JP2019520424A - 手指消毒剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、湿疹のある皮膚を処置し、細菌増殖を防止し、バイオフィルムを除去するための、皮膚消毒剤を提供する。本発明の組成物は、次亜塩素酸、酢酸、水、および1種または複数の添加剤または賦形剤を含む。製剤プロセスは、金属イオンを除去し、イオン強度を低減させ、pHを制御し、空気への曝露を低減させ、したがって安定性が改善され保存寿命が長くなる。一つの実施形態において、本発明は、数ある中でも湿疹のある皮膚を処置し、細菌増殖を防止し、薬剤耐性と闘い、バイオフィルム形成を防止し、既に存在している場合にはバイオフィルムを除去するのに有効な、皮膚消毒剤を提供する。

Description

関連出願
本出願は、2016年5月27日に出願された米国特許出願番号第15/167,076号の利益および優先権を主張しており、この米国特許出願は、2015年2月10日に出願された米国特許出願番号第14/618,820号の一部継続出願であり、この米国特許出願は、2013年2月19日に出願された米国特許出願番号第13/770,738号の一部継続出願であり、この米国特許出願は、2012年2月17日に出願された米国仮出願番号第61/600,344号に基づく優先権および利益を主張しており;そして本出願は、2015年2月10日に出願された米国特許出願番号第14/618,799号の一部継続出願であり、この米国特許出願は、2013年2月19日に出願された米国特許出願番号第13/770,738号の継続出願であり、この米国特許出願は、2012年2月17日に出願された米国仮出願番号第61/600,344号に基づく優先権および利益を主張しており、上記出願の各々の内容は、それらの全体が本明細書中に参考として援用される。
発明の分野
本発明は概して、手指消毒剤の組成物、ならびにその生成および使用方法に関する。
背景
医療専門家は、一般の集団に比べ、手湿疹、皮膚炎、およびその他の皮膚の問題を発症する著しくより高いリスクを有する。これらの状態は、健康管理の仕事に問題があるだけではなく、患者の集団にも影響を及ぼす。例えば湿疹は、病院内での感染の拡がりに関与する。中程度から重度の湿疹を持つ人々の90%よりも多くでは、Staphylococcus aureusがコロニー形成している。Staph感染は致命的になる可能性がある。特に、MRSA(メチシリン耐性Staphylococcus aureus)などの抗生物質耐性菌株は、制御するのが難しい。したがって、健康管理従事者の中での湿疹の蔓延は、著しい問題である。
湿疹を持つ人々の場合、手を石けんおよび水で洗うことは、さらなる刺激をもたらし、治癒を妨げる。そのことが、多くの医療従事者が手洗いの代わりとしてまたは補うものとして、代わりに手指消毒剤を利用する理由である。全ての院内感染の40%は、不十分な手指消毒から生ずると推定され、不十分な手指消毒の主な理由は、炎症を起こした皮膚である。手指消毒剤または手指除菌剤は、一般に、ゲル、フォーム、または液体溶液であって、微生物を死滅させるための活性成分を含むものである。ほとんどの手指消毒剤は、エタノールまたはイソプロパノールの形をとるアルコールを含む。
アルコール系手指消毒剤は、湿疹を引き起こす自己免疫応答を促進させることにより、湿疹を持つ者の問題を実際に悪化させる可能性がある。アルコールに曝露されると、生存するStaphylococcus aureusおよびその他の細菌は、保護バイオフィルムを生成することによって応答する。バイオフィルムは、皮膚創傷治癒を損ないかつ局所抗菌効率を低下させることが公知であり、細菌を空気中に蔓延させる可能性もある。その間に、MRSAなどの抗生物質耐性菌はバイオフィルム内で増殖し、多くの深刻で致命的な院内感染をもたらす。特に医療提供者の中での湿疹は、依然として主要な公衆衛生上の懸念である。
要旨
本発明は、数ある中でも湿疹のある皮膚を処置し、細菌増殖を防止し、薬剤耐性と闘い、バイオフィルム形成を防止し、既に存在している場合にはバイオフィルムを除去するのに有効な、皮膚消毒剤を提供する。本発明は、アルコールではなく次亜塩素酸(HOCl)および酢酸を、消毒剤として使用する。HOClは高い酸化容量を有し、理想的な消毒剤になる。しかしHOClは、不安定な化合物でもある。その制約が、先行技術のHOCl系消毒剤を不適切にした。
本発明は、高度に効果的であるが安定なHOClおよび酢酸組成物を提供する。本発明の次亜塩素酸組成物は、金属イオンを実質的に含まない。本発明の組成物は、約3.7から5.8の範囲内のバランスのとれたpHを有する。開示された組成物は、当技術分野ではこれまで入手できなかった、長い保存寿命を有する安定なHOCl系皮膚消毒剤を提供する。安定性をさらに高めるその他の添加剤および賦形剤が、組成物に含まれてもよい。一般的な在庫の添加剤は、生成物がその活性を失うような程度まで活性化合物を分解し得るので、全てが適合可能なわけではないことを理解すべきである。製剤と共に使用される一部の賦形剤を、以下に開示する。
