JP2019520558A - 照射標的ハンドリング装置 - Google Patents

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Abstract

原子炉炉心内で所望の核変換生成物を製造するために、必要に応じて物質を照射できるようにする装置。この装置は、核変換生成物の生成量を判断できるように、照射対象物質周辺の中性子束を監視する手段を提供する。この装置により、原子炉を停止することなく、照射される物質を原子炉内に挿入し、所望の軸方向位置に保持した後、所望の時点で原子炉から引き抜くことが可能となる。この装置の大部分を、後続の照射に再使用することができる。この装置はまた、標的物質を原子炉に挿入したり引き抜いたりするための原動力を伝達する装置部分に未照射の標的物質を容易かつ迅速に取り付けるとともに、照射済み物質を装置から迅速に取り外して処理にかけることができる。【選択図】図2

Description

関連出願の相互参照
本出願は、ここに参照して援用する2016年7月14日提出の米国特許出願第15/210,231号の利益を主張する。
本発明は概して炉心へ器物を挿入したり炉心から引き抜いたりするための装置に関し、具体的には、挿入および引き抜きを制御された態様で行う再利用可能な装置に関する。
稼働中の多くの原子炉において、米国特許第3,932,211号に記載されたような可動式炉内検出器システムが使用されている。可動式検出器システムは概して、プラントの大きさ(2、3または4ループ)に応じて4つ、5つまたは6つの検出器/駆動アセンブリから成り、それらのアセンブリは、炉内中性子束シンブルのさまざまな組み合わせを評価できる態様で相互接続されている。シンブルの相互接続が可能なように、各検出器は、5通路および10通路の回転式機械移送装置と協働する。炉心マップは、検出器が内部で駆動される特定のシンブルを移送装置が選択することにより作成される。マッピング時間が最小になるよう、各検出器は、後退位置から炉心直下の位置まで高速(毎分72フィート)で移動させることができる。検出器は、この後者の位置で毎分12フィートに減速した後、炉心最上部へ移動し、そこで方向反転して、炉心最下部へ移動する。その後、検出器は速度を毎分72フィートに上昇させ、後退位置へ戻る。移送装置を回転させて新しい中性子束シンブルを選択し、上記の手順を繰り返すことにより、マッピングが行われる。
図1は、小型の可動式検出器を挿入するための基本的なシステムを示す。小型検出器12が内部で駆動される引き抜き自在のシンブル10は、概ね図示のような経路をとる。シンブルは、原子炉容器16の底部からコンクリート遮蔽領域18を通って上方へシンブルシール台20まで延びる導管を介して、原子炉の炉心14に挿入される。可動式検出器のシンブルは先端(原子炉側)が閉じているので、内部は乾燥している。したがって、シンブルは、原子炉の水圧(設計値2,500psig)と大気圧との間の圧力障壁として機能する。引き抜き自在のシンブルと導管との間のメカニカルシールが、シール台20に設けられる。導管22は本質的に原子炉容器16の延長部であり、シンブルが小型の可動式炉内計装検出器の挿入を可能にする。シンブル10は、運転中は不動状態にあり、引き抜きは燃料交換時または保守作業時の減圧条件下でのみ行われる。容器内部構造物への作業が必要な場合は、シンブルを原子炉容器の底部まで引き抜くことが可能である。
小型検出器を挿入するための駆動装置は、図示のように基本的に、駆動装置24と、リミットスイッチ集合体26と、回転式5通路移送装置28と、回転式10通路移送装置30と、隔離弁32とを備える。
各駆動装置は、先端に小型検出器が取り付けられた中空の螺旋ラップ駆動ケーブルを炉心内へ押し込む。当該検出器の出力を伝達する小径同軸ケーブルが、当該駆動ケーブルの後端まで中空内部の中心を通っている。
医療処置で使用される同位体のような照射が望ましい中性子放射化生成物および核変換生成物を、可動式炉内検出器システムの中性子束シンブル10を用いて製造するには、炉心14に設置された中性子束シンブル内へ照射対象物質を挿入したり引き抜いたりする手段が必要である。ここで使用する手段は、製造過程で作業員が放射線に被曝する可能性を最小限に抑え、製造過程で発生する放射性廃棄物の量も最小限に抑えることが好ましい。適切な量の放射化生成物または核変換生成物が製造されるように標的物質に照射される中性子を正確に監視するには、標的物質周辺の中性子束を継続的に測定できる装置が必要である。ここで使用する手段は、商用原子炉の炉心内でセンサを挿入したり引き抜いたりするための現用のシステムに適合するのが理想的である。本願は、上述の要件をすべて満たす同位体製造ケーブルアセンブリを説明する。
