局および衛星)は、所定のしきい値(例えば、FOM=2)より低い質を伴うリンク候補を排除することができる。これは、ひとつの非常に高い質のリンクとひとつの非常に低い質のリンクとを用いてルートが形成されることを防ぐことができる。後者は、ルートの全体の質が十分なように見えてもデータ通信を邪魔しうる。それは、ノード間の伝送の数を減らすことによって、好適な無線ルートを決定するのに必要な時間を低減することができる。
2. 無線ルートを介したデータ通信の伝送
ちょうど説明したように、複数のリンクがひとつの無線ルートとして組み立てられると、それは送信元ノードから宛先ノードへ通信信号を送信するために使用可能となる。しかしながら、無線ルートを介してデータ伝送を通信する際に解決されなければならない問題は、ノードの単一のアンテナが信号の送信と受信とを両方同時に行うことはできないことである。この問題は、842特許および899特許において様々な方法で解決される。本システムに特に適用されるひとつのものは、ノードを、本説明では「A」、「B」と称される二つのタイプのいずれかとして指定することである(または、842特許および899特許では「奇数」、「偶数」である)。そのような構成では、あるタイプのノードから送信される信号は、ある態様で、他のタイプのノードから送信される信号と区別され、その結果、ノードはそれが信号の送信用に用いるアンテナと同じアンテナで信号を受信することができる。
これを行うひとつの方法は、あるタイプのノードが所定の周波数帯で送信し、他のタイプのノードが異なる周波数帯で送信することである。この構成では、ノードのアンテナは信号を同時に送受信できる。ひとつの欠点は、アンテナが同時に送受信しているときに干渉が生じないことを保証するために、各周波数帯の間に十分な分離を提供する必要があることである。信号送信と信号受信とを分ける別の方法は、あるタイプのノードから特定のタイムスロットで送信し、他のタイプのノードから先のタイムスロットと互い違いになっている異なるタイムスロットで送信することである。
この説明にしたがうデータ/通信信号伝送は衛星10のデータ移動モジュール48によって制御される。例えば、ヘッダおよびペイロードを伴うデータパケットを含むデータ通信が送信元地上局で受信される。ヘッダは、典型的には、宛先地上局の識別子を含むアドレス情報を含む。データ伝送モジュールはアドレス情報を開封し、宛先ノードのシステムアドレス(ノード番号)を示す。次いで、パケットは、上述のやり方で確立された無線ルートを介して宛先地上局に送信される。 本システムの重要な側面は、好適な無線ルートが、進行中のデータ伝送中においても変わりうることである。しかしながら、宛先地上局に到着するデータパケットは、既知の原理にしたがって開封され、誤り訂正にかけられ、適切な順序に再組み立てされうる。これは、パケットが異なるルートを進行した結果、または異なるルートが生成されていた間に遅延した結果、順序無く到着した場合であってもである。
3. サマリ
本システムが、842特許や899特許に記載のルート生成技術を、ノードが実質的に二次元の空間内にある固定デバイスの代わりに衛星を含む三次元メッシュに、単に重ね合わせたものではないことは、当業者に理解されるであろう。リンク選択およびルート生成に関与する数多くのファクタがあり、それらのいくつかは上述され、そのようなファクタは、本明細書で説明される宇宙ベースの三次元メッシュのタイプにおいて考慮されなければならない。例えば、衛星は異なる軌道を有するのであって、そのような軌道のいくつかは人の居ない大きく広がる海洋の上を通過し、一方他のものはより多くのデータ伝送を生成するであろう大陸の上を通過するであろうし、したがって、電池寿命は衛星ごとにかなり変わりうる。したがって、無線ルートにおけるノードとして衛星を選択する際に、電池残量は重要なパラメータとなり得る。
最適なまたは好適な無線ルートを確立するために単一の衛星を用いることは、いくつかの利点を有する。ひとつは、衛星と地上局との間でやりとりされる無線信号が、地上局においておよび衛星において保持されるアルゴリズムによって用いられる情報を含み、それによって好適な無線ルートが1秒よりも短い期間で計算されるので、ほぼ即座に好適なルートを特定することができることである。したがって、地上局が別の地上局へのルートを必要としていることを示す信号を送信するとすぐに、そのようなルートを直ちに確立し通信信号の送信用に用いることができる。このタイプの三ノードルートは、データ伝送への擾乱を最小化するのに十分なほど急速に「リフレッシュ」することができ、この場合、後に異なる衛星または同じ衛星の異なるアンテナがより良い質のルートを提供するのであれば、より良い質のリンクを提供しつつデータ伝送における遅延を最小化するようほぼ即座にルート設定を調整することができる。また、電池残量の欠乏などの他の理由によって、ルートで用いられる衛星を変更することも可能である。
当業者であれば、上記にしたがうシステムを設計することがシステムの異なる側面の間のトレードオフを要求することを理解するであろう。したがって、実際のシステムは、特定のデザインを最適化する際の多くの競合する考慮を含むこととなろう。これらの考慮のうちのいくつかは、衛星の数、衛星の高度、特に衛星におけるアンテナの数、アンテナのビーム幅、衛星のサイズ、ルート生成を更新する周期、等である。
B. 本システムを用いて生成される無線ルートの例
本実施の形態の態様は、地上から衛星へそして衛星から地上への無線ルートを確立するための少なくともひとつの衛星が存在する確率を、上記にしたがいより多くの衛星を軌道に入れるだけで、容易に増大させることができることである。衛星はとても軽くて廉価なので、その数を増やすことはシステムの信頼性を増大させる経済的に実現可能な方法である。二つの地上局間の無線ルートの確立のために即座に利用可能な衛星がない期間が生じうるのであるが、システムが自身をリフレッシュ可能な急速なレートは、少なくともひとつの衛星がすぐに(おそらく数秒以内に)利用可能となる確率を高める。大抵のアプリケーションでは、この程度の大きさの持続期間を伴うタイムラグは許容可能である。このような理由から、本実施の形態の特に有益なアプリケーションは、特定の地理的領域に亘って信頼性の高い無線ルートを提供することである。
1. 特定の地理的領域において単一衛星ルートを確立すること