ある特定の態様では、本発明は、次亜塩素酸(HOCl)、酢酸(HAc)、水;および賦形剤を含む、組成物を提供する。組成物のpHは、約3.7から約5.8の間であり、好ましくは約4.76である。pHは、組成物をNaOHおよびHAcで滴定することによって実現される。組成物は、減圧によって脱気することにより作製された環境など、空気のない環境で混合することによって、典型的には生成される。
組成物の水の成分は、好ましくは精製水である。賦形剤は、増粘剤および/またはキレート剤を含んでいてもよい。賦形剤は例えば、無機増粘剤、例えばコロイド状シリカ、合成クレイ材料、またはBYK Additives(Cheshire、UK)により商標LAPONITEの下で販売される製品を含んでいてもよい。賦形剤は、追加としてまたは代替として、EDTA、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、グリセロール、アクリレートコポリマー、精油、緩衝剤、セルロース誘導体、またはキサンタンガムを含んでいてもよい。
ある特定の実施形態では、組成物は、手指消毒剤として有用である。組成物は、湿疹またはStaphylococcus aureus感染を含む感染症を処置するのに有用である。
関連ある態様では、本発明は、皮膚を消毒するための方法を提供する。方法は、次亜塩素酸(HOCl)、酢酸(HAc)、水、および賦形剤の組成物を提供するステップ、および組成物を皮膚に適用するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、皮膚上のバイオフィルムを破壊するステップも含む。バイオフィルムは、皮膚感染症または湿疹に関連するものであり得る。バイオフィルムは、Staphylococcus aureusバイオフィルムであり得る。
本発明の方法の実施形態では、組成物は、約3.7から約5.8の間のpHを有し、好ましくは約4.76である。方法は、組成物をNaClおよびHAcで滴定することをさらに含んでもよい。組成物は、減圧によって脱気することにより作製された環境など、空気のない環境で混合することによって生成されてもよい。
組成物の水の成分は、精製水であってもよい。賦形剤は、増粘剤および/またはキレート剤を含んでいてもよい。賦形剤は例えば、無機増粘剤、例えばコロイド状シリカ、合成クレイ材料、またはLAPONITEという商標の下でBYK Additives(Cheshire、UK)により販売されているものを含んでいてもよい。賦形剤は、追加としてまたは代替として、EDTA、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、グリセロール、アクリレートコポリマー、精油、緩衝剤、セルロース誘導体、またはキサンタンガムを含んでいてもよい。
図1は、本発明と共に使用される流体システムを示す。
図2は、本発明と共に使用される混合デバイスを示す。
図3は、図2の混合デバイスの構成要素を示す。
図4は、伝導度とHOCl濃度とを比較する較正曲線を示す。
図5および6は、切換え弁および廃棄物ラインを示す。 図5および6は、切換え弁および廃棄物ラインを示す。
図7は、異なる条件下で実現される安定性の比較を示す。
詳細な説明
本発明は、HOClの消毒力を認識し、それを、皮膚の消毒に理想的な安定な製剤に役立てる。次亜塩素酸は、その酸化能に起因した反応性種である。水性溶液中、HOClは、その他の反応物および生成物との化学平衡に関わる。多数の平衡は、複雑である可能性があり、HOClの分解を制御しまたは動力学的に遅延させるために、本発明は、製剤プロセスにおいていくつかの因子を制御する。先行技術の方法とは異なって、本発明は、pHを調節し、金属イオンを除去し、イオン強度を低減させることによって、HOCl溶液を安定化させる。それらの因子は、イオン交換を組み合わせるプロセスを使用し、実質的にまたは完全に空気のない環境、例えば減圧によって脱気することにより作製された空気のない環境で混合することによって制御される。得られる組成物は、次亜塩素酸の反応上の利点を保持するが、高い安定性を有し、消費者にとっても医療提供者にとっても有用になる。プロセスの全体を通した保存容器(最終パッケージングを含む)は、空気がなくいように、ならびにUV曝露などのその他の変数を制御するように、構成される。保護パッケージングは、製剤をさらに安定化させるのを助けることができる。
次亜塩素酸の生成
本発明の組成物および方法は、次亜塩素酸イオン(OCl)のプロトン化を利用する。例としてHClおよびNaOClを使用して、プロトン化は、酸(例えば、HCl)を溶液に導入することにより達成され、その結果、下記の反応が得られる:
水性溶液中の次亜塩素酸は、部分的に次亜塩素酸アニオン(OCl)に解離する。したがって水性溶液中、次亜塩素酸塩とそのアニオン(OCl)との間は常に平衡である。その平衡はpH依存性であり、より高いpHではアニオンが支配する。水性溶液中、次亜塩素酸はその他の塩素種とも平衡であり、特に塩素ガス、Clと、様々な酸化塩素とも平衡である。酸性pHでは、塩素ガスが徐々に支配的になり、一方、中性pHでは、溶液は次亜塩素酸に支配される。したがって、次亜塩素酸の生成では空気への曝露およびpHを制御することが好ましい。
水中で次亜塩素酸アニオン(OCl)を生成する任意の化合物は、本発明の方法と共に使用され得る。例示的な化合物には、NaOClおよびCa(OCl)が含まれる。特定の実施形態では、化合物はNaOClである。水中でプロトン(H)を生成する任意の化合物を、本発明の方法と共に使用してもよい。例示的な化合物は、酢酸、HCl、およびHSOなどの酸である。特定の実施形態では、化合物はHClである。好ましい実施形態では、化合物は酢酸である。酢酸は、好ましいpKaでHClよりも弱い酸である。好ましいpHレベルを維持することが、より可能である。
化合物を混合することは、チャンバまたは流体システムで実施することができる。ある特定の実施形態では、図1に示される流体システム100は、本発明の方法を行うのに使用される。システム100は、複数のパイプ101a〜cと一列に並んだ複数の混合デバイス102および103を備えた、一連の相互接続されたパイプ101a〜cを含む。パイプおよび混合デバイスは、全ての空気をシステムからパージして本発明の方法を空気のない環境で行うことが可能になるように、封止材を使用して相互接続することができる。ある特定の実施形態では、本発明の方法は、圧力下で実施することもできる。空気のない環境でおよび圧力下で本発明の方法を実施することにより、生成されたHOClを不安定化し得る空気中の気体(例えば、酸素およびCO)と相互作用しないHOClの生成が可能になる。
パイプおよびミキサーは、パイプおよびミキサーからの材料が、流体システム内で生ずる反応に関わらないように、任意の不活性材料から作製することができる。例示的な材料には、PVC−Uが含まれる。パイプは、Georg Ficher ABから市販されている。パイプおよびミキサーは、パイプおよびミキサーが直線に配置されるように直線状配置を有するよう、構成することができる。あるいは、パイプおよびミキサーは、プロセスを通して水が屈曲部およびカーブ内を流れるように、非直線状配置を有することができる。システム100は、パイプ101a〜cとミキサー102および103との非直線状構成を示す。
パイプ101aは、システム内を流れる水を受容する入口パイプである。一般に、パイプ101a〜c内の水は、少なくとも約0.1bar、例えば0.2barもしくはそれよりも大きい、0.3barもしくはそれよりも大きい、0.4barもしくはそれよりも大きい、0.5barもしくはそれよりも大きい、0.7barもしくはそれよりも大きい、0.9barもしくはそれよりも大きい、1.0barもしくはそれよりも大きい、1.2barもしくはそれよりも大きい、1.3barもしくはそれよりも大きい、または1.5barもしくはそれよりも大きい圧力などで維持される。そのような圧力で、乱水流が生成され、したがって試薬は高度な乱水流に導入され、試薬と水との初期混合が容易になり、その後に混合デバイス102および103内でさらに混合される。
ある特定の実施形態では、水道水が使用される。他の実施形態では、公知の緩衝剤が添加された脱イオン水が使用される。緩衝剤の一例は、リン酸緩衝剤である。より大きなプロセス制御および一貫性の場合、配合された脱イオン水を使用することは、水道水の使用よりも好ましいが、それは水道水が、地域間でおよび経時的に変化する可能性があるからである。さらに、公知の添加剤と共に脱イオン水を使用すると、流入する水流のpHが安定であることも確実になる。
試薬を水に導入するために、パイプ101aが注入ポート104を含み、パイプ101bが注入ポート105を含む。注入ポート104および105は、水流への試薬の導入を可能にする。この実施形態では、プロトンを発生させる水性化合物が、注入ポート104を介してパイプ101a内の水に導入される。プロトンを発生させる化合物は、ポート104に封止可能に接続された輸液ポンプにより導入される。このように、任意の所与の時間で水に導入されたプロトンを発生させる化合物の流量、したがって量は、制御される。輸液ポンプは、自動的にまたは手動で制御することができる。プロトンを発生させる化合物を水に導入する速度は、流入する水の品質(伝導度およびpHレベル)と、流入する水の圧力および流れに基づく。ある特定の実施形態では、ポンプは、時間当たり約6.5リットルの塩酸を水に導入するように構成される。導入は、連続輸液または断続的な手法にすることができる。水は乱流状態でパイプ内を流れるので、水に塩酸を導入することにより、プロトンを発生させる化合物と水との初期混合がなされる。
