JP2019509432A - 複雑形状の鍛造されたピストンのオイル空洞 - Google Patents

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Abstract

冷却空洞および複雑な燃焼表面を含む内燃機関用のピストンが提供される。ピストンは、たとえばハイブリッド誘導溶接によって下部材に接合される上部クラウン部材を含む。複雑な燃焼ボウルは、鍛造によって上部クラウン部材に形成される。燃焼ボウルは、少なくとも1つの突出部、典型的には互いに離間される複数の突出部を含む。鍛造するステップの後、接合するステップの前に、突出部間の空間の反対側に位置する下方クラウン表面の部分が加工され、突出部に正反対に位置する部分は鍛造されたままで残される。クラウン部材は、たとえばハイブリッド溶接によって、下部材に接合される。

Description

関連出願の相互参照
この出願は、2016年3月23日に提出された米国特許出願第15/078,813号の利益を主張し、参照により内容全体がここに組み込まれる。
技術分野
本発明は、概して、内燃機関、特にディーゼルエンジン用のピストンに、より特定的にはオイル空洞を有するピストンに関する。
背景
特にディーゼルエンジンに関する内燃機関用途において、冷却オイルのための閉じられた空洞を有して形成される本体を備えるピストンを提供することが知られている。オイルは、空洞を通って循環し、燃焼の熱からのダメージに敏感であるピストンの部分を冷却する。ピストンの燃焼ボウルの周りの外側リムは、過熱されたとき特にダメージに対して敏感である。
冷却空洞は、概ね環状または一定の断面を有するリング形状であり、ピストンリングベルトの内部にかつ頂部壁およびピストン本体の外側リムに隣接して設けられる。空洞は、燃焼ボウルに隣接した内壁によって画定されている。オイル空洞は、開かれているか、閉じられているかのいずれかであり得る。閉じられている場合、空洞チャネルは底壁によって底部において閉じられている。閉じられた空洞のために、注入口が冷却オイルを空洞の中へ受容するために底壁に設けられてもよく、または冷却オイルは他の手段によって空洞に供給されてもよい。
慣例的には、ディーゼルエンジンの燃焼ボウルは、環状の対称形状を有し、外側リムから凹んだ中央部分までの滑らかな途切れない表面を有する。しかしながら、今日では、新たなボウルは、非慣例的または複雑な形状を有して設計される。燃料をより効率的にかつ望ましくない排出物をより少なくして燃焼させるために、これらの非慣例的な形状が利用されることが理解される。しかしながら、複雑なボウル形状は、従来のピストン空洞でのボウルおよび外側リムの冷却をより困難にする。旋削動作による従来の加工は、複雑な形状の燃焼ボウルと類似のまたは対応する複雑な形状を有するオイル空洞を提供しないだろう。
燃焼ボウルとオイル空洞との間の構造の相違が、大幅に異なる厚さを有する壁、またはオイル空洞の中で循環されるオイルによって適切に冷却されないほど厚い壁を作り出す場合、材料が過熱し得る場所に、ピストンの「ホットスポット」が生じることがある。ホットスポット領域は、材料が割れたり欠けたりすることがあるピストンにおける脆弱な場所を作り出し得る。ピストンが欠けた場合、これが多額の支出、場合によっては新しい車両用のエンジンの原因を生じさせるエンジン不良を生み出し得る。
本発明の概要
本発明の1つの局面は、過熱の問題を低減するために、複雑な燃焼ボウル設計を有して形成される内燃機関用のピストンを提供する。ピストンは、外側リムから垂下するリングベルトの上部分と、リングベルトの反対側に外側リムから内側に垂下する燃焼ボウルとを含む。燃焼ボウルは、少なくとも1つの突出部、典型的には中心軸の周りに周方向に互いに離間される複数の突出部を含む。ピストンの下部材は、リングベルトの上部分に接合されるリングベルトの下部分を含む。下部材は、リングベルトから垂下する側壁も含み、側壁は、ピンボアを提示するピンボスによって互いに離間される。