図6は、本発明のこの態様のアプリケーションを示しており、そこでは、ランダムに周回する複数の衛星を用いて地上から単一衛星への無線ルートを生成し、そのルートを介して所定の地理的領域上でのみ信号を送受信可能となっている。ここで提示される例は、エジプト国全体で通信信号を送受信するためのシステムである。図6はカバレッジエリアCAを示すエジプトの地図であり、そこでは、単一の衛星を用いることで、カイロと国の南西の角SWとの間の通信を有効化する。上述の通り、システムは200個の衛星を含む。符号COが付された円のセグメントは、衛星がカイロを見るであろう領域を示す。符号SWが付された円のセグメントは、衛星が国の南西の角SWを見るであろう領域を示す。領域CAはこれら二つの円の重なりを表し、カイロおよび南西の角SWの両方が同じ衛星を見るであろう領域を示す。
重なり合う円COおよびSWの領域CAは以下の関係により与えられる:
Figure 2019528617
ここで、m=700マイルであってこれはカイロとSWとの間の距離であり、DHは衛星から水平線までの距離(図2参照)である。したがって、単一の衛星がカイロにおける地上局と南西の角SWにおける地上局との間の通信を可能とする領域CAは、約9800000平方マイルである。図2と関連する上記の計算により、カバレッジエリアCAは地球表面の約5.0%である。本開示にしたがい200個の衛星がランダムな軌道にある場合、平均で、カバレッジエリア内の任意の地点から視認可能な衛星は少なくとも10個となる。言い換えると、カイロとSWとの間の通信用にただひとつの衛星も利用可能でない確率は0.95200≒0.0035%(または約百万分の35)でしかない。実際の具体化では、領域はいくらか小さいものとなろう。衛星が特定の位置の地平線に近いほど、大気の影響や近くの建物からの干渉や山などの地形的特徴に起因して、その位置にある地上局からの無線信号を受信できる確率は低い。地上ノードを高い塔や丘や背の高い建物に配置することによって、地上局が地平線近くの衛星を見ることができる能力を向上できる。典型的に地上局は商用電源を用いるので、通常、地上局で利用可能な電力に対する制限は小さいか全く無い。加えて、地上局は重量を増加させるようなアンテナのデザインを用いることができ、一方、衛星では、一般に目標は重量を減らすことで打ち上げコストを低減することである。言い換えると、システムを設計するエンジニアは、地上局の有効範囲を増大させることで、そうでなく地上局が衛星と同じ数の同じアンテナモジュールを備える場合に利用可能な衛星の数よりも多くの数の衛星を単一衛星ルート生成用に利用可能とするよう地上局を構成する際に、より高い自由度を得ることができる。
図6は、国の北西の角NWや南東の角SEなどの他の地上局との通信についてのカバレッジエリアを示すために、破線の円のセグメントを用いる。例えば、衛星は、NW位置の地上局とSE位置の地上局との間の通信のために、NWおよびSEが付された二つの円の間の重なりを占める必要がある。言い換えると、その領域内の任意の単一の衛星はそれらの地上局間の無線ルートをサポートする。他の例として、カイロおよびSEを中心とする二つの半径2000マイルの円の重複領域内の任意の衛星は、それら二つの位置にある地上局の間の無線ルートをサポートする。同じ原理は、カイロおよびNWにある二つの地上局の間の通信にも適用される。
ノード間の無線リンクを確立するために上述された態様で、二つの地上局(例えば、カイロにおけるものとSW近くのもの)間に無線ルートが確立される。本実施の形態では、全ての衛星があるタイプのノードであり全ての地上局が異なるタイプのノードであるから、所与の無線ルートは単一の衛星のみを含むが、ルートはただひとつの衛星を含むものである必要はない。いずれにせよ、ノード内のルート生成モジュールは生来的に単一衛星無線ルートを好むことが想定されており、これは、そのようなルートにおけるリンクの総合的な性能指数の点で好適なルートを提供する蓋然性が高いからである。加えて、元々ルート生成に用いられていた衛星が水平線を越えて二つの地上局のうちのひとつの視界から消えた場合であっても(図2Aおよび2B参照)、二つの地上局間で無線ルートが維持される。その場合、両方の地上局の視界内にある異なる衛星の搭載コンピュータは新たな無線ルートを生成するために使用され得る。ルートが利用可能でないときに理論的に生じうる短期間の間、伝送データはルートが利用可能になるまでバッファメモリに保持される。上述の通り、通信データパケットヘッダは当該パケットを再組み立て可能とするシーケンス情報を含んでおり、該再組み立ては、地上線やWiFiを介して宛先ノードに接続されたユーザへの伝送用に宛先ノードにおいて行われる。
2. 広いエリアカバレッジを伴う単一衛星ルート
図7は、二つの地上局を隔てる距離と、それぞれの地上局を中心とする二つの円が互いに重なり合う領域と、の間の一般的な関係をプロットする。二地点が約700マイル隔てられている場合(エジプトを用いた上記の例のような場合)、直径DH=2000マイルの二つの円の重複領域CAは領域ARの約78%である(図2)。距離が増えるにつれ、重複領域は対応して減少する。図7は、ニューヨークおよびロサンゼルスを中心とする二つの円の重複領域LAを示す。その領域は約3400000平方マイルであり、これは単一衛星によってカバーされる領域ARの27%でしかない。これは197000000平方マイルである地球表面の1.7%でしかない。200個の衛星を含むシステムについて、両方の都市から視認可能な衛星が約3個か4個しかない。ロッキー山脈が地球表面に対して浅い角度でロサンゼルスに向かう西向き信号を遮ることを考えると、実際、長期間に亘り両方の都市と通信可能な衛星はないと思われる。ロシアはさらに極端な状況を示す。ウラジオストックとサンクトペテルブルクとの間の距離は約4000マイルであり、単一の衛星がそれらの間に無線ルートを提供できる可能性はないことを意味する。ロシア内の互いに近いところにある都市であっても、それらがウラル山脈の両側にある場合にはそれらの間に単一衛星無線ルートを確立できる蓋然性は十分に高いものではない。
本発明の単一衛星の実施の形態を、地上ノードが離れすぎている場合や地形的特徴により両方の地上ノードから視認可能な衛星の数が相当制限される場合のセッティングに、容易に適合させることができる。その場合、ひとつ以上の中間地上ノードを離れている位置の間に設ける。中間地上局は、システムにとって、衛星ノードのように見える。この点を説明するため、地上ノードがニューヨーク、カンザスシティおよびロサンゼルスに設けられているシステムを考える。ニューヨーク/カンザスシティ地上ノードから見える衛星内のルート生成アルゴリズムは第1好適無線ルートセグメントを決定し、カンザスシティ/ロサンゼルス地上ノードから見える衛星内のルート生成アルゴリズムは、第1のものに続いて第2好適無線ルートセグメントを決定する。ルートは二つの単一衛星ルートセグメント(ニューヨーク/カンザスシティおよびカンザスシティ/ロサンゼルス)を含むものに必ずしも限定されないが、典型的にはそれが最終結果であると信じられている。上述のリンクカウントは二つの離れた地上局の間の好適な無線ルートを選択する際のファクタとして使用可能であり、ある状況では、ひとつの単一衛星無線ルートが選択される結果となりうる。
