JP2019512952A - 音響再生システム - Google Patents

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Abstract

音響再生システム及びフィルタセットが開示され、フィルタセットは、複数の遅延利得フィルタ素子を備えるラウドスピーカのアレイを備え、さらにフィルタセットは、ラウドスピーカアレイの異なるそれぞれのスピーカに各々関連付けられた複数のラウドスピーカ特有フィルタ素子(12)を備え、アレイの複数のラウドスピーカに各々共通である複数のラウドスピーカ独立フィルタ素子(10)さらに備える。【選択図】図6

Description

本発明は、一般的に、オーディオ及び音響再生システムに関し、特に、排他的ではないが、聴取者の位置に適する3Dサウンドの生成に関する。
3Dオーディオの再生では、ユーザーへの伝達が大きく変化してきた。これは、5.1ラウドスピーカーシステムのような多重チャンネル再生装置の導入で始まり、5.1スピーカーシステムは、主にその実用性が制限される(複数のラウドスピーカ及びケーブルが部屋内に配置される)ために部分的にしか普及していない。今日、オーディオ消費者市場は、音響バーなどのより小型の解決法の使用に向かっている。その証拠は、これらの装置の販売数量によって提示されており、これらの装置は、ここ数年でかなり増加している。最近、家庭用オーディオ市場では、携帯電話又はタブレットなどの新しい音響再生プラットフォームも導入されている。これらの装置用の付属品を製造して3Dオーディオを再生する試みがいくつかの製造業者によってなされている。
3Dオーディオの再生用のラウドスピーカアレイ技術が、特に処理電子機器の価格が低下しているため、非常に魅力的になってきている。これにより、異なるユーザーが互いに干渉することなく異なるオーディオ素材を聴くことができる、個人専用の音響ゾーンの作成が可能になる。加えて、音響再生の分野において、アレイによって再生される両耳オーディオが、益々重要になる可能性が高い。当初ヘッドフォン用に設計された両耳オーディオは、多くの学術グループ、企業、及び放送事業者によって実施されている精力的な研究の対象であり、それらは、現在、新しい解決法を開発してこの技術に投資している。ラウドスピーカアレイでこのオーディオ素材を再生することにより、3Dオーディオは再生を別の次元にもたらすことができ、消費者に高いオーディオ臨場感を与える。
両耳オーディオを、ラウドスピーカ(トランスオーラルオーディオとも呼ぶこともある)を介して再生するための多くの解決法及び提案されたアイデアが、利用可能であり、以下でより詳しく参照される。これらの全てのシステムは、2つ以上のラウドスピーカの使用及び信号処理装置の使用に依存し、信号処理装置は、通常入力オーディオ信号を処理するデジタルフィルタのネットワークを含み、ラウドスピーカ信号を生成するものである。両耳オーディオ素材が適応できる再生についていくつかの手法が提案されており、これは、デジタル信号処理(DSP)アルゴリズムが聴取者の位置に応じて適応されることを意味する。これらの適応システムは、多数の予め決めた聴取位置につきデジタルフィルタのデータベースを使用し、次いで聴取者の位置に最も適合するフィルタを選択する。これらの手法の欠点は、デジタルフィルタのデータベースを予め計算する必要があること、及び異なる聴取者位置に関連付けられたフィルタ間で、伝達されたオーディオ品質を損なうことなく変えるために、注意深く調整された信号処理計画が必要となることである。従って、これらのシステムは、フィルタが作成されたグリッドのサイズによって与えられる動作範囲が限られており、システムの適用は、その実施のために高い計算負荷が必要なことによって制限される。
動作範囲におけるこの制限を克服して個人に局部化された及び/又は両耳のための再生を提供するために、例えば本明細書に開示されたDSP戦略のような、改善されたDSP戦略を実施することができる。
ラウドスピーカアレイの概念は1940年代から存在していたが、オーディオ適用向けの用途は1990年代まで広がっておらず、1990年代には、多くの聴衆にわたってより良いオーディオ伝達を得るためにはるかに少ない電力しか必要としないため、PA適用にパラダイム変化がもたらされた。家庭用オーディオの分野では、ホームシアター適用向けの音響バーの使用は、ごく最近まで普及しなかった。現在市販されている音響バーの多くは、従来のアレイ技術を使用し、それらは、今日では多くのテレビの一部である内蔵スピーカよりも高い品質を提供するが、音響バーの空間性能は限られている。
より良い空間オーディオ性能を提供するために、混線消去技術を使用することが可能である。Atal及びShroederによって1966年に最初に導入されたオーディオ再生のための混線消去の概念[I]は、それ自体効果的なアイデアとして現れたが、その当時利用可能な技術によって実際には制限されていた。これは、1990年代にさらに開発され、ステレオダイポールとして最適なラウドスピーカ配置を導いた[2]。Takeuchi及びNelsonは、2000年代初めに、音質の他に空間性能をも最大限にすることを保証する、3ウェイステレオダイポールシステムであるOPSODISの概念[3]を発表した。
混線消去のためのラウドスピーカアレイの使用は、以前に引用した特許と同じ原理を使用するが多数のラウドスピーカを用いるものであり、Bauck[4]、Kuhnら[5]、Li[6]及びHooleyら[7]を含む発明者によって以前に考慮された。