本発明は、駆動ケーブルが原子炉炉心にセンサを挿入したり引き抜いたりするためのケーブル駆動システムとしての既存の原子炉駆動機構に対する駆動機構要件に適合するように構成された、同位体製造ケーブルアセンブリを有する照射標的ハンドリング装置を提供する。当該駆動ケーブルの一方の端部に近い或る長さの軸方向部分に螺旋状に巻回された自己給電式放射線検出器は、原子炉炉心内の中性子束シンブルに挿入するように設計されている。当該自己給電式放射線検出器は、当該螺旋状巻回軸方向部分の端部間の軸方向の長さを最小にしつつ所定の信号出力を十分に提供することができ、当該自己給電式放射線検出器は炉心内の当該自己給電式放射線検出器の位置における原子炉中性子束を示す出力を提供することによって、当該駆動ケーブルの当該一方の端部に近接して支持される標的物質の軸方向位置の最適化を可能にする。
当該駆動ケーブルの当該一方の端部に急速着脱式連結部のメス端部またはオス端部のうちの一方が接続され、当該急速着脱式連結部の当該メス端部またはオス端部のうちの他方は、標的保持体ケーブルアセンブリの一方の端部に取り付けられ、当該メス端部またはオス端部のうちの当該一方と着脱するように構成されている。当該標的保持体ケーブルアセンブリはさらに、当該駆動ケーブルが中性子束シンブルに挿入されたり引き抜かれたりする際に標的物質を確実に保持するように構成された標的物質支持部を有する。
一実施態様において、当該標的保持体ケーブルアセンブリは、当該中性子束シンブルの境界内に当該標的物質を保持するのに十分な長さを有する金網の中空円筒体から成る。当該標的保持体アセンブリは、実質的にコバルトを含まない材料から成り、当該金網は、当該中性子束シンブル内を移動する当該標的物質を支持するために要求される限度内でできるだけ薄いことが好ましい。当該金網の中空円筒体の一方の端部は当該急速着脱式連結部によって覆われ、他方の端部はキャップによって覆われるのが望ましい。そのような一実施態様において、当該キャップはリングクランプによって定位置に固定され、当該着脱式連結部は例えばボールクラスプ連結(ボールチェーン連結とも呼ばれる)とすることができる。
そのような一実施態様において、当該駆動機構は既存の可動式炉内検出器システムの一部であり、当該自己給電式放射線検出器の信号出力リード線は当該駆動ケーブルの開口を介して軸方向に延びている。
本発明はまた、所望の核変換生成物を製造するために標的物質を照射する方法を包含する。この方法は、原子炉炉心の中性子束シンブル内の移動に適したサイズの標的物質保持体に標的物質を固定するステップから成る。この方法は、当該標的物質保持体を当該中性子束シンブル内に挿入する駆動ケーブルの一方の端部に急速着脱式連結部によって固定し、当該駆動ケーブルは当該一方の端部に近接する位置に自己給電式放射線検出器を有し、当該自己給電式放射線検出器の出力は当該中性子束シンブルの外側の監視場所まで当該駆動ケーブルの軸方向の長さに沿う経路で送られることを特徴とする。この方法は次に、当該駆動ケーブルおよび当該標的物質保持体を当該中性子束シンブル内の所定の軸方向位置へ駆動する。次に、当該標的物質の核変換状況を判断するために、当該自己給電式放射線検出器の出力が原子炉炉心の外側の当該監視場所で監視される。当該標的物質が所望の核変換生成物に変換されたら、当該標的物質保持体を当該中性子束シンブルから引き抜く。次に、当該標的物質保持体を当該駆動ケーブルから切り離し、処理施設へ搬出する。当該処理施設において、当該標的物質を当該標的物質保持体から取り出して処理にかける。
この方法は、新しい標的物質保持体が取り付けられた当該駆動ケーブルを再使用するステップを含むのが好ましい。そのような一実施態様において、当該着脱式連結部はボールクラスプ連結である。別の実施態様では、当該標的物質保持具は、一方の端部が当該急速着脱式連結部で覆われ、反対側の第2の端部が蓋によって覆われた金網の円筒体であり、当該蓋をリングクランプで固定するステップを含む。後者の実施態様では、当該処理施設において当該リングクランプを取り外し、当該蓋を取り外して、当該標的物質にアクセスして処理にかけるステップを含む。
本発明の詳細を、好ましい実施態様を例にとり、添付の図面を参照して以下に説明する。
本発明に適用できる先行技術の可動式炉内検出器構造の斜視図である。
本発明に基づく同位体製造ケーブルアセンブリの駆動ケーブルアセンブリの一実施態様の概略図である。
標的保持体と、標的保持体ケーブルアセンブリを図2の駆動ケーブルアセンブリに接続する急速着脱式連結部のメス部分の平面図である。