混合デバイス102は、デバイス内に複数の流体渦を生成するように構成される。そのような手法で構成される例示的なデバイスを図2に示すが、この図は、デバイス102のチャンバ108の内面を提供する図である。チャンバ108は、複数の部材109を含み、これらの部材は間隔を空けて配置され、複数の副チャンバ110を形成するために入口および出口に直交してチャンバ108内に固定される。各部材109は、その内部に流体を流すのを可能にする少なくとも1つのアパーチャ111を含む。図3は、アパーチャ111を見ることができるような、部材109の正面図を示す。アパーチャのサイズは、水の流れおよびシステム内の圧力に依存する。
HOClの生成は、pHおよび伝導度を測定することによってライン内で制御することができる。pHは、分光光度計で測定されたHOClの伝導度と濃度との間のプレキャリブレーション関係に基づいて、伝導度と組合せて使用される。測定された伝導度は、電流を伝導する溶媒の能力の尺度である。同じマトリックスを異なる公知の濃度のHOClおよびOCl−と比較すると、滴定を調節しかつプロセスを制御するようにpH計と組み合わせて使用される較正曲線(図4)が確立されている。
図5および6に示されるように、パイプ101cは、廃棄物ライン113と生成物収集ライン114との間で切り換える切換え弁112に接続することができる。弁112は、pH計および伝導度測定デバイスを含む。これらのデバイスは、生成されているHOClの濃度(ppm)、純度、およびpHを測定し、生成されたHOClのそのような性質を変化させるためのフィードバックを提供する。パイプ101cで生成されているHOClが、必要とされる濃度、純度、およびpHを満たすと、弁112は廃棄物ライン113から生成物収集ライン114に切り換わって、所望の生成物を収集する。
空気のない状態で生成されてきたHOClは、空気のない状態で収集され瓶詰めされる。液体を、空気のない状態で瓶の中に入れることは、当技術分野で公知である。例示的な方法は、膨張可能な導管(バルーンなど)を瓶に入れることを含む。膨張可能な導管は、収集ライン114に直接接続され、HOClは、空気に決して曝露されることなく、瓶内の膨張可能な導管に向けてポンプ送出される。別の方法では、減圧下で瓶に充填する。別の空気のない充填方法では、アルゴンまたは窒素環境など、HOClと相互作用しない不活性ガスの環境で瓶に充填する。
生成された次亜塩素酸は、空気を含まず、約4.5から約7.5のpHを有する。しかし、生成されたHOClのpHは、酸(例えば、HAc)またはアルカリ(例えば、NaOH)のいずれかを、生成された次亜塩素酸に添加することによって、生成プロセス後に調整することができる。例えば、約4.5から約7の間のpHは、感熱性医療機器を再処理する適用例に、特に適切である。その他の適用例、例えばその非医療環境での使用、例えば家禽および魚の処理と一般農業および石油化学の用途で、細菌バイオフィルムの破壊、および水処理は、異なるpHレベルを求める可能性がある。
生成物の安定性
本発明は、最終生成物の安定性に寄与するいくつかの因子を制御する。それらの因子は、空気曝露、pH、緩衝能、イオン濃度、金属イオンの存在、およびUV光曝露を遮断するパッケージングを含む。以下の考察から明らかにされるように、それらの因子は様々な方法で相互に関係する。
組成物を、空気への曝露から保護することは、HOCl安定性に寄与する。空気のない環境でHOClを生成するための方法およびデバイスは、共に参照によりその全体が本明細書に組み込まれるUS 2013/0216628およびUS 2013/0215709に記載されている。HOClを生成し、手指消毒組成物を、減圧によって脱気された環境のような空気のない環境で混合することが、安定性を助けるという1つの理由は、空気中に存在する二酸化炭素(CO)の存在を低減させまたは回避するということである。COは、水(約1.5g/L)に容易に溶解する。さらに、空気と水との間の平衡は、数分以内で確立される。溶解したCOが水と反応すると、酸であるHCOが形成される。HCOは水中で脱プロトン化し、Hを放出し、それが水のpHを低下させる。
COは、水を加熱することによってまたは水をN2(g)でパージすることによって、水溶液から除去することができる。パージすることで、COはNに置き換えられる。しかし、溶液が依然として空気に曝露される場合、課題は完全には解決されない。水中のCOの溶解度が高いので、新しいCOは素早く再溶解し、水が空気との相互作用から保護されない限り、Nに取って代わる。
COに加え、酸素は、水に溶解する空気中に存在する別の反応性分子であるが、COほど速くは溶解せずかつ同程度に溶解しない。COのように、酸素は、加熱することによってまたはN2(g)を水に通してパージしてOをNで置き換えることによって、水溶液から除去することができる。HOClの溶液中、Oは、次亜塩素酸イオンClOと反応し、塩素酸イオンClO を形成することができる。その反応はpH依存性であり、それが、pH制御が重要な因子であることの1つの理由である。反応は、約4.0などのより低いpHでは、認め得る程度まで進行しない。