しかしながら、公知の混線除去再生装置の欠点は、混線除去再生装置が聴取者の位置に適応せず、聴取者を音響場の最適聴取場所にいるように制約することである。聴取者がオーディオを聞いている間に自由に動くことを可能にするために、一部のシステムは、たとえばHooleyらによる聴取者追跡[9]を採用する。もう1つの例は、Mannerheimらによって提示されている[10]。この後者の手法は、様々な混線消去フィルタのデータベースを作成し、聴取者の位置に従って異なる(記憶されかつ予め定めた)フィルタを切り替えることによって機能する。従って、これらのフィルタは、多数の潜在的な聴取者位置に関与するために予め計算することが必要であり、そのため大きなメモリ要求が必要となる。これとは別に、フィルタの性能は、フィルタを計算するために使用するグリッドのサイズによって制約され、フィルタは、聴取者の頭が2つのグリッド位置の間にあるとき、効率的な混線消去を提供しない。
発明者は、改良された音響再生システムを考え出した。
本発明の第1の態様によれば、音響生成システムが提供され、音響生成システムは、
ラウドスピーカのアレイと、
ラウドスピーカアレイへの入力信号を決定する信号処理部と、
ラウドスピーカアレイに対する聴取者又は様々な聴取者の瞬間位置を感知するように配列された聴取者位置追跡装置と、を備え、
信号処理部は、ラウドスピーカ入力信号を決定するために、ラウドスピーカアレイによって出力される録音にフィルタセットを適用するように構成され、信号処理部は、フィルタセットの更新された動作制御パラメータを、聴取者位置追跡装置によって決定された聴取者の瞬間位置に少なくとも部分的に基づいて決定し、それ応じてフィルタセットの動作制御パラメータを順応して調整するようにさらに構成されている。
本発明の実施形態では、必要な信号処理負荷の軽減を達成することができ、その理由は、新しい聴取者位置の各場合につきフィルタ素子を新たに生成する必要はなく、むしろ動作パラメータにおける必要な変化への更新を計算することが要求されるからである。これにより結果的に処理の負荷及び時間が減少して好都合である。
本発明は、デジタルフィルタのネットワークによって制御されるラウドスピーカアレイを備え、デジタルフィルタは、一人又は複数人の聴取者の瞬間位置に応じて生成され、オンザフライで(即ち、リアルタイムで)調整されたと見なすことができる。
フィルタセット及び信号処理部は、デジタル信号処理部によって実施する(まとめて)ことができる。
既存の手法とは異なり、音響再生システムの実施形態の信号処理要件は、低くて好都合であり、例えばアルゴリズム形式で表現される基礎となる処理工程は、予め計算されたフィルタデータベースの作成に使用される聴取者位置グリッドのサイズ及び解像度によって制約されない。
フィルタセットは、実質的に一定又は非可変の論理下位構造又は機能構造であると見なすことができ、信号処理部は、その論理構造の制御パラメータを適応的に制御することができるように配列されている。論理構造によって、発明者は、フィルタ素子のタイプ、それらの機能性並びにそれらの配列の互いに対する及びラウドスピーカアレイに対する参照を含める。このような文脈において、フィルタセットが録音に作用するやり方のみが又は主に、制御パラメータを計算して実施することによって変更されることが好ましい。簡略化して言えば、これは、録音データのような着信データに対して方程方程式又は式を実施する処理部と考えられ、方程式は、係数などの変数を含む。基礎となる方程式/式は同じままであるが、係数は入力データの処理中に変化するため、係数の変更に応じて出力が変化する。
信号処理部は、フィルタセットの動作制御パラメータの変更をリアルタイムで実施するように配列されることが好ましい。これに代えて、例えばラウドスピーカアレイに対して一人又は複数の聴取者が位置を移動しそうにない音響再生システムの場合、フィルタセットは、特性(例えばフィルタ係数、又は他の制御パラメータなど)が予め定められている点で非適応的とすることができる。しかしながら、このような配列は、聴取者追跡装置による自動適応型ではないが、較正又はセットアップ手順の間にさもなければ必要に応じてフィルタ特性を更新し、さもなければ手動介入などによって配列し又は構成することができる。
更新された制御パラメータの実施は、フィルタセットの動作特性を、ラウドスピーカ入力信号を生成する際に録音に適用されるフィルタセットの効果に関して制御するように配列されることが好ましい。
信号処理部は、フィルタセットの動作パラメータを更新するために使用される値又は一組の値を決定するように配列することができる。信号処理部は、更新された動作制御パラメータを直接に又は間接に決定するように配列することができる。動作制御パラメータは、フィルタ係数であると又はこれを含むと見なすことができる。信号処理部は、フィルタ係数計算器を備えることができる。
信号処理部は、新しい動作パラメータの大きさ又は動作パラメータの必要な変化を決定するように配列することができる。
信号処理部は、2つの処理段階又は反復のシーケンスを実施すると見なすことができ、第1の段階は、フィルタの更新された動作パラメータ(又は、それらを適切に変更するサイズ又は値)を、聴取者位置の感知された変化に関連して決定する工程を備え、第2の段階は、更新された動作パラメータの実施によるフィルタ素子の適応制御である。
フィルタセットは、多数の音響ビーム発生器を備え又はそれらを構成することができ、音響ビーム発生器は、スピーカを制御して、多数の音響ビームを出力するように各々配列されている。
フィルタをデジタル領域で実現することが好都合である場合、その事例では、「フィルタセット」及び「フィルタ素子」を参照することは、デジタル化されたデータに作用するデータ処理装置によって実行される機能及び処理動作を表すと見なし得ることを理解されたい。フィルタセットのフィルタ素子は、論理配列又は機能ブロックのネットワークとして表現されしかもそれと考えられる。
