本開示の実施形態は、石膏ボード(例えば、石膏壁板)、石膏ボードの調製方法、およびスラリーを提供する。石膏ボードは、2つのカバーシートの間に配置された硬化石膏コアを含む。コアは、スタッコと、水と、VMA法に従って測定されるように約20cP〜約300cPの粘度を有する、特定の種類の中程度の粘度デンプンを有する少なくとも1つのアルファ化デンプンとを含むスラリーから形成される。好ましい実施形態では、デンプンは、スタッコの10重量%よりも大きい量(例えば、約10重量%〜約25重量%)の量で存在する。有利に、ボードは、十分な強度特性を有しながら、超軽量ボードであり得る。
所望の中程度の粘度、特に約20cP〜約300cPの粘度範囲を達成するために、デンプンは、典型的にはアルファ化部分加水分解デンプンの形態である。驚くべきことに、かつ予想外に、そのような粘度範囲では、典型的には部分的加水分解を用いて、デンプンは、ボードを形成するために上昇したレベルでスラリーに添加されて、ボード強度を増加させることができる(例えば、スタッコの少なくとも10重量%の量で)。本発明者らはまた、アルファ化され、かつ部分的に加水分解されたデンプンが、より少ない水を必要とすることを発見した。いくつかの実施形態では、デンプンは、押し出される。
いくつかの実施形態では、デンプンは、好ましくは、押出機において単一ステップでデンプンをアルファ化および酸修飾することによって調製される。例えば、US 2015/0010767を参照されたく、その方法は、参照により組み込まれる。押出機における単一ステップでデンプンをアルファ化および酸修飾することは、別々のステップでデンプンをアルファ化および酸修飾することと比較して、かなりの利点を有する。例えば、アルファ化部分加水分解デンプンを作製する方法は、本明細書に記載される所望の特性(例えば、粘度、流動性、冷水溶解性など)を犠牲にすることなく、より高いボード出力、より高速な製造、およびより低いエネルギーコストを可能にする。
加えて、押出条件(例えば、高温および高圧)は、デンプンの酸加水分解速度を有意に増加させることができることが分かっている。驚くべきことに、かつ予想外に、この単一ステッププロセスは、ミョウバンなどの弱酸および/またはデンプン酸修飾のためのより少量の強酸を使用することを可能にする。いずれの酸形態も、酸からのプロトンがデンプンの加水分解を触媒する機構を提供する。従来の酸修飾プロセスは、精製および中和ステップを含む。弱酸(例えば、ミョウバン)および/または少量の強酸の使用は、本開示のいくつかの実施形態に従って、任意の中和ステップ、および中和ステップから生じる塩のデンプンを精製するために従来のシステムにおいて典型的に必要とされる後続の精製ステップの必要性を回避する。
本開示の実施形態に従った押出プロセスは、単一ステップでデンプンをアルファ化することができ、かつデンプン分子を部分的に加水分解することができる。加水分解は、押出機からの加水分解に起因して生じ得、かつ/または以下に記載されるように、酸の添加(すなわち、酸修飾)に起因して生じ得る。したがって、1ステップでの押出プロセスは、物理的修飾(アルファ化)および化学的修飾(酸修飾、部分的酸加水分解)の両方を提供する。アルファ化は、デンプンが(例えば、石膏ボードなどの最終製品に)強度を付与する能力を提供する。酸修飾は、例えば、石膏ボード製造プロセスにおいて、水必要量が低くなるまでデンプンを有利に部分的に加水分解する。したがって、本開示の実施形態に従ったデンプンの調製方法の生成物は、アルファ化部分加水分解デンプンであり得る。
押出は、望ましくは、高効率の酸修飾反応を提供することができる。押出機におけるアルファ化および酸修飾は、本明細書に記載される高温および/または高圧で起こり、例えば、より低い温度(例えば、50℃)および圧力での従来の酸加水分解速度よりも約30,000倍以上速くあり得る酸加水分解速度をもたらすことができる。酸加水分解の速度は、デンプン前駆体中の低水分(約8重量%〜約25重量%)レベルの使用によって、したがって反応物の濃度の増加によってさらに増加する。酸修飾のこの高い効率のため、本発明者らは、驚くべきことに、かつ予想外に、弱酸または非常に低レベルの強酸がデンプン前駆体中で使用されて、最適な酸修飾を達成し、従来のシステムのコストおよび時間がかかり、非効率的な要件である中和および精製の必要性を回避することができることを発見した。
いくつかの実施形態によると、加水分解は、デンプンを、アルファ化部分加水分解デンプンの所望の粘度によって本明細書に定義される最適なサイズ範囲内のより小さい分子に変換するように設計される。デンプンが過度に加水分解されると、過度に小さい分子(例えば、オリゴ糖または糖)に変換される可能性があり、それは、所望の粘度のアルファ化部分加水分解デンプンによって提供されるものよりも低いボード強度をもたらす可能性がある。
アルファ化部分加水分解デンプンは、(i)少なくとも水、非アルファ化デンプン、および酸を混合して、約8重量%〜約25重量%の水分含量を有する湿潤デンプン前駆体を形成することによって調製され得る。酸は、(1)カルシウムイオンをキレート化することを実質的に回避する弱酸、(2)デンプンの約0.05重量%以下の量の強酸、または(3)これらの任意の組み合わせであってもよい。湿潤デンプン前駆体は、本明細書に記載されるような上昇したダイ温度および/または圧力で、押出機において1ステップでアルファ化および酸修飾される。デンプンは、例えば、本明細書に記載されるように、所望の粘度をもたらす程度に加水分解される。
したがって、いくつかの実施形態では、アルファ化部分加水分解デンプンは、少なくとも水、非アルファ化デンプン、およびカルシウムイオンのキレート化を実質的に回避する弱酸を混合して、約8重量%〜約25重量%の水分含量を有する湿潤デンプン前駆体を作製することによって作製され得る。次いで、湿潤デンプンは、押出機に供給される。約150℃(約300°F)〜約210℃(約410°F)のダイ温度の押出機中にある間、湿潤デンプンは、少なくとも部分的に加水分解されるようにアルファ化および酸修飾される。
さらなる実施形態では、アルファ化部分加水分解デンプンは、少なくとも水、非アルファ化デンプン、および強酸を混合して、約8重量%〜約25重量%の水分含量を有する湿潤デンプン前駆体を作製することによって作製され得、強酸は、デンプンの約0.05重量%以下の量である。次いで、湿潤デンプンは、押出機に供給される。約150℃(約300°F)〜約210℃(約410°F)のダイ温度の押出機中にある間、湿潤デンプンは、少なくとも部分的に加水分解されるようにアルファ化および酸修飾される。
望ましくは、得られたアルファ化部分加水分解デンプンは、スタッコスラリーに含まれたときに水必要量が低く、好ましい実施形態では、良好な強度を有するボード(例えば、石膏ボード)の製造で有用であり得る。したがって、別の態様では、本開示は、押出機における単一ステップでのアルファ化および酸修飾の方法で調製されたデンプンを使用して、石膏ボードを作製する方法を提供する。いくつかの実施形態では、アルファ化部分加水分解デンプンは、当該技術分野で既知の他のアルファ化デンプンと比較して、水必要量が低い。
結果として、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンは、良好な流動性を有するスタッコスラリーに含まれ得る(例えば、ピンミキサへの供給ラインによって)。いくつかの実施形態では、さらにより高い強度およびより低いボード密度が達成され得るように、過剰な水がシステムに添加される必要がないため、より大量の本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンが含まれ得る。得られたボードは、良好な強度特性(例えば、良好なコア硬度、釘抜き抵抗、圧縮強度など、または本明細書に提供されるそれぞれに対する値の任意の組合せに基づくそれらの間の任意の関係を有すること)を示す。有利に、石膏ボードの製造中に本開示の方法に従って調製されたデンプンを含むことは、強度の向上のために超低密度製品の製作を可能にする。石膏ボードは、例えば、石膏壁板(しばしば乾式壁と称される)の形態であってもよく、これは、壁だけでなく、当該技術分野で理解されるような天井および他の場所にも使用されるボードを包含することができる。
アルファ化および酸修飾
デンプンは、炭水化物として分類され、2つの種類のポリサッカライド、すなわち直鎖アミロースおよび分枝アミロペクチンを含有する。デンプン顆粒は、例えば、偏光下で見られるときに半結晶性であり、室温で水に不溶性である。ゼラチン化は、デンプン顆粒の結晶構造が融解し、デンプン分子が水中に溶解され、良好な分散液をもたらすように、デンプンが水中に配置され、加熱(「調理」)されるプロセスである。デンプン顆粒をゼラチン化形態に変換する場合、デンプン顆粒は水不溶性であるため、最初に、デンプン顆粒は、水中でほとんど粘度を与えないことが分かっている。温度が上昇するにつれて、デンプン顆粒は膨潤し、結晶構造はゼラチン化温度で融解する。ピーク粘度は、デンプン顆粒が最大の膨潤を有するときに達成される。さらに加熱すると、デンプン顆粒を破壊し、デンプン分子を水中に溶解し、粘度が急激に低下する。冷却後、デンプン分子は再会合して、3Dゲル構造を形成し、ゲル構造により粘度が増加する。アルファ化形態で販売される市販のデンプンもあれば、顆粒形態で販売される市販のデンプンもある。いくつかの実施形態によると、顆粒形態は、少なくともある程度のゼラチン化を受ける。例示すると、デンプンは、本明細書においてスタッコスラリーとも称される石膏スラリーに添加する前にアルファ化される(典型的にはミキサ、例えばピンミキサ中で)。
したがって、本明細書で使用される場合、「アルファ化された」とは、デンプンが、例えば石膏スラリーに含まれる前に、任意の程度のゼラチン化を有することを意味する。いくつかの実施形態では、アルファ化デンプンは、スラリーに含まれたときに部分的にゼラチン化され得るが、高温に曝露されると、例えば過剰な水を除去する乾燥ステップ中に窯の中で完全にゼラチン化される。いくつかの実施形態では、アルファ化デンプンは、デンプンが、粘度変性混和(VMA)法に従った条件下にあるとき、いくつかの実施形態の中程度の粘度特性を満たす限り、窯を出た後でさえ完全にゼラチン化されていない。
粘度が本明細書で言及される場合、他に指示がない限り、それはVMA法に従う。この方法によると、粘度は、羽根形状(直径28mm、長さ42.05mm)を有する標準カップ(直径30mm)である同心シリンダを備えたDiscovery HR−2 Hybrid Rheometer(TA Instruments Ltd)を使用して測定される。
デンプンが得られると、デンプンが完全にゼラチン化されているかどうかを決定するために、示差走査熱量測定(DSC)技術が使用され得る。DSCステップは、デンプンが完全にゼラチン化されているかどうかを観察するために、例えば、老化が起こっていないことを確認するために利用され得る。デンプンを完全にデンプン化するために必要とされる温度に応じて、2つの手順のうちの1つが採用され得、これはまた、当業者が理解するようにDSCによって決定され得る。
手順1は、DSCが、デンプンが完全にゼラチン化されているか、またはゼラチン化温度が90℃以下であることを明らかにする場合に利用される。手順2は、ゼラチン化温度が90℃を超える場合に利用される。デンプンが水中にある間に粘度が測定されるため、手順2は、密閉容器中での圧力調理を使用して、水を著しく蒸発させることなく100℃を超える温度への過熱を可能にする。後述されるように、ゼラチン化は、開放しシステムであり、かつゼラチン化のための加圧条件を作り出すことができないレオメータで行われるため、手順1は、既に完全にゼラチン化されたデンプンまたは最大90℃のデンプン化温度を有するデンプンのためのものである。したがって、手順2は、より高いゼラチン化温度を有するデンプンのために行われる。いずれにしても、粘度が測定されたときに総重量50gになるように、デンプン(7.5g、乾燥基準)が水に添加される。
手順1では、デンプンは、水中に分散され(デンプンおよび水の総重量の15%のデンプン)、試料は、直ちにシリンダセルに移される。セルは、アルミニウムホイルで被覆される。試料は、5℃/分および200秒−1の剪断速度で25℃から90℃に加熱される。試料は、200秒−1の剪断速度で10分間、90℃で保持される。試料は、5℃/分および200秒−1の剪断速度で90℃から80℃に冷却される。試料は、0秒−1の剪断速度で10分間、80℃で保持される。試料の粘度は、80℃および100秒−1の剪断速度で2分間測定される。粘度は、30秒〜60秒の間に取られた測定値の平均である。
手順2は、90℃を超えるゼラチン化温度を有するデンプンのために使用される。デンプンは、デンプン産業で周知の方法(例えば、圧力調理によるもの)に従ってゼラチン化される。ゼラチン化デンプン水溶液(総重量の15%)は、直ちにレオメータ測定カップに移され、80℃で10分間平衡化される。試料の粘度は、80℃および100秒−1の剪断速度で2分間測定される。粘度は、30秒から60秒までの測定の平均値である。
ビスコグラフおよびDSCは、デンプンのゼラチン化を記載する2つの異なる方法である。デンプンのゼラチン化の程度は、例えば、計算のためにピーク面積(結晶の融解)を使用したDSCからのサーモグラムによって決定され得る。ビスコグラム(ビスコグラフからの)は、部分的ゼラチン化の程度を決定するためにはあまり望ましくないが、デンプンの粘度変化、ゼラチン化の最大値、ゼラチン化温度、老化、保持の間の粘度、冷却の終了時の粘度などのデータを得るための良好なツールである。ゼラチン化の程度については、DSC測定が、過剰な水の存在下で、特に67重量%以上で行われる。デンプン/水混合物の含水量が67%未満である場合、含水量が減少するにつれて、ゼラチン化温度が上昇する。利用可能な水が制限されている場合、デンプン結晶を融解することは困難である。デンプン/水混合物の含水量が67%に到達すると、デンプン/水混合物にさらにどれほどの水が添加されても、ゼラチン化温度は一定に保たれる。ゼラチン化開始温度は、ゼラチン化の開始温度を示す。ゼラチン化終了温度は、ゼラチン化の終了温度を示す。ゼラチン化のエンタルピーは、ゼラチン化中に融解した結晶構造の量を表す。デンプンDSCサーモグラムからのエンタルピーを使用することによって、ゼラチン化の程度が決定され得る。
異なるデンプンは、異なるゼラチン化開始温度、最終温度、およびゼラチン化エンタルピーを有する。したがって、異なるデンプンは、異なる温度で完全にゼラチン化され得る。デンプンが過剰な水中でのゼラチン化の最終温度を超えて加熱されると、デンプンは完全にゼラチン化されていることが理解されるであろう。加えて、任意の特定のデンプンについては、デンプンがゼラチン化の最終温度未満に加熱される場合、デンプンは、部分的にゼラチン化されている。したがって、過剰な水の存在下のデンプンが、例えばDSCによって決定されるように、ゼラチン化終了温度未満に加熱される場合、部分的であり完全ではないゼラチン化が起こる。完全なゼラチン化は、過剰な水の存在下のデンプンが、例えばDSCによって決定されるように、ゼラチン化終了温度を超えて加熱されると起こる。ゼラチン化の程度は、例えば、デンプンをゼラチン化終了温度未満に加熱して、部分的ゼラチン化を形成することなどによって、異なる方法で調節され得る。例えば、デンプンを完全にゼラチン化するためのエンタルピーが4J/gである場合、DSCがデンプンのゼラチン化エンタルピーをわずか2J/gと示したとき、これは、デンプンの50%がゼラチン化されていることを意味する。完全にゼラチン化されたデンプンは、DSCによって測定されたとき、DSCサーモグラムゼラチン化ピークを有さないであろう(エンタルピー=0J/g)。
上述のように、ゼラチン化の程度は、約70%以上などの任意の好適な量であってもよい。しかしながら、ゼラチン化の程度が小さいほど、顆粒デンプンにより緊密に近似し、本開示のいくつかの実施形態の強度の向上、良好な(より完全な)分散液、および/または水必要量の低減を十分には活用できない場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、より高い程度のゼラチン化、例えば、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約99%の、または完全な(100%の)ゼラチン化が存在することが好ましい。より低い程度のゼラチン化を伴うデンプンは、石膏ボードの場合に窯中で起こる追加のゼラチン化(例えば100%への)で、スラリーに添加され得る。スラリーへの添加の目的で、「完全にゼラチン化された」によって、デンプンがそのゼラチン化温度以上で十分に調理されるか、または別様にDSC技術から見ることができるような完全なゼラチン化を達成することが理解されるであろう。冷却時にある程度のわずかな老化が予想され得るが、デンプンは、当業者が認識するように、いくつかの実施形態では、石膏スラリーへの添加のために「完全にゼラチン化された」ものとなおも理解されるであろう。対照的に、本明細書で考察されるVMA法の目的で、そのような老化は、粘度測定を行う際に受け入れられない。
デンプン分子は、例えば、所望の分子量を達成するために、グルコース単位間のグリコシド結合を加水分解するために、酸修飾され得る。分子量の低下が達成されるような酸修飾デンプンの1つの利点は、水必要量が減少することである。同様に酸修飾されなかった従来のアルファ化デンプンは、非常に高い水必要量があり、これはより高いエネルギーコストに関連する。修飾が、より効率的で、かつあまりコスト集約的ではない傾向があるため、ゼラチン化の前に行われることが一般に好ましいと従来考えられてきた。しかしながら、驚くべきことに、かつ予想外に、本発明者らは、アルファ化および酸修飾が、順次ではなく同時に起こることができるように、単一ステップに組み込まれ得ることを発見した。
デンプンの調製方法