本発明がなぜpHを制御しようとするかの、追加の理由がある。水中でのHOClの混合に関与する平衡のいくつかはpH依存性であり、このことは、pHの制御が極めて重要であることを意味する。pHは、全ての段階:HOClの生成中;手指消毒製剤の生成中;および製剤製品の保存中で、制御しなければならない。
水中のHOClは、それほど強力的ではないOClイオンと平衡状態にある。より高い(より塩基性の)pHでは、OClイオンが支配する。したがって、より低いpHでは、より強力なHOClが支配し、優れた生成物をもたらす。4.0から5.0程度のpHでは、Cl2(g)のより多くは生成されない。
その最適なpHを実現するために、本発明は、正しいpHに水を滴定するのにNaOHおよび酢酸を使用する。酢酸を選択するのは、そのpKaが4.76であり、したがってその最大緩衝能がpH4.76にあるので、重要である。したがって酢酸は、OClではなくHOClによって支配される生成物が生じるように溶液を滴定するのに、良好な選択である。
イオン強度は、HOClの安定性における別の重要な因子である。イオン強度は、溶液中の全イオン濃度に相関する。HOClの場合、溶液にイオンを添加する緩衝剤の使用からもたらすことができる、より高いイオン強度が、HOClを実際に不安定化させることが示されている(Adamら、Inorg. Chem. 1992年、31巻、3534〜41頁参照)。このように、全ての緩衝剤がHOClの安定性を増大させるわけではない。最適なpHで開始して、正しいpKaの酸(上述の酢酸など)を使用することにより、余剰のイオンで滴定する必要がなくなる。HAc−NaAc緩衝剤を作製するためのNaOHおよびHAcの組合せは、NaOHおよびHClを使用するよりも良好な安定性をもたらすことが見出されている。NaOHおよびHClの組合せは、イオン強度を増加させ、塩化物イオンも増加させ、そのことが、安定性も損ねる。また、この組合せは、安定性が悪化したことが見出されたリン酸緩衝系よりも良好である。
ある特定の実施形態では、流入する水は、滴定前にpH6を有する。水が、COが溶解するように空気に接触した場合、pHは6よりも低くすることができる。その場合、より多くのNaOHを添加し、より高い総数のイオンを溶液中にもたらし、それが生成物を不安定化させる。
様々な因子は、どの緩衝剤を選択するかを説明する。緩衝剤はpHを安定化することができ(生成物の安定性に正の作用をもたらす)、同時にイオン強度を増大させる(負の作用をもたらす)。異なる緩衝剤は、同じ正の作用をもたらさなくなり(それらのpKaに依存する)、または同じ負の作用をもたらさなくなる(1価、2価、および3価のイオンは、イオン強度に異なる影響を及ぼす)。
本発明が制御する別の安定性因子は、溶液中の金属イオンの存在である。Fe2+、Fe3+、およびMn2+などの金属イオンは、不安定化の源である。金属イオンは、Nでパージすることによってまたは水を加熱することによって、除去されない。医薬産業では、金属イオンを捕獲しまたはキレート化するために、EDTAを使用する。そのことにより、触媒分解が開始されないことが確実になる。しかし溶液にEDTAを添加することは、EDTAが酸化する可能性があり、その結果、有毒な塩素ガスCl2(g)の生成をもたらすので、HOClに望ましくない。金属イオンは、それらの荷電イオン形態で存在し、したがって本発明は、それらを除去するのにイオン交換法を使用する。
イオン交換は、金属イオンおよびCOを除去し(CO 2−およびHCO イオンの除去を通して)、流入する水のほぼ中性のpHを保証する。その手法は、最終生成物のイオン強度を低減させる。空気のない環境で混合することによって、組成物を空気から保護することにより、水がCOから保護されるので、pHをさらに安定化させるのを助ける。水は、イオン交換体中を2回流れることができ、そのことがCO 2−およびHCO を除去するのを助け、それと共に、触媒反応を防止するためにより多くの金属イオンを除去するのを助ける。
酸素および二酸化炭素などの気体を除去するのにN2(g)を使用するだけの先行技術の方法は、金属イオンの数を低減させることができず、空気との相互作用を防止することもできない。さらに、それらの方法は、流入プロセス水が補正pHを有して生成物の最終イオン強度を低減させることを保証しない。
図7は、種々の条件下で実現された安定性の比較を示す。HOClが空気の存在下で生成される場合、1回または2回のイオン交換サイクルが使用されたか否かに関わらず、結果は悪い安定性である。チャートに示されるように、溶液を空気から保護することにより、安定性が改善する。2回のイオン交換サイクルと組み合わせた気密プロセスは、ただ1回のイオン交換サイクルよりも著しく高い安定性をもたらす。その結果は、上記で論じた反応および平衡の制御が、組成物の安定性に重要な因子であることを確認する。
消毒製剤