フィルタセットは、複数の遅延利得フィルタ素子を備えることができる。フィルタセットは、広義には、ラウドスピーカアレイのスピーカのそれぞれの個々のスピーカ又は集合的な部分集合によって出力される音響成分の振幅及び/又は位相を選択的に制御するように配列することができる。1つ又は複数のフィルタ素子は、利得素子及び/又は遅延素子を含むと見なすことができる。調整可能な制御パラメータは、フィルタ素子につき又は各フィルタの利得を決定するための変数及び/或いは遅延又は位相を決定するための変数を含むことができる。
フィルタセットによって実行される信号処理動作は、スピーカ特有とスピーカ非特有(すなわち、一部の又は全てのスピーカに共通)とに分けられると考えることができる。この信号処理構造は、処理を2つの段階に分割すると見なすことができ、第1の段階は、少ない組のより複雑なラウドスピーカ独立フィルタを含み、その数は、聴取者の数に依存し、ラウドスピーカの数に依存しない。第2の段階は、一組の単純なスピーカ依存フィルタを含み、それは、一組のデジタル遅延(及び利得)にすることができるほど単純である。これらの二段階フィルタの数は、ラウドスピーカの数に依存する。この手法の利点は、DSPの複雑さがラウドスピーカの数につれて大幅に増加しないことであり、その理由は、複雑なラウドスピーカ独立フィルタの数がスピーカの数に依存しないからである。換言すれば、ラウドスピーカアレイのスピーカの数が増えても、スピーカ独立フィルタ素子の数は増加しない。これは、スピーカ依存フィルタ素子に比べてスピーカ独立フィルタ素子はより複雑であるため、特別な技術的利点である。
フィルタセットは、複数のスピーカ特有フィルタ素子を備えることができ、各フィルタ素子は、特定のそれぞれのスピーカに関する入力信号の制御に使用するように配列することができる。スピーカ特有フィルタ素子の数は、スピーカの数及び聴取者の数に依存することが好ましい。
フィルタセットは、複数のスピーカ独立フィルタ素子を含み、各フィルタ素子は、アレイのスピーカの部分集合に又は全てに関する入力信号の制御に使用されるように配列することができる。スピーカ独立フィルタ素子の数は、スピーカの数に依存せず、聴取者の数に依存することが好ましい。
フィルタセットは、複数のスピーカ特有フィルタ素子の他に、複数のスピーカ非特有フィルタ素子を備えることができる。
フィルタ素子は、分散型フィルタ構造を形成すると見なすことができる。
多数のスピーカ特有フィルタ素子は、少なくとも1つのスピーカに関連付けることができる。
フィルタセット又はその特定のフィルタ素子は、周波数に応じて動作するように配列することができる。
録音は、オーディオ素材を表すデータと考えることができる。
本発明の実施形態の利点を強調するために、デジタルフィルタは、例えばN個のデジタル動作の合計として考えることができる。これは、オーディオデジタル信号がN個のデジタルサンプルのブロックでフィルタにかけられることを意味する。適応型システムの文脈では、これは以下のこと、すなわち制御フィルタを直ちに変更することは不可能であり、任意の適応フィルタの変更を実行するために1つのフィルタのN個のサンプルが出力されるまで待つ必要があることを意味する。ラウドスピーカアレイの場合、これは以下のこと、すなわち一組の制御フィルタを用いて所定の聴取者位置における再生を制御し、聴取者が異なる位置に移動する場合、現行のフィルタ処理が完了するまで、アレイの応答を適応させることができず、そのために聴取者に知覚可能な短時間の間不正確な再生がなされることを意味する。システムは、フィルタ素子を可変時間遅延フィルタ素子及び/又は利得フィルタ素子の並列バンクに分解することによって、この問題を回避すると見なすことができ、そこで以前はN個のデジタル演算の直列形式の必要な合計が、今や遅延の並列バンクで実行することができる。これは以下のこと、すなわちフィルタの出力が1つの聴取者位置から別の聴取者位置に切り替わる間に追加の時間がなく、その理由は、利得遅延素子が聴取者位置又は複数の聴取者位置に応じてリアルタイムで切り換わるからであることを意味する。これは、音響再生システムが聴取者位置の変化に適応できるだけでなく、適応を応答性の高いやり方で行ない得ることを意味し、好都合である。
信号処理部は、ラウドスピーカから聴取者の頭にある圧力制御点までの距離を決定するように配列することができる。
ラウドスピーカアレイは、一般に、複数の個別に制御可能な又は部分集合で制御可能なラウドスピーカを備えることができる。ラウドスピーカアレイは、電気音響変換器を備えることが好ましい。ラウドスピーカアレイは、方位角に沿って分布し得る、複数の空間分散スピーカを備えることができる。スピーカは、並んで又は隣り合う関係で配置することができ、平面上に配置されて占有する。
音響再生システムは、聴取者位置の変化に自動的に適合し得る音響再生システムと見なすことができる。
システムは、2つの異なる動作モードを可能にし、第1は両耳オーディオの再生であり、第2は個人向け多重ゾーンオーディオの再生であることが好ましく、両方のモードにより、聴取者は、空間内を移動して、ラウドスピーカアレイの出力を再生の質を最大限にする(新しい聴取者位置で)ために更新することが可能になる。
信号処理部は、両耳音響再生モードで動作可能に構成することができる。この動作モードでは、聴取者につき又は各聴取者に、左聴取者耳ビーム及び右聴取者耳ビームが、ラウドスピーカアレイによって出力される。このモードは、混線消去モードと呼ぶことができる。それぞれの左耳ビーム及び右耳ビームは、フィルタリング手法を用いて生成することができ、フィルタリング手法では、一方の耳用のビームは、聴取者の他方の耳において実質的にない又は無視できるエネルギーを与える。両耳モードでは、音響ビーム発生器は、例えば方程式5で定義されるような一組のラウドスピーカ独立フィルタ(例えばIFs、10)及び/又は方程式6で定義されるラウドスピーカごとの一組のラウドスピーカ依存フィルタ(例えばDFs、12)を備えることができる。