本発明の別の局面は、ピストンを製造する方法を提供する。当該方法は、中心軸の周りに周方向に延在する外側リムと、外側リムから内側に垂下する燃焼ボウルと、燃焼ボウルの反対側に外側リムから垂下するリングベルトの上部分とを含む上部クラウン部材を提供することを含む。燃焼ボウルは、少なくとも1つの突出部を含む。当該方法は、リングベルトの下部分と、リングベルトから垂下する側壁とを含む下部材を提供することをさらに含み、側壁は、ピンボアを提示するピンボスによって互いに離間される。当該方法は、リングベルトの下部分をリングベルトの上部分に結合することを含む。
本発明のこれらのおよび他の特徴ならびに利点は、以下の詳細な説明および添付の図面と結び付けて考慮されたとき、より容易に理解されるであろう。
1つの例示の実施形態に係る閉じられたオイル空洞を有するピストンを示す図である。 複雑な燃焼ボウルの例を模式的に示す図である。 複雑な燃焼ボウルの例を模式的に示す図である。 複雑な燃焼ボウルの例を模式的に示す図である。 燃焼ボウルの代表的な複雑形状を表すピストンクラウンの模式的な平面図である。 線4−4に沿ったかつ矢印の方向における、図1に示されるようなピストンクラウンの断面を示す図である。 オイル空洞の少なくとも1つの表面の機械旋削の結果として生じる、図4に類似のピストンクラウンの別の断面を示す図である。 本発明に従ったシステムの実施形態および方法のフローチャートである。 別の例示の実施形態に係る複雑形状を有する燃焼ボウルを含むピストンの斜視図である。 下部材に接合する前の、図7のピストンの上部クラウン部材の断面を示す図である。 上部クラウン部材を下部材に接合した後の、図7のピストンの断面図である。 図7のピストンを形成するために用いられる例示の方法のフローチャートである。
詳細な説明
図1には、燃焼ボウルが複雑形状を有する場合に本発明が利用され得る代表的なピストン100が示される。ピストン100は、ピストンクラウン部材10と、側壁104およびピンボス106を含む下部材102とを含む。ピストンクラウン10および下部材102は、好ましくは摩擦溶接によって、ともに固定的に取り付けられて完全なピストン100を形成する。
ピストン100は、ピストン、好ましくは上面、燃焼ボウル、および外側リムの温度を許容可能な温度制限内に維持するためにオイルが循環する、オイル空洞を有する。オイル空洞は、クラウン部材10に配置されるオイル空洞チャネル105を含む。オイル空洞は、技術分野において周知であるように、開かれているか、閉じられているかのいずれかであり得る。閉じられている場合、オイル空洞の底壁は、典型的には下部材102の一部として含まれる。
図3には、代用的な複雑な燃焼ボウル12を有するピストンクラウン部材10が表される。ボウル12の形状は、本質的に、4つの側部15,16,17,および18を有する四角形である。示される形状では、側部は、丸みを帯びた角部21,22,23,および24を有して真っ直ぐである。
燃焼ボウルの形状および側部15〜18の直線性は複雑な燃焼ボウルの単なる一例であることが理解されるべきである。本発明に従えば、燃焼ボウルは、任意の外周形状または内部形状を、任意の側部または側部分の数で有してもよい。側部および内面も、たとえば示されるように真っ直ぐである、または湾曲している、またはアーチ状である任意の形状を有してもよく、真っ直ぐである、湾曲している、もしくはアーチ状である、または突起、突出部、凹部、リブなどを有するセクションもしくは部分を有してもよい。加えて、角部21〜24、または側部分間の交点もしくは接合部が任意の形状を有してもよく、ボウルの中へ突出し、またはそこから凹んでいてもよい。
ピストンボウルの形状は、図2Aに示されるようにその外周全体において複雑であってもよく、図2Bに示されるようにボウルの径方向内側の領域において複雑であってもよく、または図2Cに示されるように外周および内側領域の両方に関して複雑であってもよい。図2A、図2Bおよび図2Cは、複雑形状の燃焼ボウルのこれらの3つの一般的なタイプの代表である。本発明は、このような複雑形状を有する燃焼ボウルを収容することができるオイル空洞およびオイル空洞チャネルを提供する。