本発明により実現されたHOClの改善された安定性は、既に可能なものよりも、消毒剤としてさらにより有用になる。HOClの消毒性は、一般に公知である。HOClは、細菌、胞子、ウイルス、藻類、真菌、およびその他の有機物を素早く不活性化し、広範な微生物全体に対して有効な薬剤になることが公知の弱酸である。ヒトは、次亜塩素酸に耐えるようにする、したがって皮膚上での使用に安全な消毒剤である、タウリンなどのある特定の化合物を生成する。しかし伝統的な方法により生成されたHOClは、非常に不安定であり、短期間にわたり(例えば、数時間から2〜3週間)次亜塩素酸を分解する。したがって、有効な殺生物剤ではあるが、次亜塩素酸の使用は、現場で発生させる必要性および保存安定性を維持する難題により、これまで制限されてきた。
しかしながら、本発明の組成物および方法は、安定なHOCl系手指消毒剤を提供する。製剤の好ましい実施形態は、HOCl、酢酸(HAc)、水、および賦形剤を含む。製剤を、NaOHおよびHAcで滴定して、約4.6〜4.7のpHを得ることができる。
保存中および適用後に生成物を緩衝させることに加え、酢酸には、HOClのプロトン化で使用されるその他の酸に比べて殺胞子作用を40%改善するという利点もある。
上記で論じたように、pHは、本発明の生成プロセスの全体を通して制御される重要な因子である。pHが低過ぎると、望ましくない塩素ガスが発生する。pHが高過ぎると(市場のほとんどのその他のHOCl生成物のように)、生成物の平衡は、それほど強力ではないOClイオンによって支配される。本発明の製剤は、3.0から8.0の範囲のpHを有することができるが、その範囲の上端にある製剤は、4.0から5.0の間の好ましい、さらにより好ましくは4.76のpHにある製剤よりもはるかに弱い。酢酸は、約3.7から5.8の間の緩衝能を有する。
本発明の製剤は、添加剤または賦形剤を含む。賦形剤は、ポンプ送出および取扱いに望ましい粘度など、種々の品質を最終生成物に提供する。賦形剤は、増粘剤および/またはキレート剤を含んでいてもよい。賦形剤は例えば、無機増粘剤、例えばコロイド状シリカ、合成クレイ材料、またはLAPONITEという商標の下でBYK Additives(Cheshire、UK)により販売されているものを含んでいてもよい。賦形剤は、追加としてまたは代替として、EDTA、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、グリセロール、アクリレートコポリマー、精油、緩衝剤、セルロース誘導体、またはキサンタンガムを含んでもよい。
添加剤は、局所生成物に望ましい水和作用を目的として添加することもできる。添加剤は、芳香、清浄化、保存を改善するために、またはクリーム、ゲル、ローション、バーム、またはその他の局所軟膏の形をとってもよい最終生成物にその他の品質を与えるために、添加することもできる。
以下に、当技術分野で公知の手指消毒生成物に一般に使用される多くの添加剤について論ずる。HOClは酸化種であるので、添加剤の選択は瑣末なことではない。一部の添加剤は、好ましいpHレベルでHOClと共に使用されるべきではない。以下に論じる添加剤のリストは、手指消毒生成物またはその他の類似の生成物タイプに使用される一般の賦形剤を含み、本発明と共に使用される添加剤の非包括的なリストである。
論じられる賦形剤のいくつかは、部分的には保存寿命に影響を及ぼすそれらの酸化の受け易さに基づいて、その他のものよりも望ましい。それほど望ましくない賦形剤であっても、部分的には、分子の多様性(例えば、ある特定のポリマー中の架橋剤)、金属イオンの存在(特にグリセロール)、および化学源(例えば、ポリエチレングリコール系界面活性剤または糖系界面活性剤)などのその他の因子に応じて、依然として使用することができる。
賦形剤のいずれを用いても、酸化が生ずるが、いくつかは、より長い時間幅を提供する。特にこの製剤中のHOClは非常に低い濃度にあるので、比較的短い時間幅を有する以下に論じる賦形剤であっても、生成物に関して使用可能な保存寿命を依然として提供する可能性がある。
局所製剤と共に一般に使用される1種の賦形剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)である。EDTAは、精製水中の微量の金属イオンの触媒反応性を減じるのに一般に使用されるキレート剤である。HOClの存在下、EDTAはグリオキシル酸およびホルムアルデヒドに酸化されることになり、HOClは塩素ガスに還元される。後者は、EDTAがHOCl/OCTの高濃度溶液に添加されたときに生ずることが公知である。本発明の好ましい製剤において、動力学は比較的低い濃度のHOClで遅くなるが、それにも関わらず、動力学は分解的組合せである。したがって、EDTAには他の賦形剤が好ましい可能性がある。本発明の好ましい実施形態では、金属イオンは、EDTAを使用することによってではなく、もっぱらイオン交換プロセスを通して除去される。
ポリエチレングリコール(PEG)は、別の一般的な賦形剤である。しかしPEGは、酸化に対して非常に感受性があり、HOClにより分解し、その結果、アルデヒド、ケトン、酸、およびジオキソランなどの酸化生成物、ならびに強力な臭いおよびpH不安定化が得られる。