信号処理部は、個人向けモードで動作可能であり、このモードでは多数の聴取者の各々について音響ビームが生成され、音響ビームは各聴取者(各聴取者につき1つのビーム)に異なるオーディオを向けるように構成することができる。このモードでは、音響ビーム発生器は、方程式5によって定義される一組のN個のスピーカ独立フィルタ(IFs、10など)及び/又は方程式6によって定義されるラウドスピーカ毎にN個のラウドスピーカ依存フィルタ(例えば、DFs、12)を使用して実施することができる。両耳オーディオモード用の一人の聴取者、又は個人向けのオーディオモード用の二人の聴取者が存在する場合には、ラウドスピーカ独立フィルタ(本願の各図に示すフィルタIF10、IF11、IF12、IF21及びIF22など)は、方程式7、8、9及び10を用いて実施することができる。信号処理部は、合計N×L個のラウドスピーカ依存フィルタを用いることによって(さらに)簡略化することができる。ラウドスピーカ依存フィルタの各々は、単一の遅延フィルタ素子又は遅延及び利得フィルタ素子によって提供されることが都合良い。
信号処理部は、以下の詳細な説明に含まれる何れかの又は全ての方程式を実施するように配列することができる。
システムをユーザーが設定可能として、ユーザーは、音響再生の両耳モード又は個人向けモードの何れかを選択することができる。システムは、ユーザインタフェースを備えて、モード選択の他に、聴取者の数のような各モードの所定のパラメータを可能にすることができる。
システムはまた、聴取者の数を自動的に検出し、聴取者の数に従って必要な再生を適応させることもできる。
本発明の第2の態様によれば、機械読み取り可能な命令が提供され、命令は、データ処理部によって実行されるとき、音響再生システムの信号処理を実施するように配列され、結果として命令は、ラウドスピーカ入力信号を決定するために、ラウドスピーカアレイによって出力される録音にフィルタセットを適用するように構成され、命令は、聴取者位置追跡データによって決定された聴取者又は様々な聴取者の瞬時位置に少なくとも部分的に基づいて、フィルタの更新された動作制御パラメータを決定し、それに応じてフィルタセットの動作制御パラメータを適応的に調整するようさらに構成されている。
命令は、コンピュータ(例えば、処理部チップ)又は埋め込みDSPボードによって実行されるデータキャリア上に記憶することができ、及び/或いはソフトウェア又はファームウェアとして実現することができる。
本発明は、説明に記載された及び/又は図面に示された1つ又は複数の特徴を含むことができる。
本発明の様々な実施形態が以下の図面を参照して単なる一例として説明される。
複数人の聴取者用の個人向けオーディオモードで動作する音響再生システムの概略図であり、音響再生システムでは、聴取者の位置に合わせて調整された様々な局部化された異なるオーディオ信号を再生するために、様々なオーディオビームを生成することができるオーディオシステムが生成される。 二人の聴取者用の個人オーディオモードで動作する音響再生システムの概略図であり、図2は、視聴者位置に自動的に調整される、2つの局部化された異なるオーディオ信号を再生するために、2つのオーディオビームを生成することができるオーディオシステムを示す。 複数人の聴取者用の両耳オーディオモードで動作する音響再生システムの概略図であり、図3は、聴取者位置に自動的に調整される、様々な複数人の聴取者に対して両耳素材を提供するために複数対の両耳ビームを生成することができるオーディオシステムを示す。 一人の聴取者用の両耳オーディオモードで動作する音響再生システムの概略図である。図4は、単一のシステム用の両耳素材を再生するために2つの両耳のビームを生成することができるオーディオシステムと、聴取者の位置に自動的に調整するように配列されたシステムとを図示する。 「個人向けオーディオ」モード又は「両耳」再生モードに応じた制御点の選択と、聴取者追跡装置が聴取者位置をどのように推定するかと示す。 デジタル信号処理部(DSP)のブロック図が、図1及び図3に示す異なるオーディオビームを生成するDSP計画を図示することが示され、DSPでは各ビーム発生器(BG)ブロックは、ビームの一つを生成するためのデジタル信号処理を含み、DSPの動作パラメータは、聴取者追跡装置によって提供される聴取者の位置に応じて修正される。 図6aに示すビーム発生器(BG)ブロックの1つに含まれるデジタル信号処理計画を示し、デジタル信号処理計画で各ブロックは、アレイの各ラウドスピーカに必要とされる一組のラウドスピーカ独立フィルタと、一組のラウドスピーカ依存フィルタ(DF)とを含む。 図2及び図4に示す2つのオーディオビームを生成するプロセスを示す。各ビーム発生器(BG)ブロックは、ビームの1つを生成するためのデジタル信号処理を含み、聴取者追跡装置によって提供される聴取者位置に従って修正される(これは、図6aに示すDSP計画に特有な場合であることに留意されたい)。 図7aに示すBGブロックの1つに含まれるデジタル信号処理を示し、BGブロックで各ブロックは、一組のラウドスピーカ独立フィルタを含み、これらは、等化価フィルタ(EQ)と、一組の2つのラウドスピーカ独立フィルタ(IFs)とであり、さらに各ラウドスピーカにつき2つのラウドスピーカ依存フィルタ(DFs)が必要である(これは、図6aに示すDSP計画に特有な場合であることに留意されたい)。 図6b及び図7bに示すラウドスピーカ独立フィルタ(IFs)の1つの構造を図示しており、1つの構造は、並列遅延素子及び利得素子のバンクによって構成されている。 図6b及び図7bに示すラウドスピーカ依存フィルタ(DFs)の1つの構造を示し、1つの構造は利得素子及び遅延素子を備える。 本発明の一般化された概略のフィルタセットが図示され、フィルタセットにおいて、デジタル信号処理部(DSP)のブロック図は、図1及び図3に示す異なるオーディオビームを生成するためのDSP計画を図示し、各ビームに一組のラウドスピーカ独立フィルタが含まれ、全てのビームに共通の単一組のL×N個のラウドスピーカ依存フィルタ(DFs)が使用される。 図9の実施形態の特定の実施を図示し、この実施では図2及び図4に示される2つのオーディオビームを生成するようにDSPが配列され、ラウドスピーカ独立フィルタの総数はここでは2Lである。