しかしながら、例えばニューヨークとロサンゼルスとの間のルートを単一の衛星を用いて生成するのも、ノード内のルート生成コンピュータがそのように指示するのであれば中間衛星/衛星リンクを用いてそのようなルートを生成するのも、システムの自在であることは上述の通りである。衛星間リンクは、地上局と同じ「タイプ」の十分な数の衛星が軌道に投入された場合、確立可能である。これらの衛星はある種の隠しノードとして機能し、他方のタイプの衛星間の通信用にのみ使用可能であって地上局との通信には用いられない。周回する衛星が互いを見ることのできる距離は大きいため、そのような隠しノード衛星は限られた数だけあればよいことが想定されている。
3. 単一衛星無線ルートの追加的性質
本明細書で説明されるメッシュシステムのひとつの性質は、データ通信を特定の地上局に制限する能力である。例えば、セキュリティ上の懸念から、ある地上局からの所定の通信がひとつ以上の他の地上局にのみ伝送可能であることが要求される場合、パケットヘッダは適切な復号鍵を伴う地上局によってのみ復号可能な暗号化情報を含みうる。データ通信そのものの中だけでなく、無線リンクを生成するために用いられる情報信号の中にも暗号化鍵を含めることによって、通信は二重暗号化されてもよい。同じ原理は一般に所定の地上局への通信を防ぐためにも用いられうる。例えば、エジプトにおける地上局間の通信用に展開されたシステムに関する上記の例では、地上局から送信されるデータパケットはエジプト内の他の地上局だけとの無線ルート生成を許すアドレスフィールドを含みうる。このタイプの一重または二重暗号化はまた、政治的理由または宗教的理由により国家によって用いられてもよい。
IV. 回転衛星
既述の通り、上記説明の通りに衛星ベースの無線メッシュシステムをデザインすることは、広範囲のパラメータに亘って無数のトレードオフを含む。相反的に作用ししたがって賢明な選択を必要とする二つの特定のパラメータは、ノード内のアンテナによって送信されるルーティング信号および呼のビーム幅と、アンテナのパワー(利得)と、である。ビーム幅を大きくするとビームマッチが生成されうる確率を高めることができる一方、より大きなビーム幅はアンテナの利得を低減させる。逆に、ビームを狭くするとアンテナの利得は高まるが、ノード間にビームマッチを生成する確率は低くなる。このトレードオフは衛星ノードにおいて特に顕著である。なぜならば、衛星のアンテナ構成は衛星の重量およびサイズに課された制限を考慮に入れなければならないのであって、それは衛星が備えることができるアンテナの数を制限し、また、衛星のアンテナ構成は搭載電池から利用可能な電力に課された制限も考慮に入れなければならない。また、ノード間のビームマッチ候補の数を増やすことが望ましいのであり、なぜならばいくつかの無線ビームは地球の表面をかすめることによって弱まる場合があり、地球の表面は信号が受信ノードに到着する前に信号を部分的に遮る可能性がある。
ビーム幅とアンテナ利得との間の適切なトレードオフを達成することは、ランダム軌道衛星システムが効率的に機能するために重要である。そのようなシステムは、ルートを生成および選択するために、ランダムに周回する衛星を用いてルートが生成されうる統計的確率に依存する。上述のような宙返りする衛星を用いる基本的なシステムは、シンプルで、廉価に実装でき、単一衛星無線ルートを生成する際に特に有効である。既述の通り、ノード間のリンクの確立を可能とするために、衛星のアンテナは宙を向いている−互いおよび地球を向いている。システムの基本的な性質は、他のノード(地上局および衛星)に到達する十分な強度のルーティング信号およびデータ伝送に対するその依拠性である。システムは以下に依拠する。すなわち、軌道に十分な数の衛星を有し適切なデザイントレードオフ(ビーム幅対利得を含む)を行うことによって、ひとつ以上の衛星を介して二つの地上局の間に適切なルートを生成可能である確率を強化することである。しかしながら、衛星間の高品質(性能指数)リンクを生成する確率が高くなる場合には複数の衛星ルートによってより良いデータ伝送が達成可能であり、そのようなシステム導入もまたありうる。
本実施の形態は軸の回りに回転する衛星を用い、本明細書で説明した通り、これはひとつ以上の衛星を用いて高品質リンク及びサブルートを伴うルートを生成できる蓋然性を高める。後述の通り、回転する衛星を採用することにより、ビーム幅を低減することができ、それに対応して利得を高めることができ、したがってノード間のより高品質な無線リンクを生成できる。
A. 本実施の形態に通底する原理
上述の宙返りする衛星の実施の形態では、例示的な衛星構成は25個のアンテナを用い、球状衛星の表面の約60%をカバーする。したがって、そのような衛星によって送信された無線ビームが他の同様な衛星によって受信される確率は粗く見積もって約36%(0.6×0.6)である。無線ビームはサイドローブを有し、それはリンクが生成される確率をある程度高めることから、これが単なる見積もりであることは当業者には理解される。衛星の直径が二倍になると、上述の例で用いられたパラボラディッシュアンテナの直径dもまた二倍になりうる。上記の式(1)、α=(k×γ)/d、によると、HPBWは上述のアンテナ例の値から半分すなわち70度になる。ビームの面積は四分の一だけになってしまうが、アンテナ利得は四倍、すなわち約6dB、まで高められる。一方、ある宙返りする衛星から送信された無線ビームが他によって受信される確率は約2%(36%×(1/4))まで減少する。
宙返りする衛星の実施の形態で上述した通り、システム内のノードによって繰り返し送信される無線信号は、最終地上宛先のアドレスとその宛先に対する性能指数とのみを含む必要がある、リンクおよびサブルートについての情報を含む。回転する衛星の実施の形態は、宙返りする衛星の実施の形態を、特に高利得および狭いビームのアンテナを伴う衛星間に無線リンクを生成する確率を高めるための技術への出発点として捉えている特に以下に続く議論から、スピンしている衛星のシステムにおける特定の無線ルートは宙返りする衛星のシステムにおけるものほどは継続しないことを理解するであろう。したがって、ルート生成プロセスを強化するためのひとつの方法は、より少量のサンプルデジタルデータ(上述の表1−3参照)を有するルート生成信号を用いることで、そのような信号をより短い期間で送信することを可能とし、より急速なルート生成を実現することである。