手指消毒剤に頻繁に見出される別の賦形剤は、いくつかの共通の精油のいずれかである。これらは、酸化を通して分解される(例えば、TurekおよびStintzing、2014年、「Stability of Essential Oils: A Review」、Comprehensive Reviews in Food Science and Food Safety参照)。結果は、PEGのように悪臭およびpH不安定化をもたらす分解生成物であり得る。
緩衝剤も潜在的な賦形剤である。上記で論じたように、多くの緩衝系は、溶液のイオン強度を増大させ、不安定化作用を生じる。NaOHおよび酢酸の緩衝系が、本発明では好ましい。
ポリソルベート(Polysorbate 20およびPolysorbate 80)も一般的な添加剤であるが、それらも酸化的分解の傾向がある(Borisovら、「Oxidative Degradation of Polysorbate Surfactants Studied by Liquid Chromatography-Mass Spectrometry」、J. Pharm. Sci. 194巻(3号)、2015年参照)。
当業者に周知の任意のタイプのアクリレートコポリマーなどのポリマーは、本発明の製剤中で十分機能することができる。アクリレートコポリマーは、ポリアルケニルポリエーテルと架橋されたアクリル酸のホモおよびコポリマーである。アクリレートコポリマーは、グラフト密度が様々になる。それらのポリマーは、酸化するそれらの能力と、ポリマー当たりどれ程多くのグラフト化された鎖があるかに関して、様々である。1つの可能性ある架橋剤は、非常に安定したペンタエリスリトールであり、したがって本発明と共に使用するのに良好な選択である。Hの製剤を安定化させることが公知のポリアクリル酸(PAA)ポリマーは、本発明と共に使用することができる(Schmucker-CastnerおよびDesai、1999年、「Rheology Modification of Hydrogen Peroxide Based Applications Using A Cross-linked PAA polymer」、Int J Cosmet Sci 21巻(5号):313〜25頁を参照)。
多くのその他の賦形剤を使用してもよい。シリカおよびラポナイト(シリカに関連した合成クレイ材料)などの無機増粘剤は、より良好な結果をもたらし得る。例えばシリカは、ゲルを生じるようにかつHOClの濃度を保持するように、十分働く。グリセロールまたはグリセリンは、別の一般的な賦形剤である。これは酸化することもできるが、金属イオンまたは金属表面が存在しない状態では、製品の保存寿命に関する課題を引き起こさなくなる。セルロース誘導体は、その他の一般的な賦形剤である。一例は、ヒドロキシプロピルセルロースである。別の実施形態は、所望のレオロジー特性を実現するために、皮膚生成物製剤にしばしば使用される天然由来の高分子量多糖である、キサンタンガムを使用する。粘度調整剤としてのコロイド状シリカは、シリカが陽イオンにより修飾される場合、より低いpHで使用することができる。糖をベースにした界面活性剤およびその他の界面活性剤も同様に、当技術分野で公知である。
製剤プロセス
最終生成物製剤を作成するためのプロセスは、水を精製し、賦形剤を添加し、NaOClおよびHAc反応物を添加し、空気を含まないパッケージングに製剤を充填してその保存寿命を持続させることを含む。全プロセスは、空気のない環境条件下で行われる。
通常の飲料水または脱イオン水などの水が提供される。水は、精製プロセスを1回または複数回流れることができ、その結果、有機物およびイオンが除去される。液体または粉末形態の賦形剤は、空気のない環境で精製水と一緒に混合することができる。空気のない環境は、減圧によって脱気することにより作製することができる。賦形剤は、生成物増粘剤であってもよく、または本明細書に記載される任意のその他の賦形剤であってもよく、これらを添加して、異なる粘度、芳香、またはその他の性質を実現することができる。
製剤は、4.0から5.0の間、好ましくは約4.76の最終pHに、例えばNaOHおよびHAcで滴定してもよい。完成した手指消毒剤は、当技術分野で公知のように、気密バッグなどの空気を含まない容器に充填し、その後、消費者向けの空気を含まないパッケージングに充填する。
空気を含まないHOCl溶液および最終生成物を発生させるためのプロセスパラメーターに加え、プロセスを通して様々な保存容器(最終パッケージングを含む)を、UV曝露などのその他の変数も同様に制御するように構成することに、留意すべきである。保護パッケージングは、破壊プロセスをさらに遅くすることができる。
