JP2019512743A - 環状ナノジェットレンズ - Google Patents

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Abstract

本開示は、デバイスに入射する電磁波から近距離領域内で少なくとも1つの収束ビームを形成するデバイスに関する。そのようなデバイスは、少なくとも部分的に第1要素を有する誘電物質の少なくとも1つの層を有し、第1要素は第1屈折率値を有し、第1要素は、少なくとも部分的に第2要素を有し、第2要素は、第1屈折率値よりも大きい第2屈折率値を有し、第2要素は、電磁波の到来方向に対して画定された少なくとも1つのベース面を有し、少なくとも1つのベース面は、少なくとも2つの向かう合う稜線を有し、それらの形状及び、少なくとも1つのベース面と第2要素の側面との間の関連する底角は、少なくとも1つのベース面に対する垂直面において、少なくとも1つの集束ビームの形状を制御する点で、注目に値する。

Description

本開示は、電磁波(特に、可視光)から場強度パターンを形成する技術に概して関係がある。より具体的には、しかしもっぱらそれだけではないが、本開示は、広範なデバイスにおいて(例えば、データ記憶デバイス、アイウェア電子機器(例えば、AR(拡張現実)及びVR(仮想現実)メガネ)、光学センサ、アンテナ、などとして)使用され得る、近傍界フォーカシング(near-field focusing)及び近距離領域内でのビームフォーミングのための技術に関係がある。近距離領域によって、ここで及び本開示の全体にわたって、本開示に従うデバイスの周りの領域が意図され、その大きさは、ホスト媒体において波長の分数から約10波長まで及ぶことができる。それは、明らかに非放射(放射)領域に制限され得ず、デバイスのサイズに応じて、フレネル放射、遷移、及び部分的に遠位界領域を更に有することができる。
この項は、以下で記載及び/又は請求される本発明の様々な態様に関係があり得る技術の様々な態様を読者に紹介することを目的とする。この議論は、本発明の様々な態様のより良い理解を助けるよう背景情報を読者に提供するのに有用であると信じられる。然るに、それらの記述は、先行技術の承認としてではなく、この観点から読まれるべきであることが理解されるべきである。
以下では、近距離領域内でのフォーカシング及びビームフォーミングに関連して記載される問題が提示される。しかし、本技術は、電磁波の誘導のより広い状況においても使用され得る。
電磁波のフォーカシング及びコリメーション(すなわち、ビームフォーミング)は、電界の大きさを局所的に増大させ、そのようにして、センサ、例えば、電磁波の形で空間内を伝播するエネルギを出力電圧又は電流に変換することに依存した動作原理を有する電磁センサの効率を高めるための確立された方法である。後者のセンサ(例えば、CMOS撮像センサ又はフォトダイオード)は、米国特許第8953064号(特許文献1)で説明されるような、Lytro、Raytrix、及びNokiaによって製造されたデバイスの中心にある。局所的な電磁界増強の同じ現象は、異なる波長範囲において様々な他の用途で使用される。
光学分野では、今日の技術レベルは、可視光の波長に近いか又はそれよりも小さいナノスケールの寸法を有している構造要素による高集積部品(例えば、チップ及び光センサ)の製造を可能にする(例えば、the proceedings of SID,vol.17,no.3,pp.185-193,2009において公開された、H. Mukawa et al.による論文“A full-color eyewear display using planar waveguides with reflection volume holograms”(非特許文献1)、又はNature Photonics,vol.7,pp.240-246,2013において公開された、S. Nishiwaki et al.による論文“Efficient colour splitters for high-pixel density image sensors”(非特許文献2)、又はOpt. Express,vol.22,13484,2014において公開された、H. Hua and B. Javadiによる論文“A 3D integral imaging optical see-through head-mounted display”(非特許文献3)を参照されたい。)。同じ程度の正確さで光を操作する可能性は、最先端の技術と比べて大発見となりうる。
誘電体レンズ及び金属−誘電体レンズのような、従来のフォーカシングデバイスの空間分解能は、アッベ回折限界(Abbe diffraction limit)によって制限されており、典型的には、ホスト媒体において1波長を超えない。同時に、サブ波長の分解能を必要とするか、又はそれから恩恵を受けることができる多くの用途が存在する(Journal of Computational Theory Nanoscience,Vol.6,pp.1979-1992,2009において公開された、A. Heifetez et al.による論文“Photonic nanojets”(非特許文献4)を参照されたい。)これは、サブ波長の分解能を可能にするフォーカシング部品の関心の高まりを説明する。
今日のモバイル及びウェアラブル技術に付随した他の重要な課題は、そのようなデバイスの更なる小型化の必要性にある。従来のレンズの動作原理は、当該分野における将来の進歩にとって障壁となる一定限界(〜10波長)を超えたそれらの寸法の縮小を回避する。特に、そのような制約は、光検出器の実装密度に関係し、よって、画像分解能の更なる改善にとってマイナスになる可能性がある。
最後に、従来のレンズの動作原理は、レンズとホスト媒体材料との間に一定の屈折率比を必要とする。屈折率比が高ければ高いほど、達成され得るレンズフォーカシング電力はますます高くなる。このため、ほとんどの場合に、レンズは空隙によって分離されている。これは、追加の空間を必要とし、スペース及びアライメントにおいてレンズ固定に伴う一定の困難さを引き起こす。完全一体型のシステムは、それらの問題を回避するのを助けることができる(上記の非特許文献4を参照されたい。)。
しかし、異なった屈折率を有するいくつかの誘電物質の組み合わせは、むしろ難しく、光透過性物質(光領域における典型的な屈折率値はn<2である。)の屈折率変動の有限な範囲及び技術的困難さの両方により常には実現可能でない。よって、代替の設計概念が必要とされている。
今日、最も一般的なフォーカシング要素は、ずっと以前に紹介された凸誘電体レンズのままである(図1(a)を参照。)。そのようなレンズは、レンズが十分な開口サイズを有しており且つその輪郭形状がレンズ材料及びホスト媒体の屈折率に対して適切に画定されているという条件で、レンズ表面から、FLと表記された一定の距離に位置する、FSと表記された密な焦点スポットにおいて、光を有効に集束させることができる。屈折誘電体レンズの動作原理はスネルの法則に基づく。この法則は、2つの媒体における異なった位相速度に起因したレンズの空気−誘電体境界での光線の傾き(屈折)を予測する。所望のフォーカシング機能を可能にするよう、レンズは、マイクロレンズの場合における数ミクロンからカメラ対物レンズの場合における数センチメートルまで変化する典型的な物理サイズを有して、ホスト媒体において少なくとも数波長の開口サイズを有さなくてはならない。それらの分解能は、アッベ回折限界によって制限され、典型的にはホスト媒体において1波長よりも大きい。
また、複数の同心環によって回折された波の干渉に依存した動作原理を有する一種のフレネル型(Fresnel-type)回折レンズも存在する(図1(b)を参照。)。の屈折レンズ(図1(a))と比べて、そのようなレンズはより薄いが、それらは、通常は、強い色収差(chromatic aberration)に苦しむ。それらの分解能は、屈折レンズと同じく、回折限界によって制限される。
既に上述されたように、遠方界(fa-field)フォーカシングシステム(例えば、屈折及び回折レンズ)の空間分解能は、〜λ/2n・sinαによって設定されたアッベ回折限界によって制限される。ここで、λは真空波長であり、nはホスト媒体の屈折率であり、αはレンズの半開口角である。よって、より高い分解能が、レンズ開口サイズを増大させることによって、又は焦点距離を低減させることによって、達成可能である。後者は、近傍界フォーカシングシステムへの関心の高まりを説明する。この関心はまた、最も高い可能な分解能により近接場光処理を必要とする種々の分野にわたって、ますます多くの用途によって強く支持されている(例えば、上記の非特許文献4を参照されたい。)。
今のところ、サブ波長の開口プローブ(L. Novotny et al.,“Near-field optical microscopy and spectroscopy with pointed probes”,Annu. Rev. Phys. Chem. Vol.57,pp.303-331,2006(非特許文献5)又はS. Y. Guo, J. M. LeDue, P. Grutter,“Fabrication of optical fiber probes for scanning near-field optical microscopy”,mSURJ,vol.3,no.1,2008(非特許文献6)を参照されたい。)、平面サブ波長パターン化構造(米国特許第8003965号(特許文献2)又はA. Grbic, L. Jiang and R. Merlin,“Near-field plates: subdiffraction focusing with patterned surfaces”,Science,vol.320,pp.511-513,2008(非特許文献7)を参照されたい。)、及びフォトニックナノジェットマイクロスフェア誘電体レンズ(S. -C. Kong et al.,“Photonic nanojet-enabled optical data storage”,Opt. Express,vol.16,No.18,2008(非特許文献8)又は米国特許第7394535号(特許文献3)(図1(c)に表されている。)又は上記の非特許文献4を参照されたい。)に基づく、利用可能ないくつかの近傍界フォーカシングシステムが存在する。最後の解決法(すなわち、ナノジェットマイクロスフェア(図1(c)))は、マイクロスフェアがサブ波長の分解能及び高水準の場強度増強(FIE(Field Intensity Enhancement)とも表記される。)を同時に提供することができるので、最も有効な解決法としばしば呼ばれる。図1(c)に示されるように、それらはナノジェットビームNBを生成することを可能にする。
魅力的な性能特性に関わらず、マイクロスフェアの使用は、それらの(i)正確な位置決め、(ii)他の光学部品との統合、及び(iii)確立されている平面製造技術との非互換性、に関する一定の困難さと関連している。それらの困難さは実現可能性に影響を及ぼし、ナノジェットに基づくデバイスの製造及び組立費用を増大させる。潜在的に、組立問題は、ナノスケールでパターン化された構造又は中空管を用いて解決され得る(米国特許第8554031号(特許文献4)を参照されたい。)が、そのような解決法は、いくつかの用途と互換性がないことがある。
ナノジェットマイクロスフェアレンズのための代替の解決法は、固体誘電立方体(SDC(Solid Dielectric Cuboids)と表記される。)に基づき最近提案された。V. Pacheco-Pena et al.,“Terajets produced by dielectric cuboids”,Applied Phys. Lett. Vol.105,084102,2014(非特許文献9)(且つ図1(d)によって表されている。)又はV. Pacheco-Pena et al.,“Multifrequency focusing and wide angular scanning of terajets”,Opt. Lett.,vol.40,no.2,pp.245-248,2015(非特許文献10)において実証されているように、平面波によって照射される場合に、SDCレンズも、立方体のサイズ及び形状が立方体材料の屈折率及び入射波長に対して適切に調整されるという条件で、サブ波長寸法を有して、マイクロスフェアについて観測されるナノジェットビームと同様の集光ビームTBを生成することができる。上記の非特許文献9に従って、最良の空間分解能(λがホスト媒体における波長であるとして、λ/2)及び場強度増強(〜10倍)は、ホスト媒体における約1波長の寸法及び屈折率比n/n〜1.5によりSDCについて達成される。ここで、nはホスト媒体の屈折率であり、nは立方体材料の屈折率である。
SDCレンズの長方形形状は、いくつかの平面製造法(例えば、微細加工又はリソグラフィ)にとっては利点となり得るが、光領域で動作するSDCレンズの製造は、次の制約により困難であるか、又は不可能でさえあり得る:
・ 立方体のサイズ及び形状に課される厳しい要件、
・ 所望の屈折率を有する材料の欠如(光領域では、ホスト媒体として使用され得る一般的な光学ガラス及びプラスチックの屈折率がn≒1.3から最大で2.0まで変化し、一方で、非特許文献9に従って、立方体レンズの屈折率の所望の値は、標準の光学材料についての範囲の外にあるn〜2.25であるべきである(標準のガラスについての屈折率値n≒1.5及び推奨される比n/n=1.5から得られる。)、
・ 空間内にそのようなレンズの位置を設定するために提供される解決法がないこと。これは、立方体の小型サイズのために重要な点である。
議論の完全のために、光領域で利用可能な近傍界解増強のための1つ以上の代替の解決法について述べる価値がある。この解決法は、表面プラズモンポラリトン(SPPと表記される。)として知られている現象に基づく。SPP現象は、非常に高い場強度によりサブ波長のホットスポットが生成されることを可能にする。
特に、SPPに基づく部品は、カラーフィルタリング及び表示技術において用途を見出す(Y. Gu et al.,“Plasmonic structures color generation via subwavelength plasmonic nanostructures”,J. Nanoscale,vol.7,pp.6409-6419,2015(非特許文献11)を参照されたい。)。しかし、SPP場は、金属に密結合され、表面から離れて指数関数的に減衰する。これは、‘長距離通信’又は遠方界ビームフォーミングを必要とする光学システムのためのSPPデバイスの使用を妨げる。更に、SPPは、次のものを含む特定の条件の下でしか励起され得ない:
・ 金属の特定の材料特性(すなわち、可視光スペクトルにおいていくつかの貴金属にのみ内在する比誘電率の負実数部)、
・ 入射場における法線電界成分、及び
・ SPPランチャーの使用(例えば、誘電体プリズム又は格子)。
それらの制約は常に受け入れられるわけではない。
上記に基づき、既存のフォーカシング方法及び部品の夫々は、特定の制限に苦しみ、よって、今日及び将来のマイクロ及びナノ技術のニーズを十分には満たさない。利用可能なフォーカシングデバイスの全て(又は少なくとも一部)に固有であるいくつかの制限は、次のものと関連している:
・ 部品の物理寸法、
・ 限られた空間分解能、
・ 誘電物質の限られた選択(限られた屈折率変動範囲)
・ いくつかの製造/集積の困難性、
・ デバイスの動作原理と関係があるそれらのデバイスの性能特性(例えば、色収差及び/又は偏光感度応答)における特定の制限。
従って、近距離領域内の場強度パターンに対する、特に、近距離領域内での集束電磁波及びビームフォーミングのための、制御を可能にする技術であって、前述の欠点を示さない技術を提供することが望まれている。
米国特許第8953064号 米国特許第8003965号 米国特許第7394535号 米国特許第8554031号
"A full-color eyewear display using planar waveguides with reflection volume holograms",H. Mukawa et al.,the proceedings of SID,vol.17,no.3,pp.185-193,2009 "Efficient colour splitters for high-pixel density image sensors",S. Nishiwaki et al.,Nature Photonics,vol.7,pp.240-246,2013 "A 3D integral imaging optical see-through head-mounted display",H. Hua and B. Javadi,Opt. Express,vol.22,13484,2014 A. Heifetez et al.,"Photonic nanojets",Journal of Computational Theory Nanoscience,Vol.6,pp.1979-1992,2009 L. Novotny et al.,"Near-field optical microscopy and spectroscopy with pointed probes",Annu. Rev. Phys. Chem. Vol.57,pp.303-331,2006 S. Y. Guo, J. M. LeDue, P. Grutter,"Fabrication of optical fiber probes for scanning near-field optical microscopy",mSURJ,vol.3,no.1,2008 A. Grbic, L. Jiang and R. Merlin,"Near-field plates: subdiffraction focusing with patterned surfaces",Science,vol.320,pp.511-513,2008 S. -C. Kong et al.,"Photonic nanojet-enabled optical data storage",Opt. Express,vol.16,No.18,2008 V. Pacheco-Pena et al.,"Terajets produced by dielectric cuboids",Applied Phys. Lett. Vol.105,084102,2014 V. Pacheco-Pena et al.,"Multifrequency focusing and wide angular scanning of terajets",Opt. Lett.,vol.40,no.2,pp.245-248,2015 Y. Gu et al.,"Plasmonic structures color generation via subwavelength plasmonic nanostructures",J. Nanoscale,vol.7,pp.6409-6419,2015