いくつかの実施形態によると、押出機に入る前に、湿潤デンプン前駆体が調製される。湿潤デンプン前駆体は、任意の好適な方法によって調製され得る。例えば、いくつかの実施形態では、湿潤デンプン前駆体は、水、ならびに(a)カルシウムイオンのキレート化を実質的に回避する弱酸、および/または(b)少量の強酸である酸を、デンプン原料に添加することによって調製される。
本開示のいくつかの実施形態の中程度の粘度特性を満たすものなど、アルファ化部分加水分解デンプンを作製するために使用され得る限り、任意の好適なデンプン原料が、湿潤デンプン前駆体を調製するために選択され得る。本明細書で使用される場合、「デンプン」は、デンプン構成成分を含む組成物を指す。したがって、デンプンは、100%純粋なデンプンであってもよく、またはデンプン構成成分が、デンプン組成物の少なくとも約75重量%を構成する限り、タンパク質および繊維などの小麦粉に通常見られるものなどの他の構成成分を有してもよい。デンプンは、小麦粉の少なくとも約75重量%のデンプン(例えば、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%など)を有する小麦粉など、デンプンを含有する小麦粉(例えば、コーンフラワー)の形態であってよい。本開示のアルファ化部分加水分解デンプンの前駆体を調製するために、任意の好適な非修飾デンプンまたは小麦粉が使用され得る。例えば、デンプンは、CCM260黄色コーンミール、CCF600黄色コーンフラワー(Bunge North America)、Clinton 106(ADM)、および/またはMidsol 50(MGP Ingredients)であってもよい。
湿潤デンプン前駆体は、所望のレベルのアルファ化および酸修飾が押出機において達成されるように、任意の好適な水分含量を有するように調製され得る。いくつかの実施形態では、例えば、湿潤デンプン前駆体は、全て湿潤デンプン前駆体の総重量に基づき、総デンプン前駆体の約8重量%〜約25重量%、例えば、約8重量%〜約23重量%、約8重量%〜約21重量%、約8重量%〜約20重量%、約8重量%〜約19重量%、約8重量%〜約18重量%、約8重量%〜約17重量%、約8重量%〜約16重量%、約8重量%〜約15重量%、約約9重量%〜約25重量%、約9重量%〜約23重量%、約9重量%〜約21重量%、約9重量%〜約20重量%、約9重量%〜約19重量%、約9重量%〜約18重量%、約9重量%〜約17重量%、約9重量%〜約16重量%、約9重量%〜約15重量%、約10重量%〜約25重量%、約10重量%〜約23重量%、約10重量%〜約21重量%、約10重量%〜約20重量%、約10重量%〜約19重量%、約10重量%〜約18重量%、約10重量%〜約17重量%、約10重量%〜約16重量%、約10重量%〜約15重量%、約11重量%〜約25重量%、約11重量%〜約23重量%、約11重量%〜約21重量%、約11重量%〜約20重量%、約11重量%〜約19重量%、約11重量%〜約18重量%、約11重量%〜約17重量%、約11重量%〜約16重量%、約11重量%〜約15重量%、約12重量%〜約25重量%、約12重量%〜約23重量%、約12重量%〜約21重量%、約12重量%〜約20重量%、約12重量%〜約19重量%、約12重量%〜約18重量%、約12重量%〜約17重量%、約12重量%〜約16重量%、約12重量%〜約15重量%、約13重量%〜約25重量%、約13重量%〜約23重量%、約13重量%〜約21重量%、約13重量%〜約20重量%、約13重量%〜約19重量%、約13重量%〜約18重量%、約13重量%〜約17重量%、約13重量%〜約16重量%、約13重量%〜約15重量%、約14重量%〜約25重量%、約14重量%〜約23重量%、約14重量%〜約21重量%、約14重量%〜約20重量%、約14重量%〜約19重量%、約14重量%〜約18重量%、約14重量%〜約17重量%、約14重量%〜約16重量%、または約14重量%〜約15重量%の量などの水分含量を有する。湿潤デンプンを調製するとき、本明細書に記載される水分含量は、周囲水分ならびにび添加された水を含むことが理解されるであろう。
いかなる特定の理論にも束縛されることを望まないが、水分含量が低いほど、押出機における摩擦が大きくなると考えられる。いくつかの実施形態では、摩擦が、湿潤デンプンが押出機を通ってあまりに容易に動くことを防止するように、湿潤デンプンは、湿潤デンプンが押出機を通って供給されるときに十分な機械的エネルギー入力を可能にする水分含量を有するように調製され得る。摩擦の増加は、デンプン中の水素結合の破壊を増加させる可能性がある。
カルシウムイオンのキレート化を実質的に回避する任意の好適な弱酸が、湿潤デンプン中に混合されてもよい。いかなる特定の理論にも束縛されることを望まないが、キレート化は、弱酸を含み、例えば、カルシウムとの配位錯体を形成するか、または別様に石膏スラリー内の石膏結晶の形成を妨げる。そのような干渉は、形成された石膏結晶の数の低減、結晶の形成の遅延(速度の減少)、石膏結晶間の相互作用の減少などであり得る。カルシウムイオンをキレート化しないことに関する「実質的に」という用語は、一般に、利用可能なカルシウムイオンの少なくとも90%(例えば、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%)が酸にキレート化されていないことを意味する。
本開示の実施形態に従った弱酸は、約1〜約6、例えば約1〜約5、約1〜4、約1〜3、約1〜2、約1.2〜約6、約1.2〜約5、約1.2〜約4、約1.2〜約3、約1.2〜約2、約2〜約6、約2〜約5、約2〜約4、約2〜約3、約3〜約6、約3〜約5、約3〜約4、約4〜約6、または約4〜約5のpKa値を有するものとして定義され得る。当該技術分野で理解されているように、pKa値は、酸の強度の尺度であり、pKa値が低いほど、酸が強くなる。
カルシウムイオンのキレート化を実質的に回避する弱酸は、例えば、カルシウムイオンと結合する傾向がある複数のカルボキシル官能基(COO−)などの多重結合部位の欠如によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、例えば、キレート化が最小限である(すなわち、実質的に回避される)か、または石膏結晶形成が、弱酸の非存在下での結晶形成に対して実質的に影響されないように、弱酸は、多重COO−基などの最小限の量の多重結合部位を有するか、または多重COO−基などの多重結合部位を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、例えば、硫酸アルミニウム(ミョウバン)が、カルシウムイオンのキレート化を実質的に回避するため、湿潤デンプンの調製で使用するのに適した弱酸である。ミョウバンは、多重結合部位を有しない。
いくつかの実施形態では、ミョウバンは、所望の固形分のミョウバンを含有する液体など、任意の好適な形態で湿潤デンプン前駆体に添加される。例えば、液体ミョウバンが水溶液中に含まれ得、ミョウバンは、任意の好適な量で存在する。他の弱酸も同様に添加され得る。
アルファ化部分加水分解デンプンが所望の粘度および低い水必要量で調製され、糖に過剰に加水分解されないように、湿潤デンプンは、カルシウムイオンのキレート化を実質的に回避する任意の好適な量の弱酸を含むように混合され得る。例えば、いくつかの実施形態では、そのような弱酸は、デンプンの重量に基づき、約0.5重量%〜約5重量%、例えば、約0.5重量%〜約4.5重量%、例えば約0.5重量%〜約4重量%、約0.5重量%〜約3.5重量%、約0.5重量%〜約3重量%、約1重量%〜約5重量%、約1重量%〜約4.5重量%、約1重量%〜約4重量%、約1重量%〜約3.5重量%、約1重量%〜約3重量%、約1.5重量%〜約5重量%、約1.5重量%〜約4.5重量%、約1.5重量%〜約4重量%、約1.5重量%〜約3.5重量%、約1.5重量%〜約3重量%、約2重量%〜約5重量%、約2重量%〜約4.5重量%、約2重量%〜約4重量%、約2重量%〜約3.5重量%、約2重量%〜約3重量%、約2.5重量%〜約5重量%、約2.5重量%〜約4.5重量%、約2.5重量%〜約4重量%、約2.5重量%〜約3.5重量%、または約2.5重量%〜約3重量%の量で含まれる。これらの量は、弱酸構成成分を包含し、弱酸が溶液中にある場合、水または溶液の他の構成成分を排除することが理解されるであろう。
湿潤デンプン前駆体は、任意に、酒石酸などのカルシウムイオンをキレート化することができる二次酸をさらに含むように調製され得る。したがって、いくつかの実施形態では、酒石酸などの二次酸は、カルシウムイオンをキレート化しない任意の好適な弱酸と組み合わされ得る。酒石酸は、石膏結晶化を遅らせることが知られている。しかしながら、酸修飾を介した加水分解反応が最適化されるように、非キレート化弱酸と組み合わせて、酒石酸は、石膏結晶化の実質的な遅延を回避することができる。酒石酸の他に、コハク酸またはリンゴ酸などの他の二次酸が、ミョウバンの加速効果を上回らない限り、有益であり得る。いくつかの実施形態では、湿潤デンプン前駆体は、ミョウバンおよび酒石酸の両方を含む。
含まれる場合、二次酸(例えば、酒石酸)は、任意の好適な量で存在し得る。例えば、酒石酸は、デンプンの重量に基づき、約0.1重量%〜約0.6重量%、例えば、約0.1重量%〜約0.4重量%、約0.2重量%〜約0.3重量%の量で存在し得る。
いくつかの実施形態では、押出機内部のデンプンの搬送性を改善するために、油が任意に湿潤デンプンに添加され得る。考えられる油としては、いくつかの実施形態では、キャノーラ油、植物油、コーン油、大豆油、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。例えば、いくつかの実施形態では、キャノーラ油または上記の代替物のうちの1つは、デンプンの約0重量%〜約0.25重量%、例えば、約0.1重量%〜約0.2重量%、約0.1重量%〜約0.15重量%、約0.15重量%〜約0.25重量%、約0.15重量%〜約0.2重量%、または約0.2重量%〜約0.25重量%の量で任意に添加され得る。
いくつかの実施形態によると、湿潤デンプン前駆体は、水、非アルファ化デンプン、および少量の強酸を混合することによって調製される。いくつかの実施形態では、強酸は、約−1.7以下のpKaを有する。任意のそのような強酸が使用され得、いくつかの実施形態では、強酸は、硫酸、硝酸、塩酸、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、硫酸イオンが石膏ボード中の石膏結晶化を加速させることができるため、単独での、または他の酸との組み合わせた硫酸が好ましい。
強酸の量は、デンプンの約0.05重量%以下、例えば、デンプンの約0.045重量%以下、約0.04重量%以下、約0.035重量%以下、約0.03重量%以下、約0.025重量%以下、約0.02重量%以下、約0.015重量%以下、約0.01重量%以下、約0.005重量%以下、約0.001重量%、0.0005重量%以下、例えば、約0.0001重量%〜約0.05重量%、約0.0001重量%〜約0.045重量%、約0.0001重量%〜約0.04重量%、約0.0001重量%〜約0.035重量%、約0.0001重量%〜約0.03重量%、約0.0001重量%〜約0.025重量%、約0.0001重量%〜約0.02重量%、約0.0001重量%〜約0.015重量%、約0.0001重量%〜約0.01重量%、約0.0001重量%〜約0.005重量%、約0.0001重量%〜約0.001重量%、約0.0001重量%〜約0.0005重量%など、比較的小さい。これらの量は、強酸構成成分を包含し、強酸が溶液中にある場合、水または溶液の他の構成成分を排除することが理解されるであろう。例えば、従来の強酸修飾は、約35%のデンプン固体を有する2%硫酸溶液(35gのデンプンに対して2gの硫酸)を使用する。パーセントは、純粋な硫酸構成成分に基づく。これは、硫酸構成成分の重量を湿潤デンプンの重量で割ったものとして計算される。例えば、硫酸が水に基づき50重量%である(これは、溶液の重量の半分が純粋な硫酸であることを意味する)場合、デンプンに対する酸の重量%を計算すると、硫酸溶液の重量は2倍になる。例示するために、デンプン100gに対して、0.1重量%を達成するために、0.1gの純粋な硫酸が添加される。硫酸溶液の濃度が50%である場合、0.1重量%を達成するために、0.2gの50%硫酸溶液が添加される。
異なる等級の酸(95%超、98%、99.99%)が存在することが理解されるであろう。これらの差は、デンプン前駆体中の強酸の量に関して、「約」という用語によって包含される。当業者は、異なる等級を含むように本明細書に記載される重量%を容易に決定することが可能であろう。本開示のいくつかの実施形態に従って使用される強酸の量は、例えば、デンプン35gに対して少なくとも約2gの硫酸を使用した従来のシステムに含まれていたものよりもかなり小さい。いくつかの実施形態では、上記のような少量の強酸が、本明細書に記載されるように、ミョウバンなどのカルシウムイオンをキレートしない弱酸と組み合わせて使用され得る。
いくつかの実施形態は、湿潤デンプン前駆体が押出機において単一ステップでアルファ化および酸修飾されるように、押出機を通って湿潤デンプン前駆体を供給することを提供する。押出機は、ポリマーを融解し、ダイを通してそれを送り出すことによって、ポリマーを所望の形状に融解および加工するために一般的に使用される機械であることが理解されるであろう。押出機はまた、ポリマーを着色染料、強化繊維、鉱物充填剤などの他の成分と混合することもできる。押出機の目的は、それに供給される成分の全てを分散および分配し、成分を一定温度および圧力で融解することである。
押出機の構成および配置は、当該技術分野において既知である。一般に、押出機は、供給材料を送達するためのフィードホッパーと、可塑剤(例えば、水)でポリマーを調整するためのヒートジャケットを備えるプレコンディショナと、加熱ゾーンを備える押出機モジュラーヘッドと、ダイアセンブリとを備える。押出機は、一般に、フィードオーガー、ナイフ、およびスクリュ(複数可)を含む。フィードオーガーは、湿潤デンプン前駆体を押出機に搬送するのを助けるために存在する。ナイフは、紐状のアルファ化部分加水分解デンプンを小さいペレットに切断し、それによりペレットが粉砕され得るようにするために存在する。スクリュ(複数可)は、湿潤デンプン前駆体を混合し、押出機を通して湿潤デンプン前駆体を搬送し、機械的剪断を提供するのを助ける。押出機は、当業者によって理解されるように、一軸スクリュまたは二軸スクリュの種類を有することができる。例えば、Leszek Moscicki,Extrusion−Cooking Techniques,WILEY−VCH Verlag & Co.KGaA,2011を参照されたい。
一軸スクリュ押出機では、スクリュは、一般に、フィーダのスロートから固体を輸送し、それらを圧縮するための深いチャネルを有するフィードセクションと、スクリュのチャネルが漸進的に深くなくなり、ポリマーが融解する圧縮セクションと、融解したポリマーをダイに搬送する浅いチャネルを有する計量セクションとを備える。いくつかのスクリュは、混合デバイス(例えば、スクリュから延在するピン)を含むように設計されている。
二軸スクリュ押出機は、一般に、同じ方向(すなわち、共回転)または反対方向(すなわち、逆回転)のいずれかに回転する2つのスクリュを有する。2つのスクリュは、噛み合っていないか、または完全に噛み合っているフライトで回転してもよい。一軸スクリュ押出機の場合、供給されている材料がスクリュチャネル全体を充填する一方で、二軸スクリュ押出機の場合は、下流のフィードポートまたは排出口がある特定の成分の添加のために利用され得るように、スクリュチャネルの一部のみが充填される。
ダイアセンブリは、一般に、プレートと、スペーサと、ダイヘッドとを備える。材料を押し出すとき、プロセスは、材料が不定の長さで押し出されるように、連続的であってもよく、または材料がばらばらに押し出されるように、半連続的であってもよい。押し出されている材料は、高温または低温であってもよい。
本開示は、押出機中でアルファ化部分加水分解デンプンを調製する方法を提供する。一軸スクリュ押出機(例えば、South Beloit,ILに位置するAmerican Extrusion Internationalから入手可能なAdvantage 50)、または二軸スクリュ押出機(例えば、Sabetha,KSに位置するWengerから入手可能なWenger TX52)などの任意の好適な押出機が使用され得る。
本明細書に記載されるように、非アルファ化デンプン、カルシウムイオンをキレート化することを実質的に回避する弱酸および/または少量の強酸の形態の酸、ならびに水が混合され、押出機に供給される。いくつかの実施形態では、追加の水が押出機に添加されてもよい。押出機中にある間、加熱要素および機械的剪断の組み合わせがデンプンを融解およびアルファ化し、弱酸がデンプンを本明細書に記載されるような望ましい粘度によって示される所望の分子量に部分的に加水分解する。押出機中の条件はまた、機械的エネルギーのため、デンプン分子を分解させ、これは酸修飾の同じ効果を部分的にもたらす。いくつかの実施形態に従った押出機中の条件(例えば、高い反応温度および高圧)がこの化学反応を促進するため、弱酸および/または少量の強酸が使用され得ると考えられる。したがって、好ましい実施形態の方法は、デンプン酸修飾の効率を改善する。
主スクリュは、所望の混合および機械的剪断が達成されるように、任意の好適な速度で操作され得る。例えば、いくつかの実施形態では、主スクリュは、約350RPM(±約100RPM)の速度で操作され得る。フィードオーガーは、所望の供給速度を達成するために、任意の好適な速度で操作され得る。例えば、いくつかの実施形態では、フィードオーガーは、約14RPM(±約5RPM)の速度で操作され得る。