次に、2つの主要モードで動作する音響再生システムについて説明する。図1及び図2に示す「個人向けオーディオ」モードと呼び得るモードでは、ラウドスピーカアレイ1は、異なるユーザー3に向けて一組の目標ビーム2を提供する。このモードでは、ビームは逆フィルタリング手法を用いて生成され、結果として一人の聴取者用のビームが他の聴取者に殆ど音響エネルギーを供給せず、これは、納得させるオーディオ分離及びマルチゾーン音響再生を提供するために重要である。
このシステムは、図3及び図4に示す第2の「両耳」モード又は混線消去モードでも動作する。このモードでは、ラウドスピーカアレイ1は、異なる聴取者の耳3に向けられた様々な対の目標ビーム2、即ち各聴取者用の一対のビーム、左耳用の1本のビーム及び右耳用の1本のビームを提供する。ビームは逆フィルタリング手法を用いて生成され、結果として1つの耳用のビームは、ユーザーの他の耳にほとんどエネルギーを提供しない。これは、両耳信号を介して納得させるバーチャルなサラウンド音響を提供するために重要である。
音響再生システムは、データ処理部などの信号処理部を備え、処理は、処理部に関連付けられたメモリに記憶された機械可読命令に従って実行される。信号処理部は、この処理をデジタル領域で実行する。
以下に説明するように、音響再生システムは適応システムであり、適応システムでは、ラウドスピーカアレイへの入力信号が、ラウドスピーカアレイに対する聴取者の瞬間位置の変化に応答して制御される。
本明細書に開示される音響再生は、任意個数Lのスピーカユニットを有するラウドスピーカアレイとともに動作可能であり、同様に、「個人向けオーディオ」又は「両耳」モードの何れかにおいて、所定の人数Mの聴取者用の任意本数Nのビームを生成することができる。2つの再生モードの主な違いは、ビームの生成のための制御点がどのように選ばれるかであり、図5に示すように、「個人向けオーディオ」モードの場合、これらの制御点は聴取者の頭(又は複数聴取者の頭)の中心であるが、「両耳」モードの場合、制御点は聴取者の(又は複数聴取者の)耳である。
両方の再生モードの場合、ラウドスピーカアレイの出力を制御するために使用されるフィルタの制御パラメータは、聴取者の位置に従ってリアルタイムで更新される。聴取者の位置情報は、聴取者追跡装置4によってリアルタイムで得られ、聴取者追跡装置4は、図5に示すように、個人オーディオモード用の聴取者位置5又は両耳モードの耳位置用の聴取者位置5のデカルト座標を提供する。この装置は、どのような種類の適切な装置にも、例えば聴取者が保持する磁気追跡装置、ビデオ追跡装置、Microsoft Kinect、GPS付き携帯電話、赤外線追跡装置、又はリモコン装置に適用することができる。聴取者の位置情報は、フィルタ係数計算器6にリアルタイムで供給される。このブロックは、各聴取者3のx位置情報、y位置情報、z位置情報をとり、一組のフィルタ係数7を出力する。この情報は、その後、図6a及び7aに示す異なるビーム発生器BGs、8に供給され、ビーム発生器BGs、8は、アレイ制御フィルタを備え、様々な個人向けの信号又は両耳信号を再生するための音響ビームを必要に応じて発生する。
各ビーム発生器(図6a及び図7aに示す(BGs、8))で発生するデジタル信号処理の論理構造は、図6b及び図7bに見ることができる。ビーム発生器の瞬時動作パラメータは、フィルタ係数7によってリアルタイムで制御され、一組のラウドスピーカ独立フィルタ及び一組のラウドスピーカ依存フィルタを備える。ラウドスピーカ独立フィルタは、全てのラウドスピーカに共通であり、等化フィルタEQ、9と、一組の独立したフィルタIF、10とによって形成されるため、このように呼ばれる。ラウドスピーカ依存フィルタDF、12は、アレイラウドスピーカ13ごとに異なる。
代替の実施形態を示すが、実質的に同じ基本概念を包含する図9及び図10を参照する。一般化された場合を示す図9に示すフィルタセットでは、信号処理は、全てのビーム発生器に共通の一組のラウドスピーカ依存フィルタを使用することによってさらに単純化されている。これにより、必要とされるスピーカ依存フィルタ素子の数を大幅に減少させることができ、非常に好都合である。図10では、フィルタ配置は、2つのビームが生成された特有の場合に関連するが、同様に、全てのラウドスピーカ依存フィルタは、両方のビームに共通である。
このシステムの1つの態様は、所定のフィルタを一組の疎利得素子及び遅延素子に分解することに基づく。フィルタは、例えば、[11、12]に示すように、圧力調和又は最小二乗反転に基づいて生成することができるが、音響再生のための任意の逆手順に従って生成することもできる。しかしながら、以前の技術とは異なり、システムは、フィルタの時間領域係数をリアルタイムで作り出すことができる。これは、基礎となる逆問題の瞬間的な解析解を決定することによって達成される。
聴取者追跡装置によって提供される情報に基づいて、フィルタ係数計算器6は、図5に示すように、アレイの各ラウドスピーカから圧力制御点までの距離14、rnlを推定する。圧力制御点は、「個人向けオーディオ」又は「両耳」の何れかの音響再生モードに応じて、それぞれ、聴取者の頭15の中心又は聴取者の耳16によって規定されている。
これらの距離は、その後、ラウドスピーカアレイの電気音響伝達関数を形成するために使用する。これらはN×Lの次元を持つ行列Cに含まれ、式中Nは制御点の数であり、Lはラウドスピーカの数である。
これは次のように表される。
Figure 2019512952
この行列の各要素は、アレイの各ラウドスピーカのモノポールのような挙動を仮定して形成され、
Figure 2019512952