“1つの実施形態”、“実施形態”、“例となる実施形態”との明細書中の言及は、記載される実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、あらゆる実施形態が必ずしもその特定の特徴、構造、又は特性を含まなくてよいことを示す。更に、そのような語句は、必ずしも、同じ実施形態に言及するわけではない。更には、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態に関連して記載される場合に、明示的に記載されていようとなかろうと、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、又は特性に作用することは、当業者の知識範囲内にあると考えられる。
本開示は、デバイスに入射する電磁波から近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成する前記デバイスを対象とする。そのようなデバイスは、少なくとも部分的に第1要素を有する誘電物質の少なくとも1つの層を有し、前記第1要素は第1屈折率値を有し、前記第1要素は、少なくとも部分的に第2要素を有し、該第2要素は、前記第1屈折率値よりも大きい第2屈折率値を有し、前記第2要素は、前記電磁波の到来方向に対して画定された少なくとも1つのベース面を有し、該少なくとも1つのベース面は、少なくとも2つの向かう合う稜線を有し、それらの形状及び、前記少なくとも1つのベース面と前記第2要素の側面との間の関連する底角は、前記少なくとも1つのベース面に対する垂直面において、前記少なくとも1つの集束ビームの形状を制御する点で、注目に値する。
よって、本開示は、誘電体層内の特定構造(特定の特徴を具備した第1層及び第2層の組み合わせに対応。)に従って入射電磁波から生成された少なくとも1つの集光ビーム(いわゆる、ナノジェット)により近距離領域内で場強度パターンを形成する技術を提供する。
実際に、ベース面の形状(その稜線を含む。)、底角の値、並びに第1要素及び第2要素の屈折率値に従って、前記電磁波を受けるそのような第1要素及び第2要素の近距離領域内で異なる電磁界パターンを生成することが可能である。
そのようなデバイスは、反転モードでも働くことができる点が留意されるべきである。デバイスが、ナノジェット領域内で構造体に近接近して位置する局所源によって照射される場合に、そのようなデバイスは、源による電磁波放射の非平面波面を、例えば、それを局所平面波に変換することによって、補正することができる。
そのようなデバイスは、モバイルテクノロジ(例えば、スマートフォン、タブレット、AR及びVRメガネ)内の必須コンポーネントである写真/ビデオカメラで使用される集積光学センサのような、密な光学及び光通信システムでの従来のフォーカシングデバイスを置換することができる。
好適な実施形態において、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成する当該デバイスは、前記第2要素が
円筒、
角柱、
錐体
を含むグループに属する幾何学形状を有することを目標とされ、前記幾何学形状が、任意の断面を有する点において注目に値する。
好適な実施形態において、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成する当該デバイスは、前記幾何学形状が、傾いており、及び/又は頂部が平面で切断されており、及び/又は丸みのある上面を有する点で注目に値する。
好適な実施形態において、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成する当該デバイスは、λが前記第2要素の物質内の前記電磁波の波長であるとして、前記少なくとも2つの向かい合う稜線の間の距離が少なくともλ/2の最小長さを有する点で注目に値する。
好適な実施形態において、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成する当該デバイスは、前記少なくとも1つのベース面の稜線が、直線又は湾曲した凸線によって近似され得る少なくとも2つの向かう合う稜線セグメントを有し、λが前記第2要素の物質内の前記電磁波の波長であるとして、各線が少なくともλの長さを有する点で注目に値する。
好適な実施形態において、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成する当該デバイスは、前記誘電物質が、前記第2屈折率値に等しい第3屈折率値を有する点で注目に値する。
好適な実施形態において、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成する当該デバイスは、前記第1要素が、前記電磁波の到来方向に対して画定された少なくとも1つの第1ベース面と、前記誘電物質の少なくとも1つの層と接続された第1側面とを有し、前記少なくとも1つのベース面の縁部の稜線セグメントの夫々と前記第1側面との間の最小距離が、前記第1要素内の前記電磁波の少なくとも2分の1波長に等しい点で注目に値する。
好適な実施形態において、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成する当該デバイスは、前記第1要素が、
円筒、
角柱、
錐体
を含むグループに属する幾何学形状を有することを目標とされ、前記第1要素の幾何学形状が、任意の断面を有する点で注目に値する。
好適な実施形態において、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成する当該デバイスは、前記誘電物質の層と当接するサブストレートを形成する少なくとも1つの層を更に有する点で注目に値する。
好適な実施形態において、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成する当該デバイスは、スーパーストレートを形成する少なくとも1つの層を更に有し、前記誘電物質の少なくとも1つの層が、前記サブストレートと前記スーパーストレートとの間にある点で注目に値する。
好適な実施形態において、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成する当該デバイスは、前記サブストレート及び前記スーパーストレートが、前記誘電物質の少なくとも1つの層と同じ誘電物質から作られる点で注目に値する。
好適な実施形態において、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成する当該デバイスは、夫々の誘電物質が、
ガラス、
プラスチック、
ポリマー材料
を含むグループに属する点で注目に値する。
好適な実施形態において、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成する当該デバイスは、前記スーパーストレートの材料が、
ガラス、
プラスチック、
ポリマー材料、
液体、
気体
を含むグループに属する点で注目に値する。
好適な実施形態において、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成する当該デバイスは、前記第1要素が、前記誘電物質の少なくとも1つの層において形成された空洞である点で注目に値する。
好適な実施形態において、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成する当該デバイスは、前記スーパーストレートが気体又は液体である場合に、前記空洞が同じ気体又は液体で満たされる点で注目に値する。
好適な実施形態において、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成する当該デバイスは、前記第1要素のサイズが、前記少なくとも1つの集束ビームの形状を更に制御する点で注目に値する。
本開示の他の実施形態では、デバイスに入射する伝播電磁波から近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイスが提案される。このようなデバイスは、少なくとも部分的に第1要素を有する誘電物質の少なくとも1つの層を有し、前記第1要素は、第1屈折率値を有し、前記第1要素は、少なくとも部分的に第2要素を有し、該第2要素は、前記第1屈折率値よりも大きい第2屈折率値を有し、前記第2要素は、前記電磁波の到来方向に対して画定された少なくとも1つのベース面を有し、該少なくとも1つのベース面は、前記第2要素において段差が形成される稜線を有し、前記段差の側面の少なくとも部分は、前記ベース面に垂直な方向に対して傾いた底角を有する。
好適な実施形態において、前記稜線は、少なくとも部分的に曲線セグメントから成る。
好適な実施形態において、前記稜線は、閉曲面を画定する。
好適な実施形態において、前記第2要素は、角柱又は錐体又は円筒の中の幾何学形状を有することを目標とされる。
本発明の上記及び他の態様は、添付の図面を参照して、それらの例となる実施形態の以下の詳細な説明によって更に明らかになるだろう。
(a)〜(d)は、屈折レンズ、回折レンズ、ナノジェットマイクロレンズ、及びテラジェット固体立方体レンズの動作原理を表す概略図である。 段差を有する誘電体層によって生成されるナノジェットビームの概略図であり、図2(a)が側面図であり、図2(b)及び(c)が2つの代替実施形態に従う上面図である。 (a)〜(c)は、z軸に沿って(すなわち、図の面から)伝播する平面波によって照射される、異なった断面を有している3つの例となる円筒空洞についての撮像面における場強度分布の概略図である。 本開示の実施形態に従って誘電物質の層で形成される空洞のトポロジ及び表記法を表す。 (a)〜(e)は、異なる波長で平面波によって照射される場合に、円筒形状を有する図4の中空円筒空洞によるナノジェットビームの形成を表す(n=1.49、n=1)。 図5(a)〜(e)のナノジェットビーム放射角の解析を提供する。 図5(a)〜(e)のナノジェットビーム放射角の解析を提供する。 (a)及び(b)は、本開示の少なくともいくつかの実施形態の基礎にある複合電磁現象を表す。 (a)〜(c)は、本開示の実施形態に従って、下から単位振幅平面波によって照射される場合に、異なる高さの中空円筒空洞によって生成されるナノジェットビームの近傍界マップを表す(n=1.49、n=1)。 (a)〜(d)は、XZ平面における単位振幅E平面波の入射の種々の角度の下で中空円筒空洞によって生成されるナノジェットビームを示す(n=1.49、n=1)。 (a)及び(b)は、本開示の実施形態に従って、種々のホスト媒体について観測されるナノジェットビーム現象を表す。 本開示の実施形態に従って、断面境界の異なる形状、すなわち、(a)円形、(b)正方形、(c)8の字、及び長方形を夫々が有している、4つの例となる円筒空洞を示す。 (a)〜(d)は、図12の各空洞についての対応するシミュレーションされた近傍界マップを示す。 本開示の1つの実施形態に従って、単芯円筒(図14(a))から、ホスト媒体で満たされたコアを備えた二重層環状構造(図14(b))への空洞の変形の概略図を提示する。矢印は、空洞のベース稜線の異なるセグメントで起こるナノジェットビームの伝播方向を概略的に示す。 (a)及び(b)は、本開示の1つの実施形態に従って、環状ナノジェットレンズのトポロジ及び表記法を提示する。 本開示の1つの実施形態に従う環状ナノジェットレンズを提示し(n=1.49、n=1)、(a)は、側面図及び表記法を示し、(b)は、寸法L=740nm、R=370nm、W=500nmを有するレンズについてのz軸に沿った電力密度分布を示し、(c)は、xz平面(y=0)における電力密度分布を示し、(d)は、xy平面(上面からz=80nm)における電力密度分布を示す。 寸法R=370nm、W=500nmと、屈折率n=1.49、n=1と、可変な高さとを有し、λ=550nmで単位振幅平面波によって照射される本開示の1つの実施形態に従う環状ナノジェットレンズの近傍界特性を提示し、(a)は、z軸に沿った電力密度分布を示し、(b)〜(e)は、L=370、550、740及び1100nmのレンズ高さについてのxz(y=0)平面における電力密度分布を示す。 寸法L=740nm、R=370nm、W=500nm及び屈折率n=1、n=1.49を有し、異なる入射角の下でλ=550nmを有する単位振幅平面波によって照射される、本開示の1つの実施形態に従う環状ナノジェットレンズについての電力密度分布を、(a)x軸(y=z=0)に沿って、(b)〜(e)夫々0°、10°、20°、30°の入射角についてxz平面において、提示する。 寸法L=740nm、R=370nm、屈折率n=1、n=1.49、及び環の可変な幅を有し、λ=550nmで単位振幅平面波によって照射される、本開示の1つの実施形態に従う環状レンズによって生成される種々のナノジェットビームを提示し、(a)は、z軸に沿った電力密度分布を示し、(b)は、環の幅に対するx軸に沿った電力密度の最大値(曲線190;左の軸)及び焦点距離(曲線191;右の軸)を示す。 寸法L=740nm、R=370nm、屈折率n=1、n=1.49、及び環の可変な幅を有し、λ=550nmで単位振幅平面波によって照射される、本開示の1つの実施形態に従う環状レンズによって生成される種々のナノジェットビームを提示し、(c)〜(f)は、W=250、500、750、及び1000nmについてのxz平面における電力密度分布を示す。 寸法R=370nm、L=370nm、屈折率n=1、n=1.49、及び環の可変な幅を有し、λ=550nmで単位振幅平面波によって照射される、本開示の1つの実施形態に従う環状ナノジェットレンズについての種々の電力密度分布を、(a)z軸に沿って、(b)〜(e)夫々W=125、250、370、及び500nmについてxz平面において、提示する。 (a)〜(c)は、寸法R=370nm、L=370nm、W=500nm、屈折率n=1、n=1.49、及び可変な環幅を有し、(a)λ=450nm、(b)λ=550nm、(c)λ=650nmで単位振幅平面波によって照射される環状ナノジェットレンズについてのxz平面における種々の正規化された電力密度分布を提示する。 (a)〜(c)は、図21の同じ波長について、寸法R=370nm、L=740nm、W=500nm及び屈折率n=1、n=1.49を有し、(a)λ=450nm、(b)λ=550nm、(c)λ=650nmで単位振幅平面波によって照射される環状ナノジェットレンズについてのxz平面における種々の正規化された電力密度分布を提示する。 (a)は、円環及び正方環を有する環状ナノジェットレンズのジオメトリを示し、(b)は、円形断面及び矩形断面並びにL=740nm、R=370nm、L=L=2(R+W)の寸法を有し、λ=550nmで単位振幅平面波によって照射される環状ナノジェットレンズについてのz軸に沿った電力密度分布を示し、(c)及び(d)は、xz平面における両方のレンズについての電力密度分布を示す。 レンズコア半径及び高さに対する、環状レンズ正面の近くに位置する固定点(0,0,100nm)での電力密度の等高線図を開示する。レンズは、W=500nmの固定幅の環を有し、単位振幅平面波によって照射される。媒体の屈折率は、(a)n=1、n=1.49、及び(b)n=2.0である。 例となる環状ナノジェットレンズの種々のトポロジを提示する。 (a)〜(d)は、異なる断面、すなわち、(a)円形:R=370nm、(b)正方形:L=L=2R、(c)8の字:中心間の距離d=Rを有してR=370nm、(d)長方形:L=8R、L=2R、のコア円筒を有し、λ=550nmで単位振幅平面波によって照射される環状ナノジェットレンズ(L=740nm、W=500nm、n=1、n=1.49)についてのxz平面及びxy平面における電力密度分布を提示する。 図26で提示される、異なる断面のコア円筒を有する環状ナノジェットレンズについて、z軸(x=y=0)に沿った種々の電力密度分布を提示する。 (a)〜(d)は、図25で提示される、異なる断面を有する環状ナノジェットレンズについて、xz軸及びyz軸に沿った種々の電力密度分布を提示する。 本開示の1つの実施形態に従うナノジェットフォーカシング要素の使用を提示する。 本開示の1つの実施形態に従う第2要素の2つの異なるビューを提示する。 本開示の1つの実施形態に従う第2要素であって、そのベース稜線が、(少なくとも)2つのナノジェットビームの生成に寄与する(少なくとも)2対の向かい合う稜線セグメントを有しているものを提示する。 入射電磁波の伝播と平行である面による(もっと正確に言えば、その場合に、誘電体層の底面に対する法線入射電磁波との)、本開示に従うデバイスの一部の交差を提示する。 (a)〜(d)は、法線入射電磁波の伝播と平行である面による(もっと正確に言えば、その場合に、誘電体層の底面に対する法線入射電磁波との)、本開示に従うデバイスの一部の種々の結果として起こる交差を提示する。 単位振幅平面波によって照射される、本開示の1つの実施形態に従うデバイス(又は環状ナノジェットレンズ)によって生成されるナノジェットビームの概略図を提示し、平面波は、(a)では、z軸に沿って下から入射し、(b)では、x軸に沿って左から入射する。第1要素からの矢印はナノジェットビームを示す。(c)は、本開示の1つの実施形態に従う(すなわち、リング構造を有する。)デバイスが(x軸に沿って)左から照射される場合に、xz平面における電力密度分布を提示する。 本開示の1つの実施形態に従うデバイスの性能を制御するために使用され得るデバイスの一例を提示する。
本開示の1つの実施形態において、背景技術で述べられた制限を解消するために、中空構造体の仕様に基づく近傍界フォーカシング及びビームフォーミングのための技術が提案される。
実際に、本開示の発明者は、表面において水平面の急な変化(段差と呼ばれる。)を有する誘電物体での平面電磁波の回折が、段差の近くで起こって、より高い屈折率値を有する媒体の方へ向けられる集光ビーム(いわゆるナノジェット)の形成を生じさせ得るという結論に達した。ビームの数及び夫々の個々のビームの形状は、段差稜線の形状及び段差サイズの変化によって制御され得る。一方、夫々の個々のビームにおける場強度増強及びビーム放射角は、段差の近くにある物体の境界での屈折率比及び段差底角の変化によって制御され得る。
フレネル理論によって予測されるよく知られた回折ビームと異なって、ナノジェットビームは‘低分散’(low-dispersive)である(それらは、全く又はほとんど波長依存性を示さない。)。更に、本開示に従うナノジェットフォーカシング部品(又はデバイス)は、