ピストンクラウンおよびピストン全体は、鋼鉄材料で作製される。ピストンクラウン10の形状は、鍛造プロセスによって形成される。
本発明の例示の実施形態に従えば、ピストンクラウンにおけるオイル空洞チャネルは、燃焼ボウルまたはその部分と同様のプロセスによって作製される。示される実施系形態では、オイル空洞チャネルは、鍛造プロセスによって、続いて加工プロセスによって作製される。
例示の実施形態に従えば、燃焼ボウルを形成するための鍛造型およびオイル空洞チャネルを形成するための鍛造型は、対応する形状を有する。2つの型は、互いに対応する、類似の真っ直ぐなセクションおよび類似の湾曲したセクションを有する。
図4には、鍛造プロセス後のピストンクラウン10の断面が示される。鍛造プロセスは、必ずしも周方向に均一な幅「W」または均一な深さ「D」を有する必要はない環状溝30を形成する。溝30の幅は、燃焼ボウルの側部がピストンクラウンの外側面から最も遠くにある部分で、より大きくなる。これらの領域は、図3に符号40によって示される。同様に、溝30が最も狭い領域は、角部または側部分間の交点にある。
鍛造によって作製される溝30の深さDは、鍛造プロセスで用いられる型に依拠する。鍛造型が鋼鉄のクラウン部材に入り、それらが交換または修復を必要とする前に依然として繰り返し用いられ得る深さに対して、実用限界が存在する。
本発明の例示の実施形態に従うオイル空洞を形成することにおけるその後のステップとして、オイル空洞の形状は、図5に示される形状に加工される。加工プロセスにおける1つのステップでは、部材50によって示される加工工具が、鍛造プロセスによって形成されたオイル空洞30の中へ挿入され(矢印52の方向に)、オイル空洞チャネルの外面を仕上げ、ボウルの周り全体に環状溝60を形成するために用いられる。この機械旋削は、オイル空洞チャネルをピストンクラウンの上部リーチの中へ(頂部リング溝の付近かつピストンの頂面または外側リム80に隣接して)延ばす。完全に加工された溝60は、鍛造プロセスで作製された最初のチャネル30の上方に延在する。
「機械旋削」または単に「旋削」とは、加工対象物が旋盤上などを回転する間に切削工具、典型的には非回転工具ビットが直線状に移動する加工プロセスである。「機械旋削」は、加工対象物の内面または外面のいずれかの上におけるこのような切削または仕上げ動作を意味し得る。その上のオイル空洞チャネルの表面の一部を加工する際、機械旋削は、内面を仕上げるまたは形成する。
機械旋削プロセスは、表面31などのオイル空洞チャネル30の内面の一部を加工し仕上げるためにも用いられ得る。燃焼ボウルの複雑形状に合わせるためのオイル空洞の複雑形状によって、複数の突起または凹部が、鍛造プロセスにおいて鍛造型によって内部空洞表面上に形成され得る。加工プロセスにおいて用いられる旋削手順によって、凹部および突起間の領域は、このステップで仕上げらずに(すなわち、加工されずに)残される。図5における内側空洞チャネル表面32および33は、鍛造後、仕上げられず、それらの元の状態のままである。
図3には、仕上げられた環状溝60の外周が隠線60’によって示される。加えて、複雑形状のオイル空洞の内側の仕上げ表面(表面31など)が隠線30’によって示される。図5には、仕上げられずに残される領域(たとえば、凹部)が参照符号32および33によって示される。図4に示される形状30を有するオイル空洞チャネルが鍛造型によって形成され得る。
典型的な鍛造動作では、ピストンクラウン部材10の下部材におけるオイル空洞チャネルは、別の鍛造型がピストンクラウン部材の上面または上側に複雑形状の燃焼ボウルを形成しているのと同時に、形成されるであろう。