式中k=ω/cは波数で、ω=2πfは脈動周波数ラジアン/秒であり、cは空気中の音速であり、j=√−1である。この場合、cnl=1/rnlは減衰係数である。
ベクトルHとして与えられるフィルタは、フォームの式で定義され、
Figure 2019512952

式中、「det」は行列[CC+βI]の行列式を表し、「adj」は随伴行列を表す。より具体的には、
−随伴行列(CC+βI)は、ラウドスピーカ独立フィルタを表し、
−転置行列Cは、ラウドスピーカ依存フィルタを表し、
−l/det(CC+βI)は等化フィルタを表す。
信号処理を、別個のフィルタリング段階に対応するこれらの3つの別々の(論理的な)グループ又は要素に分割することにより、上述したように信号処理を大幅に単純化することが可能になる。大きさβは、フィルタによって使用される電気エネルギーの量を制御するために使用される規則化パラメータを表す。ベクトルpは、各ビーム用の異なる圧力制御点における再現圧力をN×1のサイズで制御するために使用される、目標圧力ベクトルである。圧力目標ベクトルの選択は、図5に示される制御点に従って行われる。個人オーディオモードでは、圧力目標ベクトルは、音圧レベルが最大にされる聴取者位置では1であり、オーディオ信号が最小にされる聴取者位置では0である。両耳オーディオモードでは、圧力目標ベクトルは、圧力が最大にされる聴取者の耳では1であり、圧力が最小にされる聴取者の耳で0である。随伴行列は以下のように表すことができ、
Figure 2019512952