ナイフは、任意の好適な速度で操作され得る。例えば、様々な実施形態では、ナイフは、約400RPM〜約1,000RPM、例えば約400RPM〜約900RPM、約400RPM〜約800RPM、約400RPM〜約700RPM、約400RPM〜約600RPM、約400RPM〜約500RPM、約500RPM〜約1,000RPM、約500RPM〜約900RPM、約500RPM〜約800RPM、約500RPM〜約700RPM、約500RPM〜約600RPM、約600RPM〜約1,000RPM、約600RPM〜約900RPM、約600RPM〜約800RPM、約600RPM〜約700RPM、約700RPM〜約1,000RPM、約700RPM〜約900RPM、約700RPM〜約800RPM、約800RPM〜約1,000RPM、約800RPM〜約900RPM、または900RPM〜約1,000RPMの速度で操作され得る。
湿潤デンプンは、材料を燃焼させることなく湿潤デンプンが十分にアルファ化されるように、任意の好適な温度で、ダイを有する押出機中でアルファ化および酸修飾され得る。例えば、湿潤デンプンは、約150℃(約300°F)〜約210℃(約410°F)、例えば、様々な実施形態では、約150℃〜約205℃(約400°F)、約150℃〜約199℃(約390°F)、約150℃〜約193℃(約380°F)、約150℃〜約188℃(約370°F)、約150℃〜約182℃(約360°F)、約154℃(約310°F)〜210℃、約154℃〜約205℃(約400°F)、約154℃〜約199℃、約154℃〜約193℃、約154℃〜約188℃、約154℃〜約182℃、約160℃(約320°F)〜約210℃、約160℃〜約205℃(約400°F)、約160℃〜約199℃、約160℃〜約193℃、約160℃〜約188℃、約160℃〜約182℃、約166℃(約330°F)〜約210℃、約166℃〜約205℃、約166℃〜約199℃、約166℃〜約193℃、約166℃〜約188℃、約166℃〜約182℃、約171℃(約340°F)〜約210℃、約171℃〜約205℃、約171℃〜約199℃、約171℃〜約193℃、約171℃〜約188℃、約171℃〜約182℃、約177℃(約350°F)〜約210℃、約177℃〜約205℃、約177℃〜約199℃、約177℃〜約193℃、約177℃〜約188℃、または約177℃〜約182℃の温度で、ダイを有する押出機中でアルファ化および酸修飾され得る。押出機のダイは、本明細書に記載される任意の十分な温度であり得るが、ダイ温度は、一般に、デンプン結晶の融解温度を超える。
ゲル化の程度は、例えば、少なくとも約70%以上、例えば、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約99%、または完全(100%)など、任意の好適な量であってもよい。下記のように壁板を作製する場合、そのようなより低い程度のゼラチン化を有するデンプンがスタッコスラリーに添加され得、例えば、追加のゼラチン化(例えば、100%)が窯中で行われる。
アルファ化および酸修飾に対する適切な条件が達成されるように、押出機中の圧力は、任意の好適なレベルであってもよい。押出機内部の圧力は、押し出されている原料、水分含量、ダイ温度、およびスクリュ速度によって決定され、これは、当業者によって認識されるであろう。例えば、押出機中の圧力は、少なくとも約2,000psi(約13,800kPa)、例えば、少なくとも約2,250psi(約15,500kPa)、少なくとも約2,500psi(約17,200kPa)、少なくとも約2,750psi(約19,000kPa)、少なくとも約3,000psi(約20,650kPa)、少なくとも約3,500psi(約24,100kPa)、少なくとも約4,000psi(約27,600kPa)、または少なくとも約4,500psi(約31,000kPa)であってもよい。いくつかの実施形態では、圧力は、約2,000psi〜約5,000psi(34,500kPa)、例えば、約2,000psi〜約4,500psi、約2,000psi〜約4,000psi、約2,000psi〜約3,500psi、約2,000psi〜約3,000psi、約2,000psi〜約2,500psi、約2,500psi〜約5,000psi、約2,500psi〜約4,500psi、約2,500psi〜約4,000psi、約2,500psi〜約3,500psi、約2,500psi〜約3,000psi、約3,000psi〜約5,000psi、約3,000psi〜約4,500psi、約3,000psi〜約4,000psi、約3,000psi〜約3,500psi、約3,500psi〜約5,000psi、約4,000psi〜約5,000psi、約4,000psi〜約4,500psi、または約4,500psi〜約5,000psiであってもよい。
アルファ化部分加水分解デンプンを押出機において単一ステップで調製することは、連続して2つのステップでデンプンをアルファ化および酸修飾するよりもかなり速いことが分かっている。任意の他の方法で調製されたデンプンよりもかなり大量のアルファ化部分加水分解デンプンが、好ましい実施形態に従った方法で調製され得る。より高い生産量およびより速い生産速度は、高温および/または高圧での高い反応速度による。いくつかの実施形態では、アルファ化および酸修飾は、約5分未満、例えば、約4分未満、例えば、約3分未満、約2分未満、約90秒未満、約75秒未満、約1分未満、約45秒未満、約30秒未満、約25秒未満、約20秒未満、約15秒未満、または約10秒未満に起こる。加えて、いくつかの実施形態では、アルファ化および酸修飾は、上記の点のうちのいずれか2つによって制約された押出機中の速度で起こる。例えば、アルファ化および酸修飾速度は、約10秒〜5分、例えば、約10秒〜約4分、約10秒〜約3分、約10秒〜約2分、約10秒〜約90秒、約10秒〜約75秒、約10秒〜約1分、約10秒〜約45秒、約10秒〜約30秒、約10秒〜約25秒、約10秒〜約20秒、または約10秒〜約15秒であってもよい。
アルファ化部分加水分解デンプンを調製する方法は、任意の十分な速度で起こる連続的な方法であってもよい。いくつかの実施形態では、デンプンは、少なくとも約100kg/時間、例えば、少なくとも約150kg/時間、少なくとも約200kg/時間、少なくとも約250kg/時間、少なくとも約300kg/時間、少なくとも約350kg/時間、少なくとも約400kg/時間、少なくとも約450kg/時間、500kg/時間、少なくとも約550kg/時間、例えば、少なくとも約600kg/時間、少なくとも約650kg/時間、少なくとも約700kg/時間、少なくとも約750kg/時間、少なくとも約800kg/時間、少なくとも約850kg/時間、少なくとも約900kg/時間、少なくとも約950kg/時間、少なくとも約1,000kg/時間、少なくとも約1,050kg/時間、少なくとも約1,100kg/時間、少なくとも約1,150kg/時間、少なくとも約1,200kg/時間、少なくとも約1,250kg/時間、少なくとも約1,300kg/時間、少なくとも約1,350kg/時間、少なくとも約1,400kg/時間、少なくとも約1,450kg/時間、または少なくとも約1,500kg/時間の押出機中の生産速度でアルファ化および酸修飾される。加えて、いくつかの実施形態では、押出機中の生産速度は、上記の点のうちのいずれか2つによって制約され得る。例えば、生産速度は、約100kg/時間〜約1,500kg/時間(例えば、約100kg/時間〜約1,500kg/時間、約100kg/時間〜1,000kg/時間、約250kg/時間〜約1,500kg/時間、約250kg/時間〜約1,000kg/時間、約600kg/時間〜約1,250kg/時間、約650kg/時間〜約1,200kg/時間、約700kg/時間〜約1,100kg/時間、約750kg/時間〜約1,000kg/時間など)であってもよい。
いくつかの実施形態では、押出機中の条件(例えば、高温および高圧)が、単一ステップでデンプンを効率的かつ十分にアルファ化および酸修飾するのを特に助長することが、本発明者らによって発見された。押出機が湿潤デンプンを混合すると、非常に高い摩擦を生じさせ、それにより熱を生成する。剪断力は、押出機中のスクリュとチャンバとの間の空間が非常に小さいため、押出機中のスクリュによってもたらされる。特定の機械的エネルギー(SME)は、単位質量当たりの物体の機械的エネルギーを表す。SMEは、水分含量に依存する。高い水分含量(例えば、流動性の目的の)は、低い粘度および低い摩擦、したがってより小さいSMEをもたらす。より多くの水分が存在する場合、低い粘度および低い摩擦のため、より小さいSMEが生じる。本明細書に記載される本開示の湿潤デンプン前駆体中の水分含量は、効果的なSMEを提供する。
押出機において、本明細書に記載されるいくつかの実施形態によって提供される条件により、デンプンは、非常に効率的にアルファ化される。いかなる特定の理論にも束縛されることを望まないが、いくつかの実施形態に従った押出機中の良好な混合は、押出機中の反応のためにより少ない水を必要とすると考えられる。非常に低い水分含量は、反応物の高濃度を促進し、これは、化学反応速度を加速させることができる。押出機の高温もまた、反応速度を大幅に加速させる。デンプンが押出機から出るとき、それがアルファ化され、部分的に加水分解されるように、反応は起こっている。
従来の酸修飾では、デンプンは、強酸溶液に添加される。この従来の方法は、連続してではなく、本明細書に記載されるように、押出機において単一ステップでデンプンを同時にアルファ化および酸修飾する驚くべき、かつ予想外の方法よりもかなり多くの水および酸を使用する。従来の酸修飾は、数時間かかる。反応が行われた後、酸は中和され、精製され、かつ洗い流される必要がある。中和および精製ステップは、時間およびコストがかかる。
従来の酸修飾においてカルシウムイオンのキレート化を実質的に回避する弱酸または少量の強酸を使用することは、従来は望ましくないと考えられていた。これは、従来の方法では、酸が弱いほど、または強酸の量が少ないほど、酸修飾がより時間がかかるためである。したがって、従来の酸修飾においては、大量の強酸(例えば、約−1.7未満のpKaを有する)が望ましかった。驚くべきことに、かつ予想外に、アルファ化部分加水分解デンプンが、本明細書に記載される弱酸または少量の強酸を使用する本開示の実施形態に従って、押出機中で調製される場合、弱酸性条件および石膏結晶化への少ない干渉のそれぞれにより、中和および精製ステップの必要がない。いくつかの実施形態では、アルファ化部分加水分解デンプン中に酸が依然として存在し得る。
デンプンの特性、および石膏ボードでデンプンを使用する利点
いくつかの実施形態に従って押出機中で調製されるデンプンは、アルファ化部分加水分解デンプンであってもよい。いくつかの実施形態では、デンプンは、本明細書に記載されるように、必要に応じて様々な特性(例えば、中程度の粘度、冷水溶解性、冷水粘度など)を有するように調製され得る。
いくつかの実施形態に従って押出機中で調製されたアルファ化部分加水分解デンプンは、石膏ボードで使用するのに好適であり得る。例えば、石膏ボードでの適用のために、アルファ化および酸修飾は、本明細書に記載される本開示の実施形態に従って所望の粘度(したがって、分子量範囲)を達成することによって、例えば、強度目的で有益である。本明細書で考察される壁板の作製方法において、スタッコスラリーに導入されるデンプンは、少なくとも約70%ゼラチン化、例えば、少なくとも約75%ゼラチン化、少なくとも約80%ゼラチン化、少なくとも約85%ゼラチン化、少なくとも約90%がゼラチン化、少なくとも約95%ゼラチン化、少なくとも約97%ゼラチン化、または100%ゼラチン化(すなわち、完全にゼラチン化)され得る。
さらに、本開示の実施形態に従って、本明細書に記載されるカルシウムイオンのキレート化を実質的に回避する弱酸を含む湿潤デンプンを、押出機に供給することによって、デンプンが加水分解され、これにより、所望の粘度が達成され、したがって所望の分子量範囲が達成されていることを示す。それにより、粘度は、当業者によって理解されるように、アルファ化部分加水分解デンプンの分子量を示す。
いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンは、アルファ化部分加水分解デンプンが、VMA法に従った条件に供されたときに「中程度」の粘度を有する(すなわち、約20センチポアズ〜約300センチポアズの粘度を有する)ように調整され得、水中のアルファ化部分加水分解デンプンは、アルファ化部分加水分解デンプンおよび水の総重量の15重量%である。したがって、VMA法は、アルファ化部分加水分解デンプンが、VMA法の条件に供されたときに中程度の粘度特性を示すかどうかを判断するために使用される。これは、アルファ化部分加水分解デンプンが、これらの条件下で石膏スラリーに添加されなければならないことを意味しない。むしろ、アルファ化部分加水分解デンプンをスラリーに添加する場合、それは、湿潤(水中の様々な濃度のデンプン中で)または乾燥形態であってもよく、本明細書に記載されるように、または別様にVMA法に記載される条件下で完全にゼラチン化される必要はない。
いくつかの実施形態では、アルファ化デンプンの中程度の粘度は、約20センチポアズ〜約300センチポアズ、例えば、約20センチポアズ〜約250センチポアズ、約30センチポアズ〜約200センチポアズ、または約50センチポアズ〜約300センチポアズであってもよい。本開示の実施形態では、VMA法で試験されたときのアルファ化デンプンの粘度は、例えば、表1Aおよび1Bに列挙されるようなものであってもよい。表中、「X」は「約[最上行の対応する値]〜約[最左列の対応する値]」の範囲を表す。示された値は、アルファ化デンプンの粘度をセンチポアズ(cP)で表す。提示を容易にするために、各値が「約」その値を表すことが理解されるであろう。例えば、表1Aの最初の「X」は、「約20センチポアズ〜約25センチポアズ」の範囲である。
したがって、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンの粘度は、表1Aまたは1Bに記載された上記の終点のうちのいずれかの間およびそれらを含む範囲を有することができる。あるいは、いくつかの実施形態では、アルファ化部分加水分解デンプンは、本明細書に記載されるブラベンダー法に従って測定された約5ブラベンダー単位(BU)〜約33BU、例えば、約10BU〜約30BU、約12BU〜約25BU、または約15BU〜約20BUの粘度(10%固形分、93℃)を有する。
いくつかの実施形態では、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンは、それらが適用される製品(例えば、壁板)の強度に大きな利点を提供することができる。デンプンは、3つのヒドロキシル基を含有するグルコースモノマーを含有するため、デンプンは、石膏結晶への水素結合のための多くの部位を提供する。いかなる特定の理論にも束縛されることを望まないが、いくつかの実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンの分子サイズは、デンプン分子の最適な可動性を可能にして、デンプン分子を石膏結晶と整列させて、石膏結晶へのデンプンの良好な結合を促進して、例えば、水素結合を介して、得られた結晶質石膏マトリクスを強化すると考えられる。
より長い鎖長およびより高い分子量(粘度が高すぎる)、ならびにより短い鎖長およびより低い分子量(粘度が低すぎる)のそれぞれのいずれかを有する、例えば、より高い粘度を有する、本明細書に記載される方法とは別の方法に従って調製された従来のアルファ化デンプンは、同じ利益の組み合わせを提供しない。本発明者らは、例えば、中程度の粘度(デンプンの中程度の分子量を表す)を有する溶解デンプン分子が、いくつかの実施形態において、デンプン分子の最適な可動性を可能にして、デンプン分子を石膏結晶と整列させて、良好なデンプンおよび石膏の水素結合ならびにコア強度を促進することを発見した。
本開示のいくつかの実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンはまた、いくつかの実施形態において、水必要量に関して利点を提供する。従来のアルファ化デンプンを石膏スラリーに添加することは、追加の水が所望の程度のスラリー流動性を維持するために、石膏スラリーに添加されることを必要とする。これは、従来のアルファ化デンプンが粘性を増加させ、石膏スラリーの流動性を低下させるためである。したがって、従来の系におけるアルファ化デンプンの使用は、石膏スラリー中にさらに過剰な水が必要とされるような水必要量の増加をもたらしていた。
本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプン、特に所望の中程度の粘度を有するものは、特に従来のデンプンと比較して、石膏スラリー中の水必要量に対する効果が低減されるように、より少ない水を必要とする。さらに、より少ないデンプンが使用され得るような、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンの効率により、本開示のいくつかの実施形態に従って、水必要量に対するプラスの影響がさらに有意になり得る。このより低い水必要量は、製造中にかなりの効率を提供する。例えば、過剰な水は、乾燥のためのエネルギー投入を必要とする。乾燥に対応するために、ライン速度が減速されなければならない。したがって、石膏スラリー中の水負荷を低減することによって、より少ないエネルギー資源およびコスト、並びにより速い生産速度が見られる。いくつかの実施形態では、石膏スラリー中の水必要量の増加は、例えば、異なる方法によって調製された、300センチポアズを超える粘度を有するアルファ化デンプン(例えば、約773センチポアズの粘度を有するコーンスターチ)などの他のデンプンが必要とする水必要量の増加よりも小さい。