また上述されるように、データ伝送(「呼」)は典型的にはヘッダを伴うパケットの形態をとり、ヘッダは、パケットの宛先を示すアドレスデータと、伝送の内容を含むペイロードと、を含む。複数パケットにおけるヘッダ情報は、それらが送信されたときと同じ順番にパケットを並べるのに使用可能である。回転する衛星のシステムにおける特定の無線ルートは宙返りする衛星のシステムにおけるものほどは継続しないのではあるが、データ伝送パケットヘッダは、伝送を再組み立てするために宛先地上局によって用いられる、パケットの適切な順番についての情報を含むであろう。したがって、新たな無線ルートが伝送の途中で生成されている間に特定のデータ伝送を完了する際に遅延がありうるものの、回転する衛星を用いることによって実現可能とされるより高い利得の無線ビームがより高い蓋然性で無線ルートを確立し、そもそもその無線ルートによって所定の地上局間のデータ伝送が可能となるので、そのような潜在的な欠点はオフセットされるであろう。
B. 衛星間のリンキング
宙返りする衛星の実施の形態の上記議論は、地上局アンテナの数および利得を増大させることによって、地上局と衛星との間の無線リンクの確立を強化することができることを指摘する。地上局は典型的には、衛星では存在するような、重量や利用可能スペースや電力に課せられる制限を有さないので、これは大抵の導入において実現可能である。本実施の形態では、衛星間のビームマッチングによる無線リンクの確立は、回転軸の回りに故意にスピンさせられている、軌道に投入された衛星を用いることによって強化される。ある実施の形態では、衛星自体は図3および4に示されそれらの図に関連して上述された衛星のコンポーネントと同じコンポーネントを有する。
衛星の角速度は比較的大きい。回転する衛星を用いた典型的なシステムの動作を説明するために、衛星が角速度ω=2πラジアン/秒(60rpm)を伴って展開されることを想定する。当業者であれば、本例が限定を意味するものではなく、本明細書で説明され請求される無線ルートを確立するのに有効な任意の角速度を用いることが本開示の範囲内にあることを理解するであろう。回転軸の向きは制御されないが、物理の原則は、各衛星にはその重心を通る回転軸があり、その回転軸は角速度ωの周りで歳差運動することを示す。しかしながら、任意の所与の時刻における回転軸の向きは無線リンクの生成に影響を与えないのであり、これは以下の説明で明らかになる。
衛星アンテナは衛星が回転するにつれて領域を「掃引」するので、回転する衛星は、送信された無線ビームが他の衛星によって受信される確率を高める。これは図8Aに示される衛星Sを考えることによって理解可能である。図8Aは衛星の「赤道」での模式的断面であり、これは図3の衛星10の赤道16に対応する。本例では、衛星Sは五つのアンテナ12、12、12、12および12を備え、それぞれがHPBWとして70度を有し、それらは赤道16の周りに等間隔に設けられ、角速度ωでz軸の周りを回転している。衛星から離れたところにあり、赤道の平面内にある位置RLは、衛星が一回転を完了する際に五つのアンテナを「見る」。赤道平面内にない位置についてはこの数は異なるが、原理は依然として成り立つことが理解されるであろう。また、回転軸周りの歳差運動のため、この数は増減するが、衛星から離れたところにある大抵の位置(地上局を含む)は依然として衛星が回転するにつれて複数のアンテナを見ることとなることが理解されるであろう。したがって、その赤道面が第1衛星Sの赤道面内にある第2衛星について、上述の例の宙返りする衛星の利得を6dB上回る利得を伴う無線リンクを生成することができる確率は、約10%(5個のアンテナ×アンテナごとに2%)である。地上局アンテナとビームマッチを生成する確率も同様に増大する。
これは非常に理想化された表現であって、回転軸周りの衛星の歳差運動などのファクタを無視していることは理解されようが、それでもなお、回転する衛星により二つの衛星間のビームマッチを生成する確率が高まるというコンセプトを示す。いずれにせよ、ルート生成用に利用可能なランダムに周回する衛星の数が多いことを考えると、回転する衛星を用いたビームマッチの高い確率は、大抵ではないにしても多くの場合、複数の衛星を介した二つの地上局間の、高品質リンクを伴う無線ルートの組み立てを可能とするのに十分である。これは、大きな距離で隔てられた地上局間に達することに対する特別な適用可能性を有するが、またそれは、他のセッティングにおける地上局間の無線ルートの信頼性を高めることができる。
1. 逆回転衛星
衛星は、その約半分が回転軸周りの第1向きに回転し、他の半分が反対向きに回転するよう展開されることが好ましい。図8Bは、図8Aと同様の部材には同様の符号を用いており、衛星Sが角速度ωで第1向きに回転し、第2衛星Sが同じ角速度−ω(反対の回転向きに)で回転することを示すことにより、この原理を示す。これは、衛星Sのアンテナ12と衛星Sのアンテナ12との間のビームマッチが、どのように、それら二つの衛星が同じ向きに回転している場合よりも長く維持されるか、を示す。すなわち、衛星が反対向きに回転している場合、それらの衛星の対向するアンテナは互いに対して基本的に同じ線速度で並進している。一方、衛星が同じ向きに回転している場合、その相対線速度はそれぞれの線速度の二倍である。軌道に十分な数の衛星がある状況(前の実施の形態では200個)では、図6の領域CAなどの、無線ルートが確立されている任意の所与の地理的領域の上に、複数の反対向きに回転する衛星を有する確率は相当あると信じられている。したがって、少なくともいくつかの、および好適には約半分の衛星を他方とは反対向きに回転するよう展開することによって、比較的長期間持続する無線ルートを素早く確立する確率が高まる。加えて、二つの衛星の二つのアンテナがより長期間揃っているだけでなく、それらが回転して互いに見えなくなるとすぐに、衛星の他の二つのアンテナが揃い、したがって衛星間の無線リンクの急速なリフレッシュを可能とする。図8Bに示される例では、衛星Sのアンテナ12と衛星Sのアンテナ12とが次に揃う。