本発明のプロセスは、複雑形状の燃焼ボウルの外周形状と類似のまたは実質的に同一の周内側形状を有するピストンのための環状オイル空洞を提供する。これは、オイル空洞と燃焼ボウル12との間の壁領域70の厚さを最小化し、燃焼ボウルの外側の周りの壁厚さを均一にする。鍛造プロセスおよび加工プロセスの実用限界によって、すべての壁の厚さが燃焼ボウルの周囲の周りで完全に同一ではないであろう。しかしながら、本発明は、壁厚70をオイル空洞全体にわたってできるだけ薄く均一にする。これは、ピストンが仕上げられるときにオイル空洞に導入されるオイルがボウル壁表面および外側リム80の温度を適切な限度内に維持することを可能にし、有害なホットスポットを回避する。
本発明では、ホットスポットを生み出し得る厚い壁セクションが最小化または省略される。過熱するピストンの領域(「ホットスポット」とも呼ばれる)は、割れるまたは欠けることがある弱いスポットを作り出し得る。この態様でのピストンの故障は、費用のかかる修繕、場合によってはエンジンの交換につながることがある。
壁が均一な厚さを有し比較的薄いとき、ピストンのための好ましい冷却が提供され得る。より薄い壁を有するピストンは、エンジン上にあまり歪みを与えない、より小さい重量も有する。これは、より良好な燃費およびより少ない有害排出物をもたらす。
図6は、ピストンクラウンの複雑な燃焼ボウルの形状に形状が対応するピストンクラウンのオイル空洞チャネルを形成する例示の方法のフローチャート108を提示する。まず、ピストンクラウン部材は、鋼鉄材料110で作製される。これは、任意の好都合な製造手順によって行われ得る。
その後、複雑形状の燃焼ボウルは、ピストンクラウン部材112の頂部または上部の表面に形成される。このステップは、鋼鉄の鍛造プロセスによって形成される。
同時にまたはその後、燃焼ボウルの形状に類似であるまたは対応する形状を有するピストンクラウン部材の下面または下側部に、オイル空洞チャネル30が形成される。これは、ボックス114に示される。このステップは、また、鍛造プロセスによって、好ましくはボウルを鍛造するのと同時に行われる。
最終的には、ピストンクラウン部材のオイル空洞チャネルが、その大きさを拡張し、それをピストンクラウン部材の外側リム80および燃焼ボウルにより近づけるために、仕上げ加工される。このステップでは、環状溝60が切削工具によって形成され、機械旋削作業によって仕上げられ得る空洞チャネルの他の表面(すなわち、凹部および突起間の領域以外)が所望のとおりに仕上げられ得る。
図7〜9には、複雑な燃焼ボウル212を有する別の例示のピストン200が概して示される。例示のピストン210のクラウン部材210は、鍛造によって製造されて複雑な燃焼ボウル212を作り出す。クラウン部材210は、中心軸の周りに周方向に延在する外側リム280を含む。燃焼ボウル212は、外側リム280から内側に垂下し、外側リム280から内側に延在する少なくとも1つの突出部226を含む。図7〜図9のこの例示の実施形態では、燃焼ボウル212は、互いに対向して配置される一対の突出部226を含む。代替的には、ピストン200は、外側リム280に沿って周方向に互いに離間される、より多くの数の突出部226、たとえば4個、5〜8個、または最大10個の突出部226を含んでもよい。例示の実施形態では、突出部226は大きさが等しく、突出部226は等距離で互いに離間され、各突出部226は外側リム280から燃焼ボウル212の基部まで延在する。しかしながら、突出部226は、異なる大きさおよび形状を備えてもよく、等しくない距離で離間されてもよい。図7〜図9の例示の実施形態では、燃焼ボウル212の基部は、突出部226から上方向に延在して中心軸に頂点を形成する。しかしながら、燃焼ボウル212は、他の形状を備えてもよい。この例示の実施形態の突出部226は、外側リム280と燃焼ボウル212の基部との間に鋭点も提示し、突出部226間の空間は凹状面を提示する。