複数の‘独立した’ビーム(同じ又は同じでない形状を有している。)を生成することができる。これは、フレネル回折レンズによっては不可能である。そのような独自の特徴は、本開示に従うナノジェットに基づいたフォーカシング部品(又はデバイス)を、多くの今日及び将来の用途のために魅力的なものにする。
図2乃至11は、本開示に従うナノジェットビームの形成を説明する物理現象を理解することを可能にする。
図2は、誘電体層112の表面の位置で急な変化が起こることでその層で段差が形成されるところの本開示の実施形態を表す。図2(a)は、誘電体層112の側面図を示す。図2(b)及び2(c)は、直線的な稜線(図2(b))及び曲線状の稜線(図2(c))を有する段差の場合における上面図を夫々示す。
図2(a)に示されるように、デバイスは、誘電体層112の底面に直交する伝播ベクトルを有してz軸に沿って下からデバイスに入射する平面波20によって照射される。図2(b)及び2(c)において破線矢印で概略的に示されるように、ナノジェットビーム55は、水平部分120及び側面部分121(任意の底角を形成するようにz軸に対して傾いていてもよい。)を有する段差の底稜(base edge)で発生する。
22乃至24で参照されるスポットは、撮像面21で形成される近傍界分布における対応するホットスポットを示す。図2(c)で観測される2つのホットスポット23、24による特定の場分布は、2つの独立したナノジェットビームの形成に関与する2つの凹セグメントを有する段差稜線の形状に関連する。
空洞の境界の湾曲は、ナノジェットビームの形状、位置、及び場強度増強レベルを変更するツールである。
図3は、異なる断面を有している3つの例となる円筒空洞についての撮像面21における場強度分布の概略図を提示する。より厳密に言えば、図3(a)は、円形断面を有する空洞111aを示し、破線矢印は、ナノジェットビームがこの空洞111aのベース端で起こることを概略的に示す。環551は、円形ベース稜線の異なるセグメントに関連したナノジェットビームにより形成される近傍界分布におけるホットスポットを示す。
図3(b)は、非対称な空洞111bを示し、xy平面におけるその断面はどことなく三角形であるが、三角形の3つの辺のうちの1つがくぼんでいる。このようなおよそ三角形の空洞111bは3つのスポット552、553及び554をもたらし、そのうちの1つ(554)は、凹面のおかげで増強される。
図3(c)は、5つの直線又は凹セグメントを有している任意形状である空洞を示す。スポット555乃至559は、破線矢印によって概略的に示されるように、段差の底稜で起こるナノジェットビームにより形成される近傍界分布におけるホットスポットを示す。図3(c)で観察される5つのホットスポットを有する特定の場分布は、5つの独立したナノジェットビームの形成に関与する5つの直線又は凹セグメントを有する稜線の特定の形状と関係がある。
図4は、誘電物質の層の表面で形成された段差が、実際には、誘電物質の層112で作られた空洞111の縁部であるところの本開示の実施形態を表す。本開示は、当然に、そのような実施形態に制限されず、誘電物質の表面での水平面の如何なる急な変化も、物理現象を発生させるために十分である。これについては以降で記載される。そのような段差は、実際には、無限サイズの空洞の縁部と見なされ得る。
空洞の場合に、フォーカシング機能は、全体の構造ではなく、段差不連続の基本セグメントと関係があるべきであることが理解されるべきである。段差不連続の他のセグメントは、(i)無限段差線の場合において見られるような、広い一様な“刀身様”のナノジェットビーム(図2(b))、又は(ii)任意の大きい円筒空洞の場合における環(図3(a))、又は(iii)任意形状の空洞の曲線縁によって生成される異なる形状の任意数の局所ビーム(図3(b)及び3(c))、を全て一緒に形成し得る他のナノジェットビームの形成に寄与し得る。
簡単のために、我々は、従って、以降、図4に表されているもののような、誘電物質の層112で形成された空洞111の例に焦点を当てる。
観察され得るように、そのような空洞は、任意形状の断面を有する円筒である。円筒空洞によって、ここでは、且つ、本文書の全体を通して、形状が円筒である、すなわち、閉じられた2次元曲線を曲線の面と交差する軸に沿って投影することによって生成された面である空洞が意図される。すなわち、このような円筒は、直円柱に限られず、如何なるタイプの円筒も対象とし、特に、もっぱらそれだけではないが、例えば、立方体又は角柱を含んでよい。
空洞はまた、錐体の形を有してもよい。その主軸は、空洞の底面に直交するか、又は傾いてよい。製作公差に起因して、空洞はまた不完全な形を有してもよく、例えば、円筒として成形されることを目標とする空洞は、製造過程中にS字形断面を有する円錐形の空洞になり得ることが理解されるべきである。
より一般的には、そのような空洞は、任意の断面を有する円筒又は錐体として形成され、その形は、所望の近傍界パターン、すなわち、xy平面(典型的には、入射波伝播方向に対して直交する。)における所望の場強度分布を生成するために適応(最適化)され得る。このパターンは、同じ(又は異なった)場強度レベルを有する1つ又は複数のホットスポットを有してよい。
非対称な空洞も可能である。例えば、xy平面における断面が三角形である空洞は3つのスポットを生成する。それらのうちの1つは、図に関連して更に詳細に説明されるように、対応する面が凹面である場合に増強され得る。
図4は、本明細書において以降で使用されるいくつかの表記法を与える。観察され得るように、空洞は、屈折率nのホスト媒体“媒体1”112において浸漬され、n<nであるような屈折率nの物質(空気、気体、誘電体、ポリマー材料、など)“媒体2”で満たされている。
例えば、空洞は、真空(n≒1)により満たされており且つ例として屈折率n=1.49を有する同質の非分散誘電物質に埋め込まれた円筒形の形を有することができ、そして、正z軸方向において伝播する直線偏光単位振幅平面波E=1によって照射される(表記法については図4を参照されたい。)。
図5は、この平面波によって照射される場合に、そのような空洞によるナノジェットビームの形成を表す。より厳密には、図5(a)乃至5(e)は、入射電磁波の異なる波長、すなわち、λ=450、500、550、600及び650nmに夫々対応し、