生成プロセスは、手動またはコンピュータにより自動化することができる。本明細書に記載される流体システムは、生成プロセスを制御するコンピュータに、動作可能に接続することができる。コンピュータは、PCL−論理制御器システムであってもよい。コンピュータは、システム内のセンサから受信されたフィードバック(例えば、生成される生成物(ppm)の伝導度、pH、および濃度)に従って、水の入口、廃棄物出口、および生成物出口用に弁を開放し閉鎖する。コンピュータは、水圧および水量の値を保存することもでき、生成されている生成物の性質に関してセンサから受信されたフィードバックに従って、これらを調整することができる。コンピュータは、生成プロセス用に水に試薬を注入する輸液ポンプを制御することもできる。
参照による組込み
任意のおよび全ての参考文献とその他の文書、例えば特許、特許出願、特許公開、雑誌、本、論文、およびウェブコンテンツであって本開示の全体を通して作製されたものの引用は、全ての目的でそれらの全体を参照により本明細書に組み込む。
均等物
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、その他の特定の形に具体化され得る。したがって前述の実施形態は、あらゆる点において、本明細書に記載される本発明を限定するのではなく、例示であるとみなされる。

Claims (24)

  1. 次亜塩素酸(HOCl)と、
    酢酸(HAc)と、
    水と、
    賦形剤と
    を含む組成物。
  2. 3.7から5.8の間のpHを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 4.76のpHを含む、請求項2に記載の組成物。
  4. NaClおよびHAcで滴定される、請求項3に記載の組成物。
  5. 空気のない環境で混合することにより生成される、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記空気のない環境が、減圧によって脱気することにより作製される、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記水が、精製水を含む、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記賦形剤が、増粘剤を含む、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記賦形剤が、コロイド状シリカ、合成クレイ材料、EDTA、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、グリセロール、アクリレートコポリマー、精油、緩衝剤、セルロース誘導体、およびキサンタンガムからなる群から選択される物質を含む、請求項1に記載の組成物。
  10. 手指消毒剤として使用される、請求項1に記載の組成物。
  11. 皮膚を消毒するための方法であって、
    次亜塩素酸(HOCl)、酢酸(HAc)、水、および賦形剤を含む組成物を提供するステップ、
    前記組成物を皮膚に適用するステップ
    を含む、方法。
  12. 前記皮膚が、破壊されているか、または炎症を起こしている、請求項11に記載の方法。
  13. 前記皮膚上のバイオフィルムを破壊するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記バイオフィルムが、皮膚感染症に関連する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記バイオフィルムが、湿疹に関連する、請求項13に記載の方法。
  16. 前記バイオフィルムが、Staphylococcus aureusバイオフィルムである、請求項13に記載の方法。
  17. 前記組成物が、3.7から5.8の間のpHを含む、請求項11に記載の方法。
  18. 前記組成物が、4.76のpHを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記組成物が、NaClおよびHAcで滴定される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記組成物が、空気のない環境で混合することにより生成される、請求項11に記載の方法。
  21. 前記空気のない環境が、減圧によって脱気することにより作製される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記水が、精製水を含む、請求項11に記載の方法。
  23. 前記賦形剤が、増粘剤を含む、請求項11に記載の方法。
  24. 前記賦形剤が、コロイド状シリカ、合成クレイ材料、EDTA、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、グリセロール、アクリレートコポリマー、精油、緩衝剤、セルロース誘導体、およびキサンタンガムからなる群から選択される物質を含む、請求項11に記載の方法。
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