式中、各an、mは行列の随伴要素である。
(N−1)!L(N−1)遅延の和として表現された随伴要素は、図6b及び図7bに示すラウドスピーカ独立フィルタIFs、10を生成し、それらのインパルス応答が
Figure 2019512952

で定義され、ビームごとに必要とされる合計N個のラウドスピーカ独立フィルタを備え、式中Tは、フィルタが原因であることを保証するために導入されたモデル化遅延である。方程式5で表される各フィルタ素子は、可変遅延利得素子(17、図8a)の並列バンクによってリアルタイムで実施することができ、その係数gb、n、m及びdb、n、mは、随伴行列から計算することができ、フィルタ係数情報(7、図6a及び7a)に基づいてリアルタイムで更新される。これに代えて、方程式5で表されるフィルタは、FIRフィルタ又はIIRフィルタとして実施することができる。
システムは、図6b及び図7bに示される等化フィルタ(EQ、9)を含むことができる。このフィルタは、FIR又はIIRとして実施することができる。等化フィルタの係数は、行列式det(CC+βI)から計算することができ、聴取者の位置に応じてリアルタイムで更新することができる。
ラウドスピーカ依存フィルタは、以下の方程式で表され、
Figure 2019512952

式中gnlは、cnl及びτnl=rnl/cとして選ばれる。スピーカ依存フィルタは、図8bに示すような単一の利得遅延素子17によって実施され、利得遅延素子17は、フィルタ係数情報7によってリアルタイムで制御される。図7に示すように、ビーム発生器ごとに一組のNL個のラウドスピーカ依存フィルタを有することができる。しかしながら、ラウドスピーカ依存フィルタは各ビーム発生器につき同じであるので、信号処理は、全てのビーム発生器に共通の一組のラウドスピーカ独立フィルタを使用し、従って合計NL個のラウドスピーカ依存フィルタを有することによって、単純化することが可能である。これは図9及び図10に示す。図9には一般化された場合が示され、図10には2本ビームシナリオの場合が示されている。何れの場合でも、単一組のスピーカ独立フィルタ素子が全てのビームについて設けられて好都合である。
図7bのDSP配列のように、聴取者が二人である「個人向けオーディオ」モード、又は聴取者が一人である「両耳」モードでラウドスピーカアレイが動作する特定の場合では、ラウドスピーカ独立フィルタIFs、10及びラウドスピーカ依存フィルタ12の時間領域表現は、より簡単でかつ直接的な方法で得ることができる。これは望ましく、その理由は、時間領域表現はフィルタ係数計算ブロック6を非常に効率的にプログラムするのに使用できるからである。ラウドスピーカ独立フィルタ10のインパルス応答は、時間領域において、
Figure 2019512952

Figure 2019512952

Figure 2019512952

及び
Figure 2019512952

として表すことができ、式中Tはモデル化遅延である。
以下の数量を選ぶことが可能であり、
Figure 2019512952

Figure 2019512952

Figure 2019512952

及び
Figure 2019512952

ここで、A=|c||c|+β(|c|+|c|)+βである。フィルタ係数計算器6によってリアルタイムで更新されたこれらの方程式は、フィルタ係数7を与え、フィルタ係数7は、図8aに示す独立フィルタの遅延利得素子17に異なる遅延利得素子を装着するために使用される。
図7bに示すDSP図について、等化フィルタEQ、9は、FIRフィルタ又はIIRフィルタとして実施することができる。等化フィルタの係数は、行列式det(CC+βI)から計算することができ、聴取者の位置に応じてリアルタイムで更新することができる。
ラウドスピーカ依存フィルタのインパルス応答は、時間領域において
Figure 2019512952

及び
Figure 2019512952

と表すことができ、ここでb1l=c1l及びb2l=c2lを選ぶことが可能である。これらのインパルス応答は、図8bに示すような、利得遅延素子17によって構成されたラウドスピーカ依存フィルタ配列を用いて実施される。
公知の手法とは対照的に、上述の音響生成技術は、時間領域手法を用いてラウドスピーカアレイ用のフィルタを計算できることが好都合あり、時間領域手法は、各聴取者の位置についてフィルタ係数をリアルタイムで得ることができる。これにより、より簡単で、かつ負担がより少ない信号処理配列が必要とされ、聴取者の動きの範囲が測定グリッドのサイズに制限されない。
参考文献
Figure 2019512952

Claims (19)