押出機中でアルファ化および酸修飾されるのに十分である限り、アルファ化部分加水分解デンプンを調製する際に、任意の好適な非アルファ化デンプンが選択され得る。本明細書で使用される場合、「デンプン」は、デンプン構成成分を含む組成物を指す。したがって、デンプンは、100%純粋なデンプンであってもよく、またはデンプン構成成分が、デンプン組成物の少なくとも約75重量%を構成する限り、タンパク質および繊維などの小麦粉に通常見られるものなどの他の構成成分を有してもよい。デンプンは、小麦粉の少なくとも約75重量%のデンプン(例えば、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%など)を有する小麦粉など、デンプンを含有する小麦粉(例えば、コーンフラワー)の形態であってよい。一例として、かつ何ら限定されないが、デンプンは、デンプンを含有するコーンフラワーの形態であってもよい。
いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンは、所望の冷水溶解性を有するように調製され得る。従来のアルファ化技術は、デンプンを冷水可溶性にすることを伴い、一般に、過剰量の水中でデンプンを調理する必要がある。しかしながら、これらの従来技術は、効率的ではない。加熱および機械的剪断の組み合わせを可能にする、本開示の実施形態に従った押出は、驚くべきことに、かつ予想外に、1つのステッププロセスで、冷水溶解性と共に低い水分含量を有するアルファ化部分加水分解デンプンを生成するために使用され得る、エネルギー効率の良い方法である。冷水溶解性は、室温(約25℃)で水に任意の量の溶解性を有すると定義される。冷水に溶解性を示すデンプンは、石膏製品(例えば、壁板)の強度に大きな利点を提供し得ることが分かった。好ましい実施形態の冷水可溶性デンプンは、約70%を超える冷水溶解性を有し、硬化石膏コアに添加されると、石膏コアの強度を増加させることができる。一般に、より高い冷水溶解性は、より高い程度のゼラチン化およびより高い強度を示すことが分かっている。アルファ化デンプンの水への溶解性は、室温の水に溶解するデンプンの量をデンプンの総量で割ったものとして定義される。
いくつかの実施形態では、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンの冷水溶解性は、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、例えば、約70%〜約100%、約75%〜約100%、約80%〜約100%、約85%〜約100%、約90%〜約100%、約95%〜約100%、約70%〜約99%など、約75%〜約99%、約80%〜約99%、約85%〜約99%、約90%〜約99%、約95%〜約99%である。好ましい実施形態では、押し出されたアルファ化部分加水分解デンプンの冷水溶解性は、約90%〜約100%である。
いかなる特定の理論にも束縛されることを望まないが、押出中の機械的エネルギーおよび熱エネルギーの組み合わせは、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンの冷水溶解性の原因であると考えられる。デンプンが押出を受けると、デンプン分子間の水素結合が破壊されると考えられる。押し出されたデンプンが水に溶解されると、デンプンは、水分子と水素結合を形成する。アルファ化プロセスの後、押し出されたアルファ化部分加水分解デンプン分子は、自由に石膏結晶と水素結合でき、したがって、石膏製品により高い強度を付与する。したがって、冷水に溶解性を示すデンプンは、石膏壁板の強度を改善するため、従来のデンプンと比較して必要とされるデンプンは少ない。
いくつかの実施形態では、アルファ化部分加水分解デンプンは、本明細書に記載されるブラベンダー法に従って測定された約10BU〜約100BU、例えば、約20BU〜約100BU、約30BU〜約100BU、約40BU〜約90BU、約50BU〜約80BU、または約60BU〜約70BUの冷水粘度(10%固形分、25°C)を有する。いくつかの実施形態では、デンプンは、2番スピンドルを有し、30rpmの回転速度でのブルックフィールド粘度計で測定されるように、25℃で測定されたときに約60cP〜約160cPの水中のデンプンの10%スラリーの冷水粘度を有する。例えば、25℃で測定されたときの水中のデンプンの10%スラリーの冷水粘度は、約60cP〜約150cP、約60cP〜約120cP、約60cP〜約100cP、約70cP〜約150cP、約70cP〜約120cP、約70cP〜約100cP、約80cP〜約150cP、約80cP〜約120cP、約80cP〜約100cP、約90cP〜約150cP、約90cP〜約120cP、約100cP〜約150cP、または約100cP〜約120cPであってもよい。
ボード作製におけるデンプンの使用
いくつかの実施形態では、ボード(例えば、石膏壁板)は、少なくとも水、非アルファ化デンプン、および酸を混合して、約8重量%〜約25重量%の水分含量を有する湿潤デンプン前駆体を形成することによって、アルファ化部分加水分解デンプンを形成することによって作製され得、酸は、カルシウムイオンのキレート化を実質的に回避する弱酸、デンプンの約0.01重量%以下の量の強酸、またはこれらの任意の組み合わせから選択される。
次いで、湿潤デンプン前駆体は、ダイの温度が約150℃(約300°F)〜約210℃(約410°F)である押出機に供給され、そこで、湿潤デンプンが、少なくとも部分的に加水分解されるようにアルファ化および酸修飾される。次いで、アルファ化部分加水分解デンプンは、少なくとも水およびスタッコと混合されて、スラリーを形成することができ、それは次いで、第1のカバーシートと第2のカバーシートとの間に配置されて、湿潤アセンブリを形成することができる。次いで、湿潤アセンブリは、ボードに切断され得、それは次いで、乾燥させられる。好ましくは、ボードの硬化石膏コアは、異なる方法で調製されたデンプンで作製された硬化石膏コアよりも大きい圧縮強度を有する。
驚くべきことに、かつ予想外に、好ましい実施形態によると、(例えば、石膏結晶マトリクスの強度を高めることによって)得られたボードコアの強度を高めるために、増加された量のアルファ化デンプンが使用され得ることが分かっている。したがって、好ましい実施形態では、アルファ化デンプンは、スタッコの10重量%を超える量で、ボードコアを形成するためのスラリーに添加される。
例えば、いくつかの実施形態では、アルファ化デンプンは、スタッコの約10.1重量%〜スタッコの約25重量%、例えば、スタッコの約10.1重量%〜スタッコの約22重量%、スタッコの約10.1重量%〜スタッコの約20重量%、スタッコの約10.1重量%〜スタッコの約15重量%、スタッコの約11重量%〜スタッコの約25重量%、スタッコの約11重量%〜スタッコの約22重量%、スタッコの約11重量%〜スタッコの約20重量%、スタッコの約11重量%〜スタッコの約15重量%、スタッコの約12重量%〜スタッコの約25重量%、スタッコの約12重量%〜スタッコの約22重量%、スタッコの約12重量%〜スタッコの約20重量%、スタッコの約12重量%〜スタッコの15重量%、スタッコの約13重量%〜スタッコの約25重量%、スタッコの約13重量%〜スタッコの約22重量%、スタッコの約13重量%〜スタッコの約20重量%、スタッコの約13重量%〜スタッコの約15重量%、スタッコの約14重量%〜スタッコの約25重量%、スタッコの約14重量%〜スタッコの約22重量%、スタッコの約14重量%〜スタッコの約20重量%、スタッコの約15重量%〜スタッコの約25重量%、スタッコの約15重量%〜スタッコの約22重量%、スタッコの約15重量%〜スタッコの約20重量%、スタッコの約15重量%〜スタッコの約18重量%、スタッコの約18重量%〜スタッコの約25重量%、スタッコの約18重量%〜スタッコの約22重量%、またはスタッコの約20重量%〜スタッコの約25重量%の量で提供され得る。
有利に、増加された量のアルファ化デンプン(例えば、デンプン基準で10重量%を超える)の使用に起因するボードコアへの利益の増加により、石膏壁板は、特に超軽量密度(したがって重量(密度が特定の厚さにおけるボード重量の関数であるため))で調製され得る。好ましい実施形態では、得られたボードは、約31pcf以下、例えば、約30pcf以下、約29pcf以下、約28pcf以下、約27pcf以下、約26pcf以下、約25pcf以下、約24pcf以下、約23pcf以下、約22pcf以下、約21pcf、または約20pcf以下の乾燥密度を有するように調製され得る。いくつかの実施形態では、ボードは、約15pcf〜約31pcf、例えば、約15pcf〜約30pcf、約15pcf〜約29pcf、約15pcf〜約28pcf、約15pcf〜約27pcf、約15pcf〜約26pcf、約15pcf〜約25pcf、約15pcf〜約24pcf、約15pcf〜約23pcf、約15pcf〜約22pcf、約15pcf〜約21pcf、約15pcf〜約20pcf、約15pcf〜約19pcf、約15pcf〜約18pcf、約19pcf〜約31pcf、約19pcf〜約30pcf、約19pcf〜約29pcf、約19pcf〜約28pcf、約19pcf〜約27pcf、約19pcf〜約26pcf、約19pcf〜約25pcf、約19pcf〜約24pcf、約19pcf〜約23pcf、約19pcf〜約22pcf、または約19pcf〜約21pcfの乾燥密度を有する。
本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンは、様々な用途のためのいくつかの実施形態では、他のデンプンと組み合わせてスラリーに添加され得る。例えば、以下に記載されるような石膏壁板の場合、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンは、特に水必要量のある程度の増加が受け入れられる場合、他のデンプンと組み合わされて、コア強度および紙−コア結合の両方を高めることができる。
したがって、本開示のいくつかの実施形態では、石膏スラリーは、本開示の実施形態に従って調製された1つ以上のアルファ化部分加水分解デンプン、ならびに1つ以上の他の種類のデンプンを含み得る。他のデンプンは、例えば、20センチポアズ未満の、および/または300センチポアズを超える粘度を有するアルファ化デンプンを含むことができる。一例は、アルファ化コーンスターチ(例えば、約773センチポアズなど、500センチポアズを超える粘度を有する)である。他のデンプンはまた、例えば、酸修飾デンプンなどの非アルファ化デンプン、ならびにアルキル化デンプン、例えば、エチル化デンプン(それらはゼラチン化されていない)などの形態であってもよい。デンプンの組み合わせは、石膏スラリーに添加する前に、(例えば、乾式混合物中、任意にスタッコなどの他の構成成分と、または他の湿潤成分との湿潤混合物中で)予混合されてもよく、またはそれらは、石膏スラリーに1つずつ含まれ得るか、またはそれらの任意の変化形であってもよい。本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンおよび他のデンプンの任意の好適な割合が含まれ得る。
例えば、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンのデンプン含量は、石膏スラリーに添加される全デンプン含量の百分率として、例えば、少なくとも約10重量%、例えば、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約100%、またはそれらの間の任意の範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンおよび他のデンプンの比は、約25:75、約30:70、約35:65、約50:50、約65:35、約70:30、約75:25などであってもよい。
デンプン構成成分に加えて、スラリーは、いくつかの実施形態では、水と、スタッコと、発泡剤(単に「発泡体」と呼ばれる時もある)と、必要に応じて他の添加剤とを含むように配合される。驚くべきことに、かつ予想外に、いくつかの実施形態、特に中程度の粘度を示すものによると、本開示の実施形態に従って押出機中で調製されたアルファ化部分加水分解デンプンなしと同じレベルでスラリーの流動性を維持するために添加される必要がある水の量は、異なる方法に従って調製されたデンプンを使用する場合に必要とされる水の量の増加よりも少ないことが分かっている。スタッコは、硫酸カルシウムα半水和物、硫酸カルシウムβ半水和物、および/または硫酸カルシウム無水石膏の形態であってもよい。スタッコは、繊維状でも非繊維状であってもよい。発泡剤は、硬化石膏の連続結晶質マトリクス内に空気間隙分布を形成するために含まれ得る。いくつかの実施形態では、発泡剤は、主重量部分の不安定構成成分と、少重量部分の安定構成成分(例えば、不安定および安定/不安定のブレンドが組み合わされる場合)とを含む。安定構成成分に対する不安定構成成分の重量比は、硬化石膏コア内に空気間隙分布を形成するのに有効である。例えば、米国特許第5,643,510号、同第6,342,284号、および同第6,632,550号を参照されたい。
好適な間隙分布および壁厚(独立して)は、特により低密度のボード(例えば、約35pcf未満)で強度を高めるのに有効であり得ることが分かっている。例えば、US 2007/0048490およびUS 2008/0090068を参照されたい。一般に、直径約5μm以下の間隙を有する蒸発水間隙もまた、前述の空気(発泡体)間隙と共に総間隙分布に寄与する。いくつかの実施形態では、約5ミクロン以下の孔径を有する間隙に対する約5ミクロンを超える孔径を有する間隙の体積比は、約0.5:1〜約9:1、例えば、約0.7:1〜約9:1、約0.8:1〜約9:1、約1.4:1〜約9:1、約1.8:1〜約9:1、約2.3:1〜約9:1、約0.7:1〜約6:1、約1.4:1〜約6:1、約1.8:1〜約6:1、約0.7:1〜約4:1、約1.4:1〜約4:1、約1.8:1〜約4:1、約0.5:1〜約2.3:1、約0.7:1〜約2.3:1、約0.8:1〜約2.3:1、約1.4:1〜約2.3:1、約1.8:1〜約2.3:1などである。いくつかの実施形態では、発泡剤は、例えば、スタッコの約0.5重量%未満、例えば、全てスタッコの重量で約0.01%〜約0.5%、約0.01%〜約0.4%、約0.01%〜約0.3%、約0.01%〜約0.2%、約0.01%〜約0.1%、0.02%〜約0.4%、約0.02%〜約0.3%、約0.02%〜約0.2%などの量でスラリー中に存在する。
いくつかの実施形態では、促進剤(例えば、湿潤石膏促進剤、耐熱促進剤、および気候安定化促進剤)および遅延剤などの添加剤は周知であり、含まれ得る。例えば、米国特許第3,573,947号および同第6,409,825号を参照されたい。促進剤および/または遅延剤が含まれるいくつかの実施形態では、促進剤および/または遅延剤はそれぞれ、固体ベースで、例えば、スタッコの約0重量%〜約10重量%(例えば、約0.1%〜約10%)、例えば、スタッコの約0重量%〜約5重量%(例えば、約0.1%〜約5%)の量で、石膏スラリー中に存在してもよい。例えば、十分な強度でより軽量な製品を可能にするための強度を付与する、永久変形を回避する、例えば、製品が製造ラインを下って移動するコンベヤ上に置かれているときにグリーン強度を促進する、耐火性を促進する、耐水性を促進するなどのために、必要に応じて他の添加剤が含まれてもよい。
例えば、スラリーは、いくつかの実施形態では、流動性を高めるために少なくとも1つの分散剤を任意に含むことができる。本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンおよび他の成分と同様に、分散剤は、コアスラリー中に他の乾燥成分と共に乾燥形態で、および/または他の液体成分と共に液体形態で含まれ得る。分散剤の例としては、ナフタレンスルホン酸およびホルムアルデヒドの縮合生成物であるポリナフタレンスルホン酸ならびにその塩(ポリナフタレンスルホン酸塩)および誘導体などのナフタレンスルホン酸塩;ならびにポリカルボン酸エーテル、例えば、PCE211、PCE111、1641、1641F、もしくはPCE 2641型分散剤、例えば、MELFLUX 2641F、MELFLUX 2651F、MELFLUX 1641F、MELFLUX 2500L分散剤(BASF)、およびCoatex,Inc.から入手可能なCOATEX Ethacryl Mなどのポリカルボン酸塩分散剤、ならびに/またはリグノスルホン酸塩もしくはスルホン化リグニンが挙げられる。リグノスルホン酸塩は、水溶性アニオン性高分子電解質ポリマーであり、亜硫酸蒸解を使用した木材パルプの生産からの副産物である。本開示の実施形態の原理の実施に有用なリグニンの一例は、Reed Lignin Inc.から入手可能なMarasperse C−21である。
より低分子量の分散剤が、一般に好ましい。より低分子量のナフタレンスルホン酸塩分散剤は、より高粘度、より高分子量の分散剤よりも水必要量が低い傾向があるために好ましい。したがって、約3,000〜約10,000(例えば、約8,000〜約10,000)の分子量が好ましい。別の例示として、PCE211型分散剤の場合、いくつかの実施形態では、分子量は、約20,000〜約60,000であってもよく、それは、分子量が60,000を超える分散剤よりも少ない遅延を示す。
ナフタレンスルホン酸塩の一例は、GEO Specialty Chemicalsから入手可能なDILOFLOである。DILOFLOは、水中45%ナフタレンスルホン酸塩溶液であるが、例えば、固形分が約35重量%〜約55重量%の範囲内の他の水溶液も容易に入手可能である。ナフタレンスルホン酸塩は、例えば、GEO Specialty Chemicalsから入手可能なLOMAR Dなど、乾燥固体または粉末形態で使用され得る。別の例示的なナフタレンスルホン酸塩は、Hampshire Chemical Corp.から入手可能なDAXADである。
含まれる場合、分散剤は、例えば、スタッコの重量に基づき、約0.1重量%〜約5重量%、例えば、約0.1重量%約0.1重量%〜約4重量%、約0.1重量%〜約3重量%、約0.2重量%〜約3重量%、約0.5重量%〜約3重量%、約0.5重量%〜約2.5重量%、約0.5重量%〜約2重量%、約0.5重量%〜約1.5重量%などの任意の好適な(固体/固体)量で含まれ得る。