クラウン部材210は、燃焼ボウル212の反対側に面する下方クラウン表面231をさらに含む。突出部226の反対側に位置する下方クラウン表面231の部分は鍛造されたままの状態で残されており、突出部226間の空間の反対側に位置する下方クラウン表面231の部分は加工される。加工された部分は、最終的にオイル冷却空洞230の一部を形成するであろう部分である。複数のリング溝を含むリングベルト228の上部分が、燃焼ボウル212の反対側に外側リム280から垂下する。内側リブ238の上部分は、下方クラウン表面231から下方向にかつ中心軸に沿って周方向に延在する。図8は、クラウン部材210を下部材202に接合する前のクラウン部材210の断面である。
図7〜図9の例示のピストン200の下部材202は、複数のリング溝を提示しリングベルト228の上部分に接合されるリングベルト228の下部分を含む。ピストン200の下部材202は、内側リブ238の上部分に接合される内側リブの下部分も含む。例示の実施形態では、クラウン部材210を下部材202に接合するために、ハイブリッド誘導溶接が用いられる。図9は、接合ステップ後のクラウン部材210および下部材202の断面である。しかしながら、たとえば摩擦溶接、レーザ溶接、別の溶接技術、または接着など、他の接合法が用いられてもよい。下部材202は、リングベルト228から内側リブ238まで延在する下壁242も含む。リングベルト228、下壁242、内側リブ238、および下方クラウン表面231はともに、ピストン200の中心軸の周りに周方向に延在するそれらの間の冷却空洞230を形成する。ピストン200の下部材202は、リングベルト228から垂下する側壁204も含み、側壁204は、間にあるピンボス206によって互いに離間される。各ピンボス206は、ピンボア244を有して形成される。
本発明の別の局面は、図7〜図9に示される例示のピストン200を製造する方法を提供する。図10は、例示の実施形態に係るピストン200を製造する一般的なステップを列挙するフローチャートである。この例示の実施形態では、当該方法は、鋼鉄などの金属材料を鍛造して上部クラウン部材210を形成することによって始まる。鍛造ステップは、少なくとも1つの突出部226または外側リム280に沿って周方向に互いに離間される複数の突出部226を含む外側リム280および燃焼ボウル212を形成することを含む。上部クラウン部材210は、また、燃焼ボウル212の反対側に外側リム280から垂下するリングベルト228の上部分を含むために、鍛造される。例示の実施形態によれば、鍛造ステップは、950℃より高い温度での熱間鍛造、または750〜950℃の範囲にある温度での温間鍛造のいずれかを含む。例示の実施形態によれば、鍛造ステップの間に複雑な燃焼ボウル212を形成した後には、燃焼ボウル212のさらなる加工は行われない。しかしながら、外側リム280は部分的に加工され、燃焼ボウル212は、燃焼ボウル212のいくつかの領域において任意に加工されてもよい。下部材202は、鍛造、鋳造、または別の方法によって形成され得る。
当該方法は、クラウン部材210を下部材202に接合する前に、鍛造されたクラウン部材210の燃焼ボウル212の反対側に位置する下方クラウン表面231の一部を加工することをさらに含む。例示の実施形態では、当該方法は、オイル冷却空洞230を形成するであろう下方クラウン表面231の部分の部分的な加工を含んでもよい。また、例示の実施形態によれば、下方クラウン表面231の加工された部分は、突出部226間の空間の反対側に位置する。突出部226の反対側に位置する下方クラウン表面231の部分は、鍛造されたままで加工されずに残される。当該方法は、ピストン200の周囲に環状溝260を加工することも含んでもよい。図9に示されるように、加工された環状溝260は、リングベルト228に隣接して位置する。
加工ステップの後、当該方法は、上部クラウン部材210を下部材202に接合することを含む。接合ステップは、内側リブ238の下部分を内側リブ238の上部分に接合することと、リングベルト228の上部分をリングベルト228の下部分に接合することと、したがって内側リブ238とリングベルト228と下壁242と下方クラウン表面231との間に冷却空洞230を形成することとを含む。