ちょうど上で議論された回転する衛星を用いることの増大した効率を示すために用いられた例のように、これはまた、反対向きに回転する衛星がいかにそれらの間により長期間持続する無線リンクを生成することができるかの理想的な説明でもある。加えて、上記説明に通底する前提に対し、任意の所与の時刻において、二つの地上局間に無線ルートが望まれる領域の上に二つの反対向きに回転する衛星がない場合があるかもしれない。それでもなお、総合すると、これらの例は、回転する衛星および特に反対向きに回転する衛星が、ランダム軌道衛星間に比較的高い利得の無線リンクを確立することでひとつ以上の衛星を介した二つの地上局間の信頼性高いデータ通信を可能とする十分な確率を提供するであろう、というポイントを示す。そして、アンテナが複数の向き(好適には衛星を取り巻く球状空間全体に亘る)を向くのであるから、二つのスピンしている衛星の間に無線リンクを確立する機会は大抵の場合、回転する衛星を用いることで強化されうる。
2. 異なる角速度を伴う衛星
ちょうど上で説明した実施の形態の変形例は、異なる角速度で回転する衛星を用いる。この変形例は図8Cに模式的に示されており、衛星Sは角速度ωで回転し、Sは異なる角速度ωで回転する。このシステムの利点は、反対向きに回転する衛星のアンテナの位相がずれた状態になり、これは、一方の衛星のアンテナが第2衛星のアンテナとアンテナとの間のスペースを直接向くことがあり得るという意味であり、これは図8Cに示されている。衛星が同じ角速度で回転している場合、この状況はかなり長い期間持続する可能性があり、したがって、衛星間の無線リンクを弱め、またはおそらくリンクの確立を妨げる。衛星を異なる角速度で回転させることで、ある角度位置において、両方の衛星のアンテナが互いに対向し(同位相となり)、したがってそれらの間に便利な無線リンクを確立することを可能とする確率を高めることができる。例えば、図8Cに示されるケースでは、衛星のアンテナはちょうど180度位相がずれており、すなわち、衛星Sのアンテナ12は衛星Sのアンテナ12と12との間のスペースを直接指している。ω=1.33×ωである場合、衛星Sのアンテナ12と衛星Sのアンテナ12とは衛星が回転するにつれて揃う。
システムのある導入は数多くの衛星間リンクを用い、一方で同時に、地上局間で呼を伝送する時の遅延を許容できることが理解される。このタイプの導入は、わずかに異なる角速度で回転する衛星を用いることによる恩恵を受けることができる。言い換えると、システムは、無線信号を送信する衛星がその信号を受信する衛星とは異なる角速度で回転する確率を高めるよう設計されうる。二つの衛星の異なるアンテナがずれてから再度揃うにつれて、無線ルートが間欠的に妨害されそしてリフレッシュされる間、データ通信は遅延するであろう。しかしながら、データ通信をバッファリングし、無線リンクが存在する各間隔においてそれらを送信することによって、これを補償することができる。
例示的なアプローチでは、衛星の集団は、以下の表にしたがい、異なる角速度を伴う五つのグループに分割可能である。
表4
非常に遅いスピナ: 毎秒0.68回転
遅いスピナ: 毎秒0.84回転
平均的スピナ 毎秒1.0回転
速いスピナ: 毎秒1.16回転
非常に速いスピナ: 毎秒1.32回転
直上の議論は、これがいかにして衛星のアンテナ間にビームマッチを確立する確率を高める傾向にありうるかを説明する。すなわち、上述の議論は、他の衛星の角速度の1.33倍の角速度で回転する衛星がいかにしてビームマッチを促進しうるかの一例を示した。同じ原理は他の複数の角速度にも適用される。
同様に、このシステム実装はまた、所与の期間においてより多くのビームマッチを可能とする。なぜならば、ある衛星のアンテナは、衛星が異なる角速度で反対向きに回転する場合、ビームマッチを形成するのに十分なほど他の衛星のアンテナと揃うより多くの機会を有するであろうからである。衛星が回転するにつれ、所与の時刻において、または所定の期間の間、二つの衛星の間にビームマッチがないことがありうる。しかしながら、それらが異なる角速度で回転し続けるにつれて、衛星のアンテナは、各衛星の各アンテナがある時点で揃う蓋然性が高いので、ビームマッチを形成する蓋然性が高い。これは衛星の複数回転分の時間を要するかもしれないが、異なる角速度での回転は、衛星が回転し続けるにつれて更に多くのマッチが生成されうる確率を大いに高める。したがって、衛星がその軌道内を移動し、その軸の周りで回転する際の異なる衛星上のアンテナの複雑な相関関係から、それぞれ異なる角速度で回転する衛星の集団を複数提供することによって、任意の所与の期間中に衛星ペア間のビームマッチをより多く生成する確率を高めることができることが理解される。ビームマッチが生成されている間に結果として生じる任意の遅延は、それに対する代替が特定の地上局がデータ伝送を送受信することが全くできないという不能性であるなら、許容可能でありうる。
3. 他の考慮
地球軌道を回る物体、特に低軌道を回る物体の角速度が多くの要因により減衰するものであることが知られている。例えば、本システムで用いられる衛星が好適に占める領域である低高度地球周回軌道および中高度地球周回軌道では、地球の大気は非常に薄いものの、それでも、周回する物体は空力抵抗を経験する。また、物体内の強磁性物質が地球の磁場を通過することにより生成される力は、衛星などの回転体の角速度に影響を及ぼしうる。回転する衛星が経時的な角速度の低減を経験する傾向は、様々な方法で補償可能である。ひとつは、従来知られているように、逆進ロケットやアクティブ機械的デバイスを用いることである。しかしながら、本発明の目的の一つは、本明細書で説明される無線システムで用いられる衛星を製造し、展開し、維持するコストを最小化することであるから、衛星に加えられる外力を補償するために、または、衛星の運動を制御するための力を生成するために、受動的な手段を用いることが好ましい。
ひとつのそのような手段は、一方の面のみにソーラセルが設けられた太陽光パネルを用いることで、衛星の回転軸周りのトルクを生成するためにパネルに衝突する光子の運動量を利用する。例えば、z軸周りで反時計回りに(負z方向で見た場合)回転するよう展開された衛星について、図3および4を参照すると、各太陽光パネル14aは一方の面にのみソーラセルを有しており、すなわち、図4の右側の太陽光パネル14aについては見る人に対向する面であり、図4の左側の他の太陽光パネル14aについては見る人に背を向ける面である。残りの太陽光パネルは、依然として、両方の面にソーラセルを有しうる。より大きな太陽光パネルは衛星に対する空力学的抵抗を増大させるであろうが、賢明なデザインにより、角速度の減衰傾向に打ち克つ衛星に対する総トルクを生成するサイズ、構成および向きの太陽光パネルを提供できるであろうと信じられている。