図2の駆動ケーブルアセンブリの炉心挿入側から見た急速着脱式連結部のオス部分の正面図である。
図2、4に示す急速着脱式連結部のオス部分の側面図である。
図2〜5に示す同位体製造ケーブルアセンブリは、駆動ケーブルアセンブリ36および標的保持体38という2つの主要な要素から成る。重要な構成部品は駆動ケーブルアセンブリ36である。駆動ケーブルアセンブリ36は、商用原子炉の炉心14内にセンサ12を挿入したり引き抜いたりするための既存のケーブル駆動システムの駆動機構要件に適合するように構成されたケーブルから成る。一例として、ウェスチングハウス社の可動式炉内検出器システムを図1に略示する。駆動ケーブルアセンブリ36の中には、自己給電式検出器要素45のための信号リード線42が入っている。自己給電式検出器45の活性部は、駆動ケーブル40の挿入側端部の外側に巻回された螺旋であり、端部間の軸方向長さを最小にしつつ堅牢な信号出力を十分に提供することができる。自己給電式検出器45からの出力から、炉心14内の自己給電式検出器の位置における原子炉中性子束を求め、標的物質の軸方向位置を最適化できるようにする。
小型検出器12のうちの1つが連結されていた既存の駆動ケーブルを転用した駆動ケーブルアセンブリ36は、図2〜5に参照符号48、50で示すボールクラスプ構造(ボールチェーン連結とも呼ばれる)を用いて標的保持体ケーブルアセンブリ38に取り付けられる。ボールクラスプ構造のボールすなわちオス部分48(図2、4、5に示す)は、駆動ケーブルアセンブリ36の原子炉挿入端に接続される。ボール部分48の平面図を図2、正面図を図4、側面図を図5に示す。クラスプ部分50は、コネクタピン52を用いて、標的保持体ケーブルアセンブリ38上の標的物質保持具42に取り付けられる。急速着脱式連結部のボール部分48は、クラスプ部分50に収まって離脱可能な状態で捕捉されるように設計されている。標的保持体ケーブルアセンブリ38は、非常に薄い金網の中空円筒体である標的物質保持具43から成り、当該保持具は、活性状態の炉心14の境界内に所望の量の標的物質を保持するのに十分な長さを有している。標的物質を原子炉から引き抜いたのち、標的保持体ケーブルアセンブリ38を駆動ケーブルアセンブリ36から容易かつ迅速に切り離すことができ、標的保持体ケーブルアセンブリ全体を処理施設に搬送することができる。標的保持体ケーブルアセンブリ38の挿入側端部に示されるキャップ44は、リングクランプ46によって定位置に保持される。リングクランプ46は、処理施設で容易に取り外せるように設計されている。リングクランプを取り外せば、照射済み物質を標的保持体ケーブルアセンブリ内から取り出すことができる。照射後に、標的保持体ケーブルアセンブリ38のみを処分する。機械的に実施可能であれば、駆動ケーブルアセンブリ36は再使用する。
したがって、本発明は、炉内計装向けの既存の商用原子炉ケーブル駆動システムを用いた、有益な放射化生成物および核変換生成物の製造を可能にする。本発明の特定の実施態様について詳しく説明してきたが、当業者は、本開示書全体の教示するところに照らして、これら詳述した実施態様に対する種々の変更および代替への展開が可能である。したがって、ここに開示した特定の実施態様は説明目的だけのものであり、本発明の範囲を何ら制約せず、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲に記載の全範囲およびその全ての均等物を包含する。

Claims (14)

  1. 同位体製造ケーブルアセンブリ(34)を具備する照射標的ハンドリング装置(34)であって、
    原子炉炉心(14)にセンサ(12)を挿入したり引き抜いたりするためのケーブル駆動システムとしての既存の原子炉駆動機構の駆動機構要件に適合するように構成された駆動ケーブル(36)であって、当該駆動ケーブル(40)の一方の端部に近い或る長さの軸方向部分に螺旋状に巻回された自己給電式放射線検出器(41)が、原子炉炉心(14)内の中性子束シンブル(10)に挿入されるように設計されており、当該自己給電式放射線検出器は、当該螺旋状巻回軸方向部分の端部間の長さを最小にしつつ所定の信号出力を十分に提供することができ、当該自己給電式放射線検出器は当該炉心内の当該自己給電式放射線検出器の位置における原子炉中性子束を示す出力を提供することによって、当該駆動ケーブルの当該一方の端部に近接し支持される標的物質の軸方向位置の最適化を可能にすることを特徴とする駆動ケーブルと、
    当該駆動ケーブル(40)の当該一方の端部に接続された急速着脱式連結部のメス端部またはオス端部のうちの一方(48)と、