いくつかの実施形態では、必要に応じて、1つ以上のリン酸塩含有化合物がスラリーに任意に含まれ得る。例えば、いくつかの実施形態で有用なリン酸塩含有構成成分は、水溶性成分を含み、イオン、塩、または酸の形態、すなわち、それぞれが2つ以上のリン酸単位を含む縮合リン酸、それぞれが2つ以上のリン酸塩単位を含む縮合リン酸塩の塩またはイオン、およびオルトリン酸塩の一塩基塩または一価イオン、ならびに水溶性非環状ポリリン酸塩の形態であってもよい。例えば、米国特許第6,342,284号、同第6,632,550号、同第6,815,049号、および同第6,822,033号を参照されたい。
いくつかの実施形態で添加される場合、リン酸塩組成物は、グリーン強度、永久変形(例えば、たるみ)に対する耐性、寸法安定性などを高めることができる。例えば、トリメタリン酸ナトリウム、トリメタリン酸カリウム、トリメタリン酸リチウム、およびトリメタリン酸アンモニウムを含む、トリメタリン酸塩化合物が使用され得る。トリメタリン酸ナトリウム(STMP)が好ましいが、他のリン酸塩が好適である場合があり、例えば、テトラメタリン酸ナトリウム、約6〜約27の反復リン酸塩単位を有し、分子式Nan+2PnO3n+1(式中、n=6〜27)を有するヘキサメタリン酸ナトリウム、分子式K4P2O7を有するピロリン酸四カリウム、分子式Na3K2P3O10を有するトリポリリン酸三ナトリウム二カリウム、分子式Na5P3O10を有するトリポリリン酸ナトリウム、分子式Na4P2O7を有するピロリン酸四ナトリウム、分子式Al(PO3)3を有するトリメタリン酸アルミニウム、分子式Na2H2P2O7を有する酸性ピロリン酸ナトリウム、1,000〜3,000の反復リン酸塩単位を有し、分子式(NH4)n+2PnO3n+1(式中、n=1,000〜3,000)を有するポリリン酸アンモニウム、または2以上の反復リン酸単位を有し、分子式Hn+2PnO3n+1(式中、nは2以上である)を有するポリリン酸が挙げられる。
リン酸塩は、いくつかの実施形態では、乾燥形態または水中の形態(例えば、約5%〜約20%のリン酸塩溶液、例えば、約10%溶液)で含まれ得る。含まれる場合、リン酸塩は、スタッコの重量に基づき、約0.01重量%〜約0.5重量%、例えば、スタッコの重量に基づき、約0.03重量%〜約0.4重量%、約0.1重量%〜約0.3重量%、または約0.12重量%〜約0.4重量%などの任意の好適な量(固体/固体基準)であってもよい。
耐水性のためのシロキサンを含む、耐火性(例えば、火災定格)および/または耐水性製品のための好適な添加剤もまた、任意に含まれ得る。好適な耐火性添加剤の例としては、米国特許第8,323,785号に記載されるような高膨張微粒子、高効率ヒートシンク添加剤、繊維など、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられ、そのような添加剤の記載は、参照により本明細に組み込まれる。バーミキュライト、アルミニウム三水和物、ガラス繊維、およびこれらの組み合わせが、いくつかの実施形態で使用され得る。
例えば、いくつかの実施形態に従って有用な高膨張微粒子は、約1560°F(約850℃)で1時間の加熱後に、それらの元の体積の約300%以上の体積膨張を示し得る。いくつかの実施形態では、約1560°F(約850℃)の温度を有するチャンバ中に1時間配置された後、それらの元の体積の約300%〜約380%の体積膨張を有する高膨張バーミキュライトが使用され得る。含まれる場合、バーミキュライトなどの高膨張微粒子は、任意の好適な量で存在し得る。いくつかの実施形態では、それは、スタッコの約1重量%〜約10重量%、例えば、約3重量%〜約6重量%の量で存在する。
アルミナ三水和物およびアルミナ水和物としても知られるアルミニウム三水和物(ATH)は、その結晶化または化合物含水量のために耐火性を高めることができる。ATHは、ヒートシンク添加剤の好適な例である。そのような高効率ヒートシンク(HEHS)添加剤は、パネルコアの石膏二水和物構成成分からの脱水および水蒸気の放出を引き起こす温度範囲内で、同等の量の石膏二水和物のヒートシンク容量を超えるヒートシンク容量を有する。そのような添加剤は、典型的には、石膏二水和物と同じまたは同様の温度範囲内で分解し、水蒸気を放出する、アルミニウム三水和物または他の金属水酸化物などの組成物から選択される。同等の量の石膏二水和物と比較して増加したヒートシンク効率を有する他のHEHS添加剤(またはHEHS添加剤の組み合わせ)が使用され得るが、好ましいHEHS添加剤は、石膏二水和物に対して十分に増加したヒートシンク効率を提供して、火災定格または他の高温用途向けの石膏パネルに使用される場合のHEHS添加剤の重量の任意の増加または他の望ましくない特性を相殺する。含まれる場合、ATHなどのヒートシンク添加剤は、任意の好適な量で存在する。いくつかの実施形態では、それは、スタッコの約1重量%〜約8重量%、例えば、約2重量%〜約4重量%の量で含まれる。
繊維は、鉱物繊維、炭素、および/またはガラス繊維、ならびにそのような繊維の混合物、ならびにパネルに同等の利点を提供する他の同等の繊維を含み得る。いくつかの実施形態では、ガラス繊維が石膏コアスラリーおよび得られた結晶質コア構造に組み込まれる。そのような実施形態のうちのいくつかにおけるガラス繊維は、約0.5〜約0.75インチの平均長さおよび約11〜約17ミクロンの直径を有することができる。他の実施形態では、そのようなガラス繊維は、約0.5〜約0.675インチの平均長さおよび約13〜約16ミクロンの直径を有し得る。含まれる場合、ガラス繊維などの繊維は、スタッコの約0.1重量%〜約3重量%、例えば、約0.5重量%〜約1重量%などの任意の好適な量で存在する。
いくつかの実施形態では、石膏ボード製品は、従来の壁板に見られる耐火性を超える耐火性を示す。耐火性を達成するために、ボードは、本明細書に記載されるように、最終ボード製品の耐火性を高めるある特定の添加剤から任意に形成され得る。一部の耐火ボードは、ボードがアセンブリ中にある間、ある特定の試験に合格したときに「火災定格」と見なされる。
いくつかの実施形態によると、石膏ボードは、UL U305、U419、U423の火災封じ込めおよび構造完全性の要件、ならびに/または同等の火災試験手順および規格に準じた火災等級を満たすか、または超えるように構成され、ここで、ボードは、本明細書で考察される耐火性添加剤を含む。したがって、本開示は、いくつかの実施形態では、本明細書で考察されるような様々なUL規格の火災封じ込めならびに構造完全性の手順および規格に準じた火災等級(例えば、17分、20分、30分、3/4時間、1時間、2時間など)を満たすことが可能である、石膏ボード(例えば、1/2インチまたは5/8インチの厚さで低減された重量および密度)、およびその作製方法を提供する。
石膏ボードは、例えば、Underwriters Laboratories UL U305、U419、U423の仕様、およびこれらの火災試験手順のうちのいずれかと同等である任意の他の火災試験手順に従って、アセンブリ中で試験され得る。UL U305、U419、およびU423などのUnderwriters Laboratoriesの特定の火災試験手順への本明細書における参照は、例えば、対象となっている特定のUL規格と同等である任意の他のエンティティによって公布されるものなどの火災試験手順も含むことが理解されるべきである。
例えば、いくつかの実施形態における石膏ボードは、UL設計番号U305、U419、またはU423のうちのいずれか1つに従って構成されたアセンブリを通る熱の伝達を抑制するのに有効であり、アセンブリは、石膏パネルの単一層を有する第1の側面と、石膏パネルの単一層を有する第2の側面とを有する。アセンブリの第1の側面上の石膏ボードの表面が、ASTM E119−09aの時間−温度曲線に従って加熱される一方で、アセンブリの第2の側面上の石膏パネルの表面は、ASTM E119−09aに準じた温度センサが備わっている。耐火性ボードのいくつかの実施形態では、加熱されると、温度センサの最大単一値は、約50分後に約325°F未満+周囲温度であり、かつ/または温度センサの平均値は、約50分後に約250未満+周囲温度である。いくつかの実施形態では、ボードは、約40ポンド/立方フィート以下の密度を有する。望ましくは、ボードは、少なくとも約11ポンド(5kg)、例えば、少なくとも約13ポンド(5.9kg)、または少なくとも約15ポンド(6.8kg)のコア硬度など、本明細書に記載される良好な強度を有する。
いくつかの実施形態では、濃縮層中に耐火性添加剤を有する耐火性石膏ボードのアセンブリの第1の側面上の表面が加熱されると、温度センサの最大単一値は、約55分後に約325°F未満+周囲温度であり、かつ/または温度センサの平均値は、約55分後に約250°F未満+周囲温度である。他の実施形態では、アセンブリの第1の側面上の石膏ボードの表面が加熱されると、温度センサの最大単一値は、約60分後に約325°F未満+周囲温度であり、かつ/またはセンサの平均値は、約60分後に約250°F未満+周囲温度である。他の実施形態では、アセンブリの第1の側面上の石膏パネルの表面が加熱されると、温度センサの最大単一値は、約50分後に約325°F未満+周囲温度であり、かつ/または温度センサの平均値は、約50分後に約250未満+周囲温度である。他の実施形態では、アセンブリの第1の側面上の石膏パネルの表面が加熱されると、温度センサの最大単一値は、約55分後に約325°F未満+周囲温度であり、かつ/または温度センサの平均値は、約55分後に約250未満+周囲温度である。他の実施形態では、アセンブリの第1の側面上の石膏パネルの表面が加熱されると、温度センサの最大単一値は、約60分後に約325°F未満+周囲温度であり、かつセンサの平均値は、約60分後に約250°F未満+周囲温度である。
いくつかの実施形態では、濃縮層中に耐火性添加剤を有する耐火性石膏ボードは、ASTM E119−09aの下で1時間の火災等級を達成するためにUL設計番号U305に従って構築された場合、アセンブリを通る熱の伝達を阻止するのに有効である。いくつかの実施形態では、ボードは、ASTM E119−09aの下で1時間の火災等級を達成するためにUL設計番号U419に従って構築された場合、アセンブリを通る熱の伝達を阻止するのに有効である。いくつかの実施形態では、石膏ボードは、ASTM E119−09aの下で1時間の火災等級を達成するためにUL設計番号U423に従って構築された場合、アセンブリを通る熱の伝達を阻止するのに有効である。いくつかの実施形態では、ボードは、約20分以上の断熱指数(TI)および/または約10%の高温収縮(S)を有する。いくつかの実施形態では、ボードは、約0.2以上の高温厚さ膨張の比、(TE)対S(TE/S)を有する。
さらに、いくつかの実施形態では、石膏ボードは、約1560°F(850℃)に加熱されたときに、x−y方向(幅−長さ)の約10%未満の高温収縮および約20%よりも大きいz方向(厚さ)の高温収縮を有する、低減された重量および密度の耐火性石膏ボードの形態であり得る。さらに他の実施形態では、壁または他のアセンブリで使用される場合、そのようなアセンブリは、より重く、より高密度の商業用火災定格パネルで作製されたアセンブリと同等の火災試験性能を有する。いくつかの実施形態では、パネルの高温収縮は、典型的には、x−y方向(幅−長さ)で約10%未満である。いくつかの実施形態では、z方向の高温厚さ膨張対x−y高温収縮の比は、1570°F(855℃)で少なくとも約2〜約17超である。
いくつかの実施形態では、本開示の原理に従って形成された耐火性石膏ボードおよびその作製方法は、約1800°F(980℃)で1時間加熱されたときに約85%以上の平均収縮抵抗を示すパネルを提供することができる。他の実施形態では、石膏ボードは、約1800°F(980℃)で1時間加熱されたときに約75%以上の平均収縮抵抗を示す。
本開示に従ったある程度火災に関連した製品のボードは、約17分以上、例えば、約20分以上、約30分以上、約45分以上、約60分以上などの断熱指数(TI)、ならびに/またはx−y方向で約10%未満の高温収縮(約1560°F(850℃)の温度で)、および約20%よりも大きいz方向の膨張を有することができる。耐火性の実施形態は、比較的高い密度を有することができ、例えば、石膏ボードは、約40ポンド/立方フィート以下(例えば、37pcf以下、35pcf以下、33pcf以下、または本明細書に列挙された他の密度)の密度(D)を有することができる。カバーシート間の石膏層は、約0.6分/ポンド/立方フィート(0.038分/(kg/m3))以上のTI/D比を石膏ボードに提供するのに有効であり得る。
耐火性または耐水性添加剤は、所望かつ有効であるように任意の好適な量で含まれ得る。例えば、含まれる場合、耐火性または耐水性添加剤は、スタッコの約0.5重量%〜約10重量%、例えば、スタッコの約1重量%〜約10重量%、約1重量%〜約8重量%、約2重量%〜約10重量%、約2重量%〜約8重量%などの量であってもよい。
含まれる場合、いくつかの実施形態では、シロキサンは、好ましくはエマルジョンの形態で添加される。次いで、スラリーが成形され、シロキサンの重合を促進して高架橋シリコーン樹脂を形成する条件下で乾燥させられる。シロキサンの重合を促進して高架橋シリコーン樹脂を形成する触媒が、石膏スラリーに添加され得る。いくつかの実施形態では、Wacker−Chemie GmbH(Munich,Germany)によってSILRES BS 94の名称で販売されている無溶媒メチル水素シロキサン流体が、シロキサンとして使用され得る。この製品は、水または溶媒を含有しないシロキサン流体である。いくつかの実施形態では、乾燥成分の重量に基づき、約0.3%〜約1.0%のBS 94シロキサンが使用され得ることが企図される。例えば、いくつかの実施形態では、乾燥スタッコ重量に基づき、約0.4%〜約0.8%のシロキサンを使用することが好ましい。
スラリー配合物は、任意の好適な水/スタッコ比、例えば、約0.4〜約1.3で作製され得る。しかしながら、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンは、他のデンプン(例えば、異なる方法に従って調製された従来のアルファ化デンプン)と比較して、デンプンを調節するためにスラリーに添加される必要がある水の量を低減するため、スラリーは、いくつかの実施形態では、特に低重量/密度で、他のデンプン含有石膏スラリーにとって従来であるものよりも低い水/スタッコ比の投入量で配合され得る。例えば、いくつかの実施形態では、水/スタッコ比は、約0.4〜約1.1、約0.4〜約0.9、約0.4〜約0.85、約0.45〜約0.85、約0.55〜約0.85、約0.55〜約0.8、約0.6〜約0.9、約0.6〜約0.85、約0.6〜約0.8などであってもよい。
カバーシートは、任意の好適な材料および坪量で形成され得る。有利に、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンを含むスラリーから形成されたボードコアは、いくつかの実施形態では、より軽量のボード(例えば、約35pcf以下の密度を有する)についてさえ、例えば、45lbs/MSF未満(例えば、約33lbs/MSF〜45lbs/MSF)などのより低い坪量のカバーシートを有するボードにおいてさえ、十分な強度を提供する。しかしながら、必要に応じて、いくつかの実施形態では、例えば、釘抜き抵抗をさらに高めるために、または取り扱いを強化して、例えば、エンドユーザにとって望ましい「感触」特性を促進するために、より重い坪量が使用され得る。
いくつかの実施形態では、特により低密度ボードの強度(例えば、釘抜き強度)を高めるために、カバーシートのうちの一方または両方が紙から形成され得、例えば、少なくとも約45lbs/MSF(例えば、約45lbs/MSF〜約65lbs/MSF、約45lbs/MSF〜約60lbs/MSF、約45lbs/MSF〜約55lbs/MSF、約50lbs/MSF〜約65lbs/MSF、約50lbs/MSF〜約60lbs/MSFなど)の坪量を有することができる。必要に応じて、いくつかの実施形態では、一方のカバーシート(例えば、設置時に「表面」の紙面)が釘抜き抵抗および取り扱いを強化するために、上記のより高い坪量を有することができる一方で、もう一方のカバーシート(例えば、ボードが設置されたときに「裏面」のシート)は、必要に応じてやや低い坪量(例えば、約45lbs/MSF未満、例えば、約33lbs/MSF〜約45lbs/MSF、または約33lbs/MSF〜約40lbs/MSFの坪量)を有することができる。
ボード重量は、厚さの関数である。ボードは一般に異なる厚さで作製されるため、ボード密度は、本明細書ではボード重量の尺度として使用される。本明細書に記述されるように、本開示の好ましい実施形態は、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンによって提供される強化された強度が、良好な強度および他のデンプンから作製されたボードよりも低い水必要量を有する、より軽量のボードの使用を有利に可能にする。例えば、好ましい実施形態に従ったアルファ化デンプンの増加された量は、良好な強度特性を有する超軽量ボード(例えば、31pcf以下の密度の)を調製するために使用され得る。しかしながら、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンの利点は、様々なボード密度、例えば、約40pcf以下、例えば約20pcf〜約40pcf、約24pcf〜約37pcfなどにわたって見られる。