同様に、衛星コンポーネントの質量を選択的に分散させることで、衛星に、特定軸の周りで回転させることができると信じられている。電池が衛星質量の大部分を形成することが想定されるので、電池は衛星の重心に配置され、回転軸について対称な質量分布を有することが好ましい。加えて、衛星に対する地球の磁場の影響は、可能な限りアルミニウムなどの非強磁性物質を用いることによって、最小化可能である。これらの特徴は、回転軸周りの運動量を提供するための太陽光パネルの使用に加えて、衛星の角速度の減衰レートを少なくとも低減するのに十分であろう。
上述の通り、衛星の運動を制御する上述の受動的手段のいくつかまたはすべてを、宙返りする衛星の実施の形態において利用可能である。すなわち、ある変形例では、ひとつ以上の太陽光パネルは一方の面にのみソーラセルを有することにより、衛星に不均衡運動量を付与し、衛星に宙返りさせ続けることが可能である。別の変形例は、衛星の選択された位置に強磁性物質を配置し、この強磁性物質は衛星が地球の磁場を横切る際に大きさおよび方向が変化する力を生成するであろう。
元々回転するよう展開された衛星は、その初期角速度が時間と共に減衰してしまったとしても、軌道にあり続ける蓋然性が高いから、それらは依然として、地上局間の無線ルートにおけるノードとして利用可能である。本システムにしたがう衛星は廉価に製造、打ち上げおよび展開を行えるので、角速度が減衰してしまった任意の衛星を置き換えるべく、追加的な回転する衛星を打ち上げることができる。これは、ルート生成に利用可能な衛星の数を増やすだけでなく、古い衛星のいずれかがスピンし続けている程度において、その効果は、異なる角速度で回転する衛星を用いることにより可能となった改善された性能を自動的に利用するものであろう。
V. 他の変更および変形
本明細書で説明された構成および方法のさまざまな変形および変更が、本発明の範囲内で可能であることは理解されるであろう。上記の例示的な実施の形態は、好適な無線ルートを選択するために、二つの無線リンク候補の性能指数の追加を用いる。しかしながら、本発明は好適なルートを決定する他の方法を包含するのであって、これは、二つの異なる無線ルート候補の性能指数の和を用いることは、単一衛星ルートよりも複数衛星ルートのほうを好むものであるからである。したがって、単一衛星ルートにおける性能指数の加算が、典型的には、最適なまたは好適なルートを生じさせるが、候補としての単一衛星ルートと複数衛星ルートとから選択するときや二つの複数衛星ルート候補からひとつを選択するとき、本発明のこの態様を実装するために、より複雑で難しいアルゴリズムが必要となろう。そのような状況におけるひとつの可能なアプローチは、ある特定のルートを、他のルート候補がひとつ以上の理由により劣っていると判断されたリンクを含む場合に、選択することであり、そのような理由のいくつかの例は上述される(複数衛星ルート候補内の種々のノード間の不十分な信号強度および/または過剰な誤り率、衛星の電池残量が少ないこと、過剰なリンク負荷、または所定のしきい値を下回る性能指数を伴うリンク候補の排除)。
当業者であれば、本明細書で議論される場合の「性能指数」は単に、二つの地上局間のデータ通信について最適とみなされる無線ルートを選択するという重要なコンセプトを明示するひとつの方法であると認識するであろう。特定のリンク候補の性能指数を決定する際に用いられるパラメータは、本説明で具体的に指摘したものに限定されない。一例は、衛星が互いに対し動いており、その結果衛星間のリンク候補または衛星と地上局との間のリンク候補の質が経時変化することを考慮に入れる。したがって、リンクを選択する際のファクタのひとつは、時間に対するリンクの質(性能指数)の微分でありえ、これは、正の値ならリンクの質が増大するであろうことを示し、したがってより安定であろうし、一方で負の値はその逆を示すからである。
本明細書で説明される無線システムがシステムのノードとして衛星を用いる実装に限られないことは当業者には理解されるであろう。例えば、上述の衛星と構造上同様なノードを風船からつり下げることができ、風船は成層圏(または低軌道)内を自由に漂流することが許される。風船取り付けノードは、複数の方向で信号を送受信するためにノードにおいて構成される上述の衛星アンテナに対応するアンテナを含む。他の変形例は、そのようなノードを、特定領域に亘ってランダムに展開される無人飛翔体(「ドローン」)に取り付けることができる。そのようなシステムは、衛星ベースのシステムよりも簡単に、携帯デバイスからの直接通信を可能とする。なぜならば、ドローンは衛星ノードシステムよりも、地上局(携帯デバイス)により近いからである。
VI. サマリおよび結論
当業者であれば容易に、本発明の選択された好適な実施の形態のみが図示され説明されたことを認識するであろう。以下の請求の範囲によってのみ規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、上で特に言及されたもの以外の種々の変形や変更をなし得ることは理解されるであろう。

Claims (34)

  1. 二つの地上局位置にあるトランシーバ間のデータ通信用の無線ルートを提供するための、姿勢制御無しでランダムな軌道で地球を周回する複数の衛星を備える無線通信システムであって、衛星および地上局のそれぞれが前記システムのノードを含み、複数の前記衛星のそれぞれは、
    複数の他のノードからの無線信号を受信し、無線信号を送信するための複数の衛星アンテナと、
    前記衛星がルーティング信号を別のノードから受信したときのその別のノードを特定し、かつ、前記衛星が前記ルーティング信号を受信した前記衛星アンテナを特定するアドレス情報を保持するためのアンテナペアリング回路と、
    複数の前記衛星アンテナからルーティング信号を送信するためのルート生成回路であって、前記ルーティング信号が、(i)前記衛星を特定するリンキング情報と、(ii)前記二つの地上局位置の間の前記無線ルートにおける無線リンクとしての、前記衛星および前記別のノードの適切性を示す前記受信されたルーティング信号の質と、を含む、ルート生成回路と、を含む無線通信システム。
  2. 前記衛星アンテナが方向性アンテナである請求項1に記載のシステム。
  3. 前記衛星アンテナが、前記衛星のそれぞれを取り囲む実質的に全ての球面空間に亘って無線信号を送受信するよう構成される請求項2に記載のシステム。