P=E /2η≒1.3nE [mw/m] (式1)

と定義される時間平均ポインティング(Poynting)ベクトルによって特性化される電力密度に関してプロットされたXZ平面における近傍界マップを示す。ここで、Eは電界の振幅であり、ηは媒体における波動インピーダンスであり、nはホスト媒体の屈折率である。式(1)に従って、屈折率nを有する誘電体ホスト媒体において伝播する単位振幅平面波に関連した電力密度値は、P≒1.3n[mW/m]に等しい。以降、この値は、対応するホスト媒体において埋め込まれている様々なタイプのナノジェットレンズを用いて達成される相対的な場強度増強(FIE)の定義のための基準と見なされる:

FIE=P/P[a.u.] (式2)

ここで、Pは、時間平均ポインティングベクトルによって特性化されるシミュレーションされた電力密度であり、Pは、同じホスト媒体において伝播する単位振幅平面波の基準電力密度である。
図5で観察され得るように、ナノジェットビームの形状及びその方向は、広い波長範囲において安定したままである。ナノジェットビーム放射角の詳細な解析は、図6及び7で報告される。図6は、図5の5つの異なる波長について、z=z−Lとして定義される3つの異なる面でのXZ平面内のポインティングベクトルを表す。図7は、波長の関数として図6における極大の位置に基づき計算されたナノジェットビーム放射角を表す。
近傍界マップから抽出されたそれらのデータは、ナノジェットビーム放射角の変化が、少なくとも450乃至750nmの波長範囲について3°を超えないことを明らかにする。図6から明らかなように、角度変化への主たる寄与は、円筒の上のビームチルトに由来し(zが空洞底面に対して画定された撮像面の相対位置、すなわち、z=z−Lであるとして、z=1500nm)、一方、(z=500nmでの)ビーム形状は、波長範囲全体について安定したままである。そのような挙動は、フレネル型の回折レンズにとっては一般的でなく、よって、詳細な説明を必要とする。
ナノジェットビームの起源は、中空空洞の底稜の近くで(あるいは、より一般的には、誘電物質の表面内の水平面の急な変化の近くで)起こる3つの電磁現象、すなわち、
・ 空洞のベース120に(あるいは、より一般的には、ホスト媒体において形成された段差のより低い位置の表面に)関連した屈折率−段差不連続からの回折、
・ 空洞の側面端121での(あるいは、より一般的には、段差の外側面での)回折波の屈折、及び
・ 空洞の外での(あるいは、より一般的には、ホスト媒体での)入射面波と屈折波との干渉
の組み合わせによって説明され得る。
それら3つの現象を図解する概略図が図8に与えられている。図5、6及び7と同様に、我々は、ホスト媒体が、屈折率n=1.49を有する光透過性の非分散誘電物質(例えば、プラスチック又はガラス)であり、空洞が、真空又は空気、n=1により満たされている、と仮定する。入射平面波は、図において下から届く。
図8(a)及び8(b)で表されている複合電磁現象の重要な要素は、次のものである:
・ 入射平面波は、空洞ベースに関連した誘電体−空気境界120で(又は、より一般的には、ホスト媒体の表面における水平面の急な変化によって引き起こされるホスト媒体での屈折率の段差に達する場合に)電流を誘導する。
・ そのような誘導された電流は、ホイヘンス(Huygens)2次ソース50乃至53と見なされる。
・ 回折理論に従って、ホイヘンスソースによって放射された球面波54は、‘影領域’に向かう、すなわち、空洞の側面境界121を超えるいくらかの電力漏れを引き起こす。
・ 側面(垂直)境界を横断するときに、ホイヘンスソースによって放射された波は、スネル−デカルトの法則に従って特定の角度での屈折波の傾きを引き起こす屈折を経験する。
・ 図8(b)で、我々は、空洞の外で波面が空洞ベースラインに沿った異なるホイヘンスソース位置について同時に起こって、局所的な場増強を生じさせることに気付くことができる。そのような面の平面形状は、空洞の外から伝播する指向性ビームの生成を証明する。
・ 最後に、空洞の外で、屈折波は、ナノジェットビーム55を生じさせるように、下から入射する平面波と建設的に干渉している56、57。
ナノジェットビーム生成は、従って、事実上非分散的である現象、すなわち、(i)エッジ回折、(ii)2つの誘電物質のインターフェイスでの波の屈折、及び(iii)干渉、によって説明される。これは、ビームの形状及びその放射角が、図5(a)乃至5(e)において観察され得るように、波長に対して安定したままである理由を説明する。
更に、ナノジェットビーム放射角は、スネルの法則によって定義され、よって、単に、2つのパラメータ、すなわち
(i)ホスト媒体及び空洞物質の屈折率の間の比、及び
(ii)空洞の底角
の関数である。簡単のために、前述において、我々は、90°に等しい底角を有し、よって、垂直端を備えた円筒形状を有している空洞のみを考える。
最後に、ナノジェットビームフォーミング現象は、空洞の縁部(全開口でない。)に関連し、空洞断面に直交する2次元垂直平面において起こる(表記法については図4を参照されたい。)。
図8(b)から分かるように、空洞外側の屈折波の平面波面の形成への主たる寄与は、空洞の側面端121の近くに位置するホイヘンスソース50〜53に由来する。このため、空洞の外へ放射される波の放射角は、外側から同じ境界に入射する波の臨界角に近い(図8(a)):