他の実施形態では、ボード密度は、約20pcf〜約35pcf、例えば、約20pcf〜約34pcf、約20pcf〜約33pcf、約20pcf〜約32pcf、約20pcf〜約31pcf、約20pcf〜約30pcf、約20pcf〜約29pcf、約20pcf〜約28pcf、約20pcf〜約27pcf、約20pcf〜約26pcf、約20pcf〜約25pcf、約20pcf〜約24pcf、約20pcf〜約23pcf、約20pcf〜約22pcf、約21pcf〜約35pcf、約21pcf〜約34pcf、約21pcf〜約33pcf、約21pcf〜約32pcf、約21pcf〜約31pcf、約21pcf〜約30pcf、約21pcf〜約29pcf、約21pcf〜約28pcf、約21pcf〜約27pcf、約21pcf〜約26pcf、約21pcf〜約25pcf、約21pcf〜約24pcf、約21pcf〜約23pcf、約24pcf〜約35pcf、約24pcf〜約34pcf、約24pcf〜約33pcf、約24pcf〜約32pcf、約24pcf〜約31pcf、約24pcf〜約30pcf、約24pcf〜約29pcf、約24pcf〜約28pcf、約24pcf〜約27pcf、または約24pcf〜約26pcfであってもよい。
本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンがスラリーに添加されて、本開示に従った製品に強度強化を提供することができ、それは、より低い重量/密度で特に有益であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、本開示の実施形態に従って作製されたボードは、実施例4に記載される方法に従って試験されたように、29pcfの密度で少なくとも約400psi(2,750kPa)の圧縮強度を有する。有利に、本明細書に記載される様々なボード密度においける様々な実施形態において、いくつかの実施形態に従った方法によって生産されたボードは、少なくとも約170psi(1,170kPa)、例えば、約170psi〜約1,000psi(6,900kPa)、約170psi〜約900psi(6,200kPa)、約170psi〜約800psi(5,500kPa)、約170psi〜約700psi(4,800kPa)、約170psi〜約600psi(4,100kPa)、約170psi〜約500psi(3,450kPa)、約170psi〜約450psi(3,100kPa)、約170psi〜約400psi(2,760kPa)、約170psi〜約350psi(2,410kPa)、約170psi〜約300psi(2,070kPa)、または約170psi〜約250psi(1,720kPa)の圧縮強度を有するように調製され得る。いくつかの実施形態では、ボードは、少なくとも約450psi(3,100kPa)、少なくとも約500psi(3,450kPa)、少なくとも約550psi(3,800kPa)、少なくとも約600psi(4,100kPa)、少なくとも約650psi(4,500kPa)、少なくとも約700psi(4,800kPa)、少なくとも約750psi(5,200kPa)、少なくとも約800psi(5,500kPa)、少なくとも約850psi(5,850kPa)、少なくとも約900psi(6,200kPa)、少なくとも約950psi(6,550kPa)、または少なくとも約1,000psi(6,900kPa)の圧縮強度を有する。加えて、いくつかの実施形態では、圧縮強度は、上記の点のうちのずれか2つによって制約され得る。例えば、圧縮強度は、約450psi〜約1,000psi(例えば、約500psi〜約900psi、約600psi〜約800psiなど)であってもよい。
いくつかの実施形態では、本開示に従って作製されたボードは、ASTM規格C473−10に従った試験プロトコルを満たす。例えば、いくつかの実施形態では、ボードが1/2インチの厚さで鋳造される場合、ボードは、ASTM C473−10、方法Bに従って決定されるように、少なくとも約65lbf(重量ポンド)、例えば、少なくとも約68lbf、少なくとも約70lbf、少なくとも約72lbf、少なくとも約75lbf、少なくとも約77lbfなどの釘抜き抵抗を有する。様々な実施形態では、釘抜き抵抗は、約68lbf〜約100lbf、例えば、約68lbf〜約95lbf、約68lbf〜約90lbf、約68lbf〜約85lbf、約68lbf〜約80lbf、約68lbf〜約77lbf、約68lbf〜約75lbf、約68lbf〜約72lbf、約68lbf〜約70lbf、約70lbf〜約100lbf、約70lbf〜約95lbf、約70lbf〜約90lbf、約70lbf〜約85lbf、約70lbf〜約80lbf、約70lbf〜約77lbf、約70lbf〜約75lbf、約70lbf〜約72lbf、約72lbf〜約100lbf、約72lbf〜約95lbf、約72lbf〜約90lbf、約72lbf〜約85lbf、約72lbf〜約80lbf、約72lbf〜約77lbf、約72lbf〜約75lbf、約75lbf〜約100lbf、約75lbf〜約95lbf、約75lbf〜約90lbf、約75lbf〜約85lbf、約75lbf〜約80lbf、約75lbf〜約77lbf、約77lbf〜約100lbf、約77lbf〜約95lbf、約77lbf〜約90lbf、約77lbf〜約85lbf、または約77lbf〜約80lbfであってもよい。
曲げ強度に関して、いくつかの実施形態では、1/2インチの厚さのボードに鋳造する場合、ボードは、ASTM規格C473、方法Bに従って決定されるように、機械方向で少なくとも約36lbf(例えば、少なくとも約38lbf、少なくとも約40lbfなど)、および/または機械横方向で少なくとも約107lbf(例えば、少なくとも約110lbf、少なくとも約112lbfなど)の曲げ強度を有する。様々な実施形態において、ボードは、約36lbf〜約60lbf、例えば、約36lbf〜約55lbf、約36lbf〜約50lbf、約36lbf〜約45lbf、約36lbf〜約40lbf、約36lbf〜約38lbf、約38lbf〜約60lbf、約38lbf〜約55lbf、約38lbf〜約50lbf、約38lbf〜約45lbf、約38lbf〜約40lbf、約40lbf〜約60lbf、約40lbf〜約55lbf、約40lbf〜約50lbf、または約40lbf〜約45lbfの機械方向の曲げ強度を有することができる。様々な実施形態において、ボードは、約107lbf〜約130lbf、例えば、約107lbf〜約125lbf、約107lbf〜約120lbf、約107lbf〜約115lbf、約107lbf〜約112lbf、約107lbf〜約110lbf、約110lbf〜約130lbf、約110lbf〜約125lbf、約110lbf〜約120lbf、約110lbf〜約115lbf、約110lbf〜約112lbf、約112lbf〜約130lbf、約112lbf〜約125lbf、約112lbf〜約120lbf、または約112lbf〜約115lbfの機械横方向の曲げ強度を有することができる。
加えて、いくつかの実施形態では、ボードは、ASTM C473−10、方法Bに従って決定されるように、少なくとも約11lbf、例えば、少なくとも約12lbf、少なくとも約13lbf、少なくとも約14lbf、少なくとも約15lbf、少なくとも約16lbf、少なくとも約17lbf、少なくとも約18lbf、少なくとも約19lbf、少なくとも約20lbf、少なくとも約21lbf、または少なくとも約22lbfの平均コア硬度を有することができる。いくつかの実施形態では、ボードは、約11lbf〜約25lbf、例えば、約11lbf〜約22lbf、約11lbf〜約21lbf、約11lbf〜約20lbf、約11lbf〜約19lbf、約11lbf〜約18lbf、約11lbf〜約17lbf、約11lbf〜約16lbf、約11lbf〜約15lbf、約11lbf〜約14lbf、約11lbf〜約13lbf、約11lbf〜約12lbf、約12lbf〜約25lbf、約12lbf〜約22lbf、約12lbf〜約21lbf、約12lbf〜約20lbf、約12lbf〜約19lbf、約12lbf〜約18lbf、約12lbf〜約17lbf、約12lbf〜約16lbf、約12lbf〜約15lbf、約12lbf〜約14lbf、約12lbf〜約13lbf、約13lbf〜約25lbf、約13lbf〜約22lbf、約13lbf〜約21lbf、約13lbf〜約20lbf、約13lbf〜約19lbf、約13lbf〜約18lbf、約13lbf〜約17lbf、約13lbf〜約16lbf、約13lbf〜約15lbf、約13lbf〜約14lbf、約14lbf〜約25lbf、約14lbf〜約22lbf、約14lbf〜約21lbf、約14lbf〜約20lbf、約14lbf〜約19lbf、約14lbf〜約18lbf、約14lbf〜約17lbf、約14lbf〜約16lbf、約14lbf〜約15lbf、約15lbf〜約25lbf、約15lbf〜約22lbf、約15lbf〜約21lbf、約15lbf〜約20lbf、約15lbf〜約19lbf、約15lbf〜約18lbf、約15lbf〜約17lbf、約15lbf〜約16lbf、約16lbf〜約25lbf、約16lbf〜約22lbf、約16lbf〜約21lbf、約16lbf〜約20lbf、約16lbf〜約19lbf、約16lbf〜約18lbf、約16lbf〜約17lbf、約17lbf〜約25lbf、約17lbf〜約22lbf、約17lbf〜約21lbf、約17lbf〜約20lbf、約17lbf〜約19lbf、約17lbf〜約18lbf、約18lbf〜約25lbf、約18lbf〜約22lbf、約18lbf〜約21lbf、約18lbf〜約20lbf、約18lbf〜約19lbf、約19lbf〜約25lbf、約19lbf〜約22lbf、約19lbf〜約21lbf、約19lbf〜約20lbf、約21lbf〜約25lbf、約21lbf〜約22lbf、または約22lbf〜約25lbfのコア硬度を有することができる。
本開示のいくつかの実施形態をもたらす中程度の粘度特性に少なくとも部分的に起因して、これらの基準(例えば、釘抜き抵抗、曲げ強度、およびコア硬度)は、本明細書に記載される超軽量密度ボード(例えば、約31pcf以下)に関してでさえ満たされ得る。
本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンが、異なる方法に従って調製された従来のアルファ化デンプンと同等であるか、またはそれを上回る温度上昇硬化(TRS)水和速度を示すことが、本発明者らによって発見されている。所望の硬化時間は、配合に依存し得、所望の硬化時間は、プラント条件および利用可能な原料に応じて、当業者によって決定され得る。
本開示の実施形態に従った製品は、典型的な製造ラインで作製され得る。例えば、ボード製造技術は、例えば、米国特許第7,364,676号および米国特許出願公開第2010/0247937号に記載されている。簡潔に、石膏ボードの場合、プロセスは、典型的には、移動コンベヤ上にカバーシートを排出することを伴う。石膏ボードは、通常「表面を下」にして形成されるため、そのような実施形態においては、このカバーシートは、「表面」のカバーシートである。
石膏スラリーの乾燥構成成分および/または湿潤構成成分が、ミキサ(例えば、ピンミキサ)に供給され、そこでそれらは、撹拌されて石膏スラリーを形成する。ミキサは、本体および排出導管(例えば、当該技術分野で既知のゲート−キャニスター−ブーツ構成、または米国特許第6,494,609号および同第6,874,930号に記載される配置)を備える。いくつかの実施形態では、排出導管は、例えば、米国特許出願公開第2012/0168527 A1号(出願第13/341,016号)および米国特許出願公開第2012/0170403 A1号(出願第13/341,209号)に記載されるものなど、単一の供給口または複数の供給口のいずれかを有するスラリー分配器を含むことができる。それらの実施形態では、複数の供給口を有するスラリー分配器を使用して、排出導管は、米国特許出願公開第2012/0170403 A1号に記載されるものなど、好適なフロースプリッタを含むことができる。発泡剤は、ミキサの排出導管中に(例えば、米国特許第5,683,635号および同第6,494,609号に記載されるようなゲート中に)、または必要に応じて本体中に添加され得る。発泡剤を含む全ての成分が添加された後に排出導管から排出されるスラリーは、一次石膏スラリーであり、ボードコアを形成する。このボードコアスラリーは、移動している表面カバーシート上に排出される。
表面カバーシートは、比較的高密度のスラリー層の形態の薄いスキムコートを有してもよい。また、当該技術分野で既知の硬質縁部が、例えば、表面スキムコートを形成する同じスラリー流から形成され得る。発泡体が排出導管に挿入される実施形態では、二次石膏スラリーの流れがミキサ本体から除去されて、高密度スキムコートスラリーを形成することができ、それは次いで、当該技術分野において既知のようなスキムコートおよび硬質縁部を形成するために使用され得る。含まれる場合、通常、表面スキムコートおよび硬質縁部は、コアスラリーが堆積される前、通常はミキサの上流で、移動している表面カバーシート上に堆積される。排出導管から排出された後、コアスラリーは、必要に応じて表面カバーシート(任意にスキムコートを有する)上に広げられ、第2のカバーシート(典型的には「裏面」カバーシート)で被覆されて、最終製品のボード前駆体であるサンドイッチ構造の形態で湿潤アセンブリを形成する。第2のカバーシートは、第2のスキムコートを任意に有してもよく、それは、存在する場合、表面スキムコートと同じ、または異なる二次(高密度)石膏スラリーから形成され得る。カバーシートは、紙、繊維状マット、または他の種類の材料(例えば、ホイル、プラスチック、ガラスマット、不織布材料、例えば、セルロースおよび無機充填剤のブレンドなど)から形成されてもよい。
それによって提供された湿潤アセンブリは、製品が所望の厚さに(例えば、形成用プレートを介して)寸法決定される形成ステーション、および所望の長さに切断される1つ以上のナイフセクションに搬送される。湿潤アセンブリは、硬化されて、硬化石膏のインターロッキング結晶質マトリクスを形成し、過剰な水は、乾燥プロセスを使用して(例えば、窯を通してアセンブリを輸送することによって)除去される。驚くべきことに、かつ予想外に、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンを有する本開示に従って調製されたボードが、デンプンの低い水必要量の特性により、乾燥プロセスにおいて著しく短い時間を必要とすることが分かっている。これは、エネルギーコストを低減するために有利である。
また、堆積したスラリーから大きい間隙または空気ポケットを取り除くために、石膏ボードの製造において振動を使用することが一般的である。上記のステップの各々、ならびにそのようなステップを実施するためのプロセスおよび装置は、当該技術分野で既知である。
本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンは、例えば、石膏壁板、防音(例えば天井)タイル、接合混合物、石膏−セルロース繊維製品、例えば、石膏−木材繊維壁板などの様々な製品を配合するのに使用され得る。いくつかの実施形態では、そのような製品は、本開示の実施形態に従ったスラリーから形成され得る。
したがって、本開示の実施形態に従って押出機中で調製されたアルファ化部分加水分解デンプンは、本開示の実施形態における紙面石膏ボード以外の製品において、本明細書に記載されるような有益な効果を有し得る。例えば、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンは、ボードカバーシートが繊維状マットの形態であるマット面製品(例えば、織布)で使用され得る。マットは、水透過性を低下させる仕上げを任意の有することができる。そのようなマット面製品を作製する際に含まれ得る他の成分、ならびに繊維状マットのための材料、および製造方法は、例えば、米国特許第8,070,895号ならびに米国特許出願公開第2009/0247937号で考察されている。
加えて、石膏−セルロース製品は、セルロースホスト粒子(例えば、木材繊維)、石膏、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプン、および必要に応じて他の成分(例えば、シロキサンなどの耐水性添加剤)の形態であってもよい。他の成分および製造方法は、例えば、米国特許第4,328,178号、同第4,239,716号、同第4,392,896号、同第4,645,548号、同第5,320,677号、同第5,817,262号、および同第7,413,603号で考察されている。
実施形態の実例
一実施形態では、石膏ボードは、2つのカバーシートの間に配置された硬化石膏コアを含み、コアは、スタッコと、水と、VMA法に従って測定されるように約20cP〜約300cPの粘度を有する少なくとも1つのアルファ化デンプンとを含むスラリーから形成され、デンプンは、スタッコの10重量%よりも大きい量で存在する。ボードは、約31pcf以下の密度を有し、かつ2分の1インチ(約1.3cm)の厚さにおいて、ボードは、以下:少なくとも約170psiの圧縮強度、少なくとも約65lbf(約29kg)の釘抜き抵抗、少なくとも約11lbf(約5kg)の平均コア硬度、機械方向で少なくとも約36lbf(約16kg)および/もしくは機械横方向で約107lb(約48.5kg)の平均曲げ強度、または本明細書に記載される他の強度特性のうちの少なくとも1つを満たす。釘抜き抵抗、コア硬度、および曲げ強度は、ASTM規格C473−10、方法Bに従って決定される。
別の実施形態では、アルファ化デンプンは、約20cP〜約200cPの粘度を有する。
別の実施形態では、アルファ化デンプンは、約30cP〜約150cPの粘度を有する。
別の実施形態では、アルファ化デンプンは、スタッコの約10.1重量%〜約25重量%の量で存在する。
別の実施形態では、アルファ化デンプンは、スタッコの約12重量%〜約25重量%の量で存在する。
別の実施形態では、ボードは、約15pcf〜約31pcfの密度を有する。
別の実施形態では、ボードは、約15pcf〜約27pcfの密度を有する。
別の実施形態では、ボードは、約19pcf〜約24pcfの密度を有する。
別の実施形態では、ボードは、約170psi〜約250psiの圧縮強度を有する。
別の実施形態では、デンプンは、25℃で測定されたときに少なくとも約70%(例えば、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%など)の冷水溶解性を有する。