  1. 音響再生システムであって、
    ラウドスピーカのアレイと、
    前記ラウドスピーカアレイへの入力信号を決定する信号処理部と、
    前記ラウドスピーカアレイに対する聴取者の瞬間位置を感知するように配列された聴取者位置追跡装置と、を備え、
    前記信号処理部は、前記ラウドスピーカ入力信号を決定するために、前記ラウドスピーカアレイによって出力される録音にフィルタセットを適用するように構成され、前記信号処理部は、前記フィルタの更新された動作制御パラメータを、前記聴取者位置追跡装置によって決定された前記聴取者の瞬間位置に少なくとも部分的に基づいて決定し、それ応じて前記フィルタセットの動作制御パラメータを順応して調整するように構成され、前記フィルタセットは複数の遅延利得フィルタ素子を備え、前記フィルタセットは、前記ラウドスピーカアレイの異なるそれぞれのスピーカに各々関連付けられる複数のラウドスピーカ特有フィルタ素子を備え、前記アレイの複数のラウドスピーカに各々共通である複数のラウドスピーカ独立フィルタ素子をさらに備える、音響再生システム。
  2. 前記フィルタセットの前記動作パラメータを更新するために使用する値又は一組の値を決定するように配列される、請求項1に記載の音響再生システム。
  3. 前記フィルタセットは、多数の音響ビーム発生器を含み又はそれらを構成し、各音響ビーム発生器は、前記スピーカを制御して多数の音響ビームを出力するように配列される、請求項1又は2に記載の音響再生システム。
  4. 作成された前記音響ビームを向ける方向が、前記ラウドスピーカアレイに対して感知された聴取者位置に応じて変化するように構成される、請求項3に記載の音響再生システム。
  5. 前記ビーム発生器は、音響ビームを生成し、前記音響ビームが一人又は複数人の聴取者に両耳オーディオ信号を伝えるように配列される、請求項3又は4に記載の音響再生システム。
  6. 前記ビーム発生器は、前記少なくとも一人の聴取者の前記耳における再生圧力を、感知された視聴者位置を考慮して制御するように配列される、請求項3、4又は5のいずれか1項に記載の音響再生システム。
  7. ラウドスピーカアレイに入力信号を供給するための信号処理装置用のフィルタセットであって、前記ラウドスピーカアレイは、複数の遅延利得フィルタ素子を備えるフィルタセットを含み、さらに、前記フィルタセットは、前記ラウドスピーカアレイの異なるそれぞれのスピーカと各々関連付けられた複数のラウドスピーカ特有フィルタ素子を備え、前記アレイの複数のラウドスピーカに各々共通である複数のラウドスピーカ独立フィルタ素子をさらに備える、フィルタセット。
  8. 多数の音響ビーム発生器を含み又はそれらを構成し、各音響ビーム発生器は、前記スピーカを制御して複数の音響ビームを出力するように配列される、請求項7に記載のフィルタセット。
  9. 前記ビーム生成器は、音響ビームを生成し前記音響ビームが、一人又は複数人の聴取者に両耳オーディオ信号を伝えるように配列される、請求項8に記載のフィルタセット。
  10. 前記ビーム生成器は、異なるそれぞれの聴取者に異なるオーディオを伝えるように配列されている、請求項8又は9に記載のフィルタセット。
  11. 等化フィルタを備え、前記等化フィルタは、非適応有限インパルス応答、FIR、フィルタ又は無限インパルス応答、IIR、フィルタの少なくとも1つを備える、請求項7〜10のいずれか1項に記載のフィルタセット。
  12. 等化フィルタを備え、前記等化フィルタは、適応有限インパルス応答、FIR、フィルタ又は無限インパルス応答、IIR、フィルタの少なくとも1つを備える、請求項7〜11のいずれか1項に記載のフィルタセット。
  13. 再生された圧力を聴取者の耳において平坦化するように構成された頭部関連伝達関数、HRTF、補償有限インパルス応答、FIR、フィルタを含む、請求項7〜12のいずれか1項に記載のフィルタセット。
  14. 前記処理部は、基礎となる逆問題の瞬時解を決定するように配列される、請求項7〜13のいずれか1項に記載のフィルタセット。
  15. 前記ラウドスピーカ特有フィルタの各々は遅延及び利得素子を備える、請求項7〜14のいずれか1項に記載のフィルタセット。
  16. 一群のラウドスピーカ特有フィルタ素子が、少なくとも2つ又は全ての生成されたオーディオビームに共通するように配列される、請求項7〜15のいずれか1項に記載のフィルタセット。
  17. 前記ラウドスピーカ特有フィルタの数がLN個であり、Lがスピーカの数であり、Nがオーディオビームの数である、請求項16に記載のフィルタセット。
  18. 請求項7〜17のいずれか1項に記載のフィルタセットを備える、信号処理部。
  19. 機械読み取り可能な命令であって、データ処理部によって実行されるとき、音響再生システムの信号処理を実施するように配列され、結果として前記命令は、前記ラウドスピーカ入力信号を決定するために、ラウドスピーカアレイによって出力される録音にフィルタセットを適用するように構成され、前記命令は、聴取者位置追跡データによって決定された聴取者の瞬時位置に少なくとも部分的に基づいて、前記フィルタの更新された動作制御パラメータを決定し、それに応じて前記フィルタセットの動作制御パラメータを適応的に調整するようさらに構成され、前記フィルタセットは複数の遅延利得フィルタ素子を備え、前記フィルタセットは、前記ラウドスピーカアレイの異なるそれぞれのスピーカに各々関連付けられる複数のラウドスピーカ特有フィルタ素子を備え、前記アレイの複数のラウドスピーカに各々共通である複数のラウドスピーカ独立フィルタ素子をさらに備える、機械読み取り可能な命令。
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