θ≒θTIR (式3)

ここで、θTIR=sin−1(n/n)は、屈折率n及びnを有するジオプターのための臨界角である。
ナノジェットビーム55は、最終的に、屈折波と下から入射する平面波との間の干渉の結果として生成される。よって、ナノジェットビームの放射の角度(θ)は、図8(a)に概略的に示されるように2つの波のベクトル和によって定義される。そのような考慮事項は、ナノジェットビームの放射角のための次の近似式に導く:

θ≒((π/2)−θTIR)/2 (式4)
式(4)に従って、屈折率n=1.49(θTIR=41.8°)を有するホスト媒体の場合に、ナノジェットビーム放射角は、全波シミュレーションで観測されるよりもわずかに大きいθ〜24°であるべきである(図5を参照。)。この差は、定性解析で行われた仮定によって説明される。第1に、この解析は、回折/屈折波及び入射平面波の振幅の差を考慮しない。第2に、それは、空洞側面端で全内面反射(total internal reflection)を受ける、外側から空洞端の近くに位置するホイヘンスソースによって発射された光線を考慮しない。全反射されると、それらの光線も、ナノジェットビームの形成に寄与する。それら2つの効果は全内面反射現象に関係があり、よって、スネル/フレネルモデルを用いて正確には特徴付けられ得ない点に留意されたい。とは言え、それらの効果のいずれも、(i)2つの媒体の屈折率の比に依存し、(ii)ナノジェット放射角を小さくする。よって、実際のナノジェット放射角は、式(4)によって予測されるものよりも小さくなり得る。
図9(a)乃至9(c)は、下から単位振幅平面波によって照射される場合に異なる高さ((a)H=L=370nm,(b)H=L=740nm,(c)H=L=1110nm)の円筒空洞(n=1.49,n=1,R=370nm)によって生成されるナノジェットビームの近傍界マップを表す。観察され得るように、ナノジェット現象は、ホスト媒体において約1波長から数波長まで変化する空洞サイズ(すなわち、λ/2<L<3λ)についてよく目立つ。
最低限の高さは、ナノジェットビームを生じさせる図8(b)に表されている平面波面60を形成するのに必要とされる。しかし、空洞の高さ(すなわち、段差の高さ)は、ナノジェットビームがフォーカシング部品又はデバイスの外で有用であるために、ナノジェットビームの長さと比較して大きすぎてはならない。
図9(a)乃至9(c)に示されるように、ナノジェットビームの長さは、空洞の形状及びサイズに応じてホスト媒体において数波長から複数波長まで変化し得る。
図8(b)の2次元光線追跡解析に基づき、ナノジェットビームの形成における主たる寄与は、空洞の外側面(すなわち、段差の側面部分)の近くに位置する供給材料に由来する。ナノジェットビームの形成に関与する対応する‘有効口径’は、空洞内に向かって側面端から数えられるべきである空洞内部の媒体における波長の約2分の1(λ/2)として推定される。任意の形状を有する空洞について、この開口は、入射波伝播方向に直交する面において、空洞稜線Sに直交する線に沿って画定されるべきである(図4を参照。)。
2次元の場合に(いずれかの垂直断面に対応してよく、例えば、xz平面内)、ナノジェットビーム形成のおかげで達成される局所的な場強度増強(FIE)は、入射平面波と比べて約2倍である(定義については式(2)を参照されたい。)。より大きいFIEは、更に詳細に以降で説明されるように、空洞断面の形状、特に、空洞稜線Sの形状を変更することによって、達成され得る。
半電力でのナノジェットビーム幅(BWHP)は、空洞の形状に応じて、約λ/2(およそアッベ回折限界)から数波長及びそれ以上まで変化することができる。
図10(a)乃至10(d)は、XZ平面における単位振幅平面波の入射の異なる角度、すなわち、図10(a)でのθ=0°、図10(b)でのθ=10°、図10(c)でのθ=20°、及び図10(d)でのθ=30°の下で中空円筒空洞(n=1.49,n=1,L=740nm,R=370nm)によって生成されるナノジェットビームを示す。
XY平面における近傍界パターンの対称性(図10(a)を参照。)は、ビーム形状及び放射角が入射波のTE(Transverse Electric)及びTM(Transverse Magnetic)の両方ともの偏光についてほぼ一定のままであることを明らかにする。
更に、傾斜入射の場合に、図10において、ビーム放射角は、平面波の入射の角度に対応して変化することが観察され得る。ビームの形状及び場強度増強は、約θまでの入射角についてほぼ一定のままである。
図11は、標準の光学プラスチック及び標準の又はドープされたガラスを含む異なるホスト媒体について観察されるナノジェットビーム現象を表す。そのようなナノジェットビームは、同じ物理寸法(n=1,L=740nm,R=370nm)を有するが、図11(a)では屈折率n=1.49の、図11(b)では屈折率n=2.0のホスト媒体に埋め込まれている中空円筒空洞によって生成される。
図2乃至11に表されているナノジェット形成現象の理解は、フォーカシング部品、ビームフォーミング部品、又はより一般的には、近距離領域内で所望の場強度分布を形成するための部品(又はデバイス)として使用され得る興味深いデバイスを設計することを可能にする。そのような部品は、入射平面波を1つ以上の独立したビームに変換するために、又は反対に、電磁波の対称な経路特性に従って、入射波ビーム(その波長は何であれ)を局所平面波に変換するために、使用されてよい。
本開示において上述されたように、ナノジェットビームの形成は、誘電物質の層における段差の側面部分に、又は空洞の側面端(しかし、その全開口ではない。)に関連する。空洞の断面の形状Sを最適化することによって、この空洞によって生成されるナノジェットビームの形状を制御することが可能である。
図12は、断面境界の異なる形状、すなわち、(a)円形、(b)正方形、(c)8の字、及び(d)長方形を夫々が有している円筒空洞の4つの例を示す。破線矢印は、それらの空洞が、図の面から、z軸に沿って伝播する平面波によって照射される場合に、生成されるナノジェットビームのいくつかの垂直切断面及び方向を概略的に示す。それらの切断面は、空洞の断面境界の対応する点で定義される法線ベクトルの方向に対して画定される。各空洞についての対応するシミュレーションされた近傍界マップは、図13(a)乃至13(d)に示される。これらの図は、同じ高さ及び半径を有するが、正z軸方向において伝播する単位振幅平面波によって照射される断面形状が異なっている(すなわち、(a)円形、(b)正方形、(c)8の字、及び(d)長方形)中空空洞についてのxz平面(y=0)及びxy平面(z=1000nm−z)における電力密度分布を表す。xy平面におけるスポット101乃至104はナノジェットビームを識別し、それらの形状及び位置は、図12で与えられている予測とよく一致している(それらの近傍界マップは、空洞底面に対して定義される、任意に選択されたxy平面z=1000nmで計算される。)。
特に、図13(a)は、軸対称の円形空洞が発散する円錐ビームを生成することを示す。垂直(xz)平面及び水平(xy)平面における断面が夫々図13(a)の上及び下に示されている。この円錐ビームはほぼ対称であることに注目すれば、興味深い(水平なxy平面における近傍界パターンを参照。)。これは、そのような部品(又はデバイス)の偏光無依存の挙動のための証拠である。この構成において観測される場強度増強は2倍である。すなわち、FIE≒2a.u.(式(2)に従って定義される。)。
図13(b)及び13(c)は、円形状から長方形及び8の字への空洞断面Sの変形が、4つのナノジェットビーム(参照符号104)及び2つのナノジェットビーム(参照符号103)を夫々有しているマルチビーム近傍界パターンの形成を如何にして引き起こすかを示す。このビームフォーミング効果は、凸形状から平面形状へ、次いで凹形状への境界セグメントの変形に夫々関係がある。図13(b)及び13(d)で観察されるビームは、円筒(図13(a))によって生成される円錐ビームの1つと同様の放射角を有している。同時に、アジマス角に関するビームの幅は異なっている。空洞断面境界Sの凹セグメントの内角が大きければ大きいほど、ビームはますます狭く、場強度はますます高くなる。特に、図13(b)(正方形)及び13(c)(8の字)で示された2つの空洞についてのFIEは、夫々〜2.5a.u.及び〜2.8a.u.に等しい。
最後に、図13(d)は、中空長方形空洞によって生成される幅広の刀身様のナノジェットビームを示す。この例は、幅狭形状のエリアの一様な照射を必要とする特定の用途にとって興味があり得る広幅ビームを形成する可能性を証明する。
空洞の境界湾曲は、よって、ナノジェットビームの形状、位置、場強度増強を変更するツールである。
同じアプローチは、図3に表されているように、任意数の同じ又は異なるナノジェットビームを生成する対称又は非対称な断面を有するより複雑なコンポーネントを構成するために使用され得る。
しかし、図2乃至12で上述されたナノジェットフォーカシング部品(又はデバイス)は、ナノジェット部品(ナノジェットレンズ又はデバイスとも称される。)にそれらの従来の類似体(例えば、屈折及び回折マイクロレンズ)のフォーカシング機能を再現する能力を持たせるために改善される必要があるナノジェットビームの制限された場強度増強及び固定された放射角に関連したいくつかの制約を伴う。
本開示の1つの実施形態において、空洞断面境界の異なるセグメントで起こる全てのナノジェットビームが再結合して、空洞の対称の軸に置かれ且つこの軸に沿って方向付けられた(すなわち、入射平面波と比較して傾きを有さない)単一の高強度ナノジェットビームの形成に寄与するように、空洞の構成を変形することが提案される。
これを達成するために、少なくとも部分的に第1要素(例えば、図23(a)に表されるように、円筒又は立方体の形状を有する。)を有する誘電物質の少なくとも1つの層を有し、そのような第1要素が第1屈折率値を有し、そのような第1要素が少なくとも部分的に第2要素(例えば、図25に表されるように、円筒の形状又は他の形状を有する。)を有し、そのような第2要素が、第1屈折率値よりも大きい第2屈折率値を有し、第2要素が、電磁波の到来方向に対して画定された少なくとも1つのベース面を有し、該少なくとも1つのベース面が少なくとも2つの向かい合う稜線セグメントを有し(例えば、図30を参照。)、それらセグメントの形状(例えば、湾曲)及び、少なくとも1つのベース面と第2要素の側面との間の関連する底角が、少なくとも1つのベース面に対する垂直な面において、少なくとも1つの集束ビームの形状を制御する(例えば、図30を参照。)、デバイスを使用することが提案される。
少なくとも1つの集束ビームの強さは、少なくとも1つのベース面の2つの対応する稜線セグメントの長さによって定義される点が留意されるべきである。
図14(b)で概略的に示されるように、所望の効果は、円筒の内外で屈折率の値を交換することによって達成され得る。提案される管状構造の更なる利点には、空間内にレンズをセットすることに関連した問題(マイクロスフェア(図1(c))及びSCL(図1(b))の重要な欠点である。)の自然な解決法と、標準の光学材料及び確立された平面微細加工技術を用いたその可能な製造とがある。
環状ナノジェットレンズの一般的なトポロジは、図15(a)及び(b)に表されている。それは、一様な非分散誘電ホスト媒体に埋め込まれた、任意の断面を有する二重層円筒の形を有している。以降、我々は、円筒のコアが屈折率n(>n)を有し、それがホスト媒体と同じ屈折率(n=n=n)を有する材料から作られている、と仮定する。
例えば、ホスト媒体は、環状空洞が真空又は空気(n=1)で満たされている状態で、光学領域においてガラス又はプラスチックのうちの1つと同様の屈折率(例えば、n=1.49)を有してよい。
原理上は、円筒形断面境界S(コア円筒)及びS(外側円筒)は、いかねる形状も有することができる(対称又は非対称)。夫々の境界のサイズ及び形状の影響は、本明細書において後に検討される。本開示の1つの実施形態において、円筒構造体は、傾いており、及び/又は頂部が平面で切断されており、及び/又は丸みのある上面を有していてよい。
以降、我々は、z軸と平行な垂直端及びxy平面と平行な上/底面を有する円筒構造体を考える。しかし、上述されたように、任意の底角を有するいくつかの円錐及び角柱構造体も使用され得る。ベース稜線の異なるセグメントに関連した底角の変化は、異なる放射角でナノジェットビームを生じさせるために使用され得る。このオプションは、ここでは説明されないが、当業者は、本開示の教示に従ってその問題を扱うことができる。
そのような実施形態のうちの1つで、環状ナノジェットレンズは、二重層円筒の形で実装され得る。以下の解析では、我々は、そのコアがホスト媒体と同じ物質で満たされており(例えば、n=n=1.49)、外殻(空洞)が真空又は空気で満たされている(n=1)、と仮定する。
前述の仮定(すなわち、二重層円筒形状及び予め選択されたホスト媒体材料)の下で、環状ナノジェットレンズの構成は、3つのパラメータ、すなわち、z軸に沿ったその高さ(L)及び2つの円筒形層の半径(R及び、Wが環の幅であるとして、R=R+W)、によって制御される。
[焦点長さ]
第1の近似において、環状ナノジェットレンズの焦点長さは、コア半径Rと、式(3)によって定義されるナノジェットビーム放射角θとの関数として導出され得る。ナノジェット放射角が環状レンズの高さ及び半径の如何なる組み合わせについても一定のままであるという仮定の下で、環状レンズの焦点長さは:

F=R/tan(θ) (式5)

と推定され得る。ここで、Fは、レンズ底面から最大場強度を有する点までの距離である(図16(a))。
式(5)に従って、屈折率n=1.49を有するホスト媒体に埋め込まれた中空(n=1)環状ナノジェットレンズの場合に(θTIR≒42°)、焦点長さは:

F≒R/tan((90°−42°)/2)≒2.25R

と推定される。
図17から明らかなように、焦点長さの実際の値(最大場強度値を有する点の位置に基づき定義される。)及びナノジェットビームの長さは、環状空洞のサイズ及び形状に応じて変化し得る。図17(a)における4つの曲線の一群は、環寸法は一定である(R=370nm、W=500nm)が、パラメータLによって定義されるz軸に沿った高さが異なっている環状レンズについて、z軸に沿った電力密度分布を表す。焦点長さよりも小さい(又は大きい)高さを有するレンズについて、ホットスポットは、期待されるよりも近くで(遠くで)観測され、最良の一致は、焦点長さに近い高さ(L〜F)を有するレンズについて観測される。図17(a)における全ての曲線は、レンズのベース位置が全ての構成について一致するように重ね合わされている点に留意されたい。
図17(a)で見られるビーム長さの増大は、ナノジェット及びフレネル型のフォーカシングメカニズムの間の相互作用によって説明される。後者の寄与は、ナノジェットビームの形成を妨げる(ピーク電力密度のおおよそ2倍小さい値によって証明される。)空洞の不十分な高さのために顕著になる。
[入射の角度]
傾斜照射の場合に、ナノジェットビームの角度は、入射波伝播方向の傾きに比例して傾く(図18を参照。)。
[環の幅W]
環状空洞の幅は、ナノジェットビームの特性を変えることができる。特に、それは、環状ナノジェットレンズの焦点長さ及びビーム形状に作用することができる。
ナノジェットビーム形成は空洞のベース端と関連があるが、その形成に関与する有限サイズの有効口径が存在する(図14(b)の破線を参照。)。この開口は、コア円筒の外側面から両側で対応する媒体内の波長の約2分の1にまで及ぶ。よって、環状空洞の最小限の推奨される幅は、W≦λ/2と推定される。ここで、λ=λ/n
大きすぎる環も、環状空洞の全体のサイズに関連した2つの現象、すなわち、(i)環状空洞内の内部反射、及び(ii)環状空洞の上面で起こる回折波に関連したフレネル型のフォーカシング効果、のために、ナノジェットビーム形成に作用し得る。実証的解析は、W≒3λのような、幅の上限を示唆する。より大きい環について、環の寄与が支配的になり、よって、ナノジェット現象を隠し得る。しかし、(例えば、技術的ニーズのために)必要とされる場合には、環の幅は、ナノジェット現象を損なうことなしに、むしろ任意に広げられ得る(図19(a))。
更に、コア円筒の各サイズ(高さ及び半径)について、環状空洞のサイズは:
・ ホットスポットにおいて場強度を増大させ(図19)、
・ ナノジェットビームの長さを変える(図20)
ために、最適化され得る。
環状空洞の高さ及び幅に関する効果は、ナノジェットビーム現象よりも狭帯域である(図21及び22)点に留意されたい。
[ナノジェット効果及びフレネルフォーカシング効果を組み合わせることによる場強度増強]
環状ナノジェットレンズのホットスポットにおける最大場強度に対する環の幅の影響は、図19において説明される。ここで、図19(a)では、環の固定コアサイズ(L=740nm、R=370nm)及び可変な幅を有するレンズについて、z軸に沿った電力密度分布が見られる。便宜上、環の異なる幅について観察される電力密度の最大値は、ホットスポット位置とともに図19(b)においてプロットされている。対応する近傍界パターンは、図19(c)〜(f)において与えられている。明らかなように、〜40mW/mの最大電力密度は、環の幅W≒500nm(すなわち、空洞内の約1波長)について達成される。式(2)に従って、対応する場強度増強は、FIE≒20a.u.であり、これは、図5で報告されている中空円筒空洞111について観察されたものよりも10倍高い。
[ナノジェットビームの長さ]
ナノジェットビームの長さに対する環の幅の影響は、図20において説明される。ここで、レンズの小さい高さは、ナノジェットビームの有効な発生を妨げる。これは、図19で報告されているより大きいサイズのレンズと比較してずっと低い場強度によって、明らかである。このために、フレネル型フォーカシングメカニズムの寄与は、ナノジェット現象に匹敵する。結果として、z軸に沿って2つの極大を有するより長いビームが生成される。
[ナノジェット及びフレネル型ビームフォーミング効果のバンド幅]
ナノジェット及びフレネル型フォーカシングメカニズムの背後にある物理メカニズムの相違は、それら2つの現象の異なる帯域幅をもたらす。
よく知られたフレネル型フォーカシングは、環空洞の上面で起こる回折波の干渉に基づく。環上面の異なるセグメントによって生成された波の干渉は、異なる回折次数に対応する複数のホットスポット及びビームの形成をもたらすことができる。よって、それらのビームの放射方向、及びホットスポットの位置は、入射波の波長に強く依存する。反対に、ナノジェットビームは、空洞ベース稜線の各セグメントで独立して生成される。それらのために、空洞ベース稜線の異なるセグメントによって生成されたナノジェットビームの再結合の結果として環状レンズの光軸で生成されるナノジェットビームの位置及び形状は、入射波の波長にそれほど敏感でない。
両タイプのフォーカシングメカニズムの分散的挙動の相違は、図21及び22において説明される。図21において、レンズ寸法は、その挙動がフレネル型及びナノジェット現象の重ね合わせによって定義される場合に対応する(この構成は、図20(e)において検討されたものに対応する。)。このため、ナノジェットビーム長さの有意な変化は、波長に対して観測される。反対に、図22において、レンズ寸法は、ビーム形状が波長範囲全体についてうまく保たれるように、選択される(この構成は、図19(d)において検討されたものに対応する。)。そのような挙動は、ビームの形成におけるナノジェット効果の支配的な役割を証明する。
[外側環形状S
環の外側形状は、むしろ任意に選択され得る。
図23から明らかなように、環の環外側境界の形状(Sによって定義される。)の変化は、ナノジェットビームに対してほんの小さい影響しか生じさせない。例えば、円形から長方形への外側円筒断面の変形は、焦点における場強度の些細な低下(〜10%)しかもたらさず、その位置は両方の構成についてほぼ不変なままである。
より大きい影響は、環状レンズの特定の構成について、その性能がフレネル型及びナノジェット現象の相互作用によって定義される場合に期待され得る(図示せず。)。
[コアサイズR
コアサイズは、環状ナノジェットレンズの重要なパラメータである。このパラメータは、ナノジェットビーム領域におけるピーク場強度及びz軸に沿ったホットスポット位置を決定する。
コア円筒の半径は、稜線の長さ及び曲率、よって、ナノジェットレンズの全体の有効口径を定義する。縁部が長ければ長いほど、ますます多くの電力がトラップされてナノジェットビームの方へ誘導され、よって、焦点における場強度を増大させる。コア、サブストレート及びスーパーストレートが同じ材料から成る場合に(n=n=n,表記法については図15を参照されたい。)、コア円筒半径に対する場強度の線形増大が観測される(図24)。異なる材料の複数の層のスタックを有する環状レンズ構造の場合に、コア内の内部反射が現れ、ナノジェットビーム形成条件を変更し得る。屈折率比が大きければ大きいほど、且つ、コア寸法が大きければ大きいほど、内部反射の起こり得る影響はますます強くなる(すなわち、コア円筒内でサポートされ得る共振モードの数はますます多くなり、且つ、それらのモードの品質係数はますます高くなる。)。
[レンズの高さ及び半径と、ホスト媒体材料の影響との最適な組み合わせ]
コアの高さ及び半径と、ナノジェットフォーカシング効果により推定されるFIEとの間の最適な比率は、レンズコア及び空洞の材料間の屈折率比の関数である。屈折率n=1.49を有する限りないホスト媒体に埋め込まれた中空環(n=1)を備えた環状ナノジェットレンズの全波解析は、最大場強度がL/R≒2について達成されることを明らかにした(図24(a))。対応する場強度増強は、FIR〜18R/λ[a.u.]と推定される(少なくとも1/2<R/λ<2について有効。)。n=2.0の場合に、最適な比率はL/R=1.4と定義される(図24(b))。対応する場強度増強はFIE〜16R/λ[a.u.]と推定される(少なくとも1/2<R/λ<3について有効。)。
[コア形状S
コア円筒の形状は、むしろ任意に選択され、ナノジェットビームの所望の形状及びサイズを提供するために最適化され得る(図25及び26)。
環状ナノジェットレンズのコア形状の変更は、コアベース稜線の異なるセグメントに関連したナノジェットビームの部分的な寄与を変更することを可能にする。異なる形状のコアを有する環状ナノジェットレンズの実施形態のいくつかの例が、図25において表されている。中心のナノジェットビームの形に寄与するビームは、破線によって概略的に示される。各構成についての対応する電力密度分布は、図26〜28において示される。図26(a)及び26(b)から明らかなように、円形から四角形へのコア円筒断面の変形は、ホットスポットにおける電力密度の最大値に対してほんの些細な(〜10%)影響しか有さず(図27において最も良く見られる。)、一方、ホットスポットの位置及びビーム対称性は、円形及び正方形の両方の構成についてうまく保たれる(図28(a)及び28(b))。図26(c)及び26(d)から明らかなように、円形コアからより複雑な8の字及び棒状形状への変形は、非対称なビームの形成をもたらし、その形状は、コアの形状を再現する。ナノジェットビームの幅及び長さはさておき、コア形状の変形も、ナノジェットビームのホットスポットにおける最大電力密度に作用する(図27)。期待されるように、最大値は、円形コアについて観測され(その対称性のため。)、最低値は、棒状の長方形コアを有するレンズについて観測される。各構成についてのビームの断面図は、図28において示される。
図29は、本開示の1つの実施形態に従うナノジェットフォーカシング部品(又は近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス)の使用シナリオの概略図を提示する。
そのような実施形態において、280で参照される放射素子は、近傍領域又は遠方領域に位置する電磁放射(例えば、可視光)の如何なるソースであることもできる。放射素子280によって生成された電磁波は、自由空間伝播を介して、又は導波素子、例えば、光ファイバ若しくは2D光導構造体として動作するガラス板を通じて、281で参照されるナノジェットフォーカシング素子(近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイスの部分であるか、又は近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するそのようなデバイスである。)に達することができる。実際に、本開示の1つの実施形態において、ナノジェットビームの焦点が合わせられる位置で、他の第1及び第2の要素を置くことが可能である。
282で参照される受光素子は、ナノジェットフォーカシング素子281から特定の距離D≦Rmaxの範囲内に置かれなければならない。最適な距離は、焦点長さ及びナノジェットビーム形状に依存する。それは0から数波長まで変化し得る。Rmaxの値は、例えば、許容可能な場強度増強に関して定式化され得るシステム機能性のための仕様に応じて定義されるべきである。Rmaxの典型的な値は3乃至10波長と推定される。
本開示の1つの実施形態において、受光素子282は、次の要素のうちの1つであることができる:
・ 検出器、例えば、フォトダイオード(例えば、写真カメラにおける光学センサで使用されるもの)、
・ 他のフォーカシング、ビームフォーミング又は導光要素、例えば、レンズ、格子、光ファイバ、など(AR/VRメガネ、光通信、など)、
・ ターゲット、例えば、量子ドット、水又は血液溶液内のナノ粒子又は微粒子(分光法、顕微鏡法、又はラボオンチップデバイス)。
本開示の1つの実施形態において、ナノジェットフォーカシング素子281は、密封されたサブストレートの一方又は両方の面上で“空洞”を有する多層構造を有する点が留意されるべきである。いくつかの構成において、そのような構造は、受光素子及び/又は放射素子のいずれかに直接取り付けられ得る。
本開示の1つの実施形態において、放射素子280は:
・ 遠くに置かれたソースから自由空間伝播を介して又は導光システムを通じて伝来する周囲光、
・ ナノジェットコンポーネントに直接取り付けられた局所源(例えば、フォトダイオード又は光ファイバ)によって生成された光、
・ 他のフォーカシング素子によって生成された光ビーム
を扱うことができる。