例示の方法は、上部クラウン部材210を下部材202に接合するために、ハイブリッド誘導溶接を含む。ハイブリッド誘導溶接技術は、誘導によって部材202,210を加熱することと、接合の直後に部材202,210を中心軸を中心として互いに対して360°未満で回転することとを含む。ハイブリッド誘導溶接ステップの終わりには、ピンボア224に対して特定の位置に、少なくとも1つの突出部226または複数の突出部226が配置される。しかしながら、クラウンを下部材に接合する方法は、代替的に、摩擦溶接もしくはレーザ溶接、または接着などの別の溶接技術を含んでもよい。
本発明は例示の実施形態に関して記載されているが、変形および修正が以下の請求項の全範囲内でなされ得るため、そのように限定されるべきではないということも理解されるべきである。
すべての請求項のおよびすべての実施形態のすべての構成は、そのような組み合わせが互いに矛盾しない限り、互いに組み合わせられ得ることが理解される。

Claims (20)

  1. ピストンであって、
    中心軸の周りに周方向に延在する外側リムと、前記外側リムから垂下するリングベルトの上部分と、前記リングベルトの反対側に前記外側リムから内側に垂下する燃焼ボウルとを含む上部クラウン部材を備え、前記燃焼ボウルは、少なくとも1つの突出部を含み、前記ピストンはさらに、
    前記リングベルトの下部分と、前記リングベルトから垂下する側壁とを含む下部材を備え、前記側壁は、ピンボアを提示するピンボスによって互いに離間されており、前記リングベルトの前記下部分は、前記リングベルトの前記上部分に接合されている、ピストン。
  2. 中心軸の周りに周方向に互いに離間される複数の突出部を含む、請求項1に記載のピストン。
  3. 前記上部クラウン部材は、前記燃焼表面の反対側の下方クラウン表面を含み、前記突出部の反対側に位置する前記下方クラウン表面の部分は、鍛造されたままの状態のままで残されており、前記突出部間の空間の反対側に位置する前記下方クラウン表面の部分は、加工される、請求項2に記載のピストン。
  4. 前記突出部は、大きさが等しく、等距離で互いに離間されている、請求項2に記載のピストン。
  5. 隣接する突出部間の各空間は、凹状面を提示する、請求項4に記載のピストン。
  6. 各突出部は、前記外側リムから前記燃焼ボウルの基部まで延在し、前記燃焼ボウルの前記基部は、少なくとも1つの突出部から上方向に延在して前記ピストンの前記中心軸に頂点を形成する、請求項1に記載のピストン。
  7. 前記上部クラウン部材は、前記燃焼表面の反対側に面する下方クラウン表面を含み、前記上部クラウン部材は、前記下方クラウン表面から、前記中心軸の周りに周方向に延在する内側リブの上部分を含み、前記下部材は、前記内側リブの前記上部分に接合される前記内側リブの下部分を含み、前記下部材は、前記リングベルトの前記下部分から前記内側リブの前記下部分まで延在する下壁を含み、前記内側リブおよび前記リングベルトおよび前記下壁および前記下方クラウン表面は、それらの間に冷却空洞を規定する、請求項1に記載のピストン。
  8. 前記上部クラウン部材は、前記中心軸の周りに周方向に、互いに離間される複数の突出部を含み、
    前記突出部は、大きさが等しく、等距離で互いに離間されており、
    各突出部は、前記外側リムから前記燃焼ボウルの基部まで延在し、
    前記燃焼ボウルの前記基部は、前記突出部から上方向に延在して前記中心軸に頂点を形成し、
    前記突出部間の各空間は、凹状面を提示し、
    前記突出部の反対側に位置する前記下方クラウン表面の部分は、鍛造されたままの状態で残されており、
    前記突出部間の前記空間の反対側に位置する前記下方クラウン表面の部分は、加工されている、請求項7に記載のピストン。
  9. ピストンを製造する方法であって、
    中心軸の周りに周方向に延在する外側リムと、前記外側リムから内側に垂下する燃焼ボウルと、前記燃焼ボウルの反対側に前記外側リムから垂下するリングベルトの上部分とを含む上部クラウン部材を提供するステップを備え、前記燃焼ボウルは、少なくとも1つの突出部を含み、前記方法はさらに、