別の実施形態では、デンプンは、25℃で測定されたときに約60cP〜約160cPの水中のデンプンの10%スラリーの冷水粘度を有する。
別の実施形態では、石膏壁板を作製する方法は、少なくとも水、スタッコ、およびVMA法によって測定されるように約20cP〜約300cPの粘度を有する少なくとも1つのアルファ化デンプンを混合することを含み、デンプンは、スタッコの10重量%よりも大きい量で存在する。スラリーは、第1のカバーシートと第2のカバーシートとの間に配置されて、湿潤アセンブリを形成する。湿潤アセンブリは、ボードに切断され、ボードは、乾燥させられる。ボードは、約31pcf以下の密度を有し、2分の1インチ(約1.3cm)の厚さにおいて、ボードは、以下:少なくとも約170psiの圧縮強度、少なくとも約65lbf(約29kg)の釘抜き抵抗、少なくとも約11lbf(約5kg)の平均コア硬度、機械方向で少なくとも約36lbf(約16kg)および/もしくは機械横方向で約107lb(約48.5kg)の平均曲げ強度、または本明細書に記載される他の強度特性のうちの少なくとも1つを満たす。釘抜き抵抗、コア硬度、および曲げ強度は、ASTM規格C473−10、方法Bに従って決定される。
別の実施形態では、アルファ化デンプンは、約30cP〜約200cPの粘度を有する。
別の実施形態では、アルファ化デンプンは、スタッコの約10.1重量%〜約25重量%の量で存在する。
別の実施形態では、アルファ化デンプンは、スタッコの約12重量%〜約25重量%の量で存在する。
別の実施形態では、ボードは、約15pcf〜約27pcfの密度を有する。
別の実施形態では、スラリーは、水と、スタッコと、VMA法に従って測定されたときに、約20cP〜約300cPの粘度を有するアルファ化デンプンとを含み、デンプンは、スタッコの10重量%よりも大きい量で存在し、スラリーが硬化石膏組成物を含むボードとして鋳造および乾燥されたとき、硬化石膏組成物は、実質的に硫酸カルシウム二水和物の連続結晶質マトリクスを含み、前述のボードは、約31pcf以下の密度を有し、2分の1インチ(約1.3cm)の厚さにおいて、ボードは、以下:少なくとも約65lbf(約29kg)の釘抜き抵抗、少なくとも約11lbf(約5kg)の平均コア硬度、ならびに機械方向で少なくとも約36lbf(約16kg)および/または機械横方向で約107lb(約48.5kg)の平均曲げ強度のうちの少なくとも1つを満たし、釘抜き抵抗、コア硬度、および曲げ強度は、ASTM規格C473−10、方法Bに従って決定される。
別の実施形態では、アルファ化デンプンは、約30cP〜約200cPの粘度を有する。
別の実施形態では、アルファ化デンプンは、スタッコの約10.1重量%〜約25重量%の量で存在する。
別の実施形態では、ボードは、約15pcf〜約27pcfの密度を有する。
前述は、単に実施形態の例であることに留意されたい。他の例示的な実施形態は、本明細書の記載全体から明らかである。これらの実施形態の各々が、本明細書で提供される他の実施形態と様々に組み合わせて使用されてもよいことも、当業者には理解されるであろう。
以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、当然のことながら、決してその範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例1
本実施例は、アルファ化部分加水分解デンプンの調製を例示する。
特定の特性(例えば、粘度、流動性、強度)の様々な試験のために、本開示の実施形態に従って調製された9つのアルファ化部分加水分解デンプンを調製した。これらの9つのデンプン(組成物1D〜1L中)を、3つの市販デンプン(組成物1A〜1C中)と共に試験した。
Bunge North America(St.Louis,MO)のCCM 260黄色コーンミールとして市販されている100kgの量の脱胚芽コーンフラワー、異なる量の硫酸アルミニウム(ミョウバン)、カルシウムイオンのキレート化を実質的に回避する弱酸、および/または酒石酸(弱酸の総量の20重量%未満)、ならびに異なる量の水を混合することによって、湿潤デンプン前駆体を調製した。湿潤デンプン前駆体を、American Extrusion International(South Beloit,IL)からAdvantage 50として市販されている一軸スクリュ押出機に供給した。押出機では、湿潤デンプン前駆体のアルファ化および酸修飾を、単一ステップでそれらが同時に起こるように行った。
表2は、酸の存在下でのコーンフラワーの押出のパラメータを記載する。押出の滞留時間(すなわち、アルファ化および酸修飾の時間)は、30秒未満であった。全てのパーセントは、総湿重量に基づく水分を除き、水、デンプン、および他の添加剤の合計として表されるデンプンの総重量に基づく。
得られたアルファ化部分加水分解デンプンを、組成物1A(比較)に指定された773センチポアズの粘度を有する従来のアルファ化コーンスターチ、ならびに組成物1B(比較)および組成物1C(比較)にそれぞれ指定された、Clinton 277(ADM,Chicago,IL)およびCaliber 159(Cargill,Wayzata,MN)として市販されている、酸修飾コーンスターチの押出によって調製された2つの低水必要量デンプンと比較評価した。
表3は、組成物1D〜1Lに対する押出のための様々な水分含量および押出中の酸含量を詳述する。組成物1D〜1Hおよび1Lを16重量%の水分含量で調製した一方で、組成物1I〜1Kを13重量%の水分含量で調製した。組成物1D〜1Gおよび組成物1I〜1Lを、1重量%〜4重量%の範囲の量の液体ミョウバンで調製した一方で、組成物1Hは、液体ミョウバンと酒石酸とを含んだ。
以下の実施例2〜4は、表3に記載の組成物を様々な特性に関して試験する。実施例2では、組成物1B〜1Lをアミログラフ試験において粘度に関して評価した。実施例3は、組成物1A、1D〜1I、および1K〜1Lのうちの1つで調製したスラリーを流動性に関して試験し、それを、スランプ試験を用いて評価した。組成物1Fおよび1Lを、同じ水分含量および酸の量を使用して調製したが、実施例3では、流動性を対照1Aと同じ硬化速度で評価したため、異なる量の遅延剤を有した。
次いで、このデータを、スラリーに対して50%水和時間を測定することによってさらに裏付けた。これは、スラリーの硬化に要した時間を示した。実施例4は、組成物1A、1D〜1I、および1K〜1Lのうちの1つで調製したスラリーを強度に関して試験し、それを本明細書に記載される圧縮強度試験を用いて評価した。
実施例2
本実施例は、本開示の実施形態に従って押出機中で調製されたアルファ化部分加水分解デンプンの粘度を例示する。組成物1D〜1Kを、押出された市販の酸修飾デンプン(組成物1B〜1C)と比較して、具体的には、酸の量(例えば、ミョウバン)および押出機を通して供給される湿潤デンプンの水分のレベルによって定義される水分含量に基づき、粘度がどのように変化するかに関して試験した。
試験の準備において、デンプンスラリーが10重量%の量で組成物を含有するように、組成物を水と混合してデンプンスラリーにした。「溶液」という用語が、デンプンが完全にゼラチン化され、かつ完全に溶解している場合に使用され、「スラリー」という用語が、デンプンが完全に溶解していない場合に使用されることに留意されたい。次いで、各組成物を、本明細書に記載されるアミログラフ技術によって異なる温度における粘度に関して試験した。試験の結果を図1および2にプロットし、それらは、粘度(左y軸)および温度(右y軸)対時間(x軸)をプロットすることによって、異なる温度におけるアルファ化部分加水分解デンプンの粘度を評価するアミログラムである。温度曲線は、各試料に対して重ね合わされる。各試料に対して、同じ温度プロファイルを使用した。他の曲線は、デンプンの粘度を示す。
25℃での初期粘度は、組成物1B〜1Kのうちのいずれか1つを含有するスラリー系の流動性の指標であった。25℃は、デンプンがスタッコおよび他の成分と混合されてボードを作製する温度である。さらに、この温度では、デンプンの粘度は、スタッコスラリーの流動性と負の相関がある。
最低粘度(93℃)は、組成物1B〜1Kのうちのいずれかの分子量の指標であった。93℃の温度で、デンプン分子は完全に水に溶解する。93℃でのデンプン溶液の粘度は、デンプンの分子量と正の相関があり、それは、部分加水分解から生じる。
図1は、50分の期間(x軸)にわたる粘度(左y軸)および温度(右y軸)をプロットするアミログラムである。本明細書に記載される比較組成物1Bおよび1Cならびに組成物1D〜1Hを、溶液の重量に基づき10重量%の量でデンプン溶液に混合した。塊を形成することを回避するために、低速で20秒間混合しながら、Waringブレンダの混合カップ中でデンプンを水に添加した。次いで、デンプン溶液を、Viscograph−E(C.W.Brabender(登録商標)Instruments,Inc.,South Hackensack,NJ)を使用して評価した。本明細書で言及されるブラベンダー粘度測定手順によると、粘度は、C.W.Brabender Viscograph、例えば、動的測定のために反作用トルクを使用するViscograph−Eを使用して測定される。本明細書で定義されるように、ブラベンダー単位は、75RPMで700cmgのカートリッジを用いて、16液量オンス(約500cc)の試料カップサイズを使用して測定されることに留意されたい。当業者であれば、ブラベンダー単位が、そこに記載されるように、センチポアズ(例えば、測定カートリッジが700cmgの場合、cP=BU×2.1)またはクレブス単位などの他の粘度測定値に変換され得ることも容易に認識するであろう。16重量%の水分含量で押し出された組成物1D〜1Hの糊化プロファイルが、比較組成物1Bおよび1Cと共に図1に示される。
組成物1D〜1Hを考慮すると、ミョウバンが1重量%から4重量%に増加したとき、初期粘度が70ブラベンダー単位(BU)から10BUに減少したと同時に、分子量も同様に減少した。組成物1D〜1Hの初期粘度および93℃での粘度は、組成物1Bおよび1Cの粘度と同じくらい低く低下した。組成物1Bおよび1Cは、低水必要量デンプンの従来の粘度限界を表す。
図1に示される組成物1D〜1Hの結果は、押出中に最適な酸修飾が達成され得ることを実証する。これらの結果はさらに、アルファ化部分加水分解デンプンを調製する方法が、デンプンの粘度(分子量)をうまく低下させたことを示唆する。70℃〜90℃の間に粘度ピークは観察されず、組成物1D〜1Hが完全にゼラチン化されていたことを示している。組成物1D〜1Hが完全にゼラチン化されていなければ、粘度が上昇していたであろう。デンプン組成物の完全なゼラチン化を、示差走査熱量測定(DSC)によって確認した。
図2は、50分の期間(x軸)にわたる粘度(左y軸)および温度(右y軸)をプロットする第2のアミログラムである。全て本明細書に記載されている、比較組成物1Bおよび1Cならびに組成物1I〜1Kを、溶液の重量に基づき10重量%の量でデンプン溶液に混合した。塊を形成することを回避するために、低速で20秒間混合しながら、Waringブレンダの混合カップ中でデンプンを水に添加した。次いで、Viscograph−Eを使用してデンプン溶液を評価した。13重量%の水分含量で押し出された組成物1I〜1Kの糊化プロファイルが、比較組成物1Bおよび1Cと共に図2に示される。
組成物1D〜1Hで観察された同様の傾向が、組成物1I〜1Kで観察された。具体的には、本明細書に記載されるように押出機中でアルファ化部分加水分解デンプンを調製する方法は、組成物1I〜1Kの粘度をうまく低下させた。
ミョウバンが1重量%から3重量%に増加したとき、初期粘度が75BUから14BUに減少したと同時に、分子量も減少した。組成物1I〜1Kの初期粘度および93℃での粘度は、組成物1Bおよび1Cの粘度と同じくらい低く低下した。
加えて、図2に示される組成物1I〜1Kの結果は、押出中に最適な酸修飾が達成され得ることを実証する。70℃〜90℃の間に粘度ピークは観察されず、組成物1I〜1Kが完全にゼラチン化されていたことを示している。
さらに、これらの結果は、低い水分含量で、より多くの機械的エネルギー、したがってより多くのデンプン分解が存在し、これにより、デンプンが同じ酸レベルを使用してより小さくなるため、より低い水分含量では、所与の酸レベルで、より高い水分含量よりも多くのデンプン加水分解が達成され得ることを示す。
実施例3
本実施例は、組成物1A(比較)、1D〜1I、および1K〜1Lを含有する石膏スラリーの流動性を例示する。組成物を、当業者によって理解されるスランプ試験を使用して流動性に関して評価した。
試験の準備において、スラリーを、1.0の水スタッコ比(WSR)を使用して、2重量%の量の組成物1A(比較)、1D〜1I、および1K〜1Lの各々、ならびに表4で概説される配合物で調製した。
デンプンを、95%を超える純度を有するスタッコと耐熱促進剤とを含む乾燥混合物に秤量した。水、トリメタリン酸ナトリウム(10重量%溶液)、分散剤、および遅延剤を、Hobart Mixerの混合ボウルに秤量した。乾燥混合物を、Hobart(Troy,OH)のN50 5−Quart Mixerとして入手可能なミキサの混合ボウルに注入し、10秒間浸漬し、速度IIで30秒間混合した。発泡体調製のために、Hyonic(登録商標)PFM−33石鹸(GEO(登録商標)Specialty Chemicals,Ambler,PAから入手可能)の0.5%溶液を形成し、次いで、空気と混合して空気泡を作製した。発泡体発生器を使用して、空気泡をスラリーに添加した。
次いで、各スラリーを直径4.92cm(1.95インチ)および高さ10cm(3.94インチ)のシリンダに入れた。次いで、シリンダを持ち上げ、スラリーを自由に流動させた。次いで、スラリーの流動性を示すために、形成されたスランプの直径を測定し、表5に記録する。表5には、以下にさらに詳細に説明される50%水和時間試験の結果も含まれている。組成物1Lの遅延剤は、組成物1Lが基準組成物1Aと同じ硬化速度を有するように、0.05重量%から0.0625重量%に増加した。
表5から分かるように、組成物1D〜1Iおよび1Kで調製されたスラリーは、組成物1A(比較)で調製されたスラリーよりも大きいスランプサイズを示した。それらはまた、組成物1A(比較)よりも速く硬化し、組成物1D〜1Iおよび1Kを含有するスラリーが、組成物1Aを含有するスラリーよりも良好な流動性を有したことを示している。
加えて、スラリーが同じ速度で硬化したときのスランプサイズを比較する目的で、スラリーに対して50%水和時間を測定した。当業者が認識するようなソフトウェアを使用して、スラリーの温度プロファイルを測定した。
スランプ試験が正確であったことを確認するために、具体的には、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンを含むスラリーで観察された大きいスランプが、遅い水和ではなく、組成物1A(比較)と比較して改善された流動性に起因することを例示するために、この追加の試験を実施した。
2重量%のミョウバンおよび0.3重量%の酒石酸で調製された組成物1Hは、酒石酸およびミョウバンが水和速度に逆効果を有したため、デンプンを効果的に低粘度に加水分解し、水和速度に与える影響は少なかった。
図3は、温度上昇硬化(TRS)水和速度を示す、温度対時間をプロットしたグラフである。0.05%および0.0625%の遅延剤をそれぞれ有する組成物1Fおよび1Lは、組成物1A(比較)よりも速く、または同じ速度で水和する。
図3に見られるように、0.0625重量%の遅延剤を有する組成物1Lは、組成物1A(比較)と同じ水和速度を有した。0.065重量%の遅延剤を有する組成物1Lのスランプサイズは、18.415cm(7 1/4’’)であり、組成物1Aよりも有意に大きかった。
この結果は、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンを含むスラリーで観察されるよりも大きいスランプサイズが、より遅い硬化ではなく、高い流動性に起因したことを示唆する。さらに、本開示の実施形態に従って調製されたアルファ化部分加水分解デンプンは、流動性を犠牲にすることなくより少ない水を使用する壁板を可能にする。
実施例4
本実施例は、組成物1A(比較)、1D〜1I、および1Kを含有するスラリーで調製された石膏スラリーの強度を例示する。本明細書に記載される圧縮強度試験を使用して、強度を評価した。
試験の準備のために、組成物1A(比較)、2重量%の量の1D〜1I、および1K〜1Lの各々、ならびに上記の表4で概説されたパラメータで調製した。
1.0の水スタッコ比(WSR)および空気泡を使用して、最終密度29pcfの石膏ディスクを作製した。デンプンを、スタッコと耐熱促進剤とを含む乾燥混合物に秤量した。水、トリメタリン酸ナトリウム10%溶液、分散剤、および遅延剤を、Hobart Mixerの混合ボウルに秤量した。乾燥混合物を、Hobart(Troy,OH)のN50 5−Quart Mixerとして入手可能なミキサの混合ボウルに注入し、10秒間浸漬し、速度IIで30秒間混合した。発泡体調製のために、Hyonic(登録商標)PFM−33石鹸(GEO(登録商標)Specialty Chemicals,Ambler,PAから入手可能)の0.5%溶液を形成し、次いで、空気と混合して空気泡を作製した。発泡体発生器を使用して、空気泡をスラリーに添加した。発泡体発生器を、29pcfの所望のボード密度を得るのに十分な速度で作動させた。発泡体添加後、スラリーを直ちに鋳型の頂部のわずかに上の点に注入した。プラスタが硬化するとすぐに余剰分を削り取った。鋳型には離型剤(WD−40(商標))を噴霧している。ディスクの直径は10.16cm(4インチ)、および厚さは1.27cm(0.5インチ)であった。