一例となる実施形態において、上述された環状ナノジェットレンズは、3つの層、すなわち、(i)ガラス板、(ii)光透過性フォトレジスト又は相変化材料から作られた、せん孔開口を有する薄フィルム、及び(iii)他のガラス板、を有する多層構造の形で製造され得る点が留意されるべきである。そのような構造は、フォトリソグラフィにより製造され得る。他の実施形態では、レンズはただ2つの層しか有さなくてよい。例えば、それは、光透過性プラスチックにおいて製造され得、接着剤又は分子付着により他のプレートに取り付けられた表面上に中空空洞が刻まれている1つのプレートを有する。そのような構造は、例えば、直接レーザビーム描画法、複製、又はモールディングを介して製造され得る。この実施形態は、潜在的に、大量生産により適している。製造プロセスは、確立された微細加工法を用いて、本開示に従うデバイスの製造実現可能性を明らかにするために、単なる例として与えられている。しかし、いくつかの他の製造方法も存在し、あるいは、大量生産により適し得る。
上層(スーパーストレート)は、ナノジェットビームの生成のために絶対的に必要とされないが、それは、ナノジェットに基づくフォーカシングデバイスにとって二重の潜在的利点を提供する。
第1に、それは、光学システムの他の部品(例えば、写真カメラにおける光学センサ、又はARメガネの場合のように、誘電導波システム内の他の光導及びビームフォーミング部品)とのレンズの統合を可能にする。直接的な統合は、フォーカシングシステムの異なる部品どうしのアライメントに関する問題を回避するのに役立ち得る。
第2に、スーパーストレートは、環状レンズのコア円筒内の内部反射の励起を防ぐ。さもなければ、それは、ナノジェットビームフォーミング現象を台無しにする可能性がある。しかし、(技術的ニーズ又は設計制約のために)必要とされる場合には、スーパーストレートは、内部反射によるレンズ性能の起こり得る低下を被るものの、除去され得る。
図30は、本開示の1つの実施形態に従う第2要素の2つの異なるビューを提示する。
それらのビューは、集束ビームの形状及び向きを制御することができる第2要素に関連した少なくとも3つのパラメータ、すなわち、底面に関連した稜線セグメントの長さ及び曲率、並びに向かう合う稜線セグメントに関連した底角の値を示す。
図31は、2つの独立したナノジェットビームの形成に寄与する2対の向かい合う稜線セグメントを表しながら、本開示の1つの実施形態に従う第2要素の3Dビューを提示する。L≒Lの場合に、2つのナノジェットビームは、より複雑な形状を有する単一ビームにおいて再結合することができる(例えば、図26(c)を参照。)。L<<Lの場合に、ナノジェットビーム(2)は、要素の上面からより遠い距離で現れ、ナノジェットビーム(1)についてよりもずっと低い場強度値を有し得る。例えば、そのような状況は、λがホスト媒体(すなわち、空洞内)における波長であるとして、L>5λについて起こり得る。
図32は、入射電磁波の伝播と平行である面による(もっと正確に言えば、誘電体層の底面に対する法線入射電磁波との)、本開示に従うデバイスの部分の交差を示す。
図33(a)〜(d)は、入射電磁波の伝播と平行である面による(もっと正確に言えば、誘電体層の底面に対する法線入射電磁波との)、本開示に従うデバイスの一部の種々の結果として起こる交差を提示する。
第1要素及び第2要素のベースを通じて伝播する入射波の波面の2つの部分の干渉のおかげで発生したナノジェットビームは、集束ナノジェットビームを生じさせるように第2要素内で全て一緒に再結合する点が留意されるべきである。平面波の法線入射の場合に、対称な断面と、向かい合う稜線に関連した上記の底角の等しい値とを有するレンズについて、対称なナノジェットビームは、レンズの光軸上で、この軸に沿った向きで生成される。平面波の傾斜入射の場合に、ビームは比例的に傾いている点が留意されるべきである。
当業者は、第1要素及び第2要素の形状及びサイズを変えることによって、そして、特に、ベース稜線及び関連する底角の形状を変えることによって、ナノジェットビームの形状、位置、及び放射角を制御することができる。よって、選択されたパラメータに従ってナノジェットフォーカシングデバイスのフォーカシング及びビームフォーミング特性を制御することが可能である。
図34は、平面波によって照射される、本開示の1つの実施形態に従うデバイス(又は環状ナノジェットレンズ)によって生成されるナノジェットビームの概略図を提示し、平面波は、(a)では、z軸に沿って下から入射し、(b)では、x軸に沿って左から入射する。第1要素からの矢印はナノジェットビームを示す。図34(c)は、本開示の1つの実施形態に従う(すなわち、リング構造を有する。)デバイスが(x軸に沿って)左から照射される場合に、xz平面における電力密度分布を提示する。
平面波が左から入射する場合に、上述された第2要素の少なくとも1つのベース面は、円筒の上下の稜線の部分である少なくとも2つの稜線セグメントと共通の意味で円筒の外側面に対応する点が留意されるべきである。しかし、当業者は、共通の意味のこの変化を理解するだろう。
図35は、本開示の1つの実施形態に従うデバイスの性能を制御するために使用され得るデバイスの一例を提示する。
3500で参照されるそのようなデバイスは、3501で参照されるコンピューティングユニット(例えば、CPU;Central Processing Unit)と、3502で参照される、命令若しくはコンピュータプログラムの実行中に中間結果が一時的に記憶され得る1つ以上のメモリユニット(例えば、RAM;Random Access Memory)ブロック、又は特に、コンピュータプログラムが記憶されるROMブロック、又はEEPROM(Electrically-Erasable Programmable Read-Only Memory)ブロック、又はフラッシュブロックとを有する。コンピュータプログラムは、コンピューティングユニットによって実行され得る命令から成る。そのようなデバイス3500は、デバイス3500が他のデバイスと通信することを可能にするための入出力インターフェイスを構成する、3503で参照される専用のユニットを更に有することができる。特に、この専用ユニット3503は、アンテナと(無接触で通信を実行するため。)、光源/受光ユニット(例えば、放射素子280若しくは受光素子282、又はフォトダイオード、光ファイバ、検出器、例えば、フォトダイオード、など)と、又はシリアルポート(通信“コンタクト”を実行するため。)と接続され得る。図35における矢印は、リンクされたユニットが、例えば、バスを通じて、データを交換することができることを表す点が留意されるべきである。
代替の実施形態では、上記の方法のステップのうちの一部又は全ては、ハードウェアにおいて、あるいは、プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)コンポーネント又はASIC(Application-Specific Integrated Circuit)コンポーネントにおいて実装され得る。
代替の実施形態では、上記の方法のステップのうちの一部又は全ては、ハードウェアにおいて、あるいは、プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)コンポーネント又はASIC(Application-Specific Integrated Circuit)コンポーネントにおいて実装され得る。
上記の実施形態に加えて、以下の付記を開示する。
(付記1)
デバイスに入射する電磁波から近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成する前記デバイスであって、
少なくとも部分的に第1要素を有する誘電物質の少なくとも1つの層を有し、前記第1要素は、第1屈折率値を有し、前記第1要素は、少なくとも部分的に第2要素を有し、前該第2要素は、前記第1屈折率値よりも大きい第2屈折率値を有し、
前記少なくとも1つの集束ビームは、前記第1要素から、前記第2要素への方向において生成されたビームの結合から得られ、
前記少なくとも1つの集束ビームは、前記入射電磁波の伝播方向と比べて傾いている、
ことを特徴とするデバイス。
(付記2)
前記第2要素は、前記電磁波の到来方向に対して画定された少なくとも1つのベース面を有し、該少なくとも1つのベース面は、少なくとも2つの向かい合う稜線を有し、各稜線は、形状及び、前記少なくとも1つのベース面と前記第2要素の側面との間の関連する底角が、前記少なくとも1つのベース面に対する垂直面において、前記少なくとも1つの集束ビームの形状を制御する線である、
付記1に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
(付記3)
前記第2要素は、
円筒、
角柱、
錐体
を含むグループに属する幾何学形状を有することを目標とされ、
前記幾何学形状は、任意の断面を有する、
付記1又は2に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
(付記4)
前記幾何学形状は、傾いており、及び/又は頂部が平面で切断されており、及び/又は丸みのある上面を有する、
付記3に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
(付記5)
前記少なくとも2つの向かい合う稜線の間の距離は、λ が前記第2要素の物質内の前記電磁波の波長であるとして、少なくともλ /2の最小長さを有する、
付記2乃至4のうちいずれか一つに記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
(付記6)
夫々の線は、λ が前記第2要素の物質内の前記電磁波の波長であるとして、少なくともλ の長さを有する、
付記2乃至5のうちいずれか一つに記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
(付記7)
前記誘電物質は、前記第2屈折率値に等しい第3屈折率値を有する、
付記1乃至6のうちいずれか一つに記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
(付記8)
前記第1要素は、前記電磁波の到来方向に対して画定された少なくとも1つの第1ベース面と、前記誘電物質の少なくとも1つの層と接続された第1側面とを有し、
前記少なくとも1つのベース面の縁部の稜線の夫々と前記第1側面との間の最小距離は、前記第1要素内の前記電磁波の少なくとも2分の1波長に等しい、
付記2乃至7のうちいずれか一つに記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
(付記9)
前記第1要素は、
円筒、
角柱、
錐体
を含むグループに属する幾何学形状を有することを目標とされ、
前記第1要素の幾何学形状は、任意の断面を有する、
付記1乃至8のうちいずれか一つに記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
(付記10)
前記誘電物質の層と当接するサブストレートを形成する少なくとも1つの層を更に有する、
付記1乃至9のうちいずれか一つに記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
(付記11)
スーパーストレートを形成する少なくとも1つの層を更に有し、
前記誘電物質の少なくとも1つの層は、前記サブストレートと前記スーパーストレートとの間にある、
付記10に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
(付記12)
前記サブストレート及び前記スーパーストレートは、前記誘電物質の少なくとも1つの層と同じ誘電物質から作られる、
付記11に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
(付記13)
夫々の誘電物質は、
ガラス、
プラスチック、
ポリマー材料
を含むグループに属する、
付記1乃至12のうちいずれか一つに記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
(付記14)
前記スーパーストレートの材料は、
ガラス、
プラスチック、
ポリマー材料、
液体、
気体
を含むグループに属する、
付記1乃至13のうちいずれか一つに記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
(付記15)
前記第1要素は、前記誘電物質の少なくとも1つの層において形成された空洞である、
付記1乃至14のうちいずれか一つに記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
(付記16)
前記スーパーストレートが気体又は液体である場合に、前記空洞は、同じ気体又は液体で満たされる、
付記11及び15に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
(付記17)
前記第1要素のサイズは、前記少なくとも1つの集束ビームの形状を更に制御する、
付記1乃至16のうちいずれか一つに記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。