  4. 前記衛星アンテナが、前記衛星のそれぞれを取り囲む球面空間全体よりも少ない部分に亘って無線信号を送受信するよう構成される請求項2に記載のシステム。
  5. 前記衛星ノードが第1タイプとして設計され、前記地上局が第2タイプとして設計され、ノードの前記二つのタイプが互いに通信しない請求項1に記載のシステム。
  6. 前記ルーティング信号が前記ノードから送信されたデジタルデータのパケットを含み、各パケットが、
    前記リンキング情報と前記受信されたルーティング信号の前記質とを含むヘッダと、
    ルーティング信号を受信する別のノードによって、前記衛星から受信された前記ルーティング信号の前記質を決定するために用いられるサンプルデータストリームを含むペイロードと、を含む請求項1に記載のシステム。
  7. 前記受信されたルーティング信号の前記質が前記サンプルデータストリームの誤り率に少なくとも部分的に基づく定量的性能指数として表現される請求項6に記載のシステム。
  8. 前記複数の衛星のそれぞれがさらに複数の太陽光パネルを含み、前記衛星がその周回中に太陽光放射に曝されたときに衛星の向きによらずに発電するように少なくともひとつの太陽光パネルが向けられている、請求項1に記載のシステム。
  9. 前記複数の衛星のそれぞれがさらに、前記衛星アンテナ、アンテナペアリング回路、およびルート生成回路に電力を供給するためのバッテリモジュールを含み、前記バッテリモジュールが前記衛星がその周回中に太陽光放射に曝されたときに前記少なくともひとつの太陽光パネルによって充電される請求項8に記載のシステム。
  10. 前記太陽光パネルが前記衛星に軌道において宙返りさせるよう構成される請求項8に記載のシステム。
  11. 受信地上局から送信地上局へのデータ通信用の無線通信ルートを生成するための方法であって、前記地上局が無線信号を送受信するための複数の地上局方向性アンテナを含み、前記方法が、
    (a)姿勢制御無しでランダムな軌道で地球を周回する複数の衛星を提供することであって、複数の前記衛星のそれぞれが無線信号を送受信するための複数の衛星方向性アンテナを含む、提供することと、
    (b)少なくともひとつの衛星の衛星アンテナにおいて、送信地上局のアンテナから送信された初期情報信号を受信することと、
    (c)前記初期情報信号を受信した衛星のいずれかにおいて、少なくとも、(i)前記初期情報信号が前記地上局から受信されたときのその前記地上局を特定するアドレス情報と、(ii)前記初期情報信号が受信された前記衛星アンテナと、を保持することと、
    (d)前記初期情報信号を受信した少なくともひとつの衛星の複数の前記アンテナからリンキング情報信号を送信することであって、前記リンキング情報信号が、(i)前記衛星を特定するリンキング情報と、(ii)前記地上局の間の無線ルートにおける無線リンクとしての、前記衛星および前記送信地上局の適切性を示す前記受信された初期情報信号の質と、を含む、送信することと、
    (e)少なくともひとつのリンキング情報信号を受信した受信地上局において、(i)前記リンキング情報信号を送信した前記衛星を特定するアドレス情報と、(ii)前記リンキング情報信号が受信された前記受信地上局アンテナと、(iii)前記リンキング情報信号を送信した前記衛星において受信された前記初期情報信号の質と、を保持することと、
    (f)特定の衛星を介した前記受信地上局から前記送信地上局へのデータ通信用の無線ルートの質を、(i)前記地上局の間の無線ルートにおける無線リンクとしての、前記特定の衛星および前記受信地上局の適切性を示す前記受信されたリンキング情報信号の質と、(ii)前記初期情報信号の前記質と、に基づいて決定することと、を含む方法。
  12. 前記衛星がノードの第1タイプとして設計され、前記地上局がノードの第2タイプとして設計され、ノードの前記二つのタイプが互いに通信しない請求項11に記載の方法。
  13. 前記送信元地上局から前記宛先地上局へのデータ伝送を送信することをさらに含み、
    ノードの前記第1タイプが無線信号を第1モードでのみ送信すると共に無線信号を第2モードでのみ受信し、該第2モードが前記第1モードでの送信との干渉を実質的に除去し、ノードの前記第2タイプが無線信号を前記第1モードでのみ受信すると共に無線信号を前記第2モードでのみ送信する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記初期情報信号が、少なくとも、前記送信地上局アドレス情報と、前記受信された初期情報信号の前記質を決定するために前記衛星によって用いられるサンプルデータストリームを含むペイロードと、を含むヘッダを含むデジタルデータのパケットを含み、
    前記リンキング情報信号が、少なくとも、前記リンキング情報と、前記受信された初期情報信号の前記質と、前記受信されたリンキング情報信号の前記質を決定するために前記受信地上局によって用いられるサンプルデータストリームを含むペイロードと、を含むヘッダを含むデジタルデータのパケットを含む請求項11に記載の方法。
  15. 前記衛星によって受信された前記初期情報信号の前記質および前記受信地上局によって受信された前記リンキング情報信号の前記質が、前記対応するサンプルデータストリームの誤り率に少なくとも部分的に基づく定量的性能指数として表現される請求項14に記載の方法。
  16. 受信地上局を含む送信元から送信地上局を含む宛先へのデジタルデータのパケットを含むデータ伝送を通信することをさらに含み、
    各データ伝送パケットが、前記宛先のアドレス情報と、前記伝送の前記コンテンツを表すデータストリームを含むペイロードと、を含み、
    前記送信元が、前記リンキング情報信号が受信された前記受信地上局アンテナを用いて前記特定の衛星にデジタルデータの前記パケットを送信し、
    前記特定の衛星が、前記初期情報信号が受信された前記特定の衛星の前記アンテナを用いて、前記宛先に、デジタルデータ伝送の前記パケットを送信する請求項15に記載の方法。
  17. 前記データ伝送が複数のパケットを含み、前記ヘッダが前記伝送の前記コンテンツを含む前記パケットの前記元の順序を示すシーケンス情報を含み、前記送信元から前記宛先への前記無線ルートが前記データ伝送中に異なる衛星を用い、前記宛先が前記シーケンス情報を用いることで前記パケットを前記元の順序にする請求項16に記載の方法。