    当該急速着脱式連結部の当該メス端部またはオス端部のうちの他方(50)を一方の端部に具備する標的保持体ケーブルアセンブリ(38)であって、当該標的保持体ケーブルアセンブリは当該メス端部またはオス端部のうちの当該一方(48)に着脱するように構成されており、当該駆動ケーブル(40)が中性子束シンブル(10)に挿入されたり引き抜かれたりする際に標的物質を確実に保持するように構成された標的物質支持部(43)を有することを特徴とする標的保持体ケーブルアセンブリと
    から成る照射標的ハンドリング装置。
  2. 前記標的保持体ケーブルアセンブリ(38)は、前記中性子束シンブル(10)の境界内に前記標的物質を保持するのに十分な長さを有する金網の中空円筒体(43)から成る、請求項1の照射標的ハンドリング装置(34)。
  3. 前記標的保持体アセンブリ(38)は実質的にコバルトを含まない材料から構成される、請求項2の照射標的ハンドリング装置(34)。
  4. 前記金網は、前記中性子束シンブル(10)内を移動する前記標的物質を支持するために合理的に要求される限度内でできるだけ薄いことを特徴とする、請求項2の照射標的ハンドリング装置(34)。
  5. 前記金網の中空円筒体(43)の一方の端部は前記急速着脱式連結部(50)によって覆われ、他方の端部はキャップ(44)によって覆われる、請求項2の照射標的ハンドリング装置(34)。
  6. 前記キャップ(44)はリングクランプ(46)によって定位置に固定される、請求項5の照射標的ハンドリング装置(34)。
  7. 前記急速着脱式連結部(48、50)はボールクラスプ連結である、請求項1の照射標的ハンドリング装置(34)。
  8. 前記駆動機構は既存の可動式炉内検出器システムの一部である、請求項1の照射標的ハンドリング装置(34)。
  9. 前記自己給電式放射線検出器(41)の信号出力リード線(42)は前記駆動ケーブル(40)の開口を通って軸方向に延びる、請求項1の照射標的ハンドリング装置(34)。
  10. 所望の核変換生成物を製造するために標的物質を照射する方法であって、
    原子炉炉心(14)の中性子束シンブル(10)内の移動に適したサイズの標的物質保持体(38)に当該標的物質を固定するステップと、
    当該標的物質保持体(38)を、急速着脱式連結部(48、50)によって、当該中性子束シンブル(10)内に挿入される駆動ケーブル(40)の一方の端部に固定するステップであって、当該駆動ケーブルは当該一方の端部に近接する位置に自己給電式放射線検出器(41)を有し、自己給電式放射線検出器の出力(42)は当該中性子束シンブル(10)の外側の監視場所へ当該駆動ケーブル(40)の軸方向の長さに沿う経路で送られることを特徴とするステップと、
    当該駆動ケーブル(36)および当該標的物質保持体(38)を当該中性子束シンブル(10)内の所定の軸方向位置へ駆動するステップと、
    当該標的物質の核変換状況を判断するために当該監視場所で当該自己給電式放射線検出器出力(42)を監視するステップと、
    当該標的物質が所望の核変換生成物に変換されたら、当該標的物質保持体(38)を当該中性子束シンブル(10)から引き抜くステップと、
    当該標的物質保持体(38)を当該駆動ケーブル(36)から切り離すステップと、
    当該標的物質保持体を当該標的物質とともに処理施設へ搬出するステップと、
    当該標的物質保持体(38)から当該標的物質を取り出すステップと、
    当該標的物質を当該処理施設で処理するステップと
    からなる方法。
  11. 新しい標的物質保持体(38)が取り付けられた前記駆動ケーブル(36)を再使用するステップを含む、標的物質を照射して所望の核変換生成物を製造する請求項10の方法。
  12. 前記着脱式連結部(48、50)はボールクラスプ連結である、標的物質を照射して所望の核変換生成物を製造する請求項10の方法。
  13. 前記標的物質保持具(38)は、一方の端部が前記急速着脱式連結部で覆われ、反対側の第2の端部が蓋(44)によって覆われた金網の円筒体であり、当該蓋をリングクランプ(46)で固定するステップを含むことを特徴とする、標的物質を照射して所望の核変換生成物を製造する請求項10の方法。
  14. 前記処理施設において前記リングクランプ(46)を取り外して、前記蓋(44)を取り外し、前記標的物質にアクセスして処理にかけるステップを含む、標的物質を照射して所望の核変換生成物を製造する請求項13の方法。
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