    前記リングベルトの下部分と、前記リングベルトから垂下する側壁とを含む下部材を提供するステップを備え、前記側壁は、ピンボアを提示するピンボスによって互いに離間され、前記方法はさらに、
    前記リングベルトの前記下部分を前記リングベルトの前記上部分に接合するステップを備える、方法。
  10. 前記上部クラウン部材を提供するステップは、材料の片を鍛造することと、前記鍛造するステップの間に前記少なくとも1つの突出部を有する前記燃焼ボウルを形成することとを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記鍛造するステップは、950℃より高い温度での熱間鍛造、または750〜950℃の範囲にある温度での温間鍛造を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記鍛造するステップは、中心軸の周りに周方向に、互いに離間される複数の突出部を形成することを含む、請求項10に記載の方法。
  13. 前記上部クラウンは、下方クラウン表面を含み、前記突出部間の空間の反対側に位置する前記下方クラウン表面の部分を加工するステップを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記突出部の反対側に位置する前記下方クラウン表面の部分を、鍛造されたままかつ加工されない状態で残すことを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記下方クラウン表面に沿った、前記ピストンの周りに延在する環状溝を加工することを含み、加工された前記環状溝は、鍛造されたままの部分と前記リングベルトとの間に位置する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記鍛造するステップの後、前記燃焼ボウルの加工が行われない、請求項9に記載の方法。
  17. 前記接合するステップは、溶接または接着を含む、請求項9に記載の方法。
  18. 前記接合するステップは、ハイブリッド誘導溶接を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記上部クラウン部材は、前記燃焼表面の反対側に面する下方クラウン表面を含み、前記上部クラウン部材は、前記下方クラウン表面から、前記中心軸の周りに周方向に延在する内側リブの上部分を含み、前記下部材は、前記内側リブの下部分を含み、前記下部材は、前記リングベルトの前記下部分から前記内側リブの前記下部分まで延在する下壁を含み、
    前記接合するステップは、前記内側リブの前記下部分を前記内側リブの前記上部分に接合することと、前記内側リブと前記リングベルトと前記下壁と前記下方クラウン表面との間に冷却空洞を形成することとを含む、請求項9に記載の方法。
  20. 前記上部クラウン部材を提供するステップは、材料の片を鍛造することと、前記鍛造するステップの間に複数の前記突出部を有する前記燃焼ボウルを形成することとを含み、前記突出部は、中心軸の周りに周方向に互いに離間され、
    前記鍛造するステップは、950℃より高い温度での熱間鍛造、または750〜950℃の範囲にある温度での温間鍛造を含み、
    前記接合するステップは、ハイブリッド誘導溶接を含み、
    前記接合するステップの前に、前記突出部間の空間の反対側に位置する前記下方クラウン表面の部分を加工するステップと、
    前記接合するステップの前に、前記下方クラウン表面に沿って前記ピストンの周りに延在する環状溝を加工するステップとをさらに備え、加工された前記環状溝は、鍛造された部分と前記リングベルトとの間に位置し、前記方法は、
    前記突出部の反対側に位置する前記下方クラウン表面の部分を鍛造されたままかつ加工されていない状態で残すステップをさらに備える、請求項19に記載の方法。
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