  18. 前記衛星アンテナが、前記衛星を取り囲む実質的に全ての球面空間に亘って無線信号を送受信するよう構成され、前記地上局アンテナが、前記地上局を取り囲む地球表面の上の実質的に全ての球面空間に亘って無線信号を送受信するよう構成される請求項11に記載の方法。
  19. 前記衛星アンテナが、前記衛星のそれぞれを取り囲む球面空間全体よりも少ない部分に亘って無線信号を送受信するよう構成される請求項11に記載の方法。
  20. 前記決定するステップが、前記受信地上局によって、前記衛星または他の地上局と通信する中央コンピュータ無しで行われる請求項11に記載の方法。
  21. 回転軸周りの回転速度を伴って前記衛星を展開することをさらに含む請求項11に記載の方法。
  22. 送信元地上局から宛先地上局へのデータ通信用の無線通信ルートであって、前記ルートが前記地上局と通信する、姿勢制御無しでランダムな軌道で地球を周回する複数の衛星のうちの少なくともひとつを備え、各地上局が複数の方向からの無線信号を受信し、かつ、複数の方向に無線信号を送信するための複数の方向性アンテナを含み、前記衛星は、
    複数の方向からの無線信号を受信し、かつ、複数の方向に無線信号を送信するための複数の方向性アンテナと、
    初期情報信号が宛先地上局から送信されたときのその宛先地上局を特定するアドレス情報と、前記初期情報信号が受信された前記衛星アンテナを特定するアンテナ情報と、を保持するためのアンテナペアリング回路と、
    複数の前記衛星アンテナから、前記地上局アンテナのうちのひとつで前記リンキング情報信号を受信する送信元地上局に対して前記衛星を特定するリンキング情報を含むリンキング情報信号を送信するためのルート生成回路と、を含み、
    前記送信元地上局において受信され、かつ、特定の宛先地上局を指定するデータ伝送は、前記リンキング情報が受信された前記地上局アンテナを用いて前記送信元地上局によって送信され、
    前記衛星が、前記保持されるアンテナ情報によって特定される前記衛星アンテナを用いて前記データ伝送を送信する無線通信ルート。
  23. 複数の衛星を含み、
    第1衛星の前記アンテナペアリング回路が、それが初期情報信号を宛先地上局から受信したときのその宛先地上局を特定するアドレス情報と、前記初期情報信号が受信された前記第1衛星の前記アンテナを特定する第1衛星アンテナ情報と、を保持し、
    前記第1衛星の前記ルート生成回路が、前記第1衛星の複数の前記アンテナから中間リンキング情報信号を送信し、前記第1リンキング情報信号が前記第1リンキング情報信号を受信するn番目の衛星に対して前記第1衛星を特定する第1リンキング情報を含み、
    前記n番目の衛星の前記アンテナペアリング回路が、(i)前記第1衛星を特定するアドレス情報と、(ii)前記第1リンキング情報信号が受信された前記n番目の衛星の前記アンテナを特定するn番目の衛星アンテナ情報と、を保持し、
    前記n番目の衛星の前記ルート生成回路が、前記n番目の衛星の複数の前記アンテナからn番目のリンキング情報信号を送信し、
    前記n番目のリンキング情報信号が前記n番目の衛星を特定するn番目のリンキング情報を含み、
    前記送信元地上局において受信され、かつ、特定の宛先地上局を指定するデータ伝送は、前記リンキング情報が受信された前記アンテナを用いて前記送信元地上局によって送信され、
    前記n番目の衛星が、前記保持されるアンテナ情報によって特定される前記アンテナを用いて前記データ伝送データを送信し、前記第1衛星が、前記保持される第1衛星アンテナ情報によって特定される前記アンテナを用いて前記データ伝送データを送信する請求項22に記載の無線通信ルート。
  24. 第1の所定数の衛星がノードの第1タイプとして設計され、前記地上局がノードの第2タイプとして設計され、ノードの前記二つのタイプが互いに通信せず、
    少なくともひとつの衛星がノードの前記第2タイプとして設計される請求項22に記載の無線通信ルート。
  25. 請求項22の前記無線ルートを用いて、前記送信元地上局から宛先地上局へデータ通信を送信する方法であって、
    前記宛先局の前記アドレスを暗号化された形態で指定するデータ伝送と、前記伝送の前記コンテンツを表すデータストリームを含むペイロードと、を前記送信元地上ノードに提供することを含み、
    前記地理的エリア内の宛先地上局のみが前記データストリームへのアクセスを可能とする復号キーを含む方法。
  26. 前記宛先地上局と中間地上局との間の、第1衛星を介した第1中間無線ルートと、前記中間地上局と前記送信元地上局との間の、第2衛星を介した第2中間無線ルートと、を備える請求項22に記載の無線通信ルート。
  27. 前記衛星が回転軸周りで回転し、
    前記複数の衛星のそれぞれがさらに、前記回転軸の周りのモーメントを前記衛星に付与するよう構成された複数の太陽光パネルを含む請求項22に記載の無線通信ルート。
  28. 請求項27の前記無線ルートを用いて、前記送信元地上局から宛先地上局へ通信を送信する方法であって、
    デジタルデータのパケットを含むデータ伝送を前記送信元地上ノードに提供することであって、各データ伝送パケットが、前記宛先局の前記アドレスを暗号化された形態で指定するヘッダと、前記伝送の前記コンテンツを表すデータストリームを含むペイロードと、を含む、提供することを含み、
    前記地理的エリア内の宛先地上局のみが前記データストリームへのアクセスを可能とする復号キーを含む方法。
  29. 前記衛星アンテナが、各衛星を取り囲む実質的に全ての球面空間に亘って無線信号を送受信するよう構成される請求項22に記載の無線通信ルート。
  30. 前記衛星アンテナが、各衛星を取り囲む球面空間全体よりも少ない部分に亘って無線信号を送受信するよう構成される請求項22に記載の無線通信ルート。
  31. ランダムな軌道で地球を周回するひとつ以上の回転衛星を含む無線ルートを介して、送信元地上局から宛先地上局へ、データを送信する方法であって、前記方法は、前記送信元地上局による送信用のデータ通信を転送することを含み、前記データ通信が、前記宛先地上局を特定するアドレス情報を含む、方法。
  32. 前記無線ルートがただひとつの衛星を含む請求項31に記載の方法。
  33. 複数の所定の衛星が回転軸の周りの第1向きに回転し、複数の第2の所定の衛星が回転軸の周りの第2向きに回転する請求項31に記載の方法。
  34. 前記複数の所定の衛星が異なる角速度で回転する請求項33に記載の方法。
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