Claims (17)

  1. デバイスに入射する電磁波から近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成する前記デバイスであって、
    少なくとも部分的に第1要素を有する誘電物質の少なくとも1つの層を有し、前記第1要素は、第1屈折率値を有し、前記第1要素は、少なくとも部分的に第2要素を有し、前該第2要素は、前記第1屈折率値よりも大きい第2屈折率値を有し、
    前記少なくとも1つの集束ビームは、前記第1要素から、前記第2要素への方向において生成されたビームの結合から得られ、
    前記少なくとも1つの集束ビームは、前記入射電磁波の伝播方向と比べて傾いている、
    ことを特徴とするデバイス。
  2. 前記第2要素は、前記電磁波の到来方向に対して画定された少なくとも1つのベース面を有し、該少なくとも1つのベース面は、少なくとも2つの向かい合う稜線を有し、各稜線は、形状及び、前記少なくとも1つのベース面と前記第2要素の側面との間の関連する底角が、前記少なくとも1つのベース面に対する垂直面において、前記少なくとも1つの集束ビームの形状を制御する線である、
    請求項1に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
  3. 前記第2要素は、
    円筒、
    角柱、
    錐体
    を含むグループに属する幾何学形状を有することを目標とされ、
    前記幾何学形状は、任意の断面を有する、
    請求項1又は2に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
  4. 前記幾何学形状は、傾いており、及び/又は頂部が平面で切断されており、及び/又は丸みのある上面を有する、
    請求項3に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
  5. 前記少なくとも2つの向かい合う稜線の間の距離は、λが前記第2要素の物質内の前記電磁波の波長であるとして、少なくともλ/2の最小長さを有する、
    請求項2乃至4のうちいずれか一項に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
  6. 夫々の線は、λが前記第2要素の物質内の前記電磁波の波長であるとして、少なくともλの長さを有する、
    請求項2乃至5のうちいずれか一項に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
  7. 前記誘電物質は、前記第2屈折率値に等しい第3屈折率値を有する、
    請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
  8. 前記第1要素は、前記電磁波の到来方向に対して画定された少なくとも1つの第1ベース面と、前記誘電物質の少なくとも1つの層と接続された第1側面とを有し、
    前記少なくとも1つのベース面の縁部の稜線の夫々と前記第1側面との間の最小距離は、前記第1要素内の前記電磁波の少なくとも2分の1波長に等しい、
    請求項2乃至7のうちいずれか一項に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
  9. 前記第1要素は、
    円筒、
    角柱、
    錐体
    を含むグループに属する幾何学形状を有することを目標とされ、
    前記第1要素の幾何学形状は、任意の断面を有する、
    請求項1乃至8のうちいずれか一項に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
  10. 前記誘電物質の層と当接するサブストレートを形成する少なくとも1つの層を更に有する、
    請求項1乃至9のうちいずれか一項に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
  11. スーパーストレートを形成する少なくとも1つの層を更に有し、
    前記誘電物質の少なくとも1つの層は、前記サブストレートと前記スーパーストレートとの間にある、
    請求項10に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
  12. 前記サブストレート及び前記スーパーストレートは、前記誘電物質の少なくとも1つの層と同じ誘電物質から作られる、
    請求項11に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
  13. 夫々の誘電物質は、
    ガラス、
    プラスチック、
    ポリマー材料
    を含むグループに属する、
    請求項1乃至12のうちいずれか一項に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
  14. 前記スーパーストレートの材料は、
    ガラス、
    プラスチック、
    ポリマー材料、
    液体、
    気体
    を含むグループに属する、
    請求項1乃至13のうちいずれか一項に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
  15. 前記第1要素は、前記誘電物質の少なくとも1つの層において形成された空洞である、
    請求項1乃至14のうちいずれか一項に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
  16. 前記スーパーストレートが気体又は液体である場合に、前記空洞は、同じ気体又は液体で満たされる、
    請求項11及び15に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
  17. 前記第1要素のサイズは、前記少なくとも1つの集束ビームの形状を更に制御する、
    請求項1乃至16のうちいずれか一項に記載の、近距離領域内で少なくとも1つの集束ビームを形成するデバイス。
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