ディスクが硬化した後、ディスクを鋳型から取り外し、次いで110°F(43℃)で48時間乾燥させた。オーブンから取り出した後、ディスクを室温で1時間冷却させた。MTS Systems Corporation(Eden Prairie,Minnesota)からSATEC(商標)E/M Systemsとして市販されている材料試験システムを使用して、圧縮強度を測定した。荷重は、0.04インチ/分の速度で(15〜40psi/秒の一定速度で)、連続的に、かつ衝撃なしで加えた。結果は、表6に示される。
表6に見られるように、組成物1D〜1Iおよび1Kを含有する発泡体ディスクは、組成物1A(比較)を含有した発泡体ディスクと同等の、またはそれより良好な圧縮強度を有し、アルファ化部分加水分解デンプンがそれらの強度強化特性を犠牲にすることなく、水必要量を低減することができたことを示している。
実施例5
本実施例は、組成物5A〜5Gのスラリーから調製された石膏ディスク上のデンプンの量を変えることによる強度への影響を実証する。具体的には、組成物5Aは、それがデンプンを含まないため、比較組成物であった。組成物5B〜5Gは、本明細書に記載されるVMA法に従って測定されるように、88cPの粘度を有するアルファ化デンプンの形態のアルファ化部分加水分解デンプンを含んだ(US 2014/0113124 A1も参照されたい)。デンプンは、コーンスターチであった。試料のいずれも遅延剤溶液を含まなかった。組成は、表7に示される。重量パーセントは、スタッコ基準で提供される。
別個のスラリー組成物5A〜5Gからディスクを調製した。組み合わせた乾燥および湿潤混合物から各組成物を調製した。Conair Corp.(East Windsor,New Jersey)から市販されているWaringブレンダ(モデルCB15)の混合ボウルに、水、分散剤、遅延剤1%溶液、分散剤、およびトリメタリン酸ナトリウム10%溶液を秤量することによって、各湿潤混合物を調製した。10部(重量)のトリメタリン酸ナトリウムを90部(重量)の水に溶解することによって、トリメタリン酸ナトリウム10%溶液を調製した。残りの成分、特にスタッコ、耐熱性促進剤、およびデンプン(存在する場合)を秤量し、乾燥混合物中で調製した。耐熱性促進剤は、擦り砕かれた粉末プラスタおよびデキストロースからなった。乾燥混合物を、湿潤成分を有するブレンダに注入し、10秒間浸漬し、次いで高速で10秒間混合した。
スラリーを直ちに、ディスク試料を形成するのに適したリング(直径4”および厚さ0.5”)型の鋳型に注入した。鋳型の表面には、以前に、WD−40 Company,San Diego,CAから市販されているWD40(商標)の形態の離型剤を噴霧している。スラリーを鋳型のリングの頂部のわずかに上の点に注入した。プラスタが硬化するとすぐに、過剰なスラリーを削り取った。ディスクが鋳型中で硬化した後、ディスクを鋳型から取り外し、次いで110°F(43℃)で48時間乾燥させた。オーブンから取り出した後、ディスクを室温で1時間冷却させた。乾燥の完了時に、最終ディスクは、直径4インチ(10.16cm)および厚さ0.5インチ(1.27cm)の寸法を有した。
ボード圧縮強度(BCS)を測定することによって、強度を試験した。Applied Test Systems,Inc.からのATS Systemsとして市販されている材料試験システムを使用して、圧縮強度を測定した。荷重を1.0インチ/分の速度で(15〜40psi/秒の一定速度で)、連続的に、かつ衝撃なしで加えた。結果は、図4に示される。
図4は、組成物5D〜5Fを用いて、すなわち10重量%、15重量%、20重量%、および25重量%のアルファ化デンプンを用いて実施した試験からの結果を示す。図4は、表7の組成物に関する結果を示す。図4に見られるように、結果は、アルファ化および酸修飾デンプン含量がスタッコの0重量%から25重量%に増加するにつれて、ボード圧縮強度が増加したことを示す。アルファ化および酸修飾デンプンとは対照的に、一般にVMA法に従って300cPを超える粘度を有する他のアルファ化デンプンは、より高いデンプン濃度での圧縮強度への影響を減少させたように思える。
実施例6
本実施例は、VMA法に従って測定されるように、88cPの粘度を有するアルファ化デンプンの増加された量(すなわち、20重量%、スタッコ基準)を含有するスタッコスラリーの流動性を実証する。デンプンは、コーンスターチ、すなわち、実施例5に記載された粘度の同じデンプンであった。スラリーの組成は、表8に記載される。組成物を調製し、実施例5に記載された成分を使用した。
流動性をスランプ試験によって評価した。0.90の水対スタッコ比(WSR)を有するスラリーを、4インチ(10.16cm)の高さであった直径2インチ(5.08cm)のシリンダに注入した。シリンダは、各端部が開放しており、平坦で滑らかな表面上の一端部上に配置し、過剰なスラリーを削り取った。次いで、シリンダを直ちに持ち上げて、スラリーを急激に出させてスランプを形成させた。得られたパテの直径を測定した。より大きい直径は、より高い流動性を示した。
20重量%(スタッコ基準)の88cPアルファ化デンプンを含有したスタッコスラリーは、6.75インチ(17cm)のスランプサイズを有し、20重量%(スタッコ基準)のデンプンを含有するスラリーが加工可能であったことを示している。そのようなスランプサイズは、約6インチのスランプを有するスラリーが、典型的には生産テーブルの全幅に完全に広がることが可能であるため、流動性を示した。これは、スラリーが、デンプンの増加された量にもかかわらず、壁板製造加工に有用であるのに好適であったことを実証した。この加工性は、壁板製造が典型的に壁板サンドイッチ前駆体構造を形成する際に一定量の流動性を必要とするため、有用である。
実施例7
本実施例は、表9に記載される組成物7のスラリーから調製されたボードコアを有する、2分の1インチ厚さのボードについて、非常に軽いボード(800lb/MSFのボード重量を有する)の様々な特性に対する効果を実証する。
ボードは、Johns Manville,Denver,COから市販されているDuraglass 8924G/Duraglass8924の形態の紙カバーシートまたは非被覆ガラスマットのいずれかを有した。Duraglass 8924Gをボードの表面上に使用し、Duraglass 8924をボードの裏面上に使用した。
組み合わせた乾燥および湿潤混合物から組成物を調製した。Hobart(Troy,Ohio)から市販されているHobart Mixer(モデルN50)の混合ボウルに、水、分散剤、およびトリメタリン酸ナトリウム10%溶液を秤量することによって、湿潤混合物を調製した。10部(重量)のトリメタリン酸ナトリウムを90部(重量)の水に溶解することによって、トリメタリン酸ナトリウム10%溶液を調製した。デンプンは、VMA法に従って測定されるように、88cPの粘度を有した。デンプンは、コーンスターチであり、実施例5〜6にあるような粘度の同じデンプンであった。それを溶液に添加し、Waring Blender(モデルCB 15)中で30秒間混合した。残りの成分、特にスタッコおよび耐熱性促進剤を秤量し、乾燥混合物中で調製した。耐熱性促進剤は、擦り砕かれた粉末プラスタおよびデキストロースからなった。乾燥混合物を、湿潤成分を有するブレンダに注入し、10秒間浸漬し、次いで速度2で25秒間混合した。
ディスク密度(したがって重量)を低減するために、発泡体を添加した。発泡体調製のために、Hyonic(商標)PFM−33石鹸(GEO Specialty Chemicals,Ambler,PAから入手可能)の0.5%溶液を形成し、次いで、空気と混合して空気泡を作製した。発泡体発生器を使用して、空気泡をスラリーに添加した。発泡体発生器を、18.4pcfのコア密度を得るのに十分な速度で操作した。
発泡体の添加後、スラリーを直ちに、ボードの表面上の表面紙およびボードの裏面上の裏面紙から作製した12”×12”×1/2”のエンベロープ、または非被覆ガラスマットDuraglass 8924G/Duraglass 8924に注入した。石膏が硬化した後、エンベロープ試料を鋳型から取り外し、次いで110°F(43℃)で48時間乾燥させた。
ボード1〜3と特定された3枚のボードを調製した。48lb/MSF表面(マニラ)紙の形態のカバーシートで、ボード1および3を調製した。24lbs/MSFの坪量を有したDuraglass 8924G/Duraglass 8924カバーシートで、ボード2を調製した。ボード3は、市販の軽量の対照ボードであり、中程度の粘度のアルファ化デンプンを含まなかったが、代わりに773cPのより高粘度のデンプンを含んだスラリーから調製した。表10Aは、各ボードのボード重量および密度を提供し、ボード1〜3の各々に対して2枚のボードを調製した。キャリパは、デジタル厚さ測定デバイスによって決定され、乾燥ボードの厚さを指す。
表10Bに見られるように、12インチ(30.5cm)×12インチ(30.5cm)の実験用ボード(ボード1および2)ならびにプラント生産ボード(ボード3、対照)から、3インチ(7.6cm)×10インチ(25.4cm)を切断し、Instron Universal Testing Machineモデル番号3345(Instron Corp,Norwood,MA)を使用することによって、曲げ強度特性に関して試験した。曲げ強度は、故障前に試料が支持した最大荷重に関連する。試験片を端部付近で支持し、デバイスの支持体の中間に横荷重を加えることによって、試験したボードの曲げ特性を評価した。ボードの長辺は、表面材料の機械方向または機械横方向であった。支持体は、試験試料の長辺に平行(すなわち、表面材料の機械方向)または垂直(すなわち、表面材料の機械横方向)のいずれかであった。対象となる機械的特性は、以下の等式(1)に基づき計算される破断係数(MOR)である。
式中、
M=破断係数、
P=破壊荷重、
L=試料が支持されているナイフエッジ間の距離、
b=平均試験片幅、および
d=平均試験片深さ。
曲げ試験の応力−歪み曲線から、Instron Universal Testing機械は、弾性係数(MOE)を決定する。応力−歪み曲線の線形部分は、MOEまたはヤング率を示し、非線形部分は、材料の非線形変形を示す。各ボードを、垂直方向に2回、および平行方向に2回試験した。表面材料の「表面を下にした」側を使用して各試験を実施して、表面材料によってもたらされた機械的特性へのその効果を試験した。
実験用サイズのASTM 473−10によって要求される試料サイズへの変更を説明するために、等式1を使用して、表10Bの曲げ荷重情報を調節した。特に、曲げ荷重データを、2分の1インチの厚さで12インチ(30.5cm)×16インチ(40.6cm)のボード試料サイズに対して外挿した。等価曲げ荷重が、表10Bに記載される。
加えて、各試料について、3フィートオーバーハングに対する安全率を評価した。3フィート以上の安全率は、典型的には、製品が輸送または取り扱い中に動的荷重に供されたときに、完全性を維持するために必要である。
表10A〜10Cに見られるように、等価曲げ荷重を、垂直試験および平行試験の両方において、各実験用ボードに提供した。安全率は、ボードの運動量容量を3フィートオーバーハングの運動量で割ったものによって決定される。したがって、このデータは、重量が低減されたボードが、輸送および取り扱い中に動的荷重に供され、より大きい安全率を得ることを示した。3フィートオーバーハングについて、ボードは、支持されていない3フィートの端部を有して、その自重からのそれ自体に加えた荷重による曲げモーメントを経験した。
表10A〜10Cに見られるように、等価曲げ荷重を、垂直試験および平行試験の両方において、各実験用ボードに提供した。モーメント容量は、曲げ試験によって決定され、試験片の全幅に対する2つの支持体間の長さを乗じた、試験片上の曲げ力からの破壊荷重に関連する。3’オーバーハングに対するモーメント能力の比によって定義される安全率は、破壊なしで荷重に対して十分な抵抗を有するボードを確実にするために、3よりも大きい。表11に見られるように、9.4および8.6におけるボード1および2の値は、7.8における対照ボード3の値よりも高かった。したがって、このデータは、重量が低減されたボードが、輸送および取り扱い中に動的荷重に供され、より大きい安全率を得ることを示した。ボード1のより低重量の800lb/MSFボードの曲げ荷重は、市販の対照ボードよりも低い曲げ荷重を有したが、驚くべきことに、より低重量のボード1が、対照ボード3と比較して3’オーバーハングからのはるかに低いモーメントを有し、より高い安全率をもたらしたことが分かった。
さらに、3枚の追加のボードを試験し、ボード4〜6と特定した。実験用ボードを上述のように調製した。密度情報は、以下の表11に示される。ボードを、Fox 314 Test System(TA Instruments,Wood Dale,ILから市販)を使用して熱抵抗に関して、かつ熱流計装置を用いて、定常状態熱伝導特性に関してASTM C518−10標準試験方法に従って試験した。
R値パラメータは、熱伝導率に対して正規化された材料の厚さとして表される。R値は、建築材料の熱抵抗の尺度である。Rの値が高いほど、断熱はより良好である。表11に見られるように、ボード5および6は、通常の生産ボードの2倍のR値を示したが、これは、密度変化のために驚くべき、かつ予想外のものであった。これらのボードは、88cPの粘度を有するアルファ化デンプンを含有するスラリーから形成され、はるかに高い粘度(例えば、約300cPを超える)を有するアルファ化デンプンを含有するスラリーから形成されたボードのはるかに高い絶縁性(例えば、R値の2倍)を有し、ここで、全ての粘度は、VMA法に従って測定される。いくつかの実施形態では、本開示に従ったボードは、熱流計装置を用いて、定常状態熱伝導特性に関してASTM C518−10標準試験方法に従って測定されるように、少なくとも約1.0h.ft2.°F/Btu(例えば、約0.5h.ft2.°F/Btu〜約5h.ft2.°F/Btu)のR値を有する。
実施例8
本実施例は、中程度の粘度のアルファ化デンプンから調製されたボードによって生成される強度を例示する。
特に、組成物8A〜8Cを含有するスラリーで3つの石膏ディスクを調製した。スラリー、ディスク、および強度を実施例4に記載されるように調製および評価した。組成物8A〜8Cの各々は、表12に記載される配合物を含有した。
スタッコ基準の各場合におけるアルファ化デンプン(PG)の重量は、20重量%であった。組成物8A〜8C間の差は、含まれていたアルファ化デンプンの粘度にあった。組成物8A、8B、および8Cのデンプンは、コーンスターチであった。組成物8Aにおいて、アルファ化デンプンは、VMA法に従って59cPの粘度を有した。組成物8Bが、VMA法に従って88cPの粘度を有するアルファ化デンプンを含んだ一方で、組成物8Cは、VMA法に従って195cPの粘度を有するアルファ化デンプンを含んだ。結果は、表13に報告される。
本実施例は、代表的な中程度の粘度の範囲において増加された量のアルファ化デンプン(20重量%、スタッコ基準)を使用することによる強度への利点を例示する。表13に見られるように、3つ全てのディスクは、良好な圧縮強度を示した。これらの値は、実施例4にあるように400PSI未満であるが、20pcfの低いボード密度で良好な圧縮強度を表す。
本発明を説明する文脈における(特に、以下の特許請求の範囲の文脈における)(例えば、酸、原料デンプン、または他の構成成分または項目との関連での)「a」、および「an」、および「the」、および「少なくとも1つ」という用語、ならびに同様の指示対象の使用は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含するものと解釈されるべきである。「少なくとも1つ」という用語に続く1つ以上の項目のリスト(例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」)の使用は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、列挙された項目(AもしくはB)から選択された1つの項目、または列挙された項目(AおよびB)のうちの2つ以上の任意の組み合わせを意味すると解釈されるべきである。「備えること」、「有すること」、「含むこと」、および「含有すること」という用語は、特に断りのない限り、非限定的な用語(すなわち、「含むがこれに限定されない」を意味する)と解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において別段の指示がない限り、その範囲内にある各個別の値を個々に参照する簡単な法として役立つことを単に意図し、各個別の値は、あたかも本明細書に個々に列挙されているかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施され得る。本明細書で提供されるありとあらゆる例または例示的な用語(例えば、「〜など」)の使用は、本発明をよりよく説明することを単に意図し、特に特許請求の範囲に記載されない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる用語も、任意の特許請求の範囲に記載されていない要素を、本発明の実施に不可欠なものとして示すものと解釈されるべきではない。
本発明を実施するために本発明者らに既知の最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が、本明細書に記載される。それらの好ましい実施形態の変化形は、上記の説明を読むことにより当業者には明らかになるであろう。本発明者らは、当業者がそのような変化形を必要に応じて用いることを期待し、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載されたものとは別の方法で実施されることを意図する。したがって、本発明は、適用法によって認められるように、添付の特許請求の範囲に列挙された主題の全ての修正物および同等物を含む。さらに、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、それらの全ての可能な変化形における上記の要素の任意の組み合わせが、本発明によって包含される。